創作小説with音ゲ 2ndtrax

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1爆音で名前が聞こえません
音ゲーを交えて小説を書くスレです。
題材はIIDX、ポップン、ギタドラ、DDR、その他何でもOK。
ノンフィクションでもフィクションでもOKです。
小説形式も正統派小説からブーン系まで何でもどうぞ。

◆投下時の注意
投下する話を完成させてから書き込むようにしましょう。
話がパート別になる時も、投下するパートをきちんと完成させてから。
書きながらの投下は避けるように。
ただし、携帯からの投稿はこの限りではありません。
また、なるべく投下終了時には『投下終了宣言』をして下さい。

◆スタッフ視点・曲のイメージとして作成した小説はこちらへ。
bemani長編・漫才・二次創作総合スレッド-14th-
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/otoge/1164655894/

◆まとめサイト
本家まとめ(現在更新停止中?)
http://boonstory.xxxxxxxx.jp/

臨時まとめWiki(本家が復活するまでの臨時Wiki)
http://www40.atwiki.jp/beatnovel/

◆過去スレ
( ^ω^)ブーンが音ゲーを始めたようです
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/otoge/1151857063/

( ^ω^)ブーンが音ゲーを始めたようです2
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/otoge/1167326761/

創作小説with音ゲー
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/otoge/1175531879/
2爆音で名前が聞こえません:2007/11/29(木) 21:26:02 ID:UVfoA76SO
おちんちん
3爆音で名前が聞こえません:2007/11/29(木) 21:26:23 ID:BfhSaSEY0
前スレが容量オーバー落ちしたっぽいので立ててみた。
後、テンプレを使わせてもらいましたよ。
4ぬるぽ玖段 ◆kkwNKtjTrA :2007/11/29(木) 21:27:20 ID:zL736LTP0
明らかに>>1乙と言わざるをえない
5爆音で名前が聞こえません:2007/11/29(木) 21:35:11 ID:BfhSaSEY0
スレタイミスったorz
大目に見てやってください…
6あぼーん:あぼーん
あぼーん
7川崎メイデン第7ドール"ありす" ◆raquel/zsw :2007/11/29(木) 22:10:07 ID:3lVQxhpLO
「オ・・・オッス!」
「オッス」
「オッス!」
「オッス」

・・・良く分からないが、「オッス」と叫べばちゃんと入力はされるようだ。
・・・しかし、先程から古泉が妙にノリノリで正直気色悪いんだが。
暫くして、画面の中の男が
「男のNOMALにゃ〜?」
・・・と、また訳の分からんセリフを言いやがる。
「・・・どうしろと言うんだ」
「オッス。さぁ、わかりませんねぇ・・・オッス」
古泉の順応性も恐るべしだが・・・やっぱりウザいな。

その後も謎のセリフが発せられたが・・・やはり意味がまったく分からん。
「対応したオッス。キーワードが必要みたいですね。オッス」
「・・・キーワードねぇ」

・・・
・・・あの時の奴のセリフを、必死に俺は思い出そうとする・・・
8爆音で名前が聞こえません:2007/11/29(木) 22:33:12 ID:lORM10ttO
>>7
書き込む所間違えてるぞw
9爆音で名前が聞こえません:2007/11/30(金) 00:29:02 ID:zvPzFF57O
これはwww
10川崎メイデン第7ドール"ありす" ◆raquel/zsw :2007/11/30(金) 01:56:58 ID:Qs4l9G6pO
>>8-9
¶・∀・)本当申し訳ない
11爆音で名前が聞こえません:2007/11/30(金) 09:16:14 ID:+dg8di4o0
>>1乙と言わざるを得ない
12爆音で名前が聞こえません:2007/11/30(金) 21:46:12 ID:Ic4lJ7+d0
新スレッド立てお疲れ様でした。

しばらくROM状態でしたが、久々に書いてみました。
2スレぶり、3度目の投下です。
今回は小ネタですので、短めです。
思いついて勢いで書くのは前回と変わっていませんね…
13Style:2007/11/30(金) 21:48:47 ID:Ic4lJ7+d0
十二月を目前にした、とある日。
その日は雲一つ無い快晴だった。

外では子供達の遊ぶ無邪気な笑い声が聞こえる。

しかし、その子供達が遊んでいるすぐそばにあるマンションの一室では、ある男がしかめっ面をして悩んでいた。



('A`)「ああ、どうしても上手くいかねえ…」



彼はドクオ。
若手のサウンドクリエイターとして様々な楽曲を日々生み出している。
しかし、彼はとある事から悩みを持ってしまい、仕事に支障が出るほどになってしまっていた。


('A`)「俺は…どこを目指してるんだ?どうすればいいんだ…?」


このような自問自答を繰り返す毎日。
事の発端は、一週間程前の友人との他愛も無い会話だった…
14爆音で名前が聞こえません:2007/11/30(金) 21:51:09 ID:Ic4lJ7+d0
一週間前、飲み屋にて…


('A`)「それでよ、キツすぎて放置しちまったんだよ。」

(´・ω・`)「ドクオ、そりゃ駄目だろーよ…でも、僕も多分そうするな。」

('A`)「お前も人のこと言えないじゃないか、ははは。」


昔からの友人であるショボンと歓談するドクオ。
そして、恒例の事をドクオはショボンに聞いた。


('A`)「ところで、今回の曲はどんな感じだった?感想を聞かせてくれよ。」

(´・ω・`)「ああ、あのCMの曲かい?良い感じだったと思うよ。
      シーンにしっかりマッチしているし、音の作りもばっちりだと思ったよ。」

('A`)「マジか、ありがとうな。
   たまにショボンは自分も気付かない部分を突っ込んでくるから、怖いんだよなー」

(´・ω・`)「でも、無駄にはなってないだろ?」

('A`)「まあな、その点は毎回非常に感謝してるよ。」


ドクオは新しい曲を作ると、毎回ショボンに感想を聞く。
ショボンはかなり的確な指摘をしてくれる為、ドクオにとってはある意味良いパートナーのようなものだ。
今回は特に何も突っ込まれなかったので、一安心したドクオ。

だが、その後にショボンが続けた言葉がドクオの心に深く突き刺さることになる。
15爆音で名前が聞こえません:2007/11/30(金) 21:53:04 ID:Ic4lJ7+d0
(´・ω・`)「あ、そうだ…今回の曲に限った事じゃないんだけど、一つ言っていいかな?」

('A`)「ん、何だ?」


こんな切り出し方をするショボンも珍しいなと思いつつ、ドクオは耳を傾ける。


(´・ω・`)「この前、最近のドクオの曲を一通りまとめて聴いてみたんだけど…
      何ていうのかな、『ドクオらしさ』が見えてこないんだよ。」

('A`)「…え?」


意外な言葉だった。
さらにショボンが言葉を続ける。


(´・ω・`)「ドクオは今までジャンルが違う曲を色々作ってきた訳だけど、
      それぞれ単品で聴いて『あ、これはドクオの作品だ』って、感じ取ることができないんだよね。
      全部が全部そう…という訳じゃないんだけど。」

('A`)「………」


ドクオにとって、それはショックな一言だった。
ドクオ自身のトラックメイキング技術は高い。
だからこそ評価されて仕事を得るまでになった訳なのだが…

曲から『自分の色』を感じ取ることができない。
これは曲を作る側にとっては、非常に痛い言葉だった。


(´・ω・`)「まあ、逆にそれがドクオの特徴ともいえるのかもしれないけどね。
      気にしないで頑張っていきなよ。」

('A`)「…ああ…」


何でもない、ただの雑談だったはず。
その雑談は、一気にドクオを悩みへと落とす原因になってしまった。
16爆音で名前が聞こえません:2007/11/30(金) 21:54:46 ID:Ic4lJ7+d0
('A`)(自分らしさ、か…)


一週間経っても、まだ悩んでいるドクオ。
曲製作を請け負うという事は、クライアントの要望に応じて自分を曲げる…妥協しなければならない事も多い。
事実、ドクオも頭の中に浮かんだイメージを壊し、仕方無しに作り直す事が何回もあった。
とはいえ…


('A`)「…ふう、こう家の中で長時間悩んでいたら気が滅入るな。
   ちょっと外で気分転換してくるか。」


自転車に乗り、外へ繰り出したドクオ。
行く当ても無いので、適当な場所をぶらぶらとしてみる。




適当に動いた先で、大きめな商店街を通過したドクオ。
そこでは八百屋等の掛け声に混じって、様々な音楽が流れてくる。
流行のJ-POPから大御所のビートルズ・ちょっと懐かしい曲等…
それぞれの店の色によって様々だが、実に多様な音楽がドクオの耳に入ってきた。
その度に、ドクオはどうしても色々考えてしまう。


('A`)(ビートルズに坂本龍一…
   こんな大御所と自分を比べるのは失礼だけど、確かに凄い。
   少し聴いただけで『このアーティストの曲だ』とわかるもんな…)


どうしても、曲のスタイルについて考えてしまうドクオ。
そんな事を考えているうちに、目の前に小さなゲームセンターが見えた。


('A`)(…ちょっと遊ぶか。
   たまにはこういう所でストレス発散してもいいよな。)
17爆音で名前が聞こえません:2007/11/30(金) 21:56:21 ID:Ic4lJ7+d0
自転車を道の脇に停め、ゲームセンターに入るドクオ。
学生以来久々に感じる、この雑多な感じ。
しかし楽しさが詰まっているこの空間に、先程の複雑な気分が少し飛んでいった。

早速、目に付いたゲームで遊ぶドクオ。
UFOキャッチャー・モグラ叩き・シューティング…
こういう施設で散財するのもたまにはいいな、と思いながら遊び続けた。


しばらく遊び、何か他にめぼしい物は無いかと店の奥へ行く。
そこで目の前に入ったものは…


beatmaniaIIDXだった。


('A`)(…懐かしいな、もう何年やってなかったか…)


元々ドクオは、初代beatmaniaからプレーしていた。
プレーしているうちに、その影響で作曲を始めたのだった。
そのまま曲作りにのめり込む内に、いつしか仕事としても成功していった。
ただ、曲作りを始めて以来beatmaniaには全く触れていなかったのも事実。
実に約五年ぶりの対面だった。


('A`)(…久々にやってみるか。
   七鍵盤は2nd位までしかやってなかったから、もうきついかもしれないけどな…)
18爆音で名前が聞こえません:2007/11/30(金) 21:57:49 ID:Ic4lJ7+d0
筐体の前に行き、硬貨を投入する。
昔より値段が下がっている事に少し驚きつつも、ゲームを開始する。


('A`)「へえ、NORMALなんて難易度ができてるのか。
   レベルを見る限り、昔のLIGHT7っぽいな。
   …って、普通難易度がHYPERなんて表記にされてんのか?
   後、ANOTHERがほぼ全曲に設定されてら…
   もう隠し譜面にはなってないんだな。」


とりあえず、昔慣れ親しんだ曲からプレーしていくドクオ。
5.1.1に.59・RUGGED ASH等…
流石に五年ぶりなので、一部の曲は危ない感じではあったが無事クリアできた。
四曲設定だったので、次が最後。
ここで、新しい方の曲をやってみる事にした。


('A`)「難易度がどれも高いな…
   仕方ないからNORMALに変更しておくか。
   さて、と…これをやってみるか。」


選んだのは『spiral galaxy』
あえて最新作から選ばないのはドクオらしいというべきだろうか。
ゆっくりと楽しみ、プレーを終えた。
19爆音で名前が聞こえません:2007/11/30(金) 21:59:39 ID:Ic4lJ7+d0
('A`)「久しぶりだったけど、結構楽しかったな。
   …せっかくだし、もう一回やるかな。」


丁度順番待ちの人は誰も居らず、ドクオはそのまま二回目のプレーに突入した。
次は比較的最近の曲から選ぶ事にし、適当に目に留まった曲を選択した。

最初に選んだのは『LESSON 5』
軽快なポップスだなーと思いつつプレーしていたドクオは、ちょっとした事に気付く。
どこかで感じたような…何だろう、この感覚は。
そんな事を思いつつ、一曲目を終了。
選曲画面に移っても、ドクオは少し考え込んでいた。


('A`)(さっきの曲…あの音…どこかで…?)


妙な感覚を覚えつつ、別の曲を選択する。
二曲目、三曲目は違和感無く終了した。
そして四曲目、これまたたまたま目に付いた『Foundation of our love』
曲が進む毎に、あの妙な感覚がまた来る。


('A`)(確かにこの音や調子…どこかで聴いた様な……!?)


曲がもう少しで終わり、という所で『ある事』に気付いた。
だが、確証は無い。
そこでドクオは、プレーが終了してすぐに自転車へと飛び乗り、家へ飛んで帰った。
すぐさまパソコンを起動して、ある事をインターネットで探す。


…そして辿り着いた先が、『djTAKA作曲一覧』だった。
20爆音で名前が聞こえません:2007/11/30(金) 22:01:27 ID:Ic4lJ7+d0
そのページには、彼の別名義で作った曲も羅網されていた。
じっくりと書かれている曲表を見ていると…

そこには、先程プレーした『.59』『spiral galaxy』『LESSON 5』『Foundation of our love』が入っていた。


('A`)「やっぱり…あれらの曲、全部同じ人が作っていたのか。」


チルアウト・テクノ・ポップス。
ジャンルがこれだけ違うのに、どことなく何処かで聴いた事があるような音…と感じたのは、これが原因だった。
同時にそれは、今の自分に足らないものだった。

元々ドクオは、beatmaniaに影響されて多種多様な曲を作り始めた。
だが、自分自身に『これが好き』というものや『こういう感じを目指したい』というものが無く始めてしまった。
そのまま曲作成の『技術』だけを突き詰めたため、半分宙に浮いた状態になってしまったのだ。


改めて自分自身のルーツを見つめ直すドクオ。
自分は何が好きだったのか、何に惹かれていたのか。
当時よくプレーしていた楽曲なども思い出しながら、根幹の部分をもう一度見つめた。



…そして、彼は結論を見出した。
21爆音で名前が聞こえません:2007/11/30(金) 22:04:18 ID:Ic4lJ7+d0


(´・ω・`)「最近、ドクオの曲に一本芯が通ってきている感じがするね。」

('A`)「そうか?まあ、そう感じてくれたのなら嬉しいかな。」


いつもの居酒屋で、ドクオはショボンと再び会っていた。
そこには数週間前の悩みが消えたドクオがいた。

あの後ドクオは、まだ不完全ながらも自分自身の根幹を見つけることが出来た。
その結果、自分の曲に所謂『ドクオスタイル』を出すことが出来るようになってきたのだ。
以前のドクオは、変幻自在なスタイル…所謂、一つの形を持たないスタンスだった。
結果、そのような『注文通りの曲』を欲する企業等からの受注数は減ったが…
ドクオのスタイルに惚れ込んだ場所からの作曲注文やライブオファーが増え、結果的には以前より良い状態になった。


('A`)「ショボン、ありがとうな。」

(´・ω・`)「ん、何が?」


ちょっと照れ笑いをしながら話すドクオ。
そんなドクオを、少し不思議そうにショボンが見る。


('A`)「いや…な、今回も良いアドバイスをくれて感謝してるって事だよ。」

(´・ω・`)「それ、この前も聞いた様な気がするけどな。
      僕のアドバイスなんて一つの意見に過ぎないんだから、あまり囚われなくて良いと思うよ。」

('A`)「いや、ショボンのアドバイスは貴重だよ。
   これからも毎回聞かせてもらうから、よろしくな。」


これを聞いて、ショボンが小さく笑う。
22爆音で名前が聞こえません:2007/11/30(金) 22:06:05 ID:Ic4lJ7+d0
(´・ω・`)「どうしたんだよ、今日はいつもと違うなー
      …まあ、僕はドクオの曲のファンだから、何かあったらいつでも相談に乗るよ。」

('A`)「ああ、ありがとう。」

(´・ω・`)「本当に何だかいつもと違うなあ。
      …まあいいや、そろそろ何か頼もう。
      お腹が減ってきたよ。」

('A`)「そうだな、じゃあいつものやつ頼むか。
   すみませーん、串揚げおまかせ10本とモツ煮にホッケ開きー!」


いつものように、楽しく語らいながら食事を取る二人。
そこには、迷いを破って一回り成長したアーティストの顔があった。
そして、そのアーティストを優しく見守る者も。



街はクリスマスムードが強まり、年末の到来が近い事を実感できる。
来年は、ドクオがサウンドコンポーザーとして大きく飛躍できる年となるかもしれない…
23爆音で名前が聞こえません:2007/11/30(金) 22:08:44 ID:Ic4lJ7+d0
以上です。
今回は勢い任せで書いた部分が強いので、多少変な部分があるかもしれません…
その辺りは大目に見てやってくださいorz

それでは、お目汚し失礼致しました。
24爆音で名前が聞こえません:2007/11/30(金) 22:36:51 ID:J7pKYmFi0
>>13‐22

GJです
じっくりと読ませていただきました
25爆音で名前が聞こえません:2007/11/30(金) 23:07:36 ID:Ic4lJ7+d0
改めて読み直したら、時系列がちょっとおかしいですね。
…というより、修正し忘れの部分がありましたorz
申し訳ありませんが、以下のように脳内修正してください。

>>14
誤:十二月を目前に〜
正:十一月を目前に〜

>>21
誤:そこには数週間前の悩みが〜
正:そこには約一ヵ月半前の悩みが〜

前回と同じようなミスをやってしまった自分に喝。
改めて、申し訳ありませんでした。
26爆音で名前が聞こえません:2007/12/01(土) 10:13:33 ID:d5zIWmAw0
                  ,,,r------.、   , -‐――- .,_
   __,,,,,,,,---――-、   ,r"/       i、 ,/'         |゙ヽ、.   ┌―、
 | ̄      _、  ゙i  ,r":::/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ=V=/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ|::::::'、   l   │
 |,,,,,-―''''''"゙゙゙ ,i  / ,i::::=ロ  -=・=-  |,  |  -=・=-  ロ=:::::i   |  │
     .| ̄~ァ ,l  /  |::::::/ヽ      /ノ_ヽ____/ヽ:::::::i   .l゙  ,i
    ,i'  │ ヽ_/  | ̄| | ̄ l/ ̄ 7 | ̄____,,,,,,,,,,,,,| 丶::l   i'  .!
    ,i'   ,i'      l、_从__ツ   ./  (●_●)        /   ゝ--'
   ,l'   ,i'         ヽ/  ,/     l l        ./    i´""!
   く   ,i'          l  / .__-- ̄`´ ̄--__   /     ゝ- '
    ヽノ           ヽノ \,_.-二二二二-  ,r''″
                      ゙'ー、,_  _,,r‐''
27 ◆AxCFTurkBI :2007/12/02(日) 23:33:46 ID:rRaGCpim0
(´ω`)
28爆音で名前が聞こえません:2007/12/03(月) 20:37:40 ID:5+RLKuaY0
音ゲスタッフで801 Part7ぐらい
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1176021142/
29爆音で名前が聞こえません:2007/12/04(火) 07:55:40 ID:1EHS8x8K0
>>28
何でここに書く?
30ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2007/12/04(火) 12:30:07 ID:IlsIpwZz0
こっちのスレでは初めましてです、廃人です
現在執筆中なんですが展開が思いつかなくて中々進まなくなってます('A`)
できれば今週中に投下しようとは思ってるんですが、投稿遅くなっちゃってごめんなさい'`
31爆音で名前が聞こえません:2007/12/04(火) 20:33:52 ID:vf8CXv8Z0
♪ 音ゲー 801 Version 13thstyle ♪
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1190891946/
32爆音で名前が聞こえません:2007/12/05(水) 22:45:40 ID:DKxBCKdD0
>>30
待ってますぜ。
とはいえ、焦らずにきっちり書いてください。
33爆音で名前が聞こえません:2007/12/05(水) 23:10:31 ID:ZPxVvlhH0
続きはこちらで
音ゲスタッフで801 Part7ぐらい
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1176021142/
♪ 音ゲー 801 Version 13thstyle ♪
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1190891946/
34爆音で名前が聞こえません:2007/12/05(水) 23:43:07 ID:/kSZsyEM0
>>13-22
GJ
なかなか読み応えあったわ
35ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2007/12/06(木) 20:16:09 ID:fFbdtRkL0
さあ書きたまったし投下するかーって思ってたんですが

 こ の 数 じ ゃ 確 実 に 猿 食 ら う

という事に気づいたので2回に分ける事にしました('A`)
よって今回音ゲーの話は殆ど無い事をご了承下さい><
36ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2007/12/06(木) 20:16:58 ID:fFbdtRkL0
( ^ω^)「お疲れ様でしたお」
(´・ω・`)「ん、ありがと」
('A`)「久々に見たけど、やっぱ凄いっすわ…」
(;><)「恐縮です」
(;^ω^)「果たして僕はこのレベルに辿り着けるか…」
(´・ω・`)「ただ単に経験の差だと思うよ」
(;^ω^)「10年やっても足元にも及びそうにないですお…」
( ><)「ところで、お話ちょん切って悪いんですが…」
('A`)「ああ、飯ならまだっすよ」
(;><)「…ご名答、どうですか? この後」
('A`)「俺は食ってくるって言ってますんで…内藤は大丈夫か?」
( ^ω^)「ちょっと待ってて、母ちゃんに電話してみるお」

( ^ω^)「うん、だから勧誘とかじゃないって…壷なんて買わんから…うん、うん…分かった、ばいぶー」

( ^ω^)「おkですお」
('A`)「つってもあんまり遅くなれないっすけどね」
( ><)「それじゃ中華でぱぱっと済ませましょうか」
(´・ω・`)「あいよ」
37ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2007/12/06(木) 20:17:44 ID:fFbdtRkL0
( ゚∀゚)「ご注文(ry」
( ^ω^)「ネギラーメンで」
('A`)「チャーハンで」
( ><)「ネギチャーハンお願いします」
(´・ω・`)「チャーメンっていうのは無いのかね」
( ><)「?」
(´・ω・`)「何でもない、ネギラーメンとネギ餃子」

(;^ω^)「アッー!!思い出した!!」
('A`)「汁を飛ばすな…何だ」
(;^ω^)「あの…ショボンさん」
(´・ω・`)「ん?」
( ^ω^)「実は以前頂いたスティックなんですか…カクカクシカジカ」
(´・ω・`)「あー、大変だったね、怪我とかは無かった?」
( ^ω^)「はい、ピンピンしておりますお」
(´・ω・`)「それなら良かった、あのスティックは気にしないでいいよ」
( ^ω^)「そう言ってもらえると大変ありがたいですお」
(´・ω・`)「じゃ、今度また別のを持ってくるよ」
( ^ω^)「いいんですかお!?」
(´・ω・`)「僕のスティックはもうあるし、それに僕、結構君に期待してるんだよ」
( ^ω^)「ありがとうございますお!!」
('A`)「単純に受け取れる辺りがさすがお前だよな」
38ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2007/12/06(木) 20:18:28 ID:fFbdtRkL0
( ^ω^)「じゃ、僕らはぼちぼち帰りますお」
( ><)「お付き合いさせちゃってごめんなさいね」
('A`)「や、楽しかったですわ、ご指南ももらえたし」
(´・ω・`)「また時間が空いた時には教えるよ、じゃあね」
( ^ω^)「はいおー」
('A`)「お疲れ様でした」



(´・ω・`)「ビロード、ちょっといい?」
( ><)「はい、何ですか?」
(´・ω・`)「実は内藤君にあげる予定のスティックなんだけど…」
(´・ω・`)「モナーのスティックにしようかと思うんだ」
( ><)「…モナーさんのですか」
(´・ω・`)「彼なら大切に使ってくれると思うし、モナーも喜ぶと思うんだ」
( ><)「…そうですね、問題無いと思います」
(´・ω・`)「ありがとう」
( ><)「だけど、本当にショボンさんは内藤君達を気にいってるんですね」
(´・ω・`)「そうだね、全く経験なしの彼らだからこそかもしれない」
( ><)「と、いいますと」
(´・ω・`)「やはり恥ずかしくもこのレベルまで来てしまうと媚びる人が多いんだ」
(´・ω・`)「酷い時は代理でスキル上げてくれ…なんて人も居るし」
( ><)「……」
(´・ω・`)「彼らは媚びるというか、純粋に僕らを慕ってくれてるんだと思う」
(´・ω・`)「多分、それが嬉しいんだよね、僕は」
39ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2007/12/06(木) 20:19:12 ID:fFbdtRkL0
翌日、某店
川 ゚ -゚)「お、500まで来たか」
(,,゚Д゚)「あぁ、今年の終わりまでに600行っちまいたい所だな」
川 ゚ -゚)「お前のレベルだと、今作は新曲で稼げるからすんなり行けそうだな」
(,,゚Д゚)「そうだな、50台もぼちぼち出来てきたし、クーはどうなんだ?」
川 ゚ -゚)「ふむ…1300が一応の目標だが、滑り込みで間に合うかどうかだな…」
(,,゚Д゚)「無理して俺とセッションしてくれなくても大丈夫なんだぜ?」
川 ゚ -゚)「いや、一人でやるのは少しな…それにギコと遊ぶのも楽しい、大丈夫だ」
(,,゚Д゚)「…たまにとんでもなく恥ずかしい台詞を吐くな、お前は」
川 ゚ -゚)「そうか?」
(,,゚Д゚)「ま、気にするな、ところで俺はもう一度やっていくぜ」
川 ゚ -゚)「じゃ、私も付き合おう、お前が一人でやるとエクストラも厳しいしな」
(;゚Д゚)「ぐ…言い返せねぇ…」
40ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2007/12/06(木) 20:20:00 ID:fFbdtRkL0
      ____
     /_ノ ' ヽ_\
   /(≡)   (≡)\
  / /// (__人__) ///\ 「DD8がアンコールになってるお!頑張ればSlangで出せる喜び!!」
  |     |r┬-|      |
  \     ` ー'´    / 

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)     極東史記が無くなったのは痛手だろ…
  |     ` ⌒´ノ     常識的に考えて…
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ        \
   /    く  \        \
   |     \   \         \
    |    |ヽ、二⌒)、          \ 

/( ●)  (●)\「ヘタレ黄ネ涙目wwwwwwwざまぁwwwwwwww」
|    ( ●)(●)「余計なお世話だろ…常識的に考えて」

(,,゚Д゚)「…なんか、前の連中がやかましいな」
川 ゚ -゚)「うむ、ドラム側がやたら作者に似てる所も、ちょっとな」
41ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2007/12/06(木) 20:20:44 ID:fFbdtRkL0
/(≡)   (≡)\「ほーいDD8登場!!感謝しやがるお!!」
|    ( ●)(●)「赤のレベル高すぎるだろ…黄Gやるか」
/( ●)  (●)\「何やら稼ぎの香りがするらしいし、僕は赤でやるお!!」
|    ( ●)(●)「じゃあ、いくぞ」


       ____
     /_ノ   ヽ_\
   /( >)  (<)\
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \ このやる夫様に刻み系譜面とは笑止千万だおwwwwwww
  |     |r┬-/      | 俺様の華麗なるオープンスタイルで切り抜けてやるお!!
  \     ` ̄'´     / 
中間
       ____
     /ノ   ヽ、_\
   /( ○)}liil{(○)\
  /    (__人__)   \
  |   ヽ |!!il|!|!l| /   |
  \    |ェェェェ|     / 



/( ○)  (○)\「中間…何だお、あのHHとCYは…」
|    ( ○)(○)「ギター…これが稼ぎなんて嘘だろ…常識的に考えて…」
42ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2007/12/06(木) 20:22:29 ID:fFbdtRkL0
今回は以上で終わりです
遅くなりましたが>>13-22さん、GJです、良作でした!

さあついに秘密兵器にすべきやる夫が出て参りました
やたら容量食うと思いますがご容赦下さい('A`)
43爆音で名前が聞こえません:2007/12/06(木) 21:43:51 ID:/Y3mGdJs0
続きはこちらで
音ゲスタッフで801 Part7ぐらい
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1176021142/
♪ 音ゲー 801 Version 13thstyle ♪
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/801/1190891946/
44爆音で名前が聞こえません:2007/12/06(木) 21:48:37 ID:ZkHRah2H0
ドラムのオープン重視の人涙目な曲だったなDD8

>>36‐41


友情出演者のお調子者にワロス
45爆音で名前が聞こえません:2007/12/06(木) 22:50:40 ID:lqC0Dyps0
>>42
お疲れ様でした。
意外なゲストが出てきましたねー

以前38レス一気に投下した事がありますが、その時は全く規制を喰らわなかったんですが…
連続投稿数、厳しくなったんですかね?
…あ、日を跨いだのに助けられたのかな。
46爆音で名前が聞こえません:2007/12/07(金) 01:08:29 ID:9LWrDsTcO
 彡ノハミ GJ!!
 彡・∀・>  ∩
 / <\/>\/(ヨ
 | |・|・|\/
 |_|・|・|
┌U┐/∨
| ̄ ̄|||
|__|||
  | ||
  ヽニ)ニ)

 彡ノハミ
 彡・∀・)俺はROMってます
 ( つ旦O
 とニ)ニ)
47爆音で名前が聞こえません:2007/12/07(金) 18:18:12 ID:FTlmyYsT0
携帯からAA(大爆笑)
48爆音で名前が聞こえません:2007/12/07(金) 18:49:00 ID:27ytrzC00
ドシャ-ンドシャーンドシャーンのとこか
49爆音で名前が聞こえません:2007/12/09(日) 12:55:00 ID:FIqeZ66MO
>>42
乙!やる夫が秘密兵器とはw
2回目も楽しみにしてますぜ。
50爆音で名前が聞こえません:2007/12/10(月) 16:04:54 ID:NEheRsCw0
>>42
乙です。
まとめをちょっと更新して、作者別一覧ページを作ってみました。
何となくあると便利かな、と思ったので。
2-387氏については、前後の前書き・終了報告の文から推測してまとめてあります。
もし違う作品でしたら、お知らせ頂けると幸いです。
51爆音で名前が聞こえません:2007/12/13(木) 07:41:36 ID:uWV8s1NnO
>>50
2-387です。
まとめを拝見しましたが、その三つで合っています。
保管ありがとうございますー

以前程の活気が無くて、少し寂しいですね。
書き手さん、増えないかな…
52爆音で名前が聞こえません:2007/12/14(金) 05:22:35 ID:p+FwxDy7O
保守
53爆音で名前が聞こえません:2007/12/15(土) 18:29:54 ID:ZpkDwmNqO
>>38
(´・ω・`)「実は内藤君にあげる予定のスティックなんだけど…」

( ><)「…?」




(´・ω・`)「私のスティックを彼に捧げようかと思うんだ」


(;゚ω゚)「アッー」

('A`;)「? どうした、ブーン」
54爆音で名前が聞こえません:2007/12/15(土) 18:32:38 ID:vUOcKgWYO
>>53
小ネタ乙w
55爆音で名前が聞こえません:2007/12/21(金) 01:22:01 ID:GNDqwieuO
寂しいねぇ…
56爆音で名前が聞こえません:2007/12/21(金) 01:23:07 ID:GNDqwieuO
上げとこか…
57ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2007/12/22(土) 17:53:23 ID:FMIYRlsJ0
大変お待たせしました('A`)
急にリアルが激化して中々書けなかったといいわけさせて下さい><
というわけで少し短いですが投下しますー
58ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2007/12/22(土) 17:55:08 ID:FMIYRlsJ0
(,,゚Д゚)「お、開いた」
川 ゚ -゚)「うむ」
(,,゚Д゚)「やーしかし、面白い連中だったな、結構上手いし」
川 ゚ -゚)「そうだな、機会があれば交流を持ちたい物だ」
(,,゚Д゚)(…結構無邪気なんだなぁ、コイツ)
川 ゚ -゚)「どうした?」
(,,゚Д゚)「や、何でもない、それと選曲任せた」
川 ゚ -゚)「うむ、『RIGHT ON TIME』なんてどうだ?」
(;゚Д゚)「…結構レベルが高いんだが」
川 ゚ -゚)「確か、ギコは16分打ちは得意だろ?」
(,,゚Д゚)「あぁ」
川 ゚ -゚)「なら大丈夫、前作のレベルでも逆詐欺とする人も多かったからな」
(,,゚Д゚)「ふむ…ちょっと試してみるか」
川 ゚ -゚)「決まったな」
ドンチューノゥードンチューノーゥ
59ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2007/12/22(土) 17:55:51 ID:FMIYRlsJ0
毎度おなじみ解説の時間である
ドラムの譜面は上記でも述べたように、HH×7+SNの組み合わせが終始続く譜面となる
バスドラムはほぼ一定であり、感覚が分かれば無意識に踏める
まとめると、連打、一定バスの得意不得意で達成率が分かれ易い譜面構成となる
前作のレベル表記は57、人によってはこのレベルでも稼ぎと言われていた
しかし今作はそのレベルが大幅に変更され68、SP500-1000にかけての大変な稼ぎ曲となった

(,,゚Д゚)(む…確かにこれは…)

ギコの得意とするは連打、刻みであり、細かく切りはするが悪くない出来栄えである
間隔に慣れ始めた後半からはバスのミスも目立たなくなった

ギター譜面も一般的に稼ぎと言われている
運指オルタ譜面となるが、速度的にはダウンでも捌ける
ノーツがかなり散らばっているので、SRANを付けるのが一般的なようだ

川 ゚ -゚)(良し…半分は繋がった、ここからのパフェが勝負だな)

クーは運指オルタを得意な分野とするので、この曲もオルタで捌く
60ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2007/12/22(土) 17:56:37 ID:FMIYRlsJ0
(;゚Д゚)(ぬおお…イントロから何か厄介だなぁ…)

Die zauber flote、通称で魔笛と呼ばれている
ドラムの緑譜面は全体難であり、地力譜面と思える
特に厄介な中盤のタムはレベルにしては詐欺気味かと思える

(#゚Д゚)(ぬぁぁぁぁ!!刻み早ぇよ!!)

何度か混じる基本形のHH刻みがゲージを減らす
得意分野とはいえ、初見で崩すのはギコの癖であった

一方ギターは中盤、ラストが集中的に難しい譜面となっている
特にラストの運指はレベル不相応な難しさとなる
61ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2007/12/22(土) 17:57:23 ID:FMIYRlsJ0
(,,゚Д゚)BASIC/B
川 ゚ -゚)EXTREME/O/S

(;゚Д゚)「す、すまん、足引っ張った」
川 ゚ -゚)「いや、気にするな」
(,,゚Д゚)「あぁ…悪いな、それじゃ次は任せるぜ」
川 ゚ -゚)「『Zigzag Life』なんてどうだ?」
(,,゚Д゚)「…苦手なんだぜ」
川 ゚ -゚)「ま、克服のつもりでやってみよう、私が居れば死にはしない」
ペペペペッペッペッペー
62ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2007/12/22(土) 17:58:09 ID:FMIYRlsJ0
(#゚Д゚)(ぬぁぁぁ!!リズムが取れねえ!!)

Jimmy Weckleはコンポーザーの一人であり、主にジャズ、フュージョンを担当する
その曲の譜面は通常の物と異なり、クセのある構成になる事が多い
Zigzag Lifeもその例外に漏れず、緑譜面は際立った難所こそ少ないが、全体的にリズムが取りづらい構成となっている
もっともこれはあくまで作者の感想なので、人によって得意不得意は分かれるだろうが

(,,゚Д゚)BASIC/A
川 ゚ -゚)EXTREME/G/S (SRAN)
63ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2007/12/22(土) 17:58:42 ID:FMIYRlsJ0
(,,゚Д゚)「ミスは少ないがパフェが70%も取れてねぇ…」
川 ゚ -゚)「ま、多少変わった譜面だろうしな」
(,,゚Д゚)「やっぱ苦手だ…しかしお前凄いな、87もついてら」
川 ゚ -゚)「SRANが結構当たったからな」
(,,゚Д゚)「まいいや、最後も任せるぞ、クー」
川 ゚ -゚)「よし、今回は特攻しよう、『The least 100sec』だ」
(,,゚Д゚)「有名所が来たな…よし、俺もついに佐々木曲に触るか…」
川 ゚ -゚)「私は黄譜面で行く、あまり引っ張る事はできないが、頑張るよ」
(,,゚Д゚)「分かった、気合入れて行くぜ!」
チャンチャチャンチャチャン
64ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2007/12/22(土) 17:59:26 ID:FMIYRlsJ0
ここで一旦切りますー
100秒はまた次回!
65爆音で名前が聞こえません:2007/12/22(土) 21:28:04 ID:aTprrIjY0
乙!
期待sage
66爆音で名前が聞こえません:2007/12/22(土) 22:37:55 ID:ggq54JPg0
一体2人の運命は!?
67爆音で名前が聞こえません:2007/12/24(月) 00:20:14 ID:qiVyGY/MO
>>64
乙なのですよー
しばらく来なかったから、どうしたのかと思いました。
続きにも期待。
68爆音で名前が聞こえません:2007/12/24(月) 04:15:28 ID:NjwDJnDC0
はて、>>59>>60の間が抜けてないか?
ともかく、乙。
69母!妹!おまけで兄!DDR!:2007/12/27(木) 14:57:44 ID:woU+3/8R0
ギタドラ廃人さん乙。
場つなぎに小ネタをどうぞ。タイトルにセンスを求めてはいけません。


.l从・∀・ノ!リ人「もう!どうして分かってくれないのじゃ!」
.@@@
@# _、_@
 (#  ノ`)「待ちなさい!まだ俺の話(バトルフェイズ)は終了していないぞ!」
_〃` ^ 〈



( ´_ゝ`)「また進路のことで母者と喧嘩したのか」
.l从・∀・ノ!リ人「あ、兄者…もう私は嫌なのじゃ」

.l从・∀・ノ!リ人「お酒ばかりあおってあれもこれも駄目っていう母者…」
( ´_ゝ`)「妹者とて無茶ばかり言うからだ」
( ´_ゝ`)「ま、夫は単身赴任中、趣味なし、子供は音ゲー三昧じゃ酒くらい浴びるわな」
.l从・∀・ノ!リ人「そういうものか、兄者」
( ´_ゝ`)「大人は酒に逃げるんだよ…」
.l从・∀・ノ!リ人「わかったふうな口をきくな、未成年」
( ´_ゝ`)「サーセンwwwwww」

.l从・∀・ノ!リ人「趣味か…母者も私達と音ゲーしてくれれば、一緒に遊べるのに」
( ´_ゝ`)「どだい無理な話だな。俺も勧めてみたが弐寺はフーンで済まされた」
.l从・∀・ノ!リ人「ポプもイミフってヌルーされたのじゃ」
( ´_ゝ`)「ま、泣くな。落ち込んだときはVIPでも見て和め」
.l从・∀・ノ!リ人「今そんな気分じゃ…wwwX'masにフラれた馬鹿ざまぁwwww」

( ´_ゝ`)(思春期のおにゃにょこは難しいな…なんとかならんものか…)
70母!妹!おまけで兄!DDR!2:2007/12/27(木) 14:59:02 ID:woU+3/8R0
〜翌日〜

( ´_ゝ`)「ゲーセン行ってくるぜ!」
.l从・∀・ノ!リ人「私も行くのじゃ!」
.@@@
@# _、_@
 (#  ノ`)「待て、私も行く。貴公らだけで行かせると何時に帰ってくるかわからんからな」
_〃` ^ 〈
.l从・∀・ノ!リ人(…あんなことがあったから、母者と一緒にいたくないのに…)
( ´_ゝ`)(やった、車で送り迎えしてもらえる)

〜そしてゲーセン〜

.@@@
@# _、_@
 (#  ノ`)「む、あれがやりたい。ダンレボ」
_〃` ^ 〈
Σ( ´_ゝ`)「なんと!母者まだDDRを続けていたのか…」
.@@@
@# _、_@
 (#  ノ`)「いや、何もしていない」
_〃` ^ 〈
( ´_ゝ`)「おい」
.@@@
@# _、_@
 (#  ノ`)「まぁ付き合え。」
_〃` ^ 〈

    |
\  __  /
_ (m) _ピコーン
   |ミ|
/  .`´  \
( ´_ゝ`)「!!」

( ´_ゝ`)「すまない母者、セッションの約束があるのだ」
.@@@
@# _、_@
 (#  ノ`)「セッ…ション?」
_〃` ^ 〈
( ´_ゝ`)「この1クレはサービスだ。とりあえずジョイントで落ち着いてほしい」
<チャリーン
<デン!
.@@@
@# _、_@
 (#  ノ`)「ジョイン…ト?」
_〃` ^ 〈
≡( ´_ゝ`)「では!もう二人プレイにしてしまったので妹者!頼んだぞ!さらばだ」
Σ.l从・∀・ノ!リ人「ちょwwww兄者どこへ行くのじゃー!?」
71母!妹!おまけで兄!DDR!3:2007/12/27(木) 15:00:16 ID:woU+3/8R0
  .@@@
@# _、_@
 (#  ノ`)「頼む妹者」
_〃` ^ 〈
.l从・∀・ノ!リ人「…母者はBEGINNER譜面だな。私はBASIC譜面なのじゃ。曲は…」
  .@@@
@# _、_@
 (#  ノ`)「私の知っている曲はないらしい。好きに選ぶといい」
_〃` ^ 〈
.l从・∀・ノ!リ人「Butterflyくらい残しとけよコンマイ」

<ズキューン
<ファッスタイ!アアアーアアアーアーユーレーデーイ?

.l从・∀・ノ!リ人「ぶん殴るぞ」

<ズキューン
<ファッステェイジ!アーユーレデッ?

.l从・∀・ノ!リ人「よろしい」
  .@@@
@# _、_@
 (#  ノ`)「お、始まった」
_〃` ^ 〈
.l从・∀・ノ!リ人「GENOM SCREAMSは最高に好きな譜面なのじゃ」
  .@@@
@# _、_@
 (#  ノ`)「ぬ、ぬぅ…さっぱりわからん…」
_〃` ^ 〈
.l从・∀・ノ!リ人「1曲目ゲージだから問題なくクリア。だがラストの同時ラッシュがgdgdだ…」

<ファッスタィゥ!サブストリッ!

.l从・∀・ノ!リ人「ラッシュはラッシュでもGOLD RUSHではないのじゃ」
  .@@@
@# _、_@
 (#  ノ`)「どうせgdgdなので妹者と同じ譜面をやらせてくれ」
_〃` ^ 〈
Σ.l从・∀・ノ!リ人「(BEGINNER足1の曲でコケそうになってるのに?)」

.l从・∀・ノ!リ人「…むぅ、そう言うのなら↓を二回踏むのじゃ。私と同じBASIC譜面になる」
72母!妹!おまけで兄!DDR!4:2007/12/27(木) 15:02:46 ID:woU+3/8R0
どうやっても母者のパァーマネントがズレるお



 .@@@
@# _、_@
 (#  ノ`)「さっぱり出来ぬな。これ、買おうか」
_〃` ^ 〈
.l从・∀・ノ!リ人「は?」
 .@@@
@# _、_@
 (#  ノ`)「これが家にあったらダイエットにならないか」
_〃` ^ 〈
.l从・∀・ノ!リ人「いや…筐体は買えない(色んな意味で)。やるならお金もかかるし…」
 .@@@
@# _、_@
 (#  ノ`)「2,3万くらいで収まるのじゃないのか」
_〃` ^ 〈
.l从・∀・ノ!リ人「いや、相場は知らな…あ、兄者!見てないで助けてほしいのじゃ」
|_ゝ`)「む、見つかった」

( ´_ゝ`)「1万ほどで新品のソフトと専コンは揃うぞ」

( ´_ゝ`)「前から欲しかったのだが、妹者はポプ俺は弐寺とか余裕がないからな…」
 .@@@
@# _、_@
 (#  ノ`)「加えて貴公らが占有しているのでPS2も新しく買おう」
_〃` ^ 〈
.l从・∀・ノ!リ人「母者…本気じゃな…」
(*´_ゝ`)「SNは良いぞぉ、俺も弐寺でFAXXにbe Fascinatedされてだな…」
73母!妹!おまけで兄!DDR!5:2007/12/27(木) 15:03:47 ID:woU+3/8R0
 .@@@
@# _、_@
 (#  ノ`)「昔は楽譜面くらい余裕で出来たのに…」
_〃` ^ 〈
( ´_ゝ`)「え、ちょ、折角ちょっと頭良さそうなこと言ったのにヌルーですか」
 .@@@
@# _、_@
 (#  ノ`)「早速ソフトとコントローラの手配を妹者」
_〃` ^ 〈
.l从・∀・ノ!リ人「イエス、サー!レッツトルーパーズ」
( ´_ゝ`)「強行軍(TROOPRES)ではない。超新星(SUPER NOVA)であれ。」
 .@@@
@# _、_@
 (#  ノ`)「先ほどから聞いておれば訳のわからぬ台詞ばかりを」
_〃` ^ 〈
(;´_ゝ`)「ま、待ってくれ母者、別に英語がわからないのを馬鹿にしてる訳じゃ、ちょ、違うって、アッー!」

.l从・∀・ノ!リ人(母者との関係もこれで少し円滑になるだろうか)

.l从・∀・ノ!リ人(ありがとう、兄者)

.l从・∀・ノ!リ人(君のことは忘れない)

Σ(;´_ゝ`)「流石は滅びぬ!何度でもよみがえるさ!」
 .@@@
@# _、_@
 (#  ノ`)「何を勘違いしているんだ?俺のバトルフェイズはまだ終了していないぜ」
_〃` ^ 〈
(;´_ゝ`)「やっぱ無理かも!」

糸冬

投下してみると思ったより長かった。お粗末様でした。
74爆音で名前が聞こえません:2007/12/28(金) 08:27:07 ID:JFG8JN80O
>>73
小ネタ乙。
哀れ兄者…w

ついでにageとく。
75がう:2007/12/29(土) 13:17:05 ID:SGldQTKJO
お久さです!俺も廃人氏同様リアルが多忙な為にあまり書けませんでしたが,年末年始あたりに灯火します!!
76爆音で名前が聞こえません:2007/12/29(土) 21:59:57 ID:q/2e3moW0
ギタドラ廃人さんと>>69の人乙。
がうさんのも期待してますぜとROMってる俺が言ってみる
77旅人:2007/12/30(日) 01:16:55 ID:BLa/J3bQ0
>>ギタドラ廃人、>>69
乙です。本当、読んでて面白いです。あと、もっと書き手さんが増えれば嬉しいです。

クロスワードパズルの方の中編が出来たので投下します。
リアルが多忙という理由じゃなくて、アクセス規制に長い間引っかかっていた…
という理由で投下できませんでした。そのおかげで手直しが出来たところもあるんですが。
それでは、音楽ゲームクロスワードパズル事件の中編、どうぞ。
(前スレの631さん、指摘ありがとうございます。これからも精進していきたいと思います)
78旅人:2007/12/30(日) 01:23:35 ID:BLa/J3bQ0
あらすじ…私立探偵の小暮は警察の田中刑事から音楽ゲームクロスワードパズルを解いてくれ、
と依頼を受けた。協力を仰ぐため知人の町田に電話を掛ける所から中編は始まる


小暮は町田の携帯電話の番号を打ち込んでいき、そしてコールした。
テュルルルル…テュルルルガチャ

「もしもし、小暮君?」

「はい。ちょっとした用があって電話を掛けさせて頂きました」

「何?何の用?」

「町田さん、音楽ゲームって一通り出来るんですよね。ちょっと教えて欲しくて…」

「?今すぐ事務所に来いって事?」

「いえ、どうせやるならゲーセンでやりたいです。それに、事務所にプレステ2無いですし」

「んじゃあ『白壁』で待ち合わせね!今は正午か…んじゃあ一時半はどう?」

「いいですね。一時半に『白壁』で待ち合わせですね、分かりました。それでは」

じゃあね、と言って町田は自分から電話を切った。小暮は受話器を置いてパズルを見つめ、
何か考えこむような顔をしていた。その顔のまま田中に言う。

「刑事さん、さっきの作戦をもう少しひねったのを考えてみたのですが、聞いてくれませんか?」

「聞かせてくれ」

「あのパズル、町田さんに見せて解いてもらおうと思ったんです」

「馬鹿、あれはトップシークレットだ。一般人の目に触れてはまずい物なんだぞ!」

「大丈夫です。『勉強を教えている子供が僕に挑戦してきた』
と言えば町田さんは多分きっとすっかり騙されてくれるはずです」

そう言って小暮はコピー機に「音楽ゲームクロスワードパズル」を入れてスイッチを押した。
後ろで田中がおいコラ!この馬鹿!等と罵声を浴びせかける。
小暮はそんな田中の罵倒をスルーしてパズルのコピーを手に取って言った。

「大丈夫って言っているじゃないですか。キーワードを見てこのパズルは本当に警察って所の盲点をね、
よく突いたと思いますよ。警察の人間は遊ぶ時間が無いんでしょう?それならほら、『幕』だとか、
『聖歌トランス』とか、こんな造語で表された曲名なんて分かるわけ無いでしょう?
なら音楽ゲームをやっている人に協力を仰げばいい。町田さんみたいなちょっと変わった、
いや、いい意味で変わっている人ならこのパズルが極秘物って分かってもばらさないと思うんです。
先に提案した回りくどい解き方より、こっちの方が単純ですぐ解けると思いますよ」
79旅人:2007/12/30(日) 01:27:53 ID:BLa/J3bQ0
「警察という立場からするとこんなやり方は嫌なんだが…仕方ない、これで行こう。(前スレの631に感謝の言葉を)
それに、犯人は今日中に市のどこかを爆破すると言っていたが…
奴は今日の何時かは指定していなかったからな、早めに終わる方が良い」

田中は渋々、といった様子で小暮の案を発展させた案を認めて、自分の車に乗るように小暮に言った。
ちなみに、田中の車はあの頭文字がDの峠バトル漫画で有名なあの豆腐店の車である。
小暮は助手席、田中は運転席に座り、田中の平凡な走りで二人はゲーセン白壁に向かう。

白壁というゲームセンターについて少し説明しておこう。
白壁は市の駅前にあり、客も多く非常に繁盛している。ここは音ゲーに限らず、
あらゆるゲームを極めた者が多く集まる店でもある。この市ではゲームを極めた者は一種の英雄となれるが
他の所へ行けば気持ち悪いと言われるのが関の山。
そんな事情も白壁のプレイヤーの平均レベルが非常に高い理由でもある。
(尚、白壁と言う名前は正式の名前ではない。『ゲームセンターパレス』というのが正式名称。
建物の外壁が白い事から白壁と呼ばれるようになった。UDXのあの曲とは一切関係無い)

町田という女性についても説明しておきたい。
町田は白壁で上級者の動きを観察、研究してUDXのSP皆伝を所持、
ポップンではニエンテプロバロ共にEXをクリアー、ギタドラでは泥鳥の赤なんて余裕余裕といった腕前、
DDRではFAXXなんて朝飯前、太鼓では全曲制覇を達成するほど音楽ゲームの腕を磨きまくった、
と初対面の小暮に語ったことがある。その時から小暮と町田は時々話をするくらいの関係になった。

「この市の市街地と北方に位置する住宅街、これを分けている川をまたぐ橋が二つある…って知っているよな」

「ええ、知っていますよ。確か二つとも『大桟橋』って言うんでしたっけ」

「ああ、正確には東の方角の橋は『大桟幕橋』、西の橋は『大桟冥橋』と呼ぶはずなんだが」

「それじゃ、今走っている橋は『大桟幕橋』なんですね」

これは田中の車の中で二人が交わしている会話である。
田中の言うとおり、この市には市街地と住宅街を結ぶ、二つの橋がある。
この『大桟橋』というのは市長が面白半分にUDXにある一つの曲名から名づけたものだ。
勿論、市長は大桟橋が実在するものだと知っている。まぁどうでもいい事だが。
今日この日、どちらかの『大桟橋』を通って某国の音ゲー大好きな上官がこの市に遊びに来るという事を田中は小暮にした。
当然、これも極秘事項。決して他言しないようにと田中は小暮に念を押していた。

小暮は田中に駅前で下ろされて、歩いて白壁に向かった。駅前からさほど離れた所に白壁はあるわけではないので
その看板代わりの真っ白いゲーセンはすぐに見つかり、すぐに小暮は入店していった。
調査費用と称して車内で言葉巧みに田中から貰った警察の捜査資金の一部の福沢一枚を右手に握り締めながら。

小暮が田中に駅前で下ろされていた頃には白壁の中で1つのギャラリーが形成されていた。
そこにある1つのUDX筐体を囲むようにして、そのギャラリーはあった。
プレイヤーは一人の女性だった。イーパスをリーダーに挿入、百円硬貨を投入して、スタートボタンを押し、
シングルプレーでゲームスタートした。その時画面上に出ていた彼女の段位は、SP皆伝、DP8段である。
スタンダードを選択、すぐにlv12フォルダを開けて早速プレーした曲は何とAAだった。
初中級者では絶対に見切ることの出来ないぶっ飛んだノーツ配置、いわゆる譜面と呼ばれるそれを、
その女性は鍵盤とスクラッチを巧みに操作、ミスを殆ど犯さず、危なげなくクリアーした。
リザルト画面が出た瞬間、その評価はAだったがギャラリーの人々は大いに盛り上がっていた。
「おぉー!」「この人凄いね!」「AAをバップア一桁でクリアするなんて、人間か?」等、賞賛の声は絶えなかった。
次に女性は嘆きの樹の、当然アナザー譜面を選曲、AA以上にぶっ飛んで見えるその譜面を先程のように楽勝楽勝、
といった様子ではなかったが、ギャラリーの大半を占める初、中級者から見れば楽にクリアーしたと思われていた。
80旅人:2007/12/30(日) 01:31:30 ID:BLa/J3bQ0
その筐体はスタンダード三曲設定なので、女性はファイナルステージの選曲をしなければならない。
彼女を囲むギャラリーの期待に応えるように、女性は冥を(勿論アナザー譜面で)選曲した。
その瞬間、ギャラリーがどっと沸いた。最初のノイズみたいな音、イケイケな感じで盛り上がる曲調から一変して、
難所と言える低速地帯へ突入、流石の彼女もここは苦戦していたようで、100%もあったゲージはあっという間に
スクラッチに伴うBPMの加速と共にどんどん減って50%近くまでに減った。しかしそれでもギャラリーの声は

「すげーよ、低速で50?」「50なら後はあの人にとったら回復だろうからクリア行けるんじゃない?」

と、この女性がこの難曲をクリアーする事を信じて疑わないでいる意思を表明していた。
実際、その後のピアノの大階段旋律と言えば良いのか、作者は音楽的知識は殆ど無いから上手く言えないが、
まぁそんな感じのピアノの所の譜面は彼女にとって回復地帯であったようだ。
ゲージをどんどん伸ばし、哀愁漂うラストは彼女を囲んでいたギャラリーの歓声で締められた。
(余談だが、その後のエキストラステージはTwelfth Styleを選曲してギャラリーの笑いを誘った)

女性がイーパスを抜いてUDX筐体を離れた頃、小暮は鼻歌を歌いながら入口付近で突っ立っていた。
しばらくすると奥の方から小暮は見覚えのある女性がこちらに駆け寄ってくるのを見た。
彼女はあのギャラリーを沸かせた女性であり、町田その人であった。小暮は町田に声を掛けた。

「町田さん!久しぶりですね、元気そうで何よりです。
あの、今日は音楽ゲームを教えて欲しいと言いましたが、それとは別に」

そう言って小暮は町田にクロスワードのコピーを、子供からの挑戦状なんですよと言いながら手渡す。
町田はへーと感心しているのかどうかよく分からない声を出しながら感想を述べた。

「これ、音ゲークロスワードって事かい?面白いね!縦横のヒントで曲名を導くのかー、ちょっとやらせてよ」

「はい。どちらかと言えばこれを解いてもらうのがメインでしたからね」

小暮はそう言って近くの両替機で福沢一人を百円硬貨10枚と野口九人に替えて、歩き出した町田の後ろを追う。
二階の休憩スペースで小暮と町田の二人はテーブルをイス二つで挟んで座っていた。町田は小暮から借りた
ペンを持って縦横のキーワードの文を読み進めていた。そして半分程度は彼女の知識で解いていった。
この位のキーワードなら、彼女を含む大抵の音ゲーマーは答えられるだろう。
「四葉」「愛社員」「コンチェ」「泥鳥」「百秒」「ズコー」「みそかつ」「タイピ」
これら造語や省略、空耳や置換で表された曲名は彼女の手にかかれば簡単に解けていった。
読者の皆様もお分かりになるだろう。

しかし、マニアックな所を突いていた問題も多々あった。「幕」というキーワードの意味するところは
一般的にはスクリーンというポップンで付けられたジャンルである。しかしこのパズルは曲名を書かねばならない。
「GALAXY FOREST 11.6&12」というのが正式な、と言えば少々変かもしれないが、それが「幕」の曲名だ。が、
町田は実際にポップン筐体で調べるまでは全然覚えていなかったのだ。読者の皆様も知っておられると思われるが
ポップンは曲に曲名の他にジャンル名を付けるという、他の音ゲーには見受けられないような独自性を持つ。
オリジナルのジャンル名から付けられた曲名を表す造語が出来たりする事が今までに結構ある。この「幕」は
スクリーンと言うジャンル名から直訳で造った造語であり、ギャラクシー何たらなどという覚えにくい曲名は
そういう風に略されることが多い。小暮がここに来る前に見た段階で確認していた「聖歌トランス」も
アンセムトランスと言うジャンルから付けられていた。(アンセム=聖歌というのが由来しているため、こう付けられた)
町田はそれは分かっていたが曲名が思い出せず、それもポップン筐体で調べなければならなかった。
案外簡単に解けるかもと思っていた小暮だったがこういった予想外の出来事を目の前にして、
音ゲー世界も楽じゃないんだなぁ…と思っていた。音ゲープレイヤーは全ての曲名を把握していると思っていたが、それは崩落した。
81旅人:2007/12/30(日) 01:38:01 ID:BLa/J3bQ0
白壁で小暮と町田がパズル解きに精を出している頃、田中は一度署に戻っていた。
「音楽ゲームクロスワードパズル捜査本部」と張り紙がある部屋に田中は入っていった。
小暮を車から降ろしてからもう二時間が経った。しかし、町田にパズルの事情を悟られまいとしてか、
小暮の自分の携帯電話を通じての報告の数は少なかった。だが、一つ一つの報告はしっかり重みを持っていた。
そのお陰で田中は、近くでビートマニアとか言ったような音楽ゲームをプレーしてる同僚を横目に、
パズルの空欄を埋めていく事が出来た。田中の作業中に遊んでいた同僚はこう言っていた。

「よっしゃ!ハッピースカイの四級取った!
お、このキャラ結構可愛いな…案外楽しいぜ、このゲーム。田中ァ、お前もやろうぜ」

「あ?ちょっと待てよ、今作業しているんだ。…おら、パズルの鍵はいくらか解けたのか?」

「全然。意味がわからねぇからな。日本語で書いてあるのに言っている意味がわからねぇって、このパズル」


ここで「音楽ゲームクロスワードパズル」の仕様について説明しておきたい。
このパズルは縦横の鍵が音ゲーの曲名を導き出すもの、というものの他にも色んな独自性を持っている。
1つは「アナザーワード」(と、このパズルは表記している)というもの。普通のクロスワードパズルといえば
空いたマスを縦横の鍵から導いた単語で埋めてゆき、指定されたマスの一文字一文字を並び替えて
そのパズルに隠された答えを導き出す、というパズルゲームである。
この音楽ゲームクロスワードパズルも「基本」はこれに乗っ取っている。
アナザーワードとは親切にもこのパズルの紙に書いてある。それにはこう書かれてある。

「第一段階での答えの条件を絞り込んでいくためのもう1つの答えである第二段階ともいえるこれは解く必要は無い」

アナザーワードのマスにはいる文字のマスは、隅に小さな三角形の印が印刷されてある。
このマスはパズルのあらゆる所にあり、そしてアナザーワードの答えは6つのマスで出来るようになっている。
つまり、かなりの数のフェイクが存在するということだ。
このフェイクを絞り込んでいくためには、アナザーワードヘルプという枠にある言葉を見るといい、
とパズルの紙は語る。その枠にある言葉とは「High Level」とだけある。直訳すると「高難度」ということだ。

このように一筋縄ではいかないであろうクロスワードパズルを、果たして小暮と協力者の町田は解けるのだろうか?
いや、解いてもらわないと困る。そう強く思っていた田中は先程CSHS四級をクリアーした同僚に、
半ば無理矢理にビートマニア何とかと記憶していた音楽ゲームをやらされた。
渋々、といった面持ちで最初はプレーしていたが次第にその顔に笑みがこぼれるようになった。
この事件のお陰になるのだろうか、こうしてまた一人、音楽ゲームを支持する人間が増えたのである。
82旅人:2007/12/30(日) 01:41:39 ID:BLa/J3bQ0
そうして田中がUDXを署でプレーしていた時、小暮は若い男と知り合った。男はゆうと名乗った。
彼の住む地域はここから遠く離れていると彼は語った。何故、遠方のゲーセンに足を運んだのかと小暮が訊くと、

「それはですね、この市の全てのゲーセン、又はゲームコーナーが大変マナーが良いと聞いてですね。
どういう感じなのかなと思いまして、こちらの白壁の様子を一度見てみたいなと思いまして。
実は僕、何でも屋を営んでいて、それとは別に小規模ながらゲーセンも開業したいなと思っていたんです。
それで、マナーの良いゲーセンってどういう雰囲気かなと思って…見学ですね。そのために来ました」

と、彼は長ったらしく答えを返した。彼が言いながら手渡した名刺は、彼の発言の証拠となっていた。
ふと、小暮は思い、それを口にした。

「あなたの住んでいる所のゲーセンってとてもマナーの悪いところなんですか?」

「いいえ、並みのゲーセンですよ。ただ、少し前まではとても荒れていました。
けれど、流れの旅人さんが僕の住んでいる港町唯一のそのゲーセンの空気を良くしてくれました」

そうなんですか、と小暮は彼の質問に対し返ってきたその答えに納得する。それから数分後、ゆうは小暮に言った。

「あ、UDXが空きましたよ、あなたこれからプレーするんですよね?少しながらアドバイスを差し上げられると思うのですが、
いかがでしょうか?ちょっと僕の話を聞いてみませんか?」

「いいんですか?それじゃ、ちょっと指導を受けてみようかな」

小暮はゆうの提案に賛同し、腰を下ろしていたベンチから立ち上がり、UDX筐体のお立ち台に上がっていった。
右手に百円玉を握り締めて、周りの視線に少し怯えて、近くにいる知り合ったばかりのゆうと言う男の存在に安堵しながら。

時刻はもう午後四時を回っていた。冬もそろそろ近い時期では日が暮れるのも早くなっていく。
しかし『白壁』の常連たちには帰宅しようという気配は無い。それは小暮と町田にも言えることだった。
小暮は少し前に大変参考になった、と残して帰っていったゆうと名乗った男のアドバイスを思い出しながら
UDXのSPで、5.1.1.(N)をプレーしていた。町田と共に進めているパズル解きの休憩がてらに遊んでいるのだが
遊んでいる間はパズルの事を考えなくて済む。そこで余裕が生まれる。それはパズルを解く原動力…思考力に繋がっていく。
音ゲーを楽しむということは小暮にとってとてもプラスの方向に働いていた。
時には休憩も大事、という言葉を彼は思い出した。最後のノーツを拾い、小暮は何度目かの同曲のクリアーを果たした。
これが2nd STAGEであったので次はFINAL STAGEであった。
小暮は今日始めてUDXを始めた人間である以上、当然エクストラを出せる筈も無い。
最後の選曲はGOLD新曲から選ぶことにし、タイトルだけ見て選んで、four-leaf(N)を選曲した。
エレキギターのジャカジャカジャ-ジャカジャカジャーと、文字に直せばこんな感じの曲調を表す単純な譜面にオロオロしながら
小暮は彼なりにその状況を楽しんでいた。初心者にとってlv4表記の曲をプレーすることは特攻行為に近いものもあるだろう。
小暮はこの特攻行為をとても気に入っていた。エクストラはどう頑張っても出せないのだから、
初心者にとっての難曲をクリアーしてみようかと思うのも良いのではないか?と小暮は考えていた。

一方町田はポップンでニエンテEXをS-EXでプレーしていた。悪い言葉で言うなら狂ったような、
良い言葉で言うなら究極に難しい譜面を彼女は素早くしなやかに流れる手の動きでボタンを叩き、
処理していく。高速大階段地帯なども彼女にとっては少し難しい場所でしかないのであろうか。
殆どBAD評価を出さずにそんな難所も切り抜けていく。そんな彼女を形容する時は多分、
悪い言い方をすれば彼女はキチガイであり、良い言い方をすれば彼女は超人と形容すれば良いのだろう。
83旅人:2007/12/30(日) 01:44:46 ID:BLa/J3bQ0
その頃の田中は数少ない小暮からの報告(パズルの答えの一部)を
署の「音楽ゲームクロスワードパズル捜査本部」の全体に共有させ、先の同僚と共にCSハピスカをプレーしていた。
犯人からは沢山のソフトやPS2、そして専コンが送られてきているので、
物が足りないという事には全くならない。犯人はよほど金銭に余裕があると見える。
田中の隣…2P側でプレーしている同僚が鍵盤やターンテーブルを操作しながら言った。

「このEDENって曲良いよな。とくに『そう!』の所とかさ」

「あ?俺はさっきのあの女、こっち見んじゃねぇよと思ったがな」

捜査本部は家庭用の音ゲー(所謂CS作品)をプレーしてパズル解きに挑戦していたのだが、
捜査員の殆どが音ゲーをプレーしない人達ばかりだった。それ故に田中の同僚のように完全に遊んでいる者もいれば
5.1.1.(N)すらクリアーできず嘆く者もいて、パズルの鍵の文にある音ゲー用語の意味が分からずただただ苦悩する者もいた。
結局、捜査本部はこのクロスワードパズルについて殆ど成果を挙げていなかった。それは田中の言った
「数時間に渡っての会議」で出た案「私立探偵にこのクロスワードパズルを解かせる」での私立探偵、
つまりは小暮に捜査員達が無責任な過多な信頼を寄せているから、という事が影響を与えているのかもしれない。
しかしこれでいいのだろうか、警察は。


午後五時。この密かに爆破予告を受けた音楽ゲームの市から遠い所にある国際空港にて。
某国の上官がお忍びでその市へ遊びに行くためにそこへ自家用ジェット機を着陸させた。
男はその様子をじっくりと観察していた。彼には護衛がいなかった。近いところにも、離れているところにも。
完全に一人で遊びに来られたようだ。これは、奴を殺りやすくなるという事だ。と、彼は思った。
上官はレンタカーを利用し、あの市へ走り出した。彼もまた彼の車のエンジンを始動させ、車を発進させた。
空港の駐車場を出る前に彼は思った。「あのクロスワードは、解かれたかな?」
駐車場を抜けてからしばらくして、自作のクロスワードパズルが解かれた可能性は極めて低いと判断した。
警察の人間が遊ぶ時間なんて殆どないだろうと踏んで、警察にあのパズルを送ったのは正解だろうと改めて思う。
そして捜査の過程、つまりは遊んでいるうちに捜査員たちの捜査のスピードはどんどん落ちていく、遊びに久しく触れた人間が
それにずっと依存していたいから、という心理が働いてくれるだろうと考えて、俺はCSとかを送ったんだ。そう改めて思い、
緩やかな左カーブを走っていった。彼の車は、上官のレンタカーをひたすら追跡していた。…事件が終わる時は、もう近い。
84旅人:2007/12/30(日) 01:54:20 ID:BLa/J3bQ0
はい、音楽ゲームクロスワードパズル事件中編はこれでお終いです。
最初に書いてみたあらすじなのですが、今考えると正直要らなかったんじゃないか?
と思うのですが、いかがでしょうか?

二つ目の投下の()の部分ですが、こちらのミスです。メモ帳のほうから消し忘れていたんです。
脳内削除して頂けると幸いです。まとめさんにはご迷惑をかけます。申し訳ありません。

その他統一されていないところ、文がおかしい所、日本語でおkな所があると思います。
相変わらず読みにくいんじゃボケと思うなら遠慮なく言って下さい。俺も全力を尽くして、
改善していきたいと思います。それではおやすみなさい。
85爆音で名前が聞こえません:2007/12/30(日) 22:16:32 ID:+xVnEjS+0
旅人氏乙

最後どうなるんだろう?
86がう:2008/01/01(火) 11:20:24 ID:Pm+GYVSCO
あけおめです〜。
灯火時刻ですが,明日の正午にします。仕事の関係上遅れてしまいましたが許してくだしあ。
87爆音で名前が聞こえません:2008/01/01(火) 14:45:41 ID:5RoLj5G9O
あけましておめでとうございます。
結局去年は二つ投下しただけですが、今年は何かまた書けたらいいですね。
88がう:2008/01/02(水) 12:04:17 ID:PtKhRY1NO
お待たせしました。今から灯火します
89がう:2008/01/02(水) 12:06:18 ID:PtKhRY1NO
(;^ω^)写真に載ってるショボンさんの隣の変な人は一体誰なんだお…?

写真の隣に写っているのはタキシードに身を包んだ男性。しかしいかんせん身長がかなり低いせいでタキシードがまるで似合っていない。

ブーンはその写真をじっと見詰めて何故だか知らないが変な冷や汗が額から出て来た。

(;^ω^)これがショボンさんのパパさんかお……?

< あばばばばばばばばwwwwwwwwwww

Σ(゜ω゜;)しぃちゃん!?
90がう:2008/01/02(水) 12:08:20 ID:PtKhRY1NO
ショボンの私室の方から物凄い悲鳴が聞こえた。その悲鳴を聞いて最悪の事態を想定してしまったのだろう,ブーンは拳をグーへと変形させた。

キャー!エスケテー!!
サァ…ソノテヲコッチニ…
キャー!!ハフーン!!ダンナサマー!!
ソンナニアバレルナヨ,フヒヒwwww
アンタバカァ?

(#^ω^)あの野郎,人の女に手を出すなんてふてぇ輩だお!!我が成敗してくれる!!

三⊂ニニ(#^ω^)ニニ⊃ブーン!!

ブーンはショポンの頼まれ事など無視して強姦魔捕縛へと急いで身を乗り出した。

(:^ω^)俺のこの手が真っ赤に萌えるぅぅうwwwww…ってあるぇ?

(;´・ω・`)いやぁん…見ちゃ…らめぇ。

な,何やらさっきよりショボンの部屋が散らかっている。CDやらソフトやらえらく乱雑して余計に足の踏み場の無いくらいに。

(* ゚ー゚)ごめんなさいショボンさん…。私がギターの専コンを取り出そうとしたらこんな事に。
91がう:2008/01/02(水) 12:11:05 ID:PtKhRY1NO
(´・ω・`)気にしない気にしない。押し入れに物を入れすぎた僕が悪かったんだ。

申し訳なさそうに頭と股間を押さえるショボン。

( ^ω^)あ…そういうことだったんだおね。僕はてっきり……

(#´・ω・`)失敬な。

股間を揉みながら激怒したショボンだったのだが

( ^ω^)(怒る理由が 見 当 た ら な い の で す が)

えぇ,全く。

(* ゚ー゚)ショボンさん,落ちてたこのCDのタイトル何ですか?夜勤病t…

((((;´・ω・`))))

言葉を発する間もなくしぃが持ってるCDケースを疾風の如く取り上げた。

(;^ω^)それなんてry(パッケージが無かった点,オリジナルではなくコピーしたものだった点。この2つを総合的に判断した結果セフセフ)

(* ゚ー゚)?
92がう:2008/01/02(水) 12:12:41 ID:PtKhRY1NO
(;´・ω・`)ささ,やろうやろう。ギタコン持って。

冷や汗が止まらずにギタコンを慌てて差し出してプレステの電源を入れるショボン。

ウィーン………シュワーン

(;´・ω・`)さてさて始めますか…。

そう言ってやりだしたのはとある2曲の解禁方法がやたら面倒な家庭用ギタドラVだった。

( ^ω^)あれ…このギタコンにスポンジがいっぱい貼付けてあるお…。

ショボンの差し出したギタコンには確かにスポンジが貼付けられている。ボタン,ネック,そしてピック部に。

(´・ω・`)少しでもアーケードの感触に近づける為さね。

(* ゚ー゚)手が込んでるんですね。

まじまじとギタコンを眺めるしぃ。アーケードと違う形状・重量に興味津々。

(´・ω・`)ちなみにもう少しすると家庭用ギタドラの新作とアーケードと全く同じ形状のギタコンが発売するんだ。

93がう:2008/01/02(水) 12:15:02 ID:PtKhRY1NO
(* ゚ー゚)そのコントローラーも買うんですか?

(´・ω・`)オフコース。だけど2万弱だからお財布を固く締め付けないとまずいんだな。

( ^ω^)お…始まったお。どんな曲があるか確認してみるお〜。

カシャカシャ…バカボン!!ウィルソン!!
カシャ…アータシサクランVOIDDDDDD!!!
カシャ…ザンパンゲロッピー!!
カシャ…マーチアワセハーイーツモノーハゲー

(* ゚ー゚)すご〜い!!私の好きな曲がたくさん〜。GRIDEにBalanceにルックスもある〜!!

しぃは曲のラインナップを見てかなり興奮している。

(´・ω・`)しぃちゃんが苦手と言っていた曲の一つはここに入ってるから早速練習してみよう。まずは普通にプレイしてみて。

(* ゚ー゚)は,はい…。

アドブァーンス!!エクストゥリーム!!ベィス!!オーペンピック!!

ズキューン!!

しぃの苦手な曲その1が始まった。慣れないギタコンに少々おぼつかない様子。

(; ゚ー゚)あ…あれれ?
94がう:2008/01/02(水) 12:16:29 ID:PtKhRY1NO
イントロが始まって直ぐにミスが目立つ。どうやらアーケードと違うピックの重量感に戸惑っているようだ。
そう思う間もなくノーツがどんどん流れて来てしまって余計混乱し始めるしぃ。

(´・ω・`)(最初からちょっとリズムが不安定だね。問題はここか…。)

( ^ω^)なんだか楽しい曲だおね〜。

曲はやがてBメロを抜けてサビに入り出した。

(* ゚ー゚)やった!!いつもミスするところを繋ぎました!!

(´・ω・`)(サビが繋がったとは言えどグレグド大量発生…ツンは難無くパフェを取る事間違いなしだな)

三⊂ニニ( ^ω^)ニニ⊃♪♪

⊂ニニ(^ω^ )ニニ⊃三♪♪

  
三三\( ^ω^)/♪♪

三(^ω^ノ)ノ♪♪


(#´・ω・`)⊃<^ω^;)暴れるな。ただでさえ狭いのに。
95がう:2008/01/02(水) 12:18:04 ID:PtKhRY1NO
( ^ω^)すまんこ,ついつい体が疼いてしまって。抑えがたい衝動が体の中に沸々とwwwww

(* ゚ー゚)うーん……ラストも……。

スティジクリァァ!!

少し納得いかない様子でクリアしたしぃ。ショボンは無言でその演奏をじっくり聞いていただけに少し表情が宜しくない。

(* ゚ー゚):C 66%

(* ゚ー゚)どうですか?何か悪い点とかありましたか?

(´・ω・`)うん無茶苦茶。

(;^ω^)ストレートかつ厳しいコメントwwwwww

(´・ω・`)でも解決策が見つかったからすぐに上手くなるよん。

(* ^ー^)本当ですか!?やっぱりショボンさんだと頼りになります。

(*´・ω・`)うぇwwwwwwwその一言だけで勃wwwwっwwwwてwwwきwwたww

(#^ω^)ビキビキ
96がう:2008/01/02(水) 12:20:09 ID:PtKhRY1NO
(´・ω・`)そうだな…先ずはしぃちゃんのプレイ時の設定を変えていこうか。まずはハイスピ。

(* ゚ー゚)今は6.5なんですけどどうしたらいいですか?

(´・ω・`)0.5〜1.0ずつ速く設定をしてみよう。まずはそれで自分に1番合った速さにするんだ。

( ^ω^)ブーンも3.0から徐々に早めてついには8.0まで行ってしまったお。

(* ゚ー゚)8.0!?とても速く感じない?

(´・ω・`)ブーンは素質があるから早いうちにその速さに慣らせておいた方が良いと思って僕がさせておいたのさ。

( ///)ほ,褒めても何も出ないんだからねっ!!

(´・ω・`)お前はツンデレじゃないだろ……設定的に考えて……。

(* ゚ー゚)じゃあ7.0…っと。

( ^ω^)テラスルーwwwwwwwwwwww
97がう:2008/01/02(水) 12:21:48 ID:PtKhRY1NO
(´・ω・`)あ,あとしぃちゃんはダーク無しでやってるよね?

(* ゚ー゚)はい。どうしても小節線が無いとリズムに乗れなくて…。

(´・ω・`)小節線を見てリズムを取るほかにももっと簡単にリズムに乗る方法があるよ。

( ^ω^)お?

(´・ω・`)とにかく「聞く」事。サントラの存在やコンマイネットDXで曲をダウンロード出来るの知ってるよね?

(* ゚ー゚)知ってます。DXの方はギターのスキル確認とかしか使ってませんけど…。

(´・ω・`)音源を手に入れる術は幾らでもある上,聞く方がよっぽどリズムが取れる。全ての音ゲーに共通することだよ。

( ^ω^)なんという説得力……思わず関心をしてしまった,これは間違いなく中級者の助言……。

(* ゚ー゚)確かドクオ君がサントラ持っていたような…
98がう:2008/01/02(水) 12:22:57 ID:PtKhRY1NO
( ^ω^)持ってるお。最近になってインストシリーズのCDを買って毎日Across聞いてノリノリだお。

(* ゚ー゚)もし時間があるなら今日借りに行っても良いかな?

( ^ω^)モチのロンだお。兄さんもしぃちゃんが家に来てくれると喜ぶおwwww

(* ^ー^)じゃあこの後行くねっ♪

(´・ω・`)……

( ^ω^)(おっおっwwwwショボンさんが大分困ってるおwww彼の手からしぃちゃんを華麗にスルーさせるブーンの浅知恵も捨てたもんじゃないおwwwwww)

(´・ω・`)盛り上がってる所済まないが,ダークは付ける方向で。

(* ゚ー゚)はい。
99がう:2008/01/02(水) 12:26:02 ID:PtKhRY1NO
(´・ω・`)それと,サントラを持ってるならブーンもダークを付けて今のうちに耳を鍛えておきな。

( ^ω^)把握したお。

(´・ω・`)あとは……あ,コンボ表示はType-AにしてるんだったらTypeーBに変えること。コンボが邪魔でノーツが見づらいからね。

( ^ω^)ふむふむ

(´・ω・`)演奏時の目線だけど真ん中よりやや下をめどにすると譜面が見切りやすくなるよ。

(* ゚ー゚)あ…私いつも上の方ばかり見てた…。そっか〜見る角度でかなり違うんだ。

( ^ω^)僕もずっと上のラインばっかり気にしていたお…。やっぱりショボンさんは頼りになるお!!

(´・ω・`)嬉しくもなんともないね。

( ^ω^)ツンツン乙wwwwww

(´・ω・`)まぁ助言はそのくらいで後はやり込むこと。このギタドラVとギタコンを貸すからしっかりと練習してね。
100がう:2008/01/02(水) 12:27:10 ID:PtKhRY1NO
そう言ってショボンはソフトとギタコンをしぃに手渡した。

(* ゚ー゚)えぇ!?良いんですか?

(´・ω・`)構わないさ,僕はバイト帰りにしょっちゅうやっているから家じゃあまりやらないんだ。

(* ^ー^)本当にありがとうございます!!

(*´・ω・`)どういたまして。

( ^ω^)(突っ込んじゃ駄目だ…突っ込んじゃ駄目だ…突っ込んじゃ駄目だ…)

(* ゚ー゚)あ…もうそろそろ行かなきゃ…。

時間を確認すると既に11時

(´・ω・`)おや…帰っちゃうのかい?もうちょっと居てもらっても…。

非常に名残惜しそうな顔でしぃを見つめた。勿論ブーンにはその真意は把握していたのでしぃの帰りを促そうとした。
101がう:2008/01/02(水) 12:29:42 ID:PtKhRY1NO
(* ゚ー゚)で,でも時間が…

( ^ω^)ショボンさん。女の子をこんな時間まで残すと危険がいっぱいだお。よって帰宅確定ww

(;´・ω・`)∩異議あり

( ^ω^)逆裁乙wwwだが断るwwww

(´・ω・`)ショボーン

( ^ω^)(ざまぁwwwwwwww)

さらにショボンの顔色が険しくなった。どうやら本気でしぃにお泊りさせる気だったらしい。

(* ゚ー゚)ごめんなさい,でもsonic worldに時間があったらまた顔を出すので教えてください。

(´・ω・`)全然良いよ。今度来るときはちゃんと家を綺麗にして電球もPink色にChangeして待ってるよん。

(;^ω^)(懲りていないお…)

( ^ω^)それじゃあショボンさん,今日はありがとうだお〜。
102がう:2008/01/02(水) 12:30:39 ID:PtKhRY1NO
(´・ω・`)あいよ。

こうしてブーンとしぃはショボン宅を跡にして,ドクオ宅へ向かった…。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
('A`)……

空気が重い…ドクオはさっきからずっとため息しかついていないのが分かるくらいに。

その理由はと言うと…。

ξ--)ξ

ブーンのベッドに寝かせてあるツンが依然と気を失ったままただ時間が過ぎていた。

('A`)…

沈黙の時が流れてゆく…。

ξ--)ξ

('A`;)何でツンが寝てるだけなのにこう窮屈に感じるんだよ。こう……アナルがキュっと締め付けられるような感覚に近い。

('A`)……よっこらセックス。

そんな思いを紛らわすかのようにドクオは立ち上がり,何か無いかと部屋を回る。
103がう:2008/01/02(水) 12:32:15 ID:PtKhRY1NO
('A`)これでも聞くかな…。

床に放置してある一枚のCDを拾い上げたドクオ。

カシャ…ウィーン……

机の上にあるパソコンのCDドライブに入れたのはギタドラの音源が入ったCDーRだった。

ウィーン………

僕も今日から のうみそきんにくwwwwwwwそこの貴方も のうみそきんにくwwwwwwwwww
彼も彼女も のうみそきんにくwwwww
体  き  た  え  ま  し  ょ  う  !!!!!!

