2 :
タルタルさん ◆DH/ROWAf/k :2006/06/11(日) 23:00:36.13 ID:sVKuwPO0 BE:202264447-
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朝、起きたら自キャラになっていたFFXIプレイヤーたち。
ステキに過酷なヴァナ・ディール、笑いと涙の右往左往。
俺たち“来訪者”を排除していく、謎の集団も現れた!
この異世界に出口はあるのか?
リアルに帰還できるのか?
熱血、友情、ラヴ、バトル! 陰謀、シリアス、ギャグ、微エロ!
俺たちの明日はどっちだ!?
キャラ紹介テンプレ
初出: 別スレ同番の人もいるようなので、スレも併せてお願いします
PC(仮)名: / 中の人:
種族フェイス:
ジョブ&Lv:
特記事項:
活動エリア:
あらすじ:
他キャラとの接触:
独自レギュレーション: 共通設定(?)と目される設定とは敢えて変えてある部分を明記するのはどうでしょう
>>4 リード氏以外がその台詞言うの初めてじゃない?w
>6
ていうか4をクールヴぁーんさんの為に明けておくのを忘れました…(つд`;)
共通設定。これは絶対ではありません。
ある程度共通していた方が、読み手の方も分かりやすいのではという意図のものです。
参考程度に留めて、投下する方が自由に想像し設定してください。
LPは映像付きが多い (例:Yurifina氏のSSでは映るが、LeadのSSでは会話のみ)。
冒険者証明書は金属カードで、邪魔にならない所に魔法で入っている。競売は魔法紙で取引されている。
みつめる(/c)はとても嫌な視線扱い。時間感覚はリアルと同じ。tell等のSay・sh・echo以外は念話。
リアルからヴァナに入り込んだ人々の事を「来訪者」と言う。
いわゆるGMと同じ姿の連中がいて、「フェイト」という組織を形成し、洗脳した来訪者「黒マント」を使役して来訪者達を狩っている。
レイズは意識不明(戦闘不能)に有効だが、完全に死んだ者には効果が無い。
初出: 1スレ19
PC(仮)名: ユリフィナ/ 中の人: ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ
種族フェイス: タルタル♀F5(茶髪のポニーテール)S
ジョブ&Lv: 白魔道士70
特記事項: エロモーグリ、レズエルヴァーン、サポ暗両手剣ナイト、ヒゲサブリガの詩人、フェローのリポケケと濃い連中にもまれながらも無事生還・・・が、帰る際に使用したダテレポの影響で禍神なんてのが現れてさあ大変。
タロンギに追い出された一行はオルデールを包む魔法壁の前でヒロさんとであい、さらに賑やかに。
活動エリア:ウィン→アルテパ→ウィン→タロンギ→ウィン→サンド→シャクラミ→ウィン→オルデール→タロンギ
あらすじ: 朝起きたら体がのっとられてた。
中の人は帰ったけれどもその所為でなんだか大変な事になってる。
オルデールからは追い出され、中に入るにも見えない壁が邪魔をする。
結局、壁の前でであった赤ネコヒロさんの仲間を信じて事の顛末を壁の前で待つことに。
他キャラとの接触:ファルシファーさん、リードさん、ヒロさん
独自レギュレーション: 自キャラになったでお話を書いていないw
新スレ乙でございます。
登場人物
リポケケ:タル♀F4AのM(シャントット先生)
戦士のフェローで子供っぽい性格。まわりが濃すぎてフェローなのに影が薄い。
ヒゲヒゲオヤジ(本名リチャードらしい):ヒュム♂F7A(髭男)
ホワイトサブリメンの詩人。実はすごい実力がある(リードさん談)
濃いけど出オチ。
ユファファ:タル♀F5BのL(茶髪ポニテ)
オヤジさんのフェローサポ暗黒の両手剣内藤。好きな言葉はクレセントムーン。ツリ目。
男勝りだけれどネコを被るのが得意。
アリア:エル♀F4B(赤髪で髪を後ろで二つに縛ってる)
タルタル♀とセクハラとかわいいものが何よりも好きなモンクサポ赤。時空魔法の専門家。ユリフィナは既に毒牙にかけた。
シャールカーン:エル♂F2A(銀髪のチクチクした長髪)
ユリフィナに告白した、ある意味危険な人。もしかしたらアリアちゃんとタルタルについて一晩語り明かせるかもしれない。
笑顔が素敵でキザ。
モグタン:モーグリ
エロイ。どこかで何かを間違えてタル♀萌えに。このモグがモグハウスにいる限りモグハウスが一番危ない。でも家事の鉄人。
12 :
レグナス ◆/abMGvkWxE :2006/06/12(月) 00:30:03.32 ID:IbTCDlA9
初出:7スレ97
PC(仮)名:レグナス(Regunasu)/ 中の人:レグナス ◆/abMGvkWxE
種族フェイス:ヒューム男 F4 金髪
ジョブ&Lv:黒魔道士75(サポ狩)
特記事項:ルックスもイケメンだ
活動エリア:ジュノ周辺→バストゥーク
あらすじ:全ての鍵はパソコンにあると判断し、大工房へ向かう。そこには数多くの漂流物が…
他キャラとの接触:なし
独自レギュレーション:
もうここまででも十分にF4の勝ちは圧勝に決まったのだがさらに攻撃は続く
次は見た目に注目するのだがF1はただのひょろっとした弱そうな髪
あれでナンパされてもあまり嬉しくはない
しかしF4は尖った部分が多くあの部分でさらに女性のハートに致命的な致命傷を与えられる
雰囲気も黒っぽいのでダークパワーが宿ってそうで強い
ちなみにダークパワーっぽいのはF4に宿ると光と闇が両方そなわり最強に見える
F1に宿ると逆に頭がおかしくなって死ぬ
13 :
レグナス12-1 ◆/abMGvkWxE :2006/06/12(月) 00:31:13.10 ID:IbTCDlA9
「探し物は見つかったか?」
シドがひょいと顔を覗かせ、俺とバルファルの様子を伺う。俺は首を横に振ると、シドは小さく頷いた。
そもそもだ、こんなにも大量のリアル製品が並んで来ているのに、何故フェイトはこの惨事を放っておくんだ?
フェイトは来訪者とくれば排除し、漂流物とくれば強奪する、自称ヴァナの秩序を守っている集団…のはず。
ミスリル銃士隊が地味に強い為手出しが出来ないのだろうか。いや、NPCの強さなんて関係ない。
スレッドを呼んだ限りではフェイトはNPCの記憶データに干渉できる。リアル製品を盗み出すなんて造作もないはずだ。
…まぁウダウダと考えていても仕方がない。訊いてみるか。
「それと、1つ質問をよろしいでしょうか?」
「おう、だがワシも暇人じゃねぇんだ。手短に頼む。」
じっくりと慎重に行動していきたいところだが、どうも焦りが俺をそうさせてはくれない。俺は木箱に視線を落とした。
「あんたら、俺に何を隠している?」
するとシドはくくくと押し殺したように笑い、そのまま俺に背を向け、出口の扉に手をかける。
「…悪りぃが、まだあんたを信用したってわけじゃねぇんだ。それだけだよ。」
がたんと扉を開き、シドは部屋から出て行った。それは金属製の扉が放つ、独特の乾いた音だった。
部屋の端でじっとしていたガルカは、ひょいと俺から木箱と取り上げると彼もシドの後を追い、部屋から出て行った。
俺をフェイトからのスパイか何かだと疑っている、と言いたいのか。
一旦バルファルとは別れ、俺は合成の心得を指南してもらうべく、1階の鍛冶ギルドへと向かった。
合成が可能になれば、幾つか試したい事がある。それが成功すれば戦術の幅が広がるはずだ。
どうも大工房の連中は、俺に対して敵でも味方でもないと言った具合に距離を置いているように感じる。
シドの言葉通り、彼らはフェイトの存在を知っているため、俺を敵ではないかと疑い、警戒しているだけなのだろうか。
否、それだけではないはずだ。実際、漂流物の件を考えると、ただそれだけの事とは考えにくい。
目を瞑り、思考を巡らせてみる。想定できる展開は2つある。
1つは、実は彼らがフェイトと繋がっていて、大量の漂流物は来訪者を誘き寄せる為の罠だというパターン。
だとしたら俺はまんまと策にはまり、来訪者ホイホイに捕まってまった事になるのだが、その線は恐らくない。
もしシドがフェイトの一員だったとすれば俺はすでに殺されているだろうし、
彼らと別れた今、広域スキャンで調べてみても、俺を尾行し、マークしている者は1人もいなかった。
もう1つは、大工房がフェイトの時間干渉や記憶干渉に対抗しうる能力を兼ね備えているというパターン。
それならば確かに彼らは大量の漂流物を守り切る事ができる。だがこの説も窺わしいものだ。
その世界の中の住人は、その世界の法則を打ち破ることなどありえない。
「やれやれ。」
もし俺に対し、不利な要素が起きるとするのであれば、その時に大工房の秘密は明らかになるだろう。
残念だが俺に出来る事は、来たるべくその時に備え対策を練るのみだ。
ガツン!
「うぎゃっ!」
突然、衝撃と甲高い声が耳元で鳴り響いた。しまった…。
俺は前方からミスラとガルカの2人組みが歩いてくる事に気づかず、正面からぶつかってしまった。
黒魔道士のアーティファクトを身に包んだミスラが、バランスを崩して尻餅をついたようだ。
俺としたことが、思考に耽っていた為に周囲への注意力が散漫なものになっていた。危ない危ない。
「おいおい、あんたどこ見て歩いてんのさ。」
ミスラはガルカの手を取り、ひょいと立ち上がる。そして尻尾をぶんぶんと振り回し、云々と俺に文句を付け始める。
健康的に焼け、引き締まったその肌はヒュームにはない野生的な魅力を感じた。
「ちょっとちょっと、何いきなり無視してるわけ? ムッキー、ウチをなめんなぁー!」
「よさないか、マイ。」
今にも暴れだしそうなミスラを、普遍的なサイズよりもさらに一回り大きな体格のガルカがなだめている。
ガルカの方は、全身を鈍く光る漆黒の鎧で固めており、背中には巨大な両手剣が掛けられていた。暗黒騎士か。
画面を通して見た場合とはまったく異なった、ガルカ特有のすさまじい迫力に思わず息を呑んだ。
「ああ、すまない。考え事をしていた。」
俺は目線を流し、軽く歯を見せて、マイと呼ばれたミスラに微笑みかけてみた。キラキラキラ…
「…あれ、もしかして君は…」
「マイ。」
ガルカが、普段から怖いその顔をさらに怖く強張らせ、何か俺に言おうとしたミスラを制止した。
「あ、ごめ…」
ミスラが謝罪の言葉を言い切る前に、ガルカは彼女のウィザードコートの襟を摘み、片腕でぐいっと持ち上げると、
そのままぶら下げ大工房の奥へと向かっていった。すげぇ。ミスラの体重が軽いのか、ガルカが怪力なのか…。
まったく、一体なんだったんだ?
あの2人組は、アーティファクトという点も踏まえ、一介の冒険者、もしくは俺と同じ来訪者だろうと判断できる。
もし来訪者だとするのなら、一度落ち着いた場所でじっくりと話をしてみたかったな。
残された貴重な時間を割いてでも、俺と同じ境遇に立たされた者と、この焦りを、この興奮を分かち合いたいと思った。
俺がスレッドを覗いていた時点ではバストゥークにも何人かの来訪者がいるはずだ。
そうこう考えている内に鍛冶ギルドのある部屋に到着した。扉を開けると、ムワっとした熱気が俺の肌を刺激する。
例えばメキという来訪者。彼女はこの大工房でローラーブレードの合成に成功している。
この世界に存在しないものでも、たとえリアルにしか存在しない道具でも生み出す事が出来るという訳だ。
パソコンの充電器を合成する事が出来れば文句はないのだが、あいにくバッテリーの構造は知らない。
しかし時間を無駄にする事はできない。だから、せめて俺に出来ることをしようと思う。
以上です。
せっかくだし新スレ一発目を狙ってみたw
18 :
既にその名前は使われています:2006/06/12(月) 07:18:11.01 ID:BRMuUA3r
ほしゅっとくお
レグたんバッテリーは簡単な構造だからがんばって合成するんだ
19 :
既にその名前は使われています:2006/06/12(月) 08:02:37.36 ID:c3ZoL3l4
アルザビにバッテリー売ってるぞ!
アイコンはバイクのバッテリーだし、使えると思う!
・・・電圧調整しないと間違いなくパソコンが逝くが。
20 :
既にその名前は使われています:2006/06/12(月) 11:12:35.09 ID:SAtWCVaF
教習所でやったぜ。
電池は硫酸に水入れて、時々水を足せばいいって。
つまり、りゅーさんにみずをかけるとでんきバチバチするにゃー!
21 :
既にその名前は使われています:2006/06/12(月) 15:15:01.96 ID:Pmyh/BaL
って新スレはやくもピンチだなw
22 :
既にその名前は使われています:2006/06/12(月) 15:26:35.69 ID:BRMuUA3r
現実のもの3個持ってけるんならさ
核弾頭3発持ってきゃ最強じゃね?
キャラテンプレだけこっちに先に落としてしまいますか。
本編が誤爆のため前スレに行ってしまったのでw
初出:3スレ258 PC(仮)名/中の人:フルキフェル・ブルムラック/256_Furcifer◆MwNTY7GtwI
種族フェイス:Elv♂F7a いわゆるカッパ金 ちなみにSサイズだったり…。
ジョブ&Lv:RDM75/WHM37 サポ他にも各種。白Lv73にもチェンジ可能。
特記事項:中の人は温厚な学生。
完全に独立したもう一つの意志として、この世界の住人である所の"僕"がいる。
頭の中でよく話しかけてきたりアドバイスをくれたりするが、
"私"が弱っていたり隙があったりすると、体の主導権を取り戻して勝手に活動を始める。
"僕"は今の世界の管理者に対して疑いと恨みを抱いており、 色々な策謀を練って彼らに挑むつもりのようだ。
中の人"私"の精神世界もその一環として好き放題に整理整頓され、
心をこの世界の人間と融合させないままに、この世界に適応させられつつある。
あらすじ:ラテーヌで目を覚まし、途方に暮れていても仕方ないという事でサンドを目指す。
運がよければ先に来ていた人に会えるかも? と淡い期待を抱くが、
色々あって成り行きで、赤い鎧と交戦する羽目に。
ぱちってきた赤鎧の装備が、ドラギーユ城でラテーヌの異変を感じ取ったので、血相変えてテレポで移動。
他キャラとの接触:Yurifina(ただしお互いに気づかず)、Loufas、ヒロ(Pokotaso)
独自レギュレーション等、長くなったので次レスにまたがります(´Д`;)ヾ
独自レギュレーション:ゲーム内で台詞に組み込んでいた台詞をトリガーにする事で、
通常の魔法・アビのみならず着替えブースト等を絡めた魔法もゲーム内と同じように使用可能。
辞書登録を使用した単独着替えや魔法発動も無意識に使えている様子。
魔法やエンチャント物についてのリキャストはゲームを遊んでいた時の感覚に近く、
アビのリキャストはヴァナ時間に準拠。
ただし"僕"と"私"ではサポジョブをバラバラに設定できるらしく、
"僕"が起きているときに限り二人分のアビと両方のサポの能力を行使できるようだ。
世界の見え方、世界への関わり方はどうやら人によって様々。
ミッションやクエはゲーム内であった事だけが全てではない様子。
ゲーム内ミッションとは違った事をしてランクを上げた人もいるし、空や海へと至るルートも一つではないかもしれない。
TellやLs会話は条件が整えばゲーム鯖と通じることもごくごく稀にある。
tellは会った事があり、かつ互いに冒険者証を所持&冒険者登録名が分かっていないと通じない。
赤鎧/黒装束にはまじめに世界管理してる人と欲望のままに世界にひどいことをしているのがいるようだ。
・ぱちってきたGM装備について
「護界の盾」と呼ばれる。GM装備ことプライマルアーツレプリカの一形態。
赤鎧ピアシュの「万斬の魔剣」をごにょごにょしたら変化した代物。意志等は持たない、ただの道具。純粋なヴァナ・ディールの住人には普通の武具としてしか扱えないようだ。
潜在能力:戦闘態勢に入ることですごいMPスリップ→物理/魔法ダメージを時々無効
エンチャント:リターン <1/1 0:30/[可変,0:30]>
リターンというのは便宜上赤鎧たちのシステム側の管理の都合で宛てがわれた名称で、その実態は「赤鎧や黒装束が干渉し、改変したり歪めたものを本来あるべきかたちに戻す」効果を持つ。
現在の赤鎧達は、彼ら自身の正義に則って世界への干渉を行っているため、やり直し・元に戻す・といった行為の必要性を感じておらず、それ故に忘れ去られていた形態である。
干渉を用いずに殺されたり破壊されたものは、当然元に戻せない。
対象の取り方には融通が利くが、大規模な巻き戻しを行うとそれに応じてリキャストタイムが増大する。最短30分、最長24時間。
"私"はMPスリップをルーン装備と同じ扱いだとはまだ気づいておらず、
「時間を巻き戻すという反則行為に付随するペナルティ」だと勘違いしている段階である。
・"僕"の立場について。
サンドリア王国ランク10・上級近衛騎士の立場にある。が、本人は某侯国出身の上冒険者上がりのため、大っぴらにその階級を名乗る事をよしとせず、出頭するときは専ら「近衛騎士」と名乗り、宰相から「"上級"近衛騎士だろうが」と突っ込まれるのがお約束。
"あの方"には命令を受けているわけではなく、利害が一致したために力を貸してもらいながら、ちょっとした指示をこなしている状態。
魂を混ざり合わせない事で"僕"と"私"を切り替えてフェイトの追求をかわしたり、実質サポジョブが二つなのもその力の一環。
あやしい副作用やそのうち危険な揺り返しが来るのを分かっていながら受け入れた力ではあるが、やっぱり例によって"私"にはまだ内緒にしている。
以上です。長すぎ、裏設定増やし過ぎ…
それではテンプレ投下のみで失礼致しました。わっふるわっふるです。
触れれば終わる、死神の一撃。あの刀に当たれば俺は死ぬ。
まるで永遠のように長く感じるコンマ1秒の中、白く染まりそうになる思考から必死で抜け道を探り出す。
「減速!グラビデ!」
装備変更マクロ起動。一瞬でローラーブレードがブーツに切り替わり、全力全開で慣性を殺す。
さらにグラビデを発動し、周囲の地面に強力な重力を与えて刀を振り下ろすスピードを加速させる。
ヴォンッ!!
袈裟斬りに振るわれた一撃。白い輝きを持つ刀が俺の前髪を数本持っていく。
だが、空振り。
俺はギリギリでスピードを殺しきり、鋼の刀は振り下ろされ、地面につく寸前にある。
ピンチの直後にできた絶好の好機。
「そのスキ、貰ったにゃ!」
刀を空振った鋼に向けてエアリーソードを突き出す。
狙うのは首、一撃で倒す!
鋼のスキは大きく、俺は勝利を確信した―――はずだった。
鋼が少しだけ表情を変えた。
口元に広がるわずかな陰り。それは悲しさか、寂しさか。
「月―――」
月の魔力を宿し、刀が光った。
重力の魔法を一瞬で弾き飛ばし、下段から信じられない速度で刀が跳ね上がる!
八之太刀・月光―――
ギィィィィン!!
「馬鹿にゃ!?」
俺が首元目がけて突いた剣は彼に届く前に、下段からの神速の刀によって弾き飛ばされた。
その衝撃はすさまじく、剣だけでなく俺まで弾き飛ばされる。
「うわあっ!」
数メートル弾き飛ばされ、尻餅をついた。
慌てて起き上がろうとする。
「・・・・・!」
だが、それはできなかった。
尻餅をついた俺を見下ろすように目の前に立っている、ガルカの巨体。
勝利の確信は消滅し、絶望が感情を塗り替え、俺を凍りつかせる。
「う・・・あ・・・」
俺はそのまま動くこともできず、ただその巨体と刀を見上げることしかできなかった。
鋼は再び上段に構えた刀で、最後のWSを発動させる。
「―――花」
九之太刀・花車―――
絶対無比の威力を誇る刀が、振り降ろされる。
投下終了です。
ところでレグナスさん、戦場を大工房まで広げてもいいですか?
OKの場合は鉱山区だけで無く商業区、大工房まで同時進行で時間停止空間の範囲内だったということに。
さらに大工房の異世界の技術・品物がだいぶ消滅します。
時間軸はおそらくレグナスさんの話の少し後に私の戦闘という事になりますね。
レグナスさん以外でも困るという方がいればレスください。
31 :
既にその名前は使われています:2006/06/12(月) 20:11:45.01 ID:Zzt7iSMx
age
32 :
レグナス ◆/abMGvkWxE :2006/06/12(月) 21:37:06.58 ID:fhnkX34n
>>18-20 ちょwその賭けは危険すぐるww
もしものことがあってパソが逝ったら、俺泣くwww
>>22 そんなもの誰も持ってなくね?w
>>23 フル(略)さんきた!はやい!もうついたのか!役者は揃った!これで待つる!
>>30 もちろんオッケーですよ!どんとこーい!
それにしてもテラピンチス!!花車はらめぇぇ><
33 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/06/12(月) 22:16:04.10 ID:Zzt7iSMx
スレ立て乙です!
ちょっと編集に手間取りましたが、終盤を投下します!
34 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/06/12(月) 22:17:03.93 ID:Zzt7iSMx
(237)
さて、左篭手の龍の尻尾は既に2回見せてる。右の方は最後の切り札で取っておきたい、と言うよりは使いたくはない。
俺の体術もある程度は把握され始めたはずだから、さっきと同じ様に飛び込むわけにも行かない。
そう考えていくと、残った手段はそれほど多くない。
幸い、剣の間合いの外から攻撃する手段があるんだ。撹乱する事自体は難しくはないだろう。
左の篭手に手を当てながら精神を集中する。必要なのは破壊力じゃない。
ゆっくりと歩を進めて、禍神の間合いよりも一歩離れたところで立ち止まる。自然と顔に不敵な笑みが浮かんだ。
禍神がそれに気付いたのかどうかは知らないが、素早く剣を振り上げて俺の方に突進してきた。
いくら早いとはいえ、動作から攻撃の方向くらいは判断できる。一瞬右に体重をかけてフェイントをかけた後、反動で左後方に飛び退る。
だが、剣は振り下ろされなかった。禍神は上段に構えたまま俺の出方を窺っていた。
後方に飛んで着地した瞬間を狙って禍神がさらに殺到してくる。
思わず右の篭手を前にかざしそうになった瞬間、赤い鎧が俺の前に立って盾を構えた。
キィンと高い音を立てて、盾が剣を受け止める。剣を突き出そうとするが、途中で禍神に押しつぶされそうになったのか、盾と肩を付けて受ける事に専念し始めた。
心の中で舌打ちをししつつ、俺は素早く立ち上がって禍神の背後に回る。その瞬間、赤い鎧の盾を捕らえていた禍神の剣が目の前を横一文字に薙いだ。
仰け反ったが鼻の辺りにかすったようだ。一筋の熱した鉄線を当てられたような感覚だった。
(238)
赤い鎧は盾で禍神を殴りつけた後、剣を突き出す。
禍神の方は、俺に向けた剣撃の勢いをそのままに一回転して、その剣を受けた。
その鍔迫り合いの最中、
赤い鎧は一瞬だけ視線を投げてきた。
── その程度か
そういう事を言おうとする目だ。腹が立ったわけではない。むしろ、コイツは俺の事をもう少し上だと買っていたのだろう。
だったら、期待に応えてやる!
埃っぽく湿った空気を肺一杯に吸い込んで、体の血流と筋収縮の全てを意識に乗せる。
少しの時間だけ俺の思うよりも、そしてこの場にいる誰よりも疾く動くために集中を高める。
すぐにその瞬間はやってきた。
「オオォォォォォォォォ!!!」
咆哮と共に、俺に背を向けている禍神に迫る。振り向くほどの時間は与えない。
禍神は剣を持っていない左手をこちらにかざそうとしている。だが遅い。今の俺にはコマ送りだ。
伸ばしてきた左手を取って、そのまま禍神の正面で戦う赤い鎧と禍神の間に入り、先ずは思い切り禍神の下腹部に拳をめり込ませた。
(239)
百烈拳 ── 体の許す限りで敵に拳を叩きつけるための、モンクの切り札。
身体能力は飛躍的に高め、それを発動させてしまえば誰も攻撃の全てを見切ることはかなわない。
禍神とて、それは例外ではないはずだ。
下腹部に拳をめり込ませ、さらに鳩尾、喉、顔面に連続で拳を叩き込む。
さらにその場で身を翻して、押し出すように後ろ回し蹴りを放つ。
赤い鎧の剣と禍神の剣の接点が失われて、俺の目には禍神がゆっくりと後退していくように見えた。
その後退の最中に一足飛びで追いつく。剣を突き出してくるが、動きは異常に遅い。コマ送りどころではなく止まって見える。
顔面、肩、脇腹、ありとあらゆる場所に拳を叩き込んでいく。その度に禍神が酷くゆっくりとした声を上げる。
今この空間で俺だけが全く違う時間軸にあるような、そんな錯覚にすら陥りそうになる。
赤い鎧の様子も、禍神の動きも、全てがスローモーションのように見えた。
俺の知る限りのすべての方法で、禍神に打撃を浴びせ続ける。
効いていない訳はない。それでも、仕留めきるにはこれでは足りないのも分かっている。
やがて身体が悲鳴を上げ始めた。感覚の全てをクロックアップする代償に、その後には動くこともままならないような疲労に襲われる事も知ってはいる。
だが、今はそこで終わるわけには行かない。
(240)
禍神の背後に回ると同時に、重力が何倍にもなったような疲労を覚えた。
もう少し動いてくれ…!
右手に渦巻く竜巻をイメージし、実際に暴風を纏った右手を振り上げてその場で高く飛び上がる。
そして、禍神の脳天に目掛けて暴風を纏った右拳を叩きつけた。
部屋の内部に禍神を中心とした強烈な烈風が発生し、俺自身も、その風に跳ばされて後方の壁に叩きつけられた。
禍神の首が、身体に沈み込むようにめり込んでいるのが遠目にも確認できた。
だが、次の瞬間にはそれが元に戻ろうとする。仕留め切れなかったか…
「十分だ」
場に似つかわしくない落ち着いた声と共に、正面に見える禍神の背中から、一振りの剣が飛び出しているのが見えた。
そのまま、目で追えないほどの速さで剣が禍神を切り刻んでいく。
だが、細切れになっていくかに思えた禍神の身体は、重力に引かれるよりも早く再生を始めていた。
やがて剣を逆手に持ち替えた禍神が、その切っ先を赤い鎧へ落とそうとする。
俺は壁に背中を預けたまま右手を禍神に向けて突き出した。
そろそろ我慢の限界だろう。俺も、すぐには立ち上がれねぇ。お前の好きなように ───喰え!
そう念じた瞬間に右篭手の龍の頭が巨大化し、逆手に持たれた剣もろとも禍神の肩から上を顎の中に収めていた。
(241)
バリ、バリという音と共に、龍の頭は禍神を咀嚼し始めた。
噴水のように禍神の血液が上がる。この血液が再生するべき物は既に無く、そのまま赤い鎧の上に落ちていった。
やがて完全に咀嚼を終えた龍の頭はスルスルと俺の右篭手に納まった。
暢気にゲップなんかしやがって…
戦闘中すっと感じていた高揚感も、それと同時に薄れて行った。
肩から上を失った禍神の体がゆっくりと後ろに倒れる。その向こうには、禍神の血で頭から赤く染まった赤い鎧の姿があった。
俺がヨロヨロと立ち上がると、赤い鎧の視線がこちらに向く。
頼りない足つきで赤い鎧に近づくと、驚いた表情の中に僅かに微笑みを浮かべているようにも見える。
俺も、口角を引っ張り上げて笑顔を作ってみる。
だが、歩を進めていた足が急に動かなくなるのを感じてその表情も崩れてしまった。
禍神の死体が倒れた場所に、死体の変わりに黒い何かが白い床を浸食していた。
俺の足元を見ると、その黒い何かに吸い込まれるように踝まで足が沈み込んでいる。
足を取られ、そのまま力なく前のめりに倒れこんでしまった。
手だけがかろうじて白い床にかかっていたが、黒い何かに接した腹や顔から、下に沈みこんでいくのが分かった。
(242)
やがて、白い床にかかった右手を残して全身が黒い何かに沈み込んでしまった。
沈んだ先には何も無かった。ただ黒い空間が延々とある。
なにか見えないものに包まれて体の自由はきかない。ただ沈んでいく感覚だけが伝わってくる。
右手で何とか沈むのを食い止めているが、百烈拳の反動で腕の感覚がほとんどない。
残っている右腕から力が抜けていくのが分かる。
ただの疲労じゃない。身体にまとわりついてくる何かに吸い取られているような感覚だ。
目を閉じそうになったとき、右手を引っ張るような感覚を感じた。あの赤い鎧だろうか。
その手の感触は酷く熱かった。
沈みかけていた体がゆっくりと上に引き上げられて行く。
顔が引き上げられたところで、手の主を見上げる。やはり、赤い鎧だった。
全身血まみれで、顔も肌が見える部分よりは血に塗られてる面積のほうが大きい。だが不思議と違和感はない。
あぁ、コイツには赤い色が本当に良く似合う。
40 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/06/12(月) 22:22:41.26 ID:Zzt7iSMx
今日は以上です。
>>リードさん
一応先頭は完結させましたが、脱出編がちょっとイメージ湧かなかったのでお願いして良いですか?w
>>Wiki編集班の皆様
編集作業、本当にお疲れ様です!
では、わっふるー
ちょっとだけ百烈拳について補足を…
システム上はものすごいヘイストがかかった状態になっているという話を聞いたので、こういう設定にしてみました。
時間限定のクロックアップです。
ただ、反動が大きいので滅多な事がないと使用できないし、するべきではない、という感じです。
42 :
既にその名前は使われています:2006/06/12(月) 22:45:59.52 ID:G1tvAxcM
キャァストオフ
クロォックアッポ
ここはF6でネカマをするべきでしょう
おぃ?
誤爆したわけだが?
45 :
既にその名前は使われています:2006/06/13(火) 01:19:09.01 ID:e9GmF6Wz
ほしゅあげ
>>41 【百烈拳】
モンクの2Hアビ。効果時間中、近接物理攻撃の間隔が限りなくゼロに近づき
効果時間が切れるまで、ひたすら打撃を連続波状的に叩き込む。
某暗殺拳の伝承者が使用する必殺技とは無関係。効果時間45秒
再使用時間2時間。
内部処理的には著しく強力なヘイスト(75%程度といわれる)がかかっている扱いになるようだ。
また、詳細な効果程度は不明であるものの強力なモクシャ効果も同時に得られるとされている。
回転だけが速くなったのでは敵のTP技の回転も同様に速くなることから、
それを防ぐための処置と思われる。
FF11用語辞典より抜粋。
皆様おつかれさまです(`・ω・´)ノ
取り急ぎ投下などさせて頂きますね(´・ω・`)
あれから何時間経ったんだろうな。腕時計も携帯電話ないこの世界では、時間の流れがよく分からない。
でも、空を見上げても、太陽はほとんど動いていないように思える。雲だけが、高原の強い風に追いやられて、すごい勢いで東に流れていく様が見えた。
話相手兼護衛として来てくれたユリフィナは、おれの首筋の傷をしきりに気にしている。
おれが肌に傷をつけたら、ルーファスが悲しむんだそうだ。その辺の論法がおれにはよく理解出来なかった。
あぁ、いや、多分理解は出来る。こいつらはおれの事を女だと思っていて、ルーファスを恋人か何かだと勘違いしているんだろう。
それがどうにも想像つかないだけなんだ。
「うるせえな、平気だよ。傷口は洗ったし、わざとやった事だからな」
交渉事なんてろくにした事がないおれが、あの人数を相手に一歩も引かず自分の主張を押し通せたのは、ユリフィナの口添えとユファファの強硬姿勢のおかげだと言っていい。
抜いた剣を本当に突き出してきた時はさすがに焦ったけど、あれで肝が据わった。首筋に刃を当ててきた時、わざと半歩踏み込んで切らせたのも無意味ではなかった…と、思う。
命懸けと示すジェスチャーとしては、あれ以上のものはない。緊張すると冷や汗って奴が本当に出るんだなと実感した。それが無理ならもう、全面降伏しかなかったんだけど。
ユファファが先に折れてくれたのは、友人のユリフィナがおれを信用してくれていたからなんだろう。
事実、おれの事は最後まで気に食わなかったらしい。シャールカーンを説得する段になっても、味方してくれているのか、単におれの悪口を言ってるのかよく分からないスタンスだった。
シャールカーンを説得するのにも、ユリフィナが尽力してくれた。というより、彼女はあのひよっこの弱みであるようだ。何か決め台詞みたいなものを言われた途端に、態度を軟化させやがった。
一つ学んだ事としては、こいつは本当に古い家柄の貴族で、そういう輩には騎士団内部での肩書きが通用しないらしいという事だ。成り上がりの近衛騎士では、名家の王国騎士様を顎で使うわけには行かないらしい。
交渉のカードとしてわざと切らせたという話をしたら、ユリフィナに酷く怒られた。
曰く、
「なんでそんな馬鹿な事するの!? 剣って言うのはすごい汚いものなんだよ? 何を切ったかも知れないし、鞘の中はばい菌だらけだし、ご丁寧に油まで塗ってあるんだから!
自分の命を賭けの賞金みたいに考えちゃ駄目! いつかアルタナ女神様に返す時まで預かった、大事な大事な賜り物なんだからね!」
だそうだ。
科学と形而上学が見事にコラボレートした素敵な論法だ。
だけど、理解も納得も出来た。アルタナとやらが招かれざる客人のおれにどれほどご利益があるかは知らないが、少なくともこの世界の人達に取って神は存在を実感できる存在なのだ。
だから、おれは素直に謝った。
ユリフィナは少し意外そうな顔をすると、今度は女の子らしい振る舞いについての講釈を垂れ始めた。
実は男だからと言い出す機会を完全に逸して、おれは情けない顔で先生の講義を受ける生徒の役を演じた。
不意に、風に乗って叫び声が聞こえてきた。
おれが顔を上げると、ユリフィナにも聞こえていたらしい。目が合った。
「ヒロちゃん、今呼ばれなかった?」
「やっぱそうなのかな……」
迷子の男の子みたいな声だ。ルーファスの事も呼んでいた。とすると心当たりは一人しかない。フルキフェルだ。
やれやれ、届くかどうかも分からないが、怒鳴り返してやらない事にはな。そんな事を思いながら重い腰を上げようとしていると、疾風のように一頭のチョコボが駆け込んできた。
チョコボの背には、赤毛のエルヴァーンが乗っていた。おれの姿を認めて、チョコボを飛び降りる。
「ヒロさん、無事でしたか! ルーファスさんは!?」
「お前な、普通あそこでシャウトはないだろ」
なんだかめんどくさくなって、もたもたと体を起こしながら言う。
「しょうがないじゃないですか、二人とも連絡の取りようがなかったんですから……」
拗ねた子供みたいな表情でうつむくが、それでもまだフルキフェルの顔はおれよりずっと上にあった。
「で、一体何があったんですか?」
フルキフェルが洞窟の奥を覗き込みながら問う。
「ルーファスがこの中にいる。もう一人取り残されてて、中で何かやばい相手と戦ってるらしい」
とはいえ正直のところ、話を聞く限りルーファス達が負ける可能性はあまり考えていない。
人型をしている時点で人相手の技が通じる程度の相手で、人間のそれを模した武器や鎧を身に着けている時点で人知を超えた存在ではありえないからだ。
ただ、おれがどうしようもなく恐れているのは……
「それが分かってて、なんで誰も助けについていかないんだうっ!?」
奥へと勢いよく踏み出したフルキフェルが、面白い声を上げて障壁に顔をしたたか打ち、しゃがみ込んだ。
ユリフィナが心配そうに歩み寄って、フルキフェルの顔を見上げた。
紳士ぶった自己紹介もほどほどに、フルキフェルが事情の説明を求めておれに詰め寄る。
「この程度の術式、あなたなら解除出来たでしょうに。どうして中に入らないんです」
ああもう、この説明をするのは本日何度目なんだろうな。
「ルーファスのアレは障壁を消さずに擦り抜けた。でも、おれ達は障壁を消さない事には中に入れない」
ユファファに切られた首筋に、何気なく手が伸びる。少し突っ張ってはいたが、もう痛みも感じない。
「それはどういう意味なんだろう、って考えたんだ。そしたら、あの巨人には翼があるって言うじゃないか」
フルキフェルが、ああ、なるほど、と手を打った。さすが策士の"僕"がついてるだけの事はあるな。
「確かにこの障壁を消しちゃいけませんね。飛んで逃げられたら、私たちでは打つ手がない。出口で押さえられればいいですけど、オルデールには出入り口が沢山あるようですから」
出口で押さえられたからといって、そいつを倒すだけの戦力がおれ達にあるかどうかは別問題なんだが、障壁を消さないという方向で同意が得られれば充分だ。
「となると、中の二人に任せるしかないという訳ですか……」
会った事もないもう一人の方は知らないが、ルーファスの事は多少知ってる。あいつなら大丈夫な気がするんだ。
根拠は? と問うフルキフェルにおれは、
「ないけどさ。そんな気がしないか?」
その答えに、フルキフェルは妙に感心したように頷いて見せた。
ユリフィナがおれ達の間の変な信頼関係をひどく勘違いした様子で褒めちぎってから、最初からそういう理路整然とした説得をしろと怒った。
その、時だった。
龍の咆哮が聞こえた。
おれはもちろん龍の哭き声なんて知らないけど、あの篭手の雄叫びだという事が何故か分かった。
フルキフェルにも通じたらしい。おれ達が顔を見合わせていると、
「ねぇ…今の、なに?」
ユリフィナが不安げな顔で尋ねた。
「終わりましたね」
「あぁ」
分かったような口調で言うが、実のところ全然分かっていない。ただ、なんとなくそんな気がするだけだ。
そんな気がしないユリフィナは一人慌てているが、シャールカーン達のいる本道に見慣れた姿を認めて、飛んで行ってしまった。
「ヒロちゃん、よかったね! 彼氏さんも無事みたいだよ!」
「……彼氏。ルーファスさんの事ですか?」
「そうらしい」
なんだか、どっと疲れが出た。
「そういう関係でしたか」
「お前ハイスラでボコるわ」
ここからじゃルーファスの姿は見えないが、どうせまた無茶をしたくせ無事なんだろう。
さて、何と言って出迎えよう。おつかれさまと労うか? 一人で無茶するな馬鹿と咎めるか? どちらも柄じゃない。
一匹のチョコボが駆け抜けていった。その背には一人の男を乗せている。
男の傾いだその姿は、眠っているようでもあり、死んでいるようにも見えた。
「私たちも行きましょう。早くルーファスさんと合流して戻らないと、日が暮れてしまいます」
「フルキフェル、お前はルーファスと合流してホラに飛んでくれ。そこからチョコボを借りた方が早いはずだ」
おれの意図を掴みかねて、フルキフェルが首をかしげる。
「ヒロさんはどうなさるおつもりです?」
おれは背嚢を背負い、盾を尻のところにくくりつけると、横道を出た。遠目に、ルーファスの姿が見えた。元気そうだな、むかつくぜ。
「エルリッドが、バストゥークにいるらしいという情報を得た」
フルキフェルの目が丸くなる。当然情報ソースについて知りたがるが、正直に答えても疑惑を増すだけだろう。
「だからおれは、それを確かめに行こうと思う。二人は一度サンドに戻って、裏を取ってから来てくれ」
エルリッドの人相なら聞いたし、よく似ているという母親の肖像も見せてもらった。絶対とは言い切れないが、本人と判別する程度なら出来る。
今までチョコボで走り回った感覚から、ここからバストゥークまではチョコボで三日程度の道程だろうか。
「ルーファスさんに挨拶くらいしていかないんですか?」
おれはタルタルどもに散々言った言葉が急に気恥ずかしくなって苦笑し、歩き出しながら肩越しに答えた。
「柄じゃない」
以上です(*´ω`*)ノ
外のくだりはあちこち読み返しながら書いたつもりなんですが、矛盾とかありましたらごめんなさい(*´Д`*)
なんにしても無事合流できてよかったヽ(´ー`)ノ
それでは脱出編にわっふるしつつおつかれさまでした(`・ω・´)ノシ
そしてテンプレを
初出: 1スレ609
PC(仮)名: ヒロ・カラミヤ(pokotaso)/ 中の人:ニート
種族フェイス:ミスラ♂4A
ジョブ&Lv:RDM75サポひととおり(現在サポ忍)
特記事項:反抗的で猜疑心に満ちた性格。
活動エリア:サンドリア→ジャグナー→サンドリア→あの世→この世→露天風呂→ラテーヌ
他キャラとの接触:
ttp://nakaweb.web.fc2.com/nov/wheniawake/cast0.htm 大昔に降臨したらしい人の遺品をゲット。時計→ロスト 煙草→ルーたんに贈与 小銭→まだ所有
独自レギュレーション:というか、ストーリー背景?
ヴァナという世界があります。ヴァナ時間とリアル時間は概ねにおいてリンクしますが、詠唱/リキャスト時間に関しては全く無関係です。
GMと呼ばれる人達がリアルから来てこの世界に色々と干渉・支配しているようです。フェイトに対応する組織はありますが、呼称は使いません。来訪者を洗脳もしません。
リアルから来た人を来訪者、品物を漂流物と呼びます。それらはヴァナの法則から一部外れていて、GM達の理不尽な干渉を阻害します。
チャットモードやマクロはリアル世界に置かれたサーバ上で発動する機能です。リアル世界に意識の一部がつながった来訪者なら、/t、/pや着替マクロを自在に使えます。
最後に。英雄は確かに存在し強力無比ですが、保護はされず理不尽な身体/特殊能力も持ちません。素人に刺されて死ぬ程度の"強力無比"です。
(ヴァナの住人に比して理不尽かどうかなので、リアルの人間から見たら充分理不尽ですが)
56 :
イッキ:2006/06/13(火) 04:51:55.23 ID:e9GmF6Wz
初出: スレ8目
PC(仮)名: / 中の人: イッキ
種族フェイス: ミスラF2
ジョブ&Lv: 赤60
特記事項: ものっそい馬鹿
活動エリア: バス
あらすじ: 土曜休みを堪能しようとしたらヴァナにいましたとさ、仕方ないので魔法の練習
他キャラとの接触: 他キャラってナニ食えるのか?
独自レギュレーション:
生意気なモーグリと一緒に冒険したりするかもしれません
あと冒険者証明書が他の方のとは違うね絶対!
なんたって□ボタンついてるし
57 :
イッキ:2006/06/13(火) 04:53:27.97 ID:e9GmF6Wz
グスタベルグに付いたイッキは早速悩む。
(うーん・・・魔法。 魔法ってどうやったら使えるんだこれ・・)
イッキはスレに書いてあった魔法に関係あることを思い出してみた。
(確か・・モーションだけまねても出ないだったよな・・ どっかのかっこいい天才はすぐ出してたけど・・あの人はどうやってたんだっけ・・わすれたにゃー)
しかしほとんど流し読みだった一気には、覚えていることなどあまりないようだった。
そこにイッキを呼ぶ声が一つ。
声のする方を向くイッキ。
そこにはモーグリが一匹、フヨフヨと浮かんでいた。
「よーイッキ、魔法使えたか?」
このモーグリ、名前はゲイルさん、イッキの担当モーグリにしてイッキをご主人と認めない珍しいモーグリだったりする。ついでに語尾にクポもつけない。
58 :
イッキ:2006/06/13(火) 04:54:05.03 ID:e9GmF6Wz
イッキはこのモーグリが苦手だ、嫌いである。
まあ」ヴァナに召されて早々ヘッポコだとか、主人とは認めないとか、雑魚だとか石ころだとか言われて好きになるのは無理、というか嫌いになるのが普通だ。
しかし、ヴァナに召されて右も左もわからない現状 頼れるのはこのモーグリだけなのも事実だったり。
仕方ないのでここはゲイルの機嫌を損ねないように、まあ思いっきり口喧嘩してたような気がするがそれは忘れよう。
「げ!ゲイル!まだ使えてないよ!悪いかよ!モーグリならモーグリらしくモグハウスにいてろよお。かえれよお。」
このように丁重にだがしっかりモグハウスに帰ってくれるように言ってみる。
だがしかし
「おやー?人がせっかく魔法使う方法教えに来てやったというのに、帰っていいのかなー^^??」
ゲイルがそう言って、肩で笑う。
「え!魔法使いわかるの?!使い方おしえろよ!!」
「えーー、どうしよっかなー、なんかたいどわるいなー、」「人に物を頼むときは頭くらい下げるべきだよな!」
「ぐ・・・」
ゲイルの言葉に思わずうめくイッキ
(くそう、ここで頭下げたら魔法使えるようになるかもだけど・・何か大切なものがなくなるような気が!!
しかしこれから先、魔法つかえないと何かと不便かも。俺赤魔道士だし、うああ!!
59 :
イッキ:2006/06/13(火) 04:56:12.78 ID:e9GmF6Wz
イッキは頭を抱えたり腕を組んだりしながらくねくねしている、まるで音が鳴ると動くおもちゃのようだ。
数分後、動きをとめてモーグリを見つめる。
「モーグリ様お願いします魔法の使い方教えてください。」
そう言ってゲイルに頭を下げるイッキ。
それを見てゲイルは満足そうにOKOK教えましょう魔法の使用法を!と、答える。
「魔法は、魔法書に宿っている精霊さんの出す条件を満たして、精霊さんに認められればつかえるんよ。
条件は魔法書によっていろいろあってだな、たとえばブラインの精霊さんの出す条件は、黒レベル4赤レベル8
これ以外のジョブはブラインさんを使えない 認められてさえいればあとはもう ちょっと念じるだけでつかえるんだなw
認められていてもMP足りなったら使えないけどナw」
「念じるだけで使えるのかよ!?」 頭を下げてまで聞き出したのに使い方のあまりの簡単さにショックを受ける。
「ああ、あとこれ持っとけイッキ。」 そう言ってイッキにハガキ状の物を渡す。
「なにこれ?」
「それはな、冒険者証明書といって冒険者用に作られた便利アイテムだ!□ボタンを押してメニューを出すと、冒険者サーチしたり、マップ・覚えた技魔法が確認できる優れものだ!!」
60 :
イッキ:2006/06/13(火) 04:58:34.13 ID:e9GmF6Wz
□ボタン ボタンのようなものは見当たらなかったが触っていると表面に、ステータス・装備変更・魔法リスト
といった文字が浮かび上がる。
(これって、、ゲームのメインメニューにそっくりじゃないか!!)
イッキは浮かび上がった文字に触れる、魔法リスト、触れると今まで浮き出ていた文が白黒歌といったものに切り替わる
(!これってメインメニューと同じことが出来るんだ。)
それがわかったイッキは、ログアウトの文字を探してみる。しかし、いくら文字を切り替えたところでログアウトは見つからなかった。
61 :
イッキ:2006/06/13(火) 04:58:59.49 ID:e9GmF6Wz
使い方がわかっているイッキを不思議に思うゲイル だが面倒がなくていいかと思いさらっと流す。
「なあなあイッキ、魔法ためさないのか?」
「あっと、そうだねためそうかね。」
そういうとイッキは魔法の的になるモンスターを探し、近くにいたミミズに向かってファイアを使うよう念じる。
するとミミズが炎に包まれ地面に倒れる。 新食品 ミミズの姿焼きの完成である STR+10 VIT-10
「オー!使えたじゃん。」拍手するゲイル
「すッげー!これはいい!!」 魔法がつかえたことを喜ぶイッキ
その後、魔法の練習という名の大虐殺がグスタベルグで行われた。
どう見ても狩場荒らしです。本当にアリアポーございました。
62 :
既にその名前は使われています:2006/06/13(火) 05:00:35.73 ID:e9GmF6Wz
終わりますたが何か?
63 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/06/13(火) 06:38:40.54 ID:POp4jCMP
皆様、投下乙でございますage
なかなか書く時間がとれず、
リード回想編「禍神戦〜脱出」の続きをお待たせしております。
申し訳ありませんが、気長に?お待ちください。
64 :
既にその名前は使われています:2006/06/13(火) 07:08:27.26 ID:q56xzIvy
私がさくっと脱出だけさせてしまいましょうか?
戦闘はおふた方にやってもらって。
戦闘は?「柄じゃない」
(かっこいいので言ってみたかった)
65 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 08:20:07.41 ID:q56xzIvy
「鳥が…いたのに…」そういって不思議な顔をする彼を見て今朝見た夢を思い出した。
「そういえば…変な"夢”を見たんだ。聞いてくれるかな?」頷く二人に僕はにっこりと笑うと話しだす。
=== Area: Into Dream..."P"===
「リードさんが・・・りーどさんがー!!」
その少女は涙を流しながら僕の目の前にでっかい"がまがえる"さんを差し出す。
【えっーと…】【これ】【何ですか?】
「…この宿に"P"という方はおられますか?!!」
「いない」と僕は即答。こういうときはろくでもない。
僕が食べようとしていたトカゲ卵の目玉焼きがすっと消失する。
「ここにいますよー♪」にやりと笑うのはナジだ。
こんにゃろー!かえせー!僕とナジが取っ組み合いの喧嘩を始めようとすると
その少女は「【ちょっといいですか】」と僕に声をかける
「どんな厄介ごとでもタダで請け負ってくれる高名な冒険者の"P"という方をご存知ですか?」
「そんな人はいません」
僕は女の子の顔も見ずにご飯を開始する。「そんなお人よし、早々いません」
「コイツです」そういってナジは無理やり僕の顔をその少女のほうに向けた。
僕と少女の瞳が合う。「ロック…さん?」「めぇみぃ…おねぇちゃん?」
66 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 08:41:07.77 ID:q56xzIvy
確か先日薬を届けに向かう先であった忍者のお姉ちゃんだ。
全体的に小柄(ミスラは皆そうだが)でやせっぽち。愛らしい顔立ち。頭にはリボン。
ミスラといえばクアールを思い出すしなやかな筋肉が(女性らしいラインと共に)あるもんなんだけど、
このおねぇちゃんの場合はミスラの基準で言うとかなりやせていて貧弱だ。
その代わり(手首や足首、首は折れそうなほど細いけど)筋肉のあるべき二の腕とか太ももとか、
東方衣の上からでもわかるきゅっと締まった形の良い小さなお尻とか胸とかに、
「ぷにゅぷにゅ」とした肉がついている。僕には性欲が基本的にないけど、こういうのが好きな人にはたまらないんだろうなとおもう。
(性行為も必要でないときは基本的にできない)
「で。このがまがえるさんは?」「(うるうる)・・・リードさんです」
「・・・」僕とナジは顔を合わせる。僕は頭を抱えて考え込む。僕の人差し指が頭をとんとんと叩く。
「いちたすぜろは?」僕はあえて失礼な質問をする。「いち」普通だ。良かった。
「そんな質問、簡単ですよー涙を拭いて笑う彼女は(僕がタルタルでなければ)くらくらするほど可愛らしい。
「じゃー♪1たす2はー♪」僕は冗談交じりに言う。
くすくすと笑う彼女はにっこり笑って「簡単ですよ」というと・・・。
止まった。
67 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 08:46:53.70 ID:q56xzIvy
笑顔が凍るナジと僕の目の前で彼女の右と左の手が緩慢に上がっていく。
彼女の表情は別人のように固まり、顔色も悪い。瞳はせわしなく動き、尻尾は力なく揺れている。
ゆっくりと、ゆっくりと握り締められた彼女の右手の親指が伸びる。
「…いち‥」「たす…」震える声でつぶやく。「に…」瞳が潤み出す。
左手の人差し指と中指が伸びてゆく。「いち・・たす・・に・・」
うわ言のようにつぶやくと左の親指が伸びる。
「…よん?」
瞳から真珠のような涙がポロリと流れて深い瞳に僕の顔が映った。
「‥3だよ」ナジが優しくも余計な突込みを入れると彼女の瞳から大粒の涙がぽろぽろと…。
「…なーかした♪なーかした♪なーじかお姉ちゃんをなーかした♪」
僕が軽蔑の視線と共に即興で作った歌を歌いだすとナジの表情も一変した。
泣き出す彼女を必死でなだめるナジ。…本当に子供や女の子に弱いんだな。
「アヤメさんにいいつけてやる」「それだけはやめてくれー!」
「じゃ"めき"って人に・・・」「それはもっとやめれー!!!」
68 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 08:59:35.98 ID:q56xzIvy
…まてよ。これは。
「2たす3は?」…涙をぐっとこらえて彼女の潤んだ目が僕を射る。
・・・そんな目で見ないで欲しい。いじめてるわけではないんだ。
…彼女の指がゆっくりと動き出す。「ろく?」
「3たす4は?」本当に、本当にゆっくり彼女の指が動く。「じゅう?」
僕の目は彼女の指の動きを仔細に見ていた。確かに1+2+3に4を足せば10になる。
「…なぜ…わからないの…」ぶわっと涙が溢れ出し泣き出す彼女。
それを必死でなだめるナジはどう見てもお兄さんだ。
「ええと。ミスラの人がたまーにかかる一過性の病気みたいなものだから気にしないで。知能は正常だから」
たまに「恋をしたり」「精神的ショックを受けたり」「いろんなことがおこる」と、
数の計算方式や質問に別の解釈をしてしまうことがミスラにはある。
「ちがうもん…私ミスラじゃない…現代人だもん…」ふに?泣きながら冗談?
そういってうわ言を繰り返す少女にいたたまれなくなって僕は声をかけた。
「たぶんその"P"って僕」ただで仕事はしないけどね。まったく誰が言ったんだろう。
69 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 09:21:24.24 ID:q56xzIvy
「えっと…ろっくさんが・・・"P"さんなんですか?」彼女が不思議そうな顔を僕に向けた。
「・・・長いからね。みんな"P"ちゃんとか"P"たんとか呼ぶ。名前もヒュームのそれで呼びにくいし」
Pete von(FやVなどで始まるセカンドネームがつく。うちの母さんならアンジェリカ=フォンヌだったし)
IceFalchion(一族の称号)の上、家名のミスミルシールドなんてついてるなんて人には言えない。
言っても乱戦で直接指定で魔法をかけるとき、名前が長すぎるのはとてつもなく不利だ。
デュナミスの乱戦の中、冒険者登録名が長すぎるゆえに魔法の詠唱指定ミスが発生してモータルレイを治せないというのは結構見る。
「で、…りーどさんって…?」僕がふに?といって首をかしげると彼女は「え?」といった。
「このがまがえるさんです」「…びーくーる。びーくーる」落ち着いてください。
エルヴァーンのお兄さんがどうやったらがまがえるさんになれるんですか。
「朝起きたら」彼女が潤んだ目で言う。「戸締りをしっかりしてたのに」
「目の前にこのかえるさんが…」…関係ないと思います。すっごく。
「あ。俺勤務時間が近いわ」ナジが言う。「じゃちゃんと解決してやれよ」
…といって僕らに手を振ると大工房に向けて走っていった。無責任だ。
70 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 09:30:54.98 ID:q56xzIvy
普通ならきゃー^^とかいやがるらしいが、彼女の体が最初に示した反応は「食欲」だった。
「きゃーカエル!」と彼女の意識はカエルを避けんと命じたが身体は拒否し、
狩人の動きでカエルを捕食せんと殺到する。
その必殺の動きをカエルはいともたやすくよけると、
前日彼女が自分のモーグリに洗濯を頼んでいたガンビスンの上に立った。
「ゲコ」その威厳溢れる自信のある様子。
せっかく洗って干したガンビスンがカエルの体液でまた汚れたが彼女は怒りはしなかった。
「リード…さん?」…カエルは鋭い瞳で彼女を見た。「ゲコ」
「・・・確信しました。このかえるさんがリードさんだって」
…ちょっとちょっとちょっと…それは…。
「治して…くれますか?"P"さん?」
無理。とはいえなかった。これは夢だ。夢の中ぐらい酔狂な話に付き合おうではないか。
たとえ「本来なくなったはずの首のついている」少女の依頼でも。
71 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 09:51:36.28 ID:q56xzIvy
「時が止まる」っていうのは僕もあまり体験したことがない。
「とまたように」(註訳:ロックはこういう舌足らずなしゃべりをします)見えるのは茶飯事なんだけどね。
僕の意識が覚醒した。目の前にはシャントット博士とアジトマルシド院長。
二人とも様子が変だ。二人とも瞳に(あの強烈な!)意思の光がない。
アジトマルシド院長に至っては走る途中の格好で「空中で」固まっている。明らかにおかしい。
シャントット博士はにこりと微笑んだが明らかに僕の知ってる彼女ではない。
一度は詠唱をやめた魔法をまたつむぎだす。
「あら?余計なものまで覚醒したようね?」Tell。近い。
「まぁいいわ。邪魔はしないでね?69さん?」「69?僕はろっくだよ?」僕はテルの主に返すと「^^;」とかえって来た。ふざけているらしい。
「博士をどうする気なの?」僕は「だーめー!」と叫んで彼女の前に立ちはだかる。
「…彼女はこの世界で一番強い女の一人よ?手駒は有利に使うもの」
それを聞いた僕の頭で何かが爆裂した。すらりと愛剣を抜く。
「そこのおばちゃん!僕が相手だ!!」挑発の言葉に博士の目がこっちを向く。
・・・意識失ってても「おばちゃん」といわれたら怒るのか。
72 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 10:04:27.60 ID:q56xzIvy
連続魔を伴って飛来する古代魔法の嵐に僕は必死で対抗呪文を唱え、
ブリンクで打ち消し、フラットブレードで(殺すわけにはいかない)とめる。
正直、やばい。博士の左手が大きく天に伸びる。
「バスターホームラン!!!」博士が叫び、両腕をクロスさせると、
カーディアンが使うクォータースタッフが空中から飛来する。
彼女の念力で高速飛来するスタッフがしこたま僕を打ちつけ、吹き飛ばす。
僕ははるか競売所まで吹き飛ばされた。「無敵の盾」の魔法がかかってなければ死んでいただろう。
「きゅう」"なんか”がクッションになってくれたらしい。たすかった。
「どけろ」"なんか"がつぶやく。よく見ると「なんか」を抱いた女の人も下敷きになったらしい。
「ねーちゃん。起きろ。おきて」僕がぺちぺち叩くとその長身のお姉さんは「うーん」といって起きる。
しまった。と彼女はつぶやいた。「どうしたの?」「催眠術が解けた」・・・てことはさっきのテルの人?
73 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 10:06:29.19 ID:q56xzIvy
「おふた方。覚悟はよろしくて?」僕とお姉さんの顔が青くなる。
「至極まともな」表情を浮かべた『連邦の黒い悪魔』が僕らの目の前に立っていた。
あわてて僕らはサイレスを入れる。お姉さんのサイレスがヒットした。助かった。
が、博士はにやりと笑うと「もけけ」とか「ぴろぴろ」とかしゃべる亡者の顔が大量に張り付いた両手棍を空中から取り出した。
「おはよう。マイマザー。一番星グレート♪君…ですわ♪」博士のテルが僕らに入る。
「本来なら居眠りする生徒を無傷で優しく起こす道具ですが…。
コイツでドタマかちとばせば。起きているものなら"死"あるのみ!」
「まってまってーごめんなさーい!!!」「やっやめてやめてお嫁にいけなくなっちゃう!」
「オーホホホホ!」その言葉は禁句だお姉さん!!!!「しったことですかとアースクラッシャー!!」
→Arisaに5948のダメージ!
→"P"に6666のダメージ!
74 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 10:15:57.97 ID:q56xzIvy
瀕死の重傷を負った僕らの上に乗り、博士はご満悦の表情で「おーほほほ」とやっている。
が、その表情が一変する。「…貴女もこの女の仲間ですわね?」
其処には見たこともない両手鎌をもったタルタルの少女がいた。
博士の両手棍と彼女の鎌が交差する。「その鎌…アポカリプス?!!!」
鎌に寸断された「おはようマイマザー一番星グレート」を見ながら博士はしたうちする。
棍棒に封じられた悪霊の怨念が一斉に博士に殺到し、彼女は舌を打つ。
「…これは…ちょっと危ないかも知れませんね。ホホホ」
危ないとかじゃない。魔法もなければ両手棍棒もないのにどうするんですか博士。
「私が相手です!」その手に「見るからに邪悪な」片手刀をもったミスラの少女が立ちふさがっていた。
「姉ちゃん!きちゃだめ!」
アポカリプスの刃がスローモーションのように僕らに殺到していく。
まずおねえちゃんが善戦むなしく斬られ僕と下敷きになったたるっこ、ミスラの女性、そして・・。
首だけになった僕の目に巨大な光の玉が殺到した。あれで吹き飛ぶんだな。
ちょwwwwwwアビゲイルwwwwwwwww
…割り込み失礼しました。続きをどうぞ。(´Д`;)ヾ
76 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 10:22:19.13 ID:q56xzIvy
,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
(.___,,,... -ァァフ| あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
|i i| }! }} //|
|l、{ j} /,,ィ//| 『おれは首を跳ねられ。博士が樽っ娘倒したはずなのに、
i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ いつのまにか元の博士宅にいて皆記憶を失っていた』
|リ u' } ,ノ _,!V,ハ |
/´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
/' ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ おれも 何をされたのか わからなかった…
,゙ / )ヽ iLレ u' | | ヾlトハ〉
|/_/ ハ !ニ⊇ '/:} V:::::ヽ 頭がどうにかなりそうだった…
// 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
/'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐ \ 催眠術だとか超スピードだとか
/ // 广¨´ /' /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
ノ ' / ノ:::::`ー-、___/:::::// ヽ }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::... イ もっと恐ろしいものの 片鱗を味わったぜ…
…そして首を跳ねられたはずのお姉ちゃんとリードさんが部屋に入ってきた。
小声で「口裏を合わせてくれ」と外で言っていたが僕はシーフでもある。小声だって聞き逃さない。
だけどとりあえず口を合わせておいた。…刀も別のものを握っている。わけわからなかった。
77 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 10:33:39.69 ID:q56xzIvy
人の意思に世界を変えることができるなら、その選択が何らかの幻影を生み出すかもしれない。
彼女の持っている刀は僕のみた一瞬の夢とは違うものだ。彼女は正しい判断を下したのだろう。
・・・だが、魔法を失い。悪霊に力を封じられても、
よくわからない(しゃべる)両手棍を呼び出し、
受けよ!開けタルタロスゲート!!と叫び、
たるっ娘をはるか彼方に吹き飛ばした
「連邦の黒い悪魔」の実力と恐ろしさは僕の脳裏に焼け付いたのだった。
このことは。当然二人には話していない。
リードさんが適当なことを言ってごまかしたので余計なことを思い出し、
思わず「連邦の黒い悪魔…」といって博士ににらまれたがかわいいもんだ。
なるべく逆らわないようにしよう。せっかく「シャントット博士のお気に入り」なんだから。
78 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 10:45:05.39 ID:q56xzIvy
…閑話休題。目の前で僕らの支援むなしく首を跳ねられた少女はこの世界では生きているのだ。それでよしとしよう。
で…。「カエルさんですか?」コクンと彼女が頷く。「私が助けてあげないと」
僕はとりあえずアルザビから取り寄せたコーヒーを彼女に渡す。
魔法で飛んできたのだろうが疲れただろうと思う。
「惚れてる?」下世話だが興味津々。「…でした」
「高貴な乙女のキスで治るよ」これは本当だ。
泣きそうな顔で(そりゃいやだろうな)恐る恐るキスしようとする彼女を僕は必死で止めた。「ダメー!!!」
「高貴」と表現したけど強烈な白魔法の加護があり、
人であって人でない覚悟と自覚を持つ王族でもない限り無理なのだ。
ここで普通のキスを施したら治るかもしれないがカエル人間になっちゃうかもしれない。
正直、僕の知ってる限りではサンドリアの先日成人の儀を終えたお姫様と、
魔法を解くには少々年を取ってはいるけど、宰相ハルヴァーの妹さんしか知らない。
どっちもウィンダス人の僕らには会う事さえままならないし、
嫁入り前の二人のキスをがまがえるにあげる訳にはいかないだろう。
「もっと別の手を考えようよお姉ちゃん」
79 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 10:54:59.04 ID:q56xzIvy
「稀なる客人」事件って知ってる?と僕は切り出した。
まったく。緘口令があったのになんでこんなに詩人の歌になる物語になったのだろう。
「当事者としては」恥ずかしいたらありゃしない。
「知ってます。クエでやりました。いいお話ですよね」…クエ?
