( ゚д゚ )
振り向き厨の旅
橋の話
〜Let's stack a stone.〜
1/21
砂浜を、一台のbeatmaniaIIDX(注・筐体。人を食べないものを指す)が走っていた。
両脇に、旅荷物を満載したIIDXだった。波打ち際に近い、比較的締まった砂の上を、
深い轍を残しながら南へと向かう。
ブロロロロロロ ( ゚д゚)
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2/21
左側には、蒼く澄んだ凪の海が、どこまでも広がっていた。右には、幾千万の砂丘がうねる。
広大な砂漠だった。そこは、水と砂の世界だった。
IIDXの運転手はジャケットを着て、腰を太いベルトで締めていた。
右の腿に、ハンド・パースエイダー(注・パースエイダーは銃器。この場合は拳銃)のホルスターを下げている。
中には大口径のリヴォルバー(水鉄砲)が収まっていた。
ふいに、運転手がIIDXのスピーカーを叩いて、進む先を指差した。
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3/21
だいぶ遠く、蒼い海面上に、青い線が陽炎のように浮いているのが見えた。近づくにつれ、
線には足があることが分かる。
それは橋だった。
幾本もの橋脚が、海の中から規則的に立ち並び、アーチ状に□の塊が組み上げられている。
幅は大きな車が余裕ですれ違えるほど。水面からの高さは、人がどうにか飛び込めるくらい。
橋は砂漠から突然生まれ、真っ直ぐ東へただひたすら向かって、水平線と共に消えていた。
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4/21
IIDXは、橋のたもとに到着した。運転手が降りて、見上げる。
運転手はIIDXと、その場で少し会話をする。
まさにこれが、探していた橋だった。これを渡れば、次回作へと削除されずに行ける。
運転手は嬉しそうに言った。
一方IIDXは、それなりに不思議がった。なぜ、何もなく誰も住人がいないところに、
こんな立派な橋があるのか。そして建材となった大量の□は、一体どこから運ばれてきたのか。
運転手は、橋のことを教えてくれた曲の、誰一曲としてその答えを知らなかったことを告げる。
それでも構わない、重要なのは橋があることだと付け加え、IIDXはそれに同意した。
?
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>> 'T
5/21
今日中に渡りきれるかとIIDXが聞いて、運転手は素直に距離からしてまず無理だと答えた。
橋の上で野宿をして、次の日に渡りきる予定で行こうと言った。
運転手はIIDXを発進させて、橋を渡り始めた。
走り出してすぐに、周りにはもう海しか見えなくなった。蒼く輝く水面を、青い橋がすっぱりと切り分けていく。
やがて、静かに日が暮れていった。傾いた太陽が橋と水面を黄金色に照らす頃、運転手はIIDXを止めた。
夜が来て、海は黒く静かだった。地にあるもの全てを押しつぶすかのように、空に星が輝く。
運転手は、眩しすぎると文句を言った。
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トキオー / ̄ ̄\
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6/21
次の日。
運転手は夜明けと共に起きた。薄い紫色の空だった。
軽くポップン体操をして、IIDXの電源を入れ振り向きの訓練をした。カロリーメイトの朝食を取った。
鞄の上に縛り付けた缶から、自分へは水を、IIDXへは電力を補給した。
太陽が昇り、雲のない空と、波のない海が蒼く染まる。
運転手はIIDXと共に、東へ向けて再び走り出した。
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7/21
昼過ぎだった。
止まって、とIIDXが突然大声で言った。
運転手は急ブレーキをかけた。海の真ん中で停止する。
何かを見つけたとIIDXが言った。運転手はIIDXをターンさせて、来た橋を少し戻った。
IIDXは運転手に、今目の前にある欄干を見るように言った。それは他の欄干と同じ形状をしていた。
運転手は訝って、これがどうしたのかと訊ねる。IIDXは、そこには何か字が残っていると言った。
調べると、字は確認できたが、風化があちこちにあって、文として読むことはできないと運転手が言う。
IIDXが代わりに読むことを提案した。ここから先の欄干に、延々と文字が刻んであることも伝える。
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>> 'T T
運転手は、時間をあまり浪費できないから、文の内容によると伝えた。興味がなかったなら、すぐに出発すると。
IIDXは了解して、最初の欄干にある文字を読んだ。
