1 :
既にその名前は使われています:
朝、起きたら自キャラになっていたFFXIプレイヤーたち。
ステキに過酷なヴァナ・ディール、笑いと涙の右往左往。
俺たち“来訪者”を排除していく、謎の集団も現れた!
この異世界に出口はあるのか?
リアルに帰還できるのか?
熱血、友情、ラヴ、バトル! 陰謀、シリアス、ギャグ、微エロ!
俺たちの明日はどっちだ!?
共通設定。これは絶対ではありません。
ある程度共通していた方が、読み手の方も分かりやすいのではという意図のものです。
参考程度に留めて、投下する方が自由に想像し設定してください。
LPは映像付きが多い (例:Yurifina氏のSSでは映るが、Lead氏のSSでは会話のみ)。
冒険者証明書は金属カードで、邪魔にならない所に魔法で入っている。競売は魔法紙で取引されている。
みつめる(/c)はとても嫌な視線扱い。時間感覚はリアルと同じ。tell等のSay・sh・echo以外は念話。
リアルからヴァナに入り込んだ人々の事を「来訪者」と言う。
いわゆるGMと同じ姿の連中がいて、「フェイト」という組織を形成し、洗脳した来訪者「黒マント」を使役して来訪者達を狩っている。
レイズは意識不明(戦闘不能)に有効だが、完全に死んだ者には効果が無い。
キャラ紹介テンプレ
初出: 別スレ同番の人もいるようなので、スレも併せてお願いします
PC(仮)名: / 中の人:
種族フェイス:
ジョブ&Lv:
特記事項:
活動エリア:
あらすじ:
他キャラとの接触:
独自レギュレーション: 共通設定(?)と目される設定とは敢えて変えてある部分を明記するといいかも。
5 :
既にその名前は使われています:2007/01/20(土) 00:33:55.33 ID:HZG3JZEm
以上、テンプレでした。
それでは皆々様、来訪者たる方達の物語を堪能、
もしくは来訪者として物語を紡いでいきましょう。
そして新たな旅人さんが来たならば、その筆を走らせてみては如何でしょうか。
金髪の少年が、湯呑みを手に息を吐く。
彼の前には、同じ面立ちの、しかし困ったような表情の少年。
「さて、前スレではさして出番がなかったわけですが」
「・・・だって、メインは私だし・・・」
「村人Aから、イベントのモブに格上げを狙っているんでしたか」
「・・・ち、違うもん、ちゃんと主人公らしく・・・」
「主人公らしく、村人A?」
「・・・う、うわぁーん!!」
両手で顔をおおって泣き出す相手に、彼は優しく微笑む。
「沙都子泣きしてもダメです」
「慰める気もなしか〜!!」
ひどい話である。
いいんだいつかは下克上してやる、とか何とか言う相手の頭を優しく撫でてやり、それからふと顔をあげた。
「
>>1、ありがとうございます。お疲れ様。願わくば、彷徨いし人々の導べとなることを」
7 :
既にその名前は使われています:2007/01/20(土) 07:48:44.88 ID:ZpgFi7wL
朝起きたら……今日も変わらぬ退屈な一日が始まる。
おはよう、そして
>>1乙
8 :
既にその名前は使われています:2007/01/20(土) 13:57:43.87 ID:ZpgFi7wL
ってスレ立って早々落ちたら、笑い話にもならんage
9 :
既にその名前は使われています:2007/01/20(土) 14:15:38.76 ID:oEUljbFC
ヤグードの甲高い声と共に無慈悲な一撃が振り下ろされる。
旅の仲間たちは誰もが、その経験浅い若き白魔道士の死を覚悟した。
刹那──。
ガキィィン!
金属音と共にヤグードの侍の振り下ろした刀を受け止める白い影。
雷光の如き速度で鳥人と僧侶の間に割って入る。
「おいィ?」
白い衣を身に纏う騎士が問いかける。
ふと周囲を見渡すと、いつの間に現れたのだろう、数人の人間達が彼らを取り囲むように立っていた。
「今何かやられたか?」
騎士の問いかけに正体不明の集団が答える。
「やられてない。」「何かやったの?」「俺の記憶には何も無いな。」
呆気に取られていたヤグードはハッと我に返り、バックステッポで騎士から飛びすさった。
「もう勝負ついてるから。」
騎士がそう呟くと同時に、ヤグードの体は斜めに切り裂かれ、崩れ落ちた。
10 :
既にその名前は使われています:2007/01/20(土) 20:50:16.17 ID:JFh5DI4i
いきなり消えるだなんて笑えないw
11 :
既にその名前は使われています:2007/01/21(日) 00:18:55.98 ID:5I4nqUfk
闇のように深い色の飲み物を差し出す。
「近東から持ち込まれた、コーヒーというものです」
「ふむ・・・」
宰相はしばらく香りを楽しみ、それからカップに口を付けた。
直後。
「!!」
ぶふぉっ。とか何とか音をあげて噴き出した。
「甘苦いような、それでいて辛さと渋みもあるのだが・・・」
彼にカップを差し出した騎士は、視線を合わせないようにしながら無言で立ち尽くしている。
宰相閣下が料理の腕に関する彼の武勇伝について知るのは、今ではない話だった。
「・・・まあいい。時に、アトルガン皇国での『傭兵』たちの扱いはどうか?」
「ある冒険者によると、『死んだ方がましだと思える状況でさえも、生きて明日を見るんだと・・・
その気持ちが生き残らせるんだ』とのことです。どうにも想像に耐えません」
「アトルガン皇国とは、それほど過酷なのか?」
「は、いえ・・・サラヒム・センチネルという傭兵派遣会社についてだそうです」
「・・・会社なのだろう?」
「そのはずですが・・・」
資料のページをめくり、『要保守』と記された一部をなぞる。
「戻ってきたら報告させましょう。本当に地獄の一丁目なのかは分かりませんが」
「・・・そうだな」
12 :
既にその名前は使われています:2007/01/21(日) 01:28:55.23 ID:jKIyFV1z
新スレ立ったか…
13 :
既にその名前は使われています:2007/01/21(日) 02:13:42.72 ID:4mKML048
出来ていませんが、
眠いです。
明日投下します。
ごめんなさい。
14 :
既にその名前は使われています:2007/01/21(日) 10:28:45.25 ID:eB/JLH+U
あげちゃう
15 :
