>>200で紹介の「プリント狂」のほうだけ読んだ。基本的には、200さんの
印象と同様だが(特に最後の元公文教室経営者の文章のひどさには辟易した。
頭でっかちに堅い言葉をふりまわすばかりで、非論理的)、唯一、榊忠男さ
ん執筆のプリントの内容批判(水道方式の立場から、順序数による教え方を
問題視し、かつ、問題選択の一貫性を問う)の部分は、丹念かつ具体的で、
説得力があり参考になると思ったよ。
それから、監修の平井雷太氏は、私も間接的に知っているが、彼は極端から
極端に走る、かなり癖のある人物であり(ヤマギシズム→公文の英語教材作
成→水道方式→現在の自分の塾すくーるらくだ)、その文章も根拠不十分の
まま断定口調になることが多く、説得力に欠ける(考現学という駄文垂れ流
し会を主催している)。ただ、教材を作るセンスはあるようで、その塾のプ
リントは、かつて彼が心酔していた水道方式の型分けが生かされ、また自学
自習に適した形式となっており、なかなかに良い出来だ。とはいえ、癖のあ
る指導つきのため、一般にはおすすめできない。
私の感想だが、まず、公文プリント内容は、水道方式による批判をある程度
は受け入れて改善すべき点もあると思う。ただし、最終的に計算を身につけ
るという点では、順序数だろうと量の概念に基づくものだろうと、水道方式
推奨者たちがいうほどには目に見えた差は生じまい(多少、非効率あるいは
好ましくない点があろうと、反復練習の効果がそれを凌駕して補うのだろう)。
もっとも、教え方に最大限の効率性と合理性が期待される、学習障害児な
どには、公文より水道方式がいいだろう(実践例も多い)。また幼児に初め
て教える場合には、水道方式で導入を図るのが合理的だと思う。
公文の運営については、他者と比較した優位性という外発的動機を過度にあ
おる指導がなされている場合には要注意だが、そのような悪弊が目立たない
指導者の教室において、過去の自分からの進歩という内発的動機形成を主眼
に置くよう、家庭での働きかけ等によって心がけていれば、公文も効果的な
学習手段として生かされるに違いない。