静寂が支配する部屋の中、ベッドに横たわり思考の海を泳ぐ。
心像に映る錆付いた六弦、色の無い日常、そして夕闇の中駆けてゆく少女…。
竜之介「………。」
ぼんやりと目を開け、蛍光灯の光に手を伸ばす。
そこにはまるで作り物のような手が、何かを掴もうとする形で存在していた。
ゆっくりと、確かめるように拳を握る。
痺れるような感覚が、まだ生きていることを思い出させる。
竜之介「(まだ………生きている………。)」
ふと、「生きる」という単語が頭の中に浮かぶ。
そこではたと気付いた。
「生きる」という単語は動詞なのだ。
竜之介「(生きる……か…。)」
思えば上京して以来、生活と言う言葉の前に流されるように生きてきた。
確かな意思も無く、只々日々を消化する日常。
竜之介「(まだ…生きている。)」
心の中ではっきりと呟く。
気付くと焦燥に駆られるように、錆付いた六弦を手にしていた。
数日後。
いつものように仕事を終え、帰路につく竜之介。
見なれた古アパートの錆付いた階段の上には、不釣合いな原色の赤。
ともえ「あ、おかえりお兄ちゃん♪」
竜之介「…おう。」
ゆっくりと階段を上る竜之介。
ともえ「えへへ、ちょっと早く来過ぎちゃったかな…。」
竜之介「ん、あぁ、別にかまわんが。」
ともえ「…あれ、お兄ちゃん怒ると思ったのに?」
竜之介「ん、まぁそんな日もある。」
ともえ「…?変なお兄ちゃん♪」
錆付いた鉄製のドアを開け部屋に入る二人。
ニコル「にゃ〜♪」
ともえ「久しぶりだね♪元気にしてた?」
ニコル「にゃ〜♪」
ともえ「えへへ♪」
ソファーに腰を降ろし煙草に火を付ける竜之介。
ゆっくりと煙を吐き出す。
竜之介「………それでお前。」
ともえ「ん?」
竜之介「その後、どうなんだ?」
ともえ「あ、えっと、お母さんのことだよね?」
竜之介「あぁ。」
ともえ「うん…なんとかうまくやってる…かな?」
竜之介「そうか。」
ともえ「うん。心配かけてごめんね。」
竜之介「まぁ気にすんな。」
ともえ「えへへ…。」
竜之介の心配を余所にニコルと戯れるともえ。
竜之介「(ったく、気苦労かけやがって…。)」
ふと、動きを止めるともえ。
ともえ「あのね。」
竜之介「あ?」
ともえ「……お父さんがね……「お前がどうしてもって言うなら、お母さんと別れてもいいんだぞ」って言ってくれたの…。」
竜之介「…。」
ともえ「もえ、お父さんのこと大好きだし、お父さんにも幸せになってもらいたい。」
竜之介「あぁ。」
ともえ「だからそんなわがまま言っちゃいけないって思ったんだ。」
竜之介「…あぁ、そうだな。」
ともえ「まだお母さんとはうまくいってないけど……でも、頑張ってみる。」
竜之介「あぁ。」
狭い部屋の中を静寂が流れる。
竜之介「…まぁ、なんだ。」
ともえ「ん?」
竜之介「またなんかあったら俺んとこ来ていいからさ。」
ともえ「うんっ。」
竜之介「…なんだ、まぁそういうことだっ。」
ともえ「えへへ♪」
再びニコルとじゃれ合うともえ。
そんな二人を見て微笑ましく思ってしまう自分に気付く。
竜之介「(…ったく。)」
思い出したように煙草を消し、ギターを手に取る竜之介。
ともえ「あれ?」
竜之介「なんだよ。」
ともえ「お兄ちゃんがギター持ってるとこ初めて見たよ。」
竜之介「そうか?まぁそんな日もある。」
ともえ「えへへ、やっぱり今日のお兄ちゃんは何か変だよ♪ねーニコル?」
ニコル「にゃ〜♪」
じゃれ合う二人を余所にギターをつま弾き始める竜之介。
ともえ「…。」
今まで興味が猫に向いていた少女の目が竜之介のギターの音色に向かう。
しばらく顔を見せず、心配をしてくださった方がいたら申し訳無い(;´Д`)
※2ヶ月半も更新しなかった良い訳※
1:ネタが切れた
2:鬱だった
3:仕事が忙しかった
4:女の子にふられた
5:無職になった
さてどれどしょう?
全部だ!ヽ(゚∀゚)ノアヒャホエ
('A`)
無職で暇なんで今晩あたりに続き書きます。
240 :
裏ふも:2005/04/12(火) 22:31:20
おかえりー作者さん。
>>239の中、大変な時期なのによく書いくれました。
焦らないでマターリ行きましょ。続き待ってます。
241 :
おたく、名無しさん?:2005/04/16(土) 01:24:15
一から読ませていただきました。とてもいいです。
読んでて心にほんのり灯る感じがとても心地いいです。
小説や文字だけの論文が嫌いな私ですが、こういったものなら
違和感なく読めます。題名や初文で自然に読む気が湧いてきました。
続きをとても期待しています。完成したのちに本になってくれることを
願っています。
メル欄に「sage」と書いてくれ。
待ってた!! アンタを待ってた!!
よし、各地に散らばった同士を呼び戻す時が来た!!
あれ、作者さんまたどっか行ってもーたん・・?
244 :
裏ふも:2005/04/26(火) 01:25:39
まぁ気長に待つべし
言われんでも待つけどさ
しかし作者たんも大変だな
作者は幼女の放尿にしか興味のない変質者
『妹に言われたいセリフ』でググったらここに来てしまったw
いつの間にか作者さん帰ってきてる(゚∀゚)
作者さんGJ!!
リアルの方もがんがれ!!
二日に一回くらいで。
保守
という訳で、哺乳。
頑張って作者さん(笑)
補給。
252 :
おたく、名無しさん?:2005/05/04(水) 21:29:26
どこにでも行けよ
おめぇがな
⊂⌒ヽ (⌒⊃
\ \ /⌒ヽ / /
⊂二二二( ^ω^)ニニ二⊃
\ \_∩_/ /
( (::)(::) )
ヽ_,○、_ノ ブーン
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アムロ逝っきまーす
捕手
投手
遊撃手
母乳
人口乳
牛乳
山羊乳
豆乳
練乳
貧乳
醤油
さて、保守
ナンプラー
268 :
裏ふも:2005/05/28(土) 01:45:49
いつまで続くんだ。マヨネーズ
危ない保守
270 :
おたく、名無しさん?:2005/06/01(水) 17:08:17
ホシュ
補填
補足
補充
補講
275 :
裏ふも:2005/06/19(日) 13:10:16
補輪
補習
277 :
裏ふも:2005/07/02(土) 03:05:14
補完
278 :
裏ふも:2005/07/08(金) 02:21:28
補水
VIP吹っ飛んだから保守
280 :
裏ふも:2005/08/06(土) 01:51:28
何故VIPから?
保守
喪主
てすと
284 :
おたく、名無しさん?: