/ ´,_ゝ`\初心者のための富士山登山入門92m

このエントリーをはてなブックマークに追加
6底名無し沼さん
■テンプレ/気象に関して

Q,天気予報が晴れになっていれば、特に問題はない?
A,いいえ、予報が晴れでも雷雨の恐れがあります。 現在の天気予報では、局地的な積乱雲の発達までは
予測できません。身を隠す場所の無い山での落雷は命取りになるので、【天気概況】(今後の天気の推移を
文章で簡潔に示したもの)を参考に、「大気の状態が不安定」「急変する恐れ」「雷を伴い」というような予報が
出ている場合は、 登山を延期、中止する決断も必要です。万が一登山中に雷雨に出くわしたら山小屋に
避難する以外に身を守る方法はありませんが、富士山の山小屋は混雑するため入れない可能性もあります。

Q,富士山は山小屋が多いから、雨が降り出してから山小屋に避難すれば大丈夫?
A,いいえ、積乱雲は発生から雨や落雷まで早ければ、わずか15分です。よほど山小屋の近くにいない限り、
雨が降りだしたり降りそうになってから山小屋に逃げ込むのは、登山道の渋滞を考えても非常に困難です。

富士山頂では8月の風速が平均7m/s以上ですが積乱雲による雨では、台風並みの激しい突風が伴うことも
珍しくありません。ポンチョや100円の雨合羽は、前身ごろの合わせ目がジッパーではなくボタンのため、隙間から
雨が進入して来ます。フード、裾、袖を締めるドローコードもないために、強い風による横殴りの雨や風によって
下から吹き上げる山の雨に対しては全くの無力です。それどころか合羽が風をはらみ、煽られることにより
転倒、滑落の危険性が高まります。

Q,降水確率が低いときは大した雨は降らない?
A,いいえ、降水確率予報は6時間の間に1mm以上の雨が降る確率であり、値の大小は雨の強さや量を表す
ものではありません。 つまり降水確率がたとえ10%であっても、大量で強い雨が降る可能性があります。

結論としては、天気予報が晴れだとか降水確率が低くても、ポンチョや100円雨合羽などの 「山では使い物に
ならない雨具」は避け、ちゃんとした雨具を準備しましょう。また、台風、雷など天候の悪化が予想されるときを
避けるのは当然ですが、台風一過の晴天でも風が強く吹くことがあり、注意が必要です。
7底名無し沼さん:2013/06/22(土) 05:20:07.02
■テンプレ/登山中の注意点

登頂の成否の第一はペース配分です。最初から飛ばしていては最後まで持ちません。登り始めは
靴一足分だけ前に出すぐらいの歩幅で、ゆっくりと登りましょう。速いペースで休み休み登るよりは、
遅くても休まずに登るのがバテないコツです。休憩は1時間に5分ほどを、立ったままで取るのが良い
とされています。水分は少量を定期的に摂るのが最適です。喉が渇くからといって、大量、頻繁に
摂り過ぎないようにしましょう。

家族など複数で登られる方は、途中ではぐれてしまう方もいるようです。登山においてはパーティーを
バラバラにしないのが鉄則です。最低限2人以上での行動を維持しなければ、高山病など体調不良
になった場合に対処が遅れてしまいます。
▲重要:登山中は最も遅い人のペースに合わせ、登るのが早いからといって子供などに単独行動を
させないようにリーダーが統率しましょう。初心者は隊列の真ん中に挟み、経験者が前と後を固めて
目を配りましょう。

登山前の準備として、以下のことを実践しましょう。
 ・リーダーだけでなく、各人にひとつずつ地図のコピーを持たせる。
 ・どのルート(登山口)や山小屋を使うかをお互いに確認し、覚えておく。
  (標識は色分けされています【吉田口/黄色】【須走口/赤色】【御殿場口/緑色】【富士宮口/青色】)
 ・どの程度の時間が掛かるかをある程度想定して計画を立てておく。
 ・はぐれたばあいに落ち合う場所を行程ごとに複数設定しておく。
 ・下山時に通過する分岐点について良く予習しておく。

万が一体調不良、怪我人が出た時は全員で下山するのが大原則です。どうしても登山を続行する
場合でも、病人などをひとりで下山させるのは絶対に避け、必ず付き添いを付けるようにしましょう。
体調不良の人は高山病も疑われるので、山小屋などで待たせるよりもすぐに下山させた方が良い
場合もあります。
トイレは有料なので、100円玉を多く用意しておきましょう。順番待ちになることも多いです。限界まで
粘らず、出来るときに早め早めに済ませましょう。ツアー登山は、スケジュールが決められているために
自分のペースが作り難く、無理について行くと高山病を誘発する場合もあり、あまりお薦めしません。
8底名無し沼さん:2013/06/22(土) 05:21:09.17
■テンプレ:高山病の予防と対策

高山病は体質に起因すると言われ、年齢や性別、体力やスポーツ経験もあまり関係ないようです。
自己の体力を過信せず、登り始めはゆっくりと時間を掛け、身体を慣らしながら登りましょう。

登山中はゆっくりと深く呼吸して、息を吸う事よりも吐く事を特に意識してください。有圧呼吸法も
有効とされています。大きく息を吸い込み、2秒ほど息を止めるとともに、胸に圧力をかけるように
力を入れた後、ゆっくり口から吐き出す。これを5〜6回繰り返すと、血中の酸素濃度が上がり、
楽になります。

水分を定期的に摂ることも大切です。行程の時間から逆算して必要量を算出し、計画的に摂取
するのが良いです。下記サイトによると、1時間あたり、体重kg×5mlを4回ぐらいに分けて飲むのが
良いそうです。(間隔や量は自分なりに調整してください)

・Yutaka Miura's home page:私の高山病の治療方針
ttp://www.med.nagoya-cu.ac.jp/igakf.dir/chyo_AMS.html

睡眠中は呼吸が浅くなるため充分な酸素が取り込めず、高山病になりやすいと言われています。
山小屋に泊まる場合も、なるべく低い標高で泊まる方が良く、着いてからすぐ横にならずに30分
ほど外で身体を動かして高度に慣らしましょう。また、催眠成分を含有する頭痛薬なども呼吸を
浅くするため、高山病を誘発しやすいそうです。特に遠方から来られる方は初日は麓か5合目で
休養を取り、翌日一気に登った方が体力的にも楽な場合があります。

もし高山病になったら直ちに下山させるのが一番の解決策です。無理に動かしたり、引っ張って
登らせてはいけません。重篤な場合は、診療所・救護所へ助けを求めましょう。初期症状としては、
頭痛、息切れ、むくみ、不眠症、食欲不振、脱力感、吐き気など。さらに、激しい頭痛、嘔吐、空咳、
意識障害(支離滅裂なことを言う、問いかけに無反応など)になると、とても危険な状態です。登山
を諦めて、付き添いの人と共にすぐに下山してください。高山病は肺水腫、脳浮腫を引き起こし、
最悪の場合、死に至ることを忘れないでください。