1 :
高見重春:
【前口上・ある異なる世界で、一人のオタクの話】
え? オタク? オタクが何かって? 何だ、あんたそんなコトも知らないの? それでよくコミケなんかにやってくるね? え? サークルの名前? 壁大手? 何でそんなコトには詳しいのに、知らないのさ? 違うよ。オタクってのは…ん〜、何と言ったらいいかな〜…。ある特定の趣味媒体を通じてカテゴライズされる人間の種類…というかな。あ、ほら、さちえさん、きれーだなー。今回のコスは又一段とエグイ…いやいや。 まぁつまり、こう、まず一人でできる内省的な趣味行動があるじゃない? マンガでも、アニメでもゲームでもいいよ。それから、そう、コスプレなんてのは、それらに付随して派生した趣味形態だよな。 で、兎に角そういうのにのめり込んでいるタイプに対してね。いうのさ。 良く分からない? ああ、俺だって分かってなんかないよ。いい加減なもんさ。定義なんてさ。そうだろ? あ、あ、みつみの新刊完売かよッ!! あー、くそ、次ぎだ…。 え? 何やってるって? そりゃ、仲間とまとめ買いしてんだよ。…つーか、あんたコミケに何しに来たの?
2 :
おたく、名無しさん?:2001/05/16(水) 05:01
(゚Д゚)ハァ?
fin
4 :
高見重春:2001/05/16(水) 05:19
西園寺美剣が目を覚ましたときには、おたく板固定の多くが未だ眠ったままだった。
学校の教室に居るかの様な錯覚に囚われる。
いいや、違う。
そこは決して自分がかつていた学校の教室などではなかった。
板張りの、まるで孤島の分校…。
教団があり、使い込まれてかすかに白い跡の残る黒板があり、その左、少し高いところに大きなテレビを置く台があり、そして部屋の中には鉄パイプと合板を合わせて作ったちゃちな机と椅子。表面には、ラクガキまである。
未だ、意識がもうろうとしている。ハッキリしない。
何故自分はここに居るのだろう?
少し考えて、思い出した。
マジカル・バステリーツアー? と云ったっけ?
2ch最古参固定の一人である裏飯屋が主催の、バスツアーオフである。
今回は何故か、おたく板参加者を一同に集めて行うと云っていて、傷心の西園寺(そうさ!! メル共にフラレタばかりだよ!!)は、特に考えもなくふらふらとそれに参加したのだった。
辺りを見回す。
雪、くーどろあ、奴隷皇子、石毛利昭、竜、カンパン太郎、あうー(略)、風股、とうふ小僧、赤ペン、それに…見たことは無いが、多分あれは双子萌え…? シュレ猫にキンバカ、結城丈治らしき姿もある。
勿論、名前の分からない人間も多数居た。第一、誰が自作自演か分からないとされていたおたく板だ。
それにもしかしたら、おたく板以外からも来ているかもしれない。
…と、そこまで考えて、西園寺はそれどころではないと気がつく。
誰が居るか、等考えても仕方のないことなのだ。問題は、何故バスの中に居たはずの人間が、今ここにこうやって、教室のようなところに居て、机に突っ伏して座っているのか?
そのことなのだ。
少しずつ、ざわめきが伝染し始めた。
ある者は目を擦り、ある者はあくびを漏らしながら、起きあがりキョロキョロと辺りを伺い始めている。
そしてその首に!!
西園寺は、起きあがって来た他の者達の首を見て愕然とした。
首輪!?
