かつての、そして未来の王よ!

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12虚構世界内存在 ◆vWilh8Qklc
# 主題歌に「記憶を疑う前に記憶に疑われている」という一節があるが、これはいったいどういうことであろうか。(「私」と記憶を分離するという斬新な考え方をは読み取ることはできる。)

# 汎用性のある疑問として、虚構作品の世界が虚構世界である――少なくともこの世界を基準にするならばそうなる――ことから虚構作品の世界を一種の可能世界と考えてよいと思うが、
可能世界のなかには(この世界における)正真正銘の矛盾すらも成立する世界が(実在するかどうかはともかくとして)存在するのであろうかというものを挙げることができる。
成立するならば、「この作品で描写されているこの理論は誤っている〔成り立たない〕」という種類の考えはすべて、完全に打破されることになる。(成立しない場合であっても、この世界における無意味な言明や事態は可能であるため、ほとんどは無効になると思われる。)
要するに、この世界、特にこの世界の常識などというものを基準にして虚構作品の世界を読み解こうとしても、それは無理であるということである。逆説的に言えば、その虚構作品で描かれる可能世界においてこの世界の理論や常識が通用するならば、
この世界における学術から見たときに魔術的であると思われるような理論が成立していることを前提とすることはできない、
したがって超科学的な仕掛けを施している虚構作品については何も語り得ないということになる。(パトナム「なぜ出来合いの世界は存在しないのか」(『実在論と理性』所収)を参照のこと。)
ただし、矛盾、たとえばこの世界と同一の数学理論が成立しているにもかかわらず、「1+1」の答えが「2かつ2でない」といった矛盾が可能世界において成立するか否かによってはこの限りではないかもしれない。