かつて、この板にRO1行リレー小説というスレが存在した。
RO本スレ以外で1000スレを達成した、なかなかのスレである。
しかし、残念なことに最後は、マジメに小説を続ける派とおちゃらけギャグ派、
これら2つが混ざり合って、口論となってしまった。
そして、最後には議論だけの、つまらないスレと化してしまった。
ここでは、おまいらに 真 剣 に ROの小説を綴ってもらう。
そう、物語を綴るのは、アナタである。
2げとーヾ( ゚д゚)ノ″
3 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/30 14:23 ID:iaHLiMOO
3
「ち、ちょっとケイオス!」
妙に慌てるガリィ。
(レイド、もしあのソヒーがケイオスに何かするような気配みせたら構わずブッタ斬ってちょうだい。)
(ははっ!了解であります!!)
「僕が彼女になる。これでオーケーかな?」
ちょこんと座って考え込むソヒー。
「しかし、わらわの元彼はもっと強かったぞよ・・・。う〜む。」
とりあえず敵意はもう無いみたいだ。良かった・・・。
「あ、それじゃあちゃんとこれから修行してこれから強くなります!
だから・・・ちょっとの間待っててくれませんか?」
ソヒーは考え込むのをやめ言った。
「よいよい。その心だけで十分じゃ。
これでわらわも成仏できる・・・。例を言うぞ少年・・・。」
「え?え?」
そういうとソヒーが着物を順々脱いでゆく。
そして裸・・・。
(ガ、ガリィ殿!こういう場合はどうするでありますか?!)
(ち、ちょっと知らないわよ!分からないわよ!!)
「さらばじゃ・・・良き心を持つ少年よ・・・。
我が転生した暁にはおぬしと・・・・・。」
そういって空中へと消えていくソヒー。
僕はまばたきせずにその様子に魅入っていた。
「ソヒーの裸・・・ハァ(*´Д`)ハァ」
僕の口から咄嗟に出た言葉がそれだった。いや、それ以外に何があるだろう!
その様子を見ていたガリィがレイドに囁く。
(レイド。)
(ははっ。)
(ケイオスを殴って頂戴。)
(い、いいのでありますか?)
(命令よ!)
(し、承知いたしましたっ!)
すっかりデレデレしている僕。その背後から・・・
「御免っ!!」
ボカッ!!
「ぶほっ!」
吹っ飛ぶ僕。
その光景を一部始終見ていたエミリアさんが呟く。
「やれやれ。ケイオス君も『女心』には鈍いのねぇ・・・。」
「失礼した!ガリィ殿からの命令であります!!」
敬礼した後、ガリィの元へ戻るレイド。
「っつぅ〜。しっかしレイドのパンチだろ〜。ノービス時代だったら即死になりかねないよ・・・。」
ぶつぶつ文句を垂れながらも起き上がる僕。
目の前にはガリィが立っていた。
「これからは私の前でデレデレしないでちょ〜だい!」
「え?何で??」
「・・・・・・・バカぁ!」
ピシャーン!
「ぶべら!」
ガリィの張り手で再び吹っ飛ぶ僕。
「おぉ!ガリィ殿!今のはクリティカルですぞ!!感動したであります!」
いや、感動とかじゃなくて・・・そろそろ体力やばいです。
「とりあえず、逃げましょう・・・・・・。やつらはいつ襲ってくるか、分からないわ。」
エミリアさんが冷静に言った。
「逃げるって言っても・・・・・ここからさらに奥にすすむのは危険なんじゃあ・・・・」
僕がふっとんだ体を起こしながら言った。
「奥にはすすめないぞ!!」
ふいに後ろからおっさんの声がした。
な、なんだコイツは!?
「はっはっは!ギーコギーコ・・・・わしは天下大将軍である!・・・・ギーコギーコ・・・」
細い木の柱に、顔が笑っている。
お腹あたりには、でかでかと「天下大将軍」の文字が・・・・。
「わしを倒さない限り!ギーコギーコ・・・・先に・・・・ギーコギーコ・・・すすめないぞおお!」
「・・・・」
「回り道しましょう。」
「ですね。」
僕らは 棒 から3マス空けながら歩いて
小さな小屋まで歩いていった。
棒が気になったので後ろを見てみると・・。
「ギーコ・・・ギーコ・・・酷い・・・最近の若者は・・」
「おっさん・・そんなしょぼくれるなよ・・」
涙を流す棒を青いキョンシーがなぐさめていた。
「モンスターも大変ですね」
「わかってくださりますか・・・モンスターの大変さが!
(ry」
その後小屋の中でも何十分かレイドリックさんは
モンスターの大変さについて語っていた。
「長い('A`;)」
「自分の故郷である、あの静かで平和なGHもすっかり観光名所になってしまったであります・・・!」
レイドの話は延々と続いている…。
「先日も我等の永遠のアイドルALICE殿が・・・」
「シーッ!」
突如エミリアさんが指を立てた。
「・・・来る。隠れて。声を出さないで。気配も消して」
短く指示を出す。でも・・気配消せって言われても・・。
「私が時間を稼ぐわ。ランディさんたちにwisを送って」
「自分も同行するであります!」
「あなたはガリィちゃんのそばにいてあげて」
レイドの申し出をやんわりと断るエミリアさん。
ガリィを見ると、彼女は震えを必死で抑えようと肩を抱いていた。
一方、レイドリックが涙を流しながら大声を出しながら「モンスター族の苦労」を語っている頃、ジャハルは同じようにモンスターの愚痴を聞いていた。
「…で、言ってやったんですよ。俺っちはですね、生まれてこのかた浮気なんかしたことねぇよ、ってね!それに引き換えあいつは…ぶつぶつ」
「…大変なんだな。」
「えぇ、えぇ、そうなんですよ。大変なんですよ本当に。いやぁーやっぱり旦那は分かってらっしゃる!ここに居るのは腐れ人魚やイカ野朗ばっかりなんですよ!ささ、飲んで飲んで!」
「いや…もうこれ以上飲むと意識が…」
「なぁーに言ってるんですか!ささ、飲みましょう飲みましょう」
(…困った。)
ジャハルが困惑顔でしぶしぶ杯を差し出そうとしたとき、見慣れた声が聞こえてきた。
「あ、居た居た。」
「おーぅい!置いてってごめんよーぅ!」
そうだ、俺は置いてかれてたんだったか…。寂しいもんだな。
「ハンギョ!一杯くれ!」
見慣れた→聞き慣れた
「フレイヤさん?おーーーーーーいフレイヤさんてばーーー!?」
必死にwisする僕。だけど返事がない・・・。
何やってるんだよもう!
ひょっとしてまたつぼ焼き食べてたりしないだろうか?(泣
「おーいジャハル?」
ゆすり起こそうとしてもジャハルからは反応なし。
完全に酔いつぶれてピクリともしない。
「ジャハルぅ〜ちょっと起きなさいよ〜!」
フレイヤも起こすのに夢中で、ケイオスからの必死のwisに全く気が付いていない。
「旦那ぁ〜しっかりしなさって下さいよ」
半漁人もちょっと困った顔をしている。
(どうせ俺なんか・・・俺なんかぁぁぁ・・・)
夢の中で悔し涙を流し続けるジャハルであった。
小屋から出ていたエミリアが身を隠す。
「・・・来た・・!」
「ツァバト」
ルナの声にツァバトは足を止めた。
「・・・なるほど、短時間でよくここまで巧妙に罠をしかけたものだ」
ツァバトは半ば感心したような、半ば呆れたような笑みを浮かべる。
ルナは足元の石を拾うと、軽く放り投げた。
再び石が地面についた瞬間、そこからガスが勢いよく噴射する。
「無駄よ。憲兵のお嬢ちゃん。罠の位置くらい分かってよ」
「・・・さっきは思いっきり引っ掛かったくせにね!」
エミリアが物陰から叫んだ。
「ふふ、それもそうね。恥ずかしいこと言ってくれるじゃない」
と、それまで薄ら笑いの浮かんでいた顔が、一瞬にして鬼のような形相になる。
「ぶち殺す!!」
叫ぶと同時にルナは地を蹴った。
「負けない・・・・私にだって、プライドがあるんだから!」
エミリアは敢然と弓を構え、迎撃の姿勢を取る。
ルナの姿がかき消える。・・・ハイディングだ。
「集中力向上!」意識を高め、見えない敵を探り出す。
「そこだ!ダブルストレイフィング!」
2発の光筋が、地面を穿つ。
「チィッ!二度は効かないってことね・・・」
(これは・・・チャンスだ)
物陰から窺うREUNIONの女騎士。
エミリアが矢を撃ち終わる一瞬の隙を見逃さずに、剣を構えて飛び掛る。
「仲間の仇だ!」
クレイモアを腰溜めに構え、エミリアに向かって突進する。
「邪魔をするな!この女を殺すのは私だッ!」
ルナのカタールが騎士の肩を抉る。
「嘘・・・・同盟ギルドなのに・・・・・」
吹き出す鮮血の中、倒れこむ騎士。
「まぁ、待て。」
ツァバトの声がルナを静止させる。
「最近運動不足でな。・・・ここは俺に任せてくれ。」
そういって、ツァバトは黒いマントを脱ぎ捨てる。
そこに、ダイヤのような輝きを持つ肉体が現れた。
胸板はまるで圧縮したゴムを閉じ込めたように発達している。
「ツァバト・・・フフ、任せるわ。」
ルナはやれやれといった表情と同時に不敵な笑みを浮かべエミリアの方を向いた。
「お嬢ちゃん。もうオシマイよ?」
「元憲兵であるならば俺もそれなりの手は見せねばならん。」
ツァバトはフゥーと深呼吸すると拳を構えた。
一方驚きの表情を隠せないエミリア。
「そ、その姿、その構え・・・モンク!
常人では転職する事すら無理と言われる職業・・・。」
「フフ。我が主も元クルセイダーと教えておいてやろうか。
しかしまぁ、元憲兵の割には何とも覇気がないものだ。」
ツァバトはクローをはずす。
「貴様は素手で十分だ。」
「戯言をっ!ダブルストレイフィング!!」
高速の矢を連続で放つエミリア。しかしツァバトは拳を構えたままだ。
(あれじゃもう避けれない!当たった!!)
しかしエミリアの期待は簡単に裏切られた。
「スロー過ぎるな。もうちょっと速く撃てないのか?」
ツァバトの手には2本の矢が握られていた。
「・・・こちらから行くぞっ!」
20mはあるであろうエミリアとの距離を一瞬にして詰め寄るツァバト。
「な・・・!?」
シュッ
「墳・・・・破ッ!!」
ドゴォォォン!!
ツァバトの拳がエミリアにヒットする。
エミリアは10mほど吹き飛ばされ岩に激突する。
「く・・・・・ぐはっ!」
大量に吐血するエミリア。
(右肋骨2本が複雑骨折。左大腿骨3本に損傷・・・強すぎるわ・・・。)
身動きができないエミリアに歩み寄るツァバト。
「エミリア、どうしてとっさにガードしたのに致命傷になったのか不思議でしょうがないのだろう?」
「お前が俺の六合拳をガードしたのは1発目だけ。あとの2発はクリーンヒットしている。」
「くっ・・・。」
「爪を装備していたならば今ので貴様はあの世行きだった。ククク・・・。」
「・・・エンジェラス!!」
(ケイオス君とガリィちゃんは今小屋の中に隠れているから大丈夫・・・私が持ちこたえないと・・・。)
「ほう・・・。避けれないのを判断して防御に専念するか。しかし・・・。」
ツァバトは拳に念を込め、気弾のような物を生成する。そしてそれを自らの体に取り入れる・・・!
