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『はぁ・・・はぁ・・・なかなかやるじゃねえか・・・ッ!』
440「はいはい、大人しくしてくださいね」
がくりっと片膝をつき、430と言う名の悪魔を睨み付けた。
440は俺の流血した額を、タオルでぐりぐりとしている。
430「・・・・・・」
だが、430の返事はなく言葉を失ったかのように、ただ立ち尽くしている。
そして、少しの間の後、自分の顔をぺちっと叩き、笑い始めた。
430「くく・・・! あはは・・・あははははははは! こりゃまいった!!」
『どうした? 何が可笑しいんだ』
430「あはははは、まさかね・・・私の弾を計6発も喰らって、いとも平然に生きてるとは・・・いやはや・・・くくく・・・」
『いや、生きてはいるが・・・かなり痛かったんだがな・・・』
430「・・・手加減して、ただのライフルにしてやってたってのに・・・ここまで馬鹿にされるとはねぇ・・・」
『いやいや、馬鹿にしたつもりはないんだけど・・・』
430「黙れッ!!」
勘違いしてるようだから、否定したのに・・・一喝された。
しかし・・・ふむ、なるほどな・・・。 今までのは長銃の中でも最低ランクの☆1ライフルだったってことか。
どうりで、あの程度の傷で済んだわけだ。
もっと上位ランクの長銃だったら、いくら俺でも危うかっただろう。
430「ははは・・・アンタみたいな奴が・・・」
440「・・・!」
そう言うと、不敵な笑みを浮かべ、ライフルをナノトランサーにしまい、代わりに鈍く黒光りする重厚感のある銃身の獲物を取り出し、手にする。
見た目からして、いかつい銃だなぁ・・・こりゃ・・・。
430「私に"こいつ"を使わせるとは、ね・・・」
440「・・・そ、それは・・・?!」
その銃を見た瞬間、珍しく440が狼狽する。
さすが射撃系のパシリ、一発でそれの正体を見破ったようだ。
俺にはそれが何なのかさっぱりだが、440の狼狽えぶりから察するに、結構上位ランクの武器であろうことだけは分かった。
さすがに、こいつは本当にまずい、か・・・?
430「この私に"バースト"を使わせたことを・・・」
ゆっくりとした動作で、その"バースト"を構え、そして──
440「ご、ご主人様!危険ですッッ!!」
430「あの世で後悔しやがれクソガキがァッ!!」
慌てて俺に振り返り「危険だ」と叫ぶ440の声と、"バースト"を構えた430の怒声が、一斉に襲い掛かった────
(更にもうちょいと続く)