596 :
異邦人さん:
蝋燭集会の支持者たちが、この学生を取り囲んで発したという脅迫的な言葉にも、韓国文化
の特徴が発見される。デモ隊は彼に向かって、「お前が狂牛を食え。」「お前と同じマスコミ科
の学生であることが恥ずかしい。」「写真を撮ってブログに掲載するぞ。」「親日派!」「高校は
どこを出たのか?」と脅威したという。
外国人たちには、前の3つの非難は理解ができるが、後の2つの非難はまるでスフィンクスの
謎と同じだろう。一体、米国産牛肉と親日派に何の関係があり、また出身高校は何の関係が
あるという話か? しかし、韓国文化と韓国人の情緒が分かれば、その隠された意味を理解
することはあまり難しくない。すなわち、デモ隊から見れば蝋燭デモに反対することは反民族
的行為だが、韓国では反民族的行為は直ちに親日行為と相通ずるから、その学生は「親日
派」という非難を浴びることになったのだ。
また、韓国では出身高校は非常に重要だ。大学社会や政界で、私たちはいつも同じ高校の
出身者どうしで派閥を作る。世界に類例がないその不思議な現象の裏面には、多感な思春
期時代に付き合った友達が一番純粋で真実の一生の友達だという考えが隠れているという。
外国人には、それが誠に幼稚で乳児的な発想のように見えるであろう。それでもなお、韓国
で「高校はどこを出たのか?」という質問は、すなわち味方か敵かを測る重要な尺度になる。
アメリカに帰化したイギリスの詩人W.H.オーデンは、「文化的誤解は、我々が生まれて以来
慣れてきたものと反対の方に他の人々が住んでいるという事実を受け入れることができない
から起きる」と語った。
私たちは今や、私たちとは違う他者の存在を認めて、彼らの文化を理解しなければならない
時代に暮している。他の声が許容されない社会は全体主義社会だ。真の先進国市民になる
ためには、自分と違うものを受け入れて包容することができねばならない。