…"カンサイ地方"の高級魚のことかな。まぁいいや。
知ってるなら話は早いんだけど。と僕は切り出す。
魔法を解くより、予防したほうが早い。病気も呪いも同じだ。
嘆かわしいが迎えバ系魔法を使えるものは最近減っている。
解呪より対抗魔法を事前に唱えることはとても大事なのだが。
「失われた…というか異世界の魔法で時空魔法ってのがあってね」
それ関係の力が残っているのだ。あそこには。
…とあるエルヴァーン娘の顔を思い出し、僕は顔を顰める。
「そこにいけば。なんとかなるさ」
…普通のカエルさんだと思うんですけど。そう思いつつ僕らはテレポ屋さんに頼んで飛ぶ。
快適な強風が吹くラテーヌへ。
80 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 11:07:57.01 ID:q56xzIvy
テレポ屋さんの呪文を唱える声と安全のための描かれた魔法陣にすわり、
夢の中にも関わらずぼけーと居眠りしてると誰かの声が聞こえる。
「無限なる夢幻より導かれしもの達よ…」
「物語の世界を通し我が世界にふれし者達よ…」
ついたよ。おきな。といわれて僕らは目を覚ます。どうもしらない間に二人とも寝ていたらしい。
姉ちゃんの涎が頭にちょっとついてたがキニシナイことにしよう。
真っ赤な顔で涎のあとを拭っているのをみてそれをいうのは可愛そうだ。
「ねぇちゃん。いつまでカエルさん持ってるの?」
「ゲコ」とつぶやいたカエルさんはおねえちゃんの掌で偉そうにしている。
これだと刀も忍術も使えないではないですか。「カエルさん。僕の肩へ」
カエルさんはちょっといやがてたけど、納得してくれたらしく肩にのる。…重い。
「おいちゃん。ちょとダイエットしてよ」と僕が抗議すると「ゲコ」。
ゲコではないでしょゲコでは。
81 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 11:16:19.71 ID:q56xzIvy
「鍾乳洞って・・・あまり入らないですよね…」
二人は魔法の地図を取り出すとお互いの髪の毛を地図に置く。
髪の毛は地図の上で解け、光の玉になってお互いの位置を示す。
なんかものものしい警備だが、シーフや忍者の経験者にはどうってこともない。
インビジとスニークを使い、彼らの脇をすり抜け、誰もしらない小さな入り口に到達する。
僕はあらかじめ強化魔法を準備したマーシャルナイフを取り出すと、使用する。
「雷のラムウ。煌き力を示せ」鍾乳洞の内部は謎の光源で驚くほど明るいがあるに越したことはない。
「…いたっ!」??「壁があります」…上手なパントマイム・・・。
「なにをやってるのねえちゃ…いてっ!!」…見事な連携だ…。
げこっ。かえるさんが飛ぶと何事もないように鍾乳洞に入っていく。
「あ。壁にぶつかる危ない」といって僕が歩み寄ると普通に入れた。なんだったのだ今のは。
僕はカエルさんを両手にもって肩に乗せる。「ゲコ」…こっちにいけといってるのかな?
82 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 11:24:18.50 ID:q56xzIvy
僕は両手にカエルさんを掲げると右に左に振り回す。
速すぎるのでかえるさん(リードさん?)がぴょこんと飛んで抗議を示す。
今度はゆっくり左右にふる。右で「ゲコ」左で「グルル」…右に行けといっているらしい。
あれからチョコボを飛ばして鍾乳洞に入ったものの、正直迷い気味だ。
地図はあるんだけど複雑でわかりにくく、何度も参照する。
・・・いつの間にこんな妙な移動してるんだ?
さっきまで肺の部屋(オルデール洞は人体の内蔵の形をしている)にいたのに、
もと下のモルボルガー部屋にいたと思ったら腎臓の部屋にいたり・・・。
「仕方ないな」僕はため息をつくと魔法…まじないの準備を始める。
「なにをするんですかロックさん?」…僕が即興で焚いたお香の匂いに顔を顰めながらメイミィ姉ちゃんがいう。
「我が唇を生贄に。カエルの高貴なる女神様。我らを我らが求める場所へ導け」
僕はつぶやくとそっとカエルさんにキスした。
ガマガエルさんは僕の掌から飛び降りると(地図上では)出口と反対側に飛んでいく。
おかしい。モンスターもゴブリンもいないのはおかしすぎる。なにがあったのだ?
83 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 11:38:46.91 ID:q56xzIvy
「何処に向かうんですかロックさん!」
どうも僕は姉ちゃんに発狂したと思われたようだが、これは夢だから問題はない。
ゴブリンがいないのだって夢だからであろうが、妙に生気を奪われるこの不愉快感はなんだろう?
地図を見ると僕らを示す光点がめまぐるしく瞬間移動している。
カエルの女神様の加護は絶大だ。だが、僕らの消耗は鍾乳洞の中心部に向かうほどに酷くなっていく。
「走って!ねえちゃん!"食われる"!!」僕らは巨大な神の体内にいるのだ。間違いない。
そして、僕らは「心臓」の位置の隠し部屋に到達した。
「ほう。よく来たな」赤い服を着た不気味なじいちゃんにメイミィ姉ちゃんがビクンと震える。
「そう怖がることはない。この空間はもうすぐ元にもどそう…おぬしらも夢から覚める。…死なない限りなぁ」
フォッフォと笑うお爺さんはとてもとても趣味が悪そうだ。僕こういうじいちゃん悪いけど嫌い。
僕らが「心臓」に入ると僕らを食おうとしていた力が一気に失われているのに気がついた。
…鍾乳洞が・・・・やばい。やばい。やばいぞこれは!!!
中を見るとよくわからない化け物を食べる篭手をつけたエルヴァーンのお兄さんと、
赤い鎧をまとったでかい騎士さんがいる。二人とも血まみれだ。
「赤い鎧…?」姉ちゃんの顔に怯えが見えたが一瞬で喜びに変わる。
84 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 11:56:10.88 ID:q56xzIvy
「わーへんなのがいるー♪」僕は思わず感嘆の声をあげた。
そりゃ巨大な化け物を食べる篭手なんて見たことがない。今後も見ないだろう。
「リードさん??!!!!」
振り返る二人のエルヴァーン。「メィミィ!?ロック??!!…死ぬ前の幻覚か」
不吉なこと、小声で言わないでください。
「りーどさんがふたり???!!!もんくのリードさんとガマガエルのリードさんと赤い鎧のリードさん?」
こっちもこっちです。三人です。お姉ちゃん。
「君達は何処から来たんだ?」「メイミィ?何故ここに!?」
なんですかリードさんといいこのモンクさんといい。
人の夢に来てえらそうに言わないでください。
「ではこの空間は戻す。お前達はこの神の体に残り"抗体"に囚われ食われる。神の怒りは収まるであろう」
そういって「先に帰っておる。生きていたら会おうぞ」といって爺さんは掻き消える。
85 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 12:12:39.56 ID:q56xzIvy
おいぃ?それはないんではないの?
鍾乳洞の岩のひだがうごめき、なんか形容しようもないグロテスクなモンスターになる。
あれが「抗体」だね・・・ははははっ。こんな依頼、夢でも受けなければよかったよ!
僕はマーシャルアネラスを抜き打ちで引き抜くと伸びてきた触手を切り払い、
そのまま剣を岩にぶつける。隙を見せたタルタルを見逃す「抗体」ではない。
複数の触手が伸びるが・・・・岩にぶつけた剣の反動を生かして。跳ぶ。
宙にまった僕の身体は鋭い円運動を描き、触手をすべて寸断する。
軽いからだのタルタルならではの動きだ。
瀕死の二人に代わってわってはいったメイミィ姉ちゃんのお守りにあらかじめ付与しておいたヘイストの魔法を起動しようとしたが、
この空間で下手に使うと危ないと思ったので保留。「ヘイストをください!」といわれたが「危険だ!」と返す。「ではスロウを!」「無理!」
触手に絡め取られるのをなんとか避ける彼女だが、触手からほとばしる水は酸性らしく、彼女の肌を焼く。
匂いまでついてるなんていやな夢ではないかな?
86 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 12:13:34.34 ID:q56xzIvy
「この空間は特殊な時間が働いてるの!へんな時間に干渉する魔法は危険なの!」
そういうと彼女の掌から鉤縄が飛び出し、「抗体」の動きを緩める。あれなら大丈夫だろう。
僕は叫ぶ。「天に登りし無数の御霊よ!集いて無敵の盾となれ!」
「僕が相手だ!」割り込み、同時に蹴りをかます。
「ねえちゃんは手裏剣で支援を!」
重装歩兵密集陣の名を持つ魔法は確実に僕の期待に答え、酸の猛攻を防ぐ。
姉ちゃんの投げる手裏剣が確実に抗体を弱らせる。
時々・・・いやかなり僕に当たったが、魔法が弾くので問題はない。
でもこのマントは安物に見えて高いので傷つけるのは止めて欲しい。
僕の魔力が尽き、姉ちゃんの手裏剣がなくなっても「抗体」は動きを緩めない。
僕の最後のケアルが4人を癒した。「馬鹿な!」「ロック!魔力を無駄遣いするな!」
でもそうしないとみんなしんじゃうし、お姉ちゃんなんか酸でお嫁にいけない体になっちゃうよ?
酸に対してはすばやく水の防護結界を張ってあげたから服についた分も何とかなるはずだ。
87 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 12:15:04.14 ID:q56xzIvy
姉ちゃんや瀕死のリードさんやモンクさんが奴に立ちふさがろうとするので、止める。
「お前の相手はあくまで僕だ!ここに餌がいるぞ!食え!」…食えるものなら。ね。
敵の一撃。僕の幻影が吹き飛ぶ。
僕の血が逆流し、全身から血がほとばしる。餌の匂いにつられた奴が来る。
「すらっしゅえむえー、けあるあいヴぃー。かっこえすてぃかっことじる」
癒しの力をあらかじめ付与したライトスタッフを呼び出し、その力を発動させる。
「いくよ!瀕死のとき始めて使える真の力を見せてやる!」
呪文に呼応して呼び出された僕の全身をまとう青い…特殊なカニさんの甲殻から削りだした鎧。
指にはめたフェンサーリングが僕の命の鼓動を感じ取り、
剣の炎を高めていく…。全力で行く!僕の命の炎を受けてみろ!
「Hey <t>!Look This WebSite! つ
ttp://cross-breed.com/xxx/hasu1.jpg」
88 :
既にその名前は使われています:2006/06/13(火) 12:40:08.97 ID:9VACKxT2
終わったのでしょうか
すげー悪夢^^;
89 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 12:46:20.95 ID:q56xzIvy
マーシャルアネラスが指輪の力を更に増幅し、
巨大な火柱となって「抗体」を打つ。
剣が触れると同時に、その炎は爆発を伴って敵を討ち、
その爆風で僕まで飛ばされたがこれも計算のうち。天に昇り、
人の手で生み出された翼を手に短剣に込めた最後の切り札になる魔力を開放する。
「惑星神の力集え…土星木星の暴風よ!月の見えざる冷ややかな炎よ!
太陽の光よ!水星の知恵!金星の慈悲!火星の武!天王星の刃!海王星の海!冥王星の死!」
集いて力と成せ!『NOILA-TEM』…"ドラゴンスレイヤー"!!!!!!!」
雷と時空振動を伴った小さな小さな。僕らを巻き込むこともないくらいの小さな竜巻は「抗体」の体を凄まじい勢いで砕いていく。
僕は魔力を高める装備に着替える呪文を唱えるとほとばしる魔力にすべてを任せ…。
「詠唱…破棄!!!」
小型の核爆裂。が。短剣の生み出した竜巻が僕らを完全に護る。
そして、僕は魔力の切れるまで炎の魔法を叩き込む。連続魔だ。
その魔力は「抗体」を粉々にした上、皆の怪我を癒していた。
がくりとくずおれる。まだだ。まだ仕事が残っている。「姉ちゃん。逃げよ!」
はっとなったメイミィさんがリードさんを助け起こす。火事場の馬鹿力?すごいパワーだ。
90 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 12:52:40.09 ID:q56xzIvy
「でもどこへ?」モンクさんが言う。
「カエルの女神様。…私達を出口へ導いてください」
メイミイさんがカエルの額に恐る恐るキスすると、
カエルさんはぴょこぴょこ跳んでいく。「追って!」
「全然違う奥のほうだぞ?!」「空間が歪んでるんだよ?!」
「ここで…飛び込んで!」カエルが飛び込んだ岩の壁に飛び込む
そこで僕の意識は揺らいでいく…リードさん…?傷は前に…さっきも癒したのに…。
なにその傷…ずっと隠して…それ、もう僕では治せないから…残念!
メイミィさんの声が聞こえるが何を言っているかわからない。
謎の声が聞こえる「よく働いた。"無能なる働き者"。ではさらばだ」
意識が跳んでいく・・・いや覚醒していくのだ・・・。
91 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 12:57:13.58 ID:q56xzIvy
=== Area:Port Bastok===
「…そいつは・・・すごい悪夢だな」ジェンが呆れていう。
「まぁねぇ…変な夢でしょ?」僕も肩をすくめる。
「師匠。それ人にしゃべらないほうがいいです」弟子にまで言われた。
「はーい。皆さんおやつなのなのー♪」モルルがフルーツ盛り合わせを持ってきた。
「はーい」
この瞬間に。僕が見た奇妙な夢の記憶は跳んでしまったことはいうまでもない。
No.1-
>>69「かえるぴょこぴょこ」―糸冬―
92 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 13:06:48.59 ID:q56xzIvy
>>88 数ヶ月前に考えていたオルデに行く話が時間軸の関係で使えなくなっていてほうきしてたが、
使えそうだからリアルタイムで大幅改変して持ってきた。今では公開している。
93 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/13(火) 13:09:05.69 ID:q56xzIvy
あと、ボブ&マイクからロックが教えてもらったレッドチリペッパーは蓮画像なので見ないようにお願いします。
ごめんなさい、出先なので用件だけ
以前インターローグ書いた時点では、オルデの話が終わってからもう1エピソード挟むつもりだったのでエルリッドの居場所分からないとしてたんですが、
蛇足に思えるのでそれを削って、エルリッドの居場所はインターローグの時点で聞いてるという風に変えちゃいたいと思います。
まとめの方で訂正しておきますね(´・ω・`)ノ
割り込みだったらごめんなさい&わっふる!
95 :
既にその名前は使われています:2006/06/13(火) 13:57:19.55 ID:q56xzIvy
いや、自分の悪夢編は終わりなのでOK。仕事いってくる・・・。
6時か7時にいったん飯くいに戻る以外は帰りは朝1時だ。保守おねがいしま
96 :
既にその名前は使われています:2006/06/13(火) 17:34:50.51 ID:9VACKxT2
朝1時まで仕事なのですか
セツナイ
新スレ立て&皆様投稿お疲れ様です!
>>17 シドが何を隠してるのか気になります!ええい、白状せい裸エプロンめヽ(`д´)ノ
>>30 またまた大ピンチは展開に((((;゚Д゚)))ど、どうなるどうなる!?
バス全体時間停止了解であります。商業区であたふたしておきますw
>>40 百列拳…あんな動きしたら体へのダメージありそうですよね。
しかしお二人のタッグマッチ…凄い迫力ですヽ(゚∀゚)ノ
>>54 ヒロ"ちゃん"が定着してきた件について。最後の台詞かっこいいです(*´д`*)
>>61 グスタベルクに転がる焼け焦げたミミズの大群…こ、こわい!w
>>92 こんな夢みたら疲れ果てて目が覚めそうですwしかしカエルさん…最後まで美味しいとこ取り!
そして自分も新スレ初投下させて頂きます!
昨日行けなかったお風呂に行って戻ってきた後、モーグリと一緒に昼食を取った。
お風呂は枯れ谷から温泉引いてるのかな?とっても気持ちよかった。
岩造りの室内だったけれど、それも中々雰囲気出てていい感じで♪
これなら毎日でも余裕で通えそう。モーグリの手料理も美味しいし♪
「ふぅ…お腹いっぱい♪さぁて、出かけるかっ」
「クポポ。また修行クポ?」
食器を片付けながらモーグリは私に問いかける。
修行かぁ…今日はもういいかな。
リバーに会いたいけど…絶対迷子になりそうだorz
またガルカのおじさんにばったり出くわした時にでも連れて行ってもらおう…。
そんな事を思いながら、何しようか悩んでいる私の所にモーグリはチラシを持ってきた。
「ご主人様はこれ知ってるクポ?」
何々…バストゥークで新発明。その名も自転車…えっ!?
「じ、自転車ァ!?」
現実世界にある物の名前が出てきたもので、思わず驚いて声を上げてしまった。
モーグリは私をじーっと見つめていたが、特に何も言う素振りも無く、くるくると回転してみせる。
「ちょっと前に発表されて、今やちまたの話題クポ〜」
自転車なんてこのファンタジーな世界に不釣合いな物を考えるのなんて、きっと私と同じように現実世界から来た人だと思う。
という事はもしかしたら、少なからずとも何か情報が得られるかも知れない。
「ね、モーグリ。こういう品物ってどこで見れるか知ってる?」
「うーん…商業区で売り出されてるか、大工房のどっちかクポ…多分クポ」
商業区で売り出し、大工房で開発ってところかな。
今は何して良いのかもわからないし、とりあえずバスの街を歩き回ってみよう!
「よぉし、じゃあせっかくだしいろいろ行ってみるよ!モーグリも一緒に行く?」
「モーグリはお留守番してるクポ!」
ふと、昨日の出来事が頭を過ぎった―――モグハウスで起きた惨劇。
モグハウスは安全だと思ってたけれど、実際のこの世界には安全なところなんて無いんだ。
和やかに見えて、本当はとてもシビアな世界。
自分の身は自分で守らなければ、いつどこで刺されるかも解らないんだね。
モーグリの持ってきたソーサラーコートを羽織りながらモーグリにつぶやく。
「もし不審な人が入ってきたらすぐ逃げてね。デジョン、使えるでしょ?」
「使えるクポ!解ったクポ、すぐ逃げるクポ」
「お家を守るクポ!」って言うかと思ったら、案外素直に聞き入れてくれたのでほっと安堵する。
モーグリも昨日の事をやっぱり気にしてるのかな?
でも、もし逃げる前にサイレスとか入れられたら…あ、そうだ!
「あと、これも渡しとく」
確かいつも金庫に放りこんであったはず…あ、あったこれこれ。
じゃーん、トゲトゲバットー!もとい、デジョンカジェル。
私は黒魔導士だから余り使う事のない代物だし、いざっていう時に使えるかもだ。
モーグリは暫くキョトンとカジェルを見つめていたが、顔を上げて私を見つめる。
「…ご主人様は使わないクポ?」
「だって私は黒魔導士だよ?そんなの無くっても自前がある!」
「でも今のご主人様魔法はろくに魔法つkあsrdftgyふじこlp」
口答えするモーグリのふにふに頬っぺをぐにっと摘んでにっこりスマイル。
「ん〜?この偉大なる黒魔導士に向かってこのお口は今何て言ったのかなぁ?」
「にゃにもひっひぇにゃいクピョ〜」
「なら良し。それちゃんとしっかり持っとくんだよ?」
ほっぺを摩りながらこくこくと頷くモーグリにもう一度にっこり微笑んだ。
モーグリは頬を摩りながらデジョンカジェルを腰からぶら下げる。
タルタルサイズだから、モーグリにもぴったりだ。
ソーサラーペタソスを被り、パンプスを履き、マンデブラシックルを背負う。
この服装の時のテーマはAATT。実際きると真っ黒だなぁ…。
最後に…お守りも鞄にしっかり入ってるね。よしっ完了っ!
「素直で宜しい!それじゃ行って来るね」
「いてらっしゃいクポ!ご主人様も気をつけてクポ」
手を振って見送ってくれるモーグリを背に、私は商業区へと駆け出した。
本日は以上です。最後にキャラ紹介テンプレ貼って置きます。
初出: 6スレ290
PC(仮)名:Tiara ティアラ/ 中の人: Tiara_290 ◆YR20hEcBIQ
種族フェイス: タルタル♀F6A (銀髪おかっぱ)
ジョブ&Lv: BLM75(BRD75も可能である)
特記事項: 思った事はすぐ行動!元気だけが取り柄です。
活動エリア:バス鉱山区→ツェールン鉱山→バス商業区
あらすじ: pokotasoモグハウス襲撃事件に遭遇し、一見平和そうなヴァナという世界の裏の顔を知る羽目になる。夢の中で身体の持ち主であるTiaraの存在を知り、早く返してあげようと元の世界に帰る方法を探す事を決意する。
他キャラとの接触: 無し
独自レギュレーション:魔法や詩は集中し、それをイメージする事で発動する事ができる
それでは皆様、本日もわっふ〜ですヽ(゚∀゚)ノ
103 :
Meki73 ◆7Q162gjvR6 :2006/06/13(火) 19:48:55.09 ID:eocZyJz3
これ忘れてました。
初出: 3スレ73
PC名:Meki
中の人:73 ◆7Q162gjvR6 :
種族フェイス:銀髪ミスラ♀(6A) ブラックチュニック装備でフードは被らず。
ジョブ&Lv:赤23/戦11
特記事項:マクロの編集・使用可能。
サーチ、tell、メニューを開く等は不可。
性格にミスラの影響を受けている。
アイテム合成により『リアル』のモノのレプリカを作り出せる。
活動エリア:バストゥーク
あらすじ:黒装束を撃退したMekiは大工房で働くこととなる。
リアルの技術やアイテムを元に開発をしながら、護衛のミスリル銃士のナジをからかって遊ぶ日々だった。
平和な日々を送っていたがバストゥークが戦場となり、再び暗殺者に狙われる。
他キャラとの接触:今のところ無し。
独自レギュレーション:アイテム合成はイメージと材料さえ完璧ならヴァナのレシピ以外のものも作れる。
―――斬!
袈裟斬りの斬撃により、バストゥークに鮮血が舞った。
「しくじった、か・・・」
血に染まり、倒れていく―――ガルカの巨体。
尻餅をつき、唖然としている俺の前に見覚えのある背中があった。
「俺の目の前で、みすみす親友を死なせられっかよ」
花車に割り込み、鋼の斬撃を弾き、逆に斬りふせた男が振り返る。
「ナジ!!」
「ヒーローは絶体絶命のピンチには必ずかけつけるのさ―――なんちってな。メキ、大丈夫か?」
ナジはちょっとかっこつけた後、てれ笑いをしながら手を差し出す。
俺はその手を取り、立ち上がる。
「―――ありがとうにゃ」
ナジはまるで本物のヒーローのようで、かっこよかった。
感激や感動、様々な感情をを感謝に乗せ、礼を言う。ナジには多分、これで伝わるだろう。
「来訪者よ・・・」
『!?』
その時、斬り伏せられ、仰向けに倒れていた鋼が言葉を発した。
即座に反応したナジが剣を逆手に持ち、鋼の喉へと―――
「ナジ、待つにゃ!」
すんでの所でその手を抑えた。剣先は鋼の首から数センチといったところだ。
「鋼も私と同じ来訪者なのにゃ・・・話を聞きたいにゃ」
ナジは少しためらった後、黙って剣を鞘に収めた。
それを見届けた後、鋼が再び口を開く。
「聞け・・・来訪者。バストゥークには技術者の記憶を消すため、俺の他に赤い鎧を着た奴―――GMが来ている。
ソイツがこの空間を発生させている。今は・・・大工房にいるはずだ」
そこまで言った所で、ゴフッ、と鋼が血を吐いた。
彼の胸板は大量の鮮血に染まっている。
「今、ケアルを!」
急いでケアルをかけ始めるが、鋼がゆっくりと首を振って拒否した。
「いや、いい。血を流しすぎた。俺は直に死ぬ。
それより聞くんだ。GMを倒すにはヴァナの武器ではダメだ。リアルの道具を使い、法則を破壊しろ」
「なんで、教えてくれるにゃ?鋼はフェイトの暗殺者のはずにゃ」
「・・・お前の言葉だ、来訪者。
『来訪者がこの世界に来るのには意味があって、例え死んでも何か残る』
俺はずっと影に生きる暗殺者だった。いつかはこうして負けて、そうすれば何も残らないことも分かっていた。
それでもいいと思っていたが、お前の言葉を聞いて最後の最後で、少しだけ悔しく思った」
鋼が目を閉じる。声がだんだん、小さくなっていく―――
「だから情報を残す。そうすれば俺は、お前にとって、意味の、ある、死・・・だ。
ただ、それだけの、こ、と・・・」
「鋼・・・ありがとうにゃ」
鋼の呼吸が小さくなっていく。命の灯火が消えていく―――
「おれ、も・・・よう・・や・・・く・・・・・」
―――大工房1階―――
時の止まった大工房。いつもは絶えず様々な音が聞こえる場所だが、今は不気味なほど静まり返っている。
「記憶改変・・・異世界の技術について・・・消去」
その中でただ一つだけ響く、声。
声の主―――赤い鎧を纏った男は両目を瞑って印を結び、ぽつりぽつりと言葉を漏らす。
「改変・・・消去・・・全対象の記憶改変、完了」
今度は先ほどとは違う印を結んで言葉を紡ぐ。
「全対象の記憶最終確認・・・破損箇所無し・・・全工程、完了」
赤い鎧を纏った男は息を吐き、両目を開けた。
彼は自分の仕事にミスが無い事を確認し、ポーチからシグナルパールを取り出す。
「こちらラヴェル、作業を完了した。そちらはどうか?」
シグナルパールからの返答を聞き、ふむ、と考える。
「了解した。そちらは本格的な戦闘は控え、来訪者を牽制せよ。鋼が戻り次第そちらに回す、合流してから叩け」
指示を送り、そのパールをしまって別の色のシグナルパールを取り出す。
「こちらラヴェル。鋼、そちらの状況はどうか?」
パールに問いかけて返答を待つ。しかし、しばらく待っても応答が無い。
彼がもう一度問いかけようとしたところで異変が起きた。
―――ピシリ。
シグナルパールに大きなヒビが入った。それをきっかけに次々とパールにヒビが増えていく。
「・・・・・・・」
赤い鎧は掌の上で起こるその状況を黙って見続ける。
パールのヒビはなおも増え続け、最後にパリンと音を立てて砕けた。
彼はそこまで見届けると掌を返し、破片を床に落としていく。
記憶改変の作業が終わって緩んだ緊張を再度引き締める。
彼の仕事はまだ、終わりそうに無い。
投下終了です。
ロックさんのは悪夢すぎです(ノ∀`)
ティアラさん、バストゥークで外出の際は暗殺者にお気をつけくださいませ。
あ、キャラ紹介のリアルの物のレプリカを作り出せる、ってのは私がヴァナの材料で合成して作ったものでは『リアル』から持ち込まれたもののように赤い鎧に効果があるわけでは無い、ということです。
=== Area:Lower Jeuno ===
--- near Door:Tenshodo H.Q. ---
ジュノ天晶堂。
黒い噂の絶えない特殊な商業機関。
その本店たる場所へ足を踏み入れた彼女。
恐る恐る店内を見渡して店員に一言
Aotsuki:…アルドは居る?
Garnev:…ボスに何の用だ?
Aotsuki:首相からの親書。渡したいのだけれど。
Garnev:ならば預かっておく、さぁ、それを渡せ。
彼女に手を差し出すのだが、
Aotsukiは首を横に振った。
Aotsuki:本人に手渡せ、って言われているんだ。
居ないのならどこにいるか場所を教えてくれないかな?
Garnev:ボスは今忙しいんだ。居場所を教える必要もない
手を煩わせるな、早く渡せ!!
彼女はそれを聞くと取り出した封筒を懐にしまい込む。
Aotsuki:アルドはここには居ない。おまけに居場所も教えてくれない
そうなると、帰ってくるまでここで待たせて貰う事になるけど
それでもいいのかな。
Garnev:良いわけがないだろう。商売の邪魔だ。さっさと渡さないか!!!
そう店員が怒鳴ると、奥の部屋へと続くドアが内側から開けられていた。
Aldo:お前らどうした。大声なんぞ張り上げて、客が逃げちまうぞ。
Aotsuki:何だ…いるじゃないか。どうして嘘なんか……
Garnev:………ぐぬ。
Aldo:ん?Aotsukiじゃないか、今日は何の用だ?
Aotsuki:これを…ね。エシャンタール首相からの親書。
直接そっちに渡してくれって頼まれたからさ…
んでもおたくの部下は取り次いでくれなくてね。
先ほどの封筒を再びヒラヒラさせる彼女。
Aldo:………立ち話もなんだ、それを持ってこっちに来い。
Aotsuki:え?いや、渡すだけだし…この場d
Aldo:いいから来るんだ。
言い切らない内に強引に彼女の手を引いて
奥の私室へと無理矢理案内をするアルド
--- in Aldo's Room ---
Aldo:…なるほどな。大体の話はわかった。
封筒から中身を取り出し、さっと目を通しているアルド。
Aotsuki:じゃ、自分は帰りますよ。確かに渡したので。
Aldo:いや、ちょっと待て。お前、内容知らないのか?
Aotsuki:へ?…人に頼まれた物を、渡す前に開けて読む趣味なんて
ありませんけど…
Aldo:そうか。じゃあこの手紙に何て書いてあると思うか?
Aotsuki:…さぁ?やんごとなきお方の考えてる事なんて
想像もつきませんよ。
アルドは左手で頭をかかえ、ため息を一つついた。
--- in Aldo's Room ---
Aldo:…なるほどな。大体の話はわかった。
封筒から中身を取り出し、さっと目を通しているアルド。
Aotsuki:じゃ、自分は帰りますよ。確かに渡したので。
Aldo:いや、ちょっと待て。お前、内容知らないのか?
Aotsuki:へ?…人に頼まれた物を、渡す前に開けて読む趣味なんて
ありませんけど…
Aldo:そうか。じゃあこの手紙に何て書いてあると思うか?
Aotsuki:…さぁ?やんごとなきお方の考えてる事なんて
想像もつきませんよ。
アルドは左手で頭をかかえ、ため息を一つついた。
間違えて二重投稿してしまった…すみません(汗
Aldo:お前、来訪者になったんだろう?この手紙はその事について、だ。
Aotsuki:……え?ちょ、まっ…ま”っ;
Aldo:その様子だと本当に何も知らされていないようだな。
全く…Aotsuki程のやつらもどんどん来訪者になってきているんだな。
雰囲気が以前会った時とはまるで違っていたから、もしやとは
思っていたんだが…。これで何人目なのか皆目見当もつかん。
Aldo:…読んでみるか?むしろお前も読まねばならん内容だが。
アルドは彼女へその手紙を差し出す。
受け取って数分の間があって一言。
Aotsuki:…つまり?
Aldo:そこに書いてある通り、そういう事だそうだ。
Aotsuki:ちょ、ちょっ?!ま、待って待って待って…
無理無理ムリむり、絶対無理!!!;
Aldo:おい、少し黙れ。狼狽しすぎだ…店の方にも聞こえちまう。
Aotsuki:いやでもそのあのその…いきなりノーグに行って、
手始めに以前の忍者としての能力を取り戻させるって……
しかも終わったら今度は別の…;
もっというとソレが終わったら来るべき戦いに備えさせるって…
何?抽象的すぎるし、意味解んないし、そもそも一体何ジョブあると
思って…;
Aldo:自業自得だろう、手広く修練した己を怨むんだな。
おっと、今はAotsukiであってAotsukiじゃないんだったな。
まぁどっちでも構わないが、諦めて腹をくくれ。
Aotsuki:でも…いやその、えっと…
Aldo:来訪者とは言え、妹の命の恩人だからな。ノーグまでの護衛、
引き受けないわけにもいくまい。…と、言いたい所だが
Aotsuki:…え?今度は何…
あまり大きな声では言えないのだが、と前置きを入れると、
Aldo:丁度来訪者の噂や存在が確認されてからだが…
うちの部下達の一部が不穏な動きをしていてな。
Aotsuki:不穏…って言うと具体的にどんな?
Aldo:来訪者に関係している様なんだが、未だにはっきりとした事は
掴めてはいない。
Aotsuki:掴めてないって…一応天晶堂のボスなんじゃ…
Aldo:一応は余計だ、一応は。でだ、バストゥークにある支店が
顕著に動いていてな。通常、支店は本店から下ってくる契約や物資の
搬送を主に受け持っているんだが、ここ最近は支店独自のルートで
ブツを仕入れている様子がうかがえる。
支店独自のルートを確保しているのは別に問題じゃないんだが、
量が多すぎるのと、その種類が問題なわけだ…。
Aotsuki:…それで?つまり何が言いたいんですか?
流れが何となく解っていたのだが、敢えて質問をしている彼女。
Aldo:物わかりが悪いな。お前に支店の動きを調査してもらいたいんだ。
…………と言う事ではなくてだな。
アルドは机の引き出しを開けると、1つの封筒を取り出す。
Aldo:こいつをバスの支店に届けて欲しい。天晶堂の関係者なら
誰でもかまわん。
Aotsuki:え…?支店長に、とかじゃなくて…?
Aldo:ああ、そうだ。届けて戻ってくるまでには、
ノーグへの汽船と護衛の準備を済ませておく。
お前にとっては簡単な事だろう?なに、バスまでの護衛も付ける。
Aotsuki:…バスまでに護衛なんて要らないと思うんだけど…
Aldo:今のお前は歴戦の英雄ではないのだろう。来訪者達は
その実力とレベルが一致しないと聞く。無理はするな
Aotsuki:…ぅ”
Aldo:心配はするな。信頼のおける部下を付ける。
腕も立つ、といっても以前のお前ほどではないがな
つづく
122 :
既にその名前は使われています:2006/06/13(火) 20:50:24.69 ID:9VACKxT2
バスにあつまりすぎなんです><;
それもまた、運命。
124 :
既にその名前は使われています:2006/06/13(火) 22:05:53.11 ID:9VACKxT2
バスにいる人もいく人もすべからくミスラ隊長におもてなしされるのは確定的に明らか
―――俺を“フェイト”と? 皮肉なものだ。
ひときわ身軽な“タイガー”が、先に走り出した。
剣の間合いの外から篭手を振り上げ、先程の鞭を伸ばした。
それはまるで龍の尾のようで、唸りを上げながら禍神を襲う。
ガコッ。
龍の尾は空を切り、石床にをえぐった。
勢い余ってバウンドする鞭を、禍神が開いた左手で掴み取る。一度見せた技は通じない。
その豪腕に握った鞭を振り回し、その先のタイガーが浮いた。
彼一人ならば、それで頭蓋を割られて終わるだろう。もしくは身動き取れずに串刺しだ。
しかし。
俺がいることを、忘れるな!
タイガーを振り上げた所為でガラ空きになった左腹部を狙い澄まし、剣を薙いだ。
禍神は驚異的なスピードで反応し、斬撃を剣で受ける。
不意を討てなかったわけではない。
ひらりと着地したタイガーが、俺が眼前に立つことで生じた死角を走りこんでくる。
軽々と俺の頭上を越え、禍神の顔に強烈な飛び蹴りを見舞った。
禍神はマトモに蹴りを受けて僅かにのけぞった。
が、やはりそれほど効いている様には思えない。むしろ精神的な屈辱が勝った。
鍔迫り合いをしていた俺を左拳で殴り、まだ滞空中のタイガーを剣の柄で弾き飛ばした。
赤い鎧の肩装甲が、破片となって壁まで飛んだ。
だが次の瞬間、禍神の拳で砕け散りそうだった俺の肩は修復を終えている。
「ぐっ・・・ぁ」
壁まで飛ばされ、受身すら取れずに鍾乳石に激突したタイガーがうめき声を漏した。
アバラでも折れたのか、顔を歪ませて床にへたりこむタイガー。
禍神は、目の前に立つ俺ではなく、畏れ多くも神の顔を足蹴にした彼に向かった。
激情に囚われた愚の一手。
やれやれ、だ。
タイガーはどうか知らないが、俺は少々物足りなくなってきていた。
確かに禍神のスピードとパワー、そして通常の武器を受け付けない防御は驚異的だ。
しかし、結局は神たる身体で超反応をしてみせているだけで、「読み」がない。
それを教育してやる。
タイガーを刺突せんと繰り出した剣は、見事な体術で交差された。
逆に回転の勢いをつけた裏剣と肘とを叩き込まれ、禍神の剣が壁に突き刺さる。
そのときすでに、俺は禍神を両断すべく剣を振り上げていた。
狙うは正中線。
手足など何本斬り飛ばしても、すぐさま再生することは先刻承知だ。
大脳から脊椎基底部の中心ライン上に並ぶ、七つの核を一刀両断するしかない。
タイガーは有言実行、自分の役目を果たし、禍神の注意を引いた。
なりふりかまってなどいられない。
俺の一撃で終わらせる。
―――いつハーミットが空間を“奈落”に転移するかわからない。
心に、僅かな焦りが生まれていた。
禍神の尾がしなり、俺の死角から襲う。
イバラの鞭のようなそれは俺の顔をしたたかに打ち据え、ヘルメットを弾き飛ばした。
脳天から振り下ろすはずだった渾身の剣は軌道をずらされ、禍神の肩口を断っていた。
響き渡る禍神の絶叫。
片腕を失った胴体からは、真っ赤な血が勢いよく噴き出した。
腕一本程度では、駄目だ。
クールぶっていても、なかなか明鏡止水の境地には、たどり着けないものだな。
焦燥感に押しつぶされそうだった己を、皮肉めいた気持ちでクールダウンさせた。
じゅるじゅるじゅるじゅる。
転がっていた片腕が重力に逆らい、まるでフィルムの逆回しのように肩口へと戻る。
傷口はさすがにぴったり一致ではないが、血を接着剤の代わりにしてグチュリと腕が「くっついた」。
それだけで、禍神の腕はその機能を取り戻した。
ギロリ、と怒りに燃えた瞳でコチラ二人をねめつける。
「おいおい・・・」
横に飛び退いたタイガーが呆れた声を出した。
初めて見る人間には刺激が強かろう。だがこの世の者ではないのだ、禍神は。
「ああいうモノだ。次で決める。長期戦になって不利なのはこちらだ」
俺もタイガーも汗まみれだった。
おまけに、さきほど浴びた返り血が鎧の隙間から侵入して身体にまとわりつく。
不自然に熱い。
第一封印のみ限定解除、回線は切断したスタンドアロンモードだから、赤い鎧からの侵食はないはずだ。
にもかかわらず、身体が燃えるように熱い。
「そりゃいい、こっちもそろそろ限界だ」
タイガーが不敵な笑みを浮かべた。
まだ奥の手を隠している。そう言いたげな表情だった。
129 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/06/14(水) 00:10:32.67 ID:9Xl0dzjJ
今夜の投下は以上です。
初出: 1スレ
>>161 PC(仮)名: Lead、リード / 中の人:161 ◆zmxSLEadCU
種族フェイス: エル♂F4A
ジョブ&Lv: 不明 (ダブレットとズボンを着用)
特記事項:
ヴァナで三年前の世界にリアルの意識が飛ばされ、元キャラと統合。
ジョブチェンジ機能使用不能。はじめ記憶喪失だったが、記憶復活。
管理者側の実行部隊“フェイト”第一世代の元リーダー。エクスカリバー・ゼロを所持→激闘にて消失。
ウィンダスでサン氏に左腕を吹き飛ばされ、修復の際に何か埋め込まれた。
ユリフィナ氏の中の人がリアルに帰るために開けた次元の亀裂から“禍神”が降臨、絶体絶命。
脱出後、“神殺しの剣”を携えて、チョコボでいずこかへと去り、力尽きる。
死亡したかに思われたが、アオツキ氏に救助されジュノの病院へ。いまだ目が覚めず、「黄泉の眠り」に囚われたまま。
活動エリア: エルディーム→ジュノ→(機船航路経由)→ウィンダス→サンドリア→オルデール→ジュノ上層
他キャラとの接触:イッチ、マイウ、ゴイス、サン(?)、レップ、ロック、メイミィ、クルス、ユリフィナ、ルーファス、アオツキ
独自レギュレーション:「死にたくないなら戦場に出てくるな」
人間は心臓を貫かれたり首を刎ねられたり脳を潰されたり、出血多量やビルの屋上から突き落とされたりしたら死ぬ。
死んだ者は甦らない。瀕死はレイズで息を吹き返す。
戦闘やアビリティ、呪文や時間等の描写はあいまい。ひとによってまちまち。
基本はSayとShout。LS会話は通話のみ(映像は見えない)。視界内にいる者同士でTellができる人間もいる。
皆様投下乙です。夢中になって読んでいたらもうこんな時間に・・・
もう投下量が多くてレスをつけられそうにもないので
申し訳ありませんがレスは割愛させていただきますorz
>フルさん
了解しました〜。後のことは全く考えていませんが、
気づいてしまうかもしれませんw
ヒロちゃんの背中を追いかけて、一歩一歩進むたびに踏みしめた草からふんわりと草の香りが広がり、
鼻をくすぐる。いつの間にか吹きだした高原の強風に誘われて風の魔力の結晶体であるエレメントが
心なしか気持ちよさそうに細い緑色の体を回転させてふらついているのが目の端にうつるが、
お小遣い稼ぎにきていたらしい冒険者にあっという間に退治されてしまっていた。
本当に、結界の外はこんなに普通だというのに・・・。なんだか、
鍾乳洞での出来事は夢の中の出来事で、結界なんて存在しない。そんな気さえしてくる。
強い向かい風に煽られながら必死に走る私とは違い、ヒロちゃんは私の身長くらいある長い足で
スタスタとどんどん先へと行ってしまうので、彼女の背中は小さくなる一方だ。
「ヒロちゃん待ってよぅ!」
私は拗ねた子供のような声を張り上げるけれど、ヒロちゃんには届いているんだかいないんだか・・・。
彼女の背中は相変わらず小さいままだ。この距離じゃバインドも届かないだろうしなぁ・・・。
突然、一際強い風が私を襲った。
「うわ、わ、わ、わ・・・。」
必死に両腕を振り回してバランスを取ろうとしたが、結局、風になされるがままに吹き飛ばされて、
ステンとしりもちをつく私。ああもう!強風なんてだいっ嫌い!
頬を膨らませて服やタイツに引っ付いた枯れ草やら泥やら巨大綿毛のきれっぱしやらを払っていると、
首を大きな手でがっしりつかまれ、しかもそのままつかみあげられた。
「い、痛っ!もげる!もげちゃう!!」
「ああ、痛いんだ。ネコとかって首をつかむからタルタル首をつかめばいいかと思った。」
ジタバタ暴れる私をどうでもよさそうに見つめながら、いつのまにかこちらにやってきたヒロちゃんが
ぶっきらぼうに言う。
「おろして!痛いよ!それにネコはあなたじゃない!」
「おろしたら、またあんたはこけるだろ?」
私を左腕に座らせながら、相変わらずぶっきらぼうに言い捨てる彼女の言葉をきいて、
私の頬が少しだけ熱くなった。
「・・・見たの?」
「あんたが両腕を必死にぶんぶん振り回してしりもちをつくところなんて見てねーよ。
だからとっととしっかり捕まれ。」
見てたじゃん・・・。私はさらに赤くなって彼女の腕にしがみついた。
どうでもいいけど、彼女の胸、作り物っぽいなぁ。
先ほどの結界の前に私たちは膝を並べて座り込んでいた。私が彼に何かを話しかけようと見上げると、
どうしてもユファファがつけてしまった傷が目に付いて心が痛い。
耳が自然としょんぼりと垂れてしまう。
「傷、大丈夫?ごめんね、ユファファがまさか本当に切っちゃうなんて思わなかったよ。」
せめて少しでもよくなるように、私はそっと彼女の傷にケアルをかけた。かさぶたになりかけていた傷が
みるみる小さくなってポロリとかさぶたがはがれた。
「さすがにユファファもひどいよね。女の子の肌に傷をつけるなんて。」
「ああ、別に気にしてねーし。こんな傷どーでもいい。気にすんな。」
「でも・・・。」
私はヒロちゃんの手をそっと握り彼女の瞳を覗き込んだ。
「ルーファスさんが悲しむよ?」
もしかしたら、ルーファスさんが『俺を信じてこんな傷を負うなんて・・・。』なんて言いながら、
ヒロちゃんの傷にそっと口づけをして、その傷口をいたわるように、そして貪るように舌を這わせる・・・
ってコラコラユリフィナ。こんなお日様が高いうちに何を妄想してるんだ!
「・・・あんた・・・今何を考えてた?」
私はギクリとして慌てながら必死に言い訳の言葉を探した。
「い、いったいどうしてそんなことを聞くの?ルーファスさんが悲しむんじゃないかなーって思っただけだからね。」
「・・・なんか目が別のところ・・・って言うか違う世界を見ていてた気がしたんだけどな。まぁいいや。」
「うんうん、どーでもいいよね!それよりも、今はヒロちゃんの傷だよ・・・。」
なんとか話題を元に戻す。ヒロちゃんは結構勘が鋭いらしい・・・。気をつけないと・・・。
「傷、本当に大丈夫?」
ヒロちゃんは、頭をボリボリかきむしりながら不機嫌そうに尻尾で地面をペチペチたたき始めた。
しつけえな、と尻尾が語っている。
「うるせえな、平気だよ。傷口は洗ったし、わざとやった事だからな。」
「・・・わざと?」
どうゆうことだろう?
「ユファファの剣はちゃんと俺の大切なお肌とやらを傷つけないように少しだけ俺の首との間に
空間を作ってあったんだ。だけど半歩踏み出してわざと切らせたんだ。」
「どうして?」
いったいどうしてそんな馬鹿なことをしたのか気になって、思わず少し硬くなった声で彼女を問い詰めると、
彼女はこともなげにさらりとこう言う。
「交渉のカードだよ。切らせることで俺が本気だってことをわかってもらえるかもしれないと思ってな。」
「なんでそんな馬鹿な事するの!?」
私が突然張り上げた声に驚いて、彼女は一瞬尻尾を強張らせたが、
彼女は何で自分が怒鳴られているのかわからないといった表情でポカンとしている。
「剣って言うのはすごい汚いものなんだよ? 何を切ったかも知れないし、鞘の中はばい菌だらけだし、ご丁寧に油まで塗ってあるんだから!
自分の命を賭けの賞金みたいに考えちゃ駄目!いつかアルタナ女神様に返す時まで預かった、大事な大事な賜り物なんだからね!」
っていうことなの!どうしてこう、シャールカーンさんといいヒロちゃんといい自分の命を粗末にするんだか・・・。
二人とも白魔法の教本を一から読み直したほうがいいんじゃない?赤魔道士なら白魔法だって
万能の回復魔法じゃないってわかっていると思うんだけどな。
「・・・ああ、悪い。」
素直に謝るヒロちゃんに思わず私はきょとんとする。まだであって1時間してないだろうけど、
彼女だったらめんどくさそうに『あーあー、わかったわかった。』とかわかってなさそうに
悪態でも着くのだろうと思っていたのに。
私はあと30分は命の大切さについて語る気満々だったけれど、そんな元気は削がれてしまった。
「うん、わかってくれればいいよ。わかってると思うけれど白魔法は万能じゃないんだからね。」
「そうだな、気をつける。」
「う、うん。気をつけてね・・・。」
会話がそこでぷつりと途切れる。・・・私、ひょっとして何か悪いことでもいっちゃったのかな?
何とか次の話題を探そうと私は必死に脳みそをフル回転させていると、ふと、
ヒロちゃんがはしたなく足全開で座り込んでいることに気がついた。
「ヒロちゃん、足。」
「足?」
何がなんだかわからないといった顔で自分の足を見つめるヒロちゃん。なんだか本当にわかっていないようだ。
「ほら、足全開だよ。スカートだったら丸見えだよ?」
「いや、俺スカートはかな・・・。」
そこまで言って一瞬ヒロちゃんの表情が凍りつき、急に暗くなった。
「・・・はかされることもあるけど自分からははかねえし。」
「スカートでもそうじゃなくてもその格好は危ないよ。世の中変な男の人もたくさんいるんだから。」
それにアリアちゃんみたいな変な女もいる。ていうか今まで知り合った男の人よりも戦った獣人よりも、
彼女以上に危険だと思った相手はいない。
「いや、変な男がいても俺は・・・。」
「そもそも!」
私は眉を吊り上げ、腰に片手を当てた格好でビシィッとヒロちゃんの鼻の先に人差し指を突きつけた。
「一人称が俺、っていうのがいけないと思うの!あのユファファでさえ、自分のことは私っていってるんだよ?」
「だから俺は・・・。」
「ちーがーうって!俺なんていってたら全然女の子っぽくないよ?ユリさん・・・あ・・・友達なんだけどね。
彼女がかわいい布をたくさん買い込んだみたいだからスカートとかワンピース作って送ってあげようか?」
危うく元来訪者だった事がばれそうな事を口走り慌てて訂正する私。別にばれたからってどうという事はないのだけれどね。
「・・・・・・・・・そうですね。はい、お願いします。わぁ、スカート楽しみだなぁ。」
なーんかひっかかる言い方だけど素直でよろしい。それから彼女はなんだか困ったような呆れたような、何かを諦めたような・・・
とにかく、なんだかあまり機嫌良くは無さそうな顔で私のかわいい女の子論に素直に聞き入ってくれた。
「自分のこと、『ヒロ』って言ってしゃべってみたら?」
「俺はガキかなにかか!?」
「きっとかわいいのに・・・。」
「でね、やっぱりヒロちゃんにはミニスカートが似合うと思うんだ。色は〜・・・ピンクと白どっちがいい?
白とピンクのチェックもあるよ?」
「どれでもいいですよ先生。」
「んー・・・じゃあ全部作って送ってあげるから気に入ったのを着てね。」
「・・・・・・はい、先生。」
ヒロちゃん改造計画にウキウキしている私と対照的に、なんだか俯き気味なまま、覇気のない声でボソボソ答えるヒロちゃん。
アリアちゃんがいたらものすごく盛り上がっただろうなぁと思うと少しだけ残念だ。
突然、遠くから何だか妙に甲高い印象を受ける男性の声がこちらへとまっすぐに響いてきた。
以上です。ヒロちゃん改造計画で危うく大暴走を起こしそうだったので
慌てて割愛しましたw
それでは皆様、わっふるわっふるです!
140 :
既にその名前は使われています:2006/06/14(水) 01:10:08.11 ID:HnpVLRFM
熱血ヒーローヒロ氏の背中が泣いて見えるwww
141 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/06/14(水) 01:25:16.94 ID:wwQIAOKz
>>1 新スレ、お疲れ様です
>>30 一瞬の油断が命取りとはよく言ったものですねw
wktk!!
>>40 ちょっwwww龍さんツヨスwwwwww
ヴァナの平和は守られましたね?!
>>55 外側も完成したっぽいですね〜
お疲れ様です!
>>61 狩場荒らしイクナイお!w
新アイテムの実装、お見事ですw
142 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/06/14(水) 01:26:04.24 ID:wwQIAOKz
>>92 これは………すごい悪夢ですね(ノ∀`)
>>102 おー、前々々々々々スレくらいに登場した自転車ですね!
モーグリさん、お留守番【気をつけてください。】
>>110 ナジさんかっちょえぇ!
ってあれ?時間止まっ………ゲフンゲフン
>>121 またバス民が増えるんですね?!
>>139 ユリフィナさんの手にかかれば、ヒロさんもしょぼーんさんですねwww
皆さんコンバンワ【夢】【ワールド】【どこですか?】な464ですw
やっと内容まとまったので投下します。
最初の投下でイキナリ前スレの続きな部分はご容赦下さい。
初出:1スレ.>>464
PC(仮名:サン・ソコワラメェ 中の人:サン464 ◆PCl7Dh0dlY
ジョブ&Lv シ75/ALL(正しくはシ/白だが、制限付きで色々使える)
種族&フェイスタイプ 碧眼オスラF6A 黒いバイソン一式+ハジャヘッドギア装備
特記事項。肉体人格(サン)の「躯(464命名)」が居た。 現在はキィ(F1赤髪→白髪)に乗り移って(?)いる。
最初は普通の蒼眼だったが、侵蝕で左赤・右金の眼色に。
躯ではない危険な別人格が居る。 謎の両手刀(普段は片手刀)所持
活動エリア:ジュノ下層→徒歩でウィン→ウィンダス国内→サルタで昼寝→サルタに似たどこか
他キャラとの接触:1スレ317氏 Lead氏 ヒロ氏 メイミィ氏 317氏以外は全て間接的接触
独自レギュレーション:魔法使用は脳内でリストがイメージされ、選んだ後出る文を読み上げる。
侵蝕時:右目周囲黒、左目周囲白に変色。サン人格強制終了(人格のっとり)。能力「代償」制限解除
謎の刀について:柄が真っ黒で、刀身がルビーの如き見た目の刀。何故か片手刀から両手刀に伸びる。
柄もルビー色バージョンの短刀(形は変わらない)をメイミィ氏が所持。
敵 ガ 来 ル 敵 ヲ コ ロ セ
刀から、殺気を隠そうともしない言葉が、何度も頭の中に響く。
…しかし、私の周囲に刀の言う敵の、気配は感じられない。
ヴーーーーーーーンという音を出しながら、紅い刃が細かい振動を続けている。敵が来る、敵を殺せと云いながら。
「おわッ!?」
突然、刀が自らの意思と関係無く動き、持っているハズの私が振り回された。
…結果的にいうならば、刀に無理矢理西を…橋のウィンダス方面側を向かされた。
クルゾ クルゾ クルゾ コロセ コロセ コロセ
いいかげん刀の言葉が耳障りだが、生憎手放す事は許されないらしい。
私とキィが寝そべっていた場所の木から、急に何かの気配を感じる。とてつもない威圧感を伴っている、何かが。
ズ…ズズズ………ズズズズズ………
黒ベタの木から、アメーバか何かの細胞分裂の様に、黒いデーモンに似て非なる者が現れた。
右手には銃…?筒のような何かを持ち、甲殻のような動かない顔に、狂気を漂わせる、アクマが。
「以前………だって?」痛みが響く腹を押さえながら呻くように言う。
「今と同じ状況だったねぇ。以前も月の無い夜だった。」そういうと、モグハウスの階段を後ろ手で指差した。
「お前、オマエ……!!」瞬時に記憶が再生される。モグハウス、階段、以前 このキーワードでわかった!!
「わかってくれたようだね。今日は君に消えてもらおうと思ってね。」せせら笑うように言われ、カチンとなる。
「おまえ、前回はどうなったんだ? 途中でみっともなく叫び声をあげたじゃないか。」前回の記憶はバッチリ残っている。あえて嫌味な質問をしてやることにした。
「人のことよりもまず、自分のことを考えるべきだね。なんだい、あのブザマな負け方は。」一定の距離を保ったまま、ゆっくりと歩き出す。両者の動きは、互いに円を描くようにゆっくりと移動している。
「あの時、私は時間停止領域を設定するのを忘れていた。お陰であと一歩、いや一瞬の所で退却せざる負えなかった。」話題を振っておいてから話しを続けるとは、おかしなやつだ。
黒いアクマは、コチラに見向きもせず背を向け、ココがどこか探るように周囲を見回している。
私はアクマに刀を構えたまま、その様子を見ているしか出来なかった。
アクマは、はたから見たら迂闊に背を向けているように見える。
だが、右手の銃を持つ手が微動だにしていない。油断したら間違いなく、撃ち抜かれる。そんな気がする。
パキピキッ…ペキッ…パキバギバキッ……
アクマの口元から、何かの割れる音がした。横を向いたアクマの口元は、開き、嗤っていた。
「…コンドハ、ココガ、アソビバ、カ。」
寒気がするというか、虫唾が走る声でそういうと、アクマは嬉しそうに嗤った。
「たとえ1人芝居をしていても、私は隙を作る気は無いぞ。」
コチラが隙を作るまで…近寄れぬまま…いつまでも虚しい1人芝居を見せられても、嬉しくない。
「オマエハ、タノシメナカッタカ。ワタシハ、タノシカッタゾ。」
……なんなんだコイツは…。
「モット…モットダ。モット、ワタシヲ、タノシマセテクレ…」
ゆっくりと、アクマが身体をコチラに向けた。大きさや、見た風を言い表すなら、デーモンを足したクリスタルゴーレム。
薄暗い、黒いサルタバルタでボンヤリと浮かび上がるアクマの身体には、幾筋もの引っかき傷が刻まれていた。
「正直に言おう。私は退却中に一旦死んだ。」苦々しげにいう。
「だがしかし、私は再びこの世界に還ってくることになったんだよ。何故だかわかるか?」
「分かるわけないだろう。」こいつは何が言いたいんだ?
「私が消えていなかったからさ。」
そういうと、近くにある草を指差した。
「あの草。今は時間が止まっているが、動いている時には風に揺らされる。
では聞こう、風はどこから来る?」二度目の問いだ。
「どこからか、勝手に吹いてくる。」ゆっくり円を描きながら言う。
「たしかにその通りだ。しかし、不正解だよ。この世界では、全てが法則に基づいて動いている。
例えば放り投げた石ころだ。放物線を描いて落下する。」
「当たり前だ。」
「しかし、それを変えられるとしたら?」
「有り得ない。」そんなことできるものか。
「私も最初はそう思っていた。しかし、私は気がついたんだ。」
「何をだ?」
「この世界は………物理法則から生物の進化の過程まで全てが、プログラムで制御されているということを。」
「何が言いたい?」徐々に深まっていく不信感を払うが如くに聞く。
「自分で物理法則を構築できる私は、この世で最強だということさ。」
言い終わると同時に、ナイフが飛んできた。予測装置からの警報で回避…………したはずのナイフが孤を描いて再び体側を通過した。
「横向に重力があれば、今みたいに放物線を描いて二度襲ってくるんだよ。」黒装束がいう。かなり不利だ。
「残念ながら私は、まだ無生物に関する物理法則を一時的に変化させることしかできない。残念だ。全く、残念だ。」言いながら、近くにあった大岩を軽く持ち上げ、こちらへ投げつけてきた。
慌てて交わすが、地面に接触した岩は巨大なクレーターを作り上げた。
「岩に掛かる重力を減らしてやれば、大岩だって小石と変わりない。」 「さらに岩の進行方向に重力を発生させれば、自由落下と同じスピードで『落下』する。」高笑いしながら黒装束が言う。コイツは普通じゃない。
勝つことは………難しいだろう。
同時刻ダtt−ア
まだ先結構あるのでお先にドウゾー(つ∀`)
150 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/06/14(水) 01:32:35.81 ID:wwQIAOKz
以上であります
強敵過ぎたかな?w
キャラ紹介テンプレ
初出: 2スレ目35
PC(仮)名: Rep-trip/ 中の人: レップ ◆35//hs0Y0Y
種族フェイス: 樽F2A
ジョブ&Lv: 不明
特記事項: 頭に変なのあり。
活動エリア: ウィンダス&サルタのみ
あらすじ: 変な夢を見たが、多分わすれてるw
他キャラとの接触: リードのみ
独自レギュレーション:ジョブチェンジ自分で可能。ただしミスが多く、D2すると下の地面まで消えたり。
実験で、頭に変なの埋められた。
まとめさん達、本当にお疲れ様です
精神崩壊とか、脳汁が沸騰するとか、編集には危険が伴うかと思われますので、十分ご注意ください。
151 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/06/14(水) 01:34:15.65 ID:wwQIAOKz
グオオォ!
スミマセン!!orz
レップさんかぶっちゃって申し訳無いです、終わったようなので残り投下しますね。
…引っかき傷?…あの硬そうな外皮に?何が?何のために?
そんな事を考えてふと、気付く。
さっきまで深夜のように暗かった周囲が、明るくなっていた。
暗いサルタバルタに居たハズの私は、カザムの居住区に立っていた。
生い茂る緑の葉の木々が村の外を覆い、遠くには火山も見える。
日は少し傾き、周囲をほんのりと赤みの強い日で照らしている。
まばらに漂う雲が黒く、空気が湿っぽい。春雨でも降った後のようだ。
ソコで私は、アクマではなく、赤い甲冑に身を包み、赤い剣を抜き放っている男と、対峙していた。
私は、カザムの居住区の、どこかの家の前で、その男を中に入れまいと立ち塞がっていた。
赤い甲冑の男は、立ち塞がり動こうとしない俺に、既に言うのが何度目かわからない用件を言った。
「貴方のご子息はイレギュラーですので。引き渡していただきに参りました。」
赤い甲冑の男が、私に「息子を引き渡せ」と言った。
「俺の大事な息子にゃ指一本触れさせねぇ。」
俺は赤い甲冑の男に啖呵をきった。
赤い甲冑の男はソレを聞き、やれやれと面倒くさそうにジェスチャーをし、ため息をついた。
「ふぅ…。では、仕方ありません。貴方を障害として認識しましょう。」
赤い甲冑の男は、そう言いながら俺に近寄り、こう耳打ちをしてきた。
「貴方の大事なご子息も、すぐソチラへ向かわせます。…よい、旅を。」
直後、腹部と背中に激痛を感じた。
見れば、赤い片手剣が、俺の腹へ刃が深々と、沈み込んでいた。
剣が、俺の背中を、腹を、擦りながら、赤い甲冑の男の手元へと戻っていく。
…身体に、力が込められない。
俺は赤い甲冑の男に力なくもたれかかるが、甲冑の男は一歩下がり、俺は地面…木の床へと倒れた。
赤い甲冑の男が、俺の上を通って中の息子の下へと歩こうとしている。…止めなければ、いけない。
俺は力を振り絞り、甲冑の男の足を掴み、奥に居るハズの息子へと、肺から息を漏らしながら叫んだ。
「に…ろ…!」
肺から息が洩れ、腹筋が裂けていてうまく声を発せない。だが、意図はわかるハズだ。頼む…伝わってくれ……。
「にげろ…!」
口の中が、内臓からあふれ出た血でいっぱいになり、血を吐きながらも、俺はひたすら呼びかけた。「逃げろ」と。
赤い甲冑の男が、何度か足を振って手を振りほどこうとし、それでも掴んでいる俺に、再度ため息をついた。
「はぁ…。いいかげんに、邪魔です…よッ!」
赤い甲冑の男はそう言いながら、手にした剣を足元のミスラの胴…心臓へと突き立てた。
ドンッ という木に剣が突き立つ音と、しっかり刺した事を確認し、血でさらに赤くなった剣を引き抜いた。
「か…ッ……ハッ…ァ゛…ァァ……」
気が…遠い。身体が…重い。痛みも、風も、温度も、何も…感じない。ただ、苦しい…。
止まった視点の中に…家の奥へと、赤い甲冑の姿が入っていく……。
ゆっくりと…本当にゆっくりと、右手に真っ赤に濡れた剣を携えて。一歩一歩奥へと進んでいく。
奥の暗がりには、光を反射する、小さな…蒼い点が2つ並んでいる。
赤い甲冑の左手が、蒼い点の辺りへとゆっくり手を伸ばしていく。 …ダメだ…逃げろ…誰か…
だんだんと、黒く、フェードアウトしていく視界の中で、赤い甲冑が傾いた気がした。
しかし、既に思考は止まり、光無き視界に映っているその映像は、俺には何も見えなかった。
「 イ イ ユ メ ハ ミ レ タ カ ナ ? 」
寒気のする、生理的嫌悪感を抱く声が、すぐ近くから聴こえ、ハッと我に返った。
周囲が暗い……そうだ、ココはよくわからない、暗いサルタバルタだ。
橋の先に少し行ったところに立っていたアクマが、橋の真横…川に立ち、私の眼前にその不気味な顔をもってきていた。
私はあまりの恐怖と、驚きで、声を出す事すら出来ず、止まるしか…ひるむしか無かった。
――――バジュン
機械的で変な音と共に、腹部の辺りに違和感を感じた。
「え…?」
ゆっくりと視線を下に向けると、アクマが手に持つ筒からは煙がたっていて、私の胴体には拳大の穴が開いていた。
腹部と背中から熱い液体が流れるのを感じる…気が遠い…穴から魂すら流れ出てしまうような感覚に陥る。
ゆっくりと、視界が上へと移動していき、真上辺りで「ドシャッ」という音と共に視界の移動が止まった。
寒い…とてつもなく寒い……。…右目が…右の眼球が氷にでもなったかのようだ……。
刀の黒い柄から伝わる冷たさは、右半身全体から伝わる冷たさに変わり、私の意識は、ソコで途切れた。
意識が消える直前…ほんの一瞬の間に、アクマではない誰かが、嬉しそうに笑っている声が聴こえた。
以上です。
実を言うと、リードさん達と戯れてた方にもご足労願おうと思いましたが、
自分の手に負えそうに無い事になりかねないのでやめときました。
ラテ方面が可愛い展開に…中が死闘だったり、私とは別の夢世界だったり。まとめの方応援シテマス!
SS書く内容ですが、思いつくときと思いつかないときで、書くペース凄い違いますね……。ではおやすみなさい。
>自分の手に負えそうに無い事になりかねないのでやめときました。
正しくは
自分の手に負えそうに無い事に気付いたのでやめておきました。
です。失礼しました。では、改めておやすみなさい。良い"夢"をw
159 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/06/14(水) 07:53:03.03 ID:wwQIAOKz
おはようございます
ageであります
160 :
アインズ:2006/06/14(水) 08:05:30.08 ID:HnpVLRFM
面倒ですのではるか夢の世界に
>>69をかっ飛ばしてやってください。
まったく、せっかく5時で仕事が終るバストゥークとしてのんびりやれていたのに、
あの男が厄介ごとを持ってきて大量の来訪者が押し寄せるは、
天晶堂の反乱勢力が隙を伺ってくるわ、
旧支所時代の厄介事で巡視員がこっちの許可を取らず二度も越権行為をしてくるわ、
赤い鎧も1名カメに殺されるわ、一名内藤に吹き飛ばされるわと事後処理が大変ですよ。
161 :
アインズ:2006/06/14(水) 08:31:07.26 ID:HnpVLRFM
>>124会う時間帯にもよるのではないでしょうか?以前インタヴューに応じたときは勤務無かった日でしたし。
同じ「歓迎する」でも10代後半のただの少女として歓迎して欲しいのなら17時以降(時々残業してますので当てになりません)。
体を捨てて魂だけ元の世界に帰還したいのなら(←私は死んだ経験がないので本当かどうか怪しい話ですが)8時以降の昼間にお願いします。
なお。9時までは訓練などを行っていますので我々の実際の勤務時間は朝9時から夜の17時。
休憩は食事休憩とおやつの時間が含まれます。
隊長は最近有給が取れなくて、お友達と遊びに行けないとぼやいているので歓迎してくれるのではないでしょうか。
戦いを望まれるのでしたら…間隔999、無限夢想阿修羅拳を打つ旧性能レリックナックルがいいか、
我々の力を反映して本来以上の力を発揮するカンパニーソードで両断されるかどちらか選べます。
>>142ミスラ斬るなんてやだやだ!(ジタバタ)ということです。/grin あとはわかりますね?w
みなさんおつかれさまです(*´∀`)ノ
最近ヒロが女装萌えショタキャラ扱いされている件w
もまいらちゃんとメイミィさんとかに萌えろよ!ヽ(`д´)ノ
163 :
既にその名前は使われています:2006/06/14(水) 12:21:44.42 ID:Iqs/7lyL
メイミィさんに「も」萌えてるぜ!
164 :
既にその名前は使われています:2006/06/14(水) 12:24:05.61 ID:osl2DBGt
ガル魔ちゃんが好きです!
165 :
既にその名前は使われています:2006/06/14(水) 12:39:57.12 ID:osl2DBGt
レリックもカンパーニもイラン
尻尾でモフリ殺してくれ!!
166 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/06/14(水) 14:33:15.02 ID:gV1YV5q0
レグナスさん
メキさん
ドキドキわくわくしながら読ませていただきました。
鋼と決着をつけたのにもう一人・・・。どうなるか楽しみにしています。
ルーファスさん
百烈拳かっこよすぎです・・・。私はガチガチに固くなったカニに0ダメだらけの百劣拳をやった
にがーーい思い出がありますw
「あぁ、コイツには赤い色が本当に良く似合う。」
カッコイイ・・・
ヒロさん
うちのユリフィナが迷惑をかけているようで・・・www
「俺がショタ萌えキャラだって?柄じゃない」
ところで、フルさんは金髪だったような・・・
イッキさん
モーグリが相変わらずかっこいいですw
□ボタンなんてついているんだ・・・w
167 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/06/14(水) 14:39:48.98 ID:gV1YV5q0
ロックさん
カエルおいしいとこどりですw彼はまたでてくるのかな・・・w
こんな怖い夢はみたくないですw
ティアラさん
でもデジョンつかえるかどうかわかrあqwせdrftgyふいこおlp
モグがかわいい・・・w
アオツキさん
大変な修行になりそうですね〜・・・。
信頼の置ける部下・・・誰でしょう・・・
リードさん
決着に向けてリード視点ももりあがってきてワクワクしてます。
赤い鎧も砕くって・・・ユファファよく生きてたなぁ(;・∀・)
168 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/06/14(水) 14:43:37.75 ID:gV1YV5q0
なぜかレグナスさんの感想の部分が消えてる・・・orz
歯が輝く、さすがF4w
3.来訪者になった人のモグハウスからシドが勝手にかっぱらってコレクションしている
電池はボルタ電池となんとか電池ってのがあって、硫酸と素焼きの何かに何かをぶちこむと
イオンがなんかなって酸素が出来て電気も発生するんですよ!(注意:中学高校時代の化学の成績1〜2)
レップさん
またまた厄介なフェイトがでてきましたね。
私がそんな能力を身につけたら、ロランベリーを突然苦くしてクピピちゃんを困らせてみたいw
サンさん
たしかに書くペースの起伏って激しくなりますよね。かける時は本当にすごいかけるのに・・・
こんな夢も見たくないです・・・w
>166
うわほんとだ!
【ごめんなさい。】【ごめんなさい。】【許してください。】(つд`;)
まとめサイトの方で直しておきます(´д`;
皆様本日も投下お疲れ様です(・ω・)ノ
>>110 な、なじがかっこいい!wガル侍さんもかっこよすぎます(ノω`)
今バスは危険な雰囲気漂いまくりですね…き、気をつけますっ
>>121 天晶堂…アルドさんも知らないところで動いてたのですね。
そしてアオツキさんもバスへ…波乱万丈の街になりそうですw
>>129 終盤にむけてどんどん盛り上がってきますね!
それにしても、敵が敵なだけに激しい戦いだ…っ
>>139 いっそそのまま改造しty(ry
ユリフィナさんとフルさんのやり取りも楽しみです(*´д`*)
>>148 凄い頭のキレる敵っぽいですね。そういう相手はとても手ごわそう((((;゚Д゚)))
>>157 な、何だか大変な事に((((;゚Д゚)))
アクマの描写を読んで想像していると、めちゃめちゃ怖いのが浮かび上がりましたorz
バストゥーク商業区の中心には大きな噴水がある。
その周辺で沢山の冒険者達は良くバザーを開いていた。
ちょっと昔のヴァナだと凄く有名だった、バストゥーク名物寝バザー。
こっちの世界から見ると、ちゃんと店番している人は起きているけれど!
今も昔の名残からか、人数は劣るけど冒険者たちはバザーを開いていた。
私はその一つ、一つをゆっくり見て歩く。いろんな物が売ってるなぁ。
「お嬢ちゃん、焼きたてのアップルパイがあるよ、買わないかい?」
不意に声を掛けられ振り返ってみれば、衛星帽子を被ったおじさんがいた。
美味しそうなアップルパイを沢山並べて私に微笑みかける。
あぁ、甘くて良い匂いが…もちろん、私はその甘い誘惑に勝てるわけも無く…
「是非食べたいです!一つくださいっ!!」
「まいどありっ!」
即決で衝動買い決定。
黒魔導士なので良くヴァナの世界でも口にしていた甘い食事。
実際食べてみたら…あぁ、美味しい♪
む、あっちからもいい匂いが!ああ、あっちからもする!!
バストゥーク商業区 〜甘いお菓子の罠〜 そんなタイトルが何故か頭に浮かんだ。
172 :
既にその名前は使われています:2006/06/14(水) 18:25:02.96 ID:PckJy3CT
ほ
あ〜このケーキも美味しいなぁ♪う〜ん、し・あ・わ・せ〜♪―――ハッ!
色々と衝動買いをしていた私は、いつの間にか食べ物ばかり買っている事実に気が付いた。
しまった、これは不可抗力だ。ほ、本来の目的を忘れてたわけじゃないよ!
なんて自分で言い訳してみるも、ふくらんだお腹はとても正直者である。
く、苦しい…ちょっと休もう。
ベンチのような物が見当たらなかったので、近くにあった噴水の淵に腰を掛けた。
手に持っていたオレンジジュースを飲みながら、何となく空を見上げる。
―――これは私の癖。ぼーっとしているといつの間にか空を見てる。
晴天、曇り、雨空…色々な顔を持っている空は何度見ても飽きないもので。
今日は雲の動きが早いなぁ。まるで何かに吸い付けられてるかのようなスピードだなぁ。
そんな事を考えながらぼんやりと空を眺めている時だった。
―――タンタンッタタタン♪
金属板が弾かれたような音がかもし出す心地良いメロディー。
この音は…オルゴール?一体どこから…
音色が聞こえてきた方に視線を向けてみると、近くに立っていた木の根元に何かが落ちていた。
私は慌てて駆け寄り、それを拾い上げる…もう音は止まったみたい。
形は古いヨーロッパとかの世界に出てきそうな合成な壁時計を模していた。
時計の部分は針が回りそうだけど、電池切れかな?動いてはいない。
右横にはネジが飛び出しており、これを回すと音がでる仕組みらしい。
これ…明らかにこっちの世界の物じゃないよね?ということは…
―――現実世界から持ち込まれた物。
そういえば、この世界には3つの物を持ち込めるとか言ってたような…。
ぼんやりとスレッドの内容を思い出そうとするも、肝心なところはあまり覚えてなかったりするorz
私のあほ〜!!そういうところはしっかり覚えときなさいよっ!
記憶力の無さにガックリと肩を落としながら、取り合えずオルゴールを鞄にしまいこんだ。
バザーじゃ結局見つからなかったけれど、これも一応収穫だしね!
…あ、でも誰のなんだろう?
もし落とし主の人が探しに来たら…うーん、ま、その時はその時だ。
某ゲームの勇者様なんてタンス空けてまで取るけど、私は拾っただけだ!
これを世間ではネコババと言います。良い子は真似しちゃいけません♪
何となく後ろめたい気持ちになりながらも自己納得。
さってと、もうちょっとだけ見回ってみようかなぁ。
そうだ、モーグリが大工房にもあるって言ってたっけ…行ってみよと。
オレンジジュースを飲みながら、再びバザーが行われている広場に視線を向ける。
世界に異変が起きたのは、その直後だった―――
本日は以上です。
拾った物を鞄にしまいこむ子でごめんなさいorz
それでは皆様の作品を楽しみにしつつ、本日もわっふるです!
177 :
既にその名前は使われています:2006/06/14(水) 19:00:11.55 ID:osl2DBGt
おばあちゃんがいっていた
人の物を盗むのは犯罪だが
落ちているものを拾うのは別に問題無い
と
[+]<何故ここに呼ばr(ry
>オルデール組
外はサクサク、中はしっとり!
ただ1つ言える事は、ボーイッシュなヒロちゃん萌えと言う事だろう。
>>62 かっこいい天才…どう見ても変態ナルシスですww
>>93 長スwカエルとキスとか泣ける;;
>>102 ソソソソソーサラーペタソスッ! かわいい顔してヤリ手だw
>>110 大工房に赤い鎧きたぁぁぁ!!やばい(レグナスが)
>>121 きた!アルドきた!いやー、アルドが黒幕じゃなくて良かった。
>>150 重力法則無視のオラクル! 最強だ(((( ;゚Д゚))))
>>156 ホ、ホラーっぽくて怖ぇぇ;;
179 :
レグナス13-1 ◆/abMGvkWxE :2006/06/14(水) 19:20:54.17 ID:JxHZ6ev9
メラメラメラ…
炎のクリスタルが素材を吸い込み、変形させていく。集中だ、集中しろ俺…うむむ。
そして、十分に魔力の注がれたクリスタルは一瞬眩しいほどの閃光を放ち、その存在を消失させた。
「うおっ、まぶしっ。」
代わりにそこに現れたのは、アイアンインゴット…
「やった、成功だ!」
思わず声を上げて喜んでしまう。俺は合成を指南してくれたガルカの鍛冶職人さんに、グッとガッツポーズをして見せる。
職人さんはその様子を見て、満足そうに頷いた。
「まさかずぶの素人が、たったの3時間でそこまで合成をマスターするたぁ、夢にも思わなかったぜ。」
それもそうだ、俺は素人と言う訳ではない。ただ、合成を発動させる段階でのコツが分からなかっただけだ。
プライドを捨て、人に教えを乞うただけの成果はあり、合成の感覚はつかめる様になっていた。
要はイメージとタイミングらしい。理論立てて理想を組み立てていくと言うよりは、もっと直感的な…
成功させるぞと言う強い想いが、魔力に乗ってクリスタルを成熟させる。その精密具合が合成のスキルなのだ。
気が付けば、もうそろそろ日が暮れる時間帯だ。合成方法は解ったから、後はモグハウスでやろう。
帰りに市場か競売にでも寄って、今晩の食材を買うか。ふふ、モーグリめ。もうまずいとは言わせないぞ。
それにしても。…あーよかった、俺が合成駄目な人じゃなくて。
「それじゃ、そろそろ帰るよ。今日はありがとう。」
そう言って俺は、ガルカの職人さんに10万ギルのコインを差し出す。
職人さんはニッと微笑み、コインを受け取る為に大きな手を広げた。相変わらずガルカは何もかもが大きい。
「まいどあり。わざわざ金を出してまで合成のレクチャーを受けようなんて、よっぽどあ───」
「…………?」
なんだこいつは、急に言葉を止めて。
…ち、違う。言葉だけじゃない! 体も、炎も、音も、風も…俺以外の全てが凍りついたように止まっている。
先程までこの部屋中に鳴り響いていた金属音はピタリと止まり、この部屋中を包み込んでいた熱気は消えていた。
よく周りを観察すれば、明らかに今までの大工房とは雰囲気が違うという事に気が付く。寂寞とした空間…
この現象、知っている。理不尽な強さを誇る"赤い鎧"クラスのフェイトが引き起こす技だ。
サーバーを一時的に凍結させ、ヴァナに元より存在するもの全てを停止させる、彼らにしか為し得ない世界への介入。
赤い鎧だと!? 襲ってくるのか!? 冗談じゃない、俺はこの世界に来てからまだ4日だぞ?
ドクンドクンドクン…
落ち着けレグナス、冷静になれ。そして考えろ、生き延びる方法を。…やれやれだな、避けては通れぬ道なのか。
きょろきょろと辺りを見回し、警戒する。しかし、一向に赤い鎧が襲ってくる気配はない。
181 :
既にその名前は使われています:2006/06/14(水) 19:24:04.13 ID:3rxsdxwB
最近このスレ詰んなくなったな
『レグナス!』
「ひゃあっ…!?」
突然耳元に鳴り響いた声に驚き、俺は思わずその場にガタンと倒れこんでしまった。
「な、なんだバルファルか…驚かすなよ。お前はこの停止した世界の中を動けるのか?」
どうやらシグナルパールを通しての通信だったようだ。まじでびびった。
『ああ、一体何が起こったってんだ?』
バルファルは相当慌てた口調だ。まぁ無理もない。突然、世界の時間が止まってしまっては。
「これはフェイトの仕業だ。昨日襲ってきた黒装束とは核が違う、強敵だ。」
『なんだって、大丈夫なのかレグナス!? 今すぐオレもそっちへ駆けつけるぜ!』
「待て、その前にやってもらいたい事がある。」
バルファルを動かせる。これはありがたい。バルファルの奇襲は俺の最大の武器、最強のトラップだ。
大工房にも幾つかの罠は仕掛けたが、憂慮すべき事態はこの静止した世界の中でそれらが発動するのかという事だ。
そんな状態では実戦に於いて使用するなんて到底叶わない。
しかし、どういう事だ?
何故赤い鎧は襲って来ない。俺の位置が分からないのか…いや、だとしたら大工房にいると言う事自体分からないはず。
俺を殺す為に空間を凍結した訳ではないのか。つまり俺はただ空間凍結に巻き込まれただけと解釈できる。
確かに俺の様な小物に態々赤い鎧がお出でなさるとは考えにくい。それだと…いいんだが…。
カツン
カツン
カツン──
「…………!」
足音が聞こえる!この静止した時の中で動ける者は、フェイト若しくは来訪者のみだ。
広域スキャンで断続的に辺りの動静を確認してみると、もぞもぞと移動している影が3つある。
1人は大工房内を無造作に動き回っているようだが、もう2人の方はそれを避けるようにして移動している。
前者が赤い鎧、後者が来訪者と考えるべきだろう。2人組か…もしかしたら3時間前に会ったあの2人かもしれない。
ドクンドクンドクン…
巻き込まれる前に、気づかれる前に逃げ出すべきだ。しかし凍結された空間から外へは出られないらしい。
広域スキャンを持った俺なら、誰にも気づかれるにこの大工房から抜け出す事ができるのに…。
それにしてもフェイトと思われる影は、誰とも戦っている様子はない。ただ大工房の中を忙しなく動き回っているだけだ。
では一体何の為に大工房の時間を止めたのだろう。暗殺ではない、何か別の事情があるとしたら…別の事情?
ああそうか、目的はあの大量の"漂流物"か。
以上ですw
空間が止まってから私が大工房につくまでには多少のタイムラグがあります。
その間にあった出来事はメキは知らないのでレグナスさん、お願いいたします。
最終的に赤い鎧は記憶改変作業を終了し、大工房に到着した私と戦闘に入ります。
その際、レグナスさんは途中参戦を希望しますか?
流石に3人は無理ですが1人までなら参戦可能です。
186 :
既にその名前は使われています:2006/06/14(水) 20:01:12.26 ID:osl2DBGt
>>181 ならチミの手で面白カッコいいスレにしてみないか?
なあに
恐れることなど無い
チミなら出来る
なんたってチミは666人に一人の逸材だからな
187 :
既にその名前は使われています:2006/06/14(水) 20:07:05.52 ID:osl2DBGt
やレグナス
戦え
戦って死ね!!
188 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/06/14(水) 21:30:24.40 ID:9Xl0dzjJ
皆様、投下乙でございます。
>>167 ルーファスさんのかっこいい描写を台無しにしないようにという無言のプレッシャ−が・・・w
禍神は“遊んで”いただけですので、ユファファもダイジョーブ。
そうでなきゃシャールカーンが盾なんてできるはずがry
ついでに電池の話題に噛み付いちゃえw
<以降、読みたくない方はスルー推奨!>
銅板と亜鉛板と硫酸をそろえるのは大変ですね。
極端な話、10円玉と1円玉、そして塩水があれば電池が作れます。
一個の電池(11円)で約0.5Vの電圧が発生します。10個直列で5V、0.2mAの「電気」が得られるようです。
ですが!
これは、リードのSSの独自レギュレーションですが、
(プロフィール欄にはまだ追加していません。バス編に突入したら書こうと思っていました)
ヴァナの素材でこの実験を行っても電気は生じません。あくまで、リアルのモノであれば、電気が得られるでしょう。
なぜならば、ヴァナの物質はマナが構成要素。一方、リアル物質は原子で出来ているからです。
見た目は同じように見えても根本の成り立ちが異なる以上、ヴァナ素材で電子の移動云々は無いという事になります。
雷クリスタルで〜も論外。すでに「分解」という役目を与えられていますしね。
ヴァナにも「バッテリー」は存在しますが、やはり別モノと考えるべきかと。
189 :
既にその名前は使われています:2006/06/14(水) 21:36:34.73 ID:osl2DBGt
ヴァナのもんで電気作れないのならこれしかないな
人 体 発 電 マ ジ お 勧 め !
まず下敷きを用意してだな
まて、それならヒロちゃんがリアル硬貨持ってたはずだ
なんとかして借りるんだレグナス
タイガーは理解しているのだろうか?
禍神の圧倒的な防御の理由を。
なぜ、あれだけプライマルアーツに鎧われた拳を打ち込んでも、効き目が薄いのかを。
―――超反応。
敵の攻撃を「見て」から防御行動をとっても、充分間に合うほどの反応スピード。
シンプルでいて、これほど面倒な(そして俺には面白みのない)ものもない。
俺は直感と先読みで対抗し、両者の剣はあやうい拮抗を続けている。
先程まで、タイガーはカウンター狙いの「後の先」を狙っていたようだ。
通常の相手ならばおよそ敵無しだろうが、今だけは禍神が相手だ。
カウンターの一撃も、その勢いを大きく減じられてしまう。
しかも、二度も同じ手など通じない。
勝利の天秤を一気にこちら側へと傾けるには、超反応すらさせない先の先、さらにその先が要る。
ゆっくりと間合いを詰めていくタイガーと禍神。俺も剣を構えたまま、摺り足で移動する。
ぶつかり合う殺気、張り詰めた空気。
三者の気合が臨界点を突破した時、最初に動いたのは禍神だった。
かっと禍神が剣を振り上げ、タイガーに突進する。タイガーは右に避けると見せかけて、左に飛んだ。
しかし、それすら見越した禍神の剣が、彼の着地点へと繰り出される。
タイガーは避けきれず、右の拳でさばこうと試みる。駄目だ、間に合わない。
―――キィィィィン!
先読みと直感、と前述した通りだ。
俺は寸でのところで両者の間に割り込んだ。イージスの盾で、禍神の一撃を真正面から受けた。
受けてしまった。やってしまった、と思ったときには、時すでに遅し。
イージスに、深い亀裂が幾筋も入っていた。互いに押し合う圧力で、ピシッピシッ、とクラックが広がっていく。
タイガーも、護られてばかりではない。
自らに振り下ろされたはずの刃が止まったことを確認する間もなしに、禍神の背後へ回りこんだ。
それに即反応した禍神が、盾を押していた剣を引き、後ろに薙ぐ。体勢が開く。
間髪入れず、俺は全体重とひねりを合わせた渾身の力をもって、禍神を盾で殴りつけた。
耐え切れずによろめく禍神。
引き換えに、イージスも粉々に砕け散った。
むしろ“盾”のレリックだからこそ、良くここまでもってくれたと誉めるべきだ。
“武器”のそれなら、二合ともたずに折り砕かれている。
中心ライン上の核を狙う。いまだフラつきの残る禍神に、俺は刺突を繰り出した。
禍神は背後に薙いだ勢いを生かして体をひねり、それを受ける。
互いに互いの剣をからめとって奪おうと、手首を回転させた。
速度勝負。
どちらも己の必殺武器を失えば、終わる。
回転軸をずらし、勢いを殺して互いに弾き、結局は両者の息がかかるほどに鍔ぜり合った。
ルーファスは敵を、禍神のコトをわかっていない。
依然、天秤は危うい平衡を保ったままだ。
形勢を傾かせるのはタイガー、君だけなのに。
言葉で説明してどうにかなるものではない。彼自身が理解し、体得するしかない。
隙を見せるのは死に直結する行為だとわかっていて、あえて、チラとタイガーに視線を投げた。
―――君ならできる。
刹那、彼と目が合った。
その双眸に、懐かしい友に似た「漢」を見た。
そう思ったのは、俺だけだろうか。
鍔ぜり合いが続く中、タイガーの“闘気”が急激に膨れ上がった。
それはケタ外れの圧力として、厳然と場を支配した。
「オオオォォォォォォォォ―――!!!」
雄叫び。野獣もかくやと思うほどの咆哮。
タイガーは禍神の左腕をつかみとって自分に向かせ、俺の前へと出た。
下腹部に右拳が食い込む。
その拳を引き抜き突き出す動作が見えぬまま、鳩尾、喉、顔面が立て続けに殴打された。
瞬きする時間もないうちにタイガーの体躯は翻り、後ろ回し蹴りが頚椎をありえぬ方向へ折り砕く。
顔面、肩、脇腹、ありとあらゆる場所が、目にも止まらぬ拳によって破壊されていった。
重い一撃一撃が禍神の巨躯を襲うたび、その禍々しい黒いカラダが衝撃波で痙攣した。
禍神の超反応すら上回る、連打。
連打。
連打。
それはまるで、はじめからそこに拳が当たる事が決定されている「現象」だったと言ってもいい。
タイガーがその身に暴風をまとわせて、はるか頭上へ跳んだ。
風は刃となって閉鎖空間を荒れ狂う。
その中心、禍神の脳天へと、タイガーは真っ直ぐに右拳を叩き込んだ。
暴風に自らも巻き込まれ、壁に叩きつけられるタイガー。
トドメとばかりに突き下ろされた拳によって、頭部は不自然な格好で胴体にめり込んでいた。
彼の拳は一瞬のうちに、禍神の全身を完膚なきまでに破壊していた。
その中心で燃えさかる、いまだ衰えぬ命の炎が見える。
―――血と肉と骨と鋼。魂の刃を以って命を穿つ。
俺は体ごと踏み込んだ。あらゆる戦術も戦略も踏みにじる、必殺の一撃を放つ。
それは禍神の誇る超反応をものともせず、中心核ただ一点を貫き通した。
「十分だ」
禍神の胸部から噴き上がる深紅の血しぶきを浴びながら、俺は壁際で脱力しているタイガーに声をかけた。
彼の鍛え抜いた体でさえ耐え切れないほど、先程の動きは過酷な負担を強いるものだったのだ。
俺は超音速の刃を振るい、禍神を切り刻んでいった。
だが、みるみるうちに再生し始めていく。
残る核は小さいとはいえ、あと六つ。中心核を砕いても、それらが互いに霊力を補い合っている。
滅多切りにされつつも、やがて禍神は右手の剣を逆手に持ち替え、直下の俺を串刺しにしようと腕を振り上げる。
バグン! メキッ。バリッ、ボリッボリッボキュ。ゴックン。・・・・・・ゲェェップ。
巨大な龍のあぎとがタイガーの右手から現れたかと思うと、逆手に持った剣もろとも禍神の肩から上を喰らった。
196 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/06/15(木) 00:13:32.00 ID:AJyGeS5B
長くなりました。今夜の投下は以上です。
なかなか追いつきませんね・・・。
ルーファース氏のみならず、ラテーヌにいらっしゃる皆様、お待たせして申し訳ありません。
197 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/06/15(木) 00:21:19.75 ID:xuhOduA8
>>リードさん
お気になさらず!
続きをwktkしてワッフルしてますので!
バストゥーク方面が騒がしくなりそうな気配ですので、そちらも楽しみですね…
ではみなさんわっふるー
198 :
既にその名前は使われています:2006/06/15(木) 01:18:43.42 ID:HO0hkdqN
アイン(銀次郎):隊長ー。暑いし休暇とって6人で海行きましょうよ海。
厄介事は押し付けられるように手はずを整えちゃいましたから。
ヌル(クロエ):だめにゃ。本部から通達にゃ。
アインツヴァイドライ:隊長の水着姿は当面お預けか・・・。
199 :
レグナス ◆/abMGvkWxE :2006/06/15(木) 01:37:20.09 ID:kUZB4cmw
>>185 >出来事
分かりました!と言っても次に投稿できそうなのは金曜か土曜ですけどw
>途中参戦
2人組はともかく、バルファルくらいは来るかもね!
>>187 ミスラとにゃんにゃんするまでは…死んでも死に切れねぇ…!
>>188-190 int500
>>196 禍神は必死にやってくるが、時既に時間切れ、盾ガードを固めたリードにスキはなかった
たまに来る盾ガードでは防げない攻撃も必殺の一撃で撃退、終わる頃にはズタズタにされた黒色の雑魚がいた
200 :
既にその名前は使われています:2006/06/15(木) 06:18:18.65 ID:AJyGeS5B
保守
201 :
既にその名前は使われています:2006/06/15(木) 07:53:26.09 ID:gH8aPt9N
ところで
”くるすクン”まだー?!
202 :
既にその名前は使われています:2006/06/15(木) 10:52:16.16 ID:Ypx0IYv2
くるすくんは格闘黒魔法の勉強中じゃない?
アルルさんまだー?
203 :
既にその名前は使われています:2006/06/15(木) 12:28:13.24 ID:gH8aPt9N
sounanoka-
べんきょうおわるのわっとく
>>202 アルルならスライム使って魔法の練習してたよ
204 :
既にその名前は使われています:2006/06/15(木) 13:06:05.01 ID:HO0hkdqN
うーむ。アビス様は何処に行かれたのだ?
チャリオット様亡き後となってはウィンダストップなのに指揮権をもつものがいない・・・。
(最下級の下っ端からの大昇進ですが)
む、よばれてしまった。
本来ならビシージネタをひっさげてかえってこようと思ったのだが事情があってまだ…。
しかしお呼びとあらばかかぬわけにはいくまい!
今回は待ってた人にはたまらないSTR白魔法が出てくるぞ!
…明日か明後日くらいまでにはかきあがると思うから、しばしまたれよ_(._.)_
206 :
既にその名前は使われています:2006/06/15(木) 17:30:17.12 ID:gH8aPt9N
鋼を看取った俺とナジは居住区の抜け道を使って大工房まで走ってきた。
大工房が見える場所まで来たところで違和感を感じる。
いつも大工房前にいたガードがいなくなっている。
居住区や鉱山区には固まっている人達がいたのに、大工房周辺にはいつもいる人間がいなかった。
やはり、何かがある―――そう思わせる状況だ。
しかし、だからと言って進まないワケには行かない。
「そろそろ消えておくぜ」
ナジがプリズムパウダーとサイレントオイルをポーチから取り出し、使用する。
彼は伏兵。GMに通用するかはどうかは分からないが駄目元で姿を隠す。
「ナジ、もしもの時は頼んだにゃ」
そして俺は囮。できる限りGMの注意を惹きつける役目だ。
「まかせろ」
俺の隣から頼もしい返事が聞こえた。
準備は整った。俺は意を決し、大工房へ向かう。
大工房への入り口を通る。果たしてこの先で何が起こるのか。
カツン―――カツン―――
ブーツが床を叩く音がよく響く。
やはり大工房内にNPCはおらず、無人だった。
カツン―――カツン―――
不気味な静けさの大工房を歩いていく。
カツン。
足を止める。
エレベーター搭乗口のある広場、そこに赤い鎧を纏った人影があった。
「―――来ましたか」
赤い鎧が振り返り、こちらを見る。
GMのマクロ以外の言葉を初めて聞いた。
それは何だか聞いてはいけないモノのようで、少し寒気を覚える。
「・・・その言い方だと、なんだか待っててくれたみたいにゃ」
情報は少しでも欲しい。俺はGMに返答し、会話をすることに決める。
「鋼が死にましたから。彼を倒すほどのイレギュラーならば部下では役不足。私が出るしかありません」
やれやれ、といった感じでGMが話す。
そこに鋼の死を悼んでいる様子はまるで無い。彼はただの手駒ということなのだろう。
少し不快だった。
「・・・別に私としてはお前に出て欲しく無いし、できるなら戦いたく無いにゃ」
それでも会話は続け、無駄だとは思うが一応聞いてみる。できることなら殺し合いはさけたかった。
「私も本当なら争いなどしたくありません。けれど、仕事でね。貴方が我々の仲間になるなら別ですが」
「断るにゃ。私は罪の無いヒトを殺す仕事なんか死んでもしないにゃ」
即効で断る。仲間の死をなんとも思わない連中と一緒にいたくないし、殺人の仕事なんてごめんだった。
「そうですか。それは・・・・・・・残念です」
俺が断るとGMは少ししょげてみせ、残念だ、というジェスチャーをする。
本当に残念がっているかどうかは怪しいものだと思う。
「大工房のヒト達はいったいどこに行ったにゃ?」
気になっている事を問う。もし彼らを人質に取られたりしたらマズイことになるからだ。
「貴方が来る前に転送の魔法を発動しました。大工房周辺で『止まって』いる生物は居住区の安全な場所へ自動転送済みです」
「理由はやっぱり・・・」
「そう、貴方との戦闘のためです。今回は『漂流物』を処分するために停止結界だけで再生魔法は発動していませんからね。
それに―――私の魔法は手加減というものができませんから」
GMが両手で印を結び、何かを唱えた。
ゴオオォォ!!
その途端、俺とGMとの間に巨大な火柱が出現する。
「うわわっ!」
俺は慌ててその場からバックステップで飛びのき、距離を取る。
突如出現した火柱は太く、さらに2階を超えるほどに高い。
「私が使う魔法は炎です。しかし、ただの炎ではありません」
火柱が唸る。曲がり、ねじれ、その姿を変えていく。
荒れ狂うその姿はまるで大蛇―――いや、伝説上の生物、龍だ。
「意思持つ地獄の業火よ。その姿をここに現しなさい、"炎龍"!」
GMが叫び、両手の印を切った。
『GRUAAAAA!!』
炎の龍が吼えた。大気がビリビリと振動し、俺を打つ。
叫びは巨大で威圧的、聞くだけで足がすくみそうになる。
それはもはや炎という存在を超えている―――生物の王、龍と呼ばれる存在だった。
「じょ、冗談じゃ無いにゃ!これは反則にゃ!!」
全長15メートルはある炎龍vs143センチの俺。
例えるならベヒーモスvsマンドラたん。もはや勝負どころの話じゃ無くなっている。
ちっぽけな剣とボロボロの盾を構えるが、どうにかなるとは思えなかった。
「仕様です」
GMがきっぱりと言い捨てる。
そして腰からジャッジソードを引き抜いて天高く掲げ、
「それでは―――良い旅を」
俺の方向に向かって振り下ろした。
『SHAAAAAA!!』
それを合図に炎龍が雄叫びを上げ、その体を曲げて俺の方へと襲い掛かる。
投下終了です。
赤い鎧のワンパターン化を防ぐために召還士風で出してみました。
GMにジョブってあるのでしょうかね。
>>199 レグナスさんへ。
バスを早く空けるため、先に投下しておきますね。
バルファルの事は了解しました。
戦闘にはお二人に参加していただきますので、バルファルのジョブとレベル、装備を教えてください。
213 :
既にその名前は使われています:2006/06/15(木) 19:08:10.98 ID:gH8aPt9N
火は水に弱い。
ウォータをつかうんだボーイ。
>>176 異変キタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!!
きっとジュノバザーもすごい甘い香りがしてるんでしょうね。いきたい・・・w
>>184 こちらもついに接触の予感。ついこの間までバスは平和だったのに(´Д⊂
>>196 熱い・・・熱すぎです・・・。二人の戦闘シーン、だれかフラッシュとかでアニメ化してくれないかな・・・w
>>212 「仕様です」がこんなに重い言葉だなんて・・・
では、投下します〜
「ひーーーろーーーーーさぁーーーーーーん!! ルーーーファスさーーーーーーーん!!!」
私は思わずヒロちゃんを見つめる。ヒロちゃんも顔を上げた。
「ヒロちゃん、今呼ばれなかった?」
「やっぱそうなのかな……」
彼女は声の主に応えるためか、面倒くさそうに重い腰を上げようとした刹那、
ものすごいスピードでチョコボが駆け込んできた。
その背中には不思議と女性的な印象がある金髪の通称カッパエルと呼ばれている、
硬い金髪を大きく広げたような髪型のエルヴァーンの男性が跨っていた。
「ヒロさん、無事でしたか! ルーファスさんは!?」
「…お前なぁ、普通あそこでシャウトはないだろ」
「しょうがないじゃないですか、二人ともtellしても通じなかったんですから」
tellが通じない?中にいると思われるルーファスさんはともかく二人ともって・・・。
ヒロさんにも通じない?不思議に思った私は少し首をかしげたままヒロちゃんにtellを送ってみる。
『ヒロちゃーん、ちょっといいかな?』
しばらく待っていたが反応はない。
『ヒロちゃんヒロちゃん、返事くらいしてよ〜。』
全く反応なし。本当に通じてない?そういえばユリさんもtell全く使ってなかったし、
もしかしてヒロちゃん、そしてルーファスさんとこのエルヴァーンさんもユリさんと同じ来訪者・・・?
そう思い、何事かを話していた二人を見上げるとエルヴァーンさんが無防備に見えない壁に向かって
なにかを喋りながらつっこんでいった。
「あぶな・・・」
ゴンとあまり聞きたくない音に思わず私は手で耳を覆って目をぎゅっとつぶった。そぉっと目を開けると、
案の定エルヴァーンさんは壁の前に座り込んでプルプルと小刻みに肩を震わせていた。
「だ、大丈夫ですか・・・?」
私は慌てて彼に駆け寄ってその顔を覗き込むような感じで見上げ、
彼の赤くなっている鼻にむかってそっと右手をかざすと、彼はその手をそっと彼の鼻からずらしながら
ケアル詠唱を自分で開始した。
「すいません、おかまいなく。」
そう言った彼の鼻の辺りを青い癒しの魔力が淡い優しい光となって包み込んだかと思うと、
真っ赤になっていた鼻はあっという間に元通りになった。
「…ところでヒロさん、こちらのお嬢さんは?
ああ、えーっと…私はフルキフェルと申します。」
金髪のエルヴァーンさんはしゃがんだまま微笑み、優雅に、そしてちょっとだけ芝居がかった感じで
一礼して微笑んだ。エルヴァーンさんは本当に何をやっても優雅でかっこいい・・・。
「白魔道士のユリフィナです。あなたもヒロちゃんと同じ赤魔導師なのね。」
私もヒーラーブリオーの裾を軽くつまんで少し腰を落として優雅にお辞儀をしかえして、ニコリと微笑んだ。
「まだまだ修行中の身ですけれどね。よろしくお願いします。」
そう言って彼は私ににこりと微笑み返した後、ヒロちゃんをそっと見つめ、口の中で何事かを言うと
ヒロちゃんの表情が渋いものとなった。一体何を言ったんだろう?
「ところで、」
彼が不思議そうにヒロちゃんを見つめ、ふっとその表情が真剣なものになった。
「この程度の術式、あなたなら解除出来たでしょうに。どうして中に入らないんです?」
ヒロちゃんが封印を解く事をやめた理由、それは黒い巨人には羽がある。
オルデール鍾乳洞には出入り口が無数にある。そしてその穴から羽で飛び立って逃げられたら打つ手がない。
じゃあ結界をそのままにして封印しておけばいい。そして、封印をとかずに、中の二人に黒い巨人を任せればいい。
こういう事だったらしい。
「中を二人に任せて良いという根拠は?」
フルキフェルさんが少しだけ視線を鋭くしたが、ヒロちゃんはそれを柳に風と受け流し、ニッと笑った。
「ないけどさ。そんな気がしないか?」
その答えに対してフルキフェルさんは感心したように、しかし力強く頷くだけ。
本当にすごい信頼関係だ。
にしても、ルーファスさんってどんな人なんだろう?ヒロちゃんの彼氏で、フルキフェルさんの・・・
んー・・・分からないな・・・。兄弟?親友?幼馴染?戦友?ライバル?
まさか・・・恋敵!?そうだ!これよ!!
きっと、昔、ルーファスさんとフルキフェルさんはヒロちゃんを巡って血を血で洗うようなドロドロな
恋愛模様を繰り広げたのよ!そして、その結果ヒロちゃんはルーファスさんを選んだ・・・。
しかし、その血みどろの奪い合いを通してフルキフェルさんとルーファスさんには固い固い友情が・・・。
そうよ!絶対にこれ!!
「本当に素敵ですね・・・。」
私がポーッと夢見がちにつぶやくと、フルキフェルさんが屈んで私に目線を合わせた。
「何がですか?」
ポーッとしたまま私は続けた。。
「その信頼関係ですよぉ。あぁ・・・私もヒロちゃんみたいになりたい・・・。」
フルキフェルさんは笑顔のまま、頭に?を浮かべてしばらくの間固まっていた。
「ユリフィナさんならきっとなれますよ。」
相変わらず頭に?をのっけたまま、ちょっと困ったようにフルキフェルさんは一度頷いた。
ってちゃんと説明しないと伝わらないか・・・。ああ!説明といえば!
「そうだヒロちゃん!」
「あ?」
今度はなんだこのドチビといった感じでめんどくさそうにヒロちゃんが私を見下ろした。
「最初からそういう風にちゃんと説明すればユファファだってあんなことしなかったよ!?」
私は両手を腰に当てて上半身を少し乗り出すような格好でヒロちゃんを見上げる。
「ああ、そうかもな。」
どうでもよさそうに答えるヒロちゃん。
「そうかもなって・・・ああもう!そもそも・・・」
突然、腹の底に響く轟音が私の言葉尻を奪った。それはまるで何か巨大な生物の歓喜に震える
咆哮のような、 そして、断末魔の悲鳴のような・・・。でもあの黒い巨人のものではない。
「ねぇ…今の、なに?」
オロオロしている私とは対照的に、妙に納得したように二人はうなづきあっていた。
「終わりましたね。」
「あぁ。」
終わったって・・・そんなのわからないじゃない!さっきの声はあの黒い巨人のものじゃないよ!
「な、なんでそんなことわかるの?みんなを呼んで逃げようよぉ・・・。」
私が目の前で揺れているヒロちゃんの尻尾を引っ張ろうと手を伸ばしたとき、
本道でボロボロになっている、口が達者な嫌な奴、もといいつの間にか真っ赤な鎧を身に着けたリードさんと、
真っ赤な竜をかたどった篭手をつけたエルヴァーンの男性、たぶんルーファスさんと思われる人が目に入った。
よかった・・・みんな生きてた・・・。私は思わずそちらに駆け出してから、慌ててクルッとターンをする。
そして口の横に手をメガホンのようにして当てて、ヒロちゃんに思い切り叫んだ。
「ヒロちゃん、よかったね! 彼氏さんも無事みたいだよ!」
照れ隠しに眉間に思いっきりしわを寄せるヒロちゃんにニコッと微笑みかけてから、
私はボロボロのユファファも真っ青な口が悪いリードさんの治療をしようとみんなのほうへと駆けていった。
ルーファスさんの治療は、きっとヒロちゃんの仕事だから彼にはしばらく痛いのも我慢してもらおう。
立っていられるなら致命傷はないだろう。
以上です。最近うちの娘が電波気味で必死に軌道を修正しようと苦戦していますが、
中の人も基本電波なのでどうしょうもありませんorz
PS:・・・下手な事を言うとバカだということがばれるので電池の話題にはもう触れません。
221 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/06/15(木) 20:33:24.00 ID:80J+GSzf
>>157 やべぇっすよ、怖えぇっすよ!
>>175 何が起こったのかtkwk!
[+]>ネコババですか。そんなことをしていいと思っているのですか?
>>179 あなたの歯ほど眩しいものはありませんよ?www
>>183 大工房からのエスケープミッションですね?!
頑張ってくださいぃ!
>>196 『超音速』
この響が好きなんです(*´д`*)
222 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/06/15(木) 20:34:58.25 ID:80J+GSzf
>>211 おー、その例えはわかりやすいです♪
って、そんな呑気な話しじゃねー!がんばれメキさん!
>>220 ご心配なく!僕の方が断然馬鹿です!(常識から考えて
余談ですが、食塩水に浸したティッシュをアルミ箔を巻きつけた炭素棒(木炭とか)に巻き、炭素棒とアルミ箔を電極にすると、微弱な電気バチバチなの
あと、柑橘系の絞り汁に異なる二つの金属片を入れて、それを電極にしても電気バチバチなのなの!
ってクピピが言ってました。
ヴァナでできそうなのはこれくらいかなぁ?
強酸とかなさそうだしw
また後ほど投下しますので、投下まちのかたドゾー
海にお財布落として、拾おうとしたら感電するのかな・・・
=== Area: Lower Jeuno ===
Aldo:…というわけだ。頼んだぞ。
--- in Aldo's Room ---
Aldo:事情は話しておいた。
何か解らない事があれば、このGarnevに聞いてくれ。
Garnev:さっきは済まなかったな。よろしくたのむ。
彼女は訝しげに目の前のガルカを見つめている。
自分に付くと言うボディガードは、先ほど店の入り口で
軽い口論をした相手だったからだ。
そのガルカから手が差し出される。握手でもするつもりなのだろう。
だが、彼女は差し出された手を無視し、
Aotsuki:…もっとマシな護衛は居ないんですか?本店とはいえ、
ただの店番なら、程度が知れているんじゃ…
Aldo:はっはっは、手厳しいな。だがGarnevは天晶堂で起こる荒事を
最前線で片付けてきた男だ。オレが保障する。
Aotsuki:でも……どうも信用が。
Garnev:意外と根に持つやつだな。だから謝っているじゃないか。
ここ最近、来訪者のおかげで、冒険者の動きも活発になっていてな
用心をしておかねば、ボスに何かが起こってからでは遅い。
ボスは敵の多い御方だからな。
Aldo:おいおい、いってくれるな。それに、Garnevには普段支店との
連絡役も勤めて貰っている。顔がきく、これほどの適任はウチには
いないんでな。
Aotsuki:………むぅ
頭では理解していても、心情的に納得がいかなかったようだ。
--- in Chocobo Stable ---
帽子だけ赤い羽根帽子を被り、白いローブに身を包む。
Garnev:お前さん、本当に多様な職を極めているんだな。
Aotsuki:…別に。仲間内だとこれ位当たり前だったし。
Garnev:ヴァナディールのか、それとも現実世界の、か?
Aotsuki:勿論…現実のね。
Garnev:にわかには信じ難い話だな。
彼女ら二人は、チョコボを宛がわれるまでの間、
こんなやりとりを交わしていた。
Aotsuki:そんな事よりさ、バストゥークまでなら、テレポルテして
コロロカからエスケプした方が早くないかな…
Garnev:それが出来れば良いのだがな。生憎とここ1ヶ月程度で
ルテのテレポストーン周辺にサボテンダーが異常繁殖している。
そいつらに絡まれて死者も既に何人か出ていてな。
死にたければ、行けばいい。俺もテレポルテなら会得しているしな。
Aotsuki:え”……え……何それ……?
Garnev:俺が知りたいくらいだ。だが事実は事実。
だからこうして陸路で行こうと言う話になっているんだ。
Aotsuki:だったら、飛空艇で…
Garnev:明後日までバストゥーク行きの便は欠航だ。
艇のメンテナンスとかでな。2日もあれば、
チョコボでもバストゥークには着ける。
Aotsuki:そ…それならテレポデムd
Garnev:3国周辺のテレポストーンは、今は何者かに破壊されていて使えないぞ
ウィンダスの連中が修理にあたっているようだが、
修復されるまで1〜2週間はかかる見込みだそうだ。
Aotsuki:/echo 何この御都合主義…
と、ぼやいている彼女。
どうしても納得がいかなかったのであろう
メニュー画面を思い浮かべ、白魔法の欄から1つの魔法を選ぶ。
Aotsukiは、Aotsukiにテレポデムを唱えた。
Garnev:無駄だ無駄だ。受信側のテレポストーンがなければMPの無駄使いだぞ
Aotsukiのテレポデムが発動!
→Aotsukiに効果無し
→Garnevに効果無し
Aotsuki:………【えーっと…】
Garnev:だから言っただろう、さぁ、馬鹿な事をやっていないで
チョコボに乗るんだ。
周囲がざわついている。少々人目を引き過ぎたようだ。
他の客や、チョコボ厩舎職員の視線が痛い。
彼女は耳まで真っ赤にさせながら、宛がわれたチョコボにまたがった。
== Area:Rolanberry Fields ===
デルフラント地方に属するフィールドエリア。ジュノに隣接する耕作地帯。
バストゥークに行くにはこの耕作地帯の先にあるパシュハウ沼を抜け、
高原地帯に出る必要がある。
と、いうおぼろげな記憶を引っ張り出していた彼女。
Aotsuki:…ロランなんか殆ど通らないからなぁ
耕地に出た直後にチョコボを止め、地図を取り出し、
そしてルートの確認をしている。
Garnev:そんなものは必要ないから仕舞っておけ。
俺が案内するのだからな
Aotsuki:え?…あ、うん…
彼女は地図を鞄に仕舞い、チョコボの手綱を引くや否や…
Chocobo:クエッ!!!
Aotsuki:ふぇっ?!い”…ぃっちょっ;
猛スピードで走り出すチョコボ。いや、チョコボにとってみれば
至って普通の速度だったようだが、彼女は振り落とされそうになっていた。
必死にチョコボの首にしがみついている彼女。
少々涙目になっているのがうかがえる。
Garnev:やれやれ…これが英雄無き時代の英雄とまで呼ばれた冒険者の今の姿か?
全く…先が思いやられるな。
Garnevは大きくため息をついた。
つづく。
231 :
既にその名前は使われています:2006/06/15(木) 21:24:37.98 ID:gH8aPt9N
チョコボ乗る時はダチョウ乗るときと同じ感覚でのるとうまくのれるっておばあちゃんが行っていた
皆様、投下乙でございます。
>>197 そう言っていただけるとありがたいです。
ルーファス氏の格好いいイメージを壊さないように気をつけながら書かせていただきます。
>>199 ((((゜д゜;))))
>>220 気分を害されてしまったようで・・・。申し訳ありませんでした。
>>221 亜音速、音速、超音速、亜光速・・・。インフレにならないように気をつけます。
>>232 いや、気分を悪くしたとかそういうわけではwww
ただ単に、モルとかイオンとか分からないで高校卒業しちゃったから
変なこといってドン引きされたらやだなぁっておもっただけですwwww
いや、ほんと化学とか物理とかよわいのでorz
禍神の腕を剣ごと噛み千切り、咀嚼し、飲み下す。おまけにゲップをひとつ。
龍の頭部は、何食わぬ顔でするすると元の篭手へと戻っていった。
目の前で噴水のように撒き散らされる禍神の血を、俺は頭から浴びたまま立ち尽くした。
深紅の血は、しゅうしゅうと染み込むように、また蒸発するように霧散していく。
身を支える力を失い、ぐらりと傾ぐ禍神の巨躯。
やがて地響きを立てながら、地に伏した。
なんというデタラメで、粗暴で、醜悪で、しかし愉快!
俺はタイガーに、そして彼のプライマルアーツに目を見張った。
タイガーはよろよろと立ち上がると、まだ足取りもおぼつかないままに近づいてきた。
彼が口の両端を上げ、ニッ、と笑う。
俺もかすかに口端を上げる。
絶対の死線をくぐりぬけた男同士に、言葉は不要だった。
「―――ENTER」
空間の片隅で、老人は微かな声を発した。
それは完了の定型句であり、始まりの宣言だった。
周囲の鍾乳石でできた壁や天井が、まるで砕けた飴細工のようにパラパラと剥がれていく。
剥がれ落ちた部分には、奈落へと続く漆黒の闇がのぞいていた。
まるで、今まで見ていたものこそ偽りだったのだと言わんばかりの光景だ。
―――ハーミットが空間を“書き換えた”!
倒れ伏した禍神を中心にして、ぐにゃりと歪んだうねりが同心円状に広がった。
禍神の体が、直下に生まれた“闇”に呑まれて沈んでいく。
そのすぐ横にまで来ていたタイガーが、その笑みを凍らせた。
抵抗さえできずに、足が、腰が、そして胴体までもがズブズブと虚無の海に呑まれていく。
タイガーが、どこか掴まるところはないかと力の入らない腕を伸ばすが、無駄だった。
右腕をだけ残し、すぐに彼の姿は見えなくなってしまった。
とっさに、空いていた左腕でタイガーの手を掴む。
この男は、ここで死んではならない。
この男は、ここで消えてはいけない。
「むぅぅぅぅん!」
腕に力をこめた。
自分の足場もすでに怪しい。足首はずぶりと闇に呑まれて踏ん張りが利かない。
それでもエルヴァーンの膂力は並ではなかった。
ゆっくりと、しかし力強く、タイガーの体をコールタールの海から引き上げる。
やがて肩が見え、そして真っ青な顔が水面に浮かんだ。
惚けたような表情で、タイガーは俺を見つめていた。
・・・悪いが、俺にソノケはない。
俺が好きなのはただ一人、メイミィ―――思考を停止させた。
ケガれた俺なんかが、慕っていい人じゃない。
恋焦がれる想いを口にして良い相手ではない。
想いを押し潰せ。心を殺せ。
闇から浮上したタイガーの向こう側に、片腕でもがき苦しむ禍神の姿が視界に入った。
真っ暗な虚無の海で、再生を続けながらこちらへと浮上しようとしている。
俺は残る力を振り絞った。タイガーの体を、まだ闇に呑まれていない背後の壁際へと投げ飛ばした。
引き換えに、俺の体は腰まで沈んでいた。
「これで・・・“終わり”じゃな」
ハーミットが、しわがれた声で静かに宣言した。
確かにその通り。
禍神と俺。世界の敵がいっぺんにこの世から消え失せる。
老獪な賢者の目論見は、これで達成される。
「タイガー」
俺は最後まで名乗り合わなかった戦友に呼びかけた。
「君はよく戦った。この空間は切り離されて奈落に落ちる。背後の隠し壁から脱出してくれ」
「バッ―――!」
馬鹿野郎、と言いかけたタイガーを遮った。
「時間がない! 行け!!」
「最後に、聞いておこうかのぅ」 ハーミットが白いあごひげをしごく。「“蜘蛛の糸”についてじゃ」
「ただのハッタリだよ」
俺は視線を下に向けながら答えた。
禍神が、沈んでいた俺の足首を掴んだ。
奈落の底まで、俺を道連れにしようというハラらしい。
「どこにでもある、ありきたりな感想。だが・・・俺にとっては・・・慟哭・・・かな」
ハーミットにうながされるまま、静かに、俺は胸の奥底に沈む思いを吐露していた。
「―――カンダタは地獄から抜け出そうと、目の前に垂らされた一本のか細い蜘蛛の糸を手繰った」
もしも、カンダタが後から来る者たちに「一緒に上がれ」と手を差し伸べていたら。
もしも、蜘蛛の糸に群がる亡者の中に「先に上がれ」と他人を押し上げる者がいたら。
たった一人でいい。
あの地獄に。
苦痛にうごめく何百、何千という亡者の中に。
たった一人でも、そんな「人間」がいたならば。
「決して、蜘蛛の糸は切れなかったんじゃないのか―――」
それは、俺の祈りだったのかもしれない。やるせなくて、憤ったのを憶えている。
気がつけば、肩あたりまで闇に呑まれていた。
「笑ってくれていい」
「・・・笑えぬな」
「この大馬鹿野郎―――!!」
すでに限界のはずのタイガーが駆け寄ってきた。
自分も足まで闇に呑まれながら、俺の腕を掴んで引き上げようと試みた。
「・・・よせ。君まで・・・奈落に堕ちてしまう」
いわんこっちゃない。
タイガーの腕には、もう力が入っていない。
それでも、掴んだ手を離そうとしない。
「おおぉぉぉぉぉ!」
タイガーの左腕から龍の尾が伸びた。
それは一直線にハーミットへと飛び、あっというまに老人の体に巻きついた。
俺を掴んだタイガーの腕が、ミシリ、ミシリと悲鳴を上げる。
「じぃさん、こっから脱出だ。もちろん三人でな!」
タイガーが叫ぶ。
「一人で逃げようとするんなら、その前にあんたの体をバラバラにしてやるぜ!」
ハーミットは老体にも関わらず、二人分の男と水面下の禍神に引きずられることなく、微動だにしなかった。
落ち着き払った態度で、タイガーを値踏みするかのように眺め回す。
「・・・問おうか」
ハーミットが厳かに口を開いた。
「フェイトは、赤い鎧は、おぬしの敵じゃったはず」
―――何故、助けるのか?
ハーミットはそう問い掛けた。
「あのまま逃げておれば、おぬしは助かった。それがどうじゃ。
敵であるはずの赤い鎧を助けようとして、おぬしまで奈落に囚われた」
答えよ、と老賢者が問う。
「ワシを満足させようなどと考える必要はない。どの道、おぬしらは此処でついえる運命。
言葉に飾りはいらぬ。偽りもいらぬ。さあ、答えよ」
241 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/06/16(金) 00:19:05.03 ID:wkDLlKrb
今夜の投下は以上です。
「答え」はルーファス氏に投げたいと思います。よろしくです。
>>233 了解しました。気にしすぎだったようです。
大変失礼致しました。
243 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/16(金) 01:18:57.86 ID:ZvyZ3hVo
>>ユリフィナさん え?新シリーズに当たって、
ゆりさんが真面目で怒りっぽくて、
ユリフィナさんがそれこそロックと二晩ほど己の職について語り合えるような職業意識の強い白魔道士にして、
聖職にあるまじきエロエロな妄想癖がある…と書き分けてるだけだとおもってましたよ。俺。
ユリさんは基本的にセクハラされるだけだったしねぇ。
>>リードさん 復活乙です。アレはロックの謎の夢ですので気になさらず。
あとカエルさんの帰還の魔法は「ブラザーオブグリム」にも出てきます。
時に、つかぬことをお聞きしますが、アビス様のフェイスタイプって何ですか?
イラストにしようと思ったらそこでおもいっきり躓いたのですが、
完全オリジナルグラでもいいすか?
>>243 アビスですか? タル♀2A、チョンマゲさんのフォモールです。
肌は陶器のように白くて、髪の毛も真っ白になっています。
装備は真っ黒。両目とも真っ赤。白目のところは真っ黒です。
フォモルは肌真っ黒じゃなかったっけ?
白髪・漆黒肌・金(黄)目だった稀ガス
白肌に赤目だと、クリスタルの戦士
もしマイナーチェンジ版だったら茶々入れしてスマソ
>>245 おっと。そうでしたね。
混同しておりました。ご指摘ありがとうです。
248 :
よんスレ352:2006/06/16(金) 04:20:41.45 ID:iLrKQUCl
壁|x・)ダレモイナイ トウカスルナライマノウチ
「…なんだってんだ…。」
僕の名はクルス・ルクスス。タルタルの赤魔道士だ。
「うー、これは大ピンチだよ〜…。」
で、ここで間延びした声を上げているのが僕のフェロー。お下げエル♀(金髪)モンクのアルミティ。
"あの一撃でダメージがないなんて…。"
この僕の頭上にふよふよ浮いているのは、ミスランメイド幽霊のクー・メルシア。ジョブはパラニン。
そして今対峙しているのが…。
「ふっはっは!その程度のチンケな攻撃など、蚊の一刺しほどのダメージもないわ!」
ご存じ、赤鎧。
なんでこんなことになってしまったのか…。
………そう、あれは三日前。
「さぁーめーきいったーまーちにーわぁーかーれをつげー♪」
「クルス、それなんの歌?」
「うむ、これはリアルの歌でな。伝説的ロックバンドの代名詞とも言える歌なのだ。」
「ふーん…。」
僕たちはそんな他愛の会話をしながら、どんぶらこっこと船の上で揺れていた。
今回の冒険の舞台はアトルガン!
「ぶわーーーー!ビリビリビリビリビリーーー!!」
や
「みんな、今日はビシージしてくれてありあぽー!!」で有名なあの場所だ。
(台詞はフィクションです。実際のアトルガンや関係者とは一切関係ありません。)
船が停泊してアトルガンに降り立った。これは良かった。
競売で買い物をした。ここでも問題はなかった。
モグロッカーとやらを使おうと思ったが、募金をしなければならないらしい。
これは問題だ。システムの改善を要求する。まあここまでは■にはよくあること。
一番の問題はここからだ。
ツンデレ臼として有名なミリアリアポー。ミリアリア・ポーと区切るとガノタだと思われるから要注意だ。
いや、僕は種否定派なんだが。
ともかく、僕は彼女の尻尾にじゃれてあそんでいた。
「やめろ。ボク、ツンデレ扱いするやつは嫌いなんだ。」
とか
「やめろ。ボク、尻尾にじゃれるやつは嫌いなんだ。」
などと言っていたが、僕は気にしない。何故なら、僕はミリの尻尾が嬉しそうに左右に揺れていたのを見逃がさなかったからだ。
ミリの尻尾が右にゆらゆら…。連られて僕が右にぱたぱた…。
ミリの尻尾が左にゆらゆら…。連られて僕も左にぱたぱた…。
……と。
突然ミリの尻尾がとまった。尻尾だけではない、まばたきも、呼吸までも…。
この異変に、クーとアルミティも気付いた。
「…これは、アレだな…。」
僕もクーも、一度この感覚を味わったことがある。
"……星天停止……!"
…いやいや。それどこのオーラン?
「なんだか不気味だよ〜…。」
クーが左手にジュワユースを持ち、前へ出るなと制するように横に構える。
同時に僕とアルミティはクーの後ろに回り込み、武器を構える。
…これは、合図だ。敵が来るという意味の。
僕たちがただの仲良し集団ではないことの証でもある。
「来訪者アルミティよ。STR魔法とやらで秩序を乱した罪で、お前を排除する。」
ヴン…!と目の前の空間が歪み、赤い鎧をまとったヒュームが姿を現す。
…ん?
「…お前、今なんて言った?」
「来訪者アルミティを排除すると言った。安心しろ、横のお前らも道連れだ。」
…え〜〜?
「えっ、えっ?」
"…アルミティちゃん、来訪者だったの…?"
そうなの…?
「ちっ、違うよ〜!!」
必死で否定するアルミティ。
"違うらしいよ。"
クーが赤鎧に向けて言う。
「あれ…?おかしいな。しかし、言われて見れば確かに雰囲気が違う…。」
あ、なんだ。びっくりした。違うのか。
"来訪者はこっちこっち。"
僕をつんつんとつっつくクー。
…って!ばらすなよオイ!
「…誰だ、お前。」
赤鎧が僕に話しかける。
「…ウィンダスの魔法剣士。名を、クルス・ルクススと言う。」
一応名乗ってみる。
「………。」
十数秒ほど、辺りを静寂が支配する。
「…えーっと、バストゥークの何でも屋?」
「…違う。」
…いや、赤タルで前衛サポってあたりは合ってるが。
「……複数サポの人?」
「……もっと違う。」
…種族からして違うんだが。
赤鎧はちらりと僕の剣を見る。
「………わかった、エンハンスソードの奴だな!」
「…そうだ。」
…僕ってマイナーなのか…?
「ヴァナキャラと魂が融合してるから放置して良いとバハムート様はおっしゃっていたが、そうはいかん!貴様が持つその剣は世界の秩序を乱す恐れがある!」
「…いや、この剣ただのエンハンスソードになっちゃったんだが…。」
僕はちらりと剣を見る。
「それは外見だけだ。お前がリアルで持っていた能力を発揮できるように、その剣も何らかのトリガーによって元の世界での力を発揮する。」
「…そうなん?」
僕はクーに話しかける。
"…知らなかった。"
「な…!?ブラストがいるからてっきり知っているものだと…!」
「ブラストって誰?」
"…ああ、私のフェイト時代のコードネーム。"
…そうなんだ…。
"…でも、こいつ誰だろ?私のコードネームを知ってるってことは結構近い位置にいた奴なんだろうけど…。"
クーは首をかしげる。
「…おいっ!俺のことを忘れたのか?!お前の元上司だぞっ!!」
さらに首をかしげるクー。
「これでもわからんかっ!!」
赤鎧はかぶっていた兜を外す。
かしげていた首を少しずつ戻していくクー。
"……………ああ。"
クーはぽん、と手を打つ。
"サーペント。"
「…やっと思い出したか。随分時間がかかったな。」
"お前、影薄かったから。"
さらりと酷いことを言うクー。
「…お前をフェイトに勧誘したのは俺だというのに…。」
ぶつぶつと独り言を言う赤鎧。
「なんでこいつを勧誘したん?」
ふと浮かんだ疑問を、サーペントとやらにぶつけてみる。
「超人的なまでに卓越した剣術を持っていたからだ。」
…あれ?
「…こいつ、僕と戦った時。スカスカだったぞ…?」
「それはそうだ。そいつが得意とするのは両手剣だからな。」
"…あの時はヒートだったし…。"
「ヒートやらなんやらで安定しない実力。加えてそのINTの低さから、卓越した剣術も持ちながらも爆弾持ちから昇進できなかった女。それがブラストだ。」
"……酷い。"
……色々あるんだな。
「さて、ブラストよ。お前にはチャンスをやる。」
"ん?"
「一度裏切ったとはいえ、お前の剣術は捨てがたい。どうだ?フェイトに戻り、そいつらの排除に手を貸すというなら命だけは助けてやろう。」
"……そんなこと言われても、もう死んでるし…。"
それもそうだ。
"それに私、ヒュームには興味ないし。"
「な…に…!?そのタルタルには興味があると言うのか!?」
ぽっと頬を赤らめてうつむくクー。
「くっ、お喋りはここまでだ!お前ら、覚悟しろ!!」
その鎧と同じ色をした剣を構える赤鎧。
戦闘開始か。
「覚悟って言うのは、犠牲の心じゃないんだよ〜。」
それまで黙っていたアルミティが口を開く。
…これは合図だ。
「…アルミティ、いつでもいいぞ。お前のタイミングでやれ。」
「わかったよ〜。」
「ん?」
アルミティの方へ向き直る赤鎧。しかし時既に時間切れ。
「いっくよ〜!ためため気孔弾〜!!」
アルミティのオーラが、剥き出しの赤鎧の顔面に直撃する!!
「ぶごぉっ!!?」
そして赤鎧は大きく吹き飛び…。
ズガーーーン!!
遠くの壁へと激突した。
よろめきながらも立ち上がり、兜をかぶりながらこちらへ歩いてくる赤鎧。
…この辺りから冒頭のシーンへつながる。
「ふっはっは!その程度のチンケな攻撃など、蚊の一刺しほどのダメージもないわ!」
…足元ふらつきながら言う台詞じゃないな。
「…どんなに堅い鎧でも、衝撃までは防げない。アルミティ、もう一度だ。」
…堅さでは衝撃を防げないからこそ、鎧の下にクロスアーマーを着るんだが。
「わかったよ〜!」
こいつには余計なことを言わない方がいいだろう。
「ええいっ、まずはお前からだ!クルス!」
赤鎧は僕に向かって剣を振りかざす!!
「クルス、あぶない!」
僕の前に踊り出るアルミティ!
そして…!
「ストンスキン!!」
アルミティは地面に向けて正拳を突き立てた!!
ズゴーーーーン!!!
「ぐあっ!!」
赤鎧の斬撃は大地の壁に打ち消された!
…これ、ストーンとどう違うのだろうか。
「こしゃくなぁっ!!」赤鎧はいきり立ち、アルミティに斬りかかった!「ファランクス!!」
ズドドドドドドド!!
アルミティは拳撃の嵐を叩き込み、斬撃を妨害する!
そして…。
「ぶごぁっ!!」
ズガーーーーン!!
再び衝撃で吹き飛ぶ赤鎧。
「ファランクスは弾幕って意味なんだよ〜。」
…いや、知ってるけどさ。
そして歩いて戻ってくる赤鎧。なんか情けない。
「…ふん、全く効かんな!!」
…えー。
「ストンスキンにファランクスだもん、ダメージあるわけないよ〜。」
…えぇーー。
"…まずは私からだね。"
そう言うと、クーはパチンと指を鳴らした。
と。
ォォォォォォォォォォォ…!
呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪…!
怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨怨…!
辺りに、大量のお化けが現れた!その数、ざっと70体!!
「な、なにこれっ!?」
"…大丈夫、安心して。仲間だから…。"
「う、うん…。」
…なるほど。クーが持っているのはカンパニーソード。
仲間が多い程威力を増すというわけか…。
"…赤鎧、覚悟…!"
クーはゆらりと揺れ、赤鎧に斬りかかった!
心なしかお化けたちも応援しているようだ!!
「ぐっ…!!」
赤鎧はカカッとバックステッポで回避を試みるも、クーの剣から発生した衝撃破にあえなく吹き飛ばされる!!
そして…。
ズゴーーーーーン!!
三たび、壁に激突する赤鎧。
情けなくこちらへ歩いてくるのもさっきと同じだ。
「…全っ然痛くないからな!!」
…その兜からしたたってる赤い液体はなんですか?
"…まさか、効いていないなんて…!"
…いやいや、どう見ても効いてるから。
「よーし、次は私の番だよ〜!」
アルミティの緊張感のない声が響く。
「XY下上〜!!」
…ああ、僕はこの技を知っている。
アルミティは赤鎧をつかんで、ぴょーんとジャンプする。
そして…。
「メテオストライク〜!!」
ズガーーーーーーーン!!
「ぐぶっ!!」
そしてアルミティはマウントポジションに持ち込んで…。
「サブミッション!!」
おー、入った。逆十字。
「ぎぃやあああああ!!」
ぎりぎりと、締め付ける音が聞こえるようだ。
「ターップ!タァァァアップ!!!」
アルミティは赤鎧を解放した。
「……痛くもかゆくもないわっ!!」
…あんた、もう腕上がってないじゃん。
「まさかサブミッションも効かないなんて…!」
「アルミティ、アルミティ。」
僕はアルミティをちょんちょんとつっつく。
「な、なに?」
「なんで逆十字解いたの?」
「タップしたからだよ〜?」
「タップしたってことは、効いてるってことでしょ?」
アルミティとクーは、ぽんと手を鳴らす。
「ぐっ…!ばれてしまっては仕方がない?」
…いや、僕にはバレバレでしたが。
「エクスカリバー・ルージュ、完全解放…。ナイツオブラウンド!!」
赤鎧の周囲に白い球体が浮かびあがる!この技は…!
"…まずいね。"
「ハッハハハ!!まとめて塩にな……。…ん?」
不意に、赤鎧の体が宙に浮く。
…いや、その表現は正しくない。頭をつかんで持ち上げられたんだ、アルミティに。
「エンストーン!!」
「ぷげぁっ!!」
ズガーーーーーーーン!!!
赤鎧は地面に叩き付けられ、頭から刺さった!同時に白い球体も消えていく…。
「ぐっ、まだだ!」
頭を地面から引っこ抜いた赤鎧が言い放つ。
「ナイツオ…。」
「エンストーン!」
ズガーーーーーーーン!!!
さっきと同じことが起こった。
「に、二回も攻撃するなんて卑怯だぞ!!」
「う〜、そんなこと言われても、格闘は元々二回攻撃なんだよ〜…。」
そもそも、戦場において卑怯などという言葉は存在しない。
「うわぁぁぁぁああ!!」
赤鎧はやぶれかぶれになってアルミティに斬りかかる!
「わわっ!ぶ、ブリンク!」
ドゴッ!
アルミティのチョップが赤鎧の首筋に叩き込まれる!
「げむっ!」
スカッ!
「ブリンクっ!」
ドゴッ!
「げぶっ!」
スカッ!
「ブリンクっ!」
ドゴッ!
「ぐぷっ!」
そして偶然発動した蹴撃がズガッ!と命中し…。
ズゴーーーン!!
またまた壁に激突する赤鎧。
「…今の、どの辺りがブリンクなんだ…?」
「んと、脳しんとうを起こさせて、分身が出きてるように見せるんだよ〜。」
…一体スタンとどう違うのだろうか。
さて、いい加減僕も戦闘に参加しよう。
そして、僕はエンエアロを唱えた。
と。
ずごぉぉぉぉおおおお!!!
「おわぁっ!?」
剣を中心に、巨大な竜巻が起こる!
「な、なに!?」
"…その感じ、この世界のものじゃない…!"
「くっ、エンハンスソードが覚醒したかっ!」
"…あー、あれが覚醒なんだ。"
…エン系魔法をかけると覚醒するのか…。まあ、エンハンスソードだしな。
っていうか…。
「の、のんきなこと言ってないで、助けてくれ〜!」
…竜巻がでかすぎて、バランスが取れないんだが。
「ちっ…!退却する!!」
"…クルス!早くその竜巻を赤鎧に…!"
「む、無茶言うな!立っているだけで精一杯なんだ!」
赤鎧の体が徐々に紫の光に包まれていく…。
「逃がさないよ〜!」
と。不意に僕の体が宙に浮いた。
「え゛」
そして、僕の体は僕の意思に反して、赤鎧にむかって飛んでいった。
あ、回りの建物が縮んで見える…。
ちゅっっどーーーーーーーーーん!!!
…正直、ちゅの辺りから意識がない。
わかることは、生きているということだけだ。
「…ん。」
「あ、目をさましたよ〜。」
"…赤鎧はお星様になったよ…。"
とりあえず勝ったか。
…ていうか。
「おほん。」
「ん?」
僕は、一呼吸おく。
「僕を投げるんじゃねーーーー!!!」
「えっえっ!でもでも、エル♀スレのおっきい人が、タルタルは投擲武器だって言ってたよ?」
「だからって、無断で投げるな!」
…いや、一言断ってもダメだが。
"…それより、あれ。"
「ん。」
クーが指差した方向を見ると、赤い剣が刺さっていた。
「赤鎧の忘れ物だよ〜。」
…ふむ。
「…もらっていくか。」
"そだね。"
とりあえず僕は競売に向い、アップルパイを購入した。
そして、心なしか尻尾がしょんぼりしているミリのところへ行く。
「ミリたん〜。」
「だまれ、ボクはミリたんって呼ばれるのは嫌いなんだ。キミなんかどっか行っちゃえ。」
そう言いつつも、さみしかったのは尻尾を見れば確定的に明らか。
「ほら、これあげる。」
僕は、ミリにアップルパイを渡した。
「いらない。ボクは物で釣ろうとする奴は嫌いなんだ。」
口ではそう言っているが、尻尾は正直だ。
みんなでアップルパイを食べ、適当に尻尾にじゃれ、気が付いたら日が暮れそうになっていたのでミリと別れた。
帰り道、ふと疑問に思ったことをクーに尋ねてみた。
「…なあ。あのお化けたち、どうして停止した空間の中で動けたんだ…?」
クーは立ち止ま…というか、空中で停止し、少しうつむきながら言った。
"…あれは、志半ばで倒れた来訪者たちなんだよ…。"
「…そうか…。」
夜の風が、いたわるようにそっと僕たちの頬を撫でた。
279 :
よんすれ352:2006/06/16(金) 04:59:51.33 ID:iLrKQUCl
はい、クルス・ルクススの冒険。
第二章・ぼくたちはぼうけんしゃにゃ〜でした_(._.)_
りーどさんみたいなダークヒーローにもるーふぁすさんみたいな正当派ヒーローにも、
さんさんみたいな電波にも、ろっくさんみたいなふにゅ?にも、
めいみぃさんみたいな健気キャラにも、ゆりひなさんやひろさんみたいな萌えキャラにも、
れぐなすさんやふるさんみたいな策士キャラにも、れっぷさんみたいな美学キャラにもなれないので、
僕の「ぶっちゃげ主人公よりヒロインが強い設定に萌える」という作風にもとづき、
ギャグキャラに仕立てあげてみました_(._.)_
サーペントが弱いのではなく、みんながマニュアルにない動きばかりするので本来の力をほとんどだせなかったということで一つご理解を。
あと、ろっくさんとふるさんの情報が漏れていますが…。
これは、サーペントもスレを見ていた、ということで納得いただきたいです。
どーでもいいけど、ありあさんとうちのアルミティってちょこっとかぶってるよね。
お下げえるめすで、モンク謎サポ。はっ!もしかして姉妹!?(何)
で、テンプレをば。
PC(仮)名:クルス・ルクスス/中の人:よんすれ352
種族フェイス:
クルス→タル♂F8a
アルミティ→エル♀F4a
クー→ミスラF6a
ジョブ&Lv:
クルス→赤75/暗37
アルミティ→モ(不明)/謎
クー→ナイト75/忍37(幽霊)
特記事項:呪われている。たぶん。D値102の異世界のエンハンスソードを所持。フェイトからエクスカリバー・ルージュをぱくった
活動エリア:ウィン→ジュノ→ウィン→次元の狭間→ウィン→アトルガン
あらすじ:朝おきたらタルタルだった!来訪者だとばれたらやばい、とりあえず隠す!
色々歩いてたら他の人のデジョン痕から次元の狭間に落下!
黒マントのクーと出会い、死闘の末友情とか色々めざめる。しかし次元の狭間からぬけだした割と後、赤鎧との戦闘にまきこまれ、クー逝去!
悲しみにくれていたら幽霊になって復活!元祖エアリーシリーズをまとったアルミティとも合流!アトルガンへれっつごー!
他キャラとの接触: りーど
独自レギュレーション:モンクは楯であり矛です(ぇ)
281 :
既にその名前は使われています:2006/06/16(金) 06:57:51.69 ID:ZvyZ3hVo
これはひどい
…が。それゆえに面白い。
復活おめw
282 :
レグナス ◆/abMGvkWxE :2006/06/16(金) 07:01:36.28 ID:57gTGu8Z
>>212 せっかくだしバルファルについてまとめてみました。
タルタルF2a(ボサボサ赤毛)の熱血男です。
レグナスとは対照的に、考えるより先に手が出てしまう子。
戦闘スタイルは「猛攻タイプ」でレベルは65。具体的なジョブはレグナスも知らない。戦士?
武器はサーメットランス、防具はラプトルジャーキン系で固定させてます。
あらゆる武器を装備でき、全てスキルA+の青字。(基本的には実際のフェローそのままの特性)
283 :
既にその名前は使われています:2006/06/16(金) 07:01:53.40 ID:ZvyZ3hVo
そういえばロックって昔はシ/赤だったらしいし、
今の弟子(バスのNPC、Tamiの息子)は侍/赤ハイブリットだし、
モ/赤のアリアとは案外関係あるかもしれないなあ。
284 :
既にその名前は使われています:2006/06/16(金) 07:07:57.86 ID:ZvyZ3hVo
>>282弓が装備できるから普通のフェローよりずっと優秀。
それいったらラディールはブラインとイレース使えるけど。
切り札はやっぱりブレストオブレイディアンスですか?
可愛い萌え樽♂で強いのはたまらんですなーw
…ゲームでは使えない技だけど、小説に出すとスゲー強い能力だなブレストオブレイディアンス。
主人公がピンチになってフェローがタゲ取ると連続かつ無制限で凶悪な衝撃波が発生するのか。
フェローの一番スゲーところは強化された盾のダメージカットがアホホド発動するとこだと誰かが言っていたけどどうなんだろうなぁ。
285 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/06/16(金) 07:14:23.56 ID:wkDLlKrb
おはようございますage
強力なフェローうらやましいなぁ。
リードのところでは戦力にならなくて、召喚しても深い悲しみに包まれてしまいます。
フェローもNPCなので、“赤い鎧”の絶対結界内では時間止まってしまうのです。
286 :
既にその名前は使われています:2006/06/16(金) 07:21:27.08 ID:ZvyZ3hVo
>>285 おはようございます。りーどさん。
そんなときはスルメを食わせるんだ。マジお勧め。これで勝つる!
アビス様かこうとしたら尻尾にじゃれ付くクルスたんもいいなぁと思う俺。
悩むなぁ。
287 :
既にその名前は使われています:2006/06/16(金) 07:51:33.94 ID:QnpZ34xL
寝てたらメイン来栖君来てタワー!!
288 :
既にその名前は使われています:2006/06/16(金) 07:56:24.84 ID:QnpZ34xL
STRツヨスwww
>>281 楽しんでくれたようで何より。今までこーゆー路線の人がいなかったのが素で疑問だったりする。
サーペントはサーペントって名前ついてんのにクーにすら赤鎧ってよばれてたり、戦闘シーンではクルスは剣構えてエンエアロして投げられただけと言うことにも注目していただきたい。
現在のパーティ編成は、ボケサポ脳筋(アルミティ)・ボケサポ脳筋(クー)・ボケサポ突っ込み(クルス)です。
>>286 絵に夢を求めるならクルスはかかない方がいい。所詮はミスラとエル♀が好きでFF11はじめたような奴。
みりたんをかく口実がほしいなら、どんとこい!
>>287 きちゃいました_(._.)_
いまだにけーたいで地味にぴちぴちと執筆してる状況ですが。
>>288 STRが強いんじゃない、脳筋が強いんだ。そもそも脳筋とは脳みそまで筋肉でできているということ。
即ち筋肉で思考しているということ。筋肉で思考できるということは、手足を含めた全身で思考できるということ。
思考と行動が一つとなり、最強に見える。
逆にタルタルで全身脳みそにすると柔らかすぎて死ぬ。
290 :
既にその名前は使われています:2006/06/16(金) 08:37:01.50 ID:ZvyZ3hVo
実はミスラには興味があまりない。残念だったな!
リアルエルメスの皆様。ファンレターはよろしく。
>>279同じふにゅ?でも誰も萌える奴がいないのは確定的に明らか。
リード氏やメィミィ氏の書いたロックのほうが可愛いぞ!
すんげーワケわからん喋りが可愛い<リード版ロック。
そしてさりげなくヒロが萌えキャラ認定されている不具合について。
あれですな。609氏も悪乗りしてメイド服着せたのがここまで後引くとは思わんかったでしょうが。
私は無理やりバスから本国に帰すギミックで出したスルメが気がつけば最強食事になってたり、
NPCが食ったらフェイトの時間停止に対抗できたり、何度も何度もねたに使われたりと大人気で困る。
291 :
既にその名前は使われています:2006/06/16(金) 08:42:38.56 ID:ZvyZ3hVo
元祖ってことはアルミティってサンドリアンだったのか。
防御紙だけどフェローならどの道関係ないしいいか。
強力なヘイストとリフレで固めたアルミティに敵は無し。
エアリーシールドとエアリーソードって本来、
「物理法則上存在しない」んだよね。
プラスチックとクリスタルとガラスでできてるから。
で、魔法が切れると速攻壊れる。シンプルな機密保持機能だ。
292 :
既にその名前は使われています:2006/06/16(金) 09:08:09.09 ID:Vu90jCml
>>279 STRストブリファラキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
次はSTR召喚魔法?w
にしてもまさかアリアとアルミティが姉妹だったなんて・・・w
ちなみにアリアは謎サポじゃなくてサポ赤ですよーw
>>291 ×フェローだし関係ない
〇ストンスキンとブリンクとスタンとファランクスと受け流しで無効化するから関係ない
フェローも普段は普通に冒険者してて、クエやミッションをやってるってことで。
それで戦績集めて交換したとかしないとか。
この辺りは割とゆりひなさん設定ですな。
アルミティは他の二人より一人歩きしてるから、僕でもよくわかりませんわ(コラ)
ちなみにエアリーソードとシールドは使ってませんわ。まあ見ればわかるか。
しかし、最後の「お化けたちは志半ばで力尽きた来訪者」って下りでちょっとノスタルジックな雰囲気を出そうとしたのに、
その前があんまりにもグダグダなせいでただの設定の後付けにしか見えない不具合について。
…もうちょっとギャグの方向を見直そう。
今のままだと笑いは笑いでも失笑な気がする。
294 :
既にその名前は使われています:2006/06/16(金) 09:23:42.69 ID:ZvyZ3hVo
だがそれがいい。
>>292 はい、STRファラブリスキきちゃいました_(._.)_
なお、あの中で最初に思いうかんだのはSTRエンストーンだったりします。
理不尽に相手を地面に叩きつけるのがビジュアル的にツボりまして(←変な人)
ちなみに一番最初にうかんだのはSTRエンファイアでしたが、名前だけでネタバレでなーんの面白味もないので没りました。
もうサポ黒でもなんでもないので(STR白魔法と言いつつ全部赤専用魔法だし)サポは謎ってことにしときました。
サポ赤じゃ、ほんとにありあさんとかぶっちまいますし。
>アリアは謎サポじゃなくてサポ赤
世間ではそれを謎サポと(ry
アルミティも、クーのことをお姉様と呼ぶあたり、そっちの気がありそうな気がします。
はっ、とするとアルミティの父親はオスラさん!?もしかしてひろさんやさんさんの子ども!?!?
…妄想はこのくらいにしておきます。はい。
296 :
既にその名前は使われています:2006/06/16(金) 10:19:19.01 ID:xHq/C4/p
STRリバイアサン
対象の手足を力任せに引き千切り、リバイアサンのような姿にする。
手足のないモンスターには効果がない。
STRブレイズスパイク
頭から発火薬をかぶる。下手をしなくても自分も傷つく。
玄人にもお勧めできない。
STRめったうち
そのまんま
297 :
既にその名前は使われています:2006/06/16(金) 10:21:10.30 ID:ZvyZ3hVo
>>295逆を考えるんだ。サポじゃなくて両方メインだと。
実際フェローはALLスキルAでしかもイレースない白と同等の能力を装備とアビ除けば持っている。
追加ダメージ18のエンファイアかかった拳で殴り、ディスペバインドケアルできるモンクを想像するんだ。ボーイ。
追加ダメージ18のソボロ助広ぶん回す侍を想像するんだ。
前者はともかく、後者はちょっと弱そうだが。
298 :
既にその名前は使われています:2006/06/16(金) 12:20:29.24 ID:QnpZ34xL
STRリヴァイアさんマジカワイソス
皆様投下おつかれさまです。
アルドは黒幕じゃなくてよかったですのう…
全ジョブゲーム内と同じように動けるべく鍛え直すってどんな荒行だ!?
レグナスさん急げ! メキさんがカリカリにされてしまう前に!
ロックさんとカエル。リードさんはカエルになっても渋いってどうなんですか。ねぇどうなんですか。
リードさんとルーファスさんの二人は…もう言葉が出ないくらいかっこいい。
どうすればいいんだ。ハーミットの爺ちゃんは耳かっぽじって彼の言葉を聞くがいいさ!
ティアラさんって、頭レリック持ちとはかなりの凄腕だったのですね…
そしてヒロさんとユリフィナさんの後追いだったわけですが、
二人を生意気だったりかわいく書けてるかどうか不安な今日この頃です。むずかしいよーw
クルスさんおかえりなさい。
STR白魔法…黒もすごかったけどこっちもワロタww
STRブラインは紐切りでおkですね! あ…これ黒魔法だ。
ではぼちぼち投下参ります。
今はなんか胸にニセ乳入れてるみたいだけど、本当はオスラなヒロさん。
恐らくはこの白さんにさんざっぱらいじられたのだろう。
しかしユリフィナさんってどっかで聞いたことある名前なんだよなぁ…どこでだっけなぁ。
タルタルの命名則に従わない名前だし、うーむ、この辺まで出かかってるのに、もどかしい。
それはそれとして、今はルーファスさんの事だ。
私が今し方顔面をぶつけた壁は、よーく見てみれば術式の構造自体は単純な障壁。
ディスペルで解除もできるだろうし、何でやらなかったの?
私は素直にそんな疑問をヒロさんにぶつけてみた。
「ルーファスのアレは障壁を消さずにすり抜けた。でも、おれ達は障壁を消さない事には中に入れない」
アレっていうと…プライマルアーツのことか。
「それはどういう意味なんだろう、って考えたんだ。そしたら、あの巨人には翼があるって言うじゃないか」
――なるほどねぇ。奴らも一応、押し掛けてきたなりにやることはやる気って訳ですか。
飛空挺の限界高度を超えて飛べるような相手だとするなら、その翼を封じるのは利に適ってます。
近くもなく遠くもない場所から、"僕"がそんな感想を述べる。確かに応龍とかも、飛ぶと怖いですもんね。
そして件のそいつはここから取り逃がしたら最後、神出鬼没に世界中を周って災いを振りまき始める、と。
「確かにこの障壁を消しちゃまずいですね。飛んで逃げられたら、私たちでは打つ手がない。
出口で抑えられればいいですけど、オルデールには出入り口が沢山あるようですから」
もっとも、意気込んで出向いてきた王立騎士団の皆さんが全員衰弱待ちしていたような状況を考えると、
ここにいる戦力で抑えられるかどうかは…大いに不安だけれども。
――というか、多分無理ですね。だからこそ、あの篭手がルーファス殿を引っ張っていったんでしょう。
フルさんよ…そんな無理ってばっさり言い切らなくても。
それにしても、そのプライマルアーツがすごいと言っても、二人だけでどうにかなるんだろうか?
そもそも中にいるもう一人って誰なのか…記憶を辿り、今外にいた人たちと照らし合わせる。
装備が一人だけ場違いだった、宰相様曰く来訪者のリードさんがここにはいない。
えーとその名前は覚えがあるぞ? ウィンダス手の院で暴れてた人!
ナイトっぽいけど詳細不明なんですよねぇ…
「となると、中の二人に任せるしかないという訳ですか…」
気が気でない私とは裏腹に、ヒロさんは妙に落ち着き払っている。
なーんか、悔しいかも。
「…中を二人に任せて良いという根拠は?」
「ないけどさ。そんな気がしないか?」
にっ、と笑いながらそう答えるヒロさん。
こういうのって、あれか。男の友情。そういう顔されると、くやくやと悩む自分がバカみたいです。
私も少しは見習って、楽観的に、信じてみますか。"人間には、運命を変える力がある"でしたっけ?
歩み続ける意思がある限り、どんな絶望的な状況をも、彼らはひっくり返すのだろう。
スレで読んだ台詞、いや、誰かがかつてこの地上で語った言葉を思い出しながら、私は頷いた。
と、足元からなにやらうっとりとした気配を感じた。
「本当に素敵ですね…。」
下を見ると、ユリフィナさんが両手を合わせてくねくねしながら夢見がちな眼差しを宙に彷徨わせていた。
「何がですか?」
しゃがみ込みながら、一応尋ねてみる。
「その信頼関係ですよぉ。あぁ…私もヒロちゃんみたいになりたい…」
ヒロさんみたいに、ねぇ。男同士の信頼関係に憧れるのはいいんだけど…
クネクネしながら願うような事だろーか。まあ、変な事を言って水を差すのもアレかなぁ。
「ユリフィナさんなら、きっとなれますよ」
タル白で女の子だからって、そういう熱い関係の友達ができないなんてことはないだろうし!
何か微妙にかみ合っていない気がしながらも、私は月並みにそう彼女を励ましてみた。
と、ユリフィナさんは何かを思い出したかのように、ぱちんと手を叩き、ヒロさんの方に向き直る。
「そうだヒロちゃん!」
「あ?」
何だその態度悪い返事はw と心の中でだけ突っ込む私。
「最初からそういう風にちゃんと説明すれば、ユファファだってあんな事しなかったよ!?」
「ああ、そうかもな。」
私が来る前に何があったのやら、ヒロさんの所業を咎めるようでもあり、
心配するようでもあるユリフィナさん。対するヒロさんは何だかどうでもよさそう。
堪えてなさそうな彼に、さらに説教をするべく口を開きかけたユリフィナさんの追撃は、
しかし突如響き渡った咆哮に遮られた。
自然にヒロさんと目が合う。足元ではユリフィナさんが突然の事にオロオロしていた。
「終わりましたね」
「あぁ」
早朝に私をたたき起こした気配の主の、その勝ち誇ったような叫びといったら。
ふと、かすかに空間が揺らぐ。
振り向くと、そこにはズタボロになりながらも、運命を覆し、
絶望を叩き潰してきたふたりの男の姿があった。
衰弱が解けたと思しき騎士達やタルさん達に囲まれる彼らへと、
ユリフィナさんが走っていきかけ、途中で止まってくるりと振り向く。
「ヒロちゃん、よかったね! 彼氏さんも無事みたいだよ!」
その声につられてヒロさんの顔を見ると、またみるみるうちに渋い顔になった。
「……彼氏。ルーファスさんの事ですか?」
「そうらしい」
地を這うような声。ユリフィナさんがうっとりしてたのって…ははぁ。謎は全て解けた。
「そういう関係でしたか」
「お前ハイスラでボコるわ」
いや冗談ですよ。時すでに時間切れとか言ってズタボロにされた金髪の河童にされるわけには。
振り上げられるこぶしから頭を庇おうとしたところで、クルル、とチョコボの鳴き声がした。
いつの間にか現れた逞しいチョコボが、鎧を纏わぬ騎士――リードさんをその背に乗せて、
どこかへと駆け去ろうとしていた。周囲にそれを見とがめる者は、いないようだった。
できれば色々と話を聞きたかったんだけど、急いでるならしょうがない…かな?
――彼もまた、世界に必要とされている。…羨ましい限りですよ。
またそうやって、思わせぶりな台詞を吐くなぁ。
「私たちも行きましょう。早くルーファスさんと合流して戻らないと、日が暮れてしまいます」
早いとこルーファスさんの傷を癒しにいかねば、と私は横道を出ながらヒロさんを振り返った。
やること半分ほっぽらかしてこっち来ちゃったし、留守番のマルトさんとラディールさんも心配してるかも。
しかし、ヒロさんはそんな私の提案に、首を横に振って応えた。
「フルキフェル、お前はルーファスと合流してホラに飛んでくれ。そこからチョコボを借りた方が早いはずだ」
「ヒロさんはどうなさるおつもりです?」
荷物や装備を身につけ直しながら、ヒロさんも隣にやってくる。
ボロボロの割に元気そうなルーファスさんの姿を見やって、呆れたような、安心したような表情を見せた。
それから、キッと表情を引き締める。
「エルリッドが、バストゥークにいるらしいという情報を得た」
「!」
風呂掃除してたんじゃなかったのか…いつの間にそんな情報を。
お爺さんが早めに帰ってきてたとかかな?
でもそれなら屋敷にいたはずだし、二人も伝言を頼んでバスに乗り込んでそうなものですが…
「それならルーファスさんにも伝えないと…っていうかいつの間にそんな情報拾ったんですか」
「詳しくは言えないし、罠かも知れない。だからおれは、それを確かめに行こうと思う。
二人は一度サンドに戻って、裏を取ってから来てくれ」
罠ならなおさら単独行動は危ない…というのはヒロさん自身も承知の上なのだろう。
私の返事を待たず、崖上へと上がるべく歩き始めた。
「ルーファスさんに挨拶くらいしていかないんですか?」
「…柄じゃない」
肩越しにこちらを振り返って寄越した返事は、何かの照れ隠しのように聞こえた。
と、ヒロさんを一人で先に行かせる事になるなら、渡さなきゃいけないものが。
「ヒロさん、ちょっと待ってくださいな」
ポケットに突っ込んだままだった時計を取り出し、袖口で汚れを拭って、ヒロさんの前に突き出す。
汚れは最初の印象とは違って、小さなガラス片のようになってパリパリとはがれ落ちた。
「正式な許可はもらえなかったんですけど、返してもらってきました」
「これ…あの時計か!?」
「ちょっとベルトが欠けちゃってますけどね。文字盤は無事だったんで…」
ヒロさんの手に戻った腕時計は、相変わらず超のんびりと一秒一秒を刻んでいた。
ふっと、意識が途切れかける。
「というわけで、金輪際僕に足を向けて寝ないように。あと代わりにあの小銭何枚か貸してくださいな」
ちょwwwwwいきなりなんて事を言い出すんですかwwwwww
その横柄な二言分を言いっぱなしにされて、私は体の自由を返された。ああほら、ヒロさんびっくりしてるから…。
「ええと…気にしないでくださいね。でも硬貨はちょっと分けてもらえると助かります」
それから私はなんとか黙って出て行こうとするヒロさんを、
無理矢理ルーファスさんの所まで引っ張っていった。
柄じゃない、とか言った割にはやっぱり言いたい事がちゃんとあったんじゃないですか。
王国の人たちは時計の構造よりも時計に使われている成分の方に興味があるようだったので、
時計のベルトだけちぎって持って帰れないかな、と(フルさんが)提案したけれど、
できなくはないだろうが、何かの間違いで本体まで壊れるのは避けたい、ということで
結局そのままヒロさんに持っていってもらうことになった。
「白銅とチタンじゃ、用途も価値も全然違うもんだろうが…大丈夫なのか?」
「どうせヴァナに存在しない物質じゃ再現しようがないでしょうし、
リアルの品が持ってる対GMもどき能力っていう観点から、なんとか、説得してみます」
そんな事をルーファスさんに心配されながら、リジェネとケアルで少しずつルーファスさんの傷を癒す。
ユリフィナさんがなんだかヒロさんの事を気遣わしげにしていたけれど、
ここで何かまたややこしいことになるのもめんどくさくてイヤだったので、私は気づかない振りをした。
「じゃ、こちらの用事が済んだら、ルテ経由ですぐに追いつきますから。
それまで、絶対死にそうになったり、死んだりしないでくださいね」
「別に、そこまで深追いするつもりじゃねーから、まあ心配すんなよ」
地面から立ちのぼる光の向こうで、ヒロさんがにやり、と笑ってみせる。
――女神よ、どうか彼をお守りください。
彼がつぶやいた祈りの言葉と共に、テレポホラは発動した。
ここまでです。
ユリフィナさんかわいいよユリフィナさん …下手にいじれないですorz
全国○万人のユリフィナファンにごめんなさい。
というわけでヒロさん、何の役に立つかは分かりませんが時計お返ししますw
小銭何枚かもらいますね〜(主に百円玉?)
ルーファスさんのクライマックス演出が終わらないうちにサンドへの帰還体勢を取ってしまったわけですが。
サンド内では別行動、待ち合わせてこちらが白73にチェンジ→コロスケで移動、って流れを予定してます。
AotsukiさんのSS内で何か物騒なものが大量発生していたようですが…はてさてw
それでは、わっふるわっふるです。
>>307 (´・ω・`;)勝手に3国周辺のテレポ石ぶっ壊しちゃったんで、
ホラのみ使える描写をこちらでしておきます。申し訳ない
あー、何か気を使わせてしまって申し訳ないです(´Д`;)ヾ
時系列(と言ってもかなり適当なもんですが)を仮定して、
三国テレポ石が使用不可になったのはラテの件のちょい後と思えば大丈夫かな…と。
ウィンに帰れなくなる人がでたりリードさんをラテに拾いに来れなくなっちゃったりしますからねw
ほんとにフェイトって連中は碌な事しませんねw
310 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/06/16(金) 16:27:19.32 ID:zaJwIMGN
>>223 二種の金属でイオン交換反応が起こるのは、酸性のみ。
海水は中性だから_
>>230 チョコボ怖いですね
もっとも、ウィンダスに引きこもって黒装束とチーチーパッパやってる私には不要ですがっ!
>>241 あー、カッコいいですよ!チクショー!
ルーファスさんマダー?(チンチン
>>279 笑い死ぬかとオモタwwwwww
STR黒魔法ツヨスw
>>307 別角度からのユリフィナさんとヒロさんですかw
ユリフィナさんが変わってるwww
「物理法則を書き換える。これは容易なことではない。」岩を投げつけたり、水をぶつけたりしてくる。寸前で交わすが、戻ってくるので被弾はかなり多く、既に傷だらけであちこち痛むが、ケアルをしている時間がない。
「私は考えた。この世界の法則を生み出したのは何か。」また巨大な岩の塊を投げつけながら黒装束が言った。
「重力と磁力。………っ!」飛んできた岩を横に跳躍しながら言う。強力な武器はないため、未だにオニオンスタッフだ。余計なことを言っている間に小石が後ろから襲ってくる。
「間違ってはいない。物理法則は重力や磁力によって生み出されるものが多い。」今度は空中に氷の塊を生み出し、一直線に投げつけてくる。
「だが、それはあくまで『リアル』のことにすぎない。どういう意味かわかるか?」
《ブリザド急発生。回避軌道修正。》
「知るかよ!」今度はちゃんと修正された軌道で交わし、一瞬のスキを突いて初級ケアルを自身に施す。
「ヴァナディールでは、物理の他に『魔法』という理論が存在する。そこには原子や分子の他に別の物体が存在する。」後ろから飛んできた何かが頭に直撃し、一瞬よろけるがすぐに立ち上がる、一瞬の油断が命取り。
「そこには、質量保存の法則はおろか、熱力学法則も関係しない。」
《ファイア急発生。冷却開始。》
いきなり炎が足元から立ち上る。ギリギリでブリザドを自分に入れ、なんとか炭化を防ぐ。
「エネルギー保存の法則にも、エントロピー増大も心配ない。
考えてみてくれ。魔法の呪文を唱えれるだけで急激に温度が上下したり、岩が現れたり。」
「うるさい気が散る!話し掛けるな!」
《攻撃感知。3時、9時の方向から同時接近。》
片方の攻撃は回避し、反対側はストーンをぶつけて崩す。破片が飛び散るが、直撃よりマシだ。
「ほら、今のも不思議だろ? 君のストーンの岩は何処から来る? 終わったら消えるが、どこに?」言われてみればその通りだ。魔法の源はわからない。質量保存の法則が働いているとすれば、いきなり岩や水が発生するわけはない。
とすれば、魔力を使おうとしない黒装束の攻撃は、確実にいつか尽きるはずだが………
「………わかっているのかな? 長期戦になればなるほど君は不利だ。そろそろ決着をつけようじゃないか。」さらに数回攻撃をやり過ごしたとき、黒装束が言った。
確かに不利だ。MPはほとんどカラで、ダメージも半端じゃない。
『形成逆転』は、無理かも知れないが…………
314 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/06/16(金) 16:33:31.55 ID:zaJwIMGN
以上ですが、一回目は読み直したら俺の怒りが有頂天だったので消してしまいました。
随分と時間かけたのに、まだコレだけかと思うと深い悲しみに包まれて頭がおかしくなって死にます。
わっふるわっふる!
乙です(`・ω・´)ノ
>290
キャラはともかく書いてる方は面白がってますからw
>295
パパって呼んでもいいわよ?(*´ω`*)
>307
つか、偽チチなんか入れてんすかw 何のためにwwww
小銭の件了解です(`・ω・´)ゞ
>308
こっちはこっち、あっちはあっち、と割り切った方がいいですよ〜
勿論合わせる書き方もアリだとは思うんですけど、それで書きたいように書けなくなるのもお互い不幸でしょうからw
で、短く投下します。
柄じゃないのが柄じゃなかったらしい。
おれは半ば引きずられるようにルーファス達の元に連行された。
おれは顔もろくに見ないで、
「おつかれ」
と手を振った。
ユリフィナとフルキフェルが呆れ顔になり、そして多分ルーファスもそんな顔をしてたんだろうな。
じゃ、そういう事で、と踵を返す。
「こちらの用事が済んだら、ルテ経由ですぐに追いつきますから。それまで、絶対死にそうになったり、死んだりしないでくださいね」
「別に、そこまで深追いするつもりじゃねーから、まあ心配すんなよ」
身を案じてくれるフルキフェルに、根拠のない約束を返した。
フルキフェルがテレポホラの詠唱を始める。ホラまでの目的地は一緒だけど、いつまでもつるんでるのも気持ちが悪い。黙ってそれを見送る。
おれは数奇な運命を辿って再びおれの手に戻ってきた時計を、その代償に減ってしまった小銭の代わりに袋に放り込んでクレヴァスの出口を目指した。
小銭に関して用途のあてがなかった訳じゃないが、欲しかったのは重さだ。ニ、三枚の硬貨と引換えたのだから、その点でこの交換は得をしたと考えていい。
ったく、柄じゃねえつってんだろがよ。とんだ時間の無駄遣いだぜ。
口を突いて出た悪態の割に、悪い気はしなかった。
日が西に傾き始めたラテーヌを歩く。
一度通った道を東へ。あの時は、ジャグナーからの帰途は、本当に惨めな気分だった。
相手と自分の血で汚れた陣羽織を着て、みっともなく剣を振り回しながら歩いていた。
あの時は全ての風景が、遠い世界の事のように思えた。冷たく、残酷で、敵意に満ちた世界だと感じた。
だけど、あの時と大差ない惨めな格好だけど、ラテーヌの風も、遠くに望む山並みも、今は綺麗で清々しい。
同じもののはずなのにな。
何故だろう、とふと思う。
自信?
それもある。クレヴァスから這い上がる時、行きに押し通った騎士に呼び止められたが、例の「近衛騎士である」で事なきを得た。
昔のおれなら情けない顔で押し黙って、武装解除された挙句ボストーニュ監獄あたりで尋問を受けていたかもしれない。
でも、何より……
おれはこちらで出会った仲間たちの顔を思い浮かべた。
モーグリ。ナナコ。ルーファス。フルキフェル。あとはユリフィナ達一行もまぁ、仲間と言えば仲間なのかな。
仔細はこの際いい。おれは一人じゃない。リアルに帰る方法はまだ見当もつかないけど、ひとまずやる事もある。
早くバスに行かなきゃな。いい加減モーグリの奴、痺れを切らしているはずだ。
ナナコにも会って謝ろう。そりゃ共感できない部分はあるけど、あいつはテンパったおれの戯言に黙って付き合ってくれた。
一人バスに向かう事にしたのは、女の子みたいに生還を待ち望んでいたルーファスに顔を合わせるのが決まり悪かったというのもあるけど、あいつらに早く会いたいという気持ちがあったからなんだ。
ひたすら東を目指してラテーヌを歩く。
まずはホラの遺跡だ。あそこでチョコボを借りよう。
こちらの通貨はまだよく分からないが、面倒になったらルーファスの真似をして「釣りはいらない」とでも言えばいい。
匂いと風景を楽しみながら、時々巨大な綿毛に煩わされながら歩いていると、背後からドッドッと蹴爪の音が聞こえてきた。誰かがチョコボに乗っているようだ。
珍しくもない。飛空艇に乗るまではジュノに行くのにこれしか足がなかったし、飛空艇パスを手に入れてからも何かとチョコボの世話になる機会はあった。
飛ぶように走る飛べない鳥をやり過ごしながら、帽子の鍔に手をかけ軽く会釈をする。チョコボにはミスラが乗っているようだ。
と、騎手はおれの姿を認めて手綱を引き、通り過ぎかけたチョコボを止めて向き直った。
「あら、あなた……」
聞き覚えのある声。台詞まで一緒だ。おれは顔を起こして、騎上のミスラを見上げた。
ハエ・ジャッキヤ。ブブリム生まれで、AH協会に務めてるという、あの変な女だった。
ああ、と適当に挨拶を返す。この女は正直苦手だ。
「ああ、じゃないわ。わたしに変な事教えたでしょう。通りすがった人に教えてもらったからいいけれど、すごく恥ずかしかったのよ?」
だけど、ハエはおれを解放してくれる気はないようだ。どうにも機嫌が悪いらしく、手綱を掴んでいない方の手を腰に当てて、怒りを主張した。
「変な事?」
なんだっけ、と思う。
「ソコワラメエ」 恥ずかしいのか、小さく口に出す。
思い出した。そういえばそんな事言った…というか、言わせたっけ。
「何でも、あなた達の故郷の言葉らしいじゃない」
言いながら、チョコボを降りる。
まぁ、故郷の言葉と言えば故郷の言葉だけど……。
ハエがどこか怪しい笑みを浮かべながら、そろそろと歩み寄り、おれの正面に立った。
「……でもね、あなただったら、ダメなところなんてないのよ?」
はにかみ、おれの胸の辺りを指でぐりぐりと押す。
こいつ、意味まで知ってるのか。
「誰に教わった! そいつはどんな奴だった?」
おれは反射的に大声を上げていた。間違いない、そいつもリアルから来た"来訪者"だ。
「ちょっと…… 痛いわ、放して」
気がつけば、おれはハエの両肩を強く掴んでいた。
手短に詫びてハエを解放すると、彼女は両肩を抱くようにさすりながら、その"来訪者"について教えてくれた。
「それを教えてくれたのは、イッチというミスラだったわ」
彼女も氏族を名乗らなかったという。当然だ、リアルのおれ達に氏族なんて存在しない。
「それでそいつはどこに?」
「ジュノに行くとは言っていたけど…」
肩をすくめ、羨ましそうに苦笑する。
「恋人が頑張ってるから、自分も頑張るんですって」
ジュノか…ちょっと遠いな。会ったからといってどうなるという訳でもないだろうけど、機会があれば話をしてみたい。
ニートのおれとじゃ重なる話題なんてないだろうな、でもリアルを共有する人間に会いたい。
会った事もない奴なのに、十年来の親友みたいに恋しく感じた。
「ねえ、私の決め台詞は無視して、違う女の子の事に夢中になってるわけ? 私、すごく勇気を出して言ったんだけど」
不機嫌そうに頬を膨らませて抗議する。
「あ? 悪い、聞いてなかった」
もういいわ、と諦めたような顔で、ハエが肩をすくめた。
「で? ヒロはこんな時間チョコボにも乗らずにどこまで行くつもりなのかしら」
話題を変えられる。
「バストゥークまで」
「一緒だわ! 素敵ね、ここであなたに出会えた運命!」
ついでに勝手に盛り上がる。あのな、お前チョコボに乗ってるだろ。
「歩いてバストゥークまで行くつもりなの? 何日かかると思ってるの」
最近、色んな奴に呆れられている気がする。
「……ホラまで行って、そこからチョコボを借りるつもりだったんだ」
「なら、問題ないわね。ちょうど私も、ホラの遺跡まで届け物があったの」
そう言うと、待たせていたチョコボの背に括り付けられた荷物をごそごそ動かして、その背に飛び乗り、
「どうしたの? さあ、乗って」 自分の後ろ、丁度一人分空いた鞍を叩いて、さも当然の事みたいに言う。
こいつと旅をするのと、歩いてバスまで行くののどちらがましだろう。おれはそんな事を、一瞬本気で考えた。
以上です(`・ω・´)ノ
旅行記っぽい話をずっと書きたかったので、しばらく移動の話になります。
先行したはずなのに、コロスケと比べると後から着きそうな予感wwwwwwwww
>>321 イッチの恋人っていったらやっぱりリードさんかな?
メイミィがジュノについたらリードさんとイッチとに鉢合わせる予感…修羅場?(´・ω・`)
リードさんがメイミィを好きだと思ってくれてることに小躍りしてましたが
ただでは済まなさそうですね(;´д`)ビクビク
323 :
既にその名前は使われています:2006/06/16(金) 18:29:19.68 ID:gC3XXoBf
みんな話しつくってくの上手やな
何か読みやすいで
俺は自分が書いてみたの読み直したら
一体何を書いてるんだってなるのに
リードたんやルーふぃあすたんはせんとうとかこまかす
読んでておれの脳みそがオーバーヒートしそうになってk重
>322
そうかもしれないし、そうではないかもしれないです(`・ω・´)
自分の方では風説以上の彼女のエピソードを直接書く気はないので、誰かが書いたらその通りなのでしょうw
自分的には、イッチの方がそう思ってるとしても一方的なだけなんだろうなぁ、とw
325 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/16(金) 19:15:22.24 ID:ZvyZ3hVo
あ"メィミィさんいた。すいません以前いってた外伝(一部改変)が上の謎の夢です。
夢の解釈としてはカエルが黄泉路に行く男を助ける・・・というのはどうでもいいとして、
カエルにキスさせたり、かってにミスラとの侵食が進んでる扱いにしたりですいません。
326 :
既にその名前は使われています:2006/06/16(金) 20:48:29.41 ID:9R65Bs52
全員文才が凄すぎる・・・
俺には妄想が限界だorz
感想ついでにホシュホシュ
皆様、投下乙でございます。
オルデール組は、ルーファス氏にガツンと一発キメていただければ、全員合流と相成りましょう。
イッチに関しては、あれ以来ご本人様が見えられないので物語には登場させていませんでしたが、
ジュノに向かっているとは意外な伏兵ですね、メイミィさん。
誰がリードを起こしてくださるのか、楽しみではありますが・・・。
328 :
既にその名前は使われています:2006/06/16(金) 21:51:15.00 ID:gC3XXoBf
>>327 メールランがsageになってたりなにもなかったりKabutoってはいってたりいろいろかわってるのは
なぜどうしたんだぜ?
329 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/06/16(金) 21:57:15.82 ID:wkDLlKrb
330 :
既にその名前は使われています:2006/06/16(金) 22:01:06.96 ID:gC3XXoBf
そうなのか!!
理解したんだぜ!!
でも良くわからないんだぜ
331 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/06/16(金) 22:02:56.98 ID:7VLM2vLI
みなさん投下乙でございます…
>>327 ガツンと決まるかどうか分かりませんが、一応続きを投下します。
(243)
疲れでボーっとしていた頭は、赤い鎧に壁に投げつけられたことで一気に眼が覚めた。
改めて赤い鎧に向き直ると、既に腰まで黒い空間に沈みこんでいる。
「これで・・・終わりじゃな」
顎鬚の老人が静かに呟く。赤い鎧も特に慌てた様子はない。
「タイガー、君はよく戦った。この空間は切り離されて奈落に落ちる。背後の隠し壁から脱出してくれ」
馬鹿野郎、と叫びかけた俺を赤い鎧が手をかざして制す。
「時間がない! 行け!!」
なんなんだコイツは… 最初からその黒い空間に落ちるつもりだったのか?
「最後に、聞いておこうかのぅ。 …“蜘蛛の糸”についてじゃ」
「ただのハッタリだよ」
何の話をしている?
身体にはまだ力が入らない。俺はただ、叩きつけられた壁を背にして2人の話を聞くことしかできなかった。
「どこにでもある、ありきたりな感想。だが・・・俺にとっては・・・慟哭・・・かな」
(244)
「カンダタは地獄から抜け出そうと、目の前に垂らされた一本のか細い蜘蛛の糸を手繰った」
蜘蛛の糸というのは、どうやらあの蜘蛛の糸の話らしい。
お釈迦様が気まぐれで垂らした蜘蛛の糸を上って地獄から這い上がろうとした盗賊の話だったか。
「もしも、カンダタが後から来る者たちに『一緒に上がれ』と手を差し伸べていたら。 もしも、蜘蛛の糸に群がる亡者の中に『先に上がれ』と他人を押し上げる者がいたら」
赤い鎧は、上を見上げながら話し続ける。まるで時間が止まったようだ。
ただ、ゆっくりと沈んでいく様子だけが進み行く時間を告げている。
「たった一人でいい。 あの地獄に。 苦痛にうごめく何百、何千という亡者の中に。 たった一人でも、そんな『人間』がいたならば… 決して、蜘蛛の糸は切れなかったんじゃないのか」
そう言うと、赤い鎧は静かに目を閉じた。
「笑ってくれていい」
「・・・笑えぬな」
コイツの言う地獄とは何だろう。
今いるこの世界の事か、さっきの禍神とかいうのと戦う事か。あるいは、『フェイト』という組織の事か。
この赤い鎧は、そうやら話の筋から言うと救われたい側の人間のようだ。
俺はため息を一つして、無理やりに壁から飛び出していた。
(245)
「この大馬鹿野郎―――!!」
一番腹立たしいタイプの人間だ、コイツは。
信じてるだけで、声も上げずに何かが都合良く助けてくれる訳がないだろう!
「・・・よせ。君まで・・・奈落に堕ちてしまう」
もう遅い、と言う代わりに口元だけ笑って見せた。
俺はどうやって壁からここまで来たのか、と思うほど身体に力が入らないのに気がついたのは、そのすぐ後だった。
腕を掴んでみたものの。それ以上引き上げることができない。足は早くも黒い部分に沈みつつある。
咄嗟に、左手の龍の尾に目をやる。これなら ───
左手を振る抜くと、細く長い龍の尾が鞭のように顎髭の老人に巻きつく。
「じぃさん、こっから脱出だ。もちろん三人でな!一人で逃げようとするんなら、その前にあんたの体をバラバラにしてやるぜ!」
ハッタリに近いが、この黒い空間を発生させたのがこの老人ならこれ以外に方法もない。
老人は特に抵抗をする様子でもない。余裕って訳か…
「・・・問おうか」
老人が静かに口を開いた。
(246)
「フェイトは、赤い鎧は、おぬしの敵じゃったはず」
今更それを言うかよ…
「あのまま逃げておれば、おぬしは助かった。それがどうじゃ。敵であるはずの赤い鎧を助けようとして、おぬしまで奈落に囚われた」
老人の言葉が空間で不自然なほど響き渡っている。もしかしたら、あそこに見えているのは本人ではないのかもしれない、と思った。
「答えよ。ワシを満足させようなどと考える必要はない。どの道、おぬしらは此処でついえる運命。言葉に飾りはいらぬ。偽りもいらぬ。さあ、答えよ」
「…なんか、あんた勘違いしてるな。俺が探してるのはコイツじゃないぜ。勿論あんたでもない」
とりあえず、本音って事ならこういう事になる。
「黒髪のヒュムでな、こう…妙な風の鎧を纏った野郎だ。俺はそいつをぶちのめして、盗られたもんを取り返したいだけだ。あんた知らないかい?」
遠目にも老人が含み笑いをしているのが見える。どうやら、すぐに見捨てる気はないらしい。
「『フェイト』を憎む理由なんざ俺には今の所ないな。そんなもんは抜きにして、こいつは俺を助けた。ならこいつを俺が助けるのはそんなに不自然か?」
(247)
「…ちなみにな、カンダタってのは蜘蛛を助けたわけじゃない。客観的に見りゃ何もしなかっただけだ」
昔読んだ『蜘蛛の糸』の内容が、まだ頭にこびりついていたらしい。
「なら、お釈迦様ってのはどうして糸を垂らしたのか、考えたことがあるかい?」
若干だが、沈む速度がゆっくりになっている気がする。この老人の所業なのか、それともそういうものなのかは分からない。
既に腰まで身体は沈んでいるが、もう少し話すことができそうだ。
「人を殺して盗みをしても、カンダタってのは生命の価値を見失わなかったんだな。だから蜘蛛を踏み潰さなかった。だったら…」
だからこそ、俺を助けた。多分、外にいた連中を逃がしたのもコイツの手引きだろう。
そう思ったから、結局俺はこうするしかなかった。
「今この場で、コイツに蜘蛛の糸が垂れても良いんじゃないか?」
そう言って、改めて老人を見る。
だんまりを決め込んではいるものの、口元が笑っている。
図らずも俺は。この赤い鎧の『蜘蛛の糸』になってしまった。しかも、切れるかどうかは人任せときている。
何をやってんだかなぁ、と頭を掻きたいところだったが、両手が塞がっているので大人しく老人の返事を待つ事にした。
337 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/06/16(金) 22:12:06.79 ID:7VLM2vLI
以上です。
熱血系で熱く行くのもどうかと思ってこうしてみました。
久々にちょっと悩みましたw
では、皆様わっふるー
>>325 いえいえ、登場させてくださってすごく嬉しかったです!
よん?なメイミィは正直自分でもちょっと可愛いと思いましたw
ミスラは恋するとあんな風になっちゃうのか…( ・ω・)
>>327 むむ。イッチには負けないぞぅヽ(`Д´)ノw
ルーファスさんかっこいいなぁ。オルデール組(・∀・)イイ!!
バス組も(・∀・)イイ!!皆さんかっこよくて惚れ惚れ。
大量投下しますー。
旅はいたって順調だった。
特に何も起こることはなく、のどかな風景のサルタバルタを抜け、荒野が広がるタロンギ大峡谷を通り、
日がすっかり暮れてしまう頃にはメリファト山地の中ごろにまで辿り着いていた。
何者かが近づいてきてもすぐわかるように、ほどよく見通しがよい手ごろな場所にキャンプすることにした。
火を焚くのは目立つかもしれないと思い迷ったが、メリファト山地は夜になるとかなり肌寒く、
そのまま眠ると逆に体力を消耗しそうなので、結局火を焚いて交代で見張り番をすることになった。
そういえば、チョコボを降りたのにゲームの中のように走り去って行ったりはしないようだ。
当然のように近くにあったサボテンのような植物にチョコボの手綱を結びつけるトトを見て、
これはゲームじゃない、現実なんだと本当に今更ながら実感した。
2人と2羽で火を囲み、モグが持たせてくれた食事を分け合って食べる。
キャンプっぽくて楽しいなと思う反面、いつ敵が襲ってくるかわからないという緊張感を持ち続けてもいる。
敵を倒すことに迷いはない。生き延びて現実の世界に帰るためには通るしかない道だ。
もし実際に獣人と戦うときが訪れても、この思いは消えないはずだ。大丈夫。
「ねぇ、そういえばメイミィって出身はどこなの?」
「えっ…と」
トトに唐突に質問される。すぐには答えが浮かばず、馬鹿正直に答えてしまいそうになった。
「あいt…じゃなくって、ウィンダス」
…多分。と心の中で付け加える。
「……じゃ、家族もウィンダスにいるの?家族構成は?」
不審に思ったのか、彼女は矢継ぎ早に質問してくる。
「…うぅ…」
思わず唸る。わたしは嘘がつけないタイプなのだ。
そんな風に次々と嘘をつかなければいけない質問をされてしまってはもう答えきれない。
「…ごめん、わたし、来訪者なんだ。だから“メイミィ”のことはよくわかんない…」
「そっか、やっぱり!僕、来訪者の人と話すの初めてだ。最近増えてるみたいだけど」
トトは来訪者の話にかなり興味があるようで、初めて来訪者と会話できることに嬉しそうにしている。
早速、元の世界の質問をしてもいいかと聞かれたので、快諾した。
質問に答えることでリアルのことを忘れていないか再確認してみよう、そう思った。
「へぇー、じゃあ、メイミィがいた元の世界って魔法がないんだ?
それで機械が発達してて、リンクパールみたいなものや乗り物なんかも機械でできてる、と」
信じられないといった感じで、トトが確認してきた。わたしは頷く。
「面白いなぁ、ぜんぜん違うんだね。…あ、メイミィにはそっちの世界での名前があるんだよね?
よくわかんないけど、今のメイミィはメイミィであってメイミィじゃない…って話だし。
これからは元の世界の名前で呼んだほうがいいのかな…?」
「もうメイミィで慣れちゃったでしょ?そのままでいいよ」
トトにリアルのことを教えながらも、色々なことをちゃんと覚えているか頭の中で確認した。
わたしは自分の名前をちゃんと覚えていた。出身地も、家族構成も、好きだった歌も、テレビ番組も。
リアルのことで忘れていそうなことも今はまだ特になさそうだった。それが確認できれば十分だ。
しばらくはリアルの話で盛り上がっていたが、トトは突然悩んでいるような表情で黙り込んだ。
「どうしたの?」
「…メイミィはヒミツを教えてくれちゃったし…僕も教えるべきかなぁって」
あけっぴろげに見えるトトに秘密なんてあったのか、と驚く。
それと同時になにを秘密にしているのか興味がわいた。教えてくれるというのなら拒む理由はない。
トトはたっぷり3分ほど逡巡したあと、覚悟を決めたのかこちらを真っ直ぐに見つめて話し始めた。
「実は僕、男なんだ」
「えっ?」
何を言っているのかすぐには理解できなかった。だってこんなに可愛いのに、男って?
「信じられないなら」
トトはそう言うとわたしの手を引っ張り、自分の胸に当てさせた。
確かに、触らされて初めて気付いたが、胸は膨らんでいない。その代わりに、男性のそれである硬い胸板があった。
ゆったりしたクロークやパジャマを着ていたせいで、胸がないことにはまったく気が付かなかった。
そういえば一度抱きつかれたこともあるし、男性だと思えば説明がつくような行動をしていたことがたくさんあったのに、
どうして今まで気付かなかったんだろう?
「…だましてたみたいでごめんね。
メイミィが僕のことを女の子だって信じきってたみたいだからなかなか言い出せなくて…。
ミスラの男は本国以外で暮らすことを許されてないから、女の子に見えるようにしてたせいなんだけど」
「あ、有り得ないよー!」
だってこんなに可愛いのに!と、わたしは首をぶんぶん横に振った。
「そう言われると、褒められてるはずなのになんか複雑。だって僕、男だもん。……嫌いになった?」
そう言って、叱られた子犬のような顔でこちらをじっと見つめてくる。
「え?嫌いになんてならないよ、隠してたのは事情があるんでしょ?でもほんとにびっくりしちゃった」
「…ほんと?よかった……メイミィ、好き」
トトはわたしの返答を聞くと、本当に安心した様子でぎゅっと抱きついてきた。
好きと言われて抱きつかれ、心臓の鼓動が強くなった。男だと知った途端どきどきするとは、わたしの心は現金だ。
「ちょ、ちょっとぉ!」
わたしは慌ててトトを引き離す。
どうして離すの?とちょっぴり不満そうな表情をしているトトを、軽くにらみつけた。
「男の子だって知っちゃったし、そんなことされたら困るの!」
「そっかぁ、残念…」
言わなきゃよかったかな、という小さな独り言が耳に入ったが、聞こえなかったことにする。
その後も少しだけ話をしたあと、夜も更けてきたので交代で眠ることになった。
僕はいいから先に寝てと言い張るトトに根負けし、何かあったらすぐ起こすように告げて、
トトの言葉通り先に寝かせてもらうことにした。
実に半日以上チョコボに揺られていたため、予想以上に疲れがたまっていたようだ。
わたしはすぐに眠りに落ちた。
夢を見ていた。
朝起きたらカエルになったリードさんがモグハウスにいて、どうにか元に戻すために
便利屋さんだと名が通っている"P"さんという人に依頼して、四苦八苦しながらも
結局リードさんに出会うことができる、とかいうなんだかよくわからない夢。
あぁ、夢の中でだけでもリードさんに会えて嬉しいです…やっぱりかっこいい…。
そんな幻の幸せに浸るわたしを、何者かが世界を揺り動かして妨害する。
「…ん……?」
「…て…!メイミィ、起きて…!」
揺り動かしていたのはトトだった。急激に夢の世界から現実へと意識が引き戻される。
「…!どうしたの?」
トトは明後日の方向を見つめたまま、小さく震えている。
視線の先を見ると…嫌な笑みを浮かべたヤグードが、2匹。
「よくのん気に寝てられたなァ」
バグナウを腰に吊ったヤグードが言う。
「まったくだ」
両手刀をぶらさげたヤグードが応える。
そして2匹のヤグードはぎゃぎゃぎゃと下品に笑い合った。
「ナリだけは凄腕の冒険者のようだが、俺たちの近づく気配にも気付かねェようじゃ大したことねェだろなァ」
「金目のもん置いてくか、ここで死ぬか選びな」
完全にこちらをなめきっているようで、2匹の様子は隙だらけだ。
……わたしはやれる。大丈夫。
「バカにしてられるのも今のうちだよ。…間抜け面して地面に這いつくばりたいのならかかってきなさい」
立ち上がりトトを護るように前へ出て、刀を両手に構える。
右手には、謎のミスラから受け取った赤く透き通り淡く光を発している短刀を握っている。
どんな性能かは結局まだわかっていない。が、どちらにしろ実戦で試してみなければいつまでたってもわからない。
わたしはやれる。大丈夫。
「言ったなァ、今更命乞いしたって遅ェぜェ!」
わたしの言葉に激昂したヤグードたちが、それぞれの獲物を構えて迫る。
わたしは懐に忍ばせておいた忍術の触媒の中から紙兵を一枚すばやく取り出す。
そして念じる。
――【空蝉の術:弐】。
術はほどなく完成し、わたしの周りを4体の幻影が取り巻いた。
直後襲い掛かったヤグード2匹の攻撃を幻影が受け止めて消える。
「空蝉か!」
両手刀を持ったヤグードが苛立たしげに吐き捨てる。
さらにぶんぶんと刀を振り回してくるが、どれも見切ってひらりとかわした。
太刀筋が見える。これがミスラの高レベル忍者の眼か。
刀を避けながら、バグナウを握ったヤグードに向けて捕縄の術を使う。
ヤグードは幾つもの鉤縄に体を絡めとられ、目に見えて動きが遅くなった。
「くそっ!」
侍らしきヤグードが刀を大きく振りかぶった隙に、左手に逆手に持った短刀で羽毛に覆われた腹を深く切り裂く。
「ぐ…ぁっ」
苦しげな声を出して、ヤグードはそのままゆっくりと崩れ落ちた。
「くッ…寝てるときゃめちゃくちゃ弱ッちそうだったのに…まさか本当に強いとは…」
仲間があっさりと倒されたのを眼前にしたヤグードは、戸惑いを隠しきれない様子だった。
奴は体はこちらに向けたまま、視線だけを動かしている。
視線の先には……トト!
「危ないっ!」
わたしは強く地面を蹴って走り出し、トトに迫るヤグードの拳を右手の刀で受け止める。
刹那、攻撃を受け止めた赤い短刀が常に発していた淡い光を突如強めて、結界のようなものを形作り
わたしとトトを包み込んだ。
これは……?もしかして、これが、護るための力?
結界が、ヤグードの拳をはじき返す。
「なッ…!?」
ヤグードは幾度も拳を繰り出すが、すべて結界に当たるとばちんという音を立ててはじき返されてしまう。
「嘘だろ?なんだ、これはッ!?」
「…勝てないってわかったでしょ?死にたくなかったら、そこで倒れてる仲間を連れてどこかへ行って」
哀れみを込めた口調で言う。ヤグードはさも悔しげに歯軋りするが、どうやっても勝てない相手だと悟ったらしく
胸から血を流し両手刀を握り締めたまま倒れているヤグードを肩を貸すようにして起こし、早足で歩き去っていった。
緊張の糸が切れ、わたしはその場にへたり込んだ。
でも、わたしはやれた。戦えた。トトを護ることができた。
これでもしリードさんの傍にいてもおかしくないほど強くなれたかな…?