「浸透勁っ!!」
エミリアの胸のあたりから衝撃が走ったと思いきや、目から耳から血が大量に飛び出す。
「あ・・・あ・・・あ・・・」
「ルナ。エミリアとやらの元憲兵は終わった。」
黒いマントを肩に掛けワープポータルの詠唱を唱えるツァバト。
「見事ねツァバト。・・・戻りましょう。」
光の柱の中に消えていく2人。
エミリアは薄れゆく意識の中で昔の頃を思い出していた・・・。
「KIMUCHI様、降臨!」
「「「降臨!!」」」
それはエミリアが憲兵となって初めてのKIMUCHIの儀式でのことだった。
「エミリア、君はなぜ憲兵になったのだね?」
まだ真面目であった頃の(儀式自体が不真面目だが)シオンが尋ねる。
「それは・・・悪を挫き、弱き者を助け、平和を守るためです。
一介のハンターでは、モンスターを狩ることはあっても、根本的な解決にはなりません」
あとKIMUCHIが他人の金で食べられるから☆・・・というのは言わないでおいた。
「ふむ、模範的な回答だな」
「恐れ入ります」
「本当は力が欲しかったのだろう」
KIMUCHIを掴もうとした箸が止まる。
「そんなことはありません!」
「憲兵は他職のスキルも使える。堂々と違反者を連行できるし殺すことも出来る。
その魅力に憑かれれ、高慢になる者も多い」
「・・・・・・もしかしたらそういう気持ちもあったかもしれません。でも・・・」
(でも、じゃない。ただのハンターで終わりたくなかった・・・)
「私は力に溺れたりはしません」
シオンをまっすぐ見て言い切る。
(結局・・強くなった気で偉そうにして、このザマ・・・)
ケイオスとガリィが自分を見ている。
視界がぼやけてどんな顔をしているのか分からないけれど、
多分すごい顔しているんだろうなぁ・・
「・・・て!エミリ・・・して!」
何か叫んでいるけど聞き取れない。
ケイオスが何か魔法を使っている。
胸のあたりが暖かい。なんだか死ぬ、という気はしないな・・。
そこでエミリアの意識は途絶えた。
「エミリア様大丈夫です。ケイオス様の魔法のありますね。」
「レイドリックさん!エミリアさんとガリィをおねがいします!」
一人で勝てるとは思えない・・でもやるしかないんだ。
ここで逃げてるだけじゃいつかは・・・。
「ふーん・・二人相手で勝てると思うの?前に私に一撃でやられたくせにね
・・・生意気。ツァバト、こいつはまず私に」
「殺すなよ?」
ルナが消える。
「ルアーフ!!」
「ク・・・魔法が使えるまで成長してたとはね・・・じゃあこれは!」
足元に毒の池が出来上がる。
「し・・・しまった」
意識が無くなる・・・僕どうなっちゃうんだろう・・もう・・ガリィ・・・えない・・の?
「連れてけ」
>>20で二人はポタで飛んでいる描写がある為、
>>22からの続きで
「・・・ダメだ。僕のヒールじゃ弱すぎる!」
僕は、いざという時に役に立たない・・・・悔しさに任せ、地面に拳を叩き付ける。
「エミリアさん!しっかりして!」
ガリィが手持ちのポーションを飲ませようとするが、受け付けない。
「このままじゃ、そこの女騎士の二の舞になってしまうであります!」
既に息絶えたREUNIONの騎士の亡骸を眺めながら、レイドが叫ぶ。
(あれは・・・・?)
女騎士のポーチ袋の中に、緑色の葉が見えた・・・。
「コレは・・・!」
緑色の葉を、ポーチから引きずり出す。
「イグドラシルの葉であります!エミリア殿は助かるであります!」
レイドの顔が一気に明るくなる。
「どうやって使うのか解らないんだけど・・・・・」
「簡単であります。葉がしおしおになる迄手で揉んで、心の臓に一番近い皮膚に直接貼り付けるであります!」
想像してみた。
途端にガリィが僕の頭を激しく叩く。
「またケイオスってばイヤラシイ想像してるんだから!私がやるから下がってて!」
ケイオスみたいなムッツリ助平に任せてなんていられない。
(え〜っと。心臓に一番近い皮膚って言ったら、やっぱり胸だよね・・・)
迷わずエミリアさんのハンター服の、胸のビンディングを外す。
ベルトを取り去り、胸の膨らみを隠している布をゆっくりはだける。
(で・・・・・でかいッ!)
大きい。私の1.5倍はあるだろう・・・。おまけに白くてとっても綺麗・・・・。
私は思わず赤面しながらイグドラシルの葉を揉む。
葉の全体がしんなりしたところで、葉をエミリアさんの左胸・乳房の下・・・心臓に一番近い場所に貼り付ける。
(や・・・やわらかいぃぃ!)
手の甲に当たる感触が、私はまだまだ子供だって事を感じさせる・・・・・。
やがて葉が熱を放ち始めると共に呼吸も落ち着き、出血も完全に止まった。
(もう・・・大丈夫かナ?)
服を元に戻していると、後ろから話し声が聞こえる。
『惜しい・・・あと少し見ていたかった・・・・(*´Д`)ハァハァ』
『アレは実にお見事!流石憲兵殿!拙者も(*´Д`)ハァハァであります』
二人とも・・・・後で思い切り喝を入れてやる・・・・・・・。
「・・・で、これで本当に助かるの?」
「はい、すぐに傷が治りはじめるはずであります!
ただ、イグドラシルの葉は致命傷を
何とか治せるレベルの傷まで持っていくための道具でありますゆえ、
使った後にまた回復する必要があるであります!」
話しているうちにもエミリアさんの傷が塞がっていく。
これなら僕のヒールでも治せそうだ。
「待ってて、今すぐヒールを・・・あれ?」
「どうしたの?」
えーっと・・・これは・・・まさか・・・
「・・・さっきので魔力が尽きちゃったみたい(汗」
「えー!?魔力尽きるの早すぎるわよ!」
そんな事言っても僕は元々盗賊だし・・・
「もー、しょうがないわね!じゃぁポーショn「ヒール!!」・・・え?」
今のは・・・
「遅くなったね〜。ただいま帰りましたぁ!」
「ランディさん!」
やった・・・・・!ランディさんが帰ってきたぞ・・・・・ってアレ?
「あのー・・・・・ジャハルさんとフレイヤさんは・・・・?」
「いやー・・・・・ジャハルのヤツが寝ちまったのさー。
不貞寝ってやつさ。それで今フレイヤが必死で起こしてるよん。」
なんだ・・・二人は来てないのか・・・・・
「まあ、俺っちが来たからには安心してくれ〜!」
「それが・・・・・・大丈夫じゃないみたいなの。」
エミリアさんが体を起こして言った。
「私達は、奥に来すぎたみたい・・・・。
ここは・・・・・ダンジョンの最深部。ということは・・・・・・」
エミリアさんの言葉に、レイドがハッ!とした。
「そ、そうであります!危険であります!」
どういうことだ・・・・・?
「昔、むか〜し!フェイヨンはこのダンジョンにあって、
モンスターに滅ぼされてしまったという話はしたでありますよね!?」
「う、うん・・・・」
「その・・・・・フェイヨンを滅ぼしたモンスターが・・・・・
まだ・・・・・生きてるのであります・・・・!」
チリンチリーーーーーン・・・・・・
「な、なんの音だ・・・・・?」
鈴のような音色が、ダンジョンにこだまする。
チリンチリーーーーーン・・・・・・
「く・・・・・!!見つかってしまったようね・・・・・」
エミリアさんが弓をかまえる。
「くんくん・・・・・・おいしそうな人間のにおいがするにゃぁん♪」
ダンジョンの奥から現れたのは・・・・・ううっ!
「あはは♪人間発見したにゃあ♪」
真っ裸の女のこ・・・・?頭にキツネの帽子をかぶってる・・・・!!
手には大きな鈴をもってて・・・・・カワイイなあ・・・・
「月夜花(ウォルヤファ)・・・・・!!
このダンジョンで、最も強く、凶悪なモンスターよ・・・・・!」
エミリアさんがあせった表情をする。
「そんな・・・・・!?こんなにかわいらしいのに?」
「このモンスターは、キツネモンスターの大群を連れて、
昔むか〜し!フェイヨンを滅ぼしたのでありますっ!その魔力はあなどれないであります!
そしてこのダンジョンの奥深くに!封印されたのであります・・・・。」
「くんくん・・・・・人間なんて久しぶりにおいしそうなモノにありつけるにゃあ♪」
月夜花はぺろんと舌なめずりをした。
・・・と後ろには何故か薔薇を口に加えたランディさんがいた。
フレイヤさんも一緒だ。
「女の子が倒れているのを見てヒールかけない男はいないZe??」
クルッと一回転してポーズを決めるランディさん。というか変だ。
「さて、仕上げは俺の応急手当で・・・(*´ー`)」
「ランディ・・・?」
フレイヤさんがランディさんの股間を蹴り上げる。
「NOooooooooooooooooo!!」
股間を押さえて苦しみ悶えしゃがむランディさん。
「痛ぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」
「えっと、とりあえずエミリアさんの応急処置は大丈夫みたいだけど、何があったのかちょっと話してくれないかしら?」
僕とガリィとレイドは事の次第をフレイヤさんに詳しく説明した。
「そうだったの・・・。黒いマントの男に爪。
間違いないわ。ツァバトね。」
「・・・ってて、ツァバトだったら俺達にはやっぱ因縁あるよなぁ。」
股間を押さえつつ立ち上がるランディさん。
「僕達、エミリアさんに小屋に隠れているように言われて、轟音がしたんで外に出てみたら・・・
エミリアさんが倒れていて・・・。」
ガリィが意識の無いエミリアさんを見て悔しそうに震えながら言う。
「私・・・何の助けもできなかった・・・。怖くて・・・動けなくて・・・。」
ガリィは腹部を押さえながら小刻みに震えている。
フレイヤさんはそんなガリィを抱き上げた。
「怖かったでしょうね・・・。でももう大丈夫よ。」
「レイド、あなたから見てツァバトの戦闘能力ってどうだったかしら?」
ガリィをなだめつつレイドに尋ねるフレイヤさん。
「はっ!おそらく使用していた爪は『ベルセルク』かと思われます!
自身の攻撃速度を高め殺傷能力も高い恐ろしい武器であります!!
強さにして表せば、残念ですがこのギルドの総勢で相手にするは愚か、10部隊のギルドでも太刀打ちはできないかと・・・。」
「化け物め・・・。」
ランディさんがチッと舌打ちをする。
僕はふと気付いた。
「あれ?ジャハルさんは??」
「あ、ああ、ジャハルね。彼、この前私が酔った勢いでパシった半漁人ととっても仲良くなっちゃって・・・
しかも、特訓して『戦友』みたいな仲になっちゃったのよ。
・・・でもうちょっと修行するって言ってるの。・・・まぁ、いいんだけどね。」
少しムスッとするフレイヤさん。
「ま、まぁ前衛のジャハルが強くなってくれれば俺達も万々歳さ!