反射的に、自分の首根っこに手を伸ばす。
そう、首輪だ。冷たい、スティールの感触。溶接されている、鉄の首輪…。
そして、男が一人入ってきた。
「はいはい、皆さん良く眠れましたですか〜?( ̄ー ̄)ニヤリ」
西園寺はその男を知っていた。いや、その男の分厚い唇を知っていた。
2ch管直人、西村ひろゆきその人であった。
5 :
高見重春:2001/05/17(木) 04:55
ひろゆきは、にこにこしながら言葉を続けた。(にこにこ? いや、あれは、にやにや、だ)
「はいはいはい、それでは説明しますです〜。まず、僕は2ch管直人のひろゆきです〜。 ( ̄ー ̄)エヘエヘ」
ひろゆきは黒板に向き直ると、チョークで“ひろゆき@管直人”と書いた。
西園寺は確信した。間違いない。あの、ひろゆきだ。西村ひろゆき本人だ。
確かに、西園寺はひろゆき本人と会ったことは無い。固定画像一覧のサイトや、雑誌の記事などで偶に見かけるだけだ。
結城丈治の方をちらと見やった。
しかし結城は、まるで何事も無いかの様に、いや、まるで表情そのものが無いかの様にして、そこに座っている。
ひろゆきと会ったことがあるはずだ。結城なら。板の書き込みで読んだ事がある。
結城は、良く分からない男だった。聞くところによると、いつもテンガロンハットを被っていて、胡散臭い黒のサングラスをしている。WWFだかWWWFだかの、アメリカンプロレスのTシャツをシンボルの様にひけらかしているという。それも、画像で見た事がある。
いや、そんな事はどうでもいい。西園寺は意識を引き戻す。
ただ、結城の反応から何かしらの確証が欲しかった。
いや、というよりも自分が感じた直感(あるいは、違和感)。その後ろ盾が得られないかと思ったのだ。それで、きひろゆきと旧知であるはずの結城の表情を伺った。
雪、はどうであろう。
雪も、たしかロフト+1のイベントでひろゆきとは会っているハズだ。
会っている、と言えるのか。見た、だけかもしれない。
しかし、結城同様に、雪の方からも何かしらの確かな反応を得ることは出来なかった。
6 :
高見重春:2001/05/17(木) 04:57
「あの…」
不意に、そう深いバリトンの声が響いた。
「よく、分からないのですけど…」
恰幅の良いその男は、呟く様にそう聞いた。
「え〜と、双子萌えさん、ですね〜」
あくまで“例の調子”で、ひろゆきが返す。ああ、そうだ、双子萌えだ。バスに乗る前の簡単な自己紹介で一応は名前と顔が一致していた。
「その…、この学校らしき場所が、今回のバステリーの目的地なんですか?」
静かな、落ち着いた声だ。
その声が教室(らしき場所)に浸透し、それが他の参加者にも伝染した。
「ここどこ?」
「ねぇ、あなたも眠っていた?」
「今何時なんだ?」
「何でひろゆきさんが来ているの?」
「あうー」
「本物?」
「お腹空いたです〜」
にやにやと、その有様をひろゆきが眺めている。
西園寺はそれを確認してから、再び教室(の様な場所)にぐるり視線を這わす。
結城、雪、キンバカ、堀岡、ほーむず、シュレティンガ−と猫などは、それぞれに押し黙ったままで居る。
(堀岡、が実在していたというのは今回のオフで初めて知った)
雪には、奴隷皇子、くーどろあ、癌射、石毛利昭といった、いわば雪派閥の面々が視線を送っている。
それから、自分の斜め前に座っている黒い日と、その2つ後ろに居る名無し(女)へと視線をやる。
ざわめき、囁き、疑問。
そして、リズム。
リズム?
規則的な、固い音が外から聞こえてきた。
靴音だ。
数人の、靴音。
血かずいてくる。徐々に、徐々に。
そして、止まる。この教室(ああ、そうさ、この教室!!)の前で。
「はいはい〜、皆さん静かにしてくださいです〜。 ( ̄ー ̄)エヘエヘ」
ひろゆきが再び口を開いた。
まるで、その足音が合図であったかのように。
教室内が、すっと静まった。
「はいはい。今日ここに皆さんに集まって貰ったのは〜、ですね〜」
呼吸を、置いた。
「皆さんにちょっと、殺し合いをして貰うためです〜。 ( ̄ー ̄)ニヤリ」
っつーか、あんたすげえ(w
俺も1見たときは最初ハァ?だったけど。プロローグね!
途中で割り込んでゴメソ
8 :
おたく、名無しさん?:2001/05/17(木) 07:46
ア ナ タ ガ タ ニ ン ゲ ン テ キ ニ ケ ッ カ ン ガ ア ル ン ジ ャ ナ イ デ ス カ
9 :
黒い日:2001/05/17(木) 09:09
あがが。俺のような空気固定までキリングフィールドに…
真っ先に殺されるに違いない。。
赤ペン先生の復活?
…などと穿つのは不粋ですね。
取り敢えず今後の展開を静観。
ぉぉ!あうーも出てる!!略されてるけど(藁
今、なんか読めないから後で読もう、、、
続き書いてほしいですー。。。
すごいすごい!
マジで続き読みたいぞ!!
あうーは、殺虫剤やら、ねずみ花火やら、こんにゃくやらで戦いたいな(藁
12 :
おたく、名無しさん?:2001/05/17(木) 11:02
/ヾ
ゝイ丿
/ /
/ /
/ /
∧ ∧ / // ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
シコ ( ゚Д゚)、 / /< 奴隷皇子ひゃっほう!
