謙虚な使い魔◆iUfuf0c7o/N2が投下するらしい
↑はスレ立て規制中だから、勝手に代理で立てた
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4 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 20:24:01 ID:Brz/5slL
/=Yニ ヽ
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スレ立てありがとうございます
以下投下開始します
謙虚な使い魔 第1話 「ああ!奇跡の出会い!」
一人の騎士は仲間と共に巨獣と対峙していた。
騎士は仲間と連携を取り、仲間を守るために盾となって巨獣の攻撃を一手に引き受けていた。
騎士が巨獣が繰り出す凶腕の薙ぎ払いを左手に持った盾により受け止めている間騎士の仲間達は
武器を手に巨獣に向かう者、魔法を詠唱する者、呪歌を歌う者、矢を射掛ける者、傷を癒す者、と
彼ら各々に与えられた役割を果たし、「絆」で繋がれた力は一つの巨大な力となり巨獣に対し獅子奮迅していた。
追い詰められていた獣はその命の最後の灯火を燃え上がらせ
その巨大な角を突き出し荒れ狂うようにその巨大な力の中心となっていつ騎士に向かい突進した。
手にした禍々しい風貌の剣で受け流そうと体を捻らせたが予想以上の衝撃により剣は騎士の手から弾かれてしまった。
騎士は剣が弾かれた方向を一瞬だけ一瞥した後、再び巨獣に目を向け盾を構えたが巨獣はすでに息絶えていた。
仲間の魔道士の古代魔法の詠唱が完了しており、巨獣の遺体となった体は燻る火に埋もれていた。
事が終わった事を確認した騎士は落とした剣を拾いに向かった時、
剣が刺さっていた雪土の傍らに一輪の夢幻花が咲いていた事に騎士は目を留めた。
本来咲く所とは違う場違いな地に咲くその一つの花の香りは騎士の中に眠る懐かしい記憶に触れた
騎士は何気ない気持ちでその花を土ごとそっと引き抜き、腰に充てたかばんにそっと仕舞った
? いるよ?
その瞬間、
ふと誰かに呼ばれたような気がした
―――――――――――
うしろを振り向く騎士
―――――――――きて
声を聞いた騎士
――――――はやくきて
彼を呼ぶ声を聞いた騎士
―私の使い魔はやくきて!!
少女の悲痛な声が彼を呼んでいると気付き辺りを見回し再び正面に振り向きなおした瞬間
騎士の前に突如鏡の様なものが現れ咄嗟に盾を構えたが甲斐も無く一人の騎士は鏡に吸い込まれていった
◆ ◆ ◆ ◆
時同じくしてハルケギニア大陸トリステイン王国トリステイン魔法学院
ここでは学院生徒二年生による春の使い魔召喚の儀式が行われていた。
学院の側にある広場に集まった生徒たちは自分と生涯を共にする使い魔との初めての出会いに
一人、また一人と感銘を表している中、今だ使い魔の召喚に成功していない生徒が一人いた
その生徒、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは
幾度となくサモンサーヴァントの呪文を唱えたが
爆発によって地面が抉れるのみで一向に使い魔が現れてこないのだ。
「早くしろよ"ゼロ"のルイズ」
「"ゼロ"が何か召喚するまえに広場が爆風でなくなっちまう」
「何をやらせても"ゼロ"しかできないんだな」
皆召喚を終わらせ、ルイズ一人のために待たされている生徒達の心無い野次が飛び交いはじめた。
「…ミス・ヴァリエール、非常に残念ですが・・・」
ルイズの肩にそっと手をのせたのは今年の召喚儀式の担当教師コルベールだった。
「ミスタ・コルベールお願いです!もう一度だけチャンスをください!」
ルイズはその目に涙を浮かべながら必死に食い下がった。
コルベールは知っていた、魔法が使えない彼女がこの日のために毎日幾度となく召喚の儀式に関する事を他の生徒の幾数倍も勉強していた事。
"ゼロ"と他の生徒に馬鹿にされつつも、彼女は自分ができる事を期待以上にこなしていた事。
しかし運命は残酷な事にひたむきで努力家である彼女にたった一つ且つ肝心な要素
「魔法」の才能を与えてくれなかったらしいのである。
コルベールとて教え子の中でも一番熱心に授業に受けていた彼女のメイジとしての
未来を閉ざしてしまう事には不本意であった。
しかしまた学院の教員の一人として使い魔召喚の儀式ができない生徒は退学させなければいけないのであった。
「ではミス・ヴァリエール、深呼吸をして、気を落ち着かせてからもう一度だけ試しなさい」
そういってコルベールはルイズの肩をぽんぽんと叩いた。
「落ち着いてまだ見ぬ使い魔の事を強く念じながら呪文を唱えなさい」
そう言われルイズはすぅーっと息を吸い、はぁーと吐き再度杖を構え、
―――お願い!なんでもいいから 私の使い魔はやくきて!
と念じながら声を高らかにあげ呪文を詠唱した。
「宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ! 神聖で美しく、そして強力な使い魔よ! 私は心より求め、訴える! 我が導きに、応えなさい!!」
途端、今まで以上の爆音が学園中を響き渡り広場は前が見えないほど濃い砂煙に覆われてしまった。
ルイズと共に他の生徒も咳き込み、煙を振り払ってるうちに煙が晴れ上がり、爆発した箇所の中心にきらきらと光る鏡の様なものが浮かんでいた。
(やった!サモン・ゲートよ!ついに召喚に成功したんだわ!)
と砂埃で汚れた姿なっていた事も忘れて喜ぶルイズは小さく杖を持つその手をぐっと握り締めていた。
サモンゲートは使い魔を召喚した主の下へと送り届ける空間転移魔法である。
どんなメイジであれ基本中の基本であるこの魔法を唱える事は自体簡単なのである。
しかしどういうわけか使い魔がすでにいる状態ではゲートは出せず、また主側から使い魔の所へは通れない一方通行の門なのである。
おいさー支援
あのさぁ
12 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 20:32:16 ID:A4ABP2kQ
結構長いのかな?
13 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 20:32:35 ID:ER2db5T5
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15 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 20:34:15 ID:n0/L1kc3
もうやだこの板
20秒間隔、一回あたりのレス上限2kb
一度サモンゲートが開いたのであれば必ず使い魔が必ず現れてくると言う所まではメイジ達の間でも知られている。
だがそれ以外の詳しい原理は相変わらず謎に包まれたままで『そういうものである』と言う認識の下で使われている魔法でもある。
学院二年生達に囲まれ、期待がいっぱいに込められた目でルイズがゲートを見つめ佇む中
その期待に答えるようにゲートはきらきらと光るだけであった。
しばしの沈黙の間ゲートが水面のように揺らいで、何も起きないとルイズを含むその場に居合わせた者全員が思いはじめたとき
ぽつりぽつりと様子を見物していた生徒達は口を開いた。
「おい、使い魔は?」
「爆風で吹き飛ばされたんじゃないのか?」
「さすが"ゼロ"のルイズ!召喚するものも"ゼロ"だ!」
「"ゼロ"は蟻んこを召喚したかもしれない、皆足元気をつけろよー」
いつもの"ゼロ"を馬鹿にする嘲笑が始まっている時、
教師であるコルベールはこの「前例の無い」事態に関して様々な考えを巡らせていた
(ゲートは開いたと言うことは使い魔呼び出されているという事だ、しかし一向に使い魔らしき存在は見当たらない)
コルベールは以前変わり無く揺らめくゲートを全方向から観察し、確かにサモン・ゲートである事を確認した
(だが何人かの生徒の言うように姿が確認できぬほど小さい使い魔だとしてもゲートを通じてきてこの場にすでに何かを召喚したのであれば役目を終えたゲートはもう閉じているはず。)
そして一度開いたゲートは必ず使い魔を召喚する事である事も踏まえ、
コルベールが達した結論は『この空中に浮かんだ鏡はまさに使い魔を召喚している途中なのである』ということであった。
ルイズもその事に気づいたのか、それとも中々姿を現さない使い魔にあせったのか
「も、物凄い使い魔が召喚されて…そう、ちょっと準備に時間かかっているだけなんだから!」
18 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 20:35:49 ID:A4ABP2kQ
19 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 20:35:55 ID:KPxNzSOF
ゼロ魔とか劣化のいいみほん
20 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 20:36:05 ID:sO6Mlte2
200kぐらいあるなら読みたい
中途半端はいらん
と周りの嘲笑に対し弁明するかの様に答えていた。
一方コルベールはこの事態の対処に悩んでいた。
サモン・ゲートが開かれたのであれば若きヴァリエール家の三女は「召喚の儀式ができなかった」訳ではなかった。
しかし使い魔との契約を済まさなければ「召喚の儀式が完了した」とも言えなかった。
とにかく使い魔が現れるまで待つしかないのだ。
「えー、とりあえず皆さん使い魔の召喚おめでとうございます。召喚を終えた者達は自分の使い魔の事をもっと知りたいと思っているでしょうから本日の授業はここまでとし、
解散して結構です。私はミス・ヴァリエールの儀式が完了するまで付き添います。」
そうコルベールが言い終えたのを聞き、一時は面白がって見ていた生徒達も何も変化が起きない状況に飽きてきていたので各自<フライ>の魔法を唱え、使い魔と共に思い思いに飛んでいく。
その内の一人が「お前は歩いてこいよ"ゼロ"のルイズ!」と暴言を吐く者までいた。
そうしてルイズは教師のコルベールと共に静かに煌き輝くサモン・ゲートの前に立っていた。
「ミス・ヴァリエール、気を落とさないでください。前例が無い状態ですがこうしてサモン・ゲートが現れたのですから貴方の使い魔は必ず出てきます。」
などと残されたルイズを励まそうとするコルベールであったが、
ルイズは心中穏やかではなかった。
いままで基本的なコモンマジックでさえ『一度』も成功した事が無かったルイズである。
今日行ったサモン・サーヴァントでさえ最初の数回は明らかな失敗であった。ならばこのサモン・サーヴァントも失敗しているのではないか?
時間が経つにつれ、ルイズの心は自分の無力さを呪う気持ちがじわじわと広がっていった。
その気持ちに対抗するかの様にルイズは無意識につぶやいていた
――はやくきて
ここはかなりきつそうだねェ
23 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 20:36:53 ID:PqeSfXhq
ここまで読む気なし
>>20 現在8万文字ほどの10話分書き溜めてありますが、
構想としては40話分です
25 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 20:38:36 ID:A4ABP2kQ
四半刻も過ぎた頃、ルイズの中で不安が限界まで溜まり、そして『叫び』という名の濁流となって泣け叫んだ!
「はやくきて!私の使い魔はやくきて!!!!」
それに呼応するかの様にサモン・ゲートが眩く光り、白く輝く一人の『男』が引き摺りだされる様に現れた。
200サントは超えるであろう長身痩躯の『男』は王宮の衛兵が着ている様な白い板金鎧の上に同じく白いサーコートをかけていて、
その左手には落ちかけた太陽の光でさえ眩しく反射する金縁で彩られた蒼い金属の盾が『男』の顔を遮る様に構えられていた。
(まさか人間が召喚されちゃうなんて!?)
(まさか人間が使い魔として召喚されるとは!?)
不意に現れた予想外の使い魔に二人は驚愕した。
『男』の全身が引き出されると、役目を遂に終えたサモン・ゲートは見る見ると萎み、そして消えた。
そして自分がいた場所とは違う所に吐き出された事に気づいた『男』はその掲げた盾を降ろし、辺りを見回した。
目前にはポールのような杖を携えた頭髪がやや寂しい男性とマントを羽織った少女が確認できた。
『男』は直感的にその少女が自分が聞こえた声の持ち主であると感じ、少女をじっと見つめた。
『男』その顔は肌色やや浅黒く、端整な顔立ちに物静かにルイズの事をじっと見つめる目は鋭く釣り上がり、首元まで伸びている長髪は着ているものを反映しているような煌く白い銀髪であった。
そしてその頭髪から突き出るように伸びた両の耳・・・
「「え、エルフ!?」」
ルイズとコルベールは同時に二度目の驚愕をした。
人間が使い魔として召喚される事は今まで無かった事である、ましてやハルケギニアの人々にとっては天敵とされているエルフが召喚されるなどあってはならないことなのである。
27 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 20:39:37 ID:A4ABP2kQ
受け答えしてくれるのは嬉しいけど、投下終了してから纏めてやってくれ
兎に角、第一話を投下すろ 話はその後でいい
29 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 20:40:06 ID:3HwcjlnP
色々vipからのスレ輸入されたけど
こういうのはあまり盛り上がったためしがない
メイジが何人いようと対抗手段にすらならないエルフの力はハルケギニアの人々にとって『畏怖』を飛び超え純粋に『恐怖』の対象なのである。
「おいィ?一体誰だおまえ?」
『亜人』のドスが聞いた突然な発言に生徒を守る立場であるコルベールがまず咄嗟に杖を構えたが、
相手がエルフであれば彼一人ではなす術も無いことは明らかであった、必要以上に相手を刺激する事は無いと判断し、杖を元の通りに持ち直した。
コルベールはメイジとしての経験と勘を基にこのエルフと直接やり合うのは無謀であるだけではなく、側にいる教え子を悪戯に危険へと巻き込んでしまうだけと判断した。
「ほう、俺を強いと感じてしまってるやつは本能的に長寿タイプ」
一方ルイズの方は自分が呼んだ使い魔の姿に困惑していた
今まで実際のエルフを見た事は無かったとは言え、ルイズが座学で学んでいたエルフ像とずいぶんかけ離れていたのである。
エルフが扱うとされている先住魔法の一つ<カウンター>はいかなる系統魔法も物理攻撃をも防ぐと言われている。
その様なエルフはわざわざ重量がある金属鎧を着る必要がないのである。確証は取れていないが金属はむしろエルフが扱う先住魔法
の精霊の流れを悪くするとも言われている。なのに目の前の『男』は武器を手に持って戦う剣士のような出で立ちで
まるで昔読み聞かされた事とある絵本の勇者の様に勇壮なかつ純白に輝く神々しい姿であった。
判らない事だらけだったがルイズは一つだけ確信していた、この『亜人』こそ自分が呼んだ使い魔であったという事を。
「あなたを召喚した私の名はヴァリエール公爵家が三女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ。あんたは?」
「俺か?―――」
ピンク髪の少女の目をじっと見つめて『亜人』は答えた。
「――――俺はブロント。ただのブロントだ。」
幻想郷に入った例もあるし、今更どうということはない
取り合えず支援
謙虚な使い魔 第2話 「異界の使い魔」
ブロントと名乗った耳長の亜人は目の前の二人に聞いた。
「俺はジュノ大公国北東のクひィム島でキングベヒんもスと戦っていたんだがどこだここ?」
独特な韻がある語り方であったが、内容が聞き取れない訳ではなかった。
質問された二人には「ジュノ大公国」や「クフィム島」がどこか地方を指す固有名詞と想像できたが
歴史の科目が得意であったルイズや教師であるコルベールでさえも聞いた事が無い地名であった。
「島」はともかくとしても、「大公国」と名が付けられる程の国家を地図から見逃すはずが無い。
可能性があるとすればエルフが住む地より遠く東方のロバ・アル・カイリエ周辺にその様な国家があるのかもしれない。
「戦っていた」と聞いてこの召喚された使い魔が衛兵かまたは傭兵の様な風貌をしている事に納得がいった。
もっとも二人には「きんぐべひんもす」とは何か軍団名なのか、誰かの名前なのかは分からなかったが、目の前の亜人はエルフの軍人か何かだろうと想像した。
ただでさえエルフの事はあまり細かい部分までは知られてはいなかったので研究好きなコルベールにとっては興味が尽きないことばかりであった。
「ここはトリステイン王国のトリステイン魔法学院です。ジュノ大公国ですか・・・聞いた事がない地名ですね。ああ、申し遅れました私はジャン・コルベールと言う者でこちらの学院で教鞭を取っています。」
「トリステイン?俺の知っている地名には何も無いな。」
ブロントは冒険者としてヴァナ・ディールの様々な場所を訪れた事はあったがトリステインは初めて聞く名詞であった。
とはいえ、日ごろから『旋流する渦』や『禁断の口』等に突如吸い込まれ遠地、異世界、更には裏世界や過去世界等に訪れた事があったため別段驚きはしなかった。
魔法学院と言われ改めてルイズの服装を見たがなるほどシュルツ流軍学塾生の制服にどこと無く似ているような気もした。
「ええ、このミス・ヴァリエールの使い魔として貴方は『サモン・サーヴァント』と言う魔法によってここに召喚されたのです。」
コルベールは続けて説明し、ルイズを指差した。
「『使い魔』?何だ俺はペットのようなものか?獣使いにはみえないようだが。」
33 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 20:42:23 ID:arqmXIly
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ルイズルイズルイズぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!ルイズ・フランソワーズたんの桃色ブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
小説13巻のルイズたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
アニメ2期放送されて良かったねルイズたん!あぁあああああ!かわいい!ルイズたん!かわいい!あっああぁああ!
コミック5巻も発売されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!コミックなんて現実じゃない!!!!あ…小説もアニメもよく考えたら…
ル イ ズ ち ゃ ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!ハルケギニアぁああああ!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙絵のルイズちゃんが僕を見てる?
表紙絵のルイズちゃんが僕を見てるぞ!ルイズちゃんが僕を見てるぞ!挿絵のルイズちゃんが僕を見てるぞ!!
アニメのルイズちゃんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ! いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはルイズちゃんがいる!!やったよケティ!!ひとりでできるもん!!!
あ、コミックのルイズちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあアン様ぁあ!!シ、シエスター!!アンリエッタぁああああああ!!!タバサァぁあああ!! ううっうぅうう!!俺の想いよルイズへ届け!!ハルゲニアのルイズへ届け!
「ぺ、ペットぉ!?」
端麗な顔立ちをした青年の口からさらっとでた言葉でルイズはバカ犬の様に振舞うブロントの姿想像して顔を真っ赤にして俯いてしまった。
その間ブロントは獣使いの仲間である一人のことを思い出していた。毎日違うモンスターを引き連れており、いつも強烈な臭いがする汁を入れた瓶を持ち歩いていた。
彼に染み付いた臭いが嫌がられたのかあまり人との付き合いに関して運がある奴ではなかったが、
獣使いの彼が呼ぶ如何なる場所であっても主人の下に現れてくる籠付きのカニにはブロントも一目置いていた。
過去であろうと、裏世界であろうと主人の下に馳せ参じるカニにブロントは自分の中にある騎士道精神に通じる物があると感じ取っていた。
「いえいえ、使い魔とは召喚したメイジと生涯を共にする大事なパートナーとなる存在です。
ここトリステイン魔法学院では代々伝わる『使い魔の儀式』と言うものがありまして各生徒の魔法の傾向を見るためにも毎年春になりますと
生徒達は『サモン・サーヴァント』により召喚した生き物と使い魔の契約を交わさなければいけない決まりなのです。
突然呼び出され不本意かもしれませんがミス・ヴァリエールと契約していただいてくれませんか?」
ブロントは生涯をかける契約と聞かされても別段気にはならなかった。すでにサラヒム傭兵派遣会社に命を丸ごと投げ捨てた契約も交わしていたり、自分でも良く覚えてないほど様々な所で契約していたような気もする。
交わすだけであれば契約はとりあえずどんどんが交わしておくのが冒険者の常であった。
冒険者としての行動が束縛されなければ誰の下に属しようがあまり関係の無いことであった。それよりもブロントにとって気になる点があった。
「『サモん・サッヴぁんト』で召喚したと言ったが元いた所に戻る事はできにいのか?」
新天地を冒険する事でここに残る事はやぶさかではなかったが、ベヒーモスの縄張りの雪土に挿したままでまだ拾っていない長年共にしてきた愛剣のグラットンソードの事が気になった。
そしてなによりも現在持っている武器は厳密に武器と呼べるか怪しい左手にある盾しかなかった。
『盾』の役目を最大限に引き出すためには『武器』が無くてはなんとも心許なかった。
35 :
首71号 ◆detyiCRmJOMP :2009/07/25(土) 20:44:04 ID:0YTn2q6J
支援
36 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 20:44:31 ID:A4ABP2kQ
バカ殿って読んじゃったw
一方ルイズはせっかく呼んだ使い魔が「帰る」と仄めかす事をいい始めたので内心焦った。
「ちょっと!せっかく召喚したのにあなたにいなくなられたら困る!」
と騒いだがコルベールはルイズを諌め話を続けた。
「残念ですが『サモン・サーヴァント』で使い魔は呼び出すことはできても、送り返す事はできないのです。ジュノ大公国でしたでしょうか?
聞いた覚えがない国ですが遠い東方のエルフの地であればここトリスタニアからすぐに戻る事は難しいでしょう。
代わりと言ってはなんですが当面の衣食住は貴方の主人となるミス・ヴァリエールが負担しますのでとりあえず契約をしていただけませんか?
このまま宛ても無く戻る旅をするよりも足掛かりの拠点を作る事が貴方にとっても良いと思うのですが。」
流石のブロントも武器も無しに新天地を冒険する気にはならなかった。ジュノ大公国が知られていないのであれば手持ちのギル通貨が使えないのだろう、となれば武器を調達する事も容易ではないのでこの提案はブロントにとっても都合は良い内容ではあった。
ふと自分のかばんの中に羊皮紙には『デジョン』の魔法が込められた呪符が入っていることを思い出した。
丸めた羊皮紙を取りだしたブロントに「なんですかな?」と聞いてきたコルベールを余所目に呪符に込められた魔法を開放してデジョンを自分に掛けた。
途端ブロントは低く響き渡る音を立てながらインクの塊の様なオーラに包まれて消えた様に見えたがサモン・ゲートが元あったその場にまた現れた。
「い、今一体何したの!?」
「今確認したが確かにすぐには戻れないようだが。」
魔法を開放し、使い物にならなくなってしまった羊皮紙を再び丸めてかばんの中に押し込みながらしれっとブロントは言った。
まさかこの使い魔がハルケギニアにまた戻れる保証も無いのに取りあえずデジョンで帰ろうとしたとは思いも寄らなかったであろうなルイズ。
自分の位置を把握するための先住魔法か何かだろうとコルベールとルイズは思っていた。
「してもいいぞその使い魔の契約」
ブロントが淡々と告げた言葉を聞いたルイズはこれで学院の退学と言う誉れ高きヴァリエール家にとっての最大の恥となる最悪の事態は免れた事に安心してほっと息を吐いた。
がすぐに自分の姿を思い起こし慌てて貴族としての毅然とした態度を取って手にした杖を振りかざしながら朗々と呪文を唱え始めた。
「――我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我が使い魔と成せ!」
そう唱え終わった後、ルイズは毅然とそびえたつ200サントはある自分の使い魔を見上げ、爪先立ちしてみても
ちっとも埋まる気配のない距離の遠さに絶望しながら聞こえるか聞こえないか程小さく拗ねた声で、
「・・・ちょっと・・・跪きなさいよ・・・」
と地面を指差す。
「むっそうか」
騎士の『肩打ち』のような事でもするのだろうとブロントは思い、祈るような姿勢で片膝を付く事になった。
ようやく自分の顔が届く高さとなり間近で真っ直ぐな眼で見つめ返すブロントの顔を見つめたルイズはこれからする事を想像したらボンッ!と頭から湯気がでる気持ちになり顔を真っ赤にした。
ブロントの顔は「美形」の部類に入る方である。エルフである事を除けば学院の女生徒達がこぞって黄色い声をあげてしまう様な顔立ちであった。
「かかかかか勘違いしないでよね、こ、こここれはあくまで契約の儀式であって・・・その・・・もにょもにょ」
「そのなんだ?」
ええい!ままよ!と決心したルイズは両手でがっとブロントの顔を掴み、口付けをした。
「おいィ?!なにいきなりキスしてきてるわけ?」
突然の事に語尾を上げながら高らかに叫ぶブロント
「ちちちち違うわよ!そ、そんなのじゃ無くて契約の儀式なのっ!そんな大声で言わないでよ…き、キ…だなんて…」
と心の中で毛布を頭から被りたい気持ちになりながら何とか言い繕うとするルイズが本日一番に顔を赤くして手を振り回しながらブロントの胸をガツンと叩いたが、
白い革のサーコートの下に金属の鎧が着込まれているとは思わず、手に負った声も出ないなんともいえない痛みに悶絶した。
――そして
内藤(LSブーメラン)や汚い忍者、ヴぁーんやらリューサンやら・・・
支援
「おいィィィィィイイイイ!!??」
ブロントの左手に焼けるような激痛が走った。
咄嗟に盾を落とし、手の内側からその痛みが生じていると感じたブロントは左手の篭手を外した。
そこには光を発する読み取れないが文字らしき文様がじりじりと浮かび上がっていた。
「すぐ終わるわよ!『使い魔のルーン』が刻まれているだけよ!」
ブロントは過去にも皇国の不滅隊に「何か」を埋め込まれタトゥーを刻まれたり、依頼により勝手に呪いを掛けられたり制約魔法を掛けられたりもした事もあったが、
今回もこの様なルーンが激痛を伴って刻まれるなどつくづく冒険者とは損な役割だなと痛みをごまかすように思いながら左手を抑えていた。
(なんでしょう・・・このルーンは・・・?)
儀式の終始を傍観していたコルベールはブロントの左手に浮かぶルーン文字があまり見ない形をしていた事に気付いた。
ただでさえエルフと言う前代未聞の使い魔の出現に充分驚いていたが、その手に浮かび上がったルーンも他の生徒の使い魔に現れるものとは随分と形が変わっていた。
「失礼!その手のルーンを少し私に見せてください!」
使い魔のルーンが完全に浮かび上がり、ルーンが刻み終わると同時に痛みも嘘のようにさっと消えた事を感じたブロントは異常がないか確認するように左手を数回開いたり閉じたりした後コルベールに見えるように手の甲を向けた。
ふーむ、と言いながらコルベールはルーンの文様を紙に書いている間、ブロントはルイズに聞いた。
「これでいいのか?」
「うん、これで私はあなたのご主人様であなたは私の使い魔よ。」
ルイズは"ゼロ"と呼ばれ苦渋をなめ続けた学園生活だったが、エルフという強力な使い魔をものにしたと"ゼロ"と呼んできてた同級生達を見返せると思っていた。
理想を言えばドラゴンとかグリフォンのようなその凄さがわかりやすい幻獣の使い魔がよかったが、この使い魔も良く見れば見た目も凛々しく神聖そうで、(多分)強そうで、この使い魔もある意味呪文通りの使い魔であった。
特に代々互いに波ならぬ因縁を持つ鼻持ちならないツェルプストー家の娘をぎゃふんと言わせそうだ。
(もう"ゼロ"だなんて誰にも言わせないわ!)
そうルイズが心の中で決心したとき
もうちょいペース良く 投下してくれませんかねぇ(チラ
「ああ、もう終わりましたよ。もう結構ですよ―」
とコルベールはルーンを書きとめたノートをパタンと閉じて続けた。
「―ミス・ヴァリエール、使い魔の召喚おめでとうございます・・・と言って本日は終わりにしたい所なんですが、
彼をこのまま学院連れて行くのは得策では無いと思うのです・・・その目立ち過ぎると申しますか・・・」
生まれて初めて成功した魔法にうかれていたルイズは今まで気づかなかったが、コルベールが説明するにはエルフと思われる耳長のブロントをそのまま学院に連れて他の生徒・教員達の目に触れさせる事は色々と問題があった。
トリステイン魔法学院には王宮に直接通じている生徒や教員達の他に諸国からの留学生も多数在学している。
特にエルフに占領された『聖地』の奪還を国で推し進めているロマリア連合皇国の留学生に知られでもすればただ事ですまない事は明白であった。
異端審問の名で学院関係者が連行されたりしてしまうのは学院側としては非常にまずい事なのである。
幸いこの場でブロントの姿を見ているルイズとコルベールはエルフの恐ろしさを聞き及んでいるとは言え、ルイズはせっかく呼んだ自分の使い魔を手放すような事をする気はなかったし、
研究者思考の強いコルベールもまた迫る危険が無いようであれば色々未知に包まれているエルフの文化や技術の事も知りたかったのでブロントとは友好的に接して行きたいと思っていた。
傍から話を聞いていたブロントも半分ぐらいは状況を理解していた。
ブロントは冒険者として生活の中でバストゥーク共和国で似たような問題を見てきている。
女神アルタナの子と呼称される『人間』の一種族であるガルカ族は他の種族とかけ離れた巨体な風貌や独特な精神文化の所為で同じ共和国に住む多数派であるヒューム族から迫害を受ける事が多々あった。
どうやらここトリステインではエルヴァーンであるブロントのように長い耳をもった『エルフ』という種族はあまり歓迎されておらず、このままでは非常にまずい事になると敏感に感じた。
「俺はエルフがなんであるかはわからないがとにかくこの耳がまずいのか?」
「エルフが何かわからないって、だってあなたエルフでしょ?」
首を傾げていたブロントに合わせるかの様にルイズも首を傾げる。
「俺はエルヴぁーんなんだが」
『エルフ』とどことなく発音が似ている新しい単語を聞きルイズはコルベールの方へ答えを期待するように見た。
もちろんコルベールも聞いたことがない単語であったが、その言葉の響きの類似性から一つの推測を思い浮かんだ。
「もしかして彼の住む遠い地では自分達エルフの事をエルヴァーンと呼んでいるのかもしれません。私達ハルケギニアの人々は『エルフ』と呼んでいますが、彼らは別な方法で自分達の事を呼んでいるのかもしれません。」
少し変わった発音で言葉を発するブロントであった、そこで固有名詞の些細な違いが出る事があってもおかしくない、とルイズ達は思った。
「とにかく隠せばいいんだなこの耳」
ブロントはかばんから壜を一つ取り出した。瓶の蓋を開け壜の口をその手に傾けるとさらさらとした粉が光を乱反射しながらでてきた。
小さじ一杯分のきらきらと光る粉をその手に載せると、徐にそのこなを自分の耳に塗布した。
ルイズは「何をしているの?」とブロントに聞こうと思った矢先ブロントの銀髪から突き出ていた耳が消えていた。
「あ、あんた、耳をどうしたの?」
「プリズんムぱうダーで耳を隠したんだが?」
恐る恐る聞くルイズに対しブロントはさも当たり前であるかの様に答えた。
ルイズはブロントに頼み耳を少し触らせてもらった。
手を耳があった思われる場所に伸ばすと何かが指に触れる感触と共にうっすらと元あった耳の形に空気が揺らぐ様に見えた。
ルイズとは別にコルベールも感銘受けていた。
「おお!<フェイスチェンジ>が行えるマジックアイテムですか?」
「それほどでもない。」
ブロントは二人にグラスファイバーとレンズを組み合わせて粉にして作られたこの『プリズムパウダー』の事を簡単に説明した。
多少の知識は必要とは言え、材料さえ揃えば誰でも簡単に作れるという事。本来は一瓶使って全身に塗る事によって完全に姿を隠す事ができるという事。
今は塗っている部分が極端に小さいため、よっぽどの強い衝撃を受けなければかなり長時間持続するという事。
もっとも態々話す必要も無いと思いクリスタル合成の事やヴァナ・ディール式の『錬金』の技術が使われている事は省いた。
コルベールは話を聞き、試しに<ディテクト・マジック>を粉が入っている壜にかけて見たが、ブロントの言うとおり全く何も魔法がかかっていない事が判明した。
「その姿なら平民の使い魔として学院内では通じるでしょう。不用意に魔法などを使わなければ感づかれる事もないでしょう。それと貴方は遥か東方のロバ・アル・カイリエの出身とでもしておけば大まかな話の辻褄は合うでしょう。それにしても・・・」
魔法を使わず風と水を合わせた高等魔法である<フェイスチェンジ>と似た事を成し遂げたこのアイテムにコルベールの研究者の血が騒いでいた。
少年のようにきらきらと輝かせた目で手にある壜をじろじろと見る頭髪が寂しい男を見てブロントは少々うざいやつがいるな、
と思いつつもまだかばんにはまだ他にもたくさんパウダーの瓶を持っていたので広い心をもってまだ自分で使う分以上に持っている事をコルベールに伝え「パウダーをおごってやろう」と、先ほど使用した瓶の残りをコルベールに手渡した。
まさか譲って貰えるとは思ってはいなかったコルベールは目を丸くして瓶を受け取ることになった。
「ほ、本当に良いのですか!?いやはや、実にありがたいです。お礼にと言ってはなんですがもし私で力になれる事がありましたらこのジャン・コルベール、力になりますぞ!
実は学院内に私はちょっとした研究室みたいなものを設けていますが、必要な物がありましたら幾つか都合させて頂きましょう。」
と言ったものの、コルベール自身にとっても「他にも珍しいもの見せてもらえるかもしれない」と言うささやかな下心も込めて言った事であった。
早速手に入れたプリズムパウダーを大事に手にもって<フライ>を唱え嬉々として学院へと戻っていった。
学院に向かって飛んでいくコルベールを感心した様子でブロントはつぶやいた。
「ほう空を飛ぶ魔法か」
「<フライ>を知らないって、まさか先住魔法にも似たようなものは無いの?」
「言っておくが俺は先住魔法というものを知らない。」
「え?ああ、えーと何だっけ、確かエルフ達の間では『精霊魔法』と呼ばれていると聞いた事があるわ。」
「そうか精霊魔法。だが俺はまったく使えないぞ精霊魔法。」
「え?」
45 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 20:50:23 ID:A4ABP2kQ
おっ、ペースアップした?
sien oi みうs 支援
「俺が精霊魔法を使う事は無理に不可能。」
ただでさえルイズは自分が呼んだ使い魔がただの平民であると振舞わなければいけない上、この粗野な口調で語る使い魔は実際に耳が尖っているだけの平民なのかもしれないと思い、
さきほど奮い立った「もう"ゼロ"と呼ばせない!」という決心がバラバラに引き裂かれていった。
「な・・・なんだか今日はとにかく疲れたわ・・・」
と頭を抱え学院にとぼとぼと歩き始めたルイズに追い討ちをかける様にブロントが疑問を投げかけた。
「お前は<フライ>しないのか?」
「う、うるさいわね!今日は疲れたからちょっと歩いていきたい気分なの!」
こうして傾きかけていた太陽を背に一人の主人とその使い魔は学院へと歩いていった。
謙虚な使い魔 第3話 「若きルイズの憂鬱」
「おいィ、月が二つあるようなんだが。」
ルイズの部屋の窓からブロントは月を見上げていた。
空には青と赤の双月が浮かんでいた。
ヴァナ・ディールでは月の光る色や位置で曜日や時間を計り、そしてその満ち欠けによって様々な事柄が影響されていると信じられていた月は野外で活動する事が多い冒険者とっては月の観測は大事な行動の一つであった。
最初はヴァナ・ディール内のどこか遠方に召喚されいたと思っていたのだが、こうして窓の外にはっきりと双月がある所を見てしまうと単純に遠方に来ただけでは無い様に思えてきた。
完全なる異世界に来たのであれば帰還の魔法『デジョン』で戻れなかった事もそれとなく納得がいった。
「平民を装うのは良いけど、いくら平民でもそこまでは馬鹿じゃないわよ。月なんていつも二つでしょ。」
エルフの最大の特徴である先住魔法も使えないというこの平民として振舞うしかない使い魔に対する扱い方を考えている途中にすっとぼけた事を言うブロントにルイズはイライラしていた。
部屋に戻る途中に出会った同級生の何人かにも平民を召喚したという事でからかわられた。
ただでさえ皆に"ゼロ"と馬鹿にされてきたのだ、せめて自分の使い魔になめられる事だけは避けたかった。
少し不思議な道具などは持っているようだが魔法も使えないエルフなど長耳が生えた程度の平民でしかない。
エルフとばれて問題が起きる可能性があるだけ、普通の平民よりも性質が悪いと言えた。
そのぶっきら棒な口を開かなければ見た目はいいので、やはりビシビシと躾けて行こうと思ったルイズであった。
「俺がいたところには月は一つしかないが?」
「何よそれ?ずっと東方からは月が一つしか見えないとでも言うの?一体どれほど東にそのジュノ大公国とかというのはあるのよ。まさか本当にロバ・アル・カイリエの方にでもいたの?」
結局今回も双方の話がどこか噛み合わずは平行線のまま進歩しなかったので、この話題は取りあえず置いておく事にした。
昔、ルイズに召還されましたwikiを読みあさったなあ。
好きなやつがことごとく更新が止まってて泣きたくなる
「俺は使い魔となったようだが何をすればいいんだ?」
「まずは使い魔は主人の目となり、耳となる能力が与えられるわ」
「ほうそれは便利だな」
「でもあんたじゃ無理みたいな、何も見えないし聞こえないもん!」
「なんだ『リんクパっル』みたいなものがあればいいのか」
と言ってブロントはかばんから一つの貝殻のようなものを取り出し、その貝の口から綺麗な真珠の様な物を取り出した。
『リンクパール』と呼ばれるそれはブロントがハルケギニアに召喚される前までその真珠を通して離れている仲間とも会話をするために使っていた物であった。
しかし召喚された瞬間から真珠からは声がぱったりと途絶えていた。
『リンクパール』は同じ『リンクシェル』から作られたもの同士でしか通信できず、本体であるリンクシェルに異常があると
築き上げた通信の輪は断たれてしまうのであった。ヴァナ・ディールにいる仲間の声が届かないのはリンクシェル自体に
何か問題がある可能性もあったのでその確認という事も含め取り出したリンクパールをルイズに渡した。
「これをもってちょっとまってろ」
といい部屋を出るブロントをキョトンとした顔でルイズを両手でリンクパールを持ったまま見つめていた。
そして数秒後―
[――おいィ?聞こえるか?聞こえていたらパールにはなしかけろ――]
とパールからブロントの声が発せられた。
突然語りだしたパールにビックリしてルイズは軽く飛び上がった後
「き、聞こえたわよ!?」
と大声でパールに向かって叫んだ。
[――怒鳴らなくてもいい――]
とパールが答えたと同時にブロントが再び部屋に入ってきた。
「さすがに見ているもの見えないがこれでなるだろ耳」
「驚いたわ、遠くてもこれを通して会話できるの?」
「俺は細かい事まではわからないが海の向こうにいる奴とも会話できる」
ブロントはリンクシェル自体に何か問題があるわけではないと安心した反面、会話ができないほど仲間達から離れている事だと知り落胆もした。
「これ私貰っていいの?貴重なものじゃないの?」
「俺がいた所では店で売っててだれでも買えるんだが。」
ほぇーと惚けるルイズの気を惹く様に手を振ったブロントが続いた。
「他に使い魔がする事はあるのか?」
「え?ええ。えーと・・・二つ目に、使い魔は主人の望むものを見つけてくるのよ。例えば秘薬とかね」
「秘薬?エリクサーとかか?」
「そんな凄い物じゃないわよ。特定の魔法を使うときに使用する触媒よ。硫黄とかコケとか・・・でも流石にこれはあんたには――」
王宮に衛兵としてでも黙って立っているのが相応しいこの男がつるはしをもって掘っていたり、まさかりを担いで木を切り倒したり、草刈鎌で植物を集めるわけが――
「丁度いい。色々あちこち見ておきたかったからな。そのついでに集めておこう」
「――見つけてこれ・・・ってええっ?できちゃうの?」
「ああ、俺は依頼でよくそういう類の物を集めていた」
「依頼?」
「俺は冒険者なんだが、入手が難しい素材の入手や僻地への届け物などの仕事を良く引き受けていた」
「そ、そう。では何か必要となったら頼むわ。」
この使い魔に対する評価が今日一日で波を打って上下するので喜ぶべきなのか落胆するべきなのか困ってしまうルイズだった。
「他にはにいのか?」
「後は使い魔としてこれが一番なんだけど使い魔は主人を守る存在であるのよ!その能力で、主人を敵から守るのが一番の役目!」
「誰に話しかけていると思っているわけ?ナイトであるこの俺が『盾』として他の使い魔に遅れを取るはずがない」
「あんた、エルフなのに『シュヴァリエ』なの!?」
「エルヴァーンだ、そしてその『シュッばリエ』なんてものではない。だが仲間の『盾』となって守ってしまうのがナイト。」
ルイズには半分もよく理解できなかったがブロントが言うナイトとは貴族の称号として意味ではなく、一種の役割や生き方であるらしい。
確かにこのブロントは何かと戦っていた所で召喚されたと言っていた。先住魔法は使えないと言ってはいたが、
強力な防御魔法<カウンター>を持っているエルフ達を守る役割を担っていたのであれば少しは期待できるかもしれないと思った。
もっとも魔法が使えないのであれば平民の衛兵程度なのであろうとあまり期待はしていなかった。
「そ、そう、思っていたよりは色々できそうな使い魔ね。」
「それほどでもない。召喚される前に剣を落としてしまって武器がない。この盾だけでも守れなくも無いができれば剣の一つも持っておきたいのだが」
「ここは魔法学院だからそんなものは無いわね。ああ、それからアンタは私の使い魔なんだから雑用もしてもらうわよ。」
「雑用だと?」
「そうよ洗濯。洗濯。今は一応平民として振舞うんだから貴族であってあんたのご主人様である私に雑用任せるのは不自然でしょ?」
「あまりそういうのは得意ではないが仕方が無いな。」
冒険者として外出が多かったブロントは家の事は人間達にとっては珍しく友好的であった獣人のモーグリ達にまかせっきりであった。
外出中の野営の仕方や自分の身の回り事は自分の力でなんとかなったが、家の事となるとモーグリが勝手に済ませてしまうので
つーかどこまでクエストこなしてんだ?このブロントさんは?
ジュノが出てきたことはジラートの後か?
ブロントさん支援
自分で掃除や洗濯をやった事はあまりなかった。
「じゃあそこにあるものを明日になったら洗濯しておいて」
とルイズは洋服が入った籠を指差した。
「わかったその依頼はやっておこう。」
「全然わかってないわよ、報酬をだす依頼と違ってこれは使い魔としての義務なんだから。あんたがやって当然なの」
「ほう、まあ使い魔の役割は大体わかった。それ以外の時は自由にしてていいか?なるべく周りの事を調べておきたいんだが何かあればリんクパールで伝えてくれればいい」
「そうね、あんたどうもこの辺の常識がわかっていない所があるみたいだから私が恥をかかないためにも色々知っておくといいわね。
でもこれは絶対に約束してよ、アンタが起こす恥は主人である私の恥になるんだからくれぐれもヴァリエール家の恥となる事だけはしないでよ」
「ああ誓おう。ナイトである俺がそんなへまはしない」
「ならいいわ――それにしても今日は何かとっても精神的に疲れたわ。もう寝るからちょっと着替えるの手伝いなさい」
「勝手に着替えればいいだろう?」
「あんたねえ、一応貴族の従者なんだから主人が着替える時は手伝うのもさっき言った雑用の一つなの」
いつ野獣や獣人にに襲われるか判らない野営中でも重い甲冑を素早く着替える術を持っていたブロントには態々着替えを他人に手伝わせる意味がわからなかったが「そういうものなんだろう」と思い黙った。そしてルイズが命じるままに洋服棚からネグリジェと下着を出して、
(なんだ防具的価値も無いただのお祭り装備か)
とその手にもったネグリジェを鑑定してから服を脱ぎ始めたルイズを
ブロントはルイズをじっとみつめた。
「ほう意外と凄いものだな」
「!!」
「思っていたよりもいい」
上半身が裸になり始めたところで突然思ってもいなかった事を口走る美形の使い魔にルイズは顔を真っ赤にして慌てた
「ば、ばば馬鹿!あんた一体主人である私を見て何考えて「いい素材を使った実に魔道士向けだなこの服」大体私のむ・・・え?」
「ただの布装備としては思ったよりある程度の耐久性はあるようだな。魔法が唱えやすそうな工夫もしてあるようだ」
「・・・そ、そうなんだこの制服・・・も、もちろんそっちのほうの話よね。・・・もう」
そうしてルイズはネグリジェ姿になり「私の胸だってそのうち・・・」とかぶつぶつ呟きながらベッドに入り始める
「俺はどこで寝ればいい?」
「あんたの寝床はそこの床、毛布ぐらいは貸してあげ「ここを使っていいんだな」」
とルイズがブロントに渡す毛布の一枚に手を伸ばし目を離した隙に「パカン!」と言う音がしてさっき寝床に使って良いと指した床の位置には
―実に寝心地よさそうな木製のベッドがあった。
「植木鉢も置いていい「まて」」
「何だ?植物は嫌い「まてまて」」
「世話は俺が「ちょっと!待ちなさいよ!」」
ルイズは自分のベッドから飛び上がり、突如現れたもう一つベッドを指差した。
「何よそれ!何よ!?」
「マホガニーベッドだが?お前知らないのか?」
ブロントは手を顎に当て首を傾げる。
「そういう事聞いてるんじゃないわよ!どっからそれ持ってきたの!?」
そこは3回見つめるべきだろ?
58 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 20:55:39 ID:A4ABP2kQ
他に誰もいない部屋なら、別に平民として振る舞う必要なくね?
「かばんにはいっていたものだが?」
「一体どこの馬鹿がベッドを運んだまま歩き回るっていうの!」
「これはたまたま人に貸していたものを返して貰ってそのまま冒険にでていた事は稀によくある事」
「ないわよ!そもそもアンタのかばんにそんな大きなものが入るわけ無いでしょ!」
はビシッとブロントの腰に充ててある枕程度の大きさのかばんを指差した。
「少し入れ方を工夫すればいい。入れる順番を考えれば入る」
「そんな事で入るか!」
「何だやっぱり木製なのが嫌いか?何だったらブロンズベッドを―」
「そこ、さりげなく更に恐ろしい事言わない!確かに普通よりちょっと大きく見えるけれどそのかばんは一体どれだけはいるのよ!」
「かばんを大きくして貰った奴に『ゴウツバクリ』とかは言われたな。どれ位入っているのか中身だし―」
「それだけはやめなさい、いや、本当お願いだからやめて。何かこの部屋がとんでもない事になりそうだからやめて。」
「他にも植木鉢を一つだけ置いておきたいんだがそれぐらいはいいか?」
ルイズはハァーとため息を付いた
「・・・アンタねえ・・・その『でてしまった』ベッドと鉢植え一個だけなら特別に許すから本当にそれだけよ?言っておくけどここは私の部屋なんだから!ご主人様である私の部屋なの!」
「わかった」
とブロントはそう言ってかばんから取り出す所を見る間も無くいつの間にか手にしていた植木鉢を窓の側に置いて、そしてその鉢に土がついていた夢幻花を丁寧に植えた。
その白い薔薇のような花は窓から風が吹き込むたびに何かとても落ち着く香りが部屋中に漂わせた。
「良い香りね、その花どうしたの?」
「俺が召喚される前に採ったものなんだが鉢に変えて置かなければこれはすぐに枯れてしまう。」
「へぇーアンタ見た目によらず花の事詳しいんだ?」
支援
「それほどでもない俺はどちかというと花は全然わからない方だ。ただこの夢幻花だけは気に入ってる。」
「そう、良い夢がみれそうな花の名前ね」
と答えた後ルイズはしばらく自分のベッドの上からしばらくその白い花を眺めていたのかだんだん睡魔が本格的になってきたのを感じて
「・・・明日・・・朝起こしてよね・・・」
と、うつらうつらとした様子でベッドに潜り込み、寝息をすぅすぅと立て始めた。
その様子をしばらく見守っていたブロントは部屋の明かりを吹き消し、自分もまたルイズに続いて自分のベッドで眠りに落ちた。
エロイさすがナイトエロい
謙虚な使い魔 第4話 「正しいあいさつ」
朝日が差し込み始めた頃、鎧姿のままで眠っていたブロントはふと窓の方に何か違和感があると気配を感じ目を覚ました。
入り込む日光に混じり赤いローブを着た人物の姿が薄っすらと夢幻花の植木鉢の上からブロントを見つめていた。
(誰だ?)
