2 :
既にその名前は使われています:2006/05/13(土) 12:45:00.77 ID:PTNwjGyj
めでたしめでたし
キャラ紹介テンプレ
初出: 別スレ同番の人もいるようなので、スレも併せてお願いします
PC(仮)名: / 中の人:
種族フェイス:
ジョブ&Lv:
特記事項:
活動エリア:
あらすじ:
他キャラとの接触:
独自レギュレーション: 共通設定(?)と目される設定とは敢えて変えてある部分を明記するのはどうでしょう
スレ立て乙でございます。
5 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/13(土) 12:45:37.56 ID:n145Onnv
朝、起きたら自キャラになっていたFFXIプレイヤーたち。
ステキに過酷なヴァナ・ディール、笑いと涙の右往左往。
俺たち“来訪者”を排除していく、謎の集団も現れた!
この異世界に出口はあるのか?
リアルに帰還できるのか?
熱血、友情、ラヴ、バトル! 陰謀、シリアス、ギャグ、微エロ!
俺たちの明日はどっちだ!?
“赤い鎧”は、矛盾をはらんだ都市伝説のような存在です。
いわゆるGMとは違うようです。 自らを神の代行者と名乗ります。
世界にとって危険と思われるイレギュラーな存在を連行、または抹殺します。
目撃した者に、激しい恐怖を与えるようです。
どこにでも現れ、世界に干渉する能力を使用しますが、行動には何らかの制限があるようです。
NPCの記憶を操作できる能力があります(制限あり)。
中の人は戦闘のシロウトが多いですが、彼らにしか扱えない超強力装備を使用します。
最上級との戦闘はシャレになりません。逃げましょう。
最下級と最上級が、同じ姿をしています。
“黒マント”は、来訪者を狩る実行部隊です。
リアル世界から持ち込まれた物の押収・破壊、それに携わった者を抹殺します。
中の人のスキルによりますが、カンストレベルと互角?
主力は第二世代に移行しています。
第二世代は自決用の爆薬を身につけ、洗脳を受けています。 若干、質は落ちますが、それでも充分に脅威です。
各地で、多数確認されています。
皆様のSSで、徐々に明らかになっていくでしょう。
ほぼ全SS共通設定?
これは絶対ではありません。
投下する方が自由に想像し、表現してください。
LPは映像付きが多い (例:Yurifina氏のSSでは映るが、LeadのSSでは会話のみ)。
冒険者証明書は金属カードで、邪魔にならない所に魔法で入っている。競売は魔法紙で取引されている。
みつめる(/c)はとても嫌な視線扱い。時間感覚はリアルと同じ。tell等のSay・sh・echo以外は念話。
レイズは意識不明(戦闘不能)に有効だが、完全に死んだ者には効果が無い。
(ある程度共通してたほうが、読み手も分かりやすいでしょう)
初出: 1スレ
>>161 PC(仮)名: Lead、リード / 中の人:161 ◆zmxSLEadCU
種族フェイス: エル♂F4A
ジョブ&Lv: 不明 (初期装備を着用)
特記事項:
ジョブチェンジ機能使用不能。はじめ記憶喪失だったが、記憶復活。
管理者側の実行部隊“フェイト”第一世代の元リーダー。
エクスカリバー・ゼロを所持→消失。
左腕を修復の際に何か埋め込まれている。
現在、真っ白に燃え尽き中。
活動エリア: エルディーム→ジュノ→(機船航路経由)→ウィンダス
他キャラとの接触:イッチ、マイウ、ゴイス、サン(?)、レップ、メイミィ、クルス
独自レギュレーションと特記事項とは別?
初出: 1スレ
>>1 PC(仮)名: イッチ / 中の人: 1スレ
>>1 /一人称:オレ
種族フェイス: ミスラF8A ジョブ&Lv: 白20、サポシ
特記事項:“朝起きたら自キャラになってた”第一報告者。リンクシェルオーナー。
他キャラとの接触:Mio、マイウ、ゴイス、Lead、Loufas
他にも出会っている可能性あり。リンクシェルオーナーらしい。
初出:1スレ
>>119 PC(仮)名: マイウ / 中の人:1スレ
>>119 /一人称:アタシ
種族フェイス: ミスラ7B
ジョブ&Lv: 黒20、サポ白
初出:1スレ
>>120 PC(仮)名: ゴイス / 中の人:1スレ
>>120 /一人称:おれ
種族フェイス: ガルカ6A
ジョブ&Lv: モ20、サポ戦
※上記3名はサンドに居る人のSS内に居ますが、ご本人はSSを書いていません。
初出:1スレ98(本文は100より)
PC(仮)名: Mio / 中の人:100(ID:wfMT4t1O) トリップなし
一人称:俺
種族フェイス: エルヴァーン♀F6B
ジョブ&Lv:ALLジョブLV1サポ無し。現在は赤。
特記事項:自転車・模造刀・トイレットペーパーを持ち込み。
活動エリア:サンドリア→バルクルム砂丘→汽船経由→ウィンダス
他キャラとの接触:イッチ、マイウ、ゴイス、Rain
特記事項はコピペしました。
独自レギュレーションは、例えば
・リアル時間とヴァナ時間を厳密にリンクさせて魔法の詠唱/リキャスト時間を決めています
・赤い鎧ははっきりきっぱり、GMです
・チャットモードはないです
・魔法やアビはマクロ台詞で呼び出します
・魔法屋アビは定型文をイメージして使います
みたいに、独自のレギュレーションで書かれている人向けに用意しました。
>>1スレ立て乙です(・ω・)ゞ
投下自粛していたのは、
まとまの人が大変だと思い投下を控えていたのと、
自分のテンプレに誤ってトリップ晒しをするというアホを
やってしまったので自粛していましたorz
今のところ、偽者はいないので大丈夫なんですが(´Д`;)ヾ
現在新しいトリップに変えましたので、このスレからまた再開しようと思います
初出: 3スレ103
PC(仮)名: / 中の人: (不明)/ナナシ ◆81bNqc9AjU
種族フェイス: GoblinThug(♂)たまに、ヒューム(♂)
ジョブ&Lv: メインシーフ/サポなし
特記事項:
普段は獣人ゴブリンの姿。集中するとシーフの姿に戻る。
フェイトの一員という裏の顔を持つ。
『SoulTaker』という違法融合アイテムを持っている。
活動エリア: ナナシは謎の館、ブモはジュノ周辺
あらすじ:
なぜか獣人ゴブリンの姿でヴァナに降り立つ。
その後、ブモと出会い、一緒に旅に出る。
旅の途中で自分がフェイトに所属する者だと思い出す。
他キャラとの接触: ブモ、P氏、炎の壁兄弟、フェイトに関わる人々
独自レギュレーション:特殊アイテムの効果で自キャラがゴブリンになっている時がある
「…そうですか、彼が、チャリオットが亡くなりましたか……」
かつて上司であり、よき先輩であり、指導者であった親しい知人が
友の手によって、その人生の遂げたことを部下の報告から知った。
彼には妻がいて、つい先日妊娠していることがわかり、そのため、
ウィンダスへと移動していたはずとナナシは思い出すと、冷静に部下へ命令を下す。
「情報漏洩の可能性が無いよう、しっかりと"処理"を…」
部下は一言「ハッ!」と発するとすぐにその姿を闇へと消した。
ナナシは部下がいなくなったと判ると、小さく溜め息を吐いた。
「一人…また一人…私の前から大事な人はいなくなっていくんですね…」
ナナシはベランダに出ると、寂しげにウィンダスのある方向へとその視線を向けた。
1レス分投下して本日の投下は終了であります(´Д`;)ヾ
文章は毎日書いていないと劣っていくことを実感したナナシでした…
スレ立て乙です。
初出: 1スレ19
PC(仮)名: Yurifina ユリフィナ / 中の人: ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ
種族フェイス: タル♀F5B 茶髪のポニーテール
ジョブ&Lv: 臼魔道士LV70
特記事項: エロモーグリと同姓中
活動エリア: ウィンダス→タロンギ→ウィンダス→サンド→シャクラミ→ウィンダス
あらすじ: 朝起きたら自キャラになってた。最初はちょっとヴァナ生活を楽しんでいたけれど、
ある日寂しくなり帰りたくなる。戦ったり恋したりセクハラされたりビンタしたり、
そんなことをしているうちに、ついに帰るための手段「あるべきものをあるべき場所へ帰す時空魔法ダテレポ」を見つける。
果たしてダテレポを無事に発動させる事はできるのだろうか!?
他キャラとの接触: ファルシファーさんに助けられたけれど、その事には気づかず。
独自レギュレーション: 魔法は手足を動かすように自由に使えている。居住区は普通の商店街みたいなものもあり、そこでクリスタル合成以外の生活必需品なども買える。
クルス氏は天に帰るときが来たので帰ったと見た。
新スレ乙であります
スレ立て乙です。
初出:1スレ.>>464
PC(仮名:サン・ソコワラメェ 中の人:サン464 ◆PCl7Dh0dlY
ジョブ&Lv シ75/ALL(正しくはシ/白だが、色々使える)
種族&フェイスタイプ 碧眼オスラF6A(女装) ※現在は非女装。
特記事項。シフなので手癖悪し。肉体人格(サン)の「躯(464命名)」が居る。
最初は普通の眼だったが、侵蝕で左赤・右金の碧眼に。現在はバイソン一式(黒色)を装備
活動エリア:ジュノ下層→徒歩でウィン→ウィンダス国内
他キャラとの接触:スレ1の317 Lead氏(知らずに撃ち殺した) メイミィ氏
独自レギュレーション:右に闇、左に光の浸食があり、片方でも侵蝕が強くなると乗っ取られる。
乗っ取られてる間は記憶無し&反則的な謎能力所持(強化・侵蝕)
「どうしてここに呼ばれたかわかりますか?」
『図書館で叫んで申し訳ありませんでした。』
目の院の職員が通報したために、
赤い鎧の人の手によって、ケンカの幕はあっけなくおろされた。
その日は結局、二人で仲良く監獄で朝を迎える羽目となった。
ヤグードキター!
初出: 1スレ609
PC(仮)名: ヒロ・カラミヤ(pokotaso)/ 中の人:ニート
種族フェイス:ミスラ♂4A(
ttp://www.h4.dion.ne.jp/~flatline/pics/zawa/hiro.jpg)
ジョブ&Lv:RDM75サポひととおり(現在サポ忍)
特記事項:反抗的で猜疑心に満ちた性格
活動エリア:サンドリア→ジャグナー→サンドリア→あの世→この世
他キャラとの接触:ルーファス・フルキフェル。
大昔に降臨したらしい人の遺品をゲット。時計→ロスト 煙草→ルーたんに贈与 小銭→まだ所有
独自レギュレーション:
ヴァナ時間とリアル時間は概ねにおいてリンクするが、詠唱/リキャスト時間に関しては全く無関係。
魔法は印と集中で体に魔力を流す事で術を構築、言葉で外界にリンクさせ発現。言葉や印のスタイルは様々。
赤い鎧はGMを自称するが、スタック処理以上の権限と責任を与えられているらしい。
GMは世界停止・精神改変・強力無比な装備/WSなど備えているが、来訪者と漂流物に対しては通じない事も。
GMは来訪者により技術や品物が持ち込まれる事を極度に嫌い、恐れている。
GMはNPCを設定して使役するが、GMもNPCも決して多いとは言えない。NPCにはGMほどの権限・能力は無い。
造物主とGM達は組織を形成し世界の秩序を目指すが、一枚板ではないらしい。
冒険者カードは存在しない。/t、/p、/lは存在しない。/lはゲームより不便なパールで部分的に再現可能。
ブタ箱にぶち込まれるユリフィナファミリー萌え( ノω`*)
そして高潔にして勇敢なるチャリオットに追悼の敬礼を…(´д`)ゝ
そしてなによりクルスカワイソス…(つд`;)
呼んだ?・x・
とりあえずクーが斬られて悲しみが有頂天なので投下自粛中。
27 :
既にその名前は使われています:2006/05/13(土) 21:04:01.58 ID:EMtBergH
じゃ平和なバスにでもきてもらいましょうか?w
今日もバスが平和なのはエキセントリック!赤魔道士M&Pがいるからさーw
その悲しみをさらに悲しみを加速させることによってだな
悲しみが裏返ったッ!!!
クルス復活ッッッ!!!!!!!
それから数日後、いや数週間だったか。
ある夜、俺は鳥人間達と共に焚き火の周りに腰掛けて、糸の編み方を教わっていた。
なんとかいう草をほぐして寄り合わし、糸にして布を編んだりすると言う。
ちまちました作業だが、これも金になるなら教わっておいて損はない。
だいたい、ナイフで斬り合う商売なんぞ気持ちがすさんでいけないと思っていたのだ。
よし、次は数珠のつなぎ方を教えてやろう、と連中が言いかけたところで、
突然、みな立ち上がって手に手に武器を構えだした。
何事だ、と思うと遠くからチョコボに乗って誰かがやってくる。
ここで争いになってはたまらない。
ちょっと待てと連中を押さえて、駆け足で相手を出迎えに行った。
相手はミスラ族の一人だ。だが、服装や背負った弓矢が普通の奴と格が違う。
えーと誰だったか。そうそう、セミなんとかって奴だ。
どうも俺は名前を覚えるのが苦手でいけない。
誰かから、ウィンダスでも偉い奴だと教えて貰ったことがある。
そして俺を見るなり、用があるから町へ戻れと言ってきた。
いったい、こんなお偉い奴がなんの用があるというのだ。
まあ、仕方ない。
鳥人間の連中には手だけ振って、セミ何とかのチョコボに乗っけられて町まで戻った。
町まで戻ると、大勢の連中が何やら騒いでいる。
そしてその中心では、読売屋が必死でビラをばらまいているようだ。
地面に落ちている一枚を拾って読んでみると、そこにはこんな内容が書かれていた。
※※ ヤグードから新たな和平交渉の申し出あり。内容は以下の通り。 ※※
◎ 入殖地ギデアスその他我々の所有地を尊重し、許可のない者の進入を禁ぜよ。
◎ その引き替えとして、我々が認めた者に限り、我々の所有地での自由な通行、来訪、
居住を許可し、安全を保証する。
◎ 我々を迫害し殺傷しうる者を、共通の法を定めて厳罰に処せ。我々も又、それに従う。
等々、小難しいことがあれこれと書いてある。
正直なんだかよく判らないのだが、これまでの和平条約を一歩進めて、
ウィンダスと一国として付き合いたい、という主旨であるらしいのだ。
まだ相手、つまり鳥人間共の要求内容だけで決定事項ではなく、
交渉の会議はこれからだ、という。
そう解説したセミ何とかが言うには、きっかけとなったのが俺だというのだ。
なんだか意味がわからない。
あの宴会と和平交渉、いったいどう繋がってるというのだろう。
そして、この俺をウィンダスで一番偉い奴の所に連れて行くからついてこい、だと。
いったい何だというのだろう。
命じられて出向く義理なんぞ何もないぞ、と言いたかったが、
しかし、俺は黙ってついて行くことにした。
なぜなら、俺が鳥人間の連中と仲良くなったのも、その一番偉い奴の差し金であるからだ。
連中に塩を送るという粋な計らいが気に入っていたし、一目あってみるのも悪くないだろう。
そうして、まず石の区へと案内される。
あの町を出てもどっからでも見えるバカでかい木が立っているところだ。
その一番偉い奴はそこに住んでいるそうだ。
正直、あそこは通り抜けるのに回り道すぎて、一度くらいしか来たことがない。
そして薄暗い木の中に連れて行かれる。
そして侍女長とかいうばあさんに礼儀正しく口の利き方に気を付けろとか注意を受ける。
大きなお世話だ。偉い奴だからといって、何で俺が礼を尽くさにゃならんのか。
国で偉い人か知らないが、俺はウィンダス国民になったつもりはない。
役人だろうと王様だろうと、俺にはなんの意味も無いわけだ。
そして、長い長い階段を登らされて、やっとの思いでご対面、だ。
ああ、しんどい。止めときゃよかった。
そしてご大層な扉が開き、案内されるまま中に入ると、
一人の異様な女が立っていた。
髪が長い。長すぎる。長いと言うよりバカでかい。
そして彼女は重そうな頭を傾げて、俺に向かって挨拶した。
「……お呼び立てして申し訳ありません。私はこのウィンダス連邦の元首を名乗る者です。」
国家元首というのに偉く丁寧な物言いだ。ま、偉そうにされるのは俺は好かない。
逆に俺には丁寧な挨拶など出来ないし、まず知らない。
しょうがないから俺は普段と変わらない挨拶ですませる。
「あ、どうも。」
すると、後ろで控えていた連中が何やらどよめいた。
この礼儀知らずめ控えろとか騒いでいるが、元首の女は軽く手を振って連中を制した。
「ごめんなさい。あなたをお招きしたのは私、礼を尽くさなければならないのはこちらの方です。
何も気遣いなく普段通りになさって結構です。」
「ああ、まったくだよ。そっちが呼びつけたんだから、
せめて一階まで降りて出迎えて、互いの手間を省いて欲しいものだ。
しかし、そんな馬鹿でかい髪の毛じゃ動くのも大変だろう。
俺は自分が物わかりは良い方だと思ってるし、そうと判れば文句は言わない。」
俺がそう言い終わるのが早いか、後ろで今度はガチャガチャと武器を抜く音が聞こえる。
ははぁ、きっとセミ何とかか、それとも護衛の兵達かな。
で、また殴られるか、水の区送りか。やっぱりこの国の連中は野蛮でしょうがない。
しかし、元首の女が「下がりなさい」と一喝して連中を押さえ、扉を閉めてしまった。
よしよし、これでゆっくり話が出来るというものだ。
そして俺に向き直って呼びつけた主旨を話し始めた。
「既にご存じでしょう。
ヤグード達から思いもよらない和平交渉の申し出がありました。
今後の展開によってどうなるかは判りませんが、
平和な暮らしを求める我々にとり、良い方向へと向かっていることに間違いありません。」
「はあ……」
「そして、そのきっかけとなったのがあなたである、というのです。
お互いを見れば敵と見て斬り合う関係の中で、
あれほどに親身に付き合おうとする者がウィンダスに居るとは思わなかった。
そちらにそのつもりがあるのなら、たとえ敵対する関係を続けようとも、
対等の立場と見なしても良い、と……」
「あの宴会だけで、そんな話になるまで盛り上がったのか。
まったく単純な連中だよ。
そんなに簡単に人を信用するな、と言ってやらなければいかんかな。」
「しかし、まだ交渉が始まったばかりで、何も決まったことはありません。」
「で、俺に何かしろという話?」
「今後、そういう話もあるかも知れません。
しかし、とりあえずは大きな一歩へのきっかけとなったあなたの行動を讃えて……」
「おいおい、待ってくれよ。確かに俺は連中と酒を飲んだが、それだけだ。
今回はたまたま良い方向に話が進んだだけだが、悪化していたかも知れないことだ。
何か貰えるのは有り難いが、余計な物を人から貰うことほど怖いものはない。
それにさ……」
「はい……?」
「さっき言っていた平和な暮らしを求める、か。本当にそうなのかな?
あの鳥たちとは何度かやり合ったが、あんたたちに蹴られ殴られたことの方が数知れない。
ま、それは良いんだが、先住民である連中があんた達と争う理由はなんだ?
それは、あんた達が現れたからだろう。違うか?」
「確かに仰るとおりです。しかし……」
「……しかし?」
「これまで我々の祖先は自らの子らを守り生きていくために戦い、この地に辿りつきました。
そして私も又、国のために戦い続けなければなりません。
和平もまた戦うための手段でしかなく、和平は善なる行為を示すものでもなく、
それは相手と戦い攻撃するエゴイズムと同様に、保身のためのエゴイズムにすぎません。
我々は決して、善なる聖者を名乗るつもりは全くないのです。」
「ち、ちょっと待ってくれ。話が難しいが……要するに開き直りって訳か。」
「そう受け取って頂いても構いませんが……
決して、我々の争いについてウィンダス側に責任は無い、などと考えている訳ではないし、
そして必要のない戦い、殺し合いはしたくない。そう考えていることだけは信じてください。」
「ふーむ……ま、いいさ。あんたと言い争うつもりはない。」
「それと……」
「ん?」
「あなたは突然、この国に現れた方だそうですね。そして生活のために大変な苦労をなさっていると。」
「なんだ?そんなことまで調べられたのか。こりゃ、油断ならんな。」
「いえ、この話は彼ら……あなた自身がヤグードの方々に話された、と聞いています。」
「あれれ……そんな話をしたんだったか。どうも覚えがない。」
「あなたがご苦労なさったのは、あなたがこの地の儀礼風習を学ばないからではなく、
新参であるあなたを理解する許容がなかった。だからあなたは苦労してきた。
ああ、だから彼らが、この地の来訪者である我々を理解してくれた、などと考える訳ではありませんが。」
「いや……それほどでもないのだが……」
「逆に新参である我々が、彼らヤグードを理解していない。
彼らも又、我々をこの地に許容するだけの余裕もなかった。
……彼らは言うのです。この国であなたをもっと歓迎してやれと。
相手を見るなり冒険者と言い放ち、危険な仕事をさせるのがお前達のやり方なのか、と。」
「……」
「既に町中で広まっている彼らの要求や和平条約は、まだ何も決定していません。
我々と彼らとの相互の理解もまだ出来た訳ではありません。ですが、私は考えたのです。
我々があなたから学ぶべきことが沢山あり、それこそが彼らの気持ちを動かしたのではないか、と。」
「……ずいぶん大仰な言い方だな。別に俺のことは酒の肴に笑ってくれればそれでいいんだが。」
「まあ……とにかく、あなたのお陰で彼らと話をする距離が縮まったことに代わりありません。
その功績を称えたく、正式にあなたをウィンダス名誉国民として……」
「大きなお世話だよ。礼などいらないし、金も何もいらない。
自分の体の大きさだけ働いて稼げればそれでいい。俺は外国人のままでいい。」
「……」
「だいぶ生活もしやすくなったし慣れてきたことだ。
今から何かが変わるのはごめんだ。俺のことはほっといてくれるのが一番だ。」
「そう……ですか。」
「では話はいいかな?それじゃ……」
そう言って扉を開けて出ようとしたが、
ふと思い立ち、訪ねてみた。
「あんたなら知っているかな。えーと……」
「……?」
「俺が外で何かに倒されると、誰かは知らんが安全な場所まで連れて帰ってくれる人がいる。
ずいぶん奇特な人がいるものだと思ったが、ウィンダスの軍隊か何かか?」
「あ、いえ……それこそが女神アルタナの御手による……」
よく判らないことを言いかけたが、彼女は言い直した。
「……そうですね。ずいぶんと奇特な人がいるものですね。」
「なんだかな。助けてくれるのは有り難いが、ずっと見られているような気がしてならん。」
「恐らくは……」
「ん?」
「その方は、あなただけでなく多くの人々を見守り、多くの危機を救っているのでしょう。
我々はその方に感謝しつつ、我々は見習わなければなりませんね。」
「そうだな。まったくだ。」
「……はい。」
「そうだ。もう一つ。」
「……はい?」
「やっぱり、その髪は邪魔すぎる。全部切ってカツラにしてしまえ。
あんたは話が判る奴だし、そうして身軽になったら俺と釣りでも行こう。
ゴブリンとか言う山男連中に教わって、最近凝っているのだ。」
すると、彼女は面白そうに可愛い笑顔でクスクスと笑った。
「あなたという方は……既に彼らとも仲が良いのですか?
おかしな方……というか、あなたは凄い人かもしれないですね。」
「おかしな方、か。確かに他の連中から、お前はタルタルらしくないって、よく言われてるしな。」
そう言って俺も笑い返した。
そしてようやく別れを告げて、俺は扉の外に出た。
そして帰りは案の定だ。
何も失礼なことをしてないだろうな?と、セミ何とかが問いつめるので、
ああ、大丈夫だと言いながらセミの尻を撫でてやったら、
思いっきり階段から蹴り転がされてしまった。
あんまりだ。お陰で帰りは楽だったし、流石は国の偉いさんだけのことはある。
実に良い尻をしていたのだが。
そんな顛末の後。
ウィンダスと鳥人間共との会談は繰り返されているらしいが、一向に話が進展しないらしい。
そりゃそうだろう。国と国との話が簡単に済むはずはない。
下っ端同士の俺たちなら、共に酒を飲めば済むだけなのだが、世の中、難しいものだ。
しかし会談が行われる中、何かが決まるまでの暫定的な不可侵条例が発令された。
不可侵条例とはいえ、最前の和平条約もあったらしいのだが、
会談に影響するので、どんなに小さな小競り合いも御法度になった訳だ。
期間限定だが、こうしたことが行われるのはなかなかの進歩だと俺は思う。
だが、多くのウィンダス連中が鳥人間を狩れない、これでは稼げないと不満を言う。
やっぱり最低な獣人だ、こいつらは。
俺の方は、しょっちゅう連中と飲んだり騒いだりの繰り返しで、稼ぎの大半をそれに費やした。
だが、それもまた変わってきた。
以前に知り合った紅色頭巾やら岩男やらも宴会に加わるようになったのだ。
最初は、いつになったらお前と同じ物が貰えるのか、などと欲張りなことを言っていたが、
宴会となれば彼らと肩を組んで酒を飲み、それを心底楽しんでいるようだし、まあ良いだろう。
ああ、例の首男は嫌いだから呼ばない。かといって、あいつは和平交渉に憤慨している一人だし、
実のところ諸外国もウィンダスの動向が気にくわないらしい。やはり世の中は難しいものだ。
ふと気がつくと、変なあだ名で呼ぶ奴がいる。
あだ名というか、称号というのだそうだが、いったい何処からそんなことがばれたんだろう。
あの時は、部屋には二人しかいなかったのだが。
俺が自分で話したのか?まいったな、どうもその記憶がない……
称号 「星の御子様をデートに誘いし者」
40 :
ぽん吉 ◆6NLrYYfI2g :2006/05/13(土) 21:33:27.54 ID:nxwvyVPI
これで最終回で終わりっす。
駄作の投入、失礼しますた。
41 :
既にその名前は使われています:2006/05/13(土) 21:39:18.69 ID:EMtBergH
>>39ナイスナンパ!!!!!!!ウィンダス国民皆をある意味敵に回したwwww
ポン吉の話好きだったわア!
平和な終わり方でいいわああにこやかになてtくる
43 :
既にその名前は使われています:2006/05/13(土) 21:54:49.95 ID:EMtBergH
でもまぁ無事最終回を迎えた初のストーリー。マジでお疲れ様でした!
コレを書くのを忘れていた
ぽん乙
45 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/14(日) 01:21:57.62 ID:XrKgiL2n
>>21 GMの前で、二人で正座してるイメージw
>>22 あやしぃぃぃぃww
>>26 遺体でお返しする予定でしたが、それすら残りませんでした。
>>40 完走、乙でございます。
世界に侵食されて途中でいなくなってしまう方々が多い中、初の最終回なんですよね。
無事にラストを迎えられてよかったです。
ちなみに、誘われたのが嬉しかった星の神子が、侍女とかに自分で喋っちゃったんだと勝手に解釈しておりますw
>40
おつかれさまでした!
すごくいいエンディングでした、自分も有終の美を飾れるように頑張らないとなぁ、とか思わされましたw
そしてちまちまっと投下します(´・ω・`)ノ
サンドリアの街に出たのは、空も晴れやかな午後だった。
涼しげで穏やかな空気はしかし、死と焦臭い匂いを多分に含み、サンドリアの街をひどく殺伐とした雰囲気で包んでいた。
焼け焦げた瓦礫の山を粗末な荷車で運び出す男たちと幾度かすれ違った。
呼び止めてシュヴィヤール邸の所在を尋ねてみたが、案の定よそで聞けと言われてしまった。
それでも貴族である事だけは教えてもらえたので、貴族屋敷の立ち並ぶ辺りでもう一度道を尋ねて見る事にしよう。
途中、他に道を知らず、例のレタス痕のそばを通った。
瓦礫の山は目下撤去の最中で、騎士も兵士も平民も皆裸になって汗にまみれ、瓦礫を掘り起こす事に躍起になっている。まだ下敷きになっている人がいるのだろう。
運ぶ事すら致命的なほど重症を負ったのか、血まみれのままぐったりしている人々が幾人か、むしろに寝かされて手当てを受けていた。
おれは改めてひどく重い気持ちになった。おれがもっとうまく立ち回って、もっと手際よくピアシュを倒していれば、犠牲にならずに済んだ人たちだったんだ。
この惨禍をもたらした連中を突き止めるべく、衛視や神殿騎士達が恐ろしい形相で随所に検問を設けていた。
こんな時冒険者は真っ先に疑われる。冒険者面をして、冒険者らしい格好をしていれば、どこに行っても怪しまれない世の中だ、何が紛れ込んでいても不思議ではない。
もっとも国の英雄として讃えられていようと、ジュノ親衛隊あたりに国際手配をかけられればすんなり引き渡すような国家だ、そうでなくとも期待は出来ない。
一件に責任を感じてはいるが、だからといってわたしがやりましたなどと言えばおれは運がよくても一生地下牢暮らしだろう。
緊張して検問に挑んだが、冒険者と名乗り帽子を取っただけで事足りた。
おれのランクは六だったと記憶している。さすがに憲兵の全員ではないが、おれの顔を知っている騎士がいたのだ。
片手間に火打石やコウモリの翼や虎の牙を持ち込み、カニやカブト虫をしばき、あとは好き放題あちこち飛び回っていただけだが、それでもそれなりに役に立っていたらしい。
ランク六は近衛騎士に匹敵する人物であるらしい。もっとも、功績だけで成り上がりコネや財産を持たない冒険者では、そのランクの中でも下の方なのだろうが。
いずれにせよ、高圧的な物言いでこちらの身元を尋ねてきた憲兵たちが掌を返すようにへりくだったのには拍子抜けしてしまった。
「Pokotaso殿、貴方は闇の王を屠り、サンドリアを二たびの戦禍から守った英雄です」
そう言う若い騎士に思わず、
「闇王くらい、誰だって倒してるだろ」
こう返すと、騎士は曖昧な苦笑いを浮かべた。おれの言った言葉の意味がよく理解できなかったらしい。
そういえば、世界として、闇王もエルドもプロマシアも、何度も何度も繰り返し倒されてきたと認識されている訳じゃないんだろうな。
この辺り興味はあったが掘り下げると墓穴になりそうだ。
騎士はおれが赤魔道士だと知ると、施療師の手が足りない旨を告げた。
これからの予定が無い訳ではなかったが、おれは一も二も無く快諾すると、せめてもの罪滅ぼしに回復の腕を振るった。
不運な幾人かの死と、幸運な幾人かの生還を見届け、おれがシュヴィヤール家に辿り着いた頃には、夜はすっかり更けてしまっていた。
いじょです(´・ω・`)ノ
50 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/14(日) 02:20:36.63 ID:QNyHSPaO
>>1 スレ立て乙です
LSでの鬼ごっこで勝ち賞金60000ギルを手に入れ帰還した俺が投下開始
51 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/14(日) 02:30:41.81 ID:QNyHSPaO
キャラ紹介テンプレ
初出:2スレ目35
PC(仮)名:レップ・トリップ / 中の人:レップ◆35//hs0Y0Y
種族フェイス:Tar F2A
ジョブ&Lv:ジョブチェンジにより自由だが、ミスが多い。
例:D2で地面ごと飛ばしてしまった
特記事項:地球での記憶は生活していてほとんど消えていると思われ
活動エリア:ウィンダス内部およびサルタ一部
あらすじ:いきなり妙な夢を見て、それを疑問に思いながらも今は忘れて活動中
他キャラとの接触:リードのみ。LSでイッチ
独自レギュレーション:一回死んだ。今は頭になにか入ってる。
52 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/14(日) 02:31:07.19 ID:QNyHSPaO
>>20 赤い鎧ktkr!
またしても戦闘勃発か?!
あれ?
>>40 今までお疲れ様です
淡々とした書き方が好きでwktkしてました
前スレではリードさんのSS読んでたら目から赤くない血がでそうになった
「ちきしょう……」自然に声が漏れた。
痛い。痛すぎる。地面に叩きつけられ、転がされ、更には大掛かりな電気ショックによる拷問まで浴びた。
「なんで俺がこんな目に……」俺がなにかしたなら教えてくれ。なんでこんなに痛め付けられなきゃならんのだ。
「犯人見つけたら愛媛Mikanでボコるは……」心にそう刻み込んだ。
今いるのは石の区の競売付近だが、今までとは全く様子が違う。
まず、競売所が半分ない。某SF映画の主人公が登場したかのように、球形に競売が無くなり、地面にはクレーターができている。
なんて威力だ。一体、何が起こっているのだろうか?
《システム起動開始。空気単位量魔力測定。》
突如、脳内に機会的な声が響く。テルではないようだ。
《レップ君、これは録音メッセージだ。これから、この魔法について説明する。》以前聞いたことがある声が続いて響く。
この声は……ドクター、ルフトハフトだ!
《口の院の院長と前院長が共同で極秘開発した空気中に存在する魔法で動く装置らしい。》録音されたとかいうドクターの声が続ける。
《埋め込むのは気が引けたが、前院長が呪いをかけるとかで……すまないが、埋め込ませてもらった。
空気中に一定量存在する魔法の乱れを観測して、テルのように話し掛けてくれるという画期的な道具らしい
限界なども一切不明だから、具合が悪いときもあるが……我慢してほしい。
同じものをもう一人埋め込む予定だが、正直君ももう一人も、これがいつ起動するかわからない。
使い方は院長達は説明してくれなかったので、わからないが、起動したら報告してほしいそうだ。
また顔を見せてほしい。それじゃ。》ドクター……脅されたのはわかった。前院長はたしかに怖い。でも、退院前に言ってほしかった……
《攻撃感知。軌道予測不可。予想限界速度を超越。計算強制終了。》
脳内でまた喋り出す。酷い……いきなり不具合かよ
シュウウウという奇怪な音にハッとし、立ち上がってあたりを見渡す。上を見た途端、視界に先程と同様の光弾が飛び込んできた。その数1個、2個ではない。
背筋に冷たいものを感じた。一つの威力で競売所が消滅するくらいだ。それがいくつも飛んで来たら……【計り知れない強さです】。
慌てて隠れる場所を捜すが、時既に遅し。光弾のうちの一つが近くの水面に着弾し、水が一瞬で蒸発。飽和水蒸気量を軽く超え、辺り一面蒸気で真っ白になる。
バキバキという音を聞き、濡れ鼠……ではなく、濡れタルタルになりならがらも必死に橋を渡り切ると、木の橋が一瞬で木っ端微塵になってしまった。
そして………「嘘だろ?!」思わず叫んだ。
遠くに見えていた天の塔。病院も存在し、ウィンダスの重要機関が集中し、またウィンダスにいる全ての人を見守ってきた母なる木。
その木が、轟音を上げながら徐々に傾いていくところだった。
《再起動完了。攻撃感知。上方警戒必須。着弾まで五秒》
やっと起動したポンコツからの声を理解し、ハッとなり、上を見上げる。
空が真っ黒に覆い尽くされている。崩れ行く天の塔から降り注ぐ大量の木片が一斉に襲い掛かってきた。
ふと、昔学校で聞いた先生の言葉が蘇った。
「東京タワーの上からパチンコ球を落としたら、銃弾より速くなります。針なんか落としたら、多分人間くらいなら簡単に突抜けるとおもいます。」
全力で走り出した。当たったら最期、レイズでも復活できなくなるほどグシャグシャになるだろう。
橋が崩壊しているので、競売側には行けない。
「ウオォォォ!」全力で結界に突進する。結界の内部には、僅かに留まれることがわかっている。石と同じ様に、結界が破片を弾き返してくれたら、ダメージを大幅にカットできるはずだ。
《自爆感知。緊急停止推奨。魔力オーバー確認。予期せぬエラー発生、行動予想を中断。
中断まで10秒。緊急停止推奨。》脳内でガンガン声が響くが、もうしったこっちゃない。生命の危機もちゃんと計算してほしかったな。
結界が目の前に迫る。止まらず突き進み、そのまま飛び込んだ。
内部に飛び込むことに成功すると、グラビデをかけられた様に、徐々に抵抗がかかって無理矢理減速させられる。
すぐにスパークが始まった。警告するように2、3回バチバチしたかと思うと、全身を電気の帯が取り巻き、外へ向かって加速される。
木片は、どうなったのだろうか。
勢いよく外へ弾き出させると、その場で何かに躓いた。そのまま転び、上を向く形になった。
木片は……完全に落ちきり、あちこちで燃えていた。
成功だ。どうやら結界内部は時間が遅いらしい。
「やったよ。ハハハ。」それだけ呟くと。急速に視界が遠ざかっていった。
58 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/14(日) 02:36:09.92 ID:QNyHSPaO
以上です
おそらくリードにも同じものが埋まっているかと勝手に予想。
では、寝ますw
皆さん、読んでいただいて恐縮っす。
無事、最終回を迎えることが出来たのは、
私の作れる話の長さは、これが限界だからかもw
また、何か思いついたら書いてみまっすw
そして、他の方々の作品に感想を書けなくて申し訳ないっす。
少々いそがしくて、最初から目を通せない状態なので。
さあ、もうすぐ仕事に向かわねば……
60 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/14(日) 08:30:36.66 ID:XrKgiL2n
おはようございます。
>>49 サンドリアは物騒な事になってますねぇ・・・やっぱり行くのやめよう・・・w
ピアシュとチャリオット、同じ赤い鎧でも中の人によって違いを出せたかな?
>>58 魔力測定装置・・・? その設定、どうやって作中で生かしたらいいんだーw
なんかリードは魔力の乱れなんてキニシナ・・・いや、勘とか洞察力で乗り切る気がするw
おはようございます。新スレありがとうございます。
皆様投下おつかれさまです。
>>59 完結おめです。優しい終わりかたでよかった…
「ヴァナを全く知らない人」がヴァナに行ったからこその流れとオチの付き方。
私たちはなまじこの世界を知るからこそ、戦い、傷付く道を選んでしまう。因果なものです。
キャラ紹介テンプレ長くなったので次レスで失礼します。
初出:3スレ目258
PC(仮)名: / 中の人:Furcifer(フルキフェル)/256_Furcifer◆MwNTY7GtwI
種族フェイス:Elv♂F7a いわゆるカッパ金
ジョブ&Lv:RDM75/WHM37 サポほかにも各種。サポナにチェンジするか決めかねている。
白73もあるがメインにはしないと決めた模様。
特記事項:中の人は温厚な学生・グロは苦手らしい。しょっちゅう意識が遠のくw
精神的、肉体的に弱ると、身体の本当の持ち主「僕」が主導権を取り戻して色々暗躍する。
「僕」は今の世界の管理者に対して疑いと恨みを抱いているようだ。
この世界に属する者として管理者に逆らえない自分の代わりに、「私」に何かをさせたいらしい?
あらすじ:ラテーヌで目を覚まし、途方に暮れていても仕方ないということでサンドを目指す。
運がよければ先に来ていた人に会えるかも? と淡い期待を抱くが、色々あってなりゆきで赤い鎧と交戦する羽目に。
本人がコンバートを実行して耐えきれず力尽きている間に、「僕」が赤鎧の武器をお持ち帰り。
他キャラとの接触:Yurifina(ただしお互いに気づかず)、Loufas 、ヒロ
独自レギュレーション:ゲーム内でマクロに組み込んでいた台詞をトリガーにすることで、
通常の魔法・アビのみならず着替えブースト等を絡めた魔法もゲーム内と同じように使用可能。
辞書登録を使用した単独着替えや魔法発動も無意識に使えている様子。現時点では、台詞がないマクロは動かせない。
魔法についてのリキャストはゲーム内の感覚に近く、アビのリキャストはヴァナとリアル時間に準拠。
ただし「僕」と本人ではサポジョブをバラバラに設定できるらしく、「僕」が起きているときに限り
二人分のアビと両方のサポの能力を行使できるようだ。
赤鎧については何も知らない。が「僕」は何かを突き止めている?
おはようございますage
リード氏、予測装置はここぞというときにしょっちゅう停止する予定なので、一生停止させた状態でも全く問題ありませんw
むぉぉぉ・・・・・・ぽん吉氏、完結乙です!!
正直、エンディングは想定外でした・・・が、最高です。大好きです。
後日談も見たいような見たくないような、読者の心を掴む幕引き、お見事です。
さて、自分も頑張ろう(でも真昼間からほろ酔い)
66 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/14(日) 12:10:10.73 ID:XrKgiL2n
お出かけ前の保守。
>>22 こわいww
>>40 完結乙です。その称号ほしいww
私もすっきりと終わらせることができるようにしたいものです。
神子様にも淡々とはなす感じが大好きですw
>>49 私の場合はサンドリアの牙産業に大いに貢献した英雄とか
言われそうですwシュヴィヤール家に続々終結キタコレ
>>56 >「東京タワーの上からパチンコ球を落としたら、銃弾より速くなります。針なんか落としたら、多分人間くらいなら簡単に突抜けるとおもいます。」
試してみたいですwなんだかその測定器あんまり役に立たなさそうですね・・・w
それでは、昨日投下できなかった分ちょっと多めに投下します
特にやることもないのでのんびりとモグタンと夕方の居住区を散歩していた。
今更だけどヴァナディールには娯楽が少ない。一応、弓矢を使った射的みたいなものや、
金魚すくいなんかもあるけれど、どちらも娯楽というにはちょっと何かが足りない。
あーあ、ゲームセンター行きたいな。
ふと、私は服屋の前で足を止めた。このお店は裁縫ギルドで作った私服を売っているお店だ。
私服なので魔力などが全くこもっていないので防御力はほとんど0だが、
その代わりにレパートリーは装備品の比じゃない。ていうか装備品にも早くスカート作ってよ□e。
「ね、モグタン。ちょっと服屋見ていかない?」
「きわどい服を買うクポ〜!」
「そんなの買わないから!」
そんなやり取りをしながら服屋に入ってゆくと、試着室から一人のお団子頭のタルタルが服を抱えて飛び出してきた。
「い、いらっしゃいませぇ♪」
ちょっと、今商品で試着してたでしょ?まぁいいや。
「お客様ぁ♪お決まりですか?試着していきますかぁ?」
なんだかやたらめったら甘ったるい声で話しかけてくるお団子さん。
額には冷や汗をかいている。多分媚びてごまかすつもりだ。
「いえ、まだ入ったばっかりなので。見てから決めますね。」
「はぁい♪」
相変わらず汗をかいたままお団子さんは手に持っていた服をたたんで棚に戻し始めた。
その服は袖のない真っ赤なワンピースで、スカート丈は膝上何センチか想像がつかないくらい短い。
しかもスリット入りときた。いったいどこのスナックの服でしょうか?って感じの服だ。
行ったこと無いからスナックに偏見はいってるけど。
鼻歌交じりに棚の整理をしているお団子さんにははっきり言って似合いそうには無い感じだ。
ていうかこれが似合うタルタルいるのか?
「ご主人様!ご主人様!これ似合いそうクポ!」
「・・・ムリ。」
案の定というかなんと言うか・・・モグタンが鼻息荒くさっきの服をポフポフと手で叩いている。
「あらぁ、モーグリさんお目が高い♪お客様もきっと似合いますから一度着てみませんかぁ?」
タルタルにあの服は似合わないよなぁきっと。でも、ああいうきわどい服って一度も着たことないんだよね。
「でも、私あんまり色っぽい方じゃないですし。」
私は悲しいくらいぺったんこの胸に手を当てながらこう言った。
子供っぽいかわいらしさが魅力のタルタルとはいえこれはあんまりだ。
「あの服を着れば色っぽくなれますよぉ♪ほら、だまされたと思って♪」
「さらに綺麗になったご主人様をみたいクポ〜。」
「うーん、なら・・・試着だけなら。」
たまには、あんな服もいいかな?私はなんだかまだちょっと温かい服をうけとると試着室へと入っていった。
着替え終わった私はそっとカーテンを開けた。
「ど、どうですか?」
ここまでスカート丈が短いとまるで下着姿で歩いているような気分になって恥ずかしいけれど、
鏡に映った私はたしかにタルタルとは思えないほど色っぽくなっていた。
多分その理由は・・・パッドとコルセット?
ヤッパリ ツクルッテ ダイジナコトダネ アハハハハ・・・
着てみて分かった事だけれども、上半身は袖がないどころか肩まで丸見えだし、
スリットがとんでもなく深いから下手をするとスリットから下着が見えてしまうし、
スカート丈はもうどうしょうもなく短く腰の周りに巻きつくような横むきのシワができる。
スカートって普通縦にシワが出来るものじゃないですか・・・?
私は遠慮がちに軽く二人の前で一回転してみせると、二人から感嘆の声が漏れる。
商売上手な店員さんだなぁ。
「すごいお似合いですよぉ♪」
「モグがこれ買うクポ!」
「まいどありですぅ♪」
「え?」
なんか商談が成立してるし。
「それじゃぁ脱いでいただけますか?袋に入れますのでぇ♪」
「は、はい。」
なんだかわけの分からないうちにこの服を買うことになってるし。
まぁいいか。着ないだけだし。
とりあえずもともと着ていた服に着替えてさっきまで着ていた服を店員さんに渡す。
楽しげに店員さんと話しているモグタンを半ばあきれながらしばらく眺めていたが、
それにも飽きてきたので私は別の服を探し始めた。
ふと、淡いピンク色の裾が広いジャンバースカートと白いフリルつきのシャツが目に入った。
やっぱりタルタルにはこういう子供っぽいかわいい服でしょう。
こういう服も今更リアルじゃ着れないしね。
「あの、これもお願いします。」
私はいつの間にやら店員さんを口説き始めている節操の無いモグタンのボンボンを引っつかみ、
後ろへと投げ捨てた後、カウンターへと服を持っていった。
「まいどありですぅ♪おもしろいモーグリさんですねぇ♪」
ちょっと苦笑いの店員さんに、私は笑顔でこう返してみる。
「それならいりますか?あげますよ?」
「・・・え、えぇとぉ・・・アハ♪」
モグタン、いらないって。
「さぁご主人様!これを着るクポ!」
「誰が着るか!!」
「誰ってご主人様クポ!」
「絶対嫌だ!!!」
「さっきは着たクポ!」
「さっきはさっき!今は今!」
案の定というか何と言うか・・・。モグタンは家に着くなり私に飛び掛りムリヤリ服を脱がそうとしてきた。
そんなわけで今の私はモグタンに押し倒される格好でモグタンの腕を必死につかんで抑えながら、彼とにらみ合っている。
シャツは胸の辺りまでめくれあがっているし暴れたためにスカートもめくれ上がっている。
GMさん!来てください!いまならこのエロを現行犯で逮捕できます!言い訳の余地が微塵も無い状況ですよ!
「へっへっへ、早く抵抗をやめるクポ。最初は痛いかもしれないけれどすぐに気持ちよくなるクポ。」
「ちょっと!服着替えさせるだけじゃないの!?」
ニヤニヤ笑っている不気味なモグタンの両腕にさらに力が入った。私も負けじと抵抗する力を強める。
「ここまできて何も無いと思ってたクポ?おめでたいご主人様クポ。」
「普通は自分のモグハウスじゃ何も無いでしょう、が!」
私は「が!」の瞬間に思いっきり脚を振り上げた。振り上げた脚はものすごい勢いでまるで吸い込まれるように、
見事にモグタンの股間にめりこんでいった。何かものすごく柔らかいものが潰れる感触と、
独特の硬さがある熱い何かの感触が脚に伝わってきてものすごく嫌な感じだ。
そういえばあれって骨折するってなんかで聞いたことあるけど・・・まさかそう簡単には折れないだろう・・・。
だけれども、その一撃の効果はすごかった。一瞬モグタンの動きが止まったかと思うと、彼は力なく私の上に墜落する。
なんだか股間を両手で押さえながら目を見開きヨダレをたらしながらガクガクと震えながら
金魚のように口をパクパクとさせている。
見た感じ相当効いた様だ。本当はそこでひるんだモグタンを跳ね飛ばした後、二三発ビンタくれてやるつもりだったけれど
なんだかそんな場合ではなさそうだった。
私はちょっと心配になって慌ててモグタンの側にしゃがみ込んで彼に声をかける。
「モ、モグタン・・・?大丈夫?」
白目を剥きかけていたモグタンが私の方へと首を動かして何か言いたそうに口をパクパク動かすと、
ヒューヒューと息が漏れる音が聞こえた。
「ケアル・・・する?」
必死に首を縦に振るモグタン。そんな彼をみてふといい考えが思いついた。
「二度とあんな事しないって誓ったらしてあげてもいいんだけどな。」
モグタンはダバダバ涙を流しながら首を横に振った。どうやらエッチなことを出来ないくらいなら
このまま苦しむほうを選ぶらしい。・・・尊敬できないけれど尊敬できるよその覚悟。
「じゃ、一生そこで悶えてなさい。」
「グ、グボォォ・・・」
フラフラしながら私の足をつかむ涙と鼻水でぐしゃぐしゃのモグタンを見ていて、
さすがにかわいそうになったので結局ケアルをかけてやることにした。このまま死なれても困るし。
ケアルVをかけてもまだつらそうな彼を見た時は少しだけ罪悪感が沸いた。
ケアルVの後、さらにケアルIIIをかけてやっと元気になった彼を見て私はため息をついた。
「モグタンって昔からこうだったよねぇ・・・。なんだかエロイ事のために全てを捧げてる感じが。」
私が言った事にモグタンが目を真ん丸くして驚いていた。その様子が普通でないので、
私も思わずぎょっとする。
「ど、どうしたのモグタン?まだ痛む?」
モグタンは首を横に振って真剣な目になる。
「ご主人様、昔からっていつからのことクポ?」
「そりゃ私が冒険者になってモグタンとであった時からだよ。」
何を今更といった感じで私はモグタンにこう言ってみせたが、
モグタンはそれを聞いて真剣な目でズイッと私に顔を近づけた。
「え・・・?もしかしてモグタン怒った?」
モグタンはまた首を横に振ってこう答えた。
「違うクポ。ご主人様、なんで冒険者になり立てのときのことを覚えてるクポ?」
「・・・え?」
「ご主人様は一週間ちょっと前にこっちに来たって言ってたクポ。
だからご主人様が三年近く前のことを覚えてるはず無いクポ。」
私は頭を鈍器で思いっきり殴られたような気がした。言われてみればそうだ。どうして知っているのだろう・・・。
「ご主人様、リアルってとこのことは覚えているクポ?」
「えーと・・・」
私はお父さん、お母さん、由佳、私の四人家族。本名は由梨、21歳の大学生で成績は中学から2ばっかり。
中学の一番の思い出は山でクマに出会ったことで・・・
「大丈夫、覚えてる。」
「じゃあヴァナディールの昔のことはどのくらい覚えているクポ?」
そういわれて私は目をつぶり、頭の中の記憶を一つずつ掘り出してゆく。
「そうね、さっき思い出したのは出会ったときに、『着替えはモグの仕事だから脱がせるクポ〜』とか言ったこととか、
アーチャーリングを落とすスライムに返り討ちにされて命からがら呪符で逃げ帰ったら、
『毒を吸い出すクポー!』って言って胸にむしゃぶりついてきたとか・・・。」
・・・ロクな思い出じゃない。ていうかモグタンやっぱりただの変態じゃん!
目を開き、しばらくの間白い目でモグタンを見つめていたが今はじゃれ付いている場合ではない。
もう一度目を閉じて記憶の糸をたどり始めた。
「毎年誕生日に・・・お母さんがオレンジクーヘンを作ってくれた。
私が、いや、ユリフィナさんが冒険者になると言ったらお父さんもお母さんも猛反対して・・・
でも、結局は認めてくれて、晴れて冒険者になった。」
思い出した記憶はどれもこれもモニター越しに見たものではない。
私は確かにその思い出の世界を肌で感じていた。
暗い部屋で静かに燃える年の数と同じだけのロウソクの炎の色も、
ロウが焦げる臭いも、オレンジクーヘンの甘酸っぱい味も、親不孝物と叫んだお母さんの声も、
『俺より先に死ぬな。それさえ守れば許してやる。』と言ったお父さんの悲しそうな表情も、
全部全部、現実として私が体験したものだ。
たぶん、これらはユリフィナとしての記憶・・・。
もしそうならば、もしかして私、ユリフィナと同化している?そう考えた次の瞬間、愕然とした。
同化が進んだら私はどうなるの?由梨は消えてしまうの?
そもそも、由梨という人は本当にいたの?私、ユリフィナが見ていた夢で現実にはいないのかもしれない。
だって、今私の周りを取り巻く世界は確かにヴァナディールであって、リアルではない。
そして私はユリフィナだ。
違う。私は由梨だ。誰もそのことを証明は出来ないけれど私は由梨で、由梨としてこの世界に迷い込んだんだ。
それに、同化しているだなんて勘違いかもしれない。そもそも、非現実的すぎる。
いや、ヴァナディールに迷い込んだ時点で非現実的だ。もう何が起こってもおかしくは無い。
「モグタン・・・ひとつお願いしていい?」
「何クポ?」
モグタンも私も真剣な目で見詰め合う。私は、一呼吸置いて彼にこう言った。
「私のこと由梨って呼んで。」
「ユリ、クポ?」
「うん、由梨。私のリアルでの名前。」
誰でもいい、私を由梨として扱ってほしかった。ううん、誰でもいい訳じゃない。
いつも側にいてくれるモグタンだからこそ私を私の名前で呼んでほしい。
「どうしてクポ?それに、ご主人様を名前で呼ぶなんて失礼クポ。」
何がなんだかわからないと言った表情で小首をかしげるモグタン。
「なんかね・・・怖いの。今はまだ平気だけどこのままじゃ完全にユリフィナになってしまいそうで。
今の私が・・・消えちゃいそうで。」
私は自分の体を強く抱きしめた。自分の中の由梨の部分が抜けていかないことを祈りながら。
自分が自分ではなくなるかもしれないということは、漠然としたつかみどころの無い巨大な恐怖として、
今、私の心に居座っている。
「だから・・・モグタン・・・。私のことを由梨って呼んで。
誰かにこの名前を呼んでもらい続けてる間は、自分の事を忘れないでいられそうなの。
ただの・・・勘違いかもしれないけれど。」
それでも、今の私にはこんな迷信じみた願掛けをしてみたくて仕方がなかった。
「・・・わかったクポ。ユリ。」
「ありがとうモグタン。」
私は思わずモグタンに飛びついた。
その日から私は由梨の思い出のノートとユリフィナの思い出のノートの二つを作りることにした。
何かを思い出すたびに別々のノートに書き残すことで、
いつか私の記憶がごちゃごちゃになったり、消えたりしてもこれを見て思い出すことが出来るように。
以上となります。
大量投下失礼しました。
ちなみに、外伝で監獄に現れた赤い鎧は本物のGMさんですw
それでは皆さんの投下をワクワクしながら待っています。
酔いの勢いを借りて、なんとか形にしました・・・久々の投下参ります。
細かい点は気にしないでください。
ちょっとシステム超越する為、キャラテンプレは投下後に。
夢を見ていた。
そこは黒い世界。周囲を見渡すことも出来ない、真の闇。
立ちすくむ自分に、正面から誰かが近付いてくる。
闇の中なのに視認できるのは、その者の姿が薄く、ぼんやりと輝いているからだ。
手を伸ばせば触れられる程の距離まで近付き、そこで止まる。
近付いてきた人物は、見慣れた姿だった。
いつも、モニター越しに自分が操作していた【彼女】
【彼女】は自分を顔を見つめると、歯を見せてニッっと笑う。
つられて、自分も笑みをこぼす。久し振り、と声を掛けたつもりだったが、声は出なかった。
それでも通じたのだろう。【彼女】も久し振り、と自分に言ったように見えた。
【彼女】の口が動く。忘れてたね、ウチの事。
声としては認識できないが、不思議と理解できる。自分も、あぁ、忘れてたと伝える。
それを聞いて、【彼女】の表情が変わる。呆れているようだが、笑っている。
ひとしきり笑った後、気が済んだのか、こちらへ手を差し伸べる。
差し出された手を両手で握る。もう離す事の無いように、しっかりと。
その瞬間、繋いだ手から、闇を晴らすように光があふれ出す。
――何故忘れていたのだろう――
――Rainは別鯖のキャラの名前じゃない――ようやく思い出した――
「ご主人様ぁぁぁ!!たっ・・・大変クポォォァァァ!!!」
バカンッ!とハウスの扉が力強く開かれ、叫びながらモグが飛び込んでくる。
被った毛布の隙間からその様子を覗く。目はとっくに覚めていたが、布団からなかなか抜け出せずにいる。
夢から覚めた時からずっとこの状態だ。夜明け前、モグがハウスから出て行ったのも知っていた。
『何が大変だって?』
毛布から頭だけ出して、入ってきたモグを見る。
モグはというと、驚きに目を見開いて、こちらをまじまじと見つめている。
「ご主人様があぁぁぁぁ・・・た、大変クポァァァァァァァ!!!」
『朝っぱらから騒々しいよ、モグ・・・』
そもそも、入ってきた時と今とで、言っていることが違う。
『とりあえず、落ち着け』
「落ち着いていられないクポ!その頭どうしたクポ!
