朝、起きたら自キャラになっていたFFXIプレイヤーたち。
ステキに過酷なヴァナ・ディール、笑いと涙の右往左往。
俺たち“来訪者”を排除していく、謎の集団も現れた!
この異世界に出口はあるのか?
リアルに帰還できるのか?
熱血、友情、ラヴ、バトル! 陰謀、シリアス、ギャグ、微エロ!
俺たちの明日はどっちだ!?
共通設定。これは絶対ではありません。
ある程度共通していた方が、読み手の方も分かりやすいのではという意図のものです。
参考程度に留めて、投下する方が自由に想像し設定してください。
LPは映像付きが多い (例:Yurifina氏のSSでは映るが、LeadのSSでは会話のみ)。
冒険者証明書は金属カードで、邪魔にならない所に魔法で入っている。競売は魔法紙で取引されている。
みつめる(/c)はとても嫌な視線扱い。時間感覚はリアルと同じ。tell等のSay・sh・echo以外は念話。
リアルからヴァナに入り込んだ人々の事を「来訪者」と言う。
いわゆるGMと同じ姿の連中がいて、「フェイト」という組織を形成し、洗脳した来訪者「黒マント」を使役して来訪者達を狩っている。
レイズは意識不明(戦闘不能)に有効だが、完全に死んだ者には効果が無い。
キャラ紹介テンプレ
初出: 別スレ同番の人もいるようなので、スレも併せてお願いします
PC(仮)名: / 中の人:
種族フェイス:
ジョブ&Lv:
特記事項:
活動エリア:
あらすじ:
他キャラとの接触:
独自レギュレーション: 共通設定(?)と目される設定とは敢えて変えてある部分を明記するのはどうでしょう
新スレ乙ですヽ(´ー`)ノ
6 :
グレン ◆V9Blnd6aVs :2006/07/18(火) 08:11:25.06 ID:cwYsl7xz
おはようございますage
新スレ立て乙ですw
7 :
410 ◆CLkm3KLOzk :2006/07/18(火) 12:56:10.24 ID:Rxw9HT7s
スレ立ておつかれさまです〜
8 :
既にその名前は使われています:2006/07/18(火) 14:21:53.47 ID:37esnLOb
スレ立て乙です!
9 :
既にその名前は使われています:2006/07/18(火) 18:49:23.29 ID:zBVxO9x4
>>1 俺がずっと小さかった頃に日本のアニメが今フランスでブーム
みたいなのを紹介する番組がやってたのね。
そこでドラゴンボールをフランス語で吹き替えするアフレコのシーンがあるんだけど
こう、ゴクウのかめはめはって「かーめーはーめー・・・はーー!!!」
って文字通りかめはめはって唱えるだろ?
でもフランス版のかめはめはって
「カーメーハーメー・・・イヤッホウーー!!!」って唱えるんだよ。
えっ?て最初は聞き間違いかと思ったけどその後も頻繁に
「カーメーハーメー・・・イヤッホウーー!!!」って唱えるんだよ。
で、子供のころってマイノリティを気取りたいっていうか
人の知らない事を言うことで俺かっこいいみたいな考えがあるから
学校でカメハメイヤッホウやったら。「はぁ?」みたいな反応されて
喧嘩になって暫くイジメられるようになってそれから学校に行かなくなった。
だから俺がひきこもってニートしてる原因はフランス版のかめはめはだと思った。
10 :
既にその名前は使われています:2006/07/18(火) 22:02:16.25 ID:ra4M0yd3
そうだねマッソーだね
スレ立て乙でございます。
スレ立てありがとうございます!
前スレちょびっとだけ容量残っております…誰か埋めてくださいw 力尽きましたw
13 :
290 ◆JMUNf1M.LE :2006/07/18(火) 22:38:51.16 ID:1t6bO9Id
スレ立ておつです。
投下して見ます〜。
14 :
290 ◆JMUNf1M.LE :2006/07/18(火) 22:41:14.02 ID:1t6bO9Id
ベアトリスと共に倉庫街を抜け蒸気の羊亭へと足を運ぶ。
道中では中年女性は若いっていいわねぇ等とつぶやきながら好奇心に満ちた目を向けてくるし
ヒュームのゴロツキなんかはこんな所でいちゃついてるんじゃねぇとばかりにガンを飛ばしてきたり
子供は「お兄ちゃん達ラブラブだねー」と声をかけて走り去っていくし、ベアトリスはそれに「えへへ、いいでしょ〜」とか答えるし、なんていうかこの世界に来て一番辛かった…。
ぐったりしつつ店のドアを開けて中へと入り、奥のテーブルへ向かいながらマトンのロースト、卵のスープ等を適当に注文する。
注文した品はすぐにテーブルへと運ばれ、俺とベアトリスは食事をしながら暫くの間、食事を満喫しつつ、とりとめのない話をし続けた。
15 :
290 ◆JMUNf1M.LE :2006/07/18(火) 22:41:34.81 ID:1t6bO9Id
「しかし、疲れたな…」
「そりゃ、あれだけ無駄に街の中をブラブラすれば疲れて当然だわ」
「そうじゃない、もっと精神的なものさ」
「精神的なもの……?」
ベアトリスは首を傾げて理解できないと言った表情をしている。
どうやら疲れたのは俺だけみたいだな、てか当然だよなぁ視線を気にするんだったらあんな返事はしないよなぁ。
なぁ、この世界の俺よ、あんたもこうやって振り回されていたのか?
16 :
290 ◆JMUNf1M.LE :2006/07/18(火) 22:41:52.58 ID:1t6bO9Id
天を仰ぎながらこっちの世界の俺も苦労していたんだろうなと苦笑しているとカウンターの方から視線を感じた。
カウンター方向に視線を移すと老ガルカと女ヒュームというなんだか珍しい組み合わせがそこに存在していた。
視線をこちらに向けていたのは女の方だったようでガルカにたしなめられている様だ。
っと余りそっちの方を気にしすぎると危険だ、女性を見ていたなんてベアトリスに気づかれたら、またどうなるかわかったもんじゃない、急いで話に戻らなくては…。
17 :
290 ◆JMUNf1M.LE :2006/07/18(火) 22:42:22.98 ID:1t6bO9Id
「ああ、まぁ気にしなくていいよ」
「そんな事よりずいぶん地味なローブ着ているんだな、もっと綺麗な装備でも着てみたらどうだい?」
「えー、このローブが似合うって言ったのはヴァリエンテじゃない〜、それに派手な格好して尾行ってどうかと思うわよ?」
「ああ、そうだっけ?そういわれて見ればそんな事言った記憶があるような気もしてきたな」
「…………」
ベアトリスの表情が固まる。ん?俺は何か失言でも吐いたのか…?
ベアトリスは一呼吸おいていつになく真面目な表情でこちらを見つめて口を開き始める。
「ヴァリエンテ、正直に答えてね?貴方は来訪者になってしまったかしら…?」
「貴方、これまでに私にローブが似合うなんて言った事はないのよ」
ああ、そういうことね…、今のは誘導尋問って事か。
モーグリにばれるぐらいだもんな、疑われてても当然だよな…。
18 :
290 ◆JMUNf1M.LE :2006/07/18(火) 22:42:58.70 ID:1t6bO9Id
「へー、意外だな、まさか君に気づかれるとは思っていなかったよ」
精一杯の強がりを吐く。
「それで?俺が来訪者だったら君はどうする?」
「君の好きだったヴァリエンテは死んだ、いや、俺が殺したと言った方が正しいかな」
パシンと乾いた音と共に衝撃が体内を駆け巡る、どうやら平手打ちを食らったようだ。
目の前には泣きながら店から走り去って行くベアトリスの姿があった。
これでよかったんだ、彼女と一緒に入る時間は楽しかった。
しかし俺は来訪者だ…。彼女のそばにいる資格なんてないのさ…。
19 :
290 ◆JMUNf1M.LE :2006/07/18(火) 22:43:52.62 ID:1t6bO9Id
以上です。
決別しちゃった二人は一体どうなるのか!?
正直私にも分かりません┐(゜〜゜)┌
明日のテストに備えて寝る前に、何となく投下いきます。
(´・ω・`)ノ
モグハウスを出て、日替わり酒場を目指してジュノ上層をゆっくりと歩いていく。
日の高さから推測するに、まだ時間は昼を少し過ぎた程度だと思う…多分…。
今までモニター越しに見ていた景色とは全然違い、人の行き交いは結構多く、たまに聞こえてくるシャウトや人々の雑談が "俺は今、ヴァナ・ディールにいる" という事をヒシヒシと実感させてくれた。
下層よりも人の数は少いとはいえ、やっぱり競売の前は一般人や冒険者達で賑わっているし、武器屋や雑貨店(バザー)で品定したり値段交渉を持ち掛けている人も少なくはない。
中には複数で暗い路地裏に行ってから取引を行っている者も…。
路地裏に行った奴等は何らかの裏取引でもしているんだろうな…と思いつつ、少しでも時間を潰すために教会に向かう。
上層にある女神の教会は、内装も外装もシンプルで、雰囲気からして落ち着ける場所なので、此所は個人的に結構好きな場所の一つだ。
教会で10分ほど祈りを捧げてから、教会を後にする。
こうして見ると、教会とチョコボ屋以外は普段は見る所が何もない場所だと思っていた上層も、何というか…見ていて楽しい。
「流石は商業都市といったところかねぇ…。 表だとか裏だとか関係なく、色んな所で取引ばかりが行われてらぁ。」
色々な人の露店(バザー)を眺めて、安くてイイ物が無いかどうかを見てまわる。
酒場に人が集まり始めるであろう時間は大体夕方から夜にかけての時間帯だろうから、まだ時間には結構余裕があるはずだ。
「早く行き過ぎてもやる事がないし、時間が来るまで適当に暇でも潰していくかw」
そう言って俺は一通り競売や露店を見た後で、路地裏にも足を運んだのだった……。
以上です。
睡魔と格闘しながら書き足した部分があったため、全然話がまとまってないですが【許してください】 orz
それではしばらくテストに集中します〜。
皆さんの今後の展開にわっふるわっふるw
25 :
既にその名前は使われています:2006/07/19(水) 02:10:27.18 ID:l8dmglFm
age
なんかもう、考えるのが嫌になってきた
>>119:俺は、
>>119:俺はこの世界も悪くない、そう思ってるんだ、
>>120もな
俺『そっか そうかもな』
>>119:あんたがそっちに行ってから、俺も結構修行したんだぜ?w
俺『修行?』
>>119:黒魔のだよ、結構マシになってきたんだ
>>119:不意を突かれなきゃラテーヌレベルの敵ならもう楽勝さっ
俺『・・・そっか すげえな
俺『俺なんかようやっとケアル覚えたばっかぜ』
>>119:
>>120も仕事頑張ってるみたいだな 最近は忙しくて一緒に戦闘してねーんだよ
この世界も悪くない そう割り切ってしまいたくなっていた、俺も
雑談の後、モグハウスの照明を落とした
おやすみモグ
その夜の俺はとても深い眠りについていた、
昼間でたっぷり寝ていたはずなのに
まるで最後の平和な日常をかみ締めるように
その日は朝からアンジュリカの工房に篭っていた
バレリアーノの所には昼過ぎにでも顔を出せばいい
「ふ〜ん こんなトコに住んでるんだ」
オレが次々描き出すラクガキのような風景画を
アンジュリカは物珍しげに眺めている
・・・あいつらがさ
「ん?」
この世界で暮らすのもわるくないなって
「あいつらって?」
ほら、この前はなした、
>>119と
>>120 「あ〜」
「あんたは?」
アンジュリカは俺の絵を机の上に並べながら問いただしてきた
「あんたはこの世界をどうおもってるの?」
俺は、
あんたも、詩人のミスラもハカセも、みんな良い人だ
初めからこの世界に生まれていたらきっと満足してたんだろな
「なによ、奥歯に引っかかる言い方ね」
「遠慮なく言えば? こんなトコはやく出て行きたいって」
俺は・・・帰りたい 帰ってやる
アンジュリカと昼食をともした後、森の区の一座の所へと向かった
そこには博士と団長がいた
「・・・では頼みました事よ」
「判りました。しかし博士も物好きですな」
なにやら話し込んでいた様だが俺が到着したのを見計らったように
博士はその場を後にした
で、俺をミッションに引っ張り出した訳はなんなんだ?
「お嬢さん これに見覚えはあるかね?」
そういいながら団長はテントからなにやら引っ張り出して来た
・・・おいおいおい
黒の車体に細身のロードタイヤ、そしてフレーム中央には大好きなメーカーの名前が入れられていた
俺のマウンテンバイクだった
「まうんてんばいく と呼ぶのかね、このからくりは」
あ、ああ。俺の世界、、いや
俺の国での交通手段だ
このMTBは、先日話に出てきたコンシュタットの冒険者達から譲り受けた物らしい
「この物の価値を判る者に出会えたら、力になってやってほしい」
「我々は彼らにそう言われていました」
ふむ、しかし何でそいつらが俺の自転車をもってんだ?
>>!をつれて砂丘を走り抜けている途中、俺達はゴブリンに襲われた
その際の戦闘で
>>1は死、、、いや離れ離れになってしまった
「あたいらも、であった奴らがコンシュタットの二人組みだけなら」
「そんな話にゃ乗らなかったさね」
ナイフジャグラーのミスラが話に入って来た
「あんたは知らないかもだけどっ、今この世界はとても不安定なんだ」
不安定? おかしな”言い方”だな
「不安定ってのは、さっき博士が口にしてた言葉さ」
ところで、フェイト保守人様方。
アインたちバスフェイトの初出はMMRバス偏のインタビューでFAとして、
彼らの名前が決まったところのログがわかりません。
7スレ目の自分の保守に銀次郎とか子三郎とか書いてるようですが、
なぜかアイン視点でロックを紹介したスレッドがないようなのです。
自分の記憶ではナナシ状態で銀次郎とかつけられて「そんな名前はいやですっ!」とレスするアインを書いてたはずなのですが・・・。
あと、私自身がセトカイバなのかセトカイパなのかわかりません。
サイクスなのかサイラスなのか覚えてません。
フェンフの設定は自分が後からつけた(当初タイチョ含めて5名)が、
せっかくつけてもらった名前を度忘れ。
それでいいのか俺。
新スレ立て&投稿お疲れさまです!
>>19 平手打ちきたΣ(゚Д゚)仲直りするのか、それともこのままなのか…!
続きに期待!
>>24 危なそうなところでも、好奇心でいってしまいますよね(・∀・)
テスト頑張ってくださいな!
カウンターにいる女将に名前を名乗り、リーシャの名前を問うと直に通してくれた。
廊下は木製で、歩くときしむ音がする。雰囲気からして結構古いお宿なのかな。
床を眺めながら歩いていると、前を歩いた女将の脚にぶつかる。
「す、すみませんっ!!」
「ふふ、大丈夫ですよ。さぁ、ここがリーシャさんのお部屋です」
それでは失礼します。と女将は元来た廊下を戻り始めた。
慌てて女将にお辞儀をすると、扉を3回ノックする。
「ティアラね?どうぞ、入って頂戴」
「はい、失礼します」
何だか学校の職員室に入る時と状況が重なり、少し懐かしく思えた。
扉を開くと、両手にカップを持った軽装のリーシャが飛び込んできた。
近くにあった席に着くように催促されたので、私は言われるがままに席に着く。
椅子の上に台が置いてあったのはタルタルな私への考慮なのだろうか。
紅茶とケーキを配膳し終えたリーシャも向かいの席へと着いた。
どうぞ召し上がって。と言われたので遠慮なく食べてみる。…美味しい!
この紅茶と見事にマッチングした素敵な味わいにもうメロメロだ。
あぁ、甘い物を食べてるだけで何だかとっても幸せ♪
「貴女って、甘い物食べてる時凄い間抜けな顔してるわね」
くすっと笑いながら彼女は言った。そ、そんな間抜けな顔してるのかな!?
何だか恥ずかしさからか顔が熱くなっていくのが解った。
「そ、そうだ!話って何だったんですか?」
優雅に紅茶を飲み終えた彼女はカップを置くと、静かに口を開く。
「来訪者で帰還した人間が出たわ」
驚きの情報を聞いた私は完全に動きが停止していた。
今まで帰還する人間なんて誰一人居なかった状況に湧いて出た希望の光。
正直に言えば、もう帰れないなんて思っていた部分もあっただけに、その情報はかなり衝撃的だった。
「帰還したのはウィンダスにいた白魔導士の来訪者。
彼女はオルデール鍾乳洞で"ダテレポ"という時空魔法を発動させ帰還した…」
「じゃあ、同じ方法を使えば…!」
浮かれている私とは正反対に落ち着き払っている彼女は静かに頭を振る。
「ダテレポは特別なアイテムを用いて発動されたらしいわ。その発動回数は一回きりだったそうよ」
「じゃあ、同じアイテムを使えば…」
「そのアイテム自体が本来存在しない物なの。同じ物は存在しないと考えた方が良いわ」
「そんな…」
ことごとく潰されて行く希望の光は再び消失した。
もう帰る方法は無くなってしまったんじゃないだろうか。そんな事ばかりが頭を過ぎる。
いつの間にか体をテーブルに乗り出していた事に気づき、ゆっくりと席に着いた。
視界に入った紅茶に浮かぶ私の顔はとっても元気が無い。
相変わらず、ポーカーフェイスが苦手だな。
「あたしが伝えたかったのは、帰還者が出たって言う事よ。
情報源は同じ来訪者…スレッドを読んだって話をしていたわ」
言い終えた彼女はゆっくりと紅茶を口に運ぶ。
「何がヒントになるかわからないから、現実世界の話を少しでも聞いたらお互い報告しましょう」
彼女の言うとおりだ。何がヒントになるかわからないよね。
大きな瞳に見つめらながら、私は静かに頷いた。
「帰還できた人間が居る…帰還は完全否定されたわけじゃなくなったわ。
きっと別の方法がある、道は一つじゃないはずよ」
彼女の言うとおりだ。きっと、別の道はあるはず!
同意を示すように、彼女に大きく頷いてみせた。
41 :
Tiara_290 ◆YR20hEcBIQ :2006/07/19(水) 18:33:54.01 ID:E5V+JrM6
以上です。
ヒロさんがここに来たのは夜だから時間帯が違うのですれ違えませんでしたorz
落ちかけているのでわっふるしながらageておきますヽ(゚∀゚)ノ
ヴァナディールとは違う他の世界から来たという冒険者
ここ半年を境にそういった人間が急増しているという
そして、期を同じくして世界のいたるところで歪が生まれている
一般の冒険者や人々の知らぬ所で異変は確実に広がりを見せてる
ミスラはそう俺に説いた
ん、それはプロマシアの呪縛の設定ででてくる虚ろってやつじゃないのか?
「違うね。虚ろは虚ろで問題なんだが、そっちは冒険者たちが何とかするさ」
「・・・虚ろとは違うが、実態が掴めないという点では、非常に良く似ている」
火吹きのガルカが静かにつぶやいた
「我々吟遊詩人は様々な地で様々な冒険者の方と時を共有します」
期がつくと、いつものミスラが俺の後ろに立っていた
「あっしら流浪の人間は早くからこの異変には感ずいてましてねっ」
「ウィンダスに立ち寄ったのも、たんにコンクェスト1位だからじゃないんですよ」
弾き語りのタルタルはそう言いながらウィンダス茶を炒れてくれた
「ここに来た理由はあんたと似たようなもんよ」
博士に話を聞きに?
「ああ、もっとも我々は報告に近いがね」
団長はサンドリア産黒豆煮出し汁を啜りながら答えた
「要点だけ簡潔に言おう」
ん?
「傭兵として、我々と共に行かないか?」
は???
思わず摘んでいたジンジャークッキーを落としてしまった
「夕飯の買出しからドラゴンの討伐まで、が冒険者だろっ?」
意地の悪そうな笑顔でジャグラーミスラが言い放った
そりゃ確かに設定上は何でも屋で傭兵もするが・・・
「・・・機能のミッション、あれは文字通り腕試しだ」
「あの程度のお使いもこなせないなら他を当たる予定だった」
相変わらず無愛想なガルカだ
あんたの田舎じゃ全身筋肉痛になるのをお使いってーのか
「彼女から貴女の話を聞いた時、感覚的にだが判ったんだよ」
団長は詩人のミスラを一瞬見つめた後俺に視線を戻した
初出: 1スレ161
PC(仮)名: Lead、リード / 中の人:161 ◆zmxSLEadCU
種族フェイス: エル♂F4A
ジョブ&Lv: 不明 (ダブレットとズボンを着用)
特記事項:
三年前の世界にリアルの意識が飛ばされ、元キャラと精神を統合。
ジョブチェンジ機能使用不能。記憶喪失だったが、記憶復活。管理者側の組織“フェイト”の裏切り者と判明。
リアルとヴァナをつなぐ“門”を破壊し二つの世界を切り離すべく組織を離反したのだった。
ユリフィナ氏がリアルへ帰還する為に無理矢理開けた、次元の裂け目から禍神(マガカミ)が降臨。
ルーファス氏や赤い鎧と共闘し、これを撃退する。しかし、それと引き換えに「マガシキノロイ」を受けてしまう。
ラテーヌでアオツキ氏に救助され、またメイミィ氏やイッチの活躍によって意識を取り戻す。
活動エリア: エルディーム→ジュノ→(機船航路経由)→ウィンダス→サンドリア→オルデール→ラテーヌ→ジュノ上層
他キャラとの接触:イッチ、マイウ、ゴイス、サン、レップ、ロック、メイミィ、クルス、ユリフィナ、ルーファス、アオツキ
独自レギュレーション:「死にたくないなら戦闘シーンに出るな」
人間は心臓を貫かれたり首を刎ねられたり脳を潰されたり、出血多量やビルの屋上から突き落とされたりしたら死ぬ。
死んだ者は甦らない(むやみやたらの復活は、命の価値を大幅に軽くする)。一応、瀕死はレイズで息を吹き返す。
戦闘やアビリティ、呪文や時間等の描写はあいまい。サーチ機能なし。
基本はSayとShout。LS会話は通話のみ。視界内にいる者同士でtellができる人間もいる。
自キャラになった、ででおの話を書くスレかと思った。
50 :
既にその名前は使われています:2006/07/19(水) 23:32:41.35 ID:mQOztU1F
俺が自キャラになったらまず死ぬ気になってあらぱごいって
全力を持ってラミアさんと仲良くなって
気合を振り絞って仲良くなったラミアさんとっしょにヴァナ中を旅するが
だめかな?
私、ジジイのエル竜になった話を書きたい。だめかな?
52 :
既にその名前は使われています:2006/07/20(木) 00:38:33.66 ID:+hNIJXkY
どっちもwktk
どんな自キャラか楽しみにしてますよ〜ヽ(´ー`)ノ
「おねーさん、別の世界から来た人・・・なんでしょ?」
「いや、"現実世界"ってやつ?」
タルタルの一言で場の空気が変わった
「・・・私は、正直その話は信じられないし、博士の言う事も半信半疑だ」
博士の?
「博士は、かなり早期より異変を察知していたようだ」
「・・・俺も今でも信じたわけではない、依頼主が依頼主だししたがっているだけだ」
団長とガルカが重々しい空気にターボをかけてきた
すんませーん なんか話に置いてけぼりなんだが・・・
「半年前にウィンダスに来た時、たまたま博士がうちらの談話に参加してたんだよ」
「思えば丁度その頃からかな、いろんなのが現れたのは」
ジャグラーのミスラが横に陣取った
右に詩人のみすら 左にナイフジゃグラのミスラ
うーん ミスラはあまり好きではないんだが・・・
その、"いろんなの"ってなぁ なんだ?
「実はわたしらも一戦交えた事があってね」
え? モンスターなのか?
流浪の吟遊詩人の一団とはいえ、先日も聞いたとおり
彼らは下手な冒険者より優れた腕をもっている
『団長っ』
『こいつ、攻撃が効いていない・・・?!』
ガルカの不意打ちバックハンドブロー→グレータークぅダフ?にミス
ミスラのエナジードレイン→グレータークゥダフ?はレジスト
タルタルのレクイエムIII→グレータークゥダフ?に効果なし
ヒゲヒュムのセラフブレード→グレータークゥダフ?にミス
『・・・ららばい』
エル♀の魔物のララバイ→グレータークゥダフはレジスト
『あんたたち、動けるか?!』
『足、きりつけられて、、、いてぇよぉ・・・』
ヒュームの男の太ももは大きく裂け、骨と肉が飛び出ている
いや すでに足と呼べる部分はもう・・・
そのすぐ横にはチュニックを着たミスラが倒れこんでいる
奇妙な戦いだった
こちらの攻撃は相手に一切通用しないが、
相手の攻撃もこちらには届いていない、いや
まるで只の影のようだった 影が体をかすめてゆく
攻撃がきかない? ゴーストタイプのアンデッドか?
「いや、それにしたってこっちも無傷なのはおかしいだろ?それに」
ミスラは僅かの間沈黙を挟み、再び口を開いた
「最初から存在自体していなかった、そんな感じだった」
『あ、、あれ?』
『・・・いない、消えたのか・・・?』
彼らの体にも武具にも、奴の痕跡と呼べる者はまったく付着していなかった
戦いは唐突に終った
気がつくと、負傷した先の二人組みも消えていた
コンシュタットには既に新たな朝を告げる光が差し始めていた
二人組みってのは?
「そん時は、単に獣人にからまれた冒険者のパーティだとおもってさ」
「とっさに救援に入ったんだけど」
消えた? 人がか?
「・・・ああ、”消えた”んだ」
ガルカは嫌な夢でも見ていたような顔でつぶやいた
それはホームポイントへ転送されたわけでもなく、回線切断でもない
文字通り消えたらしい
「その後、ウィンダスに公演にきてシャントット博士と話を交わしたのが半年前さ」
「博士はその話に大変興味を持たれてね、我々に密かに情報収集を依頼してきたのだよ」
俺はいつの間にか一座の全員に囲まれていた
後ろには、パントマイムのエルヴァーンの女性が
「で、二週間前に再びコンシュタットを訪れて”奴”の追っていたら・・・」
これをもった記憶喪失の二人組みが現れて、あんたらに託したってわけか
俺は自転車をゆすりながら答えた
「タイヤがついてるし、乗り物には違いないとおもったんだが」
「バストゥークの大工房に問い合わせても見たことねぇってんで」
とりあえず博士に報告するために戻ってきたのか?
半年前を堺に突如現れた「異変」と「外から来た冒険者」
そうか、博士は最初からしってたんだな
だから俺の話をきいてくれたのか
「ええ、貴女がサンドリアを飛び出したときから、全ては博士の予定通りに進んでいたわ」
アンジュリカ??
俺だけじゃない
>>119の黒魔ミスラ
>>120のガルカ そして
>>1 外から来た者と思しき人間はすべて博士の息の掛かった吟遊詩人に
目をつけられていた
いくらシャントットでも一介の博士風情が、そんな事していいのかよ
「博士自身も、なぜ執拗に貴方たちを監視しているのかは自分でも判らないらしいわ」
はぁ?
「その理由は私たちにもわかりませんが、博士が持てる全ての権力を駆使して、」
水面下で異変について探っているのは確かです」
あんたも、監視してたのか? 俺を
俺は詩人のミスラをじっと見つめた。
アンジュリカも、知ってたのか?
「監視する気なんかなかったわ。博士にそれとなく言われていたけど信じてなかったし」
「ごめんなさい、実は・・・」
ん?
詩人のミスラが何かを語ろうとしていた矢先、アンジュリカが彼女を睨みつけた
「・・・なんでも、ありません」
ん、そうか
で、早い話が、俺もその調査に同行しろって事か?
「ああそうだ、恐らく彼らと同じ部類の人間である貴女なら
我々では気づかない有力な情報を掴み取れるんじゃないかとおもってね」
それも元は博士の提案だったようだ
事件の渦中にあると思われる、自身を別の世界の人間と呼ぶ者達
なるほど、それを味方につけない手はない
ん、いや まてよ・・・
俺とそのコンシュタットで戦ったような奴が
敵対関係だと限らないんじゃないか?
あんたらにしてみりゃ、”俺たち”は異変を引き起こす元かもしれないんだぜ?
「・・・飲み込めた様だな」
・・・さっきからここに流れる重い空気は
たんに暗い感じだけではなかったんだ
まだ夕方だってのに、ここには俺とこいつらしか居やしねぇ
釣りをしている奴も、走りまわっていた子供も、夕飯の買出しの主婦もいない
森の区のゲートを預かるプーマ隊長とそのガード達もこちらを
いや、俺を睨みつけていた
「・・・博士は言った、もし”何か”が起こった場合、強制的な処置も止む無しと」
へ・・・ タルタルってのはやっぱり腹黒いやつだなおぃ
俺はそう吐き捨てると帯剣していた剣を奴らの前に放り投げた
「!?」
俺にはあんたらをどうこうする力もないし、その異変が何なのかもわからねぇ
仲間として同行、なんて生易しい関係ではなかった
監視する側とされる側、それだけのようだ
信用なんかされちゃ居ない
「ふむ」
団長はうなずくと手を下ろした
それと同時に先ほどまで場を支配していた殺気と思われる空気も消えていった
「率直に言おう。君に選択の余地は無い」
「悪く思うな。博士の命令だ」
流浪の民とかいきがってて、結局お偉いさんの言いなりかよ
「平和な学術都市ウィンダス、そんな国に隠密や諜報部隊くらいはあるんだ」
それがどうかしたってのかよ
「にぶいわね。博士は引退した今でもその権力は現院長に匹敵するわよ?
諜報部隊が何をする所かってくらいわかるでしょ?」
アンジュリカは呆れ果てた顔をしている
「・・・先も話しましたよね? 博士はもてる全ての力をつかっているって」
ミスラが俯きながらつぶやいた
「もう、ここにいる者は誰も逃げられないんだ」
おもえばおらぁ、ウィンダス滞在だけでもう何ヶ月も描いてるのか ウボァ
話すすまNEEEEE あーでもプロローグ終りそうだお(*´∀`
なんかウィンダスなのにどす黒くなっちゃってごめんね
67 :
既にその名前は使われています:2006/07/20(木) 09:05:33.86 ID:f/QUlnsI
『保守』・・・そんな言葉は使う必要はねーんだ。
なぜなら、オレや、オレたちの仲間は、その言葉を頭に浮かべた時にはッ!
実際に保守っちまって、もうすでに終わってるからだッ!
だから使った事がねェーッ
68 :
グレン ◆V9Blnd6aVs :2006/07/20(木) 11:15:11.69 ID:dWq5CNpO
ageときます。
やっとテストの教科が半分終了、現在食事休憩中。
とりあえず書き貯めてあった分を少しでも投下しようかと思ったけれども、次の教科が俺にとって鬼門とも言えるものなだけに余裕がないので…【ごめんなさい】【許してください】
最終日(土曜日)のテストが終わったら夏休みが始まるので、少しは話が進められるといいなぁ…。
では、1時から今日の残りのテストを頑張って終わらせてきます。
(´・ω・`)
勝手に自キャラ学園〜夏休み編〜
ルーファス「別荘でのんびりするかな」
フルキフェル「…なんで手にビキニなんか持ってるんですか?」
ヒロ「…ぜってー着ねぇ」ティアラ、ロックをはじめとするタルタル達「なんでクーラーボックスの中にいるの!?」
ガルリン「あたしの非常食だもんo(^-^)o」
アリアモグタン(あのクーラーボックス…じゅるり)
結果だけ書くと、
その今日の夜、口の院にはいかなかった
なんのこたなぁ、博士も院長もインスニしこんで初めからここにいたんだから
『あらあら 何も全部話さなくてもよござんしたのに』
『・・・別に悪い話じゃねーだろ、冒険者にとって博士公認で調査にでるのは、名声につながる話だ」
強制的な処置まで考えていた奴らが何いってやがる・・・
『あら、貴重な人材を無碍にはしませんことよ?』
人材? 人柱だろ? アンタが何考えているのかは大体わかるさ
『どのみ貴女の言う本当の世界とやらに帰る手立ては今のところ見つかってない』
『こうする事が貴女にとっても一番近道だと思い割れますわよ?』
別に逆らうつもりはないさ たしかにあんたらについていく以外、
今んとこ手がかりをつかめる方法は無さそうだしな
『いっとくが、俺はおめーを信用はしてねーぞ』
『おまえら”外の人間”と異変には必ずつながりがある』
お前がその元凶って事もありうるんだからな』
それは、俺には肯定も否定もできねーな
もっともこの場合、関係ないって言い切ったほうが身の為だったのかい?
72 :
既にその名前は使われています:2006/07/20(木) 18:18:02.44 ID:nCY0UYki
保守の宴
73 :
既にその名前は使われています:2006/07/20(木) 21:43:46.67 ID:TONRgCk6
ホシュしようじゃないか
みんなラジオ聞いてるんだね・・・はぁ。まぁ俺も聞いてるんだが。
まぁラジオ聞きながらでも小説は書けるか。
俺の話でいいならだが・・・。
てけてけてけてけ…この扉開けた先の廊下ってこんなに長いのか。ゲームでは院長室までの道と売店しか…ナニ言ってるんだ僕。
「どうしました?ロック?」オールルさんに話しかけられて我に返る。「…なんでもないです。…最近変な白昼夢?を見るみたいで」
それを聞いたオールルさんはニコリと笑うと。「あなたも休暇が必要なのでは?」
「…休暇を取って給料が出る仕事をしていませんので…」と言うと笑われた。軍人やってたほうがよかったのかな?まったく。
「"魔法の本質"…。あなたの論文、今も持っています…。覚えてますか?」
「理論とか式とか魔道回路ではない。それらは現世の人間の脳にわかるようにした補助でしかない。
未知の歌や人の心のすばらしい動きに世界が驚愕する…本質は"感動"であると書いた駄文ですか?
アレは魔法学校をちゃんと出ていない田舎者の僕が名前だけの連邦賢者や連邦軍師になるために書かされたでっち上げの作文ですよ?」
「…あれをでっち上げで書けるなら、貴方は大魔法使いか世界一の詐欺師ですね。
…それだからこそ、まじないや占い程度の魔法しか知らないシーフの貴方を弟子にしたのですが」
…なんか魔法教えてもらうより危険極まりない仕事を押し付けられまくってただけのような。
「確かに皆は馬鹿にしましたが。貴方はその論文で連邦賢者になれました。…それは貴方の主張が正しい証明になりませんか?」
むー。そういわれると照れるが。「今回の事件。他の弟子を差し置いて貴方を呼んだ理由…考えてますか?」人材がいないんじゃない?
ため息をついてオールルさんが立ち止まる。「…さて。着きました。貴方との雑談。結構楽しかったわ」
いいですか。とオールルさんは前置きをする。
「…あなたは"知らない"し"関係がない"のです。わかりましたか?」とりあえず。はい。といっておく。
「私が妙なことを言うようになったら無視して本国やバストゥークに帰り、このことや私のことは忘れなさい」「拒否します」
「…貴方のためなんです。聞いてください。泣き落としで言うことを聞かせますよ?w」
「それがあなたの"魔法"ですかっ!!ww」「そーです。強力でしょ?w」
うーん。こういうところはいつもの師匠なんだよな。だが、40女の泣き落としは辞めてほしい。
そういうとローズワンドで殴られた。絶対使い方を間違っている。
ラジオってなんだ?
********************************************
『そうそう、明日貴女に渡す渡す物があるから総長にでも口の院に寄ってくださる?』
そう言い残すと博士と院長は夜の帳へと消えていった
次の瞬間
団長は頭を垂れた 俺に
?? なんだよ??
『すまなかった』
アンジュリカは投げ捨てられた剣を広い、俺に手渡した
『悪く思わないでね・・・しょうがなかったの』
俺だけではない、彼らも博士の力で縛り付けられているのだ
『流浪の民などと言っていても君の言うとおり、長い物に巻かれっぱなしさ』
”逃げられない” これは俺だけに言い放たれた言葉では無かったんだ
ゆっくりではあるが確実に世界を蝕んでいるらしい「異変」
その詳細は一般人はおろか冒険者たちにも恐らくは知らされていないのだろう
知られていないはずの事に関わっている それは非常に危険な事だ
博士がなせここまで必要に迫られているのかは誰も知らないが
少なくとも今の俺たちに選択肢が無いのは確定的だった
『は、博士は監視なんていってるけどさっ
おいら達はそんなこと全然考えちゃいないよ!』
弾き語りのタルタルがぎこちない笑顔で言った
いあ、あんたたちの心中はわかるさ 気を使わんでいいよ
『・・・互いが互いを警戒。しかしアノ二人も我々も、そしてお前も・・・』
『目的は一緒のはずだ 違うか?』
ガルカはこちらの顔を見ず言葉を投げてきた
ああ、博士は異変を突き止め、阻止したい
あんたたちは自分の保身の為にそれを遂行したい
俺は、博士の知識と力を借りて現世に戻りたい
一蓮托生だ 判りやすい
寝る直前、俺はベッドの横に立てかけられた武器と防具を眺めた
吟遊詩人のミスラがくれた物らしかったが本人に確認するのを忘れていた
改めてみると初めてみる形の片手剣だった
絵の部分には小さな宝石のような物が埋め込まれている
防具はどうやら既製品のレザーベストなどの様だ
82 :
既にその名前は使われています:2006/07/21(金) 08:28:06.96 ID:1yYnkgJ+
83 :
No.1>>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/07/21(金) 10:23:17.31 ID:pDieKVFI
ええと元祖。
自分で出演していていうのもアレですが、
このスレの書き手や読者がスカイプ使ってネットラジオやる(ネトゲ実況板住民視点的には)キモ企画。
楽しいですよ。ただ、私は人と話すのが苦手で固まってましたが。
あと、ラグが酷かった…。国際電話なみ。
通信速度50kの俺には無縁の物のようだなw
**********************************
モグに手元までもってきてもらい
って モグのちいせぇ腕でももてる位の武器? おもちゃか?
「この剣、すごい軽いクポっ」
「もしかしたらオリハルコンとか使われているかもクポよ〜」
オリハルコン? そんなレベルの武器今の俺に扱えるはずはないが・・・
寝る直前だったはずだが剣の鞘を掴み、モグハウスの外に出てみた
深夜の午前1時、人はいないようだ
本来冒険者には信哉も日中も関係ないようだが、
実はここ最近めっきりプレイヤーと呼ばれる人間を見かけなくなった
まったく見ないわけではないのだが明らかに減少している
まぁそんな事は今は関係ないか
俺は剣を鞘から引き抜き・・・鞘なんてあるんだなぁこの世界にも
すらりと伸びたその刀身は僅かに淡い光を放っているように見えた
灰色の光・・・ミスリル?
先日ホルトト遺跡で使用したワックスソード+1も軽くて扱い安い武器ではあったが
それとは明らかに次元が違う
ちなみにワックスソード+1はゴブにファストブレードを決めた時、ひんまがっちまった
壊れないはずなんだがなぁ・・・
「それは貴方の為に打たれた唯一無二の剣です」
ん、あんたは
何時もの彼女だった
「本当にごめんなさい、嫌な思いをさせてしまって・・・」
心底申し訳ないという顔をされて逆にこっちが申し訳なくなる
いいって、団長のいってた通りだし
博士と俺の利害関係も一致してるんだ
実は先に彼女が言いかけて一喝された事が気になってはいた
でも俺はそういう事は聞かない主義だった
知らない方がいい事なんて、世の中に腐るほどある
お互いの間にしばし沈黙が流れた、気まずい、
謝りに来ただけなら早く帰ってくれ
言葉では気にしてないといっても俺はそこまで大人じゃない
「あ。あの、その剣、塩梅はどうですか?」
ん、ああ かなり軽くて使いやすいな
見たこと無い剣だけど特別制なのか?
「ええ。詳細は説明できませんが、オリハルコンと特殊なミスリルが施されています」
そんなもん、レベル一桁のオレが扱えるのか?
まぁ現にこうしてブンブン振り回しているんだけどさ
「それは貴方に合わせて打たれた物ですから」
打たれた? 鍛冶ギリルドで?
その問いはなぜかお茶に濁されてしまった まぁいいけど・・・
「これを」
ん? なんだ?
彼女はチェーンに結ばれた銀色の宝石と何かの書類を取り出した
「ウィンダスに登用されている冒険者用シグネットと公認冒険書です
ええと、、、博士は急用がはいり、明日の朝は会えないそうで
渡してほしいと」
自分から呼びつけておいてかよ。。。ったく
「博士は情報操作を行って貴方の初速先をサンドリアからウィンダスに変更させたようです」
みりゃわかる・・・自分の管轄下におきたいんだろ?
おいおい、いきなりランク3かよ
「この先貴方が旅をする上で、他国で行動制限をされると
何かと差支えがあるのではと言う事で」
こんなこと、星の神子や他国が黙っていないだろ
ほかの官職だって・・・
「大丈夫ですよ、なんせあのシャントット博士がバックにいるのですから・・・」
彼女はちょっと意地悪そうに笑った
おーーーっほほほほほほほ
なぜか博士の高笑いが聞こえたような気がした
「では、確かに渡しましたので私はこれで」
ああ、夜風は体にわるいからな、はやく帰れよ
ザザザザザザー・・・
?!
「しまった・・!」
なんだよ!? こいつら
俺たちのまわりに突然複数の影が出現した
一軒それはヤグードにみえるあが・・・
生気を感じられない
まさに影
俺はとっさに夕刻に聞いたコンシュタットの戦いを思い出した
頭の中で警告音がなる 初めて見るはずなのに本能がやばいと告げている
おい、、にげないと・・・
そう振り返ると彼女はすでに剣を抜いていた
「だめです。。。戦わないと!」
まぢかよ・・・
気がつくといつのまにか常駐しているはずのモグハウス管理人は消えていた
暗闇での戦闘が続いた
ちくしょ、、、暗い中で影に攻められちゃどうしようもない
彼女が剣にやどしたエンファイアが唯一の明りだった
幸い奴らはスピードものろくたいした打撃力も持ち合わせていない様だ
ちくしょう、もっとましな明りさえあれば俺だって
おい! ファイアで周りの草をもやせるか??!
「やってみます!」
次の瞬間、あたり一面に炎が広がった
敵は・・・・1,2、・・・4体
影というよりも、真っ黒なヤグード?だった
一瞬やつらが怯んだように見えた
火が弱点なのか?
その割りに彼女のエンファイアはそれほど効果的に
ダメージを与えているような気配はないは無かった
コンシュタットの奴らは明け方日が昇ると同時に消えたって話だ
今オレが持ち合わせているヴァナディールの常識だとそれに該当するものは・・・
アンデッド 光に弱い不死の敵
俺は覚えたてのケアルを敵に向けて詠唱した
手ごたえがあった
ケアルで手傷をおった敵めがけて剣を突きたてた
奴の心臓と思われる箇所に突き刺さる
そいつは血を流さず、声もあげずに絶命した
あと、3体
みればミスラが敵一体をケアルIIで牽制していた
「はやくこいつにもトドメを!」
97 :
既にその名前は使われています:2006/07/21(金) 14:00:31.75 ID:invFE0hD
トリップは別につけなくていいんだけど せめて名前は変えてくれ
分かりにくい
言われるがまま、俺は剣を振り回した
少しずつ剣に力がたまっていくのを感じる
サルタバルタで感じた感覚と同じだ
敵を切り倒し、残りは2体だ
なんだ、楽勝じゃんか・・・
「光の力では敵は倒せません! 怯んでいるうちにはやく・・・!」
目の前の一匹を切り倒し、残る一体にファストブレードを叩き込んだ
今度は以前の様な激痛に襲われる事は無かった
おい こりゃぁ・・・
「やはり、」
なんだよ、やはりって
俺たちの目の前にはモグハウス管理人のミスラとカーディアンが倒れていた
酷い傷、、、もしかしたら致命傷かもしれない
カーディアンの胸部には深い刺し傷があった
「大丈夫、私が治します。」
「今の事は私たちの胸先でとめておきましょう」
博士に報告しなくていいのかよ?? 例のあいつらが見てるかもしれないのに
「ご心配なく、私が処理します」
そういう彼女の表情はとても怖かった
処理・・・考えたくないので俺は想像するのをやめておいた
なぁ、おかしくないか?
「え?」
団長たちはこいつらにダメージを与えられなかったし、
あんたも良く良く未りゃ牽制だけでほとんど攻撃はしてなかったよな?
「それは・・・」
それだけじゃない、俺は体中、殴られ後がある
たいした威力ではなかったのだがそれでも痛い
ところが最前線で戦っていたはずの彼女には戦っていた痕跡がないのだ
なぁ、コンシュタットで襲われた謎の二人組みは、大怪我をしていたんだよな?
