367 :
異邦人さん:
ソウルに出張すると、ホテル近くのなじみの床屋に、時折、通っていましたが、
「地方周りもいいものだ」 という話を小耳にはさみ、
深く考えもせず、韓国鐵道KTXで遠路、慶尚北道テグ(大邱)に向かいました。
駅を出て、通りを進み、最初に目に入った床屋に入りました。
アガシが三、四人いて、物憂げに椅子にかけたり、ソファーにもたれたりしていました。
そっけない態度に、立ちすくんでいると、
一番手前にいた大柄なアガシに、むんずと手をとられ、ひきずるように小部屋に連れていかれました。
内側から鍵をかけて、明りをうす暗くし、アガシはするっと裸になりました。
怖じ気づいて、尻込みする私を、腋毛がぼうぼう生えた腕で羽交い締めにし、
抵抗する間もなく服をはぎとって、有無を言わせず、せまいベッドに押し倒しました。
アガシは私にまたがって腰を激しく打ちつけ、あるいは下になって、リズムをゆるめないよう私を叱咤し、
絶頂にさしかかると、大声を張り上げて、私のお尻を力一杯、ぴしゃぴしゃたたくのです。
痛さと恐怖で、心のなかで 「ママー」 と助けを求めましたが、ここはお国の何百里、孤独と絶望の淵に立たされ、
自暴自棄のままゴールに追い込まれ、爆発炎上していったのでした。
いま我が身にふりかかった災難が理解できぬまま、私は服を身につけようと、よろめく足で、力無く立ち上がりました。
しかしそれより早く、アガシはぎらついた目で、私の腕をぐいと引っ張り、叫びました。
「タシ ハンボン (다시 한번)!」