1 :
既にその名前は使われています:
おお、GJ!
キャラ紹介テンプレ
初出:
PC(仮)名: / 中の人:
種族フェイス:
ジョブ&Lv:
特記事項:
活動エリア:
あらすじ:
他キャラとの接触:
早すぎ。まだ前スレ200以上残ってる。
5 :
既にその名前は使われています:2006/04/22(土) 13:09:46.41 ID:RO9w7nUn
スレ立て乙です〜
>>4 長文連投が来ると1000より先にスレ要領がヤバスなので、立ててもらいました〜
前スレ梅はどなたかネタ投下すればすぐかと
スレ立て乙でございます。
朝、起きたら自キャラになっていたFFXIプレイヤーたち。
ステキに過酷なヴァナ・ディール、笑いと涙の右往左往。
俺たち“異端者”イレギュラーを排除していく謎の集団も現れた!
この異世界に出口はあるのか?
リアルに帰還できるのか?
熱血、友情、ラヴ、バトル! 陰謀、シリアス、ギャグ、微エロ!
俺たちの明日はどっちだ!?
◎各キャラ紹介 (簡易版)
紹介しきれないので簡単にまとめます。
情報の補完、お願いします。
初出: 1スレ
>>1 PC(仮)名: イッチ / 中の人: 1スレ
>>1 種族フェイス: ミスラF8A ジョブ&Lv: 白20、サポシ
特記事項:“朝起きたら自キャラになってた”第一報告者。リンクシェルオーナー。
他キャラとの接触:Mio、マイウ、ゴイス、Lead、Loufas
他にも出会っている可能性あり。リンクシェルオーナーらしい。
初出:1スレ
>>119 PC(仮)名: マイウ / 中の人:1スレ
>>119 種族フェイス: ミスラ7B
ジョブ&Lv: 黒20、サポ白
初出:1スレ
>>120 PC(仮)名: ゴイス / 中の人:1スレ
>>120 種族フェイス: ガルカ6A
ジョブ&Lv: モ20、サポ戦
※上記3名はサンドに居る人のSS内に居ますが、SSは書いていません。
初出:1スレ98(本文は100より)
PC(仮)名: Mio / 中の人:100(ID:wfMT4t1O) トリップなし
種族フェイス: エルヴァーン♀F6B
ジョブ&Lv:ALLジョブLV1サポ無し。現在は赤。
特記事項:自転車・模造刀・トイレットペーパーを持ち込み。
活動エリア:サンドリア→バルクルム砂丘→汽船経由→ウィンダス
他キャラとの接触:イッチ、マイウ、ゴイス、Rain
初出: 2スレ目83
PC(仮)名:Rain /中の人: 83 ◆W0QmuTI9lM
種族フェイス:ミスラF6A
ジョブ&Lv:モンクLV12、サポなし
特記事項:メインとは別鯖のキャラ。
他キャラとの接触:Mio
初出: 2スレ
>>51 PC(仮)名: Loufas ルーファス / Loufas ◆TTnPTs4wAM
種族フェイス: エル♂F2B(黒髪の方
ジョブ&Lv: モンク 75 /戦士37
特記事項: 身体能力が異常に向上している。
活動エリア: サンドリア近郊
他キャラとの接触:イッチ、マイウ、ゴイス、Furcifer
初出: 1スレ
>>19 PC(仮)名: Yurifina / 中の人: 19 ◆/GKRtxSDWQ
種族フェイス: タル♀F5B
ジョブ&Lv: 白70 他にもいろいろ
特記事項: エロモーグリと同棲。 リアルには妹がいる。
頭には妹のキャラクターが作ったリラコサージュをいつも装備している。
活動エリア: ウィンダス→サンドリア
初出:1スレ.
>>464 PC(仮)名:サン 中の人:サン464 ◆PCl7Dh0dlY
ジョブ&Lv シ75/ALL(正しくはシ/白だが、制限付きで色々使える)
種族&フェイスタイプ オスラF6A(女装) ※女装癖って訳では無い。
特記事項。高Lvでしかも元々親和性に富む為侵食の境界が曖昧。守銭奴。
戦闘面は回避、逃げを基本。正々堂々真っ向勝負は超不得手。
手癖悪し、いつのまにか何か盗ってたり持たせてたり。
オーク以外の獣人とは出来るだけ仲良くしたいと思ってたりするが襲われたら殺す偽善者
初出: 2スレ目 35
PC(仮)名:Rep-trip(レップ・トリップ) / 中の人: 35 ◆35//hs0Y0Y
種族フェイス: Tarutaru♂ F2A
ジョブ&Lv: 全1から再スタート
特記事項: 地球での記憶は全部・ヴァナでの記憶はわずか
あらすじ:
やけにリアルな夢を見て、そこからモグハウスへ移り変わる。
この夢を気にしながらも、元の世界に戻る方法を探る(仮)
初出: スレ1
>>228 PC(仮)名:Miena(ミーナ) 妹:Mepipi/ミピピ 母:Nanami/ナナミ 父:Rungo-rango/ルンゴランゴ
中の人: 228 ◆EqtePewCZE
種族フェイス:樽♀5A
ジョブ&Lv:白71/詩74/黒61/狩46/忍30、その他20以下
特記事項:ヴァナ内ではウィンダスに家族アリ、もちろん本人一切知らない (現在は家族と居ます)
ウィンのランクは6、他は一切手付かず。
活動エリア:ウィンダス
初出:スレ1
>>69 PC仮名:P、自称ロック(
>>69)
中の人:No.1-69 ◆FC91vFcmb2
種族フェイス:たるっこ。金髪お下げ♂
ジョブ:赤/戦75.戦闘系スキル白し。
特記事項。中の人は非社交的だったが、 たるっこと同化して徐々にこの世界に取り込まれつつある。
活動エリア:バストゥーク
初出: スレ1の898
PC(仮)名: 自分のキャラ名晒すわけもいかんしなぁ…未定でw
中の人: 898
種族フェイス:タルタル F6 B
ジョブ&Lv: 黒30
特記事項: 基本的にリアルからそのまま来た感じ。
tell、サーチなどおおよそ現実ではできないことはできない。リアル追求志向でいきます。
初出:1スレ
>>609 PC(仮)名: ヒロ(pokotaso)/ 中の人:ニート
種族フェイス:ミスラ♂4B
ジョブ&Lv:RDM75サポひととおり
特記事項:中の人はタッパがあって横幅もあるらしい
活動エリア:サンドリア→ジャグナー→サンドリア
他キャラとの接触:他執筆者のキャラとは接触なし。大昔に降臨したらしい人の遺品をゲット。
初出:3スレ
>>73 PC名:Meki
中の人:73 ◆7Q162gjvR6 :
種族フェイス:銀髪ミスラ♀
ジョブ&Lv:赤19/戦9
特記事項:倉庫キャラなのでリンクシェル非所持。
マクロ、サーチ、tell、メニューを開く等は不可。
活動エリア:バストゥーク
他キャラとの接触:今のところ無し。
初出: 1スレ
>>161 PC(仮)名: Lead、リード / 中の人:161 ◆zmxSLEadCU
種族フェイス: エル♂F4A
ジョブ&Lv: 不明 (初期装備着用)
特記事項: ヴァナでの、自キャラに関する記憶がない。ジョブチェンジ機能使用不能。
活動エリア: エルディーム→ジュノ→(機船航路経由)→ウィンダス
他キャラとの接触:イッチ、マイウ、ゴイス、サン(?)、レップ(?)
初出: 3スレ
>>103 PC(仮)名: / 中の人: (不明)/ 103 ◆GrSNq4TwII
種族フェイス: GoblinThug(♂) ジョブ&Lv: メインシーフ(Lv?)/サポ不明
特記事項:
なぜか獣人の姿でヴァナに降り立つ。
よって冒険者が(相手からそう思われ易いため)最大の敵。
鞄の中には色々入っているが、ほとんどがガラクタ。未整理。
今のところまだ自身の名前もジョブも能力も知らない。
無意識的に元のキャラに戻れるが、意識的にはまだ無理そう。
活動エリア: グスタベルグのとある山頂を主に。そのうち下山する予定
他キャラとの接触: ブモ
漏れ、間違い等は【許してください】
19 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/04/22(土) 15:30:38.95 ID:hjVOuxIa
胡散臭い成分解析機によるお題:自キャラになった、でお話を書くスレ4の解析結果
お題:自キャラになった、でお話を書くスレ4の93%は赦されぬ想いで出来ています
お題:自キャラになった、でお話を書くスレ4の7%はキミとの約束で出来ています
“赤い鎧”は、矛盾をはらんだ都市伝説のような存在です。
“赤い鎧”は、いわゆるGMとは違うようです。
“赤い鎧”は、自らを神の代行者と名乗ります。
世界にとって危険と思われるイレギュラーな存在を連行、または抹殺します。
目撃した者に、激しい恐怖を与えるようです。
どこにでも現れる可能性がありますが、行動には何らかの制限があるようです。
NPCの記憶を操作できる能力があります(制限あり)。
物理攻撃を一部無効化できる能力があります。「風」属性?の個体が確認されています。
最下級と最上級が、同じ姿をしています。
“黒マント”は、イレギュラーを狩る実行部隊のようです。
外の世界から持ち込まれた物の押収・破壊、それに携わった者を抹殺します。
中の人のスキルによりますが、カンストレベルと互角?
自決用の爆薬を身につけています。
各地で、多数確認されています。
皆様のSSで、徐々に明らかになっていくでしょう。
コイツも一応。
ほぼ全SS共通設定
LPは映像も映る。 冒険者証明書は金属カードで、邪魔にならない所に魔法で入ってる。競売は魔法紙で取引されている。
みつめる(/c)はとても嫌な視線扱い。時間感覚はリアルと同じ。tell等のSay・sh・echo以外は念話。
レイズは意識不明(戦闘不能)に有効だが、完全に死んだ者には効果が無い。
上記内容は絶対ではありません。
投下する方が自由に想像し、表現してもOKだと思います。
(ある程度共通してたほうが、読み手も分かりやすいだろうけどネ)
22 :
既にその名前は使われています:2006/04/22(土) 17:15:48.08 ID:b0QT75wC
一応、こっちもageておきます。
23 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/04/22(土) 18:32:52.84 ID:rGtZV4AM
>>1 乙です!
ageついでにテンプレ更新版を…
初出: 2スレ
>>51 PC(仮)名: Loufas ルーファス / Loufas ◆TTnPTs4wAM
種族フェイス: エル♂F2B(黒髪の方)
ジョブ&Lv: モンク 75 /戦士37
特記事項: 身体能力の向上。ヴァナでの人格の記憶・能力を引き継いでいるが完全ではない。
活動エリア: サンドリア近郊
あらすじ: 目覚めるとサンドリアのモグハウスに。
『来訪者』を付け狙う黒マントや赤い鎧と戦闘する。
赤い鎧の力で国家転覆の嫌疑をかけられ、騎士団から追われる身に。現在逃走中。
他キャラとの接触:イッチ(1スレ1)、マイウ(1スレ119)、ゴイス(1スレ120) 、Furcifer(3スレ256)
ちょっとだけ投下。
第一級容疑者、大ピンチ?です。
隻眼の守護戦士は、壁際に垂れていた鎖を引き始めた。
ジャガリ、ジャガリと滑車と鎖の音がするたびに、俺の体が持ち上がっていく。
俺は逃れようと、体をよじって抵抗しようとした。
無駄だった。両手両足が、しっかりと拘束されている。
すぐに俺は、両腕を上に上げた格好で天井から吊り下げられてしまった。
まてまてまてまて!
肩が抜けそうだ! 痛ェッて!
「あら。これじゃぁ届かないわねぇ」
守護戦士は鼻にかかったような声で言い、俺を目線の高さまで降ろす。
なんとか足はついた。せっかく治った腕がもげそうだった。
なんて事しやがるんだ、このミスラは。
俺は守護戦士を睨みつけた。
「いいわねぇ。美形の反抗的な目。たくましいカラダ」
ビィィィィィッ!
ミスラはその鋭い爪先を振り下ろし、俺の薄青い手術着を一気に裂いた。
「タルタルは、ピィピィ泣くだけでつまらないのよ。エルヴァーンは、耐えてくれるんでしょう?」
人権って言葉がないのか、この世界には。
「ちょっと待て。この扱いはどういう事だ」
俺は、この理不尽な扱いに憤っていた。
危ない目にあっていたタルタルを助けただけだというのに、何なんだ。
仮に俺がイレギュラーだと既にバレているとしても、聞いていた話と違う。
「これが、平和と学問を尊ぶウィンダスのやり方か」
「まだ貴様は・・・」
あくまで優しい猫なで声の隻眼ミスラ。
髪留めを失って顔にかかる銀髪を指で梳いたかと思うと、急に爪を立てた。
ミスラの刃物のような爪先で、俺の横頬をしゅぅ、と裂く。
「自分の立場がわかっていないようね」
「俺は・・・」 最後まで言葉を続けられなかった。
隻眼ミスラが手にしていた鞭が、唸りをあげたのだ。
ピシィィィッ!
胸板に一筋、赤い線が浮き上がり、俺は息が詰まった。
「貴様は“フェイト”のメンバー。証拠はあがってるのよ」
鞭を手に、優しく、いとおしげに微笑む隻眼ミスラ。
「でも、すぐに白状しちゃ、ダ・メ」
“フェイト” 運命の力。神が定めた末路―――。
「・・・何度も言ってるだろう・・・」
歯は折れていない。が、口の中は鉄錆の味がしている。
「俺はリアルから来たんだ。エルディームで目覚めたとき、記憶がなかった」
うんうん、それで? と優しく微笑む守護戦士。
「ジュノでモンブローに頼まれて、シャントット博士に届け物を・・・」
ピシィィィッ! ピシィィィッ!
ぐっ、と漏れそうな悲鳴を押しとどめた。鞭が、こんなにキクものだとは思わなかった。
フザけた拷問なんか耐えてみせると、安易に思っていた。
数え切れないほど鞭打たれた、裸体の上半身。
ミミズ腫れどころか、あちこち裂けて血まみれだ。
「だから、言ってるだろ・・・人違いだ・・・」
みるみる体力を失っている。脱出の方法が思いつかない。
「証拠そのい〜ち」
隻眼ミスラが、鞭で淫靡に俺の傷口をなぞる。
「貴様が持っていた剣。あんなモノが、この世に二つもあるわけないじゃないの」
「地下で厳重に保管していて、博士の鑑定待ちだけどアレは―――」
「おい、もうよせ!」
ついに見かねたタルタルの医師、ルフトハルトが割って入った。
助かった。
頼むぞ、ルフトなんとか。その超INTで、このバカをとめてくれ。
「このままでは、本当にこの患者は、ブゲェッ!」
「邪魔するんじゃないよ!」
タル医者に、ドスのきいた隻眼ミスラの裏拳が入った。
うわ、グーだよ・・・。
「たかが医者ごときが守護戦士様に意見するのかい!? サンドリアに叩き帰してやろうか!」
吹っ飛ばされたタルタルは鉄格子まで転がって、沈黙してしまった。
頼みの綱なのに、震えて小さくなって・・・。もうダメか・・・。
「あら、ごめんなさい。お話の途中だったわね」
うっとりとした表情で、鞭をしならせながら微笑むミスラ。
「あくまで違うと言い張るのね。じゃあ、とある邪悪で危険な男の話をしてあげる」
喋りながら長い爪で傷をいじるのはやめてくれ!
痛い! マジ痛いから!
「その男はフェイトの一員。男に名前は無く、役目から“リーダー”と呼ばれていた」
今夜の投下は以上です。
ソコワラメェの一族は、変態さんぞろいにゃ ((((゜д゜;))))
30 :
既にその名前は使われています:2006/04/22(土) 20:58:40.22 ID:EeLwd1CQ
エチイにゃ!イクナイにゃ!
31 :
既にその名前は使われています:2006/04/22(土) 23:50:47.21 ID:ZYIknrxU
いじめちゃダメニャ!仲良くするニャー!
夜起きたら酔っ払いになって飲み屋ディールにいた。果たして私は終電には間に合うのか!?
それはダイヤの神様しか知らないで事であった…
私には終電の扉が開かれますように…
えちいのはイクナイたる!
暴力もイクナイたる!
すぐに助けるたる!!
でも怖いから布団被ってガクブルしてるたる(´・ω・`)
>>1 乙
言い忘れてどうするよ、俺のバカバカ……
34 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/04/23(日) 06:08:36.65 ID:tHA2kFIS
おはようございます。
エロス&ヴァイオレンス担当の161でございます。
>>32 というわけで、同じ部屋にいるレップさんには
Leadの情報が渡ったと思われますw
35 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/04/23(日) 11:59:32.97 ID:tHA2kFIS
保守ageでございます。
36 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/04/23(日) 12:10:35.40 ID:FrcHBCBp
今のうちにプロフィールの修正版を
初出: 2スレ目 35
PC(仮)名:Rep-trip(レップ・トリップ) / 中の人: レップ ◆35//hs0Y0Y
種族フェイス: Tarutaru♂ F2A
ジョブ&Lv: たまーに急激なジョブチェンジをする
特記事項: ジョブチェンジできるが、不安定な能力のためよくミスがある
あらすじ:
やけにリアルな夢を見て、そこからモグハウスへ移り変わる。
この夢を気にしながらも、元の世界に戻る方法を探る(仮)
なお、現状ではリードさんと一緒にドキドキの監禁生活を満喫中
今夜は投下できないと思うので、今のうちに書かせていただきます。
なんだか連投で申し訳ありません。
カッ、カッ、とヒールを鳴らしながら、隻眼のミスラは語り始めた。
不適な眼差しと黒い眼帯が、まるで海賊のようだ。
「フェイトと呼ばれる集団は、数ヶ月前に突然現れたの」
ウィンダスに限らず、各地で破壊工作と暗殺を行う謎の集団がある。
正体不明。
共通するのは黒マントと、戦闘能力に長けている、という事。
彼らはリアルと呼ばれる異世界からの来訪者たちと、持ち込まれた物品を狙っている。
そのフェイトの“リーダー”が、唯一無二の剣を携えたエルヴァーンの男。
遂行された数々のテロ行為に、ウィンダスが辛酸を舐めた屈辱は筆舌に尽くしがたい。
「それが、貴様というわけ。お判りかしらん?」
「絶対、人違い・・・」
ピシィィィッ! ピシィィィッ! 鋭く鞭が飛んだ。
「貴様は、シャントット博士を暗殺するために潜入していた」
ミスラがにっこり笑いかける。
「そうでしょ?」
39 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/04/23(日) 12:40:42.26 ID:FrcHBCBp
俺はずっと眠り続けていた。
夜か朝かも分からず、ただ眠気に任せて眠っていた。
ガシャン! という鉄のぶつかるような音が聞こえた。なんだろうか?
「おい誰か! ここはどこだ!」 そんな叫びが聞こえ、目が覚めた。今の誰だろう?
「お、彼が起きたみたいだね。ちょっと見てくるよ」
そういうとドクターは体温計を俺の口から抜き去り、紙に何か記録するといつの間にかついていた鉄格子のついた隣のベッドへ歩いていった。
「静かにしたまえ、君。他にも患者がいるんだから」 ドクターが話しかけるのが聞こえる。やはり隣の男らしい。
「五日も眠っていたんだ。あと少しくらい、待っていたまえ」 えーと、つまり俺も5日眠っていたわけ?w
ベッドを見ると、鉄格子の向こうに座ったあの男とおぼしきエルヴァーンが、如何わしい顔で俺を見つめている。
俺なんか見ても、面白いものじゃないと思うけどなぁ。
しばらく見ていると、ベッドにまた寝た。
扉が開き、ドクターが出て行くのが見えた。
少しすると、ドクターが戻ってきた。巨大な影。。。いや、ミスラも一緒にいる。暗くて顔はよく見えないが、何かつけているらしい。
一旦鉄格子のベッドに近づき、それから思い出したように俺のベッドの方にドクターが近づいてきた。
「。。。ちょっと彼、問題があってね。」ドクターが言った。 「心配ならしばらく出て行ってもいいよ」
「いいや。ここでいいよ。」俺が答えると、ドクターが鉄格子の方に再び近づいていった。
「待たせたね」声が聞こえ、カチャッという軽い金属音が聞こえた。中に入ったらしい。
突然、バチッ! ともう一度聞きたくないいや〜な音がした。
「何をする!」男が叫ぶ。当たり前だよなそりゃ
「ふむ・・・」不思議な声を出して続けるドクター
バチッ! バチッ! と連続的にショックを与える。神経チェックだが、結構いやなものだ。
体が跳ね上がっているのか、時々バサッとか、ぼふっとかいう音が聞こえる。
「手術は成功だ。完璧に元通りだよ。初期の処置がよかったんだね」ドクターの嬉しそうな声が聞こえる。俺もほっとした。
「ここは、どこなんだ」無愛想な男の声が聞こえる。まぁ、気になるよね。
ぼそぼそとドクターが説明する。聞き取れないが、最後の部分は聞こえた。「危険人物の君は拘束させてもらっているんだ」
危険人物!? 一体何をしたのだろう
そうか、ドクターが言った「彼の問題」とは、コレのことだったのか
「……ルフトハルト。余計な事は言わなくていい」女の声が聞こえる。例のミスラだろう。ドクターを呼び捨てしちゃったよこの人。。。
「私、守護戦士キィ・ソコワラメェが、これから貴様を取り調べる」牙をむいたトラの顔が頭をよぎった。
なんとかここまでかいた。
リードさんのをパクリまくった。ちょっと反省していた。
>>41 イヒ! ニヤニヤしながらリロードしまくったオレガイルw
誰かボスケテw
「痛そうね・・・。いいのよ? そろそろ泣き叫んでも」
隻眼ミスラが、胸に刻んだ無数の裂傷に唇を寄せた。
にじんで流れる赤い血を、チロチロと舐める。
「外に音が漏れる心配もないし。この部屋自体、知ってる人も少ないから」
いわゆる冤罪ってヤツだ。
覚えがないコトを、俺になすりつけられてたまるか。
コイツの説得は無理そうだ。このままでは、じわじわとなぶり殺しにされる。
ここから脱出する方法はないものか。
医者はダメだ。すみっこで震えてる。
看護婦ミスラは、部屋を出て行ったきり戻ってこない。
患者のタルタルは・・・。あぁダメだ・・・布団かぶってガクブルしてやがる・・・。
「何を考えているのかな?」
ガブッ、と容赦なく傷口に噛み付かれた。
「私に集中しなさいな」
「ッあッくぁァ!」
俺はその日はじめて悲鳴をあげ、そしてゆっくりと意識が遠のいていった。
イッチ。イッチ・・・助けてくれ・・・。
投下は以上でございます。
45 :
既にその名前は使われています:2006/04/23(日) 13:43:03.11 ID:wzmJ0S6w
ぴんちだー
でんじゃらすだー
りーどがぴんちだー
46 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/04/23(日) 17:00:31.52 ID:tHA2kFIS
SS書きの皆様をお待ちしつつ、ageでございます。
>>44 乙であります
もうすぐ助ける予定であります
居住区入り口のガードに話すとものすごく簡単にレンタルハウスの手続きはできた。
ゲームのまんま声をかける。レンタルハウスを借りるか?と聞かれる。うん、と答える。
はい、完了〜。
私が割り当てられたのは幸運にもアリアさんのモグハウスから徒歩3分ほどの位置のレンタルハウスだった。
レンタルハウスのドアノブがタルタルむけの位置にあるところから想像するにこの地区一体には
タルタルの冒険者のためのハウスがあるのだろう。
そしてアリアさんはそこから近いモグハウスをきっと選んだのだろう・・・。
「ただいまー!っていうのもちょっと変かな?」
私はレンタルハウスのドアを開けながらこう言った。内装はモグハウスとほとんど変わらない。
キッチンつきの細い通路を抜ければモニター越しに見慣れたサンドリアレンタルハウスの家具達が迎え入れてくれる。
「おかえりー!っていうのもちょっと変クポ?」
そしてそのモグハウスの真ん中ではモグタンがお出迎えをしてくれる。
「ちょっと変かもね。」
「うん、ちょっと変クポ。」
そういって私達はちょっと笑いあった。
「ところでご主人様、魔法がかかったみたいに綺麗になったクポ。」
私の笑顔が凍りついた。
しばらく頭の中身が真っ白になっていたが、私はガバッとモグタンにつかみかかり突然何かのスイッチが入ったかのように
早口でまくし立てた。
「どどどどどどどどど!どうしてどうしてどうして!?!?!?」
モグタンは慌てふためく私の姿を楽しげに眺めながら薄ら笑いを浮かべる。
「モグ達の情報網を甘く見ないで欲しいクポ。街中でお姫様抱っこなんてされてたら目立つに決まってるクポ〜♪」
「ででで、でもでも!私だって証拠は無いでしょう!?」
そうだ、落ち着け私。似たような顔なら本当にたくさんいる。慌てず冷静に受け答えれば大丈夫だ。
「モグは面白そうだからバカップルを観察しにいったクポ。そうしたらどこかで見たことのある白タルが腕の中にいたクポ。
どうみてもご主人様だったクポ。しかも・・・クププププ」
モグタンがイヤァな笑みをさらに浮かべる。
「しかも?」
もんのすごく嫌な予感がしながらも私は彼の次の言葉を待った。モグタンはとっても楽しそうにいつもよりも早く
回転しながら歌うようにこう言った。
「そのあと二人は大人な通りへ〜。これ以上は恥ずかしくてモグ見ていられなかったクポ〜〜〜♪
ご主人様のエッチ〜〜クポ〜〜〜♪」
「誤解だああああああああああああああ!!!!」
唸りを上げる右腕と無防備なモグタンの左頬はそれはそれは素敵な音を奏でたらしい。バチーーーンッて。
「そうそう、私はモグタンにセクハラされに戻ったわけでもビンタしに戻ったわけでもないのよ。」
ちょっとまだひりひりする右手を腿でさすりながら私は言った。
「アリアさんって今回の仕事の依頼主の方が晩御飯をご馳走してくれるらしいの。モグタンの分もあるって。」
「本当クポ?モグも行くクポー!」
そう言ってうれしそうにその場で回転するもはやトレードマークかもしれない左頬の赤い手のあとをつけたモグタン。
こうやって素直に喜んでクルクル踊っている分にはかわいいんだけどな。どうしてモグタンはセクハラばかり・・・。
そんなことを思いながらしばらく回るモグタンを眺めていると
「お先にクポ〜。」
紫の光に包まれたモグタンがどこかへと消えてしまった。
これはどこかで見たことがある・・・ああ!これはカリカリチェック、もといモグハウスの栽培チェックの移動の時のエフェクト!!
「ということは・・・置いていかれた?」
パチパチという暖炉の薪が燃える音以外に答えるものはなかった。
ひどい!置いていくなんて!!一緒にいってもいいじゃないの!!!ていうかモグタンはアリアさんのモグハの場所知ってるのかしら?
今更知らないから教えて欲しいクポとか言って戻ってきても教えてあげないけどっ!バカバカ!!エロモーグリ!
「そりゃ殴っておいてこんなこといえる立場じゃないけどさ。」
夕日がほとんど沈んでしまったために薄暗くなったた居住区の道をトボトボと私は歩いていた。
「ユリフィナ、メッセージみたよ。ありがとね。それと荷物届けてくれたー?」
そんな私へと鞄の中から呼びかける声がした。ユファファだ。
「うん、ばっちり届けたよ。そういえばアリアさんってお知り合い?」
アリアさんの口ぶりから察するに間違いなくユファファとアリアさんは知り合いだろう。
「ああ、そうだよ。ていうかうちのLS。」
やっぱり。ただ同じLSだったのはちょっと意外だった。
「そうだったんだ。てっきり私含めて4人のLSだと思ってた。」
ユファファはちょっとムッとする。
「掛け持ちが多いだけで実際は50人近くメンバーいるよ。オヤジさんが作ったリンクシェルだもの。」
「多っ!」
素直にこれには驚いた。・・・ひょっとしなくてもユファファ達は私達にしたみたいに手当たりしだにパールを渡しているのかもしれない。
「ところで、荷物運びは簡単だったでしょ?こういうのからどんどん冒険者として慣らしていきなよ。
体はLV70なんだしさ。」
・・・昨日は悩む時はひたすら悩めとか言ってなかった?
それに・・・殺されかけたし犯されかけたし・・・・・・。思い出すだけでも背筋が凍りつく。
今日の出来事は夢に出そうだ・・・。はぁ・・・。
「う、うん。テレポもあるしチョコボもあるから結構簡単だったよ。」
大嘘。ちょっと声が震えてしまったのでこの嘘はもしかしたらばれてしまったかもしれない。
まぁ、ユファファも戦闘があるなんてきっと想像していなかっただろうし、そもそも私に襲い掛かるような奴がいるなんて
夢にも思わなかっただろうしね。
ここでユファファに文句をいうのもちょっと身勝手だと思った。
「そう、ならよかった。やっぱりさ、ずっと家で暇してるってのも不健康そうだなと思ってね。」
ユファファはそういってニッと笑う。
「それはいえてるかも。あのままじゃ一日中ゴロゴロしてたよ。」
きっと家にずっと閉じこもってるよりはずっとましなんだろう。シャールカーンさんにも出会えたし。
でも、あんな恐ろしい思いはもうしたくはなかった。
「これからも戦わないでも出来そうな仕事あったら教えるよ。やるやらないはもちろんユリフィナの自由だけど。」
「ほんと?わざわざありがとうね。気を使わせちゃって。」
あーあ、これで多分後には引けないな・・・。でも、あんな場面に遭遇するほうが珍しいだろうし。うん、きっとそう。
「いーのいーの、もしかしたらこういう仕事しているうちに君が帰るための方法見つかるかもしれないしね。
・・・ってここアリアの家?」
ふっと横を向くといつの間にかアリアさんの家についていた。
「うん、今から晩御飯をご馳走になるの。」
「・・・アリア大丈夫なの?」
「大丈夫って言うと?」
私はパールの前で首を軽く傾ける。ユファファは苦笑いをしながら言った。
「ほら、突然抱きついたり頬ずりしたりすごい見つめたり頭なでたり・・・。私はちょっぴり彼女ニガテ。」
「・・・全部やられた。」
「あとは、長話に気をつけてね。外なのに引き止めちゃって悪かったね。それじゃ!」
「・・・・・・長話?」
私は人と話すの大好きだし別にかまわないけれど。彼女はまるで逃げるかのようにパールの接続をきってしまった。
以上でーす!
テンプレ張りありがとうございます。
>>37 ソコハラメェがなんだかとってもエロイ件について
>>47 どうやって助けるのかワクワクしながら投下を待っています
モグタンエロいなぁ(*´д`*)
ここを見ているフレは、スタンでカッコヨクとめたあと、上級ケアルを施すという考えを送りつけてきましたが、バランス破壊しまくりなのでこの方法にしました
では、投下します
鎖をぶつけるような大きな音が聞こえた。断続的に聞こえる音をきいていると、いやーな汗がでてきた。なんかヤバイ気がする。
痛ェッて!男が叫んでいる。なにが起こっているのだろう?
好奇心から、カーテンが開いていたのをいいことに、見たのが間違いだった。そこには、鎖で両腕を吊り上げられた男の姿があった。
と、ミスラが男の服を引き裂いた。薄い青色の服だったものが床に落ちる。
見てはいけない物を見た気がして、そぉーっと顔を引っ込める。
「タルタルは、ピィピィ泣くだけでつまらないのよ。」カーテン越しに声が聞こえる。ミスラめ……ひどい差別だな
男が何か叫ぶ。ほとんど聞き取れないが、多分文句だろう。当然か
次の瞬間、鋭く風を斬る音が聞こえ、何かをひっぱたくような音が聞こえた。
またそぉーっとカーテンから覗くと、胸板に太いミミズ腫れをつけた男が鎖に繋がれたままユラユラしていた。ミスラの手には鞭が握られている。
この状況で考えられるのは一つ。鞭で叩いたのだろう。なんてことを
ミスラが何か言っている。しかし、なんのことかわからない。
この状況はヤバい。なんか精神的にヤバイよ。
「俺はリアルから来たんだ。エルディームで……」男が言った。リアルってのはどこかの国だろうか?
リアルだと! 突然思い出した。そういえば、スレを見ていたとき、エルディーム古墳で助けられたエルヴァーンがいたが、この人か!
そうなると、なにか知っている可能性は高い。助ける必要がある。俺の脳味噌は、凄いスピードで回転し、作戦を練り上げて行った。作戦を立てることだけに集中して、拷問が聞こえないくらいにしなければ。
「もうよせ!」ドクターの声で現実に引き戻されたが、既に作戦は考えついた。あと問題なのは、場所だな……
「邪魔するんじゃないよ!」ミスラの罵声が飛ぶ。見ると、ドクターが床を転がって俺のベッドの側まで来ていた。このミスラ……くそ、この間みたいに急に変化起きないのか……?!
ドクターがこちらをチラリと見る。目が合った。だが、これはいい。アイコンタクトで会話できないのかな?
〔この病院は天の塔のどこに?〕そう通じるように念じながら、ドクターをじっとみつめた。鞭が唸る。
〔天の塔には隠しワープゾーンがいくつもある。ここはそのうち一つと繋がっている。〕頭の中にドクターの声が聞こえた。これがtellか!
カーテンからミスラを見ると、俺の周りをゆっくり歩きながらなにか話し掛けている。男は意識がないかのようにぐったりしている。今のうちだ……
手早く傍にあった枕を掴むと布団のなかに放り込む。布団をかければ、ちょうどタルタルが潜ったくらいのサイズになった。いいぞ
そぉーっと扉まで近づく。ドクターにもミスラにも男にも気付かれないように行動しなければ。
扉は音もなく開いた。できるだけ素早く扉に滑り込み、廊下を走り出す。あのミスラを止めるには、権限と実力を持った人物が必要だ。
どこをどう走ったものかわからない。気付くと、本を読んでいるタルタルの目の前にいた。
「セミ・ラフィーナ様に今すぐ用があります!呼んでください!」目の前のタルタルにわめき散らす。タルタルは訳がわからないという顔でポカンとしている。
「セミ・ラフィーナ様は、今お出かけなの。天の塔にはいないなの。」タルタルがいう。
「お出かけ?!緊急用件なんですよ?」こんな馬鹿な……
「緊急でも至急でもいないものはいないなの。それに、ランク1のプリプリ君の用件に一々付き合っていられるほど暇な人はいないなの。」
さっさと帰れなの。そういうとタルは扉を指差した。
目に悔し涙が浮かんだ。全てはランクで決められてしまうのか……。
扉に手をかける。ゴメン、俺、アンタを助けられそうにないよ。拷問を受けている男を思い浮かべながら思った。
バンッ!と後ろの扉が開いた。何気なく振り向くと、そこには弓を背負った白い服のミスラと、真っ黒い服を着て、眼鏡をかけたタルタルがいた。全身で喜びを表現できそうだ。
「クピピ、私がいないとはどういうことだ?」ミスラがいう。そうだ、なんで後ろの扉から来るわけだ?
「セミ・ラフィーナ様の邪魔をしてはいけないと思ったですなの。すみませんでしたなの。」しゅんとして、クピピと呼ばれたタルタルが答える。クピピ!www
やはりランク制度か。ランク1じゃ嘘つかれても文句いえないんだろうな。
「そこの君、私になんの用かな?」セミ・ラフィーナが聞いてくる、そうだ、早く言わなければ!
「秘密の病院で、最近運び込まれた男の人が拷問を受けているんです。止めてください!」必死に頼み込む。蹴られたらおしまいだ。
「わかった。すぐに行こう。院長はどうなさるかな?」さっきから一言も喋らなかったタルタルにセミ・ラフィーナが話し掛けた。
「今日は予定がない。手伝おう。」眼鏡のタルタルが言うと同時に、体の周りを黒い霧が包んだ。
気がつくと、さっき通ったばかりの扉の前にたっていた。なにをしたんだ?
「どうした?」セミ・ラフィーナがタルタルに聞く。
「強力な結界が張られているのを忘れていた。これ以上は歩いてすすむぞ。」そういうと眼鏡のタルタルは扉に手をかけた。
「あれ?」扉が開かないのだ。さっきまで開いたのに。セミラフィーナが加勢し、申し訳程度に俺も加勢する。
ミシッという小さな音が聞こえ、扉が僅かに開くが、蟻が通れるか通れないかのすき間だ。
「こうなりゃ仕方ないかな」そういうと院長は何か魔法を唱え出した。セミ・ラフィーナが気付き、気付かずにまだ扉と格闘していた俺を脇に抱えて飛びのく。
「ファイアW!」凄まじい質量の炎が扉に突進し、さっきまで俺がいた辺りを吹っ飛ばした。避けなかったら黒焦げだっただろう。
扉は周りの枠や壁ごと破片を巻き散らしながら吹き飛び、ガルカ数人がゆったり通れるほどの穴を開けた。甲高い悲鳴、叫び声、呻き声などが全部混じって聞こえる。
「ちょっと強すぎたか?」何事もなかったかのように院長がいう。
院長であり、ここまでの魔法を使いこなせる人物は二人。一人は有り得ないとして、残りの一人だ。
口の院院長、アジドマルジドだ。
そして、いまこの瞬間、男を助けられたと確信した。
以上です
味丸のファイアWにリードさんが巻き込まれたか、無事だったかは、コイントスかなんかで決めたいと思いますw
では、みなさんわっふるわっふる!
あ、もちろんリードさんが決めていただいて結構です
65 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/04/23(日) 20:09:56.74 ID:2txTF/YN
投下乙でございます。出先からレスのみにて、失礼いたします。
>>54 キィは当初、本人は真面目なんだけどドジってしまう、という萌えおねぇさんの予定でしたが、
百合姫がエロをご所望でしたので、変更いたしました。
>>64 助けようとしていただき、ありがとうございます。
味丸が出てくるとは想定外でした。続きは試行錯誤中でございます。
わっふるわっふる!
66 :
既にその名前は使われています:2006/04/23(日) 20:45:22.13 ID:wzmJ0S6w
ファイアよんか
あれだな
ファイアに巻き込まれることによって現世のしがらみから断ち切って助けるということだな!!!
死んでね?
67 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/04/23(日) 23:20:10.15 ID:KvSF6m12
>>65 ちょwww私のせいなのかよwwwwwwwwww
希望を聞いてくださってありがとうございます。
68 :
既にその名前は使われています:2006/04/24(月) 06:22:13.72 ID:dPClaehJ
age
ずっとsoloってても寂しいのでちと絡み。
ネタ投下します。
まぁ、本音は
「自分の設定に合わネェ!!」という私的理由…
……痛っ!! 物を投げないでください!! 痛いから!!
では投下
「モーグリ族にもそんな奴いるのか…。」ウィンダス茶をすすった。
「一族の恥晒しクポけどね。」ジンジャークッキーをボリボリと齧っている。
〜ウィンダス モグハウスにて〜
ウィンダス茶と帽子から出したクッキーでフリートと俺は無駄話に耽っていた。直に床で座りながら。
「まぁ、軽い感じでの嗜好とかは結構いるクポけど、性的興奮にまでくるアホは稀クポ。」
フリートはクッキーを茶で流し込みながら話を添えた。
なんでも、冒険者のお世話係兼モグハウスの個々の管理を任せられているモーグリの中には
ヒュムなどの他種族に性的興奮を覚える奴がいるらしい。つまりハァハァヤリテェヤリテェみたいな奴が。主にオス。
そんな少数の為に裏では「本」が出回って結構な問題になってるらしい。アホだ。
「でもよ、そんなみたいなのが担当になった冒険者は悲惨だよな。四六時中狙われるわけだし。」
俺が女だったらとりあえず簀巻きで固定だな。それこそ四六時中で。
「始めのうちは問題になったクポ。だから筆記テストとか性格診断、
写真見せて反応をみるとか、そんなシステムが導入されたクポ。」
「へぇ…、ん?」その『写真』はどこで手に入れるんだろう、とふと疑問が浮かんだ。
「さらに念には念をいれて男の冒険者にはオス、女の冒険者にはメスが割り当てられるようになったクポッ。」
「へえっ、そうなのか?」倉庫に女キャラ作っていたが変り映えしなかったな。中身か?
「これで完璧に犯罪防止できるって寸法クポよ。」少し誇らしげに胸を張ってる。
「でもよ、それ突破できる奴っていたら『本物』だよな〜。」
「まぁ、いるわけないクポけど、いたら『本物』クポね〜。」
「あはははははははッ!!!」×2
フリートは間違っていた。
見かけがどんなに不可侵な壁でもそれを抜ける小さな抜け道は必ずある。システムとはそんなものだ。
そして実際にその壁を抜けた猛者があるワールドにたった一匹いる。
そのモーグリは彼好みのタル♀の担当になることに成功したのだが
まぁ、結果的に彼のその後の暮らしが幸か不幸かになるのかは別問題ではある。
〜別のヴァナディール世界 モグハウスにて〜
「ねぇ、モーグリ。」「クポ?」
後ろのモーグリに聞いてみる。
「この屏風、なんか1cm程の穴が開いてるんだけど?」「ク、クポッ」
(やっぱり…)こんなことするのはひとり、じゃない一匹しかいない。
「は、始めっから開いてたクポよ〜。」
振り返り、だらだらと汗をかき始めたモーグリを冷ややかに見る。
「でもねモーグリ。この屏風、設置するときに私がすみっづみっまで調べたの。穴なんか無かったけど?」
「むむ、む虫喰いじゃ、ないクポ??」
「そっか、だったら」用意してたものを振り上げる。
「その虫退治しなくっちゃねぇぇぇぇっ!?」
「ク、クポオオオォォォォッ!!!!!!!!!!」
幸か不幸かわからん
投下終了
今は反省している。(おい
お詫びに靭皮紙×2と『にかわ』送っときます。
屏風修理にお使いくださいw
前スレの
>>647 いや、たがたんに俺がへタレってことで…
フィールド上の敵は全部ヌッコロしていいんだ!!
あ、103とブモ以外でwww
いやまてよ
亀もダメだな…
このスレみてるとモンスターと戦りにくい戦りにくいw
76 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/24(月) 11:11:24.70 ID:l2pa0+yR
ジェンはおそいかかってもいいんでない?
バスの法律上殺してもまったく問題ないし。
ただ、彼の甲羅には隠し装備で対人三連ロケットランチャーとか、
スモークスクリーン機能(範囲暗闇)がついてますが。
ついでに体重が軽くなった所為で華麗なステップwwを見せます。
ジェンの回避が上がる&敵に精神的スリップダメージを範囲で与えますww
77 :
ユリフィナ_19 ◆/GKRtxSDWQ :2006/04/24(月) 11:15:03.20 ID:sfPr1lKE
,ィィr-- ..__、j
ル! { `ヽ, ∧
N { l ` ,、 i _|\/ ∨ ∨
ゝヽ _,,ィjjハ、 | \ つまりモグタンは
`ニr‐tミ-rr‐tュ<≧rヘ > 『アホ』だったんだよ!
{___,リ ヽ二´ノ }ソ ∠ このままでは人類は滅亡する!!
'、 `,-_-ュ u /| ∠
ヽ`┴ ' //l\ |/\∧ /
--─‐ァ'| `ニ--‐'´ / |`ー ..__ `´
く__レ1;';';';>、 / __ | ,=、 ___
「 ∧ 7;';';'| ヽ/ _,|‐、|」 |L..! {L..l ))
| |::.V;';';';'| /.:.|トl`´.! l _,,,l | _,,| , -,
! |:.:.:l;;';';';'|/.:.:.:||=|=; | | | | .l / 〃 ))
l |:.:.:.:l;';';'/.:.:.:.:| ! ヽ \!‐=:l/ `:lj 7
| |:.:.:.:.l;'/.:.:.:.:.:.! ヽ:::\:: ::::| ::l /
>>74 お茶を飲みながら読んでいましたが途中で思わずむせましたwwww
ありがたく受け取ります。さすがに靱皮紙はやぶれまい・・・w
獣人と羊以外・・・カニとかミミズとかトンボとか芋?w
78 :
既にその名前は使われています:2006/04/24(月) 14:55:52.15 ID:3/PEbvj0
mage
とりあえず、前スレ埋めないか?(残44KBくらい)
このスレのペースで言うと、50レスくらい行けると思われ。
80 :
既にその名前は使われています:2006/04/24(月) 16:24:39.05 ID:65TtYauq
これって書いてる人以外みてる人いるの?2、3人はいるのかな、
81 :
既にその名前は使われています:2006/04/24(月) 17:42:34.33 ID:8/qdhBpj
おれはみてる
ミスラが出てくるお話が大好き
おおお、次スレ出来てたんですね。
アトルガン忙しくて見てなかったor2
みんなのお話読ませて貰ってそれからまた続き書こうと思います。
またよろしくです。
83 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/04/24(月) 20:07:53.18 ID:dPClaehJ
皆様、投下乙でございます。
SS書き様がたの復活をお待ちしつつ、保守でございます。
84 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/04/24(月) 22:48:13.48 ID:dPClaehJ
保守。
>>80 俺も見てる。
とりあえずルーファスさんのファンだが。
86 :
83 ◆W0QmuTI9lM :2006/04/25(火) 02:37:47.55 ID:rh/SRC56
前スレがそろそろ埋まりそうなので、ageるです。
69氏の書き込みで埋まるかなぁ・・・。
埋まらなかったら、自分が本文投下して埋めてみます。
前スレ埋まりました( ゚∀゚)ゞ
前スレでの投下の続きをキリの良いところまでいきます。
『何か御用ですか?』
開かれた扉に手をかけ、タルタルの頭上から声をかける。
ビクっと身をすくめ、恐る恐るこちらを見上げるタルタル。
目が合った瞬間、ニッと笑う。笑って誤魔化そうとしているのだろう。
『な に か ご よ う で す か ?』
ちょっとだけドスが効いた声で、再度笑顔で問いかける。多分、額に青筋浮いてるだろうけど。
さすがに効いたようだ。ひっと小さく悲鳴を上げ、脱衣所に逃げ込んでいった。
ようやく安心して水浴びができる。先程の小さな椅子に腰掛け、ため息一つ。
綿布を外すと、一糸纏わぬ裸体があらわになる。
大きくは無いが形の良い胸。その下は・・・現実ならばアレがある場所だが、今は無い。
本当のRainには悪いが、こればかりは我慢してもらうしかない。
(・・・そういえば、Rainの意識って何処にあるんだ・・・)
手桶で水を汲み、頭から浴びながらそんな事を考える。
(確かサン・・・って言ったっけ。あの人は多重人格だった筈だけど。
他の人は普通だったし、あの人が特殊だと考えるべきかな・・・。
それとも、自分にも本来のRainの人格が眠ってるのかな。
眠ってないとしたら、Rainの意識は現実の俺の中?それはヤバいよな・・・)
考えながら、小さな布に石鹸を擦りつけ泡立て、軽く体を洗う。
全身が泡まみれになったところで、水を浴びて洗い流す。
(その辺りの事も含めて、アプルル院長から聞けると良いんだけどな・・・)
シャンプーを探すが、どうやら無いらしい。仕方なく、石鹸を泡立てて髪を洗う。
俯く体勢になるため、嫌でも胸と茂みが視界に入る。
一瞬よからぬ考えが頭に浮かぶが、意思の力で押し留め、目を瞑る。
しばらく何も考えないよう、髪を洗う事に専念する。
髪についた泡を洗い流し、濡れた髪をタオルで拭いながら、足先を小川に浸す。
(あー・・・やっぱり湯船に浸かりてぇ・・・)
程よい温度の湯船に浸かり、足を伸ばして大きく息をつくヴィジョンを思い浮かべる。
(現実に戻ったら、真っ先に銭湯に行こう。そうしよう)
小川から足を抜き、体に附着している水滴を絞った布で拭い取る。
立ち上がり、再度大判綿布で体を隠して脱衣所へ。
脱衣所の扉を開くと、足元に変態タルタルが居た。聞き耳でもたてていたのだろう。
垂直に、大きく足を振り上げる。綿布が捲れ上がり、丸見えになるが知ったこっちゃない。
「ちょ・・・ちょっと待って! 女同士なんだし、何もそこまd」
問答無用。無言のまま、足を振り下ろす。
ゴッっと、頭部にカカトが当たり、床に突っ伏す変態タルタル。
死んではいないだろう。一応手加減はしておいた。痙攣してるけど。
倒れたタルタルの手から、小さな瓶が転がり落ちる。中身は白濁した液体・・・牛乳か?
もしかしたら、風呂あがりに手渡すつもりだったのかもしれない・・・早まったかな。
このまま倒れさせておくわけにもいかない。人が来たら騒ぎになるし・・・罪悪感も僅かにある。
『大丈夫ですか〜?』
屈み込み、突っ伏しているタルタルの体を揺する。
ぱさり――と、乾いた音を立て、タルタルの頭が取れた。
否。取れたのは髪の毛だ。つまり、カツラ。
頭頂部が少し尖がっている、タマネギタル。記憶通りなら・・・。
(・・・・・・・・・)
まだ目を覚ましていない。悪いと思いつつ、タルタルの服を少し剥ぐ。
男だ。ズボンの下に見えた小さなソレが、タルタルの正体を物語っている。
銭湯の番台ならまだしも、脱衣所に男性が居るとは考えがたい。
足元に転がっている瓶も、本当に中身が牛乳かどうかすら、怪しく思える。
(とりあえず、何か縛るもの)
当分目は覚まさないだろうが、念には念を。
周辺を探すと、棚の上にまとめられた縄があった。
変態タルを椅子に運び、縄で適当に縛り付ける。
『これでよし・・・っと』
よく見れば、タルタルが座っていたその隣の木箱に、いくつもの牛乳瓶が入っていた。
何本か失敬しようかと思ったが、タダとは限らないのでやめておく。
中身も怪しいし。近くにあった板で蓋をしておいた。
着替えを済ませて脱衣所を後にし、一度ハウスへ戻る。
髪が生乾きだったが、脱衣所にドライヤーは無かった。
張り付いて少し気持ち悪いが、自然乾燥に頼るしか無い。
暖かいし、風邪をひくような事は無いだろう。
『ただいま』
ブロンズベッドの上で転がっていたモグに声をかけ、脇に置いてあったサックを背負う。
「おかえりクポ。すぐお出かけクポ?」
『あ、うん。夜には戻ると思うよ』
入浴用品一式の片付けを頼み、『行ってきます』と小さく伝えて外に出る。
森の区に出る途中、大浴場の前に小さな人だかりができていたが、素通りしておいた。
外に出ると、辺りが夕焼けの色に染まっていた。
もう、アプルル院長は戻ってきているだろうか。
茜色に染まる道を走り、手の院へ向かう。
今日だけで何度、この道を走っただろうか。
これから何度、この道を走らねばならないのだろうか。
(手の院に着いたら、戻る方法が見つかった!とか無いかな)
多分無いだろうが、少しでも希望が見えるよう祈って、少しだけ強く地を蹴った。
92 :
83 ◆W0QmuTI9lM :2006/04/25(火) 03:55:17.46 ID:rh/SRC56
投下完了です。ほのかな色気?を出してみました。
これからまた、当分はシリアスっぽい路線に走ると思います。
自分はシリアス&ほのぼの担当になるのかしら・・・w
あ、そうだ。
今動かしている時間軸は、Lead氏とサン氏が手の院で暴れる前日と考えてます。
少しだけ今までの自分の話におかしな点が出てきますが、問題ない程度に収まっている筈・・・。
それでは皆様、わっふるわっふる!