「・・・ええ」
俺も僅かだけど怪我をした
「・・・そうですね」
なのに一座やあんたはまったく無傷だ
「今は、そのことにつての詮索は無用に願います。」
まてよ 何か知ってんだr・・・
すごい形相で睨まれた
う、
っそいて彼女はまた申し訳なさそうな顔に戻った
「申し訳ありません。時が来たらいずれ・・・」
wkwk...です。ええと、そうですね。高速通信時代だなーとおもいます。
104 :
既にその名前は使われています:2006/07/22(土) 00:14:19.34 ID:lFcYOSD1
age
105 :
既にその名前は使われています:2006/07/22(土) 02:14:59.27 ID:Z0ECgZRM
朝起きたら尻尾が生えて指が一本無くなっていた。
駆けつけた憲兵により俺と彼女は森の区のガードポストに連行された
レストハウス前を火の海にした上、一般市民に危害を加えてしまったのだから
言い逃れは出来なかった
「まったく、派手にやってくれたもんだな・・・」
ウィンダス魔戦士の長としてアジドマジルドがやってきた
しかたねーだろ、突然黒い奴らに囲まれて
「む、奴らが現れたのか?」
「・・・・つらは、、恐らくレストハウスの・・・」
院長と彼女は僅かの間俺と間をおき、何かを話している様だった
30分ほど取り調べを受けた後、再び院長が現れた
「朝になったら出してやる つってもあと4時間くらいだけどな
それまで留置所で寝ててくれ」
同属に危害を加えられたプーマ隊長はとても不機嫌のようだが
現職院長には逆らえないのだろう
その日の明朝まで、ウィンダス全域から憲兵と松明の炎が消える事は無かった
短い期間ではあったが冒険者たちには非常線がはられ、一般市民は外出を禁じられた
「賊が暴れたくらいで大げさだにゃ〜 何かやばいことでもあったのかにゃ?」
「・・・理由は我々には知らされていない、知らなくてよい事なのだ」
留置所の出口で預けていた装備を受け取り、彼女と合流を果した
すぐ横ではガードのミスラたちが突然の事態に不信感を抱いているようだ
「よぉ 奴らと一戦やらかしたらしいね」
中央の噴水に行くと一座の連中が荷物の整理を始めていた
・・・見たくも無い面もいやがる
「そんなあからさまに邪険にしなくてもよござんしょ?」
そういいながら博士は俺と彼女に丸い球を投げ渡した
ん、これは
一ヶ月前にサンドリアで投げ捨てた以来の物、リンクパールだった
にしても・・・こりゃぁ、
「あら 私のきめたパールの色に不満があって?」
真っ黒い真珠、いや光沢なんかねぇ なんだこりゃ
黒い塊だ
「試作品の新たなリンクパール、特別製ですわよ」
ほう
デジョンの転移技術が応用されたリンクパール
声だけでなく、光を吸収してその場の情景をも遠くへ飛ばす事が出来る
んー、平たくいえばカメラ付き携帯か?
「かめら? けいたい? 何ですかそれは?」
彼女は不思議そうな眼でこちらを見た
ああいや、俺の世界での通信手段、パールみたいなもんだ
ID:63uviMnw
名前欄に題名なりトリップなりつけといていただけると作品を追いやすいのですが、
検討していただけませんか?
112 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/07/22(土) 13:55:50.64 ID:RqNfBElp
投下乙でございます。
保守いたします。
みんな飽きてきたんだね
世の中には、試験期間とかそういうものもあってだね
刃物というものは、ただ単に叩きつけるものではない。
押すか、引くかして切るのが基本だ。
鍛冶職人の手による業物を握る。シンプルな造りだが刃渡り、厚み、重量ともに申し分ない。
手首は柔軟に。必要以上に力をこめる必要はない。
目の前の標的は、ころころ転がるように左右へ逃げ惑う。
いいだろう。切られる側には、逃げる自由と反撃する権利があるのだから。
半身に構える。
ゴツゴツとした凶悪な茶色い塊に意識を集中し、刃を振り下ろすタイミングを見計らう。
―――今だ!
ズダン!!
亜音速に達するやもしれぬ、鋭い一閃。
インパクトの瞬間、握力を込めつつ刃を滑らせ、手元に引き切る。
標的はいともたやすく両断され、動きを止めた。いや、まだ油断はできない。
ズダン! ズダダン!!
間髪いれず手首を返し、反撃の機会を潰すが如く二撃、三撃と追って叩き込んだ。
ものの数秒かからぬうちに、標的―――グスタベルグ産ポポトは物言わぬ破片となった。
ランダムな方向に転がりながら回避する瞬間を刃に捉えるのは、なかなか厄介だが不可能ではない。
ときどきあらぬジャンプをして空中に逃げる個体もあるが、先読みして刺突すれば問題はないのだ。
「リードさん・・・」
メイミィが、トトと一緒にあとずさる。
心なしかおびえた様子で俺の名を呼び、しかしそれきり沈黙した。
「ん、何か?」
俺はいったん包丁を置き、いつのまにか汗ばんでいた手のひらを拭った。
「てめー!」
イッチが叫んだ。
「まな板ううん、キッチンごと破壊する気かにゃー!?」
続いて、どうして料理するのに片手剣を腰にぶら下げたままなのかとまくし立てた。
やけにテンションが高い。メニューがトンカツではないので、イッチは俺に八つ当たりしているのだろうか。
「料理ってしたこと、あります?」
「あまり経験はないが、切るのは任せてくれ」
遠慮がちに問うメイミィに、俺は微笑みを浮かべて頷いた。
イッチが皮付きのまま細切れにされたポポトをつまみ上げ、むーん、とちょっとだけ唸る。
ぽりぽり頭をかいて、また唸り、ビシッとソファーを指差した。
「あっちに座って、出来上がるまで待ってろにゃ」
やれやれ、何か気に食わないことでもあるのだろうか。
117 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/07/22(土) 16:52:23.21 ID:RqNfBElp
ひとまずこれにて。
今までと違い、“カレーコロッケカレー”編はのんびり進んでいきます。
他の書き手様の投下をwktkしております。
118 :
既にその名前は使われています:2006/07/22(土) 19:06:28.93 ID:iA5NZlxX
Tiara:たっ、大変ッ! 『黒魔弱体』が始まっちゃうッ!
今、豚をやっつけないと「あの忍者以外」ここにいる全員が弱体されてしまうのよーッ!
Loufas(まずいぜ……! もう少しだけ近づかねーと……ここで「時」を止めても豚までは遠すぎる……まだ間に合わねぇッ!)
Regunasu:黒魔を弱体させるな───ッ!
GM:いいや限界だ、弱体するねッ!今だッ!
河豚が黒魔弱体のスイッチを押そうとした時、突然手が地面にめり込んだ。
Hiro:グラビデ! 射程距離5メートルに到達しました。エイチ・アイ・アール・オー!
GM:このクソカスどもがァ───ッ!!
Loufas:百烈拳!
ルーファスの感覚は極度に鋭くなり、彼にとっては世界が静止したも同然だった。
Loufas:ヒロくん…君は本当に頼もしいヤツだ。このヴァナに来て君と知り合えて本当に良かったと思ってるよ…
そしてやれやれ。間に合ったぜ…… オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!
「時」は動き出す。
GM:うげあああああ──っ!
ルーファスによる激しいラッシュを受けた河豚は、血飛沫をあげて吹っ飛んだ。
Regunasu:や…やったッ!ルーファスさんッ!
Tiara:間に合ったわ!
GM:弱体してやる……弱体してやる。今だ!弱体するんだ。今!「黒魔弱体」を…実行するんだ……
119 :
既にその名前は使われています:2006/07/22(土) 20:08:46.03 ID:AYSPtOxw
>>118 ちょwwwwwwwwwwwwwwwww
ツヴァイ(子三郎):「呼びましたか?」
>>117 久々にリードさんの投下キテタ――(*゚∀゚*)――!
リードさんの包丁さばきに怯えるミスラたち、なんか微笑ましいですねw
進行をゆっくりにさせてしまっていて申し訳ないです。
続きは書いてあるのですが、今は家にいないのでまだ投下できず…帰宅し次第投下しますね。
しばらく市場をうろついたところで、自分が必要だと思うものをそれぞれ自由に買って来よう、ということで
別行動をすることになり、イッチやトトと別れた。
わたしはこれ以上必要なものといえばデザートしか頭に浮かばなかったので、果物売り場の方へと足を運んでいた。
アップルパイにするかな?それともパママのタルト?とか色々考えていると、不意に背後から声をかけられた。
「ちょいと、そこのミスラのオネーサン」
振り返ると、全身黒づくめの明らかに怪しい人物が立っていた。
ミスラのようだが、左右の瞳の色が違う。
この瞳の色には見覚えがある。たしか、ウィンダスで赤い鎧と戦ったときにあの短刀をくれた―――。
いや、でもあのときとは雰囲気がまったくと言っていいほど違う。
別人…のはずはないと思えるくらいに特徴的な瞳の色だが、もしかして、ということもある。
「…なんですか?」
とりあえず、警戒は怠らずに問いかける。それを察知したのか、ミスラはけらけらと笑った。
「そんなに怯えなくても。とって食ったりしないよ?」
「…」
そう言われても、軽々と信じられるはずもなく。
無言でいると、ミスラは諦めたように軽く頭を掻くしぐさをした。
「ま、いいけどね。私、一目見てピンときたんだ」
…何が?と言う前に、手を差し出された。掌の上には緑色をした小さな飴玉のようなものが入った透明な袋が乗っかっている。
「コレあげるわ。積極的になれるクスリ」
「…?」
飴玉とミスラの顔とを何度か見比べた。何故そんなものをわたしに?
そんな思いを読み取ったのか、ミスラは飴玉をわたしに無理やり押し付け、にやりと笑って言った。
「意中の人に夜会う前にでも使うといいんじゃね?」
「えっ?」
何か問いかける暇もなく、じゃ、と言ってミスラはさっさと人ごみに消えてしまった。
「…怪しい…」
飴玉を眺めながら、思わず独り言がこぼれた。
でも、一応懐にしまう。あくまで一応。
あのミスラは「夜」と言った。ということは、つまり多分、そういうことなのだろう。
…こういうものに頼りたいと思ってしまうあたり、かなり重症かもしれない。
でも、やっぱり怪しい。毒でないとは言い切れないし。
とにかくデザートの材料を買おう。気を取り直して、果物売り場で果物を物色し始めた。
集合場所と決めておいた市場入り口近くの街灯前に着くと、イッチとトトは既にわたしを待っていた。
「ごめんなさい、おまたせ」
「いえいえ。何買ってきたの?」
「くんくん。このニオイはリンゴだにゃー。デザートかにゃ?」
わたしが答えるより前に、イッチが袋の中身を言い当てた。彼女の鼻はすごいと思う。
「はい。アップルパイを作ろうかなって」
頷き、持っていた袋からリンゴやパイ生地をちらりと覗かせた。
何故アップルパイに決めたかといえば、深い理由はない。
しいて言えば、リンゴのほうがパママよりも安かったから、というだけだ。
市場の外で待っているリードのところへ向かいながら、ふたりに何を買ってきたか聞いてみた。
イッチはさきほどみんなで買いに行ったグレープで作られたワインだけでは足りないと、
ロランベリー・ワインを買いに行っていたらしい。彼女はそんなに酒豪なのだろうか。
トトは酒のつまみにと干し肉やソーセージを買ってきたと言った。
つまみの心配をするあたり、トトもいける口なのかもしれない。
わたしはといえば、少なくともリアルではすぐに気持ち悪くなってしまうためほとんど飲めなかった。
ヴァナではどうなっているかわからないが。
そんな話をしているうちに、リードの姿が見えてきた。
壁に背を預け腰を下ろしている彼の姿に目を奪われる。
そして不意にさきほどの怪しいミスラがくれた飴玉の効用が頭に浮かび、顔が熱くなるのを感じた。
まだ日も高いうちから何を考えているんだろう、わたしは。
それを紛らわすため、イッチとの他愛もない会話を楽しむことにした。
「おっまたせー」
イッチがリードに向かって声をかける。
「あぁ」
短く答えると、彼は立ち上がり傍らに置いてあった米袋を左脇に抱えた。
「悪いが、これ以上は荷物を持てない」
右腕が空いているのに、と一瞬考えるが、すぐにリードの意図を理解した。
彼は用心しているのだ。右手に荷物を持ってしまえば、いざというときに剣を抜くことができない。
「か弱い女性にクソ重い荷物を持たせる気にゃ?」
イッチが可愛らしく唇を尖らせて、リードを責めるように言った。
が、すぐに苦笑いを作る。
「病み上がりサンだからしょーがねーかー」
「うーん、ちょっと買いすぎだったかも」
改めて自分たちの荷物の量を見回した。これだけあれば、この人数の1日分くらいにはなるような気がする。
「だいじょーぶ。この甲斐性なしが全部食うにゃ」
それはさすがに無理でしょう。当然だとばかりに笑って言うイッチを見て、小さく苦笑した。
4人揃ったので、さっそくトトの家に案内してもらうことにした。
市場から居住区の方角へ歩き出す。
大通りなのだが、中途半端な時間だからだろうか、人通りはまばらだ。
買い物を終えて自宅に急ぐ主婦の姿がいくつか目に入った。
道中、誰が何を作る担当になるかを話し合った。
「メイミィはコロッケ作るにゃ!オレは揚げ物はあんまし得意じゃないにゃー」
「はーい。わたしも下手くそだけど頑張ってみます」
「あ、じゃ僕も一緒にコロッケ作ろうかな」
「リードは何を作りたいんだにゃ?」
「……」
イッチが問いかけるが、リードは何か考え込んでいるらしく黙っている。
「リード?」
「リードさん?どうしたんです」
わたしも問いかけてみると、そこでようやく話しかけられているのに気付いたらしかった。
「あぁ、いや。なんでもない」
彼が返事をするなり、トトがわたしとリードの間に割り込んできた。
…? 何か気に食わないことでもあったんだろうか?
「ついたよ。ここが僕の家さ」
彼が指差す建物を見上げてみる。一言で言うと、「豪邸」。まさにその言葉が似合う。
そういえば、周りの建物も豪華なものばかりだ。高い階級の人物しか住めないような区画のようだった。
わたしはただただ、目をぱちくりしながらその豪邸を見つめることしかできなかった。まさかこんなにお金持ちな人だったなんて。
「すっげー!」
イッチのその一言に、わたしも心の中で大きく頷いた。
トトに通された部屋は、外観と同じように高級感が漂っていた。
家具も壁も床も、すべてが自分の家であるモグハウスとは違っていて、目がちかちかした。
イッチもあんぐりと口を開けてきょろきょろしている。
リードも部屋中を見回してはいたが、わたしやイッチとは違って真剣な表情だった。
ひとしきり驚いたところで、食材をキッチンに運んだ。
かなりの量があったが、トトがそのほとんどを運んでくれた。
おそろいのエプロンを貸してもらい、さっそく調理に取り掛かる。
イモの皮を剥いていると、イッチがカレーコロッケについて教えてくれた。
「一番大事なのは衣だにゃ!サクッとしてなきゃすべてが台無しなんだにゃ!」とのこと。
なんだか責任重大だが、コロッケ担当になってしまった以上頑張ってサクサクのコロッケを作るしかない。
「俺も、何か手伝うよ」
「リードは疲れてるみたいだし、料理は僕たちに任せてさ。ソファーで休んでて」
部屋を熱心に見回していたリードがキッチンに現れて言うが、トトがすぐにその言葉を一蹴した。
「ねぇメイミィ。僕、コロッケって作ったことないんだ。作り方教えてよ」
何か言おうと思ったが、すぐにトトに話しかけられてしまい、タイミングを失ってしまった。
「…うん、いいよ。慣れると簡単だから」
本当はリードと作りたい、と考えてしまっている。
でも。
「リードはオレとカレー班にゃ」
イッチの助け舟がそこで入り、わたしは完全に言葉を飲み込んでしまった。
そう、彼はきっとイッチと作ったほうがいいんだ。彼女と堂々といちゃつけるいいチャンスだろうから。
あちらのふたりのことは極力気にしないように意識しながら、トトとコロッケの下ごしらえを開始した。
やっと帰ってこれたので投下(つД`)
サンさん、大変お待たせしました。キャラをお借りしましたー。
みなさまわっふるわっふるです
忙しいのか書き手減ってきましたね(´・ω・)
リードさん達、ナナシさん達がんばってくださいw
ではやっとできた続き書かせて頂きます〜
「ウウン・・・。」
全身が痛い・・・。でも草の臭いがするし、太陽の光も眩しい。
とりあえず生きている様だ。だが、全身の激痛で今にも死にそうだ。
「ケ・・・アル・・・3。」
痛みを我慢してなんとかケアルを詠唱する。流石魔法、段々痛みが治まってきた。
「ふぅ・・・。」
痛みが治まった所でやっと一息つけた。一息ついた所で状況を思い出していく。
戦った時の事を思い出して慌ててカバンを確認する。シグナルパール・・・どこに入っているのだろう?
見つかったのは破片だけだった。衝撃で割れてしまった様だ・・・もう連絡は取れない。
もうひとつ大事な事を思い出し、急いであたりを確認する。
すぐ隣に探し者はいた。が、無事ではないようだ。
「カーバンクル・・・大丈夫か?」
もちろん返事はない・・・これで仲間はモーグリだけに戻っちまった様だ。
とりあえず、一番近くのサンドリアに行く事にした。話はそれからだ。
カーバンクルは・・・抱えてチョコボに乗るのは、俺じゃ絶対無理だろう。
ゴブのカバンが意外に大きかったので、とりあえず体を入れて顔だけ出るようにカーバンクルを入れた。
時折カーバンクルを確認しながら、チョコボをサンドリアへと急がせる。
といっても、全く余裕はない。やっぱりチョコボに乗っている時はかっこ悪いな・・・。
やっとの事でサンドリアの門についた時には冷や汗だらだらだった。
門をくぐってあたりを見回す。
「うっわー・・・すげえでけーな。」
田舎者みたいな感想だが、思わず口に出てしまった。
ウィンダスとは違った景色を見回しながら、とりあえずモグハウスに向かった。
モグハウスの扉を開けると、モーグリが歓喜の声をあげ飛びついてきた。
「うわっ!!」
「ご主人様!!また会えたクポ!よかったクポ!」
急な体当たりで耐えきれず倒れた。が、そんなこと気にせずモーグリが喜ぶ。
でも、俺の腹の上に乗って踊らないでほしい・・・。
「わかったから、どいてよ・・・。」
「あ・・・ごめんクポ。」
「そんなことになったクポ・・・・・・。」
モーグリに今まであったことを説明した。
頭を抱えてクルクル回るモーグリ。ベッドの上で眠り続けるカーバンクル。
唯一の手がかりは、オルデールと流砂洞の魔方陣の写真だけ。
「状況は最高に最悪だ・・・。」
「どうすればいいクポ〜〜。」
二人で頭を抱える。流石のモーグリも何も思いつかない様だ。
「とりあえず、カーバンクルを目覚めさせよう。」
「そうするなら情報を集めないとダメクポ。」
そうだよな・・・。見たこともない状態だから俺にはお手上げだ。でもどうやって・・・?
「誰かに話を聞いてみればいいクポ!」
「・・・一体誰に?」
「それを探すのがご主人様の仕事クポ!」
「・・・。つまり考えてない、と。」
「・・・・・・クポ。」
俺任せかよ・・・呆れたがそれしかない様だ。情報を集めるとなると、行く所は自然と決まる。
目指すは情報の集まる街、ジュノだ。あそこならきっと何か情報があるに違いない。
カーバンクルをカバンに入れたまま、俺は船着場に向かった。
「後15分か・・・。暇だな。」
飛空挺乗り場の人に待ち時間を聞く。結構かかるようだ。
15分が長すぎる様に感じた。眠くなって来た所で、やっと飛空挺が到着した。
到着と同時に、港に一気に人が流れ込んで来て倒されそうになる。
「通勤ラッシュと同じかよ・・・。」
こんなところで、リアルの事を思い出すとは夢にも思わなかった・・・。
やっとの思いで乗り込むと、客室に入る。かなりキレイな部屋だった。
しばらくしたら離陸した。俺は少しワクワクしながら甲板に向かった。
甲板にでてみると景色がすごかった。とても壮大・・・俺はまだ世界の一部しか見てない様だ。
景色を眺めていると、派手な音と水しぶきを上げ始めた。どうやらジュノについた様だ。
大きく深呼吸をして、決意と共にジュノの港に足をゆっくりと踏み入れる。
「ここから俺の新たな冒険が始まるんだ・・・!」
以上です
やっと復活しました
カバンに入ったカー君は勝手にご想像をw
最後にテンプレを〜 ワッフルワッフル
初出:10スレ 410
PC(仮)名:Misanga(ミサンガ)/ 中の人:410 ◆CLkm3KLOzk
種族フェイス:タル♂F5A 通称ドングリ
ジョブ&Lv:召75/白37 白71/?
特記事項:魔法や忍術などは自キャラの記憶が働いて呪文がわかる。窮地に陥ると2hが発動できる。
活動エリア:ウィン→サルタ→ウィン→オルデ→ウィン→流砂洞→ラテ→サンド→ジュノ
あらすじ:ウィンのモグハウスで目覚め、神獣、フェロー、モグと共に元の世界に戻ろうとする。
他キャラとの接触:なし
ふーん
俺はまじまじど見るながらそばにいたタルタルに1つパルーを投げわたして
自身もパールをつまんでローブを着てた詩人のミスラの後ろにまわった
おーい 見えるか?
「お?」 タルタルは反射的にパールを覗き込んだ
「え?」 ミスラは反射的に後ろを振り向いた
「ふぉーーーーーーっ」
今日の彼女は軽装で、ローブと下着しか身に着けていなかった
ふむ こいつば便利だ
逃げ回りながら俺は淡々とつぶやいた
「・・・面白い使い方しますわね 参考にしておきますわ」
博士はニヤニヤと意地悪な笑いを浮かべた
いやなに 俺の世界でもそうやって使う輩がいるもんでな
「もう・・・やめてください」
なんだよ、”女”同士だろ? /grin
タルタルは鼻血をだして倒れたまま動かない
「おい・・・その辺でしまいにしろ
一応トップシークレット扱いの物なんだぞ」
院長に促され俺はリンクシェルからパールを取り出し
一座と彼女に分配した
シェルは、誰にわたせばいいんだ?
「それはわたくしが預かっておきますわ、このシェルのオーナーですから」
そういわれ博士に手渡した
「それでは話を本題に戻しますわよ」
「みなもう知っているとは思うが・・・」
「本日明朝、森の区レストハウス前広場で奴らとの戦闘が行われた
応戦したのはそこにいる・・・」
そういいながら院長は俺と詩人のミスラに視線を移した
「マァ、そんなこったろうとおもってたけど・・・」
「なんでも、一般市民とカーディアンが巻き込まれた話じゃない」
巻き込まれた。か
俺の心中を読み取ってか彼女は目配せをしてきた
・・・大丈夫、言わないでおくよ
俺はもっともらしく答えた
ああ、とっさに黒い奴らに囲まれて、逃がしてやる暇がなくてな
あの二人をやったのは俺たちじゃないから、こうして釈放もされたんだ
「そうだな、”奴ら”って呼ぶのはこの先聊か差し支えがあるな博士」
「そうですわね。ひとまず便宜上【シャード】と呼称いたしましょう」
「・・・で、そのシャードがあらわた跡にこうして召集された、と
ならばもうやる事は一つというわけか」
火吹きのガルカが低い声で舌を鳴らしながら答えた
団長は一歩前に出て俺に皮袋を渡した
ん、これは?
「<俺>君の支度金だ、明日までにこれで準備を整えるといい」
袋をあけると中にはギルが入ってた 結構な額だ
団長は振り返り全員に視線を流した
「我々はこの先、バレリアーノ一座として世界を回りながら、
ウィンダス口の院直下の特殊調査部隊として活動を開始する」
「<俺>」
ん、なんだよ
博士に名指しされ、とっさに身構えた
「先日も話しましたとおり、貴方の行動は24時間監視されています
その事を忘れないよう、よござんすか?」
・・・わかってますよ シャントット様
逃げも隠れもしない
「ただ・・・」
ただ?
「貴方が本当に異変と相容れない関係であり、外の世界の物ならば
わたくしは貴方が無事帰れるように祈っておりますわ」
博士?
急に易しい言葉をかけられどまどった俺を無視し、博士は皆の下に戻った
「これから貴方たちが行う旅は、ただの調査では恐らく終らないでしょう
これまで郊外で発生していたシャードが市街地にまで及ぶ現在・・・」
「あなた方の背負う責務の重さは、大戦時のハイドラ戦隊と比較しても決して劣らないものですわ」
・・・そうか、博士は
クリスタル大戦時には最前線にいたんだったな
大戦時の英雄 ハイドラ戦隊
彼らは皆、志半ばにして散っていったと言う
今もヴァナディールの何処かに彼らの魂が形として残りさまよっているという
144 :
既にその名前は使われています:2006/07/23(日) 12:24:10.32 ID:OWOvwn4S
ほしゅ
145 :
既にその名前は使われています:2006/07/23(日) 19:35:27.86 ID:VFTDCg+m
>>143 いい加減、名前をつける気はないのか?;
自分の道をひたすら突き進んでてかっこいい
読み手や編集人のことを考えないのはカッコイイとは言わない。
いいんじゃないw
編集人が編集する気があるなら編集するんだろうし、
書き手はそれを必要としてないんだろうし。
気になるなら透明アボン設定しちゃえばいいじゃないwww
と煽ってみるテスツwwwwwwwwww
149 :
既にその名前は使われています:2006/07/23(日) 21:13:08.52 ID:adJ43Mv2
150 :
既にその名前は使われています:2006/07/23(日) 22:30:34.70 ID:sQ/5inLI
つーか初代が読み手なんか眼中にないのは1スレ目から公言されてる訳で
それでも中身が微妙に面白いから俺みたいにずっと読み続ける奴がいる
そんだけのことだ
気にしたら負けって奴だな
が、その書き方でこのスレの流れ作った男だからな。彼は。
153 :
既にその名前は使われています:2006/07/24(月) 02:42:29.24 ID:XJJzs/Xb
でも完全無視とかひどいよ;
ワカッタじゃあこのウグイさんが決めてやろう
初代から書いてるらしい人が嫌な人はしたらばにアツFF関連の板に行って続きを書けばいい
ウグイってだれじゃーーーww
とりあえず投下お願いします<初代
いや見てるだけの人なんですけどね
したらばのほう見たのですがねしたらばに行ったら過疎化するとかかれてらっしゃられるようなのですが
すでにもうこのねたスレを見ている人はほとんどいないんじゃないのかと
いくらなんでも話し書いてる人以外の書き込みないですし
もう過疎化してるのだから人のことを気にせずにしたらばで展開したほうがいいのじゃないのかと
したらばは保守とかしなくても落ちたりしませんしよ
書きやすいんじゃないかなと
あとここ下手したら荒らされますぜ夏になるし
今そんな焦らなくてもいいんじゃね
まぁ落ちたときや荒らされたときにでも移転を考えれば
158 :
既にその名前は使われています:2006/07/24(月) 20:18:33.87 ID:XJJzs/Xb
aguる
159 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/07/24(月) 23:05:22.62 ID:tDFxOCq2
皆様、お忙しい時間の合間を縫っての投下、乙でございます。
ageさせていただきます。
俺は手伝いをあきらめ、リビングに置かれたやや大きめのソファーに座った。
―――実際、このまま二人くらいなら寝転べそうだ。
そんな感想を抱いたのは、俺が疲労しているせいだろうか。
手持ち無沙汰にキッチンのほうを眺めると、三人は仲良さげに並んで料理を進めていた。
三人の尻尾がフリフリと左右に揺れる・・・三人とも同じタイミングで、同じ方向へ。
くすっ、と思わず笑ってしまった。
「ん、なんだにゃ?」
イッチが不審げな顔で、おたまを片手に振り向いた。
「いや、なんでもない」
げふんげふん、とテーブルの上の酒瓶の一本を手にとり、ラベルを見たりして誤魔化す。
ロランベリーワインにまぎれて、マタタビワイン? なんだこれは?
「ねぇ、メイミイ。」
と、楽しげなトトの声が聞こえてくる。
なんというか・・・まさに聞こえよがしなくらいに、だ。
「今夜はうちに泊まっていきなよ。この前はメイミィの部屋に泊まらせてもらったから、おあいこ」
ちらっ、とトトが俺を見た。どうやら、俺の勘違いではないようだ。
ドゴン! ドゴン!!
メイミィがコロッケの為にポポトを潰していた音が、やけに大きくキッチンから響いてきた。
161 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/07/25(火) 00:54:08.59 ID:6VfasMDL
そして短くてすみません。きょうは一つのみで。
162 :
既にその名前は使われています:2006/07/25(火) 01:03:33.11 ID:VweEXY7F
多分トト死ぬな。フェイトとの戦いに巻き込まれて
リード小説は読みなれてるから分かる
そしてまたべつの作者や作者本人に蘇生させられるループだが、
トトの場合明らかにメイミィさんよりリードさんの方が大事に書いてるな。
>>162 …案外、メィミィの料理スキルが-100で コロッケ-100ができてそれをくって死ぬというのもありえる。
まさに昇天。
164 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/07/25(火) 06:53:00.44 ID:6VfasMDL
おはようございますage
“カレーコロッケカレー”編は、場所と人数を限定し戦闘はない、と以前述べたとおりです。
[+]<トトが好評で嬉しい
Lead<ここで会ったが百年目
[+]<(げぇっ!)そ・・・それでは良い旅を・・・
[+;]]]]]
↑某氏との合作
うん。リードさんのトトかわいい。いっそのことキャラもらっちゃいましょうよ。
[+]<つまり、同姓婚にしてしまえということですか?
>>69< 【かえれ】
そして嫉妬に駆られたメイミィさんが第二のサンさん化ですか!?(それはいやかも…w
どうでもいいがポポトイモを「狩る」リードさんの姿を見ていると
リアルのリードさんの生活まで心配になったりならなかったり。
というか食い物に対する畏敬をもう少し(以下ry その場に自キャラがいたら説教ものですこれは。
さて…続きちょっとずつでも書くかー
皆様の投下も、わっふるわっふるです。
168 :
既にその名前は使われています:2006/07/25(火) 12:17:21.41 ID:C8zo9/7Q
神パッチのは散々既出だが、タイトルのグスタなどの追加がある種神。
すんげえ美しい。思わず魅入った。必見。
「皮剥くのって難しいよねぇ…なんか分厚くなっちゃう」
「うん〜。わたしもあんまり慣れてないから…」
トトとイモの皮を剥きながら、ようやく横にいるふたりのことを意識せずにいられるようになったころ。
ズダン!
突然、大きな音が横から響いた。
ズダン!ズダダン!!
すぐに同じ音が2度、続く。
音がしたほうをそっと見ると…、そこにはもちろん、包丁を握ったリードが立っている。
リードの前に置かれたまな板の上にはバラバラにされたイモが乗っかっていた。
先ほどの音と状況から推測するに、彼が行っていた行為が料理と呼べるのかどうかは…。
「リードさん…」
同じように考えたらしいトトと一緒に数歩後ずさった。
「ん、何か?」
手のひらの汗をぬぐいながら、リードがこちらに問いかける。彼自身は何もおかしいとは思っていないようだ。
「てめー!まな板、ううん、キッチンごと破壊する気かにゃー!?
そもそもなんで料理するのに片手剣が必要なんだにゃ!」
イッチがリードの腰にぶら下がる剣を指差して一気にまくし立てた。
「料理ってしたこと、あります?」
おそるおそる問いかけると、
「あまり経験はないが、切るのは任せてくれ」
頷きながら彼は答えた。その微笑みがまた怖いです…。
イッチが呆れ顔で唸りながら彼がバラバラにしたイモをひとかけらつまみあげ、頭を掻いた。
そしてまたひとつ唸ると、ソファーを指差しながら言った。
「あっちに座って、出来上がるまで待ってろにゃ」
リードは納得がいかない様子で両手を胸の辺りで軽く広げたが、諦めたのか大人しくソファーへと歩いていった。
「リードって、いつもあんな風なの?」
皮を剥き終わったイモを茹でながらトトが問いかけてきた。
「うーん…なんていうか…いつもはもっとクールな感じだと思うんだけどね。
でもさっきのリードさんは面白いっていうか可愛いっていうか…違う一面って感じ」
サラダ用のキャベツやトマトを切りつつ、くすくす笑って答えた。
トトは少し不機嫌そうに、ふーん、と言ってぐつぐつ茹だるイモを菜箸でせわしなくかき混ぜている。
茹でるときはあまりいじらないほうがいいのだけど、なんとなく口に出しにくい雰囲気になったので黙っておいた。
イッチのほうをちらりと横目で見てみる。
彼女は小さく鼻歌を歌いながら、慣れた手つきでイモやオニオンを均等な大きさに切り分け、鍋にぶち込んでいる。
カレーは任せておけば何の心配もいらなさそうだ。
手早く作れることも上手さのうちだ。料理ひとつに何時間もかけていたら、お腹と背中がくっついてしまう。
ふいに、ソファーのほうからくすっと小さく笑い声がした。
それに耳ざとく反応したイッチが、振り向いて声をかける。
「ん、なんだにゃ?」
「いや、なんでもない」
リードはそう言ってわざとらしく咳き込んだ。
「ねぇ、メイミィ」
トトがイモをザルにあけながらわたしに話しかけてくる。そんなに大きな声で言わなくても聞こえるのに、と思う。
「今夜はうちに泊まっていきなよ。この前はメイミィの部屋に泊まらせてもらったから、おあいこ」
言いながら、彼はちらりと後ろを振り向いた。
「…」
わたしにもトトが何のためにリードの前でこれ見よがしな行動をするのか徐々にわかり始めていた。
リードはトトが男性だということを知っているのだろうか?
もし今はまだ知らないにしても、いつかバレてしまったときにとてもとても困る。
だが、やめて欲しいと直接言うこともできない。
もしそれが勘違いだったら、自意識過剰だと思われそうで恥ずかしい。
その葛藤が、水気を切ってボウルに移したイモをつぶす手に自然と力を込めさせた。
カレーを手早く作り終えたイッチが、デザートのパイ作りに取り掛かってくれた。
コロッケもどうにか味付けと衣付けを終えて、あとは揚げるだけだ。ご飯も既にほかほかに炊けていた。
おいしそうな匂いがキッチン全体を包み込んでいる。今にもおなかが鳴りそうだ。
「ねー。どうしてもダメなの?」
「ごめん、ダメなの。ちゃんと帰らないと、モグも心配するし」
トトは先ほどから泊まれないのかと粘っている。
これ以上誤解されるような行動を取るのは嫌だったので、徹底的に突き放すことにした。
コロッケを揚げる手を休めず、視線は一点揚げているコロッケだけに向けている。
トトのことは好きだが、それはあくまで友人としての話だ。
「そっか…わかった。じゃー僕が泊まりに行けばいいよね?」
「……」
どう言っても諦めてくれないトトにいい加減辟易していると、イッチが横から口を出してきた。
あとは焼くだけとなったパイを天板にいくつも載せて、それをウエイトレスのように片手で支えている。
「トト、メイミィにもプライベートな時間が欲しいときだってあるんだにゃー。あんまし無理言うなにゃ」
トトはむっつりしながらも、わかった、としぶしぶ頷いた。
やっと諦めてくれた、とほっと安堵の息をつく。イッチには感謝しきりだ。
以上です。
わたしの書くトトは可愛くないようでなんだかすみません。
リードさんに書いていただくほうがいいキャラになるかもしれませんね。
175 :
既にその名前は使われています:2006/07/25(火) 15:56:12.62 ID:yDobC+G1
投下おつです。
暫くはおだやなに凪いだひとときが続きそうですね。
保守age
おだやなってなんだw 落ちそうage
177 :
既にその名前は使われています:2006/07/25(火) 22:14:54.39 ID:65zOWHOq
あぐる
あげ
投下おつかれさまでございます。
トトはリードさんの男性視点と、メイミィさんの女性視点の両方から描いて補完されるキャラだと思っております。
共感しやすい方の視点が注目されがちになる事はあるかも知れませんが、メイミィさんの描くトトも存在感があって魅力に溢れていますよ。
180 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/07/26(水) 00:09:17.46 ID:6+qeqCA+
メイミィ様、投下乙でございます。
トトを可愛く書いているつもりはないのですが、気に入っていただけた方もいるようで光栄です。
こちらとしては、イッチが好人物に書いていただけて嬉しかったりしております。
おおむね
>>179様のおっしゃる通りで、二つの視点から皆様に楽しんでいただけたら、と思います。
181 :
既にその名前は使われています:2006/07/26(水) 00:46:11.29 ID:Ybo9+kn6
ここでイッチ実はリアルでも女性だった説を挙げてみる
ネカマだなんてヤダヤダ(AA略
182 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/07/26(水) 01:19:24.05 ID:vy6OpsBI
>>174 普通に可愛いんだけどウザい扱いしながら可愛くは無理なだけですね。
もちろん可愛いです。
リード視点ではそういったのがないので客観的にけなげで素直で一途なトトの魅力が出てる。
あと、リード氏があえてヒモキャラに徹してる(○○でなければのたれじぬ云々言うのはヒモの手口)ので、
(今までのと対比しての)主人公の情けなさに相対する形でトトやイッチが光ってくると。
まぁ主人公を貶めてもサブキャラを光らせたリードさんの作戦勝ちです。マジで。
下手な女の子より可愛いです。読者が変な趣味に目覚めたらどうするつもりなんですか。二人とも。
二人が要らないとおっしゃるなら私が掘ります(やめれ)。
>>181女性かどうかは知らないが、
初代
>>1氏の発言から正体は高レベル(AF着れる程度の…って今は高レベルとは言わんか)の赤魔とFA出ている。
あと記憶を取り戻す(失う?)直前のリード(キャラは敬称略)はイッチ助けてくれと発言してますので、
記憶喪失中は普通に相思相愛。プラトニック(一発やってますが)。ある意味一番幸せな時期かも。
その夜、俺は詩人のミスラから武具の扱いの手ほどきを受けていた
剣は振り回せば何とかなるが防具の身に着け方はさっぱりだった
「見た目はレザーベストですが貴方専用に作られたカスタム品です」
各急所がチェーンで覆われたインナーを着込み、
丈夫な大羊の皮製のベルトで固定
その上からグレーのトップに袖を通す
「合成によって作成される装備品は、合成時に魔力とイメージを込めて作られますが
画一化が計られているため、ある程度規定された装備に見合った力をもっていないと
防具に受け入れられないんですよ」
恐らくはレベルの事をいっているのだろうけれど、職人により製作された物と
クリスタル合成により作られた物は、根本的に別のものだという
普通に考えれば原材料にクリスタルを当てただけで物が出来るはずがない
あれは素材を分解再構築し、魔力によって形を保っているのだそうだ
いわば物理的なスパイクアーマーのような物であり、
ヴァナディールに存在する者全ては潜在的に魔力を保持しており、
装備者が装備品と同等の魔力を保持していない場合、拒絶反応が起こるのだ
その点、職人の作る武具は魔力に頼らず技術によって構築される物であり
魔力の加護は得られないが熟練工ともなると、高レベル争議品を凌駕する
性能のものを作れるのだという
・・・けどあんた
「はい?」
俺の(キャラの)サイズ なんでしってんだ?
こうもぴったり作れるもんなのか?
「あ、それは」
それは?
「モーグリさんに、お願いして・・・」
おk 把握、あの豚あとで〆る
旅立ちの日を前に、俺と彼女は最後の鍛錬を行っていた
只振り回すだけでは奴らどころか、そこらの敵とも渡り合えない
剣術の基礎 魔法の基礎 力の循環によるウェポンスキルの使い方などを
改めて叩き込まれた
推定レベル5程度の俺に競売にでている装備品は殆ど無用の長物だったので
団長にもらった支度金は魔法スクロールや嗜好品に当てた
「ん、おまえは」
最後に競売所管理人の所に顔を出しておこう
なんだかんだで世話になった人物だ
ああ、明日からちょっと旅に出ることになってな、バイトは辞めだ
「んーそうかい。」思いのほかそっけない
一般人にとって冒険者とはそんなものなんだろう
一礼してその場を後にしようとした
「あーちょっとまてよ」
な、なんすか?
なにやらごちゃごちゃはいった皮袋を投げつけられた
「これは、薬品類ですね、ポーション 毒消し、エーテル・・・リレイザーもありますね
結構値がしますよ」
ミスラは袋の中身を覗き、少しばかり驚いたようだった
「それはオレが趣味でつくって競売につっこんどいたもんだけどよ
売れ残っちまってな・・・マァその・・・」
「おめー、なんか冒険者のクセにトロいからよ、、、」
頭をぽりぽりかきながらなにやらごにょごにょいっている
・・・ありがとな。大事に使わせてもらうよ ヘヤ=ジャキア管理人様
モグハウスへの帰り道で、ミスラが管理人の事を話してくれた
競売所管理人という仕事柄上、彼女は常に様々な冒険者を見てきた
ウィンダスに着たばかりの新米冒険者
他国から旅をしてきた冒険者
久しぶりに本国に凱旋してきた熟練の冒険者
粗暴だったりがさつだったり、口が悪かったり
そんな奴らばかりだが決して憎めない、面白い人間ばかりである
彼女の性格からか冒険者との友好も広く、様々な者たちと接してきた
いつも決まった時間にアイテムを預けに来るタルタルの女の子
2時間もウロウロした挙句、武器を眺めていただけのヒュームの少年
ドラゴン退治の為に意気揚々とアイテムを買い込むエルヴァーンの青年
何時もの見知った顔 その顔が突然二度と見れなくなる
彼女はそんな経験を幾度となくしてきていた、そしてこれからも
『よぉ いつもの奴だな!んじゃここに値段と名前をかいてくれ』
『宜しくお願いします 明日は少しギデアスまで足を伸ばしてみようかと』
『おまえいっつもみてるだけだなw なんか買わないのか?』
『俺、冒険者はじめたばかりでまだまだお金なくてさ・・・
いつかクレイモアかってやるんだw』
『やっと念願の討伐ミッションが施行された! 薬はあるか?!』
『ついでにこいつももってきな! 手製のHQ品だぜ
気をつけてなんていわーねから思いっきりやってきなっ』
「あの人は、その日競売に訪れた人間全てを覚えているんだそうですよ」
・・・ふーん
根無し草のような存在であり、明日の命もわからないヤクザ家業の者たち
そんな奴らをきちんと見ていてくれる物好きもいるもんだなぁ
「・・・彼女の、とても親しい人が冒険者だったそうです」
だった。か その先は聞かんでおくよ
明日の朝は早い 俺達は早々に床に就いた
191 :
既にその名前は使われています:2006/07/26(水) 07:07:35.18 ID:7czBZDm/
ところがどっこい 飛蚊症に犯されててもうかけなくなっちゃうかもね(´・ω・
ほんとSEは地獄だぜ・・・・
193 :
既にその名前は使われています:2006/07/26(水) 13:32:21.04 ID:Bu0Be5o8
(笑)
194 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/07/26(水) 13:45:28.70 ID:vy6OpsBI
飛蚊症スレたてたの本家かい!!www
これは笑うところなのか?
>>1994 いや それは俺はしらないお
てかスレたてるどころじゃないよね、目の前に24時間糸くずがぶるああああああああああ
幸い網膜剥離じゃなかったけど治療に半年はかかるお・・・○凹〜
197 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/07/26(水) 19:34:56.55 ID:vy6OpsBI
なんというか・・・お疲れ様です。
ものすごい偶然だけど実は本編かきためている時に
主人公が戦いで両目を失うところで中断してた、、、
【恐れ】
199 :
レグナス ◆/abMGvkWxE :2006/07/26(水) 19:51:02.10 ID:dM/y5U6V
なら早く両目が復活するエピソードを書かないと大変なことに!w
大工房へと足を運ぶと、まずその信じ難い奇妙な光景に我が目を疑った。
先の戦いでボロボロに崩れ、焼かれ、朽ち果てた室内は、ほぼ元通りに修繕させていたのだ。
今日も修築作業で人々がごった返していると思っていたのだが、たった1日でここまで遣り遂げるとは驚いた。
「国中の技術者さんをかき集めて、皆で頑張ったのにゃ。努力の賜物にゃ。」
「そういう事。そりゃあ、大工房はバストゥークにとって枢要な場所だからな。必死にもなるさ。」
ナジとメキは、大工房一階の小さな一室にいた。出入り口付近で働いていたヒュームに尋ねると、ここへ案内されたのだ。
とりあえず近くに置かれた金属製の椅子に腰掛ける。
「今日はお別れの挨拶に来たんだ。今日中にアルザビへ飛ぶ。」
「へぇ、そりゃまた急だね。」
「色々あるのさ。それよりも、メキ…」
「にゃ!?」
彼女と話したい事は山ほどある。リアルに関する雑談、フェイトへの愚痴、メサイアについての考査…
バルファルやモーグリでは、残念ながら俺の話し相手は務まらなかった。まぁ、かわいいから良いんだけど。
「べべべべべ別に一昨日は何もなかったにゃ! あっても、それはほんの出来心だったにゃ!」
突然メキが目を細め、あたふたと弁解し始めた。
その件については特に気にしていなかったのだが、ここまで白々しくされると逆に気になるじゃないか。
「その事じゃないんだけどな…」
俺は小さく天を仰いだ。ナジの方に視線を向けると、彼はポリポリと鼻を掻き、苦笑いをした。
2時間後──
「つまりはリアルとヴァナを繋ぐ扉を完全に開放すれば、俺たちは2つの世界を自由に往来できる様になるんだ!」
「にゃるほど…そりゃいいにゃ。リアルには帰りたいけど、ナジとのお別れも寂しいからにゃ〜。」
ハッは我に返り、窓から空を見上げた。いけない、もうこんな時間か。
俺とした事が自身の理想を語るのに夢中になって、少しばかし話し込みすぎてしまった様だ。
「それじゃ、そろそろお暇するよ。悪いね、俺ばかり話して。」
「いや、興味深い話だったぜ。また会いに来いよ。お前ならいつでも歓迎さ。」
俺は席を立ち、2人に向かって軽く会釈した。
「ありがとう。また来るよ、俺が殺されない限りね。」
「にゃ!? 縁起でもない事言うにゃー!」
突然メキに怒鳴りつけられ、俺はそのまま逃げるように退室した。本気にするなよ。
大体この俺が死ぬはずないじゃないか。やられ役ってのはブサイクだという法則があるのだ。つまりイケメンの俺は不死身。
大工房を出て、丁度お昼時の商業区を歩く。噴水広場には何故かゴーレムが芸をしていて、大きな人だかりを作っていた。
モーグリから弁当を用意してもらっていた事を思い出し、競売前の階段に腰掛けて、ポーチから小包を取り出す。
「ゆで卵かよ。」
思わず声に出てしまった。弁当を作ってくれたという行為自体は嬉しいが、流石にこのゆで卵は2食通しては無理だ。
とりあえずゆで卵を近くの下水に投げ捨て、競売で別の昼飯を落札する事にした。
適当にサーモンサンドとオレンジジュースを落札して、再び階段の縁に腰を下ろす。
いつの間にか目の前に広がる噴水広場では、先程まで大人しく人間に従っていたゴーレムが暴れ出し、逆に人々を襲っていた。
ビームでも繰り出しているのだろうか、閃光と共に轟音が鳴り響き、瞬く間に噴水広場はその原型を失っていった。
ゲーム上ではこんなイベントは存在しないはずなのだ。この世界ならではの事件なのか、フェイト絡みなのか。…どうでも良いか。
悲鳴を上げて逃げ惑う人ごみの姿を観望しながらランチタイムと言うのも悪くない。そう思いながらサーモンサンドを頬張る。
何名かの冒険者がモンスターを打ち倒さんと勇敢にも挑んでいったが、まともにダメージを与える事すら叶わぬ様子だった。
あのゴーレム、恐ろしく硬そうだ。NMか何かだろうか?