既にその名前は使われています:2007/01/21(日) 15:08:19.34 ID:5I4nqUfk
さがりすぎだよぅ・・・
16 :
緑茶 ◆vUu2nK2xdY :2007/01/21(日) 16:01:32.92 ID:PQOew5ku
13スレ目から書き始めて早4ヶ月で17スレ目突入で
文章力少しは上達したのか、全くしてないのか分かりませんが、
16スレ分の緑茶話をwikiに追加しておきました。
んでは、お話投下しますです。
17 :
既にその名前は使われています:2007/01/21(日) 16:03:45.61 ID:0eWGZIog
まだ残ってたのこの中二病スレ^^;
年末になれば大掃除をするというのは、まぁ言ってみれば決まりごとみたいなものであろう。そう、それが朝
起きたらヴァナ・ディールと呼ばれる世界にいた俺の今の住まいになっているモグハウスと呼ばれる部屋で
あってもだ。いや、もちろん掃除はしたさ、大晦日前日にな。んで、その日から小正月を迎えた今日までぐー
たらと過ごしてしまい……この酷い有様は、足の踏み場もないとは良く言ったものだ。
だが、後悔はしていない。生涯で初めて年越しを女の子と二人っきりで過ごせたのだから。もし、そこに問題
があるとしたら、彼女は頭の上に耳がついていて、お尻には尻尾が生えているぐらいだ。その容姿を簡潔に表
現するならば猫人間と言う他ないであろう、ミスラという種族のその子供だ。可愛いから問題じゃないけどな。
さて、人間というのは(猫人間含む)、怠ける環境が出来てしまうと、どこまでも怠けてしまうものだ。年始など
は一日だけ外で走り回った以外は、モグハウスに急ごしらえしたコタツに足を突っ込んでウィンダスが誇る魔
法新聞社のバックナンバーを読みふけっていた。なかでも面白かったのが『密着!噂の女冒険者!』の項だっ
たが、途中からライター休暇の為しばらく休載と出ていた。やはりどの世界でも休暇と怠惰は必要なのだ。
そして今日も俺はコタツの中に足を突っ込んで、うたた寝という坂道をノンブレーキで下り始めたところだ。コ
タツの中では、いつもと変わらず子ミスラがモサモサと丸くなっている。
このまま眠りにつき目覚めたら、ここへ来たときと同じように、いつのまにか現実世界へ戻っている……なん
て、そんな事も考えてしまう。そうなってくれれば、どれだけ嬉しいことか。掃除もしなくていいしな。
そんな怠惰の道を極めんとする俺の脳裏に浮かんできた言葉は『立つ鳥跡を濁さず』である。その意味は、
立ち去るものは、あとが見苦しくないようにすべきであること。だってさ、どうする? まずいね、これは。
「……よしッ! 今日からまた現実へ戻る活動開始! コタツも撤去! 掃除するから出たでた!」
とりあえずはコタツの中に、かれこれ半月ほど埋まっている子ミスラのサルベージから始めようと、コタツ布団
をめくってみると――半裸の子ミスラが、何事かと眠い目を擦りながら起きてきて、目が合った。
「――にゃにゃにゃ、おはようにゃ。……しかたないにゃ……お着替えするから待っててにゃ」
はい、わかりました。とそんな感じでコタツ布団を戻すも、既にコタツの特有の赤い光に照らされた子ミスラの
半裸姿が脳裏に焼きついてしまっている。……もう少し、見て……いやいや、子供とはいえ女性の着替えを覗く
ほど落ちぶれてはいない。
今日はこの子ミスラにも、住み込みのメイドが如くたっぷりと仕事をしてもらおう。実際にほとんど住んでいるよ
うなものだし。いや、まて、全国の健全青少年諸君が考えているような妄想上の仕事ではなく、単純な掃除、洗
濯、家事一般である。何もやましい事などこれっぽっちもない。もしあるとしてもジュノのバザー税程度なものだ
ろう。
だが、そんな俺の禁欲っぷりにいとも簡単にひびを入れたのがコタツから出て来た子ミスラであった。どこにそ
んなものを用意していたかなどという無粋な事は言わないが、黒のワンピースに、レースのフリルがついた白い
エプロンドレス、腰で結んだ大きなリボン、そして猫耳に邪魔にならない小さなカチューシャ、その姿は俺の理想
のメイド像と全く持って違わなかった。あまりの可愛らしさに今にも後から抱きしめたくなるほどだ。
悶えている俺をよそ目に当の子ミスラは、この衣装で百人力と言わんばかりの掃除を始めている。途中ゴミの
山から発掘される、わけの分からないアイテムやら玩具やらに子ミスラが「にゃんだこれー?」と心を奪われるも、
その山は日が暮れる頃には二人の手によって片付けられた。
このゴミの山発掘作業で何か帰る手掛かりが出てくるのではないかと思ったが、結果的には隠された地下室に
ある不思議な井戸や、槍に射抜かれた妖怪、あまつさえ伝説の巨人の影などは、これっぽっちも見ることが出来
なかった。やはり、現実世界に戻る努力は他人に頼っていては駄目だ自分の力で切り開かなければ。
久しぶりに気持ちの良い疲労感に包まれ、その夜は綺麗になったモグハウスのベッドで眠りについた。
「おやすみ。ヴァナ・ディール」
「ここ近年になって来訪者の力が強まっている」
「既に幾人かの赤鎧クラスのものが殺されている」
「弱さゆえの死も当然あるでしょ。赤鎧クラスの質の低下も気になるね」
「昔の来訪者は我々に服従、もしくは諦めてこの世界で順応して生きる。ということも多かった」
「しかしここ最近。服従することに抵抗を示す来訪者が出てきた。しかも急に増加している」
「さらに赤鎧に対して戦闘を仕掛けてきたりする来訪者たちもいる」
「通常のこの世界の者なら勝てるが相手は来訪者。場合によっては特赦な能力を備えている」
「やはりここは来た時点で抹殺したほうが・・・。そこの給仕。チャイのおかわりを」
「僕はコーヒー」
「俺はサンドリアティーはいいな」
「私はウィンダスティーで」
「最近、近東の食文化に興味があってね。シュトラッチとチャイがなかなかあってて・・・」
「いやぁ、このコーヒーの渋みこそいい」
「コーヒーは苦すぎですね。やはり伝統的なウィンダスティーにおにぎりですよ!」
「サンドリアティーに王国風オムレツ、ウマー」
「五分二十七秒・・・。十分もまともに会議できないのか・・・。というか給仕じゃない・・・。ああ、家が恋しい・・・」
21 :
既にその名前は使われています:2007/01/21(日) 23:48:39.64 ID:QQS00JGT
ageますよ?
