2 :
既にその名前は使われています:2006/05/03(水) 14:39:28.68 ID:wR6+vwX+
キャラ紹介テンプレ
初出:
PC(仮)名: / 中の人:
種族フェイス:
ジョブ&Lv:
特記事項:
活動エリア:
あらすじ:
他キャラとの接触:
重複だったらごめんぽ(´・ω・`)ノ
スレ立て乙でありんす。
キャラ紹介のテンプレは、そのスレでの初投下の時に各自でお願いして良い?
進行度がよくわかってるのは、投下している本人様方ですし。
>>1乙・x・
キャラ紹介やってなかったのでやります。
初出:4スレ352
PC(仮)名:クルス・ルクスス / 中の人:352
種族フェイス:タル♂F8A
ジョブ&Lv:赤75/暗37
特記事項:猫大好き
活動エリア:ウィンダス、ジュノ、次元の狭間(?)
あらすじ:
他キャラとの接触:
7 :
既にその名前は使われています:2006/05/03(水) 15:40:27.11 ID:ZCdbzoV1
携帯で2get
出来てないだろうな…
>>1乙・x・
キャラ紹介やってなかったのでやります。
初出:4スレ352
PC(仮)名:クルス・ルクスス / 中の人:352
種族フェイス:タル♂F8A
ジョブ&Lv:赤75/暗37
特記事項:特技・モーグリ虐待
活動エリア:ウィンダス、ジュノ、次元の狭間(?)
あらすじ:来訪者とバレないようにすごしていたが、空間の穴に落ちて次元の狭間(?)に迷い込む。
その中で黒マントと対決する。
無事戦闘に勝利し、また黒マントも洗脳がとけたらしく、行動を共にする。
次元の狭間(?)内の強大なモンスターの力で再び空間の穴に放りこまれ、なんとか生還する。
他キャラとの接触:なし
途中送信すまそ…
10 :
既にその名前は使われています:2006/05/03(水) 17:52:53.67 ID:MPGvuWpv
ほーしゅー
スレ立て乙でございます。
前回は多少の余裕を持って立てるのをお願いしたため埋めに苦労しましたが、
今回は、ちょうど良い具合ではないかと思います。
新作はこちらに投下したいと思います。
12 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/03(水) 20:27:00.62 ID:e0joC5I9
朝、起きたら自キャラになっていたFFXIプレイヤーたち。
ステキに過酷なヴァナ・ディール、笑いと涙の右往左往。
俺たち“来訪者”を排除していく、謎の集団も現れた!
この異世界に出口はあるのか?
リアルに帰還できるのか?
熱血、友情、ラヴ、バトル! 陰謀、シリアス、ギャグ、微エロ!
俺たちの明日はどっちだ!?
“赤い鎧”は、矛盾をはらんだ都市伝説のような存在です。
“赤い鎧”は、いわゆるGMとは違うようです。
“赤い鎧”は、自らを神の代行者と名乗ります。
世界にとって危険と思われるイレギュラーな存在を連行、または抹殺します。
目撃した者に、激しい恐怖を与えるようです。
どこにでも現れ、世界に干渉する能力を使用しますが、行動には何らかの制限があるようです。
NPCの記憶を操作できる能力があります(制限あり)。
中の人は戦闘のシロウトですが、彼らにしか扱えない超強力装備を使用します。
最下級と最上級が、同じ姿をしています。
“黒マント”は、来訪者を狩る実行部隊です。
リアル世界から持ち込まれた物の押収・破壊、それに携わった者を抹殺します。
中の人のスキルによりますが、カンストレベルと互角?
主力は第二世代に移行しています。
第二世代は自決用の爆薬を身につけ、洗脳を受けています。 若干、質は落ちますが、それでも充分に脅威です。
各地で、多数確認されています。
皆様のSSで、徐々に明らかになっていくでしょう。
ほぼ全SS共通設定?
これは絶対ではありません。
投下する方が自由に想像し、表現してください。
LPは映像付きが多い (例:Yurifina氏のSSでは映るが、LeadのSSでは会話のみ)。
冒険者証明書は金属カードで、邪魔にならない所に魔法で入ってる。競売は魔法紙で取引されている。
みつめる(/c)はとても嫌な視線扱い。時間感覚はリアルと同じ。tell等のSay・sh・echo以外は念話。
レイズは意識不明(戦闘不能)に有効だが、完全に死んだ者には効果が無い。
(ある程度共通してたほうが、読み手も分かりやすいでしょう)
>>1乙です('◇')ゞ
ではわたしもキャラ紹介テンプレなぞを。
コピペできないから時間かかる…orz~
初出:4スレ185
PC(仮)名 / 中の人:Maimy(メイミィ)/185
種族フェイス:ミスラF2B Sサイズ
ジョブ&Lv:忍者75/戦士37 サポ他にも色々?
特記事項:スレの内容はあまり覚えていない
活動エリア:ウィンダス
あらすじ:朝目覚めるとヴァナ。とりあえず帰る方法を探さねばと思うが
忍術が使えないのは不便、ウィン内に詳しい人がいないか探すも有益な情報はなし。
モグハ区画に帰り忍術の練習をしているとリードと出会う。
現在リードのモグハでにゃんにゃん中(?)
他キャラとの接触:Lead
初出: 1スレ
>>161 PC(仮)名: Lead、リード / 中の人:161 ◆zmxSLEadCU
種族フェイス: エル♂F4A
ジョブ&Lv: 不明 (初期装備を着用)
特記事項:
ジョブチェンジ機能使用不能。はじめ記憶喪失だったが、記憶復活。
管理者側の実行部隊“フェイト”第一世代の、元リーダー。エクスカリバー・ゼロを所持。
左腕を修復の際に、何か埋め込まれている。
活動エリア: エルディーム→ジュノ→(機船航路経由)→ウィンダス
他キャラとの接触:イッチ、マイウ、ゴイス、サン(?)、レップ、メイミィ
>>1 任務ごくろう。シグネットをかけてやろう。(SE:シグネット音)
初出:1スレ.>>464
PC(仮名:サン・ソコワラメェ 中の人:サン464 ◆PCl7Dh0dlY
ジョブ&Lv シ75/ALL(正しくはシ/白だが、制限付きで色々使える)
種族&フェイスタイプ 碧眼オスラF6A(女装) ※女装癖では無い。
特記事項。シフなので手癖悪し。肉体人格(サン)の「躯(464命名)」が居る。
最初は普通の眼だったが、侵蝕で左赤・右金の眼色に。
窮地に陥ると?自我を失って結構危険な別人格(?)が出る。
活動エリア:ジュノ下層→徒歩でウィン→ウィンダス国内
他キャラとの接触:初期に1-317 直接接触はLead氏のみ(知らずに撃ち殺した)
>>1さん
新スレ立て乙です&ありがとうございます。
初出:3スレ目258
PC(仮)名: / 中の人:Furcifer(フルキフェル)/256_Furcifer◆MwNTY7GtwI
種族フェイス:Elv♂F7a いわゆるカッパ金
ジョブ&Lv:RDM75/WHM37 サポほかにも各種。
白73もあるがメインにはしないと決めた模様。
特記事項:台詞入りで組んだ事があるマクロだけ、自在に起動できる。
辞書登録も無意識に使っているっぽい?
リアルではできないことをできるようになるたび、リアルの記憶を失う、
と思っていたのだが、実は…?
活動エリア:ラテーヌで目覚めた→ロンフォ→サンドリアに滞在中。
他キャラとの接触:Yurifina(ただしお互いに気づかず)、Loufas 、ヒロ
なんかすぐ内容が書き変わりそうな予感のテンプレでした。
スレ立て乙であります!!
皆さんすごい勢いですな。追いつくには大量投下しかあるまい… 【/grin】
初出: スレ1の898
PC(仮)名:Bareiluyareilu(バレィルヤレィル)
中の人: 898
種族フェイス:タルタル F6 B
ジョブ&Lv: 黒魔道士30 白魔道士30 赤魔道士23
あらすじ: ヴァナに「望まぬ来訪者」として来てしまう。適応しようとするも、
魔法が使えないという様。モーグリ族のフリート・カコックの手助けも得、
果たして彼はリアルに無事に帰還できるのか?
特記事項: 基本的にリアルからそのまま来た感じ。tell、サーチなどおおよそ現実ではできないことはできない。
このスレの主流である「赤鎧」「黒マント」の出現の予定はなし。リアルのエピソードを入れるかも。
活動エリア:『まだ』ウィンダス連邦内。
他キャラとの接触:直接は無し。接触とは難しいもんだ…。
前スレ500.9kbまで埋めました。続きいきます。
腕を砕かれても脚を叩き折られても怯まないルーファスさんの猛攻。
そして。
「てめえ等には聞きたい事が山ほどあるが――まずは食らっとけえっ!!」
咆哮とともに繰り出された二連の蹴りに、GMもどきの身体が大きく弾き飛ばされた。
鮮やかな双龍脚を決めて着地したルーファスさんの横で、おびただしい血を流しながら、
ヒロさんがよろよろと立ち上がる。戦闘不能なのに、無理矢理立ち上がることってできたのか?
いや、それ以前にそんな無茶をやったらホントに死んじゃうんじゃ?
駆け寄って支えようとしたところで、彼はやけに力強く私を振り返った。
「…ら、び……ぉ…」
掠れた吐息のような音だったが、何故か言わんとしたことは、すとんと入ってきた。
踏みとどまり、黒魔法系弱体マクロを起動。手の中で属性杖の宝玉が白から緑へくるりと変わる。
記憶の中からグラビデのマクロを探し出す。最初に出てきたものを、言霊に組み上げた。
「あまねく精霊よ、風の子らよ、我が求めに応じ印を示せ!」
初めての人印50羊BCで使ったやつか。確か精霊の印とセットで組んでたはず。
今サポ白だし、意味な…
「え?」
ブン、と低く周囲の空気が震え、世界の全てを組み立てる八曜を表した光の帯の向こうに、
自分を取り巻く精霊達の世界が、これまでになくはっきりと見えた。
何故発動できたんだろう。いやこれは幸運と思うべきか。
ともかく、風はGMもどきを捕らえながら凝集し、確実に軽さを奪い去っていく。
その状態ではルーファスさんの攻撃を躱しきれないと思ったのか、
GMもどきは周囲の空間を歪ませながら、逃げるように城壁の横の空中へと身を躍らせた。
デジョンによる空間のひずみを纏いながら落ちていくGMもどきへと向けて、
ヒロさんが獣のような叫び声を上げながら、何かを投げつける。
さきほど私が拾って返した、頑丈そうな腕時計。ルーファスさん曰くエルジンってブランドらしい。
放物線を描いてそれは飛んでいき、闇と共に空間に融けようとするGMもどきにぶつかった…ように見えた。
波紋が広がるように、閉じかけていたひずみが無理矢理開かれ、正常な空間へと引き戻される。
同時に、この場をずっと満たしていた冷たい気配も、霧散していく。
グラビデで倍加された重力に抗うこともできず、GMもどきはただ、地面へ向けて落ちていった。
背後で、どさり、というか、ぐきゃり、というか名状しがたい音。
慌てて振り返ると、倒れ伏したヒロさんにラディールさんが駆け寄る所だった。
レイズを、そう思ったところでMPがすごく足りないことに気が付く。
のんびり座ってMP回復を待っていたらほんとに死なせてしまう。これはいよいよ初コンバか。
ゲーム内では最もお世話になったアビだけど、こうやって実際に行使する日が来てしまうとは。
"その対価は我が命" 身体のあちこちに熱が走り、魔力容量を底上げする装備に切り替わっていく。
「"力よ今ひとたび我が手に満ちよ"」
五感の全てが遠くなり、体中の活力を根こそぎ奪い去られた。
身体の中心が冷たくなり、全身がだるい。
「こ…コンバートってこんなきつかったのか…」
でも代わりに、今なら世界の全ての概念と言葉が通じそうな気がする。
MPをほぼ空から満タンにすると、こんな感覚なのか、と噛みしめる。
――それはともかく、普通にのんびりレイズを詠唱していたら手遅れですよ?
また、声がする。さらりと手遅れとか言わないで欲しい。
連続魔は昨日の夕方使ってしまったから、再使用は多分明日の夕方頃。
まさか諦めろとでも言うつもりだろうか?
――いやそれこそまさかですよ…まあ、あとは僕がなんとかしますから。
初めてコンバートやって疲れたでしょ。少し寝ててもいいですよ。
そんな声に引っ張られるまま、どうにか保っていた意識が闇に塗りつぶされ沈んでいく。
視界の隅で、空の向こうから赤く光る何かが飛んでくるのが見えた…気がした。
「"永劫と刹那、我が手の上に等しくあれ"」
言霊に応え、全ての術式が繋がりっぱなしになった。よしよし。
そのまま目の前に倒れぴくりとも動かないオスラに向けて、レイズを行使する。
白魔道士メインになっていればレイズIIIが施せたのだが…まあ我慢してもらう他ないでしょう。
そのまま彼の癒しきれない傷と、「彼女」のコンバートで無くした体力、
あとは他の二人の細かい傷もまとめて癒すために、手招きをする。
「"大地の恩寵、満ちたる…"あぁ女神の印まだ無理か。えーと、"遍くを癒す輝きと成せ"」
ケアルガIIの光を連続で振りまく。戦闘中にやるとすごい勢いで敵がキレるんですよね。
それにしても、大体戦闘不能に一度陥りながらも気力で無理矢理立ち上がるとは…。
全く無茶が過ぎる。死んでもおかしくなかった。起きたらちょっと叱っておかないと。
これも、この世界の理に囚われず、そしてそれを歪め穢しつつある存在に抗いうる、
「来訪者」ならではの底力、なんですかねぇ。
この世界に生を受け、この世界に生きる存在では、いかに強かろうと、修練を重ねようとも、
世界の理を掌握しつつある「奴ら」をどうにかすることなど不可能。
あの方も、苦渋の選択だっただろう。事実、呼び寄せられた人の多くは戦いを知らず、
この世界での力の振るい方を理解する前に、「奴ら」に狩られたり、取り込まれてしまった。
でも、こうして戦える人がだんだん出てきているってことは、まだまだ捨てたもんじゃない。
とりあえず、落ち着いたら一度モグハウスに帰って、この子にダメ出しタイムですかね…。
まあ、今は彼が目を覚ますのを待つことにしましょうか。
「しばらくしたら目を覚ますと思います。看ててもらえますか?」
僕はラディールさんにオスラ…いやいや、ヒロさんの事を頼むと、
ルーファス殿に並んで城壁の下を見下ろした。
血溜まりの中に、手足を曲がってはいけない方向に曲げた姿で、
「裁定者」が倒れている。ぴくりとも動かない。
「…32のレプリカだけで楽しく神様やってたはずなのに、
なんでこっちに手出しする気になっちゃったんでしょうねぇ」
「うん? 何か言ったか」
「いえ別に」
適当にごまかしておく。帰ることだけが目的の彼らには余計なことを心配させちゃいけない。
血溜まりで事切れている男を哀れむつもりはなかった。当然の報いとも言えた。
無明の闇のなかで、己が奪い、壊してきたものの大きさを思い知ればいい。
やがて、街の喧噪と風が戻ってくる。
さて、この惨状をごまかす言い訳を考えなくちゃw
ここまでです。
前スレのインターローグを受けつつ、細かいシステム超越の言い訳などを織り込んでみました(;´Д`)
かなり前倒しに身体のほんとの持ち主参戦です。
「リキャストが間に合って良かった」などといけしゃあしゃあと言っちゃうわけですね。
さて…どのタイミングで「私」にもどれるんだろうかw
27 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/04(木) 00:01:15.93 ID:P0fxsA2k
家に帰ってみたらまさかの大量投下に次スレヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ
みなさま乙です。本当におもしろくてお風呂に入るのも忘れて
読みふけってしまいました。私もageついでにテンプレでも
28 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/04(木) 00:10:55.63 ID:lKjsuIv9
初出: 1スレ
>>19 PC(仮)名: Yurifina、ユリフィナ / 中の人:ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ
種族フェイス: タル♀ F5B (茶髪のポニーテール)
ジョブ&Lv: 白魔道士 LV70
特記事項: 帰れる可能性がある手段として時空魔法の話を聞いている。
第一の目的は帰ること。エロモーグリと同棲
活動エリア: ウィンダス⇒サンド
他キャラとの接触:Furciferさん(ロンフォールで。でも本人はしにかけていて気づいていない。)
では、わっふるわっふる!
29 :
既にその名前は使われています:2006/05/04(木) 00:12:45.97 ID:fu4WssTr
もし赤魔道士になったら・・・
いてて!!ドアの入り口で頭をぶつけた!!!
しかも、勢いよく走ってたから首がもげるくらいイテーー!
ここは、冷静にコンバートでHPMP変えるぜー!!
オレのコンバート発動⇔HPMP変換。
オレ魔力低いからHPゴッツイ減って前よりイテーヨッ!!
・・・意外に面白くないな。
30 :
既にその名前は使われています:2006/05/04(木) 00:13:29.16 ID:t5Ltbq+o
初代神が全然降臨しない件。
PC(仮)名: ヒロ・カラミヤ(pokotaso)/ 中の人:ニート
種族フェイス:ミスラ♂4A(
ttp://tune.ache-bang.com/~vg/modules/up/img/1727.jpgみたいな感じで脳内補完よろです)
ジョブ&Lv:RDM75サポひととおり
特記事項:中の人はタッパがあって横幅もあるらしい
活動エリア:サンドリア→ジャグナー→サンドリア→あの世→この世
他キャラとの接触:ルーファス・フルキフェル。
大昔に降臨したらしい人の遺品をゲット。時計→ロスト 煙草→ルーたんに贈与 小銭→まだ所有
連続魔リキャストは実際のリアル時間:ヴァナ時間換算を適用しない事にしてるのでわざとなんですが
女神/精霊の印同時使用不可は完全に失念してました。どう見ても実は赤上げてません、本当にありがとうございましたw
うう、ごめんぽ…(つд`;)
32 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/04(木) 01:17:26.53 ID:8c0cZplR
PC(仮)名:自称ロック(P)/中の人。貸し自転車屋のSさん
容貌:たるっこ。♂。金髪お下げフェイスだが頭を布で巻いている。
でかいマントを羽織っていて、剣と盾をもっている。
ジョブ:赤/戦75(武器系スキルは白いが回避とかはなぜか青い)
特記事項:ほとんどたるっこと同化しているため、
特徴を知っているはずのスレの「後輩」たちから見てさえ
「来訪者」と気づくことができない。
活動エリア:バストゥーク。
他キャラとの接触。ユリフィナ
(アルテパ砂漠で氷解をプレゼント。ただしお互いに気がついてない)
リード
(ナジの依頼を受け、手紙を石の区のシャントット様に、
次に薬を森の区のミスラから受け取る過程上、
石の区にて遭遇。お互い気がつかず。
素で「来訪者ってなに?」と聞いてしまうほど同化しているので
リードも多分気がつけない)
ストーリー:変な世界に取り込まれた理由は初代
>>1にあるはずと考え、
彼女を探す旅の途中で寄ったバストゥークで大統領選挙に絡む陰謀に巻き込まれる。
33 :
既にその名前は使われています:2006/05/04(木) 01:35:29.62 ID:8c0cZplR
>>31 かっ!!可愛いじゃねえぇかあぁああw
・・・これではルーファス氏みたいにケツ蹴らにゃ、
普通にオスラとわからんなー。
34 :
既にその名前は使われています:2006/05/04(木) 02:04:53.53 ID:akMiFyjP
35 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/04(木) 07:20:12.26 ID:8c0cZplR
あ。リードさん。Pたんことロックですが、
サポ戦だからといっても自分にだけリフレへイストして殴ったりはしません。
ナイトがいれば自分はヤグドリを使い(Pにとっては効果時間一本約90分。常時10本は所持)、
忍者がいれば忍者にヘイストをかけ、おもに毒麻痺スロウなどの弱体魔法と強化魔法、
挑発&着替え精霊による攻撃とタゲとりによる蝉張替え支援、TP貯まればフラットブレードかレタスで戦います。
TPは基本フラットブレード、150以上ならレッドロータス、200(実際は300)でウィズイン。
短剣使用時はエナジードレインかサイクロン。エヴィサレーションはあまり使いません。
WSダメージより魔法(弱体強化魔法マニア。加えて山彦や毒消しオイルパウダーなどを常備)重視ですのでTP捨てるのは惜しみません。
ので、安心して前で戦ってください(/grin)
それから3日間、俺は腹痛に苦しみ続けた。
「うーあー・・・痛いにゃー・・・ぐるぐるにゃー・・・」
布団をかぶって丸くなり、耐え続ける。
意識がもうろうとする中、俺は再び『謎の女性の声』を聞いた。
頭の中に直接響く声は、優しく語りかける。
「異界の旅人よ、このヴァナ・ディーr」「するめがー!するめが襲ってくるにゃー!」
声を聞いたような、気がした。
しかし、俺はそれを記憶し、思考できる状態では無かった。
「うーあー・・・すーるーめー・・・」
スルメの前には、全てが無力だったのだ。
苦しみ続ける俺がスルメの幻覚を見そうになったころ、ようやく薬が届いた。
その薬を飲んだ俺はすぐに体調が良くなり、その日のうちに元気になることができた。
ちなみにナジが、
「すまん。メキ!
俺が悪かった!気の済むまで、いくらでも殴ってくれえええ!!」
と、土下座して言ってきた。
俺の対応はもちろん決まっている。
「気にすることは無いにゃ、ナジ」
そう言って笑顔で、グッと親指を立てた。
―――直後、その親指を真下に向ける。
「ゴートゥーヘル。雪山のロランベリー半年分追加にゃ」
「ノオオオオオォォォォォ!!」
殴るよりも辛い、精神的ダメージを受けたナジの絶叫が大工房に響くのを、俺は心地よく聞いたのだった。
そんなわけでナジとの悪ふざけもできるぐらい復活した俺は大工房の仕事に復帰した。
今日の仕事内容は天晶堂を通じて工房に入ってくる『リアル』の物の鑑定だ。
俺はリアルの道具の原理、使い方、作用などをシドや技術者達に教える。
そしてみんなで武具への応用や改良等を考えるのだ。
「これはスタンガンと言って、電池をエネルギーにして電撃を発生させる道具にゃ」
「問題は動力か。雷のクリスタルで代用して、この配線を・・・」
「出力は問題ないが、安定性が・・・」
「大型化して魔法回路を組み込んだほうが・・・」
俺が道具の説明を終えるとシドを始めとする技術者達がいっせいに議論を開始する。
「えっと、ヴァナの技術は分からないけれど、ここはこうなっているから・・・」
専門的な事はさっぱりだが、原理を知っているのでなんとか俺も議論の輪に入ることはできる。
あきらかに間違った方向に改良が進みそうだったら戻す感じだ。
他にもライター、ボールペン、殺虫剤、携帯電話、漫画等を鑑定した。
リアルの物はピンからキリまで、色々持ち込まれているようだった。
・・・流石に、AIBOを見せられた時は吹いたが。
「えーっと、この鉄の犬はAIBOという、人工の犬で主に愛玩目的で・・・」
みんなが興味津々な中、笑いをこらえながら説明を始めたところで、あるモノが目に入った。
ヒュームやガルカの技術者達の後ろに、ぽよんぽよん揺れているオレンジのボール。
ボールから下に目を向ければ、白い毛並が目に入る。
モーグリだ。しかも確かあれは、ウチのモグハウスのモーグリだと思う。
「とても複雑な回路でできていて、まず技術の応用は不可能だと思いますにゃ。
みんなで可愛がってくださいにゃ・・・ちょっと失礼」
説明を終えてモーグリのほうへ向かう。
AIBOが最後の鑑定品だったから俺が抜けても平気だろう。
「クポ。ご主人、気がついてくれて嬉しいクポ〜♪」
「まぁ自分のトコのモーグリだし、ちゃんと気がつけるにゃ。
大工房に来るなんて、どうかしたのかにゃ?」
「忘れ物を届けに来たのと、大事なお話があるクポ」
「忘れ物に、大事な話ね・・・ちょっと場所を変えるにゃ」
シドに了解を取ってからその場を離れる。
大工房の医務室が無人だったのでそこを借りることにする。
誰もいない事を確認してモグに話をうながす。
「まずは忘れ物から渡すクポ。はいクポ」
モグから銀色のカードを渡される。
「これは何にゃ?見た目は身分証明書っぽいけれど・・・」
「冒険者証明書クポ。これがあればLvも見れるし身分も証明できるクポ」
なるほど、それは持っておいたほうがいい・・・ん?
「あれ・・・?
Lvが23になってるにゃ。私は確か、Lv19だったはずにゃ
私はヴァナに来てモンスターを倒したことは無いはず・・・」
「ご主人は襲ってきた黒装束を撃退したクポ。
そのおかげだと思うクポ」
俺は確かに、黒装束を1人返り討ちにしたけど・・・
「でも倒したのは人間だし、最大でも入る経験値は200までだし、倒し方も真っ当な撃破じゃ無かったし」
思い当たる否定要素をあげてみる。
ゲームの仕様じゃ一気に4Lvもあがるなんて考えられない。となると―――
「イレギュラーだから、かにゃ」
Mob狩りという作業では無く、生死を分ける戦闘をしたからってところか。
ま、Lvがあがりやすいことは良いことだから問題無し、と結論づける。
「よし、考えはまとまったにゃ。
次は大事な話のほうを話してくれにゃ」
「了解クポ」
モーグリは返事をすると改めて周囲の気配を探り、誰もいない事を確認する。
「例の禁書の事クポ」
「あー・・・やっべ、忘れてたにゃ」
ちなみに禁書とはリアルから持ち込んだFF11攻略本のことである。
どこかに隠さなきゃと思いつつ、いまだにモグハウスのブロンズベッドの下にある。
「ふふふ・・・だと思って、実はモグが既にある場所に隠してきたクポ!」
「おお!ナイスモグにゃ!」
どうやらモーグリはただの間抜け動物では無かったようだ。
えらいえらい、とモーグリをなでる。
モーグリも「クポ〜♪」とか言って嬉しそうだ。
「・・・で、どこに隠してきたのにゃ?」
重要な事を質問する。それに対して、モーグリは胸を張って答えた。
「木を隠すなら森の中、本を隠すなら本の中クポ」
・・・嫌な予感がする。
モーグリをなでる手が止まり、それは頭の上から徐々に移動して顔の方へ・・・
「ウィンダスの目の院に隠してきたクポ。
あそこなら本がいっぱいだから簡単には見つからな・・・クポ?」
頭の上から移動した俺の掌がモグの顔面を覆う。
「そんなとこに隠したら・・・」
手に力を入れ、強く握る。技名・アイアンクロー。
「一般の人に読まれちゃうにゃああああぁぁぁ!!」
「クポォォォォ!?」
やはりモーグリというのは見た目通り、間抜けな動物だったというのを思い知らされたのだった。
投下終了&プロフィール投下です。
PC名:Meki
中の人:73 ◆7Q162gjvR6 :
種族フェイス:銀髪ミスラ♀
ジョブ&Lv:赤23/戦11
特記事項:倉庫キャラなのでリンクシェル非所持。
マクロ、サーチ、tell、メニューを開く等は不可。
ブラックチュニックをフードをかぶらず着ています。
活動エリア:バストゥーク
他キャラとの接触:今のところ無し。
あらすじ:ヴァナにバイクを持ち込んだ俺は即座にイレギュラー認定。
黒装束に襲われるがなんとか撃退し、大工房に勤めることになったのだった。
護衛にミスリル銃士のナジがついており、からかって遊んでいる。
皆様、おはようございます。投下乙です。
ご本人はSSを書いていませんが、殿堂入りな方々です。
SS書きの皆様、ありがたく自由に使っちゃいましょw
初出: 1スレ
>>1 PC(仮)名: イッチ / 中の人: 1スレ
>>1 /一人称:オレ
種族フェイス: ミスラF8A ジョブ&Lv: 白20、サポシ
特記事項:“朝起きたら自キャラになってた”第一報告者。リンクシェルオーナー。
他キャラとの接触:Mio、マイウ、ゴイス、Lead、Loufas
他にも出会っている可能性あり。リンクシェルオーナーらしい。
初出:1スレ
>>119 PC(仮)名: マイウ / 中の人:1スレ
>>119 /一人称:アタシ
種族フェイス: ミスラ7B
ジョブ&Lv: 黒20、サポ白
初出:1スレ
>>120 PC(仮)名: ゴイス / 中の人:1スレ
>>120 /一人称:おれ
種族フェイス: ガルカ6A
ジョブ&Lv: モ20、サポ戦
※上記3名はサンドに居る人のSS内に居ますが、ご本人はSSを書いていません。
初出:1スレ98(本文は100より)
PC(仮)名: Mio / 中の人:100(ID:wfMT4t1O) トリップなし
一人称:俺
種族フェイス: エルヴァーン♀F6B
ジョブ&Lv:ALLジョブLV1サポ無し。現在は赤。
特記事項:自転車・模造刀・トイレットペーパーを持ち込み。
活動エリア:サンドリア→バルクルム砂丘→汽船経由→ウィンダス
他キャラとの接触:イッチ、マイウ、ゴイス、Rain
47 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/04(木) 10:15:04.61 ID:3nU4AC6O
続き投下でございます。
わっふるを期待されていた方々には肩透かし!w
「メイミィ・・・」
「リード・・・さん・・・」
それきり、沈黙した。
狩る者と狩られる者、ふたりの視線が絡み合う。
もう少し、ほんの少し手を伸ばすだけで、触れ合う距離。
甘い匂いが脳髄を痺れさせる。
水の流れる音だけが、部屋を支配していた。
ギシリ。
胸の奥がかすかに痛む。
違う。彼女は、こんな事を望んでいない。
ただ自分自身の不安から逃げたいだけだ。
「・・・モーグリ!」
私は急に身を離し、意識して無表情を顔に貼り付けると、まっすぐにドアを指差した。
「お客様のお帰りだ。モグハウスまで送って差し上げなさい」
私は背を向けた。
情けない顔をした自分を見られたくない。
「モーグリは動物行動学でいう第六感・・・知らずに危険を回避する能力が発達しています」
何をやっている。
感情を出すな。平静を保て。
「逆説的に、彼の行く手に危険はない。あなたは安全に帰る事ができます」
「帰れません・・・」
上目遣いで、メイミィが声を絞り出す。
いまさら、なぜ。
責めるような眼差しが、背に刺さる。
「では、一つ約束をしましょう」
頼むから帰るべきだ。私がこれ以上、過ちを犯す前に。
「明日、私は届け物の為にシャントット博士のところへお邪魔します」
私は振り返り、余裕の微笑みを作った。
自分は、うまく笑えているだろうか?
「待ち合わせて、それに御一緒していただけませんか?」
もちろん、ご都合がよろしければ。と、断る事のできる逃げ道も用意する。
私は静かに、メイミィの返事を待った。
朝10時、ジュノ領事館前―――。
私とメイミィは、再び会う約束を交わした。
彼女が再三モーグリにうながされ、部屋を去った。
その小さな後ろ姿が消えたのを確認して、ようやく私はため息をついた。
リンクパールは明日、渡せばいいだろう。
レップには、思惑通りララブのしっぽ亭で渡す事ができた。
今頃は同じ来訪者どうし、イッチたちと会話を楽しんでいる事だろう。
私はマウラ以来、リンクパールで話をしていない。
一瞬だけ、自分もパールをつけようかとの思いが頭をよぎる。
いや、やめておこう。
私は、すでに“俺”ではない。
この世界の住人と、異世界の意識、そして“あの男”が提供したもう一つ。
三者が芸術的バランスで融合し、組み上げられた“私”なのだ。
キッチンの引出しを開け、ぱらぱらと料理のレシピファイルをめくる。
ウィンダス風サラダ、キノコのリゾット、サーモンのムニエルetc―――ウィンダス来訪者リスト。
よろしい。
モーグリは仕事が早い。
投下は、ひとまず以上です。
他の方のキャラがいらっしゃると、セリフがなかなか難しいですね。
翌朝69さんとも出会うわけで、ご本人の書かれたログ追っかけてみたり。
ジタバタしながら構想を練り練り中です。
>>レップ様
本文では割愛させていただきましたが、
ララブのしっぽ亭で再会〜リードからリンクパールをお渡ししております。
現在、イッチのLSメンバーは、
イッチ、マイウ、ゴイス、リード、ルーファス、そしてレップの六名です。
LSの名前は、決めてません。誰か作品に登場させて決めてw
53 :
No.1>>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/04(木) 11:51:09.15 ID:8c0cZplR
おお。わっふる。(意味不明)
ロックは相手や自分の喋ったことを正確に覚えてるような子ではないので適当にアレンジOKっす。
>>Mekiさん。早速きましたかw女神の声すら届かないスルメ最強!
ウィンダスで起きた事件がでかければでかいほどMekiさんが治るのも遅かったり。
ちなみにロックはバスからウィンまで1時間程度のテレポ二回で飛んでいます(チョコボで12時間かかる)。
往復2時間&ウィンダス国内移動(港⇒石⇒石の区シャントット邸⇒森の区の薬屋)デジョン詠唱20分。
ナジからすればそんなに時間がかかるはずの無いクエなので手紙をついでに頼んだわけですが、
(どっちにせよ最短距離は石の区経由)
その途中にロックが事件に巻き込まれたのがMekiさんのもう一つの不幸・・・。
54 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/04(木) 15:15:35.96 ID:3nU4AC6O
保守
>>31 オスラかわいい〜w
>>42 ちょwww攻略本wwwwwwwwwwwww
>>52 うーん、イッチさんのように食ってしまうと思っていたのにw
連休効果で筆が進んだので投下します。
「ユリフィナちゃん!迎えに着たわ♪」
「ありがとう、でも扉は壊さないで欲しかったな。」
なんだかぷらんぷらん悲しげに揺れている扉を見つめながらつぶやく私に対して彼女が一言。
「うちのモゲリーナが直すはずだから。いこいこ♪」
彼女は遠慮無しにずかずかと私の部屋へと入ってくる。そして私をひょいと抱えあげるとちょっと小首をかしげる。
「あら?ユリフィナちゃん媚薬でも飲んだ?すごい顔・・・」
「わ、わかるの?」
何?今外に出たら『私は真昼間から盛ってます』って看板ぶら下げて歩くようなものなの?
私が恨めしげにモグタンを睨みつけると、彼はぷいと視線をそらした。
「大丈夫よ、五六回イっちゃえば薬の効果は切れるから。」
「・・・それって色々ありえなくないですか?」
「へーきへーき、薬の力と私のテクがあれば10分かからないわ。」
彼女は嬉しそうに私のセーターを脱がし始める。・・・って待てコラ。
「アリアさん、冗談でしょ?」
なんだかいつの間にかベッドに横たえられてるし・・・。
私はスカートとシャツをしっかりと押さえながら助けを求めるような表情で彼女にこう言った。
だが、その手は力ずくで押さえつけられてしまう。・・・これは・・・これは本当に危ないような・・・。
いや、でもこんなモヤモヤした気持ちと体でいるよりは・・・ってそんなこと思うのは薬のせい!
だめ!逃げてユリフィナ!!
「ね、リポケケ達待ってるし乗り場いこうよ?ね?」
私はちょっとなみだ目になりながら彼女に訴えたが彼女は怪しげな微笑を浮かべたまま首を横に振るだけだった。
「女の子同士ってないよね!普通やらないよね!イヤッ!どこ触ってるんですか!!やめて!そこはらめぇっ!
誰か!誰か助けて!!!痴女が・・・ンッ・・・あっ・・・ダメだって・・・誰か!ここに痴女がいます!!あぁっ・・・
だめぇ!脱がさないでぇ!」
「あら?名前に『百合』ってついてるし、いいじゃない?」
「そういう意味のユリじゃないからぁあああ!!!!」
私は百合じゃなくて由梨だあああ!!必死に抵抗しながら絶対に頼りにならないとは思いながらも、モグタンに視線で助けを求めた。
「ご主人様イってらっしゃいクポ〜。」
モグタンは今まで一度も見たこともないほどいい笑顔で私のほうへと手を振る。あ、私きっと助からない。
「うぇぇえん!おかあさーん!!」
私の叫びを止めるかのようにアリアちゃんは口を口で押さえ込んだ。
21年の人生でもっとも濃い時間を過ごした後、見捨てるどころかいつの間にか参加していたモグタンを
ボコボコにしてからすぐに私達は出発する事になった。・・・ヒック・・・汚れちゃった・・・。
何があったかは詳しくは語らないし語りたくないです・・・。何となく想像はつくでしょう・・・?
私達が空港に着くと同時に夕日をバックに飛空挺が水しぶきを上げて着水し、たくさんの人がワラワラと降りてきた。
生で見る飛空挺は迫力があるだけでなく、まさにファイナルファンタジーといったオーラがものすごく出ていた。
飛空挺の利用者の大半が冒険者と高所得者のためか送り迎えをのために乗り場へと来ている人は私達だけのようだ。
他国への玄関口だというのにちょっとだけ寂しい。
私達は入国用の入り口の外で様々な甲冑やローブを身に着けた冒険者の波を眺めていたが、ふと4つのネコミミがふと目に入った。
「アリアちゃん、あれリポケケ達じゃない?」
ネコミミ、ネコミミ、ヒゲ。間違いない。ヒゲが一番最初に私達に気がつきサワヤカな笑顔で手を振ってきた。
私もそれに対して手を振り返す。
「やぁアリア、ユリフィナちゃん。久しぶりだ。」
妙ににこやかに微笑みながらおやじさんがあらわれ、
「アリア久しぶりだねっ。ユリフィナも一日ぶりっ!」
ネコミミフードだけでなくてネコを被ったユファファがあらわれ、
「やっほー!元気だった〜?」
なぜか顔が赤いリポケケがあらわれた。きっと二人が寝ている部屋に本当に行ってしまったのだろう・・・。
「みんな久しぶ「やーーん!ユファファちゃんのフード姿かーわーいーいー!!」
私の挨拶はむなしくもアリアちゃんの声でかき消された。アリアちゃんはユファファに抱きつくと頬ずりをはじめようとするが、
「いやあああ!!はなせアリアーーー!!」
おやじさんが止めなければユファファの頬はきっと大量にすり減っていたことだろう。
以上です。アリ×ユリが人気あるみたいなので犯った。
申し訳ないことをしたと思う。今は反省している。
ではみなさんの投下をお待ちしています
ユリフィナたん…(ノ_・)
62 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/04(木) 16:48:15.51 ID:3nU4AC6O
百合姫様、投下乙でございます。
私には一体何が起きたのか、皆目見当がつきません。
詳しい説明を求めます。
・・・休日はスレが落ちていくの早いですね。
>>60 百合姫
_ ∩
( ゚∀゚)彡 わっふる!わっふる!
⊂彡
というわけで(どういうわけだ
自分もテンプレ貼って投下いきたいと思うであります(・ω・)ゞ
初出: 3スレ
>>103 PC(仮)名: / 中の人: (不明)/ナナシ_103 #ne50ko50
種族フェイス: GoblinThug(♂)たまに、ヒューム(♂)
ジョブ&Lv: メインシーフ/サポなし
特記事項:
普段は獣人ゴブリンの姿。集中するとシーフの姿に戻る。
フェイトの一員という裏の顔を持つ。
『SoulTaker』という違法融合アイテムを持っている。
活動エリア: ナナシは謎の館、ブモらはジュノ
あらすじ:
なぜか獣人ゴブリンの姿でヴァナに降り立つ。
その後、ブモと出会い、一緒に旅に出る。
旅の途中で自分がフェイトに所属する者だと思い出す。
他キャラとの接触: ブモ、P氏、炎の壁兄弟
○月◇日風曜日晴れ
今日も彼は我々の前に戻ってこなかった。
マック爺さんの助けを借りながら色々調べてみているのだが、
彼についての情報は一切掴むことが出来なかった。
しかし、彼以外の『来訪者』についての情報は多く出てきた。
これによるとサンドリアとウィンダスにおいて来訪者絡みの事件が多発しており、
殺傷事件にまで至っているようだ。彼の安否が気遣われる…
それ以上に今心配なのは、ブモの方だ。
主人が消えたショックからか、あまり食事を摂らなくなった。
弟が熱心に看病しているのだがそっけない様子でそっぽを向く。
無理やり食べさせようとすると暴れて我々では手に負えない状態だ。
弟と相談した結果、明日上層でチョコボ屋を経営している主人に診てもらうことにした。
主人のブルートゥスは高名な獣使いであるので、ブモを任せても大丈夫だろうと判断した。
そして、我々はブモを彼にそのまま預かってもらうことにして、また旅に出ようと考えている。
この事はまだブモには話していない。
今、すやすやと眠っているブモを無理に起こすほど私は非道ではない。
安心して眠っているブモを見ると私の心は安らぐ。
この生活が長く続くことを祈ったこともある。が、私には私の目的がある。
私はヒトの言葉とゴブリンの言葉は理解できるが、流石に大羊の言葉まではわからないので
はっきりとはわからないが、ブモにもブモの生きる目的があるだろう。
ここで別れることは寂しいことだが、これで最後というわけではない。
またいつかどこかで逢える。この世界は広い。ちっぽけなゴブリンの私にとって広大である。
しかし、確信を持って云える。またいつかどこかで逢える。
ブモにも。そして、彼の本来の主人にも。
<炎の壁日記より抜粋>
アニキの言う事はいつも正しいんだ。
アニキはいつもは無口だぁ。けんどぉ、それは少ない言葉のひとつひとつを
しっかりと考えているから無口になるんだとオラは思う。
だから、ブモを置いていくと言ったアニキの言葉を
オラはしっかりと受け止めることにしたんだ。
ブモと離れるのは正直辛いだぁ…
けんどぉ、このままだとなんにもならんから
ブモの代わりにオラがあいつの主人を見つけるんだ。
それが、オラが、オラの友達に出来る、最大限のことだと思うんだ。
必ず見つけ出してやるから、ブモ、ちゃんと待ってるんだぞ?
ブモが目覚めると、そこには見知ったゴブリンたちの顔は無く、
髭面で、割腹の良いヒュームのおじさんが一人立っていただけだった。
彼らがお前の本当の主人を見つけるまで俺が世話することになったんだと
優しく声を掛けてくれたのだが、ブモは黙ってまた小さく丸まった。
もう何も信じられないといった様に小さく丸まった。
ブルートゥスもこの様子には困り果て、なんとかしなければと
獣使いとしてより、ひとりの動物を愛する者として接する決意をする。
最初の一週間は、頑なに全てを拒否するブモの姿勢に流石のブルートゥスも世話が焼いた。
変化が現れ始めたのは、ブモを預かってから十日ほど経ってからだった。
ブモが食事を摂り始めたのである。それは食欲に負けたというよりも、
何かを決意したから、何かをしようと思いその準備を始めた、そんな感じがあった。
ブルートゥスもそれに気付いていたが、黙ってブモの世話をしていた。
ブモの決意の強さが、獣使いの勘が無くても伝わってくるほど、堅いとわかったからだ。
投下は以上です(・ω・)ゞ
ここで募集、というよりもお願いが…
どうにもこうにもブモを主人公にしようと頑張ったのですが、
ヒトの言葉を喋れないので話が一向に進まないことに気付いてしまいました…
そこで、どなたかブモを旅に連れていってくれる方いませんか?
現在、ブモはジュノにいますので、連れて行ってくれる方ご一報お願いしますm(_ _)m
投下乙です!
あぁぁ・・・炎の壁兄弟、すげぇイイ・・・(;´д⊂)
ここまでよく書いてもらえると、ただ、もう、嬉しくて嬉しくて。
>>70 炎の壁兄弟をかなり長い間お借りしてましたm(_ _)m
一旦お返ししますのでまた貸して下さいねw
投下いたします。
なかなか話が進まないのはいつものことでございます。
長い夜が明けた。
意識が眠りに落ちることのない私は、ベッドに腰掛けたまま窓の外を眺めていた。
現在ウィンダスに居る来訪者の名前は、把握できた。
モーグリの作成したリストのおかげだ。
危険度AからCまで分類されていたのは、彼から昔の習慣が抜けていないからだろう。
今のところ、ウィンダスで“マザー”の声を聞いた者はいないようだ。
女神、日本酒、スルメ。
不意にそんな無意味なイメージが浮かび、消えた。
バカな。あまりにも脈略がない、忘れよう。
私を枕にすやすやと眠るモーグリの、頭をそっと撫でてやる。
思えば出逢った時、彼は野良モーグリだった。
元の主人を失い、存在意義を喪失した彼は消えかかる寸前だった。
己の不運を受け入れ、最後まで凛とした態度でこの世界から去ろうとしていた。
引き止めたのは私だ。
「―――問おう。あなたが私のマスターかクポ?」
死ぬ間際にして、この態度。私の好みだった。
幾度も意見をぶつけ合わせた記憶も、今では懐かしい。
モーグリの用意した朝食を済ませた私は、早めに出かけることにした。
シャントット博士に面会する予定のため、服装はダブレットではなくガンビスンを選んだ。
ダブレットと比べ、多少はかっちりして見える。
待ち合わせには充分すぎる時間の余裕があり、私はサンドリア大使館に赴いた。
今後の為に、冒険者登録証を用意するために。
薄い魔法金属製のカードは、再発行扱いで簡単に手に入った。
名前:Lead
種族:ELV
所属国:San d'Oria
それ以外の項目は、“ERROR”の文字で埋め尽くされている。
大使館の人間も首をひねっていたが、これで間違ってはいない。
登録証を懐にしまい、大使館を後にした私は石の区へと向かった。
「こんにちはー」
ジュノ大使館に向かう道なかば、一人のタルタルが元気よく手を振ってきた。
微笑みとともに、手を振り返す。
来訪者だ。
勘がそうささやく。
リストにはなかった特徴のタルタル。しかし、私は彼を知っている。
間違いない。1スレの
>>69だ。
私がこの世界(の過去)に飛ばされる前、スレッドを見たとき既に書き込んでいた者だ。
ロック、とタルタル姿の彼は名乗った。
「―――と、いうと君はバストゥークのナジ君から依頼を受け、そのメキというミスラさんの薬を取りに来たと」
「うん。でね。ナジさんったらメキさんにスルメ食わせてお腹壊させちゃったんだって」
慎重に会話し情報を引き出そうと思ったが、あけすけに彼のほうから事情を説明された。
しかも、疑う余地がないほど筋が通っている。逆に、どうしたらよいものかと戸惑ってしまう。
「それは大変だね」
そう言って、私は微笑みで誤魔化す以外になかった。
「ところで・・・」 ええい、ままよ。「1スレの69君かい?」
ふにゅ? とロックは不思議そうな顔をした。
足を止め、二人は見つめあう。
石の区にかかるはしけの上。
フライングフィッシュが空を舞い、朝の日差しがキラキラと反射する。
「僕はロックだよ?」
ダメだ。どうなっている?
私は考え込んだ。
来訪者を見分ける感覚に、間違いはない。
ロック、と名乗る彼の姿は、私が記憶している特徴に合致している。
頭に布を巻き、黄ばんだ白布のマント。マーシャルナイフとマーシャルアネラス、アストラルアスピス。
本人が来訪者である事を自覚していない? いや、そんな筈はない。
あけすけに情報を公開すると見せかけて、何か重要な秘密を隠し通そうとしているのか。
女神、日本酒、スルメ。
まさか―――!!?
77 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/04(木) 19:37:51.95 ID:3nU4AC6O
投下終了でございます。
次々とイメージが湧きあがり中ですが、連投するわけにも。
他の方の投下を、わっふるわっふるでございます。
>>185様
もしかすると、ご覧になってないかもですが・・・
メイミィさんは、待ち合わせ時刻に遅れて現れるのと、
早すぎるほど早く着いてしまって待ちぼうけと、
どちらがよろしいでしょうか?
79 :
352:2006/05/04(木) 21:18:28.32 ID:WEBD6Qti
みなさま、おつわっふるでございます_(._.)_
それでは、猫ナは想像以上にINTが低くてびっくりにゃ〜♪ご賞味ください・x・
80 :
352:2006/05/04(木) 21:18:52.88 ID:WEBD6Qti
「で、これからどうするつもりだ?」
え?と言う顏をして、黒マントのミスラ、クーがこちらに向き直る。
「抹殺者は神の代行者だと聞いた。お前の行動は、神に対する裏切りだ。」
「それは…。」
クーは口ごもった。
「…まあいいや、とりあえず自決用の火薬を外してもらおうか。」
「な、何でそん…。」
「何でもすると言ったはずだ。」
クーの言葉は僕にさえぎられ、仕方なさそうに従った。
81 :
352:2006/05/04(木) 21:19:51.87 ID:WEBD6Qti
…もしかしたら、“何でそんなことをするの?”ではなく、“何でそんなことを知っているの?”と言おうとしたのかも知れないな…。
「おそらく、僕たち来訪者はお前たち抹殺者…フェイトと言ったか?ともかく、お前たちが思っている以上に情報を持っている。個人差はあるがな。」
クーは何も言わず、自決用の火薬を外している。
「裏切り者は、始末されると言うことも知っている。」
82 :
352:2006/05/04(木) 21:20:49.37 ID:WEBD6Qti
そこまで言うと、クーは動きを止めた。
「…私、どうしたらいいのかわからない…。ただ、あの時は死ぬのが怖くて…。」
…まあ、僕も結構マジだったしな。
「…仕方ないな。」
来訪者はリアルから3つまで道具を持ち込めるという。
雑然とした雰囲気が自慢の僕の部屋だ、何か一緒にまぎれこんできてるていてもおかしくない。
ううん、知らないけどきっとそう!
僕は、自分のベッドをがさごそと探しはじめた。
…あった。
「しゃきーん!」
白くて小さな毛玉、もとい、猫のぬいぐるみを取り出した。
83 :
352:2006/05/04(木) 21:21:58.48 ID:WEBD6Qti
「それは…?」
「僕がリアルから持ち込んだ、“不正データ”さ。」
そう言って、ぬいぐるみをクーに投げる。
「どうしてこれを私に…?」
「“お守り”。この世界にはない材質でできている。それがあれば、抹殺者もうかつに手を出せないだろう。」
僕は我ながら甘いな、と苦笑する。
と。
バキャッ!と小気味のいい音を立てて、モグプウが頭を引き抜く。
「ご主人様…。」
「なんだ?」
「差別クポ!」
…何をいきなり。
84 :
352:2006/05/04(木) 21:23:38.59 ID:WEBD6Qti
「モグには何もくれないのに、そのどこの馬の骨ともわからないミスラにはものすごいレアアイテムをあげてるクポ!」
……そーいわれてみれば、確かに。
「…これは、恋クポね…!」
…まだ言うか。
「モグのにらんだ通りクポ!」
(※最初に恋とか言いだしたのは別のモーグリです。)
「まあ…。モグも大人クポ。二人を……ムグッ!?」
「タァルァァアアア!!!」
僕はモグプウの頭をつかみ、室内用滝に叩きつける!
僕は、モグプウが動かなくなったことを確認してからクーの方に向き直る。
85 :
352:2006/05/04(木) 21:25:12.31 ID:WEBD6Qti
「…で、お前はどうするんだ。」
「…言ったはず。お前の言うことに従うと。」
…。
そんなことよりミスラと(ry
………違う違う!!今はもっと別にやることがあるはずだ!
「…リアルに戻る方法。一緒に探してもらおうか。」
「わかった。」
クーは首を縦に振って答えた。
僕たちはとりあえず、クーの着替えを買いに行くことにした。
…忍者でもないのに全身黒ずくめはあやしい。
ついでに良さそうな武器を見つくろう。…正直、カンパカンパはありえないだろう。
86 :
352:2006/05/04(木) 21:26:13.39 ID:WEBD6Qti
で、気づいたこと。
…クー、オカネモチー。財布をのぞいてみたら、ゆうに5000万ギルはあった。
装備はどうしたらいいかな。やっぱカンパジュワかな〜、でもジュワはエクレアだしな〜と言うと…。
「ジュワユースなら持ってる。」
…ウラヤマシス。
とりあえず黒マントのかわりにアダマン一式を購入。エアリーシリーズは性能がよくわからないので保留。
「さて、帰るか。」
「あ…。欲しいものがあったら買ってあげるよ。」
…ふむ。
「コッファー買って。」
87 :
352:2006/05/04(木) 21:27:49.03 ID:WEBD6Qti
かくして、僕たちはコッファーとアダマン一式と夕食の材料を購入した。
コッファーを何に使うかはまだ秘密だ。
で、モグハウス。
「ただいま。」
「おかえりクポ〜。」
「た、ただいま…。」
クーが遠慮がちに言う。
「クポ?」
「ん?」
「ご主人様…。」
「なんだよ。」
「結婚するクポ?」
「クポーー!!クポーー!!出すクポー!!」
「アーアー聞こえなーい。」
僕はモグプウを閉じ込めたコッファーの上に座りながら言った。
「さて…。どうするかな…。」
「どうするって…。ぽっ。」
88 :
352:2006/05/04(木) 21:28:48.17 ID:WEBD6Qti
…ぽっ、じゃねーよ!かわいいじゃねぇか…。
「そ、そういう意味じゃない!」
「え…。じゃあ、どういう意味?」
…こいつの頭はモグプウと同レベルか?
「お前のことだよ。どうせ冒険者登録証も持ってないんだろ?」
クーはあ…と言う顏をした。…なんなんだ、一体。
「とりあえず、明日星の大樹へ行く。僕はまだランク6だが…まあなんとかなるだろう。」
「う、うん…。」
「じゃ、とりあえず夕飯だ。」
「あ、今日は二人の祝福の意味を込めてモグが作るクポ〜♪」
89 :
352:2006/05/04(木) 21:29:49.17 ID:WEBD6Qti
…なんか勘違いしてる奴が一匹。まあいい、たまには楽をさせてもらおう。
……で。
「…なんだこれは。」
「モーグリ風ダルメルの煮込みハンバーグクポ〜♪」
…目の前には黒い液体のかかった元肉が。どう見ても消し墨です。本当にありがとうございました。
「…味見したのか?」
「そんな得体のしれないもの、食べるわけないクポ〜♪」
モグプウは楽しそうにくるくる回りながら答えた。
…。
……。
僕はエンサンダーを唱えた。
「クポ?」
90 :
352:2006/05/04(木) 21:30:35.41 ID:WEBD6Qti
「震えるぞハート!燃え尽きるほどヒート!!サァンライトイエロォォオオ!オーヴァーードライヴッッ!!!」
「クポォォォオオオ!!!」
…ふぅ。
ガリッ!
「ん?」
「…苦い。」
………。
「食うなぁぁああああ!!!」
91 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/04(木) 22:18:34.36 ID:3nU4AC6O
>>79 投下乙でございます。
やはりモーグリは主人に合ったタイプがあてがわれるのではないかと・・・w
決して第二世代が弱いつもりで描写したわけではないのに、ここまで弱体とは想定外w
69氏との合流パートのラスト、投下です。
シャントット博士の邸宅での話は、明日以降に投下する予定です。
メキというミスラが、“マザー”の声を聞く者ならば―――。
「あのね。おいちゃん。"へたなかんがえ休むにたるたる"」
ロックがふくれた顔で言う。
おいちゃんですか、そうですか。私は苦笑するしかなかった。
「そうだね、ロック君。きみもシャントット博士に用事があるのかい?」
「うん。一刻も早く、メキさんの薬を取ってこなければいけないけど・・・」
ロックはそう言って、一通の手紙を取り出した。
「一緒にこの手紙を渡して、ってナジさんが」
まるでウィンダスの太陽のように、ほがらかな笑顔をするタルタルだ。
ここまで警戒心がないと、むしろ罠だと思ってしまう。
だが、虎穴に入らずんば、だ。
「見せてもらってもいいかな?」
「メキさんのスリーサイズが書いてる」
「・・・・・・」
―――女神、日本酒、ワカメ。
それは可及的速やかに確認しなければならない。
最優先事項だ。
161氏はアニメとゲーム相当やってる人だなぁ、と思ったw
>>93 実は、ネタとして聞きかじっただけで組み上げている―――というのは、
私とあなただけの、秘密です。
95 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/05/04(木) 23:12:18.17 ID:h0S1um6G
割り込みになりそうですが、取り急ぎ投下しますー
(174)
赤い鎧の動きは剣を振るスピードが速いというだけだ。
足運びは足を絡ませそうな勢いだし、剣の振り方も『斬る』というよりは『叩きつける』という動きに近い。
だが、その動作自体も相当な速度で行われており、ほぼ膠着状態の今はそれに付け入ることは難しい。
俺の胸を掠めた剣が城壁の出っ張りにかかり音もなくそのかどを切り飛ばした。
『叩きつける』動作で十分厄介なのは、ひとえにこの剣の異常な切れ味のせいだ。
前後でオスラと挟んではいるが、主にに戦闘をするのは俺と赤い鎧のみになっている。
赤い鎧の標的が彼に向く事もあり、その際には必死の形相で応戦する。
やがて、徐々に赤い鎧の剣が俺の動きを捉え始めた。
動きを見せすぎたか…
腕や胸に傷が出来るたび、薄紫の光が俺を包む。後ろでフルキフェルとラディールがサポートしてくれているようだ。
一気に勝負を決める手がないわけじゃない。だが、赤い鎧が『来訪者』かもしれないという現状ではそれも躊躇せざるを得ない。
何か、こいつを大人しくさせる方法はない物だろうか。剣を奪えばあるいは…
ひとまず戦況を動かすには、こいつの剣を奪うしかなさそうだ。狙いを赤い鎧自体から剣に移す。
俺が剣に向けて仕掛ける素振りをした途端、オスラも同時に動き出した。
その瞬間、赤い鎧は俺に背を向けた。目標だった剣が遠退いて俺は地団太を踏むようにして動きを止める。
そして視界の奥に絶叫するオスラを捉えていた。
(175)
オスラのわきの辺りから入った剣は、心臓近くまで届こうかというところまで届いている。
声にならない声を上げながら、オスラは城壁に叩きつけられた。
剣に狙いを移した俺のミスだ。
オスラの前にすばやく回りこみながら、頭の中で首を横に振る。
結果は結果だ。一緒に戦っている奴を死なせたくないなら、今はこの戦闘を何とか切り抜けるしかない。
赤い鎧の剣が、俺越しにオスラに向かって再び振り下ろされようとしてる。
中途半端な間合いに入ってしまい、退くことも懐に入ることも出来ない。まして後ろにはオスラがいる…
(くっそ!どうにでもなれ!)
俺は右正拳を剣に向かって放っていた。次の瞬間、脳味噌が弾けるかと思うくらいの強烈な痛みが右腕に走る。
グシャグシャと音を立てながら右腕が肘くらいまで真っ二つに割れている。スプラッターみたいだな…
だが、その次の瞬間に割れた右腕は元に戻ろうとしている様子が分かった。
後ろの2人、いい仕事をしてくれる。激痛の中で暢気にそんなことを考えた。
(176)
鋭く息を吐き、そのまま痛みを振り払うように赤い鎧に右フックを見舞う。
兜で隠れていない口元にクリーンヒットしたが、赤い鎧は倒れないどころか俺の太ももに篭手を叩きつけてきた。
バキィッと分かりやすい音がした。
「オオオオオォォォォ!」
悲鳴出そうなのを喉で何とか押しとどめ、雄たけびに変える。俺までギャァギャァ言い出したら後ろの2人が混乱しちまう。
体制を崩しながらも体の正中線に意識を集めて、太ももの骨が元に戻るように意識をする。
中の肉や神経は後でいい。骨がくっつきゃ何とか動くだろう。
太ももに骨がずれる感触がしたことを確認して、改めて赤い鎧を見る。
「てめえ等には聞きたい事が山ほどあるが──まずは食らっとけえっ!!」
折れたばかりの足で、下段の回し蹴りを見舞う。赤い鎧の足をすくうような格好になって大きく体制を崩した。
さらに回転したまま体を捻り、軽く飛びながら胴回し蹴りを見舞う。
2撃目が顔にクリーンヒットし、そのまま赤い鎧が後ろに弾け飛んだ。
さらに追撃を狙うために追い詰めようとしたところで、赤い鎧は自ら宙に体を投げた。
同時に赤い鎧の周りで黒い何かが集まっている。何が起こってるんだ…?
俺が疑問に足を止めていると、空気が縮まるような現象が赤い鎧の周りで発生し、オスラが訳の分からない声を上げながら何かを投げつけた。
(177)
オスラの投げた物は時計だったようだ。
それが赤い鎧に到達した瞬間、収束しかけていた黒い何かが弾け飛び、赤い鎧は城壁の高さから重力以上に見える速さで落ちていった。
そして、カエルを踏み潰したような音が下から聞こえた。
「あ〜あ、グチャグチャ…」
下を確認した俺が見たのは、血の海と人の形を失った何かだった。
多分、というか確かめるまでもなく死んでるだろう。
『来訪者』だったかもしれない。もうそれを問いただす術はないが…
赤い鎧としてここにいる以上、彼はこの世界で何らかの役割を得て存在していたのだろう。
この世界で何人も知り得なかった赤い鎧の組織に、彼はどうやってその役割を見出したのか。
何故彼は同じ『来訪者』を殺すことを是としたのか。
語るべき口は、恐らくもう形をとどめてすらいないだろう。
いずれにせよ、こうして死んでいる彼はただの傀儡に過ぎなかったということになるだろうか。
後ろではフルキフェルとラディールがオスラの救命に掛かっているが、この段階になると俺に出来ることは何一つないことは理解している。
せめて味方であろう人間には死んでもらいたくないもんだ。
祈る代わりに、背を向けたままそっと目を閉じた。
(178)
「…32のレプリカだけで楽しく神様やってたはずなのに、 なんでこっちに手出しする気になっちゃったんでしょうねぇ」
横に来たフルキフェルが言った。32?レプリカ?