ゴーレムは暴虐の限りを尽くし、平和だった噴水広場を火の海へと塗り替えていくその様はまさに小さなゴジラそのものだ。
戦いに挑んだ冒険者たちは怖気づき、次々と尻尾を巻いて逃げ出していく。
俺は口に残るサーモンをオレンジジュースで一気に胃へと流し込んだ。流石にそろそろ巻き込まれそうだ。
そう思っていると、逃げ出した冒険者と入れ替わる様にして、今度はヒュームの女性がゴーレムの元へと駆けつけた。
するとゴーレムの攻撃はより一層激しさを増し、冒険者もろとも、さらに街を破壊していった。
「おまえさんは、戦わないのか?」
俺と並ぶようにして、白髪のガルカが隣に腰掛けた。ムワッとした酒の臭いが鼻に付く。なんだこいつは…。
「別に戦う理由もないからね。って言うか何だよ、馴れ馴れしい。」
「クク…そりゃすまないのう。こんな状況で落ち着き払っている奴もまた、珍しいもんだと思ってな。」
ガルカは下品に笑うと酒瓶を取り出してグビグビと飲み始めた。やれやれ、こいつは生理的に受け付けないタイプの人種だな。
新たな挑戦者であるヒュームの女性はミスラの少女と中年男性を両脇に抱え込み、競売近くの木陰へと逃げ込んだ。
あまりこちら側に来ないで欲しい。そんな俺の思いを他所に、彼女たちはその場でゴーレム退治の作戦会議を開始した。
なんでも項に動力盤が設置されていて、それを破壊すればゴーレムの活動は停止するとの事。
別に盗み聞きするつもりはなかったのだが、位置が位置だけに彼女たちの会話は嫌でも耳に入ってくる。
「どうした、気になるか?」
「…………。」
図星だ。現に俺は口を挟みたくてウズウズしている。このガルカ、只の酔漢かと思ったら意外と鋭い。
「策を練るのは得意なんでね。」
「ならば手を貸してみてはどうかね。それともあのゴーレムが恐いのかい?」
「ふん、そこまで言うならあんたが手を貸せば良いじゃないか。」
「策を練るのは苦手なんでの。」
どうもこのガルカは俺を戦わせたいらしい。しかしそれは無理な相談だ。先程も言ったが俺には戦う理由がない。
俺は自国でもないバストゥークの街など守ろうとも思わないし、俺の大切な人が戦いに巻き込まれている訳でもない。
懲りずに再びゴーレムへと突撃していったヒュームの女性を見つめる。その独特な装束からジョブは忍者だと思われる。
「ま、彼女なら心配はいらぬか。無事、事を成し遂げるだろうよ。」
「無理だろ。賭けたって良い。」
そう言って俺は1万ギル硬貨を財布から取り出し、地面に置いた。
ガルカは小さくため息をつくと、懐から1万ギル硬貨を取り出し、俺の置いた硬貨の上へと静かに重ねた。
204 :
レグナス ◆/abMGvkWxE :2006/07/26(水) 20:15:51.69 ID:dM/y5U6V
以上です。
このままバストゥークとお別れってのも勿体無いので、勝手に見物させて頂きますw
205 :
既にその名前は使われています:2006/07/26(水) 20:18:18.55 ID:nRvskSuQ
レグナントきたこれでかつる!
206 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/07/26(水) 20:58:13.22 ID:6+qeqCA+
皆様、投下乙でございます。
今一番熱いのはバス編ですね。
69氏の本編、獣人と悪徳政治家の物語もバスが舞台ですね。このタイミングを逃すのは勿体無いです。
続きを期待しております。
ふむ・・・。
俺はひとりごちた。
つまり、メイミィとトトは、既にそういう関係だということか。
ミスラ社会は一夫多妻制―――いや、ちょっとニュアンスが違うか。
男性は、その氏族の共有財産だ。
一人でも多くの女性と子を成し、氏族を繁栄に導くことこそが彼らの使命といえる。
都会に住まうミスラの男性というのも初耳だが、氏族にも諸般の事情があるのだろう。
メイミィが彼の子を孕んでいるのであれば、氏族同士で話し合い、普通はトトの氏族に子供だけ引き取られる。
通常ならば、それで話は済む。
だが。
日本人ともエルヴァーンとも異なる彼らの道徳や倫理観を、メイミィは受け入れているのだろうか・・・?
リアルへの帰還を代償に差し出した俺と、リアルへ帰らなければならないメイミィ。
捨てたはずの想いを、いまだにくすぶらせている俺は、他者から見たらさぞかし滑稽に映るに違いない。
懐かしいカレーの匂いが俺の鼻をくすぐった。ライスが炊けた匂いもする。
それまで眠っていた胃袋が、活動を再開するのを感じた。
こんな状況でも、何を考えていても、空腹にはなるものだ。
「・・・これ」
キッチンから出てきたトトが、俺の前に小皿を差し出した。
皿の上には、揚げたてのコロッケ。
「メイミィが、試食してって」
見れば、メイミィがキッチンから心配そうにこちらの様子をうかがっている。
そんなに心配しなくても、コロッケはこんがりと揚がっていて、見るからに美味しそうだ。
無作法ながら、アツアツなところを手でつまむ。
そして、一口。
「これは・・・うまい・・・」
サクサクの衣に包まれた中身は、ポポトと肉の配分が絶妙で味わい深い。
旨みが口一杯に広がり、幸福感が腹の底からじんわりと湧き上がってくる。
思わず、ため息が漏れた。
視線を上げ、さっきからずっとこちらを見つめているメイミィに微笑む。
「おいしいコロッケだね、メイミィ」
「でしょ?」
トトが、俺と彼女の間に割り込んむようにして、小皿を取り上げた。
「僕とメイミィで作ったコロッケだもん」
「そうだな」 俺は頷いた。「ところで・・・」
気になっていることがある。俺は、傍らにある片手剣の感触を確かめた。
「一つ確認しておきたい。この部屋は、本当に君のものなのか?」
209 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/07/26(水) 23:32:15.29 ID:6+qeqCA+
今夜は以上です。
210 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/07/27(木) 01:13:23.98 ID:+Qhk/oGc
本編かぁ。書いたら即終わる話を延々と外伝で持たしている状態だからなぁw
211 :
既にその名前は使われています:2006/07/27(木) 02:01:59.24 ID:Fw40RVOa
こんばんは。初期まとめサイトの中のものです。
更新等放置してしまって大変申し訳ありません。
現在こちらによる更新作業等は停止してますが、需要があるのならば再開
させようかと思っています。
(また一人で更新しても駄目だと思うので、作者以外による編集・追記等が
できるようにする予定です。…でもwikiとかぶってしまうのでやっぱり
旧まとめサイト自体必要ないかもしれません。)
ということで
・旧まとめサイトは必要あるか
(→必要ないなら、ログだけでも残しておいたほうがよさそう?)
・更新再開するとなると旧wikiの内容を大部分コピーさせて頂きたいです。
・ 〃 更新作業は他の方でもできるようにしても大丈夫でしょうか。
(→作者さんが設定でon/offできるようにするってことも…)
・そもそも更新作業、手伝ってくれる方がいるのだろうか。
等…ご意見とかいただけたらと思います。
212 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/07/27(木) 08:24:05.28 ID:+Qhk/oGc
>>211復帰おめでとうございます。
・必要あるか
WIKIは形式上見にくいし、常連の作品しかトップで飛べない。
98氏の作品もばらばらで収録されてるし。
ログだけでも残しておいてくださいな。
・そもそも更新作業、手伝ってくれる方がいるのだろうか。
なんか知らんけど自分のとこだけ編集できません。
213 :
既にその名前は使われています:2006/07/27(木) 13:56:37.00 ID:NteKO7AP
復活してくださるなら喜ばしいです。
携帯から読める&しおり機能がよかったもので。
それはそれとして落ちそうage
皆様投下おつかれさまです。速いものでもう12スレなのですねぇ…(と、白々しく)
まとめwikiでテンプレ更新したからもうこちらには落とさなくても大丈夫かな?
ここんとこルーファスさんの後追いで話がすすんでおりますが、まぁ投下をば。
アルテパ砂漠は、遮るもののない日差しが降り注ぎながらも、
朝方ということで思っていたよりも若干涼しく私たちを迎えた。
「先ずはコロロカの洞門に向かいましょう」
そこからエスケプ。何事もなければ実に簡単な道程だ。そう、何事もなければ。
先に坂道を駆け上っていたルーファスさんが、ふと足を止めた。
その後ろへとついていたラディールさんも、ルーファスさんと同じ方へ視線をやる。
追いついた私とお爺さんも、その方向を見てみる。
……でっかいNM級のワイバーン――恐らく本来のお住まいはクフタル辺り――が、
のっしのっしと歩き回っていた。
敵配置いじった、ってこれはちょっとやり過ぎでしょうが…普通のこの世界の人も危険ですよこれは。
「やっぱりやられてましたね…でもまさかギーブル置かれるなんて」
「ふむ、こればかりは私も少々…」
小声でお爺さんにどうしようか、と話を振ったところで、ルーファスさんも焦ったような顔で振り向く。
「おい、あれってギーブルだよな…?」
「恐らくかの者の仕業でございましょう。クフタルに生息しているモンスターを、
こちらに召喚したのでございます」
冷静に返答するお爺さん。そのとき、ギーブルがくるりとこちらを振り向いた。
そのまま砂地をどすどすと踏みしめながら、こちらへ向かって駆けて来る。
「んな事言ってる場合じゃねぇ! 逃げるんだよぉぉぉぉぉ!!」
現れる度にクフタルの洞門に死屍累々の惨状をもたらしてきたLv上げキラー。
ルーファスさんの叫びに反応して、私たちはギーブルが向かってくる方向とは逆に駆け出した。
コロロカからも離れてしまうけど…今はこいつを何とかして振り切るのが先。
確かコイツスリプルは言うまでもなくグラビデもかなりの耐性持ち…そうするとえーと。
「バインドとか、要りますかね!?」
「いいから走れ!!」
確かに魔法を詠唱しようと立ち止まった所を踏みつぶされちゃたまったもんじゃない。
背後からそう怒鳴り返され、お爺さんの背中を追いかけ、ラディールさんと並んで走り続ける。
振り向いてその姿を確認する余裕もなかった。
ただ、その足音はずうっと前にクフタルで聞いたそれよりも幾分かリズム感に欠け、
環境の違いに足が、体が、慣れていないのだろうという事を伺わせる。
どのくらい走り続けただろうか。徐々に遠ざかり始めた足音が、いつしか聞こえなくなった頃。
「…どうやら、向こうも諦めてくれたみたいね?」
ラディールさんが岩壁に手を着きながら、息を整えそう呟く。
「とはいえ、砂地を全力疾走ってのはどうも疲れるなぁ…」
「この暑さの中30分も走れば、流石に…。でも上手く撒くことはできました。
ただ、コロロカからは随分と遠ざかってしまいましたね」
言いながら地図帳を取り出し、アルテパ砂漠の頁をめくる。
ふわりと浮かんだ青い光点は、ルテのクリスタルを挟むように、
見事なくらいコロロカとは逆方向に位置していた。
ルーファスさんも同じように地図を取り出し、眉間に皺を寄せている。
「直線で向かえばまたギーブルがいるし、遠回りするしかないな」
「北側を迂回いたしましょう。岩肌沿いに進めばコロロカに着くものと…」
ため息をつくルーファスさんにお爺さんがそう言いかけたところで、
何か大きな影が私たちのいる所を過っていった。
黙り込むお爺さん。頭上からこちらに向けられる殺気。
一度通り過ぎた影はまた旋回して私たちの上に戻り、今度は太陽を遮るようにそこに留まった。
ワンテンポ遅れて、吹き下ろした突風で砂が巻き上げられる。
「ルーファス、あれって…」
「あぁ、分かってる。飛べたのかよ…」
地面を揺らし着地したギーブルを睨みながら、ルーファスさんが構えを取る。
そういえばワイバーンがちゃんと飛んでる所を見るのは、初めてかも知れない。
…ん? ゲーム中では飛ばないものが飛んでるってことは…もしかしたらもしかしますよこれは。
「龍とは兎角目の良い生き物でございます。距離を取るだけでは足りませぬな」
お爺さんがそう語っている背後で、手の中にダークスタッフを喚ぶ。
言霊に応えて、体のあちこちに熱が走る。印は…乗せておこうか。
"天与の英知、八曜の理の下に" "忘却の午睡に沈め"
光の帯が幾重にも私を取り囲み、微睡みをもたらす魔法の霧が、ギーブルの頭を包み込んだ。
一瞬感じた確かな手応えは、ギーブル自身の咆哮によって破られた。
頭がぶぅん、と大きく振るわれると、眠りの霧は千々になり大気に紛れて消えていく。
やっぱどう見ても甘かったか…。くそ、印使ったのは拙かったかな?
「スリプルは効かないみたいですね…」
当たり前だろ、と思ったか思わないかは知らないけど、嘆息してルーファスさんが答える。
「…視界を塞ごう。砂漠は見通しが良すぎるんだ」
そうして、視線でギーブルを牽制しながら、鞄から何かを取り出し始めるルーファスさん。
ギーブルの方も、グルル…と唸り、こちらへと一歩を踏み出した。
「先ず、北に進みながらうまく視界を塞いで撒く事にいたしましょう」
お爺さんの言葉にみんなが頷き、そして駆け出す。
事と次第によっては一旦西アルテパに抜けた方が安全かも分からないけど、
まずはこの状況から脱するのが優先、ってとこでしょうね。
背後で、轟音と爆風。そういえば投擲系の爆弾なんか鞄に詰めてましたね…。
ここでギーブルに出くわさなかったら一体何に使うつもりだったのやら。
振り向くと、もうもうと巻き上がる砂煙にギーブルの姿はほとんど覆い隠されていた。
「上空に舞い上がったら、今度は俺たちの足下でも爆発させる。はぐれるなよ!」
そう言って、ルーファスさんはさらにグレネードを数本取り出している。
なら、煙が晴れてしまう前に、まだやれる事が残ってたのをやってしまおう。
意識の世界に、背後で砂煙に巻かれたままのギーブルの姿を思い描く。
ライトスタッフを喚びながら、言霊をもって術式を解放。
背後から、目を直接灼かれる苦痛に怒れるギーブルの咆哮が轟く。
「フラッシュは効くみたいですね」
「お前、そういう事ができるなら先にやれよ…」
「いつもの癖でスリプルなんて唱えてみましたけど、よく考えたら私、今白魔道士なんですよね」
あまつさえ、メリポ振ってるとは言え赤と白のスキル差も考えず…相当動転してたな私。
「何悠長なこと言ってるの! 逃げるわよ!!」
そうだった、視界が戻る前にできる限り距離を離さないと。
再び駆け出す。途中でルーファスさんがグレネードのピンを引き抜いては放っていく。
何本も何本も。ほんとに何に使う気で持ってきたんですか。テロ?
爆音でいい加減耳がおかしくなりそうな気がしてきた頃、ようやく私たちは足を止めた。
「撒いたかな…」
「これで諦めてくれればいいんですけどね…」
若干不安げなルーファスさんにそう答える。いい加減走り通しで、息が上がってちょっとつらい。
まさしく私の口から出た言葉は願望だった。まあ、嗅覚追尾があったとしても、
あれだけ派手にやったらそうそう追いかけるのは難しいでしょうけど…。
浅く速くなろうとする呼吸をなんとかもとに戻そうと努めていたところで、
ラディールさんがなにかに気づいたようだった。ルーファスさんの袖を引き、遥か彼方を指差す。
「ねぇ、ルーファス…波が見えるんだけど、気のせいかしら…?」
「あぁ? 波って…ここ砂漠だぜ?」
「ほら、あれ…」
訝しげな顔でラディールさんが指差した方向を見やり、さらに訳分からん、という顔になる。
「…波だな。」
「そんな馬鹿な…」
波っぽいからって砂漠で波があってそれを波だと納得してしまうのはどうかと。
そう思い私もその方角を見てみた。…確かに波だ。どうしよう。
「蜃気楼でしょうか…?」
確かにここアルテパ砂漠はクゾッツリージョンすなわちゼプウェル島というちょっとでかい島ということで
周りが海だから蜃気楼がうまい具合にあれこれすれば遥か崖下に臨むはずの打ち寄せる波が
砂漠の上に虚像として映り込むこともあるのかも知れないけれど…どうなの? ありなの?
思考の迷宮に迷い込もうとする私の精神は、しかしお爺さんの鋭い声により引き戻された。
「事態はもっと深刻なようですな。皆様、逃げますぞ!」
慌てて立ち上がり、先んじて駆け出したお爺さんの後をみんなで追いかける形になる。
ルーファスさんが怒鳴り声で問いかけた。
「おい爺さん! なんなんだよ!」
「あれはクフタルに棲むモンスターの群れでございます!
グレネードの音に反応して砂漠中のモンスターが集まってきたようでございます!」
お爺さんのそんな説明に、私は走りながら思わず額に手をやった。
確かにあそこのモンスター、殆どが聴覚感知です…。
「カニと蜘蛛かよ!」
「ラプトルもいるようでございます! 距離があるうちに逃げなければ囲まれますぞ!」
サボテンも聴覚アクだけど…ちっさいから目立たないだけか。
とにかく、あの波に追いつかれたら…そこまで考えて頭をぶんぶんと振る。
やっぱり印使っちゃったのは失敗だった予感。ちょっと泣きそうになった。
どうでもいいけど、ずっと走り続けるより、半端に休憩を入れてしまう方が疲れるとか、
何かで聞いたような覚えがある。今の私は間違いなくその状態になりつつある…かも。
私のそんなナーバスな精神状態に追い打ちをかけるように、
ラディールさんとルーファスさんの声が耳に届く。
「ちょっとぉ! なんか増えてる!! 黒と茶色が増えてるわよ!!」
「あぁん!?」
理解したくないけど、黒は虎さん茶色はラプさんですね。ああ分かりますとも。
どちらもLv70台での狩り対象ですね。ついでにラドンとかも飛んできてるんじゃないですか?
「畜生、なんだってんだよ…」
「とにかくコロロカの洞門へ! あそこへ入れば撒くこともできましょう!」
撒くもなにも、即座にエスケプ詠唱開始ですよ、と。
まあそれまで、私に魔法を行使する元気が残っていればいいですけど。
喉が痛い。手足が重い。
いっそここで立ち止まって、テレポの詠唱開始とか…。
そう思ったところで、コロロカの洞門入り口が見えてきた。
しかし、そこには今一番見たくないものの姿も一緒にあった。撒いてきたはずのあいつ。
「ギーブル!?」
「くそったれ、この配置を考えた奴ぁ良い趣味してる!」
そいつがエルリッドさんを攫った奴なわけですよね、そう言いたかったが、もう声も出せない。
「くっ…仕方ございません! こちらへ!」
お爺さんが進行方向を60°ほどずらす。流砂洞へ一旦避難ってわけですか。
そう納得し、私もそれに倣い方向転換しようとしたときだった。
砂地を捉えていたと思った足が滑り、体が傾ぐ。
「あ…」
やばい、今こけたら立てないよ…っていうか、虎とかラプとかに踏まれるー!?
思わず前へと伸ばした手が、空を掻く。
そのまま砂の上に叩き付けられるかと思った体は、しかし上から襟首を掴まれ、引き起こされた。
「何してる、急ぐぞ!」
襟首を放されたと思ったら今度は片手を掴まれて、思い切り引っ張られた。
そのまま引きずられるようにして、私はなんとかルーファスさんに着いていく。
坂道を下り、砂に蝕まれた石組みの通路へと滑り込む。
「爺さん! これじゃ追いつかれる!!」
「もう少し奥へお進みください!」
ルーファスさんに手を放され、力つきた私が地面へと倒れ込んだところで、
何か異様な力の流れが生じるのを感じた。
首も動かせない、ただ、力が入り口の方向へと集まるごとに、
バキバキという激しい音とともに、外から入ってくる光がどんどん減っていく。
やがて外から入ってくる光が完全になくなったころ、音と力の流動は収まった。
「…これで、しばらくは凌げましょう」
少し疲れが滲む、お爺さんの声。今のはお爺さんの仕業だったんだ…。
けれど口に出す事はできない。体がひたすら、休息を求めている。
――お疲れさまです。
しばらくは、と言ってますけど、モンスターに特殊な命令が刻まれている様子はなかったから、
休む時間は十分に取れるかと思いますよ。それにしても、やられましたね…。
「やら…ましたね、じゃないです、よ…、あんなの、来訪者の、人じゃ、なくたって、あぶない、です……」
息も絶え絶えに、遠くもなく近くもないところから届く声に返事をする。
「…おい、大丈夫か?」
はっと我に返る。どうやら声に出てしまっていたらしい。ルーファスさんが怪訝そうな顔でこちらを見ていた。
「…あー、ごめんなさい、大丈夫、です、なんでも、ない、です」
地面に横たわったままだった体を起こそうとすると、ルーファスさんが手を貸してくれた。
あれだけ砂塵にまみれても、薄暗い流砂洞にあっても輝きを失わない、紅い龍の小手がふと目に入る。
右腕の龍の眼が瞬きをした。それからぎょろりと眼球が動き、それを見ていた私と、目が合った。
「え…?」
咆哮と、共鳴。全身が総毛立つ気配が、傍らに放り出されていた鞄の中と、龍の両方から放たれ、
次の瞬間、私の左腕にはあの赤い盾が、ディバインシールドの代わりに装着されていた。
ここまでです。せっかく拾ったのに忘れ去られそうな某装備を出してみるテスト。
正式には属性杖とっかえひっかえだったから、代わりに、じゃないですが。
まあいつも片手棍のときは盾だから、ということでひとつ…
行くだけなら流砂洞でエスケプするといきなりコロロカ入り口の真ん前に出るんですよね。
ただ、この状況を放置していくのはプライマル龍さんが許すまい、と勝手に妄想w
というわけで、そろそろバスに着ける…着いちゃっていいでしょうか?w
それでは、わっふるわっふるしつつ保守。
先生、神業はいつ使うんでしょうか!
スタイルはあくまでイメージということでお願いしますw
でもふとした折に山場でなんかそういう演出を組み込む意識くらいはしてみるべきか。
他人ガーディアンとかやる機会はあるんだろうか…あったら死んじゃいますがw
227 :
既にその名前は使われています:2006/07/27(木) 22:41:32.95 ID:8sgPK2TH
ahe
228 :
既にその名前は使われています:2006/07/27(木) 22:57:59.88 ID:Fw40RVOa
ほしゅage
229 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/07/28(金) 01:07:18.95 ID:seDrWmh9
市警ならまだしも、帰り道に「や。
>>69君」と「府警」に名前覚えられてしまった俺が保守Orz
飛蚊症になった初代だけど眼底検査を行ってきますた
網膜剥離とかヤバスな状態ではないが眼底出血がひどくて
あんまり芳しくないお・・・
FF内でも解像度かえて文字でかくして見てる
ご自愛ください保守age
すまん間違えてsageた…orz
234 :
既にその名前は使われています:2006/07/28(金) 13:05:55.69 ID:gyVpF14J
かれこれ数ヵ月筆が進まないage
235 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/07/28(金) 18:03:00.72 ID:d+//w3kt
>>224 投稿乙です。
とりあえず盾関連のお話が収束するまでお任せしますねw
べ、べつに筆が進まないからじゃないんだからね! (>_<)
236 :
No.1>>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/07/28(金) 20:00:05.79 ID:seDrWmh9
いや…面白い話ではない。
前になぜか店で大暴れした客を警察召喚で引っ張ってもらおうとして、
逆に暴行でしょっ引かれたでしょ?
で。そのとき現場で事情聴取したのが件の刑事じゃなくて府警さんだったと。
で。「やぁ夜中頑張ってるね」と・・・。本当に詰まらん話。
237 :
既にその名前は使われています:2006/07/29(土) 00:55:52.41 ID:aV0yGhHX
age!
238 :
既にその名前は使われています:2006/07/29(土) 08:40:56.43 ID:QUiWpHs5
uge
239 :
既にその名前は使われています:2006/07/29(土) 10:29:18.13 ID:e1f/WjRj
関羽!
240 :
既にその名前は使われています:2006/07/29(土) 12:03:00.20 ID:SBUghaft
俺馬超
241 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/07/29(土) 12:14:37.71 ID:e1f/WjRj
"コン。コン。"震える手でオールルさんが扉をノックする。
「…あれ?帰らせたのではなかったのですか?」「…別の見舞い客ではないかしら?」
ん?この声、聞き覚えがあるんですが。
聞いてみようっと。「…すいませーん。仮名Lさん起きてますかー?」
扉の中と外で沈黙が流れる。…オールルさんの視線が痛い。
「…起きていたら超人ですね」…かもしれない。
扉の中でなにかこそこそと話し声の後、「…どうぞ」女の人の声。
「失礼します」そういって頭の上のノブに背伸びして両手で回そうとするオールルさん。体格差があるので大変だ。
「ししょ…もとい"オリヴィア"さん。開けるの手伝いましょうか?」「…お。お願いします」
「むにゅー!むにゅー!」「…手、手を伸ばしすぎです。逆に回さないで。ロック…」
「あかないよー;;」「…む、難しいですね。エルヴァーン用の病室は…これがヒュームの部屋なら…」
「…鍵は開いてます。そのままどうぞ」落ち着いた女性の声に僕らは手を止め至近距離でお互いの顔を見つめあう。
僕らがこの扉を開けれないのは体格差のせいで、鍵の所為ではない。思わず二人して吹き出す。
242 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/07/29(土) 12:16:31.23 ID:e1f/WjRj
「…子供か、タルタルの見舞い客では?ちょっとお待ちを。開けますので。…どうぞ」
わっ!いきなり開けないで!突如ノブが回された所為で僕らの手首がカクンと回る。
そのまま扉は内側に開いてゆき、僕たちは盛大に病室の床に転がってしまう。イテテ。手首ひねったかも。
上にはオールルさんが乗っかっている。「…どいてー。おもいー」(ぱたぱた)「私が重い?失礼な」(ぱたぱた)
「…失礼しました」扉を開けた青年は僕らの手を引いて助け起こし、埃を払ってくれる。
ヒュームにしては背が高く、エルヴァーンにしてはやや背が低い。
奥に控えて妖精のリンゴの皮を剥いていたエルヴァーンの女性が僕らの様子を見て吹き出す。
「あら。可愛らしいお客さんたちですこと。どういったご用件ですか?」
そういってりんごを渡してくれる。可愛らしい兎を模した剥き方だ。僕らに気遣ってくれたらしい。
思わず挨拶もせずにもぐもぐ。…その様子を見て女性はまた笑い出した。
「…失礼しました。ご家族の方」僕の頭をぽこんとローズワンドで小突いて注意を促したオールル…オリヴィアさん。
ちょっと見れば脂汗が出ているのが分かるのだが勤めて平静に立ち上がり、二人にサンドリア式の礼を見せる。
角度といい、礼の速度といい。完璧なサンドリア人のそれだ。
「サンドリア王立アカデミーの留学生、オリヴィアと申します。専門は医療です。こちらの子は弟のロックです」
そういうと一礼。僕も習ってお辞儀しようとおもったが、ウィンダス式しか知らない。
それに…その"弟"はやばい。先手を打たねば。
243 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/07/29(土) 12:17:09.16 ID:e1f/WjRj
「…ぎんじろー兄ちゃんこんにちはー!今日はどうしたの?」
「69...ロック君?」少し驚いた顔でその青年は僕の顔をまじまじと見る。
僕はぷうと膨れて見せて言う「ろくじゅーくじゃなくて…」青年も苦笑して返す。「ロック。だったね」
「です」といってお互い微笑あう。他の二人は取り残されている模様だ。
「…アイン?その子は…」ついていけない女性にぎんじろうさんが答える。
「ああ。隣の家の子ですよ。便利屋をやっています」それに「です」と元気よく答える。
「…ロック?その方と知り合いなのですか?」オールルさんが震える声で言うので「うん!」と答える。
りんごをかじると甘い果実の香りが口の中で広がる。とてもおいしい。
「前に朝食を取っていたらいきなり黒マントを着た6人が朝食の上に立ってご飯を台無しにしたので、
"お百姓さんに悪いでしょ!"と延々と説教して以来の仲。普段は競売所とかの職員をしているの」
そういうと奥の女性が一言。「…指、切りました」ククク。と笑いを堪えていたが終に笑いだした。
「お姉さんがいるとは初耳だね。ロック君」と青年が切り出すので、
「僕も知らなかったけどそうらしいの。先日、会いにきてくれたんだ」ふぉろーふぉろーっと。
244 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/07/29(土) 12:35:39.47 ID:e1f/WjRj
とりあえず投下はこれまでで。
次から綱渡りの会話をメインに…。
245 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/07/29(土) 12:52:48.77 ID:e1f/WjRj
ロックってフェイトや来訪者の存在を知らない(!)のでとてもとても難しい。
元々話に他の来訪者出す予定(一人除く)なかったからねぇ。
246 :
既にその名前は使われています:2006/07/29(土) 19:03:43.38 ID:aV0yGhHX
ageage
>>211 初代まとめさん復活おめですヽ(´ω`)ノ
お返事遅れましたが、以下がWikiまとめ編集統括人としての意見です。
基本的なスレのまとめは初代にお任せします。
Wikiでまとめられている以前のものを使用して頂いて結構です。
(むしろ、そのためにまとめてきたところもありますので)
補足的な情報(設定集など)はWikiにて各作者さんがご自由に書き込めるように設定しておきます。
Wikiの使用方法としては、「自由帳」的な感じで皆さんが自由に使って頂ける様にしようと思います。
【個人的な意見はこちら】
更新お手伝いについては、コテトリ登録さえ初代がやって頂ければ、
後は作家さん自身が修正・追加・編集すると思いますし、
そのほかに関しては「まとめ」の「まとめ」たる所以の編集捌きをしていただければよろしいかと思います。
248 :
既にその名前は使われています:2006/07/30(日) 01:00:01.57 ID:XgdBSN4U
緊急浮上
249 :
既にその名前は使われています:2006/07/30(日) 12:00:52.12 ID:gpGKUGoI
あぐ
250 :
既にその名前は使われています:2006/07/30(日) 14:05:57.87 ID:oKnbKyD0
れっさー
251 :
既にその名前は使われています:2006/07/30(日) 18:58:27.46 ID:aR3uzO4F
最後かもしれないだろ
だから全スレ上げておきたいんだagu
252 :
既にその名前は使われています:2006/07/31(月) 00:38:46.22 ID:9rvRCVlF
時々でいいから、いなくなった人たちの事・・・
思い出してください
保守だろう
254 :
既にその名前は使われています:2006/07/31(月) 00:39:18.58 ID:1jNOwC/r
続きが気になるage
255 :
既にその名前は使われています:2006/07/31(月) 01:48:29.84 ID:VInzv/Kn
おれはユリフィナたんの話の続きが気になる
おまえらはどうだ?
256 :
既にその名前は使われています:2006/07/31(月) 03:23:12.60 ID:b2LP2ROX
さいごってなんかあったん?
たぶん書き手たちがラジオ放送に夢中なんだろうと。
ロックの話やサンドリア外伝なら続き書きますが、
別にこの話が好きでたまらん!って人はいないと思うんですな。俺。
俺は結構楽しんで書いてるが。
257 :
既にその名前は使われています:2006/07/31(月) 03:29:47.82 ID:n4FnazzU
本家は病にたおれ、他の書き手はラジオに夢中
終末観TP300%でございます
258 :
既にその名前は使われています:2006/07/31(月) 07:12:04.40 ID:7f3hPuOj
らじおってなんだ
らじおぺんちのことか?
259 :
既にその名前は使われています:2006/07/31(月) 08:40:54.19 ID:b2LP2ROX
みんなネットラジオで身内盛り上がりしてるの。
ラジオするのはいいが口はふさがっていてもスカイプで開いてる手で続きを書いて欲しい。
260 :
既にその名前は使われています:2006/07/31(月) 08:48:48.41 ID:b2LP2ROX
書けといわなくても好きでやってるからかけるときは書き続けるが、
(逆に書けといわれたら拒否するが)
まぁ俺には本家なみに本文は短文で途中から読んでも面白い話書いたり、
一人でオナニー文章書いても皆が真似しだす影響力というかオリジナリティはない。
あとまぁ連絡を別スレでやってるのでこっちは寂れ気味だったりする。
フェイト保守人の一人は現在俺がやってたりするから結構少ない。
261 :
既にその名前は使われています:2006/07/31(月) 09:15:52.79 ID:b2LP2ROX
夏休みに来ると予測された荒らしはまったく来ないが、
書き手がまったく来てなくて(ラジオは週末しかやってないのだが)
夏休みで続き投下をワクテカしてる人々が置いてけぼり状態だからなのね。
まぁ書き手はほとんどが社会人(俺だけ夜勤)だからなぁ。
今書いてはいるが、とても投下できる量でも質でもない。
ついでに言うと俺に本家の代わりや期待されてる書き手たち、
ユリフィナさんたちの話を盛り上げる力はない。
ごめんね。
(フルキフェルさんの振りして偽外伝書くこともできなくはないが、アレはとてもとても疲れる)
今続き書いてます…なんとか今週前半には投下したいところです。
偽外伝は自分も楽しませていただきましたw いじっていただいてありがとうございます。
ぷっつんしたらあれくらいやりそうなので、
"私"にはなんとか理性を保った暮らしを心がけてほしいものですw
保守がてらage。
フェイトのあり方とか存在意義とか、自分は完全悪役(一部疑問を持つものも?)というスタンスなので、
ほのぼの保守ネタはなかなか難しそうです…w
263 :
既にその名前は使われています:2006/07/31(月) 12:38:31.08 ID:7f3hPuOj
どうでもいいからさっさと決着付けてくれ
おれたちの〜〜〜はこれからだ!
とか
よっしゃああああああ
エンド
なおわりでもいいからさ
264 :
既にその名前は使われています:2006/07/31(月) 13:19:22.40 ID:FsUq9+08
暇だから書いてみた、超短編
目が覚めると何処か洞窟の中でパーティーを組んでいる
夢なんてことは分かっていた、これが夢でないはずがない、夢と分かった以上楽しもうと思う
戦っている敵は蟹だ、前衛は俺を合わせて4人、ほどなくして戦いが終わり次の獲物が運ばれてくる
しかし改めてこの戦闘方法を見ると小動物によってたかって、どう見ても集団暴行だ
何匹か倒して疑問が生じる、なぜ俺の攻撃力はこんなにも低いのだ?、盾をしているナイト以下のダメージしか与えられない
「連携はダブル>ランぺでお願いします」
いままでWSは各自単発だったが、MBがしたいのだろう黒魔道士が連携を提案する
それに軽く答えるメンバー、俺は連携に含まれていないようだ、楽な反面、連携がないアタッカーはホントに暇である、あまりに暇なのでほかのメンバーを観察しているが赤はディスペルにリフレ、白は回復などなど見ていて申し訳なくなるほどだ
同じ戦闘を繰り返す、一度や二度なら新鮮さがあるが繰り返すと退屈な戦闘
獲物を釣り、盾が挑発し、連携を決める、それがエンドレスする
しかしその退屈な戦闘もよいよラスト1匹で終わる、はじめは無限とさえ思えたが終わってみればあっけないものだ
迎えの挑発をしてから即座にインビンシブルを発動するナイト、それにつられて全員2hアビを使い始める、よし、俺もアビを使うか、そう思った瞬間、身体が消失した
糸冬
265 :
既にその名前は使われています:2006/07/31(月) 16:12:48.68 ID:83953dzP
>>264 なんで消失したのか全然わからないのが怖い…(;つД`)
せっかくなので書けたとこ(かつ若干切りがよさげなとこ)まで投下しときます。
たかだかルテエスケするだけのはずだったのに大事になってる不思議。
「な…、なに…!?」
自分の左腕と、ルーファスさんの右腕の龍とを交互に見やり、それからルーファスさんの顔を見る。
「何やったんですかルーファスさん!?」
「そりゃこっちの台詞だ…と言いたいとこだが、やったのはこいつか」
やっと半身を起こした私の横にしゃがみ込んだままのルーファスさんが、右腕を掲げてみせた。
「どうしたの!?」
ラディールさんとお爺さんも、こちらへ駆け寄ってくる。
慌てて適当な属性杖を喚び直し盾を引っ込めようとしたが、言霊が反応しない。
どうしよう、お爺さんにはこれ見せたくないって言ってたのに…!
「…ふむ…自由意志のようなものを表すばかりか、他のジャッジメントギアに干渉すらするとは…
まだまだ未知数の力を持っているようですな」
「おい、爺さん…? ジャッジメントギア、って…フルキフェル、お前もそんなもんどこで手に入れてきたんだ」
「いやその、拾ってきたというかあの剣が変化してこんなんなっちゃったというか」
「もしかして、あの赤鎧の剣…? よくあんなの持って帰る気になったわね」
「私がやったわけじゃ、いやえっと、うーん」
「何よ、はっきりしないわね…」
詰問されかかる私をよそに、お爺さんはルーファスさんの篭手を興味深そうに観察した後、
私の左腕の盾を見て、目を細めた。何でそんなに嬉しそうなの…。
「察するに、その盾は私がかの組織を抜けた後に作られたものでございましょう。
私も見たことのない形態を取っているようです」
…うん? 見たことない?
「てことは、これのちゃんとした使い方はお爺さんも知らないってことですか。
ずぅっと聞こうとして機会を逃しっぱなしだったんですけど…」
「期待に添えず、申し訳ない限りでございます…この盾の力を用いたことは?」
これがおそらく新型らしいと思うってことは、お爺さんと連中の関係はやっぱり過去の事で、
今はちゃんと繋がってるわけじゃないのかな?
――ここまで演技だという可能性はまだ捨てきれませんが…僕らもこれについての情報は、
なんであれ欲しいのは事実です。
んじゃ、話しちゃいます…か。
「えーと…つい一昨日の事なのですが、一回だけ。使ったら黒装束の人が普通の人に戻りました」
その言葉に、お爺さんはもとよりルーファスさんとラディールさんの二人が目を丸くする。
「おま…何でそういう重大な事黙ってたんだ」
「そうよ! うまくすれば奴らと戦う前に、エルリッドを元に戻せるかも知れないって事じゃない」
二人に詰め寄られ、ひっくり返されそうになりながら、私はなんとか二人をなだめようとした。
「待ってください、落ち着いて! まだ制御の仕方も、どうするとどのくらい戻るのかもわからないんです!
軽いノリで使って、エルリッドさんが小学生とかになっちゃっても、私責任とれないです」
「戻る…でございますか。少々、よろしいですかな」
「はぁ」
渋々と下がる二人に代わり私の傍らに立ったお爺さんは、盾を腕ごと手に取って、しげしげと眺める。
しばらくふむー、とかほうほう…とか呟きながら何かを調べていたようだったが、ややあって口を開いた。
「どうやら、答えはプライマルアーツに訊くほかないようですな。
何かこの盾の力を有効に使える状況を察したからこそ、この盾に干渉したのでしょうから」
お爺さんのその言葉に応えるように、ルーファスさんの右腕の龍がぐるる、と喉を鳴らした…ような気がした。
「そういや、奴らの武具のオリジナル…だったな。しかし訊くったって、喋れるわけでもないだろ、これ」
「でも、何かをさせたいのは、多分その通りなんでしょうねぇ」
うーん、と考え込んでしまう。
と、そのときキチキチ、ギィギィ、と何かをこすり合わせるような音が耳に入ってきた。
振り返って見上げてみると、そこには大きなアリの姿が二体。
こんな入り口付近までアンティカが出張ってくるとは思わず、私は慌てて片手棍を喚ぶ。
ルーファスさん達も勿論戦闘態勢に入ろうとしたが、意外にもお爺さんがそれを制した。
「お待ちください。どうやら敵意はないようでございます」
そう言い、鞄の中から二本のさほど太いとも細いとも言えないような、細かい刻みの入った棒を取り出した。
そうして擦り合わせると、それは先ほどのアンティカの声とよく似た音を出したのだった。
「爺さん、あんたアンティカ語もわかるのか」
「はは…もう随分と昔になりますかな。暇を持て余し、戯れに習得してみたものですが…。
いやはや、こんな所で皆様のお役に立てるとは、わからんものですな」
お爺さんがそう笑いながら擦り合わせる棒から出る音に、二人のアンティカが反応を返す。
その音を聞き、お爺さんはまた違う音を棒から出す。か、会話が成立してる…?
「お爺さんって、なんだか、ドラえもんみたいですね…」
なにより、シフートじゃなくリーダヴォクス式なのがすごいよ。
それからしばらく、私たちはきちんとした休憩を兼ねて、お爺さんの通訳で二人のアンティカと話をした。
レガートゥス、とだけ名乗ったナイトと、クワエストルVII-IXと名乗った黒魔道士。
…ちょっと待て、普段アルテパゲート内に常駐してる人らじゃないんですかあんたらは…。
色々と突っ込みたかったが、それを訳するお爺さんも大変だろうということで心にしまっておく。
ラディールさんが持ってきていた茶葉でサンドリアティーを淹れてくれた。
傍らには、私のマロングラッセとか、ロランベリーパイとか。
私がお土産に買ってきた例のドラギーユ城クッキーもある。…持ってきてたのかw
アンティカ達はお茶の方はあまり好みではなかった――むしろお茶に入れる砂糖をお気に召してた――
が、やっぱりありんこだけにその他の甘いものはいけるクチのようだった。
驚いたことに、彼らは以前にも人間世界の甘いものを口にしたことがあったらしい。
何でも、私たちと同じように、彼らと意思疎通を計ろうとした、
変な冒険者がここ流砂洞に滞在していた事があったそうな。
曰く、その冒険者はタルタルの赤魔道士で、初めはまとう雰囲気に実力が伴っていない感じだったが、
請われて部下たちと手合わせを繰り返すうちに、どんどん強くなった、と。
「はー、アグレッシヴな来訪者の人もいたもんですねー」
「…なーんか雰囲気的に、今でも無事に生きてそうだな、そいつは」
そのうち縁が繋がって、どこかでひょっこり合える日が来るといいな。
そんなこんなで、普通の人間同士のそれよりも大分のんびりとした会話のやりとりは、
やがて今のアルテパ砂漠に降り掛かっている異変にも及んだ。
「…なるほどな。道理で外を逃げ回ってる間中、あんたらのお仲間の姿を見かけなかった訳だ」
驚きつつも、得心がいった、というようにルーファスさんがそう言った。
アンティカ達曰く、数日前に突然、アンティカ達の勢力圏内にはいないはずのモンスター…
すなわちクフタルに住まう虎とかコカとか、カニとかギーブルとかが突如として現れ、
そのままアンティカ達と縄張り争いを繰り広げる羽目になったのだそうな。
時期を合わせて、クモやらサボテンダー達も突然凶暴さを増し、
被害の甚大さを重くみた指導者層が、やむなく東アルテパの全部隊を流砂洞に引き上げさせた、と。
人口調整が厳しくなって、いつもより多くの部下を解体させた、と語ったレガートゥスは、
表情こそ全くわからなかったけれど、なんだか哀愁を漂わせていた。
「しかし…ここでアンティカの皆さんの身の上話をされても、どうしようも…」
私がそう言いかけた所で、クワエストルがギヴィギヴィ、と声を出しながら、
私の盾とルーファスさんの篭手を指差した。
「むむ…"全にして個、個にして全の我らは知っている、お前の仲間がこの地に異変をもたらした事を"、と」
お爺さんがその言葉を訳しながら、渋い顔をする。
「あ…やつらと同じ気配を持っている武具だから、そう思うんですね…」
「仲間じゃないわよ…まったく…」
ラディールさんがじと目で私の方を見る。私は申し訳なくなって肩を窄めた。
――しかし、これでなんとなく、プライマルアーツが君にやらせたい事がわかってきた気がしますよ。
要はあれです、これでアルテパ砂漠を『巻き戻せ』、例の男がやったことの逆をやれ、と。
その言葉に、私は思わず声をあげてしまった。
「そんな、無茶ですよ!? あれでもけっこう大変だったのにそんな事やらされたら出涸らしも残りませんよ!」
五人がびっくりした顔で(いや、二人は表情わかんないけど)こちらを向く。
「ああいえすみません…誤爆です」
「tell来てたのか」
「ええ、まぁ…」
なんか釈然としない顔をしながらも、tellが来ていたということで納得してもらえたようだ。
「やってやれない事はないんでしょうけど…これ使うとなんかめちゃくちゃMP持ってかれるんですよ、
エンチャントのくせに」
「でもそれっておかしくない? エンチャント装備って、だいたい装備に込められた魔力で作動するじゃない。
そうでないと、魔法系の能力を発揮する装備は魔力がないと使えないことになるわ」
あ…そういえば。ラディールさんにそう突っ込まれ、私はぽんと膝をたたく。
「そういえば…最初に使ったときは武器も抜いてた、かも」
アンティカの二人に向けて、ちょっと構えてみる。
途端、盾が赤い陽炎を纏い、魔力が左腕からどんどんと流れ出し始めた。
「うぁ…!」
慌てて武器と盾を下ろす。と、盾は元通り静かになった。こういう原理だったのか…。
エンチャントと潜在能力の複合とは贅沢だなー。
でも潜在能力でMP減らして、代わりになんの効果が出てるんだろ。
「…出涸らしには、ならずに済みそうですな」
私の疑問を知ってしらずか、お爺さんがにやりと笑う。
まあ、今重要なのはエンチャントのリターンについてだから、追求は後だなぁ…。
ここまででいったんカットです。
次で…次こそは、バスに行けるかな?