モグはご主人様を非行に走らせるような育て方をした覚えはないクポ!!」
肩で息をついている。モグに育てられた覚えはない。
自分が誰に育てられたかなんて、しっかりと覚えている。――正確には思い出させられた、が正しいが。
自分はウィンダスで産まれた、大陸産のミスラだ。両親も冒険者の為、ここに住んでいるのは自分だけだが。
『で、誰の頭が大変だって?おまえか?』
毛布を跳ね除けてベッドから降りる。いつのまに脱いでいたのか、下着姿で寝ていたようだ。
「四の五の言わずに、これで自分の姿を確認するクポー!」
肩に吊るしたポーチから小さな手鏡を取り出すと、こちらに放り投げてくる。
鏡に映った自分の顔を確認する。顔の基本的な造りは昨日と変わっていない――が、髪が赤い。
『・・・で?』
予想していた事だ。夢で見た光景が現実ならば、今更驚く必要は無い。
何より、昨日この世界に引き込まれた時点で、夢だ現実だ考えるのがアホらしくなってきている。
「別段、いつもと変わらないね」
そう言って、手鏡をモグに投げ返す。投げた手鏡は、モグのポーチへと綺麗に吸い込まれた。
「・・・ポ?」
何を言っているのか・・・そんな表情でこちらを見つめている。
ベッドの脇に置かれたサック――これも昨日より大きい――から、取り敢えずの衣服を見つけ出す。
『ここはウチのモグハウス。で、ウチはここの主のレイン。何を寝惚けてるのさ、モグ?』
黒地の布で織られた上着と、揃いのブレーに着替えながら、モグに言ってのける。
(記憶が戻ったのは自分だけか・・・)
ブーツを履き、感触を確かめるようにトトン、とつま先で床を軽く叩く。
数年来履き続けた革の靴は、体の一部のようによく馴染んだ。
ブーツの紐を結び終えて顔を上げても、モグはまだ腑に落ちない表情を続けている。
『寝惚けてるのは構わないけどさ。ウチ以外に、何が大変だって?』
ベッドに腰掛けなおし、サックから取り出した髪飾りを髪に留める。
言われて思い出したのか、再度落ち着かない様子で、今度はクルクルと宙で回りだした。
「そうだったクポ!とんでもない噂を聞いたクポ!ご主人様、狙われてるクポ!」
額に皺を寄せて『は?』と一言。訂正の言葉は、すぐに飛んできた。
「ご主人様というか、冒険者・・・じゃなくて、冒険者みたいなご主人様クポ!」
要領を得ない言い回しで、何が言いたいのかサッパリわからない。
モグはどう説明したら良いのかわからないのか「えっと・・・えっと・・・」、と回り続けている。
徐々にこちらに近付くモグの顔面を掴んで静止させる。
『もう一度言う。落・ち・着・け』
そのままぽすり、とベッドに降ろし、話の続きを促す。
「・・・目が回ったクポぉ〜・・・」
自業自得だ。軽く肩をすくめて、ため息を一つ。程なくして、酔いから醒めたモグが言う。
「ご主人さまみたいな異世界からの冒険者さんが、狙われているらしいクポ」
ようやく説明ができた事に満足したのか、うんうんと頷くモグ。
「朝ごはんの調理に、共同炊事場に行ってたクポ。そこで、仲間のモーグリが話しているのを聞いたクポ!
なんでも、異世界からこの世界に迷い込んだ冒険者を殺して回っている、暗殺者の一団が居るとか・・・。
昨日も各国で、何人かの冒険者さんが暗殺されたらしいクポ。殺された冒険者さんたちに一致していたのは・・・」
『ウチみたいな異邦者、ってことかな』
先んじて言葉の続きを奪って言う。それを聞いて、モグはコクコクと頷いている。
あくまでも噂だが、昨日話した時点で、モーグリ族の噂ネットワークの信憑性はかなり高いと感じた。
誰かが流した嘘の可能性もあるが、真偽を確かめるには情報が足りない。
ただ、正しかったとしたら・・・自分にもいずれ、火の粉が降りかかるだろう・・・が。
『暗殺・・・って言うけど、生き延びた人は居ないの?』
「あ・・・未遂の冒険者さんも、何人か居るみたい、クポ・・・」
それを聞いて一安心するが、逆に不安も一つ脳裏に浮かんだ。
(生き延びた人間が居るっていうことは、信憑性高まったなぁ・・・)
生き延びた人間から出た話ならば確実に、そういう事が起きた、と考えられる。
逆に、それもたちの悪い噂に尾ひれがついただけの可能性もあるが。
『可能性なんて、考えたらいくらでも思いつくわなぁ・・・』
考えがそのまま口に出ていた。
どうしたクポ?とモグがこちらを気にしていたが、何でもないとかぶりを振った。
『ところで、朝食作りに行ってたんじゃないの?』
その言葉を聞いた途端、モグが身を強張らせる。
「それが〜・・・噂話に気を取られていたら、消し炭になっちゃったクポ。クポーッポッポッポッ・・・」
笑って誤魔化そうとしたのだが、自分の冷めた視線に気がつき、段々と高笑いが尻すぼみになる。
「・・・ごめんクポ」
『ん、仕方ないね。サックに何かしらあるから、今日はそれで済まそう』
落ち込むモーグリの肩を軽く叩き、サックへ手を伸ばす。先程確認した時、食事の入った包みがあった筈だ。
油分を通さない紙に包まれたミスラ風山の幸串焼の袋を取り出し、モグと分け合って食べる。
朝から肉は辛い。しかも冷めているが、これから朝食を調達するのは面倒だ。
硬くなった肉に齧りついていると、串を見つめたままモグが呟いた。
「そういえば昨日・・・ご主人様、何かあったクポ?」
『あったといえばあったし、無かったと言えば無かった』
肉との格闘を中断し、自分に向けられたであろう質問に答える。
「・・・答えになって無いクポ。カーディアンに抱えられて戻ってくるなんて、きっと何かあったクポ!」
口調を荒げて詰め寄るモグの瞳には、批判じみた色が浮かんでいる。
何か物悲しそうな、そんな感情が読み取れる。
昨夜――手の院でアプルル院長と話をしている最中、急に眠気に襲われた。
昨日一日で色々なことがありすぎて疲れていたのは確かだ。でも、それだけで眠ってしまうほどヤワじゃない。
何がしかの理由があって、アプルル院長に眠らされた、と考えるのが筋だろう。
それに、自分が急に記憶を取り戻した事も、眠らされた事に関係している・・・と思う。
カーディアンに送り届けられたということは、少なくとも敵意があっての事ではなさそうだが。
『疲れてたみたいでさ。手の院で眠りこけたら、親切にも送ってくれたみたいだね』
憶測を口にするのは躊躇われた。だから、モグには嘘をついた。
「・・・信じて良いクポ?」
『ご主人様を信じないと、モーグリ失格だよ』
そう言って、モグの鼻先を指先で突付く。
くすぐったそうに鼻先を押さえると、モグは表情を和らげた。
「実を言うと・・・モグが仕えた冒険者さんは、ご主人様で二人目クポ」
ちょっとだけ、表情が崩れる。笑っているのだが、今にも泣き出しそうな・・・。
「前のご主人様は、冒険者に命を奪われたクポ」
淡々とそれだけを告げた途端、モグの細めた瞳から大粒の涙が一粒、零れた。
束の間に見せた笑顔は、今は完全に崩れている。
「まだその頃は、街中でも冒険者同士のいざこざが耐えなかったクポ・・・。
運が悪かったとしか言い様が無いクポ・・・酒に酔って口論になった冒険者の間に入り込んで、
抜刀した冒険者に・・・ご主人様は・・・ご主人様は何も悪く無いクポッ!!!」
俯き加減で叫ぶように、モグが言葉を紡ぐ。
それは主人を奪われた悲しみと、主人を奪った冒険者への怒りにまみれている。
その冒険者が目の前に居たら、今にも殴りかかるだろう。自分なら殴るだけでは済まさないが。
「ご主人様は・・・」
俯いていた顔を上げて、自分の顔をじっと見つめる。
「・・・ご主人様は、死なないクポ・・・?」
前の主人が唐突に遂げた最期――その時モグが何を思ったのか、自分にはわからない。
ただ、今もそれを忘れる事ができず、前の主人と自分とを重ね合わせている。
それを思い出させたのは、不意に訪れた、冒険者を襲う暗殺者の噂話。
『危ない橋を渡るのは趣味じゃないし、そう簡単にゃ死んでやらないよ』
涙でグチャグチャになったモグの顔を、近くにあった綿布で拭う。モグの不安を拭い去るように、強く。
「ごめんクポ・・・こんな話、するつもりじゃ無かったクポ・・・」
まだ過去の話の余韻が残っているのだろう。嗚咽交じりに謝罪する。
涙は止まっている。ついでに鼻水も。拭った綿布は二種類の液体でグチャグチャだ。
二度と使いたいとは思えないが、一応モグに洗濯しておくように指示する。
食べかけの山串を胃の中に詰め込み、串をくずかごに放り投げてサックを背負う。
「もうお出かけクポ?」
立ち上がり、んーっと伸びを一つ。尻尾の先もピーンと、天を指した。
『昨日のお礼を言いに、手の院までちょっと、ね』
意図している事とは違うが、目的地は同じ、手の院だ。
先程の話を聞いたばかりで心苦しいが、真昼間から襲う暗殺者も居ないだろう。
・・・真昼間から酔っ払っている冒険者は居るかもしれないが。
扉に手をかけ・・・一度振り返り、モグの顔色を伺う。
『今生の別れじゃないんだからさ・・・いつもみたいに笑顔で送り出してくれないかな』
ニッっと、歯を見せて笑ってみせる。これが内藤なら、歯が輝いているところだろう。
『自分のご主人様を信じな。悪い方に考えると、得てしてそういうのは起きるもんだ
こーいう時は、良いほうに物事を考える。これは命令。わかったにゃー?』
ビッとモグを指差す。語尾ににゃーとか付けるのは恥ずかしいが、緊張をほぐすのに必死だった。
「わ、わかったにゃー・・・クポッ」
モグが笑ったのを確認して、手の院に向かう。今日も、ウィンダスは良い天気のようだ。
投下完了。では、変更のあったキャラテンプレを。
初出:2スレ目83
PC(仮)名:Rain(レイン) / 中の人: 83 ◆W0QmuTI9lM
種族フェイス:ミスラF6A→B(赤毛ボサ髪)
ジョブ&Lv:モ13→【ヒミツ】
特記事項:現在、自身のジョブ隠し中。装備も名前は伏せています。
活動エリア:ウィンダス
あらすじ:ウィンダスで情報収集中、Mioと会って情報交換。
手の院でアプルル院長と会う約束を取り付け、外にて準備運動。
漁師ゴブと仲良くなった後、風呂場で覗き見タル♂を倒す。
その後、手の院でアプルル院長と話すが、一服盛られてモグハウスへ強制送還。
他キャラとの接触:Mio・漁師ゴブリン(キャラか?)
独自レギュ:会話の基本はSayとShout。他は未使用。時間感覚はリアル流。
アビ・魔法(出てないが)に関しては、ゲーム内時間経過でリキャストの予定。
例)2Hアビ→ヴァナ2日ではなく、ヴァナ内2時間でリキャスト完了。
キャラとしての記憶と、現実との記憶の両方を有するが、キャラの意識は不明。
モーグリが虐げられている事が多いので、少し優しく接してみました。
>>79 相変わらずエロモーグリ・・・でも、展開ktkr!!
男にしかあの痛みはわかるまい。言葉を失います、マジデ。
91 :
83 ◆W0QmuTI9lM :2006/05/14(日) 14:47:45.16 ID:dUCSNA4J
あ、忘れてた。90越えて、今更感もありますが、スレ建て乙です。
ついでにageて、自分も皆様の投下をわっふるいたします!
いいこと思いついた。
去勢してやればモグタンおとなしくなるんじゃね?
93 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/14(日) 21:03:55.94 ID:QNyHSPaO
落ちたら悲しいage
ほしゅ
ドン松五郎ヴァナへいく
ドン松五郎なんて誰もしらんだろうな
95 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/05/14(日) 22:21:59.72 ID:8XMcAvDS
久々にまとめサイト更新するんで読み返したら誤字脱字ありまくりで悲しかったage
あと、ボブ&マイクとかインターローグとか小ネタとかうpしたら読みにくくなった気がする(´・ω・`)
⊂(^ω^)⊃ それはそれとしてわっふるわっふる!
ミ⊃⊂彡
96 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/14(日) 22:51:28.52 ID:XrKgiL2n
わっふるage
97 :
既にその名前は使われています:2006/05/15(月) 01:12:35.60 ID:/tFj7Tk/
わっふるわっふる〜
98 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/15(月) 06:22:02.52 ID:Td95ml7j
朝目覚めると、自キャラ・・・スレが落ちそうだったage
ちょい煮詰まり気味?
私は前スレの続きも書けますが書きませんし。
SS書き手様の投下をわっふるです。
保守
102 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/15(月) 10:33:07.82 ID:ZcyfjLt9
初出:1スレ
>>69 PC(仮)名: P。自称ロック。/ 中の人:貸し自転車屋さんのSさん。
種族フェイス: たるっこ金髪フェイス。黄ばんだ白いマントと頭に布を巻いて、
アストラルアスピスとマーシャルナイフとアネラスを持っている。
ジョブ&Lv: 赤/戦75(サポ獣や詩人などもあるようだ)
特記事項: 基本的にこの世界の人間と同化してしまっているため、
いかな手段を持ってしても「来訪者」とわからない。というか本人も自覚がない。
活動エリア:バストゥーク
あらすじ: すべての責任はスレ立てしたまま逃亡(?)した
>>1にあると判断。
彼女を探す旅の途中、バストゥークにて厄介ごとに巻き込まれる。
他キャラとの接触: ユリフィナ(両方気がついていない)、ナナシ(ブモ)、
リード、メイミィ、クルス。直接は会ってはいないがMekiに薬を届ける。
103 :
つづき。:2006/05/15(月) 10:33:22.96 ID:ZcyfjLt9
独自レギュレーション:魔法は原則としてヴァナ時間に準じる。
これはアイテムだがヤグードドリンクを飲めば3時間持つ。
ケアルにしても詠唱から完成まで数分、テレポなら30分はかかる。
ただし、儀式魔法によってアイテムにあらかじめ魔法を封じ込め、
無詠唱で発動させることは可能(装備品の変更も同時に行われる)。
この場合リアル時間と同様に扱う。代わりに効果は極めて薄い。
ロックはあらゆる精霊魔法(攻撃魔法)を「封じ込めて」いないため、
詠唱から武器やアイテムに魔力をチャージ、発動可能までに数分かかる。
このため、主な戦闘は剣や素手によって行う必要がある。
魔法は「すらっしゅえむえー」とコマンドを直接言うことで発動させている。
NPCたちにはコマンドは聞こえないらしい(?)
ロックは一部の魔法を高速言語で発動させることができる。
ケアル3なら"c3"と言うと"/ma ケアルIII <st>"と同じ効果。
104 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/15(月) 10:48:35.35 ID:qxgB41sv
>>90 ニャー・・・クポ。かわいい(*´д`*)
モグも苦労したんだなぁ・・・(´Д⊂
>>92 獣医に頼めばいいのかなw
では、保守かねて投下します
私は毎日のように調理ギルドに通いつめていた。
そして調理ギルドが休みの日には、遊びに来るリポケケに裁縫を少しずつ教えたりしていた。
肝心のダテレポの方はというと、なんでもアリアちゃんの話ではテティスさんは時魔道士ではないので
腕輪の使い方が正確にはわからないそうだ。
だから今はアリアちゃんとテティスさんの二人で試行錯誤しているらしい。
いつ使えるようになるかは分からないけれど、研究は一人の時とは比べ物にならないくらいすごいスピードで進んでいるそうだ。
どんなに長くても一ヶ月は待たせないとアリアちゃんは言っていた。
アリアちゃんもカーディアンのテティスさんのメンテナンスのために時々ウィンダスにやってきては、
道行くタルタルに発情したりして、警備の方から厳重注意を受けたりしていた。
私のモグハウスにもよく遊びに来てくれるのだが、時々勝手にヒートアップしてテティスさんがいなかったら
またもや汚されていたなんて状況もあったけれど、それでも彼女達とのひと時は楽しかった。
調理ギルドに通い始めたのは、お菓子作りを趣味にしてみようというちょっとした思い付きからだった。
調理スキルは60まで上がっていたが、裁縫ギルドに所属している私はパティシエスキルがないために
肝心のお菓子を作ることが出来ないので、裁縫ギルドのポイントを全て銘入りクリスタルに交換してもらった後、
調理ギルドへと登録して、パティシエ目指して毎日にように納品を続けていた。
バストゥークで、なぜか雪山のロランベリーの売り上げが倍増したために納品でこれを要求される人が
随分と増えたらしい。ティラミスブームみたいなものなのだろうか?ティラミスも久しぶりに食べたいなぁ。
調理ギルドではクリスタル合成のほかにも、クリスタルを使わない料理講座、お菓子講座なんかもあり、
これにも意欲的に通って、不恰好なお菓子を作ってはそれをモグタンのお土産として持って帰ったり、
私達のために頑張ってくれてるアリアちゃんやリポケケ達、そして新しく知り合ったLSメンバーに送ったりしていた。
アリアちゃんは私の体にリボンを巻いて、『私を食べて♪』ってのをやってほしいらしいけど、そのリクエストには応えなかったし、
これからも応える気は微塵も無い。。
クリスタル合成は安定しておいしくて形のよいお菓子を作れるが、ある意味機械で作られたような
企画化されたものしか作れないのでちょっぴり面白みが無い。
いつのまにか私はクリスタル合成をそっちのけで手作りのお菓子作りに夢中になっていて、
キッチンには泡だて器、大小さまざまなボウルの他にもケーキ型やパイのふくらみを押さえるための重り
なんかまで置かれるようになっていた。
そこまでそろったなら道具だけでなく服もそろえようと思い、
私は例の服屋でピンクと白のチェック模様の布をたくさん買い込み、
エプロンやら髪の毛を落とさないためのナプキンやらリボンやらをぱぱっと作ってみた。
多少の汚れや染みは洗濯の鉄人モグタンが簡単に落としてくれるので安心して汚せるのもうれしかった。
「どう、かわいいでしょ?」
私は出来立てのそれらをさっそく着てみて、モグタンの前で一回転してみた。この前買ったジャンバースカートの裾と
エプロンがふわりと優雅に広がる。
「いいクポいいクポ!それで裸エプロンやってほしいクポ!」
「やるわけ無いでしょうが!」
『会話にいつもセクハラを』がモットーモグタンがさらりとまたすごいことを言う。いい加減に慣れてきたが。
「でも、本当にユリに似合ってるクポ。思わず本音がもれちゃうくらいバッチリクポ。」
冗談じゃなくて本音なのかよそれ・・・。慣れたとはいえ、やっぱり頭が痛くなってくる。
そもそもああいうのはスタイルがいい人がやってこそ栄えるものじゃないの?
ううん、知らないけどきっとそう。
私はモグタンに背を向けて大げさにため息をついた。
「はぁ・・・。ま、バッチリ似合ってすごくかわいいって言ってくれたしセクハラは水に流してあげる。」
「そこまでは言ってな・・・」
「え?」
「・・・なんでもないクポ。」
睨む私の視線に気付いたモグタンは素直に口答えをやめる。よろしい。
「それじゃ、今日はオレンジクーヘンを作るよ。この羊皮紙の通りの分量を量っておいてね。」
私はそれなりの厚さになったレシピの束から一枚の羊皮紙を抜き取ってそれをモグタンに渡した。
「了解クポ〜!」
以上です。
それでは皆様の投下をまってワクテカしています
109 :
既にその名前は使われています:2006/05/15(月) 11:48:55.80 ID:1/WUu463
最近サンド組は元気ないな
NヽN` `゙、
.、Nヾミ i
ヾミミ、 _,.ィイ八、 !
ー-=ニ _,..、_'"'ノ,."-'ニ'ヾ、._ l_
{F|! '、辷゙iニ{´'_辷,゙ ゙!r'-r,^、i
l;j゙、_ ノ ヽ)、 ノ' ゝ:'/
`!  ̄ヽ '  ̄~´ ,'.,ィ' みんな聞いてくれ
i. --一 、 ,' | 新しく事件だ
ヽ、 `二ニ´ ./ ト、
,..-i;:ヽ、 ,. '´ / ヽ、_
_,.イ´ j  ̄ ̄ / ,i、゙ト-、
_,,.-‐-..,,_
/ `''.v'ν
i' / ̄""''--i 7
!ヘ /‐- 、u. |'
|'' !゙ i.oニ'ー'〈ュニ! 何だキバヤシ
,`| u ..ゝ! (どうせいつものごとくお前の妄想だろう)
<:::::\ (二> /
\::::\ '' /
\ \. , ̄
`‐、ヽ.ゝ、_ _,,.. ‐'´ //l , ‐'´, ‐'`‐、\ |
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ
,.‐'´ `''‐- 、._ヽ /.i ∠,. -─;==:- 、ゝ‐;----// ヾ.、
[ |、! / \ ゝ}二. {`'´ / |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゙l |`} ..:ヽ--゙‐´リ ̄ヽd、 '''' |l !ニ! !⌒ //
. i.! l .::::: ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ' ゞ)ノ./
/` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ > i/‐'/ 最近大勢の人が眠ったきり目をさまさいという怪事件が頻発している
\、 .:::ト、  ̄ ´ / l、_/::| まったく見知らぬ人たち、その人たちにある共通点が見つかったんだ
! |: | それはFF11というネットげー無をプレイしているということだ
ヽ ー‐==:ニニニ⊃ !:: ト、
,. -─- 、._
,. ‐'´ `‐、
/ ヽ、_/)ノ
/ / ̄~`'''‐- 、.._ ノ
i. /  ̄l 7
,!ヘ. / ‐- 、._ |/
. |〃、!ミ: -─ゝ、 __ .l
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,` /
/`゙i ´ ヽ !
_/:::::::! ,,..ゝ! それがどうしたんだべついゲームくらい珍しくもないだろ
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 r'´~`''‐、 /
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' / (やっぱりこいつ何いってんだ)
i、 \:::::::::::::::..、 ~" /
.! \ `‐、. `ー;--'´
すまん続きが
115 :
外伝。その羽。天高く ◆FC91vFcmb2 :2006/05/15(月) 13:05:28.08 ID:ZcyfjLt9
笑い殺す貴下wwwwじゃ投下行くか。
***********************************************
暖かいサンドリアティの香りが彼の心に帰還の喜びをもたらした。
思えば、若き日、この館の頭首に連れられて何度この茶の香りを味わっただろう。
無邪気な子供二人に懐かれ、
美しい奥様に(こちらのほうがずっと年上なのだが!)可愛がられたあの日は、
剣を手に首を跳ね、軍靴で敵の頭を踏み潰してきた次の日にすら人間性をもたらしてくれた。
侍女の入れてくれた茶の香りを堪能していると、この館の爺が出てきた。
現在の頭首となるべき青年は行方不明、妹のエルリッドは未成年。
実質この館と、この家に降りかかる政治問題はこの爺の手にかかっている。
「・・・エルリッドお嬢様が初陣を飾られたとか」
どうでしたかなとフォフォと笑う老人を彼は憮然とした表情で見つめた。
「"俺と同じ"だよ。文句あるか」中年の騎士は答える。
・・・この爺さんは本当に苦手だ・・・。そもそも何年生きているのだろうか・・。
「しかし初陣にしては下着は汚れていなかったようですがな」
「・・・お前趣味悪いぞ」憮然となる彼。大昔の話を。
「侍女から聞いただけです」にやりと笑う爺に「聞くな。そんなこと」と返す。
・・・初陣は漏らしたり泣き喚きながら逃げ回り、
追い詰められて転ばされ、無我夢中でオークの首筋を斬った。
・・・今でも初めて「敵」の命を奪ったあの雨の日は夢に出る。
あの日と違うのは自分の無力ゆえに殺した仲間や民の顔が出てくることだけだ。
「どうですか?"使い物になる"でしょうか?」含みを帯びた笑みだが、その瞳の奥には悲哀がこもる。
「わからんよ」不機嫌に答える彼。「俺は・・・あの子には実戦を経験させたくなかった」
117 :
外伝。その羽。天高く ◆FC91vFcmb2 :2006/05/15(月) 13:20:16.58 ID:ZcyfjLt9
「男は剣を取り敵と戦いますが、女は徒手空拳で"運命"と戦います」
爺はふぉっふぉと笑った。お嬢様とてわかっておるはず。
「綿鎧を柔皮鎧にせねばなりませんな」「・・・そうだな」
彼女の正式な立場は従騎士ともいえない見習いだった。
見習いというより花嫁修業だった。短剣以外の剣を持つこと自体が異例だった。
最近の騎士団の人材不足、消耗率は深刻だ。
火砲技術の発達(今も昔も、小火器はともかく、火砲の技術は三国一だ)により、
事前に敵陣、敵部隊を焼き払う能力は向上したが、
最後は騎士の突撃で終わるのはいつものことだし、
そもそも火砲が使えない地形では騎士がその身をもって盾となる。
今のサンドリアには喉もとの剣であるゲルスバ野営陣や、
王城の地下にうごめく死者の群れを殲滅する力はない。
そして「最大の問題」はコンクエスト政策の合間を縫って勃発する紛争や、
サンドリア攻略を目指す北方のオーク帝国ではない。
「・・・"運命"と戦う・・・か。食えない爺だ・・・」
館を出た彼は天を見つめた。ペッと唾を吐く。
空に向かって放たれた唾は彼の口元を盛大に汚した。
118 :
その羽。天高く ◆FC91vFcmb2 :2006/05/15(月) 13:42:04.89 ID:ZcyfjLt9
「・・・意識はどうだ?」コツコツと靴の音を立て、彼女の兄が入ってきた。
「・・・薬のお陰で、安らかに眠っています。傷は今しがた施療師様が」
女性を看病していた女は若干年を取って見えるが、すばらしい美女といえる。
その美貌は年を取ってなお、いや、年齢を重ねたゆえに輝いて見える。
「・・・給金は昔と違い沢山貰っている。お前は・・・嫁にいっていいのだぞ?」
剣も教養も乗鳥も裁縫や料理、およそ考えられることの全てを持つ彼女は彼の最愛の妹だ。
難点は・・・いつまでたっても兄が心配といって嫁に行こうとしないことだ。
「普段お城お城。召使も雇おうとしないのですから、お家は荒れる一方。
お兄様こそ、"まだ"若いうちにいい方を見つけてくださいな」
"まだ"と来たか・・・苦笑いする男に彼女は微笑んだ。が、すぐに沈んだ顔になる。
「・・・今は安らかに眠っていますが・・・」
女性として考えうる限りの不幸を味わった娘だ。
誇り高いエルヴァーンなら発狂するか自殺を試みるだろう。
彼は自殺に使えそうな考えうる限り全ての品をその部屋から撤去した。
「・・・頼む。生きてくれ」彼は・・・普段口にしないアルタナへの祈りをつぶやいた。
119 :
外伝。その羽。天高く。 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/15(月) 13:51:24.34 ID:ZcyfjLt9
妹が悲哀のこもった微笑を彼女に向ける。睡眠薬が少し入った蜂蜜水を口に注ぐ。
「・・・兄様。これからこの方の身をもう一度清めます」
退出を促す妹に、「ああ。これは捨ててくる」と彼は返し、
汚物入れや尿瓶を持つと退出した。
「あの子が・・・こんな形で帰ってくるとは」
彼女は・・・妹の乳母の娘だった。
年の離れた妹の乳姉妹の姉と共に、よく妹の元に遊びに来た。
ある日、少女は二人に告げた。「冒険者になる」
勿論、反対した。本当の妹と思っていた子だったから。
が、彼女は彼の前から消えた。名前も国籍も変えたのだろう。
彼にも探すことはできなかった。
探さなかったとも言う。宰相の立場を利用すれば、
一人の人間を探すなど造作もない。
そうしなかったのは職権を決して乱用しない彼の生真面目さと、
なにより彼女の幸せを願い、冒険者として成功できずとも、幸せな生涯を送って欲しかったからだ。
もし彼女が冒険者にならなかったら、宰相の妹の乳飲姉妹の妹として、
(正直な問題だが、その影響は些細だと思うのだが)
とある身分の低い青年と望まぬ契りを交わすことになっていたからだ。
120 :
既にその名前は使われています:2006/05/15(月) 13:52:37.84 ID:ZcyfjLt9
さて、仕事に備えて仮眠・・・では続きはまた明日。星・・もとい保守。
121 :
既にその名前は使われています:2006/05/15(月) 16:33:02.18 ID:DurOLyPl
朝ごはんがモーグリだった
モーグリは食いもんじゃねー!肉だ!
キャラの過去を掘り下げるお話まで用意するなんて深いわア
おれにはむりだわ
MMRいnヴァナの続き逝きます
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ
,.‐' ヽ:::::::/ ゝ‐;----// ヾ.、
[ }二 |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゙l リ ̄ヽ |l:::::::::::!ニ! !⌒ // 落ち着いて聞いてくれ
. i ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ':::::::::::::::::ゞ)ノ./ ヴァナは超古代文明と似ている部分がある(ワープやらなぞアイテムやら詳しくは省く)
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ :::::::::::::::::i/‐'/ ここを不審に思った俺は独自に調査した結果
i::::::::::::: .:::ト、  ̄ ´ ::::::::∪::::::l、_/::| FF11とういうゲームは古代人の末裔がネット上に
!:::::::::::: :::::::::::::::::::::|:::::::::::| 超古代文明を模して作られたものだということがわかった
ヽ::::::::::: --───-- :::::::::::::::::: !::::::::::::ト、
そしてなぜ古代人がヴァナを造ったという理由も調べた
ネットゲームという娯楽を与える そう見せかけてそこにはおそろしい罠が仕掛けられていた
,ィィr-- ..__、j
ル! { `ヽ, ∧
N { l ` ,、 i _|\/ ∨ ∨
ゝヽ _,,ィjjハ、 | \ ゲームを通してマインドコントロールし
`ニr‐tミ-rr‐tュ<≧rヘ > 古代人の意のままに動く兵士を作り上げ
{___,リ ヽ二´ノ }ソ ∠ 地球を征服しようという企みがあったんだよ!!
'、 `,-_-ュ u /| ∠
ヽ`┴ ' //l\ |/\∧ /
--─‐ァ'| `ニ--‐'´ / |`ー ..__ `´
く__レ1;';';';>、 / __ | ,=、 ___
「 ∧ 7;';';'| ヽ/ _,|‐、|」 |L..! {L..l ))
| |::.V;';';';'| /.:.|トl`´.! l _,,,l | _,,| , -,
! |:.:.:l;;';';';'|/.:.:.:||=|=; | | | | .l / 〃 ))
l |:.:.:.:l;';';'/.:.:.:.:| ! ヽ \!‐=:l/ `:lj 7
| |:.:.:.:.l;'/.:.:.:.:.:.! ヽ:::\:: ::::| ::l /
─────────┐ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
講 談 社 │. | |/i'i^iヘ、 ,、、 |
──────┬──┘ | !'.__ ' ' ``_,,....、 .|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|\.. | (} 'o〉 `''o'ヽ |',`i なんだってー!
::::口 口 口 口 口 口 口 | | | 7  ̄ |i'/
:: | < ヽ `''⊃ , 'v>
::::口 口 口 口 口 口 口 | | \二-‐' //`
:: |. \_________________________
::::口 口 口 口 口 口 口 |
:: | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
::::口 口 口 口 口 口 口 |. < _,,.-‐-..,,_
:: | | / `''.v'ν
::::口 口 口 口 口 口 口 | | i' / ̄""''--i 7
:: | | !ヘ /‐- 、u. |'
::::口 口 口 口 口 口 口 | | |'' !゙ i.oニ'ー'〈ュニ!
:: | | .,`| ..ゝ! なんだってー!
::::口 口 口 口 口 口 口 | | _,,..-<:::::\ (二> /
:: | | "|、 \:::::\ '' /
::::口 口 口 口 口 口 口 | | !、\ \. , ̄
:: |. \________________________
,イ〃 `ヽ,__
. N. {' \
. N. { ヽ
. N.ヽ` 〉
N.ヽ` ,.ィイ从 /
. ヾミ.___-‐=彡'ノノノ__,ゞミ=-_rく この罠なの恐ろしいところは
lrf´ゞ“モ=ヾーf =モチ<}rv^i ! 罠にはまった人間の精神を
ヾト、` ̄,り「弋!  ̄´ノ ソ ヴァナに飛ばし洗脳がすむまで現実に戻れないこと
!  ̄ ii{_,.  ̄ /r'´ 助けようにも現実側からは何も出来ないというところにある
,ゝ、 iー-ー、 , ' |\
-‐''7´ ドヽ. `ニニ´ ./;; | ヾ''ー-
すでに何十人もの人間がヴァナにとらわれている
彼らを助けるにはヴァナに精神を送るしかない
/ ト、 ` ー-- ´ ,;' ,イ :|
. / :ト、` ー-、 r--‐_'´/ |
/ _,..、-‐\  ̄! レ' 厂 /へ、 :|
_,,.-‐-..,,_
/ `''.v'ν
i' / ̄""''--i 7
!ヘ /‐- 、u. |'
|'' !゙ i.oニ'ー'〈ュニ! 大変じゃないキバヤシ
,`| u ..ゝ! 早く警察にこのことを伝えないと被害が広がる一方じゃないのか
<:::::\ (二> /
\::::\ '' /
\ \. , ̄
NヽN` `゙、
.、Nヾミ i
ヾミミ、 _,.ィイ八、 !
ー-=ニ _,..、_'"'ノ,."-'ニ'ヾ、._ l_
{F|!  ̄ ゙iニ{'´  ゙̄!r'-r,^、i
l;j゙、_ ノ ヽ)、 ノ' ゝ:'/
`!  ̄ヽ '  ̄~´u ,'.,ィ' いや警察はだめだすでに古代人の手が回っている
i.u ___ ,' | 警察に知らせようものなら即俺たちは消されるだろう
ヽ、 ´ -- `` ./ ト、
,..-i;:ヽ、 ,. '´ / ヽ、_
_,.イ´ j  ̄ ̄ / ,i、゙ト-、
N { \
ト.l ヽ l
、ゝ丶 ,..ィ从 |
\`.、_ __ ,. _彡'ノリ _,.ゝ、 | ∧
`ゝf‐ゞ゙ujヾ二r^ァuj< y=レヽ. l\ /
. |fjl、  ̄.リj^ヾ.)  ̄ ノ レ リ __| `
ヾl.`ー- べ!゙‐ ` ー-‐' ,ン \ この件はもはや誰かが直接ヴァナに入って
l f,.ニニニヽ u /:| _∠, 人々を救い出し救出した人々の証言を世に公表するしかないんだ!
ト、 ヽ.__.丿 ,イ | /
_亅::ヽ、 ー / i :ト、 ´ ̄| そしてそれが出来るのは俺たちMMRしかいない
-‐''「 F′:: `:ー '´ ,.' フ >ー、 l/、 ,ヘ
ト、ヾ;、..__ , '_,./ /l ∨
ヽl \\‐二ニ二三/ / /
ここから省エネ
ナワヤ :しかしキバヤシ ヴァナに行くと俺たちも洗脳されるんじゃないのか?
キバヤシ : それは大丈夫だ俺たちはこういった件に関する免疫がある
洗脳されることはないだろう
ナワヤ : ・・・ (おいおい無茶言うなよ俺はお前と違って普通の人間なんだよ)
キバヤシ : ヴァナにいくためにPS2とFF11を買ってきてある
コレで今日はヴァナに潜入するためにキャラを作っておいてほしい
俺はすでにキャラは作っている ゲームに必要な知識も調べてある
では今日はここまでだ家に帰ってくれ準備を終わらせてくれ
ナワヤ : わかった 帰ってキャラを作っておけばいいんだな じゃあなキバヤシ (また死ぬような目にあうのか 嫌だな)
おちまい
次回はいよいよ潜入作戦開始
果たしてキバヤシはどの種族を作ったのか?!
心して待て
とりあえずサイコロ転がして種族決めます
AA錬張りごめんよ
133 :
既にその名前は使われています:2006/05/15(月) 19:53:26.53 ID:qxgB41sv
MMR FF11編wwwwwwwwwwwwwwwwww
あーー、MMR連載再開しないかなwwwwwwwwwwwwwwwwww
134 :
既にその名前は使われています:2006/05/15(月) 19:55:54.68 ID:FzgkxaFb
こんだけネタになればギャグマンガにしかならねえよ。
きた! MMRきた! これでかつる!
どの国に降臨するかも重要ですねwwwww
サンドに来たら歓迎しますよwwwww
私が寝ている間に僕が何していたかをぽちぽち書き中。
上で暗躍とか書いてあるけど大したことはしてないはず。多分。
136 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/05/15(月) 19:58:50.38 ID:YqNhw20y
MMRは最初からギャグマンガですよ?
というわけで投下しますー
(193)
食堂での団欒を終え、応接間のテーブルに置きっぱなしの赤い金属の様子を見に来た。相変わらず振動と発光は止まず、徐々に形を変えているのが分かる。既に大まかな形は分かるような気がするんだけど、これって…
「龍、でございますな」
不意に背後から声をかけられて慌てて振り返ると、爺さんが少し驚いたような顔をしていた。
「爺さん、これは一体…?」
「ふむ、流石にプライマルアーツ、と言った所でございましょう」
「プライマルアーツ?」
「『フェイト』が発見した最古の武器のことでございます。これを元に開発されたのが一般のメンバーが使用する武器なのでございます」
「…それじゃ、どうしてそんな物を爺さんが持ってるんだ?」
「ほっほっほ、これは私の研究材料であったのでございます。これを持ったまま行方不明になったので、かの組織はさぞ血眼になって私を探したでしょうなぁ」
さも楽しげに笑う爺さん。いや、笑い事じゃないだろ…
「そんな希少なもの、俺に渡していいのかよ」
「かの組織と渡り合うのならば彼らの理解を超える何かが必要でございましょう。これは、彼らが把握していないものの一つでございます」
「それって要するに、これが最終的にどうなるか爺さんにも分からないってことだよな」
「左様でございます」
なんだろう、実験材料にされてるような気分だ…
(194)
「プライマルアーツは、王国に伝わる『聖剣』やランペール王がお使いになられたと言う『ランペールの槍』に匹敵する力を秘めております」
「…物騒極まりねぇな」
「もっとも、かの組織でもその事実を知っていたのは私だけでございますが」
俺は頭を掻きながらテーブルの上で振動し続ける金属を眺めていた。
これがどんな物であれ、俺が扱える代物であればそれはそれでいい。俺が使い方を誤りさえしなきゃいいだけだ。
だがそうでない場合ってのも、こうなると考えてみなけりゃならない。
『フェイト』という組織の現在の規模については爺さんも流石に知らないらしい。
今日会ったような、俺と同じ様なタイプの奴ならやり方次第でどうにかなる気もしなくはない。それよりも厄介なのは昨日のような奴だ。
あのクラスの相手が相当数いるのだとすれば、俺とラディールが敵の本拠に乗り込んだって結果は見えてる。
それにエルリッドの件もある。彼女は今どうしているだろう?
どう考えても上手く行くイメージが湧いてこない中で、このプライマルアーツが俺にとって光明になり得るのかどうか、これは結構重要だ。
「気になりますかな」
「そりゃ、な。俺の手に余るようなものだとしても、今のところ状況を変化させ得る要因はコイツだけだ」
いや、そういえばまだ確信はないが状況を変化させ得る要因はあった。
ヒロが投げたエルジンの時計、それにフルキフェルだ。
この2人には色々と話を聞く必要がありそうなんだが…
(195)
「そうそう坊ちゃま、風呂の準備が整ったようでございますがいかがしましょう?」
「ん、あの露天風呂まだ使ってたのか?」
「少々改装いたしましたが」
「そっか、んじゃちょっと行ってくる」
タオルと着替えはご用意してあります、と後ろから爺さんが声をかけるのに背を向けたまま手を上げて、風呂へ向かった。
この家は『ルーファス』(正確には『ファーロス』だが)の記憶にある懐かしさと、『俺』の意識にある新鮮さが入り乱れて感覚的に俺を混乱させる。
例えば脱衣所一つとっても『俺』にしてみりゃどこの温泉宿かというような広さだ。
『ルーファス』にしてみると、この入浴施設は使用人含めてこの家の者全てが利用する様子を見ているため、この広さは違和感はない。
元来使用人と主人が強く結びつき、隔てのない扱いをしていたシュヴィヤール家ならではとも言えるかもしれないが、それもまた『俺』にとっては驚きになる。
手早く服を脱ぎ、手拭い一つ持って浴室のドアを開ける。
あぁ、日本酒が欲しくなるような岩造りの立派な露天風呂だ。効能とか書いてあれば誰も温泉宿と疑わないだろう。
手桶で湯船からお湯をすくい頭からかぶると、そのまま湯船に浸かった。
一昨日銭湯に入ったときも思ったけど、風呂ってのはどうしてこうもリラックスできるかねぇ…
(196)
湯船に浸かりながら、体のあちこちに出来た傷痕を撫でてみる。
今日真っ二つに割れた右腕は、薄くではあるが大きな傷痕が残っていた。そりゃそうだ、意識が遠ざかりそうなくらい痛かったし。
胸や腹にも細かい傷痕がある。そして、左肩の傷 ── これは初めて黒マントと戦闘したときのものだ。
右太ももに内出血の色がまだ少し残ってはいるが、特に違和感はない。
すねや足首の方を見ていると自分の顔が湯船に映り、左のこめかみに一条の鋭い傷痕があることに気がついた。空気の破裂をまともに食らった時の傷痕だ。
「頑張っちゃってんなぁ、俺…」
誰もいないことを確認し、髪を両手で後ろに撫で付けながら独り言を呟く。
元の世界に返りたい、とだけ考えていたはずだった。それが黒マントや赤い鎧、『フェイト』の連中に狙われるようになって、それから自分を守ろうと思った。
宰相と話して俺と同じ境遇の連中を探して保護しようと考え、そして今は赤い鎧に連れ去られたエルリッドをどうにか助けられないか、というのが一番にある。
いつか帰るかもしれない『俺』にとっても、この世界で生を営むく『ルーファス』にとっても、彼女には負い目のような感情がある。
助けられたかも知れないという後悔と、立派に育った彼女に対する尊敬と安堵、そしてある種の慙愧。
それが、彼女を助けることを『俺』が現実に帰ることよりも優先させていると言える。
この世界に深く接する前なら、ゲームデータかもしれない彼らにそこまで思い入れはしなかっただろう。
だが、今や単純にゲームの中に入ってしまったということでは片付かない。現実でどういう状況になっているか分からないが、俺以外にもここに現実からやってきている人間がいる。
この世界は既に俺の知っているヴァナディールという世界ではなくなっている。
(197)
本当に『フェイト』の連中が言うように、俺のような『来訪者』がいなくなるか余計な真似をしなければこの世界は元に戻るだろうか。
答えは多分、否だろう。
それでは『来訪者』がどうしてやってくるかという根本的な部分を解決できない。彼らは『来訪者』の出現に対して、あくまで事後的に対応しているだけだ。要するに風邪薬のような物だろう。
では風邪を引かないように ── 『来訪者』の発生を防ぐ手段はあるだろうか。
その辺に関しては、結局のところ例のスレに行き着くわけだ。
だが、それに関してはもう俺が干渉できる範囲ではない。それに見た人間全員が『来訪者』になっているというわけでもないだろう。
見るだけというなら、それもスレを開くだけなら、もっと多くの人が見ていてもいいはずだ。
なら、どうして俺はここに来たのか。
「…分かるわけねぇっつの」
俺は湯船の中から水面を蹴り上げた。
帰る手段よりも来させない手段を考えるというあたり、もうすっかりこちら側の人間になっているのかもしれない。
外気の冷たさとお湯の熱さが心地良い。露天風呂の醍醐味だ。
温泉宿ならこのあと卓球でもしたいところだが、流石にそんな物はないだろう。
のっそりと湯船から上がって手拭いで体の垢を丹念にこすり落とすと、また頭からお湯をかぶって脱衣所へ向かった。
(198)
タオルで体を拭いて、用意してあった着替えを手に取る。拳法着だ。パジャマ代わりにゃ丁度いい。
洗濯桶に手拭いを放り込んで、上着の前をしめずに肌蹴させたままタオルを首にかけて脱衣所を出た。
一応気になるので応接間の金属の様子でも見ようかと寄って見ると、ドアの前に爺さんが立っていた。
「爺さん、朝風呂に入りたいから最後に入る奴にお湯を抜かないように言っておいてくれ」
「かしこまりました。ところで坊ちゃま、来客でございます」
「俺に?」
爺さんが黙って頷く。
ここに俺を訪ねてくるのは、あの2人以外にはいないはずだ。
そのままの格好で応接間のドアを開けると、そこにはやはりフルキフェルとヒロが座っていた。
赤い金属はどこかへ片付けたらしくテーブルの上にはない。代わりにティーカップが2つと菓子折りが置かれている。
新芽が生えた奇妙なテーブルだが、こうして見てみると中々様になってて面白い。
「遅かったな、今日はもう来ないと思ってたよ」
「ちょっとな」
ヒロが無愛想に答える。
「これ、つまらない物ですがどうぞ」
フルキフェルがニコっとしながら菓子折りを俺に勧める。『サンドリア名物 ドラギーユ城クッキー』と書かれていた。こんなの売ってるんか…
ありがとう、と言って一つ手にとってテーブルに置き、どっかりと椅子に腰を下ろした。
(199)
「今日はもう遅いから話は明日にしようか。泊まってけよ。爺さん、部屋の準備頼むわ」
「かしこまりまして。ラディール様とマルトが上がられましたら、風呂の方もお使いください」
爺さんが笑顔でヒロとフルキフェルに声をかける。ご迷惑おかけします、とフルキフェルが返す。
「豪邸ですね…」
爺さんが応接間から出て行った後、フルキフェルが感嘆したように呟く。
「そうだな、わりと名家なんだよ。もっとも、俺はここで10年間行方不明になってて、昨日帰ってきたばかりだけどな」
へぇ〜、と2人が声を上げる。
「…あんた、リアルから来たんだよな?」
ヒロが訝しそうな顔をしている。
「まぁそうなんだけど、今は現実から来た『俺』でもあるし、この世界で生きてきた『ルーファス』でもある」
「この世界の記憶があるって事か」
「流れ込んできた、と言った方が正しいかもしれないな」
「私とは違うんですねぇ」
フルキフェルはそう言うと、ハッとしたように口を押さえて手をヒラヒラを振る。
「…まぁ、その辺は各自違うんだろ。俺もきっかけがなけりゃ現実の情報しかなかったわけだし」
その後しばらく他愛のない話をしていると、ラディールがドアから少しだけ顔を出した。
「お風呂空いたわよー」
「お、んじゃ2人で入ってこいよ。うちの風呂はちょっと凄いぜ」
俺はニヤリとしながら2人を浴室に促した。
145 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/05/15(月) 20:05:27.41 ID:YqNhw20y
投下以上ですー
外伝でエルリッドと爺さんが使われててちょっとうれしいような恥かしいようなw
>>256_Furcifer ◆MwNTY7GtwI さん
菓子折りはドラギーユ城クッキーにしました。何処からか買ってきてくださいw
ではわっふるわっふるー
146 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/15(月) 20:57:14.86 ID:qxgB41sv
>>120 グイグイ引きこまれていきます。少し重たい感じがたまりません
>>132 / _ j' / / ', 、ヽ、 ヽ 、 、ヽ 、\
r'彡´ラ'´ / , / ハ ト i ト、 い、 \\ヾゃ
r===='ーr'´ 〃 ,. / , / ハ ト i ト、ヽ ヽヽ !'r===='ーr'
1 ===‐ ´ヽ,メ/ / ,{ l ハ. l l |l } ,ハ_|_ l iNニ===‐ ´ 1
j ___ //i イ',にk木{キ| | ハ ,ハjたl トi '/ __ _ j
_ニラ ̄ ̄〈,.‐'、! /' ̄r'bゝ}二. {`´ '´__ (_Y_),. |_ニラ ̄ ̄,.‐ラニ
に三‐ ̄ ̄`水| ..:ヽ--゙‐´リ ̄ヽd、 ''''  ̄ ̄ |l に三‐ ̄ ̄`ニ
└‐- 三 三ヺ .::::: ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ'└‐- 三 三ヲt
t'ー―==与√ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ └t'ー―==│ < ヒューム♀を選んだのではない!
}___,,三 ィ'ゝi .:::ト、  ̄ ´ }___,,三1 古代人の手によって選ばされたんだよ!!
r 'ー-イ ! |:r 'ー-イ
'ー-=-' ヽ ー‐==:ニニニ⊃ !:'ー-=-'
>>145 ドラギーユ城クッキーw食べてみたいww
本当にくえないおじい様ですね
147 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/15(月) 21:30:57.36 ID:Td95ml7j
投下乙でございます。
サンド組も走り出したようで、ちょっと安心しました。
皆様のお邪魔にならないよう、すみっこのほうに隠れます。
コ、コンコン・・・。
リードが借りていたレンタルハウスに、控えめなノックの音が響いた。
荷物の梱包作業をあらかた終えていたモーグリが、はい、と返事をする。
モーグリがドアを開けると、そこに立っていたのはメイミィだった。
「これはメイミィ様。どうかされましたかクポ?」
「あの、リードさんは・・・?」
伏せ目がちに尋ねた彼女だったが、綺麗に引き払われてガランとした部屋が目に飛び込んだ。
荷物は一箇所にまとめられ、家具類には白いシーツがかけられている。
えっ? とあっけにとられるメイミィ。
「三時間ほど前、石の区方面に次元干渉の発生と消滅を感知しましたクポ」
まるでいつもの事といわんばかりに、さりげなく物凄い事を言うモーグリ。
「主人から連絡はありませんが、もうここには戻らないでしょうクポ」
「え、じゃ、どこに・・・?」
存じません、と答え、彼女を見やる。
「主人は、この国で事が起きていながらモタモタと留まっている方ではございませんクポ」
モーグリは、リードが負ける、すなわち死ぬ事は微塵も考えていない様子だった。
「そういえば・・・、飛空艇で移動するならば、あと少しで出港する時間でございますねクポ」
独り言のようなつぶやきを耳にして、メイミィはくるりと振りかえると走り出した。
その後ろ姿に、モーグリは深々と頭を下げた。
投下は以上です。
この後はメイミィ様にお任せいたします。
自我と他我(今創った造語)が融合した人が多くて嬉しい(嬉しい理由に特に意味は無い筈ですが)
今の殺気立ってるサンドリア周囲、私が魔法大国だからこそ許容される怪しさを全開のまま行ったら
間違いなく重要参考人扱いで拘留されますねw 金と赤の碧眼で、珍しいうえに怪しすぎますし。
何か講談社の方が数名意図的に侵入を試みてるようですが、もし会ったら小銭ウm…協力しますよ!(棒読み)
では1レスのみですが投下します。
私が見ていたあの光景は何だったんだろう。
悪夢の支配する世界に似た…そう、悪夢だ。あれは悪夢と同じだ。
自分が何故ココにいるのかも判らないのに、巻き込まれて、死に掛けて、死ななくて、何も出来ない。
ただ、見ているだけ。 死なないように流れ弾を避けるだけで、自分は何もする術が無く、手出し出来ない。
もしかしたら走馬燈だったのかもしれない。白昼夢かも。それとも躯が魔法か何かをかけたのかも……。
「えぇと……あぁ、居た!サンさ〜〜〜〜ん!」
思考を遮るかのように、困惑気味の声が私の名を呼んだ。コチラに走ってくるようだ。
「はぁ〜。こんなトコに登ってたんですね…えっと、そのですね、私達、暗い石の区に居ましたよね?」
…夢じゃ、無いのか。
「暗い石の区?…私はココで、ついさっきまで昼寝してただけだが?」
もし不確かな記憶なら、アジル、お前は忘れたままで良い。つか忘れろ。混乱するだろうから。
「あれ…?私の気のせい?…じゃぁ、私は何でボウ抱えて石の区に……」
「私のクロスボウが無いと思ったら、犯人はお前か。理由は後でゆ〜〜〜〜〜〜っくり聞くからねwwww」
「え゛ぇぇぇぇ〜〜……(滝汗)」
……そうだ、これで良い。どうにもならない、危険そうな記憶を覚えているのは、私だけで良い。私だけで十分だ。
「ん〜、昼寝したが、思ったより早くに起きたな…そろそろ昼飯にしようか」
「はぁ〜い」 その後私とアジルは…いや、私は。つかの間の平穏を満喫した。 保護者と、子供として。
わっふるな関係だと思ってる人が多い気がしたので、最後に一文追加しときました。
記憶失って純粋な少女を手込めにするような鬼畜じゃアリマセンカラw
予定は無いですが平穏な所で起こった事等を1話完結みたいな外伝で書く…かもしれない。
皆様投下お疲れ様ですー。
ウィンダスに平和が戻ってきた…のかな?