93 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/25(火) 04:03:58.29 ID:uHjtjHEr
埋め乙ですー。
いやぁあと少しのとこで【眠くなりました】。
今日は寝ますわ・・・続きは明日の晩、体力のこってたら…。
外伝だけど複線があるから入れたかったが書きようがなかったので諦めてたけど、
外伝を埋めに使うという話の流れになったので無事かけるようになって感謝…。
赤魔道士Pたんの指導は続くのです。
アルル氏復活でちょっと嬉しい。
あの。実はアルル氏の話の裏エピソードとしてハルヴァー宰相と、
トリオン、ピエージュさんを主人公にした物語考えたんだけどどうかな?
エアリーシリーズ誕生の話と自分的に「あれ?」とおもったことを妄想してたら生まれた話。
アルル氏その他の話の邪魔にならないよう、このスレの人間の名前は出さない形で。
普通に設定に使ってもいいし、そのまま読み物で使ってもOKで・・・。
どんな内容であれ、投下されれば楽しいです。
本当は外伝で埋めたかったんですが、内容が・・・
1:モーグリの井戸端会議
2:ゴブリンの集落
3:シャントット博士の憂鬱
どれも途中まで考えて消しましたとさ。
アルル氏復活で、書き手は全員揃ったのかな〜?
・・・まとめ様が大変だ・・・(´・ω・`)
95 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/04/25(火) 06:23:52.86 ID:jpXjWtqz
おはようございます。
皆様のお力で、前スレ埋まりました。まことに有難うございます。
うっかりサイドストーリーの投下にムキになってしまい、拷問ミスラの続きを投下できませんでした。
レップさんの筆をお止めしてしまい、ご迷惑をおかけしております。
今夜には、投下したいと考えております。
96 :
898 ◆txXF4c8A0o :2006/04/25(火) 06:54:51.35 ID:FAzFZIDH
みなさま、埋め乙です( ゚∀゚)ゞ
さぁ〜、みなさま頑張っていきまっしょ!!
ついでage〜
>>95 いやいやdでもないです
二つ分のストーリーを書いてあるので、いつでもいいですよんw
私はアリアさんのモグハのドアを二度ノックする。「はーい」という返事の後にドアが開く。
エプロン姿のアリアさんがお出迎えをしてくれた。彼女のモグハの中には既にモグタンがいた。
「ご主人様遅いクポ〜。」
置いてったくせにっ!思わずその一言にカチンとくる。
「私はモグハウス同士を瞬間移動なんてできないわよ!帰りは一緒に歩いて帰るんだからね!いいわね!?」
「ご主人様がそういうならそうするクポ〜。」
こっちが少し怒っているのがわかっていないのかとってもナチュラルに答えるモグタンに思わず拍子抜けしてしまう。
アリアさんの家で喧嘩するわけにも行かないし、まぁさっきのことは水に流すか。
「ユリフィナちゃん、もうすぐミートパイが焼きあがるから椅子に座って待っててね。」
「はい、わかりました。」
私はアリアさんに言われるままに椅子に座った。既に机を囲んで椅子にはモグタンとアリアさんのモーグリと思われる
モーグリが座っていた。
アリアさんのモーグリには彼女の手によるアレンジが加えられていた。
まるで西洋の人形のようなドレス姿のモーグリはなんだか異様だった。
ピンクのフリフリでロリロリな素敵なドレスにはレースのリボンが数え切れないほど結ばれていて
なんだかゴテゴテしていた。頭から生えているボンボンには先ほどのリキンちゃんが入っていた箱のリボンと思われるものが
きれいにチョウチョ結びされていた。
とりあえず、私はそのモーグリとのコンタクトに挑戦してみた。
「あ、あの、はじめましてモーグリさん。」
「はじめましてクポ。えーとモグタンさんのご主人様のユリフィナさんでしたよねクポ。」
なんか違和感があるしゃべり方だなぁ。
「はい、そうです。ええと・・・」
「モグのお名前はモゲリーヌですわクポ。よろしくお願いいたしますわクポ。」
「ええ、よろしく。」
訂正、ものすごく違和感のあるしゃべり方。多分声の高さから察するにこのモーグリはメスなのだろうか?
もしモーグリにメスがいるならドスケベモグタンからメスのモーグリにチェンジできないかな?とふと思う。
「お待たせ、ミートパイとミリオンコーンのポタージュよ。」
よからぬことを考えているところにアリアさんがパイとスープとワインのボトルとジュースを乗っけたお盆を持って現れた。
焼きたてのパイ生地と焼けた肉の香ばしい匂いが部屋いっぱいに広がった。
「わ、おいしそうな香り・・・。」
「おなかが急にすいてきたクポ〜。」
机の上におかれたパイは見ているだけでヨダレがたれそうだった。
コーンのポタージュも滑らかそうで本当においしそうだ。
「ふふ、褒めたって何もでないわよ。それじゃあ、どうぞ召し上がれ。」
「私が掛け持ちしているLSはね古代魔法の研究家のLSなの。」
「古代魔法というとフレアとか?」
私は食事をしながらアリアさんの話を聞いていた。エルヴァーンなのに古代魔法を研究するというのは
ちょっと変わっているなと思った。魔法の研究というとウィンダスの専売特許というイメージがあるし。
「フレアとかは黒魔法の古代魔法ね。白にも古代魔法があるのよ。あらゆる属性攻撃から身を守るバオルとか
相手に恐ろしい幻影を見せるフィアーとかホーリーを超える神聖魔法アルテマとかね。
これらの魔法は文献にしかでてこないけれど様々な古文書に登場することから存在した可能性は非常に高い。
しかしなぜこのような魔法が消える運命になったかは未だにわからないの。
使い勝手の悪いフレアのような魔法よりもバオルのような便利な魔法が何故使われなくなったか不思議でならないわ。」
「そうですね。バオルなんてあったら白魔道士としては大助かりなんですけどね。」
私はそういってポタージュをすする。口いっぱいにコーンの香りと甘みが広がってゆく。
美人で料理上手で多分才女。完璧じゃないですかこの人!
「でしょう?本当になんで消えちゃったのかしら・・・。
ところで私は特に古代魔法の時空魔法を扱った時魔道士というものを専門に研究しているの。」
「時魔道士?」
というとFF5やFFTにでてきた星マークの帽子をかぶっているアレかしら?もともと11にも出すつもりだったのだろうか。
彼女はワインに口をつけてから私に説明を続けた。
「そう。時魔道士。彼らについて書かれた文献はとても少なくて・・・というよりも一冊しか存在しないから手がかりは少ないの。
それにその文献が誰かの想像で描かれたただの物語だったら私の研究はそもそも全く無意味になってしまうのだけれど。
そもそもその文献は一人の突然現れた時魔道士が大冒険の末に現在のオルデール鍾乳洞で暴れまわっていた
グレートモルボルガーのキャロットちゃんを次元の狭間へ封印するという荒唐無稽なものだしね。
けれども白魔法のヘイスト、スロウをはじめとする一部の白魔法やデジョンなどの黒魔法は魔法の体系の中では
構成が特殊すぎるということは300年以上前の研究家ピーター・ヘクターも発表しておりその頃から時魔法という言葉は存在していたの。
さらに黒魔法のグラビデとデジョンがヘイストとスロウと構成の点では非常に多くの
共通点が見られることから元は同じ系列の魔法、つまり時空魔法であったと仮定することができるの。
それだけでなく、最近の研究では古文書におけるデジョンとは現在のデジョンとは違いシャントット博士が発明したデジョンIIを
攻撃用に特化させたもの。つまりグレートモルボルガーをそうしたように、対象を次元の狭間へと吹き飛ばす魔法だったのではないかと
いう私の説も多くの支持をえるようになったの。まったく頭の固い上の連中はそもそも次元の狭間というものの存在を
認めようとしないのだから・・・。デジョンの構成を見たら空間同士をつなぐのではなくて空間と空間の間に
通路のような別の空間に接続し、その距離をほぼ0としているというのは簡単に想像つくというのに。」
「・・・は、はぁ。」
私はこの人は才女というよりは天才肌だなと考えを改めていた。
そして彼女の講釈は3時間以上続いた。
「つまり隕石を召喚するといわれたメテオはただのデジョンの応用であって対象の空間の頭上に
宇宙とつながった扉を作るものであると私は考える。しかしこの方法では真空である宇宙へと
こちら側の物質が扉を通して吸い込まれてしまうので・・・ってユリフィナちゃん?」
「・・・はい?」
!!いけない、いつの間にかコクリコクリと舟をこいでいた・・・。モグタン、起こしてくれてもいいのn・・・
モグタンは爆睡していた。
「ごめんね、魔法のことを話し始めちゃうとついつい・・・。」
「い、いいえ。とても興味深いお話でしたよ。」
最期のほう寝てたけど。
「そう、ならいいんだけれど。」
アリアさんの顔には「寝てたくせに」と書いてあったような気がする。
「あの、ところでアリアさん。」
「アリアちゃんって呼んで♪」
そういって彼女は両ほほに手を当ててちょっとだけ首を傾けニコリと微笑む。
「は、はい。アリアちゃん。」
「な〜に?できればもっとソフトに話しかけてよ。」
そんなこと急に言われても・・・。ま、まぁとにかくちょっと頑張ってみようっと。
「その、時空魔法って全く別の空間・・・えーと・・・なんていったらいいのかな。
異世界?とかそういうところにも空間をつなぐことは出来たのかな?」
もしこれができるのであれば私は元の世界に帰れる。とはいえ、そもそも時空魔法が今のヴァナディールに
存在しないのだからできたからと言って必ず帰れるというわけでもないけれど。
だけれども、突然転がり込んできた元の世界へ帰れそうな方法の話に胸はとてもドキドキしていた。
最後の方寝てたけど。
「ふふ、かなり前だけど私が言った時魔道士についての記述があるって本の話覚えてる?」
「えーと、モルボルガーキングを時魔道士がやっつけたってやつですよね?」
「グレートモルボルガーね。その本のラストシーンはね、グレートモルボルガーを封印したあと
『イヴァリースで僕のことを待っている人がいる。』と言ってその時魔道士は自分にデジョンをかけて
どこかへと消えてしまうの。私の考えではイヴァリースというのは次元の狭間ともまた別の異世界のことだろうと考えているの。
だからその時魔道士はキャロットちゃんを追ってヴァナ・ディールに現れて、そのキャロットちゃんを倒して
もとのイヴァリースとう世界に帰ったのではないかと考えているの。
つまりだ、その時魔道士の力量にもよるのかも知れないが時空魔法は本当に自由自在に意図した空間同士をつなぎ
あらゆる世界間を移動するだけの力を持った強力な魔法なのではないかと考えているの。
さっき言ったとおりヘイストなどの魔法は白魔法の中でも特殊な構成をしているのだけれどその存在について
記述されているのは偶然にもとの時魔道士について書かれた本が書かれた年の翌年となっていて・・・っていけないいけない。
また長くなるところだったわ。」
「いえ、そんな気になさらないでください。」
そういうとアリアちゃんはちょっとほほを膨らませる。
「もう、また硬い」
「あ、ごめん。」
反射的にあやまってしまう。私のよくないクセだ。
「あやまるようなことでもないわよ。えーと、とにかく異世界にも自在につなげられたとは思うわ。」
そういって彼女はまたワインに口をつける。ふと気付いたのだけれど彼女は一息つくたびにワインを口にしている。
そろそろボトル一本をまるごと一人で開けてしまうのではないだろうか。
「またどうしてそんな質問を?」
・・・彼女には本当のことを話すべきなのだろうか?あまり私自身が異世界から来たということは
ベラベラ他人に話すことではないとは思うし。とはいえ、この時空魔法というのは私が元の世界に
戻るための手がかりどころか手段にすらなりうる。
「えーと、その・・・。なんていったいいのかな・・・。」
「ご主人様、正直に話したほうがいいクポ。」
いつの間にか起きていたモグタンが私を促す。
私は「そうね」とモグタンに一言いってアリアちゃんにいままでの経緯を話した。
皆様、埋め乙です。&以上です。意外と前スレうまりませんでしたね・・・w
魔法・・・私は当然の様に使ってますねぇww
女装タルタルの牛乳【恐れ】
ブモがソーセージにならなくてよかったですw
久方ぶりですコンニチワ。前スレ埋め乙様です。
埋め用の即興のハズなのにクオリティタカスギwww修正されないでwwwww
天の塔でメモ渡した後は、大した事無かったのでソコはダイジェストでお送りします。
メモを渡した後、モグハウスに帰り、相変わらず血まみれの部屋の、血まみれのベッドで横になり、ふと思い出す。
サルタバルタを歩いてウィンダスへ向かっていた頃、今思えば不思議な光景を見た事がある。
私が南へと歩いている所から東に少し離れた所を、北へ、川をさかのぼるように歩く影を見つけた。
座ってたら襲ってきたゴブを放り投げて、ゴブが当たって折れた木の方へ向かっているようにも見えた。
最初はミスラと釣竿を背負ったガルカだと思ったが、ガルカにしては小柄すぎる影だった。
しかしその時の私は、そんな疑問を気にも留めず、ウィンダス連邦へと歩を進めた。
今考えてみれば、あの影は金属アーマータイプのゴブリンで、背後からミスラを狙っていたのかもしれない。
結果的に私は同族を見捨ててしまったのだろうか……いや、あの影は距離を保ったまま歩いていた。
私がただ悲観しただけで、きっとミスラはゴブリン(と思しき影)を先導してどこかへ向かって居たのだろう……。
しかし、どこに何をしに行ったのだろうか…………――――…いや、私の考えすぎだろう。
おそらく、マトモな理由のハズだ。安心して良いのだろう…きっと。…たぶん。
まぁ良いや、どうせ生きてても死んでても、やましい理由でも真っ当な理由でも、私が関係する訳じゃ無い。寝るか…。
港区、ローブを売っていたので購入。ゆったり感があるなかにもピシっとしていて良いが、丈は少し半端だ。
"みにすかあと"くらいだろうか。しかも尻尾部分が切り込みなので後と前から股が覗く。ズボンで良かった。(男だが)
帰ってうしろに手を加え、尻尾穴に改造。ついでに色を微妙に暗い色に染め直し、部屋で乾かす。1日目終了
水の区、鼻の院で何か変な植物の匂いを嗅がされた。一瞬気を失いかけたが、どうやら失敗らしい。失敗作を貰う。
帽子屋で有り得ない値段の猫耳フードを見つけた、最近何個か売れたらしい。目の院で本を読みふける。二日目終了
同水の区、延々本を読みふける。一般閲覧本を読み終わる。禁書は天の塔保管らしい。残念だ。
耳の院に行く、職員に延々コルモル博士の愚痴を聞く。そう かんけいないね 明日は石の区に行こう。三日目終了
石の区、S博士は不在だったのでコルモル博士とヨランオラン博士に会う。2人とも延々と喋り続けるので疲れた。
アジルを捕らえた所のゴブは居なかった。行商に出たのだろうか。男がそろそろ起きるだろう天の塔へ。四日目終了
天の塔の外周裏側にて起床、普通に天の塔へ。いつも通りなハズだが何か胸騒ぎを覚える(躯が)。地下へ。
隠し扉を見つけ、多数の転移魔方陣発見。興味本位で1つに乗り転移。更衣室らしき部屋に送られる。五日目終了
空きロッカー内部で起床、とりあえず他ロッカーを漁る、同部族名のロッカーから「ある愛のうた」発見、躯が笑い出す。
そのロッカーから鉄刀木刀を拾う、中に棒状の鉄が入っている。躯が悪乗りしたので落ち着かせて部屋の外へ。
出たと同時に右前方の扉が爆発。突然の音に思いっきりビビる。初めて全身の毛が逆立った。凄い落ち着かない。
同じく音で驚いた人達が走り回ったりしてる音が聞こえる。一部はコッチに向かって来ているようだ。ガードだろうか。
ていうかなんで爆発?いや、それより今私がココに居るのバレたらマズイんじゃ…やばッどっか隠れないとwww
扉は閉じちゃったから背後の部屋はダメ!他に隠れれそうな物陰は無し!床は石床、ところどころ星の大樹の根…
よし!ココだ!!「奇襲デモスル気カ?w」いや、隠れるだけです。多分w
少し遅れて私が数日前に伝言を頼んだミスラガードと、その部下のようなミスラがコチラへ…もとい扉へと走って来た。
「ッなんじゃこりゃーーー!?」「にゃにゃにゃーーーー!?」
「扉が風穴で爆発でドカン!?」「うにゅーーーー!!」
…笑っちゃ駄目だ私。笑っちゃ駄目だ。バレるッちょwwww誰かボスケテwwwww
「誰か居るって?―――誰だーー!出て来おぉぉいッ!!」「にゃにゃにゃーーーーーー!!!」
どうやら部下の方が頭は賢いが、上司が部下の暗号解読しないといけないようだ。こんなのが天の塔護ってて大丈夫か?w
「誰かと聞かれても、答える必要は無いな。」
微妙にハスキーな声が扉の奥から聴こえ、直後に視認出来ない無形の何かがガードミスラ'sを包む。
直後に、ゆっくりとお互いもたれ掛かるように崩れ落ちるガード。寝てるようなのでスリプガか何かだろうか…。
「よし、大丈夫だろう。」
別の声が聴こえる。コチラは聞き覚えがあるが、誰だったか…。大穴から白い服装が覗く、あぁ、セミ様か。
ぇ………ちょ………やばいヤバイ!絶対バレるッw素人盗賊が気配完全に消せる訳無いってッwwwww
扉からアジド-マルジド、セミ・ラフィーナの順で中に走りこんで来た…ん?セミ様が何か小脇に抱えている。
水色の布か何かから髪のようなモノと肌色のモノが4つ……なんだ、タルタルか。別に特別そうじゃ無いから良いやw
そんな事を考えながら見ている内に、コチラに気付く様子も無く真下を通って走り去って行くアジド&セミ様+α
よくよく耳を澄ませばその先で何か甲高めの声で誰かが喚き散らしている。ヒステリックだ。関わりたく無いなぁ…。
右手に鉄棒入り木刀を持ったまま天井に張り付くのはさすがに腕がツラかった。もう大丈夫そうだし、飛び降りる。
―――ット……
音を立てないように着地したら、思いのほか静かに降りれて違和感が……あぁ、そうだ、この身体はシフLv75だった。
セミ様達は角を曲がって走って行ってしまった。さっきより甲高い声が喚き散らされている。多分接触したのだろう。
とりあえず寝ているガードのハーネスの谷間から、数日前に渡したメモを回収して紙飛行機を折る。
「ナンダ?コノ形ノ物体。」もし渡せ無さそうでもコレなら姿現さずに渡せるかもしれない。「紙飛行機?ナニソレw」
えぇい躯ッちょっと静かにしてて!!
躯に黙って貰い、木刀でいつでも殴りかかれる状態で声の元へと歩いて行く。勿論気配を出来るだけ消して。
カドを曲がって少し先の部屋は、明るく優しい光で通路を満たし、同時に罵声のような声も垂れ流していた。
豆爆雷いじょです。
最初の部分は埋めで使おうと考えてた内容ですが、
完成前に埋め完了しちゃったのでコチラに。
>>83氏
女装タルはいっそ女湯の洗い場に仰向けで拘束放置で…勿論カツラズレた状態。
ぇーとですね、後、私は暴れてませんッ誤解です!中をメチャクチャにしたのは
(リード氏の似顔絵を指差しながら)この人です!断じて私では…ッ!!疑いの目で見るなぁぁぁ!!
>>百合姫氏
モグタンにイレースー♪(空鳴拳を繰り出しながら)
アリアさんとはオトモダチニナレソウデス。 躯がw
えろえろも修羅場も拷m…も、みんな纏めてバッチコーイ! ぁっちょッ冗談ッ来ないでーー!
112 :
既にその名前は使われています:2006/04/25(火) 12:56:19.58 ID:rh/SRC56
保守ですの
113 :
既にその名前は使われています:2006/04/25(火) 13:28:48.16 ID:uHjtjHEr
ブラビューラってなに?とおもて調べてみたら両手斧レリック最終段階!
あの裁縫屋の親父、そんな腕利きだったのか。羊萌えのくせに。
ちなみにPにゴブリンの見栄えは区別ついてません。
先日助けた羊とゴブかどうかは
>>103氏に聞いてくださいw
114 :
既にその名前は使われています:2006/04/25(火) 17:56:47.23 ID:25xvINSs
うあ
115 :
グラットンは持ってませんよ。:2006/04/25(火) 18:34:09.96 ID:25xvINSs
オッスオラ内藤
レイズで人をよみがえらせる俺の力にびびったのか赤い鎧人が「お前削除するわ・・・」
といってきて卑怯にもいきなりフレアを飛ばしてきた俺は盾てブレアを叩き落すと隙だらけなアカ鎧人に向かってフラッシュをとなえた
フラッシュの直撃を受けてふらついてる奴にTP300%ファラットブレード叩き込んですたンにした
その好きによみがえらせた奴を連れてセルビナ方面に逃げた後ろから止まれという声が聞こえてきたがとまれといってとまるう奴はよく訓練された兵くらいなので内藤なおれは無視をした
セルビアにつくころによみがえった人が目を覚ましたがパーフェクトレイズの副作用なのかあわれにも記憶を失っていた
仕方ないので魔法に詳しいサントット博士にキヲクを甦らせる方法を聞き入るためにウィンダスへ向かうことにした途中赤い鎧人が襲撃してきたのだがシールド場ッ種でカカッと迎撃
ウィンダスにつくころには襲撃もなかった
シャントット邸にて記憶を直すほうほうを聞いてみたところそんな魔法はないといわれた俺はついやくにたたねえバーさんだと口を滑らしたらたぶんシャントットに何かされたんだろうな
さっきまでお昼だったわけだがいつの間にか夕方になっていた経験地も13000ほど減っていた
記憶回復が無理なわけだがとりあえずアジルを還そうと思ってモングハウスへむかタタァ
116 :
既にその名前は使われています:2006/04/25(火) 18:37:57.46 ID:25xvINSs
117 :
既にその名前は使われています:2006/04/25(火) 18:38:37.05 ID:p5SDcd2e
おいぃお前ら何か聞こえたか?
118 :
既にその名前は使われています:2006/04/25(火) 18:53:53.15 ID:dtP4/PSz
きこえてない
石|ω・`) <流れはブロント様?
壁|⊂ )
120 :
既にその名前は使われています:2006/04/25(火) 19:42:04.07 ID:uHjtjHEr
>>115 おぃっ!俺は笑ったわけだがあ?
いいブロンド文だ精進するべき。
「だからぁ、おれの国には軍隊なんていないんす。60年前にはいたらしいけど、今はいないんすよぉ」
おれは何をしてるんだ? 頭がくらくらして、考えがよくまとまらない。そもそもなんで「〜っス」口調になってるんだ?
「どうしていなくなったんだろう?」
陶器の小さな器に手酌で酒を注ぎながら、アマルダが問う。褐色の肌はそれを少しも匂わせてはいないが、首が据わっていないところをみる限り、こいつも相当酔っているようだ。
「だって、軍隊があったら、外国に攻め込んで色々悪さするかもしれないじゃないすか」 おれは促されるままに、自分の酒杯を干す。なんでこんな事になったんだろう?
間髪をいれず、ガラス製のボトルの中身が注ぎ足された。ボトルには「魔王」とか物騒な名前が書かれている。これ、本当に酒だろうな? 実は名前の通り、なんか悪い力の篭った毒とかじゃないだろうな?
「それじゃ、周りの国も軍隊を持っていないのか?」
首は据わっていないが、目は据わっている。
おれがそれを否定すると、ますますアマルダの目が据わった。
「それじゃ、周りの国は侵略戦争をしかけまくっているという事だな?」
「そんな事ないっすよ、さっきから言ってるじゃないすか」
言ったろうか? 言ったはずだ。いや、言ってないかもしれない。
「なら、軍隊を持つと侵略するという論法はおかしい。誰がそんな事を言っているんだ?」
「そういう国があるんすよ」
「そんな事を言う国には、当然軍隊はないんだろうな?」
いや、むしろ軍拡してて、現に弱い国を無理矢理制圧したり、よその国土を武力で制圧して領有を一方的に宣言したり…… あれ?
アマルダが、それ見たことか、と呆れたように眉を寄せた。
さっきからこの話題ばっかりだ。おれはこんな議論をする事になったいきさつを鈍った頭で思い出した。
確か、今日の夕方ごろ、アマルダがおれの部屋に押し入ってきたんだ……。
「おれも…? おれの他にもいるのか?」
ベッドの上でうずくまったまま、おれは問い返した。
アマルダはしばらくの間黙っておれの顔を見つめて、静かに頷いた。
「誰だ、そいつは。教えてくれ、今どこにいる!?」
思わず腰を浮かせる。こちらの人間でなければ誰でもいい、とにかく話をしたい。しかし、アマルダの答えは残酷だった。
「何人かいたが……。わたしの知る限りでは、幾人か行方の分からない者を除きみな死んだ」
しばらく、思考が止まった。呆然としているおれに女は言う。
「彼らについて話すくらいの事なら出来る。聞きたければ、ついてこい」
踵を返して部屋を出て行く。
「どうした、丸腰の女一人が恐ろしいか。不安ならば、剣でもぶら下げて来い」
戸口のところで、立ち止まると、肩越しにおれを一瞥した。
心を見透かされたようで腹が立ったが、おれは取り敢えず手荷物をかき集めて女の後に続いた。
腰には剣、ワーロックシャポーを被り、「同朋」の遺品まで持ったのに、それ以外は寝巻き代わりのローブで、着の身着のままの姿。
一度戻って着替えようかと本気で思ったが、それが出来る雰囲気でもなかった。おれは諦めてシャポーを目深に被り顔を隠すと、アマルダの姿を見失わないように急いだ。
アマルダの住居は、サンドリア居住区──東サンドリアと呼ばれているらしい──の一画にある、大きくも小さくもない一戸建てだった。
一人で暮らしているらしいが、ほどよく小奇麗に管理が行き届き、庭などはなかったが、草花に囲まれている。この恐ろしい女には正直似合わない、と心の中で感想を漏らした。
暖炉のある大部屋に通され、楽にしていろ、と言い残すとアマルダは出て行った。床に分厚い絨毯がしかれ、タルタルがそのまま寝床に出来そうなほど大きいクッションが置かれている。
床に座るのがここの流儀らしい。おれは初めて入る女の個室にきょろきょろしながら、床に腰を下ろした。
壁には肖像画らしい絵が大小いくつか掛かっていた。騎士らしい甲冑を着た者、貴族趣味の長い外套を気障に来た者、怒った河豚みたいな変な髪形の女、家族全員を描いたらしい大絵画。
暖炉の上に架かっている書きかけみたいな絵には、アマルダによくにた女と、その夫らしい男が描かれている。先祖だろうか、本人ではあるまい、二人とも騎士の鎧を着ていて、女にはちゃんと両腕がある。
アマルダが戻ってきた。
って、おい。なんだそりゃ。
彼女が持ってきたものを見て、思わず突っ込んでしまった。どう見ても酒瓶にしか見えないものを三本と、陶器製の酒杯が二つ、盆に乗っている。バスケットから覗いているチーズやら何やらは、つまみという事だろうか?
「彼の者は酒豪でな、遺品はこれだけだ。墓前に供えようにも墓がない。どうしたものか思案していたのだ。同郷のお前が片付けるのが、彼の者も喜ぶはずだ、飲め」
酒瓶には、漢字で銘柄が書かれていた。
酒盛りは、半ば無理矢理に始められた。
アマルダは、強引におれに酒を勧めながら、この酒の元の持ち主や、ほかの「同朋」の話をしてくれた。
軽い気持ちで出て行き、ダーク鋼の鎧を着たままロンフォールの兎に蹴り殺されて遺体になって戻ってきた者。
元の世界に帰ると使命に燃え、粗末な装備のまま世界中駆け回って、その途中で命を落とした者。
戦いはどうしても嫌だと冒険者を辞め、モグハウスから出て行って音沙汰のない者。
そして、引きこもったままモグハウスから出てこずに死んでしまった者。
おれも戦いたくないんだと、酒の勢いで告げると、アマルダはひどく理由を気にした。
おれはその訳を、日本の近現代史から説明する羽目になった。
そうこうしているうちに酒瓶が一つ転がり、二つ転がり、気がつけば最後の一本も残りが半分になった。
おれの記憶がようやく現在に追いついたところで、アマルダがおれの持論に止めを刺した。
「平和は尊い。正義も理想も同様だ。しかし忘れるな、そんなものは政治の道具だ。正直な人間を騙して丸裸にする為の武器なんだ」
「だからって、子供や家族が死んでもいいんすか」
女々しいとは思ったが、他に反論する材料を持たなかった。
「いいはずがない。しかし、戦いを放棄するという事と、家族の安全を願うというのは全く別の事だ。……ジャグナーのとある都市で、お前の言う理屈に絡め取られた女達が団結して決起し、反戦と軍縮を実現した」
アマルダはひどく苦々しく、そして悲しげな顔になった。
「その結果、その街はオークによって攻め落とされ、男は死に、女子供も逃げ延びたのはわずかだった。女達の団結の要因となったのはダボイからの脱走兵だが、城門を開きオークどもを招き入れたのは戦争を嫌い同族から逃げてきたはずのそいつらだった」
ひどく極端な実例だとは思ったが、語るアマルダの言葉にはネットで得た知識だけで語るおれの言葉とは比べようもないほどの重みがあった。
でも、だからといって、おれに戦いを避けるなと煽る直接の理由にはならない……はずだ。そりゃ、元の世界に帰る為だと旅でもするなら危険はあるかもしれない。
だが、冒険者を辞めて平凡に暮らしている奴だっているんじゃないか。
それを論うおれに、アマルダはひどく真面目に、鎮痛に応えた。
「お前のようにモグハウスに引きこもっていた者は、自殺ということになっているが、実際には違う」
おれはきつい酒で唇を湿らせた。
「彼の者は、刃物も持たないのに喉を掻き切って死んでいた。登録抹消のため本人の確証は得られなかったが、AH協会に勤めたある者は後ろからナイフのようなもので刺されて死んだ」
なんだよ、それ……。
「いいか、リアルと言われる世界から来たなら、それだけで誰かにとって殺しの理由となっているのかもしれないという事だ。わたしは別に、国家の防衛に参加しろとか、そういう話をしているのではない」
やめろ、これ以上は聞きたくない。
「お前は、自分自身を守るために、戦いに備えなければならない。汝平和を欲せんとすば、まず戦争に備えよ、だ」
でも、それは誰かを傷つけるかもしれないって事だろ。罪のない動物や、獣人達を殺すかもしれないって事だろ。
「くよくよ悩む前に行動し、生き延びろ。その行動の是非は、お前が死んだ後周囲が決めてくれる。男は戦いを好むくらいでいい。それを止めるのは女の役目だ」
アマルダは不意に鼻を鳴らして皮肉な仕草で笑った。
「わたしにはそれが出来なかった。だから私は左腕を失い、夫は顎から上を失った」
その視線の先には、先ほどの書きかけの肖像画があった。
「完成には三週間かかるはずだった。一週間で我々は戦場へと発つ日が来て、そしてこの絵はとうとう完成する事はなかった」
アマルダは泣いているようだった。酒で目が充血しているだけかもしれないが、少なくともおれにはそう見えた。
「別にあんたが悪いわけじゃない……っすよ。無理矢理戦地に蹴り出したならまだしも、好きな相手なら一緒にいて守りたいって思うし、全然おかしな事じゃない」
何を柄でもない事を。馬鹿馬鹿しい、散々人に戦えと煽っておいて、自分が傷ついたら泣くのかよ。そう突っ張る心のどこかで、別の声が聞こえる。
この女、おっかないと思ってたけど、萌えじゃん。
「もえ? …なんだそれは?」
アマルダが潤んだ眼でこちらを見る。あ…やべ、口に出してた。それにしてもその目つきは反則だろ。
「いやその……」
「よく聞こえない。はっきり言え、男だろう」
ずい、とこちらに身を乗り出してくる。
ガタンっ。酒が忘れさせたのか、左手をついて体を支えようとして、アマルダの体が傾いだ。おれの襟首を掴んだ右手でかろうじて身体を支える。乾された酒杯が倒れて転げた。
エルヴァーンの女はでかくて重い。おれは思わずアマルダに寄りかかって、丁度人の字みたいに互いを支える形になった。
「かわいいな…って」
強制されて漏れたつぶやきは、耳元での囁きになった。
アマルダの肩が、びくっと震えるのが分かった。あー、悪かったよ、いきなりそんな事言われても、キモいだけだよな。
「そんな風に言われたのは……、おまえで二人目だ」
えっ?
思わず顔を覗き込んだ先に、濡れた灰色の瞳があった。小さく開いた唇から漏れる酒臭い息が甘かった。
あ、やべ……食われる。逃げられない。
みっともない話だが、この期に及んでおれが考えたのは、蛇ににらまれた蛙、獅子の咆哮に固まる小兎、そんなイメージだった。
ふと気づくと部屋の灯りは落とされ、おれは裸になって、エルヴァーンの女を組みしだいていた。
湿った音を立てて、腰と腰がぶつかり合う。夢中で、気持ち良いとか、そういう感覚はなかった。ああ、おれ、ちゃんと場所を見つけられたんだな。ちょっと安心した。
おれの下で甘い喘ぎ声を垂れ流すアマルダもまた(当たり前だが)裸だった。
おれは子供みたいに夢中になって、右手で乳房を揉みしだき、乳首をこね回し、湿った鼻の頭で耳を撫ぜ、尖って整った顎の形を下で確かめた。
左手は、アマルダの右手とつながれていた。動きにくかったが、振りほどくたびに掴んでくるので、途中から好きにさせた。
「ねっ……ねぇ。 キス、してぇ……」
荒い息を吐きながら鼻声で女が求める。おれは言われるままに唇を重ね、舌や歯齦や、唾液をむさぼった。
「ふっ…んムぅ… 好き……好きぃ、ピアシュぅ…」
知らない名前だ。おれは例の書き掛けの肖像画を思い出した。
"そこで違う男の名前かよ" おれは体の半分が一気に冷えるのを感じ、"おれは今、別の男の女を犯してる" 残り半分が酷く昂るのを感じた。
違うだろ、お前をいま抱いてるのはおれだ。ピアシュとかいう死んだ男じゃない。
おれは女の汗・垢の味まで全て覚えようとするみたいに、腋から臍、首筋から鎖骨と、なめくじみたいに舌を這わせた。
後のことはよく覚えていない。
ただ、闇に白く浮かび上がる細くてしなやかな体と、おれではない誰かに抱かれる妄想で勝手に盛り上がり潤んだ二つの瞳だけが、強く印象に残っている。
ふと気づくと、見覚えのない部屋だった。
なんだよ、今度はどこだ、ミドガルドか、イヴァリースか。
朝日が鎧戸から差し込んでくる。
おれはガンガンと響く頭を抱えながら起き上がると、ベッドを出た。全裸だった。
ちんこの周りがすごい事になっていて、おれは昨晩の出来事を思い出した。
その辺に脱ぎ捨ててある服を慌てて身に着けていると、アマルダが部屋に入ってきた。
昨晩とは全く別人みたいに、例の威圧的で冷たい顔をしている。
「や、その……おはよう、ございます」
どう言ったものか分からず、間の抜けた朝の挨拶が口から出た。
アマルダは呆れ顔で肩を竦めると、
「噂というのは当てにならないものだな、ミスラの男はみな、床上手だと聞いていたのだが」
ニヤリ、と意地悪く笑う。
「そうでもないさ、エルヴァーンの女は昼間は貞淑でおっかないけど、夜は淫乱で可愛いって噂は当たってたぜ」
むかっ、と腹に据えかねるものを感じて、おれもやり返した。
アマルダの顔にサッと羞恥の朱が走り、間男の無礼ぶりに眉が吊りあがって、最後には意気を削がれたように瞳が泳いだ。
「──別に、気まぐれだけで抱かれたわけではない」
「はぁ? じゃ、何故おれを?」
それを聞いちゃいけない気もしたが、思った時には既に口が動いていた。
「お前は、その気にさえなれば、例え逃げ出しても生きて帰ってくる。そういうタイプだ」
そもそもそう考える根拠からしてよく分からないのだが、それって卑怯者って事じゃないか?
「それだけ…?」
「女が、戦地に赴く男に求めるのは、ただその一点だけだ」
アマルダは気恥ずかしそうに、口を尖らせて答えた。
その後はお互い何となく気まずくなって、ろくに会話もせずに朝食を食べた。
サンドリアの朝食は、食材こそこだわり天然素材で高価そうだったが、味はインスタント以下だった。
食後のお茶までしっかりつき合わせてから、アマルダはようやくおれが所在なさそうにしている事に気づいてくれた。
「わたしはしばらく家を空ける。お前はどうするつもりだ?」
しばし思案して、おれは自分がどうしたいかではなくて、彼女がどう答えて欲しいか考えている事に気がついた。
「バストゥークに行こうと思う。旅でもしながら少し鍛えるよ、血を見ても泣かないくらいまでね」
しがらみとか、そういったものを怖がってる、子供っぽくて気が利かない返答だが、これでいい。
アマルダは少し残念そうに笑った。
「──そうか。なら、片端者の手料理で悪いが、今夜はせめて盛大に……」
「いや、今すぐに出る」
振り切るみたいに言って、席を立った。
「え……、随分急だな」
「モーグリを待たせてあるんだ、いい加減行かなきゃ」
何か譲歩をしてしまったら、おれは二度とここから出られない気がして、おれは顔も見ずに話しながら、帰り支度を始めた。
剣を腰に吊り、シャポーの羽飾りをしごいて伸ばしてから、頭に乗せる。股がなんとなく突っ張った感じがして歩きにくい。モグハウスに寄って風呂を浴びてから行こうか…。
「──駄目だったら、戻っ
背後から何か聞こえた。
「え、なんだって?」
振り返ると、アマルダが臍を曲げたような顔で、そっぽを向いたまま固まっていた。
「おい、言いかけてやめるなよ、気になるじゃ……」
いや、おかしい。
映画のワンシーンを切り抜いたみたいだ。アマルダは言いかけてやめたんじゃない、台詞の途中で止められたんだ。
ふと気づけば、街の雑踏も鳥の声も途絶えている。おれは世界が白くて粗悪なポリゴンに入れ替わってしまったような錯覚に陥った。
ざわ。
追い討ちをかけるように、背骨のくびれからうなじにかけて、総毛立つような感覚。
「──何故ここに呼ばれたか、お分かりですか?」
玄関の向こう。全身全霊で振り返ったそこには、赤いオーラをまとったドス黒い塊が立っていた。
いじょ、久々に投下させて頂きました(`・ω・´)ゞ
なんか、やたらセンチメンタルな内容になっちゃったな…(´・ω・`)
みなさん投下お疲れ様であります!面白すぐるであります!w
前スレ埋めに協力しないで申し訳ない(´・ω・`)
>>90 ぬぉ!その手があったか!
よーし、俺も覗kうわなにすんだやめrqwせdrftgyぬるぽlp
>>100 時魔導士&居眠りktkr!!
ってモグタンはまたしても失態を……w
>>110 うはw俺まだ抱えられてたw
せっかくだから暫くこのままにしようかな(´ー` )
>>127 (/ω\)他の誰よりもエチィ……イイ!!
>>130 やべぇ登場シーン神すぐる……
続きが気になります!わっふるわっふる!
キョロキョロ(・ω・`≡´・ω・)ダレモイナイナ
さてと久々に投下いきますです、大佐どの(・ω・)ゞ
このまま、ここに居ても何も始まらない。そう思った俺は、すぐに旅の支度を始めた。
まずは、どこへ行くべきか。
ゴブリンの姿をしているので普通に街へ向かっても門番に追い払われるか殺されるかが関の山。
そこでゴブリンが居ても平穏な場所を考えた。そこは、あの場所以外考えられなかった。
ジュノ大公国。
ジュノで商いを営んでいる、通称マック爺ことマックビクスに会えば、
何かわかるかもしれない。ゴブリン特有の情報網があるはずだ。
ここからジュノへはかなりの距離がある。
まずは、食料などの旅支度を始める。幸い、背負っている鞄に色んな道具が積まれていたため、
数日分の食料を用意するだけですぐに旅立てそうだった。しかし、問題はほかにあった。
ブモをどうするかだ。
ブモを連れて行けば旅の途中で命を落としてしまうかもしれない。
けれど、このままここに置いていっても同じことだ。結局は、ブモの判断に任せることにした。
「あのさ、ブモ…」
「ブモ?」
「本当は俺、違う世界からきた『来訪者』なんだ。」
「…ブモ?」
「よく判らないかもしれないけど、俺は元の世界に戻るためにこれから旅に出ようと思う。」
「……。」
「お前はどうする?このままここに残るか?」
「ブモ…」(首を横に振っている)
「…じゃあ、俺についてくるか?」
「ブモォォ〜!」(犬の遠吠えのような格好で鳴いている)
「本当にいいんだな?」
「ブモ!」
「途中で人間に襲われるかもしれないんだぞ?」
「ブモ!」
「…ありがとう、ブモ」
「ブモォ〜(`・ω・´)」
というわけで、ブモとの旅が始まることになった。
不安もある。恐怖もある。けれど、ブモが一緒にいる。
それだけで俺の旅路は明るかった。
最後微妙に行数が変になってしまいましたが、今回の投下は以上です(・ω・)ゞ
ブモを連れていくことにはなったのですが、まだまだ前途多難…
ストーリー展開の遅さもまだまだ前途多難…orz
138 :
既にその名前は使われています:2006/04/25(火) 23:10:09.13 ID:rh/SRC56
居ないと思えば居るし、居ると思えば居ない。
それがわたくし、正義の保守人ヽ(`Д´)ノ
投下乙でございます。
皆さんのSSは非常に読み応えがあって、圧倒されっぱなしです。
そして。
名も知らぬ保守人様がいるおかげで、こうして私は夜に書き込めます。
ありがとう。
ところで、みんなの人気者ブモ君ですが・・・。
最低でもアマルテア先生くらいには成長するんですよね? ね?
主人公だし。
>>140 ダレカワタクシニぶもノ人気ノ意味ヲオシエテクレ…orz
作者なのに、ブモ人気にハンカチを喰いちぎりそうな勢いですw
「おや、気を失ってしまったの?」
隻眼の守護戦士、キィが顔を覗き込む。
小さく舌を出して、半開きの唇をひと舐めする。
「おい、そこの」
ドスのきいた声に、隅っこでうずくまっていたはずのタル医者が体を震わせた。
「な・に・を、している」
キィはやにわに近づくと、タル医者の腹を蹴り上げた。
「ぐぇ・・・っ」
彼は蛙がつぶれたような悲鳴を漏らし、ぐったりと動かなくなってしまった。
次の標的は、タル医者とTELLをしていたらしい患者のタルタル。
ベッドに寝ているはずの患者をおおう、シーツをバッと剥ぎ取る。
そこには、タルタルの大きさに見立てた枕があるだけだった。
「ふ〜ん? 逃げたのね・・・。まぁいいわ」
ギャラリーがいては恥ずかしいかもだし? と、彼女は鎖にからめとられた獲物に振り返った。
「少し虐めすぎたし、今度は気持ちよくなってもらうかな?」
チロリと、小さく舌なめずりをした。
143 :
256_Furcifer ◆MwNTY7GtwI :2006/04/25(火) 23:49:45.93 ID:cLPUYvoR
投下&保守おつかれさまです!
609さんは帰ってくるたびにボリュームのある文を投下されて、いつも唸らされます。
サンドリアに再び赤鎧降臨!? やばそうな気配が…w
ウィンダス側もまだまだ状況が予断を許さないですね。どのような形で収束するのやら?
そして…ブモさんの旅立ち! 応援してます!(あれ?)
というわけでもそもそと投下。
直前の話は前スレの梅に使われました。
144 :
256_Furcifer ◆MwNTY7GtwI :2006/04/25(火) 23:50:53.91 ID:cLPUYvoR
ごめ、割り込みました(;´Д`)
どうぞ、お先に。
投下したいときが、投下のグッドタイミングです。
146 :
256_Furcifer ◆MwNTY7GtwI :2006/04/25(火) 23:55:17.47 ID:cLPUYvoR
ではお言葉に甘えまして、ちゃっちゃと行っちゃいます…
>>88 なんでタルタル♂はエロって定着しt(ry
>>100 バオル、フィアー、アルテマ、そして時魔道士…。いいですな〜、夢が広がります。
そういや、モーグリのこと『モグタン』って呼んでますな。
訂正しときます。orz
>>107 えっと、シーツ作って送りましょうか? 設定では裁縫 徒弟ですし。
それではキツカロウ…。大分先にはなると思いますが…。
>>127 これで晴れて訪問者二人目の犯っth(ry か?
で赤鎧! その出現は想定外w
>>141 鳴き声、初登場の様子、ごぶにきつすぎる愛情表現、
その他もろもろが人気の秘訣です!!いや、ほんとかわええ…。
目が覚めたとき、私はモグハウスの自分のベッドに寝かされていた。
窓の外はまだ夜が明けるか明けないかといった様子で、薄暗い。
一体いつどうやって帰ってきたのか、記憶が途切れている。
サンドリア港で釣り人が賑やかなルフェ湖を眺めたところまでは、なんとか思い出せたが…。
とりあえず朝っぽいから起きないと…と思いながらも寝返りを打ったところで、
ふと、身体のあらぬ箇所に違和感を感じた。具体的には、まぁその、大事なところだ。
そういえばマイキャラはいわゆるカッパエルだしそれはすなわち男キャラだから、
リアル路線をひた走るなら、ついてるもんがついててもおかしくはないわけで。
問題はそれが、なんだかその…どうも硬くなって屹立している様子で…。
(こ、これは…待っていれば収まるもんなんだろうか?)
背中にいやな緊張から来る汗がぶわーとふきだす。
中身が男でミスラやエル♀になっちゃった人は、どんな気持ちだったんだろう。
とりあえず、私はこれから毎朝、この現象と付き合わなければならないのか?
結局私がベッドから出ることができたのは、それから30分ほども後のことだった。
モグさんが作ってくれた朝食をモグさんと二人でつつきながら、私はモグさんに尋ねてみた。
「昨日の夜、私どんな風に帰ってきましたっけ?」
「普通に歩いて帰ってきましたクポよ〜 それで、普通に着替えて、『朝起きたら返して』って
何かお手紙をモグに預けて、すぐお休みしましたクポ。」
モグさんはそう言いながら、四つ折にされた羊皮紙を手渡してくる。
細長く切られたサンドリアカロットを銜えながら、私はそれを開いてみた。
そこには昨夜見せてもらった日記と同じ字で、
"世界の在りようにはむやみに触らないこと。感づかれます。"
"無理に戦おうとは思わず、まずは死なないことを第一に考えて下さい。"
"心の底から、お願いします。"
と書かれていた。世界の在りようってなんだろう?
というか、私の性格がだいぶ見抜かれてる気がする。ガチの戦闘はたしかにやりたくない。
それから、感づかれる、とは一体何に?
「今のご主人様と同じように、異世界から来たとか言いだした冒険者さんを、
暗殺してまわってる謎の集団がいるって、噂になってましたクポ」
そういえば確かに、スレでも何人か襲われたりしていた話を読んだ記憶が。
その記憶と共に、当時――まだこちらに来てからほんの少ししか経っていないはずだが――
スレを読みながらわずかに感じていた疑問も、蘇ってきた。
「その黒ずくめの暗殺集団って、なんでリアルから来た人を消す必要があるんでしょうね」
「皆目見当も付かないですクポよ」
スレの中で語られた、リアルの技術を用いて作られた高性能装備。
この世界の秩序を乱すものだから、それをもたらす人を消す?
理由としては正当かも知れないが、どうも引っかかる。
リアルの人に何かをして欲しくて、このヴァナ・ディールに呼び寄せた存在が、
もしかすると、別にいるんじゃないだろうか。
で、黒ずくめはそれを阻止するために、呼ばれた人を発覚した側から消してまわってる。
…かなり妄想入ってるけど、けっこうありえそうな説じゃないだろうか?
「ただなー…これだけだとやっぱり目的がはっきりしないんだなぁ」
黒ずくめの現物を一目でも見られれば、もうすこし形になるかも知れない。
「やっぱいっぺん、エンカウントしてみる必要があるよなぁ…」
「ダメクポご主人様! 安全第一クポ〜〜〜!」
小さな私の呟きを捉えたモグさんは、絶対だめ、とばかりに首をぶんぶん左右に振って見せた。
「…わかってますよ、言ってみただけです」
どうも信用ならない、といった感じの視線を投げかけてくるモグさんに、私は肩をすくめて見せた。
「とりあえず、お風呂入りたいです」
入った記憶がないしモグさんもすぐ寝たとか言ってたし、入ってないんだろう。
「ハウスのお風呂は、沸かし直さないといけないですクポ〜…銭湯、いってくるクポ?」
「おお、そんなんあるんですね。じゃあそっちで済ませてきます」
一応武器と、洗面用具を探す私の後ろから、モグさんが声をかけてくる。
「白魔道士の準備をしておきますクポ〜。
テレポ各種に、サポ黒でデジョンもエスケプもできるクポ!」
「相手が強かったら詠唱長すぎてストンスキンが保ちませんよ…素直に赤のサポ黒にしますってば」
心配してくれるのは分かるけれども、白魔道士の装備はPT戦闘向けの装備しか充実させていない。
高位リレイズはもしもの時に希望を繋ぐこともできるかもしれないが、
相手が確実にとどめを刺しに来たら、それこそ全ては無意味。
だったら少しでも馴染んだジョブのほうがいいだろう。魔法も一応ほとんど使えるようだし。
「じゃ、お留守番おねがいしますね」
「行ってらっしゃいクポ…」
ラフな部屋着に、念のため、と黒い刀身のバゼラードとインフィブルトルクを身につけ、
小脇に桶を抱えて、私は朝日が照らす路地を銭湯の方へと向かった。
ぎえ、割り込んでしまった…。
……わ、ワッフルワッフル!!
