ちょっとキョン!何やってんのよ?早く回復笛吹きなさい!良い?一秒以内よ?
もしあたしが死んだらあんた死刑よ、死刑!一生このゲーム内でタダ働きさせるわよ!」
ただでさえも俺の給与は赤字真っ逆さまで、平団員兼、雑用兼、一般人なんだ。
ゲーム自体は嫌いじゃないが一生この中で過ごすのは実につらそうだ。
それに待て、今俺の方こそ死にそうだ。回復笛吹くのにだって時間がかかるんだよ!
「なによ?みくるちゃんや有希だって必死になって戦ってるのよ?
あんただけ涼しい顔してるんじゃないわよ!みくるちゃん、言ってやりなさい」
コントローラーを握りしめたハルヒが我がSOS団のマスコット兼天使に視線を移す。
朝比奈さんは一瞬、電車で乗り過ごしたかのようなビックリ顔をしながらも
小さい声で
「そ、そうですね・・。あ、で、でもっ、キョン君もがんばってると思いますっ」
そういうので精一杯だった。
期待age
とまあ、こんな状態じゃあ何が起きてるのか説明しないとサッパリ分からんな。
良いだろう、ザックリ言おう。俺たちは今、モンスターハンターフロンティアなるゲームで
まさに七転八倒、五里霧中、必死に暗中模索していたのである。
話は3日前に遡る。
ハルヒからバレンタインデーのチョコ(義理)を受け取ってしばらく経った頃だ。
メランコリー状態から息を一気に吹き返しやがったこいつは暴風雨のように部室に飛び込んで来たのだ。
「みんな居る!?今日は大事な話があるわ!SOS団の存続に関わる大事な話よ!」
せめてノックぐらいしたらどうなんだ。人には文句を垂れるくせに自分は全力で扉を開けるときた。
まあそんな生活に慣れ切っちまった俺ももはやSOS団とは切り離せない関係になっちまったのかね。
去年感じたあの「消失感」は二度と味わいたくはないけどな。
俺は蛍光ランプのように輝くハルヒの目を見つめながら聞いてやった。
「で、今度は一体何を思いついたんだ?」
「ゲームよ!ゲームをやるわ!」
「それなら去年にコンピ研とやっただろ。長門のマイクロソフト社も真っ青な神がかった技は忘れられん。」
「そんな素人くさいゲームじゃないの!良い?あたし達はSOS団。不思議なことを追求してこそ意味があるのよ!」
「じゃあなんだ、素直に言ったらどうだ。」
俺に一瞥をくれたハルヒはホワイトボードに向けてでかでかと文字を書き始めた。
「モンスターハンターフロンティア」
なんじゃこりゃ?モンスターハンターってのは最近話題のゲームってことは知ってる。
だがフロンティアとは?俺がハルヒに問いただそうとした時、
「あぁ、このゲームでしたか。流石は涼宮さん。よくご存じで。」
隣で黙って聞いてた超能力野郎が話し始めやがった。
髪の先を指でピンとはじきながら古泉一樹が得意げに続ける。
「モンスターハンターというのは狩猟アクション大作、ご存じですね?
我々がハンターとなり、大自然で狩りや釣り、採集などを行い武具を作る。
まさにハンター生活を味わうことのできるゲームです。
モンスターハンターフロンティアとは、いわばこれのパソコン版ですね。
より高画質で迫力溢れる狩りを体験できると、評判なのですよ。」
「そうよ!これからあたし達はこのゲームを始めるわ!」と再び話し始めるハルヒ。
「あのぅ…それ、どういう…あたしもやるんですかぁ?」
朝比奈さんが不安そうな顔で覗き込む。無理もない、このお方はコンピ研との戦いの時も
触覚をもがれた蟻の如く爆走、迷走を繰り広げ、結局理解不能のまま終わってしまったからな。
「みくるちゃん、当然あなたも参加よ。パソコンもちょうど人数分あるし、問題無いわね!」
「待て待て、そのゲームに参加するのは良いとして、どうせなら別のゲーム機でやったらどうだ?
確か、PSPで出てただろうに。それなら持ち運びも便利だろ?」
「いーえ、あのね、キョン!あんたあのゲーム機をやってる層ってどんな連中か見たことある?」
「いや、分からん。」
「あたしには分かるわ、この前電車で出かけたときに一心不乱に熱中してる高校生達が居たわ。
もうね、そりゃ夢中で周りのことなんか見ちゃいないの!その浅ましさったらないわ。
小さい画面を覗き込んでチマチマプレイなんて耐えられないの!」
そりゃまたハチャメチャだな。
「何がよ?良い?これからはネット無しでは生きていけない時代になるの。
今のうちにゲームを入口に少しは慣れておきなさいよ。それに、同じ部屋にいれば
チャット代わりに声で連絡が取り合えるじゃない。」
とまあ強引な団長様理論に反抗できる術もなく、俺たちは素直に降参し、
それぞれのパソコンにファイルをインストールし、ゲームを始めることになった。
「おっと、実は僕はもう既にMHFをプレイしているんですよ。」と突然古泉が切り出した。
「実は以前クラスの知人に一緒にプレイしてみないか、と話しかけられましてね。
僕も健全な男子高校生ですからゲームの一つ二つはします。なにもレトロゲームばかりに
趣向を向けている訳ではないのですよ。ですので、皆さんよりだいぶデータが進んでいるのです。」
その友達ってのは機関の超能力仲間じゃあるまいな。
ということは古泉にはあらかじめこのゲームの知識があるわけだ。
なら前回のように全員突撃のあげく全員全滅、ということにもなるまい。
キャラクターメイクを済ませた俺たちは早速、メゼポルタ広場なるMHFの世界の中心地にやって来た。
「入門区」というからには他の駆け出しハンターも大勢居ることだろう。
「ねぇ?まずは何をすればいいわけ?」とハルヒ。
「まずはギルドマスターなる人物の下でハンター登録を済ませる必要があります。
僕はもう済ませてありますし、この入門区(HR30以下のみが入れる)には入れませんので、
今回は僭越ながら、案内役に徹するとしましょう。」
古泉の鼻につく説明を聞きながら、葉巻を加えた小柄の老人の下でハンター登録を終えた。
どうやらこれでハンター生活が始まるらしい。めでたし、めでたしだ。
9 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:2008/09/07(日) 16:46:12 ID:FVtw2nIJ
よかろう。続けろ
極刑ZOY
「結構簡単ね!ね、せっかくお金も手に入ったことだし早いとこ武器を作りましょうよ!」
ご満悦な団長様は早速狩る気満々だ。やはりこいつには闘争本能というか、狩猟本能が
備わっているのだろうか。いや、そうに違いない。
「それなら武具工房に参りましょう。職人に頼んで武器を作ってもらったり、購入が可能です。」
古泉の案内に沿って武具工房に着くと、3人の職人と大工の親方、そしてなぜか一匹の猫が出迎えてくれた。
「武器を作るならここだ!素材とゼニーがあればどんな武器でも作ってやるぜ」
安土桃山時代から飛び出して来たかのようなまさに職人というタイプの中年の親方が話しかけてきた。
「今ハンター登録ってのを済ませてきたばかりだから素材なんて無いわ。お金だけで最強の武器を作って頂戴!
できるだけ安くて、カッコいいのが良いわ!まさに狩人、って感じの」
「おいおい、ハルヒ、そりゃいくらなんでもアバウト過ぎる。」
「がっはっは、お嬢ちゃん。素材が無いなら無理だな。そこの売り場の姉ちゃんが武具を販売してる。
初心者向けの値段と性能と至れり尽くせりの備えだぜ。」
気の良い親方が差す先には≪武具購入はこちらから≫の看板がみえる。
なるほど、あそこで最初は武器が買えるのか。
「ちょっと古泉君。あたし達にはどんな武器があってるわけ?」
「そうですね・・・皆さんがどのようにプレーをしたいかによって変わってきます。
ダイナミックに狩りたいのなら大剣やハンマー。援護をするならボウガンや弓。
それぞれ皆さんのご意見を聞けると推敲も容易かと。」
「あたしはダイナミックなやつがいいわ!ちょこまかした短剣とかはイヤ。
そんなのは女みたいなナヨナヨした男が使ってるみたいで耐えられないの!
このハンマーに決めたっ!」
ずいぶんとメチャクチャな言葉をぶつけながらハルヒはハンマーをチョイスした。
どうやらモンスターの頭めがけて振り下ろす巨大な槌で、うまくいくと気絶に追い込むことが
できるらしい。まさに団長様のためにあるような武器である。
「俺はこれにするかな。」
「ふふふふっ、あなたはこれを選ぶと思っていましたよ。なにせどこかキザな部分がありますからね。」
「お前に言われたくない。それに笑い方が気持ち悪いぞ。」
古泉にチクリと言われながらも俺が選んだのは太刀だ。
素早い動きと攻撃力で相手を翻弄できるらしい。なにせ日本刀ってところに惹かれるね。
男ならだれだってそういうもんさ。
「あ、あのう…私はいったいどれを選べば…。」
突然、大嵐の中に投げ込まれた子犬のような声を出しながら朝比奈さんが助けを求める。
「みくるちゃんはどうせヒーヒー言ってるだけだから安全なのがいいわね。」とハルヒ。
「でしたら、狩猟笛がお勧めです。旋律を奏でることで、味方のサポートが可能です。」
「笛、ですかあ?あ、でもちょっと楽しそうかも。これなら敵さんと戦うこともないし…。」
よかったよかった。朝比奈さん、貴方は無理しなくていいんです。
そっとフィールドの端っこで、疲れ果てた俺を介抱してくれれば。
そう、貴方は戦場を舞うマイ・エンジェル!平成のナイチンゲールだ。
「何気持ち悪い顔してんのよ、バカキョン。で、有希は?」
コンピ研との戦いでまさにモンスターばりの活躍を見せたこの寡黙少女はしばらく黙っていたが、
俺にも微かに聞き取れるか、くらいの声で囁いた。
「・・・ボウガン」
とまあこれで全員の武器が決まったのである。
ちなみに古泉はランスらしい。なんともあいつらしいニヒルな武器である。
ハルヒ(HR1):ハンマー「ボーンハンマー」
キョン(HR1):太刀「鉄刀」
みくる(HR1):狩猟笛「ボーンホルン」
長門(HR1):ヘビィボウガン「アルバレスト」
古泉(HR42):ランス「ホワイトディザスター」
こうして、俺たちのすさまじく哀れで斬新なハンター活劇が始まったのである。
くわばらくわばら…。
キョン地雷かよwwww
>>1 早く続き書けwww
クシャいけないじゃないか…
武器を手に入れ、防具も手に入れた俺たちは早速「ドンドルマ」なる街へと向かった。
っと、防具について何も言っていなかったな。
俺は太刀を買ったためか金がいきなり苦しくなり、古泉に進められるがまま
「チェーンシリーズ」なる装備を購入した。鎖で出来た頑丈そうな作りだが、未知なる世界に挑むには若干不安過ぎる気もするね。
朝比奈さんはなんともまぁ女の子らしく、
「あのぅ…頭にヘルメットをかぶると髪が見えなくなっちゃって…できたらはずしたいんですけど…。」
などと言っていた。
あぁ、構いませんとも朝比奈さん。その頭防具のせいでお顔が拝見できないなんてクソ食らえだ!