と思ってブロントは目を凝らしたが見えたと思った人物はすでに無く、太陽の眩しさに寄る錯覚であったような気もしてきた。
不思議と見たと思った人物の姿に警戒心は抱かなかった。何処かで会った様な気もするが良く思い出せなかった。
(夢幻花は時に幻覚を見せるというがそんなものか)
と自分に言い聞かせ気を取り直してかばんから水のクリスタルを取り出し、植木鉢に与え、花についた朝露を取り払った。
横でまだ寝息を立てているルイズを見て昨日寝る直前に籠いっぱいの洗濯を頼まれていた事を思い出した。
ブロントはプリズムパウダーを自分の耳に塗りなおした後、
服が入った籠を片脇に抱え、洗濯ができそうな水場を求めて生徒宿舎の塔を降りた。
誰かに場所を聞こうにもまだ朝が早いのか他の生徒の姿が見当たらず、結局塔の外へまで出てしまった。
そこから先どうしたものかと考え込んでいたブロントだったが。後ろから誰かに声を掛けられた。
「どうなさいました?」
「む?―」
振り向くと両手で重そうに大きめの洗濯籠を抱えていたメイドの格好をした少女が心配そうにブロントを見つめていた。
「―俺は洗濯ができる場所を探していたんだが」
64 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 20:57:55 ID:A4ABP2kQ
この状況じゃ、ルイズも稀によくある事に突っ込めないか
なんで半端な所までサンドミッション進めてるんだ…。
シエスタはブロントの鎧姿を見ながら言った。
「確かに俺はルイズの使い魔なんだがまだ他に誰にも言っていないはずなのによくわかったな」
「ええ、メイド仲間の一人が昨日ミス・ヴァリエールが鎧を着た平民を連れている所見たらしく、『使い魔として召喚された平民』と言うことで私達の間ではちょっとした噂になってますわ。」
とシエスタは両手が塞がっていたので顎でブロントの鎧を指した。
「お前も使い魔なのか?」
「いいえ違います。貴族の方々をお世話するために、ここでご奉仕させていただいている平民です。」
「そうか」
ブロントはいまだ他の使い魔をまだ見ていなかったので他の使い魔も自分の様な人間なのでだろうと思っていた。
「あの、お名前聞いてもいいですか?私はシエスタと言います」
「俺はブロントだよろしくシエスタ」
「ええ、こちらこそよろしくお願いしますね、ブロント様」
「さんでいい」
「え?」
「様じゃなくて『さん』でいい」
「あ、はい!ではよろしくお願いしますブロントさん」
「ではそっちの籠ももってやろう」
とブロントは空いてる手でシエスタが抱えていた洗濯籠をひょいと持ち上げると自分の脇に抱えた。
「あっ、そんな悪いです!」
「これ位はなんでもにい。だが洗濯自体はあまりわからないから教えて欲しい。これはその礼代わり」
すまん、マンガにするか、最低でも挿絵をつけてくれないか?AAでもいい。
正直、無駄に長すぎて読むのがつらい。
68 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 20:58:29 ID:5Zw3Bn4d
VIPでやれ
69 :
首71号 ◆detyiCRmJOMP :2009/07/25(土) 20:58:40 ID:0YTn2q6J
vipじゃペースで規制が云々書き込まれるがここじゃどうなるやら
70 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 20:59:40 ID:A4ABP2kQ
投下終了してから読もうと思ったけど、ちょこちょこ摘み食いした感じだと
これ10話まで一気に投下しちゃうのか
71 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 20:59:43 ID:lWalTRP6
ゼロの使い魔は全く知らんがワロタwww
支援
[先ほどの頭抜けてました、訂正]
「ああ、それでしたら私もこれから洗濯するところなので一緒にいらしてください。あっ、もしかしてミス・ヴァリエールの使い魔の方ですか?」
シエスタはブロントの鎧姿を見ながら言った。
「確かに俺はルイズの使い魔なんだがまだ他に誰にも言っていないはずなのによくわかったな」
「ええ、メイド仲間の一人が昨日ミス・ヴァリエールが鎧を着た平民を連れている所見たらしく、『使い魔として召喚された平民』と言うことで私達の間ではちょっとした噂になってますわ。」
とシエスタは両手が塞がっていたので顎でブロントの鎧を指した。
「お前も使い魔なのか?」
「いいえ違います。貴族の方々をお世話するために、ここでご奉仕させていただいている平民です。」
「そうか」
ブロントはいまだ他の使い魔をまだ見ていなかったので他の使い魔も自分の様な人間なのでだろうと思っていた。
「あの、お名前聞いてもいいですか?私はシエスタと言います」
「俺はブロントだよろしくシエスタ」
「ええ、こちらこそよろしくお願いしますね、ブロント様」
「さんでいい」
「え?」
「様じゃなくて『さん』でいい」
「あ、はい!ではよろしくお願いしますブロントさん」
「ではそっちの籠ももってやろう」
とブロントは空いてる手でシエスタが抱えていた洗濯籠をひょいと持ち上げると自分の脇に抱えた。
つか、内藤だったらやばかっただろうなwww
あの下ネタのオンパレードでルイズがすぐブチ切れるwww
あ、エスナってタバサママン直せるのかねwww
「そうでしたか、ではお願いしますね。でも片手でその籠もてちゃう何てブロントさん力持ちなんですね」
「それほどでもない」
「ふふ、ブロントさんは結構謙虚な方なんですね」
そうしてブロントは水場でシエスタに教わりながらルイズの服を洗濯し、シエスタの分の洗濯物も干すのを手伝った後
「乾いたらミス・ヴァリエールの部屋まで服お持ちしますね。」
「助かる」
そう言ってシエスタと別れた後、そろそろルイズを起こす時間であったので
ルイズの部屋に戻ったところ案の定ご主人様はまだすやすやと眠っており起きる気配はまったく感じなかった。
「そろそろ起きろ」
「ふわぁ・・・・・きゃあ!誰よあんた!」
「おいィ?何いきなり忘れているわけ?」
「あ・・・わ、私が呼んだ使い魔だったわね・・・ちょっと寝ぼけていただけよ!」
「まったく。このままでは俺の寿命がストレスでマッハなんだが・・」
と呆れるブロントであった。
ルイズは昨夜の様にブロントに手伝って貰いながら着替えた
「これから朝食取りに食堂に行くから私について来なさい。」
と言われ部屋を出た二人は丁度時同じくして隣の部屋から赤毛の少女が出てきた。
「あら、おはようルイズ。寝坊助の貴方にしては珍しく早いじゃないの?」
「ふん、うるさいわねキュルケ。私だって早く起きようと思えば起きれるんだから。」
「はいはい・・・あら?ルイズが人間を召喚したって聞いていて冗談だとは思っていたけど、まさか本当に人間を喚んじゃうなんて、あなたらしいわ。さすがは"ゼロ"のルイズね」
と言いつつキュルケは興味深げにルイズの後ろに立つ白鎧姿のブロントの姿を見る。
「私はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。で、貴方は?」
「俺は今は使い魔をやっているブロントと言う者なんだが」
「そう使い魔さんのブロントね、よろしく。」
「ああよろしくツェルプストー」
まじまじとブロントの視線を浴びせかけるキュルケ
「ふふふ、私の事はキュルケって呼んで。貴方中々いい男じゃない。」
「それほどでもない」
「それほどでもあるわよ、そこのルイズの使い魔やめて私の所へこない?もっと優遇してあげるわよ」
その胸を強調するようにブロントに近寄るキュルケの間にあわてて入るルイズ
「ち、ちょっとツェルプストー!何勝手に人の使い魔に色目使ってるのよ!それにブロント!アンタもそんなに相手の胸を見つめてるんじゃないわよ!」
とルイズは叫んでブロントの右脛に一発蹴りを入れたが石柱の様にビクともせず、逆に鉄の塊につま先をぶつけたのと同じ事となったルイズはピョンピョンと片足抱えながら飛び回る事となった。
「あら、見るだけなら幾らでも大歓迎よ、もっともブロント貴方だったら見るだけ以上の事をしてもかまわないけど・・・」
「おいィ?何をいきなり話かけてきてるわけ?俺はそういう話は嫌いなんだが早くもこの会話は終了ですね」
「あら残念、でも謙虚で真面目なのは男性としては魅力的よ。それにしても平民の使い魔もそれはそれで一興だけど、どうせ使い魔にするなら、こういうのがいいわよねぇ〜。フレイムー」
そうキュルケが呼びかけるとキュルケの部屋から尻尾に火を灯らせた一匹の大トカゲが現れた。
片足飛びから落ち着いたルイズが驚いた声で叫んだ。
「キュルケ!それってもしかしてサラマンダー!?」
「そうよ、火トカゲよ。見て?この尻尾。この立派な炎なんて絶対お火竜山脈の亜種よ。メイジの実力をはかるには使い魔を見ろと言うけど、火のメイジである私にとってはぴったりの使い魔だと思わない?」
支援
そうキュルケがルイズに自分の使い魔を自慢している間、ブロントは初めて会う自分以外の使い魔のフレイムをじっと見つめた。
(『力』を司る炎属性のモンスターの肉なら中々効果が高そうな料理が作れそうだな)
とか思いながら見つめてくる鋭い冒険者の眼に感づいたのかフレイムはさささっとキュルケの背後に隠れるようにして逃げた。
「あら、どうしたのフレイム?あ、ちょっと先に行かないでよ。じゃあまたねルイズとその使い魔さん」
そういい残すとキュルケは自分の使い魔の後を追った。一方ルイズは「何よ、私だって幻獣を召喚したかったんだから・・・」
とぶつぶつぼやきながらブロントを連れて学院の食堂へと向かった。
「ところでルイズ、"ゼロ"ってお前の称号なのか?」
ブロントは前をドスドスと歩くルイズに聞いた。
「二つ名よ、メイジにはそれぞれの能力を表す二つ名が付いているの。さっきのキュルケは"微熱"、昨日会ったコルベール先生が"炎蛇"
ってもう今はそんな事聞かないでよ、気が利かないわね!」
「何いきなりイライラしているわけ?」
「イライラしてない!」
アルヴィーズと名がつけられたの食堂はブロントが思っていたより広く、内装も人形の彫像が並び必要以上に豪勢である様に見えた。
というより冒険者として野外での活動が多かったため決まった部屋にて落ち着いて食事をするという習慣がなかった為食堂と言うものに入るのも久しぶりだった。
「本当はこの食堂には貴族しか入ってこれないのだけれど私の使い魔と言うことで特別にアンタも入れているんだから感謝してよね。」
テーブルの上には朝食だというのに各席には何品もの豪勢な料理が並べられていた。
ブロントのような冒険者は素早く済ませられる一食一品が基本であったためあまり見たことが無い光景であった。
(肉料理に、野菜料理に、スープ、穀物、魚介、さらにスィーツにドリンクまであるのか。どれもこれも一度に全部まとめて摂ろうとするだなんてメイジと言うのは万能なのか器用貧乏なのか贅沢な奴らだな)
某白黒「さんを付けろよ!デコ助野郎!」
>>74 内藤「美幼女wwwwwのwwwwwwペットwwwwwwwとかwwwwwwww
エロゲ主人公過ぎwwwwwwww修正されるねwwwwww」
簡単にまねれるかと思ったが、思いの外まねし難い。
とブロントは勝手に異世界の食事文化を自分なりの理論で解釈していた。
「あんたの席はそこじゃないわよ、私の特別な計らいであんたの分もココに用意してもらってあげたんだから」
といってルイズが『ココ』と床を指し、そこには黒パンが一塊と豆が少し浮かんだスープが皿に盛られ置いてあった。
「おいィ?これは意味が無い事なのは確定的に明らか」
冒険者であるブロントにとって食事とは戦闘で事を有利に運ばせるための栄養摂取なのである。そこでスタミナとなって持久力を上げるパン類と逆に液体を胃に入れる事によってスタミナを削いでしまうスープ類の食い合わせはナイトとしては意味不明な食事であった。
「平民であるアンタがこの食堂で食事できる事自体が光栄な事なんだからそんな事で文句言わないの!ほんとは使い魔は外なんだから」
食事一つで生死を分けた生活をしてきたブロントにとっては『そんな事』で済ませられる事柄ではなかった。
彼は一般的な観点とは違ったある意味で『食事に命を掛けていた』。
「ならば俺は少し外を見てくるんだが何かあればリんクパッルで呼べばいい。」
そうブロントは言い残すとガチャと鎧の音を立て、食堂を去った。
「な、何よ?一体?」
(床に置いたのがまずかったのかしら?)
ブロントは食堂を出て裏の方から獣達の泣き声のようなものがする事に気づいた。
食堂の裏へと回ると一角に多種類の獣やモンスターがいた。ソウルフレアの様な蛸人間やアーリマンの様に空に浮く目玉のような如何にも『モンスター』な類からフクロウやカエルのような小動物までいた、そしてその中に先ほどあったフレイムの姿もあった。
(メイジの使い魔か?中々色々種類があるようだが)
と初めて見る多数の生物達をもっとよく調べるためにそれぞれをブロントはじっと見つめた
・えちょ ゼロの使い魔とかエロゲだろwwwwwww
ミスwwwwwwヴァリエールって座学は憂愁だよねwwwwww
楽な相手だ
練習相手にもならない
練習相手にもならない
楽な相手だ
練習相手にもならない
練習相手にもならない
楽な相手だ
練習相手にもならない
練習相手にもならない
「む?」
一匹の青い飛竜の前でブロントの目が留まった
――計り知れない強さだ
ブロントは他の使い魔の強さは大体掴んだが、この一匹の竜はどこか雰囲気が異質でその力をうまく推し量れなかった。
他の使い魔とは違う『何か』を持っているように見えた。
(何か竜騎士が連れる子竜がそのまま成長した姿みたいだな)
自分も過去に成り行き上で竜騎士として卵から孵ったばかりの子竜と契約を結んだ事もあったが、今はおそらくヴァナ・ディールの自宅で小間使いのモーグリの丁重な世話を受けている事だろう。
84 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:05:09 ID:sO6Mlte2
まとめサイトつくるの?
あの残してきた子竜も成長すればこの様になるのかななどと思案に耽る一方、飛竜の方も見つめてくるブロントが気になったのか
「きゅ〜」
と小さく鳴きながらトストスと歩み寄り、ブロントの顔を舐め始めた
「おいやめろ馬鹿」
ブロントは口の端をほんの少しだけにこりとしながら優しく飛竜の顔を引き離して、耳にかかったプリズムパウダーまで
舐められては困ると多少押さえつける形で青い飛竜の頭を撫でた。
「きゅいきゅい♪」
この頭を撫でられている竜、シルフィードは昔に絶滅されたとされる人語を話せる韻竜であったが起こりうるであろう問題
を避けるために主人の意向により韻竜である事を隠し、ただの風竜として振舞っている。
自分の本来の種族を隠しているこの一人と一匹は言葉は交わさずとも互いに何かを感じ取っていたのだろう。
「私の使い魔がどうかした?」
背後から青い髪をした眼鏡を掛けた少女がブロントに声を掛けた
「?」
ブロントはきゅいきゅいと鳴く竜を撫でながら首を傾げながら少女を見た
「シルフィード、私の風竜」
と撫でられ恍惚な顔をした竜を指差した。
「ああ俺は少し自分以外の使い魔がどんなのか見ていたんだがこの竜が何か他の使い魔と比べて『何か』違うと思って近寄ったところ懐かれるはめになった。手を離すとすぐ舐めてきそうになるのでこの撫でる手がしばらく止まることを知らない。」
「!」
自分の使い魔の秘密を感づかれてしまったのかと思い少女は
ここって芋とかコリブリとかいるのかしら・・・・
テラブロントwww
88 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:05:56 ID:aPdn3Fzq
最近ブロントのレイプ多いな
(喋ったの?)
と問いただす目でシルフィードを睨み付けたが、対するシルフィードはブンブンと首を横に振った。
少女は自分の使い魔から詳しい話は聞く事にして、とりあえず何か問題があった時のためこの白い鎧を着た男の名前だけでも知っておこうと思った。
「私はタバサ、貴方は?」
「ほう随分と覚えやすい名前だな。俺はブロント。今は使い魔をやっているブロントだ。」
「そう、覚えておく」
とだけ短く言ってタバサと名乗った少女は自分の使い魔を連れて去っていった。
タバサとシルフィードの歩く姿を見送りながら佇んでいたブロントは先ほどキュルケが話していた『使い魔を見れば主人の力量がわかる』
と言っていた事を思い出し、
(タバサは他の生徒と『何か』違うのだろうか)
と思案していた時、懐に装着していたリンクパールからルイズが声を掛けてきた。
[――ブロント?今どこにいるの?私は朝食が終わったからこれから授業なんだけどアンタも来て頂戴――]
「今食堂のすぐ裏だそっちに向かう」
とパールに答えたブロントは主人の下へと向かった。
一方その時のタバサとシルフィード
「彼に何を感づかれたの?」
タバサは人目が付かぬ学院の一角でシルフィードに何があったのか問い詰めていた。
「きゅい?おねえさまの言う通りシルフィはなにもしゃべってないのね!」
90 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:06:47 ID:jR6BodxU
ちゃんとクズ召喚に相応しいスレが立ったか
この肥溜めならネ実やブロント信者の蠅共もマンセーしてくれるなw頑張れwww
「そう、それで何でじゃれ合ってたの?必要以上に他人と接触してはダメと約束したはず」
「きゅい〜、ごめんなさいなのね。でも彼ぴかぴかで綺麗だったからシルフィードとっても気にいったのね!」
「ぴかぴか?」
「きゅい!お日様を詰込んだみたいにとっても眩しくて暖かかったのね!あと多分彼とっても強いのね!きゅい」
「そう」
タバサ自身もブロントが只者では無い事をそれとなく感じていた。だがこの韻竜が語る事は自分が思っている事と少し違う感じもした。
「守ってくれそうな光がとっても凄かったのね!でもでも闇の力も結構もっていたのね!何か光と闇が両方そなわって最強に見えたのね!きゅい!」
シルフィードは頭をぐるんぐるんと振り回した。
「闇?」
「きゅいおねえさまなんかはどちかと言うと黒っぽい方ね!こう攻撃をビシビシしてくる感じなのね!おねえさまも強いのね!」
「・・・そう、大体わかった。3日間肉抜きの罰」
「きゅい!?おねえさま酷いのね!なんでなのね!なんでなのね!」
「勝手に他人と接触して約束を破った罰」
「きゅい〜!!」
こうしてとばっちりにも近い形で罰をシルフィードが受けているとも知らず、ブロントは食堂でルイズと合流したあと
授業があると言う教室へ向かっていた。
こまけぇことはいいんだよ!
wwwwwwww
謙虚な使い魔 第5話 「落とし主は誰だinトリステイン」
「生徒は使い魔を召喚した後の最初の授業は使い魔のお披露目もかねて連れて行くことになっているの」
ルイズはそうブロントに説明しながら教室へ入った。教室と呼ばれたその部屋はブロントが知っているウィンダス連邦にある耳の院の魔法学校の教室よりはるかに広く、許容人数がおよそ三倍はあった。
そして何よりブロントが気になった点は魔力の扱いに関してもっとも歴史を持つタルタル族の姿が食堂にいた時も、
教室にいる時も生徒の誰を見ても一人もいない事であった。ここは魔法学院と言うぐらいであるからタルタル族が主であると思っていたが、
この教室にヒューム族しかいないということはトリステインはヒューム族による完全なる単一種族国家なのであろうとブロントは分析した。
耳長であると言う点だけで国家問題に発展する恐れがあると騒ぐ位なのであればバストゥーク共和国以上に深刻な種族間の亀裂が在るのだろうと思案しながら不可視の己が耳を意識した。
「俺はどこにいればいいんだ?他の使い魔と共に立っていればいいのか?」
「普通の使い魔ならそうだけど、アンタは椅子に座れるんだから特別に私の隣に座らせてあげる。といってもどうせいつも空いてるし。」
ルイズの言葉最後の部分だけが少しだけふて腐れた感情が込められいた事にブロントは気づいて何かを言おうとしたが、
考え直して黙ってルイズの隣の席へと座った。
やがて残りの生徒達も使い魔を連れて教室に集まり、先ほどまで広いと思った教室も生徒と使い魔でいっぱいになり、
最後にふくよかな風貌をした中年女性が席に座る生徒達の前に位置する教壇に立った。
「皆さん。春の使い魔召喚は皆大成功だったようですね。このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、様々な使い魔を見るのがとても楽しみなのですよ。」
「先生!まだ一人使い魔を召喚できてない生徒がいます!ルイズは誰も見ていなかったのをいいことにただの平民を雇って自分の使い魔と言い張っています!」
待っていたかの様に飛び出した言葉と同時にブロントは無数の視線が向けられている事に感じた。
その中の一部はブロント自身にも向けられたものだったが、一番ブロントの癇に障ったのがルイズに向けられた無数の気分の悪いじっと見つめる視線だった。
95 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:09:34 ID:HFC9TO9a
シュヴルーズと名乗った教師はゴホンと咳を払って
「いえいえ、召喚に多少時間はかかったようですが最後まで立ち会ったミスタ・コルベールから少し変わった使い魔をミス・ヴァリエールはちゃんと召喚したと言う事を聞いています。」
「"ゼロ"が魔法で成功するもんかよ!」
「きちんと召喚したもの!こいつが来ちゃっただけよ!」
と『コイツ』と席にだまって座っているブロントをルイズは指差した。
「見た目だけ立派に着飾らしても平民は平民だぞ"ゼロ"!」
「"ゼロ"などと学友を悪く言う事は許しませんよ」
「でも"ゼロ"は"ゼロ"以外に呼びようがありま・・・」
そう小太りの生徒の少年が言い切る前にシュヴルーズは杖をひゅっと振りかざすと"ゼロ"と囃し立てていた声がぴたりと止まった。
耳障りな言葉を発していた少年の口には赤い土がびったりと張り付いていた。
「貴方はしばらくその格好で授業を受けなさい、では授業を始めますよ。」
そうして黒板に書かれた文字は読めなかったが授業を聞いていたブロントはハルケギニアに関する幾つかの事学んだ。
ヴァナ・ディールとは違い火土風水の四属性で魔法の系統が分かれている事、
(氷雷光闇は使わないのか?)
メイジの等級が四つのクラスに分かれている事。
(ふむ、突破した限界の壁の数みたいなものか)
『貴族』とは魔法が使える者であるという事。
(ウィンダス連邦以上に魔法が主軸なのか)
そして授業の内容は『錬金』に関する内容に移ったが、ブロントが知る『錬金術』とは似ている点もあるとは言え少し違っていた。
97 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:09:50 ID:A4ABP2kQ
>>84 そこらへんは900とか超えてからで良いんじゃね?
格闘スキル持ってンの?
つかメガトンパンチでワルキューレとか一発っしょ?
ハルケギニアの『錬金』はブロントが知る職人による機材を使った調合で薬品を作る技術を指すものではなく、
むしろブロントの様な冒険者が一般的に行ってきた『クリスタル合成』の技術そのものに意味は近かった。
活動先で機材を持ち運べない冒険者達はクリスタルという八属性の力が込められた結晶を使用する事によって切削や接合と言った行為を手持ちの素材に掛け、錬金術を含む調理から鍛冶まで様々な技術を自分のイメージ力の強さによって行う事ができた。
ハルケギニアの『錬金』ではクリスタルは用いない様だが、その代わりメイジ自身の扱う魔法がクリスタルの代わりになるようであった。
また『クリスタル合成』とは違い、『錬金』では完成品となる物の素材は全て揃わずともメイジの力量によってはある程度材質が似ていれば違うものも作りだせるとのことだった。
「・・・の以上が『錬金』の概要です。では誰かに実演して貰いましょう・・・ではミス・ヴァリエール貴方にこの小石に簡単な『錬金』でいいのでやって頂きましょう。」
先ほどの一騒動の名誉挽回の機会をルイズに与えてみようと親切心で思ったシュヴルーズであったが、
「ミセス・シュヴルーズ、それはやめたほうが良いかと思います」
待ち受けている悲劇を予測しているキュルケはシュヴルーズのよけいな『おせっかい』を思い留めるように言ったが、シュヴルーズは首を横に振り
「どうしてですか?」
「危険です。」
「何が危険なのですか?」
「ミセス・シュヴルーズはルイズを教えるのは初めてですよね?」
「ええ、そのためにもミス・ヴァリエールの『錬金』も見ておきたいのです。」
シュヴルーズはキュルケがルイズに意地悪を言っているのだと思い、せっかくの警告を無視してシュヴルーズはルイズに『錬金』を行うように促した。
「私やりますっ!」
ルイズはすくっと立ち上がりと教壇へと向かった。
「ちょっと、ルイズやめて!」
キュルケの制止を振り切り教壇に向かうルイズを中心としては他の生徒達は距離をとり始めた。教壇に近い者は机の下に隠れ始めた。
(この騒ぎが広範囲魔法の前兆なのは確定的に明らか!)
100 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:10:40 ID:A4ABP2kQ
5話ってことは、これが終わって半分くらい?
つーか思って頼りだいぶいいな
尋常じゃない周りの反応を見たブロントは席から立ち上がり教室を離れる生徒達の間を縫うようにして自分も教壇へと向かった。
「ミス・ヴァリエール。錬金したい金属を強く心に思い浮かべるのです」
シュヴルーズの言葉を聞いたルイズは目を瞑り、呪文を唱え、目を見開き手に持った杖を振った瞬間
閃光に包まれる小石との間にガシャと鎧の音を立てたブロントの姿が割り込んできた。
「ちょ・・ブロンうきゃぁ!?」
とルイズは両肩をガシッと掴まれブロントに抱えられると
ドグァァァァアアアアアアン!!!
小石が爆発した。
ブロントは爆風を背中で受ける様な形でルイズを両手抱え挙げ、両足を開き踏ん張っていた。
ぱらぱら、と吹っ飛んだ教壇の破片が当たりに落ち、教室中からは生徒達の悲鳴や非難の声が上がった。
爆風で吹き飛ばされ、黒板にぶつかった哀れシュヴルーズは床に倒れ気絶していた。
「ちょっと、もういいからブロント離しなさいよ!」
両肩を掴まれ宙に浮くように抱え挙げられたルイズは足をバタバタさせながら言い、ブロントはパッと手を離した。
教室中が阿鼻叫喚の騒ぎとなった。
自分の両足で再び立ったルイズは周りを気にしない態度を装いながらスカートに付いた粉塵を払うと
「ちょっと失敗したみたいね」
と大した事では無かったかの様に言った。
「おい、『ちょっと』じゃないだろ"ゼロ"のルイズ!」
さすがナイト汚いナイト汚い
「やっぱり魔法成功率"ゼロ"じゃないか!その使い魔もどうせ自分の親に頼んでつれて来たんだろ」
ルイズは飛び交う愚痴をものともしない毅然とした態度で自分の席に戻り座った。
一方ブロントは飛び散った教壇の跡を見て、自分の背中を手で触り確認した。
ブロントの爆風を受けた背中は熱を帯びてなかった。だが爆風の衝撃は鎧をすり抜け直接ブロントの体に響いていた。
(火属性じゃにいのか?光や闇でもないようだが・・・それとも無属性か?)
しかしあまりにも瞬間的な事であったのでブロントはそれ以上の考察をするための検証数が足りなかった。
それよりもまずは主人のルイズの事が気になった。ルイズは平気な顔をしていたが杖を持つ手が小さく震えていた事をブロントは見逃さなかった。
教師が気絶した事で生徒達は自主的に授業に終わらせ早めの休み時間へと入った。
ただルイズ一人残して。
惨状を作った原因としてルイズは罰として散らかった教室を一人で片付ける事となった。
黙々と教室を掃除していた使い魔とその主人だったが、沈黙に耐え切れなかったルイズの方から口を開いた。
「どうして私が"ゼロ"呼ばれるかわかったでしょ?アンタもどうせ私の事を無能だと思っているんでしょ?私はお姉さま達と違って・・・」
とルイズの目には涙が浮かび始めた。ブロントは箒を動かしていた手を止め、鎧をガチャと鳴らした。
「――お前はそれでいいのか?」
「え?何よいきなり」
「持っていないものばかりを見てお前の手元にあるものを見てもいない。お前はそれでいいのか?」
「だって私は貴族なのよ!魔法が使えない貴族なんていないわ!私は何もできない"ゼロ"の無能なのよ!」
「ほう俺にはよくわからなかったんだがさっき起きたのはなんだ?」
「『錬金』を失敗して爆発したのよ!それだけじゃないわ他の魔法をやろうとしてもどれもこれも爆発しちゃうのよ!」
サポ何?やっぱシーフ?
106 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:12:07 ID:A4ABP2kQ
> 両手抱え挙げ
誤字?
「それは"ゼロ"と言わないんだが」
「え?どういう事よ?」
ブロントは掃除して集めた破片の中から教室の一部何かであると思われる石の破片を手の平に載せた。
「俺が今から『錬金』をしてやろう」
「え?」
そうルイズがきょとんとブロントの手の中にある石片を見た。ブロントはその石を宙に投げ上げると
左手に持っていた盾で石の欠片を叩くと石は空中で粉々になった。
「どうやら『錬金』は失敗したようだが・・・」
「当たり前じゃない、アンタその盾で叩いただけなんだから魔法ですらないわよ」
少し期待があっただけに何かとっても呆れたルイズ
「俺は持っていたこの『盾』を使って石をバラバラに砕いた。じゃあルイズは何を使って爆発させたさっきの石?」
「呪文を唱えて杖を・・・あっ」
「どうみても魔法なのは確定的に明らか」
「でも成功できなきゃやっぱり"ゼロ"じゃない」
「俺が持っている盾は本来ああいう使い方はしない守るために使うもの。ルイズも本来の使い方をしていないだけで俺の盾よりも凄い何かを確かに持っている。
だからルイズは"ゼロ"ではない。完全に論破して終了したので会話は終了」
少し考え込むように考えていた様だが何かに気づいたかの様に答えた
「・・・うん、そうよね。確かに私の爆発は平民も他のメイジもできない私にしか出来ない事よ。簡単な魔法には向いてないだけで私向きの魔法で頑張ればいいんだわ」
そういって杖を持つ自分の手を見つめながらルイズは両手をぐっぐっと握り締めた。
「そうだ、もう"ゼロ"じゃなくて"何か"のルイズだな」
108 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:13:21 ID:+Zg5IOAY
懐かしいな一時期いろんなキャラがハルケギニアに召喚されてたな
「ちょっと・・・何よ、その"何か"って。回りくどい仕方をしてご主人様私をやっぱり馬鹿にしてるんじゃない!"ゼロ"よりなんか響きが悪いじゃないの"何か"って!」
「それほどでもない」
「悪いわよ!もういいわ!あんたが今散らかした分は一人で片付けなさい!私は先に食堂行ってるから少し反省してなさい!」
そう吐き捨ててるルイズは大足でずんずんと教室を出てバタンと扉を閉めてから小さく呟いた、
「でも・・・さっきは守ってくれてありがとう・・・」
ブロントは何も言わずガチャと鎧を鳴らして箒を履いた。
教室の掃除を終わらせたブロントは取り合えず食堂へと向かっていた。
何時食事ができるかわからない冒険者として空腹感に対しては強い耐性を持っていたが、ずっと何も食べないわけには行かなかった。
しかしパンとスープと言う最悪の食い合わせのために使い魔は本来入ってはいけないという食堂に態々行く理由もなかった。
そう思案しながら歩いていたブロントは途中、声をかけられた。
「ブロントさん、こんなところでどうかしましたか?」
「ああ、ルイズが先に食堂で昼食をしているようなんだがその間何をしようかと考えていたんだが」
「今朝ミス・ヴァリエールに『使い魔の餌』として頼まれてパンとスープをお出ししたのですが、片付ける時食されてなかったのでもしかしてと思いますが、
ブロントさんはまさか朝から何も食べてないのでは?」
「そうだな」
「ああ、ではこちらにいらしてください」
と言ってシエスタはブロントを食堂の裏にある厨房へと連れて行った。
今も召還されてる
厨房の中はブロントが知るウィンダスの調理ギルドの様に様々な調理器具が並べられ、コック達が忙しそうに鍋やオーブンを前にして格闘していた。
「ここでちょっと待っててくださいね」
とシエスタはブロントは厨房の一角の椅子に座らせ厨房の奥から皿に盛られた湯気立つ具材がゴロゴロ入ったシチューを持ってきた。
「貴族の方々にお出しする料理の余りモノで作った私達の賄い用のシチューですけど、よかったら食べてください。」
「む?この匂い・・・もしかして魚介類か!?」
「ええ、海に慣れ親しんでいない貴族の方々も多いので何かと海の材料が余るんです。あの・・・もしかしてブロントさんは魚介類が苦手でした?」
ブロントはニコッと微笑みガチャと鎧の肩当を鳴らしスプーンを手に持ち立てると
「俺は魚介類が大好物だ」
そう言いブロントは一口シチューを口に運んだ。
「この感じ・・・甲殻類がふんだんに使われているな。食べた者の生命力を上げ、更に体を頑丈にしてくれるとてもうまいシチューだ。」
「ふふ、ブロントさんってとても面白い表現をするんですね。お口に合うようでよかったです」
最初にした味見の一口の後、ブロントは目にも止まらない物凄い早さでシチューを平らげた。
「ああ、まだお代わりありますから、ゆっくり食べていってください・・・」
シエスタはおろおろとして言った。
「俺はどこでも食事できるように早飯が特技なんだがすまない。だがこのうまい一杯で三日は食べなくても平気な事になった。俺の体力はしばらくおさまる事を知らない」
「ちょっと大げさですよブロントさん、でもその賄いを作ったコック長が聞いたら喜ぶと思います。もしお腹が空いたらまたいつでもきてくださいな。私達が食べるもので良かったらお出ししますから」
「とてもありがたい。俺が何か出来る事はないか?」
「そうですね、私これからデザート運ぶのでそれを手伝ってくださいな」
シエスタは微笑んで言った。
ブロントは右手にデザートのケーキを沢山載せた大きなトレイを持ち、シエスタが一つずつ配っていた。
食堂で昼食をとっていたルイズは使い魔が中々こないのでどうしたのか気になり始めていた頃にその使い魔がいつの間にか目立つ白い鎧姿で給仕の真似事をしていた。
ルイズは口に含んでいたワインを噴出しそうになったが、それを堪え、飲み込んだ後ブロントの所へつかつかと歩み寄った「ちょっと返してもらうわよ」とシエスタに一言残して食堂の端までブロントの腕を引っ張った。
「ブロント!あんた一体何やってるのよ!掃除から中々やってこないと思ったら私の使い魔が何でケーキを給仕しているわけ?」
「あのメイドに世話になったから少しの礼にでもと手伝っているだけなんだが?」
「まったく、まあ今回はいいけどくれぐれも私の恥となる様な勝手な事だけはしないで―」
そう説教し始めたルイズを中断するような騒がしい声が食堂中に響いた。
ざわめきの中心では一人の貴族が二人の女性から頬を引っぱたかれていた。
そして頬を腫らした気障な格好をした貴族は近くにいたシエスタに指を指した。
「君のおかげで二人のレディの名誉が傷ついた、どうしてくれるんだね!?」
気障ったらしい風貌の貴族が頭を垂れるシエスタの前で凄んでいた。
「あ、あ、あの。申し訳ありません!」
只管に震えながら謝る事しか出来ないシエスタ。
「いいかい?僕は香水の壜を渡された時、知らない振りをしたじゃないか。貴族に奉仕する平民なら話に合わせる位の機転があってもよかろう?」
「申し訳ありません!申し訳ありません!」
「いいや、貴族として僕は平民の君に一つ罰を与えないといけない―」
「おいィ?」
ブロントはガチャと鎧を鳴らしながら二人の合間に割り込んだ。
「何だね!君は!?僕はこの教養が行き届いてないメイドに罰を与えなければ―」
「何か粘着がいつまで立っても鬼の首みたいに粘着してるが時代は進んでるここで一歩引くのが大人の醍醐味」
「いや、今のうちに躾けて置かないと平民どもはすぐに付け上がるからな、それより・・・ああ・・・君は・・・"ゼロ"のルイズが連れてきた平民だったな。
まったく主人が"ゼロ"なら使い魔の程度もたかが知れているな」
ブロントは体を大きく揺すり、鎧をガチャン!と大きく鳴らした。
「お前勝手に"ゼロ"と呼ばれる奴の気持ち考えたことありますか?マジでぶん殴りたくなるほどむかつくんで止めてもらえませんかねえ・・?」
先ほどまで騒動の中心となって注目を集めていた貴族とメイドがいつの間にか貴族と使い魔へと移り変わっていた。
「まったくこのギーシュ・ド・グラモンに敵意を見せる野蛮人がいるとは、ルイズはどうしようもない平民を連れているようだ」
「キッシュとグラタン?そもそもその安易な名前に寒気すら感じる始末」
「貴様!よくも我が名誉あるグラモン家の名を侮辱したな!よかろう、この平民に少し礼儀を教えてやろう、決闘だ!」
周りで傍観していた貴族の生徒達が『おお、決闘だ!』『ギーシュが平民と決闘するぞ!』とどよめいた。
「勝てるとでも思った浅はかさは愚かしい俺はなんでもいいんだがそれはタイマンか?」
ギーシュを顔を歪めてブロントを睨む
「何だタイマンとは?」
「タイマンは真剣な喧嘩の意味だ」
「いいだろう!だがここではやらない。平民の血で貴族の食卓を汚すわけにいかないからな。ヴェストリ広場で待ってる!」
ギーシュはくるりと体を翻すとギーシュの友人達は「いい見ものができた」と言う顔でギーシュの後を追った。
シエスタはブロントの後ろでぶるぶると震えていた。
「あ、あなた、殺されちゃう・・・貴族を本気で怒らせたら・・・」
シエスタは、だーっと走って逃げてしまった。
支援
「ブロント!あんたまったく何しでかしているのよ!さっき勝手な事をしないでって。何勝手に決闘の約束なんてしてるのよ!」
「何かルイズが"ゼロ"とか言ってる奴はバカとしか思えないであわれになる」
ルイズはため息をついて肩を竦めた。
「あんたがどれだけ強いか知らないけど魔法も使えないのにメイジ相手に無事ですむわけ無いでしょ。いいから謝っちゃいなさいよ」
「断るそれこそルイズの名に恥が付く事になるのは確定的に明らか」
「こんな事で意地張ってる場合じゃないの!あんた怪我するわ。最悪怪我だけじゃすまないわ魔法も使えないあんたじゃメイジには絶対勝てないの!」
ブロントは左手を挙げ盾をルイズに見せた。
「ルイズ。俺は教室でお前の『爆発』は小石を砕く程度の事しかできなかった俺よりも凄いと論破したのは覚えているな?」
「え?ええ、覚えているわ、ついさっきのことだもん。」
「つまりあいつの魔法が実は砕けた小石程度だとこの盾で簡単に叩き落として論破可能」
「へ?」
ブロントはテーブルに残っていたギーシュの連れと思われる一人に話しかけた
「ヴぇソつリ広場はどこだ?」
「こっちだ。平民」
「・・・ああもう!ほんとに勝手な事ばかりする使い魔なんだから!」
少し遅れてルイズはブロントを追いかけた。
生半可なナイトには真似の出来ないホーリーがあるっしょう?
117 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:16:31 ID:A4ABP2kQ
> だーっと走って逃げてしまった。
噴いたw
謙虚な使い魔 第6話 「守るべき何か」
所変わってここは魔法学院本塔の最上階に位置する学院長室
コルベールは連日ルイズが召喚した使い魔の左手に現れたルーンの事が気になって学院図書館で調べてものをしていた。
そこで発見したものを学院長のオールド・オスマンへ報告するためにコルベールは先ほどまで調べていた書物『始祖ブリミルの使い魔たち』を手に、泡を飛ばしながらオスマン氏に説明していた。
「ふむ、それでその今年新しく召喚された使い魔のルーンが始祖ブリミルの使い魔『ガンダールヴ』のものであると、というわけじゃね?」
そういってオスマンは白いヒゲと髪を揺らしてコルベールに渡されたブロントの手に現れたルーン文字の写し書きをじっと見つめていた、
「そうです!あの青年の左手に刻まれたルーンは伝説の使い魔『ガンダールヴ』に刻まれれていたモノとまったく同じであります!」
「で、君の結論は?」
「あの青年は、『ガンダールヴ』です!」
オスマンはコルベールによって持ち込まれた『始祖ブリミルの使い魔たち』の1ページのルーン文字と写し書きのルーン文字を見比べていた。
「ふむ……確かにルーンが同じじゃ、ルーンが同じと言うことは、ただの平民だったその青年は、『ガンダールヴ』にでもなったと言うのかね?
それだけで、そう決め付けるのは早計かもしれん」
「いえ……『ただの平民だった』、は少し正確ではありません。」
少しばつは悪そうにするコルベール。
「どういうことじゃ?」
「この事が学院中に知られるのは学院としても何かと問題になると思いまして隠してましたが……」
「なんじゃ、もったいぶらずに言いたまえミスタ・コルベール」
辺りを見回し警戒し、コルベールは小さな声でオスマン氏に説明した。
「実はエルフなんです、彼」
やっぱブロント語は名文だなあ……
120 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:17:42 ID:A4ABP2kQ
つーか、ハルケギニアの人はブロント語でも普通にスルーするのなw
「なんと!?『ガンダールヴ』のルーンの上に実はエルフじゃと?」
「ええ、確か昔にも一度あった『ガンダールヴ』の再来騒ぎではその者がエルフだったとか伝え聞いています」
「ふむ、500年程前のことじゃな。ただの偶然が重なりあっただけ、と言うわけでもなさそうじゃの。どうしたものかな」
オスマン氏は手で自分のヒゲをいじりながら考え込んだ。
その時ドアがノックされた
「誰じゃ?」
扉の向こうから女性の声が聞こえてきた
「私です、秘書のロングビルです。」
「なんじゃ?」
ロングビルと名乗った理知的で顔立ち凛々しい女性は『失礼します』といって学院長室に入室した
「ヴェストリの広場で、決闘を始めた生徒がいるようです。大騒ぎになり始めています。止めに入った教師がいましたが、生徒達に邪魔されて止められないようです。」
「まったく、暇をもてあました貴族ほど性質の悪い生き物はおらんわい。で、誰がそんな事を始めておるのかね?」
「一人は、ギーシュ・ド・グラモン」
「あのグラモンとこのバカ息子か。オヤジも色の道では剛の者じゃったが、息子も輪をかけて女好きじゃ、おおかた女の子の取り合いじゃろう。相手は誰じゃ?」
「……それがメイジではありません。ミス・ヴァリエールの使い魔の青年のようです」
オスマン氏とコルベールは顔を見合わせた。
「教師達は、決闘騒ぎで怪我人が出るのを防ぐために『眠りの鐘』の使用許可を求めております。」
オスマン氏はしばらく考え、何か名案を思いついたのか目を鷹の様に光らせた
「アホか。退屈な学院生活で生徒達も刺激が欲しいんじゃろう、そんな事で一々秘宝を使ってどうするんじゃ。念のために医務室を用意しておくだけでいいわい」
支援
「わかりました。では担当のメイジに伝えておきます。」
そう言って部屋をでたミス・ロングビルの足音が遠ざかると、コルベールはつばを飲み込んで、オスマン氏を促した。
「オールド・オスマン」
「うむ、二つの要素が揃っただけではまだ偶然と言えるが、これで三つ目があるか確認できるの」
オスマン氏は壁にかかった大きな鏡に杖を振り、そこにヴェストリ広場の様子を映し出した。
ヴェストリ広場は日々の平穏とした学院生活で退屈していて刺激を求めて決闘の噂を聞きつけた生徒達で溢れていた。
その人ごみで出来た輪の中心にギーシュは薔薇の造花を同じく輪の中にいたブロントに向けた。
「もうきたか、思ったより早かったな。平民の癖に逃げずに来た事だけは少し認めてやろう。もっとも貴族の名を愚弄した事は許すつもりは無いがね」
そうギーシュが高らかと言うと周りも合わせて声を上げた。
「その生意気な平民の鼻へし折ってやれギーシュ!」
「腕の一本や二本折って自分のいる立場わからせてやれ!」
「いっそ殺して"ゼロ"のルイズが再召喚で魔法使えるかどうか見てやろうぜ!」
ブロントに向けられた様々な嘲笑の中に"ゼロ"と持て囃す言葉が幾つか入ってることを輪の外から聞いていたルイズは唇を噛み締めていた。
一方ブロントは自分の空の右手の感触を確認していた。ブロントは多少の徒手空拳の格闘技術も鍛えた事があったが
かつてヴァナ・ディールで共に冒険したことがある、己の肉体を鋼とし戦う仲間のモンクの格闘技術と比べれば半分程度の格闘技術であった。
更に両腕と足を素早く繰り出すのが本領である格闘では重量のある板金鎧や左手を塞ぐ盾は最良の装備ではなかった。
しえん
ブロントがもっとも得意とする剣どころか他の武器も持ち合わせていないのであれば、現時点のブロントにとっては消去法で自分の拳が唯一の武器と言えた。
もっとも、ギーシュの様なひ弱そうな気障男相手に遅れを取るつもりもブロントは無かった。
「それでは始めるか、使い魔君。剣の一本も持たずその飾りの盾だけでメイジを相手にしている事を後悔していてももう遅いがね!」
ギーシュは手に持った薔薇を振りかざすとそこから一枚の花びらが宙に舞い、それが広場の地に付いた瞬間――
甲冑を着た女戦士の形をした人形になった。
「おいィ?タイマンだと言っていたがそれくらいも出来ない卑怯者はマジでかなぐり捨てンぞ?」
「言い忘れたな、僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。そして僕はメイジだ。だから魔法で戦う。従って僕の魔法によって作り出された青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手するよ」
ブロントは盾を前の掲げ、拳を握って右手を腰にためた時、同時にギーシュのワルキューレがブロントに向かって突進した。
ワルキューレが右の拳を振りかぶると同時にブロントは左の盾でワルキューレの拳を受け止めると金属同士がぶつかる大きな音が広場に響いた。
ぶつかった衝撃で仰け反り下がるワルキューレをブロントは目で追った。
(なんだ練習相手にもならないか)
先ほどの衝突でそう感じたブロントは半人前の拳でもこのワルキューレに通用すると判断し、カカッっとワルキューレとの距離を詰める様にして駆けた。
ギーシュが薔薇を薙ぎ払うとワルキューレは再度拳を振り上げた。
その拳が突き出る前にブロントはワルキューレの動きを止める牽制として左手の盾でワルキューレを強打した。
盾を振り抜くほんの一瞬、ブロントは盾を持った手の篭手から光が漏れ出すのを見た。
「ああ僕のワルキューレが!?」
ギーシュはワルキューレに再度殴らせかけた時、ブロントが神速とも言える速さで盾を振りぬいていた。
そして金属が破裂する音と共にワルキューレの上半身が丸ごとバラバラに砕け吹っ飛んだ。
飛び散った青銅の欠片が傍観していた生徒達に降りかかった
126 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:19:59 ID:KUayVgY4
まとめサイトでしか読んだことなかったけど
何で本スレがあるのに…と思ったら拒否られていたので悲しみが鬼なった
種か
「破片が飛んで危ないだろ!ちゃんと真面目に生成しろ!」
「ギーシュ!そんな平民に手加減なんてしてやらなくてもいいぞ!付け上がるだけだ!」
事に気が付いていない観衆は不甲斐ない姿を現したギーシュをからかった。楽観視している周りと違いギーシュはかなり青ざめていた。
下半身だけ武器を持たせなかったとは言え、ギーシュのワルキューレは『青銅』の名の通りそれなりな頑強さを与えられ作られていた。
ラインクラス以上のメイジの魔法ならいざ知らず、平民程度相手にそう無様にワルキューレは破壊されないのである。
(そうか!あの綺麗に飾られた盾はマジック・アイテムか!だから武器も持っていないのか!ならば盾を封じれば……)
ギーシュは冷たく微笑み再度薔薇を振るうと今度は一度にそれぞれ武器をもった六体のワルキューレを生成した。
「まずは、誉めよう。ここまでメイジに楯突く平民がいることに、素直に感謝しよう。だから僕も本気で行かせて貰う!」
すると前二体のワルキューレがブロントに向かい同時に突進した。
「そういうお前はかかってこないのかよ―」
ブロントの言葉を無視するように、続けざま一体のワルキューレが槍を持って距離を取りながら、ブロントの盾を誘うように左側をなぎ払った。
ブロントがそれに反応して盾で薙ぎを受け止めるのを確認したと同時にもう一体がメイスでブロントの右側から襲い掛かった。
ガシィン!
振りかぶられたメイスがブロントの肩に添える所で止まり、ワルキューレの頭部にはブロントの右手が突き刺さっていた。
「―見ろ、見事なカウンターで返した」
そう言うと同時にメイスを持った一体のワルキューレは200サント程浮き上がり、人の形をした只の青銅となって地面にぐしゃと音を立てて衝突した。
ギーシュは言葉も無く呆然としていたが、同時にブロントも内心驚いていた。
盾を振るった時からブロントの体は羽の様に軽く感じ、それに拳を握るその右手は幾戦と格闘をし続けた者の技術が染み付いた様に感じ取られた。
体が自然とワルキューレの攻撃に合わせカウンターを放っていた。そしてヴァナ・ディールで見てきたモンクの仲間の技を自分自身が繰り出す様を容易にイメージできた。
「普段ではナイトだが今ではモンクタイプ。おれ普段で100とか普通に吹き飛ばすし」
周りの生徒達や騒ぎに駆けつけてきた平民の使用人達が騒ぎ出した
「おい!あの平民、素手でギーシュのゴーレムをぶっ壊したぞ!?」
「さっきの一体目はギーシュが手加減していたんじゃなかったのか?」
「凄いぞ!アイツ貴族の魔法と対等に渡り歩いている!」
そこへブロントが一喝入れた。
「うるさい、気が散る。一瞬の油断が命取り」
その迫力に観衆が一瞬にして黙った。
その間我を取り戻したギーシュは必死が鬼になって叫んだ。
「ワルキューレ!」
薔薇を振るうとギーシュを守る陣形を取り待機していた内一体を残して、三体を前に加わて合わせて四体のワルキューレでブロントに攻撃を加えた。
一斉に迫り来るワルキューレに対しブロントは守りを固め、一切のスキを作らなかった。盾で攻撃をいなし、右手で剣撃を払った。そして避けきれぬ攻撃は鎧の強固な部分で受けとめ耐えた。
形振りを構わなくなったギーシュはブロントに手を出させてはいけないとワルキューレに一定の距離を保ちつつブロントを囲みワルキューレに攻撃を続けさせた。
「平民の癖によくも貴族に対し歯向かったな!こうしてしまえば手も出せないだろう!」
「見苦しいし何も進展性がないのでおれは怒りが溜まってきてる」
「ふん、攻撃受けながらそんな減らず口がまだ叩けるとは、この狂犬はまだ教育が足りないと見て僕も用心してこのまま続けさせてもらうよ!」
長得物を持ったワルキューレをブロントの前面に配置して、ブロントの両手を抑える様に攻撃をしながら、剣やメイスを持ったワルキューレでブロントの背後から牽制していた。
ようやく人ごみを掻き分けてこれたルイズは震え泣きそうな声になってブロントに叫んだ。
「ブロントもういいわアンタはもう良くやったから!私の名前なんてもういいから大怪我する前に早く謝って!これ以上絶望的な戦いは続けないで!」
130 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:21:22 ID:A4ABP2kQ
破裂?