というわけで以上です。sageチェック入れるの最初忘れてた…
いきなりシモな話題から入って失礼しました(´Д`;)ヾ
すごく呑気な事を言ってるのはまだ死にそうになったことがないからだと思う。
そのうち喝を入れてやらねば。
やれやれ、だ。
このザマ、この体たらく。
我ながら情けないな。
記憶を封じられるというのは、こうも不自由なものか。
あの男もやってくれる。
「俺」として歩んできた数日の旅も、効率は悪いが興味深いものではあった。
さしあたって、この拘束具は問題ではない。
ここ、天の塔から強行突破で脱出するには、骨が折れそうだ。
憎い・・・憎い憎い憎い・・・殺す殺す殺す・・・ブッ殺してやる・・・。
あぁ、あの猫?
今にも飛んで行きそうな浮かれ顔で、扉に閂をかけているね。
殺す、か。いささか直情的で、面白みがないが・・・いいだろう。
では、そうしようか。
親しき友には命を懸けた守護を。敵対する者には、破壊と殺戮を。
「かくあれかし」
「あらん」
頑丈な閂をかけ終わったキィが、笑顔で振り向く。
「お目覚めかな? 痛くしてゴメンね、今度は・・・」
「ありがとう」
私は眼帯をした猫に微笑みかけた。
さすがミスラ。即座に変化に気づいたようだ。
「あえて礼を言わせていただくよ。おかげで、ようやく取り戻すことができた」
世界で最も忌まわしきアーキタイプよ。
のんびりと眠っている暇はないぞ。
地下保管庫からここまで、かまうものか、床も壁も次元扉も突き抜けて“最短距離”だ。
来い。
「エクスカリバー!!!」
天の塔が震えた。
轟音が響き渡る。
一瞬。
目の前に、一振りの愛剣が在った。
常にリアル事情が優先。
週に一度か二度、PTに参加できれば、という程度の時間しかとれず。
無論、金策に奔走したり、NMを張り込む余裕もない。
一度の裏突入で手に入る旧紙幣も、数枚程度。
RMTやツールを毛嫌いし、いうまでもなくそれらに手を出すつもりはない。
少ないログイン時間を、仲間とのチャットやクエストの手伝いで費やす。
そんなプレイスタイルの人間には、絶対に永遠に手に入らないモノ。
それが、自分の所有物として目の前にある。
もし可能だとすれば、まさに悪魔と契約する以外にないのではないか。
ぱきッメキュキコッぶちぶちブチブチ・・・。
拘束具から、強引に右手を引き抜く。
各部の骨が砕け、筋が切れ、神経が裂けていった。
癒しを軽くイメージするだけで、逆の順番で強制的に癒されていく。
断裂した神経や、骨が急速に繋ぎ合わされていくたびに、猛烈な苦痛が襲う。
それすら、今は心地よく感じる。
私は懐かしむように、目の前に浮かぶエクスカリバーをしっかりと握り締めた。
体に馴染むしっかりとした重さと長さ、バランスのよさ。
“エクスカリバー・ゼロ”
禍禍しい凶器。
あの男が生み出し、うっかり私に渡してしまった忌み子。
「変身」
光の粒子が私を包み込み、純白の騎士鎧、そして盾に形を成した。
相容れない二つのモノが同時にそこに在ろうとすれば、どうなるか?
―――存在として強い方が、克つ。
私を束縛していた拘束具と鉄鎖が、弾け飛んだ。
ジャガリ、と音を立てて着地する。
「さて・・・」
すっと踏み込み、あっけにとられていた隻眼ミスラの脚を斬り飛ばした。
悲鳴など、聞く気にもならない。
「この世界には、例え瀕死の重傷を負っても復活させてしまう魔法がある」
私は、真っ赤に体を染めてのたうちまわるミスラを見下ろした。
「倒れても、倒れても、誰かが復活させてしまうんだ」
彼女の右腕を、次いで左腕を斬り落としてみる。
「命は尊い。そのはずが、勝手に復活させては、命の価値は下がる一方だ」
ふむ、まだ生きている。
切っ先を胸に突き当て、貫く。
それでミスラは動かなくなった。
私は彼女に向けて、レイズをイメージした。
即座に肉体が再生を始め、斬り落とした手足が接続された。
うぅ・・・、とミスラがうめく。
「おかえり。こうやって、すぐに戻ってこられる」
ミスラは衰弱してうまく動くことのできない。
私は優しく語りかける。
「困ったものだと思わないか? どうしたら殺せるんだろうね」
今度は指先を、そして徐々に腕を。
ミスラは声も出ないようだ。口に泡を溜め、パクパクさせている。
すぐに、動かなくなった。
「おかえり」
私は微笑んだ。
「申し訳ない。衰弱していたんだったね、力の加減を間違ったようだ」
虚ろな表情で反応は鈍いが、声は聞こえているはずだ。
私は耳元でささやいた。
「でも君も頑張って。すぐに逝ったら、今度は死体を犯してからレイズするよ」
今度は慎重に、少しずつ、少しずつ。
長い時間、苦痛を長引かせて。
「何度でも、優しく殺してレイズしてあげる」
私はミスラの一つしかない目を覗き込んで、にっこり微笑んだ。
「何度でも何度でも何度でも何度でも何度でも何度でも何度でも何度でも何度でも・・・!」
ドン、と扉が叩かれた。部屋の外で、複数の気配がする。
「ここも開かないのか」
「ちょ・・・っ! また!?」
私は盾を掲げて、姿勢を低くした。
「ファイアW!」
凄まじい炎が扉を藻屑に吹き飛ばし、ガルカ数人がゆったり通れるほどの大穴が開いた。
灼熱の爆風が部屋に吹き込み、荒れ狂い、勢いよく木石の破片が降り注ぐ。
盾が吼えた。
私の多層対呪結界など紙切れも同然だったが、炎は私に達する前に大きく威力を減じられた。
直撃なら、こうはいかなかったかもしれない。
もうもうと舞い上がる煙の向こうに、三つの人影が立っていた。
アルドマルジド、セミ・ラフィーナ、そして勇敢な患者タルタルだ。
「いいのかな?」
私は抜剣したまま機先を制して、床に転がっているタルタルとミスラに視線を送った。
医師タル―――ルフトハルトは白衣に火が燃え移ったまま、気を失っていた。
ミスラは爆風からは逃れたものの、虚ろな表情でうわ言をつぶやいている。
「ころひてぇ・・・もっろ・・・ぉ・・・ころひてぇ・・・」
股間を濡らしながら哀願している。下品な猫だ。
「茶菓子の一つも出したなら、友好的に話ができた・・・そうは思わないか?」
「君は、一体何者だ?」
アルドマルジドが問い掛ける。
さすがに、まったく隙はない。
今にもIV系が瞬間で飛んできそうな雰囲気だ。
「要求は?」
「私はリード。要求はシナモンクッキーとサンドリアティー」
私は余裕の笑みを浮かべて見せた。
「合成品などではなく、手焼きがいいね」
アルドマルジド、貴方ならわかるはずだ。
私がここで争うつもりはないことを。
そして、ウィンダスにさして期待などしていないことを。
162 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/04/26(水) 01:53:36.91 ID:SvpTsO6H
今夜の投下は以上です。
長々とすみません。二日分のつもりで書いてみました。
リードが反則技連発で、どんどんNPC化していってますね。
外伝
「うはwwwwなにこのチビwwwww」
Dさんだと紹介されたナイトにバシっと叩かれた、
HPが赤くなったのであわててケアルしようとしたら身体が動かない、スタンか?
見た感じ武器も持ってないのに、通常攻撃に追加効果スタンついてるのか、この人は…。
「ねえねえ両手槍もってない?wwwwもってないの?wwwwうはwwww」
五月蝿い、Bさんと紹介されたナイトに両手槍で突かれた、だが当たらなかった。
よく見たらハープーン+1だ、ショボすぎる…。
「キミ、なかなかいい白魔道の素質持ってるね、どうだい僕と一緒にバニシュを…」
バニシュバニシュとしつこいコイツはCさんと紹介された、やはりナイト。
ナイトなのに武器を持ってない、本しか持ってないぞコイツ…。
「うはwww所持金30万Gwww金持ちwwwwww」
腰袋を漁っていた、張り倒そうとしたらNaitouさんがシールドバッシュしてホーリーで燃やし尽くして取り返してくれた。
相当扱いになれてるようだ。手元に帰ってきたら20万Gに減っていた。後でどっちか問い詰めないと。
「ごめんねぇwwwwみんな久しぶりの仕事で張り切ってるようで♪」
眩しい…、目が潰れる勢いだ。なんだこの人の歯は、白く輝きすぎている。
しかもナイトなのに両手剣を背負っている。片手剣だろ普通は…。
「ホントすいません、折角お仕事くれたのに…」
一番普通の人っぽいこの人はNaitouさん、まだ唯一普通っぽいが…。
「いえ、気にせず。護衛していただければ構わないんで」
俺はそう言い切って、この人達を気にしない事にした。
「お姉ちゃん、この人達ホントにだいじょーぶ? なんかまともなのが一人しか居ないっぽいんだけど」
「お金もう払っちゃったんだからしょうがないだろ…、もう諦めるしか」
ウィンダスを出て旅に出る為、まずはジュノに行くんだが、
実戦を忘れてる俺とLV35の赤魔道士なミピピ、二人だけでは不安だと、
シャントット様が護衛を頼むように進めてくれた。
早速天の塔を通じて、護衛依頼を出したら、今日−依頼した次の日−こうして来てくれたわけだが…。
ぶっちゃけ不安だ、不安しかない。しかしミピピにも言った通りもうお金は渡してるので諦めて着いていくしか…。
「とりあえず行きましょう、まずはメアの遺跡を目指して」
そういって俺は歩き出した。あまりこの連中と話してると疲れそうだ。
「ねえねえNaitou君、なんか依頼主さん怒ってない? 僕たちなにもしてないのにね♪」
「リーダーは黙ってて下さい、あんまり騒がずに、とりあえず行きましょう」
「まかせろwww何でも敵は全てぶっ飛ばせばいいんだよなwwww」絡まない敵には手を出さないで…。
「うはwwwwあの冒険者所持金10Gだったwwwてか初心者?wwww」返して来い。
「……ブツブツ……ブツブツ………」『ヴァナの中心でバニシュを叫ぶ』? なんて本を読んでるんだこの人は。
頭痛くなってきた、大丈夫だろうかこのメンバーで。
ガードの痛い視線を浴びながら、森の区の門をくぐる。
東サルタバルタに出てきた。なにやらBさんがマンドラに向けて突っ走っていく。
「最強の突き技、ペンタスラストオォォォーwwwww」
当たってない、というかマンドラに当たらずマンドラの向こうに居たリーダーに全段ヒットする。
「痛いじゃないか♪」
言いながらファイアIIの詠唱をし始める。すかさずNaitouさんがシールドバッシュで止める。この人サポ黒なのか。
「邪魔wwwwww」
絡んできたマンドラをDさんが両手棍で殴り飛ばす。吹っ飛ばされた敵は見えなくなってしまった。……恐ろしい。
「クロウラー発見wwww」
突然Eさんがとんずらを発動して走っていく。…見えなくなった、そのまま帰ってこなければ嬉しいんだが。
「あの、とりあえずジュノまでなら僕一人でもなんとかなるんで、他の人は…」
「えぇ、気にしない事にします」
するりと流す。幸いスルースキルは2chのお陰で高くなっていた。
それでもこの連中相手は相当疲れるが。
と、Eさんが向こうから土煙を上げて帰ってきた。
「絡まれたwwwwwwwボスケテwwwww」
見ると少し大きめのクロウラーだ、Spipiか?
「護衛の皆さん、戦闘準備を。ミピピも強化を自分でかけて」
ちょうど実戦も積まないといけなかったのと、
この連中の実力を見る良いチャンスだったので戦う事にした。
「『プロテアIV』『シェルラIV』」
あらかじめシャントット様にこのLVで使える魔法は詠唱ごと全部教えてもらっといて良かった。
まさか東サルタ出てすぐに役立つとは。
「タゲとりヨロwwwww」
通りすがりにEさんがDさんにぶつかる。
「いてぇwwww殺すwwwwww」
とんずらでそのまま逃げるEさん、Dさんも追いかけて行ってしまった。
2名脱落。まあ居なくても大丈夫だろう。
「食らえwwジャンプ!wwww」
そう言ってジャンプしたBさん、……そのまま見えなくなった。
まあこの人も居るだけ無駄だから良かった。
「あぁ、またいつも通りこの人達は…」
Naitouさんがつぶやく。アンタなかなか大変そうだな。ちょっと同情してしまう。
敵の攻撃は……何故かこちらは殆ど無傷だ、リーダーの歯が光り続けて敵にフラッシュ効果を与えているらしい。
しかし常時フラッシュのせいか、ターゲットは常にリーダーへ。
殆ど無傷と言ったのは、フラッシュ効いてるはずなのに、リーダーは攻撃をがんがん食らっているからだ。
マズい、いくらLV高いと言っても攻撃を受け続ければ蓄積される。
「Naitouさん、リーダーの歯をなんとかしてくれませんか?」
「あ、すいません、僕はなれてますけど眩しいですよね?」
いや、そうじゃない。だがツッコミを入れるのもダルかったから放っておいた。
「リーダー、ちょっとこっちへ来てくれませんか?」
「えぇ? 何? 聞こえないよ?」
両手剣を振り回すのに必死で聞こえてない。全部ミスしているが。というかたまにCさんやNaitouさんに当たっている、危ない。
ん? Cさんは何やってんだろうか?
「『バニシュ』!」
必死にバニシュを唱えている、だが唱えたCさんの足元の地面が湿ってきている。
アレはバニシュじゃない、何か別の……魔法でもない何かだ、あの人一体何者なんだ。
そうだ、ミピピ! ……は、あまりにバカすぎて呆れている。そりゃこれを見れば当たり前か。
リーダーは相変わらず両手剣を振り回すだけだ。
Naitouさんは何か諦めたような顔をして、大きく息を吸った。
「Dさーーーーーん、リーダーがDさんに死ねっtt「誰が死ねだと?wwwww」
Naitouさんが突然叫ぶと、どこからともなくDさんが現れた。
無差別に両手棍を振り回すDさん。殴り飛ばされるリーダーとNaitouさん。Cさんは……あぁ! いつの間にか居ない、逃げてる!
「お前らもついでに死刑wwwww」
ゆらり、とこちらを向くDさん。
言葉は笑っているが、顔は武者。
一気に間合いをつめられたと思った時には、既に身体は空中だった。
その後の事はよく覚えてない。
ミピピに聞いても、当日の朝から病院で目が覚める迄の記憶がないらしい。
俺は覚えてはいるが、思い出したくない。
そして出来ればあの連中にもう二度と会いたくない、そう思いながら病院のベッドで窓の向こうを眺める。
後日、天の塔からの連絡で、実はあの連中はジュノで指名手配されているナイト6人組だと知ったが。
もう関わりたくない俺は、ミピピと同じく記憶が飛んでいるという事にしておいた。
「護衛……、なくてもいいよな」
ベッドでミピピにそう声をかけた。
ミピピはこちらを見て、声は無いが大きく頷く。
こうして俺は、ミピピと二人だけでジュノに向かう事にした。
カッとなって書いた。
今は反省している。
寝る前になんとなく思いついたネタだったんで、
本文には組み込む必要の無いように書きました。
まあ本文は何もなかったように続けます。
後、今回は内藤物語にあわせた文法で書きましたが、
次回からはいつも通り(会話前後に一行行間、等)に戻します。
ではおやすみなさいまし。
171 :
既にその名前は使われています:2006/04/26(水) 07:10:31.49 ID:SvpTsO6H
age
172 :
既にその名前は使われています:2006/04/26(水) 07:19:59.26 ID:mris8U+s
>>93 > あの。実はアルル氏の話の裏エピソードとしてハルヴァー宰相と、
> トリオン、ピエージュさんを主人公にした物語考えたんだけどどうかな?
> エアリーシリーズ誕生の話と自分的に「あれ?」とおもったことを妄想してたら生まれた話。
> アルル氏その他の話の邪魔にならないよう、このスレの人間の名前は出さない形で。
> 普通に設定に使ってもいいし、そのまま読み物で使ってもOKで・・・。
是非書いて下さいな、独りよがりなストーリーに厚みが出ると思います。
たぶん細かい設定は皆違うので少々の矛盾はあると思います。
でもそれを含めてすり合わせていっていい意味で面白い話になっていると
思います。これってシェーアードワールドて事だと思います。
ソードワールドとか読んでるんで影響もろ受けだったりするかも。
174 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/26(水) 08:19:58.09 ID:TIAI/N7w
うお!本人様の許可来た。メイン許可来た!これで書つる!
・・・とりあえずまとまった時間取れたら外伝書き終わって、
そっからぼちぼちとUPしていきます。
どうでもいいけどあの嫌味なハルヴァーが大人気な件について。
(自分も好きだが)
やっぱりトリオン王子の嫁探しクエの(素で)ボケた発言、
常時くそ真面目な態度のコミカルさ、
普段の有能さに反し、素でなんでトリオンやクリルラが切れてるのか理解できない鈍さ、
美女の妹がいる設定(ただし年増)が受けてるのだろうか。
>>109 ミスラガードがかわいすぐるwwww
>>115 カカッと爆笑したために俺の怒りは有頂天
>>121 エロイよエロイよ(/ω\)まさかGMの決め台詞がこんなにかっこいいものだとは知らなかったですw
>>141 ブモかわいいよ、ほんとかわいいよブモ。多分のんびりした雰囲気が人気の秘密かと。
>>147 お願いします〜。
>>153 言われてみると死にかけている人多いですねw中の人思いのいい体ですね。
>>162 リードがダークサイドに((((;゚Д゚)))ガクガクガクブルブルブル
>>169 クローラー相手にも当たらない両手剣が素敵すぎるwww
みwなwぎwっwてwきwたwぜwwwwwwwwwww
>>147 >>175 ふむふむ、ブモは癒し系だったのか…
キィー!(ハンカチを噛む仕草)…ブモ…恐ろしい子…。
>>138 いつも保守ご苦労様ですm(_ _)m
>>169 久々に内藤チームを見ましたw彼らはどの世界でも最強ですねwww
では、ブモの旅(?)投下いきますです(・ω・)ゞ
さて、ジュノに向かう道中でなによりも気をつけなければならないものがある。
それは何か?!「ブモっ!」…いや、ブラッシングは問題じゃないだろ…
一番の問題は 冒 険 者 だ!
仕方の無いことだが、今の俺はゴブリンだ。
俺の姿を見れば敵意は無くても武器を構えるのが当たり前。
運悪ければ、相手から攻撃を加えてくることもある。
もう誰も傷つけたくない。極力、冒険者から隠れるように移動することにした。
見つかりそうになったときは遠回りしてでも回避する。
もうあんなことを起こしてはいけない。殺されるのも殺すのもまっぴらご免だ。
通る人が少ない道を選んだ結果、俺はパシュハウ沼に来ていた。
ジメジメして陰湿な感じの地形で冒険者以上に気をつけなければいけないものがいた。
モルボル族だ。モルボル族の食欲は凄まじく、近づくとその触手で絡めれてパクッと食べられてしまう。
冒険者とモルボル族がいないかを慎重に周りを窺いながら少しずつだがジュノへと近づていく。
「ちょっといいだか?」
ん、誰かが呼ぶ声がする。後ろを振り向くと"俺"がいた。
え?え?どういうこと?なんだこりゃ?もしやドッペルゲンガー?
いや、それにしてはなんか変だぞ?と、戸惑っているうちに、ドッペルゲンガー(?)から
「なにあほな顔しとる?同族がそんなに珍しいけ?」
あ、そっか、同族かと胸を撫で下ろす。
「ちょっと聞きてぇんだが、ジュノへの道はこっちでいいのけ?」
「ああ、そうだよ。俺もジュノへ向かっている途中なんだ。」
「あぁ〜そりゃまんずまんず、ご苦労なこってぇ」
「同じ道を行くのなら一緒に行かない?独りだと心細くて・・・」
「おらはいいけど、アニキがどう言うだか・・・アニキィ〜」
アニキ?・・・それにこの田舎訛りのゴブリン?
声をかけてきたゴブリンのジョブは赤魔道士で、
アニキと呼ばれる黒い鎧のゴブリンで、
二人組みのゴブリンズ・・・ってことは!!
「・・・なんだ?」
……キ、キ、キターーーーー(・∀・)ーーーーーーー!!
「あ、あ、あんた、もしかして『炎の壁』か?」
「・・・ああ、そうだが、あんた誰だ?」
やっぱり『炎の壁』兄弟だった!
この世界に来るまでに読んでいた掲示板に書かれていた通りの人(ゴブ?)だ!
「お、俺、あんたの事知ってるけど別に怪しい奴じゃない」「ブモ!(`・ω・´)」
「・・・怪しくないという奴ほど怪しいぞ。それに…なんだ、その羊は?」「ブモ?(・ω・)」
し、しまったぁ〜!有名人に会ったときの素人みたいにテンション上がっちゃって
わけわからん返事しちゃったぁ〜くぁw背drftgyふじこlp;@:「」
おちつけぇ〜落ち着けぇ〜事情説明すればわかってもらえるはず・・・。
偶然『炎の壁』兄弟に出会った一同。彼らははたして敵か味方?
この後の主人ゴブとブモの旅の行方は如何に?!次回、波乱の幕開け!
ブモの旅(?)第二話「悲しいけど、俺が主役なのよね…」に乞うご期待!
予告で煽ってみるが、本編と関係ないのであしからずw
というわけで、『炎の壁』兄弟に遭遇。今後の展開をお楽しみに!
投下は以上です、軍曹どの(・ω・)ゞ
182 :
既にその名前は使われています:2006/04/26(水) 15:31:10.92 ID:b0dPPUe8
今日も元気に保守。 わっふるわっふる!
■<一言しか喋ってない赤鎧が意外と好評で嬉しいヽ(´ー`)ノ
個人的にはブモよりも、ブモを守り立てるお供ゴブリンの103サマに萌え萌えですw
184 :
既にその名前は使われています:2006/04/26(水) 17:59:02.53 ID:mris8U+s
あげ
書き手様、いつも楽しく読ませてもらってますー。
ちょっとだけ書いてみたので、載せてみてもいいでしょうか?
186 :
既にその名前は使われています:2006/04/26(水) 19:03:56.98 ID:9i+RGpa6
おーけーなんでもバッチこいですよー
フゥゥー
187 :
既にその名前は使われています:2006/04/26(水) 19:41:13.82 ID:TIAI/N7w
全然エロくないタル♂だっているぞ。Pたんなんてリアルでももてないぞ!www
188 :
185:2006/04/26(水) 21:41:08.59 ID:GVVU8Dh6
じゃ投下してみます!
携帯から書いてるので、読みにくかったらすみませんヽ(;´д`)ノ
189 :
185:2006/04/26(水) 21:41:55.31 ID:GVVU8Dh6
がたがた、とんとん、というやや遠慮がちな大きさの物音で目が覚めた。
部屋中に漂っているおいしそうな香りが、鼻をくすぐる。
(お母さん、ごはん作ってくれてるのかな?
…あれ?わたし、自分の部屋で寝たはずなのに…台所は一階だし)
おかしいなと、ベッドから上体を起こして周りを見回してみる。
すると、普段の自分の部屋とは明らかに様子が違っていた。
部屋の奥、中央あたりの壁には絶えず水が流れるインテリアのようなものが、
右手の壁際にはキャビネットがいくつか並べられ、
余ったスペースに置けるよう作られたらしい台には金魚鉢が置かれている。
ベッドの近くには大きな地球儀のようなものが。
そして左手の区切られたスペースには台所があり、
そこでは小さな羽が生えている白いぬいぐるみのようなものが、
せわしなく飛び回りながら食事の用意をしているのが見てとれた。
つまり、この光景から判断するなら、ここはウィンダスのモグハウスであるのだと思われる。
しかも、この家具の設置の仕方はどう見ても自キャラのモグハウスだ。
190 :
185:2006/04/26(水) 21:42:47.66 ID:GVVU8Dh6
ということは……
恐る恐る、震える手で頭に触ってみる。
…あった。
ほわほわした毛が生えた、三角形の耳がふたつ。
そしてお尻に目をやれば、猫のような細長い尻尾が。
そう、わたしの自キャラはミスラだった。
最初にネ実で見掛けて以来ずっと愛読してきたスレ、「朝起きたら自キャラになってた」。
他人が自キャラになった話を読んで、自分が自キャラになっていたらどうしようか、と
ふざけて考えていたこともあったが、まさか本当になってしまうとは…。
「うそ………」
泣きそうな声が、自分の口から思わず漏れた。
191 :
185:2006/04/26(水) 21:43:44.19 ID:GVVU8Dh6
「クポ?ご主人様、起きたクポ〜?」
わたしの声がかすかに聞こえたらしく、白いぬいぐるみがこちらにやってきた。
「えっと……モーグリだよ…ね?」
恐る恐る話しかけてみた。
その言葉に、ぬいぐるみは怪訝な顔をする。
「何言ってるクポ〜?モグはどう見てもモーグリだクポ。」
「そ、そうだよね…」
モーグリに、わたしがリアルから来てしまった人間だと言っても大丈夫なのだろうか?
スレでの話では、リアルから来た人間は何者かに命を狙われる、とされていた。
もしモーグリが周りに言いふらしたりしたら…。
……でも、なんとなく、このモーグリは信用できる気がする。
わたしの直感は決してよく当たるとは言えないが、今回は自分を信じてみることにした。
192 :
185:2006/04/26(水) 21:44:11.94 ID:GVVU8Dh6
「ねぇ、モーグリ…」
「ご主人様、もしかして…」
ふたりが言葉を発したのは同時だった。
わたしはモーグリに続きを言うよう促す。
「もしかして…ご主人様も、リアルとかいう世界からこちらに来ちゃった人クポ?」
思ってもみなかった言葉に、驚いて聞き返す。
「な、なんでわかったの?今それを言おうとしたとこなんだけど」
「だって様子がいつもと違うクポ。最近そういう人が増えてるって噂が多いしクポ」
そっか、そういえばスレのほうでもそういう話が出てたっけ…
193 :
185:2006/04/26(水) 21:44:38.75 ID:GVVU8Dh6
納得していると、モーグリが心配そうな顔をしているのが視界に映った。
「ん…どしたの?」
「…噂の続きがあるクポ。こちらの世界に来て、今までいた世界との違いに
ついていけない人の中には、自殺してしまう人がいるって聞いたクポ…」
言いたいことはそこまでで十分わかった。
モーグリはわたしが自殺してしまうんじゃないかと心配しているのだ。
確かに、突然のことに最初は驚いたし、困惑したし、泣きたかった。
でも自殺してまでこの現実から逃げてしまいたいとは思わなかった。
194 :
185:2006/04/26(水) 21:45:00.78 ID:GVVU8Dh6
正直、リアルでの生活にそれほど満足していたわけでもない。
毎日なんとなく過ぎていく日々だった。
だから、この世界で少しの間刺激的な生活を楽しんでみるのもいいかな、とも思っていた。
(…それに、こんなにスタイルよくなれたしね)
と、自分の体を見下ろしながら考える。
「…ど、どうしたクポ?」
モーグリが不安な気持ちを表情にむき出しにして聞いてくる。
「ん?なんでもないよ。…わたし、自殺したりしないから。心配しないで」
そう言って笑顔を向けると、安心したのかモーグリも少し微笑んだ。
195 :
185:2006/04/26(水) 21:58:58.76 ID:GVVU8Dh6
投下終了です。
続きは書けるときにぼちぼち書いてみようと思ってますm(_ _)m
196 :
既にその名前は使われています:2006/04/26(水) 22:01:38.88 ID:5Yet7y7a
投下乙
これからどんな方向に向かっていくのか楽しみにしてます
「つまりユリフィナちゃんは体はユリフィナちゃんだけれど魂は別人だということね。」
「うん、そうです。」
時空魔法を研究している彼女は私を疑うどころかメモまでとって私の話を聞いてくれた。
正確には別人ではないのだけれど。コントローラーとキーボードを通して仮想的に私は彼女としてヴァナディールを旅していたのだしね。
モグタンから聞いた話だとユリフィナさんの性格は私とそっくりだったらしいし。
「そして原因はわからない。さらにはユリフィナちゃんの世界には魔法が存在しないと。」
「そう。」
「ということは時魔道士の手でこちらに飛ばされたという線はうすいか。そもそも時空魔法は空間をつなぐことは出来ても
魂を移動させることは不可能だろうし・・・いや、魂の世界と肉体の世界というふうに別世界、別次元として捉えれば
ユリフィナちゃんの魂の世界とヴァナ・ディールの肉体世界とをつなげることによって・・・
って今の問題は原因を調べることでなくて帰る方法ね。」
なんだか彼女からはキバヤシさんと同じオーラが感じられた。このままではあらゆることの原因が時空魔法にされてしまいそうだ。
そんなくだらないことを考えている間に、彼女は引き出しに手を伸ばしそのなかから美しい装飾のされた腕輪をとりだした。
銀の土台の中央にオレンジ色をした不思議な宝石がはめ込まれていてその周りを金で作られたイバラの装飾が飾っていた。
「これを見て何か感じた?」
彼女は真剣な目で私に尋ねた。
「きれいな腕輪クポ。」
と、モグタン。それもあるけれど私にはそれよりも気になったことがあった。
「すごいうねるような魔力が込められているね。でも、白魔法でも黒魔法でもない不思議な魔力。
自然に存在するものともどこか違う・・・もしかして。」
これが時空魔法だろうか?
「多分、ユリフィナちゃんが今思った通りのもよ。これが時空魔法のエンチャントが込められたアーティファクト。」
彼女はそういうとニヤッと笑った。
「私の分析によるとこれが使えるのは一度限り、効果は強力なデジョン。つまりこれを使えばあなたは元の世界に帰れる。」
・・・私は言葉を失った。まさかこんな急に幸運が都合よく転がり込むとは思わなかった。
帰れる・・・由佳のいる世界に帰れる・・・。でも、そんな貴重なものを私の為に使ってくれるとは思えない。
「でもね、これからは残念なお話。」
彼女はそういうと腕輪を腕にはめた。オレンジの宝石がキラッと光る。
うん、絶対こういう流れになると思ったの・・・。
「使い方がわからないの。あなたを帰してあげたいのはやまやまなんだけど・・・。」
「そうなの・・・残念。」
私はちょっぴりしょんぼりする。やっぱりそう都合よくは行かないか・・・。
「でも、もし使い方がわかったらあなたを元の世界に帰してあげる。
本当はネコか何かを異次元に放り込むつもりだったんだけれども、
それよりは人のためになる使い方をしたほうがこの腕輪の作り主も喜ぶだろうしね。」
「本当ですか!?」
思わず机から身を乗り出す私。流れは私の方へと来てる!これで勝つる!じゃなくて帰れる!!
アリアちゃんはにっこりと微笑んだ。
「ええ、ただしちょっとだけ条件があるの。」
「なんですか?」
「明後日、シャクラミにちょっと研究で行こうと思ってたのよ。もちろん時空魔法のね。一緒に来てくれる?」
どうしよう・・・。一瞬私の脳裏にヤグードの歪んだ顔とオークの下品な顔が浮かんだ。
「・・・その・・・ちょっとだけ考えさせていただけませんか?」
「クポッ!?帰るチャンスなのに何を言っているクポ!?」
静かに私達のやり取りを聞いていたモグタンが驚いた顔でこちらを振り向き、アリアさんがちょっと首をかしげる。
「あら?予定でもあった?」
「え、ええ・・・。もしかしたらあけられるかもしれないけれど。」
「そう、それなら無理にとは言わないわ。それならさっきの事は気にしないでね。
ちゃんと帰してあげるからさ。」
優しげな笑顔で彼女は私を見つめた。
「なんだか・・・ごめんなさい。」
私は深く頭を下げた。とても彼女の顔をまっすぐ見れそうにはなかった。
「何言ってるのよ。困ってる人を助けるのは冒険者として当然よ?」
自分のことしか考えていない私には耳が痛かった・・・。
私達はその後しばらくしてアリアちゃんのモグハウスを後にした。
結局、答えは保留のままだ。また誰かの好意に甘えてしまった。
なんだかヴァナに来てからの私は本当に誰かに頼りっぱなしな気がする。
きっと、私のようにこの世界に迷い込んでしまった人々の中で私以上に幸せな人なんていないだろう。
今ヴァナディールで私より幸せな人なんてきっと王子様のお嫁さんくらいだ。
「ご主人様?うかない顔してどうしたクポ?」
モグタンが心配そうな声を出す。
「そうね・・・。私このままでいいのかなって・・・。人に頼ってばかり。」
「別にそれは悪い事じゃないクポ。ご主人様は冒険者だけど冒険者じゃないんだから危険なことしなくてもいいクポ。」
ちょっと分かりにくいモグタンの慰め。うん・・・でも何だか悪い気がする。
私の問題だというのに私は何もしていない気がしてならない。実際何もしてないわけだけど・・・。
せめてみんなに恩返しが出来ないものだろうか。
「ご主人様は何でも内側に貯めすぎる人クポ!!考えすぎクポ!!」
「そうかな?」
私が軽く首をかしげるとモグタンは深くうなずく。自分ではそんなつもりは全く無いんだけれど。
「そうクポ。」
どうやらそう見えるらしい。
「だから気分転換に温泉クポ!サンドリアには温泉があるクポ!!温泉に入ってリフレッシュするクポ!」
「温泉!?ほんと!?あったかいお湯なの!?」
私は目を輝かせる!ウィンダスで水浴びはできたものの、やっぱりお湯じゃないとお風呂に入った気分にはなれない。
一体お風呂なんて何日ぶりだろう・・・。
「温泉だからあったかいクポ!」
モグタンがクルクル回転しながら言う。やった♪全身がふやけるまで今日はお風呂につかるぞ〜!
「なら早く行こう行こう!レンタルハウスまで競争〜!」
そう言って私は思いっきり走り出した。
後ろからずるいとか文句を言うモグタンの声が聞こえてくるがキニシナイ!
色々な考えを吹き飛ばすような気持ちで私は思いっきり走った。
そうね。もうちょっと甘えよう。その甘えている時間の間に恩返しの方法を考えるんだ。
私は力強く石の床を蹴ってさらに加速した。
以上です
>>181 ついに炎の壁まで・・・ゴブ好きなのでワクワクしながら続きを待っています
途中で送っちゃったw
>>195 刺激的な生活楽しみですw左腕がとばないことを祈っていますww
さて、周りが赤い鎧や黒マントで盛り上がっている中一人だけ
帰る手段を見つけかけていますwさて、これからどうしたものか・・・
>>203 百合姫をwktkさせちゃっているようなので続きを投下(`・ω・´)
番外編を含めて一気に投下させて頂きますm(_ _)m
「じ、実は俺、別の世界から来たんだ。」
「・・・別の世界?」
「そうそう、それでとある大型掲示板にあなたと出会った冒険者の話が書いてあって」
「・・・掲示板?」
「そこにあなたの風貌や名前が書いてあったから」
「・・・ふ〜む。」
「じゅあじゃあ、あいつのこと知ってるのけ?」
「・・・お前は黙っていろ。」
「え?だってぇ〜?」
「黙っていろ!」
「・・・グス」
「ブモォ〜」(慰めるような仕草)
「…あ、ありがとう(´・ω・`)」
「…で、お前は何をしているんだ?」
「これからジュノに行ってマック爺さんに会いに行こうとしている。」
「・・・ほぉ」
「・・・ところで、こっちも質問していい?」
「・・・なんだ?」
「あんた達、結構前にバルクルム砂丘からジュノに向かったんじゃなかった?」
「・・・・・・。」
「俺がこの世界に来るずいぶん前の話だけど・・・」
「そ、それは・・・」
「あ〜それはアニキが間違えてこっちの道さ来ちまって迷子になっちまったからだ」
「ば、馬鹿!正直に答える奴がいるか!」
「へぇ〜www」
「な、な、なんだ?その顔は。ひ、ひとを馬鹿にしたような面で見るな!」
「いやぁ〜硬い人かと思ってたけど案外可愛いところあるだなぁってw」
「か、可愛いってなんだ!?ひ、ひとをおちょくるなぁ〜!!」
「アニキ、可愛いよアニキ」
「お、お前まで〜##くぁw背drftgyふじこlp;@:「」###!」
「あはははははwwwwww」「ぶももももももwwwwwww」
久しぶりに爆笑した。あんなに笑ったのは本当に久しぶりだった。
いや、この世界に来て初めてだったかもしれない。
その後、ちゃんと話してみたら、風の噂で、別世界から来た、
いわゆる『来訪者』と呼ばれる冒険者が増えてきていることは知っていると言った。
けれど、モンスターになった『来訪者』なんて聞いたことは無いと断言されたorz
お、俺だって好きでモンスターになったんじゃないやぃorz
「ぶもぉ〜」…ありがとう、ブモ…俺頑張るよ(`・ω・´)
「お前もなかなか苦労してるだなぁ〜アニキ〜やっぱり一緒に行こうよ?」
「・・・お前が良ければ、別に構わんが。」
「ぷっ、ツンデレ兄貴ぃ〜」
「だ、だれがツンデレだぁ〜!!??」
「アニキ、可愛いよアニキ」
「き、き、貴様らぁ〜そこになおれ〜!!成敗してくれる〜!!!」
「うはwwwwぼすけて〜wwww」
「うばっっっwぼずげで〜っっっw」
「ぶもwwwwぶももも〜wwww」
「…弟よ、それまで真似するな・・・orz」
こうして、俺たちはPTとしてジュノに向かい始めた。
アニキはかなり不安なようだけどw
閑話休題。
道中は結構楽しく過ごすことが出来た。
弟のほうのゴブとは相性が良いみたいで
馬鹿な話でよく盛り上がった。(ブモとの相性も悪くない)
例えば、何か御伽噺や別世界の話を教えてくれとせかされたので、
よく見ていたVIPPERたちの話をしたら大層喜んでくれた。
両腕を肩に水平に伸ばし、そして、勢い良く走り出して、
「ブーーーーン!!」と叫ぶ歩行方法があると教えたら、
早速実践してくれた。
「ぶーーーーーん!!兄者、兄者、これテラワロスだぞ〜兄者もどうだぁ?」
「・・・バカタレめ」
「ツンデレ兄者、カワイス」
「せ、せ、成敗してくれるぅ〜そこになおれぉ〜〜〜!」
「ぶーーーーん!!」「ブーーーーン!!」「ブーーーーモ!!」
ってな具合で、大変りっぱなVIPPERゴブリン&大羊が出来上がったそうな。
めでたし、めでたし。
「めでたくないわっ!」
投下は以上です(・ω・)ゞ
ゴブPT(+羊)が出来上がり、ますますボケボケになりそうなオカン…
皆さんがどんどんシリアスモード全開なのに、うちの子たちは…
というわけで、しばらくこんな感じになりそうですwww
211 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/04/27(木) 00:17:22.45 ID:0cfsCHeS
皆様、投下乙です。
>>169 吹いたwwwwww
>>185 なんだかピュアなはじまりかたに、とても癒されました。
みんなアクの強い方々ばっかりで、私なんかはいつも肩身が狭いんです。
>>204 帰れる方法を発見!?
ふっふっふっ・・・。そうは問屋が卸しませんよ、お姫様(?)
>>210 “炎の壁”!!!!!
キタ――――(・∀・)――――!!!!
>>211 リードさん、キタ――――(・∀・)――――!!
勝手に『炎の壁』兄弟使用させて頂きましたm(_ _)m
こんな感じなってしまいましたが、如何でしょうか?(・ω・;)
>>212 べ・・・べつに私は嬉しくなんか、ないんですからね! (*'-')
投下お疲れ様です
>>162 アイアイヤー
リードさん怖いアルノヨorz
>>169 内藤きた!これで爆笑する!
内藤が出てくるのは想定外ですw
>>181 炎の壁きたー!
ブモ人気すぎwww修正しないでwwww
>>195 初投下お疲れ様です
次々と入ってきますねw
>>213 (`・ω・)<ツンデレりーどカワイス
大佐どのの言葉をしっかりと胸に抱き、
ゴブリン野郎B(ブモ)チーム、頑張って行きたいと思います(・ω・)ゞ
では保存していたモノを投下出来たので、また書き溜めの日々に戻ります!
>>203 【連携】温泉>モグタン=危
エロフラグ立っちゃうw
>>209 弟&ブモワロスwwwwww
>>213 ツンデレリードさんキター(・∀・)ー
展開むずいです
味丸がどう出るか、何を話そうか、などを脳内妄想wするんですがどうにもこうにも上手くいきません
どなたかブモモモヽ(;´Д`)ノ
じゃなくて、ボスケテヽ(;´Д`)ノ
「・・・もっと、この状況を楽しんだらどうかな?」
私はサンドリアティーの入ったカップに口をつけて、苦笑した。
一番リラックスしているのが自分というのも、可笑しさがこみ上げてくる。
「貴方たちに比べれば、私など取るに足らない人間だろうに」
愉快だ。実に愉快だ。
かつての仇敵同士が、同じテーブルを囲んでいるのだから。
ここは、次元扉をいくつか抜けた先にあるバルコニー。
私とアルドマルジド、セミ・ラフィーナ、そしてレップと名乗る来訪者。
四人は丸テーブルを囲み、スツールに座ってティータイムを過ごしている。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
正確には室内なのだが、壁や天井が透き通って外が見える仕組みだ。
眺めのいい風景から察するに、地上三階くらいの高さだろうか。
空から暖かな日差しが照らし、心なしか植物の匂いを乗せた風がそよいでいる。
守護戦士殿が頑として譲らない為に、私は鎧と盾を解除していた。
今は手近に置いてあったガンビスンを、袖を通さず肩に羽織っている。
国家の中心施設では、いささかワイルドな格好だ。
だが、エルヴジャーキンには大穴が開いてしまっている。ご容赦願おう。
>>216 はわわわ・・・
やはりレップさんの筆を止めてしまいましたか ((((゜д゜;))))
219 :
レップ ◆35//hs0Y0Y :2006/04/27(木) 00:58:53.18 ID:12OSXPjh
止まったわけではないんですw
何回も書き直しているだけなのでお気になさらずw
220 :
既にその名前は使われています:2006/04/27(木) 01:09:03.22 ID:0POvvigZ
お舞らはいったい何をやっているんだ?
私はシナモンクッキーとお茶をいただきながら、今までの経緯を話した。
自分が“イレギュラー”と呼ばれる、別の世界から来た来訪者であること。
リアルの時間軸で言えば、半年以上も過去に引っ張られてしまったこと。
かつて“赤い鎧”の命じるまま、フェイトたちの“リーダー”として活動していたこと。
初期メンバーの六人で、外から持ち込まれた物品や知識を破壊して回っていたこと。
そして、条件付とはいえ同胞を殺害して回っていたこと。
それは告白でも、懺悔でもない。
ただ淡々と、事実を語っているだけだ。
「この剣が、気になるのかな?」
私はレップに視線を向けた。
私が語る間、彼は無造作に立てかけられたエクスカリバーを見つめていたからだ。
「確かにこの剣は恐るべきものだが、個人の力など、たかが知れている」
だからこそチームで戦略・戦術を組むのが重要なのだ。
それを成しえたからこそ、暗殺任務や破壊活動を遂行できたのだ。
「この世界からの脱出方法については、私なりに調べたこともあったが・・・。
真実まであと少しのところで、私は命を落とした。いや、落としたはずだった」
今夜の投下は以上です。
情報の出し方が難しくなってきましたよ〜w
皆様投下お疲れ様です。
そしてまた新たな犠牲者が…嘘ですごめんなさいようこそヴァナへw
人様と接点を持てそうなときはなんとか絡みに行きたいですが…なかなか難しい。
とか言いながら怪しげなフラグを立てに行ってみるテスト。
でっかい湯船というのは、こうも日本人の心を安らげてくれるものなのか。
思わず女湯の脱衣所に入ろうとしたら、風呂場に続く扉を修理中のタルタルさんに驚かれて
しどろもどろしながら弁解する羽目になったり、改めて男湯に足を踏み入れ、
身体を洗おうとしたら蛇口はあるけど石鹸がなくて、ちょっとがっかりもしたけれど。
「はぁ〜……ごくらくごくらく…」
朝風呂に勝る贅沢はない。しかも朝だけあって人がいないから事実上貸し切り。
すばらしい。ひとりきりなのを良い事に、思わず歌なんか歌っちゃったりして。
あの歌手のあの歌が、低音部まで楽に歌い上げられる。悪くないじゃん男の身体も。
くそー、吟遊詩人37でやめないでもうちょっと頑張ってればよかったw
湯船のふちに背中を預けて、壁面の風景画を見上げる。
どこの景色なんだろう。なんとなく、ヴァナ・ディールの景色ではない気がする。
日本のどこかの山奥みたいな…これもこの世界に迷い込んでしまった人が描いたんだろうか?
もしそうなら、その人は無事に帰ることができたのか、それとも…。
どう頑張っても、明るい結末は見えてこなかった。
帰ろうとしたら番台さんに引き留められて、アップル・オレを一本頂いた。
ついでに私の歌声は番台さんのところまで聞こえていたらしく、
「リアル」の歌なの? とかもっと聞かせて、とかかなり絡まれてしまった。
このへんの人達って、もう割と「リアル」から来た人の存在を受け入れてるもんなのか…。
その割にはなかなかご同輩には出会えない。世の中、なかなか上手くはいかないものである。
そういうわけで、私は何事もなくモグハウスへと帰ってくることができた。
「じゃ、鞄の整理するんで、おちついたらサポ変えよろしくね〜」
とは言うものの、サポジョブを白から黒に切り替えるだけなので、
その準備もダークトルクを取り出すくらいのもんであるが。
変わりに短剣類を金庫に仕舞い、色とりどりの属性杖はちょっと考え込んでから
鞄に次々と突っ込んでいく。戦利品を入れる隙間がほとんどなくなったけれど、
今日の所は戦利品が入るような戦いをするつもりもないので、これでよし。
エラントシリーズの手足と、一種類だけ持ってる赤のレリック脚に、
胴着はワーロックタバード、最後にワーロックシャポーを頭に載せて。
「さて…マクロテストいってみよう」
かつてゲーム内でRPの一環として台詞入りで組んでいたマクロを、
今度はマクロの起動キーそのもの、言霊として口の中でそっと唱える。
"白き祈り" 精神力を研ぎ澄まし、地のはるか深くを流れる輝きをより強くつかまえる。
"万象の加護" 地上へと昇った輝きに連なる自然の力に、守ってくださいとお願いする。
"黒き願い" あまねく存在する属性の力を、より深く理解し自らと結びつける。
"彩なる怒り" "万象の刃" 理解した属性の力から、破壊する現象を取り出す。
"眩き拒絶" 歪んだ生を否定し、闇を斥ける光を解き放つ。サポ黒のため出番はない。
"真暗き慟哭" 蝕み、簒奪し、磔にし、正しきを貶める呪詛。所謂暗黒ブーストである。
唱えるたびに、耳鳴りと熱が身体の各所にともったり消えたりを繰り返し、
時には目の前が白んだりもして、その度に自分の姿を確かめる。
「うん、魔法系は問題なしかな」
さて次は白兵戦向けの、と思い、イメージを練る。
そうして言霊を唱え――ようとして、何の言葉も浮かばなかった。
「…あれ?」
一生懸命記憶を探る、探る、探る。そうして、思い出した。
「殴りマクロって6行フルだったから台詞ないじゃん…」
つまり、起動キーがない = 殴りマクロが使えない?
それは困る。というか本当は台詞なしでマクロを動かす正式なやり方とかがあるのかな?
「…モグさん、これどうしよ……う?」
先程からずうっと静かなモグさんに声をかけようとして、異変に気付く。
モグさんは、空中ではばたくこともなく、その場に静止していた。いや、モグさんだけではない。
暖炉にくべた薪がはぜる音がしない。炎の揺らぎも、止まっているように見える。
「なにこれ、モグさんどうした? 大丈夫?」
立ち上がってモグさんの肩に手をかけ、動かそうとしてみた瞬間。
「―――!?」
突如生まれた得体の知れない気配に、私は冷たい手で心臓を鷲掴まれたような錯覚を覚えた。
ここまでです。
ルーファス氏の銭湯ネタを拝借しつつ、
時間軸が微妙にサンド滞在中の他のかたと前後してます。
少なくとも、ユリフィナさんがお風呂に来たときよりも後、とだけ明記しておきます。
時間の密度が濃くて実は連続魔のリキャストも終わってないという…orz
「何故ここに呼ばれたか、お分かりですか?」
直接聞いた事はなかったが、ヴァナの冒険者なら誰もが知っている有名なセリフだ。
それは、顔まで覆ういかつい甲冑に身を包んだ騎士だった。鎧は赤かったが、逆光に眼が慣れても、おれには黒く思えた。
おれは黙っていた。
好意的に考えれば、エリアのポケットにはまり込んで抜けられなくなったおれを助けに来てくれた、という線もあるだろう。
しかし、それはない。直感がそう告げている。だって、この赤騎士は、全てが禍々しすぎる。
赤い騎士は、こちらが答えられないと判断したらしく、無機質に言を継ぐ。
「不正データの返却をお願い致します」
不正データ? 何の話をしてるんだろう。強いて言うならおれ自身が不正データかもしれないが……
騎士はこちらに手を差し出してきた。なんだ、不正データっていうのは、手渡せるようなものなのか?
