546 :
1/5:2011/03/09(水) 03:36:13.58 ID:IMxk5PIj
ここはとあるガーディアンに割り当てられたマイルームの一室。
ベッドの上では部屋の主であるビーストの青年が大の字になって眠っている。
ビーストらしい大柄な身体には規定のベッドは小さすぎるのか、手足が片方はみ出ているが、慣れているのか気にしていないのか、
気持ちよく眠っているようだ。
そんな青年を、彼の相棒であるPM、GH-420が気難しげに見つめている。
「マスター、起きろ」
420が声をかけたが、起きる気配は全くない。
「マスター、起きろ!もう10時だぞ!」
先ほどよりも大きな声で呼びながら揺さぶるが、主人は起きない。
420はため息をつくと一歩下がり、軽く跳躍して──
「ふんっ!」
「うぐっ!?」
主人の腹に肘うちを叩き込んだ。
鍛えられた腹筋も不意打ちされては用を成さず、青年は腹を抱えて悶絶した。
「目が覚めたか、マスター」
「……危うく……ゲホッ、永眠するとこ……でしたが」
咳き込みながら起き上がる主人を見て、420は腰に手を当てて胸を張った。
「昨夜の就寝時間は0時。現在時刻は10時。寝過ぎだ、マスター」
547 :
2/5:2011/03/09(水) 03:36:44.08 ID:IMxk5PIj
「いいじゃないですか、休みの日くらい……」
「駄目だ!一度生活のリズムを崩すと元に戻すのは……ん?マスター、アゴに何かついているぞ」
言われた主人が寝ぼけ眼でアゴを手でさすった。
「とれました?」
「とれてない。ほら、ここだ」
420が手鏡を取り出して主人を顔を映してみせると、ああ、と主人は納得した顔になった。
「これはヒゲですよ」
「ヒゲ?ヒゲ、とはなんだ?」
きょとんとした顔で訊いてくる420の頭を撫でながら、主人が答える。
「男の人には自然に生えてくるものなんですよ。いつもは朝剃ってるからわからなかったんですね」
「ふぅん……なんだかザラザラしてて変な感じだ」
主人のアゴを恐る恐る触って首をひねる420を見て、主人が悪戯っぽく笑った。
「うりゃっ」
「うわっ!?」
主人は突然420を抱きかかえると、頬をぴったりとくっつけ、頬ずりし始めた。
「ほーら、じょりじょり〜」
「わ、わ、やめろマスター!やーめーろー!」
「あははは、よいではないか〜」
420はじたばたともがくが、主人はそれを見て笑うばかりでやめようとしない。
「やめろっ!」
「ぶふっ!」
暴れる420の拳が顔面に叩きつけられて、ようやく主人の頬ずりは止まった。
「ごめん。でも今のはマスターが悪いぞ」
「はい……すみません……」
548 :
3/5:2011/03/09(水) 03:37:11.17 ID:IMxk5PIj
「ふぅ……おかげで目も覚めたし、着替えますかね」
「うん、そうするといい。朝食ももう出来てるぞ」
服に手をかけて脱ごうとしたところで、420がじっとこちらを見ているのに気づいて主人は手を止めた。
「あの、420?着替えたいんですが」
「? わかってるぞ」
しかし420が立ち去る気配はなく、じっと主人の身体を凝視している。
「マスター、何か問題でも?」
「いやあの……恥ずかしくないんですか?」
「恥ずかしい?何故だ?俺はマスターの身体を見るのは好きだぞ」
はっきりと言われてたじろいだ主人を見て、420は何か思いついたようにポンと手を打った。
「そうか、一人だけ脱ぐのが恥ずかしいんだな!では俺も脱ごう!」
そう言うや否や自らの服に手をかけた420を、主人が慌てて止める。
「いやいやいや違います!脱がなくていいですから!」
「そうか?それは残念だ……」
脱ぐのをやめ、しょんぼりした420に主人が苦笑いする。
「なんで残念なんですか……」
「だって……俺は第4形態になってまだあまり経ってないから。だからマスターのことをもっと知りたいし、マスターにも
俺のことをもっと知ってほしいぞ」
そう言ってうつむいた420の頭を主人が優しく撫でる。
「その気持ちは嬉しいですが、一応僕も男ですから。女の子と裸の付き合いをするわけにはいきませんね」
「むう」
