37 :
名無しさん@いい湯だな:
「お先に…」「ともみちゃん、明日はお休みだったわよね?おつかれさま」
席を立つ彼女に、ベテランであろう一番年嵩の仲居仲間が彼女に話し掛けていた。彼女はともみというのか…
夕食代わりの特別美味いともいえないラーメンを食べ終えた私の脇を、彼女は店の外へ出ていった。
刹那、私を誘うかのように彼女の官能的な残り香が私の鼻腔をくすぐった…
私は財布を取り出すのももどかしく小銭を掴み出した。財布にはさきほど宴会にきたコンパニオンの名刺が入っていた。
帰ってから改めて誘い出そうと、夕食にも手をろくに付けず、時間延長をしてなんとか聞き出した携帯の番号も書いてある。
ここのラーメンと同じ特別美味そうともいえないコンパニオンだったのではあるが…
その角の丸いピンク色の名刺が、ともみと出会ったいまでは色褪せて見えた。
「おやじさん、カネここ置くよ」支払いもそこそこに私は彼女の残り香のあとを追った…