('A`)uruseeeeeee!!!

いきなり大音量で流れたのはHandsome JETの「君のとなりに…」だった。
確かにこの重苦しいふいんき(ryを打破するのにはもってこいな歌だが,近所迷惑に成り兼ねない程に設定していたパソコンの音量に加えてこのVocalはヤヴァイ。

('A`;)フゥフゥ…
104がう:2008/01/02(水) 12:33:50 ID:PtKhRY1NO
急いでボリュームを下げて次のトラックへと移動させた。

ξ--)ξ……

取り乱したドクオはゆっくりと深呼吸をした。突拍子無くあの曲が流れたものだから心臓の鼓動が瞬間的に速くなってしまったらしい。

('A`)つ,次はどんな曲かな…

ウィーン……

迷わない もう 巡り合えたから
放さない この 手を 二度と
Our souls are now as one・・・

('A`)この曲は……

力強くも悲しげなvoice,思わず目を閉じて耳だけで聞いてしまいそうなこの曲はくにたけみゆきの「Destiny lovers」だった。

出会った瞬間 星が流れた
まばたきの速さで 恋に落ちていた
あなたのまなざし その手のぬくもり
なぜかわからない なつかしい気持ちが
胸の奥で 呼び覚ますよ
星に刻まれた記憶
105がう:2008/01/02(水) 12:35:34 ID:PtKhRY1NO
(-A-)……

ドクオは目を閉じて黙って曲を聞いていた。

迷わない もう 巡り合えたから
放さない この 手を 二度と
導いて 星よ 宇宙の彼方から
はるか遠い記憶 ここに 今
Forever,you and me・・・

曲が終わって一旦停止させるドクオは自分のベッドの上で少し溜め息をついた。

('A`)本気だったんだな…さっきの事…。

つい何時間前の出来事が頭の中で出て来て溜め息はさらに深くなる。
いきなりの事にあの場はボケるしかなかったと考えていた自分に対して情けなさすら覚えてしまった。

('A`)そういえば…あいつ昔からの仲だったけど未だに分からない事だらけだしなぁ…。
106がう:2008/01/02(水) 12:37:10 ID:PtKhRY1NO
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

粉雪が降り注いで程よく積もっている外の景色,その景色を窓辺で目をキラキラさせている少年。

「うわぁ……すごいすごいよお母さん!!」

雪という存在自体見るのが初めてだったのか,側でセーターを編んでいる母に興奮しながら呼び掛けた。

「ふふっ,それじゃあお外に遊びに出掛けましょうね,ドクオ。」

「うんっ!!」

ガチャ……

ひんやりとした空気,家の中とはまるで温度が違うせいか彼の腕には鳥肌が立っている。

「わぁ〜!!!すごいすごい!!」

しかしそんな寒さなど関係無かった。好奇心が勝って目の輝きが増した少年ドクオははしゃぐばかり。
107がう:2008/01/02(水) 12:39:52 ID:PtKhRY1NO
「まぁまぁ…そんなにはしゃぐと風邪引くわよ。」

後から出て来た母はマフラーやコート,手袋等かなりの重装備で家の中から出て来た。

「ヴェックショイ!!アーwwwwwww」

「ふふふっ。」

ピューと北風が吹いた直後,何とも年齢相応ではないくしゃみをするドクオ。
言わんこっちゃない,と苦笑いをする母親はチョイチョイと手招きをする。

「ドクオの分のジャンバーもあるから着なさい」

「ズビビー!ズビズバー!!!」

どうやら鼻水まで出てしまっているみたいだ。

「あらあら…ほら,これでかみなさい。」

用意周到な母はコートのポケットの中からティッシュを差し出した。
108がう:2008/01/02(水) 12:41:34 ID:PtKhRY1NO
「図微々微々美ビィwwwwwwwwwwwww」

「…………。」

鼻をかみ終わった後,再び彼ははしゃぎ始めた。
純粋な彼は雪でどうやって遊ぼうかと好奇心を膨らませながら雪に触れていく。

「………。」

「ん?」

ドクオは不意に家の門の方へと振り返った。

「どうしたの?」

「う,うん…何かに見られてる感じがして。」

「気のせいよ,ほら誰もいない。」

再び振り返るドクオ。確かに誰もいない。
おかしぃなぁと首を傾げる姿に母はクスクスと笑う。

「さっきは居たのになぁ……」

そうつぶやきながら再度振り返ったドクオ,何とも用心深い少年である。

壁|听)ξ
109がう:2008/01/02(水) 12:42:48 ID:PtKhRY1NO
「あっ…母さん母さん!!やっぱりこっちみてる人が居る!!」

そう大声を出した瞬間,パタパタと足音をたてて女の子は逃げ出した。
その子がドクオをさっきから見ていた女の子なのか,確証は無いがドクオにはさっきから見ていたのは彼女に違いないと決め付けていた。

〜その日の夜〜

「雪って凄いね〜ひんやりして集まると固くなって雪だるまが簡単に出来ちゃったよ!」

お鍋を囲んで楽しそうに話すドクオは笑顔と興奮が止まらない。それを見てお鍋の具を取ってあげる母。

「良かったわね,明日もまた積もって遊べると良いわね。」

「うんっ!」

ピーンポーン!!

会話の最中にインターホンが鳴る。一体誰だろうかとバタバタと二人はドアへと向かった。
110がう:2008/01/02(水) 12:45:38 ID:PtKhRY1NO
「は〜い今出ますね〜。」

ガチャ…

ドアを開けると先程とは違ってさらに冷たい冷気が家の中へと入って来た。

「どちら様でしょうか?」

ドアの前に立っている一人の女性。黒い長髪でスラリと細い身体,身長は160aと言ったところ。
その姿に母の後ろに隠れていたドクオは魅入っていた。

「夜分遅くにこんばんは…あの,今日からお隣りに引っ越して来ました。」

「あ,そうなんですか〜これから宜しくお願いしますね。…あれ,そちらのお子さんは?」

「私の娘です,ほら挨拶しなさい?」

後ろに隠れていた小さな女の子は前に出て来てペコリと一礼した。

「ツン……です。」

そう言って直ぐに後ろに引っ込んでしまう。余程の恥ずかしがり屋なのだかろか,自分の母親のジーパンに捕まってそこからひょっこりと顔を出している。
111がう:2008/01/02(水) 12:47:24 ID:PtKhRY1NO
「あっ……!」

ドクオは何かを思い出したかのように大きな声をあげた。

「さっき…さっきずっと見ていたの君でしょ?」

指をツンに指してドクオは言う。一方ツンは何も言わずに俯くだけ。
ツンの母親はくすくすと小さく笑い,ツンを抱えてドクオと向かい合わせにさせた。

「………。」

「ふふっごめんなさいね,この子ったら凄く人見知りだから中々喋らないのよ。それにここに来てまだ日が無いから友達がいないの。だから隣の家に居る君の事見ていたんじゃないかな?」

「………。」

彼女は未だに下を向いたまま何も言おうとしない。いや,何かを喋りたいのか口を少し震わせている。

「あ,あの……。」
112がう:2008/01/02(水) 12:48:38 ID:PtKhRY1NO
緊張できつく締まった固い口がようやく開きかけて微かな言葉が出て来た。

「初めまして,僕はドクオ!よろしくね!」

ツンが言葉を発し終わる前にドクオが言葉を出した。
それを言われた直後にツンはまた下を向いて小さく

「…よろしく」

さっきよりも少しはっきりした様子で言った。
その一言が余程大きかったのか,少し気が楽になって肩の力が抜けたようだ。

「それでは今日はもう遅いのでこれで失礼しますね。」

彼女の母は軽く一礼をした後に寒空の雪景色に身を隠した。


翌日,雪は未だに降り続いていた。その光景に誰よりもワクワクしていたドクオは朝御飯を速攻で平らげて,遊ぶための手袋やスコップを準備して外へと飛び出した。
113がう:2008/01/02(水) 12:50:14 ID:PtKhRY1NO
ガチャ…

目の前に広がるのは昨日と何等変わり無い穏やかな雪景色。
先ず彼がし始めたのは雪でお城を作ることだった。砂でお城が出来るなら雪でも出来るんじゃないか,そんな発想を彼はしていたのだ。

お城を作り始めて暫く時が経ち,太陽が一番輝く時間にドクオは気付いた。

「あの子が…あの子が来てる。」

家の門に隠れてそっとこっちを見ている女の子が一人,間違いなく彼女はツンだった。

「こっちにおいでよ!!一緒に遊ぼうよ!!」

警戒心を解いてパタパタと彼女の方へ向かう。彼女はビクっと少し身震いをして縮こまった。
114がう:2008/01/02(水) 12:52:01 ID:PtKhRY1NO
「一緒に遊ぼうよ!!」

少し強引だが彼女の手を引っ張ってお城の方へ向かい入れるドクオ。

「あっ……!う,あうぅぅ…。」

恥ずかしさと嬉しさが入り混じり,顔がいつもより赤くなる彼女。

しかし,一緒に城作りを始めると彼女の表情は明らかに柔らかくなった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

('A`)………

ガタンッ!!!

ξ゚听)ξこ,ここは……

ベッドから目を擦りながら周りを見渡すツン。

('A`)俺の家だよ。ようやく目覚めたか。

ξ゚听)ξ私………そっか,うっかりして気絶してたのね…。

そこで何かを思いだしたかの様にはっと何かに気付いたツン。

ξ;゚听)ξあ,あんた私に何か変な事しでかしたんじゃ…

('A`)ねーよwwwwwwwwwwww
115がう:2008/01/02(水) 12:53:46 ID:PtKhRY1NO
ξ゚听)ξなんじゃ,お前の話はツマラン!!

('A`)その反応は……全く以って想定外です。

ξ゚听)ξ

('A`)

その会話を最後に二人の間に沈黙が流れ,互いに様子をうかがっている。

暫くして…

ξ///)ξあの……さ。

ツンはゆっくりとベッドから立ち上がり,ドクオの方へと近寄った。

('A`*)お,おぅ…

こういう積極的な行動にあまり慣れないドクオは動揺するばかりで若干身体が震えている。

ξ///)ξ私…

ガチャン!!

(;^ω^)(; ゚ー゚)

('A`;)ξ゚听;)ξ

解かれた沈黙がまた再発した…。
116がう:2008/01/02(水) 12:55:20 ID:PtKhRY1NO
(; ゚ー゚)なに……してるの?ドクオ……くん?

('A`)アイヤー,こりゃこりゃ(あ,いや…これは…)

混乱して舌が上手く回らず,何故ここにしぃちゃんが居るのかという疑問ばかりが頭によぎる。

ξ゚听)ξ…あんたこそ,こんな遅くに何の用よ?私はちょっと身体が疲れているから泊まるんだけどね。

('A`)( ^ω^)(泊まる!?)

(* ー )そ,そうなんだ……。私はちょっと……

ツンの「泊まる」という言葉に急に語気が弱々しくなるしぃ。

(; ー )…ブーンくん……アルバム……どこかな……?

(;^ω^)つ■は…はい,これだお…。

(; ー )ありがと……それじゃ……。

(;'A`)待ってしぃちゃん!!

バタンッ!!

(;'A`)あ……

しぃは何も聞かずに部屋のドアを閉めた。その音は大きく,そして重かった…。

第六章〜終〜
117がう:2008/01/02(水) 13:09:24 ID:PtKhRY1NO
いやぁ,何か調整中とか言われて1レス辺りにかなりの書き込み文字数制限喰らっちまいましたwwww

微妙な変化ですがダブリューは大文字化しました。
118爆音で名前が聞こえません:2008/01/02(水) 14:58:26 ID:yCh88BEXO
>>117
お疲れサマナーソウルハッカーズ
119爆音で名前が聞こえません:2008/01/02(水) 20:23:12 ID:iGsK5Uzb0
>>117
乙!なんという修w羅w場wwwwww
今回も面白かったぜ大将!
120爆音で名前が聞こえません:2008/01/02(水) 22:15:49 ID:suT4u1wq0
>>117
脳みそ筋肉吹いた
121がう:2008/01/03(木) 14:51:17 ID:v4TkLMYzO
次回の予告をちょっぴりと。

('A`)「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

お楽しみにwwwwwwwww
122爆音で名前が聞こえません:2008/01/05(土) 00:19:37 ID:JZ/04wmCO
予告乙
スレスト食らわなくてよかった…
123旅人:2008/01/07(月) 01:34:09 ID:ZSqGjG+T0
がう氏乙!さっき読み終わったのですが、次回が凄く楽しみです!

これから音楽ゲームクロスワードパズル事件の後編を投下するのですが、
ちょっとしたサプライズもどきを用意してみました。
>>85さんのような期待に応えられるラストかどうか自信が無いのですが、
少々ショッキングなラストかも知れないです。それでは後編が始まります。どうぞ。
124旅人:2008/01/07(月) 01:36:39 ID:ZSqGjG+T0
少し時間を遡って、小暮と町田のクロスワードパズルを解いていく姿を見てみよう。

四時半になって、大方のマスを埋める事に成功していた。
音ゲーファンである方々なら分かるようなキーワードは全て町田が解決、マス目にペンを走らせていった。
英語表記の音ゲー曲の、その意味するところを問うキーワードは小暮が担当、順調に解読を進めていった。
例えば「PLASMA」と書き入れるべき所にあたるキーワードはこんな感じになる。

「血漿。自由に運動する正・負の荷電粒子が共存して電気的に中性になっている状態」

こんなキーワードを書くなんて、犯人は結構な知識を持っているのかと小暮は思った。
町田はこのキーワードを見て、小暮君の教えている子って凄いんだねぇと呟いていた。



突然ですがここで犯人の立場ともいえる作者から読者様へ幾つかの没ネタで問題を出そうと思います。
実際に、作者はどんなパズルが出来てどういう話の流れに出来るだろうか?
と思い立って実験的にパズルを作ろうと着手したのですが、一日坊主で終わってしまいました。
それで先に挙げた「PLASMA」をネタにしたような話しか書けないようになってしまい、これはマズイと思ったんです。
そこで、読者様に読み進めていただくだけでなく、ちょっとしたクイズでも出せないだろうか?
と考えここで没となったパズルのキーワードで、曲名当てゲームを企画してみました。
一応、これがサプライズもどきです。これで読者様が喜んでいただければ、幸いです。

(音ゲー暦が浅い作者なので、『変な問題出すなよ』だとか『そんな曲名ねぇよ』となるかもしれない事をご了承下さい)

第一問「ある種の花粉を吸入するために起きるアレルギー性炎症。スギ花粉とか」

第二問「新約聖書の最後にあるヨハネの黙示録、Revelationの別の名前」

第三問「車の計器で赤い所ってあるよね」

第四問「1930年にアメリカの天文学者トンボーが発見。一個の衛星を持つ。自転周期は6日9時間。公転周期は248年」

第五問「犬の一品種。大きさで3種に分けられる。元々は水鳥の狩猟用だが、現在は愛玩用として知られている」

第六問「其の嘆きこそ、我の糧也」

第七問「常盤さん、そんな曲名の曲歌ったら北海道北見市の人たちに怒られませんか?」

第八問「新しく発見された金産地に多数の人々が殺到する事。特に19世紀半ばのカリフォルニアでの現象を言う」

第九問「ビーマニエキスポのあのキャラクターのキャラクターソング」

第十問「おとぎ話の意味を持つ。一作目と二作目、二作目の過激で奇跡的な曲とシリーズは三作に及ぶ。
尚、この問いでは一作目の曲名を問う」

第十一問「謝肉祭の始まりであり、終わりでもある」

以上をもってクイズ終了です。こんな簡単な問題ばっか出しやがって本当に作者は馬鹿だな!
と思われても仕方の無い没ネタ達による思いつきのクイズ企画でした。次の投下分からちゃんと本編は進みます。
尚、回答は最終投下に書かせていただきます。回答なんか必要ねぇよ!と思われそうですが、回答は必ず書きます。
125旅人:2008/01/07(月) 01:39:49 ID:ZSqGjG+T0
午後五時を回って。ようやく小暮と町田はクロスワードの全てのマスを埋める事に成功した。
結果「普通の」答えは大桟橋であった。横浜の豪華客船ターミナルには爆弾は設置されていないだろうと小暮は考えた。
さて、爆弾が設置された大桟橋とは一体どこにあるのか?この市にある二つの橋…市長により大桟橋と命名された、
その橋に爆弾はあるのだろう。と小暮は考えた。一方、このクロスワードの本当の事情を知らない町田は、

「うん、子供が考えたにしちゃ結構な出来だったと思うよ。正直全然分からないところもあった。
このアナザーワードの答えも全部絞り込めたし、後は小暮君一人で頑張ってね。それじゃ」

とだけ言って白壁を後にした。小暮は心の底から町田に感謝し、そして自分の成すべき事を成した。
上着のポケットから自分の携帯電話を取り出し、田中の携帯電話にコールした。
ワンコールも終わらないうちに、田中はすぐに応対した。

「こちら田中。小暮、どうだ?パズルは解けたか?」

「ええ。全部解けました。彼女の、町田さんの助けが無ければ絶対に解けませんでした。
それだけ、このクロスワードパズルの難易度は高い。音ゲーをやらない人間であればあるほど高いんです。
答えですが、普通の答えは『大桟橋』です。刑事さん、確か車の中で某国の上官が…って話をしましたよね」

「あぁ、したな………ん?まさか!」

「えぇ、そうなんです。犯人はその上官を狙っていると思われます。犯行の計画はこんな感じでしょう。
某国の上官がどちらかの大桟橋を通って市の中心街に遊びに行く。その道中の大桟橋を通っている時に橋を爆破。
・・・アナザーワードは、二つある大桟橋を特定するためのものみたいです。
アナザーワードヘルプというアナザーワードを絞り込むための枠には『High Level』とだけあり、直訳すると『高難度』という意味です。
町田さんが答えを絞り込んでくれました。結果、アナザーワードには三つの曲名が存在するということが分かりました」

「三つ!?それじゃ足りないぞ。アナザーワードの答えは6マス分じゃないか!」

「そうなんです。けど僕は、それこそが犯人が最後に仕組んだトラップじゃないかと思います。
アナザーワードについての懇切丁寧な説明、音ゲーをやらない僕たちには分からないけど、
町田さん曰く『一部を除けば簡単なヒントで構成されている』というマス埋め作業。
ここまで解読者に親切にしていたら、最後の最後に何かやらかしそうじゃないですか?」

「…詳しく、聞かせてくれ」

「刑事さん、爆弾解体処理班みたいなチームがありますよね?それを準備させながら聞いてください。
三つの曲名はですね…『冥』と『デイドリーム』と『イノセントウォールス』なんです。
刑事さんの言うとおり、この三つだけじゃアナザーワードは完成しない。しかし、この市の大桟橋には正式名称がある。
『大桟幕橋』と『大桟冥橋』がこの市にはある。冥が被っているから、大桟冥橋に爆弾は設置されたのかも…
とね、僕は考えました。かなりの確率で大桟冥橋に爆弾が設置されていると思われます」

「分かった。すぐに処理班を編成して向かわせる。ありがとう。報酬は事件が解決したらたっぷりと払う」

そう田中が言った後、小暮は通話を切った。そして、急ぎ足で白壁を出て行った。
彼の顔には、事件が解決したという安堵の色は無い。これからが大仕事だと、彼の心は叫んでいた。
小暮の足が早足から徒競走並みの速さで回転した。人の多い通りを彼は無我夢中で走っていった。
126旅人:2008/01/07(月) 01:42:29 ID:ZSqGjG+T0
某国上官は音ゲーの市まであと10kmもあるかないかという所を走行していた。
外はもう五時と少しばかりだというのに、ライトで照らされている所以外は真っ暗である。
上官の運転する車の後ろをついて行く車が一台。その運転手は音楽ゲームクロスワードパズルを製作し、
この事件の計画を企てた犯人である。犯人は運転中に前の車、即ち上官の車に発信機をつけていた。
これにより、この車を追い越して先回りし、あの大桟橋の上を上官の車が走行したと確認して、
助手席においてある遠隔操作の爆破装置を作動させることが出来る。これを犯人はもう一度視認して笑った。
そして自分の命が狙われているとも知らない上官はCDプレーヤーを一曲リピートに設定して、
ずっとB4Uを聴いていた。ノリノリで歌いながら上官はハンドルを切った。

爆発物処理班は大桟冥橋の調査をしていた。どこに爆弾があるのかを調べるためである。
橋の上を走って細々としたところを確認し、ボートで橋の裏側を調べたりしていた。
その様子を小暮は田中と共に見ていた。

少し前の時間の話になる。小暮は通話を切った後、全速力で走りながらもう一度田中に電話を掛けたのだった。

「刑事さん、今すぐ迎えに来て下さい。お願いします、早く!」

「どうした?事件は解決し…」

「しません。このままじゃ事件は絶対に解決しないんです」

「どういう事だ、小暮?」

「すみません、嘘の事を言いました。爆弾は多分、大桟冥橋にはありません」

「あ?それじゃ…」

「大桟幕橋にあると思います。橋の名前とパズルの答えが被っていた所でですね、
それが導き出した解答だとは到底思えないんです。今僕は、駅に向かって走っています。
駅前のベンチで待っていますから、早く迎えに来て下さい!お願いしますよ!」

分かった、と田中はそれだけを言って電話を切った。小暮はゼィゼィハァハァしながら全速力で走った。
走って走って走り続けて、小暮は駅前のベンチの集まるところに辿り着いた。

それから三分後、小暮は田中の屋根に赤く光るランプを付けた車に乗り込んで大桟幕橋へと向かった。
サイレンを鳴らしながらその車は全速力で道路を疾走する。
その車がBGMとしてかけ流しているのは、犯人から送られた物の中にあったUDXREDのサントラから、RED ZONEである。
RED ZONEを大音量でかけ流しつつ、前方を走る車を追い越しながら田中が言った。

「小暮、本当に大桟幕橋に爆弾があると思うか?」

「多分きっと絶対あります。…狙撃用ライフルってこの車の中にありますか?あれば貸してほしいのですが…」

あ?と、前方を走っていた車を追い越し終わってから田中が言った。そして、あると答えた。

「ありがとうございます。決して悪いようにはしません。絶対です」

「分かった…だが、どうして嘘の情報を言ったんだ?処理班は全員で払ってしまったんだぞ」

「処理班がいなくとも、僕達だけで爆弾の脅威を取り除けるかもしれません。
それに、犯人に署内の連絡記録などを傍受されていたとしたら、たまったもんじゃありません。
敵を欺くにはまず味方から…でしたっけ?まぁ、一種の保険みたいなものです」

「保険、か…ところで小暮、どうして爆弾が大桟幕橋にあると思ったんだ?」

「それは…冥を除いたアナザーワードの二曲のアルファベットの一部を選んで並び替えていくと
『SCREEN』となるからなんですよ。…これが絶対的な証拠だ、と言うつもりはありませんが。
最後のどんでん返しでね、こういう事ってありそうじゃないですか。ねぇ、刑事さん?」

「そうだな…どんでん返しか、十分ありそうな話だな。小暮探偵、お前は本当に凄いよ」
127旅人:2008/01/07(月) 01:44:40 ID:ZSqGjG+T0
その頃某国上官は「B!B!B!B4U!」と歌いながら下り坂を走行していた。もう何十回B4Uを流しているか分からないが、
上官にとってそんな事はどうでもよかった。カーナビが、次の交差点を左へ曲るようにと指示を出していた。
上官はそれに従ってハンドルを左へ切った。後ろから続いた犯人は右にハンドルを切った。
上官は一つの大桟橋へ、犯人はもう一つの大桟橋から近い高い山の近くにあるコンビニへと車を走らせた。

大音量でRED ZONEをかけ流しながら走った豆腐屋の車の中で田中に教わったとおりに、
小暮はライフルの構え方などを確認する。消音機もバッチリ。安全装置も外した。
後は狙うだけ。小暮が覗くスコープの視界は大桟幕橋の裏側にあった。

アナザーワードは、大桟橋の特定の他に爆弾がどのようなところにあるかも教えてくれていたのだった。
白壁と呼ばれるイノセントウォールス。大桟幕橋の裏側の壁は白かった。大桟冥橋の裏側は黒かった。
つまり、それは何を意味するのかというと、もう言わなくても分かるだろう。


爆弾は大桟幕橋の裏側にあるのだという事を意味していた。


犯人は下り坂の先の十字路を右に曲がった後、コンビニで車を降りて高い山の階段を駆け上がっていった。
右手に持つレーダーに上官の車の位置と大桟幕橋の裏側に設置した爆弾が、点として光っている。
左手には遠隔操作の爆破装置が握られている。犯人は爆破ショーを高みの見物をと決め込んでいた。
山を登り、開けた崖で犯人は立ち止まる。結構な高さを上ったものだ、と犯人は思った。
そして、右手にあるレーダーを見る。上官と爆弾の距離はもう、2kmも無かった。

小暮はスコープの十字の照準に爆弾を捉えていた。正確にはそこから少しずれた所だ。
クロスワードを作り、爆弾も自作し、わざわざ橋の裏側に設置するような大仕掛けの犯罪だ。
犯人には無いと思っているミスがあるかもしれない。甘い考えかもしれないが、
そのミスが照準の脇にある爆弾にあるなら、小暮が狙っている場所を撃つ事は無駄ではないかもしれない。
決して爆弾がその機能を果たさない事を期待していたわけではない。
爆弾の設置状態が悪化している事に小暮は期待していた。
…こんな大仕掛けの犯罪なら準備には相当な時間を要するだろう。
…爆弾の設置だって並の苦労ではないはずだ。
…爆弾を橋に張り付けているものが寿命を迎える事だってあり得る。
…橋の裏側に爆弾を設置するのは高度な技術を要するはずだ。
そう小暮はそう考えていた。橋にある爆弾をそのまま解体することは難しいだろう。
なら、橋の下にある川に爆弾を落とせば、それならば爆発しても被害はそれほど大きくならないはずだ。
橋の裏側に爆弾をつけるなんて手段が限られてくるはず。その手段次第では、爆弾を川に落とすことが出来るかもしれない。
こんな考えを田中に話した時、彼はこう返した。

「やってみる価値はある。…それで、事件は解決するかもしれない」
128旅人:2008/01/07(月) 01:49:25 ID:ZSqGjG+T0
小暮は爆弾が何で大桟幕橋に張り付いていたのかを理解した。細いワイヤーだった。
アレなら寿命が来て爆弾が落ちる事は無いだろうと思われた。あのワイヤーを撃って切る事が出来れば、
爆弾は川へ落ちてゆく。絶対に。小暮はそう確信して、照準をワイヤーに合わせてトリガーを何回も何回も引いた。
音も無く弾丸を飛ばすライフル。その銃口から大口径の弾丸がワイヤー目がけて何発も飛んでいく。
全弾がワイヤーに命中、小暮の読みどおりに事は進んだ。爆弾が重力に逆らうことなく川へ落ちてゆく。


犯人はスコープで大桟冥橋を見ていた。警察のが意味も無い行動を続けているのが手に取るように分かった。
分かって、大笑いした。なんて無能なんだ、警察という組織は。本当に無能だ。無能すぎる!
ヒントも殆ど簡単なものにしてやったクロスワード一つさえ、奴らには解けなかった。
無様な警察。己が無能を思い知れ!と本当にそう口にした犯人はレーダーをもう一度見た。
上官と爆弾の距離はあと600m程であった。その数字はどんどん減少していく。500、400、300…数字は確かに減っていく。
とうとう、数字は100mを切った。二桁の数字を表すレーダーを見て、犯人はまた大笑いした。そして左手を掲げて、
目を瞑って「ヒャッホウ!」と叫び、赤い起爆ボタンを押した。少し遅れてドーンと音が聞こえた。
目を開けたとき、そこには崩れ落ちてゆく大桟幕橋が自分の目に映るのだろう。そう確信して犯人は目を開けた。


爆弾は、水面に触れた時に爆発した。


小暮と、その近くに立っていた田中は、強烈な爆風で吹っ飛ばされた。二人は思いっきり背中から着地した。
小暮は立ち上がろうとしたが、駄目だった。気を失ってしまったのだった。田中が小暮をゆするが、返事は無い。
田中はすぐに自分の職場に連絡を入れて、その後に救急車を呼んだ。
周りは野次馬達で騒がしいというのに、小暮が目を覚ますことは無かった。死んだ、という訳ではなさそうだが。
129旅人:2008/01/07(月) 01:52:19 ID:ZSqGjG+T0
「どうして…俺の完璧な計画が…無能な警察に…?あいつらは違う橋を探していたのに…どうして、どうして…」

大桟橋に近い山の開けた場所で、この事件の首謀者が呆然として突っ立っていた。

「俺が所属する暗殺組織が目をつけたあの上官を殺せば、俺は巨万の富を得ていたに違いないのに…
俺の計画は完璧だったのに…どうして爆弾がちゃんと働かなかったのだろう?どうして…」

彼の顔には諦めに近い表情が浮かんでいた。お終いだ、お終いだと彼は心の中でずっと呟いていた。

「これで俺は殺される…奴を殺れなかったから…どこかで組織のスナイパーが俺の頭を狙っているんだ…ハハ・・・
畜生…奴を殺って俺は儲けるはずだったのに…畜生!死んでたまるかぁ!組織が何だ!俺は死なないぞ、俺は死」

彼はバーン!という大きな音を聞いて前へ吹っ飛んだ。自らの意思ではなく、何かの沢山の物に吹き飛ばされていた。
何だろう、と思う間もなくいきなり視界が真っ暗になった。と同時に沢山の何かが体中を貫いて猛烈な痛みを残していった。
また、それと同時に体が浮かんで落ちてゆく感覚があった。あ、俺の目の前は崖なんだっけ。
そう彼が思い出してから少し間をおいて、彼の五感や内臓や脳は彼の意思に反して機能を完全に停止した。

犯人の後ろで散弾銃を構えていた男が一発、犯人の背中を狙って発砲した。犯人の体は簡単に吹っ飛んで崖から落ちていった。
何秒か経ってドサッという音がした後、散弾銃の男は崖から下を見下ろした。そこには役立たずの暗殺者の死体があった。
近隣の住民らしき人物が死体を見つけ、震えているのが目に見えた。その人はすぐにそこから逃げ去った。
恐らくは警察に電話するのだろう。自分や組織にはなんら不都合は無いと思われるが、立ち去った方が良いだろう。
そう思い、犯人を殺した男はその山を立ち去った。


音楽ゲームクロスワードパズル事件。
後にそう呼ばれるようになった事件のその後はどうなったのか。犯人は捕まったのか、その動機はなんだったのか。
上官は無事だったのか、そして、小暮はどうなってしまったのか。

結局、犯人は捕まらなかった。動機も分からなかった。推測される動機のひとつとしては、
某国上官に恨みを持っていたのではないか、というものがある。
上官に恨みを買うような行為をしたことは?と取り調べるが、上官は身に覚えがないと述べた。
上官は傷一つ負う事は無かった。むしろあの爆発が何かの演出と思っていたらしい。
これを聞いた田中刑事はただ、溜め息を一つつくばかりであった。
爆発から数分後、大桟冥橋に近い高い山の近くに住む住人から死体を発見したとの報告があった。
警察はこの死体を検死、その死体が背中から複数の銃弾を撃ち込まれていた事を確認した。
警察側の見解では、この死体こそが犯人であったに違いないと見ている。
130旅人:2008/01/07(月) 01:55:19 ID:ZSqGjG+T0
小暮のその後はどうなったのだろうか。
実際、ただ気絶していただけだった。救急車が来た頃には彼はピンピンしていた。
その後田中と共に救急隊員らに土下座をする羽目にはなったのだが。
小暮は警察から報酬百万円を手に入れて、その後の警察の活動には手を出さなかった。
あと、大桟幕橋は少しぐらついただけで、後に市による修繕が行われると予告されただけだった。

音楽ゲームクロスワードパズル事件から三日後。日曜日。
朝方、小暮は自分の事務所の電話から町田に連絡していた。
昼頃から白壁で遊ぼうよ、と彼は町田に誘い、彼女は賛同した。

昼の一時。白壁の出入口辺りで小暮と町田は合流した。
小暮がドラム、町田がギターで一回セッションした後、三日前にパズルを解いていた休憩スペースに向かった。
小暮が近くの自販機で350mlの缶コーラ二本を買って戻っていく。かんぱーいと町田が言って乾杯した。
小暮は町田に合わせてアルミ缶を打ち合わせた。ゴクリと一口飲んでから町田が話した。

「ねぇ、三日前の大桟橋爆発事件、私生で見たんだよ!誰も信じてくれないんだけどさ、
小暮君ねぇ、信じてよ!結構五月蝿いんだね、爆弾の爆発音って。
これ、どこかの有名なバンドのライブ見るより貴重な体験だと思わない?」

「そう思いますよ。僕も、爆弾が生で爆発するところと有名バンドのライブ、
どっちを見ると言われたら爆弾を見るって言いそうです。あ、そのことで一つ」

言って、小暮は金一封とかかれてある封筒を町田に渡した。

「何も言わずに受け取って下さい。今日はこれを渡すために誘ったようなものですから」

「うわぁ、一万円の束じゃない!百万円くらいありそうじゃないの!何々、どんな仕事をしたの?
誘拐?浮気調査?…あ、それじゃあ大桟橋の件は関係ないか。一体何の事件を解決したのさ?」

音楽ゲームクロスワードパズル事件。それだけを言って小暮は席を立ち、出入口へと歩き出した。
町田は何のこと?と言いたげな顔をしていたが、しばらくして「嘘!?」と叫んでいた。
小暮は白壁越しからかすかに聞こえた、町田が真相に気づいた叫びを聞いてくすりと笑った。そして思う。


あなたが居なければこの事件は解決出来なかった。だからあの百万円はあなたが貰うべき物なんだ。
誰もが僕の立場なら、多分きっと絶対、そう思うでしょう?そう、これは当然の事なんだ。






ここで先のクイズの回答を発表します。

第一問の答え「Pollinosis」 第二問の答え「Apocalypse 〜dirge of swans〜」 第三問の答え「RED ZONE」

第四問の答え「冥」 第五問の答え「POODLE」 第六問の答え「嘆きの樹」

第七問の答え「ペパーミントは私の敵」 第八問の答え「GOLD RUSH」

第九問「あつまれ!ビーくんソング」 第十問「Fairy Tales」

第十一問「ポップンカーニバルマーチ」
131爆音で名前が聞こえません:2008/01/07(月) 02:10:41 ID:71/uJVKF0
ここでお終いかな?
ハラハラしながら読ませていただきました!
見る時間がちょうど良かったから読んでる間に増えていってそれがよりハラハラ感を増幅させました。
とにかく乙!GJ!

問題はほとんど違いました・・・
132爆音で名前が聞こえません:2008/01/07(月) 02:16:06 ID:buEKiJNDO
GJ!
133旅人:2008/01/07(月) 02:19:51 ID:ZSqGjG+T0
はい、音楽ゲームクロスワードパズル事件後編、いかがでしたでしょうか?
皆様の期待に沿える展開であったでしょうか?沿えていれば、幸いです。
ちょっとしたサスペンス物を書こうという思いつきで大筋のストーリーが出来上がったこの作品ですが、
サスペンスじゃない。謎解きの過程がちょっと描かれただけで、後編でいきなりこんなパズルだったんだよ!
とだけ書いて、犯人が殺し屋組合みたいな組織の同業者に殺された所に力を入れたりして。
こんなのサスペンスじゃない!やっぱり最初にクロスワードパズル作っておくべきだった!
と後悔したりしなかったりしています。けど一番力を入れたのはサプライズもどきの曲名あてゲームですね、はい。

さて、UDX最新作のトゥルーパーズ来ましたね。いつの話しているのでしょうね。
実は俺、DJネームを「YU」にしていて、それで最新作で「TRAVELER」にしようとしたのですが
文字数制限は六文字!最後のERが書けない!という事で、UDXでは前の名前を使い続けてます。
けど、ギタドラなら文字数制限八文字だから書ける、ポップンならひらがなで「たびびと」って書ける!
DDRは近辺のゲーセンに無い!だからノーコメントという事で。はい。

次回作の構想もおぼろげながら出来上がってはいるのですが、少々質問があるので、返答してくれると嬉しいです。

質問@中編に「旅人さんの話」の少年ゆうを出したのですが、自分の作った別作品からの登場人物を出す、という事は良いのでしょうか?
質問A次回作はブーンとドクオのAAを使った作品を作りたいと思ったのですが、このスレからメモ帳にコピペして、
スレに投下する時はAAモードにして投下すればズレ無いんですよね?

お前何そんな基本的なこと聞いているんだよと思いになるでしょうが、AAを使うというのは何か神経を使うというか…
ズレさせちゃいけない、と変に気負いしたりしてしまうんですよね。常識なんでしょうが。
どうか、この情けない俺の質問に答えてください。よろしくお願いします。
134爆音で名前が聞こえません:2008/01/07(月) 05:07:04 ID:v6wY759sO
壁|∵)<otu
135爆音で名前が聞こえません:2008/01/07(月) 09:27:11 ID:1UENN26AO
>>133
投下乙
☆-(ゝω・)vきゃぴ

質問1について
全然問題ない。むしろ歓迎。
ただ「爆弾犯はゆうだったんだぜ!」みたいな
前作のキャラを(色んな意味で)殺すような使い方は勘弁な
136ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2008/01/07(月) 22:12:08 ID:jVFACEzy0
お二方とも乙です、毎回楽しみにしておりますよー
さて新年あけまして早々PCがいかれました('A`)
書き溜めたメモ帳がまた消えたので現在修復中です'`
できれば明日明後日には投下したいと思ってますー
137爆音で名前が聞こえません:2008/01/07(月) 22:17:02 ID:E0HyagGG0
旅人さん乙です

すごい話だった
ここまで音ゲーで壮大な話は作ることも出来るんですね


質問1についてはこれはOKだとは思いますよ
奈須きのこさんの作品やポリフォニカみたいに同じ世界とのリンクの作品は同じ人物が登場する
ということもありますので断然歓迎します

質問2はやっぱり保存してコピペしたほうがいいと思う
ずれたりして駄目になったらよくないし
138ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2008/01/12(土) 23:33:43 ID:NxIbZax10
お久しぶりですごめんなさい('A`)
書き直しと仕事に追われて中々投下できませんでしたorz
あと先ほどログ見直して気づいたんですが59-60が抜けてました
今後また書き直すので今回は見逃してやってくださいorz
139ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2008/01/12(土) 23:34:42 ID:NxIbZax10
The least 100sec、通称100秒
ギタドラ、キーボードマニア、ポップンミュージック、DDR、5鍵など
ほとんどのKONAMI製音ゲーに存在する有名な曲である
もっとも今ではキーボードマニアと5鍵はほとんど稼動していないが

ドラムマニアの譜面は凶悪そのものであり、Day Dreamと並び最強難易度の99を掲げる
本家はキーボードマニアなのだが、そのあまりの存在感の強さにギタドラ初出と思っている人も多数居るとか

緑譜面の構成は赤譜面のそれとはかなり変わるが
それでもレベル56なだけあり、中々に嫌らしい作りになっている

(,,゚Д゚)(まだ…そこまで難しくはないな…)

DMの序盤に目立つ難所は存在しない、HHが若干いやらしいくらいか
逆にGF側は最初から最後まで難所が続く

(やはり…いくつかとり逃すな…)

細かい中速の運指滝が、序盤から絶えなく流れる
GF側のレベルは緑から70と、非常に高く設定されている

個人差ではあるだろうが詐欺曲なので、運指オルタが苦手な緑ネームあたりがこの曲をやると、落ちる可能性は十分ある
今回クーが選んだのは黄、緑との差は1色と二色の絡みが増えたくらいか
しかしながら設定難易度以上の難しさはあるだろう
140ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2008/01/12(土) 23:35:49 ID:NxIbZax10
(,,゚Д゚)(序盤は抜けたか…けっこう削られたな…)

中間手前、ゲージは中ほどを指している
先ほど解説したように、DMの前半部分に際立った難所は無いもののミスが出ない構成ではない

そしてこれから中間地帯、通称「虹色地帯」に差し掛かる
DM赤譜面にて、ノーツが虹のように降ってくる事から、そう呼ばれるようになったとか

(;゚Д゚)(ぬ…くそっ…)

緑では赤のそれの面影が無いほどにノーツ数が減っているが、それでも若干やりにくい譜面になっている
ギコは二連続で落ちるタムを片手で捌こうと躍起になるも、どうしてもパフェが出ない
そしてたまに入るHT×2→SNという流れで必ずミスを出してしまい、苦戦の色を隠せない
141ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2008/01/12(土) 23:36:46 ID:NxIbZax10
川;゚ -゚)(何っ!?)

こちらは運指を間違えた
GF側は運指オルタに加え、短い直線の高速が入る
そこを全部外したとなると、ゲージは急降下するわけである

川;゚ -゚)(まずいな…)

虹色地帯を抜けるも、ゲージはかなり低下していた
ギコの苦戦に合わせ、先ほどのミスが致命傷になったようだ
どうにも安定しないゲージも、ついに赤く点滅を始める

(#゚Д゚)(うおおおおお!気合だ!)

DMラストは序盤のそれとほとんど変わらないが、当然ながら地力が足らねば気合で何とかできる物ではない
いつの間にか、ゲージは点灯を終え、黒くなっていた
しかしここで演奏が終了
142ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2008/01/12(土) 23:37:24 ID:NxIbZax10
(,,゚Д゚)(…終わったか?)
(,,゚Д゚)(…!?)

