ネット通販などインターネットで取引を行う個人事業者の申告漏れ総額が、
今年6月までの1年間に約143億円(前年比約28億円増)に上ったことが、国税庁のまとめで分かった。
税務調査した1453件のうち2割が、所得を全く申告していなかった。
通常の所得税調査では無申告が1割程度で、ネット取引が一般化する中、個人でネット取引をする人の納税意識が低い実情が浮き彫りになった。
ネット上で複数の人が同時に仮想世界を冒険したり、対戦したりする「オンラインゲーム」。
ある無職男性は、このゲームで大量に獲得した武器などのアイテムやゲーム通貨を現実の世界で販売し、収入を得ていたが、無申告だった。
申告漏れ所得は3年間で約6000万円で、預貯金に回していたという。
ホームページ(HP)の広告を見た人が商品を買えば、HP開設者に報酬が支払われる「アフィリエイト(提携)・プログラム」
を利用して得た収入を申告していなかったケースもあった。
複数のHPを運営する会社員は、アフィリエイトで広告主から多額の報酬を得ていた。
その所得は2年間で約7000万円に上ったが、申告していなかった。所得は遊興費にあてていたという。
ネットは匿名性が高く、実際の取引状況を把握するのは難しい。このため、
国税当局は2000年から「電子商取引専門調査チーム」を結成、ネット取引への監視を強めている。 (2006年10月18日20時3分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061018i212.htm