モンスターに襲われたら?なぁに、そんときゃ俺が守るまでですよ。
女性を守るのも、これまたハンターの宿命ですからね。
「ありがとうキョン君…。でも、涼宮さんの防具は頑丈そうでうらやましいかも…。」
朝比奈さんは俺にぺこりと頭を下げつつ、ハルヒの装備に羨望のまなざしを送った。
こともあろうに団長様は「ハンターシリーズ」なる装備で身を固めていた。
俺たちが装備している「チェーンシリーズ」よりも高価だが防御力や耐久力が高いという代物だ。
どうやらモンスターの毛皮や素材を使っているようだ。
「いい?あたしは団長なの。あたしが死んだらモンスターはきっと調子に乗るに違いないわ。
ナポレオンを倒したら相手の指揮がとんでもないくらいに跳ね上がるのと一緒よ!
だからキョン、あたしに少しお金を分けなさい。」
こんな頭のネジが吹っ飛んだ理論をぶちかましなさった団長さまは俺から金品を巻き上げ、
あっさり一式防具を揃えやがった!
これならまだパナマ運河あたりを石油タンカーに乗って何も武器を持たずに海賊と渡り合った方がマシだね。
それに古泉、お前は経験者なんだから少しはハルヒの暴挙を止めたらどうなんだ。
そうそう、一方で俺がひそかに頼りにしている最終兵器長門だが、驚いたことにこいつは一切防具を買っていないのだ。
その代りに道具屋で何やら弾丸やアイテムの類を購入していたのを覚えている。
こいつのことだ、一発でモンスターを粉砕する脅威の弾でも開発するかもしれん。
長門・・・せめて人間のできる技術の範囲内にしておいてくれよ・・・。
カプ○ンから目をつけられちゃたまったもんじゃないぜ?さすがにSOS団といえども巨大企業と戦うだけの力はないはずだ。
そうこうしている内に、街に到着した。
どうやらここがハンター生活の拠点となるようで、食事や睡眠をとれる「マイハウス」。
他の仲間を募集したり、クエストを受注する「大衆酒場」。
武具工房や、歌姫が唄う「アリーナ」など様々な施設が充実しているそうなのだ。
「うん、いいわね。いよいよ狩りができる、って感じだわ!」
今にも飛び立ちそうなコンコルドのような勢いでハルヒが酒場へと移動する。
それに従う俺達一行。
「ようこそ、ドンドルマへ。」
鮮やかな衣装を身にまとったメイドさんが声をかけてくれた。
どうやらこの人がクエストの案内を担当しているらしい。
「はじめての方々ですか?それでしたら≪密林の環境に慣れよ≫のクエストがお勧めです。」
「へぇ、いったい何をするわけ?巨大なモンスターを狩るの?それとも山賊退治?
なんでもやるわよ!もしかして海からリヴァイアサンが襲ってくるとか!」
ハルヒの機関銃のような口調にメイドさんは目を白黒させながらも落ち着いた口調で、
「あの、お待ちください。このドンドルマの外は非常に危険です。
ハンターの皆さんにはハンターランク(以下、HR)という制度が課せられており、
これを上げなくては巨大なモンスターとは戦えないようになっているのです。
まずは密林で草食獣から生肉を手に入れたり、特産物であるキノコを納品しながら
環境に慣れていくというのが先人たちの教えなのです。」
「そんなの納得いかないわ!!」
黙って聞いていたハルヒが大声をあげやがった。
長門さんはチート扱いされて冤罪BANになるんですね
わかります^^
ちょっと!レイアはどこよ!
ツマンネ
飽きた
おそらくこの板で歴史上ベスト3に入るキモいスレ。
煽りではなく、本当に背筋が寒くなった。
これは期待できるw
早く続きを書くんだ!
「あたし達は狩りをしに来たの!そんなガキの使いなんか小学生にだってできるわ。
キョンの妹ちゃんでも目隠ししながらできるんじゃないかしら?」
だったらお前が試しにやってみろ。まだ武器も使ってないくせに。
「HRで制限がかかってるのがこの街のルールなら仕方ないわ。
だから今受けられる中でいっちばん難しい奴を紹介しなさいっ!」
横で見ていたランス使いの変態野郎が口を開く。
「まぁまぁ涼宮さん。踏み込んだことのない世界というのは往々にして危険なものです。
小型のモンスターを倒し、基本を会得し、我々の存在をギルド側に知らしめるのが最適かと。」
「古泉の言う通りだ。」俺も追従する。
「お前はともかくとしてだ、朝比奈さんや長門はどうなる。
長門は防具をつけてないとは言え、もの凄い技術を持っていそうだが、朝比奈さんは
下手したらフィールド上で遭難、挙句の果てには行方不明ってのもありえるぜ?
団員の危険を顧みるのも、団長の役割じゃないのか?」
横では朝比奈さんがプルプルと首を振りながらうつむき、長門は相変わらずの無表情。
俺と古泉の必死の呼びかけに少しは心の棘が取れたのか、ハルヒは口を尖らせながら
カウンターのメイドさんに顔を向けた。
「わかったわ。キョンごときにそこまで言われちゃあたしの名が廃るわね。
まずはそのキノコ収集からやろうじゃないの!」
受付のメイドさんはホッと安堵の表情を見せながら白い紙に何やら記入すると
半分を切り取ってハルヒに渡した。
「これがクエストの受領書になります。今、あちらのボードにクエストを貼りつけました。
素敵な狩りをどうぞ!」
俺たちは順にボードから参加表明をし、それぞれ武器を担ぎながらハルヒの隊列に加わった。
「ふふん。いよいよね、簡単な目的らしいけどガンガン行くわよ!
置いてけぼりになったって知らないんだから!」
ブオオオオオオオン
角笛の音が高々となる中、俺たちは密林へと出発した。
「わーっ、キレー」
朝比奈さんが感嘆の声を挙げる。俺もしばらくその美しい光景に目と言葉を奪われていた。
それもそのはず。狩りの拠点となるベースキャンプに小型の船で到着した俺たちは
巨大な滝を目にしたのだ。奥には水のしぶきが光を反射させ、見事な虹を作っている。
「なかなかやるじゃない!やっぱり自然はこうでなくっちゃね!
どっから恐竜が出てもおかしくないわ。古泉君、このゲーム出来がいいじゃない。」
「非常に歯がゆいのですが、『美しい』以外の常套句が浮かんできませんね。」
古泉がクールに決める中、俺は支給品ボックスをガサゴソと漁る。
応急薬と携帯食料とやらをポーチに忍ばせ、移動に備える。
回復系アイテムを買う余裕が無かったからこういうのは助かるぜ。
「じゃあ皆、行くわよ!」ハルヒが全速力で森の中へと走って行った。
慌てて後を追う俺達!早い!こいつにはタービンでもついてやがるのかっ!
森の中には沢山の恐竜の群れが居た。頭にはパラサウロロフスを思わせる角を生やし、
尻尾はステゴサウルスに似ている。草を食べてるあたり草食獣みたいだ。
「アプトノスですね。」と、すっかり解説者の位置を確立しやがった古泉。
「とてもおとなしい部類の草食竜です。普段は群れを成して生活しており、
その肉や骨は我々の生活に不可欠なものとして重宝されています。」
「わーっ、可愛い、あの子まだ赤ちゃんですよね?」と朝比奈さん。
どうやら凶暴そうなモンスターが出ない限りは怯えないで済みそうだ。
ハルヒもハルヒで女の子らしい一面を見せたのか、
「あたしはこういう恐竜を倒すのはダメね。かわいそうじゃない。
普段肉を食べててもいざ命を奪う、ってなるとためらわずにはいられないわ。
肉食のモンスター限定にしましょう、倒すのは。」
俺もそれには賛成だ。よってたかって弱い者いじめは柄じゃあないしな。
で、長門さん、今ものすごい勢いで銃に弾を詰めていらっしゃいませんでしたか?
「・・・気のせい。」
オリジナルのほうもナレーション口調なのか?
飽きるのを通り越してイライラしてくるんだが
っと、一瞬ハルヒの目が何かを捕らえた。
「何かいるわっ。」
慌てて武器を構える俺達、いや、俺と長門。
すると突然!真っ青な物体が2つ、いや、3つ!目の前に飛び出してきた!
「キェエッ!」鋭い鉤爪に黄色い嘴。どうみても敵の顔だ。
こ、殺されるっ!
「ランポスですね。小型の肉食獣です。あいにくボスは不在のようです。
一気に畳込むのが上策かと。」
古泉がそう口に出すか出さないかのうちにハルヒはハンマーでランポスの頭を
殴り飛ばしていたっ。すごい勢いで吹っ飛ぶランポス。
負けじと俺も太刀を抜いて応戦する。
蝶のように舞いっ、キョンのように刺すっ!あれっ?
攻撃範囲の広い太刀のおかげであっさりランポスを倒す俺。
長門は長門で散弾銃の如く弾を撃っている。
朝比奈さんは…あーあ、あれはダメだ。
「ひぇええ・・怖いですぅ・・」などと情けない声をあげて奥でしゃがみ込んでるじゃないかっ!
「大丈夫ですか?立てます?できたらこの狩猟笛を吹いてみてくださいっ」
涙目になりながらも健気で愚直な朝比奈さんはボーンホルンに口をつけて息を吹き込む。
「ぷひゅー、ぽふううう、ぱふううう」
しまった、このお方は破壊的なまでの音痴を醸し出す力があることを忘れていた…。
「あれっ?今、効果がでたような、わわっ、移動そく・・ど?が上がって・・?」
頭にクエスチョンマークの10連星を描きながら朝比奈さんは尋常じゃないスピードで
吹っ飛んで行ってしまった。どうやら移動速度UPの旋律が発動したらしい。
「だあっ、みくるちゃん!キョン追うわよっ」
洞窟へと吹っ飛んで行ってしまった朝比奈さんを追って俺たちは全速力で駈け出した。
平和な光景が広がっていたのも最初のベースキャンプだけで、途中は様々なモンスターが構えていた。
茶色い猪の群れがいたり、ピンク色の猿に追いかけられたり。
そしてなぜか奥へ奥へと進むに連れて古泉の表情が曇ってくる。
「どうした、お前らしくない。何か企んでるのか?」
俺の質問に3拍ほど呼吸を置いて古泉は口を開いた。
「えぇ、正直言って、このような状況になるとは思いませんでした。
ハッキリ言えば、≪危機的状況≫です。」
「どういう意味だ、ちゃんと説明しろ。」
「この特産キノコを納品するクエストは極めて初歩的で安全なことで有名です。
危険なモンスターが出ることはありませんし、草食獣ばかりのはずです。
なのに最初にランポスの群れに遭遇した。それどころかブルファンゴやコンガにまでも。
これは、何か特殊な条件下に我々が置かれたことを示しています。」
いつぞやの閉鎖空間や雪山の時のようにか?
だったら異世界人か情報統合思念体のなんだ、長門に対抗する連中の攻撃か?
「わかりません。強大なモンスターと戦いたいという涼宮さんの意思が影響したのか…
それとも…。」
「それはない。」
横で黙っていたヒューマノイドインターフェイスが話に割り込む。
「涼宮ハルヒの精神状態、肉体的状況、共に異常は見られない。
ただし、私から情報統合思念体へのアクセスがブロックされている。」
ということは…。ますます危機的状況らしいな。
こりゃうかうかしてると朝比奈さんの身に危険が及ぶ可能性がかなり高いぜ…。
と、その時!
「ひぇええ…!だれかぁ…」遠くから朝比奈さんの悲鳴が響いた。
お、おい俺こういうの大好きだ続きwktkせざるを得ない
早く続きキボンヌ
wktkが止まらないんだぜ
洞窟の中に飛び込むとなんとそこにはピンク色のどでかい怪物がいやがった!
「グエェエエエッ!」
羽根を広げて威嚇すると俺達めがけて飛んで来る。
あまりに突然だったので俺は全く足が動かない、しまった!やられる!
