【凍て付く】静香様に冷たく罵られたい11【微笑み】

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568官能文芸班
ある日の夜、非通知着信で、僕の携帯電話に電話がかかってきた。
その相手は、荒川静香だった。
僕は高校時代、常に彼女を見つめていた。
僕は彼女に尊敬の眼差しともに、恋愛感情を抱いていた。
それをずっと心の中に秘めてきた。
かつて誰からも一目置かれるような学園の高嶺の花だった彼女に、
3年間会話することはおろか、気づいてもらうことすら出来なかった。
金メダルを取り、国民全ての女王へと君臨した彼女、
僕のことなんか、記憶の隅にも存在しなく、
とっくに忘れてしまったんだろうな・・・忘れるというか、知ってくれてもいないよな・・。
ああ、そんなこともあったな・・。
と思っていた矢先のことだった。

「あなたね?いつも私が練習している姿を、見ていたわね・・・。覚えてるわよ。」

まさか当時、僕は彼女に存在を知られていたとは思いもしなかった。

「でも・・・その・・、どうして僕に電話・・・・」
569官能文芸班:2006/03/20(月) 19:43:00



「覚えてないのね?
高校時代、私のロッカーに抱えきれないほどの青いスイトピーと白いバラの花束を置いたの、あなたでしょ?
花束には、”dear 静香様”なんて添えてあって、そこに電話番号があったのよ。
引き出しからメッセージカードが出てきて、
あの時の記憶が蘇り、気味悪くて仕方がなかったものだから、電話してみたの。」

「僕です・・・も、もうしわけございませんでした・・・・!」
僕はやり場のない気持ちの至りを思い出し、赤面した。



「んふ・やっぱりあなたね。・・・そういうの、好きなんだと思ったわ。」

「・・・・」
僕の脳内は彼女の鋭角な声で侵されていくような感じがした。

「ねえ、それより・・・私のこと、話して。」

(続く)