/ ヽ、 / / \__________
シコ ( ) ゚ ゚/ヽ、/⊂//
\ ヽ、 ( /⊂//
\ ⌒つ /
(  ̄/ /
| |O○ \
| | \ \
| ) | )
/ / / /
/ / ∪
∪
( ´∀`)つまんね。
コテハン全盛期にあれば受けたかもしんないけど。
なつかしのKOFスレみたいに。
>>6 >シュレティンガ−と猫
ぬう・・・
(・w・)うみゃあ☆
どんまい、ですにゃ・・・ご主人さま(肩ぽふ)
16 :
おたく、名無しさん?:2001/05/17(木) 11:45
15=ほーむず
17 :
おたく、名無しさん?:2001/05/17(木) 12:07
/ヾ
ゝイ丿
/ /
/ /
/ /
∧ ∧ / // ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
シコ ( ゚Д゚)、 / /< 奴隷皇子ひゃっほう!
/ ヽ、 / / \__________
シコ ( ) ゚ ゚/ヽ、/⊂//
\ ヽ、 ( /⊂//
\ ⌒つ /
(  ̄/ /
| |O○ \
| | \ \
| ) | )
/ / / /
/ / ∪
∪
( ´∀`)本気でツマンネ、文才ないよ
-─===─ヽ/へ
iiii彡≡≡≡|≡ヾ ヽ ______ ___ ,-───
彡≡≡≡≡|≡ミミヾ / \ _-=─=- / `
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ミiiiiiヽ \ _-=≡///:: ;; ''ヽ丶/ヾ ヾ .,! !,,!_´,,//_//
\iiiiiiiゞ ─ | / '' ~ ヾ/=/`''~~ /彡-
\iiヽ ── | / |=.| 二 | 三
━━━'/ ヽ━━━ ヽミヽ _,-=- _,-= ヽ| | ヽ| ── \三
⊂⊃,.:: :: ⊂⊃ ヽiiiii ⊂⊃ノ_⊂⊃ ヽ |≡ , 、 || ヽ ,, 、ー ̄ \
::: |iiiii ヽ .|≡_≡=-、___, - -=≡=_ / ⊂⊃ ⊂⊃ |=
|iii| ( о ) | | ,⊂⊃ | | ⊂⊃ |┤ / |/
( ● ● ) .|iiii| /_,,,,;;iiiiiiii;;;,,_ヽ |ヽ二_,( )\_二/ | ( 。つ\
》━━━━《 |iiiii|///;;;;───、ヾ. | /( )ヽ | / 丶ー
》 / ̄ ̄\ 《 |iiiiiiii|:::///\__/ヾヽ| / ⌒`´⌒ | /____」
《《 \ ̄ ̄/ 》》 |iiiiiiiiiii|::// ;; ; ;; 》::::::| / | |/ /
》》  ̄ ̄ 《《 》》》》》iiiii|::《 ;; ;; ;》 ;;》:( |_/ヽ_'\_/ | | |__/ //
《《《《《《《《《》》》》》》》》》》》》》》iii|/ 》 ;;》 》 ;;ミ ヽ 、\_ ̄  ̄/ヽ ヽ -─ /
巛巛巛巛》》》》》》》》》》》》》》IIII ヽヽ《 ;;; 》( \ |  ̄ ̄ _// ヽ_____/_ノ
巛巛巛巛》》》》》》》》》》》》iiiiiii ``《人/ \__ ヽ____/ /≒/-'
21 :
高見重春:2001/05/18(金) 05:50
マグニチュード7.5並。けれども表面的には震度2の微震。
あの噂は、本当だった。多分、殆どの人間がそう思っていた。
ひろゆきは、何ヶ月か置きに各板から固定ハンや書き込み頻度の多い名無しを集めて、バトルわさせている。
バトル!!
しかし一体何を?
なかなかにシュールな噂だ。VIP板だとか、ひろゆき整形前だとか。板の噂ネタには事欠かない2chの事。ままぁそんなんもただの噂の1つだとたいていは思う。
そう、誰かが言っていたな。
『2chでは、真実がネタとなり、ネタが真実となる』
おっと、もうひとつ。
『嘘を嘘と見抜けない人で無いと、(2ch掲示板を)利用するのは難しい。 ( ̄ー ̄)エヘエヘ』
しんと響く様な静寂は、端的に言えばあっけにとられているというか、言葉の意味を計りかねているというか、そういうところだろう。
勿論、西園寺もそうだ。システムビジー。リソースが足りません。
「そんなばかな」
突然、黒い日が立ち上がってそう叫んだ。
何人かが、視線をそちらへ這わす。ステージロックオンだ。
そうだ、黒い日。行ってやれよ、ひろゆきに。お前何わけのわからねぇ事言ってンだ? って。
ところが、黒い日が行ったのは全く別の言葉。ちょいと、意外な言葉だった。
「ぼ、僕はトオルさん…削除忍さんと親しいンだ!! その僕が、このデスゲームの中に組み込まれるハズは無い!! 何かの、ま、間違いだ!! そ、それに…」
黒い日は震えていた。
彼は、“何か”を知っているのか?