と、その時
「ズドォン!!」
鈍い音が洞窟内に呼応し、そのピンクのモンスターは爆炎をあげながら
墜落した。
「長門っ?」
硝煙をあげたままのアルバレストを担いだ長門有希は躊躇せずに弾を入れ替える。
何が起きたか分からない俺とハルヒに古泉が早口で説明をする。
「クック先生ですね…。あれは密林の怪鳥、イヤンクックです。
普段はミミズなどを食べて生活する大人しいモンスターですが、ハンターを見つけると
縄張りを守るために襲って来るのですよ。」
どうやらやっかいなモンスターに当たってしまったらしい。
普通ならいきなりここまででかい敵に出会うことは無いらしく、古泉も初めての経験だそうだ。
「徹甲榴弾で狙撃した。対象は大きな音に脆弱。だから爆発音で気絶させた。」
散弾を周りのランポスにばら撒きながら長門は淡々と話す。
「やるわね、有希!あたし達も負けてられないわっ。あそこで倒れてるみくるちゃんを助けたら
一気に反撃よ!」
ハルヒの声で気を入れなおした俺は朝比奈さんの元へ駆け寄り声をかけた。
「朝比奈さん!ここは危険です。早く逃げないと…。」
「ふわっ、あ、キョンくん・・・でも、あたし、ちゃんと皆のお手伝いしなくちゃ…。」
「いずれにしてもここは近過ぎます。もっと離れた場所からなら笛を吹けると思います!」
「わ、わかりましたぁっ、ひいいいいっ!」
これまた朝比奈さんはすさまじいスピードで洞窟の壁側へと移動すると
不思議な音色で狩猟笛を吹き始めた。
「いくわよっ!それぇーっ!」ハルヒが一瞬光ったと思うとハンマーを振りかざし、
イヤンクックの頭めがけて振り下ろす。
「流石は涼宮さん。ハンマーは溜めることで攻撃力を高めます。これにいきなり気づくとは…。
やはり彼女の中の闘争本能がそうさせるのかも知れませんね。」
諸葛孔明のように戦況を眺めていた古泉は俺に指示を出す。
「太刀は攻撃すれば攻撃するほど力が溜まります。これを開放することで必殺コンボを繰り出すことが可能です。
とにかく、流れるような攻撃が鍵です。」
説明を半分くらい頭に流し込んだ俺は鉄刀をイヤンクックめがけて振り下ろす!
「グエッ」
怪鳥が一瞬怯む。続けて突きと振り下ろしのコンボを織り交ぜてやるぜっ。
強い…太刀…強いじゃないか。どうやら俺は最も相性の良い武器に出会ってしまったようだ。
すまんな、ハルヒ。上達が一番速そうなのは俺みたいだ。
「アホなこと言ってる暇があったら攻撃しなさいっ!」
ハルヒが笑顔で怒るという器用な真似をしながらクックの頭を殴る。
しかし、次の瞬間、
「グエーッ、グエッ、グエッ、グエッ」このニワトリモドキは口から赤い吐息を洩らしながら
その場で何度も足踏みを始めた。これはまずいっ、絶対何か来る!
「クエーッ!」クックは大声と共に勢いよく突進をしかけてきやがった。
「痛ぇなコノ野郎!」
吹っ飛ばされた俺は慌てて体力を確認する。しまった、回復しなければ…
ポーチに手を突っ込もうとするがなぜか体が動かない。
頭がクラクラする、なんだ!俺の頭にお星様が…。
クックが再びこちらに照準を定め飛び込んでくる。終わった…。
と、思ったが「シャキーン」という緑色のエフェクトと共に俺の体力ゲージが回復した。
長門が俺にめがけて弾を撃っている。どうやら回復させてくれたらしい。
「助かった!」
「これ、貴方に渡す。吹いて。」
回復弾を撃ち込んだ寡黙な少女は俺に角笛を渡した。持つ部分には「回復」と書いてある。
なるほど、これを吹けば回復するんだな。こいつが何か買ってると思ったのはこれだったのか。
狙いを俺からハルヒに移したイヤンクックは足で地面を蹴り、突進の構えを見せる。
「ちょっとキョン!何やってんのよ?早く回復笛吹きなさい!良い?一秒以内よ?
もしあたしが死んだらあんた死刑よ、死刑!一生このゲーム内でタダ働きさせるわよ!」
「む、無茶言うなっ!」
っと、長らくお待たせしたな。ようやくながーい回想が終了したわけだ。
しかしのんびりしてる暇もなく、俺は回復笛を吹き、急いで太刀を構える。
「逃げるわっ!」
耳の部分をビリビリに破壊された怪鳥はバタバタとおかしな走り方で
俺たちに背を向けて逃走を始めた。まずいっ、逃がすと厄介だぜ…。
「グワァア…。」羽根を広げようとしたクックが急に黄色く光り、
全身をプルプル震わせ始めた。苦しそうな声から察するに、体がうまく動かないようだ。
「麻痺弾を撃ち込んだ。一定時間、対象は身動きが出来なくなる。」
「でかしたぜ長門っ!」
俺とハルヒは猛ラッシュを加える。
そして・・・
「グェエエエェ…。」
ついにイヤンクックは崩れ落ちた!ファンファーレが鳴り響き、勝利を告げる。
「勝ったのかっ!やったな、おい!」
≪メインターゲットを達成しました。あと1分で街に戻ります。≫
メッセージを目で追ってようやく安堵の表情を浮かべる古泉。
どうやら無事に終わったようだ。
「ふふん、やったわ!やっぱりSOS団に不可能は無いのよ!」
ハルヒは高々と声をあげ、ハンマーをぶんぶん振りまわす。
やめろ、こっちくるな、俺に当た…うぐへっ!
宙に舞う俺。へたり込む朝比奈さん。銃を構えたままの長門。
そんなハチャメチャな映像が放映される中、俺たちは初めての狩りから何とか生還を果たした。
は?キノコは?
ほんとだ、キノコが消えた!
はやくしろ
「いったいなんだったんだ…?」マイハウスでアイテムボックスに「怪鳥の鱗」をしまいながら
古泉に話しかける。
「分かりません。しかし、今は何も危険が感じられません。
長門さんも情報統合思念体とコンタクトが取れるようですし。」
「一過性のトラブルかなんかだったのか?」
「おそらく。いや、そう考えるのが妥当でしょうね。」
どうやらハルヒはさっきの興奮が冷めやらないようで、いつのまにか
メインターゲットが特産キノコからイヤンクックに変わっていたことも忘れて、
酒場にいるハンターに話しかけまくっていた。
中でも黒鬼・赤鬼という名前のコンビ、「ヘル・ブラザーズ」と意気投合したらしく、
ホピ酒と元気ドリンコで乾杯している真っ最中だった。
朝比奈さんは腰が抜けたようで、マイハウスでダウン。
長門はなにやら武具工房に籠って色々しているようだ。何を目指しているのやら…。
「ねぇ、キョン!良いこと聞いたわ!」
光蟲を大量に炸裂させたような100万ボルトの笑顔でハルヒが俺のマイハウスに飛び込んで来た。
「今度は何だ?」
「ドスランポス、っていうランポスのボスが居るらしいわ。それに大名なんとか、っていうでっかい蟹も!
ちょっと面白そうじゃない?蟹ってあたし嫌いなのよね、海老と違って食べにくいじゃない?
だから日頃の鬱憤を晴らしてやるのよっ!」
さっきクエストに行ったばかりで疲れてるんだ…。
元気なのはお前と、全く戦っていない古泉くらいなもんだろ。
「なにぶつぶつ言ってんのよ、あたしはもう武器だって新しくしたわ!
あんたがのんびりしてる間にねっ、ほら!」
そう言うハルヒの背中には変わった形の…クチバシが、いや、まさにイヤンクックの
どでかいクチバシがくっ付いていた。
「なかなか強いわよ、このハンマー。さっき「ヘル・ブラザーズ」と一緒にクエストに行ったんだけど、
ドスファンゴっていう猪は何回もひっくり返ってたわ。あんたもひっくり返されたくなかったら
一緒に来なさいっ!団長命令なんだからね!」
あーあー、こうなったらハルヒは絶対に意見を曲げないからな。
仕方ない、さっきのクエストでゼニーも入ったことだ。
「やれやれ。」
いつもの口癖を吐きながら俺は武具工房へと向かった。
【現在の状況】
ハルヒ(HR5):ハンマー「クックジョー」、ハンターシリーズ
キョン(HR2):太刀「鉄刀【禊】」、チェーンシリーズ
みくる(HR2):狩猟笛「ボーンホルン改」、チェーンシリーズ(頭以外)
長門(HR7):ロビー装備とやらで隠していて見れん。どうやらライトボウガンを担いでるようだ。
古泉(HR42):ランス「ツキサシ」 「貴方にツキサシてみたいですね。マッガーレ♪」
はるかかなたの話になるだろうが茄子亜種戦とか面白そうだ
ドンドルマのあたりからMHFの世界に吸い込まれたようだが、
無理せず主には続きをがんばってもらいたい
長門『地球の現代技術レベルに則ってプログラム修正を
施したいと思う。許可を。』
導入が丁寧で良い
続き期待
モンスターハンターの世界に飛び込んで3日が経った。
放課後に全員がノートパソコンに向かっている姿は少し不気味なところがあるが、
それを言ったらこの団の存在意義が無くなってしまうので触れないでおこう。
「放課後、ゲームにログインするのが一番遅かった人は猫飯おごりよ!」
という、暴君ハルヒの指示によってか否か、毎回全員見事に俺より早く集合してやがる。
そのせいで「パッパラパスタ」を4人分準備するのが俺の日課になりつつある。
くそぅ、2次元の世界でも貧乏生活とは…。いまいましい、嗚呼いまいましい。
そういえば初クエスト時のような特殊な体験はあれ以来無く、純粋にゲームを楽しんでいる俺だ。
太刀を強化するのに毎回毎回密林に足を運ぶ生活にも慣れて来たからな。
マカライト鉱石がなかなか出ないのは仕様なのだろうか…。
「あぁっ!もう、意味わかんないわ。何なのコイツ?」
キーボードを両手で叩くと同時に、突然ハルヒが椅子から立ち上がる。
「どうかしたのか?」画面から目を移しハルヒの方に向ける。
「そうよ、どうかしたのよ!まったく、求人区ってとこはロクな人間がいないんじゃないかしら?
とりあえず、みくるちゃん、お茶頂戴!」
アヒル口を作りながら腕を組んだハルヒは、朝比奈さんお手製の一杯を要求した。
そして、淹れ立てのお茶をグイッと一気に飲み干すと、俺に向けて愚痴をぶちまけはじめた。
「さっき、求人区ってとこに初めて行ってみたのよ。なんでも目的別にハンターが集うらしいわ。
新しいとこって行ってみたくなるじゃない?ゲリョスやドスランポスにも飽きたから
ダイミョウザザミって奴を倒しに街に入ったのよ。中にはハンターが2人いたわ。
そりゃ、あたしだって礼節をわきまえてるからちゃんと参加の確認をしたわよ。
そしたらその2人が変な口調でしゃべりだしたのよ。」
「どんな風にだ?」
「よく覚えてないけど、あたしが初めてダイミョウザザミと戦う、って言ったら
『うはっ、地雷ですね、わかります。』とか不気味な喋り方をしてきたのよ。
もう一人の方も『クエスト失敗ですね、わかります。』だかなんだかって、
変な口調だったわ。何よ?わかります、って。日本人じゃなかったのかしら?
とにかく不気味だったからすぐに出てきたわ。」
うーん…。俺は首を傾げる。ハルヒの言うように外人だったのかも知れん。
地雷ってのはよく分からんが、踏むと爆発するあたり、ハルヒの事を言い得ている気もするが。
だがこいつは地雷どころじゃなく下手したら核兵器だ。テポドンだ。
ボタンを押したら最後、地の果てまで吹っ飛んで行くのは目に見えてる。
「あくまでも僕個人の見解ですが・・・。」
黙って如才なハンサムスマイルで聞いていた古泉が喋り出す。
「求人区とは効率を求める凄腕ハンターが集う場所です。それゆえに、初心者や
ハンターとしての腕前が低い人に対しては排他的な態度を取りがちです。
おそらく、涼宮さんがダイミョウザザミと戦うのが初めてだった、ということもあり
敬遠されたのでしょう。」
「そうかも知れないわね。」古泉の話には素直に納得するハルヒ。
たまには俺の話にもちゃんと乗ったらどうなんだ。
「まあいいわ。あたし達はあたし達流の狩りをするまでよ!今日の目的を決めたわ。
今からダイミョウザザミを狩りに行きますっ。」
そう言ってハルヒはコントローラーを握りしめ、いつの間にか作ったであろう
クックシリーズに袖を通しながら大衆酒場へと歩き始めた。
いいね、俺も猪狩りには飽きたところだ。太刀にもだいぶ慣れてきたしな。
攻撃力が大剣並みなのに攻撃の速度は速いし範囲も広い。
ガードできないのが少々痛いが、移動も素早いから問題は無いという見事な武器だ。
いいぞ、鉄刀【神楽】。苦労してピッケルで採掘した甲斐があったぜ。
密林に到着し、海岸線に向かって歩き始める俺達。
「わぁ、こういう砂浜いいなー。」
朝比奈さんはだいぶこのゲームに適応してきたみたいで、景色を楽しんでいる。
長門は相変わらずの仏頂面だが、一人で何やらクエストを回していた所を見ると
なかなか満喫しているようだ。
「あれ?あそこじゃないかしら?あの茶色い角みたいなのが砂から出てるっ」
ハルヒが砂浜の先を指さす。そこには鋭い一本の棒のような物が突出していた。
「その通り。あれがダイミョウザザミです。気をつけて下さい。
あの角で地面から突き上げ攻撃を仕掛けてきます。」
「やっぱり?よし、キョン、あんた行きなさい!」
そう言って団長様は俺をダイミョウザザミ目がけて突き飛ばしやがった。
次の瞬間。
「ザザザザーッ」
砂の中からゆっくりとそいつは姿を現した。
赤と白のストライプ柄。風化した竜の亡骸を使ったヤド。
盾蟹こと、ダイミョウザザミは大きな鋏を振りかざすと、俺目がけて突進して来た。
慌ててジャンプして回避する俺!あぶない!無駄にでかいっ!
「ふふん、予想通りにでかいわねっ。いくわよ皆っ!」
ハルヒの合図と共に朝比奈さんは隅っこで笛を吹き始める。
長門はゲネポスの素材を使ったショットボウガンに弾を装填する。
大蟹はクルクルと回りながら俺とハルヒどちらを攻撃するか混乱しているようだ。
「ねぇ、あの殻、思いっきりハンマーで殴れば割れると思わない?
絶対カニミソがたっぷり詰まってるわ。」
俺は遠慮しとくぜ。いくらカニミソが味わえるからってあんなでかいゲテモノに手を出す気はないね。
『天ぷらにすればセミだって食べられるかも』とか言ってたハルヒのことだ。
きっとなんでも食うに違いない。
「それっ!」神楽を抜き、蟹の鋏目がけて振り下ろす。
こいつはイヤンクックやドスファンゴに比べて動きがのろいみたいだ。
結構楽勝で倒せるかも知れん。
そう思った矢先、蟹は足をギュッと縮めると自分の真上に向かって飛びあがった。
空飛ぶ蟹。皆さんは見たことがあろうか。
だがこれは現実なのだ。蟹が宙に舞い…思わず目を奪われた次の瞬間…。
「ドシーン!!」
≪力尽きました。ベースキャンプに戻ります。≫
スレ主さん、杞憂かもしれないがトリップ付けたらどうだろう?
「な、なにっ!?」
「ちょっと!何が起こったのよ今?」
俺と、夢中で甲羅を攻撃してたハルヒは仲良くセットで一発ノックアウトされていた。
「ジャンププレスですね。ダイミョウザザミ特有の技で、空高く跳びあがった後、
その巨体を生かして飛びかかって来るのです。その衝撃の範囲は広く、威力も絶大。
食らってはいけない攻撃の一つです。」
古泉が説明している間に、蟹は朝比奈さんへと照準を合わせた。
「ひえっ、こわいですっ、・・・ひいいっ!」
「朝比奈さん!持ちこたえて下さいっ」
俺は携帯食料を口に放り込むと朝比奈さんの元へと向かう。
気分はさながら白馬の王子…いや、それはアホ古泉か。
>>64 必要だったら付けようかなーと思います、、もうちょい様子見で。
俺が到着すると同時に、朝比奈さんは笛をしまい、猛ダッシュで
別のエリアへと逃げ込む。あぶない、あぶない。
と、俺が安堵するのも束の間。ダイミョウザザミは砂に潜り始めた。
「くっ、どこからでも来やがれ。」
俺は鉄刀を握りしめる。しかしっ
「ブスッ、ビリッ、ビリッ、ビリッ」
NOOOOOO!!
ランゴスタの野郎が俺目がけて針を向けたせいで見事に麻痺ってしまった!
これはまずい…。身動きが取れんっ。
俺は困った時の救世主、長門に助けを求める。
「長門っ!なんとか蟹を引き離してくれっ」
「・・・それは出来ない。」
「なぜだっ?」
「・・・私の周りに子蟹がたくさん・・・。」
寡黙な文学少女は小型の蟹、ヤオザミにチクチクと攻撃され、
無表情でボウガンを武器に殴り返しては転ばされ、と、
まー完璧なまでに「フルボッコ」に合っていた。
そして
「ズドーン!」
俺の真下から角で突き上げるダイミョウザザミ。宙を舞う俺。と、飛んでる!
なんとかギリッギリで生き残ったがそこには奴がいやがった。
そう、ランゴスタが満面の笑みで、いや、奴に表情はないが、俺を突き刺した。
≪力尽きました。これ以上復活できません。街に戻ります。≫
「だぁーっ!もう、このバカキョン!なにやってんのよっ!」
ハルヒが頭を抱え、古泉は肩をすくめる。
ダメだ…今回ばかりは言い訳できん。
巨大な蟹の化け物の前に俺は2回も倒れ、SOS団はモンスターハンターフロンティアで初の
クエスト失敗を喫してしまったのだった。
69 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:2008/09/08(月) 19:56:29 ID:Mll0LmDU
キョン地雷www
神スレすぎる
ハルヒの力で素材についてはなんとかなりそうだな
1鯖にいるねw
涼宮ハルヒ
猟団名 SOS団
他の鯖にもいるんじゃね?
ついでに言うとネ実は↓
◇コテハン叩き・晒し厳禁!キャラwatchはネットwatch板で
たとえば、ここでリア殺人予告などを書き込めば、
このスレを消すことが出来るのだろうか。
続きを期待するとしよう。
長門有希『あ・・・許可・・・・だめ?』
よし、長門。やっちまえ。
キョン地雷乙w
キョンはこのまま地雷であり続けて欲しいなw
長門有希『レクイエムのキー素材教えて』
地の文とか原作っぽくてイイネー
まだ続きますよね?楽しみにしていますぜ
悪夢のようなカニ大戦から早くも5日が経ち、俺たちは全員が狩猟試験を突破。
見事、HR11のリミッターを解除していた。
日数として考えるともっと早くHRが上がっていてもおかしくなさそうだが、週末は
駅前に集まっての不思議探検があったり、平日の放課後もハルヒ主催の
「高校1年の間にやり残したことを消化する会」なる怪しげな会合に強制参加させられたりで
思うように時間が取れなかったのだ。
しかしだ、皆の衆。俺は見事にダイミョウザザミとの勝負に打ち勝ち、
その上「斬破刀」なる雷属性の太刀まで手にしてしまったのだ。
いやぁ、人間頑張ればなんだってやれるもんだね。
ハルヒはハルヒで「ヴェノムモンスター」なるゲリョスの頭を丸ごと使った
なかなかインパクトのあるハンマーを作っていた。
ゲリョスから剥ぎ取り1%でしか手に入らない超絶ミラクルスーパーレア素材を必要とするにも
かかわらず、一発で頭を入手していた辺りあいつの力を実感せざるを得ないってもんだ。
そうだな、まずは俺がどうやってダイミョウザザミに打ち勝ったか、そして「斬破刀」を
手に入れるまでの過程をダイジェスト版で話すことにしよう。
「正直、万事休す、といった所でしょうね。」
古泉が髪の毛を指先でかき分け、フゥッと溜息をつく。
「ダイミョウザザミはHR10にて行われる狩猟試験のメインターゲットでもあります。
このモンスターに打ち勝てなくては我々は未来永劫、HR一桁を彷徨うことになるのです。
しかしながら、モンスターハンター経験者が居ない以上、かなり厳しいのは明確です。
そこで、僕から一つ提案があります。」
「つまりなにか、お前の力を借りろってことか。」
俺のモニタを見ながら毎回毎回ニヤニヤしてたもんな、こいつは。
『僕のランス捌きを見たくはありませんか?』『正直、一人で居るのもつまらないものです。』
と何度もアピールしてやがったのは分かってる。とうとう我慢できなくなったようにみえるね。
「うーん、仕方ないわね。カニごときにやられる、ってのは悔しいけどこの先に進めないのは
もっと嫌だわ。それにキョンが弱すぎるし。まずは前線で戦うあたし達の強化が必要だわ!」
さりげなーく俺にダメージを与えたハルヒは古泉の居る街にジャンプすると、
先陣を切って大衆酒場に飛び込んだ。
「で、どこに行くってんだ?」
「まだ言っていませんでしたね。雪山です。フルフルというモンスターを狩りに行きます。」
はて、なんだその可愛らしい名前は?
俺の隣でうーん、うーんと一生懸命画面とにらめっこをしている朝比奈さんよりも
可愛い物は地球上、いや、全宇宙上に存在しないわけだが、少しは気になるってもんだ。
「なぁに、行ってみればすぐに分かりますよ。」
古泉の目の奥がいつもより不埒に見えたのは気のせいだろうか。
5人では出発できないので、ここは朝比奈さんを街に残して極寒の地に赴くことになった。
なにせ初めての土地に初めてのモンスターだからな。
あの人を危険な目に合わせるわけにはいかん。
もっとも、俺の前に座っている寡黙な文学少女、長門有希は別だ。
「アルバレスト―改」を背負ったこいつは任務遂行を命じられた
服部半蔵のような真剣なまなざしで荷物の最終チェックにあたっていた。
頼むぜ、長門。古泉の力は未知数だ。
地球に現存する技術レベルで助けてくれよ…。
雪山に到着した俺たちは山頂を目指した。夜の雪山はなかなか見事なものだ。
湖の上空にはオーロラが輝き、ホワイトダストが瞬いていた。
いつかは俺もこんなロマンチックな景色を見ながら朝比奈さん(大)と一杯飲み交わし
たいものだ。
と、ちょっぴりセンチメンタルな気分に浸っていると、
「来ました。フルフルのお出ましです。」
古泉が息を殺すようにしながら俺たちに話しかけてきた。
足を止めて物陰に隠れる。ん・・・ん・・・?むむむ・・・?
な、なんじゃこりゃ・・・!!
そこにはバイオ〇ザードも真っ青な奇妙なアルビノの珍獣が舞い降りていたっ!