横目で顔を見やると、何か別人のように穏やかな顔をしている。
「うん? 何か言ったか」
「いえ別に」
説明する気はないらしい。
困ったもんだ、敵も味方も謎だらけでどうにも居心地が悪い。
さっきの黒い何かはデジョンだろうか。それを、オスラは時計を投げることで止めた。
何故彼は時計を投げることを思い立ったのか、そして何故デジョンの発現を止められたのか。
ふと、空気が動き出すような感覚がした。遠目にも人々が動き出したのが見て取れる。
騒ぎになる前に引き上げたいところだがオスラを放って置くわけにもいかない。
「ルーファス、フルキフェル!気がついたわ!」
振り返ると、さっきよりは若干血色のいい顔のオスラが、ひどく疲れたような表情で座っていた。
「気迫は認めるけどな、あんな奴と刺し違えて満足か馬鹿!」
「うーんむにゃむにゃ、もう食べられないにゃ〜」
「そんな漫画みたいな寝言があるか!」
言うより早いか、拳骨を頭に落とした。まぁ、こんな冗談が言えるんならもう大丈夫だろう。
(179)
ラディールとフルキフェルが、しきりにオスラをたしなめている。
「ったく、心配かけやがって」
俺は一言だけ言ってオスラの隣に腰を下ろした。
「あいつは、どうなった?」
「下で死んでる」
「剣は?」
「ほら、そこに刺さってる」
「そっちじゃなくて、空から降ってきて赤い奴に刺し殺した方だが」
「はあ? あいつは滑落死。何なら見てみろ、剣なんかどこにもない」
やれやれ、こいつまでわけの分からないことを言い始めやがった…
ため息をつくと、なんだか無性に煙草が吸いたくなった。
時計持ってるんだったら、煙草も持ってないだろうか。持ってるわけはないだろうが、話のネタにでもなればいいや。
「なあ、煙草持ってないか?」
ゴソゴソとオスラがポーチから何かを取り出そうとしている。
手渡された煙草はKOOLだった。メンソールはちょっと苦手だが、まぁ紙煙草なら何でもいい。
(180)
他愛のない会話をしながら、ライターのように手のひらに炎を乗せたフルキフェルが自己紹介をする。
「フルキフェルです。よろしくお願いします」
「おれはルーファスな。で、こっちがラディール」
親指をラディールの方に倒しながら言うと、ラディールは少しむくれたような素振りで、自己紹介くらいできるわ、と言う。
俺は周りに気取られない程度に口元を緩めた。
「おれは、ヒロだ。氏族はないけど…強いて言うなら、カラミヤ…かな」
本名だろうか。少なくともキャラの名前ではなさそうだ。
しばらく城壁に突き刺さった剣を眺めていると、にわかにあたりが騒がしくなってきた。
下の死体が人の目に触れたんだろう。ガチャガチャと鎧を着込んだような足音も聞こえてきた。
やべ…俺、騎士団に追われてるんだった。
「わるい、俺たちはそろそろいくわ。後で居住区のシュヴィヤール家を尋ねてくれ」
そういって、城壁の上に飛び乗ってラディールにも来るように促す。
「ちょっと!いくらなんでもそんな…」
「城壁の上を進んで行きゃ居住区の外壁沿いに出られる。見つかるよかマシだろ?」
『ルーファス』、いや、正しくは『ファーロス』と呼ばれていた頃の記憶だ。
外壁の構造なんてそうそう変わるものでもないだろう。
「んじゃぁな」
ヒロとフルキフェルにニヤッと笑顔を残して、俺とラディールはその場を離れた。
103 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/05/04(木) 23:18:37.21 ID:h0S1um6G
以上です。
サンドリア組といえば、イッチ達をすっかり忘れてましたが、きっと平和に冒険者やっててくれることでしょうw
では、わっふるわっふる!
104 :
既にその名前は使われています:2006/05/05(金) 00:59:52.77 ID:Nq6dH/lW
深夜のほすage
105 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/05(金) 01:16:32.79 ID:vrsPwYrc
ゆりふぃなさん・・・さん氏に続き・・・南無・・・。
P(ロック)とガルカンソーセージやいたりグスタベルグ観光モニターやったゴブ、
多分103氏ではない・・・はず。
(他人書くときは基本的に特定避けてます。そのほうが話作りやすいし)
うーんバスにつれてきてもらえばPじゃなくてジェンがベドーにまでつれてってくれるかも。
りーどさん。リード視点のロック、かなり怪しいキャラですねえ。だがそれが(以下略)
女神、日本酒はともかく、ワカメってなんじゃーーーーーーー!(汗
Pはたるっこの身ではっきりと断り文句を言うと子供の癖に生意気と、
怒られたり殴られたりするのを知っているので、
他人の申し出を断るときは相手の気を奪う返し文句を使います。
この場合のスリーサイズは冒険者の仕事上、手紙を勝手に開封させたくないので、
手紙を読む気が失せる台詞を相手を見て選んだので、
別段スリーサイズが本当に書いてるわけではないです。<安心してくださいMekiさん。
サンドリア組は・・・かっこいいな。おい。
106 :
既にその名前は使われています:2006/05/05(金) 01:30:10.22 ID:vrsPwYrc
バストゥークほのぼの編でコメディで書かれたスルメがいつの間にか重要(?)な複線になりつつある件について(汗)。
107 :
既にその名前は使われています:2006/05/05(金) 01:39:19.60 ID:vrsPwYrc
>>352 つ 過去ログ保管してたのから引っ張ってきた。一部訂正。
バストゥーク(ランク4)
大工房守護長銃
異世界の技術を一部用いた銃身を使った銃。 玉は小さいが扱いやすく、射程はきわめて長く精度も高い。
D20 隔400 飛命+10 クリティカル率+10% Lv40 戦赤シ暗吟狩侍忍竜
サンドリア(ランク4)
エアリーアーマーシリーズ
まとめて預けることが可能です。
ウィンダス(ランク2すべてEXレアの秘薬です)
異世界の金属、裁縫技術と魔法とを融合し、
使用者の衣服などを一時的に強化する。
本来はカーディアン用。
防御薬30min物理防御および魔法防御50%Up。
生命強化薬(バリスタの巨人の薬と同じ効果です)
108 :
既にその名前は使われています:2006/05/05(金) 01:42:03.64 ID:vrsPwYrc
(ごめ・・・大工房守護長銃、ボルトアクション式で隔は285です。強化されてます)
エアリーシールド(盾) EXレア
防御力10攻-5回避+10命中-1 リジェネ Lv1 ALLJob
(表示にない隠し効果:シールドバッシュダメージ50%ダウン 物理&ブレスダメージ1%カット)
異世界の技術と魔法を融合させた透明な盾。 とてつもなく頑丈で軽く扱いやすい。
エアリーソード(片手剣)Exレア ALLjob Lv40 戦黒赤シナ暗獣吟狩忍竜
D25(20から強化された)間隔178(より軽く改良) クリティカル率5%UP
回避力半減。この剣での攻撃は敵の回避力が半減で判定される。
素材不明の透明な剣。壊れないよう強化魔法がかかっている。
エアリーアーマー
魔法強化された布と皮、異世界の金属と魔法で作られた。
服同様動きやすいが、要所要所を紙のように薄い金属板で補強している。
(ALLjob40)
頭 エアリーバンダナ 防5 回避+5AGI+3INT+3敵対+2リフレシュ
胴 エアリーブレスト防18 回避+10攻撃+10命中+10 AGI+2 マズルカ
腕 エアリーグローブ 防5 DEX+5 AGI+1 回避+4命中+4
脚 エアリートラウザ 防10 AGI+5 攻+10 ヘイスト6%
足 エアリーブーツ 防5 AGI+3 回避+5 リジェネ ヘイスト4%
>>92 >>105 女神+日本酒+ワカメ…
女体…酒…ワカメ……わかった!!
つまり、ワカメざってうわな何をするくぁwせdれftgyふじこおlp
わっふる妄想厨で申し訳w
No.1-
>>69氏の言うようにたぶん違うゴブリンさんかと思われます…たぶんw
自分に似たゴブリンが世の中には三体いるって言うじゃないですか?w
110 :
既にその名前は使われています:2006/05/05(金) 01:48:58.00 ID:vrsPwYrc
エアリーシリーズ。大工房守護長銃、ウィンの秘薬はすべてEXレアで所属国以外の人間は手に入れることはできません。
敵国にわたると破壊されるように素材保持や強化の魔法はシグネットと絡めてあります。
(普通のシグ切れは問題なく性能発揮するが、移籍したりすると破壊される)
これらで攻撃したらNPCキャラでも「赤い鎧」を倒せるかは皆さんのSSで判明するかと。
ちょwww何この寸止め大会wwwww
取り敢えずモグタンにナリタスwwww(ノ∀`)
そしてルーファスかっこよすぎwww修正されるねwwww
ってくらいカッコヨスw そしてフルキフェルアヤシスwwww
取り敢えず次の流れには乗っかる感じで書いてみようかな…
なんか、同じ場面を複数の視点から読むのって楽しいですねw
マイク:ボブ、起きてくれ!
ボブ:何だって言うんだ、マイク?
マイク:ここはどこだ、まるでバストゥークじゃないか! 一体なにがどうしちまったって言うんだ!?
ボブ:Hey 落ち着けよマイク。COOLになるんだ。どうやらおれ達は、朝起きたら自キャラになってしまったらしい。
さすがはニンテンドー、まさに究極のファンタジーだな。
マイク:ど、どうしたらいいんだ! 今日は10時までにオフィスに行かないとボスに殺されちまう!
ボブ:マイク、いいから俺のジョークでも聞いて落ち着けよ。時計を見てみな、今はもう12時半だ。
どうしようもない事でヒートアップするよりも、今出来る事をするべきだ。そうじゃないか?
マイク:え…それヴァナ時間じゃ……。
ボブ:マ〜〜〜〜イク、どうでもいい事にこだわってちゃ、ジャパニーズガールはモノに出来ないぜ?
マイク:そ、それもそうだな…。さすがボブだ!で、何が出来るって言うんだ?
ボブ:こんな事もあろうかと、リアルから三つだけアイテムを持ってきたんだ。
ハンターズバイブルと、ダディのガレージから持ってきたライフルと弾丸一箱さ!
これで種馬のようにNMを狩りまくろうぜ!
マイク:OKボブ!これでおれ達もセレブの仲間入りだな! しかしボブが射撃が得意だとは知らなかったぜ!
ボブ:hehe, 俺がまだ子供だった頃、グランパと一緒にイエローストーン中のバッファローを狩りまくったものさ!
マイク:ボブ、イエローストーン国立公園のバッファローは保護動物じゃ…
ボブ:ノーノーマイク、どうしちまったんださっきからノミみたいに小さな事ばかり気にして。
疲れてるのか、ワイフとうまくいってないんじゃないのか?
マイク:ワイフの話はやめてくれボブ、結婚なんてするものじゃなかったぜ。それより、まずは何を狩りに行くんだい?
ボブ:まあまあ、慌てるマンキーは貰いが少ないって言うぜ。いいかい、読んで見るからよく聞けよ。
マイク:ボブ! これは中国語じゃないか。ボブが中国語を読めたなんて、知らなかったよ!
ボブ:マイクよく見るんだ。これは日本語だぜ。おれはカレッジで日本文化を専攻していたんだ。
マイク:そ、そうだったのか。ボブのスマートぶりはブッシュにも見習って欲しいくらいだぜ。
で、なんて書いてあるんだ?
ボブ:Oops そうだった。なになに… 初期のクエストは基本的に、ココット村の村長から受注する事でプレイすることが出来ます。
なあマイク、ココット村ってどこだろう?
マイク:Hmm... 分からない。日本人のスラングだろうか?
ボブ&マイク:・・・
マイク:親切な日本人がいるもんだね
ボブ:ああ、まったくだ。それにしても違うゲームの必勝本を持ってきちまうなんて、おれとした事がとんだ失敗だったぜ
マイク:ノープロブレム。おれ達にはまだこのライフルがあるじゃないか。
ボブ:そうだな!第一おれたちはこのゲームをずっとプレイしてきたんだから、今更調べなくても金儲けになるノートリアスモンスターの居場所くらい分かるじゃないか
マイク:そうだぜボブ! さあ、早速出かけよう!
ボブ:オーケイマイク! ホントに君はナイスなグルービーだ!
・・・
ボブ:なあ、マイク
マイク:どうしたんだボブ?
ボブ:さっきからやたら【/check】されるんだが、そんなにおれのレミントンが羨ましいのかな?
マイク:hehe 羨ましいのはそのBig Gunだけじゃないさ!
ボブ:lol マイク、そのとびっきりのジョークは、アイダホ娘を口説く時の為に取っておけよ!
……あれ、なんだか画面が止まってないか?
マイク:ほんとだ、なんだろう…。
GM:何故ここに呼ばれたかお分かりですか?
ボブ&マイク:・・・
軽く真打登場させてみました(`・ω・´)ノ
多分もう書きませんがw
>>115 久々にボブ&マイクを見たwwwテラワロスwwwwwwwwwwww
寝る前に再チェックしに来た甲斐があったwwwwwwwwwww
サンド組は三者三様に書かれてるのが良いですねぇ、1つの内容でもこうも違う!
ウィン組は、結構な人数近くに居るけどなかなか逢えないという…w
ボブ&マイク:オーウ折角出てきたのに俺達の出番これだけのにかい!!??(赤鎧から逃げながら)
では、投下シマス、リード氏とメイミィ氏?が談笑してる頃デス (゜∇゜)
あぁ…ミスラがこんなにも恐ろしい種族だったなんて……あのミスラ…男だったら見境無く襲うんじゃないだろうか。
ヒートとかなんとか言ってたが、なんの事かサッパリ判らない…くっそ〜股間が痛い…情け無いが凄い痛い。
しかも眼の色が変わってるとかマジでなんなんだ……サッパリわかんねぇ………。
「マァ、俺様デスラ覚エテ無ェカラナ、完璧ニ気ヲ失ッテル間ニ何カアッタンダロ。」
何かあったんだろって…自分の身体だろ?
「マァ、俺ノ身体ナンダケドサ…ナンカ、アンマリ動カセナイママダカラ、実感沸カン訳ヨ。ワカルゥ?w」
むぅ…私はそんなレアな状態なった事無いから判らないな……。
「ケケケw…ソリャソウト、凄カッタナwwwwアノミスラwwwwww」
やめてッwwwww思い出させないで!!wwwwww私の…貞操が……ッ!!
「残念ダガ俺ハ村デ、冒険者ニナル前ニ経験済ミwwww"ヒート"ノ時凄イノハ知ッテタwwww」
知ってたなら教えてくれよwwwwwせめて知ってればなんとか出来たかもしれないのにwwwwww
「無理wwwwヒート中ノ女ハ物理的ニモ男ヨリ強イwwww逃ゲ切レナイwwwwwww」
……試したのか…そして逃げれなかったのか……。
「マァイインジャネーノ?コレデ、アイツハ"ヒート"状態ニ数年ハナラナイシ。」
ならないって…なんで言い切れるんだよ……。
「ェ?ダッテ、オ前何回イッタ?別種族ナラトモカク、純血同士ダト率凄ク高インダゼ?w」
………へ? 「オマ…マダワカンネーカw"ヒート"ッテノハナ、要ハ発情期ナンダヨw」
ぇ…ちょッ……え?え?
「ダ〜カ〜ラァ〜〜、奴ハ今年身ゴモッテ、晴レテ"ヒート"卒業ッテ訳。…オイ、聞イテルノカ?オイ?」
おいおい…出来ちゃった結婚……しかも逆強姦で……あ゛ぁぁぁぁ…これは夢か?現実だよな?… orz
「オイィ?何カ勘違イシテネェカ?」
……何を勘違いしてるって言うのさ…お前の身体だけど、私が動かしてる限りそーいう事になるじゃないか。
「イイカ?冒険者、モトイ放浪者ガ相手ノ場合ハ、相手ノ了解ガ無ケレバ引キ止メレネェンダヨ。
タダ、他種族トノ混血ダト、純血ヲ護ル為ノ混血児狩リニ逢ウカラ集落ニハ居レナクナルンダケドナ。」
そう…なのか…じゃぁ、とりあえず、引き止められて身動き出来ないって事は無いんだな?
「マァ、ソウナルナ。オ前ガ冒険者続ケテル限リハ。」
良…かったとは素直に喜べないが、とりあえず大丈夫なのか…ミスラのシキタリは判らん……
ブツブツと独り言(躯の私への発言)を喋りながらフラついていて、数人から好奇の目を向けられたが、もう慣れた。
さて、モグハウス前だ。自分の部屋番号は変わって無い…よな?……よし、表示変更されてない。ココだ。
扉を開けると、一面に広がる(既に固形化した)血の海……が、広がって無い。
「あ…あれ?部屋…間違えたか?」
血の有無で自分の部屋か不安になる辺りが妙に悲しいモノがあるが、ソコは気にしない。気にしたら負けだ!!
家具の配置からして私の部屋で間違い無いな…あの掃除嫌いモグが珍しく掃除でもしたの……か?
部屋の中央で浮くモーグリは、グッタリとして俯いたまま浮いていた。
「……ぉ…おいィ?モーグリ?掃除をしたのはお前か?」
モーグリは声を聞いてから気が付いたらしく、コチラを見て…泣きながら豹変した。
「ご……ご主人〜〜〜〜ッ!!会いたかったクポ〜〜〜!!助けて欲しいクポ〜〜〜〜ッ!!!」
飛びつこうとしたモグを、右手で押さえながらやりすごす。
「助けるって…何をどう助けるんだよw ていうか掃除はお前がやったのか答えろwwww」
「モグが掃除なんてするワケ無いクポ!!掃除したのはソコに居るご主人の連れクポ〜〜〜〜ッ!!!」
残念ながら私は一人で帰って来たので、当然連れは居ない。見えない連れと言うなら、躯がそうかもしれないがw
「連れって誰の事だよw知らないしwていうか、お前私の部屋に勝手に知らん奴を入らせたのかな?」
指差す方向が風見の奥、つまり室内だったので、モーグリに最高の造り笑顔をして訊くと、モーグリがビクッと反応した。
「ちっちがうクポッ!昼頃に物音がして、とっ扉開けたら居て、中を掃除したクポ!!モグは悪くないクポ!!」
「おまwww重要な所省略すんなwwww」
笑顔のまま不意打ちでアッパーカットをお見舞いする。
「グペェッ」という声と共に、放物線を描きながら風見を越えて、風見の向こうで着水音を出すモーグリ。ナイス、私。
さて、阿呆を鉄拳制裁して黙らせた事だし、その"連れ"とかいう進入者を確認しますかね。
掃除をしたのはソイツだろうから、場合によっては丁重にもてなさいとねぇ……。
なぜか腰の剣留めに付いてたニ連装の猟銃モドキを持ち、ゆっくりと風見の向こうへ近付いて行く。
風見を越えた先の、オーク材で出来たベッドに誰か寝ている。不届き者め。侵入者の顔を確認する。その顔は!!
なんとなく次の話まで引っ張る表現がやってみたかった。
あまりの下手さに後悔はしているが、反省はしていない。
自我失ってる覚醒時のイメージを、ゲーム内のSS塗って下手だけど際限してみた。
だがいくら絵心が無いからといって、改変SSを張って良いのか悩んでいる。
あぁ、自分で思った通りの絵が描ければどんなに手っ取り早いか… orz
私はリードさん達を遠目で見る事はあっても、直接接触はまだしません。
眼の色とか目立ちすぎるので。 では、皆様おやすみなさいマセ。
122 :
既にその名前は使われています:2006/05/05(金) 03:57:39.85 ID:bkPn8dmo
オラお話なんて書けねえ
絵なら任せろ
世の中には棒人間というものがあってだな。
123 :
既にその名前は使われています:2006/05/05(金) 05:35:42.56 ID:vrsPwYrc
KWSK(詳しく頼む)
おはようございます。投下乙でございます。
>>103 ルーファスさんカッコいいなぁ。
漢らしいカッコよさだよぅ。いいなぁ。うらやましいなぁ。
>>105 怒られたぁ〜(;´д⊂)
読ませたくない、というのはわかってますよん。
悪の幹部はあまりに深く考えすぎて、墓穴を掘る・・・というのがお約束かなとw
>>115 吹いたwwww
でもリアルライフルは豆鉄砲扱いにしないとバランスやばいよねw
125 :
既にその名前は使われています:2006/05/05(金) 06:05:45.06 ID:bkPn8dmo
あれかな
アメリカ海軍で船まかされてるひととかがいくときはやっぱ
軍艦持ってくのかな
クルー弾薬込みで
>>121 ミスラって異種族間でも・・・デキちゃうんですか・・・!!!!??
セルビナでイッチ発情しんせうぇbkbvvsrふじこcbcbじゅw!!!!
>>125 そうだとすごいですね。
でもゴジラ・・・じゃなくてドラゴンには結局勝てなさそうですねw
米海軍の艦長さんよりも、その息子さんがFFやってる可能性は高いですが。
127 :
既にその名前は使われています:2006/05/05(金) 07:52:37.07 ID:vrsPwYrc
いや、リード視点だとPの態度はすっごく怪しくなるんだなとワクワクしてるということで怒ってるわけでは(汗
ちなみにマジレスするとアルタナの御子たち(人間5種族)は混血というか交配(セックr)は可能です。
子供も問題なくできるにはできるのですが・・。
ただ、必ず母親の種族の「女の子」が産まれるそうです。
(おそらく男性側の遺伝子は遺伝に影響しないのだろうと)
ミスラだとミスラ男性とヤラない限り男のミスラは生まれないだけで、
子供作るだけなら多種族とも作るようです。
ガルカだと結婚してもガルカの子供を作ることはできないということですね。
彼らは転生によって子供に戻る(?)ので。
128 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/05(金) 08:46:03.39 ID:9r9rCUs0
おはようございます
保守です
>>26 ここまで見事なリンクと戦闘は見ててwktkする!
>>43 ちょっwwwスルメつよすぐるwwww
そしてやはりモーグリはINT低いですねw
>>52 了解しました
LSの名前が問題ですねぇ
>>60 なー!www
詳細、キボリーヌ!
129 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/05(金) 08:46:25.57 ID:9r9rCUs0
>>69 “炎の壁”テラカコヨス(*´Д`*)
>>103 凄いリンク戦闘ktkr!
言われてみればイッチはどこへ行ったんでしょか?
>>115 ちょっwwwwwwwレミントンそれショットガンwwwwwwwwwたしかwwwwwwwww
>>121 セックrktkrwww
前スレおちてたーw
レップさんおはようございます。
うたたねしておりました。くぅすぅ・・・。
前スレですね。しばしお待ちを。
久々(実に1スレ振りという情けなさ)の投稿まいります・・・。
初出:2スレ目の83
PC(仮)名:Rain(レイン) / 中の人:名前欄
種族フェイス: ミスラF6
ジョブ&Lv: モンク13 サポナシ
特記事項: メインとは別鯖のキャラ
活動エリア: ウィンダス
あらすじ:ウィンダスで情報収集中、Mioと会って情報交換。
手の院でアプルル院長と会う約束を取り付け、外にて準備運動。
漁師ゴブと仲良くなった後、風呂場で覗き見タル♂を倒し、手の院へ向かう・・・
他キャラとの接触:Mio
「おや、キミは」
手の院前のT字路で、前方から歩いてきたタルタルに声をかけられた。
よくよく見ると、昼間工房で話をした技術者のタルタルだ。
「あぁ、院長ならもう戻られているよ。
院長に頼まれた事があるから、先に失礼。少し待ってもらえるかな?」
昼間の礼をしようと口を開きかけたが、言う前に彼は、そう言って手の院に入っていった。
しばらく院の外の壁に寄りかかり、通りを往来する冒険者の姿を眺める。
表情に注意していると、少しだけわかった事がある。
殆どの冒険者の表情は、貼り付けられたように表情の変化は無い。
だが、何人かの冒険者の顔には、紛れも無い感情が見て取れる。
推測でしかないが、前者はログイン中のPC。後者はログアウト中のキャラクターだろう。
そう考えると、感情の有無だけで見極める・・・というのは、どうにも無理がありそうだ。
話しかければ別かもしれないが、どう話を切り出せば良いのかわからない。
そもそも推測でしかないのだから、間違えていたら変人確定の憂き目に遭う。
頭を悩ませていると、自分の右手で、院の内側から扉が開かれた。
扉から出てきたのは、技術者のタルタルだ。
「僕の用事は終わりました。どうぞ、院長が中でお待ちだよ」
そう言って一礼。自分もつられて一礼。彼は自分の前を横切り、左手の工房へ入っていった。
それを確認した後、右手の――昼間ミオが蹴り開けた――扉に手をかける。
緊張をほぐすよう、大きく息をついてから扉を開けた。
『失礼します』
一声かけてから中に入る。こんな礼儀が必要かどうかさておき。
中に入ると、学士帽風のフードをかぶったタルタルが、部屋の中央に立っていた。
「お待たせしました。話はコプロポプロから聞いてるわ」
自分の姿を見て、そのタルタルが言った。彼女がアプルル院長だろう。
コプロポプロというのは、技術者のタルタルの名前か。すっかり忘れていた。
「ここでは人の目もありますし、奥に行きましょう」
そう言ってふわり・・・と微笑み、彼女は奥の扉へと進んで行く。
言われて気付くが、カーディアンに言葉を教えている、何人かのタルタルの姿がある。
これからする話の内容を考えれば、当然聞かれないほうが良いだろう。
彼女は扉を開けて、自分が部屋へ入るのを待っているようだ。
あまり待たせるのも悪い。少し早足で奥の部屋へと入った。
部屋には、大き目の机と椅子がいくつか。机の上には書類や書物が散乱しているが、人の姿は見えない。
事務所、といった感じだろうか。奥にも、いくつかの扉がある。
その中の扉の一つへ、彼女は進んでいく。慌てて自分も追いかける。どうやら、ここで話をする訳じゃなさそうだ。
「こちらにどうぞ」
かちゃり――と、扉にかかっていた鍵を開け、彼女と共に部屋へと入る。
採光用の窓から漏れる茜色の光に照らされ、部屋の中がおぼろげに見渡せる。
あまり広くない部屋に、小さな机と椅子。それに簡素なベッド。壁には書物が詰め込まれた本棚。
「本当は倉庫なのだけど、今は私室として使ってます。
院の仕事で、自宅に帰れない事も多いので・・・」
ランプに火を灯しながら、彼女が説明する。
か細い灯りが、徐々に大きくなって部屋を照らす。
「すみませんが、部屋の隅にある椅子を、机の傍に。座っていてください」
言われて木の椅子を取りに行き、机を挟むように置いて座る。机はタルタルサイズなので小さめだ。
彼女は机の上に置かれていたポットを手に取り、カップへ注いでいる。
一つが自分の前へ置かれる。立ち上ったお茶の香りが、鼻腔をくすぐる。緑茶っぽい、かな。
『ありがとうございます・・・』
気配りが効き、尚且つ自分のような冒険者にも飾らない。
モニター越しで見ていた限りでは、彼女がこういう一面を持っているとは思っていなかった。
・・・なんていうか、ブラコンだと思っていた。恐縮するしか無い。
対面の椅子に座り、彼女が言う。
「自己紹介・・・は必要無いかな? 一度、水の区でお話ししたね。
あの時は、おにいちゃんが失礼な事を・・・。今度会ったら、キツく言っておくね」
言われて思い出す。このキャラ作った時、確かオープニングイベントがあったと思う。
『ここはタルタルで、私はウィンダス・・・ですね?』
そう言って笑う。
彼女も、それを聞いてクスクス笑っている。
兄――アジドマルジドの話をするとき、彼女の口調が幼いものになる。
それともこちらが素なのか。親しみがあって、こちらのほうが自分も話しやすいのだが。
「そういえば、あの時はあなたのお名前聞いて無かったわね。
ええと、レインさん・・・で良かったかしら? ウィンダスにはもう慣れました?」
『あ、はい。もう地図無しでも迷わない程度には』
言って、目の前に置かれたお茶をすする。少し妙な苦味がしたが・・・気のせいだろう。
「そう、よかった。それじゃあ・・・話を始めましょうか」
カップを置き、小さく頷く。サックから紙束と羽根ペンを取り出そう。
「あ、その前に」
言われて手が止まる。なんだろうか。
「もう、記者さんの真似はしなくて良いわよ?」
oh、バレテーラ。
『・・・いつ気付かれたんですか』
「院に戻ってすぐ、コプロポプロから貴方の話を聞きました。
内容が内容だけに一応、魔法新聞社へ使いをお願いしたんですよ。
新聞社でそのような冒険者を雇った覚えはない、との返事だったようですね」
さっき外で会った時に伝えたのだろう。まさか、裏を取っているとは思わなかった。
「普通の冒険者の方が探るような内容では無いですし、
となると、あなたも異邦者の一人・・・と考えましたが、どうかしら?」
折を見て打ち明けるつもりだったが、そこまで考えが及んでいるのなら、隠す必要も無いだろう。
『えっと・・・その通りです、はい』
言って、自分がこの世界に紛れ込んだ経緯を説明する。
同じことを説明するのは何度目になるか・・・慣れたものだ。
『――っと。まあ、そういう訳で、元の世界に戻る方法を探しています。
手の院に伺ったのは、カーディアンの製作に、何か似たような話があったな・・・と』
話の間、彼女は小さく頷きながら、真剣に話を聞いてくれた。
自分の話に至らないところがあった時は、納得の行くまで質問攻めにされたが。
「そこまでご存知だなんて、元はそれなりに名を馳せた冒険者の方だったようね」
『んー・・・まあ。この体では無いですけど』
名声を上げていれば有利な面もあるし、人並みにクエストをやってあった事は幸いだった。
惜しむらくは、それがこのキャラではない事だが。
その辺りの事にも興味を惹かれたようで、事細かに説明をする羽目になった。
「なるほど・・・。あなたは何人もの体をその都度、状況に応じて使いまわしていたと、そういうことね?」
『何だか含みのある言い方ですが、概ね間違いは無いです』
これ以上、巧く説明できる自信は無いので、とりあえず肯定しておく。
殆どのキャラは倉庫だが、別段珍しい事ではないだろう。大抵の人は、自分と似たような運用をしている筈だ。
いや、普通の人は倉庫を育てたりはしないか。
倉庫とはいえ、冒険者に変わりないというのが、自分の持論だ。
話が逸れた。そこは大事な事じゃない。いや、大事か・・・この際どちらでも良い。
『すみません。そろそろ・・・そちらの話を伺いたいのですが』
「あ、ごめんなさいね。貴方の話に興味は尽きないのだけど、今はこちらの話が先ね」
そのつもりでここに来たのだから、そうしてくれると有難い。昼間動き詰めだったからか、少し眠い。
口には出さず、話を促すように首肯する。
「聞きたいのは、カーディアンと異邦者の相似点・・・でいいのかしら。
確かに、カーディアンの意思というのは、私たちが作り出した物ではないわ。
天から降りてきた限りある命・・・それは、私たちと一緒ね。
その命を、私たちが形あるものに封じ込める・・・」
そこまで言って区切るように、一つ小さく息を吸って、続けた。
「そういう意味では、あなた方・・・異邦者と似ていると言えるわね。
でも、違う点もあるの。特に大きく異なるのは、カーディアンは無に有を込める。
それに対して、異邦者の・・・元となる体には、あなた方が入り込む前の意識がある事かしら」
『えっと・・・それはつまり、有に有を込められている、という事ですか』
「そう。それが、どういう意味かはわかる?」
現実では考えにくい事だが、多重人格というものを信じるのならば、そういう意味になるだろう。
つまり、自分の中にも元の体――Rainの意識がどこかに存在しているということか。
『一応は、わかるんですが・・・その意識というのは、ずっと眠っているでしょうか。
それとも、他の・・・例えば現実の、自分の体に移っている、という事はあるのでしょうか』
少なくとも自分に関しては、今まで別の意識が存在していると感じた事は無かった。
それを考えると、Rainの意識はここに在らず、現実世界の自分に入り込んでいると思ったのだが。
「恐らく眠っている、のだと思います。少なくとも、あなた方の言う現実に関しては、
我々が知る術がありませんので、断言はできかねます。 ですが、今までの報告例を考えるに、
元の意識が現実に移っている可能性は、無いに等しいと言えるでしょう」
報告とやらの話を詳しく聞きたいのだが・・・瞼が重い・・・。疲れからくる眠気ではないような・・・。
視線をカップに落とし、彼女は言う。
「カーディアンに同じことをしようとすると、最悪、どちらかの意識――命が消えます。
少なくとも、両方の意識が同時に存在するということは、今まで例がありません。
その点についても、カーディアンと異邦者の違い、かしらね」
顔を上げ、自分と目が合うとにこり、と笑う。
その表情は先程までとは違う、研究者としての顔に見えた。
「そうそう、言い忘れてた事が一つあるわ」
『・・・言い忘れていた・・・コト・・・?』
今にも眠りそうな意識を押し留め、なんとか口を開く。
「これは憶測ですが・・・私たちがカーディアンに意思を吹き込むように、
あなた方冒険者に、異邦者の意識を込めた人物が居ると思うわ。それが・・・は・・・・・・」
机に伏すRainを、アプルルは細めた眼で眺めながら言う。
「ごめんなさいね・・・でも、これもあなたの為なの。
あなた方は普通の冒険者とは違う。一度死んだらそれまで・・・」
小さな口から言葉が溢れる。だが、それを聞くべき相手は身じろぎ一つしない。
死んでいる訳では無い。それは、時折漏れる寝息からも明らかだ。
アプルルが懐から小瓶を取り出す。ランプのか細い灯りに照らされたそれには蓋も、中身も無い。
小瓶の中身は、彼女が淹れたティーポットの中に溶け込んでいる。
椅子から降り、眠るRainの横へと進み出て、優しく頭を撫でる。
手が触れた白髪の一房が、赤茶けた色に変色していた。
「どうやら成功みたいね。よかった、失敗してたらどうしようかと思ったわ」
パンパン!と二度、手を叩いて何かを合図。程無くして、一体のカーディアンが部屋へと現れた。
アプルルは、Rainの腰から冒険者証明書を取り出して何かを確認している。
何度か頷いた後、それをそっと元に戻した。そして、後ろに立つカーディアンに命令する。
「この方を、モグハウスの部屋に送り届けて。部屋は○○○号よ」
「ハイ☆ワカリマシタ☆」
Rainを抱え、カーディアンが部屋から退出する。
扉が閉まるのを確認した後、アプルルは胸の前で、小さく印を組む。
それは手で三角形を模した、ウィンダス式の敬礼。そして、小さく祈りを紡ぐ。
「あの方に・・・いえ。異邦者の方々に、星々の加護がありますように・・・・・・」
投下完了。ようやく長かった一日が終わりました(ノー`)
もう暫く、ウィンダス(手の院)での活動が続きます。
・・・翌日、目の院に行く事になるんですが・・・禁書どうしようかしらw
>>141 投下乙です!
復活! おかえりなさい!
これからどうなってしまうのか楽しみです。
私はロックを伴い、ジュノ領事館へと向かった。
「あれ? シャントット博士のトコじゃないの?」
「一緒に行く人と、待ち合わせをしていてね」
「ふ〜ん」
カノジョ? と聞きたいのを我慢している様子の彼に、微笑みで沈黙を命じる。
まだ待ち合わせには、半刻の余裕があるというのに。
メイミィは先に来ていた。
腰を下ろし、うたたねをしている。
私はロックと顔を見合わせ、人差し指を口の前に立てた。
ロックもニパッと笑い、同じポーズをする。
ゆっくりと二人で近づいたが、メイミィが目を覚ます気配はない。
彼女は羅刹作務衣を身にまとい、二刀を差した忍者の姿だが・・・。
うたたねは、猛虎のごとし肉食獣の余裕―――ではなかった。
ただ本当に素人で、無防備で、疲れて眠っているらしい。
私はガンビスンを脱いだ。
静かに、起こさないように、眠る彼女に上着をかけた。
私とロックは、メイミィの両隣に腰を下ろした。
明るい日差しに照らされて、朝のさわやかな空気が次第に熱を帯びていく。
堀を挟んでそびえ立つ大樹と天の塔を見上げ、通り過ぎていく人々を眺めた。
ただぼんやりと、ゆっくりと、時間が過ぎていく。
シャントット博士のもとへ行くのは、明日でもかまわないのではないだろうか・・・。
「・・・にゃむ・・・?」
どのくらい経っただろう。日はすでに中天に差し掛かるほど高い。
メイミィが、ようやく目を覚ました。
まだ覚醒しきっていないようで、視点がはっきりしていない。
「おはようございます」
「おはよータルぅ〜!」
彼女はステレオで声をかけられ、首を何度も左右に往復させた。
静謐の森のごとき微笑みと、お日様のように輝く笑顔。
「・・・にゃ? あっ・・・え? ええええええええええ!!!????」
というわけで、185様のご希望を待たずに、待ち合わせのシーンを再現してみました。
相当エゴイスティックではありますが・・・ ^^;
レミントンは会社の名前であって、銃の形状とは関係ないっすよ(´・ω・`)ノ
設定とか云々を作品の外で語るのなんか気が引けてしまうので避けてたんですが、
少なくとももし自分の書くSSにリアルの銃が出てきたら、やたら強い予定です
それ以上にそれがバストゥークあたりに持ち込まれたら、今のアンバランスな技術が
全部底上げされて、やたら強い銃が競売に並ぶ気はしますw
そんな事より無防備なメイミィ萌え(ノ∀`)
>>92 スルメがいつの間にやらワカメにwwwwww
>>105 本当にスリーサイズが書いてあるとは思っていなかったので大丈夫ですよー。
ホントはどんな手紙だったのかwktk
ちなみにウチのモーグリはMekiが腹痛になったその日に既に禁書をウィンに隠しています。
管理者、NPC、来訪者、誰が禁書を見つけるかはみなさんのお話次第です。
>>147 つ手紙の内容
「この手紙を届けた者を殺せ。 ―――シド」
先に見ておくべきでしたねぇ。
149 :
185 ◆ajBPG2hnCs :2006/05/05(金) 13:15:44.67 ID:MhHgYw0n
>>リードさん
ぎゃー、すみません見てませんでした(つд⊂)
でもわたし自身早めに着くことを予定してたので良かったです。
メイミィ無防備すぎですねw
それだけウィンの陽気が気持ちよかったということでしょうか。
投下いきます〜。
ようやく追いついてきた…かも
世間話をした。いつ頃こちらに来たか、そのとき流行っていた音楽、
テレビドラマ、ゲーム、なんかの本当に他愛もない話。
リードが話しやすい雰囲気を作ってくれたおかげで、
すっかり打ち解けられたように思う。
その流れで、魔法の基本的な使い方も教わった。
大まかに分けて3パターンほどあるらしいが、わたしに一番合っていそうなのは
Tab変換の文字列を思い浮かべて念じる、というものだ。
他のふたつは呪文を詠唱すると使える方法で、練習がいらないぶん
楽そうではあったが、激しく交戦しながらでも上手く使えそうなのは
やはり詠唱なしで使える方だろうと思う。
(それに…リードさんもそう言ってくれたしね)
ただこれは魔法の使い方であって、忍術もこの方法で使えるかどうかは
わからないらしい。まぁ、恐らく大丈夫だろう。
わたしが懸念していた、赤い鎧や黒マントの奴らのことも聞いた。
「あなたは大丈夫だと、思います」
リードはそう言った。
襲われたらどうしよう、ととても不安だった気持ちが、その言葉ですっと無くなった。
どうしてだろう、何の根拠もない言葉なのにとても心強く感じる。
「よかった…。ありがとうございます」
わたしは、不安を消してくれたことに心からのお礼を言った。
「他にも、身近なところに危険はあるんですよ?」
先ほどまでの柔らかな表情が消え、真顔になるリード。
真剣な表情でまっすぐに見つめられ、どきっとする。
「あなたは美しい」
……え?
突然の言葉に、目を丸くした。
(美しい?今そう言った?わたしを?)
もちろんあの暗がりで顔が見えたわけではない、忍術の練習に必死だった
わたしを見て、真剣に何かに取り組んでいる姿を美しいと感じた、とリードは言う。
こんなに格好良い男性に褒められることに慣れているわけがない。
わたしの心臓は急速に鼓動を強めていた。
そしてリードは立ち上がり、ゆっくりとこちらへ歩を進めて来る。
「だから、私は見知らぬあなたに声をかけてしまった。そして、お話をして、確信しました」
ここまで言われて、まだ何を意味するかわからない、なんてかまととぶるつもりはない。
心臓はすでに壊れてしまうんじゃないかと思うほど激しく脈打っている。
「わたし…は…」
お尻が椅子に張り付いてしまったかのように、わたしは動かない。いや、動けない。
戸惑いと、困惑と、…期待。
「同じ来訪者というだけで、こんな夜更けに男の部屋に入るのは、危険だと思いませんか?」
(はい、思います…)
でも、その“危険”に身を任せてしまいたい自分は、確かに存在していた。
「メイミィ…」
「リード…さん…」
少しずつふたりの距離が縮まる。
もう少し、もう少しで触れ合ってしまいそう。
リードの整った、少し上気した顔が、わたしの視界を支配していく。
だが、突然リードはモーグリを呼び、体を離した。
そして扉を指差し、わたしから背を向ける。
「お客様のお帰りだ。モグハウスまで送って差し上げなさい」
え――どうして?
いきなりすぎる態度の変化に、思わず涙が滲んだ。
「帰れません…」
かすれた声を絞り出すが、リードは相変わらずこちらに背中を向けたままでいる。
胸が痛い。
「では、一つ約束をしましょう」
出し抜けに、リードが言う。
「明日、私は届け物の為にシャントット博士のところへお邪魔します」
そう言って振り返り、こちらに笑顔を向ける。
「待ち合わせて、それに御一緒していただけませんか?
もちろん、ご都合がよろしければ」
わたしにこれ以上惨めな思いをさせる気なんだろうか。
そう考えてしまいながらも、断ることは出来なかった。
また会う口実をなくしたくなかった。
今夜のことはどうあれ、また会うきっかけを作ってくれているのだから、と。
「さ、帰りましょうクポ」
モーグリに急かされ、棒のように固まった足を
なんとか動かして、リードのモグハウスを後にした。
リードの表情は、なんだか怖くて見られなかった。
帰り道、モーグリは何かと話しかけてくれていたが、ほとんど耳に入らなかった。
そうしてわたしの部屋の前に着くと、モーグリはデジョンして消えていった。
のろのろとモグハウスの扉を開ける。
「ご主人様、おかえりなさいクポ!遅いから心配してたクポ」
すぐにモグが出迎えてくれる。
「ただいま…」
「クポ…?元気ないクポね、耳も尻尾もしおれてるクポ。何かあったクポ?」
モグが心配そうに近寄ってくるが、きちんと返事をする気力もない。
「何でもない…。もう寝る」
言うと、ベッドに飛び込んで布団を頭までかぶった。
モグは何か言いたそうな様子だったが、特に追求してこなかった。
「じゃあ、モグも寝るクポ。ご主人様、おやすみなさいクポ」
気遣うように声をかけると、モグは自分用の小さなベッドに潜り込み
すぐに小さな寝息を立て始めた。
わたしも寝ようとしたが、頭がぐちゃぐちゃでどうしても眠れなかった。
156 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/05(金) 13:39:04.14 ID:Nq6dH/lW
>>62 【せっかくだけど遠慮します】
こう言っておいて調子に乗って外伝として詳しく書きそうな自分がこわひwメイミィかわいいよメイミィ
>>69 炎の壁もイイッ!あぁ・・ブモ一筋の心が揺らぐww
>>79 ガリッってww煮込み物の歯ごたえじゃないwwwww
>>96 そういえばイッチさんはいずこに・・・。
サンド編はどの人の作品も読みごたえがあって最高です。
私もモンクやろうかなwwwwwwwww
>>112 この赤い鎧はGMのキングに違いないwwwwwwwwwwwwww
大笑いさせていただきましたwwwwwwwwwwwww
>>120 モーグリ虐待反対っw ちゃんとパパとして責任とってあげましょうよw
その顔は、ボブとマイク・・・なんてことはないですよね?w
>>141 乙です〜。身包みはがされてポイッとかされなくて安心ですw
禁書どうなるんだろうw
>>149 うわぁ、ドキドキする感じが伝わってきていい感じです。寸止めするなリードwww
では、私も投下します
まずはみんなでアリア家でみんなのモーグリもつれて夕飯を食べる事となった。モーグリ達はモーグリ達で楽しげに
赤い鎧を着た男の死体が見つかったとか、なんとかっていう貴族のご子息が帰ってきたとか様々な噂話に花を咲かせていた。
お姉様・・・じゃなくて、アリアちゃんの作る料理は相変わらずどれもこれもおいしそうで匂いだけでも口の中が
涎だらけになってしまう。だけど・・・この人もモグタンみたいに何か一服盛ってたりしそうだな。
でもこの前は大丈夫だったし、いや、あれは私を油断させるための罠だったのかも。
・・・とりあえずみんなが口をつけるのを確認してから私もダルメルステーキに口をつけた。
大人数での夕飯はちょっとしたパーティーみたいな雰囲気だ。
今日あった事、昨日あった事、ずっと昔にあった事。今はもう笑い話だけれども
ゴブリン三匹に追い回されて左手を失いかけたとか、魚にケンカを売ったらまわりの魚が全部来たとか、
いかにもヴァナディールだなぁと思える話題もあれば、背が伸びないとか、
乳が育たないとか、彼氏が出来ないだとか年頃特有の悩み事だったりとか、
初めての相手から女の子だったとか、男は何人もつまんだけどやっぱり女の子、特にタル娘にかぎるとか
頭痛がしそうな話だったり・・・、もう書ききれないくらいたくさんの話が何時間も何時間も続いた。
流石に話題も出尽くした頃、ユファファがスッと右手を上げてこう叫んだ。
「さて、みんなっ!サンドリアと言ったら何かなっ?」
『銭湯〜!』
全員の声がはもる。やっぱり温泉はいいよねぇ・・・ウィンダスにもできないかな温泉。
大騒ぎ第二ラウンドは温泉で行われる事になり、一旦は解散。
各々レンタルハウスへと戻り入浴セットをとりに言った後、また銭湯前で集合することにした。
まず私が一番乗り、次にリポケケ、ユファファとおやじさんが一緒に来て最後にアリアちゃんがやってきた。
その頃にはすっかり周りも暗くなり澄んだ空にはプラネタリウムでしか見れないような見事な星空がきらめいていた。
おやじさんが『一人は寂しい、あぁ寂しいなぁ。』とグチグチいいながら男湯に入っていくのを見送った後、
私達は男湯の脱衣所を熱心に覗いているおかっぱ頭のタルタルにお金を渡して女湯へと入った。
「そういえばさ、ウィンダスの水浴び場の番台さんが女湯を覗いて捕まったらしいね〜。」
リポケケがその姿を見て思い出したかのように言った。あれ?でも・・・
「番台さんって全員女の人じゃなかった?」
「うん、女だったと思うけど?」
すっかり素に戻ってるユファファも私と同じ疑問を持ったらしい。
「そうなんだよね〜。女の人なのになんで捕まっちゃったんだろう〜?」
写真とかにして売りさばいてたとか?いや・・・そんなまさか・・・。
「実はオカマだったとかね。」
アリアさんが服を脱ぎながらにやりと笑う。うわ、肌白ッ!体引き締まりすぎ!
引っ込むところは引っ込んでるしお尻は色っぽいし、胸だって小ぶりだけど形はいいし・・・。
今から過去の私にエルヴァーン♀を選ぶように言ってやりたくなってくるくらいきれいだ。
冗談の内容よりも思わずそちらに目が行ってしまい、思わず脱衣シーンに見とれてしまう。
・・・さっき飽きるほど見る羽目になったのにね・・・はぁ。
「まっさか〜!」
「そんな女装なんてすぐばれるっての。ユリフィナもそう思うでしょ?」
ユファファのキラーパスにはっと我に返りあわててうんうんとうなづく。
「でも、どうせ捕まるなら牛乳の変わりにまっずい飲むヨーグルトをくれる番台さんがいいな。
あの人がくれるヨーグルトってネバッとして臭くて、あたし嫌いだったからちょっとよかったな〜。」
「私は家にかえってからゆっくり飲みますって言って捨てちゃった。すごい臭いだったし。」
番台さんがお風呂上りにいつもくれた体にいいからおいしくないという健康重視らしい飲むヨーグルトは
本当に酷いにおいがした上に妙にねばっこくて気味が悪かったので、私は結局一度も飲むことはなかった。
あれを飲むだなんてリポケケは相当のチャレンジャーだ・・・。
「うちの牛乳はおいしいセルビナ産ですよ!」
そんなことを話していると男湯を熱心に覗いていた番台さんが頬を膨らませながら訴えてきた。
湯上りだと、サンドリアの冷たい風もとても気持ちよかった。キンキンに冷えたセルビナミルクもとっても美味しい。
「ふぅ、いいお湯だった〜。」
「アリアが一緒じゃなければもっといい湯だったんだけどね。」
ユファファが鋭いつり目をさらにつりあげて、オヤジさんの前だというのに猫をかぶるのも忘れて露骨に嫌そうにこういい捨てた。
温泉で彼女はアリアちゃんに胸をもまれ抱きしめられ頬ずりされ・・・うん、まぁ他にも色々されていたわけなの。・・・もちろん私とリポケケも。
「ひどーい!ただのスキンシップじゃない!」
『セクハラ!!』
私達三人が声をハモらせて訴える。あれをスキンシップというのであったら世界中からセクハラとか痴漢という
類の言葉が消えうせるだろう。セクハラといえばずいぶんといやらしい目でいろんな人の体を嘗め回すように
ニヤニヤとみているミスラさんがいたなぁ。あの人もアリアちゃんみたいな趣味の人なのかしら?
それとも中身が男の来訪者の方?・・・まさか、ね。
「はっはっは、そちらは随分と楽しかったみたいだね。」
おやじさんが愉快そうに笑う。当事者にとってみれば全然愉快じゃないんだけどね・・・。
他のお客さんにまで手を出そうとして逃げられてたし。番台さんにはうるさいって怒られるし。私たちまで・・・。
「女女女でさいっこうだったわ〜。」
うっとりとこんな事を言うアリアちゃんにはあえてつっこむまい。私、リポケケ、ユファファは三人同時に深い深い
ため息をついた。
「それじゃ、私とおやじさんはこっち方面だから。またねっ!」
「あ、私はこっち〜。また明日ね〜!」
「うん、また明日ね。」
私はいつの間にか手を握り合っているオヤジさんとユファファ、そしてリポケケに手を振りながら、
仲よさそうにつながっているユファファとおやじさんの二人の手を見つめていた。
はぁ・・・私、シャールカーンさんとお姫様抱っことかキスとかはしたけれど手はつないでないんだよね。
少し彼のことを思い出すだけでも私の肩や頭に置かれた大きくて温かい彼の手の感触が、まるで今もそこにあるかのように思い出される。
突然ポンと私の頭の上に手が置かれた。もちろん、彼の手ではない。見上げるとニコニコしているアリアちゃんがそこにはいた。
「あの二人がうらやましい?」
「ちょっぴり。」
私もシャールカーンさんとあんなふうに手をつないで町を歩きたかった。もっといっぱい話したかった。
ずっと一緒にいたかった!なのにっ!!なのにっ!!!
「ちょ、ちょっと!どうしたのよユリフィナちゃん!」
「え?」
あ・・・ちょっと目頭が熱いなとは思ったけれど・・・。私、ダメダメすぎる。また泣いてるよ・・・。
「え、あ!その、ゴミが。・・・あは。」
ちょっぴり恥ずかしそうに私は笑ってアリアちゃんからプイと視線を外して星空を見上げてつぶやいた。
ため息が出てしまいそうなほど綺麗な夜空。あの人も今、同じ空を見上げているのかしら。自然とふぅとため息が出る。
「本当に綺麗な星空ね。」
「あなたの方が綺麗よ。」
アリアちゃんが私の頭をなでながらこう言った。そのキザな口ぶりがなんだかシャールカーンさんそっくりだった。
「エルヴァーンの方ってそういうセリフ大好きなのかな?」
「そうね、ロマンチストが多いから。」
アリアちゃんも私につられて星空を眺め始めた。
以上です。うわーー!途中でしっぽの部分が切れたあああ!!
それではお昼寝でもして皆様の投下をわっふるしております
リアル柏餅で酒をいただいてきた161が来ましたよ。
酔っぱらってログインなんかできるかぁ〜! ヽ(`д´)ノ
>>149 うわー! すいませんすいませんすいmゲフッ
女性視点からだと、リードって余裕のエゴイストで酷薄な男ですよね・・・。
>>165 そうそう、エルヴァーンはみんなロマンチシストなんです!
しかもカッコいいんです! orz
では合言葉を。
メイリィかわいいよメイリィ
スレスピードが速い時、雑談用のスレが欲しいのは私だけ?(´・ω・`)
ダラダラと書く癖のある俺には、なかなか個人毎にレスできなくて毎日悶えてます…orz
>>156 少しでもいいのでブモを構ってくださるとありがたいです。
ブモも喜ぶと思いますので(*´ω`*)
他の皆さん、GWも半ば過ぎました!わっふるわっふるですぞっ!
皆様投下お疲れ様です!
ボブ&マイクわろすwww
ヒロさんとLoufasさんには感謝することしきりです…
>>148 【えっ!?】69さんがピンチに!Σ( ̄□ ̄;
外出まえに取り急ぎ投下します。これをラストにまた道が分かれるかも…そうでないかも…
「うーんむにゃむにゃ、もう食べられないにゃ〜」
目を覚ましたら小一時間問いつめてやらねば…と思っていた僕の決意は、
ヒロさんのそんな第一声でくじかれてしまったのでした。
代わりにすかさずルーファス殿の鉄拳が落ちる。
反射的に頭を押さえようとしたようですが、自由が利かず戸惑う素振り。さもありなん。
「心臓が傷付くほどの怪我をしたのよ、しばらく後遺症が残るわ。
…本当に、連続魔とレイズの使える赤魔道士が居合わせた幸運に感謝しなさい」
「連続魔は先日使ったばかりだったんですが、どうにかリキャストが間に合ってよかった」
言いたいことの半分はラディールさんが代弁してくれた。
実のところ、「彼女」の連続魔は全然間に合ってなかったわけですが。
普通のプロセスを踏んで、普通に精神が統合されていたらと思うとぞっとします、ホント。
「もう少しで内臓の再結合が済んで衰弱が解けます。
もうしばらくそのまま我慢してください。左腕はリハビリをしながらゆっくり治しましょう」
言いながら彼の胸の傷を確かめる。どうやら痕は残さずに癒せた…かな?
不安げに胸元を見下ろしていたので、心配ないと笑いかけてみせたら、
何故か顔を逸らされてしまった。なんでですか。
「ったく、心配かけやがって」
ヒロさんの隣にルーファス殿が座り込んでくる。
口調こそ乱暴だけど、同じ所からやってきた者の事は気に掛けずにおれないものなんでしょうね。
「あいつは、どうなった?」
「下で死んでる」
「剣は?」
「ほら、そこに刺さってる」
む…手放してたのですね。てっきり一緒に落ちていったものとばかり。
奴らが今、どこまでこの世界をいじり回せるようになっているのか、推し量るいい手がかりになりそうです。
「そっちじゃなくて、空から降ってきて赤い奴に刺し殺した方だが」
「はぁ? あいつは滑落死。何ならみてみろ、剣なんかどこにもない」
はて、もう一本の剣、ねぇ? 先程の戦いを振り返ってみても、そんな物はなかったような…?
尋ねたヒロさんも、ばっさりと否定されて自身なさげに考え込んでいる。
死ぬ死なないの瀬戸際で、幻のようなものでも見たのでしょうか。
「なあ、煙草持ってないか?」
話題をうち切るように、ルーファス殿がそう切り出す。
ややあって小さな箱から取り出されたのは、僕の予想を裏切り、
白くて細くかわいらしいサイズの棒状の物体。
へぇー、「リアル」の煙草ってこんなのなんですね〜…紙煙草って呼ぶんですか。
他愛のない話で盛り上がると、混ざれない僕としてはちょっと寂しい。煙草吸わないし。
うーん、今からでもたたき起こして来ますかね。「彼女」も煙草吸わないですが。
そのうち火がないだのなんだのとお互いをつつき合い出したので、僕は口の中でそっと言霊を紡いだ。
"我が手に宿れ、ファルブブの灯火"
掌に小さな炎を灯し、二人の前に差し出す。エンファイアの応用である。
そのままなんとなく名乗り合う。
そういえば、こちらはあの子が例の文書に触れていたお陰で二人の事が分かったけれど、
先にこちらへ落ちてきていた二人には、お互いの事も分からないようでした。
ときにヒロさん、その名前だとtellが通らなくて困るのでは?
まあ、ここで突っ込むのも野暮かな、そう思いながら城壁に突き刺さったままの剣を見つめた。
どうやって持って帰りますかね、あれ。
地上からがやがやと声が聞こえてくる。
「わるい、俺たちはそろそろいくわ。後で居住区のシュヴィヤール家を訪ねてくれ」
ルーファス殿が慌てたように立ち上がり、ラディールさんに目で合図を送る。
シュヴィヤール家。けっこうな名家じゃないですか。
「ちょっと!いくらなんでもそんな…」
「城壁の上を進んで行きゃ居住区の外壁沿いに出られる。見つかるよかマシだろ?」
なんか騎士団とカチ遭うと都合でも悪いんでしょうか?
「んじゃぁな」
僕とヒロさんにニヤリと笑ってみせると、彼らは城壁を伝い去っていった。
後に残された僕たちは顔を見合わせる。
「立てますか?」
「…ん、そろそろかな」
言いながら立ち上がろうとして顔をしかめたので、慌ててケアルIVの言霊を紡ぐ。
ミスラの体力なら二度ほど重ねれば大丈夫でしょう。
「もうちょっと座って、魔力も戻しておくといいかもですね」
淡い紫の光に包まれた彼をよそに、城壁に突き立ったままの紅い剣を引き抜く。
軽く手すりに向けて、振り下ろしてみた。
キィン! と甲高い音を立てて、剣は見事に弾き返された。
刃こぼれこそないものの、いつでもあの切れ味を発揮できるというわけではない模様。…ふと、思いついた。
「ヒロさん、ちょっといいですか」
刃を地面に向けて、座ったままの彼に柄を握ってもらい、そのまま手を放してみた。
スカンッ、っと気の抜けた音を立てて、刀身が半ばまで床にめり込む。なるほど。
そういう潜在能力ってわけですね。現世の人間には真の力を引き出せない剣――「ちょwwwwwおまwwwwww」
「なんですか?」
「放すなら放すって言えよ! 足まで切れるとこだったっつーの!」
「ああ、すいません」
ちょっと涙目になってる。何か彼のよくない琴線に触れてしまったのでしょうか。
「この調子じゃちょっとキミの鞄には仕舞えませんね。
騎士団で調べたいって言うかもですし、僕が預かって、届けておきます」
何か言いたそうだったが、奴らに繋がる手がかりを手放したくないのがこちらの本音。
ついでに言うと、騎士団に渡すつもりもなかったり。
エンパワーマントを鞄から引っ張り出し、刀身にくるくる巻き付け、鞄に仕舞う。
「奴について何か聞かれたら、『正体は分からない・いきなり襲われた・正当防衛でした』で。
無用な面倒は背負い込まないに限りますよね」
そのまま背を向けて、階段を降りようとしたところで、彼も慌てて立ち上がったようだった。
あー…ちょっと眠くなってきた…でも我慢我慢。
あの子に主導権を返す前に、やることはきっちりやっておかないと。
ここまでです。
「僕」は「私」とは異なる目的のために動きます。むしろ「私」を利用する気まんまんです。
他の皆様の展開も楽しみ楽しみ、わっふるわっふる〜
投下乙です!
わっふるわっふるです!
サンドリアに行きたーいw ルーファスさんにボコられたーい(危
ちょこっと書いたので投下です。
185さんに追いつかれそうw
「あの、息子さん・・・、ですか?」
なんとか持ち直したかに見えたメイリィが、問う。
きっと彼女は、まだ混乱しているのだろう。
すまない。
私は笑いをこらえるのに必死だ。
「おねーさん、あのね、僕ねぇ」
ロックが助け舟を出すが・・・。
「ナジさんがメキさんにスルメ食わせてお腹壊させちゃったから、お薬取りにきたの」
「?????」
「彼、は、ロック君。はるばるバストゥークから、冒険者、のクエ、ストをしに・・・」
「・・・・・・その、見てました?」
とある事実に気づいて、上目遣いで泣きそうな表情になるメイリィ。
「おねーさん、よだれ垂れてたよ〜」
「〜〜〜〜〜〜!!!!!」
あぁ、ダメだ。可愛いすぎる。
もう耐えられそうにない。
神よ許したまえ。
通行人が思わず足を止めるほど、私とロックは笑い転げてしまった。
その後の、あれやこれやは省こう。
私も悪ふざけが過ぎた。
よだれで濡れたガンビスンも、元は天の塔から無断で徴用した物だ。
とにもかくにも。
メイリィに対する好感度は上がりはしても、決して下がる事はなかったとだけ言っておこう。
日も高く昇った、昼近く。
私とロック、そしてメイリィの三人は、シャントット博士の邸宅を訪れた。
私は、“連邦の黒い悪魔(ロック談)”との面識はない。
様々な噂や武勇伝を伝え聞いてはいるが、やはり初対面というのは緊張する。
実のところ、高笑いも、「呪い殺しますわよ!」の名言(?)も、聞いたことがないのだ。
来訪者をサポートしているという情報はあるが、特に標的となる行動を起こしたわけではない。
第一、フェイトで手に負える相手ではない。その場合はそれで、別の方法があるのだが―――。
「こんにちは〜!」
「失礼」
「お邪魔します・・・」
屋敷の中を通され、三者三様の挨拶で博士の部屋に入った私たち。
そこに立っていたのは、まぎれもなく、シャントット博士だった。
シャントット博士。
キトロン色の髪とつぶらな瞳。
冒険者でその名を知らぬ者のない、大魔道士。
口の院、先代院長。
黒魔道士のローブをまとい、底知れぬ知識と魔力を秘めた可憐な御姿。
貴婦人の上品さと、少女のような無邪気さが同居する、永遠の淑女。
―――黙っているならば。
「オーッホホホホホホ!」
高飛車な笑い声が響いた。
「石と鉄だらけの殺風景な国から、よくも遥々いらしたこと」
そう言って、ロックが差し出した手紙を受け取る。
この封ロウはシドからね、とひとりごち、博士は三人のことはお構いなしに読み始めた。
後ろに下がっていた私とメイミィは、どうしたものかと顔を見合わせた。
どうしてわたしはここにいるんだろう・・・、と所在なげなメイミィ。
なるようになるさ、と私は肩をすくめてみせた。
「事情はわかりましたわ。ロック、長旅ご苦労様」
手紙を読み終わったシャントット博士は、それをランプの火にくべた。
メラメラと、あっという間に炭になる羊皮紙。
「あとは薬を持ち帰りなさいな。処方箋を書いて差し上げてよ」
手元のテーブルに置かれたペンを手に、サラサラと何かを書き留める博士。
メキに必要な薬は、おそらく薬剤のみならず魔法的な素材も必要なのだろう。
「ありがと〜! オバ・・・」
「呪い殺しましてよ!!!?」
私は名セリフを初めて聞いた。
ちょっと感動した。
いやメイミィ、(たぶん)本当に呪うわけじゃないから。怯えないで。
「ところで、そこのアナタ!」
ビシッ! と小さな指で私のことを差すシャントット。
「これだけ隙を見せて差し上げているのに、待ちぼうけとはいい度胸ですわね!」
「・・・どういうことかな?」
私は微笑した。目で彼我の距離を測る。
前へ跳ぶか。それとも後ろに跳ぶか。
「アナタがわたくしを暗殺しにきた刺客ということは、先刻承知ですのよ!」
「アルテドール候に最後まで付き従った英雄が、堕ちたものですわね!」
激昂した口調で、シャントットがまくし立てる。
「エルディーム古墳で死に損なって、いまさらタブナジア壊滅の復讐ですの!?」
ロックとメイミィが、ハッとした表情で私を見る。
私は無言を通した。
身体の力を抜く。狩猟肉食獣の、力の溜め方に似ているかもしれない。
「たった今、シドからの手紙で確信しましたわ! わたくしのみならず、神子様までを・・・ッ!!」
シャントットが右手を振り上げた。
その動きに合わせ、同時に前へ跳ね飛ん―――。
脚が、身体が、動かない。
「わたくしの、超! 絶! 試作型破壊魔法で! 光の粒にまで消滅させて差し上げますわ!」
シャントットが、今まで聞いたことのない呪文を詠唱し始めた。
抗いがたい巨大な圧力を以って、周囲に構築されていく魔力のイメージ。
逃げることも、間合いを詰めることもできず、離れた相手に詠唱を中断させる手段もない。
詠唱にどれだけ時間を費やされるのか判らない。
しかし、このままでは―――。
※省略されました。
続きを読みたい場合は「メイミィかわいいよメイミィ」と書き込んでください。
183 :
既にその名前は使われています:2006/05/05(金) 16:44:08.23 ID:1D6kytsc
落ちそう^^;
184 :
既にその名前は使われています:2006/05/05(金) 16:55:44.66 ID:vrsPwYrc
メイミィ可愛いよメイミィ
・・・ロックを石の区に生かせるためのギミックだった手紙が、
いつの間にか重要な複線になってた不具合。
こうやって人に自分のキャラ任せるのは不思議な気分ですが楽しいですなー。
無邪気に見えてかなり怪しい奴(ロック)と素でボケてて可愛いメイミィとの対比が光ります。
185様、申し訳ありません。
私のSSでメイリィ、とお名前を間違えているところが各所に・・・。
正しくはメイミィさんですよね。まとめでは修正をば。
m(_ _)m
186 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/05(金) 17:08:14.82 ID:vrsPwYrc
そういえば自分は長いことまとめサイト様で修正ができないんだけど、
自分のトリップが漢字だからかな?まぁ気長にやるとして。
サンドリア編番外編は・・・一連の投下終わったら上げついでにやってきます。
ハルヴァーかっこいいよハルヴァー。
消えた「倉庫」の女性とハルヴァーの出会いを書きますです。
69様、私の投下はひとまず終わっております。
続きを読みたい場(ry
ウヴォルァ!!! ハルヴァー!!!!
188 :
外伝。その羽。天高く。 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/05(金) 17:38:27.44 ID:vrsPwYrc
へぃwじゃ書きますです。
********************************************
彼女は目を覚ました。このまま死んでいたほうが彼女には幸せだったのかも知れない。
「ここは。どこだ?」
そこは暗い夜の森の中だった。どこか遠くから羊(?)の鳴き声がする。
よくわからない生物の鳴き声が響き・・・。
「なんでこんな暗いのに・・・回りが見えるんだよ?俺視力悪いはずなのに」
原因ははっきりしている。夜の森の葉の間から漏れる無数の星の光。
だが、彼女は星など見分ける視力を持っていなかったことを思い出した。
「・・・こんなに星、きれいだったか?てかメガネ・・・うん?オリオン座・・・どこだ?」
恐ろしいほど無数の星に包まれてか、彼女の知る星はまったくわからない。
彼女は冷たい岩に両の手を預け、呆然と星にみいっていた。
「きれいだな・・・そういえば星、最近見てなかったな」
いつも深夜に家に帰るのに、いつも下ばかり見ていたんだろうか。
天がこんなに綺麗だと今まで気がつかなかったんだろうか。
「夢・・・にしちゃ不思議な夢だよな・・・メガネなしで星が見える夢ってなんだよ」
そういって彼女は美しい夜空を眺めていた。こういう夢も悪くはない。
・・・「これ」が目が覚めない夢と気付くまでは、少し時間がかかる。
189 :
外伝。その羽。天高く。 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/05(金) 17:47:11.34 ID:vrsPwYrc
唐突に。そう唐突にだ。「岩」が動いた。
「ひっ!」彼女は目を見開いた。
胴体の中央から塔のような器官が生え、其処から四本の足が生え、
巨大な上顎を持つカブトムシ(?)のような生物に彼女は身を預けていたのだ。
「きゃーーーーーーーーーーーーーー!!」彼女は叫んだ。
変な夢だと頭の中の冷静な部分がつぶやきながら。
彼女はむやみやたらに走った。あのカブトムシ(?)は追ってきてないようだ。
だが、逃げねば・・・「訂正!この夢はいやな夢!!」
後ろの物音に脅えつつ、彼女は夢から覚めるべく5秒目を閉じてみたり、自分をつねってみたり、
布団を蹴飛ばすことをイメージしつつ蹴りを虚空に放ったり、大声で叫んでみたりとあらゆる努力をした。
・・・目が覚めない。
190 :
既にその名前は使われています:2006/05/05(金) 17:55:04.71 ID:vrsPwYrc
強制終了した。書いてたのが飛んだ。今日はここまで。
皆様ワッフルワッフル。
orz
イ`(;´д⊂)
192 :
185 ◆ajBPG2hnCs :2006/05/05(金) 19:56:41.02 ID:MhHgYw0n
>>182 メイミィを可愛く描写していただいて幸せの極みです。
なんだか自分まで可愛くなれたようでs
名前の件は気にしないでください〜、確かに間違えやすそうな名前ですしw
思いのほか筆が進んだので投下します。
結局一睡も出来ずに夜が明けた。
モグが起床して朝食を作り出したのが気配でわかったので、
わたしも起きることにした。
「ご主人様、早いクポね。…もしかして、寝てないクポ?」
「…うん、でも大丈夫。心配かけてごめんね」
「そうですかクポ…」
大丈夫なわけがないと思っているのだろうが、わたしが『話したくない』という
雰囲気を出しているのがわかったのか、何も聞かずにいてくれるつもりのようだ。
今日の朝食もモグが腕によりをかけて作ったものだったが、
昨日と違って味も何もわからず、ただ噛み砕いて飲み込んだ。
まだ約束の時間からはずいぶん早かったが、モグハウスにいても
昨夜のことを思い出して悲しくなるだけだと思い、のんびりと
待ち合わせの場所であるジュノ領事館に向かうことにした。
居住区から石の区方面に出て、道なりに歩く。
朝の爽やかな風がわたしの体を撫でる。
気持ちいい。暗く落ち込んでいた気持ちが洗い流されていくようだった。
(そうだ。リードさんに会うんだから、暗い顔してたら気を使わせちゃうかもしれない。
昨日のは何か理由があったのかもしれないし…)
思い直し、少しでも明るい顔で会おう、そう決めた。
人で賑わう競売の横を通り抜けるとき、昨日天の塔で何か騒ぎがあったという噂話が
風に流れてなんとなく聞こえてきた。
昨日石の区方面が騒がしいと思ったのはそのせいだったんだろう。
そのままシャントット博士の家の前を一旦通り過ぎ、領事館前に到着した。
まだ約束の時間からは2時間ほど早いだろう。
とりあえず、領事館入口の段差に腰を下ろした。
暖かい日差しと、柔らかく吹き抜ける風がわたしを優しく包んでくれる。
なんだかとても落ち着いた気分になり、昨夜一睡もできなかったこともあって
わたしはいつの間にか深い眠りについてしまっていた。
――ん…?
あ、寝てたのかぁ…
目を開けると、突然両隣から同時に声が聞こえた。
「おはようございます」
「おはよータルぅ〜!」
え?え?
わたしは左右を何度も確認した。おそらく間が抜けた顔をしていただろう。
右には見知らぬタルタルらしき子、そして左にはリード。
二人が二人とも、笑みをたたえてこちらを見つめている。
わたしはただただ驚いて、叫ぶしかなかった。
混乱した頭で、考える。
このタルタルに見覚えはない。知り合いじゃない、でもリードとは知り合いらしい。
そもそもタルタルなのかもわからない、もしかしたらエルヴァーンの子供??
…え、えと…
「あの、息子さん…、ですか?」
そう言った途端、リードは口を押さえて横を向いてしまった。
ち、違った?っていうかどうしたの?リードさん…
「おねーさん、あのね、僕ねぇ、ナジさんがメキさんにスルメ食わせて
お腹壊させちゃったから、お薬取りにきたの」
口を押さえたままのリードの代わりにたるっこ(?)が答えてくれる。
が、意味がよくわからない。
首を傾げていると、リードが苦しそうにしながら、彼がタルタルのロック君といって
バストゥークから冒険者のクエストをしに来た、と教えてくれた。
と、そこでわたしはとんでもなく重大なことに気付いた。
慌てて両手で口を押さえ、恐る恐る…聞く。
「……その、見てました?」
「おねーさん、よだれ垂れてたよ〜」
「〜〜〜〜〜〜!!!!!」
さ、さようならわたしの純潔…(違)
二人は笑い転げてしまったし、もう恥ずかしすぎて消えてしまいたくなった。
なんやかんやで気付かなかったが、リードは眠るわたしに
ガンビスンを羽織らせてくれていたらしい。
しかもそれをよだれでたっぷりと汚してしまった。
しかもしかも、約束の時間から既に1時間ほど過ぎてしまっているにも関わらず、
リードたちは眠るわたしを起こさないでいてくれていたようだった。
もう本当に恥ずかしいやらみっともないやらで、平謝りすることしか出来なかった。
(し、死んでしまいたい……)
きっとこのときのわたしの顔はゆでだこのようだっただろう…。
わたしのせいですっかり遅れてしまったが、シャントット博士の御宅へと
とうとう向かうことになった。
シャントット博士のイメージは、一言で言えば「怖い」。
クエストで何度か博士のもとに訪れたことがあったが、そのたびに
脅されたりけなされたりと、決していい思い出ではない。
(今日は付き添いだし、何にもされなきゃいいんだけど…)
「お邪魔します…」
二人の後に続き小さく挨拶をして、リードの後ろに隠れるようにして中へ入る。
今日も今日とて、見た目は普通の可愛いタルタルの女の子の姿をしているシャントット博士。
わたしたち三人の姿を認め、シャントット博士はいつもの高笑いをした。
「石と鉄だらけの殺風景な国から、よくも遥々いらしたこと」
そう言いながら、ロックの差し出した手紙を受けとり読み始める。
嫌味っぽい言い方も、本当にゲームのまんまだ、と逆に感心した。
ロックの用事である、手紙を渡すことと薬をもらうことは無事に完了したようだ。
済むまでは、リードと二人で暇を持て余していたり、「オバサン」と言いかけたロックに向かって
博士がかの有名な「呪い殺しますわよ」との台詞を吐いたことで
わたしは条件反射のように怯えてしまったりしていたが。
(情けなくてもなんでも、この人は苦手なんです…)
以上です!
皆さんわっふるわっふる(*´ω`*)
200 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/05(金) 21:26:34.14 ID:1D6kytsc
ソロdeアイテム集めから帰還しました。
今まで苦しんだ敵を楽々倒せてビックリです。
・・・結局、まだアトルガンに行けずじまいですが、なにか?(;´д⊂)
>>199 えーっと、なんと言いましょうか。
読ませていただき、身悶えしております。
(呪文詠唱止めないと、リードはメイミィさんとお別れですが・・・)
メイミィかわいいよメイミィ
201 :
352:2006/05/05(金) 21:46:32.39 ID:10VzXJYi
>>りーどさん
うちのクルスとクーをシャントット邸へ援軍として送る予定です。
まあ使うかどうかはおまかせしますが・x・
【逃げて!】
壁 |ω・)ノ
なんかもう書き手が増えすぎてなにがなにやら、
まとめサイトでだけ活動しようと思ったけど、追加できないみたいだし。
まとめサイトの中の人忙しいのかな、残念…(´・ω・)
>>201 赤/暗さんとナ/忍さんのコンビですね。
援軍は心強い限りですが、
そうすると私のプロット変更のせいで352さんの筆をお止めしてしまう。
あの方に逆らう以上、地獄の一丁目にお連れしてもかまわない、という事でしょうか・・・?
【覚悟】【完了】【本当に?】
205 :
352:2006/05/05(金) 22:27:56.71 ID:10VzXJYi
ネタが切れてきたのでちょうどいいです・x・
元々シャントット隊に志願するつもりでしたからw
と、とりあえず!連続魔スタンがあるので一分はなんとかなります!それで、なんとか活路をみいだしてください!w
>>205 ありがとうございます。
キャラをお借りいたします。
ご期待とは違った事態で、十中八九、遺体でお返しいたします。
これは“運命”です。
(できれば4スレ目の募集の際に名乗りを上げていただきたかったところですが)
…次の冒険の舞台は奈落!?・x・;
>>205 参戦されますか、頼もしいですね〜。
>>206 い、遺体(`д`;)
やはり連邦の黒い悪魔には勝てないのか…
どうでもいいですが、ついさっきやっと携帯からでも
スレの内容をコピーできることを知りました…テラアホス
ついでに保守〜
209 :
既にその名前は使われています:2006/05/05(金) 23:32:07.75 ID:LS3hmQGC
自キャラになったででお?
210 :
既にその名前は使われています:2006/05/05(金) 23:38:08.92 ID:Nq6dH/lW
>>205 知らないのか?
魔王(シャントット博士)にスタンは効かない(召喚獣みたいにレジストしてくる)
本当にそうだったらやだなwww
これはアジドの話だけど・・・
FF11用語辞典++より、
先だって一般公開された「ヒーローズコンバット」に於いてはその魔道力を遺憾なく発揮、
スタンを食らおうが百烈を身に受けようが容赦なく魔法の雨を降らしてくるとのレビュー結果が報告されている。
アジドの師であるシャントットも彼と同等クラスだとすると・・・
ガクガクブルブル
ちょこっと続きを投下いたします。
とりあえず、初めのプロットどおりに書き進めてみたいと思います・・・。
私の体は魔力で拘束されたまま、動けなかった。
逆転の手段は見つからなかった。
剣の間合いの外から、シャントットの詠唱は続く。
私の足元には、何重もの魔法円が展開していた。同様のものが、頭上にも現れる。
黒紫の雷光を放つそれは、次第にはっきりと、速度を増して回転していった。
「や〜め〜て〜!」 両手を振って叫ぶものの、止める手段のないタルっこ。
「あ・・・あっ・・・」 口を押さえ、おろおろと立ち尽くすメイミィ。
実は、二人の様子を見て、私は少し安心していた。
これは単体魔法だ。ロックとメイミィに、この呪文の被害は及ばない。
無関係な二人がシャントットの邪魔さえしなければ、私が消滅するだけで済む。
そんな考えが、脳裏をよぎった。
それは偽りの自己犠牲だったが、その甘美な響きに私の恐怖心は薄らいだ。
詠唱時間は五秒? 十秒? 三十秒? もっと長かったかもしれない。
死刑執行までの、長い長い階段を昇らされているような気分だった。
魔法円で上下に挟まれた私の体が、光を帯びはじめた。
覚悟を決めた。
シャントットの詠唱は止められない。
あの呪文が完成すれば、私は間違いなく、魂まで残らず消滅する。
まだだ。最後まで抗ってやる。
一つだけある。
剣とともに生き、剣のみで戦い抜こうとした私に、使える手段は限られている。
魔法は否定しない。ただ自分は剣で決着をつけることに拘っていただけ。
私が使える魔法の多くは戦闘の補助、回復、防護。
だが、もう一つだけある。
滅多に使わない、笑えるほど効率の悪い、ケレン味たっぷりのとっておきが。
与えられる可能性のあるダメージは、限りなく低い。
例えそれでも。相手がシャントットであろうと、全身全霊を以って一矢報いてやる。
拘束された身体のまま、眼前に呪文のイメージを構築する。
自然に、口端が上がっていた。死ぬ間際だというのに、不敵に笑っていた。
今なら認めよう。私は狂っている。
「待て!!」
ドバンッ、と突然ドアが弾け飛び、タルタルが部屋に走りこんできた。
呪文詠唱中の、シャントットの前に立ちはだかる。
思わず私の完成しかけた呪文構築は乱れ、かき消えた。
「やめるんだ、シャントット博士! この男は敵じゃない!」
その声、その姿。眼鏡にカスケドゥス。
「誤解なんだよ! 彼は、リードは、味方だ!」
―――アジドマルジド。
なぜ、ここに。
そう言いたげなシャントットは、だがジロリと彼を睨みつけただけだった。
あなたこそ、騙されている。そう、目で訴えている。
詠唱は止まらない。私を取り巻く光が、渦を巻き始めている。
「キミがやめないのなら・・・」
アジドマルジドが後ろに飛びのいた。
上下に魔法円が展開しスパークする中に、自ら飛び込んだのだ。
「オレも一緒に消えてやる!」
「・・・どうしていつも・・・」
シャントットが手で結んでいた印を解いた。
身体が、軽くなる。拘束が解けた。
足元と頭上の魔法円が、ふぅっと消えていく。
もう、大丈夫だ。
私は振り返って、メイミィを安心させようと微笑んだ。
そこのタルっこ。連続魔は中止、中止。気持ちは嬉しいがやめときなさい。
「知らせを聞いてね。まさかと思って飛んできた」
アジドマルジドが私にウィンクして見せた。
本当にこの人なら、空だろうと飛んできそうだ。
「なぜ、いつも命を粗末にするんですの・・・」
「そこに信じるものがあるからだ」
ためらいなく言い放つアジドマルジド。
ようやく、わかったよ。
初めて逢った時から、私は彼に同類の匂いを感じていた。
彼は、はなから自分の命など計算に入れていない人間なのだ。
私は助かった事よりも、その事実に気づけたことに堪らない喜びを感じていた。
「オレの話を、聞いてくれるね?」
アジドマルジドが、照れたような困ったような笑顔でシャントットに歩み寄る。
まるで悪戯を見つかった少女のように、うつむく彼女。
「アージェ・・・」
「シャナ・・・」
お互いが、ゆっくりと近づいていく。
ささいな喧嘩も、ふたりにとってはスパイス。見ているこっちが恥ずかしい。
永遠に時が止まってしまえばいい、そう思えるふたりだけの時間―――。
そこにある空間の全てが、停止した。
「これは・・・、想定外だ」
私にとっては聞き慣れた男の声が、部屋の奥から投げかけられた。
「“リーダー”。貴方は此処で永久退場する筈だった。エクスカリバー・ゼロと共に」
動くな、と私は前方を睨んだまま、手で背後の二人を制した。
「そこで停止しているアジドマルジドは、設定上、来訪者たちとは何の接点も無い筈」
「久しぶりに、顔くらい見せたらどうかな?」
声の主は、ゆっくりと虚空の闇からその禍々しい姿を現した。
―――“赤い鎧”。
218 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/06(土) 02:14:27.29 ID:ASnoN7Vv
今夜の投下は以上でございます。
すみません、長くなってしまいました。
>>キャラをお借りする皆様
地獄の一丁目へようこそ・・・。
219 :
352:2006/05/06(土) 02:38:36.24 ID:CZUk4fM8
壁|x・;)くぽー、くるくるぴゅ〜…。
と、とりあえず投下します!
サブタイトル「モグプウ、覚醒する!」ご賞味ください!
ウィンダス組もGM降臨、しかも一般プレイヤーが闊歩できるエリアですか…w
取り敢えず今回のGM戦はどんな技を使ってくるのか期待しつつわっふる(`・ω・´)ノ
221 :
352:2006/05/06(土) 02:39:48.90 ID:CZUk4fM8
僕はキッチンで夕食を作っていた。これもあれも、全てあの使えないモグプウのせいだ。
クーは椅子の上でちょこんとお行儀良く座っている。
「ああ、そういえば…。」
僕は口を開いた。
「何?」
「僕が来訪者ってこと、フェイトは知っているのか?」
クーは、んーと少し考えてから続けた。
「多分、まだ知らないと思う。私も報告してないし。」
「そうか、それを聞いて安心した。」
クーは、でも…と少し言葉をつまらせてから続ける。
「ばれるのは、時間の問題。」
クーは、僕のエンハンスソードを指差しながら言った。
222 :
352:2006/05/06(土) 02:40:56.84 ID:CZUk4fM8
…ああ、そうか。アレはD値102とかいうイカレた代物だったな…。
「あと。」
更にクーは続ける。
「そのモーグリがいつ皆に言いふらすかわからない。モーグリの勘と、噂好きは尋常じゃないから。」
…やっぱり、モグプウには話さなくて正解だったか。
さて。
「できたぞ。」
ダルメルステーキにヤグドリ。ボスディン菜のソテーに白米。後はデザートのアップルパイだ。
「クー、運ぶの手伝ってくれ。」
「うん。」
「クポ〜♪晩御飯クポ〜♪」
…こいつ、いつの間に目を覚ましたんだ。
223 :
352:2006/05/06(土) 02:41:54.33 ID:CZUk4fM8
で。
僕は無言で箸を進める。うん、今日のダルステはやわらかくできた。
「おいしい…。」
うむ、そう言ってくれると作った甲斐がある。
「おいしい…けどクポ。ちょっと胡椒が強いクポ。」
…こいつは…。
「ボスディン菜もスジがいっぱいだし…クポ。」
…………。
「ご飯もお米がたってないクポ。正直、作り直した方がいいと思うクポ。」
「クププププッ!しッ、死ぬクポッ!」
僕の椅子(コッファーin蒸留水&モーグリ)から変な音がする。まあ気にするな。
「…コッファーって便利だな。」
「そうだね。」
僕たちは箸を進める。
224 :
352:2006/05/06(土) 02:42:53.61 ID:CZUk4fM8
「クポーー!クポーー!溺れるクプッ!ポッ!クポーー!!」
…うるさいな。
「ごちそうさま。」
「お粗末様でした。」
僕たちが食事を終えた頃には、椅子は静かになっていた。
食器を洗おうと席を立った時…。
「やっほー!クルス、元気ぃ?」
…シグナルパールから元気な声が響いた。
「…どうした?アルミティ。」
僕はバッグからシグナルパールを取り出す。
「みてみて、コレ……って、ぇえ!?」
アルミティが驚いたような顔をする。
225 :
352:2006/05/06(土) 02:43:50.86 ID:CZUk4fM8
「ん、どうした?」
「そこ、モグハウスだよね…?」
「うむ、見ての通りだ。」
アルミティはクーを指差しながら言う。
「結婚するの…?」
ガンッ!と僕はテーブルに頭をぶつけた。こいつもモグプウと同レベルかよ…。
「ぽっ…。」
いやいや、クーよ!お前もぽっ…じゃない!
「…アルミティ。いや、妹よ。」
「う、うん。」
「このミスラ、クー・メルシアはな。私の姉になってくれるかも知れない女性だ。」
クーは、えっ…という顔をする。
226 :
352:2006/05/06(土) 02:44:54.87 ID:CZUk4fM8
「えっ、えっ。て言うことは、あたしのお姉さま?」
アルミティも困惑した様子で僕に問い掛ける。
「うむ。」
「そ、そっかぁ。よろしくね、お姉さま♪」
「よ、よろしく。」
二人はぎこちない挨拶をする。
「……で、アルミティ。用件はなんだ?」
「あ、そうだ!忘れてた!見て見て、コレ!」
アルミティはくるくると回る。
「…ん?ただの部屋着じゃないのか?」
「違うよ〜。エアリーアーマーだよ、やっと手に入れたの!」
ほほう、これが噂の…。ほんとに普段着みたいに軽装なんだな。
227 :
352:2006/05/06(土) 02:45:53.13 ID:CZUk4fM8
「明日見せに行くねっ!それじゃ、おやすみっ!」
そう言って接続が切れた。…それだけの用事かい。
「…ねぇ。」
ふと、クーから声がかかる。
「ん?」
「姉、なの…?妻じゃダメなの…?」
こ、こいつ。何をいきなり…。
「な、何を言って…。」
「……ヒートなの。私。」
ヒートっていうと、震えるぞハートでお馴染みの、山吹色の波紋……って、そうじゃない!
「そ、そうか。じゃあ、僕は出掛けてくるから…。」
一人でやってろ、と言おうとした瞬間。僕の体は宙に浮いた。クーに抱き上げられたらしい。
228 :
352:2006/05/06(土) 02:46:51.67 ID:CZUk4fM8
とりあえず、/panic motionしてみる。五回くらい。…ダメだ、逃げられそうにない。
「ご主人様、これから大人の時間クポ?」
モグプウはにやにやと笑っている。こいつ、いつの間に出てきたんだ…。
「…クー。とりあえず一旦降ろしてくれ。」
「うん。」
自由になった僕は、ガラリと窓を開けた。
「こっちはいいぞ。」
「うん。」
クーは、ガシッ!とモグプウの頭のぽんぽんをつかむ。
「クポッ!?なっ、何するクポ!!」
クーはそのまま頭のぽんぽんをぎゅ〜っと引っぱる。
「やっ、やめるクポ!!ちぎれるクポーー!!」
229 :
352:2006/05/06(土) 02:47:50.72 ID:CZUk4fM8
クーは、そのままモグプウをぐるーんぐるーんと振り回す。
「クーポー!!やーめーるークーポー!!いーたーいークーポー!!!」
で、勢いのついたところで手を離す。
「クーーーポーーー!!」
モグプウは、窓から放り出された。お見事、クー。
「…やっと二人きりになれたね♪」
クーは妖しく僕に笑いかける。…今夜は逃げられそうにありません…。
―――――――――――――――――――――。
頭が重い…。いや、っていうか全身が重い…。
「朝クポ〜。起きるクポ〜。」
「…ん。」
230 :
352:2006/05/06(土) 02:48:50.92 ID:CZUk4fM8
見ると、クーは既に起きているようだった。
「クププッ、ご主人様。きのうはおたのしみでしたね、クポッ!」
「クーーポーー!気持ち悪いクポッ!!うごめいてるクポーー!!」
「できたよ。」
今日の朝食はクーの手料理らしい。
「うむ、いただきます。」
「めしあがれ。」
「クプッ!んはぁ!もぞもぞするクポー!」
朝食は白米に目玉焼きに玉子焼き。卵ばっかりな気もするが、気にしてはならない。
それにしても、僕の椅子(コッファーinモーグリ&リトルワーム)は相変わらずうるさいな…。
231 :
352:2006/05/06(土) 02:49:47.15 ID:CZUk4fM8
「んはぁっ!あっ…!そ、そこはらめぇクポ…。き、気持ちいいクポ…。」
………。
「んぁっ、ふぁっ、クポ…。」
……………。
「んはっ、はぁっ!いっいいクポッ!!」
僕は椅子(コッファーinリトルワーム&モーグリ)を室内用滝に投げこんだ。
「イっちゃうクポーーー!!」
ばっしゃーん!と派手な音を立てて、コッファーが水に沈む。
「…逝け。」
かくして僕たちは食事を終え、星の大樹へむかうことにした。
232 :
352:2006/05/06(土) 02:50:45.69 ID:CZUk4fM8
命からがらコッファーから抜け出したモグプウは、今日もモーグリの井戸端会議に参加していた。
「クポ…。」
「クポ?モグプウ、元気がないクポ。どうしたクポ?」
「実は…クポ…。モグ、ご主人様に虐待されてるクポ…。」
「虐待クポ!?だったら協会に…。」
「それはいいクポ。それより…。」
「それより?」
「最近、それが気持ち良くなってきたクポ。」
辺りを沈黙が包む。
と。突然モルルがモグプウの頭のぽんぽんをつかむ。
「あっ、はぁん…。な、なにするクポ…。」
233 :
352:2006/05/06(土) 02:51:43.52 ID:CZUk4fM8
さらにモルルはぽんぽんをくいくい引っぱる。
「あっ…やん…。やめるクポ…。ぁあん…。」
「…(…面白いクポ)!」
一方、星の大樹。
「…で、そこでオーキシュチャンピオンに殴られた時に、記憶と登録証なくしたらしいんだ。再発行を頼みたいんだが、いいだろうか?」
「わかりましたなの。(もぐもぐ)ちっと待ってやがれなの。(むしゃむしゃ)」
クピピは貢ぎ物の雪山のロランベリーを食べながら言う。
234 :
352:2006/05/06(土) 02:52:40.78 ID:CZUk4fM8
「できたの。(むぐむぐ)ランクとかわからないところは適当にかいておいたの。(もしゃもしゃ)用が済んだらとっとと帰りやがれなの。(ごっくん)」
「…思ったより早く終ったな。」
「雪山のロランベリーとロランベリーパイが効いたね。」
…アイテムで釣るのもなんか気が引けるが、この際だしまあいいか。
「さて、シャントット邸にいくか…。」
そう、次元の狭間(?)にハマっていたせいで忘れかけていたが、僕の目的はシャントット邸に行くことだった。
235 :
352:2006/05/06(土) 02:53:38.84 ID:CZUk4fM8
「あの、連邦の黒い悪魔に…?」
「ああ。」
「大丈夫…?」
クーは心配そうに言う。
「ああ。奴が黒い悪魔なら、僕が赤い彗星になってやるさ。」
「頼もしいね。」
で、シャントット邸前。
…やっぱドアをノックするべきかな〜と思っていたら…。
「たった今、シドからの手紙で確信しましたわ!わたくしのみならず、神子様までを…ッ!!」
…。
「…。」
僕とクーは顔を見合わせる。こりゃ、ただごとじゃないな…。
僕は、そっと扉を開ける。
236 :
352:2006/05/06(土) 02:54:37.20 ID:CZUk4fM8
「わたくしの、超! 絶!試作型破壊魔法で!光の粒にまで消滅させて差し上げますわ!」
ぅおうッ!!黒い悪魔が中のエルヴァーンの男に対して謎の魔法を詠唱しているッ!
…こっちには気付いていないみたいだし、今ならスタン効きそうだな…。でもな…相手が相手だしな…。
と、ふと肩にポンと手が乗せられる。
「赤い彗星の出番だね。」
ま、マジですか!
どうする僕!
どうなる僕!!
…と。
237 :
352:2006/05/06(土) 02:55:32.74 ID:CZUk4fM8
「待て!!」
「ぐぉっ!!」
僕を突き飛ばしてシャントット邸に飛び込む人影が一つ。
「やめるんだ、シャントット博士!この男は敵じゃない!」
その声、その姿。眼鏡にカスケドゥス。
「誤解なんだよ!彼は、リードは、味方だ!」
アジドのおっさんが現れた。
「キミがやめないのなら…。」
アジドが後ろに飛びのいた。
上下に魔法円が展開しスパークする中に、自ら飛び込んだのだ。
「オレも一緒に消えてやる!」
…なんだ、この展開は。
「…どうしていつも…。」
…いつも…?この二人はいつもこんなことをしてるのか…?
238 :
352:2006/05/06(土) 02:56:29.98 ID:CZUk4fM8
とりあえず、シャントットは詠唱を中断したようだ。
「知らせを聞いてね。まさかと思って飛んできた。」
アジドが中のエルヴァーンに向けて言う。こいつら知り合いなのか…。
「なぜ、いつも命を粗末にするんですの…。」
「そこに信じるものがあるからだ。」
おっさんはきっぱりと言い放つ。
……わからん!さっぱり状況が読めん!
「オレの話を、聞いてくれるね?」
アジドのおっさんが照れ笑いのような笑顔でシャントットに近づく。
悪戯を咎められた子犬のようにシュンとなるシャントット。
239 :
352:2006/05/06(土) 02:57:28.81 ID:CZUk4fM8
「アージェ…。」
「シャナ…。」
二人の距離が近付く。今、この世界は二人だけのもの…。
「……ねぇ。これ、なんてギャルゲ?」
「……ヴァナ・ディール奇想譚…?」
二人の距離が零になろうとした瞬間。
―――――――全ての時が止まった!!
「これは…、想定外だ。」
シャントット邸の奥の闇から声が響く。
…ちっ、なんなんだよさっきから!
「う…!」
クーが突然脅え出した!
「“リーダー”。貴方は此処で永久退場する筈だった。エクスカリバー・ゼロと共に。」
…リーダー?エクスカリバー・ゼロ…?
240 :
352:2006/05/06(土) 02:58:30.72 ID:CZUk4fM8
「そこで停止しているアジドマルジドは、設定上、来訪者たちとは何の接点も無い筈。」更に闇からの声が響く。
「久しぶりに、顔くらい見せたらどうかな?」
中にいたエルヴァーンの男が言い放つ。
奥の闇から出てきたのは、そう。来訪者なら一度は耳にする、恐怖の象徴。
――――――“赤い鎧”。
241 :
352:2006/05/06(土) 03:03:39.92 ID:CZUk4fM8
壁|x・)ノ
そこはらめぇを使いたくてモグプウを覚醒させた。特に反省はしていない。
…でも、全国一千万のモーグリファンの方、ごめんなさい。
とりあえず僕は赤い鎧戦に参加できるのかな〜と辟易しつつ。
みなさんわっふるわっふる!
壁|彡サッ
割り込み失礼しました〜
んで、自分の投下(`・ω・´)ノ
痛みは、突然やってきた。
悪寒が全身を駆け巡り、掌にじっとりと脂汗がにじむ。骨に沿って電流を流されたような感触。
剣が食い込んだ部分がヤスリがけでもされてるみたいだ。内蔵の再構成が済んだんじゃなかったのか。
くわえただけでろくに喫えていない煙草を思わず取り落としそうになったが、どうにか平静を保つ。
苦痛を訴えれば色々と気を使わせる事になる。それが煩わしい。そしてそれ以上に、衰弱が解けたから移動しようという流れになるのが怖かった。
これなら衰弱中に移動した方が楽だったのかもしれない。
おれはフィルタをがりがりと噛み潰しながら、平気なふりをして波が収まるのを待った。
「わるい」
どれくらい時間が経っただろうか? ルーファスが不意に立ち上がって、おれは我に返った。
「俺たちはそろそろ行くわ。後で居住区のシュヴィヤール家を訪ねてくれ」
そう言うと身軽に胸壁に飛び乗る。
「ちょっと! いくらなんでもそんな…」
ラディールが相棒の提案に抗議する。登れない段差じゃないと思うけど……
「んじゃあな」
逡巡するラディールの手を引いて上に引き上げると、あっけないほど短い挨拶を残してルーファスは去った。
途中、身長ほどもある段差を降りて別の城壁に乗り移る。ああ、あれの事を文句言っていたのか。
お姫様抱っこされて飛び降りてる。ラディールの恥ずかしがる姿より、ルーファスのさばさばした様に目を奪われた。
いつかおれも真似してみよう…。
さてと、そろそろ……と今度はフルキフェルがおれに向き直る。柔和そうな顔だけど、頭の奥まで見透かされてる気がして居心地が悪い。
「立てますか?」
それで初めて、体の痛みが幾分和らいでいる事に気づいた。
知ってて黙ってたのか。隠そうとして、それに合わせてもらったのに、何だか腹立たしいような気恥ずかしいような複雑な気分になる。
「ん、そろそろかな」
平静を装って、両手を突っ張って立ち上がろうとする。と、左肘がかくんと無造作に折れて尻ぺたが地面に落ち、胸に激痛が走る。
痛ぇ……。目の前がチカチカする。
うずくまって必死で痛みが散るのを待つ。
フルキフェルの手が背中に触れて、そこから溶けるように痛みが治まった。
「もうちょっと座って、魔力も戻しておくといいかもですね」
これがこの世界の赤魔道士なんだろうか? 思えば、おれが大怪我をした辺りから回路の構築の仕方が変わっている気がする。
おれは右腕だけでどうにか体を起こすと、お言葉に甘えて今しばしの休息を取ることにした。
すっかり使いつぶされた回路のメンテナンスのため、リフレシュを使う事にした。
ろくに詠唱が出来ず、左腕も使えないので、ほとんどの構築を右腕と背骨で行う。最後に小さく吐息で術式を完成させると、体中に魔力が通るのを感じた。
と、ふと見ると、フルキフェルが例の赤い剣を引き抜いて何事かしている。
深々と突き刺さった剣をどうにか引き抜くと、胸壁に振り下ろしたりして切れ味を確かめる。
甲高い音を立てて刃が弾き返された。とはいえさすがだ、剣には刃こぼれ一つなく、胸壁の石材の方が傷ついているじゃないか。
待てよ、それっておかしいだろ。
あの剣は切れ味がどうとか言うレベルの代物じゃない。通過した空間全てを削り取る剣。おれの剣だって、横から叩いたのにヒルトの片側を丸ごと削り取られた。
その際それなりの反力は働くようだが、極端な話、膂力さえ充分なら刃を立てずに腹で叩いた方が強いような武器だ。
どう考えても、ただ硬いだけなんてありえない。
フルキフェルもそれを不審に思ったんだろう、何事か思案している。
と、ふと目が合った。
「ヒロさん、ちょっといいですか」
あまりよくない。その剣を見ているだけで胸がむかむかしてくるんだ。
心の中で念じたが、さすがに伝わらなかったらしい。おれの右手を取ると、切っ先を地面に当てる形で剣を立て、握らせる。
剣が刃渡り九〇センチほどだから、ちょうど頭くらいの高さで剣が倒れないように支える形になった。
何がしたいんだよ、と言いかけて、右腕を支える感覚が突然消えた事に驚いて止める。まるで床が突然消えて、剣の重さが全て腕にかかったみたいだ。
萎えた腕で必死に支える。変なところに力が入ってまた全身に電流が走り、思わず涙が出た。
「ちょ、おまっ…」
長らく消えていた口癖が思わず漏れた。フルキフェルが不意に手を離したらしい。見れば、剣はその力を取り戻したようで、石の床を豆腐か何かみたいに切り裂いて、深々と突き刺さっている。このままおれが支えなかったら、今頃右大腿部切断だったかもしれない。
「なんですか?」
完全に剣しか見ていなかったフルキフェルが、こちらを向く。知的好奇心もいいが、被検体の事をもう少し思いやってはくれまいか。
「放すなら放すって言えよ! 足まで切れるとこだったっつーの」
「ああ、すいません」
心ここにあらず、といった何気ない口ぶりで返されて、逆に気が抜けてしまった。
「この調子じゃちょっとキミの鞄には仕舞えませんね。騎士団で調べたいって言うかもですし、僕が預かって、届けておきます」
提案ではなく、宣言であるらしい。半ば強引に剣をもぎ取ると、おれの返答を待たずに剣を布で包み始める。
出来ればその剣は壊すか、さもなきゃ誰にも見つからない場所に捨てたかったんだが、それは我侭ってもんだろう。
それにしても──"キミ"…ね。いつからあいつはおれの事をそう呼んでいる? 初めて出会った時と物腰が変わっている気がしてならない。
第一、届ける剣をそんな厳重に包んで隠すものか。こいつから悪意は感じないが、酷く秘密主義なのが気に障る。
そんなおれの視線を涼しげに受け流して、フルキフェルが背中を向ける。
「奴について何か聞かれたら、『正体は分からない・いきなり襲われた・正当防衛でした』で。無用な面倒は背負い込まないに限りますよね」
そう言い残すとフルキフェルもまた、去った。
おれも行こう。
ようやく動くようになった体を起こすと、襤褸切れみたいになったローブをどうしようか思案しながら、その場を後にした。
念の為少し離れた場所から街に降り立つ。惨殺死体も顔負けのスプラッタな格好だが、咎める者はいなかった。
それどころではないのだろう。赤騎士の遺骸の周りにも人だかりはあったが、目下人々の関心事の中心は、例のレタス痕のようだ。
血まみれの人々が救いを求めて右往左往し、神殿騎士達が血走った目で事態の収拾に奔走している。
巻き込まれた人々はまだ事情を完全に把握できずに混乱しているようだ。当然だ、瞬きしたら目の前が地獄絵図で、家は破壊され、家族は死んでいて、自分も死に掛けているのだから。
爆弾テロって、あんな感じなのだろうか。
赤騎士の死体は、予想していたほど悲惨なものではなかった。遠目に見れば酔い潰れているだけにも見える。思えば粉々になるような高さでもないよな。
奴は針子仕立のダブレットだけ着ていて、赤い鎧はどこにもなかった。
それはそれで不可解だったが、元々規格外の塊みたいな相手だったので、特に気にもなる事でもなかった。
この突然の災厄から免れた人々が集まってしきりに噂話をしている。家へと向かいながら聞き耳を立ててみると、どうやら獣人の奇襲と思われてるらしい。
実際、おれを呼び止めて「おたくらは税金で養われてるんだからしっかりしとくれよ」、と怒りをぶつけてくる老婆に出会った。
そうか、冒険者のモグハウスは税金で運営されてたのか。クエストの報酬が異常に安価な事が多い事に、なんとなく合点がいった。
でも違うんだ、婆ちゃん。これは獣人の仕業じゃないし、冒険者の責任でもない。
世界を管理すると嘯く奴らに追われたおれが、たまたまあそこを通ったからなんだ。
おれは老婆の罵倒を俯いたまま聞いて、最後に一言「すみませんでした」とだけどうにか口にした。
モグハウスは昨日のままだった。おれはボロ切れになったローブを脱ぎ捨てると、水を浴びて体を洗った。
血がこびりついて落とすのに難儀したが、湯はいちいち管理者まで頼む必要があるので、使わなかった。
荷物の大半はモーグリがバストゥークに持っていってしまっていたので、残された赤い鎧羽織一式に身を包む。
シャポーだけすすけてひしゃげているが、バスに着いたら修繕を頼むとしよう。
徐々に左腕の握力も戻ってきた。完全に動くようになるまでどれほどかかるか分からないが、精度のいらない振り回す程度の事なら支障はなさそうだ。
腰に細身の剣を吊り、おれはベッドに腰をかけた。
さっさと出発すればいいのに、何をやってるんだろう。おれは自分で自分に問いかける。思い浮かんだのは、アマルダだった。
アマルダに会いたい。いや、会いたくないような気もする。
彼女はどうなったんだろう。今会ったらこれまでどおり優しくしてくれるだろうか、それとも暗示が解けておれなんかどうでもいいんだろうか。
おれたち来訪者が彼女の人生をめちゃくちゃにした。だからもう関わらない方がいい。
もう関わっちまったんだぞ、彼女に会いたくないと思うのは、あいつに色々吹き込まれたからじゃないのか? 逃げじゃないのか?
グルグルと陰気な思考が巡って、おれは寝転がると天井を見上げた。
結論が出ない。
おれは萎えた左腕を無意味に動かしながら、ただ時間を浪費した。
おれはひょっとして、アマルダに来て欲しいのかもしれない。
突然いなくなったから心配したぞ、と抱きしめて欲しいのかもしれない。もう二度と放さないでくれと微笑んで欲しいのかもしれない。
自己嫌悪に寝返りを打つ。
アホか、おれは。自分で何かするのが怖いから、彼女に決めて貰おうと言うのか。
第一、もう別れは済ませたはずじゃないのか。ちょっとつらくなったらすぐこれか。
何かを決めるのは耐え難い恐怖だが、何も決めずにいるのはもっと耐えられない。
おれはまとわりつく陰鬱な思考を毛布と一緒に振り払うと、頭を大きく振って立ち上がった。
来訪者に話を聞かなければ。おれはシュヴィヤール邸へと向かうべく、モグハウスに別れを告げた。
いじょ! サブタイトルは強いて言うなら「たまには欝思考にはまれ!」です(`・ω・´)ゞ
なんかビシバシチャンプっぽくなってきたな…w
N◎VAが分かる猛者なら大丈夫かな〜と思って、対立構造を煽るような文章にして見ました
今は後悔して……しないといいな(´・ω・`)
そしてモグプウテラマゾス…(´;ω;`)
モグプウテラマゾスw
私はウィン組だけど、シャントット邸の一大事には駆けつけれそうに無いですw
要望があった…からでは無いですが、結果的に黄泉返っちゃいましたw
「おい、起きろ!私の寝床で寝るな!」
うつ伏せに寝ている、ロングヘアーのヒュームを銃で小突く。小突く度にうぅん…などと言うが、起きる気配が無い。
ただでさえ今日は散々な目にあってて、色々な意味で疲れているのに…寝床を不審者にとられてしまうとは…。
…背後の水場から、モグが這い出てきた音が聞こえる。残念ながらコイツに何を聞いても無駄だろうから無視する。
居座り強盗じゃ無さそうだが…誰だ?ていうかなんで私の部屋にいるんだ?
「うぅ…ん………――キャッ!?」
ゴツッという音と共に、ヒュームは寝返りをうって私の足元に来た…もといベッドから落ちた。
「う゛ぅ…頭打ったぁ…いたぁぃ……」
側頭部をさすりながら、ヒュームの女が嘆く。
「う…ん?」
やっと私に気付いたか、さぁ顔を見せるが良い、お前は誰だ!
無警戒な動きでヒュームが顔を上げ、私と目が合う。どこかで見覚えがあるが、何故か思い出せない。
「あっ…えっと……初めまして。……かな?」
「勝手に寝てたのは、まぁ許そう。…とりあえず、名乗れ。」
「ぁ…あの…そのですね、名前…覚えて無いんです。というか…私は誰ですか?」
「……はい?」
「その…私、記憶が無いみたいなんです。それで、歯が眩しい人が、ココに居れば大丈夫だからって……」
歯の眩しい人?…内藤?この部屋を知ってる内藤…むう…誰だ……?
「ゲプッぞ…ゲペッケプッ…その人を連れて来たのは、モグをべとべとする紙でグルグル巻きにした人クポッ!」
意外なトコロから謎の人の詳細が明らかに…。
という事は、こいつはソイツの連れ?いや、それなら私の所の必要は無いな。じゃぁ何だ?
「あの、おと……ミスラさん?」
ん?今私の事をなんと言おうとした?"おと"?…おと…おとう?……おとうさん?私が?それはない…いやまて。
私をお父さんと言った奴を知っている。そしてそいつの亡骸は消えていて、葬っていない。
「きゃッ!?なっ何を!?」
女の着ていたローブの裾を掴み、勢いよく上に引っ張る。
女は咄嗟に腕で胸の辺りを押さえようとしたが叶わず、色白な肢体が露になる。
その右胸に、ある物があり、私の推測は確信へ変わった。
その女…いや、アジルの右胸には、死んだ時に刺さっていたボルトの痕が残っていたからだ。
「あっあのッ初対面でイキナリこういう事するのは…だッだめだと…おも…いま…す?」
アジルはあの時確かに死んだ。だが、何者かの意思で蘇った…いや、彼女の望みを聞き入れただけかもしれない。
彼女は生きたいと願いながら死んだ。その願いが女神辺りにでも叶えられたと考えておこう……
「あの…ミスラさん?どうしました?なぜ泣いてるんですか?」
そうか、彼女は死んだが、彼女は生きているのか。生きている彼女を護るのが、死んだ彼女への礼儀か。
「ミスラさん?その…どこか具合でも悪いんですか?」
「いや、どこも悪く無いよ。ただ…ただ嬉しくてね……。」私は泣きながら、そう彼女に…アジルに答えた。
「………ん…サ……ん…サンさんってば!起きて下さいッ!」
ぼんやりと、私の思考が動き始める。
「ぅう……なにごとだ……」
全身がだるい…昨日の昼の出来事があんなにも身体に負担になるなんて……うぅ…眠く無いがだるすぎる…。
「朝です〜!起きて下さ〜〜いっ!」
アジルに起こされて、自分がベッドでは無く、机に突っ伏して寝ていた事に気付く。
なんで私はこんなトコロで寝てたんだ?……あぁ…そうか……あの後、延々アジルにアジルの事教えてたんだ…。
「わかった、わかった…朝は弱いんだ…少し加減してくれ…。」
アジルが一度死んでいる事は伝えず、大怪我をしたトコロまでは教えた。属していた殺戮集団の事も伏せた。
彼女は、ささいないざこざでボルトを撃ち込まれ、私が介抱したが、目を離した隙に姿をくらました事にしておいた。
今のアジルに経緯の真実は残酷すぎる。今知ったら間違いなく自我を保てずに壊れるだろう。私ならそうなる。
ウソを教えるのは私の美学に反するので、多少オブラートに包んだ内容で伝えておいた。時が来たら真実を教えよう。
……まぁどんなに危惧したって、どっかで記憶を思い出すかもしれないんだけどなw
「朝ごはん、モグさんに手伝ってもらって作ってみました!どうですか?」
そう言いながら料理を持ってくるアジル、私も持ってくるのを手伝い、並べ終わってから席に着く。モグの分まである。
「これは…サーモンサンドにタブナジアサラダ?…モーグリ、お前こんなん作れたか?」
「無理クポ。モグは作り方は知ってるけど、作るのは無理クポ。」
「レシピとかは判らないけど、作業は体が覚えてるみたいなんです。」
調理技術は高いようだ。アジルの作ったサーモンサンドは、絶妙な味付けでとても美味しかった。
以上です。
そういえば私はまだ赤鎧と会って無いですね…会っても覚醒して覚えて無さそうですが。
リードさん達がシャントット邸でヒャッホイしてる同時刻、私は平和に過ごしてますねw
では、おやすんみなさらい
255 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/06(土) 06:29:43.57 ID:2MKp0wuk
Pことロックはロックで、バスに帰ったら、
ナジに前払いで貰ったローラーブレードもどきの靴で遊んでる。
かかとのボタンを押すとバネの力で車輪が出て、
ボタンもう一回押しながら車輪を押し込めば普通の靴になるアレ。
商品名忘れたw
流石大工房製。時が止まってもダイジョーブ!
(イナバ物置ネタは関西圏の人しかわからんか。
「流石イナバだ。百人乗ってもダイジョーブ!」と宣伝している)
赤い鎧に取り上げられそうになったら
「いい大人が子供の玩具をとるなー!」
と怒りのケリを炸裂させることでしょう。
256 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/06(土) 09:27:09.65 ID:nJtDktlZ
>>199 やっぱりメイミィかわいいよメイミィ(*´д`*)
モニターの前で悶えてますw
>>218 シャントット先生TUEEEEEEEEEEEEEEEEE!!
そしてメイミィかわいいよメイミィ(*´д`*)
こんどのGMはいったいどんな相手なのかwktk
>>233-232 ちょwwwwモグプウwwwwwwwwwwwかえっておいでwwwwwww
>>248 こういうグダグダなやむ感じ大好きですwもう一度接触ktkr
>>250 復活!そして同棲ktkr!!
そして保守age
257 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/06(土) 09:32:15.60 ID:ASnoN7Vv
おはようございます。
保守がてらage
>>107 遅レスではありますが、
リアル世界の技術を流用したと思われる新装備のたぐいは、
フェイトメンバーがその元となる素材・製法を破壊や奪取した為、これ以上の生産は不可能になっております。
ウィンダスにおける新薬関係は、鎌タル“アビス”が破壊工作を行使済みです。他の国においても、同様。
フェイトもお遊戯会やってるわけじゃない、と。
無論、これは私のSSの中の話です。他の方々のSSを制限するものではありません。
258 :
外伝。その羽。天高く。 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/06(土) 09:47:33.89 ID:2MKp0wuk
「畜生。いやな夢に限って目がさめねぇ…」彼女は毒ついた。
出会いがしらにあったキノコとバッタをかけ合わせたような化け物をみて、
彼女は脅え、わめいたが、その化け物は彼女を襲うことは無かった。
恐怖が過ぎ去った次に彼女が取った行動は嫌悪感の任せるまま胃の内容物を吐き出すことだった。
口の中がひりひりする。そして口の中に今なお残る異臭と不快感。これは胃液の物ではない。
「うぅ…うぇっ!…なんだこの匂い…てか味!!」そして壮絶な異臭。「く、くせっ!なんだよ俺…くせえ!」
味はともかく、匂いは彼の知る匂いだった。乾いた唾液と精液の匂い。
全身から。その匂いがする。「俺…オナニーしたまま寝ちまったのか?」違う。確信できる。
てか…なんで腹が見えねえんだ?脚は見えるのに。と毒づく。どうでもいいことにも毒つかなければやってられない。
彼は腹は引き締まっているほうだが、胸が今日は膨らんで見え、脛とふとももの一部しか見えない。
彼は気がついた。自分が裸同然の女の姿になっている事実を。「…俺、欲求不満なのかな…」
闇がそれを否定する。チガウ。ミロ。コレガ現実ダ。
彼は頭をふった。まだ目がさめない。
259 :
外伝。その羽。天高く。 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/06(土) 09:59:26.92 ID:2MKp0wuk
「…餓鬼の頃、トイレ行く夢見たら漏らしてたが」彼は暗い森の中を歩む。
起きたら寝ゲロしているのだろうか。最悪だ。
遠くから近くからギャアギャアという鳥(?)の声と羊(森に羊?)の鳴き声。
「…とりあえず、川とかねぇかな・・・くせぇ…」そういって彼は震えた。寒い。凍える。
川に入るより先に焚き火に当たりたい。暖かい味噌汁があれば最高だろう。ついでに風呂も。
彼は当ても無く夜の森をさまよった。
幸い、この森は随所に人の手が加えられているらしく歩きやすい。
「お、焚き火が見える…ちょっと当たらせてもらおう」
そういって彼(女?)は走った。焚き火に向かって。
そこにいた人影に大声で頼む。「すいません。いっしょにいいですか?」
異様な光景が目に入った。
260 :
既にその名前は使われています:2006/05/06(土) 10:01:56.35 ID:2MKp0wuk
…さて、今日の投下はこんなもんでおそめの朝食としよ…。
そしてこの空前の新規&新ジョブフィーバーに便乗してマイナージョブをあげるぜw
投下乙でございます。
「そんなわけねーよ!」とお叱りを受けるかと思われたアジド×シャントットは、
もしかして普通なんでしょうかとガクブル ((((゜д゜;))))
「“チャリオット”」
私はその男の名前を呼んだ。懐かしい元同僚の名だ。
「シャントットの記憶をいじったな。いつ仕込んだ?」
「モンブローからクエストを受けただろう。その時点で、貴方の末路は決まっていた」
―――レップ。必死に行動した君が、天の塔で運命を変えた。
「人間は運命をくつがえす。いつだってそうだ」
「その通り。だから来訪者は危険なのだ・・・」
“赤い鎧”の能力ならば、石の区全体が閉鎖空間になっているだろう。
この世界の、あらゆる存在の時間が止まる。
いかなる手段でも、転移魔法をもってしても、出入りは不可能。
表向きは、システムメッセージで緊急メンテナンスのお知らせ、といったところか。
「タバコ、あるかい?」
「マルボロでよければ」
「グッド」
私とチャリオットは表に出た。
先に部屋を出ようとした“赤い鎧”が、足を止めた。
いつのまにかそこにいた、二人組と鉢合わせになったのだ。
「・・・どけ」
赤魔道士のタルタルとアダマン鎧二刀流のミスラを一瞥し、チャリオットは言い放つ。
この空間で動けるということは、彼らも来訪者なのだろう。
彼らが消去対象でないことを祈るばかりだ。
(メイミィ。私のTELLが聞こえるね)
私は震えて腰が抜けそうになっていたメイミィに呼びかけた。
初めてでTELLを返す事はできなくとも、受け取る事はできるはず。
(私たちが外に出て、5分経ったら屋敷の裏口から外に出てください)
大丈夫だから、落ち着いて。
思わず抱きしめて安心させてあげたくなって、じっとこらえた。
(石の区の出口ギリギリに待機して、結界が緩んだ瞬間に通り抜けなさい)
「でも・・・」
続く言葉を、私は目で制した。彼女は無害だ。チャリオットも判っているはずだ・・・。
リードさんが終ってから投下しますわ…
てかもう250越えか。早いはやいw
ロックは―――。
完全に、動きが停止していた。まばたき一つしない。
私は黙祷するように、一度だけまぶたを閉じた。
外に出ると、石の区は薄暗い閉鎖空間に変異していた。
空からは太陽が消え失せている。
青黒くぶ厚い雲がたちこめて、わずかな隙間から鈍い光が漏れる。
まるで、死者と亡霊の世界へ紛れ込んだようだ。
チャリオットは赤いヘルメットを脱ぎ、小脇に抱えた。
きれいに整えられた髭が、相変わらずダンディだ。
勧めるタバコを一本つまんで、口に咥える。彼も一本、咥えた。
キンッ、シュボッ・・・。
スターリングシルバーのジッポーに二人で顔を近づけ、火をつけた。
二人並んで壁に寄りかかる。
ため息をつくように深く、深く紫煙を吐き出した。
266 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/06(土) 11:24:54.08 ID:ASnoN7Vv
>>264 あ、どうぞどうぞ〜。
だらだらと書いていますし。是非投下してくださいませ。
>>266 いや、結構な量を投下するので。
切りのいいところまでどーぞー
わからん奴だな。
アナタのSSが読みたいと言っているのだ!
ヽ(`д´)ノカモーン!
ひぃっ!!
わかりましたぁ!!
投下させていただきます!!
「あ、そうだ。」後ろを振り返り、子供たちの方へ戻る。
「やっぱ頼まれた。お前の父ちゃんに。見てきてくれないかって」
真面目に勉強してる少数派の子タルの一人が眉を顰めた。「やっぱり?全く、パパったら。」
「だからって触媒使うのはダメだろ。ま、渡した俺が言うセリフじゃないけど。」
魔法が今の『精霊との対話』によって魔法を放つ方法を確立する以前は、
『触媒』と云われる物を介し精霊と『対話』して魔法を放っていた。
今は触媒を使わなくても魔法が扱える者が増えたが、学びたての子供たちはそうはいかない。
『意図せず』に魔法を撃つこともあるが、自由にホイホイ扱える訳ではない。
だから耳の院はマンドラゴラの双葉と鳥の羽で触媒を作り、それで魔法の練習をさせている。
幾ら渡しても求められる『教材』。こんな理由があったんだ。
で、足りない触媒をこっそり失敬できるわけはない。だからこの子タルは俺に頼んだ訳だ。
『いくら言ってもしょっちゅう参観にくる父親を追っ払いたい』と。
え? お前が『触媒』使えよって? いやいや、一応借りて使ってみたけどまるっきりダメ。
やっぱり『精霊達』と『会話』できなきゃ意味がないらしい。
で、あの会話? この子タル曰く『娘しか眼中にない父親』らしいのを確かめたかったから。
まったくその通りだ。いくら慣れてても痛いもんは痛いだろ。って俺誰に(ry
って、まさか本当に使うとは思わなかった。てか俺は『材料』を渡したんですけど。作ったのか?
「…ごめん。でも一回位解って欲しいし…。」顔を俯かせる。
「じゃ、もうするんじゃないぞ。父ちゃんには俺がお前が頑張ってることは伝えとくから。」
「うんっ」…ホントかよ?ま、父親が近づかなきゃいいことだけどな。
ハイクラスを後に階段を下りて、右に曲がり建物の中にあるロークラスに入る。
…こっちはちゃんとやってるな。机に向かい書き物をしてる。
「よお。ちゃんとやってるな。」「あ、バレィル。どしたの?」三人の子タルが顔を上げる。
ハイクラスと同じようなことを掻い摘んで伝えた。「――で、お前らはどうしてる?」
「どうもできないからここにいるんだけど」…なるほど。
「先生達はなんて教えてるんだ?」「ん〜、『集中しろ!!』って。」…それはアドバイスだ。
「まずは、『精霊達』の存在を感じることが先決だって。周りに一杯いるらしいけど…」
やっぱそこか。「周りに意識すればわかるのか?」「らしいけど…。」
んむぅ…座禅でもしようかな…でもなぁ…。悩む俺に思いついたように子タルが言った。
「あ!じゃあさ、あそこ行ったらいいんじゃない?」?「どこ?」
すると他の二人も思い出したらしい「ああ!!東の魔法塔!!」「そうそう!!」
?「東サルタバルタにあるやつか?」「うん、そうそう。あそこには精霊がいっぱい集まるんだって」
で、俺は今ここにいるわけだ。なげぇよ。
〜東サルタバルタ 東の魔法塔付近〜
立ち上がり、さっきと同じように目を閉じ周りに意識を集中させる。
「―――だめだ…。」何にも感じない。全くどうすりゃ…
「…あ」
…なるほど、試してみる価値はある。俺はすぐに目を閉じた。
『雑念』それがあるから俺は『精霊』を感じられない。そうじゃないのか?
『早くリアルに帰りたい』『いやだ』『怖い』『寂しい』―――
いろんな感情が内に渦巻いていた。だから俺はわからないんじゃないか?精霊達の言葉が。
『自分』に意識を集中させる。自分の感情を抑えようと。
『中』では水面になっていた。――揺れている、ザワザワと。細かく震えている。
心の『手』で慰めるように水面をなでる。ゆっくりと。時間をかけて。
『自分の力を信じること』それを空に描きながら。
突然急速に波が引いてく。水面が鏡のようにな
「!!!」―――いる。大地のみならず空にも。精霊達が。周りにたくさん。
『水面』が僅かに揺れてしまった。あまりの予想外の出来事に心が乱れ、昂ぶった為に。
一瞬にして精霊達は掻き消えてしまった。ドンッと音がしない衝撃とともに。
目を開ける。目の前にはいつもと変らないサルタバルタの地が広がっていた。
思わず膝が崩れた。顔に汗が伝い、息もみだれた。
まだ胸はドキドキとしている、嬉しさと畏れで。
「……だめだ。」立ち上がった。
揺れるな。畏れるな。精霊達を感じるんだ。
再び目を閉じる。
さっきよりも時間がかかった。
――精霊達が周りにいる。
ふと、懐かしい感じが身を包んだ。心がもっと落ち着いていく。
見えるような見えないような薄い衣のような風が吹き抜け、周りを輝かせる。
――ああ、そうか これか これなんだ――
「ディア」
ふと、声が出る。体の中から何かがふっと揺れ消えた。ゆっくりと目を開ける。
いつのまにか目の前にいたゴブリンの顔面が光り輝き弾けて消えた。
「……う」撃てた。
撃てましたよ、魔法!!
「ぃやったー!!!!」思わず飛び上がる。と
サクっ!!
「痛っ!!」背中がチクっと痛んだ。「な…」
振り返ると目の前に先ほどディアを喰らったゴブリンが短剣を構えていた。目がブチ切れている。
「あ…」背中にいやな汗が流れた。そういやゴブリンなどの獣人との戦闘はしていないな、俺。
って、これまたいつのまにか沸いたゴブリン×3名様が集まってきましたよ?
「ハッハッハッ…」思わず笑い声が漏れた。予想外の反応にゴブリン×4がキョトンとしている。
「いやいや、これがリンクってやつか〜。なるほどなるほど…。」
くるりとゴブリン達に背を向け、俺は走った。てか逃げた。
「…!!、マ、マデぇぇぇ!!」背後からゴブ達が声を張り上げ、追い駆けて来る気配がした。
やってられっかよ!! 誰が剣なんか持った物騒なキチガイの獣人なんかと…
―――にげるな―――
「!!」
(………だよなぁ。
逃げるとこの先進めないよなぁ、俺。)
立ち止まって振り返った。追いかけてきたゴブリン達を迎える。
「グブブゥゥッゥ…」それぞれ武器を構え始めている。
俺がゴブリンを始め獣人と戦わなかったのは偶然じゃない。避けてたんだ。
何かしらの殺傷能力を持ってる武器を装備している獣人達が怖かったんだ。
だけど、もう大丈夫だ。俺は戦える。
武器を構え、同時に魔法を詠唱し始めた。
ゴブリン達が向かってくる気配がする。
(OK、いい機会だ。獣人の戦闘と戦闘中にも魔法が放てるように…)
目の前にゴブリンが迫る。
(その他諸々ひっくるめて全部習得してやる!!)
