リオレイア。何度挑んでも勝てなかった。
募集があれば飛び込んで、募集がなければ自分で募集をして…
何度も何度も挑んだけれど、まるで勝てなかった。
そんな中、求人区なら凄い人がいっぱいいるという噂を聞いて、
愛用の大剣を担ぎ、初めて求人区まで出向いてみることにしたんだ。
4人専用の閉鎖的な空間に少しどきどきしながらも部屋を作る。
初めにやってきたのは、青い鎧に身を包んだ双剣士だった。
将軍にあったこともなかった自分は、凄い人が来た!と
内心とても興奮しながらも、簡単に挨拶を交わし次の人を待った。
次にきたのは笛吹き。あまり笛にいい印象がなかったが、
その人を見てまたびっくり。なんと、そこにいたのは、
オカリナを担いだ魔女だったのだ…。
最後にやってきたのが、自分と同じような簡単な防具に身を包んだ
太刀だった。聞くところによると、初めてらしい。
大変かもと思いつつも、自分も倒したことがないので同じようなもの。
笛さんが簡単なアドバイスをくれたので、参考にしつつ、いざ出発。
今までより、うまくいってる気がする。
確かに飛ばされまくってるけど、謎の回復現象により、命を救われ…
笛の効果で風圧も無効化され、今までよりは、よかった。
ただ…それでも、あくまで、マシ、程度だったんだ。
怒り時の攻撃をまともに耐えることができないから、
結局、俺の1死と太刀の2死で幕を閉じてしまった。
もっとも、最後太刀が死ななかったら、俺が死んでたんだけれど。
街に戻って早々、「即死は勘弁」と言い残して双剣が退室。
俺は絶望していた…ここでもダメだったから。
このまま俺は、一生リオレイアを倒せないんじゃないかと。
諦めて街から去ろうとしたとき…二人の発言が、俺の足を止めた。
笛 「お疲れ様☆ …リベンジ、行きませんか?」
太刀「すみませんでした…。どうしたら勝てるでしょうか?
とても悔しいです。何かアドバイスいただけないでしょうか?」
そのとき俺は、本当に泣いていた。
俺はさっき散々なプレーをしたのに、まだ受け入れてもらえるんだって。
そして何より…プレーは俺と同じくへなちょこだった太刀が
自分の気持ちを正直に話す姿が、物凄く格好良くみえてしまって。
だから俺も、奮い立たなきゃって思えた。今度こそ、勝つために。
「すみません。実は俺もレイア討伐したことありません。
本当に悔しいです。アドバイスお願いします!!」
俺達は、魔女による授業を受けた。
猫飯のこと、回復薬G・秘薬・粉塵の存在、閃光玉や罠…。
それ以外にも、立ち回り等のPSに関するものも教わった。
今までがむしゃらにやってきて何も知らなかった俺にとって、
その講義はまさしく魔法だった。
その魔法で、俺の世界は一気に広くなった。
…そして、それは太刀も同じようだった。
結構長い間、そうしていたのだけれど、なぜか4人目は一向に現れなかった。
倒したことない敵だ、どうしても4人欲しい…前ならそう思ったはず。
でも…実際に勉強の成果を確かめてみたいし…今はもう、そんな不安はない。
俺 「3人でいきましょう!!」
太刀「はい!次こそリベンジです!」
笛 「そうですね〜☆ 頑張りましょ〜♪」
遂にリベンジのときがきた。場所も同じ、メンバーもその装備も同じ。
(…人が一人足りないのは置いといて。)
でも、その他はまるで違ったんだ。
俺達は、魔女のご馳走で、体力が150になっている。それだけじゃない、
相手の動きを見られるようになって、攻撃自体があまりあたらなくなった。
笛さんは、あまり殴りにこなくなった。
…今回は勉強のため、風圧無効は吹かない。そうも言っていた。
それでも、遠くから回復などのサポートをしつつ、
俺達のことを見守ってくれている。アドバイスもして貰えた。
本当に、今までと同じレイアなのかと疑いたくなるくらい、調子が良かった。
でも、調子が良すぎて少し油断していたのかもしれない。
咆哮からの強烈なコンボを貰ってしまい、俺、太刀が立て続けに死んでしまう。
もう後がない。次は、絶対に死ねない。それでも、やつを倒さなきゃ。
俺達は魔女から貰った秘薬を飲み、再びレイアの元へ向かったんだ。
俺が辿り着いたとき、魔女は地上に降り立ち、陸の女王と戦っていた。
攻撃をたくさん叩き込み、華麗にかわし、ピヨらせて…。
咆哮に対して足に当たりにいったときは、鳥肌が立った。
俺は思わず見入ってしまった。太刀も俺の横で観察してる。
この人は口だけじゃない、本当にうまいんだ…と実感した。
でも、俺達は見てるだけじゃいけない。自分の手で、勝利をつかみに行かなくちゃ。
そう思い、レイアの元へ突っ込んだ。太刀もほぼ同時に飛び出してった。
今度は3人でレイアを殴っていく。
そして…遂に、レイアは足を引きずりはじめる。
よし、一気にたたみかけよう!と思い更に突っ込んだとき、
尻尾に飛ばされた。…やばい、突進もくる!やられる!!
そう思ったとき、画面が白く光り…レイアの動きが止まる。
笛さんが閃光を投げてくれたようだ。俺のHPもみるみるうちに回復していく。
太刀も、さっき貰った粉塵を使ってくれたようだ。そしてチャット欄に発言が。
笛「冷静に」「焦らないでいこ〜。ここからが本番だよっ♪」
この人は、どこまで格好いいことをすれば気がすむのだろう。
そして…やっと、ファンファーレとともに、リオレイアが叫び声を上げながら倒れた。
俺も、思わず思いっきり叫んでしまった。
俺と太刀は喜びをぶつけ合い、笛に全力で感謝した。
この瞬間は、今でも忘れることはなく、鮮明に覚えている。
…これが、俺とこの2人との出会い。
それ以降、よくこの3人で出かけた。
HRも相当上がり、皆ほとんど同じになった今でもそうなのだから、
本当に素敵な人たちに出会えたんだな、とつくづく感じる。
太刀は、今ではいつも一緒に出かける相棒だ。
笛さんは、今でもいろいろな人の支援をしているそう。
PSではこの人にはまだまだ及びそうにない。
素晴らしい師匠(いろんな意味で、癒しも担当)と、
最高のライバル(突っ込みもプロ級)。
今でもMHを続けているのはあなた達のお陰です。
本当にありがとう。
そして…これからもよろしくなっ!!