したかに思われた

ギコの目に映ったのは、青い柱であった


DMラストの5連シンバルは、前もって来ることを知っていれば捌く事は容易い
しかし一度緊張を解し、完全に油断をしきっていたギコは反応が取れず、最初の3つのノーツを取り逃し

スティジフェーイルド

閉店した
143ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2008/01/12(土) 23:38:22 ID:NxIbZax10
(;゚Д゚)「す、すまん」
川;゚ -゚)「いや、私も悪かった」
(´・ω・`)「うん、どっちもどっちさね」
(;゚Д゚)「ショボン!?」
(´・ω・`)「や」
(´・ω・`)「とりあえず出会い頭だけど、ギコ君に少し指南でもしましょうか」
(;゚Д゚)「お、おう」
(´・ω・`)「序盤で見たと思うけど、SN×3→HTというタム回しがあったよね?」
(,,゚Д゚)「ああ、アレか、何でかうまくいかねえんだよな」
(´・ω・`)「ギコはあそこを無理に右手で始動してるのがいけないんだよね、
      あそこは左手から捌くとLRL→R…と続くわけだ」
(,,゚Д゚)「あ、なるほど」
(´・ω・`)「多分最初の内は慣れないと思うからRLL→R…って感じでもいいんだけど出来ると便利だよ、頑張って」
(,,゚Д゚)「あぁ…しかし久しぶりだな…何でお前ここ居るんだ?」
(´・ω・`)「やだなぁ、今日はただ遊びにきただけですよ」
(,,゚Д゚)「ほー」
(´・ω・`)「ついでに今日はあちらにある二寺をやろうとね」
(,,゚Д゚)「二寺っつうのか?アレ」
(´・ω・`)「あぁ、正確にはビートマニア、ツーディーエックス、ツーディーエックスを曲げて略して二寺」
(´・ω・`)「ていうか、知らなかったのね」
(,,゚Д゚)「うるせーな」
川 ゚ -゚)「ギコ、私はそろそろ」
(,,゚Д゚)「ん、あぁ、分かった、じゃな」
川 ゚ -゚)「すまんな、では」
144ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2008/01/12(土) 23:39:32 ID:NxIbZax10
(´・ω・`)「どしたの?」
(,,゚Д゚)「あぁ、バイトだと」
(´・ω・`)「へぇ、最近連絡とってるの?」
(,,゚Д゚)「まあな、暇だし」
(´・ω・`)「そか、ところで僕は二寺やってくるよ」
(,,゚Д゚)「んー俺もぼちぼち用事がな…」
(´・ω・`)「ありゃ、そいつは残念」
(,,゚Д゚)「すまねえな、久々なのに」
(´・ω・`)「いやいや、もう僕も暇だし、いつでも呼んで頂戴」
(,,゚Д゚)「おう、それじゃ、またな」
(´・ω・`)「はーい」




ヤッサッシー カーオーリーガースールー

(´・ω・`)「さて…」
145ギタドラ廃人 ◆IXmxb93/uI :2008/01/12(土) 23:40:38 ID:NxIbZax10
猿が恐ろしいのでここらで一旦切ります、次回は来週くらい!
正直この編書かなければ良かったと後悔中('A`)
146爆音で名前が聞こえません:2008/01/14(月) 10:22:14 ID:udkLsOKmO
>>145
乙!
そして上げ!
147旅人:2008/01/17(木) 01:25:21 ID:v0nQBbeA0
遅ればせながらですが、ギタドラ廃人さん乙!次回も期待してます!

えー、今回は時間旅行ものを取り扱おうと思いまして、タイトルを「タイムトラベル」としました。
初めてAAを使うという事で、スレのほうからコピペさせて頂きました。本当にありがとうございました。
ドクオとブーンのイメージとか口調とかはスレの作者さんの作品を参考にしています。
二人のイメージをなるべくぶち壊さないように、話を書いたつもりです。ぶち壊していたら、申し訳ない。

このタイムトラベルですが、すーなウォンチュウとかいう空耳がある某ポップン曲とは一切関係ありません。
未来から来た某猫型ロボットも一切関係ありません。某ギタドラ曲の曲名もムービーも関係ありません。
某某しつこくてすみません。あと、話自体に音ゲーは殆ど絡んでこないと思います。
これは音ゲー小説か?と悪い意味で捉えられてしまいそうな本作品第一回をどうぞ。
148タイムトラベル1:2008/01/17(木) 01:28:39 ID:v0nQBbeA0
この話は今から相当未来での話である。その時代に音楽ゲームは無い。


その日、学生をやっているドクオは学校帰りの途中にある人物を見かけ、すれ違った。
両目が無い老人だった。両目にあたるところにくぼみが出来ている老人だ。
正直、とても見れるものじゃない。気味が悪すぎる。誰もがそう思うだろう。
ドクオもそう思った。こんな人と交流したく無いなと。
両目が見えないので、歩道の展示ブロックを杖を使いながらその老人は歩いていた。
せめてサングラスくらいはかけてくれよ…とドクオは思いながら老人を見送っていると
彼がこけたのが見えた。無意識のうちにドクオは老人の下に駆け寄り助け起こしていた。

('A`)「爺さん!大丈夫か?」

ドクオは呼びかけながら助け起こす。老人は大丈夫だとしわがれた声で喋りながら立ち上がった。
老人はドクオに親切にしてくれた礼として、自分の家でもてなしたいと申し出た。
悪い話ではないとドクオは思い、その申し出を受け入れた。


('A`)「はぁ、デカイ家だな。この家は本当に爺さんの家かよ?」

老人の後をついてゆくと、そこには豪邸と呼べる大きな家があった。無駄にピカピカして見える。

「その通りだよドクオ君。ここが僕の住まいだ。ここでご馳走させて欲しいのだが、どうかな?
あと、僕の話し相手になってくれると嬉しいのだが、頼まれてくれないかな?」

('A`)「勿論。美味いものを食えるって話、ブーンが聞いたら嬉しがるだろうな」

「それじゃ、そのお友達も呼べばいい。人が多ければ多いほど、食べ物と言うものは美味しくなるからね」

老人のこの言葉に甘えて、ドクオはブーンを呼び出すことにした。
自分の携帯電話からドクオの携帯電話にコールした。何コールかしてからブーンが電話に出た。

 ( ^ω^) 「ドクオ、一体僕に何の用だお?」

('A`)「あぁ、さっき両目の無い爺さんを助けたらご馳走してくれるってさ。
友達も誘えと言われたからな、お前を誘おうと思ったわけだ、来るか?」

 ( ^ω^) 「勿論行くお!場所はどこだお?」

('A`)「あぁ、いつもお前が誰が住んでいるんだろうねとか言ってた豪邸だ。じゃ、切るぞ」

言って、ドクオは携帯電話のボタンを押して自分のズボンのポケットに押し込んだ。
老人は盲目の人間とは思えない、普通の人間が日常生活をするのと同じ位の早さで自分の靴を玄関に置いて
奥へ歩いていった。ドクオはその後についてゆく。三階建ての豪邸の一階の中で一番大きい部屋が
食事を取る部屋だった。大きなテーブルに沢山のイスが置いてあるが、
イスの数は十を軽く超えていると見た目で分かった。ドクオがブーンに電話をかけてから約十分後に
ブーンが豪邸に到着、イスに座って豪華料理のお出ましを待っていた。
149タイムトラベル2:2008/01/17(木) 01:31:17 ID:v0nQBbeA0
よくテレビで見るような豪華料理が山のようにテーブルに積まされていた。
そのうち三皿を食べてドクオは食事を戻してしまった。老人に侘びをいれたが老人は笑って許した。
ブーンは出された食事を全て平らげ、ご馳走様を言った。それから、ドクオが思い出したように言った。

('A`)「そういえば爺さん、話があるって言ったっけ?」

「あぁ、ちょっと重い話かな。まぁ僕の愚痴のようなものだと思って聞き流してくれても構わないさ。
…今からもう50年近く前の話かな。今でもやっているのだが、何でも屋とゲームセンターを経営していてね。
その時、僕も何でも屋の働く人をやっていてね。大抵はゲームセンターに出てくるマナーのなってない人達を
どうにかして、迷惑しているお店やお客さん達を助ける仕事を引き受けていたかな」

 ( ^ω^)「どうしてそんな仕事ばっかり引き受けたんだお?」

「それはね、僕の恩人がやっていた事を真似したかっただけなんだ。
僕がまだこの町に住んでいなかった頃、港町でお坊ちゃん育ちをしていたんだ。
両親が良い仕事をしていてね。その恩恵で暮らしに困ることは無かったよ。
それで僕が17位の時かな、旅人さんと出会ったんだ。港町のデパートのゲームコーナーで
馬鹿にされた僕の事を気にかけてくれてね。そこで、旅人さんに頼んだんだ」

('A`)「何を頼んだんだ?」

「僕が馬鹿にされた理由は、ポップンミュージックって言う音楽ゲームで…あぁ知らないか。
今は音楽ゲームなんて知ってる人はいないもんね。まぁとにかく、そういうゲームが昔あったんだ。
それを初めてやった時に馬鹿にされちゃってね。あまりにも下手だったから。
その時に旅人さんと出会った。旅人さんはそのゲーム…ポップンが結構上手い人でね。
お金を払って教えてくれるように頼んだんだ。そのために無理言って筐体を買ってもらったりして。
旅人さんとは結局さよならしたんだけど、さよならする一週間前からその時まで一緒に仕事していたんだ。
デパートのゲームコーナーに大量に湧いていた、マナーのなってない連中をどうにかするって仕事をね。
旅人さんと協力して、その仕事は成功したよ。けれど、物事に100%ってものは無いんだ。
少しばかりだけどまだ駄目な人がいたんだ。そこで僕はそんな人が出てこないようなゲーセンを作ろうと決めた。
色んなゲーセンをまわったよ。そこで僕は学んだ。本当に良心のある人だけが入店しないとね、
良いゲーセンという環境は作れない。心が駄目な人がゲーセンに入ると、何かのゲームが終わってしまう。
…音楽ゲームと呼ばれたジャンルのゲームもそうして駄目になった。上級者が頭のおかしい人が多くてね。
それで新規プレイヤーが増えなくなった。それで音楽ゲームの人口は減って…」

('A`)「音楽ゲームというジャンルは廃れていった」

「そう。あとドクオ君、人が話しをしているときに口を挟まないでくれよ。
何でも屋とピースって言うゲーセンを経営し続けて、今こうして暮らしているんだ」

 ( ^ω^)「けど、それじゃお爺さんの両目が無い理由が見当たらないお、どうして両目が無いんだお?」

「それは…あるゲーセンへマナーのなってない一人のお客さんを更生しに行った時の事だよ」
150タイムトラベル3:2008/01/17(木) 01:34:54 ID:v0nQBbeA0
「旅人さんと出会ってから三年後、僕はその仕事の為にある町へ行ったんだ。
その時に僕は旅人さんと出会った。その時彼の娘さんもいたんじゃなかったかな。
それで僕が旅人さんにその町へ来た理由を話すと、旅人さんは協力すると言ってくれたんだ。
問題のゲームセンターに、問題の人は一人しかいなかった。僕はその人に注意を呼びかけた。
その人は反抗的な態度をとってね…僕に突っかかってきたんだ。一応僕もこういう時の為に
護身術を身に付けていたんだけど、その人はドラムマニアっていうゲームで使う
ドラムのスティックで応戦してきてね。やりあっている内に旅人さんが到着したんだけど、その時には二本のスティックが…」

('A`)「爺さんの両目に突き刺さってしまったと」

「うん。その時から僕は盲目の障害者になった。もう大好きな音楽ゲームは出来ないんだなと思うとね、
物凄く悲しかった。ただ嘆くしか無かったよ。それで今まで生きてきたけど、疲れたね。もうね」

('A`)「あぁ、聞き流せるような話じゃねぇや。…爺さん、絶対に自殺なんてしちゃ駄目だぜ」

「自分から死ぬ勇気は無いからね。そんな事はしないさ」

('A`)「…なぁ爺さん、俺達には何か出来ることはないのか?」

老人はドクオのこの問いかけに反応した。老人の口元が笑んでいた。
老人は豪邸を案内した。二人は老人についていった。地下一階へ下りて、実験室と書かれたドアを開けて入った。
そこには大きな穴があった。何のための穴かは分からないが、とんでもない大きさの穴だ。老人が説明した。

「これはタイムマシンだよ」

あまりにも短すぎる説明に二人は吹いてしまった。こんな大穴がタイムマシン?
さっきは変な話をしたかと思えば今度は穴がタイムマシンだと言い出した。
…ボケているのか、この老人は?二人がそう思っている時、老人が再び語りだした。

「この穴の為に僕はこの家を建てたも同然なんだ。…穴に落ちる前に時間と場所を宣言すればその時間に飛べる。
前に一度ストップウォッチで試してみたら、この穴は本当にタイムマシンだと言う事が分かった。
…もしかしたら、これで誰かを送って僕を助けてくれたら僕は失明なんてしなかったかもしれないんだ」

('A`)「ストップウォッチの話は信じようか。けれど、その飛んだ時間からはどうやって戻るんだ?」

「このインスタントカメラで君達を撮れば、帰ってこれるはずだ。僕が保障する。
僕もこのタイムマシンで飛んだ時間先で、カメラで自分を撮ったら帰ってこれたからね」

 ( ^ω^)「それなら安心だお。お爺さんの両目を救うために僕は飛ぶお。ドクオはどうするお?」

('A`)「しかたねぇ、騙されたと思って穴に飛び込んでやるか」

老人はその言葉を聞いて喜んだ。二人に頼んだよと言ってから時間移動先の時刻と場所を宣言した。

「2010年、7月24日、平田町、ゲームセンタークリア!」

宣言し終えると、穴の底の方から青白い光が噴出した。ブーンは我先にと飛び込み、姿を消した。
ドクオは老人からカメラを受け取った時、最後に質問した。

('A`)「なぁ爺さん。あんたの名前はなんていうんだよ」

「僕かい?僕の名前は…ゆう。松木ゆうって名前だよ。…それじゃ、よろしく頼むよ」

はいよ、とドクオは返して光が噴出する穴に飛び込んだ。光が収まった実験室には松木の姿しかなかった。
151旅人:2008/01/17(木) 01:37:51 ID:v0nQBbeA0
タイムトラベル第一回が終了しました。
結構無茶苦茶な展開だと自分でも思いますが、こればっかりは作者の能力の限界です。
俺の方が良い話書けるぜと思った人は、これを機にこのスレに書いて下さい。
そう思わなかった人も、何かネタが浮かんだらでいいから何か書いて下さい。
書き手さんが今より増えれば、このスレは少しは活性化するんじゃないかな…と勝手に思ってますので。
(今のスレに不満がある訳じゃなく、単にそう思っているだけです。もし、上を読んで気分を害された方、すみません)

話は変わりますが、最近ポップンCS11特別版を買いまして。(個人的な話ですみません。ここで読み終わってもらって結構です)
それで何の曲をプレーするのかというと、僕の飛行機とか、Rapunzalとか、ドリームパフェとかのEXとかそういう、
何て言えばいいんでしょうね。余裕に手が出せる曲ばかり選んでいたんです。
一ヶ月前は高難度曲ばかりやっていた人間がですよ。家でギターコンチェ緑で落ちまくるのが習慣だった人間がですよ。
ビギナー?エンジョイ?なんじゃそりゃとほざきやがった人間がそんな選曲をしているんです。
何故かって言われると、高難度曲やるよりはこっちの方がはるかに楽しいからなんです。
他の音ゲーもそんな感じのプレースタイルを取っていくようになりました。
本当に最近、余裕で手の出せる難度の曲がかなり楽しい。
是非、息抜き程度に簡単にクリアできる曲をプレーしてみてはいかがでしょうか?
もしかしたら面白さの原点に立ち返れるかもしれません。俺は立ち返れたつもりです。

お前それただ逃げているだけじゃんと言われても仕方のない行動ですが、
楽しければそれでよし。それが今の俺のモットーです。まぁ色々語ってみました。それではお休みなさい。
(キリのよい終わらせ方をしたかったので投下数はたったの3ですが、次回は倍以上の投下数を予定しています)
152ああああ ◆AIo1qlmVDI :2008/01/19(土) 12:01:12 ID:v9Fm6dVVO
( ^ω^)ブーンの青春は音ゲーと共にあるようです


♪井の中の蛙…の巻♪



( ^ω^)「もうブロック崩しも飽きたお」

休みの日。散らかった部屋を片付ける前に、ゲームに興じるブーンの姿があった。
片付けなきゃいけないのはわかっているが、ついつい遊んでしまう。
ブーンは勉強の合間の息抜きのつもりでマンガを読破するタイプなのだ。

( ^ω^)「時代が変わってもブロック崩しは無くならないおwwwマジウケるんですけどwww」
( ^ω^)「さてさて。ウンジャマラミーでもやるお。
中古で買ってもう半年だお。今日こそ先に進むお!!」



ブルブルブル ブルブルブル…

( ^ω^)「うお!!股間に置いてあったケータイがローターしてるお!!」

いいえ、バイブです。

( ^ω^)「らめぇ!!」
('A`)『うぉっ!?どうしたブーン?』
( ^ω^)「なんだドクオかお。萎えたぜこの野郎」
('A`)『???よくわかんねぇけど、ブーン今日暇か?』
( ^ω^)「今からタマネギ先生と戦う所だお。半年間足踏み状態だから今日こそ勝つんだお!!」
('A`)『ちょwww半年間1面かよwww』
( ^ω^)「うっせ」
('A`)『それより今日、ネーチャン川 ゚ -゚)と隣りのラウンジ市まで行くんだけど、一緒に 行 か な い か ?』
( ^ω^)「ラウンジ?裏切り者がいるから嫌だお」
('A`)『それなんてVIP小説?』
153ああああ ◆AIo1qlmVDI :2008/01/19(土) 12:16:25 ID:v9Fm6dVVO
――――――――…

('A`)「おいすー」
( ^ω^)「おっおっ。空気うめぇwww」
从'ー'从「意外と冷えるね〜」
川 ゚ -゚)「よし、そろそろ行くか」

しぃ(*゚ー゚)とツンξ゚听)ξは連絡したが「ちょっと図書館へ用事」との事でした。

( ^ω^)「図書館なんて負け組が行く所だお」
('A`)「なんという偏見」
从'ー'从「しぃちゃんもツンちゃんもまじめなんだね〜」

――車の中――――…
从'ー'从「ラウンジ市まで何の用事なんですか〜?」
川 ゚ -゚)「ヤボ用でな。近隣ではラウンジ市にしか無い店があるからそこへ行くんだ」
('A`)「んで、そこへ行く途中にでっかいアミューズメント施設があるんだよ。
俺達はそこで遊ぶってわけ」
( ^ω^)「おっ。知ってるお!!エリカタウンだお!!CMで見た事あるお!!」
从'ー'从「エリカタウン?」
( ^ω^)('A`)川 ゚ -゚)从'ー'从
「   別  に   …」
( ^ω^)「だおwww」
川 ゚ -゚)「インパクトの強いCMだからな」
从'ー'从「UFOキャッチャーとかあるかな〜?」
( ^ω^)「UFOキャッ♪チャーなんて腐るほどあるお!!むしろ腐ってるかもしれんおwww」
('A`)「それはない」
( ^ω^)「うっせwww」
154ああああ ◆AIo1qlmVDI :2008/01/19(土) 12:33:14 ID:v9Fm6dVVO
――エリカタウン―――…

川 ゚ -゚)「じゃあ1時間か8時間ぐらいしたら迎えに来る」
('A`)「隔たりありすぎだろwww」


( ^ω^)「アッーー!!」
('A`)「これが…エリカタウン…」
从'ー'从「すごく…大きいです…」


ブーンの目の前には、とてつもなくでかい工場みたいな施設が!!

( ^ω^)「wktkが止まらんお!!」
('A`)「おう!!俺もだ!!」
从'ー'从「早く行こう〜」

   ブーン
 ≡≡⊂ニニ( ^ω^)ニ⊃
 ≡≡⊂ニニ('A`)ニ⊃
 ≡≡⊂ニニ从 'ー'从ニ⊃









( ^ω^)「施設の半分が吉野屋とは」
('A`)「してやられましたな」
从'ー'从「でも後の半分はゲーセンだよ〜!!私UFOキャッ♪チャーやってくるね〜」
('A`)「はいはい。俺もちょっとブラブラするかな」
( ^ω^)「ブーンはどこのコーナー行くかお。
ここはとりあえず………」

155ああああ ◆AIo1qlmVDI :2008/01/19(土) 12:46:48 ID:v9Fm6dVVO
     〜15分後〜

      旦
     _/)
    / /
    \(谷 )⌒_)⊃
     / ′ (
    i⌒ヘ_ゞ
    ∪/ /  ∴
     L亅 +∵。
     L)'∵

从'ー'从「あれれ〜?アームがゆるいよ〜?」

('A`)「ちょwww波動拳コマンドが反応しねぇ」

(;^ω^)「ちょwwwブーンはつゆだく頼んだはずだお」


        r-、
   ⊂i\ 且/ / ♪
     \( 谷)/
      ヽi|へ
      )人i 、ゝ
      / / ヽi
     // ゚∴
     (/   ∵+
   ∵+

   〜さらに15分後〜


从'ー'从「ふえぇ〜ん」

('A`)「筐体壊してぇ…」

( ^ω^)「看板テメェの血で紅く染めてやろうか」

♪  且
 ♪ (谷 )__
  (_ ̄iつ―-ヘi
((( |人 (
   `/ / )))
    L_ト、
    L)"。
     ∵
    ∴+

 〜またさらに15分後〜



从'ー'从('A`)( ^ω^)「も う 来 ね え よ 」
156ああああ ◆AIo1qlmVDI :2008/01/19(土) 13:13:59 ID:v9Fm6dVVO
('A`)「ブーンは…お、ポップンか」
从'ー'从「ケッ。どうせ反応の悪いんだろ」
(;'A`)「渡辺さん、キャラ違う!!」
( ^ω^)「さっきやってた人は難しいやつクリアしてたお。大丈夫だお」

1曲目・パッション(ハイパー譜面)
('A`)「ミッキーもマサシもどっちも名前だよな」
从'ー'从「何気に歌詞エロい〜」
( ^ω^)「…さっきの人を見てコツがわかった気がするんだお」



('A`)「おお!!NO BAD!!」
从'ー'从「しかもチャレンジモードでノルマ指定までしてる〜!!」
( ^ω^)「ブーンの前にやってた人、叩く音が綺麗だったお。ブーンは無駄な力が多かったお。だから疲れて腕がついてかなかったお」

2曲目・Jテクノ2
('A`)「これもNO BAD指定か」
( ^ω^)「この曲は難易度は高くないけど長いお。
ペースを落とさずに叩ければNO BADできるお!!」
从'ー'从「ポップン5でJテクノ2なら、ポップン10でJテクノ3とか出るかな〜」
('A`)「それはあるかも知れんね」

( ^ω^)(さっきの人は本当に演奏みたいだったお。
目押しじゃなくて、頭に音楽が入ってるから軽々叩けるんだお…)



从'ー'从「これまたNO BAD!!」
('A`)「すごいなブーン!!なかなか出来ないぞコレは」
( ^ω^)「次が勝負だお!!」

3曲目・パワーフォーク2
( ^ω^)(ブーンは何度も挑戦したお。曲は頭に染み付いてるお!!)
157ああああ ◆AIo1qlmVDI :2008/01/19(土) 13:35:31 ID:v9Fm6dVVO
―翌日―


(´・ω・`)「やぁ。ようこそゲームセンターバーボンへ。
そのタブクリアは観賞用だからそっとしておいてほしい」
从'ー'从「こんにちは〜」
( ^ω^)「土足でおじゃまします」
('A`)「いつも土足だろwww」

学校帰りにいつものようにバーボンへ寄ったブーン達。
从'ー'从「やっぱりここが一番だよ〜♪」
('A`)「ふははははwwwダンフルボッコにしてやんよwww」
( ^ω^)「遊び終わったら吉野屋行くおwww」




いつも決まった場所で遊んでるから気がつかなかったけど、自分達はすごく恵まれた環境でゲームができている。
例えでかくなくたって、そんな贅沢な事は無い。

そう思ったブーン達でした。

( ^ω^)「ヘビィメタルクリアしてやんよwww」



♪いつかに続く♪
158ああああ ◆AIo1qlmVDI :2008/01/19(土) 13:45:35 ID:v9Fm6dVVO
なぜか文が反映されてなかった所が…orz
補足します…

>>156

从'ー'从「アームが脱臼した肩みたいだよ〜」
('A`)「ダンに負けた…」
( ^ω^)「頼んだのとチガウ!!」
从'ー'从「う〜ん。がっかりだね〜」
('A`)「鬱だし帰るか?」
( ^ω^)「…いや!!まだ帰るには早いお!!」
('A`)「え?」
( ^ω^)「 音 ゲ ー や ら な い か !!」
('A`)「だか断る」
( ^ω^)「そんなあ」

最後にブーン達は音ゲーコーナーへ。


('A`)「うはwwwちょwwwクラッキンDJ面白ぇwww」
( ^ω^)「この人一曲目からパワーフォーク2選んでるお。
撃沈確実だおwww」

从'ー'从「スクラッチ反応悪いよ〜?」
('A`)「VJ音小せぇ!!」

(;^ω^)「え?クリアしちゃったおこの人!!
しかも2曲目はパーカッシブのハイパーだお!!」

从'ー'从「こ れ は ひ ど い」
('A`)「ポップンステージwwwなんでこれ企画通ったwww」

( ^ω^)「………………」


从'ー'从「高いし反応悪いよ〜」
('A`)「ポップンステージは人をガニマタにさせるwww」


( ^ω^)「…ブーンの番だお」

これが最初に来ます。
この後
('A`)「ブーンはポップンか」
となります。
159ああああ ◆AIo1qlmVDI :2008/01/19(土) 13:55:12 ID:v9Fm6dVVO
また>>156
最後のとこ


3曲目・パワーフォーク2
( ^ω^)(ブーンは何度も挑戦したお。曲は頭に染み付いてるお!!)

の下に↓が入ります。

从'ー'从「これも歌詞エロいよ〜」

( ^ω^)「さっきの人は余計な所は叩かなかったお!!
頭の中でサントラを再生させながら必要な所だけ叩くお!!」


サビ手前。いつもならゲージがスッカラカンなのだが…

( ^ω^)「いけるお!!ギリギリ赤に差し掛かってるお!!
最後の踏ん張り所だお!!」


2回目の「ボロボロ〜にしたい」の所の3連打も忘れず、ブーンはフィニッシュを迎えた。

( ^ω^)「どんなもんじゃーい!!」
从'ー'从「ブーンくんすご〜い!!パワーフォーク2がクリアできたらポップン制覇も同然だよ〜」
('A`)「誇張があった事をお詫びします」

( ^ω^)「お?EXTRAステージってなんだお?」
从'ー'从「クリアポイントによってはもう1曲遊べるEXTRAステージになるんだよ〜。
隠し曲もここに出るんだよ〜」
( ^ω^)「最後はランダムセレクトするおwww」




EXTRAステージ・ヘビィメタル


( ^ω^)「泣きそうです」


↑ここまでの文が入ります。

なぜか反映されてなかった…orz

以上です。
長文読んで頂きありがとうございました!!
160爆音で名前が聞こえません:2008/01/21(月) 00:31:50 ID:xHNAWFU20
>>152乙。
読んでて面白かった!次も期待してますぜ!
161爆音で名前が聞こえません:2008/01/22(火) 17:08:14 ID:ECPZ1z2YO
定期age
162がう:2008/01/24(木) 19:12:38 ID:AERkgaVFO
どもども。お待たせしましたが,明日もしくは明後日に投下予定です。
猿?あぁ,怖いがやるかねぇ!!
163がう:2008/01/25(金) 12:24:48 ID:jn6rWjwNO
さてさて投下します

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(;'A`)しぃちゃんっ!!

ドクオの呼ぶ声届かず,ドアの閉まる音が鳴り響き部屋の空気は重い。

(;^ω^)

掛ける言葉すら見付からずに突っ立ってるしか無いブーン。

三三(;'A`)ッ……!!

ガチャン!!

( ^ω^)兄さんっ!!

ドクオは立ち上がってブーンの呼び止める間もなく部屋から飛び出した。

(;^ω^)お……

ξ - )ξやっぱり…ダメ…なのかな…

少し語気を弱めて俯くツンにゆっくりと彼女の方へと身体を傾けるブーン。お互いに違う想いで深いため息をついた。

(;^ω^)…何でツンちゃんがここに居るんだお?

ξ;゚听)ξ……私はちょっとドジって気を失っちゃったみたいなの…。それでドクオが家までおぶってくれたみたいで…。

( ^ω^)……そうかお。

再びブーンは深い溜め息をついた。

ξ゚听)ξ私にも同じ質問させてちょうだいよ。

( ^ω^)しぃちゃんの事かお?……それならただ単にギタドラのサントラ借りに来ただけだお。…しぃちゃんはツンちゃんが何で勝負を挑んだのか未だに分からないみたいだけど,勝たないといけないという闘争心にかられているんだお。
164がう:2008/01/25(金) 12:25:51 ID:jn6rWjwNO
ξ - )ξ…でも私も負けるわけにはいかないわよ……昔から……しぃが現れる前から…アイツの事を…ずっとずっと…。

一方……。

(* ゚ー゚)ただいま〜。

ノパ听)おぉぉぉぉぉ!!!!。帰ったきたかしぃ,どうしたんだ?こんなに遅いとは珍しい。

何事も無いかの様にしぃは自宅へと戻るとそこに仁王立ちで待っていた姉のヒート。

(* ^ー^)ごめんヒート姉さん。みらくるで遊びすぎちゃった。

ノパ听)夜は危険がイッパイ。男は狼にメタモルフォーゼするから今度からはもう少し早く帰ってこいよ?

(* ゚ー゚)うん…じゃあ手を洗ってすぐご飯食べるね〜。

タッタッタッ……

玄関で靴を脱ぎ,パタパタと洗面所へと向かっていった。

ノパ听)……?

荷物を部屋に置いて手洗いを済ませたしぃとヒートが揃った所で夕食が始まった。

(* ゚ー゚)いただきまーす。

ノパ听)I'm lovin it!!!

(* ゚ー゚)モグモグ…あ,お父さんとお母さんはもう寝ちゃったんだ…後で謝らなきゃ。

ノパ听)ハムッ ハフハフ、ハムッ!!!うめぇwwwwwwww

(; ^ー^)

ノパ听)ピタッ




ノパ听)

(* ゚ー゚)?

ノハ;゚Д゚)ハムッ ハフハフ、ハフッ!!……うぇっwwwwwwwがはぁぁぁっwwwwww

(; ^ー^)……
165がう:2008/01/25(金) 12:27:27 ID:jn6rWjwNO
〜夕食後〜

ノパ听)…ところでもうすぐ夏休みなんだが何か予定あるのか?

(* ゚ー゚)うぅん,全然。姉さんは何かあるの?

ノパ听)あぁ実はな……これを見てくれ。

そう言って差し出してもらったのは数枚の紙切れ。

ノパ听)これこそ天下無敵天上天下唯我独尊UFJの一日無料招待券だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!

(* ゚ー゚)姉さん……U  S  J!!

ノパ听)




ノパ听)




ノパ听)で。それが手に入りましたので行きたいと思うのですが如何なものでしょう?

(* ゚ー゚)ごまかしてもダメだよ…姉さん。

ノハ;゚听)う,うるさいっ。私は横文字に弱いんだっ!!

(* ゚ー゚)メタモルフォーゼやらアイムラビニットとか言ったのは一体…

ノハ;;)ブワッ うるさいうるさい!!!お前にTicket渡さないぞ!!!

(* ^ー^)(ほらまた…)ゴメンゴメン,でもそのチケットどこで手に入れたの!?

ノハ;听)ヒックヒック… あ?ああ…実はな……。
166がう:2008/01/25(金) 12:28:24 ID:jn6rWjwNO
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

それは今日の夕方…

ノパ听)うぉぉぉぉぉぉ!!!!!1111野菜安過ぎるだろ……物価的に考えて……。

豚Godzilla へいらっしゃい!!

ノパ听)そこのPizza!

豚Godzilla ショ,ショウヘイ!?

ノパ听)そこの白菜を3つとTomatoを2つ貰えないか?

Pizza らっしゃい!!780円です!!

ノハ#゚听)高いな,もっと負けてくれピザ。

Pizza そ…それは無理です…らっしゃい…。

ノハ#゚听)あぁぁぁぁぁ!?

豚父 なんでぇなんでぇ騒がしい……ゆっくりと居眠りできねぇでねえか……らっしゃい。

デブ うわぁぁん!!父ちゃん,助けてくれよぅ!!お客さんが野菜を負けてくれと言うんだよ!!

豚父 野菜を負けろだぁ!?そんな奴は野菜を食う資格無いんでい!!!らっしゃい!!!で,どのお客さんでい!?

デブ あのお客さんだよ!!

ノハ#゚听)全く…野菜を負けてくれないとはあの無駄にデカい頭は飾りかっ!!!!!安くさせようという消費者の期待にそえれないとは…もうアホかね…バカかと。

豚父 …………

デブ と,父ちゃん?

豚父 ば,ばばばばばばバーローwwwwwwwwwwwwあれは昔からのお得意さんよ!!彼女無しでこの八百屋は成り立つ事は出来なかったでい!らっしゃいwwwww

ノパ听)おぉ,ようやくボス猿のお出ましか。早く野菜を負けてくれ。あとこの出来損ない糞Pizzaにきつく調教させておけよ。商売人としてだな(ry

デブ (うるさいおばちゃんだな……)ボソボソ…

ノハ#゚听) ギロッ
167がう:2008/01/25(金) 12:29:34 ID:jn6rWjwNO
デブ は,はふんっ!!!

豚父 へぇへぇwwwwwwwらっしゃゃしゃいwwww家のバカが迷惑かけて申し訳ねぇwwwwww770円でどうでい?らっしゃいwwwwwwwwwうぇwwww

ノパ听)ぶち殺すぞ

豚父 じょ,冗談でさぁwwwwwwwww760でどうでい?wwwwww

デブ(父ちゃん頑張れ!)

ノパ听)300yen

豚父 プルプル……

デブ(父ちゃん…)

豚父 ふ,ふざけるんでねぇ!!!らっしゃい!!!!いくら常連とはいえもう我慢できねwwwwwwwwwwwららっらららっららららっしゃいしゃしゃしやぁシャーコラーwwwwwww

デブ(父ちゃんが……)

ノハ;゚听)…………

デブ(お……流石にこれは参ったか。やったぜ父ちゃん!!)

ノハ^竸)ニコッ

豚父 かしこまりました500円頂戴致します。

   /\___/ヽ
  /   :::::::\
 |r――  ――、:|
 |、_(o)_ _(o)_,:|うわぁぁああぁぁああぁあ!!!!!!
 |   <    :|
  \ /([三])ヽ:/
  /`ー―――-´\
     ↑
   豚Godzilla     
168がう:2008/01/25(金) 12:31:09 ID:jn6rWjwNO
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ノパ听)というわけで安く野菜を仕入れたんだ。

えっへん,と言わんばかりに胸に拳を当てて威張るヒート。

(* ゚ー゚)姉さんったらまた値切っちゃって……

ノパ听)利益追求で値段を上げる企業が悪い。

(* ゚ー゚)(八百屋は自営業だよ…)で,その後どうなったの?

ノパ听)あぁ……

ヒートは再び満足気な表情を浮かべて語り出した。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ノハ#゚听)客が機嫌を損ねたんだ。謝罪と賠(ry

豚父 へ,へぇ…かしこまり。これを差し上げますぜ……らっしゃい。

ノパ听)何だこれは……こんな紙切れより動物捕獲用ボール30個の方がかなり嬉しいのだが…

豚父 商店街の福引券でさぁwwwwwwこれで勘弁してくだせぇwwwwwww

ノパ听)………

ノパ听)うはwwwwwwwwwwぉkwwwwwwww

豚Godzilla(何だ…この茶番……)

ノパ听)それじゃあまた来るからな。

豚Godzilla ありがとございやした〜

豚父 ありがとござざざした〜wwwww

豚父……時に息子よ。

豚Godzilla なんでい父ちゃん?

豚父 今日は店じまいだ。

豚Godzilla やけに早いな父ちゃん。

豚父 いや,引っ越すんだ。もっと遠くへ…

豚Godzilla ええぇぇぇえ!!!!!?

豚父 とっととしろい!!置いてくぞ!!

豚Godzilla ヒック… せっかく友達できたのに……

豚父 このまま店が潰れてもいいのか!!らっしゃい!!!

豚Godzilla ヒックヒック……

ΩΩΩΩΩ<またよ…これで何軒目かしら…またこの商店街からお店が消えた……可哀相に……息子さんもまだ小さいのに……ザワザワ…。
169がう:2008/01/25(金) 12:33:31 ID:jn6rWjwNO
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ノパ听)でだ,その後に福引会場に乗り込んだんだ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ノパ听)たのもぉぉぉぉぉ!!!!!!!

<ヽ`∀´>…ここは道場じゃないニダ。で,福引をしにきたニダか?

ノパ听)早い話がそうだ。ほら,福引券はこの通り10枚ある。

<;ヽ`∀´>(購入金額一万円毎に一枚渡していく福引券……10万円もこの廃れた商店街で買い物したニダか……そしてその金額の6割を商店街の為に役立てるという名目でウリの収益とするナイスな考案…。)

<ヽ;∀;>(やっと商店街が元気を取り戻し始める兆しが見え始めたニダ…)

ノパ听)?

<ヽ;∀;>グスンッ 商店街の救世主よ!!さぁ回してくれ!!この世の全てをここに置いて来たニダ!!

ノパ听)……スー

_r―――、―――、、
~ヾ二ニ-〃――-、 ヽ
 〈ェ  _ェェ-冫/\|
  /(・| /・)> ヽ__ノ
 |〈~、。゚ ̄) `rリうぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!
 | rニ、  / (_イ
 |`こ′/ /入|
  \二___//‖|
  )__"/‖‖\
 --‖‖‖‖/‖ \
    ↑
   ヒート

ガラガラガガラガラッ!!!!…………コロン

<ヽ`∀´>残念〜白玉は残念賞ニダ。はいこれD・V・D。

ノパ听)ちなみに何のDVDだ?

<ヽ`∀´>ホロリとはだける熟z ノハ#゚听)ッ!!!!

メメタァ

<#)`∀´>だ…だって白玉と言えばティッシュなんてお約束過ぎニダ……男心擽る演出のはずだったのに…

ノハ#゚听)俺は女だぁぁぁぁぁぁ!!!

<ヽ`∀´>懐かしいネタニダ…ささ,それはさておきじゃんじゃん回すニダ。
170がう:2008/01/25(金) 12:34:37 ID:jn6rWjwNO
ノハ#゚听)………

ガラガラガラ…
ハイ,チカンデン…ニダー!!!
ガラガラガラ…
オオー,ゴスロリチジ……ニダー!!!!
ガラガラガラ…
コ,コレハテバナシタクナイケド…トゥナイトノエイキュウホゾンバン……アァ!!!ナンデジメンニタタキツケルニダー!!!

┌────────┐
│        │
│ おっおっおっ │
│  (^ω^)  │
│  (つ ⊂丿  │
│  ( ヽノ   │
│  し(_)   │
│        │
│Now boonning... │
│        │
│ 暫くブーンで │
│ お待ちください │
└────────┘

・・・・
・・・
・・


<#);∀;(#>あんまりニダ…。ウリが一体何をしたニダ。謝罪と賠(ry

ノパ听)…あと一枚か。もうこれ以上DVDは不要だしな……

<ヽ`∀´>(もうウリのお宝である顎フェチDVD「memories」しか残ってないニダ……正直10枚も福引券持ってくる事自体驚きなのに…。)

ノパ听)よし……

<ヽ`∀´>ゴキュリ………

ガラガラガラ………コロン。

ノハ:゚听)あ……
171がう:2008/01/25(金) 12:36:20 ID:jn6rWjwNO
<ヽ`∀´>はい白玉〜。ウリの宝物であるDVDニダ。

ノパ听)………オイ。

<ヽ`∀´>ニダ?

ドッガラガシャーン!!!!!!!!

<;ヽ`∀´>い,いきなり何するニダ!台をひっくり返して!!

ノハ^竸)ニコッ これは何だ?

<ヽ`∀´>あ…

ノハ#゚听)全部白玉じゃないか!!そんなにDVD持っていたのか!!凄すぎるぞお前wwww気に入ったwwwww

<;ヽ`∀´>あ,ありがとうございますニダ。

ノパ听)だがインチキしてたのは事実。これは商店街の評判がた落ちだな……これはもぅ終わったな。

<ヽ`∀´>な…何が言いたいニダ!?

ノパ听)そうだな……一等の景品を丸ごと私にくれないか?それならこの事は内密に…な?

<#ヽ`∀´>な,何を調子ぶっこいているニダ!!!DVDもらえただけ有り難いと思えニダ!!!

