かつて、この板にRO1行リレー小説というスレが存在した。
RO本スレ以外で1000スレを達成した、なかなかのスレである。
しかし、残念なことに最後は、マジメに小説を続ける派とおちゃらけギャグ派、
これら2つが混ざり合って、口論となってしまった。
そして、最後には議論だけの、つまらないスレと化してしまった
そう、この物語を綴るのはアナタである。
■ルール■
ここでは、おまいらに 真 剣 に
ROの小説を綴ってもらう。私は「マジメに小説を続けたい派」だったから。
そして、必ず、「1レスにつき6行以上の長文」で綴ること。
リレー小説・・・でもかまわない。しかし、自分ひとりで物語をつづりたい、
そこのオマエ様は、トリップをつけて綴って欲しい。
他人の作品の文句は決して言わないこと。黙ってこの小説の行方を見守ること。
夏厨や2ゲットなどは完全放置で行って欲しい。
今ここに、一人のノービスが降り立った・・・
2ゲッツ
一人のノービスは氏んだ 〜終〜
-その後-
ノービスの中の人が飽きて削除した。
5 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/01 20:26 ID:p0YZCJ/2
6 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/01 21:23 ID:kAJia7qR
初心者修練場。
ここは初心者が生き残っていくための知識や技を会得するところであり
そのノービスもまた生き残るためにここにきた。
『ここ結構人多いな〜』
まずノービスがはじめてここにきた感想である。
そこにはさまざまな人がいた。
よくみると人だかりができている。
なんだろうと心の中でいいつつ様子をみにいった。
こっから続きおねがいします!
このノービスの名前もおねがいします!
ガキィッ!!ジャキィィン!
「ま・・・参りました・・・」
真っ青な顔で、剣をはじかれた男剣士が言った。
「おお〜・・・・」
周りの人々が感嘆の声をあげた。
ガッシリとした体の男が右手の剣をしまいながら言った。
「いいか、よく聞け!初心者のうちに基礎的な戦術を身に付けておかなくては、
この貧弱剣士のようにすぐ武器をはじかれる!」
ノービスは、なるほど、と一人うなづいた。
するとまた男が言った。
「おい、そこの剣士・・・お前、ジョブレベルいくつで転職した?」
剣士は少しためらった後、
「・・・・ご、5です・・・・・」
と自信なさげに言った。すると男はあきれた顔をして、
「バカモンが!そのようなレベルで転職するとは・・・。
だからお前は基礎がなってないのだ!ジョブレベル10で転職が基本だ!」
男は続けて言った。
「いいか。今から俺がお前たち基礎的なことをすべて学んでもらう!
俺の名前はレオ=フォン=フリッシュ!お前たち初心者どもの教官だ!」
「いいか。今から俺がお前たち基礎的なことをすべて学んでもらう!
俺の名前はレオ=フォン=フリッシュ!お前たち初心者どもの教官だ!」
↓
「いいか。今からお前たち基礎的なことをすべて学んでもらう!
俺の名前はレオ=フォン=フリッシュ!お前たち初心者どもの教官だ!」
訂正('A`)
(厳しそうな教官だ…)
そう、このノービスは思いながら物思いにふけっていると
10 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/02 01:28 ID:WuQ3gtlE
サーバーとの接続がキャンセルされました
11 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/02 01:35 ID:NUqSDr+y
チケットの期限が切れました
自分と同じく、まだ未熟そうな青年がいた。
次は自分と同い年くらいの青年がレオの太刀を受ける。
ほっそりとした体型にも似合わず力強くレオの太刀を受けとめる。
反転して攻撃。
鮮やかな立ち振る舞いによりレオに褒められていた。
自分にはまだ彼のように力はない。
だが、修行すればそのようにもきっとなれるはず。
レオが言っていたように、鍛錬を少し積んでこようと思いと町へ出た。
お楽しみのところ申し訳ありません(ry
14 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/02 13:28 ID:puzZcbDp
そのノービスはプロンテラの一角にある
全国のならず者が集まる私立高校「男塾」に入塾した・・・
鬼ひげ「ノービス一号生 前へ出い」
ノビ゙ 「押忍!ノービス一号生前へ出ます!」
鬼ひげ「貴様 なぜ修正食らうかわかっとるな?
ノビ「押忍!なぜ修正食らうかまったく分かりません!」
鬼ひげ「なんだとぉ?てめぇが朝クソ垂らしながら歌ってた歌 歌ってみい」
ノビ「押忍!不肖ノービス はばかりながら歌わせていただきます!
マイケル・ジャクソソ スリラー!」
熱唱
鬼ひげ「貴様〜!ロックだかなんだかしらねぇがそんな敵性音楽聞くんじゃねぇ!
いいか 当男塾では 歌は軍歌か君が代のみじゃ! わかったな!」
町を歩いていると・・
逆毛騎士「うはwwwwwwwwwww」
逆毛騎士が現れた。
逆毛騎士は足元からオーラを放っている。
ノービス「うわぁ、綺麗だな。騎士さん、そのオーラはどうやって出すのですか?」
逆毛騎士はニヤリと笑い自慢げに口を開いた。
逆毛騎士「ん?これ??wwこれはねぇ・・レベル99になると勝手に出ちゃうんだよwwww」
17 :
夏休みですね:03/08/02 14:12 ID:WuQ3gtlE
ノービス「語尾に「w」つけすぎでキショイ」
「ふぅ修練所を出て二時間ぐらいか…ずっと同じところを歩いてるようだ。慣れない町を歩くのは大変だな
とりあえずさっき初心者修練所で貰った、りんごと肉とミルクそしてえたいの知れない書物
『やったぜ!これでわかる!ラグナロクオンライン入門書-ラストバイブル-@GANGHO』
で昼飯と勉強でもするか。」
僕はベンチに座って休憩を…
「座れねえええぇぇぇぇぇ!!1!なんで座れないんだよ!」
と、書き込むのを忘れてるとすでに他の人が書き込んでる罠(´・ω・`)
座れない・・・・
なんて変な世界だ・・・・けどなんとかして座らないと・・・足はもうヘトヘトだ。
よし、こんな時こそラグナロクオンライン入門書-ラストバイブル-@GANGHOだ!
「えーと何々・・・初心者講座、お座り編。
お座りするには魔物と戦って、ジョブレベルを3まであげる・・・・」
(゚д゚)<ハァァァ!?お座りするのに危険を冒してまで魔物と戦わなきゃならんのか!?
なんて変な世界なのだ!!!そう思いつつも、僕は仕方なく魔物を倒すことにした。
「ポリン
大陸のあらゆる場所に生息しているゼリー状の生物。
人間に対して攻撃的ではなく、とても弱いので初心者の相手にはピッタリだ。
アイテムをなんでも拾う習性がある。」
「なるほど、とりあえずコイツを倒すのが一番安全みたいだな・・・」
ミッドガッツ大陸にはちゃんと初心者用の魔物もいるのだ。
僕は早速ポリンとよばれる生物を探しにいった。
ハァハァ・・・・もうどれくらい歩いただろう・・・
僕はいまだに町を出ることができなかった。
なんて広い町・・・・いや都市なのだろう。
おそらくルーンミッドガッヅ地方では最大の都市であろう。
「ようこそ!プロンテラへ!」
ハァ・・・・またこの看板のところに戻ってきてしまった・・・
ちっくしょう・・・座れないし・・・休みたいけど休めない。
ここは地獄ですか?
ふいに僕は立ち止まった。都市のど真ん中で人々が倒れている。
しかも商人ばかり・・・・その中には、
「死んじゃった♪そのままAFKだぉミ☆」
なんつーか・・・緊張感がないねえ。死んでるのにしゃべれるのかい。
つくづく変な世界だな、と僕は思った。
ゴスッ!!
僕は一瞬何がおきたのか、分からなかった。
ただ、後頭部に鈍い痛みを感じた。
振り返ると、そこにはゼリー状の生物がぷよぷよしている。
ははーん・・・・ついにポリンを見つけたぞ!コレで座れる・・・
僕は右手に持っている小さなナイフを握り締めた。
ダッ!!
僕はものすごい勢いでポリンに向かって走っていった。
自慢じゃないが、AGIは9もある。
ダンッ!ポリンの前で大きくジャンプし、そのまま切りかかった!
(喰らえっ)
ジャキィン!ナイフの鋭い切れ味が感じられる。
ポリンの頭上に数字が浮かび上がる。
「3」
なにいっ!確かに手ごたえはあった。ソレなのにダメージがたった3!?
コイツこの世界で一番弱いん・・・・
ガスっ!!!
僕はおもいっきりふっとんだ。コイツ、かなりパワーがあるぞ・・・!
違う。僕は直感でそう思った。
コイツ、ポリンと似ているけど、絶対違う。
そうなのだ。ポリンの体はピンク色。
ラグナロクオンライン入門書にも書いてあった、間違いない。
だけどコイツは緑色。多分、ポリンの亜種だろう・・・。
ドラクエでいう、スライムベスみたいな・・・。
まわりを見回した。いろんな人がこっちを見てる。
しかも、
「アラ、かわいいノービスさん♪」
だとか、
「コイツ、本当に初心者みたいだ。( ´,_ゝ`)プッ」
とか
「ポポリンをポリンと間違えて叩いちゃったんだね・・・
か〜わいい♪」
とか言ってるだけで、こちらを助ける気配は微塵もないみたいだ。
誰か助けてくれよ・・・・。
そう思っている間にも、ポリン、いやポポリンがこちらに向かってきた!
ドガァァァン!!
ものすごい大きな音がした。一体何がおきたんだ!?
音のあった広場を見ると、大量のモンスターが、暴れまわっていた。
ぶっとばされ、空中を自由に飛び交う商人の数々。
あっという間に死体の山だ。
「うわああ!!!大規模テロだ、逃げろ!!!」
一人の男がパニックに陥って叫びだすと、さっきからまわりにいた人々も
悲鳴をあげてあちこちに逃げ出した。
そもそも、どうして町の中にモンスターがいるんだ?
この世界、やっぱりどうかしてる・・・・!!
ポポリンの方も、大きな音にとらわれて唖然としている。
「逃げるなら今だ・・・・!!」
僕はなんとか体を起こし、逃げようとした。
ふいにモンスターの中に、ピンク色のゼリー状の物体が見えた。
「ポリン!!!」
僕はまるで、すごい宝物でも見つけたかのように叫んだ。
「ポリンを倒せば、座れるんだっ!」
今思うと、かなり浅はかな考えだ。
僕は何の躊躇もなく、モンスターの群れに飛び込んでいった。
僕は訳もわからぬまま走った。
いくらAGIとはいえ、ピンク色のポリン(正確にはインベナム食らったポポリン)
にはとうていかないっこない。
背後に鈍い衝撃を受け、僕は地面へと倒れた。
意識がとぎれるほんの前、僕の頭上で死神がほくそ笑んでいたのを覚えて・・・・
「グルル・・・・!!!」
目つきの鋭い、きれいな茶色の毛並みを持ったオオカミと、
盾をもって慎重に構えている騎士がお互いににらみ合っている。
次の瞬間、騎士は驚くようなスピードで一瞬にしてオオカミとの間合いをつめ、
一気にきりかかった。
「キャイイイィィン!!!」
紫色の血をほとばらせながら、オオカミは息絶えた。
「す、すごい・・・・」
僕はそのあまりにも鮮やかな騎士の技に見とれていた。
「危ないっ!!!」
騎士が叫んだ。僕の後ろに、巨大な大男が斧を持ってふりかざそうとした。
「うわああああああ!!!」
僕はなんとかその斧の一撃をかわし、反撃にでた。
「うう・・・・!!」
僕は反撃にでようとしたが、背後のポポリンの攻撃を喰らって、
もうほとんど意識が朦朧としていた。
一瞬意識が途切れたものの、気力と本能で、敵の攻撃をなんとかかわせたのだ。
しかし、頭上には死神がうっすら見える。
僕の死をまだかまだかと待っているようだ。
「ハァハァ・・・・・」
その大男があらい息をはきだしながら、ゆっくり僕に近づいてくる・・・
「まったく!ノービスの君がこんな危険なところで何をしているんだ!」
騎士はそう叫んだ後、左手に持った剣を強く握り締めた。
暖かで、しかし激しい光が剣を包み込む。
「間に合ってくれ・・・・!!!」
騎士がポツリとつぶやく。
息のあらい大男が今まさに、僕に斧を振りかざそうとした瞬間だった。
ものすごい衝撃が、あたりのモンスターどもを蹴散らした。
モンスターの頭上には
「1200」
という輝かしい数字が光っている。
「グオオオオ・・・・・」
次々とモンスターが倒れていく・・・・
その大男は言った。
「や ら な い か」
僕は安堵の息を漏らした・・・。
「油断するな!!!!!」
騎士の声が飛んだ。一匹のモンスターが、あの強力な攻撃を受けても、
まだ平然と立っていた。
背中には十字架を背負い、赤い、ボロボロの服を着ている。
僕はラグナロクオンライン入門書をひろげた。
「イビルドルイド
厳しい修行に耐え切れず、闇の力に魅せられた賢者の魂が、死後その意識とはうらはらに闇に支配され彷徨っている。
すでに理性は失われており、冒険者達を見境無く襲ってくる」
ものすごく禍々しい邪気が、イビルドルイドのまわりを覆っている。
「う・・・・わ・・・・・あ・・・・」
これが闇の賢者・・・・僕はただ震えることしかできなかった。
「永遠の闇・・・・それこそが素晴らしい世界・・・・
そうは思わんかね・・・・?」
ククッ、とイビルドルイドは笑った。僕はその顔をまともに見ていられなかった。
その顔を見ると、思わず嗚咽しそうだ。
「薄汚い人間・・・・1000年前の、あの忌々しい戦いを忘れ、
今は光のもとで、何不自由なく暮らしている愚かな存在・・・
われわれ魔族は、あの時の憎しみを1000年間1度たりとも忘れはしない・・・」
僕には何がなんだかわからなかった。
騎士のほうは、ただ黙って剣を握り締めていた。
昔、神と人間、そして魔族による戦争があった。
その長きにわたる聖戦の末、壊滅的な打撃を受けた3つの種族は滅亡を避けるために、
互いのひそやかな休息を得る事になった。
1000年の平和‥‥ 。
この長い休息によって得られた平和は、ミッドガルド大陸で生活している人類から悲惨な戦争と、
過去に受けた傷を忘れさせてしまっていた。
彼らは過去の過ちを忘れ、己の欲望を満たすために自らの文明を発展させていった。
そしてある日、少しずつその平和のバランスが崩れる異常気象がミドガルド大陸の所々で現れ始めた。
人間界と神界、魔界を隔離する魔壁から響いて来る轟音、凶暴化する野生動物、
頻繁に起こる地震と津波。そして、いつの頃からか広まっていった魔物たちの噂。
平和の気運が崩れて行く中、この世界の平和を支えているという”ユミルの爪角”の噂が
少しずつ冒険者たちを中心に広がって行く。
だが、人々はその本質を忘れ、それぞれの利益のため、
その正体と富を求めて冒険へと旅出っていった‥‥。
過去の記憶を忘れて‥‥。
ぐちゃがkじぇいあポポリーンと、ポポリンの断末魔と共に
「そこのノービス!貴様なにボーっと突っ立ってる!」
突然かけられた言葉に、瀕死で意識を失いかけている僕は、一瞬誰に何を言ってるのかわからなかった。
しかし、彼の姿を見て朦朧としていた意識を取り戻した。彼は修練所でレオとなかなかいい戦いをしていた
「むっ、君もノービスじゃないか!君こそこんな危ないところで逃げずに何を!?」
あの時のノービスがすぐ後ろに立っていた。さっきのポポリンもこのノービスが倒したのだろう、ハーブを拾っている。
同じノービスなのに偉そうな態度なのと、自分より強いことの悔しさに腹を立てた。
「ふんっ!僕の事はどうでもいいだろ。それより今は街の外の方が安全だ早く逃げろ!」
僕はミルクを一瞬で飲み、体力と落ち着きを取り戻し、クールに言った。
「出口がわかれば今ごろ逃げてるよ^^ドルイドがいて逃げれないしねwww」
と癇に障る言い方をしてみた。なんとなく反抗したくなる年頃なのである。
しかし僕の挑発を無視して騎士のほうを見ていた。
「ぬるぽ」
ガッ!
〜糸冬〜
騎士はあいかわらずイビルドルイドとにらみ合っている。
「どうした・・・・?かかってこないのかね・・・
それとも怖くて足が動かないと?ククク・・・」
ドルイドは余裕の表情で騎士を見ている。
「イビルドルイドにヘタに近づくと、魔法の餌食になるんだ」
ポポリンを倒したノービスが、ゆっくり口を開いた。
「そ、そんなこと・・・・!」
僕は少しムキになって言った。
「君も彼の戦いをよく見ておくといいだろう」
彼は、騎士のほうをじっと見つめながら言った。
騎士は間合いをはかるかのように、正眼の構えに戻し切先をその化け物に向ける。
「落ち着け、青年たちよ。」
騎士は化け物に斬りかかる。避けようともしない。
強烈な一撃が騎士の体を突き抜ける。
「もうすぐ・・・相棒が・・・。」
そう、騎士が言うや否や巨大な魔方陣が浮き上がる。
化け物は騎士との戦闘で気付いていない。大きな爆発音とともに、隕石が降り注ぐ。
全弾命中し、化け物は倒れた。
「もう少し、はやくなんないのかね。詠唱。」
騎士は戦闘を直前にしていたとは思えぬ柔らかい語調で、俺達の後ろを見る。
そこには、綺麗な金髪の女の人がいた。
「ごめんね。この魔法難しいから。」
申し訳なさそうに、微笑んでその場に居た。
「すっげええ!!かっこいい!!!」
僕は興奮して言った。彼らの見事なコンビネーションは、
僕の心に鮮烈な感動と尊敬を生んでいた。
「・・・・なるほど、騎士さんのほうはあくまでおとりだったんですね。
あのような大魔法を唱えることができるとは、参考になりました。」
どうやらポポリンを倒したノービスも、彼らの戦い方には感動せずにはいられないらしい。
「それより君達!ノービスがこんな危ない所にいると、怪我しちゃうぞ。」
やや厳しめの表情で、金髪の女の人は言った。しかしすぐ優しい笑顔で、
「けど、大怪我をしなくて本当によかった。」
いや・・・・本当はしてたんだけどね、大怪我。
ミルクを1本飲み干しただけで、こんなに元気になるなんて・・・やっぱり変な世界だ。
「あの、本当にありがとうございました!!あの、その、
すごく僕、あなたがたに憧れてしまいました!!」
僕は少し緊張しながら言った。
41 :
36:03/08/02 20:02 ID:LXLBAwvp
続き書いてたら長くなった上にすでにレスがついちゃってるよ(´・ω・`)
長いから二回に分けるけど無視して続けちゃってください
いつのまにか騎士とドルイドの戦いが始まっていた。
ドルイドは距離をおいて魔法攻撃、騎士はそれを盾で防ぎ反撃のチャンスをうかがっている。
「クックックッどうした人間…まさかその程度で私に勝てるなんて思っていないよな?
我々魔族を舐めるなよ!人間無勢が!」
どうやら押されているみたいだ、僕は再び今自分がどれだけ危険かを思い知った。
辺りは商人や戦士した人の死体が…モンスターの数が増えていた。
「あの騎士が持ちこたえてるうちに逃げるぞ。僕が出口まで案内する、ついて来い」
突然ノービスがそう口にした
「でも、あの騎士が…」
「僕たちじゃ加勢できないだろ!居ても足手まといになるだけだ!今回のテロは規模が違う!
早く逃げないと僕たちも死んでしまうぞ!」
その通りだった…僕はまだポリンすら倒したことがなく、援護することも支援することも…
座ることすらできないのだ。逃げる以外できることがないのだ…
「わかった案内頼むよ…」
そう答えるしかなかった。「急ぐぞ」ノービスが短く言い、すぐその場を後にした。
「無念だ!お前たちだけでもいきてくれ!」騎士の叫び声が聞こえた。
僕たちは振り向かず必死に走った、生きるために。
- 終 -
書いてる自分が途中からわけわからんようになったよ(´・ω・`)次は40の続きをおながいします
僕達は走った…。騎士さん達の死を犠牲にしない為に。 入り口付近までたどり着き遂にというところで、威圧感溢れる甲冑の鎧が道を塞いだ。
>>44 待って待って、
>>40から続けるんじゃないの?
それともどっちのストーリーに続けたいかでサバイバル?
>>45が「待って待って」と言うとレイドリックはふりかざした剣を落とし、スタン状態となった。
騎士とウィザードらしい女性は顔を見合わせて少し照れくさそうに微笑んだ。
それからふと僕達の方を見て
「ところで君たちはこれから、どうするんだい?」と尋ねてきた。
「あ!ポリンを倒して座らないといけないんです!」
僕は思わずそう言ってしまった。今思えば完全に目的がすりかわっている。
「…あー…、つまりまだ座る事もできないと?」
騎士さんが少し呆れた様な表情をした。が、すぐに笑って
「よし、じゃあ修行に付き合ってあげるよ」と言ってきたのだ!
「「いいんですか?!お願いします!!」」
隣のノービスと声がハモった。視線をぶつけ合って牽制する。
「ダメよ。修行は一人でやるものよ」
「まあまあ、見守るだけでもいいじゃないか」
「…はぁ〜。いいけれど。急ぎの用があるわけじゃないしね」
溜息をつきながら金髪の女性も了解してくれたようだ。
「とりあえず街を出よう。まだモンスターがいて危ないな。あ、そうだ二人ともこれを持って」
そう言って騎士さんはカボチャを50個ずつ持たせてくれた。
…どこに持っていたんだろう…
騎士さんと魔法使いさんに連れられて、自分ともう一人のノービスは適当な狩場につれてきてもらった。
騎士さんは笑顔を絶やさず、木陰でのんびりと俺達を見ている。
お姉さんは面倒くさそうにしながらも、俺達に逐一剣術を教えてくれた。
「そこで左手のグリップを強く。もう一度。」
汗が光る。
ポリンの相手を見ててもらったり、少し危なそうな敵だと弱らせてくれたり、
面倒くさそうにしてるわりには、面倒見のいい人だなぁと思った。
自分と同じく、連れてこられたノービスも頑張っている。
負けてられない。
ある程度時間が過ぎると休憩時間をとってもらった。騎士さん曰く
「休養も修行のうち。」らしい。
ここに来て少し緊張が解けたのか。
男にしては長い銀色の髪。第一印象と同じくほっそりとした体つき。
自分と同じノービスをまじまじと見ていて、初めて気付いた。
こいつ・・・女?
チェッケ!チェッケ!チェケチェケ!チェッケ!チェッケ!チェケガッペ!
「・・・何?」
怪訝な顔をしながらこちらをみる銀髪。汗の匂いがふわっと流れてくる。
ほのかに甘い香りが混じる。
「え、えっと、ケイオス。よろしく。」
「ガリィです。よろしくね。」
女だった。というかどうみても女じゃん・・・。
まだまだ修行が足りない。
ガリィと名乗る銀髪ノービスは、きちんと地べたに正座しながら肩で息をしていた。
「お、男みたいな名前だね。」
「放っといて。気に入ってるんだから。」
それだけやっと言うとまた黙り込む僕とガリィ。
とりあえず呼吸が落ち着くまでは、会話もままならない。
「ほい、お疲れさん。」
頭の上から面倒くさそうな声と、山ほどのかぼちゃが降ってきた。
「それ食べたら次いくよ。」
「はいっ!」
お姉さんがにやっと笑うと、突然僕らの足元に眩い光の柱が現れた。
「うわああぁぁあぁ!」
「ははっ。驚いたかな?」
陽気な声が光の柱の向こうから聞こえた。
「ランディ、いきなりポタはダメでしょ?この子達はノービスなんだから、もう少し考えてあげなきゃ」
お姉さんのなじる声に反応する様に、光の柱は収束を始め、気が付くと跡形も無く消えていた。
「初めまして。ケイオス君、ガリィ君。私はプリーストのランディだ」
栗色の髪をかき上げながら、そのお兄さんは軽く自己紹介をした。
「これで全員集合だな」
騎士が、ゆっくりと腰を上げながら辺りを見回す。
「全員・・・?」
小さく僕がつぶやくと、プリーストが颯爽と説明を始めた。
「そう。我々はギルド[深紅の暁]のメンバーさ。まぁ、出来たばかりの弱小ギルドだがね」
良く見ると、3人の左肩には同じ意匠の施されたワッペンが貼られている。
大地から太陽が昇る様をデザインした、秀逸なデザインだ。
「・・・ギルドに入るか?」
僕がワッペンをジロジロ見ていると、騎士が口を開いた。
「またそうやって。ジャハルって無口な癖にやさしーんだから」
驚く僕を横目に、お姉さんが意地悪な口調で騎士をなじる。
「それよりも君達はどの職を目指しているんだい?」
聡明そうなプリーストが、俺の目を見る。
「え・・・と」
思わず言葉に詰まる。
この世界の物珍しさに忘れ、それにただ座る一心で修行を励んでいたわけで、
実は何も考えてはいない。そうこうするうちに、
「私は、騎士になりたいです。」
ガリィは戸惑うことなくそう答えた。
「騎士か。・・・女の子にはあまり薦められないなぁ。」
頭を掻きつつ騎士さんは言った。
「それって偏見よ。どの職だって厳しいわけだしね。」
「まぁ、お前が前線に立ち傷つくのを見たくない・・・それだけだ。」
騎士は照れることもなく、お姉さんのほうを見る。
「ん。」
照れくさそうに魔法使いさんはうつむく。
「ケイオスは何になりたいの。」
ガリィが聞いてきた。
僕は・・・
1.実はプリーストにあこがれてたんです。
2.魔法使いになりたい。
3.騎士になりたい。ガリィを守るために。
4.魔法少女になりたい。
5.座れる男になりたい。
「まだ決めてない…というか、どんな職業があるのかも知らないんだ」
意気込んで旅に出たのはいいが、考えなしに出たのはやっぱり無謀だっただろうか。
……無謀だろう、レベル1でポポリンに喧嘩売ったり、テロでも逃げ遅れて死にそうになったり。
夜どこで寝泊りすればいいかもわからないし、座り方もわからないし…あと座り方とか…
「元気だして、そう暗い顔しなくても、まだまだ時間あるんだからゆっくり考えなさい。」
暗いことを考えてたのが顔に出てたのだろうか、魔術師の彼女が励ましてくれた。
不安な気持ちが少し晴れて嬉しくなり思わず
「はい!ゆっくり考えて座れるようになります!」
考えていたことをそのまま口にだしてしまった。
そして時は過ぎ7年後…。僕は以前とは比べ物にならない程成長した。
あれから7年…僕の座りは『技』の域にまで達していた。
ただ座るだけではない、そこに悲しみや情熱、憂いを感じさせること。
それは、果てしない時の流れが刻むミョルニールの岩肌の様に
静かに、それでいてどこまでも強く激しく…見る者の心を打つのだ。
そら来た…今日最初のお客がおでましだ。
カツカツと小気味よい足音を立てながら、こちらへと近づいてくる。
汗の香り…甲冑のこすれあう音。
「久しぶりね、ケイオス。」
眩い日を背に、銀色の髪をなびかせる女騎士が
7年間という時間を軽々と背負いながら、そこに立っていた。
僕は成長などしていなかった。
ただ7年間…両の足を地に投げ出し、果たされた最初の目的を栄光として
その上にただ『座って』いただけだった。
今や王国伝説となった「銀色の凪」ギルドマスター、ガリィは
漸く己を知った憐れなノービスの無様に咽び泣く様を、何も言わずただじっと見つめていた…。
−完−
「はっ!ダメだダメだよ!そんなむなしい終わり方じゃっ!」
あやうく終了しそうになって少しあせるケイオス。
「
>>54まで戻ろう!な?それがいいよ」
ケイオスは
>>54まで戻ることにした。
「そういえば、魔術師さんの名前聞いてなかったです。」
「ああ、私?私はフレイヤ。そんでそこの木陰で寝息たててるのがイリスだよ。」
「お二人はどこで知り合ったんですか?」
「ああ、あいつが魔物と苦戦してたところを助けたのがキッカケね、それより手を動かす!」
「あ、はい!」
僕はあわてて近くにいたポリンを殴った。ポリンは結構なれてきた。
問題は、ファブルだ。あのウニウニした動きがどうも好きになれない。
そのくせ、結構カタイ。僕の修行もまだまだ続きそうだ・・・
女魔術師はガリィですか(;゚д゚)
しまった・・・まあそのまま続けてくださいな。
>>58 いや、違う。とりあえずまとめ。
主人公 ケイオス(♂ノービス)・・・ラグナロク初心者。まだこの世界をあまり知らない
ヒロイン ガリィ(♀銀髪ノービス)・・・男だと思ったが女の子だった。騎士を目指す。
仲間 ランディ(♂栗毛プリースト)・・・いたずら好きなプリースト。陽気。
ジャハル(♂騎士)・・・クール。口数は少ないものの、その一言にはやさしさが溢れている。
フレイヤ(♀金髪魔術師) ・・・お姉さん的存在。厳しくもやさしい。魔法は一流。
まあこんな所だろうな。このまま
>>57から続けてくれ('A`)ノ
何やら首都が騒がしい。何か轟音が聞こえてくる。僕は何か嫌な予感がした…。
「そうね、あなたの場合それがいいわ。」
少し変な顔をしてフレイヤさんが言った。みんなくすくす笑っている。
あっ、ガリィまで笑いやがって。
「っしゃ、だいぶ慣れてきた様だし、ここらでいっちょ飛ばしてくか?」
ランディさんが何かを提案した。しばらく4人は顔を見合わせた後、僕の顔を見た。
その後ちらっとガリィの方を見て、またこちらを見て、そしてため息をついた。
「ま、大丈夫じゃない?」
「白髪の子は大丈夫だね」
「ああ。あの子は筋がいい。問題は・・・」
「ランディはいつでも動ける様に準備しといて。私も基本詠唱だけ済ませとくし。」
「ああ、ふたりとも肉体の大幅な破損だけ避けられるように敵さんの動き見といてくれ。
あんまり酷いと神さんの手にも負えん。」
「首なんか飛ばされたら復元しても別人だしね♪」
「前いたなあそんなの。」
「あっはっはっ。」
ガリィが、僕の肩にぽんと手を置いた。
「何かあったら、私を頼っていいからね。」
62 :
61:03/08/03 23:58 ID:bE4U/g3Q
63 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/04 01:18 ID:z5PI6eLR
「…え?」
轟音のする方角へ目を向けると、首都南門付近から炎の柱が複数。いや、地面から氷の壁も突き出ているようだ。あそこは臨時パーティーを探している人達が集う場所…。いったい何が?
>>57氏の続き
数を追うに連れファブルにも慣れた。
ポリンやファブルを狩っているうちに、ついに自分も座れるようになった。
「やっと座れた!。」
嬉しかった。一つの目標を達成した充実感がある。
横で黙々と狩っているガリィがいる。
対抗意識とでも言うのだろうか。
そのようなものが自分に目覚めつつあった。
ランディが僕達のほうを見て、
「そろそろ慣れてきたようだね。少しステップアップするかい。」と提案した。
ガリィは二つ返事で承諾する。
負けてはられない。自分も承諾した。
突然ごめんなさい。
巻き戻りが何回かあったので、一体メインの流れはどれ〜!?ヽ(`Д´)ノ状態になってしまいました。
いまのところ
>>54から
>>57→
>>64へ飛んだストーリー (ちなみにイリスさんて誰でしょうか…)
>>54から
>>60→
>>63へ飛んだストーリー
>>54から
>>61へ飛んだストーリー
の3分岐してるんですが…どれか一本で行くのか、並列で行くのか、どうなんでしょう皆様。
前スレもこんな感じだったのでしょうか?(よく知らなくてすみません…)
とりあえず、
>>63の続きからでいいんじゃね?期待してるYO!(・ω・)
「ああ、あれは誰かの人騒がせなイタズラだな」
ジャハルさんが呆れつつ言った。
落ち着いたその様子からするとさっきのテロ?と違って大した問題じゃないのかな?
ランディさんが言う。
「下手に近づくと熱い思いしたり冷たい思いしたり落ちたりするさ」
「え???落ち…?」
「あーまー気にすんなって。はっはっは」
手をひらひらさせて何でもないってことをアピールする。
「さっきのテロのせいかしら…混乱に乗じて好き勝手やる人もいるものね」
「迷惑だったら止めたほうがいいと思うわ!いえ、止めないと!」
ガリィが叫んだ。
>>63から続けさせてもらいましたが…分岐してもいいと思うけどその場合分岐番号とかあるといいかも?
「あ、待てガリィ。危ないぞ〜。」
間延びした声で止めるランディさん。聞こえるはずもなく街の方へ駆けてゆくガリィ。
それから7年。
僕たちは二度と彼女に再会することはなかった。
>>67の続きで。
「あ、待てガリィ。危ないぞ〜。」
間延びした声で止めるランディさん。聞こえるはずもなく街の方へ駆けてゆくガリィ。
「・・・・まったく、ホラ、行くわよみんな。」
フレイヤが呆れ顔で言った。
「ははは、ノービスは元気があってよろしい。」
ランディがよっこらしょ、と立ち上がった。
「・・・・こんな人の多い場所で魔法連発するのは迷惑です。
今すぐにやめてください。」
ガリィがむっとした顔で言った。
「あ?」
魔法を連発していた男魔術師が言う。
「おめー、ノービスだよなぁ?へへっ、あんまりでしゃばった事はしないほうが、
身のためだぜ・・・・。こんなことになっちゃうぞ!!!」
ふいに男魔術師がニヤリ、と笑うと、ガリィを巨大な氷の柱に閉じ込められた。
「きゃあっ!な、何するのよ!ここから出して!」
ガリィが慌てふためく。
「ひゃーーはは!ノビのくせに生意気なこと言うからこんなことになるんですよ〜」
男魔術師がケタケタ笑う。
巨大な氷柱は小さなナイフで攻撃しても割れる気配はない。
「無駄だよ。君みたいな貧弱ノービスが、この壁を破れるわけがない。
俺に無駄口叩いたことを反省しな!」
男魔術師はニヤニヤ笑っている。
「ガリィをはなせっ!!」
一人のノービスが魔術師に飛び掛った。
「ケイオス!!!」ガリィが叫ぶ。
「くっ、まとわりつくんじゃねえよ、バカノービスが・・・離しやがれ!」
「いやだ・・・!ガリィを解放しろよ!この〜!」
男魔術師は必死に足にまとわりつくケイオスを振り払おうとした。
「・・・・そこまでだ」
男魔術師の首筋に鋭い刃が光る。
「ひっ・・・・」
気がつくと、騎士が男魔術師の背後から剣を光らせている。
「はっはっは。いたづらが過ぎたねえ。さっさとノービスの魔法を解きなよ〜」
陽気なプリーストが微笑みながら、男魔術師に話しかけた。
「ランディさん!ジャハルさん!」
ガリィが嬉しそうに叫んだ。
「・・・・・まったく、こんなカワイイノービスをいじめて、
あんた一体何さまのつもり?ったく、同職として恥ずかしいわ。」
「フレイヤさん!」
男魔術師はまわりを見回した。色々な人々の冷たい視線が彼の方向に投げかけられている。
「くっ・・・・ちっくしょおおお!!!」
男魔術師はおもむろに一本の枝をとりだした。
「モンスターよ!こいつらをやっちまえ!!!」
そう叫ぶと男魔術師はポキッ、と枝を折った。
枝から禍々しい空気がただよう。
「あんた・・・・!もしかしてさっきプロンテラでテロを起こした・・・・!」
フレイヤがそう叫ぶと、
「はあ!?そんなことは知ったことか!やれえ、モンスター!」
とてつもなくまばゆい光が辺りを覆う!
・・・・・ぶうぅぅぅーーん・・・・・
光の中から、なにか蝿のような物が出てきた。
・・・・・ぶぅぅぅぅーーーん・・・・・
「これは・・・・!?ハンターフライ!?」
フレイヤが叫ぶ。
「・・・・どうやら違うみたいだ。」
ジャハルが落ち着いた声で言った。
「あー・・・・これは・・・・チョンチョン・・・・だねぇ。」
呆気にとられた顔で、ランディがため息をつく。
男魔術師も、あまりのバカさ加減に口をあけたままだ。
「チョンチョン?あのでっかい蝿はチョンチョンっていうんですか?」
ケイオスがたづねる。
「チョンチョンは、このルーンミッドガッヅ地方でよく見かけるモンスターよ。
たいして強くないし、初心者が相手するにはにぴったりかもね。
ただ、油断してるとやられるわよ〜。」
ニヤニヤとフレイヤが言う。
「・・・・・僕が倒せって事ですね・・・・ハァ。」
僕は仕方なくナイフを構える。
「これも修行だよ〜。ガリィちゃんも助けられるし、一石二鳥じゃないかぁ!」
ランディが笑いながら言う。
チョンチョンの方はこっちを見て、やる気まんまんらしい。ブンブンうなっている。
「覚悟しろよ・・・!修行の成果を見せてやる!」
ダダダッ!
チョンチョンに向かって僕は走りだした。
僕の得意のジャンプ攻撃がチョンチョンに炸裂する。
ザシュゥッ!
チョンチョンは少しよろめいたが、すぐに体勢を立て直した。
「ほ〜、なかなか動きが素早いね、ケイオス君は。」
ランディがうなづきながら言う。
「AGIが9あるらしいわよ。スピードはあるみたいね。といっても9だけど。」
フライヤがいうと、
「欲を言えばもう少しSTRが欲しい。」
とジャハル。三人はふむふむ、とうなづいた。
「・・・・ケイオス君、少しは戦闘になれたかな。」
ガリィがポツリと氷柱の中で言う。
チョンチョンも負けていない。
ドスッ!と高速の体当たりだ。さすがにポリンとは攻撃力が違う。
「えいやあ!」
僕のナイフが空を切った。チョンチョン・・・・なかなか素早いぞコイツも。
ブウーン!チョンチョンが突進してくる。
よし・・・僕の間合いだ!
すかさず僕はナイフをふる!
ザンッ!
「キュウウウウ・・・・」
チョンチョンはうめきながら、地面にポトリ、と落ちた。
その瞬間だった。僕の頭上に天使が舞い降りた。
「ぱぱぱぱっぱぱーーーん♪」
ラッパの笛とともに、今度は頭上に花火がパンッ!とうちあがる。
「おめでとう♪ついにやったわね!」
フレイヤさんが駆け寄ってくる。
「??・・・・どうしたんですか?コレ・・・なんですか?」
僕はわけも分からずにたづねた。
「レベルが上がったのよ♪しかもベースレベルとジョブレベルが一気にね♪」
フレイヤはにこにこしながら言った。
「ベース・・・?ジョブ・・・・?」
僕は理解できていない。
「ベースレベルが上がる事で君のステータスを上げることができるわ。
ジョブレベルは座ったりできるようになるのよ。ジョブレベルを10にすると、
ノービス卒業よん♪」
フレイヤが説明する。
ああ、そういや初心者修練所でレオ=フォン=フリッシュが言ってたような・・・。
「・・・・・ということは!やっと僕は座ることができるんですね!?」
そういうと、フライヤは首を横にふった。
「残念、それはもう1つジョブレベルを上げなきゃね。でも・・・」
「はっはっは!ここからは僕が説明してあげようっ!」
ランディが言う。
「いいかい!君はジョブレベルが上がったことで、感情表現ができるように
なったんだよ!」
「感情表現?それくらいなら僕してたと思いますけど・・・」
僕がそういうと、フレイヤがフフ、と笑って、
「あんた、全然感情出してなかったよ。ずっと無表情。
憧れました!とか言ってた時も無表情で言ってたから、ちょっと笑っちゃったわ。」
なるほど・・・僕は楽しそうにしてても、相手から見たら無表情だったんだ。
どうりで、ガリィがやたら無表情に見えたわけだ。
「・・・・アレ?じゃあなんでジャハルさんは、あんなに無表情なんですか?」
僕は少し疑問をもって言った。
「・・・・・ほっとけ」少し顔を赤くしながら、むずかゆそうにジャハルさんが言った。
フレイヤとランディは大笑いしていた。
「あははははは!コイツはもともとこんなヤツなのよ!あはは!」
僕はすごく失礼な事を言ったみたいで申し訳なさそうにした。
「おお〜、申し訳ないような顔してるよ!これで一緒に笑ったりできるネ!」
ランディが言った。
「ささ。自分の手を見てごらん?」
ランディに言われるままに手の平を見た。手から明るい光が出ていた。
「その手を、自分の体の色々な部分に触れることで、ステータスをあげる事ができるのさ。
例えば、STRをあげたかったら、自分の腕に手を触れる。
AGIをあげたかったら、自分の足に手を触れる。
VITなら胸の部分に触れて、DEXなら手の平を合わせる。
LUKなら空に手をかかげる事で、自分の能力を高めることができる。
ただし、手を触れると、光は消えちゃう。一度きりのチャンスだから、
よくかんがえてね。」
うーん、とても迷うなあ。まだ、どんな職業になるかも決めてないのに・・・
そう言えば、ジャハルさんはもう少しSTRが欲しいって言ってたな・・
僕は軽く頷くと、ためらい無く自分の両腕へ光を押し当てた。
眩い光が両腕を貫き、心地よい痛みと共に腕へ力が集まるのを感じた。
「ほぅ。闘うチカラを選んだか・・・・」
ジャハルさんは僕を見て、少し不器用にニィっと笑った。
「STRは闘うチカラ。その両腕に栄光あれ」
ランディさんが僕にお祝いとばかりに祝福を投げかける。
「おめでとう。・・・・その・・・さっきはありがとネ・・・」
何時の間にか氷から抜け出していたガリィが少し恥ずかしそうに言った。
「出たなぁ。神速リカバリー」
フレイヤさんがニヤニヤしながらランディさんを突っつく。
「憲兵隊だ!」
突如、誰かが叫び、周囲が慌しくなる。
僕は声の上がった方向を向いた。
そこには、白い装束に身を包んだ2人の男女が立っていた。
男はゆっくりと手を挙げ、声高に叫ぶ。
「魔導士ベンハルート!貴様を街区騒乱罪及び貨幣偽造罪の疑いにて拘束する!」
男の声と共に大きな雷撃がさっきの枝を使った魔導士の身体を射抜く。
轟音と共に眩しい光が辺りを包み、光が収まる頃には魔導士と白装束の2人の身体は跡形も無く消えていた。
僕はただ、腰を抜かしてへたり込む事しか出来なかった・・・。
「いやいや、憲兵様のお出ましとはねぇ。ははっ。あの魔導士は相当のワルだった様だ」
ランディさんがぽつりと呟く。
「あれは・・・何だったんですか?」
へたり込んだままの僕は、間抜けな格好のまま尋ねる。
「あれは憲兵隊。通称GMだ」
ジャハルさんが何時もと変わらない、涼しい顔で答える。
「いけ好かない連中だ・・・。オレの親友も濡れ衣を着せられて拘束された」
涼しげな顔が、一瞬強張る。
「その人は・・・どうなったんですか?」
言った後で、聞いてはいけない事に触れた気がした。
「殺された・・・。公開処刑だった」
ランディさんが、空を仰いで十字を切る。
僕はジャハルさんが何時も無表情な理由が、少し解った気がした。
フレイヤさんが僕の頭を軽く叩いた。
「!?」
相変わらずニヤニヤしながら僕を見ている・・・・。
「キミぃ。ちゃんと座れるじゃない。ジョブレベル数え間違えてるんじゃないのぉ?」
僕はハッと気が付いた。確かに大地の感触を感じる・・。
「おめでとぉ!もう一丁ブレスだ!」
ランディさんがまたもや祝福を投げかける。
「・・・・つまらん話をしたな。まずはおめでとうだ」
ジャハルさんも少し顔を赤くして、恥ずかしそうに言った。
(;´Д`)人へたり込む表現=座るって解釈にしてしまいました・・・。
水を差すようなレスで悪いが、今回は前回と違いかなり本格的だな
ROMは意外と多いと思うので、著師のみんな楽しみにしてるぜ('A`)
ランディさんとジャハルさんが僕を祝ってくれてる中
フレイヤさんは太陽の方角を見ながら話を切り出した
「さて…日没まで後1時間といったところかな、少しだけ時間があるけどどうする?」
問い掛けるとともに、視線を僕にうつし
「その様子じゃ今日の修行は終えたほうが言いと思うけど」
べたーん、と座り込んでる僕を見て笑いながら言った。
「僕はまだまだいけますよ!」と強がって勢いよく立ち上がったものの、
足がふらついて再びドンッ、と尻餅をつき座り込んでしまった。
「まだ旅に慣れてないんだ、今日はもう休んだほうがいい」
そう言ってジャハルさんは僕に手を差し伸べ
「あ、ありがとうございます」手を取り立ち上がった。
横でランディさんとガリィは笑いを堪えていた。
「笑うんじゃね」と言ってやりたかったがそれよりも
「ガリィはこれからどうするんだい?」彼女のことが気にかかった
ガリィは美しい髪を無造作にぼりぼりと掻きながら、考え込むような仕草をみせた。
「んっと・・・確かこの南いくと”ポリン島”ってあるんですよね?」
視線だけランディさんに向けながらしれっと聞く。
「あ、ああ。あるぞ。ガリイxちゃんはまだ頑張るつもりかい?」
「私まだちょっと余裕あるし、散歩がてら見にいってこようかなと思って。」
言いながらぐるぐる腕を回す。
見た目とは裏腹に体力のある子だ。誰もがそんな目で彼女を見る。
「まぁ程ほどにな。張り切るのもいいが、己を知ることも騎士の道だぞ。」
ジャハルさんが驚くほど優しい口調でガリィに言った。そして、大きな手で
ガリィの頭を撫でる。
「・・・はいっ!」
本物の騎士に触れられて瞳を輝かせる彼女を見て、僕は何だか複雑な気分になった。
のどかな風景・・・・
5人でゆっくりと歩く。
「この辺りはまだ、アクティブが出ないぶん平和でいいわね〜。」
フレイヤさんがゆっくりと伸びをして言う。
「アクティブって・・・・・なんですか?」
僕はたづねてみた。するとガリィが、
「あまりにも凶暴なモンスターの事を、冒険者はアクティブって呼ぶの。
アクティブはこちらを見たとたんに襲ってくるわ。
だから、警戒しないとね。」
ガリィは同じ初心者なのに、けっこう物知りだ。どうしてだろう。
「ガリィちゃんは、物知りだね〜。もしかして、2ndノービス?」
ランディさんがたづねる。
「いいえ・・・・コレ、マジメに読んだから。」
といって、彼女が取り出したのは、僕も持っている
「ラグナロクオンライン入門書-ラストバイブル-@GANGHO」
だった。僕もマジメに読まなきゃ・・・・でも、どうも文字は苦手なんだよな〜。
ブツブツ言ってると、フレイヤさんが、
「今からポリン島に行くけど、砂漠をつっきらなきゃいけないから暑いのは我慢よ。」
のどかな風景とは一変して、僕たちの目の前には大きな砂漠が口をあけていた。
「ソグラト砂漠、ルーンミッドガッツ地方では最大の砂漠ね。」
フレイヤさんが言う。
「とにかく、はぐれないように。モンスターもちょくちょく出るから、
慎重に進みましょう。といっても、この辺にアクティブはいないけど。」
ジリジリジリジリ・・・・・・・
もうどれくらい歩いただろうか。暑い太陽が僕らの体力を徐々にうばう。
「あつううううい!!ぬをっをっををおおおお!!」
ボカ!ランディさんをフレイヤさんが殴る。
「あーうっさいわねえ!ええい、あんたの叫びを聞いてるとこっちまで
暑苦しいわ!」
「そんな〜・・・・どこかにオアシスないのかなあ?」
キョロキョロとランディさんがあたりを見回す。
僕ももうノドがカラカラ。牛乳も全部飲んじゃったし・・・。
フレイヤさんも暑そうだ。ランディさんは舌をダラーッとだして犬みたい。
ジャハルさんは文句も言わずにただひたすら歩く。あんな暑そうな格好してるのに。
「・・・・・ねえ、ガリィは暑くないの?」
隣を歩いてたガリィに話しかける。無表情にガリィは答える。
「とっても暑いよ。けど、もうすぐだからがんばらなきゃ。」
「・・・・ガリィも早くレベルを上げて、感情が出せるようになるといいのにね。」
「ホント・・・・この苦しんだ顔をみんなに見せてあげたいよ。」
とガリィはフウッと一息つく。
「あああああ!!!オアシスだよ!!ホラ、みんな見て!」
ランディさんが歓喜の声をあげた。
「しょうがない、あそこで少し休んでいくか・・・・」
フレイヤさんが言う。
しかし、そこでみんなの足がとまった。
「げ・・・・」ランディさんが顔を引きつらせる。
オアシスを見ると、茶色のタマゴが何個かよこたわっていた。
「うっひゃ〜・・・こりゃあ・・・・」
ランディさんが肩を落とす。
「コレがどうかしたんですか?」
僕はタマゴをヒョイッ、とつまみあげた。
「あーーーーーーーーーーーーーーー!!??」
みんなが一斉に声を上げてさけんだ。
「コラ、そのタマゴをさっさと置きなさい!は、早くっ!」
フレイヤさんがあわてて言う。
「ケイオス君、ソレ、・・・ペコペコの卵だよっ!
あんまり乱暴に扱うと・・・・!!」
ガリィもただならない様子。
僕は何がなんだかよく分からなかった。
「グエッ、グェッ、グエッ」
僕の背後から、奇妙な鳴き声が聞こえた。
Odin鯖にもThor鯖にもガリィがいるんだが・・・
大きな鳥の怪物だった。どでかいクチバシに、立派な黄金色の羽。
とても鋭い大きな足爪。
「いいいい!?」
僕はあまりの恐怖に、足がすくんでしまった。
「だ、大丈夫さ〜。ペコペコは本来おとなしい生き物だから・・・・
さ、さあその卵をゆっくりそこに置いて・・・・刺激しちゃいけないよ!」
ランディさんが大きな手をゆっくり動かしながら言った。
「そ、そう、ペコペコはこちらから攻撃しなければだいじょ・・・」
フレイヤさんがそう言った瞬間だった。
「グエエエエエエェェェェェェエエエッ!エッ!エッ!」
ものすごいスピードでペコペコが突進してきた。
「な、なんで!?ペコペコはおとなしいハズなのにっ!?」
フレイヤさんはあわてて言う。するとジャハルさんが汗をたらして言った。
「・・・・・どうやらペコペコは産卵期らしい。
このオアシスで静かに卵を育てていたんだが、俺たちを卵を狙う敵だと勘違いしてるみたいだ。」
「なるほど、それで神経過敏になってるわけね・・・・こりゃ厄介だわ。」
フレイヤさんが言う。
僕は背中に非常に鋭いもので突きつかれた。
「うわあああああああ!!」
卵を襲っていると思った、親のペコペコが僕を攻撃し始めたのだ。
「こんな時は・・・」
フレイヤさんは腰のバッグから何やらミミズを取り出した。
「な、何ミミズなんか取り出してるんですかっ?!た、助けてください!」
え・・・?
なんと、さっきまで僕に恐ろしいまでの憎悪で攻撃してきた親ペコペコはフレイヤさんになついている。
「え?え?」
僕は状況を飲み込めなかった。何故フレイヤさんにあそこまでなついているのだろう?僕にもう敵意はないようだし・・・。
「え、えっと・・・どういうことなんですか?」
僕はおそるおそるフレイヤさんに訊ねてみた。
実は私、アルギオペと知り合いなのwwwwwwwww
94 :
_:03/08/04 20:29 ID:zIqh0oP0
「これはペコペコの大好物、太っているミミズよ。
コレはテイミングアイテムと言って、本来はモンスターを捕獲するものなんだけどね。」
なるほど、この世界にも色々なアイテムがあるんだな、と僕は思った。
「こうやって、エサとして与えて、なつかせることもできるわけ。
ヘタに捕まえようとして失敗したら、彼女をますます怒らせるだけだしね。」
フレイヤさんは微笑みながらペコペコをなでている。ペコペコも気持ちよさそうだ。
「ったく、フレイヤも人が悪いよお。
テイミングアイテム持ってるならそう言ってくれたらよかったのに〜。」
ランディさんが胸をなでおろしながら言った。
ガリィも、ジャハルさんも、安堵のため息を漏らした。
「・・・・ごめんな。僕は別にお前の卵を襲おうとしたわけじゃないんだよ。」
ペコペコをなでながら僕は言った。
「クェー!」
「うわあぁあっ!」
どうやら、懐いたのはフレイヤさんだけにらしかった。
「とりあえず、だ。ケイオス君はあまり知らないものに触らないようにな。
あー、間違ってもポリン島で、羽根の生えたポリンを抱っこしようなんて思うんじゃないぞ。」
「へーい・・・」
はぁ、僕は何をやっても格好悪いなぁ・・・。
べしっ☆
「うごふ!?」
何者かに背中を強打され、横っ飛びに吹っ飛んでゆく僕の身体。
打撃を受けた地点へ振り返ると、仁王立ちでにかっと笑うフレイヤさん。
「なーに凹んでんの?何も始まってないうちから落ち込んでたら強くなれないよ。」
「は、はぁ・・・ごっほげっほ」
「いいこと考えた。あんたは私が鍛えてあげる。」
細い腕をくいっと曲げて、力こぶを作るポーズをとるフレイヤさん。
この腕のどこにあんな力が・・・
97 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/04 21:36 ID:/IpepfMU
「みんな死ねばいいんだ」
言うが早いか、包丁を持ち出してその場の皆を殺しはじめた・・・
そして、みんな死んだ
〜Fin〜
>>96氏の続きです。
「そんなあ・・・僕オアシスでゆっくり休みたいんですけど。」
今からまた修行だなんて・・・地獄だあ・・・・
「何言ってるの。もっと鍛えなきゃペコペコにも勝てないわよ。」
フレイヤさんが鼻息荒く言う。
「ま、まあせっかく一段落ついたんだし・・・・・
ちょっくら休ませてあげようよ。ね?」
ランディさんが優しく言う。
「ランディ〜さあ〜ん!さっすが聖職者!」
僕は思わずランディさんに抱きついた。
「ったく、しょうがないわねえ・・・ランディ、聖水ちょうだい。」
「はいはい、了解しましたよ。」
そういうとランディさんは水の中にザブザブと入っていった。
何するんだろう・・・・
「・・・・天より遣われし神の水よ・・・・我にその力をあたえたまえ!」
そういうとランディさんはあきびんをとりだし、フタをキュッと開けた。
>>99の続き
瓶のフタを開けた瞬間、中から小人さんが
「みんな死ねばいいんだ」
言うが早いか、包丁を持ち出してその場の皆を殺しはじめた・・・
そして、みんな死んだ
〜Fin〜
「アクアベネディクタ!!!」
ランディがそう叫ぶと、オアシスの水がみるみるうちにビンに吸い込まれていった。
「よし、はいよ、聖水いっちょあがり!」
そういうとランディはフレイヤに聖水を渡した。
「ほらケイオス。これ飲んで。ノドがカラカラでしょ?」
「フレイヤさん、僕のために?」
フフ、とフレイヤがわらいかける。
「しっかり体力つけとかなきゃ。聖水は体の穢れを浄化してくれるわ。」
僕はフレイヤの何気ない優しさが嬉しかった。
「さて・・・・そろそろ出発しましょう。」
そういうと、フレイヤは立ち上がった。
そして僕達は砂漠を越え、通称エルダー森というところに到着した。しかしペコペコに乗った騎士さんの多いこと…。
フレイヤと歩いてすこし経つと、
目の前にヒヨコのようなものが現れた。
「なんです・・・これ?」僕はフレイヤさんに聞いた。
「こいつはピッキっていう初心者にピッタリの敵よ。
ホラ、さっさと切りかかりなさい。」
「は・・・はい」
ザシュ
ピッキがバタバタと飛べない羽を羽ばたきながら、
こっちをキッと見つめる。
と書いたところで他の方のがきてた(´・ω・`)ムシシテクダタイ
因みにさっきなついてたペコペコはフレイヤさんが「ポコ」と名付け、一緒について来る事になった。新たな旅の仲間が増えた訳だ。
フレイヤさんが言うには、元婚約相手だったアサシンのロキさんという人が、このエルダ森で女の子のノビの壁をやっているらしい。
「あれ・・・ポリン島は・・・」
戸惑いがちに呟くガリィの声を聞き、みんなが我に返った。
「そ・・・そういえばポリン島に行くんだったよなぁ・・・あ・・はは・・・ははははは」
ジャハルさんが照れ笑いをしてる。
思っても見なかったことに、なんだかみんな毒気を抜かれた見たいに笑い出してしまった。
・・・とランディさんが混ぜっ返した
「ほら、ケイオスが馬鹿なことばっかしてたからだぞ〜」
「え”」
ボ・・・ボクのせいなの!?
なんだかフレイヤさんまで・・・”しょうがないわねェ”って目でボクを見てる・・・ぅぅ・・・
え・・・ガリィの視線まで・・・
>>90 ガリィには元ネタがあるから、不思議でもなんでもない。
気になるなら「銃夢」でぐぐってみれ。
108 :
90:03/08/04 23:48 ID:ZwC/844F
5人は目的地に向かって歩く。
広大な世界が広がる。
未知の事がたくさんある。
分からないことがたくさんある。
それ以上に自分が今、何をしたいのか。
何になりたいのか。まったく検討がつかない。
ガリィは騎士になりたいっていう確かな目標がある。
自分は何になりたいのだろう。
ランディさんは聖職者。フレイアさんは魔法使い。ジャハルさんは騎士。
この世界に来て、いったい何がしたいのか。
そのようなことをいつしか、自問自答を繰り返していた。
「ガリィ、一つ聞いていいかな。」
「どうしたの。ケイオス。」
「君はどうして騎士になりたいの。」
少し俯き、恥ずかしそうにガリィは言う
「そうね・・・。闘う力が欲しいから・・・かな。
例えば、ここに人がいてモンスターや悪者に襲われている。
自分に何もすることができないなんて、嫌。
ここは・・・混沌した世界だからね。
だから、力が欲しいの。だれかを護るための力を。
だから私は騎士になりたい。」
言葉がでなかった。それでも精一杯強がって、
「教えてくれてありがとう。」
と一言いった。
誰かを護るために騎士になる・・か。
自分にもそんな目標が見つかるだろうか。卑屈になっているわけじゃない。
この先に何かがあるかも知れない。
自分にもそんな目標がいつかは見つかるかもしれない。
目標を見つけよう。
僕は目的地に向け、4人と共に歩く。
ごめ。またミスった・・・。
>>106氏の続きで109,110は無視してください。
112 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/05 03:46 ID:bdP1NY6V
一方城内では・・・・
兵士A「
陛下、緊急事大です」いつものように
S○Xに興じていた国王の顔つきが険しくなった。
国王は性器をびんびんにたたしながら、
兵士に尋ねだした。「どうしたのじゃ」
「申し上げます、第108魔導戦略部隊が1107時イズラエル沖890キロ付近で未確認の高速移動物体を確認!!
同1203時この物体に対し攻撃態勢をとっていた
王国海軍第7艦隊指令官からイズラエル海軍本部に救援要請
、第8、第9艦隊が救援に向かうも艦隊の7割が大破!同335時未確認の飛行物体(以下甲とす。)
イズラエル沖約500キロまで接近、これに対し王国海軍の全艦隊、海洋絶対防衛線に終結しかし、
同440時、
甲は、海洋絶対防衛線突破!!
そして現在依然として甲にダメージを与えれず
イズラエル沖100キロまで接近されています!!」
国王はこうなるまでに
何も告げられていなかったことに激しく憤りを覚えたが
、冷静にこれからどうするか考えいた。
・・・・・もはやバナナほどあった性器は覇気をなくしたれていた・・・
>>101、
>>106(軌道修正)、
>>109、
>>110 で繋がってる感じかな…?
「着いたな」
ジャハルさんが足をとめた。
砂漠は突如途切れ、内海が現れた。そこに浮かぶ巨大な島が―
「あれがポリン島…」
ガリィは少し感動したように呟く。顔は無表情だけど。
砂漠から島に架けられた橋を渡る。砂漠の暑さとうって変わって
涼しい風と微かな潮の匂いがした。
「あ〜極楽極楽」
ランディさんもご満悦みたいだし。
ポリン島はその名の通り、どこを見ても
ポリンポリンポリンポリンポポリン…
緑の島にピンクが映える。でもここまで埋め尽くされると逆に気持ち悪いかも…。
「あ、ケイオス君、ガリィちゃん。何度も言うけど天使の輪っかつけたポリンは
ぜーったいに叩かないで。自分の頭に輪っかつけたくなかったら」
分かってます…ついでにポポリンももう叩かないから…。
114 :
_:03/08/05 04:23 ID:6RhiMzct
115 :
_:03/08/05 04:25 ID:6RhiMzct
ここで僕らは二組に分かれて特訓することにした。
僕はランディさんとフレイアさんと。
ガリィはジャハルさんとだ。
出発しようとすると、
フレイアさんが急に魔法を唱え始めた。
「○×□△☆!」
ボッという音とともに大きな火の柱が目の前に立った。
「お〜こりゃ〜いつもより大きいな〜」
ランディさんは全く驚いていない。
「あたりまえじゃない、SP半分使った特製ファイアーウォール
なんだから。」
SP半分か・・・僕のは4だから2ぐらいかな?
「これが消えたら入り口に集合よ。」
「でも、このファイアウォール、何に使うんですか?」
僕は疑問に思った。
「ハイハイ、コレを持つんだよ〜。」
ランディさんが小さな結晶を僕に何個か渡してくれた。
「コレはゼロピーと言うモンスターが持つ結晶なんだけど、
商人に売ってもたいした価値にはならないのさ。
だ・か・ら!こうするのさ、それ〜い!」
そういうとランディさんはおもむろにゼロピーを地面にばら撒いた。
「あ、あれ?うわわわっ!」
僕はびっくりしてしまった。大量のポリン、ポポリン・・・そして肌色のポリンが、
こっちに向かってくる!
「ラ、ランディさん!これ・・・・やばいですよお!」
「はははっ!ポリンにそんなにおびえなくてもいいじゃないか〜!」
そう、そうなのだ・・・・。ポリン達はこちらを襲う気はないようだ。
ゼロピー・・・・ゼロピーを狙ってこっちにむかっているみたい・・・・
「ポリンはネ、地面に落ちてるアイテムを本能的に体に取り込む習性を持ってるのね。
私達はこういうモンスターを、ルートモンスターって言うんだけど・・・
こういう戦術もあるってわけ。」
フレイヤさんが地面にペタン、と座る。
ポリン達はこっちに向かってくるが・・・・ゼロピーの前には・・・・
「ファイアウォール!!」
なるほど・・・・そういうことか。
ポリン達はアイテムを取り込むという習性を持ってる・・・・!
だからわざとアイテムをばらまいて、その前にファイアウォールを・・・
「ぽ、ぽりりーーん!」
「ぽぽ〜りり〜ん!!」
「ドラッ!ドラアアア!!」
ポリン達は自らファイアウォールに突っ込んで、自滅していく。
「す、すごい!ちょっと残酷だけど・・・・。
こういう戦い方もあるんだ・・・!」
僕は興奮せずにはいられなかった。
「ほら、あんたもサッサとそのゼロピーを撒くのよ。」
フレイヤさんがそういうので、僕はゼロピーを撒いてみた。
「ぽり、ぽり、ぽりん♪」
ポリンが嬉しそうにゼロピーに向かっていく。が、
「ぽり、ぽり!?ぽりksjxhかhc」
すぐに断末魔の声に変わっていく。う、ちょっとかわいそう・・・
けどコレも強くなるため・・・・ごめんな。
ザッザッザ・・・・ザッザッザ・・・・
ただひたすら歩く音が聞こえる。
「あ、あの・・・・。」
おそるおそる、ガリィが口をあける。
「あの、ジャハルさん?ポリンとか・・・・いっぱいいるんですけど・・・」
しかしジャハルはポリンを素通りしていく。
「ポリンを倒しても、たいした経験にはならない。
俺達は、ポポリン達だけを狙う。」
ジャハルがそっと言う。
「なるほど。じゃあジャハルさんが壁をしてくれるんですか?」
ガリィがそうたづねると、
「・・・・君は騎士になりたいんだったね。」
ジャハルの足がふいに立ち止まる。
「はっきり言って、俺は君が騎士になるのはあまり賛成しない。
コレは前も言ったことだが、女の子を危険な目にあわせたくない。」
しかしガリィははっきり言った。
「私は騎士になります。女だとか、関係ない・・・!!!」
しばらく二人に沈黙が続く。
「・・・・・分かった、君の意志は固い。俺に曲げられるものじゃないな。」
ジャハルはそういうと、笑ってみせた。
「壁、という言葉はあまり好きではない。」
ジャハルが言う。
「え・・・・じゃあ私・・・・」
ガリィは戸惑っている。
「・・・・ポポリン、一人で倒してみてくれ。」
「そ、そんな!私一人じゃ無理です!」
ジャハルは言う。
「誰が無理だと決めたんだ?いいかい、ガリィ。
最初からそんな事言ってるようじゃ、君に騎士になる資格はない。
自分の力を信じることができないものが、どうやって他人を守れようか。」
「そ・・・れは・・・」
ガリィはうつむくことしかできなかった。
「・・・・分かりました。私、絶対ポポリンを倒します。」
フッ、とジャハルが微笑む。
「厳しいようだが、これが俺のやり方だ。がんばれよ。」
そういうと、ジャハルはガリィに向かって何か放り投げた。
「これは?」
それは、小さな短剣だった。刃先が少し曲がっている。
「・・・マインゴーシュ。ナイフと似ているが威力はこちらのほうが、
数段高い。ポポリン相手でナイフは、少し無理がるからな。」
ガリィはマインゴーシュを握り締めた。よく手になじむ。
近くにポポリンが飛び跳ねている。こちらを警戒しているらしい。
「・・・・・ようし・・・・いくよ!」
そういうとガリィはポポリンに向かっていった。
「先制攻撃は私がもらう!」
ガリィはポポリンにきりかかった。
ザザザザザンッ!