塩の柱とかかなり恐いことになってて、巻き込まれた来訪者さんの安否が気遣われますが;;
豪邸探訪編に先んじまして、ちょっとばかり時間を戻して、
中の人がコンバでぐったりしている間の「僕」の暗躍振りを覗いてみたいと思います。
前スレでの赤鎧撃破後です。
「暗躍とか書いてますけど、そんな大した事はしてないですよ」
ヒロさんにはああ言ったものの、よーく考えると彼らと接触すること自体が色々面倒に繋がりそう…。
そう思い立ち、階段の踊り場に差し掛かったあたりで、スニークとインビジを順に行使した。
風と大気に干渉し、振動による音の伝播を止め、光が進む方向を捩じ曲げる。
そのまま、元・裁定者の死体を取り囲む騎士達の後ろを通り過ぎ、僕はその場を離れた。
どうせ奴らの手にかかればこの事件も、速やかに「なかったこと」にされるのでしょう。
僕たちやこの世界に暮らす人の頭の中を好きなように弄り回して、
書き損じの紙に上から新しい紙を貼るように、奴らにとって都合が悪い現実を上書きする。
まあ、僕自身もそれと似たような事を、ひとりの娘さんにやっているわけですが。
…それはそれとして、ハルヴァー様に定期報告をしに行かなければ。
片手間に他国所属の仲間同士で情報交換してみただけでも、かなり今の深刻な状況が伺える。
「物語の世界」という河を隔てた対岸。夢の向こう側。リアル。
「来訪者」と共にやってきた向こう側の物品は、4国間のバランスをかつてないほど狂わせ始めている。
あの方が打った手も、悪手だったのではないかと思えてくるほどに。
しかし、奴らがこの世界に属さない「来訪者」を直接処理することができないのは確か。
そのために同じ「来訪者」の中から奴らの基準に沿う者を選び出し、
連れ去って手駒に仕立てている事までは突き止めた。しかし、そこから先は…。
とりあえず、奴らの元締めらしき存在に出会えたことは大きな進展に繋がるかも知れない。
この剣も、奴らの謎を解き明かす鍵になればいいのですが。
ハルヴァー様に「僕も『来訪者』になっちゃいました」とか報告したら、一体なんとおっしゃるだろうか。
まさかひっくり返って驚きまではしないだろうが…そんな事を考えながら、ドラギーユ城までやってきた。
衛兵に声を掛けながら、正面の門をくぐる。
大広間へと足を踏み入れた所で、いつも定位置にいるはずのハルヴァー様の姿がなく、
代わりに神殿騎士団団長のクリルラ様がいることに気が付いた。
「お久し振りです。貴女がこちらに出てきているのは珍しいですね?」
「本当に久しいわね、フルキフェル。残念ながらハルヴァー殿は留守よ」
「留守ですか。それもまた珍しいですねぇ」
昨日帰ってきたときに城下の警備が厳しかったことと、何か関係でもあるのでしょうか。
「とりあえず、報告は私が代わりに聞くわ。貴方が調べ上げてきたことについて、聞かせてもらえるかしら」
奥の神殿騎士団控え室へと迎え入れられる。女性団員がバタリア茶を淹れてくれた。
クリルラ様が席に着くのを待ち、バタリア茶を一口頂いてから、
僕は「彼女」がやってくる前までに「来訪者」について集めた情報を事細かに報告した。
バストゥークではクリスタル合成で、「来訪者」達の世界の物品を再現する試みが始まったこと。
ウィンダスでは、自爆させずに暗殺集団の一員と思わしき男を確保することに成功し、
尋問のために回復と目覚めを待っているということ、等々。
「来訪者」としての彼女が触れていた情報については、今は敢えて伏せておく。
奴らがどこまでこの世界を把握できているのかが正確に推し量れない今は、
この話がどこかから盗み聞きされ、記録されていたとしても、
僕はまだこの世界に属するモノとして制御できる存在である、と奴らに思わせておきたい。
クリルラ様からも、僕がサンドリアを離れていた間の事が色々と聞けた。
中でも「来訪者」に関わる特に大きな出来事としては、
つい数日前に「来訪者」として目を覚ましたある冒険者が、暗殺集団との二度もの遭遇を経て、
「赤い鎧」との接触を果たしたものの、不思議な力で騎士団員達の記憶を改竄され、
かの冒険者は犯罪者に仕立て上げられてサンドリアにいられなくなってしまった、とか。
「なるほど…そういう事でしたか」
「何か思い当たることでもあったの?」
「えっ…いえ、帰ってきたときにやたら警備が厳しくて何事かと思いましたが、謎が解けたなぁと」
あぶないあぶない。本音が漏れる所でした。
でもこれで色々と事情が分かった気がする。というかルーファス殿、随分と大変な目に遭っていたものです。
しかしそうなると、最初に「彼女」と遭遇したときはまさにサンドリアから逃亡中だったわけで…
一体どんな心変わりがあったのやら?
その後は他愛ない雑談などをして、僕はクリルラ様のもとを辞した。
それにしても騎士団員は上手いこと奴らに書き換えられてしまったのに、ハルヴァー様とクリルラ様には
完全な書き換えができなかったということは、一体何を意味するのだろう?
「来訪者」と接することによって、この世界に属するものも少しずつ世界の理からずれていく…?
それはすなわち言い換えれば、奴らの歪んだ支配から逃れ得るということ。
そう思うと、あの方の一手は悪手に見せかけた…。
そこまで考えて、僕は横に振った。奴らについて知りうる全ては、
未だ情報の断片を継ぎ合わせた推測に過ぎない。
ともかく、次にやるべき事は色々と浮かんできた。
「彼女」に再び主導権を明け渡す前に、今後の指針を纏めておかなければ。
新戦績装備の素材であの剣の鞘を作ってもらうって目論見が外れたのは痛かったですが、
ウィンダスの前にバストゥークへ出向けばそちらでどうとでもなるだろうか?
それとも、やはりウィンダスへなんとか剣を持ち込んでもらって、
剣にかけられた魔法を解析して、「来訪者」が持った状態でも潜在能力の発動を制御できるように
試みる方が先だろうか?
辺境で目を覚ました「来訪者」の事も気がかりだし…あぁ、試みたいことが山積みだ。
とりあえず、モグハウスへ帰ろう。
クリルラ様に書いて貰ったシュヴィヤール邸への簡単な地図を懐に仕舞い、
僕は重たくなる瞼を擦りながら、バスリプルの言霊を紡いだ。
ひとまずここまでです。この後前スレ549に繋がります。なんとなく。
かなり敵サイドについて踏み込んだような気がしますが、
確実な裏付けはまだ取れていない、といった段階の扱いです。
独自レギュレーションに書いておくべき事項だったかも知れませんが、
基本的に他の人の設定にあわせるべく、着地点をどうとでも動かせるようにしてるつもりです。
情報が古い、と思ったらそれは各国の情報統制が上手くいってたって事でしょう。
豪邸探訪編、只今メモ帳に起こし中です。露天風呂でオスラさんと二人か…(悩
朝になっても投下がなかったら力尽きたと思ってください。
それでは、わっふるわっふる〜
むしろもう1時になるとこだった!
力尽きます。寝ます。お休みなさい失礼しました。
160 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/16(火) 01:29:28.29 ID:W+CrgVHH
オスラ(普段回りからは女として扱われている)と、
男だが中身女か・・・それは複雑だな・・・。オカマ?とネナベコンビ?
外伝、ぼちぼちとかいてます。
当初はアルル氏の許可を得て、サンドリアの裏で動いてる話。
つーかかっこいいハルヴァーとトリオンとピエージュが書きたかっただけだったのですが、
気がついたら主人公にエルリッドが追加され、エピソード増えてます。
たるっこの物語とはぱっとみて別の雰囲気なんですが、
実際は・・・両方暗かったりして。
まぁ人からお借りしているヒロインやキャラなので犯したり殺したりできないけどね。
自分のキャラなら発狂させてたりしてます・・。
161 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/05/16(火) 03:44:14.57 ID:EB6qlVGj
わっふるわっふるほいヽ(´ー`)ノ
深夜に投下します〜
162 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/05/16(火) 03:44:50.85 ID:EB6qlVGj
シュヴィヤール邸は、サンドリア港を中に抱く小山の中腹にあった。
ドラギーユ城は政事用に築かれた平城だが、有事にはその小山をモットに見立てた要塞に移る事になっているらしい。
そのドラギーユ要塞に寄り添うように建てられた古い大きな武家屋敷。それがシュヴィヤール邸だった。
辺りはサンドリア貴族達の屋敷が所狭しと立ち並び、敷地は決して広大とは言えなかったが、それでも邸は小さな学校くらいの大きさで、配下の兵士達が駐留して幕屋を設置するのに充分な広さの庭を備えていた。
「まるでトーチカだな」
覚えず漏らした言葉の通り、この屋敷は家というより防衛拠点のようだった。
庭に植えられた樹木は食用として役立てられるようなものを選んで植えてあり、窓は小さく矢狭間としての機能を兼ね備えている。
おれの知識なんてたかが知れているし、リアルでの知識がこちらでこのまま通用する訳ではないだろう。
それでも、ここの主人は用心深く、いつ何事かあっても身を守る事が出来るよう備えを怠らない人物だと言う事が窺えた。
それ自体来訪者を拒んでいるような重厚で巨大な扉。それに据え付けられたノッカーを数度叩くと、中から使用人らしい格好をしたミスラが顔を出した。
幾分丈が短いが、おれの心の故郷であるメイド服によく似ていた。
「ここはシュヴィヤール邸ですか。ルーファスさんに言われて来たんですが…」
ミスラの値踏みするような視線を受け止めながら、来訪の旨を告げる。
「伺っております。どうぞこちらへ」
ここの使用人は来客に見せる笑顔など持ち合わせていないらしい。仏頂面……というより、無関心な顔でおれを中に招き入れると、燭台で足元を照らしながらおれの後を歩いて案内してくれた。
前を歩かせるという事は、気を許していないという事だ。
163 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/05/16(火) 03:46:08.19 ID:EB6qlVGj
長い廊下を、ミスラに見張られながら歩いた。
彼女もそれなりに武術の心得があるようだが、特に恐ろしいとは感じなかった。それが、おれの感覚が麻痺している為か、おれの方が強いからかは判らない。
すん、すんとミスラが鼻を鳴らし、
「あなたは、雄なのに戦うの?」 と疑問をぶつけてきた。
無関心な顔と彼女の言動に矛盾を感じ振り返ると、相変わらず無関心そうな顔があった。単純に、あまり表情を表に出さない性格のようだ。
「男だからな。自分と女を守る為に戦うんだ」
気障男を気取った軽口のつもりだったが、自分でも意外なくらい実感のこもった答えが自然に出た。
ミスラは理解できないという顔をした。いっそ、きんもーっ☆とでも言ってくれた方が気が楽なんだが。
屋敷はほとんど消灯されていた。
長い廊下の果てに、彼女と同じような燭台を携えた老エルヴァーンが待っていた。
怖い。思わず足が止まった。
エルヴァーンは白い髭を蓄え、見事な白髪を長くたらして、優しそうな笑みを浮かべている。
それでもおれは、どこか殺気立ったミスラの時は感じなかった恐怖を、いいようもなくこの老人に感じていた。
「お待ちしておりました。坊ちゃま……失礼、ルーファス様は間もなく参ります。どうぞこちらでお待ち下さい。フルキフェル様も既にいらしておりますよ」
あの赤い鎧とはまた別種の恐怖に、おれはしばらく立ち竦んでしまった。
「如何なさいました? 創られた魂しか持たぬ我々と違い、貴方様は強い魂をお持ちでございましょう、かような老骨、何を恐れる事がございましょう」
傷だらけになった心臓を掴まれるような感覚。全て罠だったんだろうか。ルーファスのあの快男児ぶりも、実はおれを陥れる為の演技だったのか。
「何を…」
164 :
既にその名前は使われています:2006/05/16(火) 03:46:29.06 ID:jpn71LK6
ででおの話してもいいのか?
165 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/05/16(火) 03:46:55.56 ID:EB6qlVGj
ようやく搾り出した答えにもならない答えに、老人は笑う。
「言葉の通りの意味でございますよ、来訪者の強さは身にしみております。仮に今、貴方様が武器を抜かれれば、この老骨も貴方様の後ろに控えるマルトも、為す術無く斬られるだけでございましょう」
来訪者、と言った。だが、この老人は自分を創られた魂と呼んだ。それは一体どういう意味なんだろう?
「来訪者とか創られた魂とか、関係ないだろ。同じ生き物だから友達だなんて言うつもりはないけど、強い奴は強いし、弱いからって殺されていい理由になんかなるか」
老人の口の端にどこか悲しい自嘲めいたものを感じて、おれは本心を吐露した。
あまり脈絡のない答えではあったが、老人は目が隠れるほどに伸びた眉を撥ね上げて驚きを示し、再び目を眉の下に隠して満足げに頷いた。
「なるほど、お優しいお方だ。ただ乱暴なだけの来訪者ならば坊ちゃんに迷惑を掛ける前に刺し違えてでも、と思いましたが……」
す、と辺りに張り詰めていた空気が霧散した。まだこの老人は怖かったが、あの押し潰されるような圧迫感はもうなかった。
「ご無礼をお許し下され。老人の勘ぐりで、つい貴方様を試してしまいました」
扉を開け、入室を促す。
「爺さん、あんたは誰だ」
老人の言葉に嘘はない……と思う。だって、剣をぶら下げたまま屋敷に入れてくれたのだから。だからといって、納得は出来なかった。
「ただの爺でございます。かつては赤き鎧の者たちに仕えておりましたが、今の主はルーファス様お一人ですよ」
者…たち、か。やっぱたくさんいるのか。それに手下もたくさんいるって事なのか。
「なにぶん昔の事でございます、今どれほどのものなのかわたくしには正確にお答え出来かねますが…… 追ってお話し致しましょう。
そう、同じだけの塩を溶いたところで、わずかな濃い塩水か、たくさんの薄い塩水にしかならぬ道理でございます。爺の盲見当も、さほど的外れではありますまい」
「信じていいんだな?」
老人はいかにも好々爺然とした笑みで応えた。
166 :
既にその名前は使われています:2006/05/16(火) 03:46:58.61 ID:ha1DZxkL
ででおスレかと思った
167 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/05/16(火) 03:47:23.30 ID:EB6qlVGj
部屋は豪華な応接間で、部屋の中央には新芽を生きたまま残した凝った作りのテーブルとベンチ、壁際にはサイドボードとベンチが並んでいた。
フルキフェルはソファに身を沈め、調度を眺めて退屈を紛らわせていた。
ルーファス様を呼んで参ります、と二人が退出すると、フルキフェルが人のよさそうな笑顔を浮かべて立ち上がった。
「やぁ、ヒロさん。貴方も来られたんですね」
「"貴方"……ね」
無礼と知りつつもシャポーの奥から、上目遣いにフルキフェルを睨む。フルキフェルは一体何人いるんだろう。どうしてこの男は、見る度に印象が違うのだ。
「何か気に障る事を言ったでしょうか…。済みません、こちらに来て日が浅いから…」
む、と困惑顔になる。
ますます訳が分からない。
おれの足を切り落としかけたあのフルキフェルは、何というか、大事の前の小事と割り切る、悪く言えば冷酷なタイプだったように思う。
だが、今おれの目の前にいて、おれの不躾な態度に困惑するフルキフェルは、小事に囚われて大事を仕損じる、よく言えば優しい人間に見える。
「そういえば、無事だったんですね、よかった。もう傷の具合は大丈夫ですか?」
誤魔化そうとしたのか、本当に今思いついたのかは知らないが、おれの胸元あたりを見やって、心底ほっとしたような顔を見せるフルキフェル。
そうなのだ。
いかに胡散臭かろうと、こいつはおれの命の恩人で、そして今もこうしておれの身を案じてくれているのだ。
おれはばつが悪くなって俯き帽子を取ると、うん、と唸るような曖昧な返事を返した。
ルーファスが部屋に入ってきたのは、その時だった。
あの老人が出て行ってから一分かそこらといったところか。何か魔法でも使ったのか、ただ単に呼びに出たところを主人の帰還に出くわしたのかは分からなかった。
168 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/05/16(火) 03:48:11.12 ID:EB6qlVGj
ルーファスは湯上りみたいな格好で、拳法着か何かを着崩していた。
「遅かったな、今日はもう来ないと思ってたよ」
おれの内心のもやもやなど知るはずもなく、十年来の友人のように語りかけてくる。
「ちょっとな」
ここでにっこり笑えるようならおれもニートになんざならなかったろう。しかし口を突いて出たのは無愛想で挨拶とも言えない言葉だった。
フルキフェルがすかさず、何か薄い木箱のようなものテーブルから取って勧める。手土産、だろうか。箱にはドラギーユと、クッキーという単語が見て取れた。
実際中にはクッキーが入っていたらしい。ルーファスは一つつまんで口に入れると、箱をテーブルに戻してどっかとソファに腰を下ろした。
勧められるままにおれ達も腰を下ろす。
「今日はもう遅いから話は明日にしようか。泊まってけよ。爺さん、部屋の準備頼むわ」
まるきり一家の主のように振る舞い、老人に指示を出した。
「かしこまりました。ラディール様とマルトめが上がりましたら、残り湯で恐縮ですがよろしかったら風呂なぞお使いになって下さいませ」
老人はルーファスの言葉にさも当然のように頭を下げると、微笑む。
「ご迷惑おかけします」と、フルキフェルが腰を浮かせて頭を下げた。
老人が一礼して退室すると、世間話から、来訪者同士の情報交換が始まった。
169 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/05/16(火) 03:48:35.61 ID:EB6qlVGj
何でも、ルーファスはヴァナで生まれ育った記憶を持ち合わせているという。
彼はこのシュヴィヤール家の生まれで、十年もの間家を離れ放浪し、昨日戻ったばかりなのだとか。
「私とは違うんですねぇ」
フルキフェルが感心したように頷き、はっと口をつぐんだ。
二人とも、詳細は違えど、この世界で生まれ育った記憶を併せ持っているらしい。
対しておれはどうだ。体に敷設された魔法回路のおかげで、魔法やアビの発現する仕組みを多少説明できるに過ぎない。
それも実地レベルで使えればいい程度の話で、学術的に原理を説明しろと言われれば途端に詰まってしまう程度のものだ。
おれは二人が色んな話をするのを、黙って聞く側に回った。
子供の頃の話から始まって、クリスタル戦争、戦後、冒険者政策が始まった時の騎士達の反発まで、二人はまるでヴァナ・ディールの人間そのもののように話した。
おれも忘れているだけで、本当はヴァナに生まれて冒険者になるまでの記憶を持っているんだろうか。
そんな事をぼんやり考えながら二人の思い出話を聞いていると、ルーファスの連れの女エルヴァーンが顔を出した。
「お風呂空いたわよ」
バスタオルで髪を拭いながら、ルーファスにそう告げる。ラディールとか言っただろうか。同棲までしているとは。いや、籍まで入れているんだろうか。
「お、んじゃ二人で入ってこいよ。うちの風呂はちょっと凄いぜ」
ルーファスがニヤリとしながら、おれ達を浴室に促した。
フルキフェルよ、なんでそこで赤面するのか。
170 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/05/16(火) 03:51:30.87 ID:EB6qlVGj
いじょです(`・ω・´)ノ
ラディールタンの外見の描写を見つけられなかったので、想像で書きました。
間違ってたらまとめに転載する時に直しますね(´・ω・`)
>164
>166
ボブ&マイクとブロント様の話はあったようですが、今のところででおの話は投下されていないようです。
ネタがあるなら是非(`・ω・´)b
171 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/16(火) 07:08:12.01 ID:jsSTVMLu
おはようage
投下乙でございます。
172 :
既にその名前は使われています:2006/05/16(火) 07:58:52.99 ID:G8Gl3buo
すごい勢いであげる
りゃくしてsage
173 :
既にその名前は使われています:2006/05/16(火) 08:28:04.02 ID:W+CrgVHH
ラディールやリポケケ、ユファファは元々フェローだったような。
>>149 モーグリまでかっこいい・・・
>>152 大丈夫!うっかり手を出してももう一人のサンのせいにすれば!!
>>159 夜遅くまで乙です。僕のほうもかっこいいですね〜。
>>170 やっぱりおじいさんはクセがありますねw冷静な目で二人を見ていてすごいです
>>173 リポケケ、ユファファはフェローですよ〜
んでは投下を。今日はちょっぴりいつもと雰囲気が違いますw
(さて、次の仕事に必要な情報は集まったわけだが・・・。)
彼は、苛立たしげにモニターを見つめている自分と同じ黒いマントを羽織ったミスラの話に、
少々うんざりしながらも静かに耳を傾けていた。
「彼女をこのまま放っておくつもりか?確かにリアルからは何も持ち込んでいないし、
その気になればいつでも狩れる程度の戦闘力しかないが、
ずっと野放しってのも問題だと思うのだが?」
モニターにはタルタルの娘が映っていた。その娘はボウルの中に入れたセルビナミルクや
セルビナバター等をかき混ぜながら、隣にいるモーグリと楽しそうに話している。
彼女は頭にはピンクと白のチェック模様のナプキンを巻きつけ、髪の毛を邪魔にならないように
後ろでやっぱりピンクと白のチェック模様のリボンで結んでいて、
真ん中分けにしている前髪は左右ともヘアピンで落ちないように留めてある。
そして、フリルがついたエプロンもピンクと白のチェック模様だ。
クリーム色の焼かれる前のケーキ生地と思われるものを小指の先で少しすくって、
それをおいしそうにペロリと舐める彼女を、苦々しく見つめながらミスラは彼にさらに続ける。
「裁縫スキルを悪用してあんなヴァナディールには無かったものをたくさん作って・・・。
元々ヴァナディールにあった物の改変だから悪影響は確かに無いかもしれないが、
だからと言って放っておいていいものではないと思うのだが。」
ボウルの中身をへらで型に流し込む彼女を睨みつけたままミスラは言った。
「彼女も来訪者だ。」
彼女は同僚の彼が部屋に来るたびにこの話ばかりだ。様々な物を作りあげる来訪者でありながらも
抹殺命令がくだらない彼女のことがどうやら相当気に食わないらしい。平和主義がモットーの彼とは幼馴染だが、
この集団に入ってからと言うもの微妙にそりが合わない。
黙って同僚の話を聞いていた彼はめんどくさそうにその話を聞くたびに彼女に言い聞かせている事を言った。
「来訪者とはいえ、悪影響が無いのならばわざわざ出向く必要も無いだろう。
我々が動き、時間を止め、記憶をいじり、圧倒的な破壊力の兵器を振るう。
モーグリと楽しくケーキを焼いてお買い物を楽しむ彼女一人を消すために
これだけするほうが悪影響だとは思わないかい?」
「だ、だが、やはり来訪者を放置するのも・・・。」
なおも食い下がる同僚をやはりめんどくさそうに手で制止すると彼はこう続けた。
「彼女はオレ達がはるか昔から手を焼いていた異物、時空魔法をヴァナディールから抹消しようと
動いていてくれるのだ。さらにその力を使って彼女自身もいなくなってくれるらしい。
時空魔法と来訪者が同時に勝手に消えてくれるというのに、下手に手を出すのもなんか頭悪いだろ?」
そういわれた彼女はモニターを指差しながら声を荒らげる。
「しかし、見ろ!彼女は白魔道士だと言うのに刃物を使っている!これはルール違反だ!」
モニターの中で娘は鼻歌まじりでサルタオレンジの皮を果物ナイフで剥いていた。
確かにルール違反だ。白魔道士は刃物の使用が禁じられている。
とはいえ、刃物を武器として使っているわけではないし、
彼にはそこまで気にするようなことではないように思われた。
「じゃあ君は白魔道士にはミカンの皮を指で剥く以外の方法を認めないつもりか?」
ミスラは馬鹿にしたようにハッと笑った。
「刃物を使いたければ一度ジョブチェンジするなり、モーグリに使わせるなりすればいい。」
「屁理屈だな。」
「筋は通っている。ルール違反というものは一つ見逃したらそこからネズミのように増えてゆく。」
彼女が自分は自分の言っていることに微塵の疑いももっていないということは、
彼女の声の調子や表情から彼にも簡単に想像がついた。
(これだから優等生は困る。ま、だからこそからかい甲斐があるんだけどね。)
そんな彼の考えになど微塵も気付かずに彼女はさらに激しい調子でまくし立てる。
「そもそもタルタル♀F5Bはポニーテールだ。彼女の今の髪型もルール違反だ!
今どころか彼女はしょっちゅう色々な髪型に変えて遊んでいる!」
もう、ここまで来ると呆れて何もいえない。我々の仕事はヴァナディールの秩序を守るため、
必要とあらば異物、そして来訪者を抹消することだ。こんな言いがかりをつけて個人の自由を侵害することではない。
「君は一度頭を冷やしてからもう一度我々の仕事について勉強しなおしたほうがいい。」
「・・・なんだと?」
ミスラが露骨に怒気を含んだまなざしで彼を見つめたが、彼はそれを気にせずくるりと扉のほうへ振り向き
部屋の外へとむかった。
「頭を冷やせといっているんだ。時空魔法はオレ達がフェイトの一員になる前からの問題だったのだ。
その問題が解決するかも知れないっていうのに、君は『白魔道士なのにお料理に包丁を使った』という小さなルール違反を潰すために、
時空魔法という巨大なルール違反を抹消するチャンスを潰すつもりか?」
「ルール違反はルール違反だ。大きさに違いは無い。」
彼はやれやれといった感じでシッポをピンと立てて怒りをあらわにする彼女のほうへ振り向いた。
彼女は非常に優秀だが、考え方は少々偏っている。
「わかった、君が時空魔法の処分を全て一人でやってくれるというのであれば、彼女を殺すなり犯すなり好きにするがいい。
それが出来るなら、命令違反について咎められるた君を私は友人として庇おう。
もっとも、」
彼は一息ついてから彼女にとどめとなる一言を投げかけた。
「上からの命令違反をしてしまっては君自身が命令違反になると思うんだけどな?」
彼女はしばらく押し黙っていたが一つ舌打ちをするとまた憎らしげにモニターを凝視し始めた。
「・・・分かった。時空魔法の件が片付くまでは放っておこう。
だが、彼女がヴァナディールに悪影響を及ぼすと判断した時、ボクは容赦しないし、
きっと上も彼女の抹殺に賛成するだろう。」
そう言って拳をにぎりしめる彼女をなだめるように彼はこう言った。
「君は真面目すぎる。もう少し肩の力を抜いたらどうだ?
せめて冗談には『犯すかボケ!』とか『んなことするか!』とかつっこんでほしかったんだけどな。」
「つっこんでほしければ下品ではないもっと笑える冗談を言ってほしいものだ。」
彼女は苛立たしげにシッポをブンブン振りながら彼に答えた。
彼は肩をすくめて「次はもっと気の効いた冗談を言うよ。」と言い残しミスラのいる部屋、監視室を後にした。
(彼女が来訪者で無くなるのは時間の問題だ。ヴァナディールの住人を消すのはオレの正義ではないんだけどな・・・。
来訪者でなくなった彼女を上はどう取り扱うのだろうか。元々無害な彼女だ。
今も彼女の監視を外し、他の危険人物の監視をより強力にしたほうが良いという意見もあるくらいだ。
あいつは反対するだろうが、間違いなく彼女は監視対象外にされるだろうな。)
真面目な彼女が真っ赤になってシッポを立てて感情的に無茶苦茶に怒りをミスラらしく、
かわいらしく上に食って掛かる様子を想像して彼はクククと趣味の悪い笑いを浮かべた。
(それに、素敵なことじゃないか、この世界で幸せに過ごす人間が増えるということは。)
彼は、モニター越しで楽しそうにケーキを焼いていた今の生活に微塵の疑いももっていな素直で、
幸せそうな娘の笑顔を思い浮かべて彼は何となく呟いた。
「侵食・・・か。」
誰が最初に言い出した言葉かは彼にはわからないが、うまい言い方をするものだと思った。
以上です。フェイトさん初登場しました。
とはいえ、やったことはどうしてユリフィナがフェイトに狙われないかを
グダグダ説明しにきただけっぽく・・・w一言『小物だから』って書けばいいんですけどねw
では、ワッフルワッフル
181 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/05/16(火) 10:20:45.05 ID:EB6qlVGj
フェローの名前と外見て対応してるんでしたっけ?(´・ω・`)
そしていい人の現職フェイトキタコレwww
自分もGMやフェイトは単なる敵役にしたくないと思ってるので、参考になりますヽ(´ー`)ノ
名前は好きに選べるけど、口調とフェイスが対応してたはず。
ラディールは初登場時に丁寧口調だったから、エルメスF1でずっと見てましたw
とかいいつつ最近は口調が違うので実はF6とかだったらそれはそれで熱い。
183 :
既にその名前は使われています:2006/05/16(火) 10:26:04.75 ID:W+CrgVHH
ロックも明らかに対象外だね。
まぁどうみたって普通のたるっこで、便利屋さんで、
放置しておいて影響があるかと言うと。だし。
フェイト二、三人斬り殺したら話は変わって来るんだろうけど。
それでも「ちょっと危険なNPC」どまりでしょうねぇ。
リアルの品を再現する研究してるメキさんですら現在手が回ってないもよう。
(肝心の護衛している人間がNPCだし消そうと思ったら消せるだろう)
フェイトの構成員数は、
幼稚園児バスを襲撃したり、井戸に毒投げ込んだりとせこい。
日本支部以外目立った活躍ができてない、
その日本支部ですら単独ヒーローに滅ぼされる。
そんな仮面ライダーの悪の組織以下のようです。
184 :
既にその名前は使われています:2006/05/16(火) 10:28:01.13 ID:W+CrgVHH
うちのムキドはハゲナマズ髭ガルカ。
性格は「クール」だね。
ムキドも出したほうがいいのかなぁ。
うちのフェローはエフィールゴ…口調は丁寧。
どうみても2Pカラーです。本当にありがとうございました。
Lv39じゃ戦力にはならんということで敢えて呼んでいないのでしょう…
そういうことにしておこう orz
186 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/05/16(火) 10:44:56.23 ID:EB6qlVGj
おわー!!
ヒュム♀フェローに可愛い系口調のキャラはいないのですね…
"また遊ぼーねっ"じゃねーずら…(つд`;)
>>120 爺さん大活躍。ルーファスさん食われそうな(ぇ
>>132 MMRは事件の少ないバスに行くのがよろしいかと・・・。
>>145 相変わらずカッコイイ・・・。ウィンダスにも温泉ぷりーず。
>>149 同じウィンダスに居るのに、拙は未だに黒衣&赤鎧との接触ナシ・・・うぅむ。
>>152 アジルを手篭めに!光源氏でわっふるわっふる!
>>159 ここにも行動に裏がある人物が一人・・・。続きが気になる〜。
>>170 ここでも爺さん大活躍。
>>180 暗殺組織の裏事情。やっぱり、一枚岩ではないんですねぇ・・・。
ビシージ待ちで書いた分投下しま〜す。
院に向かう道すがら、Mioのモグハウスに立ち寄ってみた。
生憎、Mioは既に宅配の仕事へと出ていて留守だった。話をしたのは、留守を任されていたモーグリ。
自分の知りうる異邦者仲間は、今のところMioだけだ。モグの話を聞いて、まさかMioも襲われたのでは、
なんて事を考えていたが、どうやら杞憂で済んだようだ。
とりあえず、留守番モーグリによろしく伝え、その場を後にする。
よくよく考えてみると、Mioが居なくて良かったかもしれない。
何せ、昨日とは髪の色と装備がガラリと変わっているのだ。装備はジョブチェンジしたとでも言えば良いが、
髪の色だけは誤魔化しようが無い。後で何か・・・カツラでも調達しよう。
(カラーリング剤でもあれば別だろうけど・・・)
後で水の区の帽子屋を覗いてみよう。昨日の変態タルの事を考えれば、どこかにカツラは売っている筈だ。
そんな事を考えていると、いつのまにか手の院の前に来ていた。
ノックをして中に入る。昨日と変わらない光景が広がっていた。
向かって左手の・・・よくわからないが、受付カウンターらしき場所にアプルル院長は座っていた。
「おはようございます。昨夜はよく眠れたかしら?」
こちらに気付いて、挨拶と共にカウンターの中から寄って来る。
一目で自分に気がついた、という事は・・・。
『そりゃもう、薬でも飲まされて人格が変わったと思うくらい、ぐっすりでしたよ』
小さく肩をすくめ、精一杯の皮肉を込めて挨拶を返した。
彼女はそれを聞いても笑顔を崩さない。その笑顔の裏に、何を隠しているのやら。
それを知っているのは彼女のみ。考えても仕方の無い事だ。
『昨夜の話の続きと、詳しい話をお聞きしたいのですが』
とっとと用件を切り出す。詳しい話のところは、少し強調して。
「こちらとしてもそのつもりでしたし・・・どうぞ、奥へ』
言うが早いか、自分の手を引いて奥の部屋へ通された。嫌味が通じてないらしい。
部屋の中は昨夜のままだ。朝日が入り込んでいる為、ランプの火は消されている。
彼女が座ったのを確認してから、自分も置かれたままの椅子に座る。
目の前に置かれたカップを一瞥し、彼女の顔を正面から睨む。
不審気な自分の視線に気付いたのか、彼女は前に置いてあるカップを一口啜る。
「今日は何も混ぜてないわ。ただのウィンダスティーよ」
今日は、というと、昨日は何か混ぜていたという事に他ならない訳だが。それを隠そうとしないのは、
その事についても話す、という意思の表れだろうか。
「昨日あなたに飲ませたのは、記憶に働きかける薬品・・・とでも言えばいいかしらね」
カップを置き、朗々と語りだす。
「本来ならもっと希釈して、何かと忘れっぽい・・・ボケが始まった・・そういう人に少量使うの。
あなたを見たときに一目で気付いたわ。――この人は自身の記憶が欠如している――って。
一応こういう仕事をしているから、人を見る目はあるつもり。カーディアンと扱いは別だけど。
何も言わずに飲ませたのは悪いと思ってるわ。でも、説明して飲ませようとしたところで、
あなたが記憶を失っている事に気付いていなければ、拒否されるだろうと思ったのね」
『希釈して・・・って、ウチが飲まされたのは・・・?』
「薬品をそのまま、ウィンダスティーに入れました。
当然薄まるけど、それでも普段投与してる濃度の何倍もの効果があった筈よ。
その分、副作用もある筈なんだけど・・・髪の色が変わるのは、副作用によるものではないみたいね。
本来なら三日三晩、軽い頭痛に悩まされるところなんだけれど・・・」
こちらの顔を窺う。特に頭痛がするとかは無いが・・・。
「もしかしたら、少し首が伸びるかもしれないけど、気にしないでね」
マテ。
「髪の色が変わった事に関しては、あなたが記憶を取り戻した事に起因するようだし、
その事は特に問題は無い筈よ。首が伸びる可能性を考えなければ。いい?考えないでね」
首が伸びる事に関して質問しようと口を開きかけたところで、念を押された。
質問されても答えないつもりだろう。・・・朝起きたらエル首ミスラになってました・・・。
そうならない事を祈ろう。祈ったところで、伸びる時は伸びるのだろうが。
「他に質問は?無ければ、昨夜の話の続きに戻るけど・・・」
『首「その質問は受け付けないわ」・・・』
口を開いた瞬間に却下された。ひどい。
『じゃあ・・・冒険者を狙う、暗殺者の噂話については?』
少し考えて、質問を口にした。
彼女の片眉が、言葉に反応して持ち上がる。
「どこでそれを?」
モグから聞いたと素直に告げると、彼女の表情は更に険しいものになった。口元に手をやり、
自分に聞こえないよう、ぼそぼそと何事か呟いている。
「一般冒険者には関係の無い事なのですが・・・噂ではなく、事実です」
ひとしきり呟いた後、簡潔にそれだけを告げられた。
『ウチは一般冒険者、という括りには入ってないですよね』
暗に詳細を求める。明日は我が身である以上、聞いておかねばなるまい。
聞かなければ、我が身の安全が保障される・・・というのであれば別だが。
小さな口から小さなため息をつき、彼女は観念したように話し出した。
「隠し遂せると思ってはいなかったけれど・・・まさかモーグリから耳に入るとは思わなかったわ。
少し、モーグリ族に対する認識を改めなければならないかしらね・・・っと、ごめんなさいね。
最近になって主要各国で、あなた方のような異邦者のみが、断続的に襲われています。
生き延びた方もそう、多くはないので、断片的な情報しかありませんが・・・」
ちらりと、こちらの顔色を窺う。情報が少ない事に対しての謝罪か、本当に話して良いものかどうか、
判断しかねているのか。・・・これ以上聞くことで、後戻りが出来なくなる事に対する確認の意味か。
いずれにせよ悩む必要は、無い。
『続きを』
視線を真っ直ぐに受け止め、短く告げた。
視線に気圧されたのか、それとも別の理由か。彼女は窓のほうへ一度顔を向け、小さく頷いてから再度向き直る。
気になって窓へと目をやったが、窓からは日差しが射しこんで来るだけだ。
「・・・まず暗殺者についてですが、情報が一致していませんが、大まかに二種類居るそうです。
黒衣の暗殺者と、赤き鎧を帯びし者。赤い鎧に関しては、全くと言って良い程、情報がありません。
・・・おかしな話なのですが、目立つ容姿の割に、何故かあなた方異邦者の証言しか無いので。
黒衣の暗殺者に関しては、一般住民や冒険者、各国ガードも目撃している為、情報は多岐に渡ります。
一貫しているのは言葉から想像できる通り、皆一様に黒の装備で固めている、といったところでしょうか。
黒衣の者と赤い鎧に共通している事は、狙うのは必ず異邦者――彼等はイレギュラーと呼んでいるようですが。
他の冒険者や一般民に対しては、不思議と危害を加えた等の報告はありません」
そこまで言って、カップに口をつける。まだ、話には続きがあるようだ。
「黒衣の暗殺者に関しても詳細はあまり・・・。というのも、彼等は正体が暴かれそうになると、
必ずと言っていい程、自らの手で、己の命を絶ちます。身分を示すような物も持ち歩かず、
自身の顔をも破棄する念の入れよう・・・考えた人物は、その者から情報が漏れる事を恐れているようね」
『顔を破棄・・・って』
「奥歯に仕込んだ爆薬で」手を顔の正面に持ち上げ、握った拳を「どかーん」と言って開いた。
・・・悪趣味だ。トカゲの尻尾切りには良い考えだが、人を物としてしか見ていない考え。賛同しかねる。
「あと・・・これは推測でしかないのだけど・・・」
真剣な双眸に、薄暗い影が落ちたように見えた。
「黒衣の暗殺者は、異邦者である可能性が高いの」
瞬間、頭の中で混乱が起きた。異邦者が、異邦者を殺す?
その者達の意図がわからず悩んでいると、答えは彼女の口から流れ出た。
「黒衣の襲撃から生き延びた人の話によると、異邦者の持つ【道具】に対し、異常な執着を示すそうなの。
殆どは奪われるか、壊される。中には、その【道具】を用いて暗殺を行う者も居たそうよ。
この世界の理からかけ離れた物を、この世界の人間が使えるとは思えないし、
何よりも明確な意思を持って、この世界に在らざる物を見分ける事ができるのは、異邦者しか考えられないわ」
『見分けるだけなら、誰でも可能だと思いますが・・・』
「ではあなたは、同じ形をした異なる剣の材質を、一目で見極める事が可能かしら?」
それは無理だ。頭を振って否定の意思を伝える。
「でしょう?でも彼等は、悩む事も無く確実に【道具】を持った人間を襲うの。
一度や二度・・・もしくは、他の無関係な冒険者も殺された、というのなら、話は別ね」
『ちょっと待った。・・・という事は、殺された人間に共通しているのは、異邦人というだけでなく』
「そう。必ず、あなた方の世界から持ち込まれた【道具】を持っていた人たちね」
モグハウスで荷物を確認したが、現実世界での道具は見当たらなかった。自分が襲われる可能性は低い。
ただ・・・Mioは一時期であれ、模造刀やトイレットペーパー、果ては自転車まで持ち込んで使っていた筈だ。
今すぐにでもMioを探しに駆け出したい衝動に駆られるが・・・今は、聞きだせる情報を全て聞いておきたい。
『襲われた異邦者で、【道具】を所持していなかった人は?』
「正確な数はわからないわ。でもさっき言った通り、奪われた可能性もあるから。
もし持っていたとしても、殺されて奪われてしまえば・・・それを私達が知る術は無いわ。」
『では、過去に【道具】を所持していた異邦者が殺された事は?』
「それこそ、知る由がないわね。少なくとも、今まで報告された例では、
【道具】を手放した異邦者、なんて報告は無いわ。知らされていない、という可能性もあるけれど。
私達も、全ての異邦者を把握している訳ではないし、暗殺者達もそうだと思うわ。
だからこそ指標の一つとして、【道具】を持つ異邦者を優先的に狙う・・・そんなところじゃないかしら」
『今現在【道具】を持っていない異邦者が狙われる可能性は低い、と?』
「言い切る事はできないけど、ほぼ無いと思って良いんじゃないかしら。
暗殺者側が、私のように冒険者と非冒険者を見分ける事ができる、というのなら別でしょうけどね」
ほぼ無い、というのが気に掛かるが、例外の可能性は限りなく低そうだ。
Mioが襲われずに済んでいるのは、今までひた隠しに異邦者であることを黙っていたからか。
ついでに言うと、模造刀などの【道具】を失っている事も幸いした、というところか。
・・・逆を言えば、持っている人間は襲われる可能性が高い・・・という事になるが。
「黒衣の暗殺者に関しては、そんなところね。・・・あとは」
考え込んだ自分を意にも介さず、彼女は話を続けるつもりらしい。
「さっきも言ったけど、赤い鎧に関しては殆ど情報が無い状態なの・・・。
何故異邦者を狙うのか。何が目的なのか。そして、彼等は何者なのか。
・・・私から話せることは、これ以上無いわね。とりあえず、話を戻すことにするわ」
そう言って、懐から球体と、小さなカードを取り出す。
「魔導球。聞いたことはあるわよね?そしてこっちは、対になるカード」
カードには抽象的な絵と、数字が入っている。トランプの絵札に近い作りだ。
魔導球は薄く、ぼんやりと赤く輝いている。見た目はただのガラス玉にしか見えない。
「魔導球は、人間で言う魂とその器。そしてカードは、人間で言うと・・・脳に近いかしら
記憶を司り、またその記憶を封印する。もう一つ、魔導球を停止させるための鍵にもなるわ」
言うと、目の高さまで持ち上げた魔導球とカードを、徐々に近づける。口では何か、呪文を呟いている。
二つが触れようとした瞬間、薄い魔導球の赤い輝きが、カードに吸い込まれるように消えた。
「今このカードには、魔導球に込められていた魂――今は魔力――が入っているわ」
魂の込められた赤い、鈍い光を放つカードを机に置くと、新たなカードを懐から取り出す。
カードは青く光っている。こちらには、既に魔力が込められているらしい。
青いカードを魔導球に近づける。先程とは違う呪文を呟くと、光は魔導球へ吸い込まれた。
「これで、魔導球に新たな魂が吹き込めた事になるの。見せたいのは、この次」
言うと、机に置かれた赤いカードを取り、青く光る魔導球に近づける。
「昨夜話した事の続きになるけど、有に有を込めると・・・どうなるか、よく見ててね」
呪文を呟くと、赤い光が魔導球に吸い込まれる。
魔導球の中で赤と青の光が交じり合う。そして、魔導球は紫色に輝き始めた。
「これが、今のあなた。赤い光をあなたの意識とするなら、青い光はRainさんね。
両者が共に一つの色となるのが、あなた方異邦者。カーディアンだと、反発してどちらかが消えるの」
コトリと小さな音を立て、魔導球が机に置かれる。
「これと同じ現象が、今のあなた方には起きている。私達はそう考えているわ」
実験のような説明だったが、理解はしやすかった。得てして、説明というのはそういうものだが。
ただ、説明なされてない事が一つある。
『・・・この紫の魔力を再度移すと・・・?』
答えず、険しい表情で魔導球を手に持つと、片方のカードを魔導球へと近付ける。
再度呪文を呟くと、紫の光がカードへと吸い取られた。魔導球は、ただのガラス玉に戻っている。
「・・・白と黒の混ざったインクがあるとして、どちらかの色を吸い取ろうとすると、こうなります」
『カードを二枚使ってもダメですか?』
「どちらかのカードに魔力が移るだけね』
試すまでもないのだろう。きっぱりと言われて絶句する。
・・・恐らく、こう言いたいのだろう。
意識があるのは【俺】だ。ただし、この状態で戻ろうとすると、【Rain】の意識まで持ち帰る事になる。
【Rain】の意識に取り込まれた状態だとしたら、【俺】が戻るのは不可能。
「・・・私達が試行錯誤しているのは、この紫の魔力を、どのようにして青と赤の魔力に分けて戻すのか。
今までに例を見ない、言ってしまえば常識に逆らう行為です」
紫のカードを机に置いて、彼女は椅子から立ち上がると、窓の方へ歩を進めた。
「ですが今お見せしたように、異なる二つの魔力を込めるには、何らかの手段が必要不可欠です。
その何らかの手段を見つければ・・・あなた方の意識と、元の冒険者の意識を分ける事も可能でしょう」
窓から差し込む光が、部屋の中を舞う埃を照らし出す。
この埃は自分達異邦者だ。今はただ風に吹かれ、光に照らされるだけの存在。
ただし、埃だって集まれば塊となるし、時には火を起こす火種となる。
風に吹かれて目に入れば痛い。積もれば足元を掬われる。
ならば、抗う埃になってやろうじゃないか。少なくとも、俺はそうなってやる。
ぐっと、膝に置いた手を握る。もしかしたら瞳にも、力がこもっていたかもしれない。
いつの間にか、窓のほうを向いていた彼女がこちらへと向き直っていた。
彼女の表情は、決意を胸にした自分を見て、心なしか嬉しそうに見えた。
「途方も無い事に巻き込まれた、あなた方の苦悩は計り知れません。
ですが、冒険者には諦めない心と、逆境を覆す知恵があると信じています」
懐をまさぐり、何かカードのようなものを取り出す。先程の実験に使っていたカードより一回り小さく、
それには文字がびっしりと書き込まれているように見えた。
「水の区目の院に、魔法図書館があるのは知ってるわね?
これはあそこにある、最奥への・・・禁忌とされる書物が眠る場所への閲覧許可証よ。
全てを知る事は難しいかもしれないけど、何か掴めるかもしれないし、あなたに貸し出すわ」
椅子から立ち上がり、許可証を受け取る。
『・・・良いんですか?ウチみたいな冒険者に、こんな物持たせて』
重要な書物がある場所なのは容易に想像できる。権力者でなければ、そこを通る事すら難しいはずだ。
「私達が見ても、何が必要で何が不要か、選別することは難しいわ。
あそこには、この世界で失われた技術・魔法に関する事が書かれた物がいくつもあるの。
過ぎたる力は私達には不要なもの。あなた達にこそ、必要な物ではないかしら?」
確かに・・・。現存する魔法等では、この現状を打破するのは難しいだろう。
暗殺者達の事は分ったし、自分の置かれている状況も・・・ならば、次に必要なのは。
『わかりました。必ず、役立たせてみせます』
「・・・事が済んだら、ちゃんと返してね?悪用されたら困るから」
苦笑して頷く。どんな相手であれ、これを借り受けた事は秘密にしておこう。
『善は急げ・・・てことで、これからすぐ、図書館に行ってきます。
もし何かあれば、ウチのところのモーグリに、使いを出してください」
「はい。気をつけてね。今のあなたなら、心配する必要は無さそうだけど」
ふわり、と笑って言う。それに釣られて、自分も笑顔を見せる。
手の院から外に出ると、太陽はそれなりに高い位置まで昇っていた。
図書館へ向かおうとしたその時、耳につけた真珠のイヤリングが振動した。
「聞いてたよ〜。なになに?大変なんだって?」
次いで、詮索するような女性の声。・・・俺は聞き覚えのない声だが、Rainの記憶が知っていた。
『・・・盗み聞きは良い趣味じゃないよ』
「あはは、ごめんごめん。でも、付けっ放しにしてた、レインだって悪いんだからね」
元気な反論が返ってきた。聞いているだけで、沈んだ気持ちすら払拭しそうなほど、気持ちの良い声。
『Sharlene・・・今、何処に居るかな?』
秘密の話が五分と立たずしてバレた事に対して、人知れず溜め息を吐いた。
Rainが出て行った部屋の中で、アプルルは誰も居ない中空へ向かって声をかけた。
「もう・・・これで良かったの?おにいちゃん」
声を受けて、窓の前で空気が揺らめく。光の屈折が通常のそれへと戻り、隠していた姿を現す。
「ふん。お前にしちゃ上出来だ。tellした時、チラチラ俺のほうへ顔を向けてたのだけは、いただけなかったがな」
「そんな事言ったって・・・。あの許可証だって、おにいちゃんの物なのに、勝手に渡す訳にいかないでしょ?」
この兄弟あるところ、口喧嘩あり。
姿を見せると同時に悪態が口をついたのは、現・口の院の院長、アジドマルジドだ。
「どんな奴か品定めする必要もあったんだよ。あいつなら多分、大丈夫だろう。
元より、許可証は異邦者の誰かに渡す必要があったからな。これも、予定の内だ」
Rainの出て行った扉を見つめ、苦々しそうに呟く。
「・・・赤い鎧の奴等相手には、俺達は動くことすらできないからな。
なら、動ける奴に任せるしかない・・・こんな事、議論の余地すらないな」
「それはそうだけど・・・」
何か言い足りないのか、アプルルは口を尖らせている。
「心配事が尽きないのはわかるが、少しは奴を信じておけ。
もし今回の事が原因で、クリスタル大戦のような事が起きるとしても・・・」
眼鏡の奥で、双眸が鋭く輝く。
「――あいつを殺せば、それで済む。見込み違いだったのなら・・・。
あいつは暗殺者だけでなく、俺達含め、ヴァナディールの全住人を敵に回すんだからな」
200 :
83 ◆W0QmuTI9lM :2006/05/16(火) 13:43:57.20 ID:AQ2rT3r2
あはは・・・えらい長いな、自分orz
以上です。
最後の1レスは、ちょっとオマケっぽいですが・・・。
アジド兄を出したかったのと、Lead氏のSSで
”アジドは来訪者との接触は無かった筈”(要約)
という一文があったので、無理矢理にでも接触させたい気分になったのでw
今後、自分も味方としてフェローを出します。お楽しみに(ん?