みんな忙しいんですよね。
上で69氏がおっしゃってるように、基本的にはみんな好きなように、
自分の書きたいものを書いてると思います。書きたくなくなったら、書けなくなったら書かないのも自由です。
それでも、誰かがそれを読んで、何かしらの反応をくれるというのはうれしいもんだと思います。
それだけに、ここ最近の流れについては…反省してますorz
ただ、得るものもけっこう大きなものがあったので、
なんとかうまく話に反映させていきたいと思います…それをもって、ごめんなさい、とします。
何にせよ、この夏が一段落したら、再び投下も増えたりするんじゃないですかねー?
というわけで、わっふるわっふるです。
274 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/07/31(月) 21:23:55.50 ID:1jNOwC/r
落ちそうなので少しだけ投下しておきます〜
275 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/07/31(月) 21:24:21.18 ID:1jNOwC/r
(279)
倒れているフルキフェルを横目に、俺はたった今できた樹木の壁に歩み寄った。
ゴツゴツした木の幹か根か、それが堅牢な壁を成している。撫でるように触れてみると、乾燥した木の肌の手触りが合った。
乾燥しきっているのが爺さんの意図なのか、ここが砂漠であるせいなのかは分からないが、とにかく簡単に破壊できる代物でもなさそうだ。
その壁の向こうからは僅かだが沢山の砂を踏む音がする。
後ろからフルキフェルのうわ言が聞こえてきた。
「…おい、大丈夫か?」
近づきながら声をかけると、しまった、というような顔をして首を振る。
「…あー、ごめんなさい、大丈夫、です、なんでも、ない、です」
立ち上がろうと身体を起こすフルキフェルに手を貸そうと右手を差し出す。
次の瞬間右の篭手が唸るような咆哮を発し、さらに昨日と同じ様に振動を始めた。
すぐに辺りの気配を探ってみるが、昨日のように馬鹿でかい気配は感じられない。
昨日の、──確か禍神とか言ったか、アレを倒すのに俺と赤い鎧のあいつが何をしたかは結局思い出せずじまいだったが、
もしあんなのが流砂洞にいるのだとしたら、素直にギーブルの相手をした方が良かったかも知れない。
舌打ちをしながら相変らず気配を探ってみるが、特に変わった様子はない。
ふと視線を落としてみると、フルキフェルの左手にある盾が、何か嫌な感じのするデザインの物に替わっていた。
(280)
嫌な感じのするデザインと言っても、別にデザイン自体が悪趣味と言う訳ではない。
ただ、全体が赤を基調にしたカラーリングになっていた。
赤い色。
ただそれだけで、今は何らかの警戒をしておく必要がある。
フルキフェルがコレを持っているというのならば、彼が『フェイト』の一員である可能性も十分有り得る。
連中が一枚岩でない事は、昨日の事でなんとなく理解できた。
なら、協力者として監視、もしくは本当に俺の目的を達成させるように協力する者もいるのかも知れない。
だが、そういった疑念も次の瞬間には杞憂であると気付かされる。
「な…、なに…!? 何やったんですかルーファスさん!?」
もし俺が何かやったように見えたなら、お前はもう少し横になって休んだ方がいい、と言う嫌味を飲み込む。
正体がバレて慌てているという感じではない。先ず目の前の出来事に驚いているという印象だ。当然俺は何もしていない。だがもし何かをしたのだとしたら…
「そりゃこっちの台詞だ…と言いたいとこだが、やったのはこいつか」
差し伸べかけた右手を顔の高さまで上げる。さっきの振動も止んで、特に変わった様子もない。
視界の端に、奥を覗きに言っていたラディールと爺さんがこちらに走ってきているのが見えた。
277 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/07/31(月) 21:27:46.39 ID:1jNOwC/r
とりあえず以上です。
夏なので暇があれば遊びに出かけていて、ちょっとこちらがおろそかになってました…
真夏になったら出歩くのもダルくなると思うので、ちょっとはペース上がるかもしれませんね。
では、皆さんわっふる〜
皆様投下お疲れ様です。
本スレに多大な迷惑をお掛けした事をこの場をもってお詫びさせて頂きます。
長文になってしまいますので自分の発言はWikiのトップをご覧下さい。
それでは、皆さんよい旅を。
279 :
既にその名前は使われています:2006/07/31(月) 23:02:53.46 ID:Pyt6NY0I
ほしゅ
280 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/08/01(火) 00:11:55.13 ID:nqLMmtnl
皆様、投下乙でございます。
もう世間様は夏休みなのですね。
私の物語の続きを期待されている方が、どれほどいらっしゃるかどうかは・・・はっきりと自信を持っては言えませんが、
期待されている方には、リアル事情により投下のペースが落ちまして申し訳ございませんと言う他ありません。
私のようなド素人が毎日3レスほどのペースで書き続けるのは、なかなかのスタミナが必要となるのです。
どうぞ、ご理解のほどをお願いいたします。
さて。
なるほど、私を含め書き手様方の投下が停滞しているのはすべてネトラジの所為だと、
極一部の方が、そう解釈され、実際に書き込まれているようです。
確かに私自身、そのような傾向があったことは否めません。
なにしろ、本当に楽しいラジオでしたから。
それを、期待を裏切られたのだと感じた方は、非常に残念に思ったことでしょう。
ですが・・・私は、こう思っているのです。
ねとらじから、新しいアイディアや書き続ける情熱を頂いた、と。
ねとらじのおかげで、書き手様方との交流の機会を持たせていただき、私にとって非常にプラスになった、と。
特に、他の書き手様方とのコミュニケーションがうまくとれず、皆様に幾度もご迷惑をかけてしまった私だからこそ、
そう感じるのかもしれません。
そういった「場」を設けてくださった103氏に、心から感謝とリスペクトを捧げます(そして復活を望みます)。
なにより、このスレを読みつづけ、支えていただいている方々、ちょっと覗いてみて下さった方々、
本当にありがとうございます。これからも、書き続けるつもりで(無理なく)頑張らせていただきます。
ひとつだけ言わせてくれ
ラノベでやれ
「そうだよ? 元々は僕の氏族の持ち物だけど」
トトは事も無げに答えを返した。
「ジュノを訪れた氏族の女性を泊めて、僕がお世話するための家ってわけ」
俺は頭をガツンと殴られたような気がした。
この程度のことで動揺する自分ではないはずだ。だが、メイミィに関わることだから、なのか。
彼女は知っているのか? いや、日本人女性の良識がある彼女が知っていてここに留まるはずが・・・ない。
「メイミィは、君の氏族の人間ではない」
俺はトトを真っ直ぐに見据えた。苦しい言い分だ、と自分でもわかっている。
それを見透かされたのか、彼は微笑みすら浮かべて言った。
「そんなコトわかってるよ。それに“来訪者”なんでしょう? でもね・・・。
僕たち男が好きになった女性と交わるのなら、氏族の枠なんか関係ないんだ。知らなかった?」
―――メイミィを、守りたい。
ずっと押し込めていた気持ちが、胸の奥底から湧き上がり、抑えきれないのを感じた。
トトは無邪気な少年などと思ったのは、単なる俺の“逃げ”だった。
俺は、トトをひとりの“男”と認め、ゆっくりと立ち上がった。
「トト。君はメイミィを誰にも譲らない、と言った」
俺の声は静かで、しかし腹の底から発せられていた。
トトは獅子に睨まれた猫のごとく、身動き一つできない様子だった。
「俺も言おう。メイミィは、君には渡さない」
理由などない。ただ、俺は強くそう望んだんだ。
今夜も短いですが、以上です。
おやすみなさい・・・
284 :
既にその名前は使われています:2006/08/01(火) 01:17:15.92 ID:nI/SdPNF
いや、どんなに長く書いてもネトラジのマイナス面は変わらない
ネトラジのスレがコテハンで盛り上がってる最中、
本スレが落ちる直前…なんて光景は明らかに異常
本スレ保守くらいしてくれよ作者様
みなさま投下お疲れ様です。
確かにここ最近は投下が少なくなっていますね。
みなさまお忙しい時期のようですから、今までどおりに定期的に投下というのはなかなか難しいのだと思います。
7月は忙しくてまったく投下が出来ない、とおっしゃってた方も数人いらっしゃいましたし。
投下が少なくなった要因にラジオが含まれないとは言えないでしょうが、
みなさまと同じように、得るものがたくさんあったとわたしも感じています。
投下を楽しみにされている方もいらっしゃるとは思いますが、書き手さまはプロの物書きでもなんでもなく
ただのネ実住民のひとりですから、気分が乗らないときもあるでしょうし、強制されていやいや続きを書くようなものではないです。
わたし個人の意見としては、ラジオは休止なんて言わずにこれからも続けていただきたいなぁと。
フルさんもおっしゃってますが、忙しい時期が終われば自然と投下も増えると思いますよ。
286 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/08/01(火) 02:10:09.26 ID:skXlxG/z
103氏は悪くはないと思う。
ただ、いくら自分語りのオナニー文とはいえ、メインネタを考える。体裁整える。
SSあげても1円の特にならない匿名掲示板で叩き上等でコテハンつけてSS作る。
それより皆でラジオ放送やって身内盛り上がりしてるほうが楽しかっただけだ。
所詮俺も楽で面白いほうがいい。
しかし、夏休みだし投下増えるんじゃないかとwktkしてる人間が保守してるが、
作者一同リアル用事でまったく投下できてなかったのも事実だしなぁ。
みんな社会人なんだよ。一応。俺も今帰宅したとこだし。
ヒロさんなんか同人で食ってるらしいから今掻きいれ時の修羅場じゃないか?
こっちの小説投下が楽しくて締め切りすっぽかしそうだといってたからそのツケが回ってきておかしくない時期だし。
とりあえず修羅場は終わったからぼちぼち書いていきますが、面白いかは保障しかねます。
おはようございます。コテハンで保守以外のレスをするのはすごく久しぶりな気がしますw
>>286 同人で食ってねぇずらw
原稿でSSが止まってたのはホントですけど(つд`;)
そっちの方も一段落つきそうなのですが、今度は色々滞ってた所要に圧迫される毎日です。
まさに転落人生ヽ(´ー`)ノ
288 :
既にその名前は使われています:2006/08/01(火) 11:06:38.14 ID:jdltapt+
夏休みは落ちるのが早いなぁ
まあ、夏休みでなくてもあんまりかわらんわけだがw
#携帯板とか夏厨のあつまるところはもっと…
290 :
既にその名前は使われています:2006/08/01(火) 15:57:05.60 ID:ZBQipvux
あーあーあー・・・
続きが書けなくて最近保守しかしてない保守
保守ネタを兼ねてゲーム内シナリオに深く関わるNPCの人と関わったり、
協力をとりつけたりなんかしてる人をピックアップしてみようと思ったら既に保守されてた罠。
でも折角だから書く。
執筆が止まってしばらく経っちゃってる人は省いてます。敬称略。
ハルヴァー宰相:ルーファス、リード、フルキフェル(僕)/ラーアル団長:リード /クリルラ団長:ルーファス、フルキフェル /トリオン王子:サン
シャントット博士:初代、レップ、クルス /アジドマルジド:レップ、クルス /オールル:ロック
シド:メキ、レグナス /アヤメ:ヒロ /ナジ:メキ、レグナス
エシャンタール:アオツキ /アルド:アオツキ /モンブロー:リード、アオツキ /エルドナーシュ(?):フルキフェル(僕)
執筆止まっちゃってる人も含めたらアプルルたんとかもっと色々…なのに。
いちいちまとめを見直したりしなかったのでけっこう抜けがあるはずw
こうしてみるとバスが寂しいな…しかし近日中に動きがあると見ていいのかな?
292 :
既にその名前は使われています:2006/08/01(火) 18:48:10.07 ID:skXlxG/z
>>287 それは失礼!!文章でメシ食ってる人の書き方だったんで!
(想像だけではなく常に資料を使って書いてる感じがする)
293 :
既にその名前は使われています:2006/08/01(火) 23:26:41.28 ID:jdltapt+
今日2回目のage
皆様コンバンワ。呼ばれて無いけど自然POPしました。
ラジオがどうとか色々言われてますが、私は1回も聞けてませんw リアル事情です。
元々自己満足的な色が強いので、中断→忘却(フェードアウト)な人が多いのは仕方の無い事かと思われます。
って事で保守の方々もコッチ側にカモーン /welcome motion
>>保守の方々
任務御苦労。シグネットをかけてやろう。(3国儀仗を保守人にトレードしながら
なんというか、色々申し訳ないです。ごめんなさい。
文章物書く時って、時間あけると結構変わっちゃうもんなんですね……痛感しました。
というわけで、テンプレとSSを投下します。
改めて見るととんでもなくイリーガルなキャラですねぇ…自分。その能力使いこなせよ私。orz
初出:1スレ.>>464
PC(仮名:サン・ソコワラメェ(冒険者登録名) 中の人:サン464 ◆PCl7Dh0dlY
ジョブ&Lv シ75/ALL(本来はシ/白だが、なぜか色々使える)
種族&フェイスタイプ 碧眼オスラF6A 黒いバイソン一式+ハジャヘッドギア 今は遮光眼鏡付き
特記事項。肉体人格(サン)の「躯(464命名)」が居た。 現在はキィ(F1赤髪→白髪)に乗り移って(?)いる。
最初は普通の蒼眼だったが、侵蝕で左赤・右金の眼色に。現在は爪も右黒・左赤に変色
目立つ為、遮光眼鏡を常時装備している。 サン(躯)ではない危険な別人格が居る。
活動エリア:ジュノ下→ウィン→サルタで昼寝→【夢】サルタ→ジュノ下→ジュノ港→サンド→ジュノ上
他キャラとの接触:間接接触 1スレ317氏 Lead氏 ヒロ氏 メイミィ氏 直接接触 フルキフェル氏 メイミィ氏
接触というか盗聴 ルーファス氏 フルキフェル氏
独自レギュレーション:基本的に平時の魔法使用は脳内でイメージされ、出る文を読み上げる。
戦闘時はその限りではないが、基本的に影へ影へと暗がりへ隠れようとする。
魔力・運動能力さえ足りれば習得済み能力は全て4〜8割の効果で使用可能
別人格(下段)の存在をサン(464)本人は知らない。
侵蝕時(別人格時):右目周囲黒、左目周囲白に変色。464人格強制終了。二心一体。能力「代償」使用可能
ジュノ下層…前回来た時はジュノ親衛隊に出くわして酷い目にあったっけなぁ……
少し疲れたし、モグハで休んでから別の層行くかな。
「ん…お前は…。レンタルハウスの登録か?」
居住区門衛のガードタルが、コチラに気付いて先に喋った。 ……ジュノじゃ目ぇつけられてるようだ。
「ああ。…俺に罪状か何か出も出てんのか?w」
「少し前、無関係のお前を騒動に巻き込んでしまったな。すまない。」
「いいさ、気にすんなw 犯人扱いされて強制連行→尋問の闇連携されたんだったら別だけどなwwww」
俺の皮肉じみたジョークに、顔を引きつらせながら乾いた笑いをするタルタル。…その笑顔、似合ってるよw
「お帰りクポー」 扉の開く音に対してモグが発する生返事のような挨拶
モグハに入って最初に見たのが暖炉に火を点けようとしてる所ってのは、こーしろって事だよな?
「たーだーいーまッwwww」 ―――バシィッ!!
「グプォァッ!?」 ―――ボズンッ
素早くモグの背後に忍び寄り、不意打ちで背中を叩くと、
モグは暖炉(着火前)に顔から突っ込み、灰が暖炉周辺に舞い上がった。
自分が灰を被るのはごめんなので、素早くバックステッポで扉前に戻る
「モグどうした?何暖炉に突っ込んでるのさwww」
もうもうと舞い上がった灰が、部屋の奥半分を消し炭色に変える中、モグがゆっくりと暖炉の中で起き上がった。
「ご〜〜主〜〜人〜〜?」
ゆらりと灰まみれで起き上がったモグは、コレ以上無いであろう凶悪な面をしていた……が。
「……ぷw」
……コレは、無理w
「ふふっふふふ…あっははははははははははは!!!」
「わっ笑うなクポーーーー!!!モグは本気で怒ってるクポーーーー!!!」
「あはははははははははははははh………ゲホッケホッ…息……詰まっ…クッふっふふふふふw」
モーグリの顔は何故だか一部だけに灰が付いて、パンダのような、滑稽な顔になっていた。
「まったくもう!暖炉をいじってる時に攻撃しないで欲しいクポ!」
「ふふ……ふぅ。くらいたくなけりゃ見切れwww」
「――ッ!ご主人!?」
「モグ せめて顔の灰をとってから怒れ?全然恐く無いぞ?w」
「クプ……?」
モグは顔をパタパタとはたき、灰を落とそうとして、さらに顔が真っ黒に染まっていく。
「【えーっと…】Fomor Moogle?w」
「クプ!?なんでモグがアンデッドにならなきゃならないクポ!」
「だって……ホレ」
鏡……はなかったので、剣の刀身を鏡代わりにしてかざすと、モグは映る顔を見て早々にキッチンへと飛び去った。
バシャバシャとモグの顔を洗う音が響くなか、机の上にふと見慣れない袋を見つけた。前の借主の忘れ物か…?
袋を手に取る…重くは無い…エメラルドじゃ無いのか。残念。 中身は〜…なんだコレ?飴玉?カラードロップか?
匂いは…糖類の匂い…害は無さそうだな。ひい…ふう…みい…よつ……。見た目の割に結構入ってるな。
「…クプ?ご主人何してるクポ?」
顔を洗い終え、草布製のタオルで顔を拭きながらモグがコチラに戻って来た。…もしかしてモグの私物か?
「なぁ、モグ。この袋ってお前のか?」
明るい緑色をした飴玉のような物が幾つも入っている袋を掲げ、聞いてみた。
「ソレはご主人が何年も前の夏に、金魚釣りで貰った飴玉じゃないクポか?」
………金魚釣り……飴玉……金魚…景品……
「…あぁ、あぁ。…あの時のアレか。………コレ、喰って大丈夫なのか?確か俺が駆け出しの頃のだよな?w」
「……さぁ?」
「…よし。モグ。試しに1つ喰えw」
「イ…イヤクポ!そんなに気になるならご主人g…イヤクポ!ヤ…ムグッムンー!」
にっこりと微笑みつつモグの触覚を、袋を持った左手で掴み、右手で飴を1つ取り出しモグに無理矢理喰べさせてみた。
しばらく口を押さえていると、モグがピクっと反応し、急に普段なら有り得ない強さでコチラの手を叩き、払いのけた。
「モグ、どした?…そんなに不味かったか?w」
「リンゴ味……そうじゃなくて。…ご主人……今日という今日は言わせて貰うクポよ……」
モーグリの声色が、いつもと違った。
「……モーグリ?」
モグの今までに無かった豹変振りに、軽口が止まった。
「いつもいつもいつもいつもいつも………いっつも!」
モグが目をクワッと開くと、その瞳は紅に染まっていた。 ……普段何色かは知らないけど。
「いつもいつもモグを不意打ちや変なクスリの実験台にして!!ご主人はモグを何だと思ってるクポ!?
オカゲサマでモグは変な目薬?で目の色が変わってモグ子ちゃんに恐いって言われるし!
変なクスリのせいで見た目そのままなのにガルカの人と同じくらい力持ちだし本当に何がしたいクポ!!」
「ぁ〜…力持ちになれて良かったジャン…倉庫整理、楽だろ」
「楽には楽だけど…良い訳無いクポ!
モグが重い物運んでる所を他のモグ達のご主人達が見て、誤解したらどうするクポ!?責任とれるクポ!?」
目を見開き、強い口調で怒鳴り散らすモグの顔が、心なしか青ざめて来た気がする。
「モグは…ご主人に仕えるまでは結構インテリアで優雅でブルジョアジーだったクポ……!」
・・・ブルジョアジーってなんだよ…ブルジョアの親戚か何かか?つーかインテリアって家具……
「ベプッ…ゲプッモグは……ご主人なんら゛らう゛ぃっきら゛いるう゛ぉぉ〜〜………ぶ(ゴッ)」
モグは急にサーっと真っ青な顔になって、顔面から床に墜落した。
なんだったんだ……今のは。この年代物の飴に一体何が……面白いけど持ってる気になれんな……処分するか。
なんとなく、前回と別の層に出たかったので上層に出てみた。
ジュノ上層、夕飯時の少し前だけあり、食材を扱う露天がひしめき、その露天の食材を求めて主婦達がひしめく。
ジュノだからなのか、元冒険者の主婦が多い。下手に近寄ろうものなら重い買い物籠でバッシュをくらう。痛い。
……うん。喰らった。3連携+罵声MBも貰った。妖精のリンゴ盗ってやったけどな。…俺は誰に言ってるんだ。
人の波をひょいひょいと通りながら進んで少したつと、人通りが少ない露天近くで ふぅむ…と唸る忍者のミスラを見つけた。
背中…もとい雰囲気に覚えがある。確か、ウィンのサンドリア大使館近くを歩いてたあのミスラだろう。
人…猫違いかもしれないが、どうせ直接的な面識は無いし、いいか。…さすがに懐へ手を入れたらバレるよな…w
「あの……」
忍装束のミスラは気付かない。…悩んでるのか。献立か?色恋沙汰か?……色だな。うん。きっとそうだろう。
「ちょいと。ソコのミスラのオネーサン?」
少し強めに呼びかけてみると、振り返った。やっと気付いたか。
…ん?なんか変な奴に絡まれたって反応にしては驚きすぎなような……ま、碧眼とか格好とか怪しすぎるからいいか。
「…なんですか?」
伏し目でいぶかしみながら、あからさまに警戒した声でコチラを伺って来た。来るなら来い、といった雰囲気で。
「ふふ…はっはっはっは……ふぅ。 そんなに怯えなくとも、とって喰ったりはしないよ?w」
「・・・。」
ジト目で睨んだままか…コレはコレでなんかイイ気がするけど……今の俺の格好怪しいもんな。信じれないか…はぁ。
頭を掻くつもりがまた耳を引っかいたらしく、痛かった。だが、不思議と涙目にはならなかった。
「ま、いーけどね。ワタシ、一目見てピンときたんだ。」
ん?なんで俺はワタシなんて言ってんだ?……まぁいいか。
バイソン型ズボンのポケットから、飴が1つ減ったさっきの袋を取り出し、渡す前に相手に見えるように見せる。
忍装束のミスラはコチラの手元の袋を不思議そうに見つめている。 なんて言って渡すかなぁ……
「コレあげるわ。(多分)積極的になれるクスリ(みたいな飴)。」
モグの反応からして、自分の本心を吐露する効果ってトコだろうし、あながち間違っちゃいないだろw
「・・・?」
手元の袋と俺の顔を不思議そうに何度も見比べてきた…えーっと…微笑むとこですか?…逆に怪しいか。
ま、突然知らん奴にコレあげるなんて言われても、素直に貰えないよなぁ……金品じゃ無いし。
押し付けるように手を伸ばして渡そうとすると、忍装束のミスラは無意識でか、それを受け取る形で手を動かした。
俺が押し売り目的じゃ無くて良かったな…そんなだとカモられるぞ?w
…まぁ、嘘半分真実半分で人の色恋沙汰茶化してる、俺の言う台詞じゃ無いかw
「意中の人に夜会う前にでも、使うといいんじゃね?w」
文字通り"本心を"伝える話が出来ると思うぜ? …ククク
「えっ?」
「じゃ!またどこかでw」
こーいう時はボロ出さない内に去るに限るw
シュタッと敬礼するかのように手をあげて挨拶とし、返事を待たずにサッサと人ごみに退散する。
人ごみの影から少しだけ伺うと、忍装束のミスラは、手に持った袋を懐にしまうところだった。
以上です。 メイミィさんに押し付けたブツをバラしてみましたw
この先、出来るだけ書け次第投下しようとは思いますが、出来なかったらすいません。
もし「464に書いて欲しくない!」って方が多ければ、自分なりに区切りつけて終わるかも。では、また。
303 :
既にその名前は使われています:2006/08/02(水) 01:28:39.06 ID:AhtgHJKs
ごめん。今だから言う。サン氏はジュノから旅立ったこと前提で物語書いてた。
…ってそれで良いのか時間軸的に。
保守
オハヨウゴザイマス&保守age
>>303 開始はジュノですし、少し前にはジュノからサンド行ったりしてます。
続くなら近いうちにジュノ離れるので、もし行き先に希望あれば出来るだけ沿います。
306 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/08/02(水) 13:00:53.84 ID:AhtgHJKs
いや、特にないのでだいじょぶ。
必死なやり取り会話を作るのってかなり難しいな。
主人公はフェイトの存在を知らず、師匠は知っていて、
不利な状況のやり取りで取引をしていくのは中々。
307 :
既にその名前は使われています:2006/08/02(水) 21:27:32.24 ID:t9VPwUEX
初代まとめサイトはいつになったら更新されんのage
(281)
フルキフェルが赤い盾を持っているのは不思議だが、彼の様子を見る限りそれが致命的な秘密であったというわけでもなさそうだ。
正体が暴かれるような不測の事態があれば、さっさと逃げるなり何なりするはずだし、なにより相変らずあたふたと慌てている時点で、とても後ろ暗い何かがあるとは思えない。
早い話がどうにも素人臭いと言うか、油断が過ぎると言うか、とにかくそんな感じだ。最初にあったときの印象となんら変わりがない。
「…ふむ…自由意志のようなものを表すばかりか、他のジャッジメントギアに干渉すらするとは… まだまだ未知数の力を持っているようですな」
「おい、爺さん…? ジャッジメントギア、って…フルキフェル、お前もそんなもんどこで手に入れてきたんだ」
「いやその、拾ってきたというかあの剣が変化してこんなんなっちゃったというか」
そういや、その後なんの話にも上らなかったからてっきり赤い鎧の連中が持ち去った物だと思ってたが…
「もしかして、あの赤鎧の剣…? よくあんなの持って帰る気になったわね」
「私がやったわけじゃ、いやえっと、うーん」
「何よ、はっきりしないわね…」
爺さんは爺さんで、何処か楽しそうに俺の篭手とフルキフェルの盾を見比べてる。
この爺さん、プライマルアーツの事になるとどこか興味本位が先に立ってしまっている気がする。
右手の龍の頭に目をやると、かすかに口の端を上げたように見えた。
本当に訳のわからない物をもらっちまったもんだ。首を振りながら、思わずため息が漏れた。
(282)
「察するに、その盾は私がかの組織を抜けた後に作られたものでございましょう。私も見たことのない形態を取っているようです」
爺さんが顎に手を当てながら言った台詞は、俺が考えていた物とは少し違う物だった。
『フェイト』と今もつながりがある以上、こう言った物にも造詣があるのだとばかり思っていたが…
「てことは、これのちゃんとした使い方はお爺さんも知らないってことですか。ずぅっと聞こうとして機会を逃しっぱなしだったんですけど…」
「期待に添えず、申し訳ない限りでございます…この盾の力を用いたことは?」
相変らず楽しそうな顔でフルキフェルに話しかけている爺さんは、この盾とプライマルアーツの因果関係を紐解く事しか頭になさそうだ。
新しい玩具を眺める子供の様子に似ているかもしれない。
「えーと…つい一昨日の事なのですが、一回だけ。使ったら黒装束の人が普通の人に戻りました」
思わずフルキフェルの方を目を見開いて睨む。
「おま…何でそういう重大な事黙ってたんだ!」
「そうよ! うまくすれば奴らと戦う前に、エルリッドを元に戻せるかも知れないって事じゃない!」
ラディールが俺と同じ様な顔でフルキフェルに詰め寄る。
フルキフェルは何を以って「戻る」という言葉を使ったのだろう、とふと思う。
「待ってください、落ち着いて! まだ制御の仕方も、どうするとどのくらい戻るのかもわからないんです!軽いノリで使って、エルリッドさんが小学生とかになっちゃっても、私責任とれないです!」
いや、小学校とかこっちないだろ… というより、今の口ぶりからすると時間を巻き戻すという意味らしい。また随分と厄介なものを手に入れたみたいだ。
同類相憐れむという言葉が頭をよぎった。
310 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/08/02(水) 22:00:14.05 ID:MObOj0IQ
投下終了age
>>307 まとめはまだどうするか具体的な部分が詰まってなかったような気がしますねぇ
どうなるんでしょうねw
311 :
既にその名前は使われています:2006/08/03(木) 06:30:59.78 ID:pCxCtJgF
hosyu
312 :
既にその名前は使われています:2006/08/03(木) 13:56:01.39 ID:SpEqjS5w
やべ、301だってww
313 :
既にその名前は使われています:2006/08/03(木) 20:01:15.43 ID:0U76NTbs
保守しか出来ない自分がもどかしい
314 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/08/04(金) 01:17:26.26 ID:uN0aql2j
自キャラになっていた人たち。リアルに帰る!編。
ヒロ:「・・・ここかぁ。職安で紹介されたとこは。ったく。たりいよな。
まさかいきなり面接に行けといわれるとは・・・まぁ手続きしたの俺だし、
Pokotasoやnanakoに約束しちまったからなぁ・・・すいませーん。職安の紹介で伺いましたカラミヤですー」
「はいはいはいー?」中から出てきたのはタンクトップ(ノーブラ)姿の若い女性。
ヒロ:「あ。カラミヤです。このたびは(丸暗記。以下略)・・・社員さんはおられますか?」
女性:「俺」 (ヒロ:「はぁ?」)女性:「だから俺だ。俺がここの店長代理みたいなもんだ」
ヒロ:「それってなんてエロゲ???」
女性:「・・・エロゲじゃねぇ。言葉遣いに気をつけなボーヤ。こう見えても私は三十路・・・ってナニいわせるねん!!」
ヒロ:「自分で言ったんでしょうが」
女性:「そうだな。とりあえず。コレ着てみろ」
ヒロ:「この暑いのにジャンバー???」(女性:「おうよ」)
女性:「・・・似合うな。明日からこいや。店長には話つけておくわ」
ヒロ:「・・・俺、帰っていいスカ?」 女性:「明日は午前6:40には着いておけ。遅刻するなよ」
ヒロ:「いや、そうじゃなくて・・・」 女性:「なんかいったか?」
髪を掻き揚げてすごむ女性。というか、乳首丸見えになってます。
ヒロ:「・・・なんでもないです」 女性:「時給704円。一日2時間からスタートな。あと給料はないが修理や掃除もやれよ」
315 :
既にその名前は使われています:2006/08/04(金) 06:53:29.36 ID:qMAKExmq
age
316 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/08/04(金) 09:40:49.24 ID:DX0ecQ+F
保守小ネタ〜アジマスサークル2にて〜
ユリフィナ「ユファファ、ずっと東を指してるよ。」
ユファファ「オッケー、東にはゴブリンがいるみたい。」
ユリフィナ「気をつけてね・・・今、私達はLV1なんだから。」
ユファファ「大丈夫。インビン使えば倒せるし。」
ユリフィナ「じゃなくて!見つからないようにするの!戦わないの!倒せないから!」
ユファファ「ナイトの拳をくらえええ!」
ユリフィナ「待ってて、レイズできるアリアちゃん呼ぶから。」
ユファファ「・・・ごめん、やられちゃった。」
ユリフィナ「もしかして、本気で勝つつもりだったの?」
ユファファ「やっぱり、素手じゃダメね・・・。」
今更ながら名前が非常に分かりづらい件について
「はぁはぁ、はぁはぁ・・・。」
僕は一心不乱にジュノの街を走っていた。傍から見ればかなり無様な走り方になっていたと思うけど、
そんなことなんて気にしていられない。“アイツ”から逃げなければならないから。
とにかく今は“アイツ”から逃げて逃げて、逃げきれなきゃならない。逃げ切れなければ・・・。
僕を追いかけてくる“アイツ”…そう、それは『赤い鎧』。
アイツは、いや、アイツらはGMと同じ装備をしている為、そう呼ばれている。
アイツらは『来訪者』に対して容赦しない。アイツらにとって『来訪者』なんて蟲か塵のような存在らしい。
見つけたら即刻抹殺。よくても自分たちの仲間に取り入れるそうだが、爆弾を仕掛けるらしい…。
そして、僕は運の悪いことにその『来訪者』らしく、
そしてそして、さらに運の悪い事に僕はその赤い鎧に見つかってしまったのだ・・・。
さっき自分の事を来訪者らしいと抽象的な言い方をしたのは、
僕がまだこの世界に来て日が浅く、これが現実かどうか実感していないからだ。
最初この世界に来た時、僕は何か悪い夢でも見ているような気がしていた。
寝て起きたら、そこには白い豚が浮遊していて、よく見たら自分の姿がまったく変わっていて…。
ネ実のスレをよく読んでいたから、この世界の事はよく知っていたけれど…
けれど、実際に目の前にしてしまうと悪夢以外の何ものでもない。
しかも初めて部屋の外に出て、街に繰り出した途端に赤い鎧に見つかってしまうだなんて…
今日の僕の運勢は最悪なはずだ…。多分今の僕なら死兆星すら見えてしまうはず…。
はぁ〜なんてこった…。
と溜め息なんて吐いている暇なんて無い!
すぐ後ろから余裕しゃくしゃくの表情で赤い鎧が追っかけているではないか!?
「はぁはぁはぁはぁ…」
「どうしましたか?もうかけっこは終わりですか?w」
「くっ・・・」
僕は、猫に追われた鼠のようだ…。
散々弄ばれた後、カブりと噛み千切られるだけの一時の玩具。
なんだかもう逃げるのも馬鹿らしくなってきた…。
そうだ、きっと殺されれば元の世界に戻れるんだ。きっとそうに違いない。
もうこんな疲れることなんてアホらしい…。もう楽になってしまおう。
でも、もし、もし殺されてそれっきりだったら……
考えながら走っているうちに僕は人気の少ない裏路地に入ってしまっていた。
入ってしまったというか誘導されたような感じがする。
ヤバイと思い、僕は振り返ったが…しまったと思った時にはもう遅かった。
既に帰路は赤い鎧によって塞がられていた。
そう、僕は本当に鼠のような存在になっていた。
追い詰められたこの環境、卑しい考えばかりの自分勝手な気持ち、
そして、容易く奪われてしまう自分という存在…。
「ど、どうして…僕を追いかけるんですか?」
なんでもいい、一秒でも生を永らえさせる為に赤い鎧に奇妙な質問をする。
「どうして?wそんなの決まっているじゃないですか…あなたが来訪者だから、ですよwww
そんなこともわからないんですか?w貴方、最近こちらに来た来訪者でしょ?www」
そんなこっちもわかってるよ…馬鹿にしたような言い方で話してくる奴だな…
けど、ちょうどいい話に乗ってきてくれた…
でも…なにを話せばいいんだろう…なんでもいい!話を続けないと…
「ぼ、僕一人を殺したってどんな意味があるんですか?」
「そんなこと私には関係ありませんよw私は来訪者を始末する、それがお仕事なんですからwww
だってそうしないとこの世界がおかしくなっちゃうじゃないですか?wwwwwww」
く、狂ってる…やばい、こいつやば過ぎる。へらへらしているけど、目がマジだ…。
この世界に来る原因になったあのスレを読んでいたけど、こんなにやばい赤い鎧なんていなかったはず。
このままじゃ絶対殺される。。。どうしよう?だ、誰か助けてくれ。。。
「さてと…小便はすませたか?w神様にお祈りは?w
部屋のスミでガタガタふるえて命ごいをする心の準備はOK?www」
どこの漫画の台詞だよ!とツッコミたいがそうもいってられない。
なぜなら奴の目は変わらずマジだから…。
ジリッジリッと詰め寄ってくる赤い鎧。
もうすでに僕の背中は壁に張り付いている。逃げ場はもうない。
すっと赤い鎧の手が伸びてくる…
と、その時…遠くからブォンブォンというエンジン音が近づいてきた…
「はいはい、そこの馬鹿ども。うちの近くで騒ぐな。また俺のせいにされるだろ〜」
彼はそう言いながら、この世界にないはずのバイク(詳しく言えばスクーター)に乗って近づいてきた。
結構な速さが出ているというのにそのスピードを落とす気配がない…
ぶつかると思った時にはもう既にぶつかっていて、そのまま僕もろとも赤い鎧を轢いていた…。
正直、皆キ○ガイだと思った。
これはいいホットスタートですね! どうなるのかwktk
保守age〜
323 :
既にその名前は使われています:2006/08/04(金) 16:17:51.46 ID:USKGygBo
らめぇ
今週前半とかいいつつもう金曜日なわけですが、
マティエール老のジョブってなんだろう…と思ったそんな夕刻。
ちょびっとだけ落としていきます。今夜はリアル祭りがあるのでした。
ともかくやってみよう、という事になり、私たちは塞いでしまった入り口とは別の出口から、
西アルテパ砂漠に出た。アンティカの二人も、見届けるつもりらしく一緒に着いて来るようだ。
よっぽど長く話し込んでいたようで、日は中天をすぎ、気温も朝方よりずっと上がっていた。
太陽の眩しさに眼を細めながら、強化魔法を紡ぐ。
スニークはアンティカの二人が着いて来れなくなるので、敵の姿が目視できるまで使わないことにした。
少し北へと歩く。幸いな事にカニにもクモにもサボテンにも会わなかった。
「このへんですかね…」
大体砂漠のど真ん中からすこし南辺りで私たちは立ち止まった。
本当は端っこの目立たないところでやりたかったけど、効果範囲とかがあって漏れがあると
後々また困った事になるでしょう、とのお爺さんの提案でこうなった。
試しに盾を身体の前で構えてみたが、魔力の流出は起こらない。
要は戦闘態勢に入ると、MPスリップが発生するわけですね。
装備しっぱなしだったからディレイも問題ないし。眼を閉じて、集中に入る。
しかし1エリアなんてとてもスケールの大きなものを、一体どうやってタゲればいいのか…。
概念がうまく掴めず、途方に暮れていると、ルーファスさんの篭手が、また振動するのを感じた。
意識が薄く広く引き延ばされる感覚。目蓋の裏に、アルテパ砂漠の全景が見える。
砂漠の東方面では今もなお、クフタルの魔物が大量にうろつき、
ギーブルが上空を旋回しているのが分かった。流砂洞でのエスケプまで見越したいやらしい配置。
――神様の視点、か。便利と言えば便利ですが、本来人間が見ていいものじゃない。
でも、そんな事を気にしてたら、あんなのに対抗するのは無理じゃないのかな。
326 :
既にその名前は使われています:2006/08/04(金) 22:56:06.54 ID:DezOJBSi
僕と赤い鎧は、かるく空中浮遊をした後ドチャッと嫌な音を立てながら、
サヨナラしていた地面に無様な格好のままタダイマした。
赤い鎧のほうが先に着地していて、そこに丁度良く僕が乗っかったので
落下によるショックを受けずに済んだ。けど、やっぱり身体中痛い…
そこに、僕らを轢いた男がひとつも悪びれた様子もなく近寄ってくる。
見た感じ、ヒュームのF3Aで着ている服装は…着流しとかそういった服みたいだけど…こんな服あったか?
さっきのバイクといい…この服装といい…この人、もしかして来訪者か?けど、それにしても……
「わりぃわりぃ、大丈夫か、坊主?」
「ひ、轢いておいてなんですかその軽々しさは!?」
「ん〜?どうしたぁ〜?」
「どうしたもなにも!あんたに轢かれたんですよ!!」
「あ〜」
「あ〜、じゃない!」
「そんなん唾つけておけば治る治る。」
「なおんね〜よ!」
「まぁ〜まぁ〜落ち着きたまえ、ワトソンくん」
「誰がワトソンだ!!ぅっ!あいたたた…」
「ん?怪我でもしているのかね?」
「だぁ〜それはっ!…もういい…。」
シュールな漫才が永遠と繰り返されそうだったので自分から打ち切っておいた。
助けてもらったことには感謝しているが、こんな助けられ方されるなんて、想定の範囲外もいいとこだ。
なんなんだろうか、この人は??
「…ぅぅぅうん」
「あ、赤い鎧が気付き始めた…」
僕らが漫才みたいな会話をしているうちに赤い鎧が目覚めてしまったようだ。
あんなやりとりしていないで早めに立ち去っておくべきだった。
ゆっくりと赤い鎧は起き上がってきた。平然としているようにみえて、
その実、顔面には漫画によくでてくる十字の怒りマークが出ている。
相当怒っているようだ…なんてわかりやすい人なんだろうか。
「…う〜ん?w君かね?w私をそのボロっちいスクーターで轢いてくれたのは?www」
「ボロっちいスクーターではない。マイケル君だ。」
「誰がそのバイクの名前を教えろと言った!ってマイケルってなんだマイケルって」
「我が愛機のマイケル君です。ほらご挨拶は?『コンニチワ、僕マイケル(若干高めの声で)』」
「はい、こんにちわwwwってノリツッコミさせるなぁ〜〜〜〜〜^^^^^^^^^^」
「あ、赤い鎧ブチ切れた…」
僕に続いてシュールな漫才の餌食になってしまった赤い鎧はついにブチ切れてしまい、
蜃気楼のように漂っていたオーラ(?)が炎へと代わり、赤い鎧の周辺を包むように燃え始めた。
これがこの赤い鎧の力なのか…前に読んだスレで炎で龍を作った赤い鎧がいたが、それと同じ物のようにみえる。
その炎は周辺の壁をも溶かし始めている。こちらにもものすごい熱量が伝わってくる。
ヤバい…このままじゃこの炎で焼かれて殺される…どうにかして逃げないと…
そんな風に僕が焦っているというのに、彼はその炎見てボソッと呟いたのを僕は聞き逃さなかった。
赤い鎧の燃え盛る炎の音や炎による破壊音などがあってうるさいはずなのに、その言葉だけははっきりと聞こえた。
「あれで焼き芋作ったら美味いんだろうな、ジュルリッ」
涎を垂らしながら真顔でそんな台詞を言う彼を見て、
僕は心底、この世界にはキチ○イしかいないんだろうかと思った。
保守age
331 :
既にその名前は使われています:2006/08/05(土) 12:45:02.97 ID:flg9D0V2
motihada
332 :
既にその名前は使われています:2006/08/05(土) 16:46:57.41 ID:ILet5PEi
自キャラになっていた人たち。リアルに帰る!編。 2
ヒロ:「しゅ。修理完了しました。姉御」
女性:「おお。よくやったな。えらいぞ。1時間でそこまでやったら俺はイランな。
こりゃ教え甲斐がある。このまま全部カラミヤ君に任せようかな。修理で給料は出ないからさっさと済ませろよ」
ヒロ「てか修理が必要なのになんで給料ナインスカ!!」
女性「ものを教えてもらって給料くれとはいい度胸だw俺も昔同じことを言ったがなw」
ヒロ「まだまだ山積みなんですg・・・」女性「お前と俺しか修理しねぇしな」
ヒロ「他のバイトの先輩なにやってるんですか・・・」
女性「壊れたもんは"修理"と書いてポイ。お客さんがなんかトラブル起こしても連絡無し。
あとで問い詰めたら俺の前の時間の人間のことでクレーム着ても俺は知らんという。気楽なもんさw」
ヒロ「・・・他人がやったことでも、自分の担当時間に起きたトラブルではないんすか?」
女性「そんなちゃんとした奴、この店にいないってwいたら別の店にバイトにいくさw」
ヒロ「・・・そういえばSさん、店のルールは糞真面目に守りますね」
女性「俺が歯止めしないと、どうにもなw」
ヒロ「でも下着はつけましょうよ」
女性「売り上げ上げて、クーラー買ったら考えよう」
333 :
既にその名前は使われています:2006/08/05(土) 20:23:42.06 ID:6Jk7L3tq
赤い鎧の炎は見る見るうちに大きくなり、近くの建物の屋上まで届きそうな勢いだ。
冗談なんて言ってる暇なんてない…どうしよう?このままじゃこっちが焼き芋だよ…
「なぁ〜あんた!あんた助けに来てくれたんだろ?どうにかしてくれよ?」
「いや、俺はただの野次馬だ…んじゃこのへんで。」
カッコよさげに片手をスチャッとあげると、彼はスクーターに跨りそのまま逃げようとした。
「ちょ、ちょ、ちょっ待った待った!」
「なんだ?少年。おいちゃんは忙しいんだ。これから場外チョコボ券場で買わなきゃならん連番があるんだよ」
「なんだよ、場外チョコボ券場って!?」
「今日の大公杯で走る期待の新星ボムノタマシイが絶対来るから!マジで!!だから行かせてくれよぉ〜」
「ボムでもボブでもなんでもいいよ。まずはアイツどうにかしないと行けないだろ?」
「いやいや、それは君に任せるから。じゃ、おいちゃんはこれで…」
「だぁ〜かぁ〜らぁ〜、助けてくれよ〜僕まだこっちにきてそんなに経ってないから力の使い方知らないんだよ。」
「あ〜ったくしょうがないな…」
彼はそういうと、やれやれといった感じでスクーターから降りた。
「え?助けてくれるの?」
期待を胸にした僕に対して、彼はスクーターに括り付けていた自分の鞘に納まったままの刀を構えると…
「ダイジョウブ、剣ヲコンナ風ニ振ッテレバ勝テルカラ」
「なんでカタコト?なんでカタコト?」
「ワタシィ〜日本語チョット得意ナ、陽気ナいすかんだる人ダyo」
「さっきまでぺらぺら悠長にしゃべってたじゃん!ってかイスカンダル人ってなんだよ!最後ちょっとラップっぽいし!」
期待した僕が馬鹿だった。もう一度言う。この男に期待した僕が馬鹿だったんだ。
彼は呆れている自分を知ってか知らずかさらに馬鹿を露呈していく。
「だってお前アレだぞ!アレ!!炎デカ過ぎねぇ〜か?あんなん無理だよ!無理!!バッカじゃね〜?」
「なに逆ギレしてんだよ!っていうかなんのためにバイクで突っ込んできたんだよ?!」
「バイクじゃない、ジョージだ!」
「名前変わってる!」
もう誰か助けて下さい、この馬鹿を助けて下さい。
さらに口論は続く。この男が何のためにここに来たのかは置いておいて、
助ける助けないという事からバイクの名前がスミスだケントだと変わっていく件について
という低次元な展開に変わってきた。まったく馬鹿らしい…
「ぉぃ…」
「あぁ〜うっさい、こっちは取り込み中だ。話があるならまた今度な。」
「じゃあ決まりですね。このスクーターの名前はデーブってことで」
「ダセーよ。なんだよそのヤキソバの仇役みたいな名前は!」
「ぉい」
「だから、後にしろって言ってるだろ?」
「もういいじゃないですか、名前なんてなんだって…」
「いやダメだ!なぜならこのスクーt…」
「おい!^^^^^^^^^^^^^^^」
「「あ!」」
僕らはその時、マナカナに負けないぐらいのシンクロ率を誇るハモリを完成させた。
337 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/08/06(日) 01:14:40.37 ID:xUEhAt41
ふと気づいたらヒロがリアルに帰ってる・・・w
なにはともあれ久方ぶりに投下させていただきますね(´∀`)ノ
338 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/08/06(日) 01:14:58.58 ID:xUEhAt41
宿を出てぶらぶらと歩く。どこへ向かおうか。ひどく疲れていたが、帰って寝る気にはなれない。
と、背後をつけてくる気配に気づいた。
気配はどこか存在の主張を殺し、それでいて、隠れている風ではない。そんな奇妙なものだった。
「何やってるんだ?」
振り向いてみると、おれの後についてきていたのは、不機嫌そうな顔のマルトだった。
「何、とは?」
マルトは舌打ちせんばかりの勢いで、おれに咎められた事に不快感を顕わにし、そのくせ小走りに近寄ってくる。
「おれが近くにいたら、せっかくのきれいな体が汚れるんじゃないのか?」
苦笑が、皮肉なものになった。われながら嫌味な奴だと思う。
彼女は冷たい目でチンピラの哂いをいなすと、
「一緒に情報収集するように、との御命を頂いておりますので」
あっそ。勝手にしろよ。
軽くうんざりしながら、歩き出す。
空気が重い。気まずい。
そりゃ、大事なご主人様のご命令だから、何が何でも果たしたいんだろうけどさ。
そんなに殺気立ってついてこられたら、神経がまいってしまうよ。
339 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/08/06(日) 01:15:17.96 ID:xUEhAt41
考えなしにぶらぶら歩いていて、ふと気がつくと、通学路みたいな"よく通る道"を歩いてる事がある。
今のおれがそんな感じだ。ふと気がつくとおれは、モグハウスへと向かう道を歩いていた。
もっとも、おれ自身、バストゥークのモグハウスに通いつめた記憶なんてない。
おれの記憶にあるバストゥークのモグハウスと言えば、ポリゴンで出来た殺風景なゲーム画面と、血まみれになった石組みの小部屋、その二つだけだ。
だから後になって思えば、ろくに知りもしないモグハウスに帰ろうとしたのは、運命ってやつだったのかも知れない。
いや、まさか。下らない。おれがそんなものを語るほど大層な人物かよ。これは多分、おれがこっちに来る前の記憶なんだ。
ルーファスみたいに、この体に生まれてから今までの人生があったのかは分からない。だけど少なくとも、おれがこのゲームを始めてからのそれは、あったはずなのだから。
この辺りは住居が立ち並び、あちこちにクリスタルを使った街灯が点っている。
なるほど確かにクリスタルの照明は暗い路地を明るく照らしている。だけどおかげでいつまで経っても暗闇に目が慣れず、明かりの届かない暗闇を更に深く閉ざしているようにも思えた。
おれのモグハウスは薄明かりが灯っていて、扉も開け放たれていた。現場を封鎖していた銃士が調べ物でもしているんだろうか?
日本人のおれの感覚では、時刻はまだそう遅くない。とはいえ夜中といえば夜中だ。辺りはすっかり寝静まっている様子なのに、ご苦労な事だ。
と、ふと、ひどく場違いな感覚。首の後ろの毛が逆立つみたいな、酷く落ち着かない、それでいて目の奥が熱くなるような気分になる。
振り向くと、後ろを歩くマルトも、ヒゲを立てて緊張した面持ちになっていた。
この違和感の正体を確かめたくて、おれは帽子を目深にかぶりなおすと、明かりの漏れるモグハウスへと歩を進めた。
こういうところ、おれは日本人だなぁ、と思う。
おれのモグハウスは、アパートメントの二階にある。
階段の下で腰の剣に手を掛け、後ろを振り返ると、マルトも腹のところに吊った短剣に手をやっていた。
上る途中、違和感の正体に気づく。これは、血の匂いだ。
ここで何かが起きた。いや、起きているのかもしれない。
逃げずにそれを確かめようと考えたのは、まだ平和な日本でのクセが抜けていないから。いや、それとも、この世界を信用していないからかもしれない。
抜刀する。街中で抜き身をぶら下げているところを見られたら、いくら荒っぽいこの世界でも咎めなしとはいくまい。だけど、行儀のよい死体になるよりは、犯罪者になっても生き延びる公算が大きい方がいい。
おっかなびっくり階段を登りきった。
銃士でもなんでも、誰かしらいるはずだ。呼びかけてみるが、返答はない。
「マルト、後ろを頼む。おれから離れるな」
そう言いつけて、扉まで進む。返事はないが、黙って後ろを突いて来ているのが、承知の意思表示だろう。
中を覗くと、部屋の中は血の海だった。まったく、この部屋は呪いでもかかってるんじゃないだろうか。
夏になったら、肝試しのヤンキーでにぎわうに違いない。
部屋の中には死体が二つ。居間に女、玄関に男。どちらも銃士の制服を着ている。
他に人影はない。殺人者は、すでに立ち去ってしまったのだろうか。
剣を鞘に収め、かがみ込んで玄関を塞いでいる死体を調べる。
喉をかき切られている。随分鋭利な刃物だ、剃刀か何かだろうか。
うなじのところの違和感は消えていない。
血の匂いが原因じゃない。だけど、原因が分からない。
それにこの死体は、どこか不自然だ。
俺の肩越しにマルトが覗き込んでくる。息を呑むのが、気配で分かった。
この違和感の正体は一体なんだ?
思案しながら、再び剣に手を掛ける。
抜くか否かの判断がつかぬまま立ち上がり、違和感の正体を推理する。
男が喉を裂かれたのは玄関。
飛び散った血が辺りを汚している。
死体の真下に血溜り。ちょうど腹の辺りだろうか。
腹だって?
男が喉をかき切られた場面を想像してみる。
玄関から入ったところで喉を裂かれ、鮮血が走る。殺人者は男をその場に蹴倒し、血溜りが広がる……。
そうだ、血溜りが出来るなら、喉の真下のはず。男は最後の力を振り絞って奥へと逃れ、そこで力尽き……。
いや、違う。男の両腕は垂れ下がり、胴の横に落ちていた。ならば、もっと手前で死んだ男の死骸を、誰かが奥に引きずったという事になる。
一体、何のために?
頭の中でパズルの欠けたピースがはまった。出来上がった絵を確かめるより先に、おれは振り向き、叫んでいた。
「マルト、後ろだ!」
男が背後からの来襲に気づかなかったのは、仲間の死体があったから。男の死体が部屋の中に引っ張り込まれていたのは、次の犠牲者を引きつけるため。
おれが感じていた違和感。──それは、殺意そのものだったんだ。
豆鉄砲を食った鳩みたいな顔をしたマルトと目があった。
そしてそのすぐ背後の、狂気を孕んだ殺人者の目にも。
殺人者の手がマルトの口元を覆い、強引にのけぞらせる。
その刃がマルトの喉を裂くのは、おれが声を上げるよりも早かった。
何が起こったのかわからない。マルトは殺人者に体を預けたまま、そんな顔をしていた。
説明を求める代わりに喉元に新しく出来た口から赤いものがほとばしり、視界を塞ぐ。
血飛沫をシャポーで受け流して、剣を抜こうとすると、殺人者はマルトの体をこちらに蹴押し出してきた。
ドン、と重たい衝撃に遮られ、抜き放ちかけた手が止まる。おれはさっきの時点で抜いていなかった事を心底後悔した。
マルトの血で赤魔道士の装束がいっそう赤く染まる。失血のショックか、マルトの体が痙攣している。
どう見ても致命傷だ。
後ろを見張るように言ったけど、おれが納剣したので気を抜いたのかもしれない。いずれにしても、おれのせいだ。戦闘訓練は受けていても現場経験の少ないマルトをうまく指揮出来なかった自分が恨めしい。
マルトの体を支えあぐねて膝を突く。殺人者は仕掛けてこない。
多分、おれがレイズを唱えだしたら、嬉々としておれを切り刻むつもりなのだろう。
だからって、彼女を死なせるわけにはいかない。今こうして逡巡している間にも、マルトの命は消えつつあるのだ。
迷っている暇はない。一回しか使った事がないけど、"あれ"に意識を集中する。
連続魔だ。
回路が全開放されるにつれ、意識がクリアーになる。普段のろのろ術式を組んでる自分が、ひどくドンくさく思えた。
まずレイズ。続けてケアルを数発打ち込むと、傷がふさがったのか、ヒューヒューという呼吸音が消えた。首筋を拭うと、血塗れの下の皮膚には傷一つない。
「あらあら。せっかくの必殺技を、そんなつまらない事に使ってしまって大丈夫なの?」
ここに来て、殺人者が初めて口を開いた。殺人者はエルヴァーンの女だった。冒険者風の出で立ちをしている。ジョブはシーフだろうか……と、ジョブで相手を判断するのは無意味だ。それどころか、危険だ。
おれは連続魔の後の虚脱感にどうにか抗しながら言を返す。
「つまらなくはないさ」
マルトを玄関の中に押し込んで、剣を抜く間も、女は仕掛けてこなかった。死骸の上に積み重ねられて不快かもしれないが、今は居心地なんか気にかけていられない。
こちらの戦力を窺っているのかもしれない。でもおれには、今から殺す相手──黙って殺されてやるつもりもないが──との会話を楽しんでいるように感じられた。
「分かってると思うけど、わたしを殺せなければ、貴方が死ぬ。そうすれば、せっかく助かったその子も結局死体になるのよ?」
質問ばかりする奴だ。
「貴方、Pokotasoでしょう? ピアシュを殺した来訪者だというから、どんな凄腕かと思ったけど……なんだかがっかりだわ」
「おまえ誰だ。何のためにこんな事をしている」
わざわざおれの部屋で、こんな風に死体を積み上げて喜んでるような奴だ。おれを知ってる奴だろうとは思うけど。
「フィオ、よ。貴方みたいな来訪者を狩って回る組織の人間。まぁ、ここで遊んでいたのは、なんとなくだけどね」
体をほぐすみたいに首を振りながら、何気なく答える。フィオ。どこかで聞いたな。
記憶をたぐりながら、周囲を確認する。ここは狭くて武器を振るうには足場も悪いが、マルトが動けない以上逃げるわけにはいかない。もっとも、逃げるにはフィオを押しのけて階段まで行かなければならないのだが。
「なんとなくで他人の喉掻っ切って遊ぶのか。ろくな育ち方してないな」
会話を続けている限り、こいつは襲ってこない。そんなあてにならない勘に従って、相槌を打つ。
「たまには羽を伸ばしたいのよ。わたしの上司……ゲームマスターって言うんだけど、あいつらの下じゃつまらない仕事ばっかりだもの」
赤い鎧の事か。やっぱりゲームマスターって呼ばれてるのか。ゲームマスター。獲物の番人。まったくいいネーミングしてる。
「それに、今回はたまたまこういう殺し方をしてるだけ。貴方のモーグリは、喉を裂かれたりなんてしなかったでしょ?」
その一言で、思い出す。おれのモーグリをいたぶってから殺されて、その死体を盗まれた奴の名が、確かフィオ……。
「男だと聞いてたよ。おまえの検死をした奴はよほどの冗談好きだな」
ルークを半殺しにしたのはこいつか。頭に血がのぼりかけるのを押さえて、軽口を返す。
「男だったわ。冗談好きなのはくそったれな上司」
興味なさげにフィオが言う。意味が分からず、口にしかけた問いを、足音が留める。何者かが階段を上がってこちらに向かってきている。
逃げろと怒鳴るべきか、この隙にフィオに突きかかるか。いや、フィオは足音なんてまるで気に留めていない。
という事は、増援なのか?
「まだやってんのかよ? いい加減戻ろうぜ」
現れたのは、エルヴァーンの赤魔道士だった。鍔のところに細工の施された装甲が施されたシャポーを頭に乗せている。
レリック装備か。という事はこいつも七五レベルで……いや、だから、いい加減ジョブだのレベルだのから離れろ。
「待って、あと二人やったら行くわ。あなたこそどうなのよ、バストゥークのヒューム女は久しぶりだって楽しみにしてたわりに、戻るのが早いんじゃない?」
「やめた。今日は外れだ、ブスしかいねーし」
男は肩をすくめ、おれを値踏みするみたいにじろじろ眺めた。
「生きのよさそうなのを見つけたな。一人はそいつとして、もう一人は?」
「彼が守ってる。いいから邪魔しないで。商売女にろくなのがいないなら、アヤメでもコーネリアでもファティマでも、好きなのを見繕ってくればいいじゃない」
フィオが不愉快そうに、整った顔の眉間に皺を寄せる。男は動じる様子も無くあくびをひとつ。
「それじゃ無理やりか、頭をいじる事になるだろ。どっちも柄じゃない」
男は階段の手すりにもたれて、にやにやしながらおれ達を見ている。
「ヒロ、いいから黙って。折角Pokotasoを見つけたの、この子の死体を持って帰らなきゃ、いい加減あいつの相手はうんざりなのよ」
今夜は聞いた名前をよく耳にする。ヒロと呼ばれた男は癖なのかまた肩をすくめると、天を仰ぐ仕草をした。
「パンデモのじーさんもいい加減普通のセックルで我慢して欲しいもんだな。あいつと出張すると変な事ばっかり付き合わされて、おれまで同類だと思われちまう」
不意にヒロと呼ばれた男はいたずらそうな笑みを口元に浮かべると、シャポーの鍔を押し上げておれを見た。真ん中で二つにわけた黒髪と、端正な顔立ち。
「お前がPokotasoか。今度はミスラでネカマプレイかよ、つくづく救えない男だな」
その顔には見覚えがあった。ヒロだって…? いや、まさかな。よくある名前だ。
「どうした。おれから送ったギルは役に立ってるか?」
今度こそ、全身が総毛立った。こいつやっぱり……。
おれの誰何はまたしても、もう一人の来訪者によって遮られた。
待っても誰も来ない日もあるかと思えば、頼んでもいないのに次から次へと会いたくもない奴がやってくる今日みたいな日もある。
まったく、今日は本当にどうかしてる。
「……カラミヤ君?」
もう一人の来訪者は、階下からおれに問いかけた。
逃げろ! そう言い掛けて思いとどまる。
お節介が皮着て歩いているような奴だ。逃げろと言って逃げるタマじゃない。それに第一、今おれの状況は、一人で打破できるほど楽観できるものじゃない。
「医者を呼んで来い、仲間が怪我してるんだ!」
ない知恵絞って考えたのは、こんなプランだった。人を呼んでとにかく時間を稼ぐ。こいつらは多分時間停止を使わない。フィオはそういうタイプじゃないし、男は赤鎧でも従者でもない。
「え、その人達は……」
「友達だよ! 病院なら錬金ギルドの裏手にあるから、急いでくれ!」
状況の読めていないアオツキに怒鳴りつける。今は説明している暇なんてない。飛び上がって、彼女が走り去る。
友達、ね。男がつぶやき、階段を駆け下りる。
あいつを追う気か。
手早く術を組み上げてバインドを放つが、手応えはない。
次の術式を組もうとするが、それはフィオが許さなかった。
マルトの喉を裂いたのとは違う、刃が前に湾曲した鉈のような短剣で切りつけてくる。
「下らない事に魔力を使っては駄目よ、それはわたしに使って」
どうにかそれを捌いて身構えるおれに、殺人鬼の女はウィンクをして見せた。
以上でした(´∀`)ノ
投下乙様です。
>>無名氏
思いっきりピンチなのにパロディな内容でwktk
>>ヒロ(Pokotaso)氏
死人キタ!しかも性転換で人格変わってるw
ヒロはルークの仇討ち(※死んでません)を出来るのでしょうか。お礼参り!お礼参り!
コチラは颯爽とクフィムに走り去っておきます。爽やかに。という事で投下致します。
「はぁぁぁ………やっと出れた……」
進みたい方向とは逆に進む人ごみを抜けて、上層のガイドストーンに座り、大きくため息をついた。
忍装束のミスラに年代物の飴玉を押し付けた後、タイムセールが始まったおかげで臨時収入が得れた。
総額で10万ギル。小額づつ結構な人数から盗ったし、不審がられても届け出られる事はないだろう。
労力の割に少ないが、捕まったり、腕が鈍るのと資金が減る一方になるよりはマシだ。
……あぁ、そういえばまだあの〜…銃?…大砲1回も撃って無ぇな。……よし。撃ちにいくか。
そう思いガイドストーンから立とうとすると、あからさまに怪しい黒チュニック姿の男が目の前に立っていた。
ま、俺も人の事怪しいなんて言える格好じゃ無いんだけどさ……
「…俺に、何か用?」
こちらをじっと見つめてくるだけのヒュームに痺れを切らし、問いかけてみた。
「………。」
ずっと睨むように見開いた目で見つめてくるだけで、反応は無し。なんだコイツ?
「もしも〜し。バザーとか開いて無いんデスケド〜?」
「……―。」
聞き取れなかったが、確かに何か、言った。
「ん…? 何?聴こえんぞ?いくらミスラの聴力が良いっつっても、100m先の話し声とか超小さい小声は無理w」
「……―っと、見つけた。」
見つけた?何をだよ。つかコッチ見んな。みつめんな。恐ぇよ。
「は?何をだよ。つかさ、コッチ凝視しながら見つけたとか何?恐ぇんだよ。」
あーやっぱ言ってもコッチ凝視しっぱなしか…。何者だ?人通りあるから何かの刺客とかじゃ無いだろうが……。
「…見つけた。見つけた。見つけた。見つけた。見つけた。見つけた。」
男はコッチを凝視した目を僅かにも動かさずに、ボソボソと口だけを動かしている。
コレは…逃げた方が良さそうだなw コイツは、ヤバい。
「ぇ〜っと……俺、用事があるからコレでッ!じゃッ!!www」
ガイドストーンの中央に手を置き基点にして、反対側へ跳び、着地と同時に下層へと通じる階段へと走り出した。
突然の異質な行動で、近くにいた主婦が驚き荷物を落としたのが見えたけど、俺は悪くない。
上層から120゜近く反時計回りに進んだ先にある下層までの階段は、長い。ル・ルデ行き程じゃ無いが。
当然ながら他の冒険者も結構通っているし、避けているとどうしても遅くなる。が、避けるしかない。
中ほどまで行った辺りで後ろを見たら、姿勢を低くし両腕を後ろに伸ばすようなポーズで男が走って来ていた。
どう見ても狙われています。本当にありがとうございました。 って事で逃げるの確定ッ!!何!?アイツ何!?
一目散に下層へ出て、続けて港行きの階段へ突っ込む。 ぶつかりかけたアダマン鎧のエルが何か叫んだ知らん。
少し行った頃に下層側で何か悲鳴が聞こえたが、構わずそのまま港へ行き、さらに階段を下りてクフィムへ進んだ。
暗く狭い横穴を、剣の亡霊が居る骨の横を、駆け出し冒険者達にぶつからないよう器用に避けながら進んでいった。
本来ならアウトポストがあるべき場所、獣人旗の立っている場所まで走り、旗にもたれかかりながら来た道を見る。
「ぜぇ…ぜぇ……くそっ…ぜぇ…なんなんだアイツは……!」
毒づかないとやってられない。あんな変な奴に狙われる覚えは無い!……はず。
近くでミミズを集団で切りつけている駆け出し冒険者と引率っぽいミスラが不審そうな目をコチラに向けて来た。
「……なに。 用が無いならコッチ見んな!あとPLとかいう奴なら人気が無いトコでやれよ。」
「は?何?なんでオレが指図されなきゃいけないわけ?」
引率っぽいミスラがコチラに反論してきた瞬間、背筋を強烈な寒気が襲い、尻尾の毛が全て逆立った。
「ん?何?まさかビビッちゃった?www」
ミスラを無視して気配のした方を…ジュノへ続く道を見ると、奴がカドを曲がり、コチラへと走って来る所だった。
「げぇっ!まだ来やがんのかよ!畜っ生俺が何したってんだ!!」
「オイ待てテメー!逃げんなや!!」
ミスラを無視し、デルクフの塔がある広場へと走る。途中ギガースが居たので、腰の小銭袋をかすめとっておいた。
近くで見るデルクフの塔は想像以上に大きく、巨大なコレが接合部無しの造形物とはとても思えない。
「…けど、ゆっくり見てる暇は無いンだよねコレガッ!」
相変わらず俺の気配察知レーダーの端には、奴の影がずっとコチラへと向かおうと動き、等距離を保っている。
尻尾の毛が逆立ったままなので走りにくい。きっとコレのせいで引き離せないんだ。
…落ち着け俺。あと俺の尻尾の毛。焦ると致命的な凡ミスが出るもんだ。冷静になれサン。冷静に考えろ……。
「!」
進もうとしていた先に気付き、急いでもう一方へと進みなおす。 危うくベヒーモスの縄張りへ進む所だった。
運悪くベヒーモスに鉢合わせた日にゃ、間違いなく喰われるか踏み潰されるだろうな。奴なら良いケド、俺が。
大砲を使えば仕留めれるとか言われた気もするが、見つかってから弾を装填じゃ、絶対に間に合わないだろう。
あ〜そうだ大砲を使えば奴を撃退出来るかもしれないないやでも待て弾が装填されて無ぇソレじゃ意味が無い
どうする殺るかいやそもそも奴はなんで俺を追いかけてるんだ見つけたって何なんだ奴の目的は何なんだ
考え事をしながら道なりに逃げていると、目の前に異質なモノが立ちはだかった。
クフィムの岩で出来た地面にある、黒と深い緑色の"渦"と、渦から噴出す竜巻。
コレには見覚えがある。確かコレは、虚ろだ。でもって、俺はコレを通れる。
どう使うかは覚えて無いが。確かあの渦の先はタブナジアのどっかに繋がっているハズだ。
虚ろの渦がどう使うか解らない以上、不用意に飛び込むのは危険か…。あーもうこの先は無いか。大砲出せるかな。
もう殆ど無い虚ろまでの距離で鞄からまずタバスコの瓶…もとい弾を適当に1つ掴んで取り出す。
上が平たい…榴弾とかいうヤツか。で、銃。糞重くデカイ得物を、渦の目の前で立ち止まり、取り出す。
小さなリュック程度の大きさの鞄から、鞄の口幅ギリギリの本体が出て、鞄の何倍もある長い長い銃身が現れる。
いつ見ても違和感を感じる光景だが、いまそんな暇は無い。銃身を鞄から抜きながら先に出た本体を折り、装填。
引き抜くと同時に左手で鞄を肩にかけ、腰だめに大砲を構える。 正直いますぐにでも放したいくらい重い。
砲口をさっきから追ってくる黒チュニックのヒュームに向け。それを見ても止まらず走って来たので、俺は引き金を引いた。
投下は以上です〜。
=== Area:Port Bastok ===
---near Steaming Sheep Restaurant ---
羊亭を出て、旧港の場所を確認するために地図を取り出すために鞄を探る。
あれ?いつも入れている闇杖がアイテム欄にない。倉庫に戻る前に取りに戻るか、等と考えながら地図を広げる。
魔法の地図は実に便利だ。自分の現在地が何処に居ようが一目瞭然、カーナビなんて目ではない。
一通り道順を確認して鞄にしまう。
──ドンッ
乱暴に開けられたドアの音。振り返る前に背中に誰かがぶつかってきた。危うく転びそうになったが、何とか堪える。
…痛いんですけど…誰ですか、いきなり体当たりしてくる人は。
Beatrice:! ごめんなさい…大丈夫ですか?
Aotsuki:ん…大丈夫、気にしないで。
良く見ると、タックルをかまして来たのは店内に居たカップルの女性の方だった。
頬には涙が伝っている。よほど痛かったのか?
Aotsuki:あの…そちらこそ大丈夫ですか?泣いているようですが…
Beatrice:!? な、なんでもないです!!
彼女は脱兎の如く商業区の方へ走り去っていった。何があったのだろうか。
しかも、羊亭のドアを見ていても連れの男が出てくる気配もない。
───彼氏に教えてあげたら?きっと口論でもしたのよ。
偏頭痛の様な声が頭の中で響く。うるさい、そんなお節介なんて本当は柄じゃないんだ。
カラミヤ君の時は、半ばアンタに突き動かされたみたいなもんだったんだ。それにカラミヤ君なら同じ来訪者っぽかったし。
だけど今度は違う。只の行きずりの女性なんだ。手を差し伸べる理由なんて何処にも見当たらない。
…ここまで考えて昼間の件と矛盾している事に気付く。だが彼女はそれ以上何も言わなかった。
===Area:Bastok's Residential Area===
薄暗い住宅街、ここを通るのは何度目になるだろうか。
だが、何度も通っているにも関わらず地図を見なければ自分のレンタルハウスにすら辿り着けない。
自分はこんなにも方向音痴だったか?そんなはずは無いのだが…
ナナコさんとぶつかった三叉路を通り過ぎた辺りで、ふと思い出した事が1つ。
Aotsuki:殺人事件があったって場所、すぐそこだったっけ
意味もない独り言をそう呟いた。歩を進めると、その現場が見えてくる。
石組みのアパートの2階。見上げると2〜3人その部屋の入り口にたむろしている。こんな夜中に何をしているのだろうか
良く見るとその中に見知った顔を発見し、声を上げた。
Aotsuki:……カラミヤ君?
Hiro:医者を呼んで来い、仲間が怪我をしてるんだ!
意味が解らない。いや、言葉の意味は解る。状況が理解出来ないと言うべきか。
ともあれ、怪我人がいるなら医者を呼びに行くのは普通に思いつく。…って医者って何処?
怪我した仲間?それにそこにいるエルヴァーンふたりは一体誰?…考えていた事を思わず口に出していたようだ。
Aotsuki:え、その人達は……
Hiro:友達だよ! 病院なら錬金ギルドの裏手にあるから、急いでくれ!
彼にそう怒鳴られる。兎に角急いだ方が良い様だ。疑問を抱えたまま飛び上がって駆け出して、この場を後にした。
医者を呼びに居住区を走る。目指すは錬金ギルド… あんな所に病院があるのか。
薬局だと思えば、その裏手に病院自体があってもおかしくはないか。
地図を見ながら走っていると、後ろから足音がしてふと振り返る。
すると、赤魔道士のエルヴァーンがこちらを追いかけていた。
その男が身に着けているものはアーティファクトより少々全体的に黒ずんでいる装束。デュエル一式。
Elvaan Red Mageのバインドが発動
→Aotsukiは、バインドの効果
Aotsuki:わ、ととととっ?!
つまづかれた様になり、前めりにこけた。痛い。鼻頭を押さえながら顔を上げると、先ほどの男が自分の前に回りこみ、不敵な笑みを滲ませている。
何故こんな事をするのかと尋ねても彼は答えない。ケアルで鼻の痛みを抑え終わる頃に彼は口を開いた。
Elvaan Red Mage:あいつとつるんでいるのか。やめとけ。あいつはクズだ!
Aotsuki:…話が見えないんだけど?何の事だかさっぱりね
Aotsukiは、Aotsukiにイレースを唱えた。
Elvaan Red Mage:あいつには助けを呼ぶ必要なんか無いって事だ。ククク…
Aotsuki:……カラミヤ君の知り合いなの?
Elvaan Red Mage:まぁ、そんな所だ。大人しくあいつが野垂れ死ぬ様を見物してくれるのなら、君の事は見逃してやろう。
Aotsuki:…穏やかな間柄じゃないみたいね。
Aotsukiのイレースが発動。
→Aotsukiのバインドの効果を消し去った。
立ち上がると周囲の空気が張り詰めているのがよく解る。勿論、中心にいるのは目の前の男。剣の柄に手をかけ、彼を睨みつける。
Elvaan Red Mage:おいおい、君と一戦やらかすつもりはないんだが?あのクズを見捨てろ、そう言っているだけだ
Aotsuki:クズですって?アンタはカラミヤ君の何を知っているのよ?!何も知らない癖にクズ呼ばわりだなんて許せない!
Elvaan Red Mage:なら逆に聞くが、君はあいつの何を知っている?
Aotsuki:それは…… その…
Elvaan Red Mage:俺は知っている、そう…あいつの事なら………
男はそう言うと両腕を広げる。大気が震え、男の掌に魔力が集まっていく。…魔力?
見える…?詠唱エフェクトか?だが自分の知っているそれとは明らかにモーションも雰囲気も何もかもが違う。
Elvaan Red Mage:…全てを、な。
大気の震えが止まり、一瞬だけ静寂が訪れる。ゆっくりと男が右手を掲げると自分の周囲に雷鳴が轟き、地面を抉り取った。
Elvaan Red Mage:そいつが最終警告だ。
目の前の無礼な仕打ちに片眉を吊り上げ、剣を鞘から抜く。そして返答代わりに切先を男に突き付けた。
Elvaan Red Mage:…いいだろう。少々惜しいがあいつと仲良くあの世で戯れるんだな!
Aotsukiは、Elvaan Red Mageにサイレスを唱えた。
剣を抜いても赤同士の戦闘は剣術のみで決まるものではなく、むしろ魔法勝負のみ…しかも開幕はサイレス合戦から始まる。
……と言うのをバリスタ常連のフレから聞いていたのだが、目の前にいる男はそれとは全く違う事をしていた。
Aotsukiのサイレスが発動。
→Elvaan Red Mageは、静寂の状態になった!
静寂状態も意に返さず、長剣を抜いてこちらへと突っ込んでくる。治さないのか?と疑問符を浮かべていると走りながら何かを飲んでいた。
ちょっと待って、走りながらアイテムは使えないはずでしょ、と突っ込む。
Elvaan Red Mage:なるほど、まだゲームの中だと勘違いしている馬鹿か。クックック、クズに馬鹿、お似合いじゃないか!
既に男は自分の間近に迫っていた。打ち降ろされる斬撃を盾で受け止めると、腕が痺れた。
男の長剣を良く見ると僅かながらに放電しているじゃないか。エンサンダーか?何時詠唱したんだ?
Aotsuki:何時の間にエンなんか詠唱したのよ?!反則じゃない!!
Elvaan Red Mage:ハッ、それくらい見抜けよ。
両者共にバックステップで距離を取る。この男も自分達と同じなのだろうか?
なら何故襲ってくるんだ?売られた喧嘩を買った自分も自分だが、男の方も絡んでくる理由なんて無いんじゃないのか?
Aotsuki:見抜け、っていきなり襲ってきておいて!友人でも何でもないじゃない!?
Elvaan Red Mage:ククク…そうだな。あいつは嘘を付いた。文句はおれにじゃなく、あいつに言ってくれよ。
Aotsuki:……あ、っそう。じゃあそこを退いてくれないかな。文句言いに行きたいから
Elvaan Red Mage:出来ない相談だな。
Aotsuki:何故?
Elvaan Red Mage:話す必要は無い。折角生き延びるチャンスをやったのだがな、君はそれを放り出した。
Aotsuki:理解出来ない。貴方も同じ来訪者なんでしょ?何でこんな事を…
Elvaan Red Mage:違うな。おれと君では決定的に違うものがある。
男はそう言いながら、剣先をこちらへとゆっくりと向けた。
(´・ω・`)ノ 以上です
362 :
既にその名前は使われています:2006/08/06(日) 06:20:31.21 ID:hV5KWCEe
hosyusyu
363 :
既にその名前は使われています:2006/08/06(日) 09:54:37.68 ID:rwT7SSpO
>>337 あ。いつもどおりのサンドリア三悪トリオ外伝ネタですので御気になさらず。
ただ、ちょっと長文になっただけです。
ちなみに元ネタはコンビニブレーカーフルキフェルです。
だから壊してませんってば!
…ついでに携帯から保守。今日こそ、今日こそはバスに〜ヽ(;´Д`)ノ
365 :
既にその名前は使われています:2006/08/06(日) 10:30:12.37 ID:rwT7SSpO
あったこともないはずのフルとヒロとロックの作者がネ実であるのにもかかわらず妙に馴れ合うというか仲がいい不思議についてw
キャラに固有名詞をつけない人?の話がすきだったんだが続きわー?
妄想ネタが溜まったので、投下します。
妖霧が覆う酷寒の地、ザルカバードの西の果て…ズヴァール城。
その城内の、地図には描かれていないエリアに、フェイト本部がある。
〜〜〜〜〜
ドアに「第一会議室」と書かれた部屋は、講堂かと思うほどに広い部屋だった。
今、この部屋には2人しか居ない。
1人は椅子に座って書類を読んでいる。もう1人は、その近くに立っている俺だ。
椅子に座っている者は、何をするにもこの部屋を使用していた。
実質、会議室として機能しないため、やたら評判が悪い。
そんな悪評など馬耳東風の当事者は、ブツブツと呟きながら、書類に目を通している。
赤い鎧0「ボツ!」
そう言いながら、手にした紙束をテーブルに投げ捨てた。
〜続く〜
赤い鎧0「鎧級を6人投入? そんな余裕が、どこにあるというのです?
あなたが1人で、その6人分の仕事を代わりに済ませてくれるというのですか?」
赤い鎧1「ぐ…」
鎧級を必要とする理由として、先日の実例を示し「『D』以外も、黒装束級では危険」と書いている。
しかし、目の前の男にとっては、日常業務が滞ることの方が、よほど我慢ならないようだ。
赤い鎧0「この作戦書は、それが出来てから持ってきてくださいね」
次の紙束を手に取り、読み始める。
またブツブツと呟きながら、書類に目を通している。
〜続く〜
前回の作戦失敗によって権限が削減され、独断では作戦を実施できなくなってしまった。
日常業務の範囲を超える場合は、全て目の前の男の裁決が必要となってしまった。
…ようやく、この事なかれ主義男に縛られず、自由に動けるところまで行っていたのに…
…あの内藤PTさえ…いや、『D』さえ居なければ…
逆恨みと判ってはいるが、それでも思わずにはいられない。
赤い鎧0「ボツ!」
次の紙束も、テーブルに投げ捨てられた。
〜続く〜
赤い鎧0「【無制限】級のアイテムを使用する?
あなたは世界中のHNMを乱獲するつもりですか?」
赤い鎧1「いや…先日も報告しました通り、『D』はHNM級と想定すべき、と…」
赤い鎧0「そんな設定は、特別な役割を持つNPCにしか与えられていません。
『D』などというNPCを配置した覚えはありませんよ?」
全てが想定通りだったら、そもそも世界の調停役など不要だろうに。
想定外を想定するのが、あんたの仕事じゃないのか?
…そう言ってしまいたい。
〜続く〜
赤い鎧0「大体、まだ『無限の傷跡』の回収も出来ていないじゃないですか。
新しいアイテムを欲しがる前に、まず回収作業を進めてくださいよ」
ダルハ川に投げ捨てられた、【絶対回避】の効果を持つリング「無限の傷跡」。
その回収作業は確かに、ほとんど進んでいない。
大きめな川の割に流れが速く、潜水作業は大変な労力が要る。
その上、定期的に発着する飛空艇が起こす乱流によって、川底は不規則にかき乱されている。
現時点で、捨てられた川底付近に埋まっているのか、それとも既に下流へ流されたのか、全くの不明。
現場レベルでは、とっくに『回収は不可能』という結論に達しているのだ。
それなのに…。
赤い鎧0「それが完了したら、【無制限】級アイテムの使用許可を出しますから」
実質、『もう二度と使わせない』と言っているに等しい。
あれを失ったのは、俺のせいじゃないのに…。
〜続く〜
赤い鎧0「鎧級1名と、黒装束級2名。今動かせるのは、それだけです」
前回より少なくて、どう戦えと言うんだ…。
赤い鎧0「…とはいえ、何も無しでは、同じ失敗を繰り返すかもしれませんね」
さすがに、何か配慮してくれるようだ。
あんな常識外れの連中相手に、まともに戦える奴など居るわけがない。
『鎧が無意味』という時点で、気付いてほしい…。
赤い鎧0「今まで、あまり使用されたことの無い、このアイテムを支給しましょう」
2個のリングをテーブルに置いた。
パッと見、ウィンダスリングに見える。あれは何だったかな…
〜続く〜
…思い出した!! あれは【挑発】の効果を持つリング「不堪の誘い」!
『PC相手にも確実に【挑発】効果を及ぼす』というアイテムだ。
嫌がらせか? 嫌がらせなのか?
「あまり使用されたことの無い」ではない。「一度も使われていない」が正しい。
黒装束でさえ、普通の冒険者よりは強いのだ。
わざわざ【挑発】する必要などないのだから、こんなアイテムを使うわけが無い。
こんな物で、どうしろと言うんだ…。
呆然として立ち尽くす俺の肩に、奴が手を置く。
赤い鎧0「上手く活用してくださいね(^^」
一言そう言うと、そのまま出口に向かって歩いていった。
口頭の会話で顔文字を使うな。鬱陶しい。
〜続く〜
あの男が会議室を出てからしばらくの間、ただ途方に暮れていた。
右手に持った2個のリングを見て、ため息をつく。
赤い鎧1「畜生! やってられるかぁ!!」
リングを放り投げようと、右手を振り上げた。
しかし、投げ捨てられない。
投げ捨てたいのは山々だが…その後が無い…逃げることはできないのだ。
右手を下ろし、再びリングを眺める。
…ん? 待てよ?
行けるかもしれない…。
思わずニヤリとした。
〜続く〜
≪内藤外伝: 無 手 の 内 藤≫
その日、俺たちは、チョコボでソロムグ原野を走っていた。
マウラから、アトルガン皇国行きの船に乗るためだ。
渡航許可を得るためのアイテム集めで、毎度のことながらリーダーたちに苦労させられた。
詳細は省くが、ようやく全員分のアイテムが揃い、今日が初渡航だ。
ナイトC「待望の新エリア…みんなでバニシュの素晴らしさを広めよう!」
俺たちは、かなり出遅れてるんだが。
そもそも『バニシュの素晴らしさ』とやらは、Cさんしか知らない。 一人で広めてくれ。
リーダー「アトルガン皇国では、街の中で敵が襲ってくるらしいよ♪」
ナイトD「腕が鳴るwwwww」
どんな敵が来るのかは知らないが、多分、Dさん一人でも十分だろうな。
〜続く〜
俺「襲ってくると言えば…ここしばらく、赤鎧たちが来ませんね」
ナイトB「俺の槍に恐れをなしたかwwww」
Bさんの槍を恐れる奴などいるものか。
大体、先日の襲撃時は、一人で何かに潰されていたくせに。
レイズしに行った時の様子だと、何か巨大なものが落ちてきたような窪みがあって、その中央でBさんが潰れていた。
状況からして、恐らく敵の攻撃だが…どんな攻撃だろう? どう対処したらいいんだろう?
ナイトE「違う違うwwww俺のサポシを恐れてるんだよwwwww」
不意だまとかは、確かに役立つが…Eさんは滅多に使ってくれないじゃないか。
大体、先日の襲撃時は、敵じゃなくてトレインに轢かれてたくせに。
目撃者によると、かつてのダボイを思い出させる、見事な大トレインだったそうだ。
全く、何をやってたんだか…。
〜続く〜
その時…不意にチョコボが止まり、俺は前に投げ出された。
「止まった」と言っても、「スピードを落としながら」ではなかった。
「突然、その場に停止した」という感じで、その変化に対処しきれず、投げ出されたのだ。
俺「な…何だよ一体!?」
起き上がってチョコボを見ると…右足を前に上げ、左足を後ろに蹴り出している姿勢…。
つまり、走っている姿のまま、その場で停止している。
ナイトD「死刑wwwww」
Dさんが、自分の乗っていたチョコボを殴っている。
どうやら、俺のチョコボだけではなく、全員のチョコボが停止したようだ。
ふと気付くと…周囲が薄暗い。
空を見ると…さっきまでの青空が、一面の黒雲に覆われている。
これは…赤い鎧に初めて遭遇した時の…。
〜続く〜
赤い鎧4「やはり、チョコボから落ちた程度では怪我もしないか」
声のする方を見ると、赤い鎧が一人と、その左右に黒装束が二人。
先日の総数6名よりは少ない。
しかし、多対多の戦闘では、何がどう転ぶかわからない。
どう戦おうか…。
ナイトD「うはwww赤い鎧キタwwww俺と戦えwwwww」
Dさんは、今までの襲撃を経て、完全に『赤い鎧』を敵と認識したようだ。
けしかける手間が省けて助かった。
赤い鎧4「いくぞ! 作戦開始だ!!」
黒装束×2「了解!」
〜続く〜
黒装束が向かってくるものと思い身構えたが、奴らは左右に分かれて走り始めた。
奴らは、俺たちからかなりの距離をとって、走るDさんの方を向いた。
そして、黒装束の一人がDさんに対して【挑発】を発動した。
一体何のつもりだ?…と思ったのだが…。
Dさんが、【挑発】した黒装束にクルリと向きを変えた。
え? 何で冒険者に【挑発】が効くんだ?
ナイトD「うはwwwww」
Dさんも、笑ってはいるが戸惑っているようにも見える。
【挑発】した黒装束に向かって進み始めたDさんに対し、もう1人の黒装束が、続けて【挑発】を使用した。
また、Dさんが向きを変える。
なるほど…2人で【挑発】を繰り返して、Dさんを足止めする作戦か。
しかし…。
〜続く〜
普通の【挑発】が、冒険者に効くはずは無いんだが…。
この前の【絶対回避】リングのような、特別なアイテムの効果か?
忌々しい…。
ナイトD「生意気wwwww」
Dさんが【ためる】を使用した。
赤い鎧4「何!?」
その途端、赤い鎧がDさんの方を向き、凝視した。
恐らく、パワーアップを警戒しているのだろう。
味方としては、いきなりパワーアップしてくれれば有難いのだが…。
しかし、この前のようなオーラは出ていない。
ごく普通の【ためる】なのか?
〜続く〜
黒装束の役目がDさんの足止め役ならば、【挑発】で手一杯だろう。
この前のように、Eさんがアイテムを盗んでくれれば…。
ナイトE「ギルウマーwwww」
Eさんは、赤い鎧からギルを盗んでいた。
俺「Eさん! 盗むなら、ギルじゃなくて何かアイテムを…」
ナイトE「無理wwwwギルウマーwwwww」
この野郎…と思ったが、意外な相手が答えてきた。
赤い鎧4「ははは…彼が、自分の欲望だけに忠実である事は、既に判明しているのだよ」
そんなことは百も承知だ。 しかし、その口ぶりが何か気になる。
俺「…だったら、何だと言うんだ?」
〜続く〜
赤い鎧4「『E』対策として、ひたすら多額のギルを盗まれるよう、細工をしてきた」
何だって!?
意識して見てみると…確かに、1回に数万ギルずつ盗んでいた。
通常ならありえない額だ。
赤い鎧4「儲けの匂いに敏感な彼は、もう私の持つギルにしか目が向かないのだ」
な、何て乱暴な…。
しかし、自腹を切ることが苦痛でないならば、これほど有効な策は無い。
俺「そんなに盗ませておいて、後で困るんじゃないのか?」
赤い鎧4「ただのデータだ。 それに、後で回収すれば済む話だしな」
俺なんて、日々のメシ代にも苦労してるってのに…。
コンチクショー! 絶対ぶちのめしてやる…。
〜続く〜
リーダーとBさんの攻撃は、毎度のことながら当てにできない。
リーダーの天然フラッシュも、アビには効果が無い。
Eさんも駄目なら、後はCさんしか居ない。
俺「Cさん! 黒装束に攻撃を!」
ナイトC「任せろ!」
黒装束の1人にバニシュ2が炸裂する。
黒装束5「<黒装束6>にケアル2〜」
バニシュ分のダメージが回復してしまった。
【挑発】の合間でも、ケアルする余裕はあるか…。
これではDさんが足止めされている状況は変わらない。
〜続く〜
ナイトD「うはwwwおkwwww」
そのDさんは、連続で【挑発】を受けてクルクル回りながら、【ためる】を使い続けている。
依然としてオーラは出していないが…代わりに、何やら紫色の煙が出ている。
そんなDさんを、赤い鎧が凝視し続けている。
ナイトD「うはwwwwうはwwwwうはwwww」
ひたすら【ためる】を繰り返し、どんどん煙が増えていく。
一向にパワーアップする様子は無い…さすがに不安になってきた。
赤い鎧4「…まぁ、仮にパワーアップしたとしても、連続【挑発】で足止めされていれば、何も出来まい」
赤い鎧が、こちらに向き直った。
どうやら、先に俺たちを始末するつもりのようだ。
その時…。
〜続く〜
ズドオォォォン!!
