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実名攻撃大好きKITTY:
ロサンゼルスに特派員として赴任した頃、ホームパーティに誘われた。
日米のジャーナリスト、写真家や弁護士などが並んでいた。
こちらが新顔と見て、米国人スタッフが話しかけてきた。
しばらく話してると、彼は深刻そうな顔つきをして
「日本は昔、アジアの国々でたいそう悪いことをしたな」と言い出した。
「いや別に」と否定すると、彼はかなりびっくりする。
「いや、ひどいことをした。朝鮮を植民地にしたではないか」という。
「違うね。朝鮮は植民地じゃない。あれは併合だった。
米国がテキサスを併合したのと同じだ。それに日本の統治はうまくいった。
少なくともフィリピンを植民地支配した米国に何かいわれるほど非道なことはしていない。」
彼は真っ赤になって言い返す。
「米国はフィリピンを開化させた。いいことをした。
しかし日本は朝鮮で残酷なことしかしなかったではないか」
「米国はフィリピン人に独立させてやるからとスペインと戦わせた。
スペインが降伏するとフイリピンを米国の植民地にした。
怒ったフィリピン人が抵抗すると軍隊を出して彼らの虐殺を始めた。
米国スペイン戦争は1898年にはスペインが降伏しているが、戦争はなぜかその後4年も続き、
その4年間で米軍はレイテ、サマールの2つの島の島民を皆殺しにするなど
20万人のフィリピン人を殺したと上院の公聴会の記録に残っている。
朝鮮は違った。T・ルーズベルトが朝鮮はもはや国家の体をなしていないとはっきり発言して米公館を閉じ、
日本に任せている。日本は学校をつくり、電気を引き、工業を興して真の意味の、
つまりあなたのいう開化を行った。」
彼は「日本は朝鮮を植民地にしてひどいことをしたのは事実だ」と吼えて、「もうこの話はやめだ」という。
この男とはのちに再会した。彼はあのあと歴史を調べてこちらの言い分が正しいのを知ったと、
あっさり非を認めてきた。そしてこう付け足した。
「初対面の日本人に朝鮮の植民地の話をすると、みんな申し訳ないという。
そういう形で付き合いの主導権を取ってきた。反発されたのは今度が初めてだった」と。
日本人には有効な「決め言葉だったのに」と笑っていた。 (高山正之)