・・・やっぱり考えてる事が一緒なのか、他の方と内容、かなり被りますねぇ。
細かいところは気にせず、笑い飛ばしてください。
201 :
既にその名前は使われています:2006/05/16(火) 16:25:30.80 ID:0M6yNl4V
長いの大歓迎
すんません。
トータルで見ると短めのお話なので一気に投入します。
ルールに反していたらごめんなさい。
(1/23)
気がつくと、『彼』はチョコボに生まれ変わっていたです。
チョコボというのは、ヴァナディールという世界の中で、
乗用として広く用いられている大型の鳥のこと。
鳥と言っても、空を飛ぶことは出来ないのですが、
ダチョウのように素晴らしい早さで走る頑丈な二本の足を持ち、
人になついて、よく言うことを聞くために、
我々で言う馬と同様に、人が乗るために飼育され調教されているのです。
ここに、一匹のチョコボがサンドリア王国の飼育所で生まれました。
『彼』は……そのチョコボは中でも極めて小さな体の品種だったのですが、
一緒に生まれた兄弟達の中でも、ひときわ小さな体つきをしていました。
その飼育所では、人が乗るためのチョコボが飼育されているのですが、
あまりに体が小さいので使い物にならないのでは、と危ぶまれていたのです。
ヴァナディールに住む人たちには様々な種族がありました。
サンドリア王国に住む長身のエルヴァーン族、
バストゥーク共和国に住む、恐ろしく大きな体をした大男ばかりのガルカ族と、
(2/23)
ヒュムという我々に良く似た種族。
そしてウィンダス連邦国には、ヒュムよりも幾らか小さいだけのミスラ族に、
大人でも我々の子供より小さなタルタル族。
いろんな違いがあるのですが、一番の特徴は体の大きさの違いです。
人々がチョコボに乗るには、それぞれの体に応じた大きさのチョコボが必要だったのです。
小さすぎるチョコボに乗るとすぐに乗り潰してしまったり、
大きすぎるチョコボではもてあましてしまうからです。
『彼』とその兄弟達は、一番小さなタルタル族が乗るための品種として育てられました。
しかし、あまりに小さな体の『彼』では、タルタル族でも乗せて走るのは無理かも知れません。
そんな『彼』を見て、飼育係は言いました。
「どうして、こんな子がうまれてしまったのだろう。母鳥にはちゃんと普通のエサをやったのに。」
「いや、何年かごとにこんな奴が生まれてくるんだ。しかたないさ。」
「でも、この子をどうするんだ。これでは乗り物として使えやしない。」
「羽根を引っこ抜けば、弓矢の矢羽根ぐらいには使えるさ。」
「バカを言うな。体が小さいから羽根だって小さくて使えない。」
(3/23)
「心配要らんよ。物好きな金持ちがペットにするといって買ってくれるから。」
そんなことを言って、飼育係は笑いあいました。
そして何年か経ち、『彼』と兄弟達は成長して人が乗るための調教を受けることになりました。
しかし体の小さな『彼』は、いくら成長しても兄弟達に比べて小さいままでした。
そんな訳でタルタル族専門のチョコボ調教師を呼び寄せて、どうするか考えることになったのです。
その調教師とは、ウィンダス連邦国からやってきたタルタル族の一人でした。
タルタル族専用のチョコボはタルタル族に、という訳です。
「ふう、はあ、ごめんよぉ。遅くなっちゃった。」
そんなふうに、忙しそうに小さな小さな体のタルタル調教師がやってきました。
忙しいのは無理もありません。タルタル族の調教師は数がとても少ないのです。
チョコボの産地にほど近いサンドリア王国のエルヴァーン族ならば
チョコボの扱いに慣れているので調教師は沢山いるのですが、
遠く離れたウィンダス連邦国のタルタル族はチョコボの飼育に慣れていないのです。
タルタル族の調教師が少ないのは無理のない話で、
人手が少ないだけに『彼』が忙しいのも無理はありません。
(4/23)
「ああ、この子じゃダメだよ。体に合う鞍(くら)だって有るかどうかも判らない。」
タルタル調教師は『彼』を一目見ただけでそう言いました。
その様に簡単に話が決まってしまい、『彼』を寝床に連れて行こうと引っ張っていた時のこと。
後ろから声がしました。
「ずいぶんじゃないか。体が小さいからといって、その子を除け者にするつもりかい?」
そう言ったのは、サンドリア王国の一人の騎士でした。
しかし長身のエルヴァーン族にしては、ずいぶんと小さな体つきをしていました。
それでも、ヒュム族やミスラ族ぐらいの大きさではあったのですが。
飼育係達は、相手が騎士と見て丁寧に挨拶しました。
「おお、これは騎士殿。このような所にお越しくださるなんて。装備がよごれてしまいますよ。」
「かまやしないさ。どうせ、あちこち走り回っていつでも泥だらけなんだから。
それに我々騎士にとってチョコボは大事だからね。
大切な戦友となるかも知れないのだし、チョコボの成長ぶりを見ておきたいと思ってね。」
笑ってそう言いながら、『彼』の頭をなでながら言いました。
「一度で良い。この子にもチャンスをやってくれよ。
我々と共に働くチョコボとして生まれたのに、小さいからと言って除け者にされては可哀想だ。」
王国の騎士にそのように言われてはたまりませんが、しかし調教師としての責任もあります。
(5/23)
タルタル調教師は、しぶしぶ言いました。
「判りました。でも、試してダメならお払い箱です。あなたが騎士なら我々も調教師、
立派に働けるチョコボを送り出す責任というものがあるのですから。」
騎士は笑って答えました。
「もっともだ。ではしっかり頼むよ。」
そして再び『彼』の頭をなでて言いました。
「頑張れよ。他の人より何かが劣っていたとしても、役に立てることが必ずあるはずだから。」
そうして騎士は去っていきました。
その騎士もまた、体つきが小さいために騎士になるのは無理だと言われていましたが、
王国を守る役目に就きたいという一心で、大変な努力をしたのです。
そして剣を振るって戦うことは他の人より劣っていたのですが、
その他の仕事を誰よりも励み、その努力が認められて遂に伝令や諜報専門の騎士として、
遂に騎士隊の一員として認められたのです。
だからこそ、体が小さなチョコボの『彼』を放っておけなかったのでした。
さっそく、新米チョコボ達の調教が始まりました。鞍を背中に付けて人を乗せることから始まります。
『彼』の兄弟達は、調教師達の手によって次々と鞍を取り付けられていきました。
(6/23)
しかし、体の小さすぎる『彼』には、ぴったりと合う鞍がありません。
今から『彼』に合う鞍をあつらえるのは大変なので、できるだけ小さな鞍を無理矢理に縛り付け、
やっとの思いで人が乗れるようになりました。
そしてタルタル調教師が試し乗りをしてみます。
人を乗せることは『彼』らにとって初めてのことなので、
初めての重みにあたふたとするものや、嫌がって振り落とそうとするものも居たのですが、
そこは調教師が見事な腕前を見せて、次々と乗りこなしていきました。
そして、いよいよ『彼』の番になりました。
案外と素直に調教師を背中に乗せたのですが、走り出そうとすると何だかふらふらとしています。
自分の頭をなでてくれた騎士のためでしょうか、
必死に頑張って走ろうとするのですが、やっぱり普通に走れずに最後には倒れてしまいました。
「やっぱりダメだな。最初からこれでは人を乗せて走り回るなんてできっこない。
これ以上、調教を続けるのは可哀想というものだ。」
そう言って、鞍を外されて本当にお払い箱となってしまうことになったのです。
『彼』にはそのことが判ったのでしょうか。なんだか悲しそうな目つきをしていました。
(7/23)
次に、新米チョコボを外で走らせることになりました。
『彼』の兄弟達を数珠つなぎにして、ベテランのチョコボがその先頭に立ち、
それにタルタル調教師が乗り込みます。
誰も乗せない状態ですが、外の世界を走ることに少しでも慣れさせよう、という訳です。
そうして、タルタル調教師は『彼』を除くチョコボ達を連れて出発しようとしたとき、
ふと思い返して、『彼』を連れ戻して列の最後につなぎました。
本当のところ、『彼』をこれ以上調教しても意味が無いのですが、
このまま外の世界を知らずにいるのは、あまりにも気の毒だと思ったのです。
お払い箱にしようと言い出した調教師だったのですが、チョコボに対する深い愛情を持っているのです。
でなければ、調教師として勤まるはずは無いのですから。
そうして、調教師は新米チョコボ達を連れてジュノ公国へと目指すことになりました。
ジュノ公国とは、先に紹介したサンドリア、バス、ウィンダスの中心にある小さな国で、
多くの旅人が訪れる所でした。
新米チョコボにとってはいきなりの遠乗りですが、これから先に一番多く訪れる場所となるのです。
だからこそ、真っ先にその道を慣れさせる必要があるのです。
(8/23)
さっそく調教師はサンドリア王国の城門から外に出て、ロンフォールの深い森を走り抜けていきました。
調教師はチョコボを右に左に巧みに操り、あっというまに森を出て、
広い広いラテーヌ高原へと向かいます。
そしてジャグナー森林に向かうまでの長い道のりの中で、
なんと調教師はこっくりこっくりの船を漕ぎだしてしまいました。
無理もありません。忙しい仕事の繰り返しで、調教師は疲れ切っていたのです。
調教師から何も指示が来なくなったので、チョコボ達は走るのを止めてしまいました。
このままでは立ち往生です。新米チョコボ達はどうしてよいか判らないし、
先頭のベテランのチョコボも指示が無ければ走ることは出来ません。
その時です。
列の最後にいた小さな『彼』が様子がおかしいと思ったのか、
先頭の調教師の様子が見えるところまでやってきて、
そして調教師が居眠りしているのが判ったのか、
一鳴き、二鳴きして、それでも調教師が起きないと見るや、
ぐいっと列を引っ張って走り出しました。
(9/23)
つながれている兄弟達はあたふたと慌てましたが、
訳も判らず引っ張られるままについて行く他はありません。
調教師が乗っているチョコボは例えベテランとは言っても、
黙って乗り手の言うことを聞くしか知らないチョコボだったので、
結局うながされるままについて行ってしまいました。
しかし、『彼』は何処に行こうとしているのでしょう。
やってきたサンドリア王国の城門に帰るつもりでしょうか?
いえ、まったく方向は逆でした。
そのまま向かっていた方角に向かってどんどん走り出し、
暗く深いジャグナー森林へと、迷わずに駆け込んでいきました。
うっそうと生い茂る木々の中、猛獣達がうろつく森を恐れげもなくどんどん走り抜け、
とうとう森を抜けたかと思えば、お次は小高い丘が波打つバタリア丘陵。
始めて来る者には方角すら判るはずもないのに、まっしぐらに迷うことなく突き進みました。
そしてとうとう、ジュノ公国の大門へと辿り着いてしまったのです。
(10/23)
ジュノ公国にあるチョコボ厩舎で、扉を叩く音がするので飼育員が表に出てみると、
そこに辿り着いたチョコボ達を見て、飼育員はびっくりしてしまいました。
なぜなら、そこに待っていた数珠つなぎになったチョコボ達はいいとして、
当の乗り手であるタルタル調教師はぐっすり眠ったままだったのですから。
そのタルタル調教師がこっぴどく叱られた話は良いとして、
指示もされずにジュノへと辿り着いたチョコボ達のことに驚かされました。
最初はベテランのチョコボがジュノまで来たのだと言われていましたが、
人を乗せている状態で勝手に目的地に辿り着くことはありえないし、
なにより先頭に立って扉を叩いたのは、体の小さな『彼』だったのです。
そうして、いろいろと調べられることになったのですが、
やがて『彼』は指示を受ければ乗り手に操られなくても、
いろいろな所へと言われた通りの場所に辿り着くことが出来ることが判ったのです。
人の言葉が理解できるだけでも大変なことですが、
行ったことがあるはずもないジュノ公国まで辿り着き、
チョコボ厩舎の場所までも知っていたことに人々は大変おどろかされました。
(11/23)
「不思議だな。王国の外に出ることなど、あの時が初めてだったはずなのに。」
「もしかしたら、生まれるときに母親の知識を受け継いだのかな。」
人々はいろんなことを考え、議論しましたが、
しかし、『彼』が生まれ変わりだと言うことは誰も思いつきませんでした。
そうして、『彼』はいろいろと試されることになりました。
一言、「あそこへ行け」と言えば、ちゃんと辿り着くのは判っていましたが、
「ここへ行って、次はそこ」という複雑なこともちゃんと理解できました。
そしてタルタル族よりも軽い荷物であるならば、
背負って送り届けることが出来ました。
「いいことを思いついたぞ。こいつに手紙や荷物を載せて宅配便をやらせよう。」
「でも、信用しても大丈夫かな。」
「なに、弁当を届けたり、重要ではない手紙を送る分には大丈夫さ。」
そんな風に調教師や飼育係は話し合い、
『彼』には宅配便としての仕事をさせることになりました。
そのことが『彼』にも伝わったのでしょうか。
とても嬉しそうに、そして張り切っているように見えました。
(12/23)
そうして『彼』の仕事が始まりました。
最初のうちは飼育係が一緒に走って、ちゃんと仕事が勤まるかどうかを監督していましたが、
実は『彼』はどんなチョコボよりも早く走ることが出来たのです。
そして飼育係はどんどん引き離されていくのですが、
『彼』は時々立ち止まり、飼育係が追いつくのを待ってから先へと進みました。
これでは、どちらが監督をしているのか判りません。
いよいよ本格的に仕事が始まれば、もう『彼』の足を引っ張るものも居ないわけで、
ますます素晴らしい早さで荷物を送り届けることが出来ました。
お昼ご飯として朝のうちに作ったお弁当は、昼にならないうちに届けられ、
煮えたばかりのスープは暖かいまま、焼きたてのパンは熱々のままでした。
お弁当の他にも手紙や小さな贈り物なども『彼』は運びました。
なにより小さな『彼』の姿が愛らしいので、
『彼』からお誕生日のプレゼントを受け取った子供達は大変よろこびました。
そうして『彼』はサンドリア王国で大変な人気者となり、
宅配便の予約は来月までいっぱいになってしまうほどでした。
ちと一休み...
(13/23)
「すごいじゃないか、おチビさん!」
この前の体の小さい騎士がやって来てそういいました。おチビさんとは『彼』のことです。
「おチビさんの評判を聞いてやってきたんだ。こりゃあ俺の仕事まで取られちゃうかな。」
そんなことを言って笑いました。
そうして、ちゃんと『彼』に合う仕事を見つけた調教師達を褒め讃えました。
その騎士が「仕事を取られる」とは言ったものの、もちろんそれは冗談で言ったのです。
実は、普通の人間にでも簡単には任せられない重要で危険な仕事をしていたのです。
主に良く似た伝令などの仕事ではあったのですが、
ジャグナー森林の奥地にあるサンドリア王国の宿敵、オークという怪物共の陣地に入り込み、
様子をうかがっては報告するという、命がいくらあっても足りないような仕事をしていたのです。
そのオークというのは一匹ずつの体つきが大きく、
手に手に武器を持ち、軍隊のようなものを組織していて簡単には攻め滅ぼすことが出来ません。
そして虎視眈々とサンドリア王国を滅ぼそうと狙っているのです。
だからこそ、もしオーク共に怪しげな動きがあれば、
国元に報告をして対策を取らなければなりません。
(14/23)
そして、ついにその時がやってきました。
「騎士隊は広場は集まれェーッ!!」
「隊列を組め!全員、装備を確認せよッ!」
「戦(いくさ)だ!戦が始まるのだぞ!もたもたするな!」
そんなふうに号令やら叫び声やらを上げながら、
大勢の騎士たちがサンドリア王国の大広場に集まりごったがえしました。
オーク共が兵隊を集めてサンドリア王国に攻めかかろうとしているので、
こちらからも打って出て、迎え撃たなければならなくなったのです。
サンドリアのチョコボ厩舎も大変な騒ぎでごったがえしました。
騎士達と同様に、彼らが乗るためのチョコボ達もまた出動しなければならないのです。
エルヴァーン族用、そして同じく体の大きなガルカ族用のチョコボまで繰り出され、
後には体が小さな種族のためのチョコボしか残っていませんでした。
『彼』も同様でした。
こんな大変な戦では、『彼』の仕事などあるはずもありません。
(15/23)
そんな時、またしても例の体の小さな騎士が現れました。
「すまない!ヒュム用か、ミスラ用でも構わないから用意してくれないか!
俺にはお仕着せのチョコボでは体が大きいだけで役に立たない。
一番、軽やかで足が速い奴が欲しいのだ!」
「おお、騎士殿!それなら良い奴がいますよ。さっそく連れてきましょう。」
そういってあたふたと飼育係が用意を始めました。
もちろん、『彼』のことではありません。
本当のところ、こんな時こそ『彼』が騎士を乗せることが出来るなら、と思うのですが。
飼育係がチョコボを用意している暇に、
騎士は『彼』がこちらの様子を見ていることに気がついたので、近づいて頭をなでながら言いました。
「心配するな。俺たちの手でサンドリア王国を守り通してみせるからな。」
そして用意されたチョコボに飛び乗り、
「似たような奴をあと二、三匹ほど確保してくれ。
ずっと走りっぱなしになるだろうから、
どんどん乗り換えなければチョコボをつぶしてしまう。」
そう言いながら、そのまま走り去ってしまいました。
(16/23)
騎士隊が出動した後も街はまだまだ騒がしく、人々の忙しさは大変なものとなりました。
増援の騎士隊を組織したり、食料や予備の弓矢なども後から後から送り出さなければなりません。
そんな騒ぎの中、
タルタル調教師の世話を受けながら、『彼』とその兄弟達はおとなしくしていました。
『彼』はあくまでも平和なときの宅急便である訳だし、
兄弟達も又、たまに訪れるタルタル族の旅人のためでしかありません。
こんな大変な戦の時では、できる仕事はありませんでした。
が、ある時です。
突然、『彼』は柵を跳び越えてチョコボ厩舎を飛び出していきました。
「こらまて!いったい何処へ行こうというのだ!」
飼育係は『彼』を止めようとしたのですが、
いつもは素直に言うことを聞いていたのに、このときばかりは誰が止めようとしても駄目でした。
そして城門が開いている隙をくぐり抜け、ロンフォールの森をすさまじい早さで駆けていきました。
そして『彼』はラテーヌ高原を駆け抜け、
ジュノ公国へと向かう道のりと同じように、ジャグナー森林を目指して走り出したのです。
(17/23)
しかし、今度はジュノ公国を目指している訳ではありませんでした。
道なりに走っていたかと思うと、突然に道を外れてある方角へと向かいました。
そして向かった先は、サンドリア王国の戦の相手であるはずの、
「ダボイ」という恐ろしいオーク共の陣地だったのです。
それまでの道のりは、すでに恐ろしい戦場と化していました。
大勢の騎士達が雄叫びを上げながら突き進み、恐ろしい形相のオーク達と戦っています。
いくつものオークや騎士達の死体が地面に転がり、森林の木々さえもが赤い返り血に染まっていました。
そんな地獄のような森の中を小さな『彼』は駆け抜けていきました。
そして、いよいよオークの陣地「ダボイ」の近くまで来たところで、
ついに『彼』は見つけました。
あの小さな騎士が体に何本もの矢を受けて、うつぶせに倒れているのを。
「う……あ……あ……」
騎士は、そんな言葉にならぬうめき声を上げました。
まだ死んではいません。しかし、彼の命が尽きるのは時間の問題でしょう。
そして、かろうじて動く顔を持ち上げ、『彼』が側にいることに気がついたのです。
(18/23)
「う……こ……これ……これを……」
そして、最後の力を振り絞り、手首にはめた腕輪を引き抜き、ふるえる手で『彼』に渡そうとしました。
それは彼の血のように赤く染められた腕輪でした。
「こ……これを……あ……ああ…………」
もう何も言うことが出来ませんでした。騎士に出来ることはそれが精一杯でした。
その腕輪をどうすればいいのかを言うことも出来ず、とうとう騎士は力尽きてしまいました。
ですが、『彼』は気がつきました。
自分が何をしなければならないのか、ということを。
『彼』は彼の手からくちばしで腕輪をくわえ、すぐさま走り出しました。
騎士の死を弔ったり嘆いたりすることなく、ものすごい勢いで走り出しました。
国元へと、その腕輪を持って帰るつもりでしょうか。
いえ、あの時と同じくジュノ公国の方角を目指して、全く逆の方角を目指したのです。
この前と同じ道順を辿って走り抜け、またしてもジュノ公国の扉を叩くのかと思えば、
今度はそれをしようとせず、さらにジュノ公国の横を通り抜け、
遙か彼方を目指して走り続けていきました。
(19/23)
次には、本当に始めてきたはずの荒れ果てたソムログ原野を突き進み、
荒涼たるメリファト山地を一気に駆け抜け、
タロンギ大峡谷の谷間をすさまじい勢いで走り続けました。
その走る速度はこれまでにないほど速く、
熟練の旅人でしか知らない近道を迷うことなく選び出し、
誰にもなしえなかったような短い時間で、
ついにウィンダス連邦国が君臨する、
緑なすサルタバルタの草原へと到着したのです。
ウィンダス連邦国の大門へと辿り着き、
そこに居る番兵めがけて、ずっとくわえてきたくちばしの腕輪を乱暴に投げつけ、
なんと『彼』は大声で叫びました。鳴いたのではありません。人間の言葉で叫んだのです。
「緊急!緊急!我がサンドリア王国の宿敵、ダボイのオーク共が、
恐ろしい魔術を用いて、地獄の冥界から恐ろしく巨大な化け物を引きずり出してきた!
もはや、我が騎士隊の剣は通用せず、サンドリア王国は存亡の危機にある!
至急、貴国のお力をお貸しいただきたい!こうしている間にも王国の騎士達は倒れているのだ!」
(20/23)
そして……『彼』はその場で、ばったりと倒れてしまいました。
あわてて番兵が調べてみると、もはや彼は絶命していたのです。
サンドリア王国を出てから、遙か彼方のウィンダス連邦国までの長い長い道のりを、
ほとんど休みも取らずに駆け抜けたのだから無理もなかったかも知れません。
『彼』は騎士の腕輪を届けるために、全ての力を尽くしてしまったのです。
ウィンダス連邦国の番兵達は、その成り行きにぼうぜんとしました。
そして、チョコボが言葉を話すという不思議な出来事に驚き、
チョコボが喋ることなど真に受けて良いものかと悩みました。
ですが、それも一瞬でした。
なぜなら、彼が持ってきた腕輪は本物だからです。
それこそヴァナディールの各国で通用する、緊急時のための伝令を示す本物の腕輪だからです。
すぐさまウィンダスの最高機関である元老院にまで報告され、
緊急事態と見て面倒な会議を行うこともせずに、
すぐさまサンドリア王国を救うため出動命令が下りました。
しかし、なぜ本国のサンドリアではなくウィンダスまでやってきたのでしょうか。
(21/23)
その答えは簡単でした。
実は、タルタル族の小さな小さな体には優れた魔法の力が秘めており、
ダボイのオーク共が呼び出した怪物を沈めるには、
ウィンダス連邦国に頼る以外には考えられなかったのです。
そして魔法の力を持って、ウィンダスが誇る魔法使い達は次々とジャグナー森林、
そしてダボイを目指して飛び立ちました。
その頃、ダボイ、そしてジャグナー森林では、
呼び出された恐ろしく巨大な化け物が、オークに操られるままに木々を踏み荒らし、
サンドリア王国目指して歩いているところでした。
もはや騎士達のほとんどが倒され、あるものは恐ろしくなって逃げ出しました。
サンドリア王国は、ほとんどの騎士が出動してしまっていたため、
その怪物が辿り着けば、王国の命運はそれで尽きたことでしょう。
しかし、タルタル族の魔法使い達が次々と到着して怪物を取り囲みました。
そして彼らは協力して魔法の呪文を唱え、怪物が動けないように魔法の力で縛り付け、
さらに恐るべき魔法の秘術をもって怪物を倒しました。
はるか天空から怪物に負けない巨大な岩を投げおろし、怪物を下敷きにしてしまったのです。
(22/23)
こうして、この戦の幕は閉じられました。
まだまだ沢山のオークが生き残っていたのですが、
せっかく呼び出した怪物を倒されてしまったし、
それまでにサンドリアの騎士達にかなりの痛手を受けていたのです。
さらにウィンダス以外の国からも後から後から救援が駆けつけ、
もはやオーク共は手も足も出ない状態となりました。
その後のこと。
サンドリア王国のでは、この戦いで犠牲となった騎士達の弔いが行われました。
犠牲となった騎士達はとても大勢だったのですが、一人残らず名前が読み上げられ、
人々はその犠牲に感謝し、そして涙しました。
そして最後に、あの体の小さな伝令である騎士と、
そしてチョコボの『彼』の功績が讃えられました。
ウィンダス連邦国の救援があったからこそ王国が守られたの訳なのですが、
怪物の存在を探り出した騎士と、その伝令の役目を果たしたチョコボの『彼』が居なければ、
既に王国は滅んでいたかも知れません。
(23/23)
そして、人々は語り合いました。
チョコボが人の言葉を話して、伝令の役目を果たした不思議な出来事について。
ある者はチョコボの必死の思いが言葉となって現れたのだ、と。
また、ある者は騎士の魂だけがチョコボにのって、ウィンダスまで辿り着いたのだ、と。
そして、ある者は騎士が使命を果たすため、チョコボに生まれ変わったのだ、と。
しかし、それは一番考えにくいことです。
過去に向かって生まれ変わる、などということは理屈からして間違っています。
騎士と『彼』は似ていることが多いので、そう考えるのも無理はありません。
ともかく、騎士と『彼』は同じ墓に弔われ、
『彼』らの功績を語り継ぎ、
『彼』らが小さな体で元気に働く姿を思い出しては、
人々は涙した、ということです。
(完)
227 :
ぽん吉 ◆6NLrYYfI2g :2006/05/16(火) 18:49:22.15 ID:sdI0QisU
えーと、以上です。
失礼しますた。
228 :
既にその名前は使われています:2006/05/16(火) 18:52:38.07 ID:G8Gl3buo
ちょこぼーーーーーーーー;;
「彼」なんて書かれてるとパワーパフガールズの「彼」を思い出すぜ
キバヤシ :なぜバストゥーク組が襲われないのかをねたで書いてみるぜ
ネタ書くにつきましては確認したいことがあるのですが
バス組みは めき と 69 だけだったですかね?
231 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/16(火) 19:06:13.71 ID:C5DOTN1u
>>200 確かに何となく被ってしまいますね・・・。
読んでいたらアジド兄妹にあいたくなってきましたw
>>227 ウァーン・゚・(ノД`)いい話だぁぁぁぁ・・・
232 :
既にその名前は使われています:2006/05/16(火) 19:55:21.92 ID:Y3fFLXwm
>230
多分そうage
なぜバストゥークは安全なのか変
リぽーたー(以降リ) :みなさんこんばんわー、突撃となりのヴァナディーるでーす
今日はヴァナの平安を守るフェイトのバストゥーク支部に突撃いたしますー!!
り : バス鉱山区住宅街にあるここがフェイトバス支部の建物となっておりますね!
一見すると普通の住宅と変わりませんねえ まさに支部といった外観です!!
それでは中に入ってみましょう、 お邪魔しますー!
ミスラ隊長(プライバシー保護のため仮名、以降ミ) :お待ちしていましたにゃ
今日は好きなだけ取材していくがいいにゃ
り :こんにちはー、今日はよろしくお願いします!
早速いきなり質問なんですがここの隊員数は何名ほど居るのでしょうか??
ミ :私を含めて5名ですにゃ
人数は少ないけど みんな実力は完璧ですにゃ
フェイトの総合隊員試験では全員毎回トップ10にはいるほどですにゃ
り : おおー、それはすごいですねー!!
全フェイト数百人中10位ですか! (人数仮称)
まさに少数精鋭といった感じですね!!^^
ミ :それほどでもないにゃ 日ごろの訓練の賜物ですにゃ
り :では次の質問ですが、なぜバストゥークの異邦者を放置しているのですか?
ヴァナの平安を守るのがあなた方の仕事ではないのでしょうか?
新しくアイテム作ったりしてますが止めなくて良いのでしょうか
ミ : それはバスの異邦者が別に平安を乱していないからにゃ
破壊活動とかしてないし
新アイテムだって時代の流れの必然ですにゃ
だから放置でぜんぜん問題なしにゃ
り : なるほどなるほど、放置で問題ないといったことなのですね
でもしかしそういえば最初に 異邦人ミスラが現れたときフェイトが一名排除にかかったようなのですが
あれは一体どういった事なのでしょ
ミ : あのときのフェイトはうちの隊員じゃないにゃ
あれはヴァナ中を回って突発的な異邦者に対応するためのフェイトにゃ 巡回人にゃ
うちらみたいな常駐人というにゃ 他の地域の異邦者には手は出さないようになっているにゃ
り: 成歩 道 一口にフェイトの隊員といっても役割はいろいろあるのですね
まさにこれぞ組織って奴ですね!
リ :次に隊員の方々のお話を伺いたいと重いまs!
みなさんこんにちは!
隊員1 2 3 4 : こんにちわwwww
り : 1番から順にバス支部に入隊した理由をお話してもらえますかア?!
員1 :うはw 得意武器はバニシュ!
入隊理由はミスラが好きだから!!ミスラの異邦者とか俺には殺すの無理w
バスだとミスラの異邦者が居ないだろうと思ってやってきました!
員2・3・4 :俺らも1と同じ理由です
隊長がミスラだというのもバス支部に入った理由のひとつであります!
員1・2・3・4 :ミスラの異邦者が現れたときはあせりましたが
隊長が殺さなくてもいいといったので正直安心しました!
メキにするめを食べさせて殺しかけたナジをいつかボコる予定です!
り : ・・・(だめだこいつら、早く何とかしないと)
り: あれでももう一人69って異邦者が居ますがそっちはどうするのですか?
やらないんですか? 職務放棄ですか?怠慢ですか?
ミ :あっちはしっかりヴァナに入り込んで無害だから放置でいいにゃ
り :へぇー では普段一体何をなさっておられるのでしょうかねえ?
ミ :鉱山区の清掃作業や競売所の受付やってますにゃ
り:はぁー なんだか便利屋みたいなんですね
嗚呼っと今日の放送時間はここまでのようです
明日の放送は武神様宅へ突撃のよていでっす!
それではみなさんまた明日!
隊員1 :ああ!ナジのやろうまたメキにスルメ食わそうとしてるし!
員2 : なんだと!
員3 : こうなりゃナジのポストへチラシ爆撃してやるしか手は無いな
員4 :ちょっとサンドまでチラシ取りに行ってくる!
おしまい♪
この程度に一時間もかかった自分に驚愕
なおこのお話はフィクションであり実際のバス担当フェイスとは関係が無いかもしれません
皆様投下乙でございます。
そして、まとめサイトの中の人様、乙でございます。
>>180 なるほどーそういう理由だったのか・・・。
面白いストーリーでした。みかんの皮・・・ww
クレリックは髭が剃れないのかという小噺ですねw
>>183 てんでバラバラのPCたちをまとめるのに“共通の敵”を出すのは良く使われる手法ですので、
かつて赤い鎧等を提示したのでした。
ただそれだと、ルーファス氏のような超人的戦闘力をもつキャラクターのSSにしか出せない・・・。
そこで、低LVのキャラクター様のSSにも出せる、第二世代、というものを用意したのでございました。
書き手様によって、フェイトは冷酷で不気味な組織に書かれることもあれば、お間抜けギャグ集団の場合もあるでしょう。
それでいいじゃないか、と思う次第です。
>>200 魔道球とカードの説明、わかりやすかったです。
なるほど〜ぉ。そういうことか〜w
それから。
人様のSSに何か言うものではないので、ひとりごとなのですが、自分とこのSSの解説を。
「自分がそして誰かが行動する事で、運命が変わる。人は運命を変えられる」というのが、自分とこの作品のテーマ。
味丸はそれまで来訪者との接点はない。だが、レップ氏が天の塔を駆けずり回った事で、接点が生まれた。
レップ氏が運命を変えた。
それはウィンダスを任されていたチャリオットの想定外の事態であり、ゆえのリードとチャリオットのセリフになる。
これは、あくまでリード視点のハナシです。
レップ氏の行動より前、既に味丸は来訪者を知っていて裏で動いていた、というのもいいんじゃないでしょうか。
リードは釈迦の掌で「運命は変えられる」とイキがっていただけに過ぎない、と解釈できるわけですから。
242 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/16(火) 22:21:17.96 ID:jsSTVMLu
>>227 タバコの煙が目に染みただけだ。泣いてなんかいねぇ。・・・ぐしっ
新スレになってから、メイミィさんの書き込みを見ません・・・。
方針のお返事を待たず、リードは単身でいなくなります。
夕暮れにたたずむ久しぶりのサンドリアは、キナ臭い空気が漂っていた。
衰退しつつあるとはいえ獅子と龍に例えられる王国。つねにピリリとした雰囲気の街ではある。
そこが好みでもあるのだが・・・、常とはやや違う。
ダブレットとズボンというありふれた格好で何気ないそぶりを装い、通りを歩いた。
それにしても、丸腰がこんなに心細いものだとは・・・。
監視の穴をついてウィンダスを脱出したのは、チャリオットとの決着がついてからたっぷり三時間後。
どうしても外せない用事だったとはいえ、冷静に考えればあまりにも時間が経ち過ぎていた。
あの直後であれば、すぐさま飛空艇に飛び乗り、ジュノで行方をくらます事もできた。
しかし時すでに遅し、空の上という閉鎖空間に身を置くには、あまりにもリスクが大きすぎた。
また、チョコボを使う事も避けたかった。厩舎は森の区の一箇所しかないのだ。
全身に刻まれた癒しきれない大怪我の、たびたび開く傷を応急に塞ぎ、姿隠しの薬品を多用して陸路を行った。
そしてブブリムの歩哨小屋に常駐する商人に、サンドリアまでのテレポを頼んだ、というのが道程だ。
サンドリアで何か事件があったのは確かだ。
リンクパールは荷物に入れっぱなしで、一度も連絡はとっていない。これからとるつもりもない。
周囲を警戒してはいたが、妙な事に、フェイトや赤い鎧の気配はなかった。
国内警備の神殿騎士団も誰かを探しているらしく、一介の冒険者風情に構っているヒマはないようだ。
情報収集をしたいところだが、それよりもまず、先に行くべき場所がある。
それにしても、街のこの惨状はどうだ。
石ばかりでも樹木ばかりでもない、美しいバランスの取れた街並みが見る影もない。
家々は崩れ、石畳は各所が剥がれてへこんでいる。城壁にも傷がついている。
復旧作業に汗水を流す人々を、足を止めずに横目で見やりながら歩いた。
どこかの馬鹿者が古代魔法を連発? いや、違う。
この被害規模は、赤い鎧の誰かが調子に乗って力を振るったのだ。しかも、自動復旧なしの結界で。
どちらにせよ馬鹿者、という評価は同じか・・・。
居住区の手前で物陰に入り、念のために再び薬品で姿を隠した。
自分のモグハウスには、小さな武器庫がある。
セーフハウス代わりに使う程度の場所柄、たいしたものは置いていない。
だが、一振りだけ。
たった一振りの長剣だけは、自分にとって特別だった。そして、おそらくこの世界にとっても。
その意味するところにようやく気がついたからこそ、こうしてサンドリアに戻ってきたのだ。
無人のはずのモグハウス。ドアを何気なく開けてしまい、自分の間抜けさを悔やんだ。
「御主人様、おかえりなさいクポ」
「あら、おかえりなさい」
自分のモグハウスで、デュエルが優雅にサンドリアティーを楽しんでいた。
246 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/16(火) 23:22:32.88 ID:jsSTVMLu
今夜の投下は以上です。
サンドリアに帰国いたしました。
高潔なる人徳を以ってウィンダスを担当していたチャリオットの、後任が誰になるのかは知りませんが
(そしてナナシ氏の胃に穴が開きそうですが)
メイミィさんが抹殺対象になる可能性は低いかな、と考えております。巻き込まれただけ、とも言えますし。
あの十二騎士も、リードが現出させたとフェイトが誤解するほうが、むしろ自然ではないかと。
乙あるよ
デュエルいきてた
しかも勝手にモグハウスに入ってる!
【ヤーン】
248 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/17(水) 01:18:35.61 ID:1Pj9wmBX
うーん。サンドリア組三人集はバトルがメインでもそれぞれ違いが明確だからな。
以下、サンドリア編番外編を書くにあたって分析した三人の「キャラクター」。
(元々は弐スレ目で原案を考えてたため、
三人とも出す予定はなかったのですがスレの流れ上エピソードを追加しました)
ルーファス氏は既に完成されているキャラクターです。
これ以上強くなる要素、成長する余地はありません。
(ドラゴンボール路線にすれば話は変わってきますが、
敵も無駄に強くなるため意味がありません)
「自分」を構成する自分の身、自分の友人、自分の家族、国と、
「自分」を構成する要素の範囲を拡大していくことで、
「自分」に対する責任感によって強くなっていくタイプのヒーローです。
よって、成長の要素はなく、外的要因によるパワーアップはありえますが、
基本的にその強さは内面から来るものであり、彼にとって大切なものが増えること、それが危機に陥ることが彼に限界以上の力を出させます。
あくまでどんな困難にあたっても自分を見失わず、前に進んでいける人格です。
249 :
既にその名前は使われています:2006/05/17(水) 01:20:02.37 ID:1Pj9wmBX
ヒロは最初の時点ではニートで性格もアレな人物としてスタートします。
初期は厨房っぽいことを言ったり、オタッキーな言動や嫌われ上等の台詞を吐き、
初めて手に入れた強大な力(赤75)も、殺しても誰も文句を言わない「弱い」オークにぶつけます。
ですが、徐々に殺していった敵や、出会った弱い人々、愛する人などの出会いにより、
偶然手に入れた強大な力を自分の理想のために振るうようになっていきます。
ヒロインも隻腕の未亡人と単純に綺麗綺麗で済まさないところがあります。
既に完成された男であるルーファスから見れば子供っぽく見えますが、面子で一番成長し、
ものを考え、冷静沈着に今の状況を見極め、腕より頭で状況を打破します。
限りなくゼロからのスタートですので、どんどん伸びていきます。
非常に成長が楽しみなキャラです。・・・かっこよすぎて死亡フラグ気味ですが。
(実は自分が一番好きなヒーロー像です。ヒロ氏)
250 :
Silut446:2006/05/17(水) 01:31:08.52 ID:Kl/Crzs2
こんばんわ( ・ω・)ノ遅くなって申し訳ありません(滝汗
テンプレについてですが、今回新しい能力がわかるので
本文終了後に追記します。ではいきまする。
251 :
Silut446:2006/05/17(水) 01:32:06.95 ID:Kl/Crzs2
(どこだここは・・・?)そう思いつつ自分の体を見るが、(体が無い・・)
さっきの白魔導士の件で闇討ちでヘキサストライクとホーリーでもくらって
天国に召されたのかと真剣に考えながら、剣を握り意識だけ飛ばされたようだ
と理解する。
(ここは龍のねぐらか・・?)周囲は確かにそれらしい光景がある、小さな滝
は流れているし、幻想的とも言える緑色の光景が広がっていた。だが、奇妙
なのは(あれは雪か?雪が降ってる・・)、そうダンジョンの中なのにも
かかわらず雪が降っているのだ、それも血を彷彿させる紅色の。
(いやな色だな。)さらには何故か墓みたいなのも見える。(あれは塚か?。)
そうバタリアに点在する丘の上にある、古くから死者が多く埋葬され、
クリスタル大戦においてはジュノ合戦とアルタナ連合軍の反撃のきっかけと
なった場所でありそれにともない、戦死者もうなぎのぼりとなり古墳にすら
弔うことさえできず、バタリアの風が強いところで野ざらしに墓がたってたりする
、その目印としての塚みたいなのが無数に見えているのだ。
明らかに場違いであることから、アストラル界の様な異世界に飛ばされたのかと
考える
252 :
Silut446:2006/05/17(水) 01:33:08.99 ID:Kl/Crzs2
そうやって考えていると、変化がおきた。(ぐっ・・・なんだこれは・・。)、
何かが聞こえる、それも悲鳴といったようなものだ。
(助けて!) (死にたくないぃぃぃぃ。) (よくも隊長を!)(せめて息子
だけでも・・。) (楽にお金を稼げる方法ないクポかねぇ) (よくも秘蔵の
エロ本燃やしたり、ビンタしてくれたなクポォォ) (いつになったら門番から
解放されるんだ!) (兄さんにいつまでもこきつかわれたくないぃぃ。)・・・
阿鼻叫喚なものや愚痴やら悲しみ、苦しみ、欲求、そういった負の感情が流れてきた。
(く、苦しい・・・まるでその人の感情をそのまま受け取っている感じだ・・。)
永遠に続くかと思われた拷問のような感覚、これで自分の人生も終わるのかと
思った、その瞬間・・今度は光が差し込んだ。
253 :
Silut446:2006/05/17(水) 01:34:50.85 ID:Kl/Crzs2
(ん?無事か?)どうやら意識は戻ったらしい、リアルに戻っていればより良かった
のではあるが・・・ふと体を見ると、(なんで下着姿なんだ?さっきまで種族装備だったのに。)ふと気が付く、まさか同じ境遇の人のモーグリのような奴だったのかあのモーグリめ!そう思ったが事実は違った、アトルガンクエストにもでてきていたが光のクリスタル
を利用して複写するカメラみたいなものだろうか、それを持った白い物体が喋る、
「これだけ撮影したものを売れば、そこそこのお金になるクポね〜。アップルパイも
食べ放題、クプププ。」守銭奴モーグリだった!声を低くし問いただす。(さっきの怨嗟の
叫びのなかでクポと語尾にあったのが二つあったが前者はこいつか・・。)モーグリは
ばたばたしながら言い訳をする。「故郷に5人の弟や妹が、両親に先立たれ・・・お金が
必要で・・つい出来心でやってしまったクポ」あまりにありていな言い訳である。
「へぇ、じゃぁさっきのアップルパイは何かなぁ?」モーグリは固まった「クポポォ」
と叫び逃げ出した。(逃がすか!ついでに魔法を使ってみよう。)とっさのことなのに
何故かすんなりと言の葉を連ね詠唱する。「文字を以って世界に刻め!彼の者を束縛
せしめる呪縛を!」バインドだ、レジストされることもなく、きまりモーグリは動けなく
なる。さて、どうやって罰を与えようかと考えてると、モーグリが喚き出した。
「ご主人様なんですか、その魔法に対する加護はクポ〜?」「話を摩り替えようたって
そうはいかないよ!ん?加護だって?」
254 :
既にその名前は使われています:2006/05/17(水) 01:36:59.16 ID:1Pj9wmBX
フルキフェルは受動的です。まず事件ありきであり、
自分が何をするべきか、しなければならないかをその場の判断で、
思想、主義、立場などを超越して判断します。よきも悪くも女性的です。
(男性は戦う理由を死ぬ理由と位置づける嫌いがありますし、思想で敵を殺せます)
ヒロのように理想にとらわれることも、ルーファスのように責任感に縛られることもなく、
「今」「何処で」「なにがおきているか」「自分はどうしたいか」を明確に示せるとてもおいしいキャラですw
敵でも今は組める相手を一瞬で見極めることができるし、野郎二人よりはある意味冷静です。
とても重要なセーブポイントを護ってます。
ヒーローというより、「この世界に紛れ込んだ読者」と一体になれる人格です。
感情移入するというより、冷静に第三者の視点を維持できるいいキャラです。
くそ怪しい「僕」の存在も重要ですね。
彼のいうことが嘘かどうかまったくわからんわけですし。
「僕」のキャラの魅力はくそ怪しい反面、
「敵討ち」とハッキリ読者にわかる動機を持って行動している点です。
・・・本人様方ごめんなさい。とりあえずこのイメージで番外編は書かれています。
>>239鉱山区の町内会の皆様&ロック&モグハウス管理組合一同(モーグリ)と一緒にどぶ掃除をしている人々がフェイトだったのか!w
255 :
Silut446:2006/05/17(水) 01:38:49.04 ID:Kl/Crzs2
どうやらまた変なものを自分は持っているらしいそう思いつつモーグリの話を聞く、
「そうだクポ。精励魔法なんかに特にあるんだけど、詠唱が早くなったり、威力が上がっ
たり、特定の属性に強くなったりする人が偶にいるクポ」つまりバ系やらファストキャス
トを勝手に持っているわけだ。具体的にはカザムのミスラ達にはそこにいる限りは、火属
性の加護があるらしい、伝統的にイフリートの釜で火の神を奉っているかららしい。
「加護を受けている人の特徴として、詠唱時の精霊の集まり方にはっきりと出るクポ。さ
っきの話のカザムのミスラが魔法を撃ったりすると詠唱のときに、属性に関わらず、赤み
がかるクポ。ご主人様の詠唱のときには言った言葉がそのまま文字として具現化している
クポ」なるほど、そういう加護があったのならすんなりバインドの詠唱が出来たのかと考
える。「でも特定の属性なんてなく加護を受けているのはすごい珍しいクポ」モーグリは言
う、先祖からなんかしらの理由で特定の属性の加護を得ている人はそれなりにいるのだ、
とただ冒険者は魔法やクリスタル合成によって作られた装備をしているから気が付きにく
いだけだと。だがそれでも不特定多数の属性加護を持つ人はほんとに稀なそうだ。「だとし
たら原因はこの剣だろうな。」他に理由は思いつかない、もしかしたら女体化したのが、理
由かもしれないけども。「とりあえずバストゥークの要人さんに話を聞きますかね。」それ
がいいクポとモーグリも同意する。そうやってやることが決まったので、「さて、壊そう
か・・文字を以って世界に刻め!紅蓮の刃、舞え炎よ!」もちろん、カメラはきっかりフ
ァイアで焼いておいた。
256 :
Silut446:2006/05/17(水) 01:40:23.58 ID:Kl/Crzs2
テンプレです
初出 スレ5の446
PC(仮)名:Silut(シルト)/中の人:446こと睡魔に弱い大学生
種族フェイス:ヒューム♀のF1(元々はヒューム♂のF2)
ジョブレベル:暗黒75/サポは特に無しです
特記事項
なぜか本来のキャラデータのままなのに性別と武器が変わってしまった不運な人
活動エリア:モグハウス>バストゥーク商業区(次回の予定です)
他キャラの方との接触:特に無し
独自レギュレーション:謎というか正体不明の両手剣を所持し、リアルから何かを
持ってきたわけではない代わりにある能力をさずかっている。また今回の件で
精霊の加護を得ていることが発覚、暗は精霊はU系までしか使えないが、
もしかすると・・・?
257 :
既にその名前は使われています:2006/05/17(水) 01:44:16.39 ID:1Pj9wmBX
乙です。割り込みすいません。
・・・モグハウスからまったく動いてないシルト氏はロック以上に監視対象外なのだろうか。
動かないなら動かないで(アマンダのような管理人が)襲ってくるし厄介な話だ。
258 :
Silut446:2006/05/17(水) 01:45:03.11 ID:Kl/Crzs2
今回の分はこれで終わりです。ユファファさんからのヘキサストライク等くらったので
冒頭のネタにつかわせていただきましたw(ー人ー)感謝です。
また途中に出てくる語尾がクポの後者は・・・まぁあえて言う必要もないでしょう/grin
さて、いよいよモグハウスからでますのでお楽しみに〜。皆様良い夢を(--)zzzz
259 :
既にその名前は使われています:2006/05/17(水) 01:53:57.70 ID:1Pj9wmBX
そういえば某内藤チームのリーダーも黒75と同等の能力持ってるっぽいんだよね。
装備が装備だからアレだけど。バニシュとホーリー、
オートフラッシュ(歯)しかナイトの魔法ないらしいけど。
Dさんはなぜか気孔弾撃てるし、Bさんはスーパージャンプできるし、
バニシュIIIを白魔が習得する前の時代からアンティカナイトのごとくバニシュIII撃ってた奴いるし、
Eさんはふつうに隠れるできるっぽいし・・・。
内藤チームってメインジョブよりサポジョブのほうが強いようだ。
・・・内藤君って一番普通に見えて実はとても強い気がしてきた。
Dさんには勝てなくても常識を超越した他の面子には勝つからなー。
260 :
外伝。その翼。天高く。 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/17(水) 07:01:10.74 ID:1Pj9wmBX
「てめーは誰だよ?」意識を取り戻した彼女に心配はないといった彼に、
その女性は開口一番にこう答えた。
一国の宰相に"てめー"呼ばわり。実に無礼だが彼はなにも言わなかった。
「・・・ハルヴァーだ。お前の姉の乳飲姉妹の兄でもあるな」
コホンと咳をしてそう答えた彼に、彼女は「ふーん」と答えた。
さわやかな朝だ。鳥の声、柔らかな朝日。
「俺は鈴川詠二ってんだ。よろしくな」・・・スズカワ?
コンコンとノックの音。「入ってくれ」ハルヴァーの呆れた声を聞き、
何事か訝しげに思いながらも彼の妹が入ってくる。
「うっわ。すっげー別嬪♪」ヒューというその女に妹は・・・特に何も言わない。
「アンタ、もっと若ければアイドルになれるぜ。今なら女優かな?AV女優ならそろえるぜ?」
無礼とかそういう問題ではないのだが、幸い、この二人は“AV女優”という単語を知らない。
261 :
外伝。その翼。天高く。 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/17(水) 07:26:01.53 ID:1Pj9wmBX
「えーヴい・・・女優?」聞きなれない単語に疑問を抱いた兄を無視して妹は優雅に微笑み、礼をする。
「ああ。滅茶苦茶背が高いのはあれだが、そのぱっと見に清純そうな顔立ちといい、
その腰といい、身体つきといいたまんないね。彼氏いるのかい?」
・・・この女は無礼なことを言っていると気がついた兄が激高しそうになるのを彼女は微笑みで制した。
「・・・容姿については・・・十人並みだと思っています」
妹は謙虚な性格だ。謙虚なだけではなく奥ゆかしい。
普通ならそれは自分が不利になる要素だが、彼女の場合は周りから慕われる要素となっている。
宰相であると同時に、他人から好かれる要素がほとんどない彼とは好対照であり、
彼女の存在と気遣いは、彼自身の株を上げる結果にもなっている。
暖かいサンドリアティの香り。彼女が叫ぶ。「お。紅茶か。悪いね」
礼儀作法もなにもなく、カップを取ると音を立ててすする。「うっめー!」
「で、あんたら誰?」「・・・自殺の心配はしなくて良さそうだな」
苦笑するハルヴァーに「なんで俺様が自殺しなきゃならねーんだ」と彼女は返した。
262 :
外伝。その翼。天高く。 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/17(水) 07:31:59.22 ID:1Pj9wmBX
「…お前はミリアではないのか?」ハルヴァーは疑問を出す。
他人の瓜二つにしては似すぎている・・・。
中年の騎士がこの娘は騎士団で保護すると申し出たとき、
彼女は昔の知り合いだから私が引き取るとハルヴァーは明言した。
引取りのときに確実に資料を見た。
あの日から彼女が冒険者としてどういう足取りをたどったのか。
改名し、国を移籍し、合成技術を学んだこと、
裸同然の格好で街に佇み、バザーを開いていたこと。
一般に英雄と称されるほどの高名な冒険者の「倉庫」になっていたこと。
そして・・・。
冒険者の身分は四国の総意で保障されている。
件の「英雄」は神殿騎士団所属の特別権限を持つ騎士(冒険者には一般にGMと呼ばれている)に処分させるとして、
問題は彼女だ。「ミリア」は彼女の冒険者登録証に記載された(おそらく彼女自身がつけた)名前である。
「スズカワエイジ」(正直聞き取れなかったが)などという名前ではない。
「お前は誰だ?」「あんたら誰だ?てか俺はなんだ?」
同時だった。
263 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/17(水) 07:57:38.00 ID:faxgk8yz
割り込み失礼します
>>239 こんな職場で働きたいですw
>>246 なんか当然の様にデュエルがいる件について。
・・・とりあえずよくわからないけど( ・∀)人(∀・ )通報しますた!
>>258 きゃあ恥ずかしいw彼があんなに恨んでいるとは思っていませんでしたw
いち臼としては神聖魔法の加護ほしいなw
>>262 ついに中の人本格的に活動キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
まとめサイト様。現在投下している分は追加させていただきました。
264 :
外伝。その翼。天高く。 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/17(水) 07:59:31.40 ID:1Pj9wmBX
「ミリア・・・?」呆然と「スズカワ」。こくん。宰相の顎が肯定を示す。
パリン。サンドリアティの入ったカップが落ち、割れる。
「うっ!」"スズカワ"の様子が一変した。頭を抱え込み激しくあえぐ。
「やめて!○○様!!殴らないで・・・!いやっ!あっ!!いやっ!!」
余計なことを言ってしまった。「落ち着け!その男は既にモルディーム監獄だ!」
ガクガクと震え、虚空に叫ぶ彼女をあわてて二人で押さえ込む。
妹がスカートのすそをビリッと引き裂き、彼女の口に噛ませ、
余った布で手を縛る。まばゆく、しなやかな美しい両脚が丸見えになるが意に介さない。
(彼女は普段は穏やかだが、サンドリア女性の例に漏れず、とても気丈なのだ)
265 :
既にその名前は使われています:2006/05/17(水) 08:04:57.86 ID:1Pj9wmBX
「落ち着いてください・・・”スズカワ”さん・・・」
まだ何か叫び、のたうつ彼女を妹は抱きしめる。突如フラッシュバックしたイメージ。
「ミリア」を犯し、男根を口にねじ込む男の画像、
何度も、何度もオークに犯される。尻の穴が引き裂かれる激痛。
膣の中を掻き出し、乳房を指を舌を手を突き刺す鉄の串。鞭と炎、甘美な拷問器具。
無理やり治癒する魔法の激痛。唾や痰を吐かれ、精液をかけられ、無理やり飲まされるイメージ。
恐怖と苦痛と怨嗟と恐怖と苦悩と不快感絶望悲鳴苦痛苦痛苦痛。
「いや!!!止めろ!!!止めてくれ!!その子を・・・やめれ!!!!」
"鈴川”は叫ぶ。その苦悩と恐怖と痛みは自分の痛みでもあった。
正直、レイプ物のAVは結構見ていた彼だが、女性そのものになり、毎晩媚薬を盛られて犯される実経験はない。
その苦痛と恐怖、それに反して発生する耐え難い快楽により自己の魂が壊される屈辱は彼の想像を絶するものだった。
「おちついてください。"ズズカワエイジ"さん」
美しい女性の声が、彼を苦痛と恐怖の幻影から解き放つ。
・・・柔らかい大きな胸の感触と暖かい心臓の鼓動の音が頬から伝わってくる。
「ああ・・・ああ・・・」涙を流す「ミリア」に二人は涙を流しつつ、無理やり微笑んだ。
「おかえり」
「ただいま・・・ハルヴァー様。・・・お姉さま」
266 :
既にその名前は使われています:2006/05/17(水) 08:13:35.95 ID:1Pj9wmBX
本日の投下終了。エアリーアーマー誕生はこの三人の物語から。
それを取り巻く物語は今は無き(おいw)アルル氏、クリルラ、トリオンとピエージュ、
「タワー」の母を通して語られ・・・るはずだったのですが、
サンドリアに登場人物が増えたため、若干追加予定です。
フルキフェルさんはおいしいキャラなので出しやすいけど。
外伝もまた生ものですな。
ユリフィナさんに意外と好評な外伝。
いやぁ。ダーク路線もいいもんですな。たるっこの物語もいいのですがこれはこれで。
267 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/17(水) 08:15:10.56 ID:faxgk8yz
私は猟師ギルドの桟橋へ釣りに行っていた。
釣りは結構体を動かすらしいので、スカートはやめてトレダー装備だ。
釣りはスキル18まであげたところで飽きてやめてしまっていたが、
収納家具の奥底でホコリを被っていたカーボンロッドを発見したら突然やりたくなってきたのだ。
私は一度鼻いっぱいに潮の香りを吸い込んだ。すると、魚を覗き込んで海に落ちたユリフィナの記憶と、
友達と花火をやりに海に行った由梨の記憶が同時に呼び覚まされた。
私はそれを忘れないうちにメモに簡単に書き分けておく。
この記憶の整理の作業にも最近はすっかり慣れていて、どちらのノートも既に3冊目に突入していた。
今のところ記憶がごちゃごちゃになることも、由梨の記憶がなくなることも無さそうだった。
桟橋には猟師ギルドの人々の他にも私のような釣り初心者がちらほらといて、
彼らは魚を引っ掛けるたびにあわただしく竿を左右に振っていた。
海を覗き込むと太陽の光をはじいてキラキラと海面と小魚がきらめいた。あれがバストアサーディンかな?
あのちょっと細長いのはキュスかな?
ワクワクしながら釣竿にさびきばりをつけていると突然パールからアリアちゃんの声が響いた。
「ユリフィナちゃんの今日のパンツはピンクのリボンつき〜。」
「なにいきなりセクハラしてんですか!」
アリアちゃんのセクハラには慣れたとはいえ男性もいるパールでこれはやめてほしい。
私に怒鳴られた瞬間うれしそうにニヘラニヘラと笑うのもできればやめてほしい。
どっちもきっと無理なんだろうな・・・。
268 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/17(水) 08:15:22.15 ID:faxgk8yz
「あってるか今からモグハウスに確かめに行っていい?」
「ダメです。」
私が少し本気で怒りながら彼女を睨みながらこうこたえると、彼女は心外だだといった感じで頬を膨らませる。
「えー、いいじゃない。み・せ・て♪」
「・・・あのねぇ。」
私がうんざりしていると彼女の影からもっとうんざりした雰囲気のテティスさんが現れ、
アリアちゃんを押しのけた。テティスさん。あなたがいてよかったと本当に思います。
「こんにちは、このままだと永遠に本題に入れそうに無いので私がいいます。
時空魔法について直接話したいのでリポケケさん、ユリフィナさん、ユファファさん、オヤジさんは
アリアのレンタルハウスにきてください。それでは。」
そういうと彼女はアリアちゃんからパールをふんだくる。しばらくの間パールからは
『もっと女の子ながめてたいのにー!』とか『かえしてー!』とか叫び声が聞こえていたが、
途中からその音声もプツリと切れてしまった。
私はしばらく呆れてボーっとしていいたが、ふと我に返りあわてて釣具をしまい始めた。
269 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/17(水) 08:15:33.56 ID:faxgk8yz
レンタルハウスに全員が集まると、アリアちゃんは真剣な顔でこう言った。
こんな真剣な顔で真剣な話が出来るならいつもこうしてほしい・・・。
「ダテレポの使用方法がわかりました。腕輪も使えます。ただし、」
彼女は真剣な表情なまま一呼吸を置き、私を見つめた。
部屋を流れる小さな滝の水音が沈黙を際立たせる。
「この魔法が使われるのは今回が初めてです。何が起こるかはわかりません。
ユリフィナちゃんはそれでもこの魔法を使いたい?」
「・・・はい。」
私は迷わずに頷いた。これしか手段はないし、少しでも帰れる可能性があるならやる価値はある。
それに今更ためらう気も無い。
彼女は、私に一度ニッと笑いかけてから話を続けた。
「それでは、ダテレポの使用方法の説明を開始します。」
ついに、ついに帰れるんだと思うと、嬉しさと寂しさを含んだ、
卒業式に臨む人のような気持ちがふつふつと湧き上がってきた。
いざ、こうなってみるとヴァナディールの生活は長いようで結構短かったような気がする。
でも・・・本当にたくさんの人に会ったな。ここにいるみんな。星の神子様、耳の院の先生に生徒達、
シャールカーンさん、他にもたくさんの人達と二度と会えないのかと思うと涙がこみ上げそうになり、
鼻の奥がツンとなった。
270 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/17(水) 08:16:21.31 ID:faxgk8yz
「オルデール鍾乳洞にジェミニが残したとされるダテレポの魔方陣が完璧な状態で残っていました。
そこで私が腕輪を使い魔方陣に魔力を送ります。
テティスとユリフィナちゃんは一人ずつ魔方陣の中心に立ってください。
細かい注意などは現地についてからもう一度します。今のところ質問は?」
リポケケがはーい!と元気よく手をあげた。
「はい、リポケケちゃん。」
「いついくの〜?」
「それは、みんなさえよければ明日にでも。」
「あたしは行けるよ〜。」
リポケケの答えを聞いたアリアちゃんは静かに私達を見回した。
レンタルハウスに備え付けられている滝の水音が派手に聞こえてくる。
「誰か都合の悪い人はいる?」
みんなが首を横に振る。多分、明日出発で決定だ。明日・・・明日ついに私は帰れるんだ。
チラリとテティスさんを横目で見てみると、彼女はもう帰りたくてうずうずしている感じがした。
271 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/17(水) 08:16:50.42 ID:faxgk8yz
「では、明日の10時にウィンダス森の区の噴水前集合でいい?」
「私はオッケーだよっ!」
「ヒゲも行けるぞ。」
あとは私だ。私の答えだってもちろん・・・。
「わかりました。明日10時に森の区噴水前ですね。」
私達をもういちどゆっくりと彼女は見回した後、静かにこう言った。
「では、これで決定しましょう。以上で解散とします。」
こうして、私とテティスさんが帰るための会議は淡々と何事も無く終わった。
何かがあっても困るのだが、何もなさすぎるのもかえって不気味ではあったけど・・・。
272 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/17(水) 08:18:14.08 ID:faxgk8yz
私はみんなと分かれてから星の神子様に帰るための方法のこと、帰れることを報告するために天の塔へと向かった。
その際、必ず時空魔法の事にふれることになると思ったので、事情を話してアリアちゃんとテティスさんにもついてきてもらった。
私が帰れるようになったからといって別に石の区に何か劇的な変化がおこるわけもなく、
桟橋ではピピラやフナを釣る冒険者が竿を振り回し、いつものように吟遊詩人は歌い、
演説おじさんは演説をして、競売前では手紙をなくした恰幅のいいおじさんが困り果てている。
私は天の塔にはいり、ロランベリーをつまんでいるクピピちゃんに話しかけた。
「こんにちは、神子様と謁見したいんだけど?」
私はこう言いながらお土産のロランベリーパイを手渡すが、なぜか彼女はそちらに見向きをせずに一点を見つめたまま
微動だにしない。私は彼女の視線をたどると、案の定というかなんというか・・・やっぱりアレにぶつかった。
「クピピちゃ〜ん、おひさしぶりなのなの〜♪相変わらずきゃんわいい〜!」
「げぇ!!アリアなのなの!!!!!」
クピピちゃんショックを受けた時のモーションで大げさに後ろ側に引く。何したのこの人・・・。
なんとなくだけど想像はつくけどさ・・・。
273 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/17(水) 08:19:05.33 ID:faxgk8yz
「クピピちゃん、おみやげなのなの〜♪」
「まねするななの!!」
デレデレしながらアリアちゃんは巨大な包みをとりだして、それを手をブンブン振って怒っているクピピちゃんに手渡す。
そしてその際に不自然にクピピちゃんの手を握る。あんたはセクハラオヤジか!