不満げに頬を膨らませる420を見て、主人がまた苦笑を浮かべた。
549 :
4/5:2011/03/09(水) 03:37:35.57 ID:IMxk5PIj
言動に似合わず料理の上手い420が作った遅めの朝食を摂ったあと、主人は大きく伸びをした。
「さて、お腹も膨れたところで、ミッション行きましょうか」
主人の言葉に、420が首をかしげる。
「マスター、今日は休みではなかったのか?」
「ええ。だから行くのはフリーミッションですよ」
ガーディアンのこなす任務には、名指しで依頼されるものの他に、任意で受けることが出来るフリーミッションがある。
給与は基本的に歩合制のため、大半のガーディアンはこちらで生計を立てているほどだ。
「しかし休日にまでミッションをこなすとは、何か欲しい物でもあるのか?」
「んー、まあ、欲しいものというかなんというか」
主人は何故か照れたように笑うと、コホン、と咳払いをした。
「420が欲しいんですよ」
「……!」
主人の言葉に衝撃を受けたように、420が一歩、二歩と下がり、頬を両手で押さえた。
「知り合いに一介のガーディアンでも決められた金額さえ払えればPMの所有権を買い取れるって聞いたんですよ。
やっぱり所有権がないと色々と不便なこともあるらしくて」
PMは配属当初はガーディアンズの備品扱いとなっている。しかしパートナーとして、あるいはそれ以上の存在としてPMとの絆を
育むガーディアンも多く、PMの所有権の買取を希望する者は後を絶たない。
「そうか……マスター、そんなに俺のことを……」
しかし顔を赤らめてぶつぶつと呟いている420の耳には主人の話は聞こえていないようだ。
やがて、何かを決意したような表情で顔を上げ、主人を見つめた。
「まあその金額が新人ガーディアンにはちょっと厳しい額なんで、普段の任務に支障をきたさない程度に頑張ろうかな、と……え?」
「マスター……マスターの気持ちはよくわかった。俺はいつでも、あなたに身も心も捧げる覚悟は出来ているよ」
「え、ちょ……え?なんでそんな真剣な顔してるんですか?なんで服脱いでるんですか!?」
「だって……マスターは、欲しいんだろう?その……俺が」
ここでようやくさっきの自分の発言で420が誤解していることに気づいた主人が、だらだらと冷や汗を流した。
550 :
5/5:2011/03/09(水) 03:37:57.94 ID:IMxk5PIj
「い、いや、あの……ちょ……ちが……」
主人はなんとか誤解を解こうとするがうまい言葉が出てこず、パクパクと口を動かすだけだ。
こういうことに免疫がないのか、PMとはいえ女性に言い寄られ、すっかりうろたえてしまっている。
「大丈夫だ……少し怖いけど、マスターの望みだからな……頑張る」
そう言って420は主人の脚に寄りかかるように身体を預け、主人の顔を見上げた。
混乱している主人は420の動向を見守るだけだ。
「だから、だから……優しく、して……?」
「……!!」
その言葉がトドメとなり、主人は完全に硬直した。
その後、何とか立ち直った主人が誤解を解き、紛らわしいことを言うなと怒った420の恥ずかし紛れの怒りを静めるのに半日かかり、
結局ミッションには行けずじまいとなった。
おわり
以上です。
俺っ子な420が書きたかっただけなんです・・・
ボクっ子があるなら俺っ子があったっていいと思うんです・・・
>>545 そんなシャトが浮いてたらモンスターそっちのけで殴ってしまいそうですw
投稿乙です。
俺っ子で天然なにゃんぽこ…GJ!
そしてビーストなのに言葉遣いが丁寧な主人も新鮮だ。
自分のパシリに敬語使うキャラって、種族問わず珍しいよね。
ぜひ続編が見たいっす。
保守
…皆さん無事かな…
ノシ
ホワイトデーに投稿しようと思ってたんだが、
現実がゲームを越えちまってる今は
ここに書き込むのも心情的に難しいって人が多いかも。
被災された人には本当にかける言葉がない…
早く落ち着いた環境に戻れますように。
無事だった人もいろいろ大変だろうけど、できる限り日常を回していこう。
____
/|_:|:::::::::: __|
/´ ::::::::: ,ノノ :.ヽ.
