彼はおもむろに素手の状態で敵の大群に突っ込んでいく。
「おい、むちゃするな!」「きゃー、やめてー!」「馬鹿な!ムリだろ!」
そんな悲鳴を背中に受けつつ敵の攻撃をスルリスルリとかいくぐり、敵陣中央に陣取ると
敵の意識を集めつつすかさず2、3種のトラップを設置。襲いかかる敵の容赦ない攻撃!
その瞬間、一筋の閃光が走る
光の向こうで激しい爆炎と燃え上がる大気が当たりに渦巻く。舞い上がる火炎は全ての
敵を焼き付くし、糸の切れた人形の様にバタバタとその場で事切れて行く。
熱風が呆然と見つめるPTを駆け抜ける。うっすらと晴れた炎煙の向こうに見える、彼の後ろ姿。
沸き上がる賞賛と感嘆の叫び。彼は駆け寄る仲間に背を向けたままこうつぶやいた。
「イエァ」