「もう物ではつられないなの!」
彼女は包みの中身を確認した後に大切そうにそれを机の下にしまいこんだ。つられてるってば・・・。
それに『もう』って一回釣られたってことじゃ・・・うーん、深く考えないでおこうっと。
後ろをちらりと見るとテティスさんは付き合いきれないといった感じで深くため息をついていた。
「え、えーと、とりあえず謁見の為に上に登っていいかな?」
「あ、わかったなの!とっとと話しをしてこいつをつれて帰るなのなの!」
クピピちゃんはそう言いながらズビシとアリアちゃんを指差す。
「照れちゃってかわいい〜〜。また後でねクピピちゃん。」
「もう二度とくるななの!!」
名残惜しそうにクピピちゃんをうっとりとした目で見つめているアリアちゃんを私とテティスさんで引きずって扉の前までいき、
天の塔の上層部へと向かう相変わらず長い階段をゆっくりと登り始めた。
274 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/17(水) 08:19:53.61 ID:faxgk8yz
以上となります。
>>266 悲劇っぽいのとか暗い話とか結構好きなんですw
275 :
既にその名前は使われています:2006/05/17(水) 12:51:22.35 ID:1Pj9wmBX
さて。今日は仮眠後出勤します。19時ごろ飯くいに一時間だけ帰ってきますが、
このスレ見るのは数分ほどなのでレスはつけられません。帰りは一時ごろです。
続きを読みたい方は「スズカワ可愛いよスズカワ」もしくは「宰相様妹さんをお嫁にください」とお書きください。
宰相様妹さんをお嫁にください
スズカワ可愛いよスズカワ
皆様投下おつかれさまです〜
ゆりひなさん…とうとう、帰っちゃうの?(´・ω・`)
チョコボさんが行った事のない道でも最短距離だったっていうのは、
このスレ的にはミラテテ様レースの熟練者が中に入っちゃったりしたんでしょうか。
何にせよ、物悲しく心を揺さぶるお話でした…。
シルトさんの秘密はまだまだありそうですね〜 ヒュム♂に戻る日もそのうちくるんでしょうか?
投下いきます。
出かけるにあたって、サポートジョブは散々悩んだ末に結局白のままにした。
例の盾を生かすならサポナが正解なのだろうけど、今の私にとっては接近戦=多分死である。
エラント一式に頭には蘇生の髪飾りという、一見ジョブがよく分からない格好で、
腰にタナトスバゼラードを差してモグハウスを出た。玄関前でストンスキンとブリンクをかける。
この世界はゲーム内とは違ってどこでも誰かに襲われる危険がある、という事はしっかりと身にしみた。
だれかその内「ほう、経験が生きたな」くらい言ってくれると嬉しい、と思う。
こうして真面目に歩いてみると、サンドリアの居住区には色々なお店があるものだ。
適当に立ち寄ったお菓子屋さんで、お土産用の小さいケーキの詰め合わせなどに混ざって、
「サンドリア名物 ドラギーユ城クッキー」なる、イカニモな商品を発見。
こ…これは相手も来訪者さんならうけるのでは!?
リアル世界となんとなくリンクする、地方観光地の如きひなびたセンスに、
こみ上げてくる笑いをどうにか噛み殺す。ていうかドラギーユ城って観光地なのかw
迷うことなくクッキーを包んでもらい、私は店を出た。
地図に従って進むに連れて、道はだんだんと坂になり、大きめのお屋敷が増えてきた。
モグハウス近辺の区画や先程通ってきた住宅街と、あからさまに建物の造りが違う。
坂の下を見下ろすと、家々の間からルフェ湖が見えた。
地図の通りならそろそろシュヴィヤール邸が見えてくるはずだけど…
周りの風景と、地図に書かれた目印を照らし合わせていく。あった、この屋敷だ。
立派な門構え、広い庭、大きくて頑丈そうな扉。
坂を登り始めたあたりから薄々感じてはいたが、この近辺には貴族の人とかがたくさん住んでいるのだろう。
そしてもちろんこのお屋敷も。失礼のないように振る舞わなければ。
「ごめんくださーい」
扉に取り付けられた、ずっしりとしたノッカーを持ち上げ、ごんごんと二度たたく。
ややあって、扉が少し開かれ、その隙間からするりとミスラさんが出てきた。
メイドさんだ。ねこみみのメイドさんだ。思わず頭の中で繰り返してしまった。
こりゃー好きな人にはたまらんだろうなー、そう思っているとミスラさんが口を開く。
「当家になにか、御用でしょうか」
「あ…すいません。こちらはシュヴィヤール家のお屋敷でしょうか?
私はフルキフェルと申します。ルーファスさんにお会いしたいのですが…」
ミスラさんは眉ひとつ動かさなかった。無表情メイドさんていうとメアリを思い出す。
これで実は全然違うお宅だったら死ぬほど恥ずかしい。
「伺っております。どうぞこちらへ」
扉を大きく開けて、メアリ系のミスラさんは僕を屋敷の中へと招き入れてくれた。
どうやら合ってたらしい。ほっと一安心。
「お荷物をお持ち致します」
そう言われたので、お土産のクッキーをミスラさんに手渡し、鞄は自分で持った。
魔法がかかったゴブ鞄とはいえ、色々入っていればやっぱり重い。そんなのを女の人に持たせるのはね。
促されて薄暗い廊下を進むと、明かりを持ったミスラさんが後からついてくる。
こういうときって前に立って案内してくれるもんじゃないのだろうか。
まあ廊下は一本道だからこれはこれでいいのかも知れないけれど…変な感じがする。
長い廊下の突き当たりには扉があって、エルヴァーンのお爺さんが立っていた。
この屋敷の執事さんか何かだろうか。会釈をしようとしてふと、目が合う。
ぞく、と全身を悪寒が駆けめぐった。すべてを見通すような、お爺さんの底知れない目。
そして、私の心の奥深くに突然灯る、焦燥感と殺意。 。
「お待ちしておりました。そんなに怯えずとも、ようございますよ」
「え? ――うぁ、ごめんなさい!」
いつの間にか鞄を床に落とし、右手にはサンダースタッフが握られていた。
ついでに脚がレリックに切り替わり、頭にはワーロックシャポーが乗ってたりする。
どうやらサンダーIII発動寸前で、私が飛びかけた意識を取り戻して発動中断したらしい。
狼狽えながら杖先に集まる雷の精霊達に散ってもらう私をよそに、お爺さんが口を開く。
「…一目で私の正体を見抜かれるとは、流石でございますな。
ですがこの老いぼれ、今はかの組織を離れた身。ルーファス様に仕える、ただの爺でございます」
「いえ見抜いたのは私じゃないと思います…いきなり精霊魔法構えちゃってすみません」
「僕」がやったことは即ち私がやったこと。素直に謝ると、お爺さんはほっほっ、と笑って見せた。
「来訪者を受け入れながら、魂を混じり合わせぬ事で彼らの監視を攪乱する。
タブナジアにて受け継がれた魔道士の血筋が成す業か、はたまた古代の民に知恵でも授かりましたかな?」
お爺さん、お爺さん、日本語でおk。…一体この人は、どこまで私たちの事が見えたんだろう。
私自身も、今では「僕」のことがよくわからない。「自キャラである」という事以上に、
私のゲーム中でのRPを超えて、確固とした人格と来歴がある、ということくらいしか。
「ルーファス様は只今湯浴みをしておいでです。今しばらく、こちらでお待ちいただけますかな」
とりあえず悪意はなさそうなお爺さんに応接間に通され、お茶を出してもらった。
私が買ってきたクッキーはメイドさん――マルトさんという名前らしい――の手で包装を解かれ、
みんなでつまめるようにテーブルの上に置いてもらえた。…一枚減っている。
ソファに腰掛け、味見がてら私もつまんでみる。けっこう好きな味かも。
ふとクッキーから視線をずらすと、テーブルの天板にはなぜか葉っぱの新芽が生えていた。
テーブルに使う木って乾燥させたりするもんじゃないんだろうか?
お爺さんとマルトさんが部屋から退出したのを見計らって、私は切り出した。
「で、実のところフルさんって何者なんですか」
――杓子定規に答えるなら、サンドリア王国所属の公認冒険者、って所ですけど、
キミが聞きたいのは、そういう事じゃないんですよね。
どうせ私から話しかけたときは黙りを決め込むものだとばかり思っていたから、
返事があったことに私は少し驚いた。
「秘密にしなきゃならないような事は無理にとは言わないけど、
貴方がどんな人で、私とはどんな関係なのかが、一番知りたいとこですね」
――直接話して聞かせるのも面倒なんで、キミの部屋に僕の物を持っていきます。
応接間を沈黙が満たす。
色々間引かれて大分スカスカになった私の記憶の隙間に、「僕」の記憶が収められていく。
お父さんと二人でなんとか暮らしていた頃のこと。冒険者登録をして、初めてサンドリアに来たときのこと。
初めてリンクシェルをもらったときのこと。己の腕を磨きながら、世界中を回ったこと。
私の夢をみるようになったこと。闇の王に挑む冒険者の露払いを買って出たこと。
断片的ながら、「僕」の事が私の事のように分かってくる。
ミッションやクエストが決まっているのはやっぱりゲーム的な都合で、
実際には一人一人、違う事を経験して冒険者としての名声を高めていくのだった。
記憶はまだまだ浮かんできた。トゥー・リアで明星の巫女に会ったときのこと、
瓦礫と炎が埋め尽くす街で、お母さんが死んだときの事を、思い出した日のこと…「―――!」
――ごめん、間違えました。これはナシで。
浮かんだイメージは、形になるまえに崩れて霧散していった。
「今のは、タブナジ…」そう言いかけた所で、扉がきい、と開く。
応接間の入り口に目をやると、そこにはお爺さんに案内されて、ヒロさんが立っていた。
昼間とは違って、ズタズタになったローブを脱いで、赤魔道士のフルAF姿。
ちょっと煤けているけど、似合ってる。オスラでも太ももは出すもんなのか。
ともかく、落ち着いて3人で話す場ができそうなことは、素直に嬉しい。
「やぁ、ヒロさん。貴方も来られたんですね」
「"貴方"……ね」
何故か睨まれてしまった。なんか嫌われるような事したかなぁ私?
「何か気に障る事を言ったでしょうか…。済みません、こちらに来て日が浅いから…」
私に心当たりがないってことはフルさんの仕業だろう。ううん、知らないけどきっとそう。
でも、無事に再会できたってことはしっかりレイズをかけてくれたってことであって、
そうなると一方的に糾弾することはできないな…ううむ。
まあ、嫌われてるっぽい事には気づかない振りをしておこう。そのうち多分仲直りできるさ。
「そういえば、無事だったんですね、良かった。もう傷の具合は大丈夫ですか?」
「…うん」
帽子を取りながら答えてくれる。ちょっと元気がない返答だけど。
もしかするとまだ調子がよくなかったりするのだろうか。煤けてるし。
それにしてもつむじしか見えない。思えばエル♂とミスラだと身長差すごいから、
視線合わせて話をしようとすると向こうは大変かも知れない。
と、再び扉がこんどは勢い良く開いて、ルーファスさんが入ってきた。
そういえば湯浴みがどうとか言ってたっけ。着崩した東方着の胸元がセクシー…いやいや待て私。
「遅かったな、今日はもう来ないと思ってたよ」
私もあんな事がなかったら明日あたりに回す予定でした。
それにしてもヒロさんとは打って変わって朗らかだなぁ。
「ちょっとな」…比べてみても、やはりヒロさんはテンション低い。
その朗らかさ、ヒロに分けてやれ。あいつは少々後ろ向きすぎる。
嫌だ! 俺の朗らかさは俺のものだ!
などと某コラボARPGの名場面を頭の中でパロってみる。おお、まだまだ覚えてるなリアルの事。
それはさておき、この微妙な雰囲気を吹き飛ばすのは甘いものに限ります。
「これ、つまらない物ですがどうぞ」
テーブルの上から例のクッキーを箱ごと持って勧めてみた。
ルーファスさんだけが、ひとつ持っていってくれた。…受けなかった。
ガッカリ感を極力顔に出さないように勤めながら、私は再び席に着いた。
「今日はもう遅いから話は明日にしようか。泊まってけよ。爺さん、部屋の準備頼むわ」
「かしこまりました。ラディール様とマルトめが上がりましたら、
残り湯で恐縮ですが風呂なぞお使いになって下さいませ」
こ、こっちからお願いするまえにお泊まりおっけーとは…懐が深いなサンドリア貴族。
それにしても、ルーファスさんはまるでずっと前からそうであったかのように、
ごく自然にお爺さんに指示を出す。どのくらいなじんじゃってるんだろう。少し心配になる。
「ご迷惑おかけします」
ともかく感謝である。さっきの非礼の事も含め、私は深くお爺さんに頭を下げた。
私が気になったことは、ルーファスさん自身がさらりと語ってくれた。
現実から来た、「FFXIを遊ぶルーファスさんのプレイヤーさん」の意識と、
この世界で生きてきた「ルーファスさん」の意識が混ざり合っている状態、らしい。
「私とは違うんですねぇ」
――僕らの状態はちょっと特殊だから、あまりぽろっと喋らないように。
突っ込まれて、慌てて口を押さえる。今のだめだった!?
「…まぁ、その辺は各自違うんだろ。俺もきっかけがなけりゃ現実の情報しかなかったわけだし」
どうごまかそうか一瞬悩む間に、ルーファスさんは話を流してくれた。
えーと、私はまだまだ「僕」については情報を制限されまくりなんですけどね。
その後はルーファスさんの子供時代の話とかを聞かせてもらったり、
わりと他愛ない雑談に興じた。フルさんが私の本棚かなにかに収めた記憶が、色々と刺激される。
ヒロさんは神妙な顔をして聞き役に回っていた。
興味深い時間がすぎていく内、ふとドアが少し開いて、ラディールさんが顔を出した。
「お風呂空いたわよー」
「お、んじゃ二人で入ってこいよ。うちの風呂はちょっとすごいぜ」
ルーファスさんがにやりと笑いながら私たちにお風呂を勧めてくれる。ん?二人?
つまりヒロさんと二人きりでお風呂に入るという事だろう。
そこまで考えて、顔に血が集まるのを感じた。
いやいやいや、ここで私がエルメスやヒュム子さんだったら問題だけど、今の私は男だ。
そして向こうもオスラ。おかしいことは何もない。落ち着け私。ビークールビークール。
しゃらららん、と氷が砕けながら私の周囲に輪を作る。
我知らずアイススパイクを発動してしまったらしい。ああああもう!
「ヒロさんすいませんマクロ暴発したんでディスペルください!
行きましょうお風呂! 私は平気です!」
「…全然大丈夫じゃないように見えるんだが?」
あーあーきこえなーいきこえなーい。
風呂と言えば男同士の裸の付き合いはお互いを理解する第一歩。
がんばれ私。だいじょうぶ、仮に万が一ありえない確率でそういう過ちがあったとて、
絵的には、喜んでわっふるわっふるするのはごく一部の層だ。需要はない。だいじょうぶ。
だから何も起こらない。普通に親睦を深めるだけだ。
それより、ちょっとすごいお風呂ってどんなんだろう?
私は無理矢理思考を切り替えて、お風呂場を案内してくれるというマルトさんの後を追った。
ここまでです。すいません逃げましたいろいろとorz
というかリードさんがサンドに来てる!?
>>254 すごい…真面目な考察をしていただいて照れるやら申し訳ないやら。
確かに「僕」の言ってることはすべてが真実ではないです。
でもフェイトにフレをごにょごにょされちゃったのは本当。
フェイトが一枚岩の組織ではない。
そうであって欲しい、それともそうでない方が純粋に憎む事ができる?
「僕」もまた、真実を探しています。振り回される「私」は大変だ。
それでは、わっふるわっふるということでひとつ。
288 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/17(水) 15:12:52.25 ID:faxgk8yz
宰相様お嫁にしてください
>>286 ビークールって言ってる時はあの人も大抵クールじゃなくなってますよねw
「僕」と自由に接触できるとは・・・。これからの展開に期待しています
>ゆりひなさん…とうとう、帰っちゃうの?(´・ω・`)
ダテレポが使われるのは初めてなので何が起こるか書いている私もわかりませんw
帰れるかもしれないし帰れないかもしれないし、ヒミツですw
わっふーわっふー
エンガワ美味しいよエンガワ
初めまして。いつも皆様のお話を楽しみにしております。
読んでいるうちに何だか自分も書きたくなりまして…
本日より参戦させて頂きたいと思います。
文章書きなれていないのでおかしな表現があるかもしれませんが、
どうぞ宜しくお願いします。では、いきますm(__)m
ぱっと視界が切り替わり、朝日に照らされたほの暗い部屋の天井が映し出された。
先程の余韻が残っているせいか、何だかよく解っていない頭のまま固まっていたが、
暫くしてようやくほっと一息つく。
―――よかったァ、ベヒーモスのお腹の中じゃなくて。
とりあえず、今何時か確認しようといつも時計が置いてある右側に首をひねる。
「…あれ?時計ない…」
思わず独り言。
寝返りで蹴っ飛ばしたのだろうか。それとも誰かが持っていったのかなぁ?
などと考えていた私の視界に、白い”何か”がフッと現れた。
「おはようございますご主人様クポ!今日の朝ご飯はゆで卵とベークドポポトクポ♪」
白い”何か”はテンション高めにそう言いながら、私の布団を華麗に引っぺがした。
ヒヤッとした朝の空気が温もった身体に降り注ぐ。
その刺激が私の思考回路を動かした。
―――これはFF11の世界にいる世話好きのモーグリだ、間違いない!
でも、ちょっと待って、おかしいよ?
なんで私の部屋にモーグリがいるの?ヴァナにしかいないはず!
だけど、浮いてるし回ってるし、おまけに喋ってるよ?
……あぁ、そっか、わかった。
これはきっと夢だ。まだ私寝てるんだな。そうに違いない。
自分会議で結論が出たところでもう一度おやすみなさい♪
夢の中で夢オチで起きる夢って本当にあるんだねェ…zzz
「…ご主人様!いいから早く起きろゴルァクポォォォ!」
「ギャーーー!来るなモーグリ!!もう変な夢ばっかり嫌だーーー!!」
――――ひとしきりモーグリと格闘した後、ようやく理解した。
ここは、私が生きていた現実(リアル)の世界とは違う、別の世界。
仮想世界(ヴァナ・ディール)であるという事を――――――――――
っと。こんな感じではじめていきたいと思います。
お手柔らかにどうぞよろしくお願いします!
皆様のご投稿も激しく楽しみにしております(*´д`*)
って、私とんでもないミスをしておりました…冒頭部分ぶっとばしてましたorz
ここからが開始です↓ 初っ端からミス申し訳ないです…orz
見たことも無いような、巨大な巨大な猛獣と呼べる生き物がそこにいた。
…あ。でも、これどっかでみたことあるな。
確か、いつも遊んでいるFF11にでてくるベヒーモスかな?うん、そっくりだ。
―――って、なんでそれが今目の前にいるのん!?
しかも何か、あの…襲い掛かってきそうですよ?
ってか、ちょッもう遅いよ踏まれるよいや待って食べられるよウワァァ――――!!
前田サーン
来訪者いちめいついかー
アイヨー!
296 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/17(水) 21:27:57.84 ID:A41rPMQb
投下乙です。
疑問に思ったのだけど、オーク(や他の獣人)がアルタナの民に欲情する事ってありえるのでしょうか?
殺す、破壊する以外に、どうにも想像がつかなかったり。
そろそろ本格的に帰れそうな人もいます。歩く災厄が邪魔しに行こうと画策中。
【気をつけてください】
ヒロ×フル! わっふる! 超わっふる!
>>294 いらっしゃいませ。ようこそです。
続きを期待しております。
297 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/17(水) 21:39:18.97 ID:pYBoRdPT
>>145 サンドリア名物……
食べてみたいかもw
>>148 やっぱモーグリは主人に似るんですかね
ハッ!
となるとユリフィナさんとこのモグタンはユリフィナさんが(後が怖いので自主規制
>>151 ちょっwww責任転換www
>>158 そんなことよりオスラと でお話を書くスr(死
>>170 露天風呂いいですね〜〜
ウィンダスには暖かいお湯自体ないですからね
298 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/17(水) 21:41:31.86 ID:pYBoRdPT
>>180 ついにフェイトキター!
とはいえ、まだ攻撃対象にはなっていないようですね
頭に何か埋め込まれたバランスブレイカーな俺はどうすればw
>>200 長いのバッチコイw
アジマルが出てきたのは想定外ですた
>>227 こんなこと書かれると、サンド―ウィンのチョコボレースできないやん……
チョコボ(´;ω;`)ぶわっ
>>239 ちょっwww隊員しっかり汁!w
>>246 デュエルが勝手にあがりこんでたw
モグはなにをしているのかwww
299 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/17(水) 21:44:00.22 ID:pYBoRdPT
>>255 モーグリがなにかやってるwww
【エルヴァーン】【スクリーンショット】【くれませんか?】
【ウソ】【いりません。】【ごめんなさい。】
>>266 スズカワがスジカワに見えたことにより、俺は深い悲しみに包まれたw
>>286 大丈夫には見えませんが?
/grin
>>294 また一人犠牲者が……
>>ベークドポポトクポ♪
べ、べーくどぽぽと?www
ユリフィナさんサヨナラキャンペーン実施中?www
「だめだぁ!!」叫んで、ベッドに転がる。
石の区で予測装置が起動し、危機一髪で木片を回避してから既に丸一日経過。
途中で気絶し、起きたら既に夜になっていたが、録音された声の通りそのままシャントット様の家へお邪魔し、ご機嫌ナナメなシャントット様に危うく消されかけたが、なんとか話しをすることには成功した。
――「オホホホホ、空気はちゃんと読むべきですわよ? わたくし、只今とっても機嫌悪いの、あなたご存知かしら?」
「ご機嫌ナナメなところ、お邪魔して申し訳ありません。しかし、博士のおっしゃった通りにこうし……」
「社交辞令は結構! さっさと用件を言わないと、わたくしブチギレますわよ?」かなりイラついてるらしい。さっさと逃げよう。つか、本題入ってたのに……
「ドクター、ルフトハフトからの指示に従い、予測装置が起動したことを報告しに参りました。」一息でここまで言う。
「よござんす。起動した証拠を見せなさい。」そう言うと、博士は聞いたことの無い呪文を詠唱し始めた。
《単位魔力のオーバーブーストを確認。》頭の中で声がする。呑気に聞いている場合じゃないんだが?!
「さぁ、装置はなんと言っているかしら?」凄まじい殺気と魔力が感じられる。マジでヤバイ。
《未確認数値発生。緊急停止へ移行。》
「え、えーと、『未確認数値発生。緊急停止へ移行』です」大慌てで繰り返す。本当にそう言ってるんです!助けて!
全身を取り巻いていた魔力が、サッと取り払われた。呪文はもう聞こえない。
「おやおやまぁまぁ、本当に起動するとは思ってませんでしたわ。」呪文を中断したことなど、微塵も感じさせない気迫で博士が言う。
「それなら、その機能を120%発揮できるように、訓練なさい。」
「というと、どういっ……」
「その程度のこと、自分で考えなさい!」――
というわけで、埒が開かなかったので、もう一人の開発者、アジドマルジド院長を訪ねた。
こちらはちゃんと応対してくれ、何をすればいいのかを具体的に教えてくれた。
が……
「やっぱ無理!避けれない!」ベッドに転がったまま喚く。
モグハウスの壁は特殊な防音加工がされているのか、扉を閉めればまず声が漏れないので、遠慮なく叫べる。
「今のは惜しかったクポ。練習すればきっとうまく行くクポ!」
「そうだクポ! 諦めないでレッツトライクポ!」ステレオでモーグリの声が聞こえる。
院長から出された指示は、『相手の攻撃を避ける練習をする』だった。
そこで、モーグリに協力してもらって木刀で殴りかかってもらっている。
一人ならいいんだが……
「二人になった途端に追い付かない。」ブスッとして言う。
「それじゃぁ一人でやるクポー!」頭の上のモーグリが木刀を振り上げた。
《攻撃感知。停止可能。回避モードから、反撃モードへ移行。》
腕が跳ね上がり、木刀が当たるスレスレで横に流し、そのままモーグリの白い腹に拳を叩き込む……寸前で停止させる。
「やっぱ、一人なら簡単なんだけどなぁ……モーグリだし」ベッドに転がったまままた言う。
「とにかく、練習あるのみクポー!」
やれやれ。ため息をつきながら、ベッドから転がり出た。
「行くクポー!」
《攻撃感知。血流状態変更。脚への血流を増大。酸素供給不足を感知。分間呼吸数を72に設定。》
右から木刀が唸ってくる。
呼吸が早くなったかと思うと瞬時に跳躍し、木刀より高い位置まで跳ぶ。1メートルくらいだろうか
「スキアリクポー!」
《自由落下開始。回避不能。防御不能。》
下から切り上げる攻撃はまともに股間に直撃し、大事な物が上に飛び上がったような感覚。突き上げるような激痛。
《行動不能状態確認。擬似死亡状態確立。》頭の中で、機会的な声が虚しく響く。
「クポ? レップさん、どうしたクポ?」「ご主人様、なにがあったクポ?」
黙れクソヤロウ……
304 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/17(水) 21:49:58.59 ID:pYBoRdPT
以上でございます。
タルタルだってついている物は有るんです。
では、ワッホー!ワッホー!
玉つぶれた;;
306 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/17(水) 22:01:56.44 ID:A41rPMQb
>>304 投下乙です。
レップ強化計画・・・すごい面白いwwww
「デュエル・・・。どうしてここにいる」
現役のフェイトメンバーがモグハウスにいれば、驚かないほうがおかしいというものだ。
「あなたには名前で呼んでほしいわ、リード」
「アリサ様、お茶のおかわりはいかがクポ」
いただくわ、と彼女はプラチナブロンドの長い髪を揺らして微笑んだ。
相変わらず美しい・・・というのは、今は置いておこう。
「フィアンセの部屋にいるのが、そんなにおかしいかしら?」
「“元”フィアンセ、だ。第一、立場上まずいだろう! 出て行け」
「嫌」 デュエル―――アリサはぷい、と横を向く。
「わたくしの心はあなたのもの。あなたの心はわたくしのもの。そう誓い合ったじゃない」
「昔の世迷言だ! モーグリ」 ドアを指差した。「お引取り願え」
モーグリは、ティーカップにサンドリアティーを注ぎながら首を振る。
「その御命令は聞けませんクポ。御主人様の大切な方に実力行使など、もってのほかクポ」
あくまで“忠義”か。どうやら自分の味方は、世界のどこにもいないようだ。
「ああ、いいだろう。勝手にしろ。三十秒で俺が出て行く」
「それ懐かしいわね。デニーロの台詞だったかしら?」
心をくすぐるようなセクシーボイスも無視。無視だ。
武器庫の魔法鍵を合言葉で開け、一振りの長剣を取り出した。
長らく存在を忘れていて手入れをされることもなかった刃には、うっすらと錆が浮いていた。
「いまさらアーティファクトを持ち出すなんて、どうしたのかしら?」
丸腰だった俺を見て、アリサはなるほどと納得した。
「・・・チャリオットとの戦いで、さすがのエクスカリバーも折れたものね」
「!?」
なぜそれを知っている、と口を開きかけた俺に、アリサが続ける。
「バルコニーにいた“赤魔1”は、わたくしだったのよ?」
―――ジーザス。
彼女のことだ、どうにかして八曜球の影響からは免れたのだろうが。
「レリックを失ったあなたが、あえてアーティファクト。教えてくださるかしら」
「フェイトにか?」
「みなさまー、ここにリードがおりますわよー。今なら満身創痍で丸腰ですわよー」
悪戯っぽく微笑みながら、おどけた調子で脅しをかけるアリサ。
いや、本当に勘弁してくれ。
俺は諦めて彼女の向かいに座った。ガシャ、と円卓の中央に長剣を置く。
モーグリがあらかじめ用意していたのであろう俺のカップに、お茶を注いだ。
「コイツを見てくれ。これをどう思う?」
「・・・どういう答えを期待しているのかわからないけれど、剣ね。それも錆びている」
そうだ、と俺は頷いた。
「その、“錆びている”という事実が重要なんだ」
「エグゾロッシュ卿から先祖伝来の、この剣を譲り受けた時もやはり錆びていた」
頭の中に、魔術理論と物理化学、伝承知識が展開し、織り上げられていく。
それらが導き出す結論は、しかしシンプルなものだ。
俺は説明を始めた。
かつてアーティファクトを得るために、土の精霊を倒して魔法の砥石を手に入れた。
“大地の恵みから剣が生み出される”
そんな、世界中に広く流布するありふれた伝説に基づく、単なるレトリックだと思っていた。
魂が来訪者としてのそれと統合しなければ、ずっとそう解釈したままだったに違いない。
この世界の根源要素“マナ”で出来た武具ならば、錆びたり劣化したりなどありえない。
在るか、無いか。0か1かなのだ。実際のところ、他のアーティファクトはそうだろう。
しかし、この剣だけは違う。
これが錆びる、ということは、錆びる物質で出来ているという事。
素材と炎のクリスタルで瞬時に合成された物ではない。
吟味された良質の鉄、炭素、極微量のチタン、タングステン等の、リアルからもたらされた材料。
それらを昔の職人が時間を費やし、心血を注ぎ、その腕と匠の魂を以って鍛え上げた剣なのだ。
もう一度、オルデール鍾乳洞で砥石を手に入れる必要があるだろう。
リアル世界の原子で構成され、同時に、来訪者と同じようにマナの魔力もその身に宿す。
これこそが―――。
「現在唯一、奴らに対抗できる武器、神殺しの剣だ」
310 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/17(水) 23:46:11.57 ID:A41rPMQb
今夜の投下は以上です。
というわけで、早くオルデール鍾乳洞に行かなくちゃ〜。
偶然、左腕に内臓された謎の装置が時空魔法の魔力を喰らうかも〜。
ユリフィナの帰る手段を食らってしまおうと言うのか
なんてひんどい
お前の血は何色だー!!
312 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/18(木) 00:05:44.94 ID:R4g4ypBX
>>294 一名様ご招待〜〜ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ
>>297 (# ^ω^)
古田選手もそれで相当苦しんだそうですねww
>>310 勘弁してくださいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwそろそろおうちに帰らないとお父さんにまた殴られますwwwwwwwwwwww
なんだかんだで帰れないかもしれないけどww
でも新武器にわっふる
おやすみage
313 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/18(木) 00:42:59.59 ID:MBpebCgE
おやすみ前のage
(-ω-)zZZ
314 :
既にその名前は使われています:2006/05/18(木) 02:39:34.87 ID:SCVKQ+w6
深夜の保守age
315 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/05/18(木) 04:05:07.60 ID:I7vR1IJe
ぽん吉さんの話は読んでいていつも引き込まれます…
すごいなぁ(つд`;)
>249
ヒロカッコヨスwwwww
読んでて感心しちゃいましたw 自分よりヒロの事を研究してるんだなぁ、とw
そして♂×♂入浴シーンにわっふるヽ(´ー`)ノ
Tiara_290さん参戦おめです(´∀`)
今のところ名前を騙って悪戯する人が現れた実績はないんですけど、念の為次からトリップをつける事をお勧めします。
そして深夜にインターローグ投下(`・ω・´)ノ
316 :
インターローグ ◆dWeYTO/GKY :2006/05/18(木) 04:06:42.60 ID:I7vR1IJe
「聞いているのかね?」
咎められるまで、我を忘れていた。
だって、余りにも月がきれいだったから。
「ん、あぁ。聞いてるよ」
バストゥークの空気は乾燥してどこかほこりっぽく、喉がいがらっぽくなるのがむかつくが、空はどこよりも綺麗だ。
「それでは手はず通り頼み申しますよ。わたしは別の方面から調べてみますので」
赤い甲冑に身を包んだ髭の紳士が、いかにも善人ぶった銀髪を撫で付けながら言う。
「手はず?」
初耳だ。どうも横からごちゃごちゃと雑音が聞こえた気がしたが、ひょっとしてそれのことか?
髭が頭痛の時みたいにこめかみを挟み、嘆息する。
「たまにはまともにやる気を見せたらどうですかな。ベルフェゴールの命を奪った赤魔道士について調べる為に我々はここに来た。ここまではよいのですかな?」
「よいっスよ。で、俺はモグハウスでモーグリをいたぶって直接情報を聞き出すらくちんな係、我が主にして偉大なるパンデモニウム様は独自の情報網と卓越した話術を用いて別方向からの情報を試みる大変な係、と。
他に何か留意事項はございますかね、我が主にして偉大なるパンデモニウム様?」
ここに来る前に聞かされた仕事内容を短く要約したが、髭はいかにも不快そうに顔に皺を寄せた。我が主ながら、つまんねー事でいちいち気に障るケツの穴の小せぇお方だ。
「お前は性急で粗暴なところがある。あまり事を大きくしないように頼みますよ」
あーあ、せっかくきれいだったのに、髭のつまんねー話のせいでまた元の蒼ざめて薄汚い月にしか見えなくなっちまった。むかつくぜ。
ここはバストゥークの南西部に位置するバストゥーク居住区で、バストア海を臨む南北に細長いなだらかな平地に位置している。
見てるだけで自殺したくなるようなごつい岩しかないグスタベルグとは違って、ここは潮風によって作られた滑らかな砂岩と、辛抱強い(諦めの悪い?)ヒュームどもの手で植えられた植物のおかげで、
ガルカどもを死ぬまでこきつかいせっせと財を溜め込む便秘趣味の守銭奴どもには不似合いな潔い美しさを備えた土地だった。
317 :
インターローグ ◆dWeYTO/GKY :2006/05/18(木) 04:07:17.10 ID:I7vR1IJe
めんどくせえな、と両手を頭の後ろで組む。
「モーグリだけ残して止めちゃえば手っ取り早いんじゃないスかね」
あまりにもかったるいので、大あくびを一つ。
「それこそ下策。来訪者のいらぬ注意を引くだけです」
そしたら殺せばいいじゃん。凶悪極まりない来訪者どもも、少なくともあんたよりは弱いんだろ。ともう一つあくび。
いや、あんたじゃなくて、あんたが腰にぶら下げてるスカした突剣よりは、弱いんだろ?
「静止を使ったところで大規模な破壊が起これば復旧にかかる時間は同じ。ピアシュのような不始末は断じて起こさぬよう心得なさい」
ピアシュというのは、ベルフェゴールの名だ。
ベルフェゴールは来訪者を完全にナメてかかり、静止を軽々しく使って他の来訪者を呼び寄せてしまった挙句、街中で暴れてあちこちブッ壊してそのままくたばっちまった。
迷子の来訪者を助けるふりをして相手を油断させ、後ろからブスリといういつもの手がとうとう破られてしまった訳だ。それはむかつくだろうが、静止した世界で梳き放題暴れて何も知らないうちにダース単位で人間をブッ殺すのは、どんなに痛快だったろう。
「あーあ、鯖リセットで世界ごと巻き戻して元通り〜とか出来れば楽なんスけどねぇ」
言葉の意味は俺もよく知らない。俺は作られた人間で、外の世界を知らないからな。これは単に他のGMがよく言ってる愚痴の受け売りだ。
「莫迦を言うのはおよしなさい。そんな都合のいいものがあれば、そもそもお前達のような助け手は必要ないのだから」
髭がたしなめる。
「もし戦闘に巻き込まれたなら、解放エリアには決して近づかないように。アレクサンダーがどのようなペテンを用いたのかは知りませんが、彼の者が死んでしまった今では、それを再現する
方法は失われてしまったのですから」
それでさえも多大な痕跡を残した。まったく、あの戦馬鹿め。と嫌味な髭を扱きながら不愉快そうに言う。
318 :
インターローグ ◆dWeYTO/GKY :2006/05/18(木) 04:07:44.61 ID:I7vR1IJe
でもな、じーさん。おれはあいつ──アレクサンダーの旦那の事結構好きだったぜ。あいつは少なくともあんたみたいにただ突っ立ってるだけじゃなかった。
あいつの腰の刀は、あんたのそれみたいに単なる飾りじゃなかったし、あんたみたいに道具に使われてもいなかった。あいつには人殺しの魅力と迫力があった。
「モーグリ一匹痛めつけるのにそんな面倒起こらないっスよ」
ぐだぐだと説教くさい爺に嫌気がさしてきた。こいつも殺せれば楽なのに。
「お前のやり方は残忍すぎるのです。銃士隊が動くと色々厄介だ、お気をつけなさい」
銃士隊っていうのは、この国独特の軍隊兼警察みたいな組織だ。大半が剣だの槍だのといった古臭い武器しか使えないくせに、何故か銃士なんてかっこつけた名前がついてやがる。
銃士の代表みたいな立ち位置のミスリル銃士に至っては、誰一人銃なんて持ってやしないっつー体たらく。まったくいいジョークセンスをしてる。
「くだらねー。俺達に勝てるNPCなんて、ザイドかトリオンくらいのもんじゃないスか。二人ともこの国にはいない事がはっきりしてるし」
GMや来訪者には及ばないまでも、俺達"従者"は強い。組織立った軍隊を相手にするなら話は別だが、相手が一人や二人なら魔道士は当然ながら、忍者だろうと騎士だろうと瞬殺だ。
「知られる事が問題なのだ。一般ユーザ達の知るところになったらどうします。まったく、どうしてお前はそんなに荒々しいやり口ばかり好むのか……」
再び頭痛ポーズで嘆く髭。
俺はいい加減めんどくさくなったので、黙っている事にした。髭は他にも細々と薄ら面倒くさい小言を並べたが、おれが素直にはいはい分かりましたよと頷くと、それでは頼みましたよと心配げな顔のまま去っていった。
ったく、そんなに心配ならてめーでやれや。
赤い鎧を脱ぎすてガンビスン姿で去っていく背中に独り呟く。
俺を作ったのはお前だろ。俺はお前の好みの通りの下僕でございますよ、と。
319 :
インターローグ ◆dWeYTO/GKY :2006/05/18(木) 04:08:51.78 ID:I7vR1IJe
俺達……っつーかあのじーさま達GMの仕事は、来訪者によって世界が変化してしまうのを未然に防ぎ、不可能ならばその影響を最大限抑える事だ。
だったらもっと平和的なやり方があるんじゃねーの、とは思うが、GMは来訪者をやたらめったら目の仇にし、危険分子と判断し次第そっこーで排除、要は抹殺しようとする。
昔はそうではなかったらしい。
GMと来訪者の確執は、来訪者に端を発する。なんでも、ヴァナ=ディールに迷い込んだ来訪者を導き助けようとしたGMを、来訪者が反発して殺した事件があったんだそうだ。
そんな事件が一件どころじゃなく起こったので、GMは自衛の為にやむなく来訪者を排除する方針を採る事にしたのだと言う。まったく来訪者にもイカシたキチガイがいたもんだ。
そこから先はいわゆる憎しみの連鎖って奴だ。来訪者は自分達の命を狙うGMを殺そうとし、GMはますます来訪者への憎しみを募らせる。
もっともこれはGMの言い分だ、実際にどちらが先に手を出したかなんて今となってはもう分かりゃしない。
そして事の真相なんて俺にしてみりゃどっちだっていい。こっちの世界にやってきて、迷子の子犬みたいなツラした来訪者を優しく保護してやって、こちらを信じきった瞬間にブチ殺せればそれでいい。
320 :
インターローグ ◆dWeYTO/GKY :2006/05/18(木) 04:09:12.16 ID:I7vR1IJe
この世には三二+一人のGMがいる、らしい。その全員に出会って数えてみたわけじゃないが、じーさんや他のGMの話ではそういう事になってる。
バハムートとかいうGMの親玉の指令の下、それぞれシヴァだのタイタンだのといったいかめしい称号で呼びあい日々暗殺だの破壊工作だのといった慈善事業に精を出している。
親玉以外のGMはそれぞれ一人ずつ"従者"を設定できるらしいので、合計で六五人の世界を守る正義の悪党がいるという訳だ。
もっとも、それだけではとても手が足りないのでこちら側の人間を頭を弄ったりして有効的に雇い入れ、随分と水増ししているのだが。
バハムートは世界の始めからこの世にいるそうだが、配下の三二人は時折減っては補充されているという。ベルフェゴールやアレクサンダーの旦那みたいに無様に殉職したり、無事任期を終えて「リアル」に帰ったりして減るようだ。
それにしてもここしばらくの間のGMの減りぶりは異常だ。
アトルガンゲートが開かれたのに合わせて補充されたばかりだというのに、既に二人が死に、ガルーダが片腕ぶち斬られて敗走。
ずっと行方不明のまま補充できないオーディンも合わせると、実に四人もの欠員が出ている。いや、アトモスとかいうGMは特別任務とかで姿が見えないから、実質五人か。
とある来訪者が、来訪者同士を繋いでネットワークを形成し、対抗してきているというのがGM達の間の定説だ。
321 :
インターローグ ◆dWeYTO/GKY :2006/05/18(木) 04:11:09.75 ID:I7vR1IJe
もっとも、来訪者との血生臭い今の関係に疑問を持ってるGMもいるらしい。そこまでしなくてもいいんじゃねーの?と。まったく余計なお世話だ。
ただ親玉──バハムートの命令だけは絶対で、互いが互いを見張っているような状態なので、行動を起こせないらしい。
ったく、あんだけいんちきな強さのくせに、やってる事はチンケな中間管理かよ。救えねーな。
「その救えねー連中にいいように使われる俺様は、もっと救えねー哀れな子羊ちゃんですよ、と」
下らない独り言と共に、バストゥークのモグハウスに降り立つ。
バストゥークのモグハウスは、まだ海上貿易が盛んだった頃の倉庫を改造したものだ。
貿易の主体は危険でのろまな海上船から、安全で軽快な飛空艇に変わりつつある昨今では、新しい港から遠いこの辺りの廃倉庫はどんどん増える。冒険者が増えてもこれで安心だ。ビバ!飛空艇!
多少人相は悪いかもしれないが、俺の風体は普通の冒険者そのものだ。特に怪しまれる道理もない。
「Pokotaso……Pokotaso、っと」
あったあった。なんて好都合、Pokotasoのレンタルハウスは長屋の一番端で、隣は空室だった。
おれは腰の後ろに挿していた、刃がくの字に曲がった大振りのナイフを取り出すと、扉の隙間に挿し入れた。
支点を作って体重を掛けると、バキッという音がして錠が壊れる。もう少し頑丈にしないと、多少腕に覚えのある奴の膂力なら簡単に壊せちまいますよ、これ。無用心ですね。
そのまま押し入ろうかとも思ったが、ドアのすぐ向こうで物音がしたので、おれは方針を変える事にした。
ククリを鞘に戻し、代わりに右腰に吊った直刃のナイフを引き抜く。打ち合ったり振り回したりする事を念頭においていない、ただひたすら鋭利さを追い求めた刃物。戦うためでなく、殺す為に特化された美しい凶器だ。
「だれクポ? ご主人様クポ? やっと来たクポね、モグは待ちくたびれちゃったクポ〜」
間延びした調子で扉を開けた哀れな白豚に、細心の注意を払って刃を振り下ろす。サッという手ごたえの後、白豚にしては綺麗な鮮血が迸った。
322 :
インターローグ ◆dWeYTO/GKY :2006/05/18(木) 04:11:58.98 ID:I7vR1IJe
キャッと子猫みたいな悲鳴を上げて、モーグリが床に転げた。飛ぶ事も忘れてハウスの奥へと這い逃げる。
そう慌てるなよ、傷は深いが即死させるようなヘマはしないぜ?
おれはもがくモーグリにのしかかると、ちっぽけな翼をへし折った。小枝でも折るような感触が心地よい。これでモーグリは飛べなくなって、魔法も使えなくなった。
お得意の超デジョンでカリカリクポーも出来なくなったわけだ。かわいそーに。
モーグリをつまみあげると、部屋の奥へと投げる。ぬいぐるみみたいに弾むかと思ったが、汚らしくべちゃっと床に落ちた。
「おい、お前の飼い主はどこだ?」
未練がましく這って逃亡を試みるモーグリに、優しく問いかける。
白豚は自分の血でもう赤豚になってる。赤豚がもがくたびに、手足の形が赤く小さな敷布についた。
モーグリは振り返ると、震える声で言った。
「お前は誰クポ!?」
おい、俺が聞いてんだ。てめーが質問してどーする。
むかついて踏みつけると、ポキンという感触が靴越しに伝わってきた。
「ご主人様は留守クポ! ご主人様に何の用クポ!」
「決まってんだろ、ブッ殺すんだよ。隠すとタメんなんねーぞ、それより自分の心配をしろよ。俺が殺しなんてどうって事ないと思ってるの、分かるクポ?」
しゃがみこんでモーグリの頭に手を置く。血のぬるぬるした感触を楽しみながら、モーグリを敷布に押し付ける。
「それからな、お前のご主人様が最近、変わった物を持ち込んでなかったか? 見た事ないような不思議なやつをさ」
モーグリががたがたと震えているのを感じる。いいぜ、そういうの。こちらも楽しんで仕事が出来る。もっとも、恐怖じゃなくて失血のショックからくる痙攣かもしれねーけどな。
323 :
インターローグ ◆dWeYTO/GKY :2006/05/18(木) 04:12:31.08 ID:I7vR1IJe
「知らないクポ! ご主人様は確かに変わった品物を持ってたけど、ここには無いクポ! ご主人様が持ってるはずクポ!」
恐怖を押さえ込んで気丈に答えるモーグリ。
「あ、そ。それじゃご主人様はどこかな?」
「知らないクポ! 知ってても教えないクポ!」
肝の据わったモーグリもいたもんだ。俺は片眉をピクンと跳ね上げた。特に意図はない、単なる癖だ。
こいつは嘘を言ってない。バカ正直で素朴な田舎モーグリじゃないか。しかし、というより、だからこそ、俺はモーグリに取引を持ちかけた。
「教えてくれれば、助けてやらない事もないぜ? 教わったからってご主人様が殺されるとは限らない。強いんだろ、お前のご主人は、さ。自分の命よりご主人様の方が大事か?」
「大事クポ!」
即答だ。期待通りだが、期待通り過ぎて少し癇に障った。
モーグリを再び摘み上げながら問う。
「どうして?」
「ご主人様はモグを撫でてくれたクポ! パパやママの話を聞いて、褒めてくれたクポ!」
こちらを真っ直ぐ見返してくる。
「あっそ。んじゃ、死ねよ」
ひょい、と真鍮製の暖炉に放り込む。あの小さな体からどうやって出すのか不思議なくらい、いい声で鳴いた。
必死で這い出してきたモーグリを掴んでは、壁に叩きつけ、蹴りつけ、そして時折優しく問いかける。
そんな儀式の最中でも、モーグリは律儀に期待通りの答えを返してくれた。
「知らないクポ、知ってても教えない…クポっ!」
どれくらい遊んだろうか。
ふと気づくと、モーグリがぐったりしている。踏みつけても、振り回しても、動かない。なんだ、もう死んだのかな。
324 :
インターローグ ◆dWeYTO/GKY :2006/05/18(木) 04:13:06.71 ID:I7vR1IJe
つまんねー。おれは急速に興味が薄れるのを感じた。
モーグリは何も知らなかった。それじゃ一応じーさんに報告する為に軽く家捜しして……
「何をしてるのっ!」
不意に女の声で咎められた。
振り返ると、やたら薄着に、馬鹿でかい剣を携えたヒュームの女が立っていた。
まずったな、遊びすぎたか。あの白豚、小せえくせに声でけぇんだよ。クソが。
おれは立ち上がると、ククリとダガーを引き抜き、そのまま魔法の詠唱に入る。
あの長物だ、ハウスの中では振るえまい。眠らせて喉を掻き切るか……いや、確実ではない。第一戦って殺すのは性に合わない。おれは意識がある無抵抗な相手を殺すのが好きなんだ。
女が部屋に踏み込んでくる。しかし魔法の方が先だ。いい気持ちで寝ちまいな。運がよければモーグリ殺害の第一容疑者になれるぜ。
術式が闇を呼び、女を眠りにいざなう。おれは術の完成を確信し、悠然と歩いて、女との間合いを詰めた。
しかし、女は眠らなかった。会心の出来だったおれの魔法は、女に届く前に消えた。そして続く女の行動は、おれの予想を裏切っていた。
あの大剣を狭所で有効に使う唯一の方法を、女は知ってか知らずか実行したのだ。反射的な行動だったのかもしれない。悠然と横を通ろうとした俺が、殺しに来たと思ったのだろうか。
女は剣を腰だめに構えると、全力で突いて来た。おれはそれを躱せず、腹で受け止めた。
せめて女の柔肌に傷を、と右手を振り上げたが、振り下ろす前に手の力が抜けて、ダガーが落ちる。
全身の力を、怒りを、憎悪を吸い尽くされるような感覚。俺以上の怒りと憎悪で振るわれる黒き刃。
──こいつ、暗黒騎士か?──
騎士と呼ばれながらナイトの対極に立ち、そしてナイト以上に真摯でストイックでなければならない孤高のジョブ。暗黒騎士。
あーあ、ろくな人生じゃなかったな。
おれは最期に呟き、そして、作り物の下らない生を手放した。
325 :
609 ◆dWeYTO/GKY :2006/05/18(木) 04:16:09.66 ID:I7vR1IJe
いじょです(`・ω・´)ノ
にっくき敵役を用意しておこうと思って書いたけど、なんか悪い事してる気分になってしまった…(´;ω;`)
で、微妙にリンク狙ってるのかな、というキャラが出てきているんですけど、自分のSSはレギュレーションが変なので無理強いしちゃわないように誰でもいいような書き方にしておきました(´・ω・`)
なので気にしない方向でよろです(`・ω・´)ゞ
もーぐり
無茶しやがって;;
327 :
>>69:2006/05/18(木) 06:25:53.30 ID:JHhPNkOg
もーぐり;;お前かっこいいけど、お前が逝ったら主人が泣くぞ・・・。
名無しの妹少し年増気味よりエロ生物鈴川のほうが人気なので俺は深い悲しみに包まれた。
>>315そこまで研究はしてませんが読んでみた感想で。
一応書く可能性のある以上ある程度はどういう人となりか把握しておいたほうがいいかとも思うし。
(→これで出ない話の展開になったらどうするつもりだ貴様)
どーでもいいけど下手な女キャラよりフルキュエル(私)のほうが萌えるのは俺だけでしょうかw
デュエルらへんなら美しいものだから別にいいやとか言い出しそうなのだが、
超ウブだもんなー。アイススパイクですよアイススパイク。風呂が凍るって。
「僕」は自分自身でもあるんだから下着くらい別段いいよーな気がしますが。
(少なくともうちの姉はブラとパンツだけで俺の前にいてもなんとも感じないようだ)
あと。ヒロの物語は確かにヒーロー物としては面白いのですが独自レギュレーションきついですね・・・。
>>296ない。ことにしています。アルタナ種族だけでいっぱいっぱいなのに、
卵だの胎卵生だの無茶苦茶な獣人まで加えたら領収がつかないですし。
一応外伝では主人公をオークが犯していますが、彼らは性欲ではなく、
残虐性の発露として陵辱を「楽しんで」いるだけです。
快感を得るだけならテコキでいい訳なのでエルに突っ込もうがガルカ(←おい!w)に突っ込もうが同じかと。
`‐、ヽ.ゝ、_ _,,.. ‐'´ //l , ‐'´, ‐'`‐、\ |
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ く
,.‐'´ `''‐- 、._ヽ /.i ∠,. -─;==:- 、ゝ‐;----// ヾ.、
[ |、! /' ̄r'bゝ}二. {`´ '´__ (_Y_),. |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゙l |`} ..:ヽ--゙‐´リ ̄ヽd、 ''''  ̄ ̄ |l !ニ! !⌒ // わ
i.! l .::::: ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ' ゞ)ノ./
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ i/‐'/
i .:::ト、  ̄ ´ l、_/::| っ
! |: |
ヽ ー‐==:ニニニ⊃ !:: ト、 !
暇だから投下してやるぅ!!
前回のお話
キバヤシから古代人の陰謀によりゲームに取り込まれた人間が居ること。
現実側からでは助けられず、助けるにはゲームに入らなければならない事。
助けるためにキバヤシからゲームを渡された。
,. ‐'´ `‐、
/ ヽ、_/)ノ
/ / ̄~`'''‐- 、.._ ノ
i. /  ̄l 7
,!ヘ. / ‐- 、._ |/
. |〃、!ミ: -─ゝ、 __ .l
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,` /
/`゙i ´ ヽ !
