大航海時代Online-Zephyros鯖ポルトガル6

このエントリーをはてなブックマークに追加
2ポルトポヨヨン
最悪の夜だった。

降り注ぐ鉄塊が船腹を砕き、白刃の下に次々と友は倒れ、
風はらむ帆は燃え上がり、炭となって散ってゆく。
インド洋はポルトガル兵の血で染まり、
あの日、祖国はカリカットの全てを失った。

かつての力なく横たわる我が国は、
英西二国に無残に蚕食されてゆく。
脇腹をえぐられ、腕をもがれる祖国を、
その時、ポルトガル国民は呆然と見詰めるしかなかった。

アンコナ。
この都市の名が、忘れられることはないだろう。
惜敗とはいえ、ポルトガルの団結によりこの都市は
守られたのだ。
だが、過酷な運命は次の日ポルトガルに影を落とす。
西アフリカの金航路、それは、祖国に残された大動脈。
アビジャンとサンジョルジュに英西両国の無慈悲な牙が
突き立てられたのだ。

黄昏のネットを駆け巡る情報。
王都リスボンに響く悲痛な叫び。
押し寄せる投資攻撃の波間から、
途切れ途切れに伝えられる危機。

その時、我々ひとりひとりが問われたのだ。
俺たちはもう駄目なのか?
なすすべもなく喰われるだけ存在なのか?
青空広がるリスボンに生を受けたあの日、
ギルドの親父にぽんと背中を押され、
小さな小さな船に初めて帆を張ったあの日の輝きは、
荒れ狂う北海のカネに踏みにじられて終わるのか?
3ポルトポヨヨン:2005/06/21(火) 12:19:27 ID:SyQ9hy7B
見よ。
西アフリカの水平線に、一隻、また一隻と浮かぶ船影。
預金通帳を握り締め、ポルトガルの若者たちが南へと向かう。
熟練の商人たちが、冒険者たちが、私財を携え島を目指す。
襲い掛かる海賊たちを、硝煙にまみれた軍人たちが打ち払ってゆく。

見よ。
ポルトガルは死なず。
ポルトガルは死なず。
時間を費やし貯めてきた資金が、
ひとりひとりの大切な資金が、
全員のために惜しみなく使われてゆく。
そしてついに、
サンジョルジュの青赤王盾旗は守られたのだ。

ポルトガルの民よ。
君は無力ではない。
君には信頼すべきべき仲間がいる。
共に旅する冒険者がいる。
世界中の海で、 資金を投じ、同盟港を守る商人たちがいる。
PK出現の報あれば、馳せ参じる軍人たちがいる。

ポルトガルの民よ。
今、我等に再び危機が訪れている。
既にアビジャンはイスパニアの前に陥落し、
金航路の要たるサンジョルジュには、暗い影が落ちている。
しかし、諦めることはない、落胆することはない。

錨を上げよ。総帆を開け。
大海戦は近い。
集結せよ、軍人たちよ。
今戦わずに、一体いつ戦うのか。
商人たちよ、冒険者たちよ。
砲を鋳よ。船を建てよ。糧秣を整えよ。
全てが友を守る盾となるだろう。

何が起こるかは誰にもわからない。
力尽き、倒れるかもしれない。
しかし、それでも共に征こう。
未来への舵と帆は、この手の中にあるのだから。
我々は、誇り高きポルトガルの航海者なのだから。