日本の某所にある女子高校。
膨大な入学金とコネがなければ入学できないという、典型的なお嬢様学校だ。
そこに在学する女子生徒は全員がモデル級の美女揃い。
しかし金に物を言わせて好き放題生きてきた彼女達は、高飛車で、卑しい男を見下す傾向にあった。
そしてある男はこの学校のトイレ清掃夫の仕事をしている。
時給は650円と最低賃金ギリギリのボランティア同然で、中年のオヤジがトイレを掃除していた。
男に渡されるのはバケツ1杯の水と1枚の雑巾のみ。
男はかがみ込んで女子トイレの床を拭き掃除し始める。
便器は和が式と洋式の両方用意されているが、和式の周りの床は特に酷い。
女子生徒達の物凄い勢いのおしっこが飛び散ったり、
携帯を見ながら用を足すためにハミションが酷かったりして床は黒ずんでいる。
清掃夫は懸命に床の汚れが落ちるまで雑巾で擦り続ける。
床の掃除が終わったらいよいよ本番の便器掃除だ。
先に言ったが、彼にはバケツと雑巾以外のものは支給されていない。ゴム手袋も便器用ブラシもない。
清掃夫は暗い顔を浮かべながらも、素手を便器の中に突っ込み、雑巾で内側をゴシゴシと拭く。
便器の裏側の見えにくいところは茶色い尿石がびっしりと張り付いている。
清掃夫はそれを雑巾ではがしていく。もちろん手が臭くなるが、仕方ないことなのだ。
洋式便器の方には、女子生徒が残したウンスジがべっとりとついていることも少なくない。
何度か水を流し、そのウンスジがしつこくこびりついていることを確認すると、
諦めて手を突っ込み、ウンコを雑巾で拭き始める。
女子高生のウンコは若さからの重量感たっぷり。便器にウンスジが残るのも仕方ないことなのだ。
清掃夫がウンコと尿石で汚れた便器をようやく綺麗にしたとき、女子トイレに人が入ってきた。
「掃除中なの?ちょっとどいてくれる?」
授業時間中だったが、トイレを我慢できなくなった女子生徒が入ってきたらしい。
彼女も、モデル級の美人でグラビアアイドルのようなプロポーションの持ち主だったが、
高飛車で、清掃夫を同じ人間として見なしていないようだった。
彼女は清掃夫が掃除し終えた洋式トイレを選ぶと、彼を追い出し、個室のドアを閉めた。
その間に清掃夫は別の便器の掃除をする。別の便器も前と変わらず、汚く汚れていた。
女子生徒がスカートと下着を脱ぐスルスルという音が聞こえたかと思うと、
途端にシャーッというおしっこの音がトイレに響き渡る。
長い放尿が終わると、彼女はブーッ!と大きく放屁をした。音消しもせずに、である。
すぐ外にいる清掃夫は男としても見なされていないようであった。
さらに直後、女子生徒の入った個室からブリブリという音まで聞こえてきた。
どうやら彼女は授業中にウンコを我慢できなくなってトイレへと駆け込んだらしい。
ボチャン、ボチャンと水にウンコが落ちる音と、ミチミチブリブリという肛門の音が鳴り響く。
音を聞く限り、彼女は便秘でかなりの量を溜め込んで来たらしい。
すぐにトイレの中には肉系統を食べたあとのウンコの臭いで充満した。
しばらくすると、カラカラというトイレットペーパーの音のあと、ジャーッと水を流す音が聞こえる。
しかし、水の音はどうも勢いが足りない。
「なにこれ、流れないじゃない」
女子生徒のそんなつぶやきも聞こえ、清掃夫は小さく溜息をついた。
「まぁいいわ」
そう言って女子生徒が出てくる。さっきまで下品な音を立てて排便していたとは思えない澄ましようだ。
「ねぇちょっと、トイレがうまく流れないみたいだから、流しといてくれる?」
「……かしこまりました」
「まったく、なんで学校の水洗トイレってこうも貧弱なのかしら」
女子生徒はそんな文句を垂れながら、トイレを後にした。
清掃夫が女子生徒の去った洋式便器の蓋を開けると、そこには濁った水が溜まっていた。
彼は水に素手を突っ込み、浮かんでいる邪魔なトイレットペーパーを取り除く。
そこには黒っぽい茶色のウンコがモリモリと積み上げられていた。
トイレが詰まったのはトイレットペーパーを流しすぎたわけではないらしい。
単純にウンコの量が多すぎて、流れなくなってしまったようなのだ。
女子高生のウンコというのは、トイレ製造会社の想像を絶するほど巨大である。
それも、毎日高級な肉料理をたらふく食べているお嬢様学校の女子生徒ともなれば格段だ。
彼女達はあんなにも美しい顔をしながら、男では想像も出来ない量のウンコを簡単に捻り出す。
しばらく待ってみて、トイレの詰まりが解消するのを確認してから、
清掃夫は躊躇なく、素手を突っ込み、詰まったウンコを手でほぐしはじめた。慣れたものなのだ。
女子高生の堅いウンコをなんとか流れるようにほぐし、排水溝にぎっしりと詰まった塊を掻き出す。
そうしてレバーを押すと、お嬢様の大量激臭便もなんとか流れてくれた。
作業を終えた清掃夫の手はウンコで汚れている。彼はそれを便器の中の水でごしごしと洗う。
しかしその臭いはなかなか取れない。彼の手は宿命的に肉臭いウンコ臭が染みついていた。
なんとかそのトイレの掃除を終えると、清掃夫は茶色くよどんだ水の入ったバケツと、
雑巾を持ってトイレを出る。
男の仕事はこれで終わりではない。
この学校の4階建ての校舎には、各階に2ヶ所の女子トイレがある。
彼が掃除すべき女子トイレはあと7ヶ所も残っている。
しかも今掃除したのは一番ましな一年生のトイレ。
三年生ともなると、異性がいない空間で3年間も過ごしたお嬢様女子高生達は、
恥じらいというものがまったくなくなり、トイレをこれでもかというほど汚すようになる。
便器に大量のウンコが残っているのが、各トイレに3ヶ所ずつぐらいある。
それらの半数はさっきのようにウンコが重すぎて流れなくなってしまったもの、
もう半数は清掃夫を虐めるために女子生徒達がわざと流さずに残していったものである。
以前にはあきらかに一人分とは思えないほどのウンコが和式便器に山盛りになっていたこともあった。
きっと複数人の女子生徒がふざけてひとつの便器にウンコを残していったのだろう。
そのときは激臭を放つウンコの山を素手でかき分け、少しずつ流すという作業をしなければならなかった。
そんなものが今日はないように祈りながら、彼はまた別のトイレへと向かうのだった。