「ファイヤァッ!!」目の前のゴブリンに俺は放った。
〜2日後 ヤグード族 対ウィンダス連邦前線地 ギデアス〜
「さてと…」ギデアスの奥地に向かう。
道中、ヤグードが鋭い目を向けてきたが無視した。相手はこいつらじゃない。
落とし穴にわざと落ち更に奥に向かう。やがて目的地に着いた。(あいつ…だな。)
血のごとく赤い面を付けた魔道士タイプのヤグード。まだこっちには気付いていない。
俺はパライズを詠唱し始めた。「…グゥゥゥッ…」完了する直前に気付いたらしい。何かしら詠唱している。
と同時に周りにいた一体がこっちに向かってくる。リンクだ。
俺は既にそのヤグードに対しスリプルを詠唱を開始していた。
(計算通り。これにも慣れなきゃな)
こっちに近づく前にヒットした。居眠りをし始める。
同時にヤグードが放ってきたストーンが襲ってくきた。手で素早く払い、掻き消す。
動揺しているヤグードに、俺は別の攻撃魔法を詠唱を開始していた……
〜更に2日後 ウィンダス連邦 モグハウス〜
やっぱ落ち着くな、ここ。モグハウスの扉に手を掛け、開けた。
「ただいま、フリート。」柔らかい光に照らされているフリートに言った。
「あ、ご主人!! 今までどこほっつき…」すこしフリートが止まった。やがて俺を嬉しそうに見た。
「…おかえりなさいクポっ!! ご主人!!」
「ただいま」「ただいまは一回でいいクポよ〜」フリートが楽しそうに言った。
「だよな〜、飯買ってきた。一緒に食おう。」「はいクポ!!」
なんか悩みまくってたのが嘘みたいだ。
よし!!「がんばるぞぉぉっ!!」「そうクポォっ!!」
――― 一人じゃない、俺は。いつだって。
〜リアル(現実世界) 東京 ■e本社〜
「有り得ない…」
数ある会議室の中のひとつ、第二会議室の机の片隅でタナカは肘を机に乗せ組んだ手を頭に被せていた。
「何故、元に戻らないんだ…」顔上げ、ふと左手の時計を見る。
――あれから5日経つ。長期に渡るメンテナンスの努力の甲斐もなく、
未だにサービスを再開始できないこの状況でインフォメーションセンターはパンク寸前だった。
「早くサービスを開始しろ」とFF11プレイヤー達が苦情を次々と寄せていたからだ。
今現在、サービスを再開始してもシステム的には問題はない。だが体面的には大問題だ。
開発陣である我々がこの程度のことをクリアできないと知られると何が囁かれるかはわかりきっている。
………仕方ないな、現状を打開するにはこれしかない。
会議室の片隅に置かれている電話に手を伸ばし、数ある短縮ボタンの一つを押した。
「…タナカだ。……どうだ?…そうか、変らんか…すまないが…そうだ、例の…」むこうの主が声を張り上げる。
「…仕方ないだろう!! このまま引きずってても何も変らない!! 我々にはそれしかないんだ!!」
会議室に怒鳴り声が響く。「…すまん、その方向で…ああ、頼む…」ガチャリと受話器を置く。
ふと左にある窓に目をやる。夕焼け色に鮮やかにガラスが染まっており、微かに下を走る電車の音が聞こえた。
「いま、ヴァナディールも夕方か…」タナカはひっそりと苦笑した。創造主の手を離れたかもな、と。
まだ、世間も■eも気付いていなかった。
日本を始め、欧米諸国他などから既に500人以上のFF11プレイヤーが消えていることを。
そして、メンテナンス中で誰も入れない筈のヴァナで動いていることを。
タナカ初登場!!
なんか善人にしてしまいそうな雰囲気です…。
苦情があるならどーぞ!!
あ、あと
>>271と矛盾する所がありますが、脳内変換でここはまぁ、ひとつww
まだまだ投下するぞ!!
「…………。」
「ご、ご主人…?」
クリッと顔を逸らそうとするフリートの頭を両手でガッチリと固定する。
「グポポポぉ…」うめき声をあげているがどうでもいい。
「…………。」先程よりも、グイッとフリートの顔を自分の顔に近づける。
ポッとフリートの頬が赤らみ、俺から視線を逸らした。
「んもうっ、ご主人様ったら…そんなに見つめられちゃ困るクポッ…♪」
完全無視。フリートの顔をじっくりと調べる。「なんかおかしい…。」思ったことをつい口に出す。
「おかしい? 何が?」ボケたのに無視されたフリートは不機嫌そうに聞いた。
「………お前」瞬時にフリートの目に動揺の色が走った。
〜ウィンダス連邦 居住区 モグハウス〜
俺は以前ほど落ち込まなくなった。なんでかって?
戦闘にもある程度慣れた。魔法も扱えるようになった。何時の間にか戻ってきたほかのプレイヤー達の視線も
いまだに怖かったがそれ程じゃなくなった。要するに俺はこの世界に慣れたきたのだ。
そうすると不思議なもんでいろんなことが見え、聞こえてくるようになった。
静か過ぎると思っていたヴァナディールも色んな音に包まれていた。
川のせせらぎが、木々のざわめきが、人の気配が満ち溢れていたんだ。
リアルと変らない、まわりが『生きている』という気配があった。
町の住民も絶えず俺に親しげに話してくれるから、寂しい雰囲気にはならなくなった。
で、心にゆとりが生まれた俺は今更に気付いた。
――フリートが『何か』おかしいってことに。
「な、何が変クポ? ボクどこか変クポッ!?」黙ってフリートを放し、アゴに手をあてて考え込む。
何か変だ。そう、『何か』がおかしい。だが何がどうおかしいのかはわからない。
顔を上げフリートに聞いてみる。「体の調子はもう悪くないんだよな?」
「う、うん。ご主人が貰ってきてくれた薬ですっかり元気クポよ。それよりボクの何が変クポ?」
それが分かれば世話ないだろう。今俺がそれを探してるとこなんだから。
今度は遠巻きにフリートを見つめてみる。
「そのまま回れ。」「クポ?」「いいからっ。ゆっくりと回ってくれ。」
渋々ながらフリートはホバリングしながらその場でゆっくりと回る。
一周目……
二周目……
さ……ん……
………!! 「あ」 そ、そうか…。な…、なんで今まで気付かなかったんだ、俺!!
堪らずスッとフリートに背を向ける。突然のその行動にフリートの不安が最高潮に達した。
「……ご、ご主人!! なんで背を向けるクポ!!ちょ、ちょっとこっち向くクポ!!」
乱暴に俺の肩を揺らすフリート。「…聞かないほうがいい。」「な…。」
……かけてやれる言葉なんて思いつかなかった。
ていうか、俺がこれ宣告された日には落ち込むどころの話じゃない、ホントの話。
――「ごーしゅーじーん!! 」ついにフリート側に振り向かされてしまった。
「!!」フリートが固まる。「な、なんで、ご主人、泣いてる、クポ…?」
固まったままのフリートに、再び俺は背を向けた。
泣きたくもなる。だってそうだろう? お前が 『そう』なったのも俺のせいでもあるんだ。
『あの時』すぐに、そうすぐにでも……。思わずまた涙がこぼれた。そう『贖罪』の涙だ。
「ごめん…」鼻水混じりの声。「フリート…………ごめん…」
「ご主人…」右肩にフリートの手がのる。俺はゆっくりと振り向いた。
………ああ、あの柔らかい眼差しだ。俺の心を和ませてくれる、あの目だ。
そっとフリートが呟く。「ボクは何を聞かされても大丈夫クポ。」「…フリート。」
「ご主人がこれまでにあった酷いことに比べればどんなことでもへっちゃらクポよ!!」
「いや、でもな…」「ご主人」フリートの眼が真剣になった。
「ご主人はフリートを信じてくれたクポ。今度はボクがご主人を信じる番クポ!!」
「…………。」ありがとう……フリート。「……いいんだな?」フリートがコクと頷く。
「後悔するかも知れないぞ。」「覚悟できてるクポ。」
「わかった。」フゥッと息をつく。
「フリート、お前の……」
ほい、投下終了!!
続きは夕方に!!
ではリードさん、続きどーぞ!!
>>289 (*´д`*) ハァハァハァ
ヴァナ世界に則した魔法を習得したのね・・・と、おもったら一転、タナーカ登場!
どうなってしまうんだw
291 :
既にその名前は使われています:2006/05/06(土) 12:20:52.68 ID:2MKp0wuk
スレ消費が激しいね。次スレは国ごとに分ける?
・・・バスが落ちるか。
「・・・ズヴァール城で、フェイトの指揮を執っていたんじゃなかったかな?」
私はちらりと横に視線を送った。
表に出てきた先ほどの二人組が、周囲の変化に慌てふためいている。
頼むから、ここからできるだけ離れてくれ。
「あれにデキたんです。生ませるなら、気候の穏やかな土地がいい」
異動を願い出て左遷扱いでウィンダスへ、と言い、煙を吐き出した。
「今は“ナナシ”が引き継いでいます」
私は肩をすくめた。
ナナシは現場にいてこその男。デスクワークを続けていたら、そのうちブチ切れる。
(メイミィ・・・。行けと言ったはずです)
扉の影に立ちすくむ彼女の気配を感じ、私はTELLを送った。
返事はない。
邪魔できない、“赤い鎧”の気をひいてはいけないと、理解しているようだ。
「使える手駒を二人、引き抜いて連れてきています。“アビス”も現場復帰させました」
あぁ、と頷く。
「裸同然で懲罰房・・・、見るに耐えなくてね」
293 :
185 ◆ajBPG2hnCs :2006/05/06(土) 13:19:09.05 ID:hY5aqruq
リードさんの投下が終わったら投下します〜
>>291 国を移動する場合もあるし、その場合どうしたらいいかとか
色々問題がありそうかも…?うーん。
私は感情を消した心の声を、TELLでメイミィへと届かせた。
(はっきり言って、足手まといなんですよ。消えてください)
慣れていないあなたまで、巻き込んで済まない。
せめてあなたは、無事でいてほしい。
(あなたを抱かなかったのは、私の役に立たない無能者だからです)
忍術も使えない、裏を返せば、脅威とはみなされていない。
来訪者イコール抹殺ではない。
メイミィが涙をぬぐいながら屋敷の奥へと姿を消した。
リンクパールをまだ渡していなかった事に気がついたが、もう遅い。
まだTELLは届くだろうか。
(・・・さようなら)
闇の中、二つ並んだ赤い火が明滅する。
タバコも、残りわずかだ。
「最後に聞かせてもらえませんか」
チャリオットが改めて顔を向けた。
真剣な、眼差しだった。
「何故、裏切った」
「私たちは初めから裏切られていた」
ジジッ・・・、とタバコが音を立てた。
「私は一度だけ、真実の声を聞いた。理由はそれで充分だ」
「神の領域に足を踏み入れるな」
「そっくり同じ言葉を返すよ」
私はタバコを吐き捨て、爪先でもみ消した。
マナーが悪いですね、とチャリオットは携帯灰皿を取り出し、吸殻を入れる。
私とチャリオットは、壁際から背を離した。
「はじめようか」
「はじめましょう」
シャントット邸宅前の広場で、二人は対峙した。
296 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/06(土) 13:55:14.98 ID:ASnoN7Vv
投下は以上です。
185様、お待たせいたしました。
―――人間ってのはさ、冗談と本気のギリギリのところで生きてるもんだろ?
ってばっちゃが言ってた。
297 :
185 ◆ajBPG2hnCs :2006/05/06(土) 14:08:36.00 ID:hY5aqruq
>>296 ちょww何そのかっこいいばっちゃ(´∀`)
んでは投下しますー。
と、不意にシャントット博士がリードをびしりと指差して睨み付けた。
「これだけ隙を見せて差し上げているのに、待ちぼうけとはいい度胸ですわね!」
「…どういうことかな?」
リードは笑みをシャントット博士に向けている。心なしか空気が張り詰めたように感じた。
状況が飲み込めず、わたしは博士とリードとを交互に見回す。
「アナタがわたくしを暗殺しにきた刺客ということは、先刻承知ですのよ!」
耳を疑った。
(え、だってリードさんは届け物をしに来たって――)
「アルテドール候に最後まで付き従った英雄が、堕ちたものですわね!」
シャントット博士が矢継ぎ早に言う。
聞いたことがあるようなないような、という名前だ。
「エルディーム古墳で死に損なって、いまさらタブナジア壊滅の復讐ですの!?」
タブナジア壊滅の復讐…!?思いもかけない言葉に、思わずリードを見つめた。
リードはずっと無言のままで、博士の隙を窺うような様子でいる。
「たった今、シドからの手紙で確信しましたわ!
わたくしのみならず、神子様までを…ッ!!」
言いながら、博士が右手を振り上げる。
それを見て、リードは一瞬動きだそうとしたようだったが、何故かその場で制止したままだ。
バインド…かなにかだろうか?
何の話をしているかさっぱりだが、少なくとも博士がリードに敵意を抱いているのはわかる。
「わたくしの、超! 絶! 試作型破壊魔法で!光の粒にまで消滅させて差し上げますわ!」
シャントット博士が呪文を詠唱し始めた。
リードの周りをすさまじい強さの魔力が取り囲んでいく。
足下と頭上に魔方陣のようなものが幾重にも重なり、雷のような邪悪な光を発している。
わたしはなんとか止めようと考えるが、どうすればいいのかわからず
ただ慌てふためくことしか出来ない。
ロックをちらと横目で確認する。彼もわたしと同じような様子だった。
挑発してこちらを標的にさせる?
ううん、今詠唱している魔法のターゲットまでは逸れないから意味がない。
弱体忍術を使う?
ううん、だめ。よりによって、麻痺させて詠唱を止めるというかすかな望みがある
呪縛の術に使う触媒を忘れてきてしまった。
リードの体を徐々に光が包み込み、そのままゆっくりと渦巻いていく。
呪文の完成が近い…?
関係のない人物であるわたしがあの魔方陣のようなものの中に飛び込めば
もしかしたら止めてくれるかもしれない、そう考え、一歩踏み出そうとしたそのときに
突然入口のドアが勢いよく開き、待て、という叫びと共に誰かが走り込んできた。
タルタルの男性だ。彼はそのままシャントット博士の前に立ちはだかる。
――あの格好、見覚えがある…確か…、もしかして…
アジドマルジド?どうしてここに?
「やめるんだ、シャントット博士! この男は敵じゃない!
誤解なんだよ! 彼は、リードは、味方だ!」
アジドがそう訴えるが、シャントットは彼を一瞥するだけで詠唱を止めない。
するとアジドは、やめないならオレも一緒に消えてやる、と叫び
円の中へと飛び込んだ。
「…どうしていつも…」
言いながら、シャントットが詠唱時のポーズを解いた。
辺りに満ちていた魔力が、空気に溶けるように消えていくのがわかった。
リードの周囲に描かれていた紋様も消えた。
彼が振り向き、わたしに笑みをくれる。もう大丈夫だという合図だろう。
良かった…。ほぅっと安堵の息を吐く。吐息と共に、目に少しだけ涙が滲んだ。
(アジド様じゃなくわたしが飛び込んでいても、多分、ううん、
絶対止まらなかった気がする…)
今更ながら、どっと恐怖が押し寄せてきた。自分が死ぬこと、リードが死ぬこと。
誰にも死んで欲しくない。
「知らせを聞いてね。まさかと思って飛んできた」
そう言い、アジドがリードにウィンクした。
なぜいつも命を粗末にするんですの…と、ばつが悪そうにシャントットが問う。
「そこに信じるものがあるからだ」
問われたアジドはきっぱりと言い放った。
かっこいい…かも。素直にそう思った。
己が信じた道を突き進む。口では簡単に言えることだが、実行はとても難しいことだ。
「オレの話を、聞いてくれるね?」
照れたように笑んで、シャントットに歩み寄るアジド。
「アージェ…」
「シャナ…」
少しずつお互いに距離を縮めていく二人。
見ているこちらが恥ずかしくなり、思わず目線を逸らした。
(他人のラブシーンは、照れます…)
――と、何か違和感を感じた。
空気が変わった…、というより、何もかもの流れが止まった、という感じだ。
そう、人間の力では決して止めることができない、時の流れさえも。
外から聞こえていた雑音がぴたりと止まり、ハッと前に視線を戻すと
シャントット・アジド両名も、まるで蝋人形にでもなってしまったかのように停止している。
「これは…、想定外だ」
どこからか、男の声が聞こえた。
「“リーダー”。貴方は此処で永久退場する筈だった。エクスカリバー・ゼロと共に」
しんとした空間に、ただ男の声だけが響く。
何のことを言っているかはまったくわからない。
でも、声はリードに語りかけている、それだけはわかる。
ロックとわたしの少し前方にいるリードが、更に前方、部屋の奥を睨み付けながら
こちらに手をやって、動くな、と伝えてきた。
わたしは小さく頷いた。少しでも、落ち着かないと…。慌てたらだめ。
状況判断が正しく出来なくなる…リードさんの足手まといにだけはなりたくない。
自身にそう言い聞かせるが、それでも恐怖に体が震え出すのを止めることが出来なかった。
ロックをちらと見やる。彼は――前の二人と同様、ぴくりとも動かなくなっている。
彼は来訪者ではなかったのか。
「そこで停止しているアジドマルジドは、設定上、来訪者たちとは何の接点も無い筈」
「久しぶりに、顔くらい見せたらどうかな?」
言うと、リードの視線の先に、声の主であろう禍々しい赤い鎧を身に着けた男が現れた。
“ 赤 い 鎧 ”という名で噂される存在だと、言われなくともわかった。
以上です。
>>305 ううっ、なんてけなげなんだ(;´д⊂)
そんなメイミィさんに、リードは裏TELLでひどい事を言うわけですね orz
リードさんが思いやりで言った言葉ですから、
一時(つд⊂)な気分になってもメイミィはきっとわかりますよ。
308 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/06(土) 15:18:38.53 ID:ASnoN7Vv
投下は終了でしたが、今後の伏線に一つだけ投下します。
ウィンダスストーリー:“友に、別れを”
怖い人たちも投入です。
闇の中、バルコニーから見下ろす二つの影。
ひとつは漆黒の鎧姿をしたタルタル。巨大な両手鎌を肩に担ぐ。
もうひとつは、黒染めの羽帽子を目深にかぶった、長髪のエルヴァーン女性。
「ふ〜ん。やっぱりヤるんだ、あの二人」
ぞくりとするようなセクシーな声で、“デュエル”はほくそえんだ。
勝ったほうに抱かれたいわ、などと不謹慎な発言を漏らす彼女に、“アビス”が眉をひそめる。
「迷子の子猫ちゃんを探しに来てみれば。ふふ・・・、意外な収穫」
彼女の視線の先には、羅刹作務衣のミスラが小走りで去っていく姿があった。
「半べそかいちゃって、そそられるわね」
「デュエル。私たちの任務は、裏切り者の抹殺」
鎌を手にしたタルタルが、感情のこもらぬ声でたしなめる。
「ワタクシのことは、お姉さま、とお呼びなさい?」
優しさのカケラもない力強さで、ぐいっとタルタルの顎を上げる。
「せっかくアポカリプスをもらったのだし、雑魚相手とはいえ汚名挽回しないとね?」
「・・・わかっています」
アビスは腕をふりほどき、懐の中から何かを取り出した。
その姿は闇の中へと溶け込んでく。
デュエルは妖艶な笑みと残酷な気配を湛えながら、自分の出番を心待ちにした。
>>292 同僚が名前付きやっと出てきたヽ(´ー`)ノ
触発されてフェイトについてのSS書いてきました。
のちほどリード氏には、気に喰わない部分があれば改変等をお願い致しますm(_ _)m
『今後の来訪者に関する取決と処罰法』立案書
1.はじめに(来訪者について、フェイトの存在意義について)
我々とは別世界から来訪してきた者たちを指し、昨今その数は急増している。
彼らの存在は我々の世界の秩序を著しく損なう可能性を大きく秘めている。
例えば現在確認されただけでも、サンドリアにおけるエアリーシリーズなる装備品、
ウィンダスにおける秘薬、バストゥークにおける精密銃など、ほかにも日用雑貨など
いたるところに異世界のモノが溢れ始めている。各国の首脳陣は、国力増加を目的に
いち早く異世界の技術を取り入れようとやっきになっているのが現状である。
このような、世界のパワーバランスを崩すのに充分なほどのアイテムが運ばれている
事実を知る者は少なく、その理由は各国の首脳陣が隠蔽していると我々は確信している。
よって、我々はこの世界の秩序と平和を守るため、独自に自警集団フェイトを設立し、
来訪者ならびにそれに関わる人・アイテム・その他、異世界に関わるモノ全てを
捕捉、保護、抹消をしていくことでこの事態の収束を目指す。
2.フェイト活動内容
@来訪者の処罰
彼らの存在自体をもちろん、彼らがもたらしたと思われる装備品・消耗品など
全てのモノをその場で抹消とする。
原則として抹消を主とするが、我々の行動の優位が目的である場合には
確保あるいは拉致も可とする。
A情報操作
彼らの存在を知ってしまった者に対しては、その後の影響を考えると、
その記憶を操作し、彼らの存在を隠ぺいすることが無難だと思われる。
ただし、この方法には難があり、以前より彼らの存在を知っている者には
若干効力が損なわれることが報告によって立証されている。
(これについての詳細は参考資料25-4を参照)
B同志の勧誘
来訪者の中にも我々の活動を支持する者も少なくない。
同志として彼らを迎え入れることは、我々も歓迎するところである。
しかし、勧誘を断るなど我々の目的に賛同してもらえない、あるいは
裏切る行動を取る者に対しては2−@を適用する。
3.今後の動き
@現在存在する来訪者数の確認
冒頭にある通り今現在、急速的に来訪者の数は増えてきている。
早急に彼らの総数を調べあげ、今後の活動を円滑に行なえるように
諜報部はもちろん、戦闘部隊においても情報収集に力を入れて行なってもらう。
A来訪者のもたらしたアイテム回収とその改変
来訪者によってもたらされたアイテムに関しては早急に回収し、
世界に広まることを防止する。既に広まってしまったモノに対してはそれらの所持者を含め、2−Aを適用する。
(もし所持者に反抗された場合、2−Aは行動の制限を与えるものではない。)
アイテムは回収された後、その効力がフェイト団員に効果をもたないように
改変し、加えて新たな来訪者を見つけることを目的として発信機を取り付ける。
今現在、市場に出回っているエアリーシリーズを始めとする装備品の約60%は
我々によって改変されたものである。発信機はそれらの潜在能力が発揮されるか、
我々の持つ受信機が近づくことによって反応する。
B早急なる人員の増加
急増する来訪者に対して、団員の数と質において絶望的に足りていない。
この現状を打破するためにもわれわr…
「ふぅ〜」
書類を途中まで書き上げ、その終わりが見えたところでナナシは深く息を吐いた。
長時間における書類製作に流石に肩が凝ってしまった。
コキッコキッと小気味良い音を首を鳴らしながらナナシは
ビニールでコーティングされた袋に入った紙煙草とライターを持ってベランダへと出た。
外の景色は、おどろおどろしいほどに黒く淀んだ空と全ての光を阻むように一面に埋る雲があった。
まるでこれから起こる出来事を示唆するような景色に対して、
ナナシはまったくリラックス出来ないなと愚痴を零しながら、咥えた煙草に火を点けた。
火を点けたとこで、ゴトゴトっと部屋に飾られていたひとつの短剣が揺れ動いた。
「…まだだよ、お前の出番はまだだよ。もう少しの辛抱だから」
ナナシは、愚図ついた子供を諭すようにやさしく語りかけると
揺れていた短剣はぴたりとその動きを止めた。まるで短剣自体に意志があるように。
「そう、もう少し、もう少しだから……」
そういいながらナナシの顔は凶器に満ち溢れた笑顔に変わっていった。
まるで獲物を見つけた飢えた獣のように。
投下は以上であります(・ω・)ゞ
我々は新しい力を求めています。君もフェイトに入らないか?www
>>315 デスクワーク乙でありますw
最近自決できないヘタレが多いので、遠隔起爆もできるようにしましょう。
(謎の声:あ、それいいですね)
「恋のラブリーレジャーランド!
いいから来てくれ自○隊!・・・じゃなくてフェイト!」
>>316 遠隔起爆の件、既に内密で行なわれてるかと思われます(ぇ
その辺は、各書き手さんに任せると面白いかと思って曖昧な答えで留めておきますw
訂正
>>311 最初の「我々とは」→「来訪者とは」の誤りです(−−;
>>317 なるほどそうですね。書き手さんにお任せしましょ。
あーあ。
書類、初めから書き直しですね。羊皮紙とインクじゃぁねぇ・・・。
>>315 裏切り者なんかに俺はならない!!
ってブチ切れてる人多いっすね…。
来訪者はやっぱ怖い存在なのだなぁ…
>>318 いやぁ、修正テープもあるんでは?ww
じゃ、続き投下します!!
「毛の色が変ってる。」
「へっ?」
「その…なんだ…。」もう一つ息をつく。
「つまりだな……、あの時お前が吐いた色にお前が染まってるんだ……。」
ッピッシャァァァァァァン!!!!!!!!!!
フリートの背後にサンダーWが炸裂したように見えた。
「しかも前面だけ。」
ピッシャァァァァァァン!!!!!!!!!!
「更に、ところどころ染みみたいになってる。」
ドッカァァァァァァン!!!!!!!!!!
最後は地が崩れた音だ。
読者諸兄は覚えているだろうか。
フリートが床全体を覆うほどのジェルを吐いたことを。
『それ』にフリートが顔を突っ込んで失神していたことを。
確かに、俺はフリートを丹念に洗った。だが予想以上に濃いジェルに浸かったせいで、
所々に染みみたいなのがどーしても残ってしまったのだ。
いや、染みというのは的確な表現じゃない。簡単に表すと、
―― 牛模様に染まった、ってところか。
額(だと思う)、左こめかみ、右頬、右脇腹、左肘などなどに牛のあの黒模様のようなものが、
フリートの体にしっかりと刻み込まれているのだ。しかも黒じゃなく、緑がかった色で。
前面だけな。
そんなナナシさんにリアルから持ちこまれたシャーペンと消ゴム!
一応聞いとくけど、汚名挽回ってわざと?(・ω・)
やめときゃいいのにワザワザ後ろの水場で自分の姿を確認し、再びサンダーWを背後に炸裂させ、
ショックでややイナバウアー状態でピクピク痙攣してるフリートを見て、また涙が浮かんできた。
――いやいや、何をしている俺!! 慰めなきゃダメだろう!!
「な、なぁ!! フリート!! 別におかしくなんかないって!!かっこいいじゃな」ドコッ!! 行李が飛んできた。
鼻を押さえながら立ち上がる「…い、いや、お前の気持ちもわか」べッチャァ!!今度はメロンパイ。
顔を拭いながら「そ、そんなに気に」バッカァン!!次は魚鱗の盾かよ。
「なぁ」バキィ!!「人の」ズガッ!!「はな」ドッ!!「…」ボォンッ!!
「……いい加減しろぉぉっ!!」ダーツの要領で錆びた短剣を振りかぶったフリートの動きが止まった。あ、あぶねぇ…。
「な、なんで…」俯きながら震えている。「なんでちゃんと洗ってくれなかったクポォォォッ!!!」ブゥンッ!!
げっ!!短剣投げてきやがった!! 慌てて横に飛ぶ。カッ!!後頭部スレスレで壁に刺さった。
「だから、そんな物騒なもん…」起き上がりフリートに走り寄る。「投げるなぁぁぁっ!!」そのままアッパーカット。
どっかのマンガで見たように、フリートはきれいに吹っ飛んだ。そのまま下にドサァッと落ちた。
「お前があんな濃いもん吐くから悪いんだろ!!」息を乱しながら倒れているフリートに怒鳴った。
バッと起き上がるフリート。「だったら、回ってるフリートを早く止めればよかったクポ!!」
激痛。一番言われたくなかったことだ。「……う、うるせぇぇぇっっ!!この…」息をヒュウウと吸った。
「ゲロ染まり、モーグリがぁぁぁぁぁっっ!!!!!」
イイィィィィン…………………… ←残響音
…………………………
全世界が停止したかと思われた。
………い、言い過ぎた。これほど以上に石化しようがないほどガッチリと石化したフリートは下にゴトと落ちた。
慌ててフリートの近くにしゃがみこんだ。「い、いや、俺も言い過ぎたよ。ゴメンっ!!ほんっとぉに、ゴメ」
ドゴォンッ!!瞬時に飛び上がったフリートの頭頂部分が俺の顔面に直撃した。
「クポポポッ!! 引っ掛かったクポ、引っ掛か…った…ク…」
残念、直撃出来なかった模様。ゆっくりとフリートの頭を掴んだまま右手を顔から離した。「わかったよ、フリート…」
そのまま壁に向かってブン投げる。「お前がその気ならやってやろうじゃないかぁっ!!」まぁ、これで勝負はつ…
フリートは壁にぶつかる瞬間体勢を立て直し、壁に足を踏ん張った。「何ぃぃ!?」フリートが俺に向かって飛んでくる。
「何のぉっ!!」当たる前にフリートの顔を引っ掴んで、グィィィと縦横延ばした。
「ご主人に殴りかかってくるなんて大層だなぁ? ええっ? おぃィ!!」手にいっそう力を込めた。
「ちゃはんとあやまりゃないごふふじんは、おひおきするクポォォォ!!!!!」フリートの手が俺の両頬を掴む。
「ほりゃぁぁ、ほのてをはなへぇぇぇぇぇ!!!!」――――――
――― そう、この瞬間ヴァナディール史上初めて冒険者とモーグリとのケンカが成立した。
そして後に、この時のケンカが重要な意味を持つようになる、ってことは絶対に
無い。
くそったれ。
投下終了!!
な〜んか、コメディばっかだな…。
1スレ
>>898で言った「暗い」発言は嘘か、おいぃぃっ!!
>>259 焚き火・・・あぁ・・・この言葉には嫌な思い出が・・・w
>>289 なんてところで終わらせるんだーーー!!w続きをよこせえええ!w
少しずつ成長してる感じがいいです。タナカキタコレ
って続きキタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!!牛模様wwwwwwwwwwwww
重要な意味を持つ事はないんですか・・・w残念w
>>295 二人ともかっこいい・・・(*´д`*)
思いやったとしても言い方って物があると思いますwwww
>>305 もんのすごく保護欲をかりたてられますw
でもってやっぱりモニターの前で身悶えてますw
>>315 ついでにフェイトキャッチフレーズなんかも作ってみてはどうでしょうか?
「時間を止めろ!強力な武器で天魔覆滅!血が好きな活きのいい人募集中♪」テンマフクメツって漢字これでいいのかな・・・w
一晩眠ると不思議な事に心はずいぶんと落ち着いた。抱き枕代わりにしていたモグタンは
私が起きると狙い済ましたかのようにモゾモゾと起き始めた。
「おはようモグタン。」
「おはようクポ〜。」
モグタンはまだ寝ぼけ眼の私の腕からするりと抜けて元気良く回転し始める。朝っぱらから元気だなぁ・・・。
モグタンはまだ名残惜しげにベッドでモゾモゾとしている私を尻目にテキパキと朝食を作り始める。
そんなことを目の前でされると私も寝ている場合じゃないんだなと思わされるので、
何とか重たい頭を持ち上げてベッドから這い出した。
「うぅ〜・・・眠い〜・・・。」
「寝てていいクポ。」
「ううん、私も手伝う。ふわぁ・・・」
私は大きな欠伸を一つしてから、フラフラしながらパジャマの上にセーターを着込んだ後顔を洗いに洗面所へ向かった。
サンドリアの冷たくて硬い水は私の顔をキュッと引き締めるので、眠気も一気に洗い流される。
「よし!残ってる仕事は?」
「お湯沸いたから紅茶入れてクポ。」
「はいな、任せて。」
モグタンはすでにタルタルサイズとモーグリサイズに切り分けられた黒パンを部屋に運びながら私にこういった。
すでに温めてあったポットに紅茶を入れて熱湯を注ぐと部屋いっぱいに紅茶の香りが広がり、
それにつれてレンタルハウスの空気が柔らかくなってゆく。
「まるで魔法がかかったみたいにいい匂いクポ〜。」
モグタンはジャムを取り出しながら楽しそうにこんな事を言う。
どうやら彼はすっかりこのフレーズが気に入ったらしい。
私はいうまでもなく、このフレーズは大ッキライだ。楽しい思い出なのに彼のことを思い出すとやっぱりつらいから。
「モグタン、私、今熱湯を持ってるって知ってる?」
私は熱々の紅茶が入ったポットを軽く持ち上げた後、
ギロッと彼を思いっきり睨みつける。一晩眠って心が落ち着いた?どこが・・・。やっぱりまだ辛い。
「・・・失礼しましたクポ。」
私のただならぬ雰囲気に気がついたモグタンは素直にぺこりと謝ったが、それでも
私の気は晴れなかった。はぁ・・・なんでシャールカーンさんをふっちゃったんだろうな、って帰るためだもんね。
すっぱり諦めなきゃ私・・・。
どうしても気が晴れなさそうな私は怒気をこめて吐き捨てるようにモグタンにこう言ってやった。
「二度とそのセリフは言うな・・・バカ。エロモーグリ!」
・・・バカモグタン。本当に嫌がってるの気づけ・・・バカッ。
いつまでもズルズル気にして毎日顔をあわせるモグタンとケンカをするのもイヤなので、
朝食時にはちゃんと機嫌を直して楽しいご飯タイムにした。
機嫌しだいで接し方をコロコロ変えるなんて自己中心的だなとは思ったけれど、
さっきの出来事はモグタンが悪いし、モグタンもそう思ってくれたのか、いつもどうり私に接してくれた。
どちらかというと気分屋の私はモグタンのこういうところはちゃんと見習わなくちゃな。
楽しく話してる間は話に夢中になれるので余計な事を考えずに済むから幸せだ。
あんなことがあったというのに、今日の朝食はいつも以上にバカ話にはなが咲いて笑い声が止まる事がなかった。
朝食を食べ終わるとすぐにパジャマから白AFに着替えて、今日のシャクラミ探検の準備を始めた。
「私服もいいけど白AFが一番萌えるクポ〜。」
なんだかいちいちモグタンを気にしてこそこそ着替えるのもめんどくさくなってきて、
最近は普通にモグタンの目の前でも着替えるようになっていたが、さすがにじっくりと見られると相当恥ずかしい。
一度恥ずかしいと意識し始めると自然と頬も赤くそまってゆく。私は急いでヒーラーパンタロンの
タイツを穿くと、じろじろじろじろ舐めまわすように何度も何度も私の体を眺めながら、
時折満足げに頷いていたモグタンのボンボンをガシッとわしづかみにして玄関へと引きずっていった。
「私もそう思って白はじめたんだ。でも、そう思ってもいやらしい目で見ないでくれる?」
誰だ白魔道士のAFをタイツにしようって言った奴!誰だこんなエロモーグリを私に割り当てた奴!
私はモグハウスの外にポイッとエロ生物を投げ捨ててからテキパキと着替えを済まし、鞄の中にキノコの串焼きやメロンジュースを詰め込み始めた。
久し振りに左腕にズシリと重いホーリーシールドを装備し、由佳のリラコサージュをつけた髪の毛は邪魔にならないように
リボンでキュッとポニーテールにする。腰にぶらさげたダークモール+1はできれば使いたくないけれど、
甘えてはいられない・・・。今日はちゃんと装備していく。
集合時間まであと30分、モグタンをモグハウスに入れてやってから荷物の最終確認をする。
うん、忘れ物はないな。
「それじゃあモグタン、いってきます。」
「ご主人様、ムチャはしないでクポ。」
「ありがとうモグタン。大丈夫だよ、心配しないで。」
ちょっとだけ心配そうな表情のモグタンに私は笑顔で手を振った。
「いってきまーす!」
「いってらっしゃいクポ〜。」
やっぱり心配そうに手を振り返すモグタンにもう一度ニコリと微笑んで、私は集合場所の北サンドリアの噴水前へと向かった。
以上です。スレの進行が本当にはやいですねぇ・・・
334 :
既にその名前は使われています:2006/05/06(土) 19:08:34.22 ID:nJtDktlZ
さがってるしあげちゃえw
335 :
No.1->69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/06(土) 19:12:49.65 ID:2MKp0wuk
>>333GWが終わったらまたゆっくりになるだろうけど書き手が増えたからね。
まぁ増えてきたら増えてきたなりに書く気が失せる書き手も増えるだろうから安定するかと。
自分も浮いてるなぁと思いながらサンドリア編外伝かいてます。今Pの冒険書くのはあれかなーと。
########################
外伝。その羽。天高く。
「グウゥゥ!!アウウウウウッウ!!」それは人・・・とは言いがたい何らかの化け物だった。
鼻は穴だけで、頭には髪の毛がなく、とにかく丸く(脂肪がついてるわけではない)巨大。
それらが・・・同じ生物と思しき謎の文様を描いた布袋をつけたバケモノを犯している。
巨大な男根を晒した三体の化け物が次々とその布袋をかぶった化け物にのしかかり、尻に、股に、口にとつきこんでいる。
「・・・はっはろーーーー・・・?」彼は苦笑した。なんだこれは。夢にしちゃ悪趣味すぎる。
三体の化け物は布袋をかぶった化け物を離すと、布袋の化け物がドスンと大きな音を立てて崩れ落ちた。
「ニンゲンカ」その中の一体が言葉をしゃべった。
彼女の知っている言葉ではない・・・が、なぜか意味は完璧に理解できた。
336 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/06(土) 20:23:13.80 ID:JG7bKydJ
>>131 ありがとうございます。
のんびり読ませていただきます。
>>141 おわっ! 薬盛られてましたか……
>>145 無防備なメイミィ可愛いよメイミィ
>>146 なんという感知外!
ハズカシス(/ω\)
>>165 ネバッとしたヨーグルトワロスwww
>>174 危ないところでしたね
足をぶった切ったら意味ないのですな
337 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/06(土) 20:23:38.80 ID:JG7bKydJ
>>199 俺まで笑い死にしそうですがww
メイミィ可愛いよメイミィ
>>218 アジマルキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!
>>241 モグプウはもうだめぽ
Mhmuへ連絡して交換してもらうといいクポ
>>249 リンクきた!これでかつる!
見事すぎて何も言えないwww
>>254 アジルー!
生きてたぁ!
338 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/06(土) 20:24:36.30 ID:JG7bKydJ
>>259 寝ゲロワロスwww
>>284 タナーカ登場!がんばれタナーカ!
プレイヤーに負けちまえ!www
>>296 ばっちゃんかっこいーw
>>315 フェイトにだと?
入ったあかつきには、五円チョコとミニカーをくれるというなら入ってやろう。
ハハハwww
339 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/06(土) 20:26:08.98 ID:JG7bKydJ
>>326 げ、ゲロ染まりモーグリ(゜Д゜)
>>333 また何か起きる悪寒!
続きマダー?(AA略
最近フェロークエをやろうとしてるフレに名前を無理矢理リポケケにさせた。
反省はしていない。
「待たせたかな?」聞き慣れた声が聞こえ、顔をあげ、近くに歩いてくる人影に向かって手を降る。
ここはララブのしっぽ亭。ポカポカ陽気の昼下がり、俺はここでリードと待ち合わせをしていた。
「ちょっと前に来たくらいだから大丈夫。」リードに言うと、彼は今腰掛けているテーブルの反対側に座った。
このテーブルというより、椅子が厄介で、ただ丸太を切って作ったような椅子は、座ると足が届かない。他種族なら届くが。
ところで、昨日俺はモグハウスへ戻った時に見つけた丸いサングラスを今かけているが、リードも楕円に近いサングラスをかけている。
――二人だと明らかに怪しい。
「ここのところよく顔を見せるね。」横から声がする。見ると、ララブのしっぽ亭の女将、チャママが立っていた。
「今日は名物ないからね?」そう付け加える。早く漬物石届けないとかな。
「これが我々のリンクパールだ。」暫くチャママと話しをし、チャママがいなくなるとリードが手を差しだしてきた。そして、その手には単緑色の丸いものが転がっている。
「異端者のみで構成されている。気兼ねなく話せるだろう。」リードが言う。
なるほど。昨日言っていたパールはこれのことか。
「人はどれくらいいるのかな?」パールを受け取り、まじまじと見ながらリードに聞いた。
「まだ5人、君をいれて6人だ。渡す機会がないのでね。」リードが答える。
「イッチ、聞こえるか?」リードがパールを取り出すと、口元へ近づけ、話し掛ける。と、手の中にあるパールから、同じようにリードの声が聞こえた。
「聞こえてるにゃ。リードちん、ウチがこないだ話し掛けても返事してくれなかったから死んでるかと思ったにゃ。」女の声がパールから聞こえた。語尾が『にゃ』だから、多分ミスラなんだろう。
「新たに一人にパールを渡せた。これから自己紹介してくれるだろう。」リードが言った。あ、自己紹介はしないとだよな。
「はじめまして。レップです。」名前だけ言ってみる。
「レップちん、よろしくにゃ。ウチがイッチだにゃ」パールからイッチと自己紹介するミスラの声が聞こえる。
「イッチ、あとの三人はどうした?返事がないようだが」リードが聞く。
「さぁ?とんかつ食って昼寝でもしてるんじゃないかにゃ?」ニャハハハと笑いながら、イッチが答える。
「わかった。また何かあったら連絡してくれ。」リードが言う。
「わかったにゃー」イッチが答えた。
343 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/06(土) 20:28:48.63 ID:JG7bKydJ
とりあえずパールの場面だけ書いてみました。
イッチも登場させてみた。
344 :
既にその名前は使われています:2006/05/06(土) 22:45:12.95 ID:hY5aqruq
保守age
345 :
既にその名前は使われています:2006/05/07(日) 00:29:35.09 ID:Jt+F1Q1n
汚名挽回
346 :
既にその名前は使われています:2006/05/07(日) 00:54:00.13 ID:PJ3hK//T
汚名を挽回したらダメだろ…
裏氷河から帰還いたしました。
皆様、投下乙でございます。
>>326 ぽにゃぽにゃした雰囲気もイイ! 切った張ったばっかりじゃ身が持ちませんw
ところで世界崩壊マダー?w
>>333 最近、モグタンにたいする態度が甘くなってませんかー?w
>>335 ウィンダス編でのロックの顛末は決定していますし、
こちらは気にせずバス編の続きわっふる^^
>>343 サングラスの二人組あやしぃ〜w
ちなみにリードの合成スキルは釣り2、調理2、裁縫1なので、
眼鏡なんてとてもじゃないけど手が届きませんよう・・・。
きっと普通のオサレ用だったのでしょうw
「汚名挽回」
私のSSで使った表現の事をいわれているのだと思います。
ググリました。
「汚名挽回」は、「日本語の誤用」を話題とする人たちにとって、非常に「人気のある」言葉です。
「的を得る」や「役不足」などと並んで真っ先に取り上げられることが多く、「他人の間違い」を手っ取り早く指摘したいなら、格好の題材となります。
たくさんの人が指摘していることから、その指摘自体に出会う機会も多くなります。
当然、この言葉が「誤用」であることを知っている人も多いことでしょう。
いまどき「知らなかった」などと言っているようでは、情報収集能力が低いとみなされかねません。
あちゃぁ。うっかり使ってしまったのです。
はい、まとめに載せる際には修正いたします。
(他にもツッコミどころ満載なのに、ねw)
深夜に闇からコンニチワ。意外な所から横槍出してみますw
ですが、渦の中心、本人の所には関わらないハズなのでご安心を。
ウィン渦の中心の人々。大筋はそのままに細部にパラドックスを起こします。フフフ。
現場型の人の中間管理職な人。【危険】【爆弾投げ】【気を付けてください。】
百合姫…ナカーマ(;´∀`)ノヽ(´∀`;)
緑牛柄モーグリ。イ`w
日は高く昇り、モグは部屋の水場で涼んでいる。私はアジルに、アジルが判らない事を知る範囲で教えていたが…
いつからだろうか、私は何か…こう…違和感を感じている。なにかがオカシイ!という訳では無いのだが…。
「どうしたの?何か悩み事?」
アジルが不思議そうな顔をして問いかけてくる。
「ん?あぁ、大丈夫。悩み事って訳じゃ無いんだけど…何か、違和感が…ねw」
「…私が、ココに居る事?」
「いんや、全く別の何かだ。なんていうか、近くのどこかで何かおこりそうというか…なんていうか…。」
「ん〜、虫の知らせ…っていうもの?」
「かもしれない。躯に聞けば判るのかもしれないけど、あいつ今起きてないみたいなんだよねw」
アジルに躯は、遠い辺境に居る兄弟で、奴のtellは相手の口を動かすモノだと説明しておいた。
「そっかぁ、残念。躯さんとtellしてる所、見てみたいのにぃ。」
その後も暫く雑談が続いたが、ソレは唐突に訪れた。
―――ザワッ
全身の毛に、不愉快な、神経を逆撫でする風を感じた。窓からは穏やかな風が……入っているハズだった。
「?…どうかしたの?」
「何かおかしい。さっきまでの予感じゃ無く、今、この時が。」
耳を澄ませる…私とアジル以外の音が、無い。 流れる水の音も、周囲に居るハズの人々の心臓の鼓動さえも。
アジルを残したまま席を立ち、部屋の奥に向かう。
「…あれ?急に静かになった…?」
「これは……どうやら、静かになったってレベルじゃ無い何かが起きてるらしい。」
一点を見つめたままアジルを呼ぶ。私が視線を釘付けにしている所をつられて見て、「あれ?」と首を傾げる。
「水が…水の流れが…止まってる?」
「水が止まっている…というより、時間が止まってる…って感じだな。」
2人の視線の先の水場では、涼んでいるモーグリと、そこに流れ込む水が、飛沫の1滴ですら静止していた。
冒険時の装備を着て、アジルには自動装填装置付きのクロスボウを持たせ、自身は愛用となった二連装銃を持つ。
幸い扉は正常に機能したが、有象無象の全ての時が止まっていた。一部の人々以外。
モグハウスを出て森の区まで着くまでに、少なくとも2人は動く人を見かけたが、敢えて避けた。
この尋常じゃ無い状態で、むやみやたら人と接触するのは危険だ。と、体が、本能がそう告げていたから。
私が思いっきり臆病なまでに周囲の気配に注意しているのに、アジルは普通〜に歩いて着いて来る。…仕方無いけどさ。
石の区に入った所で明らかな異変に気付く。橋の途中から、石の区全体が何か黒い球体のようなモノに包まれている。
中は見えるが、昼にも関わらず、日光が8割方遮られたような暗さを保っている。
球体に小石を投げてみたら、バジィィッ と黒い紫電を伴い弾かれたので、どうやら中には入れないようだ。
もどかしい。もし何かが起こっているとしたら、間違いなくこの中だ。
そして、恐らくこの球体が消えて時が動き始める時、元凶は目的を達して去った後か、元凶が死んだ時だろう。
止まった時の中で、敵を目の前に…といっても目視は出来ていないが。
敵の居る区画を知っても、中に入れないのでは何も出来ず、ただ時が過ぎるのを待つしか出来ない。正直辛い。
「サンさん…ねぇ…サンさんってば。コレ、見て。」
「ん?どうしt…ってうおいッ!?アジルお前大丈夫なのか!?」
黒い球体に弾かれる事無く、手を突っ込んだ常態のアジルがソコに居た。
原理は判らないが、何故か私とアジルは無傷で球体の中へと入った。
試した所、内側から投げた石は外に出たが、外からは弾いた。強烈な紫電と共に。
単に有機体が通れるのか、何か特別な仕掛けなのかは判らないが、自由に行き来出来るらしい。少し安心した。
とりあえず、競売を覗いて漁る誘惑に駆られたが、なんとか抑えて、今、名声を唄うタルタルの前に居る。
明るいが暗い空間の中に、巨大な影として星の大樹が聳え立っている。この景色…どこかで見覚えが…。
「デュナミス…」
無意識に呟き、その言葉を聴いた後に思い出す。そう、この空間は、記憶にあるデュナミス-ウィンダスの景色だ。
つまり、球体は現実と幻想の境界、球体の中は、そう…奴の悪夢の中。そういう事か。…いや、それにしては変だ。
奴の悪夢の中なら、石像や、古の殉教団の格好をしたヤグードの戦士達が居るハズだが、どこにも見当たらない。
どうなってるんだ…大樹を望んだまま、頭の中で堂々巡りを繰り返す私だったが、答えは出せなかった。
「ね…ねぇ、サンさんッあれ!シャントット博士のお宅の方!誰か泣きながらコッチに来るよっ!」
唐突にサンが小声で叫び、天の塔へ向かおうとしていた私は呆気にとられ……
―――ゾワッ
突然体が、近付く"敵"を察知する。不安と高揚を伴う歯痒い感覚を感じ、危険を目前にしながら、顔には邪笑が浮かぶ。
敵ハ、誰ダ…アノ、近付イテ来ル ミスラ デハ、無イ…視認出来ナイ場所…アストラル界カラ現レル…敵。
私とは別の思考が流れる。躯なのだろうか…。
金の右目が生者を殺めるかもしれない事に爛々と輝き、紅い左目が無感情な殺意の炎で妖しく光を放っている。
何故わかるかって?判るさ。見えない空間からどこか定位置に来る敵は、無用心に逃げる素人を仕留めに行く。
私は、ソレを背後から撃ち殺す。そう、それだけだ。 だが、身の内は悦びに似た感情で昂ぶっている。
そう、私は…私の身体は今、敵を殺す為だけの人斬り庖丁だ。鉛玉を撃ち出す、紅と金色の銃身だ。
ゾクゾクと湧き上がる不安と高揚感を感じながら、100m程先を、下を向いたままトコトコと走ってくるミスラを見る。
「…君には悪いが、囮にさせて貰うよ…ククク……。」 傍らのヒュームには聞こえぬ音域で、私は独り言を言った。
「ぁ…あのッ…サン…さん?」
声は聴こえなかったハズだが、余りに豹変したからだろうか、不安そうな顔でコチラの様子を伺っている。
「アジル。君は天の塔外周に行ってくれ。そのボウガンは、あの距離から撃っても標的に当たるよう改造してある。」
ミスラを見たまま答える。 改造した覚えは無いが、昼に見慣れない形に変わっていたので、恐らく本当だろう。
アジルは真剣な顔をして頷いた後、足音が立たないように塔へと走って行った。
アジル、本当に記憶が無いのか?体が覚えてるにしては出来すぎているぞ?視線をミスラに向けたまま、そう思った。
以上です。
覚醒常態なりかけですが、自我保ってるので気にせず。
囮にされるミスラさん、すいません本当ウチのサンがご迷惑をお掛けしてすいません orz
では、御機嫌よう……。さすがにこの時間は誰も居ないでしょうけどw お休みなさい。
355 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/07(日) 07:54:38.22 ID:nKG+Rwrk
おはようage
>>354 投下乙です。
意外なところから参戦ですね・・・。メイミィさん危うし!
チャリオットの絶対結界は出入り不可能。
捕らえた人を外に出さないだけでなく、内部でタブナジア級の災厄が発生してもエリア外に被害を及ぼさないためのもの。
さらにイレギュラー系(基本的にいま動いてる人たち)以外は修復できるバックアップ機能も有する。
リードは勝てないまでも何とかして結界をほころばせて、メイミィを外に出そうと無駄に命を散らすわけですが・・・。
どうしてサン&アジルのエロエロカポーが侵入できたのか、私にはワカリマセン。
464様に説明していただきましょう(にっこり)
>>356 謎生物ですかr
…というのはおいておいてですね、
説明含むSSを書くつもりですが、
先だとタルタルさんの生死を私が決める事になってしまいますが、宜しいでしょうか
って、誰がエロエロカポーですか、誰がwそういう間柄じゃありませんッ!(微妙に頬を染めて真顔で
>>357 鎌タルならば、半べそミスラさんのほうには向かってませんよーん。
ただいま書き書き中なれば、しばしお待ちを。m(_ _)m
お互いに距離をとり、立つ。
チャリオットは小脇に抱えていたヘルメットをかぶりなおした。
端正な顔は隠れ、ただその奥の双眸が、ぼぅ・・・と赤く光る。
無造作に、その手を伸ばす。
ズズズズズズ・・・。
ゆっくりと、何もないはずの空間から一振りの刀を取り出した。
無銘だが彼にとっては何にも代えがたい愛刀。
全身鎧に、陽炎はまとわなかった。あらためて言うまでもない。
チャリオットは、本気で決着をつけたいのだ。
私は、よだれまみれのガンビスンを後ろに投げた。
エクスカリバーを抜く。右手に、ずしりと剣の重みがかかる。
これまで奪ってきた幾多の命。これから護るべきたった一つの命。その重さだ。
これが最後だと思うと、自然、力が入る。
「・・・・・・ 変 身 ・・・・・・!」
全身を光が包み込み、純白の騎士鎧に形を成した。
左腕には特徴的なデザインの盾が現れる。
底知れぬ力が体中を駆け巡る。
思わず武者震いをして、ぐっとエクスカリバーを握り締めた。
迷いはない。
決着の準備が整った両者の目線が交差する。
どちらともなく、口を開いた。
「ゆくぞ―――!」
「ちょぉぉぉぉぉっっと待ったぁぁぁぁ!!!!」
邸宅の前から飛び出した二人。。
エラントウプランドをまとい、赤い羽根帽子をちょこんとかぶったタルタル。
その隣には、挙動不審げなアダマン鎧のミスラが寄り添っている。
先ほどから、逃げもせずそこにいたらしい。
「相手にとって不足はない! 加勢するぜあんちゃん! この、ク・・・」
「・・・赤い彗星・・・」
ぼそっ、とミスラが
「僕の名前は、クルス・ルクススだぁぁぁ!」
突然の乱入に、切り結ぶ寸前の私とチャリオットは足を止めた。
「フッ・・・ハハ・・・ハッハッハッハ・・・!!」
チャリオットがヘルメットの奥で笑いを漏らした。
「何を狙っているのか疑問でしたが・・・」
チャリオットはひとりごちた。
「あのミスラを遠くへ逃がした後で、命と引き換えにゼロの力を解放するつもりでしたね」
図星だった。
チャリオットが用いる結界は、必ず自動復旧が組み込まれている。
ゼロの力で石の区のほとんどを消滅させても、皆が気づいた時には元通りだ。
しかし、来訪者や“赤い鎧”が死んだ場合は、それまでだ。
「それももう不可能になった。間違いなく同朋を巻き込んでしまいますからね」
二人は、こちらの世界にきて間もない来訪者だったようだ。
かなわぬ敵なら逃げればいいのに、相手の実力も推し量れないのか・・・。
「彼らなど知らない。自己責任だ」
「嘘ですね。あなたはそういう男だ」
私の苦し紛れを、チャリオットが即座に否定する。
私は歯噛みするほかなかった。
「あなたの目論見は水泡に帰した。万に一つの勝機を失った」
「なんだか知らないけど、赤い鎧は敵だ! みんなで倒してやる!!」
クルスと名乗ったタルタルは、立て続けに呪文を唱えた。
ファランクス、ストンスキン、リフレシュと、高位の強化魔法を次々と自分に施していく。
赤魔道士だけあって、明らかに魔力の組み上げ方が早い。
「ほら、クー! お前も空蝉!」
「あ、うん!」
クーと呼ばれたミスラが、人型の紙片を摘み上げた。
目の前に掲げ、念を送る。
ドスッ。
彼女の胸から、三日月状の刃がギラリと鈍い光を放って生えていた。
「え―――?」
それはすぐさま引き抜かれ、円軌道を描く。
一閃。
まるでボーリングの球か何かのように。
クーの首が、軽くバウンドして足元に転がった。
「・・・任務、完了」
助けになど走れるはずがない。
今、目の前にはチャリオットが立っている。
「裏切り者には死、です」
チャリオットが無感動に言う。
いまさら私に返す言葉はない。自分も何度、同じ行為に手を染めたかしれない。
「そのタルタルは殺さないように」
チャリオットは刀を正眼に構えた。
攻守を備えた基本の構え。そして相手たる私にとって、一番やっかいな構えだ。
「いざ、勝負―――」
私は視界を妨げないよう盾を引き、剣を前に出す。
太刀打ちできないのは先刻承知だ。だが、それでも引けない。
「貴ッ・・・様ァー!!!」
一瞬あっけに取られていたクルスが絶叫した。
相棒の首を刎ねた鎧姿のタルタルを、今までにないほど殺意のこもった目で睨みつけた。
“連続魔”
比類なき赤魔道士が身につけている、最初にして最後の奥義。
己の知りうる中で最強の呪文を、クルスは強く、強く思い浮かべた。
バルコニーから見下ろす影に、気づく余裕などなかった。
364 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/07(日) 11:37:54.59 ID:nKG+Rwrk
つ・・・疲れた・・・(ぱたり
464様、お待たせして申し訳ありません。ひとくぎりです。
“赤い鎧”に注意を向かせておいて、姿を隠し背中から不意打ち必殺の一撃。
汚名を挽回でも合ってるかも知れませんね。
リードさん、お疲れ様です
泣いてるミスラさんですが、扱いに関して何か指定はありますでしょうか?
無ければ多分……いえ、指定無い場合の結末は言わないでおきます。
>>365 さっそくのレスありがとうございます。
185様のキャラですし、私から言うのもおこがましいというか・・・。
フィールドの境界線まで行くものの、そこで思い直してリードのところまで引き返すというのを考えておりました。
忍術が使えなかったはずのメイミィが、助けたい一心で使えるようになるという成長の話っぽく。
陳腐。だが、それがいい!w
メイミィかわいいよメイミィ。
367 :
既にその名前は使われています:2006/05/07(日) 11:52:35.38 ID:vjPk+qkh
ミスラがやられそうになったら俺が出て行ってハイスラでぼこるわ・・・
>>366 わっかりました〜!では、その部分を多少考慮して、書いてみます。
………もし期待と違ったらスイマセン。先に謝っておきますw
>>367 内藤!残念ですが既に1人殺られてますよ!!
今書いてる途中ですが、私は書いてから一気に投下するタイプですので、
完成しいて書き込む宣言するまでは、普通に書き込みしてて大丈夫です。
では、書きに戻ります。
371 :
898 ◆txXF4c8A0o :2006/05/07(日) 12:14:55.67 ID:jYKMWCFq
すごいなぁ、みんなすごいなぁ…。
そういえばブモ、誰も登場させてませんよね?
誰か連れてってやってください!!いなければ俺が連れて行きます!!(ぇ
メイメィさん(ミスラ♀)が人気ですなぁ…、ユリフィナさんはタル♀か…
…あれ?ヒュム♀は?
で、まだまだ先ですけど次のスレタイ
「Real for Vana'diel 自キャラになった冒険者達」
希望!! で○お、がちらつくので…
372 :
既にその名前は使われています:2006/05/07(日) 12:17:19.95 ID:vjPk+qkh
りあるででおになった冒険者たち?
373 :
既にその名前は使われています:2006/05/07(日) 12:22:16.45 ID:vjPk+qkh
御免吊ってくる
>>399 なんだか嬉しいような恥ずかしいようなw
海の家とかならサングラス二人組みも自然なんだけどなwイッチトンカツ大好きだなぁw
>>347 べ、別に甘くなってないんだからねっ!
かまってやるのが面倒になってるだけなんだから勘違いしないでよ!
>>354 ちょwコワス・・・w ウィンダス編ももりあがってきてワクワクしています
>>364 ク・・・クーちゃんが((((;゚Д゚)))ガクガクガクブルブルブル
>>371 そういえばヒュム♀さんは今のところ微塵した人だけなようなw
ウィンダスが大変なことになってますね…
wktkしつつ、少し投下します。
(181)
外壁にはいくつか段差があり、これを何度か飛び降りて行かないと居住区にはたどり着けない。
一つ目の段差のところでラディールが足を止めてしまった。目で促すが、後ずさり始める。
「高いところ…苦手なのよ…」
急いでるってのになにカワイイ事言っちゃってるんだか。
「あっそう」
俺はツカツカとラディールに近寄ると、彼女の背中に手を回す。
「首、しっかり持ってな」
言われるままに首に腕を巻きつけるラディール。俺はそのまま体を屈めて膝からすくい上げるように持ち上げる。
「なっ!ちょっと!」
「急いでるんだって」
彼女の言い分には耳を貸さず、お姫様抱っこの状態で段差を飛び降り、そのまま走り出した。
声にならない悲鳴を上げながら必死に俺の首にしがみつきながらも、むくれたような顔をしている。
「かえって目立つんじゃないかしら…」
「そりゃないな、こんなところ誰も見やしない」
青い顔をしながら苦し紛れに出したような嫌味もサラッと流す。
「ここに居られましたか」
背後からの若い女の声に反射的に振り向くと、そこにいたのはメイド姿のミスラだった。
ここ、外壁の上なんだけどなぁ…
(182)
「突然お姿が見えなくなりましたので探しておりました」
「まぁ、色々と訳アリでね」
「…そのようですね、お邪魔でしたか?」
マルトはちょっと困ったような顔をしている。
「ちょっと!違う!違うわよ!これは…ルーファス!離して頂戴!」
俺の腕の中でラディールが暴れ始めたので、そっと降ろす。
「別に照れることないだろ?」
「そういう問題じゃないでしょう!!」
抱き心地が良かっただけに、ちょっと本気で残念だ。
「お話中恐れ入りますが、そのお怪我は?」
「…訳アリだ。別に自分でやったわけじゃないから安心してくれ」
自分で言っておきながら、どういう安心の仕方だろうと首を傾げてしまう。
「とりあえず傷の手当てをいたしましょう。屋敷にお戻りください」
「ん、そのつもりだよ」
「ではこちらへ」
そう言うと、マルトはいきなり城壁から飛び降りた。慌てて下を覗き込むと、10メートルほど下で平然とこちらを見上げている。
俺とラディールは一瞬顔を見合わせた後、2人でマルトに向かって首を横にブンブンと振った。
(183)
飛び降りるよりは若干遠回りになったが、外壁を回って居住区に入りシュヴィヤール家の屋敷に戻った。
屋敷の応接間では、マティエール爺さんがお茶をすすっていた。
「南サンドリアに突然現れたという死体、坊ちゃまが何か関係していますので?」
開口一番、やんわりとした口調で俺に問いただす。耳が早いな…
「関係してない訳じゃないが…ありゃ自分で飛び降りたんだ」
「そうでしたか。しかし、彼は一体何者なのですかな」
「あいつは赤い鎧だ」
「そうでございましたか」
話す傍らでラディールが俺の体の傷に手を当ててケアルをかけ、マルトは羅刹作務衣の破れた箇所を繕ってくれている。
「では、赤い鎧の力でこの国の者達の時間が止まり、坊ちゃまはそこで戦っておられた、という訳ですかな」
「俺1人じゃなかったけどな」
「その方々は?」
「…なぁ爺さん。妙な探りを入れるのはよせよ」
「ほっほっほ、他意はございませぬ。情報を収集するにはその下地となる基本情報が必要でございますれば、それをお伺いしているまででございます。」
食えない爺さんだ。
「一緒にいた連中なら、後でここに顔を出すように言っておいたよ。本当に来るかどうかは知らないが」
「お知り合いでございますか?」
「…どうだろうな、微妙なとこだ」
(184)
「…爺さん、なんか隠してないか?」
「坊ちゃまも爺に隠していることがおありでしょう?」
爺さんの眼光がにわかに鋭くなり、ラディールが俺と爺さんの顔を見比べながらオロオロしている。
どうしてまぁ、俺が頼ろうとする先はこうも探り合いが好きな連中なのかねぇ。
「後で俺のことは洗いざらい話そう。その前に、爺さんが何者で赤い鎧や黒マントにこの情報が漏れないという確証が欲しいな」
「ほっほっほ、爺をお疑いでございますか。よろしいでしょう、先ずこちらの情報を提供いたしましょう」
爺さんの眼光が緩むが目が笑ってない。能面の翁みたいな顔になっている。
「まず、坊ちゃまが赤い鎧と呼ぶ者達の本拠はここより北の果て、ズヴァール城にございます」
「おい…」
欲しい情報があまりにあっさりと出てきたことに、俺は思わず声を出す。
「その者達の名は『フェイト』。世界の秩序を守ることを目的とする者達でございます」
「お爺様…」
マルトが思わず声をかける。まさに色を失ったというような顔をしている。爺さんはさらに続ける。
「暇を取り60年となりますが、かつて私もその組織に所属していたのでございます」
能面のような顔のまま肩を竦めて含み笑いをする。
「もっとも、かの組織で私は死んだ事になっておりますでしょうがね」
「…爺さん、あんた本当はいくつだ?」
「そうですな、確か今年で140でございますよ」
380 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/05/07(日) 13:13:04.29 ID:PJ3hK//T
投下終了です。
アジル復活記念ageしつつわっふるわっふる!