突然、Dさんが居た方から、爆音が聞こえた。
距離があったので、俺たちは何事もなかったが、比較的近くにいた黒装束は、跳ね飛ばされていた。
しかし、特に深刻なダメージを与えたわけではなく、ただ転ばされただけのようだ。
Dさんが居た辺りには、小さな窪みが出来ていた。
しかし、Dさんが居ない。 どこへ行った?
跳ね飛ばされた黒装束だけでなく、その場の全員が、Dさんが居た場所を凝視していた。
しばらく沈黙が続いた後、赤い鎧が笑い始めた。
赤い鎧4「はははっ!! 気をため過ぎて暴発したか! 跡形も無く爆死か!!
非常識な奴に相応しい、非常識な死に方だな!」
〜続く〜
Dさんが爆死したって? ありえない。
きっとどこかに…。
リーダー「今サーチしてみたら、D君はコンシュタット高地に居るみたいだよ♪」
リーダーも、同じように考えていたようだ。
それにしてもコンシュタット高地とは…テレポデムじゃあるまいし。
黒装束5「むぅ!? コンシュタットだと?」
リーダーの言葉を聞いて、黒装束の1人が驚いたような表情をして、話し始めた。
黒装束5「まさか、今の技は…体錬歩!」
黒装束6「何? 知っているのか!?」
黒装束5「あぁ、聞いたことがある…」
〜続く〜
【体練歩】
遙か昔、三大強国の誇る武の達人が「我こそはヴァナディール1の猛者」とクフィム島に集い、その漢気の強さを競い合った事があった。
鳳来:/sh パワーーー!
Holaのためる×∞
伝無/:sh パワーーー!
Demのためる×∞
瞑亞:/sh パワーーー!
Meaのためる×∞
しかし漢達の大きすぎる気のぶつかり合いにより大爆発が生じ、達人達はそれぞれ遙か彼方へと吹き飛ばされた。
そしてこの時彼らがが降り立った岩を、それぞれホラ、デム、メアと名付け、このときから「気による遠距離移動」すなわち体練歩(ていれんぽ)の研究が始まり、いまのテレポへと発展した。
民明書房刊「レッツプレイ・マッスルフライト」より。
黒装束5「…ただの作り話と思っていたが、よもや実在する技だったとは…」
何だその胡散臭い話は。
〜続く〜
リーダー「すごいねぇ♪ 僕も教えてもらおうかな♪」
そりゃ無理だろう。
「【ためる】×∞」とか言ってる時点で、使えるのはDさんしか居ない。
ナイトB「俺のジャンプの方が凄いぞwwwww」
天井に突き刺さって止まる程度で、何を言うか。
デムまで飛べるなら、飛んでそのまま帰ってくるな。
ナイトC「僕には不要かな。バニシュがあるし」
あんたの場合は、サポ白テレポがあるからだろう?
バニシュは関係ない。
ナイトE「無理wwwwサポシwwwww」
帰れ。
〜続く〜
そんなことより、Dさんが居なくなったことの方が重大事だ。
敵は赤い鎧1人と黒装束2人、計3人。
黒装束だけならまだしも、赤い鎧は、Dさんでなければ倒せない。
赤い鎧4「いつ『D』が戻ってくるとも限らない…手早く始末するか」
言うなり、右手のひらを上に向けて、力を込める仕草をした。
手のひらの上に、小さな光の玉が出て、徐々に大きくなっていく。
魔法ではないようだが、明らかに攻撃準備だ。気孔弾のようなものか?
もし気孔弾と同種なら、必中だ。 威力が低いことを祈るしかないが…ありえない。
必中でないことを祈るのは…それこそ、勝ち目のない賭けだ。
ならば…一か八か、技として完成する前に止めるしかない。
〜続く〜
俺「全員!!最強魔法発射!!!!!」
PTメン「任せろ!」
ホーリー×4とバニシュ3が、赤い鎧に炸裂した。
一瞬、赤い鎧の周囲が白く染まる。
赤い鎧4「無駄なことを…」
声からすると、大して効いていないようだ。
だが、本題はここからだ。
白い光が薄れると同時に、赤い鎧の目の前に迫る。
魔法を目眩しに、接近しておいた。
姿を確認した瞬間に、シールドバッシュを打ち込む。
右手の光球に目を向けると、細かい粒になってバラけていった。
成功したか?
〜続く〜
赤い鎧4「ふっ、残念だったね」
何だって?
その言葉に驚き、正面に視線を戻すと…右側から光が見える。
さっきの右手と同じように、左手のひらを上に向け、光球を作っていた。
やられた…最初に右手だけで光球を作っていたのが、引っ掛けとは…。
この距離では避けようがない。 万事休す、か。
ズガアアァァン!!
さっきの爆発に似た音が響く。
視界を遮る砂埃の中に、両手棍を背負ったシルエットが見えた。
ナイトD「ただいまwwwww」
〜続く〜
赤い鎧4「ちぃっ! もう戻って来たか!!
おまえたち! 連続【挑発】で止めておけ!!」
黒装束×2「了解!」
交互に【挑発】を放ち始め、またDさんがクルクルと回りだす。
しかし…。
ナイトD「邪魔wwwwww」
Dさんが気孔弾を発射し、黒装束の1人に命中した。
黒装束は悲鳴を上げる間も無く50mほど転がって、そのまま動かなくなった。
すごい威力だ。
ナイトD「うはwwwww気が有り余るwwww」
体錬歩とやらを2回やっても、まだ残っているらしい。
〜続く〜
ナイトD「次はお前wwww」
黒装束6「ひぃっ!!」
背中を向けて逃げ出すが、気孔弾は必中だ。 走って逃げられるわけがない。
また50mほど弾き飛ばされ、沈黙した。
赤い鎧4「くそぅ!! これでもくらえっ!」
俺に向かって撃つつもりだったはずの光球を、Dさんに向けて撃った。
ナイトD「何こいつwwwwwww」
Dさんは再び気孔弾を放ち、光球にぶつけた。
気孔弾と光球は互いに弾かれて大きく軌道を逸らし、それぞれ離れた場所に落ちる。
〜続く〜
気孔弾は、盛大に砂埃を巻き上げて消えただけだが、光球は、周囲の廃墟を塩のような何かに変えた。
塩のようになった廃墟は、すぐに崩れ始めて跡形も無くなった。
光球は、あんなヤバい攻撃だったのか…
赤い鎧4「2発ならどうだっ!!」
赤い鎧が両手の平を上に向け、両手で光球を作り、同時に飛ばした。
気孔弾1発では弾けない軌道で、左右からDさんに迫る。
ナイトD「甘いwwwww」
気孔弾を右手に留め、そのままバックハンドブローを繰り出す。
間近に迫った2発の光球を、気孔弾で弾き飛ばした。
赤い鎧4「くそぅ! どこまで非常識な奴だ!!」
お前が言うな。
〜続く〜
その後も何発か光球を撃ち出すが、全て気孔弾で弾かれている。
こいつ、光球しか技が無いのか…?
結局あっさりと近寄られ、タックルで転ばされた。
そしてDさんは、赤い鎧の腰を掴むと、頭を下にして抱きかかえた。
赤い鎧4「な、何の真似だ?」
ナイトD「いくぞwwwwWS【スピンアタック】wwww」
逆さにした赤い鎧を抱えたまま、横に回転しつつ高く跳び上がる。
そして、回転を止めることなく落下し、赤い鎧を頭から地面に突き刺した。
赤い鎧は、膝から先だけを地面から出した姿で、沈黙した。
それ、【スピンアタック】じゃなくて、スクリューパイルドライバーじゃ…?
後が怖いので、指摘は止めておく。
〜続く〜
突然、黒い球体が赤い鎧を包み、収束して赤い鎧ごと消えた。
デジョンだ。
黒装束たちの倒れていた辺りを見ると、既に見当たらない。
3人とも、撤退したようだ。
程なく、破壊されていた周辺の地形が、元に戻り始めた。
塩のようになって崩れた廃墟も、元に戻っていく。
全ての物が元に戻ると、黒雲が晴れ、周囲が明るくなった。
やれやれ、今回も無事退けたか。
…座って一休みしていると、Dさんが寄ってきた。
ナイトD「物足りないwwwwスパーに付き合えwwwww」
工工工工エエエエェェェェ?
絶望的な一言。 嫌だ、まだ死にたくない。
〜続く〜
俺「お断りします」
ナイトD「却下wwwwwww」
気孔弾が飛んで来た。
あぁぁ、折角危機を乗り切ったのに…。 俺は死を覚悟した。
〜〜〜〜〜
次に目が覚めた時は、ジュノ上層の病院だった。
まぁ、結果オーライとしておこう。
こんちくしょう…。
〜続く〜
ズヴァール城内、フェイト本部の医務室。
最近、死にかけの患者が、立て続けに担ぎ込まれているという…
赤い鎧4「…【スピンアタック】怖い、【スピンアタック】怖い…」
黒装束5「…【気孔弾】強すぎ…修正汁〜…」
黒装束6「…もう、モンクとは戦わないぞ〜…」
赤い鎧1「…なんてこった」
全滅か…。
『D』はともかく、他の奴は仕留められると思っていたんだが…。
〜続く〜
赤い鎧0「また失敗しましたね」
赤い鎧1「ひぃ!!」
背後からの声に驚き、数歩分前に跳んでから、ゆっくりと振り返る。
その男の表情は笑っているが、纏う雰囲気は刺々しい。
赤い鎧0「ここはやはり、お仕置きが必要ですね(^^」
赤い鎧1「お、お許しを〜…」
ズヴァール城の夜は更けてゆく…
〜完〜
皆様投下お疲れ様です。
内藤さんはなんでいっつもこんなにおかしいんでしょうかw
新たな来訪者さんはいきなり修羅場なんだかお笑い路線なのか…続き楽しみにしてます。
ヒロさんもアオツキさんもサンさんにも危機的状況が…これなんてシンクロニシティ?
1レスだけ落としてすんごい不自然な切り方してしまいました。
お祭りはたのしかったです。では投下。
「…いきます」
盾が低い振動音を発し始めた。……が、いつまでも変化は現れない。
…違う、前回よりキャスト係数が大きくなってるんだ。魔法で言うなら、古代並みに。
力の集積というよりは、何かを…恐らくこの砂漠全体を走査するような力の動きに焦れていると、
突然、足の下で何かが動くのを感じた。砂がざーっと、流れ落ちるような音も。
「フルキフェル、避けてっ!!」
ラディールさんの叫び声。なに、と思った瞬間、何か太い丸太のようなもので横殴りにされ、
私は大きく弾き飛ばれ、砂地の上に投げ出された。
ストンスキンのお陰で身体こそ無事だが、盾を中心に動いていた力は霧散していった。
視界がテレビを消したように一瞬で真っ黒く染まり、慌てて目を開いて見上げると、
そこにはロンフォで見たミミズより何倍も太そうな巨大ミミズが、私に向けて鎌首をもたげている。
強さは、計り知れない。体をなんとか起こしながら、思わず呆然とつぶやく。
「……ファントムワームまで来てたんですか」
一撃ではなんともなかった私を今度こそ叩き潰そうと、ミミズが身体を後ろに撓らせたその時、
光の塊がミミズの身体に叩き付けられ、ついで閃光がミミズの頭部すぐ側で炸裂した。
「離れてろ!」
ルーファスさんとレガートゥスが、私とミミズの間に割って入る。今のはフラッシュと気功弾か。
お返しとばかりにミミズが垂直に体を伸ばし、うにうにとうねり始めた。
土属性の力がすごい勢いと密度でミミズの周囲に集まっていくのを感じる。
ストンガIII、これはまともに食らうとやばい!
「"封土の聖域よ"!」
赤用と白用でバ系のマクロ違うんですよね。ほら脚に加えて胴のブレスドがあるから。
まあそれはさておき、私が下がるのをやめてバストンラを展開するのと同時に、
すぐ後ろからチキチキ、という声とともに金色の輪が射出された。
雷の属性を帯びたそれに絡めとられ、ミミズが痙攣し精霊魔法が立ち消えになる。
良い仕事するなぁアンティカのお二人さん。バ系より先にヘイスト回しのがよかったかな。
「フルキフェル様は、今はその盾の発動に集中なさいませ。
私の予想が正しくあれば、それが力を発揮した時点で、我々の勝利でございます」
後ろからお爺さんがそう言いながら、ミミズの根元に向けて何粒か、種のようなものを投げつけた。
そうして、地面に手を着く。流砂洞に逃げ込んだときと同じ、異様な力の動き。
種からぽんと芽が出た、と思ったらそれは見る見るうちに肥大化し、
節くれ立った蔓となってミミズに絡みついて、締め付けていく。
ラディールさんが両手斧を振り回し、ミミズに打ちかかる様を見てから、私は再び目を閉じた。
ミミズの鳴き声と、肉の繊維が千切れる音に混じり、龍の唸り声が耳に届く。
もしかして、あの篭手が増幅効果かなにかを持ってて、それによってこんな事が可能になってるのかな…。
そんな事をちらりと考えながら、再び集中すると、またエリア全域の走査が始まった。
と、目蓋の裏に広がる神様の視界、その隅っこから何かがすごいスピードで此方へ向かうのが見えた。
まさかもう気付かれた!? さっきと今の感覚から総合して、盾の発動までは30秒強ほどかかるはず。
対して、奴の速度を鑑みるとこの場に着くまで、もう10秒もかかるまい。
「ギーブル来ます! タゲ取ったら15、いや20秒稼いでください!!」
20秒稼いでもらって盾が発動したとして、何も状況が変わらなかったらアウトだけど、
今は、信じるしかない。この地の本来あるべき姿を。
「分かった! お前こそ、今度は中断させるなよ!」
目を閉じたまま、声のした方に向けて頷く。その瞬間、すごい風圧と共に何かが頭上を過ぎる気配がした。
「来たわよ!」
羽ばたきで風が打ち下ろされ、ついで着地により地面が揺らぐ。
ルーファスさんが雄叫びを上げる。ミミズはお爺さんとクワエストルが抑えてくれてるようだ。
視点がマクロすぎて、周囲の音と魔力の動き、構築された式の動きでしか状況が伝わってこない。
温かい液体が何滴か頬にかかる。ああ、いますぐこの盾を放り出してケアルかけたい。
しかしそれでは全てが台無しになる。盾がいいなと言ったばかりに、こんな役が回ってくるとは。
歯痒い気持ちを抱えていると、ふと、鼻先を焼け付くような空気が通り抜けていった。
「――――!」
声にならない声が届く。今のはレイディアントブレス…!
今度こそ盾を放り出しそうになった。が、それを押しとどめるかのように、
鈴虫の声のような甲高い摩擦音がその場に響く。ギーブルが発する敵意の向きが、変わった。
剣よりも盾よりも、もっと硬質の何かがギーブルの爪を受け、弾く音。
「インビンシブルか…! フルキフェル、まだか!?」
「まだです、でも、もうちょっと…」
ルーファスさんの安堵と焦りがない交ぜになった声にそう応える。
ほんとに! ほんとにもうちょっとだから! マジ待って!
あとほんの数秒が、とてもとても永いもののように感じられた。
再び焼け付く風が横を掠めていく。誰かが砂に膝を落とす音。
重い刃がギーブルに食い込み、その力を殺ぎ落としていく音。
裂帛の気合いと共に放たれた、阿修羅の如き連撃に、耐えかねたギーブルが悲鳴を上げる。
放たれた二つの技が響きあい、発生した力場に向けて、キリリキリリ、という摩擦音と共に
土属性の魔力が急速に集中し、そして飛竜の鱗をも食い破る刃となって具現した。
でも、ギーブルは止まらない。標的は恐らくまだ、インビンシブルを使ったレガートゥス。
二度目のレイディアントブレスを食らって動けないままの彼に向けて、
爪か尾か牙か、とどめの一撃を振り下ろす風切り音が聞こえた、その時。
盾が、まるで心臓が鼓動を打つように脈打った。
目を開くと、盾は先程よりもより強く輝き、私の周囲には光の輪ができていた。
ギーブルは、ミミズは、みんなはどうなった?
そう思った瞬間、一定の大きさを保っていた輪が、急速に広がり始める。
まずミミズが絡みついた蔓ごと、次にギーブルが、広がっていく光に触れたと思った途端、
輪郭がゆらぎ、幻のように消えていく。…ちょっとファントムタスラムは惜しかったな。
輪を形作る光の帯はルーファスさんもラディールさんもお爺さんも、
それからアンティカの二人も通り過ぎていったが、そちらには何も起こらなかった。
もっと目を凝らすと、光が通り過ぎていった後に、雨後の竹の子みたく、
小さめのクモやサボテンダー、あとは甲虫やダルメルなんかが現れるのも見えた。
全身の力がどっと抜け、私は砂の上にへたり込んだ。
息をするのも忘れ、光の帯が砂丘の向こうまで消えていくのを見送る。
ルーファスさんの篭手が発していた振動と、盾の光は同時に止んだ。
「…どうやら、終わったようですな」
すぐ側にいるはずのお爺さんの声が、酷く遠くに聞こえる。
横でルーファスさん達も何か言ってる。でもごめんよく聞こえないや…。
太陽の向きが、なんか違うなぁ…。
頬にざらざらしたものが接している感触で、いつの間にか倒れていた事に気が付いた。
太陽の向きが変なんじゃなく、私の向きがおかしかったのか。
でも起きあがる気力は沸いてこない。視界が色を失ってぼやけていく。
ねむい…つかれた…フルさん、あとはしばらくお任せしていいかな…?
――そうですね、本来はここまで大規模に影響を及ぼす使い方はできない物なんでしょう。
向こうについたら合流して作戦会議とかもやりますけど、僕がちゃんと聞いときますから…
って、何処に行くんですか? ちょっと…!
いつでも聞こえるのが当然と思い始めてた、"僕"の声まで遠くなって、やがて無音になった。
何か黒いどろどろした波に浚われて、押し流されていく。
あれ…これってなんか死亡フラグくさくないですか? えっちょっとまずいでしょ?
我に返って、遙か頭上に向けて叫ぶも時すでに遅く。
いつしか私の周囲には、ただ昏い虚空に浮かぶ、茫洋とした廃墟の風景が広がっていた。
ここまでで一旦カットです。
存在がなくなったわけではないのでエスケプはまだ可能です。ご安心をばw
ルーファスさんはしばし、クネクネしてないフルさんとお付き合いください。
保守〜
410 :
既にその名前は使われています:2006/08/06(日) 21:57:48.50 ID:oefdZQh9
あったこともないはずのルーファスとフルとヒロの作者がネ実であるのにもかかわらず妙に馴れ合うというか仲がいい不思議についてw
そしてロックも仲がいいなんて初耳の件についてw
411 :
既にその名前は使われています:2006/08/07(月) 01:24:01.70 ID:+HWrKZgi
>>410 作者の話だぞwロックとフルキフェルやヒロは全然他人。
ロックが主に世話になったのはProconsul XIIだから。
保守
保守保守
保守保守保守
ってワシ何回連続保守すんねんage
415 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/08/07(月) 20:26:52.18 ID:vzQKU8j+
保守お疲れ様ですw
今日もちょろっと投下〜
(283)
「戻る…でございますか。少々、よろしいですかな」
「はぁ」
不承不承と言った感のある返事をするフルキフェルはお構い無しと言うように、爺さんは左腕に装着された盾を手にとって眺め始める。
手をかざしてみたり、顔を近づけてみたり、とにかく嘗め回すようにその盾を観察している。
「どうやら、答えはプライマルアーツに訊くほかないようですな。何かこの盾の力を有効に使える状況を察したからこそ、この盾に干渉したのでしょうから」
その声に答えるように、右手から低いうなり声が鳴った。
「そういや、奴らの武具のオリジナル…だったな。しかし訊くったって、喋れるわけでもないだろ、これ」
「でも、何かをさせたいのは、多分その通りなんでしょうねぇ」
何か、と言っても今誰かの時間を巻き戻す必要性があるとも思えないが…
もし仮に時間を巻き戻すことが必要だとして、その対象は誰になるのだろう?
少なくとも、俺やラディールの時間を巻き戻しても仕方がない。
爺さんならあるいはそういう可能性もあるか… 爺さんが興味津々なのもそのせいなのかもしれない。
しかし、横で考え込んでいる爺さんの顔を見る限り、あまり期待できなさそうだというのはわかる。
さて、この篭手は一体何を考えているのやら…
不意に、流砂洞の奥からぜんまい仕掛けのオモチャを動かすような音が聞こえてきた。
この音には聞き覚えがある。アルテパ砂漠全域を根城にしている獣人が意思疎通のために発生させる奇妙な音だ。
即座に腰を浮かせて、構えを取って振り返った。
(284)
振り返った先にいたのは大きなアンティカ族2体。アルテパ砂漠や流砂洞入り口近辺では見かけない大きさだ。
構えを取る俺たちに対して、2体のアンティカは剣を構えるどころか不思議な身振りを取っている。
「お待ちください。どうやら敵意はないようでございます」
爺さんはそういうと、腰の後ろに手を回してやすりのような鉄の棒を取り出し、それをこすり合わせてギギギと音を鳴らした。
それを聞いたアンティカはその場で立ち止まる。
「爺さん、あんたアンティカ語もわかるのか」
「はは…もう随分と昔になりますかな。暇を持て余し、戯れに習得してみたものですが…。いやはや、こんな所で皆様のお役に立てるとは、わからんものですな」
最早謙遜なのか誤魔化しなのか分からないような事を爺さんが言う。
さっきとは音調が違う音をアンティカが発すると、さらにまた異なる音を爺さんが金属棒を使って発する。会話…と呼べる代物かどうかは別にして、意思疎通は出来ているらしい。
「お爺さんって、なんだか、ドラえもんみたいですね…」
こんなに隠し事が多くて興味本位なドラえもんはちょっと嫌だな。
ともかく、戦わずに済んだ事は素直に助かる。本番はバストゥークだってのに、こんなところで消耗するのは本意じゃない。
2体は(意思の疎通が出来て、さらに敵意がない以上2人と言うべきか)、こちらが休憩をしたい旨を伝えるとあっさりと了承して流砂洞の奥へと促した。
「ルーファス、ちょっとしゃがんで頂戴」
言われたままにしゃがむと、背中にある鞄からラディールがガチャガチャと何かを取り出す。首だけ回して見てみると、ティーセットのようだ。
「あのなぁ… 遊びに来たんじゃないのにどうしてそんなものが鞄から出てくるのかなぁ…」
「何があるか分からないでしょう?お茶ぐらいゆっくり飲みたいじゃない」
多分今日二回目の、眉間を押さえて肺の空気が全部出て行くような深いため息をついた。
(285)
「ティーセットは許そう… だがなぁ、こりゃいくらなんでもやりすぎじゃないか??」
奥に通されたところでアンティカ族2人とお茶を飲みながら話すことになり、何故か俺の鞄から出てくる大量のお菓子に愕然とした。
ロランベリーパイにマロングラッセ、この前フルキフェルが土産に持ってきたドラギーユ城クッキーまである。
テーブルはなく、床に置かれたティーカップの横にずらりと並べられたそれらはアンティカの2人にはすこぶる好評だったようだ。
もっとも、俺は甘いものが苦手だ。こんなものをありがたがって食う連中の気が知れない。人間でもアンティカでも。
アンティカの2人はレガートゥスとクワエストルVII-IXと名乗った。
やっぱりあまり聞かない名前だ。体躯の大きさから見てもきっとNMだろう。
彼らが言うには、以前に流砂洞へやってきたタルタル族の赤魔道士が同じように甘いものを持ってきて彼らに食べさせたのだと言う。
代わりに、彼らは請われて戦闘訓練を施したのだそうだ。
変わった人間もいるものだ、としか彼らは言わなかったが、そんなクソ度胸で常識はずれのことをやるのは何も知らない来訪者くらいなものだ。
「はー、アグレッシヴな来訪者の人もいたもんですねー」
「…なーんか雰囲気的に、今でも無事に生きてそうだな、そいつは」
しかしサンドリアの銭湯で見たようなちいさな生き物が、このアンティカの巨躯を前にまともに戦闘していたと言う事実の方が俺には驚きだ。
爺さんの通訳で話は広がり、現在のアルテパの状況についてアンティカの2人が話し始めた。
事の起こりは数日前で、本来砂漠に生息していないはずのモンスターが突然現れ、アンティカ達は自衛のためにそれらのモンスターに対して戦線を繰り広げたらしい。
だが、ギーブル含め狂暴極まるモンスターに手を焼き全体の戦力からみてかなりの数を消耗したことから、上層部の決定でアルテパを放棄したのだそうだ。
大隊を率いるアンティカの用兵術は遠くサンドリアに在っても耳にするほどだ。そんな彼らが押し返せないのなら、最早数の問題ではないのだろう。
以上です。
そろそろバスに着かないと大変な事になりそうですねぇ…
420 :
既にその名前は使われています:2006/08/07(月) 20:32:40.52 ID:Ztj+vcOv
久々の良スレ^^;
421 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/08/07(月) 22:22:53.62 ID:fEAC/Vju
皆様、投下乙でございます。
各々、大変な事態になっているようですね。
せめて食事時くらいは静かにすごしたいものです。
422 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/08/07(月) 22:45:04.42 ID:xviv9O9V
投下乙です(`・ω・´)ノ
ええと、リードさん執筆中です?(´・ω・`)
執筆中なら投下待ちますけど・・・
あ、どうぞお気になさらず、投下をお願いいたします。
例によって、1レス30分近くかかるものですから・・・。
424 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/08/07(月) 22:46:44.18 ID:xviv9O9V
むむ、どうもです〜
それじゃ、投下しますね(´∀`)
425 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/08/07(月) 22:47:09.71 ID:xviv9O9V
へとへとだけど、体は動く。だけど、足が死ぬ前に勝負をつけなきゃ。
剣を縦横に振るってどうにか間合いを離し、フィオと対峙する。狭い通路の壁を幾度か刃が抉ったが、折れも曲がりもしない。
さすがにそれなりの名剣だと見える。競売では随分安く手に入れた記憶があるが。
「お前こそ、仲間は行っちまったぜ。一人でおれに勝つつもりか?」
フィオの目を直視できず、視線を外す。
きれいな目だ。そして、見たこともないほど、恐ろしい目だ。
「ケツの穴の小さい事言わないで、わたしが望んでいるのは殺し合い。勝ち負けなんて、どんなつまらない勝負でも決まる事じゃない」
そうかい。
相槌を打つ舌がもつれて、声が上ずった。
「あなたのモーグリは素敵だったわ。どんなに踏みつけても、毛皮を焼いても、命よりご主人様の方が大切クポ! ですって」
モーグリの鑑ね。くっくっ、と喉を鳴らして笑う。
挑発のつもりだろうが、それに乗るほどおれは豪胆じゃない。ルークには悪いが、事情が許すなら今この瞬間にも逃げ出したいくらいだ。
だけど、事情ってやつはいつだっておれの味方をしてくれない。
左半身を引いて剣を前に突き出して構える。切っ先を揺らして牽制しつつ、左胸から腕にかけて敷設された回路を確かめる。……よし、いける。
こちらの意図を悟ったのか、フィオが仕掛ける。
出鼻を挫く形でおれが突いてかかる。突剣が驚くほどすんなりと、胸に突き刺さり、次の瞬間薄汚れた紙切れに変わった。
空蝉?
状況を理解する前に、剣を左に払って勢いで無理矢理体制を戻す。幻影に隠れて踏み込んできていた影が大きく仰け反って退く。
426 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/08/07(月) 22:47:48.23 ID:xviv9O9V
目と耳で前を見やりつつ、鼻と旋毛で後ろを確かめる。左半身で編んでいる術式に乱れはない。
「偶然? 見直した」
フィオは相変わらず笑みを顔に張り付かせたまま、満足げに頷く。
「だろ。逃げてもいいぜ」
限られた回路だけで術を組む都合、完成まで時間がかかる。
すり足で前に出ると、同じだけフィオが後ろに下がる。
「ああ…… いいわ。あのモーグリにして、この主人あり、ね。早く切り刻みたい。あの子に出来なかった事、全部貴方で試したい」
フィオが下がったのは打算でも恐怖でもない。単純に、獲物と会話を楽しみながら殺し合いがしたいんだ。奴の潤んだ瞳に怖気だつ。
「貴方とも殺し殺されるの。殺しあっている時、一番自由で、生きてるって感じるなんて、とんだ喜劇だと思わない?」
思わない。
恐怖を打ち消そうともう半歩前に出る。その隙を突いて、フィオが再び踏み込んでくる。
これは本体だ。自分の勘を信じて、剣を振るう。
相手の獲物は前に反った短剣と、剃刀みたいな片刃の短刀。突き出されたのは反りのある短剣。間合いの利はこちらにある。
だけど、場数は相手の方が踏んでいたようだ。
右に流すはずの短剣が軌道を変え、剣を強引に右に押しやる。無防備になった腹めがけて、もう一方の短刀が突き出される。
かわすか? 無理だ、次がない。
ストンスキンは完成途上。強引に合わせて、効果が発揮し始める左腕で腹を庇う。
ゴリゴリと骨を削るような感触と共に、張られたばかりの大地の守護が剥がされる。
完全に懐に入り込んだ殺人者の頭を、カップ状の護拳で思い切り殴りつけて間合いを放す。
427 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/08/07(月) 22:48:30.52 ID:xviv9O9V
よろけながらフィオが体を起こす。流血して顔の半分が真っ赤だ。怖さ倍増、見るんじゃなかったぜ。
左腕を確かめる。はがれたのはストンスキンだけ。今回はちゃんと鎧の外に張ったので、篭手も無傷だ。
「毒なんて塗ってないわ。仕事ならともかく、これは趣味。そんな無粋な事しない」
おれの意図を読み違えて、フィオがつまらなそうに言った。
「お前は狂ってる」
初めてにしてはうまくいった戦闘詠唱の出来に満足しつつ、次の魔法を用意する。
破壊力は増すかもしれないが、傷口を灼くエンファイアやエンサンダーは駄目だ。出血を狙うなら、エンストーンかエンウォータ、エンエアロ……。
「正気でなどいられるはずがない!」
今まで揶揄するような口調だったフィオの声が怒気を孕んだ。
「記憶をとどめたままヒュームにされたりエルヴァーンにされたり、男にされたり女にされたり。やる事といえば殺しと変態セックスの相手。これで正気でいられるはずがない!」
顔半分を血で染めたフィオは、残り半分に怒りと嘆きを浮かべていた。
「あっそ」
他に言葉は見つからない。正直、同情しようにも理解すら出来ない。
無駄話をしている間に、魔法が完成する。選んだのはエンエアロ。大気が渦をなして刀身を包み込む。
「だからって、他人様に迷惑かけんなよな」
分厚い大気の幕で揺らいで見える剣を向ける。
おれを見返すフィオは、マルトの喉を裂いた時と同じ、狂気を孕んで、そこには獲物への親愛など欠片も残っていなかった。
やっぱりこいつは、狂ってる。
ゲームの通りなら向こうの活性化した紙兵はあと二枚。次も捌けるだろうか……?
428 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/08/07(月) 22:49:07.48 ID:xviv9O9V
今度はこちらから打って出た。
フィオが二人見える。紙兵を出したか。左右から二人。
ちょっとだけ、連続魔を使ってしまった事が惜しまれた。すまん、マルト。
例によって左半身で術式を編みながら、フットワークを使って間合いを詰める。これがゲームでも使えれば便利だったんだが。
編み上げた魔法はディア。正体を見極めるにはこれで充分。ディアで死ね。
防御はストンスキンに任せ、右のフィオを突きながら、左のフィオにディアを放つ。
突かれた右のフィオが、表情一つ変えずに紙兵に戻って剣の飾りになる。
ディアは…… かかった! 最後の紙兵が魔力を絡め取り、身代わりになって魔法を打ち消す。そんな使い道もあるのか。
左からの刺突を掌で受ける。骨を削るようなあの嫌な感触とともに刃が滑り、腹を掠めた。
剥き出しの掌に鋭い痛みが走ったが、ストンスキンは貫けない。
あいつの言葉を信じるなら、毒も塗ってないはず。体を強引に捻って、剣の柄で殴りつける。
これは躱された。だけど、相手は体勢を崩してる。
いい加減捨て身の作戦も通用しなくなるだろう、これが最後の勝機とばかりに、手首を回して切っ先を向けると、体ごとぶつかるように突く。
フィオが再び二人に増える。まだ空蝉があったのかよ。
これは完全な博打だった。フィオは左、左と来た。だから今度は右だ。
神様、もしニートのおれを愛してくれるなら、おれの勘が当たっていますように。
429 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/08/07(月) 22:49:33.05 ID:xviv9O9V
ずぶり、と肉を貫く手応えの後、エンエアロが体内で爆ぜる感触。
フィオが両手の短剣をおれの肩に突き立てるが、胸に大穴を開けた体では力など篭らない。どちらも石の皮膚の表面を削って、力なく垂れ下がった。
ざまぁみろ、やってやったぜ。
残忍な衝動に任せてフィオの吠え面を拝んでやろうと顔を上げると、フィオは意外なくらい穏やかな顔をしていた。
「ありがとう」
確かにそう聞こえた。
フィオの長身が倒れこむ。おれ達はいつの間にか、階段のところで戦っていたらしい。
ガタガタと人形みたくフィオが転げ落ちる。
おれは憑き物が落ちたような気分で、阿呆面のまま階下へと降りた。
一応用心の為、剣を納め、短剣を抜く。
フィオは滑落の際に鼻を負ったらしく、顔で血に覆われていないのは右目の付近だけだった。
血の泡を吹きながら、何か呟いている。短剣をかざしたまま顔を寄せると、彼女は
「とどめを、とどめを」
とうわ言のように呟いていた。
明らかに致命傷だ、放っておけば苦しみながら死ぬ。反面、レイズをすれば助かる。
逡巡するおれに、フィオがもう一度囁いた。
「とどめを」
430 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/08/07(月) 22:50:00.39 ID:xviv9O9V
フィオが震える手で、短刀を自分の首筋に当てる。自害が出来ないほど弱っているのか、そういう風に「調整」されているのか、それ以上の事をしない。
それでおれは腹を決めた。
フィオの上にかがみ込んで、震える短刀に手を添える。
刃を引く瞬間。
「パンデモニウムを殺して……。もう生き返りたくないの」
お願い、と。
そう言った。
おれは鮮血が地面を塗らすのを、ぼんやりと見ていた。
ふと、フィオが指でおれの頬を撫でた。
気がつくとおれは泣いていたらしい。フィオの指におれの涙が、おれの頬にフィオの血がついた。
フィオは笑うと、形見分けでもするみたいに、おれに短刀を押し付けた。
大事なものだったんだろうな。そりゃ、趣味の人殺しに大活躍の逸品だからな。
それが最後の力だったらしい。
殺人鬼の女は、女神のような笑みを浮かべて死んだ。
431 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/08/07(月) 22:50:23.38 ID:xviv9O9V
全身の力が抜けてしまった。
だけど、あまりぼやぼやもしていられない。アオツキを助けなきゃ。
おれは二人の女の血にまみれたままの格好で立ち上がると、マルトのいる二階へと戻った。
短刀は念のためもらっておく事にした。
「マルト、生きてるか?」
マルトは遺体の上に乗る事をよしとしなかったのか、壁にもたれていた。
「ええ、あなたが治療したのでしょう」
ひどいしわがれ声で減らず口を叩かれて、思わず笑ってしまった。
「どうした、うまく繋がらなかったのか?」
仮にそうなら笑い事じゃないわけだが。
「血痰が詰まっているだけです。まだ痛くて咳き込めないんです」
不謹慎に笑うチンピラに、顔を赤らめて拗ねる。
「立てるか?」
言ってはみたが、とてもそうは見えない。
マルトがしわがれたうめき声を上げたが、多分肯定だろう。無理でもおれに弱みを見せるくらいなら腹を切るような奴だろうから。
「そこで待ってろ。動けるようになったら、すぐ宿に戻れ」
あなたは? というマルトの問いに適当に答えて、おれはふらつく足で階段を降りた。
アオツキは探すまでもなかった。ヒロが、抱えて戻ってきてくれたから。
432 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/08/07(月) 22:50:55.11 ID:xviv9O9V
以上です(`・ω・´)ノ
リードさんの投下をわっふるしております(´∀`)
投下乙でございます。
惚れ惚れするような描写ですね。つい手を止めて読み込んでしまいました・・・。
無言で睨み合う二人の間に緊張が走る。
行き場を求め、空中で互いの感情がぶつかり合う。
この場所で直接的な行動に出るのは論外だ。では罵りあうのかといえば、それも違うだろう。
せいぜい皮肉の一つも交し合うくらいが関の山だろうが、あいにく、こういう時に限って上手く舌が回らないものらしい。
別にトトのことを嫌いではない、というのも躊躇される原因か。
逆に、相対する彼も、言ってしまったはいいが次に続かない、といった風だ。
何か言おうとして、ためらい、また何か言おうと唇をわずかに開くのを繰り返す。
張り詰めた空気の隙間を縫うように、香ばしいカレーの匂いが漂ってきた。
「オイィ、皿並べるくらいは手伝いにゃがれ―――」
イッチがシャモジを片手に、ひょっこりとキッチンから顔を出す。
「―――よん? オトコ同士で、なに見つめあってんだにゃ」
「あ、いや・・・」
どちらともなく、視線をそらした。
何か言いつくろおうとして、だが、イッチの檄がそれをさえぎった。
「ほら、さっさと皿並べろにゃ! 働かざるもの食うべからずッ!」
俺は、わかったよと肩をすくめ、キッチンにお邪魔した。
物言いたげなメイミィと目が合う。
何を勘違いしたのか俺は、「コロッケおいしかったよ」などと口にして微笑んでしまった。
テーブルクロスの敷かれた上に並べられた料理は、どれも見事だった。
カレー、サフランライス、カレーコロッケ、色とりどりのサラダ。
ワインの瓶が数本と軽いおつまみに、各種フルーツのデザートまでも。
「たくさん食べてくださいね」
そう言ってメイミィが皿にサフランライスを盛り、イッチがカレーをかけていく。
最後にこんがり揚がったカレーコロッケを上に乗せ、“カレーコロッケカレー”の出来上がりだ。
「じゃじゃ〜ん!」
ふふふん、とイッチがまるで一人で作ったように胸を張った。
だが、そんなしぐさも許せてしまいそうな魅力を放つ伝説の逸品。
「おいしそう!」
キラキラと目を輝かせ、トトが喜ぶ。無論、俺も同様だ。
食欲がなくて不意に思い浮かんだ「カレー」だったが、ここまでの出来栄えとは。
「さっそく食べようにゃ!」
食べ物の恨みは恐ろしい、とはよく言うが、食べ物の魅力も、やはり恐ろしい。
先ほどの緊張した空気は、もはやどこかへ消えていた。
俺たちは席につき、各々グラスにつがれたロランベリーワインを片手に、乾杯した。
「かんぱぁーい!」
「にゃ!」
俺は酒を一切飲まない。
飲めないのではなく、飲まない。本来は酒好きだが。
アルコールは判断力、運動能力を著しく低下させる。
何故そこまで、と理由を聞くまでもないだろう?
「―――乾杯!」
料理を前にして、みんな笑顔でグラスを掲げた。俺もひとくち、ワインを唇につける。
俺は酒を飲まないんだ、と言い張って、この楽しげな雰囲気をブチ壊すような真似ができるはずがない。
そうしてグラスを置き、さりげなく柑橘系果物のスライスが浮いた冷水を飲んだ。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・」
いつのまにか、三人の視線が俺に集中していることに気がついた。
「どうした?」
あぁ、そうか。
言ってからはたと気がついて、俺は手元のスプーンを手にした。
サクサクのカレーコロッケを割り、今にも胃袋が鳴りそうな香りのカレーをすくう。
パクッと口に入れたとたん、えもいわれぬうまさと辛さが広がった。
「うん、うまい。これは、すごい」
正直な感想を告げると、三人は歓声を上げて喜び、我先にと食べ始めた。
俺たちは、たわいもないおしゃべりに花を咲かせながら、目の前に並んだ料理を心ゆくまで楽しんだ。
437 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/08/08(火) 00:42:36.07 ID:lTV1I7EF
今夜の投下は以上です。
438 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/08/08(火) 01:31:05.50 ID:hq5YIgKC
ちょっと筆が進んだので再投下…
439 :
既にその名前は使われています:2006/08/08(火) 01:31:09.29 ID:zYhrLjvr
どうでもいいけど、リードさん(リアルのほうの)ってめっちゃカレー、とんかつ、コロッケが好きな現代っ子なのね。
(286)
「…なるほどな。道理で外を逃げ回ってる間中、あんたらのお仲間の姿を見かけなかった訳だ」
本来アルテパを我が物顔で闊歩していたのは彼らのはずだった。
流砂洞の入り口ともなれば必ずアンティカの姿を見かけたものだったが、それすらいなかった。
それを考えると、もしかすると流砂洞の一部すら放棄しているのかもしれない。
では反撃はと言うとそれどころではないらしく、専ら流砂洞内部の治安維持のための人口調整に追われているらしい。
「しかし…ここでアンティカの皆さんの身の上話をされても、どうしようも…」
尤もな事だ。何れにせよ俺たちにこの状況を打開することは出来ないし、何より先を急ぐ必要もある。
しかしフルキフェルの言葉を爺さんが翻訳して聞かせた途端に、クワエストルと名乗ったアンティカが反応を示した。
そして俺の手とフルキフェルの盾を交互に指差して、さらに何かを言わんとしているようだ。
「むむ…"全にして個、個にして全の我らは知っている、お前の仲間がこの地に異変をもたらした事を"、と」
プライマルアーツとジャッジメントギア。コレと同じ気配を放つ物を持っていた奴がコレをやったと言うことだろう。
「あ…やつらと同じ気配を持っている武具だから、そう思うんですね…」
「仲間じゃないわよ…まったく…」
ラディールがフルキフェルを睨みつけながらつぶやく。
そういえば、エルリッドをさらって行った奴は特別何かを持っていたという訳ではなかったはずだ。
力の性質が同じだから、と言うのならば話は簡単だが、もしかするとあの赤い鎧はあの時点であえてジャッジメントギアを使用しなかったか、
あるいは今はジャッジメントギアを持つ他の赤い鎧と連携を取っている可能性もある。
(287)
敵が増えたか、もしくは強くなっているかもしれない。コレはコレで問題だ。
だが、逆にこんな大規模な転送を行って消耗しているかもしれない。
こんな事がいつでもできるのなら、サンドリアでやりあったときにモンスターの大群でも『フェイト』の連中でも転送してくれば確実に仕留められたはずだ。
だが実際は広範囲の記憶の改ざんを行って早々に引き上げて行った。
少なくともこんなマネは何度も出来ないはずだ。
この大転送が行われた時期は、具体的にはどのタイミングだろうか。
サンドリアから転送した先が仮にアルテパだったとして、あの時点では奴も疲弊していたはずだからそんな余裕はないはずだ。
ラバオかどこかで体力もしくは魔法力の回復を待って、その後に追っ手があったときのことを考えて最短経路を潰した、と言うことだろうか。
確か昨日ホラにテレポしたときに、各地のテレポイントで異常が発生しているようなことを言っていた。
それも奴の仕業だとしたら、それだけ時間を稼ぎたい状況だと考えられる。
エルリッドがさらわれたのが3日前。モンスターの転送を行ったのが2日前と仮定して、おそらくバストゥークに入ったのも同日。
バストゥークに奴がいると言う情報が入ったのは昨日。そして昨日の段階では既に3国テレポイントに異常を来たしていた状況だった。
あまりに手際が良すぎないだろうか。
『フェイト』にそういったマニュアルが存在するのならば話は別だが、足止めとしてあまりに理想的過ぎる。
奴の手の平で踊らされている状況と言ってもいいくらいだ。
何らかの形で奴の予想を裏切っておかないと、完全に準備された状態の奴と戦闘することになる。
どうすればいいか、と考えていた俺の思考を遮ったのはフルキフェルの大声だった。
(288)
「そんな、無茶ですよ!? あれでもけっこう大変だったのにそんな事やらされたら出涸らしも残りませんよ!」
驚いてフルキフェルの顔を見やると、また例の「しまった」という顔をしている。
「ああいえすみません…誤爆です」
「tell来てたのか」
「ええ、まぁ…」
誤魔化せたつもりなのか、何事もないような風を装う。
こう何度も続くと色々疑ってみたくもなるが、そんな話をする空気でもない。
早い話が、盾が行う「巻き戻し」の対象をアルテパ砂漠全体にすれば解決するのではないか、と言うことらしい。
「やってやれない事はないんでしょうけど…これ使うとなんかめちゃくちゃMP持ってかれるんですよ、エンチャントのくせに」
「でもそれっておかしくない? エンチャント装備って、だいたい装備に込められた魔力で作動するじゃない。そうでないと、魔法系の能力を発揮する装備は魔力がないと使えないことになるわ」
間髪入れずにラディールの突込みが入る。そりゃそうだ、でなきゃエンチャントの意味がない。
「そういえば…最初に使ったときは武器も抜いてた、かも」
そう言うと、フルキフェルは何を思ったかアンティカの2人に向って剣を抜き払った。
慌てて制しようと腰を浮かせたが、2人は何事もない様子でフルキフェルの様子を見ている。肚の据わった連中だ。
浮かせた腰を下ろそうとすると、今度はフルキフェルが悲鳴を上げて剣を納める。
「…出涸らしには、ならずに済みそうですな」
何を得心したのか、爺さんがニヤリとしながらつぶやく。すっかり蚊帳の外に置かれた俺はきっとつまらなそうな顔をしているんだろう。
(289)
アンティカ族2人の案内で、西アルテパ砂漠に出る。
話の流れとしては、とりあえず試してみてはどうかと言うことになったのだが、「とりあえず」でやっていい事なのかどうか甚だ疑問が残るところだ。
アンティカ族にしてみれば種族の危機だから仕方もないが、少なくともフルキフェル自身はもう少し慎重になるべきだと思う。
爺さんはどうせそう思っていたにしろ止めないだろう。実際、あの盾がそこまでの力があるのかどうか、俺も興味がない訳でもない。
まぁ、何がどう転がるかわからないし、ここでアンティカに恩を売っておくのもいいかもしれない。
爺さんの提案で、できるだけ砂漠の中心付近で試してみようと言うことになった。
辺りを警戒しながら慎重に進む、というか、俺は懐に右手を突っ込み左手で無精ひげをいじりながらノソノソと歩いていた。
正直気乗りがしない。状況として悪くない選択かもしれないが、どうも無事で済む気がしない。
何より気に入らないのはアレだけいたはずのカニや蜘蛛を一切見かけないことだ。
東で暴れたから西には何もいないなんて、そんな都合のいい話もないだろう。アレから結構時間が経ってる。
モンスターがいないのには、きっとそれなりの理由があるのだろう。もっとも、何の確信もないことを言って不興を買うようなことはしたくないから何も言わないが。
やがて砂漠の中心付近に到達し、全員が足を止める。結局一体のモンスターも見かけることはなかった。
フルキフェルが盾を前に構えて瞳を閉じる。と、同時に両手におだやな振動を感じたかと思うと周りが急速に下に落ちていく。
それが、自分自身の視界が上空に上っているからだと気が付いたのは、アルテパ全域を見渡せるところまで上ってからだった。
多分、フルキフェルも同じものを目にしているんだろう。これでアルテパを元に戻せ、って事か…
444 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/08/08(火) 01:34:59.99 ID:hq5YIgKC
以上です。
>>ヒロさん&フルさん
時系列についてちょっと相談があるので近いうちにチャットで打ち合わせできませんか?
