【トットリで】静香様に冷たく罵られたい130【ウットリ】
チェス対決@
毎年夏休み。僕の楽しみは田舎のおばあちゃん家でいとこのおねえちゃんに会えること。
背がスラっと高く、綺麗なおねえちゃんに僕は秘かに恋心を抱いてた。
そんなおねえちゃんとの思い出はチェス対決。
おばあちゃん家の客間にインテリアとして飾られていたチェス盤に興味を持った僕達は
チェスが趣味だったというおじいちゃんにルールを教えてもらい、いつしかそれで対戦
するようになっていた。
「勝ったらアイスね!」アイスクリームが大好物のおねえちゃんは自分の勝利を確信して
いるかのような自信満々の笑顔を僕に向ける。
「姫ご乱心〜〜〜!」おねえちゃんはフフフと笑いながら序盤からQueenの駒を動かしまくる。
そんな大胆な戦法にいつも翻弄され僕は毎回おねえちゃんに雪見大福をご馳走するはめになっていた。
「Y君ってほんっとに弱いよね」雪見大福を頬張りながらおねえさんが満足げに僕に視線を向ける。
「またさ、来年も対決しようよ。で、Y君が勝ったらご褒美あげる。」とおねえさんが悪戯っぽく笑った。
ご、ご褒美?!家に帰ってから僕がチェスの特訓をしたのは言うまでもない。