とまぁ、そんなところね。」
苦笑するランディさん・・・とエミリアさんが意識を取り戻す。
「エミリアさん!」
「・・・・ん・・・・うぅ・・・。」
虚ろ虚ろ目を開くエミリアさん。
「・・・・私・・・まだ生きてるんだ・・・。」
ランディさんがサッと駆け寄る。
「おい!大丈夫か!?」
「ええ・・・でも・・・闇夜の暗殺者の幹部が・・・あんなにも強大な力なんて・・・
私・・・傷一つも付けれなかった・・・。」
「私・・・せめてあのツァバトと相討ちになれるなら・・・喜んでこの命捨てれたのに・・・。」
その言葉を聞いてフレイヤさんの表情が変わった。
ピシャーン!
彼女は瞬時にエミリアさんの頬を殴った。
「おい!フレイヤ!!相手は怪我人だぞ!」
しかしフレイヤさんはランディさんの声など聞いてない。
「エミリアさん、貴方。
相手は憲兵殺しのツァバトよ?刺し違えるなんて馬鹿な考えはよしなさい!」
ハッとするエミリアさん。
「そんなに死んでまで仲間の憲兵達の仇を取りたい?
じゃあ死になさい!!」
フェイヨンダンジョン4階層。とても重々しい空気が流れる。
「そして、その封印も今は解けようとしている・・・
ギルドアジトで起こった虐殺のせいで、邪気が流れ込んだおかげで・・・全く、迷惑な話です」
え?背後から声が・・・
「ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ・・・5体もご馳走にありつけるなんて、幸せにゃあ♪」
「あんた何者よ!?」
いつのまにか僕の背後に人が立っていた・・・気づく事もできなかった。
「これはどうも、私はプロンテラ聖堂騎士団所属のアルヴスと申します。以後見知りおきを・・・」
「・・・聖堂騎士・・・クルセイダー?クルセイダー様がこんな所に何の用だい?」
ランディさんが尋ねる。クルセイダー・・・後でガイドで調べよう。
「あの魔物の封印が解けかかっているらしいとの事で、急遽聖堂から派遣されました。
地上まで進出されたら危険ですからね。そういうわけで深部の方へ向かっていたんですが・・・」
この状況にぶち当たったわけですか
「ええ・・・さて、とりあえず貴方方もここまで来れたと言う事はそれなりに腕が立つようですし、
あの魔物の再封印の手伝いなどしては頂けないでしょうか?」
っていうか手伝うしかなさそうな状況ですが・・・
そんな重々しい空気の中に、チリンチリーンと音がした。
「まっ、まさか・・・」
途端に青褪めるランディさん。
「月夜花でありますな!どうしましょうガリィ殿。
自分は倒す気満々であります!!」
大きな剣を縦に構えるレイド。
「おいおい待てよレイド。今はエミリアが瀕死の状態なんだぜ?」
「そんな時は・・・・・・・・・逃げるっきゃねぇ!!」
ランディさんがワープポータルを出す。
「ほらほら、お前さん達。早く乗った乗った!!」
僕、ガリィ、瀕死のエミリアさんを担いだレイドはいそいそとワープポータルに乗った。
「フレイヤ、さっ、お前も乗れって。」
「・・・。」
しかしフレイヤは未だ押し黙ったままだ。
「もしかして・・・兄貴の事とか思い出したのか?」
ランディがフレイヤの顔を覗き込む。
「大丈夫だよ。心配すんなって!俺もすぐ後に行くからさ!!」
「・・・うん。」
そう言って、光の柱に消えるフレイヤ。
「さぁて。これで全員かな?」
と別のパーティーに襲い掛かる月夜花を見てランディが呟く。
(本当はヤファタソの姿もうちょっと見ていたかったんだけどなぁ・・・。
まぁ、フレイヤが昔の事思い出してかなり心配してっからしょうがないか・・・)
ランディは「無念」エモを出してワープポータルの光の柱に消えていった。
「なんでもいいけど、そろそろ襲いかかってもいいかにゃぁ?」
あ、待っていてくれたんだ、以外と律儀だなぁ。
「よろしいですよ、どうぞかかってきて下さい。」
アルヴスさんがにこやかに笑いながら言う・・・余裕だなぁ。
「それじゃ、行くにゃ〜ん♪」
ウォルヤファが鈴を振ると、十体近い狐が現れ、間を置かずに襲いかかってくる!
ギィィィン!
「くっ・・・!」
襲いくる爪を手にした短剣でなんとか受け止める。
ムナックなんかとは比べ物にならない強さだ・・・
「キリエエルレイソン!!ブレッシング!!」
補助の魔法が体を包む・・・行ける!!
「まず一匹!」
僕の十八番のジャンプ攻撃・・・勢いを利用してニ連撃に持ち込む!
「クォォォォォン!」
39 :
>>38:03/08/31 17:25 ID:Swqkjywr
初投稿でした・・・。
流れ読めなくて本当にゴメンナサイ&お目汚ししました。。。
吊ってきます。(´・ω・`)
光がパッと散り、僕達は地上に戻った・・・・
「悪いけど、ウォルヤファなんて相手してられないよ。こっちは怪我人抱えてるんだ」
ランディさんが「やれやれ」ってポーズで言う。
「でもまぁ・・・・・死ななくて本当に良かった・・・・」
言うなり、エミリアさんを抱きしめるランディさん。
「ちょ・・・・ちょっと・・・・・」
無言で涙を流すランディさんを見て、エミリアさんは思わず赤面するも・・・
「・・・・・・有り難う・・・ランディ・・」
そっと、ランディさんを抱き返す。
「出来たね('A`)」と僕。
「出来ちゃったわね('A`)」とガリィ。
「まぁ、放っておきなさい('A`#)」これはフレイヤさん。
ジャハルさんが戻って来ないのが、かなり気に入らない様子・・・。
「さて、レベルも大分上がったでしょうし、次はREUNIONの砦でも落としに行く?」
フレイヤさんが場の空気を変える様に言う。
そうか・・・連中はまだ壊滅してなかったんだ・・・。
「・・・今は・・規定時間内じゃないわ」
エミリアさんが言う。
「規定・・・ってなんですか?」
「・・砦攻めは、国王陛下が定めた時間内しか攻めてはいけないことになっているの。
相手がREUNION・・・違反者だからといっても、例外はないわ・・・」
「次は・・・いつなんですか?」
「明日の夜かな」
意外と早いな・・・。
「じゃ今日は休んで、明日砦攻めに参加しましょうか」
「だね。とりあえずエミリアを休ませないと」
確かに傷は塞がってるけど、出血多量でふらふらしてるし・・・。
「けど、REUNIONのメンバー。今まで何度か戦ってきたけど、
そう強くはないよね・・・・・・。」
ガリィが宿のベットから天井を見ながらつぶやいた。
「そうだね。しかもなんか闇アサのメンバーにことごとく利用されてるって感じだし。」
僕は隣のベットでアクビをしながら答えた。
「・・・・・っていうかREUNIONのギルドマスターってさ・・・・・」
ガリィが言う。
「シオンじゃなかったのかな?シオンはアンダーソンとかいう人に
抹消されちゃったし・・・・・。」
そうだ。シオンが消えても、REUNIONは存続している・・・・・。じゃあ一体誰がREUNIONを・・・・?
そして、迎えた対REUNION戦の夜・・・・。
僕はシーフの装束に袖を通し、木琴マフラを掛ける。
そしてその上から、憲兵の肩掛けを纏う。
一方、ガリィもプレートとヘルムを着込み、環頭太刀の刃を磨いている。
プレートとヘルムは、夜中に到着したジャハルさんが持ってきたお古らしい。
更に脇には、これまたジャハルさんのお古のシールドが立て掛けられている。
自分の装備が使い回せるから、ガリィに装備が行き届くんだろう。
まぁ、僕も木琴マフラなんて物をマンクさんに貰ったクチだし、贅沢は言えないな。
コンコン・・・・「準備は出来た?」
すっかり元気になったエミリアさんがドアを開ける。
「万全です!」「私もバッチリです!」
何気に後ろには、レイドが立ってこっちを覗いてる・・・って。
「中身が入ってる?」
レイドの中は空っぽの筈なのに・・・・。
「彼は友達のボンゴンであります。中身が空だとレイドリックだとバレバレなので、ご協力頂いたであります!」
って、君の参戦する気だったのですね・・。
その後ろには何故か半漁人が立って、ジャハルさんと話し込んでるし・・・・。
誤爆した・・・
('A`;)ノ[君の参戦する気だった]
コッチ('A`)ノ[君も参戦する気だった]
wisで誰かと何やら話をしていたエミリアさんが、
会話を終わらせてこっちへ来た。
「皆さん。執行委員からREUNIONの情報をもらったから説明するわね」
僕達はエミリアさんの方を向く。
「REUNIONはフェイヨンにある5つの砦全てを所有しているわ。
正確な人数はわからないけど・・当然、防衛のために相当の人数を雇っているはず」
「この人数では正直きついな」
ジャハルさんが呟く。
相変わらずエミリアさんにいい感情を持てないようで、視線は合わせていない。
もっと仲良くなって欲しいんだけどなぁ・・・。
「私たちの他にも大勢のギルドが砦攻めに参加します。
執行委員がREUNIONに懸賞金をかけているから・・・、
それにフェイヨン解放を望む人も集まって来ているみたい」
「敵もライバルも多いかぁ・・・」
フレイヤさんが溜息をつく。
「私達はそのうち一つの砦を占領します。まず・・」
短い時間で僕達はミーティングを済ました。
「あ・・エミリアさん。ちょっと聞きたいことが」
僕は昨夜気になったことを聞いてみた。
「REUNIONのリーダーって誰なんですか?」
「それが、分からないのよ。前はシオン様ということになっていたの。でも…」
「シオンがいないのにギルドがまだあるって、どういうことだ?」
ランディさんが不思議そうに首をかしげた。
「・・・今は砦を落とす事だけ考えよう!」
ガリィの言葉に僕達は顔を上げた。
「そうだね。行こう!」
「ヒャハハ・・・集まってるな。数百人・・・いやもっと集まるだろうよ」
砦のフィールド全体を見渡せる、少し離れた丘の上で様子を見ているハンターの男がいた。
既に夜であり、かなりの距離があるにも関わらず、男は裸眼で状況を把握していた。
銀髪が夜風にさらされる。頭には包帯が巻きつけてある。後ろには巨大な獣・・・。
「こいつらが全部血の海に沈むんだぜ?想像するだけでたまんねぇぜ!」
そこへ男の声でwisが入ってきた。
(リーダー、防衛準備整いました。)
「おーそーかそーか。時間いっぱいは粘れよ」
(・・・時間終了まで死守するつもりです!)
「そーかそーか。頑張れや。俺も後で参加する」
(了解しました!)
通信が途絶えた。
「お前らごとぶち殺しにな!ヒャーハッハッハ!!」
ひとしきり笑ってから男―シャダイは立ち上がった。
「シオンの野郎が失敗したせいで、俺が尻拭いとはな・・・まあいい」
「DARKLOADの儀式が始まるぜ!お前らじゃんじゃん血を捧げろよぉ!!」
49 :
48 :03/09/01 03:52 ID:vDT9cHiM
すまんDARKLORDですた_| ̄|○lll
アラヤダウツダシノウ…
打ち合わせを終えた僕らは宿の出口に向かう。
と、突然宿のカフェテラスから陽気な声が降り注いだ。
「おw ケイオスじゃんww ひさしぶりだねwWw」
そこには、懐かしい二人の顔があった。
「マンクさん・・?ヒメさんも。おひさしぶり!」
マンクさんは相変わらず、の笑顔だ。
「ヒメがさぁ、[フェイヨン名物!ドケピの姿焼き]を食べたいって言って聞かなくてさww」
マンクさんが聞きもしないのに説明する。
「いやだわダーリンったら。ケイオスの様子を見にフェイヨン行こうって言ったのはダーリンじゃないの。」
ヒメさんが小声でつぶやく。右手にはなにやら串に刺さった物体をしっかりと持っていた。
一方、シャダイのいる丘の上に闇夜の暗殺者の幹部が集まっていた。
「おい、ツァバト、どういう風の吹き回しだぁ?」
「風の吹き回しも何もマスターからの命令だ。」
頭を掻くシャダイ。
「それじゃあ、しゃあねぇわな。しかしよぉ、随分と豪華絢爛なもんだな。」
「そうね。私達が揃って戦地に赴くなんて滅多にない事だし。」
クスッと笑うルナ。
「各配置地点を説明するぞ。」
「やってくれ。」
爪を研ぎながエロヒムの方を見るツァバト。
そして、エロヒムが夜空にフェイヨンギルド周辺の地図を照らし出す。彼は淡々と配置を語り始めた。
「まずは北西の砦。ここはツァバトが長だ。相手の流れが激しい場所でもあるな。」
「次は湖に囲まれた南西の砦。ここはシャダイにやってもらう。ツァバトの砦攻めの第2部隊が攻めてくる可能性が非常に高い。」
「湖沿いの南東の砦、ここはルナだ。地形上有利に駒を進められる。」
「私は北東の砦を防衛する。問題は無いだろう。」
「話は分かったけど・・・」
ルナがどうしたものかという表情でエロヒムの方を顔を窺う。
ツァバトは爪を研ぐのをやめ言った。
「つまりこういう事だな。ルナ。
ケイオスとその一味が攻めてくる勝敗を左右する北の重要な砦は誰が配置に付くか。
違うか?」
「フフ・・・ご名答。」
ルナは負けたわといった表情で手を仰ぐ。
「まぁ、俺も気になるわな。何だ?テスタメントの野郎か??
それとも強力なモンスターでも配置すんのかよ?」
エロヒムはゆっくりと答える。
「テスタメントは『1人』でゲフェンの砦を防衛するそうだ。奴一人ではないという事はお前達も既に知っている事だろう?
そして、北の中央の砦に来たるは・・・・」
「ヤーウェ様、自ら御出陣だ。」
「マ、マジ・・・?」
冷や汗を隠せないルナ。
ツァバトが月夜を眺めながら口を開いた。
「事実上・・・」
「感動の親子の御対面・・・・だな。」
・・・フェイヨン砦攻城戦。
開始まであと12時間。
フレイヤさん達は多めに持ってください。それから・・・・・・」
エミリアさんが次々と道具を僕達に手渡す。
「私達は北の砦攻略を目指します。北の砦はせめやすいですが、
それゆえ狙ってくる他のギルドも多い。慎重に行きましょう。」
エミリアさんが言い終えると、みんなコクッとうなずいた。
「おーーーほっほっほ!私達に不可能はございませんことよ!
ね、ダーリン♪」
「うはwwwwwwwww ひさびさに燃えて来たぞwWw」
確かに、ヒメさんとマンクさんがいるのは心強い。
フレイヤさんも、ジャハルさんも、ランディさんも・・・・・相当強い。
「いけますよ!!!みんなで頑張りましょう!そして砦をものにしましょう!」
「お、ケイオスはりきってるな〜。その心意気が大事なのさ。」
ランディさんが僕の頭をポンとたたく。
「そうよ。私達も強くなったんだしね・・・・・。ケイオス、がんばろうね!!」
ガリィがギュッと僕の手を握る。
リーーーーンゴーーーン・・・・・リーーーーーンゴーーーーン・・・・・
「ギルド攻城戦、開始の鐘です」
エミリアさんがスッと立ち上がる。
「みんな・・・・・・気を抜くな。俺たちは強い!!」
ジャハルさんの言葉で、僕達はいっせいに宿を出た。
「うお!すごい・・・」
砦の前には人、人、人!
少数精鋭のギルド、大人数で押し切る気のギルド、ノービスだけの・・・えええ?!
攻城戦にかこつけた商人までいる。
そんな中でも僕達は微妙に浮いていた。
まあそりゃオーラ出してる人がいる半面で僕達1次職がいるわ・・
そして半漁人に、(本人はバレないと思ってるけど)レイドリックwithボンゴン。
めっちゃ目立ってるよ!!
砦に侵入すると、既にそこは乱戦状態になっていた。
「はぐれるなよ!頭上のエンブレムを見るんだ!」
ジャハルさんが喧騒に負けないくらいの大声で指示を出した。
僕たちの頭上にはギルドエンブレムが浮かび上がっている。
そうか、これで識別するしかないな。
「始まったか」
丘の上からツァバトが呟く。
各砦からは早くも大魔法の炎や爆発音が響いてくる。
「REUNIONには最後の10秒くらいまでは粘って欲しいわね」
「ヒャハハ・・終了まで粘られちゃ困るけどな。最後の最後に俺等が・・ヒヒ・・」
「あれらは単に血を集めるだけの駒・・・もはや用済みだ」
まるきり物扱いをするかのような発言を口々に言う。
「では、我等も赴くとするか」
ツァバトが言う。
「DARKLORD様に血を捧げるためにな」
僕らは北の中央に位置する砦を攻めていた。
しかし、REUNIONの戦士達の表情は何か奇妙だった。
いや、正確には勝利をあげなければ『殺される』そんな気配すら感じた。
「砦を守るというだけで何故ここまで必死になれるんだ?」
「正確には彼らにはもう後ろはないのね。だから死に物狂いで死守しようと思ってるんだわ。」
ランディさんとフレイヤさんが廊下を疾走しながら話している。
ジャハルさん、ハンギョ、レイド、エミリアさんはこの砦の広間で交戦中だろう。
僕、ガリィ、フレイヤさん、ジャハルさん、マンクさん、ヒメさんの本体が砦の奥のエンペリウム。
つまりは将軍を叩く事になっているという訳だ。
「しかし妙だねw他の砦を攻めるギルドはこちらより早く潜入したのに・・・もう決着付いてるんじゃないのかな?」
「そうですわね・・・。この程度の兵力なら狼煙が上がっても良い頃ですのに・・・。」
僕らは生き残っているチームがここだけという事など知る由も無かった。
「そろそろエンペリウムルームね。ガリィ!」
「はいっ!」
「扉をあなたのバッシュで叩き割って♪」
「了解〜!」
ズゴォォン!
扉はガリィのバッシュにより開け放たれた。
そして僕は異様な気配に感づく。
「う・・・うぅ・・・。」
頭を抑える僕。
「どうした?ケイオス??」
「いや・・・何か・・・ここから先は非常に危険な気がするんです・・・。」
「非常に危険・・・。」
「いや、僕の考えすぎかもしれません。先を急ぎましょう。」
エンペリウムルーム。
そこには・・・・
黒い甲冑。手にはまるで生きているかのような歯と目を持った刃、そしてドス黒いオーラを放つ男がいた。
僕達はその威圧感により重い金縛り状態となった。
(な、何て威圧感ですの・・・。まるで全てが闇・・・闇そのものですわ・・・。)
(う、動けねぇ。ヘヘ・・・俺の感覚がここから進んでは駄目だって警告してるみたいだ・・・。)
僕はとても恐ろしい気を感じながらも何か・・・そう、何か同時に懐かしさを感じたのだ。
男はニコッと笑うと僕達に話し掛ける。
「お初にお目にかかる。私が闇夜の暗殺者の長、ヤーウェだ。」
一瞬マンクさんの顔がギュッと歪む。
「・・・マンクか。久しぶりだな。」
「・・・ヤーウェ様もお元気のようで・・・。」
声も出ないくらいに驚嘆の表情をするヒメさん。
「ヤーウェ様。俺は貴方に聖十字騎士団時代に大変お世話になりました。
今でも常日頃この強さは感謝しているくらいです。
尊敬もしていました・・・。」
「しかし・・・。」
「しかし・・・何だね?」
ダンッ!
マンクさんが今まで僕らに見せたことのないような形相でヤーウェと名乗る男に飛び掛る。
「今の貴方の考えは腐りきっている!俺が・・・貴方を・・・正す!!」
「ふむ・・・。」
ヤーウェはマンクさんの何事も無かったように剣の刃を軽く受け流すとマンクさんの首を掴み壁に叩きつける。
ドゴォォン!
マンクさんは壁に思いっきり叩きつけられた。
「グハッ!」
大量にマンクさんは口から吐血する。
「マンク!」
ヒメさんが涙混じりの声で叫ぶ。
「マンクよ・・・衰えゆく肉体で何故勝利を拾えると思う?
年季こそが強さ。そう信じてやまない人間の心こそが傲慢。
呆れたものだ・・・。」
ヤーウェは無慈悲に、しかし悲しそうな声で話す。
ヤーウェはマンクさんを差し置き、僕の方を見ると青白く光る目でこちらを見つめる。
そして静かに歩み寄ってくる。
僕は咄嗟にファイアスティレットを構えた。
「く、来るなら・・・来いっ!」
しかしヤーウェは僕の一歩手前で立ち止まり僕を観察するようかに見ている。
やがてヤーウェが口を開いた。
「・・・良い目だ。」
「未だ希望を信じることしか知らぬ澄んだ目だ。
そして、その瞳はカレンそのものだ。」
「立派に育ったな・・・ケイオス。」
僕はその言葉に何か違和感を感じたと同時に何か懐かしい感情が脳裏をよぎった。
「私がお前をこの目で見たのはあの日以来だ・・・。そう、母さんが、カレンが人間に」
「殺された日だ。」
僕は構えていたファイアスティレットを既に落としていた。
ずっと探してやまなかった肉親。
父親が因縁のある闇夜の暗殺者のリーダー。
母親は既に他界・・・しかも「ニンゲン」に殺された。
頭の中の思考回路が爆発しそうだ。
「う、嘘を付くなっ!」
僕は苦し紛れに叫ぶ。
静けさが支配する空間の中でヒメさんがぽつりと答えた。
「ケイオス。ヤーウェは・・・貴方の父親よ。
そして貴方の義姉は・・・セシルさん・・・。」
「嘘だっ!」
僕は咄嗟に叫び返していた。
「信じなくても無理はない。お前はまだあの頃は赤ん坊だったからな・・・。」
「私は腐りきった人間からお前の母親を守りきれなかった。
今でもあの時を思い出すと、己の無力さが嫌になる・・・。」
そういって、下を俯きペンダントを握るヤーウェ。
ん・・・?あのペンダントは・・・。
「僕と同じ・・・。」
「そうだ。
まだ持っていてくれたのか。」
ヤーウェが僕に手を差し伸べる。
「やめろっ!」
僕は近づいてきたヤーウェの手を振り払った。
ヤーウェは「ほう」とした表情で満足な笑みを浮かべた。
「これほどまで成長していたとは。・・・強くなったな。」
そう言って、ヤーウェは金縛りにあっているフレイヤさん達の方に向き直る。
「私の胸で無邪気に笑い、泣くだけだったケイオスが是ほどまでに成長している。」
「心意気も良い。」
「君達が育ててくれたのだ・・・。礼を言う。」
返す言葉すら見つからないフレイヤさん達。
ヤーウェは再度僕の方を見て語りかける。
「ケイオス。母さんを殺した人間が憎いか?・・・幸せなあの日を崩した人間が憎いか??」
「・・・。」
「我が息子ケイオス。私と一緒に来ないか?」
「僕は・・・僕は・・・・・・」
「 人 間 だ ッ !!」
辺りを静寂が再び包み込む。
ヤーウェは苦笑して僕を見る。
「そうか・・・残念だな。」
するとその空間の中にヤーウェの部下がどこからともなく舞い込んで来た。
「ヤーウェ様!」
「・・・何だ?」
「ダークロード降臨の儀式が荒くれ者を引き連れた馬鹿力のブラックスミスに荒らされました!」
「何?」
「今の状況ではダークロードの復活の儀式が無理です。時を改めるしかないかと思われます・・・。」
「そうか・・・。失態を償えるか?」
「はっ、一命に換えても。」
何が起きているのか状況が掴めない僕にヤーウェは言葉をかける。
「もうこのフェイヨンの砦には用は無い。ケイオスよ。強く生きろ。お前は・・・」
「『人間』を超えた存在なのだ・・・。」
「私はいつでもお前の事を待っている。また会える日を・・・楽しみにしているぞ。」
そういってヤーウェは僕の前から消えていった。僕達は呆然と立ち尽くしていた・・・。
「ヤーウェ様・・・・・・・・ご苦労でした。」
ツァバトがそのまま軽くお辞儀をした。
「フ・・・・・・・久しぶりに血の湧き立つ思いがした。
ケイオスはこれからまだまだ強くなるぞ・・・・・ククク」
「ハハッ。そして、例のダークロードですが・・・・・」
ツァバトが少し畏怖した様子で言う。
「分かっておる。どのみちダークロード復活には、ケイオスの力が必要だ。」
ヤーウェがつぶやく。
「ヤーウェ様・・・・・・私にはその意味が分かりかねますが。
なぜ、ケイオスの力が必要なのでしょうか。」
「フ・・・・・・・・・」
ヤーウェはそのまま少し沈黙した後、静かに口を開いた。
「よかろう、ツァバト。お前には特別にその意味を教えてやろう。」
ヤーウェはそういうと、そのまま歩きはじめた。
どれくらい歩いただろうか。ヤーウェとツァバトは、暗い地下室にたどりついた。
「・・・・・・・・・・コイツを見ても、驚くなよ・・・・・」
そういうと、ヤーウェは重い地下室の扉をあけた。
「・・・・・・・!!!! これは・・・・・・!!」
ツァバトの目の先には、一人の少年が鎖につながれていた。
「どうだ・・・・・・?驚いたか?」
ヤーウェはフフ、と笑った。
「これは・・・・・・・・ケイオス・・・・・・?」
少年はヤーウェに気づくと、嬉しそうに笑った。
「父さん・・・・・・来てくれたんだね。」
「フ・・・・・・待たせたな。そろそろお前の力が必要なのだ。」
ヤーウェはそのままケイオスそっくりの男の子を優しくなでた。
「ねえ・・・・・父さん。僕、早く人間を殺したいよ・・・・。
母さんの敵は、僕がとるよ・・・・あいつらをグチャグチャにしてやるんだ」
ヤーウェはいい子だ、と男の子の頭をポンとたたいた。
「ヤーウェ様・・・・・・この子は一体・・・・・?」
ツァバトが聞くと、ヤーウェはそのまま黙ったあと、答えた。
「この子は・・・・・・アイリス。ケイオスの片割れ・・・・・闇の部分だ。」
すると、アイリスと呼ばれた男の子は怒ったように叫んだ。
「ケイオス・・・・・!?父さん、僕をあんな落ちこぼれといっしょにしないでくれ!
あいつは光の中でぬくぬくと育った・・・・・!母さんの事を忘れてるあんなヤツを・・・・!」
「それは仕方がないことなんだ・・・・・。ケイオスの闇の記憶は、全部お前が持っているのだから。
だが、心配しなくていい。もうすぐお前とケイオスは1つになる・・・・・。」
「どうしてアイツばかり楽な思いをするんだ・・・・・!!
僕はいつも母さんの事で苦しんでる・・・・!夢にまでその光景が浮かんでくる・・・・・!
それなのにあいつは楽しい夢ばかり見るんだ・・・・!僕はケイオスが憎い・・・・!」
アイリスは顔を真っ赤にし、顔に涙を浮かべながら叫ぶ。
「大丈夫・・・・・お前がケイオスと1つになり、記憶が完全になった時・・・・・
人間どもの破滅は訪れる。さあ、お前も外で存分に楽しんできなさい。」
ヤーウェはそういうと、アイリスの手の鎖をほどいた。
「ありがとう、父さん・・・・・僕も自由だ・・・・・・!!」
アイリスは嬉しそうに自由になった身を動かす。
「アイリス。・・・・・・お前の役目はケイオスの居場所をなくすことだ。
お前はケイオスにそっくり・・・・・・・いや、ケイオスはお前にそっくりなのだ。
その姿で、人間どもに制裁を加えてやれ・・・・・・!!」
「うフフフ・・・・・考えただけでもゾクゾクするよ・・・・・・!!」
アイリスはそういうと、そのまま闇に消えていった。
砦の中はしばらくの間、ただ静かに時が過ぎてく。
沈黙した空気を破ったのはガリィだった。
ガリィはエンペリウムのほうへ歩み寄り、剣を握り締める。
「・・・・バッシュ!!!」
エンペリウムは破壊され、
それと同時に攻城戦終了の鐘が鳴った。
ヒメさんはよろよろと、倒れたマンクさんの方へ歩いていき、助け起こしてやる。
ジャハルさんたちが駆けつけてくる足音が聞こえる。
フレイヤさんとランディさんが心配そうに僕を見ている。
でも今は、何もかもがどうでもいいように思えた。
「REUNIONメンバーは全滅・・・生き残りは執行機関が拘束したみたい」
誰かからwisを受け取ったエミリアさんがみんなに説明している。
「そして・・・ここ以外全ての砦は闇夜の暗殺者のものになっている・・。
終了間際に一気に落とされたわ」
ランディさんが頭をぽりぽりとかいた。
「同盟ギルドね・・・あっさり裏切られたな」
「けどそこに強力なモンスターを放っている。・・これ以上は近寄れなくて分からないそうよ」
その時、ふと体を悪寒が駆け抜けた。
「ケイオス君、大丈夫・・?顔色悪いよ」
ガリィが僕に声をかけてきた。
「・・うん、大丈夫・・ちょっと考え事してただけ」
ガリィはもう何も言わないで、ただ僕のそばに立っていた。
「よう!!お前ら!!砦占拠したな!!!」
ずかずかと入ってきたのは筋肉隆々のBS・・・ストロンガスさんだ。
「ん??なんだよシケたツラして・・・」
事情を知らないストロンガスさんは一人はしゃいでいる。
「・・・で、な?俺がその儀式とかしてる神官共をこのハ2HA弐号でメッタンメッタンに粉砕してやったのよ!」
「まぁ、闇夜の暗殺者ってのもただのオカルト集団って事だったんだな!ガハハハハハハ!!」
ストロンガスさんも周りの空気をさすがに読んだのかフゥーと一呼吸して、視線を戻す。
「なぁ、おまえら。とりあえずフェイヨンの市民は奴等の手から解放されたんだ?
とりあえず良しとしようぜ?」
「あんま人生深く考えちゃいけないって事もあるしよ?」
僕の方をチラリと見るストロンガスさん。
「さっきからずっと黙ってるけどよぉ。一人で悩み事抱えてるのも分かる。
だがな?俺達は・・・」
「仲間だぜ?」
僕はその言葉にとても救われた気がした。
一体僕はこれからどうしていけばいいんだ・・・。そんな事しか僕の頭の中で空回りしていたからだ。
ヒメさんの肩を借りて立ち上がるマンクさんが口を開く。
マンク「う、うんwwそうだよwwwケイオスは俺達の仲間だ!(ぉ」
ヒメ「まぁ、まだ私がいなくちゃ何もできないお子様ですけどね、オホホホ♪」
ジャハル「うむ・・・そうだな。仲間だ。ケイオス。」
ランディ「悩み事あるんならナンパ、気分爽快だy・・・ぐほっ!」
フレイヤ「・・・ったく。まぁ、悩み事とかあるんならお姉さんが相談してあ・げ・るからシャキッとしなさい!」
エミリア「元はこのワールドの困った人々を助けるのが私の仕事。力になれる事があれば助力を惜しまないわ。」
レイド「ケイオス殿!自分も同志です!!」
ボン「ま、まぁ、僕も・・・ね。」
ハンギョ「困った時はお互い様でやんす(´Θ`)v」
そして
ガリィが僕の手を取る。
ガリィは僕の目を見つめて言った。
「ケイオスは・・・ケイオス・・・だよ?」
・・・ありがとう。みんな。
ありがとう・・・。本当にありがとう・・・。
僕の視界は涙で溢れもはや何も見えなくなっていた。
「よ〜し!明るくなってきたところで何かもよおしてきたぜぇ〜!!」
ストロンガスさんがパンパンと手を叩いて皆を注目させる。
ストロンガスさんは近くのベンチに腰をかけポーズを決め、僕等に語りかける。
「ところでお前ら・・・」
, '´  ̄ ̄ ` 、
i r-ー-┬-‐、i
| |,,_ _,{|
N| "゚'` {"゚`lリ 飲 ま な い か?
ト.i ,__''_ !
/i/ l\ ー .イ|、
,.、-  ̄/ | l  ̄ / | |` ┬-、
/ ヽ. / ト-` 、ノ- | l l ヽ.