では、皆様わっふる〜
445 :
既にその名前は使われています:2006/08/08(火) 02:23:32.44 ID:zYhrLjvr
こうしてみると、来訪者の存在って確実にこの世界を変えてるよな。
歴史的にデカイ事件だけ考えても。
新型素材により武器、防具、薬品、食品において劇的進歩。
三国獣人が本拠地より撤退し、コンクエストの意義が失われる。
ウィンダスとヤグード教団のあってなかった友好条約破棄。
代わりにギデアスがウィンダスの保護領になり、ヤグと樽が大豆作りだし、食糧難解決に向かう。
砂漠における血で血を洗う人(主にガルカ)とアンティカ族との戦闘。一時停戦。
ひとつ分かることは、主人公たちが対峙している存在は、
人と獣人が争ってて勝てる相手では無いってことだな。
まぁ仮にも神なんだから仕方ないといっちゃ仕方ないが。
皆様今晩湾。
なんか有り得ない時間ですが。いつもの事。です。
フルさんと少し似る状況が出ちゃって変更しようかとも考えましたが、
代案を思いつく頭が無かったのでそのままです。
今回は少〜しグロめな部分があるので、苦手な方は【気を付けてください。】
―――――ボシュゴリュッ――ドオォォォンッ
打ち出された砲弾は男の左脇腹に当たり、捻り、男を巻き込み回転しながら奥のドロガロガの骨へ突っ込み、爆発した。
撃って間違いでは無かったと思う。しかし俺は、その光景とは別の違和感を感じていた。トリガーを引いた右手に。
大砲は撃った反動で大きく跳ね、背後の渦辺りに落下して鉄の筒が落ちたような音を立てた。
跳ねて手を離れる時、右手が強く捻られるよ〜な、イヤーな感触がした。
右手の感覚が無い…イヤだなぁ…見たくないなぁ…でも見ないといけないんだよなぁ…見ちゃうかぁ……。
「……え?」
右手が血まみれになってる…右手の指が、足りない。それに手首も変な方向にねじ曲がってる…ナニコレ?
銃を見る…砲口からゆっくり渦に沈んでいくソレの引き金は、赤黒く染まった何かが引っかかっている。なんだ?
あぁ…黒い爪のついた人差し指か。黒い爪のヤツなんて誰か居たっけ…?………あぁなんだ、俺の右手か…。
どうりで右手の指が足りない……足りない?え?右手が……俺の右手……
頭から血の気が引いてく…頭…冷たい…右手…熱い…意識が… 消え行く視界に、左腹部が無い男が立っていた。
ぁ…真っ暗……夜?真っ暗で何も見えないや……
明かり…明かり…何か明かりになるもの……あった。真ん中辺りの片側が欠けた、木の質感をした棒きれ。
火…火は…何か火……無い…無い……あ…魔法…ファイア使えば良いのか…ぇと…"火よ、灯れ。汝が敵に。"
ボゥッと音を立て、暗闇に火が灯る。炎は上下左右全てを暗闇として照らし出し、地面無き場所に私は立っていた。
そしてふと、松明となったソレを見た。見てしまった。見なければ良かった。見るべきでは無かった。
パチパチと音をたて燃えている棒…木の棒だと思っていた物。
最初は片側の腹部が欠けた、人形か何かに見えた。でも違った。人形は動いていた。生きていた。
パチパチと音をたてながら、燃えながら、欠けた所から黄色い液体を流しながら、腕をこちらに伸ばして、蠢いていた。
(見つけた。見つけた。見つけた。見つけた。見つけた。見つけた。)
耳の奥に残る擦れた声で、同じ単語を繰り返しながら、火を纏い、無機質な肌の人の形をしたモノが。あの目で。
「ヒィッ」
思わず放り出すと、ソレは暗闇の中、炎を纏ったまま放物線を描き、遥か下へと落ちていった。
下へ、下へ、揺らめく朱色の光源が落ちて行く。何も照らさず、ただ光だけを放って。
いつまでたっても、「ドシャ」とも、「グチャ」とも、聴こえなかった。ただ光が小さくなって、フッと消えた。
また視界が真っ暗闇に戻った。何も、聴こえず。何も、見えず。風も、空気も、存在も、何も感じない。
また明かりを灯そうか…そうしたら今度はココがどこか見えるのだろうか。
もしまたさっきと同じ事がおこったらどうしよう……イヤだ……もうあんなもの見たく無い……
なんか、眠い…いいや、起きてから考えよう…寝て、起きれば何も無かった。コレは夢だった。きっとそう。
ガバッて起きて、「なんだ、夢か…」って言って、またぐだぐだと灰色の日々に戻る。
通りすがりの財布盗って、追っかけられて、逃げて、笑って。素敵じゃん。
さぁて…良い夢見れるかな…見れるといいな…見れますように…おやすみなさい。
暗闇のどこか遠くで誰かが小さく「おやすみなさい」と言った気がした。
―――――ひゅぅ……
………風を感じる…冷気を含んだ冷たい風…風の吹き渡る音……青草の匂い……
身体が重い…いつからこうしていたんだろう……少しづつ、身体の端々から存在を主張する感覚が伝わってくる。
「ん……」
瞼越しに光を感じる…朝なのかな… ゆっくりと目を開ける…眩しい…視界が光で塞がれてる……何も見えない…
ゆっくりと光に目が慣れて、徐々に視界が…世界が色を取り戻すとそこは、 とても澄んだ、穏やかな青空だった。
とても嫌な、夢をみた気がする。
どんな夢だったのか、思い出せない。
ただ、とてもイヤな夢だったのは確かだ。
どんな夢か思い出したいけど、思い出したくない。
ただ、今は青空を、ゆっくりと風に流されていく雲を眺めていた。
さわさわと草が風になびき、心地よい風が草の香りと、もう一つ匂いを運んで来た。血と、汗の匂い。
「ナ゛んだ?あ゛いヅ。」
唐突に、声がした。 澄んだ青空とは対照的に、とても、とても濁った声で。
「オ゛ンナ゛ガ!デガジダ!ゴデデダイジョーニ゛ナ゛グラデナイ!」
もうひとつ、声がした。 さっきの声と比べて、もっと濁っている。嫌悪感さえ感じる。
青空と雲だけの視界に、黒いずんぐりとした影が、2つ侵入してきた。折角の景色が、これじゃだいなしだ……
片方の影が伸びて来て、影は緑色をした手の姿になり、視界の上へと伸びて、頭…髪を掴まれた。
ぐいっ と力任せに上へと引っ張られ、必然的に視点が移動させられた。
青々と生い茂る草原…遠くに見える物見台……知ってるような…知らないような…。
「ナ゛ンダァ?ゴイヅ。オドゴガ?マ゛ァイ゛イ。オデガダヂガベデヤル゛」
五月蝿い。その醜い音をこれ以上出すな。
「ナ゛ンダゴリャ?ヂギレネ゛ェ!」
影の1つが服を乱暴に引っ張り、その度に身体が左右へと大きく揺れる。気分が悪くなってくる…煩わしい…消えて欲しい。
「…やめろ。」
「ア゛ァ!?ナ゛ニイ゛ッデヤガル!ブヂゴロズゾ!?」
「やめろ。」
「ァ…アニギ、こいヅ、ナ゛んかおガジい。やめどごう。」
「ッル゛ゼェ!ゴンナ゛ヤヅ、ブッゴロッデヤル゛!!」
影が何かを力任せに、大きく振りかぶった。
―――ブンッ ―――ズド。
「ア゛…ア゛ァ?」
「ァ…アニギ…」
―――ボスッボサ。
白い大振りの、骨で出来た血生臭い斧が影の先から落ち、地面に落ちた。
腕を上に伸ばした影に、横の影の腕が伸びている。
―――ズシュ
腕を上に伸ばした影が、シューという音を立てながらゆっくりと視界から消えて、ドザッという音が聞こえた。
「ェ゛……なんでオデ、アニギヲ゛……?」
残った影が、不思議そうに何か言っている。煩わしい。コレも、邪魔。消えろ。消えちゃえ。
「な゛…!? うでガ…! な゛…んな゛ン゛ごッ―――」
――――スドッ グジュ…グチャ…
「――ゲごっ…オ゛…ヴッ……――!」
――――ゴリュ…ベキ。
残った影も、ゆっくりと視界から消えて、ドシャっという音が聞こえた。
澄んだ青い空と、白い雲。
さわさわと風になびく草葉の音と、吹き渡る風の音。
風に乗って来る青々とした植物の匂いと、鼻腔を刺激する死の匂い。
しばらくは青い空を見上げていたが、起きているのも面倒くさくなって、私はそのまま眠気という海に沈んでいった。
以上です。
変な方向に暴走気味。
このままだとデュナミスで笑いながら迷い込んだ人を追いかけかねない気がしてきt冗談です。
砂漠やバスでのエキサイトな方々に暴走で悪影響を及ぼさない様に自重せねば。
剣先からは何かが揺らめいて見える。何か唱えているのか?魔法の詠唱エフェクトなんて見えてないぞ?
Aotsuki:違うもの…?何がよ
Elvaan Red Mage:そうだな……差し当たって君とおれとで違う事は……
Elvaan Red MageのサンダーIIが発動。
→Aotsukiに、184のダメージ。
昼間のおぞましい記憶が甦る。頭の天辺から足のつま先まで、槍か何かで貫かれるような感覚。
痛みに耐えられず、片膝を地につけて男を見上げた。
Elvaan Red Mage:戦いに対する心構えだな。君は油断し過ぎている。
Aotsuki:…な…なにが言いたいのよ。
Elvaan Red Mage:それにだ、棒立ちのままおれの魔法にブチ当たった所からすると…
男はこちらの言葉を無視して話を続ける。
Elvaan Red Mage:おれがいつ詠唱したかまるで解っていないし、読む能力や勘、経験もないのだろう。
Aotsuki:わ…解るわけないじゃない!そんなこと!
Elvaan Red Mage:だがな、考えてもみろよ。戦いの最中に詠唱ポーズをとって、ちんたら魔力を洩らしながら魔法を唱えたりするもんか?
Elvaan Red Mage:魔法は意思の力だ。来ると解っていればある程度の抵抗も容易い。
男は敢えて自分が立ち上がるのを待っている。ご丁寧にアドバイスもしながら、か。
背中からは、どす黒いオーラのような物が浮き上がっているかに見えた。
口元に気味の悪い笑みを浮かべ、目付きも生理的に受け入れ難い。
Elvaan Red Mage:それとな。詠唱ってモンには高速詠唱ってのと、戦闘詠唱ってのがある。
Elvaan Red Mage:前者は所謂赤魔道士のジョブ特性、ファストキャストだ。説明するまでもないだろう
男は講釈を続けながら、剣先を石造りの道路に擦り付けながら近づいてくる。やけに動作が鈍い。わざとなのだろう。
この状況を打開する策を考えなければならないこちらにとっては、この男の行動は好都合だった。
意味までは理解する暇もない。話を引き伸ばして時間稼ぎを…等と浅はかな考えがすぐに浮かぶ。
Aotsuki:…じゃあ、後者の方は何?
Elvaan Red Mage:無数の動作と型を持って、その時々の体勢に合わせて自在に回路の流れを調節する。ってやつだ
Aotsuki:回路って何の事…?
Elvaan Red Mage:おいおい、回路ってのは魔法の回線、回路に決まってるだろう。
Elvaan Red Mage:魔道士として体に敷設された魔法回路の事だ。知らないのか?まぁ何も魔道士に限らず、戦士やモンクなんかにも少なからずあるもんだ。
Elvaan Red Mage:これがなければおれ達は魔法はおろか、アビリティすら行使できないんだぞ。
こちらの言葉に反応して足を止める。そして呆れ顔で肩を竦め、剣を近くの街路樹へと向けた。
Elvaan Red Mage:…フム。ただひねり潰すだけでは面白くもなんともないな。コツだけ教えてやろう
Elvaan Red Mage:まずは回路を意識しろ、出来なければ話にならないからな。
Elvaan Red Mage:次にな、ゲームの様に普通に詠唱するとそいつは単なる高速詠唱にしかならない。
男はわざと魔力の流れが目に見える形になるように、剣を握っている右腕のみで詠唱を開始した。
魔力の淀みが右腕に絡みつき、収束し、1つの型を成していく。
Elvaan Red Mage:高速詠唱や通常の詠唱ってのは、唱える魔法に対して使える回路は効率なんぞお構い無しにフル動員する。
Elvaan Red Mage:だから術式の完成まで動けない。人間は脆弱だしな。だが…1つの魔法に対して使用する回路の組み合わせは無数にある。
Elvaan Red Mage:使う回路を工夫すれば、何かの動作と並列しながらでも撃てるもんだ。……こんな風にな。
街路樹に向かって歩きながら術式を完成させ、小さな雷を1つ叩き落とした。稲妻の轟音と共に樹木が割ける音が響き渡る。
樹木が真っ二つに割けて倒れると、男はしたり顔でこちらに向き直し、立ち止まっていた。
Elvaan Red Mage:どうだ?糸口は掴ませた。あとは君次第だな。
Elvaan Red Mage:そろそろ講義の時間は終わりだ。もう先ほどの痺れも取れただろう。
Elvaan Red Mage:精々頑張って抵抗してくれよ?
短いですがここまでで(;´ω`)ノ
あー、"私"が流されたところはデュナミスじゃないので、
大丈夫だと思います。…多分w
時間軸の件了解です。それでは保守age。
458 :
290 ◆JMUNf1M.LE :2006/08/08(火) 11:21:54.45 ID:MmijLb+B
「お客さん、すみませんがそろそろ閉店なんで…」
ベアトリスが走り去った後、俺は酒を飲み続け、気づいたら閉店の時間が来ていた。
飲みすぎたのか、頭が痛い上に視界がはっきりしない…、飲めない酒なんて飲むものじゃないな。
「おっと悪いね、今出てくよ…」
ふら付く体を押さえ勘定を済ませ店の外へと出る。
居住区と歩き出すも体が言うことを聞かず何度も転倒した。
しかし無様だな、慕ってくれてた女を傷つけ、酒に逃げてこの有様だ…、いっその事このまま死ねばいいんじゃないだろうか?
その方が無駄に悩まなくてもいいし、もしかしたら現実世界に変えれるかもしれない…。
「ははは…」
自分の破滅的思考に呆れて思わず声が出る…。
「何笑ってるんだ、若いの?」
酔っ払って倒れこんで笑っているのがよっぽど滑稽だったのだろうか?ヒュームの老人がこちらを覗きこみながら尋ねてくる。
「いんや、自分の惨めさが余りにもおかしくてね…」
薄笑いを浮かべながら老人に返事をする。
「何があったか知らんがあんまり飲み過ぎないほうがいいぞ?その歳でアル中にはなりたくなかろう?」
「ご忠告感謝するよ、今回で流石にもう懲りたから次はないさ」
老人はそれだけ言うとどこかへと歩いていった、てかさ忠告だけじゃなくて肩を貸してくれるとか助けを呼んでくれるとかねーのかね。ま、その辺は現実もヴァナも変わらないのな。
459 :
290 ◆JMUNf1M.LE :2006/08/08(火) 11:25:34.94 ID:MmijLb+B
居住区につくころには視界はクリアになり頭痛もほぼ治まっていた…。
自分のモグハウスに向かう途中にエル♂とヒュム♀が対峙していた、ヒュムの顔は見覚えがある、酒場でこっちに視線を向けていた奴だ…。
どう見ても友好的な雰囲気ではなく今にもでも殴りあいを始めそうだ、痴話喧嘩かなんかだろうか?
少し興味が沸いたので気配を消し観察して見る事にする。
「クズですって?アンタはカラミヤ君の何を知っているのよ?!何も知らない癖にクズ呼ばわりだなんて許せない! 」
「なら逆に聞くが、君はあいつの何を知っている?」
ふむ、誰か知り合いのことを馬鹿にされて怒ってるって感じだろうか?
この怒り方からして彼氏あたりって所だろうな。
ん?ちょっとまてよ?カラミヤって確かネ実のスレでみた来訪者のオスラの名前のだったよな…、だとするとこのヒュームは蒼月だったかな?広場でゴーレムだかと戦ってた奴かね?てことはあのデュエル一式のエルヴァーンはフェイトだかなんだかの一員ってことになるよな…。
おいおい!痴話喧嘩どころじゃゃないぞ、カラミヤは既に殺されててそして今度は蒼月?を始末する所なんじゃないか?こりゃ不味いところに来ちまった、もし見つかって来訪者なのがばれたら俺まで始末の対象になっちまう。
460 :
290 ◆JMUNf1M.LE :2006/08/08(火) 11:25:48.61 ID:MmijLb+B
--------ズガーン!!
思考モードに入っていた頭を雷鳴が現実へと引き戻す、どうやらエルヴァーンの方がサンダーを放ったようだ。
「そいつが最終警告だ」
男の警告とやらに蒼月?は抜刀しその切っ先を男に向ける事で返事をした、交渉決裂なのは明らかだ。まもなくここは戦場へと変わる。どうする?戦闘開始に乗じて逃げるか?それともこのまま気配を消して隠れとおすか?
俺の葛藤をよそにエルヴァーンは長刀を抜き突進を始め、蒼月?は呪文の詠唱を始めていた…。
てか興味をもったからって余計な事をするもんじゃないねぇ…。
461 :
290 ◆JMUNf1M.LE :2006/08/08(火) 11:28:15.59 ID:MmijLb+B
投下は以上です。
ヴァリエンテは見た!的なのりで蒼月さんと赤エルの戦いをこっそり見させていただきましたw
462 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/08/08(火) 17:00:32.75 ID:+3Vm+n8n
おお、レス忘れてましたw
>444
了解です。今週は繋ぐにしても遅くなると思いますが、よろしくお願いします。
あと444おめです(´∀`)ノ
「さてと…よくも舐めたマネをしてくれたな…どっちから業火で消し炭にしてくれようか…」
「お…おぃ…どうするんですか?奴の目、マジっすよ?」
「う〜ん…」
「どうするんですかぁ〜?(泣」
動揺する僕を尻目に、彼は顎に手をやって唸っているだけ。赤い鎧は一歩一歩ゆっくり近づいてくる。
炎はまるで赤い龍のように赤い鎧の周りを漂っている。その炎に触れたモノから溶けていっている。
もうだめだ…僕らはここで消し炭にされてサラサラっ〜とお空を舞うことになるんだ…
パニックでその場に屁垂れ込んでしまった僕に、彼は僕の頭に手をポンっと置くとこう呟いた。
「しばらく目を瞑っていろ。すぐ終わるから。」
一瞬、僕は自分の耳を疑った。
先程までの彼とはまるで別人の、まったく違う人が発したような、とても落ち着いていて冷静な言葉だった。
それは懐かしさすら感じた。亡き父の面影を漂わせて…。
彼は自分の刀を持って前へと踏み出た。相変わらず鞘に納めたままだったが。
その姿を目で追っていたが、彼に言われたことを思い出し、僕はすぐに目を瞑った。
聴こえてくるのはボォーボォーと燃える炎の音、ジャッジャッと近寄っていくふたつの足音、
チャキッと武器を構えたであろう鉄の音、両者の発する音が目を閉じたことで微細に聴こえてくる。
徐々に近づくふたつの音。音の発生源の距離が0へと近づいていく。
ふたつの音が互いの間合いで重なった時…
総ての音が止まった。
あまりにも静かになったので思わず目を開けようとした瞬間、
ガキンっという、剣と剣とがぶつかり合う金属音が響き渡ったので
僕は驚いてまた目を閉じてしまった。
その後、暗闇の中、数回・数十回と切結びが続いていくのが聴こえる。
僕は音しか聞こえていないから推測するしか出来ないけれど、この戦闘には違和感がある。
それは、あれだけの炎があったにも関わらず、それによる攻撃が聴こえないのだ。
爆発音や破裂音すらなく、あまつさえさっきまで聴こえていた燃え上がる炎の音すら聴こえなくなっていた。
「一体何が起きているんだ…」
僕は興味本位というよりも、自分の身に何が起きているのかを
確認しなければならないという使命感、あるいは理解できない事への恐怖感から目をスッと開けてみた。
そこにあったのは、右目を血で真っ赤に染めた赤い鎧と、平然と攻撃を避けている彼の姿であった。
目を閉じている間に何があったのかはわからない。しかし、明らかに赤い鎧は動揺していた。
赤い鎧の全ての攻撃が避けられ、かわされ、受けられ、薙ぎ払われている。
しかも、その相手はいまだ鞘に納まったままの刀で相対している。
圧倒的な戦力を持っていると確信していた者が、猫であったはずの立場の者が、
実は自分が鼠のように非力な存在だと思い知らされているのである。動揺しないわけがない。
実際、赤い鎧は内心、気が気でなかった。
先程の炎が幻影であることがばれ、しかもその発生源の右目を抉られ、
そして現在、必死に繰り出している短剣での攻撃が全て避けられている。
もう少しで相手に届きそうな距離までいくのだが、ちょんと短剣の先端に相手の鞘の先端が当たったと思うと、
いつの間にやらあらぬ方向を向かされている。明らかに相手に主導権を握られている。
何をされているのかは頭で理解しているのだが、何をすればいいのかはまったく把握できていなかった。
本気を出せばなんとかなるといえばなるのだが、相手もまだ本気を出していない様子である。
むしろ、実力の何割まで抑えるかを考えているのではないかと思うぐらい力をセーブしているようだ。
そう考えると恐ろしく感じてくる。先程まで舐めきっていたものが実は自分よりも強い存在かもしれないこと。
未知なるモノ。自分では計り知れないモノの力。
さっきまで自分が優位だと思っていた自分を恥じる。どこが有利だったのかと。
さっきまで自分が怒りを感じていたことを恥じる。もっと冷静に考えていればと。
戦闘は常に動いている。もう既にこの戦闘は決着が着いている。
赤い鎧の心が折れた、その瞬間から。
草の匂い。 少し冷たい空気が心地よい。
あ〜、春っていいねえ…。
…春!!?
確か私は蒸し暑い中昼寝をしていたはずだ!
飛び起きて辺りを見回す。 なんだ、高原か。 そりゃ涼しいよね…。
…というか、私の知る限りオークが徘徊している高原なんて無い。
ヴァナ・ディール以外はね。
獣人が徘徊しているとすれば、のんびりと昼寝もしていられない。
…もしここがラテーヌなら、サンドリアへ向かった方が良いだろう。
立ち上がり歩き出したが、何か違和感を感じる。
そういえばいつもよりも視点が高い。
もしや、と思い髪を触って見る。
…おさげ?
手を伸ばし、自分の容姿を確認してみる。
すらりと長い手足、よく使い込んだファインジャーキン。
…うーん。
どう見てもエルヴァ―ンだね、これは。
夢でも見ているのであろうか。
どちらにしろサンドリアに向かわなければ…。
はあ、これからどうなるんだろう。
470 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/08/08(火) 23:20:34.23 ID:0v7DYpJp
皆様、投下乙でございます。
>>468様
いらっしゃいませ、新たな犠牲者がまた増えまして、喜ばしい限りでございます。
どなたかが
>>445で仰っているようなことは、書き手様ごとに異なりますので気にせず、
ご自分の世界を書いていただけたらと、思います。(差し出がましいようですが・・・)
「―――で、100にゃんが瀕死のオレを背負って、チャリでサンドを飛び出したってワケにゃ!」
おお〜っ、とトトが拍手を捧げ、気をよくしたイッチがグラスのワインを一気に飲み干した。
すかさず隣に座っていたトトが新しい酒を注ぐ。
食卓はいつのまにか宴会へと姿を変え、空の瓶が何本も転がっていた。
“カレーの付け合せは福神漬けかラッキョウか決定戦”から、イッチの冒険物語へと話題がめまぐるしく移り変わっている。
イッチが“チョコボの宅配便”まで話し終わる頃には、きっと夜が明けているに違いない。
「もー、みんな飲みすぎですよぉ」
そういうメイミィも、やや呂律が回っていない。
そんな様子を見たイッチはむんずと手元の瓶を掴むと、メイミィのグラスを勢いよく満した。
「メイミィは飲みがたらねーにゃあ! さぁさぁ、ググッとぉ」
・・・たまには、こんな時間を過ごすのもいい。
そんな事を思いながら、俺はおつまみをかじりつつ、アイスティーを飲んでいた。
ふむ。ウィンダスの茶葉を使うと、冷やしても味が濁らないようだ。
ホットで飲むならサンドリア茶葉に勝るものはないが、あるいは選択肢を増やしてもいいかもしれ―――。
バサリ。
頭上から布の落ちてくる音がして、俺の視界をチュニックが遮った。
「興奮したら暑くなったにゃ! 脱ぐにゃ!」
イッチだった。
脱ぐと言う前に、すでに着ていたものを放り投げていた。
なかば呆れながら、俺はほのかに女性の香りのするチュニックを顔から引き剥がした。
「おい、イッチ。いくらなんでも―――」
「にゃにゃ?」
名を呼ばれたイッチが、こちらを振り向いた。頬が赤く上気して、目が潤んでいる。
ワンテンポ遅れて、白い下着に包まれたやや大ぶりの胸が、ほよん、と揺れた。
セルビナで過ごした時間が一瞬だけ脳裏をよぎり、俺は言葉に詰まってしまった。
「イッチさん、スタイルいいです・・・。ボク、イッチさんのこと好きになったみたい・・・」
その声で、俺はハッと我にかえった。トトも頬を上気させ、常ではない酔い方をしている様子。
メイミィも、気のせいかモジモジと体を震わせている。
おかしい。三人ともが、ゆらりゆらりと何かを誘うような尻尾の動きを・・・。
その時、テーブルに転がる酒瓶の一本が目にとまった。
“またたび酒”
「―――まさか」
「にゃあ・・・。トトもいいオトコだにゃ・・・」
「イッチさん・・・」
どちらともなく近づいていくイッチとトト。二人のしなやかな指がいとおしげに絡み合う。
俺は椅子から立ち上がった。
イッチの首根っこを掴み、有無を言わせずトイレに連れ込んだ。
473 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/08/09(水) 00:41:17.63 ID:lVmFrCOX
今夜は以上です。
リードさん質問。マジで猫(ミスラにあらず)ってマタタビで発情するの?
いまちくっとぐぐってみた所によると、お年頃によって効果が変わってくるとか書いてますね。
それはそれとして、ちょっとしたおまけ。前回の投下後、外出に間に合いませんでした(ノ∀`)
家政婦は見た。(違 あっヴァリエンテさんとかぶった…!?
東アルテパ砂漠を見渡せる、小高い崖の上。
そこに腰掛けてある一点を見据える赤い人影と、寄り添うようにすっと立つ黒い人影があった。
先程まで砂漠を覆っていた異変は今はなりを潜め、ノンアクの生き物がのたのたと歩き回る、
平和な風景が戻ってきている。じき、この地から避難していた獣人達も帰ってくるだろう。
「あーあーあー…マジで起動しちまったよw」
赤い全身鎧を纏っていた男はその一点に何を見たのか、さも可笑しそうにからからと嗤った。
「仕事する手間が省けたのはいいけど、本部の連中に知られたらどうなるか分かってるのか?」
傍らに立つ黒装束の女は、無表情に男の独り言をただだまって聞いている。
男の手の中には、赤い色を宿した、長大な両手鎌が握られていた。
一振りするとそれは燐光となって空中に散り、また一瞬後に大振りの片手刀へと変じて
男の手の中へと収まっていた。それを見て、男は首を傾げる。
「現役メンバーにあれと同じもんを持ってる奴がいないってのも、懸念材料だよな」
彼ら赤い鎧の者に授けられる武器は、その資質によって姿を変えると共に、
赤鎧各人に与えられた権限、自由に行使可能な干渉能力の種類をも表す。
それ以外に何かをしようと思ったら、彼らのボスにお伺いを立てねばならない。
あるいは命令と共に、一時的にあるいは回数限定で能力の行使を許可される事もあるのだった。
…もっとも、お伺いを立てずとも能力の行使を咎められる事のない、
さらに上級…もしくは"ボスのお気に入り"もいることはいるが…それはまた、別のお話。
そうしてこの赤鎧は、とある目的のために滅多に発令されない「巻き戻し」の許可を取って、
わざわざこんな辺境の地まで来ていたのだが。
ミスラではなく、猫の場合ですか?
私が間違いだらけの知識で説明するよりも、ペット板あたりで質問されたほうが・・・。
猫はマタタビを与えられると、一種の興奮状態に陥るようです。
「よっぱらう」ようなものでしょう。
見ようによっては発情したとも思えますが、こればかりは猫自身に聞いてみるしかありませんね。
ああぁ、割り込みすみません・・・
「ちょっと軽ーく釘ささねぇとなぁ…オレの目的達成の前に他の連中に狩られちゃたまらんw
…まあ、やられたらやられたで、今度こそオレの物にできるわけだが」
想像するだに楽しくて仕方がない、といった男の言葉に、黒装束の女は少し悲しげな顔をして、
男の背中に抱きついた。
「…心配するなよ、お前が要らなくなるわけじゃない」
背中から胸の前へと回された手を上から取って、優しく外す。
その掌に口接けながら、男はふと思案顔になる。
男にはある一件から、常々考えていることがあった。人間の望み。神々の望み。世界の望み。
人間の望みなんてちっぽけなものはさておいて、同一であると思っていた
世界と神々のそれは、実はとっくの昔に乖離してしまっているのではないか、と。
神々が望みを完全に叶えることが、世界のためであるならそれはそれでみんなシアワセだ。
だが、それなら我々が行うことを、世界が拒み、ましてや邪魔などしてこようはずがない。
敷かれた法則…仕様を越えた数々の現象。破られるはずのない支配から逃れた男。
長らく行方不明になっていた例のブツの再起動。…全ては、繋がっている。
「さぁて、そろそろ行くか。今度はどいつが死んじまうかな」
腰掛けたままだった男と、傍らに控える女を、赤い光の柱が包む。
光の中、その場から薄らいでいく男の目は、
砂漠をコロロカの洞門に向けて進み始めたとある一行の事を、じっと見つめていた。
ああいえすみません…こちらが変な時間に変なものを投下しにきたものですから。
お気になさらず。
というわけでおまけでした。
おー。返答ありがとうございます。
むー。平日の深夜なのに人が多い。
保守age
一部加筆修正したので、ちょっとだけ重複分があります
----------------------------------------------------
===Area:Bastok's Residential Area===
男はわざと魔力の流れが目に見える形になるように、剣を握っている右腕のみで詠唱を開始した。
魔力の淀みが右腕に絡みつき、収束し、1つの型を成していく。
Elvaan Red Mage:高速詠唱や通常の詠唱ってのは、唱える魔法に対して使える回路は効率なんぞお構い無しにフル動員する。
Elvaan Red Mage:だから術式の完成まで動けない。人間は脆弱だしな。だが…1つの魔法に対して使用する回路の組み合わせは無数にある。
Elvaan Red Mage:使う回路を工夫すれば、何かの動作と並列しながらでも撃てるもんだ。……こんな風にな。
街路樹に向かって歩きながら術式を完成させ、小さな雷を1つ叩き落とした。稲妻の轟音と共に樹木が割ける音が響き渡る。
樹木が真っ二つに割けて倒れると、男はしたり顔でこちらに向き直し、立ち止まっていた。
反撃するなら今かとばかりに男の真似をして左手のみで雷の術式を組み上げてみる。
Elvaan Red Mage:どうだ?糸口は掴ませた。あとは君次第だな。
Elvaan Red Mage:そろそろ講義の時間は終わりだ。もう先ほどの痺れも取れただろう。
Elvaan Red Mage:精々頑張って抵抗してくれよ?
この男の性格、言動、行動、全てが癪に障るのだが、今はそんな事を言っている場合ではない。
編み上げている途中の魔法はそのままにして、男の言葉通りに見せられた回路や魔力と同じ物をイメージ。
すると、現実では感じられなかった魔力の流れとでも言うべき物が僅かながらに感じられた。
感じられたイメージは次第に視界へと広がって行き、無数に敷設された下水道だか上水道だかのような画像が湧き上がる。
管は半透明で、中を通るの水にはそれぞれ別々な色が付いていた。赤青緑黄色等…全部で8色。色が属性に対応しているって事なのか
Aotsuki:…これはこれは御丁寧にご高説どうも。
Elvaan Red Mage:なぁに礼には及ばない…いや、礼はたっぷり君の体で払って貰うさ。
Aotsuki:汚らわしい…っ
悪態をつきながら立ち上がる。今度は左の掌に敷設された回路を意識してみた。だがまだ全体像が掴めただけだ。
紫色の術式を組み上げている際中の左手の回路は、霧がかかったようにぼやけていた。
Elvaan Red Mage:ククク…直に素直になるさ。直にな……
悪いが♂にカマを掘られる趣味はない。が…防ぐ打開策も見当たらない。
──じゃりっ
男が構え直した際、舗装されていない砂利道を踏みつけた音がした。
目の前の敵が踏みつけたわけではなく、その後ろのアパートメントの影に誰かが居たようだ。
男は後ろを向き、盗み見ていた輩の姿を確認する。
Elvaan Red Mage:これは中々、バストゥークもまだ捨てたもんじゃない。
Elvaan Red Mage:一度に2人の相手となると…今夜は眠れねーな。
自分達のやり取りを覗いていたのは羊亭ですれ違った女性だった。
男は舌なめずりしながら、品定めをするかの如く厭らしい視線を彼女へと向ける。
女性はと言うと、うわずった声を上げ、抵抗するべく武器を構えていた。
Aotsukiは、Aotsukiにエンストーンを唱えた。
彼女の風貌からすると、とてもじゃないが男に挑みかかった所で返り討ちに合うのがオチだ。
急いで右手で黄色の魔力を練りながら、奴の気を引くべく駆け出した。
Aotsuki:アンタの相手はこっちでしょうがッ
原理さえ理解していれば、エン系のような単純な魔法を実践するのは思ったほど難しくなかった。
剣の間合いに入る頃には、大地の加護を受けた刀身が唸りを上げる。
Aotsukiのエンストーンが発動。
→Aotsukiはエンストーンの効果。
Aotsukiの攻撃→Elvaan Red Mageは武器で攻撃をかわした。
男は驚きもせずにこちらへと向き直し、左から右に払った斬撃を長剣で受け止める。
その際、互いの刀身に付与された魔力がぶつかり合い、霧散した。
飛び散った魔力が男の頬を掠め、小さな切り傷を作る。
Elvaan Red Mage:ほう、筋が良いな。教えた甲斐があるってもんだ。
Aotsuki:そりゃどーも……そこの貴女!早く逃げなさい!!ゲートハウスにでも駆け込んで!
Beatrice:え?う…あ、で、でも…
Aotsuki:良いから早く!助けを呼んで来て!!
わかった。と、ようやく彼女は鉱山区の出口に向かって走り出す。
男は彼女の行く先を目で追って、左手を彼女へとかざした。
Aotsuki:余所見なんかしてもらっちゃ困るのよ!
長ったらしい講釈の最中から組み上げていた術式と共に、左手でどてっ腹を殴りつける。
さほど効いた様子はないが、目的はそれではない。これで終わってくれ、と祈りながら赤魔道士最大の精霊魔法を放った。
下品で、汚らわしくて、卑猥な顔も笑みも目つきも、もう見ていたくない。
AotsukiのサンダーIIIが発動。
Elvaan Red MageのストーンIIが発動。
雷鳴が轟いて、男が灼かれた……はずだった。確かに雷は落とせたのだが、男の表情は先ほどと変わらず気味が悪い位に穏やかだった。
周囲に落雷の後と思わしきクレーターがいくつか出来ている。
何が起こったのか理解する前に、自分の左手首を、男の左手が握っているのに気付いた。
Elvaan Red Mage:言っただろう。解っていれば、抵抗は容易いってな。
Elvaan Red Mage:まぁ初めてにしちゃ上出来だ。…と言いたい所だが無理をしすぎたな。腕が痺れているんじゃないか?
男の言う通り、左腕に激痛が走った。どうやら回路の制御がうまく行かず一部に過負荷がかかり、ショートした反動が左腕に来ていた。
威力も半減していたのだろう、男は雷に対する強属性をぶつけて中和したのだ。
Aotsuki:…………
Elvaan Red Mage:しばらく左腕は使い物にならないだろう。降参してくれないか?
Elvaan Red Mage:今大人しくしてくれれば、殺しはしない
Aotsuki:…そんな冗談、信じると思う?
Elvaan Red Mage:ククク…思わないな。
Aotsukiの連続魔!
Elvaan Red Mageの連続魔!
精一杯の強がりを見せて、最後の切り札を使う。男の方もローマ数字を象った複数のマナを楕円状に具現化していた。
それに構わず憶えている精霊魔法を強い方から順に全て叩き込む。相手も打ち消す属性をそれに合わせる。
周囲は爆散する魔力の余波があちこちに飛び散り、炸裂音が響き渡った。
途中から左腕の感覚は無くなっている。放出される魔力によって小手は爆ぜ、左腕から血飛沫があがった。
AotsukiのブリザドIIIが発動。
Elvaan Red MageのファイアIIが発動。
AotsukiのファイアIIIが発動。
Elvaan Red MageのウォータIIが発動。
AotsukiのエアロIIIが発動。
Elvaan Red MageのブリザドIIが発動。
AotsukiのウォータIIIが発動。
Elvaan Red MageのサンダーIIが発動。
AotsukiのストーンIIIが発動。
Elvaan Red MageのエアロIIが発動。
AotsukiのサンダーIIIが発動。
Elvaan Red MageのストーンIIが発動。
2巡目のサンダーIIIを放ち終わると、脱力感に襲われて両膝を地につけた。息を切らせながら男を見上げると、卑下た目付きでこちらを眺めていた。
Elvaan Red Mage:魔力が尽きたか。あれだけ無駄撃ちすれば当然だな。
Elvaan Red Mage:どうした?今度はコンバートでもするのか。そうか、なら終わるまで待っていてやろう。
Elvaan Red Mageは、AotsukiにケアルIIIを唱えた。
Elvaan Red MageのケアルIIIが発動。
→AotsukiのHPが、180回復。
男はそう言うと、4〜5m程距離を取った。ご丁寧に相手にケアルまでかけて。いちいち行動が癪に障る男だ。
右手に握り締めた剣を杖代わりにしてなんとか立ち上がり、鞘に納めた。
左腕はもう動かない。ケアルで治したとしてもすぐに動いてくれるとも思えない。
正直コンバをここで使っても状況が良くなるとは思えない。だが相手はこちらを完全に舐めきっている。
だからまだ勝機はある…はずだ。
Aotsukiの女神の印!
Aotsukiのコンバート!