/ :::: :::::::,;:::: :::::;; ハ
| :: ( :::::;ヘ;;,.,:;:,ハ::::.}
|:(@:)イ-‐ ‐ ,'::.ノ <保守ついでに業務連絡〜っと
(;イソヘリ、 ( フ_ノノ´
(イリ/';:'`.=/ ̄ ̄ ̄ ̄/
(.リ(_;:::つ/ GH-450 / カタカタ
. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\/____/ ̄ ̄
現在、(このレス投稿直前で)スレは455kになっております。
長編を投稿する予定の方はサイズを確認をよろしくお願いします。
GH-450「オラオラオラっ!撲殺!撲殺ゥ!!」
GH450「ホーッホッホッホ!チェインを溜めるわっ!溜めるのよ!!」
450「・・・・・・ オイコラ」
『 ん?なに?』
450「な ん で す か ア レ ら は」
『え? いやあっち(GH-450)はA君が寄越したサポートキャラで、
そっち(GH450)はサードキャラだけど?』
450「なんで二人とも身長最小で私のオッソリアセット着てるんですか!」
『えー、だって、ねえ?』
GH-450「だよなー。 なあ?(ゲシッ)」
箱「いで」
GH450「ですよねー?(スリスリ)」
箱「あうあう」
450「うきーーーっ!!離れれてください!離れなさい!!シッシッ!!」
GH-450「んだよー、ぐるぐるノスメギドとザルアしか使わないくせにー」
450「うっ(グサッ)」
GH450「ですよねー せめてー 今作だったらー サゾンデくらいー 使えないとー」
450「ぐふっ(グサッ)」
箱「ちょっとみんな言いすぎだよ。そりゃ確かにレスタかけるタイミングですらマガシさんや
ケンタッキーおじさんより遅いかもしれないけど、450だって一生懸命やってるんだし・・・」
450「ご・・・ごしゅ・・・じんさま・・・それフォ・・・ローになってない・・・です・・」
GH-450「いやでもマジな話、マガっさんやカーネルのほうがいいんじゃね?」
GH450「ですよねー もう45xデバイス20個くらい溜まってますしー はずしてもいいんじゃないですか?」
450「そ、そんな!」
『いやそれは・・・なあ?』
箱「・・・ですよねえ」
450「ご、ごしゅじんさまぁ・・・(うるうる) あとついでにプレイヤー」
『例えるなら、惰性で読んでるジャンプって感じ?』
450「・・・」
箱「いや、日の丸弁当のうめぼしって感じじゃないかな?」
450「・・・ うがーーーーーーーーーーーー!!!!」
・・・って感じで∞遊んでる。反省はしていない。
と、スレ残っててびっくりしたついでに保守がてら投下してみたが
しかしほんとあの地震はびっくりしたなあ・・・ はやく被災地や被災者のみんなが落ち着けますように。
箱さん超おひさ!無事でなによりです。
>GH450「ですよねー もう45xデバイス20個くらい溜まってますしー はずしてもいいんじゃないですか?」
それをはずすなんてとんでもない!
∞でもPSUでも、ソロの場合でPA上げやパートナー不可のミッション以外は
必ずパシリ連れてあるいてる俺ガイル
惰性と言われればそれまでかもしれんが、居ないと何か落ち着かんw
主人のことを、「マスター」って呼ぶようになったの、いつからだっけ。
自分のことを、「俺」って言うようになったの、いつからだっけ。
こんな喋り方をするようになったの、いつからだっけ──
「よう。邪魔するぜ」
──また、この女か。
「……へえ、綺麗に片付いてるじゃないか。感心感心」
──当たり前だ。マスターは綺麗好きなんだ。
「でも、ちょっと殺風景過ぎるんじゃないか?家具の類もほとんどないし」
──着任してすぐだから、仕方ないんだ。外に出歩けるくらいに成長したら、一緒に買いに行くんだ。
「……よし、お前今日休みだろ?今からショップ行って見てみようぜ」
──マスター。どうしてあなたは
「気にすんなって。俺も今日休みだし、特に用事もないしさ」
──その女と居ると、そんなに楽しそうなんだ。
私も──
「俺」も、その女みたいに、なれたら。
あなたは、喜んでくれるか──?
