【おれの】ASTRAL 6th 【せんせい】

このエントリーをはてなブックマークに追加
4爆音で名前が聞こえません
「一発やっかぁ」
上着を脱ぎ捨てると、縦じわでよれよれのバスタオルを整えた。筐体の前に立ち股を開く。
既に前袋を濡らし、アストラルのチンポは己のプレイを待つ。
身体を横にして画面の右側に目を移すと、AAAラインをはるかに越えたグラフがそこにあった。
「俺の全国一のNOMALプレーヤーだぜ」声に出していう。
「男はやっぱNOMAL」
やおら携帯のサイトから、ズルムケ状態のライバルデータを取り出す、手にオイルをたっぷり取り、逆手でスクラッチをこね回す
「オッス!オッス!」スクラッチ音が俺の勃起中枢を更に刺激する。
「NOMOLたまんねぇ」扱きに合わせて、身体を上下させる。
「男のNOMALにゃあこれだよ」エフェクトをLIBARB3にする。
「オスッ、オスッ、オスッ、オスッ」顔から熱くなり、やがて頭の中が真っ白になる。
「スカスカ、譜面」「俺のN14」
頃合いをみてバスタオルを引き抜く。俺はソフラン曲が好きだ。
白いバスタオルが左隣の筐体に吹っ飛び、ツヤツヤの頭部を光らせ、腰を振り、左手でスクラッチ擦り、右手でヌルヌルと鍵盤を捌く。
筐体の中の俺は、日本一の伊達男になっていた。
「ちきしょう誰かに見せてやりテェよ」最高潮が近付くと、いつもそう思った。エフェクトをもう一度効かせ、オイルを追加すると、男へ向かってまっしぐらだ。
「男になってやる」「銀より上手いほんまもんの男」
「オッス、オッス」「バチン、バチン」うるさい打鍵音を飛ばしながら、クライマックスをめざす。
「たまんねぇよ」ギャラリーの奥から、激しいうねりが起こった。やがて奔流となり、俺を悩ます。
-開脚してぇ- -叩かれたくねぇ!-相反する気持ちがせめぎあい、俺は崖っ淵に立つ。
「きたっ」俺は膝を直角に曲げ、それに備える。奔流は堰を切ろうとしていた。
「NOMAL一匹 ! 」「オ…ッス…」
M-629を押し分けて、全一スコアがしゃくり出される。
真っ白い時間が過ぎ、目の前が現実に戻る。