/ ∨ l |! | `> | i
/ |`二^> l. | | <__,| |
_| |.|-< \ i / ,イ____!/ \
.| {.| ` - 、 ,.---ァ^! | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l
__{ ___|└―ー/  ̄´ |ヽ |___ノ____________|
}/ -= ヽ__ - 'ヽ -‐ ,r'゙ l |
__f゙// ̄ ̄ _ -' |_____ ,. -  ̄ \____|
| | -  ̄ / | _ | ̄ ̄ ̄ ̄ / \  ̄|
___`\ __ / _l - ̄ l___ / , /
手に入れたばかりの砦の中で早速宴会が行われている。
ホントみんな好きだね宴会('A`)
大量のお酒に食べ物にKIMUCHI(エミリアさん持参)・・・
「それじゃ、砦占領を祝しまして・・・」
フレイヤさんが音頭を取る。
『カンパーイ!!!』
次の瞬間から(お察しください
「ケ〜イ〜オ〜スゥ〜〜〜〜!!!なぁにシケたツラしてんのよおおお!」
ご期待通りにグデングデンに酔っ払ったガリィが僕に詰め寄ってきた。
「何って・・・楽しんでるよちゃんと」
「うぞおお!!まぁだショック抜けきれてない〜」
うわ・・・酒くさい息が顔にかかる。まあガリィだしいいか('A`*)
「そりゃさすがに気にはなるよ・・・
僕は僕自身のことも全然知らなかったのに・・いきなり父親なんて・・・」
「いるだけマシでしょ〜」
むすーっとした顔でガリィが言う。
「え・・?」
「私パパもママももういないもん。ケイオスはいるだけマシよぉ」
言いながら手にしていた一升瓶から直接ぐいっと一口。
「でも闇夜のグボ!」
「やかましいいいいい飲めええ!!!!」
一升瓶が今度は僕の口にねじ込まれた。
こ、これって間接ゴボボボボボボボ・・・
ガリィは僕の隣でスースー寝息を立てている。
宴会場はそれはもう凄惨たるもので・・・
全員が酔いつぶれてて高イビキやらKIMUCHI臭やら散乱した食べ物と酒瓶やら(ry
何より不思議なのが、何故レイドまで酔いつぶれているんだろうか・・・
でも僕はというと、あの後散々飲まされどつき回され食べ物突っ込まれ野球拳やらされ大敗して
・・・いや思い出したくない・・・
とにかく一人でずっと起きていた。
あいつが・・・ヤーウェがいなくなってからずっと、嫌な予感がしていたから・・・
僕は酔い潰れた皆を後に、外に出てみた。
夜空の星が綺麗だ・・・。虫の鳴き声がフェイヨンに平和が戻ってきた事を祝福しているようにも聞こえた。
僕は外にある木製の椅子に腰掛け、今までの色々な事を思い出していた。
ガリィと初めて話した時。フレイヤさん達との出会い。闇夜の暗殺者との接触。シーフへの転職。レカードさんの死。そして・・・父親との再会。
「色々な事があったなぁ・・・。」
一人呟く僕。
「・・・そうねぇ。」
気が付くと後ろにフレイヤさんがいた。
「あ・・フレイヤさん。」
「隣・・・いいかしら?」
フレイヤさんは僕の隣の椅子に腰掛ける。
「ケイオス君も、いきなりこういう事があってショックだったかもしれない。」
「でもね?私も最初兄の事を知った時凄くショックだったんだぁ・・・。」
夜空を見上げるフレイヤさん。
ゲフェン砦周辺。
人の気配は無い。
静寂が支配するその暗い空間の中に一人の男がいた。テスタメントだ。
「フフフ・・・。今回も魂がたくさん集まったね。」
満足そうに集気瓶の中の青白い炎をウットリ見つめるテスタメント。
「ダークロードの復活の要素は人間の憎しみの感情、争いによって力を増す。」
「しかし、ロードオブデスは違う。この世に存在する生き物の魂を献上すればより一歩復活に近付く。」
「闇を統べしダークロード。死を統べしロードオブデス・・・か。」
そこに紫色の炎から端正な顔立ちの美しい顔を持った青年が現れた。背中には悪魔のような翼が生えている。
その青年は髪を掻きあげながら言った。
「テスタメント様。ヤーウェ様が遂にアイリスを放ちました。」
「何・・・?」
「先日フェイヨン砦でケイオスと接触したのがアイリス解放のきっかけかと思われます。」
「・・・インキュバス、事実なのかい?」
「はっ。」
「予想より早過ぎる解放だったね・・・。問題が生じる。」
「サキュバスをケイオス共のところに派遣させる。ケイオスとフレイヤ達を隔離させよう。」
(・・・サキュバス・・・聞こえるかい?)
(はぁ〜い!テスタメント様〜!!お呼びですかぁ〜?)
(キミに現在フェイヨンにいる、ケイオス、ガリィとフレイヤのメンバーを隔離するようにしてもらいたい。)
(ケイオス、ガリィの2人だけゲフェン周辺に飛ばし泳がしておこう。その方がこちらとしても仕事がやり易い。)
(え〜?何でですかぁ??)
(アイリスが解放されたようなんだ。)
(うっそ〜!?マジですか?)
(あの化け物アイリスが放たれたとなればこちらの予定に問題が生じる。
一刻も早く実行に移しておくれ。)
(アイアイサー♪)
テスタメントはインキュバスに命じる。
「キミは引き続き闇夜の暗殺者の監視を頼むよ。」
「フッ。了解しましたよ。」
再び紫色の炎に消えていくインキュバス。
テスタメントは鎌を手にとり遠くを見つめる。
「面妖な事になったもんだな・・・。」
そして、フレイヤさんは小さく・・・だけどしっかりとした声で話し始めた。
「テスタメントが―――兄がああなってしまったのは、私の我侭のせい。
私がちょっと冒険してみたいなんて我侭を言い出さなければ、
あんな事にはならなかった・・・」
そう言って、顔をしかめる。
「私がどんなに頑張ってももうあの頃の兄は戻ってこない・・・
最初は自分を責めることしかできなかったわ。」
思い出す事が辛いのか、きゅっと拳を握り締める。
「私があんな事を言い出さなければ、
私があそこで先走りしなければ、
私があの悪魔を倒せるほどに強ければ―――そんな感じにね。
いっそ私なんていなくなってしまえば良いとさえ思ったわ。」
「でもね、そんな時にジャハルが私を支えてくれた。
私がどんなに捨て鉢になっても、
ヒステリーを起こしてどんなに酷い言葉を浴びせても、
変わらずそばにいて、励ましてくれた・・・
おかげですぐに立ち直る事ができたわ。」
フレイヤさんの視線がお察しくださいな状況の宴会場へ向く。
「だから、ジャハルさんが好きになったんですか?」
「え?い、いやそれはあのえ〜と・・・もう!大人をからかうんじゃないわよ!」
顔を赤くして(酒のおかげで元々赤いけど)言う。
「それはそれとして、辛くなったり、迷ったりする事があったら、
いつでも相談しなさいよ。私達は仲間なんだから、ね?」
「・・・はい、わかりました。でも、今はもう大丈夫ですよ。
皆が、支えてくれましたから。」
「ふーん、そうかい。流石は僕の光の部分だね、
人を憎むと言う事を全く知らない・・・全く、見てられないね」
声が響く・・・え?僕と同じ声?
「探したよ?ケイオス。
僕の片割れ―――光の中でぬくぬくと育ってきた、憎むべき存在。」
振り向くとそこには・・・僕が立っていた。
85 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/02 22:19 ID:EQGqYeWi
__......,,,,......._
/ ヽ \从人从人从人从人从人从//
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.| ノノ__ノノ|_ノ|_ ) ≫ FUCK YOU !!! ≪
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. \ ) ´゚ ,r "_,,>、゚ ヽ/っ))) //Y∨Y∨Y∨Y∨Y∨Y∨Y\
ヽ_」 )‐=‐ァ' i\/
ヽ .n ` `二´' .丿.ノ
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/〔1__/。 ァィコ 。.゚|.| 愛子さまが癌砲に乗り込み破壊の限りを尽くしております
| / |\゚.。。。。。。。゚/ .| そして世界は平和になりましたとさ
\___/  ̄ ̄ ̄ ノ 〜FIN〜
86 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/02 22:20 ID:EQGqYeWi
__......,,,,......._
/ ヽ \从人从人从人从人从人从//
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88 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/03 00:39 ID:q8XtUDV0
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|Ξ|~ \ / ~|Ξ|
/::::::ヽ/|\_______/|\ /:::::::ヽ
「ケイオス君が・・・二人!?」
フレイヤさんは驚きを隠せない様子だ。
でも僕は・・・こいつを見た瞬間に
嫌な予感の正体が、こいつだということを何故か悟っていた。
「まさか・・・ドッペルゲンガー!?」
フレイヤさんが身構えた。
「あんな下等な思念体と一緒にしないで欲しいね」
僕とそっくりのそいつは憎憎しげな表情でフレイヤさんを睨みつける。
僕と同じ顔でフレイヤさんをそんなふうに見るな・・・!
「それに、ケイオスのほうが僕の真似をしてるんだ。それを忘れるな」
「僕がお前の真似・・?何言ってるんだよ!お前は誰だ!!」
「おいおい・・・自分の片割れの事がわからないのか?」
そいつはやれやれという仕草をとると、僕に向かって言った。
「アイリス。・・・もう分かっただろ」
名乗った瞬間、思い出した。
僕の・・・欠けた記憶。人を恨み憎み続けた日々。
それを持っているのがこいつ・・・アイリスだということを。
「やっと思い出した?まあ今日は挨拶だけにきたんだけどさ」
「ま、待て!」
「・・挨拶だけ?じゃあアンタから出てるその殺気は何?」
フレイヤさんが手に魔力を溜め込んでいた。
「・・・ふーん。いい度胸してるね」
アイリスはそれを見ても余裕で立っていた。
「ソウルスト・・」
フレイヤさんが魔法を放とうとした時には、アイリスの姿はもうそこには無い。
・・・後ろ・・・っ
言う間もなかった。
どすり、とアイリスの肘鉄がフレイヤさんの首の後ろに決まる。
声を立てることもなく、フレイヤさんは倒れた。
「フレイヤさん!!」
「・・・外に出たばっかで全然力が出ないや」
アイリスは首をコキコキと鳴らしている。
「このっ・・・!」
僕はファイアスティレットを抜いた。
「無駄だよ。僕には勝てないの分かってるんだろ」
「・・うう・・・」
悔しいけどその通りだ・・。
「そうそう、これを言いに来たんだった」
アイリスは今思い出した、言わんばかりに手をぽんと叩いた。
「僕はこれから人間どもを殺しまくるから」
「・・・え」
「お前と同じ姿でね。・・・意味、分かるだろ?」
「・・・」
「お前が人間どもから追われる姿を考えると気持ちいいなぁ!」
アイリスはケタケタと笑う。
「お前の仲間もどーなることやらなぁ」
僕は思わず、倒れたフレイヤさんを見た。
「・・・!」
視線を戻すと、アイリスの姿は消えていた。
「えーっ!アイリスが先回りしちゃったなんてぇ〜・・う〜ん上手く利用できないかな〜」
サキュバスは、ちょっと離れた場所からその様子を観察していた。
「あ、そうだ!」
サキュバスはポンと手を叩いた。
「んぅ〜、何かまた結構酔っちゃったみたいだなぁ・・・。」
私は近くで寝てるのか起きてるのか分からないレイドの肩の甲冑をポンポンと叩いた。
「レイド、起きてる?」
「・・・・・はっ!」
「敵襲でありますか?!」
剣を構えるレイド。
「ち、違うって・・・。ちょっと気分転換に外の空気でも吸いに行かない?」
「さすがガリィ殿!自分もお供いたします!!」
私はレイドを連れて外酒場の外にに出ようと扉を開ける・・・って!
フレイヤさんが寝てる?・・・あれれ??ケイオスは誰か知らない結構可愛い女の子と話してるし・・・。
あ!お互い抱き合ってる!!・・・デレデレしちゃってぇ〜(怒
「レイド・・・外に出るわよ!」
「ははっ!」
私とレイドはケイオスの所まで猛ダッシュで駆け寄る!
「ケ〜イ〜オ〜ス〜〜〜〜ッ!!」
って!あれ?
消えちゃった?