「マインゴーシュか・・!すごい切れ味・・・・」
ガリィはその威力に驚いた。
「ハアッ!」
ガリィはジャハルから渡された、美しく磨き上げられたマインゴーシュをポポリンに突き立てる。
15・・・19・・・17・・・
いくら鍛えた武器があろうとも、lv1のノービスはノービスでしかない。
「はぁはぁはぁはぁ」
ガリィの息が上がった隙を見てポポリンの強烈な体当たり!
ドゴ・・・
鈍い音とともにガリィは飛ばされる。
HPはすでに赤くなっていた。が、それでもガリィは果敢に剣を構えなおした。
(;´∀`)σ)A`)
「ぽぽぽ!」
ポポリンはガリィに突撃した。すかさずガリィは手を前に突き出した。
「そうはさせないんだからあっ!」
そのままガリィはポポリンの攻撃を受け流した。
「・・・・・彼女のバトルセンスには驚かされる。」
ジャハルはポツリとつぶやいた。
勢いあまったポポリンはそのまま近くの木に激突した。
「ぽ・・・ぽぽり〜・・・・」
ふるふると体を振ったあとポポリンはキッとガリィを睨む。
「やっぱり、ポリンとは違ってタフだよね・・・・
だけど私は負けないよ」
そういうと、ガリィはステップを踏み出した。
タン、タタン、タン、タタン・・・・
「攻撃のリズム、防御のリズム。私にはソレが分かる!」
ポポリンがまた突進する。
タン、タタタン!
ガリィはサッとポポリンの攻撃をかわした。
ポポリンをガリィが叩こうとした瞬間、向こう岸から大きなお化けを従えたポリン(?)がこちらに近付いているのに僕は気付いた。
「あ、あれ・・・は??」
僕はおそるおそる口を開いた。
「まさかよりによってこいつらと出くわすとはな・・・。やつらはゴーストリングっていってポリン達の怨念の塊みたいなもんだな。」
ジャハルは冷静に説明し始めた。
「こいつらには普通の武器じゃダメージを与えることすらできないんだ。火、水、土、風の加護を受けた属性付きの武器でないとダメージすら与えることができない。そんな俺も今属性武器持ってきてないんだが・・・。」
なんてことだ・・・。そんな敵がいたなんて。恐るべし念属性・・・。
「そ、それじゃあ、為す術無しじゃあないですかっ?!」
ガリィは気が動転してパニック状態に陥っている。その間にゴーストリングと巨大ウィスパー達の集団はこちらの目の前まで迫ってきていた。
「我ガ同胞達ヲ虐ゲタ汝ラノ罪ハ万死ニ値スル・・・。死ヲモッテ償ワセ、転生ノ末マデ祟ッテクレルワッッ!!」
僕は恐怖により、金縛りのようなもので動けなくなっていた・・・。
一体どうするんだ?!
「みんな死ねばいいんだ」
言うが早いか、包丁を持ち出してその場の皆を殺しはじめた・・・
そして、みんな死んだ
〜Fin〜
ゴスリンはどこかのボス狩りが狩って行った。
ガリィはステップを踏みつつ、じわじわとポポリンのHPを削っていく
「さすがだね・・・でもこれで最後だよ!」
「ポポポポ!」
ザンッ!
ボコッ!
両者とも動きが止まった
「・・・・・」
「・・・・・」
1人と1匹に沈黙が走る・・・・
「勝負あったな。」
ジャハルがそういった瞬間だった。
ぱぱぱぱっぱぱーん♪
かろやかなラッパの笛が鳴ったのであった。
ポポリンはそのまま、ぽんっ、とはじけとんだのであった。
「や、やったあ・・・ポポリンを倒したぞぉ〜!!」
ニッコリとガリィはジャハルに微笑んでみせた。
「・・・・笑った顔もカワイイな。よくやった。」
ジャハルは立ち上がると、ガリィの頭をぽんと叩いた。
「そろそろフレイヤ達のところに戻ろう」
「はい!!!」
「あの〜・・・・僕思ったんですけど」
僕は不満そうに言った。
「このファイアウォール作戦・・・・もしかして、
僕に経験値はいってないんじゃないですか?」
フレイヤさんがきょとんとした顔で言う。
「ええ?あたりまえじゃない。ファイアウォールで倒してるのは私だから、
私にしか経験値入らないに決まってるじゃない。」
「ええー!?じゃあなんで僕はここに来たんですか!?」
フレイヤさんがめんどくさそうに言う。
「いや、私達はアレじゃない。ガリィのレベル上げのために来たんでしょ('A`)」
「なんですかその変な顔文字はぁ!?じゃあ僕がやってることは無駄だったんですね・・・・」
僕はうなだれていった。
「無駄じゃないわよ!新しい戦術も学べたじゃない!レベル上げだけがすべてじゃないのよ。」
フレイヤさんが言う。
「お〜い、みんなあ!私、レベル上がったよ〜!ホラ、こんなに笑えるんだよ〜!」
騎士といっしょに歩いてきた女の子は、僕にとっておきの笑顔をプレゼントしてくれたのだった。
131 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/05 13:37 ID:e4IV13pl
一方城内安全保障会議室では・・・・
「申し上げます近衛艦隊全滅!
甲種未確認物体は現在イズラエル沖10kまで接近中」
参謀官たちからため息がもれた。
「陛下!!このままではイズラエルに侵攻されます
!!」国王はあせりを感じていた。
もうどうでもいい余ももろくに逃げなければ
王はもう、そのことでいっぱいであった。そして王はいや・・・・・
トリスタン3世という脆弱な人間はついにいってしまった
「王国騎兵師団4つを残し
主力陸軍はモロクに撤退、イズラエル、プロンテラ残留4個師団は可能な限り甲種
に対し攻撃、都市部3割が破壊された時点で焦土作戦を展開せよ!!」王はついに
身の保身のために500年間栄華を誇り続けた王都を捨てようとしていた。
だか、フレイたち一行は知るよしもなかった・・・・・・
「どう?ジャハルの特訓は厳しかった?」
ランディが微笑みながらたづねる。
「はい・・・・ポポリンと戦わされました・・・」
ガリィが頭をかきながら苦笑する。
「ええっ!?ポポリンと戦ったの!?アイツ強いのに・・・
ガリィ怪我はなかったのか?」
僕は心配しながら聞くと、ジャハルさんが言う。
「この子はお前が思っているよりずっと芯の強い子だ。
モタモタしてるとスグに追い越されるぞ」
僕は少しムッとしたが、あながちそれはウソでもない。
初心者修練所で初めて見たガリィ。あの戦い方は、相当上手だった。
「よし、今からは自由行動ね。ケイオスとガリィは、それぞれレベル上げに励みなさい。」
フレイヤさんが言う。
「うーん、そうだね。あの太陽が傾く頃、またここで落ち合おうよ。」
ランディさんがそういうと、みんな各自バラバラになった。
あのさ…ゴスリンと戦うルートとか期待してたんだけど、
>>128が無理矢理、方向性変えてない?('A`;)
漏れもvsゴスリンルートキボンヌ。
ゴスリンルートはやめないか?面白そうではあるんだが
ゴスリンが出てくる126で異議あり!ですよ。ケイオスとガリィが一緒に居るが、別行動中だ
ケイオス、フレイヤ、ランディはFWでポリンやその他を焼いてる。撒き餌万歳
ガリィ、ジャハルは、ガリィがポポリン相手に修行をしてる。三人とは離れてるはず
読んでて混乱してきたんだが、ガリィの一人称て「私」だよな?(女とわかるまでは「僕」)
126の「僕」はケイオスのつもりで書き込んだんだと思うけど。
それに128は違和感を感じて軌道修正しんたんじゃないか?多分だが
それに、ゴスリンルート取るとそれ以降の書き込みが無駄になる。
リレー小説だからどこか矛盾も生じるだろうし(既に何箇所か)、多少話も飛ぶこともあるだろう。
何が言いたかというと、ぶっちゃけ面倒だからこのままでいかないか?('A`)ノオレキモイナ
それより112と131がコピペ荒らしか真面目なのかが気になるわけだが…
>>112、
>>131は確かに微妙だ。伏線として使えないこともないが、
まあコレは書いてる人にまかせよう。
後、ゴスリンの話も悪くないと思うけど、
>>135が言ってるように、
話が少しおかしいから、これからまた出していけばいいんじゃない?
今から各自、ポリン島で行動するわけなんだし、これから何が起こるか期待しよう。
僕は一人、ポリン島を歩いていた。さっさとレベルを上げたいところだ。
「ん?」
僕はあちらの方に、肌色のポリンが眠っているのを見かけた。
「そういやアイツ、ちょくちょく見るけど・・・強いのかな?」
僕はラグナロク入門書をリュックから取り出した。
「ドロップス
ポリンの亜種。ポリンより少し攻撃的だが、能力的にはそう大差ない」
ふむ、なるほど。コイツならいけそうだ。
僕はそう思ってずんずんドロップスの方へ向かっていった。
「おい!肌色!」
僕はドロップスに向かってそういうと、ドロップスは眠たそうにこっちを見て、
すぐに警戒しはじめた。
「覚悟せいや〜!!レベルの上がった俺の力をみせてやる!」
僕はナイフを構える。そして・・・・・
ズガァッ!!!!
これはかなりの手ごたえだ。STRが上がったことで、パワーもついてきたようだ。
そのままもう一撃!
「ドラドラ〜・・・・」
あっけなくドロップスはやられた。
僕はとても興奮していた。
「俺・・・・・強くなってる!!こりゃ、向かうところ敵なし!?」
そう思って僕は、モンスターを倒していった。
ポリン、ドロップス・・・・。ポポリンはちょっと怖かったのでやめといた。
「俺、ポリン島じゃあもうほとんど無敵かも・・・・」
ふいに僕の後ろに、巨大な邪気を感じた。
「オ・・・・オオオ・・・・オオ」
その声は、どこか気持ち悪かった。
「だ、誰!?」
僕はとっさにナイフを構えた。
「オオ・・・・我ガ同胞達ヲ虐ゲタ汝ラノ罪ハ万死ニ値スル・・・。死ヲモッテ償ワセ、転生ノ末マデ祟ッテクレルワッッ!!」
そこにいたのは、巨大なオバケだった。しかも何匹も。
「な、なんだコイツらっ・・・!?」
本能は危険だ、と察知していた。体は逃げようとする。
しかし、僕は逃げなかった。レベルが上がったことで自分の力を過信していたんだ。
「俺だって、だてに強くなったわけじゃないんだっ・・・!」
「愚カナ人間ヨ・・・・自分ノ愚カサ、今スグニワカラセテヤル・・・」
巨大なオバケの大群が押し寄せてきた。
「負けるか!どりゃああああ!」
得意のジャンプ功・・・アレ!?
「どうなってるんだ?攻撃がすりぬけて・・・・!?」
都合により、
>>126の話を少し修正して、こっちに持ってきました。
ゴスリンをはじめてみた、という設定ですが、このまま話を続けてくれませんか?
今度はオバケの大群が僕の体をすりぬけた。
「う、う、うわああああ!?」
オバケがすり抜けたとたん、僕の体に激痛が走った。
「ググググ・・・・!!こいつら・・・ヤバイ・・・」
かなりのダメージだった。ほんの一撃で、ここまで追い詰められるなんて!
「力ノ過信・・・人間ノ陥リヤスイ、愚カナ行為・・・・」
「く・・・・!!」
なんて浅はかだったんだろう。体は危険を感じていた。
それなのに、僕は・・・・・!!!
オバケの大群がゆっくり近づいてくる…逃げなければ殺される!
しかし、体に全く力が入らない、逃げなければ死ぬと頭ではわかってるのに
体中震えが止まらなかった。
(嫌だ!まだ死にたくない!頼む!僕の体よ動いてくれ!)
再び立ち上がろうと試みた。
「ガハァッ、ゲホッゲホッ」口から赤い液体が溢れた。無理して動かすこともできない状態なのか…
「アヒャアヒャヒャヤッパリ人間ハバカダナ、アヒャヒャヒャ」
オバケ達は苦しんでいる僕を見て、声高らかに笑っている。(悔しいな…)涙が出た。
「泣イテモワビテモ無駄ダ、アヒャ、アヒャアヒャ、スグ楽ニシテヤル!」
歪みながらも、一斉に襲ってくるのが見える。覚悟を決めた。
(もうどうしようもない、まさか初日で死ぬなんて…短い人生だったな…ごめん、みんな)
僕は目を閉じ、死が訪れるのを静かに待った。
142 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/05 20:03 ID:5+TcMKsN
立ち上がる気力も失せ、目の前の恐怖に為すすべもなく、ただ座り込むことしか出来ない僕。
目の前が真っ暗になろうとした時、僕の後ろから空を裂くような音と風圧が駆け抜ける。
『スピアブーメラン!!』
オバケが一瞬にして、不気味な音を発しながら崩れて行く。
ふと後ろを振り向くと見覚えのある騎士があった。
「大丈夫?w」
「うはw魂のリングけっちゅwWw」
初めて首都に降り立った時、オーラを放っていた騎士。
幸か不幸か、今の僕には強力な助っ人だ。
「あwノビたん萌え〜www(ぉ(ぇ(核爆」
「萌えんな!・・・じゃなくて、ありがとうございます・・・っ」
危なく忘れるところだったけれど、僕は命の恩人にお礼を言った。
みごとな逆毛だ。
「ポリン島はたま〜にゴリンとエンヂェリンが出るから気をつけて〜けよほ〜wWw
あ、透明な布みっけ♪キャハハハww」
謎の多いテンションを余裕で維持しながら騎士は去っていった。
みごとな逆毛だった。
「ケイオス君!無事!?」
フレイヤさんが青い顔をして駆けてくる。同じ顔色をしながらみんなも一緒だ。
ふっと気がゆるんで、僕はそのまま目を閉じた・・・
「ケイオスのお守り任せた!俺は寝る!」
ランディが私にそう言った。言われなくてもそのつもりだったんだけどね。
ポリン島は、ポリンやポポリンばっかりだから安全だと安心してはいけない。
危険なモンスターが二体(正確には二体じゃないけど)いる。
天使が危ないのは知ってるから、見かけたら逃げるでしょう。でも
悪魔のほうは教えていない…遭遇する確率は低いけど
念には念を入れ、少し離れたところで見守っていた。
自由行動なのにべったりはまずいからね
………あれ?今までそこで、ポリンと戯れてたケイオスは何処へ?
「見失っちゃった…青ジェムはある…いざとなればこれで助けられるんだけど
ギャー書き込まれてる…鬱だ氏のう('A`)
って入れ替えても話通じないじゃん撃つ出汁脳
ん〜、
>>136の後あたりに入れると一応繋がるかな?
147おまいさんはい`、俺がもっと早く書けばいいだけの話だしな
('A`;)正直1時間ぐらい書き込みないと、ふんだんだが…まさか5分で
('A`)ノスルーよろしくな
余談ではあるんだがゴスリン編カコイイな!ゴスリンの台詞とか…(*´∀`)
俺も余談だがここ(・∀・)イイ!!期待してまっせ〜
・・・朝だ。
何事も無かったかのようにベッドから起き上がり、宿の部屋のカーテンを開けた。
日の光が差し込むと頭に痛みが走った。
「そうだ、昨日お化けに襲われて・・・」
その後の事は何も思い出せない。
暖かな光と派手な音が鳴った気もする。
「お、目が覚めたか」
ジャハルさんやランディさん、フレイヤさんたちが部屋に入ってきた。
「倒れた後にすぐにリザしたんだがな
こいつののリザのレベルが低いから、なかなか意識が戻らず心配してたんだ。」
そうジャハルさんが言うとランディさんが苦笑いした。
そういえばガリィがいない
「えっと・・ガリィは?」
「ん?ガリィならお・ま・えのためにリンゴをとりにいったぞ〜
ヒュヒューモテル男はツライねー」
ガツン
フレイヤさんが杖でランディさんを叩いた。
「ぼっ僕ガリィを探してきます」
「でもまだ傷が・・・大丈夫?」
フレイヤさんは血のついた杖を後ろに隠しながら言った。
どちらかというと僕の頭よりもランディさんの頭のほうが心配だ。
「僕は大丈夫です。ではいってきます」
宿を出た後こころなしか自分の胸
の鼓動がはやくなり、顔も火照っていることに気付いた。
「・・・・・ガリィ」
自分の名前が呼ばれるのにガリィは気づいた。間違いない、ケイオスの声だ。
「あ、ケイオス君?ホラ!リンゴがこんなに・・・」
ガリィはとっさに身構えた。
「あなた・・・・誰?」
マントに身を包んだ男が、ニヤリと笑う。
「やっと見つけたよ、ガリィ。
弱小ギルド、「深紅の暁」のメンバーを・・・!」
ガリィはたじろいた。この男、ただものじゃない。
「さあ、こっちにおいで、ガリィ。」
今度はフレイヤの声でガリィを誘う。
「いや・・・・!!」
「おお〜い、ガリィ、どこだ〜!?」
僕はガリィが取りにいったというリンゴの木に向かった。
「・・・・これは・・・・!?」
そこには、リンゴが散らばっていた。一枚の手紙とともに。
「深紅の暁へ」
「君達の大切なギルドメンバーは、私達が預った。
なに、とって食おうというわけじゃない。条件を1つ、
飲んでくれるだけでいい・・・・。
そうすれば、すぐにでも女の子を解放しようじゃないか。
今日オーディンの月に、聖カピトリーナ寺院で待つ。
メンバー全員で、そこに行くがいい。
闇夜の暗殺者」
「大変だ・・・!!ガリィがさらわれた!!!」
僕は急いでみんなの所に戻った。
「闇夜の暗殺者・・・・。聞いたことないわね。
多分、どこかのギルドの名前だと思うわ。
ホラ、ここに[私達]って書いてるでしょ?向こうも複数人いると思って間違いないわね。」
フレイヤさんが深刻な表情で言う。
「それにしても、なぜ他のギルドが俺達のギルドを狙うのだろーね。
特に悪いことはしてないよね?フレイヤ、心当たりあるんじゃにゃいのぉ〜?」
バシッ!ランディさんの頭をフレイヤさんがぶったたいた。
「そんなことするわけないでしょーが!ただ、最近はこの辺も
ギルド同士のぶつかり合いが激しくなってきたのは確かだわ。」
「いって〜、なにも本気で叩かなくても…ヒ、ヒール」
ランディさんは頭をおさえながら魔法を唱えた。
頭にできてたデッカイこぶが、だんだんと小さくなっていく。
「私それほど力ないんだけど」口を尖らせて、フレイヤさんは言う。
こぶできてるし、流血してたし、杖にも血がついてますよ、なんて言えないなぁ…とその時
「おい!ふざけてる場合じゃないだろ!俺たちのギルドのせいで
関係ないガリィが誘拐されたんだぞ!なにかあったらどうすんだよ!」
ジャハルさんが物凄い剣幕で怒鳴った。ここまで感情を露にするところを見たのは初めてだった
ランディさんもフレイヤさんも驚きだじろいた様子だったが、やがて申し訳なさそうに
「正直すまんかった」「ごめんなさい」と二人は顔をあわせて謝った。
ふぅ、とジャハルさんは深く息を吐いた。それだけで、いつもの爽やかな顔に戻っていた。
「時間はある、作戦を練ろう。」二人は笑って「ああ、そうだな!」「絶対助けなきゃね」
(´・ω・)たしか誘われたけど、ギルドには入ってないよな二人とも
聖カピトリーナ寺院。あたりは薄暗く、ひっそりと寺院だけが淡い光を放っている。
「ここに・・・・モンスターは出ないんですか・・・?」
僕はたづねると、ランディさんが、
「ここの寺院は(正確には修道院だが)、何か不思議な力で守られているんだ。
だからモンスター達がよりつくことはないよ。」
と、親指をたてて言った。
オーディンの月。日本でいうと、深夜にあたる時刻だ。
「・・・・・殺気を感じる、慎重にいこう。」
ジャハルさんが剣を構えていう。
その時だった。
「いや〜!助けて〜!!」
一人の女の子が、こちらに向かって走ってくる。
「ガリィ?・・・・じゃないわね」
フレイヤさんが杖を構えた。杖から魔力が感じられる。
「怖かったよ〜う!」
ガバッ!!!
「うわっ!?」
女の子が僕に抱きついてきた。
「あああああ、あののの、く、苦しいんですけど・・・・」
僕は気が動転していた。女の子に対しての免疫を、僕はまだ持ち合わせてない。
「は!?ご、ごめんなさ〜い!?」
女の子は慌てて僕から離れた。
「君ぃ〜、こんな深夜に何してるの?」
ランディさんが女の子に言った。
「は、はい・・・私、変なマントの男にここに連れ去られて・・・
必死で今、逃げてきたんですぅ・・・・ひく、ひっく・・・」
「・・・・どうやらソイツがガリィをさらった男と見て間違いないだろうな」
ジャハルさんが言う。
「本当、怖かったです・・・。人がいてくれてよかったぁ〜・・・」
女の子はホッとため息をつく。金色の、かわいいショートの女の子だ。
頭には、星型のヘアピンがついている。
「わ、私一人じゃ怖いです・・・。
あのお、あなたがたについていってもいいですか?」
女の子が言う。
「ダメダメ!あんた、私達今から寺院に入るんだから!
危険なのよ。もし危険な目にあっても、私達責任取れないんだからね!」
フレイヤさんが手でシッ、シッと追いはらう。
「で、でもぉ〜・・・一人でいるよりは全然いいです〜・・・
お願いしますぅ・・・・・うるうるっ」
女の子は目に涙を浮かべ、上目でこちらを見ている。
うっ、ヤバイ・・・・・ちょとカワイイかも・・・・
「あ、あのさ、フレイヤさん・・・・」
僕が口を開きかけたその時だった。
「おお〜〜〜!!!怖いねえ、あのおねえさんは!
だ〜いじょうぶ、僕がしっかり守ってあげるからねっ。
あのおねえさん、ちょっとさっきから機嫌悪いの、ゴメンネ〜。」
サッと女の子にかけより、ものすごい早口でしゃべるランディさん・・・
「あ、ボク、ランディって言うんだ〜!よろしくね〜」
ドガッ!
フレイヤさんのゲンコツがとぶ。
「ランディ!あんたねぇ・・・・誰が怖いですって〜!?」
ものすごい形相でランディさんをにらみつけるフレイヤさん。
「ひゃあっ、ごめんなさい、ごめんてば!
だってボクは聖職者だよ〜?困った人をほっておくわけには・・・」
必死で弁解するランディさん・・・・。見事な言い訳だ・・・。
「あ〜ら、本当にそれだけかしら!?
ちょっと、ジャハルもなんとかいいなさいよ!」
ジャハルさんはう〜ん、と少し考えたあと、
「別にいいんじゃないか?深夜の女の子の一人歩きは危険なワケだしな。」
「なによ〜、ジャハルまで〜・・・。
ったくしょうがないんだから・・・・」
ついにフレイヤさんも降参したようだ。
「いや〜ん、ありがとうございますぅ!私、ルナって言います。
よろしくお願いします!」
ルナという女の子がにっこりと笑った。
チラチラ・・・・チラチラ・・・・
「あの・・・・・目線がすっごい気になるんですけど・・・」
僕は歩きながらたまらずに言った。ルナがこっちをじっと見てくる。
女の子の視線はちょっとたえられない・・・
「えへへ〜、ケイオス君だっけ?
なんでそんな格好してるの?リュックサックなんか背負って・・・」
興味深そうにルナが聞く。
「えっと・・・ノービスっていう職業なんだ・・・。
まだまだ初心者だけど、これからこの世界を色々冒険していくつもり。」
するとルナは感嘆の声を上げた。
「ケイオス君て、すっごいんだね!
モンスターいっぱいのこの世界を旅するなんて、かっこいい!」
かっこいい!?そんなこと言われたの初めてだ・・・・
僕はうつむいてしまった。顔を真っ赤にしながら。
どれくらい歩いただろうか。
「おかしいわね・・・・連中が現れない。」
フレイヤさんが頭をかきながら言う。
もうとっくにオーディンの月は過ぎてしまっている。
「ねえルナ。あんたどこに捕らわれていたのか思い出せない?」
フレイヤさんがそういうとルナは首を横にふった。
「気がついたら、なんか薄暗いところにいて・・・・・
後は必死でしたから、よく覚えてません・・・」
「そう・・・・」
フレイヤさんはふうっ、とため息をついた。
「ケーケーケー!」
けたたましい声で、何かがこっちに向かって飛んできた・・・・・コウモリ?
「あれは・・・・ファミリアーか。」
ジャハルさんはそういうと、剣をかまえた。
ザシュウッ!
ファミリアーはあっけなく地面にポトリと落ちた。
「どうしてこの寺院にモンスターがいるのだろう・・・」
ジャハルさんは剣をしまいながら、疑念の表情を浮かべた。
「あぶない!」
僕はとっさに叫ぶと、ルナを抱えて攻撃を避けた。
ファミリアーがもう一匹、ルナをめがけて襲ってきたのだ。
「・・・・ありがとうケイオス君・・・」
僕はルナを押し倒す格好になってたのに気づいてあわてて飛びのいた。
「ご、ごめん!そんなつもりじゃなかったんだ・・・!」
ルナはフフ、と笑って、
「ケイオス君っておもしろいね。分かってるよ、私を助けてくれたんでしょ?
ありがと。」
ルナはそういうと、ちらりとこちらを見た。
「・・・・ねえ、ケイオス君?ちょっとこっちにきて・・・
渡したいものがあるの・・・・」
ルナはそういうと、フレイヤさん達の目をしのんで寺院の脇にそれた。
「ち、ちょっと、ルナ?危ないよ、モンスターも出るんだよ?」
僕はそういったが、ルナはおかましなしといった感じこっちに手招きする。
僕は仕方なくルナのところに行った。
「ルナ、早く戻らなきゃ。」
僕がそういうと、ルナが急に抱きついてきた。
「ケイオス君・・・・。心臓の音、早いよ?」
ルナが言う。僕はもう何がなんだか分からなかった。
「ルナ・・・・や、やめて!フレイヤさんの所に戻らなきゃ・・・」
ルナは笑う。・・・・だが少し様子がおかしい。
「ダメよ、ケイオス君・・・。あなたはここでじわじわと死ぬの。」
僕はとっさに体を動かそうとした。だけど、すごい力で動けない・・・!
「ルナ・・・!?どうしたの!?これは・・・一体・・・!?」
ルナはウフフ、と笑うと、僕の首筋にそっとキスをした。
「うあっ!?」
途端に僕は体に鈍い痛みをおぼえた。少しづつ、じわりじわりと、
痛みが増す。これは・・・・・毒!?
「どう?私の攻撃・・・・油断したでしょ。ケイオス君・・
まやかしの口づけ・・・・インベナム・・・・」
く・・・・体が動かない・・・!!
「お前は・・・・一体・・・!?」
僕は動かない体を精一杯動かそうとした。だけど、体は動かない・・・!!
「私は闇夜の暗殺者の一人、ルナ・・・。」
「!!!」
そういうと彼女は着ていた服をバッと脱いだ。
彼女は服の下に、まるで暗殺者のような格好の服をさらに着ていた。
「フフフ・・・・、いかがだったかしら、坊や?
あなたは私の術中にはまってしまったのよ。これからじわじわと毒で苦しむことになる・・・」
さっきまでとはまるで雰囲気が違う。冷たい、残酷な空気だ・・・
「ウフフ・・・・まず一人・・・。後は・・・・4人ね。
騎士と、魔術師と、聖職者、それに女ノービス。」
みんなに・・・・伝えなきゃ・・・・だけど・・・・体が・・・・
「あなたが毒で意識を失うのも時間の問題。
そうね、次はあのエロ聖職者をいただきましょうか・・・・」
「や・・・めろ・・・・・!!」
「お〜い!ケイオス〜!どっこだ〜い?」
陽気なプリーストの声が、寺院に響く。
「ラン・・・ディ・・・さん・・・」
僕は必死に声を出した。ダメだ・・・こっちに来ちゃ!!
「フフフ、獲物がまた一人。」
暗殺者ルナはニヤッと笑うと、もとの服をサッと着た。
「ランディさ〜ん!!」
かわいらしい声を出しながら、ランディさんの方にルナがかけよる。
だめだ、ランディさん。そいつに近寄っちゃいけない・・・!!
「おや、ルナちゃ〜ん!どこに行ってたのぉ?」
「えへへ、ごめんなさい!それよりね、ランディさん。
私、ちょっとランディさんに伝えたいことがあって・・・」
ランディさんは、あはは、と笑いながら言った。
「お〜!僕もルナちゃんに聞きたい事があったのさ〜!」
ルナはニコニコ笑いながら、「なあに?」とたづねた。
「・・・・・ケイオスはどこだ」
さっと、ルナから笑顔が消える。
「あんたが思ってるほど馬鹿じゃないぜ?ケイオスはどこだ」
一瞬で僕のもとまで飛び、「動くな」とルナは言った。
頭を強く押さえられる感覚がした。踏みつけられているのだろうか…。
ジャハルさんとフレイヤさんが駆け寄ってきたようだ。
「…アサシン…ルナ、あなた…」
フレイヤが息を呑む。
「残念。一人ずつゆっくり殺そうと思ったけど。」
ルナはランディをちらり見て軽く溜息をついた。
「お前さんが闇夜の暗殺者とかいうギルドの一員だったのか…?だけど、さすがに3体1…ッ?!」
ランディさんが口を押さえた。
フレイヤさんも驚いた顔で口をパクパクさせている。
「これで1対1ね」
「レックスデヴィーナか…プリーストもいるようだな」
ジャハルさんが剣を構えた
凄まじい剣速でルナにジャハルさんが切りかかる。
ゆらりゆらりと怪しい動きでルナは避け続ける。
「あら・・・スピードもパワーもあるけど不器用なようね。そんな動きでどうしようと言うのかしら?」
「くっ・・・」
それでも必死にジャハルさんは切りかかった。
5分くらい経っただろうか。突然ジャハルさんの動きが鈍った。
「もうおしまいですの?」
と、不敵に笑みを浮かべ、ジャハルさんの喉に噛み付いた。
(避けてー!!!)
そう叫びたくても毒の回った体は言うことを聞いてくれない
ああ、ジャハルさんまで・・・
キンッ
「!?」
「何の準備もしてこなかったと・・・本気で思ってたワケではあるまいな?」 「まさか・・・ソレは・・・グールの・・・」
「効果は眉唾にしか思ってなかったが、まぁまぁかな」
ジャハルさんが不敵に嗤う・・・!
170 :
169:03/08/06 18:15 ID:iZAWtVP3
携帯で打ったら改行とか微妙だ・・・イイワケデツガネ
気にせず続きドゾー
「チッ!」
ルナは華麗に後ろにステップしてジャハルさんと距離をとった。
「敵が毒の攻撃を使用するようになってから毒対策は万全でね。残念だったな。」
ジャハルさんは勝ち誇ったように口を開いた。
そして何かを思いついたか、ルナは不敵な笑みを浮かべ静かに語った。
「私の手で一人一人なぶり殺してあげようと思ったけど、いかなさそうね。貴方達の相手はもうおしまい。」
ルナはカタールをゆっくり収めた。
「どうした?手の内は終いか??」
ジャハルさんはまだやる気だ。
ルナさんの得意な毒攻撃もジャハルさんには通用しない。この勝負ジャハルさんが圧倒的有利だ!
いける・・・いけるぞっ!!
しかし僕の予想は簡単に裏切られた。
「フフ・・・手の内は終いですって?今回はほんの挨拶代わり。私が相手をするまでもないわ。貴方達の相手はこのモンスターがするのよ?」
ルナはポケットから邪悪な気配が漂う古びれた枝を手にした。
「ま、まさかっ?!」
ジャハルさんは青ざめた。
「フフ、そのまさかよ。」
「出でよ、カーリッツバーグ!!その太古からの武士としての無念と剣技を存分に魅せつけてやるがいいっ!!」
なんと召還されたのは、巨大な二つのサーベルを持った、見るも無残な騎士の動く亡骸だった。生前はきっと立派な武芸者だったのであろう。その証拠に装着している鎧には歴戦の証と思われる無数の傷が残っている。
「次会ったら、お手合わせよろしくね坊や。・・・まぁ生き残っていたらの話だけど♪」
そういってルナは瞬時に僕らの目の前から姿を消した。
「・・・ターゲット捕捉。今カラ殲滅モードに移行スル。・・・我ガ剣技トクト味ワウガイイッ!!」
「ジ、ジャハルさんっ!!」
ジャハルさんもさすがに相手が相手だけに焦りは隠せないようだ。
「ちっ・・・まずいな・・・。」
・・・僕らはこの巨大なモンスターに勝てるのであろうか?!
すんげ、カコイイ展開なんだが。続き期待しておりまっす!!ヽ(゚∀゚)ノ
「ちょっと時間がかかる・・・ジャハル、なんとか・・・なんとか時間を稼いでくれっ!」
背後からランディさんの苦しげな声が聞こえ、ボクは振り返った。
印・・・というのだろうか?
指を複雑に組み合わせながら、声にならない声でなにかを詠んでいる・・・!
「ランディさん、ソレはいったい」
「声をかけないで!アレ、集中したって失敗率のが高いんだからっ!」
フレイヤさんに、すごい剣幕で怒鳴られる。
見れば彼女も魔方陣を展開している・・・すごい表情だ
あんな鬼気迫る顔は見たことがない。
「ランディ・・・信じてるぜ・・・」
ジャハルさん・・・後ろからでも青ざめてるのが分かる
なんて、弱々しい、声。
「・・・・・・・・・・」
ジャハルさんは、無言で、両手剣を盾に持ち替えた。
真っ暗だ。
死んじゃったのかな?
「フフフフ・・・・」
あの暗殺者の声が聞こえる。
「見事騙されてくれたわね・・フフフ」
うるさいっお前のせいでガリィやみんなが!
「助けたい?」
えっ何言ってるんだ・・・敵だろ?
「騙すって結構役に立つものなのよ・・・」
騙・・・す・。
「あなただって相手を騙す事のできるスキルを持っているじゃない」
え・・・?スキル?
「・・・s・・・う・・あ・・・なたなら・・・・で・・・るわ・・」
まっ待てよ!お前なんでそんなこと!?
間の前が明るくなる。
ジャハルさんが戦ってる。みんな戦ってる。
「僕だけ・・・寝ているわけにはいかない」
傷が痛くないスキル・・・試せるかな?
>>175 傷が痛くない。スキル・・・試せるかな?のまちがいでつ(´・MMR・`)ショボーン
毒が僕の身体を蝕む。だが、さっきに比べればまだ多少は自由が効く。
痺れる身体に鞭を打ち、必死に立ちあがる。
「うおおおおおおおおおっ」
何も出来ないなんて嫌だ!せめて一矢報いてやる!
ナイフを引き抜き、カーリッツに投げつける。
ナイフは光の筋を描き、カーリッツの膝の関節に刺さった。
バランスを崩し、大きく揺れるカーリッツ。
ジャハルさんはその一瞬の隙を見逃さない。
大きく剣を振りかざし、一気にカーリッツの兜を叩き割った。
頭を失ったカーリッツの身体にランディさんのホーリーライトと、フレイヤさんのロードオブヴァーミリオンが炸裂する。
カーリッツの身体から力が抜け、大地へと崩れ落ちる。
「やった!」
思わず小さくガッツポーズを決める僕。でも、そこまでだった・・・。
駆け寄ってくる3人の身体が目に写った瞬間、僕の意識は暗転して・・・・。
「あなただって相手を騙す事のできるスキルを持っているじゃない」
ルナの言葉が頭の中を巡る・・・。
(あれは、一体何の意味だったんだろう・・・)
「ケイオス・・・・」
誰かが僕を呼ぶ。
「ケイオス・・・・・目を覚まして・・・・」
うるさい。僕は眠っていたいんだ。
「あなたにはチカラが眠ってる・・・」
お前もルナと同じ事を言うのか・・・?
「まだ、貴方は戦わなければいけない・・・」
誰だ。お前。知った風なクチを聞きやがって。
「まだ、貴方は目覚めてないだけ・・・。さあ。目を開きなさい!ケイオス」
光が溢れ出す。暗黒が白く包まれていく・・・。
声の主と思しき女性の影が浮かび上がった。
主は、美しい銀色の髪を靡かせている。
しかし、白い光が逆光になり、顔は見えない。
(誰かに似ている・・・)
思った瞬間、僕は光の渦に巻き込まれた。
朝だった…
朝日がまぶしくて目が覚めたようだ…
「ケイオス君っ!」
ガリィが僕の顔をのぞきこんでいた。
「ふあぁ…ガリィおはよぅ…でもあと五分…」
…………
「ってガリィ!無事だったんだね!?」
しかしよく見ると、ガリィも脇腹の部分をえぐられた形跡がある。一体誰に…?
「ガリィ・・・・?ここは?
一体、何がどうなったの?ガリィのその傷は?」
僕は分からない事だらけだった。
どうやら、どこかの宿屋の一室らしい。体の自由が利く。
どうやら毒は抜けているらしい。
「・・・・・・ケイオス」
ガリィは深刻な表情で言った。
僕は何か嫌な予感がした。
「ねえ・・・・みんなは?フレイヤさんは・・・・
ランディさんは・・・・ジャハルさ・・・・・」
「解散したわ。」
ガリィはイスに座ってうつむいたまま、体が震えている。
解散?なにが解散したんだ?分からない事ばかりだ・・・・!!!
「私の、私のせいなのよ・・・!!!」
声が震えている。
「リカバリー!!」
ランディさんがケイオス君の毒をなんとかしてくれた。
「ふぅ・・・・なんとか一命はとりとめたね。
けど、ケイオスはしばらくここに安静にさせておこう。」
ランディさんはそう言って、ケイオス君をその場に眠らせておいてあげたらしい。
だけど、その時だったわ。
意識が朦朧とした私を抱えて、マントの男が現れたの。
「あんたね、ガリィをさらったのは。ずいぶんとセコイまねしてくれるじゃない。
おかげでこっちは死ぬとこだったわ。」
フレイヤさんがそう言うと、マントの男は不気味な笑い声を発した。
「よく俺の仲間の攻撃から逃れられたもんだ・・・。
少々、君達をみくびっていたようだ。」
ジャハルさんが拳を握り締めながら言った。
「・・・・・ガリィをはなせ。お前達、闇夜の暗殺者の目的はなんだ。」
マントの男は私をつまみあげると、私をぶん殴った。
「あっはっは。まあ落ち着けよ。まだ俺達の条件を飲んでもらってない。」
マントの男は指をチッチ、とふった。
「・・・・俺達の目的は、お前ら[深紅の暁]の解散だ。」
「!?」
みんな驚いてた。私ももちろん、驚きを隠せない。
「簡単なことだろう?お前らのギルドマスターが持つエンペリウムを、
こちらに渡すだけでいい。
そしたら、この女は返してやる。」
みんなしばらく黙った後、
「・・・・そんなことしてお前らに何の得があるんだよ?」
ランディさんが聞く。
「・・・・・トリスタン国王が、正式なギルドの雇用を望んでいるのだ。
それは知ってるだろう?」
マントの男はククク、と笑う。
「我々が正式なギルドだと国から認められたら、後はやり放題じゃねえか。
ギルドアジトももらえる。強力なアイテム、国からの支援・・・」
マントの男は続ける。
「やがて我々は、このルーンミッドガッヅの支配者となりうるだろう。
そのためには、どんなに小さな芽でも、つぶしておかなくてはならない。
・・・・・・さあ、条件を飲むか?」
男はニヤリと笑う。
「早くしないと、この女を・・・!!」
そういうとマントの男は、何か鋭い爪のようなもので、私の脇腹をえぐる。
「きゃああああああ!!!!」
私の体に激痛が走る。血がボタボタとたれる。
「ペロ・・・・クク、血の匂い・・・・若い女の、血の味・・・」
こいつ、普通じゃない・・・!!!
「やめろ!」「やめて!」「やめるんだ!」
フレイヤさん達がいっせいに叫ぶ。
「・・・・・分かった、ギルドマスターは私よ。
エンペリウムは渡すから、その子を離して・・・・!!」
フレイヤさんはそういうと、ローブの中から、黄金に輝く結晶をとりだした。
「クク、そうそう、素直に従えば、こっちも何もしない。」
男はそういうと、私の体になにか呪いのようなものをかけた。
「お前らがまたギルドを結成しようとしたら、この女は死ぬぞ。
呪いをかけた。エンペリウムの光に反応して、徐々にこの女の体は蝕まれる・・・」
男はそういうと、私をほうりなげた。ジャハルさんが私を受け止める。
すぐさまランディさんが私に聖水を飲ませる。
「くそ!」
ランディさんが地面を叩く。
「なんで呪いが解けないんだ!?くそ・・・!」
「無駄だよ。その呪いは私を倒さない限り、解けることはない。」
マントの男は笑う。
「それなら!」
「お前を!」
「倒すまでだ!」
フレイヤさん達は一気にマントの男にかけよった。
「メテオストーム!」
「ボウリングバッシュ!」
「ホーリーライト!!」
三人の攻撃が炸裂する。ものすごい爆発があたりを包みこむ!
ゴオオオオオオ・・・・・
寺院が炎で燃えている。
「・・・・やったか!?」
炎の中から、男が現れた。
「ククク・・・・その程度の攻撃で、俺を倒せるとでも思ったか?」
男は生きていたわ。傷ひとつない。マントが少しやぶけているだけ。
「・・・・大魔法を唱えるしか脳のない魔術師」
男はフレイヤさんに駆け寄り、背後をツメでえぐる。
「きゃあああああ!!」
「・・・・中途半端な魔力を持つ聖職者」
男はランディさんの頭をつかみ、地面に叩きつける。
「ぐはっ!」
「・・・・仲間を守れないのが悔しいか?」
男はジャハルさんに強烈な一撃を与える。
「ぐをっ・・・!」
みんな、一瞬のうちにやられたわ。
「・・・・エンペリウムはいただいた。
お前らのギルドは、ここで解散だ。」
そういうと男は拳でエンペリウムを握りつぶした。
パリーーーーーーン・・・・・
フレイヤさん達の服や鎧に縫ってあったワッペンが、まばゆい光と共に消えていく。
「フフフ、残念だったな。お前達は、寺院の炎に包まれて死ぬがいい。」
マントの男はそういうと、闇に消えていった。
「ワ、ワープ・・・ポータル・・・・!」
ランディさんが必死で呪文を唱える。
「みんな・・・はやく・・・魔方陣に!」
ランディさんが必死に体を起こす。
「そうだ・・・ケ、ケイオス・・・!」
ジャハルさんが苦しみながら言う。
「大丈夫さ・・・俺っちがケイオスを助ける・・・。
みんな早く魔方陣に乗ってくれ!もう、魔力も残りわずかだ・・・」
ランディさんはキッ、と必死に意識を保ちながら、よろよろとケイオス君の所に向かっていく。
「す、すまない・・・ランディ・・・」
ジャハルさんは、フレイヤさんと私を抱えて魔方陣にのったわ。
「・・・・しばらくすると、ランディさんがあなたをつれて戻ってきた。」
ガリィはうつむきながら、涙をこぼしている。
「私が・・・!あんなやつにさらわれなかったら・・・こんなことには・・・!」
なきじゃくるガリィを、僕はそっと抱きしめた。
('A`;)で、出遅れた…最近気合入れて書くと、先に書き込みがあるパターンがヽ(`Д´)ノ ウワァァァン
lω・`)グチゴメンヨ…
彼女は小さく震えていた。
「ガリィ…」
「ケイオス君…」
僕たちは見つめあった。
ガリィの目はずっと泣いてる所為か、赤く充血している。
昨日の出来事はかなり応えたようだ、元気が全く無い。
励ましたいのけど…駄目だ、かける言葉がない。俺のバカ
と、脳内で四苦八苦していたその時!ドアを叩く音が!
(コンコン!)「俺だ、ジャハルだ。入るぞ。」
ビクッと僕たちは驚き、一斉に飛びのいた。
扉が開く
「オ、オハヨウゴザイマス、ジャハルサン」
僕の声は裏返っていた。しかし全然気にかける様子もなく
「あぁおはようケイオス、起きてたのか。来たばかりで
こんな話をするのは悪いんだが、大事な話がある。
立ったままなのもあれなんで、そこの椅子にでも座ってくれ」
ジャハルさんは真剣な顔で僕たちに言った。
だが、その言葉はいつもより覇気がない。
僕たちは顔を見合わせ、長めの椅子に二人並んで座ることにした。
「…昨日なにが起こったか話したかな?」
「はい、ギルドを解散したことも話しました。」
「あの…今日二人はどうしたんですか?」
「昨日別れてから会ってない…が、どこで何をしているかは、わかる。
フレイヤは図書館で読書、ランディは教会で女の子でも口説いているだろう。」
「そ、そうですか…」無表情でそんな事言われるとちょっと怖い。
ジャハルさんは口許に手を当て、目を瞑って俯いている。
考えているというより、迷ってる、そんな感じだった。
少しの沈黙の後に、ジャハルさんは再び口を開いた。
「俺は旅に出る…すまないが、もうキミ達のめんどうを見れない。
また昨日みたいなことがあっても、守り抜く自身がないんだ。」
「ジャハルさん…ごめんなさい、私のせいで…ッ」
ガリィがまた目に涙を溜めて言う。僕は耐え切れなくて目を背けてしまった。
「悪いのは奴らだ、ガリィちゃんは悪くない。それより、君たちも、強くならなくてはいけないな。…事が一刻を争うしな」
「でも…強くなるなんて、すぐにはいかないですよ」
「普通にやったらな…だから俺の友人に頼む事にした。ギルドにも入ってないフリーの奴だから、安心だろう。おい、入ってきてくれ」
ジャハルさんがそう言うと、ドアがガチャリと開いて、1人の男性が入ってきた。
真っ赤な髪を無造作に後ろでしばったBSで、顔も屈強そうだ。白いシャツからむちゃくちゃ凄い筋肉がはみ出ている。
…ていうか怖いんですけど…
と。いきなりそのBSさんは
「たるんでんじゃねえ!!これから俺がたっぷり鍛えてやるから気ぃ引き締めていきやがれ!!」
家が大地震に見舞われたかのように揺れた。
…ジャハルさん…なんですかこの人…
(;´∀`)あ、あれ続き書こうとしたけど、被ったね。どうしよう…
ず、ズビバゼン・・・_| ̄|○
>>192-193 いい感じで物語がつながってるから、このままいっても問題ないと思うぞ('A`)b
「俺様は鋼鉄の男!その名も!ストロンガス!
てめえらの子守は俺にまかせろや!!!すぐに強い男にしてやる!!!」
ものすごい剣幕だ・・鼓膜が破れそうだ。
「あ、あの、私、女なんですけど・・・」
ガリィのつぶやく声を無視して、ストロンガスさんは、まくしたてる。
「うおりゃあああ!!てめら、手持ちの武器を俺に見せてみな!!」
僕はナイフ、ガリィはジャハルさんからもらったというマインゴーシュを恐る恐る渡した。
ストロンガスさんは震えている。ワナワナと・・・・。
「な、何じゃこりゃあああああああ!!!!????」
うっせ・・・マジでこの人の声はうるさい・・・。
「ジャハル!ジャハル!ジャハ〜〜〜〜〜〜ル!!!!
おめー、こんな貧弱な武器をこの乳くさいガキどもに使わせていたのか!!!!」
ストロンガスさんはたいそうご立腹の様子・・・
「やいガキども!この俺様がてめーらに新しい武器をくれてやるってんだよ!」
ストロンガスさんはフンッ!と鼻息荒く言う。
「ただ〜〜〜〜し!!条件が1つある!」
条件・・・・?一体なんだろうか。
「トリスタン国王は今!たいそう困っておられるのだっ!
それは、プロンテラの地下水路のコトだ!!!」
地下水道・・・・。何か汚そうだな・・・。
「実はな!国の兵士が危険なモンスターを護送中に、
地下水路にモンスターを箱ごと落っことしてしまったのだ!
そのまま地下水路でモンスター達が繁殖し、もはや手がつけられないのだ!」
はあ・・・・馬鹿な兵士もいたもんだな、と僕はあきれ返った。
「このままでは、プロンテラの排水施設がうまく機能しなくなる恐れがある!
そ・こ・で!お前達には地下水路のモンスターの駆除に回ってほしい!」
するとジャハルさんがゆっくり口を開けた。
「ストロンガスは、王宮おかかえの鍛冶屋なんだ。コイツはトリスタン王に雇ってもらって、
すごく感謝している。だから、コイツの顔をたてるとおもって、俺からもお願いしたい。 ]
ケイオスとガリィはとても嫌そうな顔をしている。
「ま、まぁ強制はしないよ。請け負うかどうかは、君たちが自由に決めてくれ」
俺もあそこの「あれ」が苦手だからな。思い出しただけでも鳥肌が立つ。
ひとつ引っかかるところがあった。わざわざ問わなくても、返ってくる答えはわかっていたが…
「ストロンガスよ、国王が困ってるのに執行機関の奴等は動いてないのか?」
「お察しください!!」
「そうか…(無駄な問いだったな)」
日が沈むまでに街を出たい、そろそろここを発たなければ。
ガタッ、腰をあげたところで、ケイオスと目が合った。不思議そうな顔をしている。
「執行機関て何ですか?」
「…悪いが答えてる時間が無い、フレイヤの方が詳しく教えてくれるだろう。彼女を訪ねてくれ。」
本当はそこまで時間が無いわけじゃない。説明できないのだ。
説明中、平静な態度でいられないとわかっていた。
(友のかたきである、貴様らを俺は決して許さない!許さんぞGUNGHO!!!)
こうして渋々僕らはその仕事(?)を引き受け出発した。一方その頃…
マントの男はどことも知れぬ、地の下の闇の道を歩いていた・・・。すると長い通路を抜けると重々しい扉が現れた。
彼は「フンっ」とその扉を軽々と開いた。
開いた先には、暗殺者ルナ、黒い羽衣を身に纏わせた青白い肌の男性、血に飢えたような目をしている銀髪のハンター。
そして、威圧感溢れる黒いオーラに包まれている男がいた。
その顔は、年老いているようであり、また、あきれるほど幼くも見えた。
「マスター。ジャハル達のギルドは解散させました。」
マントの男は笑みを浮かべながら報告した。
「殺したのか?おい?何人殺したんだ??ヒャハハっ!!」
ハンターの男は興奮しながら矢を研いでいる。
「相変わらず貴様は血に飢えているようだな。シャダイ。今回は誰も殺してない。」
マントの男が即答した後にシャダイは矢を研ぐのをやめ
「相変わらず、ツァバトはつまんねぇ野郎だなぁ?なんだ?てめぇにも情ってもんが芽生えたってか?ヒャハハっ!」
「・・・貴様。」
ツァバトと呼ばれるマントの男は今にでも斬りかかりそうな剣幕である。
そこにウィザードと思われる黒い羽衣の男が静かに口を開いた。
「シャダイ、ツァバトそのくらいにしておけ。御前の前で失礼な。」
「エロヒムよ。よい。いつもの事だからな。」
黒きオーラを放った男は玉座からゆっくりと立ち上がった。
「して、ツァバトよ。」
「はっ。」
「今回の任務、よくやってくれた。そして片方の件であるが・・・」
「ケイオスというノービスでしょうか?」
「うむ。」
主格と思われる男は、ルナの方を睨んだ。
「ルナよ。古木の枝でカーリッツバーグを召還したそうだが、ケイオスが死んでしまうという事を頭に入れていなかったのか?遊びが過ぎるぞ。」
「も、申し訳ございません・・・。」
ルナは深々と頭を下げた。
「まぁ、よい。・・・ツァバト、ルナよ。」
「ははっ。」「はい。」
「ケイオスの方の監視はこれからお前に任せる。」
「御意。」
「それとシャダイ、エロヒム。お前達には解散したジャハル一味の殲滅を任命する。」
「任意のままに・・・。」「久々の獲物だぜ!」
「今日はこれにて解散だ。各々の任務を果たすよう。」
そうしてオーラの男は奥の部屋に戻っていった・・・。
オーラの男は懐のペンダントを見て呟く。
「プロジェクトDALKLORD・・・何か・・・懐かしいな。」
「ケイオスよ。私にはお前に謝る資格すらない・・・。」
8QHiKSwrタソ、グッジョブ!!…つか今回のスレにはめちゃ期待しておりますんで。('A`*)
そしてその頃僕達は・・・・。
「何よコレ!!!!!」
ガリィの金切り声が湿った水路に木霊する。
通路一面に広がるゴキゴキゴキゴキゴキゴキゴキゴキ・・・・・・・・。
「のああおおおおおおおおおお!」
やっべ!一匹が僕の背中に入ったっ!
モゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾ・・・・
「ぬはああああああああああああああああぁぁああああああああッ!!」
「はい。あの時ケイオスはムンクの叫びみたいな顔をして悶絶してますたwWw」
ガリィは後日、この時の僕の様子をこう語ったらしいが、そんな事ははっきり言ってどーでもいい。
服に入ったゴキを叩き出し、ナイフで止めを刺す。もう何匹のゴキ共を仕留めただろうか・・・。
ストロンガスさんの言葉を思い出す。
「ゴキ退治も兼ねて、持てるだけの鉄鉱石を持ってこい!それを元にイカシタ武器を作ってやるわッ!」
「イカレタ武器」と一瞬聞き違えたのは、これもまたどうでもいい。
「やった!また一個鉄鉱石getー!」
ガリィ・・・君はなんでこんな中でも元気で居られるの・・・?
「な゙ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
すごい絶叫とともに一人の商人が大量のゴキを連れてやってきた。
「p!PC3のマーチャンがゴキブリに追いかけながらノビタンゲトーーーーーー!!」
訳のわからないことを喋りながら目の前で商人が止まった。
「さあ!さあ!体もつらくなってきたでしょう!?
ここで赤ぽーしょんですよ!今なら39zだよっ!さあさあ!」
う・・・なんて押しの強い商人・・・。少し長めの茶髪がゆれる。女の子みたいだ。
「今なら10個かったら、ゼロピー一個つけちゃいます!」
ニコニコ笑いながら、商人が物を押し付ける・・・
「き、君は誰?よくこんなところで商売できるね・・・」
僕はある意味彼女に感心した。
「わたしは、PC3マーチャントの、マーです!
それより、ゴキブリなんとかしてくださいっ☆」
彼女は僕とガリィのうしろにサッと隠れた。おいおい・・・
マーが連れて来たゴキは、ざっと見ただけでも十数匹・・・。
しかも、デカイゴキ・緑ゴキまで混じっている・・・。
「自分でトレインしてきたなら、自分で始末付けてよ・・・。」
ぶつぶつ言いながらも、ガリィはゴキを捌き始める。
僕も黙って見ている訳にはいかないな・・・。
意を決してナイフを青眼に構え、ジャハルさんの真似をして刀身へ気合を込める。
心臓の鼓動が高鳴り、ルナに毒を受けた傷が疼いた気がした。
(あれ・・・・?なんだこれ・・・・?)
体の中から力が湧き上がる。刀身に赤光が灯り、みるみる赤熱する。
「ケイオス!」ガリィが叫ぶ。
気が付くと、裂帛の気合と共にナイフを振り下ろす僕が居た。
赤光は波動に変わり、ゴキブリを薙ぎ払って行く。
僕が我に返った時、見渡す限りのゴキブリの残骸が煙を上げて横たわっていた。
「何が・・・」
僕はまだチカラの余韻の残る手をじっと見つめるだけだった。
・・・それが貴方の能力・・・「スキルハック」よ・・・・。
あなたなら出来ると思っていたわ・・・。
ルナの声が聞こえた気がした。
「今のは・・ジャハルさんのマグナムブレイク!?」
ガリィも驚きを隠し切れない。
「見よう見まねだけどね」
知ったかぶってみた。
(なんだマグナムブレイクって…食べれるんだろうか?)
一瞬そんな考えがよぎった。が、そんな訳無いな。考えを打ち消した。
「あ〜悔しいなぁ、いつの間に必殺技を覚えたのよ。」
ガリィがツンツンと肘で突いてくる。上目使いが可愛らしかった。
柱の影からPC3のマーチャンが、そ〜っとこちらを見ている。
「ノビがマグナムブレイク…もしかしてマーサー?!」
ドドドドドドドPC3のマーチャンが駆け寄ってきた。音は凄まじいが激しく遅い…
「ハァハァPC3のマーチャンが、ハァハァSS撮りますた('A`)b通報します!!」
そう言った彼女は、カメラを手にもっていた。まさか!さっきのあれを撮られたのか?!
升erをチーターと読まずに(ますer)にしてみますた。('A`)やっぱ変ですかねぇ
211 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/08/08 00:59 ID:Y/HLEiOg
PC3のマーチャンはそう言い残して凄いスピードで逃げ出そうとした。あくまで"しようとしていた"だけだけど…遅いし…
「ハァハァ…PC3はこういう時にアレだから('A`)…こうなったら!PC3のマーチャンとしては勿体無い気もするけど!」
さっと懐から蝶の羽を取り出し、上に掲げた。その瞬間、彼女の姿は消えうせる。
「ケ、ケイオス君…通報って…まずいんじゃ…」
ガリィが青くなっている。僕何か悪い事したのか?
まさか、ノービスがさっきのアレを使うのは反則なの!?
「ていうか…通報って…どこに…」
そこでふと、数日前に首都南門で騒ぎを起こした魔導師のことを思い出した。
ジャハルさんは、友人を冤罪で殺されたって…
「やべえええええええええ!!!!」
騒ぎの中一人の騎士が驚いた様子でそれをで眺めていた。 スィートジェントルにサングラスという何とも怪しげな男騎士である。 彼はすばやく通路に隠れ、何やら耳打ちを始めた。
213 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/08 03:08 ID:rPXs0GSz
「……レカードか。どうした?」 「マスター…、ついに件のノービスを見付けました。間違いあリません。彼は奴の……」 キーキーキー 「…?良く聞こえなかったんだが…」 「すみません、ゴキがうるさくて…。すぐにそちらに向かいます。」
214 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/08 03:12 ID:I93Kc2fB
携帯からじゃ上手く改行出来ませんね… 見にくくてごめんよ… (′д`;)
しかし、ジャハルさんが手渡してくれたノービスアミュレット挿さっているこの奇妙な卵のカードは一体…?
いったんここで整理です。主な登場人物。
〜〜〜〜〜〜主人公・ヒロイン〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ケイオス(ノビ)・・・・主人公。特別な能力、「スキルハック」を持つ。他にも秘密が・・・?
ガリィ (ノビ)・・・・ヒロイン。バトルセンスは人一倍。騎士を目指すが、脇腹に呪いを受ける。
ギルドに入れない。
〜〜〜〜〜〜ギルド「深紅の暁」〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
フレイヤ(WIZ)・・・・ギルド[深紅の暁]の女マスターだったが、解散をよぎなくされる。
ジャハルいわく、解散後は図書館で本を読んでいるとのこと。
ランディ(聖職者)・・・陽気な聖職者。[深紅の暁]のメンバーだったが解散。
ジャハルいわく、解散後もあいかわらず女の子を口説いている、とのこと。
ジャハル(騎士)・・・・クールであるが、温かい心の持ち主。実力はかなりのものだが、
「闇夜の暗殺者」の強さを目の当たりにし、旅にでることを決意。
〜〜〜〜〜〜ギルド「闇夜の暗殺者」〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ツァバト(???)・・・・通称「マントの男」。その強大な力で、「深紅の暁」を破滅に追い込む。
なにかツメのようなもので攻撃するらしいが・・・・
ルナ(アサシン)・・・妖艶かつ残酷な女暗殺者。変装から得意の毒攻撃までかなりの力を持っている。
シャダイ(ハンター)・・・血に飢えた、狂気のハンター。実力のほどは定かではないがかなり強そうだ。
エロヒム(WIZ?)・・・黒い羽衣をまとう。謎は多い。
〜〜〜〜〜〜?????????〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
????・・・・オーラを身にまとう男。どうやら「闇夜の暗殺者」を統べる者らしい。
「プロジェクトDALKLORD」という計画を進行中。
ケイオスを捕らえようとする。ケイオスとの関係は一体・・・・!?
〜〜〜〜〜〜その他の登場人物〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ストロンガス(BS)・・王宮おかかえの鍛冶屋。ものすごくマッチョで熱血。
腕は一級?
マー(商人)・・・・・・いきなり現れて、すごい勢いで物を売りつける女マーチャント。
なにやらいつも興奮気味だ。
レカード(???)・・・・地下水路でケイオス達を発見。どうやらケイオスを狙っている?
「闇夜の暗殺者」の一員か?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
チェッケ!チェッケ!チェケチェケ!チェッケ!チェッケ!チェケガッペ!
何だか書きづらくなってきたな・・・
「・・・・・こんなもんね。」
ガリィはふうっ、と一息ついた。
「そうだね、鉄鉱石もだいぶ集まったし・・・・だけど・・・・」
僕はチラッと横を見る。
・・・・・マーはのろのろと移動している。はしばしに、
「通報しなきゃ!」とか「一大事です!」とか・・・・
僕はマーのほうにかけよった。
「ねえ・・・・別に僕は悪いことなんかしてないんだけど・・・」
マーはハッ、とした顔でこちらを見た。
「あなた・・・私が全力で逃げてるのにこんなにもすぐ追いつくなんて!
やっぱりマーサーです!通報!通報!」
うぜえ・・・。君が遅いだけだろ・・・。
「じ、じゃあ取引しない?ほらっ。」
僕はジャハルさんからもらったノービスアミュレットをマーに渡した。
「こ・・・・これわっ!?」
マーの目が輝く。
「マーちゃん、だったよね?これあげるから、くれぐれも変なこと言わないでね。」
なんか買収っぽくなっちゃったけど、これしか方法がない・・・。
うまくいくだろうか・・・・
「あなたって・・・・人はぁぁぁぁぁ!!!!」
マーがぷるぷる震える。や、やばい・・・怒っちゃったかな?
「なんていい人なんですかあーーーー!!」
マーが叫ぶ。へ?
「これは、ブラストアミュレットです!マーの目にくるいはありません!
なるほどお、だからあなたはマグナムブイクが使えたんですねぇ〜!?
いやあ、マーちゃんったら、とんだ勘違い、てへへ。」
僕にはなにやらよく分からなかったが、とりあえずうまくこの場をしのげたようだ。
「ほ、ほんと〜にコレ、マーちゃんにくれるですか!?」
「ああ、どうぞ。」
僕がそういうと、マーはきゃっほう!と叫びながらさっきとは比べ物にならないスピードで去っていった。
>>212-215 (;´∀`)人 申し訳ないが書き込むなら、なんとかして6行以上にしてもらえんか?
1,2行だと話が飛びすぎて、どう続けて書けばいいのかわからんのよ、脳内変換効かんし。
と書きづらくなった原因を俺なりに考えてみた。
他の人の意見もキボンヌしたいな、正しいかどうかもわからんし。
(´・ω・`)続き書けそうにないよ。('∀`)って書いてたら続きキター
「な〜んだ、そういう事だったのね・・・」
ガリィがため息をつく。
「どういうことなの?僕には何がなんだかさっぱり。」
ガリィはニコッ、と笑って説明した。
「この世界にはカードってものがあるのよ」
「カード?」
僕はよく分からなかった。
「そう。ものすごく貴重なものでね。なかなか手にはいらないのよ。
カードには色々な効果があるわ。
毒攻撃を無効化したり、体力を増加させたり・・・・・・
聖カピトリーナ寺院では、ジャハルさんがカードを兜に刺してたわ。
それで何とか最悪の事態は逃れられたのよ。」
「へー、そうなんだ・・・・」
僕は改めて、この世界は奥が深いなあ、と感じた。
「そして、さっきケイオスのノービスアミュレットに刺さってたのは、
[マリンスフィアーカード]って言うのよ。
ほら、卵みたいな形のカードだったでしょ?」
ああ・・・そういえばそうだ。
「だからケイオスはジャハルさんと同じ技、マグナムブレイクが使えたのよ。」
なるほど・・・・でも・・・・・
「けどアミュレット装備しないと、その技使えないんだよね?」
僕が聞くと、ガリィはきょとんとした顔で、
「そりゃそうよ。装備しないと効果なんて出ないよ?」
「そ、そうだよね。」
おかしいな・・・・僕、あのアミュレットは装備せずにいたんだけど・・・
それに、頭の中に響いてきたあの声・・・・。確かに、闇夜の暗殺者のレナの声だった。
「ケイオス?」
僕がハッとすると、ガリィが心配そうにこっちを見ていた。
「大丈夫?なんかさっきからボーッとしてて・・・」
「え?うん、ああ大丈夫だよ。さあ、ストロンガスさんの所に戻ろう。」
なんか色々ごちゃごちゃしてたので、まとめてみたよ('A`)ノ
>>223 「物語は6行以上で綴る長文」と
>>1に書いてあるのでそれでいいと思う。
確かに1行だけだと、話が急に飛んでおかしくなっちゃうよな。
>>215は最初どうゆうことかよく分からんかったが、
今日プロンテラでたまたまマリンスフィアーカードを見て、ああ、このことか!
