【凍て付く】静香様に冷たく罵られたい11【微笑み】

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362クーベルタン男爵さん
今日は静香様の練習日……だったが、おれは風邪を引いて家で寝ていた。
ベッドの中で熱にうなされていると、突然玄関のドアが開いて、静香様と木戸先輩が姿を現した。
「あれ、静香様? 鍵は……」
「こんなこともあろうかと、こっそり合い鍵を作らせておいたのよ」
静香様は平然と言うが、犯罪スレスレだ。
だが警察に届け出ても、おれの方が留置場でない隔離施設に入れられてしまいそうで怖い。
「かわいそうに。熱があるのね」
静香様がおれの首筋に手を当てた。
その手はひんやり冷たくて、触れられただけで少し体が楽になったような気がした。
「でも私への奉仕を怠った罰は与えるわよ。木戸、例のものを」
静香様が言うと、木戸先輩は長さ1mほどの棒を静香様に手渡した。
スグリ球に対抗して発注したシズカ棒である。
「怠け癖が付かないようしっかり調教しなくてはね」
静香様は棒の先をぐりぐりとおれの頬に押し付ける。
「早く風邪を治しなさい。安藤が寂しがってたわよ」
「本当ですか?」
「嘘よ」
身を乗り出したおれの額を静香様は棒で叩いた。
「ところであなた食欲はあるの?」
「いえ、あまり……」
「ちゃんと食べなきゃ駄目よ。野菜スープを持ってきたから後で食べなさい。
ちょっと作り過ぎちゃったの」
確かに木戸先輩の足元にシチュー鍋が置いてある。
「(ベタベタなツンデレ展開ですが)ありがとうございます、静香様」
「まあ作ったのは木戸なんだけどね」
おれの食欲は消し飛んだ。
「それからアイスも持って来たのよ。これは正真正銘私の手作りよ。
稲垣香取ペアからレシピを聞き出して作ったの」
「ありがとうございます、静香様」