【COI】静香様に冷たく罵られたい126【最終章】

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160クーベルタン男爵さん
提灯を持って子供たちがワイワイと騒いでいる。
今夜は町内子ども会の肝試し。
こういうの少し飽きてきてるけど、参加しなきゃ弱虫って言われるし・・憂鬱だ。
途中大人たちがお化けに変装して僕たちを脅かす。
他の子達はキャーキャーと怖がっているみたいだけど、僕はむしろほっとする。
誰もいない静かな夜道の方が、よっぽど気味が悪い。
とうとう僕の順番がやってきた。
年少の男の子とペアになって、僕は歩き出す。男の子は僕の手のひらをギュッと握って離さない。
途中何度か大人たちのお化けが出てきて僕たちを驚かす。男の子はその度ワーワー叫んで僕にしがみついてきた。
「だいじょうぶだよ。ほら、お兄さんが一緒なんだから。」少し得意げに、僕は男の子を慰めた。

もう少しで目的地というところで、後ろから「がさっ」っと音がして、僕は振向いた。
「ひいいいいいいっ!」
白い、丈の短い着物に、ピンクの大きな帯をした女の人がそこにいた。
まるで貞子のように、顔にかかった長い髪のあいだから見開いた目が見える。
はぁはぁと荒い呼吸をしながら、じいっと僕を見つめている。
女の人は僕に近寄ってきた。
「ここで・・いいの・・」
地面にへたり込んだ僕の前で。女の人はしゃがみこんで、髪をかき上げた。
「お、お姉さん・・」
「ちょっと・・遅刻しちゃった。お化けはここにいればいいのね。」
ほーっと大きなため息をしてる僕の前でお姉さんがポーズをとって言った。
「どう、雪女なんだけど。あ、そろそろ次の子がくるわね。」
そそくさと物陰に隠れるお姉さん。提灯の微かな明かりに照らされた横顔は微笑んでいるように見えた。

僕は立ち上がり、失禁して白目を剥いている男の子を背負うと歩き出した。
それからしばらくの間、蚊に刺された痕がほんのりピンクに腫れているお姉さんの白い脚が頭の中から消えなかった。