新スレ乙です&ありがとうございます。
それからお久しぶりですごめんなさい。
「…で、前スレまるまる本編お休みしたことについて、何か申し開きはあるかい」
「ないです……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「…確かにその点については僕らにも非がないとは言い切れませんが、
あんたのような腐れカボチャに言われる筋合いはありませんね。キミも謝る方向が違います」
「うう…」
「ま、ちゃっちゃと話を進めないと、さらにアレな状況になるのは間違いないなw」
「そのあたりは同意です。さっさと元の鞘に収まりたい…」
「(´Д⊂」
「これはまあメタな話だからいいけど、はい落し物〜♪ って届けてやるわけもなく」
「メタな話でもなんでも、純粋に僕はあんたが嫌いです」
「くくく…いいのかいそんな口利いて。思い出させてやってもいいんだぜ…?」
「すいませんなんか話の方向がおかしくなってきたので、いい加減続きいきませんか」
前回までのお話が気になったらこちらからどうぞ。
http://wiki.livedoor.jp/jikyaramatome/d/256%5fFurcifer%20%a2%a1MwNTY7GtwI%a1%a1%a4%de%a4%c8%a4%e1
『どうせ一度は失くした命だろう? もう少し役に立ってほしいものだね』
蒼い隻眼が、高みから僕を見下ろしていた。
『このまま行かせたら、フルさんもきっと…帰ってこないニャ。そんなのいやニャ』
旧い仲間は涙を流しながら、僕の背にすがりついていた。
『ディアボロスならキミの心に残るそれと引き換えに、夢に橋をかけることができるはず』
額に紅玉を戴く霊獣は、夢紡ぐ翼の名を僕に語った。
『君自身を否定してでも、それを掴もうというわけですか』
時を止めた隠棲の呪術師は、僕の愚かさをただ哀れんだ。
『どうして、あやちゃんをよんだりなんか、したの』
生と死を共に奪われた親友は、作り立てのカーディアンのような声で僕を詰った。
『君達が死ぬまでは、オレは"来訪者"に直接手を下さない。それでいいかい?』
ふざけたかぶり物の下から覗く金の目が、僕を絡めとり縛り付けた。
「全てが君の手に戻るか、それとも、オレの物になるか。楽しませてくれよ…」
通り過ぎてきた過去のすべてが、まるで現在であったかのように錯覚させるほどに、
その言葉だけはあまりにも生々しく響き、僕の心を揺さぶった。
見開いた目にあの安宿の天井が飛び込んでくるに至って、ようやく夢を見ていたのだと気がつく。
いつの間にか、眠ってしまっていたのか…。
隣の部屋から聞こえていたかしましい話し声は止んでいて、気配も二人に減っていた。
アルテパからずっと身に付けていたままだった装備を全て脱ぎ去り、
随分ぬるくなってしまった湯で身を清めた。
久々に使ったけれど、やっぱりバスのシャワーはよくできてると思う。
サンドリアの水は森と共に有り、人々は暮らしの中で長い事その恵みを享受してきた。
他方、バストゥークの水はこの国が誇る大工房の巨大水車に表されるように、
人々はその荒々しい流れを制し、利用し、発展の原動力とし、時には鉱毒で汚しさえしてきた。
無駄な水は使わない、いや、使えない。他の二国とは違う、厳しい環境に直面する国の姿。
そう、人には人の暮らしがある。神を僭称するおかしな奴らにかかずらっている余裕などないのだ。
水気をタオルで拭ってから少し考え、再び装備を丁寧に着けなおした。
鉱山区の建物には窓がなさすぎる。
部屋を出て、外に向かおうとしたところで、扉が僕の進路を遮るように開く。
ドアノブに手をかけていたのはヒロさんだった。
三日ぶり、いや、彼からすれば二日ぶりか…僕らに散々心配をかけさせた割には、
彼自身もまた、疲れと苛立ちが滲む表情を湛えていた。ルーファス殿に色々言われたのだろう。
この上僕からまで何かを言われるのは何かと辛いか。そう思い、なんとか笑顔をつくる。
結果、彼へと三日ぶりに掛けた言葉はなんとも当たり障りのないものとなった。
「やぁ、ヒロさん。ご無沙汰でしたね」
それに対し、彼から返ってきた返事は、僕にとって少々意外なものだった。
「…いつか、この世界や人にもっと触れてみて欲しい、って言ったな」
いつの事…シュヴィヤール邸に一晩お世話になった時だっただろうか。
僕がそう記憶を辿るのを待たず、彼は言葉を継ぐ。
「……失敗ばっかりだよ。
ナナコもアオツキみたいにネカマだったら、もう少し気楽に話して、分かり合えたのかもな」
「誰です、それ? それに…ねかま、って…何ですか」
耳慣れない単語が気になって彼にそう尋ねてみたものの。
「性同一性障害の一種さ」
それだけ答えると、背を向けて早足に宿から出て行ってしまった。
まるで逃げるように。
彼のすぐ後ろを追いかけるように宿を出るのは憚られた。
少しだけ待って、何もなかったように女将さんへと会釈し、宿の戸を押し開ける。
赤い月は少しだけ傾いていた。
ブレスドブリオーのフードを肩へと払い落とすと、煤けた冷たい風が頬を撫ぜていく。
両手にはめていたカフスを外して腰のポーチへ突っ込み、宿屋前の欄干に両手をついた。
少し眠ったお陰か、体はバストゥークに到着したときよりも軽くなっていた。
――どうか応えてくれ、"フルキフェル"。
無事ならば。
まだキミが、僕が望むままのキミであるなら。
ふと、誰かに呼ばれたような気がした。"私"ではなく、"僕"の名を。
体を起こし、自分の手を見る。
エラントカフスをはめていたままのそれは相変わらず透き通っていた。
けれど、次に横を振り向いて、私は自分を取り巻いていた異常な状況が、
さらに進行していることに気づいてしまった。
私はベッドの上に今まで寝ていたらしい。まあそこまではいいだろう。
けれど今、私の視界の大部分を占めているものは、
金の刺繍が施された、赤くて派手な忍装束をまとったまま横たわっている人。
自分のモグハウスに知らない他人がいるというのも由々しき問題だけど、
その他人が、私がベッドの上で立ち上がってもなお、私の視界をふさぎ続けているというのは
さらに大問題じゃないだろうか。というかよくこれが人間だって気づけたなぁ私。
ベッドの下を覗き込めば、床は2〜3メートルくらい下にあるんじゃないかというほど離れている。
『これはもしかして…私が縮んだのか』
そう思えば全てに合点がいく。このまま事が進行したらそのうち一寸法師か親指姫か。
さらにその先は…考えたくもない。私の旅はここで終わるの?
――"フルキフェル"、聞こえてる…?
思考がどんどん暗いほうへ転がりかけたところで、さっきよりもはっきりと声が聞こえて、
私は慌てて顔を上げた。
『フルさん!? 無事だったんですか!!』
思わず声が裏返る。それを聞いてかどうかは知らないが、向こう側の気配が忍び笑いを漏らした。
――こちらはなんとか、辿りつけましたよ。
キミの方こそどうなったかと、心配してました。無事に戻ってこれた幸運を、女神に感…
『そんなことより!』
よっぽど私の事を心配してくれていたのか、そのままアルタナへ感謝の祈りを捧げ始めるのを
大きな声で中断させる。ごめん、でも今この状況を伝えて判断を仰がないと。
ある意味すごくまずいタイミングで連絡がついてしまったかも知れないし。
――…どうしたんですか?
『いやその…今モグハウスにいるんですけど、なんかレリック忍者のミスラさんが赤鎧の関係者で、
ぱって光ったらフルさんそっくりになって、そのままモグハウスを借りられちゃったんですよ』
向こう側の気配が、それを聞いて重苦しい沈黙に包まれた、ように感じた。
――…くそ…赤に戻れても装備を押さえられちゃ…きついですね…。
苦々しいつぶやき。本当はバストゥークで赤に戻るつもりだったんですよね、そういえば…。
『あ、でも今なんかその人も寝てるっぽいんでなんとかそっちに…』
そこまで言いかけたところで、背後でごそり、と何かが動く気配。
振り返るよりも早く、雷属性を帯びた金色の輪が私を襲う。
『あうっ…!?』
「通常エリアの精霊で再構築されたから、触れるようにはなったみたいだな」
愉快そうに喉の奥で嗤う声は、夕方のミスラさんでも、フルさんでもない男のものだった。
ということで一旦ここまでです。
ここ数日は色々混乱してましたしねぇ。小ネタで間を繋いでくださってた皆様に感謝を。
それから新たな来訪者の皆様もようこそいらっしゃいましということでひとつ。
空気読まない続き物ですいませんです。
リンクで書いてくださってたお二方も、長らく動きがなくてごめんなさいでした。
と、じくじくした話はここまでにしまして。
新スレなので気持ちを新たにしたいと思います。わっふるわっふるです。
29 :
既にその名前は使われています:2007/01/22(月) 08:58:18.22 ID:tDlbfBLk
フルさんきたのにsageてられない!
ageるよ!
30 :
既にその名前は使われています:2007/01/22(月) 11:37:32.64 ID:Vu47deof
あげちゃうよ!