カ○コンさんよ、まさかバ○オシリーズから移籍させたんじゃあるまいな。
「なんなのよこいつ!気味が悪いわ…。なんだか戦いたくないわねっ。」
ホットドリンクを例の如く一気飲みしたハルヒは眉にしわを寄せてフルフルを観察する。
退化した目、薄い膜の下には血管や筋が通っている。こちらに気づいていないのか?
しかし見れば見るほど不気味な姿だ…まるで…なんだ…。
「***。」
後ろから長門が小さい声でつぶやく。
長門さん、今あなたは何をおっしゃいましたか?
「***竜。一部のユーザーにより特殊な名前を付けられている。
何故かそれを言語化することができない。情報伝達の段階で齟齬が発生している。」
うーん、その***はどうやら禁止ワードってやつか。
フルフルの外見と昨日俺が風呂に入る段階で見かけた「ブツ」を頭の中で比較してみる。
いや、まさか長門がそんなことを口走るわけは…。
「どうですか?あの大きな首筋。沼地では口から唾液を発射するようです。
貴方もフルフルに何かスペクタクルを感じませんか?」
あー、横のこの変態紳士は無視だ。
「長門さんは検索機能を用いてインターネット上に介在する情報を集めたようですね。
流石は長門さんです。僕もフルフルのことは特殊な名前で呼んでいました。
知りたいですか?その顔は知的好奇心を刺激されたようにも取れますが。」
ダメだ、殴り飛ばしたくなってきた。
誰かこのニヒルな歩く犯罪者を地の裏側まで吹き飛ばしてやってくれ。
「なんだかこっちに気付いて無さそうね。目が悪いのかしら?」
黙ってフルフルを観察していたハルヒが囁く。
当のフルフルはノソノソと歩いては地面の匂いを嗅ぎ、全くこちらを認識して居ないようだ。
これはチャンスに違いない。
「よし、長門。奴に一発ぶち込んでやれ。」
「・・・。」
無言で俺の言葉に答えた宇宙人は拡散弾をブヨブヨした皮膚に向けて撃ち込んだ。
直撃した弾丸は「ボフッ」と音を立てては小さい粒子に分散して爆発する。
「ブヴォ…。」
鈍い声を上げたフルフルは一瞬、体制を崩したかに見えた。
そして・・・
「ヴィヨオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」
鼓膜を破らんとする大咆哮が俺たちを襲った。
これはうるせぇっ!
すかさずランスの楯を抜いてガードする古泉。
へヴィボウガンに取り付けたシールドで後ずさりしながらもこらえる長門。
なぜかガードしてないのに平然としているハルヒ。
なんでこいつは怯んでないんだ?という疑問が湧く暇もなく、俺は耳を両手で押さえる。
しまった!!
首をもたげるフルフル。口元が蒼白色の光で包まれたのを覚えている。
次の瞬間、電撃ブレスが俺の身体を貫通し、そのまま記憶が途絶えた。
「ちょっと、キョン!キョン!いい加減起きなさいよ!」
ハッと目を覚ますとそこはメゼポルタ広場の調合屋前だった。
「ねぇ、なんで一撃で死んじゃうわけ?あの後あたしと古泉君と有希で大変だったんだからね。」
そうか、あのブレスをくらって俺はベースキャンプ送りにされていたんだっけか。
だけど体に痛みは無い。なぜだ?
「ち、調合屋さんに頼んで『秘薬』って薬を作ってもらったんです。元気になって良かったぁ。」
朝比奈さんが安堵の表情を浮かべながら説明してくれた。桃色の頬が笑顔に変わる。
長門は黙って俺を見つめたままで、古泉は相変わらずの笑顔だ。
「長門や古泉はともかくとして、なんでお前はあの咆哮を聞いても平気だったんだ?」
「そんなの簡単じゃない。」
さっき湧いた疑問をハルヒにぶつけるとあっさりとした答えが返ってきた。
「高級耳栓よ。あんたもガードできなきゃ付けなさいよ、さもなきゃ『地雷』になるわよっ。
ほらっ、これがあんたの分の報酬。本当はね、バカキョンになんか持ってくる必要なんか無かったんだけど、
あたしはSOS団団長だから仕方ないわっ。今後ずっと敬い続けなさい!」
ぶっきら棒に突き出したハルヒの右手には布で出来た袋がぶら下がっていた。
なかには「カラ骨」や「竜の爪」といった素材の他に、見慣れない物が入っていた。
こりゃなんだ?黄色い皮膜で覆われていてビリビリしてやがる。
「あぁ、それは『電気袋』です。フルフルの体内にある臓器の一部なのですが、
これにより発電を行い、強力な電撃攻撃をしかけてくるのです。」
古泉が説明を続ける。
「これで更に太刀を強化することが可能です。太刀使いの目標の一つでもありステータスでもある武器を
早く入手することをお勧めしておきます。」
どうやら今回も皆の世話になっちまったみたいだな。
悔しいがどうも俺も力不足みたいだ。参ったね。
工房に持ち込み、親方に製作を依頼する。
ガンッ、ガンッと鉄の焼ける匂いがして、猫が慌てながら俺の元に走り寄って来た。
「できましたニャ」
斬破刀。雷を纏ったひと振りを手に入れた俺は単身カニ野郎に挑むことにした。
なんてったってハルヒを見返してやらなきゃなるまい。
それにランゴスタにも借りがある。やられっぱなしじゃ男が廃るって話だ。
「ちょっと行ってくる。」
その日、俺は初めて盾蟹を仕留め、HR10の壁を突破した。
≪現在の状況≫
ハルヒ(HR14):ハンマー「ヴェノムモンスター」
キョン(HR12):太刀「斬破刀」
みくる(HR11):狩猟笛「ウォードラム−改」
長門(HR15):へヴィボウガン「メテオキャノン」
古泉(HR45):ランス「マテンロウ」
次回、「は?レイアは?」編です。
95 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:2008/09/10(水) 22:03:04 ID:neLtEqoG
いいぞその調子だ
しかしカニやフルフルで乙か・・・
普通にハンター日記としてみてもイイネイイネ
俺も最初、まったく同じ経験しちまったからさ・・・
>>1 から一気に読んじゃった。
面白いので今後も期待。
みんなが寝静まった夜、求人区に向かう一つの影
音も無く歩くその影は慣れた手際で部屋を建てはじめた
メインターゲット『フルフル』
募集文『効率重視』
建てるや否や三人のハンター達が入室し口々に発した
『こんばんわ^^』
『こん^^』
『こんばんは』
『こんばんは。』
長門は返答と同時にメンバー情報で銘々のステータスを調べた
ハンター達は使い慣れた慣用句のように発した
『参加良いですか?』
『よろしくおねがいしますw』
『ご一緒しても良いでしょうか?』
普通に面白いな
この調子で頑張ってくれ
『全身クシャル装備の貴方はだめ、弓の二人はいい。』
門前払いをくらったフルクシャは
収まりがつかんとばかりに口をついた
『何言ってるんスかw、フルフルくらい何だってたおs』
『∽@§∴$〜』
『eまうわっ、ちょっ、まっt・・・・』
長門有希:フルフル効率重視@1ココ!
キョン寄生乙w
読みづらい。なんとかしろ
読みづらいか?
原作と同じだと思うけど…
読み辛くは無いよな。
全く普通に読める。
続きWktkしてるヤツ挙手
ノ
挙手厨死ね
おれが言おうとしたことを・・・
「キョンくーん、朝だよー、シャミーおはよーっ。」
朝からテンションMAXで俺の部屋に突入してきた妹の声で目を覚ます。
毎度口ずさんでいる「ごはんのうた」は俺の耳にすっかり焼きついちまった。
俺の部屋の居候と化している、シャミセンは妹に抱かれるのを嫌がるかのように「にゃぁ」
と声をあげて俺のベッドから飛び降りる。一番寒い時期を越したとはいえまだ3月だ。
まだまだ布団が恋しいね。と、未だ遠い春を待ち望みながら朝の支度を済ませ、
すっかり慣れてしまった早朝ハイキングコースこと、北高への通学路に足を向ける。
「よっ、キョン、なんだ朝から浮かない顔しやがって。」
後ろからアホの谷口が肩を叩き、俺の横に並ぶ。
何言ってやがる。浮かない顔はお互い様だぜ?それにテストの成績が思わしくないのに
笑顔でいられる奴がいるか。
「へっ、よく言うぜ。散々、涼宮とゲームに勤しんでおいてよ。」
あぁそうだ。MHFのおかげで随分とまぁ勉強時間を削がれてちまったからな。
それにしてもハルヒが相変わらずの好成績ってのは納得がいかん。
「とにかくよ、俺とお前は低空飛行レッドライン組だ。仲良くやろうぜ!」
そう言って谷口は笑い声をあげると俺の肩を組もうとする。
やばいな、このままだと冗談抜きでお袋に学習塾にぶち込まれそうだぜ。
「やれやれ。」
朝っぱらから深くため息を吐いた俺だが、実はテストの結果よりも深刻な体験をしていたのだ。
谷口は知らないだろうが、
≪世界が完全に消滅するかも知れない危機≫
をね。どれ、少し日付を遡るとしよう。
期末のテスト週間が終わり、阪中んちのルソーに取りついた「情報生命素子(長門談)」を
シャミセンに移してから間もない頃の話だ。
モンスターハンターの世界に随分と慣れて来た俺たちは順調にゲームを進めていた。
雪山に住むドドブランゴなる大猿や、火山に住む岩竜バサルモス、密林の雌火竜リオレイアなど
手ごわいモンスターにも随分とあっさり勝てるようになってきた。
もちろん、あのフルフルにもリベンジを果たしたし、武具も強くなったお陰でそう簡単に
やられることは無くなった。
ハルヒは早速ハンマーに飽きたらしく、ランスに手を出しては「使いづらい」と文句をぶちまけ、
ガンランスを試しては「動きがもっさりしていて嫌」とダメ出しをし、
「乱舞って最強だと思わない?みくるちゃん、スタミナ切らしたら罰ゲームよ。
『朝比奈みくるDVD:Episode of ドンドルマ』を発売するわ!」
などとほざきながら、結局双剣使いに落ち着いたようだ。
頼むからところ構わず「ホーリーセーバー」で大暴れするのはやめてくれ。
朝比奈さんは以前のようにピーヒャラ吹くだけではなく、ちょこちょこ寄って来ては
モンスターを攻撃するようになっていた。もっとも、最初の頃は返り討ちにあって
ベースキャンプ送りにされていたのだが。
いまやすっかりスナイパーと化した長門有希は「青イヤンクック砲」を愛銃とし、
圧倒的な破壊力で敵を沈めていた。近接殺しのガノトトスを討伐できたのは
こいつのお陰だろう。
ようやくHR18に到達したわけだが、個人的にはHR22で解放される「古龍」が楽しみだね。
なんてったってクシャルダオラが解禁されるわけだからな。
HR20代のハンターで全身「クシャルシリーズ」って人をよく見るがあれは実に強そうだ。
中世の騎士を思わせるフォルムはグッとくる所があるね。
とまぁ、それぞれ思い思いに武具の強化や素材集めにいそしんでいた時のことであった。
ハルヒがいきなり思い立ったように椅子の上に仁王立ちし、俺たちの視線を集めた。
「良い?皆!あたし達はだいぶこの世界で名を轟かして来たけど、まだやってないことがあるわ。
それもメチャクチャ大事なことよ。」
さぁ、当ててみろと言わんばかりにハルヒは一人ひとりの顔を眺める。
やめてくれ、お前の頭の中身など割ってみたところで何にも理解できん。
朝比奈さん(大)が居る時代の未来にワープし、技術を借りたとしても解析できそうにないね。
「さて、我々には想像がつきませんが…それは狩猟生活に密接に関わることなのでしょうか?」
SOS団きってのイエスマン、古泉一樹がハルヒの機嫌を取るかのように探りを入れる。
「もちろんよ!ふふん、誰も皆目見当が付かないような顔してるわね。仕方ない、教えてあげるわ!」
そう言ってハルヒは例の如くペンを取り出すと、ホワイトボードに字を書きなぐった。
「猟団、SOS団作成」
ハルヒがペンを置くと同時に古泉が口を開く。
「なるほど、猟団でしたか。これは思わぬ盲点でした。悪しからず。確かに我々の存在を
より確かな物にするには最適な選択でしょうね。」
「でしょ!あたし達はね、もっともっとこの世界でビックになる必要があるのよ!」
そう言ったハルヒの左腕には…あぁ、言わなくても良いだろうがここは言うべきなんだろうな。
しっかりと『猟団長』と書かれた腕章が踊っていた。
つまりまぁ徒党を組んでより狩りを楽しみましょーってことだ。
俺が思うに十分楽しんでるとは思うがな。これ以上暴れてどうする。