_/:::::::! ,,..ゝ! キャラ作ったのはいいけど国選択とか出てきたぞキバヤシ
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 r'´~`''‐、 / どこにすればいいんだ?
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' /
i、 \:::::::::::::::..、 ~" /
.! \ `‐、. `ー;--'´
. lヽミ ゝ`‐、_ __,. ‐´ / ,.イ \ ヽ |
`‐、ヽ.ゝ、_ _,,.. ‐'´ //l , ‐'´, ‐'`‐、\ |
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ
,.‐'´ `''‐- 、._ヽ /.i ∠,. -─;==:- 、ゝ‐;----// ヾ.、
[ |、! /' ̄r'bゝ}二. {`´ '´__ (_Y_),. |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゙l |`} ..:ヽ--゙‐´リ ̄ヽd、 ''''  ̄ ̄ |l !ニ! !⌒ //
. i.! l .::::: ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ' ゞ)ノ./ 俺のキャラはバストゥークに作ってある
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ i/‐'/ 国はバストゥークにしてくれ
i .:::ト、  ̄ ´ l、_/::|
! |: |
ヽ ー‐==:ニニニ⊃ !:: ト、
ヽ 、__,,.. /:;;: .!; \
/ ヽ、_/)ノ
/ / ̄~`'''‐- 、.._ ノ
i. /  ̄l 7
,!ヘ. / ‐- 、._ |/
. |〃、!ミ: -─ゝ、 __ .l
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,` / バストゥークだな
/`゙i ´ ヽ !
_/:::::::! ,,..ゝ!
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' / よし
i、 \:::::::::::::::..、 ~" / 作り終えたぜ、今からゲーム始めるな。
.! \ `‐、. `ー;--'´
キバヤシ : やっとキャラ作り終えたようだな
とりあえずゲームの進め方を教えるから付いて来るんだ
ナワヤ : わかった
3時間後
キバヤシ : 競売・戦闘・クエスト 今教えたことは忘れるなよ
ナワヤ :わかった
キバヤシ :これではきょうはここまでだ、
明日になれば俺たちの精神もゲームに入るわけだ
ナワヤ : なあキバヤシ俺たちの精神がゲームに入るのは確定しているのか?
入らない可能性があると思うんだけど。
キバヤシ : そこは大丈夫だ。
ゲームサーバーの設定をいじって確実に精神がゲームに入るようにしておいた。
知り合いのスーパーハッカーが鯖をいじってくれました。
ナワヤ : すごい事するなお前の知り合い、まあいいじゃああしたゲームの中で会おうな。
もう夜中だし俺はもう寝るぜ。
キバヤシ: ああ、おやすみだ。
朝
ヴァナの中
_,,.-‐-..,,_
/ `''.v'ν
i' / ̄""''--i 7
!ヘ /‐- 、u. |' ここはゲームの世界じゃないか!
|'' !゙ i.oニ'ー'〈ュニ! キバヤシの言っていたことは本当だったのか
,`| u ..ゝ! うそだと思っていたのに
<:::::\ (二> / あいつの言うこともたまには本当のことがあるんだな
\::::\ '' /
\ \.
N { \
ト.l ヽ l
、ゝ丶 ,..ィ从 |
\`.、_ _,. _彡'ノリ__,.ゝ、 |
`ゞf‐>n;ハ二r^ァnj< y=レヽ
. |fjl、 ` ̄リj^ヾ)  ̄´ ノ レ リ ナワヤお前俺のこと信じていなかったのか
ヾl.`ー- べl,- ` ー-‐' ,ン
l r─‐-、 /:|
ト、 `二¨´ ,.イ |
_亅::ヽ、 ./ i :ト、
-‐''「 F′:: `:ー '´ ,.' フ >ー、
ト、ヾ;、..__ , '_,./ /l
_,,.-‐-..,,_
/ `''.v'ν
i' / ̄""''--i 7
!ヘ /‐- 、u. |' !?
|'' !゙ i.oニ'ー'〈ュニ!
,`| u ..ゝ! キバヤシすまなかったな疑っていて
<:::::\ (二> / この世界にとらわれた人の居場所はわかるのか?
\::::\ '' /
\ \. , ̄
_
337 :
既にその名前は使われています:2006/05/18(木) 07:16:36.18 ID:rvEpBdp2 BE:169819766-#
. ,イ/〃 ヾ= 、
N { \
ト.l ヽ l
、ゝ丶 ,..ィ从 |
\`.、_ _,. _彡'ノリ__,.ゝ、 |
`ゞf‐>n;ハ二r^ァnj< y=レヽ
. |fjl、 ` ̄リj^ヾ)  ̄´ ノ レ リ ああ、それはすでに調べてある
ヾl.`ー- べl,- ` ー-‐' ,ン ここバストゥーにもとらわれた人たちが居る
l r─‐-、 /:| まずはここの人間を助けてから他の場所を回るぞ
ト、 `二¨´ ,.イ |
_亅::ヽ、 ./ i :ト、
-‐''「 F′:: `:ー '´ ,.' フ >ー、
. ,イ/〃 ヾ= 、
N { \
ト.l ヽ l
、ゝ丶 ,..ィ从 |
\`.、_ _,. _彡'ノリ__,.ゝ、 |
`ゞf‐>n;ハ二r^ァnj< y=レヽ
. |fjl、 ` ̄リj^ヾ)  ̄´ ノ レ リ スパハカに頼んで
ヾl.`ー- べl,- ` ー-‐' ,ン ゲーム中の金が使い放題に設定してある
l r─‐-、 /:| まずは必要な道具を競売でそろえてから
ト、 `二¨´ ,.イ | バスに居るとらわれた人たちを助けにいくぞ
_亅::ヽ、 ./ i :ト、
-‐''「 F′:: `:ー '´ ,.' フ >ー、
i ,. ‐'´ `‐、 ヽ丶
/ ヽ、_/)ノ \
/ / ̄~`'''‐- 、..__ ノ
\\ i. / :::::l 7.
\ヽ ,!ヘ. / ‐- 、._ ::::|/
. \ |〃、!ミ: -─ゝ、 __:::l __|__ .
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,`::/ │.
┼ /`゙i ´ ヽ:::::!
_/:::::::! ,,..ゝ! \ さすがスパハカ
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 -i-____ 、 /. ヽ そんなことまで設定できるのか
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' / -i-
i、 \:::::::::::::::..、 ~" /ヽ丶
.! \ `‐、. `ー;--'´ \ヽ -‐
ヽ \ \ /
なぞの声 : 不正なデータを感知しました
これより不正データ排除作業にかかります
_,,.-‐-..,,_
/ `''.v'ν
i' / ̄""''--i 7
!ヘ /‐- 、u. |'
|'' !゙ i.oニ'ー'〈ュニ! な、何だ一体?!
,`| u ..ゝ!
<:::::\ (二> /
\::::\ '' /
\ \. , ̄
!::
/ , -ー‐'"´´´ ヾ.三ヽ
,' / フェイト ヾ三ヽ
j | / }ミ i
| | / /ミ !
} | r、 l ゙iミ __」
|]ムヽ、_ __∠二、__,ィ|/ ィ }
|  ̄`ミl==r'´ / |lぅ lj お前たち不正データだな
「!ヽ、_____j ヽ、_ -' レ'r'/ 排除させてもらおう
`! j ヽ j_ノ
', ヽァ_ '┘ ,i
ヽ ___'...__ i ハ__
ヽ ゙二二 ` ,' // 八
ヽ /'´ / ヽ
|ヽ、__, '´ / / \
343 :
既にその名前は使われています:2006/05/18(木) 07:32:45.80 ID:JHhPNkOg
MMRキターwww
そうそう。地味に俺の話でもGM様出てきますが、
GMは名目上は神殿騎士団などに所属するものの、
同じGM同士国を越えて連帯している組織です
(組織の実態は不明。ひょっとしたらフェイトと同一組織で中の何人かがこの世界に侵食してきた異邦人に取って代わられてるかもしれません)
特別裁量権と強大無比な魔力を与えられた存在として、
冒険者に「GM」(ゲームマスター)というあだ名で呼ばれている存在です。
ウェディングマスターもGMと冒険者に言われますが、彼らはGMと呼ばれると怒りますwwてか怒られたことあるww
Pの話(もし出れば)やサンドリア外伝におけるフェイトの位置は絶対悪です。
個人個人を見ればかなりいい人がいたり、
(来訪者を洗脳して爆弾埋め込んでる面子のぞく)部下に対する待遇がよかったり、
ミスラ萌えだったりしますが、人間の尊厳は絶対的な恐怖に対して、
それ以上の恐怖、自分のプライドや家族や恋人を失うことを知ったときに発現されると考えていますので、
その部分を弄るフェイトは絶対悪と扱われます。
(敵対する来訪者を洗脳して使ってるのも悪いといえば悪いんですが、
バスの支部4人はその待遇の上でも隊長萌えっぽいし。まぁ隊長も爆弾持ちかもしれませんが)
|丶 \  ̄ ̄~Y〜 、
| \ __ / \
|ゝ、ヽ ─ / ヽ |
│ ヾ ゝ_ \ |
│ ヽ_ _ / /| |\ \|
\ヽ _ // / | \ |
ヽ\二_二// ∠二二二| ヘ|
| | | ヽゝソゝ|TT|<ゝソ フ |/b}
ヾ| ヽ___ ノ/|| .ミ__ ノ | ノ
| 凵@ /フ しまった
| u .F二二ヽ /|/ もうばれてしまったのか
\. |/⌒⌒| イヽ
/. \ ==′/ |.| |
 ̄|| ヽ__/ / / ̄
\ヽ_____ノ ノ
345 :
既にその名前は使われています:2006/05/18(木) 07:34:21.54 ID:JHhPNkOg
あー。自分。日本語でおk・・Orz欝だ。
346 :
既にその名前は使われています:2006/05/18(木) 07:34:54.86 ID:JHhPNkOg
おお。まだ続きが書き込まれてた。めしくってこよw
,. -─- 、._
,. ‐'´ `‐、
/ ヽ、_/)ノ
/ / ̄~`'''‐- 、.._ ノ
i. /  ̄l 7
,!ヘ. / ‐- 、._ u |/
. |〃、!ミ: -─ゝ、 __ .l
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,` /
/`゙i u ´ ヽ !
_/:::::::! ,,..ゝ! 誰だこいつ
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 r'´~`''‐、 / 一体何なんだキバヤシ!
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' /
i、 \:::::::::::::::..、 ~" /
.! \ `‐、. `ー;--'´
ヽ \ \ /
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ
,.‐' ヽ:::::::/ ゝ‐;----// ヾ.、
[ }二 |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゙l リ ̄ヽ |l:::::::::::!ニ! !⌒ //
. i ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ':::::::::::::::::ゞ)ノ./ こいつはフェイトと言って
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ :::::::::::::::::i/‐'/ ゲームに取り込まれた人間の精神データを破壊するプログラムだ
i::::::::::::: .:::ト、  ̄ ´ ::::::::∪::::::l、_/::| 精神データを破壊された人間は生ける屍となって
!:::::::::::: :::::::::::::::::::::|:::::::::::| 古代人に操られる兵器と化してしまう
ヽ::::::::::: --───-- :::::::::::::::::: !::::::::::::ト、
ナ ゝ ナ ゝ / 十_" ー;=‐ _ _ _ _ _ |! |!
cト cト /^、_ノ | 、.__ つ (.__ ・ ・
,. -─- 、._
,. ‐'´ `‐、
/ ヽ、_/)ノ
/ / ̄~`'''‐- 、.._ ノ
i. /  ̄l 7
,!ヘ. / ‐- 、._ u |/
. |〃、!ミ______ゝ、 ____l
!_ヒ;  ̄ ̄|::::::::::::::lニニ〈:::::::::::|
/`゙i u `ー―′ .\ー‐′ そんなやつがいるなんてきいてないぞ・・・
_/:::::::! r,,. \ ゙
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 u ,___ /´
! \::::::::::::::ヽ ;;;;;; / ざわ・・・
i、 \:::::::::::::::..、 '''/
.! \ `‐、. `ー;--'´ ざわ・・・
ヽ \ \ /
,ィ, (fー--─‐- 、、
. ,イ/〃 ヾ= 、
N { \
ト.l ヽ l
、ゝ丶 ,..ィ从 |
\`.、_ __ ,. _彡'ノリ _,.ゝ、 | ∧
`ゝf‐ゞ゙ujヾ二r^ァuj< y=レヽ. l\ /
. |fjl、  ̄.リj^ヾ.)  ̄ ノ レ リ __| `
ヾl.`ー- べ!゙‐ ` ー-‐' ,ン \ ごめんなー言うの忘れてて
l f,.ニニニヽ u /:| _∠, ちょっとねむかったんだよねー!!
ト、 ヽ.__.丿 ,イ | /
_亅::ヽ、 ー / i :ト、 ´ ̄|
-‐''「 F′:: `:ー '´ ,.' フ >ー、 l/、 ,ヘ
ト、ヾ;、..__ , '_,./ /l ∨
,' / フェイト ヾ三ヽ
j | / }ミ i
| | / /ミ !
} | r、 l ゙iミ __」
|]ムヽ、_ __∠二、__,ィ|/ ィ }
|  ̄`ミl==r'´ / |lぅ lj 消えろ
「!ヽ、_____j ヽ、_ -' レ'r'/
`! j ヽ j_ノ
', ヽァ_ '┘ ,i
ヽ ___'...__ i ハ__
ヽ ゙二二 ` ,' // 八
ヽ /'´ / ヽ
|ヽ、__, '´ / /
_| |_ ┏━
| 二○ ↑銃
| | |
U | |
| | |
○○
`‐、ヽ.ゝ、_ _,,.. ‐'´ //l , ‐'´, ‐'`‐、\ |
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ く
,.‐'´ `''‐- 、._ヽ /.i ∠,. -─;==:- 、ゝ‐;----// ヾ.、
[ |、! /' ̄r'bゝ}二. {`´ '´__ (_Y_),. |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
゙l |`} ..:ヽ--゙‐´リ ̄ヽd、 ''''  ̄ ̄ |l !ニ! !⌒ // わ
i.! l .::::: ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ' ゞ)ノ./
` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ i/‐'/
i .:::ト、  ̄ ´ l、_/::| っ
! |: |
ヽ ー‐==:ニニニ⊃ !:: ト、 !
ィク
__,、 | | くニ} {fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj
i''i;」. 'ヽー' 、
くニ} {fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj{fj
//``ヽ//``'''''''ヽ
〈;i' ``> ヾ``i l
/ / {二) ← キバヤシ
今日はこれまで
AA大量ごめんね!
,ィィr-- ..__、j
ル! { `ヽ, ∧
N { l ` ,、 i _|\/ ∨ ∨
ゝヽ _,,ィjjハ、 | \ バスフェイス集猫萌え集団はネタ設定だから
`ニr‐tミ-rr‐tュ<≧rヘ > 皆さんの本編とはぜんぜん関連性無いよー!!
{___,リ ヽ二´ノ }ソ ∠
'、 `,-_-ュ u /| ∠
ヽ`┴ ' //l\ |/\∧ /
--─‐ァ'| `ニ--‐'´ / |`ー ..__ `´
く__レ1;';';';>、 / __ | ,=、 ___
「 ∧ 7;';';'| ヽ/ _,|‐、|」 |L..! {L..l ))
| |::.V;';';';'| /.:.|トl`´.! l _,,,l | _,,| , -,
! |:.:.:l;;';';';'|/.:.:.:||=|=; | | | | .l / 〃 ))
l |:.:.:.:l;';';'/.:.:.:.:| ! ヽ \!‐=:l/ `:lj 7
| |:.:.:.:.l;'/.:.:.:.:.:.! ヽ:::\:: ::::| ::l /
356 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/18(木) 08:04:36.76 ID:R4g4ypBX
>>354 きた、キバヤシきた!これで勝つる!!
>>325 モーグリ・・・orzかわいそうに・・・orzorz
357 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/18(木) 08:05:29.05 ID:R4g4ypBX
時々、カーディーアン姿のテティスさんをチラチラ見る人がいた以外、初めて来訪者として
この階段を上ったときと、天の塔上層部の様子はほとんど変わっていなかった。
だけれども、初めてこの階段を登った時と比べると私の周りは本当に変わった。
リポケケとモグタン以外に話せる人はいなかったのが今はユファファ、オヤジさん、アリアちゃん、テティスさんがいる。
素敵な男性とも出会えた。
ただ由佳に会いたい、寂しいという一心で帰りたかった私も、今はちょっと恥ずかしいけれど両親に甘えきりだった自分にケジメをつけるために
絶対に帰るという強い意志を持っている。そして何よりも、実際に帰る手段を持っている。
少し息を切らしながら階段を登りきった私は静かに深呼吸し、息を整えた後、神子様との謁見を待った。
しばらくすると神子様が待つ、ウィンダス国民にはなじみのある神秘的な部屋へと案内された。
「失礼します。」
私達は恭しく一礼をして、時空魔法ダテレポで来訪者は帰れるかもしれないという話、テティスさんの話、
そしてその使用回数の話を説明した。
「・・・時空魔法・・・アリア博士、あなた方の学会で研究していた魔法でしたね。
『あるべきものをあるべき場所へと帰す時空魔法ダテレポ』、
これはどうしても今この世界に満ちている魔力だけでは発動できないものなのでしょうか?」
アリアちゃんは静かに頷いた。
358 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/18(木) 08:05:52.97 ID:R4g4ypBX
「ええ、私たちの使っている魔法が蒸気機関だとしたら時空魔法は電気製品に、
そしてヴァナディールは電気がない世界にたとえる事が出来ます。
私達はどんなに時空魔法の構造を理解しても、時空魔法を発動させるために必要な魔力がないので
この腕輪の力を使わずに発動させる事は残念ながら現在は不可能です。
ただ、時空魔法を元に術式を大幅に変更し、ヴァナディールの魔力で発動できるように適応させた例がいくつかあります。
ヘイスト、スロウ、リジェネ、デジョン、ディスペル、グラビデ等、他にもいくつかあるのですがここでは割愛させていただきます。
しかし、今あげただけでも6種類のものがあります。
つまり、私が申し上げたいのは『ダテレポ』も研究を重ねることによりヴァナディールでも、幾分か効果は落ちると考えられますが、
擬似的に発動させることも不可能ではないと我々の学会では考えております。」
そこまでアリアちゃんは一息で言った後、こう付け加えた。
「時間はどれほどかかるかはわかりませんが。」
「そうですか・・・。」
神子様は私たちに背を向けて少しうつむいた。それにつられて神秘的な長い豊かな黒髪がつややかに揺れる。
しばらくすると神子様はこちらへとゆっくりと振り返り、優しげな眼差しで私達を見つめた。
359 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/18(木) 08:06:10.57 ID:R4g4ypBX
「アリア博士、サンドリア人であるあなたですが、あなたなら私の願いを聞いてくださると信じています。
二人が無事に帰れた際はその事を私に伝える任についていただけませんか?」
そういわれたアリアちゃんは大仰にサンドリア式ではなくウィンダス式の礼をする。
「かしこまりました。」
その答えを聞いて神子様は一度頷き、微笑んで私たち三人を眺め回した。
「ユリフィナ、テティス様、あなた方が無事に元の世界に帰れることを私も祈っています。」
部屋中に澄み渡るかのように、凛とした澄んだ声が響き渡った。
報告を終えた私達は天の塔の前で別れた。もうすぐお昼のウィンダスは、
眠たくなるような陽気に包まれていて、街全体の雰囲気もどこか気だるそうだった。
ただ、厚手の生地の白AFを着ているとちょっぴり暑い。
私はなんとなく目の院の前の広場に座り込み、ボーっとしていた。
ここは私、いやユリフィナが冒険者として右も左もわからずにウィンダスをさまよっている時にスターオニオンズにであい、
ウィンダスについての説明を受けた場所だ。そして、私が初めてFFをプレイした時にいた場所でもある。
最初に受けたクエストはホルトト遺跡にいる人にメモを渡してくれというクエストだった。
私のすぐ後ろの建物にいるタルタルに頼まれた小さな初仕事・・・。
「なんだか、なつかしいな・・・。」
一人のローブを着た若いミスラが、むこうを走っている長髪を後ろで結んだ白いレザーアーマーに身を包んだタルタルに手を振っていた。
それに気づいたタルタルが彼女に笑顔で歩み寄る。
彼らはホルトト遺跡で魔導球をとか、そんな話をしながらサルタバルタへと向かっていった。
そんな彼らに私はなんとなくプロテスをかけてやると、彼らはちょっぴりびっくりした後、笑顔でお礼をいった。
私も彼らに笑顔で気をつけてね、と言った。
帰れるのは嬉しいけれど、やっぱり少しだけ寂しくもある。
だからきっとこんなセンチメンタルな気分になっているのだろう。しばらくは、一人で感傷に浸っていたかった。
一瞬、強い風が吹き砂埃が舞い木々がざわめき、水面が暴れる。
「きゃっ!」
私は慌てて砂埃から両手で目をかばった。
突然風が止まった。やんだのではない、完全に止まったのだ。
私は恐る恐る手をどけてまわりの様子をうかがった。枝がしなった形のまま固まり、
水面は凍りついたかのように動かない。空を見上げると翼を広げたまま鳥は落下するでもなく動くでもなく空に張り付いていて、
よく見ると待ちの人々も動いていない。ただならぬ気配に気がついた私はあわててパールに手を伸ばした。
「誰か!誰かいる!?」
誰も答えるものはいない。
「な、なにこれ・・・。」
何も動かない世界はとても不気味で、まるで写真の世界に迷い込んだかのようだ。
しかし、何で私だけ動けるのだろうか?私が他の人と違うところ・・・来訪者だから?
「メリークリスマス、ユリフィナちゃん。サンタクロースだよ。」
突然陽気な声をかけられてビクッとして声がした方向に振り向く。
そこには、サンタの帽子を被り、サンタローブの上に吸い込まれそうなほど濃い黒色をしたマントをまとった、
サラサラの金髪を長く伸ばしたチャラチャラしたイメージのヒュームの男と、
同じふざけた格好だけれども厳格そうなミスラが立っていた。
何故この時期にサンタクロース?そんな疑問が真っ先に沸いたが、そんなことを考える余裕などあっという間に無くなった。
なぜなら、優しげに微笑む男と目があった瞬間、私の全身からかいたことが無い、冷たい汗がどっと吹き出た。
本能が叫んでいる。危険だ、逃げろと。
あの男達が『狩る者』なら私は『狩られる者』であの男達が『支配する者』ならば私は『支配される者』だ。
なぜか、そんな気がした。
「知らないの?サンタさんはプレゼントを貰う子供の笑顔が大好きだって。
そんな怯えないで笑ってよ。」
男はもう一度にこりと微笑んで見せた。
いじょです〜〜。
今日はなぜか早起きできたのでいつもよりちょっと早い時間に投下です。
|┃
|┃三 ,ィ, (fー--─‐- 、、
|┃. ,イ/〃 ヾ= 、
|┃ N { \
|┃ ト.l ヽ l
ガラッ.|┃ 、ゝ丶 ,..ィ从 |
|┃ \`.、_ _,. _彡'ノリ__,.ゝ、 | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|┃三 `ゞf‐>n;ハ二r^ァnj< y=レヽ < 話は聞かせてもらったぞ!
|┃. |fjl、 ` ̄リj^ヾ)  ̄´ ノ レ リ | ワッフルワッフル!
|┃三 ヾl.`ー- べl,- ` ー-‐' ,ン \____________
|┃ l r─‐-、 /:|
|┃三 ト、 `二¨´ ,.イ |
|┃ _亅::ヽ、 ./ i :ト、
|┃ -‐''「 F′:: `:ー '´ ,.' フ >ー、
|┃ ト、ヾ;、..__ , '_,./ /l
364 :
83 ◆W0QmuTI9lM :2006/05/18(木) 08:51:21.78 ID:OpvZRpSZ
おはようございます。皆様投下乙であります('-')ゞ
>>227 チョコボ・・・彼は何処から来て、何処へ去っていったのでしょうか・・・。
ええ話や(ノ_・、)"グシ
>>241 んむ。そのような内容であるのは把握してました。
このような事態になっている時、ウィンダスで真っ先に動くのは誰だろうな・・・。
そう考えた結果、思い浮かんだのがアジマル兄貴でした。
そんな訳で、暗躍させる形で話を進めていく事になると思います。
多分この先も、色々なところで活躍してくれることでしょう。
ちなみに、インビジで隠れている最中、一度も詠唱はしていません。
指先一つで魔法発動させるような、とんでもねー技能の持ち主です。
本日投下はありません・・・見直ししてたら書き忘れに気付いた罠。
頑張って軌道修正していますので、皆様わふ〜るわふ〜る!
365 :
その狭間にて。 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/18(木) 09:23:09.97 ID:JHhPNkOg
「まって・・・。"こっち"にきて」振り向くとミスラの少女の姿が見える。
その表情は彼がモニター画面を通して見ていた勇ましげな姿と打って変わり、
弱く、切なく、儚げで悲しく・・・情けないほどだった。
「そんな情けない顔するなよ。いつもの顔でいいんだぜ?」
彼女は明るく微笑む。春の陽のような暖かい笑み。こちらも彼の知らない笑みだ。
「・・・さっきの・・・嬉しかった」
「ああ」
「帰るの?」
「ああ」
「ダメ」
彼女は強く言う。
何でさ?と彼は問い返さなかった。
「お前は俺だ。・・・お前の為ならいってやるさ。だが、条件がある」
366 :
その2 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/18(木) 09:25:14.31 ID:JHhPNkOg
彼女は寂しげに微笑んだ。「なんとでも。・・・長くは無いわ」
「おぱい!」
彼女の目が大きく開く。
「 お っ ぱ い 触 ら せ ろ 」
吹き出す彼女に「らめぇ!いつも画面越しでヤラしてくれねぇんだぜ!?
目の前に女いてオナニーしかできない不具合について語ってやる!!」
ぶはははと大笑いする彼女にとくとくとモニター越しからしか接触できない不具合、
下着までしか脱がせられない不具合。
それも自分から一方的に何かしても向こうからは反応が無い不満をぶつける彼。
ひとしきり大笑いした彼女はゆっくりと古ぼけた赤い帽子を脱ぐ。
「私の勇気と力・・・希望のすべて・・・」震える手で彼に手渡そうとする。
その思いつめた瞳は、
「お前でオナニーしたあと、寝とかずに手くらい洗えば良かったぜ」
と、茶々を入れる彼の一言で優しい光に崩れた。
367 :
その3 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/18(木) 09:26:26.27 ID:JHhPNkOg
彼女から彼に渡される帽子。
その埃と血で汚れた赤い羽根帽子が彼に触れたとき、
帽子は赤から淡い桃色の光になって四散した。
「あ・・・」彼女は涙を流す。
「ごめんなさい・・・私の・・・もう無い・・・」
両のひざをつき、ぽろぽろと涙を流す。
彼は片膝をついて彼女の肩をぽんぽんと叩いた。彼女は本当に小さい。
こんな身体であんな凶悪な魔物たちと戦ってきたのか。
「違うだろ?」
え?と見つめ返す彼女。本当に表情がころころ変わる。
彼は立ち上がり、目に見えない球体を抱くかのように両の手のひらをかざす。
白い光が再集結し、淡い桃色の球体になり、赤く輝きだす。
368 :
その4 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/18(木) 09:27:11.26 ID:JHhPNkOg
「ああ・・・!!!」彼女が叫ぶ。
眩く光る赤い輝きは収束していく。より強く、より尊く。
「俺と・・・お前の勇気!希望!」
そしてその光は収束し、赤い帽子へと変化していく。
埃も傷もなく血の跡も無い。気高くつややかに光るビロードの赤い帽子に。
「そして・・・正義!!!」
より強く力を増した魔法の帽子を彼はかぶってみようとする。少しサイズが小さい。
似合うかい?と帽子を無理やりかぶっておどける彼。
「デブには似合わないわ」と涙を拭きつつふざける彼女。
「らめぇ!」とふざけて叩くそぶりを見せる彼と「きゃ♪」と笑って大げさに避けてふざける彼女。
「でも。似合ってるよ。だって顔じゃないもん」「嘘付け。笑ってるぞ」
二人は大笑いしあう。二人で笑いあうのは初めてなのにそうではない。
「じゃ・・・逝ってくるぜ」
「行って来る」彼女は訂正した。帰ってきてよ。と彼女。
初代はもう完全に忘れ去られたなw
370 :
その5 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/18(木) 09:30:29.94 ID:JHhPNkOg
「これ・・・!」彼女は後ろから彼に追いつき、飛び上がると彼の頬を掴む。
そしてその小さな唇を彼の食いかすと涎の跡と歯を磨いていない口臭の残る唇に無理やり重ねた。
「前払い!・・・おっぱいは・・・やっぱやめた♪弟のを楽しんで」
「おい!! お と う と かよ!!」
彼は詐欺だ!訴えてやると叫ぶが彼女が腹を抱えて笑っているので止めた。
「行って来る。・・・"行って"、"(かえって)来る"。いい言葉だな」
「うん。行ってらっしゃい」
彼は闇の通路を歩きだした。汗と皮脂で汚れたシャツは徐々に赤いタバードに。
大きな上背は女性のように小さく。横幅のある体格は細くしなやかに。
太った顔は徐々に引き締まり女性を思わせる、しかし精悍な顔になっていく。
彼は一度後ろを振り返った。闇の奥にはあの安アパートの一室。
モニターにはモーグリのいないモグハウスにこちらに背を向けて佇(たたず)む裸のミスラ。
「逃げるわけじゃねぇ・・・帰ってくるぜ」
機械の画面に映し出されたポリゴンの少女はなにも応えない。
が、その背中は「待っているから」と答えたような気がした。
371 :
既にその名前は使われています:2006/05/18(木) 09:34:18.25 ID:JHhPNkOg
感情の赴くままに別エピソードを思いつき、
そっちの頭がいっぱいで書けなくなったのでカカッとそっちのほうを書いてしまった。
エンガワ可愛いよとか宰相様お嫁にくださいといった方々申し訳ない。
>>369一応忘れられては無いし、勝手に名前付けて出してくることで登場をワッフルしているようだ。
>327
む、そんなに独自レギュきついですかね
リンクする時影響しそうなのは冒険者カードとチャットモードくらいだと思ってたんですが…(´・ω・`)
GMだのフェイトだのは全員の設定全部入れたらどうせ収拾つかなくなるし、
各人使えそうな部分を取捨選択する事を前提にして、幾分リンクの余地を残しつつ、
自分のプロットに合わせて好き勝手に作らせては貰っていますw
登場人物の超人度は原作ゲーム以上・Xメン以下で考えておりますヽ(´ー`)ノ
獣人が欲情云々は健全アクション志向まっしぐらの自分には縁のない話ですね(´∀`)
>351
ちょwwww胴体小サスwwwwwwwwwwwwwwwww
そしてユリフィナ姫が大ピンチ風味に…(つд`;)
わっふる!わっふる!!o(*`ω´)o
>>372 原作以上x面以下
つまりスパイダーマン程度にはなるってわけだな!
池上遼一先生の方ですが…w
375 :
既にその名前は使われています:2006/05/18(木) 13:24:05.88 ID:GDN5xBSL
バータくらいの強さにはなる、と…
376 :
既にその名前は使われています:2006/05/18(木) 14:34:09.05 ID:JHhPNkOg
自分的にはGM回りがきついかなとおもった。
あとあくまでゲームの世界になってるとこかな?
フルキエル氏の「32の物語の世界(鯖)を通して現実の人間がファンタジー世界に入り込んでくる」程度が一番扱いやすいね。
ネバーエンディングストーリー&人によって感じ方がまるで代わるだから。
現実→ゲームデータの世界のフィルタを通して→不思議な世界に来ている
こっちのほうが自分的に扱いやすい。
なにより現実世界の人間がまんま出ると萎えるんでOrz
現実世界の人間の魂の歪んだ奴が何らかの方法で物語の主導権を奪っていくモモみたいな方式のほうが自分的には楽です。
(モモも果てしない物語もミヒャエルド・エンデの作品。映画になってる。というか自分は映画しか知らないw)
ヒーローもんとしてはバランス最高かなと。敵は強大。
自分は(中の人は)普通の人。頼るは知恵と勇気。
悩み、苦しむより前に進む主人公に敵や味方がなぜ前に進むか問いかけてくる。
それに普通に答えていく主人公の成長していく姿はかっこええ。
Pの物語も再開したいなー。もっともPの話でかっこいいのは主人公ではなく、普段さえない親父や獣人たちですが。
さてもうすぐ出勤Orz次は俺の好きなnoukin王子兄弟かな?フルキエルさんは実名で確実に出る予定。
あと三人とも「それっぽい」人の物語を追加予定。(おいしいトコだけまるつまみできるように自分は影響が無い限りは人の名前を使いません。スルメの一件はあれですが)
いつも69氏はフルキフェル氏の名前を正しく呼べてない不具合について
いつもってほどでもないかw すまそ。
あー、なるほど
その辺はネタバレになっちゃうんですけど、
・ヴァナ・ディールと言う世界
・それに手を加え、プログラムを介してゲームに仕立て上げた□e
・作られたヴァナを管理するGM達
・ヴァナに干渉するシステムの影響を受けてヴァナに紛れ込んだ来訪者
という図式で書いてるので、ゲームくさい要素を撤廃するのはしたくないですね。
来訪者が強いのは、
普通のユーザ:ユーザ→クライアント→サーバ→ヴァナで実際に行動
来訪者ユーザ:ユーザ→余分な過程を端折ってヴァナで実際に行動
だから、という解釈です。
敵方は戦闘志向のストーリーの中では一番弱いんじゃないかな、とw
強さのインフレみたいな話じゃなくて、互いに腹を探り合いながら決着つけるようにしたいので(´・ω・`)
いじょ、我ながらみっともない設定公開でしたw
380 :
既にその名前は使われています:2006/05/18(木) 17:31:04.45 ID:GDN5xBSL
朝起きたら自キャラがageてた
ナイトオブ内藤です
クルスクンクークンよみがえらせて良いでしょうか?
本人いらっしゃらないと復活させてもNPC化な気もします…どうなんでしょ?
皆様のお話読むとハラハラするばかりです(*・ω・)続きが気になって仕方がないです!
>>299 ベークドポポトは、ポポトイモ×セルビナバターを炎クリで調理するとできる簡単なものでございます。
こないだ調理スキル上げしてた時に作ってたので使ってみました!
うちの金庫に3Dほどつまっております…orz
>>315 ご指摘ありがとうございます!トリップの勉強してまいりました!
ちゃんと表示されているか不安ですが…ッ
>>355 吹いたwww
それでは本日の分、投下させて頂きますm(__)m
もぐもぐもぐもぐ……
もぐもぐもぐもぐ……
「ご主人様、そこの岩塩とって欲しいクポ」
「はーいはいっと。ほい、ど〜ぞ」
「ありがとうクポ」
メープルテーブルを囲み、ちょっと遅くなってしまった朝食を食べ始める。
朝食はベークドポポトとゆで卵だけれど、味はリアルにあるものと変わりなかった。
でも、ここは別世界である事には違いない。
何せ、私の体格からしていつもと明らかに違うしね。
リアルでも確かに小さいけれど、それでもこんなに小さかったっけ?
それに何より、目の前で動いている生物が現実世界である事を全否定してくる。
やっぱりここは、ヴァナ・ディールの世界…
でも、そんな事があるはずがない。だってそんな事、普通起こるわけないじゃない?
頭の中でぐるぐると意見を巡らせてみるが、どうしても納得できない…ううん。
認められない私がいる。
―――うん。ここははっきりさせよう…自分に言い聞かせるためにも。
「…あのさ、モーグリ。私聞きたい事があるんだ」
「何クポ?」
まだ先ほど格闘になった事を怒っているらしく、モーグリは不機嫌だ。
「えーっと…ここはどこ?私は…誰?あなたはモーグリ?」
モーグリは何を変な事聞くんだと言いたげな目で私を見ると、淡々と答える。
「ここはヴァナ・ディールのバストゥーク共和国にあるご主人様のモグハウスクポ。
ご主人様はモーグリのご主人様のティアラ様で、モーグリはモーグリクポ」
怒っているけど、しっかり答えてくれた―――この世界の名前を。
夢ではない、やっぱり来てしまっていたようだ。
「…そっか。ありがとう。やっぱりここ、"ヴァナ・ディール"なんだ…」
ふと、寝る前に見た"朝起きたら自キャラになっていた"のスレッドを思い出した。
現実世界の人間がヴァナの世界に紛れ込んでしまうという、不思議な事件…
私はまさに、その事件に巻き込まれてしまったようである。
―――ガタンッ
テーブルが音を立てて一瞬飛び上がった。
どうやらモーグリがいきなり立ち上がった為、テーブルに膝をぶつけたようだ。
そんなモーグリを私はじーっと見上げる。
「ご主人様、今の…本気で言ってるクポ?」
さーっとモーグリの顔から血の気が引いていく。
どうしたのかなぁ、格闘したせいで気分でも悪くなったのかな?
そんな事を思いながら、細かくした岩塩を振りかけたゆで卵にぱくりと噛み付く。
「うん。残念ながら本気だよ」
「ご、ごしゅ……」
今度は細い瞳を大きく開け、うるうるとした瞳で見つめてきた。
ど、どうしたんだモーグリ…私、何か泣かすような事いったっけ…?
という、心配もよそに―――
「ご主人さまぁぁああぁァァ!ごめんクポォォォオオォォォ!!」
「ん"ん"っ!?」
ふわっと高く飛び上がったモーグリは、そのまま私にヘルダイブをかましてきた。
不意打ちの攻撃に私は身構える隙もなく、一緒に部屋の中をスライディングする。
ちょッ今ゆで卵口に放り込んだところなのに殺す気かァーーーー?!
「モグがご主人様を無理矢理起こしたから記憶飛んだクポ!ごめんクポーー!!」
「んんん!ン!!(違うから違うから!喉つまるってッ!)」
泣きじゃくるモーグリにしがみ付かれたまま、何とかゆで卵をお腹の中に押し込む。
「あ、あのさ!モーグリ、落ち着いて聞いて?!」
「落ち着けないクポ!モーグリはとんでもないことをしてしまったクポポ〜!」
途端、モーグリは私から離れ飛び上がると、くるくると回ったままゆっくりと地面に着地した。
そして、涙一杯浮かべたまま天井を見上げてお祈りポーズ。
「アルタナの女神様、ご主人様の記憶を元に戻してくださいクポ…」
激しくオーバーリアクション。
本気で心配してくれてるのはわかるけど、華麗な動きが面白くてこらえきれない。
「ぷっ…あははっ」」
「ご、ご主人様!モーグリは本気で心配してるクポ〜〜〜!!」
不謹慎ではあるけれど。
笑った事で、沈んだ気持ちがほんの少し、軽くなった。
ちょっと長くなりましたが、以上でございますm(__)m
皆様のお話を楽しみにしております(・ω・)ノ
>>388 投下おつでっす。
キャラスペックが気になるところです…
>>3を見ながら一筆書いてほしいかも?
調理上げでの副産物で三食ベークドポポトとかだときつそうだなw
ゆでたまごもくっているようだからしんぱいないだろうage
391 :
既にその名前は使われています:2006/05/18(木) 18:20:17.43 ID:GDN5xBSL
虫団子じゃなかったのが残念でならない
ところでバータの強さになっても微妙だよな
ボ帝ビルくらいにはなっておきたいよね
皆様お久しぶりです(;´Д`)
長らく投下できずリードさんをお待たせしてしまったようでごめんなさい…
もうちょっと早くスレ読めてれば
>>148でおいしい場面いただいてたのにぃぃ orz~
ただいま前回の続きを書き書き中です。
めちゃくちゃ遅いですがとりあえずキャラテンプレを…(つд⊂)
初出:4スレ185
PC(仮)名: メイミィ / 中の人: 185
種族フェイス: ミスラF2B
ジョブ&Lv: 忍者75/戦士37(サポは色々ある模様)
特記事項: リードに恋心など抱いている模様?
活動エリア: ウィンダス
あらすじ: 朝起きたら自キャラ→忍術の使い方がわからないので
ウィンダスの人に聞き込むもわからず→忍術練習中にリードと出会う→
翌日リード、ロックと共にシャントット博士の家に行くと赤鎧に襲われる。
他キャラとの接触: リード、ロック
独自レギュレーション: 魔法・忍術はTab変換語を頭に思い描き念じて使います。
394 :
既にその名前は使われています:2006/05/18(木) 19:48:10.03 ID:JHhPNkOg
食事帰宅!
>>609わかったにゃー!
>>393ひょっとしたらロックの物語に再登場するやもしれませぬ。事前に言っておきます。
帰る直前に担当上司(戦車)死亡により方針変更で殺されそうなユリさんお好みの外伝はあとで投下します。
・・・最近。FFで獣してると寝落ちしてFFやってる夢みながらFFやってる・・・。
あやつるかえれあやつるかえれを身体で覚えつつある昨今です。
_,.. -─ ─-、 しァ
/!/ヽ‐'" / イ⌒ヽ
,l_/ l l / /! ヽ
|l /lハ// V| ! ハ
| l / イ ヽヽ/Vl !
| ハVヽト`ー- ' イ/ ,ィ/! \ ∧l |
、ト、 \ ヽー- ' _,..ィ/ // ハ ト、 l!
\ ヽ_,.メ、<イ_/__,.._-=ニ-ヽ _,/
ヽi`、| 、‐rッヾ =|二|-=_rッァ `}',.} それはいい
{ ヽ!  ̄ シノ! ヽヽ  ̄ //リ そのまま体ごとFFにインしてくれ
ヽヽ!`ー--‐'´/| ` ー--‐ ' /./ そのネタを元にわれわれが
\! ヾ_,. /‐' マガジンに復帰するとしよう
_ィニlヽ __ ,イiヽ、
_,. -‐'" l | \ `二´ ,r' l ! `ヽ、._
_,. -‐ '" l | \ / | l `` ー- 、._
‐'" _,. -‐  ̄`ヽrァr--`‐──'‐‐-r ,! ! `` ー-
_,.ィ´ ヽ、._ ヽ ./ /i l
ァ‐/ / \_ノ! l / l ',
/ { `ヽ、 }!ヽ! /V ! ヽ
! ヽ \ Y | ` r====r'´ | 〉
396 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/18(木) 20:51:45.13 ID:R4g4ypBX
こんばんは、まとめサイトのほうで初期の書き込みに
軽く手を加えておきました。それだけですw
>>388 うちのモグタンとそのかわいらしいモーグリさんを交換しませんか?
モグロッカーにスキルあげでつくったエビダンゴ25Dほど入っているけれど、
ひょっとして食事にしなくちゃいけませんか?w
では、わっふるわっふる
397 :
既にその名前は使われています:2006/05/18(木) 21:38:21.34 ID:jkhTYIz2
初代の作風すきだったんだがなぁ
キャラに一切名前つけないところとか1レスあたりの文章の少なさとか
\ヽ \\ + ,
ヽ __i_ ,. -─- 、._ \ヽ. ,
i ,. ‐'´ `‐、 ヽ丶
/ ヽ、_/)ノ \
/ / ̄~`'''‐- 、..__ ノ
\\ i. / :::::l 7.
\ヽ ,!ヘ. / ‐- 、._ ::::|/
. \ |〃、!ミ: -─ゝ、 __:::l __|__ .
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,`::/ │. 1レスあたりの分の少なさになら
┼ /`゙i ´ ヽ:::::! 自信があるぜ
_/:::::::! ,,..ゝ! \
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 -i-____ 、 /. ヽ
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' / -i-
i、 \:::::::::::::::..、 ~" /ヽ丶
.! \ `‐、. `ー;--'´ \ヽ -‐
ヽ \ \ /
新しく来た人とかサンドの男2人(片方中身女)のお風呂とか色々【やったー!】
>>397氏 すいません私は真逆で…
>>398氏 言葉が少なくても私は認めない!認めませんよ!
アジルとのエロに発展させたい人が何故かやたら多いですが、多分無いですよ?
コチラはストーリー的に真新しい進展はまだ無いですが、投下します。
アジルが子供のように…子供だが。先を小走りで行きながら「早く〜」と私を急かす。
「ホレ、鍵渡すから、先行って開けといてw」
墨色のような黒いズボンから鍵を取り出し、アジルに放る。パシッと受け取り「早く来てよ〜?」と言って駆けていく。
私はゆっくりと歩きながら、微笑みで応えた。
アジルが走っていく背中を見ながら、考える。忘れそうだが、彼女は最初、私を襲撃してきた刺客だった。
そして仲間とおぼしき黒づくめに殺されて…何故か、生き返って帰って来た。
今は聞いた訳でも無いのに、それがフェイトとかいう集団で、GMの格好をした奴が沢山居る事などを知っている。
私が一度撃ち殺した男の事も、多少解る。リードとかいう名前で、昔フェイトで、突然失踪して……
…本当になんでこんな知ってるんだ?まるで関係があった人間の記憶を、そのまま私の頭に持ってきたようだ。
案外、魔法か何かで本当に持ってきたのかもしれないが…躯の記憶では無いようだ。思い出す情景、視点低いし。
なんで知ってるのかはサッパリ解らないが…まぁ、知ってるから知ってるんだろう。
なるほど…この異質な記憶が誤りで無いなら、敵のような集団は治安維持を目的に行動してたのか……。
確かに、持ち込んだモノと人によっては、この世界の秩序とやらを著しく乱すだろう。
しかし、それにしては行動が短絡的だし、幼稚だ。馬鹿の一つ覚えみたいに、対象の抹消しかしていないようだ。
「…ま、私はどっちかっていうと、襲われる側にゃんだろうけど、さ。」
珍しく誰も居ない森の区モグハウス周囲で独り言を呟き、私はモグハウスへと帰った。
料理を、アジルに教えるのは今日すでに何回目だろうか……なんというか………
「ねぇ、どう?今度はちゃんと出来たでしょ?食べてみて♪」
「いや……コレは……なぁ…w」
目の前にある皿の上に乗っているのは、芸術的なオブジェと化した……山串。
まず、山串教えたのに、串が見当たらない。 皿の上に、明らかに2〜3人前の食材。
そして、どういう創り方をしたのか解らないが、皿の上にあるソレは、どう見ても、決闘する2人の騎士のオブジェ。
綺麗に盛り付けとか、見栄え良いトッピングとか、そんなチャチなもんじゃねぇ。もっと恐ろしい何かの……
「もう、早くしないと冷めちゃいます。ほら、あ〜〜〜ん」
そう言いながら、騎士の首をつまんでコチラに腕を伸ばす。コカ肉の体にタマネギや唐辛子の精巧な鎧を着ている。
「だ…大丈夫、普通に食えるからwだからソレはやめてくれwww」
そう言い、騎士の右腕をもいで口に運ぶ。手に持ってるレイピアが材料と共に渡した串だと気付くのに、2秒かかった。
「味は……普通の山串か…。見た目が色々な意味で有り得ないが……。味付けの腕は上がったね。」
「へへ〜♪今度はもっと豪華なの創ってみるからね〜♪」
「…ソレは、料理としてか?それとも、芸術作品としてか?」
「ひ〜み〜つ♪」
アジルの料理は、下手な芸術作品より芸術的だ。 だがそれ故に、とても食べにくい。 ま じ で 。
アジルの違う意味で独創的すぎる創作料理をたっぷりと堪能し、水浴びに行くアジルを見送った後、再び考える。
まず、なんで自分の記憶じゃ無い記憶を知っているのか。
1、躯が過去に誰かから聞いた話を、私が思い出すような形で躯から貰った。
2、記憶の主に魔法か何かで押し付けられた。もしくは私(か躯)が記憶を奪った。
3、最初から知っていた。
・・・駄目だな。どれもいまひとつ現実味に欠ける内容の原因しか思いつかない。 んじゃ、次。敵(かもしれない)集団
1、GMの鎧と同じ赤い鎧を着た連中が居る。…なんでGMの格好なんだ?それともGM自体がコイツラなのか?
2、黒づくめは下っ端で沢山居る。赤鎧の部下で、一部は操り人形で…うわ…えげつねぇな。
3、裏切ったら証拠隠滅などの理由により殺害される……まぁコレはわからなくもないな。アジルそれで死んだし。
4、拠点は寒い地方で、移動は帰りが呪符デジョン、行きは……なんだコレ?真っ暗な廊下?
5、記憶を操ったりなにかしら出来る……コレは記憶の持ち主があんま知らんみたいだな。噂程度か。
後は……ぅゎ…
「たっだいま〜!…あれ?なんで顔赤くしてるの?」
「わあっ!…あぁ、おっおかかえりw」
個人的な記憶の部分に関しては、考え(思い出さ)ないようにしておこう…記憶の主のためにも。うん。
「…?急にマジメな顔しちゃったりして、どうかしたの?」
「なんでもないw じゃ、私も水浴びして来ます。」
「は〜い。その格好なら寒く無いだろうけど、夜風が寒くなりそうだから、遅くならないようにね〜」
夕焼けに染まる水浴び場は、タル達のハッテン場と化してたので、サルタバルタで水浴びをした。ゴブ、コッチ見んな。
以上です。
補足
文中の数字で出してる思考の所ですが、
某人物の記憶を見て考察してるだけですので、公式的な設定ではありません。
某人物の主観を、サンが客観的に見てるだけです。
では、わっふるな展開を期待しつつアジルの芸術山串食べてきます。
認められないなんて悔しい
でも
ワッフルワッフル
エロなしは良いとても良い
諸君
私は平和が好きだ。
皆様、投下乙でございます。
一日でこれほどの量があると、さすがに読み応えがありますね。
レスをつけきれませんw
>>325 モグハウス襲撃を先にやられたーw
うちのモーグリの無敵ッぷりを見せつけようと思ったのにorz
>>327 納得です。破壊行動のひとつだったのですね。
>>363 とうとう出ましたか、黒マント。でもなんだかおかしな格好w
>>381 クーは地獄の一丁目にお連れして差し上げました。
クルス氏はメイミィさん(と謎エロ生物)が召喚した騎士のひとりがガードして、
離れた場所に移送されているとかいないとか・・・。
いずれにせよ、事前の確認通り筆をお止めする結果となっております。
>>388 愛嬌のあるモーグリさんですよね。
うちのモーグリもあのくらい愛想があればなぁ・・・w
>>393 185様、お返事を待たずにストーリーを先に進めてしまいました。
今度リードに会ったらビンタの一つもくれてやってください。
別れ際にリンクパール(イッチやルーファス氏、レップ氏が所持)をお渡ししてありますので、
話の素材にご活用ください。
ちなみに、うちのモーグリはメイミィさんにあえて嘘をつきました。
>>403 他人の記憶まで奪うようになっちゃいましたね・・・。
さらに謎エロ生物ゲージUP!ですね。
>>406 >他人の記憶まで奪うようになっちゃいましたね・・・。
ある地点から既にこうなってて、公にしたのが今回ですw
>>覚醒サンに関わったミスラさん各位
貴方達に今の所マイナス作用は無いハズなので、ご安心を。
あんなことやこんなことの記憶が流れ出したりはしませんのでw
「どちらにせよ“破壊と殺戮の為の凶器”という本質は同じだが―――」
ピシッ、バチチッ・・・!
「もしかして、あきれてる?」
「ええ。とっても」
アリサはにっこりと微笑んだ。周囲に雷の精霊力をまとわせながら・・・。
サンダーIIIの発動まで、あと二秒。
「あなたはいつも、わたくしには興味が無い事を一生懸命説明するのね」
「続きは夕食の後にしてはいかがでしょうクポ」
モーグリが片手でひょいと長剣を取り上げ、テーブルを拭きはじめた。
うっかり説明に夢中になってしまい気づかなかったが、キッチンでは夕食の準備ができていた。
そういえば、朝に簡単な朝食を済ませてからずっと食事をしていない。
思えば今日は一日中体力をすり減らし、緊張を強いられ続けた。
意識しはじめると急に空腹感が襲ってきて、食欲を誘う良い匂いにめまいがした。
メニューは野兎のグリルをメインにした簡素なものだったが、今の自分には何よりのご馳走。
さほど広くもない部屋でアリサと同じテーブルを囲む夕食は、とても懐かしい味がした。
食後のお茶をいただきながら、俺はアーティファクトに関する考察を再開した。
久しぶりに会った二人ならば、他に話すこともあるはずなのだが。
俺の頭の中は、神殺しの剣をいかにするか、で一杯だった。
「わかっていて・・・? 問題は山積みなのよ?」
まず一つ、と彼女はすらりと指を立てた。
「あの長剣に、エクスカリバーを超える魔力を宿らせるつもりのようだけれど・・・。
一体どこから、それだけの魔力を持ってくるつもりなのかしら?」
再び剣を研いだとしても、それだけでは今までのアーティファクトと同じ程度の力しかない。
無論、物理的には問題ない。だが同時に、失ったエクスカリバーに匹敵する莫大な魔力が必要となる。
それこそ、次元を裂き時空を歪ませるほどの魔力が。
「・・・天の塔。アジドマルジド経由で星の神子に頼んでみる」
お話にならないわ、と一蹴するアリサ。
確かに、星の大樹が枯れるほどのリスクを権力者が冒すはずがない・・・か。
「ふたつめ。そんな大怪我だらけの体でオルデール鍾乳洞まで行くつもりかしら?」
「・・・痛みには、慣れてる」
「無茶言わないの」
彼女はそう言ってベッドに腰を下ろした。俺の強がりなどお見通しだ。
「服を脱いでここに座って。わたくしが癒してあげるから」
410 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/19(金) 00:10:27.04 ID:3K2paJeC
今夜の投下は以上です。
411 :
既にその名前は使われています:2006/05/19(金) 03:11:34.05 ID:OAm/Ea+k
保守
喪主
413 :
既にその名前は使われています:2006/05/19(金) 07:27:47.46 ID:3K2paJeC
保守
>>403 料理素敵です。山串もHQ4くらいになるとそうなるのかもしれませんよ?w
>>410 またわっふーな展開の(゚∀゚)ヨカーン
んでは、私も投下を
怯えないで笑えって・・・無茶言わないでよ・・・。そもそもまるで時間が止まっているかのような異常な空間で
見知らぬ男に声をかけられるという状況は、それだけで充分恐怖だ。
しかも、その男が本能が警笛を鳴らすような明らかに普通でないの奴なんだ。
命が危険な状態で笑える人間なんてマンガやアニメの世界にしかいない。
少なくとも、私はそんな危ない人間じゃない。普通の人間だ。
男が一歩を踏み出す。私の足が勝手に一歩下がる。その繰り返しが何度も何度も続くと、
ドンと背中が目の院の石壁にぶつかった。どう逃げればいい?テレポ・・・詠唱が長すぎて間に合う気がしないし、
彼らが白魔道士だったら同じテレポで追いかけられかねない。
インビジ?一度見つかってしまっているからこれは役に立たないか。
それに、そもそも彼らは魔法を唱える隙をくれるのだろうか・・・。
「だ、誰ですか!?なんで私の名前を知っているんですか!?」
時間稼ぎも兼ねて私は男に疑問をぶつけてみた。彼らの様子を見る限り危険は無さそうなのに・・・
なんなの・・・?この恐怖は・・・。膝がガクガク笑いっぱなしだ。本当に誰もいないの・・・?