ひろゆきは、少し俯いてから、又相変わらずのにやにや笑いで、こう返して来た。
「いや〜、黒い日さん、ですか。あのですね。2chって、色々言われているけど、こういうトコ平等にやっているんですよ。 エヘヘ」
何の答えにもなっていない。
「平等って、分かりますよねぇ。生まれとか、環境とか、学歴とか、そういうのは、ネットの世界では関係無いです。書き込みの内容、ただそれだけが全てなんですよ〜。だから。
ちょっとトオルくんと馴れ合って。親しくなっているからって。自分が特別な固定ハンだなんて。
勘違いを、するンじゃあ無いッッッ!!!」
いきなりの恫喝だった。
部屋の温度が1度c下がった感じがした。
これは、何か違う。
そして、へなへなと力無く頽れた黒い日も、何か知っている。
「それにー。まぁ、蛇足ですがー」
間延びしたいつもの調子に戻って、ひろゆきが続ける。
「裏さん、すぴどさん、茶羽さん、ちょっとアレー」
ガタン。
部屋の扉を開けて、裏飯屋と、後2人。
何やらいびつな麻袋を担いできて、教壇の上にどんと降ろす。
彼らは一様に厳つい面立ちで、サバイバルゲームででも着るかの様な迷彩服に、コンバットブーツ。鉄製のヘルメットを被り、さて本物か偽物か。肩にはアサルトライフルを釣り、腰のホルスターからは、自動小銃の銃把が見える。
麻袋は、中に詰められた何かを予想させるように方々が出っ張っており、そして嫌な色…不吉な、赤い色が滲んでいた。
「トオルくんはですねー。このゲームに反対してばかりいたのでー」
黒い日が、再び腰を浮かせた。
「取り敢えず、殺しちゃいましたー。 ( ̄ー ̄)ニヤリ」
裏飯屋が、麻袋を縛っていたヒモを、重そうなサバイバルナイフで両断した。
どろ、っとねばついた液体。
赤黒く、そして自分たちも良く目にしている液体が、尋常ならざる量溢れ出てくる。
ひろゆきが、手を突っ込んだ。
袖口が、染まる。
引き出されたその手の先には、黒い髪の毛がひっついていた。
トオル────削除忍の端正な顔の、あったはずの半分が喪失していた。
西園寺が、生まれて初めて生で見る、“ニンゲンの死体”だった。
( ´∀`)だからお前に文才ないって
23 :
黒い日:2001/05/18(金) 12:14
なんだよッ! けっきょく俺はトオルネタ用かよッ!!! (c)三村
くーどろああたりに嬲り殺して貰えるのかしら、、(ハニャーン
…なーんて期待した俺があふぉでした。
24 :
黒い日:2001/05/18(金) 12:17
つーか。
現在のオタ板住人の大半は
トオルさんや俺なんぞ御存知ないでしょうに…
25 :
高見重春:2001/05/19(土) 05:44
今度は、その波紋は素早く伝わった。
息を呑む。掠れた悲鳴。誰かが、後ろの方で嘔吐していた。胃酸の臭いが、鼻を刺激する。
西園寺も、思わず口に手を当てる。
現実がどこかへ飛んでいった気分だ。
いや、違う。
これが現実だ。
目の前にあるトオルの死体。それが、紛れもない現実なのだ。
西園寺はアタマを回転させる。これまでに無い程のスピードで。
これは、現実だ。紛れもない現実で、そして今ひろゆきは俺達の目の前にトオルの死体を展示して、にやついている。
なんとしても、これから逃れなければならなかった。
どうすれば──そう、とにかく今は誰か───特に、キンバカやシュレ猫と相談することだ。しかし、この殺し合いのゲームとやらは、実際どういう風に進行するのか? その詳細も未だ分からない。ひろゆき達は武器を持っているヨウだが、たったの4人で一体どうやってこの大人数を管理するつもりなのか────
「…してやる」
ふいに、そんな呟きが西園寺の思考の中を過ぎった。
「殺してやるぞ、ちくしょう!」 黒い日だ。黒い日が、その怒りを露わにして叫んでいた。