ノハ^竸)ニコッ

<ヽ`∀´>



<ヽ`∀´>



<ヽ`∀´>どうぞ。そしてさようならウリのDVD。…TAKA,お前ともう一夜過ごしたかったニダ…。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ノパ听)そんな訳で手に入ったこのチケット…いやフリーパスというべきかな。

(; ^ー^)姉さんらしいけど商店街の人達大丈夫かな……。

ノパ听)四枚あるから誰と行くかが問題だがな。

(* ゚ー゚)父さんと母さんと私と姉さんで調度いいじゃない?

ノパ听)それが父さん達は仕事あるから無理なんだってばさ。

(* ゚ー゚)うーん……。

ピンポーン!!!

二人の会話を遮る様にインターホンが鳴った。こんな時間に誰だろうと二人は顔を見合わせる。
172がう:2008/01/25(金) 12:37:50 ID:jn6rWjwNO
ノパ听)私が出よう。

(* ゚ー゚)うん……。

タッタッタッ……ガチャ。

ノパ听)イヤッホォゥゥゥゥ!!!!!!

(;'A`)ハァハァ………

ノパ听)………

ドアを開けると息を切らしたドクオが立っていた。

ノパ听)イヤッホォゥゥゥゥ!!!!!!ドックン!!久々だな!!

('A`)イヤッホォゥゥゥゥ!!!!……じゃないですよwwwwwうっすヒート姉貴!!

ノパ听)久しぶりだなこのイカ野郎wwwwイカのくせに生意気言うようになったじゃないwwww

('A`)夜中の外でイカイカ言わないで下さい…俺の秘めたM心に火が点いちゃいますwww

ノパ听)で,何用?

(;'A`)アッー忘れてた。しぃちゃん居ますか!?

ノパ听)しぃ?居るが…どうしたんだ!?

('A`)お邪魔します!!

ノパ听)ちょwwwwwww

タッタッタッ……

靴を急いで脱いで玄関から家へ入るドクオにヒートは止めることが出来なかった。

(;'A`)しぃちゃん!!!

(; ゚ー゚)ビクッ ど,ドクオくん!?どうして!?

台所で皿を洗っている最中にいきなり叫ばれてびっくりしているしぃ。
いや,そもそも何で家まで上がり込んでいるのかという疑念が強かった。

('A`)しぃちゃん…さっきのは誤解だよ!!ツンが俺の家で泊まるなんてあいつが勝手に言ったことで俺は認めても何にもないってば!!

(* ー )……

しぃが固まった。

(* ー )…分かってるよ。

('A`)……

(* ゚ー゚)分かってるよ。…大丈夫。でもさっきは流石に混乱しちゃって……

壁|听)
173がう:2008/01/25(金) 12:39:28 ID:jn6rWjwNO
(* ゚ー゚)それにツンちゃんが何で勝負を挑んで来たのか分かった気がする……。

('A`)あいつ思い込んだら突き進む性格だから困ったもんだよ…。

(* ゚ー゚)…だから私は負けない。ツンちゃんだってそう思ってるだろうし…それに…。

('A`)それに?

(* ^ー^)ドクオくんの事…本当に大好きだから。ツンちゃんもそうだから勝負を挑んで来たと思う。

壁|゚听)(臭ぇwwwwwwwwwwwwwうぇwwwwww青春乙w英語でblue springwwww地球温暖化による青々しい春は臭い事が分かりましたwwwww)

(* ^ー^)だから心配しないで…私頑張るから……絶対頑張るから。

(;A;)うっうっ………

(; ゚ー゚)どうしtノパ听)どうしたのドクオくん!?…とでも言いたかったのか?

(; ゚ー゚)ね,姉さん…。

ノパ听)何があったかは知らないが男は泣いちゃいけないぞドックン。

ヒートはドクオの肩をバシバシ叩いて励ました。

(つA`)さ,サーセン。…あと目茶苦茶痛いです。

ノパ听)しぃの彼氏のくせに弱々しくて頼りないのは相変わらずだな…だが優柔不断で甲斐性無しで母性本能も擽らない。しかし,正義感が凄まじく強い男ではない。まったくもってお前は駄目な奴だよ。

('A`)ありがとう姉貴。そして日本語勉強し直してこい。

ノパ听)中卒だから……てへっ(はぁと)

('A`)キモスwwwwwwwwwwwwwwwww

メメタァ

(#)'A`)

ノハ#゚听)Why don't you メメタァ?

(#)'A`)…英語はお上手な様で。…でもありがと,姉貴。何か目が覚めた気がする。

それを聞いてヒートは重荷を解いたかの様に大きく息を吐いた。

ノパ听)…だったらとっとと帰れ。こんな時間に勝手に家に上がり込んで…

(* ゚ー゚)姉さんそれは言い過ぎだよ…

しぃは少しオロオロした様子でヒートをなだめる。しかし彼女の眉は引き攣ったままで決して穏やかな表情ではない。
174がう:2008/01/25(金) 12:41:13 ID:jn6rWjwNO
ノパ听)ドックン,個人の感情だけで動くと絶対後で自分が後悔する時があることをよく覚えておいたほうが良い。

('A`)???

手を腰に当ててヒートは説教するお母さんの様にドクオに言ったが,彼には言葉の意味がよく分からなかった。ヒートの噺はさらに続く。

ノパ听)だから早く帰れ。しぃとは何時でも話せるし会える。

(;'A`)は,はぁ…それじゃあお邪魔しました。…ごめんねしぃちゃん。

申し訳なさそうに台所から出ていく彼の背中は何故か大きく見えた。

(* ゚ー゚)……

ノパ听)…出送りしなくていいのか?

(* ゚ー゚)うん…。

ノパ听)そうか……明日も早いし今日はもう寝るか。

数十分後,しぃの家から明かりが消えた。外は真っ暗闇で月が唯一の明かりの中でドクオは家に向かって走っている。

(;'A`)フゥフゥ… (最近運動不足かな…まぁいいや…急いで家に帰らないと…)

<チョットマチナサーイ!!!

(;'A`)!?

(`・ω・)こーんな夜遅くに何をやっているのかな?

自転車に乗ってやって来たのは紛れも無く青い制服に身を纏った警官だった。

(;'A`)あ…いや俺は…

その時,ヒートの言葉をはっと思い出した。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ノパ听)ドックン,個人の感情だけで動くと絶対後で自分が後悔する時があることをよく覚えておいたほうが良い。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

('A`)こういう事かぁぁぁぁ!!!!

(`・ω・)何を訳の分からない事を言っているのだね。ささ,何でこんな時間に外に居るのかな?話してもらおうか。

('A`)…はい。

こうしてシャキンと名乗る警官に事の成り行きを全て話したわけだが,理由が理由なだけにシャキンにシャキンの嫁の手作り弁当を吹かれる始末。

(`・ω・)wwwwww

('A`)ウツダシノウ

(`・ω・)まぁなんだ,掛ける言葉すら思い浮かばないから本官は帰るとするよ。じゃあね。

( 'A`)ノシ

だいぶ足止めを喰らったドクオは急いで家へと帰って行った。
175がう:2008/01/25(金) 12:43:29 ID:jn6rWjwNO
〜ドクオ宅〜

('A`)ただいま〜

ドタドタドタ………

(;'A`)!?

J(゚-゚#)しドクオっ!!!こんな遅くまで何をしていたのっ!!!今何時だと思ってるの!?

物凄い足音と共に現れたのは凄い剣幕でドクオに怒号を浴びせた母だった。

(;'A`)あの……その……ゴメン。母さん。

こんな母親の怒号にまたしてもヒートの言葉を思い出してしまった。

('A`)ご…ごめんなさい

J(゚-゚#)しこの救い様のないバカッ!!!本当にバカッ!!!

いつもなら謝れば多少なりとも怒りが緩和して許してくれたのに今日はずっと怒り続けている。ドクオはしつこく怒る母親に対して罪悪感から徐々に煩わしさへと移りつつある。

( A )………

J(゚-゚#)しちょっと聞いているの!?ドクオ!!

その煩わしさは徐々に怒りへと変わっていく…今までの母の束縛に加え今回の怒号,そしてツンが巻き起こしたトラブルによって。理屈では通じないやり場の無い怒りが沸々と沸き上がって…

( A )…さいな。

J(゚-゚#)し何!?言うことがあるならはっきりと言いなさいよ!!!

(#'A`)っるさいな!!!俺だって理由無しでこんな時間に帰ってこないよ!!!いっつもいっつも俺の事何にも分からないのに何なんだよ!!!!余計な干渉するなよ!!!

まるで体の毒を吐いたかの様にドクオは母親に怒りをぶつけた。

J(゚-゚#)し……

(#'A`)ッ!!
176がう:2008/01/25(金) 12:44:27 ID:jn6rWjwNO
ドタドタドタ!!!

ドクオは何も言わず2階の自室へと走り抜けて行った。

ガチャン!!!

('A`)ハァハァハァ……

血の流れが速くなるにつれて心臓の鼓動も速くなる。嫌な汗をかきながら部屋に入った。

( ^ω^)お…兄さん,お帰りだお。随分遅かったおね。

部屋にはベッドで寝ようとしていたブーンが居た。

('A`)実はな…かくかくしかじか…

( ^ω^)本当にかくかくしかじかと言われても分からないお。

(;'A`)まぁ話すと長くなるから明日に…な?……あれ…ツンは?

周りを見渡すとツンの姿が無い。ほんのりとツンの香りが残っている。

( ^ω^)あ,ツンちゃんはさっき帰っていったお。あと兄さんに「ゴメン」って言うよう言われたお。

('A`)…そっか…分かった……今日はもう寝よう。色々と疲れた…。

( ^ω^)兄さん…兄さんは一人じゃないお。重い荷物があるなら一緒に背負ってあげるお。

('A`)……電気を消してくれ。

ブーンの言葉は凄く嬉しかった…が怒りがピークに達して疲れに変換され,更に面倒臭さになって体の中に駆け巡る。

( ^ω^)お休みだお。

('A`)あぁ…。
177がう:2008/01/25(金) 12:46:41 ID:jn6rWjwNO
この後,ツンとしぃは約束の日曜まで学校以外で会うことは無かった。ツンはしぃだけでなくドクオやブーンの前にも姿を表さず,学校では浮かない表情を浮かべていた。
一方しぃはみらくるに度々足を運んでいるが,基本的にはショボンから借りた家庭用のギタドラを使ってバトル用の曲を練習していた。
あの兄弟はというとバイトが過密スケジュールでなかなかみらくるに寄ること出来ず,殆どsonic worldでショボンと過ごす日々が続いた。そしてドクオは母親との距離が開いたままだった…。

そして約束の日曜日…ドクオ・ブーン・ショボンの三人が急ぎ足でsonic worldに向かった。
音ゲーコーナに三人が向かうと既に先客が今か今かと言わんばかりに待ち構えている。

(´・ω・`)いやぁ,久々〜。

ξ ゚听)ξ遅いわよこのド変態。

(´・ω・`)ウンコ巻髪ご機嫌うるわしゅうございます。まぁそんなカリカリしなさんな。

('A`)…俺から一言言っていいですか?

(´・ω・`)許可する。何だい?

('A`)……何であんたらが居るの?
 _
( ゚∀゚)え?(`・ω・)

(´・ω・`)(ウホッ…)

第七章 〜終〜
178がう:2008/01/25(金) 14:23:42 ID:jn6rWjwNO
反抗期に突入したドックンに二人の対決…どうなるかは次回にwwwww
179爆音で名前が聞こえません:2008/01/25(金) 21:59:00 ID:iFjNYkYSO
がう氏乙&GJ!!
ドーナツでも食いなさい ◎
180爆音で名前が聞こえません:2008/01/25(金) 23:41:21 ID:qxBQ/oDJ0
かくかくじかじかワロス
181がう:2008/01/27(日) 11:39:19 ID:3h5XpMr6O
( ^ω^)兄さん

('A`)どうした?そんないかにも夏にキムチを食べて苦しんでるような顔をして

(;^ω^)いつもと全く変わらない顔だお。それより,この物語で気になる箇所がいくつかあるから兄さんに聞いてみようかと

('A`)気になる箇所?例えば?

( ^ω^)兄さん自身に問題があるお

σ('A`;)?

( ^ω^)うn

('A`;)ま,まてまて。俺はブーンの兄である点か!?

( ^ω^)違うお。そんな事眼中に無いお

('A`;)サラリと酷い事言いやがったな。ちょっと兄として俺のキャラは合うかどうか不安だったのに

( ^ω^)さすが兄さん!!それだお!!

('A`)?

( ^ω^)『キャラ』だお

('A`)……は!?

( ^ω^)何故兄さんに彼女が居る?何故幼少期でも生活があんなに明るいんだ?何故…

( A )

( ^ω^)事実だ。受け入れろ

( A )

( ^ω^)もう一度言う。事実だ。受け入れろ

(;A;)ヒック… 確かにそうだよな。でもなブーン,作者の音ゲー仲間の『実際の双子』をモデルしてるんだから仕方ないじゃないか。

( ^ω^)これは兄さんというよりキャラ設定をミスったがうのせいに違いないお

がう<正直すまんかった。だがこれで突き通すんでwwwwwwwwまぁ,鬱展開にすりゃドックンの本来のキャラ活きるだろwwwwwwww

(;'A`)(;^ω^)(とんでもない事言ってやがる)

がう<実はな…まだ問題があるんだよ。Prologueあたりかな…お前らの年齢を入れて無かったんだ。ってかコピペ忘れたんだな。

(#^ω^)ビキビキ

がう<実際お前ら高校生というのは説明した。歳は16歳なんだよ。本当読者の方々サーセン。

('A`)まぁ…後付けみたいな形になっちまったのは否めないな。でもそんな事よりお前は作品を書き切る事が最重要だぞ

がう<うn

がう ('A`)( ^ω^)至らない点があったら言ってください。その回答の詳細はwebで!
182がう:2008/01/27(日) 13:30:47 ID:3h5XpMr6O
誤字があった。申し訳ない。


( ^ω^)何故兄さんに彼女が居る?何故幼少期でも生活があんなに明るいんだ?何故…

( ^ω^)何故兄さんに彼女が居る?何故幼少期でも【性格】があんなに明るいんだ?何故…
183爆音で名前が聞こえません:2008/02/01(金) 23:36:16 ID:833Qugp30
保守age
184旅人:2008/02/02(土) 00:41:23 ID:8mlL7U7b0
ああああさんとがうさん乙!とっても楽しかったです!

えー、今投下で第二回目となります、タイムトラベルの作者、旅人です。
キリよい終わり方をするとはいえ、一回目があまりにも短かったので二回目は力を入れてみました。
力を入れすぎてラストまで一気に書き連ねてしまいました。
明日の始まったあたりの時刻でそのラストを投下できそうです。
いや、正直こんなのどうでもいいですよね。はい、ただの予告でした。
なお、これは予定です。予定は未定ですので、予告通りに投下できるか分かりません。

前回の後書きでぐだぐだ書き連ねたのを自分で見直して、調子に乗りすぎたかなと反省しました。
今後は、挨拶や紹介程度の前書き、後書きしていこうと思います。それでは、タイムトラベル第二回の始まりです。
185タイムトラベル4:2008/02/02(土) 00:47:33 ID:8mlL7U7b0
あらすじ…ある日松木ゆうと名乗る盲目の老人とであうドクオ。
彼は友人のブーンと共に感謝の意味をこめて料理をもてなされた。
その後、松木は身の上話を始め、自分の両目を過去に飛んで救って欲しいと二人に頼んだ。
これを承知し、ドクオとブーンはタイムマシン「大穴」を使って松木が若い頃の過去へ飛んでいった。


大穴に飛び込んだドクオは落ちていく感覚を不意に失い、足を痛めた。
いきなり中に放り出された感じがした。上を見上げたが、穴は見えなかった。
ドクオは立ち上がり、先に時間移動を果たしたブーンへ向き直って声を掛けた。

('A`)「ブーン大丈夫か?」

 ( ^ω^)「僕は大丈夫だお。ドクオこそどうなんだお?」

('A`)「俺は大丈夫だ。…ここはあの爺さんが言っていたゲーセンか?」

 ( ^ω^)「だと思うお。きっとここがゲームセンタークリアだお」

二人がいた所は間違いなくゲーセンだった。ちょっと古風なそこには何やら騒がしい声が上がっていた。
怒気を爆発させる声。明らかに苛立ちを表す声だった。何だろうと思い二人が声のする方に寄ると
今まで見たことの無いゲーム機の前で二本の棒を振り回す男がいた。ゲーム機の上のに
「DrumManiaV7」というタイトルロゴが印刷された紙が張り付いてあったがそういうのはどうでもよかった。
問題なのは男が振り回す棒がゲーム機…筐体や筐体についてある色んな形をしたパッドに
ぶつかりまくっているという事だ。このままではあのゲーム機は天へ召されてしまうかも…
思わせるほどの力で男は棒でガンガン筐体を叩きまくっていた。傍から見ればキチガイだ。
周りの客は男の怒声を上げつつ筐体に暴行を加えるその姿に怖気ついてしまって誰も止める事が出来なかった。
それはドクオとブーンも例外ではなかった。誰でもこんな風景を見てしまったらそうなるだろう。
近くにいた店員ですらも止めに入る気は無かった。その店員は元々チキンハートの持ち主だったので
関わろうとする意思が全く湧き上がらなかったのである。
男はますます調子付き、叩く力を更に上げ、狂った叫び声は更にボリュームアップした。
正直、これで鼓膜を破れそうだ。破りたい奴がいるなら今すぐここに来いと耳を塞ぎながらドクオは思った。
それから三十秒くらいがっ経ったろうか。ドクオの後ろで大きな足音が短い間隔でした。
振り向くと、どこかで見たことのあるような若い男が猛ダッシュして来たのが見えた。
ドクオとブーンは彼の殺気にも似たような迫力に押されて道を開けた。通り過ぎる時、ありがとうと聞こえた。
走り続けていた男は二本の棒を振り回す男にタックルをかました。棒を持った男が吹っ飛んでいった。

「店員さん!すぐに警察を呼んで!早く!…このキチガイドラマニプレーヤーめ!」

タックルをかました男はチキン店員にそう指示して棒男がよろっと立ち上がるのを警戒していた。
棒男は怒声を上げながら自分に危害を与えた男に両手に手にした棒を振り下ろした。
それを後ろにステップして避けた男は、何と胸元から名刺を一枚取り出した。それを見て棒男は驚いた顔をした。

「お前が『松木ゆう』なのか!このクソ野郎、正義の味方気取りしやがって!格好つけてるつもりかよ!」

「残念だけど、正義の味方を気取ってるつもりは無いよ。僕の嫌いな奴がマナーのなってない奴だって事が多いだけさ」

「お前みたいな偽善者が一番腹立つんだ!スキルが伸びない事よりお前のような奴がいるのがむかつくんだよ!」

男は言って、もう一度棒を松木に向けて振り回した。松木はそれを完全に見切って避け続けた。
その姿を見てドクオがブーンに言う。

('A`;)「お前、あの爺さんの名前聞いたっけ?」

 ( ^ω^)「知らないお。それよりあの松木ゆうって人カッコイイお。アイツのスティック攻撃を全部避けているお」

('A`;)「その松木ゆうってのがあの爺さんの名前だ。…このままじゃ、あの人は両目を潰されるぞ!」
186タイムトラベル5:2008/02/02(土) 00:52:38 ID:8mlL7U7b0
 ( ^ω^)「大丈夫だお。松木さんは余裕で避けているお?目を潰されるわけがないお!」

('A`;)「じゃあ何故あの爺さんは両目が潰れていた?何故松木ゆうという人間は両目が潰れていた?」

 (;^ω^)「それは…やっぱりあの松木さんはやられてしまうのかお?」

('A`;)「そうならないと辻褄が合わないんだよ。いや、合わせないようにするのが俺達の役目だ、行くぞ!」

ドクオがオーッ!と声を上げながら棒男にタックルを仕掛けた。
しかし、不意をつけなかったからか松木がタックルをかました時よりは効果が無かった。

「君、危ないから下がっていて!」

('A`)「五月蝿いな、このままだとアンタの方が危ないんだよ。…オウッ!」

松木の声掛けにそう返した後、ドクオは腹をスティックで薙ぎ払われていた。
ドクオの体が吹っ飛んでいくのを見てブーンも棒男に突撃していった。
ブーンの力任せに振るわれた拳が棒男の腹に入ったが、棒男は以外にもタフガイだったようで
ドクオ同様ブーンも薙ぎ払われてしまった。松木は吹っ飛ばされて立ち上がろうとする二人を横目に
回し蹴りを繰り出した。棒男はそれを二本の棒で受け止め、受け止めきれずによろけた。
その隙を松木は逃さず、追い討ちをかけた。ひたすら棒男を蹴り続けた。
完全に立ち上がったドクオはやりすぎな松木を制止しようとして組み付いた。そこに棒男が両腕を突き出した。
その狙いは松木の二つの眼球だった。ドクオと松木はそれを瞬時に理解し、二人して後ろに倒れこんだ。
棒が二人に当たる事は無かった。が、棒男の目つきは最高に狂気に満ちて二人を見下ろしていた。
松木はドクオを横に転がせ、自分は棒男の足を払って転倒させた。起き上がるのにしばらく時間がかかりそうだ。
そして松木は立ち上がり、上着ののポケットから百円玉一枚を手にとって手近にあったゲーム機、
ビートマニアUDXのコイン投入口に入れてSPを選択、続いてスタンダードを選択した。
立ち上がった棒男が松木の背後からやはり棒で殴ろうとするが、ドクオに足を掴まれて転倒した。
1st stageの選曲画面に入ってから松木はすぐに黒鍵を押して最初に開かれているフォルダを閉じ、
GOLDフォルダを開いてすぐにfour-leaf(N)を選曲した。そして転倒していた棒男をお立ち台に引きずって言った。

「二人とも、耳を塞いで!爆音筐体であることを願うよ!」

言って、松木はエフェクターを操作した。エコー5に設定し、そして曲が始まる前に適当なスピーカーに棒男の耳をくっつけた。
譜面が動き出したのを見て、松木が最初のところだけ演奏した。

「ジャカジャカジャー!ジャカジャカジャー!」

やたら五月蝿いエレキギターの音が棒男の鼓膜にクリティカルヒットした。
ぎゃあと声を上げ、耳を塞ぎ無防備な、その拍子に棒を落とした男に向き直ってから彼の顎に強烈な蹴りを入れた。
流石の棒男もこれは効いたようで、軽く浮いて吹っ飛んでからうーんと唸り、気絶した。
その後、松木は何食わぬ顔で1st stageをクリアーした。それから順番待ちの人に譲って
クリアの出入口に到着した警察に男を引き渡していった。


クリアで起きた騒動が片付いてから、ドクオとブーンの二人と松木は少しばかり話し込んでいた。

「いやぁ、本当にありがとう。あのままじゃ僕はコテンパンにやられていただろうね」

 ( ^ω^)「ブーン達の活躍はどうだったお?何か御礼をしてくれお」

('A`)「馬鹿、何言っているんだよ。…いや、松木さん、ちょっと頼まれてくれませんか?」

「何だい?何でも言っていいよ」

これで俺達を、と言ってドクオは松木にインスタントカメラを手渡した。
分かった、と言って松木は二人をレンズに映してはい、チーズと言ってシャッターを切った。
フラッシュがの光が広がった瞬間、二人はそこにいなかった。
187タイムトラベル6:2008/02/02(土) 00:56:02 ID:8mlL7U7b0
はいチーズ、と松木が言って、カメラが閃光した瞬間からドクオの見ていた世界が変わった。
ゲーセンをバックに松木がカメラを構える所を見ていたかと思えば、次は豪邸の玄関を見ていた。
その豪邸は時間移動が出来る穴を秘めた、盲目の老いた松木ゆうが住む豪邸であった。

 ( ^ω^)「僕達は帰ってきたのかお?」

('A`)「多分そうだろう。間違いなくここは松木の爺さんの豪邸だ」

ドクオが言って、豪邸のドアを開けた。ブーンが後に続く。
玄関で靴を脱ごうとすると使用人が出てきて、二人に用件を尋ねた。ドクオがそれに答える。

('A`)「松木ゆうというお爺さん…ここの主人に会いに来たのですが」

「残念ながら、ここにはいらっしゃいません。
松木様は町立病院にて入院されています。私の方から病院に連絡し、会わせるように手配しましょう」

ありがとうございますと二人は言って屋敷を離れた。二人は走ってここからそう遠くない町立病院に向かった。
松木の両目が眼球で埋まっている事を確かめるために。自分達が過去に飛んだその成果を見るために。


走り出して約五分後。ドクオの上下に動く視界の先に町立病院が見えてきた。
そのまま走り続けた為か、息を切らしながら二人は町立病院の入口の自動ドアを通過した。
ドクオは早速、受付の人に松木ゆうが入院している部屋はどこだと尋ねた。
306番の病室に入院している、という事を説明されて二人はそこへ歩を進めた。
階段を上がり、数人の入院患者らしき寝巻き姿の人や医師や看護師らとすれ違い、松木のいる病室の前に二人は立っていた。
ブーンが消毒液で手を洗っている時、既に手を消毒していたドクオは静かにドアを引く。
その病室にはベッドは二つ。病室前のネームプレートを受ける部分の数からそれは断定できる。
利用者は一人。松木のみである。二人が今いる所での視界では、カーテンが邪魔をして横になっているはずの彼の姿は見れない。
先にブーンが進んでカーテンを開ける。その後ろにドクオが立ち、目を瞑っている松木の姿を見ている。
松木の口にはよくドラマで患者が口に付ける機械が付けられていた。近くには心電図があり、それは安定した動きを見せていた。
腕には点滴を受けるための針が何本も刺さっている。見ていて痛々しい。
何があったのだろうか。何か様子が違う。普通じゃない。二人は何か嫌な予感を感じ、松木の顔を覗く。
ちゃんと両目はあるようだった。ドクオがふぅ、と息をついてから病室を出て行こうとした、その時だった。
屋敷で少し会話した使用人がドクオの前に立っていた。使用人の顔色が少し悪くなったような気がした。
ブーンが使用人を見て言う。

 ( ^ω^)「あれ、使用人さんだお。…松木さんはどんな状態なんだお?」

「…植物状態」

 (;^ω^)「植物?…松木さん、植物状態だって言うのかお!?」

('A`)「ブーン、声が大きい。アンタ、あの爺さんが植物状態だって?
…詳しく説明してもらおうか。俺らが過去に飛んで両目を潰されるのを防いだ後の事を…」
188タイムトラベル7:2008/02/02(土) 00:59:40 ID:8mlL7U7b0
「…過去へ飛んだ?どういう事です?」

('A`)「俺達は松木の爺さんから頼まれて、あの屋敷の地下にあるタイムマシン…っつーか大穴だけどな。
それで過去に飛んで爺さんの両目が潰されるのを防ぎにいったって訳だ」

「両目が潰される?何を言っているんですか、あなた」

('A`)(…過去を変えるとそれから先の未来が変わるのか?これが正しければ、爺さんが両目を潰されていた事を使用人が知らないのも納得できるな)

 ( ^ω^)「そんな事はどうでもいいお。松木さんがクリアに仕事に行った後の事を話してくれお」

「何でクリアに行った事を知っているのですか?…まぁいいでしょう。話しましょう。
松木様がお仕事を完了された後、あの時から三年前に松木様が出会った旅人…坂野ゆうという名前の旅人を、
こことは違う、ある港町にある豪邸に連れ帰ったのです。松木様の仕事の事を知っているならお分かりになると思うのですが…
松木様ご自身が経営されていたゲームセンター、ピースに松木様が坂野様を案内したのです。
その日は定休日でしたが、松木様は坂野様の事を恩人と仰っていたこともあり、特別に坂野様がピースで遊ぶ事を認めておりました。
その時のお二人の姿は嬉々としていました。私も見ていて、顔が笑んでいたのを覚えています。
夜の8時ほどまで坂野様はピースで遊んでおられて、8時を過ぎてからは私が車を運転して坂野様のお宅までお送りしたのです。
その時でした。ピースで一人閉店作業をしておられた松木様は何者かに襲われたのです」

('A`)「襲われた!?一体誰に!?」

「声が大きいですよ。…誰が、というのはハッキリしていないのです。
ですが、その後捕まった人数が二人という事から、松木様を襲ったのは二人ではないかと思われます」

松木ゆうを襲ったのはたったの二人。松木自身が相当強いという事は時間移動して分かっている事から、
密かに潜入し、無防備だった松木に強烈な一撃を喰らわせたのではないかとドクオは推測した。
ブーンも同じような事を思ったか、襲ったのは二人という節を聞いた後にそんな馬鹿なと呟いていた。
ふと、ドクオは思った。松木ゆうという人物の両目が潰されたという事実を無かった事にするには、
過去に飛んでその要因を除去し、それから先の未来を上書きするという事ではないのか?現に松木の両目は存在している。
では、松木ゆうという人物の植物状態であるという事実を無かった事にするには、
過去に飛んでその要因を除去し、それから先の未来を上書きするという事になるのではないのだろうか?

('A`)「ブーン、もう一度過去に飛ぼう」

 ( ^ω^)「ドクオ、何を言っているお?過去に行ってどうするんだお」

('A`)「過去に行けば、ある事象をなかった事に出来るかもしれない。いいや、絶対出来る。
松木の爺さんの両目は戻っても、意識が無いんじゃ意味が無いだろ?だから、今度は意識を取り戻す」

 ( ^ω^)「分かったお。僕もついていくお。二人で松木さんを助けるお!」
189タイムトラベル8:2008/02/02(土) 01:02:39 ID:8mlL7U7b0
二人がそう意気込んでいると、横から使用人が言った。

「もしかして、松木様の意識が戻るのですか?
お二人が過去にタイムトラベルをして、松木様を救って下さると?」

('A`)「そういうこった。松木ゆうは俺たちが助ける。植物状態にも何にもさせやしない」

「…本当になんと言ったら良いか分かりません。しかし、あなたたちが過去を変えれば、
今の記憶が無くなるという事は分かりますので言わせて下さい。…松木様を、よろしくお願いします」


ドクオとブーンはまた松木の屋敷へと戻っていた。
玄関を開けて、あの時松木についていった通りに廊下を歩いて階段を下りる。
階段を下りた後も廊下を歩き、あの大穴タイムマシンのある実験室を目指す。
実験室のドアの前に立った二人はドクオを先頭に、そのドアを開ける。
ぽっかりと口を開けた大穴だけがある部屋。正直、これを実験室とかタイムマシンと言うのは抵抗がある。
その大穴にドクオが近づき、宣言する。

('A`)「2010年、7月24日、ゲームセンターパレス!」

松木が宣言をした時は日付と場所の間に市町村の名を入れていたが、この宣言ではそれは無い。
しかし、このタイムマシンはお利口のようで、すぐに青白い光を噴出し始めた。
ドクオはすぐに飛び込み、ブーンもその後に続いた。


2010年、三年前にある種の事件があった港町でのその後の話。
7月24日、正午。大穴に飛び込みタイムトラベルを果たした二人の未来人が港町一の豪邸の前に降り立った。
豪邸の玄関に飾られてある表札は「松木」である。二人のうち太っている方がその豪邸に近づく。
その表札をもう一度確認すると彼はもう一人の方へと戻っていく。
二人は玄関前から立ち去り、坂道を登っていく。歩き始めてしばらくすると、背の高い看板が見えた。
「peace」とだけしか書かれていないので、始めて見る人にとっては一体どんな建物なのか想像がつかないだろう。
だが、そこは港町一番人気のゲームセンター。この港町では知らない人はいない。
未来人達はそのピースを目的地にしていたようだが、生憎この日は定休日であった。
それでも未来人達は正面の戸を開けようとしていたが、無駄だと悟ると人を探し始めようとした。
太っている未来人が右手にインスタントカメラを持っているが、それと関係がありそうな様子だった。
坂道を下り、先の豪邸の正門を横切るとそちらの方から声が響いた。未来人らはその声の主を確かめに行く。
黒い高級車と二人の談笑する人間が見えた。一人のが誰かは分からないが、もう一人は誰かというのが分かる。
未来人が誰かと分かっている方が未来人達の方を見る。彼の顔が驚きに満ちる。

「やぁ、君達!また会ったね、上がっていきなよ」

彼のこの誘いに未来人二人は乗り、四人の人間が松木の表札がかかっている豪邸に入っていった。
190タイムトラベル9:2008/02/02(土) 01:05:24 ID:8mlL7U7b0
食事室と書かれている札が貼られている部屋で、先の四人が豪勢な食事を堪能していた。
グルメ番組で見るような、豪華すぎる食事が四人に均等に配られている。一人がフォークを伸ばしながら言う。

「三年ぶりにここで飯食ったけど、やっぱり美味いな。ゆう君はいつもこういうの食べているんでしょ?羨ましいなぁ」

ゆうと呼ばれた男は微笑しながらこう返す。

「いや、こういうのはお客さんが来た時くらいしか食べませんよ。
ゆうさんこそ奥様に毎日美味しいもの作ってもらっているんじゃありませんか?」

「うん、まぁ…そうなんだけど。けど、俺が料理することもあるからね。まぁ味の保障は出来ないけどさ」

「そうなんですか。いつも家族がいるって羨ましいですよ。僕はいつも独りですからね。そうそう、ブーン君とドクオ君だっけ?
どうやって車で一時間くらいの距離を一時間以内で移動できたのかな?最後に会ったのは一時間くらい前だよね?」

 (;^ω^)「そ、それは…タクシーを使ったんだお。お金は多少なりとも持っているお」

「へぇ…じゃあ、どうやって消えたの?僕が君達二人を撮った時は?」

('A`;)「あ、あれは…マジックですよ。ただのトリックです。驚かせたかったんですよ、ハハハ…」

そうかぁ、とゆう、松木ゆうは納得したような素振りを見せる。
だが、もう一人のゆう、坂野ゆうはこれらの説明を全然信用していないようだった。
ブーンと呼ばれた、最初に答えた未来人はトイレに行くと言い残し、食事室を後にする。
ドクオと呼ばれたもう一人の未来人もトイレに行くと言い残し、食事室を後にした。


トイレにて。どこかの高級ホテルのように綺麗なそこでブーンが手を洗っている。
用を終えたドクオも洗面台でセンサー式の蛇口を使って手を洗う。ドクオが洗いながら言う。

('A`)「人生って分からないもんだよな」

 ( ^ω^)「いきなりどうしたお、なにかあったのかお?」

('A`)「いや、若い松木さんがさ、あんな幸せそうにしていた日にだ。
植物状態になるような重傷を負うんだぜ?だから、人生って分からないもんだなと思ったんだよ」

 ( ^ω^)「そう言われればそうだお、…人生って残酷だお」

そうブーンは返し、先にトイレを出た。温風を強烈に吹かす乾燥機で手につく水を吹き飛ばし、ドクオはトイレを出た。
191旅人:2008/02/02(土) 01:10:56 ID:8mlL7U7b0
今回はこれでお終いです。
これ、酷い展開を見せてしまいました。>>135さんが挙げてくれたタブーのような物を
無視してシナリオを完成させてしました。本当に申し訳ありませんでした。
正直な事を言うと、自分で作っていて、全然面白くないなと思っていました。
すみません、次の作品からは心入れ替えます。入れ替えて、もっとこう…純粋な話を作っていこうと思います。
自分には文章オンリーの方が似合っていると思うし、実際そっちの方に書きやすいんですよね、本当は。

前書きでは明日に最終回を投下できそうだと予告はしました。
予告通りに出来る出来ないに関わらず、近いうち(一週間以内)には投下できるという事は絶対保障します。
面白さは一切保障しません。思いっきりつまらないだと思われる自信があります。
それでも、一度書いたものは完結させる、という信念の下にこれを完結させることを誓います。
こんな後書きを読んでも、次を楽しみに待とうと思ってくれる人が居れば、感謝感激です。それでは、おやすみなさい
192爆音で名前が聞こえません:2008/02/02(土) 05:01:11 ID:dvviOjmjO
>>191
ぉけぉけ
続き待ってるよ
193爆音で名前が聞こえません:2008/02/02(土) 12:47:59 ID:gAzv0rTSO
旅人氏GJ&乙!!
段々腕が上がってるキガス
194爆音で名前が聞こえません:2008/02/02(土) 22:07:27 ID:OH2a2fOH0
>>191


音楽で敵を倒すとかダンティストかよw
195旅人:2008/02/03(日) 00:48:32 ID:h3KmcPFq0
今晩は。旅人です。予告どおりに今、最終回が投下できそうです。
>>194さんのを見て、これは面白そうだと思って書いたものって
意外に何かと被るものなんだなぁと思いました。決してパクろうなどと考えていた訳ではありません。
今回、タイムトラベルの最終回を投下するという事で一言謝らせて下さい。
あまりに話に音ゲーを絡ませなかった事について、これは酷いと。申し訳ないと。
展開もラストも自分では中々上手くいったかなと思えるのですが、正直どんなものかなと。
まぁあの誤字脱字もあると思いますし、力不足で至らない所もあると思いますが、
とりあえず最終回の投下になります。それでは、どうぞ。
196タイムトラベル10:2008/02/03(日) 00:52:18 ID:h3KmcPFq0
松木の豪邸で昼食を取った四人は近くにあるピースで遊ぶという事になった。
本来、この日は定休日であるのだが松木の特権で利用できるようになった。
しかし、だからといってフリープレイをさせる等の行為を松木はしなかった。
どんな人でも客は客。客からは金をむしりとっていくのがゲーセン側の立場。
遊んで頂くからにはお金は絶対に取るのが松木の主義である。これはケチではない。当然の事だ。
ピースは一階のみを持ち、球場のような形をしていて中は結構広い。その為、大量のゲーム機が存在する。
しかし、この時稼動していたのは音楽ゲームと呼ばれるジャンルのゲームのみであった。
そのジャンルには、坂野ゆうが以前旅をしていた苦い動機にもなったゲームがあったりする。
だが、プレー自体はどのゲームも面白いと四人は思っていた。
ブーンは自らポップンミュージックと言う音ゲー(既に二人は坂野から略称が音ゲーである事を聞いている)
をプレーしていた。老人の松木が言っていたゲームとはどんな物なのかを知りたかったからだ。
本シリーズはもう18作目を迎え、かなりの総曲数を誇る。略称はポップンである。
ポップンとは、画面上で落ちてくる赤青緑黄白の五色で色づけされたポップ君と呼ばれる板のようなものを、
画面上の下の方にある赤ラインと重なった時に対応するボタンを押していくゲーム。
連続で押していくとコンボとなり、画面では下の方にあるグルーヴゲージを赤色の所まで上昇させて
曲終了までそれを維持することが出来ればステージクリアーとなる。
曲終了時にそれを達成できなければステージフェイルド。所謂ゲームオーバーというやつだ。
そんな事を坂野は三年前に松木にしたように、ブーンにアドバイスとして話していた。三年前とは違い、簡単なアドバイスだったが。
まず、ブーンはエンジョイと銘打たれたモードを選択、5ボタンか9ボタンのどちらでプレーするかを迫られた。

 ( ^ω^)「坂野さん!どっちでやればいいお!?」

「あー、ブーン君は本当の初心者だからねぇ…5ボタンでいいんじゃない?」

ブーンは言われたとおりに5ボタンプレーを選択した。
すると曲選択画面に入る。曲の難易度は星の数で決まっているようで、最低で1、最高で5つの星を確認できた。
ブーンは曲のデモ(って言うの?)を聞いただけで一曲目を選曲し終えた。初心者らしく、星1の曲を選択していた。
プレー後、ブーンの成績が88点と出たリザルト画面を見ながらブーンが坂野に言う。

 ( ^ω^)「とっても楽しかったお。こんな楽しいものを知らなくて、僕は人生棒に振っていたお」

「それは言いすぎだけど、ポッパーとしては嬉しいかな、今の感想。まぁ、lv1でそれだから、2とか3行ってみれば?」

分かったお、とブーンは言って、二曲目と三曲目を選択、どちらも星の数は2であったが、ブーンにとっては楽勝だ。
その頃ドクオは一体何をしていたかというと、ピースにあるゲーム機の物色である。
どれも自分達が生活している時代ではレトロゲーと呼ばれるものばかりだ。
自分達の時代に持ち帰ればかなりの値段で売れることだろう。しかし、それは禁忌である事はドクオは十分理解していた。
物色を続けるドクオの後ろから松木の声がした。ドクオが振り向いて松木の顔を見る。
そして思った。自分とブーンの正体を明かした上で今日の夜8時に迫る危険について話してしまおうかと。
しかし、喋ろうとする自分の口をもう一人の自分の意思が押し込めた。もう一人はこう言った。

『いいか、お前が未来の事を喋ってだ。それで松木は信用すると思うのか?
もし信用したとして、その後の未来はどう変化するか分からないぞ?それでもいいのか?』
197タイムトラベル11:2008/02/03(日) 00:54:23 ID:h3KmcPFq0
('A`)「そうなんだよ。お前の言うとおりだ。俺達が未来から来た人間だって事が松木さんにバレたらまずい。
だが、俺とブーンで対処しようにもな、相手はあの松木さんをフルボッコに出来るだけの強さがあるんだ。
…二人で何が出来るよ?未来の変化を覚悟で用心するように言うか?」