って思ったよ。
一行だと次の人につなぎにくいから、やっぱり6行以上で書いてほしいな。
やっぱしブラストアミュレットでよかったのか
んじゃ書いてもよかったかな
ちなみに書きづらくなったって言ったのは短い時間にキャラ増えすぎてんのが理由
「まあ、待てよ・・・・」
僕の前に、一人の騎士がたっていた。大きな帽子に、サングラスをしている。
「・・・・・何でしょうか?」
ガリィが疑わしげに尋ねる。
「・・・・・お前に用はないんだよ・・・・!!」
男は突然大きな剣を取り出し、ガリィにつきつけた。
「く・・・・!!」
ガリィは後ろに大きく飛びのく。
「・・・・・用があるのはお前だ、ケイオス」
男はニヤリと笑う。
「お前は一体・・・・・・!?」
僕はナイフをとっさにかまえた。
「俺はレカード・・・・。闇夜の暗殺者の一人だ・・・・。
ケイオス、ある方にお前を連れてくるように命じられている。おとなしくついて来い」
どうして「闇夜の暗殺者」が・・・!!ギルドは解散したはずだ!
「・・・・・へっ、誰がお前なんかについていくもんか!」
僕はそうさけんだ。
「・・・・それは残念だ。なら力づくでもつれていこう。
安心しろ、殺しはしない!」
ドガァッ!!!!!!
強力な一撃がふりかかる。僕は紙一重で攻撃をかわした。
「・・・・・ほう、俺のブロードソードをかわすとはな・・・」
レカードはニヤリ、と笑う。
そしてそのままもう一撃くりだした!
「・・・・・なんて破壊力だ・・・・!!」
僕のほほからスッ、と血がしたたりおちる。
「させないわ!」
ガリィがレカードの背後にまわり、マインゴーシュで切りかかる。
ズバアッ!!
「!?」
「なんだ、ハエでもとまったか・・・・?」
レカードは笑いながら、ガリィを蹴り飛ばした。
「きゃあ!!」
ガリィが吹き飛ぶ。
「てめえ!!!」
僕は素早い動きでレカードに体当たりをかました。
「ぬっ!?」
不意の攻撃に倒れこむレカード。
「ガリィ!今のうちに逃げよう!!!」
僕はガリィの手をつかむと、そのまま走り出した。
「ケイオス!?どうして逃げるの!あいつ許せないよ!」
ガリィは走りながら言った。
「ダメだよガリィ!アイツは強い!まともにやって勝てる相手じゃない!」
「どうして!?私達、ここのモンスターともだいぶまともに戦えるようになってきたじゃない!
私達2人ならなんとか・・・・・」
「・・・・・力の過信!人間の最も愚かな行為!」
僕は必死に走りながら言う。
「自分の力を過大評価しちゃダメだ!俺達はノービス!向こうは騎士!
とりあえず今は逃げるんだ!!」
「ケイオス・・・・」
ガリィはそのまま黙って一緒に走りはじめた。
5行以下の場合、話が続けづらい場合無視してもいいかな?
絶対無視する、ってわけじゃないけど
>226-227
意見dクス!('∀`)
ブラストアミュレット以外でも良かったんじゃないか?
話の流れ的にはブラストアミュレットがベストだろうけど。
>ちなみに書きづらくなったって言ったのは短い時間にキャラ増えすぎてんのが理由
書きづらくなった、ではなくて書く意欲をなくした、じゃないか?
それなら、なんとなくわかる…気がする。
激しく水をさしてスマンカッタ!俺も面白い話が書けるようガンガルヨ('∀`)ノ
くそ・・・・!僕達は地下水路出口とはまったく逆に向かっている。
このままだといずれ行き止まりだ・・・・!!!
「はっはっは!逃がさんぞ、ガキどもぉぉぉぉ!!」
レカードが追ってくる。
「くそ・・・・どうすればいいんだ!?」
ふと前を見ると、何か光輝くものがあった。
「もしかして・・・・・出口!?」
僕とガリィは必死にその光に向かって走り出した。
しかし、期待は大はずれだった。
「モ、モンスター・・・・!?」
光り輝いているモンスターが、スヤスヤと眠っている。ゴキブリにそっくりだ。
周りには大量のゴキブリがジッとしていた。
「こいつもしかして・・・・!!」
僕の頭に、マーが大量のゴキブリから逃げている様子が思い浮かんだ。
「ケイオス、多分コイツがストロンガスさんが言ってた、
下水に落ちたモンスターだよ・・・・!!
そのままコイツの子供が繁殖して、今じゃここの親玉になってるんだわ!」
ガリィはあわてふためく。
「どうしよう!こんなの起こしたら、私達は一気にやられちゃうわ・・・!
しかも前からはレカードが・・・・もう!」
僕は冷静に言った。
「大丈夫だよガリィ・・・・僕にいい作戦がある。」
僕はそういうと、ガリィに耳打ちをした。
「・・・・・!!本当にうまくいくの・・・?もし失敗したら・・・」
「一瞬のタイミングが必要だよ。けど、ここはいちかばちか・・・・!!」
レカードの声が聞こえる!
「はっはっは!ついにおいつめたぞ!覚悟するんだな!!」
レカードは大剣ブロードソードをかまえた。
「足が一本くらいなくなっても、さしさわりはねえよなあ・・・・!!」
レカードはニヤリと笑う。
僕とガリィはグッとかまえた!
「おとなしくお縄につきなああああああ!!!」
大声とともに、レカードがこっちに突撃してきた!
「いまだ!」
僕はそう叫ぶと、ガリィとともにレカードに突っ込んだ。
いや、正確にはレカードの横のわずかなスペースに飛び込んだのだ。
「な、なにい!?」
レカードはそのまま前のめりになって、ゴキブリ達の群れにつっこんだ!
「フン、無駄な抵抗を。」
レカードはガリィの返り血をぺロリと舐めた。
「ん〜。処女のノービスの血は実によい味だ。純な味わいがこれまたたまらんな。」
すると、不思議な事にレカードのガリィに斬られたかすり傷がなくなっていく・・・!
「こ、こいつっ!!」
僕は構えた。
「そうさ。俺は吸血を武器に今まで抵抗する馬鹿共を屠ってきた。我がマスターからさずかった力さ。」
「マスターだって?」
「フ・・・お前もよ〜く知っている人物だろうよ。もっとも、自力でお目にかかるのは無理に等しいがね。」
マスターって誰だ?いや、今はそんな事よりガリィの身を・・・
「う、うっ・・・」
ガリィはよろよろと自力で立ち上がった。
「フン、気絶したままでゴキブリ共の餌になっていればよいものの。まだ起き上がるか。」
「こ・・・これしきっ!」
ガリィはやっとの思いで短剣を構えた。
「フフ・・・気に入ったぞ。その心意気。・・・いいだろう。我が身の肉となり血になるがいいっ!」
レカードから強い邪念が溢れはじめた。
「こ、これは・・・っ?」
「俺は相手の肉、血を我が体に取り入れる能力がある。丁度腹も空いていたところだ。ガリィとやら、貴様を俺の体の一部にしてくれよう。」
なんとリカードは吸血鬼だったのだ。僕もモンスター図鑑で聞いたことがある。蝿の中には人間の血をすすって真紅に染まった体を持つきわめて凶悪な蝿がいると聞いていたが・・・まさかその能力を持つ人間がいたなんて・・・・・・。
「さぁ、遊戯は終わりだ。我が刃に喰われるがいいっ!」
リカードがブロードソードを振り下ろしたその時、奥から物凄い叫び声が聞こえてきた。
ドドドドドドドドドド・・・。
「ん?何だ?騒がしいな。」
リカードもいきなりの事で剣を寸前で止めた。
「うぉりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
こ、この熱血漢溢れる声は・・・!
ストロンガスさん!!
ストロンガスさんは僕の体重くらいはありそうな鋼鉄のカートを頭に抱えるような形でなんとここまで走ってきたのだ!
寝ていたゴキブリ達が、そのまま次々と目を覚ます!
黄金に輝いているゴキブリの目がグワッと光ったかと思うと、
大量のゴキブリ達が一斉にレカードに襲いかかった!
「ぐわっ!?や、やめろ!ゴキブリごときが・・・くそう!」
レカードは必死にブロードソードをふりまわしたが、
数百匹ものゴキブリ達にはさすがにかなわないようだ.
「う・・・・ごああああああ・・・・・」
ゴキブリ達のけたたましい鳴き声の中にレカードは埋もれていった・・・・。
「・・・・・ガリィ、あいつらがこちらに気づかないうちに早く逃げよう!」
ゴキブリ達の鳴き声を背に、僕とガリィは出口へと向かっていったのだった・
うわあああああああ!!!文章かぶってる_| ̄|○
えと、俺のは
>>234の続きです。
どのように展開するかは後のひとにまかせます〜(;'Д`)
金ゴキを目の前にしてリカードの手によってピンチになってるノビ2人を助けにきたストロンガスvsリカードってのでどうかしら?両方ともすっごく良文ですし。(`・ω・´)b
240 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/08 19:20 ID:qX06/8oS
(ちょっと遊びが過ぎたか・・・それに、あいつはストロンガス。潮時だな。)
レカードは素早く虫の羽のようなものを取り出し姿を消した。
「随分悪趣味なことやってるな・・・お前。」
レカードの背後からあきれた声がする。
レカード「あぁマスタ。来てたんだ。
ちょっとからかうだけのつもりだったんだけどねぇ・・」
「マリシャスブロードソードとはまた・・・随分手が込んでるな。」
レカード「あぁ・・随分悪役に見えたろ。まぁ吸ってるのはSPだから命に別状は無い。」
「意味の無いことはするな」
レカード「人生楽しみは必要よ?・・・てこんな話してる場合じゃないのよ。」
「ケイオスか?」
声が険しくなる
レカード「そうそう。なんでもマスタの古い友達のあれだろ?」
「あいつは、もう友人等では・・・」
レカード「そうかい?なら写真はとっとと処分しちまいなよ。」
「・・・余計な話はいい。それよりケイオスの保護はどうした。」
レカード「心配いらない。何故かストロンガスがいやがる。やつに任せときゃ平気だろ。」
241 :
240:03/08/08 19:21 ID:qX06/8oS
宵闇のメンバーが多くなったようなのでちょっと変えちゃったんだけど・・・まずったかな。
242 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/08 19:37 ID:zlveD/7y
「た、ただいまあ〜〜!」
ぐてっ、と僕とガリィはジャハルさんの前に座りこんだ。
「ジ、ジャハルさん!大変だよ!・・・・・ハァハァ・・・
闇夜の・・・・暗殺者のメンバーに狙われた・・・!!」
「なに!?」
ジャハルさんは驚いた顔で言う。
「なんか・・・・レカードってヤツで・・・・!!」
すると、ジャハルさんの隣で黙って聞いていたストロンガスさんが急に立ち上がった。
「れ、レカード!?」
あっけにとられた顔で、ストロンガスさんがいう。
「アイツ・・・・なにやってるんだか・・・・」
「ストロンガスさん・・・・レカードを知ってんですか?」
ガリィが聞く。
「ああ、知ってるも何も・・・・・アイツは俺達のギルドのメンバーだ。」
「へ・・・・?」
僕はもうワケが分からなかった。
「そういやアイツ、ノービスを追ってるとか言ってたな。
おい、てめえらの名前、なんつーんだ?」
ストロンガスさんが僕の顔をのぞきこむ。
「ガリィです」「ケ、ケイオスです」
「ぬわにぃぃぃぃぃぃ!?お前があのケイオスだとおおおお!!???」
ものすごいでかい声でストロンガスさんが驚く。
245 :
1/3:03/08/08 20:11 ID:GZykFDoX
「おめぇぇぇぇら〜〜〜〜っ!!帰りが遅いんで心配になって様子を見に来たがやっぱりこういう事かっ!」
ストロンガスさんは鼻息を荒立てている。
「あ、あの今・・・」
「あぁ!うるせぇうるせぇ!!とにかくお前らが無事で何よりだって言ってんだよ!」
声は荒いが何故か僕達はこの声に凄く安心感を持てた。
事情を察したリカードがストロンガスさんの方を見る。
「ほう、プロンテラ国王お気に入りのブラックスミスか。しかし精錬に長けているだけでは・・・な。」
リカードは不敵な笑みをこぼす。
「あぁ〜?精錬だけの鍛冶屋かどうだか・・・」
ストロンガスさんは顔を真っ赤にして、ガリィの背丈ほどある巨大な斧を手に取り
「試してみなっっっ!!」
リカードに斬りにかかった!
「くっ・・・!」
リカードは大きく後方に吹き飛ばされる。
「ストロンガスさん!」
ガリィが指をさした方向には金色に輝く盗蟲がいた。
「こいつがどうやら今回のターゲットだった訳かい。ちょいお前さん方には荷が重すぎたな。」
ストロンガスさんは苦笑している。
246 :
2/3:03/08/08 20:15 ID:GZykFDoX
「おめーら、俺のカートん中に赤ポーションが詰まってるからそれ飲んどけ。俺ぁこの薄気味悪い騎士をくたばらせるからよっ!」
そういってリカードに詰め寄るストロンガスさん。
強い・・・。ただの熱血な鍛冶屋だけだと思っていたけど何という腕力だろう。あの重装備のリカードを体当たりだけであんなに遠く吹き飛ばすなんて・・・。
リカードは黒い帽子を頭に付け直すと剣を構えた。
「フフ・・・少々甘くみていたようだ。しかし貴様の鍛え上げられた肉体、輝く血。そそられたぞ!貴様をまず我が肉体の一部にしてくれよう。」
ストロンガスさんは頭をポリポリとかいた。
「なんでぇ?コイツ頭イカれてるんじゃねのか??そっちの気があるなら俺はパスなんだけどよ・・・」
ガリィが叫ぶ。
「ストロンガスさん!そいつは相手の血と体力を吸う能力を持ってるの!!」
「なるほど・・・マリシャス系の武器か何かではなさそうだな。まぁお前さんにはリンゴジュースでもくれてやる。」
ストロンガスさんはいつの間にか手にしていたリンゴジュースをリカードの方へ投げつけた。
「ほざけッ!」
リカードは大きなブロードソードを突き立てストロンガスさんに突進してくる。
「かかったな?」
ストロンガスさんは頭上に浮かぶ大きなハンマーを地面に叩き付けた。
「ぐぉっ!」
リカードはその場で膝をついた。
「これがハンマーフォールよ!まぁ、今のを脳天に喰らったんだから頭蓋骨への損傷もさぞ大きいだろうな。そのくらいにしとけや。」
強い・・・!鍛冶屋の技術も一級品だが戦士としても一級品だ!!僕はそう思った。
「よぉケイオス、ガリィ、回復したか?」
「は、はいっ!」「はい!」
「お〜し。あとはあの金盗蟲を捕らえるだけだが・・・」
グニュグニュグニュ・・・
「な、なんだろ?この音??」
「まさか・・・!!」
そう、それはリカードの砕けた頭蓋骨と脳神経が再生している音であった。
「やって・・・くれたな・・・。」
「ま、まじかよ・・・。」
ストロンガスさんもさすがに驚きを隠せない様子だ。
「俺は死ぬ事のない吸血鬼だ。全身を砕かぬ限り貴様には勝機はないっ!」
リカードはすぐ様、剣を取りストロンガスさんに襲い掛かった・・・と思われたが
リカードはピタリと動きを止めた。リカードがかつてない苦しそうな表情をしている。
「こ、この術は・・・貴様、ダークプリーストのテスタメントかっ!」
「やれやれ。キミの任務はケイオスを連れていくことだけだったんじゃなかったのかい?」
というかストロンガスさんはギルド入ってないかと。
…誰かまとめてplzzzzzzzzz('A`)
話がごっちゃみたいだけど、リカードはストロンガスのギルメンでおkかな?あと、個人的にダクプリのテスタメントってのは面白いと思うんで闇夜の面子でフカーツキボン。
いや、ストロンガスはギルド入ってない。
ジャハルがなんでストロンガス選んだかって、フリーだったからだし。
流れとしては
>>245の方が自然なんだけど、それだとケイオスの作戦が活きないんだよね。
さらに後を考えると、金ゴキを捕獲しなくちゃいけないので…。
う〜〜ん…。
ダメだな…どうしても>>243-
>>244が浮いちゃう。
そして
>>248の最後でまた闇アサのメンバーが登場の予感。
ダークプリーストのテスタメントって漏れの脳内ではFF9のクジャみたいな希ガス。('A`*)
ちなみに
>>248の続きを書かれる方、最終行の彼はエロヒムかと思われますので、
その辺りよろしくお願いします…。
(こ、これ以上混沌としたら…((((゚Д゚ ;)))ガクガクブルブル)
ん?ダークプリーストの方はテスタメント。WIZの方はエロヒムじゃなかったっけか??…まぁ、両方とも黒い服着てるけどナー(;´∀`)
あと、ずっと前のルナvsジャハルの時に誰かがこっそりディビーナつかってたよね…
つうわけで闇アサの中にプリ(またはプリの魔法使える人)キボンヌ
…まあルナがこっそり召喚したオボンヌでもよさげだがな('A`)
しつこくてスマソ('A`)キモイナオレ
ダークプリーストのテスタメントは、
VS聖カピトリーナ寺院戦で一瞬でてきたプリーストにしたらいいかもな。
ついでに>>243-
>>244書いたの俺なので、とばしてくれていいです。
>>245氏の流れで行きましょう。
つまり、ケイオスとガリィがレカードに追われていた。
そして地下水路の最深部に逃げると金ゴキを発見。
レカードもそこにくる。ケイオス達ピンチ。
ストロンガスが助けにくる。そして戦闘。
ストロンガスの猛攻。レカードの再生から反撃。と思ったら、
テスタメントの登場。
この流れで続きお願いします。自治っぽくてすいません。
一応ケイオスの作戦成功ルートのまとめ(と言うか設定)
金ゴキとレカードから上手く逃げたケイオスとガリィ。ストロンガスの元に帰る二人。
どうやらレカードはケイオスを捕まえに来たようだが闇アサのメンバーでは無さそう。どうやらレカードのギルマスと闇アサのマスタは認識があるみたい・・
何故レカードはストロンガスに任せたか・・・官邸お抱えのBSという事で当然有名なストロンガスなのでレカードは彼を信用したと考えたい。(またはギルド関係なしに知り合いとか)
前半盛り上がり過ぎたので闇アサはあまり登場させたくないなぁ・・と言ってみるテスト。
面白そうではあるんだけどね
・・・と思ったら作戦成功編はボツっぽいですね。
261 :
1/2:03/08/08 21:42 ID:cs+uOt/j
んじゃ宿?からスタートでいいのかな?
「俺の名前がどうかしたんですか?」
うわぁぁのAAと同じような顔をしているストロンガスさんに問いかける。
「あ・・いやいやとってもいい名前だなと思いまして・・ハハッハh」
怪しい。なぜか敬語になっているあたりがもっと怪しい。
「そ!そういえば約束通り剣を作ってあげような!すぐ作れるから待っててろ!」
鉄作成スキルの音と失敗音で室内は埋め尽くされた。
「あ・・・あの・・・?」
すごい心配そうな顔でガリイが残りの鉄鉱石を差し出す。
「あ・・あれれれれれれれ!おっかしぃななぁ!アッハッハッハッハハァ・・・・」
もうだめだこの人。
262 :
2/2:03/08/08 21:42 ID:cs+uOt/j
「しょうがないからこのダガー+7を二人にあげっるよ。
強い武器はまた今度な!じゃあ二人でしゅぎゃうに行ってこいや!」
ドカン・・・カチャリ
「部屋から無理やり出された上に鍵までかけられたよ・・・。
俺の名前がどうしたんだろう?」
「まぁ・・新しい武器ももらった事だしどこかに狩にでも行きましょうよ。」
ガリィが新しい武器をまじまじと見ながら僕に言った。
ここで終わりなんですが二人のレベルってどれくらいなんですかね?
よくわからん('A`)
263 :
254:03/08/08 21:45 ID:rkeI1vDI
>>255 あああ!すみません、254です。
ご指摘どおりテスタメントですーっ。
(一体なんであんな事書いたんだ…∧‖∧)
しかも亀レスで申し訳ないです…。
>>261 んん? ストロンガスVSレカード から…だったような…?
>>263 わわわわわ
‖
( )ツッテキマツ ボツッテコトデ
ダークプリーストのテスタメントやらは後々登場させようや。漏れもすごき興味あるしさ。(*´∀`)
そうだ。僕達のレベルって、一体幾つになってるんだろう・・・・?
レベルアップの花火なんて、いちいち数えてなかったしなぁ・・・。
プロの街角のカプラ・グラリスに聞いてみる。
「レベルの数え忘れザマスね。少し待つザマス。」
・・・なんかスゲェむかつくがそこはグッとこらえ、情報端末らしきものを叩くグラリスを眺める。
「・・・お二人とも18/10ザマスね。とっくに転職出来るザマスよ。」
二人して顔を見合わせる僕とガリィ。
「因みに、転職の平均レベルは12〜14ザマス。貴方達はスパノビでも目指してるザマスか?」
・・・んなこと聞いちゃいない。
「やったね。ケイオス!やっと私も剣士に転職出来るよッ!」
ガリィが嬉しそうに飛び跳ねる。
「ところで、ケイオスは何になるのかな・・・・?」
そうだ・・・。僕は何になろう・・・。
思いきり考え込む僕を横目に、ガリィが続ける。
「じゃあ、明日までゆっくり考えるってのはどう?私はその間に一足お先に剣士様になってるよ〜」
まぁ、それも悪くはないか・・・。
プロンテラの「ネンカラス」に宿を取った僕は、この数日の事を思い返していた。
ギルド「深紅の暁」のジャハルさん。フレイヤさん。ランディさん。
「闇夜の暗殺者」のルナと黒いマントの男・・・
鍛冶師のストロンガスさんに、地下水道のレカードとマー・・・
そして、ガリィ・・・。
なんか、あっという間の出来事だった気がする・・・。
隣に潜む気配に気付かないまま、僕の意識は沈んでいった。
とりあえずどんな職業があるのか本を読んでみよう。
[職業について
職業には1次職、2次職があります。
図で書くと]
ノービス
______|_________
| | | | | |
剣士 マジシャン 商人 アコライト シーフ アーチャー
| | | | | |
騎士 WIZ BS プリ アサシン ハンター
[こんなかんじです。]
手抜きだなぁ・・・。
六つも職業があるのか・・迷うなこりゃ。
[シーフ・・AGI型にはピッタシの騙し技など様々なスキルを備えた前衛型の職業です。]
へー面白そうだなぁ・・・・・ン?
アサシン・・・ガリィを襲ったアイツの職業だ・・。
アサシンの文字を見たとたん
あのときのことがまた思い出された。
ケイオス・・・お前は普通の人間じゃない・・・。
闇から上る、異形の声。
剣士にも、アコライトにも、マジシャンにも、商人にも、アーチャーにも、シーフにもなれぬ・・・。
「お前は誰だ・・・?」ベッドから飛び起き、ダガーを引き抜く。
持っているのはスキル・ハック・・・忌み嫌われる能力のみ・・・・。
「誰だ・・・姿を見せろッ!」
そう・・・。お前は私と同じ、「漆黒のNoVice」・・・「DALKLORD」のコアなる存在・・・。
闇の中にペンダントが光り、激しいオーラが部屋の調度品を滅茶苦茶に吹き飛ばす。
愛しいケイオス・・・私をどうか許して欲しい・・・。
声に悲しみの気配が混じる。
私はテスタメント・・・お前と魂を分かつ存在・・・。
激しい頭痛が僕を襲う。「テスタメント・・・・?」
奔流のような記憶のフラッシュバックに飲み込まれる。
小鳥のさえずりが優しい目覚めを引き起こす。
寝台の上には、黒く染まったノービス衣装にやはり黒いマントを羽織った僕・・・。
衣装が変わった違和感も有ったが、僕は猛烈な懐かしさがこみ上げていた。
そして、胸には小さなロケット式ペンダント・・・。
中には、微笑んでる僕とガリィが写っていた。
「あれ・・・・?」
ロケットに落ちる、僕の涙。
どうしてこんなに悲しいんだ?
ストロンガスさんとレカードの闘いは流れてしまったんですね…(´・ω・`)
272 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/09 09:18 ID:QTWS3ig+
そうだ、フレイヤさんなら何か分かるかもしれない! 僕は以前のフレイヤさんの言ってた事を思い出した…。 「私には生き別れの兄がいたの…名前は『テスタメント』。」
>>273 >>1に「物語は6行以上で綴る長文」と書かれているから
自分で長くしないとボツになっちゃうぞ?
ていうかこの流れでいいのか…?(´∀`lll)
ストロンガスvsレカート戦後テスタメント登場じゃなかったんかね?
今の流れだとストロンガスとレガートが同じギルド云々って変な流れになるような…
そしてダープリのテスタメントさんはどこに?('A`)ソッチルートキタイシテタ
>>275 ですな(;´Д`)
俺が間違えて書いたばっかりに_| ̄|○…
台風直撃食らってきます。
レニングラード? おいおい時代設定むちゃくちゃだぜ
テスタメントと呼ばれた男が、地下水路の影からヌッと現れた。
「・・・・・無駄なことはしないことだな。
我々はあの方の言われたとおりに動くだけだ・・・・・。」
テスタメントがポン、とレカードの肩に手をおく。
「お前は少し黙ってみてろ!任務の遂行に邪魔なヤツらを、
俺はここで葬り去るだけよ!術を解け!」
レカードが言うと、テスタメントはフッ、と笑った。
「邪魔な芽は今のうちに摘んでおく、ということか。
・・・・・フン、好きにするがいい。」
レカードの体がまた自由に動くようになった。
「ケイオス以外は必ず殺せ。失敗したら、
あの方に面目がたたんぞ・・・・・」
テスタメントはそういうと、スッと闇の中に消え去った。
「さあて・・・・・そこのブラックスミス。
続きをはじめようか・・・・・」
レカードが不敵な笑みを浮かべる。
「けっ!気持ち悪いやろうだ!」
ストロンガスさんは、巨大なハンマーをズンッ!とかまえた。
「これぞ騎士の王道よ・・・・・バッシュレベル3!!」
レカードのブロードソードが光ったかと思うと、ものすごい衝撃とともに
レカードは剣を振り下ろした。
バギィッ!!!!!
「・・・・・!!ストロンガスさん!」
僕とガリィは思わず叫んだ。
「・・・・・・ヘッ!俺を誰だと思ってんだ?」
見ると、ストロンガスさんはレカードの攻撃をハンマーで受け止めていた。
「ほう・・・・俺のバッシュに耐えることができようとはな。
生身の人間なら、ふきとんでこなごなになっているものを・・・・」
ギリギリギリ・・・・・
レカードとストロンガスさんは互いに力で押し合っていた。
二人の睨みあいは続く。
「ふふふ・・・・・いつまで持ちこたえられるかな?」
レカードは剣にジリジリと力を加えた。
「どうしよう・・・・!力じゃレカードのほうが上みたいだ・・・!!」
僕はあわてふためく。助けに入りたいが、あの二人の中に入るすきさえ見つからない。
「バカが・・・・!あまりブラックスミスをなめんじゃねええぞおおおお!!!」
「なに・・・・?」
ストロンガスさんの筋肉が、みるみるうちに膨張していく!
「マキシマイズパワー!!!!」
グン!!とストロンガスさんがレカードを一気に押し返した!
「こいつ・・・・!?」
レカードはいったんストロンガスさんから距離をとろうと、後ろに飛びのいた。
「てめえにスキなぞ与えねえぞうおりゃあああああ!!!」
ストロンガスさんは一気にレカードに詰め寄った。そして・・・・
「ハンマアアアアアア!!!!フォオオオオオオル!!!!!!」
ハンマをレカードにたたきつけた!
グチャリッ!!
レカードの頭がものすごい音とともにつぶれた。
「無・・・・駄・・・・だ・・・・!」
レカードの体がすぐに再生していく。
「再生するスキなぞあたえてたまるかああああ!!!短剣製作!!」
ストロンガスはものすごい勢いでナイフをつぎつぎに作っていく。
「ナイフ百連発だああ!!ぬおりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!!」
作ったナイフを今度は次々にレカードに向かって投げていく!
ドスドスドスドスドスドスドス!!!!!!
「ぎゃああああああああ!!!!」
レカードにナイフが次々に突き刺っていく。
「これで終わりだああああ!!熱血オーバートラスト!!」
ストロンガスさんの武器が赤く輝く。ハンマーからは煙があがっている。
「どりゃあああああ!!!」
ドゴオオオオオオオオオオオオオ!!!!
ハンマーがもうボロボロのレカードに炸裂した。
シーーーーーーン・・・・・・
不気味な静寂があたりを包んだ。
「う・・・・これはヒドイ・・・・」
僕はレカードの方を見たが、とても見れるような状態ではなかった。
「ふう・・・・手こずらせやがって・・・・」
ストロンガスさんが額の汗を拭った。
「さあ、後はさっきの金色の盗蟲を捕まえるだけだ。」
ハンマーフォールの衝撃を喰らったのか、黄金のゴキブリはピクピクと痙攣していた。
すかさずストロンガスさんが、カートから鉄のカゴを出して、ゴキブリをその中に入れた。
「・・・・さ、もうこんな所に用はねえ、帰るぞコラ。」
ストロンガスさんが言うままに、僕らは下水を後にした。
「無様だな・・・・レカード」
闇の中からテスタメントが現れた。
レカードのつぶれた体がピクンッ、と動きだしたかと思うと、
頭の部分が少しずつ再生していく。
「ふん、頭を再生するだけで精一杯か。」
テスタメントが冷ややかに言う。
「ちぐしょう・・・・!あの、あのブラックスミスめ・・・・!」
レカードの声は、まるで今にもはちきれそうな弱弱しい声だった。
「レカード・・・・貴様はケイオスをさらうという任務に失敗したほか、
命令にない勝手な行為までも犯した・・・・。
私は、あの方に合わせる顔がない。・・・・残念だよ、レカード」
テスタメントがそういうと、レカードの顔が一瞬にして凍りついた。
「ま、待ってくれ・・・!次こそは必ず・・・!た、頼む! 俺を消さないでくれ・・・!」
「・・・・あの世には何の苦しみもない。おやすみ・・・」 テスタメントはクスッ、と笑う。
「・・・・・・心配しないでいい、レカード。」
レカードの顔からあせりが消える。
「じ、じゃあ・・・・・!!」
テスタメントは冷たくいいはなつと、手から青白い炎をだした。
「やめてくれ・・・!やめろ・・・・う、うわあああああ!!!」
「・・・・・価値のない人間に生きる資格ないだろう?」
テスタメントはそういい残すと、再び闇に消えていった。
地下水路にはただ、青白い炎だけが燃えていた。
テスタメント、カコイイ!そして、ストロンガスvsリカードを見てDIOを思い出してしまったのは漏れだけでつか?('A`*)
少しの間地下水路にもぐっていただけなのに、太陽の光がとても懐かしく感じられた。
思えばたくさんのゴキブリを倒したな。レベルも相当上がってるハズだ。
「さ〜て着いたぜ!」
ストロンガスさんの元気な声が聞こえる。
宿屋の中に入ると、手紙がテーブルのうえに置かれていた。
ジャハルさんのものだった。
「ジャハル、ガリィへ
おかえり。地下水路はどうだった?相当君達にも力がついたハズだ。
君達と顔をあわせたかったが、俺は一刻も早く強くならなければならない。
[闇夜の暗殺者]と戦って分かった。俺はまだまだ弱い。
だから俺はもっと強くなる。そのための武者修行だ。
今度会う時、君達の成長を楽しみにしてるよ。
それでは、ギルド再結成するその日まで─────。
ジャハル
追伸
ガリィの呪いを解く方法が分かった。
イグドラシルの実というものがあれば、ガリィの呪いは解けるそうだよ。」
「そうか・・・・ジャハルさん行っちゃったんだ。」
ガリィが悲しそうにつぶやく。
「ジャハルさんはきっと強くなって帰ってくるよ。だから、僕達も強くなろう。」
僕はガリィの頭をポン、と叩いた。
「よっしゃ、その調子だおまえら!地下水路で取ってきた鉄鉱石をよこしな!」
ストロンガスさんがそういうので、僕達はリュックからありったけの鉄鉱石を取り出した。
「おお!これくらいありゃあ相当いい武器が作れそうだっ!」
ストロンガスさんが嬉しそうに言う。
「ようし!今からちょっくら武器製作にとりかかる!時間がかかるから、
おめえ達は外でちょっくら散歩しといてくれや!」
僕達は宿屋を出て、二人でプロンテラ近くの公園を歩いた。
「・・・・・・・・・・私達、これからどうなるんだろうね。」
ガリィは晴れた青空を見上げながら、呟いた。
「とりあえず、転職して強くならなきゃな!」
僕は腕をグッとあげて言った。
「・・・・・・・・・・なんで[闇夜の暗殺者]はケイオスを狙うの?
ケイオス、私に何か隠してない?」
ガリィが潤んだ瞳で僕に言う。
隠し事、か。はっきり言って、僕にも分からない。
どうして[闇夜の暗殺者]は僕を狙うのか。
どうして僕の頭にルナの声が響いたのか。「スキルハック」とはなんなのか。
なぜ僕がブラストアミュレットもつけてないのに、マグナムブレイクをぶちかましたのか。
「・・・・・・・・・・心配しないで。隠し事なんて、してないから。」
「・・・・・・・・・・そう。」
ガリィは一言だけそういった後、黙り込んだ。
ふわあぁ〜、ストロンガスさんもテスタメントもめちゃめちゃカッコイイですよー!!
惚れそう……(*´∀`*)
スミマセン、どうぞ続きを……。
「そ、そういえばジャハルさんの手紙に、「イグドラシル実」ってやつで
ガリィの呪いが解けるって・・・・・・・・・・」
少し気まずかったので、僕は話題を切り替えた。
「うん、そうだね。イグドラシルの実、か。
イグドラシルって言えば、とても神聖な神木の名前よ。」
「神木、か。どこにそんなのあるんだろうね。神木っていうくらいだから、
やっぱり森の中に生えてるのかなあ?」
神木か・・・・・・聞いたことないや。誰か知らないかな・・・・・・
「あ、そうだ!フレイヤさんなら頭いいし、何か知ってるかも!
確か図書館にフレイヤさんがいるんだよね。行ってみようよ!」
僕がそういうと、ガリィはコクン、と頷いた。
「うわあ・・・・・おっきい・・・・・・」
僕たちはその巨大な建物を見上げた。
プロンテラ国立図書館。デカデカと大きな看板がたっている。
入り口には巨大な本の銅像がたっていた。
「さあ、中に入ろう!」
僕はガリィの手をひっぱって図書館の中に入った。
壮大な場所だった。見渡す限り、本の山だ。
人がたくさんいる。その中に、ローブを着た女の人が熱心に本を読んでるのを見つけた。
「フレイヤさん!!!」
僕が大声でフレイヤさんの名前を呼んだ。フレイヤさんがびっくりしてこっちを見る。
僕達は足早にフレイヤさんに駆け寄った。
「バカ!!!図書館で大声なんて出しちゃダメでしょう!?まったくあんたは・・・・」
フレイヤさんは厳しい顔をした後、フッと優しい顔で笑った。
「元気そうで良かったわ。少しはレベルも上がったみたいね。」
フレイヤさんが僕達をじろじろ見て言う。
「そうね、ベースは12、ジョブは10ってところかしら。
おめでとう、転職できるわよ。」
「ほ、本当ですか!?」
僕とガリィはお互い顔を見合わせてやったネ、と手を合わせた。
「フレイヤさんは何の本読んでるんですか?」
僕はフレイヤさんの本を覗きこんだ。
「魔法を使った上級戦術」という文字がそこに見えた。
「ああ、私もこうやって戦術を学んでいるの。そしたら私の弱点が色々分かってきたわ。
私には素早さが足りないみたい。あと、詠唱時間の長い魔法しか覚えてないのよ。
私に欠けているのは、速効性だわ。」
なるほど、フレイヤさんも自分なりに強くなろうとしてるんだ。
「それに、やられっぱなしじゃ悔しいしね・・・・・・ウフフ・・・・・」
フレイヤさんが何かつぶやいたが僕にはよく聞こえなかった。
「そういえばジャハルはどうしたの?あなた達に用があるとか言ってたけど。」
フレイヤさんが不思議そうな顔をして僕にたずねた。
正直、言いにくかった。だって、フレイヤさんはジャハルさんを・・・・・・・・・
「ジャハルさんは、武者修行に行きました。」
僕がそういうとフレイヤさんは、えっ、というような表情をした。
しかしすぐいつものフレイヤさんの顔に戻った。
「そ、そう。ま、あいつも相当あの戦いで落ち込んでたしね。
そういうのも、いいんじゃない?」
フレイヤさんの声がかすかに震えている。
「バカ・・・・・・・どうして私に何も言わずに・・・・・」
うつむきながら、かすかな声でフレイヤさんが言った。
「は、はいっ!」
僕とガリィはプロンテラ下水道の経緯をフレイヤさんに細かく説明した・・・。
「そう・・・テスタメントが。」
フレイヤさんの顔は少し何やら青ざめている。
「ど、どうしたんですか?フレイヤさん??」
ガリィは心配そうにフレイヤさんの顔を見ながら言った。
「テスタメントは・・・私の兄よ。」
?!!
僕とガリィは驚きを隠せなかった。
フレイヤさんは克明に話しはじめた。
「テスタメント兄さん、あの人はいつでも私の事を心配してくれて、どんな人にでも優しく接するような人だったわ。自慢の兄だった。」
そんな・・・そんな事が・・・。
「彼は苦しんでいる人々を助けようと聖職者という職業に就いたの。私がまだマジシャンだった頃かしら。私が冒険してみたいというのでテスタメント兄さんはグラストヘイム城に渋々連れてってくれた。」
「確かその城の2階だったかしら?私があまりの新鮮さに夢中で兄の制止を無視して先走りした時、あの羊のような悪魔が現れたのは・・・。私はあまりの恐怖で動く事もできなかった。」
『フレイヤっ!!私がこいつらを食い止めている間に逃げるんだ!』
『で、でも兄さんは・・・!』
『安心しろ。兄さんもすぐ後からお前に追いつくから。それよりお前は街に戻るんだっ!』
『ワープポータル!』
「泣きじゃくる私を優しい笑顔で見つめたまま、兄は私を街へ無事送り届けてくれた。しかしあれ以来、兄の優しい笑顔は見れなかった。」
フレイヤさんは唇をぎゅっと噛みしめそう言った。
「彼は堕落した聖職者、死者や悪魔を僕とするダークプリーストに転じてしまったの。いわばネクロマンサーってところね。」
皮肉な事だ・・・よりによって血の通っている兄がフレイヤさんのギルドを解散させた、闇夜の暗殺者の一員だったなんて・・・。
あの女性のような美しさの顔、透き通った白い肌からはフレイヤさんの兄と思えるが、もはや人間としての温かさは感じさせられないのも事実だった。
「話から察するにリカードという吸血鬼も兄の能力を以て従わせていたのだと思う。」
「なるほど。リカードが逆らう事ができなかったのはその為だったんですか・・・。」
ガリィは深く頷いた。
「そんなの・・・そんなのあんまりじゃないですか!何かお兄さんを元に戻す方法はないんですか?!」
僕は感情に任せてそう叫んでいた。
「フフ。ありがとうケイオス。でもこれは私とテスタメント兄さんの問題。私が決着をつけるわ。私が・・・っ。」
フレイヤさんは握り締めていた杖を力強く握り、小刻みに震えている。こんなフレイヤさんを初めて僕は見た。
気まずい空気が流れる・・・・・
しばらく僕達はだまったままだった。
「・・・・・そういえば、あんたたち何か私に用?」
フレイヤさんが口を開いた。
「あ、ああ・・・あの僕たちイグドラシルの実ってのを探してるんですけど、
フレイヤさんなにか知りませんか?」
僕がたずねると、フレイヤさんは何か考えて、
「知ってるけど・・・・それを知ってどうしようっていうの?」
フレイヤさんが不思議そうな顔をする。
「そのイグドラシルの実で、ガリィの呪いが解けるって、ジャハルさんが手紙に残してました。」
するとフレイヤさんはなるほど、とうなずいた。
「イグドラシルの実は神秘の果実。一口食べればどんな体も健康になるの。
なるほど、その手があったわね・・・。ジャハルもなかなかいいこと言うじゃない。」
フレイヤさんは嬉しそうに言う。
一方
下水道で蠢く影があった。
「・・うぉぉお。ちくしょう・・・テスタメントォォ。嫌だ・・死にたくない。」
狂気に満ちた声がする。
「・・妙な気が感じられると思って来てみたら・・これは」
そこにはもう一人。女性の影があった。彼女はゆっくりその蠢くものに近づく。そしてその狂気の物体の前髪をかきあげた。
前髪の下には夥しい程の数の文字が刻まれていた。
「俺に・・・サワルナ・・・ぐぅぅ。」
彼女は息を呑む
「(これは、洗脳の呪。そして肩のエンブレム。間違いない・・・彼の仕業だ)」
女性はゆっくりと手を蠢くものの額に当て何やら呟いた。
辺りが一瞬明るくなった。
「貴方はまだ洗脳に支配されていない・・・。間に合う・・はず。」
彼が目を覚ましたのは何処かの部屋のベットの上だった。
レカード「・・・ここは?頭が・・・痛い。」
「気が付いたようね。」
部屋に一人の女性が入ってくる。手には聖水を持っていた。
レカード「あんたは?」
女性はベットの隣のイスに腰掛ける。金髪の長い髪が風に揺れていた。
セシル「私の名前はセシル。貴方が下水で倒れてたのを見てつれてきたのよ。」
レカード「下水?何故俺は下水なんかに?っ頭が・・。」
頭を抑え苦しむレカードにセシルは聖水を飲ませ落ち着けさせる。
レカード「・・すまない。何故だ、昔のことが何も思い出せない。」
セシル「(後遺症が続いているのね。)ふふ。沢山のゴキブリにでも囲まれて気絶しちゃったんでしょ。私だってそんな状況思い出したくも無いわ。」
レカード「・・・・。とりあえず助けてくれたことに礼を言う。」
セシル「気にしなくていいわ。」
セシル「あ〜でも。ちょっと手助けしてほしいことがあるのよね。」
レカード「言え。何でもしよう。」
セシル「そうこなくちゃね。」
ニヤッと笑う、彼女。レカードはその笑いに少し後悔の念を感じたが。今更断るとは言えなかった。
セシル「これから私の知り合いがイグドラシルの実を取りに行くみたいなんだけど影ながら見守って欲しいのよ。」
レカード「ふむ。よくは思い出せないが、あそこは随分危険な場所だったはず。その知人とやらは随分の手だれの様だな。」
セシル「いいえ。ノビよ。」
レカード「・・・・・。」
個人的に
>>240の設定の一部が気に入ったので(闇アサのマスターに古い知人がいるとこ)ちょっと流用してみました。
女性なのは趣味です。キモイナ俺(´д`;)
302 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/09 18:07 ID:TicpY9Mu
裏でそんな話が進んでいる中、僕らは…
「それでフレイヤさん。そのイグドラシルの実というのはどこにあるんでしょうか?」
「そうね・・・」
フレイヤさんは少し困ったような顔をした。
「実はそのイグドラシルの実が生るであろうイグドラシルという神木は、どこにあるのかよく分からないの。」
「え!?じゃあ・・・」
「でも、イグドラシルの実なら手がかりはあるわ…ただ入手は困難を極めるわよ。」
「えーと…どういうことですか?」
「極まれにモンスターがイグドラシルの実を持って生まれてくる事があるの。」
「!?」
「けれど、あるモンスターは高い確率でイグドラシルと共に生まれてくる…」
「そのモンスターというのは…?」
「…オークヒーロー」
「・・・・・・オーク?何ですかそれは?」
「人間と同じように、社会を営んでいる魔物がいるの。
それがオーク族よ。彼らは知能はそれほど高くないけど、腕力はものすごいわ。
たまに人間のいる町にまで降りてきて、人間を食べようとするの。」
うう・・・・人間を食べるのか・・・・。なんかこわいなあ。
「彼らオーク族の社会は、俗にいう階級社会。上下関係は厳しいわ。
その一番上の階級に属するのが、オークヒーローってわけ。」
フレイヤさんはそういうと、読んでいた本をパタン、と閉じた。
「はっきりいって、ノービス無勢がヤツにかなうわけがないわ。
ケイオス、ガリィ。あんた達が転職するなら、今しかないわ。
1次職になれば、あんた達の能力は格段に上がる。それでも厳しいけど・・・」
1次職。ガリィは剣士になるだろう。だけど、だけど僕は・・・・・
「ケイオス、あんたまだ職業を決めてないようね。ステータス言ってみな。」
フレイヤさんにそういわれたので僕は答えた。
そういや僕はSTRを1度あげてから、ステータスを上げていなかった。
今の僕のステータス、しいていうなら
STR10 VIT1 AGI9 INT5 DEX5 LUK1
こんなもんか。そしてゴキを倒してからのステータスボーナスがあまってる。
「なるほどね。あんたエライ中途半端ねえ。こりゃあ職業悩むわね・・・。
前衛から支援、そのステータスじゃどちらに化けることができるわ。」
フレイヤさんがうーんと頭を抱える。
「・・・・・ケイオスは素早いのが特徴だよね?」
今まで黙っていたガリィがたずねる。
「・・・・・まあね。素早い動きが僕のウリだから。」
僕がそういうと、ルナが言う。
「ならさ、シーフなんてどうかな?」
「シーフ?・・・・盗賊?」
「うん。シーフは敵の攻撃を避けて攻撃するのが特徴よ。
ケイオスのその動きから見て、シーフが一番いいかな、って。」
なるほど、盗賊か・・・・。かっこよさそうだ。
「ソレ、いいかもね。けど2次職は何になれるの?」
僕はガリィにたずねる。
>>ルナて・・・ガリィだよね?
307 :
306:03/08/09 19:37 ID:TicpY9Mu
あ、305への突っ込みでつ
ここはカコツケが集う国際網ですね
309 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/09 21:11 ID:5iKwOOhE
兄貴にほられて精液便器になりました
一方、ゲフェンギルドの砦では・・・
騎士「く、くそっ!コイツ人間じゃない!!」
プリースト「援護魔法も一切無視されるわ!」
ハンター「お、俺達助かるのか?!」
ゴゴゴゴゴゴ・・・。
月夜に照らされたゲフェンの砦は激しく燃え盛っている。
プリースト「きゃあぁぁぁぁっ!」
女性のプリーストは絶命の声を残し倒れた。
騎士「畜生・・・畜生っ!!」
前衛だったと思われるアサシン、ウィザードはすでに力尽きている。
「フフフ・・・素晴らしい夜だと思わないかい?」
漆黒の法衣を身に纏った姿が突如彼らの前に現れた。
騎士「き、貴様が長か?!」
騎士は喋るだけで精一杯の体力であった。
そう、このギルドに奇襲を仕掛けたのはテスタメントであった。
「ボクの名前はテスタメント。ここの砦を陥落させにきたんだよ。」
彼の後ろにはデッドリーレイスの集団が新たな血を求め唸っている。
「キミ達のギルドには少々てこずったよ。何せあれだけのプリズナーの集団を殲滅したんだから。そこの所は褒めるべきだと思うんだ。」
騎士「貴様がその化け物の長なら・・・貴様の命を絶つまでだっ!」
騎士はよろめきつつもテスタメントに斬りかかったがあっさり避けられてしまった。
「フフ。まぁ落ち着きなよ。ボクはキミ達の事が気に入ったんだ。そこで褒美の代わりといってはなんだけど、キミ達2人のどちらかを助けてあげようと思ってね。」
騎士「・・・何の真似だ?」
「助けてあげると言ってるんだよ。さぁ、ボクに助けて欲しいという意欲をアピールしなよ。」
テスタメントはフフリと笑った。
騎士「だ、誰が・・・」
ハンター「た、助けてくれっ!!」
さっきまで押し黙っていたハンターが哀願しはじめた。
ハンター「お、俺はまだ死にたくないっ!好きなカードでもゼニーでも何でもくれてやる!だから・・・命だけはっ!!」
312 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/09 21:24 ID:om3JLveq
「なるほど・・・決まったな。」
とテスタメントはどこからか現れた巨大な鎌をハンターの首に振り下ろした。
騎士「?!」
「こういう事だ。媚びているだけじゃこの世界は生き抜いていけないよ。」
テスタメントは首の飛んだハンターを見てクスクスと笑う。
騎士「貴様・・・その鎌、クレセントサイダーだな?何故そんなものを・・・。」
「キミの知る事じゃないよ。」
騎士はよろめきながらもまだ立ち上がった。
騎士「貴様は悪魔の使いか何かは分からないが、この世の人間の生を脅かす存在に成り得るだろう。俺は騎士だ。この命を代えても貴様を倒す・・・っ!」
テスタメントは表情を変えた。
「では死ね。」
騎士の胴体が鎌で切断された。上半身の胴体はエンペリウムに飛んでいき地面に転がった。
「さて・・・」
テスタメントがエンペリウムを一睨みすると一瞬のうちに粉々に砕けていった。
「・・・ん?」
その後ろに、ガクガクと声も出せないぐらいに怯えるマジシャンの女の子がいたのだった。
これまたカッコイイ展開で…つか、続きが気になって寝れません!(;´Д`)
315 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/09 22:00 ID:Kl2QlaoR
鎌・・・テスタメント・・・元ネタはあれか?
「まだ残りがいたのか」
テスタメントは少女に近づく。
一歩進むごとに少女も一歩後ずさるが、やがて壁に背がついてしまった。
「ぅ……ぁ、ぁ…」
「マジシャンの分際でこんな所にいちゃ駄目じゃないか。無駄に命を縮めちゃうよ?」
優しげな笑顔をしたまま鎌を振り上げる。
「!!」
マジシャンの少女は、腰を抜かして震えるだけで何も出来ない。
ぎゅ、と瞳を閉じて、これから来る確実な死に怯えるしかなかった。
だが。
いつまでたってもその気配が無い。
恐る恐る瞳を開ければ、目の前の黒衣の男は鎌を降ろして、自分をただ見下ろしていた。
「引き上げるよ、もうこの砦は潰した。用は無い」
ひらりとマントを翻し、男は去っていった。
テスタメントの背後で砦が赤々と燃えている。
「…フレイヤ…」
額を押さえてテスタメントは呟く。
「まだ、未練が残っていたのか…はは、甘いな…」
ごとり。目の前に何かが突然投げ出された。
全身が無残に千切れた、先程のマジシャンの少女の死体。
「ああ、ほんとてめぇは甘いなぁヒャハハハハ!!」
「…シャダイ」
「楽しそうなことしてるから見学に来てみりゃ、なんだ甘っちょろいことしてやがる!」
狂気を隠すことなく瞳に映す銀髪のハンターがそこにいた。
「てめぇの未練とやらは断っといてやったぜ、感謝しな!
…なんならもっと完璧に切ってやってもいいぜ?
文句は言わせねぇぜ?あのお方の命令だしなぁ!!ヒャハハハ!」
言うだけ言ってシャダイは闇に消えた。
テスタメントは、もはや物言わぬ少女の死体の前にかがみこんだ。
「未練を…断ち切る…か」
一つ言わせてくれ。ストーリー素晴らし杉!(;д) ゚゚
「くっ…」
その少女の亡骸を見ているだけで、気分が悪くなってくる。
この年頃の女マジシャンを見るとどうしてもフレイヤと重ね合わせてしまう。
しかし、このような感情は不必要だということは分かっている…
鎌を振り上げる…
「未練を……断ち切る!」
ドスッ!
鎌は振り下ろされた。
しかし少女の死体にはあたらず、地面に食い込んだだけだった。
「……やはり…できない…」
「どうしたのかしら?テスタメント」
ルナがいつのまにか後ろに立っていた。
「!……貴様には関係ないことだ。」
そういってテスタメントは立ち去った。
「フフッ♪…」
「2次職はアサシン!?」
「うん。そうだけど…」
アサシンといえばルナと同じ職業…
この前のことを思いだすと、シーフになるのは多少気が引けた。
「うーむむ…」
でもいいよなぁ…敵の攻撃を避けて攻撃か…
僕には敵の攻撃を避けれるというのが魅力的だった。
情けない話だが、痛い目にはあまりあいたくない。
「どうするの?ケイオス。」
「よしっ!俺シーフになるよ!」
「うん、ケイオスならきっとシーフになれると思うよ。お互いに頑張ろうね!」
そう言いながらガリィが手を握ってきた。
「うん、頑張ろう!」
その手にこたえるようにこちらも握り返した。
……
沈黙が続く。
(こ、これはなかなかいい雰囲気!?)
ふと気づくと、フレイヤさんが呆れたような顔でこっちを見ていた。
「そんなラブラブモードは人気のないとこでやってくんないかなぁ('A`)」
「ハッ、あわわわ。」
そう突っ込まれ、僕らは手を離した。
ここは図書館だったな。周りもこちらを見ていた。
どうでもいいがフレイヤさんは('A`)の顔文字が好きみたいだな。
「おぉぉぉい!!ケイオスどこだー!?武器はとっくにできてんぞぉ!!」
突然大声が響いてきた。
建物の中なのに、耳が痛いほどの大声だ。
こんな声の持ち主はあの人しかいねぇ…
「おーい、ストロンガスさーん!」
窓からストロングスさんの名前を呼ぶ。
するとこちらに気づいたストロンガスさんがまっすぐに走ってきた。
ほんとまっすぐ…
ってこれぶつかるんじゃ…
ドカーン
「えぇー!壁ぶっ壊しおったでぇ!この人ぉ!」
おもわず関西弁が出た。
ガラガラ
「ここにいたのかケイオス!俺が待つのは嫌いだってことは知ってるだろう!早く取りに来い!」
いやそんなこと知らないよ…
「ストロンガスさん壁…」
「ん?わはは豪快に壊れたな!」
「いや壊しちゃだめでしょう…」
「俺は王宮おかかえの鍛冶屋だぜ!?これくらいなんてことないぞ!!はっはっは」
なんという人だ…こんな人が王宮のおかかえ鍛冶屋なんて、この国はどうなってるんだ。
「どうだ!お待ちかねのイカレタ武器だ!」
なんか、おかしな単語が混じってるな・・・って!
「イカレタ武器っ?」
冗談じゃない・・・戦ってる時にぽっきり逝ったらどうするんだ・・・・。
「イカレタ武器だとぉ!?ヴァッカモーン!イカシタ武器だっ!耳ついてんのかお前は!?」
いや、絶対にアンタが先に「イカレタ武器」って言った。
「まぁ、そんな事はどうでもいい。これからはこの武器を使え。」
ストロンガスさんは、皮袋から二振りの剣を出す。
いや、片方は少々短い・・・。長めの短剣だろう。
「俺様特製の[ファイアスティレット]と[アイス環頭太刀]だ!」
なんか、随分と豪華そうな名前の武器だな。
「おまえさんにはスティレット、そっちの嬢ちゃんには環頭太刀だな。」
受け取ったスティレットを引き抜き、刀身を眺める。刃の紋は燃え滾るような赤い炎の様だ。
ガリィも環頭太刀を引き抜き、うっとりと眺めている。
「気に入って貰えた様子だな!いや。足りない材料をくすねてまで作った甲斐があるってモンよっ!」
え・・・・・?
くすねて作った・・・?
ストロンガスさんは自分に酔ってるのか、滝の様に涙を流しながらウンウン頷いている。
「それって、属性剣だよねぇ」
フレイヤさんも冷や汗を流しながらスティレットを見る。
「鉄鉱石だけじゃ、属性武器は作れないんだよね・・・・」
頭をポリポリやりながら、少々あきれた表情をストロンガスさんに向ける。
「いやいや、ジャハルの紹介のノビ共だ。上等な武器を与えなければ罰が当たるってモンよ。」
僕はジト目でストロンガスさんを眺める。
「そのノビに与える武器を作る為に、王宮の資材倉庫からガッポリ材料をくすねたとしても、神以外の誰が俺様を裁けようものかッ!!」
ストロンガスさん!それ絶対どっか間違ってる!
クホグレンもいつか登場してホスィ。('A`)
「よし!武器も揃ったことだ!!早速、転職試験受けてきやがれ!」
ストロンガスさんが叫びながら、僕の背中をバンッ!と押した。痛い・・・・
「いてて・・・・。転職試験なんてあるんですか・・・・?」
初耳だったので、ちょっと驚いた。ジョブレベルを10にするだけでいいと思ってたから・・・・。
「ケイオスはシーフ、ガリィは剣士。それでいいわね?」
「はい!」
僕とガリィは元気良く答えた。
「ガリィはプロンテラの衛星都市、イズルートにある剣士ギルドに行きなさい。
ケイオスはここからちょっと遠いけど、砂漠の都市モロク北西にあるシーフギルドね。
二人ともがんばりなさいよっ!」
フレイヤさんが応援してくれる。がんばらなきゃ!
「・・・・・・・しばらくお別れだね。」
ガリィが残念そうに言う。僕もガリィと別れたくなかった。ガリィと一緒にずっと旅してたい。けど・・・・
「・・・・どっちが先に転職できるか勝負だ、ガリィ!」
悲しい顔はやめよう。ほんの少しのお別れだ。
「・・・・・・・・・うん!」
ガリィもにっこり笑う。
「よっしゃあ!お前らがんばってきやがれ!転職できたら、またここの宿屋に戻って来い!」
ストロンガスさんの応援を背に、僕とガリィは各々の目的地へと向かった。
僕は途中でモロクまでの地図を購入した。なるほど、砂漠をつっきらなきゃならないんだ。
僕は気合をいれて、勇んで出発しようとした。
「・・・・・・・・・あら、シーフに転職するのね?」
僕の耳元に誰か囁いた。聞き覚えのある声・・・・・・・これは・・・・・
「ルナ!?」
僕は危険を感じてとびのいた。僕の前に、[闇夜の暗殺者]のルナがあらわれたんだ。
「なんの用だ・・・・・!僕をさらいにきたのか!?」
僕がグッともらったばかりのファイアスティレットをかまえた。
「あらあら、私ったらすごい嫌われようね・・・・・・。私は君のこと、嫌いじゃないんだけどな。」
「ふざけるな!」
く・・・・・最悪の敵に出くわしてしまった。勝てる確立はないに等しい。
ルナはウフフ、と妖艶な笑みをうかべた。
「安心しなさい。今日はあなたを連れ去る命令は受けてないわ。」
「・・・・・・? じゃあ何しにきた!」
「近況報告よ♪」
「ゲフェンのギルドアジト、私達が占領したわ。」
ギルドアジト・・・・・・・ゲフェン・・・・・・・
「これで私達ギルドの勢力がさらに伸びたわけなんだけど♪」
「・・・・・・・・・・・・・・なにがいいたいんだ」
僕がルナをにらみつけると、ルナはフフ、と笑う。
「ああ・・・・・・その憎しみに満ちた顔、素晴らしいわ・・・・・
ねえ、私達のギルドに入らない?あなたならきっと素晴らしい暗殺者になるわ。」
「何を言い出すかと思えばそんなことか!寝言は寝て言え!」
「いずれ私達は、ルーンミッドガッヅの支配者になるのよ?
そう遠くない話・・・・・・。みんなあなたを歓迎するわ。さあ・・・・・・」
ルナが僕に手をのばしてきたが、僕はそれをはらいのけた。
「支配者なんて、興味ない!僕はガリィ達みんなと楽しく毎日を過ごせたらそれでいい!」
ルナはそのまま高笑いをしはじめた。
「あははははは!!あなたにそんな毎日は約束されてないわ!
ほら、よく自分を見つめて?あなたの心の奥底にある憎しみ、怒り、悲しみ・・・・・」
「だまれ!!あっちにいけ!」
「・・・・・・ウフフ、言われなくてもそうするわ。だけどこれだけは覚えておきなさい。
あなたはきっと、私達の仲間になる。あなたにはその資格があるのよ・・・・・」
そういうと、ルナはスッと消えていった。
すまんが誰かここ三日分の話をよくわかるように説明してくれ。
書き手として、設定や話の流れがわからなくならないようにメモッてたんだが・・・。
破綻した・・・突如新キャラ登場!小難しい設定付き!話の展開早すぎ!
小説だから多少目を瞑るとしても、突込みどころも多いですよ!
情報量の多さに、書き手の漏れもいっぱいいっぱいです・・・読めば読むほどわけ分からなくなるし。
誰かヘルプ!漏れはもうだめぽ、さじを投げた。纏まらん(´・ω・`)ROMのみんなは、ちゃんとついていけてるかい?
う〜ん……三日分……どこまでは付いていけました?
レカード戦の結末まではOKですか?
>>331 たしかに途中ごっちゃごちゃになったからアレだな。
チョト待って、まとめてみるよ
セシルがリカードを蘇生させて、テスタメントが単身でゲフェ砦を陥落させて、ノビ2人は転職しに行って……え〜と。(´・ω・`)
三日分てゆうか三日前の方がわかりやすかったかな、すまん。
192以降かな
ジャハルは旅に出る、つーことで突然現れたストロンガス(いつ頼んだんだよ)
まぁ話の展開が早すぎる気もするが、別にわからないことはない。次の
>199-200ここ以降だなわからなくなったのは、(悲惨だなここ)
突然現れた新キャラ、下水で新キャラ、敵と戦闘中新キャラ、新キャラ云々じゃなくても
話が、展開しすぎ。ついていけんよ。
設定ばかり前へ前へ出てる感じ・・書き込みもなんかごちゃごちゃしてるしな
戦闘終了後もあるんですよ。急に視点が変わる、それも頻繁に・・・あっちこっちそっちこっち
その他突込みどころも多い・・・鉄鉱石は鉄より重いよ、ノビじゃそれほど持てないはず。
だめぽー((((´・ω・`))))−また頭が混乱してきた。
>>335 ふむ、お前さんの言いたいこと分かる。
1つ1つ、キチッとすすめさせたいんだが、急に新キャラだしすぎだなあ。
マーチャントのマー、セシル。まあストロンガスはおいといてだな。
レカードを生き返らせる必要は特にないはずだが。
テスタメントにしっかり殺させといたんだがな(´・ω・`)
俺ストロンガスVSレカード戦書いたんだが、ちょっとキャラ多いから
減らそうと思ったんだよね。だからレカード殺したんだが、なんか生き返ってさらに新キャラとは('A`)
マーにも無理やりブラストクリッポ渡してそのまま退散させようとしたが、
これはうまくいったかなあ・・・・。
鉄鉱石うんぬんはまあ、仕方ないだろ。視点が変わりすぎると、余計に伏線増えるから
あんまりコロコロ変えるのは好ましくないな。って自治だな、俺('A`)
─────────────────────────────────────
ケイオス─主人公。特別能力スキルハックで色々な─技が使える。
闇夜の暗殺者にねらわれている。狙われる目的は謎。シーフ目指す。
ガリィ─ヒロイン。剣士を目指す。脇腹に呪いを受け、ギルドに入れない。
イグドラシルの実で呪いとける。
※二人の今の目的は、イグドラシルの実の入手。しかし現時点では、
実を持つモンスター(オークヒーロー)を倒せる状態ではないので、1次職に
転職して力を上げようとする。
─────────────────────────────────────
──────────────────深紅の暁───────────────
フレイヤ─深紅の暁女ギルドマスター。今は図書館で本を読む。魔術師。
ランディ─聖職者。最近は出てこないが、教会で女の子をくどいてるらしい。
ジャハル─自分の力の弱さを知り、武者修行へ。クールな騎士。
※なお、ケイオスとガリィは「深紅の暁」のメンバーでない。
エンペリウムを壊されたため、現在このギルドは解体している。
───────────────闇夜の暗殺者────────────────
このギルドの目的は、ケイオスをさらうこと。ケイオスを闇夜の暗殺者の総統は知っている。
なおこの総統は闇夜の暗殺者とは別の組織かもしれない。
ルナ─女アサシン。妖艶かつ残酷。
テスタメント─ ダークプリースト。ネクロマンシーが使える。
フレイヤの兄だったが闇の力にとらわれて悪に。幼い子を殺すのには抵抗あり。
シャダイ───人殺しの快感にとらわれたハンター。
エロヒム───謎多き魔術師。
ツァバト───闇夜の暗殺者をまとめる。力は強大。
レカード───体を再生できる騎士。洗脳されていたらしい。
総統(オーラの男)───闇の暗殺者の総統。闇殺のギルマスか、それとも・・・・
※テスタメントらがゲフェンギルドアジトを陥落させる。勢力はちゃくちゃくと伸びてます。
<<レカード戦以降まとめ 1/3>>
私なりにまとめてみたんですが…色々間違っていたら容赦なく訂正をお願いいたします。
これ以上混乱してしまうともう…。・゚・(ノД`)・゚・。
たぶん一番ごちゃごちゃしているであろうレカード戦付近は、ストロンガスさんがハンマーフォール等で
レカードを倒すルートが採用されました。
で、ストロンガスさんとともに無事金ゴキを回収してジャハルさんが待つ宿屋に戻ると、
「イグドラシルの実があればガリィの呪いが解ける」
という書置きを残してジャハルさんは修行の旅に出ていたんです。
そして当初の約束どおりストロンガスさんが二人の武器を作ってくれることになり、製造の間ケイオスとガリィは
「イグドラシルの実」について聞こうと図書館にいるフレイヤさんを訪ねます。
<<レカード戦以降まとめ その2/3>>
その頃…倒したと思っていたレカードは、セシルという謎の女性に助けられていました。
テスタメントが施した洗脳の後遺症か、今の彼には記憶がありません。
その彼に、セシルは「イグドラシルの実を取りに行く知り合い(ノビ)がいるから、彼を見守って欲しい」
と依頼します。(多分ケイオスのことでしょう)
で、その後シーンはまた図書館に戻り。
フレイヤさんとの会話の中で、ケイオス達はフレイヤさんの生き別れの兄…テスタメントの存在を知ります。
(テスタメントの方でもフレイヤさんと生き別れたことはトラウマになっているようで、ゲフェン砦陥落の際も
別れた時のフレイヤと同じ年頃のマジシャンを殺すことが出来ません。)
<<レカード戦以降まとめ 3/3>>
そして、転職。
ガリィはもちろん剣士に。ケイオスはすばやさを活かしてシーフになろうと決心し、ストロンガスさん謹製属性武器も
手に入っていざ転職試験へGO!
