398 :
クーベルタン男爵さん:
リンクの上をすべるエリコタン。
僕はスケートうまくない。
でもエリコタンはやさしく教えてくれる。
二人っきりの貸し切りのスケート上、
エリコタンはオリンピックのユニフォームでゆっくり滑っている。
そう。ゴールした後の、髪をさらして、足を広げて余力で滑っている。
後ろからダッコ。
スベスベしたユニフォーム。
柔らかい胸。
どうしようもなく固くなった僕自身を
エリコタンはひざまずいて咥えてくれる。
室内は寒いのに
ここだけあったかい。
すぐにイッテしまった僕を
優しく飲み込んでくれたエリコタン。
ああっ。エリコタン。
僕だけのもの。