由布院温泉調査 2軒「掘削許可なし」 県、埋め戻しを指導へ
大分合同新聞 - 2004年10月8日
http://www.oita-press.co.jp/read/read.cgi?2004=10=09=534287=chokan 温泉法に基づき由布院温泉の旅館・ホテルを立ち入り調査した県は八日、
掘削許可を受けずに泉源を利用していた旅館が二軒あったと発表した。
県は近く文書で厳重に注意し、泉源の埋め戻しを指導する。
調査は由布院温泉にある旅館・ホテル計百二十軒のうち、
温泉法で定められた公共利用許可を受けていない四十四軒を対象として、
九月下旬に実施した。
県によると、掘削許可を受けていなかった一軒は、
一九九四年に深さ三十メートルの井戸を掘った。
当初の水温は二一度だったが、徐々に上昇し、四一度の温泉になったという。
もう一軒は二〇〇一年に温泉旅館を購入し、経営を始めた。
「売買契約書に『温泉源泉権を含む』とあったので、
掘削許可を取得していると思っていた」という。
県は、前経営者に経緯を確認した上で、泉源の埋め戻しを指導する。
二軒はいずれも、新たに温泉を掘削できない「保護地域」にあるため、
引き湯などによる温泉の確保を検討しているという。
温泉の公共利用許可については三十五軒が取得していなかった。
まだ許可申請の準備をしていない十八軒に対し、県は近く文書で厳重に注意し、
許可申請と始末書の提出を求める。
県は九重町筋湯温泉の立ち入り調査(十月四日)も実施。
三十四施設のうち、四施設が公共利用許可の内容に変更があることが分かり、
許可の取り直しを指導した。
県観光・地域振興局は「温泉法の手続きが周知徹底していなかった」と話している。