カカカカッと支援
「それほどでもない」
ブロントは一瞬ルイズに向かい微笑みかけて鎧をカチャと軽く鳴らしてまたワルキューレの攻撃を受け続けた。
「そうは粋がっても防御に専念するしかないな!凄い一撃は持っているみたいだが攻撃でそれを押さえ込んでしまえばなんて事は無い!さて、一体いつまで持つかな?ハハハ!」
ギーシュが高らかと笑った。そしてその言葉に答えるかの様にブロントは言った
「攻撃を最大の防御と言う言葉はあまりに有名」
その瞬間、ブロントは体勢を低く取り、右手を引き込み、体を捻らせた。そしてブロントの頭の中ではモンクの技の一つの姿が鮮明に映し出された。
「スピんアタッコォ!」
叫ぶと同時にブロントは捻ったゴムがとき離れた如く回転しながら地面を抉りながら右手でアッパーを突き上げて『スピンアタック』を繰り出した。
そしてブロントを中心に土砂と共に四体のワルキューレが同時に空に舞い上がり、そのままワルキューレ達はバラバラと降り、地に突き刺さった。
自分のゴーレムがただの鉄くずとなって崩れるのを見て、ギーシュは声にならないうめきをあげた。
そしてブロントがゆっくりとガチャ、ガチャ、と鎧を鳴らして歩み寄った。
「お前メガトンパンチでボコるわ・・」
「ひっ!」
咄嗟にギーシュは最後の一体のワルキューレの影に隠れた。
「ヘイ気障野郎!いつまでママのスカートに隠れるんだい?」
ブロントがそう挑発するとガコン!という音と共に最後のワルキューレもブロントの盾の強打によって遠くに吹き飛ばされた。
ギーシュは腰が抜けペタンと地面に座り込んだ。
「わ、わかった。ま、まいった…」
特格→フルバ支援
シャントット人形とかどうなんだろうかねぇ?
「地位と権力にしがみついた結果がこれ一足早く言うべきだったな?お前調子ぶっこき過ぎてた結果だよ?」
ブロントはギーシュの襟首を左手で持ち上げて無理やり立たせた。
「俺は今からシエスタを脅した分、ルイズを"ゼロ"と呼んだ分、そして俺個人的な分で合計三発入れるんだが」
そういって右手をギリリッと握り締めてみせた。
「そ、そんな!」
「仏の顔を三度までという名セリフを知らないのかよ」
『おい、ギーシュが負けたぞ!』とか、『あの平民、やるじゃないか…っておい誰か止めろ!』とか、『俺に言うな!あの使い魔の相手はしたくない!』とか、見物していた連中から悲鳴の様な歓声が届いた。
その先何が起きたかはギーシュは良く覚えてはおらず、気が付いた時にはそのまま数日間学院の医務室で栄養食を食べるハメになっていた。
ただギーシュの心にしっかり刻まれたのはブロントの恐ろしさと『ホトゥケ』と言うとても顔面が頑丈な存在がこの世にいるらしいとの事だった。
一方、オスマン氏とコルベールは『遠見の鏡』で決闘騒動の一部始終を見終えると、顔を見合わせた。
コルベールは震えながらオスマン氏の名前を呼んだ。
「オールド・オスマン」
「うむ」
「あのエルフ、魔法も使わず勝ってしまいましたが…」
「うむ」
「ギーシュは一番レベルの低い『ドット』メイジですが、魔法も使わない相手に後れをとるとは思えません。そしてあの動き!素手で魔法のゴーレムを蹴散らすなんて見た事もない!まさに『ガンダールヴ』が現代に蘇ったんです!」
136 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:22:56 ID:A4ABP2kQ
> 素直に感謝しよう
何に感謝してるんだ?
「ミスタ・コルベール。『ガンダールヴ』はただの使い魔ではない」
「そのとおりです。始祖ブリミルの用いた『ガンダールヴ』。主人の呪文詠唱の時間を守るために特化した存在だと伝え聞きます。そして500年前の『再来』時はエルフの姿をしていたと言われる以外にその姿形に関する記述ありません」
「そうじゃ。始祖ブリミルは、呪文を唱える時間が長かった……その強力な呪文ゆえに。知ってのとおり、詠唱時間中のメイジは無力じゃ。そんな無力な間、
己の体を守るために始祖ブリミルが用いた使い魔が『ガンダールヴ』じゃ。その強さは……」
「千人もの軍隊を相手に一人で主人を守りきる程の力を持ち、あまつさえ並のメイジではまったく歯が立たなかったとか!」
「で、ミスタ・コルベール」
「はい」
「そのエルフはなぜ先ほど先住魔法の一つも使わなかったんじゃろうか」
「はい、召喚した際に平民として振舞った方が学院で生活する上で面倒事が避けられると思い、そうする様に私が言って置いたからだと思います。」
「そんな制約を自らにかけてもあれほど強いエルフなんて化け物を、現代の『ガンダールヴ』にしたのは。誰なんじゃね?」
「ミス・ヴァリエールですが……」
「彼女は、優秀なメイジなのかね?」
「いえ、努力家ではありますが、実際にメイジとしては無能というか……」
「さて、その二つの要素が一緒なのは実に不自然じゃ」
「ですね」
「無能なメイジが召喚した使い魔が『武器』も『魔法』も無くメイジ相手に戦い抜いてみせたとてもとても強力なエルフの『ガンダールヴ』。まったく、謎じゃ。理由が見えん」
「どうしましょうか……王室に報告するのも些か問題が多すぎると思いますが」
しかし丁寧に織り込まれてるな
「そうじゃの、王室のボンクラどもに『ガンダールヴ』とその主人を渡すわけにはいくまい。そんなことすればいい戦道具を手に入れた、とまたぞろ戦でも引き起こすじゃろうて。
それでなくともエルフを輩出したとして学院が異端審問を受ける事になるか、アカデミーの連中に珍しいエルフの実験材料として主人共々連れて行かれるじゃろう。」
「ははあ。学院長の深謀には恐れ入ります。」
「この件は私が預かる。使い魔がエルフであると言う事はくれぐれも他言は無用じゃ。」
「は、はい!かしこまりました」
オスマン氏は杖を握ると窓際へと向かった。遠い歴史の彼方へ、思いを馳せる。
「始祖ブリミルの伝説の使い魔『ガンダールヴ』か……。いったい、どのような姿をしておったのだろうなあ」
コルベールは夢見るように呟いた。
「始祖ブリミルが用いた『ガンダールヴ』は、あらゆる『武器』を使いこなし、敵と対峙したとありますから……」
「ふむ」
「とりあえず腕と手は八本ほどはあったんじゃないでしょうか?」
「なんじゃ?その無数の手で伝説の武器でも集めていたとでも言うのかね?」
「いえ……なんでもありません……」
コルベールはばつが悪そうに頬を掻いた。
しえん
謙虚な使い魔 第7話 「グルメな人々」
◆ ◆ ◆ ◆
――ルイズは夢を見ていた。
まどろみの中でもそう確信できたのはルイズが今まで訪れた事も無い何処かの港町で、
数多くのエルフの様に耳が尖った人々が行きかっていた。他にも亜人らしき小人や猫人、オーク鬼の様な巨体で蒼白な者もチラホラと見かけた。
数少ないながらも通常の人間も何事も無い様に港の昼頃の生活を送っていた。
その雑踏の外れでルイズは搬入された貨物箱に寄りかかり、きらきらと光る海を眺めていた。
『――探したわ、お父様の遺言に書かれた家に行ってみれば、ここ数年人は住んでいないも抜けの空になっていたもの。』
ローブを着た人物が腰を屈みルイズの顔を覗き込んできた。
『・・・誰?』
(あれ?私何も言ってないのに?)
ルイズが答える前に勝手に自分の口が開いた。
『私は――――、―――の―――――、もう聞き込みで大体貴方が探し人だと宛ては付いているけど、貴方の名前は?』
『……――――だよ。ただの――――。』
肝心の名前の部分が波打つ音に消されよく聞き取れない。
『お父様の遺言に貴方と貴方のお母様の事を頼まれたのだけれども家の方には誰もいなかったわ、お母様は?』
『……二年前に病気で死んだよ……』
ギルガメッシュとかsYれにならんでしょ?
143 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:25:22 ID:A4ABP2kQ
> 『ホトゥケ』と言うとても顔面が頑丈な存在がこの世にいるらしいとの事だった。
面白過ぎるw
『そうだったの・・・・・・悪い事聞いちゃったわね。その時から家には帰ってないの?あ、隣良いかしら?』
ルイズの頭が自然とうなずくと、隣にローブの人物が座り込んだ。
『うん、家にいても誰もいなくて寂しいからいつもここで海を眺めている。食べていくにも僕一人だけなら自分で何とかやっていけている。』
『まったくお父様も自分が病で倒れた時にもっと早く私に伝えてくれたらよかったのに……。――――侯爵家のプライドがあったのは理解できるけど自分の家族を省みないで家名なんてあったもんじゃないわ。
早くにお母様が亡くなられて赴任先で恋はするなと言わないけど持つべき責任はちゃんと持って貰わないとその侯爵家当主の跡を引き継ぐ私が困るわ・・・・・・ああ、ごめんなさい、ちょっと愚痴っぽくなって』
『――――?父さんの事知っているの?』
『そう、――――侯爵は貴方のお父様であって、私のお父様でもあるの。お互いお母様は違うけど私達は姉弟って事になるわね』
『僕の姉さん?』
そう呼ばれたのが嬉しいのかローブの人物は頭のフードを外してにっこりと微笑んだ。現れた両の耳がエルフの様に尖っていたとは言え、その少しウェーブが掛かった赤髪で綺麗で凛々しく整った女性の顔を崩す程の笑みがルイズの一つ上の優しい姉の笑顔に何処か似ていた。
『フフン……♪ これからは貴方はもう一人じゃないわ。お姉さん、まとめて面倒みてあげる。」
◆ ◆ ◆ ◆
思った以上にちゃんと作られているな。
どうせ流行に合わせてちゃっちゃと書いたもんだと思っていたが、びっくりだ。
目を覚ましたルイズはふと自分の二人の姉達や親の事を思い返していた。
そして夢の中の自分の境遇を思い出すとぞっとした。ルイズも今では親元離れて学院で生活しているが、夢の中の自分は天涯孤独の身となって、目的も無く、寂しさを紛らわせるために海を一人で眺めていた。
(帰る家も無かったら私は一人でここでの学院生活なんて耐えていられなかったわ。)
自分の姉達や両親がいなかったらと想像したらふと涙が零れそうになった。
でも、その夢の中で現れた『姉』と名乗る存在が、どんなに嬉しくて、救われたか。
(亜人の街でエルフと会話する夢を見るなんて随分不思議な夢ね・・・・・・使い魔のブロントと何か関係があるのかしら・・・・・・)
ルイズは使い魔の姿を探すと彼は既に起きていて植木鉢の世話をしていた。
ギーシュとの決闘騒ぎから一晩経ったが、ブロントは特に問題も無く学院生活に馴染み始めていた。
貴族であるギーシュに大怪我(主に顔面に)を負わせたブロントだったが、正式な『決闘』であったという事とオスマン氏の計らいによってちょっとした注意を受けたぐらいで大したお咎めも無かった。
(そう言えばブロントにも家族はいるのかしら。特に戻りたいという様子は全然見せてないけれど)
ルイズの視線に気付いたのかブロントは植木鉢の世話をやめルイズに挨拶した。
「もう起きたのか、今日は早いなルイズ」
「おはようブロント。まだ朝早いから私の着替えはその花の世話が終わってからでいいわ」
「そうか」
ブロントは植木鉢に取り掛かった。
「・・・・・・ねえ、ブロントって家族はいるの?」
ルイズはこの事を聞かずにいられなかった。
「・・・・・・家族がまだいるのかわからない」
「え?どういう事よそれ?」
ブロントは植木鉢の世話を続けながら言った
147 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:26:54 ID:FaiLKjsI
出来ればスレ立ててやるんじゃなくて、テキストに落としたものをうpして欲しかった。
まとめて読むのめんどい。
「俺には20年より前の記憶が無いんだが、気付いた時既に一人だった」
「記憶が・・・まったく無いの?」ルイズの脳裏に夢の中の自分の姿が映し出される。
「俺が覚えている事は自分の名前と身に付けていたこの夢幻花だけになっていた。冒険者になったのも誰か俺を知っている奴に会えるかと思ってやっている」
「そ・・・そうなの・・・ところで20年より前の記憶が無いって事は自分の歳も?」
「わからないな」
ルイズはエルフはかなり長命だとは知識として座学で学んだ事はあったが、その見た目からはブロントは自分より少し上程度の二十歳前だとばかり今まで思っていた。
家族の記憶が無いと言う自分の使い魔の話と先ほどの夢が重なり、ルイズはとても寂しい気持ちになった。
「帰りたいと思わないの?」
「特に戻る理由はないな。そもそも帰る場所がにい」
「そ……そう……ま、まあ私の使い魔なんだから帰す訳にいかないけど勝手に帰られても困るから聞いてみただけよ!」
帰る気はあまり無いと聞いてルイズは安心した反面、『帰る場所』がないと言わせてしまった自分を少し呪った。
「と、とにかく、折角早く起きたのだから私の着替え手伝って。使い魔とおしゃべりしてて授業遅刻したなんて悪い冗談にもならないわ」
ブロントは甲斐甲斐しくルイズの着替えを手伝った後、ルイズを朝食の食堂までへと付き添った。
ルイズはブロントが丸一日何も食べていないと思っており、一緒に食べていけばいいと勧めた。
だが昨日の今日で貴族にホトゥケも驚く三発を入れて医務室送りにした平民が貴族のみに許された食堂で食べるのは問題だろうから厨房で賄いでも貰っておくとブロントは返した。
「そ、そうね。使い魔にしてはちょっと頭が回るようで安心したわ」
「何かあったらリんクパッルで呼んでいい。俺はこれから洗濯をする事となった」
そう言って部屋に戻るブロントの背中を見つめながらルイズは呟いていた
「……でも一人切りの食事なんて寂しいじゃない……」
ブロントは鎧をカチャリと鳴らして、行った。
しえん
クラエア姉が(ry
ブロントは洗濯籠を抱えて以前シエスタに教えてもらった水場まで来ていた。そこには先に洗濯を始めているシエスタの姿もあった。
「俺は洗濯物をするんだが、少し場所借りていいか?」
「あっ!ブロントさん」
シエスタはバチャっと水から手を引き抜き手ぬぐいで軽く拭くと深々と頭を下げた
「なんだ?」
「あの……、すいません。あのとき、逃げ出してしまって。け、怪我はありませんでしたか?」
「怪我なんてものはにい。そもそもあれは俺が勝手に始めた事なんだが……」
「私の事を庇ったのは判ってます……ほんとに、貴族は怖いんです。私みたいな、魔法を使えないただの平民にとっては……」
シエスタは目を輝かせて顔を上げた
「でも、もう、そんなに怖くないです!私、ブロントさんを見て感激したんです。『魔法』も『武器』も無く平民が貴族に勝てるんだって!ブロントさんってすごいですね」
「それほどでもない」
「その謙虚な所も憧れちゃいます」
ブロントは小さく微笑み鎧をカチャと鳴らすと自分の持っていた洗濯籠を指した。
「俺にはこの絹のパンツの洗濯が繊細すぎて破る始末、それができるシエスタは俺にとっては憧れる」
「ふふ、これもちょっとしたコツさえ覚えればブロントさんにも簡単にできますよ」
シエスタの教えを貰いながらブロントは洗濯を済ませた。
「そうそうブロントさん、朝食はまだですよね?もしよろしければちょっと厨房の方へきませんか?皆も改めてブロントさんに挨拶がしたいと言っていました」
「時間はあるからいってやってもいいぞ」
あれブロントさんに萌えてきましたよ?
厨房へとやってきた二人
「おお、『我らの盾』が来たぞ!」
そう叫んでブロントを歓迎したのは学院コック長のマルトー親父である。四十過ぎの太ったおっさんのマルトーがブロントの背中をバンバンと叩きながらブロントのために用意していた一角の椅子に案内した。
マルトー親父は平民であるのだが、魔法学院のコック長ともなればそれなりに羽振りもよかった。そして魔法学院のコック長を務めているくせに貴族と魔法を毛嫌いしていた。
その間シエスタは温かいシチューが入った皿をだした。
「む!?」
シチューの香りがブロントの鼻をくすぐった。
(ダルメルシチューか?)
「今日のシチューは特別ですわ」
シエスタは嬉しそうに微笑んだ。ブロントは一口シチューを頬張ると、眼光を光らせた。
「ほう、昨日のと違って肉を使ったシチューか。シナモンと岩塩がうまく使われて野性味溢れる味が引き出されているな。
うまさに気がひゅんひゅん行くが力もみなぎってくると言う事もつけくわえないとダメだな」
そう感銘を漏らすと、包丁を持ったマルトー親父がやってきた。
「『我らの盾』は強いだけじゃなくて、『とてもとても違いの分かるヤツ』だっただなんて、俺が工夫したところをぴったり言い当てるとは嬉しいねえ」
「見事な食事は魔法よりも凄いと関心する。俺が思うにいい食事のあるなしで勝敗が決まる事が結構あるらしい。俺が昨日傷も付けられず良く戦えたのもあのうまいシチューのおかげ」
「お…おお……」
「あ、あの、マ…マルトーさん!?」
シエスタはふるふると震えるマルトーを見るとその両目からぶわぁと涙が流れだした事にビックリした
「うぉー、わ、われら"のだでよぉ……ぐず……お前って奴は一体どこまでいいやつなんだ!そこまで言ってもらえると料理人冥利に尽きるぞ!
そうさ、そりゃメイジだってその魔法で鍋や城を作ったり、とんでもない火の玉出したり、果てはドラゴンを操ったりするが、この絶妙な味はそこらのメイジにだってできない、言うなれば一つの魔法さ」
154 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:28:46 ID:lmuqBxIZ
長すぎて読む気がしないけど、どうせならオリジナルストーリで応募すればいいのに。
マルトー親父は手ぬぐいで涙でぐしゃぐしゃになった顔を拭いた。
「なあ、『我らの盾』!俺はお前の額に接吻するぞ!こら!いいな!」
マルトー親父はブロントの首根っこにぶっとい腕を巻きつけた
「おい、やめろ馬鹿」
ブロントは必死が鬼になって思いっきりマルトー親父の顔を引き離した。
「どうしてだ?」
「凍える寒気がする始末」
マルトー親父はブロントから体を離すと、両腕を広げて見せた。
「なあ、一体お前はどこで鍛えた?どこで鍛えたらメイジのゴーレムをその腕一本で吹っ飛ばせるんだ?まさに神の左手と右手よ!」
「それほどでもない」
「お前達!聞いたか!本当の達人と言うのは、こう謙虚なものだ!見習えよ!達人は謙虚であるべし!」
若いコック達が声を揃えて唱和する。
「「「達人は謙虚であるべし!」」」
「シエスタ!『我らの盾』にアルビオンの古いのを注いでやれ!」
「はいっ!」
二人の様子をニコニコと眺めていたシエスタが酒棚から一本のぶどう酒を取るとブロントのグラスになみなみと注いだ
「ほう、いいワイんだな。俺がいたところでは中々見かけなかった」
ワインを堪能したブロントはワインが心地良く全身を巡り、心身ともにリフレシュしていた。そこにリンクパールからルイズの声が届いた。
[――ブロント、私は朝食が終わったからこのまま授業にでるけど、昨日の今日で教室にこられても面倒事は避けたいから今日は自由にしてていいわ――]
「お?何か言ったかいブロントさん?」
「いや、なんでもない……ところでここではパイとかも作れるのか?」
「お、『我らの盾』は甘党でもあったか?好き嫌いが五月蝿い貴族連中の大事な大事なご子息様達がいる学院なんで、
料理の材料の種類ならトリステイン一に揃ってるからパイぐらいはお手の物だぞ!」
「作って貰いたい物があるんだが」
「おう!『我らの盾』の頼みとあっちゃ何だって作るぞ!」
「材料は……」
ブロントはマルトー親父にヴァナ・ディールのあるレシピをハルケギニアで代用できる材料をマルトー親父に相談しながら伝えた
「ほう、なかなか画期的なレシピのようだな。いいだろう、うちの若いやつに作らせてみよう。」
マルトー親父は興味深げにとったレシピのメモを眺めていた。
「パイは晩飯の後にでもあればいい」
「おう、わかったそれまで用意しておくから好きなときに取りに来てくれ」
その後も掃除等の雑用も終わらせたブロントは学院やその周辺を把握するためにぶらりと周る事でルイズが授業終えるまで過ごしていた。その内授業が終わったルイズに呼ばれ、ともに図書館まで付き添われた。
「何冊か借りて行くからブロント、あんたが持ちなさい」
「ほう、調べものか?」
ドスドスとブロント手の上にルイズは本をどんどん載せていく。
ブロントにはハルケギニアの文字が読めないので何の本かは判らなかったがどこぞの偉人の言行録や戦記ではないだろうとその装丁から判断していた。
支援
「取り合えず私が今『持っている』得意な事は知識を集める事よ。それに今はうまく魔法を使え無いかもしれないけれど、調べていけば私の『爆発』を応用できるものがあるかもしれないもの。」
「そうだな、自分ができる自分の得意な事を伸ばせばいい。」
「昨日のあんたが起こした騒ぎを見て『魔法』は必ずしも万能じゃない事はわかったわ。使い方を間違えれば魔法も使えない素手のあんたに負けるぐらいなんだから。いざ私も魔法使いこなせる様になったとき使い方ぐらいは完璧にしておきたいじゃない。」
ブロントは積み上がる本を持ち運びながらカチャと鎧を鳴らしてルイズの後をついて行った。
その日の夜、夕食も取らずにルイズは部屋に篭もり借り出した本を開き勉強に没頭していた。
(そう言えばそろそろ出来ている頃か)
ブロントはひたすら何かを書き留めるルイズを一瞥し、邪魔しないよう部屋を出た。
音を立てぬ様ルイズの部屋の扉を閉めると同時にとなりのキュルケの部屋の扉ががちゃりと開いた。
部屋から出てきたのはキュルケの使い魔のフレイムだった。
そのサラマンダーはブロントを警戒するように眺めた後、きゅるきゅると言いながらブロントの方へと近づいてきた。
ブロントもフレイムの事をじっと見つめた。
(サラむんダーの肉は調理するとなるとやはりレッドカレー。いや、キョフテにして攻撃と防御の両方があわさ……)
途端、その燃え盛る尻が凍えるほどの危険な何かを感じ取ったフレイムは物凄い勢いでキュルケの部屋に戻っていった。
「なんだ?」
サラマンダーの不自然な行動にブロントは不思議そうな顔をしてそのまま厨房へと向かっていた。
スルーかwwww
160 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:32:24 ID:lrbLFBnr
この手の一部キャラを変えただけ系のはもうダメ
オリジナル物で勝負できない時点でもう勝負はあった感
早くVIPに帰ってやるなおすべき
161 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:32:52 ID:lWalTRP6
俺は続きが気になって仕方ないんだが?
一方キュルケの部屋
「ようこ……あら、フレイムどうしたのよ、ちゃんとブロントさん連れてきたの?」
悩ましい下着姿でブロントを待ち構えていたキュルケは自分の使い魔が部屋の隅まで逃げ込みその巨体を小さく丸めてしまった。
「ちょ、ちょっとほんとにどうしちゃったのよフレイム!?ブロントさんを連れて来てって頼んだでしょ?」
フレイムはひたすらキュルケに向かって頭をぶんぶんと横に振った。
「まるで天敵にでも会ったみたいに震えちゃって……ふぅ今晩は諦めるしかないね。今度また頼むからちゃんとブロントさんを連れてくるのよ」
その言葉を聞いたフレイムはその晩自分の尾の炎を涙で濡らしたとか濡らさなかったとか。
程なくしてブロントは二つの紙の包みを持ってルイズの部屋に戻った。
相変わらずルイズは書物と睨めっこを続けているようだった。
「ルイズ」
「何よ、ちょっと邪魔しないで……って」
部屋中に香ばしい香りが漂った。そしてルイズの体の方もその匂いに釣られたのかグーと音を鳴らした。
「俺は食後にでもと思って作ってもらったんだが。まさか夕飯もとらない事になった。お前夢中になり過ぎてた結果だよ?」
そう言ってブロントは包みの一つをルイズに放り投げた。
「ちょっと、何投げつけているのよ!」
「頭を使う時は甘いものでいい」
ブロントは自分が持っていた包みを開け始めたので、ルイズもペンを置き受け取った包みを開いた。
中には小麦色に焼かれたパイ生地に包まれたものがあった。そしてルイズにとっては特別な意味を持つ甘い香りが広がった。
「これって……もしかしてクックベリー?」
163 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:33:19 ID:KUayVgY4
普通に割とスルスル読めてしまうから困る
sageてるのは本スレから来た人かな
あ、俺? そう
「俺はここでの材料の名前は良く知らないんだが、ロランベリーパイのレシピで作って貰った。」
「馬鹿ね、パイを持ってくるのはいいけど、食器が無きゃ食べられないじゃないのよ」
「これは野営中でも食べられるように作られているから手だけでいい」
ブロントは包み紙から覗かせたパイをかじる様子をルイズに見せた。
ルイズもブロントを真似てハルケギニア風ロランベリーパイをかじり、ぽろぽろとパイ生地のカスを数片落とした。
「あ……中はゼリーで固められているから中身がこぼれない様になっているのね」
甘酸っぱいクックベリーの果汁が少し厚手のパイ生地にしみ込んで良い具合にしっとりとしていた。
勉強詰めだったルイズの脳もその甘さに喜んでいた。それに食堂でたまに出される皿に盛られた物より心なしか酸っぱさが控えにも感じられた。
「俺がいた所ではメイジ達はこれを良く好んで食べていたんだが。魔法使うのにも甘い物がいい」
「へぇー……これなら部屋でも手軽においしく食べられて便利ね、あんた使い魔にしては結構気が利くのね」
「この辺の心配りが人気の秘訣。それにこれなら一人切りの寂しい食事にはならないしな」
「え?……ちょっと!?あ、あ、あんた聞こえていたの?」
ブロントは少しにやりとして自分が身に付けていたリンクパールを指差しトントンと叩いた。
「何よこの使い魔!勝手にご主人様の事を盗み聞きな、なななんてして!」
「聞かれたくない事があるのなら首から下げる位置を少し考えるんだな」
あれからルイズはブロントからリンクパールを予備のマントの紐にパールを取り付けて首から下げていた。
「気が利くって言ったのは撤回よ。ふん、パイがおいしいって言ったのも私がたまたまクックベリーパイが好きだったからよ、あんたと一緒に食べた事は関係ないんだから!」
「パイくずがこぼれているぞ」
「あんたが食器も持ってこないで持ちこんだパイでしょ。私は勉強で忙しいんだから、掃除して置きなさい!」
ブロントはニヤニヤしながら箒を持ち出して床に落ちた屑を掃き始めた。
「ででも、こ、これからも夕食を抜く事が多くなると思うから、部屋で取れる簡単な物を用意しておきなさいよ」
「わかった。色々考えておこう」
ブロントは鎧をカチャカチャと鳴らしながら箒を掃いた。
「あ、それと明日は虚無の曜日だから街に連れてってあげる。あんた剣が無いって言っていたでしょ。今月は思いがけない出費も無かったから、あんたにそれぐらいなら買ってあげるわ」
「ほう、それは助かる」
「使い魔として必要になる物だから買って上げるんだからね、それ以上の贅沢は癖になるから、勘違いしてこんなパイで何でも買ってもらえると思わないでね」
そうしてブロントは部屋を掃除し、ルイズは食べかけパイを片手に本に戻り、夜は過ぎていった。
あれ何この紳士?
謙虚な使い魔 第8話 「武器の仕入れ」
早朝、ルイズとブロントは学院の馬舎に来ていた。
「おいィ!?これに乗っていくのか?」
ブロントはヴァナ・ディールでもマリード象にも匹敵する『冥路の騎士』が騎乗する六本足の馬は見た事はあるが、自分達冒険者がもっぱら乗るのは二本足で走行する鳥のチョコボであった。
『冥路の騎士』のものより二回りも小さく、足も四本しかない眼前の亜種の姿を見てブロントは何となく敬うような、祈るようなポーズをとりたくなっていた。
「馬じゃなきゃ城下町まで付く頃には日が暮れてしまうわよ、まさかあんたナイト(騎士)って言うわりに馬に乗った事無いの?」
「二本の足で走る飛ばない鳥ならある」
「空も飛ばないのにわざわざ鳥に乗るの?エルフって結構変わってるのね」
ルイズが馬に乗る様を見ていたブロントは自分も試しに乗ってみたが、意外な事にチョコボよりは気性が然程荒い生き物ではないようだった。
試しに少し乗り回して見ると速度はチョコボ程は出ないとはいえ、四本足による安定感や乗り心地は馬の方が優れているようであった。
「ところでブロント、あんたはいいとして、『かばん』をつけたまま馬に乗ってるけど、よく馬が潰れないわね」
「む?」
「いいわ、忘れて頂戴。あんたの『かばん』がまた一つとんでもないモノってだけは理解したから。それよりさっさと出かけるわよ」
その頃、ルイズ達が馬に乗って学院を出るところを目撃していたキュルケは親友のタバサの部屋に飛び込んでいた。
「タバサ。今から出かけるわよ!早く支度をして頂戴!」
読んでいた本をキュルケに取り上げられたタバサは短くぼそっとした声で自分の都合を友人に述べた。
「虚無の曜日」
169 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:35:42 ID:+Zg5IOAY
そういえばジョジョキャラ召喚系も専用スレに隔離されてたな
170 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:36:03 ID:A4ABP2kQ
> あれからルイズはブロントからリンクパールを予備のマントの紐にパールを取り付けて首から下げていた。
ここ地の文までブロント語状態になってない?
「わかってる。あなたにとって虚無の曜日がどんな日だか、あたしは痛いほどよく知ってるわよ。でも、今はね、そんな事言ってられないの。恋なのよ!恋!」
タバサはキュルケの手から本を取り返そうとしたが、背の高いキュルケが高く本を掲げたので、タバサの手は届かない。
「そうね。あなたは説明しないと動かないのよね。ああもう!あたしね、ブロントさんに恋したの!でね?そのブロントさんがが今日、
あのにっくいヴァリエールと出かけたの!あたしはそれを追って、二人がどこに行くのか突き止めなくちゃいけないの!わかった?」
タバサは首を振った。それでどうして自分に頼むのか、理由がわからなかった。
「出かけたのよ!馬に乗って!あなたの使い魔じゃないと追いつかないのよ!助けて!」
キュルケはタバサに泣きついた。
タバサはやっと頷いた。自分の使い魔じゃないと追いつかない。なるほど、と思った。
「ありがとう!じゃ追いかけてくれるのね!」
タバサは再び頷いた。友人が自分にしかできない頼み事を持ち込んだのならば仕方の無い。
それにタバサ自身、先ほども浸っていた本の世界の勇者の姿とどこか似通っている使い魔のブロントに多少興味はあった。
タバサは口笛をピューと吹くと窓から飛び降り、キュルケもその跡を追った。
タバサの使い魔のシルフィードの背に二人が乗ると、シルフィードは空に飛び上がった。
「どっち?」
タバサは短くキュルケに尋ねた。
「あ、わかんない……。慌てていたから。」
タバサは別に文句つけるでなく、シルフィードに命じた。
「ぴかぴか、後追って」
シルフィードはきゅいと短く鳴いて了解の意を主人に伝えると、青い鱗を輝かせ、力強く翼を振り始めた。
高空に上り、馬に乗り草原を走る光輝いて見えるブロントを見つけることなど、シルフィードにとっては太陽を探すぐらいにたやすいことであった。
うーむしえん
シルフィードが仕事を開始した事を認めると、タバサはキュルケの手から本を奪い取り、シルフィードの背びれを背もたれにしてページをめくり始めた。
トリステインの城下町を、ルイズとブロントは歩いていた。
ブロントは辺りを見回した。石造りの街はサンドリア王国の街並みにどこか似ていたが、往来している人々を丸々バストゥーク共和国の人々に置き換えた様な感覚であった。
「結構賑やかだな」
「そりゃ、ここ大通りだもん」
声を張り上げる商人達や行き来する大勢の人の数はブロントが知っているヴァナ・ディールのどの街よりも賑わっていた。
「ブルドンネ街。トリステインで一番大きな通りよ。この先にトリステインの宮殿があるわ」
「宮殿に行くのか?」
「女王陛下に拝謁してどうするのよ?」
「任務の一つでも受けておこう」
ブロントがそう言ったらルイズは笑った。
道端には露天が溢れていて、ブロントが知らないモノが幾つも筵の上に並べられていた。使えそうになるものは無いかとブロントは一つ一つ見つめていたらルイズにサーコートの端を引っ張られた。
「ほら、寄り道しない。スリが多いんだから!あんたに預けた財布……そういえば財布はどこに仕舞っているの?まさか」
「どこってそれはもちろん俺はかばんの中のベッドの下に挟んだんだが?」
「……そ、そう。……そこからスロうとするとどうなるかちょっと見たい感じもするわね。」
ブロントの腰につけたゴブリン製のかばんに関して思考が麻痺し始めて来たルイズであった。
そうこうしている内にルイズはブロントを連れてゴミと悪臭が漂う路地裏に入って、四辻にでた。
「ビエモンの秘薬屋の近くだったから、この辺なんだけど……」
それから、ルイズは一枚の銅の看板を見つけ、嬉しそうに呟いた。
174 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:37:41 ID:A4ABP2kQ
「あ、あった」
見るとブロントでもその意味が何を表すかがわかる剣の形をした看板が下がっていた。
ルイズとブロントは石段を上がり、羽扉をあけ、店の中に入っていった。
店の親父は入って来たルイズが身に着けていた五芒星が描かれた紐タイ留めに気づく。
「これはこれは、貴族の若奥様。うちはまっとうな商売してまさあ。お上に目をつけられるようなことなんか、これぽっちもありませんや」
「客よ」
ルイズは腕を組んで言った。
「貴族が剣を!こりゃおったまげた!」
「使うのは私じゃないわ。こいつよ」
ルイズは自分の後ろにいたブロントを指差した。
「これはこれは。なんとも頼もしそうな従者で、剣をお使いになるのは、この方で?」
主人は商売っ気たっぷりにお愛想を言った。それから、純白に輝く見栄えのいい鎧を着ているブロントをじろじろと眺めた。
ルイズは頷いた。一方ブロントは店の一角に置かれている樽を眺めていた。
「わたしは剣の事なんかわからないから。適当にこいつに合いそうなの持ってきて頂戴」
主人はいそいそと奥の倉庫に消えた。彼は聞こえないように、小声で呟いた。
「……こりゃ、鴨がネギをしょって鍋までもってやってきたわい。従者にあんな豪華な鎧に、金細工で出来た飾り盾を着けさせて、
随分と見栄を張った羽振りのいい貴族様だ。せいぜい、高くふんだくるとしよう」
そして奥から煌びやかな細工が施されたナックルガードが施された細剣を倉庫から持ち出してきた。
「昨今は王宮の貴族の方々の間で下僕に剣を持たせるのがはやりでございましてね。この様な腰に下げても見た目が良い細いレイピアなんて良くお選びになるんでさあ」
「下僕に剣を持たせるのがはやってる?」
みてえw
177 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:38:24 ID:i3bgmk4Z
何このベジータがルイズに召還されたスレのパクリ
「へえ、なんでも、最近城下町を荒らす盗賊が出没しておりまして。『土くれ』のフーケと言ったかな?噂ではすでに何人かの貴族の家宝なりが盗まれたらしく、他の貴族の方々も恐れて、下僕らにも武器を持たせて歩く始末で」
その会話を傍目にブロントは細剣をじっと見つめて
「隔が短すぎて遠くまで届かないからダメだな」
の一言で細剣を付き返した。
「いやはやこれは失礼、旦那の様な立派な体躯してるお方ならもっと似合うものがありますのでちょっとお持ちしまさあ」
そして主人はまた奥の倉庫から今度は大剣を油布で拭きながらでてきた。
大剣は見事な装飾が鞘や柄や鍔に施されている。柄尻には玉のようなものまでついている。
「この剣なんて如何でございましょう?一般的に両手で扱う大剣ですが、旦那みたいに立っ端がある方でしたら片手剣としてもいけるでしょう」
ブロントはじっと大剣を見つめて鑑定してフゥとため息を吐いた。
「なんだこれは?お洒落装備か?」
「いやいや、実はこちらは高名なゲルマニアの錬金の大家とされるシュぺー卿の作でして、特殊な魔法が施されて鉄だろうがなんだろうが一刀両断でございます。もちろんおやすかあ、ありませんが。」
「少し持ってみてもいいか?」
「どうぞ」
ブロントは片手で大剣を握って見せた。
「おお大した膂力ですな、やはり旦那にはそれぐらいの獲物が……」
ルイズもその姿がブロントの着ている鎧と盾に凄く似合い、絵になっていると思った。
「なかなかいいわね。おいくら?」
「エキューで二千、新金貨で三千でございます」
「森の庭付きの屋敷が買えるじゃないの!」
「名剣は城に匹敵しますぜ。それが屋敷で済むのなら安いもんでさ」
そこにブロントが口を挟んだ。
「折れる」
「「え?」」
「いや、折れるよこの剣」
ブロントそのまま大剣をカウンターに置いた。ルイズと主人は呆気に取られてた。
「ところでそこの樽のモノも売り物なのか?」
ブロントは先ほどから気になっていた剣がまとめて入れられた樽を指差した
「へえ、二百エキュー程度のナマクラばかりですがね」
ブロントは樽からガッチリ鞘に納められた一本の剣を引き抜いた、
「遠くから見ても、これだけがもうチカチカ輝いていたんだが」
「あ、旦那そいつはちょっと……」
主人が止めるのをよそにブロントはそのまま剣を鞘から解き放った。
「おい親父、てめ!俺をこの樽の中のナマクラと一緒にするない!」
ブロントに抜かれた刀身が細く、錆びた薄手の片刃のブロントの知る東方伝来の『刀』に良く似た長剣が鍔をカチカチと鳴らした。
「それって、インテリジェンスソード?」「ほう、レリックか」
ルイズとブロントが同時に声を出した。
「そうでさ、若奥様。そいつは意思を持つ魔剣、インテリジェンスソードでさ。一体どこの魔術師が始めた事やら…とにかくこいつはやたらと口が悪いんで閉口してまして……」
「へっ、よく言うぜ!てめの性格悪さよりはマシだ!そのちゃらちゃらした物でボッタくろうとしてたくせに」
「うるせえぞデル公!商売の邪魔するな!これ以上俺の商売の邪魔するのなら貴族に頼んで溶かしちまうからな!」
「おもしれ!やってみろ!どうせこの世にゃ…」
それは片手剣で言うところのオニオンソード(FF11)だろ
ブロントは剣を黙らせるように鞘に納めた。
「いくらだ?」
「へえ、大剣の相場は大体二百エキューですが、そいつを厄介払いできるってのなら百エキューで結構でさ」
「ちょっと、ブロント!そんなのにするの?もっと綺麗でうるさくないさっきのにしなさいよ」
「百エキュんはだせるのか?」
「そりゃあるけど、そんな錆びだらけのにしなくても……」
ふとルイズはブロントの顔を見ると、その剣が買えなければ今にも店の主人を殺してでも奪い取ってしまうのでは無いかと思える様な殺気がこもった。
ここでたかが百エキューを出さなければルイズは己が人生を二、三年は後悔するハメになるのではないか、と心で感じた。
「わ、わかったわよ、それ位だすから財布だして」
ブロントはかばんからルイズの財布を引っ張り出してルイズに渡した。
ルイズは財布から百エキュー分の金貨を取り出すと、それをカウンターに乗せた。
「毎度!もしそいつがうるせえようだったら今みたいに鞘に仕舞えば大人しくなりやすから」
二千エキューふんだくる事は出来なかったが、それでも厄介モノが金になって消えてくれたのでにんまりとする主人であった。
ルイズとブロントは武器店から出ると、ブロントは剣を鞘から抜いた。
「てめ!話を途中で邪魔するんじゃねえ!…っておめ眩しい!俺は目はねえけどよ、ちょっと眩しい!」
「お前、何て言うんだ?」
「あ?俺か?デルフリンガーさまだ!」
「そうかデルフんガーか、俺はブロントだ」
「ちがわ!デ・ル・フ・リ・ン・ガ・ー だ!ちゃんと覚えときやがれ!…ん?」
182 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:40:27 ID:i3bgmk4Z
ブロントならグラットン持てよ^^;
しえん
剣はしばらくブロントを観察するように黙りこくった。
そして先ほどと違い小さな声で喋った。
「おでれーた。それなりな剣士かと思ってたが。てめ、『使い手』か」
「それほどでもない」
「いや、俺にはわかる。てめ、これまたとんでもない剣の使い手だな。しかも、てめ、エルヴ…」
ブロントはそのままガチンとデルフリンガーを鞘に納めた。
そしてルイズの事をつんつんと指で突付いた後、路地の影の方から覗いていた人物を指差した。
「何よブロント、ってツェルプストー!?あんたここで何してるのよ!」
「やばっ!」
隠れてルイズ達を尾行をしていたキュルケとタバサであったが、その存在がバレてしまったと言うのであれば観念して物陰からでてきた。
「あらヴァリエール、『こんな所』で会うなんて奇遇ね」
「奇遇ねって、あんたが『こんな所』に来る用事なんて無いじゃない。どうせ私の後をつけて来たんでしょ」
「さあ?恋する乙女には色々事情があるのよ。それよりヴァリエール、あんたブロントさんに剣を買い与えて気引こうとしてるみたいだけど、そんな錆びた剣しか買えないだなんて、公爵家も大変なのね」
「なんで私が一々使い魔の気を引かないといけないわけよ?それにこいつがこの剣でいいと言ったのよ」
「はぁ、ルイズったらブロントさんの事何もわかってないのね。ブロントさんはあんたの財布の中身に気を使っていたに決まってるじゃない。ケチな主人を持つと使い魔は辛いわね」
「そんなの主人の私の勝手でしょ」
「そう、ならブロントさんにアプローチするのも私の勝手よね。ブロントさん、私がもっと貴方に相応しい立派な剣を買ってあげるわ。
そこのケチなルイズと違ってゲルマニアの女は恋した殿方にはどこまでも尽くすわよ」
ブロントは左腰に下げた鞘に納まったデルフリンガーに手を当てた
「俺はこれがいいんだか」
ってIwwwwwww
>>182
キングベヒーモスにささったままだと
「そうよ、ツェルプストーの者からは豆の一粒だって恵んでもらう必要はないんだから!」
「どこまでも謙虚で主人を立てるだなんてやっぱりブロントさんは素敵だわ、その魅力が判らないルイズの使い魔にして置くのはとても勿体ないわね」
「使い魔にまで手を出そうとするだなんて、あんたって男なら何でもいい色ボケじゃない!なあに?ゲルマニアで男漁り過ぎて相手にされなくなったから、トリステインまで留学してきたんでしょ?」
ルイズは冷たい笑みを浮かべてキュルケに指差して言った。
「…言ってくれるわね、ヴァリエール……」
キュルケの顔色が途端に変わった。
「あらあ?本当の事だったかしら?」
しばし緊張した沈黙の後、二人は同時に手を杖にかけた。
それまで本を片手にブロントの姿をまじまじと眺めていたタバサが、二人より早く自分の杖を振り、キュルケとルイズの手から杖を風で吹き飛ばした。
「街中」
タバサは淡々と言った。
ここでキュルケの炎やルイズの『爆発』が起きれば学院内とは違って周りに大きな被害がでるとでも言いたげだった。
「何この子。さっきからいるけど」
ルイズは忌々しげに呟いた。
「あたしの友達よ」
「なんで、あんたの友達も『こんな所』にいるのよ」
「友達がいないヴァリエールには分からないかもしれないけれど、友達は友人の恋路を助けるものよ」
「ふん、馬鹿みたい。自分一人じゃ何もできない証拠じゃない」
「言ってなさい、続きは学院で決着つけましょうヴァリエール。じゃまたね、ブロントさん」
キュルケはそう言うと手をヒラヒラさせて本を読み続けるタバサを連れて帰っていった。
ルイズがふんふんと鼻息荒くしているところ、ブロントは押さえつけていた剣から手を離した。
「それでデルフん、お前何を言おうとした」
「デルフんじゃねー!まあ、とにかくよ。てめ、エルヴァーンだろ?」
ブロントは『エルフ』と言わず『エルヴァーン』と言った事が気になった。
「他にもエルヴァーンを知っているのか?」
「おう!知っているぞエルヴァーン!あれはいつだったかな……あれ?誰だっけな……あー、いや、もしかしてエルフっていったけ?……んー忘れたっ!」
ルイズはずっこけた。
「ちょっと、何?ボケてるんじゃないのこの剣は?」
「こいつが耳長だってのはわかるんだが、どっちがどっちか良く覚えてねえや、すまんなお嬢ちゃん、なんせ六千年も生きていると色々忘れる事もあらあ。ま、そのうち思い出すさ」
「ほんとこんなオンボロ剣でいいのブロント?お金ならあるんだからさっきの綺麗な方も買えたんだから」
「しゃべるレリック武器、もうここまででも十分にデルフんの勝ちは圧勝的に決まったのだが、さらに攻撃は続く
次に見た目に注目するのだが、さっきの大剣はただのきらきらとした脆そうな形。あれで斬ってもすぐ折れる。
しかしデルフんは片刃の部分が鋭くその部分でさらに敵に致命的な致命傷を与えられる。錆びで色も黒っぽいのでダークパワーが宿ってそうで強い」
「お?流石俺を選んだだけはあるな、よくわかってんじゃねーか!よし、決めた。お前なら俺の相棒としちゃ合格だ!ヨロシクな相棒!」
デルフリンガーは嬉しそうに鍔をカチカチと鳴らした。
「ああ、よろしくなデルフん」
「だからよ、俺はデルフリ……」
デルフリンガーはまたブロントに鞘に押し込められた。
「ルイズ」
「ん?何?」
「剣も備わり、これまでの圧倒的な防御力に加えて絶望的な破壊力も誇る破壊力を持つことになった。これからは完全なるナイトとして、ルイズお前の盾となってやろう」
たかが百エキューの剣で大げさな事を真顔で言われたルイズは少し照れくさかった。
「そ、そう。必要な物も揃ったんだから、使い魔の役目しっかり頼むわよ。ブロント、あんたは私の使い魔なんだから」
ブロントはガチャと鎧を鳴らした。
そうしてルイズはブロントに街を案内しながら、ぶらぶらと城下町で休日の残りを過ごした。
さる?