「殺して肥溜めにぶちこんでやる!」
「えへえへ」 ひろゆきは、おもしろそうに笑っていた。「黒い日さんは、本気でそんなカキコしているんですかー? カキコは自己責任でしないとダメですよ。( ̄ー ̄)ニヤリ」
「ふざけるな! 絶対殺してやるぞ、憶えとけ!」
「…よせ、やめろ、黒い日」
西園寺が、そうとめが、その耳が言葉を捉えている気配は無い。
「あのですね、黒い日さん。あなたが今言っているのは、2ch削除監理委員に刃向かうという事なんですよ」
「殺してやる!」 黒い日は一歩も引かなかった。「よくも、よくも、トオルさんをッ!! 殺してやる!! 殺して」
軽い破裂音が何度か続いて、その後野言葉はごぼごぼという音に取って代わられた。
黒い日のメガネが、薄ぼんやりして蛍光灯の光を反射して、飛んでいた。
前に立ち並んでいた削除人達。軍服を着たコーラス隊が奏でた曲は、右手に握られた拳銃の先から黒い日に死というプレゼントをもたらした。
たたらを踏むように、一歩、或いは半歩。
後ずさってから、ゆっくりと後ろに倒れ込んだ。
黒い日の顔も又、丁度トオルと同じ様に半分になっていた。
「あぼ〜んですよ。( ̄ー ̄)ニヤリ」
ひろゆきが、そう云ったのが聞こえた。
26 :
黒い日:2001/05/19(土) 10:30
大方の予想どおりさっくり逝きましたな。
27 :
高見重春:2001/06/06(水) 09:31
西園寺は固く拳を握りしめ、立ちつくしていた。
爪が、手の平に食い込む。
「ほらー。そこの…えぇと、西園寺く〜ん。座りなさ〜い…」
まるで遠くから響く木霊の様な、ひろゆきの声。
うつろで、あたかも死人の声のようだ。
死せる黒い日の喉の奥から、響いてくる黄泉の声。
拳を固く、固く握りしめる。
爪が食い込み、血が滲んだ。
血?
なま暖かいそのぬるりとした感触が、西園寺の脳髄に電流を走らせる。
わんわんと、反響するひろゆき(ひろゆき?)の声。
スローモーションの様に動く、3人の兵隊。構え。照準。
血?
握っていた。
西園寺は、右手に握っていた。
骨、を。
(こ…この骨は…バスに乗る前…あの奇妙な野球帽を被った少年が渡してくれたもの…。そう…決して手放さないでと…。これは何? 誰かの骨…? 腰骨か何かか…。何故こんなものを・・? 血…。自分の血…。黒い日の…。誰かの…。死……。)
鼻腔をついたのは、奇妙な臭い。
例えば、プラスチックが自然に溶けたときは、こんな科学的な臭いがするのだろうと思った。
体から、意志というモノが欠落していた。
右手1つ、指先一本ですら、ままならない程に疲労している。
疲労? いや、違う。何かが、西園寺の体にまとわりついていた。どろどろとした何かが。
いや、むしろ、その何かはまとわりつくというよりも、体の奥から…中から溢れ出ている…いや。
体全体が、ぶよぶよとした粘液の様なモノに変えられつつあるのだ。
まるで部屋全体が何かの胃袋であるかの様にッ!!
西園寺は恐怖した。
生ながらに溶かされる!! その想像に、恐怖した。
それでも、西園寺は指一本動かす事が出来ず、ただ机の上に突っ伏して、沈み込むのを待つしか無い。
そして音が動いた。
28 :
おたく、名無しさん?:2001/06/06(水) 09:37
1 名前:現役裸猿生(高3、E組38番)山下英法 投稿日:2001/06/05(火) 18:39
日本を変えたい奴は何か意見をあげろ。いまこそ我々が日本を変える
時だ。とにかくラサール生来い!名をあげろ。
急にレベル下がったね。>27
30 :
おたく、名無しさん?:2001/06/06(水) 11:39
そこそこ面白いと思うけどなあ…
それともコピペ?
31 :
ホワイト:2001/06/06(水) 12:56
俺も出せヤ!