すると木の上から女の子の声が聞こえてきた。
「やったぁ〜!簡単に幻覚に引っ掛かった!!」
「は〜い♪お一人様ご案内〜☆」
「キャッ、な、何・・・?」
私は訳も分からぬまま空間に呑まれていった。
「ガリィ殿!と、とにかく自分もお供いたします!!」
レイドも空間に呑まれていく。
「な〜んか、変なのも混ざっちゃったけど、まっいいか。
あっとはケイオス・・・だねぇ〜。」
サキュバスは辺りを見渡しケイオスを見付ける。
「フレイヤさん!しっかり!!」
僕はフレイヤさんの起こそうと必死に声を掛ける。
「ケイオス・・・どうしたの?」
「あ、ガリィ!良かった!事情は後で話すから一緒に介抱・・・ぅうぁ!」
ガリィは僕に近付くと僕の上唇に口付けする。
「ガ、ガリィ・・・?」
「ケイオス君・・・私・・・私ね?」
ガリィ・・・な、何故急に?しかし・・・
嗚呼、何だかとても気持ちいい。ずっとこの時間が過ぎる事がなければいいのに・・・。
僕の感情は高揚してもはやフレイヤさんの事など上の空だった。
意識が・・・薄まっていく・・・。
ドサッ
「へっへ〜、ちょろいちょろい♪」
ガリィに変身した姿を解くとクークーと寝ているケイオスを見るサキュバス。
「でも、こう見るとケイオスって可愛いなぁ〜☆」
ニコニコとケイオスを観察するサキュバス。
「ま、残念だけどテスタメント様の命令だからゲフェン方面に飛んでもらうよ〜ん!」
「そ〜れっ!」
ケイオスは空間に呑まれ姿を消していった。
「さ〜てっと、撤収かな〜?」
背伸びをするサキュバスの後ろに気配がした。
「だ、誰?!」
そこには聖職者のような、しかし聖職者にしては気品とかが全く感じられない軟派な男がいた。
男は静かにサキュバスに歩み寄る。
「月が綺麗な夜だね、レイディ・・・。しかし君の瞳の方が何倍も美しく輝いているよ。
嗚呼、月の輝きすら超越しちゃうなんて何て君は罪ありきレイディなんだろう・・・。」
男とは勿論ランディの事であった。ランディは歯をテカッと輝かせる。
「・・・悪いけどぉ・・・趣味じゃないの!」
ベシッ
サキュバスはランディに石を投げつけると闇の中に音を立てずに消えていった。
途方に暮れるランディ。
「趣味じゃない・・・?・・・ソンナ(´・ω・`)」
ランディが途方に暮れた後、倒れているフレイヤを見付けるまでの間に2時間の時が経っていた・・・。
「ん〜?フレイヤ?なんで倒れてんの〜?」
頬をはたいてみるが一向に目覚める気配は無い。
「お〜い起きろ〜」
ぺチッぺチッ
「しょうがないなぁ・・・よっ、と。」
ランディは倒れているフレイヤを背負って、宴会場に運ぶ。
「お〜い、ジャハル〜、君のお姫様が倒れてらっしゃいますよ〜?・・・って」
そこには、死屍累々とした光景が広がっていた。
「あ〜あ、皆潰れちゃって・・・ま、いっか。
疲れたし、僕も寝よ〜っと。」
魔法都市ゲフェンの北の橋をこえた所にある小高い丘。
その上に二人の人間(+一匹)が倒れていた。
一人は安らかに、一人は苦しげな顔をして、眠りについている。
時折寝言を呟きつつ、時折寝返りを打ちながら、眠りつづけている。
そして時は過ぎ―――夜が明ける
霧がかったゲフェン北の丘に僕とガリィは寝ていた。
先ず僕が目を覚ます。
「ん・・・・・ん?」
僕は辺りを見回す。
「ここ・・・どこだ?」
「ゲフェン地方でございますな!」
そういうとレイドがどこから仕入れてきたか分からないへこんだ鉄の鍋でスープ「らしき」ものを煮込んでいる。
「ケイオス殿!おはようございますであります!」
「お、おはよう・・・。」
朝日が昇り、霧がかった風景が段々明るみで照らされていく。
「ケイオス殿!ゼロピーの煮込みであります!!
焼いて食しても美味ですが、塩でシンプルに煮込んで食べるのも美味しいのです!」
「へ、へぇ〜×3。」
「戦士たるもの腹が減っては戦はできませぬ!
ささ、食してください!!」
「うん・・・って!なかなかというか凄く美味しいよ!」
「こう見えても自分は意外に自炊も結構するのであります!」
胸の甲冑を張るレイド。
・・・って何か忘れてるよなぁ。
あ
ガリィ。
横にはスゥスゥと寝息を立てて寝ているガリィの姿があった。
(えっと・・・僕は・・・昨晩みんなと飲んでて・・・
僕にとてもよく似ていたアイリスというのがやってきて・・・フレイヤさんが気絶して・・・
その後・・・ガリィが僕に口付けを・・・。)
「む?どういたしましたですか??顔が赤いですぞケイオス殿。
おかしいですな・・・アルコール分は今回の煮物では使っていないのであるが・・・。」
レイドの声は僕に聞こえていない。
(そうだ・・・ガリィにキスされて・・・その後僕は気絶して・・・ここに来て・・・。)
(ん・・・・・もしかして・・・・)
(・・・・駆け落ちデスカ!??)
「しかし、ガリィ殿は一度お休みになられると全然起きないでありますなぁ。剣士たるものいつで(ry」
レイドがブツブツ愚痴っているようだったがまたしても僕は聞く耳など持たない。
ただスープだけは口に進んでいる。
「ん・・・ふわ〜ぁあ。」
ガリィが目を覚ます。
ドキッ。
僕は慌てて髪型を整え口の周りのスープを拭き取る。
「ん・・・んぁ、ケイオス、レイドおはよぉぅ〜w」
寝ぼけながら挨拶するガリィ。
「お、目覚められましたかガリィ殿!おはようございます!!」
僕はそんなガリィの前でカタコト言葉で話した。
「ガ、ガリィ。色々今までと僕らは、た、旅をしてきたよね・・・。
そしてフレイヤさんマンクさん達にも、と、とても御世話になったし!
でも、ぼ、僕達・・・こういうのはまだ早過ぎるんじゃないかなぁ??」
ガリィもあまりに変な僕の話に目が覚めたようだ。
「・・・・・(゚Д゚)ハァ?」
「(゚Д゚)ハァ?・・・って・・・ガリィが連れて来たんだろ!?」
「何が?っていうかここどこ?」
ガリィはキョロキョロとあたりを見回した。
「ゲフェン付近でありますガリィ殿!」
レイドが再び説明する。
「・・・なんで?('A`)」
「僕が知りたいよ!!」
何?全然覚えてないの?もしかして酔ってたの!?
赤い顔して話してる僕が馬鹿みたいじゃないかぁ!!ヽ(`Д´)ノ
「とりあえずさ、これ食べたらみんなのところに帰ろうね」
ゼロピーのスープを飲みながらガリィが言う。
すごいよガリィ流石だよ・・・凄い勢いで鍋の中身が消えていく。
「でもなんでこんな所に来たんだろう?」
「どうせ闇ポタにでも引っ掛かっただけであります!キニシナイ(・∀・)!であります!!」
「・・・ってちょっと〜!!そんなアッサリ帰ってもらっちゃ困るんですけど!!」
サキュバスは物陰からケイオスたちの様子を伺っていた。
「何とかしてゲフェンに縛り付けておかないと、テスタメント様に真っ二つにされちゃう〜」
「そうだわ♪よ〜し・・・・エイッ♪」
サキュバスは一瞬にして人間の・・・♀マジシャンの姿に変身する。
「ゲフェンっていったらやっぱコレよね♪さてと・・」
サキュバスは石を拾うと近くにいたカタシムリに投げつけた。
当然カタシムリは怒ってサキュバスに向かってくる。
「こんなのに殴られるのも癪だけど〜・・・('A`)」
すぅ・・と息を吸うと大声で叫んだ。
「あれぇ〜〜〜〜〜〜〜〜助けて〜〜〜〜〜〜!!!!!」
「ん?」
僕が何か叫び声のする方を見てみると、マジシャンの女の子がカタシムリに追われている。
「なんだか・・・あの子助けて〜とか言ってるけど・・・」
「普通カタシムリって温厚なハズよねぇ・・・。」
2人揃って呆れる僕等。
「まぁ、いいや。助けにいこう?」
「そうだね・・・。」
僕らは追われているマジシャンの女の子の方へ向かっていった。
カタシムリは僕らとガリィ&レイドがギロッと睨むと殻の中に閉じこもりすごすごと逃げていった。
「さてと・・・怪我とかない?」
マジシャンの女の子に僕は聞いてみた。
「はい!助かりました!!」
嬉しそうに無邪気な笑顔をする女の子。
ガリィがまた表情が険しくなりつつあるので僕は平静を保ち女の子の方を見る。
「ねぇ、ここから街ってどこ辺りにあるか分かる?」
「ん〜。ここが北ですからぁ〜、そこを東に行って南に行くと湖があって、その南西方面に行ってから北に5歩ほど進んで・・・」
・・・。
はっきりいって理解不能な説明だ。
「な、なるほど・・・。さ、参考になったよ。」
「えへっ♪どういたしましてっ!」
「それじゃあさよならぁ〜ノシ」
何か凄くあっという間に去ってしまった。
まぁ、いいか。
ガリィがその後姿を見送ってから言った。
「あのさ、ケイオス。フレイヤさん達心配してるから耳打ちしといた方がいいよね?」
「あ、そうだね!ヒメさんかランディさんが迎えにきてくれるかもしれないし。」
「よし・・・それじゃ早速・・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・あれ?」
「どうしたのガリィ?」
「耳打ちが・・・できない・・・?」
「・・・え?ちょっと待って僕もやってみ・・・あ。」
「通じない・・・というか僕達自体できなくなってる・・・。」
しどろもどろするケイオス達を見てサキュバスはクスクスと笑う。
「しっばらくは〜、ゲフェンにいてもらうからね〜ん☆」
106 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/09/04 16:25 ID:+nQ8RXP4
「・・・・・・・」
フレイヤが目を覚ますと、何故かそこはベッドの上だった。
「えと・・・あれ?('A`;)?」
「あ。おはよ〜フレイヤ。やっと起きた?」
ランディに声をかけられた。
外ではぽりん♪ぽりん♪とポリンが陽気に戯れている声(?)がする。
すっかり朝になっていた。
「だめじゃんフレイヤ、外で酔いつぶれちゃってさ〜風邪ひくよ」
「外・・・」
言われて一瞬で目が覚めた。
ベッドから飛び降りると外に飛び出す。
「ちょ、ちょっとフレイヤ!?」
「ケイオスはどこ!?」
フレイヤは切羽詰った様子でランディに向かって叫んだ。
「ケイオス?あ、そういやガリィもいないんだよな。
二人で楽しくデートでもしてるんじゃないのお?(・∀・)ニヤニヤ」
「んなわけないでしょ('A`#)!!ああもう!!」
(Σ( ̄Д ̄;)な、何をそんなに怒ってるの・・・?)