謙虚な使い魔 第9話 「輝けるサブリガ」
◆ ◆ ◆ ◆
ルイズは潮の香りを感じていた。元々ルイズ本人は海とは縁が無い人生を送っていたが、この香りは何か懐かしい感じがした。
視界が鮮明になるとそこは以前ルイズが夢で見ていた港町の光景の中で何か大きな物を抱えながら駆け足で人ごみの間を駆け抜けていた。
そしてその港町の通りにある酒場の羽扉を抱えた荷物ごと押し開けて入った。
『頼まれたもの持ってきましたが』
以前の夢の時の様にルイズの口が勝手に開いていた。
『おう!坊主、ボスディン菜持って来てくれたか!早かったな!いやぁこれで助かったよ。今日は思ったより客が多くてな。夕方前に足りなくなって、うちの店の名物料理が作れなくなってしまうかと思って困ってたとこだったんだ』
顔から獅子の様に髭を生やしたオーク鬼程に巨大な亜人はワハハと笑いながら配達の駄賃を渡してくれた。
『それにしても坊主は立派だよな、まだ小さいってのに街を駆け回って自分の食い扶持は自分で稼いでるなんてよ』
『それほどでもありませんよ』
ルイズは何かとても聞き覚えがある言葉を発した様に思えた。
『坊主の頑張りは港の皆にもそこそこ知られているぜ。母ちゃんを早くに亡くしたってのに一人で頑張って生きてるだなんてよ』
『今は一人じゃないよ、姉さんもいるから』
『お、そうだったのか?そいつはよかったな!俺たちガルカは血が繋がる家族は無いが、その変わり絆で繋がった家族は沢山いる。絆ってのはやっぱりあると嬉しいよな。
お、そうだったそうだった、サラダには使えねえ余る部分で作った賄いだけどよ、味はうちの名物料理と謙遜はないぞ!もって帰って食ってくれよ。姉ちゃんの分も入れておくから』
そういって大柄の亜人は酒場の厨房の奥から紙袋を持ち出して来てルイズのに手渡した。
さるったならケータイで教えろ 22:00で多分解除
そうして手で袋を抱えながら港を駆け回り、一つの小さな家にはいった。
『ただいま』
『あら、おかえり――――。お仕事終わったの?』
赤いローブを着た以前の夢に登場した女性のエルフが出迎えてくれた。
『うん、おまけで昼ごはんも貰ってきた』
『ふふふ、出合った時はわたしに任せなさい、とは言ったけれど、その弟がしっかり者過ぎてお姉さんとしてはちょっと寂しいわ。生活する分ぐらいなら十分あるんだから』
『ううん、街の人の頼みをこなしていく仕事するのは僕は好きだから』
『わたしがあなたの年の頃はまだ屋敷でお母様に甘えていた時期だったというのに。――――が良ければここで一人で住まなくても私の所で一緒に暮らしていいんだから』
『ありがとう姉さん、でも僕はここの海が好きだし、それに……母さんの墓もあるし』
『そうね……わかったわ。でもこれだけは忘れないで、――――、あなたはもう一人じゃないんだからね。人間は一人だけだとはどんなに頑張っても背中は無防備になるわ、だから誰かその無防備の背中を預けられる人が必要になるわ』
『姉さんは大げさだな、今までもそうだし、僕一人で生きて行けるよ』
ローブの女性は両手をルイズの肩に乗せるとじっと見つめてきた。
『あなたは人に頼らず一人で何でもできちゃうからお姉さん逆に心配なのよ。背中を見てもらう人がいないまま大きくなったら何時かはそのまま自分の重さで背中から倒れこむ事になるわ。お姉さんのわたしがいるんだから必要な時は頼ってよ?いい?』
『わかったよ、姉さん』
『よし。わたしは明日には一度帰らないと行けないけれど、これ渡して置くから、何かあったら呼んでよ?』
そういってルイズは色は違えど、見覚えがある一粒のパールを手渡された。
『本当はもう少し居たいのだけれど、ごめんね。わたしの留守を守ってるダーリンに何時までもまかせっきりにする訳にも行かないから』
『しょうがないよ、姉さんは侯爵家の当主なんだから。それより姉さんの分も貰ってきたから昼ご飯にしようよ』
しえん
195 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:48:06 ID:A4ABP2kQ
> 味はうちの名物料理と謙遜はないぞ!
謙遜?
紫煙
そういって紙袋から包みを取り出して、包みを開けると色とりどり海鮮物と野菜が凄く薄いパンの様な生地に挟まれた料理があった。
『フフン……♪お姉さんは知っているわ。これはこの国の名物料理のタコスでしょ?お姉さんは味にはちょっとうるさいんだから。海鮮物は私の所では中々手に入らないから、ここは良いよね、いつでも新鮮なカニや魚が食べられて』
『……姉さんってもしかしてしょっちゅう家に来るのはそれが目的なんじゃないの?』
『そんな事ないわ、――――に会いたいから来てるに決まってるじゃない。海鮮グルメはほんのついでよ。そうだ、今度お姉さんが来た時はここじゃ食べられない取っておきの王国風オムレツ作ってあげるわ』
目の前のエルフの女性がルイズににっこりと笑いかけ、『タコス』を頬張ると次第に風景が真っ白に擦れていった。
◆ ◆ ◆ ◆
ルイズは机に突っ伏した体勢で目が覚めた。
(あ、私また机で寝てしまったんだ)
城下町に出向き使い魔に剣を買い与えてから一週間近く経っていた。
あれからルイズは時々こうして学院図書館から借り出した書物を読み解くのに夢中になり、そのまま机で一晩過ごす事が間々あった。
肩の毛布に気づき、それを掛けたであろう使い魔の姿が部屋になかった。
「ブロント?」
ルイズは部屋をキョロキョロと見回した。ブロントのベッドも空になっており、動くものは風に揺れる植木鉢の花ぐらいだけであった。
[――起きたか、今寮の塔に戻っているんだが――]
支援
支援
ルイズの胸元にあったリンクパールがそう返事するとルイズの部屋のドアがガチャリと開きブロントが入ってきた。
その手には紙に包まれた物を持っていた。
「もうすぐ授業がはじまる。今から食堂行っても時既に時間切れ。だから手早く食べられるもの貰ってきた」
ブロントは包みの一つをルイズに手渡した。
「タコス?」
ルイズは自分自身『タコス』がどういうものかはよく知らないのに、ある種の既視感を感じて思わず聞いた。
「いや、さすがにここではその材料がないだろう。燻製したサーモンを挟んだサーモンサンドだ。頭が冴えるぞ」
包みを開けてみると全粒粉の黒パンに、香りよいスモークサーモンがトマトとキャベツと共に挟まれており、マスタードが掛けられていた。ほのかにビネガーの匂いも感じられた。
「これもブロントがいた所の料理?」
「ん?ああ。俺は最近あまりこれは食べないんだが、メイジには悪くは無いだろう」
ルイズはブロントに髪を梳かして貰いながらサンドを口に入れた。
「それにしてもブロントは色々な料理知ってるわね、料理人でもしていたの?」
「冒険者になると色々と詳しくなる」
ふーんと聞き流しながらサンドをはもはもと食べたルイズはブロントに着替えを済ましてブロントを付き添わせて教室に向かった。
ブロントは途中何人もの生徒達に呼び止められた。
「あ、ブロントさんおはよう!」
「ブロントさん一昨日は火打石集めてくれてありがとう、課題に必要な分が揃ったよ」
「おはようブロントさん!この前はありがとう!僕のラッキーもあれから随分と元気がでたみたいだよ」
「ねえ、ブロントさん聞いてくれる?触媒に使いたいキノコがあるんだけど、私の使い魔じゃ見つけてこれないらしいの・・・・・・」
と、すれ違う一人一人に声を掛けられる事になっていた。
お前メシの描写上手いな腹減ってきた
「ブロント、いつの間にか随分と人気者になったみたいだわね、ご主人様の私を差し置いて」
ルイズは召喚されてから一週間程ですでに貴族と平民問わず学院中のほとんどに名前知られている自分の使い魔が少しおもしろくなかった。
何よりも『ブロントさん』と皆が呼ぶ中で誰一人として『ルイズ』に声を掛ける者がいなかった事に。
「それほどでもない、俺はルイズが授業中の暇な時間に学院内でできる依頼をこなしていただけなんだが」
「まったく、決闘騒ぎがあった後は他の皆はあんたに対してピリピリ警戒していたのに、今じゃみんな『ブロントさん』『ブロントさん』って」
ルイズも学院に入学して間も無く皆から『ゼロ』『ゼロ』と呼ばれるようになったが、それはもちろん好ましくない名の広がり方であった。
「おう!お嬢ちゃんそれが人徳ってもんよ。少しは相棒を見習…」
カチカチと口を挟んだデルフリンガーを途中でブロントは鞘に押し込んだ。
学院の広場にでた二人はそこで授業前の時間だと言うのに広場で何人もの生徒達が自分の使い魔を連れていた。
自分の使い魔に何か教え込んでいるやら、みんな多種多様に自分の使い魔に接していた。
そこで広場の生徒達を監督していた頭髪寂しい教師がルイズ達の姿に気が付いた様で近寄ってきた。
「おはようございますブロントさん、そしてミス・ヴァリエール」
先に使い魔のブロントの名前が言われた事にルイズは眉をピクッと動かした。
「ブロントさん、昨日譲って頂いたサイレントオイル、実に素晴らしいものですな!あそこまで摩擦を無くす純度の高い油は初めて見ましたぞ!
私の現在開発中のへび君に使ってみたのですが、まるで<サイレント>の魔法掛けたの如く、金きり音の問題が解消できて、更には回転速度まで大幅にあがってもう昨夜は興奮しぱなっしで・・・」
自分の世界に入り熱く語り続けるコルベールにルイズはこほんと咳払いをした。
「おはようございますミスタ・コルベール、ところで皆ここで何しているんですか?」
「ああ、これは失礼しました。私とした事が遂夢中になって語り始めてしまって。ええ、皆さんは今日の為に最後の仕上げの練習をしている所ですね」
「え・・・練習って・・・まさか今日・・・だ、だったけ?」
ルイズは顔を真っ青にした。ここの所寝る間も惜しみ書物と格闘していたので大事な今日という日の事をすっかり忘れていた。
「ええ、毎年恒例の二年生による使い魔の品評会。もう間も無く王宮の方々もお見えになると思いますよ。ああ、そう言えばブロントさん使い魔でしたな。
ブロントさんが一体何を見せてくれるのか気になりますな。ああっと何をするか言わなくてもよいですぞ、楽しみはその時までに取って置く方が良いですからな」
「あ・・・だってまだ・・・昨日がオセルの曜日で・・・えーと・・・まだ3日あるはず・・・あ、でもあの時徹夜したから・・・」
指を何度も折り返して本日は品評会を行うダエグの曜日では無い事を祈り、日にちを確認して見るルイズだった。
「では私は学院の警備に関する教諭達の会議がありますので失礼しますぞ、また品評会にて」
そういってコルベールは学院本塔へと去っていった。
「あー!どうしよう!どうしよう!何も用意してなかったわ!」
頭をわしゃわしゃしてルイズは叫んだ。
「品評会って何だルイズ?」
「毎年学院の二年生は使い魔を召喚した後、その使い魔をお披露目する『品評会』と言うがあるの!それには王宮の方々もお見えになるの!ああっ、今年は姫様も来るとお手紙まで頂いていたのに、今日になるまで忘れてたなんて不覚よ!」
「使い魔は何かそこでするのか?」
「召喚したメイジが使い魔に何か芸を一つさせるのよ。みんな召喚して間も無い事だから大した事じゃなくてもいいんだけど・・・
逆にその短い間で使い魔をどれだけうまく扱えているかメイジの『素質』を観る為のものでもあるのよ」
「芸?」
「そうよ、芸!ねえ、ブロント何かできない?人様に見せてもいい芸!」
支援
そういってルイズはブロントのサーコートの裾をぐいぐいと引っ張っりながら捲くし立てた。
「なんだ?踊ったり、歌ったりすればいいのか?」
「もうそれでいいわ!本当ならちゃんと準備したかったけれど、この際は贅沢言ってられないわ。ああもう来ちゃったわ!」
学院の校門に王宮からの馬車が止まり、物々しい程の数の学院の衛兵が集められ整列していた。
そうしてルイズの心の準備を無視するかの様に学院の外の広場にて品評会は着々と進行していった。
まずはキュルケのフレイムが吐く迫力のある炎のアートショーから始まった。
続いて他の生徒も自分の使い魔を使い芸を披露していった。梟の使い魔を空に飛ばして自分の腕に止まらせた小太りの主人もいれば、
頬に絆創膏を張った姿のギーシュは
「モンモランシー、この僕とヴェルダンデの晴れ舞台の勇士は君に捧げるよ〜!」
と叫び、ヴェルダンデと呼ばれたジャイアントモールの使い魔と舞台の上でただひたすら自分の使い魔の円らな瞳を見つめるだけのギーシュもいれば、
「あんの馬鹿。こんな皆の前で何言ってるのよ・・・」
と呆れながらリボンで着飾らせた小さなカエルの使い魔を手に持った金髪ロールをした少女モンモランシーはカエルのロビンをぴょんぴょんと飛び跳ねさせていた。
タバサとシルフィードの番になると、見ていた王宮からの者達や学院関係者たちから歓声が沸いた。
圧倒的存在感を誇る風竜だけでも絵になるのに、それが空を飛び、急降下や回転しながら飛び回り、最後は王宮関係者の席にシルフィードが突っ込み、ぶつかる直前に身を翻してまた舞台の上のタバサの横に着地して見せて、皆をあっと驚かせた。
「では、最後は・・・ミス・ヴァリエール、お願いします」
ルイズは自分直接芸を披露するわけではないと頭ではわかっては緊張で心臓がバクバクいっていた。ブロントに「うっかり耳がばれない様に準備する、出番になったら呼べ」とだけ言われてブロントは袖幕に引っ込んでしまったのだ。
ま、まさか ヴぁーんさん?
207 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:52:01 ID:miHKvWAb
ダイソードネタに誰も反応しないことに俺は悲しみが鬼なった
一人舞台の上に立ったルイズは皆の視線が集まる中ごくりと唾を飲み込み、意を決した。
「わたしルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、召喚した使い魔の・・・しゅ、種類は・・・・・・平民です!」
そういってブロントがいるはずの袖幕の方に手をかざした。
と、そこには静かな間だけがあった。
「どうかしたかね?ミス・ヴァリエール」
オスマン氏が声を掛けた。
(ちょっと、出番よ!早く出て来なさいよ!)
ルイズは胸元のパールを口元まで引き寄せるとそう囁いた。
舞台の上で慌てる様子を見ていた生徒達からはクスクスと言う笑いが聞こえ始めていた。
「ブロントさんに逃げられちゃうなんて、無様ねヴァリエール・・・あら何かしら?ちょっと何か聞こえないタバサ?」
観客席にいたキュルケは隣で本を読みふけってるタバサを指で突っつきながら聞いた。
「弦楽器」
本から目を離さずポツリとタバサは答えた。
さすがプレイヤーキャラきたない
.
デンデデッデデレ・・・・・・
デンデデッデデレ・・・・・・
リズミカルな音が袖幕から聞こえてきた。
そして舞台の端から肩にハープを当て、それを弾きながら堂々と歩いて登場する男の姿があった、
デンデデッデデレ♪
デンデデッデデレ♪
その男は頭全体を覆う白い鉄の冑を被り、裸体に上に着ているものは橙色のベストと情熱的に赤い腰布の下に履いた白く、輝く、一枚のサブリガだった。
その鍛えぬかれたしなやかな肢体、そして引き締まった臀部のサブリガが舞台に現れた事により、たちまち女子生徒達から「きゃ〜!」と言う悲鳴があがった。
(ちょっと!誰よこの変態!まさかブロント!?嘘よ!)
全てを否定したいルイズに反論するかの如く、目の前の鉄仮面はビシっとルイズを指差した。
――至高の踊りが男に輝きをもたらすと知れ!
男の魂の叫びがルイズの心に突き刺さる。
そしてその男は華麗なステップを踏みながら、仮面の奥から聴く者の脳が削れてしまいそうになる美声が響いた。
出たー!!!!! 通風のサポ踊時代の師匠の真似wwwww
「おい、誰だよあいつ?」
「ルイズの使い魔だからブロントさんじゃないのか?」
生徒達の何人かは謎の仮面男が現れた事にざわつき始めていた。
「ん?オマエ今なにか言ったか?」
「いや、何も言って無いぞ?」
――『大いなる意思』が俺にもっと輝けと囁いている
(か、かっこいいきゅい〜!)
先ほど芸の披露を終えたシルフィードが真っ先に食いついて仮面の男に魅入られていた。
その大きな青い首と尻尾を男が弾く竪琴の音色に合わせ振り回していた。
男が空を飛び、腕を力強く突き出すごとに舞散る汗が陽の光を集め、煌々と輝いた。
「オ、オールド・オスマン・・・」
「う、うむ」
「こ、これもガンダールヴの力なんでしょうか?」
「わしに聞くな・・・」
そうオスマン氏とコルベールが顔を見合わせる中、仮面の男は足を素早く交錯しながら、言葉としては理解できない、心で感じ取る歌を歌い続けていた。
なんて多芸なんだ
次第に何匹かのほかの使い魔達も歌に合わせ鳴いていた。使い魔達の合唱となり始めた事、最初は笑っていた者も息を飲んで仮面の踊りを鑑賞していた。
空中で回転を披露し、音もなく舞台に舞い降りた仮面の男は背中を向け、観客に流し目を送った。
――それ以上じっと見つめるとオマエの心も掴んじまうぜ
「あああ!今の見たタバサ!ギーシュを倒した時の姿もかっこよかったけれど、今のであたし、今までに無いほど痺れたわ!ああ、この『微熱』が燃え上がったわ!まるで、まるで・・・」
「熱情」
本を読みながらタバサはポツリと付け足した。
「そう『熱情』よ!二つ名の『微熱』が『熱情』の炎となって今燃え上がっているわ!」
キュルケが興奮してタバサの両肩を持ってゆさゆさと揺らしている中、タバサも無意識の内に会場に流れる律動に合わせ、右手の人差し指で本をトントンと叩いていた。
そうして仮面の男は最後の大詰めに大きくステップを取りながら回転し舞台の中央で止まるとハープをジャン!と鳴らして片手を上げるようなポーズを取った。
数秒の間会場がしんと沈黙した後、王宮の者も含む観客達が一斉に立ち上がり惜しみない拍手を送った。
仮面の男が優雅に礼を取るとリンクパールを通じてルイズに語りかけた。
215 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:54:41 ID:lWalTRP6
ヴぁーんwwwwwwwwwwwwwwwwwww
[――こんな芸でよかったか?――]
「・・・・・・格好はともかく、驚いたわ。あんた一体他にもどれだけの事ができるのよ」
[――冒険者になると色々と詳しくなる――]
「一体その冒険にいつ歌って踊る必要が出てくるのよ。それにしてもブロント・・・」
[――なんだ?――]
「あんた、よく見ると首、かなり長いわね」
ルイズは鎧をはずした己の使い魔を見て改めてそう感じてた。
[――それほどでもない――]
「誉めてないから!」
その時何かが激しくぶつかる様な豪快な音が学院中に響き渡った。
「なんじゃ!?」
「オールド・オスマン!本塔の方向にゴーレムです!」
学院本塔の前に30メイルはある土のゴーレム両腕を振るって塔に叩き付けていた。
「やっとここまでお膳立てが揃ったてのに、このゴーレムでも壊せない厚さとは計算外だったねえ・・・」
ゴーレムの肩に乗った黒いローブの人物は焦っていた。
「かと言ってこのまま『破壊の杖』を諦めるわけにもいかないねえ・・・」
麦藁帽子のジャガイモ作ってそうなゆっくり顔がギターで演奏していたような気がした別にそんなことはなかったぜ
ローブの人物は歯噛みをした。宝物庫の壁はスクエアクラスの<固定化>が何重にも掛けられていて、自分がもっとも得意とする『錬金』すら通さなかった。
しかし存在がばれてしまった今、会場の混乱が収まり次第衛兵達も駆けつけてしまうだろう、とローブの人物は次の手をじっと考え始めていた。
品評会会場では王宮の者達や生徒達を非難させる事で教師達や衛兵達は手が一杯だった。
「皆さん、落ち着いて非難してください!」
「早く王女殿下を馬車に!」
「くそ、驚いた使い魔達が邪魔で思うように収集が付かない!」
ルイズは舞台の上から混乱に陥っている会場を見ていた。巨大なゴーレムが百メイル弱先にいると言うのに、
使い魔や生徒達の混乱の所為で王宮の者達は自分達に設けられた席から動けないでいた。
その頃ブロントは鎧をガチャリと鳴らしながらデルフリンガーを左腰につけていた。
「あ、ちょっと一体何時の間に着替え・・・・・・って、もうそれ所じゃないわ!」
と、ふとルイズの頭にある事が過ぎった。
この現れたゴーレムの目的がこの王宮の者達だとしたら?姫様が目的だったとしたら?
その可能性に思いついたルイズはいてもたってもいられなかった。
そしてルイズは駆け出した、
「・・・おいィ?いきなりどこに行く訳?」
ブロントはその後を追いかけた。
大将www
220 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:56:40 ID:2kSh3woU
━━
221 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 21:56:47 ID:lWalTRP6
>>217 後でリオのカーニバルに出てきそうなキモいのが背後で増殖しそうなんだが……
観客席ではキュルケとタバサは雪崩れ込む人ごみを避けるように一足早くシルフィードに乗り空へ避難していた。
「あら、ルイズったらブロントさん連れてゴーレムに立ち向かっていくわよ。」
同じシルフィードの背に乗っているタバサは興味なさそうに本を読み続けている。
「タバサったら!もうこんな時まで本なんか読んで。ヴァリエールとは先週の街での決着がまだ付いていないと言うのにここで先越されるわけに行かないの!
それにブロントさんにどんな無茶させるか、何てわからないんだからお願い、タバサ私達も行きましょう!」
不安定な風竜の背の上でキュルケに掴まれぐいぐいと揺らされ観念したのか、タバサは本から目を離さず、自分の風竜に呟いた。
「本塔」
シルフィードはきゅい!と返事をするとルイズとブロント達が向かうゴーレムの元へと飛んだ。
「錬金も、ゴーレムでも歯が立たないとなったら、くやしいけど、ここは潔く引くしかないねえ」
ローブの人物は二度とこの絶好の機会を諦めるしかない事を悔しくも思いながら、ゴーレムに乗ったままその場を去ろうとした。
「逃がさないわよ!」
その場に駆けつけたルイズはすかさずルーンを詠唱しながら杖を振るった。
ルイズが唱えた<ファイアーボール>と言う名の『爆発』は狙った黒いローブの人物が乗るゴーレムから大きく外れ、後ろに立つ宝物庫の壁がどごーんと音を立てて爆発した。
「待ちなさい!」
ルイズは今度は外さないようにとゴーレムに不用意に歩み寄った。後ろからブロントが走りながらルイズを追いかけていた。
「ちぃ!もう邪魔が来たのかい・・・」
ローブの人物はゴーレムの腕でルイズの魔法の射線上から自分自身を庇うように覆った時、背後の壁からぴきき、とひび割れる音を聞いた。
「・・・へぇ・・・貴族の中にも大した奴もいるもんだねえ。折角のチャンスは生かさせてもらうよ!」
ローブの人物はは自分を庇っていたゴーレムの右腕を振るい上げさせ、そのままルイズとブロントの方へと振った。
ゴーレムの右腕は地面を掬う様に薙ぎ払い、土砂や塗装された石畳をルイズ達に投げ飛ばし、その勢いのままゴーレムの右手を鉄に変え、後ろの宝物庫の壁のひびが入った箇所に殴りつけた。
そして一枚の石畳の破片が物凄い早さで回転しながらルイズを目掛け飛んできた。
「きゃっ!?」
ルイズは立ちすくんだ。
バギン!
咄嗟にルイズの前に立ちはだかり庇ったブロントは盾で石畳の破片を叩き落すとその後波の様に襲い掛かった土砂にルイズ共々半身埋もれてしまった。
そして学院本塔周辺は乾いた土煙で覆われてしまった。
「あのヴァリエールったら賊が気づく前に魔法を入れるチャンスだったのにまんまと外しちゃって。こんなに視界が悪くなったら今度はこちらから攻撃する事ができないじゃない!」
キュルケは本塔の周りを旋回するシルフィードに乗ったまま、上空で<ファイアーボール>のルーンを詠唱し終えて、杖を振る体勢を取っていた。
同じくシルフィードに乗って、本を読んでいたタバサは片手で杖を振るうと突風が巻き起こり、舞い上がった土煙を吹き飛ばした。
「ありがとう、タバサ!あのゴーレムの姿が見えたわ!」
そう言って、キュルケは自分の杖を振り、宝物庫の壁に空いた横穴に掴みかかり直立不動で立つゴーレムに<ファイアーボール>を当てた。
キュルケから放たれた強大な火球が土のゴーレムに触れた瞬間、ゴーレムの巨体が何は抵抗もなく、枯れた木の葉の様にボロボロと崩れ落ちた。
「あら?ちょっと手ごたえがおかしいわね?」
キュルケは首を傾げた。
「もう、逃げた」
タバサがポツリと呟いた。
「ええ!?それを早く言ってよ!」
キュルケはタバサをまたゆさゆさと揺らした。
sienn
一方ルイズ達は半分土に埋もれた自分達の体を掘り起こしていた。
「あのローブの人物、去り際何か塔から持ち出していたけれど、まさかアレが噂の盗賊メイジだったのかしら・・・」
ルイズは自分の手でぺっぺっと軽く土を取り除いていたが、あまり状態は進展していなかった。
それを見兼ねたブロントは盾をスコップの要領でルイズの周りの土の大部分を取り除いた後、ルイズの両脇を抱えて引き上げた。
「おいィ?何いきなり突っ込んでいるわけ?痛い目を見たいのか?」
ブロントはルイズに声を上げた。
「私は貴族よ!敵に後ろを見せない者を貴族と言うのよ!」
パーン!
乾いた高い音が響いた。
ブロントは篭手を外した右手でルイズの頬を叩いていた。
「痛っ!この首長!ご主人様に一体何するのよ!」
「今のが石畳でなくて良かったな、石畳だったらお前はもう死んでるぞ」
ルイズは自分の頬を左手でさすっていた。
「だからって何も手をあげること無いじゃない!!」
「俺はお前を守るために盾をしてやってるんだからな。あのまま盾が間に合わなければすぐ死ぬくせに調子こき過ぎ。あまり調子に乗ってると土の中でひっそり幕を閉じる」
「でもここで逃げたら、ゼロのルイズだから逃げたって言われるわ!」
「逃げろとは言って無いんだが。事前にルイズが突っ込むとわかっていれば対応も出来ますが。わからない場合手の打ち様が遅れるんですわ?お?」
ブロントはルイズの両肩をぐっと掴んだ。
タブ表現使うのもいいんじゃない?
【ええっ!?】とか【せっかくだけど遠慮します】とか
「俺を盾として掲げる前にルイズが先に死に急いだら敵に立ち向かう事もできずに骨になる」
声の荒げ方とは違いブロントの顔は何処かもの哀しそうだった。
「・・・わ、悪かったわね・・・確かにちょっと浅はかだったわ・・・」
ブロントはすっと手を引いた
「敵に立ち向かう時は仲間に背中を預けるものなんだが、俺はいつもそうやってきた。一人じゃないんだぞ、お前は」
ルイズにとって叱られる事は実家に居た時も上の姉や両親にされた事は過去にもあった。
だがこのブロントの様に顔を打たれて、ルイズの身を心配し、真摯になって怒られる事は今まで無かった。
ましてや自分の使い魔に叱られるとは予想もしていなくてブロントの言葉は深くルイズの心に突き刺さった。
「それと・・・さっきは叩いて悪かったな」
そう言ってブロントは右手をルイズの頬にあてがった。
ブロントの背中から覗く日の光がその白く輝く鎧に反射したのか一瞬ブロントがキラッと光った様にもルイズには見えた。
使い魔が素直に謝ったのを聞いた為か頬の痛みも幾らかは薄らだ様な気もした。
もう間も無くして、会場の混乱を治める事が終わったのか衛兵達や教師達が宝物庫前に駆けつけていた。
そして大きな風穴が新しく設けられた宝物庫の壁に文字が刻み付けられている事を発見した。
『破壊の杖、確かに領収いたしました。土くれのフーケ』
しえん
シャントットが使っていた棍棒だったりしてな >破壊の杖
謙虚な使い魔 第10話[前編]「ゴーレムのまなざし」
学院で盗賊騒ぎがあったその日の夕方・・・
ひとまずの事態の収拾を終えた学院中の教師達が宝物庫に集まっていた。
「白昼堂々と賊は学院に忍び込み、『破壊の杖』を奪っていきおった。王宮の方々をも招いた使い魔の品評会に衛兵を割いたとは言え、賊ながらあっぱれとしか
言いようが無いのう」
オスマン氏は宝物庫に空いた横穴を見つめていた。
「で、実際にその犯行の現場を見ていたのは誰だね?」
オスマン氏が尋ねた。
「この四人です」
コルベールがさっと進み出て、後ろに控えていたルイズにキュルケにタバサと使い魔のブロントも敢えて含めて四人を指差した。
「ふむ、君達か、詳しく説明したまえ」
ルイズが進み出て、見たままを述べた。
「あの、大きなゴーレムが現れて、ここの壁を壊したんです。その時土煙が舞い上がっていて誰かは確認できなかったんですが、
肩に乗っていたメイジが宝物庫の中から何かを・・・・・・、その『破壊の杖』だと思いますけど・・・・・・、持ち出した後、ゴーレムから降りて走って逃げ出して・・・・・・
残ったゴーレムの方も崩れて土になっちゃいました」
ルイズは態々言う事ではないと思いキュルケ達の介入の事は言及しなかったので、後ろで聞いていたキュルケがふんと鼻息を鳴らした。
「それで?」
「後を追おうとしたのですが、その時私達は土に埋もれていてすぐに身動きが取れなくてそのまま西塔の方へと逃げる所しか見れませんでした」
「ふむ・・・・・・確か昼ごろの衛兵の報告によれば西側の城壁に『錬金』によって開けられたと思われる穴があったと言っていたな。後を追おうにも、そこから先は
手がかりナシというわけか・・・」
それからオスマン氏は思い出したようにコルベールに尋ねた。
「ときに、ミス・ロングビルはどうしたね?」
「そういえば・・・・・・品評会の時は他の教師達と一緒に鑑賞していたはずなんですが・・・」
「この非常時に、どこ行ったのじゃ?」
「どこなんでしょう?」
そんな噂をしていると、ミス・ロングビルが現れた。
「ミス・ロングビル!どこに行っていたんですか!大変ですぞ!事件ですぞ!」
そう捲くし立てるコルベールをよそに、ミス・ロングビルは落ち着いてオスマン氏に告げた。
「申し訳ありません、昼から、急いで調査しておりましたの」
「調査?」
「そうですわ。王宮の方々をも呼んだ品評会の最中にゴーレムが現れて大騒ぎになった時、ゴーレムが学院の宝物庫前にいたので、
これが国中の貴族を震え上がらせている大怪盗の仕業と知り、私も駆けつけたのですが、その時にはもうゴーレムは焼かれ崩れ落ちてて、フーケがすでに逃走し
た後だったので、すぐに逃げ先を調査いたしました」
「仕事が早いの、ミス・ロングビル」
オスマン氏は感心した様子で自分の髭をいじっていた
「そして、結果は如何に?」
「はい。フーケと思われる人物の居所がわかりました」
「な、なんですと!」
コルベールが素っ頓狂な声をあげた。
「誰に聞いたんじゃね?ミス・ロングビル」
「はい、フーケが逃げたと思われる学院西側の近在の農民に聞き込んだ所、ここ数日前から、近くの森の廃屋に黒ずくめのローブの男が住み着き、時折大きな土
の塊を幾つか残していたそうです。おそらく、彼はフーケで、残った土の塊はゴーレムの跡、廃屋はフーケの隠れ家ではないかと」
ルイズが答えた。
「黒ずくめのローブ?それはフーケです!間違いありません!」
「そこは近いのかね?」
「馬で四時間といったところでしょうか」
「すぐに王室に報告しましょう!すぐに王室衛士隊に頼んで兵隊を差し向けてもらわなくては!」
コルベールが叫んだが、オスマン氏は首を振り怒鳴り返した。
「ばかもの!王室の兵が来るの待ってる間にフーケは逃げてしまうわ!その上・・・・・・、王女殿下を含む王宮の方々を巻き込んだ騒動のみならず魔法学院の宝が盗
まれたので助けてくださいなどと無駄にいらぬ借りを作ってしまうだけじゃ!盗まれた『破壊の杖』に関しては当方魔法学院の問題じゃ!当然我らで解決する!」
233 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 22:03:43 ID:A4ABP2kQ
ついに10話か、前篇ってことは良い所でお預けをくらいそうだな
オスマン氏はコホンと咳払いをすると、有志を募った。
「では、捜索隊を編成する。我と思う者は、杖を掲げよ」
しかし誰も杖を掲げず、お互いの顔を見合わせるだけだった。
「おらんのか?ええい、どうした!フーケを捕まえて、名を上げようと思う貴族はおらんのか!」
ルイズはブロントの顔を見て、ブロントは何も言わず頷いた。それからルイズはすっと杖を顔の前に掲げた。
「ミス・ヴァリエール!何をしているのですか!あなたは生徒ではありませんか!ここは教師に任せて・・・」
ミセス・シュヴルーズが驚いた声をあげた。
「誰も掲げないじゃないですか」
ルイズはきっと唇を結び、真剣なまなざしで言い放った。
ルイズが杖を掲げたのを見て、キュルケも続いて杖を掲げた。
「丁度良いわ、先週の決着をこれで付けましょうヴァリエール」
「ツェルプストー!君は生徒じゃないか!」
コルベールが驚いた。
そしてキュルケが杖を掲げるのを見て、タバサも掲げた。
「タバサ。あんたはいいのよ。関係ないんだから」
キュルケがそう言ったら、タバサは短く答えた。
「心配」
キュルケは感動した面持ちでタバサを見つめた。ルイズも唇を噛み締めて、お礼を言った。
「ありがとう・・・・・・。タバサ・・・・・・」
「本当なの?タバサ」
今まで知らされていなかったキュルケも驚いていた。
オスマン氏は、それからキュルケを見つめた。
「ミス・ツェルプストーは、ゲルマニアの優秀な軍人を数多く輩出した家系の出で、彼女自身の炎の魔法も、かなり強力と聞いているが?」
キュルケは得意げに、髪をかきあげた。
ブロントも先ほどゴーレムが崩れ落ちる瞬間に放たれた炎の魔法の事を思い出していた。
ブロントが知っている魔力を利用して放つヴァナ・ディール式の精霊魔法の<ファイア>系魔法とは何処か違っていたように感じていた。
ヴァナ・ディール式の魔力で具現化した炎とは違い、キュルケのものは実際に物理的な炎を繰り出していた。
ハルケギニアの魔法は唱えるのに杖を振るう事が必要な点やルイズが夜な夜な魔法の自習している時に良く「精神力を利用して」と呟いていた事を考慮の上で
、ブロントが知っている知識に無理やり当てはめればハルケギニアの『魔法』はヴァナ・ディールで知られる
溜めた精神力を基に繰り出す『武器の技巧』に性質が近いのでは無いか、と考えていた。
そう考察するブロントの横でルイズは今度自分がオスマン氏に紹介される番だとばかりに可愛らしく胸を張った。
オスマン氏は誉めるところが思いつかなくて困っていた。
「えー、その・・・ミス・ヴァリエールは数々の優秀なメイジを輩出したヴァリエール公爵家の息女で・・・あー、その、うむ、とても努力家なメイジと聞いているが
?しかもその使い魔は!」
オスマン氏は手を顎に当て考え込んでいるブロントを熱っぽい目で見つめた。。
「平民ながらあのグラモン元帥の息子である、ギーシュ・ド・グラモンと決闘して、素手で勝ったという噂だが」
そしてオスマン氏は心の中で続けた、『と言うより実はエルフでしかもあの伝説の使い魔『ガンダールヴ』ならば、土くれのフーケなぞ相手にもならないだろ
一個dでね?
う』、と。その時コルベールが興奮して調子で後に続いた。
「そうですぞ!なにせ、彼はガン・・・」
オスマン氏は慌ててコルベールの口を押さえた。
「むぐ!はぁ!いえ、彼は頑丈、ええとても頑丈との評判でして!あのグラモン息のゴーレムの攻撃をも物ともしないと!はい!」
ブロントは「それほどでもない」と軽く答えていた。
「さて、この三人とその使い魔に勝てるという者がいるのなら、前に一歩出たまえ」
オスマン氏はそう教師たちに向かって言ったが、教師たちは黙ったままで前に出る者はなかった。
「ふむ、魔法学院は、諸君らの努力と貴族の義務に期待する」
ルイズとタバサとキュルケは三人同時に「杖にかけて!」と唱和した。
「では、馬車を用意しよう。それで向かうのじゃ。魔法は目的地につくまで温存したまえ。ミス・ロングビル、彼女たちの案内を頼む」
ミス・ロングビルは頭を下げた
「もとよりそのつもりですわ」
予想通りの展開に事が進んだ事にミス・ロングビルは誰にも知られぬようににやりと笑った。
四人はミス・ロングビルを案内役に、早速出発した。
いつ襲われてもすぐに外に飛び出せるようにと屋根無しの荷車のような馬車に乗り、ミス・ロングビルがその御者を務めた。
キュルケが、黙々と手綱を握る彼女に話しかけた。
「ミス・ロングビル・・・・・・、手綱なんて付き人にやらせてばいいじゃないですか」
ミス・ロングビルは、にっこりと笑った。
「いいのです。わたくしは、貴族の名をなくした者ですから」
けっこう面白い
だれかそろそろネ実の真の英雄オナホマンメインの長編異世界入りやってくれよ
しえん
[指摘ありがとうございます]
>>234 >>235間
そんなやり取りをする三人を見て、オスマン氏は笑った。
「そうか、では、頼むとしようか」
「オールド・オスマン!わたしは反対です!生徒たちをそんな危険にさらすわけには!」
ミセス・シュヴルーズが叫んだ。
「彼女達は敵を見ている。その上、ミス・タバサは若くしてシュヴァリエの称号を持つ騎士だと聞いているが?」
タバサは返事もせずに、ぼけっと突っ立っている。教師達は驚いてタバサを見つめる。『騎士』と聞いてブロントも「ほう」、と感銘を漏らした。
「いいのです。わたくしは、貴族の名をなくした者ですから」
キュルケはきょとんとした。
「だって貴女はオールド・オスマンの秘書なのでしょ?」
「ええ、でもオスマン氏は貴族や平民だということに、あまり拘らないお方です」
「差しつかえなかったら、事情をお聞かせ願いたいわ」
ミス・ロングビルはただ優しく微笑むだけで、それは言いたくないと意思表示した。
「よしなさいよツェルプストー。昔のこと根掘り葉掘り聞くなんて」
ルイズが割り込んだ。キュルケはつまらなそうに荷台の柵に寄りかかって頭の後ろで腕を組んだ。
「暇だからちょっとおしゃべりしようと思っただけじゃないの・・・あ、これならどうかしら」
再びキュルケは起き上がり御者をしているミス・ロングビルににじり寄った。
「今日の使い魔の品評会は最後に大騒ぎになって結果がうやむやになったけれど、ミス・ロングビル、貴女は学院の教師たち側の人間として今年の優勝は誰の使
い魔だと思った?」
「そうですね・・・ただの秘書の私自身には優勝者を決める権利は無いのですが・・・・・・やはりミス・タバサの使い魔ではないのでしょうか?舞台に縛られず大空を飛
び回るなど中々注目を集める演出だと思いましたが」
「そう?確かにタバサのシルフィードは素晴らしかったわ・・・」
そう言ってキュルケは荷台で本を黙々と読み続けるタバサを一目見た。
「・・・でもタバサには悪いけれど、会場の注目を浴びたと言う点で言えばブロントさんが文句無しに一番だったとあたしは思うわ」
「ブロントサン?」
「ええ、ヴァリエールの使い魔の彼よ。ほんと、主人がいけ好かないヴァリエールと言う所が今でも納得行かないわ」
そう言ってキュルケは二人の会話に対して背中を向けて祈る様な姿勢で静かに目を閉じているブロントを指差した。
ルイズは「何よ、悪かったわね」と言い、ふんとそっぽを向いてしまった。
「ああ・・・ミス・ヴァリエールの使い魔ですか・・・・・・そうですね、厳格そうな風貌をした彼が楽器の演奏だなんて意外性がありましたね」
「意外性なんて言葉で言い表せる程度の衝撃じゃなかったわ!あの躍動で!あのセンスで!あの脚線美で!あの情熱で!あたし自身を焼く尽くされてしまうかと
思ったわ!!」
キュルケは両腕で自分を抱いて体をくねらせていた、そしてその時タバサは読む本のページをめくる指を止めていた。
ミス・ロングビルはうねうねとしているキュルケに軽く苦笑いをして、手綱を引き馬を止めた。
「ここから先は森なので馬車を降りて徒歩で行きましょう、すぐ近くに情報を得た廃屋があるはずです」
馬車を降りた一行は薄気味悪い森へと入っていった。
茂る森を進む途中、ゴーレムが通ったのか一筋の道を作るように木々が激しくなぎ倒されていた。
「件の廃屋はこのすぐ先にあるはずです。フーケも近くにいるかも知れないので皆さん気をつけてください」
ミス・ロングビルがそう皆に注意を促した。一行は倒れた木々を道しるべに沿っていった先には、学院の宝物庫前にもあったような大きな盛土に半分埋もれた
ボロボロにくたびれた小屋があった。
「ここがフーケの隠れ家で間違いなさそうね」
ルイズは人が住んでいる気配がない小屋を指差した。
そこでタバサは一つの作戦を提案した、偵察兼囮が小屋の中を確認し、フーケが中にいるのであればそれを挑発し、他の者が魔法で一気にフーケを攻撃する。
「俺がその囮をやる事になるのは確定的に明らか」
タバサはこくりと頷いた。
ブロントは腰からデルフリンガーを鞘から抜いた。
「お?相棒、やっと俺の出番か!よっしゃ!ここはいっちょ・・・・・・」
デルフリンガーがカチカチと鍔を鳴らした。
「うるさい、気が散る、一瞬の油断が命取り」
「わ、わかったよ相棒」
ブロントに一喝されデルフリンガーは大人しくなる。
デルフリンガーを右手に握った瞬間、ブロントの体がギーシュとの決闘の時の様に軽くなった。
ブロントは一同がいる茂みから一足跳びで小屋の窓まで近づき中を軽く覗いて部屋の間取りをざっと確認した。
[――中に誰もいないんだが――]
リンクパールを通じてその事をルイズに伝えた。
しえん
終わりか?
246 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 22:13:14 ID:A4ABP2kQ
しえんー
「な、何今の!?ブロントさんの声がしたけれど?」
キュルケが小屋にいるはずのブロントの声がルイズから発せられた事に驚いていた。
「ああ、これね。ブロントから貰ったものだけど。このパールを通じて遠くにいても会話ができるものなの」
そう言ってルイズは首から下げていたパールを指で摘んで見せた。
「今まで聞いた事がないマジックアイテムですね、それはどれほど遠くまで声が届くのでしょうか?」
ミス・ロングビルが興味深そうに聞いた。
「わたしも詳しい事まではわからないけれど、大陸の一つや二つぐらい離れていても通じるとはブロントは言っていたわ」
「・・・・・・遠く離れた家族の声でも聞けるなんて結構な宝物ですね」
ミス・ロングビルは何処か懐かしむ様な優しい顔をしていた。
「幾つでも作れるらしいから、宝石としての価値はないらしいわよ」
「幾つでも?」
そう会話する二人にキュルケが手で遮った。
「お二人さん、今はそんな事を言っている場合じゃないわ、小屋の中を調べるわよ」
キュルケがそう言うと、タバサが小屋の扉に向けて杖を振った。
「罠は無いみたい」
そうタバサが呟くと、ブロントは扉を蹴り破り、カカッと中に駆け込んだ。
タバサも後に続いた。狭い屋内での炎の魔法や『爆発』の使用は逆に危険とタバサが事前に提案していたので、キュルケとルイズは外で見張りとして残った。
ミス・ロングビルは辺りを偵察してきますと言って、森の中に消えた。
小屋の中は半分ほどは原型を留めていたが、中にまで土が入り込んでいた。
ブロントとタバサがフーケが残した手がかりが無いか調べ始めた。
そして、タバサが土に半ば埋もれたチェストの中から盗まれた『破壊の杖』を見つけ出した。
「破壊の杖」
タバサは無造作にそれを持ち上げると、ブロントに見せた。
その『破壊の杖』を見た途端、ブロントは眉を顰めた。
「おいィ?マジでそんなものが『破壊の杖』な訳?」
タバサはこくりと頷いた。
「宝物庫にあったものは、これ」
ブロントはタバサから『破壊の杖』を受け取り、それをじっと見つめた。
禍々しい蝙蝠の細工が施された漆黒の杖は間違いなく・・・・・・
その時、
[――ブロント!来たわよ!――]
リンクパールを通じてルイズがブロントに叫んだ。
ブロントが蹴り破った小屋の入り口に振り返った時、ばこぉーんといい音を立てて、小屋の屋根が吹き飛んだ。
無くなった屋根の先には巨大なフーケのゴーレムの姿があった。
ブロントは間髪入れずに小屋を飛び出し、タバサは自分の杖を振った。
「ラグーズ・ウォータル・イス・イーサ・・・ハガラース!」
タバサは<アイス・ジャベリン>を唱え、無数の氷の槍がゴーレムの足に突き刺さった。
だが刺さった氷の槍はゴーレムの土に押し出されて、ゴーレムの足は傷も残らず綺麗に元通りになっていた。
キュルケも自分の杖を引き抜き、ルーンを唱えた。
杖から火球を繰り出すとそれとゴーレムにぶつけた。ゴーレムは炎に包まれたが、先の時と違い、ゴーレムは崩れるどころかまったく意に介さない。
「やっぱりこんなでかいのを相手だなんて無理よ!」
キュルケが叫んだ。
「退却」
タバサが呟く。
キュルケとタバサは一目散に逃げ出し始めた。
ゴーレムの背後に立っていたルイズはゴーレムに杖を振りかざして、ルーンを呟き始めていたが、駆けつけてくるブロントの姿を見たとき、ハッとして、詠唱
を止めて自分もゴーレムから距離を取った。
251 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 22:16:42 ID:AjFsTAR+
地の文が毎回〜た、で終わるから体言止めとか使ってみるといいんじゃね?
支援
[――奴の注意は俺が取る事になる。お前らはゴーレムの腕の範囲から離れる事が必要不可欠――]
そうブロントはルイズに伝えるとブロントはガチャと鎧を鳴らしながら、デルフリンガーの切っ先をゴーレムに向け、その足元に突進してデルフリンガーで振
り下ろすように切りつけた。
ブロントの剣戟がゴーレムの左足を紙の様に切り裂いたが、切りつけた側から土で傷が埋まっていった。
ゴーレムも斬りつけられたことによって、注意をタバサやキュルケ達から足元のブロントに向けた。
そしてフーケのゴーレムは右手を振り上げて、ブロントに叩き降ろした。
「バックステッポぉお!」
ブロントは身を翻し、後ろに跳び退きゴーレムの豪腕を避けた。
ゴーレムの拳が地面に突き刺さり、飛び散る破片を盾で防いだブロントはすかさずデルフリンガーでゴーレムの腕を一閃して切り落とした。
腕が取れたゴーレムは一瞬動きは止まったが、切り落ちた断面からまたむくむくと土が生えて来た。
(このままじゃ永延と切り裂くだけな羽目になる、無駄な時間が惜しいだろ)
ブロントは再生する腕をひたすら削るように切り続けながら突破策を練っていた。
(ここの魔法は魔力を使わず精神力を使うと言っていたが。そして杖が無いと唱えられない・・・)
そのときゴーレムの無傷の左腕がブロントをなぎ払った。
ガシャン!
「ブロント!」
ルイズはブロントがゴーレムの拳に叩き付けられた事で思わず叫んだ。
[――俺は少し試したいことがあるんだが、もう一度さっきの撃って欲しい、氷の槍――]
ブロントはゴーレムの拳を押し返さんとばかりに盾でその拳撃を受け止め踏ん張って、リンクパールを通してルイズに語りかけていた。
「タバサ!お願い!」
ルイズがそう懇願するのを聞くまでも無く、横で聞いていたタバサは再度<アイス・ジャベリン>を唱え、ゴーレムの足を氷の槍で突き刺した。
その様子を目を光らせ待っていたブロントは土の拳をすり抜けて氷の槍が貫いた足に斬りかかった。
「ファストブレードで引き裂いてやろうか!」
刹那の間にブロントは氷の槍が刺さった箇所を一動作の間で二回剣を切りつけていた。
途端、タバサの<アイス・ジャベリン>が『貫通』した箇所を軸に、ブロントの剣撃による『切断』がゴーレムの足にうねり広がり、その足は物凄い勢いで『
湾曲』し、捻じ曲がった。
自重に耐え切れなくなったゴーレムの両脚が崩れ落ち、ゴーレムはどっしーんと音をたてて横に倒れた。
芸が細かな稲
[――思ったとおりだったな。今度は同じタイミングで炎の後に『爆発』だ――]
リンクパールからブロントはルイズに指示した。
「ツェルプストー!」
「ええ、わかっているわ!飛び切り熱いのをくれてあげるわ!」
キュルケはルーンを唱え、杖を振った。
地面に倒れ、両腕でもがくゴーレムに巨大な火球を叩き付け、ゴーレムを火に包んだ。
それに続いてルイズも呪文を詠唱し、キュルケの火を二乗にした<フレイム・ボール>が当たった箇所に向けて振った。
ゴーレムを包み、その土の表面を『溶解』し始めた炎の中心から、ルイズの魔法がゴーレムを構成する土を『衝撃』で飛ばしながら爆発した。
そして粉々に飛び散った土の粉末にキュルケの炎が燃え移り、盛大な『核熱』の爆炎となってゴーレムを原形を留めないほどにバラバラに吹き飛ばした。
追撃のグランドヴァイパーは?
/⌒ヽ
/ ^ω^ ) すいません、ちょっと通りますよ。
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U .U
謙虚な使い魔 第10話[後編]「ゴーレムのまなざし」
「やったわ!あのゴーレムを、わたしの魔法で。もう、『ゼロ』・・・・・・もう、わたしは『ゼロ』じゃないんだわ」
ゼロと呼ばれ続けたルイズは、皆の助けを借りつつも、初めて自分の『魔法』で何かを成し遂げられた事で感極まってその目に涙を軽く浮かべていた。
「でも、最後の大爆発は今までわたしがやってきた『爆発』じゃなかったわ。一体何が・・・・・・まさか!『破壊の杖』!?」
ルイズはハッと気づいた、ブロントが『破壊の杖』を持っていた。もしかするとその大爆発はルイズではなく、ブロントが最後に唱えかけたものだったのでは?