いつもマクロでやっている動作…次はケアルIVを、と思った所で視界が反転し、星空が見えた。
今度は全身の筋という筋が裂け、血管が千切れる音が聞こえて激痛が走り、目の前が真っ白になる。
ああ、そうか、コンバートってのはHPとMPをそっくりそのまま入れ替えるんだから、その衝撃と痛みで気絶しそうになってるんだな。
ようやく自分の体に起こった事を理解した時には、冷たい石造りの道路に仰向けで倒れ、意識を失っていた。
(´・ω・)ノ 以上です。これで追いついたかな
>>489の
訂正前:周囲は を
訂正後:周囲には に脳内で差し換えて下さい(ノД`)
他にも誤字とか一杯あるけど、後のはまとめサイトで修正しよう…
それから十数回目の赤い鎧の虚しい攻撃の後、ふいに赤い鎧は後ろへ飛び退き、距離をとった。
何か攻撃方法を変えて攻めてくるのかと思った彼は正眼の構えで待ち受ける。
がしかし、赤い鎧の思惑はまったく違う方向であった。
「…今回は私の負けだ。しかし、次は…次はこうはいかないからな」
「あっそ」
「あ、おい!ちょっと逃げるのかよ!」
赤い鎧はそう言い残すと抉られた右目の残骸を拾うと、自分の後ろに黒い渦を発生させた。
そして、そのまま黒い渦の中に消えていった。
「勝手にこっちを追いかけておいて、今度は勝手に逃げるのかよ…」
「ふぅ〜…」
「あ、あなためちゃめちゃ強いじゃないですか!もっと早くから助けてくださいよ〜」
「まぁ〜な、俺にかかればこんなもんだよ。アハハハ…」
そう言いながらも彼の両膝もまた大笑いしていた。
明らかに強がりです。本当にありがとうございました。
なんなんだろうか、この人は…強いのか弱いのか検討がつかない…でも……。
「んじゃ、おいちゃんはこの辺で。もう悪さするんじゃないぞ、小僧。」
脇に停めておいたスクーターに跨り、そのまま発進しそうになる。
「あ、ちょ、ちょっとまって!」
「ん?なんだ、小僧?まだ何か用があるのか?」
「あ、あなたのは名前は?」
「…他人の名前を聞くときは、まずは自分から名乗らないとな」
「あっ!そうでした、すいません…僕の名前はせい「俺の名前は慈郎だ」
「言わせて!!」
「ん?」
「人の名前を最後まで言わせて!」
「あぁ〜、ソウカソウカ、ゴメンネゴメンネ」
「それ謝ってない。絶対謝ってない!」
「そうヒステリックになりなさるな。ドォ〜ドォ〜」
「だれがヒステリックだ!キィー!!…はぁ〜はぁ〜」
「で、君の名前は?」
「ぼ、僕の名前は静拾郎です…」
「よく出来まちぃたぁ〜えらいでちゅねぇ〜」
おちょくった様にパチパチ手を叩きながら笑っていやがる…こいつ、いつか殺す…
「ん?もういいかな?んじゃおいちゃんもう行くから。チョッコボ♪チョコチョコ♪チョ・コ・ボォ〜っと♪」
「あぁ〜ちょっと待って待ってぇ〜!」
「あ?まだなんか用があるのかい?小僧」
「さっきも言ったけど、僕ここに来てすぐだからまだ知らないことだらけなんだよ。」
「あぁ〜大変だよねぇ〜おいちゃんにもそんな時期あったよぉ〜頑張ってねぇ〜んじゃ」
「ちょ、ちょ、ちょ〜!」
「なんだよ、まったく…おいちゃんもそんなに暇じゃないんだよ?」
「あ、あの…僕も一緒について行っていいですか?」
「ん〜?ダメダメ。おこちゃまはチョコボ券買えないからまた今度。上も下もおっきくなってからね〜。んじゃ」
「そっちじゃね〜よ。旅だよ旅っ!」
「へ?旅?」
「あなたも現実世界に戻る旅してるんだろ?」
「ん〜…まぁ〜…してるっちゃ〜してるけどさぁ〜…」
「頼む!あなたの強さに惚れ込んだんだ!一生のお願いだと思って聞いてくれ。僕も一緒に旅をさせてくれ!」
「はぁ〜…またか…」「?また?」
「あっ、いやこっちの話だ…ほんとうについてくるのか?」「はいっ!」
「どこまでもついてくるのか?」「はいっ!!」
「どんなとこに行ってもついてくるのか?」「はいっ!!!」
「…便所は勘弁してくれ」「そこまでついていけません。あしからず」
押し問答はそれから小一時間続いた。
「あぁ〜〜〜もうわかったよっ!俺も男だ!ついてきたければついてくればいい。」
「やったぁ〜!」
「その代わり、約束がひとつあるからな」
「なんでしょうか?」
「ついてくるって言うからついてこさせるだけで、後は何もしないから」
「了解しました!」
「はぁ〜…また厄介事抱えちまったか…俺はなんて運の無い男なんだか…」
「何か言いましたか?慈郎さん」
「なんでもねぇ〜よ、ほれ行くぞ。場外チョコボ券売り場」
「は〜い。ってちょ、ちょ、ちょっと慈郎さん、自分だけスクーターって卑怯ですよ!」
「さっき言ったばっかだろ?ついてこさせるだけで、後は何もしないって」
「きついって、きついって、これ。明らかに置いていかれてるって」
「ハハハハハ、ここまで追いついてごらん。まいだ〜りん〜♪」
「誰がまいだ〜りん〜だこの野郎!ぜってぇ〜あとでブッコロ!!」
こうして、僕、静拾郎と慈郎さんのへんてこな旅が始まった。
497 :
既にその名前は使われています:2006/08/09(水) 17:23:29.55 ID:xbypcTjn
保守です〜
498 :
既にその名前は使われています:2006/08/09(水) 18:53:48.42 ID:8w5WjWmV
銀魂の主役ですね
499 :
既にその名前は使われています:2006/08/09(水) 21:45:21.38 ID:3I2GmG3M
age
(290)
「…いきます」
フルキフェルの声が、多分前方から聞こえる。どうもこの上空からの視点は盾の発動が終るまで付き合わなけりゃならないらしい。
だが、次の瞬間には目でも音でもなく足元の振動が異変を告げていた。
手探りで右篭手の目を左手で塞ぐと、一瞬視界が元に戻る。
目の前には、大きく後ろに反って反動をつけている馬鹿でかいミミズの姿があった。そうか、そういやクフタルにはこいつがいた。
「フルキフェル、避けてっ!!」
俺が言うよりも早くラディールが声を上げた。
フルキフェルを引きずり戻そうと足を踏み出すが、一瞬上から落ちてくるような感覚に襲われ軽い眩暈を覚えて膝を付く。
視点がまだ完全に戻ってきてない。何やってんだ、この馬鹿篭手は…
大木がぶつかり合ったような音に視線を上げると、ファントムワームの一撃を受けたフルキフェルが宙を舞うように飛ばされていた。
硬いものがぶつかり合うような音ということはストンスキンでも張ってたんだろう。少なくとも致命傷じゃないはずだ。
一度目を閉じて、感覚が落ち着くのを待つ。大きく一呼吸する間にフルキフェルが砂地に落ちる音、そしてボソッと何かをつぶやく声。
再び目を開き、視界が元に戻ったことを確認する。立ち上がりざまに右手に意識を集めて、そのまま駆け出しながらファントムワームに向って振りぬいた。
気孔弾が命中するのと同時に、ファントムワームの頭頂部付近で閃光が走る。
「離れてろ!」
そう言ってフルキフェルの前に回りこんだ俺の横には、レガトゥースと名乗ったアンティカが立っていた。
フラッシュはこいつの仕業らしい。いい仕事するじゃないか。
(291)
俺とレガトゥースが並んでファントムワームの前に立つと、急に周辺の空気が震えるような気配がした。
人間が唱えるそれとは随分違うが、多分魔法を詠唱しているんだろう。
「"封土の聖域よ"!」
後ろでフルキフェルが魔法を発動させたようだ。セリフからするとバストンラだろうか。どうやらダメージはないらしい。
背後からの魔法の気配はもう一つあった。例の金属音と共に雷撃のような光の輪がファントムワームを囲む。
同時に辺りの空気の振動が霧散する。魔法の詠唱を止めたのか。なんにしろ、このアンティカ2人もアテにしていいらしい。
仕切りなおしになって、改めてファントムワームを向き合う。巨大かつどこか卑猥なデザインだ。
「フルキフェル様は、今はその盾の発動に集中なさいませ。私の予想が正しくあれば、それが力を発揮した時点で、我々の勝利でございます」
爺さんが大声で叫んでいる。居なくなる連中を倒しても仕方がないってことか。
同時に背後から小さな何かがミミズの足元に投げられ、次の瞬間には爆発に近い勢いで成長してミミズに巻きついていく。
ラディールが勢いを付けてその巻きついた木の合間に深くルーンチョッパーを叩き込んだ瞬間、また視界が上空に上がる。
フルキフェルが再び盾を発動させようとしているらしい。
コレが必要なのはフルキフェルだけだ、俺には見せなくてもいい。そう念じると、視界がまた急速に降りてきた。そしてその途中にイヤなものも見つけた。
こちらに向って飛んでくるギーブル。結局こいつの相手はしなきゃならないらしい。
(292)
「ギーブル来ます! タゲ取ったら15、いや20秒稼いでください!!」
それで足りるのか?と言う代わりに一瞬振り替えてみると、フルキフェルは既に目を閉じて集中し始めているようだった。
「分かった! お前こそ、今度は中断させるなよ!」
そう言った瞬間に上空から強烈な烈風が吹き込む。どうやらお出ましになったらしい。
「来たわよ!」
ラディールが叫ぶ声に振り向き、顎でフルキフェルの方へ行くように指示をする。無防備なのは流石に心許ない。
今押さえ込んでるミミズは爺さんと数字入りの黒蟻に任せるとしよう。
「いっくぜぇぇぇ!!」
掛け声と共に、特に打ち合わせしたわけでもないが俺とレガトゥースは反対方向に動き、ギーブルを横に挟んで相対する位置を取った。
位置に着いた刹那、ギーブルの尾撃が横から払われる。足を踏ん張って左の篭手で受けたが、それでも幾分正面に寄せられる。
さらに首を後ろに引くような仕草を見せるギーブル。何かがあの口から放たれようとしているのは容易に想像がつく。
ギーブルの尻尾があるべき位置に戻ったことを確認して、その方向に横っ飛びをする。
俺がいた空間は、触れただけで消し炭になりそうな高熱の閃光に焼き払われていた。
普段から厳しい太陽の日差しを受けていた砂が、その部分だけ黒く炭化している。こりゃ理屈云々じゃなく相当ヤバい。
閃光が通り過ぎた場所は、フルキフェルとラディールがいる位置の2メートルほど横でもあった。
青い顔をしているラディールと、相変わらず意識を集中しているフルキフェル。こりゃ、あっちを庇いながらってのは難しいかもしれない。
(293)
再び側面を挟む位置に戻ると、今度はギーブルの注意はレガトゥースの方向に向く。
ギーブルの爪が勢い良くレガトゥースに振り下ろされるが、彼はよける仕草も見せない。
当たった、と思った瞬間に金属同士をぶつけた様な高い音が響く。レガトゥースにダメージを受けた様子はない。
「インビンシブルか…! フルキフェル、まだか!?」
「まだです、でも、もうちょっと…」
上手く行けばこの状態で乗り切れる。そう思った途端、またギーブルが首を引く動作を見せる。
2発目のレイディアントブレス。
レガトゥースが膝を付きながらも盾を前に構えてこれを受ける。
注意は完全にレガトゥースに向っている。俺はその場からギーブルの背中に向って飛び、首の付け根辺りに乗った。
ギーブルが振り落とそうとするのを上手く御して、息を整える。
「せぇぇりゃぁぁぁぁ!」
気合と共に、夢想阿修羅拳を叩き込んだ。そこにすかさず放たれるレガトゥースの4連撃。
さらに黒蟻が土の刃で追い討ちをかける。背中に乗っている俺を避けるようにして砂漠の砂から突き出した土の刃は、ギーブルの外鱗を何枚か弾き飛ばした。
だがギーブルは気にする様子もなく、立っているのが精々と言うレガトゥースに向って爪を振り下ろす。
同時に、左手をギーブルの頭めがけて大きく横に払う。篭手から伸びた龍の尻尾がギーブルの頭を的確に捉える。が、それでも爪を振り下ろす勢いは止まらない。
鋭く舌打ちをしてギーブルの頭にもう一発くれようとした瞬間、篭手がドクンと一つ鼓動を打った。
504 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/08/10(木) 00:44:28.17 ID:u+wpoKLv
以上です〜
ヒュームの女性はゴーレムからは死角となる位置に潜り込み、忍術と飛道具を組み合わせて怒涛の連続攻撃を仕掛ける。
関節を突かれたゴーレムは方膝をついて、成すがままに体勢を崩してしまう。
しかしその程度の攻撃でゴーレムが怯むはずもなく、すぐに自身の膝をケアルで修復し、崩れた体勢を立て直した。
「あいつ、修復機能があるのか。しかも速い。あれではケチな攻撃はすぐに回復させられてしまうな。」
俺は横目で酒臭いガルカの老人を睨み付け、目で訴えた。賭けは俺の勝ちだ、あの忍者は負けてしまうだろう、と。
ガルカは言葉を返す事もなく、強敵相手に奮闘しているヒュームの戦いに目を向け続けていた。
「イッキ君、今よ!思いっきりぶち込んでやってぇえええええええ!」
突然、ヒュームが金切り声を上げた。何事かと思い、俺はハッとなって戦うヒュームへと視線を戻す。
「うっしゃあぁあああ!待ってましたぁあああ!喰らえ、オレ様の最強最大の必殺技!!」
それに応える様に、今度は待機していたミスラが訳の分からない技名を叫び、手元に留めていた魔力を一気に放出した。
するとゴーレムの炎に包まれ、後頭部の辺りで爆発が起きる。先程話していた策がこれなのだろう。
しかしこのやり方では、いくら弱点を突くとは言え威力が足りない。
一瞬爆煙によって視界は遮られるが、その霧をなぎ払うかのようにゴーレムが雷を放ち、ヒュームに直撃する。
いや、"直撃した"と言う表現は正確には間違いだった。何処からともなく赤魔道士のミスラが現れ、雷の威力を削いだのだ。
そしてミスラは空中に弾き出されたヒュームを受け止める。
しかし参った。まさかまだ仲間がいるとは。これで賭けの行方は分からなくなってきた。
彼女たちは一息つくと、忍者はゴーレムに向かって突っ込み、一方で赤魔道士はサンダーIIIの詠唱を始めた。
忍者は空蝉の術でゴーレムの攻撃を回避しつつも、自分に注意を向けようと敵を挑発する。
恐らくは忍者が盾に、赤魔道士が矛になるつもりなのだろう。このヒュームしてこのミスラあり、か。
「…今度こそ終わりだな、ガルカのおっさん。賭けは俺の勝ちだ。」
「ホウ。」
「敵の回復力を上回る攻撃力を以ってそれを倒す。その発想自体は悪くないんだ。ただし、あのミスラが黒魔道士ならばね。」
そう、赤魔道士ごときの脆弱な精霊魔法ではゴーレムは抑えられない。赤魔は大砲にはなれないのだ。
この場合、赤魔道士がすべき仕事だったのは弱体魔法。もっと言えばグラビデだ。
ガルカの老人は下品に笑うとグビッと酒を呷り、こちらに目を向けた。
「さっきから随分な言い草じゃのぉ。お前さんならあのゴーレムを簡単に倒せるってかい?」
「それは…」
「お前さんは詭計や屁理屈は達者の様だが、その程度の見解ではたかが知れておる。
いずれお前さんの前に強敵や難関が現れた時、抵抗の余地を見出す事なく、そのまま死を許してしまうぞ。」
「…………。」
何を言っているんだ、この糞ガルカは。この俺の見解が浅いだと? 冗談じゃない。俺を誰だと思ってんだ。
俺は…俺、は?
突然激しい音と光が爆ぜ、広場に繰り広げられた光景に目を疑う。負けたのは、ゴーレムの方だった。
ガルカは地面に置かれた2枚の硬貨を拾い上げると、それを弾き音を鳴らした。
「ワシの勝ちじゃな。」
…どういう事だ。分からない。俺の…理論では、絶対にあの策では彼女たちに勝機などなかったはずなのに。
考えが甘かったのか? そりゃ俺は賢者って訳ではない。思い通りにならない事だってあるだろう。しかし…悔しい。
ガルカの老人を無視してその場を立ち去ろうとした時、背中から声を掛けられた。
「彼女たちにはな、お前さんには欠けておる"戦いの内で最も大切なもの"を持っているんじゃよ。それが勝敗を別けた。」
やれやれ、今度は俺に説教か。畜生。
居住区を歩く。嫌に足取りが重い。
俺の積み重ねてきたものが足元から崩れ去ってしまったかのような、そんな虚脱感に襲われる。
確かに短い間だったが、魂の融合も相まってこの世界での生き方も完全に把握した、つもりだった。
今まで事が上手く運びすぎただけに、今更の失敗は効く。…ああん、もう!この程度の事で落ち込むなよ俺!
『おーい、レグナス。やっとアルザビに到着したぜ。』
道端でクヨクヨしていたらシグナルパールから声が響いた。
「分かった。モグハウスを整理したらすぐにデジョンでそっちに行くよ。」
『…なんだか元気ないな。大丈夫か? 嫌な事でもあったの?』
「バルファル…。」
ああ…俺にはバルファルしかいないよ。俺の事を分かっていてくれるのは君だけだ。他の人間なんて屑。俺を貶す人間なんて屑だ。
俺は正しい。そうだろ、バルファル? 俺に欠けているものなんてない。間違っているのはあのガルカだ。
「ただいま。」
モグハウスの扉を開けると、すぐに安っぽい鉄製のベッドに腰掛ける。ベッドはギシリという嫌に高い音で軋んだ。
「モーグリ、イギト一式を出してくれ。」
「クポ? ご主人たまがマハトマウプランド以外の装備を召すなんて珍しいクポね。」
そう言いながらモーグリは、部屋の隅に置かれたコッファーを開け、中からイギト装束を取り出した。
「そりゃあこれからアトルガン地方へ行くんだ。それっぽい方が雰囲気が出ていいだろ。」
イギト装束を持って俺を見上げるモーグリの、潤んだ瞳と目が合う。
「"処理"してくれるかい?」
モーグリが小さく頷くのを確かめてから、俺はベッドから立ち上がった。俺は静かに目を閉じ、モーグリの奉仕に身を任せた。
すると彼は手際よく、俺の服を脱がし始める。だって仕方ないだろ。そりゃ少しは恥ずかしいけど、こればかりはどうしようもない。
イギト装束の着方、知らないんだから。
他人に服を着せてもらうなんて、まるで子供の様じゃないか。こんな姿、バルファルにも見せられないな。
「そう言えばご主人たま、差出人の分からない不思議な小包が届いていたクポよ。」
着替えが完了すると、モーグリは鞄から茶封筒を取り出した。それを受け取り、封を切って中身を確認してみる。
入っていたものは、花柄の便箋と白いシグナルパールだった。シグナルパール以外の物はどう見てもリアルの製品だ。
つまりこれを送りつけてきたのは、リアルに関わりのある人物。ん、茶封筒の裏に何か…やれやれ、差出が書いてあるじゃないか。
"from the guild master of MESSIAH"
509 :
レグナス ◆/abMGvkWxE :2006/08/10(木) 02:16:40.97 ID:QvhJjMUa
以上です。なんか随分久しぶりになっちゃった気がするw
なんかレグナスが色々とはっちゃけてますが、
ちょっとセトカイバ入ってるんで生暖かい目で見殺しにしてやってくださいww
510 :
既にその名前は使われています:2006/08/10(木) 03:48:38.10 ID:nvOHiOwS
さりげなくそんなとこでパロディいれる(けどエロではない)のが憎い。
しっかし。セトカイバ達なにやってるんだ?クロエちゃん人質にでもされたのか?
いくら本部の連中でもバスの決定権はバスフェイトにあるはずなんだが。
事実、本部の連中暴走しまくっては戦わなくてもいい来訪者に喧嘩うっては何人も返り討ちに。
(掲示板に「バスフェイトは穏健派だから安全」とかかれてるからかなりの穏健派の来訪者がいるはず)
最悪なことに内藤チームを敵に回してしまったし…。
内藤達、強いぞ?見た目アホだけど50キャップ時代に闇王倒してたはず。あれ50キャップや60キャップで倒せたのは一部の人間だけ。
初期は全員両手剣、Cさんのバニシュの威力ウンコ、Dさん逃亡(なんとあのDさんが逃亡していた!)
Bさん雑魚(なんとパワスラ使う珍しいBさん)、
リーダーの剣は味方にあたる(今もか)状態だったけど、
DさんはHNMをタイマンで倒せるようになり、針万本をラーニング、
Cさんはバニシュ3開発習得(既にサポ白超えている)、
Bさん、Eさんはサポの呪縛を超越。リーダーも然り。
内藤君は「普通に」無茶強くなっている。
ところでレグナスさんといい。アオツキさんといい。
樽萌え属性の住人は意外といるのだな。
フェンフでてきて欲しいなぁ。
オンナノコに見える樽♂でハンドガン使いで得意技はへんそう(顔だけ)w
>>511のイメージでさっと書いてみたが。
個人的にコ/竜ダブルジョブにしたかったがワイバーン難しくてかけない。
流行でいうとPuk数匹のほうがかっこよさげ。
赤シアーダブレットの資料無い。
ス キ ャ ナ が な い
「…20年前の大戦で生き別れに…」そういってオールル…オリヴィアさんがつぶやく。
「それは…大変でしたね」女性が剥いた林檎を差し出すと震える手でそれを手に取ろうとし、
「…ごめんなさい。林檎の実を見ると」そういって頭を下げる。「そうですか…失礼しました」
女性は林檎を下げるとサンドリア式の一人用の小さな丸テーブルに置く。
上手い断り方だな…僕が呆れてみていると女性と青年は改めてお辞儀をする。
「重ね重ね大変無礼を働き、失礼しました」そういって二人はお互いの名を名乗る。
僕が切り出す「あのねあのね。姉ちゃんはね。王立アカデミーで勉強を」というと後ろからつつかれる。
「…大戦後、陛下の慈愛により我々は種族や所属国を問わず手厚い教育と愛情を受け、サンドリアの子になりました。
陛下には感謝してもしきれません。今日お伺いしたのは、大変失礼な事を言いますが、とても珍しい呪いにかかった方がいるとの事、
微力ながらもご家族の方々にお力添えをと、まことに勝手ながらこちらの冒険者をやっている弟と共に参りました」
「ほう…そうだったのですか。わざわざ足労頂き、ありがとうございます」
国立の孤児院というものは実際は泥棒や強盗を働く浮浪児の隔離施設に過ぎない。
だが、サンドリアの戦後行った処理は画期的だった。
戦争により親を失った子供は各地の養子や修道院に送られ、
戦争で動けなくなったものたちが世話に当たることで戦傷者の再就職問題と親を失った他国の子供の犯す犯罪を解決し、
子供たちは種族、元の所属国を問わず厳しい教育と愛情を与えて育てられた。
彼らはエルヴァーンでないゆえに、国への忠誠心を行動で示す必要があった。
皮肉と畏敬の念を込め、内外から"サンドリアの子供たち"と呼ばれる彼らは、
現在はサンドリアの各分野で目覚しい貢献を行っている。そうすればタルタル式ではない名前にも納得がいくというものだ。
「ところでっ!患者さんはどんなシビれる状態異常にかかっているのでしょうか?!!」あ。本性がでた。
瞳に星を煌かせて熱く語りだすオールル...オリヴィアさんに銀次郎兄ちゃん引いてるし。無理ないし。後ろの姉ちゃん苦笑してるし。
(と、いうかこの姉ちゃん見覚えあるけど、何処であったんだろう?まぁいっか)
とりあえず「びーくーる。びーくーる。"オリヴィア"姉ちゃん落ち着いてください」といって制する。
こういうとこは相変わらずなんだな師匠…もといオールルさん(師匠とよびたくない)。
「えーと。銀次郎兄ちゃんは仮名Lさんの家族ではないのね」という僕に、
「なにか誤解しているようですが、違いますよ」と返された。
ある意味同じ人間ではありますが。と銀次郎あんちゃん。…なに?それ?
「ウィンダス連邦の口の院のオールル殿より今回の件の話を聞き、
紹介状を頂いてこちらの女性と、微力ながら手伝いをと…。
…まぁなにかと誤解されたようですが面倒でしたので説明しませんでしたね。モンブロー氏には」
…あんちゃん嘘ついてるな。そんな紹介状、師匠は書かない。…まぁいい。大仰に驚いてみせる。
「へえ。オールルさんなら僕も世話になりましたよ。よく性質の悪い呪いだの病気にやられてたからねぇ。
獣使いとかでオールルさんのお世話にならない人は珍しいんじゃないかな」
「うふふふ。そんなことはあるでしょうね」自慢げに微笑むオリヴィア(オールル)さん。
…師匠、自分でバレるネタを作らないでください。
「・・・これは・・・」解呪の魔法を唱えかけたオールルさんは即座にその魔法を中断した。
戦闘詠唱や事前詠唱(元の言葉の意を無視して"マクロ"と言われる)無しで魔法を使うオールルさんは珍しい。
「呪い・・・なんですが・・・不思議な呪いです」そういって首をかしげる。
「のろいだけにのろくなるの?」僕が問うとオールルさんはかしげた首をぐったりさせた。
「違います。呪いにかかる呪いですね」・・・なにそれ?
僕が頭をひねっていると銀次郎兄ちゃんがにっこり笑って呪いを解く魔法を唱えた。
僕もカーズナを詠唱する。白魔法はちょっと苦手だが成功した。
兄ちゃんの魔法・・・一瞬バニシュの魔法に見えたが気のせいだろ。・・・と言うか兄ちゃんナイトか戦士だったような。
兄ちゃんは「冒険者」じゃないのかも知れない。
「無駄です。ロック。・・・表層の呪いしか解けません」オールルさんが言う。
次から次に何らかの呪いが上からかかり、それを解除する形になっているらしい。
根本から絶たないとダメか・・・服の裏に縫い付けた小さなボタンに意識を集中すると、
僕の着ている服がワーロックタバードに。手にはダークスタッフが呼び出される。
「我。闇の力もって闇を退ける・・・闇に滅せよ」ディスペルの魔法。
が、僕の意識は急速な眠気によって遮られ、闇に墜ちた。
途中で切れた。本日の分は以上です。
518 :
既にその名前は使われています:2006/08/10(木) 14:59:30.72 ID:x6+8rYlO
300近し、上げるよ
書いた本人が満足するタイプのスレだよね。
多かれ少なかれ自己満の世界でしょうど、書き物は。
読み手の乏しいってのは寂しいことだ。
520 :
既にその名前は使われています:2006/08/10(木) 18:42:36.40 ID:yUlroQYb
捕手
521 :
レグナス ◆/abMGvkWxE :2006/08/10(木) 18:54:35.86 ID:HUDGnC+O
書き手は同時に読み手でもあるから読者はいるぜ! と言うわけで忘れてた全レス
>>452 ちょwその武器ヒドスwwもう撃たないで、銃身で殴った方がよくね?w
>>461 基本的に覗き見はバレます。バレないのは家政婦くらいですよ | ・ω・)
>>469 ウェルカム!オークは見た目からしてキモいんで、お気をつけてw
>>472 そろそろエロ展開が来ますかね!? 来ますよね! wktk
>>491 片手で詠唱か…。右手にストーン、左手にウォータ…合成魔法拳!木遁の術!!なんて妄想がw
>>496 やべ、慈郎さん超COOLw トラブル呼びまくって波乱万丈な旅になりそうw
>>503 蟻との共闘かっこいい!ってかルーファスがいればそれでかっこいいのは、あまり知られていないが有名な事実
>>511 俺以外全員タルのPT作った事あるぜw べ、別に萌えとかそういうのじゃないんだからね!
>>517 ついに長い前フリ?が終わり、衝撃の展開へ!? オールルはともかくロックが心配だぜw
522 :
既にその名前は使われています:2006/08/10(木) 21:00:38.37 ID:+TYgF7dv
保守age
523 :
既にその名前は使われています:2006/08/10(木) 23:29:59.56 ID:Ju9ADxEY
保守age
524 :
468:2006/08/10(木) 23:57:52.34 ID:Hm2zoKfd
重要なのは、取り乱さないこと。 これからどうするかを見極めること…かな?
それはおいといて、とりあえず南サンドリアで買い物でもしようかな。
「おい、見かけぬ顔だな、 止まれ。」
強い調子で呼び止められ振り向くと、其処には騎士が二人立っていた。
サンドリアの紋章が入った鎖鎧を纏っているところを見ると、恐らくLVは40ほど。
今の私の倍近くはあるだろう。
「貴様を取り調べる」
二人の騎士は私を挟み片手剣を抜くと、身構える。
この二人、最初から私を殺す気じゃないのか?
意を決し、武器を荷物から取り出す。
その武器を見て騎士は笑い声を上げる。 −アッシュクラブ
一人の騎士は完全にこちらを舐めているようで、剣を仕舞い、盾のみで私に殴りかかる。
時折シールドバッシュで強打されいるため、口の中は既に鉄の味で一杯だった。
・・・思ったとおり。 血気盛んな子供は、相手の反撃を脅威に感じていないようだ。
525 :
既にその名前は使われています:2006/08/10(木) 23:59:08.20 ID:Hm2zoKfd
ガツッ!!
限界まで溜めたシャインストライクが顎の先を捉えた。
膝から崩れ落ちる仲間を見て、もう一人がこちらに向かってくる。
私は倒れた一人に馬乗りになると、短剣を喉元に突きつける。
動くな! 私は争うためここにいるのではない!
立ち上がり、短剣を鞘に収める。
「・・・そこまでだ。 名を聞こうか。」
「!! ・・・クリルラ様!!」
サンドリア公認冒険者、ランク2、Keisha。
神殿騎士団長殿、団員が自国の冒険者に剣を向けるとは、一体どういうことでしょう。
騎士の誇りはどこへいったのでしょうか?
「すまなかった。私の監督不行き届きだ。・・・騎士団員に暴行を働いた罪については赦そう。」
「クリルラ様・・・しかし・・・!」
「黙れ、下がっていろ。」
私は開放され、モグハウスに戻ることとなった。
口の中が切れたから、顔がはれる前に治さないと・・・。
間違ってあげちゃいました・・・。
もう寝ます。おやすみなさい。
中身♂だけど、ミスラ使ってる。
たぶん、自キャラになったらオナニーしまくるなw
日本語でおk
あ。
>>519にレスね。・・・出勤してる間にいっぱいレスついてた。
ageage
hagehage
532 :
既にその名前は使われています:2006/08/11(金) 16:03:55.00 ID:vvGiIxRD
ログアウトできない!
唐age
真っ暗闇のまま、長い時間が過ぎた。
きっと私は、ここから動き出すことはもうないのだろう。
「君、ここのところずっといるけど、どうしたんだ?」
地べたに座る私に髭面のヒュームが話しかけてきた。
赤髪に赤髭、赤いマントに羽根付の赤い帽子。
上から下まで真っ赤なこのヒュームは、外見だけで判断すると悪趣味と言わざるを得ない。
「いや、私も職業柄、このル・ルデの庭によく来るんだがな」
彼は羽織ったマントを少しずらし、腰に吊り下げた剣をちらりと見せた。
鈍い銀色を放つ剣は見事な業物だった。彼は現役の冒険者のようだ。
「君は何ヶ月も前からずっとここにいるんだろう?どうしたんだ?」
心配そうに話しかける彼に、私は返事をすることができない。
暫くの間、気まずい沈黙が続いた。
その沈黙に耐えられなかったのか、彼は深く溜息をついてそそくさと立ち去った。
「あれ・・・レイド?レイドじゃないの」
次に話しかけてきたのはエルヴァーンの女だった。
黒い肌にさらさらとした金色の髪を靡かせ、冒険者特有の強いオーラを放っていた。
彼女は私をレイドと呼んだ。
レイド?それが私の名か?
とうの昔に忘れてしまった。
「どうしたの?具合でも悪いの?」
彼女は私の顔を覗き込んだ。
動くことも話すことも許されていない私は、ただ、目の前の深い藍色の瞳を見つめていた。
そのうち、彼女は私の頬をぺしぺしと叩き始めた。
「レイド?起きてる?ねえ?大丈夫?」
ぺしぺし、が、ばしばし、に変わり始めた頃、私の両頬は真っ赤に腫れ上がっていた。
痛い。これはやりすぎだろう。
しかし、動くことも話すことも許されていない私は、自分の頬が通常の三倍に膨れ上がっていくのをただ見ているだけだった。
「ねえ、どうしてレイドは動かないのよ?」
「ふーむ・・・どうしてなんだろうねえ」
髭面のヒュームとエルヴァーンの女は、私を見つめて何やら話し合っていた。
「これではまるで、屍のようだな。生きてはいるようだが」
髭面のヒュームは深く溜息をついた。溜息をつくのが彼の癖のようだ。
「ぱっと見は分からなかったが・・・なるほど、言われてみれば、確かにこれはレイドだ」
この全身真っ赤の髭ヒュームも私の知り合いだったのだろうか?
分からない。まったく覚えていない・・・。
「長い間、ここにいたみたい・・・装備が埃まみれ。顔にも生気が感じられないわ」
「顔が、原型が分からぬほどに腫れ上がっているしな・・・」
「それは、関係、ない」
自らの所業から目を逸らすように、エルヴァーンの女は何気なく否定した。
「ああ、こりゃレイドさん・・・ひどい顔だ。面影がほとんど──」
子供ほどの背丈しかない茶髪のタルタルが、私の顔を批評した。
相変わらず真っ赤に腫れ上がった私の頬は、当分治りそうにない。
「だから、それは、関係、ない」
罪悪感からか、タルタルの隣に佇むエルヴァーンの女は、強い口調で私の頬を否定した。
彼女が連れて来たこの茶髪のタルタルは、魔導師のようだ。
真っ黒なローブに身を包み、背中には大きな杖(といってもタルタルサイズだが)を背負っている。
「あなたの魔法で、どうにかならないかしら。」
エルヴァーンの女は、茶髪のタルタルに聞いた。
「こんなの、見たことないですから・・・アリアさん、ちょっと離れててもらえますか。僕の魔力を注ぎ込んでみます。」
私の両頬を真っ赤に染め上げた張本人は、アリアという名前らしい。
アリアは言われた通りに二、三歩後ろに下がった。
茶髪のタルタルは呪文を唱え始めた。
アリアはその様子を心配そうに見つめている。
どうでもいいが、このタルタルの詠唱が、ずいぶんと長い。
彼のローブの色は黒。背負っている杖には赤い宝石がついている。
詠唱が唱え終わった直後、私の体を中心に、天をも揺らす轟音を引き連れ炎の柱が立ち昇った。
フレア。またお前はフレアか。
私は確信した。こいつは、アホだ。
──ん?また=H
新しい人キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
ところで、このアリアさんはユリフィナさんのアリアちゃんとは別人だよね?
顔違うし
539 :
既にその名前は使われています:2006/08/12(土) 00:52:37.22 ID:eZl9yycG
AGI
「あ・・・その・・・レイド?だよな?」
髭面のヒュームが私を見つめて、呆然としながら言った。
混乱するのも無理はなく、私は頭のてっぺんから足の先まで真っ黒焦げだった。
生きているのが不思議である。
身に着けていた鎧は物の見事に灰となり、今や装備として機能しないことは明白だった。
髭面のヒュームはついさっき到着したところで、まったく状況を把握していなかった。
「だ、誰にやられたんだ?」
勿論、あの茶髪のタルタルである。
彼のフレアは凄まじかった。
一瞬で辺りは火の海と化し、抵抗する間もなく私は焼き尽くされた。
自慢げに魔法を唱えたあのタルタルは、被害の大きさに気付き、慌てて逃げていった。
去り際の「ごめん。やりすぎた。」の一言は色んな意味に取れる。
がくがくと震えながら、植木の陰で私を見つめるアリアは
「レイド?大丈夫?生きてる?死んでない?ロジーを責めないであげて。悪気はないの。たぶん」
と糸より細い声で恐る恐る私に話しかけていた。
ほーぅ。ロジーというのか。あのタルタルは。
──ロジー。私が動けるようになったら、ラングモント峠に二人っきりのピクニックに行こう。
私は、生きる目的を一つ得た。
レベルアップのファンファーレが、ル・ルデの庭に鳴り響いた気がした。
>>538 違いますよ。名前は直感で付けるんで、重なることも多々あるかもしれませんね。
542 :
既にその名前は使われています:2006/08/12(土) 09:09:09.25 ID:xr3CKM2V
保守!
543 :
既にその名前は使われています:2006/08/12(土) 12:43:44.33 ID:NbRCDEps
保守!保守!
残されたのはタルタルの女性と二人の「運命」。
タルタルの女性は「ごめんなさい」と呟くと眠りに墜ちた弟子にマントをかける。
「・・・恐ろしい子。過程は自分でもわからないのに結論はわかってしまう」
オールル・・・"オリヴィア"はそう呟くとため息をついた。
「・・・やはりディスペルですか。私が解けない時点で気づくべきでした」
青年が気さくに微笑むと「なら早く言いなさい」と女性が小突き、おもむろにディスペルの魔法を使用しようとしたが。
「・・・"ゴキブリホイホイ"という異世界の罠をご存知ですか?」
突如タルタルの女性が変なことを言ったため、眉をしかめてしまい、中断させてしまった。
戦闘詠唱で編み出した魔力は本当に些細なことで中断・解除されてしまうのだ。
「ええ・・・知っています」エルヴァーンの女性は謎めいた笑みを浮かべた。
"漂流物"の正式名称を知っている時点で、このタルタルはタダの学生ではない。
「私は見たことは無いのですが、害虫を特殊な方法でおびき寄せ、粘着力のあるシートで一網打尽にする罠らしいですねぇ」
タルタルの少女はとぼけたように呟く。まるで二人のことなど眼中にないように。
「"ゴキブリホイホイ"なる罠はそのまま廃棄物として捨てることができるそうですが・・・。
疑問に思うのです。その罠を廃棄せず、存続させておいたらどうなるでしょうか?
また、廃棄せず、外部から壊した場合、どうなってしまうのでしょうか?」
できの悪い生徒を諭すように呟き、妖しく微笑む少女に二人の"運命"は絶句した。
しばし沈黙が部屋を支配した。それを破ったのは長身の青年。
「・・・部屋がゴキブリだらけになりますね」青年は呟く。
「"ごきぶり"?とはなんですか?」と少女が問う。オリヴィア・・・オールルはゴキブリを知らない。
「異世界の害虫ね・・・この世界にもいるかは知らないけど、"ウィンダスにはいないのかしら?"」
「私の知識にはありません」オリヴィア・・・オールルはそういってしまってから気がついた。―――カマをかけられた!―――
冷や汗を必死で押さえ、冷静に続ける。「ウィンダスにいたのは幼い頃でほとんど記憶がないのです・・・サンドリアでは・・・別の名前で知っているかもしれませんが」
そういったものの、彼女の知識には"ごきぶり"という生物の知識はない。サンドリアでも一般的な名称なら・・・この発言は致命傷だ。
「ゴキブリというのはですね・・・」気さくに答える青年。どこか楽しそうだ。
オリヴィア・・・オールルも純粋な知識欲ゆえ、青年の次の言葉を待つ。彼女は軍人だが、何処までも学者なのだ。
「やめて」女性が嫌悪に満ちた顔で青年を睨む。「それ以上続けるなら石にするわよ」
「せめてどのような害悪があるかとか、どんな伝染病を撒き散らすかとか、毒をもっているかとかだけでも・・・」
しつこく問うオリヴィア(オールル)に、「存在自体が気持ち悪いの。・・・その話は終わりにして」と女性が吐き捨てると、
オリヴィアは「残念です・・・本当に・・・」と悔しそうに呟いた。演技の様子はまったく無い。素である。それがオールルを救った。
知識欲豊富な自称学生の少女に青年はクスクスと笑い、女性は眉をしかめる。
(もし存在してもこの世界ではGokiburiという名称で呼ばれてはいないだろうが)
「まぁ異世界の生物なので、研究しても仕方ありませんよ。連れてくるわけにもいきませんしね。
・・・この世界にもいるかもしれませんが、あえて連れてきても面白いかもしれませんね。ゴキブリなら繁栄しそうです」
「ならば繁殖具合や害悪度を研究する価値があるかもしれませんねぇ。私も興味があります。そのごきぶりって可愛いんですか?」
「勿論。黒光りしていてすばやく動き、空まで飛んで熱湯をかけられても平気な生命力と柔軟かつしなやかな外骨格をもち・・・」
「続けてください」興味深々といった表情で瞳を輝かせるオリヴィアに思わず青年はクククと笑う。
「絶対に。やめて」女性が嫌悪感に満ちた表情で言う。「・・・冗談ですよ」青年はそれにしゃあしゃあした顔で答えた。
「ところで、アカデミーの院長殿は元気ですか?」青年のカマかけにオリヴィア(オールル)は平然と答える。
「天涯孤独の身だと思っていましたのでアカデミーには特に親しい者もおらず・・・。
留学してより、ここ数年のことはさっぱり。・・・私の知っている院長様かどうかもお恥ずかしながら」
そういって顔を赤らめてうつむくオリヴィア(オールル)に青年(アイン=銀次郎)は内心舌を打った。
・・・この娘。馬鹿ではない。三国いずれかのスパイか?おそらくサンドリア人ではないだろう。
サンドリアの学生にしては余計なことを知りすぎている。年齢も見た目よりずっと上か?
投下終了です
548 :
既にその名前は使われています:2006/08/12(土) 19:19:00.92 ID:8b5YFTWI
保守っ!
549 :
既にその名前は使われています:2006/08/13(日) 00:33:45.42 ID:wsSu1iKx
保守
550 :
既にその名前は使われています:2006/08/13(日) 05:11:59.80 ID:Hf/ypJGv
携帯から保守なのです〜
551 :
既にその名前は使われています:2006/08/13(日) 10:48:52.81 ID:uV58Jvlo
イ呆 守
552 :
既にその名前は使われています:2006/08/13(日) 12:47:35.54 ID:01l7qFEJ
ここまで会話のないスレも珍しいなw
フィオ様が女になってパンデモ様のセックルのお相手やらされるようになったが。
女になったフィオ様の容姿をみて。
・・・パンデモ様グッジョブ!!と思ったのは俺だけじゃねーはずだ。
やべえええ落ちるーーー
土日はみんなFFやってんのかやっぱ?
皆様投下おつかれさまです。
本当は砂漠側を先に書くべきだったと思いながらも、
間が持たないので先に流されてしまった人の方を。
では投下。幕間のようなものですね。
『ここ、どこ…?』
茫洋とした廃墟。そう表現してはみたものの、私はこれとよく似た風景を見た事があった。
無論、現実の話ではないけれど。
体を起こしながら、辺りを見回す。
崩れ落ちた、というよりは、立ったまま蝕まれ、朽ちていったような柱と壁の残骸。
あるいは、まるで作り物のような草木。
その全てが一様に、苔のような石灰のような…もしくは硬めのスポンジのような、
ふかふかざらざらゴムゴムしたよくわからない、ほのかな紫色の光を宿す物質で構成されている。
『プロミヴォンっぽいけど…なんか違う』
ホラは青緑、デムは黄緑、メアは青、ヴァズは白っぽい。じゃあ、ここは何?
プロミヴォン・ルテとか…いやいやそんなまさか。
いつかネットで見たアポリオンが近い気もするけど、そもそも私はPM終わってない。
いや、ここはゲーム内ではない世界なのだし、ミッションの進行度なんか当てにならないか。
遙か彼方の闇のなか、脈絡もなくぽかりと大きな塔が立っている。
『まあ、都合よく誰かが現れて、ここは○○だよ、
なんて説明してくれるような事、そうそうあるもんじゃないですしねぇ』
とりあえず、周囲に敵の気配はない。というより、命あるもの、動くものの気配が皆無。
さしあたって大きな塔を目指すべく、立ち上がろうとして膝に手をついたとき、
自分の体が透き通って見えることに気がついてしまった。
『あー、これはのんびりしてちゃまずい雰囲気がぎゅんぎゅんします…』
今気配がなくとも、これから湧いてでないとも限らない。
私は神経を尖らせながら、降り積もる記憶の残滓で形作られた、ふかふかした地面を歩いていった。
途中で、ゲーム内では見た事がなかったものをいくつか見つけた。
一際目を引いたのは、破壊され機能を停止し、半ば地面に埋まったオメガの残骸。
上の方は元の姿を残していたが、地面に接した下の方は、虚ろに侵され分解され、
記憶の残滓の集合体として地面と同化していた。
このままここから出られなかったら、私もそのうち行き倒れて、
何年も何十年も、何百年も経ったら、いやもしかしたらもっと短い時間の間に、
人型のこういうオブジェになったりするのだろうか。
そう思うと、なんだかちょっと笑いがこみ上げてきた。
そうこうしている内に、塔についてしまった。
意を決して、踏み込む。
広間があって、扉の代わりに、光の玉がいくつも埋め込まれた壁が目の前にある。
それをBFの入り口だと認識して、何が起こってもいいように各種の強化魔法を紡ぐ。
その上で目減りした魔力を、心を落ち着けて元に戻してから、私は光の玉の一つに触れた。
壁が透け、引っ張り込まれるような感覚と共に、するりと壁を通り抜ける。
その向こうに広がっていた光景に、私は意表を突かれた思いがした。
『あら〜…これじゃBF戦はできないよね』
返事は絶対ない、と思いつつも、そんな感想が思わず口からこぼれる。
端的に言うと、床がなかった。入り口と階段と柱だけ残して、あとはただ、がらんどう。
それから、塔を外からみたまま、上と下に穴が開いたカプセルのような形のその空間には、
プロミヴォンと思しきこの世界にとって、かつて異物だったであろう物が、ぷかぷかと浮かんでいた。
半ばまで虚ろに侵された、黒っぽい円柱状の物体。
その周囲をこれまた黒い直方体の物体や、同じ形を辛うじて保った記憶の残滓が、
たくさん、連なりながら回っている。
アコヤ貝が、取り込んだ異物を真珠質でくるんで、無害な物へと変えていく。
そんなイメージが、ふと浮かんだ。
その場に腰を落ち着けて、ゆっくりと回り続ける、薄紫と黒のまだらになった箱の群れを眺める。
目の前のけっこう近い所を通っていった箱のひとつに、何か文字のような物が書かれていた。
『……そらりす?』
そう読める。どっかで聞いたことあるなぁ、なんだっけ…。
「Solaris。もうずっと昔に、あのひとたちが持ち込んだもののひとつ」
突如背後から聞こえた、鈴のような声。
驚いて振り返る。その声の主がなんであるか認識しかけた瞬間、床の感触が、消滅した。
いや、床だけではなく、壁の柱も回り続ける箱も、全てが真っ白い世界に塗り替えられていた。
『え』
間抜けな声を上げて自由落下を始める私の耳に、くすくすと笑い声が届く。
「あの子が無茶したみたいで、恐い思いをさせちゃったね」
いやちょっと焦ったけどそれほど恐いとは…というかあの子? 誰だろう。
「真摯なる拳もつものが願った、更なる猛き力の具現」
柔らかい声が、私のそんな疑問に応えた。その猛き力とやらをあの子呼ばわりできる存在か。
そんな人に呼ばれるって事はもしかして、私たちがやらかした事ってまずい事だったのかな。
「そんなことないよ。でも…ただあれを使っているだけでは、あなた達の望みは叶わない。
あれは、あのひとたちがそう定めた所までしか、元に戻すことはできないから」
悪いことじゃなかったなら安心だけど…じゃあなんで私はあんな所に落とされたんだろう。
落ちながら首を傾げているうちに、思いの外柔らかな感触と共に、地に足が着いた。
そよ風と花の香りが掠めていく。しかし全ては未だ真っ白のまま。
「折角呼んだのに、あなたの半分が、あなたの真実を見せることを拒んだの。
だからあなたにも、"私"の姿が見えないの」
残念そうな声が耳に届いた。私の真実…次から次へと謎めいた事ばかり言う人だなぁ。
私から色々聞きたかったんなら、私じゃなく"僕"を呼ぶべきだったんですね。
「そうね。だから次に呼べるときが来たら、一緒に呼ぶわ」
そうですか。なんか色々こっちの都合はあんまり気にしてなさそうですけど…
「そういえば、急いでたんだったね。あの道が見える?」
考えを読まれた上に、、なんか気を使わせてしまったらしい。
言葉によって、自然にある方向へと視線が吸い寄せられる。
白一色の中、そこだけ青白い靄が浮かび、向こう側に荒涼とした景色が浮かんで見えた。
「あなたたちが行きたいと思っていたのは、そこ。でもね…」
靄に向かって歩み寄りながら、言葉の続きを待ってみた。
「あなたはあなたの半分と、同じ時間には帰れないよ」
『どういう、事ですか?』
驚いて私はそのとき初めて、この存在に言葉でもって問い返した。
私がエルヴァーンになってからそう幾日も経っていないはずだけど、自分自身の声を、酷く懐かしい声だと感じた。
私の驚きはさておいて、柔らかい声はまた答えてくれる。
「砂漠の時間が戻った分、それ以外の場所と齟齬が生じたの。
待っていれば会えるけれど、あなたはその間とても希薄な存在でいなきゃならない。
もし誰かが危ない目に遭っていたとしても、あなたはそれを救えない」
幽霊みたいなものなのかな。それはちょっと…考えちゃうなぁ。
でも、逆を言えば誰にも気付かれない、どこにでもいける。
ただ無為に過ごすよりは、たまには私だけでも何か行動してみないと、です。
そう思った私の思考を読んで、声は少し寂しげな雰囲気を滲ませた。
「……そう、気を付けてね」
『えっと…お世話になりました』
私はその"寂しい"には気付かない振りをして、靄へと飛び込んだ。
わたしがこわれてしまうのがさきか。こわれないわたしにもどるのがさきか。
わたしはすべてをただうけいれるだけだけど、ときどき、それがつまらない。
なにぶん虚ろな世界でのことなのでぼんやりとして意味不明です。
そういうことにしておいてください。
それはそうとバスから旅立ちそうなイケメン様へ。
魂が分かれてる人(の片割れ)【いりませんか?】
…バスから連れ出されるわけにはいきませんが。
レグナス:プロポーズktkr!!
不束者ですが、よろしくお願いします。幸せな家庭を作りましょう^^
バルファル:おいィ? お前その解釈でいいのか?
ちょwwww飛躍し過ぎwwwww
…向こう側が透けてみえるくらい薄いので頑張って探して下さいm(_ _)m
いやいやロックがいないうちにすき放題な俺がもらうw
>>554 土曜はFF日曜はしg
俺。この物語が完結したらフルキフェルさんとレグナスさんとヒロさんとバルファルと結婚するんだ・・・。