31 :
既にその名前は使われています:2007/01/22(月) 16:00:55.01 ID:8fuPvgyi
力なく身を預ける少年を抱きしめる。目を覚ます気配はない。
男であるのに華奢な印象の彼は、少女のようにすら見えた。
彼を抱く男はおもむろに手を差し出し、むに。っと少年の頬をつまむ。
「・・・あ、思ったより柔らかいですね・・・」
むにむに。ぷにぷに。うゅ〜・・・とか声がこぼれたような気もした。
「・・・おお、」
絶句。
もちもちとしてハリのある肌は、東方の『大福』という菓子の感触に似ている。
まことに行儀のなっていない行為だが、柔らかい大福をつんつんとつつくと、とてもとても幸せになれる。
「ああ、何だかおなかが空いてきたかも。そう言えばおやつの時間ですねぇ」
「食うな」
不意に後頭部へ一撃を食らう。振り返ると、同じ面立ちの少年が片手斧を手に睨んでいた。
「おや、偶然でs」
「言うに事欠いて『おなかが空いてきた』はないだろうに」
もう一撃を、手にした得物の柄で食らわせる。ごっ。と鈍い音がしたが平然と言い返した。
「食べたいくらいに可愛いというのは、女性への誉め言葉になりませんか?」
「ならない。ちっともならない」
「それはあなたが女性と接する機会が少ないからですよ。特に女性は甘味を好m」
「やかましい」
ごっ。と鈍い音と共にもう一撃を食らわせた。
32 :
既にその名前は使われています:2007/01/22(月) 16:40:14.26 ID:8fuPvgyi
そんなわけで・・・本編投下用にテンプレを。
初出:指定避難場所123
PC(仮)名:キーゼル(Kiesel)/中の人:Kiesel◆nu123wJPbk
種族フェイス:ヒュム♂F4金
ジョブ&Lv:自称戦士。でももしかして赤じゃない?ともっぱらの噂。サポ不明
特記事項:中の人は知識も技能も村人A。小さい。
何故かシオンと同じ装備を持つ。クリスタル合成・魔法の使用が不能。
活動エリア:サンドリア→コンシュ→バス(商業区→港)
前スレまでのあらすじ:
バストゥークでシオンたちと合流し、来訪者、そして『キーゼル』について互いの情報を交換する。
そこで浮かび上がる特異性に戸惑う"私"を慰めるために、ミガイフォングは外へ連れ出す。
しかしそこへ、"私"を狙う存在があった。
(「・・・そんな話でしたか?」「確かこんな話だったと・・・」)
他キャラとの接触:なし
独自レギュレーション:現在不明
33 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/01/22(月) 16:41:04.50 ID:8fuPvgyi
うは、コテ忘れてた・・・orz
投下しまっす。
【いいですか?】
【わかりました。】
453745
初出: スレ1の898
PC(仮)名:Bareiluyareilu(バレィルヤレィル) 中の人: バレ【1-898】
種族フェイス:タルタル F6 B
ジョブ&Lv: 黒魔道士30 白魔道士30 赤魔道士23
あらすじ: ヴァナに「望まぬ来訪者」として来てしまう。
担当モーグリのフリートの助けも得、なんとか「ヴァナでの」魔法発動方法を習得。この世界に馴染んでいく。
同じ来訪者であるサニーリンツとも出会い現実世界に帰る方法を模索していくが、
ひょんなことで、実はクリスタル大戦が二十年前ではなくわずか八年前に起こったことを知ったのだった……。
特記事項:
このスレの主流である「赤鎧」「黒マント」、及び「フェイト」関連の出現はありません。完全独立SSです。
独自イレギュレーション:
基本的にtell、shautはできない。
sayは来訪者にとっては叫んでるように聞こえる。
※以下略 まとめサイト様参照
―――――――サンドリア王国
北方の地から移住したるエルヴァーン族が数多の戦を超え、ランフォル・R・ドラギーユによってC.E.385に建てられた王国。
その昔その種族本来の性格故か他国に絶えず脅威をみせ続けていたサンドリア。だがクリスタル戦以降些かながら勢いを失った感がある。
しかしながらも、エルヴァーン族としての「誇り」は建国以来、いやエルヴァーン族として生まれてきて以来失わずに、
今も人々の心の中でそれは絶えず熱く燃えているのだった……。
カリカリ… 書斎と呼ぶには少し広めの部屋にペンが紙の上を走る音が微かに響いていた。壁には見事までの本棚が所狭しと並んでいる。
穏やかな初夏の日差しが風とともに入ってくる。部屋の主は風によってページがめくらないようにライオンを型どった純銀製の文鎮を
ページの右端に乗せる。暫くしてまたペンの足音が聞こえた。
コンコン… 「む?」ノック音がしたドアの方に顔を向けた。「…父さん、ちょっといいかな?」息子のヴァルキスである。
いや既に階段を上がってきた時点でわかっていたのだが。あの足音を出せるのはこの家で彼しかいない。「…父さん?」
「…うむ、入ってきていいぞ。どうした?」部屋に入ってきた長い黒髪が印象的な息子に尋ねた。
散髪すれば今よりもすっきりするのだが今の彼はこれが一番気に入っているらしい。
「うん、ちょっと聞きたいこ…ってあれ? こんな時間に日記を書いてるの?」字が見えるか見えないかの距離で覗き込まれる。
「あ、ああ、丁度インキが切れたころに書き残したところがあってな、それを書いていたところだ。…で、聞きたいこととは?」
「うん、昨日聞いたとおりにパンを焼いてみたんだけれども、どうも外側が少し焦げてしまうんだ。どうしたらいいだろう?」
「…ふむ、少し焼き時間が長いんじゃないのか?」少し思案してパタンと日記を閉じた。「先に下に行っていなさい。後で見に行こう。」
「うん、わかった。じゃ下で待っているよ。」
部屋を出て行く息子を確認して再び日記を開けた。奇妙な『冒険者』が来た日の辺りのページをめくる。
そのページは先ほど書いたばかりの文字が少し滲んで醜く紙を汚していた。インキが乾くまえに本を閉じたからだ。
(やはり書かないほうが良かったのではないか…)そっと滲んだ辺りを指でさわった。インキとは別の何かが侵食するように指を汚す。
唐突にあの『大戦』の記憶が目の前に甦る。燃える家、木々、そして人。獣人が脅えきっている人たちに向かい無常にも斧を…
首を振る。今過去の惨事を思い出してどうなるのだ。思い出すのは亡くなった人々の笑顔だけでいい。
日記を完全に閉じた。この日記は本棚の奥に仕舞って置き、新しい日記を買いにいこう、どうせインキで汚れているのだから。
あの大戦は一度っきりでいい。家々が破壊されることも、皆の笑顔が壊されることも、息子が片足を失うことも、一度で。
(さて、)汚れた指を布で拭いながらドアに向かう。(もう少ししっかり教えておこう。この宿を継いで貰わねばならんしな。)
手に力が入る。汚れとは別の何かを拭うかのように。
(そうだ。もう二度とあのような思いをしないように、もう二度と…あのような…)
パタン
刹那一際強い風が部屋に吹き込む。その風に負け、日記のページがバラララと乱暴にめくられる。
風が止んだあと先ほどこの宿「不死鳥の止まり木」の主アボールが書いたばかりのページが開いていた。
滲んで少し読みにくいが確かにこう読める。
『考えたくはないが『あの時期』が近づいているのだろうか?
