【意気は真紅】明治大学ラグビー部35【12.5国立】
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名無し for all, all for 名無し:
2005年1月下旬に明治の新監督に就任した吉田義人。
部にはびこる甘えと怠惰な雰囲気の一掃を図るため
過去の経歴も活躍も度外視し、全員に厳しい基礎練習を課した。
そこで不平を言う者やさぼる奴は即座に練習からはずす。
血反吐を吐きながらも食らいついて来る者のみで休み返上で来る日も来る日も
練習の連続。
春の試合ではまだまだ組織としての意志統一が不完全で戦績は振るわなかった。
夏合宿では課題を掘り起こし、重点的に練習するとともに基礎練習、トレーニングも
さぼることを許さなかった。
不満分子も吉田の信念を感じ始め、いつしか厳しい練習に飛び込むようになった。
秋、対抗戦開幕。
不利が予想された帝京戦をFWで圧倒し、BKのディフェンスで封じ込んだ。
慶應戦はもつれたが最後までフィットネスを落とさない明治のプレッシャーが
後半の3連続トライを生み久々の勝利。
早明戦は後半ロスタイムに今村のトライにより7点差で破れた。
選手権は京産を一蹴し、続く法政戦はFW戦で圧倒し昨年の雪辱を果たす。
2006年正月は難敵同志社。
後半30分までリードを許すがFWのプレッシャーに相手防御網が破綻し、
縦突進の連続攻撃により45−32の逆転勝利。
そして決勝の相手は早稲田。久々の早明決戦で6万人に膨れあがった国立で
双方一歩も譲らない試合が続いた。
ロスタイム、ラックから供給されたボールを最後は黒木孝太が右隅にトライ。
そしてノーサイド。
号泣して喜ぶ選手たち。才能だけでいつかは勝てると練習をしなかったしっぺ返しに辛酸を舐め続けた。
他校がどんどんと力を延ばす中、ろくに戦術も考えようとしなかった集団。
甘えを払拭し、本当の喜びに浸り男たちが復活の雄叫びを上げる。
吉田はその様子を見つめながらも「まだまだだな」とひとりつぶやいていた。