しかしケイオスには「スキル・ハック」という特殊能力があり(レカード戦で初発動)、闇アサのマスターとも
なにやら深い繋がりがありそう…。(ケイオスは記憶を失っているような設定がちらっと出てきました。黒のノービス。)
とりあえず、イグラドシルの実を取りに行く前に転職、ってところでしょうか……。
───────────────その他───────────────────
ストロンガス── 王宮おかかえ鍛冶屋。腕は相当。ジャハルと知り合い。
マー ─────商人。ブラストクリップをもってどこかへ行った。再登場させる?
セシル────ぼろぼろになったレカードを介抱。聖職者。謎多し。
まとめたらこんな感じだ('A`)ノ
つーかとりあえず、このまま進ませよう。細かい矛盾はしょうがないとして、
これ以上キャラを増やしていくのは勘弁な。
まあ今のところ、いっても人物は15人ほどだ。こいつらをどう使うか。
さて、それではひきつづき、ケイオス転職編をお楽しみください。
あああ!0zcMOaJsさん割り込み申し訳ありませんっ!∧‖∧
多分これで規制…。
346 :
338:03/08/10 15:12 ID:zxAELOCS
>>345 いえいえとんでもない!
あなたの説明のほうが分かりやすくていいよ。
つーか規制厳しすぎ・・・・・。
1個言わせてくれ…
ア ー チ ャ ー が い ね ぇ !
余談なのかもしれないけど、シャダイ、ツァバト、エロヒムって名前って関連性あるね。聖書に出てくる神霊っぽい。(´∀`)
「うげ〜〜〜・・・・・・」
うだるような暑さの中、僕は一人トボトボと砂漠を歩く。
前を見ても砂漠。後ろを見ても砂漠。砂漠砂漠砂漠さb(サーバーとの接続がキャンセルされました
「ガリィは今頃、転職試験受けてるんだろうなあ・・・・」
そんなことをボーッと考えながら、ただひたすら歩く。
砂漠の都市モロク・・・・・・遠い。つーかこの地図ほんとに当ってるのかな・・・・
まわりには人の影さえ見えない。
変な卵の殻をかぶったヒヨコや、ペコペコ。そんなモンスターしかいない。
「ノド、渇いたなあ・・・・・・」
僕はリュックに入れてあるミルクをぐいっと飲みほした。
「うげえっ、ぬるい・・・・・」
暑さのせいで、冷えひえの牛乳もこのありさまだ。
キャンキャン!
何か鳴き声がしたので、僕は声のほうを向いた。
かわいい子犬だった。なんでこんな所に犬が・・・・・・
「おお、よしよし。お前も一人で迷子になったんだな。俺と一緒に行こう。」
僕はそのかわいらしい子犬を抱こうとした。
「キャンキャン♪」
カプリッ。・・・・・・・・・・・・・・あ?
「いってええええええええ!!!!!」
思わず大声を出してしまった。子犬のクセにやたらと鋭いキバで噛み付いている。
「おいおい、痛いから!離せってば!」
しかし子犬はうなったまま、僕の腕から離れようとはしない。
子犬の目は、まるで獲物を捕らえた恐ろしいオオカミのような目つきだった。
「こいつ、もしかして・・・・・・モンスターか!?」
僕はとっさにリュックからファイアスティレットを取り出した。
「あっちいけ!こいつ!この!」
僕が必死にスティレットをふりまわすと子犬は怯えたらしく、キャンキャン吠えてどこかに行ってしまった。
「くそー、油断もスキもありゃしないよ・・・・」
僕は再び立ち上がると、またそのまま歩き始めた。
まったく、いつになったらモロクにたどり着けるのだろうか。
「今日はここで、野宿かな。」
外はもうすっかり暗くなってしまった。幸い気温は昼間と比べてだいぶ涼しくなっていた。
僕は近くのオアシスにそのまま掛け布団をしいて眠った。
グルルル・・・・・グルルル・・・・・
僕のお腹の音?いやさっきご飯は食べたし。気のせい気のせい。
ガルルル・・・・・グルルル・・・・・
「うっさいなあ!眠れないだろう!」
僕はガバッと身を起こした。小さな子犬がちょこんと座ってる。
「・・・・・またお前かよ・・・・・頼むから寝かせてくれ」
僕はシッシッ、と手で子犬を追い払った。その子犬の後ろに大きな影が見えた。
「ガルルル・・・・・!!!!ガウッ!ガウッ!」
現れたのは、僕と同じくらいの大きさのオオカミだった。
「うわっ!?な、なんだお前ら!」
その大きなオオカミは僕の方にゆっくりと向かってきた。
立派な毛並みだ。リンとした表情。もしかして、この子犬のお母様?
「ってことは、お前オオカミだたのか!?」
言葉が通じるハズもない子犬(正確には子オオカミ)に僕は叫ぶ。
親のオオカミが僕に向かって吠え立てた。
「ガウガウッ!バルルル・・・・・!!」
やばい、このままじゃこのオオカミ親子に食べられる・・・・!!僕の頭に恐怖がよぎった。
しかし、オオカミ達は何もしてこない。ただバウバウ吠えているだけだ。
「な、なんだよ。くるなら早くこいってば!」
スティレットをかまえたまま僕が言う。しかしオオカミ親子は何もしてこない。
親オオカミは僕のリュックをじっと見て、そして僕に向かってまた吠えた。
「・・・・・・・・おまえら、もしかしてお腹減ってるのか?」
僕はスティレットをリュックにしまい、ミルクとお肉を取り出した。
「ほら、これが欲しいんだろ?」
僕は地面にそっとミルクとお肉をおいた。しばらく親オオカミはクンクンとニオイを嗅いでいたが、
少しずつ口にしはじめた。
子オオカミはミルクをピチャピチャなめている。
「なんだよ、腹が減ってるなら最初からそういえっつーの。」
ふう、と僕はそのまま腰を下ろした。
オオカミ親子はお肉とミルクをキレイにたいらげた。
「ったく、お前らのせいで俺の食糧なくなっちゃっただろう。
まだモロクにも着いてないのに、どうすんだよ・・・・・」
僕がグチをこぼすと、オオカミ親子は黙って歩きはじめた。
「おいおい、お礼くらい言えって・・・・。あ、モンスターか・・・・・」
しょうがねえなあ、と僕はそのまま眠りにつこうとした。
「バウバウ!バウバウ!」
親オオカミがけたたましく吠える。うっさい、もう食糧なんてないよ・・・。
オオカミ親子はじっと僕のほうを見て動かない。
僕が体を起こすと、オオカミはバウバウ吠えて歩き始めた。
まるで、「ついて来い」といわんばかりだ。
「・・・・・・・」
僕はそのまま黙ってオオカミ親子の跡をついていった。
それから何時間か、夜の砂漠を歩いた。
「バウッ!」「キャンキャン!」
オオカミ親子がさけんだ方向に、町のあかりが見えた。
「モロクだ!」
そう、オオカミ親子は僕をモロクにまでつれてきてくれたのだ。
「ありがと・・・・・・ってオイ!」
オオカミ親子はそのまま僕に背をむけて歩きだした。
「まったく・・・・・・。おーーーい!!ありがとなーーーー!!」
僕はオオカミ親子が見えなくなるまで手をふった。
こうして僕は無事モロクにたどりついたのだった。
女アサシンのルナ…彼女は何を考えているんだ…
僕やジャハルさん達を殺そうとしたのに、今度は仲間になれなんて…
考えれば考えるほど、わけが分からない。
彼女はいったい…
ふと振り返れば、プロンテラはすでに見えない所まできていた。
(暑いな…)
空は雲ひとつない快晴だった。暑さをしのぐ場所がない砂漠のど真ん中で、この快晴は辛いものがあった。
喉が乾いてきた。何か飲み物を持っていなかったかリュックサックの中を探ってみる。
(しまった…飲み物を持ってくるのを忘れてた…)
不覚だった。砂漠を通るのだから、飲み水のひとつやふたつ持ってくるべきだった。
(ここまで来て戻るのもなぁ……ん?…あ、あれは!!)
目の前にオアシスが見えてきた。
(オアシスだ!た、助かった。)
僕はオアシスまで力を振り絞って走った。
358 :
357:03/08/10 18:03 ID:6GvzUgMI
ハゥ!すでに書き込みが!357はスルーで!
359 :
331:03/08/10 18:11 ID:3Zdl8yhA
みんなありがd、ケイオスは記憶を失っている設定がどこで出たか、という新たな謎ができたが
おかげで落ち着いて情報を書き留めれそうだ。
>358
(´・ω・`)人(´・ω・`)俺も続き書いてたんだけどなぁ
360 :
345:03/08/10 18:23 ID:6n9Zrrev
>>359 えっと…
>>269-270で少し出たネタなんです。
残念ながらスルーになっちゃったんだけど、後々使えそうな設定かも、と思って
補足程度に載せておきました(´∀`)
>360
そこで出たネタだったか・・話の流れとは関係なかった所だから完全に読み飛ばしてた。
ところでこのスレってRO小説スレと言うよりも、ROを舞台にしたR小説だと思うんだが、
他の話は駄目なのか?他のROを舞台にしたR小説
今現在ケイオス編一本でいってるけど他のは駄目なんかねぇ・・とオモタダケ
やっぱ混ざって鬱陶しいからやっぱ無理かな?('A`)
>>361 他の小説とまじったらすごくややこしいんで駄目じゃないかなぁ?
今でも十分ごちゃごちゃなってるし。
ってかR小説ってなに?
思ったんだがな、書き込む前に一度リロードして、
他に書き込みがないか確認してから書き込んだら、
話がごっちゃにならないですむハズなんだがな('A`)
自分のせっかく書いた物語を無理に載せようとするから、
話がややこしくなってごちゃごちゃになるんじゃないかな。
まんまOを取っただけ。ROの小説と言うよりも、ラグナロクオンラインを舞台にしたラグナロクという小説・・・
RO小説ならこんなことも平気で書けそうなんだが
どうしたガリィ!返事しろガリィ!
しばらくして、ぽろろ〜ん、とやる気が削げそうな音と共にガリィが光に包まれた。
なにかあったのかガリィ!
光が消えたときには彼女の姿はありませんでした。
まさか中の人に何かあったんじゃあ・・・・・
さすがにこんな事書きこめんだろ、雰囲気にそぐわないし。
だから敢えて区別してみたんだが・・よく考えたら全然必要なかったなスマソ
>363
これは何故そうなるかROMにはわからないと思う(´・ω・`)
二編にメリットとデメリットを軽く考えてみた
デメリット 話が混ざって見にくくなる。
メリット 多重書き込みが多少減るかも・・・
だめぽー(´・ω・`)−ごめんなさい、これじゃただの荒らしだな・・吊ってきます
まぁあれだ、これ以上雑談したら邪魔になるだろうから雑談はやめとこう
つーわけでケイオス転職編、どうぞ〜
逆毛騎士の名前も決めた方がいいな。キルアとかどうだ?
逆毛はマンク・ルポで
「モロクとうちゃーく!!」
街の入り口を両足でぴょん、と飛び越えた。
さぁ〜て、この街にはどんな・・・・あれ?
妙に視線が突き刺さる。てゆうか、明らかにみんな僕の方を見ていた。
見るといっても、珍しい物を見るような目じゃなく、剥き出しのナイフのように鋭い目つきだった。
突然の恐怖に冷や汗が流れる。僕悪いことしたかなぁ。
オロオロとたじろいでいると、隣に座っていた中年の商人が声をかけてきた。
「にいちゃ〜ん、元気なのはええねんけど、夜中に急に大声ださんといてや・・・おじちゃん心臓止まるかとオモタわ」
「!!す、すいませんでした!」
すぐさま周囲の人たちにも頭を下げる。
「クスクスあの子、頭の中もノービスみたいね♪」
挑発するような笑い声が聞こえてきた。
情けないが、その通りなので落ち込みながらも歩みを再開した。
「えっとどこで転職すればいいのかな?」
地図をくるくる回転させながら見ていた僕に、
シーフの格好をした男が話し掛けてきた。
「やら(ryじゃなくって君シーフギルドを探しているの?」
「?はい、だけど見つからなくって・・・」
「ふーん・・・」
彼の目が僕のスティレットをみたとき、
彼の目が光ったような気がした。
「ついてきなよ・・・」
370 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/11 01:46 ID:9eMI1JSM
「助かります。ありがとうございますっ。」
恐い街だと思ったけど良い人もいるじゃないか。僕はシーフギルドに案内してくれると言う彼に付いていった。
モロク…砂漠で覆われた大陸の唯一の街。街の規模は首都に次ぐ大きさだが、雰囲気が正反対だな。もの珍し気にキョロキョロしていると、街の一角から賑わう声が聞こえてきた。
「クラウン6個目ゲッチュ♪wあっ。まにぴヨロwWw」
『ほいほい。つーかマンク強すぎー。』
「まぁねwWw」
どこかで聞いた声だと思ったら例の逆毛騎士さんだ。ホントどこでも見かけるよなぁ(汗
そして僕と彼はピラミッド内部へと入った
薄暗い廊下には蝋燭の光がぼんやりと映し出されていた。
度々襲ってくる蝙蝠を倒しながら地下への階段を降りた。
階段を降り真っ直ぐ歩いて行こうとすると彼が手を僕の前に出しこう言った。
「待て・・何かいる・・・」
何かを引きずっているような音が僕の耳に届いた。
そして薄明かりの中、見えたのは文献で見た
ミノタウロス という怪物だった。
『・・・こ、こんなの勝てる訳が・・・!』
すると彼は小さな笑みを浮かべこう言った。
「黙って見ていろ・・・シーフの戦い方を貴様に見せてやる。」
そして彼はミノタウロスに向かって走り出した。
そして死んだ
373 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/11 09:26 ID:eZsGJa3T
「...」
ミノタウロスッて、相当強いモンスターだよね、確か。シーフごときが1人で相手に出来るはずないよ..。
ふと気がつけばミノタウロスがこちらを睨みつけている。
サー...と血の気が引いた僕は、一目散に階段上ヘ撤収した..
374 :
_:03/08/11 10:00 ID:EL/go1Zp
375 :
1/2:03/08/11 11:37 ID:/6FFuWxj
そういえば・・さっきのシーフさんは!?
とっさにさっきまでいた場所に目をやる
「な・・・なにをやってるんですか?」
「ん・・・ん・・ん・・・プハァ!」
何か液体を飲んでる・・・
「早くしないとミノタウロスが来ますよ!」
僕が言葉を発した瞬間にミノタウロスのデカイハンマーが
シーフさんのいる場所にめりこんだ。
「シシシシ!シーフさん!」
376 :
2/2:03/08/11 11:37 ID:/6FFuWxj
「ったくうるせぇなぁ・・・」
シーフさんの声がした。
声の方へ目を向けるとシーフさんはいつのまにかミノタウロスの真後ろにいた。
「インベナム!!」
シーフさんが手をミノタウロスに向けてそう叫ぶと、
紫色の霧がミノタウロスを包み込んだ。
「グァァァァァァァ!」
ミノタウロスが苦痛の叫び声をあげ、ハンマーを落とした。
そのスキをシーフさんが見逃さずに攻撃をかける。
そこで僕は変わった光景を見た。
彼が攻撃をするとき一回のモーションで素早く二度目の攻撃をしている。
「グァ・・・ァァァ・・」
ドスン・・・・・
ミノタウロスは大きな音を立ててその場に倒れた。
「な?楽勝だっただろ?」
「す、凄い!シーフって、とても強いんですね!!」
ケイオスは尊敬の眼差しで見つめた。
盗賊は無邪気なノービスの顔を見て、にやりと顔を歪ませる。
「ま、精精頑張って、なんでも盗める盗賊になってくれや。」
ポンッと、ケイオスの肩を叩き、階段の方へ歩き出す。
彼の左手には美しいスティレットが握られていた。
使いこまれてなさそうなその刃は、刃毀れもなく、赤く光り輝いてるように見えた。
(あれ?敵と戦ってた割には綺麗だな)
なんとなく腰に手を当ててみる。あるべき物がそこには無かった。
(まさか!!)
「待ってください!あの…そのスティレットはもしかして……」
「お前さんの物だったやつだな、これがどうかしたか?」
既に自分の物になったかのように言う。返すつもりは無い、そんな言いぐさだった。
「か、返せ!!それは大切な物なんだ!」
「断る」
「こ、この野郎!」
ケイオスは激昂し、盗賊に跳びかかった。
「ふ〜ん…これが大切な物ねぇ。どこにでもあるただのファイアースティレットじゃねえか。それにな…」
軽やかなステップであっさりとかわす。
「ナイフも、ろくに扱えないノービスが武器だけは立派、ってのが俺は気にいらねぇんだよ!」
ドスッと強烈な蹴りがケイオスのわき腹に突きささった。
「あ……ぐ……」
その場に膝をつき、もがき苦しむ。
「これは没収だ、そのまま死ね!雑魚が!」
「くそぅ……待てぇ」
ケイオスが顔をあげたときには既に盗賊の姿は無かった。
379 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/11 14:52 ID:eZsGJa3T
「ふん。まぁ小銭程度にはなる代物だな。」
倒れ込んだケイオスを後目にピラミットを出てきたシーフ。
『ちょっといたずらが過ぎるんじゃないの?w』
「誰だッ」
意表をつかれたシーフはその声の持ち主の姿を見てギョッとした。
「お前は..いえ、あ、あの、あなた様は..」
足下からオーラを放つ逆毛騎士は呆けるシーフからスティレットを取り上げた。そしてキッと睨み上げると冷たく言い放った。
『二度とあの坊やに近づくなよ?...殺すぞ!!』
「ヒィィィィ」
腰を抜かしたシーフは這いながら街ヘ逃げてゆく。
騎士は無線機らしき物を取り出すと、どこかへ繋いでいる。
『もしもしぃw?ストロンガスぅw?』
「ガガッ...ああ、マンクか。どうだい?ケイオスの首尾は?」
『あぁ。ちょっち邪魔が入ったけど、もうじき転職出来ると思うよ?wWw』
おちゃらけた表情がフッと悲しみを帯びた顔になるマンク。
『絶対に守って見せる。今度こそ絶対に..。だから安心して?なぁ、ケイオス..いや、●●●●..』
砂塵の音にかき消され、マンクの声は聞こえない。
380 :
_:03/08/11 15:05 ID:EL/go1Zp
「あ。もうそろそろオシ降臨時間じゃ〜んww」
逆毛騎士マンクは手元の懐中時計を見つめる。
「ってこれ返さなきゃいけないんだよね。うはっwWw」
まばゆきオーラを放ちながらマンクはケイオスのところへ向かう。
「ぉ?ぉ?ケイオス君じゃ〜ん。何めそめそしてるの?w」
僕は目の前にいるいつか会った逆毛騎士の言葉など聞こえる由もなかった。
「あれれ〜?ちょっとちょっとAFK??www」
僕はオーラの光でやっと逆毛騎士の存在に気付いた。
「あ、いやその・・・」
「さっきの横取り厨のシーフにこれ取られちゃったんでしょ? はぃなww」
そういって逆毛騎士はさっき僕が取られたファイアスティレットを手渡す。
「こ、これは・・・?!」
「あ〜いうのには気をつけてねwノービスを狙って身包み剥いでいくシーフもいるから(ムカ」
「・・・あ、ありがとうございますっ!!」
僕は何度も何度も頭を下げてお礼を言った。自分の目は嬉し涙で溢れている。
逆毛騎士は照れながら
「う、うはっwそんなにお礼をいう事じゃないよ〜。一応スト・・・ストームナイトって強いよね?(汗々」
何か口篭もっている逆毛騎士さん。・・・と僕はふとある事に気がついた。
「あ、あの、何で僕の名前を?」
逆毛騎士さんはギョッとする。
「あ、え?・・・ほ、ほら、さっき自己紹介してなかったっけ?w」
「いえ・・・してませんけど・・・?」
逆毛騎士さんは青ざめている。
「ま、まぁ、とりあえずw俺の名前はマンク・ルポ。マンクって呼んでねぇ〜wWw」
マンクさんは頭をポリポリとかいている。しかしそれにしても立派な逆毛だ・・・。
「あ、あの!」
「うん?www」
「僕今からシーフに転職しようと思っているんです!でもシーフギルドってピラミッドのどこにあるのか分からないんです。」
マンクさんは手元の懐中時計に目を向ける。
(うはっwもうオシ出てくる時間じゃん!・・・まっいっかwWw)
「それじゃあシーフギルドに案内してあげるよw」
「え?」
「気にしない気にしな〜いw」
「あ、ありがとうございますっ!!」
「www」
マンクさんはニコリと笑うと、何か思いついたのか持っている袋から何やらゴソゴソと取り出した。
「じゃじゃ〜ん!+7木琴マフラー!!wWw」
「え?木琴??」
マフラーなのだが、木琴ってあの楽器の打楽器・・・?
「正式にはモッキングマフラーって言うんだ。だから木琴wwwこれ装備すると凄く敵の攻撃避けれるようになるのよ。それで避けてナンボのシーフに転職するケイちゃんにプレゼントっ!!(ぉ」
「い、いいんですかっ?そんな凄いもの・・・(しかしケイちゃんって・・・)」
「いいよいいよぅ〜!倉庫にまだ5個ぐらいあるし、今俺が装備してるの木琴マントだしwWw」
僕は今まで変なキャラだと思っていたマンクさんの優しさに本当に感謝していた。
「あ。あとシーフにならないとたぶん装備できないかな?マフラーはノビたんだと装備できないし(核爆」
「そ、そうなんですか・・・」
なるほど・・・。職業によって装備できないものもあるのか・・・。
マンクさんは僕にモッキングマフラーを渡した後、そのまままたどこかに行ってしまった。
なにやらオシリスだの、カードだのブツブツつぶやいてたけど・・・・・。
シーフギルドに入ると、一人のお姉さんがイスに座って新聞を読んでいた。
お姉さんは僕の方に気がつくと、新聞をめんどくさそうにしまって、
「何かよう?」
とぶっきらぼうにたずねた。
「あ、あの転職試験受けにきたんですけど。・・・・」
「そう。じゃ、ここに名前書いて。」
渡された用紙に僕は名前を書いた。
「あの、転職試験って何をすればいいんでしょうか。」
僕は少し緊張しながらたずねた。
「なに、簡単よ。近くのキノコ農場からキノコ盗んでくるだけね。」
「え・・・・・ぬ、盗むんですか?」
「そりゃそうよ。盗賊なんだから。」
「そのキノコって、盗んでもいいんですか?」
「は?ダメだから盗むんでしょ。ほら、農場まで送ってあげるからそこに立って。」
うう、なんかムチャクチャだなあ・・・・・。うまく盗む自信なんかないよ・・・・。
「そうそう、農場の地主、警備のためにモンスター放ってるから。
紅の毛網キノコが1つ3点、紅の毛ベトベトキノコ1つ1点。
25点以上キノコ盗んできたら合格ね。」
お姉さんはサラッと話を流し、僕を農場まで送ってくれた。
大丈夫かなあ・・・・・
387 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/11 20:44 ID:1kpepyfW
じめじめべとべとじめじめべとべ(ry
キノコを生やす為とはいえ…うう…薄気味悪い…っていうか気持ち悪い。
「ええっと…キノコキノコ…あった!」
早速キノコを取ろう…もとい盗ろうとスチレットを抜いた。
ガスッ!(1ダメージ)ガスッ!(1ダメージ)
「硬ぇぇぇ!!なんだよこれ!!」
地面にしっかり根付いているキノコはそう簡単に千切れない。ようやく一つキノコを手にした時には結構手が痛くなっていた…。
こんなに時間かかっていると警備のモンスターとかいうのが来ちゃうなぁ。
するとぶーーーーーーーーーーん…という耳障りな羽音を奏でつつ蝿が飛んできた。
足元にはちっこい芋虫がいる。
チョンチョンとファブルかぁ…だからこういうジメジメした所は嫌…
ガジガジガジガジガジガジガジガジガジ!!
「いでででででででで!!!」
何でこいつらがいきなり襲ってくるんだ!?
388 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/11 21:20 ID:dL0ahw8f
389 :
_:03/08/11 21:43 ID:iZX7k5Ob
僕はファイアスティレットでファブルとチョンチョンを切った。
ザシュウウ!!プスプス・・・・
煙を出しながらファブルらはあっけなく倒れた。
「へへん、だてに強敵と戦ってきたんじゃないんだ!」
僕は気を取り直してキノコを探す。
しかし、ここのモンスターは相当飼いならされてるな・・・・・。
「お、またはっけ〜ん!」
僕はキノコに近寄った。このキノコも硬いんだろうなあ・・・・
「んに〜〜〜〜!!」
突然キノコが地面から飛び出した。
391 :
結構実話:03/08/11 22:04 ID:ZKtrMSz/
しかし茸のあとに待っていたのは、グールだった。
【シフクエスト内テロ】
茸どころじゃない。
「何ィィイィィ!!!?」
逃げるまもなくグールに攻撃を食らった
「グヘァッッ!」
グールを退治すると
暗闇の奥からモンスターらしき声が聞こえる
「さっきの飛び出してきた茸・・・スポアか」
スポアにしては小さい気もしたが
僕はそのスポアの攻撃に備えファイアスチレを身構える
・・・
「向かってこないのか・・・?」
僕はファイアスチレを身構えたまま
恐る恐る先程のスポアに近づく
「ん、んにぃ・・・」
その小さいスポアは外敵に怯えているのだろうか
壁の僅かな隙間に隠れて震えている
敵意は・・・無いようだ
「安心しなよ、僕は君には攻撃しない」
10分後
「んに〜〜」
「ついてくるなよぉ〜」
393 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/11 22:34 ID:jxFAI7/W
グールを退治すると…って。ケイオスつえぇ…。 カタコンの魔物だぞ…
そもそもグル高橋を無理矢理登場させるのが間違い。シャクティ。
395 :
結構実話:03/08/11 22:53 ID:ZKtrMSz/
>>394 本当に遭遇したんですよ・・・困ったものです。
グール=グル=教祖=・・・
な、なんだtt
スポアはこっちへ来いと合図をしているみたいだ。
とりあえず僕はスポアに着いて行く事にした。
少し歩くとスポアが立ち止まった、そこには・・・
地面一面にキノコが生えていた。
それはまるで赤い絨毯の様な綺麗な深紅色だった。
そしてその近くには看板が立てられていた。
『マギー司郎の秘密の花園』
見なかった事にしてキノコをたくさん持っていく事にした。
「これが…3点でこっちはベトベトだから1点…合計65点。…めちゃめちゃ盗ったわね、あんた」
「え?い、いけませんでしたか…?」
「いいえ。むしろすごいわ。おめでと!合格よ」
やった!これで転職だ!
「あ、ありがとうございます!」
「こらこら、盗賊になったのにそんな喜んでどーすんのよ」
と呆れた口調で言いながらも、お姉さんはニコニコ顔だ。
「そんじゃ…、新たな仲間に砂と風の祝福あらんことを」
お姉さんが指をパチンと鳴らすと、僕の服が一瞬でシーフの格好に変わった。
ピラミッドを出た時にはもう夜が明けていた。商人たちが慌しく仕事の準備をしている。
この世界の何もかもが、初めてみたかのように思えた。
よーし、プロンテラに戻って、報告しないと!
そういえば、ガリィは今頃どうしているかなぁ…
───君は私が今から連れていくダンジョンの出口に向かってすすむだけだ───
剣士ギルドの男の人に言われた通り、私は今ダンジョンの出口に向かっている。
だけど───
「はあ・・・・はあ・・・・こわいなあ・・・・」
たった一本のほそい丸太の上を、私は恐る恐る歩く。
油断したら、今にも奈落の底に落ちてしまいそうだ。
「剣士たるもの、バランス感覚も大事なのね・・・・・って、あらら!」
ブーン・・・・・
前からチョンチョンが私の方に飛んできた。
「ちょっと、こんな細い丸太のうえで!?」
私は仕方なくアイス環頭太刀をかまえた。
「はっ!」
「ほよよ〜」(断末魔)
あっけなく力尽きたチョンチョンは丸太に一度こつんと当たって、それから闇の中へ落ちてひった
「・・・」
チョンチョンが落ちていった。
チョンチョンが丸太の下へ落ちていった。
チョンチョンが落ちていった丸太の下には何もない。
チョンチョンでなくても、丸太の下にいったら落ちていく。
この環頭太刀でも、あたまにつけているリボンでも、私でも
丸太の下で手を離せば落ちていく。
「・・・はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・!」
バランスを崩さないように。同じリズムで。同じ歩幅で。
丸太にそって、ずっと同じように動けば絶対に落ちるはずはない。
いつも歩いてる道と変わんないじゃん。ただ横になにもないだけ。
足元の丸太だけ見て。そう。あと少し。渡りきったらすこし休もう。
ほらもう少し。あと6歩。5歩。4歩。3歩・・・2歩!1歩。
「きゃ」
あ、危なかった・・・・・・・・・・・
ふと気づいたら汗だく。そういえば私汗ばっかりかいてるな・・・
ケイオスがたまにじっとこっち見るのって、もしかして「こいつ汗くさい」とか
思われてんのかな・・・
騎士になるってのは大変だ。そんなことを考えながら、足元の光を踏む。
疲れたからって休んでる場合じゃない。
騎士になったらそんな油断は命取りだ。
「心構えだけは立派なんだよな・・・私」
とりあえずこれで合格。
ひとつため息をつくと、目の前にまた光が広がった。
爽抹茶|シャリ(・ω・)シャリ
僕は体がとても軽くなるのを感じた。
「シーフの目玉、それは蝶のように舞い、ハチのようにさすこと!
敵の攻撃を見切ることが、シーフに一番大切なことよ。」
僕がシーフギルドを出るまえ、おねえさんがそんな事を言ってた。
「僕の体に力が満ち溢れてる・・・・・!!早くプロンテラに戻ろう!」
とりあえず砂漠の都市モロクに向かった。
「モロクでとりあえず食糧買わなきゃ・・・・・」
また砂漠を歩かなければならない。
僕が肉屋さんを探していると、女の人がこっちにやってきた。
「おやおや〜、旅立ちですねシーフさん。」
金髪のツインテール。メイドのような服を着ている。
「はい。ちょっとプロンテラまで・・・」
僕がそういうと、ツインテールの女の人がポンッと手をたたいた。
「そんなあなたにカプラサ−ビスですよ☆」
カプラサービス?何だそりゃ?
「あれれ〜、あなたもしかしてカプラサービス知らないんですか?」
「は、はい・・・・・。」
「カプラサービスはいつもあなたのそばにいるんですよ☆
旅の冒険者の支援、それがカプラサービス!
倉庫の使用からプロンテラまでの転送!あなたのお悩み解決します。」
「え、プロンテラまで送ってくれるんですか!」
僕は嬉しかった。あのクソ暑い砂漠を歩かなくてすむからだ。
「普段ならちょっとお金をいただきますが、あなたはカプラサービスのご利用が初めてのようなので、
今回は無料サービスで送ってあげましょお!」
ただ?それはラッキーだ!
「ありがとうございます!えと・・・・・」
カプラさんはにっこり笑って言った。
「私の名前はカプラWです☆嬉しいな、私の名前に興味もってくれて。
私の名前なんか聞く人いないですからね。いっつもカプラさんて呼ばれてるし・・・。」
ちょっと寂しそうにカプラWさんが言った。
「私の他にもお姉ちゃんがいるんです。私は末っ子なの。見かけたらよろしくね。
それでは、転送〜!」
僕はそのまま一瞬でプロンテラに着くことができた。
プロンテラにつき歩こうとした矢先
凄まじい殺気を感じ ケイオスは動けなくなった。
(な、なんだこの殺気は・・・動けない・・・)
周りの人々は平気でケイオスの側を通り過ぎていくなか
ケイオスだけは動く事ができずにいた。
(くそっ・・・どこからだ・・・この殺気は・・・)
すると前から一人のアサシンが歩み寄り
ケイオスの喉元に尖った凶器を突きつけて耳元で言った。
「殺ろうと思えばいつでも殺れる。
だがそれではつまらん。
強くなり・・・この俺を楽しませてくれよ。」
そう言い放ち、アサシンは人混みの中へと消えていった。
すると殺気で動けなかったケイオスの体が動くようになった。
『くっ・・・何だったんだ今のは・・・』
これ以上敵キャラ増やすのはややこしいからやめてくれ…('A`)
408 :
406:03/08/13 03:05 ID:kAo8Jrbx
>>407 あ、ごめんよ
じゃあ
>>406はスルーでお願いします
ほんとごめん。・゜・(ノД`)・゜・。
409 :
こじつけ:03/08/13 03:19 ID:Ep/m1uR7
Zzz・・・ん、んん・・・.はっ、ここは・・?
・・そうだ、Wさんがプロンテラに送ってくれたあと、足元に何か四角いのがあって踏んじゃって・・
えーと・・寝てしまったんだ。
「変な夢を見たなあ」
夢に出来たアサシンでまたルナのことを思い出してしまった。
・・・うう、腹が減った。そういえば結局モロクで肉は買えなかった。
ん?Wさんが他の町にも同じような人がいる、って言ってたっけ。
その人を探してみよう。食べ物売ってる場所教えてもらえるといいなあ。
このとき僕は空腹のせいでガリィのことを半分忘れていた。
その「同じような人」(カプラサービス…だっけ?)はアッサリ見つかった。
・・・たくさんの人が寄ってたかって倉庫を開けさせたり、空間転送サービスとかいうのを頼んだりしていたから・・・
なるほど、冒険者には欠かせないサービスをしてくれるのか。本当に至れり尽せりだなぁ。
そのカプラさんは、傍から見ててもとてつもなく忙しそうだったけど、絶対に笑顔を崩さない。
すごいプロ根性だなあ・・・。
客が途切れるのを見計らって、僕は食べ物を売っている場所を尋ねた。
それはもう懇切丁寧に名物料理露天やらなにやら教えてくれたのだけれど
後ろで「早くしろよ!!」とか「倉庫使いたいんだから!!」とか怒号が聞こえまくってる・・・。
ご、ごめんなさい・・・。
カプラさんに教えてもらった露天に行ってみた。
骨付きのままの肉を焼いていたのだけれど・・・うわぁぁぁぁぁ…(*´∀`*)なんていい匂いなんだ…
す、空きっ腹にはたまらない!!
「おじさんそれ1本下さい!」
・・・いや、僕じゃなくて、横から突然別の誰かが肉を買っていったんだ。
でも、その声は僕はしっかり聞き覚えがあった。
「ガリィ?」
「??・・・・・・・・・!?ふぇいふぉふふん!?」
厚手のロングスカートに鎧を着込んだ、銀髪の女剣士。
雰囲気は全然ちがうけど、ガリィだ!!
でも…感動の再会のはずなんだけど…肉食べたまま話すのよそうよ…
412 :
1/2:03/08/13 05:37 ID:XiueQm/z
「ぐぅぅぅ・・・」
また腹の虫が鳴いた。
こんな人ごみの中で鳴かれるとだれかにきかれそうだよ・・。
はやく探さなきゃ。
「どいたどいたどいたぁぁぁぁぁぁ!!!」
後ろからドドドドという音と聞き覚えのある声が聞こえる。
「こ・・・この声は・・・」
「PC3のマーちゃんのお通りだよぉぅ!!」
目の前にノロノロと息を切らした商人が止まった。
「えっと・・・あの・・どうなさったんですか?」
「ゼー・・君・・・ゼーあのゼー時のノービスさんゼーだよね?」
なんだか息切れしてて良く聞こえないけど
僕のことを言ってるらしい。
「これ転職祝い・・・ね」
カートからなにやらゴソゴソと大きな袋を出した。
「ハイ!ちゃんと彼女の分も付けといたから!」
「あ、ありがとうございまsってああの子はただの友達ですよ!!」
声が大きすぎてまわりに聞こえたらしい、クスクスという笑い声が聞こえる。
僕はあまりの恥ずかしさに赤面した。
>>412をふまえつつ
>>411の続きで
「ひょっほまっへへ・・・んぐ・・・けほっ・・・ごしごし」
口の中に残った肉をくちゃくちゃと噛んで飲みこんであわてて咽るガリィ。
ちょっとかがんで口の周りを拭くと、こっちを向いてにっこり微笑む。
「ケイオス君、ひさしぶりだね。」
ふわりと銀色の髪がなびく。肉のいい香りがただよう。
口のまわりにまだ脂身ついてるし・・・
「ひ、ひさしぶりだねガリィ。転職おめでとう。」
「ありがとう。ケイオス君も転職おめでとう。」
僕は改めてガリィをみた。
「強くなった…みたいだね。」
「そうかな?でもケイオス君も強くなったんじゃない?」
「えへへ…実は自分でも強くなった気がするんだ。」
本心でそう思っていた。
ノービスの頃に比べ体が軽くなったような気がする。
逆毛さんにもらったマフラーの効果もあるんだろうけど…
「じゃあこれからは頼りにするよ?ケイオス君。」
「う…頼りにされちゃちょっと困るかも…」
「……」
呆れた、という顔をされた。
強くなった気はしたが、目の前にいるガリィと比べると自分が弱く感じられる。
「まあ二人とも無事転職できたんだし、ストロンガスさんが待ってる宿屋に行きましょうよ。」
「そ、そうだね…」
行く途中ですごく気になってることを言ってみた。
「ガリィ…脂身ついてるぞ。」
「な、何言ってんのついてねえよ!全然ついてねえよ!」
「いや、ついてるよベタベタ!そこを否定すんなよ!」
「……」
「……」
宿屋についた。
416 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/13 18:47 ID:wh9K+MtX
某ジャガーですか?
「おう、おめーら。無事に転職できたみてぇだな!」
ストロンガスさんは斧の手入れをやめ、こちらの方を見た。
「はい!途中で逆毛の騎士さんに色々と助けてもらったり・・・」
「私は落ちそうになりながらも必死に・・・ああ、思い出すだけでゾッとする〜。」
僕らは転職するまでの経緯をストロンガスさんに詳しく説明した。
ストロンガスさんは突然思いついたように僕らに
「おっと、そうだった。ランディの事なんだが・・・。」
と話はじめた。
どうやら闇夜のメンバーのシャダイというハンターに襲われたそうなのだ。
「それがよぅ・・・追われるランディを見付けて、加戦しにいったのはいいんだが、悲しい話俺じゃあ歯が立たなかったんだなこれが。」
ストロンガスさんは悔しそうに話す。
「普通、ハンターってのは相棒で鷹連れてるだろ?それがな、そのシャダイっていうサイコ野郎、あのグリフォンって化け物を相棒にしてやがるんだ。しかもシャダイ本人も強いときた。」
グリフォンって聞いたことがある・・・伝説上の話だけだと思っていたけど・・・
「まぁ、さすがの俺様でもそんな奴等相手にする事すらできないから、ランディには首都にいるのはやめておけって言った訳よ。んでたぶんアイツの事だろうから今はコモドにいるだろ。ナンパにも最適な場所だしな。」
「ぶ、無事にランディさんは逃げ切れたんですか?」
ストロンガスさんは煙草をふかせる。
「ん?あぁ。逃げるのは速かったよ。自分の速度上げてテレポート。路地裏でポタで移動したんだな。」
僕とガリィはホッと胸をなでおろす。
「しっかし、異常な奴等敵に回しちまったよな・・・前途多難だわ」
そういって、ストロンガスさんは窓を開け空を見上げた。
「ん?」
ストロンガスさんは何かに気付いた様子で壁をジロッと見る。
「どこの誰かは知らねぇけどよ、隠れてないでサッサと出てこいや。」
『成程。さすがトリスタン王お抱えのブラックスミス。察知力もなかなかのものだな。』
そういって、壁から現れたのは漆黒の羽衣を纏ったエロヒムであった。
「お、お前は誰だ??」
僕は短剣を構える。
「自己紹介が遅れたな。私はエロヒム。闇夜の暗殺者の術士隊の長だ。」
とても冷たい雰囲気だ。同時にとてつもない法力を持っていることは簡単に理解できた。
ストロンガスさんは尋ねた。
「んで、その術士隊の長あろう方がじきじきに俺等に何の用だい?」
エロヒムは顔色変えずに答えた。
「ジャハル、フレイヤ、ランディの処理が我等がマスターから言い渡された。お前達にはこれから深入りしないように忠告をしにきたのだ。」
「忠告・・・??」
僕は言い放った。
「ジャハルさん達のギルドは解散した!なのに何で殺すまでしなきゃいけないんだ!?」
「あの御方の命令だ。任務に変更はない。命令であれば抹消する。それが我等のやり方だ。」
ガリィが体を震わせながら口を開いた。
「・・・まるで・・・命令どおりに動く人形ね。」
「何とでも言うがいい。」
このエロヒムという男、全く感情がないのか。ガリィの言う通り、機械的な感じがする。
「それと、ケイオス。お前は我等の任務に介入する事は許されない。大人しくしている事だ。我等はお前に危害を加えてはいけないからな。」
「ど、どういうことだっ!」
僕はエロヒムと名乗る冷徹なウィザードに斬りにかかった・・・がストロンガスさんに制止された。
「・・・さっきから黙って聞いてりゃよう。俺が仲間を見捨ててハイそうですかって引き下がると思ってんのか?」
ストロンガスさんはそう言うと、自慢の斧でエロヒムに斬りにかかった。
「私の用は、残りのメンバーの居場所の把握。そしてお前達への忠告だけだ。今回は戦う気はない。」
「だが・・・。」
ストロンガスさんが斬りかかった瞬間、エロヒムは斧の刃を指先で掴みストロンガスさんの動きを制止させた。
「こ、こいつ・・・術師のくせに何て馬鹿力なんだ・・・っ!」
ストロンガスさんは斧を動かす事すらままならないようだ。
「ストロンガスさん!」
ガリィは剣を構えた。
「や、やめろ。お前のかなう相手じゃあねぇ!」
「そういう事だ。」
エロヒムは指先に力を加えたかと思うと、なんと斧を熱により溶かしてしまった。
「お、俺の自慢の2HAがぁっ!」
「一目に付く場所での戦闘は利口ではない。私はこれで失礼する。先の忠告を忘れない事だ。」
そういうと、唖然としているストロンガスさんを前に、エロヒムは黒い羽衣を舞わせ空間のひずみに消えていった・・・。
僕等は今起こった事実にただ呆然としているしかなかった・・・。
「なんてやつらだ…」
ストロンガスさんは溶けてしまった斧を見つめそうつぶやいた。
「ランディを襲ったハンター…そしてさっきのエロヒムというウィザード…」
そして、斧を布で包み、その場に置いた。
「この斧は…もうダメだな。」
「……」
沈黙が続く。
口を開いたのは案の定ストロンガスさんだった。
「ふぬんがあぁぁぁぁ!!!」
突然の雄叫び(?)に僕らは驚いた。
「思いだしただけで腹が立ってくらぁ!畜生め!俺の斧を溶かしやがるとは…!!覚えてやがれよぉ…」
「ス、ストロンガスさん目が怖いです…」
「ふぬぅぅ…しかし、あんなやつに斧を溶かされるとは俺もまだまだだな…」
イスにどかっと座り、目をつぶった。
怒りを静めてるみたいだ。
「ケイオス君…」
ガリィが口を開いた。
「どうしたの?ガリィ」
「あのエロヒムって人が言ってた、ケイオス君には危害を与えないっていうのは…」
「それは俺も気になっていた。ケイオスお前あのギルドと何か関係あるのか?」
そういえばそんな事を言っていたな…。
でも僕は、なぜ彼がそんな事を言ったのかまったく分からなかった。
「分からないです…」
「…そうか。それにしても不自然だな。」
「?」
「奴らほどの使い手ならば、俺たちに気づかれずにジャハル達を殺すことができるはずだ。それをわざわざ忠告までして…」
「そういえば…」
「何をたくらんでやがるんだ、奴らは…」
「あ、あの・・・僕ちょっと考えたんですけど・・・」
ある考えがひらめいて、僕は口を開いた。
「何だ。」
きっと意識はしていないんだろう・・・
ストロンガスさんはいつになく厳しい視線でこちらを見た。
「あいつら、僕に何かをさせようとしてますよね。何なのかはわからないけど・・・
その・・・僕が・・・動くべきなのかも」
「駄目だ。」
あっさり遮られた。
「自分でも分かってないんだろ。だったら下手なことはするな。
よく考えろ。確かに理由は分からん。だが奴らはお前を恐れている。」
ガリィがこちらをじっと見ている。
「いいか。これから、お前に起こった出来事は全て俺に報告しろ。
そして他の奴には言うな。」
「ガリィにもですか?」
「当然だ。ガリィを危険な目にあわせたいか?」
「・・・」
「どうやら、お前さんのことを少し調べにゃならんようだな。」
そういってストロンガスさんはぼりぼりと頭を掻いた。
「ストロンガスさん・・・すみません、僕のせいで・・・」
「ハッハッハ、心配すんな!売られた喧嘩を買ったまでだ。
こいつの製造代は高くつくぞ。」
溶かされた斧に手を置いてにかっと笑う。
ガリィは少し離れて、何だか泣きそうな顔で窓の外をじっと見つめていた。
「…おい、そんな心配すんな。お前らはジャハルから預かった大事な仲間だからな。俺にまかせとけ」
ストロンガスさんはガリィに向かって言った。初めて聞く、優しい口調で。
「あの、どうして…そんなによくしてくれるんですか?」
「ジャハルの頼みだからだ」
ストロンガスさんは即答する。
「夜中にいきなり来て、お前らを守ってくれと言ってきた。
あいつがそんな切羽詰って来たのは初めてだったからな、一も二も無く引き受けた。
そういうわけだ!だからまあ、なんだ、そういう泣きそうな顔をしないようにだなぁ…」
顔をぽりぽりかきながら、最後は言いにくそうに小声になってしまっていた。
「ストロンガスさん…はい、ありがとうございます!」
ガリィは微笑んだ。まだ少し泣きそうだったけれど。
「じゃあ、ケイオス。お前出身はどこだ?」
「…え?」
「だから、どこから来たんだお前は?」
「えーと、初心者修練所…」
「じゃーなーくーてーだーな!!どこで生まれたんだお前は!!」
「…」
どこで…って…えーと…えっと…
あれ?
「おい、どうした?!」
「…わかりません」
「どうしたの、ケイオス君?あ、もしかして地理がわかんないとか?」
それもある、それもあるけど…
「じゃあどこか近くの大きい街の名前分かる?アルベルタ?フェイヨン?アルデバラン?」
ガリィが出してきた街の名前全てに首を横に振った。
「そんなド田舎から来たのかケイオス?」
「いや、そうじゃなくて………」
ストロンガスさんとガリィが訝しむ。
…僕は、どこで何をしていたんだ?
僕の出身地・・・・
頭を振りつつ、思い出すように記憶の糸を手繰る。
暗い記憶の底に、何か風景が浮かぶ様な気がした。
人々の絶叫と、血河のイメージ・・・。
そして・・・。
「大丈夫?」
ガリィが僕の顔を覗き込む。
「いや、大丈夫さ。」
「だって、いきなり凄い汗流すからさ。」
思わず顔を拭うと、手にはベットリと汗が纏わり付く。
「無理に思い出す必要は無いぞ若造!その内にでも思い出せばいい!」
ストロンガスさんが豊かなヒゲを撫でながら言う。
「まぁ、ケイオスはともかくとして、私はアルベの離れ島のキュプロス島の出身で・・・・・」
ガリィが場の空気を変えようと、微妙に焦りながらまくし立てる。
記憶の最後の一片・・・・
僕は黒いマントと漆黒の衣装に身を包み、剣を振り下ろすイメージが残った。
あれは・・・一体?
・・・僕は・・・いったい・・・・・・・・・?
僕には幼少時代の記憶が無い。
気が付けば、僕は初心者修練場にいた。何故?それは何かを成し遂げたかったから・・・その「何か」って??
母親は父親は??
思い出そうとすればするほど頭痛に襲われる。
そして脳裏に一瞬移った光景。
それは崩落寸前の城で赤ん坊を抱えたまま息絶える母親。
駆けつけた父親が嘆き、狂い、敵兵を肉の塊にしていく姿。
そして泣き崩れるその父親の前に現れた、禍々しい髑髏の魔人。
一体なんなんだ・・・。
少なくとも僕にはこんな記憶は無いはずだ。
他人の記憶だろうか?
いや、それにしては何か懐かしかった。何故・・・?
430 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/14 17:05 ID:L8gBLsyZ
(あなたは二人目だからよ)
ふとルナの声...いや、思念らしき物が直接頭に響いてくる。二人目?一体何を言っているんだ?
「うぅぅ..あぅ」
頭が締め付けられるような痛み。あまりの激痛に地面に倒れ込んだ。
「ケイオス君しっかりして!!ケイオス君!!」
ガリィの呼びかけにも、かろうじて聞き取れるものの、呼びかけに応える余裕すらない。そして僕は意識を失った...
「やばいな..。」
そんな状況を、酷く冷静に眺めていたストロンガスがポツリと漏らした。
「おいガリィ。ケイオスが目覚めたらすぐ修行の旅に向かえ!!」
「言っちゃ悪いが、俺やフレイア達はまだまだ弱い。もっと高レベルなヤツを紹介してやる。」「時間が無いんだ、時間が...」
「時間がッて。ねぇストロンガスさん。一体ケイオス君はどうしちゃったの?彼の何を知っているのッ?」
ガリィはストロンガスに詰め寄るが、ストロンガスは無言のまま宿屋を出ていった。
431 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/14 18:33 ID:bSqu7x4+
『う..ん...』
どれくらい経ったのだろうか。
目を覚ますとガリィが心配そうに僕の顔をのぞき込んでいる。
『もう大丈夫だよ。心配かけてごめんね』
僕はニカッと笑って見せた。
バターーーーン!
勢いよく部屋のドアが開かれた。
と思うな否や、
「てめーらの師匠を連れてきてやったぞぉぉーー」
突然の出来事に、僕とガリィは目をパチクリさせていると、
ストロンガスさんの後ろから足下からオーラを発する二つの影が...
逆毛騎士:「wwwww」
シスター:「オ〜〜ホッホッホッホッ」
さて、誰かそろそろキャラクターのまとめとかしてもらえると嬉しいんだが…('A`)
433 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/14 18:36 ID:bSqu7x4+
「紹介しよう。彼らはこの世界でも数少ない最強レベルまで極めた強者だ。」
鼻をフンッと鳴らしながらストロンガスさんは話し続ける。
「騎士はマンク・ルポ。ガリィの教育を担当する。」
マンク:「www」
「シスターはヒメ。通称姫プリだ。彼女にはケイオスの補佐を担当して貰う。」
ヒメ:
「よろしくてよ。ホホホ」
いきなりの事で頭が混乱しているが、挨拶しておかなきゃ。
『マンクさん。その節はどうもありがとうございました。ヒメさん。宜しくお願いします。』
と突然ヒメが近づいてきたと思うと、ビンタされた。
ピシャ!!
『な、何をするんですか!?』
「わたくしの事は姫様とお呼び。無礼は許しませんことよ?まぁ、わたくしに任せて頂ければ、
一週間で転職させてみせますわ?ホホホ」
ヒメは柔らかい羽根で出来た扇子の様な物をヒラヒラさせている...
はぁ...前途多難だなぁ..自分が可哀想になってきて涙が出てきたよ...
>>432 ほんじゃ前に出た奴に少し手を加えさせてもらって纏めますわ。
─────────────────────────────────────
ケイオス─主人公。特別能力スキルハックで色々な技が使える。闇夜の暗殺者に狙われているが、狙われる目的は謎。初心者修練所以前の記憶が無いらしい。シーフに転職。
一人称は「僕」だが話し言葉は「俺」
ガリィ─ヒロイン。剣士に転職。脇腹に呪いを受け、ギルドに入れない。イグドラシルの実で呪いがとけるらしい。
一人称は「私」。最初「僕」だったのは忘れましょう。ケイオスの気のせいですきっと。
※二人の今の目的は、イグドラシルの実の入手。現時点では、実を持つモンスター(オークヒーロー)を倒せる状態ではないので、1次職に転職して力を上げようとする。
しかし今それどころではなくなっているような。
─────────────────────────────────────
──────────────────深紅の暁───────────────
フレイヤ─深紅の暁女ギルドマスター。今は図書館で本を読む。魔術師。闇夜の暗殺者のメンバー、テスタメントが兄。
ランディ─聖職者。最教会で女の子をくどいていたらしいが、シャダイに襲われ逃亡。現在はコモドでナンパ再開していると思われる。
ジャハル─自分の力の弱さを知り、武者修行へ。クールな騎士。
※なお、ケイオスとガリィは「深紅の暁」のメンバーでない。
エンペリウムを壊されたため、現在このギルドは解体している。
3人とも闇夜の暗殺者のマスターから処刑宣告されている。
───────────────闇夜の暗殺者────────────────
このギルドの目的は、最終的に王国を支配すること。それとケイオスをさらうこと。
ケイオスを闇夜の暗殺者の総統は知っている。
なおこの総統は闇夜の暗殺者とは別の組織かもしれない。
ルナ─女アサシン。妖艶かつ残酷。金髪ショートに星ヘアピン。
テスタメント─ ダークプリースト。ネクロマンシーが使える。
フレイヤの兄だったが闇の力にとらわれて悪に。幼い子(特に♀マジ)を殺すのには抵抗あり。
シャダイ───人殺しの快感にとらわれたハンター。銀髪。相棒がグリフォン(´∀`;)
エロヒム───黒い羽衣を纏った魔術師。術士隊の長。無感情。
ツァバト───闇夜の暗殺者をまとめる。力は強大。
レカード───体を再生できる騎士。洗脳されていたらしい。セシルという謎の女性からケイオスを守るように頼まれるが・・・。
総統(オーラの男)───闇の暗殺者の総統。闇殺のギルマスか、それとも・・・・
※テスタメントらがゲフェンギルドアジトを陥落させる。勢力はちゃくちゃくと伸びてます。
───────────────その他───────────────────
ストロンガス── 王宮おかかえ鍛冶屋。腕は相当。ジャハルと知り合い。ケイオスを以前から知っているような素振りを見せる。(ジャハルそれ知ってたのか?)
マー ─────商人。ブラストクリップをもってどこかへ行った。一応恩義は感じているらしい…(複線で転職祝いを届に来た)
セシル────ぼろぼろになったレカードを介抱。聖職者。謎多し。ケイオスの知り合い?
マンク・ルポ────ボス狩りに燃えるLv99逆毛騎士。テンションがなんか奇妙。ストロンガスと知り合いでケイオスのことも知っているらしい。
ヒメ────Lv99プリ通称姫プリ。姫らしく高慢。姫様といわないと怒る。ストロンガスと知り合いその2。
とりあえずこんな感じですか?
変な改行やら誤字脱字が多くてスマソ。
間違いがあったら容赦なく指摘してくれぇ…(´∀`;)
それでは引き続きどうぞー。
「いきなりそりゃあないよ、ヒメっちwww」
マンクさんが少し怒った口調で話す。
「・・・あ、ごめんなさいっ!私ぃ、そんなつもりじゃなかったの。・・・ゴメンね?ケイオス君(ショボン」
なんだなんだ?やけにマンクさんの前では態度が豹変してしまうな。ヒメさんって二重人格みたいなもんなのだろうか?
「ひ、姫様、これからも何卒よろしくお願いいたします・・・。」
僕は深々とお辞儀をしてヒメさんに改めて挨拶した。
「も〜う、そんなにかしこまらなくてもよろしくてよ♪私の事は『ヒメちゃん』って気軽に呼んでねぇ〜(ニッコリ」
やれやれ・・・マンクさんはともかく聖職者を極めた人がこんな性格の人だとは・・・
ガリィは心配そうに僕に囁く。
『だ、大丈夫・・・かな?』
『た、たぶん大丈夫だよ!でも、マンクさんはともかくヒメさんは・・・』
「あ、マニピ+ブレスよろwWw」
「は〜い、ダーリンっ♪」
お熱いのは結構なのだが、僕等はそんな2人を見てこの先大丈夫なのかなぁと心配で仕方がなかった。
ストロンガスさんが、そんな僕等の心情を察したのか耳打ちしてきた。
『大丈夫だ。確かにめっちゃ非常に変わり者だが、2人とも強さは保証つきだ。先走りとかしなきゃいいんだが・・・。』
ストロンガスさんもちょっと微妙な表情をしていた。
「ストちゃん・・・で仲間が追われてるとか行ってたけど、どこのギルドに狙われてるのww」
「あ、確かに気になりますわね。まぁ、私達の敵じゃないですけど、ホホホ♪」
何故か闘志満々の2人。そんな2人を見ながらストロンガスさんは言った。
「できればアンタ達を巻き込みたくはない。それでも答えた方がいいってか?」
ヒメさんは髪を扇子をパタパタ扇ぎながら答えた。
「この姫様とマンクが組めば怖いものなんてこの世にはありませんわw」
「www」
ストロンガスさんはやれやれといった表情で答えた。
「アンタ達、『闇夜の暗殺者』ってギルド知ってっか?」
「!!?」
ヒメさんの扇子の動きが止まる。マンクさんも息をゴクリと飲む。
「あの、執行機関でさえ手に負えない、凶悪かつ不気味なギルド・・・本当ですの?」
「ああ。事実だ。」
ストロンガスさんは煙草を取り出し火を着ける。
マンクさん、ヒメさんは青冷めた表情で話しはじめた。
「うはっ・・・あの執行機関をまとめて15人殺した黒いマントのツァバト。」
「思い出しただけでゾッとしますけど、PvPで全員八つ裂きで皆殺しにし、快楽を求め続けるシャダイ。」
「執行機関ゲフェン本部を一人で壊滅させた、禁忌魔法を使うエロヒム。」
「私と比べたら品がないですけど、暗殺術を幼少から仕込まれ、変装の名人でもある最強女アサシン、ルナ。」
「そして、ロードオブデスの復活を目論んでいるという死者の魂さえ自在に操る謎多きダークプリーストのテスタメント。」
2人とも、さっきの和気藹々とした雰囲気は既に消し飛んでいる様子だ。
「ん?アンタ達・・・知ってたのか。」
ストロンガスさんは少し驚きながら言った。
442 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/14 20:23 ID:XoF9XIWd
黒いヒモパンが妙に色っぽい女性です。
ちょっと年はいっているようですが円熟味のあるSEXシーンを演出してくれています。
見てくださいフェラの時のほっぺのくぼみ。
カリ首にまとわりついて離れない強力スロートですよ。
他の援交美女も乱れてます。
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444 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/15 02:11 ID:4siN8hi4
「この子達を早く一人前に育てるのが先決てすわね。今のままでは何も始まりません事よ?」
ヒメさんは扇子をパタンと閉じると、僕達にこう言った。
「ガリィ。あなたはダ〜リンの元で剣士の技術を学びなさい。テクニカルな騎士は戦場で最も頼りになる存在になるでしょう。」
「ケイオス。あなたはとにかく基礎レベルを上げること。敏捷性に依然する戦いには、それに伴う肉体が必要不可欠なのよ」
淡々と職業のイロハを語るヒメさんに、僕達は聞き惚れていた。
「さぁ。ぼさっとしてないで狩り行きますわよっ。私の下僕達!お〜ほほほ」
「まずはここ。だいたい30レベル…アクティブに耐えられる位まではここで鍛えますわよ?」
そう言ってヒメさんに連れられて来たのは、カタツムリやクワガタがうじゃうじゃいる森だった。
昆虫採集でも流行っているのだろうか、なんか人がいっぱいいるなぁ。
「あれらもあなた方と同じよ。何日も、何十日もかけて鍛えますの。
でも私達は違ってよ!!一日よ!!けれど今は昼!!あと半日でクリア致しますわよ!!」
ビシィ!!とあらぬ方向を指差して言う。
「は、はんにち…」
「何か文句でも?」
「い、いえ…やります、ヒメさ、様…」
「そんじゃこっちも鍛えに行くね〜wWwあ、速度ヨロ〜wwwwwww」
「はぁ〜い♪だ〜りん♪そぉ〜れ★」
マンクさんはペコペコ+速度で猛スピードで駆け出した。
慌てて追いかけるガリィと距離がどんどん…
「ブレッシング!マニピカット!速度増加!イムポシティオマヌス!キリエエルレイソン!エンジェラス!グロリア!さあ行きなさい私の下僕!」
ものすごい勢いで支援魔法を僕にかけまくるヒメさん。
下僕呼ばわりされても怖くて反論できない…なにより支援してもらってる身だし。
早速手近にいたクワガタに斬りかかった。
ガキィンッ!!う、ダメージ少ない…
「か、硬い…」
「駄目すぎね」
ヒメさんからの厳しいお言葉。その通りです…。
暫くナイフで刺す音とヒメさんの作るバリアの音だけが続く。
ようやく倒すと僕の頭上に天使とラッパが!!
「あら、おめ〜」
まるで社交辞令のようにヒメさんは言った。
「時間かかりそうだから私が自ら壁をして差し上げましょう。
ちょっとモンスターを探してきますからその間に技を覚えておくといいでしょう」
「え、技って何を…」
「あなたはシーフ。回避能力を上げる技術、それとナイフで素早く攻撃する技術は最優先ですことよ。」
なるほど。中身は変な人だけど戦闘に関してはやっぱりプロなんだ。
ヒメさんがいない間にスティレットを素振りしてみる。
「うおっ!!」
なんだかさっきの2倍くらい早く繰り出せるぞ!!そういえば、モロクでのあの盗賊の動きはこれだったんだ…。
「お待たせ。さあ叩きなさい!!」
「ぎゃああああ!!」
ヒメさんの後ろには10匹近いクワガタとカタツムリが列をなしていた。
っていうか…いいのかな、これ…すごい遠くでみんなこっち見てるよ…
とにもかくにも倒すしかなさそうなので一匹ずつ攻撃する。
その間攻撃をくらいまくってるヒメさんはというと
「ああっ!やっぱ叩くほうがいいけど…でも叩かれるのも捨てがたいわぁ♪」
やばいよこの人。
ヒメいいな
げふ
もうどれくらいの時が過ぎただろうか
太陽はかんかんに照りつけ、全身からも汗が滲み出ている
「はぁ・・・はぁ・・・ぐぁ・・・」
「はいはい〜めげないことよ〜ヒール!ブレッシング!IA!キリエ!気合入れなさい〜!」
僕は相変らずヒメさんのスパルタを受けてる。もう何百匹と切っただろうか。切った感覚さえなくなるほど無我夢中に切りまくっている。
「は〜い、じゃぁそろそろ休憩取りましょうか。わたくしもちょっとSPなくなってきたので休憩取りますことよ〜」
「は・・・はひ・・・ふぅ・・・」
ようやく休める・・・そう思った僕は近くの木に背を向けてもたれかかる。
ヒメさんは扇子をあおぎながら暑さに耐えられないといったばかりの表情で腰掛けている
今頃ガリィも頑張ってるのかな・・・オレンジジュースを飲みながらガリィの事を気にかけていた
「でもあなたもすごいわねぇ〜『闇夜の暗殺者』ギルドから狙われてるなんて、よっぽどのVIPな人なのかしら?」
「いや、VIPとか言われても僕にもちょっと分からないんで」
「そうでしたわねぇ〜でもあなたが発してる特別なオーラ、わたくしにも感じられますわよ〜」
「オーラ・・・?」
「えぇ、ダーリンとも話してたんだけど最初にあなたを見たときの眼、これは尋常じゃない、そう、世界を変えし者、そんな気がしてたのよ」
「世界を変えし者!?僕が!?」
「なーんてね、さぁ!休憩終わり!これからもビシビシ鍛えますわよ〜!」
「は、はい!」
僕はオレンジジュースを一気に飲み干すと再びヒメさんのスパルタ教育を受けていた。
しかし僕はヒメさんから放たれた一言がどうしても終始頭から離れられなかった。
世界を変えし者・・・
もし僕に本当にそんな力が眠ってるとしたら・・・僕はいったい何者なんだ・・・
「あら?そういえばあなた何を装備してらっしゃるの?」
「装備・・ですか?」
「その手にもってる武器の事よはやく答えなさい」
ヒメさんにそう言われて慌てて答える
「ストロンガスさんが作ってくれたファイアスティレットです」
「はやく言えよこの豚がぁ!」
え?今・・え?