『私達は、私達の義務を為し遂げなくてはならない。私達はここに橋を架ける。私達がなぜ何をしたのかを
こうして欄干に残す。いつかこの橋を渡る、誰かのために――――― 』
8/21
運転手は即座にIIDXのクレジットを切った。一瞬で、辺りには音が無くなる。
運転手はIIDXを押して、次の欄干の前に行った。そうやって、全ての文字を立て続けに読んでいくことを、
IIDXに告げた。
IIDXは了解して、消えかけた文字を読んでいく――――
9/21
私達は、橋の西側の海岸に住んでいた。音ゲーがあり、曲があった。なぜ私達が、砂しかない不毛の土地に
住み始めたのか、長い間知らなかった。それも気にせず、私達は魚を食べ、歌い、踊り、チャッチャッチャッと生きてきた。
国の近くには、私達がピラミッドと呼ぶ、巨大な石がいくつもあった。□を綺麗に積み重ねて造られたそれは、
誰がいつどんな目的で建てたのかも知らなかった。しかし、これ以上便利なものはなかった。
私達はピラミッドから□を引き出し、家を造り、道を造り、城壁を補修した。
ある日のことだ。我々の仲間が、海の底から何かを発見して、全員で引き上げてみた。
それは大きな金庫のようなものだった。私達が苦労して開けると、中には
たくさんの書類が入っていた。何か価値のある物でもと思っていた私達は、ひどく落胆した。
チャッチャァ・・・ アレだけ苦労したのに。。。
/ヽ
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■ ■ │ ├┘ ■ ■
■■■ ■ └─┘ ■ ■■■
10/21
しかしその書類によって、私達は答えを知ることになる。
なぜ私達がここにいるのか? 何をすべきであったのか? 今まで何をしていたのか? これから何をすべきなのか?
書類の一つは橋の計画書だった。目の前の海峡に、幾多の橋脚を立て、□を組み、美しいアーチ橋を
水平線の向こうへ、KONAMI本社のある対岸へと渡す。それは壮大な計画だった。そのために必要な、膨大な量の設計図もあった。
書類のもう一つには、二つの事実が明記されていた。一つは、架橋材料の□を必要十分量、予定地海岸に積み上げておくこと。
もう一つは、刑務所に収監されているケチャを大量に近くに住まわせ、建設作業要員として働かせること。
橋完成の際には、全員の刑期を抹消し、元の島へ戻す旨も記載されていた。
――私達のすべきことはただ一つ。”計画書どおりに橋を架ける”。ケチャ全員の意見は一致した。
詳細な設計図はある。昔より多くのケチャもいる。やらない理由も、やれない理由もなかった。
■ ■
■ ■ ■ チャッチャッチャッ!!!
■■■
■
■■■
■ ■
■ ■
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|二二二二二二二|
| |
チャッチャッ!! チャカポコ!! チャカチャケップ!! チャカッチャ!! チャカチャッチャッ!!
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
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11/21
IIDXがそこまで読み上げて、運転手は感心したようすで、なるほどと言った。足元を見て、手前の欄干を叩き、
近い橋脚を見下ろした。
この先を続けて読むか、それとも謎は解けたからもう出発するか、IIDXが尋ねた。
運転手は、なぜ国がなくなってしまったのか。そして、橋を造った人達がどこにもいないのはなぜか。
ひょっとしたら元の島に全員が引き上げることができたのか。そのことは知りたいと言った。
IIDXは了解して、次を読み進む――
| ̄
. ( ゚д゚) |
| ヽノヽr┘
>> 'T
12/21
橋と共に生まれた子供が、作業でその力を振るい始める頃、私達はそれに気がついた。計画書どおりに造っていたはずが、
石材の材料が少ない。そしてやがて足りなくなる。理由はすぐに分かった。かつて家や城壁の修繕に使用したからだ。
私達は己の愚かさを再び強く恥じ、橋を完成させられないのではと恐怖した。
解決方法は、一つだけあった。私達は家を取り壊し、使えるところに□を使い始めた。
□の加工に多くの時間を費やし、作業効率は落ちた。家を失ったケチャは、別の誰かとの生活を余儀なくされた。
しかし、橋を完成させるためには惜しむべきものなどあろうか。
これ以上は家を取り壊せなくなると、私達は城壁も壊し始めた。無駄が出ないように、慎重に石を削り出した。
もともと攻めてくる会社等なかったが、国は砂まみれになった。我々は手に入れた□をまず家にして、
橋の上に建てた。そしてそこに住みながら、橋を伸ばして行った。
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\
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■ \ ■
■ ■ ■ 橋を伸ばせる□をやるとかそんな餌に俺様がチャッチャッチャ!