こんな時にまでそんなことを考えている。傍にいられるどころか、また会えるかどうかもわからないのに。
腑抜けているのか強くなっているのか、自分でもよくわからない。
「…メイミィ…!」
トトがすがるように抱きついてくる。
「よかった…メイミィが無事で。僕、何にも出来なかった…それどころか足手まといになりそうになっちゃった」
「仕方ないよ、トトは戦いの経験なんてないんでしょ?」
そう言うと、トトは体を離し小さくうなずいた。
「うん…実戦は。…でも」
わたしの腕にふと暖かな光が集まる。見ると、刀の攻撃は全て避けたと思っていたが
いつの間にか切られていたらしく小さな切り傷があり、その傷を労わるように光が取り巻いていた。
少しずつ少しずつ傷が小さくなり、とうとう跡形もなく消えてしまった。
そこでようやく、トトがケアルを使ってくれたとわかる。
「僕、少しなら白魔法使えるんだ。才能ないってわかって、すぐにやめちゃったけど…」
力なく笑うと、ふるふると首を横に振る。
「でも確かに僕には戦いの才能なんてないってわかった…こういうときに力を使わなくて、何が白魔法が使える、だよ。
目の前で女の子が戦ってるのに、何にもできずに震えてるだけなんて」
「そんな……」
モンスターと戦ったことがない一般人がヤグードに襲われたりしたら、怖くて何も出来なくなってしまうのは当然だろう。
いくら多少白魔法の心得があるといっても。
そう口に出しても、トトは寂しげに微笑むだけだった。
「…さ、今度は僕が眠る番…と言いたいとこだけど、さっきのヤグードが仲間を連れて戻ってこないとも言えないし。
丁度夜も明けてきたし、このまま出発しよう。僕はジュノについたら寝るよ、もうそこまで距離もないはずだから」
トトは、先程ヤグードが襲ってきたにもかかわらずずっとのん気に眠りこけていたチョコボを起こしにかかる。
2羽とも眠そうな表情をしてはいるが、いつでも主人を乗せて出発できるようにと姿勢を低くした。
「行こう。メイミィ」
チョコボの様子に満足したらしいトトは、そう言ってこちらに笑みを向ける。
その笑顔は普段どおりの明るい彼のものに見えた。
「…うん」
いつまでも暗い雰囲気のままでいても仕方ない。彼もきっとそう思ったのだろう。
わたしとトトはそれぞれのチョコボの背に乗り、再びジュノへと走り出した。
それから数時間ほど走り続け、ようやくジュノ港へと続く大きな橋が見えてきた。
あと少しだ。はやる気持ちを抑え、ペースを崩さずに走り続ける。
チョコボも少し疲れてしまっているようだ。ジュノについたらギサールの野菜をたっぷり食べさせてから放そう。
以上です。
戦闘描写がいつにも増して下手くそなのは仕様でs
かっこよく書けるようになりたい…。・゚・(ノд`)・゚・。
とにかくようやくジュノ到達です。
お久しぶり(なのか?)ですコンバンワ。
ラテ組があらかた決着着いて、次の戦地はバストゥークで、戦いが始まってきましたね。
炎の龍でグラ○ィウスとか連想してしまう私はなんなんでしょうか。
■<バス組が他2国と違う方向性で盛上っていて嬉しい。
>>メイミィさんと他1名(敢えて伏せ)
刀の力(効果)については、こちらは特に指定しないつもりです。
大方使い手の望む形の力となるでしょう。ですが、乱用すると何か裏がアルカモシレマセンヨ?…ふふふ
では、【夢】【ワールド】を、少々突っ込みどころ満載っぽいですが投下します
白い 空間に 漂っている 地も 天も無く 自身の身体も 白以外の色も無く
白いその空間に 小さな 小さな 黒い点が 黒いシミが出来た
黒いシミは 黒い点は ツタのように 植物のように 少しづつ 少しづつ シミを幾何学的に 伸ばしていく
真っ黒な 漆黒の 亡者の怨念のような 死者の渇望のような 黒いシミは 線を紡ぎ
やがて巨大な 紋様を創り出した 白い世界に 黒い 巨大な 魔方陣が 描かれた
魔方陣の 中心に 始まりの点に 何かが 居る 白と黒以外の 色が
赤 鮮やかな 鮮血と 刀の刃 刃は 鮮血を 少しづつ吸い上げ 妖しい輝きを 増していく
鮮血は 黒い 黒衣の ミスラから流れ出ていた 呆然とした顔で 光無く眼を見開き 仰向けに
黒い 魔方陣に 死者の血が 巡っていく 流れる 水のように ゆるやかに 止め処なく
魔方陣全体に 血が巡りきると 刀が 刃が ゆっくり ゆっくりと 明滅を始めた
黒い線の1本1本に 赤い中心線を持つ 魔法陣が 赤い血の筋が 刀身の明滅に共鳴しはじめた
その明滅する赤は 鼓動のように光りながら 魔法陣へと 黒い下地へと 沈み込んでいった
それまで 音が一切無かった空間に 音が生まれた 黒い魔法陣が ゆっくりと回転を始めた
ゥ゛ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……………
魔法陣は少しづつ ブレて 紋様を紋様で 塗りつぶし 黒い 真っ黒な 円になった
黒い円の中心に 倒れている 張り付けられた 死者 その死者の 腹部にある風穴が 融けた
死者の姿が 風穴から 左半身はドットに 右半身は細胞一つ一つに 分解され 魔法陣に 沈んでいく
魔法陣が 水面に 波紋を広げ 一部の 粒子が ドットが 表面に浮き 全体へと広がった
リィン…… リィン…… リィン……
どこからか 鈴の音が響くと 魔法陣に浮かぶ 一部の ドットと細胞が 水面からゆっくりと 中へと消えた
白い世界に 球…円かもしれない 白と 黒 それに 黒の発する 振動のような音だけが 響いていた
ふと 黒い円からの…黒い球からの…魔法陣からの…音が 止んだ 再び音の無い世界に 戻った
ミスラの死者を呑み込んだ魔法陣が 背景の白にゆっくりと溶け込んでいく 白く 白く
魔法陣は完全に背景と同化し また白い 一色の世界になった 汚れも 異物も 意思すら無い 白に
――――ス……
無意識に動かした右腕に 感覚があった 筋肉が動き 皮膚を纏い 血潮が巡る 腕の感覚が
気付けば 呼吸をしていた 下を見る動きをすると 私の身体が 今まで無かった身体が ソコにあった
見知った身体 だが 爪が 変わっていた 左指には紅い 右指には黒い 爪が生えていた
喉が…乾いた……お腹が…すいた……眠い…疲れた…… ――ふと 何かを感じた
視線 真っ白い…白しかない世界で 視線を感じた 私は首を巡らし 天地さえ判らない世界で見回す
頭上に 遠くに 小さな点が あった 小さな点は 時々瞬いているようにも見えた そう思った瞬間――
――――(((((ジャカ)))))
真っ白い世界が 赤い 黒い 蒼い 茶色い 黄色い 多種多様な色の 眼で 埋まった
356 :
既にその名前は使われています:2006/06/16(金) 22:41:26.57 ID:gC3XXoBf
ジュノキター!
修羅場もクルー?!
書きあがり分は以上です。
電波らしく妄想で書こうとすると、案外難しいですね。…電波ですがw
では、STR魔道士とかエン系で暴走する片手剣持ちタルな方や
サポ狩黒様や絶対絶命なスルメさん(誰だ)達の戦いの行方と、
女装冥土服ソコハラメェさんのハエとのひと時を楽しみにしていますw
358 :
既にその名前は使われています:2006/06/16(金) 22:53:03.89 ID:gC3XXoBf
サンも来てター
サンとにゃんにゃんしたーい!
もののけ姫のな!
アシタカー ( ´∀`)
まぁ、私(サン)オスラだし。その…なんだ。私ににゃんにゃんされたら困るw
私はノンケです!もしオスラ狙うならせめて私じゃなくヒロさんに!w
トトはだめ。私がメイミィさんもろとも髪くしゃくしゃになるまで撫で繰り回したいから (・ω・)
360 :
既にその名前は使われています:2006/06/16(金) 23:07:51.37 ID:gC3XXoBf
しかたない
ここは
サンはあきらめて
隊長を狙うしかない
361 :
既にその名前は使われています:2006/06/16(金) 23:43:54.56 ID:ZvyZ3hVo
SSにも出てない隊長が大人気な謎について。
362 :
既にその名前は使われています:2006/06/16(金) 23:48:54.20 ID:ZvyZ3hVo
>>352【なるほど】たしかにその邪悪な刀のほうではアポカリプスには相性が悪そうだ。
ロックも(ついでにデュエルも)衰弱してるしクルスがやられたらそりゃ負ける罠。
ロックもクルスもサポ前衛。二人ともモグハウスにダッシュしないとイレース使えないしな!!!wwww
守りの刀は絶大な加護だねぇ・・・。
??? 話が見えない・・・(滝汗
364 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/16(金) 23:58:58.93 ID:ZvyZ3hVo
…バス組でありながら、とりあえず我々が出ると領収がつかないそうなので引っ込んでおけとのことらしいな。シルトさんティアラさん。3人とクゥダフとでユニットでもつくってデビューしましょうか?w
365 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/17(土) 00:00:10.52 ID:78wz9QXN
>>363考えるな感じるんだとぶるーす・りーのおいちゃんもいっていた。(ロック談)
「グレネード・シュート!」
マクロ発動。改良グレネードを炎龍に向かって投げつける。
とっさに思いついた作戦。あの炎をグレネードの爆風で拡散できれば―――効いてくれることを祈るのみだ。
『KISYAAAA!!』
炎龍の顎の部分の炎が割れる。
おそらくは、口。炎龍はその部分でグレネードを飲み込んだ。
ドッカァァン!!
炎龍の口内で爆発するグレネード。
だが、爆発音だけで白い閃光も爆風も起きなかった。
その代わり―――
『GURUAAAAA!!』
炎龍の体がひと回りほど大きくなっていた。
「いぃーーーやぁーーー!!」
そしてそのまま勢いを殺さず、グレネードの次は俺を飲み込まんと襲い掛かる!
「こ、これはもうだめかもわからんにゃ!」
高速で迫る炎龍の姿に俺が死を覚悟し始める―――その時だ。
ドゴォン!!
炎龍が俺に喰らいつこうとした瞬間、大工房に大きな音が響いた。
FF11のプレイヤーなら誰でも知っている音―――挑発だ。
炎龍がゆっくりと向きを変える。
その先にいるのは姿を現したヒュームの青年、ナジだ。
「メキはやらせない。ヒトカゲの相手は、このオレさ」
完全にナジの方向を向いた炎龍に対し、ナジは両手斧をかまえて戦闘態勢を取る。
「NPC!何故、この空間で活動できるのです!?」
GMが驚愕して質問をぶつけるが、ナジはチラリとGMを見ただけで無視して視線を炎龍に戻す。
その炎龍は挑発された事に怒り狂い、完全にナジをターゲットとしていた。
『SHAAAAAAA!!』
身のすくむような咆哮を上げ、炎龍がナジに向かって突進した。
周囲に熱波と炎を撒き散らして襲いかかる。
それをナジはギリギリまで引きつけ、寸前で横っ飛びに避けた。
ゴオォォォ!!
ほんの少し前までナジがいた空間を爆炎がかけぬけ、溶かしていく。
炎龍はナジの横を通り過ぎて壁にぶつかるが、その巨体をこすりつけてあたりのモノを溶解させながらターンする。
「そんなに鈍くちゃオレには当たらないぜ!」
ナジが再び武器を構え、炎龍の気を引く。。
だが、有効な攻撃手段をまだ見つけられていないようだった。
このまま避け続けてもジリ貧になってしまうだろう。
「かまいません、炎龍!その男を焼き尽くしなさい!」
『GURURURU・・・・・』
GMの命を受けて炎龍が唸る。その大きく裂けた口に大量のマナが集まり、炎が凝縮されていく。
それは明らかに大技の予備動作。ナジの顔が引きつる。
『KISHAAAAAAAA!!!!』
炎龍が吼え、その獄炎を吐いた。
ゴオオオオオ!!
全てを燃やし尽くす龍の吐息、ファイヤーブレス。
吐かれ、放射状に広がる炎に逃げ場は無く、絶体絶命の状況だった。
そこに、その場にいた誰のものでも無い声が響いた。
「ウォタガV!!」
床から大量の水がすごい圧力で噴出した。
それはファイアーブレスを打ち消すように打ち出され、さらに炎龍もその範囲に含みダメージを与える。
『GURURUAAA!!』
「助太刀する!その龍は俺に任せるんだ!」
声がしたのは2階から。エレベーター近くの手すりに金髪のヒュームがいた。
金髪ヒュムは既に炎龍に向かって次の魔法の詠唱を始めている。
「まだ仲間がいましたか・・・・黒魔導師は少々やっかいですね」
GMは2階の黒魔導師の方向へとジャッジソードを向けた。
彼の足元に魔方陣が出現し、剣にマナが集まっていく。
だが、即座に詠唱をやめて後方へ飛びのいた。
ヒュィィィィン!
その瞬間、GMがさっきまでいた場所を雷光のごとき矢が貫く。
「レグナスには手を出させないぜ!」
物陰から矢を撃ったらしい赤毛のタルタルが飛び出し、ランスを構えた。
「私も忘れてもらっちゃ困るにゃ!ウォータ!!」
俺は自分の周囲に作り出した水球を操作し、発射させていた。
突然現れた黒魔導師やタルタルに気を取られていたGMは不意を突かれ、その水球を避け損ねる。
バシャン!
水球がGMを打った。
だが、びしょ濡れになる程度でGMは全くダメージを受けたそぶりが無い。
「こんな低級魔法・・・効くはずがありません。"炎龍"よ、まずはあのやっかいな黒魔導師から食らいなさい!」
GMは俺を無視し、炎龍に命令するが―――
『RURURUAAAAA!!』
炎龍が動きを止め、苦しげに叫び、のた打ち回る。
「ふふふ、これぞ対GM用必殺魔法―――日本酒カクテルウォータにゃ!
量が少ししか無かったからウォッカとかラム酒とか混ぜちゃったけど、効果は抜群のようにゃ!」
『GUGYAAAAA!!』
赤い鎧からの魔力供給を失った炎龍は一際大きな叫びを残し、空気中に霧散していく。
今まで炎龍の注意を引いていたナジはフリーになり、GMの方へと向き直った。
「さっきの質問の答えだけど、俺が動ける理由は多分『リアル』の日本酒を飲んだからさ。
固まって意識が無かったはずなのに体が熱くなって・・・そう、酔った時みたいになって、気がついたら動けていたんだ。
その事といいこのウォータの事といい、『リアル』のモノはすごい力を持ってるみたいだな」
言いながらナジは抜いていた剣を鞘に収めた。
そしてその代わり、ゴブリン製4次元ポーチから空になった日本酒のビンを取り出して構える。
「どうやら戦力差は4対1みたいだ。こっちにはまだこの『リアルの酒ビン』がある。
そしてお前の炎の龍は使えない。まだ、やるか?」
投下終了です。
ナジの抜いていた剣→両手斧に脳内変換お願いします。
彼のジョブは戦士を採用してみました。
というわけでナジが動ける理由は日本酒飲んだからです。するめパワーじゃ無いですよ?w
>>372 するめパワーと日本酒の相乗効果なのは確定的に明らかwwww
ハジメマシテ
ROMってましたが興味が沸いたので残業の合間に少しずつ書いてミタリ(`・ω・´)
"俺"がリアルに戻れるまで?書ききれるよう、遅筆となりそうですが書いていきたいと思いマス。
そんなものは夢物語だと思っていた。
何時もと同じ通りに寝て同じように起きて鏡の前に立って・・・硬質の後ろに流した髪、何時もよ
りかなり大きい手、そしてありえない尻尾。
何時もの部屋に居るはずの無い生物がふよふよと浮いている。
「どうしたクポ?」
「wwwwwwwwwwwww」
風の噂で見つけたネ実のスレ。興味が沸いて読んでみた"中の人がヴァナに入りこんでしまう"話。
声無き声で眉間を押さえた。どうしよう。
「大丈夫クポか?」
眉間を押えたままぶつぶつと言っている俺を心配してなのか白い物体、いやモーグリは水を持って
きてくれた。
それを受け取り一気に飲み干す。目を閉じてゆっくりと考えた。確か戻ろうとしている人や戻れた
人も居る。俺も・・・戻れるよな?
最後に読んだスレを思い出す、だけれど記憶に霧が掛かったようでスレのことが思い出せない。結
局思い出せたのは寝る前に読んだ5スレ目だけだった。
「wwwwwwwwwww」
「ご主人・・・クポ?」
「俺、クロークとか持ってもかったんだっけ?」
モグ金庫を漁りながらモーグリに尋ねる。流石に下着姿で待ちに出る気にはなれない。
「"露出多い方がヒメっぽい"ってご主人の装備はサブリg」
「wwwwwwwwwwwwww」
「というか、"俺"って頭でも打ったクポ?何時もご主人は"俺"とか言わn」
そうだそうだそうだ、ネカマRPをしていた俺はサブリガやらサブリガやらの露出が多い装備ばかり着ていたんだ。流石にキャラはまだしも自分がサブリガと言うのは恥以外の何物でもない。
バカー!俺のバカー!!八つ当たりのようにモーグリにサブリガを投げて考えた。
倉庫からクローク送って・・・そうだログアウト出来ないんだorz
ローブにサブリガというどこぞのお嬢が好きそうな姿で手を打ち俺はモグハウスの外に出た。サンドリア、なんでサンドリアにいるんだろう。
サンドリアの港でキャラを操作する時と同じように釣りをする。古い賢人は考える時間を作る為に釣りをしたと言う訳だし。釣り餌を探して鞄の中に手を突っ込むとカツンと硬いモノに触った。
ヴァナには本来存在しない質感、プラスティック。
「携帯・・・電池切れか」
湖に放り投げ様として慌てて止まった――――この携帯、電池が入ったら動くんだろうか。
「うーん、くまったくまった」
何匹目かのフナを釣り上げて掘りブナ兄弟に貢ぐ。俺は弟派だ。誰が何と言おうが弟派だ。
"困った"と口に出したものの実際は困ってなんか居ない。やることは決まっているから。
+++
「ナシューが増えるニャ!」
おかしい。赤面しながらマクロに登録していたネカマセリフを言っても、術をイメージしても蝉が張れない。人通りの少ない北サンドリアであぐらを掻いて考える。
何時もの癖で胸元に手を入れて取り出したのは古文集。俺の好きな本で何時もここに入れている。
古臭いにおいと一緒に表紙を開いた。
「祇園精舎の鐘の音・・・」
平家物語の序文を呟いた時、違和感を感じた。手が勝手に動いている。勝手に触媒を取って勝手に術を唱えた。
そういえば、今になって思い出してみれば忍術をマクロで組む時、ネカマ用セリフとは別にechoを入れていた。発動のトリガーはこっちか!
と、ここまでやってから気が付いた。リアルのジャケットに入っていた本が何故ヴァナの、しかも競売で買ったばかりの胴着に?
仕様は分からないけれど携帯と同じ仕組みだと無理やり納得した。何時の間にかあぐらの中に座りこんだタルタルににんまりしながら本を読んだ。
以上デス
以下キャラ紹介テンプレ
初出: 9-374
PC(仮)名:Nashule(ナシュレ) / 中の人:古文スキーな文系人
種族フェイス:ガルカ1a
ジョブ&Lv:忍者Lv75/侍狩戦白Lv37
特記事項:ネカマプレイ中のガルカ。ガルカだけどネカマ。中の人が入ってからはネカマプレイを忘れることが多々あり。
活動エリア:サンドリア
あらすじ:起きたらマホガニーベッドに寝てた。ブリジットファッションで釣りをして現在忍術を(正確には忍術マクロのechoを)思い出しながら読書中。
他キャラとの接触:無し。
独自レギュレーション:携帯電話と古文集を持っている。本スレ5の内容をごく一部知っている。ナシュレの中では現行スレは5になっているので現行が9スレという時差が生じている。※現時点で気がついていません
書き手読み手ミナサマよろしくデス。
380 :
既にその名前は使われています:2006/06/17(土) 02:33:22.83 ID:SkE0CBY0
来訪者歓迎age
=== Area:Pashhow Marshlands ===
出発したのは朝だったからだろうか、
夜更けも近い今では、彼女もさすがに乗鳥に慣れてきたようだ。
しかし、彼女が度々休憩を申し出ていた為
予定ではパシュハウ沼のOutpostまで進んでいるつもりであったのだが
その入り口にようやく辿り着いた所だった。
Garnev:今日はここまでだな。そうだな…ここらへんで野宿とするか
本来なら、Outpostに泊めて貰うよう手はずを整えていたはずなんだが…
Aotsuki:……何その目。まるでこっちが悪いみたいじゃない;
Garnev:まるでも何も、その通りだろう。誰のせいで遅れているのかなんぞ
火を見るよりも明らかだ。
Aotsuki:……初めてチョコボ乗ったのに、んな事言われても…。
思ったより疲れたんだよ、バランスとか取り難いし。
Garnev:だからと言ってその都度、その場にへたり込むのはどうかと思うぞ。
それでも屈強な冒険者か?
Aotsuki:……向こうじゃ只の一般人だったんだから、いきなり慣れろとか
言われても無理があり過ぎる。それに、この世界に来て2日も経ってないんだし…
Garnev:だが、今のお前は英雄と称されている冒険者なのだ。
その名声から、寝首を掻こうという輩がいつ現れてもおかしくはない。
気を引き締めて行かねば、志半ばに倒れる事になるやもしれんのだぞ。
何を目的としているかは聞きはしないがな。と付け加えるガルカ。
そんな話をしながら、彼は野宿用のテントを設営している。
Aotsuki:それは解っているつもり。………フリにしか見えないだろうけどさ
Garnev:ああ。
彼女は返答しつつチョコボから降り、手綱を近くにあった岩に括り付けていた。
Aotsuki:…腑抜けた返事。
Garnev:腑抜けているのはどっちだろうな?
Aotsuki:ごめん…。
そう言うと、彼女はその岩にバツが悪そうに座る。
Aotsuki:…何やってんだか…自分は。
Garnev:さてと…テントを張り終えたぞ。今日はもう遅い。
中に入って休むんだな。寝袋と保存食を中に用意してある。
彼女は返事もせずにテントの中へ入ってゆく。
その後ろ姿はとても弱々しく見えた。
=== Area:La Theine Plateau ===
話は1日前に遡る。
ここは、比較的高い土地に広がる大草原地帯、ラテーヌ高原。
そのテレポイント「ホラの岩」では
何者かによって破壊されたテレポストーンの修復が行われていた。
いや、その修復が終わろうとしていた。
Orastery's offcer A:いやぁ、やっと2つ目の修復が終わるねぇ
Orastery's offcer C:全くだ。しかしそもそもだな、何故我々ウィンダスのみが
修復に当たるんだ?
Orastery's offcer B:そりゃあ、あれだっぺ。エルヴァーンやヒュームの魔法力じゃ、
テレポストーンの修復には足りないからだっぺ。
Orastery's offcer C:そうでも無いと思うがな。魔法、という物が我々タルタル族のみ
にしか扱えなかった時代と今は違う。この程度の事など、造作も無いのではないか?
などと、テレポストーンの修復に口の院から派遣されていた3人のタルタル達が
話をしていた。
そして、丁度修復を終えたテレポストーンが元の輝きを取り戻した直後
一人のエルヴァーン♂がその地に降り立つ。
どうやらテレポホラでここまで移動してきたようだ。
彼はタルタル達3人を見ると、
Furcifer:おっと…これは失礼しました。
Orastery's offcer B:どえらい失礼だっぺ!全く、驚かさないで欲しいだっぺ。
修復が終わっていたからよかったっぺけど、もしも修復前にテレポなんかしてたら
どこに飛ばされたか解ったもんじゃないっぺよ?
Furcifer:それはすみませんでした。ですが私も急いでいたので…。
彼はタルタル達に謝罪をすると、急いでチョコガールの許へ行き、
チョコボを借り受け、走り去る。
Orastery's offcer A:…なんだったんだろぅ、あの人。
Orastery's offcer C:さぁな…
3人のタルタル達はそんな疑問を抱えながらも、次のテレポイントへと移動を開始した。
=== Area:Pashhow Marshlands ===
そして現在…。
辺りは暗闇に包まれ、僅かばかりの月の光がテントを照らしている。
1〜2時間ほど経っただろうか、彼女は起き上がりテントの外へと出てきていた。
Garnev:眠れないのか?
AotsukiはGarnevに首を横に振って答えた。
Garnev:ならば眠れる時に眠っておくのだな。倒れられてはこっちが困る。
Aotsuki:………
彼女は応えない。
無言のまま、見張りに立っているガルカの隣にあった小さな岩にちょこんと座る。
ガルカはその様子を見て、肩をすくめていた。
/wait 180くらい
しばらく静寂に包まれていたのだが、彼女が突然口を開く。
Aotsuki:…見張り、交代してあげるから、中で…休んでいいよ。
Garnev:その心遣いだけ受け取っておく。お前は護衛対象なんだ。
そういうわけにはいかんのでな。
Aotsuki:…そう。
再び周囲は静かになる。
何を話すわけでもなく、何をするわけでもなく。
二人は只、月を見上げているだけだった。
=== Area:Pashhow Marshlands ===
Aotsuki:…ふあ?ん、んん……ふぁぁああ…
すっかり夜が明け、彼女はテントの中で目を覚ました。
どうやら、いつの間にか眠っていたらしくガルカによって中に運ばれていたようだ
しかも、ご丁寧に毛布までかけてあった。
Aotsuki:…おはよう。
Garnev:ようやく起きたか。メシでも食うか?
と、彼は干し肉を1つ差し出した。
Aotsuki:ありがとう…
受け取って一口。
Aotsuki:んぐ……かひゃい……
Garnev:その程度も噛みきれないのか
Aotsuki:…だって干し肉なんて初めて食べたんだし…
そう言いながら彼女はゴブリン製の鞄から蒸留水を1瓶取り出し、栓を外す。
後は、飲むだけだ。
Garnev:ベテラン冒険者の護衛だと思ったんだがなぁ…
Aotsuki:……ベテランだとは思わない方がいいよ。むしろ…
Garnev:むしろ?
Aotsuki:全くのド素人を連れていると考えてくれた方がいいと思う…
Garnev:そうもいかんな。例え中身が素人だとしても、レベルだけで言えば
お前のが俺よりも上だ。
Aotsuki:だけど、使いこなす技量がない。
Garnev:その技量を得る為に、今こうしてここに居るのだろう?
Aotsuki:それはそうだけど…ノーグでやる事なんだから…
Garnev:いや、この使いはその為の肩ならしと言った所だ。
Aotsuki:え…?
Garnev:お前が素人同然なのは解っていたのだろう。
だからこんな簡単な使いに出させたのだ、ノーグへの手配なんぞにそれほど時間はかからん。
Aotsuki:………
言葉に詰まった彼女は、手にもった蒸留水を一気に飲み干す。
Garnev:全く、ボスのお人好しにも困ったもんだ。
さて、お喋りはこの辺にしてそろそろ出発するぞ。
Aotsuki:…
彼女には1つ疑問が浮かんだ。
何故ここまでして自分の面倒をみてくれているのだろう?と。
だが、彼女がこの疑問を氷解させるのには、さほど時間はかからなかった。
Garnev:どうしてそこまで、という顔をしているな?
Aotsuki:べ…別にそんなんじゃ……
図星を突かれて、目が泳ぐ。
Garnev:お前、フェレーナ嬢を助けた事があるだろう?
さしずめその恩返しと言ったところだ。ボスはああ見えて義理堅いのでな。
Aotsuki:でもそれは自分じゃなくて、自分じゃなくてその…”彼女”がやった事なんd
ガルカは、話しながらテントを畳んでいたのだが、すっかり出発の支度を済ませていて
彼女が言い終わらない内にチョコボに乗って先へと進んでいた。
Aotsuki:ちょ…ちょっと待ってよ!;
Garnev:早くしないか、置いて行くぞ。
Aotsuki:あ…後ろ!うしろうしろ!!
Garnev:…ん?
彼女の言葉で振り向いたガルカの目の前には
いきり立っているクゥダフ、と呼ばれる亀に似た獣人が二人、長剣を構えていた。
Garnev:やれやれ…
Veteran Quadav A:我らの縄張りにィ 無断で立ち入るとはァ
貴様らァ 何者だァ?
Garnev:無断も何も、沼を通り抜けたいだけなのだがな。
Veteran Quadav B:誰のゥ 許可を取っているゥ? 命がァ 惜しくばァ
金目のゥ 物を置いていけェ!
Garnev:…結局はソレ目当てか、貴様達に払う金などない!
彼はチョコボから降り、
腰に吊ってあるナックルに両手を通し、身構えた。
それと同時に、彼の後方から一陣の風が吹く。
Aotsukiの攻撃。クリティカル!
→Veteran Quadav Aに、94のダメージ。
Aotsuki:…え?っと…
横薙ぎの一閃。放った本人が一番驚いているようだった。
彼女の右手にはマーシャルアネラスが握られており、その剣先からは
クゥダフの体液がわずかばかりかポタポタと垂れている。
Garnev:なんだ、全く…どこが素人なんだ?
Aotsuki:…え?う…あ、その、今、自分は一体何を…?
Aotsukiは、Aotsukiにストンスキンを唱えた。
呆けつつも、彼女は1つの防御魔法を展開していた。
Aotsukiのストンスキンが発動。
→Aotsukiは、ストンスキンの効果。
横っ腹を斬りつけられたクゥダフは、痛みに耐えながらも
怒り狂い、彼女へと剣を振り下ろす。
避けようとはしていない。むしろその切先を見つめていた。
Aotsuki:あ…
Veteran Quadav Aの攻撃→Aotsukiに、0のダメージ。
カキン、と金属音が鳴り響く。
振り下ろされた剣先は防御魔法によって硬質化した赤い羽根帽子に弾かれていた。
Veteran Quadav Aの攻撃→Aotsukiに、0のダメージ。
Veteran Quadav Aの攻撃→Aotsukiに、0のダメージ。
更に2〜3度ほどクゥダフの剣が彼女の体に弾かれている。
彼女は何をしているわけでもなく、
まるでクゥダフ達を見物しているかの様に立ち尽くすばかり。
Garnev:何をしている!反撃しないか!
と、ガルカが走りこんで一気に間合いを詰め、
傷を負っていないクゥダフの腹部へ回し蹴りを浴びせる。
Garnevの攻撃→Veteran Quadav Bに90のダメージ。
Garnevの攻撃→Veteran Quadav Bに101のダメージ。
Garnevの攻撃→Veteran Quadav Bに98のダメージ。
更に彼は腹部に一撃、そして右ストレートを放つ。
クゥダフはその衝撃に吹き飛ばされ、付近にあった岩壁に勢いよく叩きつけられてた。
衝撃音に気付き、壁に叩き付けられ気絶している同胞の姿を目の当たりにするクゥダフ。
目の前のクゥダフが目を放したその一瞬、彼女は剣を大きく振り上げていた……。
つづく。
初出:スレ8の343
PC(仮)名: Aotsuki/ 中の人:スレ8の325◆/NV2bXE06g
種族フェイス: ヒューム♀F1BのMサイズ
ジョブ&Lv: ナ忍狩白赤詩75 黒60 暗61 シ37 戦38 召25 それ以外は1(からくりのみ未取得)
特記事項:ウィン・バス・ジラート・プロマシアミッション済
世界に在りて君は何を想うのか?済
アトルガン皇国上等傭兵 勤務評価5
現国籍はウィンダス プロマシアエリアまでの全OPテレポ及びアトルガンエリアの5箇所全てワープ可能
(特記事項というよりは、これを前提に話が進んでいます。)
活動エリア:ホラ岩→アトルガン白門→ジュノ上層→アルザビ→アトルガン白門→ル・ルデの庭→ジュノ下層(魔法による移動を多用)
あらすじ:朝起きたらホラ岩立っていた。偶然その場にやってきたチョコボに乗せられていたLead氏を救助
その後ジュノへと赴き、重要NPCから情報を得ようとするのだが…。
他キャラとの接触:Lead氏
独自レギュレーション:行動は全てゲーム内と同様にメニューやマクロで選べる。
選択速度はイメージ次第。
スレが進む度に貼り付けるようになっているみたいなので、ぺたりと。
ちなみにGarnevは、ゲーム内のジュノ天晶堂の入り口付近に居ます。
「…なんか、あんた勘違いしてるな。俺が探してるのはコイツじゃないぜ。勿論あんたでもない」
探しているのは黒髪のヒュム、風属性装備の“赤い鎧”。
タイガーは何か策を考えるでもなく、逆に問う。
ぶちのめし、盗られたものを取り返す。そいつを知らないか? と。
ハーミットが他の、いや全員の“赤い鎧”の動向を把握していないはずがない。
だが、老人は含み笑いを浮かべたまま、答えない。
「“フェイト”を憎む理由なんざ、俺には今の所ないな」
タイガーは額にあぶら汗を浮かべている。
それでも、彼は。
「そんなもんは抜きにして、こいつは俺を助けた。ならこいつを、俺が助けるのはそんなに不自然か?」
そう、言い放った。
本音なのだろう。
自分の命がかかっていても、平気でそう言える人間なのだ。
俺が保証しよう。こいつは、大のつく馬鹿野郎の部類に入る。
タイガーなら、きっと、助けたいと思う人間を、みんな助けられるだろう。
ごぽり。
俺は頭まで虚無の海に沈みこんだ。
脚には禍神がすがりついて離さない。昏い水底へと引きずり込まれていく。
左手を掴むタイガーの手は、俺を決して離さない。水面へ引っ張り上げようとしている。
「…ちなみにな、カンダタってのは蜘蛛を助けたわけじゃない。客観的に見りゃ何もしなかっただけだ。
なら、お釈迦様ってのはどうして糸を垂らしたのか、考えたことがあるかい?」
熱い壁越しに聞こえる微かなタイガーの声。
すぐそこにいるはずなのに、声が、はるか遠くから響く。
「人を殺して盗みをしても、カンダタってのは生命の価値を見失わなかったんだな。だから蜘蛛を踏み潰さなかった。
だったら…今この場で、コイツに蜘蛛の糸が垂れても良いんじゃないか?」
―――百万人にひとり。
脳裏を稲妻が走った。
ヴァナ・ディールという名の地獄で、来訪者たちがのたうち回る。
リアルへ帰還したいと願い、いつ切れるともしれない蜘蛛の糸にすがって行くならば。
かつて、考えた。
俺は、それを「お前が上がれと」押し上げる人間でいよう。
―――百万人にひとり。
誰もが自分だけ助かればいいと考えているリアルの人間たちの中で。
そんなお人よしの馬鹿がいる確率は、百万人にひとり。
だが、ゼロじゃない。俺がそうである限り、ゼロではない。
タイガーは、「一緒に上がれ」と引っ張り上げる人間だった。
まさか、ここに馬鹿が二人もいるとは思わなかった。
「禍神。悪いが、一緒に堕ちるわけにはいかない」
すでに胴から下が崩れ去り必死に残る左腕で俺の脚にすがりついていた、禍神に呼びかけた。
真っ黒なコールタールの海中。
俺はゆっくりと長剣を突き出して、禍神の眉間を刺した。
はじけ飛ぶ頭部。
「呪ワレヨ・・・!」
そう言い残して、禍神は奈落の底に沈んでいった。
ぱちん、と体の中で何かがはぜた感じがした。
それが何だか、わからない。
ただ、何かが終わったという確信だけはあった。
人の寿命が尽きる時、みんなそう思うのかもしれない。
大怪我だらけのカラダが熱い。心臓から炎が噴き出して、全身を包むようだ・・・。
再び水面に顔を出したとき、ハーミットが杖を振りかざした。
「順番は前後したが、約束は約束じゃからな」
好々爺の態で呵々と笑う。
「書き換えは完了した。この空間を切り離し、もろとも奈落に墜とす。脱出じゃ!」
ハーミットとタイガー、そして俺の三人は、あっというまに魔力を帯びた黒紫の球体に包まれた。
403 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/06/17(土) 09:05:28.90 ID:iemoG6IP
以上です。
これで、スレ8の241につながります。
ルーファスさん、馬鹿馬鹿いってごめんなさい。愛情表現ですw
うあぁぁぁぁ・・・一日出かけていたらもんのすごい量の投下がwwwww
バス組み熱いし、サンさんは違う世界一直線だし、トトはショタっこだし、
アオツキさんは何気に強いし、新しい来訪者はサブリウーメンだしw
ヒロさんは因縁の人と再会だしw フルさんはずたずたにされた金髪の河童になってるし(オイ)
とまぁいい加減な感想で申し訳ないですorz
けっこう前スレ参照
> もちろん私は他の人に帰る権利を譲るつもりはないしそれはテティスさんも同じ事だろう。
じゃあ、他の帰りたいと思う人がダテレポの存在を知ったらどうするだろう?
きっと鍵となる腕輪を奪いに来るだろう。下手をすると邪魔な私は殺されてしまうかもしれない。
だから、他の来訪者には出会いたくはなかった。
リードさん、一緒にたたかったのが中の人がいた頃のユリフィナじゃなくてよかったですね!(゜∀゜) w
入り口には、結界に寄りかかっていたらしくてバランスを思い切り崩して転んでしまっていたらしい
リポケケや、なぜか痛そうに頭を抱えて座り込んでいるアリアちゃん、
そしてリードさんにギャーギャー文句を言っているユファファがいて、とても賑やかな感じだった。
口では文句を言ってはいるけれど、リードさんが生きていたからユファファはどこか嬉しそうだった。
リードさん、心配をかけた分、思いっきり説教されてください。
「洞窟中を逃げ回っていたところ、タイガーの・・・、ほら、あの彼に助けられてね。」
そう言って、いつの間にか赤い鎧を脱いだリードさんがネコミミを揺らしながら文句を言い続けるユファファに
トラの頭を被ったエルヴァーンさん、たぶんルーファスさんを手で指した。
「謎の彼が、あのモンスターを倒してくれた。計り知れない強さの英雄だよ。」
なんだか悲しげにリードさんが微笑んだ。 その笑顔が秘めている不思議な魅力に私は思わずドキリとする。
エルヴァーンと見たら手当たり次第にときめくだなんて・・・私ったら節操ないな。
「それに引き換え、情けないわね。逃げ回って傷だらけになったわけ?」
照れ隠しで思わず私は極力視線を冷たくして暴言を吐く。これじゃヒロちゃんだ。
私は熱くなる頬をなんとかしようと必死になっていたが、頬を意識すればするほどどんどんその温度は上がっていって、
ついには耳まで赤くなってしまい、もうどうしようもなくなってしまった。
「まぁ、そんなことはどうでもいいや。いいから傷を見せ・・・。」
「ユリフィナ、俺には彼が逃げていただけだとは考えられない。」
ケアルVの詠唱を始めた私をそっとたしなめるように、シャールカーンさんが肩に手を置いた。
なんかいつのまにか呼び捨てだし・・・。
「え、わかって・・・」る。
と言う前に彼に割り込まれる。
「そんなに彼を責めないでくれ。」
彼に微笑まれ、思い切りどきりとした私は集中が解けて、魔力を霧散させてしまう。
ああぁぁぁ・・・何やってるのよ私・・・。
「ひとつだけ、確認させてくれ。君の中の来訪者は、リアルへ帰れたのか?」
え?たぶん帰れたけど・・・。なんでこの人はこんなことを・・・。
ていうかそんなこと言う前に早くリードさん治療しないと。その傷は内臓が危なさそうだし。
「ああ、そうさ。」
シャールカーンさんが私の代わりに答えた。
「もう、ユリフィナはどこにも行きはしない。」
え?どういう意味?なんかいろいろと勝手に決められていない?彼は私の肩に置いていた手で、
そっと私のポニーテールをなでた。
「そう、か。」
納得されたっ!?いや、たしかにもうヴァナディールからは出ることもないし、出る理由もないけど、
なんだか私とシャールカーンさんがくっつくの確定みたいな言い方されても・・・。
「―――よかったな、カンダタ。」
「カン・・・?」
なにそれ?わずかに残っているユリさんの記憶を必死に漁ってみると、なんだか四角い箱のなかで動く
パンツ男の絵がでてきた。サブリメンはオヤジさんでしょ・・・。
どういうことか聞こうかと思い、彼を見上げると、いつのまにか私の目の前に現れたチョコボがリードさんをその背に乗せていた。
「ちょっとっ!怪我治さないと命にかかわるよ!」
私は慌てて彼を止めようとチョコボに駆け寄るが、彼の耳には入らないのか、
何も答えずチョコボの首に寄りかかるようにしたままどこかへと向かって駆け出していく。
「待って!チョコボくんまって!!」
「どうしたのユリフィナ!?」
私の悲鳴のような言葉に気づいた頭を抑えているアリアちゃんを先頭にしてみんなが駆け寄ってくる。
「リードさん、ひどい怪我をしているのに治療も受けずに行っちゃって・・・。」
私の髪をなでていたシャールカーンさんがふとその手を止めた。どうしたのだろうと思い、
彼を見上げると、彼はチョコボの去っていったほうを静かに見つめていた。
「彼は気位が高いからな。自分で治療ができるのに誰かに傷を治してもらうのはプライドが許さなかったのだろう。」
「プライドって・・・。」
エルヴァーンのナイトは誰も白魔法の教本を読んでいないのだろうか・・・。
みんなそろって自分の命を軽く見て。
「心配しなくても大丈夫だ。」
シャールカーンさんが私にいつもより力強い笑顔を向けた。
「彼は不死身だ。」
「・・・武神より強いモンクに不死身のナイトですか。」
私は小さくため息をついて、リードさんが去っていったほうを彼のように見つめた。
シャールカーンさんがそう言うのならば、きっとリードさんは大丈夫なのだろう。
以上となります。
久しぶりに真面目な話なようなw
ではでは、皆様わっふるわっふる
409 :
既にその名前は使われています:2006/06/17(土) 12:36:35.66 ID:sr4lXEEc
りーどたんやっとかいそうおわったのねながかったわさ
410 :
既にその名前は使われています:2006/06/17(土) 14:26:34.92 ID:wb9wxQV9
読んでたらとても興味が沸きました
犠牲者増やしてもよろしいでしょうか?w
カモーン!w
大工房が凍結してから、一体どれくらいの時間が過ぎたのだろうか。10分? 1時間? …分からない。
静止した世界の中で、俺は鍛冶ギルドの隅で、静かに震えていた。緊張は止まらない。不自然な世界に畏怖する。
フェイトは依然、大工房内を動き回っている。どうやら全ての部屋を巡回しているようだ。
目的の漂流物が見つからないのだろうか。早く…早く出て行け…。
カツン カツン カツン …
「…………!!」
フェイトが放つ不気味な足音は次第に大きくなっていく。まさか近くにいるのか!?
慌てて広域スキャンで辺りを確認してみると、フェイトと思われる影は丁度隣の部屋にいた。
ああ、しまった…俺とした事が、周囲への警戒が疎かになっていた。
フェイトが遠くへ行った隙に、別の部屋へと移るつもりだったのだが、これでは時既に時間切れ。
今、この部屋を出ればすぐに気付かれてしまう。どうも俺は時が止まってからずっと平静を保つ事ができないようだ。
カツン カツン カツン …
ついにフェイトは俺が居る部屋の前へと辿り着いた。一応、薬品で自分の姿を隠しているが効果があるかは分からない。
扉越しに、奴はいる。
ガチャリ キィィィ────
甲高い金属音が耳に付く。扉の向こうから現れたのは、やはり赤い鎧のようだ。
重厚な鎧に包まれ、フルフェイスの兜で覆われたその姿は、人間とは思えない、何か別の生き物のようであった。
まるで神、いや、神と言うよりは悪魔か。悪魔は俺が蹲っているその一点をじっと見つめた。やばい、バレてる。
俺の冒険はここで終わってしまうのだろうか。こんな所で…。嫌だ、俺は死にたくない。死にたくないよ。誰か…誰か…!
ドクンドクンドクン…
胸が痛い。張り裂けてしまいそうだ。今になって初めて、自分の心は脆弱なんだと認識させられた。
美しく、美麗で優雅、そして艶やかで完璧な外見とは逆に、俺の中身は余りに薄い。
「…………。」
どうした、何が起こった? 赤い鎧は一行に動かない。俺の方を見つめたまま、その場に静止している。
その様子は、隣で固まっているガルカの職人の様に似ていた。そう、まるで奴も時間凍結に巻き込まれたかのような。
「こっちへ来な!」
突然、黒魔道士のミスラと暗黒騎士のガルカが赤い鎧の背後の扉から現れ、俺に向かって叫んだ。
彼らは先程すれ違った2人組だ。赤い鎧の他に、モゾモゾと動いていたもう1つの影。やはりこいつらがそうだったのか。
しかし、どういう事だ…わけが分からない。まさか赤い鎧が静止したのは、こいつらの仕業か…?
そもそも何故やつらは俺の存在が分かるんだ? 今の俺はプリズムパウダーとサイレントオイルで気配を消しているはず。
それはそうと、どうするか…2人組を信用して、彼らの元へ駆け寄るか否か…。まったく不自由な選択だよ。
「早くしろ!"ストップ"は10秒と持たんぞぉ!」
俺は2人組の元へと向かって走り出した。確かに信用出来たものではないが、俺にとって彼らは救世主のような存在に思えた。
彼らの元へと辿り着くと、2人も薬品を使い気配を消す。そして俺の腕をつかみ、急いで赤い鎧から離れようと駆け出す。
「距離を置けば、感知されない!」
俺たちはリフトに乗り、大工房2階へと登った。
「ふぅ、ここまで来ればもう大丈夫だろう。来訪者よ、危なかったな。
少しでも俺の魔法が遅れていたら、お前はフェイトに気付かれて、殺されていただろう。」
ガルカが小声に俺に話しかけた。誰も見えない空間に声だけが響いて、少し不気味に感じる。
「あんたたちは来訪者じゃないのか? そもそもストップって…」
この2人組は謎が多すぎる。俺を助けれくれたという事は敵ではないのだろうが、不確定部分が多すぎる。
俺は2階にある手すり部分に腰をかけ、深く息をついた。どうやら永く続いていた緊張状態はやっと解れたようだ。
「例えばさ、フェイトをPKとしよう。でね、PKの存在するMMOには必ずPKKってものが存在するんだよね。」
ミスラが答える。PKK…プレイヤーキラーキラー。他人のキャラクターを殺す者を殺す目的で成立した自警団の総称。
随分と懐かしい言葉を出してきたものだ。しかし、何故今そんな話をする? …まさか。
「お前たちがPKK、フェイトを殺す者だ、と言いたいのか?」
俺は身を乗り出し、息を呑んだ。
【みなさん】【こっち】【カマン+1】【喜び】
「そう、あたしはフェイトの魔の手から来訪者を守る者、PKKギルド"メサイア"が1人、マイ・ウーニャ。」
「同じく"メサイア"が1人、ゴイスだ。」
…なんだって!このヴァナ・ディールに、フェイトに対抗する組織が存在すると言いたいのか!?
だとしたら確かに心強い。だけど…それ以上に俺の中に多くの疑問が生まれた。
「NPCは絶対フェイトには敵わないはずだ。それに、俺は一度黒装束に襲われている。
お前たちがフェイトに対抗するPKKだと言うならば、どうして助けてくれなかった? それにあの魔法は…」
「ちょいちょい、待ちなよ。そんな一度に質問されても困るっての。それにこの状況で長話はできないって。」
そう言って、マイは俺を制止した。
「PKKギルドって言ってもまだ10人程度しかいないんだ。全てを守りきれないって部分は勘弁してよね。」
どうも俺には、フェイトに対抗するにしては10人という人数は余りにも少なすぎるように感じた。
"まだ10人"って事は、結成してから間もない新しい組織という事だろうか。
「そしてギルドマスターが"力"をくれた。だから俺たちはフェイトに対抗できる術を持っている。」
マイに続き、ゴイスが静かに語った。なるほど、その力とやらがストップであり、インビジを見破る秘訣な訳だ。
「大体分かった。それじゃ、さっさとあの赤い鎧を倒してくれ。」
そう言って、何時の間にかリフト前の広場に戻ってきたフェイトに向かい、指をさした。
ようやくこの恐怖から完全に開放される、そう思うと俺はほっとした。さて、メサイアの実力、見せてもらおうか。
417 :
レグナス ◆/abMGvkWxE :2006/06/17(土) 15:04:23.90 ID:8BdZpGEy
以上です。
>>372 レグナスきたぁぁぁぁ!!!
かっけーww
418 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/17(土) 15:06:31.31 ID:78wz9QXN
マイウとゴイスって最近姿みないとおもったらこんなことしてたのね
419 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/06/17(土) 15:42:20.34 ID:iemoG6IP
マイウもゴイスも来訪者だから、問題なく動けますね。
二人ともこんなことやってたのかw
リードは彼らのLSパールをもってるくせにつけないから知らなかった・・・。
あ、参考までに以前のキャラデータを。
初出:1スレ
>>119 PC(仮)名: マイウ / 中の人:1スレ
>>119氏
種族フェイス: ミスラ7B
ジョブ&Lv: 黒20、サポ白
初出:1スレ
>>120 PC(仮)名: ゴイス / 中の人:1スレ
>>120氏
種族フェイス: ガルカ6A
ジョブ&Lv: モ20、サポ戦
420 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/17(土) 15:55:29.46 ID:78wz9QXN
てか無茶苦茶強くなってません?
特にゴイスはこの世界に染まりすぎて自分の名前からして忘れてたし、
なんか恐怖体験をしたという描写あったし・・・。
…これが彼らの真の力か。
421 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/06/17(土) 16:10:44.62 ID:iemoG6IP
>>420 マイウ、ゴイス、イッチ、ミオ(本家)は、本来のジョブを失って1LVからやり直しの方々でしたねー。
ゴイスは“赤い鎧”で恐怖体験してますね。
422 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/06/17(土) 16:16:48.95 ID:iemoG6IP
マウラでリードと話をした後10日足らずの間で、彼らに「何か」があったということらしいですね。
423 :
レグナス ◆/abMGvkWxE :2006/06/17(土) 16:21:29.89 ID:8BdZpGEy
らしいですねぇ。くわばらくわばら。
ちなみに、いてもいなくてもどうでもいいような空気になっていたので華麗に再登場させましたw
そしてこの2人は影が薄すぎたために、
スレの内容は大抵覚えていたレグナスも彼らの事はさっぱり忘れているようですwww
424 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/17(土) 16:43:11.13 ID:78wz9QXN
レベル1からやりなおしの人々でさえ記憶が飛んでいくのに、
約一名全75ジョブを復活させようとしてる方がおりましてわっふるわっふる。
自殺行為というかチャレンジャーですな。
終る頃にはリアルネームや元の世界の歌の記憶とか無くなってるんでは?
案外、一番強いのはバランスの取れてるメキさんなのかもね。
425 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/17(土) 16:44:56.28 ID:78wz9QXN
逆にいうとこの物語が10日ぐらいしか経っていない事実について驚き。
ロックはバスについてから、
グスタ観光案内の話からリードとの出会いまでにかなり時間がかかってることになってます。
>>424 レベルと侵食率って比例するんでしたっけ?
私は記憶が無事な代わりに性格や行動に影響受けてるっぽいです。
対フェイト用切り札カードを切りまくって生き延びているのでそろそろタダの雑魚に。
やっぱり最強はルーファスさん、リードさんのどちらかですねー。
427 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/17(土) 17:22:21.92 ID:78wz9QXN
少なくとも本家様ではそう言う設定になってたはず。
どんどんこの世界に慣れるにつれてもとの世界の記憶が飛んでいく。
元の名前からなんから根本的な事をどんどん忘れてこの世界の住人になって行く。
だったっけ。
個人差は激しいらしいけど、名前忘れるくらいなんだからよっぽどじゃないかな。
うーん。アレだ。サン氏によるとミスラは恋をするとレベル問わずSTRが+100されるみたいだぞ。
その代わり、「よん?」になる諸刃の剣。事務職にはお勧めできない。
イメージの段ボール箱に、勝手に記憶をしまわれちゃってる人もいるね。
あれは思い出そうとすれば思い出せるもんなのかなw
429 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/06/17(土) 17:47:42.75 ID:iemoG6IP
―――人は何かの犠牲無しに何かを得ることは出来ない。何かを得る為には、同等の代価が必要になる。
ってばっちゃが言ってた。
“経験値とは侵食値”
と、私もSSで書きましたね。
理由もなく、代償もなしに、強い人間など存在しない。
430 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/17(土) 17:58:27.67 ID:78wz9QXN
>>428 フルさんの場合はアレは保管と言ったほうが正しいのではないかな。
普通に融合してたらリアル記憶がガンガン飛んで行って普通のヴァナのフルさんになるから対抗手段を失ってしまう。
よって使える記憶は封印し、使えない記憶も整理整頓してると。
たぶん、普通の日本人なら人斬ったら次の日飯食えないから、敵を斬った良心の呵責とかはサクッと事前に「僕」が消しているはず。
…フェイト並に人権意識の無い男かも。「僕」って。
のくせ「私」にはすんげぇ愛情深いし。よくわからん。
431 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/17(土) 17:59:58.20 ID:78wz9QXN
…来訪者なのに動けないロックって・・・。
まぁおかげさまでいかなる手段でも来訪者と判別できない特殊能力?をもってますが。
432 :
既にその名前は使われています:2006/06/17(土) 18:10:36.70 ID:sr4lXEEc
ところでこのすれにかいてるからには
ふふぇいとやらきおくなくなるやら
設定つなげなきゃならないって決まりあったりしますの?
ないけど、ある程度統一してたほうがそれっぽいと思いますにゃ
434 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/06/17(土) 18:18:44.38 ID:iemoG6IP
>>432 全員が共通にする必要はございません。
すべての書き手様のSSは、並行世界の物語です。似ているように見えてまったく別の世界です。
ただ、書き手のひとりとして、共通するバックボーンがあったほうがリンクさせたりして遊びやすいのではと思います。
ところですべてひらがななのはそういうげいふうなのでしょうか?
435 :
既にその名前は使われています:2006/06/17(土) 18:26:13.78 ID:sr4lXEEc
とーいつしたほうがいいのかーそうかそうかー
>>434 ひらがなのきにするなー!
フェイトにさっぱり関わらずに物語を完結させたヒトもいるし
ぜんぜん記憶を失ってないヒトもいるから大丈夫
記憶の面は"個人差が激しい"ので、
入ってしょっぱな全部思い出せない人や、だんだん忘れてく人、(これといって何もしてなくて)ほとんど忘れない人
例えるなら、ディア1の1ダメ/3sスリップと、バイオ3とかの超スリップ。たまにレジストも居たり(フルさん)。
フェイトは、最近重い腰を上げたので、"目立つ行動"をすると、ほぼ例外なく襲来します。
世界観的には、書かれてる人の数より多い人数取り込まれてて、出てこない人達は案外普通に冒険者してます。
……モグハウスに引篭もってたり、アダマン鎧着てロンフォウサギに蹴り殺されたりもしてますがw
438 :
既にその名前は使われています:2006/06/17(土) 18:36:11.82 ID:sr4lXEEc
わかったにゃー
なんかかくにゃー
439 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/06/17(土) 18:52:07.13 ID:Ft9MrMmN
かいてほしいにゃー
ちなみに私は記憶がふえたにゃーw
PKKまででてきてさらにさらにバスから目を離せないです。
440 :
既にその名前は使われています:2006/06/17(土) 19:18:38.58 ID:sr4lXEEc
440とったらいっきでんのつづきかくにゃーにゃーにゃー
441 :
既にその名前は使われています:2006/06/17(土) 19:27:06.01 ID:sr4lXEEc
\ /_ / ヽ / } レ,' / ̄ ̄ ̄ ̄\
|`l`ヽ /ヽ/ <´`ヽ u ∨ u i レ' /
└l> ̄ !i´-) |\ `、 ヽ), />/ / なんてこった
!´ヽ、 ヽ ( _ U !、 ヽ。ヽ/,レ,。7´/-┬―┬―┬./ 本当に440とっちまった
_|_/;:;:;7ヽ-ヽ、 '') ""'''`` ‐'"='-'" / ! ! / 何もネタないのに440取ったら書くなんて宣言してどうすンだ俺
| |;:;:;:{ U u ̄|| u u ,..、_ -> /`i ! ! \ いざ書いて見てもなんかグデグデだし
| |;:;:;:;i\ iヽ、 i {++-`7, /| i ! ! <_ どうするよ俺
__i ヽ;:;:;ヽ `、 i ヽ、  ̄ ̄/ =、_i_ ! ! /
ヽ ヽ;:;:;:\ `ヽ、i /,ゝ_/| i  ̄ヽヽ ! ! ,, -'\
ヽ、\;:;:;:;:`ー、`ー'´ ̄/;:;ノ ノ ヽ| / ,、-''´ \/ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ Y´/;:;:;\
応援しているにゃーwwww
個人的には、設定共有するよりぽん吉さんみたいな独自路線が読みたいにゃーo8o(*^ω^*)プニャーーー
443 :
既にその名前は使われています:2006/06/17(土) 19:34:17.14 ID:sr4lXEEc
,ィィr-- ..__、j
ル! { `ヽ, ∧
N { l ` ,、 i _|\/ ∨ ∨
ゝヽ _,,ィjjハ、 | \
`ニr‐tミ-rr‐tュ<≧rヘ > こうなったらイッキの話を封印して
{___,リ ヽ二´ノ }ソ ∠ いきいおいだけでやっていけるMMR変を復活させるしか手はない!!
'、 `,-_-ュ u /| ∠
ヽ`┴ ' //l\ |/\∧ /
--─‐ァ'| `ニ--‐'´ / |`ー ..__ `´
く__レ1;';';';>、 / __ | ,=、 ___
「 ∧ 7;';';'| ヽ/ _,|‐、|」 |L..! {L..l ))
| |::.V;';';';'| /.:.|トl`´.! l _,,,l | _,,| , -,
! |:.:.:l;;';';';'|/.:.:.:||=|=; | | | | .l / 〃 ))
l |:.:.:.:l;';';'/.:.:.:.:| ! ヽ \!‐=:l/ `:lj 7
| |:.:.:.:.l;'/.:.:.:.:.:.! ヽ:::\:: ::::| ::l /
444 :
既にその名前は使われています:2006/06/17(土) 19:36:19.65 ID:sr4lXEEc
_,,.-‐-..,,_
/ `''.v'ν
i' / ̄""''--i 7
!ヘ /‐- 、u. |'
|'' !゙ i.oニ'ー'〈ュニ! ま、まてキバヤシ
,`| u ..ゝ! いくらなんでもイッキ篇をたったの2投下でやめてしまうのは
<:::::\ (二> / 早すぎやしないか
\::::\ '' /
\ \. , ̄
_
445 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/17(土) 19:38:15.77 ID:78wz9QXN
>>444ナワヤってこうして見るとナジそっくりだなw
446 :
既にその名前は使われています:2006/06/17(土) 19:38:55.31 ID:sr4lXEEc
,. -─- 、._
,. ‐'´ `‐、
/ ヽ、_/)ノ
/ / ̄~`'''‐- 、.._ ノ
i. /  ̄l 7
,!ヘ. / ‐- 、._ u |/
. |〃、!ミ: -─ゝ、 __ .l
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,` /
/`゙i u ´ ヽ !
_/:::::::! ,,..ゝ! 話を作ったからにはちゃんと話の落ちをつけるべきだと思う
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 r'´~`''‐、 / イッキ篇の落ちが付くまで続けてはみないか?
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' /
i、 \:::::::::::::::..、 ~" /
.! \ `‐、. `ー;--'´
私はMMRを応援しますw
448 :
既にその名前は使われています:2006/06/17(土) 19:39:46.38 ID:sr4lXEEc
ト、 ./ /-‐'´ .|
| V .⊥,.ィ /'7
| / // / ./ /
| // | / // /
_>-‐|/l/‐-く/ヽ、
/ `<⌒
/ ヽ
/ \
i u l
,!ヘ. ‐- 、._ |
. |〃、! -─ゝ、 __ .l
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,` /
/`゙i ´ ヽ !
_/:::::::! u ,,..ゝ!
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 r'´~`''‐、 /
>>445 ! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' / な、なんだとー?!
i、 \:::::::::::::::..、 ~" /
.! \ `‐、. `ー;--'´
ヽ \ \ /
449 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/17(土) 19:41:01.84 ID:78wz9QXN
>>609さん。以前バスフェイト達は責任を他の赤鎧達に押し付ける方向で動くと書きましたが、
ここまで来訪者がワンサカ来る以上…てか来訪者の一部が組織だって反撃してきてますので、
誰のせいにしようが職務怠慢で普通に責任を問われますので表に出てくると思われます。
450 :
既にその名前は使われています:2006/06/17(土) 19:41:11.21 ID:sr4lXEEc
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ
,.‐' ヽ:::::::/ ゝ‐;----// ヾ.、
[ }二 |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゙l リ ̄ヽ |l:::::::::::!ニ! !⌒ //
. i ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ':::::::::::::::::ゞ)ノ./
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ :::::::::::::::::i/‐'/
i::::::::::::: .:::ト、  ̄ ´ ::::::::∪::::::l、_/::|
!:::::::::::: :::::::::::::::::::::|:::::::::::|
ヽ::::::::::: --───-- :::::::::::::::::: !::::::::::::ト、
ナワヤ
そうだな
テメーの言ったとおりちゃんとおちはつけるべきだったよな
451 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/17(土) 19:41:43.31 ID:78wz9QXN
MMR応援あげwwwwやっぱおもろいwwww
452 :
既にその名前は使われています:2006/06/17(土) 19:43:09.09 ID:sr4lXEEc
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ
,.‐'´ __ ヽ /.i | __\. |、ゝ‐;----// ヾ.、
[ |、! '´lノ: |}二. {`´ ヽ! lノ:!ヽヽ |. |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゛l |`} ..: |:::| リ ̄ヽd、 |:::| /|ヽ |l !ニ! !⌒ //
. i.! l .:::::. ┴'‐ ソ;;:.. ヽ、._⊥:L.|ノ _,ノ' ゞ)ノ./
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ i/‐'/
i .:::ト、  ̄ ´ l、_/::| ワナヤ!
! | ̄ ̄| |: | 俺 作るよ!!
ヽ ヽ、__/ !:: ト、
453 :
既にその名前は使われています:2006/06/17(土) 19:44:04.76 ID:sr4lXEEc
ヽ __i_ ,. -─- 、._ \ヽ. ,
i ,. ‐'´ `‐、 ヽ丶
/ ヽ、_/)ノ \
/ / ̄~`'''‐- 、..__ ノ
\\ i. / :::::l 7.
\ヽ ,!ヘ. / ‐- 、._ ::::|/
. \ |〃、!ミ: -─ゝ、 __:::l __|__ .
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,`::/ │.
┼ /`゙i ´ ヽ:::::!
_/:::::::! ,,..ゝ! \
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 -i-____ 、 /. ヽ わかってくれたかキバヤシ!
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' / -i- さあ書こうぜ!イッキ篇の続きを!!
i、 \:::::::::::::::..、 ~" /ヽ丶
.! \ `‐、. `ー;--'´ \ヽ -‐
454 :
既にその名前は使われています:2006/06/17(土) 19:45:29.60 ID:sr4lXEEc
ワキワキ ワキ ,ヘ
., --、 i´!⌒!l r:,=i /ヽ / ∨
.|l⌒l l | ゙ー=':| |. L._」 )) l\/ `′
.i´|.ー‐' | | |. ! l ワキワキ _|
|"'|. l │-==:|. ! ==l ,. -‐; \ ただし続きは続きでも
i=!ー=;: l | l. | | / // > MMR変の続きだがな!!!!
│ l l、 :| | } _|,.{:: 7 )) ∠__
|__,.ヽ、__,. ヽ._」 ー=:::レ' ::::::|; 7 /
\:::::\::::: ヽ ::::::!′ :::| .:/ /_
/ヽ::: `::: :::: ....::..../ ワキ | ,、
l/ ヽ ,ヘ
\/ ヽ/
455 :
既にその名前は使われています:2006/06/17(土) 19:46:03.43 ID:sr4lXEEc
ナ ゝ ナ ゝ / 十_" ー;=‐ |! |!
cト cト /^、_ノ | 、.__ つ (.__  ̄ ̄ ̄ ̄ ・ ・
\  ̄ ̄~Y〜 、 | \ __ |丶 \  ̄ ̄~Y〜 、
| \ __ / \ |ゝ、ヽ ─ | \ __ / \
|ゝ、ヽ ─ / ヽ|│ ヾ ゝ_ |ゝ、ヽ ─ / ヽ |
│ ヾ ゝ_ \ |│ ヽ_ _ / │ ヾ ゝ_ \ |
│ ヽ_ _ / /| |\ |\ヽ _ // /│ ヽ_ _ / /| |\ \|
,!\ヽ _ // / | \ |ヽ\二_二// ∠\ヽ _ // / | \ |
. | ヽ\二_二// ∠二二二|.l | ヽゝソゝ|TT|<ゝヽ\二_二// ∠二二二| ヘ |
!_ヒ; | ヽゝソゝ|TT|<ゝソ フ | ヽ___ ノ/|| .ミ__ | ヽゝソゝ|TT|<ゝソ フ |,.-'、 |
/`゙i ヽ___ ノ/|| .ミ__ ノ !{ 凵@ ヽ___ ノ/|| .ミ__ ノ|//ニ !
_/ ! 凵@ ! ゙! .F二二ヽ u .゙! 凵@ | トy'/
_,,. -‐ヘ ヽ、 u F二二ヽ / !、 |/⌒⌒| /! F二二ヽ u ;-‐´
! \ ヽ |/⌒⌒|/ ヽ ==′ / ヽ |/⌒⌒| / ト、
i、 \ ..、 ==/ ヽ.___,./ //ヽ、==′ / ゝ
.! \ `‐、. `ー;--'´ //イ //〃 \ __, ‐' / / \
ヽ \ \ / / /i //  ̄ / /
456 :
既にその名前は使われています:2006/06/17(土) 19:48:28.18 ID:sr4lXEEc
, --- 、_
/ミミミヾヾヽ、_
∠ヾヾヾヾヾヾjj┴彡ニヽ
/ , -ー‐'"´´´ ヾ.三ヽ
,' / ヾ三ヽ
j | / }ミ i
| | / /ミ !
} | r、 l ゙iミ __」
|]ムヽ、_ __∠二、__,ィ|/ ィ }
|  ̄`ミl==r'´ / |lぅ lj
「!ヽ、_____j ヽ、_ -' レ'r'/
`! j ヽ j_ノ
', ヽァ_ '┘ ,i
ヽ ___'...__ i ハ__ <いじょうMMR劇場の提供でお送りしました
ヽ ゙二二 ` ,' // 八
ヽ /'´ / ヽ
|ヽ、__, '´ / / \
MMRキタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*
458 :
既にその名前は使われています:2006/06/17(土) 20:02:29.76 ID:LZYmojVu
最近このスレを見つけて面白そうだから自分も携帯で執筆してますが、とりあえず書けたら投下してみていいですかね…?