ここは、とあるガーディアンに与えられたルームの一室。
大きいとは言えない一つのコタ・ツダイに、三人のガーディアンと、三体のPMが寄り添うように入っている。
「ったく、もう春だってのになんでこんなに寒いかねえ」
三人の中でも一番背の高い、ヒューマンの女性がぼやいた。
膝の上では、彼女の相棒であるGH-410がすやすやと寝息をたてている。
「ふふ、まだまだこれのお世話になりそうですね。……こうしていると、実家にいた頃を思い出します」
行儀よく正座をしたニューマンの少女が、昔を思い出すように目を閉じて言った。
「ごゆいんあまおおいっかいもあっらんれうか?」
隣にいるGH-450が、ミ・カンを頬張りながらモゴモゴと何かを言った。
反対側に座っているGH-440が、その様子を見て顔をしかめる。
「食べるか喋るかどっちかにしなよ。口の周りもベタベタだし……ほら」
拭きなよ、と440が差し出したテッシュを見て何か思いついた450は、口の中のミ・カンを飲み込むと、440の方に顔を突き出した。
「帽子ちゃん。拭いて♪」
「なっ……ばっ、馬鹿じゃないの!? 自分で拭きなさいよ!」
「いいじゃん、ほらほら」
「うわっ、あっ、よ、寄るなぁ!」
にやにやと笑いながらにじり寄る450と、顔を真っ赤にして抵抗する440を見て、二人の主人がくすくすと笑った。
「平和だねぇ……」
部屋の主がしみじみと呟いた時、来客を告げるチャイムが部屋に響いた。
「お客さん……?」
首をかしげるビーストの少女に、部屋の主が頷いてみせる。
「ああ、ちょっと紹介しておきたい奴がいてな……開いてるぞー」
そう外に向かって声をかけると、失礼します、と返事が返ってきた。若い男の声だ。
ドアが開いて入ってきたのは、背の高いビーストの青年だった。
「ご無沙汰してます、教官」
教官、と呼ばれた女性がにやりといつもの笑みを浮かべ、片手を挙げて挨拶を返す。
「おう、久しぶりだな。……ん、一人なのか? PMも一緒に来るって言ってなかったっけ」
「ええ、一緒に……あれ?」
青年がきょろきょろと辺りを見回すが、相棒の姿は見えない。
「おかしいな、さっきまで一緒に居たんですけど……」
そう言って青年が後ろを振り向くと、その背中にGH-420がしがみついていた。
女性が首の後ろあたりを掴んで引き剥がすと、噛み付きそうな顔で睨みつけてくる。
「……おい、お前の相棒ってのはこいつか」
「え? ……あ、420!どこに居たんですか!?」
「いや、気づかないお前もどうかしてるからな?」
女性が呆れたように言うと、420がぶらさげられたままじたばたと暴れだした。
「離せ!」
「ん、ああ……悪い悪い」
そう言って地面に下ろすと、420は走って青年の後ろに逃げ込み、顔だけを出して威嚇するように睨み付けてきた。
「……440の時といい、初対面のPMに嫌われる性質でも持ってんのかな、俺」
「まぁいいか……おーい、ちょっとこっち来てくれ」
女性が部屋の奥に向かって手招きして、二人の少女とPMを呼んだ。
怖々と上目遣いで青年を見る二人に、女性が笑ってみせる。
「くくっ、大丈夫だよ。ナリはこんなだけど悪い奴じゃないから」
「あはは……すみません」
青年が苦笑して、ペコリと頭を下げた。
「今日呼んだのは、こいつを紹介しておきたかったからなんだ。少し前に人手不足で俺が臨時の新人指導係やってた頃に担当したやつでな。
ランクも二人と同じくらいだから、これからミッションで一緒になることもあるかと思ってさ」
「では改めて、初めまして。まだまだ未熟者ですのでご迷惑をおかけすることもあるかもしれませんが、一緒になった時はよろしくお願い致しますね」
そう言って丁寧に辞儀をした青年に、二人の少女が慌てて頭を下げた。
「あっ、こ、こちらこそ! よろしくお願いします……!」
「よろしく……お願いします……」
そうして挨拶を交わす三人を見て女性はうんうんと頷き、次いでにやりと笑みを浮かべた。
「挨拶が済んだところで、だ。親睦を深める意味も兼ねて、今度このメンバーで花見に行かないか?」
「お花見……ですか」
女性の提案にビーストの二人は首を捻った。自然の少ないモトゥブ出身の彼らは花見という概念は知っていても、いまいちピンとこないようだ。
一人ニューデイズ出身の少女が両手を合わせて嬉しそうに笑った。
「ああ、いいですね! 今ならきっと満開ですよ!」
「だろ? こういうのは人数多い方が楽しいしな。日程は休暇を合わせるとして、とりあえず──」
女性がニコッと不気味な笑みを浮かべて青年の肩をぽん、と叩くと、青年の顔が引きつった。
まるで嫌な予感がする、と言わんばかりに。
「場所取り、頼むわ」
「……まぁ予想はしてましたけど。分かりました、お任せください」