ということは……
「これの事、か?」
チタンのごつい腕時計を示した。
「ご協力に感謝します」
こちらに従う意思ありとみたのか、半歩踏み出す。騎士の言葉はいちいち慇懃だ。が、どこか神経を苛立てる響きがある気がしてならない。
「──これの元の持ち主はどうなったんだ?」
おれは気圧されるように後退ると、尋ねた。
「それは規則上、私の口からお教えすることはできません」
騎士の返答はやはり平坦で、何の感情も感じさせなかった。
「これを返せば、おれをリアルに返してくれるのか?」
おかしい。こいつの言うとおりにしてはいけない。耳の先から尻尾の先端まで、体中のあらゆるパーツが警鐘を鳴らしている。
時計を、手に巻いて文字盤を包むように握り込んだまま、もう一歩、二歩下がる。
「そのデータをお渡し頂ければ、この一件に関連した記憶の一切を消去させていただいた上で、ヴァナ・ディールでの冒険を引き続きお楽しみ頂けます」
ざわり。背中の柔毛が総毛立つ感覚。どうしたんだろう、こいつはリアルの人間のはずなのに、人間同士の会話が出来ていない気がする。
「なんだよ、それ……。おれはリアルに帰りたいんだ。帰らせてくれよ、お前らが作ったゲームだろ」
やばい。逃げたい。騎士が視界全てを覆って膨れ上がるような錯覚。だけど引き下がる訳にはいかない、死ぬ思いをしてここまで生き延びて、ようやく見つけた蜘蛛の糸なんだ。
「例えば貴方が自動車を運転して事故を起こしたとして、それは自動車メーカーの責任とは必ずしも言えません。その大半は運転者自身に責任がありますよね。同じように、この件はわたくしどもの企業責任外の事件であるとご理解の上ご協力を頂いております」
どんな言い草だよ、助けてくれよ。おれは帰りたいんだ。
「それはわたくしどもの担当分野ではございません。ログアウトした上で、サポートセンターまでメールにてご連絡いただけますよう、よろしくお願いいたします」
後退った足が思わず一歩前に出る。こいつ、何をとんちんかんな事言ってやがるんだ。
「ふざけんなよ、それが出来ないから言ってるんだろ! こっちは金払ってるんだぞ!? こんな狂った世界はもうまっぴらだ、こんな自由のない世界は……」
「思い上がるな。家畜の分際で」
え……なに?
声のトーンがあんまり違うので、同じ騎士の口から出たものと一瞬認識できなかった。
「我々は最高のゲーム、世界、デザインを提供している。お前達はただ黙ってその対価を支払っていればよいのだ。お前達がそれをそう感じないなら、それこそが既に回避すべき不具合なのだ」
騎士は相変わらず不動のまま言を紡ぐ。
理解できない。思考が理解を拒む。何を言われているんだ、おれは。
「さぁ、そのデータをお渡し下さい。お渡しいただけないなら、わたくしどももそれなりの対応をさせて頂きます」
おれが黙ったので、騎士は元の慇懃な口調に戻ると、威圧的な態度はそのままに、再び「不正データ」の引渡しを要求してきた。
この時計が不正データ? どうして。
おれはふと、それが気になった。
「どうして、こんなものにそこまで執心するんだよ。活用されるとゲームが簡単になって延命出来ないからか?」
これがチタンだからか? 確かこの世界、鉄とかアルミはあるけど、ステンレスとかチタンはなかった気がする。
騎士は沈黙して答えない。こちらには色々と要求しておきながら、向こうからは一切の譲歩をしないつもりらしい。
いや、まてよ……。閃きが呟きとなって、口から漏れ出た。監獄に無理矢理呼び出して、こちらが言うことを聞くまで閉じ込めて出さないっつう、お得意の手は使わないんだな。
「……そうか、こいつのせいか」
時計を握った左手を掲げて眺める。リアルから流れてきた品物は、この世界の法則を狂わせる。仮説にもならない出鱈目だが、全くのあてずっぽうではなかったらしい。
「貴方を不正ユーザと認めます」
カチャリ、と小さな音を立てて、騎士の手が腰に伸びた。
「図星かよ、それならそうと……」
言い終えるのを待たずに騎士の右手が振りぬかれる。絶対の存在感を持った赤い刃が、おれの胴に横薙ぎに迫る。
躱しきれない。おれは反射的に飛びのきながら、腰に吊った剣で受けようと、柄を左で逆持ちに握り締めた。
キン、と鋭い音を立てて、左手が軽くなる。
「え?」
左手に残る頼りない感覚に、思わず漏らした。
まるでガラス棒みたいに、剣が根元から折れている。折れた断面から泡になって、存在がほどけていくのが見えた。
切っ先が腹を皮一枚裂いて、ローブの隙間から血がにじんだ。
うそだろ、どんななまくらだよ。おれのジャドプラーテ……
騎士が続けて真紅の剣を振り上げる。
おれの胴が真っ二つにならずに済んだのは、単純にこいつの踏み込みが浅かったからだ。
おれは恐怖に任せて、後の事など考えずに右に跳んだ。
派手に転がってどうにか起き上がると、まるで豆腐でも切るみたいに、剣が床にめり込む様が見えた。
緩慢な動作で身を起こして向き直る赤い騎士と、固まったまま動かないアマルダを交互に見た。ここは駄目だ。
戸口は騎士の剣がギリギリ届くか届かないかの位置にある。
おれは起き上がる間も惜しんで四つんばいのまま、ゴキブリみたいに外へと転がり出た。
やってられるか、こんなワンサイドゲーム。
いじょです(`・ω・´)ゞ
銭湯……入りたかった(´;ω;`)
233 :
83 ◆W0QmuTI9lM :2006/04/27(木) 07:43:08.18 ID:M3KpArvE
保守なのです。
>>サン氏
ほう。カノンシェルぶっ放しておきながら暴れていない・・・と?w
ちょっと、話し合いの余地がありそうですね(微笑
いつの間にかニアミスしてたのか・・・。
タル♂がエロなのは仕様です。
・・・本当はレズビアンなタル♀の予定が、何を間違ったかこういう方向に。
百合姫は帰る手段を見つけ、Lead氏は歓談中。
そして赤鎧と交戦中な609氏に、遭遇直前のFurcifer氏。
新人さんも来られ、羊に主人公の座を奪われ。
もうね、みんな わっふる わっふる!
234 :
既にその名前は使われています:2006/04/27(木) 07:47:39.73 ID:0POvvigZ
書いてる人多すぎてブモ組みとそれ以外の区別がつかなくなってきたんだが俺だけ?
235 :
既にその名前は使われています:2006/04/27(木) 10:08:24.26 ID:xL3FNSlN
名前見て区別するしかないね。
236 :
既にその名前は使われています:2006/04/27(木) 10:20:38.49 ID:+icSTb+8
>>234 あるある…
まとめサイトとスレを往復なんて日常茶飯事
237 :
185 ◆ajBPG2hnCs :2006/04/27(木) 11:31:58.57 ID:d4v1HAz9
>>234 あるある。
なにぶんほぼ携帯からしか見ることも書き込みもできないので
過去ログやまとめサイト参照しながら書くとかは難しく…
話に矛盾が出てきそうでどうしようかと思ってます(´・ω・`)
パソコンから書ければなぁ…
さて、保守がてら投下します
238 :
185 ◆ajBPG2hnCs :2006/04/27(木) 11:34:29.24 ID:d4v1HAz9
「そうだ、ご飯出来てるクポ!すぐ用意するクポ〜」
「ありがと」
モーグリが朝食を用意してくれている間に、わたしはメープルテーブルと
ふたり分のイスを用意した。
モーグリ用のイスは、子供用のイスのように座席がかなり高くなっている専用のイスだ。
先にイスに座って待っていると、すぐにモーグリが料理を運んで来た。
ウィンダス風サラダ、パンプキンスープ、白パンがテーブルの上に並べられる。
ほかほかの湯気をたてるスープと焼きたてのパンの香りが、食欲をそそる。
「わぁい♪いただきまーす」
「どうぞクポ♪」
スープを一口飲んでみると、カボチャの甘みとコクが口いっぱいに広がった。
おいしい。やっぱり合成よりも調理した方がおいしい料理が作れるんだろうか?
239 :
185 ◆ajBPG2hnCs :2006/04/27(木) 11:34:53.49 ID:d4v1HAz9
この素晴らしい朝食を色んな意味でしっかりと噛み締めていると、
モーグリが単刀直入に聞いてきた。
「ご主人様はこれからどうするつもりクポ?」
「…うーん、まだわかんない」
正直な気持ちを口にする。
刺激的な生活もたまにはいいかな、と思ったりもしたが、
もちろんいつまでもこちらの世界にいるつもりはない。
できればすぐにでも元の世界に戻る方法を探さなければいけないのはわかってはいるが、
なんだか怖かった。元の世界に戻る方法を探すうち、赤い鎧や黒マントの奴らに
わたしの存在が感づかれてしまったら…たったひとりで何が出来るんだろう。
かといって、何もせずにこちらでの生活を淡々と過ごすうち、
こちらの世界に完全に取り込まれてしまったら……
……お母さん、心配するよね。お父さんも。
帰らなきゃ、いけない。わたしの居場所はここじゃない。
240 :
185 ◆ajBPG2hnCs :2006/04/27(木) 11:35:21.27 ID:d4v1HAz9
「まぁ、リアルとかいう世界とは勝手が違うだろうしクポ…
いきなり元の世界に戻る方法を探す旅をしたらどうか、なんて言えないクポ。
始めはゆっくりでいいクポ!モグはいつでもご主人様の味方クポ」
暖かいモーグリの言葉に、思わず少し涙腺が緩んだ。
「ありがとね、モーグリ…」
「気にしないクポ♪あ、あとモグのことはモグでいいクポ」
「うん、わかった、モグ」
さっきのように、またふたりで笑い合った。
モグがいてくれて良かった。モグがわたしのモグハウスのモーグリで良かった。
朝食を済ませ、さて、今からどうしようかと考える。
まだ勝手がわからないのにいきなり外で実戦してみるのは危ないし、
まずは街の中をぶらぶらしてみようかな。
241 :
185 ◆ajBPG2hnCs :2006/04/27(木) 11:35:42.34 ID:d4v1HAz9
そうと決まれば、と着替えを始めた。
戦闘するつもりはないから、いつも街着として着用していた羅刹一式を着込む。
それにしても、本当にリアルの自分と比べて自キャラのミスラはスタイルがいい。
着替えていると否応なしに視界に入ってきて、少し落ち込む。
でも、今はこの体が自分のものなんだな、と思うと嬉しくもある。
やっぱりこちらでこの体のまま暮らそうかな?
…って、冗談冗談!
242 :
185 ◆ajBPG2hnCs :2006/04/27(木) 11:38:31.20 ID:d4v1HAz9
投下終了です〜。
なんか話がなかなか進展しないw
243 :
NO.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/27(木) 11:54:56.94 ID:xL3FNSlN
暗闇の中、パチパチという火の音が聞こえる。
ゴブリンザクと羊と子供は寄り添って居眠りをはじめ、
焚き火にまきをくべる僕と反対側に座るゾルドフ、
ココア(正確にはクルル豆の甘いだし汁)をチョーさんが振舞ってくれる。
それをついで回るセリスさん。
tamiさんたちはマントで包まりあって一緒にココアを飲む。
「なかなか焼けないね」僕はつぶやく。
「この焚き火に羊の肉を突っ込んでいるとなぜかガルカンソーセージになる」
そういったのはゴブリン。
「・・・ソーセージ作る意味ないじゃん」
僕とゴブリンの努力は何だったのだろうか。
244 :
NO.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/27(木) 12:00:04.60 ID:xL3FNSlN
僕が膨れるとtamiさんたちが笑う。ぶーーー。
「まぁ、チョーの酔狂だからな」とゾルドフが苦笑する。
「ひゃははは。そんなこといっても有給なんて取ったことないじゃないかゾルドフ」
調子のよい若い傭兵、セリスさんは楽しそうに言う。笑い声がわざとらしい。
「ガルカンソーセージを焼く冒険者がめっきり減ってなぁ・・・」
たまには食いたくなるんだよとチョーさんが言うが、
ガルカンソーセージはどっちかというとガルカの舌のほうにあう食べ物だ。
黒こげ肉が好きなゾルドフはともかく、
ヒュームより生肉を食うガルカの嗜好にあうとおもう。
そのことを指摘すると彼はにっこり笑った。
「ガルカンソーセージの最大のご馳走はな…。
味じゃない。皆で焼けるまで待つ"時間”なんだ」
今夜はヒュームとガルカとゴブリンと羊とクゥダフが同じ焚き火を囲み、
同じご馳走ができるのを待っている。明日は殺しあい食い合う仲と知りつつも。
245 :
NO.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/27(木) 12:07:17.16 ID:xL3FNSlN
「そういえば。ロック、いまどき前で殴りあう赤魔道士って珍しいと思わないか?」ゾルドフが言う。
チョーさんがよせというのが聞こえる。セリスさんが苦笑する。
セリスさんが一言「たるっこだから戦う相手になでなでされそうだねー♪」
一瞬女声になって聞こえた。タダでさえ彼の声は男にしては高い。普通に女と思われてもおかしくない。
「夜勤でPTが組めなくて…盾がいないから仕方なく…」僕は一瞬「しまった」と思った。
「夜勤?兼業でもしてるのか?」ゾルドフが苦笑する。
「酒場とかで歌ったり占いをば」といって誤魔化す。まったくの嘘ではない。
「よーするに冒険仲間を募集する際、盾役がいないから自分がという発想か」
まったくそのとおりです。ハイ。
246 :
既にその名前は使われています:2006/04/27(木) 18:15:22.65 ID:+icSTb+8
hage
247 :
既にその名前は使われています:2006/04/27(木) 18:56:49.46 ID:0POvvigZ
248 :
既にその名前は使われています:2006/04/27(木) 21:26:36.47 ID:0POvvigZ
サンとマ○ンコしたい。
249 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/04/27(木) 22:59:39.64 ID:0cfsCHeS
投下乙であります。
>>227 逃げてーーーー!((((゜д゜;))))
>>232 赤い鎧ツエェェ! セリフがイカス!w
その既知外さは想定外!
>>242 携帯からの投下だったのですね。
すっきり読みやすいし、ぜんぜん気づきませんでした〜。
>>243 ザク! ザクになってるyp!wwww
>>248 残念な事に私(躯の身体)にその器官は備わっていないwww
女装してはいるが男だと何度言えb
そろそろぶっ飛んだ内容になってしまいそう…飛んだ方向にやりすぎそうで【恐れ】
「誰かの私を呼ぶ声がして、気がついたら墓場だったわけですが」
私は続けた。
「一つ言えるのは、死はこの世界からの脱出方法ではない」
つまり。
この異世界で命を奪われたイレギュラーたちは、そこで“終わり”という事。
帰ることもできず、身は朽ち果て魂は消え去るのだ。
「“赤い鎧”は、少年のような老人。いや、老いた少年かもしれない」
私はカップに口をつけた。
・・・冷めている。
少々、一方的に話しすぎたようだ。
壁ぎわに控えていたミスラに、お茶のお替りを頼んだ。
「彼は自らを神の代行者と名乗ってはいるが、全知全能ではない」
私は愛剣にそっと手を添えた。
「創り出すことやほんの少し変更を加えることはできるが、在るものを無かったことにはできない」
そこで言葉を区切り、私はアルドマルジドに視線を向けた。
私にはわかる。
今、貴方は院長や軍司令官としてではなく、一個人として話を聞きたがっている。
好奇心と探究心に、激しく心が揺さぶられているだろう?
貴方もまた、一人の冒険者なのだ。
「だから“赤い鎧”は、自らやフェイトの力で破壊、抹殺という手段をとらねばならない」
私は悪魔のように優しく微笑みながら、彼の期待を裏切って話題を途切れさせることにした。
「まぁ、いいでしょう。つまらない話です」
セミ・ラフィーナはじっとこちらを睨んでいるが、アルドマルジドの手前、乱暴な手段には出られないだろう。
私はシナモンクッキーを一つ摘んだ。
「血と肉と骨と鋼。あの頃の私には、そんな記憶しかないのだから」
いい香りのクッキーだ。アルドから戴いたクッキーに勝るとも劣らない。
水の区の、ララブのしっぽ亭から取り寄せたらしい。
夕食はそこで取ることにしてもいいだろう。
それよりも、と私は、隣に座っているレップに水を向けた。
私だけ話すのも不公平だ。
レップという名のタルタル。彼も、私と同じ来訪者だ。
この世界の住人か、イレギュラーなのか、私には気配でわかる。
彼も、いずれひと目で見分けがつけられるようになるだろう。
「君の話が聞きたいな。君は、どんな経緯でここに?」
254 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/04/28(金) 00:22:28.61 ID:nhV+33P+
今夜の投下は以上です。
そういえば、ジュノで暖炉に投げ込んで以来、モーグリと会っていません。
生きてんのかねぇ・・・うちのモーグリはw
>>210 ますますボケボケ大歓迎ですw
ボケボケほのぼのたのしみにしています
>>211 ちょwww素直に帰してwwwwww
なんだかダークサイドもかっこよくていいです。シリアスな展開にwktk
>>227 死亡フラグキタコレ!w ピンチを無事切り抜けられますように
>>232 生きて帰って銭湯はいりましょうw 赤い鎧つよいなぁ・・・。
>>242 あるあるあるあるあるwwww
>>244 そういえばガルカンソウセージを作ったのは一体何年前だろう・・・なつかしいです
私が泣いていた。何故泣いていたのかは分からない。
母は困った顔でしばらく私をなだめていたが、しばらくするとキッチンへと引っ込んでしまった。
私の目の前には一枚の葉書があった。成績通知書。大学五年生になる運命を知らせる悪魔の招待状。
一年次の必修科目をまた落としたので、もう一度三年生をやりなさい。
三年生をもう一度やるということはつまりは大学に五年通うということだ。
そう、私はこれを見て泣いていたのだ。今はもう、涙も枯れ果ててぼぉっとその紙切れを見つめていた。
「ただいま。」
聞きなれた中年男性のどこか疲れたようなけだるい声が玄関から聞こえてきた。言うまでもなく父だ。
他の人よりも一年多く子供の為に学費を稼ぐこととなった父・・・。
父の足音が近づいてくる。もう、私が進級できなかったことは母から知らされていることだろう。
足音はいつもよりもはるかに乱暴で明らかに怒気を含んでいた。
私が慌てて立ち上がりどこかへと駆けようとする。この時私は自分の部屋へと逃げ込もうとしたのだ。
しかし、私が逃げるよりも早く父がリビングへと現れた。
「あっ・・・。」
情けない声を上げる私。
私が泣きそうな顔をしながらその場でほうけていると父は私の顔を見ずにぶっきらぼうに言った。
「また、とれなかったらしいな。」
「・・・うん。」
なんとかそれだけ答える。
「これからどうするんだ?」
知る訳が無い。こっちが聞きたいくらいだ。なんで・・・なんで!!なんであんなに頑張ったのに!!!
どうして進級できないの!?私はどうすればいいの!?
「・・・わからないよ!知るわけ無いじゃない!!どうすればいいのよぉ!!私はどうすればいいの!!!!」
私は思わず叫んでいた。もう、何がなんだかわからなかった。ただ、叫びたかった。
どうしても落ち着かない心が私の体をも支配して何もかもがもう滅茶苦茶だった。
「助けてよお父さん!どうしたらいいの!!ねぇ!!!どうしたらいいのぉ!!!!!」
私は父に抱きつきひたすら泣き続けた。
ぱんっ!
突然、左ほほに痛みが走った。その場に私はへたれこむ。ドクン、ドクンと心臓の鼓動にあわせてヒリヒリと左ほほの痛みがどんどん強くなる。
私が父に殴られたと気がつくのには随分と時間がかかった。
「お父さんに出来ることは学費を払ってやることだけだ。他の事は自分で何とかしろっ!わかったな!!」
普段温厚な父に怒鳴られたのは一体何年ぶりだろうか。子煩悩な父に手を上げられたのはもしかしたら初めてではないだろうか?
父は食卓にどっかりと座り込み不機嫌そうに夕刊を読み始めている。その行動はまるで新聞以外見る気がしない、だめな娘なんて視界に入れる気がしないと
言っているようだった。父に、見捨てられた気がした。
また、ぶたれた頬が痛み出した。きっと赤い手のあとが出来てしまっているであろう熱くなった頬をまた涙が伝った。
「お父さんのバカッ!!!もうイヤッ!!!!!」
そうだ・・・私はあの日、酷い八つ当たりをして私は部屋に逃げ込んだんだった。
辛いのはきっと父も一緒なのに。お父さんは何も悪くないのに一年多く学費を払わせてしまう。父が私のために汗水たらして稼いだお金を
私が無駄に、しかも大量に浪費してしまう。悪いのは全部私だ。それなのに私ったら・・・。
私は部屋で落ち着くまで再び泣いた後に気分転換にパソコンに向かった。
パソコンを起動して「朝起きたら自キャラになった」というスレを見つけて・・・
本当にヴァナに逃げ込めたらいいのにって思ったんだ。
「・・・夢?」
私はむっくり起き上がった。隣にはぬいぐるみのようなモグタンがいる。やっぱり一人で寝るのが怖かったので、
一緒に寝てもらったんだっけ。
時間はまだ午前4時で早朝もいいところだ。
「私・・・思い出した・・・。」
なぜここに私がいるのか。ここに来る前に何があったのか。全部思い出した。
私は逃げ出したんだ。父から、現実から、そして自分から。
突然、胃から何かがこみ上げてくるような不快な感じに襲われ、全身がガタガタと震えた。
私は裸足のまま慌ててトイレへと駆け込み胃の中身を思いっきりぶちまけた。何度も何度も吐いても不快感は取れない。
吐けば吐くほど胃と喉がヒリヒリと痛むだけで一向に気分はよくならなかった。
「・・・怖いよ。」
怖い。私はそう遠くは無い未来に時空魔法で現実に帰れるはずだ。それもただぼーっとしているだけでだ。
だけど現実が怖い。帰ることが怖い。私は帰ってからお父さんにどんな顔をして生きていけばいいの?
散々迷惑かけた挙句に行方不明。
・・・そうだ。シャールカーンさんに会おう。彼ならきっと私に優しく接してくれる。いいんだ、
私はここで生きていくんだ。布を売って生活費を稼いでモグタンと、そしてできることならシャールカーンさんと
一緒にヴァナで生きていくんだ。
以上となります。もともとアリアさんの家を教えるだけのために現れたはずのシャールカーンが想像以上に重要キャラになってしまって困っていたりwくっそー、調子に乗りすぎたw
>>254 24時間くべればモグリンソーセージニなりますよw
261 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/04/28(金) 01:47:52.28 ID:nhV+33P+
>>260 乙でございます。
寝ようと思ったら、タイミングよく投下するんだもんなぁw
シャールカーンさん、あんなにいい男でちょっと可愛いところもあるならきっとゲフンゲフン
私信:レップさぁん。さぁ、経緯を語るのだ!w
わっふるわっふる!
皆様、投下お疲れ様であります(・ω・)ゞホントに皆さんブモがお好きなようでw
ボケぼのした感じとシリアスを繰り返しながら進めていこうかと思います。
当初の予定(最終まで決めてたりw)から大幅に方向が変わったので
おもいきってノープラン状態にシフト変更しようかと(−−;
と、愚痴をこぼしつつ投下いきたいと思うであります(・ω・)ゞ
「…ところで、お前の名前、なんていうだぁ〜?」
突然のこの質問に正直戸惑ってしまった。俺は自分の名前を知らなかったのだ。
こっちにきた時にはボンヤリとだが覚えていたような気がするのだが、
今ではすっかり忘れてしまっていた。誰かに呼ばれることがなくなったのと
この姿、ゴブリンという体に馴染んでしまったのが原因ではないかと思う。
そうだとするとこれは不味い事になる。
徐々にこの世界に馴染み、この体に馴染んでいっている自分がいるということは、
それだけリアルの世界のことを忘れていっているという事実であるからである。
親、兄弟、友達その他、色んな人の顔を思い出そうと頑張ってみる。
しかし、その努力に反比例して徐々に焦りだけが浮かび上がってくる。
思い出せない。
俺がどれだけこの世界に蝕まれているのか、
不安ばかりが増していき、顔から血の気が引いていくのがわかった。
そして、比例していくように目の前の光景が遠退いていくのを感じた。
「…お、おい?大丈夫かぁ〜?」
「どうした?何があった?」
「ぶもぉ〜!!」
炎の壁兄弟とブモの姿が徐々に小さくなっていくのを最後に俺の目の前は白くなった。
「…ん…ぅ…ぅぅぅうん…」
「お、ようやく気付いたようだね。気分はどうだね?」
「…ん?ハッ!ここは?それに俺はどうしてここに?」
目覚めると俺は白いベットの上で寝ていた。
周りを見渡すとそこは病院のような内装でほかにも同じようなベットが数台並んでいた。
「大丈夫だよ。まぁ〜落ち着いて。すぐに友人たちも来るから。君、彼らをこちらに」
「はい。」
白い服のエルヴァーンと思われる男性が誰かに指示を出していた。
指示を出された小間使いはそのまま部屋を出て行った。
俺はぼんやりと覚醒していない意識のまま、その姿を追っていた。
「ああ、そういえば申し遅れていたね。僕はモンブロー。よろしくね。」
「あ、よ、よろしくお願いします。」
「あはは、そんなに畏まらなくてもいいよ。」
「はぁ〜…」
「そして、ここは僕がジュノ上層部で経営している病院だ」
「ジュノ?」
「ああ、そうだよ。」
「え?え?お、俺はどうやってここに?」
「君はパシュハウ沼で気を失ったようだね。」
「は、はい。そこまでは覚えています。」
「僕が診たところ、精神的なショックによる卒倒だと思われるから
肉体的には問題無いから安心したまえ」
「は、はぁ〜…そうなんですが…ありがとうございます。」
「おっとお礼を言うならご友人たちに言うんだね。」
「…え?」
「君のご友人たちが頑張って、ここまで運んでくれたから僕が診ることが出来た。
もう少し遅ければ、ほかの症状と合わさって危険だったかもしれないからね。」
「……。」
「…ところで」
「はい?」
「君は、自分の名前を覚えていないそうだね?」
「…はい」
「ゴブリンを診察するのはジュノでは珍しいことではないのだけど、記憶喪失のゴブリンなんて
そうそう診れないからね。医師として、そして一研究者として興味深い研畜…
ごほんごほん…患者としてほっとけいないのだよ。」
「は、はぁ〜…」
「どういう感じに意識を失ったのだね?」
「思い出そうと頑張っても思い出せなくて、焦っていくうちに徐々にって感じでした…」
「そうか…ほかには?」
「それ以外は特に覚えていないです…」
「ふむ…これは無理やり思い出せようとすれば同じ事の繰り返しになりそうだね…」
「ただ…」「ただ?」
「なにかに抑えつけられているような、そんな感じに記憶が遮断されているような気が…」
「それと…実は俺、ゴブリンじゃないんです…」
「え?!」
俺は事の顛末をモンブロー先生に聞いてみることにした。
もしかしたら何か手がかりを得られるかもしれないと思って。
今回は以上であります、軍曹殿(・ω・)ゞ
皆が先に行ってるので一気にkskしたい自分がいた。今も反省していない。
けれどまだまだ追いつけてない自分ガイル…orz
>>267 ぐはっ…添削ミスが…
>>俺は事の顛末をモンブロー先生に聞いてみることにした。
『聞いてもらうことにした。』に脳内変換お願いしますor2
270 :
NO.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/04/28(金) 02:38:48.02 ID:o+rpM6al
無事夜勤より帰還。れすがついていて嬉しい。
うーんPことロックの冒険はこの平和なエピソード群が終わったら、
後はデカイ戦闘数回してエンディング予定なので、
なんで現代人の意識が入り込んだたるっこが、全然関係ないはずの世界の、
明らかに愛国心の沸かない所属国ですらない国を護るべく戦うのかという理由付けができないので、
とりあえずここで普通の(貧乏?)冒険者ライフを行わせることにしました。
無邪気に見えて冷徹かつニヒルなたるっこと他の面子とのやり取りをお楽しみください。
あとこの物語では赤い鎧の出てくる余地はないようです。
Pはデカイ事件に巻き込まれてはいますが、普通の冒険者として行動してますので。
妙に切ったはったに抵抗感を感じないのは元のたるっことほぼ同化しているためです。
271 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/04/28(金) 02:48:01.26 ID:e4I7I3Ov
皆様投下乙です!
5日時間を流そうと思ってましたが、予定変更しましたw
少しばかり投下します。
(152)
「なぁ…さっきから考えてたんだけど」
龍王ランペールの墓に入りかけたところで、俺がラディールに声をかけた。
あたりは既に夕闇に包まれ始めている。
「赤い鎧と戦ってたときに誰も来なかったの、気にならなかったか?」
「それはそういう力があるんじゃないのかしら」
「それなら、俺はともかくラディールやエルリッドが動けていた理由はなんだろう?」
ラディールがはっとしたような顔をする。
「最初襲われたときにもそうだった。わざわざ他の人間を寄せ付けなくしておきながら、エルリッドは問題なく戦えていたし、ラディールも途中で駆けつけてきた」
「さっきもそうだったわね…」
「連中が万能でないのはさっき戦ってわかったけど、他の人間と2人は明確になにか違う点があったという事になる。んでもって、俺が知る限りで2人の共通点と言えば…」
「あなたと関わったこと」
俺は黙って頷いた。
「で、ここからは想像の話なんだが…宰相やクリルラは、もしかして同じ様に動けてたんじゃないか?」
ふぅ、とため息をついたラディールはなんだか不機嫌な顔になった。
「それは、今逃げる途中にしなければならない話かしら?」
「あぁ必要だとも。場合によっては逃げちゃまずいかもしれない」
(153)
「宰相やクリルラ、それにこの数日で俺に関わった人間全てが危険なのかもしれないって事だ」
連中の標的は『来訪者』に限らず彼らの管理下で収まらない物全てである可能性が高い。
もっと早く思い当たるべきだった。
「騎士団は俺達が逃げると思ってる。少なくとも、宰相はそう伝えるはずだ。恐らくロンフォールからラテーヌに向かったと。なら逆にサンドリアに戻っても見つかる可能性は低いのかもしれない」
「無茶苦茶ね、見つかったら今度は騎士団と戦うつもり?」
「必要ならな。そうならないようにするのは俺達の努力次第だろ」
「馬鹿げてるわ…騎士団の捜索を免れて、さらに騎士団のトップや宰相を守ろうなんて出来るわけないでしょう?」
「現実的じゃぁないかもしれないが、今更俺を狙う連中が増えたところで大して変わりゃしない」
俺は肩を竦めながらお手上げのポーズをしてさらに続けた。
「馬鹿げてるなんて、俺にとっちゃ今の状況自体が既に馬鹿げた事なんだよ。そうだろ?」
ラディールは話にならないとでも言ったように、俺と同じ様に肩を竦めてお手上げのポーズをした。
「それに、世話になった恩は倍返しってのが俺のモットーでね」
「私も期待していいのかしら?」
「あぁ、10倍返しくらいは堅いね」
言い終わった後、踵を返してサンドリアへ走り出していた。
(154)
「どうやって街に入るつもり?」
「ちょっと手荒になるが、俺に考えがある」
要するに、チェックを受けずに街に入る方法があればいいわけだ。
「…っと、そういえば何か顔が隠れそうな物はある?」
「ビロードハットならあるけれど」
「十分。借りるよ」
ビロードハットを目深に被り、街の近くまで来たところで松明の台を派手に蹴り飛ばす。
「ちょっと!!」
「手荒になるっていったろ?」
松明の火はあっという間に草むらと近くの木に燃え広がった。
「放火じゃないの…」
なるべく息を荒くしながら門番をしている兵士に近づき、まくし立てるように叫んだ。
「大変です!オークが松明を倒していって火が燃え広がってます!!」
「なんだと!どこだ!」
「あそこです!」
指差して場所を示す。遠くからでもわかるくらい火が燃え広がっている。ちょっとやりすぎたかも…
「よし、川の水で消火する!お前は中の兵士に知らせて応援を呼んでくれ!」
「は、はい!」
(155)
「大変です!外で火事が!」
「何!わかった、すぐに向かう!」
何の疑いもなく外へすっ飛んでいく兵士達。その隙にまんまと侵入は成功してしまった。
「随分あっさりと通れたなぁ…」
「安心するのはまだ早いわ。とりあえず居住区の裏路地にでも隠れましょう」
なるべく人目を避けるようにして従者横丁へ入り、居住区への道をひたすら走り、そのままモグハウス入り口から居住区へ駆け込んだ。
少し奥まったところにある民家の裏手の路地に回り、樽や木箱をバリケードにして隠れるスペースを作る。
建物と建物の間に当たるため狭いことこの上ないが見つかりにくいのは確かだ。
「ここで、とりあえず朝までやり過ごそうか…」
「そうね…」
俺はカバンの中から非常用に持っていた干し肉と蒸留水をラディールに渡す。
「まるで遭難したみたいな食事ねぇ」
「似たようなもんだ。自然の驚異じゃなく人災だけどな」
俺は干し肉を手早く口に放り込み、蒸留水で流し込んだ。
「俺がしばらく見張りをしてるからラディールは先に寝ておいてくれ。時間がきたら交代してもらう」
「えぇ、それじゃ先に休ませてもらうわ…」
ラディールはカバンから綺麗な刺繍が施された布を取り出して肩にかけ、壁に背を預けた。
(156)
隠れて既に1時間が過ぎようとしている。今のところ、特に誰かが来る様子もない。
だが、問題は別のところで発生していた。
「ねぇ…」
「寝てくれ。俺が寝る時間が減る」
「…寝れる訳ないじゃない」
原因はわかってる。建物の中から行為をしている声と音がするからだ。
「…とんだ所に隠れちまったなぁ」
横に並んで座っているラディールと目が合って、お互いすぐに目をそらす。頬が熱くなるのを感じた。真っ暗でも視線が交わるのがわかるのは不思議なことだ。
「俺さ…」
「ん?」
「この世界で、『ルーファス』として生きてきた記憶が戻ったんだ」
「そう…」
横に並んだ状態で、同じ様に壁に体を預けているラディールと視線を交わさずに話し続けた。
「全部思い出した。ラディールの事も、エルリッドの事も…」
「エルリッドとは数日前に初めて会ったのではなかったの?」
「いや、初めてじゃない。俺がまだ『ルーファス』って名前を名乗る前の話だけど」
「俺は、冒険者になった10年前に名前を一つ捨ててる。『ファーロス・S・シュヴィヤール』って名前だ」
投下終了です。
一応、ひたすら赤い鎧と黒いマントと戦闘をし続けていく予定でいます。
帰る方法とか全くヒントもない状態なので、出来ることをしていくという感じで…
では皆様、わっふるわっふる!
よし、出来た…ちょっと変化を発生させてみました。
ダークサイド化したヒトとか赤鎧に絡まれたネコとか敵を殴り倒してくエルとか
現実を思い出したタルとかジュノに運び込まれたボヴとか(誰だw)、皆さん
読み手としてとてもwktk (゜∀゜ )
では、こちらも投下しマス。
恐る恐る、扉が開けっ放し…いや、魔法か何かで大穴を空けられた扉の影へと進み、中を覗き込む。
「さっきの現象は何だ!?」「アジド院長とラフィーナ様は何処へ行かれたのか!?」「あわわわわわわわわ……」
書類を周囲に撒き散らしながら、研究員と思しきミスラとタルタルが部屋を慌しく行き交っている。
皆何故かパニックに近い状態なので、あまり疑われずに通れるかもしれない。
ロッカーから拝借してきた士官装備を着て、眼帯をちょっとワケアリの右目に付ける。これで良いだろう。
―――バァァァァァァァンッ!!!
突然の音に驚きつつも、職員の視線がコチラに集まる。そうだ、その表情だ、焦っている。これならいける。
「貴様ラァ!!ソレデモ誇リ高キ天ノ塔職員カ!ア゛ァ!?」
真横にあった壊れた黒板に鉄刀木刀を叩きつけた後、私(躯)は叫んだ。私自身だと台詞噛んでしまうのが残念だ。
「オラァ!!ボサット突ッ立ッテンジャネェ!!貴様達ハ貴様達ニシカ出来ナイ仕事ヲコナセバ良インダヨ!!
貴様達ガイクラ焦ッタッテ俺様ヨリ強クナッタリシネェンダカラナ!!オラ分析班ッ!貴様ラノ専門分野ダゾ!!」
躯(と私)による迫真の演技によって冷静さを多少取り戻した研究員達は、各々の専門分野でこの騒ぎを分析した。
「地下からこの階のどこかへと突き抜けるような衝撃は、文字通り何かが突き抜けたと考えるのが妥当かと。」
「ぇと…あの…地下に最近持ち込まれた剣が…その…勝手に動き出したって…鑑定班から……連絡が…。」
「アジド院長とラフィーナ様は、先を大変急がれた様子で医務室へ走っていかれました。」
「御苦労。貴様達ハ引キ続キ調査ヲ続行。採レル情報ハ一字一句ノ抜ケ無ク記録シテ神子様ヘ御報告シロ!」
「「わかりました!!」」「…はぃ……」
正体を疑われる前にもっともらしい事を言って部屋を後にし、セミ様達が進んだ先へと走っていった。
例の如く破壊された扉の先に鉄格子が見える部屋が近付いて来た……が。
空気が張り詰めている。アジド院長達の気配が無いにもかかわらずだ。しかも濃い血の匂いもする。一戦交えた…?
これもまた例の如く扉の影に隠れ、中を慎重に覗き込む。
鉄格子の中に血溜り、その中心に仰向けに倒れてるミスラ1人。その手前にうつ伏せの、少し焦げた白衣着たタル1人。
他には……居ないな。罠の仕掛けられた様子も無し………と。
慎重に部屋に入り、手前のタルを調べる。生きてる、気を失っているだけのようだ。 ん?なんだコレ。カルテか?
第一級犯罪容疑者カルテ 種族:エルヴァーン 性別:男性 名:(血で滲んで読めない) 年齢:(未記入)
背後からの高速回転物による内臓破壊、及び左腕の著しい損傷。早期中位蘇■■法により生命に問題無し。
左腕の神経系が完全に使い物にならな●った為、実験■■だった素材を左▲に▼植。経過は今のところ良好。
どうやら私のレイズで助かったようだ。殺したのも私だが…。素材?にゃんの事だろうか。白衣は起きる気配が無い。
所どころ血で読めないが、まぁなんとなく解るので問題無いだろう。
白衣は放置する事にし、その少し先の鉄格子の中…血溜りの中心で痙攣しているミスラの方へ行く事にする。
近付くにつれて、見えない筈の躯の表情が普段とは違うモノになっていくのが判る気が…。
「……と……テェ…ッと……」
血溜りの中、何故か外傷が無いミスラが虚ろな目をし、何かうわ言のようにボソボソと延々言っている。
もう少し近付いて何を言っているのか確認しようとした所で、躯があまり聞きたく無い種類の言葉を言い放った。
「………アネキ……」
ボソっと、呟くように発音されたソレは、身体を使ってる私に聞こえるのに十分すぎる音量だった。
な…姉?ぇーと…この血溜りの中で廃人化しちゃってるミスラさんの事…が…?
「ァァ…貴様ニャ言ッテ無カッタナ…ソイツァ"キィ"ッテ名ノ、私ノ異母姉弟ダ…イヤ、ダッタ…ト言ウベキカモナ…」
ぇと…元々こういうヒトじゃ無い…よ…ね?
「タリメェダ。元々ハ攻撃的デ、自分主体ジャネェト気ガ済マネェ凶暴女……ダッタ。ノニ…コンナ事ニ…」
さっきからそのキィと呼ばれるミスラ"だったもの"は、血溜りの中、時折四肢を痙攣させながら、
「殺してくれ、もっと殺してくれ」と、虚ろな目をしたまま、誰に言うでもなく延々呪詛のように言い続けている。
「うぅ……男が…奴が…殺人集団のリーダーだったなんて……私は…なんて奴を助けてしまったのだ……」
背後のドクターが起きたようだ…しかしコチラに気付きもせず、自分の世界に閉じこもって何か一人ごちている。
「私が奴を助けてしまったせいで…あぁぁぁ…多くの命を…罪無き人々の命を危険に晒してしまった……」
「アネキ……」
白衣タルも躯もマトモな状態じゃ無いな……って当然か。肉親が廃人になったり、世界を危険に晒す者を助けたんだ。
…ん?エルヴァーン…男…左腕……奴かッ!!!くそッあのまま死なせとくべき人間だったのか!!
「アネキ……ドメスティックバイオレンスな事ばっかやって来てよ…因果応報ッテ奴だゼ……」
躯の喋り方が変化してる…?
「例えアネキがコウなったノガ因果応報デも、俺はアネキノ魂ヲ四散サせたりナどしない……!!」
身体が勝手に動き、廃人化したキィの唇に私の…いや、躯の、サンの唇が静かに重なる。
キィの虚ろな眼から涙が流れた気がするが、直後に視界が暗く…眼を閉じたので真偽は判らない。
再び視界が明るくなる、眼を開けたからだ。キィの瞳は閉じられ、寝ているようだが、全てを失ったような雰囲気だ。
「おいィ、白衣。オ前アネキを頼ンだぞ?」
躯が白衣にそう言い、キィを鉄格子の外にある患者用のベットに横たえる。
横たえた時に眼帯が外れると、そこには眼帯の帯に沿った傷跡と、開く事無き右目があった。戦傷だろうか。
台から離れると白衣が駆け寄り、診察を始めた。彼はきっとキィを助けてくれるだろう。何の研究員かが気になるが。
鼓動の音が聞こえる…誰の鼓動だろうか…生きる為では無く、仇を滅する為のみに動く心臓の音が……
「――グゥッ!!」
変装で眼帯を付けていた右目が熱い!…いや、右目の辺り全体が熱い…灼熱で焼かれているようだ……
むしりとるようにして眼帯を取り、正面にあった金属トレーを持って反射した自分の顔を見る。
トレーの裏に映し出された自分の顔は、右目の周囲の肌が夜に溶け込むかのような黒い色をしており、
右目は本来の色ではなく、白目は黒く染まり、黒目だった所は生者を獲物とするかのような不気味な金色に輝いていた。
以上です。
ちょっとづつ普通の侵食とは別の侵食されてキテマス
では、みなさんわっふるわっふる! ……オヤスミナサイw
ちなみに、ルーファスが駆け込んだ先は609さんがいた家かもしれませんしそうじゃないかもしれませんw
>>283 ちょwwwフォモルktkr!
285 :
既にその名前は使われています:2006/04/28(金) 03:21:27.72 ID:o+rpM6al
・・・ふと思ったがPが余計なことを仕込んだ子供は
片手剣スキルの代わりに両手刀スキルを持った赤魔になってしまうのだろうか。
ソボロ助広にエンサンダーかけて斬りかかる赤魔。
攻撃したら回避判定の代わりにカウンターが発生。
・・・Pより先に狙われる気がする。
>>261 正直に言います。
寝 落 ち し ま し た
どう見ても雑魚です
本当にすみませんでした
もうじき投下します
俺は少々脳内回線がパンク状態になっていた。
予期しない出来事で簡単に頭は混乱してしまうことを痛感するとともに、その状況の驚きを隠せなかった。
まず、拷問残虐ミスラ。ちょっと前までは平然と鞭を振るい、男の身体に傷をつけまくっていたミスラが、全身から様々な液体をほとばしらせ、倒れている。
次に、ドクター。俺のベッドの近くにいたはずなのに、今や完全に気絶し、白衣には火がついている。
さらに、わからないのは、拷問を受けていた筈の男が純白の鎧に凄まじい力を放出する剣を携え、平然としていたことだ。一体全体、どうやって抜け出したのだろうか?
そして、とどめはこの男の要求だろう。シナモンクッキーにサンドリアティーだと?何を考えているんだ……
しかも、「・・・もっと、この状況を楽しんだらどうかな?」とか言っている。俺の脳の演算速度を遥かに凌駕するこのリードと名乗る男の行動に、頭がついていかなくなったのだ。
というわけで、バルコニーに通され、テーブルを挟んで互いに向かい合った時、少しでも落ち着こうとリードの剣をじっと見つめていた。
俺の記憶通りなら、あれはエクスカリバー。裏ドロップの片手剣を何回も打ち直すことで完成する、相当強力な武器だ。
「この剣が、気になるのかな?」唐突に話し掛けられ、意識が現実に引き戻された。咄嗟のことだったので、返事ができなかったが、男は淡々と話し続けていた。
しかし、驚きの連続だった。時間軸のズレは発生することは知っていたが、まさか半年も前に来た人間がここまで変わってしまうものだろうか?
「君の話が聞きたいな。君は、どんな経緯でここに?」彼からの問いは、全くの不意打ちとしかいいようがなかった。
しばし考え込む。自分の記憶全てから、ヴァナへ来る前の記憶を探り出す。
「――俺がここに来る以前、俺は毎日のようにあるものを読んでいた。」話始めると、意外と言葉はどんどん出てくるものだな。
「『朝起きたら』というわけではないかな。朝か夜かはわからなかったが、気がつくと石の区にいた。」一旦言葉を切る。リードが先を促した。
「そこは暗く、周りに人はいない。ウィンダス内部なのに、いるのは獣人、そして、不気味なヤグードの石像。」これを付け足すだけで、わかる奴にはわかるだろう。
しかし、この情報は、まるっきりデタラメだ。
尋問・質問に関しては、なるべく本当のことは回避したかった。
……嘘だとバレるのは、時間の問題かもしれないが。
「そしてその時、俺のジョブレベルは完全にリセットされていた。」これは本当だ。
「その夜、突如下級の赤い鎧に襲撃され、倒したもののここに運ばれた。」
話終わると、静寂が4人を取り巻いた。
以上です
書くのに時間かかって皆さんの時間軸とずれてるかも……
リードさんにはご迷惑をおかけして申し訳ない。
292 :
既にその名前は使われています:2006/04/28(金) 09:57:07.34 ID:FMAsayW4
HAHAHA!!! ageるぜブラザー!
293 :
既にその名前は使われています:2006/04/28(金) 10:03:42.39 ID:ySw4rqLi
HEHEHE!本当に天の塔は地獄だぜ!ブラザー
投下乙です皆様。なんかもう、すごい。
ところで私だけかも知れませんがなんか書いてるとだんだん
トーキョーN◎VAか何かを遊んでるような気分になってきます。
各人がそれぞれの思惑を持ちつつ、話を完成させようと
状況の擦り合わせなんかを行っていくとことか…w
ところで、そういえばテンプレなかったので更新がてらひとつ。
初出:3スレ目258
PC(仮)名: / 中の人:Furcifer/256◆MwNTY7GtwI
種族フェイス:Elv♂F7a いわゆるカッパ金
ジョブ&Lv:RDM75/WHM37 サポほかにも各種。
白73もあるがメインにはしないと決めた模様。
特記事項:台詞入りで組んだ事があるマクロだけ、自在に起動できる。
辞書登録も無意識に使っているっぽい?
リアルでできない事をできるようになるたびに、リアルの事を忘れていくようだ。
活動エリア:ラテーヌで起きた→ロンフォ→サンドリアに滞在中。
他キャラとの接触:Yurifina(ただしお互いに気づかず)、Loufas
1レスだけ投下。609さんと時間軸を重ねる形になるかと。
息が詰まりそうなプレッシャーに抗いながら、私は全力で振り返り、
モグハウスの入り口を見やった。
その場には確かに何もいない。が、感じ取ったおぞましい存在感はこの場を…いや、
まるでサンドリア居住区の全域を満たしているかのようだった。
立ち上がって、扉を開く。どろりとした液体の中に浸かった板を動かすような感触。
鳥のさえずりも、風が道ばたの草や木の葉を揺らす音もしない。
遠くの建物からあがる煙突の煙が、空に溶けていこうとする姿のまま、
絵のようにただそのままの形で立っている。
異様な風景にただただ言葉を失っていると、ズン、と破壊音が響いた。
――この止まった世界で、誰かが、戦っている?
それほど遠くはない…方角は南サンド寄り。乾いていた唇を湿らせ、言霊を紡ぐ。
リフレシュ、プロテスVI、シェルVI、ブリンク、ストンスキン、アクアベール、
ブレイズスパイク、ヘイスト、ファランクス…赤魔道士として汎用的な加護のすべてを身に纏う。
(場合によっては…剣に持ちかえる事もあるのかな)
"我が手に宿れ、エーオマトラの誓い"
右手を取り巻く空気の温度がすっと下がり、神代の錫が蒼い輝きを帯びた。
同じ状況で動けている人同士が戦っているなら、もしかしたらそのどっちかは…。
冷たく禍々しい気配が強まるその方角へ、私は駆け出す。
心の奥底で、だれかがため息をついたのが聞こえた気がした。
296 :
既にその名前は使われています:2006/04/28(金) 14:53:19.96 ID:ofjO0Z4X
あげたほうがいいかね?
297 :
既にその名前は使われています:2006/04/28(金) 15:27:13.46 ID:frv5vwR2
常にageるぜブラザー!
,r=ヽ、 もう着いたのか!r';;;:;:;;:::;;;;;;;;;;;;ヽ、
はやい j。 。゙L゙i rニ二`ヽ. Y",,..、ーt;;;;;;;;;;;) きた!メイン矛きた!
r-=、 l≦ ノ6)_ l_,.、ヾ;r、゙t lヲ '・= )rテ-┴- 、
`゙ゝヽ、`ー! ノ::::::`ヽ、 L、゚゙ tノ`ゾ`ー ゙iー' ,r"彡彡三ミミ`ヽ.
にー `ヾヽ'":::::::::::: ィ"^゙iフ _,,ノ , ゙tフ ゙ゞ''"´ ゙ifrミソヘ,
,.、 `~iヽ、. `~`''"´ ゙t (,, ̄, frノ ゝ-‐,i ,,.,...、 ヾミく::::::l エル赤盾きた!