運営に目を付けられてアカウントを消されるようなことだけは止めておけよ。
あっさりと猟団を結成した俺たちは早速、街でクエストを消化することにした。
レイアの逆鱗が欲しいという朝比奈さんの為にサックリと密林の女王を捕獲してやろうじゃないか。
俺が酒場のメイドさんからクエストを受注すると同時に、「コンコン」と文芸部の部屋の
ドアをノックする音が聞こえた。
「おいーっすぅ!おやおや、皆さんお揃いで!んー?こりゃあゲームかい?ふむふむ、うおっ、
強そうな武器を持ってるねー。うんうん、こりゃ楽しそうだーっ。」
落ち込んでる姿が微塵も想像できない凄腕上級生、鶴屋さんは部屋のドアを開けると
パソコンの画面を覗き込んでは愉快な声をあげた。
「あ、ハルにゃん。ちょろーんと付いて来てくれないかなっ。渡したいものがあるっさ!」
「いいわね、鶴屋さん。そういうサプライズは大歓迎だわ!」
毎度の如く一瞬で意気投合した二人は慌ただしく部屋から出て行った。
鶴屋さん、以前のように怪しい地図は渡さないで下さいよ。
あの山に何度も何度も登るなんざ、ご遠慮願いたいぜ。
「あのっ、涼宮さんがいなくなっちゃったんで3人になっちゃいますけど…。」
ヒュプノホイッスルを担いだ朝比奈さんが問いかける。
「それでしたら僕がお供することに致しましょう。なあに、リオレイアならすぐに終わるはずです。
涼宮さんが帰って来るまでの一時的なご奉仕ですよ。」
パーティーメンバーにランサーの古泉を加え、早速俺たちは出発することにした。
しかし、それが未曾有の大決戦の幕開けだとは、俺や古泉、朝比奈さんや長門でさえも
知る由も無かった。
数分後、俺は大声で叫ぶことになる。
「は?レイアは?」と。
(続きます)
これは話の先が見えてるが楽しみだww
めっちゃらっきーー
到着してそこが密林でないことは即座に把握することができた。
しかし、一体「どこだ?」「なぜ?」と言った疑問は拭い去ることができず、
それは他の3人にも共通したリアクションのようだ。
真っ赤に染まった空、茶褐色の地面、黒く不気味な城壁、そして鉄が焼けついたような匂いが鼻につく。
これに似た体験を何度かしたことを覚えている。閉鎖空間だ。
しかし、それとは似て非なるものであるのは間違いない。
閉鎖空間がハルヒの心の内部で、灰色の沈んだ世界だとしたら、ここは怒り狂った鬼の
心の中のようだ。本能が「危険」という信号を灯している。
「は?レイアは?」
まっさきに湧いた疑問を声に出す。
「参りましたね。」
古泉の乾いた声が俺の後に続いた。
「今までモンスターハンターの世界で数々のマップを巡って来ましたが、こんな場所は初めてです。
考えられる可能性は二つです。僕のHR47では未だ到達したことがない場所に来てしまった。
あるいは、何らかの理由でフィールドが改編された…。」
おいおい、待ってくれ。お前は随分このゲームを進めているんじゃなかったのか?
少なくとも、これがゲームの中の世界なら話には聞いたことがあるんじゃないか?
「そうですね…。これはあくまでも仮定の話ですが、ここは『シュレイド城』かも知れません。」
「なんだそれは?」
シュレイド城の単語を口走った途端に表情を硬くした古泉は珍しく早口で説明を始めた。
「シュレイド城はこの地方の歴史ある建造物です。しかしながら、王族や近隣の街は滅び、
今や廃墟となっていると聞きます。現に、人の姿を我々以外に認識できませんから
噂は確かなのでしょう。そして、この城は悪しき伝説がねぐらにしていると言うのが
巷のハンター達の間で囁かれている話です。」
「シュレイド城はこの地方の歴史ある建造物です。しかしながら、王族や近隣の街は滅び、
今や廃墟となっていると聞きます。現に、人の姿を我々以外に認識できませんから
噂は確かなのでしょう。そして、この城は悪しき伝説がねぐらにしていると言うのが
巷のハンター達の間で囁かれている話です。」
その伝説ってのは一体なんなんだ。今まで俺たちが倒して来た飛竜や、ラオシャンロンっつー
巨大な龍とは違うのか。
「えぇ、全く異なります。その龍の存在は「破壊と殲滅」を招くと言われ、あのラオシャンロンですら
逃げ出す、という古龍観測所からの情報も入っています。古代の言葉で『運命の戦争』を指す
黒き龍の名前は…。」
「ミラボレアス。」
長門有希が透き通る声でその名を告げた。
「おでまし。」
「まずいっ!」
そう思ったが足が動かない。ダメだ、俺の中の闘争本能が逃げろと言っている。
以前のコンピ研部長氏に取りついたカマドウマの化け物の比じゃない。
やばい、ヤバ過ぎる。
黒龍の口から放たれたブレスが俺を飲み込もうとする刹那、
長門が俺を遠くに突き飛ばす。危ないっ、間一髪だ。
「明確な敵意を感じる。このフィールドから外への情報伝達の手段は全て凍結されている。
それに加え、この部室から外部への物理的干渉も不可能となった。」
「つまり、このゲーム内のみならず、我々の世界も何者かの手によって閉ざされたという訳ですか?」
「そう、あの龍の存在により我々は時間平面上から切り取られたことになる。」
待て待て、話が飲み込めないぜ。
つまりミラボレアスとやらが俺たちに敵対する組織から送り込まれた。
そして俺たちはゲーム内でも現実世界でも別な次元に飛ばされちまったってことか。
だが待てよ?もしこのまま戦って負けたらどうなる?それで終わりじゃないのか?
「終わりではない。その時点で我々の存在は分子レベルまで分解される可能性がある。
ゲーム内に涼宮ハルヒを筆頭に、貴方達の遺伝子情報が組み込まれている。」
ということはこの化け物に勝てなきゃ俺たちは死んじまうのかっ?
おいおい、まだまだやり残したことがたくさんあるのに一生を2次元の世界で終えるのは
御免だぜ?
「恐らく猟団の作成が引き金となったのでしょうね。」
黒龍の視線から逃れるように俺たちを誘導しながら古泉が説明を加える。
「以前、インターネット上に涼宮さんの情報がアップロードされた際に情報が爆発的に
増殖したのを覚えていますね。あれと同じ現象が起きているのです。
あの時はただの記号でした。しかし、今回は違う。我々の分身、つまり、
我々に姿をあえて酷似されたキャラクターがネット上に形成されてしまった。
それに加え、今までは不定期にアクセスしていたにも関わらず、猟団結成によって
涼宮さんの情報が常時伝達されることになった…。」
ブルブル震えて今にも泣き出しそうな朝比奈さんをベースキャンプのベッドに
寝かせると支給品ボックスの中を漁る。うん、使えるものが多少はありそうだ。
「その伝達された情報が何らかの形で遺伝子情報を構築、このような状態になったと
考えられます。」
となるとハルヒの不思議パワーと何者かの影響が合わさってこんな事態になったみたいだな。
本当にあいつは人騒がせな団長さんだぜ。
「本当に危険な事象は別にある。涼宮ハルヒとゲームの接触を避けなくてはいけない。
涼宮ハルヒがミラボレアスと接触した場合、未曾有の情報フレアが発生。
3年前以上のビックバンを引き起こすことになる。」
「つまり、何が起こる?」
長門は間髪入れずに淡々とした口調で結論を述べた。
「世界の破滅。」
もちろん、俺は驚いたし、焦った。だが、SOS団が消失しちまった時ほどじゃあ無い。
なんてったって今なら古泉が、頼りないが朝比奈さんが、そしてあの時の
眼鏡をかけた文芸部員ではない長門有希がいるんだからな。
おまけに俺だって少しは成長したはずだぜ?
「何をすればいい?」
「目標の完全消滅。私はこの凍結されたこの空間の情報連結を解除する。
貴方はミラボレアスを討伐すれば良い。」
「どうすりゃ倒せる?」
「恐らくですが、この空間では僕の能力も多少なりとも通用するようです。
長門さんが情報解析と連結の解除をすることで古龍の体を覆う莫大な
情報の壁を破壊します。僕はその援護に全力を注ぎます。
貴方はミラボレアスの身体に強烈な一撃を加えて下さい。何か手はあるはずです。」
長門の代わりに答えた古泉は右手に赤い玉を浮かべるとベースキャンプの外へと
飛び出して行った。続いて長門も外へと移動する。
隅で震える朝比奈さんに俺は問いかける。
「朝比奈さん、未来とのコンタクトは可能ですか?」
「ふえっ?い、今ですかぁ・・・?ちょっと待ってキョン君。あ…あれ、出来ちゃいましたっ。」
お見事です、朝比奈さん。どうやら間接的にではあるが外につながる手段を手に入れたようだ。
「じゃあ聞いてみてください。ハルヒがあとどれくらいで部室に到着するかを。
あいつが来る時間がタイムリミットです。」
鶴屋さんがハルヒを連れ出してくれたのは本当にナイスタイミングだった。
もしあのままハルヒがクエストに参加していたら、と思うとゾッとする。
「あ、えと、あと7分みたいです、うそ、なんで言えちゃったの?禁則のはずじゃ…。」
「助かりました、朝比奈さん。外は危険です。そこでなんとか安全にしていて下さい。」
禁則事項が解除されてる、ってことはどうやらこの事態も未来から見ると規定事項ってことか。
そうですよね、朝比奈さん(大)。ならその未来をこじ開けるまでさ。
ベースキャンプから飛び出すと二人は早速、黒龍との戦闘を繰り広げていた。
「地球の現代技術レベルに則ってプログラム修正を施す必要がある。許可を。」
へヴィボウガンを担いだ長門に俺は塀の上から声をかける。
「よし、長門やっちまえ!」
コクリと顎を引いて頷いた素振りを見せた宇宙人はいつぞやの様に高速で呪文を唱える。
と、同時に手にしている青イヤンクック砲が発光し、更に巨大な銃へと姿を変えた。
銃口から紫色の光が飛び出し、ミラボレアスに、城壁に、
地面に、そして空へと散らばっていく。どうやらプログラムの修正が始まったようだ。
長門をフォローするかのようにランスの楯でブレスをガードしていた古泉は手に持っていた
赤い光の玉を黒龍へと投げつける。胸に命中すると、「ピシッ」と岩が砕けたような
音が響き、邪龍の胸に十字の傷が付いていた。
中には真っ赤な肉が見え、禍々しい程の血を流している。
ミラボレアスが怯んでいる隙に俺は使えそうな設備を探す。
巨大な槍を発射可能なバリスタ、大型の備え付き大砲、そびえ立つ黒い城門…。
違う、こんなもんじゃないはずだ。もっとキーになるような…。
あった。あれだ。
俺の目の前に鈍く光る人の数十倍はあろうかという機械槍が姿を見せた。
撃龍槍「パイルバンカー」。これだ。こいつをぶちこめば…。
握ると同時にジワッと嫌な汗が流れて来やがる。
「頼んだぞ、長門、古泉。」俺が静かにその時を待つことにした。
黒龍は空中に舞い上がっては炎を撒き散らし、地面に降りては這いずりながら迫り、
まさに「悪魔」と呼ぶにふさわしい姿で攻撃していた。
防御力400以上を誇るはずの古泉でさえ、その脚に触れるだけで大ダメージを受けていた。
恐らく俺が行っても足手まといになるだけだろう。
手元の時計に目を移す。くっ、残り2分か…。
その瞬間、
「ギシェェエエエエッ!!」
ミラボレアスが悲鳴に似た声をあげ、舌を口からダランと垂らす。
どうやら長門と古泉の攻撃が随分と効いてるみたいだ。
翼には穴が空き、禍々しい角は折れ、目には傷が付いている。
「対象の全ての部位破壊に成功。全ての情報の凍結を解除した。」
「今です、ミラボレアスを守る情報の壁はもう有りません!」
二人の声が頼もしい。よし、あとは俺の出番か。
ポーチの中から角笛を取り出し、思いっきり息を吹き込む。
俺の存在に気がついた黒龍は宙に舞い、俺目がけて接近してくる。
落ち着け…。チャンスは一回だ…。くそっ、目に汗が入りやがる。
黒い甲殻が迫り、俺は必死で撃龍槍の発射スイッチを押し込んだ。
回転する矛先。断末魔を上げる黒龍…。
空に亀裂が入り、まばゆい光に包まれたかと思うと、足もとがグラグラと揺れ、
そこで記憶が途切れた。
「ここはどこだっ?」
気がつくとハルヒが俺の顔を覗き込んでいた。
「うわっ、んぐっ、ちょっと、起きるなら起きるって言いなさいよ!」
アヒル口を作ったハルヒは腕を組んで自分の席にドカッと腰掛ける。
「あんたも古泉君もみくるちゃんも、皆揃って疲れて寝ちゃったんだって?