『三人で対処すればいい。三人ならお前の不安も薄れるだろ』

('A`)「馬鹿、お前何言っているんだよ。松木さんは戦力になれないはずだろ?
どっから3人目を探す…そうか、そういう事か!」

ドクオは脳内会議で出た答えに満足した。これで、松木ゆうは助かる。
あとは自分とブーンがうまく立ち回れればそれで良い。
そんな風に少し得意になっていたドクオの背中から声がかかる。

「いいゲーセンでしょ?自分で言うのもなんだけど」

松木がドクオにそう声を掛けた。ドクオはうなずき、また物色を続ける。
ピース内をぐるりと一周したドクオはベンチに座って休憩する。
ベンチが向いている方には多くのスピーカーがついているゲーム機、ビートマニアUDXがある。
ドクオがそちらの方に視線を向けると、松木が1P側でプレーしていた。
ピースのUDX筐体の設定は1プレー(SPDP問わず)100円、スタンダード3曲設定である。割と普通だ。
EXTRASTAGEで松木はMNOPフォルダを開け、ターンディスクを回転させてカーソルを動かしていた。
カーソルがぴたりと止まった曲はmurmur twins。譜面難易度はハイパーである。
松木の壁となっていた曲である。今となっては楽にクリアー出来るが、昔は手も足も出なかった事を彼は忘れてはいない。
ドクオは画面中央で流れるムービーを見てあぁ、双子の子供が主役か…と思っていた。
松木はe−パスを受け取ってからドクオの座るベンチに向かって座った。ドクオが松木に話しかける。

('A`)「凄いんですね、松木さん。性格が良くて喧嘩も強けりゃ遊びも上手い。こんな人間滅多に見かけませんよ」

「そうかい?照れるような事を言うんじゃないよ。それよりドクオ君、コレやってみない?」

('A`)「あー、さっき松木さんがやったゲームですか。あれ無理に決まっているじゃないですか」

「そんな事は無いよ。初心者用にチュートリアルモードとビギナーモードってあるんだ。
難易度は最も底辺に近いけど、それでも楽しいよ。
僕は間違ってビギナー選んだ事があるんだけど、初心に立ち返れたね」

('A`)「失敗しても笑わないでくださいよ」

ドクオはそう言って、UDX筐体に百円玉一枚を投入、ビギナーモードを選択する。
スタンダード等での選曲画面とは違い、ビギナーモードでは曲の試聴が出来るという良い点がある。
滅茶苦茶簡単な曲、5.1.1(B)をドクオは1stSTAGEで選曲、余裕を持ってクリアーする。
198タイムトラベル12:2008/02/03(日) 00:57:40 ID:h3KmcPFq0
2nd STAGEでは適当なlv2曲を選曲。これも余裕でクリアーしていく。

「凄いねぇ、全く初めてプレーする人には見えないな」

後ろから松木のコメントが聞こえたが、ドクオは妙に緊張してしまって返事が出来なかった。
次がFINAL STAGEなのでビギナー最高難度のlv3曲を選んでも全然問題は無い。
そう思ったドクオは先の松木の最後に選曲した例の曲を選曲した。
流石はビギナーとは言えどもlv3曲。手元と譜面を首を上下に振って見ていたドクオにとって
この譜面は少々キツイ。不意に、松木のプレーしていた灰譜面がドクオの脳裏をよぎった。
あのノーツ配置の密度の高さ…この譜面よりもっと密度が高かった事が思い出される。
つまり、この譜面は松木クラスのプレイヤーから見ればスカスカで、かなり余裕を持って見れる譜面なのだろう。
灰譜面が脳裏をよぎってドクオはそんな事を考えた。そして、一種の苛立ちが生まれる。

('A`#)「…こんな譜面、一捻りでクリアーしてやるぞ!覚悟しておけ、このビギナーlv3め!」

心の中でこんなシャウトをして、ドクオの集中力が一気に高まる。
一進一退を繰り返すゲージがぐんぐん伸びてゆく。グレートが光る頻度が増えていく。
結局は曲終了の後のリザルト画面で、ドクオはブーイングを受けてしまったがそれでも彼は満足しているようだった。
松木がお疲れさん、と声を掛けて自販機で買ってきたのであろう缶コーヒー一本を手渡す。
礼を述べてドクオは蓋を開け、一口飲む。一息ついてからドクオは松木に話しかけた。

('A`)「松木さんはどのくらい時間をかけてあのゲーム上手くなったんですか?」

「君が言う上手くなったの定義がmurmur twinsのハイパーが出来るという事だとすると…
あー、そうだなぁ…ゆうさんに会って半年位経ってからだったから、大体一年間位かな」

('A`)「一年間であれだけいけるんですか?うわぁ、スゲー」

ドクオはそう言ってトイレへ歩いていった。勿論、用を足したかったからというのもあったが別に理由はあった。
トイレに自分とブーン、そしてもう一人がいないと話は始まらない。


ピースのトイレも、松木の豪邸同様に綺麗に掃除されていた。
床のタイル、壁、天井等の全てが光って見える。そんなトイレの手洗い場の前で。
三人の人間が密会を開いていた。三人のうち一人が密会の内容に信じられないといった表情を見せたが
信じないわけにはいかないと思い直し、真剣な表情を見せて色々と発言していった。
199タイムトラベル14:2008/02/03(日) 01:04:25 ID:h3KmcPFq0
「これから先、そう遠くは無い未来でだ。
僕やお前らが大好きな音ゲーは消えるだろう。そして、その存在すら消えてしまう」

「…あ?」

「確かにメーカー側の暴挙もあるだろう。
だがね、…どっかの腐れた糞プレーヤー達のおかげで、音ゲーの人気はガクンと下がるんだ。
元々、一般の人気は無くなっているジャンルだけどね。
これは僕の勝手な考えで、勝手な計算で導いた結果だけど。でも、その計算結果を否定するために…
こうして自分でゲーセンを作ってマナーの規範を作りたかった。お前らみたいな奴がいなくなるようにね」

松木はそう言ってコードを切ったギターコントローラーを肩にかけて歩き出した。
彼の視線は敵意を持って男二人に向けられている。男達はそれに少々たじろいでいるようだ。
歩きながら隙を窺い、くるりくるりと前後を挟む男達を見るのに松木は回っている。
回ってパイプ男の顔を見たとき、松木の目は驚きで見開かれた。その焦点は男とは合っていない。
男が何事か、と振り向くと彼はガッと唸り倒れこんだ。その後ろには

('A`)「不意をつくのに少々時間をとったが…助けに来たぜ!」

両手で拳骨を作って、それを振り下ろしていたドクオの姿があった。
彼の姿を見て安堵した松木は後ろの男に警戒を向けるため振り向くと吹っ飛んだ。
素手の男が松木の顔面左側をぶん殴ったのだ。だが、松木もやられるだけではなかった。
吹っ飛ばされる寸前、ギターをもう一人の男に向けてぶん回したのだ。
それは男の左腕にぶち当たり、男をよろめかせた。その時、彼の後ろにはもう一つの影があった。
影はよろめく男の後頭部に両手で作った拳骨を叩き込んだ。男は完全に気を失い、倒れこんだ。
影がピースの照明の光を浴びてその姿をあらわにする。

 ( ^ω^)「やったお!僕は大活躍したお!」

大喜びしながらブーンが松木の元へ歩み寄る。松木の顔が元の人の良さそうな顔に戻る。
しかし、それも束の間だった。その後、ドクオが声を上げながら膝をつき、そして倒れたのだ。
立ち上がった鉄パイプ男の仕業である。ブーンが倒れた友人の名を叫びながら友人の下へ駆けたが、
鉄パイプ男の一撃の下に気絶してしまった。男は松木に狂気の目を向ける。
鉄パイプ男に再び敵意の目を向けて、口を開いた。

「さっきの話の続きだけど。お前、音ゲーの実力は?どの位ある?」
200タイムトラベル15:2008/02/03(日) 01:06:27 ID:h3KmcPFq0
(すみません、こちらのミスのせいで13番目が抜けてしまいました。後書きの後に再度投下します)

「うるせぇ!SP九段、DP経験なし!ギタドラ共に赤ネームだ、何か文句あるって言うのか、あぁ!?」

「やっぱりだ…そんな実力層の人間が、こうして暴挙に出るとは。
さっき勝手な計算で導き出した結果は、UDXは八段以上、ギタドラはスキル700以上の人間が…
いつかはこんな風に騒ぎを起こす。筐体に八つ当たりしたり、奇声を上げているうちはまだ可愛いもんだよ。
でもね、こんな風な行動をとったら駄目だ。それこそ…終わりだからね。音ゲーの」

「さっきから一人で勝手に喋りやがって!その口を黙らせてやろうかぁ!?」

鉄パイプ男がギターを肩に背負っている松木に突進した。
鉄パイプが横に薙がれるが、しゃがんで背を低くしていた松木にはかすりもしない。
その姿勢からくるりと一回転して松木はギターを男の横っ腹にぶちかます。
男はよろけたが、鉄パイプを前に突き出しながら後退したので松木は近づけなかった。
男は次に鉄パイプが上から振り下ろした。松木は右半身がタックルするように動いてそれを避けた。
そして男の耳元で叫ぶ。

「その耳や手を使い物に出来ないようにしてやろうか!?二度と音ゲーが出来ない体にしてやろうか!?
嫌だろう?嫌だろう!?そんな体になりたくないよな!?なら、さっさと仲間を連れて出て行け!」

鉄パイプ男は耳を押さえながら気絶して倒れこんでいる仲間の下に歩み寄ってしゃがみこむ。
松木がその光景を見ていると、倒れていた仲間が左手をくいっと動かしたのが見えた。何かを投げたみたいだった。
突如、激しい激痛に見舞われた。腹から痛みは襲ってくる。
腹を覗き込むと、黒のグリップがついた銀の何かが自分の腹に突き立っていた。
突き立った物のあたりはどす黒く染まり、それを見て松木はふらっとしてしまう。
数歩後ろに下がり、松木は体育座りをするように倒れた。そして空いている左手で黒のグリップを握り、引き抜く。
変な音を立ててどす黒い血がぴゅっと飛び出し、その後はたらたらと流れ続ける。
それを気に留めず松木は左手で握っている物が何であるかを確認した。血に染まったナイフ。
松木はそれを確認してから放り投げ、ぷっと口から血を吹き出す。自分の前に居る男二人が驚いたような顔を見せる。

こんなのって。こんなのってありなのかな。ありなのかな?あるからあるんだろうな。
これで死んでしまうのかな?マナー違反者の手によって死ぬのかな?そうなれば、僕はマナー違反を肯定するも同じになってしまうね。
そんなのだけは嫌だな。死ぬのは構わないが、マナー違反を肯定したいとは一切願っていないのだから。
それでも死ぬのかな?マナー違反を肯定して死ぬのかな?こんなことなら、ゆうさんをもっと手厚く送るべきだったな。
過去の話を思い起こしても仕方が無いことは分かっている。けれど…後悔って気持ちなんだろうな。
最期に…一つ思い起こそう。ここの床に書こう。「ゆうさんありがとう」ってね。
奴らが近づいてきたな。もう、僕の命は終いか。殺るなら、さっさと殺れ。

鉄パイプ男の仲間が倒れた松木に近づき、しゃがみ、松木が捨てた汚れたナイフを右手で逆手に持って振り下ろした。
瞬間だった。ピースの外壁が轟音を立てて崩れ落ちた穴が開いた外壁から暖かい風が吹き込む。
ピースの外壁を壊したのは、松木が用意した坂野を送るために使用人に運転させた松木の高級車だった。
暖気と共に吹き込むように現れたのは坂野ゆうだった。右手には木刀が握られている。
坂野は松木の周りにいる二人の男を怒りをぶつけるかのように睨みつけ、叫ぶ。
201タイムトラベル16:2008/02/03(日) 01:09:44 ID:h3KmcPFq0
「ゆう!助けに来たぞ!」

誰かが僕の名を叫んだのが聞こえた。
誰だろう。誰なんだろう。一体誰が僕を呼んだのだろう。
けど、あの声を聞いてから体の底で力が湧き上がってくるような感覚がある。
…僕は、まだ生きているんだ。まだ、生きているんだ。死んではいないんだ。

ナイフ男が坂野に言う。

「誰が出てこようと、コイツを殺す順番が変わっただけですよぉ?だから、まずアンタを殺しちゃいまーす!」

精神異常からなせる業か、明るく大きな声で宣言してから木刀を持った的にナイフ男が自分の武器を投げた。
坂野はそこっ!と叫びながら木刀を振り上げた。一瞬のタイムラグの後にキーンと金属音がピース中に響いた。
金属音が響いてから少し遅れて、坂野と男二人の間辺りに血に染まったナイフが突き立った。
ナイフ男が信じられない、と言わんばかりの驚きの顔をみせ叫びを上げ、突き立った自分の武器を取るために駆けた。
彼が右手で武器を握った瞬間、彼は気絶してしまった。坂野が加減することなく木刀でナイフ男をぶっ叩いたためである。

「後は、お前だけだな。…貴様ら、ゆうに何をした?返答次第では気絶じゃすまさねぇぞ」

「偽善者ぶったコイツが気に食わなかった。だからぶっ殺そうとした。それだけだ。
…俺はこういう、正義のヒーローを気取った奴が大嫌いでね。お前も嫌いさ。そこらで伸びてるガキ二人もな」

「…殺しはしない。半殺しにもしない。99%殺してやる」

呟いて、坂野はこつこつと足音を立てながら鉄パイプ男に向かって歩いていった。
男は鉄パイプで坂野を突こうとするが、坂野の木刀の前に全て跳ね返されてしまう。

「俺を誰だと思っている?元・旅人だぜ?
護身には結構自信があってだな。…そんな突きじゃあ俺は倒せねぇよ」

言って、坂野はグッと踏み込んで木刀を横に薙いだ。それは男の右腕に当たり、彼の絶叫と鉄パイプが落ちる音がピース中に響く。
坂野は勝利を確信してかつかつとわざと足音を立てながら、ゆっくりと倒れた男に近づく。
その時。坂野の後ろで呻きながら誰かが起き上がるのが、呻き声で分かった。
ゆうだ。松木ゆうだ。それは坂野も分かっていた事だし、鉄パイプを持っていた男も分かっている事だ。
男はにやりとした。坂野は?といった表情を見せたが、すぐに男の思惑に感づいた。


「この二人の目的は、松木ゆうをぶっ殺す事。死んだも同然の状態にする事」


やめろ!と思わず坂野は叫んでいた。しかしもう遅い。男の左手は鉄パイプに伸びていた。
そして、左手はそれをしっかりと逆手で掴んでしまった。男は大きく仰け反って、そして前に伏せた。
伏せた男の左手に、鉄パイプは存在しない。鉄パイプは真っ直ぐ空を飛んでいた。その勢いは、かなりある。
202タイムトラベル17:2008/02/03(日) 01:12:25 ID:h3KmcPFq0
坂野の右を鉄パイプは飛んだ。飛んで、そのまま飛び続ける。
坂野は鉄パイプの行方を追うように振り向く。鉄パイプはまだ飛び続けている。
後方に何メートルか離れた所で、丁度腹筋運動で1カウントした状態の松木がいる。
坂野の嫌な読みは的中した。投擲された鉄パイプは、松木を狙っての物だった。
松木も起き上がってすぐには機敏な動きは取れないだろうし、自分も何も出来ない。お手上げだ。
坂野は松木の頭に鉄パイプがぶち当たるシーンを考えて、松木から目を背けた。視線が床に向けられる。

ぐあぁという苦痛によって上げられた叫びと、鉄パイプが何かにぶち当たった音が同時に響いた。

松木は目を閉じていた。自分目がけて飛んでくる物が何であるかを確信して、死を覚悟したからだ。
折角そんな事を覚悟したというのに、凶器はゆっくり飛んでいるようだった。
目を閉じて真っ暗な自分の視界に、今まで生きてきて覚えている限りの記憶が白黒で映し出される。
あぁ、これが走馬灯ってやつなのかな。松木はそういう風に考えていた。記憶らは映像として流れ続ける。
最後に映し出された記憶は、白黒ではなくカラーで映し出された。その記憶は三年前のものである。
旅人ゆうと出会った時から別れの時までの覚えているだけの記憶が洪水のように押し寄せて、映し出される。
そしてその映像は何か硬い物が思い切り何かにぶつかった大きな音で吹っ飛んだ。
終わったんだな。そう思っていた松木だが、異変に気がついた。大変な事だ。


自分の体はどこも痛くなかった。何かの衝撃を受けた感覚が無いのだ。一体どういう事なのか?


目を開けた松木はこんな光景を目の当たりにする。
目を閉じるまで見えていた坂野と鉄パイプ男の姿が見えないのだ。
それもそのはず、目の前にはドクオが立っていたのだから。ん、目の前に誰が立っているって?
松木は自問して、すぐにその答えに行き着いた。まさか。死んでしまうのは僕じゃないのか?
そう考え続ける松木の前で立っていたドクオは両膝をつき、前のめりになって倒れた。
うつ伏せになったドクオは後ろにいる松木に何かを言おうとしたが、意思は言葉にならなかった。

「そんな…どうして僕の身代わりに?」

松木はそう呟いて、わなわなと肩を震わせて立ち上がった。彼の目は目は殺意を帯びていた。
床に落としたギターコントローラーのネックを手に取り、早足で男に近づく。
そして、男に言い放った。

「お前みたいな糞プレーヤーがいるから!何の罪も無い奴が犠牲になったりするんだろうが!
そんなんだから推測が当たりそうになっているんだろうが!これ以上音ゲーの面汚しをしてんじゃねぇ!」

男は松木を見上げるように、うつ伏せのまま顔を上げた。
松木は怒声を張り上げながらギターをゴルフでフルスイングするように振り上げた。
そのフルスイングは男の顎を確かに砕き、その体を吹き飛ばし、松木は男を半殺し以上死亡以下の状態にさせた。
203タイムトラベル18:2008/02/03(日) 01:14:41 ID:h3KmcPFq0
全ては完了した。松木ゆうはあの時決定打を喰らうことは無かった。
これから先の未来で、衰弱死するその時まで生き続ける事ははっきりとしている。
ただ、運命が置き換わった為に松木ゆうは生き延びた、という見解も取れる。
あの時、犠牲になったのは松木ではなく、彼を救いに行った二人の未来人の一人、ドクオであるからだ。
ドクオはあの時、鉄パイプの射線上に立って右肩に食い込ませて停止させ、気を失ってしまった。

ドクオが次に目を覚まして最初に見たものは白い天井だった。
ピースの天井は誰かが描いた平和な絵であったので、そこに自分が今いないという事は分かる。
ドクオは仰向けの状態から起き上がった。それで自分はベッドの上にいるらしい事が分かった。
起き上がった時、何か自分の体に違和感を感じた。その違和感の原因が何か最初は分からなかった。
両手を組んで伸びをしようとした時、その原因に気がついた。

('A`)「右腕が…全く動かない?どういう事だ、これは?」

自問してみるが、答えは返ってこない。そこでドクオは動く左手で看護師詰め所にブザーコールのボタンを押した。
数十分後、看護師がドクオの病室に現れた。彼は自分が何故入院しているのかを問うた。
答えはあっさりと返ってきた。

「だって、あなた右肩を大怪我したんですよ。
私達も精一杯、出来る事は尽くしたのですが、あなたの右腕はただくっついているだけの状態になったんです」

そんな馬鹿なと反論しようとしたが、無駄だと分かった。
これは現実に起きてしまった事で、これから先の未来でも右腕が動くことは無いのだろう。
看護師は一言残して詰め所に戻っていった。ふーっと溜め息をつきながらドクオは後ろに倒れこむ。
ベッドのスプリングがギィと音を立てたのを聞いて、やはり現実なんだなと確信する。
ドクオが左を向くと、窓と壁に画鋲で留められているカレンダーが目に入った。
カレンダーを見る限りでは、自分は元いた時代に帰って来て、それから三日が経ったのだという事が分かる。

ドクオが目を覚ましたので、病院側はこれ以上の治療の成果は望めないとしてドクオを退院させた。
力の入らない右腕をぶらぶらさせながら、自宅へ帰ろうと歩いていた時、ふと思ったことがある。
あの時自分が盾になって守った、松木ゆうという人間は一体どうなったのだろうかという事だ。
それが気になって、ドクオは進行ルートを自宅から松木の豪邸へと変更した。

数分後、ドクオは松木の豪邸の玄関前のインターホンを押していた。
ピンポーンと音がした後、あの時、ドクオ達に松木を助けるよう頼んだ使用人の返答がある。

「はい」

('A`)「松木ゆうさんに会いたいのですが」

「分かりました、どうぞお入り下さい」

それが聞こえた後、松木の豪邸の玄関の戸が開いた。開いて、ドクオは中へと進む。
204タイムトラベル19:2008/02/03(日) 01:17:41 ID:h3KmcPFq0
微妙に前に来た時とは飾ってある絵が違ったり、置物が異なっていたりという事はあったが
確かに松木の豪邸だとドクオは確信した。昔から、彼の家には形容し難い雰囲気が満ちている。
その事から例え内装が少し変わっていても、ドクオはここは松木の家なんだなと確信できる。
ドクオは玄関で靴を脱ぎ、前に来た時のように使用人に案内されて「応接間」の前に立っていた。
(やはりドクオの過去を書き換えるとそれ以降の記憶は一からやり直しになるという仮説は正しかったらしく、
使用人が彼を案内している時に感謝も礼の一言も無かった。記憶が無いのにありがたれというのが間違っているが)

「中で、お待ちになっていて下さい。今から松木様を呼びに行きますので」

使用人はそれだけ言ってどこかへ歩いていった。ドクオは言われたとおりに応接間のドアを開け、中に入る。
中は社長が座るようなイス二つと、それらに挟まれている高価そうな木製のテーブルがある。
他にも、ガラスケースに陳列されている何だかよく分からないトロフィー等が陳列されていた。
そんな応接間にある一つの物がドクオの目に入った。花瓶を置くためだけにある箱の上に、花瓶と共に一つの写真立てがある。
ドクオはそれを手に取り、それに収められている写真がどういった物であるかを見た。

その写真が撮られた所はゲーセンのようだ。写真から感じる雰囲気からして、そのゲーセンはピースであるようだ。
真ん中に、老いた松木とピースの従業員らしき制服を着た人々が写っている。単なる集合写真らしい。
だが、その写真はドクオにとって単なる集合写真ではなかった。
計8人が固まっている所の後ろに、一つのゲーム機が写っている。
全体像は8人のおかげで全然見えないが、一番上にある紙はよく見える。それに写っている文字も。
「ポップンミュージック57」それだけが書かれているのが分かる。
サブタイトルは残念ながら従業員の一人が手を挙げているために確認できない。

老人の松木ゆうに会うまでに一度ゲーセンに入り浸っている知人の話を聞いた限りでは、
音ゲーというジャンルのゲームは存在しないらしい。それを思い起こしたのを踏まえてドクオは思考を巡らせる。

('A`)(……あの時、あの人が言っていたのはどうでもいいガンシューティングの話だっけ。
という事は、俺が松木の爺さんに会うまでは、この時代に音ゲーは存在しなかったって事になる。
だが、この写真を見る限りでは松木さんは爺さんだし、ピースらしき建物も年季が入っているように見える。
つまり、こんな写真があるという事は、つまり…)

ドクオの思考は答えを導き出そうとしていた。答えを、口に出さずにはいられなかった。

('A`)「つまり、こんな写真があるということは、今の時代に音ゲーがあるという事か!」

「そういう事だよ、ドクオ君」

不意に声が聞こえたドクオは驚き、声がした方に振り向く。そこには元気そうにしている老人の松木ゆうがいた。
松木は植物状態でもなければ、両目の眼球が無い人間でもない。そこらにいる普通のお爺ちゃんと変わりは無い。

「君達をあのインスタントカメラで帰した後、僕はゆうさんと一緒にあの事件についてコメントして回ったんだ。
『確かに、音ゲー好きなゲーセン経営者は、音ゲーマーに殺されかけました。
しかし、この事件で音ゲーに偏見を持ってほしくは無い。音ゲーに罪は無く、あの音ゲーマー達にこそ罪はある』とね」

('A`)「そうだったんですか。ん?インスタントカメラで『帰した後』?…何でそんな表現をしたんですか」
205タイムトラベル20:2008/02/03(日) 01:21:20 ID:h3KmcPFq0
「あぁ、そんなの最初から分かっていたよ。クリアで君達を撮った後、すぐに消えたでしょう?
だから只者じゃないんだなって事は簡単に思い当たるさ。で、君達を二度目に帰す前に来ていた服の繊維を調べてみたんだ。
ちょっと気になったものでね。そしたら、あの時の技術では絶対に作れない素材を使った服だって分かったんだ
そこで辿り着く答えは一つ。君達は未来か、それとも別の世界で住んでいた人間だったのか。そのどちらかだったからだよ」

松木はそう答えてドクオにイスに座るように言った。ドクオが豪華なイスに座って、松木も別のイスに座った。
松木はあの時はありがとうと言って、ドクオはいえいえと返した。
使用人が淹れたコーヒーを一口飲んで、松木が切り出した。

「それで…謝りたい事と提案があるんだ。聞いていくれるかな?」

ドクオはええ、勿論ですと答えて松木の続きの言葉を待った。松木が続ける。

「君の右腕を僕のせいで駄目にしてしまってすまなかった。
これについて、僕の方から今後の君の生活を出来る範囲でサポートしていきたい。
金銭面でも、お手伝いを派遣するでも、そういう事を僕はサポートしていきたいんだけど、どうだろう」

('A`)「本当ですか!ありがとうございます!」

「後、もう一つ提案があるんだ。君が過去に飛んだ時にUDXプレーしていたよね?
あれ、オプションでターンテーブルを回さなくてもよくなったり、二つの鍵盤の操作をしなくてもいいという風に出来るんだ。
それで…動かせるのは左手だけれども、そのオプションを併用すれば君も遊べるんじゃないかなと思ってね。ついて来てくれるかい?」

はい、とドクオは返し、立ち上がって歩き出した松木の後について行った。
松木について行って辿り着いた先は「遊戯室」という音ゲーの筐体だけがある部屋だった。
松木はドクオにお金ある?と聞いて、ドクオが左手で百円硬貨を松木に手渡す。
松木はUDX筐体のお立ち台に立ち、コインを入れてビギナーを選択し、ドクオにその後を操作させた。

「ある時から身体障害者でも音ゲーを楽しめるようにって運動が始まってね。
そこでメーカー側は筐体にカメラをつけた。健常者と身体障害者の違いを区別するためのね。
それで、ほら、UDXなら健常者はさっき言ったオプション、ASと5kyesを選択出来ないようにしたんだ。
今はトップランカー選手権って大会があるけど、それと別に身体障害者だけ集めて開催する
トップランカー選手権もあるんだよ。…こういうバリアフリーって、良いよね」

松木はオプションを操作するドクオの後ろ姿に向けてそう言った。そうですねとドクオは返し、一曲目の選曲を終了させた。
モニターがプレー画面に移行して、ノーツが落ちてくる。ドクオは左手を鍵盤の上に軽く乗せて、リズムよく叩いていった。
彼の顔に楽しい、といった表情が満ちる。満ちて、ドクオは幸せになったのだ。右腕を無くしても笑顔を見せれるほどの。











(この作品はフィクションです。実在の人物、団体、事件、音ゲー、その他諸々などには、一切関係ありません)
206旅人:2008/02/03(日) 01:23:36 ID:h3KmcPFq0
これでタイムトラベルは完結しました。今作品、皆様はどんな感想を持ったでしょうか?
全体的に見て、自己満足の為に書いたという面が強かったなと自分では思うのですが。
批評等は全部受け取って、今後書いていくと思う作品に反映させていきたいと思いますので
何でもかんでもいいので意見があったら言って下さい。それでは、お休みなさい

(次回作の予告です。書き方が旅人さんの話のように一人称視点で通すという事は
はっきりしています。次回も変わった作品を書いていきたいと思います。これからもよろしくお願いします)
207旅人:2008/02/03(日) 01:26:14 ID:h3KmcPFq0
(こちらのミスで13番目の投下分が投下できませんでした。すみません。
これはその13番目です。皆様の脳内で入れ替えて、お楽しみください)

松木ゆうの運命の分岐点の時刻と呼べる時間がやって来た。
夜の丁度8時になろうかという程の時間だ。その時がやって来た。
ドクオ達が過去に飛ぶ前と同様のシチュエーションを松木は再現している。
再現、という表現はおかしいのではあるが、ドクオ達未来人にとっては再現以外の何物でもなかった。
松木はピースから出て、坂野ゆうを乗せた自分の高級車を見送った。
そして、ピースの中に戻る。店舗内の点検整備の為に。
一応経営のトップに立つ存在である松木だが、こういう事を上のものがすすんでやらないとどうする、
という考えで彼は彼自身が満足するために、こういった本来しないはずの仕事をするのである。

ピースにある巨大な壁掛け時計は8時を少し過ぎていた。
松木の手伝いと称してドクオとブーンが松木の周りにいるからか、この時間になっても誰も来なかった。
松木を重態に追い込むまでに暴力を振るった人間は、まだ姿を見せていない。
三人が一度別れた時だった。ピース真正面から鉄パイプを右手に持つ男が現れた。彼の後ろにはもう一人いる。
その男はこの日の昼間に松木によって裁かれた人間の顔をしていた。もう一人は彼の友人らしき人物だった。
ガチャリ、とドアが開く。男二人が怒声を上げて流れ込んでいく。
未来人二人は時間かというような顔をして、松木は誰だ!と叫びながら後ろから迫る足音の主に振り向いた。
鉄パイプを持った方の男が上から松木に向けてパイプを振り下ろした。
松木は横転してそれを避け、脱兎の如く逃げ出す。逃げ込む先はスタッフルームという小さな部屋だ。
逃げ込み、ルームに鍵をかけて松木はルームの電話で警察に通報した。
受話器を置いた後に松木は最悪の状況に見舞われてしまう。鉄パイプの男がルームのドアを強引にぶち破って進入したのだ。
一瞬の隙をついて松木はスタッフルームを脱出したが、鉄パイプ男の仲間にその後の退路を塞がれてしまった。
松木は相対する敵の顔面を渾身の力をこめてぶん殴り、ピースの中を逃げ回っていく。
円形のピースを一人と二人が追いかけっこしている様は、ライオンが自分の尾を噛もうとしてぐるぐる回るのと酷似していた。
松木はピースにいる二人の少年に助けを求めたが、答えは返ってこなかった。
どこか物陰で隠れているのだろうか?と松木は思い、ならばこれ以上逃げ回るのは彼らに危険が及ぶと考えて立ち止まった。
丁度そこは音ゲーが密集している、所謂音ゲーコーナーであった。松木は一瞬何かを迷ったが覚悟を決めた様子だ。
左手側の近くにはギターフリークス筐体がある。それに立てかけられているギターコントローラーのネックに手を掛ける。
松木はコントローラーを手に取った時には前後を挟まれてしまい、逃げることが出来なかった。
逃げるつもりはとうに無くしたのだが。筐体とコントローラーを繋ぐケーブルを松木は自分で切った。
足で体重をかけ、その力でケーブルをぶち破ったのだ。襲撃者二人は驚いた様子だったが、直ぐにニヤケ顔になった。

「何だ、お前も同類じゃないか。松木ゆうさんよ」

「…お前らみたいな糞野郎と一緒にされると嫌なんだよね。…さっさと帰れ、痛い目見たくなかったらな」

「素の口調ってそんなんですかぁ?失望しましたわぁ」

後ろにいる武器無しの男がそう言って松木をからかう。それに対し松木はこう言った。

「いいか、何でお前らみたいな糞な音ゲープレーヤーがいるのか、教えてやろうか?」

「あ?寝ぼけた事言ってんじゃねぇぞ!」

「これはかなり本気な話だ。…お前らには分かるまいが、やられる前に一つ聞かせてやろう」
208爆音で名前が聞こえません:2008/02/03(日) 02:01:29 ID:e2t1DYeZO
>>206
投下乙☆-(ゝω・)vきゃぴ
209爆音で名前が聞こえません:2008/02/03(日) 22:02:56 ID:PWJt01lS0
>>206
音ゲー長編物語乙
自己満足でも自分が書きたい物語書けばいいと思うよ
210爆音で名前が聞こえません:2008/02/06(水) 23:12:45 ID:p0x9bKHR0
あげときますか
211爆音で名前が聞こえません:2008/02/08(金) 18:51:02 ID:lJAsI/X9O
まとめはどうなってるの?
更新されてないみたいだけど
212旅人:2008/02/09(土) 00:38:28 ID:7MWAKzHL0
今晩は、去年の七月頃から書き手側で参加してきた、旅人です。
(>>209さん、ありがとうございます、今後は暴走しないように好き勝手書かせて頂きます)
今回は一回分っきりの投下で話が完結する、短編と呼ばれるタイプで投下します。
本編で6レス分を消費する作品です。たった6レスなので
展開が急すぎたり、それなのに新しい事にチャレンジした作品ですので、完成度は高くないと思います。
後、今回ネタにする物について十分な知識を持ち合わせていないので、適当に誤魔化している箇所もあります。
調べればよかったのですが、どこで調べるんだ?というのが分からなかったので、調べませんでした。
こんな適当な脳内旅行で書き上げたこの短編音ゲー小説、お楽しみ頂ければ、幸いです。
(>>211さんのコメントで思ったのですが、まとめさんはどうしたんでしょう?
長い間まとめが更新されていないと、まとめさんはどうしたんだろう?と不安で仕方ありません)
213旅人:2008/02/09(土) 00:40:36 ID:7MWAKzHL0
??/?/??/??:??:??

その日に「私」は生まれた。生まれた、という表現は適切ではないが。
私は人ではない。動物でもない。じゃあ何なのかと問われたら、口があればこう答えたい。
「私は機械であり、機械ではない」と。
矛盾しているが、これは私の特徴を指し示す上でどうしても矛盾が生じてしまうのだ。
私は人がゲーセンと呼ぶ店に置かれている。私と同じような機械は、同じような店に置かれている事が多い。
ただ、私だけが他の機械とは違う。違うからこそ、こんな事を思い、記憶することが出来る。

07/8/17

私はこの日最悪な目に遭った。
名乗り遅れてしまったが、私の名前を名乗っておこう。
私の名前は「ポップンミュージック」と言い、略称は「ポップン」である。
正式な名前もあったはずだが、忘れてしまった。ま、どうでもいい事だ。
で、今日この日に起きた最悪の出来事について語ろう。

今日この日も私は調子よく稼動していた。ボタンのセンサーやモニターの調子も良好だ。文句は無い。
何人目かのプレイヤーがカードを入れてきた。そして百円玉を入れた。私はそれを受け取った。
私はそのカードを読み取り、モニターにクリアメダルの枚数とマイキャラ、CNを表示させて、待機していた。
そのプレイヤー、CNを「りるお」という。クリアメダルの種類と枚数から見て、上級者のようだ。
私は指示された操作どおりに迅速に動き、データ等を処理し、選曲画面に移行させた。
センサーが反応し、それで私はカーソルを動かせる。数秒で一曲目の選曲が終了したみたいだ。
オジャマは、ずっとダークとずっとしろポップ君を併用したものを使う。
私はスピーカーから「Are you ready?」と録音された声を発声させ、大量のポップ君を降らせた。
勿論、りるおが設定したオジャマの効果をモニターに反映させる事も忘れてはいない。

痛い。物凄く痛い。センサーがぶち壊れそうだ。このるりお、今日この日までプレーした人間達の力を凌駕している。
このプレーヤーは本当に人間なのだろうか?人間はこれほどまでの力をこめてボタンを叩くのだろうか?
私は理論上、出来ないことは無いと思っていた。が、まさか現実に必要以上の力でボタンを叩く輩がいるとは。
仮に私が筐体の全てのシステムを乗っ取っていたとしたら、強制終了を敢行するだろう。
そう思うまでにこのるりおというプレーヤーの異常なまでの力は凄いものだった。

この日の終わり、私の居るゲーセンの終業時間が来る前に、私は自分の意識を住まわせている筐体の診断をした。
所謂、自己診断という奴だ。私自身、自己を確立させて間もないために専門のプロ等が下す診断の結果と比べて
この診断の結果にはっきりとそうだ、といえる自信は無いが一応、これが私の自己診断結果だ。

「推定寿命残り五年と六ヶ月、翌日からの推定寿命残り五年と三ヶ月」
214旅人:2008/02/09(土) 00:43:25 ID:7MWAKzHL0
07/09/03

この日から数えて先日、私の下した自己診断による寿命は、残り二年と十一ヶ月にまで縮まった。
これもそれも全て、るりおとその仲間達と思われるマナーのなってないプレーヤーのおかげだ。
筐体の一番重要な所に(実は私自身、この筐体の構造をよく分かっていない。感覚で物を言っているのだ)
私は意識を置いている。ボタンやスイッチが逝かれたとしてもいくらでも交換が出来るようだが
私の意識の交換が出来るかと言えば、恐らく出来ないだろう。
ボタンなどの末端と違い、私が消えればこの筐体自体が使い物にならなくなるだろう。
自分で言うのもなんだが、私の存在は結構なプレミア物ではないだろうか。私の価値は億単位位あるのではないだろうか。
ある訳ない。それは夢物語だ。しかし、こんな愚痴ばかり記録していても仕方が無い。私の進歩について記録しよう。

私は意識を筐体の中枢に置いていると記録したが、そこから「手」のような物を伸ばし、
システムをいじる事が出来るようになった。凄い進歩だと私は思う。
簡単な例を挙げると、例えばチャレンジモードでノルマを選択する時に、
プレーヤーが右の緑ボタンを押してカーソルを下に動かすとする。画面上ではカーソルは下に動くのだが
実際は上に上にと動かすことが出来る。これを私は「逆転」と呼ぶ事にした。

上述のような行為を私は今日、るりおに試してみた。彼は超チャレで八万点以上を狙っていたが
それは上下さかさまのオジャマに変化した。当然の事ながらるりおはブチ切れて、
赤ボタンを強打し、バグだバグだと騒ぎ店員を呼んだ。あの時のボタン強打で三日は寿命が縮んだ。
この逆転行為、やらない方が身の為だと分かった。しかし、確実に私の寿命は急激なスピードで縮んでいる。
死ぬ前に、あのるりおに一泡吹かせてやりたい。だから私は決めた。
この九月いっぱいに、次はイーパス読み取り関係のシステムに「手」を伸ばせるように、努力しようと。



07/09/23

やっと私は、イーパス読み取り関係のシステムに干渉する事が出来た。
これで、データ読み取り時に故意にデータを吹っ飛ばすことが出来る。
今日もるりおが来た。こちらは寿命を三年と三ヶ月にまで縮められているのだ。その数字すらあてにならないのだ。
その報いを少しは受けるべきではないか?私のやろうとした事は間違いないはずだ。
るりおがイーパスを読み取り口に差し込んだ。今だ。私は「手」を読み取り口に伸ばす。
るりおがテンキー操作をする。私はそれをさせなかった。いくら押しても、画面上に何も反映させない。
それどころか、私自身に何も感じさせないようにした。私の「手」はそこまでできるように進歩した。
時間切れ。るりおのイーパスが排出され、るりおがキレながらまたイーパスを差し込んだ。
画面に名前入力の画面を出してやる。るりおは当然ブチ切れた。行動はワンパターン。赤ボタン強打。
寿命が縮もうが、これで奴に一泡噴かせてやることができたはずだ。その日の夜、自己診断をした結果はこうだ。

「推定寿命残り二年五ヶ月、翌日からの推定寿命残り二年と三ヵ月半」
215旅人:2008/02/09(土) 00:46:00 ID:7MWAKzHL0
外から人間以外の声が聞こえるのだ。誰だ?と思った私は耳を傾ける。(表現は変だが、そう表現するしかない)
私から見て、通路を挟んだ向こう側に置かれてある機械、beat mania UDX(以下、UDX)が発していた物だった。

「俺はまだ、死にたくないんだよ!」こればっかりをUDXは繰り返している。私と同じく、
クラッシャーと呼ばれる人間にプレーされ続けているのだろうか。私は彼に近い何かを感じた。


07/09/26

その日の夜、今の自分は一体何が出来るのかを確認していた。
今の私が出来ることは私が持つ「手」による「逆転」と「イーパスデータの消去」、
モニターから見える視覚、スピーカーから聞こえてくる聴覚。それらを今、私は備え付けている。
いや、それだけではない。私は向かいのUDXと話をすることが出来る。彼(変な表現だが)はいつも嘆いていた。
以下は彼と私の会話のやり取りの記録である。

彼「あんた、俺と同じ自我を持った筐体なのか?」

私「そのようだが、あんたもか?」

彼「そうだ。だからこうしてあんたと話しが出来る。…あんた、DJ RURIOって知っているか?」

私「私はあんたの仲間じゃないからよく分からないが…るりおという奴には困らされている」

彼「多分、俺が言ったRURIOとあんたの言ったるりおは同一人物だろうな。奴はクラッシャーか?」

私「そうだ。…あんたも寿命を縮められているのか?」

彼「あぁ、そうだ。あんたはどう思っているか知らんが、俺は天寿を全う出来れば悔いはないんだ。
機械が天寿というのも変だがな。だが、あのRURIOみたいな奴に寿命を縮められるというのは、嫌なんだ」

