【来年こそは】 ★ 希 学 園 ★ 【日本一】

共生の精神

　僕は、はっきり言って中学受験では「大成功！」とは行きませんでした。でも、中学受験でもっと上位の学校に行った友達と今は一緒の大学です。鎌学は中堅校ですが、入学してからの頑張りで大学受験で逆転が出来る学校です。

僕の担当した生徒は、日能研で2組でした。公開模試の偏差値はいつも安定しなくて、家での勉強も、お母さんが手の空いた時だけ、という状況でした。本当に塾に通っているだけの状態だったのです。でも、逆にチャンスを感じました。
ほとんど全く日能研の復習、勉強していない状況だから、「やれば伸びる！」とも言えます。担当したのが6年生の夏休みだったので時間は少なかったのがちょっと心配でしたが・・。

　まず僕が手をつけたのは、週末のテスト（日能研ではカリキュラムテストと言います）を確実に直すことでした。

日能研の授業の内容を確定させるためにも重要なことです。特に鎌学の入試傾向は国語が比較的簡単なので、漢字や語句の問題は確実に書いて覚えさせることと、日能研のテスト直しをさせることで普段の生活を規定しました。

また、算数は「場合の数」と「規則性の問題」はよく出題されるので、重点的に指導しました。

ただ、鎌学の入試問題全体を通していえるのですが、難易度自体は決して高くないので、ミスをしないで確実に時間内で解けること、という意識を持たせました。

問題を解く時も必ず時間を決めて、「時間内でやれ！」ということを毎回毎回言ってたのが記憶に残ってます。

次に僕が苦労したのは、生徒の気持ちを作ることでした。

正直言って、日能研の６年生の夏休みの段階では、生徒も親も半分あきらめモードに入ってしまっていて、中々前向きな姿勢を作ることが出来なかったのです。

お母さんはそれでも何とか頑張ってくれたのですが、生徒を前向きにするためには色々なことをしました。

僕自身が鎌学出身でしたので、鎌学の良い点を言ったり、大学の話もしました。その中で、一番生徒に受けた話は、「頑張った時の話」です。

僕だけではないと思いますが、慶応に入るためには大学受験の時には本当に毎日5時間6時間の勉強をします。

でも、栄光や聖光の連中もそれは同じで、実際僕が今、彼らと同じ大学に通っている、ということが生徒にとっては新鮮だったようです。

生徒も、栄光や聖光に行けそうな友達にコンプレックスを感じていたようで、それを逆転できる、という話は本当に衝撃だったみたいです。

あと、余談ですが、サザンオールスターズの桑田さんが鎌学出身なので、サザンのCDを借してあげたりもしました。

　最終的に、時間が限られているので、日能研の今までの全ての単元を拾いなおすのは難しいので、過去問を多用しました。

横浜中学や逗子開成の問題を使用したり、テスト慣れをさせる意味でも過去問は重要です。

生徒自身も正解率７０％になった時はにんまりと笑って、「先生、俺いけるかもしんない」とかなりの自信をつけてくれました。

最後は気持ちのある子が勝ちます。勝てるイメージをつけられたとき、僕自身も「合格」を意識できました。

　結局、６年生の7月は日能研で４５だった偏差値が１２月には５０になり、過去問では正解率６０％まで持ってきました。

正直かなりぎりぎりの線でしたが、短い時間の割には生徒の頑張りもあり、予想通りの伸びを示してくれました。

おかげで、見事鎌倉学園に合格してくれました。生徒からは当日メールが届いたのですが、今でもそのメールは大切の保存しています。

　ぼくが教えるＭ君はＳＡＰＩＸ（サピックス）のＤクラス（アルファでない）に通う子でした。

Ｍ君のお母さんから「慶応に行かせたい」。

そのためにも、もし、SAPIX（サピックス）のクラスを上げることができないなら、「転塾とか、その他できることはないか？」と聞かれましたので、相談して以下のように対応しました。