ゝヽ、__l::::ヽ`iー- '''"´゙i, ヽ ヽ,/ / lヲ ェ。、 〉:,r-、::リ
W..,,」:::::::::,->ヽi''"´::::ノ-ゝ ヽ、_ノー‐テ-/ i / ,, 、 '"fっ)ノ::l
 ̄r==ミ__ィ'{-‐ニ二...,-ゝ、'″ /,/`ヽl : :`i- 、ヽ ,.:゙''" )'^`''ー- :、
lミ、 / f´ r''/'´ミ)ゝ^),ノ>''" ,:イ`i /i、ヺi .:" ,,. /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`゙
! ヾ .il l l;;;ト、つノ,ノ / /:ト-"ノ゙i ,,.:ィ'" /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
. l ハ. l l;;;;i _,,.:イ / / ,レ''";;;;`゙゙" ヽ_,,ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
人 ヾニ゙i ヽ.l yt,;ヽ ゙v'′ ,:ィ" /;;;;;;;;;;;;;;r-'"´`i,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
r'"::::ゝ、_ノ ゙i_,/ l ヽ ゙':く´ _,,.〃_;;;;;;;;;;;;f´' ll;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
` ̄´ / l ヽ ヾ"/ `゙''ーハ. l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
/ l ゙t `' /^t;\ ,,.ゝ;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;
こ れ で 勝 つ る !!
このAAを以前から使ってみたくてやった
今は反省している……(´・ω・`)
300 :
既にその名前は使われています:2006/04/28(金) 20:19:16.26 ID:FoGM8n+f
ageわっふる!
大量投下の準備が出来たので一気にいきたいと思うであります(`・ω・´)
「…ふ〜む、それなら催眠療法を試してみるかい?」
「催眠療法?」
「そう、催眠療法。最近新しく開発された医療技術なんだよ。軽く説明するとね、
催眠療法とは、催眠法という、催眠状態と呼ばれる被暗示性の昂進した変性意識状態の一、
またその状態に導く技術を用いた精神療法の一種のことを指し、
人が自覚できない潜在意識を呼び覚まして心理的な悩みを解消する療法で、
潜在意識っていうのはだね…」
「先生!その話はあとどれぐらいかかりますか?」
「…まぁ〜要するに、君の奥底に眠る記憶を呼び起こす療法ってことだよ」
「それで自分の名前を思い出せますかね?」
「開発されたばかりの療法だけど、それなりに成果は出ているから
焦らずに少しずつ積み重ねていけば、いずれはわかるはずだよ」
「…わかりました。是非お願いします。」
「おぉ〜そうかい!では少し待っていてくれたまえ。すぐに用意しよう。」
「はい…」
モンブローは準備をするため、走るように部屋を出て行った。
交代するように炎の壁兄弟とブモが部屋に入ってきた。
「ぶもぉ〜…」
「…大丈夫か?」
炎の壁とブモが不安そうな顔でベットに横に立っている。
その後ろで申し訳なさそうに隠れて立っている弟ゴブがいた。
「あ、あの…すまんだ、オラが…オラが変なこと聞いたばっかりに(´;ω;`)」
「いや気にしなくても大丈夫だから」
「でも…でも…オラのせいで…」
「大丈夫。先生も何も問題ないって言ってたし」
「そうなのか?(´;ω;`)」
「ああ、だから心配するなって」
「うん…」
「あ、そうだ。あの後、どうやってここまで俺を運んできたんだ?」
「あぁ、それは俺が説明しよう。」
炎の壁は泣きじゃくる弟を後ろに下がらせると、質問に答えてくれた。
それによると、沼を抜けるまでブモが俺を背中に乗せてくれていたのだが、
ロランベリー耕地に入った辺りでさすがにブモも疲れ果ててしまい、
途方に暮れていたのだという。そこに丁度良くマック爺さんの店で
雇っている物品調達部隊、編成としてはゴブリンを中心とした獣人チームが
近くを通りかかったので一緒に運んでもらったのだという。
彼らはバスとジュノを行き来し、非公式的だが裏の世界では公式という、
かなり政治的な要素が強い輸出入を行なっているんだそうだ。
そのため、冒険者に襲われるということはないらしい。
彼らが近くを通りかからなかったらやばかったかもしれないと炎の壁は付け加えた。
疲労しきったゴブリン二匹と羊、それと気絶したゴブリンが一匹…
冒険者に見つかればひとたまりもなかっただろう…本当に運がよかった…
一通りの説明を受けたところで、モンブロー先生が部屋に戻ってきた。
なるべく静かな場所で行った方が効果が上がるということで
皆には部屋の外で待っててもらうことにした。
心配そうに出て行くブモと弟ゴブの姿がなぜか印象的だった。
どうしてそう思ったのかはわからないが…
治療が始まった。先生は一本の特殊な蜜蝋を取り出してそれに火をつけた。
それの発する煙はほのかに甘い匂いがして、少しずつだが頭がボンヤリとしてきた。
「呼吸を整えて、よ〜くこの火を見つめるんだ。」
「はい。」
「ゆっくり、ゆっく〜り目が閉じていくよ。」
「は…い…」
それからしばらく安定状態が続くまで、じっくりと先生の優しい囁きが続いた。
数十分すると俺はすっかり催眠状態に入っていた。
「(そろっと大丈夫かな?では…)あなたは生まれ育った場所にいます。」
「…はい」
「そこはどんな場所ですか?」
「…小さな争いはあるけど、戦争や殺し合いなんてテレビの中の出来事で、
自分たちは遠いところで平和で豊かに暮らしていて、けれどそんな生活に
何も疑問に持たずに暮らしている、そんな場所です。」
「(テレビとはなんだ?まぁいいか…)あなたのほかに誰かいますか?」
「はい、家族や友達、そして彼女もいます。」
「彼らはあなたのことをどう呼んでいますか?」
こうして、モンブロー先生は俺のリアルの事について様々なことを質問していった。
徐々に時間経路を上っていき、ついにこの世界に来る直前までの話にきた。
「ふむ…つまり、君はFF11というゲームをやっていて、この世界はそのゲームの中だと?」
「…はい」
「それで、君はそのゲームではナナシと名乗っていたと?」
「…はい」
「そして、そのゲームに関連する掲示板のとある項目を見たらこちらの世界に来たと?」
「…はい、そうです」
「別世界からの来訪者か…ますます興味深いw」
「…グゥッ」
「ん?どうしたかね?」
「なにか、なにか赤くモヤモヤしたものが目の前に…」
「…それはなんだい?」
「この人は…この方は…ゲームマスター、この世界の管理者です…」
というわけで、名前判明しました(・ω・)ゞ
もう少し催眠状態続きますが、まだまだ長くなって皆様の邪魔になるかと思われるので
今回は以上で投下終了いたしますm(_ _)m
ブモファンの方々、出番少なめで申し訳ない…
べ、べつにブモに嫉妬してるじゃないんだからねっ!
309 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/04/28(金) 23:00:42.94 ID:nhV+33P+
投下乙でございます。
皆様DIEピンチのところ、クッキーとお茶で歓談中でございます。
やはり悪役は落ち着いた物腰とエキセントリックな言動が燃えかと思う次第でございます。
>>291 レップ様視点、有難うございます。
開放して差し上げる予定ではおりますので、もうしばらくお付き合いくださいませ。
私がトイレを出ると、モグタンがタオルを持ってこちらに飛んできた。
ぐっすり眠っていたと思ったのでこの展開はちょっと不意打ちだった。
「モグタン・・・起きてたの?」
「なんだかご主人様がつらそうだったからつられて起きちゃったクポ。」
それがわかるという事は私が起きた時にはすでに起きてたってことじゃ・・・。モーグリってよく分からない。
「・・・起こしちゃってごめん。」
私はモグタンからタオルを受け取って洗面所で口をゆすぎ顔を洗った。冷たい水が肌を刺してなんだか痛い。
おかげで目がばっちり冴えてしまってもう寝付けそうに無かった。
「モグが起きたくて起きたクポ。ノープロブレムクポ〜。」
一体何が楽しいのか分からないけれどモグタンがクルクル回転しはじめる。いや、楽しいとかじゃなくて
単に私も楽しくなるように楽しげにしているだけだなんてすぐに分かることじゃない。
なんだかひねくれた考えしかできなくて少し自己嫌悪・・・。
どうして、どうして私はいつもこうだめなんだろう。
ボロボロになっている心は私の全身の力も奪い取ったため両脚に全く力が入なり、体を支える事が出来なくなった。
私は思わずその場にペタンと座り込む。
自分が自分でよく分からなくなり、感情が暴走する。自分が嫌い。帰りたくない。帰りたい。
お父さんに会いたく無い。由佳はこんな私をどう思っているの?誰か助けて。
ごめんねモグタン。嫌な主人でごめんね。
「ごめんね・・・私どうしたらいいの?」
ボロボロと溢れ出した大粒の涙が床に小さなしみをいくつも作った。
ポフッとやわらかくて暖かい白い毛皮が私の顔を優しく包んだ。
やっぱり海産物の匂いもするけれどほっとする暖かさ。
モグタンが私の頭をぎゅうっと抱きしめて優しくなでてくれるから
私もモグタンを力いっぱい抱きしめて泣きじゃくった。
どれくらいの時間こうしていたのだろう。私が落ち着いた頃には外ではスズメのような鳴き声の鳥が
鳴き始めていて小さな窓からほのかな光が差し込んでいた。
「ご主人様は帰れるクポ。モグと一緒に暮らしているだけでいいクポ。
アリアさんやユファファさんリポケケさんに全部任せてモグとのんびりしてればいいクポ。」
モグタンが私の頭を抱きしめたまま優しくささやく。私はその言葉を聞きながらボーっと
モグタンの心臓の音を聞いていた。トクントクンと規則正しいその音はなんだかとても落ち着く音だった。
うん、そうなんだ。全部任せていればいいんだ。だけど、だけど帰るのが怖くなっちゃったの。
私、家族に迷惑ばかりかけちゃって・・・それなのに八つ当たりまでしちゃって。
もう私なんてあの家に帰ってはいけない気がするの。ううん、違う。
こんなのいい子ぶって帰らないための理由を作っているだけ。怖い事から逃げているだけ。
私は未だに抱きついたままのモグタンをグイと押しのけジッと細い目の奥で光っている彼の瞳を見つめた。
「ねえ、やっぱり私は帰るべきなの?」
私が帰りたかったのは寂しかったから。寂しくて寂しくて仕方が無くて、由佳に会いたかったから。
でも、今の私はあまり寂しくは無い。モグタンがいる、リポケケがいる、ユファファがいる。
そして素敵な人にも出会えた。帰る理由を見つけられなかった。
モグタンはこの問いに小さく一度コクンとうなづいた。
「モグはご主人様にとって、帰ることが一番幸せな事だと思うクポ。想像だけれどクポ。」
そういうとポフポフと優しく私の頭をなでる。
「どんな事があっても、故郷は特別な場所クポ。そこに帰れないのは本当に悲しいことクポ。」
そういうと彼はまた私の頭を抱きしめる。また柔らかい毛に私の顔が包まれた。
「だけど・・・だけど怖いよ・・・。私、家族に酷い事して・・・。」
「ならなおさらクポ。謝りに帰るクポ。ご主人様の家族なんだから謝ればすぐ仲直りできるクポ。」
まるで子供をあやすようにモグタンは言う。モグタンの言ってる事は根拠無いじゃん・・・。
でも、なんだかモグタンにそう言われると簡単に許してもらえる気がしてくる。
違うっ!許してもらうんじゃない。許してもらえなくても私がやってしまったことを償わないと。
しっかりと大学を卒業して就職して両親を安心させないと。今まで迷惑をかけ続けたのに育ててくれた恩を自分の力で返さないと!
「そうだね・・・私は帰らなくちゃいけないんだ。ありがとうモグタン。」
私は腕にさらに力を込めてモグタンを抱きしめた。何故かはよく分からないけれど涙が止まらなかった。
すっかり泣きつかれた私はモグタンを抱えたままもう一度ベッドにもぐりこむとすぐに眠ってしまった。
やっぱりモグタンと一緒にいると落ち着く。私のことをこんなに考えてくれている人が傍らにいるのが
こんなに幸せなことだなんてすっかり忘れていた。
私はまるで赤ちゃんのように安心しきってぐっすりと眠りつづけていたために、目を覚ましたのはほとんど昼だった。
私はテキパキと昨日買ったセーターとスカートに着替え(ウィンでの普段着では生地が薄すぎて寒かったので)キッチンで朝食の準備をしている
モグタンに「おはよう」と言ってモグタンの手伝いを始めた。
携帯からまとめサイトみれないの俺だけ?
以上です。そして皆様投下乙です。
>>277 続きが気になるきりかたですね。早くつづきをーーーw
>>283 うわぁぁぁ・・・これからどうなることやら・・・wktkwktk
>>290 尋問の後どうなるか気になります・・・
>>295 きっとこの時間に私はのんき(でもないか)に眠っていたのでしょう・・・
誰とであうのかたのしみです
>>308 大丈夫、私はナナシさんのファンでもありますからwもちろんブモもwww
317 :
既にその名前は使われています:2006/04/28(金) 23:32:19.80 ID:gFDou3Dt
「デュナミスに落とされたとはね・・・。さぞかし大変だっただろう?」
私は、レップの硬く握られた拳にそっと手を置いた。
「でも、もう大丈夫。君や私と同じ、来訪者は他にもいるんだ」
私はやわらかく微笑んでみせたが、レップは困惑した顔で手を引っ込めてしまった。
ふむ。まだ早かったかな?
「あとでリンクパールを渡すよ。来訪者同士の、LSがあるんだ」
レップはくるくると表情を変えた。
彼は考えが顔に出るので、見ていて面白い。
「さて・・・。そろそろ、おいとましましょう」
私はおもむろに立ち上がり、傍らに置いた剣を手に取った。
「何!? 待て!」
セミ・ラフィーナが激昂して腰を浮かせた。
今にも掴みかかってきそうな勢い。
そう、このタイミングだ。
「勘違いしないでもらおう!」
ドン! と拳をテーブルに叩きつけた。
「私の行動を束縛されるいわれはない」
ピシャリ、と言い放った。
「私はもうフェイトではない」
私は声を落ち着いたものに戻す。
すべて計算ずくだ。
「私がフェイトであった時期の犯罪を立件することは、不可能に近い」
拉致監禁のうえ拷問で自白を強要するのがウィンダスの正義なら、話は別だが。
愚かにもそれを試した者の末路は、言うまでもない。
「私は自身の意思で動く」
私はアジドマルジドの目をまっすぐに見つめた。
「もちろん、同じ来訪者のためになることならば協力を惜しまないつもりです」
さぁ、アジドマルジド。どう決断する?
「わかった」
「アジド・・・!?」 セミ・ラフィーナが驚きの表情でアジドを振り返る。
「君の自由は、このアジドマルジドが保証しよう」
保証など必要ないかもしれないが、とつぶやく彼に、私は慇懃に頭を下げた。
「ありがとうございます。滞在中の所在は明らかにしておきますから」
さすがに彼は話が早い。
無論、計算ずくのうえでの許可だろう。
私にとっては、それでかまわないのだ。
天の塔を堂々と出た私は、着替えを取りにモグハウスへ向かうことにした。
なにせエルヴジャーキンには大穴が開き、使い物にならない。
クローゼットには普段着用のチュニックとズボン、サンダルがあったはずだ。
森の区へ向かおうとした私に、水の区にいったん抜けたほうが早いよ、とレップが教えてくれた。
恥ずかしながらウィンダスの地理に明るくないことを告げ、一緒に歩く。
私が話題を振っても、生返事しか返ってこないのは残念だ。
いまだ私を警戒しているせいだろう。
言葉少なげだが、悪い人物ではなさそうだ。
ガードから返却された旅装を整理した後で、彼にリンクパールを渡そう。
石の区から水の区へ通じる細長い連絡通路の半ば辺りで、私は立ち止まった。
あたりには通る人影もなく、木々のざわめきすら、今は遠慮しているかのように静かだ。
「変身」
私は鎧、盾、装備一式を発動させて、ゆっくりと腰の剣を抜いた。
レップが私の気配に気づいて振り向き、鎧姿にさっと顔色を青くした。
あいにく、今は百面相をおもしろがっている状況ではない。
「ごきげんよう」
私は静かに声を投げかけた。
今夜の投下は以上です。
明日の夜は投下できるかどうか、微妙です。
乙です。
なんとか更新作業がおいついてきました。
スクリプトのほうのアップデートも行いたいところですが、
投稿作品の更新作業が終わるまではおあずけかもしれません。。。
>>322 まとめ、乙でございます。
わっふるわっふる!
>>315 百合姫にファン宣告された―――(・∀・)―――!
だがしかし、ブモには負けてる―――!…orz
>>321 リード氏の描き方はとてもカッコよくて勉強になります(`・ω・´)
>>322 まとめ乙であります(・ω・)ゞ
皆さん、新エリアで頑張ってらっしゃるようなので残していた分を
投下しちゃおうかと思います!長くなったら申し訳ない(・ω・;)
赤い鎧で身を包み、さらにその周辺にモヤモヤとした陽炎が包み込んでいる姿。
何度も来訪者の間で語られて、幾度も暗躍を重ねいてる、憎き存在。
だが、俺の目の前に存在しているそれが意味する立ち位置は少し違っていた。
彼は俺の、いや、"私"の上司だ。
ああ、そうか、そうだった…やっと思い出した。
私は彼の部下であり、手足であり、そして、武器だ。
そう、私は彼の命令に従い、何人もの同胞を闇に消してきた。
最初は私も彼の敵だった。
わけもわからずにこの世界に放たれて、気付いた時には彼が目の前に立っていた。
私は殺されても構わないと思った。そんな私に彼は様々な事を教えてくださった。
この世界が保っているのは絶対なる秩序によって守られているということ、
その秩序を乱すものがいること、それが私たち来訪者だということ、
そして、彼らを裁かなければいけないということを。
私は彼の高尚なる思想に賛同した。秩序ある世界が、この世界が好きだから。
彼は私を生かし、自らの下に就けたのだった。彼の下で働くことは私の喜びだった。
泥を被る仕事を引き受けても苦ではなかった。いくらでも引き受けた。
これまで自分自身を忌嫌い拒絶していた私を拾ってくださったのだから。
私のほかにも同様に彼の意見に賛同した者がいた。
しかし、私は彼らと顔を合わせたことはなかった。
なぜなら、私は情報撹乱などの"裏"の仕事を主に行い、
彼らは来訪者の消去などの"表"の仕事を主に行なっていたからだ。
ある日、私は暗躍指令の最中、ヘマを犯してしまった。
バストゥークにて情報撹乱のために大統領府を訪れた際、
ミスリル銃士に見つかってしまい手痛い傷を負ってしまったのである。
このままでは捕まってしまう…
そこで近くの山に立て篭もり、事態が静まるまで隠れることにした。
しかし、思った以上に傷が深く、致命傷になりかねない。
かといって回復しようにも白魔法も回復アイテムも無い。
遠くには追っ手の光がちらほら見え始めていた。
そこで、私は…彼から授かったひとつの特殊アイテムを取り出した。
モンスターを自らの体に吸収し、その力を得るアイテム『SoulTaker』
目には目を。歯には歯を。未秩序には未秩序を。
来訪者を屠るのに規制物のみでいくことなど有り得るわけがない。
ただし、そういったモノを所持するには彼の許可が必要ではあるが。
追っ手がもうそこまでやってきている。私は急いで『SoulTaker』を発動させる。
近くにいたGoblinThugを引き寄せ、私とそれをデジョンのような
一切の光を遮断する底知れない暗黒の渦の中に引き摺り込んでいった。
そして、私は気を失った。
「というわけなのだよ。わかるかな?モンブロー君?」
「……。」
「と言っても逆に催眠をかけられてしまって状態では何も判らないか(笑」
そこには、ゴブリンとエルヴァーンが向かい合った状態で座っていた。
エルヴァーンで医師であるモンブローは朦朧とした顔でゴブリンの話を聞いていた。
しかし、彼の意識が戻った頃にはその話を思い出すことは出来ないであろう。
それは暗躍し続けていたナナシの技能のひとつだった。
「…それにしてもこの体、どうにかならんもんかな。
回復と回避の為とはいえ、動きに難くてしょうがないな。」
そういいながら、ナナシは左手を右肩に置きぐりぐりと肩を回し、ストレッチを始めた。
徐々に体を馴らしていき、手先足先、果ては毛の一本の先まで意識を集中させていく。
集中が増す毎にナナシの体が光り始めていった。
そして、光が体全体を覆うと、そこには一人のヒュームが、シーフAFの姿で佇んでいた。
だがしかし、その姿は一般のそれとは少し違っていた。
一般の物が緑であるのに比べ、その姿は異様に紅黒く染色されていた。
まるでそれは、何人、いや何十人もの返り血を浴びた様な色合いであった。
書き溜めは以上であります、大佐殿(・ω・)ゞ
リード氏の『Fate』集団に惹かれたので、実際に組しちゃいました!
ただ、展開の幅を狭めないようにしてありますが(´・ー・`)
ウィンへの召喚も可ですのでその辺はリード氏にお任せですw
今回ブモが一切出ていない件について【お答え:[+]<仕様で(ry】
>>329 乙であります!
フェイトを使っていただいてありがとうデス!
けっして姿を見せない七人目のメンバーはアナタでしたか!(何w
裏切って勝手に抜けたワタクシと、戦線離脱中とはいえ現役のアナタ。
出会ったらガクブルな展開にwww
お疲れ様ですー。
Fateきたこれ!これでかつる!
datも保管庫で補完しようとおもうので、
もしdatをお持ちのかたがいらっしゃいましたらupしていただけるとありがたいです。
携帯でみられんというレスがありましたので、
メンテナンス作業中でも携帯閲覧可能にしました。
332 :
既にその名前は使われています:2006/04/29(土) 11:34:23.98 ID:1uIkxvc6
久々に覗いたがこんなことになってるとは。
今後ちょくちょくみるから応援age
ででお話
まとめ様も投下のみなさまもお疲れ様ですー。
各地で来訪者を籠絡・抹殺するFate。
Mekiさんに語りかけたきれいな声。(3スレ738)
なーんか裏に隠された対立構造が、見えてくるような気がします。
あくまで「気がするだけ」ですがw
続きを書き進めてはみたのですが、どうしてもこのまま行くと
他の方の行動に干渉することになってしまいそうです…うーん。
なにはともあれ、わっふるわっふる〜
335 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/04/29(土) 12:33:08.48 ID:Xu3ueY9z
私はもう一度、連絡通路の半ば、何もない空間に声をかけた。
「ごきげんよう」
(レップ、何か投げる武器は持ってるかな?) 同時にTELLで呼びかける。
(投擲武器ってこと・・・? 持ってる・・・けど)
困惑しながらも、レップはTELLで応えてきた。
来訪者でTELLが使えるとは、ありがたい。
「これから食事でも、と思っていたところでね。御一緒にいかが?」
返事は、無論、ない。
(どういうコト?)
(まだ振り向くな)
レップにはすまないが、説明している暇はない。
(私の合図で、君から見て4時の方向、12メートル先の通路際に投げてほしい)
「ああ、でも。レストランに一緒に入っても、君は断られるかもしれないね」
自然と口端が釣り上がり、不敵な笑みを見せる。
「血の臭いが、酷いから」
私は剣を構え、駆けた。
通路の壁際、何もない空間から滲むように男が姿を現わした。
無言。
黒装束で片手刀を一本、逆手に構えている。
「投げろ!」
私はあらかじめ準備しておいたフラッシュを、黒装束に投射した。
レップが振り向きざまに投げた細身のナイフが飛ぶ。
黒装束の姿が二度、ブレた。
カツン、と男の姿をすり抜けたナイフが壁に跳ね返った。
私は鋭く剣を横薙ぎにした。
コンパクトに振り抜いて、隙を作らずにすぐさま剣を身に寄せる。
もう一度、黒装束の姿がブレて、私の剣の切っ先が宙を切った。
「〜〜〜!!」
レップが悲鳴ともなんともつかない声をあげる。
私は心でため息をついた。TELLで聞こえていたかもしれない。
黒装束が右手の片手刀を繰り出す。
私は盾で防がず、刃を肩装甲に当てて滑らせた。
火花が散る。
無論、刃が。私の鎧には傷一つつかない。
「派手な初撃で気を引いて・・・」
間髪いれず死角から、空いていたはずの左手に握られた刀が襲う。
私は切っ先で優しくからめとリ、遠くへ弾き飛ばした。
「こちらが本命だった、だろう?」
転がった刃には、黒い液体が塗られていた。
黒装束は終止無言。だが、焦りの色が目に浮かぶ。
懐に手を入れ、人型の紙切れを取り出した。
印を切り始める。
「盾にキスしな」
ドン、と踏ん張った足から腰のひねり、肩、腕と、エルヴァーン自慢の膂力を伝える。
男がとっさに交差させた両腕もろとも、顔面を盾で殴りつけた。
ボグッ。
何かが砕けた。
勢いを生かし、私は半身をひねってローキックを当てた。
硬く、重量のあるレギンスは、易々と男の片脚を蹴り砕く。
単独突撃した者の哀しさか、対物防護結界の抵抗はなかった。
私は攻め手を緩めず、盾を水平に寝かせてまっすぐ突き出した。
歯が折れて真っ赤に染まった男の顎に、盾のへりが追い討ちをかける。
ぐらり。
体勢を崩した男に、腰溜めに構えた剣を狙い澄まして突き刺した。
切っ先は胴に巻いた爆薬の導火線を切断し、深々と内臓をえぐる。
私はグリグリと剣をひねって、内臓にたっぷりと空気を送ってから引き抜いた。
「対人戦闘は初めてかな? PCはこんな動き、しないものね」
血しぶきの中、男の瞳孔が開いていく。
私は、優しく微笑んだ。
「残念ながら、私たちに“今度”とか“次こそは”なんて、無いんだ」
男はガクガクと顎を震わせた。
奥歯に仕込んだ自決用スイッチを入れたいのだろう。
私は倒れた男の胸に切っ先を当て、肋骨の隙間に押し込んだ。
手に、心臓がビクンビクンと痙攣しながら潰れた感触が伝わってきた。
「それでは、良い旅を」
340 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/04/29(土) 15:15:32.22 ID:Xu3ueY9z
とりあえず、以上で御座います。
341 :
既にその名前は使われています:2006/04/29(土) 18:20:57.06 ID:ZhWXdNYc
わっふるわっふる!
わっふぉーわっふぉー
みなさん乙であります
>>308 名前確認おめでとうございますw
ツンデレさん( ´∀`)σ)´∀`)
>>313 モグタンがこんなにクールだったとは思わなかったですw
「ディナミスに落とされたのか」その言葉を聞いたとき、内心ニヤニヤした。顔までニヤつきそうになり慌てて手を固く握る。爪が手のひらに食い込む。
リードの手が俺の手を握り、更に爪が食い込むが、表情を変えないように気をつける。
「でも、もう大丈夫。君や私と同じ、来訪者は他にもいるんだ」
リードが微笑んだが、それどころではない。
手に食い込んだ爪は、凄まじい痛みを生み出し、慌てて手を引っ込めた。
エルヴァーンの怪力には呆れたもんだ……
「あとでリンクパールを渡すよ。来訪者同士の、LSがあるんだ」
これは想定外だった。LSだって!?リアルから来た人だけの?
「さて・・・。そろそろ、おいとましましょう」
そういうとリードは、スッと立ち上がった
「何!? 待て!」机の反対から、セミ・ラフィーナの激昂した声が飛んできた。
ビビった。
「勘違いしないでもらおう!」リードが大声で叫ぶと同時にドン! という音がして、机全体に衝撃が伝わり、置いてあったサンドリアティーに波紋が広がる。
「私の行動を束縛されるいわれはない」
そして、俺もだ。
「私はもうフェイトではない」そうだそうだ!フェイトって何か知らないけどきっとそう!
「私がフェイトであった時期の犯罪を立件することは、不可能に近い」リードが落ち着いた声で続ける。
そして、アジドマルジドをじっと見つめた。
「もちろん、同じ来訪者のためになることならば協力を惜しまないつもりです」
あんたも帰りたいんだろうなぁ
「わかった」アジドが静かに言うと、今まで部屋全体を覆っていた緊張感がさっと取り払われた。
「アジド・・・!?」
セミ・ラフィーナが声をあげた。驚愕の表情で、『信じられない』といった感じだ。
「君の自由は、このアジドマルジドが保証しよう」
天の塔を出ると、そこで満開の星空が迎えてくれた。
リアルでは見ることができない程の多くの星が頭上で息を飲むような美しさでをまるで見せつけるように輝き、辺りの静寂はまた星と共に神秘的だ。
ただ、妙に青白い月が、ここがリアルではない事を感じさせた。
俺は今、その静寂の中をリードと二人で歩いている。
ウィンダスの複雑で広い道は、始めて来た冒険者をしばし混乱させることがあるが、同じように彼もあまりウィンダスには詳しくないようだった。
特に話しもなかったのでずっと疑問に思っていたフェイトについて聞くとリードは簡単にリアルから来た冒険者や、その抹殺について教えてくれた。
話を聞き終わると、この男が完全に信用できるか、正直不安になっていた。
彼は話終わると、暫く沈黙した後、幾つか質問をしてきた。
「リアルでは何をしていた」とか、「ウィンダスはわからんな」など、どうでもいいような質問や雑談。別に話しても構わなかったが、完全に信用できるまで、情報を少し隠すことにした。
もうすぐ水の区だというあたりで、急に寒気を感じた。辺りは驚くほど静かだが、俺の意識は完全にある一つの恐怖をフラッシュバックしていた。
――この感覚は、できればもう一度思い出したくない。
カチャンという軽い音が聞こえ、振り向くと、そこには剣を抜き放ったリードが立っていた。
俺は全思考が別の方向へ向かって流れているのを感じた。
鎧の隙間から僅かに見える男の筋肉に意識を集中、0.何秒か先までの行動予想を必死で組み上げる。
と、ここでリードの顎が動作開始。唇の角度から、最初は「お」段から始まるだろう。『お前はもう死んでいる』とでもいうのか?
「ごきげんよう」はぁ?
〔レップ、何か投げる武器は持ってるかな?〕頭にリードの声が響く。TELLだろう。
〔投擲武器ってこと・・・? 持ってる・・・けど〕ナイフは投擲だよな? 聞きたかったが、時間がなさそうだ。
TELLは使用困難なはずだけど、使えるにこしたことはない。
顎が動作したが、反応できなかった。tellに集中してしまっていた。
「これから食事でも、と思っていたところでね。御一緒にいかが?」なにもないような空間、俺の後ろに声をかけている。
〔どういうコト?〕予想はできているが……
〔まだ振り向くな〕
やはり、そういうことらしい。俺の後ろになにかいる。
〔私の合図で、君から見て4時の方向、12メートル先の通路際に投げてほしい〕
また顎が動作。今度は見えた。
「ああ、でも。レストランに一緒に入っても、君は断られるかもしれないね」
目の下の筋肉が盛り上がる。笑おうとしているらしい。
「血の臭いが、酷いから」
同時に、鎧の一部が盛り上がり、避けようかと考えたが、無用だろう。
後ろに意識を集中。徐々に背筋が伸び、髪の毛が後ろに集まるような感覚。
「投げろ!」リードが叫ぶと同時に、体を右に120°回転させ、そのまま遠心力を利用してナイフを投げつける。リードがフラッシュを放ったのが見えた。
ナイフの飛んでいく先には、黒い服を着た男が立っていた。右手には奇妙に曲がった刀を持っている。
当たるタイミングの一瞬前、男が半透明になる。
ナイフが摺り抜け、後ろの壁に当たって跳ねかえる。
リードが剣を奮うが、またしても半透明になった男にかわされる。
「¢£%#&そっtsがzvd」色々な罵声を、一緒くたに吐き出す。自分でもなにをいっているのかわからない。
黒装束が右手に握った刀を上から振り下ろす。 リードは肩で攻撃を防ぐ。黒装束は踏込みが足りなかったらしい。
と、どこからか細い刀をもう一本取り出す。刃が異常に黒光りしている。
下から切り上げる。刹那、リードがエクスカリバーで軽々と刀を弾き飛ばす。
黒装束の目がカッと見開かれ、一瞬動きが鈍くなるが、直ぐに立ち直り、懐から人の形をした紙を取り出す。「空蝉の術」とよばれる、分身の術だろう。
瞬時にリードが体を捻り、左手の盾を叩きつけた。「シールドバッシュ」だろう。
鈍い音が周囲に響き、黒装束が血を吐き出した。
間髪を入れず、レギンスで蹴りつける。黒装束の足が変な方向へ曲がる。
再び盾を叩きつけたが、今度は横に寝かせ、ただ純粋にダメージを与える攻撃。
ガツン! という派手な音が聞こえ、フラついた黒装束に横から剣を突き入れた。
最初の「投げろ」から30秒未経過、被弾ゼロでリードは黒装束の迎撃をしてしまった。
「それでは、良い旅を」そうリードが言うと、黒装束は完全に動かなくなった。
以上です
若干時間軸がズレてるかもw
壁|_・)ノ ハジメマシテ
ちょいと書いてみたんで、うpしていい?
353 :
既にその名前は使われています:2006/04/29(土) 21:18:53.84 ID:ZeZH9CT6
ばっちこ〜い!!
>>352 wktk
なんとなく続きを思いついたので、次に再投下します
356 :
既にその名前は使われています:2006/04/29(土) 21:50:16.30 ID:Yz+H+Yzw
――――――――――――――――――――――。
……ぅ…。
目が覚めた…。何やら頭が重い…。
「あ、ご主人様起きたクポ?」
…くぽ?
「……どうしたクポ?」
「頭が重い…。」
僕はそういってベッドから起きあがった。
…どこだ、ここは。ついでになんだ、あのクポーという音のするぬいぐるみは。僕は猫のぬいぐるみしか集めない主義だ。
まあ…考えていても仕方がない。僕はベッドから降りることにした。
357 :
352:2006/04/29(土) 21:52:52.51 ID:Yz+H+Yzw
――と。
…足が床にとどかない。
よく見ると天井も高い気がする。
…そっと耳に手を当ててみる。予想通り、横長のとがった耳があった。
うむ、これは、そのなんだ。
……タルタルだーーーー!!!
358 :
352:2006/04/29(土) 21:54:07.95 ID:Yz+H+Yzw
「ご主人様、どうしたクポ…?」
クポクポ音がするぬいぐるみ、もといモーグリと思われる物体が心配そうに話しかけてくる。
こんなにちっこい羽で、一体どうやって飛んでるんだろうな。
「…いや、大丈夫だ。」
僕はそう答えてベッドから飛び下りた。
「寝汗をかいた。風呂の準備をしてくれ。」「了解クポ〜。」
モーグリはそう言って風呂場へ向かっていった。
359 :
352:2006/04/29(土) 21:54:51.80 ID:Yz+H+Yzw
さて…。とりあえず今の状況をまとめてみよう。
とりあえず、僕はどういうわけかタルタルになっている。これは確実だ。
そして…場所。家具の配置から、僕のタルタルのモグハウスと推測される。
これらのことから、最近流行の『自キャラになった』現象だろう。
360 :
352:2006/04/29(土) 21:57:01.12 ID:Yz+H+Yzw
って。
/echo そんな簡単に納得できるかーーーー!!!
とりあえず/panic motionをしてみる。三回くらい。
その後、おもむろに/angryをしてみる。五回くらい。
…ふぅ、少し落ちついた。
それにしてもこの体、どう見てもどう動いてもタルタルだな…。
どうやら、自キャラになったということは嫌でも認めなければならないらしい。
「ご主人様、お風呂準備できたクポ〜。」
…そして風呂が沸いたらしい。
「ああ、今行く。」
そう答え、僕は風呂に向かった。
361 :
352:2006/04/29(土) 21:58:36.09 ID:Yz+H+Yzw
…で、風呂場。
「…モーグリ。何でお前まで入ってくる。」
何故かモーグリも一緒に入っていた。
「クポ?いつも一緒に入ってるクポよ?」
…そうなのか…?
まあいい、とりあえず僕は体を流すことにした。
それにしても…。自キャラになった、か。まさか僕がこんなことになるとはな…。
しかも、噂によるとリアルから飛ばされた人は赤い鎧の者たちに命を狙われるという。
…うむ。まずいな。
果てしなくまずい。
362 :
352:2006/04/29(土) 22:00:31.40 ID:Yz+H+Yzw
とりあえず、リアルから来たということはバレないようにしないと…。
と、そんなことを考えているうちに体を洗いおわった。
で…。
「…モーグリ。」
僕はモーグリに話しかけた。
「クポ?」
「…頭洗ってくれ。」
…頭に手がとどかない。
「了解クポ〜。」
モーグリがわしゃわしゃと頭を洗ってくれる。手慣れたものだ。
そんなこんなで風呂に入り終わった。
「ふぅ…。」
「すっきりクポ〜♪」「すっきり、か…。」
363 :
352:2006/04/29(土) 22:01:59.96 ID:Yz+H+Yzw
能天気なものだな。僕が命を狙われるかもしれないというのに…。
「…ご主人様、さっきから変クポ。どうかしたクポ?もしかして…。」
…まずい!ここでリアルから来たとバレるわけにはいかない!
「タルァ!!」
僕はすかさずモーグリの下にもぐりこみ、右アッパーを繰り出した!!
「グポォ!!」
…アッパーって言っても、素手で/hurry motionしただけだが。
「僕はいつもこんなもんだが?」
「グ、グポ…。いつものご主人様クポ…。」
364 :
352:2006/04/29(土) 22:03:28.73 ID:Yz+H+Yzw
よし、隠蔽完了!
…さて、体動かしたしお腹すいたな…。
「モーグリ、飯。」
「何もないクポ〜。」…何。
「…ほんとに何もないのか?」
「あ、カザムパインがあったクポ〜。」
「…他にはないのか。」
「もう一個カザムパインがあるクポ〜。」
「…パイとか肉とか、食事らしいものはないのか。」
「ん〜、後は装備と水クリしかないクポね〜…。」
「…それでいいや、出してくれ。」
「了解クポ〜。」
…仕方ない、ジュースでも絞るか。こう見えて僕は調理61なのだ。リアルじゃさっぱりだけどな。
365 :
352:2006/04/29(土) 22:04:47.88 ID:Yz+H+Yzw
完成したジュースをイメージし、水クリに意識を送る。
ごぽごぽごぽ〜っと、画面越しに見慣れたエフェクトが目の前で起こる。
…完成。で、飲む。
「…モグの分はないクポ?」
「残念ながら。」
「クポ〜…。」
さて。
僕は外着のワーロックタバードに袖を通した。で、ワーロックタイツをはいて…っと、この辺りは省略。
最後にガルーダダガーを腰に下げて準備完了。
「出かけてくる。」
366 :
352:2006/04/29(土) 22:05:53.65 ID:Yz+H+Yzw
「ん、いってらっしゃいクポ〜。」
モーグリはサンドリアティーを飲みながら言った。…どこから出したんだ、どこから。
外に出ると、画面越しに見慣れたウィンダス森の区の光景が目に映る。
「さて…。」
僕がこれからすべきことは、リアルからの来訪者だとバレないよう
いつも通りの生活を送りつつ、元の世界に戻る方法を探すことだ。
色々と遊ぶのはその後でいい。
367 :
352:2006/04/29(土) 22:07:07.79 ID:Yz+H+Yzw
「いつも通り、ね…。」
僕はいつも身につけているリンクシェルを取り出した。
「/ls や。」
「お、兄貴。ばんわ〜。」
ばんわ、ねぇ…。ウィンダスはこんなに日が高いのに。リアルでは夜ってことか…。
「ばんは〜。」
「こんばんわ〜。」
次々にリンクシェルから声が聞こえてくる。まあ、常時4人くらいの少人数リンクシェルだが。
さて、いつもの挨拶は終わった。次はどうするかな…。
と、不意に。
ガンッ!!
「いってぇ!!」
……どうやら他の冒険者に蹴られたようだ。これがタルの宿命か…。
368 :
352:2006/04/29(土) 22:08:24.69 ID:Yz+H+Yzw
まあ、僕は赤魔道士。この程度のダメージは一瞬で回復できるはずだ。
と、ここであることに気付く。
「/ls 魔法ってどうやって使うんだろう?」
…あ、リンクシェルに言っちゃった。
「え、マクロ使えばいいじゃないですか。」
リンクシェルの赤タルが答えた。…そのマクロが見辺らないから言ってるんだよ。
「/ls いや、マクロに登録してないやつ…。」
無難な答えを返す。
「altかctlr押しながらMを押せば魔法リストが出ますよ〜。」
「/ls ありがと〜。」
…聞いた僕がバカだった。
369 :
352:2006/04/29(土) 22:09:45.72 ID:Yz+H+Yzw
とりあえず……アレ試してみるか。
「清らかなる風よ〜、失ないし力とならん!ケアル!」
ぽーっと白い光が僕の体を包みこみ、傷を癒す。
うむ、なんとかなるものだ。さて、問題はここからだ…。
「ケアルしか呪文覚えてないぞ…。」
しかもFFTの呪文である。いや、アルテマとかは覚えてるんだが。
少し考える。
ピコーン!
閃いた。ロマサガばりに。
「/ma プロテスIV <me>(すらっしゅえむえーぷろてすあいぶいかっこえむいーかっことじ)」
370 :
352:2006/04/29(土) 22:11:13.38 ID:Yz+H+Yzw
青い光が僕を包み、身を守る鎧となる。
…面倒だが、他の方法が見つかるまでこれでいこう…。
「さて、どこ行くかな…。」
そもそも、僕いつも何してたっけ。
ずーっとレベル上げばっかやってたけど、つい最近それも終わったしな…。
うーん、と考えていると、目の前をエル♀が通りすぎた。
…そうだ、フェロー上げするか。
僕はルフェーゼに行くため、砂丘を目指すことにした。
ここからだと、チョコボ→船かな…。
たったったっ、と跳ねるように歩きながら、チョコボ厩舎を目指す。
371 :
352:2006/04/29(土) 22:12:35.23 ID:Yz+H+Yzw
…広い。
画面越しでも広かったが、実際歩くともっと広い。
僕はやっとの思いでチョコボ厩舎にたどりついた。
んで、金を払いチョコボに乗る。思っていた通り、ふかふかだ〜♪
さて、出発!!
道中のことは省略。何もなかったからね。
とりあえずルフェーゼについたわけだ。
で。
「かも〜ん、アルミティ♪」
耳につけたシグナルパールにメッセージを送る。
すぐにしゅーっと言う音とともに、エル♀F4A(お下げエル♀)のアルミティが登場した。
「やっほ〜。今日もがんばろうね〜。」
372 :
352:2006/04/29(土) 22:13:43.96 ID:Yz+H+Yzw
うむ、相変わらず元気な娘だ。それにしてもでかい。
画面越しでもでかいと思っていたが、直に見ると更にでかいな…。
「さて…。」
ぼくはアルミティの股の下に潜りこむ。そしておもむろに/joyする。
「…はぁぁ〜…。」
アルミティの呆れを含んだ深い溜め息が聞こえる。
「そんなことしてるから、彼女もできないんだよ?」
「ほっとけw」
…いつものやり取り。これでこそ僕だ。
で。今日の獲物はブガード。僕はファランクス、エンエアロなどの一通りの強化魔法をかけ、短剣をかまえる。
373 :
352:2006/04/29(土) 22:16:04.56 ID:Yz+H+Yzw
短剣なんて使ったことはないが、まあ適当に振り回しておけば平気だろう。シーフじゃないんだし。
「疾風、砕苦龍!!」
僕のウェポンスキルでブガードを吹き飛ばす。
ウェポンスキルの出しかたは、短剣から意識が伝わるような感じでわかった。流石はガルーダダガーだ。
これで20匹くらいか。
「ふ〜、もう疲れちゃったよ〜。」
格闘武器を振り回し、疲弊したアルミティが言う。
「それじゃ、またね!バイバイ!」
そう言って、アルミティは去って言った。
374 :
352:2006/04/29(土) 22:17:24.59 ID:Yz+H+Yzw
「さて…。」
次は何をするかな…。とりあえずバッグからデジョンカジェルを取り出す。
デジョンカジェルに念を込め、頭上にかかげる。
僕の体は黒いもやに包まれていった…。
……。
ウィンダス森の区に帰ってきた。さて、これからどうするか…。
「…シャクラミにでも行くか。」
モグハウスで僕はサポシに変え、外へ出た。
…と。
フレのガルカがが走ってくるのを見つけた。
…フレを直接目にするのは初めてだが、いつも通りいつも通り…。
375 :
352:2006/04/29(土) 22:18:30.77 ID:Yz+H+Yzw
「や。」
「お、こんちゃ〜。」
…こんちゃ〜か。リアルはいつの間にか昼になっていたのかな…。
まあ、それはいい。
僕はおもむろにフレの股下に潜り込み、/hurry motionをする。
「;;」
更に、フレを無言誘いする。
「?」
「/ma デオード <フレ>」
ガルカにはデオードをかけるのがうちらのルールだ。
「(>_<)」
ふぅ、完璧。これで誰も僕をリアルからの来訪者だと思わないだろう…。
で、何も言わずに解散する。いつもの光景だ。
「じゃ〜ね〜♪」
「あ、またね〜。」
そう挨拶して、僕はその場を去った。
376 :
352:2006/04/29(土) 22:19:42.29 ID:Yz+H+Yzw
「よいしょ、と。」
シャクラミについた僕は、チョコボを降りた。
「暗いな…。」
画面越しに見ても暗かったが、実際に入ってみると本当に暗い。
それも当然だ。何の明かりもないのだから。
僕は短剣にエンファイアの魔法をかけ、松明代わりにする。
向かうのは芋虫広場だ。
で、芋虫広場。うわ、うじゃうじゃいるな…。
「/ma ディアガ <芋虫>」
僕は芋虫をディアガで集め、砕苦龍で始末する。
乱獲。
ひたすら乱獲。
こころなしか、短剣の使い方が身についてきた気がする。
377 :
352:2006/04/29(土) 22:20:53.70 ID:Yz+H+Yzw
小三時間は狩っただろうか。今日は運が良いようで、5ダースほど絹糸が集まった。
「さて、帰ろう。」
僕はバッグからデジョンカジェルを取り出した。
………。
…リキャストがまだだ。
「…歩くか。」
僕は歩いて帰ることにした。
本日三度目のウィンダス森の区。
「…疲れた…。」
結構遠かった。
とりあえず、モグハウスに帰ることにする。
ガチャ。
「おかえりクポ〜。」
モグハウスに帰ると、モーグリが迎えてくれた。
「ただいま。飯。」
「何もないクポ〜。」
378 :
352:2006/04/29(土) 22:21:55.62 ID:Yz+H+Yzw
……そうだった。競売でうさグリルでも買ってくれば良かった…。
「…お前を焼いてやろうか。」
思えば、朝から何も食べていない。
「ク、クポ!?やめるクポ!!」
無論、冗談だ。
「風呂入って寝る。」
「お風呂わいてるクポ〜。」
なかなか気が利くな。
僕はざっと風呂を終え、ベッドに飛び乗った。
「やれやれ…。」
「おやすみクポ〜。」
「おやすみ。」
明日からは情報収集も初めないと…。
そんなことを考えながら、僕は眠りについた。
379 :
352:2006/04/29(土) 22:23:46.28 ID:Yz+H+Yzw
壁|_・)ノ 以上です。
壁|_・;) べ、別に携帯からで改行おかしいくてごめんとか長文スマソなんて思ってないんだからね!
壁|彡サッ
リードは、剣に付着した血を拭っている。男の意識が完全に失くなったのを確認していると、近くに落ちていた黒光りする剣が目に入った。
近くに寄って見ると、それは粘性と微かに物が腐ったような臭いを発する液体が塗られている剣だった。
拾い上げリードが見ている中で、試しに、近くの植物を小さく切ってみた。
途端に植物が茶色くなり、少しずつ膨らみ始めた。焦げ臭い臭いがしたかと思ったら、次の瞬時には小さく音を起てて破裂した。
「どうなっているんだ?」後ろからリードの声が飛んでくる。
「多分水分か何かに反応して効果を発揮する毒だと思う。」今のところ、それしか言えない。
「コイツ、どうしようか?」ふと思ったら。このまま放置するのは通行人にも迷惑だろう。
「君の好きにしていい。レイズするもよし、放置もよし。」リードが答えた。
体のあちこちから魔力を引き出し、一点、黒装束の体に集中する。
すぐに、魔法の呪文が口から流れ出してきた。体の魔力をどんどん奪っていくが、足りないことはないだろう。
呪文が完成すると、黒装束の体を黒紫(?)な霧が包み込んだ。
紫色の光りを微かに帯びたその霧が徐々に小さくなり消えると、そこに黒装束の体はなく、さらに下の地面も一部なくなっていた。
「・・・・」「・・・・」俺もリードも互いに無言。リードの表情は暗く影って見えない。
「クックックッ……」小さな音が聞こえ、リードがピクッと動いた。
「アーハッハッハッwwwwww」リードが大笑いを始めた。うぅ、恥ずかしい……
未熟な呪文は、どうやら下の地面までデジョンしてしまったようだ。
「今頃奴の周りは大騒ぎだろうな。土までワープしてきたんだから」リードがいう。
釣られて、俺も笑い出す。久々に笑った気がした。
笑いで引き釣る顔のまま、俺達は水の区のモグハウスへはいっていった。リードはレンタル手続きをしないまま。
以上です
リードさんを勝手に笑わせてすみません
383 :
185 ◆ajBPG2hnCs :2006/04/29(土) 22:46:23.95 ID:ZeZH9CT6
皆様投下乙です(`・ω・´)ゞ
個別レスしたいのですが携帯からだとなかなか難しいのでまとめて失礼します。
わくわくしながら読める展開や文章を考えられる皆様の才能に嫉妬ですw
わっふるわっふる!!
ちょっとだけ投下。
続きはしばらく無理そうです…ワスレラレナイトイイナヽ(;´д`)ノ
着替えを済ませ、モグが作ってくれた簡単なお弁当をかばんに詰める。
冒険者が武器を持たずに歩くのも怪しまれるかもしれないし、と
念のために片手用の刀を2本、脇に差す。
そして忍術に使う触媒を懐に忍ばせようとしたところで、ふと思い立つ。
忍術ってどうやって使うの?
スレにも誰かの話の中で魔法の使い方を書いてあったような気がするが、忘れてしまった。
そもそも、触媒を使う時点で魔法の使い方とは違う可能性が高いから、
あまり当てにはならないが。
「ねぇ、忍術ってどう使うかわかる?」
とりあえず、他に聞ける人もいないのでモグに問いかけてみる。
「モグは忍術が使えないからわかんないクポ、ごめんクポー…」
むー、やっぱりわかんないか…
「気にしないで。とりあえずウィンダスで忍術の使い方を知ってる人がいないか
探してみるよ」
申し訳なさそうに謝るモグの頭を撫で言う。
ただぶらぶらするだけではなく、ちゃんとした目標ができて
かえって良かったかもしれない。
まぁ高レベルの忍者なのに忍術の使い方も知らないという話が広まれば
危険になるかもしれないというリスクはあるが。
以上です。
しつこいですが皆様わっふるわっふる!