私「私も、同じように思っている。…正直言って、奴が交通事故か何かに遭って死んで欲しいと思っている。
プレイヤーに死ねというのは機械として駄目なのは知っている。しかしな…
奴をプレーヤーと呼ぶなら、普通のプレーヤーは神に等しいと思うよ。普通の人は、寿命を縮めたりはしない」

彼「そうだよな…そうだ、あんたは自分自身をいじることが出来るか?」

私「全てのシステムを、という訳ではないが出来ないことは無い。今は殆どのシステムに侵入できる」

彼「じゃ、全てのシステムをいじれるように努力してくれないか?
俺にRURIOをぎゃふんと言わせる作戦があるんだ。乗ってみないか?」

私「そうだな、やってみよう。るりおの事だ、作戦を実行したら私達が壊されるかもしれない。
だが、奴を酷い目に遭わせることができれば、天寿を全うするよりは気が晴れる。悔いなくぶっ壊れられる」
216旅人:2008/02/09(土) 00:49:14 ID:7MWAKzHL0
07/11/19

遂に作戦決行の時が明日に迫った。
私は、多分明日には生きていないだろう。
だが、死ぬ(というより、故障する)のを恐れてはいない。
強がりではなく、本心がそう思っているのだ。UDXに宿った自我もそうだ。
これが最後になるであろう彼との会話の記録を、以下に記す。

彼「なぁ、とうとう明日が作戦決行の時間だな。どうだ、今の心境は?」

私「…正直言って、るりおを精神的にぶっ倒すというあんたの作戦がな、
上手く成功するとは思えない。色々とハードルがあるしな。
だから、奴をのめすというのはスッキリするかも知れないが、作戦が失敗に終わって無駄死にするかも知れないという不安がな」

彼「でもよ、あんたは自分が死ぬのは怖くないと言っていたよな?」

私「あぁ、言った。だがな、ただ死ぬ事への恐怖と無駄死にへの恐怖っていうのは別物だ。
ただ寿命を迎えて死ぬのならいいとして、無駄死にする恐怖というのはだな…
何と言えばいいんだ?こう、それなら死なないようにしようと思わせる事に恐怖を抱くというかな」

彼「ちゃんとまとめて喋れ。と言ってもな…上手く言えないよな、そういうの。
実は俺もそんな風に思った事はある。だが、RURIOの事を考えれば、そんなのはすぐに吹っ飛んだ」

私「そうか…それじゃ、作戦の内容について確認したい。いいか?」

彼「いい。あんたが喋れ。俺が訂正する」

私「明日の開店から、るりおが来るのを待つ。
あんたの予想では、とある曲をプレーしに先にあんたをクラッシュしに来るという事だが。
その時、その曲を選曲させた時にあんたがるりおにちょっかいを出す。
そうして、るりおにショックを与えて次に私をクラッシュさせようとした時、私が…」

彼「そうだ。それで、あんたは自ら死ぬ事になる。RURIOは死にはしないだろうがな、
作戦が成功したら、俺も自分で死を選ぶ。普通のプレーヤーにはいい迷惑だが…
もう俺の寿命は『一週間』だからな。それも、散々縮められての一週間だ。腹が立つ」

私「私の寿命もあと『三日間』だからな。
こうなった以上、縮められた寿命を全うするよりは、自殺した方がマシだ」

それで、私の電源が落とされて彼と話しをする事が出来なくなった。
これが、最後の会話。これが、最後に私が眠る時間。
これが、このゲーセンから一人のクラッシャーから追い出す、自我を持った筐体による計画。
私の独白も、これで終わりだ。お疲れ様だったな、私。


最後に。これを読み出した人物にメッセージを残す。正確には、その人にはこのメッセージを広めて欲しいだけだ。
217旅人:2008/02/09(土) 00:51:37 ID:7MWAKzHL0
以下は、ある町で発行されている新聞のような地方広報誌に載っていた記事より抜粋。

西暦2007年11月20日。その日での、とあるゲーセンでの出来事はそのゲーセンの常連客の語り草となった。
というのも、無機質であるはずのゲーム機が意思を持ったような動きを見せたというのだ。
Pop'n musicとbeat mania UDX。この二つの音楽ゲームの筐体が、その話題の中心だ。
一体どういう出来事だったのか。当時を知る常連客の一人、中村仲治さん(仮名)にお話を伺った。

「あれは多分一生忘れられないね。なんたって、筐体が人を殺そうとするような動作をしたんだから。
いや、ターゲットになった奴は正直交通事故か何かで死んだとしても、常連客皆が喜びそうな酷い奴だったんだけどね。
クラッシャーっていう、筐体を破壊しかねない力でゲームする奴の事を指す用語があるんだけど、
そのターゲット、色んなゲームで使っていた名前が『るりお』とか言う奴なんだけど、そいつはまさしくクラッシャーだった。
ポップンなら色とりどりのボタンを割る気で叩くような感じ?
UDXなら鍵盤をパックリ割りかねない&ターンテーブルにヒビ入れかねない力で、空手チョップ喰らわせていたんだよ。
もし、筐体に意思があるとしたら。俺が筐体だったらどうにかしてそんなクラッシャーに制裁を加えたいね。
実際、筐体に意思があったのだろうから、るりおは筐体に一泡吹かされたんだろうと思うよ」

その忌むべきプレーヤー、るりおは一体どういう風に一泡吹いたのか。こちらをご覧頂きたい。

その日、るりおはいつものようにとあるゲーセンに遊びに来ていた。
              ↓
るりおがUDXをプレー、そして画面のバグとUDXに関するイーパスのデータ消去の被害に遭う。
              ↓
次にるりおはポップンをプレー、ボタンを強打したその時、感電により体全体を痙攣させた。

こういう事らしいが、実際にこんな事があるとは思えないだろう。
しかし、これは現実に起こった事であり、つまりはノンフィクションなのだ。事実なのだ。
もし、あなたがクラッシャーであるなら、この都市伝説のような真実に恐怖し、クラッシュ行為を止めて頂きたい。
それが、全ての筐体が願っているであろう事だから…


以上が、ある町で発行されている新聞のような地方広報誌に載っていた記事の抜粋だ。
そして、これからが記事にする上で削除された部分だ。中村仲治(仮名)の語りの途中である。


「どういう事をるりおはやられたのかって言うと、こういう事。
まず、るりおはUDXをプレーしていたんだ。一曲目に20,Novenberをやったんだ。何のver.だったか忘れたけど。
普通、画面に『20,Novenber』って出るじゃないですか。けど、その表示がバグり始めたというか、変わった。
『427,Ruriober』ってね。曲も変わった。蠍火のアナザーにね。『赫に染まりな』だったかな、当時の言葉。
るりおはどちらかと言えば上手いプレーヤーだった。SP九段だったかな、るりおは。
けど、当然の話だけど蠍火のアナザー譜面なんてSP九段如きがクリアーできる訳がないんだよね。
当然、奴は一曲目落ちですよ。んで、ゲームオーバー。それでいて、るりおは連コイン厨だったからね。
当然、奴は連コしましたよ。で、嘆きの樹のノーマル選んだんですね。手慣らしのつもりだと思ったのですが。
また、画面がバグって曲名が『嘆きのRURIO』になってですね、フリーズしました。
数十秒フリーズしたかと思えば、筐体が中から大きな音を立ててぶっ壊れましたよ。永久にね。
それで、るりおはその後ポップンやったんですね。イーパスさして、テンキーを打とうとした。
しかし、画面はネームエントリーの準備をさせていた。イーパスのデータが無くなったんでしょうね。
それで、るりおはブチ切れて赤ボタンを強打した。すると大きくバチィと響いて…電気が炸裂したような音でした。
ボタンを強打したるりおは…感電したんでしょうね。大きく体を痙攣させて、気絶してぶっ倒れました。
…当然の報いだと思いましたよ、あの時は。…今でも、そう思っています」
218旅人:2008/02/09(土) 00:55:13 ID:7MWAKzHL0
07/11/20

私が最後に会得した能力。自身が稼動していても今まで通りのように記録を残す能力。
最後に得たこの能力で、最後の記録を記したい。往生際が悪いと言わないで欲しい。
るりおにイーパスを差し込まれたUDXも、私と同じ能力を持ったらしい。最後の彼の言葉が聞こえた。

「やっぱりだ。奴は20,Novenber選んだぞ。作戦開始だ。
…聞こえているか?聞こえていてもそうでなくても答えなくていい。…さようなら」

それだけ言って、彼は黙った。何分かして、彼が死んだ音を聞いた。
私も準備しなければならない。私は「手」を筐体中に、いいや、体中に張り巡らせた。
モニターからという特殊な視界に、るりおの姿が入った。私は「手」を動かした。
るりおがイーパスを読み取り口に差し込んだ。私は前にやったとおり、データを消してやった。
これからが本番だ…そして、私は死ぬ。るりおのボタン強打で死ぬのではない。私が自殺するのだ。
スピーカーから、私が出している音に混じってるりおが叫ぶ声が聞こえた。
その声から、るりおが私の赤ボタンを叩くタイミングが予測できた。私は電源部の方に伸ばした「手」を動かす。
私が一瞬にして死んでいくのが分かった。迸る電流が私をぶっ壊していく。
そしてスピーカーから聞こえた奴の悲鳴を最後の最後に聞いて…私は笑みながら、死んでいった。








地方広報誌の記者は、2007年11月20日に起きたゲーセン都市伝説を記事にして、一部を削除して広報誌に載せた。
記者は、筐体の中のデータを最後に確認した人間だ。
だから、自我を持ったポップン筐体の19日に残したメッセージを読む事が出来た人間だ。
記者は、やろうと思えばそのメッセージを記事として書く事が出来た。しかし、やらなかった。
何故か?その答えは簡単だ。…こんなメッセージを残していくような機械を、誰が信用すると思う?一体誰が遊ぶ?





「頭の狂ったプレーヤーは皆死んでしまえ。これが、私という自我を持った筐体の持っていた意思だ」
219旅人:2008/02/09(土) 00:58:14 ID:7MWAKzHL0
いかがでしたでしょうか?前回の、旅人さんの話の後日談みたいなタイムトラベルに比べたら、
物凄い音ゲー寄りな作品になったと思います。何といっても、主人公がポップン筐体ですから。
そりゃどこをどうしようと音ゲー小説になるという事は当然ですよ。えぇ。

自分の作品にはこだわりのようなものがあって。
異常な音ゲーマーに対する批判というか、アンチテーゼというか。
決して自分が異常じゃないという確証はないのですが。だから批判とか、なんですかそれwって話になりますが、
自分が異常と思える人々に対しての批判を込めて、毎度毎度、俺は小説の話を練り上げていくんです。

前書きでも書きましたが、まとめの人、何かあったんでしょうかね?
更新が一ヶ月近くされていないから、不安で不安で仕方がない。大丈夫なんでしょうか?
あ、この短編の題は「筐体の独白」といいます。まとめさん、そういう事です、お願いします。
押し付けみたいで申し訳ないけど、俺は次の作品のネタを考えながら寝ます。おやすみなさい。
220爆音で名前が聞こえません:2008/02/09(土) 03:04:43 ID:oBEhuYMCO
旅人さん乙。面白かったです。みんなもっと筐体に優しくなればいいよね
221爆音で名前が聞こえません:2008/02/09(土) 07:55:31 ID:BNbgBSXC0
臨時まとめの中の人です。
しばらく更新していなかった理由ですが…単純に最近忙しかったのが原因です。
山は越しましたが、逐一スレッドチェックをするのは厳しいかもしれません。
とはいえ身の周りが今回のような状況にならない限り、長期間不在状態にはなりませんので。
もしどうしても無理な状況になってきたら、誰かにwikiの引継ぎをお願いする可能性もありますが。

という訳で、遅ればせながらここまで投下されたものを全て保管しました。
作者の皆様方、お疲れ様です。
222爆音で名前が聞こえません:2008/02/09(土) 22:41:53 ID:ib0mPQ4k0

筐体の逆襲怖えぇぇw
223爆音で名前が聞こえません:2008/02/11(月) 17:55:31 ID:rjwYUm99O
旅人氏GJ!!
逸作!!
224爆音で名前が聞こえません:2008/02/11(月) 18:58:45 ID:3qdKGxkwO
旅人さんGJです♪
独特な感じが好きです!
筐体の逆襲すごい(^-^;
225爆音で名前が聞こえません:2008/02/11(月) 20:30:53 ID:GTd7WBHv0
>>221
ううむ、恐怖感が迫ってきますなあ。
これは確かに都市伝説ものだ。
次回作も期待しております。

以下突っ込み。
毎回思うんですけど、句読点の使い方が妙だと思います。
例えばここですが…

>何人目かのプレイヤーがカードを入れてきた。そして百円玉を入れた。私はそれを受け取った。

これを、例えば
『そんな時、とあるプレイヤーが私の前に立った。
 彼はカードを挿入、次いで百円玉を投入し、それを私が受け取る。』
という感じにしてみては。

原文だと『。』で切る箇所が多すぎな為に箇条書き感が拭えないので、表現を少し変えてみると良いかもしれません。
自分も表現描写が微妙なので、あまり強くは言えませんが…
後、機種依存文字はなるべく避けたほうがいいかもしれません。
『UDX』を『IIDX』にする等…

長々と書いてしまいましたが、これからも頑張ってください。
226爆音で名前が聞こえません:2008/02/14(木) 11:19:03 ID:AiTQttbIO
ほす
227爆音で名前が聞こえません:2008/02/18(月) 17:20:00 ID:f6p5PrV2O
保守
228爆音で名前が聞こえません:2008/02/18(月) 21:58:21 ID:/LS0CuLlO
沈み過ぎなので、ついでに上げ。
229爆音で名前が聞こえません:2008/02/21(木) 23:33:30 ID:1HCOxGoX0
何だか寂しいので、小ネタでも。
小説でもSSでもない台本形式ですが…

/////////////

A「ビーマニって、もう出てから十年以上経つんだよな」
B「俺は初代からやってるんだけど…そうか、考えればもうそんな経ってるんだな」
A「そういえば俺、IIDX9thから入ったんだけど…五鍵をやった事無いんだよね。
  一度やってみたいなと思ってるんだけど…譜面簡単そうだしなあ…」
B「お前は譜面をまず最初に考えるのかよ…曲聴けよ。
  五鍵もそうだけど、お前IIDXの初期の曲もやった事無いだろ?
  確か家庭用も7thからしか持ってなかったよな」
A「だって、それより前のものは売ってなかったし…
  それに前のだとSud+無いし、HSも貧弱なんだろ?
  まだACにも曲あるし、だったら無理に探す必要無いかなと…」
B「…ACに入っている3rd以前の曲は半分以上消されているのに、それでも別にいいのか?」
A「だって譜面とシステムが…」
B「…よーし、今からうちに来い。3rdをやらせてやる」
A「へ? …ああ、ありがとう…」

Bの家に移動し、3rdをプレイ…

A「結構良い曲あるじゃん、何でこれら消されてるんだろうな?」
B「容量とか版権とか色々言われているんだけど、実際の所はわからないな。
  元々外部版権ものは仕方が無いとしても、オリジナルまで消えていくのはわからないよなあ…」
A「…でも、やっぱり微妙だな。
  譜面は単調なのが多いし、穴譜面全然無いし、どれもテンポ遅いしさ…
  HSが何だか最近のとかかり具合が違うから、わかりにくいったらありゃしないし…やっぱ昔のは駄目だな」
B「…お前さ…」
A「俺、この『panorama』って曲が結構気に入ったんだけどさ…これ、譜面スカスカすぎてつまんねーな。
  何でこれに穴譜面無いんだろうな?
  追加譜面で作りゃ良かったのになあ」
B「なあ、お前はbeatmaniaに何を求めてるんだ?」
A「は? 何ゲーム如きに難しいこと言ってるんだよ。
  あえて言やあ『音ゲー』なんだし、『やってて楽しい物』を求めてるかな。
  昔の曲は縦連打みたいなのが妙に振ってきてクソ譜面が多かったけど、今のは良い感じになってるしなあ」
B「…要するにお前は、『譜面を捌くこと』が楽しいんだな?」
A「いや、曲もそれなりに楽しんでるぜ?
  個人的には、最近ボーカル曲が多くなってきたのが嬉しいかな。
  訳のわかんねーテクノとか別にいらないし。
  ああいうのは早めに削除してほしいよ…一部は譜面も特に面白くないし」
B(……こいつに『beatmania』をやらせたら、すぐに飽きそうだな……)

/////////////

半分ノンフィクションです。
あえてオチは書きません。
五鍵盤に最近はまってきている人も多いですけどねー
230爆音で名前が聞こえません:2008/02/28(木) 08:51:38 ID:foXEQcuzO
保守
231爆音で名前が聞こえません:2008/02/29(金) 19:01:59 ID:X1BIcTIaO
保守ピタル
232爆音で名前が聞こえません:2008/03/02(日) 13:02:01 ID:JFtonCAbO
ほす
233保守人:2008/03/02(日) 16:02:31 ID:RpW0kJBnO
暇だったんで小説書いてみた。
保守がてら投下します。
234保守人:2008/03/02(日) 16:04:46 ID:RpW0kJBnO
肌を刺すような寒い夕暮れ。
今日もニデラの為にゲーセンへと自転車を進める。
彼はいつも一人でニデラをやっており、他の常連と3人程度でローテーションする、というのが常だった。
彼の腕はSP3段。
昔からまめに遊んでいる古参ではあるが、プレイ回数に見合った実力が身についていない自分にセンスの無さを感じていた。
それは彼のプレイスタイルに問題があるのだが、自分自身では気付いていない。
試行錯誤したり上級者に聞けば前に進めるかもしれないが、彼はチャレンジ精神が旺盛でも無ければ上級者に知り合いなどいない。最も足踏みしやすい典型的なタイプなのだ。
向かうゲーセンは筺体は1台であるが4曲設定なのでEXTRA STAGEを軽く出せない彼にとっては非常にありがたい場所である。
235保守人:2008/03/02(日) 16:06:33 ID:RpW0kJBnO
ゲーセンに到着すると常連AがSTANDERDの4曲目だった。
常連Aも彼と同じでいつも単独、よって次は彼の順番である。
待ち時間を気にしない彼だが、すぐにプレイできると思うと若干心躍る。
サイフの中の100円玉を確認し、筺体後の順番待ち用の椅子に座る。
このゲーセンは筺体から両替機の距離が遠いので常に残弾数に気を配らなければならない。
いざ筺体の前に立って100円ありませんでした、なんて事は死んでも避けたいので、彼はどこぞの兵隊のように残弾数には気を使う戦士である。
常連Aはプレイが終わると彼にどうもと軽く会釈し筺体を離れた。
常連Aは落ち着いた雰囲気、オシャレ眼鏡の痩身男性である。
恐らく同い歳であろうAは彼とは会話したを交わした事こそ無いものの会釈する程度の顔見知りではある。
236保守人:2008/03/02(日) 16:07:12 ID:RpW0kJBnO
Aの腕前はSP十段。
一体何をしたらそこまで行けるのか検討が着かないどころか実力の距離が判らない。
アブソ灰での壁は彼にとって何年前だろうと考えながらAに会釈を返し筺体前に立つ。
まさに彼はアブソ灰を壁に前に進めないでいた。
曲は昔から好きなのだがクリアできないでいる彼のマイベストにはアブソが余裕の1位にランクインしている。
そして今回も最後にアブソを選曲するも、いつもの様に敗北である。
普段できない物がいきなりホイホイとクリアできるわけが無いが、残念ながら今の彼にはその自覚が無い。
237保守人:2008/03/02(日) 16:08:50 ID:RpW0kJBnO
周囲に悟られない程度にがっくりしながら筺体を離れる彼。
だが今回はアブソ人生で一番ゲージが残った。
視界に入るゲージにハラハラしながら奮闘するも
「やっぱりダメか」
と、思わず小さく愚痴を零してしまった。
どうやら常連Aに聞こえてしまったか話し掛けたように見えたか
「もうすぐですね」
と笑顔で慰めを返してきた。
毎回クリアできない恥ずかしさと独り言を聞かれたあげく、返された恥ずかしさで彼は赤面し、そそくさと椅子に腰掛けた。
先生の事をお母さんと呼んでしまう事と同レベルの失態に彼は後悔しながらも100円の残弾を確認しようとしていた。この辺はマメな男である。
238保守人:2008/03/02(日) 16:09:37 ID:RpW0kJBnO
会話はあれで終わっていたと思いきやAは話を続けてきた。
「ハイスピをもう少し上げるといいかもしれないですよ」
いきなりの会話続投についていけず
「ふぇ?」
と彼。阿保な子の様な返答をしてしまうがAは構わず続けた。
「いや、曲毎にハイスピとかSUD+を意識して変えると結構変わるんですよね。試してみるといいですよ」
言われてみればハイスピSUD+なんて昔からこんなもんだろう程度に設定していた。むしろ足枷オプションという認識だった。
「そんなに変わりますか?SUD+なんてあるだけ難しくなる気がするんですけど」
違うのだろうか。SUD+があれば譜面を見る時間が短くなるから難しくなる。彼はそう思い込んでいる。
239保守人:2008/03/02(日) 16:10:44 ID:RpW0kJBnO
「じゃあ僕の言う設定でやってみて下さい」
Aはそう言うと彼に再プレイを薦めた。
彼が言うにはLOVE AGAIN TONIGHT灰をHS3.0のSUD+を150でやってみろ、だそうだ。
ちなみに今まではHS2.5紙無しだ。
クリアすら危ういのでは無いかと心配していると
「ゲージは見ないで、GREATのちょい上を見る感じでやるといいですよ」
とAが軽く最後の補足をした。

いざ始まると今までとの違いに驚いた。
譜面が落ちてくるのが速い。
今までは見てから判定ライン付近で押す感じだが、それでは間に合わないのは当然。
Aの言うようにGREATの文字のやや上を見ながら押す事にした。
視界でGOODやPOORの文字がちらつく。
ズレているのか?と修正を試みると黄グレやピカグレが出るようになってきた。
が、気を緩めるとまたGOODがちらちらと顔を出す。
彼はGREATの文字を維持するのに必死になった。
240保守人:2008/03/02(日) 16:11:37 ID:RpW0kJBnO
新たな事柄に集中し続けたせいか、曲が終わるといつも以上に疲れていた。
「ちょっと速めだったかな?でもいい感じですよ」
Aはリザルト画面を指差しながら感想を伝えた。
画面にはAAランクと自己ベスト更新の表示があった。まさにいい感じだった。
「本当ですね。いっぱいいっぱいでしたけどこんなに違うものなんですね」
素直に感想を述べた。自然と口許が緩む。
「視界に譜面がいっぱい見えると目が混乱するから、見える譜面の数を少なくするんですよ。あ、すみません難しいですね。とにかく自分に合った紙の高さとハイスピを見つける事です」
とAは見た目に違わぬロジカルな話をしたが自分で切り上げた。
彼も判ったか判らないか、それには触れない。
「ありがとうございます。色々と試してみますね」
241保守人:2008/03/02(日) 16:12:43 ID:RpW0kJBnO
それから彼はハイスピを上げすぎたり紙を下げすぎたりと何回か落ちながらも、スコアを更新ていった。


スコアももちろんだが、実力向上のカギとも言えるハイスピ、SUD+という収穫を得た。
この辺りで停滞するプレーヤーは得手してHS、SUD+にこだわらない故に前に進めていない気がする。
だが彼は壁を越えるカギをAに貰った。

アブソ灰をクリアする日は遠くないだろう。

242保守人:2008/03/02(日) 17:26:15 ID:RpW0kJBnO
規制されちゃった

見にくくて長い上にどっかのコラムチックだな。だが後悔はしていない。

ちなみに彼とAはアッー!ではないのであしからず。
萌えたい場合は「彼」を女に脳内変換するといいです。

ちなみに、今のSP3段がアブソ灰でコケてるかどうかは謎。
その辺りは気にしないで下さい。壁にブチ当たってる感が伝われば良いです。

また思い付いたら何か書きます。
243爆音で名前が聞こえません:2008/03/02(日) 21:43:34 ID:9mJ/g2aW0
保守人氏ちょう乙!
読みやすかったし内容も充実してたし文章も良い具合だった。
個人的にアブソはポップンで壁にry
244爆音で名前が聞こえません:2008/03/02(日) 22:24:28 ID:MrAcQu8a0
>>242


ポップンのアブソは譜面に癖があるからな…
特に灰は鬼門
245旅人:2008/03/03(月) 00:45:56 ID:C4cIBIXX0
保守人氏乙!内容も良いし読みやすいし壁にぶち当たった感が出てて良かったと思います。見習いたいです…
という事で今晩は、旅人です。
この話ではクロスワードパズルを解いていた小暮探偵が出てきます。主人公の座に再び輝きました。
この話は誰かを批判するような内容じゃないです。単純に面白さを狙って書いてみました。
面白くないかもしれませんが、どうぞ。
246旅人:2008/03/03(月) 00:47:19 ID:C4cIBIXX0
冬のおかげで日が昇るのが遅くなった朝、そこに差す光は暗闇の中で何本かの筋を残すばかりだった。
その中でもそもそと動く影が一つ…影は人間のようだ。当然だ、布団の上に横になるのは人間に決まっている。
その影を見ると、男である事が分かる。彼は頭をボリボリ掻き、数本の光の筋を通すブラインドを開ける。
ブラインドがシャッと音を立てて開き、太陽光が一気に入り込んだ。光が目に入り、彼はまぶしっと呟いて窓に背を向けた。
そして目の前にある事務机に両手を置く。彼は机の前にあるイスに座って一息ついた。

「正月の間に届いた年賀状はたったの二通。田中刑事と町田さんからだけだとかさ、もう終わってるよねぇ…
勉強を教えてる子供達からは一通もないとか、家族や親戚からも来ないとか、誰も来ないとか、嫌われているんだろうかねぇ…」

彼はそう呟いて溜め息をついた。それは長く弱々しいものであり、まだ二十歳代のそれとは到底思えない物だった…


去年の秋、音ゲーの市として有名な市の警察署にBEMANIシリーズのCSやサントラ等の商品が送られた事があった。
警察側は単なるプレゼントかと思って嬉しがっただろう…その中にある一通のメッセージを読む事がなければ。

「今日この日にこの市のどこかを爆破する。それを食い止めたくばクロスワードパズルを解いて阻止してみろ」

こんなメッセージが送られれば警察は大忙しだ。それに、事件を解く鍵として犯人は親切にもクロスワードパズルを作成したが
そのパズルは音ゲーに焦点を当てて作られた物だった。警察側に音ゲーを好む者は一切居らず、警察は途方に暮れるしかなかった…
が、田中という刑事の提案が警察で通った。その提案とはこういうものだった。

「この市のはずれに住む、塾と私立探偵業をやっている小暮という奴にこの事件の捜査を依頼しよう」

なんとも他力本願な提案だが、警察だけではこの事件を解決するのは不可能と言えた。
よって、田中刑事が直々に小暮の私立探偵事務所のもとを訪れ、捜査を依頼したのだった…
が、小暮探偵は音ゲー未経験者であった。田中刑事はこの事件を解決するのは奇跡でも起きない限り無理だと思ったのだが…

「じゃあ知人に協力を仰いで見ます」

というまたも他力本願なパズル回答法を小暮は導き出したのだ。その回答法で事件は解決、犯人は死体で発見された。
小暮はその知人…町田という女性の超一流音ゲーマーに報酬(約百万円!)を後日渡したのだった。


「あーあー、そんな事もあったよねぇ…あれから探偵業の方で仕事が来ないんだよなぁ。
塾の方の収入だけで一応は生活できるけど、これだけじゃ豊かな暮らしとはいえないよなぁ…」

彼は長い溜め息の後にそう呟いた。そう、この男は小暮私立探偵事務所の主である小暮探偵である。
…貧乏臭い寝巻きを身に纏ってイスに座り、事務所机に足を掛ける様はどう見ても探偵には見えないが、探偵である。
探偵業だけでは生活が出来ないので、個人経営の小さな塾をやっている。小暮の主な収入は塾の方がメインだったりする。
この探偵は上述の通り警察の捜査に協力、町田に事件の事を隠してクロスワードパズルを解かせて
その回答を元に犯人が爆破しようとした場所を導き出した経験を持つ。ちなみに、小暮にとって事件らしい事件はこれが初めてだった。
247旅人:2008/03/03(月) 00:49:04 ID:C4cIBIXX0
懐かしき過去を回想した小暮は玄関へ赴いた。壁時計を見た限りでは朝刊が届いていなければおかしい時間だったからだ。
もっとも、朝刊というものは早朝に届けられる物であるが…小暮が起きたのは朝の九時であった。休日でもないのに。
期待通りに玄関の新聞受けには厚い朝刊が挟まっていた。当たり前の事だが、これは結構重要な事でもある。
普段TVをニュース番組等を見る物ではなく、娯楽番組を見る物としている小暮にとって新聞という物は大切な物だ。
TVで情報を得る気がなく、それでいて世情を知りたいと思うなら新聞を読むしかない。そのための購読料も必要だ。

「はぁ…今日もあんまりいいニュースが無いねぇ……また人死にかい、日本も終わったなぁ。
…………?これは年賀状の番号のくじの番号の公開のアレか。ちょっと照らし合わせてみるかな。たった二通しかないけど」

小暮は呟いて机の引き出しの中から「手紙収納」と黒字のマジックペンで書かれた引き出しを見つけ、それを引いた。
その引き出しの中には数少ない便箋が大事そうに保管されている。
人との付き合いの数は少ないが、その仲を大切にしようとする小暮らしさがその引き出しを見ただけで窺える。
そこから二通の年賀はがきを取り出し、その引き出しを押し戻してからその二通のはがきの番号を見る。

「田中刑事からの年賀状は…………ハズレか。じゃ、町田さんのは…………おっ、当選してる!
しかもこれ、一等じゃないか!一等は…緑泉村のペア旅行券!?緑泉村といえば、温泉で有名なあの村か!」

やっほーいと貧乏臭い寝巻きを着た二十歳代の兄さんが子供のようにはしゃいでいる姿を、先程開けたブラインド越しに近所に住む子供が見ていた。
こういうところを子供に見られるから探偵だって信じてもらえないんだよね…と振り向いた小暮は子供と目を合わせながら思った。
子供は変な人…と言いたそうな目をして小暮を見ていて、それを否定するように小暮は必死に手を振るが…
やはり子供はどこかへ駆け出していってしまった。小暮は首をガクリと落とし、弱く長い溜め息をついた。
やたらと長い溜め息を吐き終わった小暮はもう一度新聞を見て驚きの声を上げた。

「これ…『ペア』旅行券だ。どうしよう…これこそ猫に小判、豚に真珠って奴か…?はぁ………………そうだ!田中刑事に聞いてみよ!」

思い立った小暮は机の上に乗っている、どこの事務所でもよく見かけそうな白い電話を手に取った。
自分の携帯電話に記録している田中の携帯電話の番号を頭で思い返しながら小暮の右手は数字ボタンをプッシュしていく。

テュルルルルル……テュルルルルル……

ケチャッ

「もしもし?」

「あ、刑事さん?お久しぶりです、小暮です。別の人が送ってくれた年賀状があの例のくじで一等だったんですよ!
でも、その人女性ですし…ね?だから刑事さんと温泉旅行に行こうと思いまして…予定、どうですか?」

「あ、悪い。これから暫くはちょっとな…仕事が忙しいから無理だ。
それに……送ってくれた人が誰であれ、当選したからにはその人に恩を返すという事でその人と一緒に行けばいいだろう?」

「そうですね、分かりました。じゃあ切ります。お仕事頑張って下さいね!それじゃ!」

言って小暮は受話器を一度戻し、また手に持ってダイヤルしていく。勿論、電話を掛ける相手は町田だ
248旅人:2008/03/03(月) 00:51:41 ID:C4cIBIXX0
テュルルルルル……テュルルルルル……

ケチャッ

「もしもしー?」

「町田さん?小暮です。あの、送ってくれた年賀状がですね…年賀状のくじに当選しまし…」

「当選したの!?わーい!で、何等?」

「一等です。一等は…」

「知ってるよー?緑泉村へのペア旅行チケット二泊三日の旅とかいうあれでしょ?
けどあれ、ツアーとかじゃなくて自分達の思うように動けるんだよねー。ただ行く時間と帰る時間が決められているだけで」

「そうなんですか。初めて知りました。で、用の方なんですが…」

「だから、小暮君が当たったんだから一緒に行こう?それとも他に相手さんが決まったりした?」

「いいえ。町田さんを誘おうと思って電話したんです。では、当日に駅でお会いしましょう。それじゃ」

「じゃーねー、バーイ」

町田はそう言って先に電話を切った。小暮は相変わらず元気な人だなと町田にそんな評価をつけていた。




三日後。小暮が住む市の中心にある駅に古風な探偵の格好をした男が立っていた。
茶のロングコートに茶の帽子。僕は探偵ですよと主張しているのと同じである。探偵は誰かを待っているようだった。

「遅いなー町田さん…あと少しで時間から五分遅れるのに…
プライベートならいいけど、こういう時に遅れられると僕が文句を言われるんだけどな…」

探偵…小暮はそう呟いて左90℃に首を曲げた。そこには黒色の制服を着て、黄色い旗を持って険しい顔をした若い女性が立っている。
勿論、あたりのベンチに座っている団体様も険しい顔をしている。当然、視線の先は今は探偵らしい探偵をしている小暮である。
それから数分後、やっと町田が駅前に到着した。普通の女性が着るような普通の外出用の上着を着た彼女に反省の色は見えない。
友人としてそれなりの付き合いがある小暮は、彼女から謝らせる事はたとえ神でも難しいと考えていた。
何故なら、彼女はどこか欠落している部分があって、それが人に謝る事であるからだ…それを小暮は知っていた。

「すみません、僕の連れが遅くなってしまって!」

町田が謝らないのをみかねて、小暮は自分から土下座をした。
電車の旅一行に小暮の土下座で町田の遅刻は許されたようで、
町田が一行に入った電車の旅一行は駅のプラットフォームへと駆けた。
町田が合流した時には電車が出るまで後五分程度しかなかった。正直言って間に合うかどうか微妙だと小暮は思った。
249旅人:2008/03/03(月) 00:53:33 ID:C4cIBIXX0
三十分後に小暮が居たのは乗る予定であった電車の中だった。あの電車に間に合ったのは奇跡じゃなかったかと誰もが思っていた。
この旅行参加した人々は…背もたれのあるイスに身を任せてすやすやと眠っている町田を見ていた。いや、睨んでいたのだ…
小暮は旅行者達に申し訳ないと思い一度深く礼をしたが、彼らの目はこう言っているようだった。


「いや、アンタに謝られても私達の怒りは収まらないのですが?」



一行が予定の電車に乗ってから約二時間して、その電車は予定されていた駅「緑泉」で停車した。
電車から降りる人々の目にはまだ怒りの色が残っている。しかし、最後に下車した二人は別の顔色を見せていた。
一人は古風な探偵の格好をした男。彼にとって下車した電車で過ごした時間は、苦しみの時間と言えるほど辛かった。
もう一人は一見すると普通の女性。この場では彼女だけが笑顔を浮かべている。その笑顔は、この集団の中では異端と言えるだろう。

「町田さん…次の集合とかの時、絶対に遅れないで下さいよ?僕が酷い目に遭うんですから」

古臭い格好の探偵が隣に立つ笑顔の女性に言った。その言葉は真昼間に放つ言葉とは思えないほど暗く、そして淀んでいる。
町田さん、と呼ばれた笑顔の女性は古臭い探偵にこう返した。

「ゴメンゴメン、次からは気をつけるよ。そんなに落ち込まないでよ小暮君…ほら、皆行っちゃうよ?」

謝って少し頭を下げた町田の姿からは反省の色が見える。頼みますよホント…と小暮君と呼ばれた探偵風の男は町田にそう言った。
それから二人は小走りで一番後ろにいる、緑色の暖かそうな上着を着たおじいさんの後を追った。


「はい皆様!こちらのお宿が今回の旅行の宿泊地でございまーす!」

バスガイドさんが持つところをよく見る黄色い旗を右手に持った引率の若い女性が、そんなよく通る綺麗な声でツアーの客全員に言った。
引率者によると、緑泉駅から2km程離れた所にある「ホテル緑泉」がこの旅での宿になるという。
それはその場にいた旅行者全員が把握していたであろう事だが、町田は小暮に確認を求めた。

「だから、この旅行でお世話になる宿がこのホテル緑泉なんですよ。分かりました?」

「分かった。そのホテル緑泉がここにある建物で、私達はここに泊まるんだよね?」

「そうです。その通りです」

町田は皆より一度遅れて宿泊先の事を理解し、前に進む約二十名の後についていった。当然、小暮もその後についていく。


このホテル緑泉には緑泉村の名物である温泉がある。源泉を引いてくる都合上か、このホテルの裏には大きな山があった。
ホテルはこんな田舎に似合わず高級感を漂わせている。全10階。宿泊部屋では雪に埋もれた畑か、うっすらと雪を被った裏山が見える。
もっとも、こんな場所にオーシャンビューなどを求める方が悪いのだが。まぁそれは置いておいて解説を続けよう。
このホテル、1階に小規模ながらゲームコーナーを置いており、そこには数台のクレーンゲーム、一昔前のシューティングとかがある。
そこに異質なゲームが一台あった。皆様ご存知のbeatmaniaIIDXである。緑泉村唯一の音楽ゲームの筐体がこのホテルにあるのだ。
ホテルにチェックインをしてから三日目の朝までが自由行動を認められているので、町田は部屋に荷物を置くなり、すぐさま1階へ降りてIIDXをやっていた。
田舎だというのに新型の筐体を導入しているらしく、一曲目に走馬灯を選んだ町田は…

「走馬灯いいねー。良曲過ぎるねぇ。けど、全ッ然スコアが出ねぇeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!!!!11111111」

と嘆いていた。小暮はその後ろ姿を見て液晶モニターって恐ろしいなと思っていた。
250旅人:2008/03/03(月) 00:55:32 ID:C4cIBIXX0
「いやぁ、全然スコアが出てこないねぇ液晶モニターは…リズム打ちしかないかねぇ」

「それでも町田さんいいじゃないですか。殆どA評価でしょう」

「そうなんだけどね…白壁の環境に慣れすぎちゃったのかな」

モヤモヤした様子で町田が順番待ち用の安いベンチに腰を下ろした。続いて小暮が筐体にイーパスを通す。
テンキー入力して、SPのスタンダードを選択した。そしてLEVEL7フォルダを開いてアビ天を選曲した。

実は小暮、大桟幕橋爆破未遂事件(音楽ゲームクロスワードパズル事件参照)
を解決した後に町田からプレステ2とメモリーカード、IIDX専用コントローラー、CSDDを誕生日(12/16)プレゼントとして貰ったのだ。
小暮は暇な時(探偵業の方の仕事は全然入らなかったので、子供達が来ない午前中がそれに当たる)にちまちまとプレーしていて、
その成果として、この時点でCSDDでの五段を取っていた。これは小暮のちょっとした証だ。
段位は何かの証明としては七級も皆伝も変わらない。そう小暮は思っていたし、これからも思い続けると彼自身は思っている。

小暮は町田にこんな事を教えられた事がある。

「実力者が自分より下の力を持つ者を傷つけてはいけない。自分より実力がある者を傷つけてはいけない
自分と同程度の実力を持つ者を傷つけてはいけない。相手が誰であろうと、馬鹿にしたり暴力を振るってはいけない」

当たり前の事だ。もしかしたら当たり前じゃないかもしれないが、少なくとも小暮と町田はこれを当たり前の事だと考えている。
そして、この精神は白壁の常連全員が共有している…とも町田は小暮に言った。
白壁というゲーセンが平和なのは、殆ど全員がそんな精神を持っているからなんだな…小暮はそう思っていた。
もしかしたらあの時ゆうと名乗った男も、この精神を感じたのかも知れないな。いいゲーセンを作れているといいな。

町田にとってすればスカスカなアビ天(N)だが、小暮にとっては指を動かす準備運動の曲であった。
評価はA。BPは10台。小暮からすれば満足のいく結果である。彼はスコアラーではなくクリアラーであるので。
小暮は二曲目、三曲目もLEVEL9フォルダから選曲、EXTRAではミリタリースプラッシュフォルダを開ける事無く走馬灯(A)を選曲した。
この優しいメロディー。これがワンモアとかならいいのにな…と旅行前に町田が小暮に話した通りの良曲。
難しいばかりがゲームじゃないよね。この曲をエコー5をかけて演奏する小暮は心で町田にそんな風に返した。
ラスト。もうノーツが降ってこない所で小暮はゆっくりとスクラッチを回す。エコー5をかけられた銃声がホテルの一角で響いた。

「やっぱいいですよね、走馬灯」

「だよね。こういう、ゲームに慣れた人なら誰でも手を出せる良曲って結構重要だよね」

小暮はお立ち台から降りながらそうですよねと返し、町田が座っていたベンチにまた座る。
町田が白壁でやるような感じでLEVEL12フォルダを開いてスクラッチを回している。その様子を見ていた小暮に、

「久しぶりですね」

と男の声がかかった。驚いてばっと振り向いた小暮が見た誰かはクロスワードパズルの事件の時に会った、ゆうと名乗った男だった。

「あ、何ヶ月ぶりでしたっけ…いやいいや、そんな事。…あなた、ゆうさんですよね?」

「はい」

「久しぶりですね!こんな所で会えるなんて…そうだ、ゆうさんは一体何用でここに?」
251旅人:2008/03/03(月) 00:57:22 ID:C4cIBIXX0
「何でも屋家業の社長みたいな職についているのは知ってますよね?」