>>380 乙ですヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ
140歳のおじいちゃんキタコレ!なんだかマルトさんも只者じゃなさそうな感じが・・・
では、短いですが私も投下を
「ユリフィナ〜!こっちこっち〜!」
恍惚とした表情のアリアちゃんに抱きかかえられた、鋼鉄系の装備に身を包んだシャントット先生・・・ではなくて、
リポケケが笑顔で元気良く私に手を振った。
どうやらこの数日の間にLV50になったらしい。懐かしいなぁ・・・そういえば私も初めてLV50になった時、
必死に金策して鋼鉄系一式そろえたな。
「おはようリポケケ、アリアちゃん」
私も二人に手を振りそちらに駆け寄る。アリアちゃんはモンクのAF姿で、背中には何が入っているのかわからないが、
みてるこっちが疲れてしまいそうなほど重たそうな巨大なリュックサックを背負っている。
やっぱり中身は研究用の機材とかそういう物がいっぱいなのだろうか?
彼女の赤い髪の毛はモンクAFとの相性が抜群で、どのくらい相性がいいかというと
まるでAFが彼女の為にオーダーメイドで作られたのではないかと思ってしまうほどだった。
あまり長くはない髪の毛を後ろで二つに分けて結んでいるのも活動できな感じがして
モンクっぽい雰囲気をかもし出すのに一役買っていた。・・・あれ?でも彼女は魔法研究家なのにモンクでいいの?
そんなことを考えている私をアリアちゃんが不満げに頬をふくらませて見つめていた。
「リポケケちゃんだけじゃなくてユリフィナちゃんも忘れてる〜。ねこみみ。」
「あ・・・。」
そういえばLSメッセにネコミミローブ着用って書いてあったような・・・。
「ごめんごめん、すっかり忘れてた・・・。」
私はちょっとアリアちゃんを上目遣いに見上げて顔の前で両手を合わせた。その途端ひょい、と体が浮いた。
いや、体が浮いたわけじゃない。アリアちゃんにヒーラーブリオーの襟をつかまれているだけだ。
首根っこをつかまれた猫みたいにプラーンとぶら下がっている私の目の前にはとてもいい笑顔のアリアちゃんの顔が。
もんのすごく嫌な予感が・・・。
「でもいいの!!ユリフィナちゃんこのままでもかわいいからっ♪」
右腕だけで器用に私を抱きしめて
「リポケケちゃんも!」
左腕ではリポケケを抱きしめる。そして左右の頬を器用に使って二人同時にほお擦りをする。
あぁ・・・道行く人が何事だって顔でチラチラこっちみてるよ・・・。
「ね、アリアちゃん!人が見てるから!やめてよ!恥ずかしいよ!!」
「ほっぺたが痛い〜!」
キャーキャー騒ぎ始める私たちが衛兵に説教をされるまでには大して時間はかからなかった。
説教をされている間も私たちはアリアちゃんの腕から逃がしてはくれなかったため、
ユファファとオヤジさんがきたときも私たちはアリアちゃんに抱きかかえられたままだった。
アリアちゃん・・・騒がないで無言でニヘラニヘラと笑っているのも不気味です・・・。
「おまたせっ!・・・って二人ともフードは!?」
白サブリガにハーネスという犯罪すれすれ、もとい犯罪者の格好で現れたヒゲヒゲオヤジさんと一緒に登場したユファファは
猫だけでなくてネコミミフードも律儀に被ってきた。
ネコミミフードにナイトのAFという格好はなんだか・・・ぶっちゃけると変だ。
「わすれちゃった。」
「ごめんね〜。」
しばらく黙ってポカーンと私達をみつめていたユファファの顔が突然ボッと真っ赤になった。
そして彼女は両拳を握り締めてぶんぶんそれを上下にふる。あ、なんかそれカワイイ。
「こ、この裏切り者!なんで私だけなのよ!!恥ずかしいじゃない!!!」
「や〜ん、ユファファか〜わいい〜〜!」
アリアちゃんはうっとりとした表情でユファファをしばらく眺めていたが、
しばらくすると私たちを抱きしめたまま貪欲にユファファまで抱きしめにいく。
いや、無理だから。人間の手は二本です。
でもこのままだとじりじりとアリアちゃんと距離をとり始めるユファファに飛びついて、
その際に振り落とされそうなので私は彼女の首にしっかりと腕をまわす。
「さて、全員集合した事だしそろそろ出発しないかね?」
このまま追いかけっこを始めそうな二人の間にすっと入り込んで
一番まともじゃない格好のオヤジさんが一番まともなことを言う。
「それもそうね。それじゃあユリフィナちゃん、テレポメアお願いできる?」
「おまかせあれ。」
私はニコッと微笑んでアリアちゃんの腕から飛び降りた。
「準備はいい?テレポメアいきます!」
ヴァナディールではすっかり言いなれたこのセリフもいざ自分の口で言うとなんとも不思議な感じだ。
全員がうなずくのを確認してから私は両手を広げてテレポイントメアへの扉を開くための魔力を集め始めた。
サンドリアには私がヴァナディールにいる間はきっともう二度と行くことは無いと思う。
だって偶然にでもまた、あなたに会ってしまったらきっと元の世界に帰りたくなくなってしまうから。
だから、さようなら。元気でいてくださいね、シャールカーンさん。
ふわりと体が浮かび上がったかと思うと次の瞬間、目の前には酷い砂嵐の殺伐とした荒野が広がっていた。
別に後ろを振り向いてもテレポクリスタルがあるだけだなんてわかりきっているのに、振り向かずにいられなかったのは
やっぱり私は諦めが悪いからなんだろうな。
以上になります。それではみなさんわっふるわっふる!
387 :
185 ◆ajBPG2hnCs :2006/05/07(日) 13:36:37.76 ID:0TzZqbGC
>>364 クーがぁぁ(´;ω;`)ブワッ
>>365 サンさん参戦ですか!wktk
メイミィを出してくださるとは(*´д`*)
お好きにいじくってくださいw
投下いきますー。
リードが、“赤い鎧”に向かって「チャリオット」と呼び掛けた。
知り合い…?そういえば、さっき“赤い鎧”もリードを「リーダー」と呼んだ。
「シャントットの記憶をいじったな。いつ仕込んだ?」
「モンブローからクエストを受けただろう。その時点で、貴方の末路は決まっていた」
ようやく先程までの博士の様子の意味がわかった。記憶を書き換えていたなんて…
“赤い鎧”はそんな能力を有しているのか。
「人間は運命をくつがえす。いつだってそうだ」
そう、だから来訪者は危険なのだ。“赤い鎧”はリードの言葉に同意し、そう返した。
タバコを吸いに、リードと“赤い鎧”の二人は屋敷の外へと出ようとしている。
わたしの体は、あの禍々しい男の気に圧されて、ただがくがくと震えているだけだった。
表に出ようとした“赤い鎧”がふと足を止め、外にいた誰かに「どけ」と言い放った。
が、わたしにはそれが誰かまで確認する余裕も何もなかった。
ただ、心配だった。リードのことだけが。
“赤い鎧”と戦って無事で済むわけがない。
〔メイミィ。私のTELLが聞こえるね〕
頭に直接、リードの声が響いた。
これは…tell?返したかったが、やり方がわからない。
〔私たちが外に出て、5分経ったら屋敷の裏口から外に出てください〕
更にリードの念話は続く。
〔石の区の出口ギリギリに待機して、結界が緩んだ瞬間に通り抜けなさい〕
「でも…」
――リードさんは?
そう言おうとしたが、リードは続きを目で制して、
そのまま“赤い鎧”と共に表へと消えていってしまった。
外からは、“赤い鎧”とリードの話し声が微かに聞こえて来る。
わたしはよろよろと扉に近付く。が、外に出ることは出来なかった。
…怖い。でも、このまま逃げることも怖い。
(リードさんはどうなっちゃうの…?)
〔メイミィ…。行けと言ったはずです〕
立ち尽くすわたしの気配を察したのか、再度リードからのtellが届いた。
それでも、わたしの足は動こうとしない。
〔はっきり言って、足手まといなんですよ。消えてください〕
無感情なリードの声が、続いて頭の中に響いた。
〔あなたを抱かなかったのは、私の役に立たない無能者だからです〕
――…足手まとい……
役に、立たない…無能者……
「………わかり…ました…」
自分にも微かにしか聞こえないほどの大きさの声で呟き、わたしは踵を返した。
視界がみるみるうちに滲んで見えなくなるが、構わずに裏口から走り出た。
先ほどのリードの言葉が頭の中で何度も再生されている。
その言葉を振り切りたくて、めちゃくちゃに走った。だが、消えてはくれない。
心臓が張り裂けそうなほどに痛んだ。
わかりました…役立たずでごめんなさい…
ごめんなさい…
以上です。
皆さんわっふるわっふるですー(´∀`)
392 :
>>No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/07(日) 13:41:22.31 ID:+bn6zsfB
>>374・・・えーと、自分はクー氏に関してはこの後どうなるかわかったにゃ!
あんまレスつけまくったりリンク視点で描くのは他の書き手様にお任せするとして・・・。
最近SSどころか短編小説投稿スレになってきたね。というか自分が一番酷いんですが。
ハルヴァーと謎の女性の出会い、トリオン王子とピェージュ王子、「タワー」、エアリーアーマー。
全エピソード書ききれるのか?Pたんの冒険と二重進行しないとPたんの冒険(事実上バスの時間)とまったままになっちゃいそうw
そういえば自分とは別の
>>69氏どうなったんだったっけ。キャラ名や状況で覚えているんでコテ変わってたらごめんね。
出来たぁ〜〜!!
戻ってきてみれば3人も投下されていますね。塞き止めずに済んで良かったです……。
ルーファスさん、すいません、今回アジルに(多分)出番はありませんw
百合姫さん、ネコミミローブは、服を忘れても忘れてはいけないものですよ!(謎&殴
メイミィさん、すいません思いっきり頭撫でて抱きしめても良いですか?w(※SSとは無関係)
この後のメイリィさんは、リードさんの方でまた出てくるハズです。
ですが、儚く散る桜の花にはなりません。……きっと。 では、投下シマス
私は今、足音を出来るだけ立てないよう気をつけながら、天の塔の外周へと向かっている。
表向きは、安全な所からの支援の為に。
けど、私には判る。
私が、邪魔だったのだろう、と。
理由?簡単な事よ。
あの人は、このボウガンを改造したと言った。
もし本当だとしても。どんなに性能の良いモノでも、あの距離ではマトモに届かないだろう。
しかし、なんだろう、あの…人から…離れ…て…か…ら…体、が…重………。
次の瞬間、彼女が気付くとソコは、柔らかい日差しが降り注ぐ平和なウィンダスだった。
爺さんあんた…(((゚д゚;;;)))
ルーファス邸に行ったら生きて帰れない気がしてきた…w
だがわっふる!
切なかったりスタイリッシュだったりしてROMが楽しくて仕方ないですww
アジルの気配が、消えた。自身で消したのではなく、存在が消えたと思える程、唐突に。
泣きながら小走りに走る、忍者と思しき格好のミスラが、コチラの陸へと続く橋に差し掛かる。
いくら暗い場所で、ド素人といえ、そろそろ縁に立つ私に…目の光に気付くだろう。
薄ら笑いを浮かべたまま、右手のみで銃を持ち、ミスラへ向け、敵が現れるその瞬間を狙い、動きをトレースする。
銃が意思とは関係無く、振動した気がした。筋肉組織に異常は無い。風は或る筈が無い。銃が動く?ハッ馬鹿な。
ミスラは、来て余りにも間もないか、余程心理的余裕が無いらしい。
殺意を押し隠した状態とはいえ、立っているのに、銃を向け、目が光っているのに気付かずに、通り過ぎた。3m程先を。
「ぐすっ…リード…さん…なんで……」
近くを通った時、そんな言葉が耳に入ってきた。あぁ、誰かが強大な敵を僅かな時間引きとめ、逃がしたつもりなのか。
ミスラは自分の無力さを悔しがるような顔で泣きながら、私とアジルが来た、森の区の方へと走っていった。
「きゃぁッ!!」
何度目だろうか。黒い壁の前に立ち、恐る恐る触れた手を、黒い紫電に弾かれたミスラが、驚きと痛みに悲鳴をあげる。
私は、競売の建物の上に立ち、銃を向けたまま、その様子を不思議に思いながら見ていた。
私が来た時、今ミスラが触れては弾かれている場所を通って来たのだ。水の膜を通ったような感触と共に。
私にあってあのミスラに無いモノ、経験は関係無さそうだ。種族は同じだ。戦闘能力なら彼女の身体の方が上だろう。
…決定的に違う事が1つある。思い当たる中では、だが。いつの間にか変色した、この両眼だ。
何度も弾かれても挫けずに手を触れるミスラに、健気さを感じすらしていたが、気の流れの変化は突然やってきた。
「 貴ッ・・・様ァー!!! 」
シャントット邸辺りの方角から、タルタルと思しき民の、叫びに似た雄叫びがあがる。
ビクッ 遠目から見ても判る程、あからさまに身を強張らせるミスラ。集中すると他が見えないらしい。
彼女を逃がしたのはこの声の主だろうか?
しかし、声からは、大切な何かを奪われた怒りが込められている。
きっと今声の主は、感情で目先しか見えてないだろう。断言しよう、もし刃を扱う者ならば、一撃のもとに葬られると。
しかし、何か親近感を感じる。何故だ?……あぁ、そうか、アジルが殺された時の私と同じなのか。
私は、敵の不意を突く形で殺そうとしたが、彼はおそらく、真っ向から挑むだろう。雄叫びが、こう告げていた。
"よくも俺の(大切な何か)を奪ったな。貴様を、俺が、殺す。絶対に。"
雄叫びを聞いた辺りから、ミスラの様子がおかしい。
恐らくは"自分は戻るべきだ!"という感情と"戻っても足手まといだ!"という2つを考えているのだろう。
そうだ、クク…悩め。己の命を掛けた決断だ。どちらを選んでも後悔は憑いて回るのだ。存分に悩み、そして決めろ。
バヂィィィッ!バヂヂジヂジジジジジ………
ミスラが突然黒い壁に右ストレートを放った。
黒き壁から、黒い紫電を受けつつも、弱気な気配から、覚悟を決めた気配に変わる。見えないが、表情もそうだろう。
…ジジジジヂィッ
ミスラが腕の力を緩め、弾かれる。右腕に僅かに紫電を纏わりつかせたまま、黒き壁の前で仁王立ちしている。
左手を前に持っていき、何かをまさぐる仕草をした後、壁に当たろうかという距離で、左手を伸ばした。
その手には、確かな意思と、決意と、少し折れた紙兵が持たれていた。
空蝉の術、特殊な紙を触媒とし、術者の幻影を用いて、攻撃から身を護る為に使われている術。
ミスラは、その術を発動させ、来た道へと踵を返した所で、足を止めた。いや、足を止める事しか出来無かった。
「「ふふふ…御機嫌、いかがですか?涙目のミスラさん。」」
ミスラから30歩程先の建物の上に、鈍く光る銃口を向け、金と赤の眼を輝かせ、邪笑して立っている影が居たのだから。
ミスラは、視線を影に釘付けにしながらも、活路を開こうと思案している顔になる。ポーカーフェイスも必要ですよ?
手を後ろに回し、両手に何かを掴む。直後その体制から突然横に一回転しつつ、何かを投げる。クナイだ。
真直ぐにクナイはサンの額を目指して飛ぶが、僅かに力が足りなかったらしい。失速し、足元で乾いた音をたてた。
ミスラは、居ない。…さっき立っていた場所には。肉眼に映る視界には。
足下の競売所の影に隠れているようだが、気配が消されていないので、バレバレだ。しかし、熱意は伝わって来る。
それが"大切な何かを護りたい"なのか、"自分だけ助かるのは嫌だ"なのかまでは判らないが。
声を掛けた時と同じ体制のまま、サンは足元に隠れているミスラへと話かける。
「「いやですねぇ…私は、貴女の、味方ですよ…?」」
……返事は、無い。当然だ。銃を向けた相手に味方だと言われて、信じる方がオカシイだろう。
サンの左眼の周囲から頬にかけて、
瞼から流れ出る涙のように、白い淡く光る線が現れ、横に広がり、左目周囲だけを覆い隠す形になる。
左目が一際紅く輝き、サンは隠れているミスラに言った。 「「……力が、欲しいですか?」」
異常です…私が。じゃなくて、以上です。
サンが、とてつもなくミスラびいきなバランスブレイカーになってきてる気がする…(つд`)
401 :
既にその名前は使われています:2006/05/07(日) 14:08:45.86 ID:vjPk+qkh
ミスラ強くなる→ミスラ死ななくなる
いいことじゃない
ミスラが死なないで済むのは嬉しいのですが、
書き手さん達、私含めて結構ミスラ率高いのです…。
もしGMの規格外ルールすら無に帰す方のサンが見境無くそんな事したら、
間違いなく、世界を壊す者は他ならぬサン(とソレに関わったミスラ達)になるのです……(つд`)
頭冷やしに石の区の水の中を泳いできます…… orz
割り込み失礼しました(´д`;
405 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/07(日) 14:40:15.74 ID:+bn6zsfB
それいったらこのスレの主人公たちはSSの長さ、量に関わらず、赤魔支配だから。
各書き手は差別化が大変・・・。自分は優秀な赤魔というより「たるっこ」でSSかいてるし。
白はユリフィナさんのみ。ナイトも内藤様除けばリード氏しかいない。
忍者が意外と不人気で、忍術使えない人と微塵した人しかいない。
獣はガルカの人がいて黒は二人、モンクシーフはいるが戦がまったくいない。
お侍さまや竜騎士(は一名いたがSS続き書いてない)や暗黒、詩人狩人召喚。
あるいは新ジョブで降臨したら目立つぞ。
・・・先生!PTが組めません!!
406 :
既にその名前は使われています:2006/05/07(日) 14:48:11.49 ID:Fp10BZk6
そうは言うがな大佐、
主人公っぽい万能な能力の赤魔で書きたいって人がほとんどだぜ!?
407 :
既にその名前は使われています:2006/05/07(日) 14:50:26.05 ID:vjPk+qkh
考えを変えるんだ
赤青黄色緑白をセットで扱うんだ
赤青モシ白!
先生!盾が居ません!青魔が盾ですか!?
強烈な一芸がない分自分の機知で勝つ、みたいな風にしたくて赤にしました(´・ω・`)
詩人とかシーフとかカウボーイが主人公の小説が多いのもそんな理由かとw
青魔が絵的にいい感じなので出してみたいですねw
リードがナイトだなんて一言もいってないヨー(挙動不審)
赤魔に関しては、私は全然LV上げてなくてわからないので、
ボンクラーズの筆頭だった不遇時代から赤一筋の弟に、電話して聞いてみました。
「YO ブラザー! 赤/暗が連続魔してきたんだ。どうやってツブしたらいい?」
「OH! もちろんブリストファラはしてるよな? それで連続魔だなんて、相手もカワイソウにロースト七面鳥だ!」
「待ってくれマイク。狙われているのは、可愛いタルむしゅめなんだ」
「Jesus! それを早く言ってくれよジョージ! なーに、簡単な事さ、俺に任せな!!」
ごにょごにょごにょ・・・。
リードさんの中の人はジョージ、と…個人情報をげっつしたぜヽ(´ー`)ノ
>>411 (゜△゜;) しまった! リアル個人情報がばれてしまった!w
ちなみに、クーさん完全死亡という考えでおります。
空蝉が発動する前にざっくり逝ってます。首を刎ねられたら蘇生なんて無理無理。
例え絶対結界が解除されたとしても、フェイトの烙印を押されている以上、遺体は修復されません。
モーグリに『お仕置き』をたっぷりした後、すぐにウィンの目の院へ禁書の回収に行かせた。
だが、モーグリはしょんぼりと手ぶらで帰ってきた。
既に本は無くなっており、誰かが持っていったと言うのだ。
「遅かったにゃ・・・問題は誰が持っていったのか。
普通の冒険者じゃ本は調べられないはずだから、来訪者か、NPCか、あるいは・・・黒装束か」
来訪者なら見られても大丈夫だろう。
NPCなら・・・目の院の院長ならこっそりと本を隠してしまうだろう。
だが、アジドなんかが見つけたら大変な事になる気がする。
黒装束なら・・・どうするんだろう?
悩んだ末に俺が出した結論は、
「・・・知ーらない」
知らんぷりだった。
「ク、クポ?」
「私は禁書なんて何の事やらさっぱりですにゃ。きっとその本は最初っから目の院にあったに違いないにゃ。
モーグリもそう思うにゃ?」
意味ありげにモーグリを見つめてやる。
「ご主人、知らんぷりは良くないクポ」
モーグリにもその意図は伝わったようだが、返事がよろしくない。
再びモーグリの顔面を掌で覆い、力を入れて握る。
アイアン・クロー
「モーグリも、禁書なんて知らないにゃ?」
ギリギリギリ
力を込めて握りつぶしながら、優しく問いかける。
「ク、クポォー!知らないクポ!モグは何も見てないクポー!」
「よし」
そんなわけで俺は禁書を手放した。
さよなら禁書。よい旅を。
その日はそれで仕事も用事も終了。
なので食堂でナジに雪山のロランベリーをおごってもらうことにした。
「うわー、これはおいしそうにゃ」
俺の前には雪山のロランベリーがある。
白いムースに赤いロランベリーを乗せたそれは高級感漂うデザートだ。
「味わって食えよ、高いんだから!」
ナジが隣でわめくが気にせず食べることにする。
スプーンで一口分すくい上げ、口に運ぶ。
ぱくっ
「これは・・・とんでもなくおいしいにゃ!感動にゃ!」
冷たく甘いムースと甘酸っぱいロランベリーが絶妙なハーモニーを奏でる。
俺が今までにリアルで食べたどのデザートよりも美味かった。
「くっそー、俺も食いてー!」
ナジが悔しそうに言う。
まぁ元はナジの給料なんだし、当たり前か。
「・・・ナジも食べてみるにゃ?」
「お、いいのか?
でもスプーンはメキの持ってる1本しか・・・」
ナジがちょっと困ったように言う。
「1本あれば充分にゃ。ナジ、食べさせてやるから口を開けるにゃ」
スプーンで雪山のロランベリーをすくい、ナジに見せる。
「はい、あーん」
「・・・あーん」
ナジはちょっと戸惑っていたようだが、照れたように口を開ける。
俺はスプーンをナジの開かれた口へと・・・
ぱくっ
寸前で手をひねり、雪山のロランベリーは俺の口の中へ。
ナジは歯をかちかちさせるが、そこには空気しか無い。
「もぐもぐ、これはおいしいにゃ〜♪」
そんなナジを無視し、雪山のロランベリーを味わう。
うん、これは絶品だ。他人に分けるのはもったいないね。
「こんちくしょー!
何が雪山だ、ただのムースのくせにぃ!ロランベリーのバッカヤロー!!」
そんな俺の幸せそうな顔を見てナジがキレた。
食堂の奥のほうへと泣きながら走り去っていく。
「悪いにゃ、ナジ。全ては雪山のロランベリーがおいしすぎるのがいけないんだにゃ・・・」
悦に浸りながら再び雪山のロランベリーを味わおうとスプーンを動かす。
一口食べて、ゆっくり味わい、そして二口目へと。
・・・だが、二口目を口に運ぼうとした直後、俺の動きが止まった。
「メキ、それ以上は食わせないぜ・・・」
食堂の奥に走っていったナジが戻ってきている。
それも、両手にスルメを持ってだ。
「その雪山、スルメ山にしてやる!食い物の恨みは恐ろしいんだ!」
血走った目をしたナジが皿にスルメをぶち込もうと襲ってくる。
俺は慌てて皿を両手で上に抱え上げて逃げる。
「うわ、ちょ、ナジやめるにゃ!落ち着くにゃ、それはダメにゃ!」
「覚悟しろ、パティシエ・ナジが新レシピを開発だ!
スルメブレンド・バスター!」
「スルメはらめぇ><
って、にゃあああぁぁぁ!?」
・・・その後、ナジの新レシピ『スルメ山のロランベリー』は完成された。
怖いもの見たさで食べたガルカがいたが、味に関してはノーコメントだったと言う。
投下終了です。
サンド、ウィンで事件がおこってフェイトの戦力がそちらにいっている分、まだバスは平和というのが私の後付け設定です。
でも、もうそろそろやばくなってくるかも知れませんね。
そういえば私はゲーム内で赤猫Lv10台だったからそのまま書いたんですが
もし自由にjob選んでたらからくり士だったかも知れませんね
421 :
既にその名前は使われています:2006/05/07(日) 16:14:17.27 ID:vjPk+qkh
スルメヤマアアアアアアああああ
422 :
既にその名前は使われています:2006/05/07(日) 16:43:43.18 ID:+bn6zsfB
そういえばバスを舞台にしてる来訪者の物語ではロックを除けばメキさんだけだもんね。
潰そうと思ったら潰せるという腹なんだろうね。
ヒロさんがこっち来る予定らしいからそのときにまとめて…か?
ロックは…監視対象外っぽいなこりゃ。普通に時固まってる(この世界の人間になってる)し。
おいお前それでいいのかロック。反撃だ。反撃するのだ。
とはいえ、結界といてもらえないとうごけんし、動けても「"戦車"!僕が相手だ!」(挑発)
…15秒後。「…どこだ!この私に気取られぬ来訪者とはよほどの使い手だな!」
「足元にいるんですけど…」…15秒後。「…おのれ隠れるとはやるな」
「だから足元みろっていってんじゃないかーーーーーーーーーー!!」となる可能性大。
まぁ、「人によってこの世界の接しかたはまったく違う」ので、
リード視点では「死んだ。首切られた蝉も間に合ってない」でFA。
各書き手の物語はリンクはするけど時間軸とか突っ込んだら無茶なんだしOKだと。
Pの物語ではリードにお礼を言われてるけど、
リードの物語でPが首はねられててもおかしくは無いかと。
「お礼を言うシーン」がPの誇張報告でないとは限らんしね。
…スルメ。引っ張るなぁ。まさかここまでネタになるとは。
423 :
既にその名前は使われています:2006/05/07(日) 16:47:21.06 ID:vjPk+qkh
スルメの神様がすべてのつじつまを合わせてくれるからOK
424 :
既にその名前は使われています:2006/05/07(日) 16:51:36.50 ID:+bn6zsfB
【なるほど】【わかりました】
>>408赤がサポ戦ヤグドリジュースガブのみ、
青がサポ忍でメッタうち連発、モンクがサポ忍貯めまくり、
白がメインヒーラでどうだ!
…いや、自分【ロック】のことだけど。
425 :
既にその名前は使われています:2006/05/07(日) 18:10:17.27 ID:0TzZqbGC
保守でっす↑(`・ω・´)↑
>>424 私、ディバインピアスとディバイントルクをこよなく愛する臼ですが
メインヒーラーやっていいんですか?w
>>391 読んでるこっちが泣きたくなってきます(´Д⊂
>>393 服を忘れたら忘れたで喜ばれるのでは?w
最近サンが怖いです((((;゚Д゚)))でも楽しいからガクブルしながら読んでしまうw
>>419 声をあげてわらわせていただきましたwなんか一見ナジとラブラブですねぇ
バスにはドラゴンミッションと錬金彫金上げにいった時以外
ほとんど行かないからナジがどんな人か分からないのが悲しい・・・
さて、私はなぜ襲われないのでしょうか?
それはまだヒミツですw
隠すようなたいそうなことではないのですけどねw
スレ消費激しいと言われますし、さっさとリードを退場させるべく早めに書き進め中。
私が投下中も割り込みなんて気にせず、皆様わっふるでございます。
428 :
既にその名前は使われています:2006/05/07(日) 18:26:32.03 ID:vjPk+qkh
え?
リードさん信者宇野?
429 :
既にその名前は使われています:2006/05/07(日) 18:29:57.62 ID:0TzZqbGC
リードさん死んじゃらめぇ(つд⊂)
430 :
ごめんなさい:2006/05/07(日) 18:46:03.42 ID:dii/QW61
∩___∩ /゙ミヽ、,,___,,/゙ヽ
| 丿 ヽ i ノ `ヽ'
/ ○ ○ | / `(○) (○)´i、 先生助けてっ!、
| U ( _●_) ミ 彡,U ミ(__,▼_)彡ミ 昨日まで動いていたリードさんが
彡、 |∪| ,,/ ,へ、, |∪| /゙ 息をしてないの!!
/ ヽ ヽノ ヾ_,,..,,,,_ / ' ヽノ `/´ ヽ
| ヽ ./ ,' 3 `ヽーっ / |
│ ヾ ヾl ⊃ ⌒_つ ソ │
│ \,,__`'ー-⊃⊂'''''"__,,,ノ |
鎌を担いだまま、アビスが俊敏な動きをみせた。
クルスが手を振りかざす。
たったそれだけで、彼女の体は巨大な炎の柱に包まれた。
だが、驚いたのはクルスのほうだった。
「え、ちょっ!? ま、待て!!」
アビスは全身にまとう漆黒の鎧の重さをものともせず、あのチョコボよりも速く駆けたのだ。
紅蓮の炎に身を焼かれながらも、あっというまに競売所方面へ走り去る。
「タルァァァァァァァァ!!!!」
追うべきか? 留まるべきか?
いや違う、束縛の呪文! 絶対、逃がすものか!
彼は一瞬だけ逡巡し、そこに間隙が生まれた。
バルコニーから立て続けに三つ、クルスに向けてわずかな魔力が降り注ぐ。
―――上!?
振り仰いだ彼は、さらに放たれた魔力に己の意識を蝕まれる感覚を憶え、必死で抗おうと試みた。
長身の女性が妖艶な微笑みを浮かべ、すらりとした指で印を結んでいたのが、ぼんやり見えて・・・。
徐々に視界が霞んでいく。意思に反し、勝手に意識が眠りに落ちた。
432 :
既にその名前は使われています:2006/05/07(日) 18:55:24.75 ID:vjPk+qkh
>>431 この後、サイレス入れて、非ダメージ系弱体オンパレード。あとはアスピルをひたすらかけまくり。
435 :
既にその名前は使われています:2006/05/07(日) 19:10:06.83 ID:dii/QW61
>>434 か、かわいい(*´д`*)
実はローブってエロイねw
>591って【誰ですか?】ww
609様の上手さに嫉妬して突っ込んだ。
今は反省している。
Leadもひとつよしなに・・・(つ山吹色の何か)
ギニャーー!!!!(゜△゜;)
人生最大の誤爆…orz
>434はグロ画像注意!!!!
消えてる(((( ;゚д゚)))
>>371 わたくしなんぞに構わず、どうぞブモを旅に連れ出してあげてくださいm(_ _)m
他の皆様もご自由にブモを連れまわしてもらえるとありがたいです。
スレッドの伸びなどを考えると、本編とコメントを分けるなどしないと危ういですな(−−;
昼間出掛けていただけで結構な文量が…
441 :
既にその名前は使われています:2006/05/07(日) 19:36:10.42 ID:vjPk+qkh
けさないでほしいお^^;
―――無言。
こちらが踏み込む。すっ、とチャリオットが引く。
彼が摺り足で踏み込む。こちらが身を引く。
互いに一足一刀の間合いを奪い合う。
隙がない。
「タルァァァァァァァァ!!!!」
絶叫が轟いた。
それをきっかけに先手を打つ。軽いステップで刀を撥ね、真っ直ぐに喉元を狙う。
チャリオットはくるりと刀身を返し、私の篭手を撃った。
後の先。
右腕をはね飛ばされ、体勢を崩した私は盾を前に出し、引く。
まだ手首は付いている。板の間と違い、踏み込みがしづらいとみえる。
遅れて、強烈な痛みが襲った。ガントレットの隙間から、赤い血が滴り落ちる。
チャリオットの刀が、装甲ごと私の生身を切り裂いていた。
「その鎧のおかげですね。我々のものと同じ素材でできている」
チャリオットは刀をいったん正眼に構えなおし、上段へ掲げた。
綺麗な構えだ。一瞬、見とれそうになる。
ざりっ、と足元が鳴った。
来る!
シュ、と振り下ろされた斬撃を盾で滑らせ、同時に右腕を修復するようイメージ。
間髪入れず薙がれる刃を盾で受け止め―――真っ二つに斬り飛ばされた。
左腕スレスレを剣風が通過する。
比喩ではない。
切っ先は、時に音速を超えている。
右腕の感覚が戻った。斜め下から刀身をはね上げ、切り込んだ。
左、右、左! がむしゃらに打ち込む。
返しなどさせるものか。
先の先。
それしかない。
はやく、早く、速く、もっと迅く―――!
火花が飛ぶ。
二合、三合。さらに、さらに。
チャリオットは防戦一方になった。
盾を捨て、左手も添えて振り回される剣撃の雨が襲いかかる。
ときに体の位置を入れ替えながら、激しく繰り出される斬撃、刺突。
彼は刀で受け止め、流す事に集中している。
こちらが押している?
―――否!
首筋に冷たいものを感じた。
剣のすべてが、刀で防がれている。
時たま鎧に当たってへこませはしても、彼自身には、傷ひとつ与えられていない。
エクスカリバーが削れていく。
火花を散らせながら、刃が欠けていく。
息が上がっているのは、攻め手の私のほうだ。
機を見てチャリオットが攻めに転じた。
上下左右、自在に刀を振り回す。
盾はない。エクスカリバーを頼りに剣で受け続けた。
斬られたと感じた後に、刃の走る音がする。
ガキッ、ガキッと火花が闇を染めていく。
防ぎきれない。
こちらも攻めだ。
掬い上げられる刀を剣で打ち下ろし、だが薙ぎ払った剣は刀で弾かれた。
渾身の力と速度で、正面からぶつかり合った。
鍔迫り合いで、両者が睨み合う。
とっさに左のガントレットを突き出し、顔面に拳を見舞った。
メクッ、と何かの音がして、チャリオットが後ずさる。
初めて与えた怪我がパンチというのも情けない。
こちらは肩装甲を失い、サーコートもろとも胴を貫かれた。
左篭手はどこかに飛んでいった。
持ち主の元を離れた各パーツは、光の粒子になって消えている。
同時並行で傷の再生が行えたのは、まだ冷静さを失っていない証拠か。
治癒に費やせる魔力も、もう尽きかけていた。
446 :
既にその名前は使われています:2006/05/07(日) 21:06:03.51 ID:mNMgyjQt
今更ですが、自分も参戦してよろしいでしょうか・・?というか2ちゃんに書き込む
事自体初めてですが。(;・ω・)リアルで大学講義の暇な時に浮かんでしまった、
構想を元に書いてみようかとは思いますが、、他の方との連携はまだ考えておりま
せんが良さそうでしたら明日あたりからいきます。 m(._.)m
447 :
既にその名前は使われています:2006/05/07(日) 21:09:09.24 ID:vjPk+qkh
「・・・まだ続けられますか?」
チャリオットが、ヘルメットごしにくぐもった声を出した。
「鼻にティッシュを詰めたい気分だろう?」
私はニヤリとして応えた。
エクスカリバーには、すでに幾筋ものヒビが入っている。
鎧も、もう役に立たない。
なのに、腹の底から歓びに似た思いで満たされていた。
「できたら、このままずっと打ち合っていたい」
「同感です。邪魔さえ入らなければ」
チラリと先ほどのブチ切れタルを確認する。
・・・いない。
バルコニーまで視線を上げて、気がついた。
デュエルに赤ん坊のように抱きかかえられて眠っている。
「人質・・・ではなさそうだ」
「別の意味で人質です。貴方の次は彼ですよ」
ひとつ頷いて、この絶望的な戦いを再開した。
450 :
既にその名前は使われています:2006/05/07(日) 21:17:27.99 ID:cgokuLG/
投下終わり・・・目が疲れた・・・(ぱたり)
お粗末さまでした。
メイミィが現れるまで斬り合いが続きます(え)
何かしてくれるといいなぁw
あとは他の書き手様をお待ちしたいと思います。
>>446 期待しております。
452 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/08(月) 00:39:20.15 ID:QOBgNGrK
おやすみage
>437
リードたんとコロスケはもう描いたお(´・ω・`)ノ
それはそれとしておやすみなさいw
454 :
外伝。その羽、天高く。 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/08(月) 01:15:13.28 ID:wFKosl3a
「あ・・・あはは・・・なにこの夢・・・てか大丈夫ですか?」
彼(?)が状況判断能力を喪失しているからといっても責められることはないだろう。
彼が声をかけたメス(?)の固体は激痛にうめいている。相当殴られているようだ。
「・・・人間が火につられてきたか」化け物の一匹が巨大な男根を濡らしながら武器を持つ。
その棍棒には血と骨のかけらと肉がこびりついていた。
・・・リアル過ぎる。しかも悪趣味すぎる夢だ。が、夢は覚めてしまえばそれでいい。
「とりあえず、暴力は反対で・・・火あたらせてくれますか?できたら水も欲しいんですが・・・」
後ろに控えていた化け物が、赤い二重丸が描かれた手斧を持った化け物を制した。
両手剣かと見紛うほどの巨大な剣をもったその化け物はまがまがしく笑った。
「いいオークの騎士、アルタナの子に火を恵むこと、殺す犯すこと躊躇わない」
・・・騎士?思わず問いかけてしまった彼に"おーく”はニヤリと笑って返す。
「これ、俺のトカゲ、食って旨い。走って速い。いいトカゲ」
そういって巨大なボールのような容姿の後ろに縛っていたトカゲもどきの頭を叩いた。
455 :
外伝。その羽、天高く。 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/08(月) 01:17:36.13 ID:wFKosl3a
叩かれたことでトカゲ(?)は気分を害したのか、唐突に火の玉を吐いた。
「うわっ!!あちちっ!」火の粉が飛んできた。
火の粉があたっていないのに彼(?)は飛びのく。
"おーく"たちはその火を浴びても意に介していないらしい。
が、火を吐かれて無言だった"騎士"がボカン!とトカゲの頭を叩いたことを見るに、
彼らにも結構熱かったらしい。(トカゲにはその一撃が効いている様子はなかったが)
彼はふらふらと火にあたる。はっきりいってもうこの状況に頭が麻痺しだしたのだ。
「お前。酷い匂い。人間、人間の子犯す。お前、犯された。
お前、オークの火にあたる。お前。オークか」
パチパチという火の音に彼(?)の意識は吸い込まれてしまっている。
「ああ・・・オークでも人間様でも好きにしてくれ。寒いし・・・。
このくせえ身体なんとかして味噌汁でも飲んで寝てぇぜ・・・」
456 :
外伝。その羽、天高く。 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/08(月) 01:19:02.93 ID:wFKosl3a
ほうほうというふくろう(?)の声を聞きつつ、彼らは火に温まる。
袋をかぶった"おーく"が身を起こすと、彼(?)と三匹の"おーく"達に謎のスープを振舞う。
「お前、人間臭い。お前、人間の男臭い。お前、人間の男の精液と唾臭い」
手斧を持った"おーく"が抗議するのを彼は呆然と聞いてきた。
飲み干したスープはひたすらにまずかったが、小便と精液の残り味よりはマシと感じた。
「お前・・・媚薬(クスリ)臭い」袋をかぶった"オーク"がつぶやく。
棍棒をもったオークは流石に耐えかねたのか、
先ほどから沸かしていた熱湯を彼にかけようとした。
ビシャ!!すんでのところで彼は飛びのく「大やけどしちまうだろ!!もっと手加減してくれ!」
「強いオーク。沸騰した水などたいしたことない」
そういって棍棒を持ったオークは熱湯をかぶる。
「・・・水ぶくれできてません?」「だからどうした。すぐ治る」
彼は呆れるとまた座る。オークたちも座る。パチパチという火の音がした。
457 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/08(月) 01:44:51.77 ID:jeJGZPYE
>>354 メイミィさんは大変だなぁ
フラれたり囮にされたりw
>>380 ( Д ) ゜ ゜
工エIIエ(´Д`;)エIIエ工
おじーちゃん140歳?!www
>>385 ネコミミ忘れて移動乙です
なぁに、ウィンダスまで来れば、ディナミス寸前の石の区やら、首なしミスラやら、泣いてるミスラやらが迎えてくれますよw
('A`)
>>391 メイミィさんカワイソス(´;ω;`)ぶわっ
>>400 メイミィさんが危ない〜かもしれない〜!
458 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/08(月) 01:45:19.85 ID:jeJGZPYE
>>419 おまいは俺を笑い死にさせる気か!
>>426 なにをおっしゃるユリフィナさん
既にモグタンに襲われt
>>451 だめだ、リードさんカッコヨスグル
なにか手を打とうと考えたが、遠巻きにみているほうがよさそうだー
サワサワと水が流れ落ちる。
ここはウィンダスのモグハウス。今はモーグリと俺しかいない。
「なあ、モーグリよ」先日貰ったリンクパールを眺めながら呼ぶ
「なにクポ?」病院から帰ってきた後、コイツはかなり俺の言うことを聞くようになった。
「俺、どうすれば元の世界に戻れるかなぁ」ヴァナも悪くないが……なにせ、相当危ない状況だ。
「モグにはわからないクポ。」やっぱりな 「でも」モーグリが続ける。
「GMなら何か知ってるかも知れないクポ。」平然と答える。
GM?
「GMならわかる……か。」「モグは確信できないクポ。ただ、もしかしたら知ってるかも知れないって……」「それだよ……!」
体中から喜びを発散させんばかりの勢いで、モグハウス中を駆け回る。なんでいままで気付かなかったんだろう。
この手があったじゃないか!
「どうやって呼べばいいんだろ?」思いついたものの、呼び方はわからないことに気付く。
「呼び方は知らないクポ。呼ばれ方なら知ってるクポ!」モーグリが嬉しそうにくるくる回りながら答える。
「呼ばれ方ぁ?」まさかとは思うが……
「嫌がらせをすれば、呼ばれるクポね♪」モーグリはさらに回転しながら言う。
「クポ?」今更、俺の殺気に気付いたらしい。
「できるかああぁぁぁぁ!!!!」
バーン!という音と共に、モーグリの叫び声が聞こえた。
「とはいったものの……」俺はほかに手段が思い浮かばない。
今いるのは水の区のゲートハウスあたりだが、町のNPCに聞いても、ほとんどが無視だし、PCには一人も会わなかった。
「やるしか……ないのか?」覚悟を決めた。
「いっくぜえぇぇぇぇ!wwww伝説の突き技!パワースラッシュ!!!wwwwwwTP100%wwwwwwwwww伝説の突き技!ソードスラッシュ!!!wwwwwwTP120%wwwwwwwwww」
というわけで、俺は人が最も多いであろう森の区へ移動し、さっからずっと叫び続けている。
「エスケプよろwwwwwwwレイズよろwwwwwwwww」しかし……
「両手剣ですwwwwww両手槍ですwwwwwww両手恨ですwwwwwwww」今日に限って、まだGMが来ない。
普通、意味のないスパムシャウトは、直ぐに駆け付けてくるんだがなぁ
さらに言うと、さっきから一人もすれ違わない。
競売前も、モグハウス前も言ってみたが、本当に「人っ子一人いない」状態だ。なんか不気味だな……
まるでエリアメンテナンス中に、一人で入ってしまったみたいだ。
「……帰るか。」不安になり、くるりときびすを反すと、そのままモグハウスの方角へ歩き始めた。
463 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/08(月) 01:49:32.13 ID:jeJGZPYE
以上です
なんか石の区へ繋げそうになってるな……
[+]>ウィンダスから出ることによって回避した
なんてのはイヤだしなぁ
|ω・`) 書くのに時間かかるかもしんないけど、書き終えたら途中参戦(初投下)ってしていいのかな…?
465 :
既にその名前は使われています:2006/05/08(月) 05:01:34.78 ID:VLEZR8IN
別にここは会員制のスレじゃないから好きに生きろ
466 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/08(月) 07:01:25.84 ID:QOBgNGrK
おはようございますage
遅いレスですが・・・
>>391 泣ける・・・(;´д⊂)
すいませんすいませんすいmゲフッ
フラグ立てまくりのリードなんて死んじゃえばいいと思うの。
>>398 「少し折れた」紙兵、と表現するところに、なぜかぐっときましたw
そういうのってキラッと光ると思うのです。
467 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/08(月) 08:29:09.52 ID:wFKosl3a
おはようございます。最近11時に起きずに早起き気味な私。早速投下。
>>466いや・・・自分のキャラを殺すのはいいけど、裏で了承とってないなら他人のヒロインは殺しちゃまずいっす・・。
まぁ読者的にはサプライズなんだろうけど、一歩間違えたらスレが荒れる爆弾ですぜ。
折れた紙兵は括弧いい表現だよねぇ。このスレ、地味に小説の実力を切磋琢磨する場所になってますね。
お互いにいい影響を与えてると思う。
いまさらながら、メイミィに自分の勝手な事情を話して「???」となられるロックに萌えた。
まさに子供。かわいすぐる。
あ、それからルーファスさん。キャラかりるっす。
468 :
外伝。その羽。天高く。 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/08(月) 08:30:09.37 ID:wFKosl3a
「さて。たまにはエルヴァーンもありか」
あまり好みではないしさっきやったが、まだ途中だった。と彼らは立ち上がる。
「火をやった。後で水っぽいお湯もやろう。生きてればな」
・・・裂けるし、暴れるし、殴られるし蹴られるし、其処に女いる。
やるならオークが一番とと棍棒を持った"おーく"がぼやく。
「アルタナの子はオークに犯されるのを心の底から嫌がる。
暴れるのを押さえ込むの、結構面白い」と手斧をもった"おーく"が返す。
じりじりと彼に恐怖感を与えるためにじり寄る三匹に、
「えーと。なんかの悪い冗談スカ?俺男っすよ?」とボケた返答を返す彼(?)に、
彼らは大声で笑いあう。「エルヴァーンの女。面白いこという」
夜の闇に抗議の声が響いた。
「"えるぶぁーん"って何ですか!わかんないこと言わんでください!やめっ・・!」
のしかかろうとする明らかに体格差、体重差のある"おーく"。
物理法則からいって彼がこれを跳ね除けることはできない。
が・・・彼はオークを必死の力で弾き飛ばした。
・・・これが、エルヴァーン。
469 :
外伝。その羽。天高く。 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/08(月) 08:33:02.25 ID:wFKosl3a
「・・・やっぱり飛ばされた」オークの一匹が文句を言う。
「落ち着け。三人がかりなら大丈夫だ」「所詮素人の女だ。騎士などではない・・・やれ」
次の瞬間、脚が急にこわばり、動けなくなる。「バインド」という魔法だが彼にその知識はない。
「え”・・・な・・・なんだよ!」同時に一斉に襲い掛かったオークに組み伏せられる。
力ずくで弾き飛ばす。二度。三度。
後ろで見ている袋をかぶったオークが何かつぶやくと急に視界が狭まった。
「えっと・・・だまってみてないで助けてくださいよ!!!!」
彼は黒いもやのかかる視界で見た。その袋の奥の瞳から見えるのは・・・嫉妬。
「・・・こんなエルヴァーン女は初めてだ」
はるか遠くで誰かがしゃべっているのが聞こえた気がする。
「・・・このエルヴァーン、腰を振っているぞ」知ったことではない。
股間を貫く裂けるような激痛。激しい嫌悪感と精神的衝撃。激痛。激痛。
「・・・この女は媚薬を飲まされています。常に」「なるほど・・・」
涙をながしつつ必死でなおも抗おうとする彼女の体を内側から何かが覆いつくし、
炎のように包み込む。薬による不本意な快楽・・・だが耐えることはできない快楽。
彼の記憶ではない女性の記憶がフラッシュバックする。
希望に燃えて小さな木造の部屋で冒険者の誓いを立てる少女。
次の瞬間扉が開き、一人の知らない男性が入り込んでくる。・・・そして・・・。
彼女の体は涙を流し続ける。快楽の海は彼の意識を吹き飛ばした。
470 :
外伝。その羽。天高く。 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/08(月) 08:35:01.27 ID:wFKosl3a
本来なら女性が肉体的な快楽のみで絶頂に達することはない。ほとんどが薬によるものだ。
だが・・・"男"だった彼には理解できない独自の快楽は"彼"の精神を壊すには充分すぎた。
「・・・宰相様。今なにか聞こえ・・・ませんでしたか?」
若い従騎士が恐れ多くも一国の宰相に呟く。騎士が従騎士を叱り付ける。
ロンフォールから猛獣が絶滅して久しい。
昔はわざわざ王族の狩猟のために放し飼いをしていた野性化した羊だが、
今は冒険者が狩らねば森は荒れ放題になるほどだ。
「王子は何処に向かわれたのやら」宰相はため息をついた。
元々彼はこういったこと・・・狩は好きではない。
「宰相様・・・焚き火があります。誰かいます!王子では?!!」
若い従騎士が喜びの声を上げるが、他のメンバーの表情は暗い。
ロンフォールは穏やかな森ではあるが、それは昼間の話だ。
夜は騎士団でも掃討しきれない獣人がそこかしこにうごめく。
ここで堂々と焚き火をするものはいない。獣人に襲われるからだ。
すなわち、この火の持ち主はよっぽど腕に自信があるか、よほどの馬鹿か。
あるいは・・・獣人の火であるということになる。
「いきましょう!」と若い・・・実際は幼いのだが・・・従騎士の少女は走る。
「まて!エルリッド!」
先日亡くなった恩人から預かった少女は腕は立つがいつになっても子供だと騎士はぼやく。
剣の腕に関してはこの中であの少女に適う者はいない。騎士も含めてだ。
だが、父をなくしたばかりのあの少女には実戦を知らぬまま幸せになってほしい・・・。
騎士は心の底からあのちょっと御転婆な少女の幸せを願っていた。
だから、まだ私があの方の代わりに護ってあげないと・・・。
「剣は人を護る。剣は人を殺す。どちらでもあってどちらでもない。
剣が人を護ったり殺したりするのではない。運命を変えるのは人間の意志」
恩人の言葉が脳裏をよぎる。
自分も中年になったのだな・・・息が上がりつつあるのがわかる。
エルリッドの足は速い。あと数年もしたら彼女に駆け足でさえ負けるのだろう。
472 :
外伝。その羽。天高く。 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/08(月) 08:38:45.47 ID:wFKosl3a
エルリッドが呆然と立ち尽くし、へなへなとひざをつく。
「どうしたエルリッド・・・」息を無理やり整え、彼は彼女のそばに近寄る。
「なっ・・・」
三匹のオークが一人の女性を犯している。
口を、尻を、前から・・・その悲惨な光景は少女の思考を停止させるには充分だった。
「いやっ・・・」涙をながして腰を抜かし後ろに下がる少女に、
後ろにいた袋をかぶったオークが気がついた。呪文詠唱の声。
「止めろ!俺が相手だ!」彼は大声で叫ぶ。一斉にオークたちの注意がこちらに向いた。
女性の両脚を掴み、覆いかぶさっていた斧を持つオークの首が飛ぶ。女性が悲鳴をあげた。
巨大な男根を女性の口に入れていた棍棒のオークが女性の腕を離す。
空中から解き放たれた女性が崩れ落ちる。
「てっめぇええええ!!!」
追いついてきた少年の騎士が棍棒のオークに剣をつきたてようとするが、
これは軽く弾き飛ばされた。命を失わなかっただけ幸いといえる。
・・・勇敢なのはいいが正騎士になって緒戦でこれでは、
来年生きているのやら。彼はため息をつく。
「エルリッド!立てるか!?白魔法で援護してくれ!」
腰を抜かしていた少女は震える声で回復魔法を少年に唱える。発動しない。
「落ち着け!さもないと魔法は発動しない!」
パニックを起こしかけている少女に彼は叫ぶ。その彼の足が止まる。バインドの魔法。
血にぬれた棍棒が彼の視界をいっぱいにする・・・がその一撃は外れた。
目玉を抑えてのたうつ棍棒のオーク。少女のフラッシュの魔法だ。
「発動・・・した?」少女が呆然と呟く。その少女の前を巨大な壁が覆い尽くす。
呆然と眺める少女の瞳には巨大な剣を振りかぶり、首をはねんとするオークの騎士が映っていた。
「エルリッドーーーーーーーー!!!」
騎士は絶叫した。自分の魂の力を解放し、仲間の防御力を高める技の発動。
一瞬オークたちの視線が彼に集中する。彼は次の太刀で棍棒のオークの棍棒を斬り飛ばす。
光がエルリッドを覆い隠す。少年の支援魔法だ。
心を奮い立たせ、魔力を回復する魔法。リフレシュ(作者註訳:リフレッシュではない)。
エルリッドは這って巨大な剣の一撃をかわした。
次に騎士の体が軽く、太刀の動きが明らかに軽くなる。ヘイストの魔法だ。
少年はエルリッドに襲い掛かる剣のオークに眠りの魔法を、
袋をかぶったオークには沈黙の魔法を唱え、棍棒のオークに必殺の麻痺と遅延の魔法を唱える。
騎士の雄たけびと共に棍棒のオークの首が飛んだ。
眠りの魔法は剣のオークに通用しなかった。エルリッドに剣が迫る。
「エルリッド!!」剣は抜いて構えるまで時間がかかる。その時間は・・・今からでは間に合わない。
フラッシュはオークが背面を見せている今は効かず、彼の斬撃は届かない距離。
だが、エルリッドの首はまだ胴体についていた。
彼女の投げた・・・失踪した兄から貰ったという短剣がオークの頬に突き刺さっている。
そしてまた閃光の魔法の光がオークの目を焼く。このオークは狼狽せず、先ほどまでエルリッドがいた空間を凪ぐ。
エルリッドは俊敏に飛び跳ねてこれをかわした。同時に剣を抜き放つ。
「てぇええええええいいいいい!!!」エルリッドの剣がつきこまれる。踏み込みが甘い。
その剣はオークの腹をついたが、致命傷に至っていない。出鱈目に振り回されたオークの腕が彼女を吹き飛ばす。
白い防御の魔法の光、いやしの力が彼らを包んだ。宰相が追いついてきたのだ。
「諦めて捌きを受けろ!醜いオークめ!」騎士は叫ぶとオークに迫る。
「いいオークの騎士、敵から背を向けない!」オークは叫ぶとエルリッドを尻目に彼に向きかえる。
「いい度胸だ!名を聞こうか!」「わが名は"雷の剣”ゾット!」
「一撃で首を飛ばすことに誇りをかけるオークの騎士か!相手に不足なし!わが名は・・・」
騎士が名乗りを上げようとした瞬間異変が訪れた。黒いもやがゾットを包む。
「ラウ!!貴様!邪魔をするな!」そしてゾットが掻き消える。何らかの転移魔法を袋をかぶったオークが唱えたのだ。
遠くウィンダスの地でシャントット博士が開発した新魔法をたまたまこのオークが知っていたのだが、彼らに知る由はない。
最後に残った「ラウ」を騎士たちが取り囲む。「・・・言い残すことはないか?」
怒りに燃える少年の声にラウは頭をふる。「・・・殺せ。いいことなどない。私は勇敢に戦っても・・・魔道士だ」
「なら・・・!」と叫んで少年は魔法の水流に包まれたナイトソードをふり上げる。
狙いが甘い。あれではトドメをさせない。苦しませるだけだ。騎士が制止する。
「・・・慈悲だ。俺がやる」一部の者を除き、オーク族の魔道士の地位は低い。
オークの信仰では勇敢に戦わないものは転生ができないとされるが、彼女がそれを望んでいないのは明らかだった。
「やめろ・・女を殺すな」騎士の剣を止めたのは地面に転がっている女性の声。
次の瞬間、「ラウ」の姿が掻き消える。
「逃がしたか!!!」少年が悪態をついた。沈黙の魔法はレジストされていたのだ。
「・・・君。・・・立てるか?」騎士の声にその女性はうめき声をあげて応える。立てそうにない。
血と精液にまみれた女性・・・「宰相様、お目に触れるようなものでは」という少年の声をハルヴァーは無視した。
「・・・君・・・は」宰相の顔が青ざめていた。
477 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/08(月) 08:59:03.19 ID:wFKosl3a
はい。第一話終了。
メキさん含めて自分の現在のSS状況ではバストゥークでは目立ったイベントはないようです。
とりあえず同時進行でいこうとは思ってますが他国の展開が速くてついてけないと判断したら独自でやりますわ・・・Orz
なんせ次のPの物語が、自信をなくした皮鎧職人とその息子の物語だから・・。
・・・しかし、自分こういう地味な話好きだな。その次予定が大人に憧れるガルカの子供の話だし。
できたら鉱山区の奥に行ってみたいといっているエルヴァーンの子供を主人公にした話も書きたいな。
・・・おい。いつになったら俺の話はバトルになるんだ!!w
478 :
既にその名前は使われています:2006/05/08(月) 09:09:53.77 ID:wFKosl3a
全然余談ですが私が敬愛する朱鷺田祐介氏の著書によると、
技術の一大革新による劇的な変化を扱ったストーリーは。
(基礎技術段階)基礎技術の開発に関与する。
変革の材料の登場を知る。変革の材料単体を応用した事件の解決。(未描写なので外伝で書くつもり)
(応用技術)変革の材料を応用した技術の誕生(プラスチックやジュラルミン、アルミナオーベール、グラスファイバーなど)。
新技術が普及することによる影響(それまでの釣竿が売れなくなったりする)。
新技術に関わる人々の利害の対立(三国による「来訪者」確保競争)。
新技術が滅ぼす古いもの。(既存の魔力と関係ない武器防具職人の失職)。
新技術がもたらす変化(ランプの変わりに雷のクリスタルを使った電灯が使われだす)。
新技術の弱点(電気なければただの箱が多すぎるので雷のクリスタル暴騰)。
(技術革命)新技術が社会を揺るがす様子。(銃が冒険者の基本装備になる。)
新技術を前提とした社会の誕生。(新技術を持つものが世界を制する。)
新技術を突き詰めた人々の生活。(上下水道、便所事情の改善で伝染病がなくなる)
新技術のもたらした文化。新技術と暮らしていく技術の完成。
となり、現在は応用技術段階とわかりますな。フェイトも必死でしょう。
479 :
既にその名前は使われています:2006/05/08(月) 11:15:35.75 ID:36fbeoMP
浮上王キュクレイン
480 :
既にその名前は使われています:2006/05/08(月) 12:07:24.55 ID:shO5pakz
物凄く筆が進んで楽しく書いていたら
どう見ても遅刻です。本当にありがとうございましたage
481 :
既にその名前は使われています:2006/05/08(月) 12:45:07.62 ID:dm1ePulI
そういえば、話がクロスオーバーしてて自分の文の動向を待つ形で投下を控えている方がおられるようでしたら、気にせず投下していただけると嬉しいです(´・ω・`)ノ
自分がしばらく先走って勝手に喋らせる感じになったので、しばらく大人しくしようと思います。
自分の文章でキャラがどんな奴かは概ね判ると思いますので、適当に喋らせちゃってくださいw
ただどうしても自分じゃ書ききれないと思ったら、そこからパラレルワールド進行になるかもなので、そうなったらごめんなさい(´・ω・`)
あと、投下を急かす意図はないつもりなので、マイペースで執筆よろですヽ(´ー`)ノ
急いで書くと誤字脱字誤用法から始まって主観の混乱やプロットの矛盾まで色々と間違えてろくな事ないですしw
483 :
一レスに詰め込むジャスティス:2006/05/08(月) 13:31:06.43 ID:+SWlndix
今日は、僕内藤。
特技は 盗む(下着とか心臓とか盗めます) ホーリー(凄く眩しいです) レイズ(復活するけど記憶喪失になります)
好きな言葉は {ストンスキンさえあれば何とかなる} デス。
今、ウィンダスに居ます。
ウィンダスから動けません。
それにはこんな理由があります、、、死者をよみがえらせるレイズ。
コレに興味を持ったシャントット博士が、{私の目の前で死人をよみがえらせなさい、見せるまでウィンダスに居なさいな。
もし勝手にどこかへ行こうものならヴァナ中に罪人手配して百代呪いますわよ?}
こんな事を僕にいってきました 恐いです何ですかこの人
ウィンダスは平和だけど僕にとっては牢獄です。
ていうか死者なんてそんなに簡単に都合つきません、本当にありがとうございました。
そう思って暇をもてあましていると、シャントット博士からtellがとどきました。
「内藤、どこをほっつき歩いていますの?緊急の用だから10分以内に家に来なさい。」
緊急の用って、僕の都合は無視ですか?まあ暇なんですけど。
「新鮮な活きのいい死体が手に入りましたの、家の前に落ちてましたの、今日は良い日ですわ♪。」 「腐る前に家に来なさい、遅いとサンダーのシャワーですことよ」
*活きの良い死体*って何ですか?考えても無駄なので 「すぐ向かいます。」 と返事しておきました。
めんどくさいです本当に面倒なばあさんです畜生 /Shout シャントット畜生テメーいつか殺すwwwwwww
Tellサントット「きこましてよ^^ 家に来る前にリレイズ架けてから来なさいな^^」 僕は死んだ。
484 :
既にその名前は使われています:2006/05/08(月) 13:57:22.62 ID:wFKosl3a
いい仕事する内藤だな。吹いたw
そして俺は仕事に。ご飯食べに帰ってくるときにROMるのを除けば、
一時ごろまで帰ってこれません。
485 :
既にその名前は使われています:2006/05/08(月) 15:47:01.17 ID:shO5pakz
僕は死んだって蛍の墓かよwwwwwwww
さようなら内藤…
486 :
既にその名前は使われています:2006/05/08(月) 18:48:48.86 ID:PpFSVqKM
ageておきます。
487 :
既にその名前は使われています:2006/05/08(月) 19:19:22.11 ID:JqN0/HKs
んー、もう2スレくらい読み逃してる
途中から見てもわかんないので
保管庫のほうの更新も是非おねがいしまーす
ageage
いまのところはおとなしく待つしかないな。
贅沢言うと、合間の雑談とか見れるスレ丸ごとVerも欲しいかも。
489 :
446:2006/05/08(月) 19:55:59.09 ID:5AXRQywZ
さて、一応書けましたので、いこうかと思います。駄文かもしれませんが、
何卒、宜しくお願い致します。
ばっちこいですヨ
491 :
Silut446:2006/05/08(月) 20:05:45.46 ID:5AXRQywZ
ふと、朝に目が覚める。そこは自分の部屋のはず・・・だった。だがどう見ても
モグハウスだ、それも天井から判断するに、自国バストゥークらしい。やはり、
あの自キャラになったつもりで書くスレを昨晩見たせいなのかはたまた夢オチ
なのかと思案しながら、ブロンズベットから起き上がる。
周囲を見ると、LSでは家具マニアと言われてたのは伊達ではなかったらしい、
水瓶から始まりアルアモールまで、さすがに数十万するのはあまり持っては
いないが金庫の49/80が家具で占めている為だけにやけに狭苦しかった。
アクアリウム2種と金魚鉢にいる魚達が動く音がする。そして・・・部屋の
中心に居座るのが、「ご主人様、おはようございますクポ。」どう見ても
モーグリだった・・・・。
492 :
Silut446:2006/05/08(月) 20:17:04.77 ID:5AXRQywZ
はぁ・・ため息をつきながら、腹をくくって聞いてみる「これはドッキリとかじゃぁ
ないよな?」聞いてみたが、モーグリは答えに困っているようだった。
それよりもやけに声のトーンが高い、というか女性そのものの声が出ていた。ふと、
自分の体を見ようとする、(ん?ついていない?)FF8でのある女性キャラの意識が男性に
ジャンクションしてしまった時の感想とは逆のことを考える。当り前ではあるがこの状況で
運が無いというのを指すのではない、まぁこっちに飛ばされたのはかなり不運ではあるが。
そういえば朝起きたときの無意識での戦闘体勢の感覚がなかった、そして股間部分は
ほぼ見えず、胸からの双方のでっぱりが視界に入ってくるのだった。
思わず耳を触ってみる、普通の人間の耳だ。どうやらエルヴァーンやミスラ、タルタルに
なったわけではないようだ。鏡台で自分の顔を見てみる、後ろ髪を縛っている、
おそらくヒューム♀F1なのだろう。
493 :
Silut446:2006/05/08(月) 20:30:25.90 ID:5AXRQywZ
だが異種族になってはないとはいえ性別が逆転しているのだショックは大きい。
(悪い夢であって欲しいものだ・・・。)そう惚けているとモーグリからの回答がきた。
「ドッキリは何のことかはわかりませんが、ひょっとしてご主人様も最近起きている
例の他人の意識が入ってしまう事件に巻き込まれた人クポ?」
「おそらくそうだと思うんだけどね〜。しかしなんで女性の体に・・・。」
現状ただそう思うしかなかった。
そして疑問に浮かんだことを聞いてみる。「ねぇ、自分の体に変化とかなかった?」
そう本来のキャラクター、Silut(シルト)ならば、ヒューム♂の黒髪、NPCで言えば、
ジュノ警備隊体長ヴォルガングと同じフェイスのはずだ、もちろんまったくの他人の
意識に入ってしまっている可能性もある。
「変化は二つあったクポ。一つはご主人様の体が光りだして、今の姿になったクポ。
もう一つはご主人様の武器が、体が変化し終わった後に突然変化しだしたクポ〜。」
驚きながら聞き返す、「武器はどういう変化をしたのかな?」モーグリは俺が
あせっているのにも気付かず、のほほんとしている・・・・。
494 :
Silut446:2006/05/08(月) 20:34:58.31 ID:5AXRQywZ
量は少ないかと思いますが本日はここまでです、一応次の分の話はできておりますが
皆様の反応を見て、改善していきたいと思います。予定ではあさってくらいに
書き込むかと思われます。ではでは〜失礼致しましたm(._.)m
むむむ。。。このスレのルールは何だろう。
よーするに、「Σ(゚Д゚lll)げぇっ!!気がついたらヴァナにいる!どーする俺!どーするのよ!」
って縛りでお話作るスレ?テンプレ覗いて見たんだけど。
その条件なら荒らない範囲で何してもいいのかな。
投下お疲れ様です〜。バスにヒュム子さんキター!
次回も楽しみにしてます^^
内藤はまたスーパーレイズでフェイト側の人を生き返らせるのか…w
リアルと繋がるヴァナ…すでに私たちの遊ぶサーバー群とは別世界な気がしてきます。
>>495 おおむねそんな感じでいいんじゃないかと思います。
ほのぼの観光してみるもよし、
管理者を騙る(!?)謎集団に追いかけ回されるハードコースもよし。
引き続き、わっふるわっふるです。
498 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/08(月) 21:36:06.37 ID:QOBgNGrK
―――“地獄の一丁目”と軍曹が言い、ファインダー越しに何かの冗談なのだと思った。
ここはまさに地獄そのものだ、と理解した時には、逃げ出すにはあまりにも遅すぎた。
って、ばっちゃが言ってた。
みなさま、投下乙でございます。
ウィンダスの一部エリアが“不具合メンテナンス作業中”につき、大変ご迷惑をおかけしております。
私の続きは464様の続き待ちでございます。
メイミィさんが強大なる力を得るのもよし、力よりも大切なものがあると拒否して萌え殺すもよし、
どちらにせよ、メイミィさんの選択を待ちます。
>>446様
新規様いらっしゃーい。微塵してしまった女性に続いて、二人目の(珍しい)ヒュームさんですね。
わっふるわっふるです。
499 :
既にその名前は使われています:2006/05/08(月) 21:39:34.27 ID:DdWbbpEu
>>451 つまりメイミィさんが来なかったらこのままジリ貧で亡くなってしまうフラグが・・・w
>>457 ウィンダスまで行きたいけれども、私がつくころには騒動が収まっていそうですw
モグタンは・・・カウントしないでくださいw
にしてもそのシャウトはwwwwwwwwwwwwww
スパムシャウトでGM本当にくるんだ・・・w試してみようかなw
>>477 暗いお((((;゚Д゚)))でもこういう話もすきですwわっふるわっふる
>>483 最w強wのw事w故w再w生wwwwwwwwwリレイズwwwwwwwwwwwwwwww
>>493 キャラごと変わった人JR━―━―━(゚∀゚)━―━―━― !!続き楽しみにしてます。
では、完璧にわが道を行っている私も投下を・・・
アリアちゃんの調査の目的地であるシャクラミの地下迷宮は外のタロンギとは違い、
冷蔵庫の中のように暗くてひんやりとしていた。さらには湿気も強く何だか嫌な雰囲気だ。
地面に散らばる骨や巨大な貝殻は水滴の所為でなんだかすべるし、
これはモンスターよりも足元に注意したほうがよさそうな感じだ。
正直言って、私たちの姿を見るなり急いで逃げ出すようなゴブリンや野生動物には負ける気がしない。
私がリレイズ、プロテア、シェルラをかけてから、アリアちゃんにつられてみんなで奥へと進む事になった。
とりあえず魔力を結構使ったからメロンジュースで一服もわすれないでおく。
アリアちゃんがずかずか奥へと進みながら今日の調査の説明を始めた。
「今日の調査の目的はテティスという人の魂と接触する事です。
不可能だとは思うけれどできれば氷漬けの体も発掘したいんだけどね。」
うーん、なんだか私には全く話が見えない。けれどリポケケにはピンときたらしい。
「テティスってもしかして絵本の『ときまどうし』に出てきた?」
そんな絵本があるのかヴァナディール。アリアちゃんは「そう。」と答えて説明を続けた。
「そもそもあの絵本は魔法研究家であり絵本作家であったベスマさん、
っていうか私のお母様が時魔道士についての記述がある古文書の物語性に目をつけて、
話をおもしろおかしく書き換えて、子供でも楽しめるようにしたものなの。」
「え!?あの絵本書いたのアリアちゃんのお母さんなの!?あたし大ファンでベスマさんの絵本全部もってるよ〜!
中でも『どうしちゃん』シリーズが本当に大好きでボロボロになるまで読んじゃった〜。」
アリアちゃんの話を聞いてリポケケが嬉しそうに目をらんらんと輝かせる。
その様子を見てアリアちゃんは嬉しそうに笑った。さすがに洞窟の中では抱きつかないらしい。
「ふふ、その話を聞いたらお母様もきっと喜ぶわ。大体の話をリポケケは知っているみたいだけれど、
古文書と絵本はやっぱり別物だから古文書の方での話の大まかな流れを説明しましょう。」
アリアちゃんは迷うことなくずんずんシャクラミの奥へと向かいながら古文書の話を始めた。
「まず、時魔道士ジェミニには二人の仲間がいたの。ナイトのジェイコブに白魔道士のテティス。」
「頑固者のジェイコブに、心配性のテティスね。」
「残念ながらそれは絵本の方のフィクションね。
古文書には彼やテティスについてはあまり記述が残ってないのよね。」
こんな感じでアリアちゃんはユファファの言ったことにちゃんと補足を入れる。こういう姿を見ていると
ただのレズなロリコンじゃなくて本当に研究者なんだなぁと実感させられる。
「で、彼らはオルデール鍾乳洞で暴れるグレートモルボルガーを退治した後に帰るための方法を探し始めたの。」
私は思わずその言葉にドキリとしてしまう。この前聞いた話だと確か彼らは帰れたんだよね。
私の中で期待がますます膨らんだ。
「彼らは帰るためにオルデール鍾乳洞に大規模な時空魔法の魔方陣を作ったのだけれどもその力と、
時空魔法の力を封じ込めたアーティファクト、つまりコレを使っても二人しか元の世界に戻す力しかなかったの。」
そういって彼女は左腕に身に着けているこの前見せてくれたオレンジの宝石が埋まっている腕輪を人差し指で二三度つついた。
「そこで彼らは当時有名だった強い力を持つ魔道士バルバラに相談しに行くのね。」
その名前にピクリとリポケケが反応する。
「骨の迷宮に住んでいる悪い魔女のバルバラ?」
「そ、そのバルバラ。本当はただすごい変わり者で骨を組んで作った小屋に住んでるただの怪しい黒魔道士だったみたいだけど。
わかりやすく言えばシャント・・・いえ、滅多なことを言うものじゃないわね。
そのバルバラの住んでいた小屋があったとされるのがここ、シャクラミの地下迷宮ってわけ。」
そう言って彼女は軽く地面をつま先で二、三度蹴った。
504 :
既にその名前は使われています:2006/05/08(月) 21:53:55.85 ID:NRzCZvhf
>>487 りーど☆が超人化いろいろ会って旧友と殺し合い★
サンもついでに超人化
ロックがヴァナ住人化
「さて、そのバルバラに出会った三人は彼女に事情を話して魔力を増幅させる方法を一緒に考えて貰おうとしたの。
だけど、その話を聞いたバルバラは時空魔法に興味をもって、それを研究したいと思ったらしいのね。
だから彼女は彼ら捕らえて研究しようと思い、彼らに優しく接して彼らが油断したところで突然襲い掛かった。
彼らはなんとかバルバラを倒す事は出来たのだけれども、
不意打ちのブリザガIIIで残念な事にテティスは氷漬けにされてしまった。
しかもその氷には強い呪いがかかっていて、どんなことをしても決して溶ける事がなかったため、
彼らは泣く泣く彼女をそこに置き去りにしてしまった。」
しばらく私たちの間に沈黙が流れる。きっとテティスさんは異世界で朽ち果てるだなんて相当悲しかっただろう・・・。
私だったら置き去りにした二人の事を絶対に恨んじゃうな。
「それで、ジェミニ達はどうしたの?やっぱり・・・二人で帰ったの?」
私の問いにアリアちゃんは首を横に振った。
「ジェイコブも悲しい事に途中で死んでしまうのよ。絵本ではジェイコブは死なないし、
テティスだってバラバラを倒した時に呪いが解けるから三人で帰るんだけれどね。」
そういった後彼女はちょっとだけ寂しげに暗い天上を見上げ、すっと左腕を上げた。
薄暗い洞窟の中だというのに、腕輪だけが不思議な事にキラリと光る。
「ジェミニだけは帰ったということに古文書ではなっているけれど、
だとしたらどうしてこの腕輪がヴァナに残っているのかしらね?
古文書によるとジェミニは自分にデジョンをかけて帰ったことになっているけれど、
ひょっとしたら、本当はみんな帰ることが出来なかったのかもしれないわね。」
それは、もしかしたら私も帰れないかもしれないってことなのかな・・・?
私の考えに気がついたのかアリアちゃんは慌てて私のほうに向き直りフォローを入れる。
「ユリフィナちゃん、帰れないっていうよりはジェミニは二人が眠るヴァナディールに自分の意思で残ったんじゃないかなってことよ!
そもそも一度この腕輪の力を発動したらこんなふうに魔力が残るなんてことはないんだから!ね?
それに、一人帰るだけならば腕輪の力は必要なかったのかもしれないし!」
「うん、そうだね。・・・でも自分のいた場所に帰ることも出来ないで死んでしまった人のことを考えると・・・
ちょっといたたまれないね。」
そして私もその一人になる可能性がある・・・。正直ものすごく怖い。実際一度死に掛けているわけだしね。
それに、私と同じ来訪者ですでに亡くなっている方だっているかもしれない。
こう考えるとなんだか少し背筋がぞっとした。
「大丈夫、ユリフィナは私達が絶対に帰してあげるから〜!」
リポケケが私の肩をぽんぽんと叩きながら笑顔でこう言ってくれた。
「ありがとう、リポケケ。私だって意地でも帰ってやるんだから!」
私も笑顔でこう答えた。絶対に帰るという決意をしっかりとつかんで離さない様に、
私は拳をぎゅっと握りしめた。
507 :
既にその名前は使われています:2006/05/08(月) 21:55:22.07 ID:NRzCZvhf
フム女キター!
「さてはて、古文書の通りならここでテティスさんは亡くなったはずなのよね。まだ魂はのこっているのかしら?」
アリアちゃんはリュックをドサッとおろすと、中から怪しい祭壇のようなものや植物や薬などを
がちゃがちゃと取り出してテキパキとくみ上げていった。
ポカーンと私たちがその様を眺めていると3分後には両端に金属のコップが置かれ、後ろにはごちゃごちゃとした禍々しい飾りが、
そして中央には不気味な紫色の鏡が置かれた怪しい儀式ができそうな祭壇が完成していた。
「さて、それじゃお香を焚くわよ。このお香はあらゆる霊を引き寄せるからみんな戦闘の準備をしてね。」
彼女は拳の先から小さな炎を出した。モンクサポ黒?そんなことを考えている間に
両端の金属のコップに緑色の炎が黄色い煙を上げながら灯った。
しばらくすると夜道を一人で歩いている時に時たま感じるような、嫌な予感が私を襲った。
あわてて私はストンスキンをかけ始める。
周りを見るとリポケケは両手斧を、ユファファは両手剣を・・・ってナイトさん!!それは選択ミスでは・・・。
で、オヤジさんは・・・なぜか激しく腰を振りながら笛を吹いている。どうやら彼は詩人だったらしい。
「きたわよきたわよ・・・」
そう言うアリアちゃんの拳はK○Fの草○京のように真っ赤な炎をまとっていた。・・・エンファイア?
「ふふふ、アンデッドなんかナイト様がやっつけてやるんだからっ!」
笑顔でこう言うユファファの背中にはなにかドス黒いオーラが・・・まさか今使ってるのは暗黒!?!?!?
「あたしも頑張るよ〜!」
リポケケが両手斧を握り締めて勝どきをあげる。
「熱き戦いがいま、幕を開ける!」
オヤジさんがハープをまるでギターのようにジャカジャカかき鳴らす。
「みんな、すぐに治してあげるけど、できるだけ怪我しないでね!」
そう言って私はダークモールを構えた。
もう敵を倒す事にためらわない。生きて帰るんだから!絶対にっ!!!
お香に惹かれるように5つの茶色く薄汚れた布切れ、ボギーがフワフワと現れたかと思うと、
全員がこちら側を向いて飛び掛ってきた。
長くなりましたが以上です。
それでは、皆様の投下をワクテカしながら待っていますヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ
511 :
既にその名前は使われています:2006/05/08(月) 22:02:16.04 ID:NRzCZvhf
お話のとちゅうにれすいれてゴメンヨ
513 :
既にその名前は使われています:2006/05/08(月) 22:08:02.33 ID:133tWWGo
GWも終わりに近づい頃、
ふと鏡を見ると、そこには自キャラの姿が・・・!!
…いや、単に連休中にヒゲ剃らなかっただけの、ヒゲヒュム使い。
514 :
既にその名前は使われています:2006/05/08(月) 22:10:03.46 ID:NRzCZvhf
あるある
515 :
既にその名前は使われています:2006/05/08(月) 22:39:51.67 ID:BpxhaOhC
ふと目を覚ますといつもと違う景色が飛び込んできた。
右手には釣り竿が握られていた。
どうやら俺は釣りをしていたらしい。
ひんやりとした空気が漂う部屋を見渡すと、ものものしい鎧を身にまとった男がたっている。
「もしやここは、この世界は!」
俺がある答えを出すために思考の迷路をさまよっていると、目の前の男はこうつぶやいた・・・
「なぜここに転送されたかおわかりになりますでしょうか?」
516 :
既にその名前は使われています:2006/05/08(月) 22:53:42.05 ID:NRzCZvhf
そう問いかけられたとき
俺ならこう返すね
みすらとま〜〜〜するためにきまってるじゃないか。
お絵かき掲示板で、自キャラ覚醒時を書こうと思って書いてみた。
……………無理だった。なにこのエフゼロに出てきそうな悪役のラフ絵…消した。 orz~
SSは、唯一萌えキャラなミスラさん本人がいらっしゃれば、
その意を汲みつつ書こうと思いましたが、気配が無いのでコチラで決定しておきますね。
筆を止めさせてしまい申し訳ありません orz
気が付くと、見知らぬ所に立っていた。
どうやら、ウィンダスという国の町中らしい。
町、とはいっても自然に生えた草や木が生い茂り、まるで森の中を歩いているかのようだ。
地面は舗装されて折らず、建物は石造りもあれば木造もある。
しかし、特徴的なのは町を歩く人々だ。
頭でっかちで耳が長く、そのお腹がぽっこりした体型は赤ん坊のよう。
人間ではないのか?と思ったが、聞いてみればその通りで「タルタル族」という種族で、
人間は人間で別にいて「ヒュム」と呼ばれている種族らしい。
しかし驚いた。でかい。その人間……「ヒュム」という連中はやたらでかい。
俺の身長は彼らの腰ぐらいまでしかない。
彼らは巨人の一種なのか?
そう近くにいたタルタル族の一人に聞いてみたら、
お前もタルタル族だと言われた。
慌てて水辺で自分の姿を見てみると、頭でっかちの豆ダルマが俺をにらみ返している。
ショックだ。なんということだ。何の因果で俺はこんな姿になってしまったのか。
しかもパジャマのような緑の服。最悪のセンスだ。
と、先ほどのタルタル族に言ったら殴られた。あんまりだ。
そのタルタル族というのは、アジドなんとかって名乗っていた。
眼鏡を掛けていてなんだか偉そうだ。
豆ダルマのタルタル族が偉そうにする理由が判らん。なんだこの種族は。
そんなことを考えていると、もう一人のタルタル族が近づいてきた。
どうやら彼の妹らしい。
ああそうですか、と答えたが納得しがたい。女だと言われても体型の区別がない。
そのことを言ったら、アジドなんとかにまた殴られた。
殴りかかるのがタルタル族の特徴かと思ったが、当の言われた妹の方が笑って兄をなだめている。
どうやら、この兄の方を気をつければ良さそうだ。
しかし、この妹はしきりと俺を冒険者と呼ぶ。なんだろう冒険者って。
そんなこと勝手に決めるな、と言い返そうとしたが、
モグハウスとかなんとか、どんどん説明して去っていった。
もう少し俺の質問に答えて欲しかったがしょうがない。出会ったばかりの他人だ。
しかも別れ際に優待券って物をくれた。どうやら妹は良い人のようだ。
ま、悩んでいてもしょうがない。モグハウスに行けばタダで泊めてくれるらしい。
とりあえず腰を落ち着けよう、とモグハウスを探して回った。
あれ?この優待券、どうすればいいって言ってたんだったかな……
って、こんな感じでいいのかな...
とりあえず2レス分書いてみますた。
>>520 >>494 さらに犠牲者【やったー!】/welcome motion
>>510 学者として説明してる時(だけ?)はINT溢れる知的なお姉さまなのか…!!
メイミィさんの所だけですが、書けたので投下します。
この後リードさんの方に出てくるメイミィがどうなっているかは、
リードさんのメイミィへの想い次第です(ぇ)……ふふふw
「「……力が、欲しいですか?」」
サンの姿をしたサンでない者が、足元に隠れるミスラの忍びに問う。
…無論、返答は無い。
サンは10秒程待ち、返答が無い事を残念そうな顔をしつつ、優雅さを漂わせる動きでミスラの隠れている方を向く。
「「残念ですね……返答が無いのでしたら……」」
サンの右手に持たれた銃が、ゆっくりと建物越しに隠れるミスラの姿を捉える。
「「ふふ…貴女ではなく、貴女の魂に直接お聞きしてみましょうか……。」」
サンがゆっくりと二連装銃の引き金を引く。
カキンッ という乾いた撃鉄の音がする。が、銃声はせず…弾も出ない。
しかし、建物の向こうのミスラに、"存在しない弾"は撃ち込まれた。
撃たれていないのに撃たれたミスラは、外傷は一切無いにも関わらず心臓の辺りを押さえ、苦痛に顔を歪める。
「ッ!?――クッ!…ッウァ…ァァ……」
ミスラの抑える手元から、虚ろに酷似した闇が溢れ出す。まるで閉じ込めていた空気が漏れ出すかのように。
虚ろに似た闇は、ミスラが少し前に張った空蝉の幻影へと集まり、4体の幻影はミスラと共に闇に包まれた。
暗い、空間の中。石の区競売所の一角に、光を通さない、漆黒の闇に支配された空間が出来た。
暗い、暗い、虚ろの闇に似た、孤独で、しかし懐かしい闇の中にソレは居た。
足元すらあるのか判らない空間で、ミスラは自身の作り出した、4体の幻影に囲まれていた。
「役立たずって言われたままで、悔しく無いの?」 嬉しそうな顔を張り付かせた幻影が訊く。
『悔しいよ…でも…本当の事だから…仕方ないよ…』 ミスラが答える。
「あんな奴じゃ赤鎧には勝てない!私が赤鎧を殺そう!」 怒った顔を張り付かせた幻影が怒鳴る。
『そんな事無い!リードさんは絶対…きっと…負けない…』 ミスラが自身に言い聞かせるように答える。
「もう…疲れちゃった…悲しみも…期待するのも……。」 悲しそうな顔を張り付かせた幻影が嘆く。
『私は…なにも期待なんて…』 ミスラが自信無さげに呟く。
「考える必要なんて、悩む必要なんて無いんじゃない?」 お気楽そうな顔を張り付かせた幻影が云う。
『そんな事無い…私は、リードさんを助けにいかないと……』 ミスラが弱々しく反論する。
「「「「私は、無力。 私は、足手まとい。 私は、お荷物。」」」」 幻影が四方からミスラに言い放つ。
『イヤ…お願い…やめて……』 ミスラが、自分の姿をした4体の幻影達に懇願する。
「私だけ生き残れれば、良いじゃない♪」 嬉しそうな幻影が云う。
「他の奴なんて、みんな死ねばいい!」 怒っている幻影が云う。
「……みんな…みんな…消えちゃえ…」 悲んでいる幻影が云う。
「ワタシが、みんな、全員殺しちゃえ♪」 喜んでいる幻影が云う。
ミスラの懇願を無視して、幻影達は口々にミスラへ"敵を殺せ、自分だけ生き残れ"と云い続ける。
『ィャ…イヤ…お願い…もう…もう、やめてぇーーーーーーッ!!!』
ミスラが絶叫した瞬間、幻影の声ではない、とても穏やかで、優しい響きの声が聴こえた。
「「……力が、欲しいですか?」」
…はい、サン(覚醒時)が非道いとかそういった暴言は随時受け付けております。
ですが、"良い人"ってのはガラじゃ無いのでねッ!
べ、別に力を貸すのが、その…恥ずかしいって訳じゃ…無いんだからねッ!!
おやすみ前のage
新たな犠牲者も増え、喜ばしい限りです。
わっふるでございます。
>>487 ご希望があれば全ログうpいたしますが。
>>510 百合で炉利だけど、実は知的なお姉さまだったんですね。しかし拳にエンファイア!?w
百合姫がタルタルのまま地球に帰還するのではと心配で心配で夜もぐっすりでス。
>>524 思わず唸るような内容でした。
それでメイミィさんがどう選択するのか・・・、これ、おいしすぎて私には決められません!w
赤い鎧と睨み合い→メイミィを逃がす→命と引き換えにゼロ開放→石の区もろとも赤い鎧消滅→石の区自動復旧→よはこともなし
あとはROMってウマー!
で、いまごろわっふるしてるはずが、クルス氏が運命の歯車を蹴っ飛ばしましたからねぇ・・・。
526 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/09(火) 00:44:59.49 ID:R8/N5dOe
age
527 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/09(火) 01:30:00.60 ID:lZH9o6si
早々簡単にROM専門にさせねぇ!という読者のわっふるの力ですな。
さっさと殺して外伝を書くのもひとつの手ですが。
というかロックの話はさっさと終結させて外伝でほのぼのしようかと思う昨今です。
過去スレ?重複除いて全ファイルあるけど(投稿されたイラストなども除く)いいウプロダがわからん。
お速いレス感謝ですw
押し付けた結果より、出来ればメイミィさんご本人に最終判断をして欲しいので、このような形と致しました。
私の知るメイミィさんは、第三者から見たメイミィさんです。本人の極限状態での思考は判りませんのでw
本人様が光臨するのをwktkしつつおやすみなさいw
529 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/09(火) 01:47:33.24 ID:56a4S0AU
>>477 サンドリアの騎士描写が凄い細かいです
ここまで細かいと、俺の設定は本当にいいのか?とか思ってしまいます
>>483 ちょっwwww内藤wwwwww
シャントット神杉wwwwww修正されるねwwwwwwwww
>>494 ヒュムktkr
続き催促しちゃっていいかな?w
>>500 コールされれば来る時があるみたいです
>>510 アリアのギャップにワロタw
530 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/09(火) 01:48:05.88 ID:56a4S0AU
531 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/09(火) 01:48:55.41 ID:56a4S0AU
スパムシャウトは、orenoフレが引退する時に実際にやってみた。
>>どうしてここに呼ばれたかおわかりですか?
>>スパムシャウトによる通報を受けました。
>>今回は警告のみとしますが、今後同じような事が続けば、アカウント剥奪などの厳重な処罰も考えられます。
だそうです。
試す時は自己責任でw
競売からモグハウスまで、ほぼ森の区を横切らないといけない。
道はいくつかあるが、手の院の裏、ホームポイントの前を通ってモグハまで行くのが俺のやり方。
新規のころに定着してしまったこのルートは、今でも利用する。
しかし、このルートは曲がり角を間違えると石の区へ直通しているちょっと面倒な道だ。
「ん?」最初に異変に気付いたのは、辺りが急に暗くなったからだ。
辺り一面にデジョンの霧を相当薄めたような、ごく弱い魔力が感じられる。
一歩踏み出す毎に濃くなっていくそれは、徐々に周りに拡がっていた。
533 :
既にその名前は使われています:2006/05/09(火) 01:49:57.85 ID:lZH9o6si
これがロックだったら即答で「いんない」だろなーw
実はリード氏が「君の望むものは何でも・・・」という話を書いたときに同じ話を書こうかと思った時期があって、
そのときのロックの結論は0.3秒で相手が言い終わるよりも早く「いんない」だった。
理由。飽きた呆れた解約するのにいまさら高額装備もレリックも興味ない。
あったところで同業の視線がわずらわしく、
それを取るために苦労する絆縛りもうっとおしい。
ソロで竜さんや獣やってるほうがマシ。
そんな私は、先月の腐れ解約不能祭の所為で解約ができず、
裏LSにお暇を貰ってひたすら獣で遊んでいます。
今のところなにもないが……試しに、石を投げつけてみた。
途端に、今まで穏やかに漂っていた浅黒い霧は猛烈な反発を見せ、帯電した電気を放出するかのようにバチッと来た。
全身から嫌悪感が滲み出ているのがわかる。危ないものには近づかない方がいいだろう。
その場で後ろを向くと、モグハウスの正しい方向へ後戻りしようとした。
しかし、帰ることはできなかった。
535 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/09(火) 01:51:54.85 ID:56a4S0AU
毎日ちょこっとしか投下できません(´;ω;`)
石の区入れちゃったよおおおぉ
戦闘に割り込むつもりはないのでw
土岐田氏のファンということは、コアなメガテニストか深淵ファンとみた!w
537 :
既にその名前は使われています:2006/05/09(火) 02:04:49.27 ID:lZH9o6si
こちらも割り込みコメントすまねぇOrz騎士描写は・・・そんなに細かくはやってませんね。
細かくやれというなら「図説決闘全書」があるのでかなりこまかくできますが。
特に剣の打ち合い描写は西洋剣術は全然知らないのと、魔法というワケのわからん要素が混じるので割愛しました。知らないことは書かない主義ですので。
武器の特性上、刀のような操作は重くて不可能。ぶん回して盾を繰り出すことで体のバランスを取る形なんだろうが、
フツーにわかんないので描写は却下。
エルリッドの保護者である騎士の名乗りシーンを書こうとしましたが、
サンドリア貴族はサードネームのアルファベットで身分を示す設定を思い出し、
調べなおすのが面倒なのと一回きりのシーンでエルヴァーンの名前の法則を思い出す手間を考え割愛しました。
(名前決めないほうがルーファスさんのSSで出しやすいし)
エルリッドは現在16歳ですが、中世の見習い騎士は10歳くらいから親元を離れて、
別の騎士に仕えて修行を行い、叙勲を受けるとなってますので勝手に10代前半ってことにしてます。
ローティーンにしてフラッシュ覚えてるんですからかなりな才能ですね。
ちなみに、このエルリッドは同じ名前ということで別のエルリッドにしてもまったく問題ない書き方にしてます(/grin)
538 :
既にその名前は使われています:2006/05/09(火) 02:10:01.47 ID:lZH9o6si
>>536両方やってみたいんだけどな・・・。あの人の作品でTRPGはどれもやったことない。
(例外:マウラ・マァの守護者)
あの人はTRPGの関連書籍をたくさん書いているんでそちらのファンなのです。
(RPGゲームマスターになる本シリーズ、RPG用誤辞典、ダンジョンメイキングガイドなどは俺のバイブル)
539 :
メイミィ-185 ◆ajBPG2hnCs :2006/05/09(火) 09:07:13.56 ID:yBKy9ZxK
>>451 はやく行かないとリードさんが(´;ω;`)
まぁメイミィが行ったところで役に立てるかはまだわかりませんが…。。
>>524 わざわざ続きを待っていただく形にしてくださってありがとうございます…!
遅筆ですみませんヽ(;´д`)ノ
新規さんもいらっしゃってますます読み応えがあるスレになる予感!
ROMに夢中になって更に筆が進むのが遅くなr(ゴフッ
そういえばそろそろパソコンが戻ってくるのでそちらで書けるようになるかもしれません。
とりあえず書いた分だけ投下します。
続きも書かねば…
いつの間にか森の区へと続く橋までたどり着いていた。
だが、橋の中ほどに黒い壁のようなものがそびえ立って、行く手を阻んでいる。
恐る恐る手を差し延べてみる。
指先が壁に触れると、電撃が走ったような痛みと衝撃が襲ってきた。
(まだこの空間からは出られない…?)
何度も何度も繰り返してみるが、結果は同じだった。
(やっぱり通るにはリードさんが言ったように待ってなきゃいけないのかな…
リードさんが、“赤い鎧”をひるませるまで…)
リードという名前を頭に浮かべた途端、また胸が強く痛んだ。
「貴ッ…様ァー!!!」
突然、シャントット邸の方面から叫び声が聞こえてきた。
思わず体が強張る。
あれはリードの声でも“赤い鎧”の声でもない。
では、誰の?
―あぁ、“赤い鎧”が屋敷の外へ出るときに誰かに声をかけていたが
その“誰か”の声だろうか?
あちらで何があったのだろうか…
不安が一気に募った。
ふと、我にかえった。
一人で泣きべそをかいて逃げて来て…一体わたしは何をしているんだろう。
あのときのリードの言葉、あれはおそらくわたしを逃がすためだった。
自分を盾に、わたしを逃がそうとしてくれたのだろう。
違うとしても、このままリードに役立たずと思われたままでいたくない。
わたしも戻って、戦いたい。
…わたしなんかが戻っても邪魔なだけかもしれない。
でも、何もせずに隅っこで震えているだけなんて…。
―――――…………。
うじうじした考えを吹き飛ばすために、目の前の黒い壁に鋭いパンチをはなった。
ジジジジッ!という虫の羽音のような耳障りな音が鳴り、
黒い雷光が纏わりついてわたしの右腕を拒絶してくる。
この痛みで自身を叱咤して、今までの弱い自分とさよならする。
逃げてばかりでは永遠に前進できないんだ。
右腕を引き抜き、大きく深呼吸をした。
そして左手を懐に差し込み、昨夜忍術を練習したときに使った
少しくたびれた紙兵を一枚取り出す。
今なら、使える気がする。
左手を額の位置まで差し上げて、強く念じた。
すると、しゅぅんという音を立てて、わたしの体を護るように周囲を分身が取り巻いた。
(やっ…た――!)
忍術を使うことができれば、少なくとも全く役に立たないということはないだろう。
そう思い、すぐにシャントット邸へ戻ろうと踵を返したところで
競売の建物の上に人影があることに気付いた。
「「ふふふ…御機嫌、いかがですか?涙目のミスラさん」」
人影がこちらに話しかけてくる。
姿形はミスラのようだ。が、左目が赤く、右目が金色に妖しく輝いているように見える。
そして何より、その人影は持っている銃の銃口をこちらへまっすぐに向けている。
――敵…?
ここでやられるわけにはいかない。リードを助けに行かねばならないのだから。
以上ですー。
544 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/09(火) 09:34:27.53 ID:fcIQoqR/
スパムシャウトはやめておきます・・・w
何もやっていないようでちゃんと動いているんですね(爆)
>>519 アジド初心者にまでヒドイww
>>521 時(だけ)はwメイミィさんはどうするのだろうワクテカ
>>534 あwはいっちゃったwどうなってしまうのかワクワクしてます
>>543 決意をする姿までなんだかいじらしいですw
それでは、また夕方にでも〜
わっふるわっふる
545 :
ユリフィナ:2006/05/09(火) 10:52:02.09 ID:om+VPSuI
546 :
既にその名前は使われています:2006/05/09(火) 14:55:15.78 ID:om+VPSuI
ミスラ風軟骨の唐age
ミスラの軟骨のから揚げか
何そのカニバリズム
皆様投下おつかれさまです!
レリック担いだ黒装束チームだの、140歳のじいやさんだの、
謎が謎を呼ぶ展開ですね。
そしてまたミスラさんがもうひとりサンさんの毒牙(?)に…!
新たなぎs…いやいや、来訪者さんも増えてますます混沌と楽しくなってまいりましたw
ときまどうしの絵本、読んでみたい…
>>249 実はRRからの人間なのでお手柔らかにお願いしますw とか言ってみる。
投下いきます。ちょっと長いわりにはあまり進展しません。
シュールな夢だなぁおい。私はそのときそう思った。
私は見慣れた自分の部屋ムムヴァナのモグハウスではなくて、リアルの自室だムムにいて、
パイプベッドに腰掛けて、自キャラが自分の部屋を片付けているのを呆然と眺めていた。
「さー、どんどんしまっちゃいますよー」
畳部屋だがパイプベッド。だがそれがいい。
あとはまあ学習机があったり、本棚とタンスが並んでたりする、普通の部屋だ。
タンスの上には幼稚園のときにディ●ニーランドで買ってもらったミニーちゃんが飾ってあったりね。
さておき、彼は学習机の引き出しを一個ずつ引き抜いては中身をざらざらーと箱にあけ、
本棚から漫画本やら小説やら学校のテキストやらゲームの攻略本やらを時にはざっくりと、
時には何冊かを選んで本棚に戻し、別の箱につめていく。
「これは要る…これは要らない…こっちは必要なら思い出せた方がいいから上のほうに…」
左ほおを力一杯つねる。…すごく痛い。
多分赤くなっているであろうそこをさすりながら、なおも片付け続ける彼を眺めていると、
そのうち彼の片付けの手は大分すっきりした本棚から、私の洋服タンスへとのびようとしていた。
さて、ここで一つ確認してみよう。
自キャラはいわゆるカッパエルでそいつは即ち男性なわけだが、
私はとりあえずそれなりの年の女性であり、私のタンスには下着なども当然入っているわけで。
それはダメだ!Σ( ̄□ ̄;
「ちょっと待ったぁーーーー!!11!」
彼はビクリ、と肩を震わせ、ついで、ばつが悪そうにこちらを振り返った。
「…もう意識が戻っちゃいましたか」
「さすがにタンスにまで手がかかったら止めずには。デリカシーがないですよ」
「体のほうは既に共有してるんですから、今更だと思いますよ僕は」
うわ、開き直ったよこのエロガッパ。…まあ今はこんな事を問い詰めても仕方ない。
一呼吸ついて、私は本来真っ先に聞かなきゃいけない事をやっと質問した。
「で、なんでフルさんが私の部屋を片付けてるんですか」
ここが私の部屋ならば私は帰ってきたって事になるけれど、それなら彼の居場所はここじゃない。
居間にあるTVモニターの向こう、◎鯖のヴァナだ。
「うーん、正確には、ここはリアルの部屋じゃなくて、キミの内的空間です」
内的空間。インナースペース。
「つまりですね、この部屋を構成する要素はキミの性格とか物の考え方とか、
記憶なんかを表してまして、性格は変えられませんが物を考えるプロセスや記憶は整理できます」
「ふむふむ、それでそれで?」
「今は間違えて必要な記憶をしまいこんでしまったのを取り出して、
代わりに別の記憶をしまっているところなんですよ」
その説明を聞いて、合点がいった。
「つまり私が若年健忘になったかと思ったのは、フルさんが私の頭を弄り回してたからなんですね」
「そういうことです。この世界に落ちてきた来訪者の殆どは『物語の世界』を仲立ちにして、
こちら側の人間と同調、もしくは同化している、と僕は考えていますが、キミはちょっと違います」
どういう事だろう? と首を傾げる。
そんな私の心境を読んだかのように、彼は言葉を継いだ。
「僕の勝手な都合ではあるのですが、キミがこちらに落ちてくる前に、意識は僕のまま、
キミという来訪者の特性を得る、という事を目標に、ある術式を組もうとしました」
「組もうとした、ってことは結局組めなかったってことなんですね」
「…情けない話ですがね。どうしても僕の意識を常に上位に持ってくることはできませんでした」
するとあの夢日記のメルヘンな〆は無念の表れってこと?
「そこで、僕が寝てる間にうっかり死なないように、記憶や考え方を少し整頓させてもらってます」
「具体的にはどんな風に?」
「生き残るために必要な知識・記憶と迷いを払拭する強い目標を残し、あとはほら、あのように」
言いながら背後の箱を指し示してみせる。
「つまり、記憶は消えたわけじゃなくてしまい込んだだけってことですね」
「そういう事です。術式を成功させるか始めから施さなければ、こんなややこしい事にはならなかったんですが」
まったく難儀な話だ。そもそもなんでそんなめんどくさい事をやろうとしたのやら。
その思考もまた彼は読んだようだった。表情が悲しげに曇る。
「…話すとすごく長くなりますが、敵討ちがしたかったんです。
ライテミンテという名のタルタルに、心当たりはありませんか?」
「ありますけど、そのタルさんが、どうかしちゃったんですか」
敵討ち、という穏やかならぬ言葉と、リアフレのキャラの名前が出たことに、私は動揺した。
ふたつ上の先輩で、就職が決まって地元へ帰って、この春から社会人になっているはずの人。
「彼は僕をこの道へと導いてくれた恩人で、吟遊詩人として冒険者をやる傍ら、
僕や周りの人に荒唐無稽な話を作って聞かせるのが大好きな人でした。
数ヶ月前突然人が変わったように――いや、『来訪者』になって、始めは戸惑っていたようでしたけど、
すぐに元気を取り戻して、僕たちにもっと面白い話を聞かせてくれたり、
キミ達の世界の歌を聴かせてくれるようになったんです」
「…それで、そのタルさんは今どこに?」
彼はふう、と溜め息をついた。
「言ったでしょう、敵討ちだと。……彼はね、黒装束の連中…フェイトに狩られたんです。」
「助けたかったのに、指一本動かせなかった。本来なら知覚することすらできず、
彼が殺されたことさえ忘れさせられるはずだったのかも知れない」
固く握りしめられた彼の拳の、指の間からわずかに血が滴る。
私の掌にも、じくじくとした痛みと熱がいつの間にか宿っていた。
「僕の目の前で彼に止めを刺したあと、そいつは何て言ったと思います?
…『世はすべて事もなし。君はもうしばらく、この世界を楽しんでいたまえ』だそうです。
ふざけるな、って話ですよ。目の前で人の恩人を殺しておいて、全て忘れろと?」
「先輩…まさか…嘘…」
彼の怒りと悲しみが伝播してくる。のどの上のほうというか、目の後ろが熱い。
戦闘不能を通り越して、死んでしまったらもう二度と…って、誰か言っていなかったか?
「白魔道士の修練を切り上げて、それからは奴らと『来訪者』の事を調べるのに、
多くの事を費やしました。…そして、君が僕の所に来てくれた」
「私に…何ができるって言うんですか」
彼はうってかわって穏やかな笑みを浮かべ、私の肩に手を置いた。
「僕の事を手伝ってください。戦い慣れない今はまだ、それだけでいいです」
穏やかだけどどこか昏い微笑み。おかしい、私こんな腹黒ロールプレイやってたっけ?
「とりあえず、これからやっておきたい事のリストと、秘密兵器を用意してみました。
キミも一日も早くもとの世界に帰りたいですよね? 一緒に頑張りましょう^^」
視界が白くぼやけていく。今はってことは、こなれてきたらもっと色々やらせるんですか…。
「…ゅ…じ…さま、ご主人様! しっかりしてくださいクポ!」
肩をゆさゆさと小さな手で揺すられて、はっと我に返る。
私はモグハウスのベッドに腰掛けていて、傍らには心配そうな顔をしたモグさんがいた。
「モグさん? …動いてる! 大丈夫だった!?」
「大丈夫はこっちの台詞ですクポ! いきなり目の前から消えちゃったと思ったら、
何時間も経って、帰ってくるなりすごい勢いで何か書き始めて、
やめたと思ったら今度は何もないところを見つめてブツブツ言い始めて…こわかったですクポ」
あぁ。そりゃ怖いな。すごい怖い。
「ご…ごめんw」
と、謝ったところで、何か違和感が部屋を包んでいるのに気がついた。
「…ん…テレビついてる?」
いや、ヴァナにテレビがあるはずがないのだが。
なんかこう、ビデオ入力にしたままの真っ暗画面のテレビが静かな部屋に放置されてると、
磁力というか電磁波というか、そういう違和感を感じて、テレビがつけっぱなしな事に
気がつく事があるじゃないですか。プラズマテレビとかだとどうかは知りませんけど。
違和感の発信源を探す。ほどなくしてそれは見つかった…鞄の中から。
エンパワーマントに包まれ「触るな危険 開封厳禁」などと書かれた紙が貼られ、
ライフベルトでぐるぐるに巻かれている、全長一メートルちょいの物体。…すごく、イヤな予感。
しかし、中身を確かめない事には安心できないのも、また事実。
「モグさん、危ないから離れててね」
「はいクポ!」
部屋の隅にあるベッドの下にモグさんが潜り込んだのを確認して、
私はその物体を床に置き、封をほどき始めた。
やがてあらわになる、剣の柄。でもって、紅い刀身。思わず頭を抱えた。
「…なんでこんなのが家にあるのさー…」
秘密兵器ってこれですか。っていうか持って帰ってきたとかありえないから!
そして違和感…もとい電波でいいやもう。気持ち悪いから止めたいけど、どうやって止めるんだろう?
刀身に触れないように、そーっと持ち上げる。スイッチらしき物はない。
「あってもそれはそれで対応に困るけどね…押したら爆発とかしそうだし」
さらに観察を続ける。…うっすらと、魔法の式っぽいものが浮かんで、剣をとりまいている?
"彩なる怒り" 呟いてINTブーストをかけてみると、それはよりはっきりと見えた。
八曜のどれにも当てはまらない属性の式は、どこかへ向けて何かを発信している。
何かっていったらそれは電波だし、電波で送れるものったらそれは殆どの場合、情報に他ならない。
そこまで考えが行き着いて、私はとっさに別マクロを起動した。
「"黒き願いを"、"無為なる宣告と成せ"」
精霊魔法系マクロを絡ませて、通常よりも強めの弱体ブーストへ。
そして右手の中に光がはじけ、ダークスタッフが呼び出される。
ぱりんっ、とガラスが割れるような音とともに、紅い剣は沈黙した。
「どうすんのさこれ…やばいよフルさん」
今確信した。「僕」は間違いなく私だ。私に似て肝心なところで激しく粗忽者だ。
とりあえず剣をまた床に置き、「僕」が帰ってくるなり書いていたというものを探す。
ベッドの横におかれたサイドボード代わりのコモードの上から、それはすぐに見つかった。
箇条書きで、これからやりたい事のいくつかが書かれていたが、
実行不能、と×がつけられた項目もあり、選択肢はそれほど多くなかった。
昨日の今日でまたGMもどきが来るってことはあまりないと思うけど…
可及的速やかにやるべき事を済ませて、なるべく早く、サンドリアを離れた方がいいだろう。
GMもどきがこなくても、黒装束を送り込んでくる可能性だってあるわけで。
『システムの破損を確認。初期化・再起動を実行します。』
突然頭のなかに流れてきたメッセージに考え事を遮られ、私は慌てて振り返った。
見ると、床に置いていた剣は消え失せ、代わりになんか紅いモノリス? っぽい物体が
宙に浮かび上がり、くるくると回っていた。
『ユーザー名を登録してください。』
私に聞いてるんだろうかこれは。しばし考え込む。よし、偽名でいこう。
「藤咲竜二 でお願いします」『ユーザー名[Hujisakiryuji]の登録を確認しました。』
『ワールド干渉武装の形式を指定してください。』え、なに、変えれるのこれ?
剣はいやだ。秘密兵器とか「僕」は言ったけど、あれをそのまま振るうということは、
そのものが世界を壊す行為に他ならない。それでは本末転倒だ。
「盾、ってできますか?」『護界の盾・実行します。』
思いついたものを確認のつもりだったのに、あっさり承認されてしまった。
はい・いいえくらい聞き返そうよ。
『通信設定を指定してください。』「いりません。通信しないでください」
これだけはきっぱりと。
くるくる回っていた紅いモノリスが静止したかと思うと、まばゆい光を放つ。
とっさに目を閉じ、腕で顔をかばった。
光が収まったところで目を開けると、そこには赤い盾が置かれていた。
リッターシルトの色違い、といった感じで、装備して歩くとすごく目立ちそう。
どのみち、普段は絶対使えなさそうだ。
「モグさーん、もう大丈夫っぽいですよー」
ベッドの下から這い出してきたモグさんと二人で、盾をためつすがめつする。
こんこん、とノックしてみたり、ペンの尻を擦ってみたりしたが、手袋に穴が開いたり、
ペンがすり下ろされてしまうといったこともなく、まったく普通の盾? になってしまったようだ。
「モグさん、レンタルハウスの申請してくるんで、引っ越しの準備お願いします」
「どこにいくんですクポ?」
「ひとまずはサンドリア国内にまだいたいから、
サンドのレンタルハウスを貸して貰えるかちょっとお願いしようと思うんです」
「僕」が書いた、これからやりたいことのリストを眺めながら答える。
先輩の事は事実ならショックだけど、今はやれる事から片付けていかないと。
シュヴィヤール邸ってどこよ…と思ったら裏に抜け目無く地図が書かれていた。
宰相は私が意識を失っている間に城へ出向いたら、珍しく不在で会えなかったため、
日を改めてまた…らしい。次行っても会えなかったら諦めよう。
あとはウィンダスに出向いて剣に掛かっている魔法的な要素について分析…
盾になっちゃったけど、いいんだろうか。
そういえば、あの後「僕」はちゃんとヒロさんにレイズをかけてくれたんだろうか?
折角話す機会だったのに流されて聞き忘れてしまった。
tellしてみようかな? でも実は手遅れて「ログインしていないか存在しないため云々」って
エラーメッセージが帰ってきたら泣くかも。
「えーと…Pokotan?Pokotaso? どっちだっけ…」
フルさん、人の名前は生き残るに当たって必要な知識・記憶に該当しないんですか。
適当にtell入れて、間違ってたら謝ればいいと気付いたのは、それから大分経ってのことだった。
ここまでです。
というわけで、サンドリアにてやることが済んだら、
誰かにこの怪しい装備を届けに行こうという計画を立てていますw
609さん、勝手に持ち出しちゃってすいません!
(はるか南東の方角を見ながら)
自分は基本的に他の人の話を読んでからどう動くか決めるという
行き当たりばったりな書き方をしているので、
他の皆様に動かしてもらうこともあまり気になりませんというか大歓迎です。
それでは、引き続き他の皆様の投下も、わっふるわっふるです。
560 :
83 ◆W0QmuTI9lM :2006/05/09(火) 20:26:42.38 ID:Ju2o5Pu0
投下は無い・・・だがageる。異存は無いな?
あったとしても、もう遅い。
561 :
既にその名前は使われています:2006/05/09(火) 21:11:08.39 ID:juHGJcog
時既に時間切れ
562 :
既にその名前は使われています:2006/05/09(火) 21:20:50.70 ID:KoXnMwQz
ジェイソンヴァナへいく。
問題は、これからどうやって喰っていくか、だ。
持ち物といえば、ナイフが一本、妙な紙切れと優待券。
そして「ギル」という貨幣らしき物が一枚だけ。
この10ギル硬貨でいったいどれほどの価値があるのか。
円ならチョコレートひとかけら。ドルなら一食ぐらいは出来る。
円?ドル?うーむ……
実は言うと、このウィンダスに来るまでの記憶がほとんど無い。
どこの誰だったのか、名前すら思い出せない。
しかし、そんなことは今はどうでもいいことだ。
まずは衣食住の確保と安定、それ以外のことを考える必要はないだろう。
幸い、最初にいた辺りは水の区と言って、食べ物屋が豊富らしい。
とりあえず、食糧確保に取りかかろう。
まもなく、10ギルではクッキー1枚買えないことが判った。
あんまりだ。
食事も出来ない状態で俺を放置するなんて。
こうなれば食事の前に仕事だ。
なんでもいい。荷物運びでも何でもやって、日当を貰えなければ飢え死にだ。
森の区という場所にやってきた。
ここはミスラという種族が沢山いるところだそうだ。
格好は半裸の女で、何故か尻には尻尾が生えているし、耳の形が変だ。
これではまるで犬だ。
にゃーと鳴く奴がいるのだが、どうみても猫には見えない。
犬に違いない。でなければ猿だ。
しかも女ばかりの種族で、男は極めて少数らしい。そのためか言葉が乱暴だ。
当然だろう。女は男が居るからこそ女らしく振る舞うものだ。
男と女の違いなど、筋力と体型、子供を産むか産まないかの違いにすぎない。
その一人に仕事は無いかと持ちかけた。
聞けばそいつは、ダルメルという動物の飼育係らしい。
成る程、近くには四頭ほどの首の長いキリンのような動物が佇んでいる。
こいつの相手ならなんとかなりそうだ。
体はでかいが間の抜けた顔つき。どうかんがえても凶暴には見えない。
フンの掃除でも何でもやるから仕事をくれ、と頼み込んでみた。
こうなればなりふり構っていられない。
仕事は自分でもぎ取る物だ。
土下座でも何でもして食い扶持を確保しなければ生きていけない。
ところが、そいつは俺を冒険者だろうと問いかけてきた。
またこれだ。
俺の格好のどこに冒険者という名札がついているのだろう。
そのことを問いただそうとしたが、更に仕事の話を持ちかけてきた。
これは俺にとって良い方向に話が進みそうだ。黙って話を聞いてみよう。
聞けば、クロウラーとかいう芋虫が草を荒らして困っているらしい。
成る程、害虫駆除というわけだ。
芋虫を殺して、体内から証拠となる物を持ってくれば金を貰えるという。
これは簡単な仕事だ。報酬は今持っている10ギルより何十倍も貰えるようだ。
しかし、それが冒険者の仕事なのかと首を傾げた。これでは単なる雑用係だ。
まあ、なんでもいい。仕事にありつけばそれで良いのだ。
とりあえず二つ返事で「やりましょう」と言ったが、
実は後でひどく後悔する結果となったのだ。
とりあえず、聞きつけたそいつらの居場所に向かってみよう。
とにかく町の外に行かなければならないらしい。
聞いた道順通りに、俺は噴水の横を通って、大きな門の外へと飛び出した。
あんまりだ。
外に居る動物達を見てそう思った。
蜂がでかい。でかすぎる。でかくなった俺の顔よりでかい。
あんなのに刺されてはイチコロだ。
危険だ。危険すぎる。こんな所、一歩でも外に出れば命が幾らあっても足りないだろう。
と、考えていると、近くで騒々しい物音がする。
見ると、タルタル族の一人が蜂やら二足歩行の変な動物と剣を振るって戦っている。
もしかしたら、でかいだけで大した事無いではないか?
俺と同じ格好をした似たような奴でも遜色なく戦っているのだ。
お、もう倒したのか。そして次の獲物に取りかかっている。
案外、それほど恐れる相手では無かったのかも知れない。
現実の話、目の前の蜂は俺を周りを飛び回るだけで、襲いかかったり刺そうとしたりしない。
無駄に恐れて損をした気分だ。
さっそく、当初の目的である芋虫駆除に取りかかろう。
そう思って地面の草むらを見ながらウロウロしていると、目の前を巨大な黄色い物体が遮った。
嫌な予感がして見上げると、俺の体の四・五倍では効かない大きさの芋虫がそこに居た。
こんな奴を倒せと言うのか。なんでこんなにでかい動物ばっかりなのか。
あんまりだ。というか最悪だ。
気が付くと、俺は最初にいた水の区に居た。
あの時、混乱していたものの誰かに殴られた記憶がある。体中に痛みがかすかに残っている。
きっと気を失って倒れたのだろう。
そして誰かがここまで運んでくれたのだろうか。奇特な人がいるものだ。
しかし、困ったものだ。
このままでは、おまんま食い上げだ。
あんな危険な門の外ではとても生きてはいけやしない。
ようするに冒険者とはそういう危険なことをするのが仕事なのだろうか。
とにかく他の仕事を探す他はないだろう。
そうして散々たずねまわったが、似たような話ばっかりだ。
蜂の羽根をもってこいだの、変な二足歩行の頭の葉っぱをとってこいだの、
危険な仕事ばかり俺に押しつけようとする。
それは何故だと聞けば、お前は冒険者だと口を揃えて言う。
なんともご都合主義の連中ばかりだ。
きっと、人を見ると冒険者と呼んで危険なことをさせてばかり居るのだろう。
だが、俺がここで生きて行くには、それしか手段はないようだ。
しかし、どうすればいいのか判らない。はて、どうしたものか。
うーむ、なんとなく思いつくままに淡々と書いて乗せてしまった。
読んで貰うためと言うより、暇だから書いてる次第。
569 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/09(火) 23:05:45.81 ID:R8/N5dOe
皆様、投下乙でございます。
>>535 ご自分のペースでかまわないと思います。
結界は、入ったら出られない一方通行だったのか・・・来訪者ホイホイと名づけよう。
>>539 遅筆だなんてそんなそんな。付き合わせてしまって申し訳なく思っています。
謎エロ生物の誘惑を受け入れるのか拒否するのか決めていただけると、
運命の歯車がトップギアで回り始めます。
>>559 256様は相変わらず文章が上手いというか、引き込まれます。
そしてライテミンテ氏・・・(遠い目)。
>>568 これからも、思いつくままの投下を期待しております。
わっふるわっふる!
>>謎エロ生物様
アビスがそっちに走っていきましたので、後はよろしく。
メイミィさんの受け入れ態勢を整えるべく、何か書いておくとしましょうか。
そういえば、メイミィさんとイッチ、どっち選ぶんだ? リードよw
>>カザムに居る赤い人と同じ人
赤い人達の装備奪取ktkr!
>>ぽん吉氏
(タルになった)イパーン人からしたら、確かに全てのモノが尋常じゃなく大きいですよね…
>>リード氏
二股イクナイ!(´A` )
謎エロ生物って【誰ですか?】w 炎のランナーアヌビスさんはきっと池にダイb…
何かしらの回答が得られたとき、ウィン側のストーリーがレールガン並に加速します。…多分w
572 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/09(火) 23:55:10.97 ID:fcIQoqR/
>>559 モグさん愛嬌があってかわいいですw
これからの展開がすごく楽しみです。
>>568 「あんまりだ」はやらせませんか?w
ものすごく自キャラになってる感じがでています
それに対して私は最近・・・(;・∀・)
私も投下はないですがageます。
―――はじめは一点の染みだった。
チャリオットには、目の前の旧友が怪物に思えてならなかった。
“白き獅子”
この世界には存在しない伝説の怪物、百獣の王とは、この男の事ではないのか。
無論、それは錯覚だ。あえて錯覚させるだけの気迫を放っているのだ。
“リーダー”は盾を失い、鎧は剥がれ、剣刃はボロボロに欠けている。
満身創痍。それでもなお、戦略・戦術の一切を踏みにじり、その闘志は鬼気迫る。
いくら斬っても急所を外し、正確無比に剣戟の合間を縫って身体の損傷を再生する。
苦々しくも“あの男”がそう望んだせいで、彼には無限に魔力が供給され続けている。
それは雨だれのように一滴ずつ落ちるわずかな量だとしても、その事実は無視できない。
コクリと喉を鳴らした。
この刀、そしてエクスカリバー・ゼロ。どちらも必殺の武器。まともに喰らえば、死に至る。
いかなエクスカリバーでも愛刀を折ることは不可能。だからこそ、すべて刀で受け、流し、防いだ。
限界以上の筋力と引き換えに神経のほとんどが赤い鎧に侵され、もはや怪我の痛みは感じない。
しかし、それを振るうべき腕が膝が断続的に痙攣を起こしている。握力が落ちている。視界が暗い。
はじめは一点の染みだった。それが今は毒のように全身を蝕んでいる。
その毒の名は「恐怖」といった。
再び鍔迫り合いになった。
激しく飛び交う火花を挟んで睨み合う。互いに一歩も譲らない。
「何故だ・・・」
チャリオットがうめくように、渇ききった喉から声を絞り出した。
「来訪者が面白半分に持ち込む物品や技術は、忌むべきものだ。
それが流布することでこれから犠牲になるであろう人命を累計すれば、天文学的数字になる!」
そうだな、と頷いた。リアル同様の、エスカレートする愚行の未来が待っている。
「そして持ち込んだ当の本人がその責任を取るわけでもない、か」
「かつて貴方がそう語ったのではないか・・・!」
ヘルメットの奥で、激昂に声がわなないた。
「私はフェイトを否定しない。この世が善悪の二つに分けられるなら、フェイトは善だ」
「ならば!」
チャリオットは我が身に残された渾身の力をもって、鍔迫り合う刃を突き出した。
その勢いに耐え切れず、邸宅の壁に跳ね飛ばされた。したたかに背中を打ち付けられ、一瞬息が詰まる。
「チャリオット・・・。今日はずいぶん饒舌だな」
チャリオットの焦りを見透かすように、肺腑を抉る言葉を吐いた。
「私には私の信じるものがある」
瓦礫と化した壁の残骸の中、くず折れそうになる体を叱咤し、立つ。正面をしっかりと見据えた。
「例え悪のそしりを受けようと―――自分の信じる道を行く」
575 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/10(水) 00:38:36.81 ID:LrE8wT0v
今夜の投下は以上です。
576 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/10(水) 01:03:08.35 ID:JDR8erIp
wktkするとこで止めやがりましたね?www
リードは右手に大砲と花火とロケットパンチと荷電粒子砲とハーモニカがアタッチメントで各種付け替え可能なはずですが……(マテ
おはようage
一時間間違えて早起きして三文得した609です、よろしくお願いします(´・ω・`)
>538
メガテンの旧作だったらDMやりましょうか?w
>559
自分のSSって世界の解釈が我が道を行っちゃってると思うので、リンクさせづらいぽですね(´・ω・`)ヾ
>575
超人同士の対決カッコヨス!!www
579 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/10(水) 09:11:36.05 ID:k2fRr04I
>>575 ハイレベルな戦いかっこいいです。それでは、昨日投下し損ねた分投下します
「ヒゲの子守唄!」
『サイレスッ!』
オヤジさんがボギーの群れに優しいベリーセクシーハスキーボイスで子守唄を歌い、
私はエアロガの詠唱を始めたボギーに、アリアちゃんがブリザガの詠唱を始めたボギーにサイレスをかける。
オヤジさんの歌で4匹のボギーが一気に眠りに着いた。
「さぁ!私に触れるかなっ!」
ユファファの体から白く輝く魔方陣が現れたかと思うと私達の体を白い光の鎧が包み込んだ。ホーリーサークルだ。
ユファファはホーリーサークルが全員にいきわたったのを確認すると地面を思い切り蹴る。
「あっはっはっは!ナイト様は怖いでしょ?あっはっはっはっは!!!」
ユファファは一番こちら側に近づいていた眠っていないボギーにものすごいスピードで突進したかと思うと、
ドス黒いオーラをまとった両手剣で真下から思いっきり切り上げる。その様はどう見てもナイトではない。
「さらにもう一発!!」
横薙ぎの鋭い剣閃がよろめくボギーに襲い掛かる。右腕らしい部分を切り落とされ、さらによろめくボギーにリポケケが両手斧で畳み掛ける。
リポケケの体重も乗った思い一撃でボギーの頭らしき場所に深い切れ込みが入り、その苦痛に汚いうめき声をもらす。
「私もま〜ぜてっ!」
斧の一撃をまともに食らって地面に墜落しそうなボギーの側面にアリアちゃんの鋭いとび膝蹴りが叩き込まれ、
その瞬間にボギーの体の一部が一気に燃え上がる。やっぱりエンファイアだ。
ボギーは冷たいくぐもった悲鳴と黒い煙を上げながらただの布へともどってしまった。
ジャカジャーン!とハープを変な方法でかき鳴らしながらボギー達を眠らせていたオヤジさんが
今度はこちらに向かって歌を歌い始めた。
「こうやって英雄達は、敵を倒したのです!」
オヤジさんのこんなでたらめな歌声を聞くと体の底から力がみるみるうちに沸いて来る。詩人って本当にすごい。
でも、白サブリガで腰をふるのはやめて欲しい。切実に。
「よーし!ニ匹目いくよ!」
「おっけーっ!」
「ギタギタにしちゃうんだから〜!」
アリアちゃん達がが近くで眠っていたボギーに飛び掛る。
私もこのままじゃ見ているだけなので暗黒でちょっと疲れているユファファへと強めの回復の意味を込めた魔力を投げかけた。
リジェネIIだ。
リジェネの詠唱が終わる頃にはすでに彼女達は三匹目のボギーに飛び掛っていた。・・・三人ともすごく強い。
みた感じでは3匹目が倒れるのも時間の問題だ。私はまだのんきに眠っている四匹目へと向かうと両手を広げてバニシュIIIの詠唱を始めた。
それに気がついた三人は目を覚ました5匹目へと襲い掛かった。いかにも痛そうなハイキックが爆発を起こしながら
ボギーに叩き込まれたと同時にこちらの詠唱も完成し、光の槍がボギーの体を襲った。
黒い煙を上げながら悶えるボギーに私はダークモールで殴りかかった。
「臼の底力みせてあげる!」
バニシュの光で本体がむき出しになり脆くなったところへ思い切りハンマーを振り下ろす。するとまるで豆腐を
叩き潰すような微妙な手ごたえが私の腕に伝わってきた。へぇ、ボギーの中身ってこんな感じなんだ。
その一撃で息絶えたボギーはただの木綿布に成り果ててフワフワと地面へと落ちていった。
私が5匹目のほうに向かいなおすと地面にフワフワと落ちていく木綿布を両手剣で串刺しにした後、
ユファファが笑顔でこちらを向いていた。
「こっちもお掃除おしまいっ!」
ユファファが両手剣を背中にしょいながらニカッと笑った。
「残念ね〜。雑魚は来たんだけどテティスさんの霊はこなかったみたいね。」
アリアちゃんがしゃがみこんでまだ燃えているお香の緑色の炎を眺めながらしみじみという。
「うん、残念。」
私もとなりでその炎を眺める。しばらく5人で炎を眺めていたが、
諦めたのかアリアちゃんは立ち上がり、リュックの側へと歩いていった。
「だめ、もうテティスさんは楽園に逝っちゃったみたい。諦めましょう。」
彼女はふぅと一つため息をつくとすっと私たちの周りの闇が濃くなった。
どうやら今のため息でお香が消えたらしい。
カラン。
「!?今、何か聞こえなかった?」
私が全員の方に向き直る。みんなが私へうなづいた。
「ッキャアアアアアアア!!!」
突然アリアちゃんがすごい悲鳴をあげた。
「アリア!?」
ユファファが弾けるように声がしたほうへと両手剣を引き抜きながら飛び込む。
そして私たちもその後に続く。薄い闇の奥でアリアちゃんが何者かとつかみ合っている様子のがぼんやりと確認できた。
さらに近づくと棍棒と騎士盾を握った骨が彼女の左腕をしっかりとつかんでいる様子がどんどんはっきりと見えてくる。
「このっ!離しなさい!!」
彼女は掴んでいる骨の腕に右ひじを思いっきり叩きつけるが骨は相当硬いのか全く効いているようには見えない。
さらに二人が押し合いへし合いをしていると、骨の瞳のない暗い眼に突然鋭い閃光が走り、骨がよろめく。
その隙に彼女は腕を振り解き、骨の横っ面に一発燃える拳を叩き込むと一気に間合いを取った。
「ユファファ、ナイスフラッシュ。」
アリアちゃんは親指を立ててユファファに笑いかける。
「アリア、ナイス悲鳴。」
ユファファもニヤッとアリアちゃんに笑いかける。
「・・・びっくりしたんだから仕方ないじゃない。」
アリアちゃんがちょっと頬を染めて言い返す。
「そんなこと話してる場合じゃないよ〜!なんかとても強そうだよ。」
「うん、さっきのボギーとは比べ物になら無さそう。」
私とリポケケも武器を構える。フラッシュの効果が切れたらしい骨はその不気味な顔を私たちのほうへと向けた。
「ドウシテ・・・ドウシテ、オイテイッタノ・・・?」
つうっと骨が左目から真っ赤な鮮血の涙を流した。
「ドウシテ!?ドウシテ!?」
骨は叫びながら棍棒を振り上げてアリアちゃんに飛び掛るが、それと同時にユファファが彼女をかばうために
二人の間に割って入り、棍棒を両手剣で受けとめる。しかし、勢いを殺しきれないで横へと吹っ飛んでしまう。
「ウデワヲ・・・ウデワヲ、カエシテ。」
彼女はブンブンでたらめに棍棒を振り回しながらアリアちゃんを壁際に追い詰めてゆく。
アリアちゃんも必死にガードしたりかわしたりしているが、何度かまともに棍棒を喰らい目に見えてあざが増えてゆく。
私はそのたびにアリアちゃんにケアルをかけているがこのままだとジリ貧でこちらが先に消耗し切るのは簡単に予想できた。
ユファファも必死にケアルやセンチネルで骨の注意を引こうとしているのだがどういうわけか、
骨はアリアちゃんばかりを追い回している。
骨が言っていたとおりなら狙いは腕輪だけということ?