マジック・アイテムらしき道具の数々の使い方を知っているブロントならばその可能性が高いかもしれないとルイズは一瞬思った。
その時ルイズは横から声を掛けられた。
「見事な仕事だと関心はするがどこもおかしくはない」
爆風を避けるために飛びのいたが、しこたま土埃を被っていたブロントだった。
「おう!あれは確かに正真正銘お嬢ちゃんの魔法だ!魔法を併せての<スペル・チェイン>だなんて久しぶりに見たぜ!」
デルフリンガーがブロントに続けて嬉しそうにカチカチと鍔を鳴らした。
「え?<スペル・チェイン>?」
って連携か、これ
絆を深めるとは やはりナイトは格が違った
連携か
ルイズはきょとんとした。
「ああ、魔法はなんでも同時に重ねればいいわけじゃねーんだ。少し間を挟みながら一定の順番で異なる属性の魔法を繋げる事によって
さっきのお嬢ちゃんがやった大爆発の<フュージョン>や相棒の、ええとなんて言ったかな?ディア・・・?ディセ・・・?あ、そうだそうだ、<ディストーション>とかが出来るわけよ!」
「ブロントも魔法を使ったの!?」
ブロントは首を横に振り、デルフリンガーが代わりに答えた。
「いやー、相棒のはちょっと違うな!武器の扱いが熟練された達人なら、魔法じゃなくてもその技一つで<スペル・チェイン>が起こせるんだ。おっと、この場合厳密に言えば<スキル・チェイン>って言った方がいいのか?」
「学院の本も調べたりしたけれど、<スペル・チェイン>なんて言葉聞いた事もなかったわ」
「そりゃそうだろうな。<スペル・チェイン>を起こすのに使う属性の順番とかがとにかくややこしーんだ。俺だってよくはわかってねー。俺が最後に<スペル・チェイン>を見たのも何百年も前だったかな?
ん、あれ?<スペル>じゃなくて<スキル>の方だったかな?んー、まあ良いや。とにかくこの知識を持っている奴の数が極端に少ねえんだわ、これが。ましてや相棒みたいに<スキル>でやる奴なんてよ。もうおでれーたってなんのってよ!さすがエル・・・」
そんな剣の達人の相棒になれた事がよっぽど嬉しかったのか、デルフリンガーはカチカチと鍔を止めずに饒舌になり過ぎていたので、
ブロントはデルフリンガーを鞘に押し込んだ。
「俺がいたところの魔法ではできないんだが。ここの魔法は根本的に何かが違うようだった」
「系統魔法と先じゅ・・・・・・いえ、精霊魔法の違いかしら?ってこんな事話している場合じゃないわ!ゴーレムは倒せたけれど肝心のフーケがまだだわ!フーケは一体どこ?」
吹き飛んだゴーレムの跡の前に立つ四人は顔を見合わせた時、辺りを偵察に行っていたミス・ロングビルが茂みの中から現れた。
「皆さん大丈夫ですか!?フーケのゴーレムが現れたのを見たあと、私ではどうする事も出来ないのでフーケ本人が近くにいないか探したのですが・・・」
そう語り、歩み寄ってくるミス・ロングビルを静止するようにタバサは自分の杖ミス・ロングビルに向けた。
「探す必要は無い。貴女がフーケ」
「あら?どうしてそう思います?」
ミス・ロングビルは自分がフーケであると肯定はしないものの、強くも否定せずタバサに聞いた。
「最初会った時から怪しかった。学院でゴーレムを焼いた事を誰も話していないのに貴女は知っていた」
「そうでしたでしょうか?でも土のメイジならあの土の塊見たら何となくわかりますよ」
すっとぼけるミス・ロングビルをよそにタバサは続けた。
「それと貴女はブロントの芸をする姿を見ていなかった。あの時学院の者であの場を離れていた者はフーケとしか考えられない」
「そうですか?先ほど馬車でも言いましたがちゃんと観ていましたよ?そこの彼が竪琴を『演奏』するところを」
「他には?」
タバサは目を鋭く細めた。
「他にと言われましても・・・・・・ああ、彼の演奏で他の使い魔達までも歌い出してましたね。後は・・・鎧姿に竪琴は意外と絵になっていたと言う事ぐらいでしょうか・・・?」
それを聞いてルイズとキュルケもバッと身構えた。
「ミス・ロングビル、貴女はブロントさんの芸を『聞いて』いたけれど、『見て』いないのね」
キュルケは杖を構えた。
「あの時そんな状況にいたのは会場から離れていたフーケぐらいしかいないわ」
ルイズも咄嗟に杖を出した。
264 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 22:22:09 ID:zXNTgzF3
楽しく読ませてもらってます、支援支援
「なんだい、他にも何かしてたのかい、あの使い魔。あの竪琴の演奏一つだけでも立派な芸だって言うのに」
ミス・ロングビルと呼ばれていた女性はメガネを外し、優しそうだった目が猛禽類の様な鋭い目へと吊り上った。
そしてフーケは再びルイズ達に歩み寄った。
「動かないで!」
ルイズは杖をフーケに向けた。
「おっと。動かないで貰うのはそっちの方になるわ」
そう言ってフーケは素早くびゅっと杖を振るとルイズ、タバサ、キュルケの足元からゴーレムの腕の形に似た<アース・ハンド>が伸び、三人のを掴み、動きを拘束した。
「流石に今日一日でゴーレムを三回も召喚して、四体目を召喚する力は残っていなかったわ。でもこうして長々と話に付き合ってくれたお陰で、貴方達を握り潰す事ぐらいは出来る『手』を召喚する力ぐらいは残ってるわ」
ルイズはがっちりと掴まれた手の中でもがいた
「どうしてわざわざこんな事を!?逃げるだけならさっきそのまま逃げれたじゃない!」
ルイズがそう怒鳴るとフーケは、
「『破壊の杖』奪ったのはいいけれど、使い方がわからなかったのよ。だからこうして貴方達魔法学院の者を連れてきて使い方を知ろうと考えたのよ。
結局はよくわからずじまいだったけれど、その代わりあなたの使い魔の持っているマジック・アイテムを頂こうと思ったのさ」
「ブロントの!?」
「あの声を送り届ける真珠や持った途端に身が軽くなってゴーレムをも切り崩せる剣なんてそれぞれ一つが国宝級さね。そういう事なんで使い魔さん!早くその宝をよこしな!そうしたら主人の命だけは助けてやるよ!」
しえん
267 :
◆iUfuf0c7o/N2 :2009/07/25(土) 22:23:28 ID:fDWLr2Nu
黙ってろ猿 中
さるったか 23:00までお預けか(さるさんは正時またぐと解除)
『破壊の杖』を含むほかのアイテムを握り潰したくなかったので敢えて<アース・ハンド>が掛けられていなかったブロントに向かってそうフーケは叫んだ。
「おっと、剣は足元に置いておきな!まずはその真珠と『破壊の杖』をよこして貰おうか!」
ブロントは何も言わず、腰のデルフリンガーを外し、地面に置いて、かばんから『破壊の杖』を取り出した。
「こんなものがいるのか?」
ブロントは手に持った『破壊の杖』をヒラヒラと振って、フーケに見せた。
「使い方がわからなくても、せっかく盗ったものだ。こうして何人か学院の連中だまして連れてくればいつか使い方が分かるかもしれないしさ!さあ早くしな、貴方を<アース・ハンド>で握りつぶしてから取ってもいいんだからさ」
「そうか」
そうブロントは言うと、その左手の篭手から強く光が漏れ出して、手に持った杖を高く掲げ、上空に投げた。
フーケは咄嗟に上空に飛んだ杖を目で追った。そしてその杖は見えない軸に支えられたかのように激しく回転し始めた。
そこへブロントが続いた。
「口で語るひまがあるなら手を出すべきだったな」
「な!?」
ブロントは両手をフーケに向けて押し出した。
フーケがその場の状況理解する前に、回転した杖が凄い速さで滑空して、フーケに激しくぶつかり、吹っ飛んだ。
同時にルイズ達を掴んでいた<アース・ハンド>もただの土となって崩れ落ちた。
「調子に乗ってるからこうやって『天罰』にあう事になる」
ブロントは気を失ったフーケにそう言葉をかけて、地面に落ちた『破壊の杖』を拾い、デルフリンガーを再び腰につけた。
「ブロント!」
270 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 22:26:52 ID:xPC9DVEj
そんな機能あったんだw
ありゃ? 随分とこっちは規制が緩いんだねェ〜
<アース・ハンド>から抜けたルイズがブロントに駆け寄った。
遅れてタバサとキュルケも駆け寄った。
タバサはすかさず杖を振るい、気を失っているフーケを風のロープで縛り上げた。
「あーあ、どっちがフーケを捕まえられるかで決着付けたかったのに、これじゃまた勝敗がうやむやね」
キュルケがぼやいた。
「あんたまだそんな事言っているの?呆れたわ。とにかくわたし達で無事フーケを捕まえられたのだからいいじゃない」
ルイズは腕を組み、ふんと鼻を鳴らしながらそっぽを向いて言った。
「ま、良いわ。また次の時まで勝負はお預けって事で。それより夜が遅くなる前に戻りましょう、早くこの土に塗れた体を水で流したいわ」
一同はキュルケのその言葉に賛成して、拘束したフーケを運んで学院へと戻った。
その日の夜、学院長室でオスマン氏は机の上に『破壊を杖』を置き、戻った四人の報告を聞いていた。
「ふむ・・・・・・。ミス・ロングビルが土くれのフーケじゃったとはな・・・美人だったもので、なんも疑いもせずに採用してしまった・・・ああ、いやいや、すまんの、こんな夜遅くまで頑張ってもらったんじゃ、これ以上は時間はとらせんよ」
オスマン氏はコホンと咳払いをして、
「とにかくフーケは城の衛士に引き渡した。そして『破壊の杖』も無事戻ってきた、これで一件落着じゃ」
オスマン氏は、ルイズ、キュルケ、タバサの三人の頭を撫でた。
「君達の『シュヴァリエ』の爵位申請を、宮廷に出しておいた。追って沙汰があるじゃろう。といっても、ミス・タバサはすでに『シュヴァリエ』の爵位を持っているから、精霊勲章の授与を申請しておいた」
オスマン氏の爵位申請を聞いて驚いた三人だったが、ルイズは今回一番の功績者であるブロントを見つめた。
「・・・・・・・オールド・オスマン。ブロントには、何もないんですか?」
「残念ながら、彼は貴族ではない」
ブロントは言った。
「既にナイトである俺に隙は無かった。爵位が欲しくてなるんじゃない。人を守ってなってしまう者がナイト」
オスマン氏はふむ、と頷いた。
「確かにその心構えが重要じゃの。さてと、無事盗賊騒動も片がついたので、明日は予定どおり『フリッグの舞踏会』を執り行う」
キュルケの顔がぱっと輝いた。
「そうでしたわ!フーケの騒ぎで忘れておりました!」
「明日の舞踏会の主役は間違いなく君たちじゃ。それに備えて今日はもうゆっくり休みたまえ。舞踏会の主役が体調不良で出られない、ではつまらないからの」
三人は礼をするとドアに向かった。
その場を動かないブロントをルイズはチラッと見つめ、部屋を出るのを止めた。
「ブロントどうしたの?」
「少しオスマんに聞きたい事があるんだが」
しぇーん
キュルケとタバサが部屋を出るのを確認した後、ブロントは机の上に置いてある『破壊の杖』に近寄った。
ルイズは何も言わず静かにブロントの後ろで聞いていた。
「なんでこのトリートスタッフが『破壊の杖』何て呼ばれているんだ?ミミズすらも叩き倒せないものなんだが」
「なんと、この『破壊の杖』が何であるのか知っておるのか!?幾ら調べてもその正体が判らなかったので私が暫定的に『破壊の杖』と名を付けたんじゃが」
「俺が元いた世界で祭事の時に配られた杖なんだが。このトリートスタッフは俺が知っている物とは少し違うところもあるが」
「ふむ、トリートスタッフか。ところで元いた世界とは?」
「ヴァナ・ディールと言う別の世界からルイズに召喚でこの世界に呼ばれたんだが」
「なるほど・・・そうじゃったか・・・そうじゃな、君ならこの杖の元の持ち主の事が判るかもしれないな・・・」
「・・・この杖は俺が召喚されてから始めて見るヴァナ・ディールの物なんだが。誰が持ってきた訳?」
オスマン氏はトリートスタッフと呼ばれた『破壊の杖』を手に取った。
「その杖は元の持ち主であった私の命の恩人が置き忘れていったものでの、いつか返そうと思って命の恩人の事を調べ続けてもう三十年程経つのかのう・・・」
「そいつがどうしたかわからにいのか?」
「最後に会ったときが、私を助けてくれたその時限りなんじゃよ。三十年前、森を散策していた私は、ワイバーンに襲われた。そこを救ってくれたのが・・・」
――ハルケギニア 三十年前――
一人の幼児程の体躯で、獣の様な鼻をした耳長の亜人は森の中で悪態をついていた。
「まったく!冒険者の活動を促進する為に交霊祭で配るためだかわたくしの知ったこっちゃありません事ですけど、手の院の連中は杖一本もまともに作れず、つくづく無能ですこと。この多忙なわたくしがわざわざ貴重な時間を割いて協力してあげてらっしゃるのに」
その手には蝙蝠の杖頭が装飾された杖を持っていた。
「『月の力を借りて、いつでも誰にでも帰還魔法の<デジョン>を何度でも使用できる杖の試作品です!』
何て口上は叩いて作ったはよろしいですけど、『発動の条件は月一つで半分までは満たせられる』何て月が一つ以上に増える事一生ありえない
と言う重大な問題に事に気づかず作ってしまうお馬鹿さん達には困ったものですわね」
亜人は更に杖に語る様に文句を続けた。
「肝心の帰還魔法自体を込めるにもわたくしの魔力の十分の一も受けきれず、そのまま魔法を漏らして暴走してわたくしを飛ばしてしまうだなんて、杖の方としても気合が足りません事よ・・・あら?」
その亜人は森の奥で一人の男の姿を見かけた。一匹のワイバーンに襲われていた。
「オーホホホホ!そこのあなた、助けが欲しいのではなくて?」
亜人は高笑いを上げた事によって、ワイバーンの注意は目の前の男よりもか弱そうで小さい亜人の方へと向けられた。
「子供!?危ない!ここは危険だ!」
深手を負い、その場から動けなかった男が叫んだ。
「オホホホ!麗しき淑女を捕まえて『子供』だ何て心外ですわよ。確かにわたくしは身も心も何時までも若々し・・・・・・」
亜人が語る途中、ワイバーンが問答無用に突進してその頭で亜人を弾き飛ばした。
やっぱりぃいいいいいいいいいいい!!!!!!!
連邦の黒い悪魔ああああああああああ!!!!!!!!
弾き飛ばされた、と怪我をしていた男は思ったのだが亜人はワイバーンの突進によりほんの一、二メイル押されただけであった。
「あら! わたくし、ブチ切れますわよ。ただでさえ今機嫌が悪いところですの。人の話を最後まで聞け・・・・・・」
ワイバーンは雄たけびを上げ、続けざまにその巨大な尾を亜人に叩きつけた。
しかしその尾が亜人に触れた瞬間、ワイバーンの尾は業火に焼かれたように触れた部分だけが焦げていた。
激痛で困惑したワイバーンは自分が叩いたはずの亜人を見た瞬間、その亜人の目が一方的にワイバーンを食い殺す存在である捕食者の目で睨まれていた。その亜人を取り囲む殺気にワイバーンは丸々と飲み込まれてしまっていた。
「・・・・・・ぶっ殺す!」
そう亜人が漏らし、『ブリザド』と唱えた亜人の手から小さな氷の塊が発せられた。
戦慄で動けなくなったワイバーンはなす術も無くその氷の塊に当たった瞬間、その巨体なワイバーンの体が氷と化した。
「・・・・・・ぶっ壊す!!」
続けざまに亜人は手に持った杖を空に浮かせ、浮いた杖は上空で横に激しく回って、亜人が両手を突き出すと。
回転する杖が目の前に新しくできた巨大な氷の彫像にぶつかり、そして飛竜の跡形も無く無数の氷の破片として粉砕されて辺りに散らばった。
「オーホホホホ!脆弱な生物がこのわたくしに歯向かおうなんて百万年は早いことですわよ。あら、これほど散らかしてしまって、ごめんあそばせ」
ダメだ勝負にならんwww
小さな亜人は手の甲を口に当てて高笑いした。
「そこのあなた・・・あら、気を失ってらっしゃるの?」
ワイバーンが粉砕されたときの迫力で深手を負っていた男は意識を手放していた。
「しょうがないですことねぇ、あなたの帰るべき場所に特別に送り届けてさしあげましょう」
そういって亜人は<デジョン>の上位魔法を唱え、気絶した男を魔法で送還した。
「あの使いようが無いトリートスタッフ、いえ、トリートスタッフ−1と名づけた方がよろしいかしら?は何処まで飛んでいったでしょう?
ま、でもあんな火打石程の価値もないゴミを探すほどわたくしも暇ではなくてよ。わたくしもこんな所で油売ってる場合ではないざます」
そういい残して亜人は自分自身に帰還の魔法の<デジョン>をかけた。
「・・・・・・なんてこと!<デジョン>の分際で、時空を開く事に抵抗するなんてナマイキですことよ!オーホホホホホ!」
亜人はふん!とほんの少しだけ本気を入れて自身の魔力をさらに魔法に注ぎ込み、力ずくで無理やり空間をねじ開け、元いたヴァナ・ディールへと帰っていった。
そして森にはこだまする小さな亜人の高笑いだけが残った・・・・
しえん
さすがシャントット女史だ なんとも無いぜ 公式チートなだけあるよ うん
283 :
◆iUfuf0c7o/N2 :2009/07/25(土) 22:34:36 ID:fDWLr2Nu
また黙ってろ猿 中
――ハルケギニア 現在――
「・・・・・・と気を失ったうちに私は学院まで運んで貰ったようなのじゃ。怪我が回復してから再び恩人と出会った場所に赴いたんじゃが、落ちていた恩人の杖以外に手がかりは無くての。
学院まで運ばれた時も誰も恩人の姿を見ておらず、何でも私が怪我した姿で自分の部屋で倒れていたそうでの」
オスマン氏は手に持ったトリートスタッフを撫でた。
「森に残されていたこの杖を拾った私は氷漬けになったワイバーンを破砕した所から『破壊の杖』と名づけたんじゃが、
実際には私にはその使い方は遂にわからんかった。もちろん別に自分で使おうと思ったのではなく、あくまでも恩人に返すための何らかしらの手がかりが無いかと思って調べただけの事なんだがね」
「その杖を空で回すのって、もしかしてブロントがフーケにぶつけた時の?」
ルイズは今日見たことを思い出して言った。
「何と!君はこの使い方を知っているのかね!?」
オスマンはブロントに詰め寄った。
「杖を回す<レトリビューション>はただの両手棍の技。俺は別にどんな杖でも出来るんだが。トリートスタッフの本当の使い方はそこではない、むしろ武器としては地位の低い雑魚。少し持たせてもらってもいいか?」
そう言ってブロントはオスマン氏の方へと手を差し出して、オスマン氏は杖をブロントに渡した。
トリートスタッフを手に持ったブロントは左手の篭手から光が漏れ出して、そしてその『ヴァナ・ディールでは重大な欠陥を持つ試作品』であるトリートスタッフに関する事の情報全てがブロントの頭の中に流れた。
「これは帰還魔法が込められたアイテムなのは確定的に明らか。俺がいたところでは本来全く使えないが、ここなら月の力が二つそなわる事によって何度でも使える最強の帰還用アイテムになったように見える」
「本当かね?」
頑張れ
きっついなあ
あー天罰ってレトリビューションか
オスマン氏は長年かけても判らなかった杖の謎をいとも簡単に解いてしまったブロントに驚いた。
ブロントは続けて左手の篭手を外した。その手に刻まれていたルーン文字が光り輝いていた。
「武器を持つとこれが光るんだが。光ると体もひゅんひゅんと素早くなるだけでなく手にした武器の扱い方も判る」
オスマン氏は光るルーン文字をしげしげと見つめた。
「ふむ、伝説の使い魔ガンダールヴの印の効果じゃな、なるほど」
「ガんダルブ?」
「そうじゃ。その伝説の使い魔はありとあらゆる『武器』を使いこなしたそうじゃ。手に持った武器の扱い方がわかるのもそのお陰じゃろう」
「そうか。それより頼みたい事があるんだが・・・・」
ブロントは目を手に持ったトリートスタッフに目をやった。
「なんじゃ?君に爵位は授ける事はできないが、せめてもの礼に出来る限り力になろう」
「この杖を譲って欲しいんだが」
ルイズは慌てて口を挟んだ。
「ちょ、ちょっとブロント!オールド・オスマンのとても大事なものを譲ってだなんて!」
オスマン氏は少し自分の髭をいじりながら考え込んだ。
「俺は元々冒険者なんだがこの辺りの事はよく知らない。周辺を調べたいが必要な時にすぐにルイズの元に帰れないと使い魔の役目を果たす事をできない」
ブロントが続けた説明を聞いてオスマンはうむと頷いた。
「いいじゃろう。そもそも私の杖ではないのだからそれを決める権利は私にはないじゃろうて。危険な杖では無いとわかったし、それにここ三十年眠らせた宝物庫に保管しておくより、ヴァナ・ディールから来たという君ならその杖の本来の持ち主を探し出せるじゃろう」
「その特徴的な高笑いをする持ち主とやらはおそらく連邦のシャントットなのは絶対」
「なんと!恩人の心当たりもあるのか。それならばぜひとも君に貰って欲しい!そうか、恩人の名前はシャントット殿であったか・・・彼女は今でも息災かの?」
ブロントは苦笑いをしながら答えた。
「俺が思うにシャントットは隕石を落とされても死なないと思うが」
「そうかそうか、フーケ恩人の杖が盗まれて一時は肝を冷やしたが、逆にこうして功を奏して長年わからず終いだった恩人の事を知る事になるとはなんとも奇妙な縁じゃの。
もし彼女にまた会う事があればその杖を彼女に返して欲しいが、それまでは君が自由に使っていいじゃろう」
オスマン氏はそういうと、ブロントを抱きしめた。
「よくぞ、恩人の杖を取り戻し、更にその恩人の事を教えてくれた。改めて礼を言うぞ」
「それほどでもない」
「君がした事は君にとって些細な事だったかもしれないが、私にとってはとても大きな意味を持つんじゃよ。今後何か困った事があったら是非頼りたまえ、力になろう」
うんうんと頷くオスマン氏に抱きしめられたブロントが少し困った顔をしたのを見つめていたルイズは少しその光景が面白く感じたのか軽く微笑んでいた。
289 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 22:37:07 ID:A4ABP2kQ
> その亜人の目が一方的にワイバーンを食い殺す存在である捕食者の目で睨まれていた
地の文がブロント語に浸食されてね?
次の日の晩、アルヴィーズの食堂の上に階にある大きなホールで毎年恒例のフリッグの舞踏会が行われていた。
中では着飾った生徒や教師達が、豪華な料理が盛られたテーブルの周りで歓談していた。
ホールの中では、綺麗なドレスに身を包んだキュルケがたくさんの男に囲まれ、黒いパーティドレスを着たタバサは、一生懸命にテーブルの上の料理と格闘している。
それぞれがパーティを満喫している中、ホールの壮麗な扉が開き、ルイズはブロントにエスコートされながら姿を現した。
門に控えた呼ぶ出しの衛士がルイズの到着を告げた。
「ヴァリエール公爵が息女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール嬢のおな〜〜〜〜り〜〜〜!」
ルイズは長い桃色がかった髪を、バレッタにまとめ、ホワイトのパーティドレスに身を包んでいた。肘までの白い手袋が、ルイズの高貴さをいやになるぐらい演出し、胸元の開いたドレスのつくりの小さい顔を、宝石のように輝かせていた。
一方ルイズに付き従うブロントはルイズに『パーティで甲冑姿は無粋だから何か他のものに着替えなさい』と言われたので、
幸い自分でも持っていた礼服一式に着替えていた。丈夫な霊牛のなめし革製のインナーの上に、白銀色のアルジェントコートを羽織っていた。
コートの所々に簡素な刺繍細工が施されており、その白く、謙虚なデザインはブロントという人物をうまく象徴していた。
主役が全員揃った事を確認した楽士達が、小さく、流れるように音楽を奏で始めた。
ルイズの周りには、その姿を美貌に驚いた男たちが群がり、さかんにダンスを申し込んでいた。今までゼロのルイズと呼んでからかっていたノーマークの女の子の美貌に気づき、いち早く唾を付けておこうと言うのだろう。
使い魔であるブロントに直接的にダンスを申し込む者はいなかったが、キュルケを含む何人かの女の子も群がり整然な礼服できめた長身で端整なブロントの姿をうっとり眺めていた。
ルイズは誰の誘いを断わり、ブロントの手を掴み、貴族たちがダンスを踊り始めているホールへと群がる男たちから逃げるように引っ張っていった。
しえんww
支援しえん
293 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 22:40:49 ID:A4ABP2kQ
> ブロントは目を手に持ったトリートスタッフに目をやった。
地の文が
そこでルイズはドレスの裾を恭しく両手で持ち上げると、膝を曲げてブロントに一礼した。
「わたくしと一曲踊ってくださいませんこと。ジェントルマン」
真顔で見つめ返すブロントの反応に何か照れくさくなってルイズは顔を真っ赤に赤らめた。
ブロントは軽く微笑むと右手を自分の胸の前に当て、礼を返した。
「俺でいいのか?」
こくりとルイズが頷くと、ブロントはルイズの手を取り、ルイズをリードし踊り始めた。
ルイズが見た事も無いブロントの軽快なワルツのステップに少し戸惑ったが、徐々にルイズも合わせて踊りだし始めた。
しばらく二人とも無言で踊り続けていたが、先にルイズの方から思い切ったように口を開く。
「ありがとう」
ブロントは不思議そうな顔で見つめ返した。
「そ、その・・・・・・、フーケから二回も助けてくれたじゃない。それに・・・・・・戦う時はわたし一人じゃないって教えてくれて・・・」
ルイズはそう言うと下を俯きながらブロントと踊り続けた。
ブロントはルイズが顔を上げざる得ない様にステップを取り、その手を引っ張った。
「気にしないでいい。俺は当然の事をしただけなんだが」
「どうして?」
「俺はお前のナイトだろ」
ブロントはそう言ってルイズに静かに微笑んだ。
二つの月がルイズとブロントの白い衣装を照らすように月明かりを送り、奏でられていた一曲の最後に相応しい幻想的な雰囲気をつくりあげていた。
そんな様子をブロントの腰から観察していたデルフリンガーが、こそっと呟いた。
「おでれーた!人間である主人のダンスの相手をつとめる亜人の使い魔なんて、久しぶりに見たぜ!」
以上で第一部 投下終了です。
スレ立てや読んでいただいた方ありがとうございました。
おつおつ
いろいろと芸が細かくて面白かったよ
きれいにまとめたしww
はやく続きを書くんだ。
乙
さぁて保管場所とかどうしようかしらねぇ? 本スレの方で預かってもらえるかしら?
299 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 22:43:57 ID:A4ABP2kQ
> アルヴィーズの食堂の上に階にある
> その姿を美貌に驚いた男たちが群がり
> ルイズは誰の誘いを断わり
それはやめといたほうが良いんじゃないかなあ……
301 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 22:44:23 ID:sO6Mlte2
危険だな
302 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 22:44:51 ID:A4ABP2kQ
現在 第二部+外伝 も書いておりますが、何せ2-3日で一話のゆったりペースなので
構想はできあがっているんですが肝心の執筆が追いついて無い状態です
お疲れ、こういう類の話ではかなり楽しめたよ。
強いて言うなら字の文が「〜した、〜だ、〜だった」ばかりで、だいぶ書き慣れてない風に見えた事くらいかに。
305 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 22:46:11 ID:b0lSbyJR
乙!面白かった
306 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 22:46:15 ID:YBfvs9Bh
ブロントが完璧超人みたいな扱われ方をするようになったのは、なにが原因何だろうな。
べひスレでは本人の話題なんてほぼでなかったのに
乙
続きが楽しみ
308 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 22:47:39 ID:A4ABP2kQ
>>303 そのペースなら、書き貯め文は適当に間を置いて投下した方が良かったかも
27、28には続きが読めると思っておk?
309 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 22:47:56 ID:sO6Mlte2
今日読まないと落ちるかな??
ま、無理スンナやれ
「〜た、〜した、〜った」はゼロ原作に沿ったつもりでしたが、文才がなくてすみません
312 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 22:50:00 ID:A4ABP2kQ
原作に沿ったつもりなら、文才がないとかすみませんとか言わないで良いんじゃね?
サイトとかブログとかあれば、そこに載せてもらえると見逃さなくて助かるんだけどな
313 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 22:53:34 ID:DSjNE8u0
気になったといえば【。」】
これくらいかな
>>311 あれ、原作もそんなだっけ?
読んだのだいぶ前だから忘れてたよ、すまん
315 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 23:05:17 ID:HFC9TO9a
「ネ実の」「ただの1スレの」「素人が書いた」「パロディ小説に」そんなもん気にする方がおかしいレベル
とはいえ面白かった
ブロントさんはなんかもう神格化されてるし見事な完璧超人だと感心するがどこもおかしいところはないな
316 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 23:07:06 ID:x4cVtWZ/
乙ー
超久々にゼロ魔クロス探そうかな
317 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 23:09:38 ID:lWalTRP6
見事な物語だと関心するがどこもおかしくないな
執筆は根つめすぎると頭がパーンになるから無理なく書いておくれやす
こうしてみるとヴァナディールの冒険者ってすごく便利な生活してたんだな
319 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 23:35:15 ID:4juSuEFS
320 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 23:37:55 ID:K9Nzw8H3
おいついたーと思ったら一段落着いてたかw
面白かったよ
321 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 23:38:19 ID:lWalTRP6
322 :
既にその名前は使われています:2009/07/25(土) 23:40:10 ID:LXSZyyDG
またブロントネタのクソスレが立ったか、と思い開いたら最後まで読んでいた
何を言ってるかわから(AAとか色々略
支援があもりに早すぐるwww
しかし、ネ実でルイズが〜召喚しましたSSを読めるとは思わなかったw
324 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 00:02:46 ID:i3bgmk4Z
325 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 00:24:44 ID:UrwgV0+d
オウオウ乙
次回も楽しみであるな^^
326 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 00:29:49 ID:0mO2xSRn
/ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/ ⌒`´⌒ \ ヨシhロさんにするべきだったのでは?
| ,-) (-、|
| l -―――- l
\ ` ⌒´ /
/ | ̄|´ \ ピピピピ
く ((ri_l ヽ
\ >!、_彡
\ /
327 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 00:31:42 ID:mW44rNAB
ルイズが〜本スレでブロントネタこないかな〜なんてずっと思ってた俺としては
待ち望んでいた甲斐があった!封印が解けられた!といったところ
スレは俺が保守するから全力を出していいぞ
328 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 00:33:22 ID:3RxvtAj6
こういうの見ると内藤列伝は神だったんだと思う
329 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 00:51:41 ID:mYe9+n3N
誰かその本スレとやらのURLを教えてくれないか?
330 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 01:06:37 ID:fpVeuoEw
そいや中村主水が召喚された話とかもあったなwww
331 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 01:10:22 ID:jwnBYUlk
誰かまとめウプしてくれ
332 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 01:11:08 ID:KrtMzfaQ
ところでヴァナディール言語をハルキゲニアの人間が聞くとブロント語に聞こえるのかな
モブリン語みたいに
それともサンドリア語やハルキゲニアのエルフ訛りがブロント語に聞こえるのだろうか…
これらの流れ見ててビダーシャルやティファがブロント語で会話してる幻覚を見たので
335 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 02:40:22 ID:T7dUduDC
面白かったわwww
336 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 03:03:57 ID:Elo0EwpR
vipの台本レベルのものだと思ってたら以外と面白くて最後まで読んでしまった。
イージス姉さん萌え。続きも待ってる。
337 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 03:12:09 ID:v3Tj30+x
オレもこの手の物は結構読んできたが、普通によかったな
今のとこ一番好きなのは「イチローがルイズによって召喚されたようです」かな
338 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 03:18:15 ID:4Qs2bPmr
時々文章が変だったり、ブロントさんが紳士すぐるのがちょと気になったけど
(下僕扱いとか雑用命令とか容易に受け入れすぎなような)
でも全体的には面白かったなー。熱情の律動とか連携で倒すとかネタの入れ方もいいしw
ただ、投下数増えちゃうかもだけど
もうちょい改行して欲しかったかな
ちと字が詰まりすぎてて読みにくいと思った
339 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 03:21:56 ID:sJ3KTmME
普通に面白かったなぁ、まぁ最悪ブロント言行録とかに収録して貰えると思うべさ
340 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 03:23:01 ID:UrwgV0+d
本物のブロントさんはただのキチガイタイプだけど基本創作に使われるのは卑怯じゃないやつ相手には紳士になるタイプなんでコンなんでいいんでね
341 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 03:29:45 ID:EPhzwelx
今テキストに修正しながら読んでるけど、テキストタイプにするのはマジで骨が折れるぞコレw
なにより文章どこまで修正していいのか線引きがむずいw
342 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 03:34:07 ID:kn7MvfBB
vipとかでよくローゼンでよくあるが
やけに完成度たけえなw
読むに値しない駄文。文芸の素質無し。今すぐ筆を折れ。
最低でも人前に晒すまえにキチンと推敲しておくべき。
あと、ブロントの解釈の仕方がおかしい。
ちなみにコレってFF11としてのヴァナじゃなくて純粋にヴァナ単体の世界感か
クラエアの姉とか北海道の不良自慢はなさそうだな
345 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 03:44:54 ID:EPhzwelx
>>343 そうカリカリすんなw
実際文章めちゃくちゃなのに文体がブロント風ってわけでもないところがたまにあるwまぁそれがいいのかもしれんが…w
>>1 まぁマジで推敲くらいはした方がいいぜ!発想はスゲーいいのにちょいミスが多いw
346 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 03:47:28 ID:EPhzwelx
って1に言ってどうするよ…or2
>>謙虚な使い魔◆iUfuf0c7o/N2さん で
347 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 03:54:20 ID:mhiIVxz/
ブロントというより冒険者だな
俺はそっちのほうが好みかも
あんまり駄レス見たくないから、まとめサイトでじっくり読みたいな
348 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 04:34:50 ID:DJhAx88c
つまんね
ネガはやめろと言っている サル!
350 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 07:57:22 ID:UrwgV0+d
サルノ!
351 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 08:55:20 ID:UrwgV0+d
ゴルゴムの仕業かああああああああああ
352 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 10:15:33 ID:61ZR9tYu
ほほう・・・見事なSSだと関心が鬼になった
353 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 10:17:32 ID:nFERiEsL
やはりナイトは異世界でもモテモテCHRが高いからミリキが遠くまで届く
354 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 10:36:46 ID:61ZR9tYu
キングベヒんもスの攻撃に耐えられるナイトをメイジが倒すのは難しいのではにいのか?
スクエアメイジの最大魔法もランパートでなんだこれは・・・?と余裕で防ぐように見える
というかガんダルフ効果で武器装備の制限解除されてるんじゃ?
356 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 10:50:09 ID:nFERiEsL
今のブロントさんは全スキルA+で中の人の封印がとけられた!これで本来のスペック発揮!とヘブン状態
あんこくのアブゾゼンブを超えたメインゼンブ
お疲れ。
これはこれで、楽しめた。紳士なブロントも悪くにぃ
FFの設定も適度に盛り込まれていて良かった。オリジナルの話(外伝?)も面白そうなので、期待age
358 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 10:57:12 ID:ZgoOHvNT
>>332のまとめwikiでオススメの作品教えてくだしい;;
ご立派様マジオススメ
個人的な好みだとディセプティコンゼロが好きだった。
途中で止まってしまったのが惜しい
皆さんご指摘色々ありがとうございます
今後もそれらを踏まえて文章を改善していきたいと思います。
>>341 修正の範囲は自由にして貰ってOkです
ちなみにブロントさんのイメージ像や性格の微妙な違いはガんダルブの効果って事で
今日明日中にはゼロ外伝の「タバサの冒険」にあたる、外伝の一話が出来るかも
それでは執筆作業に戻ります。
361 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 11:51:02 ID:NLIDnqlD
期待してるわ
露骨に我々に期待させていく…いやらしい
なんか全然ブロントじゃなくね?
たまにブロントの口調を真似するブロントファンってくらいにしかみえない
364 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 12:31:14 ID:ZgoOHvNT
まだ4分の1なんだよな?
楽しみだわー
できれば完結させてくれよな!
365 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 12:45:27 ID:zwxukyOR
>>363 ネット上の二次SSなんて基本そんなもん。性格や口調などがズレるのもよくある話。
こういうのは書く人も読む人も楽しんだ者勝ちな業界だから、小さなズレが気になるならオススメできない。
366 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 13:02:46 ID:9OGEsSne
見え見えの自作自演多用で自称不良の言ってることは面白いネット番長ってイメージとは随分遠いな
ルイズは知らないが面白かった
原作も面白い?
368 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 13:05:49 ID:Q9jdOukH
こんなのまでVIPから輸入始まったのかよ
どうせならやる夫で学ぶブロントさんとかやって欲しい
369 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 13:13:19 ID:zwxukyOR
>>367 異世界迷い込みファンタジーの燃えとキャラ萌えがしっかりとある良作。
ファンタジーと近代兵器のバトルとかあって、ノリはまあ悪くはない。
ただ、文章力あるかと言われたら微妙。良くも悪くもライトノベル。
>>369 マンガ的なもんってことか
ありがとう、一回読んでみる
371 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 14:08:11 ID:KrtMzfaQ
個人的な意見だけど原作より二次の方が面白いと思う
ルイズ×サイトの足踏み話が簡略される分ストーリーに回せるから
今読み直してるけどこれネタとか描写とかいい出来だなあ
もうちょっと文章が読みやすくなれば文句なしだな
373 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 14:57:50 ID:Elo0EwpR
>>368 これVIP発祥じゃなくて元はアニキャラのスレじゃねーの?
また綺麗なブロントか、狼のキチガイも出世したもんだな
375 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 18:18:44 ID:Elo0EwpR
保守しておくか
376 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 19:08:56 ID:gJF9ivQf
ほしゅ
378 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 19:30:16 ID:AmULdzKv
>>368 やる夫で学ぶFFXIとネ実の歴史とかでいい
ブロントよしくんちるは幹事長オナホマンジャックライダーあたりのネタで
>>378 そういややる夫の原型って開祖を辿れば内藤だっけ?
380 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 20:22:33 ID:AmULdzKv
wの使い方はそうだよな
また大元を辿るとUOが発祥だとか
だおは桜玉吉だとか水森亜土だとかってなるけど
〜だおwwww
っうぇwwwっうぇwwwww
とかはネ実発でよかったはず
381 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 20:23:37 ID:NtAHzsYg
ルーミィお腹ぺっこぺこだお!
382 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 20:25:20 ID:nFERiEsL
うぇうぇwwwwwwもネ実発だったのか
383 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 20:26:13 ID:ZgoOHvNT
やる夫は野球板発祥だろ
>>381 フォーチュンクエストなんて誰が知ってるって言うんだよ・・
385 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 20:28:58 ID:AmULdzKv
387 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 20:30:09 ID:NtAHzsYg
FCはまだ連載中なんだぜ?
389 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 20:31:56 ID:c6qK+edt
終始ブロント語じゃないのは、使い魔契約による副作用だということにした
>>388 パステルくらいくれてやる!
だが竹アーマーは! 竹アーマーだけは俺の防具だからな!
女の子はいくらでも嫁に出すけどこれだけは譲れんからな!!
391 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 20:37:10 ID:NtAHzsYg
パステルはすぐ泣くとこがなければいい
まだ連載してんのかよw
393 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 20:46:22 ID:vrN46d/L
そういや前にフォーチュンスレが立ってた事もあったなw
394 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 20:49:47 ID:NtAHzsYg
>>392 トラップとクレイがすげー強くなってトラップ・キットンが魔法使えるようになってノルは変わらず
>>394 質問させてくれ
あのPTは懐中時計を購入できたのか?
ルーミィは未だに幼女なのか?
クレイはまだ竹アーマーなのか?
396 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 21:02:53 ID:NtAHzsYg
>>395 懐中時計は持ってない
ルーミィは幼女
トラップは竹アーマー+1ってレッドドラゴンの鱗で強化されてすごい強くなってる
397 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 21:03:37 ID:NtAHzsYg
クレイの間違いでした、っと
>>396 dクス
続きが読みたくなってきたが、この年になると買うのも本棚に納めるのも少し恥ずかしい
399 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 21:07:22 ID:pYKPSNwE
FF11で竹アーマーでジュノにいたら、スレ立ちそうだな
400 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 21:07:30 ID:AmULdzKv
このスレはフォーチュンクエストスレになりました
>>396 立派な鎧が手に入ったと思ったら、兄貴たちがわざわざ竹アーマー強化して送って来たんだよなwww
他の鎧にしたくても、下手な鎧よりも耐熱能力や防御力が高いから外せないという。
しかし皆強くなったよなぁ。それでも尚へっぽこな空気を出してるのはパステルの一人称だからか。
強くなったといえば、デュアンなんか初期と比べるともはや別人だわな。
402 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 21:09:25 ID:T7dUduDC
ところでルイズにいるかは知らないがこのお話に暗黒騎士は登場できるんですかねぇ?
せめてブロントさんにデスサイズ使ってもらってギロティンを・・・
403 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 21:16:41 ID:NtAHzsYg
404 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 21:24:23 ID:+6fJ2/X1
汚い使い魔の出番はにいのか?;
405 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 22:07:55 ID:zwxukyOR
空蝉=遍在? だと思われて、大騒ぎになりそうな気もする。ただ使い魔になるのを承諾するかどうか分からん。
内藤が出るのもアリだとは思うが、サイトのマイナーチェンジになりそうだ。変態的な意味で。
406 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 22:43:53 ID:KrtMzfaQ
使い魔として出るなら右腕か額になる
右腕はかなり後だし、額の代役で動かせるのは難しいと思う…
俺ルイズの原作読んだことないけど色んなキャラがルイズに召喚されるのは好きだ。
サイトって典型的エロゲ主人公だったら他のキャラのほうが面白くなるのは確定的に明らかだと思うので
408 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 22:46:40 ID:rCMCN1Uo
ブロントさんをちゃんと活躍させてくれてるのがいい。
我々のFFの能力が異世界で活躍ってのがまたいい
この際文章の出来不出来は問題ない
>>407 錬金を失敗した時に歌作って馬鹿にしたサイトの対応を駄目だと感じる人が多かったのか
召喚スレのは一部キャラを除いて真摯に対応してるな。
410 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 23:01:12 ID:zwxukyOR
>>409 でもまあ、いきなり呼び出した態度のでかい女が失敗したら弄りたくなるのも分からんでもないな。
>>409>>410 本家主人公はそんな事してたのか。それでも後半はくっつくんだっけ
ルイズの性格もかきてによって若干違ってて、
棘のある部分が多いルイズの場合、召喚されたキャラがいさめたりキュルケがお姉さんっぽかったり導き手に近かったりする事も稀によくあるが。
>>411 本家初期の場合、ルイズの性格がキツイのも勿論あるが、主人公の自業自得がかなり多い。
腹いせにパンツのゴムに切れ目を入れたり、ゼロって何? 胸?とか言ったり、フーケ撃退後に
ルイズが自分に惚れてるんだと思い寝込み襲おうとして金的食らったり。
後半からは本当にでれてくるけどね
>>412 マジか・・。なんか知らなければよかったな・・。我のルイズがそんなのとくっつくなんて・・。でも主人公も後半は成長してるからこそでれるんだと自己完結
性格とは違うけど、フーケも作品によっては惨殺されたり仲間になったり浮き沈みが激しい。ワルドもたまにかっこよかったり
414 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 23:24:20 ID:ZgoOHvNT
まぁ原作のちゃらんぽらんとくっつくよりこのssみたいにイケメン紳士とくっつくほうが溜飲がさがる
本編幕間の短めな一話を投下開始
マジかよ!?
謙虚な使い魔外伝・タバサと仮面 「森の仲買人」
タバサはシルフィードに乗り、ガリア王国の上空を飛んでいた。
ガリア北花壇警護騎士団のシュヴァリエである彼女はある任務を受けていた。
しかし騎士団とは名ばかりで実質ガリア王家の汚れ仕事を一手に引き受けている組織であった。
タバサが今回受けていた任務もまた国内や国外で起こる様々な面倒ごとの後始末の一つであった。
ゲルマニアとの国境沿いを埋め尽くす通称<黒い森>と呼ばれる森の一角になるエギンハイムの村、
そこに彼女は向かっていた。
シルフィードはバサバサと翼を羽ばたきながら背中のタバサに語り掛けていた。
「もうすぐ国境なのね。森が見えてきたのね。それにしてもおなかすいたの。すいたのーのーのー」
「うるさい」
「でもさっきお城で食べられなかったのね。シルフィこのままだとおなかすいて倒れてしんじゃうのね」
「村についたらご飯にする」
「ほんと?おにくも食べれる?ほんと?」
「約束する」
「うれしいな。うれしいな。おにくのためならシルフィ頑張るのね。おにくおにく。るる。るー、あれお姉さま、何かくるよ?」
エギンハイム上空に差し掛かった時、任務であった「村に被害を及ぼしている翼人の掃討」の対象に当てはまる四人程の翼人戦士がタバサを迎え、飛んできた。
翼人は高度を取りながら飛ぶシルフィードを見上げ警戒するように距離を取りながら、
一人の翼人が呪文を口ずさみ、他三人の翼人もそれに続いた。
「茂りし葉は契約に基づき<力>を得て竜を退ける矢と化す」
「「「矢と化す」」」
すると森から矢のように鋭く尖り、鉄片のように硬くなった無数の葉がシルフィードの行く手を遮るように射掛けられた。
同時にタバサが杖を振るって氷の粒を含んだ風で、飛び来る葉の矢を薙ぎ払った。
「はぐれ風竜ではないぞ!メイジの使い魔だ!」
一人の翼人が叫んだ。
タバサはすかさず杖を構えなおしてルーンを唱えた。
「まて!我らに害意はない」
翼人の一人がそういってタバサに静止を求めた。
タバサは無言のまま杖を向けていた。
>>413 サイトは変態な時は変態だが少年マンガ的な燃えもちゃんとやってくれるんだぜ。変態だが。変態だけど。変態だったとしても。
でも、後半になればなるほどルイズの事を大事にするようになるし、ルイズが自分で「サイトに釣り合う女の子なのかな?」って言い出すくらいに成長するぜ。
フーケとワルドはほんとに作者によって変わるよなぁ。フーケが死ぬと某エルフっ子が生きていけなくなるので、勘弁して欲しいものだが。
しえん
421 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 23:31:45 ID:zwxukyOR
嘘ォ!? 完全に油断してたぞ!?
支援!