皆様投下乙でありますm(_ _)m
前回ブモ&炎の壁兄弟が出ていなかったので追加投下にきました。
では投下いきたいと思うであります、軍曹どの(・ω・)ゞ
いくら待っても出てこないふたりを不審に思った炎の壁が部屋に入った頃には、
彼の友人の姿は無く、虚ろな目したエルヴァーンの医師が独り座っているだけだった。
この部屋は特殊な造りをしていて外からの音を遮断するために
入ってきた扉以外に全て密閉された部屋になっている。
しかし、入ってきた時には既にいるべきはずの者は居なくなっていた。
炎の壁に続いて、その弟と一匹の羊が入ってきた。
羊は自分の主人の姿が見えないと知ると悲しいそうに、ひとつ啼いた。
部屋に残る主人の香りに気付くと、もうひとつ啼いた。
そして、主人を追って外へ出ようとした。
しかし、それは炎の壁兄弟に抑えられたところで
啼くことを止めることが出来なくなっていた。
その啼き声はとても物悲しく、兄弟は抑止するその腕の力が弱まりそうになった。
しかし、本人の為と考え、必死に懸命に羊を優しく抑えつけた。
大丈夫。君の主人は大丈夫だから。
と兄弟の弟が羊に小さく語りかけた。まるで自分に言い聞かせるように。
大丈夫だから、大丈夫だから。
繰り返される詞は、徐々に湿っぽさが益していった。
羊の暴走が収まったとき、そこには普段なら考えられない
モンスターたちの悲しい協奏曲が響いていた。
炎の壁には、この状況を打破する術を心得ていなかった。
戦闘において彼の右に出る剣術使いはそうはいない。
しかし、身近な者の突然の出来事においてはそうはいかない。
今この場で出来る事。それはただ黙って彼らを見守ること。
それしか、今の彼には出来なかった。自分の無力さを実感する。
突然の友の失踪。それも友の命に関わっていると思われる失踪。
友を助けることが出来ない自分。哀しむ弟にかける言葉を知らない自分。
黒い鎧に身を包むゴブリンは自身の不甲斐なさに
頬を伝う涙を拭うことも出来なかった。
以上で今回の投下終了です。湿っぽくなってて申し訳ない…
392 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/04/29(土) 23:54:01.98 ID:aXSTGtbE
皆さん投下乙です!
ROMってたらはまってしまってましたw
皆さん話の構成が上手いなぁ…
>>331 まとめの方、乙であります!
私も投下します。
(157)
「一昨日の夜の事、覚えてるだろ」
あの時にエルリッドが名乗った名前は…
「『エルリッド・S・シュヴィヤール』と、エルリッドが言ってたわね」
「その名前が間違ってないなら、エルリッドは俺の妹って事になる」
「そう…」
2人とも、視線は相変わらず目の前にある壁に向けられている。ラディールは少し身を縮めて肩にかけた布を被りなおした。
しばらくの沈黙の後、ラディールが口を開いた。
「あなたは…誰なの?元のルーファス?異世界から来た人?その『ファーロス・S・シュヴィヤール』という人なの?」
俺は視線を下に向けた。わかるわけがない。
いきなり自キャラになって、その自キャラにもそれまで生きてきた記憶があった。
その自キャラには、捨てた名前と妹がいた。これは厳密に言えば俺の事情じゃない。
だが今こうして話している俺にとっては、まさに当事者としての視点の記憶しかない。
『俺』と『ルーファス』の境界が、記憶の上でも意識の上でもあやふやになっている。
「…わからない」
「そう…」
建物の中からは、何度目かの絶頂を迎えた女の嬌声がしている。
壁一つ隔てたこんなところで重苦しい空気が流れてるとは夢にも思わないだろう。
(158)
「異世界から来たとか、あの娘が妹とか…私には全然理解できないわ…」
俺だって理解なんて出来ない。ただ目の前で起きていることと記憶の中にある情報が符合し、おそらく事実だろうと思われることを言っているだけだ。
「私は、あなたが冒険者の『ルーファス』で、あなたを支えられたらと思っていただけなのに…」
「…すまない」
「なんで謝るのよ…」
ラディールはいつの間にか俯いていた。
「ラディールはどこか遠くに行ってた方がいいんじゃないかな、君は当事者じゃない」
「…どういう意味?」
説明するのも気が重い。
「多分、事態は俺たちが考えていたよりも遥かに深刻なんだ。君も命を落とすかもしれない」
「…そのことなら、昨日言った通りよ」
「俺が冒険者の『ルーファス』じゃないとしても?」
そう言うとラディールは黙り込んでしまった。
「あなたは…ルーファスよ…」
ラディールの声は震えているようだった。
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」
俺の声はどこか冷たく、重々しかった。
(159)
建物の中からは相変わらず嬌声が聞こえる。
壁一枚隔てた2人の沈黙は、重々しくもあったが逆に心地良くもある。
不意に、地面に置いていた俺の手に暖かい何かが被さった。
「あなたは1人だって、ずっと言ってた」
俺は1人だから ─ それが、『ルーファス』の口癖だった。
「でも、あえて1人になろうとしてるのは初めて見たわ。それは『ルーファス』ではないあなたのせいなのかしら」
一人が楽でいい ─ これは『俺』の口癖だ。
「私はあなたに助けられたから、その代りにあなたを助けたいって言ってる訳じゃないの」
「あぁ…」
ラディールは少しこちらに寄って、俺の肩に寄りかかった。
「あなたを、守りたいのよ…」
何かを失うのが怖いか、と宰相は俺に言った。
あぁ、怖いね。それが愛しいと感じたものであれば尚更だ。
「守るためには、逃げてはいけないの。一人になることは逃げているのと同じだわ」
わかってる。だから俺は1人でいる事を望んだ。守るものを持たないことで自分への言い訳にしていた。
(160)
手に被さったのがラディールの手だった事に、強く握られてようやく気がついた。
「10倍返し、してくれるんでしょう?…だったら、あなたが幸せになって、私も幸せにして頂戴」
「へ?」
思わず間抜けな声が出た。ラディールは身をよじってまっすぐに俺を見ていた。
くっく、と低く笑い声が出てしまった。
「…わかったよ、まかせとけ」
俺の手の上に置かれたラディールの手を反対の手で引き寄せ、地面にあった手をラディールの肩に回した。
「まったく、本当にいい女だ。俺でいいのかねぇ?」
悪戯っぽく笑いかけると、そっぽを向いてしまった。
「おかげで肚は決まったよ。結局、目的なんて物は血と汗で達成されるもんだ。それを恐れてたんじゃ何も出来ない」
肩に置いた手を離し、そのばで立ち上がった。
「そうと決まればいくところがある」
手を伸ばして、ラディールを引き起こした。
「どこへ?」
「ここよりはもう少しマシな寝床と、武器があるところだ」
暗闇の中で、感謝の言葉の代わりに精一杯の笑顔をラディールに向けた。
(161)
サンドリア居住区、通称東サンドリアの奥はちょっとした高級住宅街になっている。
その片隅に目指す場所はあった。
「この辺って、貴族や高位の騎士が住んでる場所じゃない?」
「かもな」
人通りが少ないが、それだけに歩いてる姿が目立つ。とにかく足早に目的地に向かった。
高級住宅街を少し行き過ぎたあたりに、目的とする場所があった。
柵と見分けがつかないような玄関戸を開け、庭を突っ切って扉までいく。
扉を何度か叩くと、使用人らしき若いミスラが出てきた。
「夜分遅くに申し訳ない。この屋敷の主人はおられるかな」
「…すでにお休みかと思います」
「そうか。では起こしてこう伝えてくれ」
「ですが…」
「ファーロス・S・シュヴィヤールが帰ってきた、と」
ミスラは息を呑んだような表情をした。どうやら思惑通りに事は運びそうだ。
398 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/04/29(土) 23:59:24.73 ID:aXSTGtbE
投下終了です。
実は今後の展開は何も考えてないので、絡めそうなところがあったらぜひ絡ませてやってくださいw
では、わっふるわっふる!
投下の前に改訂の紹介
初出: スレ1の898
PC(仮)名:Bareiluyareilu(バレィルヤレィル)
中の人: 898
種族フェイス:タルタル F6 B
ジョブ&Lv: 黒魔道士30 白魔道士30 赤魔道士23
特記事項: 基本的にリアルからそのまま来た感じ。tell、サーチなどおおよそ現実ではできないことはできない。
活動エリア:ウィンダス連邦内
他キャラとの接触:直接は無し。
〜ウィンダス連邦 水の区 耳の院(旧魔法大学)前〜
「さてと…」
目の前に二つの建物同士を橋が繋ぐ、口の院以外の他の院共通の建築様式の耳の院があった。
相変わらずウィンダスの空には青空が広がり、風が頬を優しく撫ぜる。
魔法を使用する方法、つまり精霊の『意思』を感じることができない俺は
フリートの提案でここ、タルタルをはじめミスラなどの子らが魔法を学ぶ耳の院に来ていた。
「学校、か……。ちょっと懐かしいな…」なんて物思いに耽ってると、
「ちょ、ちょっとそこの君!!」後ろの方から声が聞こえた。
振り返ると三十代前半程に見えるタルタルが俺の方に向かって駆けてくる。
「申し訳ないんだがちょっと頼みがあるんだ。いいかな?」?「どぞ」
「うちの子が学校で頑張ってるか見てきて欲しいんだ。」
??「いや、自分で見にいったらいいでしょ。別に親が授業参観に来ちゃいけないって訳でもないし。」
「それが…」モゴモゴと口ごもる。「私が見に行くと怒って魔法を放ってくるんだ。気が散るって。」
…親を攻撃するって、どんなお子さんですか?
「…わかりました。念の為聞きますけど俺を攻撃してくるってことは、ないですよね?」
「ん?冒険者の君なら平気だろ?いつも魔法を外の獣人からちょくちょく喰らってる訳だし。」
「お断りします。」背を向けさっさと離れる。「ちょ、そんなこと言わず頼まれてくれよ!!」裾を掴まれる。
「放なせ!! 魔法くらうなんて御免だ!!」
「いやいや!!大丈夫、大丈夫!!他人に魔法を放つなんてことはない!!うちの子はそんな風に育ててないから!!」
「今の話聞いて信じられるか!!いいから放せ!!」掴まれた裾を乱暴に振る。
暫く押し問答が続いた。
「…わかった…様子見るだけなら…」肩で荒く息をする。
「…ありがとう…助かるよ…」こっちもだ。
「じゃ…」その場から離れ耳の院へ向かう。
後ろから声を掛けられた「ほんと、頼むよ!!」
…まったく、俺はお人よしだ。
(とりあえずハイクラスから聞こうかな?)
耳の院の横にある階段を駆け上がる。(お、やってるやってる。)
黒板の前に幾つかの机が並べられていている。そこで将来のウィンダス連邦を担う
若き力を秘めたるタルタルらが勉学に励…んで…い…
(…る?)目を細めよく見る。ちょっと待て、あれは…「…あいつら…」
寝てる者、プリントを飛行機型に折り飛ばしてる者、落書きしてる者、
上の青空に向かって口をボケッと開けてる者、微動だにしない者。
殆どが勉強をサボってる。きちんとしてるのは三人程。「…この前より酷いな。」
「お前ら!! 何サボってんだ。」呆れ半分共感半分で声を掛ける。
「あ、バレィル!! どしたの。」次々と子タルら近づいてくる。もちろんサボり組多数。
この前の『取り合えずウィンダス国民と仲良くなろうよ!!大作戦』で顔見知りになったのだ。
「なぁ、この前の『ひんがしの国 120年後にはこうなる!』の話の続き、聞かせてくれよ!!」
「私、あの後コイヅミはソウジショクすると思うの、そんで、そんでね…」
「お前らズリーぞ。痛ッ!!誰だ俺の踵踏んだの!!」
まぁ、ワラワラ集まって慕ってくるのは嬉しいが、ここに来たのはそれが目的じゃない。
「まぁ、その話またな。それより聞きたいことがあるんだ。」
「何々?」無邪気に尋ねてくれる。俺は息をスゥと吸った。
「魔法ってどうやって放つんだ?」
…ピシッ……
子タルらの笑顔が引き攣った。
「…え?」引き攣ったままの笑顔で聞いてくる。
…やっぱり。だから嫌だったんだ。
俺はふっと空を見上げながら嘆き、さてどう言い訳しようかなと今更に考えた。
やってしまった…。orz
慌てるもんじゃないな。
朝また投下します。
皆様投下乙です。どの話も魅力的なのでこのスレのチェックはもはや日課ですw
>>322 いつもいつもまとめありがとうございます。
>>329 ホノボノから一転、いっきにシリアスにwktk
ブモオオォォォォ・・・(´Д⊂
>>339 >>351 むぅ、みごとな連携だ・・・w
これから二人はどうしてゆくのか、どんな目的で進んでゆくのかたのしみです
>>379 新しい人キタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!!
>>385 そういえば忍者やってる人このスレでは実は初めて?w
>>398 素敵な通りを使ってくださってありがとうございますw
・・・ていうことは危うく妹に押し倒されて妹を(((( ;゚д゚)))アワワワワ
>>404 ・・・親に魔法を撃つ子供ってwこえぇwww
406 :
既にその名前は使われています:2006/04/30(日) 02:30:17.78 ID:xYQXFYOv
>>385 一話限定で自キャラの容貌の美しさに逆に絶望感じて微塵したヒュム忍♀がいたね
けっこう間があいてしまったので、簡単なあらすじ
ヴァナに来た俺はバスの大工房に勤める事となり、護衛にはナジがつくことになった。
現在はリアルの物をヴァナに再現しており、ローラーブレードを作ることに成功した。
なぜ髭サブリガがいませんか?
その後もローラーブレード作りは続いた。
ナジが靴を作り、俺が刃とローラー、というように仕事を分担した。
二人の共同作業のおかげで、おやつの時間までに合計4足のローラーブレードを作ることができた。
が、5足目に行くことはできなかった。
アイアンインゴットが切れたからだ。
「材料が無くなってしまったにゃー」
「うーん、暇になっちまったな」
「追加のアイアンインゴットとかは無いのかにゃ?」
「今、大工房の修理とかでみんな忙しいし、インゴットもそっちに使われちゃってるから無いなぁ」
・・・大工房を壊した原因は俺にあるわけで、少し罪悪感。
「というわけで今日の仕事はおひらきさ。
メキは何かしたいトコとか見たいトコとかあるか?」
ナジが提案する。
もしかして、ヴァナに来たばっかりの俺に気を使って少し早めに仕事を切り上げたりしてるのだろうか?
だとすればありがたい。
ちょうどやりたい事があったのでお言葉に甘えるとする。
「それなら、魔法の特訓をしておきたいにゃ。
教えてもらえると助かるにゃ」
以前魔法を使ったときは連続魔で無我夢中だったし、もう一度発動できるとも限らない。
黒装束に再び襲われる可能性がある以上、魔法を確実に習得しておくべきだ。
「よし、魔法だな。
俺も初級魔法ぐらいなら使えるし、教えるよ。
場所は・・・大工房2階の屋外あたりが広くていいかな」
「了解にゃ」
そんなわけで俺たちはエレベーターを使って大工房の2階屋外にやってきた。
さっきまで熱気の篭った鍛冶ギルドにいたので、さわやかな風が気持ちいい。
適当な場所を選んで、ナジと一緒に座る。
「それでは、よろしくお願いしますにゃ」
「よっしゃ、まかせとけ。
まずは詠唱だな、メキは詠唱はちゃんと覚えてるか?」
詠唱か・・・Tab語かFFT詠唱か、どちらでもいけそうな気はする。
「うん・・・多分、詠唱は大丈夫にゃ」
「よし、それじゃとりあえず、このクゥダフ人形にケアルを使ってみてくれよ。
それを見て直すところをアドバイスするからさ」
ナジが床にクゥダフ人形を置く。
ゲームではヘンテコな形だったが、実物はよく見てみるとちょっとカワイイ。
「ラジャーにゃ」
両手をまっすぐ、クゥダフ人形に向ける。
掌に魔力を集中、『癒し』を強くイメージする。
「清らかなる生命の風よ、失いし力とならん
ケアル! 」
俺の掌に淡い緑の光が宿り、それがクゥダフ人形に触れ――――
ドゴォ!
人形を木っ端微塵に粉砕した。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
粉々の人形を前に、場を沈黙が支配する。
「・・・てへっ、失敗しちゃったにゃ」
「どんまいどんまい、失敗は誰にでもあるさ。
・・・でも、今日は夜まで魔法の猛特訓な。特にケアル」
ごまかして笑う俺に、ナジもまた苦笑いしながら言うのだった。
投下終了です。
わっふるわっふる!
朝だ!!
投下だ!!
「キオクソウシツゥ?」「そ。ま、その辺りの部分のみだけどな。」
「へ〜、お外ってやっぱ怖いんだ…。」「バッカ、それくらいでビビってどーすんだよ。」
よかった、信じてくれたらしい。モンスターに殴られて記憶が飛んだ、という古典的な言い訳でも通じるもんだ。
無邪気で大変よろしい。
〜ウィンダス連邦 水の区 耳の院(旧魔法大学)屋上 ハイクラス教壇〜
「でも大変だよね。バレィル、黒魔道士でしょ?」
痛。ここらへんのツッコミ具合が結構苦手だ。
「あ、ああ、だから思い出そうとしてんだ。…なぁ、お前らどうやって魔法撃ってる?」
皆、首を傾げる。「ん〜、よくわかんない。気が付いたら撃てた、って感じ。」
「ある日、ポンッって出来るんだよな〜。初めて歩くのと感じが似てるかな。」
「あ、そうそう!そんな感じ、そんな感じ!手順とかなくて突然出てくるの〜。」
…どうやら感覚みたいなものらしい。自転車に乗れる人や泳げる人にやり方を教えてもらうようなもんか。
しょうがない、他を当たろう。「わかった。じゃ…」
「じゃぁさ、下のクラスの奴らに聞いてみたら? あいつらまだ魔法とか使えないから」
…なるほど。魔法を扱えない同士、なにか掴めるかもしれない。
「そうか。さんきゅ、助かった。」
ニッカ〜と皆笑う。やっぱり子供だ。
下に戻る階段に向かう。すると「頑張ってね〜。」と声が聞える。
振り向き手を振って答える。「おまえらもな、、勉強サボんじゃねーぞ!」
「こんな、天気がいい日に勉強とか出来ないよ!!」
ハイクラスの上にはぬけるような青空が広がっており、その下には笑い声が広がった。
…ハイクラスが青空教室なのは理由がある。
子供たちが意図せずに魔法を放ってしまうことによって、事故『等』が起こらないようにするためだ。
あんな小さな無邪気な子供たちが『物』を容易に破壊できる手段を持っている。
考えてみれば恐ろしいことかもしれない。
投下終了
ウィンダスウロウロ…
さっさと出ねば。
418 :
既にその名前は使われています:2006/04/30(日) 08:17:47.40 ID:LyX3pTwN
保守
背中が痛む。頭痛がする。股間がパリパリする。腹の傷が焼けるようだ。
しかし、立ち止まれば後ろから斬られるだろう。
おれは脱兎のごとく、多分とんずらなんかよりずっと速く、全てが止まったサンドリアの町並みを駆けた。
……いや、全てではなかった。
おれが走る先に、黒い魔力の繭が生じる。
──繭から生れ落ちたのは、審判を司る禍々しい赤き蝶。
「変わったところにHP設定してるんだな」
慌てて立ち止まり身構える。口元が引きつってうまく喋れない。
騎士は答えない。屠る相手にかける言葉はないという事か。上等だ。
騎士はこちらに向かって悠然と歩を進め、一礼でもするように剣を胸の前で立てた。
ビリビリと髭が震動するほどの勢いで、大気中のマナが騎士とおれの間の空間に収束し、鮮やかな赤い蕾を作り出す。
この鮮血い蓮が咲いたら、おれは死ぬ。根拠はないが、直感というには確か過ぎる確信に、体が勝手に動いた。
騎士の剣が蕾を縦に叩き割ったのは、それと同時だった。
多分、右に跳んだんだと思う。腹のそこから響くような震動と、巨大な竜巻に放り込まれたような衝撃に全身が蹂躙される。
おれは地面に背中から叩きつけられるまで、どちらが下かも分からず手足をばたつかせていた。いや、違う。地面に落ちたはずなのに、もう一度横に落ちて今度こそ止まる。
最初地面と思ったのは壁か。くそ、次は絶対左に跳んでやる。
息が詰まる。地面がぐるぐる回って、立つ事もままならない。だけど、あの怪物は待ってくれないだろう。
悲鳴を上げる全身を無理矢理に瓦礫から引きずり出す。
即死せずに済んだだけでも奇跡なのに、すぐ立ち上がって動けてしまうあたり、おれも相当に化物だ。
「うそだろ……」
騎士は先ほどの場所から一歩も動いていなかったが、全くの別世界にいた。
一瞬前までここは、東サンドリアの閑静な住宅街だったはずだ。それが、空爆にでもあったみたいに廃墟と化している。
まるで戦争映画のワンシーンだ。崩れ落ちた瓦礫と一緒に、幸せな朝のまま止まった人達の破片が散らばっているのが分かった。
ふにゃけた体が一気に引き締まる。
「避けましたか。来訪者は行儀が悪くて困る。レッドロータスは回避不能のはずなんですが」
うは、レタスでこの威力って、おまえINT30000くらいあるんじゃね?
下らない減らず口をぐっと抑えて、走り出す。少しでも遠くへ。少しでも時間を稼ぐ為に。
後ろからの追撃はなかった。あの技は一度で打ち止めか、連発できるようなものではないらしい。
走りながら考える。どうすればいい、どうすれば生き延びられる? 笑いを貼り付けたままバラバラになった人達の顔が、おれの恐怖心を煽った。
ひとまずこんな場所じゃ駄目だ、城か、石塁か、あの気違いじみた威力のレッドロータスでも壊れない場所じゃないと。
路地を折れ、軒をくぐり、通りを駆け抜ける。
しかし地の利は向こうにあった。出鱈目に逃げ回ったところで、もし仮にあのいんちきデジョンがなかったとしても、追い詰められるのは目に見えていたんだ。
おれは、逃げ込んだ城壁が、このまま行けば見張り塔に繋がり、そこで行き止まっている事に気がついた。
それを知っていたのか、今度は後ろにデジョンで実体化してくる騎士。
すばやく横を見るが、地面までは五十メートル以上はある。下は石畳だ。竜騎士なら飛び移れそうな木があるが、今おれが試してもただの飛降り自殺だろう。
どうにか騎士をやり過ごして、向こう側に駆け抜けるしかない。身を低くして身構える。
「覚悟が出来ましたか? なに、ほんの一瞬です。恐れることはない」
騎士は相変わらずステロタイプな台詞を吐きながら、悠然とした歩みでこちらに迫る。自身の剣術への絶対の信頼か、自然体のまま。
いや、違う。これまでの動きで確信した。
こいつはとんだ素人だ。この世界に降り立ったばかりのおれと一緒だ。絶大な力を持って生れ落ち、それを面白半分に振りかざしているだけのとっつぁん坊やなんだ。
頑丈な鎧のおかげで剣術を学ばずとも命の危険を犯す心配がなく、まぐれでもそのうち当たれば済むからバカみたいに大振りをする。
つけいる隙はいくらでもある。だが、それにつけいる手段がおれにはない。
おれだって、あいつと大差のない素人なんだから。
睨み上げるおれの視線と、兜の中から見下ろすあいつの視線が交錯した。
おれの視線はあいつの剣に、あいつの視線は……
──おれの腕時計に注がれている。
体を深く沈める。
騎士が、おれが何かするつもりなのに気づいて、剣を構える。
おれは臍のところで左右の手にあるものを交換した。これで右手に時計、左手に剣。
剣は根元で折れ、アルファベットのTの形をしている。役に立つとは思えないが、ここまで捨てずに来たのだ。
こちらの意図が読めず、騎士は動けないでいる。
おれは右に大きく腕を振って、サイドスローで時計を思い切り投げつけた。
時計は自分でも驚くほど見事に騎士の顔面に当たり、騎士は大袈裟に顔を覆ってのけぞった。
大きく跳ねて、時計が下へと落下していく。
同時に全力で走り出す。騎士の傍らにある凹型胸壁の凸部分を蹴って反動をつけ、一気に駆け抜ける。
あいつの狙いは時計だから、これで隙を作ることが出来る。うまくすれば、このまま見逃してくれるかもしれない。
それは甘い考えだった。
地上に下りる細い階段に差し掛かった時、踊り場に黒い繭が見えた。
「時計が欲しかったんじゃないのかよ」
「お前を殺した後でゆっくり回収すればいい」 にやり、と口が左右に引き裂かれる笑い。「お前は、唯一残された生き残る可能性を、自ら手放した」
顔を上げた騎士の面頬の、丁度時計が当たった部分が雪溜まりに小便でもかけたみたいにほどけてなくなり、嫌味たらしい口元が覗いていた。
短めですが以上です(`・ω・´)ノ
プロット作ったりいたずら考えたりしてたら乗り遅れた…(´;ω;`)
424 :
既にその名前は使われています:2006/04/30(日) 11:37:31.11 ID:Akr6hyds
外出前保守
425 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/04/30(日) 12:05:13.57 ID:efHTThl2
皆様、投下乙で御座います。
他の方々の内容に影響されつつ、自分のSSも進んでいきます。
>>382 GJな連携、ありがとうございます。
いったん、これでリードさんとは別行動ですね。・・・まだLSパール渡してないけどw
連携すると、続きを書くのがドキドキして楽しいですね。
リードじゃなくてレップさんですよ。タハー
寝ぼけてますね、私w
第二世代のフェイトは、例外もあるが概して経験不足の個体が多い。
洗脳して自爆装置を取り付けただけの促成品では、致し方ないのだろう。
私は血まみれの愛剣を拭き上げた。
レップが地面に転がったままの片手刀を拾い上げる。
刀身には、黒い液体が塗られていた。
その正体を調べるように、彼は手近な植物に切りつけた。
途端に植物が茶色くなり、少しずつ膨らみ始める。
焦げた臭いがしたかと思うと、次の瞬間、草の葉は小さく音を起てて破裂した。
暗殺のために何種類かの毒を使った経験もあるが、これは覚えがない。
「どうなっているんだ?」
「多分・・・。水分か何かに反応して、効果を発揮する毒だと思う」
首をひねりながら、レップが応えた。
彼もそれ以上のことは知らないようだ。
新型の薬物を創り出したか・・・、あるいは私が知らないだけかもしれない。
元々毒物を使うなど好みではないし興味もないから、私の知識不足の線が強い。
「コイツ、どうしようか?」
レップが、目を見開いたまま転がる男の遺骸を指差した。
レップという人物は、どんな人間なのか?
彼とは知り合ってまだ間もない。
私は、彼の行動を見てみたかった。
「君の好きにしていい。レイズするもよし、放置もよし」
レップに向けてではないが、多少の皮肉を込めた言葉を吐いた。
黒装束の男は、瀕死のレベルを超えている。
すでに体は息絶え、魂は四散している。私が心臓を潰して、・・・殺した。
例えレイズをかけようとも、二度と蘇ることはない。
私たちは、死ねば“今度”も“次”もない。ホームポイントに復活などしないのだ。
レップは小声で呪文を唱え始めた。
来訪者にしては珍しく、“こちら”の正式な呪文を暗唱している。
少しずつ紡ぎ合わされた魔力が、眼前に力場を形成していった。
ふむ・・・。
私はひとりごちた。黒魔法に属する移送の呪文、“デジョンII”か。
ほどなくして呪文が完成すると、黒装束の体を黒紫の球体が包み込む。
不安定に紫色の光が明滅する魔力の球体は、遺骸ごと、すっ、と消滅した。
予想外なことに、その下の地面も一部、抉り取られていた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
レップのデジョンIIで、遺骸は強制移送された。
死体を送り届けるなど聞いたことはないが、彼には可能であることは実証された。
今頃、男の体はウィンダスの土と一緒にズヴァール城か。
“見ろ! この男はウィンダスで任務に失敗した上、自爆もできない恥さらし者だ!”
レップは、そうメッセージをつけて送り届けたわけだ。
これは、面白い。
これは、実に愉快な挑戦状を叩きつけたものだ。
そうか、そうか。
彼は、そういう人間か。
「クックックッ…! ハッハッハ・・・!」
私は自然に笑いをこぼしていた。
「アーハッハッハッ!! 今頃、奴の周りは大騒ぎだろうな。土までワープしてきたんだから!」
私とレップは、二人で大笑いをした。
ある意味、死体を片付けた私たちは、水の区のモグハウス前で別れた。
手を振ってモグハウスへ引き上げていくレップ。
私も軽く手をあげて応えた。
あぁ、そうだ。
忘れるところだった。レンタルハウスの登録をしなくては。
私は途中で引き返し、ガードに手続きを依頼した。
モーグリも、ウィンダスで準備をして待っているはずだ。
冒険者登録証の提示を求められ、私はそれを持っていないことに気がついた。
ジュノでは顔パスに近かったが・・・。
ウィンダスでは十日前の事件の後、国内の警備が強化されているとのこと。
なるほど。多少なりとも、私にも責任の一端はあるようだ。
「何も問題はないよ」 私は微笑んだ。「アジドマルジド師に滞在許可はいただいてある」
いぶかしむガードに、私は言葉を続けた。アジドマルジドの名を強調しながら。
「私の借りたハウス番地をアジドマルジド師に伝えてもらえれば、それで済む話だよ」
そして、私は独り言のようにつぶやいた。
「・・・彼はウィンダスで二番目に怖いお方だ。些事で怒らせないようにしないとね・・・」
面倒な手続きなしで、すぐに私のレンタルハウスが用意された。
431 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/04/30(日) 13:44:00.63 ID:efHTThl2
投下は以上でございます。
レップさんとの連携、リード視点でした。お粗末様です。
ぶっ壊れキャラになったサンです皆様コンニチワ。
きっと暴走気味なリードさんよりぶっ壊れてます。暴走してます。でもまだ止めません。
だんだん盛り上がって来てるようなので、
コッチもそれなりの手出し(ちょっかい)を出そうと思いました。
手出し出される方の方、続き決まってたら邪魔しちゃってスイマセンw
サンは黒装束は少し知ってても、赤鎧は知らないままです。何気に他の人より知りません。 では投下。
背後の白衣はキィにどこか異常が無いか診察していて、コチラの異変には気付いていない。
右目周囲の漆黒の肌が、鋭角的なアメーバとでも表現すれば判るだろうか。そのような染みとなって変異している。
眼は色以外特に変わった様子は無いが、時折り細く伸びている黒い染みが揺らめいているようにも見える…。
オマエは、生きる者が。敵が。裏切り者が憎くは無いか?偽りの自由を謳歌する姿に嫉妬せぬか?
頭ではなく、心臓の辺りから身体全体を不気味に、這うように言葉が蠢く。躯でも私でも無い言葉が。怨念が。
身体が急激に冷えていく気がする…寒い…寒い…凍えてしまいそうだ…気が遠くなってるのか…?視界が暗い…。
疲れた、な…心も、身体も……少し休もう…そう…少しだけ……少しだけ……。
――――バシャァゥヮァァヮァンッ
金属トレーが石床に落ち、静かだった部屋に乾いた音が響き渡る。白衣がビクリと驚いた後、コチラに振り向いた。
「ぉ…おい…アンタ大丈…――ッ!!」
コチラを見た直後、恐怖を表す顔のままタルタルスツールから転がり落ちたかと思うと、
慌ててベッドの影に潜り込み、おずおずと、怯えるような表情でコチラを伺っている。
「安心シろ。貴様ニわ用ハ無い。危害ハ加エぬ。クくく……ふハハ…フふふふふふふ……御前は、キィを助ケろ。」
サンの顔には、白衣が今まで見てきたどんな者より、不気味な殺意に満ちた微笑みが張り付いていた。
私はなんでこんな目にあっているのだろう……
医療魔法に優れた才能を発揮して、天の塔で新しい魔法や魔法道具の開発・研究をしてたハズなのに……
今、目の前には…といってもベッド越しだが…
コッチに微笑んだ顔のまま右腕だけを動かして鞄から武器などを取り出し、身に着けていくミスラが居る。
いや、奴はミスラだったかもしれないが、今は違う!実際に見た事は無いが、顔の右側が闇人の特徴と一致する!
しかし通説での闇人は、死後の怨霊か、闇人に堕とされた者がなる説が有力視されているが…この例は知らんぞ?
貴重な症例だ…!この事を詳細に調べる事が出来れば、世界の謎が1つ紐解けるかもしれない……!
いや!まて、まてまてまて、闇人の説が全て仮説しか無いのは、実際に見た者は没してるから知られていないハズだ!
つまり…その、わわ…私はッあの…あぁぁの闇人になりかけのミスラに……こっころッ殺され……!
「安心シろ。貴様ニわ用ハ無い。危害ハ加エぬ。クくく……ふハハ…フふふふふふふ……御前は、キィを助ケろ。」
………た…助かった…?ぃ…いや、まだだ!奴はキィ尋問長を助けろと言った、さっきは姉などと言っていた。
という事は奴は尋問長の妹で……じゃない!今は悠長に分析してる場合では無い!
尋問長を助けなければ…!そうしなければ私の命もココで消されてしまうかもしれん!
しかし逆に、尋問長を助ければ私も助かるかもしれん!治癒魔法の鬼の二つ名、舐めてくれるなよ!!
白衣が慌しく治療活動を始めたのを確認すると、サンの周囲だけがゆっくりと黒い霧に覆われて行く。
30秒もすると、サンが立っていた場所は真っ黒な、光を拒絶するような、黒い黒い漆黒でくりぬかれてしまった。
白衣が視界の端の異変に気付きそちらを見ると、黒い闇の塊が、風に吹かれた霧のように消滅し、何も残らなかった。
それから数分後、石の区モグハウス前付近から、クリスタル大戦時に没した筈のヤグード殉教団が突如現れた。
巨大な石像を先頭に、部隊ごとに整列し、一糸乱れぬ隊列を組み、微塵の迷いも無く。元々ソコに居たかのように。
「「クク…ククク…さァ、時ハ来た。宴の始マりの時だ。我ガ敵を全て抹殺セヨ。全て消滅させてしまえ。」」
元々の声と、それに被るように暗い、憎悪に満ちた低い声が同時に発声される喋りで、死の軍団に指示を出す者が居る。
先頭の、巨大な石像の頭上に。ミスラ本国の民族衣装バイソン装備に良く似た、漆黒の服を着たミスラが浮いている。
その顔の大半は漆黒に覆われ、既にフォモルとの違いは皆無だ。違いはほぼ無い。 微笑が常に張り付いている事と
左目が鮮血のように真っ赤な瞳で、その周囲少しだけに、淡く輝く仮面を付けたかのように真っ白である事以外は。
「「くく……サぁ…我が仲間達ヨ。…我が同胞達ヨ。 黒き使者ト、その仲間共ヲ根絶ヤシにせよ。」」
殉教団は時が止まったかのように微動だにせず、文字通り"静止"している。
サン1人だけが空中でゆらゆらと揺れながら、動かぬ軍勢に指示を出している。時間が時間な為か、冒険者の姿は無い。
赤い左目と、金色の右目が、遠くで…区画境界辺りで光った閃光の光を反射して、一瞬光る。
さして驚く様子も無くそちらに顔を向け、布に覆われた通路にニッコリと優しげに微笑む。
微笑みで閉じられた右目瞼の隙間から、金色の光が洩れる。数瞬後、サンの目の前には男の"魂"が引き寄せられていた。
男の形をした魂は無表情の形のまま止まっているが、眼がこう言っていた。
「理解出来ない」と。
「「魔銃っテ、知ってイるかぃ?」」
優しげに聴きながら、銃にトリガーをかけた形にした素手の右手を、優雅さすら感じる動きで男の心臓に向ける。
疑問 そんな眼をコチラに向けた男の魂が、鼻と口から血を流し始めた。肉体の顔面に外傷を受けたのだろう。
「「ふふ……ごキげんよう、哀レな操られタ魂」」
男に微笑みかけると同時に右手の人差し指が架空のトリガーを引く。
ソレに呼応するように、スゥ と右手に黒い影が形作り、銃の形に変化し、銃が現れた。
数日前モグハウスで見つけ、鞄に入れてあった、見慣れない二連装の猟銃が。
完全に姿を現すと同時にソレは、音も無く、弾も装められていないまま"発砲"した。
"見えない"のではなく、"存在しない"弾が男の心臓を刺し貫く。 …いや、違う。
存在しない弾が男に当たる前に、弾に道を譲るかのように男の身体が裂け、開いた隙間に弾が入り込んだのだ。
体内に入り込んだソレは、貫通も破壊もせず、身体の中で突然止まり、変異し始めた。
虚無から有へ。何も無かった弾丸から、闇が染み出し、男の魂を喰らい、蝕み、侵し始めた。
男は声無く叫び、唯一動かせるであろう顎をガクガクと動かしながら、身の内より襲い来る恐怖に苦しむ。
男の記憶、能力、経験、男の持つ全てを闇が奪っていき、その闇を通してソレをサンが視ている。
男の生まれて来た村を。男が戦って来た獣を。男が人形にされた場所を。そして男が今戦っていた相手を。
男の全てを視終わり、その魂を肉体から略奪しようとしたその時、不意に男の魂が目の前からスッと消えた。
「「余計な事ヲしてくれますね……ですガ…くく…コチラの手出しハ邪魔出来マすか?」」
サンはそう呟くと、既に何も持たれていない右手ではなく、左手を北西へ向けた。遥か遠い別国、サンドリアへ。
左眼と左手から血のように真っ赤な液体が溢れ出し、片手剣の刃の形をしたモノを、左手の先に形作る。
鮮やかなルビーのような色に変化し固形化したソレは、見た目だけならば宝石の刃と見えるだろう。
しかし、宝石は宝石でも、魔石の類として扱われるだろう。素人目に見ても感じる程の殺意を常に放つのだから。
「剣は誰かを護る為にあるのだ。誰かを殺す為にあるのでは無い。」
「殺める為に剣がある。刃向かう者は全て殺せ。敵を殺した後に護るという理由が付くのだ。」
サン本来の声と、暗い声が同時に相反する事を1つの口から発する。常に微笑んだままに。
「「サぁ、仲間ヨ。同胞ヨ。御前ハどちらになるのだ?どチらを望む?力か、友愛か。」」
ルビーの輝きに似た光を放つソレは、遥か北西の"刃の無い剣"へと放たれた。
はい、長いですね…すいません…。以上です。
リードさんトコに現れた刺客さんにちょっと二つの意味で死んで貰っちゃいました。
では、シリアス殺戮路線も、のほほん路線も、エロエロ路線(まだあるのか?)も、
みんなまとめてわっふるわっふる!
439 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/04/30(日) 16:26:21.19 ID:efHTThl2
>>438 ををぅ! サン氏はステキな事になっていますね。
もしかして遠くでピンチのソコワラメェの異母兄弟に、サン氏から援護射撃ですか・・・!?
わっふるわっふるわっふりゃー!
440 :
既にその名前は使われています:2006/04/30(日) 19:56:05.64 ID:efHTThl2
保守。
>>413 ケアルでトドメをさす・・・一度やってみたいな・・・w
>>422 いつまでたってもピンチから抜け出せない((;゚Д゚)ガクガクブルブル
>>431 こうも見事にリンクさせられると見事としか言いようが無いです。
リードさんの悪っぷりいいですw
>>438 そしてこっちにもダークサイドになってる人がぁ!w
ちょっと怖い雰囲気になってますね・・・
それでは私も投下します〜
「えーと、今日の予定!」
帰る目的もはっきりとして、すっかり元気になった私は遅めの朝食を食べながらはきはきとモグタンと話していた。
「まず、アリアさんに明日のお手伝いに参加できる事を伝える!」
スコーンにクリームを必死に塗りたくっていたモグタンがその手を止めてこちらを心配そうに見つめてくる。
「ご主人様、危ないから無理しない方がいいと思うクポ。」
どうしたらここまで優等生になれるのかしら・・・。あ、でも私の偏見だと優等生って決まってとんでもない性癖もってるものだし、
モグタンがスケベなのは優等生だからなのかな?中学の時の女子のジャージ連続失踪事件の犯人はあの成績優秀なY君だったらしいし。
いや、今はそんなくだらない事を考えている時じゃないか。
「ありがとう、モグタン。でもね自分の事くらい自分でやらなきゃって思ったの。」
私は紅茶を一口飲み、モグタンに微笑みかける。
「ふふ、ちょっと成長したでしょ?」
ま、これが本当は普通なんだろうけどね・・・。
「胸もそんな感じで育ってくれないとモグとしては物足りないクポ。」
そういうとモグタンはなんだかつまらなそうに私の胸の辺りをジロジロと視線で撫で回し始めた。
私は紅茶を全部飲み干し、空になったカップを思い切りモグタンに投げつけたが、
意外と良い反射神経でモグタンがカップをキャッチする。・・・うそぉっ!?
得意げにニヤニヤと笑うモグタンにさらに腹を立てた私が、直接モグタンをひっぱたくために席を立ったことは言うまでもないだろう。
「今日の予定その2。」
紅茶をカップに注ぎなおしながら左頬に赤い手のあとをつけたモグタンを冷ややかに見つめ私は続けた。
「修繕が終わってるはずのヒーラーブリオーを取りにいく。」
「そういえばブリオーはどうしたクポ?モグはあのエルヴァーンとご主人様の濡れ場ばかり気にしていて
すっかり失念していたクポ。」
こいつ懲りてないな。私がギロリとモグタンをひと睨みするとモグタンは一瞬ビクリとして防御体勢をとる。
「なにもなかったって言わなかった?まぁ、いいや。ちょっと・・・オークと戦ってね。」
正確には一方的にいたぶられただけど。紅茶のカップを握っている手が小刻みに震え紅茶に小さな波ができた。
耳の奥で骨が砕ける音と布が裂ける音が再生され、そしてその音がひやりとした空気の感じまで思い出させる・・・。
この出来事はそう簡単には忘れられないだろう・・・。
「・・・あんまり思い出したくないんだ。話題変えよう。」
私はそう言って一気に紅茶を飲み干した。胃の中が温かくなり少しだけほっとする。
「そうクポ!そういえば今日もこの服クポ?」
モグタンが私の言いつけどおりに別の話題を探してくれた。えらいぞモグタン。
「うん、いままでの服だと寒くってね。今日か明日にはウィンに帰るつもりだし、新しい服さらに買うのもね〜。」
でも素敵な服がいっぱい売ってたしもう何着かセーターとか欲しいな。・・・あー、貧乏だった人が急に大金もつとよくないね〜。
ヴァナに来てから既に100万ギルは使っている。そろそろ節約も考えなくちゃな。
「似合ってるクポ。」
「そう?ありがとう。モグタンはもっと肌が見えてる服のほうが好みだと思ったんだけどな。」
私はこう言って意地悪くモグタンに笑いかけると、彼はとんでもないといった表情で首を横に二三度振った。
「厚着は厚着で剥き甲斐があって大好きクポ。」
「・・・そ、そうなんだ。」
一瞬ぽかんとしてからそんな楽しみ方もあるのかと、思わず納得してしまってから少し自己嫌悪に陥る。
だめだ、モグタンには勝てない。スケベもここまで来るともはや敬意すら沸いてくる。
モグタンのお母さんお父さん、どこでどう育て方を間違えたのですか?
「それに・・・」
「それに?」
私は軽く首を傾げてみせた。
「その服着てるとご主人様はまるで魔法がかかったみたいに綺r」
「モグタアアアアァァアァアアアン!!!!!!!」
バンッと机を両手で叩き思わず私は立ち上がる。顔や耳の温度が一気に3度は上がってゆく。
その話題は出すなあああぁぁぁああああ!!!!!!!!!!
「ごっちそうさまクポ〜〜♪」
モグタンは手際よく食器を集めてキッチンへと逃げるように飛んでいった。
ううぅ・・・このネタでしばらくはいじられるんだろうな・・・。
私は赤い顔のままスコーンの残りを頬張った。
アリアさんの家へ行くと言うまでも無く『手厚い歓迎』を受けることとなった。
明日、手伝いをすると伝えるだけの事なのに、なぜか彼女の家を出る時には私の髪の毛はボサボサになり、
スカートはシワだらけになっていた。ふ・・・櫛を持ってきて正解だった。
ところで、彼女の話では明日の手伝いにユファファとおやじさん、さらにはリポケケまで来るそうだ。
どうやら私がお風呂に入ったりしている間にパールで召集をかけたそうだ。
その話を聞いてパールの会話ログを見てみると確かにそんな感じのログが賑やかな会話と一緒に残されていた。
(ちなみに、この時『パールを見る姿もきゃんわいい〜〜!』といって抱きつかれた。)
そのログを見る限りリポケケもユファファも(おやじさんのギルで)ねこみみフードを購入したらしいこと、
なんでも明日の活動中はフード着用が義務だということ、主な仕事はアリアさんが調査している間無防備になるので、
その間の警護だということ、そしておやじさんの本名が『リチャード』だということなどなど・・・。
うわーん!私も会話に参加したかったよ〜・・・。
(そしてこの時に『寂しがる姿もかっわいい〜〜!』といってもみくちゃにされた。)
私はちょっとしたわき道に入り手早く髪に櫛を通して、リラコサージュをしっかりと装備しなおしてから今度は服屋へと向かった。
道はいまいち覚えていないが、観光も兼ねているのであまり気にならない。
暗くなる前につけばいいや。
サンドリアには素敵なお店が多かった。とてもしゃれた喫茶店にアクセサリー屋、
窓から甘い匂いを吐き出し続けているケーキ屋なんかもあるし、
元気のよいエルヴァーンの娘さんが客寄せをしているパン屋なんかもあって、いかにも中世という感じだ。
そうそう、町を歩いているといろいろな噂話が自然と耳に入る。例えば最近冒険者を狙う殺人鬼が出没するという
恐ろしい話だとか、ハルヴァーさんを人質にとった暴漢が城に現れたとか、
さらには来訪者と呼ばれる異世界からの旅人がいるなんて噂まで・・・。
そして・・・白昼堂々お姫様抱っこをしたままいかがわしい通りへと消えていったバカップルがいたなんてものも。
とりあえず聞かなかったことにしておいた。
以上となります。今更ですが私ってかなり一度に投下する量多いですねぇ・・・。
もうちょっと小出しにしようかな。
それではワクテカしながら皆さんの投下を待っています。
450 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/04/30(日) 22:00:16.96 ID:efHTThl2
>>449 たくさん読みたいのでいいと思います!w
ところでシャールカーンさんは何処に行ったんディスカー?
451 :
352:2006/04/30(日) 23:21:51.62 ID:ko90WhH1
壁|_・)ノ わっふぉ〜
続き書いたので投下します_(._.)_
452 :
352:2006/04/30(日) 23:23:11.73 ID:ko90WhH1
―――――――――――――――――――――。
…ん…。
目が覚めた。相変わらず頭が重い…。
これもタルの宿命か…。
僕はベッドから飛び下りた。
「あ、おハロークポ〜。」
……。
「タルァ!!」
僕はモーグリにいつものアッパー(/hurry)を叩きこむ。
「グポォ!!」
「僕はリノア好きじゃないんだ!おハローとか言うな!」
「わ、わかったクポ〜…。」
…やれやれだ。
「で、ポストに何か入ってるか?」
「ん〜、メロンパイが入ってるクポ〜。」
「じゃ、それ朝飯にするか。」
「了解クポ〜。」
453 :
352:2006/04/30(日) 23:25:34.35 ID:ko90WhH1
「ちなみにそのメロンパイ、いつからポストに入ってた?」
「四日前クポ〜。」
……。
「タルァ!!」
「グポォ!!」
…昨日食べたかった。
さて、かくして朝食がはじまった。
むしゃむしゃ…。
「甘いクポ〜。」
「…甘いな。」
…これは、朝食で食べるものじゃない。
それはさておき。
「モーグリ。」
「あ、モグのことはモグプウでいいクポ〜。」
…こいつはそういう名前なのか。
「モグプウ。」
「クポ?」
「リアルからの来訪者って知ってるか?」
それとなーく、モグプウに話をふってみる。
454 :
352:2006/04/30(日) 23:26:34.95 ID:ko90WhH1
「あ〜、なんか最近多いらしいクポねぇ…。ある日突然魔法とか忍術が使えなくなったり…。」
「ふーん…。」
魔法か…。僕は割と普通に使ってたな…。
「あ、もしかしてご主人様もそのクチクポ?さっきもモグのことをモーグリって呼…。」
「/sh きょえーーーの闇を払い、真実なる姿現せ!あるがままに!アルテマ!!」
僕は叫びつつ、持っていたモリオンタスラム(紐付き)をモグプウに投げつける!