ホワイトスネイクは出てるノニサ・・・・
あうーのセリフはねぇ、、今のところ
「あうー」
だけなんだよー、、ふふふー、、、
あははー、寂しいねぇ、、
33 :
にるは:2001/06/07(木) 08:47
初めてこのスレ読んだんだけどおもろいのー
ただ自分の知らない登場人物が多くて..ぐふ
最近来た者にはつらかとばってんね
続き読みたいのでがんばってーなー。
34 :
さつきの恋人:2001/06/22(金) 12:42
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ マンセーオタクマターリバン ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
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35 :
ツェねずみ:2001/06/22(金) 12:52
age嵐はウザイヨъ( ゚ー^)
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36 :
ツェねずみ:2001/06/22(金) 16:58
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規則的な音が聞こえる。
遠い記憶の中にある風景に近い匂い。
振動。
螺旋を描きながら、意志と記憶は永劫の彼方へと昇ってゆく。
ひらり、ひらり。舞い散る花びらの様に。
ガタン。
腰に鈍い痛み。
窮屈な姿勢で、薄汚い木造の貨物列車の中に居る。
人の息。すえた汗の匂い。湿気。蒸し風呂の様だと、改めて云うまでもない。
これから死線へと向かっているのだ。
そう改めて考える。
考えるが、さりとてその事に対して何等情感も感慨もわいてはこない。
板で囲われた豚小屋。その中で、ひしめき合い押し合い、そして死んだ鈍い光を反射するいくつもの目。
一体何度。この列車に揺られて死地へと向かったのだろう。
幾つの頃から、彼の地へと向かう巡礼を行ってきたのだろう。
定かでは無い。
ただ、分かっているのは。
このただれた欲望と死への憧憬に似た生臭い生き方を、自分は選んできた。
矛盾した欲望と挫折。
汗ばむ。
夏の強い日差しは直接その身体に振り注ぎはしない。
けれども、汗ばむ。
これは周りの熱なのか。
それとも。
自分の中から出てくる熱なのか。
重い背嚢を背負い、定まらぬ死線を虚空に泳がせ。
彼は待っていた。
この列車が、死地へと着くことを。
この列車が、自分を戦場へ運んでくれる事を。
戦線に異状は非ず。尚又我らは赴き、幾度と無い死を繰り返す。
湿気が多いのが、日本の夏の嫌なところだ。
チョコレートの匂いがする煙草の煙を右手で軽く払い、西園寺はゆっくりと上体を起こす。
汗ばんでいた。
真昼の日差しが、薄いカーテンの記事から漏れ込んでいる。
クーラーはガンガンに聞かせていた。
それでも、まるで身体の中心からじんわりと。何か熱の塊のようなモノが燻っている感じがした。
枕元にある水差しを取り、喉を癒す。
乱雑で狭っ苦しい部屋の中で、西園寺はぐるりと頭を動かす。
記憶にある。多分、そうだ。
ここは自分の部屋だ。
多分。恐らく。
部屋だが、いつ戻ってきたのか?
その記憶が、定かではない。
昨夜。その記憶を漁る。
断片的な風景が、情景が、イメージが、そして何か得体の知れない恐ろしさの様なモノが。
鈍い痛みが、頭の中を攪拌している。
(…呑んだ、な)
かろうじて、それが分かった。
(そうだ…昨日は、したたかに呑んだ…)
(彼女と別れて…一人で呑んだンだ…)
彼女、というのは、メル友の事だ。
インターネットのメールで知り合った。正直、好みだった。惚れた、と云って良い。
そして、振られた、と云っても良い。
ぼんやりとした意識の中で、彼女の言葉を反芻していた。
Reptile...Parasite...Mistletoe...
そんな断片的な単語が浮かんできた。
だがそれでどんな会話をしたのか?
そう考えると、西園寺は全く分からなくなってくる。
一体、俺は彼女と何を話したのだろうか?
そして……いや。
そもそも、彼女は一体何者だったのだろうか?
再び、西園寺は乱雑に散らかったテーブルの上から煙草の箱を取る。
軽く叩いて中身を取り出し、紙マッチで火を付けた。
紫煙が、淀んだ空気の中をゆっくりと昇っていく。
螺旋を描いて。
ぼんやりとした頭で、西園寺はその螺旋が描く先を見ていた。
立ち上り、ゆらゆらと絡まって昇っては、クーラーの風に吹かれて霧散してゆく。
夢を見ていた。
いや、夢を思い出していた。
どんな夢だったのか、西園寺は忘れていた。
夢であったのかすら、西園寺は忘れていた。
忘れては行けない何か、忘れるはずのない何かを、西園寺は失ってしまった可のような気がしていた。