こういった扱いに慣れているのか、青年は苦笑しながらも快く請け負った。
花見の話で主人達が盛り上がる中、420は青年の傍らで、女性を睨みつづけていた。
そんな420に、心配そうに440が小声で声をかけた。
「ねえ、大丈夫? ずっと睨んでるけど……」
「っ……!」
声をかけられてビクリと身を震わせた420が、慌てて青年の脚に隠れた。
「あ……」
「照れてるのかな? それとも人見知りとか」
PM達のやり取りに気づいた青年が、しゃがみ込んだ。
「すみません。この子、他のPMに会うのは初めてなので、ちょっと照れてるのかもしれません。あの、仲良くしてあげてくださいね」
しゃがんでもなおPMの身長より大きなビーストに、440は少し気圧されながら頷いた。
「ええ……それは、もちろん」
「お任せください。うっふっふ……照れ屋な子は大好物ですよ」
にやにやと気色の悪い笑みを浮かべながら余計なことを言った450の頭を、440がはたいた。
そんな二人のやり取りを見た青年が朗らかに笑った。
「仲がいいんですね。……420も、そんな友人になれればいいんですが」
そう言って自分の後ろに隠れたままの420をちらりと見る。
まるで内気な子供を持つ親のようだ。
「まぁ、そのための花見さ。飲んで食ってぱーっと騒げば気分もほぐれるだろ」
気楽そうに言った女性を、青年の背中に隠れた420が顔を半分覗かせて、また睨みつける。
その視線に、女性は閉口したように肩をすくめた。
「……俺も友達になれるように、頑張らないといけなさそうだな」
おわり
投下完了です。
容量ちょっと心配でしたが全然大丈夫でした。
>>552 だいぶ遅くなりましたが、ありがとうございます。
次回作あたりで俺っ子PM出たり・・・したらいいなぁ。
お久しぶりです。
……詳しくは語りません。
>>364と言えばわかってもらえるでしょう。
いつもどおりの日常。それがいつもどおりだからこそかけがえのない物だと気付く事はない。気付くのは決まって、失った時。
目が覚めて、すぐにボクがする事は、自分のマスターを起こす事。いつもどおりベッドでグースカ寝ているあの人を起こしに、部屋に入ると……
「……あれ?」
誰も、いない。ベッドから落ちたり、女性として恥ずかしいポーズで寝ていたりするボクのマスターの姿がない。
はて、昨日から泊りがけの用事なんてあっただろうか。思念にふけるボクの目に、ある物が写った。
『メッセージ:一件』と表示されている、ビジフォンのインフォメーション。
差出人を確認すると、なんと、マスターにキャス姉さん、そしてニュマ男さんの三人からだった。どうやら、ボクを含め他の二体……キャス姉さん、ニュマ男さんのPMにも送られているようだ。
一体どういうことなのか。それは、メッセージを再生してみない事にはわからない。
「メッセージ、再生」
ビジフォンにそう命じると、ホログラフで三人の姿が表示された。
『えー、ゴホン。君がこのメッセージを見ているという事は、もう私たちはこの世にいないだろう……』
『女主人さん。ふざけるのはそこまでにしてください』
『……だってー。一回言ってみたかったんだもん、こういうの』
『気持ちはわかるがな、今はそれが洒落になってないから困るんだよ』
……洒落になってない?まさか……本当に、命に関わるような事が……?
『あー、弁明させてくれ。別に俺たちは死んじゃいない。ちょっと顔を出せなくなっただけさ』
『しかし、その期間が相当な物であるだろうという事です。月単位か、最悪で年単位になってしまうかと』
『流石にそこまで長く離籍すれば、ガーディアンをクビになることは確かなはず。だから、コレはある意味お別れのメッセージよ』
……そうだったんですか。もう、マスターたちとは会えないんですね。
『た・だ・し』
……?
もう会えないという言葉が頭の中をぐるぐる回っていたとき、マスターがさらに言葉を繋げた。
『あたしたちだってそんなに長く離籍するつもりはないわ』
『私たちの居場所は、このGコロニーの』
『お前らのいるマイルームだから、な』
『……んふふ、泣いた?ねえ泣いちゃった?』
『こら、そこでそんな台詞吐くなよ。この場合は『そういうわけだから、ちゃんと留守番しておけよ』とか……って、461!今鼻で笑ったろ!?』
『メタな発言はこれくらいにしましょう。……もし、私達が戻ってきて、知っている人が誰もいなかったら寂しいですから。どうか全員で、笑顔で待っていて下さい』
……ああもう、この人たちは。
マスター……悔しいですが、確かにほろりときましたよ。その後の発言で台無しですが。
キャス姉さん……色々とありがとうございました。
ニュマ男さん……この変態。でも、いい変態でした。賛同はしかねますが。
『それじゃあ……』
はい。
『ちょっとラグオル行ってくる』
……はい?