「おっと、これは失礼。オレはケルート。正体はサンタさんさ。で、彼女はアグ・リッピナ。
いつも君の事を二人で見ていたから名前はもちろん、他にも色々知っているよ。ね、アグ。」
そういって彼は今紹介したミスラの方へと微笑みかけた。
「おしゃべりはいい。早く仕事を終わらせろ。時間を止めるのはあまりやりたくないとか言っていたのは
君だったじゃないか。」
ツンとした表情でアグ・リッピナと紹介されたミスラはケルートと名乗った男を責めるように言ったが、
彼は全く気にしないで私にこう言った。
「ごめんね、サンタギャルはこの通り超無愛想なの。」
「誰がサンタギャルだ!」
ミスラがしっぽをピンと立て彼を怒鳴りつける。だがケルートはそれをさらりとかわしてまた私のほうを見た。
お願い・・・その目で私を見ないで・・・。
これ以上は下がれないけれど、ケルートと距離をとりたくて私は石壁に背中を押し付けた。
「ほらね、無愛想でしょ?本当はオレも彼女とほほえましい会話をして君の緊張をほぐしてあげたいんだけど、
彼女、ああだからさ・・・。せっかく和やかになれる服まで用意したと言うのに・・・。」
「ボクが悪いといいたいのか!?」
ケルートの言った事に怒りを顕わにしてアグは地団太を踏みはじめる。
ただの夫婦漫才にしか見えないのに、どうしても私はこの場から逃げ出す事が出来なかった。
「二人で見てたってなんですか!?あなたたちストーカーか何か!?それに子供扱いはやめていただけませんか!?」
精一杯の虚勢を張って私は二人を怒鳴りつけた。すると、アグが底の見えない真っ黒な目で私を見る。
彼女と目があった途端、蛇に睨まれたかえるみたいに動けなくなり、腰が抜ける。
私は壁にもたれかかったままへなへなとその場に座り込んでしまった。
逃げなくちゃ、逃げなくちゃ!動け!動け私の足・・・!!誰か・・・誰か助けに来て・・・。
私は祈る気持ちで周りを見回す、もちろん私と彼ら以外に動くものはいない。
「アグったら何やってるの・・・、彼女こんなに怖がらせたら仕事できないじゃん。ジャマするなら帰って。」
「・・・きいいいぃぃぃ!!!!!!」
じたばた行き場の無い怒りを地団駄で紛らわすアグを無視してケルートは私に一歩近づいた。
「こ、こないで・・・やめて・・・。」
恐怖のあまり体が震え涙がとまらなかった、あしが動かないので手で地面を押して、一ミリでも彼から距離をとろうとした。
しかしその行為は背中を硬い石壁にこすりつけ、ヒーラーブリオーの背中の部分を汚す以外には役に立たなかった。
「だーかーらー、サンタさんには笑いかけてよ、ね?ほら、プレゼント。」
彼は困ったように笑いながら私に何かを放り投げた。
「いやぁ!!」
私はあわてて手で頭を抱えて身を縮めて、その放り投げられた物を避けようとする。
硬い何かが腕に優しくぶつかったかと思うと、カツンと乾いた硬そうな音を立てて放り投げられた何かが地面に落ちる。
「・・・そんなにお兄さんは怖いのかな?ショック〜・・・。」
そんなことを言いながらケルートしばらくどこからか取り出した鏡を相手に笑顔の練習をしていたが、
それに飽きたらしくて鏡をしまうと私のほうへと向き直った。
「プレゼントの説明をするから怯えないで聞いてよ。来訪者のユリフィナちゃん。」
「・・・なんで・・・知ってるの?」
震える声で私は彼にこう言うと、ケルートは二ッと笑った。
「さっきいったじゃん。見てたって。オレ達は君たち来訪者を監視したりするのがお仕事なの。
たまにヴァナディールを滅茶苦茶にしちゃうようなすごいことしちゃうから。」
怒りも収まったらしくてまた、冷たい無表情に戻ったミスラ、アグがヒューム男のケルートの説明に一言付け足した。
「そして、必要とあらば来訪者を排除する。」
排除!?私を殺すということ!?なら、なら逃げないと・・・。
そう思っていても完全に抜けた腰は足に力を伝えようとしない。いやだ!死にたくない!
せっかく帰れるかもしれないのに!!
私は体の奥底から必死に声を絞り出し、威圧的に言った・・・つもりだった。
「わ・・・私が黙ってやられると・・・思っているんですか?」
ダメ・・・はったりにも去勢にもなっていない・・・。こんな震えていたら武器すらまともに握る事は出来そうに無かった。
でも、魔法なら?簡単な魔法と詠唱の短いホーリーやフラッシュならあっという間に発動させる事が出来る。
ただここまで実力に差がある相手が二人だと、フラッシュを使って目潰しをしてもテレポで逃げ切ることが出来るか
どうかもあやしい。ううん、でも走って逃げれる可能性だって。
「アグったら空気読んでよ。脅してどうするの・・・?お仕事の邪魔をするのはルール違反じゃないの?」
「な!ボクは完結に仕事内容を言っただけで・・・」
「だから、それが余計なの。あー、話ずれちゃったね。とにかく、ダテレポを使う君にプレゼントだよ、リンクパール。」
なぜ、来訪者を排除する集団が私にリンクパールを渡すのだろうか?私は先ほど硬いものが落ちたほうを向くと、
赤いリンクパールが確かにそこには転がっていた。
「気づいているんでしょ?ユリフィナちゃんに完璧になりつつあるの。」
「・・・だから・・・なんなんですか・・・?」
もう一度、精一杯虚勢を張る。私が彼女と同化しているということは感覚的に気付いていたけれど、
いざ他人にその事実を突きつけられるとやっぱりショックだ。
それにしても、いったい、彼らはどこまで私のことを知っているのだろう。なんだか彼らがさらに不気味に思えてきた。
そんなことを考える私を気にも留めずにケルートはさらに続ける。
「あるべきものをあるべき場所に帰す魔法か・・・ユリフィナちゃんのあるべき場所は来訪者がもといた世界かな?
それとも、ヴァナディールかな?」
「・・・何が言いたいんですか?」
彼はこともなげに残酷な事を言った。
「君はダテレポでは帰れない可能性が高い。ヴァナディールのユリフィナちゃんになっているから。」
一瞬、頭の中が真っ白になった。だけど、すぐに私は冷静になる。
だって私はまだ由梨だ。完璧にユリフィナにはなっていない。帰れる可能性だってある。
私のあるべき場所は現実だ。ヴァナディールじゃない!だから、帰れる!!
こう、必死に自分に言い聞かせるように何度も何度も頭の中でくりかえした。
私は震える手を震えないようにぎゅっと握り締めて、涙目のままだけれども、ケルートを睨みつけてこうはっきりと答えた。
「・・・帰ります。帰らないといけないから。」
するとケルートはちょっと驚いた顔になるがまた笑顔に戻った。
「へぇ、意外としたたかだね。もっと泣き虫さんだと思ってたんだけど・・・まぁいいや。
オレは別に口げんかをしにやってきたわけじゃない。プレゼントの説明といこう。」
そういってケルートはつかつかと私の側まで歩いてきて赤いパールを拾って、それを私にグッと押しつけた。
「これに向かって『ケルートさん、帰れませんでした。』って言ってくれればオレが君のヴァナ以外の記憶を完全に消しに
かっこよく登場してくれるってワケ。さらに、何か着てきてほしい装備があるなら言ってくれれば着てくるよ。
オレってこのとうり、おしゃれだからさ。服もいっぱい持ってるの。」
そういってサンタ服の裾をちょこんと持ち上げる。するとチラリと白サブリガが顔を出す。
「記憶を消すって、私ごと消すってことですか?」
私がこう言うと彼はまさかといった顔で応える。
「俺たちはヴァナディールの住民の記憶ならいじれるからね。
君が帰れない時は君がヴァナディールの住民になりきってる場合だからね。」
そういって彼は私のアゴの下に指を入れるとグイと私の顔を持ち上げた。
私と彼の顔がものすごい近い位置になる。それだけでなぜかものすごい恐怖が私の心を支配した。
「ヴァナ以外の記憶を持ってたら帰りたくなって辛いよ?」
そういうと彼は立ち上がり不機嫌そうに事の顛末を見守っていたアグの方へと歩いていった。
どうやら、助かったらしい。だけど、何で私は生かされたの?同化しきっていない私は来訪者だと言うのに。
それに、私が完全にユリフィナさんになる保障もない。
私はその疑問をぶつけるために彼の背中へ向かってなんとか声を絞り出した。
「あ、あの・・・。」
「なんだい?」
ケルートはマントを翻して振り返る。彼からは殺気というようなものは全く感じられないが、
その存在自体に底知れぬ恐怖を感じる。
彼は眠っているライオンのような感じだ。襲ってこないのはわかるのだけど、
本能的に近づいたりすることが出来ない危さを感じる。
「どうして、私を抹殺しないんですか?それどころか、こんな・・・私のためになるような事を・・・。」
未だに小刻みに震えている私の言葉を聞くと、ケルートはにっこりと笑った。
「オレが平和主義者だからさ。」
「真面目に応えろ。もういい、ボクが答える。」
1秒でアグがふざける彼に文句を言う。
「ボク達の組織はヴァナディールの住人のために正義と力を行使する。そして上層部がお前は来訪者ではなく、
ヴァナディールの住人と判断した。ヴァナディールの住人を傷つけるのはボク達の正義ではない。」
どこか忌々しげに私を睨みながら彼女は私にこう言った。なんだか、私は彼女に嫌われているらしい。
「あ、オレのセリフ。」
「取られたくなかったら最初から真面目に答えるんだったな。」
そういって二人揃ってバサリと一度マントを翻し私に背を向ける。
ふと、何かを思い出したかのようにケルートが首だけをこちらに向けた。
「アグのセリフに補足。ヴァナディールの住人の中には君も含まれているんだよ、ユリフィナちゃん。
わかったかな?それじゃあ帰ろうか、アグ。」
「フン。抹殺されなくて良かったな。」
一瞬彼らの周りが歪んだかと思うと彼の姿は掻き消えていた。
また、風が戻り砂埃が激しく舞い、木々がざわめく。私の周りの世界は彼らがいなくなると再び動き出した。
私の腕の中には、今おきた出来事が現実であった事を示す赤いリンクパールがあった。
私はしばらくの間、そのパールをぼんやりと眺めながら今起きた事を頭の中で整理していた。
「おねえちゃん、こんなところにすわりこんでどうしたんだニャ?」
突然声をかけられ顔を上げると、私のことを心配そうにまんまるの目で見つめる子ミスラがいた。
「あ・・・おねえちゃんちょっと風にびっくりしちゃってね。大丈夫だよ。」
そういって彼女に微笑んで私は服のホコリをはらいながら立ち上がった。
とりあえず、涙で汚れたみっともない顔を何とかするために水浴び場へと向かい走った。
423 :
既にその名前は使われています:2006/05/19(金) 10:32:52.46 ID:T6Zq4cge
age
424 :
既にその名前は使われています:2006/05/19(金) 12:26:53.89 ID:sZZ/zhnR
終了何?
425 :
外伝。その羽。天高く。 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/19(金) 13:41:28.07 ID:J2JJb1eZ
「"タワー”!!お前は何処をほっつき歩いていたんだ!!!」
隊長の激高した声が詰め所に響く。「ごん」という音。
鳥達が驚いて空に舞う。
"タワー"と呼ばれた粗末な青銅製のスケイルメイルをまとった青年は、
ぼりぼりと背中をかこうとするが、鎧を着ているのでうまくいかない。
「・・・ふあああ。(キリッ!)眠気が覚めました隊長殿!」
・・・うつらうつら。「ぐぅぐうぐう」
「うそつけええええええっっ!!!!」
サンドリア神殿騎士団。
伝統と格式を重んじるサンドリアにおいて治安を主に任とする騎士団。
事実上サンドリア国教会の管轄化にある。
騎士団長はクリルラ。
武を重んじるサンドリア女性らしく剣に優れ、
恐ろしいまでの若さ(余談だが美貌)に反して人徳、指揮能力、知性を備えた名将である。
426 :
外伝。その羽。天高く。 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/19(金) 13:43:03.06 ID:J2JJb1eZ
「でもさー。俺達騎士ですよ?なんでゴミ拾いなんですか」
雑兵にやらしておきゃいいんですよと「タワー」。隊長の拳が震えた。
「ぼこっ!!」鉄拳がまた飛んだ。
神殿騎士団の業務は他にも結婚式の立会人。街中の犯罪捜査など多岐に渡る。
特に結婚式の立会人任務は特別な加護を受けたウエディングマスターと呼ばれる騎士が当たる。
剣を二人構えてお互いの身を護りあうと誓うサンドリア様式の結婚式らしく、
最精鋭の騎士が派遣される。一般冒険者には彼も「GM」の相性で呼ばれる。
今日も「私はGMではない!!!!」と叫ぶウエディングマスターの姿が見られるが、
彼がGMと呼ばれる存在だというのは普通に皆が知っている事実である。
427 :
外伝。その羽。天高く。:2006/05/19(金) 13:52:03.46 ID:J2JJb1eZ
くすくすという笑い声と共にサンドリアティをもった少女がやってきて、
小さな卓にひとつ、もうひとつを「タワー」に手渡した。
タワーは相好を崩して一言。「おっ!悪いね!エルリッドちゃん!」
詰め所には椅子が無い。彼は立ったまま茶をすする。音を立てて。
「音を立てるな!タワー!!!!お前の母上が見たら泣くぞ!!!」
「いいじゃないスか。危険な任務の帰りだし」と"タワー"はケラケラ笑う。
「お前はーーーーー!」「おじ様。落ち着いてください」
「エルリッド。ここでは隊長と呼べ!!!」「10歳やそこらの子供に彼是怒鳴らない。トラウマになりますよ?」
「その原因は・・・」隊長は押し黙る。「おおやかましいのがおとなしくなった」
そういうと「タワー」は小さな卓を椅子にしてその長身を預ける。「あーらくちんらくちん」ふう。
まるで上級貴族のように優雅に茶をすする彼。
「お前だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
428 :
外伝続き:2006/05/19(金) 13:59:05.28 ID:J2JJb1eZ
我々の世界でいうなら顔面ハイキック。相次いで顔面ヤクザキック。ネリキャギ蹴り。
モンク顔負けのすばらしい格闘術で「タワー」をKOした隊長は肩で息をついた。
「エルリッド。茶をくれ。疲れた」
くすくすと笑う少女はいたずらっぽく笑う。
「先ほど"タワー"殿が座る際、器ごと割りました」
「神よ。あれはトリオン王子より賜った品だ!」
おんどれーと蹴りを入れる隊長に爆笑するエルリッド。
「相変わらず仲が良いですね」
「良くない!」「良くないよ!…ああもう良くない。死んでしまう。エルリッドちゃん慰めて」
そういって少女の足元に絡みつく「タワー」いつものことなので少女も驚かない。だが次が良くない。
「できたらベッドの上で・・・wwwww」
429 :
続き(トリップ面倒):2006/05/19(金) 14:10:32.05 ID:J2JJb1eZ
「俺の大切な娘・・・・もとい恩人の娘に手をだすなああああああ!!!!!」
井戸に逆さに縛りつけられ、プラプラゆれる彼を尻目に(どうせすぐ脱出する)、
二人は警邏にでかける。
「腕も立つし、民の人望も厚いんだが・・・どうにもあの性格はなんとかならんか」
時々というか頻繁に消えるし、下手すると数ヶ月帰ってこない。
クルリラ様はおろか、ピエージュ王子に直訴しても大笑いしているので話にならない。
「彼は、おじ様のためにクルリラ様が派遣した方ですよ。きっと」
恩人の娘は彼の槍を両手に持ちながらチョコボの下からにこやかな笑みを浮かべる。
430 :
続き:2006/05/19(金) 14:16:41.75 ID:J2JJb1eZ
「…それはない。と思う」あの若い娘は何を考えているのやら。と悩む彼。
彼女もエルリッドと同じく凄まじい勢いで昇進し、気がついたら団長様になっていた。
「だって・・・あの厳しかったおじ様が優しく笑ってくださるんですもの」
・・・そうかもしれん。王立騎士団にいたときの自分は違った。
味方からも「悪魔」と恐れられ、敵のデーモン族の将から敬礼をされる始末。
10代の初陣にして恐れるどころか一番槍を引ったくり、
敵を幾名も屠り、頭蓋骨を叩き割り、ほとんど一人で敵を敗走させた地獄の使者シュヴィヤール家先代頭首の副官。
それが彼だ。今は亡くなった先代の一人娘を護るため、王立騎士団に別れをつげ、
紆余曲折あった末に神殿騎士として再出発した身でもある。
基本的に、仕事に不満はない。ゴミ拾い、糞尿の処理。
はては治安維持と冒険者真っ青の待遇だが、今の状況は結構気に入っている。
「あいつさえ真面目にやればな!!!!!!」
帰ってきた二人が見たものは「このまま"あやしい宿屋"の警邏にいってきますwwww」と共に、
隊長の似顔絵(びっくりするほど似ている。意外な才能である)に"バカ”と書かれた紙の張っている井戸のつるべだった。
431 :
既にその名前は使われています:2006/05/19(金) 14:22:09.92 ID:J2JJb1eZ
今日の投下はいじょw仕事仕事。
皆様乙であります(・ω・)ゞ
風邪で寝込んでいて、まったく投下できない状況で四苦八苦中なナナシです…
これ以上投下しないでいると忘却の彼方に葬られそうなので、
わっふるな予感がするリード氏にちょっかい出しに行こうと思いますw
それでは投下します!
コンコンと入り口であるドアの内側を叩く。
こちらが部屋に侵入したことなど、まったく気付かない男女とモグ一匹に
自分の存在をわざとらしく知らせ、それに嫌味たらしい言葉も付け加える。
「お楽しみな処を申し訳ないが、私の話も聴いてもらえるかな?」
身体の傷を癒されるため上半身裸になっているリードと
それを癒そうと準備しているデュエルがこちらにはっと気付く。
リードにしてみれば予想していた範疇だったのだろう、そんなに慌てた様子はないが、
仲間に裏切られたデュアルにしてみれば予想だにしていなかった状況だろう。
「デュエル。すまないことだが、君には発信機を付けさせてもらっていたんだよ。
彼の、フェイトの初代リーダーであったリードの居所を知るためにね。」
「そ、そんな…」
落胆するデュエルを尻目に、久々にあった大先輩に挨拶を交わす。
「お久しぶりです、リードさん」
「久しぶりだね、ナナシ。チャリオットから聞いたよ。大任を授かったってね。」
「いえいえ、そんな大それたものではないですよ。」
他愛の無い会話を二三続ける。お互いに相手を探り合っているのが
傍目にもわかりやすい位周囲に緊張感が溢れ始める。
「…それで、君の話したかったことはそんな世話話だけかい?」
リードは、ナナシに先手を取らせないように、
ガンビスンを羽織ながら、自分から話を切り出し始めた。
「実はあなたに頼みたいことがありまして…」
「断る!」
ナナシの言葉を遮るように、リードは強い口調で否定した。
「まだなにも話していないじゃないですか」
「どうせ、フェイトに戻って来いというのだろ?」
「…半分は当たっていますが、半分は違います。」
「?」
「少し話が長くなってしまいますが、よろしいでしょうか?」
「ああ…」
「ではまず、お茶を用意してくださいな(笑」
ナナシはおどけた様子でモーグリにお茶を請求した。
奥の方でビクビクと状況を伺っていたモーグリは、
主人であるリードの命令ですばやくお茶の用意を始めた。
すぐに部屋中を紅茶のいい香りが溢れ始め、
若干ではあるが、張り詰めた空気が和らいだ。
「…う〜ん、やはりあなたの選ぶ紅茶はいつも素晴しいですね。」
「で、さっきの続きを」
「そう、急かさないで下さいよ。お茶くらい楽しむ時間ぐらいあるでしょ?
それとも、先程の続きが待ち遠しいのでしょうか?」
紅茶のカップが置かれたテーブル近くで椅子に座るナナシは、
ニヤニヤと嫌味な笑いをベットの端と端で座るリードとデュエルに向けていた。
リードは、こんな嫌な奴だったかと過去の記憶と照らし合わせていた。
「…では、まず今のフェイトの状況から説明しますね。」
ナナシの話を要約すると、
現在フェイトは今までの活動をさらに強化していくべきだと考える保守派と
新しい時代に見合った自衛方法を探るべきだとする革新派に分かれ始めていること、
それによる混乱で自警集団としての機能を失いつつあること、そして…
「あなたに保守派のメンバーとしてフェイトに戻ってきて欲しいのです。」
「……」
「戻ってきた場合、今までの罪状は無かったことにすると上は仰っています。」
「……」
リードは、返事を決めかねていた。フェイトには二度と戻らないことは決めていた。
しかし、今この場でそう返答してしまえば、
目の前にいる、紅く染まったシーフAFを纏う者が、なにをしでかすわからない。
…それ以上に、今自分の横で座っている彼女とも戦わねばならないのかもしれない。
そんな風にリードが熟考していると気付いたナナシは、
付け加えるように話を再開した。
「…あ、そうそう、これは余談ですが、
彼女がどうしてあなたのところに来たかわかりますか?」
「え?」
「前回の作戦を失敗した上に、あなたの件で色々と保守派に目をつけられていましてね。」
「……」
「残念ながら、処分対象になったわけなんですよ」
「なっ!?」
あまりにも突然過ぎる報告に、今にも斬りかかりそうなぐらいにリードはいきり立った。
当の本人はというと先程から俯いた様子でベットの端っこで座っているだけだった。
普段なら冷静沈着な人物ではあるが、元フィアンセに対する死刑宣告にも似た報告には
流石に我慢がならなかったようだが、ナナシはリードを制するように話を続ける。
「しかし!それを無効にすることがあなたには出来るのですよ?」
「ま、まさか…」
「察しがいいですね。そう、あなたが我々に服従するのならば、
これもまた無かったことに出来るのですよ?」
「……」
「さて、リードさん、あなたの返答をお聴きしたいのですが?」
「……。俺は…。」
というわけで、わっふるを封じつつ、残酷な選択肢を与える、極悪フェイト諜報部員なのでしたヽ(´ー`)ノ
>>リード氏
気に入らない表現などがありましたら、改編などお願いしますm(_ _)m
リードさんがどんな選択を選ぶかで、ナナシの今後も変化していくので熟考のほどをw
ネタ晴らし程度に、
YESの場合、フェイトによるヴァナ世界征服orフェイト内部分裂激化
NOの場合、リード氏暗殺決行→失敗によるナナシ失脚→リード氏とアリサ嬢によるわっふる展開w
を予定しております。
リード氏の返答を待ちわびながら、また床に就きたいと思います。
ではでは、ごほっふるごほっふる…風邪治らない…(´・ω・`)
や…やっと前スレ見きった…
ここは430以上… orz 頑張ります…
キャラ紹介だけ貼っときます。
初出: スレ1の898
PC(仮)名:Bareiluyareilu(バレィルヤレィル) 中の人: 898
種族フェイス:タルタル F6 B
ジョブ&Lv: 黒魔道士30 白魔道士30 赤魔道士23
あらすじ: ヴァナに「望まぬ来訪者」として来てしまう。
なんとか「ヴァナでの」魔法発動方法を習得。ジュノが当分の目標。
特記事項: 基本的にリアルからそのまま来た感じ。tell、サーチなどおおよそ現実ではできないことはできない。
このスレの主流である「赤鎧」「黒マント」の出現の予定はなし。リアルのエピソードを入れました。
活動エリア:『まだ』ウィンダス連邦内。
他キャラとの接触:直接は無し。
441 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/19(金) 16:29:13.37 ID:8nEQlNgr
ぎゃあ、投下終了を言い忘れてましたorz
ごめんなさいage
>>431 タワーさんこんな性格だったなんてwwwwwwwwwww
これはこれでかなりおkwwwwwwwwww
>>439 おいしい選択ですね〜。続きが楽しみです
風邪、お大事に
皆様投下おつかれさまですー
フェイトに距離つめられて小動物のようにおびえるユリフィナさんに不覚にも萌えた。
そしてナナシさん! あなたは鬼だ!w
リードさんがどう出るかで間接的にこっちの動きも決まってきますが…
お風呂シーン、難航しております。前半だけ投下。
もしあれでしたら後半の展開を609さんに委ねるのもありかな〜なんて…
■<わっふるされるのは想定外
ちょっとすごいお風呂。――ちょっとって言うんですかコレ?
どこぞの旅館か温泉宿みたいな広ーい脱衣所。隣を見るとヒロさんもぽかんとしていた。
脱衣所でこんな調子だとお風呂のほうは一体どうなっているのやら。
「では、ごゆっくりどうぞ」
マルトさんはそう言うと一礼して出て行ってしまった。
とりあえず、脱ぐか…脱ぐしかないよなー。さっきは我ながらすごく挙動不審だった。
変に思われてたら困るなぁ…のろのろと脱衣カゴを一つ手に取る。
自然と1.5ガルカくらいの距離が開いた。
エラントウプランドを脱いで、くるくると畳む。下にはハイネックの黒いインナー。
これも脱ぐ。その下の肌着の前紐に手をかけたところで、ふと横に目をやると、
彼のほうはもうサクサクと上を脱いで、ワーロックタイツの尻尾穴から尻尾を引き抜いているところだった。
やっぱ気にする方がおかしいんだよなぁ。いや、向こうは元々男だからいいのか。
というか、ミスラ使いで中身男の人がオスラになれるんだったら、
私もショートカットのエル♀になって然るべきだったと思うのに…どうなのさその辺。
言いたい事はたくさん浮かんできたが、ここで小一時間問いつめてもヒロさんが困るだけだろう。
「先、入ってるから。すげー、露天風呂かよオイ」
お風呂場への扉が開かれ、感嘆の声をあげたオスラのしなやかな背中が
湯煙の中へと消えていくのを見送ってから、私は上半身裸で、自分の手拭いを探した。
手拭いはちょっと悪いかな…と思いつつも二枚ゲット。一枚をしっかり腰に巻いて、お風呂場の扉を押し開ける。
「すごーーーーい! ここだけ日本っぽいんですけどいいのかなこれFF的にw」
「いいんじゃね? 設定資料集だったか忘れたけど、枯れ谷にも温泉があるとか書いてた気がする」
「あぁ、ありましたねーガルカの隠し湯でしたっけ」
銭湯もよかったけど、こういうのもいい。サンドに来てよかった。
手桶で掬ったお湯で身を清めてから、やっぱり1.5ガルカ程度離れた場所に腰を下ろし、湯に足をつける。
「あっつい」一旦引っ込めて、こんどは慌てず、ゆっくりと湯の中に沈めていった。
炎はバファイ、水はバウォタで平気になる…ゲーム的な言い方をするとレジ率アップだけど、
お湯はどうしたらいいんだろう? 等と、割とどうでもいい事が頭に浮かぶ。
やっとのところで肩まで浸かったところで、あっと思い立ち、腰の手拭いを解いて湯船の外で絞った。
体を伸ばして手桶を引き寄せ、折り畳んで一枚目の手拭いと一緒にふちに掛ける。
改めて湯船に身を沈め、空を見上げる。あんなとんでもない事が起こったあとでも、星空はきれいだった。
そういえば、あのお爺さんって結局なんなんだろう…ヒロさんも何か言われたんだろうか?
そう思ってヒロさんの方を向いたところで、ヒロさんもこっちを向いていて、目が合った。
「あの」「なぁ」…見事にかぶる。なんの漫画ですかこれ。
「…そっちから、どぞ」
という感じで一旦切ります。
ところで世界に関する独自レギュレーションのあたりで、やっぱりネタばれになってしまうので
書くか書くまいかちょい迷ったのですが、私が思うヴァナとリアルの関わりとフェイトさん。
69さんの考察でも大体間違いないのですが、
もうちょい踏み込んだ事を書いておこうかなと思います。
「僕」の行動指針とも密接に関わっているので。
リアル世界と、ゲーム鯖と、異世界ヴァナ・ディールがあって、
FF11というか、ヴァナ・ディールに善かれ悪しかれ深い思い入れを持っている人が、
このスレとか、その他の要因で、ゲーム鯖のキャラクターを媒介にして、
ゲーム鯖にいるキャラクターと親和する異世界ヴァナの人間に、リアルの心が入っちゃいます。
たまにうまく異世界ヴァナまで引っ張れずに、ゲーム鯖で心が止まってしまう人もいるようです。
と、異世界ヴァナは32のゲーム鯖の親のような感じです。
直接行き来はできませんが、来訪者の人が強く望めば、無線やラジオが混信するような感じで、
ゲーム鯖と/tellや/linkshellが通じたり、宅配できちゃったりする事もあるようです。
FurciferのLSはなぜか壊れちゃいましたが…。
フェイトについても書こうかと思いましたが、
他の方の独自レギュレーションとのコンフリクトが激しくなるといやんなので、
今回は先送りかつ、他の方との設定を見ながら調整していきます。
とりあえず、暴走するフェイトをなんとかしたい勢力が別にいて、
「僕」は来訪者になったフレをフェイトにごにょごにょされて、利害が一致したので
サンドのために働きながらも、その勢力のためにも動いている、という設定です。
というわけで独自レギュレーション追加でした。矛盾するところは全然無視していただいて結構です。
あ、忘れてた。ナナシ賛江 つ【ウィルナ】お大事にしてくださいませ。
447 :
既にその名前は使われています:2006/05/19(金) 19:41:06.90 ID:J2JJb1eZ
飯食いに一時帰宅。
・・・フルさんかわいいよふるさん。
ナナシさん久方ぶりに再登場。バッシュひでえええええええw
448 :
メイミィ-185 ◆ajBPG2hnCs :2006/05/19(金) 20:00:29.81 ID:wNkImaZi
とりあえず書けたぶんだけ投下します〜。
かなり遅れてるのでちょっとあせってます(´・ω・`)
ナナシさん、あったかくしてお大事に!
念を込められた紙兵はふっと消え、ブンという音と共に、リードの周囲に12体の騎士を召喚した。
リードを護るように配置された騎士たちの、そのうち8体がそれぞれに光球をはじき返す。
光球はあちらこちらへと飛んでいき、石の区の建物や景色を次々と無残な姿に変えていく。
そしてその光球のうちのひとつが、シャントット邸の大部分を一瞬のうちに消滅させてしまった。
すさまじい爆風がこちらまで届こうかというとき、残り4体のうち2体の騎士が
それぞれわたしとリードの前に立ちはだかり、それを防いでくれた。
残りの2体はどこかへ飛んでいってしまったが、わたしに彼らの行き先まで確認する余裕はなかった。
何がどうなったのかはわからなかったが、どうやらこの場はどうにかすることが出来たようだ。
ほっと一安心するが、まだ“赤い鎧”とリードの決着がついたわけではない。
そう、それに“赤い鎧”の仲間らしい赤魔道士と人質になったタルタルは―――?
雪原のように白くまっさらになってしまった元シャントット邸・バルコニーのほうを見ると、
赤魔道士とタルタルの姿は消えてしまっていた。
どこへ行ったのかと辺りを見回すが、姿は確認できない。
逃げてしまったのだろうか?それとも光球に……?
わたしにそれを確認する術はなかった。
「おおおおぉぉぉ!」
雄叫びが聞こえ、はじかれたようにそちらを振り向くと、
リードが気合いと共に踏み込み“赤い鎧”に斬りかかっていた。
“赤い鎧”はそれを軽いステップで後ろに跳躍しかわすと、
リードの剣に自らの刀を直角に振り下ろす。
次の瞬間、リィィィン…という澄んだ音が響いた。
リードの剣が真ん中あたりから折れ、先が地面に突き刺さる。
そして、“元、剣だったもの”は風化するようにきらきらとした光る粉となって
螺旋を描きながら空気に溶けるように消えていった。
万事休す―――そんな言葉が頭に浮かんだ。
“赤い鎧”が刀を振り上げる。
どうにかして助けなきゃ……そう思っても、足がはりついたように動かない。
(どうして…?また弱いわたしに戻っちゃったの?このままじゃリードさんが…リードさんが……)
真っ赤に燃える炎を纏って、すさまじい轟音と共に天の塔が倒壊していく。
動かない足を呪いながら、どうしようもなく、ただ、叫んだ。
「リードーーーーーーーーーーーーーーっっ!!!」
声が届いたのかどうかはわからない。
リードが持つ切っ先を失った剣が光に包まれ、何故か元の立派な剣の姿へと変わった。
「「りゃあああああぁぁぁぁっっっ!!!!」」
これが最後。そう聞こえた気がした。
ふたりの男が、すべての力を以って、ぶつかった。
長い、永い間が空く。いや、一瞬だったのかもしれない。わからない。
リードの剣が胸に深々と刺さった“赤い鎧”の体が、
力を失ってリードに体重を預けるように倒れ掛かった。
リードが、勝った。それを認識するのに、長い時間を要した。
「リードさ…」
言って、リードに近付こうとしたそのとき。
“赤い鎧”は突然に動きだした。
胸に剣を差し込まれた状態のまま。
リードに向かって左拳を繰り出す。彼はそれをまともに食らって転がった。
“赤い鎧”はエクスカリバーヲ破壊セヨ、と機械的に繰り返し、リードに襲い掛かろうとする。
リードは血を失いすぎたことと怪我の痛みで動けないようだった。
「リードさん!」
ようやく動くようになった体を、“赤い鎧”とリードの間に割り込ませる。
鎧は標的をわたしに替えたらしく、こちらに幾度も拳を繰り出してきた。
それを空蝉の術で避け続ける。
「破壊…破壊…破壊…」
機械的だが素早く正確にわたしを捉える鎧の拳。
反撃する隙はなく、相手の素早い動きに空蝉の術を唱えるタイミングもずれてきている。
このままじゃ長くはもたない…
「もういいだろ!」
ケアルで自身の怪我を治療し、どうにか動けるようになったらしいリードが、横から鎧に殴りかかった。
彼は何度も何度も鎧を殴った。拳の皮が剥けたのか、拳の動きと共に血が飛ぶのが見えた。
「破壊…破壊…ハカ…ハ…ハハハッハハハハハハハ」
鎧はゆっくりと倒れた。が、倒れても未だ、壊れたおもちゃのように手足を動かし続けている。
あまりの光景に、ただ息を呑むしかなかった。
(何…何なの…これは――?)
どれほどそのまま動き続けていただろうか、鎧はようやく動きを止めた。
鎧の全体を虹色に輝く結晶が覆い、ぱんっと弾けて、鎧も、“赤い鎧”が使っていた刀も、
鎧を貫いていた剣も、すべて一緒くたに消えてしまった。
リードが地面に膝をつき、胸を押さえてうずくまった。
無理もない。知り合い――いや、友達、だったのだろう――と生死をかけて戦い、勝利した後に、
まるで操られ弄ばれているような“鎧”とも戦わなければならなかったのだから。
いや、“鎧”とは戦いですらなかった。ただ、操り人形にされた友達を止めただけだ。
どれほどつらい思いをしているか……容易に想像できるものではなかった。
「リードさん…」
恐る恐る、声をかける。
「メイミィ…俺は…」
彼はうずくまったままで、表情は見えない。だが、声が震えている。
リードが消えてしまうのでは、何故かそんな思いに駆られ、抱きしめてしまいたくなった。
手を伸ばそうとしたそのとき、辺りの様子が一変した。
石の区全体を覆っていた薄暗い雲が消え、暖かな光を差す太陽が姿を覗かせる。
燃えてしまったり、光球の爆発によって消滅した建物や樹木などが、元通りになっている。
穏やかな風が草木やわたしの髪をなびかせ、通りすぎていった。
「――大丈夫だ」
リードは言い、ゆっくりと立ち上がる。
「まだやる事が残っている」
元通りの形に戻ったシャントット邸を振り向き、口裏を合わせてくれ、とだけ
わたしに告げて、リードは邸宅の中へと入っていった。わたしもリードの後を追う。
中に入ると、ロックがリードに高位ケアルを施しているところだった。
どうやら、怪我の原因はシャントット博士の発動途中で中断された魔法、ということになったようだ。
リードはロックに笑顔を向けている。気丈に振舞っている。
こんなにつらい戦いを、つらい思いを、これまでも彼はしてきたのだろうか…?
なぜかわたしまで胸が痛くなった。
リードがジュノのモンブロー先生からの届け物をシャントットに渡し、
用事は済んだし、シャントットとアジドマルジドのお邪魔をしてはいけないから、と
わたしとリード、ロックの3人はすぐにシャントット邸を出た。
ロックが森の区まで薬をもらいに行くと言うので、わたしとリードも付き合うことになった。
いじょです!
わっふるわっふる(´∀`*)
皆様、投下乙でございます。
>>439 お風邪をめしているとのこと、お大事になさって下さい。
これ以上NPCを増やすと収拾がつけづらくなる為、
情報提供→わっふる→翌朝にはいなくなっている
くらいでデュエルには退場させようと思っていたのですが、
書く前に、ナナシ氏からちょっかい出されてしまいましたね。
では、そのように変更しましょうか。
リードが交渉の主導権を相手に渡している時は、大抵よからぬことを考えています。
お気をつけください。
>>441 面白い展開になってきましたね。無事帰れるのか? 魔法陣が暴走してくれないだろうか?w
457 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/19(金) 21:21:20.41 ID:3K2paJeC
>>446 ヒロ×フル わっふる!わっふる! あきらめませんよ!w
>>455 投下乙です。無理せず、ご自分のペースで書いてくださいませ。
あぁもう! そこで後ろからがばぁっと抱きしめて! とかモニターの前の皆さんはヤキモキしたに違いないw
あ。
103様。
リードがモグハウスで着ていたのはダブレットです。そこだけは修正しますね。
ガンビスンは、ウィンダスにいるメイミィさんがお持ちになっています。
>>457 了解です(´Д`;)ヾ 確認が足りず、申し訳ないですm(_ _;)m
選択結果はどうぞよしなにw
>>風邪を心配してくださった皆様
心配してくださってありがとうございます。
週末寝込めばなんとか……しないとやばいんですけどね(−−;
リード氏の執筆の妨げにならない程度に投下はしていこうと思います(・ω・)ゞ
459 :
既にその名前は使われています:2006/05/20(土) 02:45:21.12 ID:eTwvlmZt
そういえばルーファスさんは何処にいったんだ?
>>459 2日ほど家に帰って来れませんでした…
少しだけ投下しますー
(200)
2人の案内をマルトに任せるように言うと応接間のドアが閉められた。
部屋にいるのは俺と爺さん、それとウェーブのかかった金髪を丁寧にタオルで拭いているラディールだ。
「坊ちゃま、あの方々でございますが…」
「何か問題でもあったかい?」
「…いえ、私めが考えるよりも『来訪者』とは多種多様にわたるようでございますな」
俺とは何かが違う、とは感じていた。爺さんが見てそうなら、多分そうなんだろう。
「正直なところ、俺には『来訪者』がどんな存在であるかなんて興味がない。在るべきものを、在るべき場所に帰す。それだけだ」
言葉にしてみるとなんだか冷たい気もするが、これが俺の本音だ。
「俺たち『来訪者』も、連れて行かれたエルリッドも、皆本来在るべきでない場所にいる。そいつを解決できりゃそれでいい」
「簡単なようで、難しいことでございましょう」
「分かってるよ」
爺さんは少し考えるような仕草をした後、客間の準備をすると言って応接間を出て行った。
俺が座っているソファとは反対側に座ったラディールがなんだか不思議そうに俺を見ている。
ニヤッと笑って見せると、彼女は一つため息をついてテーブルの上にあったドラギーユ城クッキーを口に放り込んだ。
「あら、これ美味しいわね」
「クッキーの味の良し悪しなんて俺にはわからないな。どれもクッキーはクッキーだろ?」
「ルーファスの作ったシナモンクッキーよりは美味しい」
「どうしてそういう事言っちゃうかねぇ…」
(201)
「ところで、フルキフェルって何か様子が変じゃなかった?」
「んー、どこが?」
「なんというか、妙にクネクネしてたと言うか…昼間の様子とは何か違った気がするんだけれど…」
「俺はそれよりヒロの陰気さが気になったけどなぁ」
フルキフェルは最初からどこか不自然だったから今更気にしても仕方ないような気がする。
そういえば、彼が言ってた台詞、確か「32のレプリカ」だったか。
32ってのはまぁ分かるとして、レプリカときやがった。
まぁ、本人がいるわけだし明日聞けばいいか…
ヒロの女がらみのトラブルは解決したんだろうか。
あんな辛気臭い面してるところを見ると、解決しなかったか確認してないかのどっちかだろう。
こんな野暮なことは本人に聞いちゃいけないよなぁ…
「あの2人、これからどうするのかしらね」
「あんまり他人の私生活に首を突っ込むのは良くないと思うがねぇ」
「…もう!そういう事じゃないわよ。エルリッドを助けるのに手を貸してくれるかどうかって事」
「さぁな…」
連中は元の世界に帰るのが目的だろうから、巻き込むのには気が進まないが。
(202)
「手を貸してもらわなきゃいけない状況にならないのが一番助かるんだがなぁ」
それもそうね、とラディールはまたクッキーを口に入れる。
「…寝る前に食べると、太るぞ」
「私は太らない体質だから大丈夫なの!」
肩を竦めてやれやれ、という顔をする。
しばらくぼんやりとしているとラディールが向かいのソファから立ち上がって俺の隣に座った。俺の顔を覗き込んで、またなんだか不思議そうな顔をしている。
「…記憶が戻った割には随分と冷たいんじゃない?」
あぁ、そういうことか。
「いつ殺し合いになるか分からないんだ。そういうのはちょっと…」
「ふふ…じゃぁ、これで我慢してあげる」
そう言うと俺の首に手をかけて引き寄せ、軽く唇を重ねる。
それとほぼ同時に応接間のドアが開いた。フルキフェルとヒロだ。風呂から上がって直接ここに来たらしい。2人とも固まったままこちらを見ている。
「…ご、ごめんなさい!」
フルキフェルが慌ててドアを閉めてしまった。
閉まったドアからお互い一度向き合って、同時にため息をつく。
「…寝るか」
「…そうね」
464 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/05/20(土) 03:13:53.93 ID:n6ea3K2I
投下終了age
ルーファスとラディールの間柄は、つまりこういうことでしたというわけで。。。
ほぼ完成してる外伝があるので、このスレ終盤で容量がぎりぎりになったらそれも投下しますw
ちなみにレギュレーションや特記事項なんかもまとめて近いうちに提示しておきたいと思ってます。
>>458 寒暖も激しいことですし、お大事に…
では、わっふるわっふるー
465 :
既にその名前は使われています:2006/05/20(土) 06:30:17.01 ID:eTwvlmZt
よし。メインモンクキタ。これで勝つる!
おはようございます、投下おつかれさまです。
く…クネクネしてる…w気を付けなくてはw
戦いを終えたメイミィさんの動向もまた気になる訳でして。
このままだとデュエルとの危険な三角関係とかに発展しそうでハラハラですね。
そういえばメインモンクで思い出したんだけどクゥワンさんて
もうスレ見てないのですかね?
文中でかなりタブナジア行きたいオーラを発してみたものの、
いないとなると行く意味が自分語りオンステージしかなくなってしまうなぁと。
>>リードさん
わっふるするまえに、思い出してください。
つ い て ま す か ら 。
467 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/20(土) 07:48:22.52 ID:g6BqSdCQ
おはようございますage
昨夜は忙しくて投下できませんでした。
>>456 だ が そ れ が い い
需要ありませんかそうですか【ごめんなさい】
ギシギシと体がきしむ。椅子から立ち上がるのにも労力が要った。
エクスカリバーが手元にあった時分は無限に活力が湧いてくるようだったが、今はこの有様。
モーグリが後ろに回り、ダブレットを脱がす手伝いをする。
「御主人様、侵入者ですクポ」
小声でささやくモーグリに、ん、と軽く頷いた。
侵入者の姿は見えない。余程の手練れであることは判る。誰だろうか。
俺の行動を読まれていたか、デュエルの居場所が捕捉されたか。
いずれにせよ予想されうる事態だが、晩餐が終わるまで待つとは律儀なことだ。
ベッドで待つ彼女の隣に腰を下ろし、目を合わせてtellで話す。
(呼んだ?)
(わたくしとしたことが、発信機を外すのを忘れていましたわ)
アリサがにっこり微笑んだ。
コンコン、とドアの内側が叩かれる。
「お楽しみな処を申し訳ないが、私の話も聴いてもらえるかな?」
紅く染め上げた盗賊装束を着た男が、笑顔を貼り付けたままそこに立っていた。
ほとほと今日は赤い色に縁がある。
ため息を一つ、ついた。
その男はフェイトのメンバーだった。
“ナナシ”という名を持つ、以前は諜報専門の任に就いていた男だ。
「デュエル。すまないことだが、君には発信機を付けさせてもらっていたんだよ。
彼の、フェイトの初代リーダーであったリードの居所を知るためにね。」
「そ、そんな…」
まさか、とデュエルが大仰に落胆して見せた。うつむき、長い髪が表情を隠す。
(アリサ、わざとらしすぎだよ。バレる、バレるから)
(そうかしら?)
さりげなくモーグリが長剣をベッドの死角になる位置に置き、上から先ほど脱いだダブレットをかけた。
そろりそろりと、奥の武器庫に向かう。ただの戦闘に用いるならば、もっと強力な武器が収納してある。
「お久しぶりです、リードさん」
「久しぶりだね、ナナシ。チャリオットから聞いたよ。大役を任されたってね。」
「いえいえ、そんな大それたものではないですよ。」
さて・・・。
彼は何の用があって二人の時間を邪魔しに訪れたのだろうか。
「…それで、君の話したかったことはそんな世話話だけかい?」
デュエルが俺にダブレットを羽織らせた。
俺の身体に隠れて向こうからは見えない長剣が、鈍い輝きを放つ。
さっさと斬れということか。恐い女だ。少しは彼の話も聞いてみたいじゃないか。
「実はあなたに頼みたいことがありまして…」
「断る」
務めて落ち着いた口調のはずだったが、少々強すぎただろうか。
「どうせ、フェイトに戻って来いというのだろ?」
まだ何も話してないのに、とナナシは肩をすくめてみせた。
「…半分は当たっていますが、半分は違います。
少し話が長くなってしまいますが、よろしいでしょうか?」
「あぁ」
「ではまず、お茶を用意してくださいな」
おどけた調子で、奥に引っ込んでいた他人のモーグリに茶を要求するナナシ。
あぁ、頼むアリサ。もうちょっと我慢してくれ。
連続魔レシピをtellで延々送ってくるのは勘弁してくれ。
笑ってしまうから!
モーグリが用意したサンドリアティーを遠慮なく啜るナナシ。
それを俺とデュエルはベッドに腰を下ろして眺めていた。
彼の話は、いままで何度となく繰り返されてきた退屈なものだった。
現在のフェイトの状況説明、そして俺に戻ってこいというものだ。
今までの罪状は赦すから、と。
「戻ってきた場合、今までの罪状は無かったことにすると上は仰っています。」
「・・・・・・」
幾多の命を奪い、そして今日、莫逆の友すら斬ったこの俺に、奴らは。
赦すと?
誰が、どう赦すのか。ナナシの上司は神様か?
俺の赦免が、交渉材料になると本気で思っていたのか。
今更なかったことに出来るほど、親友の命とは、それほど軽いものだったのか。
ずっと沈黙していた俺を、ナナシは誤解したらしい。
もう一押し、とばかりに彼は言葉を続けた。
「…あ、そうそう、これは余談ですが、
彼女がどうしてあなたのところに来たかわかりますか?」
「え?」
デュエルが意外そうにちら、とナナシに視線を向けた。
「前回の作戦を失敗した上に、あなたの件で色々と保守派に目をつけられていましてね。
「……」
「残念ながら、処分対象になったわけなんですよ」
「なっ!」
俺は手元に置いた長剣を掴み、立ち上がりかけた。
そっとデュエルがその手をおさえる。
(リード、わざとらしすぎよ。勘付かれます)
(そうかな?)
(セーフハウス代わりのあなたの部屋で、一日くらい休暇を、と思っただけなのだけど)
うつむいたままのデュエルの肩が小刻みに震えている。
笑いをこらえるのに必死の様子だ。
(あぁ、おかしい。フェイトって人材豊富なのね、知らなかったわ)
「しかし!それを無効にすることがあなたには出来るのですよ?」
ナナシが、芝居がかったオーバーアクションで腕を振り上げた。
ナナシは、決して交渉材料にしてはいけないことを口にしてしまった。
「そう、あなたが我々に服従するのならば、
これもまた無かったことに出来るのですよ?」
「・・・・・・」
死んでもなお、壊れたブリキの兵隊のように動かされ続けた、親友の最期が思い出された。
あぁ、そうだった。奴らは神様だったな。
一気に冷めた。
興が醒めたのだ。
俺は、もはや別のことを考えていた。
(サンドリアで協力してくれる人といえば、あの人かな。このあとで会いに行こう)
(ラールにいさま?)
(まだアリサの兄じゃないだろう)
(わたくしブチきれますわよ?)
「……」
「さて、リードさん、あなたの返答をお聴きしたいのですが?」
「……。俺は…。」
474 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/20(土) 10:40:58.58 ID:g6BqSdCQ
ほとんどナナシ氏のコピペで申し訳ありません。
そして、ナナシ氏パワーアップ計画に突入しようと思います!
赤い鎧を着ると、欠損した部分も補えるし、神経強化されて痛みを感じなくなるらしいですよ?
是非オススメです。
とりあえず、酷い目にあってピンチになってください。
>>442 萌えてくださって嬉しい限りですwww
お湯は・・・アイススパイクじゃないですか?w
>>455 メイミィの純粋さに嫉妬。いじらしすぎるうううう!!
>>464 >「…寝るか」
二人でですか?wwwwクッキーは全然味が違いますよ!!w
>>470 投下乙です。連続魔レシピの内容が激しく気になりますw
続きがたのしみです。
では、私も投下を・・・
「おかえりなさいクポ、ユリ。」
モグハウスにかえるといつもモグタンが出迎えてくれる。
もちろん今日もだ。それに私は「ただいま」と笑顔で応える。
このやりとりはとても普通な事だけど、こういう事ができるのはやっぱり嬉しい事だった。
「モグタン。私、帰れるかもしれない。」
帰れるのは嬉しいんだけど、ずっと一緒にいたモグタンと別れると言う事を笑顔で彼に言うのも気が引けて、
どんな表情をすればいいかわからなかった。だから私は彼の顔を見ずに、
アーティファクトのブーツの紐をほどきながら彼のほうを見ないでぶっきらぼうにこう言った。
「ほ、本当クポ!?よかったクポ〜!おめでとうクポ〜〜〜!!」
モグタンはまるで自分のことのように大喜びをしてくれた。
それはうれしくもあったけれど、ちょっとは寂しがっても欲しかった。
ワガママだな私・・・。
「やっぱり時空魔法って奴クポ?」
「うん、ただ、使うのは私達が始めてだから何が起こるかわからないけどね。だから、ちょっぴり怖い。」
そしてやっぱり、あの黒マントの男、ケルートが言った言葉が怖い。
あの時の『君はダテレポでは帰れない可能性が高い。ヴァナディールのユリフィナちゃんになっているから。』
と言う言葉の通り、失敗してしまうのではないかって。
実はもう、由梨の部分はほとんど消えてしまっているのでは無いかって、嫌な方向にばかり考えてしまう。
モグタンは励ますように私の頭を優しくなでながらこう言ってくれた。
「大丈夫クポ。ユリは帰れるクポ!モグは絶対帰れるって信じてるクポ!」
モグタンならそう言ってくれると思った。私は「ありがとね」とお礼を言って彼に微笑む。
私一人で『私は由梨だ。ユリフィナじゃない。だから帰れるんだ。』なんて呪詛みたいに
心の中で繰り返すよりも、モグタンが一言「帰れる」って言ってくれる方がなんだかとても心強い。
ちょっぴり彼が私をなでる手がくすぐったくて少し上目遣いで彼の手を見つめると、
彼もその事に気づいたのか手を引っ込めた。ただ単にくすぐった気持ちいいだけで、
別にイヤだってわけじゃないのに・・・。頭なでられて喜ぶなんて、本当に子供だな私。
考えてみると、私に何かあるといつもモグタンは助けてくれたような気がする。あ、アリアちゃんに襲われた時は裏切ったけど。
それを差し引いても恩返しできないほど彼には助けられたと思う。
思い出すのも恥ずかしいけれどモグタンとの思い出を思い出すと、
なんだか彼の側にいる私が泣き喚いているものばかり思い出される。
エッチなのはかなり問題だったけど、もしも私のモーグリが彼じゃなかったら私はどうなっていたんだろうな。
私がそんなことを考えながら、白AFから私服に着替えている間、
彼は部屋の中をせわしなく飛び回っていた。
いつもならちらちら私の着替えを覗くのに・・・。いや、いつもちらちらじゃなくてジッと見てるな。
「それじゃあ今晩はユリが帰れるのを記念してご馳走クポ!豪華な食材を豪華に調理するクポ〜!」
モグタンごめん、真っ先に「なんで覗かないんだろう?」なんて思っちゃって・・・。
買い物袋を取りにパタパタと飛んでゆくモグタンに心の中で謝っておく。
でも、本当に嬉しいな。ここまで私が帰れることを喜んでくれて、祝福してくれるなんて。
あーーーー!もうやだ!なんだか涙がこぼれそうになるじゃない・・・。
「私もついてっていい?」
顔を見られないように彼に背を向けて、適当にクローゼットの服をいじる。
「一緒に行くクポ〜。」
買い物袋を肘にかけてモグタンが私の方へと飛んできた。
私はお気に入りのスカートを慌ててクローゼットから引っ張り出すと、急いでスカートをはいた。
そして飛んできた彼の手をそっととり、しっかりと握った。
「ユ、ユリ?」
するとモグタンはちょっと赤い顔になり慌て始める。あんなセクハラ三昧をしておきながら、
何を今更慌てているのだろう。彼の意外とうぶな反応がちょっとおかしかった。
私はさらに彼をからかってやろうと、上目遣いで切なげな表情を作ってこう言ってみる。
「モグタン・・・私と手をつなぐの・・・イヤ?」
モグタンの顔がボッと赤くなる。ただ、これは周りに女友達がいたり、使用する相手の性格しだいでは
『媚びやがって、ケッ!』とか思わる諸刃の剣。素人にはオススメできない。
「そそそそそ!そんなこと無いクポ!いくクポ!!」
なんとなくそんな気はしていたけれど彼にはクリティカルヒットみたいだ。
私の手がグイと急に引っ張られたため、私は危うく転びかけた。
「ちょ、ちょっと引っ張らないでよ!!」
モグタンがすごいスピードで私の手を引くから私はどうしても小走りになってしまう。
「モグタンデリカシーない!落ち着いてよ〜〜!」
私達は慌ただしく、最後になるかもしれない二人きりの買い物へと向かった。
「うわぁ・・・。」
今日の晩御飯は腕によりをかけて全部モグタンが作ってくれた。
私のお腹はキッチンから絶え間なく流れてくるおいしそうな香りのために、ずっとグーグー鳴りっぱなしだった。
そんな私の目の前にどんどん並べられていく、今まで見たことの無い豪華なご馳走達。
私は子供みたいに目をランランと輝かせてそれらを見つめていた。
ドラゴンのお肉に下味をつけてミディアムレアに焼いた、鉄板の上でジュゥジュゥいっているステーキ、
キャビアや魚の切り身が乗った豪勢なタブナシア風だというサラダに、
海産物たっぷりのシーフードシチュー。そして辛いところがまたおいしい食欲を誘う香りのイエローカレー。
ロウソクに照らされた机の上に所狭しと並べられたご馳走はキラキラと輝いて見えた。
あああ、もう!早く食べたい!いいにおい!すごい見事な盛り付け!超贅沢!