「はぐれ風竜が村へ向かってくるのと早合点をし、追い払うための威嚇のつもりだったが、まさかメイジの使い魔とはつゆ知らず。先ほどの無礼は謝らせてもらう」
そういって翼人たちは恭しく頭を下げた。
そう言われて見ると先ほどの翼人の攻撃はタバサが手を出さなくても大きく狙いを外れ、シルフィードには当たらなかっただろう、
とタバサは思い、杖を下ろした。
それにそのまま空の制約無しに飛べる翼人を上空で相手にするのは分が悪かった。
速度では風竜であるシルフィードは誰にも負けないが、タバサを落とさずに小回りを利かせて飛ぶのは難儀である。
タバサ自身も<フライ>で飛べなくも無いが、そうすると他の呪文を詠唱する事ができない。
「御理解頂き感謝する。こちらは大事な式の準備で何か大事があってはならぬと警戒していた所だ。
そなたはどちらに向かっていたのか聞いてもよいか?」
タバサはこの任務「対象」を前にして、どうでるか悩んでいた時、シルフィードが口を挟んだ。
「お姉さまは大事な任務でエギンハイムの村に用事があるのね!だから早く通すのね!」
態々相手に『自分が敵です』と宣言してしまったシルフィードに対してタバサは杖でぽかぽかと頭を叩いた。
「痛い!痛いのね!」
424 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 23:33:33 ID:ZgoOHvNT
私怨
「驚いた、風韻竜か。絶滅したと聞いてその種の姿を見なくなってしまって久しいが、まだ生存していたのか」
そう驚いた翼人はパサパサと翼を羽ばたかせながら再びタバサに向かって語りかけた。
「ところでエギンハイムの村に用があるのであれば我らが案内しよう」
タバサが任務を受けた時は、エギンハイムの村人が切り倒して生計を立てているライカ欅の一つに翼人たちが住み着き始め、
その翼人たちが村人を害していると聞いていたのだが、目の前の翼人との会話の様子から何か情報が食い違っているようだった。
詳しい状況を把握するためにもタバサはおとなしく翼人の案内に従う事にした。
そうして村へと案内されたタバサとシルフィードはそこで見た光景に驚いた。
住人二百人程の小さな村ではあるが、あちこちに花で拵えた飾りがしてあった。そしてせっせと飾りつける村人に混じり、何人かの翼人も忙しそうにものを運んでいた。
タバサを案内した翼人がゴツイ一人の男を呼び寄せると
「サム殿、こちらのメイジがこの村に用事があるそうだ。そして先ほど見た風竜はこの方の使い魔だそうだ」
とタバサを村の顔役らしいこの男と引き合わせ、四人の翼人はその場を離れた。
サムと呼ばれた男はタバサのマントと手に持つ杖を確認し、横でおとなしくしている風竜に少しビクつきながら聞いた。
「も、もしかしてお城の騎士さまで?」
支援ー
タバサは頷いて、短く自分の地位と名前を述べる。
「ガリア花壇騎士、タバサ」
「つかぬ事をお聞きしますが、もしかして翼人退治の件で?」
タバサはこくりと頷いた。
「やっぱりそうでしたかい。せっかく来て頂いてなんですが、実はその依頼を取り下げようと思っていたところだったんだ」
と申し訳なさそうに目の前のゴツイ男はぺこぺことした。
「どういう事?」
会話の間、村の様子を観察していたタバサには村人達と翼人達が敵対しているようには見えなかった。
「確かに数日前までは俺たち村の連中は翼人たちといがみ合って自分たちだけで翼人たちに立ち向かうところだったんですわ。
何せ領主さまに何度も翼人退治の願いを出してもナシのつぶてにされて来たので」
「でも、この様子は?」
「へぃ、見ての通り村の連中と翼人たちとは取りあえず和解する事になったんで。その証といってなんですが今日、
俺の弟のヨシアと向こうの翼人のアイーシャって娘との結婚式があるんで、それで皆こうして準備しているんだ」
支援
そう言われて見ると忙しそうに動く村人たちはどこか陽気な雰囲気の中で作業していた。
「和解?」
「ああ、まだ皆が皆、翼人どもを完全に信用したわけじゃないが。村に立ち寄った仮面の男の計らいで、
取りあえずは共にやって行こうと言う事に落ち着いたってわけよ」
「仮面の男について詳しく教えて」
タバサは、興味深げに聞いた。
サムと呼ばれた男はタバサに説明した。数日前に鉄仮面を被り、白い鎧を着込んだ衛士姿をした男が村を訪ねてきたこと。
その仮面の男は依頼主が明かせぬために、自分の身分を隠し、秘薬の触媒となる材料を求めてこの『黒い森』までやってきていた。
仮面の男は周辺の木々にできる蜂の巣から)極少量しか採取できない特殊な蜜を探し求めていた、
しかし空高く伸びるライカ欅に出来るその蜂の巣はその仮面の男一人では手が出せなかった。
そこで仮面の男はライカ欅に住まう翼人たちを尋ねた。翼人たちは突然現れた人間の男を信用する事は出来ない、
とその場では男の頼みを断ったが、中々食い下がらないその男に代わりに交換条件をだした。
住みかにしているライカ欅に生える寄生植物の宿木によって木々が最近弱ってきている事で翼人たちは悩んでいた。
まさか
しかし数が少なく、大事な子育ての季節で忙しい翼人たちでは宿木の駆除にまで手が回らなかった。
そこで仮面の男がライカ欅に生える宿木を駆除してくれるのであれば、翼人たちがたまに採取している蜂の蜜を分けてくれると約束した。
そして仮面の男は再び村へやってきて、サムの弟のヨシアを含む何人かを人手として雇い、翼人たちが住まうライカ欅の幹に生える宿木を取り払った。
取り除かれた宿木はその場でその仮面の男が村人から買い取った。
わざわざそのようなものに金を出して買い取る事を雇われた村人たちは不思議に思ったが、
聞けば何でも木々に寄生し生命力の強い宿木は秘薬の触媒として価値があるのだそうだ。
そうした些細な事から始まった事ではあったが、村人たちと翼人たちの双方で『互いに協力して得られるものがある』という事に気づきだした者たちがでてきた。
以前から翼人の娘の一人と交流があったヨシアの強い勧めもあって、
互いの種族の要望を話し、聞き合う場を持つために仮面の男を仲介人として仲を取り持ってもらった。
そこで村の者は作物や人手のいる労働力を翼人の者たちに提供する事になり、
代わりに翼人たちの方は空の上から街で売れそうな珍しい秘薬の触媒を探したり、村の連中を街まで運ぶ仕事をしてくれるという事で互いに協力していく事を決めた。
「と、それを機会に何でも以前から弟が密かに付き合っていた翼人の娘との結婚式を挙げてしまおう、とトントン拍子に決まったんでさ。
式が済んだら、翼人退治の依頼を取り下げようとお城に使いの者を出すつもりだったんですが、
その結果こうして騎士さまに無駄な足労かけさせちまって本当にすまねえ」
とサムは頭を下げた。
「その後、仮面の男は?」
「せっかく弟が出る式があるんだから、出席して欲しいと頼んだんですがね。
村の連中と翼人たちの間を取り持った後に何かこう黒い杖を取り出して、何か魔法みたいなのかけて、帰っていっちまったよ」
そして何かを思い立ったかのようにサムは続けた。
「そうだ、騎士さまもせっかくこんな所まで来て頂いたんだ、その仮面の男の代わりとは言ってなんですが、式に出席していただけねえですかい?―」
タバサは任務を遂行する必要がなくなったのであれば長居をするつもりはなかったので、断ろうと思っていたところ、
「―盛大なご馳走も用意してあるんで、食べていってくださいよ。それにお城の騎士の公認下で式が挙げられれば弟たちも喜びますと思うぜ」
『ご馳走』と言う言葉に耳をピクッと動かせたタバサは、シルフィードと交わした『村についたら食事をする』という約束を思い出し、
取りあえず形だけでも式に出席する事に決めた。
支援
タバサは新郎新婦に城の騎士としてその仲を認めるというくだりを含めた簡潔な挨拶をした。
騎士の祝福を受けたヨシアとアイーシャの二人は大層喜んで感謝の言葉を述べた。それをタバサは聞きうけると、
早々にご馳走の席へシルフィードと共に挑んだ。
そうしてタバサとその使い魔は満足するまで用意された料理を食べ尽くしたので、
式の終了を待たずに周りに簡単な別れの挨拶をして出発した。
そうしてタバサはシルフィードに跨り、上空を飛んだ。
「おにくいっぱい食べれたのね。今回の任務はたくさんおにく食べるだけでとっても楽だったのね!
お姉さまも危険な目にあわずに済んで誰だかわからないけど仮面の男に感謝!感謝!
こういう任務ばっかりならシルフィも大歓迎なのね!結婚式も綺麗だったのね!・・・・・・」
と、魔法学院に戻ったら、こうしておしゃべりが出来ないシルフィードの口が静まる事を知らず、
タバサはうるさいと文句を言いながら本を読みつつ聞き流し、魔法学院への帰路についた。
さすが
以上で謙虚な使い魔・外伝 一つ目投下終了
本編第二部第一話(11話)はまた数日後投下予定です。問題が無ければ今週中には・・・
おつおつ
お疲れ様です。次も期待しております。
保守しますが、投下時にスレなかったらどーしましょ?
改めてスレ立て、と思ったのですが
こちらから立てれない場合のスレ立て依頼はどこですればいいものやら・・・
440 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 23:43:04 ID:AmULdzKv
●持ちが見てるらしいからここで言えば大丈夫
441 :
既にその名前は使われています:2009/07/26(日) 23:45:00 ID:7Dlv8H1x
下げるのが基本なの?てゆうかこのスレはネ実とはちょっと違うようだの。
でも応援しておこう。
スレが落ちていたらBA報告雑談スレにでも依頼だしますか
陰陽鉄スレでもいいんじゃない?
あそこは雑談しかしてないし、ネ実からスレがなくなることもあるまい。
まー落ちないように定期的にageておくよ
444 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 00:07:04 ID:A5J0+gXv
ゼットンスレですら未だに続いているんだから大丈夫
950行ったら誰か次スレお願いね
445 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 00:18:19 ID:wTPZ7P/P
オレのTOPGEARスレは即効落ちたけどな。
446 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 00:49:01 ID:znAE0OZh
あげ
447 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 01:15:57 ID:1oPr+iWq
ほしゅ
448 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 01:26:44 ID:QtrPbCCg
まさか夜に来るとはっ 乙でした
ちらっと覗くだけのつもりだったんだが・・・
普通に面白いな・・・w
乙。
まとめwikiに載せられないのが痛いな。
ブログでも作って、まとめてもらえないだろうか。
451 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 03:33:59 ID:S90DrFWo
新エリアの名声上げを欠かさない辺り、流石 一級廃人は格が違った
452 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 04:28:59 ID:HvoMTYPj
おいィ?このスレ落としてもいいのか?
落とさせはしないわよ
454 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 06:40:20 ID:BgHsppFJ
ふう・・寝るの止めて一気に読んでしまった
ゼロの使い魔については何も知らない貧弱一般人だがググりつつ面白く読めたぜ
二次創作の世界観や設定なんて作者の数だけあるもんだと思ってるので全力で続き書いて欲しいな
455 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 06:43:59 ID:ND4iqoX4
すごい発見をしてしまった・・・
456 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 07:38:37 ID:l6HWwiTo
陰陽鉄スレで保管について話になってたが
ブロントさん現行録にスペース作ったらどうだ?
一時的なものでも作っておかないと今日や明日にでもスレが落ちそうで怖いんだぜ
457 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 07:43:12 ID:ei/tR6d4
ブロントさんは基本的に強いからな
憧れる
459 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 08:19:15 ID:677kJwLk
話し合いの最中すみません、陰陽鉄Wikiの管理者です。
差し出がましいかとは思ったのですがまとめを保管する場所が必要であれば
当Wikiの一角を利用していただいて問題ないです。
さすが
461 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 08:38:46 ID:DKjBOaaY
東方に飲み込まれそうで、なんか嫌だなぁ
注目されやすい利点はあるだろうけど
462 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 09:10:20 ID:29b6IORf
善意の申し出にその言い方はあもりにも酷すぐるでしょう?
463 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 09:15:59 ID:DTsX5IxP
こうゆうのまとめ出すとまたネ実でアンチ沸くと思うけどな…
なんつかネ実はネ実内だけで完結させてないと嫌って意見の人が多い気がする
まとめるの否定してる訳じゃないよ。ただの杞憂だといんだけど。
464 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 09:50:55 ID:LLpQSywp
保守
465 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 10:12:47 ID:NgJOJU6t
466 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 10:34:20 ID:juu7fl9/
このブロントさんはプロマシアやアレキサンダーも倒したんだろうか
とりあえずアトルガンや過去には行ってたみたいだが
467 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 10:39:01 ID:8jUiKg4W
ブロンドさんならおなつよナットにも余裕で負けないからさすがとしかしゃべりようがないな
468 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 10:47:53 ID:vzrcGKTV
携帯なのでID変わってますが管理者です
さっきの今で申し訳ないのですが双方に悪影響があるのではないかと言う声があるので少し留保させてください
過去ログはPCで途中までとったので仮にスレがおちても一人のネ実民として過去ログはうp出来ると思います
469 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 11:00:57 ID:8KGfqIO2
なんかもうやだこの板
〜が〜ようです。とかよそでやるか、もうちょっとスレタイ捻れよw
470 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 11:07:12 ID:47MJFyA+
>>468 報告とかいらないからもう二度と来なくていいよ^^
調子に乗るなカス
471 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 11:30:48 ID:l6HWwiTo
>>470 っしゃ夏廚釣れた釣れた^^
折角の作品がスレ落ちなんかでエターなるのだけは避けるべき状況なんだ
文句を言う暇があるなら行動を起こすべきでしょう?
472 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 11:34:54 ID:47MJFyA+
なんだエターなるって
どこの国の言葉?
スレが落ちる事いちいち気にするネ実民とか聞いたことない
落ちちゃうから保存して><とかどこの移民だよ
大きなお世話です^^
陰陽鉄スレの奴らだろ?遊びたいならそっちでやってろ
473 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 11:35:31 ID:D4rjP0Cb
474 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 11:38:00 ID:hN3xzB6f
香ばしいのが沸いてるな、空気でわかる
475 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 11:38:34 ID:47MJFyA+
頼むから陰陽鉄スレでやってくれ
気持ち悪い
476 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 11:41:53 ID:07TFyEgS
そんなことより俺の妹がバカでさぁ
477 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 11:45:40 ID:DTsX5IxP
>>471 正直あなたみたいのがどちらの評判も悪くしてるようにしかみえない
保存すべきと思うならあなたがやればいいよ
478 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 11:48:58 ID:47MJFyA+
このスレの保存くらいなら俺だってやってるよ
ネ実の面白いスレなんて自分で見つけるか自分で作るかだろ
そっちのなれ合いをここにまで持ち出される筋合いはない
善意のつもりなんだろうが、はっきり言って押しつけがましい
479 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 11:49:48 ID:47MJFyA+
俺へのレスじゃなかった^^;
ごめんなさい
そうめんでも食って頭冷やしてきます
480 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 11:52:22 ID:+6YJvnsD
東方厨はいいかげん自分の評判が悪いことに気づくべきそうすべき。
481 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 12:03:26 ID:5KZ0Z8vo
482 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 12:07:09 ID:DTsX5IxP
>>479 エアコンかけすぎてでお腹冷やさないようにね
483 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 12:10:28 ID:Kiaya79+
世界設定スレや、べひスレに持ち込んだら一笑に付されそうな思い込みを、全力で押し進めているWikiだろ?
頼むから、某辞典とかほかの場所にでてくるの止めてくれ。
484 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 12:16:43 ID:U/7OppTO
俺のために争うのはやめてええええええええええええ
485 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 12:18:18 ID:07TFyEgS
486 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 12:18:21 ID:DKjBOaaY
>>481 お、わざわざ作ったのか
他のやつらの反応も聞きたいところだが、
作ったんならそこでいいんじゃねぇか?
早速煽ったり叩いたりして、ネ実らしくてワロタw
487 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 12:19:49 ID:O0xgnNhM
陰陽何とかの次はるいずか・・・
488 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 12:36:28 ID:AC4T5y+n
ブロント他版に広めたのネ実民だからな 自業自得だ
まあ面白きゃなんでもいいよ
489 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 12:42:25 ID:07TFyEgS
われわれのブロント
490 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 12:44:38 ID:DTsX5IxP
491 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 13:33:46 ID:47MJFyA+
ただいま
wikiは立て乙
捕手しとく
493 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 15:37:01 ID:cOQWFCZZ
ほっしゃぁー
495 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 16:41:54 ID:zrz5IOct
ほおおおおしゅぁあああああ
ぶろぶろろろろ
497 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 18:26:29 ID:EvV1A/0e
ブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロブロ
498 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 18:52:38 ID:Ilj1TSvW
落ち着きたまえ^^
499 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 19:18:27 ID:acl5LX62
マッハロッドでブロロロロブロロロロブロロロロ
500 :
既にその名前は使われています :2009/07/27(月) 19:24:51 ID:rNwa9xwp
面白かったよー 続き楽しみw
>>481 まとめWIKI立てありがとうございます
文章のおかしいところは気づき次第、自由に修正していただいて結構です。
502 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 19:53:37 ID:bhYCtHCn
wiki見てきたけど、保管だけだと寂しいな
だからと言って他に書く事があるわけじゃないけど
503 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 20:41:51 ID:qD2Gufj8
保守
\\ / .::::::::::::::::::::::::::::::::: く
\ / .::::::::::::::::::::::::;;:;;::,ッ、:::::: ) く ホ す
\ l ,ッィrj,rf'"'"'" lミ::::::: く れ モ ま
Y ,!ミ::::::: ヽ な 以 な
`ヽ、 | くミ:::::::: ノ い 外 い
|、__ ャー--_ニゞ `i::::,rく か は
``''ー- ゝ、'l  ゙̄´彑,ヾ }::;! ,ヘ.) ! 帰
゙ソ """"´` 〉 L_ っ
/ i , /| て r
≡=- 〈´ ,,.._ i 't-'゙ | ,へ ,r┘
,、yx=''" `ー{゙ _, -、 ; l レ' ヽr、⌒ヽ'
゙、`--─゙ /! `、
_,,、- ゙、 ー'' / ; `、
-''"_,,、-''" ゙、 /;;' ,' / 、\
-''" / `ー─''ぐ;;;;' ,' ノ ヽ `ヽ、
// / ヾ_、=ニ゙、、,,_
/// // ,、-'´
// // / /
ID:47MJFyA+みたいに痛い子が沸いちゃうとどうもなぁ…
506 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 21:06:33 ID:07TFyEgS
おい、やめろ馬鹿
腫れ物に触ると陰金になるという名セリフをしらないのかよ
507 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 21:09:20 ID:Kiaya79+
どこも自分の好きな物のイエスマンで固められている訳じゃないんだよ。
このスレへの批判はスルーして、陰陽鉄への批判が許せない子達は、あの気持ち悪いスレからでて来ないでくれ。
あそこは数あるネ実スレのなかでもかなり異常
508 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 21:12:34 ID:DTsX5IxP
内藤スレ仕様のZeidが召喚されたらタバサピンチ!
獣様でヴィンは・・・・ 大して変わらない様な・・・・
アトリ・・・ んー
510 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 21:20:23 ID:PIiskPSQ
隔離病棟スレから勝手に抜け出してる患者が何人かいるな
誰かまたアンチ陰陽鉄スレでも立ててやれよ
お前ら落ち着け。ルイズをトイレに行こうとするのをブロックし続ける妄想して落ち着くんだ。
512 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 21:24:50 ID:07TFyEgS
>>508 ごめんな・・・妹なんていないんだ・・・
弟ならいるぞ さっきも一緒に桃鉄やってた
>>512
うそつき!!
うそつき!!!
514 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 21:29:30 ID:A8TMqmhs
見えない敵と戦ってる奴がいるな
515 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 21:30:23 ID:qUn3Te+f
ヤムチャ?
516 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 21:31:30 ID:07TFyEgS
亀仙人の鼻血がひつようだな
517 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 21:33:58 ID:EY2ECF4i
妹も姉もいる俺には隙はなかった。
518 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 21:41:40 ID:Ilj1TSvW
誰かアックマン連れて来いw
519 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 21:57:50 ID:07TFyEgS
なにそいつ
超人パワーどんくらい?
520 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 21:59:25 ID:U/7OppTO
子供トランクスににてるアックマンが主役のゲームなら知ってる
ブウ戦あたりの悟空ってアクマイト光線喰らったら爆発しそうだよね。
522 :
既にその名前は使われています:2009/07/27(月) 22:19:16 ID:Ilj1TSvW
スーパーサイヤ人の時点でボンッするんじゃねw
>>520 GOGOアックマンだっけか
ちょっとやってみたかったけど結局やらず仕舞いだな
今読み終わった。面白いね
524 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 00:25:55 ID:60tW5NQP
正直バカにしてたけど面白かったですw
原作知らないけどせっかくだからオリジナル路線でいってみたら?
この手のってガワ変え二番煎じ感が強い。
525 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 00:26:23 ID:XRoaiu4f
agu
また訳の分からない意味不明モノが出来ているかと思って読んでみたら
想像を絶する爽やか話が俺を襲った
527 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 00:50:09 ID:XNGqboe1
原作は知らないが上のレスによると性格がエロゲ主人公らしいんで
このイケメンの話のあとに見たらガッカリしそうだ
>>527 原作はがっかりするからやめとけ・・。シリーズが新しくなるごとにさらにがっかり度は増す
ヒロインのビジュアルとかが気に入ったら画像はいくらでもあるから。
そもそもラノベにあまり期待はかけないほうがいい。
猫の地球儀は良かったなぁ
530 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 02:39:37 ID:82cWpAzT
あげ
531 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 03:09:26 ID:nCRr5qb6
>>529 「蚊」コレクションと(大久保町シリーズ作者も寄稿してる)、
「俺の脚には鰓がある」は読んだほうがいい。
532 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 03:11:06 ID:aIfj1wH9
何打個のスレw
こういうのはやる夫スレみたいにAAがないと全く読む気にならんな
533 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 03:16:32 ID:3IfsExKe
>>531あらすじを読んだらおもしろそうだったから困る。
534 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 03:25:42 ID:tvPXiR+9
>>532 お前らの新ジャンルスレ好きだったんだがもうやらないのか?
535 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 04:31:48 ID:fMseUjjG
ファスブレから始まる〜
ナイトの剣の季節〜
536 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 08:08:15 ID:S4GHMksU
スーパークライム
537 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 08:39:25 ID:F3lxP4Fd
ルイズとか読んだ事無いからラブやんでやってくれよ
538 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 09:08:52 ID:LJA3UdJG
面白かった
FF11関係の小説自体好みだし、プロント要素も備わって最強に見える
続き期待しております
執筆まったり頑張ってくださいな
539 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 09:10:33 ID:LJA3UdJG
×プロント
○ブロント
540 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 09:13:01 ID:bfwARJ+I
541 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 09:14:56 ID:GT4ybl28
まさにVIP化だなw
どっちも知ってるからあんまうざくはないけど、ネ実っぽくはねーなw
542 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 09:33:28 ID:bGFOr1Cu
クロスオーバーものはFF11を知らない人にその世界観や魅力を伝える入門編として良いよね
でその際のエスコート役というか狂言回しに最適なのが神格化されたブロントなんだろうな
リューサンじゃ別世界でも孤独に耐えちゃいそうだし内藤は逆にLSの内輪に篭っちゃうからな
神格化されたブロントさんのイメージが定着して新参がそこら中で使う厨ジャンルそれがブロント
544 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 10:43:11 ID:ykaWFkPi
そんなことより俺の妹がバカでさあ
奇遇だな、俺のちんちんも馬鹿なんだ。
深くお突き合いさせて頂きたい
まとめwikiのnaviリンク、ファイル名のつけ方が間違ってるから
まともにつながってないけど修正依頼ってここでいいの?
ファイル名は管理人権限が必要だから一般人は治せないし。
547 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 11:20:00 ID:nCRr5qb6
妹でなくてもいいが、楠田恵理子みたいな長身のリアルエル♀とにゃんにゃんしたい。
548 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 11:33:06 ID:3wfQ2lzW
湾曲作るのにボパじゃなくファスト使う辺り今後の展開に期待が持てるなw
俺はハメ外した番外編が大好物なのでアイディアがぽこじゃか沸いて来るようならどんどん書いてほしいぜ
549 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 14:47:44 ID:F20YPO8z
age
ほしゅ
551 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 16:12:12 ID:60tW5NQP
リアルリアリティはわざとやってるのかな?w
ちょこっと覗いただけなのに
ブロントさんの魅力にやられたwww
地の文が、ちょいちょい日本語になってなかったり
句読点が無くて読みづらい部分もあるけど……
553 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 18:25:44 ID:3PsSJI/A
どっかまとめブログにのらんかなw
554 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 18:32:02 ID:MBjsO7ju
まだ途中だがおもしろいわ
555 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 20:15:57 ID:xqjrh/T2
\\ / .::::::::::::::::::::::::::::::::: く
\ / .::::::::::::::::::::::::;;:;;::,ッ、:::::: ) く ホ す
\ l ,ッィrj,rf'"'"'" lミ::::::: く れ モ ま
Y ,!ミ::::::: ヽ な 以 な
`ヽ、 | くミ:::::::: ノ い 外 い
|、__ ャー--_ニゞ `i::::,rく か は
``''ー- ゝ、'l  ゙̄´彑,ヾ }::;! ,ヘ.) ! 帰
゙ソ """"´` 〉 L_ っ
/ i , /| て r
≡=- 〈´ ,,.._ i 't-'゙ | ,へ ,r┘
,、yx=''" `ー{゙ _, -、 ; l レ' ヽr、⌒ヽ'
゙、`--─゙ /! `、
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-''" / `ー─''ぐ;;;;' ,' ノ ヽ `ヽ、
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556 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 20:37:40 ID:3wfQ2lzW
ブロント語は句読点無しにカカッと行くもんだとどこかで見た気がする
ブロントさんの年齢設定がほんのちょっと僅かばかりに高く感じたが年月経過がヴァナ時間基準なので実は20歳くらいということで脳内変換した
557 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 20:54:14 ID:XNGqboe1
>>332を見てみたけど謙虚な使い魔以外じゃ違和感がw
558 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 21:27:03 ID:I/QArnZU
559 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 21:44:52 ID:+JQeyniO
ケアルレイズにホーリーリアクトだの各種アビリティだのWSだの
色々まだ隠してるからこの先どう膨らませるのか楽しみでしかたない
ちなみにゼロの使い魔は読んだこと無いんだが原作準拠なのか?
560 :
既にその名前は使われています:2009/07/28(火) 22:36:44 ID:5SZdAJUQ
だいたいあってるw
561 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 00:06:06 ID:GvzYqH15
ルーンの効果でサポ職含む全レベルキャップ解除だったら恐ろしいな
ナイトしながら双竜脚とかワクワクしちゃう
562 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 02:00:22 ID:gY5KqiMN
ルイブロか・・・・許せる!
563 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 02:36:50 ID:3VaiyhCN
そういやエルヴァーンって一般的なエルフとは見た目しか似てないなw不器用で魔法が苦手とか。
エルフっていえば魔法使いか弓使いって感じだけどヴァーンはナイトだもんな。
564 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 02:38:02 ID:+d6+gd/1
ブロントがやけにイケメンなのには吹いたが、そのギャップもあってかヴぁーん化には盛大に吹いたwwm
作者の文章は確かに稚拙なところも見受けられたが、それでもここまで魅せ方が上手いとそんなことも気にならなくなったな
565 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 03:03:45 ID:wUewpCwG
見辛すぎだろ、改行くらいしろよw
566 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 03:10:44 ID:TIbCBgQE
ルイズしか顔がわからなかったのでイメージしやすいようにピクシブでイラストググってたら
キュルケで検索したら9割いやらしい絵だった
どういうことなの・・
567 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 03:17:35 ID:C0XIzCJl
キュルケはいやらしい
つまりそういうこと
568 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 03:48:19 ID:TElm/k+4
>>563 魔法は苦手だが、本業の魔法使いの数はさておき、
「魔法が使える」(魔法だけでは生活できない程度)レベルの人材は非常に多い不思議な種族なんだぜ?
騎士団とかほとんど回復魔法使えるじゃねーか。某ボクっ娘はガ連打するけど。
…たぶん、MNDとSTRが高いからINTは低くても便利な魔法は根性で習得してるんだろ。
ケアルあったほうが脳筋種族には便利だし。
569 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 06:17:47 ID:gY5KqiMN
やはりルイズよりやはりタバサだな・・
今回のSSでそれが良くわかったよ>>作者感謝
無口なタバサとブロントさんの組み合わせはまさしく鬼の力と言ったところかな
570 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 09:04:37 ID:pwfrkQVv
面白すぎなんだが ほしゅ
571 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 09:23:07 ID:3VaiyhCN
>>568 たしかに。パラメータ的に微妙でも得て不得手はおいといて魔法使うNPCは多いね。
実際エルヴァーンの俺のメインジョブは白と青だったし。MPさえジュースで確保すればどうにでもなる。INTの依存度低いし。
…でもやっぱり脳筋臼魔になってたねwヘキサストライク最高ww
572 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 09:48:22 ID:nD6KWnBC
得意ではないが何でも使えるんだぜ ジョブ次第では
アンリエッタとにゃんにゃんするストーリーが展開されるか!?
楽しみにほしゅ
573 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 10:58:52 ID:d0zNSh3+
偏在とか絶対忍者だろ…
574 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 14:09:26 ID:4CyHKnOH
ヴぁーんは信仰心から治癒魔法が使えるようになったイメージだなー
MNDは信仰心に支えられた精神力的な
捕手
575 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 15:08:23 ID:nD6KWnBC
チンポニエより下にきちゃったのでほしゅ
576 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 16:36:15 ID:C0XIzCJl
ほう
577 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 17:50:53 ID:nD6KWnBC
今日は飲み会だからとりあえずラスト保守
578 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 18:55:37 ID:TElm/k+4
あと社会構造上、一般人が魔法を習得しやすいのでは?
バスだと才能あってもなかなかって感じがする。
(魔法屋は『代筆屋』として商売していて、しかも亡命樽)
ヴァーンは魔法といえば不倶戴天の敵の樽の技とはいえ、
魔法覚えたい!って子供が多いし、それに応える環境もあるんだとおもう。
チラシ配りのバイトしたら、渡した子供が普通に「兄貴にいじめられるから魔法覚えよう」とかいうじゃん。
魔法習得に個人個人と社会が抵抗を感じてないんだろう。
たぶん、ケアル1程度なら覚えている奴は結構いると思う。
579 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 18:57:45 ID:TElm/k+4
ルジヌ:…でもうち、閑古鳥鳴いてるんですが。
その妹:おねーちゃん。暇だねー。
…そりゃ本格的に魔法覚える奴がいなくて、
興味半分で「ストーンください」だけじゃ儲からんわな…。
580 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 19:56:28 ID:p781tsbX
ゼロ魔全然知らんかったけどおもしかった!
このスレは落とさせない!
581 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 21:08:03 ID:d0zNSh3+
ブロントさんは優柔不断じゃないからサクサク進みそう
ぶろろろろろおおお
583 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 22:16:34 ID:qqA7jd8b
保守る
584 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 22:18:57 ID:/k4Iyg1D
食い物の描写がうまくて腹へるわ
続き超楽しみ
585 :
既にその名前は使われています:2009/07/29(水) 23:41:08 ID:gY5KqiMN
きゅいきゅいvsギーブル先生やったらどっちが勝つんですかねぇ・・・?
10話まで面白かった
外伝はブロントさんが出てこないので、面白いつまらない以前によくわからなかった
原作知らなくても面白い!ってレベルではないかな
587 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 00:50:56 ID:vICtrwfe
>>586 弐種族を調和に導いたmasukudo henntaiがブロントさんの世を偽る仮の姿なのは確定的に明らか。
588 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 01:31:00 ID:cLAl4GBM
続きはここに投下されるのか?
589 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 03:04:17 ID:NBEl1FSq
寝る前にあげ
ルーン刻むときの「おいィィィィィイイイイ!!??」が秀逸すぎるw
なんで「おいィ!?」が掛け声というか鳴き声みたくなってんだw
591 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 03:43:04 ID:88qt2Hi4
捕手agu
592 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 05:12:34 ID:hHpK2wb7
>>590 MUGENのブロントさんに「おいィィィィィイイイイ!!??」って叫びボイスがある
そうだったのか 無知でスマン
しかしゼロ魔の世界に来たブロントさん普通にカッコイイじゃないか
訛り言葉の凄腕ってハリウッド映画とかにも出てそう
594 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 07:01:26 ID:vD/cI57X
あげときなよ
595 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 07:43:09 ID:1g6F1r4a
ブロントファンタジーとかのブロントさん基準だとこんなクールキャラになるんだろうか
もうちょっと感情の起伏あった方が言行録からセリフ引っ張ってきやすそうだがw
596 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 07:47:36 ID:WyXvhuFd
真ブロントは厨精神溢れるマジキチなので、それはだめ
597 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 09:09:41 ID:wVPo745u
598 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 10:12:55 ID:NMUIjQ7M
一人だけ浮きすぎw
600 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 10:14:18 ID:3iJtqeqe
>>587 あぁ、出てるのかw
いつまでたってもタバサってキャラしか出てこないから、ブロントさん関係ないのかと思ってた
601 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 10:34:53 ID:Ldd9C/ue
他キャラから見た、小耳に挟んだブロントさんの活躍って路線なのかな、番外編は。
602 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 10:45:09 ID:3iJtqeqe
読んできた
なるほど、こういう話だったのねー
ゼロの使い魔を知らない俺ではチンプんかンブんだったが、なかなか読めた
603 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 11:53:33 ID:vICtrwfe
ゼロの使い魔は深夜アニメでみたが何度も見ようとは思わんかったが、
ブロントさんがいると読めてしまうもんだなぁ。
604 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 12:00:57 ID:vICtrwfe
そういえば陰陽鉄スレ、雑談しかしてない理由はSSは専用ろだにあげろ!だからじゃないの?
つーかSS何故専用ろだまで…流れ超早いからなのか?
605 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 12:01:56 ID:W+EnaE2q
はぁ?FFに関係ないスレでしょ?東方板に建ててくださいね??
606 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 12:21:34 ID:1g6F1r4a
あのスレ下手すると3時間くらいで1000行くからな
何にせよ露骨に陰陽鉄叩くのは止めとこうぜw
ブロントさん関連SSってことでここ覗いてる人多そうだし、ここの作者やWiki管理人が向こうを好きで見てる可能性も0じゃないしな
607 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 13:05:28 ID:HZD4Sy/G
しかしネ実民は行動がはやいなー
もうwiki確保したのか!はやい!
外伝はただの伏線だろう
宿木がFFのアイテムだし、何の材料か考えたら…
おっと、来客だこんな時間に誰だろう
609 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 13:58:18 ID:fdMOaJhP
こんな時間……?
610 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 15:46:14 ID:1g6F1r4a
外伝は作者オリジナルなのか?
妹が本持ってるらしいので今度帰省が楽しみである
611 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 18:05:04 ID:CiWkc9n7
ぬるほ
612 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 18:09:20 ID:HUxUkn78
ガガッ
613 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 19:47:04 ID:JwgbOqo8
保守^^
614 :
謙虚な使い魔 ◆iUfuf0c7o/N2 :2009/07/30(木) 20:06:25 ID:VBmR453o
ヒャッハー!
まってたぜ!!
謙虚な使い魔〜アルビオンの幻影〜 第11話 「稀なる客人」
トリステイン城下町の一角にあるチェルノボーグ監獄で、土くれのフーケは刑が決まる裁判の日を待っていた。
フーケはどんな極刑が待ち構えているのかぼんやりと粗末なベッドで考えていた。
「あれだけ、貴族どもをコケにしてやったんだ、縛り首が妥当かねぇ・・・・・・」
する事も無く、ただひたすら待つだけの身なので寝ようと思い、フーケは目をつむった。
しかしフーケはふと鉄格子の向こうに何かを感じた。嫌な気配がした!
フーケは目を開けると長身の黒マントを纏った人物が立っていた。顔は白い仮面で覆われて、マントから長い杖が突き出ていた。
「おや、こんな寂しい場所に客人なんて、珍しいわね」
フーケは仮面を被ったこの人物は口封じのために送られてきた刺客だろうと当たりをつけていた。
貴族から盗んだ物の中には裁判を通じて明るみにでたら、所要主にとってはまずい品が幾つかあったのだ。
「あたいが何故ここに収容されたかおわかりになりますでしょうかね?見ての通り、
どう足掻いてもあたいは極刑は免れない、だから裁判で何を盗んだかしゃべる気はさらさら無いさ。
と言うわけで、あんたを送った依頼主の所にとっとと戻って伝えな、
『あんた等から盗んだお宝は、全部あたいと一緒に土の底の地獄まで持っていってやる』てね」
黒マントの人物は口を開いた。年若く、力強い男の声だった。
「勘違いしてもらっては困る。話をしに来た『土くれ』よ、いや、それともマチルダ・オブ・サウスゴーダと呼んだ方がいいか?」
かつて捨てる事を強いられた貴族の名を口に出されたフーケは顔から血の気が一気に引いた。
「あ、あんた、一体何者?」
フーケの問いに、男は笑って言った。
「我々はハルケギニアの将来を憂い、我々の手でハルケギニアを一つにするために国境を越えて立ちあがった貴族の連盟さ」
「はん!その貴族連中がこんなこそ泥に一体何の用が?」
「我々は無能な王家を打ち倒し、そして、我々有能な貴族が政を行うために、優秀なメイジが一人でも多く欲しい。我々の同士とならないかね?
『土くれ』よ」
「で、あたいがそれを断ったら?」
「今聞いた事を、この場で土の底の地獄まで持っていって貰う」
フーケは笑った
「露骨に脅していくなんて、いやらしいったらありゃしないわね。その『我々』と呼んでいる連盟とやらはなんていうんだい?」
「味方になるのか?ならないのか?どっちなんだ?」
「これから旗を振ってやる組織の名前は、先に聞いておきたいだけさ」
男はポケットから鍵を取り出し、鉄格子についた錠前に差し込んで言った。
「レコン・キスタ」
――トリステイン魔法学院――
◆ ◆ ◆ ◆
ルイズは再び港町の夢を見ていた。以前と同じく美しい街並みではあったが、物々しい兵士の姿をいたる所で見かけた。
見覚えのある道を歩く中、周りの風景が少し低くなっていく様に感じた。
夢の中での自宅に辿り着いたとき、以前は胸元付近の高さにあったドアノブが、今ではルイズのお腹の辺りまで下がっていた。
ノブを回して扉を開けると、そこには例の赤ローブのエルフ女性が人の顔の紋章が施された黄金に輝く盾を携え、
金属製の棍を腰に下げた姿でルイズを迎えた。
『何姉さんいきなり家にいるわけ!?獣人との戦争が始まってから、しばらくは会えないって言ってたのに』
自分の口から発せられる声にルイズはどこか聞き覚えがあったのだが、まどろみの中でうまく思い出せないでいた。
『――――、元気にしていた?ここで三国首脳会議が近々行われるらしいから、その警護の事前視察として偵察隊を率いるわたしが派遣されたの
よ』
『そうなんだ、じゃ、しばらく滞在するんだ?』
『そうね、街の防衛状況や兵力を把握する作業に数日はかかるわ。もっとも、細かい事はわたしと共に来た軍学者の第一人者と呼ばれている方が
殆どやってくれるわ』
『それで、暇でする事無いから、うちに遊びに来たって訳?』
支援
『何よ、つれないわね。以前パールで話した時、『戦うためのナイトの術を学びたい』って言っていたから、お姉さん忙しい時間から暇を見繕っ
て教えてあげようと来たのに』
そういってエルフの女性はプイッと顔を背けて拗ねてしまった。
『ごめん、そういうつもりじゃなかったんだ。お願いだから教えて欲しいんだけど。ねえさ・・・じゃなくて、お姉さま』
「お姉さま」と呼ばれ機嫌を治したのか、エルフの女性はフフン♪と嬉しそうに鼻を鳴らした。
『そうね、――――には特別にナイトの秘伝を教えてあげるわ』
そう言ってエルフの女性は苗が鉢入れ取り出し、ルイズに手渡した。
『何これ?植木鉢?』
『そうよ、それには花の種が植えられているわ』
ルイズは怪訝そうに手に持った鉢をじっと見つめた。
『これとナイトになるのに何が関係あるわけ?』
エルフの女性は誇らしげに胸を張って、人差し指をチッチッチと振った。
『たった数日間、剣や盾振り回したって教えられる事はたかが知れているわ。それよりもっと重要な『騎士の心得』がそれを育てる事によって学
べるわ』
『花なんて育てたって、獣人どもには対抗できないじゃないか』
『わかってないわね。いいわ、お姉さんが一つ話をしてあげる。といってもこの花の種をくれた人達の事だけどね―』
621 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 20:11:28 ID:xYVHOeBS
きたきた 支援
40話まであるんだっけ?
しえん
そうしてエルフの女性は戦場で会った一組の男女の話をした。
とある王族の生まれであると言う少女とその従者として付き従う遍歴騎士の男。
『その王族出であると言う子は何でも少し前までは花屋の看板娘をやっていたらしいわ。その子は『何か助けられる事は無いか』と今でも前線に
参加しているわ』
『兵士でもない、元花屋の人なのに?』
『ええ、その戦場に咲く花の様な可憐な存在のお陰で何人もの兵士達は戦う勇気と希望与えられた。でもそれは彼女一人で出来る事ではないわ』
『・・・もしかしてその彼女を守っている騎士もいるから?』
『その通りよ。花は咲き誇る事によって初めて周りに色々な感動や力を与えてくれるわ。でも花と言うのはそれまでは凄く脆い存在でもあるの、
誰かが守ってあげなければどんな花を咲かせるか、それを知る前に枯れてしまうわ。そしてその守る存在と言うのが『ナイト』と言うわけ』
エルフの女性はルイズの肩をぽんと叩いた。
『しっかり者のあなたは誰かに守られる『花』と言うより、それを守る『ナイト』に近い性質も持っているとお姉さんは思うわ。
本当ならあなたが守りたいと思う者を探す事が一番早いんだけど、流石にあなたの年にはちょっと早いから・・・』
『まさか、それで』
『そう!だから代わりにこの花を育ててみなさい。騎士の心得に色々通じるものがあるはずよ』
『・・・・・・何か適当にそれらしい事言ってごまかしてない?』
『不満に思うのなら早くあなたが本当に守るべき『花』を見つけることね。でも、それはただの花だと思って侮らない方がいいわ。その種をくれ
た子によると、花を咲かせるのがとても大変な<夢幻花>だそうよ』
『花なんて育てた事ないんだけど・・・』
『フフン・・・・・・♪お姉さんは抜かりなく世話の仕方はその子から聞いているわ。まずは――』
そうしてルイズは大人しくエルフの女性から事細やかに夢幻花を育てるコツを教えてもらった。
『――と言ったところかしら。じゃ、お姉さんとの約束よ?『花』が咲くまで必ず守り通す、って』
そうしてエルフの女性がにこりと笑いかけると、その顔と共にルイズが見ていた風景は白く塗りつぶされた。
◆ ◆ ◆ ◆
――ィ―――
―お―ィ――
「おいィ!?いい加減起きろといってるサル!」
ブロントはベッドで寝ているルイズの毛布を剥ぎ取った。
「う・・・えぁ・・・あ、おはよ、ブロント・・・」
しえん
ルイズは寝ぼけ眼をしぱしぱとした。
「寝坊したのは確定的に明らか。今から用意しても時既に時間切れ」
「え”・・・今・・・何時よ?」
「九時を過ぎたとこだが」
ルイズはガバッとベッドから跳ね起きた。
「何で起こしてくれないのよ!」
「おう、お嬢ちゃんよ、相棒はちゃんと時間通りに起こしたぜ。けどよ、お嬢ちゃんは『うん、わかった。そうするよ』って答えていたから
後は自分で起きるもんだと思って相棒と先に厨房に寄っていたぜ」
デルフリンガーが鍔を鳴らしてルイズの声を真似て裏声をだしながら説明する。
「・・・・・・わたしそんな事を言った覚えないわよ」
「寝坊対策とかすこし頭を使えばどうでもなる問題を考えもせずに人に頼り切るからこういう結果になる」
ブロントはため息を吐く。
「・・・何よ・・・まあ、とにかくもう過ぎてしまった時間の事はしょうがないわ。午後の授業は出るから準備を・・・何それ?」
ブロントは先程から手にもった紙袋から何かを取り出しては口に入れてボリボリと食べていた。
「アーミービスケットを知らないのかよ?」
「あーみービスケット?何が入っているの?」
「小麦粉とライ麦粉にセサミを混ぜて、それにヨーグルトとこの前採って余った蜂蜜を練りこんだ。それをバターで――」
「へぇー、色々入って結構おいしそうじゃない」
と、ルイズは紙袋から一つビスケットを摘んで口にいれた。
ホンマくいもん美味そうやな
ポリポリ・・・
「――水分が完全に枯渇的に無くなるまで硬く焼いたものなんだが」
ルイズは頬をすぼめて「けふっ」っと咽た。一方ブロントは平気な顔でボリボリと食べている。
「けほっ、けほっ、よくこんなパサパサなもの食べられるわね、口の中が一瞬でカラカラよ」
「軍用食だから大してうまくはないんだが。うまいから食べるんじゃない、こうして無性に食べたくなって食べてしまうのがアーミービスケット
」
ボリボリ・・・
「確かに・・・あまり、おいしくはないわ」
ポリポリ・・・
「おいィ?そう言ってなに二枚目食べているわけ?」
ボリボリ・・・
「な・・・なんとなくよ!さっきのは味がよくわからなかったから。まだ沢山あるのならちょっとぐらいはいいじゃない」
ポリポリ・・・
ボリボリ・・・
ポリポリ・・・
ボリボリ・・・
「もう一枚頂戴。思ってたより味は無いんだけれど、ちょっとこれは癖になるかも・・・」
ポリポリ・・・
「俺は九枚でいい」
ボリボリ・・・
ポリポリ・・・
ボリボリ・・・
ポリポリ・・・
ボリボリ・・・
「ヴァリエール・・・何暢気に栗鼠の真似をしているのよ」
いつの間にかキュルケがルイズの部屋の入り口に立っており、呆れた様子でルイズを見ていた。
「ぶっ!げほっ!げほっ!ツ、ツ、ツェルプストー!?」
「授業をサボって、宿敵ヴァリエールが何しているかと思って来て見てみたら、ブロントさんとイチャイチャしてただなんて。あんたも中々やる
わね」
「けほん!イチャ・・・そんなんじゃないわよ!そ、そ、そ、そういうツェルプストーは今授業に出てないでここで何しているのよ?」
「あら、本日の授業は中止になったわ。何でも我がゲルマニア国への訪問を終えた姫殿下が今日この魔法学院に寄ってくるそうよ」
「ええ!?姫殿下が?」
「品評会の時はフーケ騒ぎで色々慌しかったから、改めてのご挨拶じゃないの?とにかく歓迎の式典があるから生徒達は正装して参加との事よ」
ルイズは口の中のビスケットを慌てて飲み込むと急いで服を着替え始めた。
「こうしていられないわ!ブロント手伝って!水場まで行くわよ!」
しえん
さるった?
もう少しだろ?
トリ?変わったっけ?
633 :
◆iUfuf0c7o/N2 :2009/07/30(木) 20:21:30 ID:sdFlvSNS
さる中にウィキうぷ
みてええけど我慢我慢
ルイズは制服に着替え終えると、ブロントを連れて部屋を飛び出した。
「やれやれ、殿方を前にしているというのに、ヴァリエールあのはしたない様子ったら、まだまだ子供ね。女としてはあたしの圧勝かしら?」
キュルケはやれやれと両手を広げて肩をすくめた。そして何気無くテーブルに残された紙袋から、ビスケットを一枚手に取った。
「ふーん、こんなビスケットに夢中になっちゃって・・・・・・」
ポリポリ・・・
「・・・んっ、・・・・こ、これは・・・ちょっと・・・!」
キュルケは思わず頬をすぼめて「けふっ」っと咽た。
正午前。
聖獣ユニコーンと水晶の杖が組み合わさった紋章が描かれた王女の馬車が魔法学院の門に到着すると、 馬車の前には紅毛氈の絨毯が敷き詰め
られた。
「トリステイン王国王女、アンリエッタ姫殿下のおな〜〜〜〜りぃ〜〜〜!」
呼び出しの衛士の号令と共に整列していたルイズ含む生徒達は手に持った杖を一斉に掲げた。
まず最初に馬車から現れたのはマザリーニ枢機卿であった。今は亡き先帝の代わりにトリステインの政治を一手に引き受けていた彼は、
『鳥の骨』の様にガリガリにやせ細り、四十代とは思えぬような老け込み様だった。
支援
王女の登場を期待していた生徒達は露骨に不満の意を表した。
しかし、マザリーニは意に介した風もなく、馬車の横に立つと、続いて降りてくる王女の手を取った。
生徒の間から歓声が舞い上がる。
先帝亡き後、年若く麗しいアンリエッタ王女は国民から絶大な人気を誇っていた。
ルイズと共に式典に参加していたブロントは何気なく王女一行を眺めていたが、横目でふとルイズがはっとした顔になったのに気づき、ブロン
トはルイズの視線の先を追いかけた。
その先には鷲の頭と獅子の胴体を持った幻獣の姿があった。背中には貴族が跨っていた。
(ほう、ここはステーキか?それともそれに山の幸串焼きと獅子ケバブを合わせて更なる味の強化か?)
ブロントが頭の中で調理イメージを巡らせている中、ルイズは始終、幻獣の上に跨る見事な翅帽子を被った貴族の姿をぽーっと頬を赤らめなが
ら、じっと見つめていた。
その日の夜・・・・・・
638 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 20:27:35 ID:dO7OCMHS
紫煙
支援
ブロントは夢幻花の鉢の世話をしながら、時々ルイズの様子を気にしていた。
式典の時からルイズの様子が少し変で、何かと落ち着きがなかった。
ブロントの呼びかけにも上の空で部屋をうろうろ歩き出したかと思うと、今度はベッドに座り込み枕を抱いてぼんやりしていたりした。
「おいィ?何ソワソワしてるわけ?」
ブロントはルイズの目の前で手を振った。
「え?え?ああ、な、何ブロント?」
ルイズはハッと気を取り戻すと同時に、ドアがノックされた。
「こんな時間。誰かしら」
ノックは規則正しく、初めに長く二回、それから短く三回叩かれた。
ルイズはすくっとベッドから立ち上がり、ドアを開いた。
そこには真っ黒な頭巾をすっぽりと深く被った人物がいた。
部屋の外を伺う様に首を回したあと、そそくさと部屋に入ってきて、素早くドアを閉めた。
「・・・・・・あなたは―」
ルイズが続ける前に、頭巾を被った人物は、人差し指を口元に立てて、
羽織ってるマントの隙間から杖を取り出すと、短くルーンを呟いて軽く振った。
光の粉の様な物が部屋中に舞う。
「<ディティクト・マジック>?」
ルイズが思わず尋ねた。頭巾の人物は頷く。
「どこに耳が、目が光っているかわかりませんからね」
頭巾の人物は若い少女の声をしていた。
探知魔法で何も無いことを確かめると、少女は頭巾をとった。
現れたのは、何とアンリエッタ王女であった。
「姫殿下!」
ルイズは慌てて膝をつく。ブロントもルイズのその様子を見て、続けて膝をつく。
アンリエッタは涼しげな、心地よい声で言った。
「お久しぶりね。ルイズ・フランソワーズ」
<投下終了>
しえん
以前使っていた回線がアク制限になってたらしく、
トリテストしてたらなんか表示がおかしくなってたけど、
回線変えたら問題なかったです。
物語としては約40話を想定していますが、増減する可能性は大です
おつおつ
645 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 20:37:03 ID:HUxUkn78
相変わらず食事の描写がイイなー。
ウラとキリッチ…ブワッ;;
うp乙
増やす方向でよろしくw
647 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 20:38:16 ID:J1dm0lEQ
いやらしい・・・
ブロントさんやルイズよりも食事関係の描写が気になってるオレがいる。
649 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 23:04:00 ID:xTWpi68E
650 :
既にその名前は使われています:2009/07/30(木) 23:13:09 ID:d2PARIPh
wwwwwwwwwwwwww
イがカタカナなのが渋いなw
使いィ魔w
653 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 00:38:39 ID:+O47LIgX
追撃の11話で俺の喜びがkskした
654 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 00:39:58 ID:fb1RcQ+w
>649
「もうついたのか!」「はやい!」「きた!支援絵きた!」「メイン支援絵きた!」「これで勝つる!」
655 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 01:06:33 ID:ME0XgpAf
原作知らんけどルイズってなんかエロい。
657 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 01:14:56 ID:VxJMkGre
そろそろここに気づいてpixivに絵が出てもいい頃だと思うんだが(チラッ
658 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 02:35:05 ID:fb1RcQ+w
そのうち我々のスレにも多くの絵師が現れるでしょう?