「あらごめんなさい思わず口に出してしまいましたわ。」
いままであんな事を思っていたのだと思うと怖くなる。
「あなたオークヒーローってご存知?」
そういえばガリィの呪いの事を忘れていた・・・。
イグドラシルの実を手に入れなければならないんだった・・。
「たしかそのモンスターイグドラシルの実を落としますよね!?」
「あら?よく知っているじゃない。チョットでにくいですよ。」
※ここでは超レアアイテムと設定させてもらってます。
「僕・・・そいつを倒してみたいです」
「やってみる?」
453 :
山崎 渉:03/08/15 07:53 ID:lJ8jw4a7
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
「といっても今のあなたじゃ取り巻きすら厳しそうね・・・まっ、時期を待つことですわ。」
「はぁ・・・そうですか・・・。」
「ん・・・?」
ヒメさんは何かに気づいた様子で周囲を見渡した。
「あなた、このクワガタ森の湖付近で商人さんが露店出していたの覚えているでしょ?そこでちょっと青ポー所ん買ってきてくださいな。その後ほとりあたりで休憩でもしてらっしゃい♪」
そういって、ヒメさんは僕に10000zを手渡した。
「え?あ・・・はい分かりました。」
僕は急なおつかいに疑問を持ったが特に考えないことにした。そして湖の方へ走り出す・・・。
「いるんでしょルナ。早く出てらっしゃい?」
すると影の中からルナがゆっくりと実体を現した。
「フフ・・・。私のクローキングを見破るとはね。ヒメも成長したじゃないの?」
「ルナとかつて一緒に修行に励んだ身よ?あなたの行動パターンは大体分かるわ。」
「ふ〜ん。」
ルナは不敵な笑みを浮かべヒメに歩み寄る。
455 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/15 13:34 ID:OfxLnFTZ
『…相変わらず高慢ちきな女ね。ヒメ』
ルナは不気味な笑みを浮かべながら距離を縮める。
ヒメは先端に骸骨が埋め込まれた杖をギュっと握り締めて口を開いた。
「あなたはわたくしに勝つことなど出来なくてよ?ホホホ」
『…なにぃ?』
ルナの瞳が紅く怒りに満ちる。
「ランディなんかと一緒にしないで頂ける?闇の力が強まるほど、わたくしが優位なるのをお忘れになったのかしら。さっさとかかって来なさい?下品で野蛮な一般庶民!」
『ヒィメェェェ!』
地の底から響く唸り声をあげ、狂った様にルナは飛びかかって来た。
456 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/15 13:38 ID:Yu1dkghQ
姫はレイプされた完
そこへ青ポーションを買い出しに行ったケイオスが戻ってきた。
「あっ・・・・!?」
「ちっ、今日のとこはおあずけね。まぁいいわ、そのうちあんたたちを八つ裂きにしてやるわ。せいぜいケイオスを鍛えておくことね」
「ふふっ、おとといきやがれですわよ」
ルナはそう言い放つと姿を消し去って行った。
「はぁ、はぁ・・・ヒメさんっ・・・今の・・・!?」
「あぁ、昔の戦友よ、ちょっと昔話で盛り上がってたんですわよ」
「で、でもあれは!明らかにヒメさんを襲い・・・」
「あいつは昔から気性が荒くてね、ちょっとからかうとすぐあぁやって怒って飛びかかってくるんですわよ。ささ、余計な事は気にせずに買ってきたものを出しなさい」
「は、はぁ・・・」
まさかルナとヒメさんが昔の戦友同士だったなんて思いもよらなかった。もっと深入りしたかったけれど話す間もなく、ヒメさんは僕に再び修行をするよう命じられた。
458 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/15 20:36 ID:FKIBkko6
一方、ガリィとマンクはさほど遠くない高地に移動していた。
「ぁーぃ。もっと遠心力を利用してw」
「はいっ」
ガリィは天道虫を必死に斬り付けている。
が・・・「ねえマンクさん。このモンスター、硬すぎて全然倒せないですよ?もっと別の敵の方が…。」ガリィはプゥっと頬を膨らませて抗議した。
「ぇとね。簡単に倒せたら棍棒も短剣も変わらないでしょ?w今は経験値より、剣の振りを体に叩き込むコトなのぁwWw」
なるほど…納得して振りを再開するガリィ。そんなやり取りを木陰から覗き込むハンター。いや、一緒にグリフォンも…
ふぅ〜。
もうどれぐらいクワガタを狩り続けただろうか?既に500匹以上は狩っているかもしれない。
「だんだん、スムーズに倒せるようになったじゃないの?」
ヒメさんは涼しげに言う。
「う〜ん、大分場馴れしてきたって感じですかね?ちょっと物足りない気もしてきましたが・・・。」
!!
僕はマズいと思った。ヒメさんに壁をしてもらっているというのに「物足りない」だの言ってしまった。怒るに違いない。いや、絶対怒る。
ヒメさんは僕の言葉の後、黙ったまんまだ。またピンタされるのか・・・。
そう思い、覚悟を決め僕はヒメさんに話し掛けた。
「あ、あのぅ〜。」
「ケーイオスっ。」
ヒメさんが僕の事をじっと見る。
「あなた、そろそろクワガタじゃ飽きてきた。そう言いたい訳ですの?」
嗚呼、またピシャリってやられるんだ。これで何度目だろう。・・・しかしヒメさんの口からは意外な言葉が出た。
「そうよねぇ〜、私もクワガタ湖そろそろ飽きてきちゃったのよ♪というかこのカタカタカタ五月蝿い音とかのおかげでイライラしてきますわ。」
別に機嫌を損ねた訳ではないらしい。
「そうねぇ〜。それじゃあなたの火スチレに合わせた狩場って事でミミズ砂漠に行きましょっ!ミミズ美味しいですわよ〜☆さぁ行きますってよ。」
早速ワープポータルの詠唱に入るヒメさん。
「は、はいっ、行きましょうヒメさん!」
僕は新たな狩場に出会える期待か胸を躍らせながらそう言っていた。言っていた・・・。
何かに気付いたのかヒメさんが詠唱を一旦中断し僕の方に歩み寄ってくる。
「あ、あれ?ヒメさん行くんじゃな・・・(ヘブシッ」
言いかけた途端、彼女の平手が僕の頬にクリーンヒットした。
「ヒメ様とお呼びっ! ヒ メ さ ま っ!! 」
・・・やれやれ。
461 :
459:03/08/15 20:50 ID:5FjR0uGU
「へへ〜ぇ、あの嬢ちゃん立派に頑張ってるんでないの?んま、いくら頑張ろうがもうすぐこのグリフォンの餌になるんだけどなぁ!」
『キュイィ・・・』
「おぉそうかそうか、おめぇもあの剣士が食いてぇってのか、んまぁもう少し待とうや?少しはこの俺を楽しめる程に育つまで。あっさり切り殺しちゃ面白味がないからなぁ〜ヒャハハッ!」
シャダイは舌なめずりをしながらじっとガリィ達の様子を伺っていた。
逆毛騎士・・・マンクはその気配に気づかないはずもなかった。
(ちっ、ご気楽に観戦ですかい。そうしてられるのも今のうちだ。やられるのはお前らだ。今に見てろ。)
「ほら〜腰がすえてるよ?もっとしゃんとしなさいwWw」
「は、はい!えいやっ!」
ブン!ブォン!ザシュ!
「はぁ・・・はぁ・・・」
ガリィの額には既に大量の汗がにじみ出ている。腕も酷使しすぎたせいか、痙攣が起こるようになっていた。
(ケイオス・・・ケイオスもがんばってるよね、私達、強くなって!マンクさん達をあっと言わせてあげようね)
ガリィとケイオスの修行は続く。
登場人物まとめに追加希望
─────────────────────────────────────
ガリィ─ヒロイン。剣士に転職。脇腹に呪いを受け、ギルドに入れない。
イグドラシルの実で呪いがとけるらしい。
銀髪がきれい。よく汗をかく。
「そう、そのまま。精神力を右手に集中して。そう、その調子。」
マンクさんがニコニコ笑いながら私の方を見てる。
「よし・・・そのまま・・・・うん、いいよ〜wWw」
私の右手から少しづつ光が漏れ始める・・・・
「・・・・・・いまだ!!!」
マンクさんの掛け声と共に、私の右手から力があふれ出した。
ドゴォォォォォォォォォォッ!!!!!!
ものすごい衝撃が、私の前にいたクワガタを粉々にした。
「今の・・・・・私がやったんですか・・・・?」
私の右手が震えてる。剣からは冷たいケムリがあがっていた。
>>459-460も使えそうだったので。
ワープポータルで僕とヒメさんはミミズ砂漠へ来た。
うああ…クワガタ森に輪をかけて暑い…。
「ところで、マンクさん達はよかったんでしょうか?」
「え?ああああああしまったわあああああ!ダ〜リンを置いて来てしまったわぁぁぁ!!
ま、後で戻ればよろしくてよ」
「はぁ…」
(ダ〜リンならあいつらが来ても大丈夫ですわね。なんたってわたくしのダ〜リンですもの♪)
「ではとっとと始めますわ。あそこ、砂が少し盛り上がっているでしょう?あそこを刺してごらんなさい」
「こ、こうですか?」
言われたとおりにスティレットを突き立てると、なにやら砂の下からモゾモゾと・・・
ドバァ!!
「うわああああああ!!」
砂の下から一気に巨大なミミズが飛び出してきた!!その勢いで僕は振り落とされた。
「そのミミズは火が弱点ですのよ。ですからじゃんじゃん斬りなさい♪そぉ〜れブレス!!キリエ!!イムポシティオマヌス!!」
「うん、いいねいいねwww
今の感じを忘れないでねw 今のが剣士の伝家の宝刀、バッシュさ。」
マンクさんがヘラヘラしながら私に説明する。
「利き腕の腕力を一時的に上昇させて、敵におもいっきり叩き込む。
まあ、そこいらの雑魚なら一撃かなwWw」
す、すごい・・・・これが剣士の力・・・・・。
私は嬉しい反面、少し怖かった。使い方を間違えれば、簡単に人を殺せてしまう。
「うんうん、どんどん自分の力を怖がっていくといいよww」
「え・・・・?」
「剣士という職業がどういうものか。自分の体で感じ取るのさw
そして、この力をどういかすか。それは君が考えることさwWw
僕が与えるものは、なに、きっかけにすぎないんだからね」
「・・・・・・はい!」
・・・私は絶対、この力を誤って使わない。私は自分の信じる正義を貫く。
マンクさんの方を見ると、優しい笑顔で うん、 とうなづいていた。
「・・・・・ちょっとそこの木陰で休もうかw」
マンクさんは近くの木陰にどっこいしょ、と腰を降ろした。
「バッシュもね、君の力に応じてどんどん成長していく。」
マンクさんは、木の上に生っていたリンゴをもぎとって、
私のほうに放り投げた。
「バッシュの成長過程は全部で10段階。
君が今使ったのは、バッシュレベル1だね〜w」
私はシャクッ、とリンゴを噛んだ。甘い味が口いっぱいにひろがる。
そういえば、下水道でレカードがストロンガスさんにバッシュを使っていた。
レカードは、バッシュレベル3とか叫んでたな。
「レベルが高いほど、その爆発力が増す。
だから気をつけて使わないとねwwww」
マンクさんもリンゴをひとかじりした。
そして、マンクさんは私のほうをじろじろ見始めた。
・・・・・・?どうしたんだろう・・・・
469 :
465:03/08/16 13:01 ID:5BZwfwMK
割り込みスマンカッタ(´・ω・`)
勝手にケイオスルートとガリィルートに分かれてしもぅた・・・(´∀`lll)
470 :
464:03/08/16 13:15 ID:bw0iCRiP
>>465 いやいや、こちらこそすまんかった(´・ω・`)
一応確かめてから書いたんだが・・・・見事にタイミングバッチリで書き込んじゃったな。
まあ、ちゃんと物語もつながってるから、これでいいかな?
「うん、体つきも悪くないwWw 顔もかわいいしw」
は、はあっ・・・!?
「うんうん、こりゃあいい感じだよおw」
ちょっと・・・!マンクさんっ・・・?
マンクさんが私の体をジッと見つめる。
「君は女だwそれが最大の武器にもなるww」
女が、最大の武器・・・・?
「闇夜の暗殺者の一人、ルナ。ヤツは自分の特徴を最大に活かしてるよw」
どういうことだろう?
「いいかい、ルナは変装が得意なのさww
かわいい格好、妖艶な格好・・・・。あの女にかかれば自由自在♪」
それと・・・・・なにが関係あるんだろうか?
「男はそれを見て油断する。ルナの術中に見事にはまる。そしてヤツはそっと人を殺す。」
「つ・ま・りっ!女である事を武器にして、より確実に暗殺を成功させるww」
なるほど、そういうことか。ケイオス君もそれで油断したらしいし・・・・。ちぇっ。
「実はねー、剣士にもそういう技があるんだな、これがwWw」
マンクさんはニヤリと笑う。
「え・・・・もしかして・・・・」
マンクさんは声を高らかにして言い張った。
「そーーーう!君には今から、挑発技プロボックを学んでもらうのだーーwWw」
プロボック・・・・・うう、なんか嫌だなあ。
「例えばねーwこっちみてーw」
マンクさんはそういうと急に騎士の服を脱ぎ始めた。
「な、なに!?一体なにするんですか!?」
シャツの下にはだけた肉体が艶かしくうつる。う・・・・ヤバイ・・・!
私のほうにゆっくりとマンクさんが歩み寄ってくる。
「だ、ダメです!こっちによらないでっ!」
私は思わず身をかがめた。
「はーい、ゲームオーバー♪」
マンクさんは私に剣をつきたてている。
あ・・・・・見事にひっかかっちゃった・・・・
「このよーにして敵にスキを作り、そのまま反撃にうつる。
これがプロボックなのだwWw」
私達はそのままモンスター探しに出かけた。
「おww クワガタはっけーんwwww」
私は少し緊張していた。
「いいかい、言われたとおりにやるんだよう♪」
クワガタは気持ちよさそうにそこいらを歩き回っていた。
「よ、よーし・・・・」
私は地面に落ちていた小石を拾いあげて、そのままクワガタに投げた。
コツン、とクワガタに小石があたる。クワガタは少しムッとしてこっちを見た。
いまだ・・・・・!!
「あっかん・・・・・べーーーーー!!!!」
私がクワガタにあっかんべーとおもいっきり舌を出すと、クワガタは激怒した。
さらにチョイチョイ、と人差し指をクワガタに向けると、クワガタの怒りは爆発した。
「いい感じぃ〜ww さて、ここからは冷静に対処するのだw」
マンクさんがそういうやいなや、ものすごい勢いでクワガタが向かってきた。
「いようし!単調な攻撃だwww」
私はなんなくクワガタの攻撃をかわし、そのまま環頭太刀をたたきつけた!
「グギギギギ!!」
クワガタはもろに攻撃をくらい、そのままバタン、と倒れてしまった。
>>475 マサルさん!ここは君のスレじゃないんだから!
お邪魔しました!ダバダバダバダバ
なっ、何をぅ離せフーミンコンチクショウ!
ちなみにマンクの使った技はコマンドーその227「夏色ビーチ☆ボーイズ」だぶっ!(ネコパンチ
すごい・・・
油断した敵がこんなにも戦いやすい。
「マンクさん!私感動しました!プロボックってすごいです!」
「うんうんwそういうことなんだよぉ〜wWw
油断させる方法は人それぞれだから、いろんなやり方を試してみると素敵かも〜〜wwwww」
なんだか楽しくなってきた。経験効率でなく剣士としての技能を重視したマンクさんの特訓のおかげで
何だかとても体も剣も軽くなった気がする。
「はいっ!ガリィ、いきまーすっ♪ww」
「いってらー♪www」
「く〜わちゃんっ♪ねね、調子どう?(ちょん☆)」
「びくっ!」
「私さいっこーwwwえいっ」
ザシュ!!
「グギ!」
「ごふっ・・・助けて・・・私もうダメ・・・(ずる、ずる・・・)」
かさかさかさ!
「なんちて☆」
ズバシュッ!
「グギギ!!」
「おーっとガリィちゃんカタシムリさんの後ろから絶妙なインタラプトー!」
「Σ@」
「(ばこん☆)さらに高くカタシムリさんを蹴り上げてぇ〜・・・振り向きざまのじゃんぴんぐばぁーっしゅ☆」
ブゥン!
ドゴォォォォォォッ!
最後に攻撃を加えた後
ハっとガリィは我に返り、
今まで自分がしていたことを
恥ずかしく思った。
「あれー?wwwどうしたの?顔真っ赤じゃんwwwwww」
この人にはわかるまい・・。
キャラが一瞬壊れてしまった私の気持ちが。
ここにケイオスが居なくて良かったと思ったガリィだった。
ぱちぱちぱちぱち。
「うんうん〜wwいい感じだよぉ〜〜♪」
「そ、そうかな?」
「敵は十分油断してるし、ガリィちゃん素質あるかもwww」
「あはははwww」
こ、これでいいんだ。何か私ちょっと強くなったかも。
マンクさんもさっきの格好のまんま、腕を組んでうんうんとうなずく。
「その調子でガンガン敵をミンチにしちゃってねwww
上手に使えば戦いのペースもずっと速くなるよんwwwww」
「はーいwww」
「あーでも自分より明らかに強い敵にフザケたことすると、ガリィちゃんがミンチにされちゃうかんねwWw
自分の強さと敵の強さはきちんと見極めるんだよぉ♪」
「は、はーいっw」
調子に乗りすぎだよぉと、いい汗まみれのガリィにきちんと釘をさすマンクさんだった。
なんだかマンクさんに惚れそうになってきました(*ノノ)
何時もはへらへらしてても、時折見せる真面目な表情がステキ……。
すみません、どうぞ続きを!↓
>>482 500行ったらキャラ別人気投票かのう
続きカマーン↓
一方ミミズ砂漠では…
「ミミズでも随分楽にいけるようになりましたのね。あ、キリエエルレイソン!!」
「そうですねぇ〜」
戦いながら雑談できるほど余裕が出てきた。もっとも、ヒメさんが支援してくれているからなんだけど。。
…それにしてもこのミミズの形ってなんだか…いや気のせいだろう…
「この分なら半日で目標達成できそうですね」
僕はヒメさんの方を見て言った。
「あ!ちょっと余所見するんじゃありませんわ!ってもう…」
「え?」
慌ててミミズの方を見ると、その姿がどこにもない。
「あれ?ど、どこにいった?!」
「ハイドされましたわね」
「ハイド?」
「ハイディング…姿を消して身を隠す技ですの。まあ私のルアブヘッ!!!」
間抜けな声をだしながらヒメさんが吹っ飛んだ。周りに何もないのに。…あ。まさか。
「だ、大丈夫ですか!?」
ヒメさんはゆっくりと起き上がる。
「ルアフ!!」
叫ぶと同時に青い光があたりを飛び交い、ミミズの姿を照らし出した。
「てめえええこのエロミミズなにさらすんじゃボケェェ!!形がピーーーーーでピーーーーーーーよりもピーーーからって調子のんなよゴルァァァァ!!!」
放送禁止用語を連発しながら杖でタコ殴りにしている。僕よりずっと強いんですけど…
というか僕が思ってたことをオープンで言われると…
ヒメさんは既に完全に『キレて』いた。
「このチ○ポ野郎ッ!雑魚の分際ででしゃばってんじゃねぇよ!!」
ドカドカドカ
「大体テメぇみたいなのが私に攻撃するなんて十数年万年早ぇんだよ!糞がッ!!」
ガスガスガス
「燃やして、灰にして、泥団子にして、豚に喰わせて糞にしてやるッ!!」
ゲシャゲシャゲシャ
もはやミミズは原型を留めていなかった。周りの狩りに来た人もあまりのおぞましさにポカンとしている。
「あ、あの〜、もうそのミミズ死んでますよ?」
僕の言葉はもはや聞こえないらしい。ヒメさんはミミズの残骸と思われるものをまだ刃の付いた杖で殴っている。
というかこのままじゃ周りに迷惑過ぎる・・・そして、一応関わっている僕も赤面ものだ。
気付けば、他の人と一緒に狩りにきた女の子のノービスもあまりの怖さに泣いている。
「死ね!死ね!死ね!!このピーーーーーーー野郎がッ!!」
マンクさんがいれば、こんな事にはならなかっただろうに・・・
僕が頭を抱えていると、アコライトの僕より年齢は低そうな男の子がこっちに寄ってきた。
「キ、キュアーっ!」
ヒメさんの頭上に白い光がかかったと思うと、ヒメさんは殴るのをやめた。
「あら・・・私ったら・・・何かしていたようね(汗々」
何かしていたようね・・・ってあなたの目の前を見てください!と一言いいたかった。
「あ、あのぅ〜、大丈夫ですか?」
通りすがりのキュアーをかけた男の子のアコライトがヒメさんを心配そうに見る。
「あ、あらまぁ!ごめんなさいね〜。私ちょっとカチンと来るとたま〜に暴走しちゃう事があるの。いや〜、普段はこんな事ございませんのに。ホホホ・・・。」
ヒメさんは今まで自分が何をしていたのかを察したようか、かなり焦っているようだ。そりゃああの完膚なく叩きのめしたミミズの残骸を見れば・・・。
アコライトの男の子に気付いたヒメさんは彼の方を見る。
「あなたが助けてくれたのね〜!・・・って!!」
ヒメさんは興味津々の眼差しでアコライトの方を見ている。彼もかなりびくついているのだが・・・。
「ま〜ぁっ!可愛いアコちゃんだこと!!ボクお名前は?どこから来たの??1人?w」
彼はおどおどしながらも答えた。
「え、え〜っと、僕の名前はジルっていいます。ちょっとプリさんが凄い事になっていたんで混乱とかしたのかなぁ〜って・・・。
あ、いや、その聖職者として困っている人を助けるのも僕の役目とか思ったり・・・あ、あの悪気はなかった訳で、え、え〜っと・・・ごめんなさいっ!!」
ヒメさんから出てるオーラのせいなのかもしれないが、ジルはかなり緊張しているようだ。おまけに何故か何回も頭を下げて謝っている。
ヒメさんはそんな彼に近付くと
「ほ〜〜んっと可愛いわねぇ〜!うんうん♪お姉さんも昔はそう思っていたものよ?」
何時の間にかヒメさんはジルを抱きしめていい子いい子している。
「あ、あのあの、その・・・」
「照れちゃった顔も可愛いわねぇ〜♪あ、顔真っ赤じゃない?キャーー(≧▽≦)」
一つ言える事がある。
僕と全然扱い違うじゃないか・・・(´・ω・`)
ヒメさんはさんざんアコライトのジル君を嘗め回した後、
そのままジル君に「バイバーイ♪」と手を振った。ったく・・・・。
「あ!?ケイオス、なにさぼってるんですの!さっさとミミズを倒しあそばせ!」
まるでジル君とは扱いが違う・・・・
「かったいんですよミミズ!ヒメさん・・・・じゃなかった、ヒメ様が
支援してくれないとボコボコにされちゃうんですけど!」
あ・・・・しまった・・・・・
パッシーーーーーーーーーン!!
ヒメさんの平手が飛ぶ。
「あなたね、支援してもらってる分際でなんですのその口の利き方は!
まったく、あなたは弱いんですから!私がいないと・・・・」
「・・・・るさい・・・・」
「なに!?なんか文句ありますか!?悔しかったらもっと強・・・・」
「うるさーーーーーーーい!!」
イライラがついに爆発した。
「僕だって、僕だって!はやく強くなりたいんですよ!!
みんなの力になりたいんですよ!弱いのは、一番よくわかってます・・・!!」
僕はキッ、とヒメさんを睨んだ。ヒメさんはポカーン、としている。
「・・・・・もういいです、自分でやります・・・・」
僕はそのままミミズに向かって歩き出した。
「・・・・・ブレッシング!!・・・・キリエエレイソン!!」
僕はそのままミミズに向かっていった。
僕は怒りのあまり、自分が何をしていたか分からなかった。
「え・・・・ええっ・・・・!!?」
ヒメさんがものすごく驚いたような、怖がってるような顔をした。
「あのコ・・・・・・今・・・・・・何したの・・・・!?」
僕はもくもくとミミズを狩る。
バリアがきれたら、また作ればいい。攻撃が当たらなかったら、ブレッシングをするだけだ。
ミミズは僕の前にバタバタと倒れていった。
誰だ、僕を弱いって言ったのは・・・・・!!僕のどこが弱いんだ!!こんなに・・・・!!
「・・・・・・・・・・・・・・・・やめなさい!!」
ヒメさんが僕の腕をつかんだ。
ハッ・・・・・・・・・
僕はふと我に返った。ミミズが倒れている。
「あ・・・・・・。ヒ、ヒメさん、し、支援してくれてたんですね・・・・」
あ、またヒメさんて言っちゃった・・・。
しかしヒメさんは黙ったまま、何も言わなかった。
「・・・・・・私は何もしてませんわ。」
ヒメさんはうつむいたまま言った。
「あなた、自分で唱えてましたわ。キリエエレイソンも、ブレッシングも。」
・・・・・そうか、また使ったんだな。
どうして使えるんだろう、僕はシーフなのに。下水道でもそうだった。
僕はノービスなのに、マグナムブレイクを使っていた。
あの時もそうだった。心臓の鼓動が高鳴り、体に力があふれ出していたんだ。
「・・・・・私は深く追求しませんわ。あなたが一体どういう存在なのか。
ただ、闇夜の暗殺者があなたを狙うのも、よく分かります。」
「ひとつ、確実にいえることは、あなたの体には強力な力が眠っていますわね。」
ヒメさんはいつになく真剣な表情だ。
「・・・・・・僕だって、分からないです・・・・・。どうしてこんな事ができるのか。」
「だけど、あなたはシーフです。盗賊です。
他職の技を使うことは、それは重大な犯罪とみなされますわ。」
そんなこと言われても、僕にはどうすることもできないよ・・・・・
「いいこと。この力の事については、私達だけの秘密ですわ。
そして、この力を使うことは、今後禁止します。」
「はい・・・・・・・」
僕はうつむいた。ヒメさんは、ただ黙っている。
────・・・それが貴方の能力・・・「スキルハック」よ・・・・。
あなたなら出来ると思っていたわ・・・─────
ルナの声を思い出した。「スキルハック」・・・・・・・
なんでこんな事ができるんだ・・・・・!僕は、僕は一体・・・・・
「まあ、いいでしょう。私も少し、あなたに言いすぎましたわ。
さ、狩りを続けましょうか。」
今考えてもしょうがない。僕の今の目的は、イグドラシルの実の入手だ。
今はそのことだけを考えよう。
僕とヒメさんはそのまま狩りを続けた。
場所は変わり、プロンテラ噴水広場───
カンカン、、、シュィイーン!
「あいよっ!火チェインの出来上がりでぃ!よかったな嬢ちゃん!これでソルスケなどボッコボコでぃ!」
「あ、ありがとうございます・・・」
ストロンガスの気迫の篭った声に女性プリーストは少々怯え気味ながらも報酬を受け渡し、火チェインを貰うと早々に立ち去っていった。
「ちっ、なんでぃあの娘は。別に取って食おうなんて思ってねぇのにさ、ふぅ。」
ストロンガスはクイクイと手首を動かしながら呟いていた。
「ケイオスとガリィ、頑張ってっかなぁ。まぁ、あいつらもあいつらだ!きっと俺がたまげるほどに強くなって帰ってくるだろうよ!」
雲ひとつない真っ青な空を鼻息を荒げながらにやけ顔で見つめていた。
「あいつらが帰ってきたらとびっきりのご褒美をあげてやるかな!さぁて、何がいいかな〜・・・そうだ、ケイオスにはアレをやるか!ガリィにはアレを・・・と。そうときまっちゃぁ、早速材料仕入れだ!」
ストロンガスは製造道具をカートに詰め込むと、勢い良く材料の買出しをしに走って行った。
「…ん?…あいつは…」
ストロンガスが噴水広場の露天商から材料を集めていると、ふと視界に見覚えのある騎士の姿が見えた。
「あいつは…あの吸血鬼野郎、まだしぶとく生きてやがったのか…!!」
ストロンガスは露天商に手早く代金を渡すと騎士に向かって駆け出した。
「あ、BSさん!!お釣り!!」
「もらっとけ!!」
騎士は噴水広場を出、ポタ広場も通り過ぎていった。
ストロンガスもそれを追う。
広場を出て曲がりかけたところでふと足を止める。
「俺になにか用か」
その騎士が待ち構えていた。
「…お前、なんでこんなところをうろついてやがる」
「何の話だ?俺がどこを歩いても勝手だろう。お前は誰だ?」
「…お前、俺様を忘れたってのかよ?」
ストロンガスは飛び掛らんばかりの口調だ。
「…お前は、俺を知っているのか?」
「ああ?」
質問を質問で、―それも奇妙な―返され戸惑うストロンガス。
「すまないが、昔の事が何も思い出せない。お前は俺の知り合いだったのかも知れないが…お前の様子からすると仲は悪そうだな」
そう言って騎士は自嘲気味に軽く笑った。
ストロンガスは何も言えない。だが、以前会った時とはまるで様子が違うのは分かった。
あの邪念に満ちた雰囲気とは…
「あ、ああ…すまん、人違いかもしれん…」
「そうか。俺はこれから行くところがある。もう行ってもいいか?」
「あ、ああ、こっちこそすまなかったな・・・」
騎士がいなくなった後もストロンガスは立ち尽くしていた。
「なんだ・・・なにがあったんだ・・・?少なくとも、敵じゃなくなった・・・のか?」
騎士が入っていったのはアコライトやプリーストの転職試験も一手に行われる、プロンテラで最大の教会だった。
信仰心などまるで無いかのように、ズカズカと聖堂に向かって歩く。
聖堂では一人の女性が祈りを捧げていた。格好から、アコライトのようだ。
「セシル」
「…レカード」
セシルは祈りを止め、レカードの方を向いた。
「お前の言っていた知り合いのノービスとやらは、いつイグドラシルの実を取りにいくのだ」
「まって、レカード。その人はシーフに転職したみたい。今は実を取る為に鍛えているところよ」
「ふむ。お前との約束は果たすが、あまり待たされるのも退屈だな」
「うふふ、まだ2、3日しかたっていないじゃない?」
「まあそれもそうだな」
軽く笑い合う。
「しかし、あんたはその友人を助けにいかないのか?まあアコライトではあの場所は辛いのは分かるが…」
そこまで言ってレカードは口を噤む。
セシルはうつむいて何も言わない。
暫く、沈黙が続いた。
「すまない、何か悪い事を…」
「私は、彼に会わせる顔が無いのです」
「私は、私たちは…彼に会わせる顔も…謝る言葉もない…」
セシルの頬から静かに涙が流れる。
「その罪から逃げたくて…聖職者の道を選びましたが…そんなことは最初から無理なのです」
「…」
レカードは何も言わない。
「すみませんレカード。はしたないですね、聖職者が人の前で愚痴なんて」
涙を拭きながらセシルは言う。
「いや、辛い思い出なら誰にだってあるのだろう…俺は何も思い出せないがな」
「…思い出したら辛くなりませんか?」
「辛いかもな。でもいつかは思い出すだろう。受け止める覚悟があるとは言い切れないから、できれば大した思い出でないほうが良いな」
「そうであって欲しいわね」
セシルは微笑む。できるだけ、レカードの過去が彼自身にとって辛いものであると悟られないように。
「俺は先に家に戻る。あんたはもうすこしここにいるんだろう?」
「ええ」
レカードが去った後、自分ひとりしかいない聖堂で、呟く。
「ケイオス…あなたも、受け止めることが出来るといい…」
その頃ガリィは…
「はぁはぁ……バッシュ!!」
すさまじい衝撃が、クワガタを吹き飛ばし粉々にする。
「ふぅ……」
クワガタ程度ならバッシュを使わずとも楽に倒せるようになってきた。
それでもバッシュを使うのはバッシュの回数を重ねていくうちに、その威力が上がっていることに気づいたからだ。
Lvでいうと3くらいにはなったのだろう。
(私…強くなってる…)
そう思うと、なんだかうれしくなってきた。
「マンクさん!私強くなってきて…」
そういいながらガリィは振り返った。
けれどそこにマンクさんはいなかった。
「…マンクさん?」
辺りを見渡してみるがマンクさんらしき人はいない。
(どこいったんだろう…)
マンクは森の奥…人気のない場所にいた。
そして、突然振り返る。
「そろそろ出てきたらどうだいwww」
マンクがそういうと木の陰からハンター…シャダイが出てきた。
「前置きはいらねぇよなぁ…わざわざ邪魔のはいらねぇこの場所まで俺を連れてきたんだかよぉ…」
シャダイは笑みを浮かべ短剣を取り出す。
「たっぷりと殺しあおうってことだよなぁ!!」
そう言って短剣を構える。
「うはwなかなか強そうだな君はw」
シャダイがムッとした表情でマンクをにらむ。
「…さっきから思ってたんだがよ…」
「ん?wなに?ww」
「てめぇのその余裕が気にいらねぇんだよ!!」
そういいシャダイが一瞬でマンクに切りかかる。
その瞬間マンクが真剣な目つきに変わる。
(なかなかいい動きだ…本当に強いな…)
シャダイが突き出してきた短剣を剣で軽く受け流す。
(まあ、俺以下なんだけど…)
隙だらけシャダイの腹に蹴りをいれる。
「ぐがぁぁ!!」
シャダイがその場にうずくまる。
「ぐ……て…めぇ…」
「残念だったな、俺に勝ちたきゃてめぇらのマスターでもつれてこい。」
マンクがシャダイをにらみつけ、剣を突き立てる。
「まあ、そんな機会は与えん。おまえはここで殺す。」
「…っ」
ヒュウ
シャダイが口笛を吹く。
するとどこからかグリフォンが突進してきた。
「なっ…なに!」
不意をつかれたマンクは直にその突進を受け、吹き飛んだ。
「ぐっ…」
その隙にシャダイが起き上がる。
「へ…っへへ…てめぇ…強いじゃねぇか…」
グリフォンに手をかけ、シャダイは引いていく。
「今の俺じゃあてめぇには勝てねぇからよ…今は引いといてやるぜ…」
「逃がすかっ!」
マンクは体勢を立て直し、追いかけようとする。
しかし、何かに気づいたように足元を見る。
「これはっ…!」
「アンクルスネアだよバカがっ!」
シャダイの声だけが響く。
マンクがアンクルスネアを外したときには、シャダイの影も形も見えなかった。
マンクが罠をはずし、去った後には岩の後ろから2人の戦いを傍観していたツァバトがいた。
「ほぅ・・・あの騎士。シャダイと互角以上にやり合うとは。」
フフと笑ったツァバトは空を見上げる。
「しかし、奴の本気をあの騎士は知らないだろうよ。シャダイの本当の恐ろしさは奴が『冷静』になった時だ。それを考えればまだあの騎士もシャダイの足元にも及ばん。無論、俺にもな。」
ツァバトは戦場を後にし、森の奥へと消えていった。
一方その頃・・・
マンクはガリィのもとへ戻る最中であった。
(くっ・・・左上腕の骨が骨折。あばら骨が肺に突き刺さってるみたいだな。)
「ガハッ」
吐血するマンク。
(徐々にプロボックを相手に仕掛け心理戦でヤツの戦闘センスを低下させたまでは良かったが・・・グリフォンまでいたとはな。)
血をぬぐいさりマンクは立ち上がった。
(さっきの短剣での攻撃もかわしたと思っていたのはフェイント。見事にわき腹をえぐられていたらしい。この殺傷能力からしてブラッディ系の短剣とみて間違いないだろう。)
(とにかく、ヤツは強い。この俺でさえ五分五分で渡り合うか微妙な域だ・・・。)
「くっ・・・!」
マンクは足元のバランスを崩して倒れる。
10分後、それを見付けたガリィが駆け付けてきた。
「マ、マンクさんっ!」
ガリィがマンクさんを起こそうとすると手にべったりとマンクの血が付着していた。
マンクの周りの地面の土にも彼の血がにじんで真紅に染まっている。
「・・・ははっwちょっと砂漠にテロ枝で放置されていた凄いモンスターがいてさ。迷惑なんで倒しに行ってたとこなんだよwwケハッ。」
更に吐血するマンク。
「喋らないでください!い、今応急手当して首都に運びますから!!」
泣き混じりの声でガリィは必死にマンクの傷口に応急処置を施す。
「すまない・・・ガリィ。」
マンクはそういうと意識を失った。
しかし、どうしたものだろう。耳打ちもヒメさん達には今は通じないらしい。おまけにすぐに首都に戻れる手段もない。
高地だけあって、人が見当たらない。空気も薄いので今のマンクさんがここに長くいるのは危険でもある。
「わ、私・・・どうしたら・・・。」
その時、背後から下水道でよく覚えている黒い帽子の騎士がガリィの目の前に現れた。
今、黒い帽子の人は家に居るんじゃあ……
ストロンガスが家路に着く途中、彼の目に一人のアコライトが映った。どうやら慌てている様子である。
「お、お前さんはセシル。どうしたんだ?そんなに慌てて?」
「ストロンガス!丁度よかった。」
「どうしたんだ?」
「オーク達に何かあったらしいの・・・。様子がおかしいみたい。」
「?・・・・どういうことだ?」
「恐らくイグドラシルを取らせないための奴らの画策ね・・・。オーク達が随分と凶暴化してる。」
「奴ら?・・・闇アサか!?どうするんだ!?ただでさえきついってのに。」
「私たちもケイオス達に協力します。」
「お!久々のPTプレイだな!待ってましただぜ!・・あ〜でもお前さんはどうするんだ?
ケイオスに顔を見せたくないんだろ?」
「まぁ・・・お面でもしていくわ・・。それより・・この辺にスイートジェントルを被った騎士を見なかったかしら?」
「!!さっき見たが・・・お前さんあいつの知り合いか?あいつは闇アサなんだぞ!」
「元・・・闇アサね。彼はただ洗脳されていただけ・・」
「ほぉ・・。どうりで態度がおかしいと思った。」
うんうんと頷くストロンガス
「まったく・・。どこをほっつき歩いているのかしら・・。家に帰るとか言ってたのに家にはいないし・・。」
そこへ逆毛の騎士を背負った騎士が歩いてきた。となりには小さな女の剣士
が歩いている
「レカード!それにマンク!どうしたのそれは!?」
「あててて。ちょっとテロに巻き込まれてwwWw」
セシルはゆっくり彼に近づきヒールをかける。
「ありがとwwwふぅ。騎士さんもう大丈夫だ。降ろしてくれwww」
「マンクさん・・よかった。」
ガリィが安心した様子で呟く。
「マンク・・・そういやお前ヒメはどうした?」
呆れた顔でストロンガスがたずねる。
「さぁ?wwwどっか行っちゃったwwwW」
「・・・・」
やっぱり呆れた顔でストロンガスはいた。
「私はジャハルやフレイヤ、ランディを探してくる。彼らの居場所知らない?」
「ジャハルは分からんがフレイヤ、ランディは知ってる。〜場所の説明省略〜」
「分かったわ。マンク達にも協力してもらいましょ。説明頼んだわよ。」
そう言うと彼女はふっと消えてしまった。
「おい!待てよ!俺は説明すんのが苦手・・・って行っちまった。しょーがねぇなぁ。」
ストロンガスは片手で頭をかきながらぶっきらぼうにオークについて説明するのだった
説明が終わり一段落ついた頃。ガリィが一つレカードに質問する。
「さっきはマンクさんの事で慌ててて聞かなかったけど。どうして闇アサの貴方が私達を助けてくれたの?」
レカードはただ分からない・・と答えた。ガリィは怪訝な顔をする。
「あぁ、そいつ洗脳されていたらしい」
ストロンガスはガリィに耳打ちする。
「今はセシルがそれを解除して、まぁ仲間になったんだな。で、その負荷で記憶を多少失っているらしい」
ガリィは驚いた様子ではあったが事情を理解し口を開いた
「ありがとうねレカードさん。助けてくれて」
普段無表情なレカードだったがちょっと照れている様である。
「・・・どう致しまして」
「よかったらケイオスが戻るまで軽く私の剣の修行に付き合ってもらえませんか?」
「良かろう」
ガリィの明るさにレカードは少し救われた気がした。
一人で随分連打カキコごめんです('A`)-3。これで一通り流れは出来たでしょうか。
513 :
508:03/08/17 13:35 ID:C5K1vHHe
設定と話の流れに、書く人もついていけてない様子だったので、
敢えてツッコミをいれますた。
>>512 もつかれ、尻拭いさせるようで悪かった。
……誰か人間関係の、かなり詳しいまとめプリーズ!!
図にしたけど滅茶苦茶だ('A`;)
>>512 OK、なかなかいい流れになってきたな。GJ!
少しずつ物語もまとまってきたしな。
っと、それでは続きをドゾー↓
関係だけでよければ…(間違ってるかもしれないけど)
●ケイオス
闇の暗殺者のマスター、セシル、ストロンガス、マンクが以前の彼を知っているようだ。ただし関係は不明。
●ガリィ
誰とも深い関わりは無さそうだが、ルナの毒をくらったケイオスが一瞬
銀髪の女の人の幻影を見ていたのはちょっと気になる。関係ないかも知れないが。
●ランディ・フレイヤ・ジャハル
元「深紅の暁」メンバー。フレイヤとテスタメントは兄妹。ジャハルとストロンガスは友人同士。
ジャハルはストロンガスがケイオスを知っていたことは知らなかったと思われ…
●ルナ…ケイオスの能力について何か知っているらしい。ヒメとはかつての戦友
●テスタメント…フレイヤの兄
●エロヒム・シャダイ・ツァバト…闇アサのメンバーということ以外他人との関係は今の所無し
●マスター…ケイオスの古い友人らしい…。
●ストロンガス
ジャハルの頼みでケイオスの保護者に。以前のケイオスを知っているらしい(ただしあまり詳しいわけでは無さそう)
王室お抱え鍛冶屋らしく顔が広い。
ジャハル(ギルド関係でフレイヤ、ランディも知り合いっぽい)、セシル、マンク、ヒメと知り合い。
セシルとは昔PTを組んでいた…?
●セシル
自称ケイオスの古い友人。
闇アサのマスター、ストロンガス、マンクとも知り合いのようだ。
●レカード
テスタメントの支配下にあったのをセシルに助けられ、以後彼女に協力する。
セシルがストロンガスに協力を申し出たので彼も参加。
●ヒメ
マンクと組んでいるが、ケイオスのことは知らなかったようだ。
●マー、ジル…激しく無関係。
あと普通に忘れてた('A`)けど
●マンク
ストロンガスの知り合い。彼も以前のケイオスを知っている(らしい)
セシルとも知り合い。
セシルと共に、ケイオスに取り返しのつかないことをしたようなニュアンスの発言有り。
これで全員かな…文字にするとやっぱりわかんないですね。
図にして脳内補完だなコリャ('A`)
絵師様各キャラのバストアップを240*320くらいd
さて、そろそろ出演キャラ人気投票とかしてみたらどうだろうと思うんだが('A`*)
521 :
無料動画直リン:03/08/17 21:12 ID:J+mkIu5O
522 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/17 21:57 ID:0KOeKQ9Y
tt
あの…絵師様のように上手くはないんですけど、ガリィのイメージを描いてみたんですが…。
単色でもOKでしょうか?
全然おkかと思われまつ
…たぶん。
ケイオス
ガリィ ★
ランディ
フレイヤ
ジャハル
ルナ
テスタメント
エロヒム
シャダイ
ツァバト
ストロンガス
セシル
レガード
ヒメ
見てみたいですけど…イメージが固定されるのもちょっとなぁ('A`;)
527 :
523:03/08/17 22:57 ID:DBmMlhbZ
>>526 あ!それもそうですよねぇ…。やめといた方がいいかもですね。
>>49のお約束にニヤけて
>>50を書いたガリィの名付け親としては
・銀髪
・汗
・わりとがさつ wWw ♪〜
のポイントを押さえてないとイヤーン('A`)
(ヽ/)
> <
ていうか、とりあえず見ないか?>>スレ民
529 :
528:03/08/17 23:00 ID:JhCjx+QY
530 :
523:03/08/17 23:07 ID:DBmMlhbZ
>>528 ごめんなさい、汗かいてないっ。クワちゃん挑発です _| ̄|○ l||
あと…本スレのあぷろだをお借りしようと思っていたんですが、うまくUPできなくて
むりぽです。・゚・(ノД`)・゚・。
うああ、スレ汚し本当にすみませんっ吊ってきます!
531 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/17 23:13 ID:Zb2wamqx
ちっさい…
533 :
531:03/08/17 23:18 ID:E1mRmGGm
PCで見てみました。
ああ、こりゃちっちゃい。ダメダメですね・・・。
534 :
531:03/08/17 23:31 ID:E1mRmGGm
連続カキコごめんなさい。
暇な人は画像を保存してそれを編集して拡大してみたりしてください。
何粘着してんだ・・・俺キモイな。('A`)-3
「さてと、もう日が暮れましたわね」
ヒメさんが言った。
「目標も大体達成、ということでよろしいでしょう。ダーリンを迎えに行ってから戻りましてよ」
「はい!…あ、あのヒメさ、様…」
「もうヒメさんでよろしくてよ」
ヒメさんは静かに言った。なんだか少し怖がっているみたいだな…僕の力のせいか…
「ケイオス、釘をさすようですが、あなたの力のことは秘密です。分かっていますね?」
「はい…」
「よろしい、では戻りましょう」
「あ、あら?ダーリンがいないわ?」
僕たちはクワガタ森に戻ってきたのだけれど、そこにマンクさんとガリィの姿は無かった。
ヒメさんは懐から通信機のようなものを取り出した。
「もしもし、ダーリン?いまどこにいらっしゃるの?…え、首都?!先に戻ってしまいましたのね…」
「ただいま〜」
宿屋に着くと、疲れがどっと出てきて、僕は座り込んでしまった。
「よぉ!!ケイオス、随分スパルタくらったみたいだな!!」
ストロンガスさんが僕の顔を覗き込んで言った。
僕は力なく頷くしかできなかった。やばい、もうへろへろ…
「うはっwwwwヒメおか〜」
「ただいま戻りましたわダー…ってきゃああああああああああああ!!!!」
「な、何?!」
ヒメさんが突然大声で叫んだので僕は驚いて振り向いた。
「ダダダダーリンちちち血まみれじゃないの!!どどどこを怪我したの!!!」
ヒメさんは凄い勢いでマンクさんに飛びついた。
「うはっwWw大丈夫大丈夫。もう治ってるからw心配ありりwwwwww」
「ただいま〜」
宿屋に着くと、疲れがどっと出てきて、僕は座り込んでしまった。
「よぉ!!ケイオス、随分スパルタくらったみたいだな!!」
ストロンガスさんが僕の顔を覗き込んで言った。
僕は力なく頷くしかできなかった。やばい、もうへろへろ…
「うはっwwwwヒメおか〜」
「ただいま戻りましたわダー…ってきゃああああああああああああ!!!!」
「な、何?!」
ヒメさんが突然大声で叫んだので僕は驚いて振り向いた。
「ダダダダーリンちちち血まみれじゃないの!!どどどこを怪我したの!!!」
ヒメさんは凄い勢いでマンクさんに飛びついた。
「うはっwWw大丈夫大丈夫。もう治ってるからw心配ありりwwwwww」
確かにマンクさんの服は血まみれだけど本人はピンピンしてる。いやむしろピンピンしすぎてる。
だけどヒメさんは今にも泣きそうな顔で
「だってだって、ダーリンが…何かあったら私…」
「だーい丈夫だぉwww簡単には死なないからwwwwwwじゃ、ちょっと着替えてくるからww」
ヒメさんの頭を撫でてから部屋を出て行くマンクさん。
その途端、ヒメさんは床にぺたんと座り込んで泣き出してしまった。
…なんかちょっと意外だな…
ぎゃーーー区切りを間違えますた(笑)しかも変なコピペしたせいで文章おかしくなっとる・・_| ̄|○
ええと、
>>536の9行目から
>>537です。すいません許してください・・・
「ただいまー」
ガリィの声が聞こえた。
「あ、ケイオス君帰ってたんだ、おかえり!どう?強くなった?」
「うんけっこう強くなったよ!でもおかげでもうへとへとだよ…」
「こっちもよ。ずっと特訓特訓。おかげで色々技覚えたわ」
そう言って力こぶを作ってみせるガリィ。…悪いけど、あんまり付いてないよ…
「さっきもレカードさんに稽古つけてもらったのよ」
「れ、レカード?!」
レカードっていったら、あの下水で会った吸血鬼の騎士じゃないか…!!
言うや否や、ガリィの後ろから黒い帽子の騎士が現れた。
「レカードお前…!!」
「ん?何だお前は」
焦る僕とは対照的にレカードは涼しげな顔をしている。
「あ、ケイオス君、あのね、実は…」
ガリィが僕にそっと耳打ちをしてきた。
「…そ、そうなの?」
…信じがたいなぁ…
「うはっwwヒメもう泣かないでよぉ〜(ぉ」
簡素な服に着替えたマンクさんが戻ってきて、泣きっぱなしのヒメさんを慰めている。
マンクさん曰く、枝テロのモンスターにやられたらしい。
「…どなたかヒールを下さったのですわね。ダーリンの命の恩人はどちらなんでしょう?」
(ていうか誰ですの、私を差し置いておいしい思いしやがったその馬鹿野郎は…ヌッコロス!!)
ヒメさんの妙にしおらしい態度のおかげで、本音でそんなことを思っているとは全然思いもよらなかった。
「んー?あ、そいつなら今そこに…」
「どこですの!」
ストロンガスさんの言葉を遮って叫ぶヒメさん。なんか怒ってませんか…?
「いやだからそこ」
ストロンガスさんが指差した先はベッドの端。
そこには逆に怪しいくらいの笑顔が描かれたお面をつけた女アコライトが、隠れるようにうずくまっていた…。
あ、読み直したらセシルさんはフレイヤとか探しにいっちゃったんだよね…
どうしょう(lll゚Д゚)
あ!本当だ…。(´∀`;)
とりあえず探しに行ったけどもうフレイヤさんたちの姿が無かったという設定ではいかがでしょう。
宿屋は知っているから、オーク達がおかしいという情報が入ったらケイオス達のことが心配で
自分からやってくるんじゃないかな?
>>543 やっべ!今まさにオレの中のシナプスがslhshkjあs
俺もそんな感じのイメージだった・・・・・
545 :
528:03/08/18 12:23 ID:2V04CGBc
うちの携帯からだとh抜き見づらい脳 どなたか直りんしてもらえないか脳
設定が複雑で混乱してきたな。この調子だと、やがて崩壊しそう。
>>540は、無理に設定を後付するより、
下6行を書き換えるか、破棄する方がいいと思う。
突拍子もなく現れたキャラクター「セシル」の事でちょっと確認を
セシル(♀) アコライト
洗脳されてたレカードを助けた。
なぜか昔のケイオスや闇アサのことを知っている。
マンクをヒールで助けた。この時ガリィとも会っている。
ストロンガス(元PTかな)と元「深紅の暁」のメンバー3人(理由は不明だが)とは知り合い。だよな?探してるし
ヒメとの関係は不明。特に設定は無い。
540のまま話が進むなら、ケイオスとヒメはここで出会う。変えるなら接触なし、かな。
キャラの相関図を文にしてみたらこうなりますた。謎がやたら多いが……
修正や追加などがあれば指摘よろ('A`)ノ
問題ない場合もなにか返事よろすく('A`)ノ
http://sylphys.ddo.jp/upld2nd/niji/img-box/img20030818014439.jpg
547 :
540:03/08/18 12:37 ID:PyJBoyoZ
そうですね、最後6行は破棄したほうが良いですね。文章間違いとかで無駄に汚しちゃってごめんなさい。
設定ですけど、じゃあ一人ずつ細かく書き出していったほうがいいですか?
セシルについてはそれでいいと思います。あとセシルはマンクとも知り合いみたいですね。
まとめてみたんですけど、こんな感じでしょうか。修正・追加は指摘してください('A`)何度も書き込んでキモイナ
ケイオス
主人公。シーフに転職。
特殊能力スキルハックで色々な技が使える。(今はヒメに禁止されている)
闇夜の暗殺者に狙われているが、理由は謎。
「何かを為し遂げるため」冒険者になったが、初心者修練所以前の記憶が無く、「何か」の内約は分からない。
微かに謎の惨劇の記憶だけがあるが、完全に思い出すことは出来ない。
闇の暗殺者のマスター、セシル、マンク、ストロンガスは以前の彼を知っているらしい。ただし誰もその素振りすら彼に見せない。
一人称は「僕」だが話し言葉は「俺」。キャラの特徴は今の所表記無し。
ちょっと図に乗りやすい。どっちかというとツッコミ派。
──────────────────深紅の暁───────────────
フレイヤ
深紅の暁女ギルドマスター。今は図書館で本を読む。金髪の魔術師。闇夜の暗殺者のメンバー、テスタメントは兄。
得意とするのは大魔法。一方でスピード戦は苦手のようだ。
ジャハルと恋仲のようだ。
ランディ
聖職者。教会で女の子を口説いていたらしいが、シャダイに襲われコモドに逃亡中。
ジャハル
自分の力の弱さを知り、武者修行へ。クールな騎士。過去に友人を冤罪垢B…処刑されたために執行機関に対して不信。
自分の代わりにストロンガス(フリーで実力も地位もあるからだろう)にケイオスたちの保護を頼むが、
ストロンガスがケイオスを知っていたことは、ジャハルは知らなかったと思われる。
※なお、ケイオスとガリィは「深紅の暁」のメンバーでない。
エンペリウムを壊されたため、現在このギルドは解体している。
ジャハルとストロンガスが友人であるために、他2名もマンク、ヒメ、セシルと知り合いとなっているようだ。
3人とも闇夜の暗殺者のマスターから処刑宣告されている。
───────────────闇夜の暗殺者────────────────
このギルドの目的は、最終的に王国を支配すること。それとケイオスをさらうこと。
ケイオスを闇夜の暗殺者の総統は知っている。
なおこの総統は闇夜の暗殺者とは別の組織かもしれない。
ルナ
「暗殺術を幼少から仕込まれ、変装の名人でもある最強女アサシン」
妖艶かつ残酷。金髪ショートに星ヘアピン(これも変装の可能性が…)
ケイオスの能力や過去について少なからず知っているようだ。
インベナムに見せかけた「何か」でケイオスの能力を目覚めさせたよーな描写があったけど…
ヒメとはかつての戦友で、ライバル意識が非常に高い。
テスタメント
「ロードオブデスの復活を目論んでいるという死者の魂さえ自在に操る謎多きダークプリースト」
フレイヤの兄だったが闇の力にとらわれて悪に。幼い子(特に♀マジ)を殺すのには抵抗あり。
シャダイやルナは、テスタメントとフレイヤが兄妹だということを知っているようだ。
シャダイ
「PvPで全員八つ裂きで皆殺しにし、快楽を求め続ける」銀髪のハンター。相棒がグリフォン。
マンクと互角の戦いをするが、冷静になると遥かに強くなるらしい。
現在は元・深紅の暁メンバーの殺害を命令されている。
エロヒム
「執行機関ゲフェン本部を一人で壊滅させた、禁忌魔法を使う」黒い羽衣を纏った魔術師。術士隊の長。無感情。
現在は元・深紅の暁メンバーの殺害を命令されている。
ツァバト
「執行機関をまとめて15人殺した黒いマントの男」
闇夜の暗殺者をまとめる。力は強大。爪のようなもので攻撃する。それ以外は一切正体不明である。
総統(オーラの男)
闇の暗殺者の総統。闇アサのギルマスかどうかは不明だが、メンバーは全員忠誠を誓っている。
以前のケイオスを知っているようだ。「プロジェクトDARKROAD」とは何か。
ケイオスに「謝る資格すらない」ほどのことをしたらしいが…。
※テスタメントらがゲフェンギルドアジトを陥落させる。
イグドラシルの実を取らせないようにオーク達を凶暴化させている。
マンクとセシルが初めて出会ったのは
>>510ではない?
初めて出会った、という描写はないけど、前々から知り合いだった、という描写も無いような……
共通点は、二人ともケイオスの過去を知っている(二人とも理由は不明)、ぐらいしか思いつかん。
どこで見落としたかな?
───────────────その他───────────────────
ストロンガス
王宮おかかえ鍛冶屋。鍛冶も戦闘も腕は相当。友人であるジャハルの頼みでケイオス達の保護者になる。
(ケイオスだから引き受けたのか、頼まれて会ってみればケイオスだったのかは不明だが)
ケイオスを以前から知っているような素振りを見せる。ただし闇アサのマスターやセシルほどの関わりはなさそうである。
(出身地を聞いていたので、今のケイオスがどういう経緯で出現したのか知らないらしい)
とにかく顔が広く、深紅の暁メンバー、セシル、マンク、ヒメと全て知り合い。闇アサのマスターとの面識は…たぶんなさそう…
赤い髪を後ろで無造作にしばっている。ひげもある。マッチョ。デフォルトでラウドボイス。
セシル
>>546参照。ケイオスに「あわせる顔も無い」ほどのことをした罪滅ぼしに、聖職者の道を選んだらしい…。情報が早い。長い金髪。
レカード
元・闇アサのメンバー。テスタメントに洗脳されていたのをセシルに助けられる。以降彼女に協力することに。
後遺症で記憶を失っている。性格も随分おとなしくなった。スイートジェントルにサングラスで結構怪しい。
マンク・ルポ
ボス狩りに燃えるLv99逆毛騎士。謎の多いテンションの持ち主だが、中身はいたって真面目な性格。
ストロンガスと知り合いでケイオスのことも知っているらしく、
「今度こそ守る」とボス狩りの合間にこっそり見守っていた(ストロンガスにも頼まれていたようだ)。
ヒメ
ストロンガスの知り合いのLv99姫プリ。姫らしく高慢。様付け必須だが、やっと「さん」付けで呼べるように。
ケイオスのことを全く知らなかったようなので、マンクと組んだのは「某出来事」以降なのだろう。
ルナとはかつての戦友。マンクとラヴラヴ。ショタの気がある。切れるとものすごい。
闇夜の暗殺者の総本山と思われる古城地下。
その地下から通じる道の奥の広間に総統とツァバトがいた。
2人ともチェスに興じている。
「白のナイトを黒のビショップへ。」
男にしては白すぎる肌も、彼ならば決して軟弱には見えないのは何故だろう。と、ツァバトは目の前に座る男の手元を見つめた。
黒馬の形をしたナイトの駒に白い指が絡みつく様は、一種芸術的な色合いとも取れる。
「厳しい采配だな。ツァバト。」
2人の間にあるチェスの盤上には先ほどから、静かで苛烈な戦いが繰り広げられていた。形勢はどちらかと言うと、ツァバトが不利の様子だ。
男は盤上に視線を落としたまま、2手3手、、、と、あらゆる状況を頭の中にめぐらせている。
しばらく考えた後、ポーンの駒を一つだけ先に進めて、どうぞ、とツァバトに返した。
「実戦でも言える事だが、チェスでマスターに勝てる気がしないのは何故だろう。」
ツァバトは駒を進める、その動きを読んでいるかのように反応し男も駒を進める。
男は口を開いた。
「チェスほど人生のやり取りを再現したゲームはないだろう。そしてそれを通して相手を理解する。」
「相手を理解する・・・ですか。」
ツァバトは自分の駒の先を見つめている。
「先に任せたケイオスの監視。何か変わった事はあったか?」
男は駒の先を見つめるツァバトに訊ねた。
ツァバトは我に返り答える。
「はっ。本人からスキルハックと思われる能力を2度確認しております。攻撃スキル、援護スキル。両者ともマスターと同じように具現化していますな。」
「そうか・・・。やはり血は通っているものであるな。」
男は女性の肖像画の額縁の方に目をやる。その女性は優しい笑顔で腕に赤ん坊を抱えている。
「当然、ケイオスは母を知らないのだろう。いや。知って彼は幸せなのだろうか?」
事情を察しているツァバトは駒をゆっくり進めながら言った。
「例のケイオスをここに連れてくる件。実行しますか?ルナが全て手筈は揃えておりますが・・・。」
男は首を横に振る。
「いや、良い。ここに彼を連れてきて何を伝え何を言えばよいのか?、、、私の贖罪はまだ断ち切られていないのだ。」
「ツァバトよ。今はダークロード様の真の力を復活させる事に集中せよ。話はそれからだ。」
「ははっ。」
男は、白い指先で駒の歩を進める。
「チェックメイト キング トゥ。さぁどうする?」
男は微笑する。
ツァバトはは眉間の皺を深くして暫くの間、盤上の駒の動きをシュミレーションしていたようだが、彼なりの結論が出たのかフッとため息をつき漆黒のキングの駒をぱたりと横に倒した。
「リザイン。投了です、マスター。」
>>556 黒馬→×
白馬→○
以前、ケイオスの過去の残像のシーンがあったので、それをベースに総統のケイオスとの関係がチラッと読み取れる部分を作ってみました。
チェスやらせてるのは自分の趣味です。。。
キモいので吊ってきます。
「え・・・・と、ここにフレイヤがいるはずなんだけど・・・・」
セシルはプロンテラ国立図書館の前にたっていた。
セシルがオロオロとしていると、図書館からフレイヤが出てきた。
「フレイヤ!」
セシルの声にフレイヤがふりむいた。
「あら、セシルじゃない。どうしたの?」
フレイヤはきょとんとした顔で、セシルを見た。
セシルはフレイヤに今までの流れについて説明した。
「あんたもややこしい事に巻き込まれたわねえ。
そう、ケイオス達もついに転職したのね。
それにしても、オーク達が凶暴化か・・・・・・マズイわね。」
フレイヤは腕を組み、うーんと唸った。
「だから、ぜひフレイヤにも協力してほしいのよ・・・・」
「残念だけど、それはできないわ。」
フレイヤは横に首をふった。
「え、どうしてなの?あなたの戦力は貴重よ。強いわ。大魔法でさ・・・」
セシルは少し慌てながら言った。
「ダメよ。私は今まで大魔法ばかりに頼ってきた。
私が強いんじゃない、大魔法が強いのよ。そのことをイヤという程思い知らされたしね。
私ももっと強くならなきゃならないのよ。」
「そんな・・・・・!!ケイオス達は今から危険なオーク達と戦うのよ!?
命の危険もあるわ・・・・!!それを見捨てる気なの!?」
セシルが興奮する様子を、フレイヤは不思議そうに見ていた。
「セシル、落ち着いて。あなたの話じゃ、かなりの高レベルの騎士と聖職者がいるんでしょ?
レカードって人も相当強いんでしょ?大丈夫よ・・・・」
「大丈夫じゃない!!」
セシルが大声で叫んだ。
フレイヤは驚いた表情で言った。
「セシル、ちょっとあんたどうしたの?どうしてそこまでケイオスを心配するの?
昨日今日会ったばかりなのに、どうしてそんなに必死になって・・・・」
セシルはハッと我に返った様子だった。
「ご、ごめんなさい・・・・。私、どうしちゃったんだろうね・・・・」
セシルがその場にペタンと腰を降ろした。
「ううん、私こそ力になれなくて、ごめんなさい。
だけど、これだけは信じて。私もケイオス達の事は心配でたまらないわ・・・・・
けどね・・・」
「うん、分かったわ。フレイヤにも事情があるものね。無理やりごめんなさい。」
そういうとセシルはそのまま図書館を去っていった。
「ごめんね、セシル。私は強くならなきゃならない。
いつか、本当にケイオス達の力になれる、その日まで・・・・」
フレイヤはそのままジッとセシルの背中を見続けていた。
>>540を書き換えてみますた。途中からだが
(ていうか誰ですの、私を差し置いておいしい思いしやがったその馬鹿野郎は…ヌッコロス!!)
