【永遠の】静香様に冷たく罵られたい263【フレン奴】
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話の前半をかいつまめばこう言う事です
美しい姫君に憧れている貧乏な奴隷春という若者がおりました
寝る場所も困っている奴隷春に不思議な老人が声をかけます
老人が指示したとおりに土を掘ると黄金が沢山埋まっておりました
それから3年間楽しく浮かれ暮らしましたが金の底がつくと友人の一人さえいなくなりました
「もう金持ちなんてものはどうでもいい、憧れの姫君にもお会いできないし
いっそ仙人になりたい、そうすれば姫君にお会いできるだろうに・・・」
奴隷春はそうつぶやきます
そこにまたあの老人が現われます
「お前は仙人になりたいというのか、ではかなえてあげよう」
「しかし、この先なにが起っても一言も声を上げてはならぬ、では出発ぢゃ!」
青竹に跨って老人(仙人)と奴隷春は出発しました
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奴隷春は地下の薄暗い闇の中で独りです
そこに恐ろしい形相の全裸の大男があらわれました
手にはいろいろな種類の鞭が握られています
まずは濡らした革の鞭で打たれました
(あああああ、気持ちがいい、でも声をだしてはいけない!)
奴隷春は恍惚を表情にも現さずじっと我慢しました
次々に鞭を試されましたが仙人になるためには我慢我慢
その後は三角木馬、鉄の処女、水車、引き裂き
奴隷春は心の中のMを抑えてとうとう一言も発しませんでした
「先ずは合格、次はこれぢゃ!」大きな声が轟きました
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痩せ馬が二頭駆り出されてきました
みすぼらしい痩せ馬の顔はなんと、亡くなった父母の顔になっています
「さあ!この畜生を鞭で引き裂いてやれ!」
鬼達が現われて四方八方から二頭の馬に鞭を入れました
肉と血が飛び骨まであらわになり目から赤い涙が流れます
二頭は打たれながらこういいました
「心配をおしでない、お前が幸せになるのなら私達はどうなってもいい、黙っていなさい」
「ああ!おとうさん!おかあさん!」
奴隷春は我慢しきれず大声を上げながら父母にすがりつきました
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ふと気がつくと奴隷春は元の路地に立っていました、仙人も一緒です
「いくら仙人になっても、鞭を受ける父母を見て黙っていることはできません」
「もし、もしお前が黙ったままだったらその場でお前を殺していただろう
お前はもう仙人にはなりたくないだろう、何になりたいのか?」
奴隷春は晴れやかな顔で言います
「何も望みません、姫君の心の奴隷らしい正直な暮らしをするつもりです」
「その言葉を忘れないように
今思い出したが、私は泰山の南の麓に一軒の家を持っている
その家を畑ごとお前にやるから、早速行って住まうが好い
今頃は丁度家のまわりに、桃の花が一面に咲いているだろう」
はっと気がつくと仙人は美しい姫君になっておりました
姫君は長い黒髪をなびかせながらお尻フリフリステップで霞のように消えていきました
奴隷春は桃畑の中の小さい家で一生暮らしました
しかし二度と姫君に逢うことは叶いませんでした、おしまい
(桃の花の一軒家は『杜子春』そのままなんですよw)