俺たちの超サバイバル日記

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180特別大佐
(つづき)
そこには、この世のものとは思われない、恐るべき光景が展開されていた。


玄関のタタキには、眼をカッと見開いたままの男の死体が仰向けに転がっていた。
腰から下がちぎり取られていた。
「・・・おやじさん・・」

そうだ。麦茶をくれた、あのおやじさんの変わり果てた姿だった。
そうか。テントの外で、あの化け物がくわえていた足首は、おやじさんの足だったのか。
おもわず涙がこみあげてきた。

奥へ通じる廊下には、女が倒れていた。スイカのようなものも落ちていた。
いや、よく見るとスイカではなく男の子の”頭”だった。

女は20代のように見えたが、腹と乳房をえぐり取られていた。
おそらく、おやじさんの娘と孫であろうか。

あたり一面が血の海で、歩くのに難儀した。

廊下を進んで右側の部屋にはいると、ふたり倒れていた。
一人は30歳くらいの男で、右腕をもぎ取られていた。
その下には、首のない子供の死体があった。
廊下に倒れていた娘の亭主と、その子供であろうか。

おそらく、クマと格闘になった亭主が子供をかばいながら抵抗したが、先ず、子供の首を引きちぎられ、次にかばった右腕をむしり取られたのであろう。
そしてそれに気づいた娘が逆上して、こどもの頭を抱えてクマに立ち向かったが、返り討ちにあった、というところだろうか。

その部屋を出て、向かい側の部屋に入ると、老婆が倒れていた。
そしてその上に、猫がうずくまっていた。
猫は生きていたが、こちらを一瞥しただけでじっとしていた。

老婆には外傷は無かった。おそらく心臓麻痺か。生前、可愛がっていたのが、この猫だったのだろう。

一家全滅か・・・
なんてヤツなんだ・・・

俺たちは急いで警察に連絡をすることにして、そばにあった電話機で110番をダイヤルした。

が、しかし・・・

(次回、驚愕のクライマックスへつづく)