ヒメさんの妙にしおらしい態度のおかげで、本音でそんなことを思っているとは全然思いもよらなかった。
「俺の知り合いだ。二人で町を歩いてたら偶然出くわしたんだ。マンクが血だらけだったから俺も驚いたぜ!」
「そう、あなたの知り合いでしたの……今はどちらへ?」
(フン!しかたがない、命は奪わないけど、ただじゃ済まさないですの!フォォォォォ!!)
頭の中では闘志を燃やしてるが、表面と声は、やつれたようにしおらしくしている。
「あ〜、今ごろはコモドじゃねえかな?ちょっと人探しに出てるぜ!」
「いつ戻りますの?」
「明日の朝までには戻る、ってよ!」
「なら、お礼は明日ですわね……」
(そう、たっぷりとお礼をさせて頂きますわ!フ、フフ、フフフ、)
「ヒメ震えてるよ?(何」
「な、なんでもないですわ!」
「いやーーーーん、カッコイイプリースト様ぁ☆」
水着を着た美少女達に囲まれて、僕は幸せさあ〜。
「はいはい、慌てないで!僕はみんなのものなんだからさ〜!あははは!」
熱帯のリゾート洞窟都市、コモド・・・・・。
闇アサのメンバーに狙われた時は、一時はどうなったかと思ったけど・・・・・
「はぁい、コモドの名物、グァバジュースですよ〜☆」
セクシーなカプラさんが僕にジュースを持ってくる。
「うっひゃあ、おいしそ〜だねぇ☆ ささ、僕のオゴリさ〜。みんなどうぞどうぞ〜」
「いやーーーん、優しい〜!懐が広い〜〜〜〜〜!!」
水着美女が僕にキャーキャー抱きつく。
「あはは〜、天国だなあ〜、ここは(゚∀゚)」
僕はキレイな幻想の町を、ハンモックに揺られながら楽しんでいた。
「あ、あの・・・・・・」
一人のアコライトが僕に話しかけてきた。
「あっひゃ〜、OKOK、僕と遊びたいのかい?
じゃあまず水着になろうよ、ね?そんな格好じゃここも暑いしさ〜☆
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ってあれれ!?」
僕に冷たい視線が向けられる。
「あ、あははは!セシルじゃないかあ!どうしたのさ、こんな所で?」
「ランディこそ・・・・・・なんで水着なのよ!
聖職者はいかなる時もそうやって簡単に肌を見せるもんじゃないでしょう!」
な、なんでセシルがこんな所にいるんだろう。
「まあいいわ・・・・・まったく。今日はあなたに話があるの。」
セシルはそういうと、僕に色々話し始めた。
ケイオス達の転職。オーク達の凶暴化。イグドラシルの実のこと・・・・・。
なにやら色々大変そうだ。
「そういうわけで、あなたにもイグドラシルの実をとるのに協力してほしいの。」
セシルがひととおり話を終えて、ふうっ、とため息をついた。
僕は迷った。いくら強い仲間がいるとはいえ、ケイオス達とオークロードを戦わせるのは、
あまりにも危険だ。だけど・・・・・・・
「すまない、セシル。君の力にはなれないさ・・・・・」
セシルは一瞬とても悲しそうな顔をしたが、すぐ平静にもどった。
「・・・・・・・そう。」
セシルはそう一言つぶやくと、そのまま黙ってしまった。
「僕は自分の力の限界を知ってしまった。
僕はとても弱い・・・・・・。闇アサに狙われた時、僕は逃げるだけで精一杯だった。
僕に戦いはむいてないんだよ。頼むから、そっとしておいてくれないか。」
僕はセシルに申し訳のない気持ちでいっぱいだった。
だけど、僕はもう傷つきたくない。
傷つくのが怖い。それに、僕じゃ何もできないんだ・・・・
「確かに、あなたは怖い思いをしたでしょうね。」
セシルが僕をまっすぐ見つめた。
「だけど、怖いのはあなただけじゃない。ケイオスは、命までかけてガリィを助けようとしてるのよ?
自分で自分に見切りをつけたら、本当にそこで終わってしまうわ。
あなたは自分を弱いと決め付けてるだけよ。」
そんなこと言ったって、僕は・・・・・・
「人間には、無限の可能性があるわ。あなたはまだまだ強くなれるはずよ。
私なんかにくらべたら、全然強いわ・・・・・・。
あとは自分の力を信じるか、信じないかだけよ。」
「・・・・・・・・・・」
そのままセシルはワープポータルを唱えはじめた。
「これだけは忘れないで。
あなたの力を必要としている人は、必ずいるんだから。」
そういうとセシルは、そのまま光の中に消えていった。
「プリーストさまあっ☆あっそぼ〜!」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・?どうしたの〜?」
「・・・・・・・・コモドの周りには、3つの洞窟があるよね?」
「うん、あるよ〜。だけど、モンスターがものすごく強いから危険だよ?」
「・・・・・・ちょうどいいや。」
「どうしたの?ねえ、私達とあそぼ〜よ〜?」
「ごめんね、ちょっと急用思い出しちゃって。今から行かなきゃ。」
「え〜!そんなに大事なことなのお!?」
「とっても大事な事だよ。僕は長い間ずっと忘れてたみたい。」
「私達より大事なのっ!?もう、これだから男はイヤなんだよね!サイテー!」
「ごめん、もういかなきゃ。」
歩きながら、さっきの自分を振り返る
(戦いには向いてない・・・か)
それはきっと、そのとおりなんだろう
だが、しかし
(僕に向いてるモノ・・・)
戦闘に向いてなくったって・・・できるコトは、あるハズだ
「かならず見つけてみせる・・・俺自身の戦い方をっ!」
「はああッ!」
2HQで加速されたクレイモアがアサルターの心臓を断ち切る。
力を失った亀の抜け殻を一瞥し、騎士は新たな敵へと斬りかかる。
(こんなモンじゃダメだ。あのマントの男には勝てない・・・)
想いを込めた刃は次なる敵も易々と切り裂く。
辺りの敵を全て切り伏せた騎士は、血の川の中に腰を下ろす。
足元からは熱く輝くオーラが吹き出し、彼の階級(レベル)が99である事を物語る。
しかし、その光さえも彼の心を癒す事は出来ない。
あの夜。彼は黒いマントの男に屈服した。
弱きを守る筈の騎士が、守る相手を守りきれなかった。
その心が、騎士としての彼、ジャハルの心を苛む。
ジャハルが一気にLv上がり、亀島で狩りって…展開にかなり無理がある希ガス。ランディの視点からマターリいこうや。('A`)
>>570は漏れも無理があり杉だと思ったYO…('A`;)
573 :
570:03/08/18 23:30 ID:KiBxtr7v
スマソ。書き込んでみてからこれはアカンかもって思ったよ('A`)
漏れの書き込みはスルーで引き続きランディ編をオナガイしまつ(;´Д`)
574 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/18 23:36 ID:TOBkKNqc
メガネ、巨乳、少女、緊縛、美女、ストッキング。
さあ貴方の股間をムズムズさせる語句はいったいいくつありますか?
全てのエロを網羅した作品です。
アニメとはいえこれだけたくさんのフェチ心をくすぐる作品はめったにありません。必見!!
無料ムービーをご覧下さい。
http://www.pinkfriend.com/
>>570、ィ`。しょげることないです。次の展開期待してまつ!(・ω・)b
「…よし、行くぞ!!」
僕は気合を入れて洞窟に入っていった。
寒くて、暗くて、じめじめしている。街の様子とまるで正反対だ。
「強力なモンスターか…確かにそういうのが住んでそうな雰囲気だねぇ」
やっぱり、こういう所は苦手だ。だけど、こんなことで怖がっている場合じゃない。
僕は、強くなるべきなんだ。
ヒタ、ヒタ、ヒタ…
「…何だ?」
音が近づいて来る。僕は息を殺して音の主を待ち構えた。
しばらくして、魚に人間のような手足の生えた怪物が姿を現した。
青い鱗がぬらりと光っている。手には鋭そうな銛を持っている。
「は、半漁人…!?」
思わず出してしまった声に半漁人が反応した。
キッとこちらを向いたかと思いきや銛を構えて突進してきた!!
「そ、速度上昇ーーーーーッ!!!」
気が付けば猛烈な勢いで逃げ出している自分がいた…。
「はあ、はあ…なにやってるんだ僕は…」
半漁人の目が届かないところまで逃げてから、思いっきり後悔の念にさらされる。
遠くで半漁人のものと思われる咆哮が聞こえた。やばいよ、怒り狂ってる。
それにこんなことをされたら他のモンスターも来ないとも限らない。
「ジャハルとフレイヤがいればなぁ…」
だけど二人はここにはいない。僕が何の役にも立たなかったばかりに。
「倒すしかないんだよなぁ…」
落ち着こうと、深呼吸をする。相手はかなり知能は低いと思われる。
半漁人の足音が近づく。落ち着け、考えろ。
「…神よ、汝の僕に祝福を…!ブレッシング!!エンジェラス!!速度上昇!!」
素早く支援魔法を自分にかけ、開けた場所へ飛び出す。
半漁人はもうそこまで来ていた。
セシルって深紅の暁のメンバーと知り合いなの?
なんか違う気がするんだが…見落としならスマソ
僕を見つけた途端、半漁人は突進してきた。
「主よ憐れみたまえ…キリエエルレイソン!!」
バリアを張り、正面から銛での突きを受け止める。
キィンッ!!
たったの一撃でバリアが薄くなる。やばい、なんて馬鹿力だ…これじゃすぐに破られてしまう。
だが半漁人はバリアの存在に怯んだ様子だった。驚いて後ろに飛ぶ。
身のこなしも早い…!
と、半漁人は、銛を思いっきり投げつけるように構えた。
投げるのかよ!!
「ニュ、ニューマ!!」
大急ぎで飛び道具に対するバリアを張った。
半漁人が銛を投げつけた瞬間、思いっきり屈む。バリアがあってもやっぱり怖いよ!!
銛は僕の頭のすぐ上で動きを止め、そのままカランと地面に落ちた。
あ、危なかった…。
『ぐぅぉぉぉぉぉぉおぉおお!!!!』
もう半漁の怒りは頂点に達している。
でもこれで冷静には戦えないんじゃないかな…とちょっと期待してみる。
半漁人が再び突進してきた。
僕も次の魔法の詠唱に入ったけど…あまりのスピードで間に合わない!
奴は落ちた銛を掴むとそのままの勢いで突き出してきた。
ギィィン!!!バリアが壊れる。
咄嗟に体を右にそらすが、銛の一部が僕の左肩をえぐり取った。
「・・・・テレポート!!」
「!!??」
集中すればある程度はコントロールできる。
一瞬で半漁人の後ろの陰になる場所に移動した。
半漁人は僕が突如消えたことにと戸惑っている。
今しかない。
静かに、術の詠唱だけに集中する。
左肩の痛みも感じないほどに。
複雑な印を組む。口の中だけで呪文を唱える。
半漁人がこちらに気がついたのが見えた。
銛を構える。でももう遅い。
「焼き尽くせ!!…ホーリーライト!!」
聖なる光が半漁人を貫き、光が消えた後には焼け焦げた死体が一つあるだけだった。
「ちょっとえぐい焼き魚だなぁ…っていてえええ!!!」
今になって激しく痛み出した左肩にヒールをかける。
>>578 セシルに関しては
>>546と
>>554 深紅の暁の事を知っているって設定は
>>511で初めてついたとおもわれ。
突発だったからわかりにくいかもしれんが、3人を探しに行く、という描写がある。
>>546にも書いてあるが、なぜ知り合いなのか、どんな関係なのかは不明。
説明下手糞ってゆーな!(゚A゚)俺もこれ以上はわからんのじゃい
お邪魔しますた。
「…半漁が馬鹿でよかった…」
僕はガックシとうなだれる。
「まあ初めて一人で半漁倒したしぃ〜!僕って結構やるぅ〜( ゜∀゜)」
俄然やる気が出てきたぞ!よーしこの調子でガンガン修行だ。
ありがとう、セシル…。まっててくれよケイオス。
支援プリ万歳だはっはっは!!
数十秒後。
「ぎゃあああああ!!!テレポートぉぉぉぉ!!!」
洞窟に木霊した言葉がこれであった
>>582 いえいえよく分かりましたよ。
>>511で知り合いということが発覚していたとは…
見落としスマソで板汚しスマソのWスマソでした。
585 :
583:03/08/19 01:54 ID:kT56voMq
…連投規制恐るべし…てか書き込みすぎなんだな自分('A`)スイマセン
テレポが超便利になってるけど許してくれェ('A`)
セシルと深紅の暁の関係は、やっぱりストロンガス仲介なんでしょうか。
ケイオスと深紅の暁が出会ったのは偶然だろうけど、ケイオスの周りの人の関係が深くなりすぎている気がする…
青、黄、赤、緑、そして紫。
狭い部屋には五色の光がたなびいていた。質素なたたずまいの部屋だが、灯り代わりの発光ステンドグラスが柔らかい光を放っており、教会の一室と知れた。
セシルは戻ってきたその部屋で夕陽を見つめている。
「私は・・・私は・・・」
そう呟くセシル。
ギギギ
ドアの開く音がした。
「誰ですか?」
セシルは振り向く。
その部屋に入ってきたのはヒメであった。
「教会の一室が貴方の部屋・・・でしたのね。」
「あ、あなたは・・・?ヒメさん!」
セシルはいそいそと部屋の整理を始める。
「あ、お構いなくてよ。今日はちょっとお話したいことがあるんですの。いいかしら?」
「は、はいっ。」
「もっと気楽になさってくださいな。同じ聖職者同士ですわよ?」
ヒメはニコリと笑ってみせる。
「とりあえず、近くの店で紅茶とクッキーを買ってきましたの。いただきましょう。」
「あ、お気遣い有難うございます。」
セシルとヒメは窓際のテーブルの椅子に腰をかけた。セシルが慣れた手付きで湯を沸かし、紅茶を入れる。
「どうぞ・・・。」
「いただきますわ。」
ヒメは紅茶のティーカップに口を付ける。
「あら?美味しいですわね??悔しいですが私の煎れた時よりも美味しくってよ。」
ヒメは笑いながら言った。
「紅茶とか毎日飲んでいる・・・というか趣味なので。」
照れながら苦笑するセシル。
夕陽が彼女達の頬をオレンジ色に染める。
ティーカップの中の紅茶が半分ぐらいになった時、ヒメが口を開いた。
「マルシス神父から全て聞きましたわよ。貴方とケイオスの関係。」
「!!」
セシルが硬直する。
「ごめんなさいね。しかし彼のスキルハックという能力を自分の目で見てしまった以上気になって仕方無かったの。」
「・・・。」
セシルは黙ったままだ。ヒメは構わず話を続ける。
「貴方は幼少の頃、親をなくし、ある家系に引き取られた。温かく迎え入れてくれたのはセントルイス家。当時聖十字騎士団の隊長を務めていたヤーウェ・セントルイスが引き取り人ね。」
「・・・。」
「そしてそのヤーウェの妻の名前はカレン。そしてその息子の名前が・・・」
「言わないでっ!!」
今まで黙っていたセシルが叫んだ。しかしヒメは最後まで言葉を発した。
「ケイオス・セントルイス。」
「・・・っ!!」
気が付くと、セシルはヒメの頬をピシャリと叩いていた。しかしそれでもヒメは顔色一つ変えない。
「貴方とケイオスは異母兄弟。・・・そういう事ですわよね?」
「と、取り乱してしまってごめんなさい・・・。」
ペコリと謝るセシル。
「そんな事はどうでもいいのです。異母兄弟・・・なのですよね?」
詰め寄るヒメ。
「・・・・・・・・・はい。」
セシルは体を震わせながら下を俯き答えた。
ヒメは悲しい表情をしながらセシルを見つめ訊ねた。
「・・・詳しく話していただけますかしら?」
5分間の沈黙。もう紅茶は冷め切っていた。
沈黙の中、セシルが答える。
「・・・・・・はい。」
>セシルと深紅の暁の関係は、やっぱりストロンガス仲介なんでしょうか。
(゚A゚)わかんね!設定がない状態だから……ま、そのうち誰かが書くでしょ、好きなこと書けるし。現在は謎ってことで。
>ケイオスと深紅の暁が出会ったのは偶然だろうけど、ケイオスの周りの人の関係が深くなりすぎている気がする…
A.そんな気が(ry
ケイオス、ガリィ、深紅の暁の3人の視点から人間関係を見ると、少し複雑だけど深くはないんだよな。
主人公とヒロインよりも、周りの人の方が盛り上がってます。
ケイオスの周り(深紅の暁)の周り(ストロンガス、セシル)に、
多くの設定と深い人間関係ができた為、違和を感じた。ってとこかな?
まだまだ話は途中だ(`A')これから違和感無くなるように書けば良いのさ!
問題は書けるかどうかですが…('A`)ツイテイケルカナ
(;'A`)続き書けなくて、いらいらしながら長文かいてたら続きが……失礼しますた。
すまん、まじで文句の言いようが無い程に読みいってしまった(つД`)
文才の無いROMより ヾ(´・ω・l壁
セシルは淡々と語りはじめた。
「幼少の頃に両親を戦でなくした私は、ヤーウェ・セントルイス様の厚意で引き取られました。ヤーウェ様、妻のカレン様も身寄りの無い私を本当の家族のように愛してくれた。
とても幸せでした・・・。」
遠くを眺め、話すセシル。
「ヤーウェ様は聖十字騎士団の長であり、常に戦場の最前線で、屍山血河を踏みしめてました。
人類最後の希望と言われた、聖十字騎士団を率いて、戦闘に留まらない指揮力と知性を発揮し、執行機関も彼に助力を願うほどです。
部下のほとんどはヤーウェ様の一声で死地に赴きました。」
「私が8歳の時に、聖騎士として努めるヤーウェ様に第一子が誕生しました。
それがケイオスです。」
「ヤーウェ様もカレン様も大層お喜びで、同時に私が姉になったという事を祝福していただきました。
その後、すぐにヤーウェ様は戦地へ赴かなければなりませんでしたが、赤ん坊のケイオスにペンダントを託しました。
私も持ってます。」
セシルはコンパクトサイズのケースに入っているペンダントをヒメに見せた。
「そして、その戦場の最前線でヤーウェ様が指揮をとっておられる時に、ヤーウェ様の実績に嫉妬していた知り合いの執行機関の人間が」
『ヤーウェはトリスタン国王の首を密かに狙っている。正義を装い、災いを齎すヤーウェを討ち取るべきだ。』
「・・・と嘘の情報を流したのです。」
やりきれない表情をするセシル。
「当時は部下の裏切り、主人が寝首をとられるなどというのは日常茶飯事でしたので噂は瞬く間にプロンテラ全土に広がっていきました。
そして、あの夜。
執行機関、民衆、義勇兵が、私とカレン様と赤ん坊のケイオス。ヤーウェ様の少数の側近の将軍達だけの城に攻め入ってきたのです。」
「圧倒的な相手の数により、ヤーウェ様の信望も厚かった屈強な兵士も数分と持ちませんでした。
私とカレン様は必死に炎上する城の中を逃げました。」
「そして外壁まで何とか逃げ切れた時に、ヤーウェ様が駆けつけてきたのです。
私達が、駆けつけてきたヤーウェ様の方へ向かった瞬間、カレン様は流れ矢に当たってしまい・・・。」
「カ、カレーンっ!!」
「う、うっ・・・あなた・・・。」
「大丈夫だ。今私のヒールでお前の傷口を塞ぐ。じっとしてるんだ!セシル、怪我はないか??」
「わ、私はへ、平気・・・で、でもお母さんがっ!」
「分かってる・・・分かってるさ・・・。」
「ヤーウェ、私はもう助からない・・・。今は側近の方達も倒れ、プロンテラ軍、義勇軍、執行機関に城は制圧されています。
せめて、あなた達だけでも逃げてください・・・。」
「そんな事ができるか!お前を連れてここを逃げる。絶対だ!!」
「死にゆく人間の顔を何度も見てきたあなたなら分かっているはず・・・私の命は・・・ここで終わるでしょう。
しかし、セシルとケイオスがいます。この子達を・・・頼み・・・ます。」
「お、おい!しっかりしろ!!カレン?カレンっ?!!」
「お、お父さぁん・・・。」
「今までの日々、楽しかった。愛してるわ・・・ヤーウェ。セシル。そして・・・ケイオス。」
「嘘だよな、カレン。なぁ返事してくれ。目を開けてくれ。カレン・・・カレェェェェェェンっ!!」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「力が・・・私に力があれば・・・・っ!」
「力が・・・力が欲しいっ!!」
ドクン・・・。
『汝、力が欲しいか?』
ドクン・・・。
『汝、強き力を求めるか?』
ドクン・・・。
そういって現れたのは禍々しい骸骨の魔人であった・・・。
ヤーウェは暫く何かの言葉を反芻していた。
そして手にしていたロザリーを力強く握り砕いた。
「私は・・・この腐敗した人間共に復讐できるのであれば魂でも何でも売ろう。」
「力が欲しい・・・この妻すら守れなかった私に・・・力をくれっ!!」
骸骨の魔人、ダークロードはヤーウェを見下ろした。
『汝、力を求めるか。ならば我との契約に従え。』
「契約にでも何でも従う。力を・・・私にっ!」
『良かろう。我が無限の闇の力、汝に授けよう。』
ヤーウェの周りから黒いオーラが溢れてくる。聖騎士クルセイダーとしての輝きはそこにはなかった。
剣が異形の形をした刃に変化していく。
ヤーウェはセシルの方を見て言った。
「・・・セシル、お前はケイオスを連れて・・・この城からなるべく遠いところへ逃げろ。
ここは私が食い止める。・・・私の意識が薄れる前に・・・。」
セシルはカレンの亡骸に抱かれていた、泣きじゃくるケイオスを抱き、母に最後の別れの抱擁をした。
そしてセシルは城の外の森へ力一杯走っていった。
「いたぞ!ヤーウェだ!!」
「ヤツの首には2億ゼニーがかかっている!俺がいただきだぁ!!」
「執行機関として、ヤーウェには措置を適用せねばなりません。覚悟しなさい。」
「殺せ!殺せ!!」
ヤーウェは黒いオーラを放ちながら、義勇軍、執行機関、傭兵の群集を睨む。
「愚かな・・・。肉塊にしてくれよう。」
ヤーウェは異形の形をした魔剣を手に取り群集の中へ単身向かっていった・・・。
「セシル様!?ケイオス様!?」
森で倒れていたセシルとケイオスを見つけたのは、ヤーウェの側近の逆毛騎士マンクだった。
ダンダンダン
商人ストロンガスはドアを叩く音に起こされた。
(こんな遅くに…誰だろう…?)
ベッドから身を起こす。
「どちら様でしょうかぁ?」
眠たげな目をこすりながらドアを開ける。
目の前に立っていたのは、二人の子供を抱える逆毛騎士マンクだった。
「マ、マンク!?どうしたんだその子供達は…」
「何も聞かずに…この二人を預ってくれないか…」
「え…?」
「すまない…この子達について詳しい事情は話せない…けれど頼れるのはストロンガス、君だけなんだ…頼む!」
「…」
マンクがいつになく真剣な表情をしていることに内心ストロンガスは驚いていた。
「分かった…」
「すまないな…ストロンガス。」
「いいってことよ。気にするな!ガハハ」
「ありがとう…」
マンクはその一言を残し、城へとヤーウェの安否を確かめに駆けていった。
「ちょっとお待ち」
「…はい?」
「あなた、今がそれから何年たってるとお思い?…ダーリンはそんなに歳とってないですわよっ!!」
「ちょっ…苦しっ苦しいわヒメ〜!!」
いきなり肩を強く揺すられるセシル。
「な、なぜかは、分からないけどっ…マンクはあれから歳を取ってないんです!」
「…え?」
セシルを揺さぶる手がぴたりと止まった。
「マンクは何も言わないけれど、あのときからマンクは全然変わってないの…
ヒメ、貴女は彼と組んで数年だから気付かなかったと思うけど」
「たぶん…彼も呪いのようなものを受けているんだと思うわ。
あれから…ケイオスがあんなに大きくなっても彼はあのままです」
ヒメはうつむいたままだ。少しだけ泣きそうな顔をしている。
「…帰ったらダーリンに聞きますわ。私に何も言わないなんて酷い。マンクのためなら私は何でもするのに…」
「あまり思いつめないほうがいいわ、ヒメ。ところで、彼の傷の具合はどうかしら」
ヒメはパッと顔を上げた。
「何でそのことを知っていますの?」
「え、だって…彼を治したのは私だもの」
「お ま え か !!」
再びセシルの方を掴む。
「あひぃぃぃ!!ちょっとヒメ…ヒメ?」
また揺さぶられるのかと思っていたが、意外にもヒメはセシルを抱きしめて
「…ありがとう」
「え」
「私のマンクを…助けてくれてありがとう」
「…いいのよ、当然だもの」
「じゃあ、続きをお願い」
「ええ…」
再び席について、セシルは語りだした。
「ケイオスは知らないわ・・・。
ヤーウェ様が・・・自分の血の繋がった肉親という事を
そして闇夜の暗殺者の首領が・・・」
「ヤーウェ様という事も・・・」
「!?」
ヒメはあまりの衝撃の事実に驚き固まる。
それをよそにセシルは語り続ける。
「ヤーウェ様は闇の力をダークロードから手に入れ、腐敗した人間達に復讐する為に闇夜の暗殺者というギルドを結成しました。
しかし、そのギルドは隠れ蓑でしかありません。
彼は組織を作り、人間に恨み持つ者達を集めました。
その中で特に強大な力を持つのが幹部のツァバト、エロヒム、シャダイ、ルナ、そしてテスタメントです。」
「ルナが・・・人間に恨み?」
ヒメは寂しげな表情で訊ねる。
「あ、あの・・・お知り合いですか?」
「ええ・・・昔の知り合いみたいなものですわね。」
ヒメは床に視線を落とす。
セシルは話続けた。
「私が集めた情報だと、ヤーウェ様は契約と復讐の為、ダークロードを復活させこの世界を混沌化させようとしています。」
「ダークロードって、カタコンベで姿を現すじゃないですの?」
「いえ・・・
グラストヘイム城のカタコンベで出てくるのはダークロードの思念体に過ぎません。
ヤーウェ様が成そうとしているのは真のダークロードの復活なのです。」
「そ、そんな・・・」
ヒメの顔が青褪める。
「闇夜の暗殺者のテスタメントという男は密かにロードオブデスを復活させようと目論んでいます。
ダークロードと互角以上の能力はあるでしょう。」
「スキルハックについてですが、あれは元々ヤーウェ様の家系のセントルイス家に伝わる能力です。
私にはできませんが、ヤーウェ様を父に持つケイオスは発動が可能なんです。
この特異な能力は昔は異端者として排除されたそうですが・・・その生き残りがセントルイス家だった訳で・・・。」
「現在のヤーウェ様はスキルハックの能力を最大限に引き出すことまでに成功しているようです。
つまり・・・全職のスキル、カードによって得られる能力を使えることになります。」
ヒメは気分の悪そうな顔で言った。
「そんなの・・・お手上げじゃないですの・・・。」
「えぇ、ですから今は、闇夜の暗殺者の刺客を退けつつ、ケイオスの成長、ガリィさんの解呪に専念した方がいいと思うんです。
スキルハックを使える者を倒すには・・・スキルハックが使用可能な者。ケイオスしか無理な事なんです。」
セシルは唇を噛み締めながら下を向いた。
冷めた紅茶の入ったティーカップの中に、滴が落ちる。
日暮れを告げる教会の鐘が高らかに響き渡った・・・。
コツ、コツ、コツ・・・・・・・
薄暗い廊下を、一人の男が歩いている。
「・・・・・・・失礼します。」
重々しいトビラがガチャリ、と音をたてた。
「・・・・・・・テスタメントか。」
「は。ただいまから、私はオーク族の村に行ってまいります。」
「ふむ・・・・・他のやつらは殺してもかまわん。
ただ、ケイオスだけは丁重に扱え。」
テスタメントは身を低くして言った。
「総統ヤーウェ様。どうしてそこまでしてケイオスを・・・・・。」
「あやつはプロジェクトDARKLOADに必要不可欠な男だ」
総統ヤーウェは、窓から外を見上げた。
「と、言いますと?」
テスタメントは頭を下げながら言った。
「・・・・・・・・・・・あやつは大事なカタワレだ。」
「カタワレ・・・・・・?」
ヤーウェはフフ、とかすかに笑った後、さらに続けた。
「そう、カタワレ・・・・・。あやつは言うなれば光・・・・・。
光と闇が1つになる時、ダークロードは復活する・・・・」
「おっしゃってる意味がよく分かりませんが・・・・」
「光と闇は、互いにひかれあう。いずれケイオスの前に、
闇が現れるだろう。」
テスタメントは少し不思議な表情をした。
僕は一体どこで生まれたんだろう・・・・・・。
──それは崩落寸前の城で赤ん坊を抱えたまま息絶える母親。
駆けつけた父親が嘆き、狂い、敵兵を肉の塊にしていく姿。
そして泣き崩れるその父親の前に現れた、禍々しい髑髏の魔人──
少なくとも、これは僕の記憶ではない。
だけど、懐かしい感じがする・・・・・。
──あなたは2人目だからよ──
僕の頭に響いたルナの言葉の意味・・・・・・。
2人目って、どうゆう事だ?
「ケイオス〜〜〜!!準備できたあ?」
ガリィの声が聞こえる。
「あ、うん。いつでもいいよ」
僕達はついに、オーク族の村に行く。ガリィの呪いを解くために。
「えー・・・・と。誰がいっしょに来てくれるんだっけ?」
僕がそういうと、ガリィはあきれた顔をした。
「マンクさんとレカードさん。それにヒメさんとセシルさんだよ!
後、フレイヤさん達も来るはずなんだけどな〜」
ガリィはハア、とため息をついた。
「あ・・・・だけどまだ、セシルさん帰ってきてないんだよね。
ヒメさんもセシルさん探しに行ったままだしなあ。」
二人とも、どこ行ったんだろう。
「おまたせですわ〜〜〜〜〜〜!」
ヒメさんとセシルさんが戻ってきた。
「オホホ、セッシーを探すのに苦労いたしましてねぇ〜」
「セ、セッシー!?」
セシルさんが驚いたような顔でヒメさんを見た。
「あ、そうだセシルさん。フレイヤさん達はどうしたんですか?」
僕はセシルさんにそう尋ねたが、彼女は僕と目も合わせてくれない。
き、嫌われてるのかな・・・・・・
「あ、ああ!なんかその助っ人さん達は急用で来れないそうですわ!」
ヒメさんがかわり言った。そうか・・・・・フレイヤさん達は来ないんだ・・・
「大丈夫ですわ!私とダーリンがいれば楽勝ですわよ!オホホホ!!」
ヒメさんが自信たっぷりに高笑いする。
そうだ、僕も強くなってきてるんだ・・・・!負けるもんか・・・・!
「うはwwwwwお帰りwWw」
マンクさんとレカードがドアに立っていた。
「あ!レカードさんっ!修行ありがとうございました。かなり参考になりました!」
ガリィがペコッと頭を下げると、レカードは少し照れくさそうにしていた。
「ストロンガスは王宮で鍛冶屋の仕事が入って無理だからねw
俺達だけでなんとかしなきゃねwwww」
マンクさんが陽気に言う。
「ダーリン、例の助っ人さんは来れないみたいですわ。」
ヒメさんがそういうと、マンクさんはニコリと笑った。
「そうかそうかwwww 大丈夫!僕達だけでも十分強いんだからねw」
マンクさんの笑顔で、緊張していた僕も、いくぶんか安心した。
「それでは出発しましょう!いざ、オークの村へ!」
ヒメさんが空高く手をあげた。
いよいよだ。オーク・・・・・・。どんな怪物なのか。
そして、実を持つオークの長、オークヒーロー。一筋縄じゃ行きそうにもない。
僕達は、プロンテラを出て、オークの村へと向かった。
ガリィの呪いは必ず解いてみせる。
そう、必ず。
一方オーク村。
「フフ・・・陽気な客人達がこちらに向かってるね。」
テスタメントはクスリと笑う。
「職を極めた騎士、聖職者。未熟な剣士にケイオス君。」
「あの騎士と聖職者の2人がちょっと厄介だね。オークヒーローだけじゃちょっと不安かな?
おいで・・・フェンダルク、リビオ。」
テスタメントの前に現れたのは、大きなペンチを持った筋肉質の仮面の男。肉斬り包丁を持ったマスクの男であった。
「ガガガガ」 「クケケケ」
「執行人の死体を組み合わせてボクが作り上げたターミネーター。彼等もまだ見た事ないだろうね。」
リビオ「刻みてぇ・・・刻みてぇぇぇよぉう!!」
フェンダルク「肉、肉肉喰ワセロ!」
「フフ。もう血に飢えてるんだね、安心しなよ。もうすぐ好きなだけ血を見る事ができるんだからさ。
ただし、ケイオスには危害を加えちゃいけないよ?」
テスタメントはオーク村の小屋の頂上から空を見上げる。
「マスターのヤーウェがダークロードを復活させようとボクの知ったこっちゃない。
ボクの目的はロードオブデスの復活。彼に忠誠など誓ってもいないんだ。
まぁ、目的を果たすまでこのギルドにお邪魔させてもらうけどね。」
テスタメントはクククと笑う。
「オークヒーローにはボクの力で痛覚神経を消しておいた。他のオークに関してもね。
体の細胞を破壊されない限り向かってくるオーク共に君達はどう応戦するのかな?」
「フェンダルク、リビオ、頼んだよ。」
テスタメントはそう言うと、黒い霧の中へ消え去っていった・・・。
夕方に出発した僕達は、途中で一晩を明かしてから朝方にオーク村に到着した。
入口の柵を越えて村に入れば、荒れた森の中に簡素なつくりの家が点在している。
「なんだか薄気味悪いわ…」
ガリィは少し落ちつかない。
「うはw早速きたよww」
余裕そうなマンクさんの声と共に、茂みから緑の肌している太った人間のような生物…オークが飛び出してきた。
マンクさんは大袈裟に斧を振りかぶったオークの攻撃を難なくかわし、振り返りざまに袈裟斬りにする。
よし、どう見ても致命傷だ!!・・・って、え?
「…なに!?」
オークは倒れるどころか、何事も無かったかのようにマンクさんに向かってくる。
軽々とかわしながらマンクさんも何度も切りつけるが、オークの勢いは止まらない。
「これは…どうなってるんだ!?」
「助太刀する!!」
レカードが後ろから剣を振った。レカードの大剣はオークの首を一撃で跳ね飛ばした。
それでもオークの体は斧を振り上げ…そこで止まった。
ズウン…ッ!! 大きな音をたてて巨大が沈む。
「な、何ですの?このしぶとさは…」
ヒメさんが驚いたように呟いた。
「…まだ来る!」
ガリィが叫んだ。同時にぞろぞろとオークが姿を現した。
「高らかなる音色にて我等に加護を!!エンジェラス!!」
ヒメさんが支援魔法を唱える。セシルさんも一人一人に魔法をかけている。
「ケイオス君後ろ!!」
「え?うわあああっ」
後ろからオークが斧を振り下ろすのを横に飛んでかわす。ファイアスティレットを構えるけれど、通用するのか…。
「はぁぁぁぁ!!バッシュ!!」
ガリィが力を混めてオークに剣を叩き込む。
グシャリとオークの体の一部が粉々になる。けれども何事もないかのようにそのオークは斧を振り上げた。
「ガリィ!!」
「ホーリーライト!!」
僕がガリィの元へ行こうとしたそのとき、セシルさんが叫んだ。
ガリィを襲おうとしたオークの体を強烈な光が貫く。オークは黒焦げになって倒れた。
「はあ・・・はあ・・・はあ・・・」
セシルさんの息が上がっている。
「セシル、あなたは自分の回復とヒールだけに専念しなさい。」
ヒメさんが指示を飛ばす。
「はい」
「・・・・・ふむ、おそらく、今のオークどもには痛みを感じるという事がないんだ。」
レカードが言う。
「おそらくやつ等は死ぬまで攻撃してくるだろうな・・・・」
そうこう言ってる間にも、オークがまた一匹こちらに向かってきた。
「こいつらはオークウォーリアーと言って、オーク族社会の中でも、
弱い部類に入る。案ずることはない。」
そういうと、レカードはガリィの方を見た。
ガリィはコクン、とうなずく。
ダダダダ!!
ガリィがアイス環頭太刀を構えながら、オークウォーリアーに向かっていった。
「今度こそ・・・・!!バッシュレベル・・・・・・・4!!」
ドゴオオオオオオッッ!!!!
ガリィはオークウォーリアーの頭に、ものすごい勢いで剣を叩きつけた!
「グオオオオオオ・・・・・・」
この世のものとは思えない断末魔の声を放ち、オークウォーリアーはドスン、と倒れた。
「どうっ、ケイオス!私だって強いんだからね!」
ガリィは僕に向かって、にっこり笑いながらVサインした。
「ガリィも強くなったね〜wwww」
マンクさんが嬉しそうに言うと、ヒメさんがムッ、とした顔をした。
「こらあケイオス!!あんたも私に鍛えられたくらいなんだから、
そんなバケモノの一匹や二匹ねじふせなさい!!!」
ヒメさんの怒号が飛ぶ・・・・・・。ちぇっ・・・・・
「ウゴアアアアアアアアア!!!!」
またオークが二匹、こちらに向かってきた。
「ここは僕にまかせて!!」
僕はそのままファイアスティレットを構えた。
「いち、にー、のー・・・・・・・さんっ!!!」
僕はそのままオーク達の斧攻撃をかいくぐり、オークの背中に一撃を喰らわせた。
「うわ・・・・・ww ケイオス君攻撃はやいwwwww」
マンクさんはまたもや嬉しそうに言う。
「コオラ、ケイオス!そんなしょぼい一撃じゃあ、オークどもは倒せないわよ!!」
うう、ヒメさんは相変わらず厳しい。
事実、オーク達は攻撃を受けながらも平然とこちらに向かってきた!
「・・・・・・僕だって、こんな事もできるんだよ・・・・!!」
僕は空高くジャンプをした。ジャンプ攻撃は、ノービス時代からのお墨付きだ!
「くるっとまわって、まず一撃だ!」
空から一回転し、そのままスティレットをオークの首筋に喰らわせた!
「着地と同時にもう一発!」
目にもとまらぬ速さでもう一匹のオークの首筋に一撃!
「どうだガリィ!僕の必殺技ダブルアタックだ!」
首筋から大量の紫色の血をふきだしながらオーク達は倒れた。
「力まかせにいくより、確実に急所を狙う!これが僕のやり方だ!」
いける・・・・!僕もみんなの役に立てる!
「ん?」
なにか得体の知れないモンスターがこちらに向かってきた。
「な、なんですの、あのモンスター・・・・!!見たことがありませんわ・・・・!」
そのモンスターは、かなり大きい・・・。オーク族とはまた違うみたいだ・・・。
体には、大きな釘が刺さっている。そして、ジェイソンのような仮面・・・・。
手には、カギヅメのような・・・・そう、フック船長の手みたいな・・・・・。
「ハアハア!イタ!イタ!肉ダ!肉ダアアアア!!」
仮面の下からは、よだれをボトボトたらしている。
「なに・・・・こいつ?気持ち悪い・・・・!!」
ガリィの顔がひきつっている。
「うはwww OKOKww こいつは強そうだぞwWw」
マンクさんはヘラヘラしながら剣を抜きとった。
「肉ウウウウウ!!」
そのモンスターは叫びながらこちらに向かってきた!
「気持ち悪いモンスターだw くらえ!」
マンクさんはそのまま剣をふりかざした!地面に衝撃波が走る!
ガガガガガガガガ!!!
「肉!ヨコセ!肉!ヨコセ!」
そのモンスターは、衝撃波にビクともしない・・・!
「へえ・・・・こいつはカタイぞ・・・・w」
マンクさんは少し後ろにたじろいた。
「ヒメ、キリエよろwWw」
「ええ、わかりましたわ!キリエエレイソン!」
マンクさんの体を聖なるバリアが包んだ。
「ヒメ、ブレスよろwWw 速度よろwWw」
「ええ、わかりましたわ!ブレッシング!速度増加!」
「OKwWw ツーハンドクイッケン!」
マンクさんの体が金色に光る。
「よし、それでは久しぶりにいきますか・・・・」
マンクさんはモンスターの方をキッと睨んだ。
「肉ダ!オマエノ肉ヲヨコセ!」
「寝言はあの世でな!」
ガキイイイイイン!!
マンクさんの剣と、モンスターのカギヅメが、ギリギリと震える。
「へ、へへ・・・・・なんつーパワーだ・・・・!」
「ググ、サッサトクタバレ!!」
「だがな、オレは力だけじゃないぞ・・・・」
マンクさんはそうつぶやくと、フッと力を抜いた。
「ガ!?」
そのままモンスターは前にバランスを崩した。
「くらえ・・・!バッシュ!!!!!」
マンクさんはそのままモンスターの背後にバッシュをたたきつけた!
「ウゴォッ!」
モンスターはそのまま吹き飛び、近くの大岩にぶつかった。
ドガアアアアアア・・・・・
大岩が粉々にはじけ飛ぶ!
「す、すごい・・・・!マンクさん・・・・すごすぎる・・・!」
「アガガガガ・・・・クソ・・・・!人間ノクセニ・・・・クソ・・・・!」
ガラガラ・・・・
岩の山からモンスターが立ち上がる・・・・なんてタフなんだ・・・!!
「ダーリン、ここはみんなで力を合わせていきましょう!
あいつ、タフすぎますわ・・・・!」
ヒメさんは心配そうな顔で言う、。確かに、今はみんなで力を合わせて・・・・!
「無駄だ」
闇の空間から、一人の男が現れた。
「テスタメント・・・・!」
僕はジロリとテスタメントをにらみつけた。
あいつは・・・・フレイヤさんのお兄さんなんだ・・・・・!なんでこんなやつ等の仲間に・・・!
「君達の相手は、そうだな、こいつらにしてもらおうか・・・・」
テスタメントはそういうと、天にむかって祈りはじめた。
「死者の魂・・・・・怨念よ・・・・・!汝の恨みをこの世に転生させたまえ・・・!」
な、なにが起こるんだ・・・・!?
「ネクロマンシー・・・・・オブ・リザレクション!!」
テスタメントはそういうと、地面に手をついた。
ボコッ・・・・ ボコッ・・・・・
地面の中から、オーク達が這い出てきた・・・・!
それも、かなり多数のオークだ・・・・!体が腐っている・・・・!
ガイコツのオークまでいる・・・・!
「地獄から甦った死者達よ・・・・・やつらに、地獄の鎮魂歌(レクイエム)を!!」
テスタメントがそういうと、いっせいにオーク達がおしよせてきた!
「くそ・・・・!これじゃ、マンクさんに助太刀できない・・・・!」
「レカード!ケイオス!私を守りなさい!!ガリィはセシルを!」
ヒメさんは叫ぶと胸の前で手を合わせ、目を閉じた。
ヒメさんの足元から白い魔法陣が現れ、一気に広がる。
「マグナスエクソシズムか…小賢しいね」
テスタメントが禍々しい形をした大鎌を手に、無防備なヒメさんに向かってくる。
「くっ!!」
咄嗟にレカードが間に割ってはいった。剣と鎌がぶつかる音が響く。
「レカード!!」
「レカードさん!」
僕とガリィは同時に叫んだ。だけれども向かってくるオークのせいでレカードに加勢もできない。
「ほう…お前まだ生きてたんだ。しぶといね」
「そうか…思い出したぞ…テスタメントぉ!!」
レカードの剣がテスタメントを押し返す。
「ボクの手駒に過ぎなかったお前が、ボクと対等にやろうっていうのかい?」
そう言って薄ら笑いを浮かべるテスタメント。
「黙れ!」
レカードが叫んだ瞬間、ヒメさんの魔法が完成した。
「マグナムエクソシズム!!」
縦横無尽に光が走り、ゾンビ達を瞬く間に駆逐していく。
「・・・ち・・・」
その光から逃げるようにテスタメントは大きく後ろへ引く。
これでマンクさんに加勢ができる・・・!
「お前だけはぁぁ!」
大きな声をあげ、レカードはテスタメントを追っていった。
「やめろ!一人じゃ危険だ!」
マンクさんはカギヅメを剣で抑えながらレカードに向かって叫んだ。
だが、興奮状態の彼にはマンクさんの声は届かない。
そのまま二人は森の中へ入っていった。
頭のなかに声が響く。
・・・いけない・・・
・・・・森の中は危ない・・・・
気が付くと僕は森に向かって走っていた。
「やむを得ないね・・・。」
テスタメントはクスリと笑った。
「まずはレカード、キミからだ。」
黙示録を空間のひずみから取り出し詠唱に入るテスタメント。
「禁忌魔法第51。『解放』。」
急にレカードさんの上半身が沈んだ。膝が折れ、ゆっくりと前のめりに倒れてゆく。
レカードさんの顔は汗びっしょりで、痛みに歪んでいた。
「レカードさんに何をしたのっ?!」
ガリィがキッとテスタメントを睨む。
「元々レカードは強くなりたいからボクに魂を売ったんだ。それにクレーム付けられちゃあ清算するしかないだろ?」
「お、おい大丈夫??ww;」
「レカードさん、しっかりなすって!」
レカードさんの横で心配そうに救護するマンクさんとヒメさん。
その時、レカードさんの身体がビクン、ビクンと大きく揺れた。レカードさんの膝のあたりが大きく脈打ち、四肢と鎧を突き破って、何本もの黒い触手が飛び出した。
マンクさん、ヒメさんは我知らず、レカードさんの身体を捨てて飛びすさっていた。頭がゴトンと音を立てて地面にぶつかる。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
次の瞬間、レカードが凄惨な悲鳴をあげた。猫を絞め殺したような呻き声。人の口から出る事自体が間違っている。
そう思わせるような悲鳴だった。
僕を始めとした、ガリィ、マンクさん、ヒメさんは呆然と立ち尽くしていた。
レカードさんの身体は背骨も折れんばかりに痙攣を繰り返している。
「こ、この・・・っ!」
マンクさんは我に返り、蠢く触手を切り落とした。青黒い体液がほとばしり、やがて赤い血に変わる。
レカードはビクリと動き、そして動かなくなった。
僕らが周りを見渡した時には、オーク達の死体だけがあった。テスタメントの姿は無い。
すると、空からテスタメントの声が聞こえた。
『セシルという娘。レカードを解放したはいいけれど、予め埋め込んでおいたぺノメナの細胞には気付いてなかったようだね。
ボクの一声で体内をめちゃくちゃにして、暴れ出すんだ。
フフ。。。素敵だろ?』
「す、姿を現せ!」
僕は叫んでいた。
『ボクはボクなりの用事があるんだ。失礼するよ。
ただ、ちゃんとそれなりのお礼は用意してある。』
「お礼ですって?」
『徘徊していたオークヒーローはイグドラジルの実は残念ながら所持していなかったんだよ。
そこで、ボクが他のモンスターから調達してきたのさ。
まぁ、それが欲しかったらそこにいる、フェンダルクとリビオを倒すんだね。
どちらかの体に埋め込んでおいたんだ。フフフ。』
テスタメントの声は消えた。
ヒメさんが何かに気付いた様子で叫ぶ。
「さっきのマッチョ仮面と・・・もう一人いますわよっ!」
設定厨はまじカンベンな…('A`;)
640 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/20 22:53 ID:UlKpYs20
641 :
無料動画直リン:03/08/20 23:11 ID:/O83pntN
「ヒヒ・・・刻むぅ・・・刻ませろよぉ・・・!!」
ノコギリ刃のついた肉切り包丁のようなものを振り回しながら、そいつは走ってきた。
マンクさんが相手している奴とは対照的に痩せこけている。
ピエロみたいな奇妙なフードをかぶり仮面をつけて、見た目はかなり滑稽なのに
笑うどころか、背筋が凍るような感覚を覚える。
マンクさんはペンチの怪物と戦ってて、ゾンビは消えたけどまだ普通のオークは残ってて、そこにまた来るなんて・・・!
「セシル、レカードを」
ヒメさんは落ち着いた口調で指示した。
セシルさんはぴくりとも動かないレカードに駆け寄り、ヒールをかける。
オークたちは反撃できない二人を狙ってきた。
「バッシュ!!」
ガリィがそのオークたちの頭を叩き潰していく。
僕はというと支援魔法をかけるヒメさんのほうに来るオークの相手でそっちまで手が回らない。
「刻む・・・お前から刻んでやるぅ!!」
フードの仮面が包丁で僕を指し示した。
「くっ・・・!」
「ケイオス君!!」
ガリィが叫ぶが、レカードとセシルさんを守るのが精一杯のようだ。
「ケイオス、オークの攻撃なんて当たりはしませんわ。私に構わず!支援しますわ!」
「は、はい!」
僕はファイアスティレットを構えた。
でも、あのマンクさんですら苦戦している奴の片割れなんて相手できるのか・・・!
「ググ・・・・・・ヶ、ィ・・・ォ?命令・・・キガイ・・」
・・・ん?なんか様子がおかしいぞ・・?
「お前刻む・・俺死ぬ・・・だからそこの小娘を刻む!」
フードの仮面が包丁を振りかぶりながらガリィの方へ駆けていく。
同時に森の茂みの中からオークが数体出てきた。
「へへっ囲まれちゃったかもwwwww」
「まずい・・・ですわね」
ガリィの背後にフードの男が回りこむ。
オークばかり気にしていたガリィはまだ気がついていない。
「うわぁぁぁぁ!」
僕は地面にファイアスティレットを思いっきり刺した。
するとバッシュに似た剣の波動がフードとペンチの怪物をふっとばし、
オークをこなごなに砕いていた。
「ボーリング・・・・バッシュ?・・」
ヒメさんがつぶやいた・・・
「あ・・・」
僕はヒメさんがこの事を禁じていたのを思い出した。
ヒメさんは冷静に言った。
「ケイオス。今は緊急事態です。能力の使用は許可しましょう。」
僕にできるこの能力・・・これでこの場を切り抜けなくちゃ!
僕はファイアスティレットを再び持ち構えた。
「俺が・・吹っ飛ばされた?・・刻む殺す刻む殺す・・・。」
フードの男は何やら呟いている。
「任務放棄・・全員・・・八つ裂きだァァァ!!」
そう言うと、天高く中に舞ったフードの男はヒメさんに目掛けて斬りかかる。
「ヒメさんっ!」
オーク達を倒したガリィが急いでヒメさんのもとへ行く。しかし間に合わない!
「死ねぃっ!!」
こんな時、フレイヤさんならどうするだろう。僕は考えた末、手に集中力を溜め、空中から襲いかかるフードの男に放った。
ダダダダダダ!
「ぐはぁぁっ!」
フードの男は空中でバランスを崩し不時着する。
「今のは・・・フレイヤさんが使っていたソウルストライク・・・。」
ガリィがぽかんとした表情で口を開いた。
「できた・・・魔法までも・・・。」
僕も正直驚きだ。僕の能力って一体・・・。
一方マンクさんは仮面の筋肉質な男と悪戦苦闘していた。
「グガガ。肉ノ塊・・・何故喰エナイ?早ク喰ワセロォォォッ!!」
「に、肉の塊はそっちじゃん・・・ww」
マンクさんは華麗に攻撃を受け流す。
「再生・・・オレ再生・・・再生ダ!」
そういうと仮面の男の体の傷口がみるみるうちに塞がっていく。
「うはっwww」
たじろぐマンク。
「ヒメ、闇ブレス効きそう・・・?」
「・・・ってあっちはあっちで奮闘中なのね(´・ω・`)」
完治した仮面の男はノシノシとマンクに歩み寄る。何か呟きながら・・・
「・・・クレ・・・。」
「ん?」
「ヴォレヲ・・・殺シテクレ・・・。」
「普通ニ・・・死ニタカッタノニ・・・俺ヲ・・・ウォレヲ・・・」
「殺シテグレェ!!」
そういって仮面の男はマンクに猛ダッシュで突進する。
「う、うはっ・・・言ってる事とやってる事が逆じゃんwww」
「グォォォォォ!」
「しかし。」
マンクの表情が変わる。
「バッシュLv10!!」
ドゴォーン!!
仮面の男の腹部にマンクの気合を込めた剣での重々しい一撃が入る。
腹部は大まかにえぐられ、そこからできた空洞からは後ろの景色が見えるほどだ。
「やった・・・か?」
グニュグニュ。
しかしみるみるうちに男の腹部は再生していく。
男はうめくような嘆くような声で震えながら言った。
「シ、死ネナイ。・・・死ネネェヨゥ。モット。モット撃ッテクレェェ!!
オレ、安ラカニ・・・安ラカナニ死ニタカッタノニ・・・
・・・肉、血、モット喰ワセロォッ!!」
マンクは剣を構え考える。
(生前の記憶が多少残っているようだが、コイツは厄介過ぎる化け物だな・・・。しかもテスタメントとやらの力で再生能力まであるらしい。
こうなれば一か八かアレを使ってみるか。)
マンクは剣を構えつつ目を閉じた。
649 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/08/22 03:56 ID:EQVeirrq
フードの男が倒れた一瞬の隙に、ヒメはマンクをちらりと見た。
(ダーリンのほうにも加勢しないといけませんわね・・・)
ケイオスの魔法で倒れたフードの男のほうに視線を戻せば、まだ地面に這いつくばっていた。
(今なら!)
ヒメさんは懐から聖水の入った瓶を取り出し、素早く蓋を開けると、マンクさんのほうへ力いっぱい放り投げた。
「アスペルシオ!!」
瓶から飛び出た聖水が光となって、マンクさんの剣に降りかかる。
興奮状態の男はマンクさんに突進してきた。
剣を構えて立ち尽くしていたマンクさんは、仮面の男が懐に飛び込んだ次の瞬間
男に向かって剣を繰り出す。
「オートカウンター!!」
相手の力や勢いが加算されたマンクさんの剣は、仮面の男を下から真っ二つに引き裂いた。
聖なる力が付与された剣で斬られた体は、再生することもできずにやがてぐちゃぐちゃと溶け始めた。
「今度こそ安らかに眠るといいよ」
「オレ・・・カラダ・・・再生ジ・・ナイ?
オ・・・レヤッド解放サ・・・レル・・・。」
仮面の男は滅び行く肉体を見て、涙まじりの声でマンクに言った。
「ア・・・・リガ・・・・・ドウ・・・・。」
そういって、男の肉体はドロドロに溶けはじめた。
「・・・辛かっただろうね。もう苦しむ事はないよ。」
男の肉体の崩壊をマンクは最後まで見届けていた。
やがて、彼の溶けた肉体の中から何かまばゆい光を放つ実がチラリと見えた。
ヒメさんが叫んだ。
「あ、あれは・・・イグドラジルの実!!」
気付くと俺は炎の中にいた。
突如現れた謎の集団に襲撃を受け俺の村は壊滅状態になっていた。
俺の村は周りから隔離されその中で独自の文化を築いていた。
どうやら奴らはそこに眠る未知なる力を潰しにやってきたようだった。
「ヒャヒャヒャ。つまんねぇなぁ。何が未知の力だよ。まるっきり相手にならねぇぜ!こんなんじゃ潰す価値もないぜ。」
グリフォンをつれたハンターが笑う。
「口を慎め。私たちはただあの方に従うのみだ。」
ハンターが村を襲う様を後ろで見ていたマントの男が咎める。
「けっ、うるせぇな。俺はただ思ったことを言っただけだ。ん?」
ハンターが俺に気付く。
「全部片付いたと思ったがまだ生き残りがいたか。」
ハンターが弓を構える
俺は剣を収め目を閉じる。
ハンターが撃つ。すかさず剣を抜き矢を叩き落す。
「・・・オートカウンターか。」
「なかなかやるじゃねぇか。だが」
「私が行こう」
後ろで見ていた男が初めてハンターの前に出た。俺は剣を構えたが
すでに遅かった。
「クァグマイア…」
男の呪文が完成し、俺は泥沼に落ちていった。
最後に両親と村の人々の死体が目に付いた。
俺は力が欲しかった。村を、両親を守る力が。
「力が欲しいのか。それなら僕達と来るといい。君は見込みがありそうだ」
誰かが呟く。体が泥に落ちていく。もう何も考えられない。意識が薄れていく
「…そうか。一緒に来るか。君の名前は?」
「…レカード」
「…昔の記憶…か?」
どうやら今のは夢だったらしい。気付けば周りは白一面。その真中に俺は横たわっていた。
「…そうか。俺は死んだのか。結局村のかたきも、両親の無念も晴らせなかったのか。」
ここは気持ちが良い。寝ながら周りを見渡す。あたり一面が霧に覆われている。
「結局何も出来なかった俺には何もないここがお似合いなのかもな。」
遠くから何かが聞こえる。剣の素振りの音と掛け声だ。
「…静かにしてくれないか。俺はもう眠りたいんだ」
音は鳴り止まない。…何故かその音が無性に気になった。
俺は音のする方に向かってみる。
そこには必死に剣を振っている銀髪の少年がいた。
その様子を眺めてみる。それに少年は気付いたようだが、特に反応は無く剣を振りつづける。
「何をやっている。」
「見て分かるだろう。剣の修行だ。」
少年はぶっきらぼうに答える。彼の素振りは良く鍛錬されていたが、やはり拙いところも見られた。
「あまり見ない剣技だな。自己流か?」
「…俺の村にのみ伝わる流派だ。村の者以外は見たことが無いのは当然だ。」
「しかし、お前の剣技…何故か懐かしい」
俺はハッとした。…この少年は。
「お前、名前は?」
…しばらくして、少年は剣を仕舞い、休憩を始めた。
「お前は何故剣を学ぶ?」
「俺と村の名誉の為だ。いずれこの剣技が世界に広まるのを村の皆は夢見ている。
当然俺もだ。結局大事なものを守るのは意思と力だ。この剣はその力になることを信じている。」
少年は答えた。当然俺は聞くまでも無くその答えは分かっていた。
「…俺は大事なものを守れず失ってしまった。すでに俺に剣を握る資格など、あの時に無くなっていたのだろう。」
「まぁ、あんたの事情なんて知ったことじゃ無いが、一つ聞いて良いか?」
俺は黙っている
「守るものを失ったと言ったが、それは本当なのか?
本当なら何故あんたはまだ剣を持っている?」
腰にかけてある剣を見る。はて、何故俺は剣を持っているのだろうか。
頭が痛い。何故俺は…
何故…
何故俺はこんな所でのん気にしているのか!
「…そうだ、俺にはまだ守るものとやらなければならないことがある。」
俺は剣を抜き大きく振りかぶり大きく縦に振る。
マントが風に舞う。
「行くのか?」
少年は座ったまま見上げる。
何時の間にか霧は晴れ霧の上方から光が刺していた。
「あぁ。世話になったな。これは礼だ。」
そう言うとレカードはサングラスを外し、その少年、レカードと名乗った少年に渡した。
「自分の目標をこんな形でまた思い出すことになるとはな…
亡き両親、村の為に俺はまた剣を振る。」
そう言うと大剣を持った騎士は光の中に消えていった。
気付くと瀕死状態だったレカードさんが起き上がっている。
「う、ううっ・・・。」
「レカードさんっ!」
「瀕死の身ですってよ!動いてはいけません!!」
ガリィとヒメさんが叫ぶ。
レカードさんはよろよろと起き上がった。
体勢を構えた、フードの男がレカードさんを見る。
「キキキ・・・死に損ないがぁ。オマエはコイツらが八つ裂きにされるのを目の前でみてくたばりな!」
ザンッ
フードの男は砂塵を舞わせ視界を阻んだ。
「キャッ」
「うっ・・・」
駄目だ。全然周りが砂埃で見えない。僕は目をこすりながら周りを見渡す。
ん?目を覆うヒメさんの後ろに黒い影が・・・
あのフードの男だ!
「ヒメさんっ!後ろ!!」
「なんですって?!」
「先ずはそこの聖職者の女の首いただきだぜぇ!ギャハハ!!」
くそっ、間に合わない!
マンクさんとは随分距離が離れてしまっている。ヒメさんもさっきの攻防で魔力を使い果たしている筈だ。
カキーン!
刃と刃がぶつかり合う音がした。
「て、てめぇ・・・」
フードの男の肉斬り包丁を、レカードさんのブロードソードが押さえつける。
「レカードさん!」
レカードさんは大量に滴る血をよそにフードの包丁男に向き合う。
「俺は・・・もう・・・大事なものを・・・」
「失いたくはないっ!!」
レカードさんはフードの男の肩を殺ぎ落とす。
「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁっ!」
取り乱し後方に下がるフードの男。しかしまだ片手には肉斬り包丁を持っているままだ。
「死に損ないがぁっ!くたばりやがれぇぇっ!!」
片手の包丁でレカードさんの腹部が切り裂かれた。しかしレカードさんは動じない。
「フフ・・・不思議なものだ。かつてあれほど力を欲し戦っていた俺が、今は何かを守りたいが為に戦っているとはな。」
「ごちゃごちゃ言ってねぇで、サッサとくたばりやがれぇ!!致命傷だぞ?!いい加減死ねぇ!」
ゴジュゴジュッ!
包丁でレカードさんの足がえぐられる。しかしレカードさんは立ったままだ。
「俺は・・・まだ死ねんっ!」
レカードさんは巨大なブロードソードを自らの背中に突き刺し、密接していたフードの男に貫通させた。
「グボッ!・・・き、貴様ァ・・・剣を元に戻しやがれ・・・っ。」
「フフ・・・、残念だがマンクのいない彼等ではお前は倒せないだろうな。しかし・・・ゲフッ、俺が貴様と刺し違いになるのならば・・・」
「話は別だ・・・。」
「き、貴様ッ!!」
「どうやら、テスタメントの俺に与えた能力がほんの僅か残っていたようだ。」
「俺はどの道、もう助からん。ならば希望あるべき人を守る。それが俺のできる罪の償いだ・・・。」
レカードさんは火炎瓶を取り出す。
「き、貴様・・・まさか・・・?!」
「そのまさかだ。」
レカードさんは火炎瓶を自らの体に放ち、フードの男の胸倉を掴んだ。
「うぎゃぁああああああぁっ!!燃える燃える燃えるぅぅっ!!がぁぁぁっ!」
炎上しながらも、レカードさんは最後に力を振り絞ってこちらを振り向いた。
彼は振り向いた。
その身に贖罪の炎を背負いつつ
その目に過去を宿し、未来を見据えつつ。
僕たちを見ているその目は僕たちをみているのだけれど違うものを見ているように思えた。
それは僕たちを僕たちで無くとても大切な・・・決して得られなかった自らの過去を
僕たちにみているような・・・そんな目だった。
ヒメさんが叫んだ。
「あなたっ!私がいるからには死なせはしませんわ!ましてや私を庇ってなぞ・・・。今ヒールを――」
「やめろっ!