「グポォ!!」
「僕はいつも通りだって言ってるだろ!」
455 :
352:2006/04/30(日) 23:27:31.43 ID:ko90WhH1
「い、意味のないshoutとか、確かにいつも通りクポ…。」
…危ない危ない。こいつとぼけた顔して結構鋭いな…。
しかし、今バレるわけにはいかんのだ。すまん、モグプウ。
「あ、来訪者のことが気になるなら、冒険者が集まるっていう酒場に行ってみるといいクポ〜。確かジュノにあったはずクポ〜。」
酒場、ねぇ…。確かにRPGの情報収集といえば酒場だ。
「なるほど。今日はジュノ行ってみるか…。」
そんなこんなで食事終了。
456 :
352:2006/04/30(日) 23:28:33.89 ID:ko90WhH1
僕は普段着のローブとズボンを脱ぎ捨て、赤AFとガルーダダガーを身に付ける。
「出掛けてくる。」
「行ってらっしゃいクポ〜。」
かくして僕はジュノに向かった。
――――――――――――――――その少し後。
「クポ〜…。」
モグプウはモーグリの井戸端会議に参加していた。
「モグプウ、どうしたクポ?」
「あ、モルル…。実はクポ…。」
「クポ。」
「なんだかご主人様の様子がおかしいクポ…。モグのことをモーグリって呼んだり、突然来訪者の話をしたり…。」
「クポ〜。」
457 :
352:2006/04/30(日) 23:29:35.60 ID:ko90WhH1
「まあ元々気まぐれなご主人様だから、確証はないけどクポ…。」
「モグプウ。」
「クポ?」
「それは恋クポ!」
「こ、恋クポ!?」
「そうクポ!いつも通りに振る舞おうとしてもボロが出ちゃうのが恋クポ!リアルの話を初めたのも怪しいクポ!」
「なるほどクポ…。でもどうしてリアル話をすると恋になるクポ?」
「わかってないクポね〜。リアルにはヴァナにはないレアアイテムがあるクポ!それを入手してプレゼントしようっていう魂胆クポ〜。」
458 :
352:2006/04/30(日) 23:30:37.29 ID:ko90WhH1
「そ、そうかクポ!それなら納得クポ!」
「がんばって応援してあげるクポよ〜♪」
「もちろんクポ〜♪」
井戸端会議を終え、モグハウスに向かうモグプウの足取りは計りしれない軽さだった。
一方その頃。
モグプウがそーんな話をしてるなんて、ガルカのMPほども知らない僕はジュノ港でダウンした。
「…ぅぇ。」
…船酔いだ。サポ白で来れば良かったかも知れない。
まあ、それはいい。
僕は重い足取りでマーブルブリッジに向う。
459 :
352:2006/04/30(日) 23:31:41.20 ID:ko90WhH1
『本日ウィンダス国民の日』
よし、れっつごー!!
がちゃり。
…………。
いや、わかってはいたさ。客なんてだれもいないって。
「おや、いらっしゃい。」
と、不意に酒場のマスターが話しかけてきた。
「こんにちは。」
マスターから情報収集しよう。
で、収集できた情報。
・最近冒険者の自殺が増えている。
・冒険者が殺される事件が起きている。
・時魔法という黒魔法とも白魔法とも違う魔法が研究されている。
・そんなことよりミスラと(ry
うむ、これだけ情報を集めれば十分だろう。
460 :
352:2006/04/30(日) 23:32:46.44 ID:ko90WhH1
とりあえず、この中で一番リアルに関係ありそうなのは時魔法だな。
厳密には時空魔法だった気がするが、今はどうでもいい。
とりあえず僕はジュノのレンタルハウスに帰ることにした。
で、レンタルハウス。
がちゃ、と扉を開ける。
「ご主人様。お話があるクポ。」
そこには正座して改まったモグプウがいた。
「どうした?改まって。」
脳裏に不安がよぎる。
「とりあえず座ってくださいクポ。」
僕はテーブル越しにモグプウと向かい合う。
「…で、なんだね。」
「ご主人様、モグに隠し事してるクポ?」
「まあ、色々と。」
461 :
352:2006/04/30(日) 23:34:30.96 ID:ko90WhH1
…………。
辺りを一瞬静寂が包む。
「…何を隠してるクポ?」
「知りたければ当ててみろ。」
…まずいぞ、まずい。冷や汗が出てきた。
「……ご主人様、実はリア…。」
「/sh 天の願いを胸に刻んで身頭滅却!せーーこーー爆裂破!!!」
「グポォォ!!」
僕は全力のアッパーをモグプウに叩き込んだ。
「ぐっ、いい右クポ…。でも、今日はここで引き下がるわけにはいかないクポ!」
くっ、万事休すか!
「ご主人様!リアルにしかないレアアイテムを入手して想い人にプレゼントするつもりクポね!?」
…。
462 :
352:2006/04/30(日) 23:35:28.57 ID:ko90WhH1
「…は?」
「単刀直入に言うクポ!ご主人様、恋してるクポね!?」
……。
どうやら思い過ごしのようだ。
「………クリルラたん、イイよな。」
「…クポ?」
モグプウの首が、こきっという小気味のいい音を立てて倒れる。
「うちのアルミティも元気で良い娘なんだが、いかんせん若すぎる。」
「クポ。」
ふと、僕はモグプウの目を見る。
…いつもと変わらない細い目…。
だけど、分かる!こいつ、心の中で「ちっ、NPCかよ」と思っている!
463 :
352:2006/04/30(日) 23:36:40.25 ID:ko90WhH1
「ああ、最近またいい感じの娘を見付けたんだ。」
モグプウの目が一瞬きらりと輝く。
「誰クポ!?」
「蒼星石。」
「…クポ。」
もう一度モグプウの目を見る。
…こいつ、「ちっ、今度はアニメキャラかよ…」と思っている!!
仕方ないので僕はクリルラたんと蒼星石の良さを小一時間語ってやることにした。
……で。小一時間後。
そこには満足げな僕と疲弊しきったモグプウがいた。
「まあ、そういうことだ。」
「…クポ。ご主人様にはがっかりクポ…。」
464 :
352:2006/04/30(日) 23:37:42.76 ID:ko90WhH1
……ふむ。まだ自分の立場を分かっていないようだ。
「…ちょっと表に出ろ。」
僕はモグプウの頭の触角を引っ張りながら言った。
「クポ!?やめるクポ!!」
で、外。
「/sh 震えろ、命つなぎ止める光!力の塔となれェ!完・全・ア・ル・テ・マ!!!」
「グポォーーーー!!!」
辺りに、サンダー3の光に貫かれたモグプウの断末魔が響きわたった。
465 :
352:2006/04/30(日) 23:38:56.13 ID:ko90WhH1
壁|_・)ノ 以上です。
壁|_・;)なんかモーグリ虐待SSになってしまった。
壁|_・)ノそれではみなさん、わっふるわっふる!
壁|彡サッ
466 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/04/30(日) 23:42:33.04 ID:efHTThl2
>>465 携帯から乙で御座います。
皆様、モーグリは冒険者の大切なパートナーですよ?
大事にしましょうよ・・・。
>>465 投下乙です。そしてモグプウさようなら・・・
>>450 彼はきっとドラギーユ城に報告に行った後、オークの死体を捜しているか、
ハルヴァー様を誘拐した犯人を捜していることでしょう
ただ、もちろん再登場はしますよ〜w
私に割り当てられたレンタルハウスは、すぐに見つける事ができた。
もともと、ウィンダスの地理は頭に入っている。
抜け道すら把握している自分が道に迷うはずもないのだが、もう一つ理由がある。
それは、レンタル区域は他国の人間にもわかり易く区画整理されているからだ。
ガードは当り障りなく、中の上ランクを用意したようだ。
宮仕えも気苦労が多くて大変だろうが、このランクなら目立たなくて結構。
「おかえりなさいクポ」
「あぁ。いま戻った」
他国のレンタルハウスだとしても、モーグリの忠実さは変わらない。
私が到着する前に、快適な滞在のための準備を終わらせている。
壁際から、絶え間なく水音がしていた。
ウィンダスのハウスには、他国のそれと違って暖炉はない。
代わりに手水鉢とでもいうのだろうか、水場があった。
「この前は暖炉に投げ込んだりして、済まなかったね」
「問題ありませんクポ。ハウスにいる限り、モーグリは不死身ですからクポ」
「そうだったね」
そう言って、ふわふわの白い毛なみを撫でてやると、くすぐったそうにモーグリは目を細めた。
私はモーグリに剣を渡し、清潔なシーツのベッドに腰をおろした。
「また人を、斬ったクポ?」
「わかるかい?」
モーグリがふわふわとベッド脇まで近づいてきた。
「一緒にいた他のイレギュラーを狙っていたのだが、成り行きでね」
微笑む私の、血を拭き取りきれていない右手にモーグリが顔を寄せる。
「はいクポ。血と肉と骨と鋼・・・、良い匂いクポ」
そう言って、いとおしげに私の右手を舐め取るモーグリ。
頭を、そっと撫でる。
ビロードのような手触りは、以前と変わらず心地よい。
「あまり手ごたえはなかったけれど・・・」
私を見上げるモーグリの、潤んだ瞳と目が合う。
「久しぶりで昂ぶってしまった。“処理”してくれるかい?」
モーグリが小さく頷くのを確かめてから、私はベッドに横になった。
私は狂ってなどいない。
間違っているのは、この世界だ。
狂っているとすれば、この世界なのだ。
私は静かに目を閉じ、モーグリの奉仕に身を任せた。
470 :
既にその名前は使われています:2006/05/01(月) 00:30:18.87 ID:xjK2hikz
えーとわっふるわっふる?
着替えはクローゼットにしまっていたダブレットとズボン、ソレアを選んだ。
いずれも魔力付与すらされていない汎用品だが、それがいい。
「食事の用意はいい。水浴びをしてから、外で食事をするよ」
私は身支度を済ませて、愛剣を手に取った。
「あぁ、それから。明日までに来訪者のリストアップを頼む」
「はいクポ」
「今のところウィンダス分だけでかまわないが、特に・・・」
私は祈るような気持ちで、続く言葉を吐き出した。
「“マザー”の声が聞こえる来訪者がいたら、最優先事項だ。すぐに知らせてくれ」
自分で勝手にそう名づけている、“マザー”。
彼女の声が聞こえる来訪者がいるとすれば、その人物こそが希望の鍵になるはずだ。
もう私は帰れないが、同朋が帰還するための手助けくらいはしてみせる。
「くれぐれも・・・」
「わかっていますクポ。こちらのコトは話さず、あちらの話を聞くクポ」
くるりと回転するモーグリ。
「モーグリは、お人よしばかりクポ。情報を集めるのは雑作もない事ですクポ」
「いい子だ」
エルヴジャーキンの修繕は後回しにしていい、と告げ、私はハウスを出た。
今夜の投下は以上です。
わっふる・・・だとおもいますよ?
従順なモグでいいですね〜。うちのモグプウは飯すら作ってくれませんよ・x・
リードさんがラスボス路線まっしぐらだ…w(つд`;)
最近戦闘シーンばっかり書いてる気がするので、こっそりアリ×ユリに萌え萌えです(*´ω`*)
尊大なほど緩慢な動作で、騎士が一歩一歩階段を上がってくる。
おれはじりじりと後退し、城壁の上まで再び押し戻されてしまった。
投げつけただけなのに、兜に大穴が開いていた。リアルから持ち込んだ品物は、あいつらにとってどんな意味を持つものなのか。
何故拾いにいかなかった? おれを殺した後で拾うだと? おれがどうにかして時計を拾えてしまったらどうするつもりなんだ?
騎士が頭に置いている優先度の順番が分からない。
とにかく、今は逃げよう。
退路は二つ。一つはおれが逃げてきた行き止まりの楼閣に通じ、もう一つは南サンドリアの城壁に連なる通路。
踵を返し、きしむ体に鞭打って一心に走り出す。
「いい加減、観念したらどうだね」
背中から騎士が声をかける。らしくない、殺す相手にかける言葉はないんじゃなかったのか。
「充分いい思いをしただろう。お前はこの上で、まだ意地汚く生き続けたいというのか」
随分勝手な言い草だな。挑発のつもりか。
馬鹿らしい、相手をしていられるか。
「アマルダは、いい女だっただろう?」
ぴたり、とおれの足が止まった。
「あのカラダは芸術だ。そうだろう? 腰のくびれがいい。強気なところもいい。片端なのがマイナス点だから……そう、六〇点と言ったところか」
反応あり、と見たのか、騎士がニヤニヤ笑いのまま続ける。
「やめろよ」
ドスの利いた低い声。
あれ、おれの声? おれ、なんでこんなむかついてるんだろ。
「ふむ、そう声を荒げるところを見ると、随分とご執心のようだな」
「アマルダは関係ないだろ」
返した踵をもう一度返して、騎士に向き直る。
そうだ、アマルダは関係ない。こいつ、昨日のあれを見て、ニヤニヤしてやがったのか。最悪だ。
「関係? 大有りだとも。あれはわたしに使われる女……お前を売った女だ」
ガン、と頭を殴られるようなショック。
今のは効いた。一瞬目の前が真っ暗になって、膝が笑った。
「関係ねえだろ!」
なくはない。あいつはおれを売ったのか。でも、おれにはこう言うしかなかった。
だって、あいつがおれに嘘をついていたなんて、信じたくない。
「何を怒ることがある? 夫の名前も間違えて覚えているような女さ」
なんだって? 意図が分からず、おれは騎士を睨みつけたまま沈黙する。
「アマルダの夫の名を聞いたかね?」
下卑た笑いを浮かべて騎士が問う。初めて会った時の慇懃な仮面はすっかり脱ぎ捨てて、もうどこにもない。
旦那の名前だって? 改めて聞いた訳じゃないけど、おれには答えが分かった。
「──ピアシュ?」
「ははっ、それは私の名だ。あの女、死んでも忘れないと言っていたのにな」
騎士が大声で哂う。
「ちょっと頭を弄ったら、二分後には全て忘れて、協力するから犯してくれと自分から股を開いていたよ!」
ぶちん。
やばい。まてよ、がらじゃないだろ、キレるなんて。いい年して。かっこわりぃ。
「それ以来、あの女は実によく尽くしてくれる。来訪者達の存在をわたしに報告し、わたしが命じれば恥辱に咽び泣きながら靴だって舐めてくれるよ」
「てンめェェェェェェェェっ!!!!」
ミスラが猫だって言う奴がいる。馬鹿な。それは間違いだ。ミスラは豹だ。
おれは一匹の豹になって、騎士の顔めがけて飛び掛っていた。
騎士を押し倒して、その悪趣味な兜に思い切り拳を振り下ろす。
手が痛え。兜と石床がぶつかる音がした。
「同情かね、ははっ、下らないな。お前の事を私に知らせたのはあの女なのだぞ!」
騎士は誇らしげに、声高らかに、自分の外道ぶりを宣言する。
黙れ。挑発には乗ってやったぞ、だからこれ以上彼女を辱めるな。
馬乗りになって拳を何度も振り下ろす。途中から無意識に、痛い手をやめて剣の柄の尖った部分を顔の剥き出しの部分に振り下ろしていた。
捨てないでよかったぜ。
「あんな売女のどこに同情するというんだね。ただ来訪者というだけで恋に落ちて、寝た次の日にはそれと知らず男を売るところか!」
篭手で必死に顔を庇いながら、騎士は続ける。
「せっかく出来た恋人を翌日には失ってしまうというのには、さすがに哀れに思うがね! だが心配はいらない、その日のうちに私が忘れさせてやっているのだから」
「うるせえ! うるせえんだよ!!」
それはもう挑発じゃない。自分の精神的優位を守るためだけに要らないことを言うな。
そうでもしなきゃ、ニートの俺にマウントポジション取られてボコられてるのが我慢できないのか。自尊心を保てないのか。
お前が理解の範疇を超えた化け物ならまだよかったんだ、なんでそんなに人間なんだよ。なんでおなじ人間のくせに、あんないい女にそんな酷い事できるんだよ。
がこん、とこめかみに金槌で殴られたような衝撃を受けた。
あの赤い剣の柄で殴られたのだ。顔を叩き潰すことに夢中になっていたおれは、無防備に横に倒された。
騎士が重い鎧を引きずって身を起こす。
視界の左半分が涙でにじんでよく見えない。じき、流血で赤く染まり始める。
関係あるか、こんな奴が生きて目の前にいるなんて不愉快だ。不条理だ。不自然だ。
不甲斐ない自分にか、許しがたい騎士にか、自分でも訳の分からない罵声を浴びせて、跳ね起きると、再び騎士へと踊りかかる。
ようやく立ち上がった騎士はまだ構える事も出来ない。騎士の、前歯の砕けた口元に動揺が浮かぶ。いいぞ、その顔。
しかし、豹の一撃は空を切った。騎士が城壁から空へと身を躍らせたのだ。釣られて落ちそうになり、あわててたたらを踏む。自殺か、それとも?
重力に絡め取られて落ち始める騎士の体を、黒い繭が包む。一瞬後に繭が消えると、騎士の姿もなくなっていた。
逃げたのか……? 安堵と無念さが胸に去来する。いや、逃げられた、のか。
と、背後に鉄靴の鋲がこすれる音。距離は1.5メートル、それにプラス一六センチ。見えないが、上からの斬撃だ。
おれは振り向きざま、真後ろに剣を横殴りに叩きつけた。ガリッと耳障りな音がして、赤い刃が逸れる。やっぱりな。
T字だった剣がL字になってしまったが、今日のおれは冴えてる。ファヴだろうとヨルムンだろうとソロで倒せる気がする。
でも今はこいつだ。こいつに比べたら、ヨルムンもロンフォの兎も似たようなものだ。
魔術回路を閉じて魔力を流す。隙が出来るのであまり大きな魔法は使えないが、今のおれには武器がこれしかない。
雷撃の公式を放つ。周囲の空間に発生したでたらめな電位差に、悲鳴を上げて閃光が走った。
どうだ、少しは効いたか?
おれの期待を完全にうらぎって、口元を篭手で覆った騎士が閃光の後に現れる。
全く効いていないわけではないようだが、これでは魔力を全て使い切っても前歯をもう一本折る事すら怪しい。
お返しとばかりに騎士が回路を構築する。まずい。この魔法は…
とにかく術式の届く範囲から出なければ。走り出したおれの足が、おれの意志に反して止まった。
バインドだ。とかく地味で、そして致命的な魔法を使ってくれる。
「お前のような来訪者は初めてだ」
褒めているのか責めているのか、なんとも微妙な評価をして、騎士が近寄ってくる足音がする。
自由な腰から上でどうにか振り返って、騎士の挙動を見守る。徐々に距離が詰まる。四メートル、三メートル、二メートル……。
どうにもならない。どうせならフレアとか、メテオとか、そんな魔法で死にたかった。
騎士が剣を構える。死ぬのは今はどうでもいい。ただ、こいつが生きているのが許せない。誰でもいい、助けてくれ。誰でもいいんだ。
剣が振り上げられる。その振り上げられた剣に、光弾が突き刺さり、弾けて消える。
剣は傷一つついていないが、騎士は体勢を崩して半歩後退った。
その騎士の甲冑が、不意に炎に包まれる。急激に膨張した空気が炎の熱を頬に伝えて後ろへと流れていく。
「取り込み中わるいな」
「大丈夫ですか!?」
同時に二つの声。振り向くと、三つの人──エルヴァーン?──影があった。
ようやくここまで書けた… 今夜は以上です(´д`;)ヾ
電撃の公式と言うと必勝本しか思いつきませんw
新しい来訪者さまの更なる投下にも期待しつつ、俺のわっふるが有頂天
皆様投下乙であります(・ω・)ゞ
しばらく『ナナシ』の方はフェイト集団に預けようかと思うので
使われる方がおりましたらご自由に使ってやってください。
随時、こちらも対処していこうかと思われます。
今回はそのための下準備的なモノを投下いたします。
「…それで、"例"の裏切り者と新しい来訪者は見つかったのか?」
仄暗い部屋の中、一本のローソクの下で報告書を読み耽るナナシが部下に質問をした。
「はい、来訪者の方は随時確認が取れ次第、即確保の状態を保っています。
裏切り者の方は現在捜索中です。ただ…」
「ただ?」
「ウィンダスにて、似た姿のエルヴァーンを目撃したとの情報が…」
「ほう…」
「それと、天の塔にてエクスカリバー・ゼロの起動痕跡があるとのことです。」
「神器が起動されたか…ほかにはないのか?」
「今のところは以上です。」
「ふむ、わかった。至急ウィンに数名送れ。ただし、接触はするな。
あくまで見張りに徹するようにな!」
「はっ!」
ナナシに命令された黒装束の部下は、すっと闇の中にその姿を消していった。
部下の姿が無くなったと確認出来たところでナナシは深く溜め息をひとつ吐いた。
「はぁ〜…最近少し離れていたとはいえ、ここまで質が下がっているとは…
来訪者の急増ということで第二世代を設けられたというのに、
その実、使えないものしかいないようでは、我々が苦しむだけだというのに…」
中間管理という実に息苦しい職を、戻ってきたばかりの身だというのに任されてしまい、
ナナシは精神的にまいってしまっていた。愚痴のひとつも零れるのもしょうがないことである。
「それにしても…Leadか…どこかで聞いたことがあるような……うっ!」
何かを思い出そうとしたところで激痛に襲われる。
酷い頭痛がナナシを蝕み、思考を強制的に遮断させた。
まるで自分を拒む、違う"何か"が頭の中に居るような…
「…フェイトに所属していたのだから、どこかで会った事があるのだろう。
会えば思い出すはずだ。いずれ必ず会うのだから…」
頭痛から解放されたナナシは静かに目を閉じ、座っている椅子の背に身体を委ねた。
これから起こる惨事を考え、自分に贈られる賛辞を思い、そのまま徐々に意識を鎮めていく。
ダレカ タスケテ クレ
意識という名の暗黒の世界、その遠い彼方で誰かの救いを求める声が聴こえる。
だが、今のナナシにとって、それは関係の無い話だった。
いずれ、またいずれ。
投下は以上です。
ナナシが最後に会った事があると発言してますが、実際には会ったことはない、
というのが作者的見解です。記憶の混乱があるのでその為ということです。
次回から本格的に『ブモの旅』始動します(・ω・)ゞ
ブモファンの方、乞うご期待!
皆様投下おつです!
こんな深夜に大挙して降臨しまくりでもうどうにかなってしまいそうです
609さんに追随する形になるのかな…と。
みんなみたいに気合いの入った長文にはなかなかならないもんだ。では投下。
最初に響いた音を頼りに、住宅街を必死で駆ける。
自分が書いたらしい、短い手紙の事はもうとっくに頭から抜け落ちていた。
根拠のない希望的観測のもとに、私はまだ見ぬ「他の来訪者」に会うため走り続けた。
そうして、いくつめかの曲がり角を抜けた先に広がっていた光景に、私は戦慄した。
住宅街の一角、そこだけすっぽりと丸く切り取られたように…いや、
切り取るというよりは、でかくて丸い杵かなにかを振り落としたかのように、
建物がすりつぶされ、なぎ倒されていたのだった。
「…黒魔さんがフレアかトルネドでもぶっ放したんですか?」
応えるものなどないと分かっていても、疑問がひとりごととなって口からこぼれる。
――古代魔法はもう少しピンポイントに対象を壊す。
魔法だとするならば、どちらかというと、範囲精霊のレベルIII系に近いだろうね。
遠くもなく近くもない所から返事が聞こえて、私は慌てて周囲を見回した。
姿はない。気配もない。ただ、声だけがはっきりと届いた。
きっと、この異常な事態に、私の精神かなにかも異常をきたし始めているのかも知れない。
まだこんな事になってしまってから一晩しか経ってないはずなのに…。
「なんか、魔法じゃないみたいな言い方しますね」
何か知っているようなら教えてもらえるとありがたい、そう思って今度はこちらから話しかけてみたが、返事はなかった。
…まあ今はそれよりも、ここで戦っていた人達の事が先だ。壁際にわずかに散らばる血痕は、まだ赤い。
悪意が流れ出してくる方向を見定め、私は再び駆けだした。
やがて城壁沿いの道に出た。冷たく禍々しい気配はどんどん強くなってくる。
南サンドリアでナイトクエをやったとき、見張り台に昇る階段の入り口が分からなくて、
けっこう苦労したっけ…そんな事を思い出しながら、人影を探す。
かつんっ。
背後で石畳に何か硬いものがぶつかる音。
弾かれたように振り向くと、そこには何か小さなものが落ちていた。
駆け寄って拾い上げてみると、それは金属製の腕時計だった。
リアルでは見慣れたものなのに、もう何年も見た事がなかったような錯覚を覚えさせるそれは、
私の手の中でひどくゆっくりと一秒を刻み、そして沈黙したように見えた。
時計を拾った場所から、城壁の上を見上げる。
赤い羽根帽子にローブの、ちょっと変わった出で立ちのミスラさんがそこにいた。
それともう一人…彼女が何かを睨み付けながらじりじりと後ずさるのに続き、
その向かいの階段があると思わしき場所から歩み出てきた…赤い鎧の騎士。
見た瞬間に、そいつが今感じている気配の中心だと理解できた。
冷たい汗が背中からどっと吹き出す。ていうかあんなのがいるなんて聞いてない!
姿形こそ私…いやFFXIプレイヤーのみんなが良く知っているGMさんの姿だが、
ヴァナ・ディールの公正と秩序を守るはずの存在が(実際守れているかどうかは別として)、
あんなSANチェックを強制してきそうなオーラを放っていていいはずがない。
鈍い輝きを放つ紅い片手剣を携え、一歩一歩、ミスラさんを追い詰めていく。
通常の正規GMの兜と違って口部分が開いており、何かを喋っているが、遠くてわからない。
ただ、すごくのっぴきならない状況だというのは分かった。
止めなければ。
城壁の上へと昇る階段を見つけ、駆け上がる。
…いつのまにか、自分以外の足音が他にも聞こえる。
一人じゃない? 二人? まさか新手?
言霊を紡ぎ、黒魔法系弱体魔法をブーストするマクロを起動する。
手の中でぱちん、と光がはじけ、神代の錫の代わりにダークスタッフが握られた。
バラシエル老が待ってる南サンド西側の回廊のように、分かれ道になっている踊り場で、
出会い頭にスリプルとスリプルIIで相手方の無力化を狙う積もりだった私は、
そこに現れた思わぬ二人組の顔を見て、目を丸くしたのだった。
ここまでです。
人様に動かしていただくというのも気恥ずかしいやらなんとやら…でも【楽しみ】
属性杖は水だけないです。そして殴り着替えのマクロは動かない。
…あれ? エンの意味なかった予感w
リードさんとこのモグはそんなお世話までしてくれるなんてすごいなぁw
新しい来訪者さんはどこまで自分の正体をかくしおおせるのか、ドキドキですね。
わっふるわっふるです。おやすみなさい。
492 :
既にその名前は使われています:2006/05/01(月) 03:50:34.90 ID:7iWEH3Ie
ageついでに…
ウィンダスとサンドリアがこんな状態なのに、バストゥークは平和だなw
バスの人気が無いだけですかそうですかora
493 :
既にその名前は使われています:2006/05/01(月) 06:51:25.76 ID:QETAeVIK
急に厨くさい流れに
普通のままだと終わらせられない(話進まない)気がしたとかではw
でもシステム超越しすぎw能力クレwww
参加自由自己満足SSスレなので良いかと。
皆様投下乙です。ぐっすり眠っている間に大量に投下がw
>>472 モーグリになんて事をwwww
>>474 ありがとうございます。シャールカーンのようにやり過ぎないように気をつけて
絡めて行きたいですw
増援が来てやっとこさピンチ脱出なるのか!?
>>486 キタ━━━━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━━━!!!すっかりフェイトになってしまったナナシをみて
ブモはどうなってしまうのだろう・・・
>>491 ついに合流!これからどうなるのかワクワクしています。
さて、サンドリアにいながら全く鎧と接触が無いですねぇw
今日はもうすぐに出かけなければならないので夜に投下します
496 :
既にその名前は使われています:2006/05/01(月) 09:49:56.41 ID:O2rYHLRZ
俺、このスレをあげたらフェローと結婚するんだ
だからなんとしても生きてあげないと
498 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/01(月) 10:52:31.25 ID:pnxlVvHt
いや、話浮きまくりっぽくて何もかけそうにないなと・・・。
まぁ自分も最後は戦闘して終わるから一緒といえば一緒なんですが。
しかし609氏はすごい面白い・・・小説出してるんなら買います!
(一冊千円以下の文庫版でお願いします!)
>>495僕も(まだ)ない。元祖
>>100氏も使ってない。
おそらく我々は『普通の冒険者』過ぎてノーチェックもしくは監視も超ゆるいんでしょ。
ナナシ氏も最近の新入りは無能だと言ってるし。
僕やユリフィナさん程度なら、フツーのヴァナの冒険者も、
『実は俺はリアルって世界から来た"来訪者"なんだぜ!ww』
・・・と抜かしまくってるだろうからノーチェックなんでしょ。
タダでさえお調子者の集まりだし。ヴァナの冒険者。
499 :
既にその名前は使われています:2006/05/01(月) 10:55:04.44 ID:pnxlVvHt
多分今のこの世界ではエアリーシリーズという超画期的鎧の登場により、
スコハネが100万以下で買え(爪30万程度)風魔の脚絆が投売りされてるだろうし。
(中華が必死に溢れまくった在庫をさばくべく30万程度でシャウトしてるが誰も買わない)
「サンドリアン以外のアタッカーは希望玉出すなww」とかいうスレが立ち、
「コンクエサンドリア強すぎ修正汁!」といわれ、「シフの新片手剣強すぎ」というスレも立つ。
こんな状況では普通の冒険者ならこの世界の技術で作られたもんではないと気がつくかと。
で、今日も女の子をナンパする冒険者が「実は俺は"リアル"て世界から来た来訪者なんだ!w」とぬかしてるんだと。
・・・ナナシ氏はカムバックせず気楽なゴブでいたほうがよかったと今頃ズヴァの奥地で悩んでいるでしょうな。
500 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/01(月) 11:04:40.14 ID:pnxlVvHt
夜の暗闇は人を饒舌(じょうぜつ)にするという。
死と言う永遠の恐怖に抗(あらが)うためなのか、
単に焚き火の爆(は)ぜる音と焼ける肉の豊かな香りが人の心を浮かせるのか。
その真相を知るころには僕は死と言う闇の世界に還っているだろう。
パチッパチパチ・・・と爆ぜる音と焼けるソーセージのにおい、
久々に飲んだビールに酔った僕は語りだした。
そりゃそうとコレ、炭酸がゆるい上、冷たくなくてヌルイ・・・。
オマケに古くて粘土みたいなのを水で薄めて誤魔化してある。
こんなマズイ酒、みんなよくのめるな。ジェンは自前のワイン飲んでるが。
「なにから話せばいいのかな」僕はつぶやく。夜風が気持ちいい。
「師匠の話したいことを」これは子供。タミさんたちが頷く。
501 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/01(月) 11:18:29.29 ID:pnxlVvHt
とりあえず赤魔道士でありながらという質問されたことに答えるか・・・。
「盾役がいなくて冒険にいけないって言うことからはじめたんだけど」
皆が頷く。
「お前は戦闘中に金貨や食料を盗んでいたりしてたとか、
背後から短剣による奇襲を受けたという報告があるが?」とはジェン。
・・・余計なチャチャを入れないでくださいw
「遠征軍人になってからだね・・・サポシ辞めたのは」僕は苦笑した。
サポ黒、サポ白、詩人など豊富な能力を得るようになったが、
まさかこんな道を歩むとは夢にも思わなかった。
今でもサポ白が一番ほとんどの状況に対応できると思う。
二番手はサポ詩だ。サポナサポ暗は習得段階でマゾな気がするが。
「サイレス入らなければ迎えでバ系を放ち、
アラの外にいる宣告食らった奴には手動で/ma カーズナ neme と即打ちできる。
メリポでは絶滅した詩人の代わりにガンガン敵をデリバリーしつつリフレヘイストは切らさない。
求められる仕事はそれなりの技で対応している。
別に求められる仕事ができないからこの道を選んだわけではないよ。
まぁ、昔の赤は皆サポ戦だったし、昔の技を伝える奴がいてもいいでしょ?」
そういってまずいビールはやめてココアを飲む。
502 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/01(月) 11:30:15.82 ID:pnxlVvHt
パチパチと燻製ができる匂いに僕の口の中で甘い唾液が広がる。
思わずつばを飲んだそのときと、ジェンの質問は同時だった。
「今、なんていった?」「にゅ?」
・・・気をつけないと会話がたるっこに戻る。まぁ影響はないが。
前後左右をちゃんと説明するのがたるっこ状態だとやりにくい。
「だから死の宣告を食らった人間に
" "できるといっただろ?」
俺の耳でも何を言ったのか聞こえなかったのだが?とジェン。そんな馬鹿な。
「すらっしゅえむえー、カーズナ、jen」僕はつぶやく。
やさしい光がジェンを包む。普通に発動するらしい。
「・・・カーズナか」ジェンは攻撃魔法か何かだと思ったらしい。
「普通の冒険者はアライアンスの外の人間に回復魔法をターゲットできないけどね」
元々パソコン版ユーザーなので、最初はコントローラーなかったからな。
「まぁ普通の冒険者の使う回復魔法の式は自分の所属する小隊以上の人数の戦いは想定して組まれていないからな」
ジェンが言うにはそっちのほうが使い勝手がいいらしい。確かにそうだ。
503 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/01(月) 11:44:01.33 ID:pnxlVvHt
「なんと言うか」とつっかえて僕はつばを飲む。このソーセージの焼けるにおい、邪魔すぎww
「いない役を穴埋めするのが赤魔道士の仕事というけどね」
そういってパンを齧(かじ)る。コレが鉄のように硬い!!!
鉄のように硬いパンは僕の溢れる唾液を吸収してくれる。
「僕は違うと思う。基本的に赤魔道士は後衛だ。
移動、回復、防御、攻撃含めてサポ白が一番使いやすい。
サポ戦は盾をするよりタゲを回したほうが使い勝手がよいのを自分で知っている」
あー侍侍赤赤赤白で後衛皆サポ忍やサポ戦サポ暗だったときは楽しかった。時給もよかった。
もうちょっと別の理由もあるんだ。と僕は言う。
「僕らが戦う敵は強すぎる・・・年々異常な強さになっている」
昔は色々いたさ。槍戦士もいたし、両手剣を振り回してホーリーしか撃たないナイトもいた。
サポ戦でケアルまったくせず、しょぼい精霊魔法しか撃たない赤もいたし、
サポ白の戦士やシーフや狩人もいた」
「サポシで不意玉している赤魔もいたな」うるさいwジェンw
504 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/01(月) 11:59:18.28 ID:pnxlVvHt
「今はまったくいないでしょ?」僕が言うとジェンも頷く。
「セルビナ方面監視部隊の報告では空蝉も二刀流も使えないというのに、
なぜかサポ忍で遁甲の忍具を持っていないランク10の戦士なら多数目撃されるがな」
・・・それ、アホ杉。一緒にしないでください。
「それは最近話題に上がってきた"リアル"って世界の知識だろうね」
Repの導入は冒険者間のジョブごとの性能を明確に残酷に示した。
ユタンガマンドラやるときのブラッディボルト槍戦ならまだしも、
(30戦が同状況でつよマンドラにソロで4チェーンするのはRep出ても知られていないが)
空蝉が最強魔法で、前衛で空蝉が使えない奴は必要がないとか、
究極まで高まった能力を持つアタッカーならば黒魔道士を入れる余地はないとか、
黒魔道士はそもそも前衛を必要としていない、同業と詩人と寄生の赤しかいらないとか、
より強く、より効率的に、より活躍できる装備をそろえる。
当たり前だし、普通だが・・・お陰で高額装備は暴騰の一途をたどり、
昔はあった低ランクこそ積極的に仲間に入れるという余裕はない。
505 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/01(月) 12:41:15.15 ID:pnxlVvHt
「でも、偉大な先輩達が言ってたんだ。
どんな糞な状況でも、作戦が回ってないパーティでも、
それを"穴埋め"できないのは赤魔道士の腕が悪いってね」
・・・無茶苦茶な暴論だと思う。尊大にも程がある。
が、そう考えなければやってられなかった事情もわかるのだ。
今でこそ赤魔道士は様ジョブだが、
昔は白魔道士が希望をだしたら抜けてくださいといわれるというか、
自分から抜けてソロをするのが当たり前だった。
今は75ナイトを保険稼ぎに呼んだら泣いて喜ばれる。
・・・昔はあんなに尊大だったのに・・・。
子供は早くもうつらうつら。ゴブリンはグースカ寝ている。
・・・ソーセージ、食っちゃうぞ。
「勿論、上を見る、一番活躍できる方法を模索するのは必要だと思う」
聞いているのはジェンとチョーさんくらいかな?
「でも、あえて自分のやりたいことを一所懸命やる人ってかっこよくない?」
タミさんたちに向けて苦笑した。
506 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/01(月) 12:54:32.92 ID:pnxlVvHt
僕は目が潤んでいるのを感じた。今日は星がきれいだが。なぜか滲んで見えるな。
「不遇でもいいんだ。うだつが上がらなくてもいい。
ただ、愛する人がいるから留まり、苦しくてもがんばれる人がいる。
自分の信念があり、やりたいことがあるから、愛する仕事があるからがんばれる。
・・・そういう人は世界を支えて、世をよくする奇跡を常に起こしている。
・・・それが本当の"魔法使い"だと思うよ。ね?」そういうと僕はゼルマンさんに微笑んだ。
そういうと「あんた!しっかり聞いときなよ!」とタミさんがゼルマンさんと子供を叩いた。
「聞いてるさ」とゼルマンさんは真顔で答える。子供が目を覚ました。
507 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/01(月) 12:55:34.40 ID:pnxlVvHt
「僕ら冒険者は冒険者である限り、一部の記憶をモーグリが封印してくれるから、
短時間で色々な職業の技を習得できるし、人生をやり直せる。
それでもやりたいことがあってやっている人をあざ笑う同業者も増えた。
でも、そういう美学を護っている人のために本当は赤い帽子はあるんだよ」
「お前を育ててくれた先輩って偉大だったんだな」とチョーさん。
金髪を刈上げにした端正な顔立ちの華奢な青年・・・セリスさんは無言だ。
・・・と思ったら目を開けたまま寝てるwwこわい!!ww
「うん・・・変な人達だったけどね・・・」先輩だけではない。
それ以上に野良で出合った多くの人たちが僕をここまで育ててくれた。感謝している。
「だが、モーグリは俺の家にはいないぜ?」とゼルマンさんは笑う。
「いつもかぁちゃんの尻にひかれて、安月給で灰が詰まる鉱山通いさ。
俺が魔法使いだなんてお笑い種もいいとこ、ふざけた話だ」
普通の人間にはジョブチェンジなんてできねぇと彼は笑った。
「アンタは偉大な大魔法使いだよ!」タミさんが激を飛ばす。
「町一番の美人だったあたしの心を射止めたんだからね!!!」
・・・嘘つけ。
508 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/01(月) 13:03:00.52 ID:pnxlVvHt
「困ったときはいつでもどうぞ。赤い帽子の者は白でも黒でもない。
美学や勇気を護るため血にまみれても進むものを護る人の証なのです」
そうかっこつけて僕は笑う。この言葉の意味がわかるとき、
この子は他人に感謝するという魔法を覚えているのだろうか?
それともあの見下した目を人に向けるようになっているのだろうか。
・・・リアルの"俺"に10歳に満たないいとこの子供が言ったのを思い出した。
「お兄ちゃんはいつもつまらなさそうな顔をしてるけどなんで?」
答えようがなく、こういう顔だと答える"俺"に彼女はにっこり笑っていった。
「わかった!人を馬鹿にしてるからだ!」苦笑する"俺"に彼女の弟が合わせる。
「それだったらつまんないね」子供にそういわれる"俺"も情けない。
ついに吹き出した"俺"に彼女らは「兄ちゃんあそぼー」と満面の笑みを向けた。
・・・懐かしいな。また遊びたいな。・・・12時過ぎても暴れまわってたのは閉口したが。
509 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/01(月) 13:19:14.25 ID:pnxlVvHt
「・・・ソーセージ、焼けたぜ」
ゾルドフがそういうと飛び起きるゴブリンとセリスさん。現金なもんだ。
ゴブリンよ。お前羊飼ってるんではないのかw
・・・そういえば羊のソーセージなんて初めてだ。
一斉にほうばる僕達。予想以上に酸味があってあまりおいしくないが、
皆と僕は目を輝かせて「うまい!」と叫んだ。
この酸味が逆に眠気を飛ばして、すごくおいしく感じる。
ジェンがとっておきのワインを出してきて皆で飲む。
510 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/01(月) 13:19:57.70 ID:pnxlVvHt
本当においしい。・・・いいワイン職人になれるぞジェンというと彼は苦笑した。
「クゥダフ印のワイン・・・もしベドーに帰れたら作ってみたいな」
絶対買う。1000ギルでもがんばって小遣いためて買うぜ!と皆が同意する。
「クゥダフのワイン工房・・・鎧蟲が入ってそうだな?」ゾルドフは苦笑する。
「安心しろ。ちゃんと最近身体を洗うようになった。皆にも徹底させる。
甲羅を一品のみならず支給数を増やすよう兄者に言う。
今まではより重く、より硬くだったが・・・これからは30%は軽い甲羅を開発したい」
ジェンがもしベドーに帰れたらクゥダフも敵ではあるがいい方向に向かうかも知れない。
人と共存はできないが、殺しあうこともなくなるかも知れない。
そういうと獣人共存派かといわれそうなので黙っていた。
獣人共存派は危険な過激団体だ。一緒にされたら死刑になる。
「・・・眠いトコ悪いが、夜明けまで付き合ってくれるか?
皆で乗れるようチョコボは手配してある。乗れない奴はくくりつける」
そういってチョーさんは笑う。
なぁに。さっき寝てただろと苦笑する彼に皆は頷いた。
511 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/01(月) 13:35:08.42 ID:pnxlVvHt
「ちょっと・・・コレは」僕はつぶやいた。
速過ぎる!というかションベンちびる!!!というか駄々漏れになる!
怖い!怖い!マジで怖い!!!!!
「チョコボ並みに自転車は早い」といったが撤回だ。
12時間で大陸のはしからはし、ウィンダスとバストゥークやサンドリアを結ぶのに、
遅いわけがない!!てかこんな早い生物は反則だ!!!進化の意義を疑う早さだ!!
超猛スピードで襲い掛かるグスタベルクの岩山、枯れ木をすいすいチョコボはかわし、
走る走る走る走る・・・・おろせええええええええええええええええええww
しかし僕、タミさん、ゼルマンさんや子供はロープでがんじがらめに固定されている。
子供ははしゃいでるがコレは僕らには恐怖体験だ。絶対夢に出る。
どっか遠くで僕らをあざ笑う騎手のセリスさんの声が聞こえたが、それどころではない。
「こっからは歩きだ」というチョーさん、
チョコボにくくりつけられた僕らは一斉におろされる。立てません。助けて。
512 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/01(月) 13:36:35.21 ID:pnxlVvHt
ジェンが苦笑すると僕を背中に乗せてくれた「ションベンちびったか?」
「・・・したかも」僕は答えると「・・・乗せるの辞めとこう。甲羅を汚されたくない」
「冗談です」「なら載せよう」そうして子供とタミさんを乗せる。僕はどうした!
「おい!俺は!てかカァちゃんに触るな!」と怒るゼルマンさんをチョーさんが抱える。
ゲラゲラ作り笑いを飛ばすセリスさん。その前にゾルドフが背を向けてすっとしゃがんだ。
「お前もだ」
「い、いやだよ・・・かっこ悪い・・・あっ!ゾルドフ!降ろして!」
背中の上で抗議するセリスさん。「お前も疲れている」と無表情で返すゾルドフ。
「・・・お願い」というと彼は女の子のような潤んだ目をすると両手をゾルドフの頭に回した。
僕は右肩の上にちょこんと座り、ゾルドフの耳を掴む。「痛いぞ」我慢してw
513 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/01(月) 13:44:20.98 ID:pnxlVvHt
ゾルドフはでかい。本当にでかい。
どうやってセリスさんがおんぶされてるのか気になって後ろを見ると、
ゾルドフの左腕が後ろに回され、セリスさんのいすになっているらしい。
・・・まぁ普通におんぶしたら脚が回せず股が裂けるくらいゾルドフはでかいし。
「で、何処に行くんだチョーよ」とゾルドフが言う。
「あいたたた!おいゼルマンさんとやら。暴れるな。落ち着け。
・・・もうちょっと行った先さ」
初めて乗るだろうクゥダフの背甲の上ではしゃいでいるタミさんと子供とは対照的だ。
かなりキレている。当然か。・・・てかこの夫婦、ラブラブだったのか。
「あんた。別に私がこのカメさんに食われるわけではないんだから落ち着きなさいよ」
タミさんが呆れるが、「俺は仲間が何人もクゥダフに食われたり殺されるのを見てるんだよ!」と叫ぶ。
「・・・俺も一緒だ。何もしてない若い者が何人も人間に殺される。我々はお互いがお互いを存在自体悪と信じている
可愛い部下が何人も余興で殺されるのを知っている。お前もわかるか?」
ジェンが言うとゼルマンさんは「すまねぇ。カメの旦那」といっておとなしくなった。
514 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/01(月) 13:52:13.73 ID:pnxlVvHt
「夜が明けてきたな・・・急ぐぞ」とチョーさんは笑うと、
「アラエッサホイサー!」と叫んでダッシュする。
その年でなんちゅう体力ですか貴方は。
ゾルドフは苦笑すると僕を振り落とさない程度に(耳がちぎれる)走る。
セリスさんが「わっ!あっ!降ろしてゾルドフ!!」と叫ぶ。
後ろからジェンが走ってるが、
甲羅に中年女性と子供を乗せたカメに追われているように見えるw
「ついたぜ!みんな!」とチョーさんは叫ぶと、
「ウィッス!」とガルカの男に話しかける。
「ようHunting Bear!要望どうりモニター連れてきたぜ!?」
「見てみろよ。すげぇだろ」と彼らは微笑む。
「うわ・・・」
日の出と共に輝く壮大なでかいでかい滝・・・。
「なぁ。俺達の悩みってこの滝と比べればチッケエよな?」
彼らは笑った。
515 :
既にその名前は使われています:2006/05/01(月) 14:02:54.90 ID:pnxlVvHt
ごごごごご・・・と鳴る滝の音、朝焼けを反して跳ね上がる白い水。
やさしい朝の鳥の音と空気。
ここが人間とクゥダフ族との最前線であることを忘れさせるすばらしい景色だ。
ふと、僕は「わかった」"今なら"ケアルくらいならこの子に教えられることを。
そのことを子供に伝えると彼はきっぱりと拒否した。
「いいよ!だって本当の魔法使いって父ちゃんみたいな人なんでしょ?
僕もこの滝みたいにでっかい心を持って、小さなことを必死で守り通す、
とおちゃんみたいな立派な大魔法使いになるんだ!ただの魔法なんていらないよ!」
そういった彼にタミさんが頷き、ゼルマンさんが泣きだした。
「だよ。アンタの魔法は私の心を動かし、この子を成長させ、
アンタが掘った鉱石はバストゥークを支えている鉄になる。
・・・アンタみたいな人がたくさんいるから、この国は荒野から発展した。
・・・アンタは最高の・・・私にとっての大魔法使いさ」
・・・ここで子供も見ている前でキスしないでください。
516 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/01(月) 14:03:58.74 ID:pnxlVvHt
「そうだ。この滝の水は流れ、バストゥークの重要な水源や動力源になる。
我らクゥダフもその恵みを受ける。水は水であって水でしかないが、なんとも偉大ではないか?」
これぞ我らが神々の恵み。そういうジェンにタミさんが笑う。
「あんた。いいカメさんだね。長生きしなさいよ。万年いきるってねw」
「まぁ・・・」とハンティングベアが答えた。
「こんなモニター達は初めてだよ」と苦笑する。「でも、いいな。仲がよさそうで」
「・・・いいからそろそろ降ろしてよゾルドフ!恥ずかしいって!」と叫ぶセリスさんに皆が爆笑した。
517 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/01(月) 14:06:42.79 ID:pnxlVvHt
外伝その一。投下終了です。
予想を絶する長さになって呆れた。
こんなん埋めに使う気だったのか俺は。
なんと言うか、まぁPT組めない日の暇つぶしに書いてますので、
自分の長文が見たくない人は自分をPTに誘ってくださいw
518 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/01(月) 14:18:31.61 ID:pnxlVvHt
>>515の子供の台詞の前に挿入しわすれた・・・。
「僕、赤魔道士様って剣も魔法も使えて大活躍だと思ったんだ。」
「今だから言う。僕もそう思ってはじめました!wwww」
大笑いする皆に子供は目を輝かせて自分の父親を見る。
「でも、本当はすっごく地味なことをコツコツやっていくってわかった。
人に喜んでもらうために走り回って、奴隷のようでさ。・・・父さんとかわんないじゃんと。
こんなつまらないことなんで僕がやらないといけないのか。最初の日で思った。
でも…わかったんだ。魔法より大切なこと!誰にだって赤い帽子があるってこと!」
・・・以上です。挿入忘れごめんなさい。
皆さん投下乙です!