「えぇ、あの時渡された名刺で知りましたよ」

「僕もその時に小暮さんが探偵業をやっていると知ったのですが…その何でも屋家業の慰安旅行のような物でここに来ています」

「という事は、ゆうさんの仲間さん方もここにいるんですか?」

「そうですね…そういう事です。ところで、あの女性は?穴嘆きやって殆どミスしていないから皆伝の人かと思いましたが…」

「あぁ……DJ MACHIです。本名は彼女から聞いてください」

そうですね、あとで聞いてみますとゆうは言って小暮の隣に座り、話を続けた。

「ところで小暮さん、緑泉村にいると言われている妖怪を知っていますか?」

「妖怪?」

「はい。何でもその妖怪というのは落とし穴を作って人を殺すのが趣味だそうで」

「うわっ、怖いですね」

「でしょう?言い伝えではその妖怪はこのホテルの裏山に住んでいるそうで」

「本当ですか?」

「言い伝えの話ですがね。その妖怪の名前は『落としババア』というそうで」

「落としババア?何かオトバと響きが似ていますね」

「あ、言われれば確かに…その落としババアというのは、今でもこの地方では信じられているそうですよ」

「でも、架空の存在でしょう」

「近年でもこのあたりで神隠しが起きる事があるんですよ。地元の子供達が被害に遭うそうで」

「…本当ですか」

「本当です。今でも行方不明のまま…だから、その落としババアは今でも恐れられているんだそうです」

そうなんですか、と小暮が返した後に彼が聞いたものは嘆きの樹の曲に混じった女の…町田の悲鳴だった。
町田さん!と叫びながら小暮がIIDX筐体に向き直ると、町田がいるはずの所にいなかった。
ただ、恐ろしい程の量のノーツが判定ラインを通り過ぎ、すぐに見逃しPOORを50カウントして曲が終了した。

「…………町田さん?」

お立ち台から消えたDJにブーイングを流す筐体に向けて、小暮は呆然としたまま呟くしかなかった…
「……MACHIさん、消えましたね…………」

ゆうが小暮と同じように、何が起きたのか理解出来ないような顔をしながら呟いた。
そして、小暮の頭は今の事態をどうにかして整理し、理解しようとフル回転していた。


…………どういうことだよこれ。何で町田さんがいないんだよ。
あれか?グランドIIDXか?人食い筐体か?…そんな事がある訳ないだろう…
……………これがあれか?落としババアとか言う妖怪の仕業か?っていうか妖怪なんて存在するのか?
ゲ、ゲ、ゲゲゲのゲ〜じゃないんだ、考えられない。オカルトの要素は絶対に考えられないんだ…証拠はないけどさ…
………こりゃ、骨の折れる仕事になりそうだなぁ…町田さんの為だ、タダ働きでもするさ。

消えてしまった町田を必ず探し出す。そう探偵としての自分自身に小暮は誓ったのだった…
252旅人:2008/03/03(月) 01:00:49 ID:C4cIBIXX0
これで第一回目は終了ですが、いかがでしたでしょうか?
田舎に高級ホテルがあったり、液晶モニターのIIDXがあったり、妖怪の存在が出てきたり、町田さんが消えたり…
色々面白そうかなと思える要素を詰め込んでみました。
次はいつ投下出来るか分かりませんが、三月の中頃あたりには第二回目分を完成させたいと思います。
そうそう、この話の題は「ど田舎ゲーセンの怪」です。まとめさん、よろしくお願いします!
そういうことですので、とりあえず寝ます。おやすみなさい…

(>>225さん、ご指摘ありがとうございます。
句読点の使い方にどうにも悪い癖があるみたいです。この癖が抜けるように努力したいと思います)
253爆音で名前が聞こえません:2008/03/03(月) 11:00:14 ID:6RI/101cO
保守。

旅人氏乙。次期待してます。
いろんな表現ができる人がうらやましい。
254爆音で名前が聞こえません:2008/03/03(月) 22:07:04 ID:bdyh6jF60
>>252



銃声知らない人が聞いたら驚くだろうね(笑)
255爆音で名前が聞こえません:2008/03/05(水) 02:59:47 ID:NG+zbWU/O
保守。
256爆音で名前が聞こえません:2008/03/06(木) 21:27:59 ID:AqMizQWvO
浮上
257爆音で名前が聞こえません:2008/03/09(日) 15:18:55 ID:XI3Q8BsPO
しゅほ
258爆音で名前が聞こえません:2008/03/13(木) 17:13:39 ID:Ov8O0S4nO
保守
259爆音で名前が聞こえません:2008/03/14(金) 22:26:44 ID:HQ1DUdKTO
定期
260爆音で名前が聞こえません:2008/03/21(金) 01:59:58 ID:LJhQ/PcSO
保守age
2611/4:2008/03/23(日) 15:06:42 ID:ctlIvHM10
「恋人は部下」



その日の夕食を食べ終えた後、王女・スピカは自室に戻って魔道書を読んでいた。王族として、魔法を習うことがしきたりとなっているからだ。
ふとスピカは恋人であり、親衛隊長のレグルスのことを想った。彼は王族でもないのに軽々と強力かつ様々な魔法を使いこなしていることに気が付いたからだ。
スピカは王女であり、生まれる前から婚約者もいるらしいのだが、未だに明らかにされていない婚約者の存在を気にしつつも、自分の親衛隊長であるレグルスと恋仲にある。
それがスピカのただ1つの大きな悩みなのだが、レグルスと過ごす日々はとても楽しく、レグルスと一緒にいる時はその悩みを気にすることはなかった。
しかし、今こうして1人でいると、勉強中であるにも関わらず、ついついそのことを考えてしまうのだ。

「ウゥッ。今はお勉強しなきゃ・・・このことは、考えちゃダメ・・・!」

自ら呟きながら、何とか頭を魔法の方に切り替えた。
改めて魔道書を読みながら、レグルスはすごいなぁ、よほど勉強したのだろうか?などと思った、その時だった。コンコンとスピカの部屋のドアがノックされたのである。

「はい?どうぞ。」
「失礼するよ。」

色っぽい声と共にドアを開けて入ってきたのは、何と先ほど考えていた恋人であり、親衛隊長のレグルスその人であった。
いつでもレグルスは格好良くて、どんな服を着てもよく似合っている。更に色っぽく高貴な雰囲気は、明らかに常人離れしていた。

「レグルスさん・・・!」
「やぁ、スピカ。今日もおまえのその顔が見たくて、つい寄ってしまったよ。でも、勉強中だったのかい?」
「は、はい。あっ!ですけど、私、レグルスさんとご一緒していたいです。お勉強は、いつだって出来ますから・・・」

スピカはそう言って、開いていた魔道書をパタンと閉じてレグルスに抱き着いた。レグルスは少し驚いたようだったが、すぐにスピカの背中や腰に腕を回した。

「ありがとう、スピカ・・・・それにね。魔法の1つや2つなら、魔道書を見るより私に習った方が良いと思わないかい?」
「はい、そうですね!ところでレグルスさん。今日アルビレオさんが仰ってたのですけど・・・・」
「アルビレオ?・・厄介そうだね。」

スピカにお付きのメイドの存在・金髪毒舌美女なアルビレオのことはレグルスもよく分かっていた。花のように可愛いスピカの取り合いをすることがしばしばある為、レグルスは半ばライバル視しているのだ。

「はい・・・その。レグルスさんは、色々砕けすぎなんじゃないかって・・・・」
「ふ〜ん・・・・なるほど。じゃあ、これから敬語で話した方がいいかな?」
「えっ?」
「麗しい姫君。今宵貴女と共に過ごすことを、お許しいただけますか?」
「ええぇぇっ!?レレ、レグルスさん!?」

スピカが驚いて顔を真っ赤にすると、レグルスは面白そうに微笑んだ。

「どうなさいましたか?姫。そのように顔を赤くされて・・・・」
「レッ、レグルスさん!?楽しんでらっしゃいますね!?」
「フフッ・・姫。今までご無礼を働いてしまい、大変申し訳ございませんでした。主に仕えるべき存在として、今後より精進致します故・・・・」
「ま、待って下さい、レグルスさん!あ、あの。私、いつもの雰囲気のレグルスさんの方が・・・・」
「うん・・・?」

レグルスが急に色っぽくスピカに接近してきたことで、スピカはドキドキしながら何とか話を続けた。
2622/4:2008/03/23(日) 15:07:18 ID:ctlIvHM10
「そっ、その!砕けすぎって仰ってたのは、アルビレオさんなので・・・!私は、いつものレグルスさんが、その・・好き、です・・・・」

顔を真っ赤にして最後までそう言ったスピカを見て、レグルスの心は熱く燃え上がった。スピカを強く抱き締めて、レグルスは感謝の気持ちを伝える。

「スピカ・・・ありがとう。嬉しいよ・・・・でも、アルビレオの言うことも一理あるかな?・・ごめんね、スピカ。」
「レグルスさん・・・そんな、謝らないで下さい。私、きっとレグルスさんのそういう所に、惹かれたんだと思います・・・・」
「・・スピカ・・・・参ったね。今日はおまえの可愛い顔を見るだけで帰ろうと思ってたんだけど・・・そこまで言われたら、我慢出来なくなってしまうよ。」
「レグルスさん・・・」

2人の顔が自然と近付いていき、スッと唇が重なる。更にレグルスの舌がスピカの舌を絡め取り、密度の濃いキスを交わした。

「う・・ん・・っ・・・」
「・・・スピカ。こんなことをする私を、おまえはどう思うのかな?」
「えっ?あの、レグルスさん?」
「・・少しは私も、おまえの部下として、この行為を我慢しようと努めているんだよ?でも、おまえを前にしてしまうと、それが全て吹き飛んでしまう・・・・私の理性なんて、そんなものだよ。」
「えぇっ!?・・で、でも、レグルスさん。私は、その方が嬉しいです・・・・」
「スピカ・・・・」

レグルスは驚いてスピカを見た。スピカは顔を赤くしながらも、ふんわりとした笑顔を見せた。

「だって・・・それは、レグルスさんが私のことを、本当に愛して下さってる証だと思いますので・・・・」
「スピカ・・・・ありがとう。」

レグルスは余計なことを何も言わずに、ただ一言感謝の気持ちを伝えた。それだけで、スピカに自分の気持ちが十分伝わっていると思ったからだ。

「あ・・レグルス、さん・・・・」
「スピカ・・・おまえが愛しくてたまらないよ。いくら言葉にしても足りない位、ね・・・・」

スピカを優しくベッドに寝かせると、レグルスはスピカの服を脱がしていった。
特に今日は行事もなかった為、スピカの着ていた薄いドレスはあっという間にレグルスの手によって脱がされていく。

「あ・・あの、待って下さい!レグルスさん・・・」
「ん・・・?どうしたんだい?スピカ。」
「そっ、その・・私だけでは、恥ずかしいので。レグルスさんも・・・・」
「フフッ。それじゃあ、おまえが脱がしてくれるかな?」
「えぇっ!?え、えっと・・・・」

スピカが困って顔を赤くすると、レグルスは面白そうに微笑んだ。

「アハハハッ、冗談だよ。姫君の手を煩わせる訳にはいかないからね。」

そう言って、レグルスはあっという間に自分の服を脱いでしまった。互いに生まれた時の姿になった2人は強く抱き合い、ディープキスを交わした。

「んっ・・・ひゃあうんっ!」

ディープキスをしてから、レグルスはスピカの耳朶に「チュッ」と口付けた。それだけでスピカは甘い声を出して、体をビクンとさせた。

「・・可愛いね、スピカ・・・」

2633/4:2008/03/23(日) 15:07:52 ID:ctlIvHM10
レグルスはスピカに甘くそう囁いてから、スピカの体の色んな部分にキスを浴びせた。
こうしてレグルスに愛されることが嬉しくて、スピカは身悶えながら我慢出来ずに声を上げてしまう。

「あっ・・あぁんっ!ふ・・あ・・っ・・・!」
「あぁ・・スピカ。ここがこんなに硬くなってしまっているよ?」

レグルスはそう言うと、スピカの胸のピンク色の突起部分を指で転がした。スピカの体に甘い快楽が走る。

「あぁっ!ダメ、レグルスさん・・・・!」
「・・それじゃあ、ここは?」

そうしてレグルスは、スピカの太股にチュッとキスをした。たまらずにスピカはビクンと体を震わせてしまう。

「あぁんっ!」
「フフッ・・姫君は感じやすいね。ここはどうかな?」

レグルスがそう言ってスピカの下腹部に触れると、グチュッという水音がした。

「ああぁっ!そっ、そこは、ダメ・・ェッ・・・!あぁっ!あぁ・・っ・・・!」

スピカの両脚を広げて、レグルスはスピカの秘部を指で刺激した後、チュッと口付けた。スピカは再びビクンと身震いしてしまう。

「やぁ・・っ・・・!それは・・ダメです〜!あぁっ・・・!ああぁん!」
「・・っ・・はぁ・・・すごいよ、スピカ。おまえの蜜は、とても甘いね・・・・」

レグルスはそう言うと、チュッと音を立てながらスピカのそこを優しく舐めた。

「ああぁっ!う・・やあぁん!ああぁ・・ん・・っ・・・!あぁ・・っ・・!レグ、ルスさん・・・!」
「・・・スピカ・・・っ・・私を、求めてくれるのかな?」
「あ・・っ・・・!はい、レグルスさん・・・!私、レグルスさんと一緒に・・・・」
「・・ありがとう、スピカ。」

レグルスはそう言うと、スピカの泉にキスをしてからゆっくりと自身のそれを入れていく。

「ああぁっ!う・・っ・・!」
「スピカ・・・大丈夫?痛いかな?」
「うっ・・あの、大丈夫、です・・・!」
「本当かい?でも、無理しないで。つらそうな顔をしているから・・・」
「うん・・っ・・!レグルスさん、のが・・・大きくて・・・・!」
「・・そうだね。全部入ったけど、大丈夫かな?スピカ。痛くない?」

レグルスは優しくスピカを抱き締めながらそう聞いた。
こんなにもレグルスに愛されている自分は、何て幸せ者なんだろう。これであの悩みさえなければ、もっと幸せでいられるのに・・・・

「あ・・っ・・はい。今は、大丈夫です・・・」
「良かった・・・じゃあ、動くよ。」

レグルスはそう言ってから、ゆっくり腰を動かした。たったそれだけのことなのに、スピカの中に一気に快楽が広がる。

2644/4:2008/03/23(日) 15:08:10 ID:ctlIvHM10
「ああぁ・・っ・・・!あぁっ!き、気持ち良い、です・・・!」
「あぁ・・私も、気持ち良いよ。スピカ・・・っ・・・取り分け、今日のおまえの中はきついね。すぐに、イッてしまいそうだよ・・・・」
「・・それで、ゆっくり動いてらっしゃるんですか?」
「フフッ・・どうやら、姫君はお気に召さないようだね。」

レグルスはそう言った後、一気にスピカを突くスピードを速くした。スピカの奥にレグルスのそれを感じる度、スピカは快楽という海に溺れてしまいそうだ。それを支えるようにスピカはレグルスの背中に手を回し、強くしがみついた。

「ああぁっ!あぁ・・っ・・!ああぁん!ああぁ・・あぁっ!ああぁっ!」
「はぁ・・っ・・・スピカ。愛しているよ・・・・!」
「私も、です・・・!レグルス、さぁんっ!ああぁっ!ああぁ・・っ・・・!お、奥、がぁ・・っ・・・!」
「フフッ・・ここだね?ほら・・・・」

レグルスはそう言うと、更にスピカの奥を貫いてきた。スピカはもう何も考えられなくなって、ただ快楽だけを感じていた。

「ああぁっ!ああぁん!ああぁ・・っ!もう、ダメ・・ェ・・・!」
「くっ・・・!スピカ。私も、だよ・・・!」
「ああぁぁっ!ああぁ・・っ・・!イ、イっちゃう・・・・!!あああぁぁぁっっ!!」
「!・・っ・・スピ、カ・・・・!!」

スピカが絶頂に達してからすぐに、レグルスも絶頂に達した。すぐにスピカの中からそれを抜き、手でしごいて白い液を放出する。
それから少しの間は2人の息遣いしかしなかったが、先に落ち着いたレグルスが全ての処理を終えて、スピカの横に来てスッとその腰を抱き締めた。

「フフッ・・スピカ。まだ息が荒いね・・・大丈夫かな?」
「はぁ、はぁ・・っ・・はい。何とか・・・・」
「・・そんな甘い吐息を聞いたら、また私が欲情してしまうよ?」
「えぇっ!?そっ、それは、ちょっと・・・!嬉しい、ですけど・・・」
「アハハハッ。大丈夫だよ、今はまだしないから。」
「・・・レグルスさん。それって、その内2回目もするってことですか?」

スピカが顔を赤くしてそう聞くと、レグルスは余裕の微笑を浮かべた。

「当然さ。でも、姫君の体に支障が出るならやめておくよ。」
「あ・・いえ。私は・・・その。レグルスさんと出来るのは、嬉しいことなので・・・」
「フフッ・・姫君がエッチ好きで良かったよ。」
「レッ、レグルスさん!?」

スピカが顔を真っ赤にすると、レグルスは面白そうに笑った。

「アハハハハッ。悪い意味じゃないよ?むしろ、嬉しいことさ。いつまでも・・・私はおまえを愛し続けるよ。スピカ・・・・」
「レグルスさん・・・・はい。私も・・・・ずっと、レグルスさんを愛していきます・・・・」

こうして、2人の唇が重なる。その愛を確かめ合うように・・・・
レグルスは部下としてだけではなく、恋人としても非常に優しくて頼りになる。
そんなレグルスと結ばれた自分は本当に幸せ者だと思いながら、スピカは再びレグルスの愛に身を委ねたのだった。



END
265爆音で名前が聞こえません:2008/03/23(日) 15:22:09 ID:KkalmigyO
閉じスレ……?
266爆音で名前が聞こえません:2008/03/23(日) 22:07:56 ID:pmDAaBUA0
ここ音ゲー版かwww
267爆音で名前が聞こえません:2008/03/23(日) 22:40:09 ID:LU0wW8DvO
あーあ…
268爆音で名前が聞こえません:2008/03/23(日) 23:53:36 ID:6qs8qz10O
誤爆したのか?…でなきゃ、こんなエロパロ(ry
269爆音で名前が聞こえません:2008/03/24(月) 14:09:28 ID:easANVHJ0
これは見事な誤爆ですね。
つか、エロパロ板にこんなの扱ってる場所あったっけか?
270爆音で名前が聞こえません:2008/03/24(月) 19:10:31 ID:0zj3YunkO
これはプロローグだけでも灯火しないといけない流れなのか?
271爆音で名前が聞こえません:2008/03/24(月) 23:50:08 ID:Ew0IudKH0
以前閉じ込めスレにここの続きを投下してもーた人がいたが、
今度は逆の現象が起こったのか。…のか?
272旅人:2008/03/25(火) 22:10:19 ID:CS1HTt7Q0
今晩は、旅人です。遅くなりまして申し訳ありません。
何か雰囲気が悪いけど、ど田舎ゲーセンの怪の第二回目の投下です。
句読点などの配置には気をつけたつもりですが、至らないところがあるかも知れません。
もしあれば、容赦なくご指摘下さい。それでは、本編をどうぞ。
273旅人:2008/03/25(火) 22:11:35 ID:CS1HTt7Q0
小暮が町田を助け出すと決意した時、隣でゆうが言った。

「これ、もしかして落としババアの仕業じゃないんでしょうかね」

「んなことある訳ないでしょう?PS3を一円で買えるってレベルと同等のありえない話ですよ」

ゆうの考えを小暮は否定した。そしてベンチから立ち上がって排出された町田のイーパスを取ってゆうに言った。

「この事件、僕が解決しますから。ゆうさん方は慰安旅行でしたよね?
……折角の楽しみを邪魔させるわけにはいかない。だから、あなた達にこの事件を解決するように頼む訳にはいかない」

ゆうは小暮が言ったその言葉を聞いて、少し怒ったような顔をして小暮に怒鳴った。

「何言っているんですか!こういう時に何でも屋を頼ろうとしないんですか!?」

「それは僕が探偵だからに決まっているでしょう!僕一人でも解決できますよ!」

「こんな謎、探偵一人で解ける訳ないでしょう!
助け出したMACHIさんから本名を聞きだす…それが報酬でいいですから!」

「……確かに僕一人じゃどうにもならないかもしれない………分かりました。彼女の捜索の依頼、よろしくお願いします」


小暮の依頼要請を聞いたゆうは、上着のポケットから携帯電話を取り出して何でも屋のメンバーに依頼が入った事を知らせた。
電話の向こうで一度不平不満の声が聞こえたが、ゆうが人命に関わる事だと言うと電話を受けたメンバーは文句を言わなかった。
数分後、ホテル緑泉の一階にあるゲームコーナーに八人位の様々な年齢層の人々が集まった。
この人達が何でも屋のメンバーなんだろうと小暮は確信した。事実その通りで、ゆうの依頼についての説明を彼らは集中して聞いていた。
そして散開!とゆうの号令と共に八人は動いた。半数はホテルを、もう半数は外で落としババアについて調べに行った。
探偵である小暮は自分が何をすればよいかをゆうに問うた。ゆうはこんな答えを返した。

「しばらく待って、メンバーからの報告のデータを二人で分析して…
MACHIさんが消えてしまった理由を考えましょう。気に食わないでしょうが、落としババアの関連性も考えて下さい」
274旅人:2008/03/25(火) 22:12:41 ID:CS1HTt7Q0
ゆうが何でも屋のメンバー達を散開させた後、小暮を自分の泊まる部屋に連れて行った。彼の部屋は大きめの和室だった。
ゆうの部屋を町田の捜査本部にするらしい。確かに、リーダーであるゆうの部屋を本部にすると決まりはいいだろう。
捜査本部で、小暮は外に出たメンバー達の報告を受けて「落としババアのまとめ」を書いていた。
小暮が自分のペンを同じく自分のメモ帳に走らせて文を書いていると、ちゃぶ台の上のゆうの携帯電話が鳴った。
ゆうはそれを取ってから、誰が電話をかけたのかを確認してから電話に出た。

「……ホテルのどこにもMACHIさんらしき人物はいない?
顔写真を見ながら捜索を続けたが、これ以上は成果は望めない…だって?分かった。今日はそこまで」

ゆうが仲間の一人からの報告を受けてから携帯電話を畳んでちゃぶ台の上に置いた。
小暮が暗い顔をしたゆうに言う。

「ホテル内の捜索は元々、駄目元でという話だったじゃないですか。そんな落ち込まないほうがいいですよ…
あとは外が頼りになると思いますが…あなたの仲間と僕を信用して下さい。必ず実りあるデータにしますから」

「そうですね…ありがとうございます」

一つの道を失った事で、ゆうのやる気が失せたような気がした小暮はゆうにIIDXをやりにいってもいいと言ったが…

「いいえ、遊んだところでこの気持ちは晴れないでしょうし…今は遊ぶわけにはいかない」

と断られた。仕事熱心な人だなと思っていると、オトバのまとめプリーズとゆうが小暮に言ってきた。
(ゆうが言ったオトバとはAUTO BASSの事ではなく落としババアの事を指す。
落としババアの縮めた言い方を決める際、前に小暮が語感が似ていると言った事から落としババアはオトバと略された)
何でプリーズ?と思いながらも小暮は手書きのまとめ数枚をまとめてゆうに渡した。
手渡しながらその疑問をゆうにぶつけてみた所、

「あぁ、それは…仕事仲間たちの間ではこういうのは普通なんですよ。
ちょっとした単語を英語に変えて喋る…○ー語をまねているつもりは無いのですが」

という答えが返った。そうなんですかと言いながら小暮が畳の床に横たわって天井を見上げ、小さなテレビの電源を付けた。
今の時刻は昼の一時半。ドロドロな展開を繰り広げる昼間のドラマがゆうの部屋のTVに映し出されていた。
何でこういうのが人気なんだろうなぁ…町田さんもこういうのが好きだったりするのかな?と思いながら修羅場シーンを彼は見ていた。

「オトバは…裏山に住み、山の洞窟で暮らしている可能性が高い…小暮さん、本当にそう思いますか?」

女が何か喚き散らしているところでゆうが小暮に訊ねた。小暮は女の台詞を聞きながら答える。

「あなたの部下達の報告をまとめて僕の考えで報告書のような形にはしましたが…
僕がオカルトの類をあまり信じていないというのはゆうさんもご存知でしょうが、今は事情が事情です。考えた結果がそうなんですから」

「そうですね…変な事を言ってすみません」

ゆうに謝られて小暮は起き上がっていえいえと答えた。ED曲とスタッフロールが流れる画面を見て小暮はTVの電源を消した。
そんなふうにしている小暮に、ゆうは一つの提案をした。
275旅人:2008/03/25(火) 22:14:20 ID:CS1HTt7Q0
ゆうがそう謝った後、彼は外へ出る準備をした。
小暮がどこへ行くのかと聞くと、ゆうは行き先を答えた。

「…裏山です。裏山に洞窟があれば調べます」

「そうですか。僕もご一緒させて下さい」

「いいえ、一人で行かせて下さい。小暮さんはまとめを書かなければなりませんから。
それに、僕の方の仕事は終わりました。それが小暮さんを断る理由です。
あともう一つ。僕は何でも屋として…いつでも命を賭けて仕事しているんです。あなたも同じでしょうが、それもあるんです」

言って、ゆうは自分の部屋を出て行った。
小暮に止める権利は無かったと言いたい所だが…彼の頭の中はぐるぐる回っていた。


何だよ何だよ…これは元々自分の問題だったんだ!
何でアンタが…ゆうさんがでしゃばっているんだよ…おかしいだろう…
何でも屋として命賭けてるとか言ってたけど、ゆうさんが言ったとおり、僕も命賭けて探偵やっているんだ!
しかし…まとめを完成させる事で、町田さんを助け出せる率が高くなるのは事実だしな…


結局、裏山へはゆう一人が行った。
彼は小暮が後をつけていない事を確認し、少しは整備されている山道を登ることにした。
山を登る際に、ゆうは時々立ち止まって振り返る。小暮は探偵だから、ストーキング行為のプロだ。
それに、あたりは木々で覆われている。足場が少し雪に埋もれているとはいえ、姿を隠しながら尾行するのは不可能ではないはずだ。
三度目に振り返ったゆうはそんな事を思い、懐に手を突っ込んで仮面のような物を取り出し、装着した。
そしてすぐに四度目の振り向きをした。その時に彼はこう叫んだ。

「( ゚д゚ )彡そう!」

この振り向き厨のまねで、大いに爆笑している声が近くの木の裏で聞こえた。
ゆうは振り向き厨の仮面を外しながら誰!?とその木の裏に隠れている誰かに言った。その誰かが答える。

「いやぁ、ゆうさん。全然情報が集まらなくてですね…それでホテルに帰ろうとしたら…
ゆうさんが凄く重い雰囲気出して歩いているから、ただ事じゃねぇなと思って後をつけていたんですよ」

仕事仲間の多田という男がそう言いながら現れた。ゆうは多田に外でオトバについて調べるように命じた事を思い出した。
何だ、多田君かとゆうが答えて前に歩き出す。そんなゆうの横に多田が並んで歩いていく。
うっすら雪を被った山を登りながら、多田がゆうに話しかけた。

「ゆうさん、一体どうしてこんな山を登っているんです?
ただの散歩ではありませんよね…ここに何か手がかりでもある可能性が?」

「あぁ…小暮探偵が途中まで完成させているまとめの可能性を検証するためだ。
あの未完成のまとめによれば、この裏山に洞窟があって、そこにオトバが棲んでいるらしい」
276旅人:2008/03/25(火) 22:16:19 ID:CS1HTt7Q0
「オトバ?」

「ごめん違う。小暮探偵と話している時に決めた落としババアの略称だよ」

あぁそうだったのですかと多田が返して、話を変える。

「失礼な話かもしれないのですが…」

「何?言ってくれないと失礼かどうか分からないよ」

「…確かに人の命は大切ですが…決して社長に反抗する気はないのですが、
他人の事を気にかけすぎるのではありませんか?」

「…確かにそうかもしれないね」

そうゆうは返し、山登りを続けていく。
多田は彼の横についていって、その話の続きをする。

「いくら今回のターゲットが女性とか、ランカー級の腕前を持つ音ゲーマーとか…
そういうの関係無しに、社長は色々と首を突っ込みすぎていると思います。それに…」

「言わないでくれ」

「言わせて下さい!」

「黙ってくれ!」

ゆうはそう多田に怒鳴った。
山道で口論が始まるのは明白である。

「あの少年達は僕のせいで怪我をしてしまった!
それは、僕が色んな事に首を突っ込んでいるからだと言いたいんだな!周りに敵を増やしているからだと言いたいんだな!
だが、それでも僕は色んな事件に首を突っ込まなければ気がすまないんだよ!」

「それは社長の勝手でしょう!社長が動かなければ、社に大量の迷惑メールが来る事もないんだ!
連日連日寄せられる『松木死ね』のメッセージ…
あれを見て俺は腹が立つんすよ!好き勝手やってる連中にも、社長にも!」

「それでも!僕や皆、それに大勢の人達が頑張っているおかげでゲーセンの内情は少しずつでも良くなっていく!
僕がゆうさん…旅人のゆうさんから教えてもらったのはそういう事なんだよ!ゲーセンの環境を良くして行く事だ!
犠牲を出してまで、運動しようなんて思っちゃいない!でも、僕は好き勝手やってる連中をどうにかしたいんだ!」

「…社長の気持ちは分かりましたよ。
でも、この事件はゲーセン絡みのものじゃない。しかし、人命に関わっている…
社長があの探偵と女性を見捨てたくない気持ちも分かりますよ。けど、けど…」
277旅人:2008/03/25(火) 22:18:11 ID:CS1HTt7Q0
「けど?」

「けど…社長はやっぱりおかしいですよ。
どうおかしいかって言えないけど、おかしいですよ…
その、同じ名前の旅人が何を吹き込んだか知らないけど、感化されすぎじゃないんですか?」

多田のこの発言にゆうはこう返した。

「あの人はな、自分は何も悪くないのに、ゲーセンの環境のせいで一度は人生ボロボロになったんだ。
僕も最初にその話を聞いた時、そんなのありえねーって思っていた。思っていたんだ。
けど、港に近いデパート…分かるだろ?そこでゆうさんは態度の悪い奴を懲らしめたんだ。
それで僕は分かったよ。あ、この人の言っていた事は本当だったんだなって。
勿論、ありえねーって思っていたけど、完全に疑っていたわけじゃない。3/4くらい信じて1/4位は疑っていた。
で、その後にゲームコーナーの店員に引っ張って行かれた。何をされるんだろうと不安だった。
でも、一分も立たない内に出てきたゆうさんはこう言ったんだ」

「知ってます。社長がいつしか皆に語った話ですよね?」

「うん。『ここにいるマナー違反者を取り締まろうって話をされた。
もう、俺みたいな奴を作りたくないし見たくも無い。中で詳しい話を聞いてくれないか?』って。
その言葉を聞いて、この人は本当に人生ボロボロにされて旅をしていたんだって確信できた」

「その話をしていた時、社長はこう言いましたよね?
『僕は、旅人のゆうさんが歩んだ道を誰かに歩かせたくない』と。
しかし、社長は頑張っていたから、あの二人は危険な目に遭って、実際一人は右腕が変になった」

「だから、もう僕に頑張るなって言いたいのかい?」

「いいえ、必要以上に頑張るなって言いたいんです。
俺が社長を変だと思っていたのは、多分社長が頑張りすぎているからだと思うんです」

そうか、とゆうが言ってしばらく黙った。
そして、ゆうは多田にこう言った。

「じゃ、多田君クビね」

「え?冗談じゃねっすよ」

「冗談だよ。今のは悪い冗談だった。許してくれ。
僕はね、社員が自分に向けて口の悪い事を言ったとしても、それでクビにしようなんて思っちゃいないから」

あぁ、よかった!そう多田は言った。
ゆうはそんな多田の笑顔を見て、にっこりと笑った。
そして、心の中でありがとうと多田に言った。

そうして、二人は山歩きを続けた。
もう一時間以上は経っていたが、未だにオトバの棲んでいるであろう洞窟らしきものが見つからない。
多田がゆうに休憩を提案したが、ゆうはそれを却下した。
がっかりした多田は「靴紐を結ぶ」と言ってしゃがみこんだ。丁度その時だった…
278旅人:2008/03/25(火) 22:19:28 ID:CS1HTt7Q0
小暮は自分の携帯電話でゆうの部下の一人、島谷と話をしていた。
島谷が言うには、自分が見つけた古い本に落としババアの詳細が記されているらしい。
その本を今から持ち帰るから、文の所だけ読んで聞かせようという事だった。
小暮の右耳に当てられた携帯電話から、島谷の快活な声が聞こえてくる。

「落としババア。体は大きいお婆さんといった感じで、
全ての体毛が白い。髪とか、腕の毛とかが全部白いって書いてあります」

「姿は大きいお婆さんで、体毛は全て白…次は?」

「えーっと…猫背で背が結構曲がっていて、声はやはりお婆さん。
だけど、その声は人を震えさせる恐ろしさを秘める…とあります」

「声はお婆さん、その声は聞けば震える…次は?」

「後は色々…もうホテルは近いので、五分もしない内に実物をお見せできますよ」

「そうですか。では、待っています」

そう言って小暮は通話を切った。そして、島谷との会話で得た情報を元にまとめを更に詳しくしていく。
丁度五分が経って、島谷がゆうの部屋に入ってきた。
彼は小暮に古めかしく、そして小暮が想像していたよりも薄い本を手渡した。
小暮がその古本を熱心に読んでいると、部屋のドアが大きな音を立てて勢いよく開いた。
誰?と島谷が言うと、俺だ!と答えが返った。
小暮はそれじゃ分からんと思ったが、島谷はその声を聞いて、誰かが誰であるか分かったらしく、

「多田、どうしたよ?」

と玄関に立つ男に問いかけた。多田と呼ばれた男は何故か傷を多く負っている。
そんな多田は、走って小暮の座る所まで近づき、そして言った。

「大変だ。社長が落としバ…オトバにやられた」

「何だって!ゆうさんが!?」

小暮は多田に返して、そうだと返された。
一体どうしてそんな事を知っているんだ?と小暮が問うと、多田はこう答えた。

「山を登っていた社長の様子がおかしかったんで、俺はこっそり後をつけていた。
結局はバレたが、それでも二人で山登りをしていた。その時だ…
俺が目を社長から背けた隙に、社長は叫び声だけ残して、消えていた」

「……オトバの姿は見ました?」

「見た。社長が歩いていたんだろうと思う場所の近くに立っていた。
アレがオトバかどうか確証はないが、多分オトバだと思う」

ならこれを見てください、と小暮は島谷が渡してくれた古本を多田に渡した。
多田が本を開き、数ページめくった所にある、オトバの筆で描かれたイメージ図を見て言った。

「間違いない…確かにコイツだ。コイツは、俺が見た奴とそっくりだ…」
279旅人:2008/03/25(火) 22:20:57 ID:CS1HTt7Q0
「でもよ、何で多田はそんなに傷をつけているんだ?」

島谷が多田にそう聞いた。その問いに多田が答える。

「歩いてきた道をそのまま帰るのでは時間がかかり過ぎるから、
ホテルに一番近い道を選んで帰ってきた。
勿論、道と呼べるルートじゃないし、俺も急いでいたから、こんなに傷をつけちまった」

そうだったのかと島谷が返して、小暮にこれからどうしようかと聞いた。
小暮は、島谷と多田に仲間を全員ホテルの前に集合させるようにと言った。
二人はすぐに自分の携帯電話で仲間達と連絡を取り、小暮と共に1階へ降りていった。

ホテル前に、小暮とゆうの部下全員が集合していた。
小暮が時刻を確認するともう16:30を回っていた。日が暮れてゆくのも当然といえる。
小暮はゆうの部下達に言った。

「皆さん。僕の依頼のせいであなた方の社長は行方不明となってしまいました。
本当に申し訳ないと思っています。それで…この依頼を無効にして頂きたいのです」

「何だって?」

「これからは僕一人でターゲットを探し出します。
勿論、社長さん…ゆうさんも探し出して助け出します。ですから、
もう誰も犠牲にしたくないから…それに、あなた方は慰安旅行の途中だ。迷惑をかけて本当にすm・・・」

「迷惑だと!?誰がそんな事を言った!」

ゆうの部下達が集まってできた固まりから、小暮の話を中断させる声が上がった。

「そうだよ!俺たちは迷惑なんかしてない!
むしろ、働きたいんだよ!あんたの連れと、俺らの社長を助けるために!」

その声に続いて、同じ意見を主張する声がどんどん上がった。
小暮はその声を聞いて、両目に涙を浮かべていた。

小暮は、とりあえず今日の捜索はこれまでにして、今日は休みましょうと提案した。
ゆうの部下達も流石に疲れていたので、それに賛同し、それぞれの部屋へと戻っていった。
小暮も自分の部屋へ戻ろうとした時、ホテルの従業員に呼び止められた。
何故か、従業員の手にはポップンミュージックキャラクターイラストブックがある。
小暮はそれを気にしながらも従業員に言った。

「何でしょうか?」

「あなたが小暮様ですね?」

「そうですが、それがどうかしましたか?」

「あなたにと預かった物がございます」
280旅人:2008/03/25(火) 22:22:43 ID:CS1HTt7Q0
「預かり物?」

「ええ。松木様からこれを」

従業員はズボンのポケットから何かの鍵を取り出した。
そして従業員は小暮に手渡す。小暮は一体これは?と問うと、

「松木様のお車の鍵だそうです」

という答えが返った。ゆうさんの?と小暮は疑問に思ったが、表の駐車場でゆうの車の鍵を使おうと思った。
何か、ゆうが車の中に残したメッセージか何かそんな物が…そんな物があるのかもしれない。
そう思った小暮は外へ出ていこうと思ったが、引っかかりを感じて従業員に尋ねた。

「何で、その本を持っているの?」

「これは、松木様が私に下さった物で…
小暮様の特徴をお尋ねした際に、松木様はこういったのです…
『この本に載っている{文彦さん}というキャラクターに似た格好をしているから、多分分かると思う』と…」

言われて見れば、確かに似ているかもしれない…
イラストブックを見た小暮は、初めて自分の服装がその「文彦さん」に似ている事に気がついた。
そうか、ありがとうねと小暮は従業員に言ってホテルを飛び出した。

ホテルの駐車場に駐車してある沢山の車の中から、松木の車を見抜くのは相当困難だと思われたが、
ゆうは丁寧にも、キーホルダーに自分の車のナンバープレートの番号を書いていたのだ。
几帳面な正確なのか、はたまたこのような事態を予測してか。番号を書いた理由がどちらかは分からないが…
小暮はそれに感謝し、すぐにゆうの車を見つける事ができた。高級車。とても羨ましいなと小暮は思った。
小暮が運転席のドアの側に立った時、後ろから二人の男の声がした。

「探偵さーん!」「何やってるんすかー?」

小暮が振り向くと、自分に話しかけたのは島谷と多田の二人である事が分かった。
小暮はすぐに二人に言った。

「いや、違うんだよ?決してゆうさんの車を盗もうとか、そんなんじゃないから」

「そんな事分かってますよ。俺達、探偵さんがあの従業員から社長の車のキーを受け取るの見てましたから。
多分、社長はこの車の中にメッセージか何か残していたんじゃないんですかね?多分、ですけどね」

僕もそう思っていたんだ、と小暮は島谷に返して、運転席のドアを開ける。
そして、反対側の助手席側に回ってドアを開けた。
小暮から見て、左側にあるダッシュボードを小暮は開けた。するとそこには…

「メモ用紙?」

小暮が呟いた通り、ダッシュボードの中にはメモ用紙が一枚置いてあるだけだった…
281旅人:2008/03/25(火) 22:25:48 ID:CS1HTt7Q0
いかがでしたでしょうか?
展開運びや、自分の作品の時系列に気を配ったつもりですが、
何か矛盾する所があったかもしれません。あれば、ご指摘下さい。
いつものように、誤字脱字があるかもしれません。
あれば、脳内変換していただいたら幸いです。

次の投稿で最後になります。
この投稿分には音ゲー関連の話は殆ど出ませんでしたが、最後では多く出すつもりです。
次回をお楽しみに!って初めて使う言葉ですね…それでは、おやすみなさい。
282旅人:2008/03/25(火) 23:27:10 ID:CS1HTt7Q0
今更ながらすいません…
>>274>>275の接合が何かおかしかったですね…
>>274でゆうが提案した事とは、彼が外へ調査へ出ようとする事だったんです。
で、小暮がどこへ調査しに行くんですか?と聞いて、>>275の三行目(四行目?)の、
ゆうの台詞に繋がる…という流れだったのですが、俺のミスです。
本当にすみませんでした…次回はこのような事がないように、十分注意します…
283爆音で名前が聞こえません
>>281


>>277>>288で若干時系列に不自然な点があるような無いような…
自分が理解できないだけならいいが