有希に聞いたわよ。全く、あたしが居ないと皆ダレきっちゃってダメね。」
そうか、どうやら無事にこっちに帰って来ることが出来たようだ。
俺より先に目を覚ましていた古泉は左目をつむってアイコンタクトを取る。
やめろ、お前のウインクは見たくない。
朝比奈さんはまだ眠っているようで、小さい声で「ふわっ、うーん?」などと
ブツブツ言いながら夢心地だ。きっと夢の中で何かに追いかけられているに違いない。
「まだみくるちゃんが眠ってるみたいだからあたしはコンピ研に行ってくるわ。
ちょっと用があるし。」
そう言ってハルヒは部屋から出て行った。
俺は古泉に話しかける。
「戻って来れたのか?」
「えぇ、無事に。この世界が情報爆発によって生まれた新しい世界である、との考え方も
できますが、それを証明する手だては有りません。今は勝利の余韻に浸るのが
一番でしょうね。」
それにしても一体なんだったんだ。あれは。
初めてのクエストの時の異変がより大きくなって現れた…。
もしかしたら今後、更なる危機が訪れる可能性はあるのか?
そうなったら今度は対処できるのか…いや…。
そこまで考えて俺は思考を止めた。
愚問だな。そんときゃそん時だ。
なんとかならないならなんとかすりゃあ良い。
どこぞの誰かが俺たちを陥れようとするなら俺は最後の切り札を使ってでも
SOS団を守るために戦いに打って出るぜ。それはこいつらだって同じはずだ。
「やれやれ。」
俺がいつもの台詞を吐くと同時に、ガラッと扉が開きハルヒが戻ってきた。
その音に気付いてか、朝比奈さんもビクッと飛び起きる。
「皆、聞いて!鶴屋さんから良いもの貰ったわ、これよ!」
そう言って高々と掲げたハルヒの右手には小さな鍵が握られていた。
「鶴屋家で所有してる大きなホールを今度貸してくれることになったわ!
今学期を締めくくるためにもそこで大会を開くのよっ。」
待て待て、話が急過ぎる。しかもどんな大会をやるってんだ。
鍋大会なら去年の年末にやったはずだぜ?
「もう、違うわよ。モンスターハンターの大狩猟大会を開催するわっ。
さっきコンピ研に話は付けて来たから、パソコンとかの設備は問題なし!
勝者には豪華賞品をくれてやるわよ。あ、もちろん、SOS団には優勝以外の
選択肢はないからぜったいに勝つんだからねっ!」
どうやら俺たちの戦いの苦労もいざ知らず。
ハルヒは今度は謎の大会を開催する気らしい。
国木田やアホの谷口、鶴屋さんやコンピ研もきっとまき添いを食らうことだろう。
なんだかさっきまでの心配なんざ吹っ飛んじまった気がするね。
長門の行った処理の内容や、朝比奈さんが未来と交わした連絡の詳細、
あのミラボレアスを作り出した主の正体等は、ひとまず後で追及するってことにしておこう。
そのモンスターハンター大会で大騒ぎするハルヒに振り回されつつ、
俺なりに突っ込みを入れてやってからでも遅くはないだろう?
とりあえずこれで構想してた分はおしまいです。
しょーもないへたれ小説でしたがお付き合いしてくれた方、ありがとでした。
また機会があったら書くかも知れません。その時までまた。
ε ⌒ヘ⌒ヽフ
( ( ・ω・) フゴフゴ
しー し─J
_
| / ̄\
 ̄| |
_| ̄ \_/
おわり
乙。読ませてもらったぜ〜
完成度たけぇwww
モンスターハンター大会の詳細が楽しみだ…
気が向いたら是非書いてくれ
良かったぜぇ
おつかれさまでしたー面白かったです。続きが是非読みたいです。
原作を相当読み込んでいるな
乙こういうの読んでて面白い
次回作に期待せざるをえない
楽しく読ませてもらいました
おつかRE!
お疲れさま!
おもしろかったです。次回作が出ることを期待してますよ
ようやくDAT落ちとなるか。
しばらくは賑やかしが「保守アゲ」とかサルベージするだろうが、それでも、やはり終了だわな。
みんな、おつかれー。
こういうのは誰かが書いてくれるもんだ。
なだらかな丘を少女は歩いていた
青と白のセーラー服の上からカーディガンを羽織ったお馴染みの姿だ
昼過ぎの穏やかな森丘を散歩する一人の少女は何かを発見したようだ
近づいてみると、男が一人倒れていた
少女は男を観察し始めた
年の頃は二十歳前後といったところか
長身痩躯に茶色がかった少し長めの髪を風になびかせ
見慣れない服を着ているその男は気持ち良さそうに寝ている
少女は男の隣に腰を落とした
『・・・・!』
少女は視線を上げた、草食竜達が一斉に南へと駆け出していく
不穏な空気が漂ってきた、少女は近くに狂暴な飛竜種のレウスがいると判断した
『起きて、此処は危険』
男を起こそうとするが全く起きない、熟睡している
そうこうしているうちにレウスがこっちへとやってきた
全身を蒼い鱗で覆い、凶悪な目をこちらへと向けている
少女は焦った、男が起きないのだ
『シオンめぇ、俺をこんなに働かせやがって・・・死ぬぅ・・・Zzz』
なにやら投下が始まったな
>>1とは別人か とりあえず期待
蒼い鉄壁を身に纏い、大気を震わせる程の怒りを撒き散らし
天空の覇者レウスはこちらへ突進をしてきた
『ふぁ〜、なんだなんだ?
人が寝てるのに騒々しいぞ』
少女が打開策を思索してると、男は不満をゴチりながら起きた
『早く逃げて・・・・危険』
と少女
『危険だと?』
そう言いながら男は振り向いた
眠そうな眼を擦りながら緊張感の無い口調で呟いた
『賛成、逃げよう』
間一髪レウスの突進から逃れた二人
『危なかったなぁ』
今だ緊張感の欠片も感じられない緩み切った顔で男は言った
『貴方が起きないのが悪い』
少女は当然の愚痴を吐くと、油断しないで、と語尾に続けた
155 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:2008/09/18(木) 23:00:15 ID:OhcCHEVk
死ね。師ねとか詩ねじゃなくて、氏ね。
なんでわざわざ上げるの?
そんなに自己主張したいの?
氏ねカス
157 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:2008/09/18(木) 23:24:58 ID:OhcCHEVk
我慢できなかったの?ぼうやwwwwwwwwww
これだからage厨は・・・
なんだ上げてるの中学生か…
上げるの成績だけにしとけ
>>154の続きです
レウスはいつもの気紛れか大空へと飛び立っていった
そして二人は刹那の快楽に身を委ねるのであった
『くふぅ...んあぁぁ...』
少女は一際ながい色声を洩らし、一糸纏わぬ姿で悶え
男は少女の欲望を叶えるべく全身全霊を持って努めた
『ふぁ...くぅはぁ....んあぁ』
少女の狂おしい程に甘い音色は
いつまでも森丘の大地を木霊するのであった
〜fin
なんという官能小説www
カタカタカタカタカタ..タタタタタタタタ
私の名前は長門有希26歳職業プロハンター
ちなみにハンター歴は10年HR78000
途中12回カンストしたけど私が作り出した
究極破壊プログラムを添付して要望を出したら
五分後には緊急メンテ、ここでは運営さえも私の意のまま、私が神
ピンポーン
無機質な電子音が訪問者が来たことを告げた
長門は受話器をとった
『・・・・・・・』
『俺だ』
いつものやり取りをしたあと
長門がロックを外し彼を招いた
『すまない、二ヵ月の出張で来れなかったんだ』
彼はそう言うとヤカンに火を付け二言三言続けた
『長門、、、また髪が伸びてるぞ、後で切ってやるからな』
>>163の続きです
『長門、いい加減ゲームも飽きたんじゃないのか?』
「・・・・・・・」
『大学にでも行ったらどうだ?、おまえの頭なら選び放題だぞ』
「興味無い。」
予想通りの答えだな、しかし俺は負けんぞ
おまえはあらゆる戒めから解放されたんだ、好きなことが出来るんだぞ
それに長門には借りがあるしな
「貴方はどうして此処に来るの?」
こいつはまた答えにくい質問をしやがって、どーもこーも、、、一つしかないだろ!
「貴方の考えは想像がつく、でもソレは不可能」
『なぜだ?』
10年来の付き合いだ、長門が次に何を言うかも解る
「私は貴方達とは根本的に違う、有機生命体との継続的な干渉は不可能」
どんだけネガティブな思考なんだこいつは、方向性は違うがまるで当時のアイツだな
憂鬱と退屈を紛らわすために暴走しまくったと思ったら
世界に驚愕をもたらし、いや実際は一握りの人間しか驚愕しなかったわけだが・・・・
要はだな、あの迷惑女も三年もしたらまともな人間に
って、思い出したくもない黒歴史を反芻するのは辞めよう
「同じ事、鈴宮ハルヒは有機生命体
私の容姿はソレに酷似するが根本的には異質」
まったく、堂々巡りとはこの事だな、長門は少しの沈黙を挟んで更にこう続けやがった
「私の容姿は幾つに見える?」
何て答えて欲しくてこんな分かり切った質問するんだ?