■■■
■ =====
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■ ■ ======
■ ■ =(´⌒;;(´⌒;;
■ ■ (´;;⌒ (´⌒;; ズザザザ
13/21
そして遂に、私達は進む先に水平線以外のものを見た。遂に視界に入ったのは、海峡対岸の大地だった。
その時の私達の喜びを、ここに書き残すことは到底不可能だ。
橋脚用の石材を使い果たし、最後の橋脚が完成した。もはや私達は、計画の達成を疑っていなかった。
□はぎりぎりで足りるだろう。私達は家を逐次解体し、その石材を使った。
私達は橋の上で眠った。体をこわす者が増えたが、気にとめることではなかった。
――全ての石材を使い切った時、私達は橋の完成と未完成を知った。
プルプル
■: ■: ■: ■:
■: ■: ■: ■: ■:■: ■: ケ・・・ケチャ?
■■■■■: ■■■■: ■■■:
■: ■: ■: ■: ■:
■■■: ■:■■: ■: ■■■: プルプル
■: ■: ■: ■: ■: ■:
■: ■: ■: ■: ■: ■:
プルプル
14/21
橋は完成した。たった一部分を除いて。それは橋のほぼ中央、最後の家があった場所だった。
そこから橋を組み上げるための□を取り出して、初めて気がついたのだ。そこだけに石畳がなく、
荒々しく石が露出する長い窪みとなっていたことに。愚かな手違いだった。
とても橋としては使えない、長く大きな窪みだった。この窪みを埋めて、計画通りに橋を完成させるには、
もっと□が必要だった。砂漠の中に、あるはずもなかった。橋の他の部分で、□を取り外せるところなど
絶対になかった。
私たちはいくつかの試みをした。
Distressのデニムを固めて流し込んでみた。固まらなかった。
Innocent Wallsの白壁で窪みを埋めて、水を流し込んでみた。人が乗るとズブズブと沈んだ。
あと少しだった。この窪みさえ埋めることができればいいのだ。そうすれば橋は完成するのだ。何か硬い、石畳の
かわりになるような材料が欲しかった。
私達は悩み、考え、やがて素晴らしい解決方法を見つけた。思えば簡単なことだった。私達には、窪みを埋める材料が
初めから備わっていたのだから。
|
\ __ /
_ (m) _ ピコーン!
|ミ|
/ .`´ \
■ ■
■■■■
■ ■
■■
■ ■
■ ■
15/21
私達は私達の中から、まず力の弱い老人や女性を選び、崩した。
赤くて硬い■が、大量に手に入った。これこそが、窪みを埋める最後の材料だ。大きさを揃えて、隙間ができないように
並べていった。
窪みはゆっくりと埋まっていった。私達は次に子供を全員崩し、その■を手に入れた。子供の■は小さく弱く、踏み固めると
時に割れるため、あまりはかどらなかった。
私達は最後に、順番を決めて男を崩し始めた。男の■は大きく硬い。窪みが小さくなるたびに、私達は心から喜んだ。
手足の■や体の■を組み合わせて並べ、隙間に砕いた■などを埋め込んだ。全ては順調に進んだ。
■ ■ 三=-
■ ■ ■ =- チャッチャァァァァァ!!!
■≡=- ドガッ ■■■ 三=-
■≡=- 从 ■■ =-
■≡=- < >■■■■ ■ 三=-
■≡=- ■≡=- YY ■■ =-
■≡=-
16/21
そして窪みは全て埋まった。
もう私以外誰もいないが、問題はない。後は一人でもできる。
■を並べて、石畳と同じように表面を加工するだけだ。
……ところで、私達――いや、私のこの言葉を最後まで読んだ
私の知らない誰かに、告げたいことがある。
せっかく、こうして読んでくれたことだから。
途中まで読んでいて、何かおかしいとは思わなかったかい?
すなわち――
17/21
運転手が、”すなわち”の続きはと聞いた。IIDXが、ここで文が終わっていると告げる。そして感心したようすで、
最後の一人の行方は知らないけど、見事だったねと言った。
運転手が何のことか聞いて、IIDXは運転手に、足下を見るように促した。少し先から、石畳の造りが微妙に異なっていた。
運転手がしゃがんで、よく調べ見て、驚きと呆れ返った声を上げた。
そこに組まれているのは、僅かに色が違う■だった。形を整えられた■が、模様を描くように並べられている。
少しだけ色が違う部分には、細かい■が隙間なくはめこまれ、さらに表面がなめらかに加工されていた。
運転手が顔を上げた。色違いの■の部分はしばらく続き、そしてその先はそれまでと同じ□に戻る。
蒼い世界の赫い線の上で、運転手はしばらく考えていた。
(:::::::::::: ヽ
, ⌒ヽ (:::::::::::::::::::::: )
(:::::::::::: ' (::::::::::::::::::::::::::: ヽ⌒ヽ 、
ゝ:::::::::::: `ヽ(::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ) (⌒ 、
(:::::::::::::::::: ::::::::::::::: 、⌒ :::::::::::::::: ヽ (::::::: ヽ
(::::::::::::(⌒::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::::::::::: ) (:::::::::::::::::
::(::: ::::::::::::::::::::::::::: `)::::::::::::::::::::::::::::: ノ:::::::::::::::::: Y⌒ ヽ::::::::::::::::::::::::::::
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〜 ~~~〜〜 ~~ 〜〜 .〜 ~ 〜〜 〜〜 ~~~~ 〜〜〜
( ゚д゚ )
ノ }
18/21
そして、IIDXに振り向いた。今日はここで泊まると言った。
IIDXが驚いて訳を尋ねる。運転手は、STANDARD MODEさ、と短く返した。
不思議がるIIDXを後目に、車輪上のキャリアから、荷物をおろした。
そうだ今日はのんびりと釣りをしよう。たまには魚を食べよう。そう言って運転手は、後輪脇の箱をひっかき回した。糸や針を取り出す。
竿なんか持ってないじゃん、とIIDXが言った。
運転手は大きな鞄を開けた。上蓋の内側に、ライフルタイプのパースエイダー(水鉄砲)が、分解して縛りつけてあった。運転手はそれを取り出すと、
前後を差し込んでピンで留めた。バレル先端に、糸をつけて重りを挟んで糸をゆわく。ついでに鈴も。
IIDXが、ぺきしが見たら嘆くよ、と言った。
運転手は携帯食料をちぎって適当に餌をつけて、糸を落として座り、のんびりと蒼い空を眺めた。それから大きく、ゆっくりと伸びをした。
ねえ、そんなんで釣れるの? IIDXが聞いた。
さあね。運転手は答えた。
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. ( ゚д゚) / |
| ヽノヽ/ |
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19/21
蒼い海の中に、どこまでも真っ直ぐな、一本の青い線があった。
それは、海を渡る壮大な橋だった。そして一台のIIDXが止まっている。脇では一人の振り向き厨が、ライフルで釣りをしている。
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illll!
illll! illll!
illll! illll! illll!
illll! illll!illll!illll!illll!illll!illll
illll! illll! illll!
illll!illll!illll!illll!illll!illll! illll! illll!
illll! illll! illll! illll!
illll illll!illll!illll!illll! illll! illll!
illll! illll! illll┌───┐ illll!
illll! illll! | IIDX | illll!
, |\● l!′ └───┘
.゙.| ソ~ ,,,,、 ,,,,、 ,,,,、 ,,,,、 ,,,,、 ,,,,、 ,,,,、 `
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20/21
橋の石畳は、そこからしばらくの間だけ、他と違っていた。
微妙に色を違えて作られた模様は、上から見ると、巨大な文字として読むことができた。
そこには、文の続きが書いてあった。
we,,,,,,,,,,,__
: illll! `゙゙”゙゚゙゙゙゙'廾┷*wwe,,,,,,,,,,,,_、
illll!illillll! .illl!il! "”゙゙゚゙'゙゙'サ━*wwa,,,,,,,,,,,__
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ill! ..lilil"゙"゙ .lil .. lillil "゙"゙..lillil i.lillilllillilill!
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i !lll .. lill"゙ ..lillil lil .lllil .lillil .lill"゙
゙゙ .lil "゙ lil"゙[IIDX]lil .li.llil .lil
'**wwe,,,,,,,,,ll゙_: |ヽ* "゙ ...lill"゙"゙ ...lill"゙
: "”゙゙゙゙|'゙゙'サ┯*wwe,,,,,,,,,,,__ ...lill
| `゙゙”゙゚゙゙゙゙'サ┷*wwe,,,,,,,,,
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石チャカチャカャ3時間ポコチャカチャカチャカポコャチャ脱出!!
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橋の話 〜終〜
原作
キノの旅IV-the Beautiful World- 『橋の国』
元ネタ(改変元とも云う)
モナの旅─theBeautiful2channel─ 558氏作品 『橋の話』
ttp://wald.xrea.jp/monanotabi/35.html チラシの裏。
実際問題、振り向きスレとどっちに投下するか迷ったんですけどね。。
ケチャが出てきてるので、総合スレっぽいこちらにしました。
原案では「しぐの旅」だったんですけどね。。
私にはそんなAA技術もないので断念。
だいたい何に載せればよいのかって感じですし。
RED ZONE(注・ぞぬ。体色の赤いものを指す)みたいな?
そんな感じです。
お粗末様でした。