……文才ないですけど。
orz
459 :
既にその名前は使われています:2006/06/17(土) 20:04:06.28 ID:sr4lXEEc
,. -─- 、._
,. ‐'´ `‐、
/ ヽ、_/)ノ
/ / ̄~`'''‐- 、.._ ノ
i. /  ̄l 7
,!ヘ. / ‐- 、._ |/
. |〃、!ミ: -─ゝ、 __ .l
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,` /
/`゙i ´ ヽ !
_/:::::::! ,,..ゝ! あらすじ
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 r'´~`''‐、 / ゲームにとらわれた人々を助けるために
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' / MMRは自らゲームに入っていった
i、 \:::::::::::::::..、 ~" / そこでゲーム内洗脳プログラムである
.! \ `‐、. `ー;--'´ エージェントに即発見されてもうたMMR
ヽ \ \ / エージェントの放った銃弾がキバヤシを捕らえたと思われた
その瞬間奇跡が起こった
460 :
既にその名前は使われています:2006/06/17(土) 20:05:00.79 ID:62cS2fiK
お題:自キャラになった、ででお話を書くスレ
461 :
既にその名前は使われています:2006/06/17(土) 20:09:57.24 ID:sr4lXEEc
ィク
__,、 | | くニ} {fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj
i''i;」. 'ヽー' 、
くニ} {fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj
//``ヽ//``'''''''ヽ
〈;i' ``> ヾ``i l
/ / {二) ←キバヤシ
, --- 、_
/ミミミヾヾヽ、_
∠ヾヾヾヾヾヾjj┴彡ニヽ
/ , -ー‐'"´´´ ヾ.三ヽ
,' / ヾ三ヽ
j | / }ミ i
| | / /ミ !
} | r、 l ゙iミ __」
|]ムヽ、_ __∠二、__,ィ|/ ィ }
|  ̄`ミl==r'´ / |lぅ lj
「!ヽ、_____j ヽ、_ -' レ'r'/
`! j ヽ j_ノ
', ヽァ_ '┘ ,i
ヽ ___'...__ i ハ__ <何ぃ!?避けただと!!
ヽ ゙二二 ` ,' // 八
ヽ /'´ / ヽ
|ヽ、__, '´ / / \
,. -─- 、._
,. ‐'´ `‐、
/ ヽ、_/)ノ
/ / ̄~`'''‐- 、.._ ノ
i. /  ̄l 7
,!ヘ. / ‐- 、._ u |/
. |〃、!ミ: -─ゝ、 __ .l
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,` /
/`゙i u ´ ヽ !
_/:::::::! ,,..ゝ!
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 r'´~`''‐、 / 何だキバヤシ
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' / 今の動き
i、 \:::::::::::::::..、 ~" / 銃弾を避けたなんてどういうことだ?!
.! \ `‐、. `ー;--'´
ヽ \ \ /
_,.. -─ ─-、 しァ
/!/ヽ‐'" / イ⌒ヽ
,l_/ l l / /! ヽ
|l /lハ// V| ! ハ
| l / イ ヽヽ/Vl !
| ハVヽト`ー- ' イ/ ,ィ/! \ ∧l |
、ト、 \ ヽー- ' _,..ィ/ // ハ ト、 l!
\ ヽ_,.メ、<イ_/__,.._-=ニ-ヽ _,/
ヽi`、| 、‐rッヾ =|二|-=_rッァ `}',.}
{ ヽ!  ̄ シノ! ヽヽ  ̄ //リ
ヽヽ!`ー--‐'´/| ` ー--‐ ' /./ フフ
\! ヾ_,. /‐' 何も驚く必要などない
_ィニlヽ __ ,イiヽ、 ガン=カタを使えば銃弾など容易に避けれる
_,. -‐'" l | \ `二´ ,r' l ! `ヽ、._
_,. -‐ '" l | \ / | l `` ー- 、._
‐'" _,. -‐  ̄`ヽrァr--`‐──'‐‐-r ,! ! `` ー-
_,.ィ´ ヽ、._ ヽ ./ /i l
ァ‐/ / \_ノ! l / l ',
/ { `ヽ、 }!ヽ! /V ! ヽ
_,,.-‐-..,,_
/ `''.v'ν
i' / ̄""''--i 7
!ヘ /‐- 、u. |'
|'' !゙ i.oニ'ー'〈ュニ!
,`| u ..ゝ! ガンカタ?!
<:::::\ (二> /
\::::\ '' / 一体何なんだそれは
\ \. , ̄
_
`‐、ヽ.ゝ、_ _,,.. ‐'´ //l , ‐'´, ‐'`‐、\ |
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ く
,.‐'´ `''‐- 、._ヽ /.i ∠,. -─;==:- 、ゝ‐;----// ヾ.、
[ |、! /' ̄r'bゝ}二. {`´ '´__ (_Y_),. |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゙l |`} ..:ヽ--゙‐´リ ̄ヽd、 ''''  ̄ ̄ |l !ニ! !⌒ // わ
i.! l .::::: ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ' ゞ)ノ./
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ i/‐'/ ガンカタが何なのか
i .:::ト、  ̄ ´ l、_/::| っ 教えてやろう!
! |: | ガンカタ・・それは!
ヽ ー‐==:ニニニ⊃ !:: ト、 !
ガンカタとは銃を使った武道である
(゚д゚ )
(| y |)
この武道を極めることにより…
( ゚д゚) ;y=‐ ;y=‐
(\/\/
攻撃効果は120%上昇
( ゚д゚) ;y=‐
(\/\
\ ;y=‐
防御面では63%上昇
ー=y;―
|
(゚д゚ )
ー=y;_/| y |
ガンカタを極めたものは無敵になる!
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ
,.‐' ヽ:::::::/ ゝ‐;----// ヾ.、
[ }二 |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゙l リ ̄ヽ |l:::::::::::!ニ! !⌒ //
. i ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ':::::::::::::::::ゞ)ノ./ 発射された銃弾を目で確認して
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ :::::::::::::::::i/‐'/ 避けるなど人間には不可能
i::::::::::::: .:::ト、  ̄ ´ ::::::::∪::::::l、_/::|
!:::::::::::: :::::::::::::::::::::|:::::::::::|
ヽ::::::::::: --───-- :::::::::::::::::: !::::::::::::ト、
,ィィr-- ..__、j
ル! { `ヽ, ∧
N { l ` ,、 i _|\/ ∨ ∨
ゝヽ _,,ィjjハ、 | \ しかしガン=カタをマスターすることによって
`ニr‐tミ-rr‐tュ<≧rヘ > 弾丸が発射される毎に
{___,リ ヽ二´ノ }ソ ∠ 当たる確率の最も低い位置へ体を動かすことが可能なんだよ!!
'、 `,-_-ュ u /| ∠
ヽ`┴ ' //l\ |/\∧ /
--─‐ァ'| `ニ--‐'´ / |`ー ..__ `´
く__レ1;';';';>、 / __ | ,=、 ___
「 ∧ 7;';';'| ヽ/ _,|‐、|」 |L..! {L..l ))
| |::.V;';';';'| /.:.|トl`´.! l _,,,l | _,,| , -,
! |:.:.:l;;';';';'|/.:.:.:||=|=; | | | | .l / 〃 ))
l |:.:.:.:l;';';'/.:.:.:.:| ! ヽ \!‐=:l/ `:lj 7
| |:.:.:.:.l;'/.:.:.:.:.:.! ヽ:::\:: ::::| ::l /
ナ ゝ ナ ゝ / 十_" ー;=‐ |! |!
cト cト /^、_ノ | 、.__ つ (.__  ̄ ̄ ̄ ̄ ・ ・
, i v y,i , .
_,-' ` " ` -
ソ` " '-_ _ _, -─── 、_ _
,ヘ - , -─v─- 、 ,-'" ヽ
- l"'`'""``!'n'i ; , .ミ 、_/ ニ三ミ〃三ー \._, / `ヽ
' / へ u u 'i ミ ィ ´ ,イ ハヽ ヽ \` `z / ヽ,
' / \ _∠ヽ ミ._ゞ // l ! l‖l l ヾ. ` ミ-. ,' ヾ;
| __ /==.l√o¬┐ イ/o¬ ミ_≧ 〃//イ.| ト| |│| l トl ヽ \.ゝ . l /⌒; _,_, -ヘ、,')`; i
| / |/ └=ニ ニζ ̄ヽ== (, ` ._,彡 ノ ,イ十-(、ヘハル;リ‐弋 ヽ ヾミ_ ._i l .i ', ノ/ .u t'て`t`ノノノ ノ_ .|
( | , _) |` _> ノ ノ ドニウ`ゞ` チ'セフ ヽ \<._..l ヽ、ソ'. `─' '",rz-t', ./
iY u __ l _≧ ノ ,イ } ト ヽ ≦. `; /:| ._ ',` '-'/ /
i l ./_⌒---]u l ,彡 ー !u ヒ_,. ハ ヽ三- ,'//::.:', , ' /
;;lヽ ( ⌒¬ ] / _三.ノ ヽ -─‐-、 ,ハ ヽ< / / :::::'., 、-‐、 //
l ;ヽ u丶___ / / ≧_ ノ |.\ ´ ̄" / | ハ ≦ / ::::::'.,  ̄ ~./
l ;;; 丶 =-- / _,.. -‐'イハ| \.___/ ト トゞー ', :::::::ヽ u /
┴ ;; u── / ルリ、 |ハゝl ', ::::: ── '"
ヽ ;; l / :|ヽ、 /| | ' , ::' ' / \
,. -─- 、._
,. ‐'´ `‐、
/ ヽ、_/)ノ
/ / ̄~`'''‐- 、.._ ノ
i. /  ̄l 7
,!ヘ. / ‐- 、._ u |/
. |〃、!ミ: -─ゝ、 __ .l
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,` /
/`゙i u ´ ヽ !
_/:::::::! ,,..ゝ! キバヤシ
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 r'´~`''‐、 / お前いつの間にそんなすごい武術
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' / マスターしてたんだよ
i、 \:::::::::::::::..、 ~" / すごい初耳だぞ
.! \ `‐、. `ー;--'´
ヽ \ \ /
. lヽミ ゝ`‐、_ __,. ‐´ / ,.イ \ ヽ |
`‐、ヽ.ゝ、_ _,,.. ‐'´ //l , ‐'´, ‐'`‐、\ |
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ
,.‐'´ `''‐- 、._ヽ /.i ∠,. -─;==:- 、ゝ‐;----// ヾ.、
[ |、! /' ̄r'bゝ}二. {`´ '´__ (_Y_),. |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゙l |`} ..:ヽ--゙‐´リ ̄ヽd、 ''''  ̄ ̄ |l !ニ! !⌒ //
. i.! l .::::: ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ' ゞ)ノ./ なあにかんたんなことだ
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ i/‐'/ ゲームに入る前にな
i .:::ト、  ̄ ´ l、_/::| 知り合いのスーパーハッカーに
! |: | ゲーム内でのステータスを
ヽ ー‐==:ニニニ⊃ !:: ト、 ガンカタマスターに変えておいてくれと頼んでおいたんだ
ヽ 、__,,.. /:;;: .!; \ ちなみにナワヤお前もガンカタマスターに変えておいたぞ
ヽ __i_ ,. -─- 、._ \ヽ. ,
i ,. ‐'´ `‐、 ヽ丶
/ ヽ、_/)ノ \
/ / ̄~`'''‐- 、..__ ノ
\\ i. / :::::l 7.
\ヽ ,!ヘ. / ‐- 、._ ::::|/
. \ |〃、!ミ: -─ゝ、 __:::l __|__ .
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,`::/ │.
┼ /`゙i ´ ヽ:::::!
_/:::::::! ,,..ゝ! \ なんだって
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 -i-____ 、 /. ヽ じゃあ俺もさっきのキバヤシみたいな
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' / -i- すごい動きが出来るのか
i、 \:::::::::::::::..、 ~" /ヽ丶
.! \ `‐、. `ー;--'´ \ヽ すばらしいな!!
∠ヾヾヾヾヾヾjj┴彡ニヽ
/ , -ー‐'"´´´ ヾ.三ヽ
,' / ヾ三ヽ
j | / }ミ i
| | / /ミ !
} | r、 l ゙iミ __」
|]ムヽ、_ __∠二、__,ィ|/ ィ }
|  ̄`ミl==r'´ / |lぅ lj
「!ヽ、_____j ヽ、_ -' レ'r'/
`! j ヽ j_ノ
', ヽァ_ '┘ ,i 洗脳弾を避けるとは
ヽ ___'...__ i ハ__ こいつらは危険だ
ヽ ゙二二 ` ,' // 八 洗脳は止め
ヽ /'´ / ヽ 排除する
|ヽ、__, '´ / / \
\ヽ \\ + ,.ィ , - 、._ 、
ヽ __i_ ,. -─- 、._ \ヽ. ,イ/ l/  ̄ ̄`ヽ!__
i ,. ‐'´ `‐、 ヽ丶 ト/ |' { :::::`ヽ.
/ ヽ、_/)ノ \ N│ ヽ. ` ::::::::::ヽ
/ / ̄~`'''‐- 、..__ ノ N.ヽ.ヽ、 , ::::::::::}
\\ i. / :::::l 7. ヽヽ.\ ,.ィイハ :::::::::|
\ヽ ,!ヘ. / ‐- 、._ ::::|/ ヾニー __ _ -=_彡ソノ \ヽ、::::::|
. \ |〃、!ミ: -─ゝ、 __:::l __|__ .  ゙̄r=<‐モミ、ニr;==ェ;ュ<_ゞ-=7´ヽ
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,`::/ │. l  ̄リーh ` ー‐‐' l‐''::::冫)'./
┼ /`゙i ´ ヽ:::::! ゙iー- イ'__ ヽ、..___ノ ::::トr‐'
_/:::::::! ,,..ゝ! \ヽ l `___ _i__ ::/:::|
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 -i-____ 、 /. ヽ ヽ. `ー─''´ i /::::ト,
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' / -i- >、 . /::::/::::|ヽ
i、 \:::::::::::::::..、 ~" /ヽ丶 _,./| ヽ`ー--‐ _´.. ‐''´:::::::/::::
.! \ `‐、. `ー;--'´ \ヽ -‐ '''"  ̄ / :| ,ゝ=<::::::::::::::::::::/::::::
排除? や れ る も の な ら や っ て み た ま へ !
∧_∧ ドルルルルルルルルル!!!!!
( #゚∀゚)___。 \从/ _ _ _ _
ミ( つ【〔ロ=:(∈(二(@ > ‐― ‐ ― _ -
人 ヽノ B ̄゛ /W'ヽ  ̄
(__(__) B 、、、 ,,,
消えろMMR!!!
━−−‐‐‐
━Λ_Λ−‐‐
( ´∀`)ーっ__ ミ
⊂ニ__ ̄ヽ \ 当たらんなー!!
(__)_) ←MMR
「すごい、彼らみたいだわ」
,一-、
| l ̄ ヽ.
6-■■
ヽ´-'/ 何故だ.
/|Y/\ 何故当たらん・・
`‐、ヽ.ゝ、_ _,,.. ‐'´ //l , ‐'´, ‐'`‐、\ |
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ く
,.‐'´ `''‐- 、._ヽ /.i ∠,. -─;==:- 、ゝ‐;----// ヾ.、
[ |、! /' ̄r'bゝ}二. {`´ '´__ (_Y_),. |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゙l |`} ..:ヽ--゙‐´リ ̄ヽd、 ''''  ̄ ̄ |l !ニ! !⌒ // わ
i.! l .::::: ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ' ゞ)ノ./
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ i/‐'/
i .:::ト、  ̄ ´ l、_/::| っ
! |: |
ヽ ー‐==:ニニニ⊃ !:: ト、 !
|ヽ \\ | | | / / // レ" |' ./ | ,,-‐/
| \、 \\ ヽ i゙i;:. // /// |i/ /-'" /
\ \\ ,,-==─‐ / ̄ / _,,-''" / | / /
\ ,-/ _/ ,,‐''-''ヽ ,,-‐'''‐-、 /ノ / ノ / /,,-─/
/ / '" / / ,,-、 /、ヽ\ ゙i;,-''" / ./ /─''''" ̄ ,,/
/ ./ / ,,,-‐'"-/ / ./ ゙" "\ ゙i;, | 、// / " ,,,/
-''/ / ,,-''"_ / // ヽ l / レ'/~ /‐/
| l| ,,-'"/゙/,」| / ..::;;;,,, } / |~ ,,-‐,,,-''' //~
/-'''''| | /l /‐'''/'' .人 i' .:: :;'" / / l ノ゙i// ,,-‐'"──==
i;: | /‐' ./__ ゙i;,. |゙i /-─=====-、ヾ /ヽ‐'" ,,,-‐二
ヽl:i' ,.‐'´ `''‐- ゙i;: | ゙ /.i ∠,. -─;==:- 、ゝ‐;----// ヾ.、'''" ̄~-''"
ヽ|[ |、! /' ̄r'b\゙i. {`´ '´__ (_Y_),. |.r-'‐┬‐l l⌒ | },,-‐'''"~
゙l |`} ..:ヽ--゙‐´リ ゙ ヽd、 ''''  ̄ ̄ |l !ニ! !⌒ //
. i.! l .::::: ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ' ゞ)ノ./
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ i/‐'/
i .:::ト、  ̄ ´ l、_/
! |
ヽ ー‐==:ニニニ⊃ !
おれはとんでもない戦闘力の違いを見せ付けているのかもしれない!!
つづく
482 :
既にその名前は使われています:2006/06/17(土) 22:03:40.40 ID:MwkbxdMS
やっぱMMRはどんな題材にも合うわw
MMRはいだいにゃー
484 :
既にその名前は使われています:2006/06/18(日) 01:10:55.70 ID:cq3H12P4
>>353 これはヤクやってて、単にトリップしてるだけかもわかんねw
486 :
既にその名前は使われています:2006/06/18(日) 01:56:06.47 ID:bNSXtuie
ちょwこの画像は想定外w
侵食率ってなぁに?
とか1スレからいるわりに色々と分かってない609です。こんばんは(´・ω・`)
>449
ええと、意図がよく分からないのですが、取り敢えず了解しましたw
彼らの活躍期待してますヽ(´ー`)ノ
ハエの後ろの小さなスペースにどうにか体を押し込み、ハエに行先を任せて空を見上げた。
太陽は背後の山並みへと傾き、全てを赤く照らしている。風に追いやられた雲が、自ら灯火に飛び込む虫のように、太陽を目掛けて西へと流れて行く。
彼女の馬術はとても巧みだ。ルーファスとはまた違った熟練がある。
ルーファスはチョコボを乗りこなしていたけど、ハエはチョコボと一緒に走っている。競争をしたら勝つのはルーファスで、一頭のチョコボと末永く暮らすならハエ。そんなところか。
木々に覆われた谷間に差し掛かると、水の匂いがしてきた。湖だ。
名前も忘れてしまったけど、昔はよくここで蟹を狩った。不用意に魔法を使ってはエレメンタルに気づかれて、慌てて鍾乳洞に逃げ込んだりしたっけ。
この谷を抜ければ、ホラの遺跡だ。
「ちゃんと掴まって、振り落とされたら大怪我じゃ済まないわよ」
ハエが真面目な声で言う。気は進まないが、素直に従ってその腰に手を回す。落馬の怖さは以前読んだ本で知ってた。
高原の気候のせいか、ジャグナーやロンフォールに比べてどこかまばらな木々が視界を飛ぶように流れていく。
水の匂いが遠くなり、目的のホラが見えるまで、さほど時間はかからなかった。
ホラは遠近感が狂うほど巨大な白い一枚岩の遺跡だった。
ティーポットに似ている。いや、何かもっとよく似たものを知ってるんだが……と思いかけ、すぐに馬鹿馬鹿しくなってやめた。こんな荘厳な景色を見て想像するのが便器なんて、どうかしてる。
近づくにつれて遺跡がどんどん大きくなる。麓に辿り着いた頃には、それはもう白い巨大な一枚の壁にしか見えなかった。
壁を右手に見ながらぐるっと回り込むと、チョコボ厩舎から少し行ったあたりに、ささやかな宿場があった。
それは修道院と馬車宿に、数件の農家が寄り集まったような小さな集落で、サンドリア国教会の修道僧が修行の場として拓いたのが始まりだとハエが教えてくれた。
自分の記憶だとここにはエルヴァーンの坊さんが一人突っ立っていただけのはずなんだが、それを聞いたハエにはつまらない冗談ねと一蹴されてしまった。
そうだ、ここはポリゴンでは省略されてしまっていたものが見える世界なのだ。
ハエの用事は、ここの修道院への届け物だという。
修道院は畑と宿舎と蔵、そして礼拝堂がくっついたような構造で、コマンドリという様式なのだそうだ。
おれはハエを手伝って荷物を担ぐと、彼女の後について修道院を訪ねた。
「こういうのっていいわね。サンドリアの紳士の流儀って、実は憧れていたの。ミスラは男も女も平等だけど、私は嫌。女の子なら、男の人に守ってもらいたいもの」
ハエは少し嬉しそうに微笑んで、そう言うと荷物を全部おれに持たせ先立って歩き出した。
お前の話を聞く限り、ミスラだって男女平等じゃないぜ。どっちかというと、男の方が搾取されてるように感じるよ。
届け物は書物と、ここの農場では調達出来ない香辛料や調味料の類だった。
おれは肩の荷を下ろしてほっとしたが、代わりの品を大量に担がされて、始めよりも荷物が増えてしまった。緻密な刺繍の施され聖別された織物だそうだ。
ハエとおれは修道士と挨拶を交わし、形ばかりの世間話をしてその場を後にした。
修道士達もアルタナに信仰を置く連中のはずだが、ユリフィナのそれとは随分違う。
ユリフィナはアルタナを身近に感じていたし、他人の信仰のスタンスについてとやかく言う事はなかった。
それに比べてここの修道士達は女神よりも教義の方が大切と見え、事あるごとに説法話を吹っかけるのを好んだ。
肩に食い込む荷物の重さへの不満をそこにぶつけると、ハエが彼らの信仰について教えてくれた。彼らは教義とシステムを完成させる事で全員でアルタナに近づくのが目的なのだという。
ひとまず自分が救われる事を目指し他人に寛容になる信仰と、全ての人が救いに達する事を目指し他人に口やかましくなる信仰、どちらが女神の意図により近いのだろう?
馬車宿でもう一頭チョコボを手配し、それに荷物を分けて積み込む。
二本足のチョコボは馬ほど荷物を運べないが、元々おれ一人で担げる程度の量に雑貨少々だから問題ない。いや、あんな物を担ぐのは頼まれたって二度と御免だが。
馬車宿は全国にあるチョコボネットワークのラテーヌ支部で、街道に近いホラ北側に設けられたチョコボ厩舎の拠点だそうだ。
念の為確認してみたが天晶堂とは関係ないらしい。どちらかというと、市場を独占している天晶堂に対抗する為にAH協会や職工ギルドなどと提携しているという。
おれ達は一頭ずつ分かれてチョコボに乗り込むと、夕焼けの赤に染まった空の下、一路南を目指した。
街道に沿ってクレヴァスを迂回し、高原を流れる風が湿った冷気を含み始めた頃、高原の出口に当たる山道に辿り着く。
ハエの真似をしてチョコボを好きに歩かせ、時折首筋を軽くなでてその働きを労う言葉をかけてやった。どうやらこれの方がおれの性にあってるらしい。
やがて湿った土と柔らかい下草に覆われていた山道が、砂とかたい低木に取って代わり始めたのを見て、バルクルム砂丘に差し掛かった事に気づく。
バルクルムはラテーヌとコンシュタットの間にある険しい山々を避ける道として発達した通商ルート。二つの高地を迂回する形で海岸沿いを通る道。
もう空は夕暮れから、夜闇を目前に控えた紫色に変わっている。
木々が樺や杉といった高地のそれから、海風に強い椰子や蘇鉄に推移して、乾いた風が吹く。
ちらほらと、夜営の火が見えた。街道を荒らす兎や蜥蜴、それにゴブリンを狩る冒険者達だ。
邪魔だから殺す、金になるから狩る。それは人間のエゴなのかもしれない。でも、リアルの倫理観で是非を問うのはそれこそエゴだ。この世界の人類はリアルほど強くないのだから。
水のない砂丘の夜は恐ろしく冷える。
おれは羽織っていた外套を体にきつく巻きつけ、月明かりに照らされ青白く輝く砂地を進んだ。乾いて澄んだ空気のおかげで、星空が綺麗だ。見知らぬ星座が瞬く様がよく見えた。
砂地では蹴爪で踏ん張れないので、チョコボを疲れない程度のだく足で進ませる。左手に海が見えて、先行するハエが西に向かっている事にようやく気づいた。
「ハエ、バストゥークに行くんじゃないのか」
大声で呼びかけると、ハエが手綱を引いてチョコボを留める。
「そうよ。だから今日はセルビナで一泊しましょう。明日北グスタベルグの監視塔でもう一泊して、何事もなければ昼過ぎにはバストゥークに着けるわ」
監視塔というのはアウトポストの事らしい。
前哨基地として使われていたのは昔の話、今ではその地域を監視する部隊が駐留する砦の周りに商人や旅人が集まって、ホラの遺跡にあったような宿場を形成しているのだという。
ただ、ここの監視塔だけは、目と鼻の先にセルビナがある為か宿場として発達しなかったのだそうだ。
「冒険者のくせに、何も知らないのね。貴方たちが影で何て言われているか知ってる? "冒険者が冒険をしていると思っているのは、冒険者本人だけ"よ」
素直に感心するおれに、ハエが呆れ顔で冒険者の風評を教えてくれた。
冒険者には、彼らは既知の地域で紛争の解決を主な生業にする者が多い。天晶堂や国の探検家に雇われるのでない限り、前人未到の秘境はおろか、安全な歩き方が確立していない既知の土地すら訪れない。
紛争の解決というのは、要はコンクエストとか言う奴の事だ。その地の領主が自力で領地の治安を守れないと判断した時、四国同盟に申請してコンクエストに参加するのだという。
冒険者が自由に歩きまわれるのは、この紛争地域と、冒険者を受け入れている四国だけだ。それ以外の、自力で治安を維持出来ている地域では、武装した冒険者など邪魔でしかない。
コンクエストに参加すると、その地の治安に最も貢献した国への年貢を支払う必要が出てくるという。領主の上にもう一人領主が就くようなものだ。
行けるエリアが増える度に無邪気に喜んだものだが、その影では、世界全体の治安の悪化があったのだ。
おれ達がはしゃぎながら訪れ、死にエリアだと見捨てたその地では、人々が戦い敗れて、すがる思いで自分達の土地をコンクエストに差し出したという経緯があったのだ。
押し黙ってしまったおれにハエは慰めるように笑うと、
「気をつけてね。冒険者というだけで露骨に侮蔑したり攻撃したりする人もいるけど、それはそれだけ、貴方たち冒険者に期待をしているからなのよ」
そう言っておれの二の腕に優しく触れた。
「長話が過ぎたわ、行きましょう。宿がしまってしまう」
ハエが、疲れたのか歩を緩めてのんびり進むチョコボの腹を軽く蹴って急がせる。
どうにも世の中は、おれの想像をはるかに超えて複雑であるらしい。
おれはこのきれいな世界の全てに、おれの事を値踏みされているような気分でハエの後を追いかけた。
セルビナに着いたのは、夜半にはまだ間があるが、人々は寝静まり始めている、そんな遅い時間だった。
外敵に備えるべきか、来客を迎えるべきか。そんな製作者のジレンマを感じる門を潜り抜け、岩壁に守られた港町に入る。
セルビナの町並みは岩壁から流れ出す川の作り出した扇状地の上に建てられ、入り口はその扇の要に近い小高い場所だった。
右手の織工ギルドや漁業関係者の集まる地域はすっかり寝静まっていたが、左手の歓楽街は未だ煌々と灯りが点って、夜が来た事にすら気づいていないようだ。
おれ達は一番高い場所にある「羊飼いの溜まり場」とかいう宿に部屋を取った。
羊飼いの溜まり場の本館は樽みたいな建物で、こちらには食堂や受付などがあり、実際の宿泊客は木と茅で組まれた風通しのいいバンガローを使う。
チョコボを厩舎に預けて荷物をバンガローに入れ、おれ達はひとまず腹ごしらえをすべく食堂へと向かった。
この時間の食堂は酒場になっていて、静かに語らう恋人達、たまの休暇を共に楽しむ友達、家を抜け出してこっそり飲む地元の人達でごった返していた。
ハエがうるさい海側を避けて、張り出したバルコニーの北側に席を取った。
どうしてこんな陰気な席に、と訝しむおれに、彼女は笑って上を指差す。天上には、街の灯りに遮られる事もない、満天の星が輝いていた。
「素敵だと思わない? 星達が私たちの為にテーブルを照らしてくれているの」
背骨から尻尾にかけてむず痒いような場違いさを感じながら、食前酒で乾杯をする。
そして出てきた料理に、おれは目を見張った。
大皿に盛られた刻みキャベツ。添えられたマスタード。そして黄金の衣に包まれた巨大な肉の塊。洋食屋でカレーを入れるような容器になみなみと入っているのはソースだろうか。
「これは……とんかつ?」
「あら、知っているの? 私こんな料理初めて見たわ」
ハエも初めて見るとんかつに、目を丸くしている。
「……おれもパスタでとんかつを食うのは初めてだよ」
一緒に出てきたのは小ぶりの皿に盛られたパスタで、トマトソースのものとオリーブオイルか何かで味付けされたものがあった。
食前酒が出てきた時はコース料理かとも思ったのだが、そういう習慣の店ではないらしい。
まぁ、もっと早くに宿について予約でもしていたのなら話は別だったかもしれないが、テーブルマナーなんて知らないおれからすればこちらの方がありがたい。
とんかつを取り分け、パスタと一緒に食べてみた。
取り合わせはともかく、味は気に入った。
ソースはデミグラスソースに手を加えたものだし、肉も豚ではなかったけど、ヒレカツみたいな味でうまかった。
ハエも気に入ったらしく、舌鼓を打ちながら、変な格好の有名人という、ムードもくそもない話題で盛り上がった。
個人的にはナグモラーダの変態ぶりもなかなかだと思うのだが、ハエは彼の事を知らなかった。
トリオン王子のソロモンヘアと、フォルカー隊長の髭サブリガのどちらかがより変な格好かで議論が白熱しているところに、小太りのいかつい初老の男がやってきた。
この宿専属の料理人、ヴァルゲールだ。クエストに出てくるだけで料理は食べた事がなかったが、ちゃんと料理もうまかったらしい。
「とあるミスラに教わった、郷土料理"とんかつ"でございます。お気に召して頂けましたか」
口調は慇懃で穏やかだが、どこか尊大さと親しみを感じさせる不思議な声。
「ええ、とてもおいしいわ。これはきっと、このレストランの看板料理になるわね」
ハエに日本の誇る料理とんかつを褒められて、おれは何だか自分の事のように嬉しくなった。
「ハエ、それは言い過ぎだ。まだまだ貴女には味わってもらっていないメニューがたくさんあるのだから」
砕けた口調になるヴァルゲール。先ほどの慇懃な態度は、どうやら連れへの配慮だったらしい。
「おいしかったです。これは羊の肉ですか?」
おれの感想に、ヴァルゲールが苦笑をする。
「ええ、若い子羊の肉です。本当は、ブタロースの肉を使うそうですがね、どうもこの辺りにはブタロースなどという動物はいないようなので」
ブタロースじゃなくて、豚ロースだ。
「いやでも、ヒレカツの味によく似ています。懐かしさもあって、夢中で頂きました」
「彼女と同じ事を言いますね。実を言うと、この料理を教えてくれたミスラに試食をしてもらって、色んな食材を試してみたのですよ。その中でどうにか彼女の眼鏡にかなったのが子羊でしてね」
それでも、彼女が言うにはまだこれはとんかつではなく、ヒレカツなのだという。いや、ヒレ肉使ったってとんかつはとんかつだろ。
「彼女というのは、ひょっとしてイッチとかいう名前でしたか?」
意外そうに眉を跳ね上げ、深く納得したように頷くヴァルゲール。
「お知り合いでしたか。なるほど、道理で……」
「いや、会った事はないです。ただ多分、同郷なんじゃないかな、と」
ていうかヴァナに来てまで何やってんだ。とんかつにこだわってる余裕なんてあるのか。
ふと気づくと、ハエがつまらなそうに頬杖を突いている。
おれ達は慌てて話題を変えた。
ヴァルゲールはマウラにいるという息子の様子が気に掛かっているらしい。そんなに気がかりなら一緒に暮らせばいいのに、とハエが言うと、それはあいつの為にならない、と彼は真顔で答えた。
息子のライチャードの事でしばし話し込み、デザートを注文する頃には、ハエの機嫌も直っていた。まだ食うのかよこいつ。
バンガローは寝室が二つ、居間が一つ、バーにキッチン、浴室までついた豪勢なものだった。
明日の清算が少し心配だ。ハエは顔パスらしく、おれだけがサインを書かされたのだが、一体いくら掛かるのだろう?
おれ達は順番に風呂に入り、別々の寝室で休んだ。
ハエは「寝室の鍵は開けておくけど、絶対夜這いになんて来ないでね。寝室の鍵は開けておくから」と言っていたので、彼女の意思を尊重しておれは一人ぐっすり眠る事にした。
ひどく疲れた。
だけど、寂しいよりはいい。
以上です(`・ω・´)ノ
MMRにわっふるしつつおやすみなさいませヽ(´ー`)ノ
>>485 ヤクヤモリでオネガイシマスw
>>498 ちょwwww尊重して無いwwwwww
私の方は、【夢】からそろそろ出ておきます
ぎょろり
上下前後左右 私を中心として 囲むように現れた眼が いっせいに 私を 見た
(なんでコイツが俺より先にアレを…)(ウゼー)(何コイツ?マジキモイんだけど)(目障りだ)
冒険者をしていて 何かを手に入れ 何かを言い 何かを行い 様々な理由で 疎まれ 憎まれた
(死ねばいいのに)(消えて欲しい)(氏ね)(死ネ)(消えろ)(存在すんな)(居なくなってくれないかなぁ)
その陰口が 剥き出しの敵意が 私の頭に 流れ込んだ 耳を塞いでも 声は消えなかった
「お前らは自分の利益の事しか考えて無かっただけだろ!!目障りなら見なければれば良いだろッ!!」
私は無意識に 叫び 周囲を囲む 様々な眼に 様々な侮蔑の眼差しを 睨みつけた
叫んだ瞬間 頭に響く声達は 消えた 眼は その眼差しを保ったまま 音も無く 移動を始めた
眼は 私の前に 集まると 黒い 黒い 人の ミスラの 影の形へと 変化した
「…オマエは力を、既に与えられている。敵に殺意を抱け。敵を八つ裂きにしろ。敵を喰い殺せ。」
黒い影が 低い 押し殺したような声で 私へ 敵はコロセと 呪詛のように 呟く
「…………。おまえは、誰だ。何故私に敵を殺せと言うのか。何が目的だ。」
「俺は、誰でもない。殺す事が、至高の喜び。目的など、無い。」
………。なんなんだ、コイツは。目的が無いと言いながら、私には殺傷を望み、自らを誰でもないと言う、コイツは。
ふと、背後に、引っ張られるような力と、何かに当たっている感覚が、私に伝わってきた。
白い世界から、視界を横に向ける。 黒い地面や草木、奥から流れてくる金色の川。そんな、サルタバルタ。
何故、ココに居るんだろう…何をしていたんだろう…
確か、普通のサルタバルタでキィと昼寝して、気付いたらココに居た気がする。
何してたんだっけ……なんだっけ……なんだろう…?
あぁ、そうだ、変なアクマみたいなのが現れて…何か見せられて…目の前に来て………後は思い出せない…。
刀…あの熱い刀は、どこだ? 右手に刀が無いのに気付き、身体を起こす。 随分長く寝ていたようだ。
身体を起こし、周囲を見渡してはみたが、それらしいモノも、あのアクマも、視界には写らなかった。
腹の辺りに違和感を感じ、見てみると、傷も無いのに、服が丸く破れ、赤黒い固まった血で覆われていた。
固まってから随分時間がたっているらしく、軽く触っただけでパラパラととれて、肌色の腹部が露になった。
…服が黒いだけに、肌色の肌が目立って、きっと……今の私は相当間抜けて見えるだろう。
とりあえず、見に覚えが無いにしても、全身固まった血まみれになっているのは、あまり嬉しくない。
頭から血を浴びたようにこびりついた血を全て剥がし終え、立ってみる。少し…立ち眩みしたが、大丈夫そうだ。
さて、どうしたものか…刀を探すか…アクマがどこかに居るか確認するか…それとも出口を探すか……
…ん?川が赤い? さっきは金色だったと思ったけど…
丁度橋から川の色が変わっている…。橋の下を覗き込むと、さっきのアクマが…
先刻何かを見せて、私に超接近していたアクマが、大量の紅い刀で、川底に縫い付けられていた。
まず、どこから突っ込めば…いや、何をどう理解すれば良いのだろうか。この区間は何でもアリなのだろうか。
橋の下に、アクマが居るのは、まぁ良い。なんで私の刀が、1本だったのに、10本以上に増えているんだ?w
しかも、アクマの急所という急所を刺し貫いてるみたいだし。 アクマ死んでるっぽいし。
私が寝てる間に一体何が……
いくら私が悩んで考えても、結局答えは出なかった。
「…ぃ…ぉぃ…ぉい…おい…起きろ。そろそろ帰るぞ〜w」
「ぅ゛う……う?」
…あれ?夢?……えぇと…まさか夢オチ?wまぁ現実味無さ過ぎるから、むしろ夢オチであるべきだなw
「なんか唸るような寝言言ってたが、悪夢でも見たか?w」
元の、明るい…いや、今は夕暮れで明るくは無いか。平和な、サルタバルタ。
キィのうしろ…遠くでは、初心者と思しきタルっこがゴブの集団に追っかけられている。今日も平和だ。
「ん〜、悪夢といえば悪夢だけど、よくわからんw」
「なんじゃそりゃwコッチにゃ余計わからんw」
「ま、気にするなw さて…帰るか」
「おうw」
キィが先を歩き、私は後から付いていくように歩きながら、自分の服をまさぐってみた。
当然ながら穴は開いていなかったのだが、刀は無く、爪の色は左右別々の色へと変色していた。
モグハウスに帰って、キィの猛毒薬コンソメスープを飲まされ悶絶し
毒で卒倒したモグを事務所に送り、キィをハイスラでボロボロのギタギタに伸したあと
部屋をくまなく探してみたが、やはり刀は見つからなかった。
「てめぇ!さっきはよくもやってくれたな!!今度は負けネェ!!覚悟しやがれ!!」
「げッ!おまっその鞭どっから持ってきやがったッ!!そんなもん室内で振り回したr…いってぇ!!」
数分後、モグハウスの事務管理担当のガードミスラに
「五月蝿い気が散る一瞬の油断が命取り」と怒鳴り込まれたのは言うまでもないだろう。
いじょです。
アクマは相当強いハズなのに、ろくに出番無く死んでしまいました……しかも描写死語のみw
念のため言っておきますが、アクマを殺ったのはサン(私)ではありません。見たら死んでただけですw
506 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/06/18(日) 08:22:23.80 ID:SJZahq3E
おはようございます。
どなたかが謎の呪いを解いてくださるまで、出番待ちのリードでございます。
続きをわっふるしたい方は「とんかつLOVE」と書いてください。
ホラ(その他)の遺跡が便器に見える、というのはイイ表現だなぁと思いました。
各々の便器は下水道でつながっており、世界のどこかにある汚水処理場に集約される。
人間など、神々の排泄物にたかるウジ蟲に過ぎないのだ。
・・・・・・。
いったい私は朝から何を考えているのだろうw
507 :
既にその名前は使われています:2006/06/18(日) 09:01:49.73 ID:71l2MU9q
とんかつLOVE
うじむしにゃー
うじきんときのほうがすきですにゃー
「無理だ。」
俺が赤い鎧を倒せという注文に、ゴイスは即答で拒否した。おいおい、偉そうにPKKなんて語っておいてこれかよ…。
「悪いね。あのクラスのフェイトを確実に倒せるのは、ギルドマスターくらいだよ。
ま、奴を倒す事は出来ないけどこの亜空間からあなたを逃がす事ならできる。ウチらの特製デジョンでね。」
そう言うとマイは、音の立たない様に静かに俺に向かって黒魔法を唱え始めた。
「ちょっと待て、止めてくれ。仲間もこの空間に巻き込まれたんだ。来訪者ではないんだけど…。」
「え?」
マイは驚いたような声を出し、組み立てかかった魔力を空中に散らした。
「俺たちが守りたいのは来訪者であって、NPCではない。
お前が脱出を拒むと言うのなら強制はしないが、俺たちはお前を置いてここから出て行く。」
「…………。」
俺はその場に、力なく座り込んだ。バルファルを置いて逃げられる訳ないじゃないか…。
「分かった、お前たちだけで行けばいい。もう見つかりそうになるヘマはしない。安心してくれ。」
「物好きだな。」
ゴイスは半ば俺の決断に呆れたように言い放った。
「最後に1つ質問をさせてもらう。」
俺は、デジョンでこの空間から去ろうとしたゴイスを呼び止めた。一番気になっていた事をまだ訊いていない。
「お前たちは大工房で何をしていた?」
大工房の不自然な動向は、メサイアの彼らが漂流物を守っていた為だと考えれば辻褄は合う。
しかし、だとすれば何故今になって漂流物を手放す? そもそも何故彼らは漂流物を守っていたんだ?
「何を企んでいる…メサイア。」
ゴイスは俺の問いには答えない。彼が今、どのような表情をしているのかは確認できない。
「安心しな。決してあんたたち来訪者の不利になるような事なんかじゃないよ。」
マイの方が静かに口を開いた。しかし、俺にはどうしてもメサイアが只のPKKギルドだとは思えない。
特にギルドマスターと呼ばれる存在が余りに不可解だ。彼らの話を訊く限り、そいつだけが別格のように思える。
そしてもう1つ、引っかかる部分がある。
「俺にはあんたたち自身も来訪者に見えるんだけどね。」
「…………。」
ゴイスはやはり何も答えず、そのままデジョンを使い魔力の渦へと消えてった。
横を振り返ってみるといつの間にかマイの姿が部分的に目視できるようになっていた。プリズムパウダーを払い落としたようだ。
「これ、1回きりだけどエンチャントでメサイア特製のデジョンが使えるからさ。あげる。」
そう言ってマイは俺に細い銀の指輪を差し出す。受け取ろうとした際、不意に手が触れてしまった。
「…ありがとう。」
俺の言葉を聞くとマイは満足そうに頷き、気を付けてねと一言残して、デジョンに飲み込まれるように消えていった。
やれやれ、これは婚約を迫られたという事か。相変わらずモテる男はつらいね。
「バルファル、今どこにいる?」
シグナルパールに手をあて、バルファルの返答を待つ。
『今、丁度大工房の入り口まで来たぜ。ちゃんとあれも持ってきたけどよ、こんなの何に使うんだ? オレには…』
「用心に用心を重ねただけさ。俺は今、フェイトに見つからない様に隠れている。
戦闘は回避できるに越した事はないからね。もしもの時が来るまで、とりあえずそこで待機していてくれ。」
1階の様子を確認してみる。赤い鎧はもう動き回る事はなく、ずっとリフト前の広場に佇んでいた。
…1人になると再び不安がこみ上げてくる。あいつ、いつまでここに居る気だ? 用事は済んだんじゃないのか?
バルファルとの雑談で気を紛らわそうとも思ったが、彼に情けない声を聞かせるわけにはいかない。
『レグナス、大変だ!ミスラが1人、大工房の中に入っていったぞ!』
突然パールから声が鳴り響く。ミスラだって? マイが戻ってきたのか?
するとリフト前の広場にバルファルが言っていたと思わしきミスラが現れた。…マイではない様だ。
2人は近づき、何か言葉を交わしているようだが、あまり聞き取れない。彼女は赤い鎧の仲間なのか?
暫くすると、突如として巨大な火柱が立ち上がり、それは炎の龍へと変化していった。な、なんなんだ一体!?
そして炎の龍はミスラへと襲い掛かっていった。どうやらあの2人は敵同士だったらしい。と言う事は来訪者、か。
馬鹿な、来訪者なら赤い鎧の強さは知っているはずだ。なのに何故わざわざ大工房まで喧嘩を売りに来たのだ?
いつの間にかツンツンと髪を立たせたヒュームの男が戦闘に加わり、炎の龍と戦っている。
『すげぇ音がしたけどよ、そっちはどうなってんだ?』
「フェイトとさっきのミスラが戦っている。なんだかヒュームまでいるよ。ただ、あの調子じゃフェイトが勝つな。」
ミスラにしてもヒュームにしても、大して動けてはいない。レベル自体が然程高くないのだろう。
あの龍に飲み込まれて殺されるのも時間の問題だな。
『だったらそのミスラを助けに行かねぇと!』
「な、何を言っているんだ。そんな必要がどこにある。やめろ、俺たちはただ隠れていればそれでいい。」
『なんだって? 冗談じゃないぜ! オレは彼女を助けに行く…!』
馬鹿な。ここで来訪者を助ける事に、一体何の利点があると言うのだ!もっと冷静になれ…バルファル…。
「やめろ…やめてくれバルファル…お前の勝てる相手ではないんだよ…。」
行くなバルファル。もしお前が殺されてしまったら、俺はこのヴァナ・ディールで一人ぼっちになってしまうじゃないか。
『そういう問題じゃねぇ!オレは皆を守る為にここまで鍛えたんだ!そうみすみす見捨てられっかよ!!』
「…………。」
理解できない、俺には理解できない。どうして他人の為にそこまで熱くなれる? 畜生、これだから熱血は嫌いなんだ…。
「…分かったよ、バルファル。彼女に手を貸してやってもいい。ただし、俺の指示通りに動くんだ。」
俺はお前がいないと駄目なんだ。お前だってそうだろ。お前は強いが対人戦においては重要なのは力ではない。戦術だ。
「あの赤い鎧、倒すぞ。」
取り合えず勝つ為の策は組み立ててみたが、やれやれ、大変な事になった。…あの糞猫、俺たちを巻き込みやがって。覚えてろよ。
513 :
レグナス ◆/abMGvkWxE :2006/06/18(日) 09:48:10.78 ID:SSSuRAVH
以上です。
とんかつLOVE!
ヒロさんの旅行記がすごい雰囲気出てていいなぁ。
レグナスさんもカッコイイ。F4パワーなんでしょうかね。
何かアイテムとか策があるなら戦闘の続きはレグナスさんにお任せしたほうがいいのかしら?
がんばれにゃー
見せてもらおうか! 黒/狩の実力とやらを!
わっふるわっふる!
517 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/06/18(日) 10:14:18.70 ID:v4oV6bz1
ヒロさん
すごい旅って雰囲気がでてていいです。
いっそのことエルリッドを探すのをやめて石碑作った人みたいなことしませんか?w
サンさん
ガードのミスラの正体はブロントさん
ブロントさんの実力なら1pんの小型なを10ッポンにするくらい
容易すぎる暗いようであろう事は想像に家宅ない
レグナスさん
こんどはどんな作戦が飛び出すのかワクワクしています
518 :
レグナス ◆/abMGvkWxE :2006/06/18(日) 15:10:33.93 ID:76WY1Eo6
>>514 お任せくださいな。あと1回だけ、先に書かせてもらいますw
>517
遠まわしな駄目出し!?(゜△゜;)
>518
バル×レグはやっぱりバルファルの強気攻めですか(*´ω`*)
投下はないんですけどなんとなくおいしかったのでついw
=== Area:Pashhow Marshlands ===
掲げた剣ごと、彼女はバランスを崩し仰向けに倒れる。
Aotsuki:え……?
空が見える。登っている朝日が見える。そして…
Aotsuki:/echo あれ?何してたんだっけ……
目が虚ろになっている彼女に、クゥダフが長剣を突き立てている。
Veteran Quadav Aの攻撃→Aotsukiに、0のダメージ。
Veteran Quadav Aの攻撃→Aotsukiに、0のダメージ。
だが防御魔法の効果に弾かれ、致命傷を与える事は出来ない。
Garnev:ぬんっっ!
Garnevは、タックルの構え。
Garnevは、タックルを実行。
→Veteran Quadav Aに213のダメージ。
横殴りの衝撃がクゥダフを襲う。
軽く4〜5mほど吹き飛んだであろうか。
Garnev:おい!どうした?大丈夫か?!おい!!
ガルカに抱き上げられた彼女は、そのまま意識を失っていた。
--- in Pashhow Marshlands's Outpost ---
パシュハウ沼の入り口からチョコボを2〜3時間ほど走らせると、
デルフラント地方の監視塔に着く。現在この地域はウィンダス領土だったので、
彼女は手厚い看護を受ける事が出来た。
Garnev:すまなかったな。予定がズレた上に、病人まで連れてきちまって。
Mokto-Lankto,W.W.:なぁに、大した事はないさ。それに彼女はウィンダス所属の冒険者じゃないか、
助けるのは当然の義務だよ。
……それにしてもGarnevさん、ヒュームの彼女なんていつ作ったんだい?隅におけないねぇ
ここ最近は、バストゥークとジュノを頻繁に行き来してて忙しそうだったけど。
Garnev:勘違いするなよ。あれは天晶堂に来た客人みたいなもんだ。
バストゥークに送り届けるのが今回の仕事なんでな。
と、奥の部屋に寝かされている彼女を一瞥し、
湯飲みを片手に腰掛けていた椅子から立ち上がり
窓の側へと歩いて行く。
Garnev:相変わらずだな、この寂れ様は。
Mokto-Lankto,W.W.:仕方無いさ、なんたってクゥダフの本拠地ベドーがある沼なんだしね
デルフラント地方の監視塔の周囲には、ぽつんと2〜3件の旅籠がある程度。
おおよそ宿場町と呼べる程ではなく、人の気配も感じられない。
通常、監視塔の周囲には、交通の要所として集まった商人や旅人らを目当てに
問屋場や本陣、脇本陣そして旅籠のような施設があり、宿場町の様なものを形成している。
しかし、この監視塔があるパシュハウ沼の気候は、沼と呼称されているように湿度が高く頻繁に雨が降り、
更にクゥダフと呼ばれる獣人が本拠地として構えているベドーと呼ばれる場所があった。
その為に物資の輸送路として使われる事が少なく、危険が多く、旅人も避けているルートであった。
故にデルフラント監視塔の周囲は他の監視塔とは違い、寂れきっていた。
ガルカは湯のみに注がれていたウィンダスティーを飲み干すと、
彼女が目を覚まして、体を起こしているのに気が付いた。
Aotsuki:ぅ……?
Garnev:ようやく起きたか。一時はどうなるかと思ったぞ、急に倒れるんだからな
彼女は周囲を見渡すと、自前のエラントウプランド等の
着ていた服が干されているのを見つける。
Garnev:ああ、すまんが服なら洗濯させてもらったぞ、
沼に仰向けで倒れたのだ、泥まみれの服をそのままにしておくわけにもいくまい。
Aotsuki:え?あ…じゃあ今自分は何をきt…ぃぃっっ!
はたと気付き、彼女は掛けられていたシーツを頭から被る。
白い物体はそのままGarnevへ指示を出す。
Aotsuki:こ…こっちの鞄取ってくれない?予備の服出すから…
Garnev:…何を勘違いしているかは知らんが、お前の鞄にあった適当な服を
着せて貰っているはずだぞ。
Aotsuki:へ…?
彼女はシーツから顔を出し、再び起き上がる。
良く見ると、フィールドチュニカが着せられていた。
Aotsuki:あ…あははは……はぁ……
洩れて来るのはため息ばかり。
Garnev:しばらくそのまま休むんだな。疲労と空腹でまた倒れられてはこっちがたまらん。
つづけ
とんかつLOVE
>>488 Outpost周りの話は流用させて頂きました。申し訳ないm(_ _)m
528 :
レグナス ◆/abMGvkWxE :2006/06/18(日) 16:17:24.24 ID:eMNRnKDp
>>519 何いきなり腐女子フィルター通してるわけ?ww
つか百合姫一行の紹介が適当すぎてワロスwww
リポケケにいたってはフルカラーだしw
>>527 アウトポストに入ってみたいと何度思ったことか…w
考えたけど使い道が思い浮かばないネタだから晒しとく。
近衛騎士より上位の騎士。
スーパー近衛騎士
↓
ハイパー近衛騎士
↓
ウルトラ近衛騎士
↓
ダイナミック近衛騎士
↓
グレート近衛騎士
最上位はファイナル近衛騎士かアルティメット近衛騎士な。
神殿騎士と王国騎士で違う。
あ、うちのアルミティはダイナミック近衛騎士な。ふるさんは多分グレート近衛騎士。
この名付けセンスこそまさにサンドリアンクォリティ。
最上位はブロント騎士
にゃ
壁 |Д゚) <まだ続いてた…。
まとめサイトが追加可能になってたから、
ついでに外伝の内藤話をUPろうと思ったけど、
手元にtxtなかった…アルェー?
532 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/06/18(日) 18:15:18.56 ID:v4oV6bz1
>>519 ち、違ッ((((;゚Д゚)))
なんだか雰囲気がすごく良かったのでそう書いただけです・・・
それと、アリアルート無事に攻略できました。ありがとうございますww
>>527 実は着替えさせたのは・・・なんでもないですwww
533 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/06/18(日) 18:15:54.29 ID:v4oV6bz1
そして、素敵なイラストもありがとうございます。
\ ,-/ _/ ,,‐''-''ヽ ,,-‐'''‐-、 /ノ / ノ / /,,-─/
/ / '" / / ,,-、 /、ヽ\ ゙i;,-''" / ./ /─''''" ̄ ,,/
/ ./ / ,,,-‐'"-/ / ./ ゙" "\ ゙i;, | 、// / " ,,,/
-''/ / ,,-''"_ / // ヽ l / レ'/~ /‐/
| l| ,,-'"/゙/,」| / ..::;;;,,, } / |~ ,,-‐,,,-''' //~
/-'''''| | /l /‐'''/'' .人 i' .:: :;'" / / l ノ゙i// ,,-‐'"──==
i;: | /‐' ./__ ゙i;,. |゙i /-─=====-、ヾ /ヽ‐'" ,,,-‐二
ヽl:i' ,.‐'´ `''‐- ゙i;: | ゙ /.i ∠,. -─;==:- 、ゝ‐;----// ヾ.、'''" ̄~-''"
ヽ|[ |、! /' ̄r'b\゙i. {`´ '´__ (_Y_),. |.r-'‐┬‐l l⌒ | },,-‐'''"~
゙l |`} ..:ヽ--゙‐´リ ゙ ヽd、 ''''  ̄ ̄ |l !ニ! !⌒ //
. i.! l .::::: ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ' ゞ)ノ./
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ i/‐'/
i .:::ト、  ̄ ´ l、_/
! |
ヽ ー‐==:ニニニ⊃ !
圧倒的な戦闘力をてにいれたおてたりMME
エージェントに襲われながらも最強の力によりすばやく
´.
__,,:::========:::,,__
...‐''゙ . ` ´ ´、 ゝ ''‐...
..‐´ ゙ `‐..
/ \
.................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´ ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
.......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙ .' ヽ ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
;;;;;;゙゙゙゙゙ / ゙: ゙゙゙゙゙;;;;;;
゙゙゙゙゙;;;;;;;;............ ;゙ ゙; .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;............................. ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
ノi|lli; i . .;, 、 .,, ` ; 、 .; ´ ;,il||iγ
/゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li ' ; .` .; il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
`;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `, ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙
エージェントを撃破
(◎.)
_,ノ(_)ヽ---ヾ _
/ \
/ ノ人 ヽ
| イ \) )
| .|(●), ヾ、 )
ヾ ,,ノ(、_, ):.ヽ /
| `-=ニ=- | ノ ノ
人 `ニニ´ レノ /
/`ーーー ノノノ人_
/ ̄ DADDIMO  ̄\
── = ニ /=、。。。。。。。。。。。。。。。。r=、ヽ
─ =ニ三 (◎ ヽ-─────(◎ ) その後も
ノ◎、 |\ \ / / | /◎、 次々と
(_,rへ `ソ /> ◎) (◎く| レ' ,rへ ) 襲い来るエージェント
─ = ニ \◎'/ / \ ヽ、◎/
ノ / \ ヽ
─ =ニ三 ( ◎( ) ◎)
─ = ー、_ら ⊂、_,r´
`‐、ヽ.ゝ、_ _,,.. ‐'´ //l , ‐'´, ‐'`‐、\ |
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ く
,.‐'´ `''‐- 、._ヽ /.i ∠,. -─;==:- 、ゝ‐;----// ヾ.、
[ |、! /' ̄r'bゝ}二. {`´ '´__ (_Y_),. |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゙l |`} ..:ヽ--゙‐´リ ̄ヽd、 ''''  ̄ ̄ |l !ニ! !⌒ // わ
i.! l .::::: ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ' ゞ)ノ./
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ i/‐'/
i .:::ト、  ̄ ´ l、_/::| っ
! |: |
ヽ ー‐==:ニニニ⊃ !:: ト、 !
俺たちはエージェントを撃退しながらもとらわれた人々を助け出していった
その数およそ1万人
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ
,.‐' ヽ:::::::/ ゝ‐;----// ヾ.、
[ }二 |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゙l リ ̄ヽ |l:::::::::::!ニ! !⌒ //
. i ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ':::::::::::::::::ゞ)ノ./
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ :::::::::::::::::i/‐'/
i::::::::::::: .:::ト、  ̄ ´ ::::::::∪::::::l、_/::|
!:::::::::::: :::::::::::::::::::::|:::::::::::|
ヽ::::::::::: --───-- :::::::::::::::::: !::::::::::::ト、
とらわれていた人すべてを救い出し
現実に戻ってきた俺たちMME
しかしゲームをプレイする人がいる限りまた新しく犠牲者が出るだろう
`‐、ヽ.ゝ、_ _,,.. ‐'´ //l , ‐'´, ‐'`‐、\ |
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ く
,.‐'´ `''‐- 、._ヽ /.i ∠,. -─;==:- 、ゝ‐;----// ヾ.、
[ |、! /' ̄r'bゝ}二. {`´ '´__ (_Y_),. |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゙l |`} ..:ヽ--゙‐´リ ̄ヽd、 ''''  ̄ ̄ |l !ニ! !⌒ // わ
i.! l .::::: ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ' ゞ)ノ./
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ i/‐'/
i .:::ト、  ̄ ´ l、_/::| っ
! |: |
ヽ ー‐==:ニニニ⊃ !:: ト、 !
犠牲者を止めるためにはゲームを破壊しなければならない
ゲームを破壊できるのは真実を知っている俺たちMMRだけだ!
いくぞナワヤ!古代人の野望から世界を救うためにMMR出動だ!
/ ヽ、_/)ノ
/ / ̄~`'''‐- 、.._ ノ
i. /  ̄l 7
,!ヘ. / ‐- 、._ |/
. |〃、!ミ: -─ゝ、 __ .l
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,` /
/`゙i ´ ヽ !
_/:::::::! ,,..ゝ!
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 r'´~`''‐、 /
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' /
i、 \:::::::::::::::..、 ~" /
.! \ `‐、. `ー;--'´
ああキバヤシ!
世界を救おうぜ!
\ヽ \\ + ,.ィ , - 、._ 、
ヽ __i_ ,. -─- 、._ \ヽ. ,イ/ l/  ̄ ̄`ヽ!__
i ,. ‐'´ `‐、 ヽ丶 ト/ |' { :::::`ヽ.
/ ヽ、_/)ノ \ N│ ヽ. ` ::::::::::ヽ
/ / ̄~`'''‐- 、..__ ノ N.ヽ.ヽ、 , ::::::::::}
\\ i. / :::::l 7. ヽヽ.\ ,.ィイハ :::::::::|
\ヽ ,!ヘ. / ‐- 、._ ::::|/ ヾニー __ _ -=_彡ソノ \ヽ、::::::|
. \ |〃、!ミ: -─ゝ、 __:::l __|__ .  ゙̄r=<‐モミ、ニr;==ェ;ュ<_ゞ-=7´ヽ
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,`::/ │. l  ̄リーh ` ー‐‐' l‐''::::冫)'./
┼ /`゙i ´ ヽ:::::! ゙iー- イ'__ ヽ、..___ノ ::::トr‐'
_/:::::::! ,,..ゝ! \ヽ l `___ _i__ ::/:::|
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 -i-____ 、 /. ヽ ヽ. `ー─''´ i /::::ト,
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' / -i- >、 . /::::/::::|ヽ
i、 \:::::::::::::::..、 ~" /ヽ丶 _,./| ヽ`ー--‐ _´.. ‐''´:::::::/::::
.! \ `‐、. `ー;--'´ \ヽ -‐ '''"  ̄ / :| ,ゝ=<::::::::::::::::::::/::::::
俺たちの破滅は始まったばかりだ!
MMR編 。完。
542 :
既にその名前は使われています:2006/06/18(日) 18:55:51.66 ID:v4oV6bz1
ちょwwwwwwww打ち切りwwwwwwwwwwwwwwwwww
541のキバヤシが私には総統代行にしか見えないのですが、仕様ですか?w
きのせいにゃー
冒険じゃなくて破滅が始まってるw
>>532 すみません、すごい気になるんですけどwwww
さて、総統代行はともかく、続き…になるのかな。補足的なのが書けたので、追加も含めて投下。
白い空に、赤い月、黒い大地に、金色の川。
音も無く流れる金色の川には、体中を串刺しにされ、息絶えたアクマが縫い付けられ。川を赤く、赤く染めている。
アクマの直上の橋の上では、アクマの縫い付けられている下を覗いては、うぅむ…と考えている碧眼のミスラが居た。
不意に、碧眼のミスラが悩んだ格好のまま、ブレて、ボヤけて、消えた。
碧眼のミスラが消えて数拍後、世界が反転し、真っ赤な空に、白い月。金色の大地や草木に、黒い川になった。
コツ…… コツ…… コツ……
何も居ない橋の上から、足音がする。 足音は、サンの立っていた辺りまで歩き、立ち止まった。
「これで…守護者が2人、消えましたね」
姿無き者が、穏やかな声で、誰かへと話しかけた。
―――ザバ…
「ああ。やっと俺ら本来の"仕事"が出来たな。」
黒い川から、先ほどサンの見た真っ黒い影が現れ、ソレに答える。
「コイツは…俺が貰う。構わんな?」
黒い影が、問う
「どうぞ…ご自由に」
透明の影が、そう答えた
「あいつらの力など、俺にとっては髪の毛一本程の価値も無い。俺が欲しいのは、コイツ等の力だ。」
黒い影はそういいながら、右腕を、透明な影の足下に…紅い刀に串刺しにされたアクマへと向けた。
イィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン………
紅い刀が、何かに共鳴するような音をあげながら、変色していく。
否、柄の部分の黒が、紅い刃を蝕んでいく。
一本…また一本…十数本総てが黒く染まると、刃から、今度はアクマへと侵蝕を始めた。
黒ずんだ淡く光る紫の、甲殻のような身体を、刺し貫いた一つ一つの刀全てから。
まるで布に水が染み込むように、アクマの身体を黒く染め上げると、刀はアクマの内へと沈み込んでいった。
アクマの形をした黒い物体は、ゆっくりと、水面から下が全く見えない、黒い川の中へと沈んでいった。
「クククク…これで俺はさらに……もうあいつら如き軽く皆殺しに出来る……!」
川に立つ真っ黒い影が、 にたり と口元を開け、嗤った。
「では…こちらも貴方の言う"仕事"を遂行しましょうか……。」
透明の影が、白いモヤのような影になり、その白い影は腕を広げ、何かを唱え始める。
「ケッまたお決まりのダミー造りか。そんなもん俺の影にやらせちまえば良いんだよ。」
「貴方の影では少々役不足です……それに。何より、影達では余計に世界を壊してしまう。」
そう答えながら白い影が詠唱を終えると、白い影の背後には、先程黒い川に消えたアクマの姿があった。
変な夢をサルタバルタで見てから、爪の色が変わった。右手が黒く、左手が紅く。変わり(?)に刀は無くなってた。
まぁ、こんな爪になったからといって、碧眼があまりにも目立つから、きっと誰の気にも止まらないだろう。
「お〜い。腹減ったw何か朝飯作ってくれw」
風見の向こうから声…キィだ。元々がオスラだからなのだろうが、いいかげんホーズ1枚で寝るのは簡便して欲しい。
別に変な気は起こさない。 …ただ、目の…やり場に困る。
「お前が作らないなら俺が自分で作るぞ〜」
……この言葉、本当なら喜んで「そうしろ」って言えるコトバのハズなんだけどなぁ……
「頼むからソレだけは簡便してくれ。私が何か作るから。」
「じゃぁ、スシよろw」
「下級職人くらいの技術しか無い私には無理w スモークドサーモンで良いな?」
「スシよろw」
「てめぇッ無理だって言ってるだろうがッ!!お前の朝飯なんてペッドガンマだ!!」
「テメーが喰ってろwwww俺様はアジルを朝飯n
「 教 育 的 指 導 決 定 ッ !! 覚悟しやがれ破廉恥野郎!!!」
「今の俺女だしぃ〜w キャーダレカタスケテオソワレルーwwww」
「てめっせめて下を穿けぇーーー!!!」
―――ガチャッ
「おまえらハイスラでボコるわ……謝ってももう遅い。とき既に時間切れ。」
……事務管理担当ガードがキィの姉妹wになりました……あぁ…私の平穏はどこに……。
やっと入れた。人大杉で弾かれて送れましたすいません。以上です。
だんだんキィとサンのドタバタ漫才チックな方向になってきてる気がする… orz
とんかつEVO7
蛇足
550のラスト1行はガードミスラさんのセリフのあと、暫くたっています。
何がどう姉妹wなのかはご想像にお任せします。
書き手皆様の投下を楽しみにしながらキィを教育的指導してきます。
553 :
既にその名前は使われています:2006/06/18(日) 23:50:12.47 ID:71l2MU9q
保守外伝『教えて!奈自先生!』
いいか、みんな
(゚д゚ )
(| ナ |)
スルメとロランベリーは食べ物だが、
スルメ ( ゚д゚) ロランベリー
\/| ナ |\/
二つ合わさればより美味しくなる
( ゚д゚) スルメ山のロランベリー
(\/\/
「ゴミ箱はあちらですにゃ」
554 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/19(月) 01:10:27.98 ID:v/ch/+6e
>527
どんどん使っちゃって下さいヽ(´ー`)ノ
「他の人の設定に合わせてこれを使いなさい」とか言われたら困りますけど、私の考えた設定はご自由に使っていただいておkです(´∀`)b
>528
もうネタ仕込んでからみんなに気づいて欲しくて欲しくて悶絶してました(つд`;)
>532
それじゃアリアEDについてざっと説明してくれませんか(´∀`)
>541
既にその名前は使われています先生の次回作にご期待下さい!長い間応援ありがとうございました!
