【透明紐】静香様に冷たく罵られたい117【チラリズム】

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367クーベルタン男爵さん
「この衣装に合わせた真紅の薔薇が欲しいわ」と静香様がつぶやいた。
「でもここの庭にあるのは白い薔薇ばかり。ああ、明日には間に合わない。」
つぶやき去っていく静香様の背中をじっと見詰める奴隷。
「そうだ、静香様のために世界一美しい赤い薔薇を作らなくちゃ!」
周りの木々や草花や月や風も笑ったけど奴隷は真剣でした。
白い薔薇の刺に心臓を一突きしたのです。
痛い、痛い、静香様!静香様!

・・・日が昇りました。美しい赤い薔薇一輪が咲きました。
朝の散歩に静香様がおいでになりました。
「あら、なんて美しい赤い薔薇!・・・でももう違う衣装にしたから必要ないわ!」
「それになんかムッチャ臭い・・・」
一瞥しただけで通り過ぎていかれました。
美しい赤い薔薇の下には奴隷の亡骸が小さく干からびていました。