僕自身は慶応には大学で入りましたが、中学受験は経験してますから、あとは志望校の特徴にあわせて対策を立てるだけでした。

　慶応普通部は問題自体は簡単な方（といってもそんなに簡単ではないですが・・・。笑）で、難問奇問の類ではないですので、こぼさず正確にやるという対策が肝心だと思いました。

ＳＡＰＩＸ（サピックス）は大変な進路実績を出す新興名門塾となりましたが、狙いとしてはどちらかというと御三家を目指す人向きで、問題が難しいものを解くタイプです。

　かといって日能研では特組（栄冠）でないと難関校はかなり厳しいですから、この場合、ＳＡＰＩＸ（サピックス）から日能研に安易に転塾するのもいいわけではないと本部と相談の結果、過去問対策に注力しました。

　それから国語だけでなく社会や理科の記述が配点も高く、また実際の記述はやっぱり書いて添削をしてあげるということが大切です。

それなりの対策を立てなければ難しいでしょう。ＳＡＰＩＸ（サピックス）で特に、アルファに上がるということを目指さなくても、記述に慣れることと正確なスピードを上げていく事を重点的にやれば大丈夫だと実感しました。

蛇足ですが・・・。噂のたぐいですが、例として「イジメ問題についてどう思うか？」とか自分の考えを述べる問題に上手く答えられると総合点が足りなくても合格できたという話もあります。
それくらい記述が大事だと思います。　とにかく傾向にあわせた勉強が必要です。がんばってください。

　大手の塾（日能研・SAPIX・四谷大塚など）に通っていると、どうしても塾内で取り残されてしまうことってありますよね。

実際、ほとんどの塾ではトップの生徒に一番良い先生がつきます。僕自身もSAPIX（サピックス）という超進学塾では下の方にいたので、辛さも良く分かります。

こういった生徒に対しては、塾を生かすために必要な勉強をしてあげれば効果が出るんです。

　大学1年生だった僕は、4月に入学してすぐに生徒を担当しました。生徒は5年生。
偏差値を出さない塾（啓進）だったので、具体的な数字は分かりませんが、僕の経験上、５０あるかないか位の実力でした。

こういう状況だから、毎日の勉強を細かく指示してあげて、勉強しない日を作らないようにしてあげて欲しいと言われていました。

塾のテキストの問題を全て解かせるのではなく、やる問題、やらなくて良い問題を指示して、本人自身に問題を解かせて欲しい、ということも言われました。

担当してみて、実際にその意味が良く分かりました。生徒が勉強していないんです。家での勉強は、塾から指定された宿題のみ。それも「終わらせればいいや」という典型的な「こなし勉強」でした。

　僕自身が通っていたSAPIX（サピックス）と比べると、明らかに勉強量が足りませんでした。

栄光や慶応を狙っているわけではない（生徒の志望校は逗子開成でした）とは言え、最低限、必要な量、というのはあります。

その最低限に足りていなかったのです。だから、スタッフに言われたように、毎日の勉強スケジュールを細かく指示して、今までとは違うぞ！っていう勉強をさせました。

塾での指導はかなりしっかりしたもののようだったので、あとはそれを生かすようにするだけです（とは言っても最初はちょっとてこずりましたけど）。

　最終的に、普段の勉強をちゃんと指示して、成績を上げるために必要なこと、というのを確実にこなすように指導した成果が出て、5年生の秋には、かなりの理解度に達していました。

そこで、塾には内緒で日能研の模擬試験を受けさせたのですが、かなりの好成績を取ってきました。

実際に塾でのポジションも高くなってきて、生徒のやる気も出てきました。

そこまでくればもうお役ごめんです。結局5年生の1月一杯までは指導をしたのですが、もう、僕の力を借りなくても十分塾に対応できるようになっていたので、それからは塾1本に絞ることになりました。

その1年後、生徒からは見事逗子開成に合格した、という電話が入りました。あれからは全く成績が落ちることもなく、ちゃんと塾に対応したそうです。

ある程度のポジションまでいければ、学習サイクルさえ出来てしまえば塾を利用できるようになります。そこまで持っていくのが大切なことだと思います。