てやつですか(ノ∀`)
>552
ちょwwwwww行間読ませすぎwwwwwwwwwwwwwwwww詳しく聞かせてください、出来ればフルボイスでw
翌朝は差し込む朝日で目が覚めた。
ほどよい固さの寝台は心地よく、風も清々しかったが、乾燥しすぎていてひどく喉が渇いていた。
表に出て、水場で喉を潤し、顔を洗う。空は抜けるように青く晴れ渡り、朝日が目を射る。まだ空気は冷たいが、じき暑くなるだろう。
この肌着もいい加減ボロボロになってしまったな。バストゥークに着いたらモーグリに買ってきて貰おう。
そんな事を考えていると、憔悴しきった顔のハエが起き出して来た。
「ねぇ、どこか悪いの?」
開口一番に、ひどく心配そうに尋ねる。悪いのはおまえの顔色と頭だろう。
「何の話だよ。それより顔色が悪いぞ?」
"頭"の部分を省いて相手に伝える。おれにもその程度の分別はあったって事だな。
「一晩中起きて待ってたのに……」
目をしょぼしょぼさせながら大あくび。誰かこの、狙ってるんだか外してるんだかよく良からない生き物を何とかしてくれ。
朝食はスープと堅いパン、チーズ、それに果物だった。先に身支度をして、戻ってくると、ハエは食欲がないと言ってちびちびスープを啜っていた。
何となく後の展開が読めたので、汁物など嵩張るものを片付けて朝食を済ませ、パンやチーズは手早く弁当にして背嚢に詰め込む。
ハエが、眠いので荷物を片方のチョコボに集めて、自分はおれの後ろに乗ると言い出した。
おれが不平を漏らすと、
「誰のせいだと思っているの。私が居眠りして落馬で大怪我したりしたら、一番困るのは貴方なのよ?」
どう贔屓目に見てもお前の所為だし、落馬で一番困るのもお前だと思う。
昼間は日除けで夜は防寒。まったくこの外套は役に立ってくれる。
この気候は一体なんなんだろうな。息をするたび歯に沁みるほど暑いのに、日陰に入ると涼しい風が吹いてくる。日本のうだるようなそれとは全く別種の暑さ。
ただ、背中に絡み付いているものだけは間違いなく暑苦しい。こいつこんなに暑くて揺れるのに、よく眠れるもんだ。
帽子を目深に被っても、砂丘で照り返した日の光が目を灼く。まだ朝だというのに。
こんな中でもチョコボはよく働いてくれる。後ろのチョコボを時折振り返って確認するが、手綱で繋がっているだけなのに不満そうなそぶり一つ見せずついて来る。
遥か右手には海。岩山や砂丘が視界を塞いでいるので、見渡す限りとは言えないが、それでもこの世界の海もちゃんと広大で、潮の匂いがした。
行く手には、涼しげな椰子の森が見える。
馬の腹を蹴って駆け足でそこまで辿り着きたい衝動に駆られるが、この暑さの中チョコボを全力疾走させたりすれば参ってしまうだろう。ぐっと堪え、水筒の生ぬるい水を口に含んだ。
蜃気楼のように遠ざかる椰子にようやく追いつき、心地よい風が吹き抜ける林を抜ける。周囲は相変わらず白亜の地層がのぞき、下は砂地だが、空気が徐々に変わってきたのに気づいた。
おれ達は今、間違いなくコンシュタットの高地に近づいているんだな。今更そんな当たり前の事を実感する。
砂蝙蝠の巣になっている洞窟を抜けると、暑さも緩み、風の匂いも一変していた。
あちこちで日向ぼっこしている蜥蜴が見える。呑気で愛嬌のある生き物だが、野菜や穀物を運ぶ荷馬車には天敵なのだそうだ。
涼しくなって元気が出たのか、チョコボの足運びが少し早まった。
ゴブリンのものらしき夜営跡がいくつかあったが、当のゴブリンの姿は見えない。この辺りのゴブリンは野盗団を形成していて、下手をすると行商のゴブリンも襲われるという。
その姿が見えないという事は、冒険者たちの手で駆除されているという事なのだろう。
そんな事をのんびり考えながら馬の歩を進める矢先に、ゴブリンに追われているらしい人の姿が見えた。
追うゴブリンは四体、追われているのは二人、グレーの服を着たタルタルと、赤い服を着て髪をお下げにしたヒュームの女…… ナナコ?
確かめるより先に体が動いて、チョコボの腹を蹴る。チョコボが驚いて一声嘶き、疾風のように駆け出した。
みるみるゴブリンの一団が近くなる。連中がこちらに気づき、後ろの二体がこちらに向き直る。
おれは突剣を抜き、そのままチョコボを連中の中に突っ込ませた。
「ふぁ……な、なに!?」
後ろの荷物がパニックを起こして、呂律の回らない舌でおれに問いかける。
チョコボの突進に怖気づいてゴブリンが左右に分かれる。おれは逆手に持った突剣を右手によけたゴブリンの脳天目掛けて思い切り振り下ろした。
剣が凄いのか、おれが力持ちなのか、それとも連中の装備が貧弱なのか。黒い中華鍋みたいな兜を叩き割って切っ先が突き刺さる。骨を抉り何か柔らかい物を蹂躙するいやな感触があった。
糸が切れた人形みたいに倒れて、ゴブリンが動かなくなる。
顔を上げると、先に行った二体は逃げる二人にほぼ追いついて、今まさに汚い剣をその背中に突き立てようとしている。
「待てやオラァっ!」
叫んで、チョコボを一層速く走らせる。後ろでハエが何か喚いているが、黙殺して「手綱、頼む」とだけ告げた。
逃げる二人に追いすがるゴブリンに追いすがるおれに、焦燥感と高揚感が混ざったような感覚が追いすがる。
おれは左足を抜いて右の鐙に体を預け、剣を振り上げたゴブリンに後ろから飛び掛った。
ゴブリンを足蹴にして、どうにか顔面から砂に突っ込まないように体勢を保つ。飛び降りたおれの代わりにゴブリンが派手に転倒し、妙な角度に首を折り曲げて動かなくなる。
これは確かめるまでもない。預けた手綱をハエが握ってチョコボを落ち着かせる様を横目で見ながら、もう一匹のゴブリンに向き直る。
ヒュームの娘を諦め、騎兵用の手斧を振り上げてゴブリンが向かってくる。死体を跨いだままでは分が悪い、ひとまず剣を突き出して相手を牽制しつつ、左に歩を進める。
ゴブリンの動きは鈍くて隙だらけだ。ルーファスな戦いぶりを見てきたおれにはふざけている様にしか見えない。
だけどあいつが手にしているのは本物の武器だ。あれに脳天を叩き割られてへらへら笑っていられるほどおれは肉体的にも精神的にも頑丈じゃない。だから、こいつを倒さなきゃ。
体格はこちらの方が大きい。相手の間合いの外から突く。
ゴブリンは盾を持っておらず、身を守りながら武器を準備する事が出来ない。
重たい斧でどうにかおれの突きを防ぐが、せっかく振り上げた斧はまた振り下ろされてしまい、もう一度攻撃に備えて振り被らなければならない。
全体重が前に来て、丁度いい位置に頭がある。おれは足を振り上げて、鼻先にブーツの裏を思い切り振り下ろす。
面頬の奥から鼻血みたいなものを垂らしながら、ゴブリンが仰け反る。ほぼ戦意を喪失して逃走か継続か迷うその顔に、術式をすばやく構築して魔法を叩き込んだ。
裂傷と凍傷に全身を縦横に引き裂かれ、ゴブリンが動きを止めた。念の為喉元から刃を突き入れ、止めをさす。
あと一匹いたはずだが、さすがに逃げたようだ。
「あ、あの、ありがとうございます!」
酷く感激した面持ちで、逃げていた二人がおれに寄って来ていた。
二人とも知らない顔だ。ヒュームの方もきつめの顔立ちで、ナナコと似ても似つかない。髪型しか見ていなかったからな。第一、運動する女なら珍しくもない髪型じゃないか。
「わたし達、セルビナまで行く途中で、そうしたらいきなりゴブリン達が襲ってきて、わたし達必死に逃げたんですけど、ああもう駄目だって思ったら赤さんが助けに来てくれて。
本当に助かりました! ありがとうございます!」
ああ、そう、よかったね。次は気をつけてね。
拍子抜けして、興奮気味の二人を置いてハエの元に戻る。
「貴方が戦うところ、初めて見たわ。もういいの? あの二人はまだ勇者様にお礼を言いたいみたいだけど」
ハエは特におれを咎める様子でもなく、かといって褒める訳でもなく、おれの帰還を迎えてくれた。
「いいんだ、知り合いに似てただけだから」
そう、と静かに応えて、ハエはおれの手を引いて馬上に上がる手助けをしてくれた。
「貴方の師匠を見てみたいわ」
歩き出したチョコボの背で、ハエがぽつりと呟く。
「いないよ、そんなの」
「でしょうね」
おれの背中に顔を押し付けていて、どんな表情でそう言ったのかは分からなかった。
オーディン風と遠雷の音に迎えられて、おれ達はコンシュタットに入った。
コンシュタットの土地は起伏に富み、街道も凹凸を迂回しながら蛇行している。
昼を少し回った辺りだったが、砂丘の朝とは比較にならないくらい風が冷たく、湿っていた。
ようやく元気を取り戻したらしいハエが今度は空腹を訴え出したので、デムの遺跡で昼食を取る事にした。
今日はもう随分距離を稼いだ。それでもコンシュタットを抜ける頃には日が暮れるだろう。
デムのチョコボ厩舎は、ホラのそれのように回りくどい運営ではなく、すぐ見える場所に宿場があった。
グスゲン鉱山が近く、昔はとても栄えたそうだ。この地がコンクエストの管理下に置かれてから共和国の出資が途絶え、鉱山は昔ほど大規模な採掘が行われなくなった。
それでも小規模な採掘が続いているらしく、鉱夫や交易人向けの宿や酒場まで寄り集まって、小さな街を形成していた。
遺跡で修行をする修道士が作った慎ましやかなホラのそれに比べ、アルタナ信仰が忘れられつつあるバストゥークらしい宿場だ。
おれ達はチョコボ厩舎でチョコボを換える間に、少し離れた丘で昼飯を取った。
元々接点もなく、共通の話題もないおれ達だ、食事中の会話は自ずと先ほどのゴブリン退治に関するものになった。
ハエはおれの事を立てようとしているものの、おれの立ち回りに不満を抱いているのがありありと見て取れた。
お姫様志望のくせに、腕に覚えがあるらしい。少し挑発すると、剣術や魔法の型を披露してくれた。
ハエの技は華麗で、流れるように淀みなく、それでいて意外性に富み次の一手が読みにくいものだった。
気がつくとおれも剣を抜いて、鬼教官にしごかれながら剣を振り回したり魔法を唱えたりしていた。
女の子ぶってる時よりよほど生き生きしているように見えるのは、多分気のせいではあるまい。
お互い練習用の剣なんて持っていないし、身に着けているのも旅用の簡単な防具だ。
だから剣を合わせて訓練をしようにも、そう簡単にはいかない。魔法ならなおさらだ。炎の魔法をぶち込んで、峰打ちでしたという訳にもいくまい。
訓練の真似事みたいな事を腹ごなし代わりにしばらくやって、ハエがすぐ根を上げる。
得るものはあったが、強くなった気はしない。正直に言うと、
「訓練はね、ヒロ。毎日ずっと続けないと意味がないものなの」
ハエにそうたしなめられた。
小川に浸してあった水筒を取って、幾分冷たくなった水を飲む。
この辺りの水は飲むには適さないのだそうだ。デムの遺跡が関係しているのだろうか、あるいは、グスゲン鉱山の精錬施設が上流にあるのだろうか?
「貴方の魔法、まるで黒魔道士ね」
剣術のレクチャーが一通り済んで、今度は魔法談義になった。
「貴方は高速詠唱は出来ても、戦闘詠唱がまるで出来ていないわ」
赤魔道士は戦いながら詠唱を続けるためにいくつかの技術を身に着けるのだそうだ。
一つは、簡単な術式をいくつか並列処理したり、解の分かっている計算を省いて直接数値を代入したりして、発動までの時間を短縮する高速詠唱。いわゆるファストキャスト。
もう一つは、無数の動作と型を持って、その時々の体勢に合わせて自在に回路の流れを調節する戦闘詠唱。おれにはこれが出来ていないのだという。
「シャントット博士やアジド=マルジド院長が、黒魔道士の身でありながら単独での強さを知られているのは、二人とも戦闘詠唱の達人だからよ」
ハエは言う。黒魔道士は砲兵のような存在で、通常は陣地に守られた奥から敵陣目掛けて大威力の魔法を打ち込む。
だからまず精度、次に威力で、速射性能などは問われないし、切り結びながら魔法を使うなんてアクロバチックな技術も必要ない。
でもそれは戦時の話、少人数で組織もいい加減な冒険者には、赤魔道士の高速詠唱や戦闘詠唱が強い武器となるのだ、と。シャントットやアジドはそこに気づいているのだ、と。
「同じ魔法も、意識して色んな回路を組むといいわ。そうすれば、戦闘詠唱の自然と上達するはずよ」
ハエが目を輝かせながらおれにアドバイスをする。
「一度にあまり色々言われてもな。覚えきれない」
おれは少々辟易しながら答えた。毎日体を鍛えて、剣術の修行をして、魔法の練習をしていれば、そりゃ上達するだろうさ。
「そうね、それじゃ、絶対に勝つ方法を教えてあげるわ」
そんな都合のいい方法があるのか?
馬鹿馬鹿しいと知りつつも、息を呑んで次の言葉を待つ。ハエはにっこり笑って、
「自分が倒される前に、相手を倒せばいいのよ」
そう答えた。
「当たり前だろ、そんなの」
どっと肩の力が抜ける。その為の必殺剣とか、最強魔法とか、そういうのを教えてくれよ。
「そうよ、当たり前の事。防御を学ぶのは倒されるのを遅らせる為、攻めの技を磨くのは倒すのを早める為。武器や防具の選び方もそれが基準になるはずよ」
当たり前だから大事なのだ、とハエは言う。
「ヒロ、貴方は何のために戦うの? 見事な体捌きを実践する為? 強化魔法を上手に使う為? 勝ちにこだわる事すら、時には足枷となるわ」
目先の事に囚われてもいけない、大義に縛られてもいけない。ただ冷静に状況を見て、最善手を選ぶのだ。赤魔道士の万能性はその為にあるのだ、と。
ハエの言う方法は、行動マニュアルではない、考え方なのだ。ふざけた奴と思ったけど、とんだインテリだ。彼女の言うように、おれは囚われているのだろうか。
「まるきり女豪傑だな。自分で王子様になった方が早いんじゃないか?」
軽口を叩くおれに、ハエは苦笑して、
「いやよ、私はスカアハよりアヴェールになりたいの」
知らない名前を言う。どうせまた、図書館で借りたハーレクィン文庫の話だろ。
新しいチョコボは、羽が少し赤みがかっていて、"栗毛"と呼ばれていた。
栗毛は少しシャイな性格で、初顔のおれを乗せるのをしばらく嫌がった。
しかし、一度背に乗ってみると、乗り手を気遣う優しいチョコボで、起伏だらけのコンシュタットでは最高の馬だった。
風車群の間を抜けて、一路南を目指す。
いくつかの風車はクゥダフにやられたのかサンドリア騎士にやられたのかしらないが、破壊されて無残な残骸を晒していた。
それでも、さすがバストゥーク人は強靭でしたたかだ、破壊された風車も構造を簡単にしつつ、資材を近隣の風車に溜め込んで、素早く修復できるようにしてある。
おれ達が通った時は、その破壊された風車を修復して粉を引いている最中だった。もう少ししたらまた破壊されたように偽装して、南にある集落に撤収するのだと言う。
空爆対策としてその手の偽装をやるという話は聞くが、地上を進んでくる敵にそれがどれほど役に立つと言うのだろう。
たまたま同道する事になった荷車の御者に話を聞くと、「相手も必死だし、意外とばれないものさ」だそうだ。
龍だのベヒモスだの、アダマン亀だのといった怪物ならまだしも、相手は人間なのだ。
全員が特殊部隊よろしく制圧しながら進む訳ではないし、当然用もないのに魔法や大砲で高くつく破壊をしたりもしない。何事にもコスト対効果というものがあるのだ。
コンシュタット南部は水が作り出した峡谷が縦横に走り、オーディン風を防ぐと同時に、ビル風のように加速して、旅人を助けたり苦しめたりしている。
農夫と別れたおれ達は、日もだいぶ西に傾いた頃、この谷に差し掛かった。高地での夕焼けを見逃したのは惜しい。段々になった白亜の台地が赤く染まって、それは見事な景観な事だったろ
う。
コンシュタットの谷を作った川は、半分が涸れ果て、残り半分も小さな流れがちょろちょろ残るだけだった。
冬になると風がデルフラントから吹いて雨季になり、その時はこの谷も轟々と音を立てて流れる奔流になるのだという。
パシュハウに獣人の本拠がある事もあり、ジュノ方面に向かう際は船か飛空艇が主流になるそうだ。ジュノが独自路線を強め、王国の後ろ盾を得て独立を獲得したのも頷ける。
だがそれは単なる世間話だ。今が雨季でなかった事に感謝しつつ、おれ達は壮大ながらどこか殺風景な谷を通り抜け、赤銅色の大地グスタベルグを目指した。
谷を下るにつれて、左右に張り出した壁が赤茶けたものに変わり、風が埃っぽくなる。
谷を抜けた頃には辺りはもうすっかり暗くなっていて、砂埃を含む空気のせいでどこか赤くくすんだ月が大地を照らしていた。
月明かりを頼りに馬を進めると、クゥダフの一団を遥か遠くに見つけた。
おれ達は武器に手を掛けつつも、気づかない振りをしてその場を通り過ぎた。連中も考える事は一緒であったらしい、こちらをじっと見つめたまま、襲ってくる気配はなかった。
荷物を運んでいる風でもないから、伝令か偵察だろう。あるいは、涸れ谷の露天風呂に家族旅行に行った帰りかもしれない。左の二匹がパパママで、右の二匹が子供たち。
真相は分からないし興味もない。とにかく向こうから手出しして来ないなら、こちらも手出しする余裕はないんだ。
深い谷にかかる橋を渡り、本格的にバストゥークの勢力圏へと入る。橋の南側には関所があって、おれは身分を証さねばならなかった。
サンドリア所属の冒険者と告げ、肩鎧に刻まれた紋章を示すと、ハエが護衛としておれを雇った旨を伝える。それで充分だった。
三国周辺の治安当局は冒険者に概ね好意的だ。おれ達はすんなりバストゥークに入る事が出来た。
そこから監視塔まで更に二時間ほど。中継点として栄える北グスタベルグの宿場へと入った頃には、すっかり夜も更けていた。
この辺りは水場がしっかりしているのだろう、灌木が生い茂り、ところどころ赤い土が覗いているものの、草原に覆われている。
強行軍で疲れ果てていたおれ達は宿を取ると、昨日とは対照的に粗末な食事で腹を満たすと、早々に床に就いた。
ハエは何も言わなかったが、多分今夜は真面目に夜這いされたくないのだろう。飯を食ったあたりで眠りこけてしまって、部屋まで肩を貸してやらねばならなかった。
これで今夜もずっと起きていたなどと言おうものならどうしてくれよう。いや、既に爆睡しているから、その心配はいらないか。
おれは水桶に入った水で体を拭くと、明日に備えて眠る事にした。
剣術。高速詠唱。戦闘詠唱。コンクエスト。負ける前に勝つ方法。今回の旅で色々と叩き込まれた事を反芻する内に、おれの意識は眠りへと落ちていった。
以上です(`・ω・´)ノ
ようやくバスに辿り着けそうな気配です(*´ω`*)
568 :
既にその名前は使われています:2006/06/19(月) 06:54:51.81 ID:KWjT0siM
おはようage
569 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/06/19(月) 08:00:07.17 ID:DnQ77FKl
読み返してみるとてにをはの間違い大杉(´・ω・`)
先を急ぐとろくなことがないですね…age
570 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/06/19(月) 11:22:18.74 ID:TxL+sa0Y
>>550 どんどん変身してるぅw
ドタバタ漫才も大好きですよw
>>555 EDのみならず、来週を目標にして全部説明させていただきますw
ハエがすごいいい味出してますw何だか半テンポずれた感じが・・・w
プロットはあるのに書き上げられないこのもどかしさorz
571 :
既にその名前は使われています:2006/06/19(月) 11:22:50.47 ID:P47NBEqq
609さんの旅行記はすごく素敵だなぁ…。ほれぼれ。
>570
げぇー!!w予想を超える猛者っぷりにwktkしておきますね(´∀`*)ヾ
ついでに外伝で朝起きたら自キャラ学園とか執筆しませんかwwww
>571
ありがとうございます(´∀`)ヾ
感想下さった皆様、本当に励みにさせていただいております。
夏コミの原稿もほったらかして頑張る次第ヽ(´ー`)ノ
両立せねば。。。orz
573 :
既にその名前は使われています:2006/06/19(月) 12:38:28.55 ID:ZFRq9PjB
鯖復帰保守!
574 :
既にその名前は使われています:2006/06/19(月) 14:17:34.57 ID:ELWwGRuw
最近ズウ゛ァ勤務の奴から
夜な夜な血の滴る鎌を担いで歩く黒チュニック着たタルタルの幽霊
が出て、恐いとかいう泣き言を聞くんだが、
その幽霊ってアビス様な気がしないか?
いや、アビス様が死ぬわけ無いけどさ。
失踪して未だに手掛かり無いらしいから……
>ルーファスさん
ところで、エルリッド休出劇のプロットとか出来てたりする部分ありますでしょうか(´・ω・`)ノ
先行したヒロがぶちこわしにしないように、気をつける部分とか聞ければ幸いです。
執筆待って!て事なら朝起きたら黙示録カイジでも書きつつ待ちますので(*´ω`*)
カイジは嘘ですがw
576 :
既にその名前は使われています:2006/06/19(月) 14:53:25.34 ID:ZFRq9PjB
>>574 それ俺だよ俺
ごめんな
ちょっとハーロイーン用仮装作ってためしに着て歩き回ってたりするだけなんだ
577 :
既にその名前は使われています:2006/06/19(月) 17:29:36.78 ID:ATI/U7RD
アビス様なら今俺の隣で寝てるぜ
578 :
既にその名前は使われています:2006/06/19(月) 18:44:43.63 ID:v/ch/+6e
いいかげんなことを言うな。俺の隣で寝てるぜ。
所で、俺の首が飛んでるんだが俺の首・・・だれか探してくれよ・・・なぁ・・。
579 :
既にその名前は使われています:2006/06/19(月) 18:51:21.82 ID:ZFRq9PjB
580 :
既にその名前は使われています:2006/06/19(月) 18:57:48.63 ID:ELWwGRuw
おまいら情報部だな!?
身内に変な情報操作すんな!w
てか情報管制で寮での仕事禁止するなら量減らすよう上に言ってくれ!
俺のフレが寮でノートパソコンを残った仕事に使って再洗脳で俺の仕事増えてるんだよっ
皆様投稿お疲れさまです!
暫くこれない間に膨大な量のお話が(*´д`*)
読みふけっていたらすごい時間たっていたという…でも楽しいからヨシ!
感想書きまくりたいのですが、ちょっと膨大になるので今回は控えさせていただきますorz
新たな来訪者様もいらっしゃっているようで!ますます楽しみです。
だいぶ時間経っちゃいましたが、続き投下逃げします。
目の前に起こっている現象は一体何なのだろう。
地面が、空が、人が―――不意に湧き出てきた黒煙に侵食されていく。
「な、なにこれ!?」
こんな奇想天外な現象を理解できるわけもなく。
混乱している私を置き去りにしたまま、黒煙は一瞬にして全て包み込んだ。
「わけわかんない…何、これ…」
愕然としたまま、人々が多く集まっている辺りに視線を向けた。
見ると、今まで楽しそうにしていた人々が、まるでマネキンのようにぴたりと止まっている。
木や草や花も、風に揺れて動く気配すらない。
空を見上げれば黒煙がうごめいてるばかり…でも、この世界、見覚えがある。
いつもは画面越しにだけど、ここはそう―――デュナミス。
でも、砂時計なんて使ってないのに、どうして?
突然闇の世界に放り込まれたらしい事実を受け止められず、暫く呆然とその景色を見つめた。
そこにあるモノ何もかもから生気を感じない、ただただ静かな世界。
まさに"奇妙"という言葉がぴったり当てはまるような光景が、どこまでも広がっている。
ここに居るだけで、押し寄せてくる孤独感に押し潰されてしまいそうになる。
動いてるのは私だけ?これはどういう事なのかな。全然解んないよ…。
どうすればいい?どうすれば―――
ふっと頭を過ぎったのは、この世界で私が唯一頼りにできる者の顔。
冒険者たちの暮らしを支える、縁の下の力持ち―――モーグリ。
そうだ、モーグリならきっと…!!
くるっと踵を返し、暗闇に見えた希望を求めてモグハウスの方へ走り出す。
…が、その足は目的地にたどり着く前に失速した。
「うそ…」
黒い紫色の煙のような壁がモグハウスへの道を閉ざしていたのだ。
もやもやとした煙のようなその壁からは時折紫電が放たれている。
触ったらビリッと痛そうだ…でも、ここで諦めたら全部お終い。
背負っていた鎌に手を掛け、しっかりと構えて持つ。
やる前から何事も諦めちゃ駄目。出来る事は全てやってみよう。
「てりゃぁあーー」
みよ、竜騎士顔負けのジャンプ力!…なわけは無いけれどorz
ダッシュをかけて飛び上がり、その重力を使って全身で壁に斬りつける。
―――ガツンッ
「うわっ」
ドスンっと尻餅持つく。思いっきり弾かれました!
鎌がぶち当たったところは一瞬、紫色の火花を散らしたけれど外傷ゼロ。
どうやら物理無効のようである。そう簡単にはいかないか…。
でも、こんな逆境に負けてたまるか…逆転無くして物語は進まないんだから!
すっと息を吸い込み精神を整え、鞄から取り出したバルカンスタッフを構えた。
力が駄目なら超強力魔法で行け!負けないよ…!
今ならきっとできる気がする。ううん、私はきっと出来る!
強大な炎をイメージする―――古代魔法、フレア。
ゴウゴウと激しい音を立てながら、魔力で作られた炎が集まっていく。
集中、集中、集中―――!!
―――カチャッ
「…無駄よ、止めなさい」
金属が弾かれたような音がすぐ真後ろで聞こえた。
ということで、本日は以上です。
最後に、ちょっとブームに乗り損ねましたが
とんかつLOVE(*´д`*)
587 :
既にその名前は使われています:2006/06/19(月) 19:18:20.83 ID:ZFRq9PjB
なにぃ
またバストゥークで時間停止だトゥ?
まるで時間停止のバーゲンセールだな
by王子様
588 :
83 ◆W0QmuTI9lM :2006/06/19(月) 19:34:34.94 ID:n3vD4dOj
とんかつLOVE(*'-')
仕事が忙しすぎて、携帯のメーラー使ってちょこちょこと書く事しかできませぬ・・・orz
しかも、後で読み直して修正の繰り返し・・・遅々として筆が進まない。
・・・書いてる最中に呼ばれ、何度かそのまま電源ボタンポチっとな・・・orz 苦労が水の泡。
容量もそろそろ次スレを見据える時期のようですし、PCに送って整理修正に明け暮れておきます。
それまで、名無しの保守人して過ごします(*'-') わっふるわっふる!
589 :
既にその名前は使われています:2006/06/19(月) 19:43:56.28 ID:ZFRq9PjB
読み直し解かしてるのか!
まるでプロだな
しかも形態化!
すごく大変だろう
本当にお疲れ様ンさ!
590 :
レグナス ◆/abMGvkWxE :2006/06/19(月) 20:45:39.23 ID:5GoQX4ax
携帯で長い文打つとかすげー!!
>>541 ちょwww破滅してるwww
>>550 ポイズンネイルきたー!…違う?w
>>567 世界の車窓からみたいでイイ!
…それはそうと、反芻の芻って字、気持ち悪いんです><
>>579 一瞬びびったww
>>584 今度はバルカンスタッフきたぁぁー!
状況は明らかに劣勢。ミスラを庇ったヒュームの男が、炎の龍の攻撃をまさに受けんとする所だ。
まずは俺の精霊魔法が通じるかどうか確かめる必要がある。小手調べと行きますか。
「ウォタガIII!!」
フェイト、来訪者含め、この場にいる全員に俺の声が届くように、全員がこちらへと注意を向けるように大声で叫んだ。
渾身の魔法をぶつける。発生した水圧弾は炎の龍や赤い鎧もろとも巻き込む形で巨大な波を作り上げた。
水が地面を叩きつけ、大きな水飛沫を上げる。炎の龍にはダメージが通った様だが、やはり赤い鎧には効果がないようだ。
「助太刀する!その龍は俺に任せるんだ!」
「まだ仲間がいましたか…黒魔道士は少々やっかいですね。」
赤い鎧は俺に両手剣を向け、次の魔法の詠唱を開始した俺に何かを放とうとしている。
よし、赤い鎧の注意は完全にこちらを向いている。あの2人は赤い鎧の攻撃に対応出来ていない様だが、俺には策がある。
ビュン!
詠唱に集中している赤い鎧に向けて、物陰からバルファルが矢を放った。
「レグナスには手を出させないぜ!」
だが、流石赤い鎧と言ったところだ。詠唱中も周囲の警戒を怠る事なく、矢が当たる寸前でそれに気付き回避した。
バルファルは両手槍を構え、赤い鎧の前へと飛び出す。
今回、お前は矛ではない。俺を守る盾となれ。
「私も忘れてもらっちゃ困るにゃ!ウォータ!!」
ミスラは水の元素で魔力を構築し、水球を生み出して赤い鎧にぶつける。片手剣に黒魔法…彼女は赤魔道士の様だ。
しかし、一体何なんだ彼女の装備は…。鎧も剣も盾も、見た事のないものばかりだ。
そして何故彼女はこのタイミングでウォータなんて放ったんだ? 俺のウォタガでさえダメージが通らなかったと言うのに。
バシャンと赤い鎧に水球がヒットするが、やはりダメージを受けている様子はない。
「こんな低級魔法…効くはずがありません。"炎龍"よ、まずはあのやっかいな黒魔道士から食らいなさい!」
しかしその命令に反して、火龍は動かず、悲痛な悲鳴を漏らし出す。そして、ついには断末魔を上げて空気中に霧散していった。
赤い鎧は龍が消されていく様子を静かに見つめている。
「ふふふ、これぞ対GM用必殺魔法―――日本酒カクテルウォータにゃ!
量が少ししか無かったからウォッカとかラム酒とか混ぜちゃったけど、効果は抜群のようにゃ!」
な、何を言っているんだこの女は。赤い鎧の弱点は酒だと言いたいのか? まぁ確かに傷口に当てれば沁みるとは思うが。
…とにかく、この女は赤い鎧を倒す術を知っている、それは確かなようだ。
そしてヒュームはボソボソと赤い鎧に話し掛ける。よく聞き取れないが、リアルの製品が赤い鎧の弱点だと語っている様だ。
構えていた両手斧を背に収めると、代わりにポーチからビンの様なものを取り出し、突き出す。
「どうやら戦力差は4対1みたいだ。こっちにはまだこの『リアルの酒ビン』がある。
そしてお前の炎の龍は使えない。まだ、やるか?」
「…仕方のない人たちです。あまりッ!私の手をッ!煩わせないで欲しいものですがねェェェエエッ!!」
突如として赤い鎧は狂乱したかと思うと、瞬く間に奴自身の鎧が赤い炎に包まれていった。
その勢いは凄まじいもので、2階にいる俺の所にまで熱気が伝わってくる程だ。それは鍛冶ギルドの比でない。
思わず戦慄が走る。やがて鎧を包み込む炎は破竹の勢いで巨大化していき、奴は巨大な炎の龍へと成っていった。
ゴッ、ゴッ、ゴッ…
龍が放つ強力な魔力の鼓動によって、建物全体が震えている。今の奴は攻撃と防御が両方備わり最強に見える。
"私のINTは53万です"
仮に赤い鎧がこう言ったとしても、俺は疑う余地を持たないだろう。それだけ奴は強い。黒魔道士の俺が保障するよ…。
1階にいる3人は、茫然としてその場に立ち尽くしていた。何か口を動かしている様だが、耳鳴りが酷くて聞き取れない。
あの2人は赤い鎧にダメージを与える術を持っている。しかし今の状況では、恐らく炎の衣に阻まれ攻撃は通らない。ならば…
「おい、お前ら!あいつの攻撃はバルファルに引き受けさせる!炎の衣も剥がしてやるから、その隙に攻撃しろッ!!」
「そ、そんなの危険にゃ!」
躊躇うミスラを無視して、バルファルは間髪入れずに赤い鎧…いや、巨大な炎の龍に挑発を入れる。
挑発に乗った龍は雄叫びを上げ、バルファル目掛けて一直線に突進してくる。まともに食らえば、一瞬で焼け死ぬだろう。
「…分かってるな?」
『へへっ、任せてくれよレグナス。』
俺が言うのも何だが、どんなに強い相手でも冷静な判断力と状況を見極める広い視野があれば、案外勝てるものさ。
「天照らす光よ!オレに力を!!」
バルファルは迫り来る龍に向け、両手槍の切っ先を合わせる。刃の部分は白く輝いているように見える。
「必・殺ッ! ブレスドレイディアンス!!」
其は清高なる天照らす光…赫灼たる光芒が象るは、冷厳なる浄化の閃き。眩い閃光が炎の龍を包み込む!
これは天光の鏡を使ったバルファルの切り札だ。普段はその輝きは失われているが、彼の鼓動に合わせてそれは光を取り戻す。
しかし炎の龍は光の壁をものともせず、そのまま突き破ってバルファルに向かって突っ込んできた。
「駄目だ、効いてねぇ!」
ヒュームが慌ててバルファルの元へ駆け寄ろうとするが、ミスラがそれを制止した。
やれやれ、ここで邪魔されてしまっては元も子もない。今はただ待っているだけでいい。お前は矛だ。
ガキィィイイン!
バルファルは炎の龍をそのまま両手槍で受け止める!その衝撃は凄まじいものだろうが、彼が焼け焦げる様な事態は起きない。
「ブレスドレイディアンスを使ったバルファルは暫くの間、属性攻撃をフルレジスト出来るのさ。」
しかし、バルファルはじりじりと龍に押されている。純粋な力の競り合いにしても赤い鎧の方が上だと言う事だろう。
だが問題ない。これも計画の許容範囲だ。バルファルにはあれを持たせた。
バルファルは片腕と体全体で両手槍を持ち替えると、手早く腰のポーチから曲刀を取り出し、それを龍に向かって投げつけた。
あれはジュノで襲ってきた青魔道士が装備していた武器だ。
赤い龍は小さく悲鳴を漏らす。
メキが放ったカクテルウォータ程ではないが、曲刀によって明らかに龍の動きが鈍ったのが分かる。
よし、この調子なら何とかバルファルでも持ちきる事ができそうだ。
実はあの曲刀、毒が仕組まれていたんだ。しかもただの毒ではない。近くにいたコカトリスで試し斬りした結果、
途端に傷口が変色し、その部分が膨らみ始めたかと思うと、次の瞬時には小さく音を起てて体の肉を削ぐ形で破裂したのだ。
"多分水分か何かに反応して効果を発揮する毒だと思う"
何処かの誰かが語っていた。その特異性から、俺はこの毒をフェイトが不正プログラムによって生み出したものだと判断した。
だったら赤い鎧自身にも効果があるのではないか、確信はなかったが自信はあった。
「さて19秒が経過した。ご苦労様、後は俺に任せてゆっくり休んでいろ。」
バルファルによる時間稼ぎはここまでだ。俺は精霊の印で練り固めた高密度の魔力を龍に向かって投げつけた。
くらえ、古代魔法フラッド───
激しい轟音が大工房内に鳴り響く。凄まじい量と勢いの水流は炎の龍を飲み込み、持ち上げ、そのまま天井に叩き付けた!
「くぅぅ、小賢しいッ…!」
炎の衣は完全にかき消された。赤い鎧自身に魔法が効かなくとも"炎"には魔法が通る事は既に検証済みだ。
剥き出しとなった赤い鎧は宙を舞う。反撃のチャンスは今しかない。再び炎を纏われたら、もう勝ち目はなくなる。
「分かってるだろ、今だッ!!」
俺は彼らに敵への止めを促した。止めはいつだって人任せ。だって、自分の手で人を殺めるなんて…やっぱり怖いだろ?
596 :
レグナス ◆/abMGvkWxE :2006/06/19(月) 20:51:31.86 ID:5GoQX4ax
以上です。
>>284 どう見ても図星です。本当にありがとうございましたww
597 :
既にその名前は使われています:2006/06/19(月) 21:11:34.95 ID:ZFRq9PjB
恐くても
怖ろしくても
自分の手でぶち殺すべきだと思います><;
598 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/06/19(月) 21:14:32.49 ID:KWjT0siM
皆様、投下乙でございます。
リードが出番待ちの間、イッチをお借りしてみようかと思います。
どなたかの物語のとっかかりになれば、と。
(ウィン脱出の際と同じく、またもやメイミィさんを待たずに、ではありますが・・・)
初出: 1スレ
>>1 PC(仮)名: イッチ / 中の人: 1スレ
>>1 種族フェイス: ミスラF8A ジョブ&Lv: 白20、サポシ
特記事項:“朝起きたら自キャラになってた”第一報告者。
リンクシェルオーナー(このリンクシェルは通話のみ可能)。
他キャラとの接触:ミオ(本家)、マイウ、ゴイス、リード、ルーファス
他にも出会っている可能性あり。
599 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/06/19(月) 21:16:31.71 ID:KWjT0siM
恐くても苦しくても歯を食いしばり、剣を振るう奴が居てもいい。
自分は恐いと正直に言い、協力を得る奴が居てもいい。
己の罪を背負う覚悟がありさえすればいい。
ジュノ上層、モンブローの病院。
医師モンブローはカルテをまとめていた。
いま入院している患者は(ある意味幸運なことに)、一名のみ。
白魔道士アオツキがホラの遺跡付近で救助し、ここへ担ぎ込んできた。
名前は、リード。
モンブローは、このエルヴァーンを知っている。
つい先日、記憶喪失ということで診察を受けにきた。
モンブローにもその原因は分からなかったが、そこで匙を投げて放り出すマネなどできようはずがない。
何か手がかりが得られればと考え、シャントット博士への届け物を依頼する、という形でウィンダスへ送り出した。
その彼が、こうして戻ってきた。
ただし、予想とはあまりにもかけ離れた姿で。
「・・・呪い、か・・・」
モンブローはひとりごち、そしてブルっと身を震わせた。
この世のどこに、最高位の白魔道士による解呪すら寄せ付けない呪詛をかけられる者がいるというのか。
(まさか、シャントット博士?)
物騒な想像に、彼はまた一つ身震いした。
モンブローは「黄泉の眠り」と、仮に名づけた。
蘇生、回復、治癒、解呪・・・。
ありとあらゆる呪文を試したが、肝心の意識が戻らない。
「黄泉の眠り」を解くには白魔法ではなく、何か、条件があるのかもしれない。
彼の体温は低く、不規則に容態が変化しながら悪化していることだけは分かる。
体中に刻まれた傷が、ふさがったと思いきや唐突に開いてしまう。
おかげで、包帯が足らない。こんなことは、この病院始まって以来の事態だ。
懇意にしているミスラ(本当はオスなのだが)がウィンダスへ行くと聞いたので、仕入れを頼んではいる。
ギルド製の良品質のものをストックしておくつもりで頼んだのだが、この状況ではすぐに必要になるだろう。
そのミスラも、ジュノへの到着が遅れている。道中で、何かあったのだろうか。
「こんちわー! 超光速宅配便だぜー!」
元気のいいミスラの声がした。イッチだ。
チョコボに乗れるようになった彼女には、しばしばサンドリアとの往復を依頼していた。
長距離を走らせるのは申し訳ないのだが、割のいいバイトだからと、いつも快く引き受けてくれている。
602 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/06/19(月) 22:25:52.07 ID:KWjT0siM
>>601 すみません。
× チョコボに乗れるようになった彼女には、しばしばサンドリアとの往復を依頼していた。
↓
○ チョコボに乗れるようになった彼女には、しばしば各地との往復を依頼していた。
に修正です。とんかつLOVE!
「いつもありがとう、イッチ。それから、済まないがお静かに願うよ」
怪訝そうな表情のイッチに、モンブローは人差し指を口の前に当てて見せた。
「大怪我をした患者が入院しているんだ」
それを聞いて、わるいわるいと頭をかくイッチ。
「で、コレはどこに置けばいいにゃ?」 と、小声でモンブローに尋ねた。
「病室の奥、いつもの棚に頼むよ」
イッチの大声で患者が目を覚ましてくれるなら、これほど幸運なことはないな、と苦笑した。
モンブローは手元のカップからサンドリアティーを一口飲み、再びカルテにペンを走らせる。
ガッシャーン!
病室から、派手に物が割れる音が響いた。
ハッ、と顔を上げるモンブロー。
病室に行くと、そこには患者のベッドの前にたたずむイッチの姿があった。
空き瓶や予備の診察道具が散乱した床に、立ち尽くす彼女。
「リ・・・リード・・・」
「彼を知っているのかい、イッチ?」
複雑な表情のイッチに問う。
「知ってるも何も・・・リードはオレの・・・」
604 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/06/19(月) 22:42:02.29 ID:KWjT0siM
今夜は以上です。
どこでどなたが入ってきても大丈夫な感じになっているはず?です。
わっふるわっふる!
605 :
出先 ◆TTnPTs4wAM :2006/06/20(火) 01:03:26.82 ID:NbZP9wza
取り急ぎ回答のみを…
>>575 思いっきりネタバラシ的な話としていくつかあるので列挙しておきます。
・さらって行った赤い鎧は、研究を口実にして天晶堂の倉庫を貸切っている
・倉庫街の、特に火薬などを取り扱う付近の予定
・マルトはカルバリンぶっ放します
・エルリッドはさらわれていく直前と同じ状態です
こんなところですかね…
3日ほど家に帰ってないので、書きかけの文章見てないでコレを書いてるのが我ながら気がかりですが・・・
以上です。トンカツLOVE♪
606 :
410:2006/06/20(火) 01:11:49.29 ID:LB/7971P
かなり遅くなりましたができたので書かせていただきます
わかりづらい点が多いのはすいません(´・ω・`)
607 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/06/20(火) 01:20:47.13 ID:Fs2oWjcW
>605
おおおお・・・・
お仕事おつかれさまです(つд`;)
そして回答ありがとうございます〜ヽ(´ー`)ノ
やっぱここでプロット合わせしてたらネタバレになっちゃいますよね(´Д`;)ヾ
608 :
410:2006/06/20(火) 01:28:50.72 ID:LB/7971P
前から、一度冒険者になってみたいと思っていた。だが、まさか本当に実現するなるなんて・・・・・・。
窓から差し込む光で、俺は目が覚めた。アレ?なんでベッドなんかに寝てるんだ?頭もなんか重い・・・・・・。
すぐにベッドから降りた。周りを確認していた俺の目に水面がうつった。俺はなんとなくそこに近づいていった。
「うわあああああああああ!!!」
「何クポ!!」
水面に映った姿を見た瞬間、思わず大声をあげた。
なんせ、いつも見ているキャラ・・・・・・つまり、自分のキャラの姿だったのだから。
「いきなり大声出さないでほしいクポ!!」
後ろから声がしてきた。俺はすぐにそっちに振り向いた。この白いのは・・・見覚えがある。
「・・・モーグリ?」
俺は恐る恐ると名前を呼んだ。
「いきなり大声あげて、どうしたクポ?ご主人様。」
何も言えなかった。なんせ急すぎて何もわかっちゃいない。わかるのは、ここはヴァナディールだってこと。
「もしかして・・・・・・噂のご主人様が変になる、っていうヤツクポ?」
感づいた様にモーグリが言った。そんな噂があるのか・・・。
「まさかモグのご主人様がなっちゃうなんて・・・・・・ショッククポ。」
「俺だって、かなりショックだよ・・・。」
俺とモーグリは、二人揃ってがっくりと肩を落とした。
609 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/06/20(火) 01:28:52.53 ID:Fs2oWjcW
でも書くwww
・エルリッドは赤鎧を協力者と捉えていて、自分が囚われの身と認識していない
・兄を殺した仇を討つんです! その仇って誰よ(´・ω・`) ルーファスさんです、信じてたのに…っ! ナ((((゚д゚;))))ナンデスト!?
みたいな流れで書くのはまずいでしょうか。。。
あ、場所関係は了解ですヽ(´ー`)ノ
で、割り込み失礼しました(´Д`;)ヾ
投下してくださいませ〜
610 :
410:2006/06/20(火) 01:34:26.57 ID:LB/7971P
とりあえず、状況を確認をする。
ここはウィンダスのモグハウスの様だ。
自分は・・・頭がこげ茶色でとんがっていて、体は幼児体型。完全に自分のキャラ・・・タルタルだ。
服装はタルが何もつけていない時の寝巻みたいなヤツ。
歩き辛い・・・子供と同じ姿だから当然か。
確認し終えた頃に、モーグリがひとつの案を出してきた。
「とりあえず、外を少し歩いてきたらどうクポ?」
「なるほど、そりゃいい考えだな。」
「その間に最近のトリビューンの記事を集めておくクポ!」
「ありがとう、助かるよ。」
モーグリは妙に冷静だ・・・でも、今はモーグリがいて助かった。
俺はフラフラしながら扉を開け、外に出て行った。
しばらく歩いていたら、ポケットに何かが入ってる感じがした。
「・・・何が入っているんだ?」
俺はポケットの中の物を取り出してみてみた。
「カード・・・?何か書いてあるな。・・・Misanga、:召75/白37、ウィンダス連邦所属・・・か。」
どうやら、身分証明書みたいな物らしい。裏面には時計がついていた。
カードを確認してから、俺は服を着ようとサーカス団のテントに向かった。・・・フラフラしながら。
611 :
410:2006/06/20(火) 01:43:36.18 ID:LB/7971P
サーカス団のテントについた。俺は、すぐに装備を預かってくれる人の元に行った。
「すいません、エボカーアタイアを。」
「1000ギルと預かり証をお渡しください。」
事務的なセリフだが、なんとなく助かる。
カバンを漁り、やっとみつけた預かり証とサイフから1000ギルを取り出し手渡した。
「こちらになります。」
召喚士のAFを受け取り、すぐに着替えた。いつも見ている姿だ。
体に合う様に出来ていて、とても動きやすかった。
服も着た所で、俺は何をしようか考えた。そして、ひとつだけ案が浮かんだ。
「早めにこの世界になれた方がいいな。魔法の練習でもしてみるか。」
俺はすぐにサルタバルタに飛び出していった。
サルタバルタにでたら、すぐにいつも見ている詠唱動作をマネして、手を振りかざして叫んだ。
「ケアル!」
・・・・・・周りには何も起こらず、すぐに静かになった。
「・・・・・・何も起こらないか。やっぱ呪文とかあるんだろうな。」
なんて考えていたら、急に頭の中によくわからない言葉が浮かんできた。
「!? なんだ?この言葉・・・。」
当てもないので、俺はこの言葉を読み上げてみることにした。
612 :
410:2006/06/20(火) 01:52:34.97 ID:LB/7971P
読み上げてみると、自然に体が動いた。読み終わる頃にはいつも見ている白魔法の詠唱ポーズでケアルを発動していた。
これはミサンガ・・・つまり、自キャラの記憶が教えてくれたのか・・・?
わからない事の方が圧倒的に多い。もっとも、わかることなんてヴァナディールにいる事ぐらいなのだが・・・。
取りあえず、考えるのは後にした。俺は非常時に戦闘ができる様に、召喚魔法の練習をしてみることにした。
最初はカーバンクルを呼ぼうと、カバンからミトンと光杖を取り出して装備する。
「う・・・・・・この杖意外と重い・・・。こんなのいつも背負わせてたのか。」
なんとか踏ん張り、召喚魔法を唱えようとする。やはり、よくわからない言葉が頭に浮かんでくる。本当に不思議だ・・・。
読み上げると、やはり自然に体が動いた。そして、召喚魔法の詠唱ポーズになっていた。
目の前に魔方陣が現れ、中心から青く光る小さな動物が飛び出てきた。
実物を見るのは始めてだが、多分これがカーバンクルだ。
・・・が、すぐにこっちにくるはずが、近づいてこない。
全然こないので
「おいで!」
と大声で呼んだが、近づいてくる気配はない。
理由を考えていると、カーバンクルが語りかけてきた。
「君は・・・ミサンガじゃないね?誰なんだい?」
俺はギョッとした。
613 :
410:2006/06/20(火) 02:04:27.30 ID:LB/7971P
とりあえずこれだけにしときます
続きはまた今度ということで〜
後キャラ紹介テンプレを
初出:9スレ 608
PC(仮)名:Misanga(ミサンガ)/ 中の人:410
種族フェイス:タルタル♂F5A 通称ドングリ
ジョブ&Lv:主に 召75/白37 か シ75/忍37 で行動する
特記事項:思いついたらすぐに行動に移す能天気なタル。だが、中の人が変わってから能天気な部分はなくなったがすぐに行動に移すのは変わらない。
活動エリア:ウィンダス
あらすじ:起きたらベッドに寝ていた。サルタバルタで魔法の練習をしていたが呼び出したカーバンクルに中の人が違うのを見破られてしまった。
他キャラとの接触:無し
独自レギュレーション:リアルの物は持ち込んでおらず、スレの事や他の事は全く知らない。魔法や忍術などの記憶だけキャラから受け継いでいる。
614 :
出先 ◆TTnPTs4wAM :2006/06/20(火) 02:15:04.28 ID:NbZP9wza
>>613 召喚の来訪者は初ですね。
続き楽しみにしてます!
>>609 何の問題もないです!
投下が遅くて申し訳ない…
水曜日過ぎれば続きを投下できると思いますので…
ではわっふる〜
615 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/06/20(火) 02:28:42.38 ID:Fs2oWjcW
>613
投下乙です〜初の召喚士ですねヽ(´ー`)ノ
で、割り込み失礼しました(´Д`;)ヾ
>614
こちらこそせっかちですいません〜(´Д`;)ヾ
お仕事頑張ってくださいね〜
そして図らずも609げっつ!ヽ(´ー`)ノ
616 :
既にその名前は使われています:2006/06/20(火) 06:30:19.19 ID:iqVVk0Dt
いいなあかーくん
617 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/06/20(火) 06:35:01.83 ID:f4Me5elX
おはようございますage
最初に召喚したのがフェンリルだったら問答無用で喰い殺されていた・・・かもしれない((((゜д゜;))))
618 :
既にその名前は使われています:2006/06/20(火) 06:39:24.13 ID:iqVVk0Dt
くいころされっるのこわすww
食い殺されなくても
何か言おうとするたびに黙れ小僧とか言われて召喚士の意見とか聞いてくれそうにないなwww
619 :
既にその名前は使われています:2006/06/20(火) 09:26:58.92 ID:xG8muEy7
アビス様・・・?バス支部によくお顔を出されるのだが・・・。
こんどきたら言っておきます。あの真面目なアビス様が仕事放棄はないと思うのだが。
620 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/06/20(火) 10:34:34.27 ID:6Xqw+OqV
>>586 ティアラさんにまで魔の手が((((;゚Д゚)))
>>596 相変わらず策士ですね〜。無人島でも一人でも生きていけそうですw
>>604 「リードはオレの・・・」はじめてのひとだにゃ?wwwww
>>613 召喚様キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
いままで散々おとりにして本体逃げ回ってた恨みとか晴らされたりしてw
そういえば遅レスですが
>506
ホラが便器の元ネタは実は、その昔外人が参入してきた直後くらいに組んだ外人が言ってた表現ですw
Benkiっておまえ絶対日本人だろwwwwwwwwwwwwwと思いましたw
多分台湾とかその辺の人だと思うんですけどね('A`
622 :
既にその名前は使われています:2006/06/20(火) 12:03:23.91 ID:xG8muEy7
そういえばアビス様最近色白になられたなぁ。眼も紅いし・・・。
623 :
既にその名前は使われています:2006/06/20(火) 12:19:07.38 ID:iqVVk0Dt
肌が白くて目が赤いのかそれって寝不足の症状じゃねー?
アビス様夜寝てないのかー?
624 :
既にその名前は使われています:2006/06/20(火) 12:27:07.21 ID:xG8muEy7
なんか邪気まとってるしよくわからん呪い封印呪符やら文様やら描かれた服着てるんだ・・・なんかこええ。
625 :
既にその名前は使われています:2006/06/20(火) 12:27:53.90 ID:xG8muEy7
そのくせプリンだけはきっちり食っていくんだな。これが。
626 :
既にその名前は使われています:2006/06/20(火) 12:34:28.76 ID:iqVVk0Dt
ヒコロウ菌に冒されてるなそれ
侵されちまったら対処法ないぜ
627 :
既にその名前は使われています:2006/06/20(火) 12:43:26.88 ID:R7LG19Ap
アビス様を寝かしていない羨ましい奴はどいつだ!
とんかつにしてやるにゃ!
629 :
410:2006/06/20(火) 16:32:05.24 ID:LB/7971P
>>614 >>615 召喚士が好評の様でよかったです
>>616 カー君はあげません(´ー`)
>>617 いきなり食われて冒険終了・・・それだけはww
>>618 命令を聞かない・・・それはいい案ですな φ(。。)
>>620 やっぱり恨まれてるんですかねw
召喚の描写は難しそうです。適当に投下していきたいと思います〜
それではわっふるわっふるw
皆様投稿お疲れ様です!
>>588 仕事お疲れ様です。忙しい時は本当忙しくてやんなりますね…
しかし携帯で書いてるとは…本当プロの極み!
>>596 所持金が1万きった日もありましたが、装備には命賭けてますΨ(`∀´)Ψ
古代きた!メインフラッドきた!これで勝つる!
>>604 イッチと遭遇きた!気になる終わり方でどうなるかわくわくです(*´д`*)
>>613 新たなる犠牲者様いらっしゃいませ。今後のお話を楽しみにしております!
>>620 魔の手かもしれませんし、そうじゃないかもしれません…ウフフ
631 :
既にその名前は使われています:2006/06/20(火) 18:42:09.59 ID:iqVVk0Dt
次すれは470K位いったらたておk?
632 :
既にその名前は使われています:2006/06/20(火) 20:28:43.61 ID:R7LG19Ap
就活に疲れた…
いっそ自キャラになりたい…。
でもってメイミィさんとヒロちゃんと百合姫とティアラさんとメキさんとにゃんにゃんするんだ!
633 :
既にその名前は使われています:2006/06/20(火) 20:31:20.37 ID:iqVVk0Dt
FF11の自キャラだけじゃなく
スペランカーになってたりする
それでもいいのならこの薬を飲め
つ◎
わたわたと慌てふためくイッチを、なんとか別室へ連れ出したモンブロー。
彼女の分のお茶を淹れ、席を勧めた。
白魔道士のアオツキがホラの遺跡付近で救助したこと。
いかなる呪文を用いても、意識が戻らないこと。
今の容態は悪化しつつあり、おそらく強力な呪詛によるものだろうということ。
等々、大まかに説明した。
「リードは・・・」 一瞬だけ考え込むイッチ。「オレの・・・そう、子分みたいなもんだにゃ」
「子分・・・ですか」
そのあたりの事情は詮索しないでおこう、とモンブローはあいまいに流しておいた。
「ラテーヌを隠れながら歩くくらい弱いのに、無理しやがってですにゃ」
腕組みしながらムスッとするイッチが、はっとあることに気づいた。
「先生、治療費・・・は? 実はリードは鎧も買えないくらい、ビンボーにゃ・・・」
上目遣いに見つめるイッチに、モンブローが優しく微笑み返す。
「それなら心配いらないよ。
回復するまで、アオツキさんが支払うと言っていた。いまどき珍しい、親切な女性だね」
それを聞いて、イッチはむぅぅ・・・と眉根を寄せた。
どうやら心中穏やかではないようだ。
イッチは脳みそをフル回転させていた。耳から煙が出そうな勢いで、思考が氾濫する。
・・・今まで全然連絡が取れないと思ったら、こんなところで寝てやがったにゃ。
無事じゃないみたいだけど、とにかくもうどこにも行かなそうだしひと安心かにゃ。
ていうか、この呪いはどうしたもんかにゃ。このままずっと目を覚まさないと困るにゃ。
そう、治療費。世の中カネにゃ。オレも入院費を払えるほどの蓄えなんかにゃいし。
第一、アオツキとかいうのは、どこのオンナにゃ? 浮気の相手だったらブッ殺すにゃ。
八つ裂きにしたあげく噛み千切ってやるにゃ! いやちょっともったいないかにゃ。タフだし。
まったく・・・。冷たいようで意外に優しいところもあるし、困ったツンデレさんにゃ。
だいたいビンボーなのにアオツキに治療費返すアテなんかあるのかにゃ? ないにゃ・・・。
かといって、何かクエの手伝いっていってもリードはてんで弱いし、まったく役に立たないにゃ。
まさか、カラダで返せとか言ってきたり・・・。そ、それは絶対にダメにゃ!!
おのれ白姫! 許すまじにゃ!
一刻も早くオレが呪いを解くにゃ! そしてさっさとここからトンズラにゃ! オレ、サポシ!!
「・・・先生」
イッチは爽やかに微笑んだ。サムズアップで自分の胸を指し示す。キラリと白い歯が輝いた。
「リードの貞操はオレが守るにゃ!」
「落ち着きなさい、イッチくん」
「呪いを解くには、何か・・・魔法ではない何かが必要なのだと思います」
モンブローは顎に手を当て、思案顔で言った。
「見当がつかないのが苦しいところですが。彼の為です。いろいろ試してみるしかないと思う」
「乙女の口づけ・・・とか・・・」
言ってしまってから、イッチはしまった、と口をつぐんだ。
―――オレ、乙女じゃねー!!
いや、当事者が相手だし、このさいイイのか? ダメか?
既成事実な相手と、誰だかわからん乙女と、どっちが効果あるんだ? どうなんだ神様!?
「ソコんとこどうなのよ?」
「・・・なにがですか」
半ば呆れながら、モンブローはサンドリアティーを飲み干した。
おかわりをポットから注ぎ足し、イッチのカップの中身がまったく減ってないことに気がついた。
沈黙が訪れる。
「あとは・・・そうだ。警備隊のネラフ=ナジラフ君」
ポン、とモンブローが手を打った。
「彼が以前、呪いを解く方法があると話してくれたことがありました。なんでも特殊なランタンで・・・」
「ソレダー!」
イッチは席を立ち、病院を飛び出した。
よく憶えていないが、古墳だ! 古墳に火をつけまくるにゃ!!
そして。
イッチはジュノ下層、競売の上に仁王立ちになっていた。
警備隊のネラフ=ナジラフから、ひったくるようにしてランタンを手に入れた。
スニークを習得したての自分では、古墳に一人で行っても生きては帰れまい。
そこで。
魂のシャウトである。
「呪いを解くんで古墳に火をつけるにゃ! お手伝い様募集にゃ!」
一体どういうクエだか分からない。報酬はない。手伝ってくれるアテはない。
当然、誰からも反応はない。
それでも、イッチは叫びつづけた。
―――数時間後。
「・・・さすがに声が枯れたにゃ。だがッしかしッ! INTはだいじにゃ! 白猫なめんにゃよ!」
イッチは懐に忍ばせておいた虎の子のアクアムスルムを取り出し、腰に手を当てて一気飲みした。
荒れた喉が、優しく癒されていく。さすがは演説の友。効果は抜群だった。
―――数時間後。
「・・・世の中、そんなに甘くないにゃ・・・心が折れそうだにゃ・・・」
暮れなずむ競売場二階で、ヘトヘトになってへたり込むイッチの姿があった。
一日じゅう叫びつづけ、反応があったのがたった三人。いずれも結局“サヨウナラ”だ。
「これは、もうダメかもしれんにゃ・・・」
赤紫に染まった空を見上げると、おもわず弱音がポロリとこぼれた。
ため息も漏れる。ぐしゃぐしゃに視界がゆがんでいく。
「なぁ、アンタ」
ふと、背後からヒュームの男に声をかけられた。
「古墳に用があるんだろ? 俺たちと一緒に行くか?」
ぐしぐしと涙を拭いて振り向くと、ヒュームの男二人とガルカの冒険者三人組がいた。
なかなか美形で、イッチも見たことがないような、ものすごそうな装備で身を固めている。
「・・・マジ? 手伝ってくれるにゃ?」
「あぁ、ちょうど俺たちも古墳に行くし」
「でも放火されちゃたまんねーけどな」
そう言って、ヒュームは互いに笑いあった。ガルカはイメージ通りムッツリ黙ったままだったけれど。
イッチと冒険者三人組は、簡単に自己紹介を済ませた。
ヒュームの二人は、クラウドという忍者と、ルシファーという名の赤魔道士だった。
無口なガルカはフェローで“アイアンブレイカー”と言う名だ、とクラウドが代わりに紹介した。
「助かったにゃー。これぞ天の助けにゃ」
さっきまでの落ち込みはどこへやら。イッチは上機嫌で笑っていた。
これでリードを助けられる。
彼らは相当腕の立つ冒険者。古墳などピクニックに行くようなものだ。
食事くらいは自分が用意してもバチは当たらないだろう、なんて考えてみる。
「とりあえず、打ち合わせするんでモグハに行こうぜ」
ルシファーがウィンクする。
「俺たちにも事情ってもんがあるしな」
ごもっとも、とイッチも頷いた。
彼らの冒険に自分の探索を便乗させてもらうのだし、まずはミーティングだ。
四人は連れ立って、居住区画へ向かうべく競売横の階段を降り始めた。
―――バチッ!