659 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 04:18:53 ID:OzfceDY6
イージス姐さん…大好きなNPCを出してくれてありがとう!
しかし彼女と関係があるとは流石だな
イージスは義弟に渡るべき
660 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 07:09:35 ID:h9b5iLmS
保守
661 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 08:01:25 ID:3gh/+yym
イージスの所有者は夫で姉さん借りてるだけだっけか。つーか夫の人って国王の弟じゃなかったかw
なんにせよどちかがデュナミスに飲み込まれるんだよな…
ところでブロントさんはわかるがほか主要メンバーの身長ってどれくらいなんだ?
662 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 08:23:52 ID:lOviM/y4
キリッチと姫ちゃんとか思った
>>661 ルイズが153センチ。タバサがさらに小さい。キュルケは170センチ以上?
女性得るヴァーんLサイズが180戦地くらいで人間女性ウラは165くらいか?
デルフリンガーはエクスカリバーが競売に10万ギルで出されてたってところか
そりゃブロントさんも殺気を出すw
ただし見た目はカイザーソード
666 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 10:24:52 ID:+SxhEetb
れりックが関係してくるとはなかなかやるな
とても楽しみです ほす!
667 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 10:33:11 ID:4Trbqq8g
>662
お花屋さん姫と騎士の話が、その二人じゃなかろうか
姉さんの話に出てきた
668 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 10:40:26 ID:QIbxHmtQ
>>661 ペルセウスじゃなくてダヴィルじゃない?
あの人従兄弟だけど
我々の用語辞典だとヴィルゴがハイドラ戦隊に編入するらしいからヴィルゴがデュナミス行きじゃない?
あとサンドNPCはやたら硬い奴が多すぎでしょう?
669 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 11:36:21 ID:bp05oz44
hoau
670 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 12:12:08 ID:3gh/+yym
>>663 抱き合うと胸の辺りに顔が来るくらいか…妄想が広がるなありがとう
>>668 そうだったかw
あのあたりは関係複雑で覚え間違えてたかも知らんな
671 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 13:10:35 ID:GMeFR1E6
俺はたまたmあの作品のキャラがルイズに召喚されましたwikiのリンクページで
謙虚な使い魔のページを昨日知ったばかりなのだが一気に読んでしまった
この勢いはしばらくおさまる事を知らない
ブロントさんが優秀なナイトのためにルイぅzが全然ほとんどあまり癇癪を起こさないな
大抵のSSだと初っ端のツンツン状態では高確立で確率的にムカつくのが
相場だったのだがさすがナイトは格が違った
672 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 13:39:02 ID:bQCBOhSv
原作は知らんが、ツンデレの代名詞としてネ実民にも知れている彼女(ネ実はアニメの専用スレは立つ)が、
ただの寂しがり屋の少女になってるよなぁ。
東方世界に飛べば世界を救う使命を延々と続ける運命のため大人になれない少女と冒険し、
各SSスレに降臨すれば安定した人気を誇る。
KITIGAIを晒すスレの主役がリューさんと並んでいまやネ実の代名詞の立派なナイト様だからなぁ。
やっぱり光と闇が備わらないとこうは成らないのか
リューさんは安定してるなw
674 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 16:39:33 ID:ME0XgpAf
675 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 16:40:34 ID:ME0XgpAf
みすw携帯嫌い。
>>656 そういう訳だったのか…w
676 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 17:51:41 ID:QIbxHmtQ
>>672 そこはスパロボ補正のかかった碇シンジとかと同じだろ
677 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 18:32:30 ID:bQCBOhSv
意識不明のアスカをみて犯すのではなくオナニー始める奴が(どっちもあれだが)まともな主役キャラになるんだっけ?
678 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 18:33:28 ID:QwvhsrF/
キラに説教するまでに成長するよ
679 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 18:41:57 ID:bQCBOhSv
マジでwwwwwwwwwwwwwwwww???・・・・・wwwwwwww
それはwwwwwwwwwwwみてみたいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
14歳 童貞 ヘタレ 気弱 本質的に苛められ属性だが本性弱いものイジメタイプが。
強化人類で 筆卸済み 頭おかしいけど強い 気がつよいというよりおかしい 圧倒的な弱いものいじめタイプだが自覚症状なし。を説教。
周りから見たら関わりたくない連中なのにwwwwwwww
つーか中学生に説教されるキラwwwwwwwwwwwwwwww
ガンダムゲーでキラに説教かますのは東方不敗さんだったかな。
ニコ動で見たんだが 完 全 論 破 を絵に描いたような痛快な論破だったわ。
680 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 19:02:36 ID:jW1RN5Fj
また移民か
681 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 20:06:42 ID:hNkNKkAM
東方じゃないだけマシ
682 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 20:27:12 ID:bQCBOhSv
東方はカップリングなんかないだろ。
ハーレム漫画とか小説は買ってる奴も書いている奴も萎える。
683 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 21:22:01 ID:Mar+FzzP
真剣に気持ち悪いから陰陽鉄住人は東方板でやってくれよ・・
684 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 21:25:24 ID:1Xadtyt1
ほあああ
685 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 23:05:41 ID:4Trbqq8g
以下東方禁止
保守
686 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 23:08:07 ID:9uxASGYy
ロバ・アル・カリイエ禁止かよ
687 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 23:14:26 ID:3gh/+yym
落ち着いて
>>606読め
嫌いを語って作者のモチベが下がることはあっても上がることはないんですわ?
専用スレあるんだからそっちでやれよ
688 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 23:18:42 ID:SUhVrmi3
くぎゅゥ?
689 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 23:19:57 ID:Mar+FzzP
東方叩きスルーできない人は巣に篭ってろっていう名言がこのスレにあるがしらないのかよ
浮遊大陸はデジョン使ってアレなのかねぇ?
あと髭面のザコは? アイツのアレは忍者かねぇ
691 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 23:38:04 ID:5w+NudTO
東方先生とキラが共演したスパロボなんてあったか?ジージェねか?
692 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 23:39:33 ID:V8D5nV6z
ガンダム無双
693 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 23:43:42 ID:BKTaitwx
スパロボJという名作を知らないのかよ!
694 :
既にその名前は使われています:2009/07/31(金) 23:43:49 ID:+O47LIgX
黄金の鉄の塊で出来たナイトが皮装備の髭に遅れをとるはずがにぃ
なにこれ
696 :
既にその名前は使われています:2009/08/01(土) 00:29:12 ID:gF3G3fTR
ほしゅえ
697 :
既にその名前は使われています:2009/08/01(土) 00:43:32 ID:paINqXiY
本来の主人公に比べると謙虚な上にPTの中心人物でヌードメーカーなブロントさん
なのでルイズがブチギレる必要性がまるでないあるさま
698 :
既にその名前は使われています:2009/08/01(土) 02:55:29 ID:paINqXiY
保守したくてするんじゃなく保守してしまうのがナイト
699 :
既にその名前は使われています:2009/08/01(土) 04:19:31 ID:gII7gcZX
寝る前に保守
700 :
既にその名前は使われています:2009/08/01(土) 09:04:02 ID:gF3G3fTR
おちちゃう><;;
701 :
既にその名前は使われています:2009/08/01(土) 10:04:15 ID:iMVa0poH
〜♪
702 :
既にその名前は使われています:2009/08/01(土) 12:27:28 ID:QYv6jhZS
ここであぐるのが大人のだいご味
703 :
既にその名前は使われています:2009/08/01(土) 13:53:51 ID:CkpbdBhy
唐揚げ
704 :
既にその名前は使われています:2009/08/01(土) 14:48:06 ID:HVAXGlKf
はやくきて〜はやくきて〜
カカッ
706 :
既にその名前は使われています:2009/08/01(土) 15:47:29 ID:FHzUYyTD
えっちいシーンはまですか?
707 :
既にその名前は使われています:2009/08/01(土) 15:51:56 ID:+9/piFnf
神格化されたブロントさんは稀によく下ネタ嫌い
708 :
既にその名前は使われています:2009/08/01(土) 15:56:22 ID:TpdqtrFW
ブロントの時点でキチだけどシモネタはマジ嫌いだったような。
709 :
既にその名前は使われています:2009/08/01(土) 16:44:35 ID:iMVa0poH
∧,,∧
( ´・ω・)
(っ=|||o)
 ̄ ̄ `――´ ̄ ̄ ̄\
710 :
既にその名前は使われています:2009/08/01(土) 18:09:40 ID:gII7gcZX
デルフんガースウィうhト
すばらしく面白いな。続きはやくきてーはやくきてー
712 :
既にその名前は使われています:2009/08/01(土) 21:11:30 ID:+9/piFnf
なんでsageてんのばかなの?
だよな〜
sageてるオカマ野郎は爆発しろ
あぼーん
715 :
既にその名前は使われています:2009/08/01(土) 23:14:41 ID:QYv6jhZS
!?
716 :
既にその名前は使われています:2009/08/01(土) 23:15:35 ID:+9/piFnf
えっ
717 :
既にその名前は使われています:2009/08/01(土) 23:17:16 ID:c+JsnEzV
きた!これで勝つる!
718 :
既にその名前は使われています:2009/08/01(土) 23:27:07 ID:Kj6po1Du
規制に巻き込まれたのか?
もしそうなら>494の避難所に投下したら?
いや、ただちょっと通っただけで
実際の投下は明日の夜頃になります
720 :
既にその名前は使われています:2009/08/01(土) 23:34:27 ID:Kj6po1Du
把握
まぁ 規制とかで次スレが立てれない時は避難所に連絡してね
ちなみに代理スレ立てについてオレは現在全鯖規制に巻き込まれて不可能
深い悲しみに包まれた
721 :
既にその名前は使われています:2009/08/02(日) 00:50:17 ID:SahR5kok
スーパークライム
722 :
既にその名前は使われています:2009/08/02(日) 01:34:01 ID:UOceL4L6
カカッっとagu
723 :
既にその名前は使われています:2009/08/02(日) 02:21:15 ID:KL0fO4YN
age
724 :
既にその名前は使われています:2009/08/02(日) 04:32:26 ID:7iXBn5/X
バーニんグブレーどagu
725 :
既にその名前は使われています:2009/08/02(日) 04:32:53 ID:tHXzTRxe
追撃のage
726 :
既にその名前は使われています:2009/08/02(日) 06:42:05 ID:RvlfhXDm
ぬるほ
ガッ
728 :
既にその名前は使われています:2009/08/02(日) 09:31:12 ID:NX5jHD7x
ヘェブィ・マッスィンガァン
729 :
既にその名前は使われています:2009/08/02(日) 09:31:54 ID:YCbMdNc8
無駄にaguるな、バラバラに引き裂かれたいのか?
730 :
既にその名前は使われています:2009/08/02(日) 09:32:30 ID:Eeu3LEB9
まだやってたのかこのスレw
731 :
既にその名前は使われています:2009/08/02(日) 10:39:13 ID:SmenfVYZ
今気が付いた
副題は、ヴァナクエ名か!
732 :
既にその名前は使われています:2009/08/02(日) 13:11:58 ID:Jlhl8r9E
よう保守されておるのう
|、:;l゙ _,,,iiiiilill;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
|::| .'lllll!!゙゙゙ `ヽ、::::::::::::::::::::::: ──
゙l::lllト‐、 ,,iilllllliii,,,、 `'、:::::::::::::::::::::::
゙ll,,,iii,゙l ''゙゙゙、 ゙゙゙゙゙ヽ ゙l、::::::::::::::::::::::: ────
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こ や |i ヽ .ゝ卮∨',゙| .ゝ | " 、::::::::::::::::: ──フ
う っ |i / ・ i ,]-yrイ/、 ,| │ ノ´ |/
じ た |i t l゙゙┴゙‐'│,ノ ,!││ 丿 ノ
く ね |i 〃 ● \__,/ / ̄
ん |i r一 ヽ ) ゙l .l゙ ゙l_,‐ |
! |i | i ∀" ヽ、_ _,レ'′′ | /
|i | i ノi
|i ニ| |二二◎
734 :
既にその名前は使われています:2009/08/02(日) 15:27:11 ID:L19WTosA
保守っとくか
735 :
既にその名前は使われています:2009/08/02(日) 16:25:34 ID:IlCEtzSY
うおっ島部
736 :
既にその名前は使われています:2009/08/02(日) 17:37:46 ID:KL0fO4YN
あげ
737 :
既にその名前は使われています:2009/08/02(日) 18:06:59 ID:X22FB7+j
まとめたサイトがあるなら寄越しなさい
ないならそう言いなさい、頑張って読むから
738 :
既にその名前は使われています:2009/08/02(日) 18:08:33 ID:xaMTcieb
739 :
既にその名前は使われています:2009/08/02(日) 19:27:06 ID:EP2gXhpA
ルイZ
740 :
既にその名前は使われています:2009/08/02(日) 21:03:33 ID:gbGJwqi+
あげ
741 :
謙虚な使い魔 ◆iUfuf0c7o/N2 :2009/08/02(日) 21:54:58 ID:MGI91uMd
謙虚な使い魔〜アルビオンの幻影〜 12話 「いつか見た夢」
ルイズの部屋に現れたアンリエッタ王女は、感極まった表情を浮かべて、膝をついたルイズを抱きしめた。
「ああ、ルイズ、ルイズ、懐かしいルイズ!」
「姫殿下、いけません。こんな下賤な場所へ、お越しになられるなんて・・・」
ルイズはかしこまった声で言った。
「ああ!ルイズ!ルイズ・フランソワーズ!そんな堅苦しい行儀はやめてちょうだい!あなたとわたくしはおともだち!おともだちじゃないの!」
「もったいないお言葉でございます。姫殿下」
ルイズは緊張し畏まった口調で言った。
「やめて!ここには枢機卿も、母上も、あの友達面をしてよってくる宮廷貴族達もいないのですよ!もう、わたくしには心を許せるおともだちはいないわ。
昔馴染みの懐かしいルイズ・フランソワーズ、あなたにまで、そんなよそよそしい態度を取られたら、わたくし死んでしまうわ!」
「姫殿下・・・」
743 :
既にその名前は使われています:2009/08/02(日) 21:56:40 ID:IlCEtzSY
まってました
ルイズは顔を持ち上げた。
「幼い頃、いっしょになって宮廷の中庭で蝶を追いかけたじゃないの!泥だらけになって」
「・・・・・・ええ、お目下を汚してしまって、侍従のラ・ポルトさまに叱られました」
「他にも――」
ルイズと王女は互いに昔の懐かしい思い出を語り合い始めた。
「ほう王女とフレンドなのか」
ルイズが顔を上げたので、ブロントも顔を上げルイズに尋ねた。
「姫さまがご幼少のみぎり、恐れ多くもお遊び相手を務めさせて頂いたのよ」
そこでアンリエッタは精悍な顔付きをしたブロントに気づいた。
「あら、ごめんなさい。もしかして、お邪魔だったかしら」
「お邪魔?どうして?」
「ああ、ルイズ・フランソワーズ。あなたが、こんな素敵な彼を恋人にしていたなんて、わたくしの事のように嬉しいわ。
いやだわ。わたくしったら、つい懐かしさにかまけて、とんだ粗相をいたしてしまったみたいね」
「こ、こ、恋人ぉ!?いえ、そ、その、ち、違います姫さま!あれはただの使い魔です!・・・そう、ただの使い魔です・・・」
ルイズは首をぶんぶん振って、アンリエッタの言葉を否定した。
きた! ブロントさんきた!
「使い魔?ですが品評会で踊りをみせて頂いたあなたの使い魔は、この方とは・・・」
ブロントは鎧を大きく鳴らしながらステップを踏んで、決めのポーズとり、その踊りで王女の疑問に答えてみせた。
――千の言葉より残酷な俺という説得力
「えっ、・・・・・・ええっ!?まさか、本当に彼が!?」
ルイズは黙ってアンリエッタの問いに頷いた。
アンリエッタは、目の前の凛々しい姿の男が、使い魔の品評会にて逞しい肢体を露わにして踊ってみせた者であった事を知り、驚きを隠せなかった。
そしてアンリエッタはブロントの事をまじまじと見つめる。
「あの心に響く踊りを見せたのが彼だったなんて・・・ルイズ・フランソワーズ、あなたって昔からどこか変わっていて、
わたくしを驚かせてばかりいましたけれど、相変わらずね」
「この使い魔が勝手にやった事で、別にわたしがやらせたんじゃありません」
「あの時のゴーレム騒ぎがなければ品評会の優勝者は間違いなくあなたの使い魔だったわ、ルイズ。
あの舞と演奏は王宮内でも評判になって、再び見てみたい、と言っている方々が多数おりますわ。ふふ、わたくしもその内の一人ですけど」
「姫さま、もしかしてその事を伝えるために?」
さっすがー、しびれるぅぅうぅ
途端、アンリエッタは憂鬱な顔をして深い溜め息をついて、ベッドに腰掛けた。
「ああ、毎日がその様な愉快な事だらけだったらどんなに良い事か・・・でも・・・・・・いえ、なんでもないわ。ごめんなさいね・・・・・・あなたに話せる様な事じゃないのに、わたくしってば」
「姫さま、どうなさったんですか?あんなに明るかった姫さまが、そんな風に溜め息をつくという事は、何か悩みがおありなのでしょう?」
「唯一心を許せるおともだちを危険に送り込もうと思っていた自分が恥ずかしいわ、この事は忘れてちょうだい。ルイズ」
「いけません!昔は何でも話し合ったじゃございませんか!わたしをおともだちと呼んでくださったのは姫さまです。そのおともだちに、悩みを話せないのですか?」
ルイズにそう言われ、アンリエッタは嬉しそうに微笑んだ。
「わたくしをおともだちと呼んでくれるのね、ルイズ・フランソワーズ。とても嬉しいわ」
アンリエッタは決心したように頷くと、ルイズに悩みを打ち明けた。
トリステイン王国と共に長い歴史を持つアルビオン王国が今現在レコン・キスタを名乗る貴族派達による反乱がおきている事。
そしてそのレコン・キスタとはハルケギニア統一を目指しているため、現在圧倒的不利な立場にいるアルビオン王室が倒れたら、
次にトリステインに侵攻してくるであろう事。
749 :
既にその名前は使われています:2009/08/02(日) 21:59:02 ID:koXsqP8p
く牛ンぅぅぅぅぅぅぅx
それに対抗するためにトリステインはゲルマニアと同盟を結ぶ事を選び、そのためにアンリエッタ王女がゲルマニア皇室に嫁ぐ事になっていた事。
しかし、王女は以前、アルビオン王家のウェールズ皇太子に一通の手紙を送っていた。
その手紙にはゲルマニア側に知られれば婚姻を破棄されてしまうことは必須な事が書かれており、
トリステインとゲルマニアの同盟を望まないアルビオン貴族派の反乱軍の手にその手紙が渡ってしまえば、
すぐにでもゲルマニアの皇室に送り届けられるであろうという事。
「では、姫さま、わたしに頼みたい事というのは・・・・・・」
「無理よ!無理よルイズ!わたくしったら、何てことでしょう!貴族と王党派が争いを繰り広げているアルビオンに赴くなんて危険なこと、頼めるわけがありませんわ!」
「何をおっしゃいます!たとえ地獄の釜の中だろうが、竜のアギトの中だろうが、姫さまの御為とあらば、何処なりと向かいますわ!」
ルイズは膝をついて恭しく頭を下げた。
「このわたくしの力になってくれるというの?ルイズ・フランソワーズ!懐かしいおともだち!」
ルイズはアンリエッタの手を握り、熱した口調でそう言うと、アンリエッタはボロボロと泣き始めた。
「もちろんですわ!姫さま!このルイズ、いつまでも姫さまのおともだちであり、紛う事なき理解者でございます!永久に誓った忠誠を、忘れる事などありましょうか!」
「ああ!忠誠。これが誠の友情と忠誠です!感激しました。わたくし、あなたの忠誠を一生忘れません!ルイズ・フランソワーズ!」
ルイズとアンリエッタが互いの手を握り合って、目に涙を浮かべて感動している間、
デルフリンガーがブロントに囁いた。
「おい、相棒。扉の向こうにさっきから誰かいるぜ」
ブロントはすかさずデルフリンガーを抜き放ち、部屋のドアへと投げ刺した。
デルフリンガーはゴスッと音を立て、刃の根元までドアに刺さり、反対側に突き出た部分で聞き耳立てていた人物を出迎えた。
「よう!こんな時間にどーした気障っぽいにいちゃんよ?そんなとこで立ってると、部屋を出る奴にぶつかって危ねえぞ?用があるならちゃんとはいれや」
部屋のドアがキィと音を立てて開いた。
なんとそこには以前ブロントと決闘したギーシュ・ド・グラモンが立っていた。
ギーシュは固まった表情でデルフリンガーを凝視しながら、ドアノブにかけた手がぶるぶる震えていた。
「ギーシュ!あんた!立ち聞きしていたの?今の話を!」
「はは・・・いやね、薔薇のように見目麗しい姫さまのあとをつけてきてみればこんな所へ・・・・・・それでドアの鍵穴からまるで盗賊のように様子を伺えば・・・・・・そこの剣に出迎えられたと・・・」
ブロントが歩み寄り、ドアに刺さったデルフリンガーを引き抜いた。
「ドアの向こうで隠れていれば見破れないとでも思った浅はかさは愚かしい。またボコボコにされたいらしいな、知っていると思うが手加減できないし最悪の場合病室にまた行くことになる」
そう言ってブロントはギーシュの胸倉を掴む。
「ちょ・・・ちょっと待ちたまえ!ブロント・・・さん!」
ギーシュはブロントの手を振り解き、アンリエッタの前に素早く滑り込み、膝をつける。
「姫殿下!その困難な任務、是非ともこのギーシュ・ド・グラモンに仰せつけますよう」
「グラモン?あの、グラモン元帥の?」
「息子でございます。姫殿下」
ギーシュは立ち上がり、恭しく一礼した。
「あなたも、わたくしの力になってくれるというの?」
「任務の一員に加えてくださるなら、これはもう、望外の幸せにございます」
熱っぽい口調でギーシュはそう言った後、誰にも聞こえぬ小声で呟いた。
(と言うより、加えてもらわないと今ここでホトゥケの刑にあってしまう!)
「ありがとう。お父様も立派で勇敢な貴族ですが、あなたもその血を受け継いでいるようね。ではお願いしますわ。ギーシュさん」
デルフリンガーが愉快そうにケタケタと鍔を鳴らした。
「よかったな、にいちゃん。もし一員に入れて貰えなかったら、今頃相棒の手によって俺の錆びの仲間入りしてたな!」
ブロントが、ポンポンとギーシュの肩に手を乗せた。
途端、ギーシュの額から今まで我慢していた汗がぶわっと流れ出す。
そんなやり取りには目もくれず、ルイズは真剣な声で言った。
「では、明日の朝、アルビオンに向かって出発するといたします」
「旅は危険に満ちています。アルビオンの貴族達は、あなたがたの目的を知ったら、ありとあらゆる手を使って妨害をするでしょう」
アンリエッタは机に座ると、ルイズの羽ペンと羊皮紙を使って、さらさらと手紙をしたためた。
アンリエッタは、じっと自分が書いた手紙を見つめて、顔を赤らめると、
決心したようにうなずき、末尾に一行付け加えた。それから小さい声で呟く。
「始祖ブリミルよ・・・・・・。この自分勝手な姫をお許しください。でも、国を憂いても、わたくしはやはり、
この一文を書かざるをえないのです・・・・・・・自分の気持ちに、嘘をつくことはできないのです・・・・・・」
密書だというのに、まるで恋文をしたためたようなアンリエッタの表情だった。
ルイズは何も言わず、じっとそんなアンリエッタを見つめるばかり。
アンリエッタは書いた手紙を巻き、杖を振る。すると、手紙に封蝋がなされ、花押が押された。
きたないアンリエッタきたない
「ウェールズ皇太子にお会いしたら、この手紙を渡してください。すぐに件の手紙を返してくれるでしょう」
それからアンリエッタは、右手の薬指から指輪を引き抜くと、ルイズに手渡した。
「母君から頂いた『水のルビー』です。せめてものお守りです。お金が心配なら、売り払って旅の資金にあててください」
ルイズは深々と頭を下げた。
そしてアンリエッタはブロントの手を取った。
「頼もしい使い魔さん」
「それほどでもない」
「わたくしの大事なおともだちを、大切な人を、これからもよろしくお願いしますね」
朝もやの中、
ルイズとブロントとギーシュは馬に鞍をつけ、出発の準備をしていると、
ギーシュは困ったように言った。
「お願いがあるんだが・・・ぼくの使い魔をつれていきたいんだ」
「使い魔?あのジャイアントモールを?」
「おいで、ヴェルダンデ」
ギーシュは足で地面を叩くと、モコモコと地面が盛り上がり、小さなクマほどもある巨大モグラが顔を出した。
ギーシュはすさっ!と膝をつくと、そのモグラを抱きしめた。
「ヴェルダンデ!ああ、ぼくの可愛いヴェルダンデ!」
「これからアルビオンに行くのよ。地面を掘って進むジャイアントモールを連れて行けないわよ」
ルイズは困ったように言うと、ギーシュは地面に膝ついた。
「お別れなんて、つらい、つらすぎるよ・・・ヴェルダンデ・・・」
その時、巨大モグラが鼻をひくつかせた。ルイズの前でピクピク鼻を動かした後、比べる様に次はブロントの前でくんかくんか、と鼻を鳴らし、ブロントに擦り寄る。
「おいィ?何盾を嗅ぎ回っているわけ?」
巨大モグラはブロントに抱きつき、モグモグと嬉しそうにブロントの盾に鼻を擦り寄せた。
ミスリル鉱とダーク鉱を鋳造し合わせた合金に、アダマンチウムの板で表面を補強し、
黄金と白金で「生命力」を表す紋様が施されたブロントのケーニヒシールドは、
貴金属や宝石を好むジャイアントモールのヴェルダンデにとっては、
その甘美なる金属の匂いの魅力に抵抗する術はなかった。
「ヴェルダンデは貴重な金属の香りが好きだからね。どうやらその盾はかなりいい素材を使っているみたいだね」
ギーシュは腕を組んで眺めていた。
「おい、やめろ馬鹿。あんまりしつこいとバラバラに引き裂くぞ」
ブロントはヴェルダンデと取っ組み合いになり、ブロントは巨大モグラの両脇を腕で挟み込むと、
そのまま巨大モグラを持ち上げ、投げ飛ばした。
巨大モグラが飛んで行った先にいた人影にぶつかると思った瞬間、一陣の風が舞い上がり、
モグラをまたあらぬ方向へと吹き飛ばされた。
「誰だッ!ぼくのヴェルダンデになにをするんだ!」
朝もやの中から、一人の長身の貴族が現れた。羽帽子を被ったグリフォンに跨っていたあの貴族だった。
「僕は敵じゃない。姫殿下より、きみたちに同行する事を命じられてね。そこにいるルイズが僕の婚約者であると姫殿下に伝えたら、是非ともきみたちに同行するようにと僕が指名されたというワケだ」
長身の貴族は、羽帽子を取ると一礼した。
「女王陛下の魔法衛士隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵だ。モグラの事はすまない。突然飛んできてぶつかりそうになったので、咄嗟に吹き飛ばしてしまった」
「ワルド様!?」
ルイズが思わず叫んだ。
「久しぶりだな!ルイズ!僕のルイズ!」
ワルドは人懐っこい笑みを浮かべると、ルイズに駆け寄り、抱え上げた。
ちがいがわかるんだな
「お久しぶりでございます」
ルイズは頬を染めて、ワルドに抱きかかえられている。
「相変わらず軽いなきみは!まるで羽のようだね!」
「・・・・・・お恥ずかしいですわ」
「彼らを紹介してくれたまえ」
ワルドはルイズを地面に下ろすと、再び羽帽子を目深に被った。
「あ、あの・・・・・・ギーシュ・ド・グラモンと、使い魔のブロントです」
ルイズは交互に指差していった。
「きみがルイズの使い魔かい?人とは思わなかったが、なかなか頼もしそうじゃないか。ぼくの婚約者がお世話になっているよ」
ワルドが握手を求める手を差し出した。
「何いきなり話かけて来てるわけ?」
ブロントは腕を組んだ姿勢のまま、ワルドをじっと見つめるだけで、握手に応じる気配がない。
「ハハッ、使い魔君には早速嫌われてしまったようだ。ルイズの婚約者としてその使い魔とも仲良くやって行きたいのだがね」
「汚い本能的になにかきたないと感じてしまっている」
ワルドの何かがブロントを不愉快にさせていた。ブロントの気持ちに共鳴するかの様に、腰に差したデルフリンガーまでもがカタカタと震えている。
「会ったばかりだというのに、えらく酷評だね。この旅を通じてその感覚が単なる誤解である事と理解していただいて欲しいね」
ワルドは差し出した手を引っ込めると、口笛を吹いた。
すると、朝もやの中からグリフォンが現れた。
ワルドはひらりとグリフォンに跨ると、ルイズに手招きした。
「おいで、ルイズ」
ルイズはちょっと躊躇う様にして俯いて、しばらくモジモジしていたが、ワルドに抱きかかえられ、グリフォンに跨った。
ワルドは手綱を握り、杖を掲げて叫んだ。
「では諸君!出撃だ!」
グリフォンが駆け出し、ブロントとギーシュも馬に跨り、後に続いた。
魔法学院を出発してからもう既に半日ほど、一行はラ・ロシェールの港町に向かい疾駆していた。
途中、ブロント達は駅で二回、馬を交換しながら何とかワルドのグリフォンの後を追いかけていたが、ワルドのグリフォンは疲れを見せずに走り続ける。
その間、ワルドに抱き寄せられるようにグリフォンに跨っていたルイズはふと気が緩み、
心地よいグリフォンの揺れでうつらうつらとワルドの腕の中で寝入ってしまった。
◆ ◆ ◆ ◆
夢の中でルイズは幼き頃の姿になっており、トリステイン魔法学院から、馬で三日ほどの距離にある、
生まれ故郷のラ・ヴァリエールの領地にある屋敷の中庭を逃げ回っていた。
『ルイズ、ルイズ、どこに行ったの?ルイズ!まだお説教は終わっていませんよ!』
そう言って騒ぎながらルイズの事を探し回るのは、母であった。
ルイズは母に見つからないように、身を隠しながら、彼女自身が『秘密の場所』と呼んでいる、中庭の池に向かう。
あまり人が寄り付かないそこは、ルイズが唯一安心できる場所だった。
中池には小船が一艘浮いていた。舟遊びを楽しむための小船であったが、二人の姉達は成長し、魔法の勉強で忙しく、
父も母も舟遊びには興味がなく、中庭の池とその小船はルイズ以外には忘れ去られていた。
なので、ルイズは叱られると、決まってこの中庭の池に浮かぶ小船の中に逃げ込むのであった。
ルイズは小船の中に忍び込み、用意してあった毛布に潜り込むと、
中庭にかかる霧の中から、一人のマントを羽織った立派な貴族が現れた。
『泣いているのかい?ルイズ』
つばの広い、羽根帽子を深く被り、顔が見えなかったが、彼が誰だか、ルイズはすぐわかった。
さっすがー
十年程若い姿をしているが、ワルド子爵だ。
晩餐会をよく共にした憧れの子爵の姿を見て、父と彼の間で交わされた約束の事を思い出し、ルイズはほんのりと胸を熱くした。
『子爵さま、いらしてたの?』
幼いルイズは慌てて顔を隠した。みっともないところを憧れの人に見られてしまったので、恥ずかしかった。
『今日はきみのお父上に呼ばれたのさ。あのお話のことでね』
『まあ!いけないひとですわ。子爵様は・・・』
『ルイズ。ぼくの小さなルイズ。きみはぼくのことが嫌いかい?』
『いえ、そんなことはありませんわ。でも・・・。わたし、まだ小さいし、よくわかりませんわ』
ルイズははにかんで言った。帽子の下の顔が、にっこりと笑った。そして手をそっと差し伸べてくる。
『子爵様・・・』
「ミ・レィディ。手を貸してあげよう。ほら、つかまって。もうじき晩餐会が始まるよ」
『でも・・・』
「また怒られたんだね?安心しなさい。ぼくからお父上にとりなしてあげよう」
ルイズは頷いて、立ち上がり、その手を握ろうとした。
その時、風が吹いて貴族の帽子が飛んだ。
764 :
既にその名前は使われています:2009/08/02(日) 22:10:05 ID:koXsqP8p
汚いさすが悪ド汚い
765 :
◆iUfuf0c7o/N2 :2009/08/02(日) 22:14:27 ID:5zJbXgfq
さる
なんという悲劇
昔、魔女サイベルの召喚とかケンダーが召喚される話とかあったけど、
アレな、マジ危険だから。シャントトが完全召喚した伝説があるけど、
完全召喚などという離れ技したら、普通の人ならぶっ飛ばされる。
普通、召喚される側というものは、召喚する側の都合なんて知ったことではなく、
召喚される側gdgdしてるかもしれないし、飯食ってたり、風呂入ってるかもしれないだろ?
そこにいきなりアレされて、いきなりこっちきやがれなどとサモンされると、
ものすごく腹立つし、連チャンでされると頭来てヘイト満載のSPを繰り出される危険がある。
召喚術なんてロクでもない術に違いないと最近思って止まない。
投下きたか
『あ』
現れた人物の姿を見て、ルイズは当惑の声をあげた。
見覚えが無いエルフの少年の姿だった。
いつのまにか辺りの風景もガラっと変わっており、ルイズはそのエルフの少年に抱きかかえられ、エルフの少年は港町を駆けていた。
美しかった街並みも、今ではいたるところに火がついており、あちこちから煙がもうもうと上がっていた。
獣のような恐ろしいうめき声や悲鳴がいたるところから響いていた。
そして、街の通りには人の死体の様なものが転がっていたが、ルイズはそれらをよく見る事が怖くて、目をそむけた。
ルイズは動こうにも、体がまるで根が張ったかのようびくとも動かせず、エルフの少年に抱えられるままであった。
『約束したんだ・・・姉さんと・・・』
少年が呟き、ルイズはその声に聞き覚えがあった。
(亜人の港街でのわたしの声!?)
エルフの少年は、ルイズを抱きかかえたまま、街の一角の物陰へと滑り込んだ。
『こいつが、咲き開くまで、必ず守り通すって約束したんだ!』
ルイズは、その少年に守られるように抱きしめられたまま、何もできずにいた。
(もしかして・・・この子・・・っ?)
その時、遠くでうねる様な衝撃音がした。
おかえり
支援ッ
ルイズは音がした方向に目をやると、白い閃光が球体となり、急速に大きく広がっていく。
『―――っ!』
ルイズは「逃げて!」と叫ぼうとしたが、口が塞がれているのかうまく声がだせない。
『―――っっ!』
閃光がもう数十メイルというところまで肥大していた。
ルイズは全身の力を振り絞って叫んだ。
『ブロントーーーーーー!!!』
ルイズの叫びが上がった瞬間、少年の周りに無数の花びらが包む様に舞い上がった。
舞い散る花びら一枚一枚には、様々な人物の顔や風景が鏡のように写りこんでいた。
その中にはルイズが夢で見たエルフの女性の姿が映りこんだ花びらが何枚かあった。
エルフの少年は抱きしめているルイズの事をじっと見つめると、微笑んだ。
『よかった・・・咲いたんだ・・・』
そして、二人は白い閃光に飲み込まれた。
辺りに舞う花びらが一枚、また一枚と閃光によりかき消される。
たとえさるくらおうがしえんしてしまうのがファン
懐かしいと思った顔も、美しいと思った風景も、楽しいと思った記憶も、
閃光は一つ一つ飲み込んでいき、無情に消し去っていく。
遂に、周りの風景が完全に白く塗りつぶされて、少年姿のブロントだけが残されても、
ルイズはしきりに叫んだ。
『ブロント!ブロントーーーー!!!』
何も無いその世界で、
ルイズの声だけが少年の、ブロントの耳に届いていた・・・
◆ ◆ ◆ ◆
「ルイズ!大丈夫かい?」
ワルドに呼びかけ、肩を揺らされ、ルイズはハッと目が覚めた。
「ワルド!?ごめんなさい、わたしったら任務中なのに眠りこけてしまって」
ルイズはあたふたと慌てた。先ほどグリフォンの上で雑談交わすうちに、
昔の丁寧な口調でしゃべっていたルイズだったが、ワルドの要望により普段の口調に戻っていた。
支援
「可愛い婚約者の寝顔が見れたのだ、いいってことさ。疲れてしまったのかい?僕のルイズ。でも、ラ・ロシェールまで止まらずに行きたいんだ」
「ええ、わたしの事は気にしなくていいわ。少し気が緩んでしまっただけよ」
ルイズは恥ずかしさのあまり顔を赤くして俯く。
「寝言できみは使い魔君の名前を何度も呟いていたが、もしかして彼はきみの恋人かい?」
ワルドは笑いながら言った。
「こ、恋人なんかじゃないわ。ただの使い魔よ」
「そうか、ならよかった。婚約者に恋人がいるなんて聞いたら、ショックで死んでしまうからね」
「お、親が決めたことじゃない」
「おや?ルイズ!僕の小さなルイズ!きみは僕のことが嫌いになったのかい?」
ワルドはおどけた口調で言う。
「嫌いなわけないじゃない」
幼い頃、親同士が決めた『婚約』の意味はその頃のルイズにはよくわからなかった。
ただ憧れの人とずっと一緒にいられる事だと教えてもらって、なんとなく嬉しかった。
「よかった。じゃあ。好きなんだね?」
ワルドは、手綱を握った手で、ルイズの肩を抱いた。
『好きなのか』と問われてルイズは答えに詰まった。
ワルドは確かに憧れの人ではあった、しかしここ数年会わずにいた相手を思い出の中の記憶だけで決めるのもどうかと思った。
今でもワルドに対して好感は持っていたが、それがほんとうに好きなのかどうかまだよくわからない。
ルイズは答えを出せないまま、後ろで馬に跨るブロントの姿をじっとみつめていた。
777 :
謙虚な使い魔 ◆iUfuf0c7o/N2 :2009/08/02(日) 23:06:22 ID:MGI91uMd
これで12話投下終了です
さる中にWIKIにもUP
13話はまた数日後に
数々の支援や保守ありがとう
テラ支援
おつおつ
くそっこんなところで・・・!
乙
781 :
既にその名前は使われています:2009/08/02(日) 23:24:53 ID:gVaxcyed
おお、来てた!
782 :
既にその名前は使われています:2009/08/02(日) 23:48:26 ID:iVIldYk3
乙
乙乙
784 :
既にその名前は使われています:2009/08/03(月) 00:28:23 ID:fBBr6Jbk
完成したら印刷所通して文庫版で刷ってもらいたいものである^^
785 :
既にその名前は使われています:2009/08/03(月) 00:33:35 ID:lqCS4nwB
ようできてるな
786 :
既にその名前は使われています:2009/08/03(月) 00:46:56 ID:yZQLjxNM
>「汚い本能的になにかきたないと感じてしまっている」
セリフのキレが鋭利
787 :
既にその名前は使われています:2009/08/03(月) 03:41:14 ID:clxYy4ZI
きょうきょ捕手
788 :
既にその名前は使われています:2009/08/03(月) 04:04:07 ID:0wHFPva+
各話のサブタイになんのクエ名持ってくるかも秘かな楽しみだな
ミッション系も含めればかなりの数になるが。
とりあえずフェロークエとかAFクエは使い勝手よさそうだw
今のうちに使っておくか
「何もできない」だなんて言わせない
790 :
既にその名前は使われています:2009/08/03(月) 04:14:59 ID:k2/Xy/Qk
からくり士クエはタイトルが秀逸すぎる。
「キモイから名前で呼ぶな」とか…。「投げ込んだのは貴方じゃないですか 」「力と覚悟」
791 :
既にその名前は使われています:2009/08/03(月) 07:01:50 ID:VsG5Q2u2
/ `、 / ∧
/  ̄ ̄ ̄ ヽ
( ̄ ̄ 月曜日  ̄ ̄)
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.\
/:::::::::: ヽ-=・=-′ ヽ-=・=-; /
ヽ::::::::::: \___/ /
792 :
既にその名前は使われています:2009/08/03(月) 10:06:56 ID:gnodt7gM
保守
793 :
既にその名前は使われています:2009/08/03(月) 13:00:19 ID:Do+2XSPx
落ちたら落ちたで次回投下時に立て直せばいいんだけどねw
|、:;l゙ _,,,iiiiilill;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
|::| .'lllll!!゙゙゙ `ヽ、::::::::::::::::::::::: ──
゙l::lllト‐、 ,,iilllllliii,,,、 `'、:::::::::::::::::::::::
゙ll,,,iii,゙l ''゙゙゙、 ゙゙゙゙゙ヽ ゙l、::::::::::::::::::::::: ────
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│l゙ `ゝ--、__ ゙i::::::::::::::::::::::: /|
り .( `l::::::::::::::::::::::: |
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\ :'´⌒ヽ ヽ__,il''',''" ` .''''''i、 | .|::::::::::::::::::::: | /
|i " )_,,, _ `>__,,,---__,、 │ l ゙l:::::::::::::::::::::: |
こ や |i ヽ .ゝ卮∨',゙| .ゝ | " 、::::::::::::::::: ──フ
う っ |i / ・ i ,]-yrイ/、 ,| │ ノ´ |/
じ た |i t l゙゙┴゙‐'│,ノ ,!││ 丿 ノ
く ね |i 〃 ● \__,/ / ̄
ん |i r一 ヽ ) ゙l .l゙ ゙l_,‐ |
! |i | i ∀" ヽ、_ _,レ'′′ | /
|i | i ノi
|i ニ| |二二◎
795 :
既にその名前は使われています:2009/08/03(月) 16:23:35 ID:M/XdZcGM
ほしゅ
796 :
既にその名前は使われています:2009/08/03(月) 16:51:51 ID:pjK0vgnD
そういやワルドなんていたなw
古い巻は見返さないからすっかり忘れてたぜw
ほっしゅう
797 :
既にその名前は使われています:2009/08/03(月) 17:38:47 ID:+IB40aV9
どこのSSもアンリエッタを酷評してるんだよな
まぁあんな茶番劇を演じてお友達を戦地に送ってるんだから仕方がにい
798 :
既にその名前は使われています:2009/08/03(月) 17:48:40 ID:Ul98yUAw
メンヘラだからしょうがない
799 :
既にその名前は使われています:2009/08/03(月) 18:13:22 ID:4McqVXAo
電波系お姫様だしな
800 :
既にその名前は使われています:2009/08/03(月) 20:44:49 ID:0mT2HSUY
このスレのせいでゴールデンタイムにPT希望が出せなかった事で
俺は深い悲しみに包まれた
801 :
既にその名前は使われています:2009/08/03(月) 22:07:55 ID:88cfnvbw
ho
やはりスクエアメイジとナイトでは信頼度が違うのだろうか
インビンシブルの使いどころに今からwktkが隠せない
騎士は守るもののためなら無敵にだってなれるぜ
黄金の鉄の塊でできたナイトが革装備のロリコんに遅れをとるはずがない
メイジは魔法使えるのはずるい
空蝉も攻撃するとかチーとだろ・・・汚いなさすがワウrド汚い
807 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 00:09:11 ID:LjBMIw5v
保守ってしまうのは私だ
808 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 01:27:45 ID:j9dLExaM
>>805 ブロントさんにはそこらのナイトじゃつかえないホーリがあるだろ
809 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 02:18:38 ID:LjBMIw5v
ブロントさんは魔法を封印してるだけだな
ホーリー等の神聖魔法、ケアル等の回復魔法、プロテス等の強化魔法をデフォで使える。
サポ赤にすれば既に最強の防御力をファランクスでアダマンインゴ並みに硬く出来るな
そういや召喚された時点でのサポ何だろ?
811 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 02:32:58 ID:EPJynhV/
忍者いるときの話ならサポシ。
そうでないならサポ戦では?
彼の時代のナイトはまだヘイトシステムの研究が進んでいなくて、
サポ忍で盾できるっていう常識の無かった時代だし、
そもそもレベルキャップで蝉2が使えなかったはず。
サポソルで追撃のぐらんどヴぁいっぱが熱い
813 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 02:50:17 ID:36BmeGAy
禁断の口で過去にどうのこうのって話でてなかったか?
アルタナってもう75キャップじゃなかったっけ
814 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 02:54:30 ID:EPJynhV/
書いてるなぁwwwwwwwwww
と、なると今の時代でHNMLSに所属していながらサポ戦にこだわるナイトって…どうなんだ…。
俺が通りすがりでケルベロスやってる軍団みてみたら、
シールドマスタリー目当てに盾もって蝉となえてたわ…。
あと、最近は踊り子も盾してるんだなー。
815 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 03:07:20 ID:CTz/Yqq3
>>814 それはセンチネルシールドのヘイスト狙いなんじゃないか?w
踊り子盾は見たこと無いんでわからんが・・
しかしこのSSのブロントさん年齢高いな。
ヴァナ時間話とか禁断の口で未来に飛ばされたとかで脳内保管するとしようか・・
816 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 03:22:21 ID:36BmeGAy
最近の強敵になるほどナイトが必要とされなくなって来てるイメージあるからねぇ
赤盾の一般化とかもあるし
ただこのブロントはPCのナイトというよりNPCの冒険者のナイトって感じだよね
ヴァナの世界観とか好きだから大好物です
そいや手のルーンの効果で武器スキルは自在に変化させることが出来そうだな
サポは自由にいじれるのか、又はルーン効果でいじれるのか
817 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 05:47:05 ID:36BmeGAy
おいィィィィィィィ!?
818 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 06:53:38 ID:LjBMIw5v
今日はミュモルや栽培修正で板が活性化するかもしれんな〜コマメにaguておくべきィ?
819 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 09:42:01 ID:9LEc3UEG
ほすゅ
820 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 09:42:53 ID:JEFKJrhD
>>815 普通に盾狙いのが強いだろ
センチネルも旨いけどね
821 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 09:47:51 ID:1E+p7kBC
ほーリーとか使えるけど、ルイズの手前まだ封印してる
そんなイメージ
アンリエッタかわいいよフンガフンガ
822 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 10:34:10 ID:0Cy58BaJ
アゲ
>>821 召喚されてすぐに、エルフとばれないように
魔法使わないような事いってなかったか?
824 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 12:29:10 ID:40Bi5ltD
>>820 HNMやったことないから何だが、ナイトで300以上の被ダメ貰うような相手なら防御かなぐり捨ててヘイストブーストしてるな
センチ盾一応分類3の盾だし盾発動率は変わらんしな
まぁイージスあれば議論の予知も無いがw
825 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 12:55:57 ID:EPJynhV/
赤や獣ソロで装備してるけど、センチネルシールドって75ナイトでも使いやすいのねー。
各上に蝉維持のために装備してるのか。乙です…。
全ダメージカット10%のバックラーとか出れば便利なのにね。
826 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 12:59:23 ID:EPJynhV/
本当だ。用語辞典のケーニヒシールドの項目で対抗馬になりえる装備として、
テラー、シンバという高性能品とともに最終装備の一つに数えられていた。センチネル。
独自の方向性が素晴らしいのね。
しかし、ケーニヒHQは使いやすそうだなぁ…。
827 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 13:37:29 ID:36BmeGAy
安定のケニ
HPのテラー
蝉中断対策のシンバ
蝉リキャ短縮のセンチネル
最強のイージス
って感じかねぇ
828 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 16:32:06 ID:NSAK7yik
あぶなひ
829 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 17:40:12 ID:6SgIgJO6
ほす
830 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 18:45:28 ID:40Bi5ltD
俺は不良だからよ、ナイト75のデビュー戦は玄武だしその次はオーディンその次は四神ハシゴとか普通にする
ゼロの使い魔は無知なんだが回復や蘇生魔法ってあるのかね
ホーリーは言わずもがな、アンデット特効のバニシュやリアクト、フラッシュなんかがどう見せ場作ってくれるか楽しみだ
831 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 20:08:37 ID:fl3E3jlm
あぐる!