この時、俺は自分が沸点に近づいているのに気付けなかった
「私の時間の概念は有機生命体のソレとは異なる」
またか、もうやめてくれ
何かが音を立てて崩れた気がした
「私はいつまでも当時のまま有
(なんで解らないんだ)
機生命体と相容れることは現
(やめろ、もういい加減にしてくれ!)
代〜〜理解〜、〜〜私と貴方〜〜は
(こいつ何を言ってるんだ?)
でも、わたっ!っ・・・・っ・・・・くっ・・・
(何だコレは?俺は何をしている?)
・・・・ふっ、・・しっ・・・・・・。」
俺は奥の部屋に入った
光を放ちながらこっちを向いている三つの箱
『!!!!!!!』
声にならない叫びを上げながらそれら全て破壊した
それから長門の部屋を出た
エレベータの前、ボタンを押した
いつまでも待っても来ないので階段を使って昇ることにした
〜fin
?
意味不明
殺して自殺するってことか?
鈴宮って誰だよ…
箱はPCか?
あたしは、胸が熱くなって、『ダメだよ、先生には家庭があるじゃん。』と、半泣き状態で言いました。
「でもな、先生ずっと我慢してたけど、限界なんだよ…早くホントの気持ちをお前に伝えたくて。」
『なに言ってんの?先生がそんなコト言っていいの?』と、言うと、
「ゆぅか、好きだ…」
と、言って、抱き締めてきました。
あたしは、なにも出来なくて、ただ先生がしてくることに一生懸命応えるコトしか出来ませんでした。
先生の手が、とても熱くて、その熱い手があたしの体中を包んでくれました。
そして、先生としばらく抱き合いながら、キスをしました。先生の大きくなったお○ん○んがお腹にあたるので、『先生、興奮し過ぎ』って言うと、「うるせぇ。」と言ってきました。
「いい?」と先生が聞いてきたので、『あたし、処女だよ?』と、聞くと
このスレが落ちるのも寂しいから色々と書いてもいいんじゃね
それはいいんだが、MHFが全く絡んでないのはいかがなものか
178 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:2008/09/26(金) 20:29:16 ID:ekO48PDl
>174
ワッフルワッフル
きも…
他でやってくれ
「キョン!閃光玉を投げるのよ!」
相変わらず我らが団長様は人使いの荒いことだと思いながらも、粛々と従うあたり俺も人間ができてるね、全く。
「キョン!どこ向いて投げてるのよ!あ〜本当に使えないわね!」
そう、俺の投げた閃光玉は明後日の方向へと飛んでいた。
なら太刀を振り回す事に夢中なお前が投げろと思いながらも、外した俺に非があるわけで、もう一度、と思った瞬間
「ギシャアアアアア」
馬鹿でかい咆哮と共に、巨大な飛竜が突っ込んできた。
おまけに後ろでは朝比奈さんが咆哮に身をすくめてるときてる。
回避するわけにもいかず、朝比奈さん、貴方のために倒れるならば本望です。などと半ば自棄になり小さな盾を構えていると
「ギャアアア」
巨大なうめき声と共に、目の前の飛竜は崩れ落ちた
「危ないところでしたね」
と小泉が話しかけてきたのさ。こんな時でも爽やかスマイルを崩さないのは流石だね。
いささか癪に思いながらも、感謝の言葉を述べていると、横からハルヒの奴が大声で突っ込んできやがった。
「流石小泉くん、我がSOS団の副団長だけはあるわね。それに比べてキョンは、だからヒラなのよ!ヒラ!」
ハルヒの奴が大声を出しながらきやがった。それはいいんだが。
「キョン君大丈夫ですか?」
大丈夫ですよ、それより朝比奈さんに怪我もなく、何よりです。身を張って守った甲斐があったなと思っていた矢先に
「小泉君のおかげで助かりました、ありがとうございます」
などと心持ちうっとりした声で言うのはなんだかね、俺の努力は見てもらえませんでしたか。
「涼宮さんもあなたが心配だからきつい事を言うんですよ」
と、朝比奈さんへの返事も早々にいらんフォローするのが余計に癪だな。
こんなふうにゲームを楽しんでるように見えるが、実はゲームじゃないんだよ、これは。まいったね。
きっかけは先日部室で起きた一件だったんだろうな。
「キョン!ゲームを作るわよ!」
いつものように朝比奈さんの入れたお茶を楽しんでいると、いつものようにハルヒが100万ワットの笑みと共に飛び込んできやがった。天上の甘露が粗茶になるなと思いながらも
ゲームならこないだ作っただろ?あのス○ロボのパクリゲームをと言ってやると
「違うわよ、今度はオンラインゲームを作るのよ。世界中の人が繋がるオンラインゲーム。これを作れば、SOS団が世界中に名を轟かせる事間違いなしだわ!」
その発想はわかるが、ファミコンレベルのゲームすらまともに作れない俺たちにそんなものつくれるわけないだろう。
もっとも俺たちが作ったゲームは「ドット絵こそスパ○ボだ!」「このチープさの中に漢のロマンが詰まってる!」と極一部に好評ではあったが。
とはいえ普通の人間にはそんな感覚はないだろうし、ましてやオンラインゲームなんて誰が管理運営するのかと。
長門なら可能だろうが、こんな下らないことであいつの手をわずらわせてもな。などと言う事をハルヒに説明してやったのだが
「やる前に諦めるなんて発想はSOS団にはないわ。挑戦してみてから無理かなんてことは考えるのよ」
などとハルヒが言うので、少しくらい付き合ってやることにした。どうせこんな時のハルヒの説得なんて不可能だしな。
言い出したハルヒ自体がオンラインゲームをわかっていないようなので、試しに皆でプレイしてみることにした、何かというと「モンスターハンターフロンティア」だ
「モンスターハンター」は以前にPSPごと谷口に借りてプレイしたことがあるので勝手はわかってたからな。
ゲームをやりながらもおっかなびっくりの朝比奈さん、意外にも苦戦している長門、アナログなゲームと違って意外にも上手い小泉。中でもやっぱりハルヒは違うな、悔しいながらも。
経験者の俺があっという間に抜かされるとはね。スポーツ、バンドと何でもこなして来ただけはあるな。
その日はそんな感じでのんびりとゲームをして終わった。それから幾度かプレイしていたが、プレイするだけでゲームが作れるわけもなく
ハルヒも「モンスターハンターを超えるゲームを作るにはじっくり考える必要がありそうね」といい、一旦はこの話は終わった。ハルヒは予想以上に熱中しているらしく、家でも時間を見つけてはプレイしているようだが、健全な高校生らしいのんびりとしたプレイらしい。
あいつがSOS団よりも他を重視するなんてありえないだろうが、万が一ハマッたら世界がモンスターハンターの世界になっちまうかもしれないからな、人並みにゲームをやってるおかげで俺たちも平穏な日常が送れるわけだ。よかったよかった。
などと考えつつも今日一日が終わり、明日も平凡な毎日がやってくることを願いながら、床についたわけさ。だが、油断したときにやってくるのがハルヒだな。考えないようにしたいが。
イイねイイね
192 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:2008/10/06(月) 19:53:13 ID:pgeGamdJ
>>191 エロとグロは紙一重、みたいなとこか。
漏れはエロスを感じたな。
おれAB
父O
母O
妹O
この前、輸血が下記のように言われたんだけど、
OからABに輸血して大丈夫なの?
OK 父母妹→おれ
NG おれ→父母妹
それ以前に、O型どうしの両親からはO型しか生まれないはずじゃ・・
>>198の言う通りで血液型の遺伝子はA,B,Oの三種類で一人につき二つ持ってる
AとA、AとOの奴はA型、BとB、BとOの奴はB型、AとBの奴はAB型、OとOの奴がO型になる
両親から一つずつ遺伝するからAとA、BとBからOが生まれることはあるが
両親が二人ともOならOしか生まれないハズ・・・(・3・)あるぇ〜
輸血が下記のように言われたんだけど の検索結果 約 12,800 件中 1 - 10 件目 (0.36 秒)
なんて言ったげればいいんだろ、とりあえず、コピペで釣られんなよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
201 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:2008/10/12(日) 00:24:14 ID:dnJx1Ucs
そんなこんなより、
>>191のグロマンコの方が気になるのだが。
この子、将来大丈夫なのか?w
202 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:2008/10/18(土) 10:35:37 ID:/u2azbNY
双剣でしょでしょ?
>>199 キミが高校で生物の授業を受けなかった事は確かだね。
もしくは何十年も前に受けたか。
(キリッ が抜けてるぞ
205 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:2008/11/04(火) 08:12:32 ID:pYmlsBE9
ハルヒと一緒にモンハンやりたい
キョソ「おいハルヒ!」
ヒハル「何よ!」
キョソ「元気ドリンコ忘れた」
ヒハル「生肉でも食ってなさい」
なんで5人でクエに出てるの
馬鹿なの
208 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:2008/11/21(金) 10:21:19 ID:C4kRfUl3
ほすほす
面白い
210 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:2008/11/29(土) 08:37:26 ID:0DKpxZLu
誰か新作書いてよ
来年にむけて保守したい
213 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:2008/12/15(月) 01:15:19 ID:6FV9fgMC
埋め
あげるなくそやろう
215 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:2008/12/15(月) 12:23:55 ID:CGIH7p3v
アゲ
埋め
キョン『長門、モンスターハンターフロンティアって知ってるか?』
俺は唐突に尋ねた
長門『・・・・・』
ふっふっふ、どうやら知らないようだな
流石の長門様も分野違いか?
キョン『なんだ?知らないのか?』
長門『しっ、知ってるモン。むぅ〜』
人類滅亡
ふっ、強がりめw
キョン『ほほう、本当か?なら説明できるか?』
どうくる!
長門『もっ、もん、モンスターが、、、っ』
ぷっwこいつ知らねーZO☆
キョン『ん?何だって?聞こえないぞ!』
長門『だっ、だからぁ!もっ、モンスターがハンターで開拓するのぉ!』
俺死亡
ageるぜ。続き書いてくれー。
しかし、いきなり「よろしくおねがいしますw」はやっぱフルクシャだったんだなw
うはwしまった・・・なんか勘違いしてたわ・・・
オメェ頭大丈夫か?
222 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:2008/12/28(日) 12:47:13 ID:+tet98i+
かわいい
223 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:2008/12/29(月) 20:12:15 ID:TxkLySDJ
アッー!
224 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:2009/02/03(火) 09:38:56 ID:doAj+KE7
あけおめ!
小泉がランスで突撃。
まっがーれ!!
226 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:2009/02/11(水) 19:03:03 ID:WMAXTxG5
モケケw
ヲタスレsage
有希『リオレウスを敵性と判定、長門有希イッきまーす』
俺『いや、そんな掛け声いらないから』
二人の物語はここから始まった・・・・・
俺『ふぅ〜、75回目のテオ討伐だ、いい加減に特血でろよな』
有希『現在4つ入手、確率では約1/10、あと4つは出てもいい・・・・
しかし偏差はどうすることも出来ない、、、頑張って』
俺『おおう、頼むぅ〜ポチっとな』
俺『・・・・・・』
有希『・・・・濃血』
俺『泣いていいか?』
有希『もう今日は寝る?』
冒険は始まったばかり!
ハルヒと三女の絡み期待保守
俺『さぁて、今日はどうすっかな?』
有希『たまにはドコが行きたい』
俺『よ〜し、んじゃ今日は求人区いっちゃう?』
有希『なんでやねん!』
まだまだまだまだ続きます
有希『かっ、勘違いしないでよね
別に貴方の為じゃないんだからねっ!』
俺『!?、、、いきなしなんだ!?』
有希『なし?』
俺『あり!』
俺『あっ、やっぱ無しの方向で』
有希『・・・・・そう』
そろそろ終了かな、、、><