一歩引いてるランディを尻目に、ケイオスにwisを送るフレイヤ。
「・・・・通じない・・・」
「愛の逃避行してるんだからほっとけば?( ゜∀゜) 」
「んなわけないって言ってるでしょ('A`#)!!みんな集めて!説明するから!!」
108 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/04 18:19 ID:4vjj0/Lw
ランディが召集を終えると、フレイヤは取り乱したまま、アイリスの存在と脅威を簡潔に説明した。
始めは半信半疑だったもののフレイヤが平常心を取り戻すにつれて、その場にいる全員が事の深刻さに気づいた。
「うはwWwそれはヤバイww」
「うそ、信じられないわ・・」
「くっ、宴会なんてしなければ・・・」
大きく気落ちするジャハル。
「それよりも、今後どうするかを早急に考えないと・・・」
暫くの沈黙の後、エミリアが一つの案を出した。
「ポタで全ての町を探し回るのはどうでしょうか?」
「なるほどね〜、そうなるとポタ使えるのは僕とヒメさんなわけだから・・」
「二手に分かれるって事ですな。」
109 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/04 18:50 ID:4vjj0/Lw
「当然、わたしとダーリンは一緒ですわよ」
「じゃあボクはエミリアさんと一緒で〜」
即答のヒメ、ランディ。
「え、じゃあ私は・・・」
「ジャハルと一緒だな!」
戸惑うフレイヤにストロンガスの一押し。
「拙者とボンゴン殿は、町中ではきれぬ存在ゆえ・・・」
「ジャハルとは二人で飲んだ仲でやんすから・・・」
「・・・てことは、ボクとエミリアにジャハル、フレイヤ、ハン・・」
「ヒメ、レイド、ボン・・・うはっwWw決まっちゃったwW」
こうして臨時に分割されたPTはストロンガスに別れを告げたのち、砦をあとにした。
「このワールドをくまなく探すってのも非常に難しいですわね・・・。」
ヒメは冷静に言う。
「町だけとは限らなくてよ?フィールドエリアって事も考えられますしモロク方面の砂漠でしたらエラい時間かかりますし・・・。」
「うはw確かに・・・www」
「それと私達は闇夜の暗殺者に狙われている身。迂闊には動けないわね。」
「あと・・・あのケイオスそっくりの不気味な子。アイリスも野放しにはできないわ・・・。」
「しょうがないですわね・・・。ケイオス達の捜索はアイツに任せますわ。」
「へ?アイツって・・・??」
ランディが不思議そうに訊ねる。
「私とマンクの知り合いのアサシン、サリエルですわ。私的にあんま好きな性格ではないんですけどね。」
「おいおい、そんな事いうなよ〜w戦友だろwWw」
「とにかく、彼は人探し、尾行、情報収集とかの類が凄く優秀なんだwあ、勿論戦闘面でも凄いよ?
一番先にオーラ出したのも彼なんだよ(ぉ」
「なるほど・・・それじゃそのサリエルさんって人にケイオス達の捜索は任せていいわね?」
「・・・で、俺達はそのさっき話してたアイリスってのを探して全ワールドに被害が及ぶ前に探す。こういう事になるんかな?」
ランディは煙草をフゥーッとする。
「まぁ、そんな感じかな?www」
ジャハルは剣を腰に掛ける。
「うむ、決まりだな。それと・・・」
ジャハルは後ろでグースカ寝ている半漁とストロンガスを見る。
「・・・起きるまで待ちましょか('A`;)」
「・・・うはっwww」
ゲフェン街近郊の大きな陸橋。
その大きな陸橋の上の避雷針につま先だけ乗せ双眼鏡で辺りを観察している影。
「・・・。」
「・・・眠いなぁ。」
かなり面倒そうに、目をこするその男はヒメとマンクの元ギルドメンバーのサリエル。
うっすらとした白い髪に、悪魔の翼を象ったヘアバンドが目立つ。
オーラが出ているところから歴戦の強者という事がうかがえる。しかし顔は微妙に幼い感じがする。
「あ・・・WISきてるや。・・・マンクかな?」
双眼鏡をしまい、WISの方に耳をやるサリエル。
(はい、サリエルです。)
(な〜にが「はい」ですの!もっとしゃきっとしてくださいな!!)
(なんだ。ヒメか。何の用?)
(「何の用?」ですって?!キーッ、アナタね、私に対して何たる・・・)
(だってヒメじゃん。)
(〜〜〜〜〜〜ッ!)
(・・・まぁ、いいですわ。私達は手分けして例のケイオスとガリィって子を探しますわ。
アナタはゲフェン地方を頼みましたわよ。何か今のゲフェンは魔力が微薄になってしまいますのよ。)
(うん。)
(それで進展は何かございましたの?)
(いや。)
(レイドリックも一緒にいるから結構目立つとは思いますけど・・・。)
(ちょっと待って。)
(見付かりましたの?!)
(レイドリックてペットにできるの?)
(・・・知りませんわよっ!!`Д´#)
(そっか。)
(ムッキーッ!もうちょっと真面目にやってくださらないかしら!!)
(うん。)
(だ・か・ら!真面目にやってくださいな!)
(分かった。)
(進展ありましたら何か連絡くださいね!)
(うん。)
(こんにちは。)
(へ?何ですの??)
(あ、誤爆。)
(ムッキャァァァァァァァッァァァ!!)
(ごめん。)
(〜〜〜〜〜ッッ!!)
(あ、そろそろ切るね。)
(ち、ちょt)
耳打ちをやめた後、サリエルは空を見上げる。
「腹減ったな・・・。」
渋々と景色を再び双眼鏡で見渡すサリエル。
「あ」
サリエルは「鍋をしている」シーフと剣士・・・そして・・・ヨロイを見付ける。
「よし。混ぜてもらおう。」
サリエルは瞬く間に陸橋の避雷針から消えると、その地点から300mほど先の場所まで移動していた。
115 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/04 21:02 ID:4vjj0/Lw
ゲフェンフィールドのとある場所で僕らは鍋をしていた。
「僕達、結局町に帰れなかったね」
「今頃みんな心配してるかも・・」
町を捜し歩いているうちにすっかり日が昇っていた。
「レイドは食べないの?」
ガリィは天然ではあるが皮肉じみた発言をした。
「(つд`)食べたら直下で出るであります」
「Σ(゚Д゚)!ご、ごめん・・」
とうつむいたガリィの前にいつのまにか一人の男がたっていた。
「あれっ、いつの間に・・」
「君ら楽しそうだね、混ぜてくんない?」
よく見たらオーラでてるし( д) ゚ ゚!
マンクやヒメさんで慣れてるとはいえ、この姿のオーラは初めてで驚いた。
「はい、どうぞー」
「ありがと♪」
なかなか親しみ深そうな感じのひとだ。
116 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/04 21:18 ID:4vjj0/Lw
「そっか、名前はサリエルっていうんですね」
「君らは確かケイオスと・・ガリィ・・だっけ?」
「え?」
僕はガリィと顔を見合わせた。
「君らの事はヒメから聞いてるよ」
よかったー(*´∀`*)これからどうなるかと思ったよ・・
「それで、あの、どうやれば帰れるんでしょうか」
暫く考えたあとで
「西にいこうか」
西に行けば帰れるんですね!
僕等はサリエルさんの導くままに西を目指した。
117 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/04 21:31 ID:4vjj0/Lw
どれくらい歩いただろうか・・・
あれから数時間経ち、かなり疲れてきた。
隣にいるガリィは汗こそかいてはいるが、全く疲れてない様子。
「あのぅ、サリエルさんまだ着かないんでしょうか?」
「ん、もう着くよ」
ガリィはこっちを向くと勝ち誇ったような表情で笑みを浮かべた。
ヽ(`д´)ノどうせ僕は貧弱な男児ですよ!
レイドはそんな中無言でガシャンガシャンと音を立て歩いている。
「ついたよ」
サリエルさんのその声で前方をを見上げた。
そこには、巨大な古びた城がそびえたっていた。
「ここは・・・」
どう見ても城だ。明らかに街じゃない。
しかもいかにもなんか出そうな不気味さが漂う・・・。
夜中なら間違いなく肝試しに使えそうな雰囲気だ。
「おお!ここは懐かしのグラストヘイム城でありますな!」
レイドが嬉しそうな声を上げた。
「グラストヘイム・・・?」
「うん」
サリエルさんは頷いた。
ガリィも不安そうな顔になって尋ねた。
「ゲフェンの街じゃ・・・ないですよね?」
「うん」
「ど、どうしてですか!?」
「んー」
サリエルさんはちょっと考えると
「ゲフェンは危ない気がしたから」
え・・・?
「かなぁ?」
かなぁ?・・・って(´・ω・`)
119 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/05 02:20 ID:LV0GBTmV
「他にもここにした理由があるんだ」
なんだろう・・・理由って。
「強くなるための近道とでもいおうか」
Σ(゚Д゚)ま、まさかこのいかにも恐ろしげな城で・・(((゚Д゚))))ガクガクブルブル
(゚д゚)ハッだめだ、こんなことじゃあ強くならないと・・・。
「是非御教授願いたいです」
・・と迷う僕に対し相変わらず勇敢なガリィ。
やっぱガリィは強いなぁ。
120 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/05 02:31 ID:LV0GBTmV
僕等が向かったところはGHでもいかにも正門らしきところだった。
半壊している扉を押し開けると早速モンスターが待ち構えていた。
それは巨大な馬の幽霊とも呼べるいかにも凶悪そうなモンスターだった。
巨大な馬は激しい攻撃を繰り出すが、サリエルさんは全く動じてない様子・・
「戦ってみるかい?」
巨大な馬の攻撃をひらりとかわし、まるでポリンといるような余裕をみせている。
僕はコクリとうなずくとファイヤースティレットを右手に巨大な馬に切りかかった。
「あ、まって」
それにつづきガリィも攻撃態勢に入る。
121 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/09/05 02:54 ID:LV0GBTmV
傍から見た馬の攻撃は激しいものであったが、かろうじてかわす事ができそうだ。
「おっ、ケイオス君、いいよけしてるよ」
フフン(´∀`)僕だって強くなってるんだ!みたかガリィ。
しかし、僕がガリィを見た十数秒後、自分の甘さを痛感させられた。
「おぉ」
サリエルさんのガリィへの関心は自分へのそれとは大きく違っているのは明白だった。
ガリィは巨大な馬の攻撃を軽くかわすと素早くきりつけた。
「バッシュ!」
一回ではなかった。相手の攻撃を一度避ける間に数回のバッシュを入れ、その動きは以前のガリィとは比べ物にならないほど速かった。
巨大な馬は彷徨し、遂には力尽きて闇に消えていった。
「すごい・・・ガリィ君素晴らしいセンスだ・・・」
ガリィの予想外の強さを前に、僕はただ唖然と立っていた。
「ちょっと休憩しませんか・・・?」
たくさんのモンスターを相手にして疲れ切った僕はその場にへたり込むと動けなくなってしまった。
「ん、じゃあちょっと休もうか」
ガリィはまだやれるのに、と言った表情で古くきしんだ長椅子に腰掛けた。
「あー」
思い出したようにサリエルさんが口を開いた。
「忘れてたなーヒメに連絡するの」
そういうとサリエルさんはめんどくさそうに耳打ちを始めた
(あーヒメ?)
(なんですの?真面目に探してますの!?)
(うん)
(アナタはいつも気の抜けたような声ばかり・・・ブツブツ)
(うん)
(で、用件はなんですの!?早くおっしゃってくださらない?こっちだってひm)
(みつけたよっていうか一緒にいるよ)
(え・・?本当ですの?)
(うん)
(それをはやくいいなさいっ!)
(ごめんね)
(今どこにいらしてっ!?)
(GHの修道院だよー。なんかモンスター来てるから切るねー)
(ちょっ・・)
サリエルさんは耳打ちしながらも片手でお化けのモンスターの攻撃をさばいていた
っていうかこの人達みてると自分がすごく非力に思えてくるよ(´・ω・`)
124 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:
場所は変わってゲフェン
アジトから望遠鏡で眺めるサキュバス。
「あれれ〜ケイオスがいなくなってるー★動かないように仕向けたんだけどなぁ〜」
そういうと羽を広げ空を舞った。
「やっぱりいないや・・このままじゃあテスタメント様に殺されちゃうよぉ☆」
「まてよ、う〜んと、たしかぁ、ゲフェンから他の町へいけば報告が来るはずだからぁ」
暫く考え込むとサキュバスは何か思い立った様子で
「グラストヘイム!!」
と同時にみるみるとサキュバスの顔は青くなった。
「あぅ、超ヤバイかも・・あそこへは重魔力が届いてないから逃げられちゃう〜☆」
そういうとサキュバスは必死にグラストヘイムへ向かった。