832 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 20:46:42 ID:TBVa0TQG
>>830 回復はかなり高い触媒使ったリジェネって感じ
833 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 20:50:36 ID:W1JWoNWn
アンデッドというとアンドバリ軍団か
834 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 21:00:21 ID:40Bi5ltD
>>832 サンクス
MP消費のみで瞬間超回復とか神魔法てことか
835 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 22:25:57 ID:wtQwWpch
ほっしゅ
836 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 22:30:08 ID:/OOTPo/7
まあその場に立ったままでないと唱えられないというデメリットはあるにしても
結構な距離で必中だもんね、われわれのFFの魔法は
個人的にはフィールティの活躍に期待してる
837 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 22:55:16 ID:/WiROHwS
ブロントかっこよすぎだろ・・・
838 :
既にその名前は使われています:2009/08/04(火) 23:32:17 ID:UQ5UqudQ
青魔法ってかなり異端だよなぁ。ヘッドバットとかボディプレスっていう魔法なんかFF以外の世界では考えられんw
そもそも11の青魔法のラインナップ自体が今までのFFより魔法らしくないのが増えてる気もするw
839 :
既にその名前は使われています:2009/08/05(水) 00:41:12 ID:x2eX1B2H
>>827 ヴァナではナイトの7割はケニ盾だけど、ネ実的にはハズレナイトの象徴だなw
常にケニなのは正にハズレだが、実際にはビーストキラーが有効な相手がそこそこ多いので相手次第では悪くはない。
蝉回し優先するならシンバ一択で、センチはロイエのために攻撃速度上げるためという側面が強いね。
蝉盾する状況だと大抵マチマチヘイスト貰うので、ホマムワラーラだけで蝉リキャはキャップすることが多い。
テラーはカンパ以外では正直微妙な位置。
HP+20が重要になる、一発で1000以上持っていくような相手だとダメ2%カットを持つパルメリンシールドが台頭してくるうえに、
そんな相手は大抵蝉主体なので結局シンバの方が有効だったりする。
何気にHPMP+10敵対心+2とか付いてるので方向性も被ってるし。
840 :
既にその名前は使われています:2009/08/05(水) 01:02:06 ID:fotFKex6
出来るナイトの解説マジサンクス。
トロールさんがもってるあの盾は?
打ち直してHQできたら結構安くて良い盾に見えるんだけど、
やっぱり発動率がショボイのかな。
なんでこのスレまだあるんだwww
1はもしかして応募してないラノベが10作品はあるという奴なのではないか。
842 :
既にその名前は使われています:2009/08/05(水) 01:26:34 ID:L25uhd4T
なんだかんだで落ちずによく持ちますな
843 :
既にその名前は使われています:2009/08/05(水) 01:43:50 ID:sB8X3i85
我々が露骨に保守aguしてますしおすし
>>840 トロールさんの持ってるジャヌイヤはタワーシールドや畳盾と同じタイプ4に分類される。
ご想像の通り、発動率は極めて低い(カット率は高い)ので盾としての機能は期待できない。
ただしHPブースト装備としては盾の中では最も効果が高いのでクラポン暗黒に愛用されてたりする。
845 :
既にその名前は使われています:2009/08/05(水) 02:02:16 ID:7XnWycNS
>>840 発動率が最低のタワーシールドタイプだから
基本的にクラポン時とかのHPブースト専用だな
いつだったかのAV討伐瞬殺でも、ほとんどの暗黒があれ使ってたし
846 :
既にその名前は使われています:2009/08/05(水) 03:13:30 ID:sB8X3i85
ほう・・・熱心な盾の解説に思わず関心が鬼なった
847 :
既にその名前は使われています:2009/08/05(水) 03:51:28 ID:dIkRExDj
あぐるます!
848 :
既にその名前は使われています:2009/08/05(水) 04:14:53 ID:e4HefXk7
>840
自分場合は基本サポ忍はセンチかシンバ
サポ戦時は防御力の効果が微妙に感じるので最大HP重視のテラー
て感じですねぇ
ヘイト減少を抑えるのと目に見えた生命力である最大HPに惹かれます
2k超えるとLSの信頼度が違った
849 :
既にその名前は使われています:2009/08/05(水) 05:34:36 ID:+5HWIw75
記憶がないのは7年前からの方がしっくりきそうだけど
ひょっとしてクリスタル大戦のネタがあるのかな?
ちょっと楽しみだw
850 :
既にその名前は使われています:2009/08/05(水) 07:49:07 ID:sB8X3i85
汚いワルドさんもしかしてはげてますか?
851 :
既にその名前は使われています:2009/08/05(水) 07:55:48 ID:fotFKex6
はげてないが、股間がつるつるにされる。
見事なお仕置きだと思うが何処もおかしくは無い。
852 :
既にその名前は使われています:2009/08/05(水) 09:32:37 ID:sB8X3i85
853 :
既にその名前は使われています:2009/08/05(水) 09:45:36 ID:V3gzy8FR
あさいちにほしゅですし
854 :
既にその名前は使われています:2009/08/05(水) 11:40:26 ID:0HNPPXc/
ho
855 :
既にその名前は使われています:2009/08/05(水) 14:18:37 ID:FKplM56c
ほす
856 :
既にその名前は使われています:2009/08/05(水) 14:30:50 ID:8FJqW+K3
ブロントさんはもっと不可解な行動するでしょう?
寝てると壁に向かってカカッっとダッシュしてるので何してるのと聞いたら
当たり負けしないように練習とか言ったりして
壁に向かってのダッシュは自分の突進力と同等の力が返ってくるので意味ないし
自分より弱いやつにはそもそも練習意味ないので意味ない
857 :
既にその名前は使われています:2009/08/05(水) 16:44:13 ID:NJziRlA5
あぐる
858 :
既にその名前は使われています:2009/08/05(水) 16:46:58 ID:MaYIKpX0
ブロントさんは効率厨だからそんな事しない。
859 :
既にその名前は使われています:2009/08/05(水) 17:37:55 ID:nSeu8r+S
っほおほほ
860 :
既にその名前は使われています:2009/08/05(水) 18:09:25 ID:R/3+FuQP
捕手
>>858 効率厨は忍者でしょう?
お前絶対忍者だろ・・・
862 :
既にその名前は使われています:2009/08/05(水) 19:45:18 ID:N+CVuame
ロイヤルゼリーと宿木は手に入れたから、あとは蒸留水と反魂樹の根と竜の血があればエリクサーできるのか・・w
864 :
既にその名前は使われています:2009/08/05(水) 22:50:33 ID:+5HWIw75
光クリも忘れてもらっちゃ困るぜw
865 :
既にその名前は使われています:2009/08/05(水) 23:52:25 ID:wxVMgHjs
ブロントさんかっこいいたる〜
866 :
既にその名前は使われています:2009/08/06(木) 00:30:32 ID:wSAb2BN9
ブロントは効率厨の割りに忍者の空蝉は嫌がるのな
867 :
既にその名前は使われています:2009/08/06(木) 00:36:48 ID:FNiY4YYv
効率厨の忍者を闇、信念のヴァレリア様を光とすると
ブロントさんは光と闇が合わさって最強に見える理論の持ち主
868 :
既にその名前は使われています:2009/08/06(木) 01:05:39 ID:rZV8AqUv
ハンゴンジュの根と竜の血はこの世界きっついんでね?
エリクサー、実はかなり良いよなぁ。1/4回復。ハイエリだと1/2。
赤でコンバ装備してから食うと凄く回復する。
ちなみに、バイルとの違いは発動までのキャストしかない。
869 :
既にその名前は使われています:2009/08/06(木) 01:20:37 ID:J0cSW8R8
>>869 アッキーキャラ声で歌えなくなってないか?
871 :
既にその名前は使われています:2009/08/06(木) 02:46:01 ID:PTrzAFBE
ねるまえほしゅ
872 :
既にその名前は使われています:2009/08/06(木) 02:54:40 ID:r/VbGMYO
873 :
既にその名前は使われています:2009/08/06(木) 03:06:43 ID:aZTw9SXV
根っこと栗はカバンから出しちゃえw
874 :
既にその名前は使われています:2009/08/06(木) 05:34:42 ID:d3JjeR9X
早朝ボンバー
875 :
既にその名前は使われています:2009/08/06(木) 07:17:48 ID:4gyTaspz
保守するのね!キュイキュイ♪
876 :
既にその名前は使われています:2009/08/06(木) 11:29:44 ID:aZTw9SXV
ゼロ魔、2期の途中までしか見てないけど楽しみにしてるよw
877 :
既にその名前は使われています:2009/08/06(木) 11:43:08 ID:mcNAggc/
そういや、アニメは3期までやったんだっけか
1対7万が迫力なくて見るのやめたw
見ときゃよかったかな
まぁ原作読んでりゃいらんか…
>>868 ハイエリクサーはしかもいくつでも持てるもんなw
白のおれはサッチェルのなかに複数忍ばせてるわw
879 :
既にその名前は使われています:2009/08/06(木) 12:34:09 ID:rZV8AqUv
>>878エリクサー系(ルテナンケープ含む)の真価は装備ブーストも反映されることだよなぁwwwww
マーター同様、HP極めたガル白が使うと別の意味でやばそうで面白い。
880 :
既にその名前は使われています:2009/08/06(木) 12:40:05 ID:rZV8AqUv
こうして考えるとFF11でストーリー上は「その辺の巻き添え食らった約一名」なPCのヒーロー補正は凄いことがわかるなぁ。
謎のかばん。合成で役に立たないものを有益なアイテムに変化。
妙に多芸とか。
(たぶんジョブチェンジはザイドやライマニートなどの基本となる先人の技術があって、
たくさん極めようとすると齟齬が生じるだろうから一時的に記憶を封印することで、
本来人間が学べないほどの情報量や技術を制御しているんであろうと憶測)
ミッションなどでわかるFF11主人公の性格。
間違いなく周囲の意見や行動に流されまくり。成り行き任せなところが多大にある。無口。
ただし立ちふさがる奴は神でも悪魔でも滅ぼす苛烈さも持ち合わせる。
あと、ガチエロが嫌いなのか、異性には紳士。
881 :
既にその名前は使われています:2009/08/06(木) 14:51:55 ID:EN5RuWuC
あげとくですし
そういや全員選ばれた何かなんだっけw
選ばれし者だったのに!
オビ・ワンは黙ってろ
885 :
既にその名前は使われています:2009/08/06(木) 18:46:17 ID:DHfnxkRx
とてもとても違いの分かるやつでフイタ
886 :
既にその名前は使われています:2009/08/06(木) 20:41:23 ID:L6oohomd
agu
887 :
既にその名前は使われています:2009/08/06(木) 22:09:31 ID:nU8AcY+R
そう考えると聖剣LOMの主人公みたいだな
珠魅編だけはガチ
889 :
既にその名前は使われています:2009/08/07(金) 00:23:01 ID:Mffx3nDF
カカッ
890 :
既にその名前は使われています:2009/08/07(金) 00:29:23 ID:Imd8Db5u
ブロントがぁ!捕まえてぇ!
ブロントがぁ!画面端ィ!
バースト読んでぇ!まだ入るぅ!
ブロントがぁ!近づいてぇ・・ブロントが決めちゃアッー!
891 :
既にその名前は使われています:2009/08/07(金) 00:54:20 ID:pGlHyvHQ
続きまだか?お?
892 :
既にその名前は使われています:2009/08/07(金) 02:07:50 ID:Kdik2cDI
aguておくのである^^
893 :
既にその名前は使われています:2009/08/07(金) 02:15:38 ID:o+d6dPQE
894 :
既にその名前は使われています:2009/08/07(金) 03:12:46 ID:U8A+T+Zb
agu
895 :
既にその名前は使われています:2009/08/07(金) 06:07:40 ID:y/9K0ziR
aguるのである^^
896 :
既にその名前は使われています:2009/08/07(金) 06:19:55 ID:Kdik2cDI
リューサンが召還された場合、デルフは買ってもらえなくてあきらめが鬼なりそうだな
武器屋のおやじ<この大剣がオススメですよwww
リューサン<落ち着きたまえ^^ 私は槍のほうがいいのである^^
>>896 柄に鉄の棒を溶接するといいでござるよ^^
898 :
既にその名前は使われています:2009/08/07(金) 10:04:14 ID:G2aJbPDr
ウィズイン用に最初だけ使ってもらえるよ
899 :
既にその名前は使われています:2009/08/07(金) 12:15:41 ID:Imd8Db5u
剣装備とかしてると、練習相手の敵にはミカンに与ダメ抜かれるよなw
900 :
既にその名前は使われています:2009/08/07(金) 12:44:47 ID:RrEBgRFP
リューサン、レタスでトスよろ^^
次は950辺りかね
902 :
既にその名前は使われています:2009/08/07(金) 15:09:44 ID:Imd8Db5u
あ
い
904 :
既にその名前は使われています:2009/08/07(金) 17:13:58 ID:RrEBgRFP
ここであぐるのが大人のだいご味
905 :
既にその名前は使われています:2009/08/07(金) 18:00:05 ID:FqI4qJrn
ついげきのageでさらにスレは加速した
906 :
既にその名前は使われています:2009/08/07(金) 19:36:32 ID:FqTTn8fQ
ゼロ魔SSは玉石混淆だぜー
にしてもオリ主が多い
907 :
既にその名前は使われています:2009/08/07(金) 20:09:11 ID:H9dE2ftk
ヤン提督召喚のはラストが酷かったな。姫の腕が吹き飛んで精神崩壊したのには笑ったが
908 :
既にその名前は使われています:2009/08/07(金) 22:04:47 ID:U8A+T+Zb
agu
909 :
既にその名前は使われています:2009/08/07(金) 23:24:20 ID:Imd8Db5u
シャントット様はどこの世界いってもチートすぐるw
リューサンにはヴィンダールヴになって mikan たんとちゅっちゅしてほしい
911 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 01:06:39 ID:mQpf9HOU
保守ジャンプである^^
912 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 02:57:00 ID:g5v5zytI
ホトゥケの刑age
13話投下開始、950レスまで近いがここで滑り込ませるのが大人の醍醐味
サルったらその間WIKIにもうぷります
謙虚な使い魔〜アルビオンの幻影〜 第13話 「心の壁」
ブロントとギーシュはワルドのグリフォンから数百メイル程も遅れながら、
馬を交換しつつ何とか追いかけていた。
「半日以上走りっぱなしだと言うのに、まったく速度が落ちないなんて魔法衛士隊の連中は化け物だな」
長駆けで夜も更けりギーシュはへばって馬の首に上半身を預けている。
それに付け加え、ギーシュがもっとも恐れているブロントと共に半ば強制的に行動させられているので、精神的にも参っていた。
ギーシュは何とか場の空気を和まそうと会話をしても、単調な答えしか返ってこないので、気まずい雰囲気に困っていた。
一方、ブロントは毅然と片手で手綱を握り、平気な顔をしている。
「そ、それにしても、ブ、ブロント・・・さん、は随分と乗馬は慣れているようだね・・・きみの体力には脱帽するよ」
「それほどでもない」
「・・・えと、他には・・・そうだな、君は従軍経験はあるのかい?」
「俺は傭兵をやったり、過去にも部隊に従軍していたんだが?」
「へ、へぇー。どうりで君は強い訳だ。も、もしかして『メイジ殺し』だったりするのかい?」
「?」
「ほら、あれだよ。魔法も使わずメイジを殺す術を持っている者たち」
「黄金の鉄の塊で出来ている俺が布装備のジョブに遅れを取るはずがない」
「はは・・・君なら実際にやりかねない気がしてきたよ・・・」
ギーシュから乾いた笑いがでる。
「・・・」
「・・・」
(変な事聞くんじゃなかった・・・)
とギーシュが頭を抱え後悔している中、
鎧をガチャっと鳴らして、ブロントの方からギーシュに語りかけた。
「おまえ戦闘では素人だな」
「うっ、・・・珍しく話しかけてきたと思ったら、痛い所付いてくるな。そうさ、まだ実戦経験はない。強いて言えば君との決闘ぐらいなものだ」
「あのゴレんムの使い方ではせいぜい雑魚敵を倒していけるだけ。あんな恥知らずにも囲んで殴るだけで格上に勝てるわけがない」
「ぐっ、きさっ・・・」
ギーシュは反論をしたかったが、できなかった。
なぜなら薄々自分の弱みに気が付いていたからだ。
自分よりクラスが高いラインメイジ以上が相手であれば、
質より量で勝負しているギーシュのゴーレムではライン・スペルの炎や風一つで簡単に葬られてしまう事を。
ギーシュのゴーレム一体一体の純粋な力はトライアングル・クラスのフーケのゴーレムと比べれば何十分の一すらもなかった。
しかし、ギーシュは魔法の扱いに関してはかなり器用な方ではあった。
ゴーレムを同時に幾つも出す事は上位メイジでも中々できることではない。
並のメイジであれば精々二、三体のゴーレムや偏在を操作する事が限界なのに対して、
まだ最下級のドットクラスのメイジであるギーシュは最大七体ほどのゴーレムを自由自在に操る事ができた。
しかし、ギーシュの浮気性な人間性を反映したのか、唱える魔法一つ一つに力を集中させる事がとても苦手だった。
そのため、初見では人の目を惹ける小技は色々持ってはいたが、それぞれに『深み』がなく、格が上の相手には通用しないものばかりだ。
ギーシュがブロントに決闘を挑んだのも、魔法が使えぬ自分より弱い『平民』ならば組み易し、と思ったからこそ。
要するには、ギーシュは器用貧乏であった。
改めてそれを認識してギーシュは益々気が落ち込み続ける。
「お前それで良いのか?」
「僕だって貴族だ、多くの薔薇を守るために戦いたいさ」
「薔薇?」
「そうさ、貴族たるもの、敵に背中を見せず、か弱き花達が咲くのを守ってやるものさ。何だ?おかしいか?笑いたければ笑えばいい」
ギーシュのその言葉にブロントは何か思い当たる気がしたが、何であるかははっきりと思い浮かばない。
「見事な心構えだと関心するがどこもおかしくない」
「だが、平民の君にすら負けるぼくでは・・・」
「教えてやってもいい」
「え?」
ギーシュはきょとんとする。
「別に俺はジョブにこだわらないから経験は豊富。お前のゴレんムにその経験が備われば最強に近いと言える」
「もしかして、戦場を経験している君が、ぼくに戦い方を教えてくれるというのかい?」
ブロントはガチャと鎧を鳴らして黙って頷く。
「メイジすら倒せる君の戦闘術なら、実に頼もしいよ。ぼくに足りない経験が補えるのであれば是非頼みたい!」
「ならば早速『盾』を装備したゴレんムを作るんだな」
ブロントは唐突にデルフリンガーを抜き放ち、盾を構えて馬から飛び降りる。
「え?た、盾?」
そのとき、目的地を目前にして峡谷を駆け抜けていた二人の馬を目掛けて、不意に崖の上から松明が何本も投げ込まれた。
戦の訓練を受けていない馬が炎に驚き、前足を上げながら急停止をして、ギーシュは馬から振り落とされてしまった。
「ぼやっとすんな、にいちゃん!奇襲だ!」
ブロントに抜き放たれたデルフリンガーがギーシュに活を入れた。
ギーシュは慌てて懐から造花の杖を取り出し、ブロントが持つような盾と剣を持ったワルキューレを生成した。
そこに矢の雨が降り注ぐ。ブロントは難なく迫り来る矢を盾で叩き落とすが、
体型が細いワルキューレで身を守っていたギーシュは迫り来る矢の全てをワルキューレだけでは受けきれなかった。
そこにブロントが横から素早くデルフリンガーで矢を切り払う。
「今のが当たらなくてよかったな当たっていたら死んでるぞ。死にたくないなら早く盾に向いたゴレんムを作り直すべき」
ギーシュはブロントに頷くと、杖を振り、眼前のワルキューレを基に『盾役』に向いた青銅のゴーレムを作り直した。
続ききた!これで勝つる!
支援
機動性を捨てて、ワルキューレよりも装甲を厚くし、各関節部の隙間を必要最低限まで青銅で詰め、
体型もギーシュを丸々隠すほどまでに大きくした。
ブロントを意識したその新しい青銅のゴーレムの姿は『ワルキューレ』と呼ぶより、
『パラディン』と呼ぶに相応しい重厚で頑強そうな姿であった。
「ようし!二の矢が来るぞ!気張れよにいちゃん!」
デルフリンガーがギーシュに向かって叫ぶ。
「『パラディン』!ぼくを庇え!」
ギーシュはそう叫び杖を振る。
今度はブロントの手を借りず、ギーシュは自分のゴーレムだけで飛び来る矢を打ち払った。
「パーティでは盾役がいなければ始まらないのは一般的に常識。盾がいないパーティに未来はにい」
「パーティ?」
ギーシュはパラディンの影に隠れたままブロントに聞く。
「パーティとは六人がそれぞれ別の役割を担って戦う事の意味」
「それは君が従軍していた軍の小隊編成方法かい?興味深いね」
「それほどでもない」
ブロントは崖の上を見上げたが、今度は矢が射られる気配が無い。
その時、ばっさばっさと、上空から羽音が聞こえた。
崖の上から男たちの悲鳴が聞こえてくる。
どうやら頭上に現れたものに恐れおののいているのか、男たちは夜空に向けて矢を放ち始めていた。
しかし、その矢は風の魔法で逸らされ、次に小型の竜巻が舞い起こり、男たちを崖の上から吹き飛ばす。
「子爵が気づいてくれたのか?」
ギーシュは落ちてきた男たちの手から自分のゴーレムを使いブロントと共に武器を取り上げながら聞いた。
「いや・・・」
ブロントが空を指差すと、月をバックにブロントに見覚えがある幻獣が姿を見せた。
なんとタバサの風竜のシルフィードであった。
「間に合ったみたいね。ブロントさん」
キュルケが風竜からぴょんと飛び降りて、髪をかきあげてみせる。
そこに漸くブロント達が遅れている事に気が付いたのか、先行していたワルドとルイズがグリフォンに跨りやってきた。
「二人が遅れているようだからと、僕のルイズが気づいてくれたから戻ってみたが、まさか夜盗に襲われていたとはね、二人共無事か?」
ワルドはそう言って、ブロントとギーシュの無事な姿を確認するとふむ、と頷く。
「ツェルプストー!?ここまで何しにきたのよ?」
ルイズはグリフォンから飛び降りて、キュルケにつかつかと歩み寄り怒鳴った。
「何、ってあんたがブロントさんを連れて馬に乗ってどこかに出かけようとしていたもんだから、タバサをたたき起こして後をつけただけよ」
キュルケは風竜の上で本を読んでいるタバサを指差した。
「ツェルプストー。あのねえ、これはお忍びなのよ?」
「あっそう、そんな事あたしには関係ないわ。それよりブロントさん見直してくれた?襲った連中はこの通り、捕まえたんだから」
キュルケは落下の衝撃で未だに悶絶し、倒れている男たちを指差した。ギーシュが近づいて男たちに尋問を始めた。
「捕まえたのはタバサなのは確定的に明らか」
ブロントは腕を組んだまま素っ気無く答えた。
「あら、やっぱりわかった?でもあたしがタバサを起こして駆けつけなければタバサの魔法で一網打尽にする事はできなかったわ」
ブロントは擦り寄ってくるキュルケを適当にあしらうと、ギーシュが尋問にあたっていた男たちへと近寄った。
ギーシュが相手にしている一人の男がふて腐れた声で答えていた。
「へっ、俺たちぁここらを通る金持ちそうな貴族を狙ったただの物取りだ・・・あん?」
男はじろじろとブロントの姿を見つめた。
「おい、その白鎧!?もしかして最近噂になっている冒険者のブロントって野郎か?畜生、聞いてねえぜ!何が貴族のガキ共だけだ、あの仮面の野郎―」
その時、ワルドは一瞬にして杖を振り、<エアーカッター>の真空の刃で男の首を刎ね飛ばした。
ルイズは思わず悲鳴をあげた。
「危なかったな、その男は話に君達の注意を逸らし、武器に手を伸ばしていた」
ワルドはいたって落ち着いた様子でそういうと、手馴れた調子で杖をまた腰にさした。
「し、子爵、何も殺す事は・・・」
「ギーシュ君と言ったかね?そんな甘い考えじゃ、戦場ではすぐに死ぬぞ。それより先を急ごう。こいつらはただの物取りだ、捨て置こう」
そう言ってワルドは震えるルイズを抱きかかえグリフォンに乗せる。
「すまなかったね、僕のルイズ、怖がらせてしまって。早くこの事は忘れた方がいい」
そしてワルドはひらりとグリフォンに跨り、
「今日はラ・ロシェールに一泊して、朝一番の便でアルビオンに渡ろう」
とそう一行に告げた。
一行がラ・ロシェールの街灯りへと向かう中ブロントは残された死体を見て、それからグリフォンに跨るワルドの背中をじっと見つめて呟いた。
「汚いな・・・・・・」
924 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 03:26:12 ID:mQpf9HOU
きた!うpきた!メインうpきた!これで勝つる!!
925 :
◆iUfuf0c7o/N2 :2009/08/08(土) 03:29:52 ID:RChdNJbi
さる中
ラ・ロシェールで一番上等な宿、『女神の杵』に泊まることにした一行は、一階の酒場で、くつろいでいた。
ブロントは宿の者に頼んで、リンゴの果汁、蜂蜜、ミルクを混ぜたとても甘いアップル・オレを作ってもらい、それを皆で飲んでいた。
疲れた体には蜂蜜の甘ったるさが心地よく染み亘り、
リンゴの甘酸っぱさが溜まった疲労をじわじわと取り除く爽快感があった。
「船に乗ると言ってたが、ここは山の中の様なんだが?」
「遠くから来たブロントさんは知らないのか。アルビオンは浮遊大陸だから『船』じゃなくてぼくたちがこれから乗るのは風石で空を飛ぶ『フネ』に乗るんだ」
ギーシュはそう答えると、コップに注がれたアップル・オレをごくごくと喉を大きく鳴らして飲み干し、給仕にお代わりを頼む。
そこに『桟橋』へ乗船の交渉に行っていたワルドとルイズが帰ってきた。
ワルドは席につくと、用意されたアップル・オレに手をつけず、給仕にワインを注文し、溜め息を一つ吐いた後、困ったように言った。
「アルビオンに渡るフネは明後日にならないと、出ないそうだ」
ルイズはブロントに手渡されたオレの入ったコップを受け取ると。『ありがと』と言ってコクンコクンと飲みだした。
「あたしはアルビオンに行った事無いからわかんないけど、どうして明日はフネが出ないの?」
アップル・オレをちびちびと飲むキュルケの方を向いて、ワルドが答えた。
「明日は月が重なる『スヴェル』の月夜だ。その翌日の朝、アルビオンが最もラ・ロシェールに近づく、だからわざわざ一日二日急いで、貴重な風石を無駄にする奇特な船長はいないってさ」
タバサは壁際に寄りかかり床に座り、アップル・オレが入ったコップに時折口を付けたりたりしながら本を読んでいた。
酒場で四半刻ほどゆったりと一息をついた所で、ワルドは立ち上がり、鍵束をジャラジャラと取り出し、
「さて、じゃあ今日はもう寝よう。部屋は取った。キュルケとタバサは相部屋だ。そして、ブロントとギーシュが相部屋」
と言って、キュルケとブロントそれぞれに鍵を投げ渡した。
「そして僕とルイズは同室だ」
「へぇ、魔法衛士の方はトリステインの貴族のわりには随分と積極的なのね」
キュルケがからかうような口調で言ってみせる。
「婚約者だからな。当然だろう?」
「なあに?ヴァリエール、あんたの婚約者だったの?あんたにしちゃ意外な相手ね」
ルイズははっとして、ワルドの方を見る。
「そんな、ダメよ!まだ、わたしたち結婚しているわけじゃないじゃない!」
ワルドは首を振って、ルイズを見つめた。
「大事な話があるんだ。二人きりで話したい」
そう言ってワルドは先にルイズを部屋に連れて先に部屋に入る。
「ルイズ」
ブロントは階段を上って行くルイズを呼び止め、自分の懐にあるリンクパールをトントンと指で叩いて見せた。
「あ、忘れてたわ。気づいてくれてありがと、ブロント」
ルイズは首からリンクパールを外して、それをポケットに仕舞ってから、ワルドの後を追った。
「素敵なお方だけど・・・ヴァリエールはやっぱり男を見る目がないのかしら。あんな冷たい目をする男じゃ、
あたしの情熱も燃え上がらないわ。ま、別にどうでもいいけど。タバサ、早くあたし達も部屋に行って寝ましょう」
キュルケは鍵輪を指にはめてクルクル回し、本を読みながら器用に歩くタバサを連れて行った。
928 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 04:02:57 ID:mQpf9HOU
はやくきて〜はやくきて〜
「今日はくたびれたなあ。ブロントさん、ぼく達も早く寝よう」
ギーシュは大きく欠伸をし、部屋の鍵を出すよう、ブロントに催促する。
「寝る?何勘違いしてるんだ。俺はこれからお前にパーティ戦の事を叩き込むんだが、お前はどこにも逃げられないプレッシャーを背負う事になった」
「え?まさか、もう今晩から始めるのかい?」
「俺が知っている事を全部覚えてもらう羽目になる。一日でも時間が惜しいだろ」
「お?相棒、もうすっかりにいちゃんのメンター(師匠)になったてか?おもしれ!なら俺だって色々教えたら!武器の使い方の事ならまかせな」
デルフリンガーが楽しそうに鍔を鳴らす。
「は、早く寝たいのに・・・」
ギーシュはがっくりと項垂れ、ブロントに部屋まで引き摺られた。
そして一晩中、戦い方の基本の一部を教え込まれる事になった。
一方、ワルドとルイズの部屋
貴族相手の宿の一番上等な部屋だけあって、かなり立派なつくりであった。
誰の趣味なのか、ベッドは天蓋付きの大きなものだったし、高そうなレースの飾りがついていた。
テーブルに座ると、ワルドは先ほどの飲み掛けのワインを杯についだ。それを飲み干す。
「君も腰掛けて、一杯やらないか?ルイズ」
ルイズはテーブルについた。
「ワインは・・・いらないわ」
ルイズはちょっと俯いて、ポケットの上から何気なくリンクパールを軽く押さえた。
「あまり気が晴れてないようだね。心配なのかい?無事にアルビオンのウェールズ皇太子から、姫殿下の手紙を取り戻せるのかどうか」
「そうね。心配だわ・・・」
「大丈夫だよ。きっとうまくいく。なにせ、僕がついているんだから」
「そうね、あなたがいれば、きっと大丈夫よね。それに、ブロントもいるし。で、大事な話しって?」
ワルドは眉を少し細めた。
「ブロント、きみの使い魔か・・・ルイズ、きみは何であの伝説の使い魔『ガンダールヴ』が召喚できたか考えた事あるかい?」
「ブロントの使い魔のルーンが『ガンダールヴ』だって知っていたの?」
ルイズはブロントが『ガンダールヴ』であるとワルドに言ってなかったので首を傾げる。
「ん?ああ、学院の者からだったかな?彼が始祖ブリミルが用いたと言う、伝説の使い魔『ガンダールヴ』のルーンが刻まれていると聞いたよ」
「そう・・・」
「誰もが持てる使い魔じゃない事は確かだ。他人にはない特別な力をきみが持っている証拠だ。きみは偉大なメイジになるだろう。そう、始祖ブリミルのように、歴史に名を残すような、素晴らしいメイジになるに違いない。僕はそう予感している」
ワルドは熱っぽい口調で、ルイズをじっと見つめた。
「この任務が終わったら、僕と結婚しよう」
「え・・・・・・?」
いきなりな事にルイズは困惑した。
「僕は魔法衛士隊の隊長で終わるつもりはない。いずれは、国を・・・いや、このハルケギニアを動かすような貴族になりたいと思っている」
「で、でも・・・」
「確かに、ずっとほったらかしだった事は謝るよ。婚約者だなんて、言えた義理じゃない事もわかってる。でもルイズ、僕にはきみが必要なんだ」
「ワルド・・・」
ルイズは悩んだ。昔憧れた人が今目の前でルイズにプロポーズをしている。
しかし、このワルドは本当にルイズが知っている昔のワルドなのだろうか?
久しぶりに再会してからというものの、ルイズはワルドとの間には見えない隔たりが存在するかの様に感じ、
じっと見つめてくるワルドの目は、ルイズの事ではなく、その先にあるものを見据える遠い目をしている様な気がした。
もしブロントがこの場にいたら、どうしたらいいか教えてくれるだろうか?
受けるべきなのか?それとも・・・
「あの、その、わたしまだ、あなたに釣り合う様な立派なメイジじゃないし・・・もっともっと修行して・・・」
ルイズは俯いて、続けた。
「あのねワルド。小さい頃からわたし思っていたの。いつか、皆に認めてもらいたいって。わたしにしか出来ない事を立派に成し遂げて見せて、父上と母上に誉めてもらうんだって」
ルイズは頭を上げて、ワルドを見つめた。
「まだ、わたし、それができていない」
「・・・きみの心の中には、誰かが住み始めたみたいだね」
「そんなことないの!そんなこと・・・」
ルイズは慌てて否定した。
「いいさ、僕にはわかる。わかった。取り消そう。今、返事をくれとは急かさないよ。でも、この旅が終わったら、きみの気持ちは、僕に傾かざるえないはずさ」
ルイズは頷いた。
「それじゃあ、もう寝ようか。疲れただろう」
ワルドはルイズに近づいて、唇を合わせようとした。
ルイズの体が一瞬、こわばる。それから、すっとワルドを押し戻した。
「ルイズ?」
「ごめん、でも、なんか、その・・・」
ルイズはもじもじとした。ワルドは苦笑いを浮かべて、首を振った。
「急がないよ、僕は」
そう言って、ワルドは部屋の明かりを消して寝床にはいり眠りについた。
ルイズも自分のベッドに横になると、心の中で自分に疑問を投げかけた。
昔からずっと憧れていて、ワルドはこんなにも優しく、凛々しいのに、
この心の中で感じる違和感は何なんだろう・・・
結婚してくれと言われて、嬉しくないわけじゃないのに、
それを受ける事を怖がっている自分がいるのはなぜなんだろう・・・
翌日、ブロントが目を覚ますと、部屋の扉がノックされた。
ギーシュは夜遅くまでブロントのパーティ戦論を聞かされて、何をされても起きないぞと言わんばかりにグースカ寝ていた。
ブロントがドアを開けるとそこには羽帽子をかぶったワルドが、ブロントを見上げていた。
ワルドは、ブロントより頭一個分、背が低かった。
「おはよう、使い魔くん」
特に深い理由はないが、いけ好かないワルドに起こされ、ブロントはむっとした。
「たしかに起こすのは勝手だが、それなりの起こし方があるでしょう?こんな朝早くに起こされて俺の寿命がストレスでマッハなんだが・・・」
ブロントがそう言うと、ワルドは苦笑いした。
「きみは伝説の使い魔『ガンダールヴ』なんだろう?」
「俺がどうやってガんダルブだって証拠だよ」
933 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 04:06:41 ID:mQpf9HOU
ナイトがいないLSに未来はにい
ワルドは誤魔化すように、首をかしげて言った。
「・・・その、あれだ。ルイズが随分ときみを頼りにしているみたいなので、昨日グリフォンの上で、ルイズに聞いたが、何でも伝説の使い魔『ガンダールヴ』だそうだね」
「言っとくけど俺はブロントであってガんダルブじゃないから。あまりしつこいとバラバラに引き裂くぞ」
ワルドはにやりとした。
「ならば丁度良い。僕は歴史とツワモノに興味があってね。その『ガンダールヴ』がどのぐらいの力があるものだか、知りたいんだ。ちょっと手合わせを願いたい」
「手合わせ?」
「つまり、これさ」
ワルドは腰に差した細剣の様な形をした杖を引き抜いた。
「互いにかなぐり捨てンのか?」
「そのとおり。純粋に互いの技を比べようじゃないか」
「俺はそれでいいんだが、どこでやるんだ?」
「この宿は昔、アルビオンからの侵攻に備えるための砦だったんだよ。中庭に錬兵所があるんだ、そこでやろう」
ブロントとワルドはかつて貴族達がよく決闘をしたと言われる錬兵所で、二十歩ほど離れて向かい合っていた。
錬兵所は、今ではただの物置き場となっている。そこら中に樽や空き箱が積まれている。
ブロントは左手の盾をしまい、右手でデルフリンガーの柄を握った。
「相棒、盾はつかわねえのかよ?」
「盾を持っていない奴に合わせてフェアで行くのが大人の醍醐味」
そういってブロントはデルフリンガーの刃を返して握りなおす。
ワルドは腰から、杖を引き抜いた。フェンシングの構えのように、それを前方に突き出す。
「俺は手加減できないし、最悪の場合病院に行くことになる」
ブロントがそう言うと、ワルドは薄く笑った。
「かまわぬ、全力でかかってこい、『ガンダールヴ』」
ブロントが一足飛びに飛んで、斬りかかった。
ワルドは杖で、ブロントの剣を受け止めたが、予想以上の衝撃でワルドは体勢を崩す。
「何て馬鹿力だ。まるでオーク鬼の膂力だな」
ワルドは笑ってみせるが、その額に一筋の汗が流れる。
魔法衛士隊の黒いマントを翻らせて、ワルドは飛び退り、構えを整えて、ブロントに素早く突いてきた。
ブロントはデルフリンガーでワルドの突きを一つ一つ丁寧に逸らし、受け流し、そのまま流れを押し返して反撃にでる。
ワルドは辛うじて杖で剣撃を受け止めるが、ブロントの重い剣撃に腕が耐え切れなくなってきていた。ワルドは再び攻撃に転じようとするが、ブロントは各攻撃と同時に、見事な体捌きを披露し、杖が振り抜けぬ位置を取っていた。
「ルーンの力だけじゃないな。平民のくせに、まさかきみ自身が相当戦い慣れているとはな!」
その時、ブロントはデルフリンガーを大きく振りかぶり、打ち下ろして、ワルドの構えを大きく崩した。
「本当につよいやつは強さを口で説明したりはしないからな」
ブロントはデルフリンガーを肩の位置で溜めて、大きく息を吸った。
「フラットんブレード!」
ブロントはデルフリンガーの腹でワルドの横腹を<フラットブレード>で強打した。
「がっ!!」
ワルドは肺の中の空気を全て吐き出してしまうと、そのまま壁に持たれかかった。
息を吸うことに精一杯で、体が言う事を利かない。
936 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 04:09:59 ID:mQpf9HOU
恥知らずな支援使いがいた!
その時、物陰からルイズが飛び出して来た。
「ワルド!中庭に来いって言うから、来てみれば、一体何しているの!?」
「呼んであった介添え人が、ようやく来たようだな。何、彼の実力を、ちょっと試したくなってね」
「もう、そんなバカなことをやめて。今は、そんな事をしている場合じゃないでしょう?」
「そうだね。でも貴族というヤツはやっかいでね。強いか弱いか、それが気になるともう、どうにもならなくなるのさ」
ルイズはブロントの方を見た。
「やめなさい。これは、命令よ?」
ブロントは頷き、ルイズに言われデルフリンガーの切っ先を下ろした。
「ふぅ、では介添え人も揃った事だし、ここから本番と行こうじゃないか。まさか先程ので勝ったと思わないでくれよ?」
ルイズの介入によってじっくりと呼吸を整える事ができたワルドは、再び杖を構える。
「もう勝負ついてるから」
そう言ってブロントは首を横に振る。
「きみも良く知っているはずだ、戦場なら勝負が始まればどちらかが倒れるまでは終わらないってね!」
ワルドは有無を言わさず突きを繰り出す。ブロントは仕方なくそれらの突きを受け流した。
「デル・イル・ソル・ラ・ウィンデ・・・」
閃光の様な突きを何度も繰り出しながら、ワルドは低く呟いている。
「おぁ?相棒!こいつ、魔法使うつもりだぜ!」
デルフリンガーが叫んだ。
ブロントは咄嗟に杖を警戒して、バックステッポで距離を取った時・・・
ボンッ!空気が撥ねた。
<エアーハンマー>の不可視な空気の槌がブロントの横腹に激しく叩きつけられると、そのままブロントは十メイル以上も吹き飛ばされ、積み上げた樽に激突した。
ガラガラと樽が崩れ落ちる。
「勝負あったな、どうやら先に倒れたのはきみの方だ」
ブロントは樽に埋もれたのか中々立ち上がってこないので、ルイズは心配した様子でブロントに近づく。
「わかったろうルイズ。メイジじゃない彼ではきみを守る事はできない」
ワルドが、しんみりした声で言った。
「・・・だって魔法使わない者が、魔法衛士隊隊長の魔法にかなわなくて当たり前じゃないの!」
「そうだね。でも、アルビオンに行っても敵を選ぶつもりかい?メイジに襲われたとき、きみはこう言うつもりかい?わたしたちは魔法が使えないから、杖を収めてくださいって」
「そ、それは・・・」
ルイズは黙ってしまった。それから、樽に埋もれたままのブロントをじっと見つめる。
ブロントを助けてやろうとしたら、ワルドに促された。
「行こう、ルイズ。彼なら大丈夫さ」
ワルドはルイズの腕を掴んだ。
「でも・・・・・・」
心配するルイズに答えるようにブロントが樽から手を突き出して『俺は大丈夫だ』とばかりに振ってみせる。
「ほらね、行こう」
ルイズは、躊躇うように唇をかんだが、ワルドに引っ張られて去っていった。
中庭から二人の気配が消えた事を確認すると、ブロントは樽から跳ね起きた。
ブロントは<エアーハンマー>で吹き飛ばされた時、耳にかかっていたプリズムパウダーまでもが落ちたので、それを隠すために樽に埋もれたままでいた。
デルフリンガーが呟いた。
939 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 04:13:11 ID:mQpf9HOU
やっと支援が出たか!
封印がとけられた!
940 :
◆iUfuf0c7o/N2 :2009/08/08(土) 04:13:18 ID:RChdNJbi
ラスト1レス分でさる
941 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 04:16:07 ID:mQpf9HOU
さるしたの絶対忍者だろ・・汚いなさすが忍者きたない
「何かすっきりしねえ勝負だったな・・・」
ブロントは無言でカバンからプリズム・パウダーの壜を取り出すと、それを耳に塗りなおしていた。
「あの感じだと、あいつは相当な魔法の使い手だな。スクウェアクラスかもしらんね。普通に戦ったって強いはずなんだがよ・・・」
プリズム・パウダーが使い切られた壜がブロントの手の中でピキッと音を立てる。
ブロントが歯噛みしながら小さく呟く。
「・・・・・・きたない」
<13話投下終了>
943 :
謙虚な使い魔 ◆iUfuf0c7o/N2 :2009/08/08(土) 05:02:51 ID:PXOuv2ZD
ここまでスレを保持・支援してくださった皆様>>感謝
14話はまた数日後
その時新スレがたっていればそちらとまとめWIKIに投下します
944 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 05:14:10 ID:heUU4vF8
乙乙
そろそろ次スレの季節か……
945 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 05:23:36 ID:mQpf9HOU
乙です!
ふふふ・・・ブロントさんの怒りが有頂天になる日も近いな
946 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 05:29:24 ID:Qz9psy2z
きたないなさすがワルド汚い
947 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 07:12:15 ID:jEKpSJmi
もう勝負ついたから
きたいな流石ロリコん汚い
怒りの溜まってきたブロントさんの前にロリコんの命は長くない
もしもグラットンソードを手に入れたら即死で瞬殺されるのは確定的に明らか
949 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 10:09:45 ID:z6hIGs96
という明らかに探りを入れているのは確定的に明らか
950 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 11:47:40 ID:kz0k9waU
グラットンソードはギーシュに作ってもらうしかないのか
青銅製のグラットンとか不安なんで抜けますね^^
グラットんは整地からガンダル部の槍としておくらっれて来るのではにいのか?
するとブロントさんが盾を手放すはずはないからデルフはお役五面となって骨になる
952 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 13:27:11 ID:ZYn/VEAW
デルフんとグラットンを同時に持てるオススメのサポジョブがあるでござるよ^^
953 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 13:33:13 ID:kz0k9waU
夜天読み切ってしまった
最終更新が去年…続きは諦めた方がいいか
954 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 13:54:07 ID:V8g/+GwX
おもしろいネット小説を見つけて最終更新が数年前だったときの絶望
955 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 14:09:22 ID:fiqmR2mg
その絶望を一度味わえば次からまず最終更新をチェックする
ブロントさんきてた! きてた! きてた!!
957 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 16:06:15 ID:ZTZAgS0/
ワルドとのかみ合ってない会話で俺の腹筋がマッハ
958 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 18:16:56 ID:kz0k9waU
あげるます!
959 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 18:26:15 ID:g5v5zytI
ほんとに出来るスーパーナイトすぎてさすが謙虚なナイトは格が違ったw
デルフん・アームド・フェノメノン・リスキニハーデン・グラットんマダー?w
ブロントさんと一緒にいると
ハルケギニア人のリスニング力と脳内補完力が強化されるなw
961 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 20:13:50 ID:ZYn/VEAW
初め読んだ時はこのブロントさん謙虚っつーかクールキャラだろww
とか思ってたが段々この冷静沈着なベテランっぽさがしっくりくるようになってきた
続きが気になってしあkたない
962 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 21:54:04 ID:nfEmMid4
ブロントさんが中々かっこよくて好感が持てるw
次スレどーする
964 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 22:16:57 ID:xY3B3QyL
続きはまだか?お?
965 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 22:26:41 ID:9TpKlVA+
ラノベを待つぐらいの気持ちで居ないと打ち切りのショックには耐えられにぃ
966 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 22:37:54 ID:+xVyjhed
割る度とか言うやつ赤/忍とか汚すぎるでしょう?
967 :
既にその名前は使われています:2009/08/08(土) 23:19:02 ID:kz0k9waU
打ち切りなら打ち切りって言って欲しい物だ
淡い希望を持つのも疲れるのだよ
968 :
既にその名前は使われています:2009/08/09(日) 00:59:00 ID:TAciytGN
カカッっとagu
969 :
既にその名前は使われています:2009/08/09(日) 01:59:35 ID:XfhQpCDx
コレは支援するしかないでしょう?
それにしても
>>967は汚いなさすが忍者きたない
970 :
既にその名前は使われています:2009/08/09(日) 02:33:59 ID:BBNOyvXK
>>969 ID見る限り、
>>967の打ち切りってのは夜天のことじゃないか?
ブロントさんの話も、るるるみたいに名作のままきちんと完結してくれるといいよな
971 :
既にその名前は使われています:2009/08/09(日) 04:26:21 ID:fnS37XWJ
このブロントさんは言葉とは裏腹にクールで新鮮でござる
age
972 :
既にその名前は使われています:2009/08/09(日) 05:07:47 ID:60LiYsS/
次スレ立てようか?
973 :
既にその名前は使われています:2009/08/09(日) 05:11:29 ID:OtrBbbhd
974 :
既にその名前は使われています:2009/08/09(日) 05:12:19 ID:60LiYsS/
976 :
既にその名前は使われています:2009/08/09(日) 08:15:57 ID:h4oONIwB
977 :
既にその名前は使われています:2009/08/09(日) 08:29:02 ID:9s35Ezsm
>>975 見事な仕事だと感心はするがどこもおかしくはない
978 :
既にその名前は使われています:2009/08/09(日) 11:48:46 ID:LAmKIuCQ
そろそろこっちのスレに謙虚な使い魔が出現する頃だな
980超えてから投稿するのが醍醐味とどこかで聞いたことがある
979 :
既にその名前は使われています:2009/08/09(日) 12:36:14 ID:morA/c6u
原作は釘宮+日野なんだが、ブロントさんの声は一体・・・
ジョージか?(ソル的な意味で)
MUGENキャラのブロントさんってどの製作者の声当たっているんだっけ?
981 :
既にその名前は使われています:2009/08/09(日) 13:19:31 ID:morA/c6u
塩沢直人さんが顕在なら・・・
982 :
既にその名前は使われています:2009/08/09(日) 15:26:55 ID:hW5HCmOG
mugenはリューサン氏ですねぇ
ソルなら猿渡さんだっけ?
983 :
既にその名前は使われています:2009/08/09(日) 16:07:05 ID:L2oGdbLF
石渡氏ですヽ(;´Д`)ノ
mugenのは製作者の声と石渡氏版ソルの声を取捨選択して使ってるのでしたっけ
ume
うめ
梅
うめ
うめ
989 :
既にその名前は使われています:2009/08/09(日) 22:08:37 ID:h4oONIwB
うめこめー^^
990 :
既にその名前は使われています:2009/08/09(日) 22:19:31 ID:LAmKIuCQ
そろそろ投下されそうだな
わぁい^^
992 :
既にその名前は使われています:2009/08/09(日) 23:29:33 ID:h4oONIwB
ワルドってロリコンじゃね?
いいえ、ただの紳士です
994 :
既にその名前は使われています:2009/08/10(月) 01:58:31 ID:W3zCViCd
1000ゲット!
995 :
既にその名前は使われています:2009/08/10(月) 03:41:46 ID:kngjpvdi
999ゲットでいい
ウメハ