まだ大戦の傷も癒えていないのに。八年前のあの戦でいったいどれほどの人が亡くなったのか。
アルタナ神よどうかヴァナディールに、変らぬ平穏をお与えください。」
結論から言えば、アボールの願いは結局聞き届けられなかったのだが。
〜ウィンダス連邦 水の区 Ensasa's Catalyst Shop〜
「…聞こえなかったのかい? あんた達『冒険者』はどういう存在なんだい、と聞いたんだ。」
頭大混乱中。誰でもいいから俺を助けてください。ウィンダスの中心でもないけれど助けを乞う!…古いな、ってどうでもいいや。
「エ、エンササさん。それは…」「あんたは黙ってな、ウピ。私が質問してるんだ。」「はい…」
うおーい、もうちょっと頑張ってくれよウピ(Upih Khachla)さん!!! って助けを求めてもどうなるモンでもない、原因は俺。
予期せぬ質問でとりあえず【えっ!?】とうっかり口走ったら、何この空気という状況になってしまった。
…仕方ない、「…ちょ、ちょっと待ってくれ! 冒険者は冒険者だろ? コンクェストの一環として三国が雇った兵…」
質問の切り返し。答えになっていないし、かつ相手に失礼な返答。だが俺はとかくこの危機的状況から早く抜け出したかった。
「あなたが住んでるここはゲームの世界なんですぅ。PCのデーター上の存在なんですぅ。」なんてこと口が裂けても絶対言えやしない。
だから「質問してるのはこっちなんだけど?」って半ばキレられて話をうやむやにしようという至極浅はかな考えで言ったの、だが、
「………あらま。」ひどく驚いた顔をされた。隣のウピは明いた口に手を当てて目をこれでもかと開いている。
「えっと…俺、なんか…まずい事言いました、かね?」暫しの沈黙。
やがてエンササさんのフーっというため息が静寂をやぶった。「…やれやれ聞かれる本人がなんにも知らないとは…
全く予想だにしてなかったよ、『冒険者』はたくさん知識は持っていても肝心なことは何にも知らないんだね。」
「…スイマセン。」って謝るとこじゃないのに何謝ってんの俺、って…(あれ?)冒険者『は』だって…?
「まぁ、謝ってどうなるもんじゃないけどさ。さてと、どうしたもんかねぇ…。」…我慢が出来なかった。
「…冒険者は」「ウン?」「…『国に所属し冒険する者』じゃない…と、そういうことか?」
「…そうだね。」「もう一つ……」エンササさんの顔が先を促していた。
「…『冒険者』と『この世界に住んでいる人たち』は『違う』、のか?」
再び沈黙。さっきと違うのはエンササさんがキセルを取り出し火を付け一服したことだった。
「…どうやら一から説明したほうがいいようだね。長くなりそうだけど、いいかい?」俺は頷いた。
再び煙が周りに漂う。コトンとキセルを脇にある小皿の端にあて、壷の中の灰が落ちる。
「…私らがあんた達を『冒険者』と呼ぶ前は『ヤナヒャス』と読んでいた。」「…へ?」
「サンドリアでは『リュティーフ』、バストゥークでは『ルバンキム』とそう呼ばれていた…。」「い、いや…」聞きたいのはそういう…
「名前は違えど同じ意味でね、」吐き出した煙が周りに漂う。「『存在が希薄な者』という意味だよ。」「存在が…希薄…?」
「私らに話しかけない、話しかけてきても先に喋ろと言わんばかり、聞くだけ聞いたら礼も言わず立ち去る、ぶつかっても何もいわない、
勝手に家に上がってくる、物を買うときはぞんざい剥き出し、怪我しても平気、毒に当たっても平気、魔法をくらっても平気、
それで死んだと思ったら街中にある不気味な巨大クリスタルから現れる、突然しゃがんだと思ったら消えたり現れたり、
一日中どころか数ヶ月動きっぱなし、物も食べないで動きっぱなし。まだ続けるかい? 突然大声で話し始める、その何倍ものうるさい
叫び声を突然……」
「ちょ、ちょっと待って!」話を聞いていたサニーが突然声を上げた。
「ヴァナの人たちも一日中動いてたじゃない、寝ないで! そんなこと言われたって…」「それがさ、しっかり寝てたらしい。」
「ええっ!?」「場所は共有してても時間は共有していなかったってことだ。」少しにらまれる。「…ちゃんと説明してくれる?」
「つまり、同じ時間を過ごしていなかった、ヴァナ住人とは。ゲームをプレイしてた時は24倍速で時間が流れていたが、
実際はそんなことはなく、リアルと同じように普通に時間が流れていて、ヴァナの人たちは普通に生活をしていたんだ。」
「でも実際そうだったじゃない! 24倍速で朝が来て昼が過ぎて夜……、あ!」手を叩く。「それも共有していなかったってこと?」
そのとおり。まぁ、実際どうやっているのかは予想の範囲内でしかないが、おそらく■eが管理しているPC上の設定なんだろうと思う。
『来訪』直後に時間間隔が合わなかったのはこういった理由。前に聞いたが、サニーは数日余りで『こちらの』時間間隔に慣れたらしい。
不気味な話だ、同じ世界に生きているのに実は全く異なる場所に立っていたなんて。そして、そういうことは他にもある。
「■eが想定していないことはグラフィックには反映されない。俺たちはあくまで■eが『作った」ゲームの世界でプレイしていた。」
「だから街中を普通に歩いている住人は気付きもしなかった…。」
「寝ている住人にもな。団欒の最中にとか、寝室に突然冒険者が入ってくるっていう話はけして珍しいことじゃないそうだ。
臨終に立ち会っている人の間に入ったりとかな。」「笑えない話ね。」「笑えないな。」
だが、ヴァナ住人には俺たちの行動は全て見えていた。迷惑な得体の知れない気味の悪い集団だと。
「…私らんとこは店は何時も開けていた。品物は棚に置いとけば勝手に冒険者が買っていったからね。万引きなんてことは『冒険者』に
限っては一度もなかった。」(夜に『限っては』出歩いたり働いてるヴァナ住人は本物の『NPC』だったということか…。)
プカぁと煙を燻らすエンササさんを見ながら俺は思った。
「とりあえずは危害を加えられないから私らは我慢した。流石に風呂や便所はしっかり入れないようにしているけどね。」
「だけど、それにも我慢の限界があるだろ!? 俺が言うセリフじゃないけど、三国と公国はなんで『冒険者』を優遇してるんだ!
そんな迷惑な俺たちを! 普通だったら締め出して一切干渉しようとしようとしない筈…」
「アルタナ神の御意思だからだよ。」「…ハァッ!?」
「『冒険者を貶める者、我の慈悲に値せぬ。』気にらなくても取り作っておかないとねぇ。」こめかみ辺りが歪む感覚が走った。
「…アルタナが決めたからそうやるっていうのか! アルタナが戦えと言ったらそうするのか! あんたらあやつり人形かよ!?