憧憬と、郷愁。もしかしたら、その言葉が一番近いのかもしれない、不思議な感覚であり、感情であった。
昨日のこと。夜のこと。夢のこと。螺旋。言葉。煙。
昨日の夜は、多分又2chに繋いでいた。
別れて、家に帰って、いたたまれない気持ちのママ書き込みをしていたハズだった。
ふう、っと、大きく灰に煙を吸い込み、灰皿に押しつける。
それからパソコンデスクの前に座って、マシンを立ち上げる。
ブゥンというFDの機動音。
ブラウザわ立ち上げてネットに繋ぐと、ホームに設定してあるおたく板が早速開かれる。
スレッドを確認した。
昨夜の自分の書き込みを見るためだ。
案の定、酔ったまま愚痴を書いていた。
シュレやOB、名無し等がレスをつけていてくれている。
西園寺は眉根に皺を寄せる。正直、気恥ずかしい。
そのとき、ベルの音に似た機械音が耳に入る。
同時に立ち上げたメーラーが、メールを受信したのだ。
ちらりと、受け取ったメールのタイトルを確認した。
彼女から、との淡い期待を抱いたのもつかの間、しかしそれは彼の意識に冷水を浴びせるものだった。
差出人 2ch削除管理委員会
件名 削除指令
西園寺に、削除指令が来たのだ。
それはつまり、おたく板の誰かを削除しろという指令を意味していた。
2ちゃんねる。
今の時代、ネットワークに関わっていてその名前を知らないと言う人間はまず居ない。
匿名掲示板、と呼ばれるサイトの中でも、群を抜いて大きなサイトだ。
普通、このテの掲示板では、IPと呼ばれる接続しているポイントにより割り当てられるコードであったり、或いは会員登録制にしてIDを持たせたり。
兎に角、何かしらの方法で個人が個人としての責任の所在を明白にするシステムをもって成り立たせられていたモノだ。
それを、否定したのが匿名掲示板の存在だ。
何せ、何を書き込んでも自分という存在が割り出されることは無い。勿論、そういうつもりで慎重に書き込めば、ではあるが。
少なくとも、書き込みの無いよう以外から、個人を予測することは出来なかったわけだ。
勿論、内容は多岐に渡る。他愛のない雑談も少なくはない。たいていは、そうだと云って良い。
匿名掲示板の理を用いた書き込みなど、そうは無い。単に顔を隠せる安心感から、詰まらないプライドわ満足させるための虚言、罵倒、一人芝居。下らないものだ。
ちょっとした非合法品のやりとりや、売春紛いの行為に使われることもある。昔のテレクラのネット版だ。
それから、告発系。これが、ある意味では最も匿名掲示板らしいと言える。
或いは企業内部の人間が。或いは、敵対している企業や団体が。ある特定企業や団体の“告発”をする。
そして、ここで問題が起こる。
タテマエとして、2ちゃんねるではあらゆる書き込みは自己責任であり、サイトではその関は一切負わない。
匿名掲示板であるからサイト運営者側にも書き込み主の特定は出来ず、それを外部に漏らすことはない。
それが、売りの一つでもある。
が。
当然、面倒事も起こる。
サイト運営者…いや、敢えて言うならば、西村ひろゆき。彼にとって余り望ましくないトラブル。それも、勿論起こる。
そういった場合…、板の “削除人”に “削除指令” が来る。
望ましくないトラブルを持ち込んだ誰かを、人知れず削除せよ、と。
西園寺は、おたく板の “削除人” であった。
今までに2回、“削除” をしている。
一人目は、ある個人の暴露情報を書き込み続けていた者だ。
それが、ただの個人叩きなら問題は無かった。
だが、相手が悪かった。
込み入った事情は、削除人には知らされない。ただ、噂程度に色々な組織との繋がりがあった事が耳に入る。
西園寺はなるべく銃は使わない。銃は、後に残る。そして、不自然だ。
直接、その手に掛ける。確実だからだ。
その男も、そうした。右手に、感触が残っている。そんな錯覚を、ときおり感じる。錯覚。そう、錯覚だ。
二人目は…。おたく板の固定ハンだった。
匿名掲示板で、名前を名乗る。西園寺もそうだ。勿論、自分が“削除人”であることは秘密だった。それわ漏らしたら、西園寺も“削除”されてしまう。
オフ会で、近付いた。笑っていた。笑っている顔が、目に残っている。板でも何度か、やりとりはしていた。連れ去った。その場から。オフ会の解散の時間に合わせて。
それきり、誰もその消息は知らない。
西園寺以外は。
いや……。西園寺ですら、最後までは知らない。
西園寺は、上級削除人のところへと連れていっただけだった。
その後のことは、誰も知らない。そして、誰も語らない。
むんと、むせ返る熱気が肺を満たした。
夏の昼間だ。特にこんな場所では、ビルの冷房が吐き出す熱だけでも熱射病に成りかねない。
狭く、ごちゃごちゃと入り組んだこのホームのそこかしこから、“同じ匂い”がしてくる。
そう、匂いだ。
それは物理的に臭気が漂っているとか、そういう単純な意味ではない。
(そして勿論、臭気が漂っていない、という意味でもない。念のため)
感覚的な、匂い、だ。
俺と同じ系統の人間の、匂い。
或いは、かつては俺が属していた者達の匂い。
サラリーマンが居た。仕事で使う最新型のモバイルを探しに来たのだろうか。
いかにも子どもが可愛い盛りだという中年に入りかけた男。買いに来たのはゲームか何かか。
女も居る。一昔前なら、あまりに異質。そう言われていた。
色々な人間が出入りする。出入りするようになった。
自分も、その一人ではある。
違っている。
そう。昔とは違っている。
そして何よりも個々に馴染み、何よりも異質な存在なのが。
自分たちなのだ。
西園寺は無造作に、ボギーパンツのポケットから煙草を取り出す。
くわえて火を付け、きついチョコレートの匂いを肺に強く吸い込んだ。
それからもう一息。ゆっくりと、徐々に徐々に、身体の隅々にまで煙を染み渡せるように、吸い、吐き、そして吸った。
儀式だった。
その儀式を終え、吸い殻を棄てて踏みにじる。
魔都、秋葉原。電奇街。
そのむせ返るカオスのただ中に、西園寺はゆっくりと踏み分けていった。
ある男に、会うために。
路地裏だ。
秋葉原には、幾つかこういう場所がある。
大規模量販店の立ち並ぶ大通りを表とするなら、昔ながらの小さなパーツ屋、ジャンク屋の連なる通りが裏だと言える。
それらと微妙に離れて、中途半端な区画整備も出来ずにただガランと“何も無い”路地。
言うなれば、陰だ。
西園寺は意図して、そういう場所を選んで歩いた。
出来るだけ、人に姿を見られたくなかった。
髪をボサボサにして下ろし、視線を下向きにしていた。
すり切れたパンツは暫く洗っていない。
大きなバックパックが、西園寺のシルエットをまるでカブトムシの様に見せている。
嗤った。
その、自分の有様が、西園寺には滑稽だった。
何年も、自分自身の“オタク”としてのスタイルにコンプレックスを持ち、なんとか“そうでない自分”を作り上げようと躍起になっていた事を思い出す。
青く、未熟だった自分。
そして、二度と戻れない。
フェイクとして、今自分はそこにいる。
かつていた純粋なオタクとしての自分。その、フェイク。
嗤いわ口元に浮かべながら、路地裏の陰をひたりひたりと歩いていく。
夏の日差しも、あまり差し込まない場所を。
西園寺は一人歩いていく。
「やあ」
不意に、そう声をかけられた。
「えーと…誰だっけな、君は…」
とぼけた声がした。
路地の、さらに奥だった。
深淵を覗いたかのように暗い。
そこに、人が居る。
西園寺は息を吐いた。
吐いて、思いがけず身震いをしていた。
自分の中から、驚くほどの熱量が吐き出されている。そんな錯覚をした。
気を取り直して、西園寺は路地の奥へと一歩足を踏み入れる。
そして、その人物へと語りかけた。
「…冗談は置いておいてくださいよ。結城さん」
男の顔が、徐々に視界に入る。
テンガロンハットをかぶった、小太りの男がそこにはいた。
嗤っている。
嗤っているが、それは西園寺のものとは何かが違っている様な気がした。
気がしたが、何の根拠もなく、そして恐らくは。
間違った直感だった。
この結城丈治という男事を、西園寺はあまり知らない。
いや、全く知らないと言っても良いだろう。
板の上で、極偶に書き込みを見かける。絡む事もない。
そして勿論、会ったことも無かった。
初めて会った。今日、だ。
だというのに、西園寺は不思議と違和感を感じなかった。
匂い、と言い換えても良い。
それが、分かった。
分かった、というのももしかしたら錯覚かもしれないと思う。
だがそれでも、西園寺は何か同じものを、共通する何かを、結城丈治に感じていた。
いくつもの裸体が並んでいた。
等身大のものもあれば、小さなものもあった。
結城の本職は造形屋だと聞いた。
それは板の書き込みでも何度か見かけた事がある。
フィギュアや、或いはそれに類する小物。それと、ボンデージ系のアクセサリーやダッチワイフ等。
結城のジャンルは多岐に渡っていた。
それらが、西園寺の目には雑然と並んでいる様に見えた。
工房だった。
魔都、秋葉原の路地裏に、ひっそりとこんな工房を構えている。
西園寺はここに呼び出された。
結城に、だった。
自分から誰かを呼び出す等、結城には珍しいし事だ。
オフにも良く出る方ではない。
聞くところによれば、神出鬼没なところもあるとは聞いている。
それも、伝え聞くだけだ。
狭い工房の中に、まるで紛れ込んだ様に所在なく突っ立っている西園寺を後目に、結城はジュラルミンケースを取り出してテーブルらしき場所に置く。
西園寺が、必要としているものだ。
「一応、一通り揃えてあるよ」
こちらを見もせずに、そう言った。
結城の本職は造形屋だと聞いている。
だが2ちゃんねるでの仕事は、削除人への卸屋でもある。
武器類の、だった。
44 :
おたく、名無しさん?:
あげりますよ。