「ユリ、よだれよだれ!」
「あ!いけない・・・。」
私は慌ててヨダレを服の袖で拭う。失敗失敗・・・。
「こんなすごい料理、見たことすらなかったから・・・つい。」
ちょっと照れながら私はえへへと笑った。
「もう、我慢しなくてもこれで準備完了クポ〜。」
そんな私に微笑みながらモグタンが二本のビンを抱えて飛んできた。
一本はワインのハーフボトルでもう一本はオレンジジュースだ。
私と同じでユリフィナさんもお酒に弱いみたいなのでワインはハーフボトルなのだろう。
ワインのコルクを抜いて、彼がワインを二つのグラスに注いでゆく。
宝石みたいにきれいな色だ。それにすごい甘くていい香り・・・。
モグタンがグラスの脚をそっと握った。私も彼に倣って握る。
「それじゃあ、ユリが無事に帰れることを女神アルタナ様に祈って乾杯クポ!」
「ありがとう、カンパイ。」
カツンと乾いた音を立ててワイングラスどうしがキスをする。
一気に飲んで酔っ払わないように慎重にワインに口をつけると、口いっぱいに甘いジュースのような味が広がった。
「・・・甘い。」
感想が思わず口をついて出る。
「ユリのお子様な舌にあうようにジュースっぽい味のワインを選んだクポ。
調子に乗って飲んで酔っ払うなよクポ〜。」
「ちょっと・・・色々言いたいこともあるけれど気遣いありがとう。すごいおいしいよ。」
そう言って私は早速ステーキを切り分けて口に運んだ。口いっぱいにジューシーな肉汁が広がり、
あまりのおいしさに思わず目がとろける。
「おいしぃぃい〜・・・。」
この世にこんなおいしいものがあっていいの!?これは修正されるね。私は今度はサラダ、
次はシチュー、次はカレーという感じでどんどんご馳走に食いついていった。
「そこまで大喜びされるとぎゃくに気恥ずかしいクポ・・・。」
「だって本当にすごいおいしいんだもん。」
食べきれないと思った大量のご馳走もどんどん数が減ってゆき、気がつくと机の上には空の食器だけになっていた。
なんだか、タルタルの体なのにリアルの自分よりもたくさん食べた気がした。
食器も片付け終わり、水浴びもさっきしたのであと今日やることは眠ることだけだ。
時間はまだ20時過ぎくらい。パジャマにはもう着替えていたけれどこんな早く眠ってしまうのもなんだかもったいないし、
今日はあまり眠りたくは無かった。今はピンク色のパジャマの上にベージュのカーディガンを羽織っている。
今、私とモグタンはベッドに並んで座っていろいろなことを話し始めていた。
今日の料理の話やリアルの思い出やモグタンがモーグリの学校に通っていた話、
他にも初恋の話や由佳の話やモグタンの妹の話、さらに実は私が適当につけたモグタンのいう名前は
偶然にもモグタンの本名と同じだったなんて驚くような話もあった。ほかにもたくさんたくさん・・・
ワインの酔いも手伝ってお互いに饒舌になっていたため、
本当にたくさんの事を話したけれどそれでも話題は尽きなかった。
「それでクポ、モグリンが風邪で休んだ時にモグはやっと気付いたクポ。モグはモグリンのことが好きだってことにクポ。」
「きゃーー青春って感じ〜!」
私は頬に手を当てて首をイヤイヤといった感じでブンブン振った。今はモグタンの初恋の話が話題の中心となっている。
いつの間にか時計は23時を回っていた。
「部屋には二人きりクポ。しかも今のモグとユリみたい感じでベッドに並んで座っていたクポ。」
「うんうんうんうん。」
私はわくわくしながらモグタンの話を促した。するとモグタンが私の両肩に手をかける。
「モグ達も若かったクポ。自然、こうなったクポ。」
肩にかけられた手に力がこめられた。私は人形のように簡単にベッドへと押し倒される。
突然のことに私は目をぱちくりさせていたが、すぐに我に返り、眉を吊り上げて彼を睨みつけた。
「ナナシ・・・、俺はきみに同情するよ」
俺はため息をつき、頭を振って立ち上がった。
「きみは、彼女という有能かつ恐ろしい人間を切り捨ててしまった。
明日、本部へ帰還するつもりだったのに」
おそろしいですって? とデュエルがにっこりしながら二の腕をつねる。
顔をしかめながら、俺はダブレットを羽織ったまま腰に長剣を佩いた。
「俺の返答はわかっているはずだ。断る」
ナナシが席を立つ。
手負いの獅子に気圧されたのか、一歩、後退した。
「待ってください。今日は話し合いに来ただけですよ?」
あくまで笑みを浮かべたまま、ナナシはうめいた。
その姿に背を向け、俺とデュエルは出口に向かった。
「モーグリ、ゴミ処理を頼む。明日には戻る」
「仰せのままにクポ」
「待ちなさい!」
ナナシが自分をまるっきり無視されたと気づき、激昂した。
去ろうとする俺の肩を掴もうと、ナナシが腕を伸ばして近づいた。
「モグタン、ひっぱたかれたい?」
「ひっぱたかれても、蹴られてもいいクポ。だから・・・」
モグタンがベッドと私の背中の間に手を差し入れギュッと抱きしめた。
ブロンズベッドがギシリときしむ。
「こうさせてほしいクポ。」
いつに無く真剣な雰囲気のモグタンに少々気おされて、しばらくの間私は何も出来なかったが、
しばらくすると自然に腕が彼の背中にまわる。
「・・・ちょっとだけ・・・だからね。」
ちょっともたくさんも無いだろうと心のどこかでつっこんでみてから、
私は酔いとは別の理由で赤く染まった顔をプイと横に向けて、彼から視線を外した。
なんだか目をあわせられなかった。
「ちょっとだけ・・・クポ。」
そう言ってモグタンがそっと、私の長い耳に噛み付いた。
以上となります。
例に漏れず大量投下、さらには何気に割り込み申し訳ないです。
それでは皆さんの投下をわっふるしております。
うーん、自分で言うのもなんだけどエロイなモグタン、そして私wwww
487 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/20(土) 11:07:49.20 ID:g6BqSdCQ
うをぅ、わっふるな所で割り込んでしまいましたorz
【ごめんなさい】
うちのわっふるを邪魔したナナシさんが悪いんです(マテ
すっ、と俺とナナシの間にモーグリが割り入る。
バン。
天井で音がした。
間の抜けた沈黙の後、それはボトリと床に落ちた。
ナナシの右手だった。
「・・・ぁがっ・・・!?」
しゅう、しゅう、と勢いよく手首から血を吹き上がる。
「悪いが・・・、モグハウスのゴミ処理は、モーグリに一任してある」
出血を左手で押さえても到底間に合わず、悲鳴をこらえるナナシを尻目にモグハウスを出た。
モーグリの腕が無造作に薙がれる。
宙空を切ったと思った瞬間、紅い盗賊装束で剥き出しの腹に横一文字の赤い線が入り・・・。
デロリ、とピンク色の腸がこぼれ落ちた。
いつのまにか、モーグリは鋭い刃物のような爪を両手に伸ばしていた。
「私はノマドの末裔。どんな野獣も私たちを傷つけられない理由を、これから御身で知るがいい」
屑折れそうなナナシが、必死で何事か口の中でつぶやく。しかし、それだけだった。
モーグリが許可しない呪文は、ハウス内で発動しない。それが“ルール”。
「―――悔やめ。そして死ね」
ふと言い忘れていたことを思い出して、モーグリは一言だけ発した。
「クポ」
489 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/20(土) 11:36:10.82 ID:g6BqSdCQ
以上です。
ナナシさんスプラッタでごめんなさい。でもシーフAFはオヘソ丸出しですよね。
いろいろ失ったものを補うために赤い鎧を着てしまえw
490 :
既にその名前は使われています:2006/05/20(土) 11:57:08.50 ID:BsfwO54K
ナナシさん死んじゃらめぇ(;ω;)
ブモが悲しむお…
ナナシさんはきっとJOJO的展開で脱出するからおk
他の人のキャラ殺したりとか大怪我させたりとか、わりと軽々しくやってるみたいだけど、リレー小説とかではよくあることなの?
せめてクルスに仇取らせてあげればいいのに、作者本人がそれ書く事も出来ないようにしてたし…
荒れたらごめん、さすがに気になったので
いつも楽しく読ませてもらっております
ナナシが死んでも
ナナシのことかーーーー!!!!!
といいつつ体毛が金色になるブモ
こうなるだけだら問題ないよ!
>>492 私にご指摘くださっているのだと思います。
申し訳ありませんが、私はリレー小説のお作法を存じません。
私の書くヴァナは過酷で陰惨で暴力的な、救いのない世界です。
登場する人物たちは自他問わず怪我もするし死んだりもします。
クルス氏の件は、ご本人様が『無理』とおっしゃいましたので、私が話を進めさせていただきました。
495 :
既にその名前は使われています:2006/05/20(土) 13:28:19.03 ID:H38LqlyQ
>>492 リレー小説にはないが、リード小説ではよくあること
>>495 だれが上手いことを言えと(ry
もともとは各々好き放題に書いていたものが、成り行きでザッピングしたり、
時には同じ時・同じ場所に居合わせて共闘したり対立したりっていうのが面白い…
という流れで今はリレー小説のようになっているんだと思います。
普通のリレー小説や、もっと短いスパンでやり取りする「なりきりチャット」みたいなものだと、
自分の行動はこうです、と提示してもそこから導かれる相手の結果を完全には明示せず、
相手の行動に選択の余地を残す、という作法があるようですけれども、はてさて。
狩られる側と狩る側の境目にいる、微妙な立場故の攻撃的なスタイル、でしょうか。
ここまで明示した場の札と、明示していない手札を眺めながら、
どうやって平和的に話せる場を作るか、悩ましいところであります。
497 :
既にその名前は使われています:2006/05/20(土) 16:14:42.48 ID:BsfwO54K
空気を読まずに言わせてもらおう
アルルさん最近見ないな…
好きなのに…
>494
ご回答ありがとうございます。
なるほど、独自に連絡を取って同意を得ておられていたのですね。
大変失礼いたしました。
500 :
◆FC91vFcmb2 :2006/05/20(土) 19:07:53.50 ID:eTwvlmZt
改めて読み直してみたら、外伝で数年前に死んだエルリッドの両親だが、
読み直してみたらエルリッド6歳のときに死んでるんだよね・・・。
初陣。9歳!!!うはwそれ見習いっていうかーーーーーーw
などなど細かいアラの多い外伝を書いてるスレNo.1-
>>69です。こんにちは。
>>497だねぇ。デルクフの塔ミッションで止まってるんだよね。
この外伝、元ネタは彼の作品なんでダメだしして欲しかった・・・。
基本的にこの外伝はアルル氏の物語から想像を膨らませた結果できました。
>>492いまんとこ自キャラ死んでも切れた奴いないからね。(すごいことに)
良スレでも荒れるときは荒れる。荒れないときは荒れないってことで。
商業的なものじゃないんだから死んでも甦らせればいいじゃない
んでまた殺すと
そしてさらに甦らせてさらに殺して甦らせて
これぞジョルノの最強スタンド
大体商業的なものでもジェイソンは何度殺してもよみがえるし
スティーブンセガールに至ってはダメージすら負わないんだ
お前らもっと自信をもってダメージ受けてなさい
503 :
既にその名前は使われています:2006/05/20(土) 20:28:29.29 ID:eTwvlmZt
いやだw俺は死にたくないwwwww
死にたくないと申しますか
そんなあなたにお勧めなのがこれセガール拳法
一日一時間のトレーニングを一月続けることによって
信じられないほど死ななくなります!
銃弾の雨を受けようと大丈夫貫通したから問題ないになり
刃物で襲撃されようとコックに包丁で勝つなど不可能とも
セガール拳法さえ学べばあなたはもう不死身です!
>>リード氏
流石リードさん!ひとが出来ないことを平然とやってのける!そこに痺れる!憧れる!!www
狙った方向とは若干異なりますが、ナナシが大ピンチということに変わりないので、充分過ぎるほどであります(・ω・)ゞ
>>リレー小説云々について
これは完全に書き手の自由だと個人的に考えてます。
書き手によってバラバラになってしまうのは読む側に失礼だとは思うのですが、
それはやっぱり趣味の範疇で書いてるモノですからね(´Д`;)
読みたいモノを読み、書きたいモノを書く。でよろしいのではないでしょうか?
駄文長文申し訳ない。では、リード氏のを模写したのちに付け加えてきます(・ω・)ゞ
投下は今夜中に…出来れば…。
>>498 マテ、独自に連絡取った記憶は無いぞ!・x・
何回か呼ばれた気がするので続き書いてます_(._.)_
クーをどうするかよりモグプウをどう虐待するかで筆が止まってます…
今気がついた
ユリフィナ氏がモグにやられそうになってることに
どっせ〜いヽ(・ω・)ノ
風邪の熱がいい方向に働いて、一気に書き上げたので長文投下です!
少々長いですが、また一日寝たきりになるのでご勘弁の程…では投下します(・ω・)ゞ
さてと、どんな返答が来るのかなとニヤニヤしながら待っていると、
「ナナシ・・・、俺はきみに同情するよ」
リードはため息をつき、頭を振って立ち上がり、さらにもう一言付け加えた。
「きみは、彼女という有能かつ恐ろしい人間を切り捨ててしまった。
明日、本部へ帰還するつもりだったのに」
ん?どういうことだ?彼女の排除命令はその本部から出されたのだぞ?
なにを言ってるんだ?彼は。
「だれが、おそろしいですって?」
とデュエルがにっこりしながらリードの二の腕をつねり、
当の本人はというと顔をしかめてはいるが、明らかにイチャついている。
しかし、その腰には、いつの間にやら剣らしきものを佩いている。
「俺の返答はわかっているはずだ。断る」
慌てて俺は席を立ち、後ろに退いてしまった。
冷静な口調ではあった。しかし、そのクールさは度が遥かに超えて、冷酷過ぎる。
今すぐにでも俺を切り伏せんとする殺気が体中から溢れている。
「ま、待ってください。今日は話し合いに来ただけですよ?」
このまま本部に帰ってしまえば、いい笑いものだ。
どうにかして、次に繋ぐべき良い案を考え出さねば…
と、とりあえず、笑って愛想良く……
「モーグリ、ゴミ処理を頼む。明日には戻る」
「仰せのままにクポ」
ま、まるっきり無視ですかぁ〜!
「待ちなさい!」
立ち去ろうとしたリードの肩を掴もうと、腕を伸ばして近づくと、
すっ、と間にモーグリが割って入ってきた。
バン。
天井で音がした。
間の抜けた沈黙の後、ボトリと床に落ちた。
ん、なんだ?と思って下を見ると、俺の右手だった。
「・・・ぁがっ・・・!?」
しゅう、しゅう、と勢いよく手首から血を吹き上がる。
普段から真っ赤なシーフAFがさらに真っ赤に染まっていく。
「悪いが・・・、モグハウスのゴミ処理は、モーグリに一任してある」
左手で出血を押さえようしている間にリードとデュエルは外に出てしまった。
モーグリは主人が部屋の外へ出て行ったのを確認すると、
こちらに向かってその腕を無造作に薙ぎいた。
宙空を切ったと思った瞬間、剥き出しの腹に横一文字の赤い線が入り・・・。
デロリ、とピンク色の腸がこぼれ落ちた。
俺は悲鳴をあげる。聴こえ方によってはそれこそ断末魔だ。
モーグリの鋭い刃物のような爪がいつのまにやら両手に…。
「私はノマドの末裔。どんな野獣も私たちを傷つけられない理由を、これから御身で知るがいい」
必死で何事か口の中でつぶやく。しかし、それだけだった。
「無駄です。私が許可しない呪文は、ハウス内で発動しない。それが“ルール”。
―――悔やめ。そして死ね……クポ」
数分後、モーグリによってそこにはただの肉塊だけが残っていた…。
ナナシBadEnd
「…どうだい?wいい夢みれたかい?www」
そう誰かに云われて、やっとモーグリはハッと気付く。
そこには確かに、自分のこの手で肉塊にしたナナシが、
自身の二本の足でしっかりと立っているではないか…。
モーグリは自分の記憶との不一致に困惑し始めた。
「あらあら、君ぃ〜ノマドの末裔なんでしょ〜?wwwしっかりしないと〜www」
ナナシは混乱するモーグリをさらに挑発する。
主人と話していた時と比べて若干、いや大幅に嫌味が増している。
「どんな野獣も私たちを傷つけらない理由、教えてよ〜www」
ますますモーグリは混乱してくる。
さっきまで虫のように這いつくばって生きることを懇願し、
足元にへばり付いて足まで舐めてきた奴が、
今、目の前で自分を挑発している…
なんなんだ、こいつは?どうやって生き返った…
「あらら〜フリーズしちゃったよwしょうがないなぁ〜www
君には特別にタネ明かししちゃおうかなwww」
ふざけきっている奴から説明なんてもらいたくないと思うモーグリではあるが、
先程とはちがってこちらの間合いを絶妙なタイミングでズラしてくる…
さっきとは明らかに違う…いや、違う人物のようだ…
「これなぁ〜んだ?www」
そう言って前に出した手には鎖で繋がったタスラムのようなモノがあった。
明らかに市場では出されていないものだとモーグリは直観でわかった。
しかし、それが今の状況と何が関係あるのだ?
「これはねぇ〜w『SoulTaker』って云うアイテムで、モンスターと融合できるんだよw」
「それがどうしたクポ!」
流石に全てに全て嫌味な笑いをつけて話してくる喋り方に
モーグリもいらつきを隠せない。ナナシはさらにニヤニヤを増していく。
「で、融合してからしばらく時間がかかるんだけど、融合を解除することもできるわけw
じゃあ、次のもんだぁ〜いwあれなぁ〜んだ?www」
ナナシが指差した方向には、右手の無いゴブリンが一匹血だらけで倒れていた。
「…ゴブリン?」
「せぇ〜かぁ〜いwwwおめでとう!モーグリくんwww
正解した君にはさらにもうひとつ教えてあげるねぇ〜www
ほらほら、ボクの右目をみてごらぁ〜んwww」
恐る恐るナナシの右目を見るモーグリ。一瞬だけ、と思ったのが後の祭りだった…
一度見てしまったその瞳から目が離れなくなってしまったのである。
「これがボクの能力。催眠効果があってね、一度でもボクの瞳を見てしまうと
ボクがイメージしたモノを対象者に魅せてしまうわけ。
そして、ボクが解除しない限り解けないんだよ。わかったかな、モーグリくん?」
「…はい…わかりました…御主人様…」
自分の主人を間違えるという失態をモーグリ族が犯すわけがない。
しかし、完全に催眠状態に入ってしまったモーグリにとって、
今目の前に居るのはナナシではなく、リードなのである。
「ではでは、まずナナシという盗人は死んだ、わかるかな?」
「…はい」
「次に…あのゴブリン、適当に回復させて、外に出しちゃって。
一応、"アレ"とは短い付き合いだったけど愛着もあるからね。
ゴブリンだし、右手なくても大丈夫っしょwww」
「…はい」
「あとは…まぁ〜いいか、適当に作業取り掛かっちゃってwww」
「…はい…御主人様」
「んじゃ、ボクは上司に報告に行かなきゃねwめんどくさいなぁ〜www」
モーグリは虚ろな目の状態で、作業に取り掛かった。
ナナシはというと、高笑いしながらその部屋を後にした。
そして、瀕死のゴブリンはモーグリの応急処置で一命は取り留めたが
まだ意識は戻っていない…。
やっと…やっと…やっと!ゴブリンにもどれましたヽ(・ω・)ノ けど瀕死ですwww
というわけで、嫌味なナナシとはキャラとして分割しました。
よってNPCになったナナシを皆さんで凹ってやってください!w
キャラ設定としては、
@元フェイト隠密部隊隠蔽工作部門所属、現在フェイト中間管理職(足はものすごく軽いですw)
A性格は『SoulTaker』の影響で崩壊気味です。意味不明なほど「w」が多いのはそのせいです。
Bメインジョブはシーフ。サポ設定は決めてないので自由に
C特殊能力は、催眠効果を誘発する右目。ディスペルなどで解けるかどうかは書き手次第ということで
あとは、ご自由に付加していってくださいm(_ _)m
今後の予定としては、始めに書きたかったゴブリンとしての生き方を描いてくいく予定です。
悪ノリでフェイトの一員になったものの、悪ノリに過ぎなかったと大いに反省中…orz
それでは、いい感じの時間なので就寝いたします、皆さんわっふるわっふるヽ(・ω・)ノ
>>489 赤い鎧の件については、『…だが断る!』でwwwwwww
この一言だけレスし忘れてたのを寝る直前で思い出しましたw
>>百合姫殿
_ ∩
( ゚∀゚)彡 モグタン!モグタン!
⊂彡
518 :
既にその名前は使われています:2006/05/20(土) 23:57:00.76 ID:3yP1zNYj
badendに超びびったw
万華鏡写輪眼も素敵だw
519 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/21(日) 00:08:43.88 ID:tJ6Hl2kO
や、やっと読めた……!
投下量がすごいのなんのw
読むのタイヘーンヽ(´ー`)ノ(だが、それがいいってツッコミplz lol)
とりあえず、量が大杉て感想書ききれないから一部のみでorz
>>463 うほっ。凄いわっふるktkr
>>483 少しも沢山も関係n
モグタンエロスギwww
>>488 ((((゚Д゚;;;;))))
モ、モーグリつえぇえ!
>>499 (#・∀・)ポッポー!
床に転がり、呻く俺を無視して、モーグリどもは呑気にお茶を煎れ始めた。人のハウスを集会場にしやがって……
モーグリの下段からの切り上げで大変なことになったアレは、ちょっとした振動で痛み、とてもじゃないが、動くのは無理だ。
「ご主人様はお茶飲むクポ?」人の気も知らず、のんびり聞いてくる。
「お茶はいいからケアルくれないか……」呻くように言う。
「クポォ、レップさん具合い悪いクポ?」見た目に違いのないモーグリが聞いてくる。
「いいから、とにかくポーションでもケアルでもいいからくれ……」同じことを繰り返す。さっさとしろよ……orz
「<t>さんにケアル〜クポポ〜」なんか違ってる。明らかに発動してない。
「間違えたクポ。」うん、間違えすぎ^^
マクロ使ってんじゃNeeeeeeeeeee
「Repさんにケアル〜クポポ〜」
何回もケアル『1』をかけると、いくらか痛みが和らぎ、なんとか歩けるようにはなった。
テーブルまでたどり着き、椅子に座ってお茶を待つ。
サンドリアティーの独特な甘い香りが部屋一杯になる。
「出来たクポー。熱いから気をつけて飲むクポ。」モーグリが置いたばかりのお茶に手を伸ばす。
食器自体は温かい。湯気が立つサンドリアティーを、そっと口に流し込む。
《口内を火傷により損失。警告:口内炎》
「あちっ!」「だから言ったクポ。」
ウィンダス茶葉から作られるのにお茶はサンドリアなのはなんでだろう。
少し放置し、ほどほどに温かくなったサンドリアティーを飲みながらそんなことをぼーっと考える。
なにもしないで、ぼーっとする時間は大切だと思う。ヴァナでもリアルでもそれは同じこと。
「さて、もう一回やるか。モーグリ、手伝ってくれ。」サンドリアティーを飲み終わり、体力も回復した。特訓再開だ。
「わかったクポ!行くクポよ〜!!」言いながら木刀を振り回す。
《投擲による遠隔攻撃感知。》
……投擲じゃなく、木刀を投げてきた。全く違う方向へ。
「クポポォオォォォ?!?!」モーグリの投げた木刀は、見事にほかのモーグリを叩き落とした。当たったモーグリは叫びながら床をのたうちまわる。
「手が滑ったクポ!わざとじゃないクポ!」手をブンブン振り回しながら、床に墜ちたモーグリに弁解する。
正直、どっちがどっちかわからない。Uchinoモーグリはどっちだっけ?w
「わざとじゃなくても痛いクポ!モグに怨みでもあるクポ!?」墜ちたモーグリがまた浮上しながら喚く。
「怨みかシラミか知らないけど、モグは本当に滑っただけだと何度言えば……」
「お前の不意玉で俺の怒りが有頂天クポォ!」
「だが、既に時間切れ。カカッと出掛けてくるわw」真っ赤になりながら騒ぎまくるモーグリはほっといて、買い物でも行くことにした。
523 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/21(日) 00:13:18.30 ID:tJ6Hl2kO
とりあえず以上です
筆が進まないのは仕様みたいですねw
では、ワッホー!ワッホー!
524 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/21(日) 00:50:45.82 ID:L6YNlJAU
投下乙でございます。保守がてら、レスをさせていただきます。
眼に謎なものを仕込むのが最近の流行なのでしょう。
>>499 (*゜―゜)
>>501 リードはその手法でサン氏の姉を"壊し”ております。
>>516 『SoulTaker』を使って危機を脱していただけるだろうとは思っていましたが、
アスクレピオスの邪眼(?)まで持っているとは知らず。想定外でした。
今までナナシ+ゴブリン+103の意識がごちゃ混ぜの状態だったのが、
(意識だけではなくゴブリンの肉体まで融合していた、か)
ナナシがNPC化して、103様の持ちキャラはゴブリンに、ですね。
祝! ゴブ&ブモ復活!
>>523 ウィンダスは平和ですねぇ。また行こうかなぁ(/grin)
ぼくらの百合姫がなんつうか色々といい方向に壊れてる…(つд`;)
そしてナナシさんお大事にして下さい(´・ω・`)ノ
連携お見事ですw
ネタふって頂いたので投下します〜
ヒロさんは視線を逸らし、しばしの間逡巡する。
もじもじされるとこちらまで気恥ずかしくなってしまうじゃないですか。
どうしたんだろう、と思っていると、意を決したようにヒロさんが顔を上げた。
「頼みが、あるんだ」
真剣な眼差しに、思わずこちらまで背筋が伸びる。なんだろう…さっきの場所では言いにくい事だったのかな。
「なん…でしょうか?」
気圧されて、逃げるみたいな笑顔になる。ヒロさんがずいとこちらに擦り寄ってきて、思わず後退ってしまった。
ヒロさん、なんか鼻息荒くないですか?
「おれは多分、生きてヴァナから出られない」
「え…」
風呂の縁に置かれていた手の後退が止まって、その上からヒロさんの小さな手が重ねられる。その手は、小さく震えていた。
「おれの事、覚えていてくれ──」
「やめ──」
大きなエルヴァーンのわたしが、小さなミスラのヒロさんに圧し掛かられて湯船の端に追い詰められる。
ちょっと、どうなってるの。そりゃあヒロさんは可愛いし生意気な男の子だけど、今はわたしも男なわけで。湯当たりした頭がグルグル回って、よく考えがまとまらない。
「おれが生きた証を──お前の身体に刻ませてくれ」
耳元で濡れた吐息が震えて、ザリッと舌の感触が胸板から喉仏まで流れた。
欲情に潤んだヒロさんの顔から目を逸らすと、そのずっと奥の、そそり立った怒張が目に入って、思わずギュッと目を瞑った。
どうして? 自分でも分からない。
どうして、わたしまで…その、勃っちゃってるわけ?
というのは嘘で、本編投下しますね(・ω・)ノ
庭から屋敷までも随分とあったように思うが、そこから更に裏手に離れがあり、そこに大浴場があるという。
随分広いお屋敷に住んでいるんだな、と言うと、マルトは王都内にある貴族別邸としては中ぐらいだという話をしてくれた。自分たちのカントリーハウスともなると、それこそ一つの村ほどの大きさの敷地があるのだという。
想像もつかないな、とぼやくと、フルキフェルまで怪訝そうに首を傾げた。おれはまだまだ兎小屋に住む日本人の感覚でいるようだ。
風呂場は、ある意味懐かしい景色の場所だった。
それだけでおれの部屋より広い板張り床の脱衣所に、石を荒く削って作った洗面台。浴室との境はご丁寧にすだれで仕切られている。
おれは一瞬日本に戻ったかのように錯覚して、自分の姿を確認したが、相変わらずミスラのままだった。
「では、ごゆっくりどうぞ」
マルトが一礼して退出する。
藤で編んだ脱衣籠に、手ぬぐい、バスタオルまで用意してある。シュヴィヤール家の初代当主は日本人だったに違いない。
フルキフェルがどこかそわそわしながら脱衣籠を取ると、隅の方で服を脱ぎ始める。
このだだっ広さがなんとも居心地が悪くて、自然とおれも隅に陣取る形になった。
剣──こんな場所まで持参する当たりおれもどうかと思うが──を下ろし、シャポーを籠に放る。
肩当てを外し、タバードを脱ぐ。タバードというだけあって、下には鋼板で補強された黒革の鎧がある。多少てこずったが、留め紐を緩めてこれも無理矢理脱ぎ捨てる。
尻尾だけは、いつも手こずる。生来付いていなかった器官だからという事もあるが、どうにもふらふらとしてしまりがなく、言うことを聞かない。
余談になるが、顔では平静を保っているつもりが、気づくと尻尾は動いていたりして、そういう意味でもやりにくい事この上ない。
タイツを脱ぎ捨て、腰布も取払って真っ裸になる。
ミスラはいわゆる獣人みたいに、全身が毛で覆われている訳じゃない。毛質は人間のそれより随分細くて、代わりに密度がある。
全体として毛深くて、産毛みたいな柔毛があちこちに生えてはいるのだが。
フルキフェルはまだもたもたしている。脱いだものをいちいち畳んだりして、随分細かい奴だな。
そんな風に思いながらぼんやり眺めていると目が合って、ひどく慌てたような顔をされたので、先に風呂に行く事にした。
なんだよ、どうせ脱ぐんだし。よっぽどちんこが小さいとかかよ。
「先入ってるから」
そう告げて、手ぬぐいを一枚取り、まだ握力のよく戻らない左腕で振り回しながらすだれをくぐった。
風呂場は湯気とひんやりとした冷気に覆われ、囲いの上には星空が見えた。
湯船は木で組まれ、半ば地面に埋め込まれている。さすがに泳ぐには手狭だが、ガルカが数人入っても充分なくらい広い。
「すげ、露天風呂かよオイ」
おれは誰に言うでもなく呟いた。そのつもりだったが、自然と声が大きくなったらしい。
こんな事で喜ぶおれも単純だ。旅先でインスタント味噌汁だの握り飯だのに涙を流して感動する人間の気持ちがちょっとだけ分かった。
「すごーーーーい! ここだけ日本っぽいんですけどいいのかなこれFF的にw」
もう一人単純な奴がいた。
おれはなんだか嬉しくなってくっくっと笑うと、
「いいんじゃね? 設定資料集だったか忘れたけど、枯れ谷にも温泉があるとか書いてた気がする」
などと薀蓄を披露した。
思えば、こちらに来て初めて、おれは腹から笑った。
「あぁ、ありましたねー」 無邪気に笑いながら、フルキフェルが湯船の縁に腰を下ろす。「ガルカの隠し湯でしたっけ」
おれは手桶を取ると掛け湯をして、そして酷く後悔した。何となく悔しいので顔には出さずに湯船に身を沈める。
「あっつい!」
こちらの望みどおりのリアクションがフルキフェルから返ってきて、我慢の甲斐があったともう一度笑った。
フルキフェルはしばらくごそごそやっていたが、そのうちのんびりと湯を楽しみ始めた。
二人して夜空を眺めたが、おれの知っている星座はひとつもない。
視線を下ろすと、フルキフェルは相変わらず夜空を見上げていた。
雰囲気に呑まれていたのかもしれない。いや、元々空気を読まずに喋るタチだったから、風呂場じゃなくても言えたのかもしれない。
おれはごくごく自然に、フルキフェルに対して抱いていた疑問をぶつける気になった。
「なあ──」
「あの……」
フルキフェルの方も、何か知りたい事があったらしい。おれが口を開くのと同時に、こちらを見返して問いかけてくる。
二人見合ったまま、無駄に時間が流れた。
「…そっちから、どぞ」
フルキフェルが、掌をこちらに向けて発言権を譲る。フルキフェルが何を知りたかったのか気になったが、先に話をさせて貰う事にした。
「あんたは、一体何者だ?」
「な、何者って、なんですか…わたしは別に…」
面食らってフルキフェルが思案顔になる。当たり前だ、心当たりがあろうとなかろうと、そんな事を言われたら誰だって動揺する。
「それだ。いまあんたは自分の事をわたしと言った。だけどおれの命を救ってくれたあんたは自分の事を僕と言っていた」
おれは(変な意味ではなしに)フルキフェルの事が好きだったから、彼のうろたえぶりに少し心が痛んだ。だけどここははっきりさせておかないと先には進めない。
「最初に出会った時とここで再会した時、あんたはおれの事を貴方と言った。だけど"僕"の方はおれの事をキミと呼んだ」
「そんな、たまたまですよ〜。ヒロさんだってそのくらい…」
「違和感を感じてるのがそこだけなら、おれも何も言わない」
ルーファスは信用できる。あんな愚直なくらい真っ直ぐな男が人を騙したり出来るもんか。例え嘘でも味方すると言ったら、死ぬ気で味方になってくれるような奴だ。
こいつも敵じゃない。直感がそう言ってる。だけどそれは直感なんだ。
この屋敷の爺さんはかなりの食わせ者だ。あいつの前では出来ない話だってあるだろう。だからこそ、今ここでフルキフェルを味方だと確信しておきたかった。
彼の視線が泳ぐ。誰かに助けを求めるみたいに。誰に遠慮してるんだ。
「洗いざらいじゃなくていい。あんたの本当が何で、何が目的なのかだけ教えてくれればいい」
いじょ(`・ω・´)ゞ
ネタにネタを返してみたりw
533 :
既にその名前は使われています:2006/05/21(日) 02:34:41.48 ID:pb2air76
>>526 ちょwwwびびったwww
わっふるわっふる!!wwwww
534 :
メイミィ-185 ◆ajBPG2hnCs :2006/05/21(日) 05:13:28.02 ID:EU4Pebgl
以前携帯で書き込んだSSの整理やら続き書いたりやらしてたら
いつのまにかこんな時間なんですが…ひぃ。
サンド組はわっふるだったりガクブルだったりでwktkですね(*゚∀゚*)
温泉いーなぁいーなぁ。
>>526でそんな方向に進むのか!とどきどきしましたwわっふるわっふr
とりあえず投下したら寝ますです。ねむたすぐる…
処方箋に書かれた薬はそう珍しい調剤法でもなかったらしく、すぐにもらうことができたようだ。
「よかったね」
ロックに笑いかけると、彼もこれでメキさんが元気になれるよ、と嬉しそうに笑い返してくれた。
ロックは隠していてもどこか元気のないリードに気がついたのか、
元気に食べて大きくならなきゃダメだよ、と可愛らしい言葉を残して、そのままデジョンで帰っていった。
「巻き込んでしまって、すみませんでした」
リードがわたしに向かって頭を下げる。
「……」
たしかに、今回の出来事で大変な思いをしたのは事実だった。
でも、そのぶんわたしは少し強くなれたと思う。
今回のことがなければ、わたしは未だ忍術も使えず、敵を見てはひるんで、
とてもじゃないがこの世界で生き残ることができたかわからなかった。
今でも刀の使い方はまだわからないし、敵に威圧されて動けないこともあるかもしれない。
それでも最初にこれだけの戦いを経験した以上、これからリアルに帰る方法を探す旅をするだろう上で
大きく変化をもたらしてくれたはずだ。
それに、今回のことがなければ、すなわちリードとの約束が果たされなければ、
もうリードとは会うこともなかったかもしれない。
わたしにとっては決してマイナスではなかったと思う。…でも、リードにとっては?
こんなの、自身のためになるようなことでもなんでもないだろう。ただ、悲しいだけ。
「ちょっと行くところがあるので、先にモグハウスに戻っていてください。あ、これ、よかったら」
リードはそう言うと、懐からパールサックを取り出して、中の1つをわたしに手渡した。
「これで、仲間と話せますから」
逃げるように背を向け立ち去ろうとするリードに、思わず声をかける。
「ずっとひとりで、こんな戦いを続けてきたんですか…?」
つらい思いを、わたしにも分けてください。ふたりなら、ひとりよりつらくないでしょう?
そう続けようとしたが、わたしにはまだそこまでの力はない、厚かましく思われるかも、という思いが
わきあがってきて、言葉を飲み込む。
「…………」
長い沈黙ののち、リードは振り向いて悲しげな笑みを作った。
それは、わたしの言葉に出せなかった思いに対する拒絶のようにもとれた。
胸が小さく痛み、なんと言っていいかわからず、
「…ガンビスン、洗って返しますね」
としか言うことができなかった。
リードはそれにはい、と応え、手を振ってどこかへと歩いていった。
(なんだか…もう会えないような気がする)
言われたとおりに帰路につきながら、なんとなく不安な思いを噛み締める。
リードは来訪者ではあるが、冒険者でもあるはずだ。
ウィンダスでの用事は済んだようだし、すぐに次の土地へ発ってしまうかもしれない。
根拠はないが、そんな思いがわたしの心を支配していた。
(もしもう会えなかったら…言い残したこと、言わなきゃきっと後悔する…
言わずに後悔するより、言って後悔したほうがいい。
リアルではいつもこの消極的な性格で後悔してきたのに、今度もそうしたいの?)
ううん、もういやだ。伝えたいことはきちんと伝えなきゃ、いつまでもつらい。
絶対、言うんだ。そう決意して、わたしは居住区へと小走りで入っていった。
「ただいま」
「あ、ご主人様、おかえりクポー!」
帰宅の挨拶をしてモグハウスの扉を開けると、モグは掃除の真っ最中だったらしく
三角巾とエプロンをして、手にはホウキを持った姿で出迎えに来た。
「クポ…?そのガンビスン、どうしたクポ?ご主人様のにしてはサイズが…」
わたしが大事そうに手に持っている、エルヴァーンサイズのガンビスンを
不思議そうに見つめながら言うモグに笑みで返して、わたしは言った。
「ね、これ今すぐ洗濯して乾かしてもらえる?」
モグに速攻で洗濯・乾燥をしてもらい、きれいに畳んだガンビスンを持って、
わたしはリードのモグハウスの扉前に立っていた。
ひとつ大きく深呼吸をして、扉をノックする。
「はいクポ」
すぐに扉を開けてモーグリが顔を出した。
「これはメイミィ様。どうかされましたかクポ?」
相変わらず丁寧な物言いのモーグリだ。
礼儀正しいのはいいことだが、こんなにも丁寧だとわたしまで必要以上にかしこまってしまう。
「あの、リードさんは…?」
言い、少し視線を上げる。と、視界に飛び込んできたモグハウス内に、思わず目を見開いた。
荷物はまとめられていて、家具には真っ白なシーツがかかっている。
まるで引越しでもするかのように。
「えっ…?」
「3時間ほど前、石の区方面に次元干渉の発生と消滅を感知しましたクポ。
主人から連絡はありませんが、もうここには戻らないでしょうクポ」
(まさか…まさか本当に、何も言わずに、何も言えずにいなくなっちゃうの?)
がんっと、頭を殴られたような衝撃が襲った。
「え、じゃ、どこに…?」
「存じませんクポ」
一縷の望みを懸けて、モーグリに問いかける。
だが、わたしの微かな期待はあっさりと一蹴された。
「主人は、この国で事が起きていながらモタモタと留まっている方ではございませんクポ」
では、彼はもう既に他国へと向かってしまっているのか。
泣き出したい気持ちを必死で抑えようとするが、抑えきれず涙がにじむ。
「そういえば…、飛空艇で移動するならば、あと少しで出港する時間でございますねクポ」
「!」
独り言のようなモーグリの言葉で、わたしははじかれたように港へと走り出した。
(まだ間に合うかもしれない…ううん、間に合って…!)
いじょです。ではでは【おやすみなさい。】
なんとなく、以前のタルタルになった男の続きを書いてしまいますた。
適当に乗せるので、適当に読んだってください。
気がつくと、俺は貨物船に乗っていた。
しかし……なんでまた、こんなことになったんだろう。
などと、退屈な船旅の中であれこれと考え続けていたのだが……
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ある夜、ゴブリンとか言うリュックを背負った山男達と、
焚き火に座ってトウモロコシを焼いていた。
キャンプファイヤーで焼くのはマシュマロと決まっているのだが、
この世界でいくら探しても見つからないし、作り方も俺は知らない。
しかし、こいつら……座ってるときぐらいリュックを下ろせ。
部族の風習?知るか、そんなこと。
ある時、山男の一人がギクリと驚いて立ち上がった。
ふむ、嫌な予感がする。
やっぱりだ。例のセミ何とかが俺を呼びに来たらしい。
てことは、あの元首の女が俺に用があるわけだ。
そう考えるのが自然だろう。それに、あのセミは俺を嫌っているらしい。
そんなあいつが、個人的に俺に話をしに来るはずはない。
と、今度は一人ではなかった。
もう一人、へんなとんがり帽子をかぶった奴がちょこまかと付いてきている。
えーと、どっかで見た奴だ。誰だっけ。
で、セミ何とかが単刀直入に言う。案の定、例の女が用があるからすぐ来いと。
つーか単刀直入すぎる。
手を振るだけでもいいから挨拶ぐらいしろ。
なんだ唐突に、俺は見ての通り忙しいのだ、とトウモロコシを振り回しても通じない。
セミ何とかは俺の返事を無視して、とんがり帽子に向かって指を鳴らすと、
とんがり帽子は変な構えをして、なにやらムニャムニャ唱え出す。
あ……やばい。こいつ、魔導師とか言う街角に突っ立ってる奴だ。
おい待て止めろ、と言ったがもう遅い。
気がつくと、俺は例の元首の女がいる扉の前だ。
続いて、セミが目の前に沸いてきた。
そして俺に言う。どうだこれでいいのだろう?手間を省いてやったから喜べ、と。
まったく、いけ好かない女だ。
最近は、尻を触ろうにも俺になかなか隙を見せない。
だいたい、俺は魔法と言う奴が嫌いなのだ。
ある時、とんがり帽子が森の区まで送ってやると言うから、
秘密の抜け道でもあるのかと思ってたら、
やっぱりムニャムニャ唱えて、森の区まですっ飛ばされてしまった。
俺は、そのまま駆け足で水の区まで戻って、
馬鹿野郎、お前が失敗して俺の内蔵だけ飛んでったりしたらどうするのだ、
と文句を付けたものなんだが……
この国の連中は判らん。
魔法が偉いんだ間違いが無いんだ、と信じている神経が判らん。
もうしょうがないので扉の中に入ると、信じられない光景を目の当たりにした。
例の元首の女が、髪をほどいて洗っている最中だったのだ。
侍女のタルタル達が20名ほど居ただろうか。
うやうやしく髪を泡立てては洗い流し、分業制で黙々と洗髪に精を出している。
おそらく、それが終わったら恐ろしいほどの時間をかけて、
乾かしたり結い上げたりするのだろう。
もう部屋中が髪の毛と洗面器だらけだ。
で、俺に言う。こんな有様でごめんなさい、と。
まったく……謝るくらいなら初めからするな、と言いたいところだ。
それに、あまりに無駄な手間というものだ。丸坊主にすれば油で磨けばそれで終わりだ。
これだけの人数でこれだけの時間があれば、どれだけの仕事が出来ると思ってるのだ。
いや仕事をしなくても、お茶の一杯でも飲ませて休憩させてやれるというものだ。
って言いたいというか、全部言ってやったら侍女共が総掛かりで俺をにらみつける。
ああ、別にお前らに好かれようなんぞ思っちゃ居ないさ。怒るなら怒ってみろ。
しかし、俺の言い分を聞いた元首の女はコロコロとおかしそうに笑い出した。
こらこら、反省ぐらいしろ。調子に乗ってるな?この女。
で、側近らしきものが、お盆に何やら手紙のようなものを載せてやってきた。
なんだろう、と思ったが用件はこうだ。
やっぱり、ヤグードとかいう鳥人間共との会談はうまくいかないらしい。
その大きな理由が、ウィンダスが和平条約に応じたとしても、
別の国の連中が納得しなければ意味がない。
それは、別の国の連中、特に冒険者とかいう奴らが、
この国までやってきて鳥人間共を攻撃する分には条約の範囲外になってしまうからだ。
下手するとウィンダスと鳥人間共が、世界中を敵に回す展開もありうるのだと。
で、手紙を持って俺が使者となって行ってこい、と。おいおい、なんで俺なんだ?
当然、お断りだ。
確かに俺は鳥人間とも仲良くなったし、こいつらが殺されていくのが見ておれん。
しかし、国ってものを構えているなら、そういう適役ぐらい居るだろう。
ほれ、外交官とかいう連中が……
しかし、こんなに時間をかけて話をしているというのに、
まだ髪の毛が洗い終わらない。
ふむ、髪をほどくとこんな感じになるのか……見事な髪とは思うが……
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
とまあ、船の貨物室で出航間際に考えていたのだが……
……ん?…………んんん??
あああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!
畜生、あの元首の女。
ワザと髪を洗ってるときに俺を呼んだな?
あれが、あの女なりの色仕掛けだったのか。
まずい、おれの性欲がタルタル化しつつある……
547 :
ぽん吉 ◆6NLrYYfI2g :2006/05/21(日) 08:03:37.50 ID:ARC16frD
とりあえず、ここまで……
>>489 ぐろいお・・・wでもってモグつえぇ・・・
>>516 わお、奇跡の復活キタ━━━━(°Д°)━━━━!!!!
でもってモーグリが・・・
>>523 ちょwwブロント様wwww
>>526 「くぅ・・・」突然自分の物をヒロさんに触られて思わず声w・・・ごめん、吊ってくるwwwwwwww
>>532 変な意味は無いんですねwwww
>>540 なんだかメロドラマっぽくていいですw
>>547 神子様あざといwwwww続き楽しみです
では、私ももうちょっとしたら投下を
耳を甘く、時に強く噛まれ私は彼に必死にしがみつきながら時々甘い声を漏らし、瞳と秘所を濡らしていった。
いつの間にか服は脱がされ、完璧に彼の成すがままにされていた私の首、胸、脚、へそを
これでもかと言うくらい彼に愛されたために、唯一身に着けている下着ももはや見るに耐えない事になっているだろう。
ちょっと気持ち悪い・・・早く脱がして・・・。
私の気持ちを汲み取ったのか、ついに彼が私の下着に手をかけた。不思議なくらいするりと脱がされる下着・・・。
「モグタン・・・モグタンッ!」
私は必死に彼の唇を求め彼の首に手を伸ばした、蛇のように絡み合う舌の熱いねっとりとしたエロチックな感覚が心地よく、
それは、これから私が堕ちていくであろう快楽の世界を予感させた。
私は必死に彼の舌を吸い、彼の唾液を求める。そしてその行為を通して、彼自身をおねだりもする。
彼の舌が私から離れていったかと思うと、両膝の裏に手をかけられ、想像するだけで恥ずかしいような格好にされた。
恥ずかしさと、期待と、今までの行為の興奮が相まって、耳の奥でドクンドクンと破裂しそうな心臓の音が響き渡った。
「ユリ・・・本当にいいクp(書いていて恥ずかしくなったので省略されました。一度、気持ちを切り替えてから本編をお楽しみください。)
では、仕切り直しですw
・・・あんまり変わっていないかもしれませんがwww
甘く優しく耳をかまれ、舌を這わされるたびに全身をゾクゾクとした何かが駆け回る。
「あ、ちょっと・・・って・・・ん・・・。」
さらに耳にフッと息が吹きかけられると思わず全身がこわばり、彼を抱きしめる腕に力が入ってしまう。
「や・・・耳はヤダ・・・だめだよ・・・。」
私は少し潤んだ瞳でモグタンを見つめながら、自分でもびっくりするような甘い声で訴えた。
どう聞いても『もっとそこを責めて・・・』です。本当にありがとうございました。
ちゃんと彼にも私の意志が伝わったのか、私の髪を撫でながらさらに執拗に、強弱をつけて耳を責め続ける。
私は時々思わず甘い声を漏らしながら彼にしがみついてひたすら責めに耐えていた。
「もっといい所・・・教えてあげるクポ。」
「・・・スケベ・・・。」
彼が耳から離れた時もその余韻に浸り、しばらくとろんとした目で私のパジャマのボタンを
一つずつ手際よく外していく彼を見つめていた。胸が、腹が、少しずつ外気に触れて冷えてくるが
きっとすぐに彼が暖めてくれる。ボーっとした頭がこんなことを考えていた。
けれど、自分でも理解できない怒りのようなものも同時に少しずつ芽生えていくのも何となくわかった。
だけどその感情の正体が何なのか自分でもわからなかった。
彼が突然子供のように乳首に吸い付くので私は思わず悲鳴を上げる。
「こんなぺったんこな胸・・・はぅ・・・・・・いじっても・・・楽しくないでしょ・・・。」
「ユリの体だから、楽しいクポ。」
「・・・バカ。」
時々歯を立てられて小さい悲鳴を上げたりもしたが、悲鳴が嬌声に変わるのは時間の問題だ。
自分の体だもの、自分が一番よくわかる・・・。
・・・自分の体?ふと、頭の冷静な部分が自分の言葉に疑問をもつ。
自分の体だって?これはユリフィナさんの体でしょう?そこまで考えた瞬間、
先ほどから大きくなっている怒りと良く似た感情の正体が理解でき、その感情が一気に爆発した。
「やだっ!!離れて!!!」
私は未だに胸に吸い付いているモグタンを思いっきり突き飛ばした。
不意を突かれたモグタンがすごい勢いで吹っ飛んでベッドから転がり落ち、派手な音を立てて地面に激突する。
声も無く伸びるモグタン。
「あ・・・だ、大丈夫!?」
自分で思いっきり突き飛ばしておいて大丈夫もなにもあったものじゃないとは思うけれど・・・。
私はぱぱっと魔力をくみ上げケアルIIIを形作り彼にかけてから、はだけたパジャマのボタンを留めなおしながら
彼に駆け寄り傍に座り込んだ。
「頭がグルグルするクポ〜・・・。あそこで突き飛ばされるとは夢にも思わなかったクポ。」
彼はよろよろと飛び上がり私の胸に甘えるようにすがった。私は小さく「ごめん。」と答える。
でも、あれ以上続けられるのは我慢できなかった。
「ユリ・・・そんなに嫌クポ?」
モグタンが少し申し訳なさそうに私を見つめた。嫌がる私に何度もセクハラをした奴のセリフじゃないな・・・。
でも、それはきっと今まで単なる欲望の対象でしかなかったものがそれ以上のものになったからだって
好意的に解釈してみる。まさか、嫌じゃないと言ったら『なら食わせろクポー!』
と本能のままに飛び掛ってくるなんてことは・・・ないよね?
正直に言ってこのままモグタンと一つになるのは嫌じゃないし、私だってモグタンに喜んでほしい。
・・・もっとやってほしいし・・・。あーあーあーあーあーあ!!私のスケベ!
でも・・・、やっぱりこれ以上はやめて欲しい。だってさ、
「イヤだ。私の体以外で喜ばれるのは気に食わない!
モグタンがさっきから触っているのは『私』じゃないじゃない!ユリフィナさんじゃない!!」
わがままな独占欲から来る嫉妬・・・多分それが怒りのような感情の正体なんだ。
私は半分ヒステリーを起こしながら怒鳴り散らしてしまう。あー・・・もうかっこ悪い!!
でも、でも本当に・・・悔しい。
涙目でブスッとしてモグタンを睨みつける私をしばらくきょとんと見つめていたが、
ふっと微笑んだかと思うとモグタンはパタパタと飛んでベッドに座り深々と頭を下げた。
「浮気はまずかったクポ。ごめんなさいクポ。」
さっきまでの大人びた雰囲気からがらりと変わり、突然かしこまって縮こまるモグタンがものすごくおかしくて、
思わず私は噴出してしまった。
「ふふ・・・あはは!今度浮気したらホーリーで真っ黒こげにした後、海に沈めてやるんだからね。」
「以後気をつけるクポ。」
モグタンがなんだか楽しそうにもう一度深々と頭を下げた。頭のボンボンも一緒に私にお辞儀をする。
「それじゃあ、お話の続きしよっか。ちょっと待っててね。」
「?」
モグタンが軽く首をかしげる。
「どこか行くクポ?」
・・・えーと、まぁ、その・・・。ああいうことをされるとまぁ、いろいろとあーなって・・・
こう、そのねー・・・。ちょっと気持ち悪くて・・・。えーと・・・本気で気づいていないのモグタン?
ていうかこいつひょっとしてわかって聞いてないか?・・・うぅぅ・・・言わなくちゃいけないのかなぁ・・・。
不思議そうに私を見つめるモグタンと顔をあわせずに真っ赤に染まった顔でぼそりと答えた。
「・・・下着・・・変えてくる。」
「ご主人様のえっちークポー。」
私は大またで彼にズンズン近づくと、怒りと照れと恥ずかしさと、とにかくいろんなものがぶち込まれた平手が、
思いっきり振り上げられる。
ウィンダスの皆様に午前0時をお知らせする乾いた音が景気良く響き渡った。
以上です。
度胸のLVを70にしてマートのおじいちゃんを倒さない限り
本当にわっふるなものはかけなさそうですwww
それでは皆さんの投下にわくわくしながら続き書いてきます
このすれの
りーと?氏のおかげさまで
ミスラを死姦したくなりました
本当にありがとうございました
俺がこうなってしもうた
せきにんをとってくだちい
558 :
既にその名前は使われています:2006/05/21(日) 15:39:47.93 ID:H5ZI60C5
>>557 責任をとってもらうために君も自キャラになるんだ
するってーとおまえさんあれかえ
俺が自キャラであるミスラになってリード氏のとこけっぱっていって
殺されてこいってーことかい?
560 :
既にその名前は使われています:2006/05/21(日) 16:12:31.02 ID:H5ZI60C5
自キャラをガルカで作り直すことで自分がミスラになる問題は回避した
そうか
ころさるるのもいいかもしれん
狂うまで死寸前→レイズ→死寸前→レイズをくりかえされるのもきもちいいかも
最初は下から喉まで串刺しとかお願いしたい
つぎは目をくりぬいて眼姦されて
俺は一体何を言っているんだ
もう大元の話をまったくかけてないんだけど、
ココ見てると、また内藤の小ネタ話でも書こうかという気になってくる。不思議だ。
小ネタまだー?
>>561 ソレなんてキィの末r
自我崩壊を起こして廃人になるのでオススメ出来ない諸刃の剣
だいじょうぶ
俺は元から精霊さんが見えるから問題ないザウルス