自分の意思を持たず神に丸投げしててそれでいいのか!? アルタナ神が死ねと言ったら死ぬのか!!」
「……」キョトンするだけのエンササさんを見ていると更に顔が熱くなった。「おい!! なんとか言った」
「先に謝っとくよ。」刹那エンササさんの右ストレートが机に乗り出す俺の顔面にクリティカル・ヒットした。たまらず後ろに吹っ飛ぶ。
ゴっ!! 「…痛っ!!!!」背を手すりにぶつけ変に違和感ある痛みが走る。顔面も痛い。届かぬ背に手を伸ばそうと
もがく俺にエンササさんが近づいて来、見下ろされる。「の、やろ、い、き、なり、な」
「ふざけんじゃないよ。」ドスの聞いた声が上から降ってきて自然に体が固まった。
「アルタナ神が死ねというだって? ふざけんじゃない。そこまで愚弄されるとちょっと黙ってられないね。
アルタナ神は私ら全ての心の拠り所だ。命を与えてもらい住む場所をも与えてくださったアルタナ神を馬鹿にすると本当に許さないよ。」
静かだが押さえきれない怒りが滲む声に俺はあることに気づいた。ああ、こんな世界なんだと。
神が存在し確定している幻想(ファンタジー)の世界。魔法が実在し敵となる禍々しきものがいる世界。
揺れることはあり得ない凄まじいほどの神々しい存在が君臨しているこの世界。その世界に生きている人たち。そして、
おれもそこにいる。
「…ごめん。」俯いたまま言った。「謝ってすむ話じゃないけど…ごめんなさい…。」
上でため息が聞こえた。「ま、あたしもやり過ぎた。すまないね。」目の前にハンカチが差し出される。「あ、ありが」
「ただし、もっぺんさっきのようなこと言ったら殴るじゃ済まさないよ。い い ね ?」「は、はいぃ…。」ドス効き過ぎ…。
血が出てる鼻を押さえた。寝違えたように背中も痛い。これ以上の『済まない』っていったいなんだろ? 殺されんのかな、ありえそ…。
「あんたら『冒険者』はアルタナ神を信じていないのはわかった。けど、あんた達は何にも信仰していないってことはないだろ?」
椅子に座った俺に聞く。「信じていない奴もいるひ信仰に全てを捧げてる人もいる。その神が本当にいるかはあやふややけど。」
「いるのかいないのかがわからない神を信じているのかい!?」「信者は確信してるけど、な。」根拠なき確信を。
エンササさんがため息をつく。「信じられないねぇ…、問題は起きないのかい?」起こっている。今も宗教戦争が絶えることがない。
『神』が原因で死んだ人はこれまでにどれだけいるか。グローバルでいつも壁になるのが『宗教』だ。
いっぺん出て来いリアル神さん、全人類の前に。そうすりゃ『子供』達が殺しあわなくて済むぜ。宗教問題も一発で解決だ。
「じゃあアルタナが大勢の目の前で啓示したりしたのか…。」ぜひ見たかった。まぁ『来訪者』として来たんだから会える可能性は高
「そんな馬鹿なことがあるかい。」「へ?」
「『神書』ってものがあってね。アルタナ神が書いたものだ。そこに全てがかいてある。」
思わずズッコケた。(よ、よりにもよってヴァナ版『聖書』かよ!!!)「ちょ、それがなんでアルタナが書い」
「ううん!!?? なァンだってぇっ!!!???」「いえなんでもありませんすいません。」
まぁリアルより信憑性はケタ違いだから間違いないか。「はいどうぞ。」淹れたてのウィンダス茶がウピから渡される。
「じゃあ、『神書』は目の院に?」席につくウピに礼を言ってから聞いた。エンササさんは首を振った。
「私らには存在は知らされても何処にあるのかは知られていないからねぇ。ちなみに写しもない。理由は…言わなくても分かるだろ。」
「なんとなく。」「察しがよくていいね。」さて喋ったとずずっと茶をすするエンササさんを見ながら思案した。
ひょっとするとその『神書』に現実世界のことが書かれている可能性がある。まぁ全くの推測だが、探してみる価値はあるな。
「そういえば」ふと思いついたように言った。「先の大戦では獣人が『神書』を狙ってるって噂がたったねぇ…。」
「へぇ…。」当然といえば当然か、憎きアルタナが書いたシロモンだもんな。「ありゃ酷かったねぇ…。ここも荒れ果てて、
見られたもんじゃなかった…」そりゃそうだろなぁ。「それがここまで復興して…」うん、頑張った!感動した!!ウィンダス万歳!!!
「本当に八年経ったと思えないほど…」そう!!そんな短い間にここまで復興するなんt
「…いまなんて?」
「? 酷く荒れ果てて?」「いやもっと先」「獣人が『神書』を…」「ごめん、聞き方が間違った。俺が聞いた直前。」
「大戦から八年経った?」「それだ!」はい、息をおおおおおおきく吸ってええええええええ、
「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!?????????」エンササさん&ウピが同時に仰け反る。
「な、なんなんだい!!」机をバンっと叩いた「大戦終結は『二十年前』じゃないのか!?」
「二十年前ぇ!? あっは! だったらあたしはとっくにモウロクしてるよ。」「はい!?」
「タルタルの平均寿命は50前後。大戦のとき25だったあたしはとっくにババァになっちまってるよ。」「いや、でもぉ…」
どういうことだ? ゲーム時はNPC(改めヴァナ住人)は揃いも揃って『二十年前』と言ってた筈だ。間違いない。
で、それが実は僅か八年前!? 聞いてないぞそんなこと!!! ありえね物凄いありえね!!! ひょっとしてカマ掛けられている?
「…どうやら私らとあんた達とは違う歴史観があるね…」「いや…待て待て…」「…聞いてんのかい?」手で制する。
どうも違和感がある。………!! そうだ!!「八年でよくここまで復興できたよな? 違和感を感じるのは気のせいか?」
「う〜ん…。」ほらな、やっぱな、またまたエンササさんてば冗談がおじょ「これは話してもいいかねぇ…」「はい?」
「『奇跡の二年』といってね、大戦終結から二年間信じられないことが立て続けに起こったんだ。毎日が建設日和、建て直しに最適な
木材や石が近郊に見つかったり、荒れ果てていた田畑も例年以上によく実ってね。雨があんまり降らないのに水が絶えず、
水不足が普通のバストゥークにもなんときれいな水が湧き出たんだ。そんなこんなで僅か二年ちょっとで街はすっかり元通りになった。
そのあとは普通の状態にすぐ戻ったんだけど、今でも怠け者はよく言うよ『あの頃は良かった』ってね。」カラカラと笑った。
開いた口が塞がらない。なにそれ?「さてと、一番最初の質問に答えてもらおうかね。」キセルに草をつめながら、
「あんた達『冒険者』はどういう存在なんだい? まさかここまで話させておいて自分はダンマリを決め込むなんてことはないよね?」
「…」話すしかない、話してくれた誠意に答える意味も込めて。ただし「話せないことは話せない。それでいいか?」
「…それはまたどうして?」「ひょっとするとこの世界が崩壊するかも、だから。」「…いいだろう。」
さてどうしたものかな。
投下終了。
アボールの話は前スレで投下した「宿屋の主人」の後日譚みたいなものです。
前スレで投下したかったなぁ(だったら早く投下しろっての。
さぁ、わっふるわっふる!!!!!!
51 :
既にその名前は使われています:2007/01/22(月) 21:19:08.04 ID:nIReG0xc
age
52 :
既にその名前は使われています:2007/01/22(月) 23:21:06.19 ID:jIWGLIAv
バレさんの作風がちょっと変わった気がするのは自分だけだろうか?