『いやー、行ける場所探したらここしかなくってね。でもまあ、同じような感じだったしなんとかやっていけるでしょ』
『俺はクラ6に移住だぜ?っていうか、よくあんな所行けるなー』
『確かに第一印象がモッサリだったけど、始めてみると中々面白いのよー』
『……俺も行きたかった』
『仕方ないじゃない。ニューマン男性はフォースしかないのよ?あのバカ王子服が嫌だからクラ6にしたんでしょ?』
『……何でPS○は服が固定なんだよと小一時間』
『…………』
『……キャス姉?そういえばキャス姉の移住先は?』
『……ありません』
『えっ』
『えっ』
どうやら地雷を踏んだらしく、険悪な雰囲気になっています。……いや、そんな事はいいんです。
とりあえず、マスターが帰ってきた時のボクの行動は決まりました。
――生きてる事を後悔するくらい、ボコボコにしてあげます。覚悟しててくださいね、マスター♪
*** ***
「!?」
惑星ラグオル、の遥か上空に留まっている宇宙船、パイオニア2。その居住区内で、一人の女性が突然身体を震わせた。
「……何か悪寒がするなぁ。今日の探索はやめにしようかしら」
その悪寒が、かつてパートナーだったものの怒りの思念である事を、彼女は知る由もなかった。
というわけで、PS2サービス終了に伴い、一旦グラールを離れます。
とりあえず、女主人の発言どおり、パイオニア2でブラブラしてますんで。
エル「パイオニア2はなくなったんじゃないんですか?」
>>158参照、な。うちのPCはようやく動くレベルだからモッサリってるだけなんだが。
569 :
364の人:2011/04/14(木) 21:35:35.12 ID:mogjZroG
>>568 おつかれさまですよ。
PM好き同士、このスレッドで会えたのも何かの縁。
また何処かで会いましょう。それでは、またいつか。
>>568 こういう話があるんだろうなとは思ってたが、やはり切ないな…
エル君と女主人のやりとり好きだったんで。
エル君がご主人様をボコボコにできる日が来ることを期待しつつw
お疲れさまでした。楽しませてもらってありがとう。
450「こんにちワンド!」
450「ありがとうウォンド!」
450「楽しいアイテムが…ぱ、ぱぱーん!!」
・
・
・
御主人「…あれだ。CMを真似るのはまあいいが」
450「… … …」
御主人「例のあれは合成できたのかな」
450「…あう」
御主人「あう?」
450「ぱぱーん!ぱぱーん!!」
保守
test
遅まきながら[ ゚Д゚]<インフィニッティー始めました
PSUをやっていた頃とエラい変わっていてびっくらです
でもパシリがご飯食べてくれなくてしょんもり
いずれどこかで、やたら口の悪い430や
はうはう口ごもる気弱な小ビス子を見掛けましたら
よろしくしてやってくださいませ
お帰りなさい。
インフィニティーで小ビス子たんとすれ違い通信をした…は、殺気!
えっ、マジで小ビス子氏?
うわー、今になっていらっしゃるとは思わなんだ。
あっちは新しいコスもいろいろあるので、
カグヤヒラリとか目指してみるのはいかがでしょうか。
430がまたオイル吹いてしまいそうなラブリー系もありますし。
…ミジカクテイイノデ ゼヒ小ビス子ト430ノ リトルウィングレポートヲオネガイシマス(コソ
戦闘中のPM台詞をpspi準拠にしてくれないかなあ
>>578 俺は
>>577じゃないけど、こんな感じ。
PSUでは戦闘中に
「散らばって戦いましょう」とか「援護します 後はお任せください」とか言うけど、
実際は全く状況にあってない、汎用の台詞が多い。
(小型に「カワイイ!やっちゃいましょう」とか言うから全てがそうではないけど)
PSPo2iだと
汎用の台詞もあるけど、割と状況にあった事言ってくれる。
例えば射撃耐性の敵がいたら
「射撃が効かない・・・なんて事」とか
PMを回復したら「ありがとうございます!」とか。
逆にこっちのHPが減ってる時は「ああ!! 大丈夫ですかっ」とか言いながら
近寄ってきて回復してくれるしなw
問題はPSPo2iはNPCのAIそのものが違うからな〜
台詞だけ替えても、延々壁に向かって走り続けるAIのままでは意味が無いかもしれん。
なお、どのPMがどんな事を言うか知りたいなら、PSPo2iのwikiに行くといい。
「……よし、誰もいない。ちょっと通り過ぎるならイマノウチ……」
夜中のマイルーム。そこにうごめく怪しい影。……何をしているのかはもうバレバレですよ?
「……照明オン」
「うおっ、まぶしっ!」
照明が付く事によって、怪しい人影の姿をはっきりと捉えることが出来た。
エル「お帰りなさい、マスター。そしてしばらく寝込んでいってください」
女主人「いやちょっと待……」
アッー!!オガーザーン!!