・・・死なせてくれ・・・どうせ私は生きていなかった――死んだ存在なの・・・だ」
「それに・・・どうやら俺は・・・騎士として決して・・・してはならないことを・・・していたようだ・・・
力を欲すばかりに・・・闇にとらわれるなぞ・・・騎士としてっ、いやっ人として決して選んではならん道だっ!」
ビクッ、とセシルが顔を上げた。
「レカード・・・思い出してしまったのね・・・?」
「ふふっ・・・あなたは俺に贖罪の機会を与えてくれた・・・感謝している・・・グッ!」
炎が勢力を強め、フードの男が一層暴れるのを強くする。
「死ぬぅ!死んじまうよっ!ヒィ・・・ヒィィ・・・ヒイィィイィ・・・・!!」
「グゥウ!・・・死ぬんだよ・・・貴様は・・・俺といっしょになぁ!」
「レカードさん!」
僕はたまらず叫んだ。
663 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/23 00:01 ID:dzBSoZMd
「最後になったが、ガリィ一つ頼みたい。」
ガリィは今にも泣き出しそうだった。それでもレカードは続ける
「昨日お前に剣を教えているとき、ほんの少しだが俺にも希望が見えた気がする。
いつか、いつか俺の故郷に向かうことがあったら、そこにある奥義の書をお前に託す。
人を守る剣・・・。俺にはもう振るうことは出来ない。
・・・だが、お前になら必ず・・・」
「レカードさん!!」
たまらずガリィは叫んだ。
「どうか、俺の、俺たちの無念を晴らしてくれ。そしてこれは忘れるな。
剣は傷つける武器では無く、守る意思だと言うことを・・・」
炎がまわる。
「・・・さらばだ。マグナムブレイク!!」
・・・大きな爆発が起きた。
そこにはもう何も残っていなかった。
ただ、守るべき意思と言うメッセージは確かに僕達の心に残っていた。
664 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/23 00:45 ID:1um0sEkc
439つqgる3おwじぽいえrくぉqふぇぽ
完
オークの村からそれほど離れていない森の中に、レカードさんの墓が立っている。
中には勿論本人はいないし、
太めの落木を十字の形にしただけの、簡素なものだったけれど。
マンクさんが言うには、この辺はオークは出てこなく、小動物がいるだけの平和な場所だそうだ。
確かに、静かで、間からの木漏れ日が気持ち良くて。
ここなら、レカードさんもゆっくり休めると思う。
僕も、ガリィも、ヒメさん、マンクさん、そしてセシルさんも、レカードさんに祈りを捧げた。
セシルさんは、手にもっていた黒い帽子―半分以上吹き飛び、焼け焦げてしまって、もう帽子とはいえないが―を
レカードさんの墓の前にそっと置いた。
サングラスは吹き飛んでしまったのか、ついぞ見つからなかった。
「・・・確かに本物ですわね。本に載っていた絵と同じですわ。
テスタメントが細工した様子もありませんことよ」
虫眼鏡でイグドラシルの実を観察しながら、ヒメさんは結論付けた。
ああ良かった〜。
「あ、でも、それをどうするんですか?」
「あら、簡単ですわよ。清めてからすり潰して呪われた場所に塗りこんで解呪の魔法で一発ですわ。
丁度ここに最強の聖職者がおりますしね。オホホホホ!」
「そ、そんな簡単にできちゃうんですか・・・?」
ガリィが不安気に訊いた。そりゃ確かに入手の苦労のわりに・・・。
「それだけこの実が神聖で強力であるということですのよ。
では、あいつらの邪魔が入らないうちに・・・すぐにでも解呪してしまいましょう」
ヒメさんはチラリと僕を見た。
なんだろう・・・。
「ダーリン」
ヒメさんは今度はマンクさんの方を見る。
「・・・あ、オーケーオーケーwwwwwwwWw(汗汗」
と、マンクさんは僕の腕を掴んで、そのまま僕はずるずると森の奥に引きずられていった。
「もう、ケイオスはデリカシーがありませんのね」
「うはwwwケイオス君きみ顔真っ赤だぞwwwww」
「な、そんなことないです!」
マンクとケイオスの声が遠のいていったのを確かめて、ヒメはくるりと向き直った。
すっごいにこにこしている。
「さ、ガリィちゃん。それではそこに座ってくださいな。」
「え」
肩をぽんと軽く叩かれて、私はすとんと地べたに座りこむ。
するり。かちゃ。
「酷い傷・・・長いこと辛かったですわね。」
「ひゃあ」
手馴れた手つきで、着けていたローブと胸当てをきちんとたたんで傍に置くヒメ。
おなかの傷が風に吹かれてひんやりとする。
「(しゃくっ☆)は、ひまはおひてはひあげまふわよ。(しゃく、しゃく☆)」
なんか、イグラドシルの実を齧って噛んでるヒメ。
そのまま潤ったヒメの唇がおなかの傷に近づく
え、まさか。
「え、まさか・・・もしかしてヒメさんそれってうひゃああ!!」
ぺし☆
おなかの傷に唇をつけたままこっちをにらむヒメ。目が「動くな」と言っている。
でも、無理。
「わやはまいれ。ろくがふえまへんわ。」(笑わないで、毒が吸えませんわ)
「くっひひひひひひ☆」
ごす!
「いらっ!わにひますろ!?」(痛っ!何しますの?)
「ごっ、ごめんなさいっ!ひじが・・・」
「ろう!
おほらひくひれないわういほひゃんひわ、ひかえひれふわ!」
(もう!
大人しくしていない悪い子ちゃんには、仕返しですわ!)
ちろ。がぶちょ☆
「うひゃあああああああ!ひ!ひゃあ!」
「大丈夫かヒメ!ガリィ無事かッッ!!」
悲鳴を聞きつけて、マンクとケイオスが戻ってきた。
僕とマンクさんはボー然と突っ立っていた。
裸のガリィに・・・・・ヒメさんがじゃれついてる・・・。
シーーーーーン・・・・・
「う、うはwWw ヒメにはレズッ気もあ・・・・」
パシコーーーーーーーーン!!!!
「ダダダダ、ダーーーーリン!!!なんでこんな所にいるんですのおおお!!」
ヒメさんが真っ赤な顔をしている。
ガリィは・・・・ハダカ・・・・見えてる・・・・おっぱ・・・・
ドガアアアア!!!!
「ヌブヘァっ!」
ガリィの原子力発電パンチが僕にクリーンヒットした。
「ケーーーーイーーーーーオーーーースーーーー!!」
ガリィが胸に手をあてながら怒っている・・・・修羅だ・・・・
「ち、ちがうって!ご、誤解だよっ!」
「誤解ですってぇ〜〜〜!?じゃあその鼻血はなに!?」
僕の鼻から鼻血がどくどくと流れている・・・
「ち、違うよ!これはさっきの君のパンチが鼻に・・・・・」
「問答無用!!サイテー!」
「ダーリン・・・・私達はいつまでも汚れのない関係でいましょうと・・・」
「あ、あははwww だって、悲鳴が聞こえたんですよ!?助けに来るのは当然じゃないですか!?」
「女のコの裸を見に行くなんて・・・・!私以外の・・・・女の・・・・ハダカ・・・!!」
「だから誤解だってば〜www」
「問答無用!サイテーですわ!」
じりじりと間合いを詰めるヒメさん。
服を着るガリィの白い背中が冷たい怒りを放つ。
「・・・よし」
何がよしなのか分からないけれどそうつぶやいて立ち上がるガリィ。
「ヒメ、その・・・・・・ごめwww」
「ダーリン」
「はい?ww」
「お仕置きの時間ですわ・・・・・・」
「ΣΣΣΣΣ」
青褪めるマンクさん。
この騎士をしてここまで恐怖させるヒメさんの言う”お仕置き”って一体・・・
「超〜〜〜〜〜〜〜電磁ぃぃ・・・」
みるとガリィが剣に電撃を走らせつつ思い切り振りかぶって大地に振り下ろ
「マグナムブれいくうゥゥァアアア!!!」
ズガアアアァァァァァッ!!!
当然吹っ飛ぶ僕とマンクさん。ああ、地面があんなに遠くに。
「ケイオス君」
「はい、マンクさん」
「向こうに着いたら」
「向こう?」
「いや、いい・・・」
「何なんですかーーー!」
僕らの落下地点と思われる場所には、例の白い光の柱。
「うわあああぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁ!!」
僕とガリィは近くの宿屋の部屋で、押し黙ったままだった・・・。
何ともきまずい・・・。
「ね、ねぇガリィ?」
「ふんっ。」
ガリィはプイっとふてくされた表情のまんまだ。
「さ、さっきは悪かったよ・・・。」
「・・・・ふ〜んだっ。」
嗚呼、何てことだ・・・。ぜんぜん許してくれそうもない。
隣の部屋ではマンクさんとヒメさんの声が聞こえる。
(さっきは悪かったよベイべwやっぱ君なしじゃ俺のこのオーラも輝きを失ってしまうさ(ぉ)
(まぁ、ダーリンったら!☆)
(おいおい〜wそんなに抱きつくなってばヒメ〜、うはwWw)
(やっぱダーリンは私の最愛の人ですわ〜b^^d)
(www)
(今日の夜は寝かせないよ〜ん?(核爆)
(まぁ・・・!)
ガサガサガサ・・・ドスンドスン・・・ツーハンドクイックン!!
って何の音だよ!
しかし、何とも痛過ぎる会話だ・・・。
ラブラブ過ぎるのはいいのだが、この状況でこんな話が聞こえてきてもなぁ〜。
そんな風に思い、ガリィの方を見ると何か赤面しているようだ。
そして苦笑しながらも口を開くガリィ。
「もういいよケイオス・・・。」
「えっ?」
「悪気があった訳じゃないんだよね?」
「う、うん・・・。」
「ま、まっ、年頃の男の子だから女の子の体に興味あるのは分かるけど・・・」
「そんな気持ちじゃ女の子にモテないぞっ?」
ドキン!
か、可愛い・・・もじもじ赤面しているガリィ。可愛すぎる・・・。
「ところで・・・。」
「あ・・・何?」
「私の胸・・・はっきり見たの・・・??」
「あ・・・・チラっと・・・・あの・・その・・・・ごめんっ!」
今度は僕は赤面しながら謝る。いつの間にか部屋の床で土下座していた。
「そ、そんなことしなくていいってば!・・・・それより・・・」
「う、うん。」
「・・・かった・・・でしょ?」
「え?・・・何??」
「小さ・・・った・・・?」
「え、何??ちょっと聞こえないよ。」
プゥーッと頬を膨らませたガリィの張り手が僕の顔にクリーンヒットする。
ピシャーーーーーーン!!
「馬鹿ぁぁぁぁぁっ!」
「ふべっ?!」
親にも殴られた事はないのに・・・ガリィやらヒメさんやらよく僕は殴られるなぁ。
木琴装備してるのに避けられないとは・・・
「まぁ、その話はもういいよ。」
窓から月夜を見上げるガリィ。
「レカードさんの事が突然あったり・・・得体の知れないモンスターに襲われたり・・・。」
「私、何が何だか分からなくてごっちゃごちゃしてるよ・・・。」
震えながらも笑顔を作るガリィ。
「私・・・まだまだだよね?天国のレカードさん、パパ、ママにも笑われちゃう・・・。」
とうとう我慢の限界だったのか、ガリィの目から大粒の涙がこぼれる。
月夜に照らされたガリィの涙はまるでサファイヤのようだった。
今、僕の目の前に不安を持ちつつも「何か」に向かおうとしている少女がいる。
『守ってあげたい』
僕の気持ちはガリィのその姿に愛しさすら覚えた。
そして僕はガリィをゆっくり、そっと抱き寄せる。
「ケ、ケイオス・・・?」
初めて触れるガリィの髪。
触れている感触がないくらい軽く、柔らかい。
こんなにもちいさな肩。細い腕。
白かった肌はすっかり赤く染まっている。大きな瞳がすこしも動かず、じっと僕を見つめている。
まだほんのり残る汗の匂い。汗っかきなガリィの匂い。
ぐっと、ガリィが腕に力を込めた。
そのまま離れて、ふいと窓の方へ逃げる。
「・・・気合、足んないよね。」
「え・・・?」
「・・・騎士はこんなことで涙なんか流さないって!私いちいち泣きすぎ!」
「・・・」
僕はそれ以上、ガリィに声をかけることはできなかった。
679 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/23 19:40 ID:6X9vhNcu
「おはようケイオスくん。」
ガリィの声。
窓からは柔らかい光が注ぐ。
…いつの間にか寝いってしまったようだ。
なんだか美味しそうな薫りがするな…。
小麦のパン、こんがり焼いたハム、コーンポタージュ、新鮮なサラダ…
まだ暖かいフカフカのベッドの中で、すごく幸せな気分だ。この状態が永遠に続けば良いのに。
半分夢の中で幸せな僕は突然現実に引き戻された。
バダァーン!!
相変わらず物凄いドアの開け方。
「お〜ほっほっほっ。皆様お早ようございますっ」
ヒメさんは、まだ半分寝呆けてるマンクさんの腕を引いて現われた。
読み返すのめんどくさいから
そろそろ区切りつけてもらえると嬉しいんだが
「ほら、ダーリン!ガリィちゃんの快方祝いじゃないの!起きてよぅ〜!」
ヒメさん・・・朝から元気だなぁ。
「さぁさぁ!こっちに来て〜!お祝いの宴を開くわよ〜ん!
宿の1階の食卓は凄い有様だった。
豪勢な料理。高そうな酒。そして・・・。
「ジャハルさん!フレイヤさん!ランディさん!」
別れてから、そう長い時間は経っていないのに、物凄く久しぶりな気がする。
「ケイオス、ガリィ。転職おめでとう!・・・・逞しくなったな」
「二人共元気にしてたカナ?とにかくおねーさんは嬉しいぞw」
「ガリィちゃん!ぐっと可愛くなったね!僕とけっこnブボファ!」
ランディさんのセリフの途中、フレイヤさんの鉄拳が炸裂する。
「アンタはそれしかないんかい!?」
遣り合いながらも互いに楽しそうなwizとプリーストと、それを暖かく見守る騎士。
忘れてた温もりが戻ってきた気がした。
「さぁさぁ!今日は無礼講よぉん!皆飲んで飲んで〜!」
ヒメさんの黄色い声が宴の始まりを告げる。
でも・・・朝から飲めや歌えの宴会ってのも、この人たちらしいな。
思わず笑顔がこぼれたと思ったその瞬間、酒のビンが僕の口に突っ込まれる。
「さぁさ!飲め飲め〜!」
ガボガボガボ・・・・
「うはwwwケイオス君いい飲みっぷりだねwWw」
マンクさんが手拍子をかます。
「マンクさんのいいトコ見て見たいっ!あそ〜れ!一気一気一気一気ィ!!」
顔をほんのり赤く染めたガリィが切り返す。
ガリィ・・・君は既に飲んでいるのか・・・・
「うほっwwwwイける口だねwwガリィちゃん!!じゃあボクも一気だぁwwww」
「ダーリン頑張って〜〜〜!」
「負けませんよマンクさん!私だってキュプロスの女酒天と言われたんだからッ!」
ガリィ・・・君ってば一体・・・・
ジャハルさんはチビチビと自分のペースで飲んでるし。
フレイヤさんは料理ばっかりがっついてるし。
ランディさんに至ってはなんか物凄い勢いで泣きながら酒飲んでるし・・・・。
ボクはただ、この狂乱の騒ぎを傍観することしか出来なかった・・・・。
宴が始まり2時間後・・・・
マンク・・・ガリィとの一気バトルに敗北。現在トイレにて猛烈リバース中。
ヒメ・・・マンクへの声援疲れと酔いの為、床に突っ伏し爆睡中。
ジャハル・・・未だに無言でチビチビ飲み続ける。終始無言。自分に浸ってるらしく、呼びかけても無反応。
フレイヤ・・・暴飲暴食の果ての摂取カロリーの凄まじさに気付き、部屋の隅で絶望中。
ランディ・・・清酒「美青年」の瓶を抱きながら、滝の様に涙を流して何事か呟き中。
そして・・・ガリィは・・・。
「ふう・・・」
アルコールの香りの混じった小さなため息を一つ搗く。
頬はすっかり上気し、淡い紅の色を浮かべている。
思わず見とれる僕。
「ケイオス・・・私の事、どう思う?」
心臓が一際大きく脈打つ。
ガリィは潤んだ瞳をこちらに向け、ゆっくり僕ににじり寄る。
「ねぇ・・・ケイオス・・・」
「え、ちょ、ちょちょちょちょっとガリィ!?」
な、なんだかガリィの目は熱っぽく潤んでおり――
にじり寄るというかもうしなだれかかってくる勢いで――
(うわわわあわ、な、なんか貞操とか純潔とかそういうものがヤバイ気がするぅ!
ん?でもガリィなら・・・)
などと僕が色ボケた考えに浸っている最中もガリィは僕にしつこく迫ってくる。
「ねぇ・・・どうなの・・・?」
「ひえへ!?いや、ああああああのぼぼ僕は、いやあのガリィのことを――!」
とそんな甘いやら熱っぽいやらな空気が轟音とともに突如ふるえだした。
ドドドドッドドドドドドドッドド―――!!!!
一人自分の世界に浸っていたジャハルさんが唐突に顔を上げた。
「ん・・・?この音・・・いや足音はまさか・・・!!」
「あ、あははww一番きちゃダメな人がきちゃったみたいだね(爆wWw」
トイレから真っ青な顔ででてきたマンクさんがそんな不吉な言葉を漏らした。
「え?ジャハルさんマンクさん、それってどういう――」
「ゴルァ!!ケイオス!私の話きいてるの!」
「え!いやそうじゃなくてさっ!」
もう何が何だか。
バ―――ン!!!!!!!!
轟音とともに扉がふきとび
そこにいたのはストロンガスさんだった。
「よお!!!!!お前ら無事戻ってき」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あのストロンガスさんが固まっている・・・
まあそりゃこの状況を見れば、ね・・・
「や、やあwWwもう仕事は終わったんだ?(汗」
マンクさんの言葉なんか聞いちゃいない。
やがてプルプルと震えだすストロンガスさん。まずい。
「なにやっとんじゃああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
「・・・そうか。レカードの奴が・・・」
凄惨な光景のなかで、辛うじて平静を保っている僕達3人でオーク村の出来事を説明する。
ジャハルさんはその場にいなかったはずなのに、うんうんと熱っぽく相槌をうったりしている。
やっぱりこの人もリタイヤでお願いします。
ストロンガスさんは溜息をつくと酒をジョッキにつぐ。
ってアンタも飲むのかよ!!
ちなみにフレイヤさんは壁に頭をゴツゴツぶつけ始めている。
ヒメさんは床に転がったまま夢の中。っていうかパンツ見えてます・・・。
ランディさんはなんか「イヒヒヒヒ…」とか薄ら笑い浮かべてるし・・・。
この人たちの仲間入りになりませんように・・・。
「まあ、なんだ、ガリィも呪いが解けてめでたいんだがな・・・」
そう言ってぐいっと酒を一気のみ。盛大にぷはーっとしている。
これまたちなみにガリィはというと・・・
「うぅ〜〜ん★ケイオスぅ〜もうっ私を●□*%$#&%(自主規制)!!!」
僕の後ろで果てしなく悩ましげかつヤバめな声を上げています。
ストロンガスさんがどうしたいいのか分からないかのように、酒をもう一杯つぐ。
これ以上犠牲者が増えるのもアレだなぁ・・・('A`)
「んあ?ところでよ、セシルはどうした?」
「・・・へ?」
実はあの後、セシルさんとは別れていた。
レカードさんをきちんと弔いたいと言っていたな・・・。
「そうか、あの嬢ちゃんがそんな事を・・・」
再びなみなみと注がれたジョッキを一気に飲み干す。
そして、後ろで身体をくねらすガリィに目を写し、僕を続けて見るなり、ニンマリ笑う。
「おまいさんもモテるのぅ('A`*)b」
何ですか?その微妙な顔文字は?
「ケイオス君、ストロンガスのキメゼリフをしっかり聞くといいよwWw」
マンクさんが(・∀・)ニヤニヤ笑って僕に言った。
「ケイオス!漢なら一気にガヴァっと行かんかあああああああああああああああああ!!」
ストロンガスさん!あんたのキメゼリフってそれかっ!?
「そうよっ!女に恥かかせてンじゃないわよッ!!」
ガリィ、君まで僕を追い詰めるのですかっ?
マンクさんは(・∀・)ニヤニヤって顔で僕を眺めてるし。
ジャハルさんなんて、関心無い振りしながらチロチロこっち見てるし・・・。
「貴方だから私はこんなに積極的になってるのよ・・・・?」
ガリィの指が僕の胸を下からなぞり、顎の頂点でピタッと止まる。
ハッキリしておきたいが、ガリィと二人っきりならイクトコまでイってみたい。
でも、衆人環視のこの状況では天地がひっくり返ろうとも御免被る・・・・。
「ゴメンよガリィ。こんな状況じゃ君の気持ちに答えられない」
ガリィが真っ赤な顔をして、涙を溢れさせる。
「だから、ちょいとばかり君を盗むよ」
そうさ。たまには男らしく決めてやる!
「え?」
ヒョイとガリィを抱えた僕は、そのまま窓の外へと身体を躍らせる。
僕はシーフ。盗賊だ。欲しいものは盗まなきゃね。
「きさまらああああああああああああああああああああああああああああああ!!俺にも楽しませろおおおおおおおおおお!!」
ストロンガスさんの叫びを尻目に、スタコラと走り去る僕。
「若いって・・・いいねぇ」
美青年の瓶を抱きしめながら、ランディが呟いた。
目を覚ますと、僕が子供の頃から一番好きだった丘の上に寝転んでいた。
朝露で濡れた体を起こす。ついでに大きく伸びをする。
ガリィはいない。
先に起きたんだろう。
丘のはるか向こうにそびえ立つミョルニールの岩壁。
その隙間から差す陽に目を細める。
さえずる小鳥。しんと張った空気。すっぱい香り。響き渡る獣の様な嗚咽。
「・・・げほっ、げほっ。」
・・・昨日の夜僕を舐めまわし押し倒し引きずり起こし僕への愛を同じ言葉で16回語り
騎士道のなんたるかを延々と述べ続け耐え切れず眠る僕を殴り殴り殴って泣きまた
殴って頭突きをくれて頭突きをくれておでこが痛いと泣きながらそのまま眠ったガリィが
そこで僕の一番好きだった丘を汚していた。
・・・ま、あの後僕もおかえしに舐めまわしてやったから別にいいんだけどね。
僕が帰ってみるとそこは恐ろしい惨劇の場だった・・・・。
物が散乱し、なんか酸っぱいにおいのする液体がそこかしこに・・・ってここで吐くなよ!
でも、そこには物が散乱しているだけで他には誰も――いやジャハルさんがまだチビチビと
酒を飲んでいた。あんた酒強いのか弱いのか・・・。
「ジャ、ジャハルさん?何ですこの有様は・・・?」
「ランディが暴れるからだ。」
ボソッとジャハルさんが言った。
「?ランディさんて酒飲むと暴れるんですか?なんか泣いてましたけど・・・」
「いや、昨夜こんなことがあってな・・・クク」
やっぱりジャハルさんは酔っているようだ・・・。まぁ酔ってなかったらオカシイわな。
そしてジャハルさんが昨夜のことを話し始めた―――
「若いって・・・いいねぇ」
美青年の瓶を抱きしめながら、ランディが呟いた。
「ん?ランディ?お前さんも楽しみたいのか?」
ストロンガスが生真面目な顔でランディの方に振り向いた。
「・・・え?」
「・・・どうなっても私は知らんぞ。ランディ・・・」
ジャハルがボソッという。
「ね、ねぇ。ちょっとまってよ。ストロンガスの奴酔ってるよ?
いやほんとにさ、僕の処女がやばいって・・・ね?」
「そんなに楽しみたいのか、ランディ」
「だから違うって?ね?いやだから服を脱がせないで
いやっ!だめ〜!!あれ〜ご無体なって洒落にならないよー!!」
それから一時間そこからはランディの悲鳴が響き続けたという・・・。
ご馳走様でした
695 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/08/24 12:14 ID:z5aU2jdl
宿の主人にこっぴどく怒られて(そりゃそうだ)片付けて
全員が素面に戻るまでに約半日。
何ともなさそうなのはジャハルさんだけで
フレイヤさんはメモに一生懸命カロリー計算表を作っている。
ランディさんはずっとテーブルに突っ伏してシクシク泣いている。
一方でストロンガスさんは記憶が無いらしくヘーゼンと…というかランディさんを訝しんだ目で見ている。
う、かわいそうにランディさん・・・
マンクさんとヒメさんはずーっとベタベタデレデレしてるし。
あの後何やってたんだか・・・
ガリィなんか平静を装っているつもりでも顔真っ赤だし・・・
いや僕も真っ赤かもしれない・・・もう忘れたい・・・
・・・素面にもどったせいで逆に酷い状況になっているかも・・・
「あー、それでだなぁ・・・」
頭をぽりぽりかきながら、言いにくそうにストロンガスさんが切り出した。
「もう一度、深紅の暁を結成させるべきだと俺は思う。」
ストロンガスさんが頭をポリポリ掻きながら言う。
「闇夜の暗殺者の目的がどうであれ、連中の動きを追い掛けるのは少々限界がある。」
ジャハルさんが続ける。
「そうだ!そこで連中をもう一回おびき出して各個撃破を行うんだ。」
ストロンガスさんが、懐の中からエンペリウムを取り出す。
「昨日、執行委員会の憲兵から受け取って来た。連中も闇夜の暗殺者を潰しに掛かるらしい。」
「彼等はやりすぎたからねぇwWw当然って言ったら当然かwwwww」
マンクさんがのらりくらりとかわす。
・・・・そして、会議の夜は更けていった。
所変わってプロンテラ城下。
シャダイはバーサークポーションの買出しにこの場所を訪れていた。
(チッ。なんで俺がこんな面倒な事を・・・・)
彼の心中は、面倒なお使いに対する不満で満ち溢れていた。
いっそのこと、この城下に居る人間を全て虐殺してやりたい衝動に駆られる。
しかし、そんな事をすれば商人は全員逃げ出し、お目当てのポーションは手に入らなくなってしまう。
それに、今はお供のグリフォン「ヵッォ」も本部に置きっぱなしだ。
いらいらしながら市場を廻ること数十分。ようやく「バーサークポーション有り升」と書いてある看板を見つける。
不機嫌全開な顔をしながら看板を立てている商人に目をやるシャダイ。
ズキュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥゥゥンンンンン!
シャダイの顔が一気に赤面し、心臓の鼓動が急上昇。
冷や汗とは明らかに違う、興奮の汗が彼の顔面を濡らす。
そこには、商人の「マー」が、無邪気な笑顔でこの客を見つめていた。
「ハンターさん。いらっしゃいませ〜。バーサークpotにブラストアミュレットは如何ですかぁ?」
シャダイに向かって最高級の商売スマイルで微笑みかける。
「ヌフオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
突如、自分の心の奥底に沸いた感情が理解出来ずに唸り声を上げつつ頭を抱えて苦悩するシャダイ。
(変な客だな('A`))と思いながらも笑顔を崩さぬマー。
(俺は・・・今まで何人もの命の鼓動を絶ってきた非情のハンターなのに・・・この小娘になぜここまで動揺するんだ??)
「お客さーん。買うの?買わないの?」
マーが流石に焦れたらしく、ぶっきらぼうに投げ掛ける。
「買おう・・・いや、買わせて頂こうか。」
赤面しながらプルプル震える手でポーションを掴むシャダイ。
汗でつるりとポーションのビンが滑り、落ちかける。
落としてはならぬとばかりに、ビンはっしと掴むシャダイとマー。
手と手が触れ合った瞬間・・・・。
「アフアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
えもいわれぬ幸福感に包まれて、非情のハンターは失神した。
びくんっ、びくんっ!!
「…ン?」
気が付けばシャダイは街路樹にもたれかかっていた。
喧騒が遠い。市場からは少し離れた路地あたりか。
「やっと気が付きました?('A`)」
「!!!!????ウホオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
目の前に例の商人の娘がいた。ハンカチでシャダイをぱたぱたと扇いでいる。
(やっぱり変だこの人('A`;))
マーが明らかに怪訝な目で自分を見ているのに気が付き、シャダイは慌てて咳払いをする。
「い、いや、すまん・・・」
「・・・いきなり倒れるもんだから周りの目が気になっただけですよ」
むすっとした顔でマーは言う。「商売中断しちゃったじゃない」と言わんばかりだ。
「・・・バーサークポーション、全部頂こうか・・・」
「え?あら〜〜〜vvvありがとうございます♪」
途端に態度をころっと変え、思いっきり嬉しそうな顔をするマー。
その顔にまたクラリとするシャダイ。
(何故だ…ああああもう理解できねええ!!!)
「そういえば、ハンターさんって有名人?」
「あぁ?」
突如そんなことを言われる。
「ここまでハンターさんを運ぶのに、何人かに手伝ってもらったんだけど、
なーんかヒソヒソ話してたから・・・有名人なの
『執行機関だ!!闇夜の暗殺者のシャダイ!!お前に措置を適用する!!』
よく通る叫び声でマーの言葉が中断される。
同時に白い服を着た数名の男女が現れた。
(ちっ・・・)
シャダイは素早くマーに腕を回して羽交い絞めにする。
「え?執行・・機関?え?え?えええ?」
「動くんじゃねぇぜ。こいつがどうなってもいいのか?」
「ちょ、ちょちょ・・ハンターさん???!!」
状況の飲み込めてないマーは一人混乱するだけだ。
『・・・構わん、やれ!』
「ヒャハハ!てめえらも俺等と同じじゃねぇかよ!」
叫んで懐から蝶の羽を取り出してかざす。
シャダイとマーの姿が一瞬で消えた。
702 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/24 15:26 ID:htd+9HCt
そんな出来事がすぐ近くで起きていたとは、ケイオス達は知るはずもなかった。
「…街の方がやかましいですわね。」
二階の窓から怪訝な顔でヒメが覗き込む。
と、突然クルリと振り返り
「そんな事よりストロンガスさん、ちょっとそのエンペをおよこし!!」
ストロンガスからエンペリウムを取り上げると、頭上高々に掲げ高笑いするヒメ。
「お〜ほっほっほっ。それでは今からギルドを結成いたしますっ。“姫と愉快な下僕達”ギルドの誕生ですわ〜〜」
一同:
『!?( Д )゜゜』
慌ててエンペリウムを取り返すストロンガスさん…
703 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/24 15:47 ID:yR+o1uS4
「きゃっ。何をなさるのっ!!この髭ゴリラっ。強さ、頭脳、美貌、家柄の全てを兼ね備えたこの私以外、ギルドマスターは考えられませんわっ。さっさとエンペをお返しっ!!」
大暴れするヒメを押さえ込むジャハル。
「えぇぃ!!お離しっ!!キィィィーーー」
「マ、マンクさん。なんとかして下さいっ。」
ガリィが慌てて助力を仰ぐ。が………
「wWw。そのギルド名もよさげだけど“闇夜アサ必死だなw(プ”ってギルド名も良くない?w」
一同: 「( ̄Д ̄;)!!」
「ヒ、ヒメ!マンク!冗談はよすんだ、まったく!」
ストロンガスさんは必死でとりかえしたエンペリウムをしっかりと握った。
「おほほ!冗談ですわよ〜!だいいち、私はダーリンと二人だけのラブラブギルドがいいんですもの♪」
ヒメさんはそういって、マンクさんに抱きついた。
「じゃあ、新生深紅の暁には入ってくれないんですか・・・」
僕は残念そうに頭を垂れた。
「オレも無理だなあ!オレは王宮おかかえの鍛冶屋だしな!お前らと会える時間も少なかろう!」
ストロンガスさんはフン、と腕組した。
「あははw 心配しないでいいさ〜w 君達もそれなりに強くなったんだw
そこの三人も、僕が見る限りではかなりの力を持ってるしね〜ww」
マンクさんはフレイヤさん達を指さしながら言った。
「・・・・じゃあギルドメンバーは、私とジャハルとランディ、それとケイオスとガリィ。
こういうことになるわね。」
フレイヤさんが僕とガリィを見ながら言った。
「あの、セシルさんはどうでしょうか・・・?」
「・・・・・多分あのコは、ギルドには入らないでしょうね。」
ヒメさんが冷静に言った。
「あのコは、そっとしておいてあげるべきですわ。
ギルドに入りたくても、ギルドにいづらいでしょうし・・・・」
「え・・・・?」
どういうことだろう?
「ま、まあこっちの話ですわっ!ささ、さっさとギルドを作りなさいまし!」
ヒメさんがせかす。
「そうねえ・・・・せっかくだから、ギルドの名前を変えましょうよ。
ケイオスもガリィも仲間に加わったことだし。」
フレイヤさんがそういうと、みんなもウンウン、とうなづいた。
「“ホストクラブ『暁』”なんてどうさ〜?
男前も揃ってるし☆ケイオスも将来有望って感じだし☆」
バコッ!
フレイヤさんのゲンコツがランディさんの頭に飛ぶ。
なんか、この感じも久しぶりだなあ。
「・・・・でなんで私までモロクまで来なきゃならんのですか?('A`;)」
マーがオーキッシュアックスを握り締めてシャダイをにらむ。
「しかもさっきの行動。まるで強盗みたいな感じじゃないですか!」
「ん・・・いや・・まぁ・・・えっと・・・その・・・」
自分があの悪名高いギルド「闇夜の暗殺者」のメンバーだと言ったら
この子はどう思うのだろうか?
いつもならば殺してしまえば済むはずなのに・・。
こいつには手が出せない。なぜだ「ガコン!」
「人の話ちゃんと聞いてくださいよ!モロクじゃ商売もできやしない!(`A')」
カートで殴られた。なんだか不思議な感じがする。
ずっとこの子と一緒にいたい。この子を守りt「プス」
「とりあえず、この破魔矢200本をプレミア価格で買い取っていただきますからね」
「え・・あ・・・あぁ」足に刺さった矢を抜きながらシャダイはうなずいた。
「財布の中身が・・・」
「財布の中身がない・・・・少し待ってろ、すぐ稼いできてやる。」
シャダイが不気味な笑顔をみせたので、マーは何か嫌な予感がした。
「稼ぐって・・・・どうするんですかっ?」
「そりゃお前、そこいらの通行人をぶっころ・・・・」
「ダメです!!!冗談でもそんな事言うんじゃないです!」
マーはシャダイをキッ、と睨んだ。
「まったく、罰としてこのマインゴーシュも買ってもらいます!ぷんぷん」
「お、おい・・・・」
「いーーーから!お金がないんならそこら辺のモンスターを狩って収集品を集めるですよ!はやく!」
シャダイはマーにせかされて慌ててグリフォンを呼んだ。
「こ、こい!グリフォーーン!」
シャダイがそう叫ぶと、グリフォンの「ヵッォ」が飛んできた。
驚いたのはモロクの町の人々だ。
「な。なにアレ!?モンスターよっ!」
「キャーーーー!!町にモンスターが!!」
「だ、誰だ!こんなバケモノを連れてきたのは!!」
人々がぎゃあぎゃあわめいている。
「・・・・・うるさい下等生物め・・・・・ぶっ殺してやる・・・・」
シャダイはそういうと、弓を構えた。
「ククク・・・・・死ねえええええ!!!」
「か、かわいいいーーーーー!!」
「な、なに・・・?」
見ると、笑顔でグリフォンをなでているマーがいた。
グリフォンは気持ちよさそうに目を閉じている。
「お、おじょうちゃん!危ないぞ!そいつは凶悪なモンスターだよ!」
「あのコ、モンスターに触ってる・・・・!あのコおかしいんじゃない!?」
「あんな醜いバケモノに良く触れるわね・・・」
シャダイは呆然としていた。
「どこが醜いですかあ!(`A')
こんなに大人しくてカワイイのに(*'A`)」
マーがそう言うと、人々はとても冷たい目線をマーに向けた。
「なに・・・・あのコ・・・!異常よ!」
「あのコはモンスターを操る、悪魔のコだ!!!」
次々にマーに人々は罵声をあびせる。
「な、なんでそんなこと言うんですか!
もう怒りました!あなた達には牛乳を100本ずつ買ってもらうんだから!」
「あのコ・・・・商人の格好をしてるけど、本当はモンスターじゃないの!?」
人々はマーをまるで汚物を見るような目でみている。
「誰が悪魔の牛乳なぞ買うか!この町から出て行け!バケモノめ!」
「え・・・・!」
マーの顔が青ざめる。
「そ、そんな!私ここで商売できないじゃないですか!」
「もうお前の顔は覚えたぞ・・・・!二度とお前の店でモノは買わん!」
一人の男がマーを跳ね飛ばした。
「きゃあっ!」
マーが地面に倒れこむ。
「なにしやがる!!!てめえらああああ!!」
シャダイの中で何かがきれた。
だから人間は嫌いなんだ・・・!殺してやる・・・・!ぶっ殺す!皆殺しだ!
───ダメです!!!冗談でもそんな事言うんじゃないです!───
ふいにマーの言葉が、シャダイの頭の中に響いた。
バキイッ!
シャダイは男をぶッ飛ばした。
「・・・・・お前ら、その商人救われたな・・・・・! いつもなら皆殺しだ・・・・・!!」
シャダイはそういうと、マーを抱えた。
「いくぞ、グリフォン・・・・・・。こんなやつら、人間じゃない・・・・愚かなイモムシどもだ・・・・!」
「ケエエエエエエエ!!」
シャダイとマーを乗せたグリフォンは、そのままモロクから飛び去っていった。
人々はその姿をただ呆然と見ているだけだった。
「う・・・・・・」
マーが目を覚ますと、そこは砂漠のオアシスだった。
「ここは・・・・・どこです・・・('A`)? 私、モロクで・・・・
そうだ・・・・・モロクで・・・・もう商売できないんだ・・・・・!」
そう思うと、ふいに涙があふれてきた。
「・・・・・・すまなかったな」
マーがはっと横を向くと、シャダイが焚き火をたきながら、その炎をジッと見ていた。
「そうでしたんですね・・・・・あのコはあなたのグリフォンだったんですか・・・」
木にグリフォンがつながれているのを、マーはジッと見つめていた。
「・・・・・・すまなかった。オレのグリフォンのせいで・・・・」
シャダイは申し訳なく思っていた。
こんな気持ちになったのは、久しぶりだった。
マーは、ふるふるっ、と首を横にふった。
「あなたも、グリフォンちゃんも、何も悪くないです。」
マーは涙をふいて、笑顔で笑った。
ドキッ・・・・・・・!!
シャダイは何か急に恥ずかしくなって、目をそむけた。
「そ、そうだ。ホラ、肉とってきたんだ。食え。」
マーが見ると、それはオオカミの丸焼きだった。
「うひゃああ!?」
マーは思わず飛びのいた。シャダイはきょとんとしている。
「あ?腹が減ってねえのか・・・?ほら、オオカミの心臓だ。うまいぞ。」
シャダイは口を真っ赤にしながらオオカミの心臓を食べている。
「ん?心臓は無理か?じゃあホラ、脳みそも結構いける。」
マーはひゃああああ!と叫び声を上げた。
「・・・・なんだ、食わないならもらうぞ」
シャダイは平然と脳みそを食べはじめた。
「あの、助けてくれてりがとです」
げ、ゲホっ!
思わずシャダイは咳き込んでしまった。
あ、ありがとう・・・・だと?そんな言葉、久しぶりに聞いたぜ・・・・・
「グリフォンを飼ってるなんて、すごいですねえ・・・・・。
手なずけるのは相当大変だったんじゃないんですか?」
マーは感嘆の声をあげた。
「飼うっつーか、コイツは俺の相棒、唯一の友達だからな。」
「友達・・・・ですか?」
「まあな。」
「ふうーん・・・・・」
二人はそのまま黙り続けた。
「・・・・・・・・シャダイ。何をしている?」
「!?」
シャダイがバッと振り向くとそこにはツァバトががいた。
「ツ、ツァバト・・・・・・!!」
「そこの♀商人・・・・・・なんだ、お前もそこいらの人間と変わらないんだな・・・・
狂気のシャダイはどこへやら・・・・」
「だ、誰ですか・・・・?この人・・・・・」
マーは少し怯えながら言った。
「や、やめろツァバト!こいつは関係ない!」
「・・・・・・・。私達、闇夜の暗殺者は、お前のその残酷さを買ったんじゃないか・・・・
それを、こんな商人も殺さず・・・・・。見損なったぞ。」
「く・・・・・!」
「ツァバト。どけ。その女を殺す。」
>>717 最後の行
×ツァバト
○シャダイ
でお願いします。
「や、闇夜の暗殺者ですって・・・・!?」
マーは恐怖の表情を浮かべた。
「そうだよ、お嬢ちゃん。私達にかかわってしまったのだね。かわいそうに。」
ツァバトが黒いマントから、細長いツメのようなモノを取り出した。
「い・・・・・や・・・・・・!助けて・・・・・ハンターさん・・・・・!!」
「やめろ!ツァバト!!もしもコイツに手を出したら・・・・・!!」
シャダイが弓をかまえた。
「手を出したら?」
ツァバトがククク、と笑う。
「手を出したら、どうなるというのかね?
一介のハンターでしかない君が?残酷と狂気を失った君が?私をどうするのかね?」
シャダイはガクガクと震えている。恐怖で体が動かない・・・・
シャダイの横をツァバトが通る。
「ほら、この女はこうして死ぬんだ・・・・・」
シャダイの耳元でツァバトがささやいた。
ドスッ・・・・・・!!!
「ほら・・・・心臓に一発・・・・・。」
「あ・・・・!あ・・・・!ハ・・・・ン・・・・タ・・・・さん・・・」
「ホラ・・・・すこしづつ深くツメが心臓に食い込んでいく・・・・・・」
グググ・・・・・!!
ツァバトのツメがマーの心臓に深くくいこんだ。
「終わりだ・・・・」
ドシャアアアア・・・・!!
マーの体をツァバトのツメが貫いた。
ゴロン、とマーがその場で倒れこむ。ピクピクとマーは痙攣している。
「ああああ・・・!!ああああ・・・・・!!」
シャダイは地面にへばりついた。
「どうした・・・・・シャダイ・・・・・?お前だって、こんな事造作もなかろう・・・・・?」
ツァバトがククク、と笑った。
「俺・・・・は・・・・・!俺は・・・・・!!」
「お前は闇夜の暗殺者の一員だ・・・・・。それ以上でも、それ以下でもない・・・・。
お前は人間に嫌気がさしたんだろう?・・・・・これは、一種の気の迷いだ・・・・」
「気の・・・・・迷い・・・・・」
「そうだ・・・・・あの女もどうせお前の金を狙って迫ってきただけだ・・・・・」
「金・・・・・目当て・・・・・」
「そうだ・・・・人間を恨みつづけろ、シャダイ・・・・。それがお前の強さとなる・・・・・」
「違う・・・・!あのコは・・・・・!はじめて俺をちゃんと見てくれた・・・・・!!
グリフォンだって・・・・・今までけなされたことしかなかった・・・・けど・・・・あいつは・・・!!」
「・・・・・しょうがない・・・・・やれ、テスタメント。」
シャダイの後ろには、黒い服をきた男が立っていた。
カアアアアア!!!
シャダイの頭にテスタメントが手を当てると、光がもれだした。
「う、うわああああああ!!!」
シャダイは絶叫した後、そのまま倒れこんだ。
「・・・・・・・商人との記憶を消しておきました。
洗脳も考えましたが、こちらのほうが確実かと。」
テスタメントは冷ややかに言った。
「うむ、ご苦労だった、テスタメントよ・・・・」
「うう・・・・・」
シャダイは気がついて目をさました。
「あ・・・・?ツァバト・・・・テスタメント・・・・こんな所で何してるんだあ?」
「いやなに、そこの商人が生意気だったんでお前がぶち殺してくれたんだよ・・・」
ツァバトはククク、と笑った。
「・・・・・!!」
ふいにシャダイは女商人の死体にかけよった。
「なに・・・・?」
ツァバトとテスタメントが不審に思った。
「ひゃーーーーーーはっはっは!!」
シャダイはそういうと、女商人を弓矢でめったざしにした後、ナイフで何度も傷つけた。
「フ・・・・・どうした、シャダイ。」
ツァバトが笑いながら聞く。
「ひゃはは・・・・!いやよぉ、この女見たら無性に消したくなっちまってよお!
跡形もないくらいぶっつぶしたい衝動にかられちまった!いけねえいけねえ!」
「フフ・・・・そうか。お前らしい答えだ。おい、テスタメントよ」
「は。」
そのままテスタメントは手から青白い炎をだし、女商人の死体を焼き尽くした。
「ククク・・・・俺はシャダイ!!!!狂気の男よおおおおお!!!!!」
シャダイは月にむかって咆哮した。
「では・・・我らは先に帰るぞ。」
そう言うと二人は闇に溶けていった。
シャダイはそこに横たわる女商人をみつめる
「おい・・・グリフォン今日の飯だ。食っていいぞ」
いつもならその言葉の後にグリフォンが死体に飛びつき
食い始めるところだった。
だが、グリフォンは死体に近づくと「クァー・・・」と悲しい声をあげるだけだった。
「この女・・・」
何かを思い出しそうになる。
「イグドラシルの葉があれば・・まだなんとかなる・・・か。
グリフォンこいつを街まで届けろ。このメモと一緒にな。」
グリフォンはいつもより早く街へと飛び立った。
「なんだっていうんだ・・あの女が・・・」
あ、かぶった・・・。俺のスルーで・・・
ちょっぴり724の展開も気になったんだけどまぁしょうがないか
「だからやっぱりここは”プリティランディご一行様”にすべきだって!」
「ふざけんじゃないわよ!!そんな名前にしたら絶対入らないからね!!」
「ランディの部分をジャハルに変えてくれればな・・・(ボソ」
僕とガリィは同時に溜息をついた。
いつ名前決まるんだろう・・・。
「あ・・・」
ちくり。僕の胸に一瞬だけ小さな痛みが走る。
「?ケイオス君どうしたの?」
「いや、なんでもないよ」
誤魔化そうとしてなんとなくポシェットへ手をやる。
ふと、マーからもらった転職祝いのことを思い出した。
キャンディやら安物のカードやらを包んで、花を添えただけの、
どう見てもただの売れ残りだろってものだったけど。
そういえばガリィに渡すのすっかり忘れてたな。
「そうだガリィ、これ・・・すっごく遅れたけど。マーから転職祝いだって」
「え?マーって・・確か下水道の・・・そっか。今度会ったらお礼言わないとね★」
マー、元気に商売してるんだろうなぁ。
シャダイはツァバトとテスタメントが去った後も、マーの遺体が焼かれた場所に居た。
ツァバトとテスタメントの気配が完全に消え去るのをゆっくりと待ちつつ・・・。
磨き抜かれた狩人としての感覚が、彼の本能に青信号を灯らせる。
引き絞られた弓が勢い良く爆ぜる様に、シャダイは地面を探り始める。
半分地面に埋まっていた黒く焼け焦げたブラストアミュレットを握り締め、彼は嗚咽を漏らす。
「ごめんよ・・・。ごめんよ・・・。オレを許してくれ・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ブラストアミュレットに焼き付いた、彼女の衣服の燃え残り。
「ああしなければ、オレが殺されていた・・・・。君の仇はきっと討つ・・・・。」
ヵッォが震える様な咆哮を上げる。
それは、グリフォン達の鎮魂の咆哮であった。
「闇夜の暗殺者は今日限りだ。君の仇を仲間と認める訳にはいかない・・・・。」
一方、プロンテラの宿屋。
未だにギルド名が決まらない・・・・。
「偉大なる女魔術師!」これはフレイヤさんの案
「ホストクラブ「麗しき聖職者」!」ランディさんの案はコレ
「剣術一直線(ボソ」ジャハルさんの案はこんな感じ
「逆マ毛ン(・∀・)クイルイポ!」マンクさん・・・・いい加減にして下さい。
ああ。もうバラバラだ。ギルドの主旨すら解らない名前になりつつある('A`)
「ケイオスは何か名前考えた?」
ガリィが僕の顔を覗き込む。
・・・・・今回のギルドは闇夜の暗殺者をおびき出す為のギルドだ。
ならば、それに沿った名前にするのが筋なんじゃないか?
「碧天の討伐者・・・」
ガリィがおっという表情を浮かべる。
「まぁ、まともな部類の名前じゃないの?」
ニッカリと笑って僕を見る。
「私は、「純潔の復讐者」って考えてみたりしたんだけどネ」
他に意見は無いのかな・・・・じゃなければこの6つのどれかに決まる事になってしまう。
「みんな。他に候補は無いのか?」
ストロンガスさんが荒げた声を上げる。
「あ」
ガリィが声を上げた
「ん?何だガリィ。他にも思いついたか?」
ストロンガスさんがちょっと怪訝そうに聞いてきた。
「えーと、・・・私の意見ってわけじゃなくてね・・・?
[護りし剣]ってどうかな・・・?」
「ほう?中々いいんじゃねぇか?しかし何でまた唐突に」
ガリィはしゃべりにくそうにしながら
「・・・もしレカードさんが生きてたらこう言うかなって」
場が一瞬シーンとなった
ちょっと重い空気が漂い始める
「[護りし剣]・・・・・・。
うん、なかなかいいんじゃない?」
フレイヤさんが言う。
「・・・・お互い助け合っていく剣となろう。
二度と、誰も死なないように・・・・・」
ジャハルさんがポツリとつぶやいた。
「いいんじゃな〜い?カッコイイしね。」
とランディさん。
「僕もそれでいいと思うよ。」
僕も賛成した。
「よーし、OK!それじゃあ、ギルド結成するわね☆」
フレイヤさんがエンペリウムをかかげた。
「神の聖石、エンペリウムよ!我々に強き絆を!
我らは[護りし剣]!人を護りし剣となり、今ここに誓わん!」
エンペリウムが神々しい輝きを放ちはじめた。
カアアア・・・・・・・
まばゆい、暖かな光が僕を包み込む・・・・・・。
光の中から、僕の服の袖にエンブレムが現れた。
細長い剣に、翼のついたエンブレムだ・・・・。
カアアアア・・・・・
徐々にエンペリウムの光が小さくなっていった。
「よし、これで完了!」
フレイヤさんはそういうと、エンペリウムを懐にしまった。
「さ・て・と!さっそく出発よ〜!」
フレイヤさんが声をあげた。
「え、もうですか〜?」
あまりに突然な事に僕は驚いた。
「な〜に言ってんの!あたり前でしょうっ!私達には壮大な目的があるわ!」
フレイヤさんは僕の目の前に、ずいっと顔を近づけた。
「も、目的・・・・ですか・・・?」
「そうよ・・・・・ずばり!私達もギルドアジトをかまえるのよおおお!!」
フレイヤさんが意気込んで言った。
「ギルドアジトでしか手に入らないアイテム!
国の認証をうけることで、カプラさんの雇用も可能よ!」
ま、まあソレは前に聞いた気がするけど・・・・
「でも・・・・・やっぱりそれなりに強くないと・・・・」
僕がそういうと、フレイヤさんはニヤリと笑った。
「ウフフフ・・・・!私もジャハルもランディも、相当強くなってるハズ・・・!
それに・・・・」
「それに?」
「僕達も同盟ギルドとして、君達をサポートしてあげられるからねwwww」
マンクさんが手をヒラヒラさせながら言った。
フレイヤさんもソレを見てウフフ、と笑っている。
「唯一欠点があるとしたら、ソレはケイオス、ガリィ!あんた達の弱さにあるわ!」
「ハッキリ言って、あんた達はそこいらのオークを倒すのに精一杯なくらいでしょう?
つーか2次職にもなってないわ!そんな事でギルドアジトを攻めきれると思って!?」
「と、いうことは・・・・」
「そうよ。修行よ、修行!!まずは2次職を目指す!スキルももっと覚える!」
うう、いつになく気合入ってるなあ・・・・
「さあ!そうと決まればとっとと出発よ!」
フレイヤさんがそういうと、ガリィもジャハルさんもランディさんもスッと立ち上がった。
「うははwww しばらくお別れだね〜TT いってら〜ww」
のんきに手をふるマンクさん。
「おほほ!成長を楽しみにしてますわ、ケイオス!
次に会うときを楽しみにしてますからね。」
ヒメさんがニッコリ笑う。
「てめえら!モンスターどもにやられるんじゃねえぞ!気合だ気合!」
ストロンガスさんも筋肉をムキムキさせながら言っている。
ついに、僕達はプロンテラを旅だった。
これから、またフレイヤさん達との冒険が始まる。
少し離れていただけなのに、何かとても懐かしい、居心地の良い心地がする。
2次職になるには、相当な時間と労力がかかるらしい。
僕も精一杯がんばろう!
新しい冒険が、今幕をあける・・・・・
ステンドグラスから漏れる薄い光は周辺を照らすのみで
聖堂内は暗闇が広がる。
光の当たらない聖堂内で一人の聖職者が祈りを捧げていた。
「・・・あなたの想いは彼等に通じたようよ。[護りし剣]・・・いい名前ねレカード」
「ケイオスは旅に出る。きっとまた強くなっていくのでしょうね」
「私は・・贖罪なんてできるのだろうか。いえ・・そう思うことすら罪深いわね・・」
誰に語りかけることなく呟き続ける。
やがて立ち上がると振り返ることなく聖堂を後にした。
「ヤーウェ様・・・私たちは・・・」
「じゃあこれから行き先を考えようか〜★」
プロンテラ南門を出たところで行き先会議。
・・・勢いだけで出てきたもんだから当然予定もなかったわけで・・・
「…ゲフェンはギルドアジトを奴等に占領されているわ。執行機関本部も壊滅状態ね」
「アルデバランまでの道のりは、今のケイオス達では即死だろうしな」
「砂漠はもう勘弁な〜」
「じゃあどこがいいんですか」
ガリィが呆れた様子で言う。
「そうねぇ…イズルートはどう?近いし交通も便利だし手頃なダンジョンもあるし。なにより・・・」
「なにより?」
「・・な、なんでもないわ。皆どう思う?」
特に反対する理由もないので、行き先はイズルートということになった。
でも、「なにより」ってなんだろう・・・
こっそりフレイヤさんを見ると妙にうっとりしながら小声で呟いていた。
「カナトウスのつぼ焼き・・・♪」
それが本音か。
一方、夜の砂漠を放浪とするシャダイ。
返り血を浴びた姿が月に照らし出される。
そこに、黒い法衣の男、エロヒムが炎の中から現れる。
「ちっ・・・エロヒムか。今の俺は誰ともつるみたくねぇんだよ。ほっときやがれ。」
「・・・そうはいかん。」
「あぁん?」
「お前の躊躇した態度、人間に対しての憐れみの感情。我が主、ヤーウェ様は非常にお怒りだ。」
「!!」
「よって、今からお前をマスターのところへ連れて行く。抵抗しようなどとは思うな。」
「・・・。」
シャダイは黙ったままエロヒムと共に空間のひずみに消えていった。
転移した先には黒きオーラを身に纏わせた、ヤーウェがいた。
「御苦労、エロヒム。」
ヤーウェはエロヒムの隣のシャダイの方を見た。
「どうした、シャダイ。お前らしくもない。」
「・・・。」
シャダイは押し黙ったままだ。しかし体は震えている。
「なぁ、シャダイ。」
「幸福とはなんだ?」
「無敵の肉体を持つ事、莫大な富を持つ事、生物の頂点に立つ事。」
「何だと思うね?」
「そ・・・それは・・・」
あまりの急な質問にたじろぐシャダイ。
「理想郷を築く。それが我等の目的ではなかったのか?」
「正直、お前には失望した。狂気がウリのお前に人間の情が移ったときたものだ。
私はお前を処理しようと考えたが、エロヒムが珍しくこの私に進言してきてな。もう一度機会を与えてはどうだというものだ。」
ゴクリと唾を飲み、エロヒムを見るシャダイ。相変わらず顔色一つ変えない無表情さだ。
「・・・不安定なお前に新たな能力を与えてやろう。」
ヤーウェの手の上にピクリピクリと細胞をを動かす、おぞましき眼球があった。
「このメデューサの目をお前の額に埋め込み邪眼の能力を与える。お前は精神が最近脆い。
当然の処置だ。」
「妹を目の前で失ったトラウマがあるようだが、徐々に消しとってくれるだろう。
お前は更に殺戮を求め、私の求めていたシャダイになって戻ってくるのだ。」
シャダイは途端に朦朧としてきた意識の中で何かを思い出す。
(そうか。俺は生まれ変わるのか。あの商人の少女。俺の妹にそっくりだった。
妹を殺したのは人間。俺も人間。その人間を超越した選ばれた戦士。
そうか・・・俺は・・・俺は!)
(腐敗した人間共を皆殺しにする・・・ッ!!)
「気が付いたかシャダイ。」
額に包帯を巻いた、シャダイに話し掛けるエロヒム。
「お前はこれから人間を見ればおそらく『憎しみ』の気持ちしかわかないだろう。」
「へ・・・へへっ。お蔭様で目が覚めたってもんだ。」
額を押さえつつ、小笑うシャダイ。
「今夜の壊滅の標的は・・・」
「お前の故郷、フェイヨンのギルドの壊滅だ。」
シャダイは額を手で押さえ笑みを漏らす。
「細胞が疼いてしょうがねぇ。今夜は腹一杯喰わせてもらうぜ・・・!」
「んじゃあ、イズルートに行くのね?」
フレイヤさんが言った。
「・・・・しかし、ケイオスのファイアスティレットは火属性。
ガリィのアイス環頭太刀は水属性。双方とも水モンスターとの相性が悪い」
ジャハルさんがサラッと説明する。
「そうねえ・・・・。レベル上げには最適な場所のハズだけどね。
ところで、ケイオスとガリィのレベルは今どれくらいなの?」
フレイヤさんが僕達にたずねた。
「うーん、オークを倒せるくらいだから・・・・だいたい30前後ですね。」
「30前後。OK、ちょっとネットで調べてくるわ。」
「ネ、ネット・・・・!?」
「こっちの話よ☆ちょっとAFKするわね。」
「え、AFK・・・・・!?」
「大人の事情があるのさ・・・・。あまり気にしないように!」
僕の肩をランディさんがポンとたたいた。
「そうねー、PTだし、フェイヨン2Fか3Fあたりかな。」
しばらくすると、フレイヤさんがしゃべりはじめた。
「フェイヨン・・・・・ってどこにあるんですか?」
「フェイヨンは古代からずっと栄えてきた都市よ。
歴史も古いし、独特の文化が育っているところね。
プロンテラを南西にずっと行ったところにあるわ。」
さすがフレイヤさん!よく知ってるなー。
「何かおもしろそうですね。ね?ガリィ。」
しかしガリィはムスッとした顔をしている。
ど、どうしたんだろう・・・・・楽しそうなところなのに・・・・
「カナトウスのつぼ焼き・・・・・・」
結局それか。
轟々と炎が燃え盛るフェイヨンの砦周域。
辺りは無残にも殺された人間の亡骸だけだ。
その肉塊の山の頂点に2人の男がいた。
「シャダイ様、エロヒム様。全砦陥落いたしました。」
「そうかそうかぁ。ヒヒヒ。」
満足そうな笑みを浮かべるシャダイ。
「ん?」
砦の影から生き残りの人間なのか、少女の剣士が必死に村の方へ走っている。
「おっとぉ。」
素早く矢を放つシャダイ。
放たれた矢は少女の頭を貫通し、少女は倒れた。
「これで全員か・・・。」
エロヒムは辺りを見渡す。
「生き残ってたら喰う。それだけの話だろ?」
ケラケラ笑うシャダイ。
地面の赤ん坊の死体を足で弄び、やがて踏み潰したシャダイが言った。
「しかしここまで人間共の死体の山ってなると、処理も大変だろうなぁ。絶景ではあるんだが。」
「・・・シャダイ。12時の方向に新手の気配だ。気を抜くな。」
「今見てきてやるよ。」
そういうと、シャダイは死体の山から飛び降り、南の方向に疾風の如く移動する。
そこにいたのは、白いローブに見を包んだ憲兵だった。
「こりゃぁまたぁ・・・執行機関のお出ましかぁ?」
「執行機関の保安委員会軍官ロックと申します。」
「今回の殺戮、及び世界の秩序を乱す行為。執行機関として見逃せません。」
「貴方には措置3、つまり貴方の存在を抹消させていただきます。お察しください。」
「俺を抹消?笑わせんな。」
そういって、シャダイは口から毒霧を吹きかける。
ロックはその霧を軽々と払う。
「貴方を消す前に伺っておきたいのですが、目的は一体何なのです?」
クククと笑うシャダイ。
「人間共に復讐する為だよ!そして俺達闇夜の暗殺者が、優れた生物だけの完成された理想郷を築く。
最高だろ?ひゃはははっ!!」
「左様ですか。」
ロックは剣をスッと抜いた。
「これより、貴方を抹消します。覚悟なさい。」
「ククク、やってみろぉ!」
剣の先がシャダイの額を捉えた。
シャダイの額に巻かれていた包帯がほどける。
「こ・・・これは・・・。」
後ずさりするロック。そこにはドクンドクンと音を立てる禍々しい「目」がロックを見つめていた。
「ヒヒ、丁度いい。邪眼の能力とやら・・・使わせてもらうぜっ!!」
シャダイの第3の目が光ったと思うと、ロックの体がみるみるうちに石と化してゆく。
「か、体が・・・石に・・・・っ!」
「こいつぁ・・・すげぇ!」
満足そうに徐々に石化してゆくロックを見るシャダイ。
「手も足も出ねぇってのは・・・」
シャダイが既に石化したロックの腕を砕く。
「この事だなぁ・・・ヘへへ。」
「こ、このような事をして貴方は・・・何を求めるのです?」
既に首の付近まで石化したロックが意識を振り絞って問う。
表情を変えたシャダイが答えた。
「俺だけの満足感。充実感。優越感。そして鼠の糞以下の存在の人間共の排除。
それだけさ。
ククク・・・。
・・・・ヒャァ〜ハッハ!!」
高らかに笑いながら足元の死体をこねくりまわすシャダイ。
「あ、悪魔・・・っ!」
ロックはその言葉を最後に全身が石化した。
その石化したロックの体を粉々に砕く。
シャダイは後ろを振り返り、その光景を一部始終見ていたエロヒムに話し掛けた。
「エロヒムよぉ、公職の野郎は殺っといたぜ?ヤーウェ様んところへ戻るとすっかぁ。」
「・・・そうだな。」
2人は闇の中へ満足そうな表情へ消えていった。
749 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/08/25 23:34 ID:h+Uwl4Ue
「フェイヨンに行くには幾つかののルートがあるわ」
フレイヤさんが説明する。
「砂漠を通って行く。お金はかからないけど暑いわ。体験済みだろうけど。
カプラ転送かポタ屋を使ってとっとと行くとなると、早いけどお金がねー。
もしくはイズルードから船でアルベルタへ。そこから徒歩。これはリーズナブルで楽も出来るわねぇ♪♪
みんな、どうする?」
「・・・あからさまに3番目をプッシュしてませんか・・・?」
そんなにカナトウスのつぼ焼きが食べたいんだろうか・・?
「あらやだそんな事ないわよぉ〜好きなルートを選んでいいわよ」
と言いながらも目が何かをしきりに訴えている気がする・・。
「一番いいのは、僕が先にフェイヨンに飛んでポタとって来ることじゃないかな。今更砂漠歩いたって暑いだけだし〜( ゜∀゜)」
とはランディさんの案。
「じゃあイズルードのカプラ転送で飛んでらっしゃい♪」
何があってもイズルードに寄る気だ・・・。
「ジャハルさんは・・?」
僕はジャハルさんにも聞いてみた。
「…楽をしようとしては修行の意味はない。砂漠を通るべき…」
「ジャハル…」
一人砂漠ルートを押すジャハルさんに、フレイヤさんはにじり寄るように近づく。
「ねえジャハル。いくらケイオス達が未熟だからって、もう砂漠のモンスターを狩っていってもしょうがないと思うのよ…
早く強い敵と戦わせる。それが一番だと思うの。そうでしょう?」
とか言いながらジャハルさんの腕にしがみ付く。あーもう胸までくっつけて…
「しかし…」
「ジャハル。こうしている間にも闇夜の暗殺者は力を蓄えているわ。だから・・」
ここまでくると執念だな。作ってたカロリー表はいいんですか?
「・・・わかった。分かったから・・・」
「ヒュ〜ジャハル顔赤いよ★」
根負けしたジャハルさんをランディさんが茶化す。
ガリィのほうに目をやると、小さくガッツポーズを決めていた。
ワープポータルの光から、僕たちは足を踏み出す。
ここは「フェイヨン」。僕にとっては初めての土地だ。
「さーて。まずはフェイヨンダンジョンだね」ガリィが腕をぶんぶん振り回す。
「いや、待て。フェイヨン砦で何かあった様だ」
ジャハルさんがボソリと呟く。
何だ・・・この嫌な感じ・・・・。
「行ってみようよ。・・・あいつ等かも知れない」
恐怖を押し殺し、僕はフェイヨン砦へと足を向けた。
「酷い・・・・・」
ランディさんが十字を切る。
そこは正しく地獄絵図であった。
焼け落ちる砦。引き裂かれた死体の山。
思わずガリィが嘔吐するが、止むを得ない反応だろう。
「こんなの・・・非道すぎるよッ!」
「・・・仏を葬ろう。先ずはそれからだ」
ジャハルさんの声にも、怒りが滲む。
752 :
751:03/08/25 23:44 ID:iYZ7kYzm
(;´Д`)人
被りました・・・スルー願います。
「遅かったか・・・」
執行委員会懲罰憲兵・シオンが漏らす。
「人間の所業では有りませんよ・・・」
懲罰憲兵補佐(Suppoter)・エミリアは、自分の考えを素直に声に出す。
「一般兵は死体処理を最優先に!憲兵補佐は現場の被害確認を急げ!」
シオンはテキパキと指示を飛ばす。
「エミリア。君はイズルードとプロンテラの調査に向かえ。
闇夜の暗殺者が次に出現するとすれば、唯一陥落を免れている首都近辺しか無い」
「了解しました」
「この砦の管理は一時的にギルド「REUNION」に任せる。彼等なら持ち堪えられるだろう」
「仰せのままに」
仕官したばかりの自分にとっては重要な任務だ。失敗する訳にはいかない・・・。
従軍アコライトのポータルに乗り、エミリアはイズルードへ転移した。
エミリアの転移を見届け、シオンはおもむろにWISを始める。
「ヤハウェ様・・・これよりフェイヨンの完全制圧を開始します。
DALKLORD儀式の準備は万全です・・・・・」
本来、誇り高くあるべき憲兵の使命を見失った彼の目には、狂気の輝きしか残っていなかった。
>751
それはそれで後で使えると思うぞ
755 :
754:03/08/26 00:43 ID:rtLNB4KH
>751
すまんむりっぽ(´・ω・`)そしてスマソ<all
「つぼ焼き!つぼ焼き〜!」
僕が狩ったカナトゥスを、ガリィが捌いてフレイヤさんがファイアボルトでコンガリと焼く。
「全く、色気より食い気ってか?」
ランディさんが呆れた様に言うが、法衣の内側に醤油を忍ばせている様ではアナタも同類だ。
ジャハルさんは黙ってオボンヌを引き付けているが、その目はつぼ焼きへ注がれっぱなしだ。
「ガリィ。喰ってばかりいないで狩りをしないと・・」
ぶっきらぼうに投げかけるが、カナトゥスに齧り付く彼女に言葉は届いてない。
「まぁ、いいじゃないか・・・君も食べてみると良い。中々旨いぞ」
ジャハルさんはバーサークポーションをチビチビと飲む。
・・・・「バーサークポーション割り美青年・清酒」って・・・・('A`)
皆、宴会がしたいだけじゃないかと小一時間問い詰めようと思ったその時。
「今、ギルドチャットで連絡が入った。フェイヨン砦が陥落したらしい・・・・」
隣で狩りをしていた一団の会話が聞こえた。
やばいって。僕達、こんな事してる場合じゃないんじゃないか?
>>753の「ヤハウェ」は「ヤーウェ」ですね(´・ω・`)・・・スマソ
「あ、あの僕達、こんなお気楽に楽しんでていいんですかねぇ?
フェイヨンのギルドが陥落とか何かそんな雰囲気じゃあ・・・」
嗚呼、既に時遅し、フレイヤさんは酔っている。
「まっ、いいじゃないの。私達なんて砦持ってないんだから関係無いことでしょ〜?('A`)」
フレイヤさんがギロッと柱に隠れていた半漁人を見つける。
「ウォイ、そこの半漁どん!」
逃げようとはしたのだが見付かってしまい、ビクビクしながら姿を現す半漁人。
「へ、へい・・・。あっしに何の用でやんしょ?(汗々」
「つまみ持ってきて。。('A`)ノ」
「は、はい?」
「そのアンタにゃあ不釣合いな立派な銛でつまみ持ってこいって言ってんのよ!」
「そ、そんな・・・」
「言う事聞けないってんならユピテルでおしおきしちゃうわよ〜。('A`#)」
「わ、分かりやしたっ!今持ってくるさかいお命だけは〜!!」
ジャハルさんはちびちびとお酒を飲み
「つまみか。なかなか気が利くな。あの半漁人。」
と言うのだが・・・馬鹿ですか?
バカップルぶりもマンクさんとヒメさんに負けてないと心から僕は思った。('A`)
それを心無きに等しい心情で見ていたのがランディさんだった。
手にもっていた醤油は唖然に取られて既に水中に充満している。
(お、俺が死を覚悟してまで倒した、あの半漁人を手なづけて・・・
フレイヤさん。貴方って人は・・・。)
呆然と立ち尽くすランディさんの後ろではガリィがカナトゥスの肉を頬張っている。
「かいおふ〜いっふぉにひゃべる?(ケイオス〜一緒に食べる?)」
って3匹目かよ!
しかし食べるのに夢中なガリィの後ろから長い髪の不気味な人魚が襲い掛かる。
「ガリィ、後ろ後ろ〜!」
ガリィは後ろを振り向く。
「アンタみたいなブス人魚に食事の邪魔されたくないのよねぇ〜。('A`メ)」
人魚はがっくりとうな垂れてガリィを襲うのをやめてこう呟きながら去った。
「も う だ め ぽ」
フェイヨンに行くかどうかは皆の意見を聞くとして…この状況はさすがにまずいんじゃないかなぁ・・・
数日前の宴会の惨劇の記憶が蘇るよ('A`)
「あ、あ、あああああまだキモ食べてないのにぃ!!ってククレにキモがぁぁぁ!!」
「いやもうキモとか言ってる場合じゃないって!!」
こうなったら強硬手段だ。ガリィを無理矢理引きずって洞窟を出ようとする。
醤油を落とした時の姿で固まったままのランディさんにも頼む。
「ランディさん!この二人にキュアかけて連れてきてくださいよ!」
「え?あ、うん・・・キュアー!!」
(な、なんか怖いぞケイオスの奴・・)
突如素面に戻ってきょとんとしているバカップル。
「・・ここを出ますよフレイヤさんジャハルさん!」
「ええ〜!まだ食べたりないわ…」
「ここじゃ修行にならないって言ったの誰ですかッ!」
(ケイオス怖いって・・)
(・・・怒らせないほうがいいタイプだな・・・)
顔を見合わせて、よっこらしょと立ち上がる。
そして彼等がいなくなった海底洞窟にぽつんと取り残された半漁どん・・
「あの・・つまみをお持ちし・・・ってあれ?(汗」
「さぁ!さっさとフェイヨンへ行きましょう!」
寄り道しすぎなんだよね。本当にこの人達は。
「で、結局どのルートで行くんですか?」
「あー何かもう歩くのかったるいわねぇ」
(食べ過ぎた…うっぷ)
「あ!そういえばランディさんはワープポータル使えないんですか?」
お腹をさすりながらガリィが尋ねる。
「出来るよ」
はい?
「あんた何で言わなかったのよ!」
「だって…可愛い女の子に聞かれなかったし」
「!」
ランディさんの股間に杖がスマッシュヒットした
。
あぁ…股間がひゅっとなる。
ランディ「俺のホードがぁぁぁぁぁぁぁっ!!グロリア酢。('A`;)」
パシパシ・・・・
微かな破裂音と共にランディさんの頭上に白い光が現れる。
光から、にょっきりと2本の足が生え・・・
「ランディさん・・・・上・・・・・」
「ん?」
ランディさんの頭上から、白い服を着た女の子が落ちてきた・・・・
潰れたカエルの様に横たわって目を廻すランディさんと、その腹の上で茫然自失の女の子・・・。
「こいつ・・・・憲兵か!」
ジャハルさんの語気が一気に荒くなる。
「いやああああああああっ!」
突然、女の子がランディさんから飛び降りる。
「むぅ。流石俺のホード。良い仕事するな('A`*)」
何時の間にか目を覚ましていたランディさん。どうやらホードがエレクトしていた様子。
やっぱアンタ、聖職者じゃないよ・・・・・。
「で・・・・お前の名前は?」
ジャハルさんが剣を付きつけながら訊問する。
熟練した騎士の迫力に押されながらも、女の子は必死に、力強く答える。
「私はエミリア。執行委員会フェイヨン常駐懲罰憲兵補佐だ!」
憲兵服の左肩には、フェイヨン守護を表わすワッペンが見て取れる。
「ほう・・・フェイヨンの憲兵様がこの非常事態にこんな場所をうろついていて良いのか?」
強烈に凄むその眼光は、新米憲兵など歯牙にも掛からない。
「私は・・・。憲兵のシオン様に云い付けられ、この地域の視察を行いに来ただけだ!」
「理解に苦しむな。普通ならば地域守護憲兵は任地を離れる事はないハズだが?」
「私は任務に従ったまでだッ!」
2人の睨み合いが続く。
(やばいって。このまま騒ぎを起こしたら、ジャハルさんがつかまっちゃう・・・。)
僕が仲を取り持とうとしたその時。
エミリアの表情がみるみる変わり、その場にへたり込んでしまう。
「そんな・・・・シオン様が・・・・・・」
そのまま大声を上げて泣き始めるエミリア。
「どうしたんだい?僕の可愛い憲兵様?」
ランディさんがエミリアに話し掛ける。
「僕のホードは間違い無く君の身体に反応した。これは運命の出会いだよ('A`*)」
ランディさん。相変わらず直球勝負ですね・・・。
「・・・・守護憲兵のシオン(shion)様が、ギルド「REUNION」と共に「闇夜の暗殺者」への帰属を表明した・・・・」
「!」
辺りの空気が凍った気がした。
エミリアの肩のワッペンが、妙に痛々しく感じる。
「直に私にも追っ手が来る・・どうすればいい・・・私には帰る場所も無くなってしまった・・・・」
真面目な顔つきに戻っていたランディさんが、優しくエミリアを抱きしめる。
「心配するな。君が悪くないのは僕が一番良く解る。・・・君は僕が守るよ。約束だ」
優しい言葉に感極まったのか、ランディさんに抱き付いて号泣するエミリア。
ランディさんの人を救う聖職者としての顔を垣間見た気がした。
一呼吸置いて、ランディさんが言葉を発する。
「彼女をギルドに入れてやる事は出来ないか?」
「でも宿の部屋代も一部屋分増える事になりそうですわね・・・
私たちのギルド資金もあまりないですし・・」
フレイヤさんがメモをみながらブツブツ言い始める。
「大丈夫さ!言ったばっかりだろ!彼女は俺が守る!
だから一緒に寝なくちゃならないからね!狭い部屋でも二人の
愛でn」
何か言おうとした所でエミリアさんがいつのまにか手にしていた
ソードメイスでランディさんをめちゃくちゃにしていた。
倒れたランディさんにククレがいっぱいくっついている気がするけど
気のせいだよね。
「……ヒ、ヒール…」
「ふぅ…とにかく!路頭に迷った可哀想な女の子をほってはおけないだろう?」
ここ数日で僧侶の凄さを目の当たりにしまくりだ。
「路頭になんか迷ってない!今の連絡はきっと…間違いなんだ!」
「フェイヨンに戻ると言うのか」
「それは…危険すぎるわよ」
「…とりあえず本部へ報告に行く。みっともないところを見せたな。」
「「「「こちらこそ。」」」」
「ジャハル。お前が憲兵に良い感情を持っていないのは解るが・・・頼む」
ブッ倒れたままのランディさんが真剣な顔で説得する。
「そこまで言うならオレは構わない。憲兵ならば、戦力として数える事も出来る。だが、その憲兵服は目立ち過ぎるな」
ジャハルさんがエミリアを眺めながら言う。
「エミリア・・・君の仕官前の職業は?」
「ハンター。フェイヨン出身だから・・・・」
「ははっ・・・ハンター衣装なら、俺の倉庫に入ってたはずだ。それを使うといい」
着替えを終えてハンターに戻ったエミリアの肩に、フレイヤさんがエンペリウムを押し当てる。
軽い煙と共に護りし剣のワッペンが服に転写される。
ジャハルさんがその姿を見て、何かに気付く。
「ランディ・・・お前、あの衣装は・・・」
「昔の事さ。あいつも使ってくれる人が現れて、きっと幸せだろう」
エミリアには聞こえない様に囁く声。
「ランディさん。あの衣装って、誰の物だったんですか?」
聞いてはいけない事を聞いた気がした。
ランディさんは、少し悲しそうな表情を浮かべ、頭を掻きながら言った。
「・・・あれは・・・俺の死んだ恋人の衣装だったんだ」
ああ。遅れて書き込んでしまった('A`;)
流してくれ('A`)ノ
>>770 いや、別にそのまま繋がるだろう。 良レスだけに、繋げてはどうか?
「本部!フェイヨン常駐懲罰憲兵補佐エミリアです。シオン懲罰憲兵の離反について…」
エミリアさんは通信機のようなもので誰かと会話している。
上司らしい人が闇夜の暗殺者についたことが、どうしても信じられないようだ。
「あの・・・[REUNION]ってギルド、有名なんですか?」
僕はジャハルさんに聞いてみた。
「腕利きの連中ぞろいだと聞いている。だがおかしいな・・・彼等はフェイヨンに砦を持っていたはずだ・・」
「いまちょっと街で小耳に挟んだけど・・」
フレイヤさんが言う。
「[REUNION]ギルドは闇夜の暗殺者が攻めてきた時、誰もそこにいなかったって・・」
「最初から向こうに付く気だったんだな・・・まずいな、敵が一気に増えた事になる」
『シオン懲罰憲兵は確かに闇夜の暗殺者への帰属を表明しています。
エミリア憲兵補佐、彼の部下でありながら何をしているのですか』
「わ、私はシオン様の命令で・・イズルード及びプロンテラ地域の調査を・・」
『懲罰憲兵にそのような指示をする権限はありません』
「し、しかし・・!」
『このような事態となった今、責任者は補佐であるあなたです。お察しください』
「・・分かりました。今からフェイヨンへ帰還します。」
通信機をしまうと、エミリアさんは切り出した。
「…シオン様の離反は事実でした…。それと、フェイヨンは完全制圧されました…」
そう言って残念そうに首を振る。
「私は責任者としてフェイヨンへ戻ります。それで、やはりあなた方を・・・」
「俺たちは、闇夜の暗殺者と戦うためにギルドを結成している」
ジャハルさんが言った。
「…そうですか……あなた方の力を、お借りしてもよろしいですか?」
「もちろん!」
僕は勢いよく答えた。
「そんじゃさっそく行きますか・・・ワープポータル!」
街に着くと何かおかしい事に気付いた。街の人がみんな
何か圧力に押さえつけられている、そんな感じがした。
「だいぶ・・・変わってしまいました・・フェイヨンも・・。」
エミリアさんは悲しそうな目で生まれ故郷をみつめる。
(
>>769ので着替え終了と言う事で)
「うっひょーやっぱハンターの服はセクスィーだね〜!ハハ・・・」
ランディさん無理に笑っているような気がするなぁ。
「もうたまらん!今この場で済ませよう!」
何を!?
「やっぱりこの衣装動きやすいですね・・・
危ない人が来てもすぐに刺せますから。」
眉間にナイフを刺されて血を流しながらもスカートの中をのぞいて
アヘアヘしている聖職者をみて「あぁ・・いつものランディさんだ・・」
そう思った。
「さて、情報が必要だな。」
そんなことは気にせずジャハルさんは落ち着いて考えている。
「向こうに洞窟があるんですが、そこの近くに小さなお店があります。
そこに昔からの友達がいるので、何か教えてくれるかもしれません。」
僕らはその店に向かって歩き出した。
洞窟脇の鄙びた小さな道具屋の中・・・
「おじさん。久しぶり・・・ここで何があったの?」
エミリアが、店主らしき壮年の男性に尋ねる。
「ああ・・・エミリアちゃんか・・・・もう・・・フェイヨンはお終いだ・・・・」
顔を真っ青にして、店主は肩を落とす。
「奴等はいきなり襲ってきた・・・憲兵の味方だと思っていたのに・・・うああああああ!
話の途中で、店主は首筋から血を吹き上げて倒れ込む。
「告げ口は良くないなァ」
入り口には一人のハンターが立っていた。肩には・・・・「REUNION」のワッペン!
ユラリとエミリアさんが向き直る。
「お前か・・・お前が殺したのかぁぁぁぁぁぁ!!!」
神速でエミリアさんの弓がしなる。
「そんな攻撃・・・・・・・・・・うがっ!」
REUINONのハンターの眉間に、鳥羽の矢が突き立つ。
更に獣の様な身のこなしで襲い掛かり、短剣でハンターの喉笛を掻き切る。
「止めろ!もう事切れている!」
ジャハルさんが止めなければ、エミリアさんは何時までも敵を切り刻み続けていただろう・・・。
正気に戻った彼女の目から、大粒の涙が溢れた。
ランディさんが道具屋の店主を弔う。
外にはどこにREUNIONのメンバーがいるか分からないので、埋葬は後になりそうだ…
ランディさんが十字を切って祈りを捧げたころ、
ようやく落ち着きを取り戻したエミリアさんが口を開く。
「…罪状はフェイヨンの制圧。規定期限外の砦攻めに加担した事。無差別殺人…
REUNIONギルドメンバーには全員措置3が適用されます」
「それって…何をするんですか?」
「皆殺し。見つけ次第殺す。」
エミリアさんの目は明らかに憎悪と殺意が宿っていた。
その目を見てしまった僕は背筋が凍るのを覚えた。
エミリアさんは立ち上がり、戸口へ向かう。
「一般の人間もいる場所でPvPか?」
その背にジャハルさんが冷たく言い放った。
「だとしたら協力は出来ん。…彼のように犠牲がでるだけだ」
エミリアさんはジャハルさんの方を向いた。
「第一、俺はお前を完全に信用した訳じゃない。
執行機関のことだ。罪のない人まで裁くような機関の者なぞ俺は信用せん。」
「ならば・・・いいです。貴方達の援護は要りません。」
エミリアさんは十字を切って扉を開け放ち出て行った。
何かに耐えかねていたランディさんが咄嗟にジャハルさんの胸倉を掴んで言い寄る。
「ジャハルっ!てめぇ!!」
「フン、させておけ。あんな我儘な奴、これからは俺の足を引っ張るだけだ。
どこかでくたばってのたれ死んでくれた方が俺的には嬉しいぐらいだ。」
「てんめぇ〜っ!」
ランディさんが力強く握った拳でジャハルさんを殴りつける。
ガッシャーンと棚の方へ吹っ飛ぶジャハルさん。しかしジャハルさんの表情は何故かにやけている。
「て、てめぇっ!何が可笑しいんだよ!!」
「お前らの鼠の糞以下にも満たない甘〜〜っちょろさの事さ。」
「何ぃ!」
「やめなさい!」
再び殴りかかろうとしたランディさんをフレイヤさんの声が制止する。
「そ、そうですよ、ランディさん。ジャハルさんも色々な事がありましたし、苛立っているだけじゃ・・・」
「違うわよガリィ。」
「え?」
呆れた表情をして語るフレイヤさん。
「いつからジャハルと摩り替わったのか・・・。悔しいけど巧い変装ね。
どちらの差し金かしら?」
「な、なんだって〜!!」
驚き飛び退くランディさん。
「ヒヒヒ・・・よくも俺の変装を見破ったもんだ。
今頃ジャハルはイズルードに取り残されているんじゃないか?ハハッ。
まぁ、いい。俺の役目はジャハルに摩り替わって内部の諜報活動をする事。
そして、俺の名は・・・」
ジャハルの偽者は勢いよく衣装を脱いだ!
「俺の名は美しき麗人・・・。」
「 イ ン ジ ャ ス テ ィ ス !!」
「き、きゃぁっ!(ノノ)」
ガリィは慌てて目を隠す。
というか裸だ。裸の人造人間って感じだ。手に持ったカタールは強そうなんだけどやっぱ裸だ。
ランディさんはそっと僕に囁く。
(あれじゃ、淫ジャスティスだよなぁ?( ´,_ゝ`)プッ)
(で、ですよねぇ・・・。)
フレイヤさんは静かに一言言った。
「やれやれだわ。('A`)」
一方、結局イズルードダンジョンに訳も分からぬまま取り残されたジャハル。
「そんなことより聞いてくれよ、半漁人。フレイヤの奴、時々俺を見捨てて先に行ってしまう時があるんだよ。
俺って愛されてないのかねぇ・・・ヒック。」
チビチビと酒を飲み鬱そうな顔で延々と話すジャハル。
「へ、へぇ・・・。あっしも妻子には逃げられちまって今じゃコモドにいる一人息子が心配で心配で・・・(TΘT)」
「おぉ、そうかそうかぁ。お互いに辛いよなぁ・・・。」
「あっしの息子も今頃は足が生え始めた頃だと思いやす。コモド洞窟リストラされてここに来てからいつもそればっかりが気になってる訳なんす。
あ、おつまみ追加しましょうか?」
「おぅ、頼む。」
2人(?)の宴会は長々と続いていた・・・。
インジャスティスにツカツカとフレイヤさんが近づく。
「この俺が怖くないのか?」
「怖いも何も、そんな貧相なイチモツぶら下げて威張ってんじゃないわよっ!(#`A')」
杖で思いっきりインジャスティスの股間を強打する!
「ぁ・・・・ぉ・・・・・・・・・・・・・・」
可哀想に。声も出ない程痛いのだろう・・・・。
倒れて悶え苦しむインジャスティス。しかし、フレイヤさんの股間キック攻撃は止まらない。
「ジャハルに変装する位なら、こっちもジャハル並に大きくせんかい!」
そのセリフから推測するに、見た事が有るって事ですね('_`)
ランディさんは、そのセリフに激しいショックを受けたらしくどん底に落ち、
ガリィは邪推しまくりで顔を真っ赤にし、
そして僕はまたもや生暖かく見守っているだけだった。
「あーこっちは二人で十分そうだから、あんたらエミリア追っかけて
防具とか買いに行ったらいいわ。あの子興奮ぎみだからすこし
おちつかせないと。」
というわけで、今ガリィとフェイヨンに戻っている。
「中国料理がおいしそうだよね!ケイオス君!」
「あ・・・ぇう・・うんそうだね」
ガリィは全く緊張感が無い。どうしてうちのギルドの女の人はみんな
「食べる」「飲む」ことしか考えないんだろう・・。
露店商人のお店を見ているうちにエミリアさんを見つけた。
「何か怒ってるね・・どうしたんだろ?」
露店の名前をみてみた。
「+10武器たくさんアルヨ」
・・・・・・。
露店には+10に精錬されたハンターボウがこれでもかと並んでいる。しかも全部スロット付だ。
「そこの商人!貴様、この商品は正規精錬したものではないな?」
「あん。ハンターのお嬢ちゃんよ。おめーの言ってる事の意味がわからねぇなぁ」
商人のローブの隙間から「REUNINON」のワッペンがちらりと覗く・・・・。
「おのれ!お前もREUNIONか!」
それに気付いたエミリアさんが激昂する。
「まずい、エミリアさんを止めないと!」
ガリィと共に止めに向かう僕。
「其処の商人!懲罰憲兵の名を以って、各種違反行為により措置3を執行する!」
「頭狂ってんのか?お嬢ちゃん。オメーは単なるハンターだろうが?」
しかし、中身は憲兵だ。商人など敵う筈も無かった。
あっと言う間に商人はねじ伏せられ、短剣を突きつけられる。
「せめて一息にコロシテヤル・・・」
エミリアさんの目が狂気に染まる。
「うおおおおおお!」
僕の体当たりがエミリアさんを弾き飛ばす。
「エミリアさん!それじゃ貴女もREUNIONと一緒だよ!」
ガリィの悲痛な叫びが木霊する。
エミリアさんが短剣を納める。
「REUNIONと・・・一緒・・・・・」
エミリアさんは手を高く掲げ、奇妙な呪文を唱え始める。
突如、大きな雷撃が商人の身体を射抜く。
「もう一つの措置3・・・拘束・・・・・」
商人の姿は光の中で消えていった。
「もう、措置とか執行委員会とか自分は憲兵だからとか気にしなくていいんだ」
連れ戻したエミリアさんを、ランディさんがそっと抱き締める。
「君はもう、「護りし剣」のエミリアで「執行委員会懲罰憲兵」のエミリアじゃない」
ランディさんの胸の中で泣きながらうんうん頷くエミリアさん。
「ささ、私達はあっちに行ってるわよ。」
フレイヤさんが人払いをする。
「え〜。なんでですか。もう少し見ていたいのにー」
ガリィがブーたれる。
「アイツはね・・・自分の彼女を守り切れず、見殺しにしてしまったのさ」
ガリィがハッとした表情になる。
「エミリアは彼女にそっくりだね・・・少し、そっとしておいてあげよう」
フレイヤさんはそう言って歩き出した。
一方、小屋でフレイヤに股間を蹴られまくってもんぞり返っているインジャスティス。
「う、うぉう・・・まだズキズキ痛むぅ・・・。」
「この俺が・・・美しき麗人であるインジャスティス様がよりによって股間を攻撃されてこのザマとは・・・。」
インジャスティスの目は心無しか目が潤んでいる。よっぽど屈辱だったのであろう。
インジャスティスは耳打ちをし始めた。
(お、おぃ、聞こえるか?・・・ガーゴイル兄弟・・・痛たたっ。)
ガーゴイル兄「ん?インジャスティスか??」
ガーゴイル弟「なんか痛がってるよ?」
ガーゴイル兄「どうせまた誰かにキン○マ蹴られて股間抱え込んでるじゃねぇの?(藁」
ガーゴイル弟「だねw」
(〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!・・・ま、まぁいい。
シオン様を裏切った元部下エミリアがフェイヨン街を徘徊中だ。
付き添いが4人いる。そいつらを生かしてフェイヨンから出させるな!
エミリアも生死は関係無く捕らえてもいいそうだ。あと、特に♀ウィザードには気をつけろ!)
ガーゴイル弟「なんかああいってるんだけど・・・。」
ガーゴイル兄「推測するとその♀ウィザードにキン○マ蹴られたんだな?」
ガーゴイル弟「みたいだね、兄ちゃんw」
(・・・・・と、とにかく頼んだ。とりあえず、フェイヨン監視部隊のレイドリック大佐にも連絡しておけな。)
ガーゴイル兄「オーケーオーケー。まぁ、お大事に・・な。」
(・・・馬鹿にしやがってぇ。 。・゚・(ノД`)・゚・。)
ガーゴイル兄弟はレイドリックの居座る守衛キャンプへと飛んでいった。
守衛キャンプではその頃・・・
執行機関専用の白い法衣を身に纏ったシオンがいた。
目は青白く光っている。
シオンの向かいには甲冑「だけ」の騎士が立っている。
「レイドリック、目立った動きはないか?」
「はっ、市民などの反抗勢力は全員殲滅したでありますっ!!」
「そうか。ならば私はフェイヨンから離れる。ここを他の連中共に占拠されたら私はシャダイ様に殺されてしまう。
くれぐれも厳重に警戒しろよ。」
「自分の剣技に敵う者は現在この村におりません!この村は自分達の部隊に抵抗する事など無理でありますっ!」
「頼もしいものだな。それでは私は先を急ぐ。・・・KIMUCHIの儀式があるのでな。」
「はっ!行ってられませ!!」
シオンと入れ替わりに、ガーゴイル兄弟がキャンプに入ってきた。
キャンプに入ってきたガーゴイル兄が問う。
「あ、あの・・・大佐!」
「何であるか!」
「ちょっと気になったんですが、KIMUCHIの儀式ってダークロード復活の儀式と何か関係あるんですか?(汗」
おそるおそる聞くガーゴイル兄。
「ないのである!」
即答するレイドリック。
「え・・・?じゃ、じゃあつまり別物の儀式なんですか?」
「シオン様の趣味である!KIMUCHIの儀式は執行機関に取ってかかせないものなのであるっ!」
「は、はぁ・・・。」
よく理解できないガーゴイル兄。
「あ、そういえば報告をしようと思ってここに来たんですよ。」
ガーゴイル兄は事情を細かくレイドリックに説明した。
ランディの腕の中で、やがて泣き止んだエミリアは、しゃくりあげながら喋り出す。
「今は「護りし剣」…でも私は、フェイヨンを護りたい。それは変わりません」
「分かってるさ。僕たちは仲間だ・・・共にフェイヨンを平和にしよう!」
「ランディさん・・・・・・・・・って」
腰のあたりに違和感を感じた次の瞬間、エミリアはランディをタコ殴りにしていた・・・。
「ははは・・・僕のホードは正直だから・・・(*'A`)」
盛大な鼻血を噴射しつつ、ランディは倒れる。
「そ、そうだわ・・・今日はKIMUCHIの日だったわ!」
我に返ったエミリアが何かを思い出したようだ。
「へ?何?キム・・?」
「執行機関の恒例行事です」
「い・・いまは執行機関とか…」
「・・・でも食べないと落ち着かない・・・」
「た、食べ・・??」
「私、いいやつ売ってるお店知ってます。行きましょう!」
エミリアはランディを連れて、町を出た。
「町外れにいいキムチ料理の店があるんですよ!」
「へ、へぇ…キムチ料理…」
しばらく歩いたところにその店があった。
「本格キムチ料理の店…」
「さぁ入りますよ」
ガラガラガラ
店に入った瞬間エミリアの顔つきが変わる。
「シ、シオン様!!」
「ん?あ?……あ」
そこにはレイドリックと部下らしきものが数人座っていた。
睨みあう二人。
が、しかしシオンは店の店主に向かって注文をしだした。
「マスター、いつもの鍋よろしく。」
「あいよー」
ランディが不思議そうな顔をする。
(なんで俺達を見つけたのに襲ってこないんだ…?)
そのランディの心をエミリアは表情から察した。
791 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/28 01:45 ID:x1xvXeZU
「執行機関にとって…」
エミリアがそう言いながら店の開いてる椅子に座りだす。
「KIMUCHIは絶対。そう…最優先事項なのよ!!!」
手を前に出し、力説する。
「は、はぁ…?(なんじゃそりゃ)」
そして注文する。
「マスター!いつもの!」
「あいよー」
「よく分かってるじゃないかエミリア…」
シオンがこちらに聞こえるようにつぶやく。
「KIMUCHIは絶対、何事にも変えがたい存在だということを…」
その言葉のあと沈黙が続く。
「キムチ鍋どぞー」
店主ができた鍋をシオン達の前に出す。
「KIMUCHI様、降臨!!」
シオンが叫ぶ。
「降臨!!」
部下も叫ぶ。
(ぇえー…なんだこいつら…)
そして…儀式っぽいことをして、鍋を食べ始めた。
「KIMUCHI様、降臨!!」
続いてエミリアも叫ぶ。
ランディはただ呆然とするしかなかった・・・。
「ほら、ランディさんも!」
エミリアが急かす。何故かシオンとその部下もジッとこちらを見ている。
「・・・こ、降・・臨・・・」
「声が小さいわ!」
「・・降臨!(涙」
「…君達執行機関は…いつもこれ食べてるのかい?」
鍋を突っつきながらランディは尋ねた。
「ええ、毎週1回のメンテナンス時間中、それと大型パッチ導入時と年末とクリスマスとカーニバル…」
「も、もういいよ…専門用語で言われてもわかんないし…」
「なんにせよ、執行機関を辞めてもこれだけは外せん」
「そうですよねぇシオン様」
離れた席で笑い合う。
(執行機関って…変…)
「これが公費で食べられるって聞いたから憲兵になったようなものですよ、私♪」
「公費って…そのお金の出どころって…」
「皆様から頂いた月1500zの税金です。ごめんなさいっ!ミ☆」
「…き、KIMUCHIが好きなのはわかったけどさ、食べてる間に何か事件があったらどうするのさ」
「KIMUCHIの前には事件なんてなんのその…お察しください☆」
あっけからんと言ってのけるエミリアに、
ランディはガックリとうなだれるだけであった。
(でもさ、食べ終わった途端に奴ら襲ってこないかい?)
今度はシオン達に聞こえないように小声になる。
(来ると思います。それに…正直シオン様に勝てる自信は…)
(ど、どうするんだよー。君の上司にレイドリックにほかにも…)
(って何でモンスターがキムチ鍋食べてるのさ…)
(KIMUCHIの偉大なお力の前にモンスターも何もありません!)
(そうですか…)
つまり、大根KIMUCHI、高菜KIMUCHI・・・・・」
エミリアが力説する。
「私は断然らっきょうKIMUCHIだ。はっはっは!」
「うほ!シオン様もいい所をつきますね〜!」
(ちょっ・・・・エミリアさん!)
「さ〜て、そろそろKIMUCHIパーティもお開きですね〜」
エミリアがお腹をポンポン叩きながら言う。
「よ〜し、こちらもお開きだ。」
シオンがお腹をさすりながら言う。
「「マスター!お勘定!」」
「はぃ毎度ー」
途端に辺りに緊張した空気が流れる。一歩店の外に出た瞬間戦闘が始まりそうだ。
「シオン様…お先にどうぞ」
「ふん」
鼻息(かなりキムチ臭そうだ。心なしか赤い色が付いているような気がする)を荒げながら席を立って戸に手をかける。
ガラガラガラ。
「…かかったわね」
「!!何だこれは…!」
「・・・ウフフ!第二KIMUCHI会場よ!」
エミリアが得意げに言う。
そこにはテーブルが1つ置かれており、またもやKIMUCHIの特盛が・・・・
「なるほど・・・・・二次会とは考えたなエミリア!」
シオンがテーブルにスッと座った。またKIMUCHIかよ・・・・・。
同じテーブルに僕達も座った。
「おばちゃん!KIMUCHI酒を持ってきて!」
エミリアさんが叫ぶと、あいよーとおばちゃんの声が聞こえた。
「なに?KIMUCHI酒をこの土壇場で持ってくるだと!?」
シオンが驚く。もうなにがなんやら・・・・・
「はい、特性KIMUCHI酒お待ち。」
「KIMUCHI様!降臨!」
「「「降臨!!!」」」
口の周りを真っ赤にしながら嬉々として両手で机をバンバン叩いている様はもうジャンキーとしか思えない。
「あぁん!この香り!色!どこを取っても一級品だわ!うふふふふふ…」
「おばちゃんを馬鹿にしちゃぁいけないよ。私ァKIMUCHIとチョコをごちゃ混ぜにするどっかの馬鹿とは違うからね!」
「よし!エミリア!飲むぞ!」
「はい!シオン様!」
ついに酒盛りが始まってしまった。
恐る恐る少量のKIMUCHIを皿に取って食べるランディ。
(お、おいしい…けど…)
我先にKIMUCHIを奪い合いKIMUCHI酒を浴びるように飲んでる面々には付いていけそうにないな…
そう思った矢先、口にKIMUCHI酒の瓶が突っ込まれる。
「おら飲め!飲まんと措置3適用するぞ!!」
(職権乱用じゃないかよ!)
とか思っても問答無用でKIMUCHI酒はなだれ込んで来る。
「うほっ!いい飲みっぷり!!」
「「「あそーれKIMUCHI!KIMUCHI!KIMUCHI!!(一気のことらしい)」」」
「・・・・・・あはははははははははははははKIMUCHI様バンザーイ・・・・あはは・・・」
宴会の場と化している酒場の扉を何やら黒いフードを被った男が執行機関の主々を連れて入ってきた。
まだ弱い僕だけど、恐ろしいまでの威圧感ははっきりと感じられた。
その男は兵を待機させると夢中でキムチを食すシオンに話し掛けた。
「シオン・・・。」
「ひゃははは・・・ふぁいふぁい、アンタも一緒にKIMUCHI喰えや。はははっは」
「・・・・は?」
シオンは我に返り黒いフードを被った男を見て驚嘆する。心なしか顔は青褪めている。
「タイザー・アンダーソン・・・様・・・?!」
エミリアさんも異様な空気に気づき黒いフードの男を見る。
「あ、あなた様は!」
異常に慌てふためくエミリアさん。
「ふん・・・。キムチにうつつを抜かすのはどうでも良い。お前達にとってはサガのようなものだからな。」
「しかし、シオン。貴様が闇夜の暗殺者に加担しているという話が舞い込んできた。
守護憲兵である御前がまさかREUNIONを結成し裏で動いていたとはな・・・。」
「そ、それは・・・」
レイドリックとガーゴイル兄弟もあまりに突然の出来事で固まっている。
(レ、レイドリック様・・・これはどういう事ですかね?)
(シッ!喋るのではない!!)
「執行機関の資金もお前がキムチだけの為に乱用していたという証拠も手に入れた。
お前は考えたことがあるのか?私の為に育毛剤を上納するということを・・・。」
タイザー・アンダーソンと呼ばれる男の手からまばゆい光が溢れ出す。
ガリィ「な、何々だろ?」
フレイヤ「あの男・・・聞いた事があるわ。執行機関の最高権力者。実力は計り知れないわ。」
ランディ「あ、あの色々と謎に包まれている執行機関の最高権力者!・・・初めて見た・・。」
シオンは手を合わせてアンダーソンに哀願する。
「ひ、ひぃっ、ごめんなさいっ!!」
「もう遅い。お前の執行機関としての職務はこれで終わりだ。」
アンダーソンは黒いフードをバッと脱ぎ払った。
ピシャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!
ま、眩しすぎる・・・。あまりのまばゆい光で何も見えない。
その中でアンダーソンは静かに詠唱し始めた。
「・・・ガンマ・・・ホーン・・・サイクル・・・コーポ!!」
その言葉を言い放った時に、シオンが絶叫する。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
フラッシュが収まったときには既にアンダーソンは黒いフードを被っていた。
しかし、シオンがいた席は何の姿も無かった。
「ふん・・・素直に育毛剤を上納していればこんな事にはならなかったろうに。」
アンダーソンは呆然としているレイドリックとガーゴイル兄弟をよそに酒屋のマスターへ歩み寄る。
「世話をかけたな・・・。これは弁償代だ。受け取っておいてくれ。」
何が何だか分からないマスターにそっとゼニーの札束を渡すアンダーソン。
ランディさんがゴクリと唾を飲む。
「・・・あ、あれって・・・250万ゼニーはあるぜ・・・。」
そしてアンダーソンは震えて動けないエミリアさんを見る。
「シオンは執行機関として恥ずべき行為をした。私は出向いてその処理をしたまでだ。
お前には何も罪は無い。執行機関に囚われるのではなく、自分の行くべき道を進むがいい。」
「・・・戻るぞ。」
そういってアンダーソンは部下を引き連れ酒屋を去った。
呆然としている、僕達・・・とモンスター3匹。
・・・・・あ、誰かの毛が落ちてる。
「私の…行くべき道…私は…」
エミリアさんは呆然としたまま呟く。
「ってあれ?何でみんなここにいるのさ!?」
我に返ったランディさんが僕達に向かって叫ぶ。
「何でって。お腹がすいたからですよ」
ガリィがさらりと言う。
「ルーンミドガッツ王国グルメ女王選手権優勝者の私が、この店をチェックしてなかったとでも思ってるの?」
そんな肩書きがあったんですか…っていうかなんですかその大会…。
ランディさんが呆れた様子で僕を見た。
「…そういうことなんで…」
僕にはそれしか言えません。
「シ、シオン様が…」
取り残されたレイドリックとガーゴイル2匹。
「レイドリック大佐!!シオン様はどうなっちゃったんですか?!(汗」
「消されたのである…髪を除いて…」
「何で髪だけ…( ̄□ ̄;)!?」
じろっとレイドリックとガーゴイルを見るフレイヤさん。
「で、アンタ達は・・・?どうすんの??」
「じ、自分達は・・・どうすれば良いのであろうか?!」
頭を傾げるレイドリック。
ガーゴイル兄「今までウチらはシオンにこき使われていただけだしなぁ・・・。」
ガーゴイル弟「だね。兄ちゃん。」
ガーゴイル兄弟は何やらこそこそと話し合いだした。
ガーゴイル兄「ウチら、もうフリーな身なんで故郷のグラストヘイム城最下層に戻りますわ。」
ガーゴイル弟「ごっつミノさんの顔も久々に見たいですし・・・。」
ガーゴイル兄弟「それじゃ失礼しやした〜!レイド大佐お元気で〜!!」
あっという間に店の扉を開け、出て行ってしまったガーゴイル兄弟。
なんだ・・・。モンスターでも愛着あるのもいるんだなぁ〜と僕は何か感心してしまった。
そして取り残されたのレイドリック。
「自分は一体どうしたらいいのでしょうか!」
「い、いや・・・どうしたらいいって・・・。」
ランディさんはたじろいでいる。
そんな中、ガリィがそろ〜りと発言した。
「あ、あのぉ〜、特にする事もないし、帰る所もないなら私達と一緒に来ませんか?
いや、そのもし良かったら剣術とかも教えてもらえれば嬉しいな〜とか思ったりぃ・・・。」
レイドリックがガシャンと反応する!
「そこの御方、誠か!!」
「う・・・うん。(凄い剣幕・・・)」
「了解した!このレイドリック、身が果てようとも、貴女にこの剣を捧げるであります!」
フレイヤさんはポカーンとした表情でガリィとレイドリックの会話を見ている。
(レ、レイドリックのテイムに成功するなんて・・・ガリィの魅力?いや、ただこのレイドリックが「バカ」なだけかしら?)
ランディさんが小声で囁く。
「ま、まぁさ。今ジャハルがいない訳だし、心強いと思うよ?」
ガリィはニコリと笑ってレイドリックの肩に飛び乗った。
「よ〜ろしっくね!レイドちゃん☆」
「はいであります!!」
「それでは!フェイヨンDに突入するであります!」
レイドリックのレイドが元気良く言う。
「あ、ああ・・・・そういや僕達修行しにきたんだっけ・・・
危うく忘れるところだったよ。」
「ジャハルはほっていきましょう。」
フレイヤさんはサラッと言い流すと、そのままダンジョンに向かった。
「そういや、ここのダンジョンってどんな感じなのかな?」
ボクがそういうと、レイドが礼儀正しく答える。
「むかし!むかーし!フェイヨンとはこのダンジョンの事を言ったのです!
しかし、ある日モンスターの大群に村人達は襲われ、皆惨殺されたのであります!
そして、洞窟の中には今もその村人達の亡霊が現れるのであります!
その証拠に!ダンジョンのいたるトコロに昔の家の廃墟があるのであります!」
な、なるほど・・・・・詳しいなあ。
けど・・・・油断してはいられないぞ。
僕は気をひきしめてダンジョンに向かった。
「1Fのモンスターなんか相手になんないから2F、いえ3Fまで一気に行きましょか」
ゾンビや蝙蝠を軽く跳ね除けて、僕たちはダンジョンをひたすら奥へと突き進む。
カサカサカサカサ…
目の前を目玉焼きが通り過ぎた。
・・・はい?
目玉焼き、そうあの卵料理の目玉焼きが・・・動いてる・・・
「それは白蓮玉…ヒヨコになる前に料理された卵の怨念よ」
まだキムチをカップに入れて食べ歩いているエミリアさんが説明してくれた。
うーん、でも怨念っていっても目玉焼きじゃ怖さがな…
「キャーおいしそうな目玉やきいいいいいいい!!」
叫んでガリィが白蓮玉に飛びついた。どんどん食べ物に汚くなってきてないか?
白蓮玉は突然変な人間が飛びついてきた事に驚いて右往左往している。
ずりずりと引きずられながらもガリィは歯を立てて喰らい付いている。
「ひょっほほえかはいはお!はんひゅふにひなはひお!」
(ちょっとこれ硬いわよ!半熟にしなさいよ!)
そんなガリィの頭に白蓮玉のフライパンが炸裂した。
頭を抑えて悶えるガリィを尻目に、白蓮玉は逃げ出した…。
「ガリィ殿!道端に落ちている食べ物は食中毒の危険がありますです!」
もう遅いというか根本的に間違ってる気もするけど・・・レイドが一応忠告した。
「だって・・・結局KIMUCHI食べられなかったんだもん・・・」
ガリィのお腹がぐううう…と鳴った。つぼ焼き食べてからそんなに時間たってない気もするんだけどなぁ・・・。
「それなら言ってくれればいいのに!はい、どうぞ」
エミリアさんが手にしていたKIMUCHIを差し出す。
「い、いいんですか?」
「ええどうぞ〜。その代わりちゃんと儀式はやって下さいね」
「はい!KIMUCHI様、降臨!!いただきま〜す♪」
「よかったです!ガリィ殿!」
とりあえず、ガリィを空腹状態にしちゃいけないのかな…
どっちがペットだか分からないよ、これじゃ('A`)
「さて、えーとそれでどうするんだっけ?」
ガリィが呟いた瞬間。
「へっくちっ!」
三角巾を被ったおばちゃんがくしゃみをした。
手にはモップ、近くにはバケツ。
サーバールームには、しゅうぅぅん、と電源ファンの止まりかける音が鳴り響いていた。
「あらやだ、今のくしゃみの弾みでまたコンセント引っ掛けちゃった('A`)」
こうして世界は暗闇に閉ざされた。
>>810の書き込みから7時間。コンセントは差し込まれ、また世界は動き出す。
僕達はフェイヨンダンジョンの3階へ移動して、ムナック・ボンゴンとの戦いを繰り広げていた。
「ガリィ殿!踏み込みがまだ甘いであります!」
「ケイオス君!敵の攻撃をよく見て、次の動作を予測して攻撃するの!」
ガリィにはレイド、僕にはエミリアさんが指導に就いてくれている。
しかし、このムナックとボンゴンっていうモンスター・・・元は人間だったんだろう?
「死んでまで戦い続けるのって、どんなに悲しいだろうかな?」
思わず呟いた言葉は、レイドの意外な返答へと繋がる。
「彼らは、自分の意思を失っているであります。自分はシオン様に意思を取り戻して貰ったであります。」
「そうだったんだ・・・」
「自分は、意思を取り戻して、死ぬ前の記憶も一部だけれども取り戻しているであります・・・
でも、もう昔の話。思い出すと悲しいだけであります。」
そんな話をしている横、ランディとフレイヤは若い力の成長を優しく見守っていた。
特訓を受ける2人を眺めながら。
「あの2人、ちょっと前はただのノービスだったのよね…。」
「ちょっと感慨深いな…」
「ほら、座れよ。」
ランディが洞窟にハンカチを敷いて、自分もその横に腰掛ける。
「あら、貴方がそんなこと言うなんて。」
ありがと、と小さくつぶやきながらフレイヤもちょこんと座り込む。
「キャラじゃないってか。ははっ」
「ちょっと意外だっただけよ。」
ランディがポケットからタバコを出してフレイヤの前に出す。
もう、とフレイヤが少しふくらむと次の瞬間にはタバコに火がついていた。
「サンキュ。」
ランディが笑う。
「これでおあいこよ。」
しばらく沈黙が流れた。
「…あの2人を見てるとノビ時代を思い出すな。」
「そうね、私たちにもあんな頃があったのよねー」
「お前は昔から大飯喰らいだったな。」
「へーへーどうせ私は可愛くないわよ。」
「何か訳のわからない楽しさがあったよな…」
「…そうね、私と貴方とジャハルで色んなことして遊んだっけ。」
「そうそう、俺とお前と…。」
あ、と口をあんぐり開けてしまった。あぁせっかくのタバコが無駄になっちまったよ。
まぬけな顔を2人突き合わす。よし、行くぞお約束って奴だ。
「「ジャハル!」」
そして一方、イズDのジャハルは・・・。
「バッシュ!」
「なんとおおおお!」
暇を持て余し、半漁人と試合をして時間を潰していた。
「ハンギョ(愛称)、お前中々やるな!」
「いえいえ、旦那に比べれば、あっしなんてまだまだヒヨッコでさあ」
確かに実力はジャハルの方が数段上だ。
だが、ハンギョはジャハルの弱点を狙う戦い方を繰り広げ、進退は解らない。
「マグナムブレイク!」
灼熱の波動がハンギョを押し戻す。
思わずたじろぐハンギョの銛を叩き落し、これにてジャハルの15勝2敗だ。
「やっぱダンナはただもんじゃないですねえ。ホレボレしちまう。」
ハンギョが頭をかきながら、落とした銛を拾う。
「ダンナ、じゃあこれはどうです?」
ハンギョは手に持っていた銛を、ジャハルに放り投げた。
ハンギョの手から、また銛があらわれた。
「・・・・・・・・?」
ジャハルは銛をジッと見つめた。
「へっへっへ!銛VS銛じゃあ、あっしにも分がありますぜ?」
「おもしろい・・・・・。そういえば俺は槍系統の武器は使ったことがなかったな。」
そういうと、ジャハルはグッと銛をかまえた。
構えたまま両者不動のまま時間が流れる。
「ダンナには隙がないですねぇ」
「…」
あぁ、この人はもう真剣だ。いつでも何に対しても真剣なんだろうな。
…あ?何だこれすっごいわくわくしてきた。やばい。やばいって。よし、俺も本気で相手をしよう。
「ダンナ、とっとき。見せます。」
「…?」
ふぅううぅうぅぅうぅ、スッッ
「魚人の槍は深海の裁き、誇りなり!」
ハンギョの体が青く輝く。これは…強い。首筋がピリピリする感覚を感じる。思わず唇の端が持ち上がる。
「マーマン流深海槍術秘奥義!」
ディープシーブルー
「深海蒼・トライデント!」
青く燃え上がった闘気ごと槍が投げはなたれる。
大丈夫だ。まだ間合い…がっ!?
槍がまとった青い闘気が幾筋にも分かれて向かってくる。さながらソウルストライクのようだ。
「ぐはっ!!」
闘気を避け切れずに吹き飛ぶジャハル。
「どーですダンナ!あっしのとっときは!」
「や、やるなハンギョ…それでこそ我が強敵(とも)だ…!」
ふらふらと立ち上がりながら、ジャハルは不敵に笑う。
「ダ、ダンナ…(うるうる)」
「ならば俺もとっておきを見せるしかあるまい!」
そんなやり取りを少し離れた後ろから見ている二人の男女。二人とも足元からオーラを発している。
「うはwあれ…ジャハルだよねwWwなんでソロってるのw(ぇ」
「なぜ半漁人ごときに苦戦していらっしゃるんでしょう?それに武器…も、銛??」
「どーするヒメw助ける?(ぉ」
「私達これから海底結婚式に出席するのでしょ?返り血浴びたくはありませんわ」
「水ん中だから大丈夫じゃ〜ん?wwwwwwww」
「それもそうですわねぇ」
「騎士の誇りを見せてくれるわ!」
銛の先端に精神を集中させる。
「バッシュ・・・我流崩し・・・」
青白い光が銛の刃を舐めていく。
インペリアル
「皇帝のバッシュ!」
通常のバッシュなど比べ物にならないエネルギーを纏った光刃が、ハンギョ目掛けて疾走する!
光刃は神速を以ってハンギョの肩を貫く。
「ぐあああぁ・・・」
もんどりうって倒れるハンギョ。
「旦那・・・やっぱアンタ強すぎますよ」
「本来は剣で打つ技だ。今回は銛だったからな。威力は半分以下だがかなりのダメージだろう」
ハンギョはヒューと口笛を吹く。
「あれで半分の威力なんて・・・流石旦那だ」
「あれは凄い威力だねぇwWw」
マンクはおちゃらけて流そうとするが、目は真剣だ。
「あんな技を隠し持っていたなんて・・・・」
ヒメも目を丸くして呆然としている。
「それにしても・・・」
ヒメが不思議そうに言う。
「何だかジャハルさんと半漁人楽しそうじゃありません?」
「ん〜、確かにそうだよねwww」
「って他の人達はどこに行ったんだろ?(核爆」
「あら・・確かにそうですわね。」
「まっいっかwWw」
「でも、楽しそうですわね・・・。」
その光景を見るヒメに何かをふと想い出すように真剣な表情になるマンク。
「俺も・・・あの人に昔、剣を教わってもらったんだよな・・・。」
「え?なんですの??」
「あ、いやこっちの話wそれじゃ遅刻したらまずいから先を急ごっかwWw」
「えぇ、そうしましょう♪」
「あ、速度増加よろwww」
そのまま2人は走り去って行ってしまった。
ハンギョがジャハルに海草を渡す。
「いやぁ〜、旦那のバッシュ、普通じゃないですねぇ。
こっちも全力で行かなかったら気絶していましたよ。あ、傷を癒せる海草でっさ。食うてください。」
「お、ありがとな。
しかし、ハンギョの攻撃も相当凄かったぞ?
こっちも油断していたら致命傷は免れなかっただろう。」
海草をモグモグと食べながら淡々と語るジャハル。
「ハンギョとの特訓のおかげで俺もかなり力が付いたような気がするよ。これもハンギョのおかげだ。
コモドの息子さんも鼻が高いだろうなぁ〜。」
そういってこのこのと半漁人をつつくジャハル。
「あ、いやぁ〜、照れますって〜。
あっしも旦那にそこまで誉めてもらえて光栄の至りですわ。」
やけに照れる半漁人。ジャハルも結構照れている。
「伊豆の半漁族は基本的に戦闘を好まないですわ。
ただフェン坊や生命を宿している卵とかをむやみやたらに狩っていく人間だけを攻撃するって感じなんです。」
「なるほど・・・。」
「乱獲こそ減りやしたが、最近はペコペコに乗ったまるで中に魂がないような騎士が増えつづけていて・・・。
そいつらがこの海を荒らしていくんでやんす。」
悲しそうな目で語る半漁人。
「そいつら・・・、首の後ろに『B・O・T』という焼印がなかったか?」
半漁に尋ねるジャハル。
「あ!確かにありやした!!旦那・・・御存知で?!」
「うむ・・・。魂亡き動く人形『B・O・T』。奴等の仕業だな。」
「奴等とは一体・・・?」
ギョッと驚く半漁人。
「説明しよう。」
腰を据えたジャハルが語り始める。
「この世界の冒険者は政府によるクエストをこなすことで得られる報酬で日々を喰いつないでいる。
このクエストには大きく分けて3つの種類があって、まず一つは依頼による用心棒だな。
そしてもう一つは天災による被害の復興。数年前にもコモド大津波の時にも派遣された。」
「へぇ。やたら陸地の復興に大勢の人間が手を貸して居たのは見かけやしたが、そういうことだったんですか。」
残る一つが敵対種族との戦闘だ。戦争の傭兵をしたり、増えすぎ侵攻してくるモンスターを討ち取る。
そうだな今では…オーク族との戦争なんかが主だな。
…そういう場合『自分が仕事をした証』を持って帰って商人経由で政府に手続きを取る。」
「…へぇ。」
ハンギョがどうにも言えない、という顔をする。
「しかしどこでも外道というものは居るものでな!」
続いてジャハルの顔も歪む。
「『証』さえあれば報酬を貰えることを逆手に取って、」
「人形に仕事をさせる訳ですかぃ…」
「そうだ。古代の邪法を用いて、な。
『B・O・T』とは人形へ命令を定着させる時に用いる魔法陣のような物らしい。
だから奴らを粉砕するにはココを砕いてやればいい。」
ジャハルが自分のうなじの辺りをぽんぽん叩いた。
「または憲兵に引っ張って行って貰うしかないんだが、奴等はどうにも見当違いな事しかしない・・・・」
呆れた様にジャハルが呟く。
「へぇっくしょん!」
遠く離れたフェィヨンDで、エミリアが大きなクシャミをする。
「どうしたんですか?エミリアさん。」
「いや、なんか凄く馬鹿にされた様な気がしたなぁ・・・・・」
頭をポリポリ掻くエミリア。
「まぁいいや。執行機関訓示その1!「憲兵がんばってますっ!」気合入れてばんばん狩ろう」
「その訓示・・・・・何か、凄く嫌ですね(´・ω・`)」
その時、ランディさんとフレイヤさんが、こっちに向かって叫ぶ。
「おーい。私達はジャハルを迎えに行って来るよー!」
返答の代わりに大きく手を振る。
ランディさんが素早くポタを出し、二人は光の柱に包まれて姿を消した。
物陰から二人を見つめる黒い影。
「廃の二人は消えたか・・・」
剣を抜く、微かな鞘走りの音。
鞘を押さえる腕には「REUNION」のワッペン。
「後は一次職が二匹、二次職一匹、レイド・・・・一匹・・!?」
声に動揺の色が取れる。
「まぁいい。仲間の仇・・・・取らせて貰うっ!」
「よーし!50匹狩り達成〜!」
「こっちも丁度50匹〜!」
同時に50匹狩り達成し、喜びを分かち合う僕とガリィ。
「さて、私達も一息つこうか?レイド君?」
「了解であります!」
一息つける・・・・僕は地面にへたり込んだ。
「大変そうだねぇ。白ポーションでも飲むかい?」
声の方を見上げると、そこには金髪の女騎士がニッカリと笑っていた・・・・。
「あ・・・・有り難う!ちょっと頂きます〜」
綺麗な女騎士の手・・・
(・・・ケイオス・・・・デレデレしてるなぁ・・・後で苛めてやる(・∀・))
その様子を見て、良からぬ事を考えるガリィ。
白ポーションを一息に飲み干すと、その女騎士はまたもやニッカリ笑った。
「ん〜。その白ポーションのお礼なんか欲しかったり☆」
「ヘ?」
思わず顔が(゚Д゚) ハァ?となる僕。
「君の血で出来た赤ポーションでも貰おうかあああああああああああああ!!」
翻したマントの下、騎士の肩には「REUNION」のエンブレム!
振り下ろす両手剣が僕に迫る。
「キリエエルレイソン!」
ヒメさんの魔法。禁止されたスキルハック・・・・。
剣を光の膜に阻まれ、騎士は驚愕の表情を浮かべる。
「あれは・・・シーフがキリエなんて・・・」
エミリアが驚きと恐怖に満ちた目でケイオスを見つめる。
レイドは訳が解らない様子ながら、取り合えず仲間の危機に援護へ向かう。
「チッ!失敗するとは思わなかった・・・」
女騎士が悔しそうに叫ぶ。
「憶えているがいい!何時もお前達の背中は我々が狙っているという事を!」
女騎士は蝶の羽を千切って投げ、姿を消した。
「ケイオス君!・・・君も違反者だったんだね・・・・」
エミリアさんの手が天に伸びる。
ヤバイ・・・・措置3「拘束」か・・・・・?
冷や汗を流す僕。
「彼は特異能力を持つセントルイスの血筋だ。ここで消されては困るんだよ」
さっきとはまた違う女性の声・・・・。
忘れるもんか・・・お前は・・・・!
「ルナ!」
夜の底に沈んだ様な目を持ったアサシンが、ゆっくりと顔を上げた・・・。
「ルナ…?もしや…闇夜の暗殺者のルナか!?」
「そうよ。憲兵のお嬢ちゃん」
ルナが言うや否や、エミリアさんは一瞬で弓を構え矢先をルナに向けた。
「ルナ!見つけ次第措置3の適用を命令されている!覚悟しろ」
「…あはははは!!できるの?糞の役にも立たない憲兵風情が!?」
エミリアさんが矢を放つと同時にルナが姿を消す。
矢は虚しくルナのいた空間を切り裂いた。
「ハイドか…っ?!どこだ!?」
エミリアさんがあたりを見回す。
僕とガリィ、そしてレイドにも分かるわけがなく、
一緒になってキョロキョロするだけだ。
「!」
下に視線を落としたエミリアさんは、後ろに飛んだ。
だが一瞬早くエミリアさんのいた所の地面からルナが飛び出していた!
「きゃああああ!!」
避けきることができずにカタールの一撃を足にうけてしまっていた。
倒れた拍子にエミリアさんは弓を手放してしまった。
傷口がぱっくりと割れ、血がボトボトと落ちていく。
「ふうん、ちょっとはカンがいいじゃない。でももう動けないわねぇ」
倒れたエミリアさんの前に立つルナ。
僕からの位置だとルナは僕に背を向けている。
くそ…余裕ってわけか…
「死ね」
ルナがカタールを振り上げる。
「やらせるかあああああああああ!」
強い意志が僕の身体を支配する。
頭に思い浮かんだ言葉をルナに放つ!
「フロストダイバー!」
手の先から凍気が迸り、ルナの身体を包む。
「ふん。この程度の凍気・・・通じると思っ・・・・・」
言葉半ばで氷柱に包まれるルナ。
「ヒール!」
エミリアさんの足にヒールを掛ける。
血は止まり、肉芽が盛り上がって傷を塞ぐ。
「あなた・・・・セントルイスの家系だったの?」
「よくは知らない。けれど、ルナが言った事は多分真実だろう。」
少し考え込んで、背負い袋を探るエミリア。
「これを着て。」
・・・・憲兵の肩掛けだ。
「それを着ていれば、スキルハックを使っても不審に思われる事は無いはず。」
「私達は経歴も様々だし、憲兵になればある程度他職のスキルを「植え付け」られる。」
エミリアさんは淡々と語る。
「実際私だって、ハンターなのにバッシュなんて持っているしね。」
心なしか、顔が悲しそうに歪む。
「その肩掛けは、私を助けてくれたお礼。君もその能力を悪用する様には見えないし。」
「有り難う・・・」
「さて、このアサシンはどうしようか・・・」
ルナの埋まった氷柱を全員で眺める。
エミリアさんは柱の周りをアンクルスネアで囲い、万全の体制を敷く。
「氷が・・・溶ける・・・・・」
ガリィとレイドが剣を構え、迎撃の姿勢を取る。
氷は一気に割れ・・・・・飛び出したルナはアンクルに捕まった。
動けないルナを持ち合わせの縄でガッチリ縛り上げ、周りを囲む。
「くう・・・・・・不覚・・・・・」
僕は憎しみの籠る目で、囚われの暗殺者を見下ろす。
「さて・・・・どうしてくれようかである。」
レイドが剣を仕舞いながら一人ごちた。
ルナは僕を見上げた。
目が合ったけれど、僕もルナも逸らしはしない。
「ふふ・・・」
ルナは唇を吊り上げ不敵に笑う。
「その目・・・その憎しみの篭った目・・本当にそっくりだわ」
「・・・誰にだよ?」
「あなたが一番分かっているんじゃなくて?」
エミリアさん、ガリィが僕を見る。レイドも目は無いけれど僕の方を向いている。
「知らない!僕は何も・・・この力も、お前たちのことも!
・・・・・・僕のことも・・」
ルナは黙っている。
僕に視線を合わせたまま。不敵な笑みを絶やさぬまま。
「お前は僕のことを知っているのか?セントルイスって…」
「可哀相なケイオス君。私が教えなくたって、いずれ全て知る事になるわよ。
セントルイスのことなら、そこの憲兵に聞けば分かるしね」
「もう御託は終りか?」
話を振られたエミリアさんの返事はこれだった。
「ケイオス君、執行機関としてはこいつを処分しなきゃいけないの。
私も殆ど知らないけれど・・話してあげるから・・・」
少しの時間の後、僕は小さく頷いた。
エミリアさんは手を高く掲げる。
「闇夜の暗殺者ルナ。懲罰憲兵の名を以て措置―」
「残念だが・・今この時期にメンバーを失うのは勘弁願いたい」
「!!?」
声はエミリアさんの背後からした。
エミリアさんは咄嗟に横へ飛んで振り返る。
そこにいたのは、黒いマントを着た男。
手には鋭い爪のようなもの・・・
834 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン :03/08/30 03:33 ID:jLH39Ce7
「・・・あ・・・あああ・・・」
「ガリィ?!」
ガリィが震えだした。目を見開いて、ガチガチと歯の根も合わないほど・・・。
「ルナよ、いつ迄そうしているつもりだ?」
「・・・は」
男の声に、ルナはすっと立ち上がる。縄がすとんと地面に落ちた。いつの間に・・・!
そのまま華麗なバックステップで男の横まで飛んだ。
「ケイオスの力、見くびったな」
「申し訳ありません。この不覚、必ずや返上します」
「さて・・・そこの女、俺の呪いを解いたな」
ビクリ、とガリィが反応する。
こいつがガリィを・・・!
「ギルドに入ったのか。つまり・・・あくまで我々に刃向かうつもりだというわけか」
「う、うう・・・」
ガリィはとうとうへたり込んでしまった。
僕とレイドはガリィの前に出て立ち塞がった。
でも・・勝てる見込みは・・・恐らくない・・・
フレイヤさん達!早く戻ってきて!!
835 :
ヽ(`Д´)ノ ウワァァァン:03/08/30 03:44 ID:n8oWtoW2
その頃伊豆ダンジョンの3人と一匹は
「あらぁ・・おいしいじゃない!コレどうやって作ったの?」
フレイヤの声が洞窟に響く。
「まずそこにある海藻を(ry というわけでさ」
「なるほど〜良い腕だね〜。ここでお店でも開いてみたら?女の子いっぱいくるよ〜
ヘルシーだし」
「いえいえあっしなんてもんが・・・」
「顔が赤いぞハハハ・・・」
マッタリしていた。
(・・フェイヨン・・)
ガリィもエミリアさんも戦える状態じゃないし・・
このままじゃ勝てるはずが無い。
逃げよう・・・。
「ファイアーウォール!」
そう叫ぶと火の柱が洞窟の道を上手くさえぎってくれた。
「今のうちに逃げましょう!」
「フ・・・・・・・・愚かな」
黒マントの男、ツァバトはツメを一振りした。
ファイアウォールがツメに切り裂かれ。勢いを失った。
「ククク・・・・・・・やつらは奥に逃げ込んだか・・・・・。
だが、やつらのレベルでこのダンジョンの4Fを攻略できるものかな・・・・」
ツァバトとルナはそのままゆっくりと奥に向かっていった。
「ハアハア・・・・・・・!」
どうしよう・・・・・出口どころか、どんどん奥に向かってるぞ・・・・・
「エミリアさん・・・・・!この奥には何があるんですか?」
「マズイわね。この奥にはさらに強力な怨念を持つモンスターがいるわ。
それに・・・・・・・」
「それに?」
「いえ・・・・・・なんでもないわ。とにかく奥まで逃げるしかないみたい。」
エミリアさんはそういうと、地面に何かばらまいた。
「ランドマイン・・・・・・。少しは時間が稼げるでしょう。」
僕たちはそのままさらに奥に向かって走った。
「シクシク・・・・・シクシク・・・・・」
僕達が走っていると、女の人がその場にへたりこみ、泣いているのを見かけた。
「あのコ・・・・・・どうしたんだろう?」
ガリィがふいに足を止めた。
「あのう・・・・・・どうしたんですか?」
ガリィが近寄って優しく聞いた。
「ちょっと・・・・・・ガリィちゃん!!」
エミリアさんがそういうやいなや、女のコは手にもったナイフをガリィに振り回してきた!
「うわあ!?な、なに!?」
紙一重でナイフの直撃を免れたガリィは慌てて剣を構えた。
「その女はソヒーというモンスターよ・・・・!!
自分の願いを叶えられずに死んでいった、女の怨念よ!」
エミリアさんが弓をかまえる。
「あたし・・・・・彼氏が欲しかったの・・・・・彼氏・・・・・が・・・・欲し・・・い!!」
ギラリ!とソヒーの顔が僕を睨みつけた!うを・・・・こええええええ!!
「ねえ・・・・・私の彼氏に・・・・・・なってよおおおお!!」
ソヒーがものすごい勢いでこちらに向かってきた!
「OK!!!彼氏になるよ!」
「ケイオス!?」
「ケイオス君!?」
エミリアさんとガリィが「なに言ってんだコイツ!」というような顔で僕を見た。