「えーーーい!」
その悪い流れを断ち切ったのはリポケケだった。リポケケが飛び上がり骨を頭から真っ二つにしようと斧と自分の体重を思い切り乗せた大振りの一撃を振り下ろすが、
骨はパッと飛びのきそれをかわす。
「よくも女の子の肌に傷をつけたわね!!」
それを追いかけるようにアリアちゃんが大股で間合いをつめ、拳をすごいスピードで突き出してゆく。
「ヒゲの腰が世界を回す〜♪」
「よし!アリアちゃん受け取って!ヘイスト!!」
オヤジさんの腰振りダンス付の怪しい呪歌でみんなの力が、私のヘイストでアリアちゃんの周りの時間が加速するのを確認した後、
私も骨へと向き直りパライズ、スロウ、ディア、サイレスと思いつく限りの弱体魔法を続けざまに叩き込んだ後、
さらにバニシュIIIの詠唱へと取り掛かった。
目に見えて動きが鈍くなる骨と目に見えて素早くなるこちら側。
麻痺した骨の体がビクリと一度痙攣すると、その隙を見逃すことなくアリアちゃんが続けざまに燃え上がる拳を骨へと叩き込んだ。
肩の骨や肋骨に少しずつヒビが入り始め、そこから黒い煙が漏れ始める。
「私の相手もしてよっ!」
「あたしのもね!」
ユファファとリポケケが同時に武器を振り上げ同時に振り下ろす。
濁った音と共にまともに二人の攻撃をうけた骨の右腕と左腕が宙に舞った。
そこで私のバニシュIIIの詠唱も完成する。
「トドメはいただくね!あなたにも楽園への扉が開かれますように!!」
激しい真っ白な光線が刺すように骨へと突き刺さり、骨がフラフラしながら苦しそうな悲鳴をあげる。
「やだ!一番殴られた私にとどめはちょうだいよ!」
さらにアリアちゃんがだめ押しでふらつく骨をドロップキックで吹っ飛ばした。
そしてその吹っ飛んだ先には腰をひねり既にタメを作っていたリポケケが待ち構えていた。
「粉々になっちゃええええええ〜!」
バギボギゴギといかにも痛そうな音を立てて骨盤が砕け散り、骨は動かなくなった。
すっと動かなくなった骨から白い煙が立ち昇りそれは髪の長い綺麗な女の人の形になった。
「・・・ジェミニ、置いていかないで。」
緩やかなウェーブのかかった長い髪のキャラクターはヴァナディールにはいない
彼女はきっと体ごとヴァナディールに取り込まれてしまったのだろう。
腕輪に固執していたところから察するに、この人がきっとテティスさんだ。
その煙はうずくまったまま泣いていた。アリアちゃんがその煙にちょっと警戒しながら近づく。
「私は時空魔法の研究をしている魔法研究家のアリアです。失礼ですがお名前は?」
彼女はすすり泣きながらつぶやくようにこう言った。
「・・・テティス。」
「そう、テティスさんね。ぶしつけで申し訳ないけれどあなたに聞きたいことがあるの。」
以上です。私もみなさんみたいに迫力ある戦闘描写をしたい・・・
それではわっふるわっふる
589 :
既にその名前は使われています:2006/05/10(水) 12:01:31.12 ID:0HNrbPiX
タルで新規キャラだとジョブにもよるけど
芋にはLv3〜4くらいから喧嘩を売りたい感じだよね保守age
落ち着いて考えてみれば簡単なことだ。
冒険者のことは冒険者に聞けばいい。
何をどうすればいいのか、当の経験者である先輩の教えを請うのが最善だ。
人通りの多そうな噴水の前にやってきた。
辺りを見渡せば、腰に武器をつるして鎧を着た連中が右往左往している。
中には頭巾をかぶった修道僧のような連中もいるのだが、
大抵はそんな兵隊のような連中ばっかりだ。ウィンダスの軍隊なのか?
こうして見ると、俺はずいぶんと物騒な国に来てしまったものだ。
しかし、当の冒険者というのは、どういう奴のことを言うのだろう。
誰もが俺を冒険者と呼ぶのだが、しかし俺には誰がそうなのか判るはずもない。
しかたない。手当たり次第に聞いて回るのが良いだろう。
そんな訳で、手近にいる紅色の頭巾をかぶったタルタル族に声を掛けた。
まず、門の外で殴り倒された顛末を話すと、当たり前だと言い換えされた。
最初のうちは、くぐった門からあまり離れずに、蜂かなんかを倒して修行しろという。
そうして順々に強い相手に切り替えていけばいいという。
成る程、もっともな話だが、修行とは面倒だ。
それで本当に稼ぎになるのか、はなはだ疑問ではあるのだが。
と言うわけで、俺の修行が始まった。
親切にも、先ほどの頭巾をかぶったタルタル族が案内して、いささか指南を施してくれた。
ここの崖の上から狩りを始めろ、自分で「もういい」と思ったら北へ狩り場を移せ、等々……
そして、最後に丸い玉をくれた。なんだか真珠のように鈍い光を放っている。
一応、お礼は言ったが、これがなんなのかさっぱり判らない。
なんだか遠くでも話が出来るとか、訳のわからないことを言っていた気がする。
どうでも良いので草むらに捨ててしまった。
それから、狩りを始めたのだが……
蜂やら何やらをナイフで斬りつけてみるが、
相手も黙って狩らせてはくれやしない。
ばしばしと殴りかかってきたり、やっぱり尻の針で俺を誘うとする。
二、三匹も狩ったらクタクタ、体もアザだらけのボロボロだ。
それでも、負けるものかと戦えば、仕舞いには水の区で目を覚ます。
例の奇特な人が運んでくれたのか、もうこれで何度目だか判らない。
これでは好い加減、愛想をつかせてしまうだろう。
とはいえ、二束三文といえど稼ぎを得ることに成功した。
虫の羽根やら兎の生皮やら、何でも店に持って行けば買い取ってくれるのだ。
やっぱり、人間辛抱が肝心だ。
こんなことばかり続けられるものか、などと思っていたが、
慣れればなんということはない。
蜂やら変な二足歩行の奴なら、もはや敵ではないようだ。
しかし、どうにも厄介な奴がいる。
カラスの格好で二本足で歩き回っているから、こいつらも人間の種族かと思ったが、
俺を見るなり有無を言わさず殴りかかってくる。
あわてて門の中に逃げ込むと、側にいたミスラ族の番兵が笑って言う。
あれは獣人と言って敵だから気を付けろ、と。
まったく面妖な話だ。
ミスラみたいな猿人間と鳥人間、違いなんぞどこにあるのか。
そのことを言ったら殴られた。あんまりだ。
こいつらの方がよっぽど獣人だ。
いやはや、読んでくださってる方々、実にありがたいです。
このまま淡々とした調子で書かせていただきますです。
594 :
既にその名前は使われています:2006/05/10(水) 12:43:53.82 ID:blSHIdlO
日記
595 :
メイミィ-185 ◆ajBPG2hnCs :2006/05/10(水) 13:26:11.65 ID:X2nMZw9p
ねんがんのパソコンをてにいれたぞ!
ということで試しにこちらで書いてみてます。
もうすぐ出かけるので投下のみ失礼します(´・ω・`)ノ
どうする?どうすれば活路が開ける?
ミスラを睨み付けながら思考をめぐらせる。
とにかく、この状況は分が悪い。まずは隙を作って相手の不意をつくしか――!
そう考えつき、後ろ手で 持っていたクナイを探る。
そして、それを投げ付けると同時に素早く前方に走って、競売所の影、
相手からは見えない位置に隠れる。
(負けるわけにはいかないの…!)
わたしは必死だった。
「「いやですねぇ…私は、貴女の、味方ですよ…?」」
ミスラの声が響く。
信じられるものか。こちらに銃を向けていたのに。
「「力が、欲しいですか…?」」
やや間をあけて、ミスラが問い掛けてくる。
(何のつもり――?)
意図が読めず、わたしは終始無言を決め込む。おしゃべりがしたいわけではない。
それとも、ああやって時間を稼いで、リードのところに来させないように、と
“赤い鎧”に命じられて来たのだろうか?
さきほどまでのわたしのような、忍術も使えずに泣きべそをかいて逃げた“無能”に、
“赤い鎧”がそこまでする意味があるのかどうかはわからないが。
「「残念ですね……返答が無いのでしたら……」」
かちりと微かな物音がする。
銃を構えたのだろうか?だが、そこからでは建物の影にいるわたしには当たらないはず。
「「ふふ…貴女ではなく、貴女の魂に直接お聞きしてみましょうか……」」
言い終わると同時に、カキンッ、という乾いた音が響く。
次の瞬間、胸に激痛が走った。思わず痛む箇所を押さえてうずくまる。
撃たれた…?何故?ミスラはずっとあの場所から動いていないはずなのに。
あるはずのない傷からは、血の代わりに“闇”が漏れるように吹き出して、
わたしと空蝉の術で作った幻影を包み込んだ。
虚ろなる闇に良く似た“闇”の中で、わたしは自身が出した4体の幻影に囲まれていた。
喜怒哀楽の表情をそれぞれ顔に張り付けた幻影は、責めるように繰り返し言う。
『敵を殺せ、自分だけ生き残れ』と。
「ィャ…イヤ…お願い…もう…もう、やめてぇーーーーーーッ!!!」
そんなこと、望んでなんかいないのに!
わたしは耐え切れず絶叫していた。
絶叫した瞬間、幻影の声とは違う優しく穏やかな声が語りかけてきた。
「「……力が、欲しいですか?」」
…幻影が言ったとおり、自分だけが生き残れるように立ち回れば楽かもしれない。
だが、そんな生き方は絶対に望んだりしない。
自分のせいで他人を不幸にするのも、他人を踏み台にして自分だけが楽な思いをするのも嫌だ。
そして、無力な自分をこれ以上に呪うのも、悔しい思いや悲しい思いをするのももう嫌だ。
護られるだけのお荷物になんてなりたくない。
わたしも誰かを……リードを護れる力が欲しい。
「……力が…欲しいです。滅ぼすための力ではなく、護るための力が」
確かな決意を胸に、わたしは声にそう返答した。
以上です。
皆さんわっふるわっふる!
601 :
既にその名前は使われています:2006/05/10(水) 14:43:41.71 ID:k2fRr04I
スルメ山のロランベリーのからage
602 :
既にその名前は使われています:2006/05/10(水) 17:32:02.64 ID:yuj/vOPz
保守
603 :
既にその名前は使われています:2006/05/10(水) 19:55:49.45 ID:blSHIdlO
もしヴァナに○が行ったらー
セガールのばあい
一人でデュナミス全制覇(無傷)
>>595 そう かんけいないね
たのむ ゆずってくれ
=>ころしてでも うばいとる
パソコン入手おめでとうございます〜w
メイミィ様の回答が出ましたので、ソレに伴い投下致しマス。
忍の格好をしたミスラが苦痛にうずくまり、身の内から溢れる闇に覆われて見えなくなった頃、ソレは現れた。
サンのそれまでの穏やかだった表情が一瞬で消え、碧眼の瞳だけが ギョロリ とソレの方向を見る。
灼熱の業火を身にまとい、赤く濡れた金色の鎌を携えた、業をまといし小さき者。
こちらを見た瞬間一瞬止まったが、次の瞬間炎をまとったまま、そのタルタルはサン目掛けて飛び掛った。
鎌の一閃が、碧眼の猫の首を、胴体と切り離す為だけに勢い良く薙がれる。
サンは無表情のまま、迫り来る血塗られた鎌を、その瞳で視ていた。明らかな敵意と、殺意を。
鎌が首に触れる直前、突然鎌が、タルタルが空中で止まる。
碧眼のミスラは瞳以外、微動だにしていないのに…だ。
タルタルは静止した鎌を動かそうと何度か力を込めるが、動かない。
"一体何をした" 疑問と怒りのこもった瞳を、サンに向けた瞬間、タルタルの表情が一変した。
碧眼のミスラはニコリとタルタル微笑みかけ一歩下がると、笑顔のまま右腕を自分から鎌に突き刺したのだから。
鎌に刺さった所から、当然のように赤い液体が流れ出し、重力に従い鎌を赤く塗り上げてゆく。
空中で止められた、動くことが出来ないタルタルの手元近くで雫となり、ポタッという音と共に地面に落ちる。
二滴…三滴……だんだんと落ちていく血が少しづつ血溜りをつくっていく。
しかし、タルタルが見ていたモノは、血が出るにつれて黒いシミの広がってゆくサンの右顔だった。
黒いシミが右顔を覆いきった時、サンに変化があった。
優しげに微笑みかける顔が、ゆっくりと消える。紅い左目をゆっくりと閉じ、同時に右目から涙のような紅い筋が伸びた。
右目は妖しげな金色の輝きと狂気を宿し、口元は優しげな微笑みから、邪悪な笑みに変わる。
同時に、右腕から流れ出ていた血の色が微かに光る赤から、タールのような黒色に変色していく。
黒く変色した血から、細い触手のようなモノが無数に発生し、ソレをじわじわと伸ばしながらゆっくりと蠢き始めた。
黒い触手がタルタルに絡みつき始める。 ヒッ という微かな悲鳴をあげるが、身体を動かせない。
理解出来ない、不気味で、生理的嫌悪感を抱く黒い小さな物体が、じわじわとタルタルに絡みついていく。
恐怖に表情を歪め、唯一動かせる首を振りながら「ぃゃ…ぃゃ…」と小さく呟いている。
「「ククク…お前は、フォモルという闇に生きる者が何故居るか、知っているか?」」
サンが、突然邪悪な笑みのまま、右腕を鎌から引き抜きながら問いかけた。タルタルは、怯えた眼で弱々しく首を振る。
「「なんだ、知らんのか。ククク……"俺達"はな、怨みで成仏出来なかったり……クク…」」
サンは場違いなまでにニヤけた顔のまま、じわじわと黒い物体に覆われていくタルタルに黒く低い声で語りかける。
「「……"俺達"に、"コッチ側"へと堕とされてるから、存在するのさ。自身の闇に呑まれて…な。ククククク」」
サンが喉を鳴らすように嗤い、ほぼ同時にタルタルがハッとした顔を貼り付けたまま、黒い物体に呑まれる。
黒いタールのような物体はタルタルに染み込むように中へと進入し、体の中を侵していく。
「―――ッ!?〜〜〜〜!!!!〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」
空中から地面に落下したソレは、ビクンッビクンッ と筋肉を痙攣させながら、声にならないくぐもった叫びをあげた。
20秒後、黒いソレが漆黒のチュニックをまとったタルタルの形になり、立ち上がった。ゆっくりと開いた眼は、金色だった。
『……力が…欲しいです。滅ぼすための力ではなく、護るための力が。』
本人の心の闇を宿した4体の幻影に囲ませたミスラの、心からの声が、足元の闇からした。
「「…チッ堕ちなかったか。いい加減この窮屈なトコ…へぃへぃ引っ込みゃ良いんダロ?…ジャンクが。」」
1人のタルタルが闇に堕とされたのを嬉しそうに見ていたサンが、ミスラの声に不機嫌そうに小さく毒づく。
ソレを境に右頬から紅い筋が消え、シミが眼の周囲まで集まっていくと、閉じられていた紅い左目がゆっくりと開く。
左目の周囲の肌がボウッと白く色が抜けてゆく。真っ赤な眼を光らせながら、サンの表情は、邪笑から微笑に戻った。
「「…わかりました。しかし、私が与えるのは、救いにも、破滅にもなる力です。
破滅も、守護も、使い方の1つです。私は力を与えましょう…しかし、使うのは貴女です。」」
そう言うと競売所の縁をゆっくりと歩き、ソコから足を空中へと踏み出す。
サンは、グラリと重力に引かれ、足下に広がる闇の塊の中へと、落ちた。
幻影達がスッと消滅し、ミスラの居た闇の中が突然、明るくなる。
突然の光に対応出来なかった為に眼が眩み、ミスラは小さく悲鳴をあげた。
ミスラが目を再び開けると、金色の月が二つ浮かび、周囲の森が火炎で燃え盛る、石の区の競売所だった。
サーメットで出来た、競売所のカウンターには、武器が置かれていた。
ルビーのように透き通った赤色をした淡く光る短刀。黒曜石のようなモノで出来た禍々しい力を発するクナイ。
ミスラは迷わず短刀を持つと、元来た道を走り出した。ミスラが橋辺りでふと、気付けば元の薄暗い石の区だった。
薄暗い石の区に戻ったと同時に聴こえ始めた激しい金属音が、彼女をさらに速く走らせた。
以上です。
すいません、個人的なワガママでリードさんのトコまで止めさせちゃいまして…
メイリィさんは私の所から離れたので、
リードさんのウィン偏の本編(?)の続きをwktkしつつROMってますねw
あ゛〜〜〜ッ!! メイ ミ ィさんです! すいませんすいませんメイミィさんすいません!!
もし前スレのログをもっている方がいらしたらうpしていただけませんか?
611 :
既にその名前は使われています:2006/05/10(水) 21:12:17.45 ID:blSHIdlO
612 :
既にその名前は使われています:2006/05/10(水) 21:13:50.44 ID:C1SIEX8H
相変わらず、スレタイにででおの影を感じる
614 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/10(水) 22:39:27.59 ID:LrE8wT0v
皆様、投下乙でございます。
>>588 登場人物たちが戦闘を楽しんでいる様が、良く描写できていると思うのです。
お姉さまはモ/赤か・・・。
>>593 なんというか、妙な味があるんです。続きを楽しみにしております。
―――剣は凶器。剣術は殺人術。どんなに奇麗事やお題目を唱えても、それが真実。
って、ばっちゃの茶飲み友達が言ってた。
>>600 パソコン入手おめでとうございます。
メイミィは選んでしまいましたね・・・。それでは、キャラをお借り致します。
>>608 サンの謎エロ度がどんどん上昇してますね。
「む・・・?」
クルスは妙な心地良さとあたたかさに包まれて、目が覚めた。
自分が今どんな状況なのか、把握するまでに少々の時間を要した。
激しい金属音が足元から何度も響いている。
「あら? 目が覚めたのね」
クルスのすぐ近くに、微笑む長髪のエルヴァーン女性の顔があった。
バルコニーで赤ん坊のように抱きかかえられているのだ、と彼はようやく理解できた。
その腕から逃れようとしたが、もの凄い力でその豊かな胸に押しつけられ、身動きが取れない。
この女は自分の連続魔を、復讐を阻んだ赤魔道士だ。
「はなせ!」
そう叫ぶと、意外なことにあっさりと開放された。
チラリと階下を見ると、エルヴァーンの男と“赤い鎧”が邸宅前で戦っているのが見えた。
加勢しなければ。
そう思い、呪文を紡ごうとして、何の手ごたえもないことに愕然とした。体内の魔力が空なのだ。
女性はクルスへの興味を失ったかのように、彼には目もくれずバルコニーの手すりにもたれている。
「一対一の、男の勝負を邪魔しちゃダメよ」
女性が薔薇のような唇を、くっと僅かに上げた。
「それとも、中身もお子様なのかしら?」
妖艶な女性にそう言われてなお足掻いては、男のプライドがすたる。
クルスは小さな拳を握り締め、眼下の戦いを見守る事しかできなかった。
617 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/11(木) 00:11:41.94 ID:C8KjgKEb
>>593 独特の味がたまりませんw大好きですw
>>595 おめでとうございます!うらやましいくらいメィミィさんがピュアで素敵です
>>608 なんか怖いけど(って毎回言ってるきがするw)やっぱり素敵です。
フォモル・・・今日フレとアトルガンの周りを探検してるときに絡まれて全めt・・・
>>616 お姉さま素敵です(*´д`*)ああなりたい・・・w
首を失ったまま転がるクーの身体が柱の影に見え、思わず握った手のひらに爪が食い込んだ。
己の無力を責めるように、ぽたりぽたりと拳から血が落ちる。
眠っている間に何かされたようだ。魔力はほとんどエンプティ。体力も半分失っている。
「あんたら一体・・・フェイトってなんなんだ・・・」
秩序と正義の番人よ、と臆面もなくエルヴァーンの女性は応えた。その目は広場を見下ろしたままだ。
「お姉さまと呼ぶのなら、連れて行ってあげてもよろしくてよ?」
―――ふざけるな。
広場では“赤い鎧”とエルヴァーンの男が戦っている。
刀と剣の斬り合い。魔法が飛び交うでもなく、曲芸じみた派手な技も繰り出されない。
振り回されているであろう刃の軌道が見えない。互いの間に火花が散り、一瞬遅れて甲高い金属音がするだけだ。
なんなのだ、これは。赤魔道士たる自分の理解の範疇を超えている。
ドン、と邸宅が揺れた。
エルヴァーンが壁に突き飛ばされたのだ。ガラガラと瓦礫の音がする。
彼は盾もなく、鎧も剣もボロボロだ。アレじゃあ勝てない。
だとしたら、彼は死ぬ・・・? 次は僕・・・?
視界の端に、黒い人影が競売所の方角から走ってくるのが見えた。
赤魔の女は二人の戦いに夢中で気がついていない。
まるでつむじ風のような驚くべきスピードで、赤黒い残像を引きながら疾走してくる。
ふっ、とその姿が消えた。その忍者が、味方であることをクルスは祈った。
遅筆ですみません。
気をもたせつつ、今夜はここまで。
おねーさまー!
621 :
既にその名前は使われています:2006/05/11(木) 00:48:12.11 ID:TlgPodiC
434625バイトだ。気をつけろー。
弐スレにわたって活躍する戦車と決闘と宵闇強すぎ。
>>615 私のどのへんがエロなのか、真剣に解らないので教えてくださいw
>>617 彼らは恨みとか関係無いので、骨と同じと考えると楽デス。奴ラハ…テキダ
>>618 はやい!もう来た!純情系ヒロイン来た!これで勝つる!
>>621 こちらだとまだ394KBと表示されているようです、表示する物によっての誤差でしょうか…
おはようございます。
>>622 なにをいまさらw
現在、約395KB
624 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/11(木) 06:26:36.08 ID:T6xRvdzL
ageage
625 :
既にその名前は使われています:2006/05/11(木) 08:14:53.20 ID:TlgPodiC
現在TP436260バイト!
626 :
既にその名前は使われています:2006/05/11(木) 09:32:57.01 ID:C8KjgKEb
あぐる
627 :
既にその名前は使われています:2006/05/11(木) 12:23:15.76 ID:qQZfPLj3
いや
392KBだ
考えてみると、ずっと俺は野宿ばかりして過ごしているようだ。
ずっと、門の外で行き倒れ、水の区へトンボ返りを繰り返しているので、
なんだか訳がわからなくなっている。
最初に紹介された「モグハウス」、場所も確認してあるのだが、
冒険者専用らしいので自分が冒険者であることに納得出来ないこともあり、
正直それを利用するのに躊躇していた。
だが、もういいだろう。
ずいぶん外で狩るのも慣れてきたことだし、
当面は冒険者として生計を立てていくしかあるまい。
そう決意した俺はモグハウスへと向かった。
そこには例のミスラ族の一人が門番に立っていて何やら説明してきたので、
適当に聞いておいて中に入る。
部屋の中はガランとしていて、奥の壁には水がこんこんと湧き出ている。
それはいいのだが、変な小動物が中空に浮かんでいるのが気にくわない。
「クポ」とかいって飛び回り、ごちゃごちゃと勝手に説明しようとする。
どうやら、ずっとここに居るつもりらしい。
うざったい。俺の世話なんぞ大きなお世話だし、これでは落ち着いて眠れやしない。
あんまりうざったいので、頭の丸いのを掴んで振り回してやろうかと思ったが、
ここで面倒を起こすのは良くないだろう。
ここを去るときには、あの丸いのをちぎって捨ててやる。
せっかくなので水だけ飲んで表に出た。
そんなこんなで、狩りの方はどうにか進め、念願の芋虫駆除も出来るようになった。
倒すだけならいいのだが、証拠の品を採取しないといけないのが実に面倒である。
芋虫を見つけたら適当にナイフで弱らせるのだが、とにかくモタモタしてはいけない。
下手すると身が固くなってナイフが通らなくなるし、
毒液を拭きかけられたりして、とどめを刺すまでに大変な騒ぎになってしまうのだ。
次に頭の部分をナイフでえぐり取る。ここで、立ち位置を間違えては大変だ。
吹き出すドロドロの粘液まみれになってしまうからだ。
そうして芋虫が動かなくなるのをまってから、顔の部分からおもむろに体内に腕を突っ込む。
話を聞くだけでも汚い嫌な話だが、こうでもしなければ証拠の品が得られない。
慣れない最初のうちは、全身が粘液だらけになってしまったものだ。
何故か体内にある石ころや、口からはき出すために体内にためた糸を引きずり出し、
それらと一緒に川縁で粘液だらけの腕や足をきれいに洗う。
そこまでしても何も得られないこともある。一度は変な布きれが出てきたことがある。
困った物だ。約束は石か糸だ。かさばるし頭に来たので近くの川に流してしまった。
しかし遠い。
ひとしきり芋虫の解体を終えて、飼育係のところまで行くのがあまりに面倒だ。
そんなことを思いながら糸の束を抱えて森の区を走っていくと、
誰かが声をかけてきた。
タルタル族の一人なのだが、その糸をどうするのかと聞いてくる。
飼育係について、これこれこうだと説明すると、
同じ金額で買ってやるから俺が代わりに行ってやると持ちかけてきた。
いやはや、世の中には奇特な人が居るものだ。これで無駄に走り回らずに済むというものだ。
そうして取引が成立したのでモグハウスに帰ろうとすると、
後ろで何やら怒鳴りあう声がする。
おや?この間の紅色頭巾の奴だ。
見ていると、せっかく俺が取引した糸を相手から取り上げ、
俺を呼び寄せて受け取った金を返せと言う。
どうやら、俺の先ほどのやりとりを聞いていたらしい。
変な奴だ。せっかく取引が成立したというのに。
聞けば、その糸はもっと高く売れるということらしい。
成る程、そういうことなら話は別だ。
どうすればいいのかと聞くと、競売所という所に連れて行かれた。
そこは奇妙なところだ。
大勢の人が集まっているのだが、誰も彼もが壁に向かって何やら話をしたりしている。
あの壁は何だと聞くと、壁じゃなくて競売の受付があるだろうと説明した。
なるほど、パチンコの換金所みたいなものが人混みの間に見え隠れする。
とりあえず、言われるがままに競売所の受付に向かった。
6本ほどの糸の束を受付に出すと、何やら金額とか聞いてくるので、
はいはいと適当に答えていると、そのまま糸を取り上げられた。
金はどうした?と聞いたら、売れたら後日に送ると言ってきた。
モグハウスにポストがあって、そこに届くらしい。
即金ではないのは実に面倒だが、これで高く売れるのなら仕方がないだろう。
そうして終わったことを告げようと振り返ると、
例の紅色頭巾の男は上を見上げてデレデレしている。
何だろう?と思い、同じように見上げると丁度そこにはミスラ族の尻があった。
まったく呆れた物だ。これでは変態だ。
タルタル族ならタルタル族同士で欲情すべきだ。
体型すら違う他種族に欲情するなど理屈に合わない。
いったい、猿人間の尻がどうしたというのか。
そう思ったものの、確かに小振りの良い尻だ。見とれるだけの尻ではある。
正直、ここに来てから体が小さいことに閉口していたのだが、
こういう良いことがあるとは思わなかった。
紅色頭巾に相手が怒ったりしないのかと耳打ちしたが、
ばれなければ大丈夫だと言ってきた。
成る程と思い、同じように眺めていたが、
つい手を伸ばしてなでてみると、思い切り蹴り飛ばされた。
あんまりだ、と言ったら紅色頭巾に当たり前だと笑われた。
そして、別れ際に紅色頭巾がこの間のパールはどうしたと訪ねてきた。
ああ、あの変な玉か。
無くしてしまったと言うと、新しいのをくれて今度は無くすなと言ってきた。
しょうがないので判ったと言いながら、
懐にしまう振りして草むらに指ではじいて捨ててしまった。
その後、モグハウスに帰るとポストに何やら届いているらしい。
覗いてみると「AHなんたら」とか書いてある包み紙だ。
なんだかよく判らないが、ようするに競売所に出した糸が売れて、
その代金が届いたと言うことだ。
確か俺が出したのは6束の糸だ。
いったいいくらで売れたのだろう、と包みを開くと、
1ギル硬貨が6枚だけ。つまり糸一束が1ギルというわけだ。
いったいどういうことだ。もっと高く売れるというのは嘘だったのか。
こんなことなら飼育係はおろか、手近の店に買い取って貰う方がよっぽどましだ。
こんど紅色頭巾に合ったら文句を言ってやろう。
これで、どれだけの労力が無駄になったことだろうか。
そう思いつつ、疲れたのでその場は眠ってしまった。
634 :
ぽん吉 ◆6NLrYYfI2g :2006/05/11(木) 14:08:59.39 ID:ooEYHKwI
とりあえず、ここまでっす。
635 :
既にその名前は使われています:2006/05/11(木) 16:28:01.94 ID:l6gyBPlV
ウィンダス人は誰もが通る道age
636 :
Silut446:2006/05/11(木) 17:07:51.42 ID:nMFgSZbu
一日ほど遅れてしまい申し訳ありません。
皆様の反応も良かったようで一安心です m(._.)m
では、今から投下します故、Silutとモーグリの会話、明かされる趣味
等をお楽しみくださいませ〜
637 :
Silut446:2006/05/11(木) 17:20:35.40 ID:nMFgSZbu
ふとモーグリが言うのを待ちながら考える。(武器か・・・そういえば
見当たらないな。)もともとのデータ通りに引き継いでるのであれば、
暗黒騎士LV75なはずである。今は種族装備を着ているものの(なぜか
女性物であったが・・・・)ホーバークやオプチカルハット等が部屋の隅に
あったことからジョブデータはそのまま変化していないと類推出来た。
ちなみに前衛では暗黒騎士が最高LVであるが、後衛では黒魔導士を50まで
上げているのが一番高いのだ。というのも一般さぽジョブである、白魔導士
がインビジとスニーク目的で25まで上げたっきりなので、白魔導士をこれ
以上上げる気は起きなかったのだ。(まぁ癒すという行為が好きでないからも
あるけどなぁ。)メイン白魔導士の方から、ヘキサストライクをくらいそうで
あるが、納金であるが故に味方のHPながら増えるのに違和感を感じてしまう
のだ、気分はダルメル相手にいやしの風を使われた気持ちなのである。
638 :
Silut446:2006/05/11(木) 17:47:56.64 ID:nMFgSZbu
そうして感慨に耽っていると、ようやくモーグリはのほほんとしながら、
「ご主人様が普段持っている、バルムンクを中心に、鎌で使っていて、
持っているデスサイズや過去に装備していて、競売に売り払ったヴァサーゴ
サイズといった無数の武器がその周りに浮き上がったクポ〜。そしてバルムンク
に吸収されていくみたいに消えていったクポ・・・、怖かったクポ〜。」と話した。
「しかし、それだけのことが起こったというのにどうして起こしてくれなかったの?」
と聞く、武器の変化に関しては怖かっただろうけども、Silutの体に変化が起こった
時ならば、そうすればもしかしたら意識は彼(彼女?)のままだったかもしれない
のだ。
モーグリはこう答えた、「ご主人様の寝顔がかわいくなったからクポ〜、
それに気分よく寝ていたようでしたしクポ。」
「えっ・・・!」当り前だがリアルでは男である、童顔でもない限りそうそう
言われない言葉を言われ顔が真っ赤になっているのを感じながら、こうなった以上は
仕方ないとプラス思考し、打開策を求むために、その剣はどこに?と聞くと
アルモアールをクポクポと言いながら指差した。「あそこに入れておいたクポ。」
(あれって本来は衣服とかいれるところじゃ・・)そう思いつつ開けて見ると、
中にあったのは一振りの剣と・・・・・白いサブリガがあった。
639 :
Silut446:2006/05/11(木) 17:59:42.52 ID:nMFgSZbu
(・・・・サブリガはいてみるか。)称号はベスト・オブ・サブリストであった
ことを思い出しつつ(当然なんらかで称号が変化する度に戻している)剣を
そっちのけで、おもむろに手を伸ばし、種族装備を脱ぎはいてみる。
くっきりと目立つ脚、あくまで股間部分の防護、露出度の高い、純白の物体
をはいてみて、やはりすばらしい、これだけはこっちにきて良かった
と思いながらふと気が付く。
「これじゃぁエロいだけじゃん!」思わずシャウトしてしまった。
ゲーム時にはヒューム♂でタルタルの上にかぶさるとちょうどタルタル
の頭の上に股間あたりなので反応を見るのが楽しかったのだが、(これでは
喜ばれるだけだな・・・)冷めてしまい、脱ぎ捨て、元の種族装備に着替える。
モーグリはというとシャウトに驚いているようだ、少し距離をとられている。
ごめんね〜と思いながら、本題の剣、サイズ的には片手剣を少し大きくした
両手剣といったところの剣を手に取ろうとする。
640 :
Silut446:2006/05/11(木) 18:06:16.82 ID:nMFgSZbu
見た目は色は黒を主とし、剣の刃は紅色、文様か何かはわからないが
緑色が時折光っていた。(素人目でもまがまがしいというか、剣自体
が殺気を放っている感じがするな。)、呪物のたぐいかもしれん、
気をつけねば、そう思いながら(まぁモーグリが触っても大丈夫
だったんだしいけるだろ。)そうして手に取る。
そして、視界は真っ暗になり、意識は闇に落ち、最後に体が床に
叩き付けられる音だけが聞こえた・・・・・。
641 :
Silut446:2006/05/11(木) 18:11:30.07 ID:nMFgSZbu
さて今回の分は終わりです、楽しんでいただければ幸いです。
今回でSilutは暗黒騎士であることがわかりました、
そして彼女(彼?まぁもういいや彼女d)がいるのはバストゥーク、
モグハウス編が終われば、あの方を出すつもりですw
ではでは良い旅を〜m(._.)m
642 :
既にその名前は使われています:2006/05/11(木) 18:19:21.01 ID:qQZfPLj3
おつう
投稿遅いけどメモ帳にいったん入れて投稿じゃなくってえ
直接打ち込みなのかなあ
がんばっとるね
643 :
既にその名前は使われています:2006/05/11(木) 18:47:39.16 ID:qQZfPLj3
ていうか皆さんバトル好きだねぃ
俺がヴァーナに体ごとインストールしたらぁ
ミスラとおラミアとメローさん囲んで
毎日がニャンニャンデー!!
644 :
既にその名前は使われています:2006/05/11(木) 19:45:04.34 ID:TlgPodiC
クルス立ち上がれ連邦の黒い悪魔を起動させジョジョ並の逆転劇を見せるときお前それでいいのか。
645 :
既にその名前は使われています:2006/05/11(木) 19:46:43.59 ID:qQZfPLj3
>>644 なんだかよくわからないぞおちつけとりあえずにゃんにゃんしてからかんがえよう
な?
646 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/11(木) 20:37:05.33 ID:C8KjgKEb
ほしゅついでに
>>637 (# ゚Д゚)ノ ヘキサストライク
(# ゚Д゚)ノ バニシュIII
(# ゚Д゚)ノ ホーリー
新しい犠牲者が次々と…
ウィンダスの事件にwktkしつつ、投下しますー
(185)
「そりゃぁ、長生きだな」
「はい、おかげさまを持ちまして」
淡々とした受け答えではあるが、受け入れがたい事実ばかりだ。
「で、長生きの秘訣は?」
「そうでございますな。規則正しい食事と睡眠、あとは午後に一杯のお茶を飲むことでございましょうか」
楽しそうに顔をほころばせて、お茶をまたすする。
「冗談が聞きたい訳じゃないんだが」
「ほっほっほ、あながち嘘ではございますまいよ。もっとも、私の長寿はある力による物でございますが」
爺さんが事も無げにテーブルの角に手を置く。しばらくして手をどかすと、そこには青々とした新芽が生えてきていた。
マルトが短い悲鳴を上げる。ラディールは俺の横に座ったまま動かない。どうも固まってしまっているようだ。
「これは、私がかの組織に入るにあたり得た力でございます」
手品か何かの類では、どうやらないらしい。先ほどまで全くしなかった緑の匂いが部屋中を包んでいる。
「命を与える力…いや、命の再生なのかな」
「ご明察でございますな。この机に使われている木の力を呼び起こし、新たに命を生んだのでございます。これと同様の作業を自らに定期的に施すことで、多少老いる時間が遅くなっているのでございますよ」
それでも年をとる、ということを言いたげだ。
「そうまでしてここまで生きていて、その実日々人並みに死ぬことばかり考えておりましたが…」
俺のほうをみて、今度はなにやら悪戯っぽい笑みを見せる。
「いやはや長生きはしてみる物でございますなぁ」
(186)
「死んだことになっていると言うのは?」
「その言葉の通りでございます。このような力を願い、そして得た以上は、やはり色々と難儀がございましてなぁ」
どうも老人の話というのは回りくどくていけない。
「世界の安定をもたらす組織で私が得た力は、そのまま世界の安定を覆しかねないものになった、とでも言えばお分かりでございましょう」
「分かる様な分からない様な説明だな。要するにその力で何かに力を与えようとして疎まれたって事か」
「当たらずとも遠からず、と言うところでしょうか」
こちらの質問をのらりくらりとかわすような受け答えをする爺さんは、どこか楽しそうだ。
ともかく、こちらに害意はないらしいということは汲み取れたように思う。
「爺さん、『イレギュラー』と呼ばれる存在について、何か知ってるかい?」
「世界の安定を乱すものの総称でございますな」
「俺は、その『イレギュラー』らしい。そもそも今の俺は、厳密に言えばルーファスでもファーロスでもない」
「では、一体何者なのでございましょう」
「分からないな。異世界から迷い込んだ俺と、元々この世界にいた俺が今ひとつになって存在している、というのが今の状況を説明するには妥当だと思う」
異世界でございますか、と言って爺さんは少し黙りこくった。
日が傾きかけ、窓から夕日が応接間に差し込んでいる。そういえば、ヒロとフルキフェルはまだ顔を見せていない。
「…詳しく、お聞かせ願えますかな」
(187)
「異世界から突然この世界に現れる存在については、私も何件か存じております」
「この数ヶ月で、恐らく100以上の『来訪者』が来ているはずだ」
一昨日読んだ資料には、把握している限りの数で20件ほどの報告があった。
100は適当な数だが、把握されていない分や他の国に表れることも考えれば、むしろ少ないくらいかもしれない。
爺さんは驚いたような顔をして、椅子から背を浮かせている。
「そうでございますか。では、それは近頃冒険者が変死したり失踪する事件は…」
恐らく、その変死や失踪が赤い鎧の仕業であることは爺さんも思い当たったのだろう。表情が苦い物に変わった。
「変死あるいは失踪した連中は、恐らく俺と同じ様に異世界からの『来訪者』だ。赤い鎧の連中はその『来訪者』を『イレギュラー』として始末して回っているらしい」
「ははぁ、なるほど。ようやく合点が行きました。随分と強引なやり方でございますな」
「エルリッドも俺と行動を共にしていたために赤い鎧にさらわれた…」
俺は少しため息をついた。
「…大体の事態は把握いたしました。このマティエール、お嬢様をお救いする為にご協力させていただきましょう」
そういうと、爺さんは少し待つように俺たちに言い、そそくさと部屋を出て行った。
少し経って戻ってきた爺さんの手には、なにやら赤い金属の塊があった。
「これを、坊ちゃまにお貸しいたしましょう」
俺がその金属に触れた途端、赤い金属が振動を始めた。
(188)
「爺さん、これは…?」
赤い金属は振動に加え、わずかに発光しているようにも見える。
「『フェイト』において使用される武器でございます。持ち主の意思により、自在にその姿を変えます」
「…そんな物、俺が使って大丈夫なのか?」
「これからかの組織に挑むならば、必ずやお役に立ちましょう。さぁ、どのような物をお望みでございますか?」
武器、と言われて少し考え込んでしまった。俺はこの世界に来てから満足に武器を使用していない。もっぱら素手か、格闘武器だった。
今の俺の戦い方を考えると、格闘武器であっても手に何かを持つのは煩わしい。
「…篭手がいいな。俺は武器を使って戦うことに慣れていないから」
そう言うと、金属がにわかに振動を早めて形を変え始める。だが、それも随分とゆっくりだ。
外は、いつの間にか日が沈みかけている。
「おっと…長話が過ぎましたな」
爺さんは慌ててマルトに夕飯の買出しを指示すると、自分は部屋を回りカーテンを閉めると言って応接間から出て行った。
応接間には俺とラディールが残され、ゆっくりと形を変えていく赤い金属を眺めている。
「…信用できるのかしら」
「わからない。過去がどうあれあの爺さんは信用できるらしい。あとは俺の猜疑心だけだ」
記憶と意識がこうも食い違うという体験は今までなかった。明かりのともされた燭台を眺めながら考えを巡らす。
テーブルから生えた木の新芽は相変わらず新緑の香りを醸し出している。
爺さんがこの力を俺に見せたのは、信用させるためだろう。そしてこの赤い金属も協力の証というところだろうか。だが、やはり一つ納得がいかないことがある。
(189)
赤い金属の変化は本当にゆっくりだった。
「何分古いものでございますので、恐らく一晩はかかるものと存じます」
マルトの用意した夕食を優雅に食べながら爺さんが言う。
ラディールが、マルトがかわいいだの何だのと言って食卓は何だか賑やかになっていた。
食事が済んでお茶を飲んでいたところで、納得のいかなかった事を切り出した。
「爺さんが殺された理由ってなんだったんだ?」
「お恥かしいことゆえ、ご勘弁を…」
爺さんは苦笑いしながらティーカップを置く。
「正直な話、爺さんを何処まで信用していいかわらなくてな」
「なるほど、そういうことでございましたら…」
そう言うと、厨房に声をかけてマルトを呼び出した。
「マルトの祖母は名の知れたミスラの戦士でしてな。当時はランペール王にも謁見したほどの剛の者でございました」
爺さんの横に座ったマルトがはにかむような顔をする。それだけ祖母を誇りに思っているということだろうか。
「その戦士に、サンドリア王家は極秘にあるミッションを言い渡したのでございます」
また持って回ったような言い方をする。俺は少しうんざりしたような顔をした。
「ほっほっほ、やはり坊ちゃまは坊ちゃまですな。せっかちなところなど本当に相変わらずで…」
「…続きは?」
「これは失礼を… ミスラの戦士が言い渡されたミッション。それはボスディン地下に広がる迷宮の調査でございました」
(190)
極秘任務ということで、ミスラは仲間も連れずにその迷宮へ挑んだ。
だが、迷宮の仕組みの複雑さと、そこに住み着く獣人に手を焼き、とうとう日の目を見ることもなく事切れたそうだ。
「私も、時を同じくしてかの迷宮に来ておりまして、その死体を発見したのでございます」
ほんの数時間の誤差だったらしく、死体にはまだ温もりが残っていたという。
「そこで先ほどの力を使いまして、ミスラを蘇らせたのでございます。もっとも、目を覚ましたミスラはそれ以前の記憶を全く失っておりましたが…」
一言で言えば好奇心だった、と爺さんは言う。
それまで世界の安定という目的以外に力を使用することはなかったが、目の前で果てた死体を前にして哀れみとともに湧き上がった好奇心を抑えられなかったのだそうだ。
その後、ミスラを南にあった島に送り届け、その後の生活一切を面倒見ていたらしい。
「ですが、そもそも普通に生活している者達に接すること事態が『フェイト』では禁じられておりまして、他の者達に知れることを恐れた者が私を亡き者にした、ということでございます」
「んじゃ、なんで爺さん生きてんだ?」
「都合良く代わりの死体が見つかりましてな。それが、マティエールと呼ばれた老骨の騎士でございました」
戦場で自分に良く似た騎士の死体を発見し、それを自らの死体として仕立てたらしい。
「追い込まれた振りをしてソロムグの絶壁に立ち、身を投げてそこに用意して置いた死体と入れ替わったのでございます」
「なるほどねぇ」
俺はお茶請けに出されたからしせんべいに手をつけながら話を聞いていた。
(191)
その後、騎士を引退してシュヴィヤール家の執事として働き始めたのだというが…
「まぁ、それで上手く騙し遂せたとして、なんでマルトがそのミスラの孫だって分かったんだ?」
「お恥かしいことでございますが、何かと気に掛かっておりましたので年に一度様子を見に行っていたのでございます」
そのうちに顔を覚えられて、8年前にそのミスラからマルトを預かった、ということだそうだ。
「へぇ〜…爺さん、波乱万丈の人生送ってたんだなぁ」
「お恥かしいことでございます」
「マティエールさん、見かけによらず凄いんですね…」
ラディールはすっかり感動してしまっているようだ。こんな冒険譚聞かせられりゃ、そりゃ感動もするか…
「さて、ここまでお話しましたが、これで信用していただけますでしょうかな?」
「あ、あぁ…」
是非もない。作り話にしちゃどうも出来すぎてる。
「ところで…」
「ん?」
「お戻りになられた際に言っておられました、一緒に戦ったという冒険者の方は結局見えられませんでしたな」
「「あ…」」
爺さんに気を取られてすっかり忘れていた。日は既に落ち、夜も更けようかという時間になりつつある。
「ん〜、後でと言っただけだから、いつ来るかはわからないなぁ…」
(192)
「『フェイト』が仕掛けてくる際には、必ず例の如く時間を止めるでしょう。そういう意味では、その中で動ける者にとっては大変分かりやすいのでございます」
「危険な目にあってここに来れない訳じゃないって事だな」
「そうそう、先ほどのお話ですとお2人とも止まった時間の中で活動できるようでございますが…」
「あぁ、そういえばそうだな」
「止まった時間の中で動くためには、一度赤い鎧に恣意的に動かされる必要がございます」
時間が止まったままの人間は、どんな手段を使っても殺せないらしい。
逆に、止めた時間で一度動かした人間は耐性がついてしまうので、必ず抹殺しなければならないそうだ。
「このところの連日の襲撃は、そういった事情もございますのでしょう」
「しかし、『フェイト』は随分とお遊びが過ぎたというか、やり方が荒い組織になったものでございますすな」
やれやれ、という顔をして爺さんが続ける。
「私ならば、対象者のみを動かしてこれを討ち取り、関係者は記憶を消去することで完了といたします」
爺さん、あんた敵じゃなくて本当に良かったよ…
657 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/05/11(木) 21:04:43.83 ID:+S/S3LQ+
投下終了age
ウィンダスの方が落ち着くまで、間隔をあけて投下しようと思ってます。
では、わっふるわっふる!
>>633 絹糸をダルメル飼育係りのミスラに渡すとお財布がうるおう
そんな風に考えていた時期が私にもありました。
>>641 きた、さぶりめんきた!これでかつる?
>>657 おじいちゃんなんだかいい味でてます。かっこいい・・・
では、私も投下を
一旦私たちはエスケプでシャクラミから脱出した後、
テティスさんがテレポ石をもっていないので彼女にそれを持たせたほうが便利だと言うことになり、
テレポイントへと向かった。
思ったよりも探索していた時間は短いらしく、まだお日様は南中して間もないようだった。
頭の真上からガンガン刺す日差しになんとなくボコボコ生えているサボテンも、
のんびりと散歩をしているダルメルも迷惑そうだった。
ゆっくりとテレポイントへ向かいながら私達は彼女に自己紹介をはじめた。
ユファファはまだちょっと彼女の事を怖がっているみたいでなんだかオヤジさんの陰に隠れ気味だったけれど。
皆の自己紹介が終わり最後に私が自己紹介することになった。
「ユリフィナです。先ほどアリアちゃんが言ったとおり、
私もあなたと同じ異世界からの来訪者です。一緒に帰りましょうね。」
私がこういうとテティスさんは信じられないといった感じでこう言った。
「私にはあなたが異世界から来た人というよりも、もともとこの世界にいたタルタルさんにしか見えないけれど・・・」
これはもっともな意見だ。実際、私と道ですれ違った人は誰も私を来訪者だとは思わないだろう。
「えーと、今のテティスさんみたいな状態なんです。体だけヴァナディールのものって言う。」
「じゃああなたも霊体?」
霊体?いや、それとは違うとは思うけれども・・・なんて言ったらいいのだろうか。
自キャラになってるんです。いや、通じるわけないよね・・・。
そもそもユリフィナさんは私なんだし。リアルにいる時と今の違いは彼女をコントローラーとキーボードで
間接的に動かしているか、それとも直接動かしているかの違いだけだし。
「あ、わからないなら無理に考えなくてもいいです。」
思わず口ごもってしまった私にあわてて彼女がこう言った。それから、テレポイントまでは静かに移動する事となった。
実際のところ、今の私ってなんなんだろうね。最近すっかり忘れかけていた、
今のリアルの私の状態というのが急に気になり始めた。
意識不明だったら今の私は霊体なのかもしれない。もし行方不明だったら私の体はいったいどこに・・・?
ふと、小学生の頃に読んだファンタジー小説の結末を思い出した。
その話でも主人公達は異世界へと迷い込み、彼らは何度かその異世界へ行き冒険をしては帰ってゆく。
迷い込むきっかけは、異世界とこちらの世界をつなぐタンスに入ることだったりとか様々だが、
彼らが最後に異世界に迷いこむ事になるきっかけは、列車事故で死んだことだった。
けれども、列車事故で死んでしまった彼らはその異世界で、
永遠に幸せに生き続けるというハッピーエンドなのか違うのか分からない結末だった。
ただ、その事実を聞いたときに大喜びをする主人公達になぜか、
得体の知れないマイナスの感情を抱き、部屋で一人で訳もわからず泣いていたことは今でも鮮明に覚えている。
もし私がリアルの世界で死んでいるのであったら・・・。ダテレポを発動させる事ができても永遠にこの世界で、
ヴァナディールで生き続けるのだろうか?それとも天国へと送られてしまうのか。
ううん、そんなふうに悪い方に考えていちゃダメだ。きっとリアルの私は生きている。
根拠なんてないけどきっとそう!大丈夫、きっと帰れる。
無事にテティスさんのメアのテレポ石を手に入れた私達はとりあえずここで解散する事になった。
アリアちゃんはテティスさんと今後のことを決めるために、ゆっくりと自分のモグハウスで話し合いたいからと
サンドリアへと帰るためにマウラへと向かった。次にすべき事が決定したらパールで知らせるらしい。
オヤジさんとユファファはジュノへとデジョンカジェルを使って帰り、リポケケもルト
(フェロークエのジュノ上層にいるミスラの名前。名前なんて覚えてないよって言ったらリポケケに怒られた・・・。)
と鏡について話すことがあるからとデジョンカジェルを取り出して帰ってしまった。
鏡って何だっけ?と危うく言いかけたのは秘密だ。たしかフェロークエのキーアイテムだったよね。多分。
そんなわけで今、私はタロンギに一人ぼっちだ。ここに一人でいると初めて獣人を殺した事を思い出してしまい
なんだか暗い気持ちになってくる。
「私もかえろうっと。」
胸の前に魔力を集めて私もデジョンを唱えた。紫の光に包まれて視界が歪んだかと思うと、
すっかり見慣れた自分のモグハウスの前に立っていた。
二日ぶりのマイモグハは不思議な事にホコリ一つなかった。
ひょっとしてモグタンが私が出かけている間にレンタルハウスだけじゃなくてこっちの部屋も掃除してくれてたのかな?
モグハウスに入ってすぐに私は汚れ物入れにAFを投げ込み、リボンをほどいて髪の毛を下ろす。
リボンで縛っていた場所にクセがついてしまっていたので、髪に軽く櫛も通そうとしたが、
タロンギの砂を噛んでガリッと嫌な手ごたえが伝わってきたので、慌てて櫛を引き抜いた。
今櫛を通したら確実に髪の毛が痛む。
櫛を通すのはあきらめて、家具の中に乱雑に押し込んであったシャツやスカートを引きずりだしぱぱっと着替えて、
さらにタオルなども引っ張り出す。水浴びに行くためだ。
モグタンを呼び戻してから行くのでも良かったんだけれども、なんとなくそれよりも先に水浴びをしたかった。
別にホコリっぽい姿をモグタンに見せたくないとか、そういう深い理由はない。ただ、何となくだ。
帰りに昼ごはんと夕飯の材料を買い揃えるために買い物袋もとりだして準備完了。
「行って来ます。」
誰もいないモグハウスにこう言って私は水浴び場へと向かった。
やっぱりお湯じゃないと汚れが落ちた気がしないと思いながらも水浴びを思いっきり堪能した私は、
湿った髪のまま市場をフラフラとしていた。
水浴び場の番台さんは噂の通り変わっていた。前の人は本当に何をしたんだろう。
居住区の市場は冒険者などよりも、彼らから料理をまかされているモーグリのほうを多く見かける。
彼らは噂好きなうえ、口が軽いので買い物をしながら簡単に情報収集ができてしまう。
たとえば今日の噂では手の院に暴漢が現れて大暴れをした。結局その暴漢は左手を失った後、
天の塔の病院に担ぎ込まれた。最近シャントット先生とアジドマジルド院長が怪しい。
うちのご主人様も来訪者になった。フェイトと名乗る暗殺集団が世界各地に現れたなどなど・・・。
・・・来訪者、か。多分、今の私は全来訪者の中で一番元の世界に帰れる可能性が高いだろう。
だからこそ他の来訪者とは近づきたくはなかった。
できることなら自分だけではなく一人でも多くの人を帰してあげたい。
だけれども、現在のところダテレポには二人しか帰せないという制約があるうえ、
その二人は私とテティスさんと既に決まっている。
もちろん私は他の人に帰る権利を譲るつもりはないしそれはテティスさんも同じ事だろう。
じゃあ、他の帰りたいと思う人がダテレポの存在を知ったらどうするだろう?
きっと鍵となる腕輪を奪いに来るだろう。下手をすると邪魔な私は殺されてしまうかもしれない。
さらにはみんなにも迷惑がかかる可能性だって高い。
「ユリフィナちゃん、どうしたんだい?そんなにワイルドオニオンを見つめちゃって。」
すっかり顔なじみなった市場のタルタルのおじさんが笑いながら私へと声をかけた。
「あ、いえ。ちょっと夕飯のメニューを考えてたんです。」
私は慌てて笑顔で答えた。
以上となります。こんなわけでウィンダスに帰ってまいりました
とはいえ、時間軸的にはまだリードさん達が耳の院で暴れた数日後くらいです。
しばらくユリフィナはウィンダスにいるのでもし動かしたい方がいたら勝手に動かしちゃってくださいww
皆様投下お疲れ様ですー。
赤ずきんのタルさんは詰めが甘い!w ちゃんと使い方まで指導しないと…w
白サブリガは800万のアレかフォモルのアレなのか気になるところです。
1レス分だけ投下。
のこのこやってくるわけですよ。日も沈もうかって時間に。
結論から言うと、サンドリア所属の私がサンドリアのレンタルハウスを借りることはできなかった。
「ど〜〜〜してもダメですか?」
「規則だからな、すまんが諦めてくれ」
と、守衛のお姉さんにとりつく島もなく断られ、私はとぼとぼとモグハウスへと帰ってきたのだった。
「まずいよなぁ…」「まずいですクポねぇ…」
元・赤い剣(今は盾だが)から出ていた電波っぽいものはディスペルで切ることができた。
しかし切った場所がまさにここ。多分向こうも探しにくることだろう。
寝ている間に赤鎧もしくは黒装束に枕元に立たれてバッサリ、なんて事になったら泣くに泣けない。
私が寝ている間に「僕」が起きていてくれるならあるいは…
いや、あの口振りだと多分「僕」はGMもどきの干渉をまともに受けてしまう身なのだろう。
それでは逃げることも戦う事もできない。だめだ。
ベッドに腰掛けていた体勢から、あ〜う〜と唸りつつごろごろと転がる。
と、身体の下でくしゃりと音を立てるものがあった。
「僕」が書いた、これからやりたいことリスト。
「シュヴィヤール『邸』ってことは、でっかいお家なのかなぁ…」
家がでかい→部屋が余ってる→客間がある→ktkr!!
お掃除でも洗濯でも何でもやるんで泊めてください、とかどうだろう?
