慶大“合格上位校”2012年は首都圏高校ばかり ★地方の高校は減少、特に福高★
慶應義塾大の今年の高校別合格者のランキングトップは開成。東大、早稲田に続いて慶應でも1位となった。
東京の人気3大学を制したことになる。2位には浅野が入った。
慶應は神奈川に日吉、矢上、湘南藤沢の3つのキャンパスがあり、地元ということもあって、浅野の強さが際だった。
3位は海城で、ベスト3はいずれも男子校だった。
さらに、ベスト10すべてが首都圏の高校だった。合格者全体をみても、1都3県からの合格者が69%を占める。
10年前は57%だったから、首都圏ローカル化が進んでいることがわかる。その分、地方の受験生が減っている。
地方の高校でもっとも合格者が多かったのは、10年前も今年も愛知の東海。
10年前は17位で69人合格だったが、今年は45位で49人合格にとどまり、20人減った。
西日本の公立高からの減少(10年前との比較)も目立つ。
富山の高岡が51人→17人、大阪の北野22人→9人、香川の高松39人→21人、★福岡の福岡が14人→1人などだ。
首都圏ローカル化が進んだ一番の理由は不況だ。東京の大学より地元の大学との考えが強いのだ。
これ以外にも理由がある。今年から法と薬学部で実施していた、センター試験利用入試を廃止したことだ。
私立大のセンター利用入試は、センターの成績だけで合否が決まり、わざわざ大学に受験に行く必要がない。
交通費や宿泊費の負担がないため、地方の受験生は受けやすい。それなのに、なぜやめたのか。
慶應大関係者がこう明かす。
「センター利用入試で合格した生徒の多くが、東大や一橋大に合格して逃げられ、入学してくるのは、
たまたまセンター試験が高得点だった生徒。入学後の伸びがあまり見られないことから、撤退を決めたと聞いています」
また、このほかにも「入試科目のこともあります」と話すのが、公立高の進路指導教諭。
「慶應の文系では入試科目に国語がなく、小論文などを課すため、高校3年間では、そこまで対策が追い付かない」
これは、すなわち国語が得意な生徒の多い女子高校は、受けにくいということになる。
表中、男子校が5校も出てくるのはそのせいなのだろう。