なにがどー変わったとか、そういうのは今一分からないんだが、
なんか変わった気がするのは何故だろう。
あと今回の文章量でどれくらいの時間が掛かってるのかも【興味があります。】
なにはともあれ、わっふるわっふる!
スレ立て乙でございます。
まとめサイトに、16スレの投下分を更新いたしました。
こちらも続きモノの為、まとめサイトのほうも参照していただければ幸いです。
なかなか書く時間が取れずじまい。悩ましい。
初出: 1スレ161
PC(仮)名: Lead、リード / 中の人:161 ◆zmxSLEadCU
種族フェイス: エル♂F4A
ジョブ&Lv: 不明 (片手剣を装備、ガンビスンとガリシュズボン)
特記事項:
ジョブチェンジ不能。クリスタル合成不能。睡眠がとれない。
禍神から「マガシキノロイ」を受けている(→仕様が変わった?) 。
はじめは記憶喪失だったが、記憶復活。管理者組織の裏切り者と判明。
前スレのあらすじ:
白昼堂々、ジュノ上層で赤い鎧“ハイプリースティス”の配下たちと戦闘。
チョコボに乗ってジュノを脱出後、バタリアのシェルターからテレポデムでコンシュタットへ到着。
バストゥーク経由でアルテパを目指す。
活動エリア: エルディーム→ジュノ→(機船航路経由)→ウィンダス→サンドリア→オルデール→ラテーヌ
→ジュノ上層→バタリア→コンシュタット
他キャラとの接触:イッチ、マイウ、ゴイス、サン、レップ、ロック、
メイミィ、クルス、ユリフィナ、タイガー(中身はルーファス)、アオツキ
独自レギュレーション:
人間は死んだらそれまで。死んだ者は甦らない。一応、瀕死はレイズで息を吹き返す。
戦闘やアビリティ、呪文や時間等の描写はあいまい。サーチ機能なし。
基本はSayとShout。LS会話は通話のみ。視界内にいる者同士でtellができる人間もいる。
とある休日(土曜日)。FFにログインするためネットカフェに立ち寄る。
三年前のヴァナ・ディールに飛ばされる。
管理者組織に所属、実験部隊の“リーダー”として破壊・暗殺活動に従事。
突如、組織に反旗を翻す。“忘れ去られた天空の城”まで攻め入るも、死亡―――。
○物語がスタート
・1日目:エルディーム古墳で目覚める。衰弱状態でゾンビ犬に襲われて逃げ惑う。戦士を護衛に雇う。
・2〜3日目:戦士に護衛されながらジュノへ移動。ヴァナ世界についての知識を得る。
・4日目:ジュノ上層モンブローの病院〜ラテーヌ〜バルクルム砂丘へ移動。
イッチを救出。ゴブリンの“炎の壁”兄弟と出会う。
・5日目:セルビナ到着。アルド少年と出会う。宿でイッチと一泊。
・6日目:イッチと別れ、機船でマウラに。航路でアルドと一緒に骨海賊を撃退。マウラで一泊。
・7日目:チョコボに乗りウィンダスに到着。手の院でアビスと交戦。
サンの放った銃弾で、左腕を吹き飛ばされるほどの重傷を負う。
・8日目〜12日目:(意識不明のまま)ウィンダス、天の塔内治療室に事実上拘束、監禁される。
・13日目:意識が戻る。レップと出会う。守護戦士から拷問を受ける。記憶復活。
アジド・マルジド、セミ・ラフィーナらと会見後、天の塔を出る。メイミィと出会う。
・14日目:ロックと出会う。シャントット博士を訪問。
“赤い鎧”チャリオットと交戦。その後、行方をくらます。
サンドリアに到着。デュエル、ナナシ、シャールカーン、ラーアル、ハルヴァーと再会。ドラギーユ城へ。
・15日目:シャールカーンの手伝いの名目でオルデール鍾乳洞を探査。ユリフィナ一行と出会う。
対“禍神”戦。ルーファス、ハーミットと共闘。チョコボの背に乗って行方不明に(意識不明の重態)。
ラテーヌでアオツキに救助され、ジュノ上層モンブローの病院に担ぎ込まれる。
・16〜17日目:“マガシキノロイ”で意識不明。
病床にイッチとメイミィが訪れる。アオツキが病床で“1000の言葉”を歌う。
・18日目:意識が戻る。トトの家でカレーコロッケカレーをご馳走になる。メイミィのモグハウスで一泊。
・19日目:モーグリの身体を借りた“ザ・ワールド”からバストゥークに近寄らないよう忠告される。
ジュノ上層でハイプリースティスの配下と戦闘。テレポデムでコンシュタットに到着。
57 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2007/01/23(火) 00:35:43.50 ID:xRRDrjPp
自分なりに、今までの流れをまとめてみました。
こんな感じだったかな・・・?という程度のものです。
今夜は、これにて。
58 :
既にその名前は使われています:2007/01/23(火) 05:38:54.39 ID:q2LQpFOU
ageておきます〜。
59 :
既にその名前は使われています:2007/01/23(火) 10:06:24.95 ID:NdcLMyj4
保守ageってのはつまり、
わっふるわっふるってことなんだぜ?
これは事と次第によっちゃそういう展開もあり得るのか…?
各筆者さんのキャパが心配だが保守age
61 :
既にその名前は使われています:2007/01/23(火) 16:00:39.65 ID:q2LQpFOU
どういう展開かしら・・・
>>52 ようやくバレが一人の『キャラ』として確立したせいかもしれません。
今後自キャラと言えませんなぁ…
今回調子が良かったので2日程で書きました。
でもまぁ書く前に話はだいたい出来ているせいもありますが。推敲をろくにせず投下とかw
ぶっちゃけ脳内では既に完結していて、続編で「再訪〜オーク大帝国編」とか
「アトルガン編」とか妄想しています(書く予定無し)。
始めに四コマ(起承転結)で流れを作ってその骨組みに肉付けしてるような感じですな。
63 :
既にその名前は使われています:2007/01/23(火) 21:03:24.34 ID:nKFzeJG2
そもそも本当に自キャラと言えるのはどれだけいるのかage
64 :
既にその名前は使われています:2007/01/23(火) 23:58:12.20 ID:njxwEV04
上げさせていただこう
「チョコボもテレポに乗れるんですねぇ」などと、あくまでのんきなメイミィ。
ようやくのことで、チョコボを厩舎に預けることに成功した。
大げさなようだが、大変だったのだ。
「こんな所に繋ぐのはやめろ!」とばかりにチョコボが騒いだのだから、その苦労は想像に難くないだろう。
何から何まで、騎乗生物の規格から飛びぬけたヤツだ。
「食欲は?」
「う・・・ん。あんまり」
「温かいスープだけでも摂った方がいい。これから、強行軍になるから」
ひっきりなしに人が訪れては去って行く厩舎をあとにして、食事のできるレストラン兼宿屋に向かった。
道すがら、俺はそれとなく視線を巡らせながら、これから必要な、あるものを捜した。
ゲームでは省略されている事柄というものが、この世界には当たり前だが、ちゃんと存在する。
ここ、デムの遺跡周辺もその一つ。旅人相手の商売をする店が寄り集まった、ちょっとした町になっている。
町とはいうものの、四国首都のような堅固な防壁と軍隊を備えているわけではない。
粗末な柵のすぐ近くを獣人が徘徊する、危険地帯に変わりはない。運が悪ければ、巨大羊が踏み通ることさえも。
冒険者の中には、雇われて警護の任に当たる者もいた。旅の中継地点ならではで、人材には不足しない。
俺が捜していたのは、男女二人組の冒険者。しかも、男のほうはエルヴァーンの前衛職がいい。
そして幸運なことに、それはほどなくして見つけることができた。俺たちと同じように、昼食に向かっている。
俺は目を細めた。
ひょう、と冷たい風が吹き抜けた。
今夜の投下は以上です。
なかなか、まとめて書く時間が取れません。
67 :
既にその名前は使われています:2007/01/24(水) 08:28:49.77 ID:PgJLq1MK
ageるよっ。
68 :
既にその名前は使われています:2007/01/24(水) 13:34:09.80 ID:n0J/K5cr
今気付いたけど、前スレと微妙にスレタイが違うのね。
69 :
既にその名前は使われています:2007/01/24(水) 18:34:42.61 ID:PgJLq1MK
『まんがはじめて物語』みたいだとか思ったりしてません。
・・・なんでそんなの思い出したんだろう。
70 :
既にその名前は使われています:2007/01/24(水) 23:05:14.22 ID:s1YJpgz1
あげ
71 :
既にその名前は使われています:2007/01/25(木) 00:37:14.63 ID:QUBD19GR
あげるんだぜ?
