A.P. 238/10/1
今日はヒルダさんは私用で早退、メリッタちゃんはデートだそうで。
特に用事もない私は、1人で残業してアークスさんたちのデータをまとめました。
ごはんを食べてなかったので帰りにコンビニに寄ると、お弁当が1つ、賞味期限ギリギリで売れ残っていました。
パンでも良かったのだけど、なんとなくそれを買ってしまいました。
部屋に飾ってある虫の化石を眺めながら、いつものように1人黙々とお弁当を食べました。
モソモソパサパサとしてあまり美味しくはない、元々素材が悪いのかな。
だから誰も見向きしなくなって、売れ残って、賞味期限も…
違う、そんなの知らない。 これは私じゃない。
急に襲ってきた心のモヤモヤのせいで目の前が真っ暗になった。
気が付いた時にはいつのまにか泣いてしまっていて、ポタポタとお弁当に涙が落ちていた。
そんな状態になってもお腹は空いているのが恥ずかしい。
グスグスと鼻水をすすって嗚咽混じりになりながら、しょっぱくなったお弁当を焦るように口に運ぶ。
売れ残った賞味期限ギリギリのお弁当は、売れ残った賞味期限ギリギリの私のお腹を満たしてくれた。
明日もがんばります。
ブリギッタ(27)