エル「で、どこほっつき歩いてたんですかこのダメマスター」
女主人「(トリメイトを食べつつ)いやその、なんていうか……ちょっと寂しくなっちゃって?」
エル「全く、パイオニア2に行くとか何考えてるんですか」
女主人「あー、ごめん。PSOすぐに飽きたわ」
エル「作品名言わないでください。……じゃあ、どこに行ってたんですか?」
女主人「……ちょっと肉を焼きにユクモ村まで」
エル「……はあ、そうでしたか」
女主人「あれ、突っ込まない……?」
エル「某ガルルガ仮面さんもこちらに来ているらしいですし、もう文句は言いません」
女主人「クラ6の方だろうけどね。……とりあえず、ちょっとお邪魔するわ、エル」
エル「ええどうぞ。ゆっくりしていってください」
……本当は、「ただいま」を聞きたかったけど。仕方ないですよね。
おまけ
「そういえば、今の家にも通信つないでたんだっけ。おーい、エルー、ヴィアー」
『ニャッ!?面妖な物体から旦那さんの声がするニャ!?』
『もしかして、旦那さんはこの中に……!?』
「……まあ、わかってたけどね、この反応は。向こうにとってはオーパーツも当然だし」
「ひょっとして、今呼んだのって……」
「うん、今のあたしのオトモ。本当はちゃんとエルヴィアって付けたかったんだけどエルエル言ってたらそれで定着しちゃって」
『旦那さーん!今助けるニャー!!』
「って、ちょっと落ち着きなさいあんた達!壊したら解雇するわよ!?」
『で、でも旦那さんが……』
「大丈夫よ。あたしはちゃんと生きてるし、どこにも閉じ込められてないから」
『ニャァ〜……』
「後でマタタビあげるから。ちょっと話してくれる?あたしが前に言ってた、もう一人のパートナーと繋がってるわよ」
『ニャッ?それって、あの『ぴーえむ』って奴ですかニャ?』
「……マスター、世界を超越しすぎです。いろいろ怒られますよ?」
「気にしないの。それじゃあ、適当に話しといて。久々のシャワーを浴びるから。辺境で温泉もいいけど都会でシャワーも捨てがたい!」
「ははは……相変わらずなマスターですねー……というわけで、エルさんとヴィアさん……ですか?ボクは――」
――ボクはGH465、個体識別用の名前はエルヴィアです。
というか俺がいない間に小ビス子氏が来ていたとは。
test
test
残り25kB 完走ペースかな?
小ビス子氏復活は嬉しかったけど、
他の作者の人たちはどうしてるんだろうか。
震災以降仕事が忙しくて…とかならいいんだけど、
被災した人もいるかもしれないよな。
みなさん無事でありますように(−人−)
完走目指して、小ネタを投下。
「……暇だ」
「それ、13回目だよ」
ベッドの上に転がった450のぼやきに、手元の作業に集中したまま440が答えた。
「せっかく遊びに来たのに合成中ってなんだよー暇だよー!」
「仕方ないでしょ……14回目」
一旦手を止めて440がため息を吐く。
「だいたい、こっちの予定も聞かずに押しかけてくるのが悪いんでしょうが」
「そう言われるとぐうの音も出ないね」
お互いの主人がPM同伴不可のミッションへ出かけたため、きっと440も暇だろうと思った450が押しかけたわけだが、
440は主人に頼まれた合成の作業中だった。
それでも追い返したりしないのは二人の仲が良いのと、主人が不在の時の寂しさを440も知っているからだ。
とは言え、さすがに合成を中断して遊ぶわけにはいかない。
「そんなに時間かかる物じゃないから、大人しく待っててよ」
「むう……」
ごろりと寝返りを打った450の目に、440の大きな帽子が映る。
「……」
起き上がってベッドから降り、そろりそろりと440に近寄る。作業に集中しているのか、440は気にした様子はない。
「とりゃっ」
「!?」
450の手が440の頭上をかすめ、帽子を奪い取った。440は慌てて両手を頭の上にやるが、もちろん何もない。
「あ……なっ……」
「ホントおっきいよね、この帽子」
両手を頭の上にやったまま口をパクパクさせる440をよそに、450は帽子をしげしげと眺める。
「かっ……返してよぉ!」
「節分の時も思ったけど、アンタ帽子取られると弱いよねえ」
「し、仕方ないでしょ!?それがないと、なんか……なんか、だめなんだもん……」
顔を真っ赤にして涙目になる440を、呆れたように450が見る。
「返してよぉ……」
「……どうしよっかな」
本当はすぐに返すつもりだった。しかし──
(そんな顔されると、いじめたくなるじゃん……)
帽子を後ろ手に回し、ゆっくりと440に近づく。
「どうして……どうしていじわるするの……?」
440はとうとうぽろぽろと涙を流して泣き始めてしまった。