72 :
既にその名前は使われています:2007/01/25(木) 07:44:52.53 ID:Mqzttx8z
【急浮上】
73 :
既にその名前は使われています:2007/01/25(木) 12:12:05.30 ID:/Hbc9eaN
外で氷エレが暴れてる
74 :
既にその名前は使われています:2007/01/25(木) 13:14:04.75 ID:aAfi7O52
二度寝して起きるのを昼にしたことにより、
朝起きたら自キャラになる問題を回避した。
自キャラになっても良いからタップリ二度寝したいわ。
75 :
既にその名前は使われています:2007/01/25(木) 16:42:32.10 ID:YE8GfXqV
そして寝ている間に赤鎧に(ry
・・・いや、気持ちよさそうに寝ているところをシャントット様に・・・かな?ナムナム
76 :
既にその名前は使われています:2007/01/25(木) 21:28:13.79 ID:YE8GfXqV
ageますよ〜
77 :
既にその名前は使われています:2007/01/25(木) 21:36:53.47 ID:PA2qDycK
う〜
前スレの書き手さんが来ないなぁ…
78 :
既にその名前は使われています:2007/01/26(金) 00:35:13.14 ID:pkgnQSDs
待望age
79 :
既にその名前は使われています:2007/01/26(金) 03:23:38.22 ID:D8iR9zVH
あげるんだぜ?
80 :
既にその名前は使われています:2007/01/26(金) 03:44:15.34 ID:9PmevNag
既に誰も覚えてないネタのエクスカリバーゼロ上げ連打。
うぜぇ黙れ。コテどもカラ上げしねぇで作品上げろ。(ツンデレ)
りーどさんが無視して「あげ」(そこにシビれるあこがれる)
突如「皆さん(りーどさん)の作品にインスパイアされました」と名乗るコテが現れ数話つけて逃亡。
逃亡前はからあげしてたリードさんが逃亡後元気に昼夜問わず書き込み始める。
民明書房刊。「朝起きたら自分のキャラになっていた物語。煮糸編」
81 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/01/26(金) 12:39:46.29 ID:oVpDb0iu
実はここまで私の自作自演。
そんなわけで続きを少し。
額に触れる感覚に目を開ける。金髪のエルヴァーンが、俺の体をしっかりと抱きしめ、小さく詠唱をする。
暖かい。いたわりの思いが込められたケアル。
「・・・大丈夫ですか?」
青灰色の瞳が不安そうに見る。短く応えると、こちらに向かって駆けてくる青年が彼の肩越しに遠く見えた。
彼女は昔から男に囲まれることが多いな。内心で苦笑。
自分の格好を確かめる。覚えの曖昧な赤いチュニック。武器はなし。そう言えば、全部置いてきたか。
思い出しながら立ちあがる。
「ありがとう、もう大丈夫。行かないと」
「行く?」
「『欠片』のところへ。あいつら、もう嗅ぎつけてきた」
この装備で何とかなるか?いや、無理だな。武器だけでもどうにかしたい。
「おいで」
言葉と共に両手を差し出す。一瞬空気が揺れ、次には両手斧を掴んだ。
「キーゼルさん?」
呼ばれて振り返る。シアーチュニックの青年が、訝しげに俺を見ていた。・・・リュシアンの末弟?
「話は後で」
言って、その場を離れた。俺から話せることはひとつとしてなかったが。
83 :
Kiesel ◆nu123wJPbk :2007/01/26(金) 13:10:43.68 ID:oVpDb0iu
手抜きですが今回は以上です。
84 :
既にその名前は使われています:2007/01/26(金) 17:52:43.64 ID:33pjeDlV
できることなら、連続モノ書いてる人は、
同じスレ内なら前回分のスレ番アンカーつけてくれると、とてもとても読みやすいです。
(前スレからの続きならwikiへのリンクつけるとか)
85 :
既にその名前は使われています:2007/01/26(金) 21:13:57.74 ID:pkgnQSDs
善処します・・・
潮の香りが強い。リアルにいたころは内陸部に住んでいたから慣れるのに時間がかかったもんだ。
イスに座って釣り糸を垂らす。横に置いたバケツには黒い魚が一匹くるくる周っている。
陽射しが強いので黒AFの帽子を深くかぶる。一番のお気に入りの帽子。
「しかし・・・。今日も平和だなぁ。どこかで仲間が戦ってるかもしれないってのに・・・」
竿が揺れる。すばやく釣り上げるもののそこには針しかなかった。なかなか釣れないものだな・・・
遠くから自分を呼ぶ女性の声が聞こえる。昼ごはんの時間か・・・。
バケツの中身を海に返して竿を背負いイスを持つ。さて今日の昼飯は普通に食べれるものなのだろうか・・・
87 :
既にその名前は使われています:2007/01/27(土) 03:02:06.44 ID:JTUqn43x
あぶない保守
88 :
既にその名前は使われています:2007/01/27(土) 11:52:31.83 ID:qivkB/V5
よろしい、では保守だ
>>86の続き
今日の昼飯は魚料理。と事前に聞いていた。活きのいいキュスが手に入ったと言っていた。
目の前にはキュスがまるまる置いてあった
「ねぇ」
俺はテーブルの向かいにいるミスラに話しかけた。ちなみに彼女はおいしそうに食べている
「なにかな? 魚は嫌いなの?」
「あのさ、ミスラは生食できるけど俺はタルタルなんだよね」
「大丈夫。ゲームではそうなってるけどきっと食べれるよ!」
彼女は笑いながら言う。できないっつーの
仕方ないのでキュスを材料に自分で作ることにした。クリスタルではなく手料理だ
「へー、料理できるんだ。今度教えてもらおうかなー?」
「少しは・・・。君はできないの?」
「君じゃないでしょ! おかあさんと呼びなさい」
無駄に出っ張った胸を張って言う。出っ張ってる分だけ偉く見えるのは気のせいだろう
俺はキュスの香草焼きもどきを更に盛りテーブルに持ってった
90 :
既にその名前は使われています:2007/01/27(土) 19:55:44.81 ID:jA2qoNfR
テンプレに、まとめwikiのアドレスのっけてもいいかもですね。
91 :
既にその名前は使われています:
age。今日は投下少ないのね・・・