>>823 読んだよ。坂井さんに関する言及は、p.12 の真ん中より下。
著作権の問題もあるから長々とは引用はできないが、矢崎良一氏の
抑制された文章が心を打つ。
決勝トーナメントの最初のアメリカ戦に誰が投げるかは事前には
決まっていなかったようだ。しかし、最初の対米戦に上野が指名された
時点で坂井は、自分の出番はないと感じた。上野の消耗を防ぐために
自分には連投の過負担を課してきた首脳部。しかし、それだけ頑張っても
自分には決勝トーナメントという晴れの場面には出番がない。
けがで欠場していた内藤は、坂井の割り切れない苦悩を察知した。そして
坂井にメールを送った。
>坂井さんはチームに貢献してきた。坂井さんがいなかったら金メダル
>なんて取れなかった。それはみんなわかっているから。
けがで欠場していた内藤に関するお涙ちょうだいのいい加減な記事かと
いう先入観で読み始めたが、そうではなかった。栄光の影で選手たちの
内面の苦悩をえぐった優れたレポートだった。
この記事一本で、出場できなかった内藤恵美しいう選手の人間性の深みを
知った。坂井さんのファンも増えるだろう。
雑誌一冊は¥980と、ちょっと高いが、是非一読をお薦めする。