「私のこと、嫌いなの……?」
しゃがみこんだ440に視線を合わせ、顔を近づける。
「私は、大好きなのに……」
「私も、大好きだよ」
濡れた頬に両手を添えて──
「じゃあ、どうし──っ!?」
そのまま口をふさぐ。
「んっ……ぷぁっ」
「ごめんね。でも──」
ぺろりと唇を舐めて、440をベッドに押し倒す。本来腕力なら450の方が劣っているはずだが、簡単にベッドの上に倒れこんでしまった。
「帽子ちゃんが可愛いのがいけないんだよ……!」
「ひっ……いやぁっ!」
悲鳴を上げる440に構わず、450は欲望の赴くままにその身体を──
「うん……アリだな」
「……なにが?」
ベッドの上に転がったまま独り言を呟いた450に、手元の作業に集中したまま440が訊く。
「なんでもー。ねえ、終わったらさ、ぷよぷよやろうよ」
「また? いいけど、前みたいに負けたからって電源切らないでよ」
450が起き上がり、自信有り気に胸を張った。
「ふふん、私をこないだの私と思わない方がいいよ。なんなら何か賭けてもいい!」
「……ずいぶん自信あるみたいだけど、こないだってたった二日前だからね。賭けるのはいいけど、お金はだめだよ」
「もちろんさ! じゃあ、私が勝ったら──」
こうして、束の間の主のいない時間は過ぎていく。
おわり
592 :
おまけ:2011/06/10(金) 20:53:22.84 ID:8IpH99Et
450「私が勝ったら、
>>590の続きをエロパロ板で最後までやってもらう!」
440「なにそれ……」
450「うっふっふ。帽子ちゃんはどうする?」
440「そうだなぁ……じゃあ、私が勝ったら、
>>590の続きを立場逆転でエロパロ板でやってもらおうかな」
450「……えっ?」
投下完了です。
花見ネタやろうやろうと思ってるうちに桜は散ってました・・・orz
帰らない主を待つパシリの話を読んだ後引退せざるを得なかったPS2の友人の部屋に行きました
最終日にお別れの挨拶も済ませ、その前に部屋の掲示板にもお別れの書き込みはしていましたが。
「お元気でしたか?」来店時のPMの台詞が彼を思い出させました。
掲示板を見ると彼のキャラのプロフィールが書かれていました。
解ってはいるけどやっぱり会えないのは辛いという内容の書き込みをして次の部屋に向かいました。
もう一人の方はパスワード変更のせいでログイン出来なくなったままサービス終了したようで
お別れの挨拶は出来ませんでした。
部屋に行くと店を開いていないので無言でPMがたたずんでいました。
そんなPMを見て何とも言えず掲示板を確認して書き込みせず自分の部屋に戻りました。
引退から復帰しても課金しなければ同じグラールにいても会う事も無くずっと
主の帰りを待ち続ける、それに比べたらミッションに連れていってもらえるPMは幸せなのだろうと
フリーコースのカンストのキャラを見てふと思ってしまった、その人なりの都合も考えずに。
594 :
根幹:2011/06/12(日) 09:05:32.49 ID:g3/sl2mc
1、主と認定した者の人命を第一としつつその言葉に極力従う、但し主の人命遵守の為に言葉に従わない
行動はその定かではない
2、己自身の身の保全を図る
3、1と2に反しない場合は極力他の者の人命と言葉を尊重する
「主任、これ何ですか?」
「ああ、今度ガーディアンズに配備されるPMの行動概念の根幹だよ」
「PM? ああ、パートナーマシナリーの事ですか」
「そう、パートナーマシナリーの頭文字を取って略してPMさ」
「これって前に読んだ※マシナリー3原則と似てるけどちょっと違いますね」
「予め逃げ道も用意しておかないと※矛盾でいかれちまうからな」
「逃げ道って、極力の件ですか?」
「そうさ。 時と場合によっちゃ人に矛先を向ける事もありえるからそういった場合の判断に
柔軟性を持たせておかないとな」
「それってかなりファジィなフローチャートを組むっていいませんか? 極力とか簡単に表してますけど」
「まあそうなるな、だからお前も組むの手伝え」
「うわ、薮蛇・・・」
※マシナリー3原則:いわゆるロボット3原則ですが世界が違うという事でこのように
変更、グラールにも似たような事が書かれている小説か何かがあるという事で。
※矛盾でいかれちまう:フランケンシュタインシンドロームですな。 主を守る為に敵を攻撃しなくては
いけないのに他の人の人命を尊重せよ、そういった矛盾が発生した際の自問自答で答えが出ずに壊れると。
ふと思い浮かんだので投下。
GRM社のとある開発ラボでの作業台にパーツの状態で乗っている初期状態の
PMを挟んでディスプレィを見ながら話している技術者の会話という所でしょうか