唐突に、背中に何か押し付けれたかと思うと、体を電気ショックが襲った。力が・・・抜けていく・・・。
「え・・・?」
クラウドが、スタンガンを背中に押し付けていた。
イッチは声が出せなかった。パクパクと口を動かすだけで・・・、ただそれだけだった。
だらんと尻尾まで垂れ下がり、脱力したイッチの体。
それを押し黙ったままのアイアンブレイカーが支え、マントで覆った。
「そんなことよりミスラとダブリュー」
「キタコレダブリューダブリューダブリュー」
クラウドとルシファーは、おかしな語尾をつけながらニヤニヤと下卑た笑いを浮かべた。
彼らは階段を降り、その後をイッチを抱えたアイアンブレイカーが続く。
ジュノの人ごみの中、雑踏で彼らに注意を向けているものなどいない。
否。誰も、いちいち他人の事など気にもとめないのだ。
悔しいにゃ・・・。
こいつらは“来訪者”。リアルからスタンガンなんかを持ち込んで、悪用しているにゃ・・・。
一瞬の出来事。油断。お人よし。グルグルとそんな言葉が頭で渦を巻く。
これから起こるであろう事態が、どす黒い想像として頭に圧し掛かる。
助けを呼びたいのに声が出ない。痺れているわけではないが、力がまったく入らない。
「ミスラハメんのって、お初じゃね? ダブリュー」
「俺らってINT500ダブリューダブリュー」
彼らは自分のモグハウスに向かって、何気ないそぶりで歩いていった。
641 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/06/20(火) 22:44:19.01 ID:f4Me5elX
長くなってしましました。今夜の投下は以上です。
今、ジュノ下層にはどなたもいらっしゃいませんね。
誰も登場できないかと思われます。
642 :
既にその名前は使われています:2006/06/20(火) 22:47:24.01 ID:6Xqw+OqV
ちょwwwwwwwwイッチがwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
643 :
既にその名前は使われています:2006/06/20(火) 22:58:50.60 ID:iqVVk0Dt
イッチがやられそうになったら俺が出て行って
クラウドとルシファーとザザーグを土クリで合成する
644 :
410:2006/06/20(火) 23:02:21.28 ID:LB/7971P
イッチがーーー!!
どうなるんでしょう・・・
とりあえず続き投下しちゃいます
前よりわかりづらいかも(´・ω・`)
645 :
レグナス ◆/abMGvkWxE :2006/06/20(火) 23:03:41.87 ID:aP9Pa+Vj
>>613 やっぱ召喚はあのガチョーンみたいなモーションが素敵w
>>641 誰かイッチを助けt…ワッフ…ぐぉぉ…だ、駄目だ…ワッフルワッフル!!
646 :
410:2006/06/20(火) 23:09:05.93 ID:LB/7971P
「やっぱり・・・わかるのか?」
「ウン、気配が全然違うよ。」
召喚獣がこんなに鋭いとは思わなかった。これは事情を話さないとだめだろう。俺は、今わかることを精一杯説明した・・・つもりだ。
「・・・つまり、なんらかの原因で体に乗り移ってしまったんだね?」
「まあ、そんなところかな。」
「厄介なことになったね、君もミサンガも。」
「ああ、最悪だ。早く元に戻りたいもんだよ。」
多分、ミサンガも同じ気持ちなんだろう・・・。わからないけど。
「よし、僕も君が早く帰れるように手伝うよ!」
「本当か?そりゃありがたい!今は一人でも仲間が欲しいんだ。」
「それじゃ、よろしく、えーっと・・・。」
ここまで言って、カー君は考え込んでしまった。どうしたんだろう?
「・・・・・・なんて、呼べばいいかな?」
「ミサンガ、でいいんじゃないか?」
「わかった。改めてよろしく、ミサンガ。」
「よろしく、カーバンクル。」
俺は少しかがんで、前足と握手(?)をした。
モーグリとカーバンクル・・・・・・心強い仲間を二人も得た。きっと帰れる様な気がしてきた。
647 :
410:2006/06/20(火) 23:16:21.17 ID:LB/7971P
「これからどうするんだい?」
カーバンクルに聞かれて、俺はモーグリが言っていた事を思い出した。
「モーグリが、トリビューンの記事を集めてくれてるはずなんだ。だから戻ろうと思う。」
「おっけー。それなら僕は一旦帰るね、それじゃ!」
言い終わると、すぐにカーバンクルはアストラル界に帰ってしまった。俺はすぐに急ぎ足でモグハウスに向かった。
「ただいま、モーグリ。」
「あ、おかえりなさいクポ。」
「どうだった?情報は見つかったかい?モーグリ。」
そういうと、モーグリは少し顔を曇らせてしまった。
「残念ながら・・・あまり見つからなかったクポ。」
「そうか・・・じゃあ見つかっただけ見せてくれ。」
「はい、少しだけどこれで全部クポ。」
結構な量の記事を渡される。少しだなんて・・・ぱっと見30枚以上はあるじゃないか。俺は我慢してトリビューンの記事を読む事にした。
何時間ぐらい読んでいただろう?全ての記事を読んだら、今ヴァナディールに起きている事が色々わかった。
リアルから物が持ち込まれていること。そして、そから武器や防具ができた事。更には、サンドリアに風呂屋みたいなものができたことまで載っていた。
そして・・・一番興味深かったのは、とある学者が俺と同じ様なタルを元の世界に帰している事だった。混乱を避ける様に、言い方は変えてあったが、多分そうだろう。
トリビューンに載っていた、関係者全ての名前をメモっておく。いつか見つける事がありそうだからだ。
648 :
410:2006/06/20(火) 23:32:20.07 ID:LB/7971P
「・・・・・・あーーー!疲れたーー!」
「お疲れ様クポ。何かわかったクポ?」
「ああ、興味深い所は切り抜いておいたよ。はいモーグリ。」
俺は切り抜いた記事を全部モーグリに渡した。全部読み終わると、モーグリはパッと顔を輝かせた。
「帰れた例があるクポ!?それなら、きっとご主人様も帰れるクポ!」
「・・・ありがとう、モーグリ。」
とても心強い言葉だった。モーグリ・・・案外いいヤツじゃん。
〔どう、ミサンガ。何か分かったかい?〕
「わああああああああ!?!?」
いきなり、誰かが頭の中に直接話しかけてきた感じがして、思わずバカみたいな声を上げてしまった。
〔あ、ごめん。知らないんだっけ・・・。今そっちに行くね。〕
そう感じると、モグハウスの隅に魔方陣が現れ、中からカーバンクルがでてきた。
「ごめんごめん、神獣との話し方の説明、してなかったね。」
「ふむ、そりゃ「モグハウスで出てきちゃダメクポ!!!」
興味深い。といおうとしたら、いきなりモーグリが怒鳴り声で割り込んできた。
「モグハウスの中で神獣を呼ぶのは、禁止になってるクポ!」
「うるさいな・・・。君が言わなきゃバレないでしょ?説明の邪魔しないで。」
「う・・・・・・それは・・・・・・・・・クポ。」
黙り込んでしまった。どうやら、言い合いは一瞬でカーバンクルの勝ちのようだ。怒らせると怖いな・・・。
649 :
410:2006/06/20(火) 23:45:31.16 ID:LB/7971P
「いいかい?頭の中に声が響いてきたら、それは僕が君の心に直接話しているんだ。」
要するに、テレパシーと同じ原理だろう。したことないけど、多分そんな感じだろう。
「それで、返す方法は精神を落ちつけて、念じるんだ。簡単でしょ?」
「精神を落ちつけて念じる・・・本当に簡単なのか?」
「ウン。ミサンガとはいつもやっているんだけど・・・。」
そんなことしてたのか、俺のキャラ。とりあえず、言われた通りにしてみる事にした。
深呼吸をしてから、目を瞑って言葉を念じてみた。かなり神経を使う。
〔・・・・・・こんな感じでいいのか?〕
〔そう、そんな感じ。最初はつらいけど、慣れれば簡単だよ。〕
頭の中で、相手と話している感じがした。どうやら成功のようだ。が、簡単どころかめちゃくちゃキツイ。
「二人とも、無言で何してるクポ?」
「ちょっとね。 ね?ミサンガ?」
言いながら、カーバンクルはこちらをニヤリとしながら見てきた。
「え?・・・ああ、そうだな。ちょっとねw」
俺は少し笑いながら、カーバンクルを見返した。
「な、何のことかわからないクポーーー!」
モーグリの叫び声が面白かった。俺はヴァナディールに来てから、初めて笑った。
650 :
410:2006/06/20(火) 23:49:02.66 ID:LB/7971P
以上です
神獣だしテレパシーぐらい出来るとかいうむちゃくちゃな発想ですwww
また続き考えておきます
それではわっふるわっふるw
ナジがGMに向かって降伏を促す。
「くっくっく・・・」
だがやはり、GMに応じる気は無いようだった。
彼を覆う殺気が変質し、狂気を帯びていく。
「全く・・・仕方のない人たちです。あまりッ!私の手をッ!煩わせないで欲しいものですがねェェェエエッ!!」
GMが狂ったような声で叫んだ。狂気とマナが炎に変わり、爆炎がGMを包み込む。
炎は一瞬で巨大化し、その姿は炎の龍と成っていく。
それは先程の炎龍の再現では無い。
GM自らが変身した龍は明らかに先程の龍より激しい獄炎を纏い、圧倒的な殺意を放っていた。
「おいおい、マジかよ・・・」
ナジが呆然とつぶやく。正直、俺も同じ感想だ。
「正直、これは斜め上が過ぎるにゃ・・・」
さっきの炎龍はそれを操るGMに攻撃を仕掛けることで倒すことができた。
だがしかし、今度はGM自身がその炎の龍と成っていて、つけ入る隙が無い。
真正面から挑むしかないが、それは分の悪い賭けだ。
「けど―――それでも、逃げるわけにはいかないにゃ」
エアリーソードを握る手に力を込め、気合を奮い立たせる。
「そうだな・・・炎の龍はもう1匹倒したんだ。あともう1匹ぐらいどうとでもなるさ!」
ナジも同意見のようだ。彼の闘志が再び燃え上がっていくのを感じる。
俺達は戦って、生き残ってやる!
だが、いざ龍に挑まんとする俺達に静止の声がかかる。
「おい、お前ら!あいつの攻撃はバルファルに引き受けさせる!炎の衣も剥がしてやるから、その隙に攻撃しろッ!!」
金髪ヒュムの声だった。何か策でもあるというのだろうか?
しかし、見たところ赤毛のタルタルが持っているのは普通のサーメットランスだ。
1人で、しかもヴァナの物であの龍を止められるとは思えない。
「そ、そんなの危険にゃ!」
ドゴォン!
しかし、俺の抗議の声は赤毛タルの挑発の音によって掻き消される。
挑発に乗った炎の龍は彼にすごい速度で突進していく。
あのままでは、あの赤毛タルは―――
そこまで思った時、彼の持つランスが光り輝いた。
「天照らす光よ!オレに力を!!」
これはもしかして・・・フェローが使う、あの奥技!
「必・殺ッ! ブレスドレイディアンス!!」
まばゆい光が放たれ、赤毛タルの前に光の障壁ができ、炎の龍と激突する。
だが、炎の龍の力のほうが勝っていた。
光の障壁を破り、爆炎が赤毛タルに襲い掛かる。
「駄目だ、効いてねぇ!」
「出て行っちゃダメにゃ!」
ナジが赤毛タルの元へ駆けつけようとするのを慌てて静止する。
あの技が俺の知っている通りの効果なら、彼は大丈夫なはずだ。
「けど―――」
ナジが何かを言おうとして止める。
赤毛のタルタルが炎の龍をランスで受け止めていた。
だがしかし、彼の体が燃える事は無い。ブレスドレイディアンスの効果だ。
「今の彼は属性攻撃をフルレジストできるはずにゃ」
チラリと2階の黒魔を見る。
金髪ヒュムは精神を極限まで集中させ、魔法の詠唱を行っている。
多分、黒魔法の中でも水系最強魔法の詠唱だろう。
「私達の出番は彼の魔法が発動した時。その時を絶対に逃さない事が一番大事にゃ」
「・・・分かった」
ナジは彼を助けに行きたくて仕方が無いのだろう。
だが、今は待つことが勝利への道だときちんと理解している。
俺達は赤毛タルと炎の龍の戦闘に集中し、チャンスを待見極める。
炎を弾きながらも赤毛タルがじりじりと押されていく。
このままではヤバイ、という所で赤毛タルが龍に曲刀を投げつけた。
それによって炎が弱まり、龍が怯む。
そして、そのタイミングを狙っていたのだろう。
完璧なタイミングで金髪ヒュムの魔法が発動する。
古代魔法フラッド―――
地面から巨大な水柱が上がり、それは炎の龍を纏ったGMを押し上げ、天井に叩きつけた。
フラッドの威力はとてつもなく、GMが纏っていた炎を完全に吹き飛ばす。
「くぅぅ、小賢しいッ…!」
炎の衣を打ち消され、空中に放り出されたGMは舌打ちしながらも詠唱を開始する。
おそらくは再度、炎を纏うつもりだ。そうなればもう次のチャンスは無い。
「分かってるだろ、今だッ!!」
金髪ヒュムの声が飛ぶ。
そう。今この時だけが、GMを倒す最初で最後の唯一のチャンスなのだ。
俺達はその機会を逃さず、全力を注ぎ込む。
投下終了ですー
皆様投下おつかれさまです。また見れない内にスレが超進んでるわけですがww
メキさんとレグナスさん合流きたー! 輝けバルファル!
新たな犠牲者様は初の召喚士さんとガル姫さん、どちらもこゆいキャラを期待しちゃいますw
サンさんはどんどん超進化を繰り広げておりますね…手が付けられなくなっちゃいます(((( ;゚Д゚)))
ティアラさんにちょっかいを出したのは一体何者だろう? 先が楽しみです。
そしてリードさんいよいよ復活の狼煙が…ってイッチさんがピンチにΣ( ̄□ ̄;
こちらが殆ど書けてない内にヒロさんがバスにつきそうな件についてw
なんかごめんなさいごめんなさい(;´Д`)
先についてるなり遅れて来るなり好きに動かしちゃってくださいませ…
ルーファスさんもお仕事お疲れ様ですm(_ _)m
隙間を埋めていく形でサンドの事は片付けてしまおうかしらw
>>428 概ねそんな感じです。不要っぽいものと戦いの妨げになるものは片付けて、
スレで読んだ事やゲーム内の知識のなかでこの世界でも有効なものを優先して残し、
自分の知識や記憶と混じり合って劣化したり、消えたりしないようにしまってある感じ。
世界の理そのものをいじくる連中相手に普通のやりかたでは、
守りたいものも守り抜けないということを嫌というほど思い知ったので、
意志尊重よりも死なないこと、殺されないことを第一に物の考え方をカスタマイズしているようです。
本編はちょっとお休み中にして埋め立て用の番外編。目が覚めたらフレがおかしくなってた。さわりだけ。
朝、目が覚める直前、ベッドの中のけだるく穏やかな時間を全力でぶち壊した、一通のtell。
「フルっち…いる?」
「ん〜〜〜……いますけど……何ですか朝っぱらから」
「よかったああああぁぁぁ;; お願い助けて;; もう何がなんだか;;」
思えばそれが、僕にとっての始まりだったのだろう。
普段の彼とはうってかわって、顔が見えなくても分かるくらいオロオロしている彼をなだめすかして、
要領を得ないながらもなんとか聞き出したことには、"朝起きたらタルタルになってた"。
なんのこっちゃ。彼はずっと、僕と出会ったときからタルタルであったし、
恐らくは生まれたときからタルタルだったに違いないと思うのですが。
しかし彼は違うんだ、そういう意味じゃないんだ、と僕の言を否定し、こう告げた。
「これが現実とはとても思えないんだけど、ゲームの中に入っちゃったみたいだ」
「はぁ? …ゲームの中って、一体今どこにいるんですか」
「多分…ジュノのモグハウスだと思うんだけど…モーグリもいるよ」
ということは、当面は命に関わる危険はなさそうだ。
今僕はサンドリアにいるけれど、幸いな事にHPはジュノ。
「部屋の番号教えてください。すぐ、そっちに行きますから」
モグさんにサポートジョブを召喚士から黒魔道士に変えてもらい、僕はモグハウスを後にした。
ル・ルデの庭からエレベーターで居住エリアに降り、指定された部屋へ向かう。
彼はちょっと外に出て表札を見ることすら怖くて、モーグリに代わりに外へ出てもらったらしい。
一体何が彼の身に起こったのか、心配で仕方がなかった。
Shiva1-0207 Raite-Minte、扉にかけられた表札の番号と名前を確認し、扉を叩く。
「着きましたよー、ライテさーん」
「いらっしゃいませクポ〜」
モーグリが出迎えてくれた。部屋の奥には所在なさげにベッドの上で座りこんでいる彼の姿。
顔を上げて、僕の姿を認めると、ばっと立ち上がって、転びそうになりながら飛びついてきた。
「どうしよう…ポリゴンじゃない…;; ほんとに触れる;;」
「ちょ、どこ揉んでるんですか」どこというか、ふくらはぎだが。
しゃがみ込んで脇の下に手を差し込んで、ひっぺがして抱き上げる。
「ポリゴンとかゲームの世界とか、意味が分かんないですよ。
もう少し落ち着いて、何が起こったのか、3人で考えてみましょ」
「意味わかんないって…ここってFF11のジュノでしょ? 文ちゃんこそ、冗談はやめようよ…」
あやちゃんって、誰。…いや、何となく分かった。
最近たまに見るようになった、やけにリアルでおかしな夢の事を思い出す。
「ジュノはジュノですけど、ライテさん…今貴方が思っている世界と、この世界は違うものかも知れない」
僕のその言葉を受けて、ライテさんはしばしの間考え込んだ。
やがてひとつふたつと出てくる問い。僕はできる限り真摯に答えた。そうして出た結論。
「…つまり、ぼくはゲームの世界じゃない、本物のヴァナ・ディールに来ちゃったって事かな」
「貴方が、『文ちゃん』と同じ処に存在する人間ならば…そういうことかも知れませんね」
"ゲームの世界"という表現がいまいちよく分からないけれど、
あの夢で見たおかしな世界について、もしかしたらもっとよく知ることができるかも知れない。
そう思うと、ライテさんには申し訳ないけど、俄然ワクワクしてきた。
「ところで、貴方がライテさんであってライテさんでないとすると、
僕は貴方の事を何て呼んだらいいんでしょうね?」
「うーん、それならミンテって呼んでもらうのはどうかなぁ。あと貴方ってやめてw
それから、ぼくが来た事で、もともといたライテはどこに行っちゃったんだろう?」
ライテさんもといミンテさんがふとこぼしたそんな疑問に、僕もはたと我に返った。
記憶の混濁・喪失などではなく、あくまで意識の入れ替わりであるとの認識を持つ彼。
しかしそれにしても、落ち着きを取り戻した今はいつものライテさんと何も変わらないように見える。
「昨日お休みになったときまでは、確かにいつものご主人様だったんですクポ〜。
朝起きたときも、直後は別にいつものご主人様と変わりなく見えて…
お顔を洗って、着替えて、今はいつで、ここはどこかと聞かれて、
素直に答えたらこんな事になってしまったんですクポ」
「なるほど…それ以前に、何か変な夢を見たとか、変わった事は言ってませんでしたか?」
僕の問いかけに、申し訳なさそうに首を左右に振ってみせるモーグリ。
「まあ、あれだよ」
僕の腕をやんわりとほどき、ぴょいと床に飛び降りるライテさん、じゃなくてミンテさん。
「寝て起きたらぼくが入っちゃってたってことは、意外とライテは寝てるだけだったりして」
「そんな楽観的な…それはそうかもですけど、自分が元いた世界とかの心配なんかもあるでしょう」
こんな風に、お気楽な所もまったく変わらない。彼は僕を見上げて、にやりと笑ってみせた。
「フルっち、いい事教えてあげる。向こうの世界の時間の流れは、この世界よりずっと遅いんだ」
「つまり…?」
「ライテが寝てるだけならそのうち起きてきて、ぼくは追い出されて勝手に帰れるさ。
いくらなんでも何か月経っても起きない、なんてことはないよね。つまり向こうの心配は全然平気!」
その顔から、もはや不安などは微塵も感じられなくなっていた。
未知へと挑む、冒険者の貌。
「というわけで、その時が来るまで、折角この世界にこられた事だし、色々回ってみたいんだ!
フルっち、つきあってくれるよね?」
彼自身がそう言うなら、多分、そうなんだろう。僕もくよくよ悩むのがめんどくさくなってきた。
そんないい笑顔で貴方に頼まれたら、断れる人間などこの世界に十指に満ちるまい。
僕は二つ返事で、彼のその願いを承諾した。
夢の向こうの世界から、精神を同じくしながらまったく違う記憶と経験を持った人間がやってくる。
その現象が一体何を意味していたのか、この時の僕には気づく事もできなかった。
世界を蝕む影と、その影を退けようと抵抗するもの達。戦いは、既に始まっていたのだ。
そんな事はつゆ知らず、僕とミンテさんはそれから世界中の色々な場所を巡った。
出発する前にLSに声をかけて、暇ならもう一人くらい着いてきてくれればいいな、
そう思い同行者を募ったけれど、残念ながらいつでも暇なのは僕だけのようだった。
結局常に同行するのは僕だけで、あとは手が空いた人間がいれば、
テレポか何かで様子を見に来る、という形で落ち着いた。
「まあフルさんがついてくなら間違いは起こらないでしょ」
信頼されてるのか心配されてないのか、何だか複雑な気分だった。
タルタルのしかも吟遊詩人である彼に、僕と並び立って戦うことを要求するのは酷だということで
早々に諦めて僕が赤魔道士にサポートジョブ戦士、で守ることにしたものの、
最初は魔法の使い方や、呪歌の歌い方も分からなくなっていたようで随分難儀した。
まるでずっと昔のあの頃と、立場が逆転したような錯覚を僕は覚えたけれども、
旅をする合間に少しずつ魔法の使い方から教えたら、彼は割とすぐにそれを飲み込み、
歌の方もいつの間にか自己流で、向こう側の世界の歌に魔力を乗せるようになっていた。
僕はメインジョブを白魔道士に切り替えても魔力切れの心配がなくなり、旅は幾分快適になった。
彼自身も吟遊詩人としてのちからを取り戻したことで、元気になったのも喜ばしかった。
汽船の上で、大きな橋のたもとで、荒野の真ん中で、月が昇る海岸で、日が昇る山頂で、
彼は折に触れて歌った。異世界の詩人たちが紡いだという、様々な歌を。
僕はその側で、時には一人、あるときは様子を見に来てくれた仲間と共に、その全てを聴いた。
時折彼から聞かせてもらった話によると、彼自身の暮らしていた所は僕が見た夢の通り、
この世界とは全く似ても似つかない世界で、その中に、娯楽として、
「仮想の世界の中で物語を楽しませる」という装置があったのだそうな。
「自分の分身になるキャラクター…ええっとね、劇の役みたいなものかな。それを決めて、
ぼくたちはこの世界によく似た世界で、冒険物語を紡いでいたわけさ」
「その、決めた役の姿形が、キミの場合はライテさんで」
「文ちゃんの場合は、フルっちだった、ってわけ」
話はLS会話も通しており、その向こう側からも興味深そうな声が届いた。
『その内フルさんも、その女の子になっちゃったりしてw』
「そしたらみんな、今よりは優しくしてくださいよw」
『わたしの役をやってた人も、どこかにいるのかニャ?』
「いるんじゃないかなー。分かんないけど。ぼくらとは違う鯖かも」
『ふたりだけ知り合いで、ちょっとずるいニャー…でも鯖って…じゅるり』
何千年もの時を刻んだ聖なる森の一角に、笑い声がこだました。
言葉の端々に彼女の名がのぼった時、彼は決まって笑んでいたり、優しげな顔だった。
「フルっちが笑うときの顔も、文ちゃんにそっくりだよ」
彼女について聞いたら、彼はそう答えてくれた。
なんだか、くすぐったくて照れくさい感じがした。
僕の心も、彼女とどこかで繋がっているのだろうか。
そうだといいな、と密かに願いながら、ジ・タの巨木の根元で、眠る彼を膝の上に抱いて火の番をした。
その次の日に、ロ・メーヴを抜けて二人でトゥー・リアへと昇った。
遥かな古、神々の世界へ至る扉を開かんとした民が作り上げた、空中遺跡。
それを為すための途方もない力を集める装置は既に停止して久しいものの、
創造主に与えられた命令を、今もなお忠実に遂行し続ける魔法生物達がさまよい、
要石として東方より招かれ、四方と中央に封じられた瑞獣達が護り続ける聖域。
透明な床に走る波紋をひとしきり楽しむミンテさんで目の保養をした後、ゲートをくぐって、外に出た。
「うおおおおおお!! すげーーーほんとに空の上だーーーー!!11!」
どうにかなってしまいそうなくらい興奮しながら、ラピュタは本当にあったんだ〜〜! 等と
よくわからない事を叫ぶ彼。ラピュタって何だろう。後で聞いてみよう。
「じゃあ、本島のほうに渡ってみm」
そう言いかけた時、正面から若干左側の方に浮かぶ小さめの島から、まばゆい光が放たれた。
わずかに遅れて、轟音と爆風が熱を伴って僕たちの元へ届く。どうやら朱雀の炎が炸裂したらしい。
「うわぁっ!?」
「あー…連続魔止め損ねましたね、あれは」
「へぇ、この世界にもちゃんと空LSとかあるんだ〜」
バファイラを展開しながら、物語の世界での事を想起する彼を抱き上げた。
「僕たちまで焼き焦がされないうちに、建物に入っちゃいますか」
桃色の光を帯びた魔法円をくぐり、両側にサーメットでできた衛兵が居並ぶ回廊を抜ける。
そうして辿り着いたル・アビタウ神殿を目の前にして、
僕の腕のなかでぽかんと口を開け、その偉容を見上げる彼の顔がなんだかおかしくて、可愛かった。
「神々の間を通ったときも思ったけど、画面越しと実際にその場で見るって、全然ちがうねぇ。
すごい迫力…来て良かったよーありがとねぇフルっち」
ル・アビタウ神殿の正面大広間の中央で、両手を大きく広げてくるくると回りながら彼が言った。
「そう言って貰えると、僕としてもあちこちお供した甲斐がありましたよ」
「へへへ…それにしても音響よさそうだねーこの広間」
傍らに佇むドールの脚を平手でぺちぺち、と叩きながら高い天井を見上げて、
僕が見守るその目の前で、彼は大きく息を吸い込んだ。
「Ru――――――♪」
エルヴァーンやヒュームであれば子供時代にしか得られないような、透き通った柔らかい声が響く。
声変わりが来ないのはタルタルの特権。そのかわり体も呼吸器も相応のサイズだから、
声量にハンデがあって、その差を他種族と縮めるためにかなりの修練を要するとか。
「吟遊詩人ぶりも、すっかり板についてきましたねぇ」
「といってもこの世界の歌のほうは、なかなか覚えられないんだけどねー」
そうして竪琴を爪弾きながら、歌い始めた歌。
残念ながら意味は分からなかったけれど、その優しく懐かしい響きは、
まるでこの空間に沁み渡り、寒々しい雰囲気を穏やかなものに塗り替えていくかのようだった。
「…いい歌ですね」
「元々は曲が先にあって、うーずく語? だっけかな、それで歌詞をつけたんだって。
でもその歌詞を作った人以外、誰もその言葉の意味を知らないんだ。変な話だよねw」
「でも、この歌には言葉では伝えきれない想いみたいなものが、こめられていたんじゃないですか?
ミンテさんが今歌ったことで、僕はそれが何となく伝わったような気がしますよ」
僕のそんな感想に対して、返ってきたのは沈黙。…そして笑い声。
「やばいフルっち真顔でそういう事言わないでwww」
「僕は僕の思うところを述べただけですよ」
なんだか恥ずかしくなって、顔を彼からつい背ける。と、背中にぺたりと彼がくっついてきた。
「ごめんごめん。…リアルじゃこんな風に歌うことなんてできなかったし、
そんな風に褒められるのも、初めてだったから…つい、ね」
テレポを駆使して世界中をあちこちと旅すること、あれから実に十数日が経とうとしていた。
言葉にこそ出さないけれども、やっぱりどこかには不安があるんだろう。
そのまま背中をよじ登り、肩に回されたちいさな手を、僕はそっと上から握りしめた。
テレポヴァズを使ってザルカバードへと降り立つ。
幸いなことに二人とも所属国が同じだったため、OPで本国への転送を頼もうという事になったのだった。
ウルガラン山脈にでも向かうのだろう、熟練の冒険者達が行きがけの駄賃に邪龍を狩っている。
そんなありふれた光景を背後に、商人さんの力強い声で、転送魔法が発動した。
刺すような冷気が緩み、柔らかい芝生の地面に足が着く。
「じゃ、装備なんかはモグハウスに置いちゃって、ごはん食べに行きましょうか」
背後に少し遅れて転送されてきた彼の気配を確認し、そう話しかけながら歩き出す。
小走りにさくさくと芝生を踏んで、後を追いかけてくる彼の足音が、突然途切れた。
ここまでで一旦カットします。埋めって言わない気がしてきた。
前半はほのぼのでしたが、後半はくらーいくらーいお話になります。
この世界に生まれた彼は、それゆえに無力であった。
それでは、わっふるわっふるです。
手直し有りのため今夜中の続きは無理かも知れません。
他の方々もどんどん埋め埋め投下です!
無事に埋まったら続きは次スレの埋めに…あっなんか良い考えな気がしてきた(何
668 :
既にその名前は使われています:2006/06/21(水) 01:31:27.92 ID:nQRwU1ol
>>641 そういえば、競売で一桁間違えて落札して失神してる暗黒がいなかったっけ?
669 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/21(水) 01:49:26.06 ID:qXHvmPJN
・・・異世界の歌を歌うって実は危険じゃないのかな・・。
まぁ自分の話のネタバレですが・・・。
神話において世界を紡ぐのは歌、機織(タペストリ)、
そして舞い・・・すべて「物語」や「感動」と言い換えられます・・・。
おそらく原初の魔法とは世界という神に生贄として捧げる・・物語。
魔法書とは異世界の原理を示す書類で、
本来の世界の人間には理解できない、
できても「あっという間に忘れる」ものを記帳するためにあるだけであり、
魔道理論だのなんだのはこの世界の人間の理解力でわかりやすいようにアレンジしただけともいえる。
異世界の歌や舞を世界に捧げ、代償として奇跡という名の物語を紡ぐのが魔法だとすれば・・・。
来訪者がいきなり何の勉学もなくこの世界で魔法が使える理由が説明できてしま・・・はっ。
・・・逃げろたるっ子!危険だ!!!!!
ごめんもう遅いんです(ノД`) たるっこはもう…よよよ。
続き投下。中編です。
己が無力を呪う、その切っ掛け。
「――――――」
振り向いて声をかけようとしたが、声が出なかった。
いや、身体そのものが動かなかった。右足を前に出しかけたまま、微妙な姿勢で固まっている。
なのに、力を抜くことも、再び歩き出そうと身体に力を入れることもできない。
「フルっち? どしたの?」
追いついてきたミンテさんが、何が起こったか分からないというように、僕のズボンの裾を引っ張っている。
返事をしたかったが、僕はと言えば首も動かなければ呼吸すら止まっていた。
…どうして、僕はこんな風に止まってしまったのだろう? 彼は普通に動けるのだろう?
ともかく周囲の様子をなんとか探ろうと、目だけでも動かそう、動かせないかと試みていたところで、
もう一つの気配が、背後に突如として沸いて出た。
「あぁ、いたいた。やっと見つけたよおチビさん…イレギュラーはログがボロボロになっちまうから、
あまりちょろちょろ歩き回ってくれるなよw …さて、何故ここに呼ばれたか、お分かりでしょうか?」
イレギュラー? ログ?
声を聞いた限りでは、年格好は僕とあまり変わりないように感じられた。
しかし、その男が纏う気配は、人の持つものとは明らかに異質で、根元的な恐怖を呼び起こす。
「わ…わかりません。気が付いたら、こう、なってたんです」
彼が震える声でそう答えながら、僕の足にぎゅっと縋り付くのが分かった。
隣にやってきた気配の主が、その手をむりやり引き剥がす。
「うあ"っ…」
「正直なのは良い事だ。そいじゃあ冥土の土産に教えてやろう」
「君はだね、この世界にとって、異分子で不具合で不正な存在なんだ。
ただそこにいるだけでもヤバいってのに、ワールドツアーなんぞ決行してくれちゃって…」
そんな風に、意味はよく分からないけれども彼の存在を否定するような言葉を吐きながら、
男は僕の横を通って、僕から見える位置にやってきた。
甲賀装束と呼ばれる、ハイレベルな修練を積んだ忍者のための、紅蓮の東方着を纏ったヒュームの青年。
ふざけた事に、頭だけはパンプキンヘッドだったが、ジュノ等でたまに見かけるその姿とは違い、
全身からゆらゆらと陽炎のようなものをたちのぼらせていた。
「というわけで、本来は即刻この場で消えて貰わなにゃならんのだが、
君が歌い続けた『歌』が世界にどれだけの影響を及ぼしたのか、先にそれを調べないといかん」
片手で彼の襟首を掴み、締め上げながら目線の高さを合わせて、彼に語りかける。
消えてもらう? …彼を消すだって!?
「そういう事だから、おとなしく同行してくれたまえw ああ、拒否権はないから」
理不尽に突きつけられる要求。そんなに締められていたら返事もできないだろうが。
この糞ヒュム。タルタルはもっと優しく取り扱え。
表情すらも動かせず、ただ頭の中で考えることしかできない僕の背後に、
また唐突に、ぬるりとした気配が生じる。それは動けない僕の首筋にそっと刃をあてがった。
と同時に、男が彼の襟首をぱっと解放する。受身も取れず、彼は芝生の上に落下した。
「くはっ」
「そうそう、後ろの彼の事は気にしないでくれ。手を離したのは返事を聞きたいためであって、
君に選択の余地を与えるためではないからね」
嘲るような口調で喋りながら、彼がどうにか体を起こすのを男は眺めていた。
ミンテさん、僕なら大丈夫。ストンスキンもリレイズもかかってるし、そう簡単には殺られない。
だから逃げろ。達ララなら空蝉が張られていようが関係ない。
こいつらに着いて行ったら、きっと取り返しのつかない事になる。
ここまで脅かされたら抵抗なんかしやしないと、奴らがキミの事を舐めきってるうちに…!
ただ祈る。男への返事か、それとも僕の思いが伝わったのか、彼はすう、と息を吸い込んだ。
「Ra――…♪」
響きそのものに魔力を通す、戦闘用の呪歌。目の前の男の体が、ぐらりと傾ぐ。
僕が心の中で快哉を叫んだその瞬間、背後に控えていた気配がふっと動いた。
瞬間的に、殺気がその場に満ちる。
斬撃が、五閃。
最初の一閃で空中に跳ね上げられ、そのまま残りの斬撃をもまともに受けた彼。
一撃毎にちいさな身体が空中で踊り、僕の顔や青と白の法衣に、赤い飛沫で彩りを加える。
彼は再び地面に叩き付けられる前に、体勢を立て直した甲賀装束の男の手で無造作にキャッチされた。
ぐったりとした体から、赤いものが滴り落ちていた。
「…おい、"スナッチャー"よ。殺したら再生がめんどくさいんだが。手続きとか。」
「……ていこう、しましたから」
若い女性の声と共に、改めて進み出てきた気配の主は、衣装から見てどうやらシーフのようだった。
僅かに生じた希望を一瞬で握りつぶしたそのヒュームの女は、曇り硝子のような目で男を見上げる。
「……いけません、でしたか…?」
「いや、まあ概ね予定通りだ。心配はないぞ」
「…このしろまどうしは、どうしますか」
女の声に応えて、男が僕の前にやってくる。顔の前に手を翳し、ヒラヒラと振って見せた。
「あー、ほっといてもいいだろ。どうせ何も見えちゃいないし、聞こえてもない」
聞こえているし、見えてもいる。ただ、完全に動けないだけで…。
小馬鹿にしたような男の言葉、自分の無力さに涙が出そうだった。
「初めはこのおチビさんが消えたことに戸惑うかもだが、すぐに何も感じなくなるさ。
世はすべて事もなし。…君はもう暫く、この世界を楽しんでいたまえ。」
最後の一言は僕に向けて言ったのだろう。聞こえていないと、思っているくせに。
ミンテさんを小脇に抱えた男と、真っ黒いアサシン装束の女の足元に赤い光の円が生じた。
円からまっすぐ上に放たれた光の柱に三人は包まれ、跡形もなくその場から消えうせた。
同時に束縛が解け、体にかけようとしていた力が一気に伝わり、
僕は勢いよく、前のめりに地面へと倒れることになった。
「おい、大丈夫か?」
コンクエスト担当の神殿騎士が駆け寄ってきて、僕を助け起こしてくれた。
「僕は大丈夫です…でも一緒にいた連れが…」
「その連れはどこに? お前はOPから転送されてきたんだろう。どこに置いてきた?」
「…え? 一緒に…さっきまでここに…見えてなかったんですか?」
神殿騎士は何を言っているのかわからない、という顔をして見せた。
「そもそも、私には歩いていたお前が、突然なんの前触れもなく倒れたように見えたのだが」
「そんなバカな…」
あの凄惨な光景を、異様な気配を纏った二人組を見ていたのは、僕だけ?
神殿騎士の言葉に戸惑っていると、LSから声がかけられた。
『フルさんサンドに戻ってたんだー。もし良かったらちょっと競売見て欲しいんだけど』
「そんな事より、ミンテさんがっ…!」
『ミンテさんて誰? フルさんの友達? どうかしたの?』
その返事に、今度こそ全身に冷水を掛けられた様な感覚に襲われた。まさか、まさか…。
「誰、って…吟遊詩人のライテミンテですよ…」
『んー…ごめん分かんないなぁ。でも忙しいなら競売はいいや。お邪魔さまー』
"即刻この場で消えてもらわにゃ"
"異分子で不具合で不正な存在"
"すぐに何も感じなくなるさ"
男が語っていた言葉が頭の中でぐるぐると回る。
その言葉通りに、彼は消えてなくなってしまった……。
気を抜くと、僕の心の中に残る彼と接した記憶さえ、
あやふやで不確かなものに塗り替えられていきそうな不快感に、吐き気がした。
こんな事があっていいのか?
人間が人間を、その胸先三寸で、その生命だけならまだしも、
生きてきた証、人との繋がり、記憶まで、書き損じの紙を破り捨てるように、
こんな風に消し去ってしまう事が、許されていいのか?
恐怖よりも先に、怒りが立った。
長い冒険者生活の中で育ってきた人間関係、その全てを駆使して、僕は二人組の行方を追った。
甲賀装束一揃えに、赤い陽炎を纏わせたヒュームの男忍者と、
そいつに付き従う真っ黒いアサシン装束の女シーフを見た者はいないかと。
奴らの行方はようとして掴めなかったが、興味深い噂が時折流れてきた。
ある日突然、目が覚めたらおかしくなったという冒険者が増えている。
曰く、彼らは自分が全く別の世界の人間だと語り、戦い方も魔法の操り方も、
ひどい時はこの世界における常識すら、どこかへと置き忘れてきてしまったようになる。
そしてそうなった冒険者は、幾日もたたぬうちに行方不明になったり、暗殺されてしまう、と…。
そんな日々が続いていた、ある日の事。
「フルさん、最近付き合い悪いニャ。顔色も悪いし、根詰めすぎニャー」
LSの仲間であるミスラの竜騎士、ルゥ・マイノラにとっ捕まって、
僕はジュノ下層の一角にある喫茶店で、彼女と差し向かいでパママパフェをつついていた。
…こんな事をしている場合じゃないのに…しかしそのパフェの誘惑は抗いがたく、
ほのかな甘みと酸味は、そう言えばろくに寝てすらいなかった僕の体に沁み渡るようだった。
ちなみに彼女とは恋仲でもなんでもない。あくまでLSの仲間であった、という事を付け加えておく。
「そのライテさん? ミンテさん? わたしたちは思い出せないけれど、
本国に帰ったら、冒険者登録簿かなにかに名前が残ってるかも知れないニャ」
「…!」
確かに僕は根詰め過ぎだったかも知れない。そんななるべく早いうちに確かめていそうな事に、
彼女に指摘されて初めて思い当たることになるとは…。
「ただの人間なら、催眠術みたいなもので人の記憶は奪えても、
公的文書にはそうそう手出しできないはずニャー」
「そこまで手が回っていたら、それこそ国家の暗部をどうこうする秘密機関か
人外の存在を疑うことになるニャ。…って、感染っちゃったよ」
残り1/4程度だったパフェを行儀が悪くない程度に急いで片付け、僕は席を立った。
心が急くあまりに基本を見落としていた僕自身を軽く責め、
それからこんな場を設けてくれた彼女へ感謝を述べる。
「元気でたニャー?」
「ええ、パフェ御馳走様でした。サンドリアに、行ってきます」
二人分のパフェのお代をテーブルに置いて、僕はルゥに別れを告げた。
店から出て、テレポヴァズを唱えるべく、意識を集中する。
術式を構築し、言霊をもって解放した。
「"そは流れにして扉なり、希望の祝福ある地へ道を開け"!」
…何も起こらなかった。大地の流れが、術式と繋がらない。
周りにはそこそこ通行人もいて、恥ずかしいなぁと思いながら自分の現在ジョブを確認する。
冒険者証には、確かにWHM73/SMN36、と書かれていた。
首を傾げていたところで、こちらへと向かってきた通行人とぶつかりそうになり、慌てて避ける。
そのまま意に介さず通り過ぎようとする相手にちょっとカチン、と来て、
僕はその人を呼び止めようとした。
「ちょっと、どこ見て歩いてるんですか…――!?」
肩を叩こうとした手が、その肩をするり、とすり抜けた。
驚いて思わず手を引っ込め、そのまま歩き去っていく相手を呆然と見送ってしまった。
店の壁に触れてみる。…普通にさわれた。自分の身体を確かめる。…いつもと何も変わらない。
街を行き交う通行人に、今度は自分から近寄ってみた。
誰一人僕に気付いて、避けようとする素振りを見せない。
道ばたで談笑するおばちゃん達に触ろうとしてみた。まるで空気に触ったかのように、
いや僕自身が空気になってしまったかのように、手は抵抗なくおばちゃんの肩に沈み込んだ。
もちろん、おばちゃん達は僕に気付くことなく談笑を続けている。
「なにこれ…どうなってるんだ?」
思わず一人ごちた僕の背後に、覚えのある異様な気配が生じた。
中編、ここまでです。
彼はまだ、この世界の側に属している。
もう次スレを考える時期ですな。早い早い。
>>634 そう言えば立て替えるって言いましたね。
すっかり忘れていたのは内緒で…
その上にあらぬ誤解が発生してるwwwwww
681 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/21(水) 02:16:38.02 ID:qXHvmPJN
FFというよりクトゥルー...こえええええええええ!!!!
まぁあのゲームはやったことないわけですが。
ワクワクしてます。・・・たるっ子はどこにいったーーーーー!
歌を生贄に・・・ああ。なんとなく来訪者がガンガン自分の世界の記憶を失っていき、
終いには自分の名前すら忘れ、この世界の人間になっていくカラクリが俺にもつかめてきた。
全然関係ないけどラミアの従者のクトゥルブはクトゥルーから来てるなと■のネーミング担当を問い詰めたい俺だった。スペルは違うが。
682 :
レグナス ◆/abMGvkWxE :2006/06/21(水) 02:19:27.94 ID:5Ay5B5sk
>>620 無人島についたらデジョンで帰りますw
>>650 カーくんとミサたんとモグりんが3人仲良くしてるとこ想像すると癒されるv
>>656 いよいよ大詰めキタァー!
レグナスはもう出すもん出したので後は任せた!がんばれ!!w
>>668 種族や喋り方からして寧ろ…
うはwww
>>679 ついにフル(略)さんの過去が明らかに!!
タルタルを切り刻むフェイト許すまじ(´;ω;`)
683 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/21(水) 02:24:25.48 ID:qXHvmPJN
>>641 ゴブ(あの兄弟とマック爺さん)ならいるね。
他国でゴブが人間を殴ったら理由問わずその場で殺されるだろうが、
ジュノなら正当な理由があろうがなかろうが普通の暴力事件。
正当な理由が証明されたら問題はない。
684 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/21(水) 02:31:12.06 ID:qXHvmPJN
所で文章読む分にはわかりますが、
フルキュエルなのかフルフィアルなのかフルフルさん(違)なのかフリュキュイエルさんなのかいまだ私にはわかりません。
アルファベットで覚えられない名前です・・・。
というか、最初フルシファーと呼びました。
Curilla(クリルラ)様は他に呼びようがないので一発で覚えたけど、
2CH見るようになって時々クルリラ様というようになったのとはワケが違う。
間違いなく、ロックとフルさんが出会ったらロックは名前が呼べずに泣き出す。
妙な名前で申し訳ないです。
フルキフェル、とお呼び下さい。
もっとも"私"曰く、殆どフルさんとかフルっちとかふるるとか、適当なあだ名で呼ばれて、
本名まるまる呼んでくれるフレなんかいなかったそうですが。
きっと"僕"もそうだったんでしょう。
名前が上手く呼べなくてめそめそし出すたるっこに、
「フルとだけ呼んで下さればわかりますから」と/comfortするカッパ金。
かくして、円満に解決。
ところでライテミンテがル・アビタウのエントランスで歌った歌。
なんだか分かったかた、おられましたらこっそりメール欄で教えて下さい。
後編にサービスシーンが追加されたりされなかったりするかも知れません。
…それすら、見る人によっては嫌悪の対象でしょうけれども。
686 :
メイミィ-185 ◆ajBPG2hnCs :2006/06/21(水) 02:47:42.94 ID:Fxsiblxo
いつの間にか新たな来訪者さんが!いらっしゃいませw
どなたのSSも目が離せません。これからはしばらくバスが賑やかそうですねー。
なんだかイッチに先を越されてしまってますが、
書き溜めておいた分は特に変更しなくても大丈夫そうなので投下します。
わたしの視界には、色とりどりの洋服が所狭しと並べられているのが映っている。
ジュノに到着し、チョコボをよく休ませたあとに放してやり、そのままの足でトトの経営する店へとやってきたのだった。
「feel at ease」という看板が掲げられている、ジュノ上層の防具屋隣の小さな建物。それがトトの洋服店だった。
「のんびりする」という店名のとおり、中はこじんまりしてはいるが落ち着ける空間だと感じた。
喫茶店のような内装をしていて、所々に飾りとして置いてある小物やアクセサリーが可愛い。
「ふわぁ…。すごいね、これ全部トトが作ったの?」
目をちかちかさせながら問うてみる。
「ううん、僕のだけじゃなくて従業員さんの作ったのも売り物として出してあるよ」
トトが答えると同時に、カウンターのほうから女の子の声が聞こえた。
「そうだよ〜。あたしが作った服も何着かあるの♪ミスラちゃん、買ってかない?」
「あぁ、シェリ!どこ行ってたの?」
シェリと呼ばれたヒュームの女の子は、へへへと笑って小さく手を振った。
「中で試作品作ってたの〜。店長に負けてられないもん」
「それはいいけど、お店ほったらかしじゃ困るよ。店番頼んだでしょ」
腰に両手を当て、ため息交じりにトトが言う。
「それはだ〜いじょ〜ぶ!マリサにその間ちゃんとお店見ててくれるように言ったもん!ね、マリサ」
同意を求めるように隣を向いて笑いかけるシェリ。その動きに合わせて短めのポニーテールが揺れる。
そちらを見てみると、いつの間に現れたのか、美しい銀髪を首の付け根あたりまで伸ばし、前髪をピンでアップにしている
エルヴァーンの女の子が立っていた。様子からしてマリサというのはこの子のことらしい。
「…はい…頼まれてお店番してました…」
背はヒュームの男性よりも大きいが、まだあどけない顔立ちをしている。
俯きがちで消え入りそうな話し方。それに、シェリが話しかけるまでまったく気付かなかったが、
今までずっとカウンターに立っていたらしい。存在感がない、とはまさにこの子のような人のことを言うのだろう。
「そっか、ならいいや。ただ、マリサ、もしお客さまが来たときはもうちょっと大きな声で応対してね」
小さい子を宥めるようにトトが言うが、それだけでマリサは表情を崩す。今にも泣き出しそうだ。
「ふぇ……ご、ごめんなさ…私…」
「わわっ、ごめんね!」
「泣いちゃだめだよ、マリサぁ〜。仕方ないなぁ、試作品製作は中断して、あたしも一緒に店番するから〜」
慌てるトトと、よしよしと自分よりもかなり高い位置にある頭を撫でながら慰めるように言うシェリ。
蚊帳の外に放り出されているようで居場所がなく、ただきょろきょろしていると、
それに気付いてくれたらしいトトが女の子ふたりのことを紹介してくれた。
「騒がしくてごめんね。こちらはシェリとマリサ、うちで働いてもらってるんだ。…で、こちらがメイミィ。僕の大事な人」
「【なるほど。】よろしくね〜♪」「…よろしくお願いします…」「よろし……って、えぇっ!?」
トトの言葉に大声を上げているのがわたしであることはもちろん言うまでもないだろう。
トトの言葉をすっかり信じ込んでいるふたりの誤解をなんとか解いたが、どっと疲れてしまった。
そういえば、わたしのことを「大事な人」だと言われてふたりともすんなり信じられるということは
トトが男だということを知っているのではないだろうか?
わたしだけに話してくれたわけではないだろうとわかってはいても、少しだけ切なくなった。
(って、何わがままなこと考えてるんだか、わたし)
自身の身勝手な感情に辟易していると、
「ふゎぁ〜」
不意にトトが大あくびをする。そういえば彼は昨夜一睡もしていなかったのだと思い出した。
さきほどまであまりにも元気に会話していたので忘れてしまっていた。
「ごめん、僕、寝かせてもらうね…。メイミィ、またあとで」
そしてシェリとマリサに店番を頼むと告げ、トトは店の奥へと入っていった。
わたしは特に急ぐ予定もないし、せっかくなのでトトの店の商品を見て回ってみることにした。
そうして軽く1時間以上は見て回り、シェリの「店長の友達だからサービスするよ〜」との言葉に誘惑されて
最終的には大きな袋にぱんぱんになるほど洋服や小物を買ってしまった。シェリは商売上手なようだ。
特にお気に入りなのはふんわりした布で作られた丈が長めの白いキャミソールと、
ちょうどヒューム女性の種族装備の色違いのような、薄緑色のホットパンツだった。
部屋着として着れば楽に過ごせそうだし、普通に外に出るときに着てもかわいい。
そういうことで荷物がさらに重くなったので、モグハウスに向かうことにした。
ガイドストーンを越えれば、居住区はすぐそこだ。
居住区手前のガードに話し、レンタルハウスを用意してもらう。手続きはわりとすぐに済んだ。
きょろきょろと迷いながら割り当てられたレンタルハウスの部屋番号を探していると、
ふいに他の冒険者の会話が耳に入ってきた。
「そういや、この前競売見てたら横の病院に冒険者の男が運び込まれてたよ」
「へぇー。珍しいな、冒険者が運び込まれるなんて。冒険者はたいてい回復魔法で直しちまうのに」
なぜか気になって、ハウスを探すのを一旦休止して聞き耳を立てた。
「だよなぁ、俺も気になったから盗み聞きしに行ってみたんだけどさ」
「お前何してんだよw」
「まぁいいじゃんwで、聞いてみたらレイズとかケアルしても意識が全然戻らないらしいぜ。
なんか呪いか何かかかってるんじゃないかってモンブロー先生が言ってた」
「へぇー、なんかワケありっぽいな」
「だな。てかそいつ運んでた女の子がかわいくってさ、声かけようかと思ったんだけどデジョンで出てっちまって無理だった」
「あーあ、そりゃ残念だなー。せっかくのチャンスだったのに」
ここまで聞いて、なんでもない普通の噂話だと思い立ち去ろうとするが、その続きが耳に飛び込み再度足を止める。
「…で、その運び込まれた奴ってどんな奴だったの?」
「あぁ、確か銀髪のエルヴァーンで、長い髪を後ろでしばってたような…」
その言葉で、ひとりの男性の顔が思い浮かんだ。まさか…?
「あの!それって本当ですか?」
噂をしていたヒュームの男性とタルタルの男性ふたりの間に割って入る。
「あ、あぁ…」
「その人、まだ入院してるんですか?」
「それは知らないけど、あの様子だと多分まだ…」
「そうですか…ありがとうございました!」
それだけ聞き出すとぺこりと頭を下げ、急いで自分のレンタルハウスを探した。
しばらく探し回ってようやく見つけると、中でわたしの到着を待っていたらしいモグにろくに挨拶もせず荷物を預け、
元来た道を戻って病院へと向かった。
違う人だったらいいのに……そう願いつつ、病院に駆け込む。
「すみません、もしかしてここにリードって人が入院してますか?」
カウンターの女性に問いかけると、わたしの声を聞きつけてかモンブロー先生が出てきた。
「こんにちは」
モンブロー先生はわたしを一瞥し、切羽詰まったような様子に気付くと、すぐに教えてくれた。
「リードさんでしたら奥にいらっしゃいますよ。未だ意識は戻っていませんが…」
「…!そ、そうですか…」
震えだしてしまいそうな全身を必死で抑えようとするが、声が震えることまでは抑えきれなかった。
信じられない、どうしてリードさんが?という言葉が頭の中でぐるぐると回っている。
会わせてもらえるかと問うと、モンブロー先生はひとつ頷き、わたしを奥の病室へと案内してくれた。
以上になります。
わっふるわっふる
うーん、ロックの聞き違いは一度始めたら尋常ではないからねぇ。
奴はシーフでもあるから耳はいいはずなのだが頭が・・・。
彼に言わせるところ、
「やりたい理由を考えるのはエルヴァーンの哲学者に任せればいい。
僕はやりたいことはどうすれば可能にするか考えるだけ」
奴には何故そうするのかという理由を順序だてて話す能力はまったくありません。
過程ぶっ飛ばして結論を出す方法を真っ先に考え付くタイプです。
複雑な方程式を出されても即答で解を出せますが、その解法の解説能力はありません。
個人的にはあえてムキになって教えようとしてヒロさんに止められるとかが萌えていいかも。
695 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/21(水) 03:03:48.44 ID:qXHvmPJN
おーメイミィさんきた。これで勝つる!
所で、超おそレスですが改めて読み返してみるとカエルさん確かにかっこいい。
と、いうか本人はノーコメントですが我らがリードさんはカエルになっても渋い・・・。
・・・これ、分けて出してたらパロディも多いしネタ要素も多い、
正統派ファンタジー要素もいっぱいでたくさんレスもらえただろうに残念な作品だなー。
ネタができてたからちょいちょいと弄って一気にだしちゃったんだよなー。
あと女性陣に質問ですが、
危機を救ってもらってちょっとくらっときた男と寝た後、
理由はどうアレその男が2週間程度で別の女作ってたら笑って許せるもんでしょうかね。
私はロックと違ってド外道ですのでわかりかねます。
それどころか普通に女同士でそのヤローを二度と勃てなくなるまで輪姦せと考えてしまいます。
俺はやっぱりアレなタイプなんでしょうか。
だいくぼう(違w)組が【ファイア】【ウォータ】【エキサイト】!!
イッチさんが蜂蜜ジュース飲んでからまれて拉致監禁されそうに!!
フルさん(僕側)の少し言ってた過去の話ktkr!カナシスグル!!
キタ!!早いもうキタ!!メイン忍者キタ!!コレデカルツ!!
>>(69)氏
私はクルリラ様で無い事をたった今知りましたw
私は男なので695の問いの状況での心情は判りかねますが、多分許せる人は少ないと思います。
>>Furcifer氏
きっと英字で名乗ると、私は「フルチフェー」とか「フルチフェル」とか散々言った挙句、
その人のイメージから思いついた変なあだ名(場合によっては名前無視で)を付ける事でしょう…
アジルとかキィを覚えているのは、 簡単な名前 だからです…w
ちなみに歌はサッパリですw
では、寝る前に投下しておきますね。
前もって言います、今回は選択肢が増える内容ですが、SSに出ない誰かの可能性もあります。
一瞬状況に変化が生まれ、結局は結果が変わらない事もあります。
どちらに転んでも、明らかに明示されない限りは常に選択肢はいくつかあります。
バッドエンドや、ハッピーエンド。総てをひっくるめて選択肢と言うのならばw
朝に殴り込んで来たガードミスラがキィに手込めにされて、なんか「オネェサマ」とか呼び始めた。
で、何故か居座って私の作った朝食を3人で食べて(勿論私は空気扱いだった。モグは藁に篭城中)から、
「まだ…仕事があるから…またね、オネェサマ…」と名残惜しそうにガードは去り、数分キィと壮絶な死闘を繰り広げ、
キィの持ち出した日本刀(他より重いが普通の刀)にサンダーUを落として決着をつけ、手当てをモグに任せて、
私は今、競売辺りからシャウトの響くジュノ下層モグ前に居る。…ジュノ親衛隊の方々が何故か私を包囲してるけど。
…なんでジュノかって? 決まってる。
川に水浴びしに行って、帰りに歩きが面倒でデジョンしたらHPがジュノのままだっただけ。後悔なんか…してるけど。
いきなりジュノで驚いてたら、ジュノ親衛隊に誰かが「怪しい格好をした奴が辺りを見回してる。」と通報したそうで
私は今、職務質問(尋問とも言う)されてる所さ!全身黒色バイソン+ヤグ帽子+遮光眼鏡だ。無理も無い。
「だから、なんでそんな格好で辺りを見回していたんだ?」 ガルカのガードが 理解出来ない という口調で問う
「本当にやましい事は何も無いんだな?」 前に顔見知りになったミスラが強い口調で訊く
さすがにハジャヘッドギア以外、あの時の私と共通点が無いから、別人と思われてるだろうなぁ……
いや、そんな事はいい。私自身が説明出来ない 私の不可解な所 がいくつもあるから、早く離れたい……
もしソレがバレたら、説明出来ないのに説明しろと言われ、説明無理だから確実に拘留される。
下手したらアルマターだかアルタナー機関とやらにサンプルとして送られかねない……どうすれば……
今逃げちゃったら、自分で不審者から犯罪容疑者になって、指名手配されそうだしなぁ……
この親衛隊の人たちをうまく言いくるめるコトバも思いつかない…何か手は……
自分が怪しい事しないでタゲ逸らせば、その間に消えても深追いはされない。…ハズ。何か手は無いか……
ジュノ下層の、シャウトが止んで静かになった。私が知る限り喧騒(主にテレポ依頼)の止まらない区の印象なのだが…
「どうした。答えないという事は、何か我々に言えないような事でもしようとしていたのか?」
ミスラのガードが、明らかに過剰な敵意を向けコチラを睨みつけて来た。…何か悪い事がジュノで発生してるのか?
「…いえ、そのような事はw ウィンのつもりでデジョったらHPジュノで、慌ててただけですw」
「ほう…では聞こう。それならば、なぜ直ぐにそう即答せず、しばらくたってから答えたのだ?」
…ヤバイな。どう見てもタゲられてる。今逃げたら絶対何か悪い方向にいく気がする。えぇと…言い訳言い訳……
「ジュノに戻った事実を実感する前にあなた方親衛隊の方々になぜか包囲された事と、
私の格好は…まぁ不審ですけど、それにしては過剰に反応してるような気がして、どうしたのかな…と…。」
……よし。多少早口になったけど、噛まずに言えた。コレで向こうの行動の理由がわかるかもしれない
「ふむ…まあいいだろう。…おい、説明してやれ。」 ガルカガードが、ミスラガードに何かを説明させる気らしい
「しかし!……了解。」 ミスラガードはどうやら私をあくまで疑いたかったようだ。
なんにせよ、なにかしらの埃が出る前に尋問終わって良かった……。
「説明前に聞いておこう。お前は、最近ジュノで起きている事件を知っているか?」
「いえ、何も。最近はウィンダスにずっと居たので、ジュノの事はサッパリ……何が起きたんですか?」
「何が起きたんですか…か。"起きた"んじゃない。"起きている"んだ。」
ミスラのガードは、怒りを抑えきれない表情で、私の問いかけを訂正した。 過去じゃない、現在だ。と
「最近、ジュノ…主に下層周辺で、初心者相手にメンターを装った強姦魔が出没している。」
ミスラのガードは、いまにも私に八つ当たりをしそうな怒気をはらんだ声で語り始めた。
「その強姦魔は男3人組で、中背2人に、大男1人らしい。」
「らしい…って、種族くらいは判らないんですか?」
聞いた瞬間沸いた疑問を、思わず訊いた。が、どうやら火に油を注いだようだ…目に見えて怒ってる……
「せめてソレさえ……ソレが判れば苦労しない!!ソレさえ判れば犯人の割り出しなど……!!」
「落ち着け。…お前は少し黙ってろ。俺が説明する。」
激昂したミスラをガルカが止め、ミスラが申し訳無さそうに、尻尾を力なく垂れさせながら謝った。…ガルカに。
「先にコイツが言った通り、奴らは右左もわからない初心者を狙って犯行を重ねている。
初心者は感覚的だ。故に、親切な者の種族を、タルタルやガルカでなければ意識して見ない。」
タルタルやガルカは視覚的に印象が強いため、良くも悪くも記憶に残りやすいそうだ。
「3人組の内、認めたく無いが1人はガルカ族だろう。何人もの証言で、コレは確実だ。…だが。」
「…だが?」
「あとの2人に関しては、背が高くも、低くも無い細身。つまり、ヒュームかエルヴァーンで確証が得られていない。」
「耳…とか首の長さで簡単に見分けつきませんか?」
「その2人、背の高いヒュームか、背の低いエルヴァーン。コレは確実だ。……だが。
証言が「ヒューム2人組だ」「エルヴァーン2人組だ」「ヒュームとエルヴァーンの2人組だ」…一致しないのだ。」
なかには、エル耳のハリボテを付けたヒュームの2人組だったという証言もある。と、ガルカは付け加えた。
……で、なんで私が、そんなのの犯人に疑われたんだ?種族特徴がそもそも一致しないじゃん……八つ当たり?
「お前には、その3人組に何か繋がりがあるのではないか…と思ったのだが、違ったらしい。すまなかった。」
考えが顔に出ていたらしく、ガルカはそう言うと、静かに頭をさげた。何やら罪悪感を感じるのは気のせいだろうか。
…ふと気付けば、周囲に冒険者の人だかりが出来ている。その内何割かはイラついている…あぁ、ココモグ前だ。
別の層から入れば良いのに、わざわざ塞き止められてるとは御苦労なこった…と思ったが、言うのはやめておこう。
…まだ、常時背中に気をつけて生きる事になるのは御免だし。
「では、我々はコレで失礼する。もし、それらしい者を見掛けたら連絡をくれ。」
「……見掛けたら、絶対に私達に教えろよ。 お前たち!一旦引き上げるぞ!」
ミスラは私を指差してそう言うと、周囲のガードに撤退を指示した。
なんというか…このミスラの部下と思しき集団。なんでヒュームやエルヴァーンの男ばっかなんだ?
しかもなんか、ミスラガードを見る時だけ目の色が違う…なんで怒鳴られてうっとりしてるんだ……本当にガードか?
そんな異様な集団を見送りつつ、どうウィンダスに帰るか考え、とりあえず飛空挺に乗る事にした。
港区への階段を下がり始めた瞬間、「げwww」という男の声と、ガード(主に例のミスラ)達の怒号が響いたが、
目とか爪とか、怪しい所多すぎな私が関わるとロクな事が無さそうなので、聞かなかった事にし、港区へ行った。
……ウィンダス行きの便がメンテナンスで2日欠航らしく、私は観光ついでにバストゥーク便へ乗ろうと……したら、
コチラは夜明けまではメンテがあるそうだ。ジュノHPで、ガードに絡まれて、飛空挺運休。誰かの陰謀なのだろうか。
あまり気は進まなかったが待つのはなんとなくイヤだったので、私は着港しているサンドリア行きの便へ乗る事にした。
以上です。アジルは天の塔に住み込んでて(キィが)手出し出来ず安全なのと、
キィがよろしくやっているので放置して、しばらく突発的に1人旅する事になりましたw
旅の道具?必要最低限しか持ってませんよw水浴び帰りでしたしw
短剣1本と、着てる服、財布。それとゴブじゃない鞄(男物の下着x1入り)コレくらいです。
702 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/06/21(水) 03:23:16.69 ID:qXHvmPJN
レスサンクス。知り合いには「お前輪姦されるぞ」といっておきましょう。
そりゃそうと唐突な移動ですね・・・問題はその隙をついて身体(サン=キィ)がアジルを襲わないかだ。
なんか渡し船問題みたいですねw
キィは女の子と一緒にしてはいけない、
アジルをサンと一緒にすると芸術的な料理でサンが逝っちゃう、とかw
メイミィさんもジュノに来ちゃったぞ…どうするどうなる!?
新スレを立てねば。
正解者、まだ出ておりません。
輪姦される事が悦びになりそうなのも居るので、「お前ボロ雑巾にされるぞ」でお願いしますw
いくら躯がキィの身体でも、神子様にはちゃっかり報告済みなので
"目の前に餌(手込めにされたガード)がいる間は"アジルは安全です。
ただし、
もし狙われたら防弾ガラスで張り巡らせた孤塔の上でも来るでしょう。
たとえその後撃たれたりするような事が安易に想像出来たとしても…。