しかし、そろそろ日も沈もうとしている。これ以上遅くなると多分失礼になってしまうかも。
「モグさん、お土産は菓子折とかでいいと思いますか?」
善は急げ。私は今一度身だしなみと装備を整えながら、モグさんに尋ねた。
以上です。割り込んじゃったかと思ってちょい焦りました。
ダテレポで現代日本にたるっこ降臨…それはそれでおいしいw
>>654 と、そういうわけで、夜分遅くにお邪魔致します。
お土産はLoufasさんが想像した、人んちに持っていっても迷惑がられない物体を
好きに想像してくださいませヽ(´ー`)ノ
外見と中の人の性別が違うので、誓ってラディールさんにおかしな事はしませんw
本人は激しく警戒していますが、前スレインターローグの記述を踏まえると、
多分捜索隊はこちらを探し当てていないんじゃないかと…。
こちらもウィンダスの趨勢を見守りながら、まったりモードで行きたいと思います。
669 :
ぽん吉 ◆6NLrYYfI2g :2006/05/11(木) 22:41:11.42 ID:ooEYHKwI
しばらくすると、例の鳥人間達は俺を殴らなくなった。
何故だろうと考えたが理由がよく分からない。
おかげで仕事の合間に弁当を広げる余裕すら出来たのだが、
こうなるとかえって寂しいものだ。喧嘩友達もまた友達だ。
今度、酒でも買って一緒に飲もうともちかけよう。
だいぶ、芋虫解体もはかどってきたし、稼ぎがよくなってきているのだ。
そんなことを考えていると、一人の武装したタルタル族が声を掛けてきた。
誰だろうと思って聞いてみると、どうやらこの間の紅色頭巾らしかった。
そんな武装しているから判らなかった。
戦争でもあるのかと尋ねると、相手はゲラゲラ笑っているだけで答えない。
なんだか失礼な奴だ。
正直、いつもの格好をしてくれなければ困る。
だいたい、タルタル族はみんな似たような顔つきなので見分けがつかないのだ。
とりあえず着ている物にあわせて呼び名を変えるのは面倒だから、
これから先も紅色頭巾と呼ぶことにしよう。何やら自慢げに着ていたことでもある。
その紅色頭巾、ずいぶんと高値で買ったらしいのだが正直言って趣味が悪い。
今にこれの価値が判るようになる、などと妙なことを言っていたのだが。
670 :
ぽん吉 ◆6NLrYYfI2g :2006/05/11(木) 22:42:04.02 ID:ooEYHKwI
この間の競売所のことを言ってやろうとしたが、
それより先に、一緒に修行をしようと持ちかけてきた。
なんだか意味がよく判らない。
敵と戦うのに、なぜ誰かと一緒じゃなきゃいけないのか。
そして彼の後ろには仲間らしい連中が待っていた。
その仲間というのが異様な連中だ。
ヒュムと別のタルタルが一人ずつ居るのだが、
とんでもなく体がでかくて、しっぽまで生えたゴジラみたいな岩男と、
首の長いトカゲみたいに気持ち悪い奴らが混じっていた。
ガルカ族とエルヴァーン族とか言っていたが、名前なんぞどうでもいい。
聞けば人間の仲間というのだが、例の猿人間ミスラと同様に、
獣人と何が違うのか好い加減に区別の仕方を教えて貰いたいものだ。
そして、そのどでかい岩男がこの連中のリーダーらしい。
その岩男はまあいいといして、問題はトカゲみたいな首男だ。
俺をジロジロみて、装備はどうしたとか、そんな武器でとかブツブツ文句を言ってくる。
大きなお世話だ。
ここに来たときから持ってるナイフは時折磨いて、ちゃんと手入れをしているのだ。
671 :
ぽん吉 ◆6NLrYYfI2g :2006/05/11(木) 22:42:54.77 ID:ooEYHKwI
頭に来たので、武器ならお前の方が変だと言ってやった。
大降りの草刈り鎌を自慢げに振り回し、オマケに俺の体よりばかでかい大剣を背中に刺している。
俺に言わせれば、そんなものはでかいだけで振り下ろすだけでも大変なはず。
何でも小回りがきくのが一番良い。巨砲神話を信じるバカは海に沈むのが落ちってもんだ。
すると、やっぱり俺に殴りかかってきた。
あんまりだ。いや違う、最悪だ。
もういい、俺は俺でやるといって背を向けた。
慌てて紅色頭巾が俺を引き留めようとするが、もうこりごりだ。
確かに強ければ強い方がいいに決まっているが、
ちゃんと狩りが出来ているし生計も立派に立てている。なんの不満もあるものか。
この間のパールは、とか聞いてきたから、今度はハッキリと捨てたと言ってやった。
いや判っている。例の小さな玉は仲間であることを示す物であることを。
だか俺は要らない。俺は俺で行動するし、俺は好き勝手に生きていくしか出来ない男だ。
まだ紅色頭巾が何か言おうとしているが、例の岩男がそれを差し止めた。
どうやら話の通じる男のようだ。
困ったことがあったら相談しろと言って、俺の元から去っていった。
すると、紅色頭巾も頷き、笑って俺に手を振り去っていったのだが、
なんだか悲しい顔をしていた。
672 :
ぽん吉 ◆6NLrYYfI2g :2006/05/11(木) 22:51:29.58 ID:ooEYHKwI
おっとっと。
とりあえず、ここまでっす。
皆様、投下乙でございます。
レスしきれませんw
自分は30分ほど費やして1レスごと投下するため、時間がどうしてもかかってしまいます。
話の進みが遅くなってしまい、申し訳ありません。
現在431KBだ
じょーだんじゃなーいわよーぅ
呼吸をするたびに激痛が走る。壁に激突した時に、アバラが折れたようだ。
体の損傷を修復するための魔力はとうに尽きている。
何処からか魔力が体内に流れ込んできているが、ほんの僅かずつだ。
あとは、残った命を互いに削りあう以外にない。
剣を構えなおす。
チャリオットの様子に焦りが見えているとはいえ、状況は圧倒的に不利だった。
チャリオットが刀を薙ぎ、それを剣で弾いた。くっ、と刀の軌道を変え、下からすくい上げる。
最初から右腕を斬り飛ばすつもりの、フェイントだったと気づいた時にはもう遅い。
剣の慣性は止められない。
―――間に合わない!
刹那、四方八方から鉤縄が飛び、チャリオットの全身をからめとった。
刀を振るう動きが鈍る。
間一髪。剣を引き戻し、下から襲う刃を叩き落した。
「“太刀打ちできない”って、自分でそう言ったじゃないですか・・・」
忍術の触媒を手にした、メイミィの姿がそこにあった。
「それでも、引けない闘いがある」
視線は前を見据えたまま、メイミィに応えた。
なぜ? と戻ってきた理由をいまさら訊いたりはしない。
あのとき一瞬で心を奪われた、まっすぐな瞳。
それがメイミィの決意を物語っている。
「バルコニーに赤魔1、人質タル1」
端的にそれだけを伝え、チャリオットに斬りかかった。
メイミィはひとつ頷き、赤い鎧に背を向けて走り出す。
「野良猫ごときが・・・!」
「彼女を侮辱するな」
チャリオットはからみつく鉤縄に動きを束縛され、明らかに刀を振るうスピードが遅い。
血が滲んで赤く霞んだ自分の視覚でも、剣筋が充分に捕捉できた。
バルコニーに続く階段にさしかかったメイミィに、頭上から光の雨が降り注ぐ。
四度、羅刹作務衣の姿がブレる。
幻影がすべて消える前に、メイミィは懐から人型の紙片を摘み出し、続けて念じた。
振り向きざま、メイミィが黒い卵を投げつけた。
それは狙いたがわずチャリオットの眼前で炸裂し、黒い霧が顔面を覆う。
「邪魔だ―――!!」
怒りに任せて叫んだチャリオットの頭上に、バレーボールほどの大きさの光球が出現した。
メイミィめがけて、飛ぶ。
「させるか!」
エクスカリバーで横合いから光球を叩きつけた。
自分でも驚くくらいの超反応だったが、代償は右腕の血管破裂という形で返ってきた。
噴き出す血を左手で押さえる。思わず上げそうになった呻きを、腹の底に押し込めた。
軌道を狂わされた光球が、遠く離れた競売所に落下する。
その恐るべき破壊力で、石造りの建物が丸ごと蒸発した。
「心が、折れたな」
残念なことに、そして哀れなことに、チャリオットは剣の勝負を捨てた。
「黙れ! 決して、決して負けるわけにはいかないのだ!」
「・・・私もだよ」
背中にメイミィをかばう。
チャリオットの頭上には、八つの光球が浮かんでいた。
チャリオットが刀を振り上げた。
ヘルメットの奥で、赤い二つの光点が狂気を湛えてゆらめいた。
―――炎雷氷土風水光闇。
それぞれの色に染まった八つの球体は、各元素に由来する根源の力。
ひとつで競売所が蒸発した、先ほどと同じ大きさの球体が今度は八つ。
徐々に輝きを増していく。
エクスカリバーを構えようとしたが、右腕に力が入らない。
全部同時に弾き返すことなど不可能。
撃たせてはいけない。左手を添え、腰だめにして駆けた。
「これで、終わりだ!」
チャリオットの刀が振り下ろされる。球体が八つ、同時に襲いかかる。
避ける事も、防ぐ事も頭の中にはなかった。
「リード!!」
メイミィが懐から紙兵を取り出した。
それは、ふたりが出会うきっかけになった、あの紙兵だった。
いつのまにか、赤く、透き通るように紅く染まっている。
確信と決意をこめた眼差しで、念を込めた。
それは、切なる祈りだった。
679 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/12(金) 01:17:31.73 ID://sCZ2mb
今夜は以上・・・。
赤い鎧は、やはり飛び道具を持っていたようです。
680 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/12(金) 02:04:42.01 ID:H1qCflpO
>>656ツーことはウィンダス組が"戦車"と"決闘"を瞬殺したければ、
リード氏曰く「フェイトで勝てる相手ではない」アジトかシャントットを、
フェイト自らの手で動かすように仕向け、
なおかつ攻撃目標をちゃんとフェイトにさせるようなトリックをかませばいいわけか。
あ、一応妹さん(の名前)借りました。
>>655君(クルス)の出番だ。同業。期待してるぞ。俺時間止まってて動けん。口八丁も腕のうちだ。がんばれクルス。
FF5のHP消費ドレインというネタもやりそうでワクワクしてるぜw
>>679乙です。大将。
>>669ごめん。いい雰囲気なのはわかるんだが、何処がいいのかは自分でもわからん。
すごいよマサルさん!のネタの解説をしてる気分になるシュールさがよい。
フルさんは・・・なんか切実というかアリエネエ環境のやばさが伝わってきて笑えます。
ユリフィナさん・・・幽霊連れてウィンダスにかえるおつもりですか?!
>>Silut446 /Welcome 【バストゥーク】【たたかえ】
スルメひとつで3つもご飯・・・もといSSができる平和なバストゥークにようこそ。
非戦闘員のMekiさんと便利屋(赤魔道士)のPことロックじゃね・・・。ナナシさんは旅立ってしまわれたし。
681 :
既にその名前は使われています:2006/05/12(金) 02:08:09.26 ID:H1qCflpO
そりゃそうと便利屋稼業Pの続編とサンドリア外伝の続き、どっちを所望ですか。<ALL
>>680 僕はクーが斬られた悲しみが有頂天だから無理・x・
683 :
既にその名前は使われています:2006/05/12(金) 02:12:06.13 ID:GH9di8gw
>>681 個人的には外伝の方をお願いしたく。
エルリッドの今後もそちらの内容を鑑みて決めようと思ってますw
684 :
既にその名前は使われています:2006/05/12(金) 03:20:43.67 ID:H1qCflpO
>>682魔力は失っても暗黒とラスリゾと武器防具と口八丁がある!【たたかえ】
>>683うーんエルリッドは・・・多分でないだろうから気にせずとも結構です。
あくまで主役は影の薄い(はず)宰相様ですし。
どこがエロい扱いなのか判らないまま気になって夜も眠れず昼にぐっすりな464です。こんばんわ。
メイミィさんが良い感じに強くなって戦闘に参加した頃、居た場所を無に吹っ飛ばされましたw
その辺含めてかけたので投下します。では。
淡い紅に光る短刀を持ったミスラが走り去った後、木箱の上にサンがボウッと姿を現す。
「「全ては、私を、造り出した者の為に……ふふふ…幸運を祈りますよ…涙目の、ミスラさん。」」
小さくそう呟くと、左目の周囲に色が戻ってくる。同時に、周囲の地形・建物の色なども元の薄暗い世界に戻ってゆく。
―――ドサッ
色が戻りきると同時に、木箱の上から地面へとサンが倒れた。
…ジャリッ……ジャリ…ジャリ…ジャリ…
それまで棒立ちだった、闇人に堕ちたタルタルが気を失っているサンの近くまで歩み寄る。
…ジャリ…ザッ…―― チャキッ…
闇人が、赤黒く固形化した血にまみれた、金色の鎌を高く振りかぶり、限界まで振りかぶったまま止まる。
「…………………。」
15秒程振りかぶっていたままだったが、無表情のまま、金色の目を鈍く光らせる小さき闇人は、ふと、左を向いた。
……体が重い…右腕がなんか痛い…頭が朦朧とする……なんで私は倒れてる…?…私は何をしていた…?
「――痛ッ!!」
右腕の痛みが突如激痛になり、意識が一気に覚醒する。
「腕がッ……痛ぇッ!」
何か解らないが、腕よ、治れ、痛みよ、鎮まれ。 そう念じていると、痛みが多少和らいだ。動かすと激痛が走るが。
……視界がボヤけているが、周囲は暗い。夜…?……このイヤな感じは……何かが戦っている空気だ。
視界がハッキリとしてきたな…ん!?…水の…上?
見た目は水のままなのに固形化している。その上に、私は倒れているようだ……石の区…じゃ…ない?
陸地の形に見覚えが無い。なんというか…球状にゴッソリ削り取ったような…そんな形が眼前に広がっている。
私が倒れていた身に覚えの無い水面の2歩先は、ゼリーを削り取ったような斜面になっている。わけがわからない。
ふと、気配に気付き、振り返ると黒いチュニックを着た、金色の鎌を背負ったタルタルが背を向けて佇んでいる。
「お前が…私をココに連れて来たのか?」
もしそうなら、ココがドコで、何が起きたのか聞けるかもしれない。
声に振り返ったタルタルの顔は、漆黒に染まり、その大きめな瞳は鈍く金色に輝いていた。
「フォモル……?」
無意識に、口から思った言葉が紡がれる。フォモルと思しきタルタルに反応は無い。無表情のままコチラを見ている。
「あ…の…今、何が起こっているか、教えてくれないか?」
タルタルからの返答はない。だが、瞳の光が少し変わった気がする。なんていうか…後悔…みたいな目だ。
敢えて文章化するなら……"なんで助けてしまったのだろうか"そう、こんな感じ。
ふと、タルタルが右を向く。未亡人が墓の前で、ふと横をみるかのように。悲しげな空気をかもし出しながら。
つたれて私も左を見るが、丘のような陸があるだけで、何も見えなかった……。
いや、目で見えないだけで、何かは感じる。ソレが殺気というのか、邪気というのかは判らないが。
それ以外は、何も感じないな……腕の痛み以外…そうだ腕!腕どうなってるんだ!?
「げ!?なッにゃッ!?なんじゃこりゃ!?」
腕に、弾痕を幅広にしたような傷跡があり、その部分から肘にかけてが真っ赤に染まっている。考えなくても、血だ。
………うん、血だ。舐めてみたから間違いない。なんで出血して、傷が塞がってるのかは判らないけど。
フォモルに聞くだけ無駄だろうが、聞こうと思いタルタルの立っていた方を見ると、そこには何も、なかった。
少し焦り気味に周囲を見渡したが、あれだけ目立つ金色の鎌を背負っていながら、見つける事が出来なかった。
「何なんだ…あいつは…」
まぁ、いい。私は気を失う前、何をしていた…?
時が、止まって…外に出て…石の区に来て…変な黒い壁通って…大樹見て、デュナミスだと思って……
そこから……えぇと…そこから……ダメだ…思い出せない。
体が起きて来たようだ。そろそろ動けそうな気がする。
とりあえず、あの丘を登れば、その先が、何かが戦っているであろう場所が見えるだろう。…登れる気がしないが。
なんなんだろう、私は何でこんなにも目の前の丘を、登ろうとしてるんだろう。
そもそも、左側にあるクレーターの向こうにある道を通って行けば目的の場所へ進めるんじゃないか?
右腕が痛むのに、わざわざ酷使してまで、何を無理してるんだろう。
別に、戦ってるのはどちらも私の敵かもしれないんだから、見る必要も無いんじゃないのか?
何もしない方が楽じゃないのか………。
…いや、だからこそ見たいんだ。見なければいけない気がする。
…?右目が少し熱いけど、まぁ、大丈夫だろう。さぁ、今度こそ登りきってやる。この中途半端にでかい丘め。
丘の頂上にあと少しで届くという頃、頭上を真っ赤に光る光球が猛スピードで通り過ぎ、背後にある壁で、弾けた。
以上です。
リードさんがハイスピードバトルを繰り広げてる時に、
サンは無様に丘を登ろうとしては落ちてを繰り返してます。
鎌持ちのタルタルさんは、…勝手にどっかいっちゃいました (´・ω・)
690 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/12(金) 06:42:02.05 ID://sCZ2mb
おはようございますage
>>680 その通りだと思われます。
さらにリード曰く、「それはそれで方法があるのだが―――」
ちなみに、FFXI以外のFFシリーズを遊んだ事がないので、5の話をされても判らないのでした。
>>689 投下乙です。
フォモルに堕したアビス、どこ行っちゃったんでしょうねw
捕らえた女性を裸に剥いてあんなところやこんなところを身体検査とか、
嫌がるロリっ娘を触手で束縛して堕落させるとか・・・。
やっぱりサン氏はえちぃじゃないですかw
691 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/12(金) 07:55:37.39 ID:Q2/ZQYbw
おはようございますage
>>634 ありがちなことですよね
今思えば、全く同じ手段でとられたこともあったなぁ
>>641 ベスト・オブ・サブリストにワロタw
そういえばずっと俺も殺タル容疑者のままだw
>>657 おじいちゃん……やっぱり何者だw
>>665 【むむむ。】
殺してでも奪い取r(ry
692 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/12(金) 07:56:17.12 ID:Q2/ZQYbw
>>679 メイミィきた!メインメイミィきた!
こ れ で か つ る !
>>689 アポカリプス入手【おめでとう!】w
またちびちびと投下
まだ冒険者ほいほいに苦戦しております
693 :
既にその名前は使われています:2006/05/12(金) 07:56:55.06 ID:uKaZHZgz
クーさんの首から下もらっていきますね^^;
前、則ち石の区へ進むことはできるが、森の区に戻ろうとする度に、霧の微粒子がまるで意思を持つように引き戻される。
一方通行の最悪な罠だ。危険過ぎる気がしてならない。
「……」こういう時は、どうすればいいのやら……
後ろに行けないなら、前に進しかないだろう。霧に導かれるままに、霧の中へと進んでいくことにした。
霧を完全に抜けると、そこは薄暗く、今にも目の前にヤグードの石像が現れそうな石の区が広がっていた。
すぐに後ろを向くと、今まで進んで来た方向へと引き返してみる。今後は進める。うまくいけばこのまま抜けられるだろう。
肝心の結界へと近づき、先ほどと同じように石を投げつける。……やはり、通れないらしい。
しかし今度は、電流を放出することなく、壁に当たっただけのように軽く跳ね反り下に落ちただけだった。
触るべきなのだろうか……?
突然、周囲が昼間のように明るくなり、高速で移動する発光物体が急接近してくるのが見えた。
……スピードから考えて、約2秒で競売付近の地面と接触。回避するほどでもない距離だ。
着弾…………今!
ドガァアァン! という物凄い衝撃が走ったかと思うと、地面どころか周りの空気まで爆ぜ、軽く吹っ飛ばされる。
地面に激突し息が詰まるが、勢いは止まらず、地面を転がりながら一気に霧に入る。ボーリング顔負けの勢いだ。
バチバチと周りの霧がスパークを始め、大慌てで霧から抜け出そうとするが、痛みのあまり正常に体が動かない。
やがて、とてつもなくゆっくりと電流が霧から生じ、ポカンと見つめる中、体にまとわり付き、そのまままた凄い勢いで弾き出された。
一瞬のうちに訪れた数回の痛みに、意識が飛びそうになった。
なんとか意識を保ち、体が出す悲鳴を無視して発光物体が着弾した部分を見ると、そこには普段見慣れない見事なクレーターが完成していた。
……これで二つのクレーターが石の区にできたことになる。
696 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/05/12(金) 08:02:17.24 ID:Q2/ZQYbw
以上です(´・ω・`)
一気に進まないのはアトルガンの悲報に入り浸っているからです
ではみなさんわっほー!わっほー!
>>693 ダメ(´・ω・`)
僕の子ミスラはらんでたらどうするの。
そーいえばβ版FF11では首なしヒュム♀とかいたらしいね。
だからどうってことはないんだけど。
>>668 またもや接触キタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!!
>>671 なんだか切ない方向へ・・・(´;ω;`)
>>679 メイミィ参戦キタコレ!目を離せません
>>685 昼寝ちゃだめじゃないですかwwww
またうっかりまきこまれないようにw
>>691 なにをするきさまらー! つ 吹雪
ってまた一人フェイトの光弾に巻き込まれている人がw
ちなみに、もしもリアルにタルっ子きたら宇宙人あつかいなんですかねぇ・・・w
「ただいま〜」
当然ながら誰もいないモグハウスに私は声を投げかけてから中へと入った。
お昼ごはんは作るのが面倒だから結局競売でサーモンサンドを買ってきた。
私は買ってきたものやタオルなどをしまい終えた後、紅茶を淹れてちょっと遅い昼ごはんにぱくついた。
満腹になった私は本棚の本を一冊適当に取るとにベッドへと倒れこんだ。
このベッドの感じも久し振りだ。私は布団にもぐりこんで大きく伸びをした。
湿った髪から枕へと水気が移ってゆくがべつに気にしない。
ただ、今はたまらなく布団の中にいるのが気持ちよかった。
タロンギやシャクラミを動き回って疲れているからだろうか?
しばらくの間、エル♂×タル♀というどこのおバカが持ち込んだのかすぐに分かる官能小説をボーっと眺めながら
布団の中でモゾモゾとしていたが、数分後には静かな寝息を立ててしまっていた。
「うぅん・・・らめぇ・・・。」
「口では嫌がっていても体は正直クポ。」
はっとした私は慌てて上体を起こしたために何者かと思いっきりおでこをぶつけてしまった。
額がガンガンと痛い・・・ガッって音が頭の中で響いたよ・・・。
さっきは何者と言ったが、寝起きのレディーにいきなりシモネタを言える変態野郎は世界広しと言えどもこいつしかいない。
おでこをぶつけた相手は言うまでもなくモグタンだ。
「・・・おはようモグタン。」
「クポポ・・・おはようクポ・・・。」
ズキズキと痛む頭を抱え、ベッドの中で撃沈したまま私はおでこをさすっているモグタンに挨拶をした。
・・・あれ?おはよう?
「モグタンいつの間に?っていうか私寝てた?」
額を押さえて布団の中でぐったりとしたまま私がモグタンにたずねる。
本当に痛い・・・なんでモグタンはもう平気な顔をしているんだ。
「掃除に戻ったらご主人様がぐっすりと眠ってたクポ。
エロ小説にヨダレをたらしながら・・・パンツ丸出しで。」
ハッとして私は開きっぱなしの官能小説を閉じてから、スカートの裾を押さえ、それを思いっきり膝の下辺りまで引きずりおろす。
寝返りを何度かうったらしくてどう見てもスカートの裾が腰より上にあります。
本当にありがとうございました。
少し赤くなってベッドから飛び降りた私の目の前でモグタンはやれやれといった感じで両手を広げてみせる。
「そんな格好されたらモグみたいにピュアなモーグリでも変な気起こしかねないクポ〜。
あんな本読みながらベッドで何してたクポ?クププププ」
その言葉を聞いて、私は首まで真っ赤になるのがわかった。
ニヤニヤ笑うモグタンに怒りにまかせてひっつかんだ枕を思いっきり投げつける。
「あんたは私がどんな格好しようが変な気起こしっぱなしじゃない。」
バカな事を言うモグタンに私は白い目を向けるがモグタンはそれを全く気にせず、両手で枕をポフンとキャッチする。
両手が枕でふさがっているモグタンにとどめを刺すべく本も投げつける。殴られすぎて回避スキルが上がっているらしく、
モグタンは軽々それを避ける。本は硬そうな音を立てて壁に激突するとバサッと音を立てて床へ落ちた。
「寝顔もかわいいし最高のおやつだったクポ〜。」
「ちょっと!おやつって何よ!おやつって!!!何したのよ!言いなさい!!!!」
思わず壁に立てかけてあった木刀を握り締めてモグタンに食って掛かる。
返答しだいでは額をかち割ってやる。でも、実はかわいいと言われるとちょっと嬉しかったり。
「秘密クポ〜♪それよりご主人様もおやつ食べるクポ〜。」
そういってモグタンは机の方を指差した。そこには・・・な、なんと高級スイーツ雪山のロランベリーが!
そして・・・なぜかその上にはするめが。
するめ臭い匂いが紫のオーラになって目で見えるような気がするくらい異様だ。
異様というか場違いな感じがものすごい。
例えるならばグァムに雪男がいるくらい場違いだ。
すっかりあっけにとられた私は、さっきのおやつ発言のことも忘れて思わずモグタンにこう尋ねた。
「・・・モグタン、雪山のロランベリーはわかるよ。でもさ、その上に乗ってるのは何なの?」
「するめクポ。」
迷いのない澄んだ瞳で当然のように答えるモグタン。
「なんで乗ってるの?」
「乗っけて食べてる人がいるらしいクポ。」
迷いのない澄んだ瞳で当然のように答えるモグタン。
「モグタンはさ、ショートケーキに醤油をかけて食べるの見たら真似する?」
「するわけないクポ。」
迷いのない澄んだ瞳で当然のように答えるモグタン。
「なら何でするめ乗っけた。」
「おいしそうだと思わないクポ?」
私は木刀を壁に立てかけなおし、無言でスルメ山のロランベリーの乗っかったお皿を手に取る。
そしてフォークでその端っこを切ってからその切れ端を突き刺し、
笑顔でモグタンのほうにそれを差し出した。。
「はい、モグタンあーん。」
「あーんクポー。」
その開いた口に私は問答無用でスルメと一緒に雪山のロランベリーを入れてあげた。
「どう♪おいしい?」
「・・・ノーコメントクポォ〜。」
私はまずそうにスルメ山のロランベリーを飲み込むモグタンを尻目に、
ちょっとだけスルメくさい雪山のロランベリーを口に運んだ。
以上となります。
おもしろかったからインスパイヤした。メキやロックさんには申し訳ないと思っている。
今は反省している。
ゆりひなたんがどんどん汚れていく…(ノ_・)
それはさておき、あーんした時フォークでぐさーっとさしちゃえばよかったのに〜w
むむ、夜まで何しよう…
銭湯かな…w
とりあえず芋虫解体は続けているのだが、
そればかりだと退屈だし、他にもいろんな動物にも手を出している。
水の区にある学校から教材が欲しいと頼まれたりして、
金になる話をいろいろ持ちかけられるのだ。
そんな感じで、誰彼無く用件を聞いたりしていると、
だいぶ俺の名が知られるようになってきた。
仕舞いには、水の区の食堂で飯を食っていたら、
へんなタルタルのおっさんから、お前は英雄だとか言ってきた。
何が英雄だ。ご用聞きに英雄も糞もあるものか。
変なことを周りに吹き込むな、と言い返しておいてその場を去った。
そんな訳で、顔が広くなったからでもあるのだろう。
門番の連中からミッションを受けてみないかと持ちかけられた。
変な言葉を使う物だ。ミッションとか言ったって、
何かをもってこいだのお使いのたぐいに決まっている。
聞いてみるとその通りだ。
古い塔があって、そこから壊れた物を持って帰ってこいと言う。
しかも最初は無報酬だとか。なんだか納得いかない話だ。
まあいい。狩りのついでだ。
後々、報酬がもらえるなら先行投資も良いだろう。
そんな訳で、言われるがままに口の院に向かい、言われた通りに古い塔へと向かった。
依頼人が、最初に出会った不機嫌なアジド何とかっていうのが正直気にくわないのだが。
獣人と呼ばれる連中には、例の鳥人間の他に、
マスクをしてリュックを背負った妙な連中がいる。
最前から、こいつらとも喧嘩になることがあったのだが、しかし、判らん。
妙な腰つきをした変なマスクをした奴らだが、何が獣人なのかよく判らん。
リュックを背負った単なる山男ではないか。
しかし喧嘩になると厄介だ。仕舞いには爆弾を投げて片を付けようとする。
それが卑怯とはいわんが、時々手元が狂って自分で吹き飛ぶこともある。
そうすると何だか気の毒でしょうがない。
打ち負かして、リュックを探ってみると、
中には糸やら布やら何かの材料だったりすることがある。
きっと職人なのだろう。こんなまじめに生きている奴を獣人扱いする気が知れない。
例の得意げに武器を振り回していた首男の方が、よっぽど野蛮で獣人だ。
で、ミッションの話なんだが、
目的の塔の中では、そのリュックの山男達が沢山集っていた訳だ。
これは少々やっかいだ。
正直、俺は連中とやり合いたくないんだが、
鳥人間同様、俺を見るなり襲いかかってくるし、仲間が窮地と見て、
周囲の連中まで喧嘩に加わろうとする。
だが、しょうがない。仕事を請け負ってしまったのだ。
とりあえず、忍び足で見つからないように陰から陰へと身を移し、
聞いていた変な高台にある装置を探ってまわる。
お?これか、見つけたぞ、と目的の物らしい丸い玉を取り出した瞬間、
後ろから強烈な一撃を食らわされた。
まずい。
後ろを見れば、山男達が既に五、六人ほども集まって居るでは無いか。
こうなれば百計逃げるにしかずとばかりに走り出したが、もう既に手遅れだ。
例の爆弾を投げつけられたと思えば、既に我が身は水の区だ。
やれやれ、またしても奇特な人の世話になったか。
お陰で変える手間が省けたのだが。
結局、ミッションはこなせたわけだが、
その次は、またしても先ほどの塔に行ってこいと言う。
もう勘弁してくれと思ったが、今度の依頼人はアジド何とかの妹だ。
妹の方は初対面で物をくれたし、悪い奴ではなさそうだし、
これは前回の仕事の続きらしい。こうなれば乗りかかった船だ。
別れ際に以前に貰った優待券の使い方を聞こうとしてポケットから取り出すと、
芋虫の緑の粘液で何だか判らなくなってしまっていた。
しょうがないので、それを川に捨ててしまい、塔に向かって走り出した。
今度はやっかいな任務だ。
6つの玉を持って行って、充電したら持って帰ってこいという。
あの山男達に囲まれたら、とてもそんな暇など無い。
しかし、請け負ったのだ。やらずばなるない。
で、塔の中に入る。
次に連中に囲まれる。
結局、水の区送りという訳だ。
かといって止めるわけにも行かない。うーむ、何かいい手はない物か。
しかたなく、再び塔に潜り込み連中の隙をうかがっていると、
後ろから俺の肩を叩く奴がいる。
何だ?と思って振り返ると驚いた。
この間のガルカ族とかいう岩男が俺の後ろでそびえ立って居るではないか。
そして単刀直入に、手伝ってやるといって山男達に向ってどすどすと走り出した。
おいおい無茶をするな、と言おうとしたが、どうやら岩男は相当に強いらしい。
どでかい拳の一撃だけで山男達を次々と吹っ飛ばし、既に塔の中はもぬけの殻の状態だ。
やっぱり山男達が気の毒だ。何もそこまでしなくても良いものを。
そればかりでなく、倒れた彼らのリュックをごそごそ探り、
いらんか?といって手袋やらタマネギやらを取り出した。
少しは話のわかる良い奴だと思ったが、やっぱりこいつも野蛮な獣人だ。
いらんといって任務遂行に走り出し、今度は水の区送りになることなく完了できた。
そんな訳で一応は岩男に礼を言って、ともに塔の外へ出た。
もしやと思い、俺が倒れたときに水の区に運んでくれているのはお前か?と聞いてみた。
するとガッハッハと笑い、俺にそんな暇があるわけ無いだろうと言って、
俺の元から去っていった。うーむ、何が何だか判らない。
713 :
ぽん吉 ◆6NLrYYfI2g :2006/05/12(金) 11:12:19.56 ID:aqCqQ1SJ
ううう、まちがいた。
>>710の最終行、「変える」じゃなくて「帰る」です。
714 :
メイミィ-185 ◆ajBPG2hnCs :2006/05/12(金) 11:54:33.24 ID:NCRtQk7O
>>679 戦闘シーンの描写がかっこよすぎます…!
リンクしたお話書いてても真似するしかないでs
>>685 鎌タルさんどこ行っちゃったんだろうw
赤鎧の力で時が止まると水面も固まっちゃうのですね。
>>691 レップさんも光球に巻き込まれてる!
石の区から出られないレップさん、これからどうするのかしら。
715 :
メイミィ-185 ◆ajBPG2hnCs :2006/05/12(金) 11:55:00.94 ID:NCRtQk7O
>>705 モグタンテラエロスw
スルメ山のロランベリー、モグタンには見た目はおいしそうに見えたのですねw
>>713 淡々とした書き方が好きです(´∀`)
FF11のミッションやクエに沿ってるお話なので懐かしく感じられます。
では投下します〜。
「「…わかりました。しかし、私が与えるのは、救いにも、破滅にもなる力です。
破滅も、守護も、使い方の1つです。私は力を与えましょう…しかし、使うのは貴女です」」
柔らかい声が響く。
次の瞬間、周りを取り囲んでいた幻影が消え、辺りがパッと明るくなった。
わたしは突然のことに驚いて腕で目を覆う。
しばらくして腕を下ろすと、石の区に無事戻ってはこれたようだったが
様子が先程までとがらりと変わっていた。
金色に輝く月が空にふたつ、周囲の森には真っ赤な炎が立ちのぼっている。
競売所のカウンターに目をやると、強い気を放つ武器がふたつ置いてあるのに気付いた。
淡く光る赤く透き通った短刀と、黒光りして禍々しい気を発しているクナイ。
「…」
わたしは迷わずに短刀を手に取り走り出した。
早くリードを助けに行かねば。
シャントット邸へと続く橋を渡る途中、ふと気付くと、
辺りの様子は先程と同じ薄暗い石の区に戻っていた。
それと同時に、斬り合っているような金属音が聞こえ始めた。
(早く…もっと速く――!!)
わたしの足は更にスピードを増した。
シャントット邸と、その表の広場が徐々に視界に広がる。
リードは邸宅の壁に背を預け、“赤い鎧”と対峙している。
彼はいつの間にか純白の鎧を纏っているが、その鎧も剣もぼろぼろだ。
“赤い鎧”が刀を振り上げ斬りかかり、リードはそれを剣で防いだ。
が、刀はその勢いのまま軌道を変えてリードの右腕に迫る。
(危ない――!)
咄嗟に懐から忍術の触媒である鉤縄を取り出し、素早く捕縄の術を詠唱する。
いくつもの鉤縄が一斉に“赤い鎧”に襲いかかり、彼は目に見えて動きが鈍った。
勢いの鈍った刀を、リードが剣で払い落とした。間に合ったようだ。
ひとまず安心しつつも、ひとりですべて背負い込むつもりだったろう彼に
責めるような、少し悲しげな一言を投げかけた。
「“太刀打ちできない”って、自分でそう言ったじゃないですか…」
「それでも、引けない闘いがある」
“赤い鎧”を睨み付けたまま、リードが答える。
(ありがとう。さっきわたしを護ってくれたぶん、わたしも貴方を護ります。
だから、できるならわたしに背中を預けてください)
「バルコニーに赤魔1、人質タル1」
それだけ言うと、リードは“赤い鎧”に斬りかかった。
“そちらを頼む”ということだろうと理解し、頷いてバルコニーへと走り出した。
満身創痍に見える彼を放って行くのは少し不安ではあったが、
きっと大丈夫、ぼろぼろになっても未だ凛としている彼の様子がそう思わせた。
「野良猫ごときが…!」
「彼女を侮辱するな」
背後から苦々しげな声がするが、それをリードが牽制する。
たったそれだけの言葉でも、不謹慎だが嬉しかった。
階段を上り始めたとき、わたしの頭上から光の雨が降り注いできた。
雨は空蝉の術で作った幻影を貫いては消えてゆく。
4枚すべてが消える前に、再び素早く空蝉の術を唱えて幻影を作り出した。
続いて、“赤い鎧”へ向かって催涙卵を投げつける。
狙いどおりに彼の顔面へと弧を描いて飛び、目の前で弾けて黒い霧が顔面をすっぽりと覆った。
「邪魔だ―――!!」
“赤い鎧”は怒気を孕んだ叫び声を上げると、バレーボール大の眩しく光る光球を作り出して
こちらへと放った。
「させるか!」
リードが剣を光球へと叩きつける。
光球は方向を逸れたが、光球が掠ったのだろうか、リードの右腕から鮮血が噴き出した。
思わず駆け寄りたくなるが、ぐっと踏み止まる。ここで駆け寄っては彼の気持ちが無駄になる。
光球は競売所へと落下し、競売所の建物の辺りを消滅させてしまった。
「心が、折れたな」
“赤い鎧”に向かい、哀れむような口調でリードが言い放つ。
「黙れ!決して、決して負けるわけにはいかないのだ!」
「…私もだよ」
“赤い鎧”は、今度は8つの光球を同時に作り出し始めた。
8属性の色にそれぞれ染まった光球は、見る見るうちに輝きと気を増していく。
1つでもあの威力だったのに、それが同時に8つ―――。
背筋が凍った。“赤い鎧”はこんな凄まじい力まで有しているのか。
撃たせてはいけないと考えたのか、リードは負傷した右腕を左腕でかばいながら
剣を“赤い鎧”に真っ直ぐに向けて突進した。
「これで、終わりだ!」
“赤い鎧”が合図のように刀を振り下ろした。
8つの色とりどりの光球が一斉にリードに襲いかかる。
(だめ……!!!)
「リード!!」
思わず叫ぶ。
一縷の望みを懸けて、いつの間にか胸で強い力を放つ紙兵を取り出した。
紅く染め上げられた紙兵に、強く念を込める。
お願い――どうか、どうかリードさんを―――!
以上です!
今日の投下は無い…何故なら今萌え萌えなNA獣様とクロ巣隠し部屋でアツアツなPTを組んでいるからだ!
獣二人でPTの邪魔もないままとてトンボ連戦ウマウマ。
723 :
既にその名前は使われています:2006/05/12(金) 12:32:31.95 ID:uKaZHZgz
>>723 空蝉の代わりにオカルテーションが出る
超空間専用紙兵でどうだ。
というかなにそのキメラwwwww
>>723 _www
今PCネットつながってないwwww
727 :
既にその名前は使われています:2006/05/12(金) 13:48:28.80 ID:H1qCflpO
獣(48獣)で素材狩りしてるとTellが。
【パーティ】【一緒にやりませんか?】^^
【はい。お願いします】と叫んで呪符デジョン。
見ると獣使いのヒュム♀お姉さんキター!
何処がいいかしら?と聞く彼女に「クロ巣かな?」と返す俺。
次の瞬間。そのお姉さんから驚愕の台詞が。
獣のお姉さん【ヒミツ】【部屋】【一緒にやりませんか?】
・・・鼻血吹いた。
俺:「でっ。でもPTが回りにいるかも」
人獣♀様「・・・【パーティ】いないわよ」
俺:/blush
獣♀様:/smile
獣のように二人でヤリまくり(え”?)レベル上げてきました!
フレ登録もした。ニューヨーク在住の20代女性だそうです。
てぇわけで、しばらく投下遅れるかも。かわいすぐる。
728 :
既にその名前は使われています:2006/05/12(金) 14:38:19.86 ID:1zBID/gP
729 :
既にその名前は使われています:2006/05/12(金) 17:24:36.88 ID:uKaZHZgz
やりまくりだなんて
えちいにゃー
いくないにゃー
730 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/05/12(金) 18:40:28.40 ID:Df1TmqDY
>>706 そうすればよかった・・・orz w
モーグリの鼻ってフォークで突き刺しがいがありそうですよねw
>>708 芋虫英雄キタコレwwwwwwwww
バスでテレポのためにひたすらガルカンソーセージ渡してたの思い出したw
>>721 続きマ━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━ダ????
いいところで切れるのは仕様ですか?仕様ですねw
>>723 何この化け物wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
>>727 それなんてエロゲ?
でもって捕手
731 :
既にその名前は使われています:2006/05/12(金) 20:30:52.32 ID:uKaZHZgz
読んでるだけでも参加できる!
簡単自由なでたらめリレー小説のコーナー!!!わーわーわー
行数は好きなだけでもおーけー
保守もかねていてわあおトク!!!
732 :
既にその名前は使われています:2006/05/12(金) 20:36:21.28 ID:uKaZHZgz
オイィ?出始め書き忘れたようだが??
733 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/12(金) 20:38:00.50 ID://sCZ2mb
皆様、投下乙でございます。
あっという間に185様に追いつかれてしまいました。焦っております。
そして、来訪者ホイホイに囚われてしまった皆様。
塩の柱になっても、それは自己責任です。結界内で死亡しても、誰も復活させてはくれません。
734 :
既にその名前は使われています:2006/05/12(金) 21:01:01.07 ID:uKaZHZgz
リレイ小説第一章 恐怖!バナにもオカンが居た!!
眠っていたのかもしれません、一瞬前のことが思い出せないのだから。
気がつくとヴァナ コンシュタットにいましたよ。
ありえない状況に思わず「アフリカではよくあること」というテルを近くのシラナイ人にテルしてました
とりあえず落ち着いて今やれることをやることにしました
そう、種族がなにか確かめる。
コレ
恐る恐る頭を触ってみる、コレだけで大体90%くらい種族がわかるのである。 良い世界だ
手があたまにふれる そこで驚愕の事実が!!
あとだれかつづいて。
バルコニーから観戦していたエルヴァーンの女性が、急に呪文を詠唱し始めた。
クルスは、ハッとして目線を下ろした。
先ほどの忍者ミスラが“赤い鎧”に捕縛の術を唱え終わり、転じてこちらの階段に向かって走ってくる。
味方だったのだ、と今更ながら気づいた。
同じ赤魔道士の自分が嫉妬するほど彼女の詠唱は早く、忍者に光の雨が降り注いだ。
空蝉の幻影が次々と剥がれていく。
彼女は矢継ぎ早に次の呪文を唱え始めた。同業者の勘で、弱体各種が続くパターンだと判った。
どうする? どうすればいい?
魔力は空っぽ、体力も半減。防具は後衛用。武器は・・・。
エンハンスソード!
「やめろ!」
クルスは腰の長剣を抜き、彼女に斬りかかった。
異次元に迷い込んだ先で手に入れた、この世界の物ではない剣・・・のハズなのだが。
どう見てもヴァナ・ディールのエンハンスソードだった。それでも相当強い剣に変わりはない。
クルスの振り回した剣の切っ先は、彼女に触れる前にパラパラと舞い散る雲母の破片で威力をそがれていた。
彼女は無抵抗のまま呪文の詠唱を止め、クルスを振り返った。
その表情は、とても哀しげだった。
「キミが来訪者で、素人なのはわかっているわ。あんなに堂々とふたりで買い物してるんですもの」
おねぇさんビックリしちゃった、と寂しく微笑んだ彼女の表情が、すっ、と厳しいものになる。
「わかっていて? いまキミが手にしている物は・・・、人殺しの為の凶器なのよ?」
人殺し・・・凶器・・・。
クルスの心に、それらの言葉がジワリと染み込んできた。
今、僕はこのひとを殺そうとした・・・?
ちがう! 呪文を止めようとしただけだ! いいんだ! こいつらはクーの仇!
自分の迷いを否定しようと、彼は頭を振った。
「私を、私たちを憎んでいるでしょうね・・・」
でもね、と彼女は続けた。
「あの子は、いいえフェイトのメンバーは皆、命を懸けた誓いを立てているの。その意味が、わかる?」
その口調は、責めるそれではなかった。
おませな悪戯をしてしまった弟を諭すような、包容と優しさすら感じるものだった。
先ほど殺意にも似た思いで振り上げたエンハンスソードが、重く圧し掛かる。
「キミは優しいね。だからあの子を助けてくれたのね。がんばったんだね」
ほろり、と彼女の目から雫がこぼれ落ちた。手で口をおおう。
長い睫毛を、あふれる涙が濡らす。
「・・・ごめんなさい。見ないでいただける・・・?」
クルスは所在なげに視線を落とした。そっとハンカチを差し出す以外に、思いつく行動はなかった。
クルス君を無力化してみました。
小休止。
自分に構わず、皆様の投下をわっふるでございます。
738 :
ぽん吉 ◆6NLrYYfI2g :2006/05/12(金) 21:52:02.57 ID:aqCqQ1SJ
で、次だ。
いよいよ今度は1000ギルの報酬が貰えて、俺の格が上がるという。
格なんぞどうでもいいが、お使いに1000ギルとはなかなかの高額だ。
内容を聞くと驚いた。
あの鳥人間達の住処へ行って食い物を届けてこいと言う。
どうやらウィンダス政府の方針で和平工作だと言うらしい。
なかなか粋な計らいをするではないか。流石、国をまとめるだけのことがある。
俺も獣人などと言って喧嘩せずに、人間らしい付き合いをすべきだと思っていたのだ。
しかし、任務を告げるミスラはいまいましいとか言って、何故だか憤慨している。
やっぱりコイツの方が野蛮で獣人の猿人間だ。
と、そのことを言ったら危うく袋だたきになるところだった。
あんまりだ、まったく。
俺も最前から、たまには連中と一緒に酒でも飲みたいと思っていたのだ。
喧嘩友達と酒を飲む、と思うとなんだか楽しみになってきた。
だいぶ小銭も貯まってきたし1000ギルの報酬も出ることだ。
鼻の院とかいう所で食い物をもらったついでに、
ありったけの酒やら食い物やらを買い込み、
地図を片手に目的地へと駆けだした。
739 :
ぽん吉 ◆6NLrYYfI2g :2006/05/12(金) 21:52:22.62 ID:aqCqQ1SJ
町の東側で普段は活動しているのだが、西側に出るのは初めてだ。
小高い丘を乗り越えて、さらに西へ西へ走り出し、
奴らの住処とかいう、山間の谷間へと入っていった。
成る程、中では沢山の鳥人間達が右往左往している。
既に連中から殴られたりしなくなって大分ひさしいのだが、
かといって俺を見つけても声をかけてきたりする訳でもない。
こっちから声をかけ、案内を請おうとしたが無視された。
まあいい。後で呼び集めて酒でも振る舞おう。
中はいくつもの枝道になっていて少々迷ったのだが、
じっと突っ立っている歩哨らしい奴を見つけた。
どうやら俺の言葉も通じるようだ。
とりあえず頼まれていた食料を差し出すと、
受け取ったから帰れと言い、食料を持って奥へと立ち去ろうとする。
そこへ俺が、ちょっと待て俺と一緒に飲まないかと持ちかけた。
相手は変な目つきで俺を見て、うるさいあっちへ行けという。
ま、喧嘩相手なのだから最初はこんなものだろう。
ここは押しの一手だ。その場で持ってきたコップに次いで無理矢理押しつけた。
740 :
ぽん吉 ◆6NLrYYfI2g :2006/05/12(金) 21:52:41.13 ID:aqCqQ1SJ
最初は儀礼的に飲み干して、
さあ飲んだぞ、これでいいだろう帰れと言って、やっぱり追い返そうとする。
しかし俺もこのままでは済まさない。一口でも飲ませればこっちの物だ。
突き返してきたコップに2杯目を次いで、もっと飲めと押しまくる。
まだ嫌そうな顔をしていたが、次第に向こうから次げと言ってきた。
どうやら酒には目がないようだ。よしよし調子に乗ってきたな。
食い物もあるぞと俺が買った方の荷物も広げる。
やがて他の鳥人間達も興味を引いたのか集まってきたので、
俺も次々とコップを分配して酒を次ぎ、
持ってきた焼いた兎の肉やら串焼きやらを連中に勧める、
だんだん連中も声高に笑い合い、宴会も次第に盛り上がってきた。
そのうちの一人がもっと飲もうと言って、
俺を酒と食い物ごと担いで地下へと案内した。
地下にも沢山の鳥人間達が居て、
普段、外では見かけないような腰に剣をさしたりしている連中もいる。
俺を見るなり襲いかかろうとしたが、俺を案内している連中がそれを差し止め、
今日は飲むぞと言ってどんどん宴会に誘い込み、
最後には数十人もの大宴会となってしまった。
741 :
ぽん吉 ◆6NLrYYfI2g :2006/05/12(金) 21:53:05.78 ID:aqCqQ1SJ
手持ちの酒で足りるかと思ったが、向かった先は食料庫のようだ。
自分達の持ち分も引きずり出し、倉庫を空にしてしまえとばかりに大いに飲み始めた。
このノリのよさに驚いた。実に気持ちの良い連中だ。
あるいは、最初に振る舞ったロランベリーとかいう酒、あれで悪酔いさせてしまったのだろうか。
中には笛を吹きだす奴もいて、大宴会は止まることを知らなかった。
そして大いに語り明かした。
なんでも彼らの方が先住民で、タルタルの連中の方が後から押しかけてきたという。
やっぱりウィンダスの連中の方が野蛮な征服者だと言うわけだ。
お前もタルタルのくせにそんなことも知らないのかと言ってきたが、
知らん、俺は気がついたらタルタルにされてしまったのだ、というと、
とりあえず納得したらしい。
中には、こんな所じゃなくてあの城やこの城で勤めたいとか悩み事を訴える奴や、
自分たちの武芸の話を力説する奴もいたりして、話の方も止まることをしらない。
なんだ、気持ちのまっすぐな良い奴らばかりではないか。
俺も、あんた達を獣人と呼ぶ奴の気が知れないと語り、大いに気に入られてしまった。
しかし、連中の酒や食い物は手を付ける気にはなれず、
しらふのまま酔った振りしてひたすらに酒を次いで機嫌を取って回ったのだが、
どうやら、それが幸いしたかのようだ。
742 :
ぽん吉 ◆6NLrYYfI2g :2006/05/12(金) 21:53:33.42 ID:aqCqQ1SJ
そうこうしていると、宴会の半ばで別のタルタルの一人が食料庫へとやってきた。
扉から中の様子をのぞき込んでいるので、お前も仲間に加われと誘うと、
青い顔をして立ち去っていった。なんだ、変な奴だな。
妙に思ったので追いかけて聞いてみると、
どうやら俺が持ってきた食べ物には手違いで変な物が混ざっていた、というのだ。
なんだと、それはえらいことだ。
もってきた食料なんぞ、俺の持ち分も含めて連中が全部たいらげてしまった後だというのに。
で、倉庫に戻ると案の定だ。
腹が痛むとかいって、その場で寝込む奴が出たり、大半は散り散りにその場を去ってしまい、
宴会は尻すぼみとなってしまった。
しょうがなく俺は一晩泊まって連中の看病をしたりして、帰るのは翌朝となってしまった。
幸いなことに、持ってきた食料のせいだとは考えてないらしく、俺は連中に気に入られたままだ。
帰りに外まで送ってもらい、餞別の土産物まで持たせてくれた。
なんでも、いわゆる冒険者の連中が潜入して狙うほどのものらしいが、
丸が書かれた変な看板で、なんだか意味がよく判らない。
せっかくだし背中に刺して、礼を言ってその場を去ったのだが、
今回のことがきっかけで、なにやら大ごとが起きてしまったようだ。
743 :
ぽん吉 ◆6NLrYYfI2g :2006/05/12(金) 21:55:00.88 ID:aqCqQ1SJ
ありゃりゃ、sageずに連投してしまった。
えーと、次で最終にしたいと思います。
744 :
既にその名前は使われています:2006/05/12(金) 22:02:03.99 ID:uKaZHZgz
俺もヤグードと大宴会したいわア
八つの光球の弾道が逸らされた。
何が起きたのか判らなかったが、突進は止めない。
いまは、斬るべき相手、チャリオットしか見えない。
―――第三者の視点から見た、信じがたい状況はこうだ。
メイミィが手にした紅い紙兵に祈りを捧げ、それがふっと消える。
次の瞬間、リードを囲むように、長剣を捧げ持つ騎士の集団が出現した。
その数、十二。
うち八体の騎士それぞれが、八つの光球を突き返した。
根源の力を秘めた光の砲弾はデタラメな放物線を描く。
それらは石の区のあちらこちらに着弾し、破壊をもたらした。
天の塔の上半分が、大樹の枝葉ごときれいに蒸発した。堀の水が干上がり、水底が劫火に包まれた。
英雄の家があった場所には、巨大なクレーターが残された。
小島をつなぐ各連絡橋が宙を舞い、雷光が領事館を粉微塵に吹き飛ばす。
メイミィの背後、シャントットの邸宅があった辺りは、すべてが消え失せて塩の雪原と化していた。
二体がどこかへ飛ぶ。
残る二体がそれぞれリードとメイミィの前に立ちはだかり、爆発の衝撃から二人を護っていた。
それは奇跡と呼ぶにふさわしい、刹那の出来事だった。
行く手に邪魔するものは何もなかった。
右手の感覚がわずかに戻る。
充分だ。もとより、剣は腕の力のみで振り回すものではないのだ。
「おおおおおぉぉぉ!」
気合一閃。
チャリオットの胴を鎧ごと横薙ぎにせんと、身体のバネで斬撃を繰り出す。
すっ、とチャリオットは後ろに踏み込んで刀を振り下ろした。
恐るべき集中力でタイミングを合わせ、刃筋をエクスカリバーと直角に当てたのだ。
リィィン・・・!
エクスカリバーが、折れた。
物理的にも魔力的にも超大負荷の連続に、ついに耐え切れなかった。
銀水晶に例えられる凛とした響きを残し、切っ先から中ほどまでが地面に突き刺さる。
二重螺旋を描きながら、静かに消滅していく。
チャリオットは己の勝利を確信した。
「勝った―――!!」
747 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/12(金) 23:18:10.63 ID://sCZ2mb
現在480KB
まだいける・・・かな?
748 :
既にその名前は使われています:2006/05/12(金) 23:21:55.73 ID:uKaZHZgz
バッチ小池屋さん
石の区は、まさに大災厄と呼ぶにふさわしい光景に満ちていた。
ごうごうと燃えさかる炎を背に、チャリオットは愛刀を八双に上げた。
今まで常に基本に忠実な正眼の構えだった男が、勝利を確信したが故だった。
チャリオットの心は折れてなどいなかった。
感動に震えた。他人には理解しがたい感情だろう。
この男は、奥の手の“八曜球”ですらハッタリに使い、あくまで刀で決着をつけるつもりだった。
最後まで、自分の友として戦う事を選んだのだ。
炎の海に囲まれ、上層を失った天の塔が地響きを立てて崩壊していく。
メイミィが叫んでいる。
・・・なにも聞こえない。
聞こえるのは、己の心臓の鼓動。
見えるのは、眼前で燃える命。
感じるのは、互いの闘志と―――。
「―――血と肉と骨と鋼」
真っ二つに折れたエクスカリバーを構えた。
剣も、盾も、鎧も失ってなお残るもの。
―――魂の刃を以って、命を穿つ。
折れたエクスカリバーが、元の姿へと形を甦らせていく。
「極限」と称するならば、今をおいてはありえない。
吼えた。
二人とも吼えた。
これが最後だと、共に悟っていた。
互いに己の全てをぶつけ合い、交錯する。
チャリオットの音速の刀が肩口に食い込み、刃は鎖骨を砕いた。
同時に、あらゆる防護を無視した魂の一撃は、赤い鎧の胸を深々と貫いていた。
互いに、動きが止まる。
「―――名前を、聞いておく」
「ユーリと・・・」
赤いヘルメットの奥で、瞳が光を失っていく。
全身の力が抜けた親友の体を抱き支え、祈るように目を閉じた。
「承った」
751 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/13(土) 00:40:57.19 ID:n145Onnv
ちょっと時間がかかってしまいましたが、今夜の投下は以上です。
・・・たぶん。
他の書き手様の投稿、わっふる!
752 :
既にその名前は使われています:2006/05/13(土) 02:03:23.38 ID:EMtBergH
わっふるといわれてもこの上私まで参戦するとウィンダス編はもはや終わらんからな・・・。
リンクネタも同じネタを4人5人六人で書くのもどうかだし。
むしろ無理やりウィンダスに行かせる為のスルメがいまだ大人気のほうがすごいわけで。
・・・Pたんことロック君にはシャントット様の活躍(?)まで固まっていてもらうとして。
とりあえず仕事終わった俺様が帰宅。・・・寝るか。
753 :
既にその名前は使われています:2006/05/13(土) 07:45:49.42 ID:za2lG5aT
決着ついたのねん
おはようございます。
シャントットもアジドもロック氏も塩になりました。
ではウィン編を終わらせるよう、続きを書いてしまいましょうか。
755 :
既にその名前は使われています:2006/05/13(土) 08:18:43.35 ID:EMtBergH
おねげえします
容量的に、そろそろ次スレ?
ギリッ。
赤い鎧がきしんだ。
「・・・?」
ブンッ、と赤い拳が唸る。不意をうたれて左フックをまともに喰らい、地面に転がった。
折れた鎖骨の激痛が、さらに倍加して襲う。めまいがした。血も足りない。
「・・・エクス・・・カリバー」
赤いヘルメットから機械的な声が漏れた。
「破壊セヨ・・・破壊ス・・・破・・・」
チャリオットは胸甲をエクスカリバーに貫かれたまま、ブリキの兵隊のようにぎこちなく動いていた。
「リードさん!」
メイミィが割って入る。
二度、三度、赤い拳が彼女を襲う。ブン、とその姿がぶれて、拳は空を切った。
タイミングを見計らい、次の紙兵を用意し、繰り出される拳をかわし続けている。
ひとまずメイミィに任せ、息も絶え絶えの中で砕けた鎖骨をつなぎ合わせることに集中した。
バキバキバキと鎖骨がつながる。
くぐもったうめきを喉から漏らして、身を起こす
こんな時くらい、痛みの先払いは勘弁してほしいものだ。
赤い鎧の拳は機械的で、なんの技もなかった。
だが相手の姿を確実に捉え、休むことなく繰り出されていた。
メイミィは持ち前の勘の良さで持ちこたえている。
が、徐々に空蝉を張り替えるタイミングが遅れてきていた。反撃する余裕まではなかった。
・・・なんということだ。
すでにチャリオットの命は尽きている。
それにも関わらず、赤い鎧は動いている。メイミィに襲い掛かっている。
なんて事をするんだ。
あれはもう、チャリオットではない。
やめろ。
これ以上、友の遺体を辱めるな。
「・・・もう・・・・・・だろ・・・」
よろりと立ち上がった。自分の拳を握り締めた。
「もういいだろ!」
もうやめてくれ。もう、たくさんだ。
赤い鎧を横合いから思い切り殴りつけた。
何度も、何度も、殴った。
鍛えてなどいない両拳の皮が剥がれ、肉が削げた。
「破壊・・・破壊・・・ハカ・・・ハ・・・ハハハッハハハハハハハ」
ぐらりと赤い鎧は身を崩し、のめった。
地面に転がってなお、手足を壊れたブリキのおもちゃのようにバタバタさせていた。
胸に剣を刺したままのその姿は、まるで生きたままピンで固定された昆虫の標本だった。
やがて、赤い鎧は動きを止めた。
全体を虹色の結晶が覆ってゆき、はじけて消えた。
赤い鎧も、チャリオットとその愛刀も、そしてエクスカリバーも。
あとには何も残らなかった。
がっくりと膝をついた。
力が抜けた。
勝利の喜びなど微塵もなかった。
“あるじよ。我も此処までだ”
心から直接呼びかける声がした。
エクスカリバー。
“七生を戦陣に在らんと望んだが、依代を失った今、もはや現世には留まれぬ”
待て。
エクスカリバー、お前までいなくなってしまうつもりか。
共に戦い抜く事を誓ったではないか。
何度でも甦り、どこにいても召喚に応えるのではなかったのか。
“あるじよ。願わくば再び共に戦陣を駆けんことを”
その言葉を残し、エクスカリバーの意識が消滅した。いや、還ったのだ。
魂を引き裂かれる痛みにうずくまり、胸を押さえた。
この日、二人の友を失った。
涙は枯れていたが、泣いていたかもしれない。
「リードさん・・・」
メイミィの遠慮がちな声が、頭上から聞こえた。
「メイミィ・・・俺は・・・」
“俺”と口をついて出た。
“私”が消えてしまったことがさらに実感されて、心に虚しさが襲う。
今は顔を上げられない。
きっと情けない顔をしている。誰かに抱きしめられたら、どんなにか安心するだろう。
・・・なんて情けないんだ。
あたりが急に明るくなった。
空から照らす正午前の日差しが、地面にくっきりと影を作る。
植物と水の匂いを乗せた風が吹いた。
災厄の爪跡は霧散していた。すべて元通りだった。
―――世はなべて事もなし。
大丈夫だ、とつぶやいて、ゆっくりと立ち上がった。
「まだやる事が残っている」
シャントット博士の邸宅を振り返った。
そこは真っ白な塩の雪原ではなく、見慣れた建物の形が徐々にはっきりし始めていた。
アダマン鎧のミスラの遺体はなかった。デュエルと赤い彗星の姿も見えない。
結界内で自動復旧するのは、この世界に属するものに限られる。
塩になったのなら、それまでだ。
「中に入ったら・・・、口裏を合わせてくれないか」
状況展開の早さになかなかついてこれないメイミィにそれだけ告げ、邸宅の中に入った。
シャントットとアジドマルジドが、親密な雰囲気で見詰め合っている。
「あれ? にーちゃんどこ行ってたの」
部屋に入ったところで、ロックが俺に気がついた。
「うわ、ボロボロ!」
俺は肩をすくめた。
「博士の呪文から逃げたが、発動途中ですらこの有様だ。凄まじいね」
「連邦の黒い悪魔・・・」
ロックがコッソリつぶやくと、高位の癒しを次々と施してくれた。
呼吸が楽になる。俺は椅子の上に置きっぱなしだった包みを手に取った。
「あー、ゴホンゴホン! ところで、モンブロー先生からの届け物があるんですが」
俺たちは、二人のお邪魔をしてはいけないから、と早々に邸宅を去った。
出掛けに、アジドマルジドと目が合った。
彼は何か気づいたようだったが、その場で話す気にはなれなかった。
ロックはシャントットの書いた処方箋を手に、薬屋へ行くとのこと。
彼自身忘れていた(!)が、どうも一刻も早く調達しなければならなかったらしい。
森の区―――。
せっかくだからつきあうよ、と彼に告げ、メイミィと三人で向かった。
シャントットの御威光だろうか。
薬はすぐに手に入った。
「お兄ちゃん、お顔が黒いよ!変な薬とか飲まずに、元気に野菜食べてぇ、
肉食べてぇ、星の大樹さまみたいに大きくならないとダメだよ!」
無邪気な顔で、ジャンプしながらロックが笑った。
わかったわかった、と苦笑するしかなかった。本当にタルっこなんだな・・・。
「じゃねー!」
ロックは帰還の呪文でバストゥークへと戻っていった。
ロックが本国へ帰り、俺とメイミィの二人だけが残された。
「巻き込んでしまって、すみませんでした」
素直に頭を下げた。
メイミィはこちらにきてからまだ間もないというのに、フェイトに喧嘩を売ってしまった形になった。
ぜんぶ俺のせいだ。
生きているからいいものの、こんな危険な目にあわせてしまったのは自分のせいだ。
「ちょっと行くところがあるので、先にモグハウスに戻っていてください」
これよかったら、と懐からリンクパールの小袋を出し、ひとつ摘んで彼女に渡した。
「これで、仲間と話せますから」
逃げるように立ち去ろうとした俺の背に、震えた声が突き刺さった。
「ずっとひとりで、こんな戦いを続けてきたんですか・・・?」
それまでずっと押し黙っていたメイミィが問う。
・・・沈黙。
こみ上げる思いを吐き出そうとして、言葉に詰まっているようだった。
俺は無理矢理に、微笑んだ。
寂しげな笑みになっていたかもしれない。彼女の前では上手く表情を繕えなかった。
このままどこかへ消え去りたかった。
「・・・ガンビスン、洗って返しますね」
沈黙の末にメイミィがようやく発したのは、そんな言葉だった。
あぁ、このひとは不器用なんだな、と妙な親近感を覚える。
はい、と応えて軽く手を振って別れた。どうせもう会えない。飛空艇にのって去ろう。
その民家は、森の区の居住区域の一角に建っていた。
さほど大きくもなく新しくもなかったが、どこか落ち着く雰囲気のたたずまいだった。
赤ん坊の元気な泣き声が、外まで聞こえた。
・・・古い友人と名乗る。
彼は任務で遠くの地へ赴いたと告げる。
生まれた子にはユーリと名づけてほしい旨を託ったと伝える。
友人一同から、とギルの袋を置く。
仕送りを忘れないようケツを蹴飛ばしてやります、と冗談のひとつも言う。
終始、顔に笑みを貼り付けた。
おいとました時には、もう午後も半ばを過ぎていた。
ウィンダスの空は澄み、風がそよぎ、太陽は明るく、眩しかった。
無性に、マルボロが吸いたくなった。
タバコの吸殻を、ポイ捨てしてやりたくなった。
766 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :
前スレで予告しましたウィンダス編 “友に、別れを”
以上で終了です。お粗末さまでした。