悪の中間管理職萌えだったり、ユリ×アリ萌えだったりと色々目を離せませんw
投下しますー
(162)
玄関から応接間に通されて待つこと数分。
「ファーロス坊ちゃま…ファーロス坊ちゃまでございますか…?いや、この面影、見紛う筈もありませぬ!」
比較的背の低い、腰の曲がったエルヴァーンの老人が出てくる。
「坊ちゃまはよせよ。久しぶりだな、爺さん」
笑顔を向けると、老人は顔を抑えて咽び泣き始めた。
「坊ちゃまがいなくなられて10年!お嬢様がどれほど寂しい思いをされたことかご存知でしょうか!?このマティエール共々、どれほど坊ちゃまのお帰りをお待ちしていたことか…!」
「らしいな。エルリッドには会ったよ、名乗らなかったが…ついでにもう一つ。エルリッドが攫われた」
マティエール爺さんは、今にもポックリ逝きそうなほど体を大きく硬直させた。
「…なんと!」
「俺の力不足だった。取り戻すために、先ずこの屋敷を拠点にして情報収集をしたい」
「…かしこまりまして」
「ついでに言うと、騎士団にも追われていてね」
「なるほど、『ルーファス』とは坊ちゃまのことでしたか。よろしいでしょう」
マティエール爺さんは、曲がった腰をしゃんと伸ばし、起立した状態になった。
「亡きお館様の遺品は全て残しております。どうぞご自由にお使いください。ここは坊ちゃまの屋敷でございますれば」
先ほどの咽び泣いた老人と同一人物とは思えない。鋭い視線と、わずかに微笑をたたえた口元だ。
(163)
「あぁ、ありがとう。それと、抜け道はまだ使えるかな?」
「おぉぉ…覚えておいででしたか…」
「忘れるわけがないよ、ガキの頃にあそこへ迷い込んで何度親父に抱えられて帰ってきたか」
不意に、また老人の目元に光る物が浮かんだようだ。
「あぁ、坊ちゃま…本当にお戻りになられたのですね…」
俺は苦笑いしか出来なかった。
やり取りをキョトンとした様子で見ていたラディールは、老人と俺を見比べながら状況を判断しようとしているらしい。
爺さんは両手を組んで天に向かって祈るような格好になった。
「お館様…坊ちゃまはこんなにも立派になられました!ご伴侶もお連れになり、このマティエール、感涙でございます!」
思わず、俺とラディールが視線を合わせる。
「…だってさ」
「…みたいね」
すばやくラディールの方に手を回して引き寄せる。彼女も心得た物で手を俺の胸あたりに添えて、俺に寄り添うような格好になった。
「おぉぉ…亡きお館様と奥様を見るような心持でございます…」
「爺さん。詳しいことはまた明日話すから、今日はもう休ませてくれ…」
「おぉ、これは気が回りませんで…申し訳ございません。マルト、お館様のお部屋へお連れしなさい」
マルトと呼ばれたミスラが嬉しいような困ったような表情で頷き、俺たちを部屋の外へ促した。
(164)
「先ほどは失礼をいたしました。私が使用人としてこちらに上がったのは、8年前でしたもので」
ミスラが丁寧な口調で話す。親父の部屋のドアの前で、鍵を俺に手渡してきた。
「そっか。親父の部屋は、特に何か変えたようなことはないか?」
「亡くなられた時からそのままであると、お爺様が言っておられました」
「わかった、もう下がっていいよ。ありがとう」
「あの…」
マルトが何かはにかんだ様な顔になった。
「お爺様のあんなに嬉しそうな顔、初めて見ました。ファーロス様が一日でも長くここにいてくださいますよう、お願いいたします」
俺はまた苦笑いをした。
ガチャリと音を立ててドアを開けると、ほこり一つなく清掃された部屋があった。
「驚いたわね…伯爵家のお坊ちゃまか何かだったのかしら?」
「そんな大層なもんじゃない。騎士といっても、親父は戦争屋だった。だから…」
壁際にあったクローゼットを全開する。
俺には見慣れた光景だったが、ラディールは息を呑んだようだ。
「剣、銃、爆弾、なんでもござれだ」
クローゼットから、視界いっぱいに敷き詰められた武器が覗いていた。
(165)
ベッドが一つだった割には特に何もなく、翌朝は実に優雅な物だった。
『朝食は、給仕をする物も含めて皆でとる』というのがシュヴィヤール家の慣わしで、食卓にはメイド服のマルトと、いかにも執事らしい格好のマティエール爺さん、そしてどこか戸惑ったようなラディールと、正直寝ぼけたままの俺がいた。
「なるほど、それは大変でございましたなぁ…」
俺が異世界から来た意識と混ざり合っている事を伏せて、訳のわからない連中に狙われている、ということだけを話した。
「情報が必要というのは、その黒いマントや赤い鎧に関するものでございますな」
「あぁ、出来るだけ詳細な情報が必要なんだ。連中のねぐらなんか分かれば、もう言うことはないんだけど」
「なるほど、私どもでも手を回してみましょう」
この爺さん、たまに笑えないほど鋭い目をする。
「で、とりあえずこの辺の様子を確認しておきたいから、午前中は散歩にでるよ」
「かしこまりまして。マルト、ご案内してさしあげなさい」
「はい」
「その前に武器を確認しておきたいわね」
とまぁ、こんなやり取りがありつつ…
屋敷を出たのは、それから少ししてからだった。
俺は遮光眼鏡を、ラディールは防塵眼鏡をかけている。どう見ても怪しい…
「こちらへどうぞ」
マルトが先にたって、くぐり戸から外へ出た。
(166)
意外なことに、遮光眼鏡一つで全く誰にも気付かれない。
マルトに先導してもらった東サンドリアの高級住宅街だけでなく、南サンドリア周辺でも同じだった。
ガードに話しかけてみても、横柄ではあるもののきちんと対応してくれる。
「良く考えてみたら、誰も顔であなたを探そうとしていないだけかもしれないわね」
「同じ様な顔は結構いるもんなぁ…」
マルトに『〜〜に行きたい』というと、彼女はその場所からの最短距離を教えてくれた。
ネコミミにメイド服というちょっとアッチ系の格好ではあるが、わずかに微笑をたたえた表情からは凛とした雰囲気を感じる。
(ねぇねぇ、マルトってちょっと可愛いと思わない?)
ラディールの目が妖しい。そういう趣味もあるんですか…
5歩ほど先を歩くマルトの近くを子供が通り過ぎようとして、スカートが不意に舞い上がった。
どうやら子供がスカートめくりをしたらしい。マルトは落ち着いた表情で子供をすばやく捕まえた。
そのまま ──
「ルーファス!」
「…分かってるよ、いい加減3回目だしな」
マルトを含め、子供や周りの通行人まで全て『止まった』。3次元の写真が取れるとしたらこんな感じか…
奇妙な光景の中、俺たちは周りの気配を探り始めた。
(167)
気配を探ろうとするものの、何かがこちらを窺っている様子はない。
「…なぁ、もしかして狙われてるのは俺たちじゃないかもしれないな」
良く考えてみれば、今の状況は過去二回と大きく異なり、周りに人が多すぎる。
「もしかすると宰相あたりに…」
「静かに!」
ラディールが鋭く言った。
わずかに、走る足音のような音が聞こえる。
これは…上?
「見張り台の方よ、誰かが追われてるわ!」
言うなりすぐに走り出した。
階段を探しすぐに上へ駆け上がろうとしたが、音に気がついて足を止める。
「…誰か、上っていったな」
「敵かしら…」
「味方だといいな」
言うとすぐに階段を駆け上がり始めた。グダグダ考えても埒は開かない。
赤い鎧だか黒マントだか知らないが、そいつらを抑えることが俺の最優先目的だ。
やがて、先に走っていた足音が止む。待ち伏せか、待ち合わせか。
(168)
階段の踊り場になっているところで、意外な顔を見た。
「あんた、昨日の…」
ロンフォールで会った、『来訪者』の魔導士だ。向こうもこちらの顔を見て驚いているように見える。
俺がニヤリとしてみせると、彼も手に宿していた魔力を破棄して笑顔を見せた。
「確か、フルキフェルだったか。あんたも…」
瞬間、轟音と閃光が走った。誰かが魔法を使っている。しかも、向き先はこちらではないどこか ──
襲われてるのは彼ではない、また別の人間らしい。
光が漏れてきた方向へ走り出すと、立ち尽くしたようなミスラの向こうに探していた相手がいた。
赤い鎧
こっちが見えていないのか、悠然と剣を振り上げている。
ということは、あのミスラが襲われている当事者で、恐らくは『来訪者』…
気孔弾を赤い鎧が振り上げている剣に向かって投げつける。俺の手から発せられた光の玉は一直線に剣に当たり、消える。
同時にフルキフェルが炎の魔法を使ったらしい。赤い鎧が火に包まれた。
「取り込み中わるいな」
俺はドスの効いた声で、赤い鎧に問いかけた。
527 :
Loufas ◆TTnPTs4wAM :2006/05/01(月) 14:46:46.17 ID:53LfQAT8
609氏、Furcifer氏と邂逅でした。
ここからどうやって赤い鎧をしばき倒して拷問するか、悩みどころですw
では、わっふるわっふる!
ルビーの剣に今気づいた!!ていうかソコワラメェが本名だと思われてる事にも今気づいた!!!wΣ(゚△゚;)
>487
舞台裏のキャストは登場判定に成功するまで出られたり出られなかったりするのですヽ(´ー`)ノ
ていうか名乗るくだりがだいぶ後になりそう… しばらく"赤魔道士"呼ばわりでごめんなさい(つд`;)
あと、時計拾ってくれてありがとうw 希望が見えてきましたww
>493
厨くさくてごめんぽ(つд`;)
>498
ごめwwwむりwwwwサポシwwwwwwへたくそな同人屋どまりでございます(ノ∀`)
獣人の文化は自分ももうちょっと書いて見たいとか思ってるので、興味深く読ませて頂いてますw
>527
自分の書いた台詞が別視点で出てくると感激しますねw
イメージに合わなかったらごめんなさい(´д`;)ヾ
現れた人影は、エルヴァーンの男二人、女一人。男はモンクと赤魔道士のようだが、女はよく分からない。
女が術式を構築する。標的は例の騎士か。
向き直ると、騎士はやはりさしてダメージを受けていないようだった。
馬鹿の一つ覚えみたいに剣を振り上げる。突然の来訪者に激昂して歪んだ顔で、不意に閃光が爆発した。
フラッシュか。という事は女はナイトか白魔道士か、と類推しかけて、無意味な事だと気づく。
声にならない怒声をあげて、騎士が剣を滅茶苦茶に振り回す。やめろ馬鹿、その間合いで。当たったらどうする。
「よっと」
モンクが傍らから近づいて、腰の当たりを蹴押すと、騎士は一層切羽詰った怒声をあげながらよろめき、一層剣を振り回した。
突然視覚を奪われた恐怖に騎士は狂ったように暴れているが、保身で精一杯のようだ。おれを排除するどころではないらしい。
ともかく距離が離れてくれて助かった。
「これ、貴方のですか?」
ミスラのそれとはわずかにデザインの違うワーロックシャポーを頭に乗せたエルヴァーンが、例のチタン時計をおれに差し出してきた。
正確にはおれの正式な所有物ではないが、ひとまず受け取る。
「へえ、エルジンか。マイナーな趣味してるな」
横合いからモンクが首を突っ込んできた。意味が解らなくて、どう答えればいいか判らない。
別に何か答えを期待していたわけではないらしい。モンクは親指で肩越しに、相変わらず暴れている騎士を指差す。
「仕切りなおすぞ、動けるか」
足は地面に貼り付いて剥がれない。
「バインドなんだ」 情けない声で訴える。
モンクは少し困った顔をすると、おれの後ろに回りこんだ。
「っ痛ぇっ!!」
ばすん、と尻に激痛と衝撃。たまらず数歩前に出る。あ、足が動く。
ここで尻キックが来るとは思わなかった。殴れば解けるからって、少しは躊躇しろよ。
「ちょっと撫でただけだろ、男なら大袈裟に騒ぐなよ」
「ルーファスが悪い」
「私もそう思います。イレースあったのに…」
おれか!? おれが悪いのか!? ルーファスと呼ばれたモンクが大袈裟に嘆いてみせる。
漫才やってる場合か。視界を取り戻した赤鎧が、再び敵を認めて近づいてくる。
「行くぞ!」
ルーファスと呼ばれた男が、しんがりを買って出る。
「いやだ」
冗談じゃない、逃げるのも逃がすのもまっぴら御免だ。
「はァ? なんでだよ」
赤騎士の放つ威圧感に、後退る。矛盾してるな、と腹の中で自嘲った。
「なんでも」
子供か、おれは。
「あいつだけは、死んでも殺す」
「ガキか、せめて理由くらい教えろ」
肩越しにルーファスがこちらを見る。そんな呆れ顔しないでくれ、男にとっては大事なことなんだ。
「女ね」
背後から、女の鋭い洞察。ひでえな、さっきはおれの味方をしてくれたのに。
ルーファスが横顔で再び呆れ顔を見せ、図星を突かれて俯くおれを苦笑する。
「そうか。そりゃ……メチャ許せんよなぁ」
口調は軽かったが、目はもう笑っていなかった。
ルーファスの後退が止まった。騎士へと向き直るルーファスの横顔は、やけに凛々しく見えた。
コントは終わりだ。赤騎士が、死の刃をもって踏み込んできた。
「足引っ張るなよ!」
一声残してルーファスが前に飛び出す。
騎士は相変わらずの大振りだ。が、威力は甚大、速度は絶大。出会い頭にいきなり相討ちでも狙うつもりかよ。
加速の術式を組み上げ、ルーファスの肉体に接続を試みる。が、到底間に合わない。
ルーファスと騎士が交錯する瞬間、物理障壁が展開された。赤魔道士か。いい仕事をする。おれが垢に見えるじゃないか。
袈裟懸けに振り下ろされる剣の、握り手を左で払う。狙いを逸れた剣が石畳を切り裂く。
ルーファスの踏み込みは止まらない。吸い込まれるような動作で、赤い胸当ての中心に見事な中段逆突きが決まる。ずばん。
これがモンクか。おれは我を忘れて一瞬見とれてしまった。
あの突きに比べたら乱撃も夢想も大道芸だ。基礎は奥義に通じ、奥義は基礎から生る。それを体現する一撃。騎士のレタスにだって決して劣りはしない。
しかし、それでも騎士の鎧を貫くには能わなかった。装飾や塗装が剥げ、あの絶対の装甲にくぼみすら作った一撃だが、中の怪物は傷一つ負っていない。
「どーいう腹筋してんだ……」
思案に暮れたルーファスが距離を取ろうとステップを踏む。騎士が地面から剣を引き抜きざまに切り上げた。
重さも速度も乗っていない一撃だ、ルーファスは踏み止まって防具で弾こうとする。駄目だ、あの剣はこの世界の防具じゃ防げない。
「よけろナッパ!」
反射的に後ろに飛びのくナッパ。……じゃなくてルーファス。剣は空を切り、大回りして騎士の頭上に戻った。
「だぁれがナッパだ。おれがあのヒゲスキンに見えるか」
「うるせえな、勢いだよ。あるだろそういう事」って、おい? 「ナッパ知ってるの?」
「知らない日本人はモグリだな」
騎士から視線を外さずに、ルーファスが事も無げに答える。
「あんたまさか、リアルから……」
驚きとか喜びとか、色んな感情が湧き上がって、逆に表情がなくなる。
「初見で分かれよ」
ルーファスは横目でちらりとこちらを見ると、にやりと笑った。
「来るぞ、手伝え」
再び騎士を見据えて、鋭く言い放つ。
「お、おうっ」
身を深く沈めて、身構える。
「弱体だ! お前達のジョブを全て弱体してやる! お前達のような不正ユーザのせいで、全てのユーザが被害を被るのだ!」
騎士が吠える。そりゃ、たまんねーな、と思わず一人ごちた。
戦いは、四対一になった。
いじょです(`・ω・´)ゞ
自分が先行して他の方に合わせてもらう感じになっちゃっててちょっと申し訳ないんですが、せめて筆が止まらないようにちょっとずつでもスパン短く投下できるよう頑張ります。
その代わり、続く「ハルヴァー宰相を助けろ!」編と「ルーファスとラディールをくっつけろ!」編は先行よろです(*´ω`*)ノ←外道
サンドなのでタイトルは単純明快でストレートですw
嘘が真ってイウジャナイ……?w(マテ
ミナサマ投下乙様です。一か二番目に目立つ暴走してる464です。
言われてみれば、確かにバスはシステム超越も無く平和なままですねw だが、そ れ が い い 。
コチラはウィンなので「君が望むモノ」とか含みを持たせたタイトルで対抗!(意味はありません orz
私はスレ1で言った通り、同人ですら無いド素人なので、きっと見てるだけの人のが上手く書けます……
なんていうか私自身が"壮大な実験"状態wwwwwでは、まだ書けて無いので、また!
536 :
83 ◆W0QmuTI9lM :2006/05/01(月) 18:38:03.73 ID:1eGcGWOK
バスは・・・バイクで暴れ回ったお茶目なミスラさんが居なかったかしら?w
っつーか・・・サンド組はカコイイなぁ。惚れ惚れします。
ウィン組も頑張りましょう。自分も絡めるように頑張ります。
・・・と言いつつ、投下は無かったりしますorz
途中までの文と構想は出来てるんですが、アプルルの口調ってどんなだったか・・・。
せめてもの助けに、ageておきますね( ゚∀゚)ヾ
>>517 外伝乙です。そういえばモニターまだやってないなぁ・・・
なんだか最近クゥダフが好きになって来ましたw
>>526 ナッパさん乙でs・・・コホン、ルーファスさん乙です。
執事ほしいな・・・wネコミミメイドもwww
>>534 >「弱体だ! お前達のジョブを全て弱体してやる! お前達のような不正ユーザのせいで、全てのユーザが被害を被るのだ!」
実際に社員の方がそういっていそうでちょっと笑えない・・・w白は弱体しないでぇwww
うーん、サンド編は本当にかっこいいなぁ・・・。私は戦闘描写に自信がないので
おとなしくモグタンにビンタを決める直前あたりで固まって戦闘が終わるのを待っていますw
・・・やってしまった。
私は修繕が終わったヒーラーブリオーとさっきまで着ていた服が入っている袋を左手に提げて服屋のカウンターに
立っていた。もう言うまでもないだろう。様々な上品な装飾がついた生地の厚い白いシャツに赤いセーター、
そしてセミフレアスカート。しめて2万ギル也。まぁ、悔やんでても仕方がないや。
この服も擦り切れるまで着続けてやる!
そんな決意とは裏腹にホクホクとした笑顔でお店を出た瞬間、私は思わずその場に立ち尽くしてしまった。
というのはあの人が目の前に立っていたからだ。今日は私服姿だけれども見間違えようが無い、間違いなく彼だ。
彼と目が合った瞬間、思わず私はその場で固まってしまった。
「シャールカーンさん・・・。」
ぽかーんとしている私に昨日と同じ笑顔で彼は話しかけてきた。
「こんにちはユリフィナさん。その服も似合っていて素敵ですよ。」
「あ、ありがとうございます。」
私は真っ赤になってうつむく。なぜか目を合わせられなかった。
彼はモジモジしている私のほうへつかつかと歩いてくると、もう一度ニコリと微笑んだ。
「ここで待っていれば会えると思った。」
そんなロマンチックな言葉に対して私が出来ることは、さらに赤くなることだけだった。
先ほど見つけたこじゃれた喫茶店に私と彼はいた。石造りの暖炉の炎が店内を優しく暖めているため、
店内は眠くなりそうなほど快適な温かさで、さらに甘い焼き菓子の香りが部屋中を包み込んでいるのでなんだかメルヘンチックな雰囲気だ。
内装には木の板が多く使われているので独特のあたたかみがあり来る人をほっとさせた。
そして同じ木でできていると思われるテーブルには一つ残らず真っ白なレースのテーブルクロスがかけられていた。
頭の中が真っ白になっていたのでどうやってここまで来たのか思い出す事が出来なかったが、
今の私にも分かることが一つだけあった。私の向かい側にはシャールカーンさんがいて、
そして彼は私に向かって微笑んでいるという事だけだ。
私はメニューをあわただしく隅々まで眺め回したけれど、今の私には文字が文字として入ってこないために
一向に頼むものは決まりそうになかった。
「お客様、決まりましたか?」
メイド服のエルヴァーンのお姉さんが営業スマイルで私達の机のそばに立っていた。
彼女はニコニコしたまま私と彼の前に水がなみなみと注がれたコップを置いてゆく。
「ユリフィナさん、決まりました?」
彼が店員さんの営業スマイルの10倍は輝いた笑顔で私に話しかける。
「え、えーと・・・。」
必死にメニューの上から下までをざっと見る。シュークリームかプリンアラモードかチーズケーキがあったら
それにしよう。待たせないで早く決めないと・・・あった!
「あ、あの、これとロイヤルミルクティーを。」
セルビナミルクをふんだんに使ったチーズを使ったシェフのこだわり森の梢のチーズケーキとロランベリーのソースと
書かれた場所を指差しながら私は店員さんへと慌しく言った。一つのメニューに「使った」という単語を二度も使うな!
だなんてつっこむ余裕も無かった。
「俺はコーヒーを。」
彼は私に微笑んだままこう答えた。いや、そんな顔で私を見ないで・・・。照れるよ・・・。顔が熱い・・・。
たまらず私は視線をヒザへと向ける。
店員さんはメニューを復唱するとさっさと厨房に下がり、他の店員とクスクス笑いながら談笑をはじめた。
私たち以外にもポツポツとお客さんはいるけれども、どの机にもすでにティーカップやケーキが置いてあるところから察するに
彼女達は今、結構暇になっているのだろう。ただ、なんだか彼女達は私たちを時々見ているような気がする。
ただの自意識過剰かな?
「もう一度会えてよかったよ。」
「・・・私も・・・です・・・。」
顔を伏せたまま私はつぶやいた。
まず彼はこのお店に小さい頃から家族でよく行っていたという事から話し始めた。
一人称が私なのは仕事の時、オフの時は俺と使い分けているなんて話、
それから話はどんどん色々な方向へと行き彼の父親が厳しかった話や
兄がハルヴァー様に頼まれて王子の花嫁を探す事になったこと、
そのハルヴァー様が誘拐されてしまって今サンドリアでは大騒ぎだという事(そんな機密のような事を話してしまってよいのだろうか?)
他にもたくさんの話を時々冗談を交えて語ってくれた。そしてその話を聞いているだけで、なんだか幸せな気分になれた。
「ロイヤルミルクティーにチーズケーキです。そしてコーヒーです。」
彼がチョコボにギザールの野菜を与えていたら腕ごと食いつかれたという話をしている時に頼んだメニューが来た。
その瞬間になんだか二人だけの世界から現実に引き戻されたみたいで、少しだけ店員さんを恨めしく思ってしまう。
あーあーあーあーあーーー!もう私は重症だ・・・。
「えーと、それで俺はどこまで話したっけ?」
「チョコボに腕を食いつかれたので振りほどこうとしたら地面を引きずられた、ってところです。」
いまや私はニコニコしながら彼の顔を見つめて話を静かに聞いていた。
こんなしおらしくしているところを由佳や友達に見られたら『誰こいつ!?』とか思われそうだな。
砂糖がたっぷりと入ったロイヤルミルクティーは今の二人の周りの空気のように甘くてコクがあった。
以上です。同じサンドなのに一人だけ方向性が真逆ですが気にしないでくださいwwww
さて、これからはユリ×アリにするかアリ×ユリにするか・・・wそこが問題だ・・・
この恥ずかしい展開はもうちょっと続きますが、鳥肌を立てながらも読んでくだされば幸いです。
メイドミスラわっふるわっふる!メイドエル♀わっふるわっふる!
よし、僕もがんばってかくぞ〜・x・
544 :
352:2006/05/01(月) 22:11:43.29 ID:ZVqc/OXM
壁|_・)ノ コンバンワ
そういうことで、でょっとかいてきました・x・
どうしょうもないくらいの自慰SSですが、よろしく_(._.)_
545 :
352:2006/05/01(月) 22:14:49.10 ID:ZVqc/OXM
―――――――――――――――――――――。
…んぐ…。
今日も今日とて一日がはじまる。
「…おはようクポ。」
「…おはよう。」
昨日の一件以来、僕たちの関係は微妙にぎくしゃくしていた。
「…出かけてくる。」
「…いってらっしゃいクポ。」
…流石にサンダー3はまずかったか。うむ、今回に限り僕が悪い。
なんかモグプウに買っていってやろう。そう考え、僕は競売へ向った。
で、競売。先日集めた絹糸を出品し、自分の朝食用のダルメルステーキを購入する。
546 :
352:2006/05/01(月) 22:15:50.39 ID:ZVqc/OXM
モグプウの分も…と考えたとこで、あることに気付く。
「…モーグリの好物ってなんだ…?」
うーむ。
うーーーむ。
チョコボならギサールの野菜なんだろうが…。
……ぴこーん!!
そういえば、ゴールドソーサーにモーグリ育成ゲームがあったな。
なんかクポの実とかいうのをあげたような…。
…一応競売を見てみるが、当然そんなアイテムはない。どうしたものか。
「…ロランベリーでも買ってくか。」
見た目から入るのが日本人だ。
かくして買い物を終えた僕は、レンタルハウスに帰ることにした。
547 :
352:2006/05/01(月) 22:16:51.69 ID:ZVqc/OXM
がちゃり。
「…おかえりクポ。」
…。
「/sh 時は来た。許されざる者達の頭上に 星砕け降り注げ! メテオ!!」
叫びつつ、僕はロランベリーを投げる!!
「クポォォォオオ!!!」
…軽く。
「…クポ?」
僕の予想外の行動に、モグプウはきょとんとしている。
「……昨日は悪かったな、モグプウ。」
とりあえず謝る。
「クポ…。…モグも大人気なかったクポ!」
まあそういうわけで、仲直り。
「とりあえず飯にしよっか。」
「クポ〜。」
モグプウは嬉しそうにくるくると回りながら椅子にすわった。
548 :
352:2006/05/01(月) 22:17:51.15 ID:ZVqc/OXM
「甘いクポ〜。」
「…固い。」
…ダルステは思っていたより固かった。冷めているせいもあるだろうが。
「それにしても、びっくりクポ〜。」
「ん?」
[ ]←現在のリミットゲージ
「まさかご主人様がデカ女フェチとはクポ〜。」
……。
[‖‖ ]←現在のリミットゲージ
「その上アニヲタだったとはクポ〜♪」
………。
[‖‖‖‖ ]←現在のリミットゲージ
「更に、ロリコンでショタコンだなんて、救いようがないクポ〜☆」
…モグプウは楽しそうにケタケタと笑っている。
549 :
352:2006/05/01(月) 22:18:52.29 ID:ZVqc/OXM
[‖‖‖‖‖‖]←リミットブレイク!!
「モグプウ、ちょっとこっちおいで♪」
僕は/smileしながら声をかける。
「クポ?」
モグプウはパタパタと羽をはばたかせ、僕の方へ飛んでくる。
「モグプウはかわいいね〜♪」
そのビロードのような毛並をふかふかしてやる。
「クポ〜♪」
モグプウは嬉しそうだ。
「……かわいさ余って憎さ100倍…。」
「……クポ?」
僕の殺気に気付いたモグプウが体を硬直させる。だが遅い!
「/sh 渦巻く怒りが熱くする!これが咆吼の臨界!波動撃!!!」
全力でDDTを仕掛ける!!
550 :
352:2006/05/01(月) 22:19:50.52 ID:ZVqc/OXM
「グポォォォオオオウ!!!」
ヴァキィ!!という快い音を立て、モグプウが床に突き刺さる。
ふぅ、すっきり♪
僕は床に刺さってぴくぴくしているモグプウを放置し、出かける身支度を整える。
「出かけてくる。」
無論、返事はない。
「さて、どうするかな…。」
時魔法の情報を探すと決めたのは良いのだが、いかんせんヒントがない。
「…魔法と言ったらウィンダスだな。」
とりあえずウィンダスへ向かうことにした。
で、ウィンダス。
僕は船酔いで重い体を引きずりながら歩いていた。
551 :
352:2006/05/01(月) 22:20:44.30 ID:ZVqc/OXM
「さて…。」
ウィンダスに来たのはいいが、どこへいこうか。
流石に学校で時魔法なんか勉強しないだろうし…。
「どうしたものかな…。」
そもそも、時魔法は既存の白魔法、黒魔法から細分化された魔法だ(FF5設定)。
例えばリジェネなんかはケアル系の魔法から派生した魔法だし、
グラビデは重力の塊をぶつけてダメージを与える黒魔法に近い魔法。
現に、ここヴァナではリジェネは白魔法、グラビデは黒魔法に分類されている。
552 :
352:2006/05/01(月) 22:21:35.76 ID:ZVqc/OXM
で、肝心のリアルに帰れそうな魔法といえば……やっぱデジョンである。
そもそもデジョンはFF4で初登場して(ここはうろ覚え)、その時は1フロア前に戻るという効果だった。
で、次元の狭間に送り込むのがFF5で、空間に穴を空けてそこに方り込むのがFF6。
また1フロア前に戻る魔法としては、FF1のテレポが挙げられる。
時空魔法に分類されている5、そもそも黒白という概念のない6を除いていずれも黒魔法に分類される。
つまり、デジョンは黒魔法から派生した魔法なのだ。
553 :
352:2006/05/01(月) 22:22:32.69 ID:ZVqc/OXM
「黒魔っつったらあの人だな…。」
僕はシャントット邸に向かうことにした。
…と。
考え事をしながら歩いていたので気付かなかったのだが。
…何故か動けない。
地図で自分の位置を確認する。うむ、ウィンダスだ。
これは……。
地形ハマりだ!!
…困った。今日に限ってサポ黒じゃない。デジョンカジェルは残り回数0だ。
GM呼ぶか……?
いやいやいや!GMはマズい!来訪者だと知られたら赤鎧を呼ばれるかもしれない!
「うーん…。」
辺りを見まわす。どうやら、窪みに落ちたらしい。
554 :
352:2006/05/01(月) 22:24:05.65 ID:ZVqc/OXM
……こんな窪み、前からあったっけか。
とりあえず地面に体当たりしてみる。ついでに/panic motionもしてみる。
…ぉ?
なんか地面の一部にめり込めるぞ!これはチャンス!
僕はその一点にひたすら体当たりをすることにした。
…で。
「……どこだここ。」
気付いたら知らない場所にいた。
真っ暗で一条の光もないのに、自分の姿だけはっきり見える。不思議な場所だ。
エンファイアで武器を松明代わりにしても、自分以外に見えるものはない。
「…チッ、こんなとこまで来る奴がいるとはな…。」
「誰だッ!!」
僕は闇に向って叫んだ。
<続く>
555 :
352:2006/05/01(月) 22:25:38.31 ID:ZVqc/OXM
壁|_・)ノ
今日の投下は以上です。デジョン痕、使わせていただきました_(._.)_
壁|_・)ノ じゃ、わっふるわっふる!
壁|彡サッ
軍勢出して延々夜の空漂ったままにしとくのもアレなんで、1レス分追加
紅い、宝石のような刃が一直線に光となって飛び去ると、
サンは眼下の静かな軍勢へと、穏やかな顔で再び語りかけ始めた。
「「貴方達同胞に私が願う事ハ、たった一つです…かツての仲間ガ集った場所へ、闇の者ノ城へ。」」
殉教団は微動だにせず、直立不動で前を向いたまま"止まって"いる。 サンを見ようとすらしていない。
「「ソコに居ル、私に仇なす者を。同胞ヲ屠る者達を血祭りにあげなさい…。」」
"同胞を屠る"の所で、 ザッ という音と共に全員がサンを同時に見る。石像は動かないがコレは当然だ。
「「サぁ、往キなさい。私の仲間達、同胞達。任が終わレば、皆ヲ永き苦しみかラ解き放チましょう……。」」
両手を前にあげ、愛しい人を抱きしめるかのような動きで腕を交差させ、無を抱きしめる。
それと同時に、殉教団が立っている足元に、草が結ばれた所から、人々が虚ろと言い畏れている闇が溢れる。
闇がモグハウス前の広場を覆うと、ゆっくりと、沈み込むように。ヤグードの姿をした軍勢が消えてゆく。
最も巨大な石像が完全に闇に消えた直後、どこからともなく吹いた風によって、闇は一瞬で姿を消した。
後には、普通に通ると視界に入らない位の高さで浮く、サンの姿をした影から、金と赤の碧眼が妖しく光っていた。
翌朝、石の区モグハウス前で気を失っているミスラが発見され、森の区ガードにより保護された。
夕方に目覚めたミスラは、珍しい赤と金の碧眼で、もう大丈夫だからと言い自力でモグハウスへと帰って行った。
追加以上です。
時間的に言うと、352氏が地形にはまった頃、私はガードの所で寝てますw
では、わっふるわっふる〜
559 :
既にその名前は使われています:2006/05/02(火) 00:03:35.15 ID:TYyxv1DE
浮上
560 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/02(火) 01:27:08.39 ID:XluChRBN
・・・ジェン大人気・・・。別にクゥダフだけが好きなわけでもなかったり。
普通にライバルとか敵役はかっこいいキャラにしたかったというそれだけで。
結果的にジェンはすごくいいキャラに育ちました。皆様ありがとうございます。
彼の言うクゥダフ独自の文化はヴァナの設定書というより、ほとんど想像です。
公式設定とは食い違うところもありますがご了承ください。
ほとんどはトリヴューンと電撃の設定程度です。
反響がほのぼのといわれるPたんの冒険です。
とりあえず普通の現代人が別世界のまったくの赤の他人を護る展開は矛盾がありまくるので、
彼には彼らしく普通の人々の生活を守る便利屋として生きてもらおうという魂胆です。
システム超越は・・・やってると思う。
レベル5を明らかに越えている連中(クゥダフ含む)があのクエをやってるし。
時々Pたんがサポ白やサポ獣にいつの間にかなってます。
個人的には我々の知ってる「ゲームの」ヴァナとは違う世界に放り込まれたと思っています。
(1000円でこの程度のサービスは割に合わんし、客を殺しちゃまずいだろうと思う)
561 :
既にその名前は使われています:2006/05/02(火) 01:48:47.03 ID:TYyxv1DE
このスレの中に赤い鎧がいるかもしれないんだぞ!
そんなところに一秒だっていられるものか!!!
俺は自分の部屋に戻る!例え一人になっても俺だけは生き延びてやるからな!!!
いいか?俺の部屋に近づいた奴は赤い鎧とみなす。問答無用でスラッグショットをぶちこむからな。
わかったな!!!
562 :
既にその名前は使われています:2006/05/02(火) 01:57:47.88 ID:XluChRBN
>>561の日記。
奴が来る。降りむいてはいけない。振り向けば・・・。
・・・逃げろよ。
256_Furcifer ◆MwNTY7GtwIさんが中の人女性でありながら、
クトゥルフの呼び声という濃いTRPGやってるようですので書いてみた。反省していない。
ブレカナとN◎VAはスルーな件についてw
564 :
既にその名前は使われています:2006/05/02(火) 02:28:02.86 ID:XluChRBN
両方とも名前は知ってるけどプレイしたことないんだい!
そしてこのスレの職人は皆TRPG好きな件についてw
個人的に好きなシステムは富士見版の旧モンスターメーカーだ。
一番はまったのはソードワールドwだ。
モンメカはある意味一番キャラを表現できるし、プレイしやすい。
問題は別にあのシステム、モンスターメーカー世界でなくてもいいジャンという事実だが。
・・・お前らTRPGの板いけといわれそうなので待避だ!
悪の巣窟ウィンダスから、ごきげんよう。(声:中田譲治@巌窟王)
皆様、投下乙でございます。
サンドリア組はカッコカワイイ!
私の嫉妬を煽っているとしか思えない!w
恐ろしい子・・・! (白い目)
そこで。
リードは無事に翌日になれば、モンブローから頼まれていたクエを済ませようと思っています。
シャントット博士のところに同行していただける、命知らゲフゴホッ・・・素敵な方々を募集します!
名前:
種族・性別:
ジョブLV:
装備:
一人称:
以上をご記入の上、SS書き様方に名乗りをあげていただければと。締切は、私が締め切るまでです。
シャントット博士に会うストーリーで、反則的に強いエクスカリバーが・・・砕け散ります。
公衆浴場はモグハウス区画内に設けられている。
特筆すべき点はない。
ちらほらと汗を流す来訪者の姿があるが、今は無関係だ。
唯一不満があるとすれば、他国のそれとは違い、湯が出ない事だろうか。
武器の類はモグハウスに置いてくるのが常識だ。
私のように持ち込んだ場合は、カウンターに預ける事になっている。
問題はない。
何かコトが起これば、エクスカリバーは瞬時に私の手元に飛んでくる。
文字通り、あらゆる障害を“最短距離で”突き抜けて来るのだ。
偶然そこに人間が立っていた場合、命の保証はない。
無論、乱用するつもりはないが。
水浴びを済ませた私は、食事をするため“ララブのしっぽ亭”を訪れた。
「いらっしゃい! ・・・おや、ひさしぶりだねぇ!」
女将のチャママは、まだ私を覚えていたようだ。
「頼んでおいた円石は? 二回くらいで諦めるんじゃないわよっ」
私は肩をすくめた。
私はピピラの塩焼きとフナずし、蒸留水を注文して、空いている席についた。
「お元気そうで何よりです」
私は微笑み、なんとか円石追求の矛先をかわすことにした。
「息子さんはお元気ですか? スターオニオンズ団の・・・」
ウチの馬鹿息子も魔法の才能はあったみたいでねぇ、と女将はため息をついた。
「なんとか学校に滑り込んでねぇ。本人は白魔道士になるとか言ってるけど」
アハハと笑う女将。
タルタルなので、ガッハッハッと豪快にはいかないところか。
「タロンギ実習で同行してくれた白魔道士さんに惚れたんだってさ」
おしゃべりしながらも、女将の手は休むことを知らない。
ほどなくして、私のテーブルに食事が並べられた。
一品、多い。
「これは・・・」
「ララブのしっぽ漬け。最後だよ。これ食べて、やる気だしな」
その調子だと、ぜんぜん名を上げてないね? と。
私は苦笑して、ありがたく名物をいただくことにした。
帰りに、シナモンクッキーを包んでもらおう。
「で、どうなのよ。最近は?」
女将がニヤニヤしている。
「私は・・・見ての通り、どこへ行っても相変わらずですよ」
「そうじゃなくってさぁ。いつも一緒にいたコよぅ」
あぁ、“アビス”のことか。
フェイトだった頃の同僚。背中を預けるに足る能力の持ち主。
“俺”では太刀打ちできなかったどころか、余計な真似をしてしまった。
「あちゃぁ。オバちゃん悪い事聞いちゃったね〜」
私は知らずに渋い顔をしていたらしい。
さして悪びれた様子もなく、女将はそう言って厨房に戻っていった。
「いろいろあるんですよ」
私はフナずしを一つ、醤油にちょんとつけて口に放り込んだ。
そういえば、この調味料はどこから仕入れているのだろう?
「近頃はおかしな冒険者もいてね。経験豊富に見えて、中身がない」
「そうそう、それそれ」
女将が話題に食いつく。
私はにんまりと笑った。美味しいですね、と付け加える。
今夜は、街に流れる情報を集めに来たのだから。
569 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/02(火) 05:14:24.94 ID:XmUOIBZ4
今回分の投下は以上です。
いつも通り書きながら投下をしていたら、夜が明けてしまいました。
この後の展開は考えていません。翌日はシャントット邸に行く、とだけ。
ウィンにいる人、ボスケテw
ぉぃっ?えっくすかりばー!お前それでいいのか?
強い強いといってもこれといった活躍してないエクスカリバー君。
(剣だけど確か喋れたよね?)
服裂いた程度でぶっ壊れるんでは、
おお。えっくすかりばーよ。しんでしまうとはなさけない。
おぬしにもう一度機会を与えようとなりかねないっす!wkwk。
571 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/02(火) 06:52:11.40 ID:XluChRBN
「たのむううううう!!!"P”−!」
コウモリのねぐら亭で蒸留水飲んでいた(この世界の水は汚すぎる)僕の朝は、
いきなり現れたツンツン頭の端正な顔立ちの青年の登場で無茶苦茶になった。
「・・・おいちゃん。だれ?」
僕はベーコンをたいらげながら、岩塩を振りかけた目玉焼きと格闘。
「だれっておま・・・Najiだよ。Naji。何度も会ってるだろ?」
・・・あ。確かにそうかも。「門番のおっちゃんね」
「門番って言うなぁ!ミスミル銃士隊のNaji様だぁ!!エリート中のエリートだぁ!」
「・・・門番のエリートなのね」ふにゅふにゅと言う僕に彼は「だぁぁあああ!」と叫ぶ。
「こう見えても俺様はいつも忙しいんだぁ!」
「・・・朝から晩まで門の前で他の冒険者とだべりんぐ(雑談)してるじゃん」
同じ直立不動のガードでもアイアンイーターさんのほうが仕事をしてるように見える。
「そ、そんなことはどうでもいい。Mekiが・・・Mekiがぁ!!」
・・・とりあえず落ち着いてよ。みんな見てて恥ずかしい・・・。
>>570 おはようございます。
エクスカリバーですか?
すでに思いっきり遠慮なく喋ってますよん。
【/grin】
573 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/02(火) 07:05:36.16 ID:XluChRBN
「で。その・・・メキさんとか言う人のために薬を貰ってくればいい訳ね」
僕は言うと彼は頷いた。気がついたら僕の頼んだアイアンパンとセルビナミルクくってる。
後で代金をシド工房長経由で請求しておこう。あの人よく蒸気の羊亭に来るし。
「お前、ウィンダス所属だろ?特産品組合に手を回してるからサクッと本国に飛ばしてもらって、
その後、ちょっと悪いんだがこの手紙を世界的に有名な黒魔道士のシャントット博士に渡してくれ」
移動は魔法で終わる。
久しぶりの(というか「俺」は初めてだが)ウィンダスは恋しい。
僕は「うん。じゃ届けてくるね」というと剣を佩(は)き、
いつもの布を頭に巻いてマントを羽織る。
「すらっしゅえむえー、てれぽめあ、かっこえむいーかっことじる」
僕が呪文を唱え終わると白い光が僕を閉じ・・・てか発動遅い!!!!
「わっ!こんなトコで危険な移動魔法を唱えるな!!」
Najiが呆れる。「30分の間に攻撃を受けたらどうするんだ!!」・・・30分???!!
「えー30分もかかったっけ?」「・・・魔法の発動に失敗したらまた30分後に唱えるハメになるぞ」
・・・それはちょっと魔法に集中しないと・・・。
574 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/02(火) 07:13:24.08 ID:XluChRBN
>>572 あ、おはようです。レスどうもです。
では続き投下です。
******************************************************
「そりゃそうと聞いてなかったんだけどさ」
僕は魔法に失敗しないよう注意しながら問う。
「Mekiさんって新しい恋人?」僕がなんとなく聞くと彼は吹いた。「ちっ!違う!」
「てっきりあやめさんにふられたんだと思ったんだけど・・・」「ちがうわー!」
「・・・ナジのおっちゃんに新しい彼女作る甲斐性ないか。うん♪」
「おっちゃんじゃねー!!!!」
叫ぶ彼だが僕を殴ると魔法が完成しないので手が出せないらしい。
「そもそも」僕は問う。30分は長い。「なんの薬?」
それを聞くと彼の顔は青ざめた。怒ったり泣いたり笑ったり忙しい人だ。
「おっ!俺が悪いんだ!俺がっ!俺が余計なことをしたからMekiは・・・」
おいおい宿屋で泣き出す彼。男同士で恋愛トラブルに見えるので辞めてください。
575 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/02(火) 07:22:15.47 ID:XluChRBN
・・・なんでも異世界から持ち込まれたという(ん?)珍しいお酒を、
Mekiってひとがもっていて、じゃつまみでもとナジが出したのが・・・。
「おっ!俺がスルメなんか食わせたからミスラのメキはぁあああっっ!!!!!!」
・・・思わず魔法への集中力を殺(そ)ぐところだった。
猫にスルメくわすなぁあああああっっつ!!!!!!
・・・おいおい泣くナジを見ながら突っ込む気力も失せて僕は立ち尽くす。
・・・そりゃ死にそうになるけどね・・・なんというかその・・・。
「アイツも"おっ!悪いにゃ♪"といってよろこんで食ってたから気にしなかったんだ・・・。
mekiが死んだら・・・あああああ!!俺のせいだぁああああ!!」
・・・すいません。笑い死にそうなのでそれ以上喋らないでw
576 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/02(火) 07:37:09.20 ID:XluChRBN
「大切な友達なのね」と僕がいうと彼が首を縦にふった。
「ちょっと事故で胸触ったくらいで散々こき使ってくれたり、
酒飲んだら色仕掛けで絡んできた上にアヤメに後できっちり報告したり、
ケアルひとつで大工房をふっとばすような事故を起こしたりするがな」
・・・どんな人だ。ある意味すごいな。会いたくはないけど。関わりたくもない。
「じゃ助けないと・・・ねっ」
次の瞬間、僕を包む光が白い塊となり、各地をめぐるテレポイントに接続される。
白い光が収まると僕はタロンギ大峡谷にたっていた。
テレポイントから見えるのは黄色い岩肌に、さぼてんさん。
遠くにはダルメルにヤグードと思(おぼ)しき影も見える。
風が心地よい・・・「うーん!帰ってきたなぁ!!」僕は思わず叫んだ。
ここからチョコボを飛ばせば懐かしい緑のウィンダスだ。
いや、すぐに帰らなければならないから倉庫見る程度だが。
「もうちょっとゆっくりしておきたいんだけどなぁ」
と、いってチョコガールに近づく。「あの・・・特産品組合の方からなにか聞いてません?」
・・・もうチョコボには乗りたくない。本当にそう思う。
577 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/02(火) 07:46:06.05 ID:XluChRBN
「ひっ!」と彼女は叫ぶとキョロキョロと回りを見渡す。
・・・いや、もうなれたけどなんかなぁ・・・。
「ここ、ここだよおねえちゃん」「ひっ!!!」彼女は叫ぶとあらぬ方向に走る。
「ちょっとまって!」思わず無詠唱でバインドを発動させてしまった。
「い、いやです!私は初めては好きな方に捧げ・・・許して!」
しゃがみこんで泣き出す彼女に「いや・・・その・・・」
なんか最近悪い人になんかされそうになったのだろうかこのお姉さん。
正面に回りこみ、ひざを叩いてあげる。
エルヴァーンのお姉さんは・・・それでも僕に気がつかない。
「怖い!!いや!!」「だから・・・足元見てください」
彼女は恐る恐る下を見ると布を頭に巻いたたるっこがいることに気がついたらしい。
「ごめん。間違えてバインドかけちゃった。怖がらせてごめんね」
彼女はボロボロと泣き出すと僕を抱きかかえて泣き出した。
・・・「俺」だったら喜べただろう。ここ数年ヤッてないし。
だが、たるっこになってからというもの、トンと性欲とは無縁なのだ。
こまったものである。
578 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/02(火) 07:53:35.46 ID:XluChRBN
待機していた特産品組合の人が来て僕をテレポしてくれる。
ナジさんから頼まれた仕事を速やかに終わらせないといけない。
Mekiさんの容態はかなり悪いらしい。
ウィンダスのミスラの薬をあげないと何週間も苦しむらしいが、
薬を飲んだら一日で治るとのこと。ミスラって何気にすごいかも。
気がつくと懐かしいウィンダス港。思わず歓声をあげる。
一通り喜んだら口の院の上に登って石の区にテレポしてもらう。
てくてく歩いていると、がんぴすん姿のエルヴァーンのお兄さんが歩いてくる。
手を振ると彼も気さくに応じてくれる。・・・でもなんか邪気を感じる人だ。
腰には珍しい片手剣を佩いている。顔立ちは気さくそうな感じだけど、
なんか妙に笑みが張り付いて見えて怖い。
「こんにちはー」僕は元気よく手をふると、彼はにっこり微笑んで手を振りかえした。
案外いい人かもしれない。
579 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/02(火) 08:03:01.23 ID:XluChRBN
僕らはてくてく歩きながら雑談する。
「と、言うと君はバストゥークのナジ君から依頼をうけて、
そのメキというミスラさんの薬を取りに来たと」
「うん。でね。ナジさんったらメキさんにスルメ食わせてお腹壊させちゃったんだって」
「それは大変だね」男はリードと名乗る。僕もロックと名乗った。
「ところで・・69君かい?」ふにゅ?「ロックだよ」
なんでそういう仮名を名乗るようになったのかは覚えてないけど。
彼は僕をジロジロ眺める・・・なんかあったのかな?
ウィンダスの穏やかな気候と空を舞うフライングフィッシュの元、
見つめ合うタルタルとエルヴァーン。どっちかが女の子だたらいいんだけどね。
どうもたるっこは一部の例外を除くと好きな相手でもできない限り性欲はわかないらしい。
「・・・私にわからない、それも私より先にアレに書き込んで私がわからないなどありえんな・・・」
彼はぶつぶつつぶやく。・・・よくわかんないや。エルヴァーンってこんな感じなんだろうか。
INT低い種族だというけど、よく考え込むし知的だ。タルタルとはまったく逆だ。
580 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/02(火) 08:19:59.59 ID:XluChRBN
「あのね。おいちゃん。"へたなかんがえ休むにたるたる"」
僕がふくれていうと彼は苦笑した。「そうだね。ロック君。君もシャントット博士に用事があるのかい?」
「うん。一刻も早くメキさんの薬を取ってこなければいけないけど、一緒にこの手紙を渡してってナジさんが」
時間的には一緒だし・・・。僕が手紙を見せると彼の目が細くなる。「目が見えなくなるよ。もっと目を開いてわらお♪」
ウィンダスの陽気と同じくらいの笑みを見せると彼はにっこりと笑った。
「そのとおりだロック君。時にその手紙はなんだね?」「しんなーい♪」
「見せてもらっていいかね?」「メキさんのスリーサイズが書いてる」
「・・・・」
・・・はやくこの手紙渡して、バストゥークにデジョンしないと、皆が待ってるだろうな。
僕らはてくてくと歩き出した。
581 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/02(火) 08:26:28.30 ID:XluChRBN
この後、散々な目に会うが、なんとか生還したと伝えておく。
一言でいうならば。「連邦の黒い悪魔は化け物か!!」
リードさんも色々あったが、最後に僕の手を握り、
「来訪者でもない君にここまで助けられるとはね」といってくれた。
「来訪者ってなに?」と僕が聞くと、彼は苦笑した。
「・・・正直、私は君がそれと思ったんだが・・・思い過ごしらしい。
・・・完全にこの世界に溶け込んだものなら私でもわからぬことがあるかも。
…いやいやそれはないな」
「なーに?なーに?教えて?」というと、彼は、
「異界から来たって言う冒険者たちのことさ」といって苦笑した。
「あっ!知ってる!今冒険者の間ではやってる嘘でしょ!言うとモテモテだって!」
「うん。だけど嘘はよくないよ。いい子ならやっちゃダメだ」
そういう彼に「うん!」と元気よく答えると僕は手を振る。
582 :
No.1->>69 ◆FC91vFcmb2 :2006/05/02(火) 08:29:08.00 ID:XluChRBN
律儀にも彼は薬を取るのに同行してくれたのだ。怖い人とかいって悪かったと思う。
「お兄ちゃん、お顔が黒いよ!変な薬とか飲まずに、元気に野菜食べてぇ、
肉食べてぇ、星の大樹さまみたいに大きくならないとダメだよ!」
わかったわかったロック君と苦笑する彼に「じゃねー」と叫んでデジョン。
・・・なお、この一件の所為で薬が遅れ、
メキさんの回復は3日ほど遅れることになったらしい。
(結局僕はメキさんにあってないのでわからない。シドさん談。)
「ただいまー」といってコウモリのねぐらに戻ると、
ナジが真っ青になって酒場で「めきー!」とか、
「"P”早く帰ってきてくれ!メキが!めきがぁ!!」
・・・と泣き叫んでいたが・・・。
・・・僕の所為じゃ…ないもん。
583 :
既にその名前は使われています:2006/05/02(火) 08:35:42.99 ID:XluChRBN
ほのぼのバストゥークシリーズ(おい)番外編。
珍しく他の来訪者に接触してみましたが、
ロックは普通にリードに気がついていません。
(リードも無茶苦茶に疑ってますが、
どう考えても普通のたるっこです。本当にありがとうございました)
ロックは既にこの世界のたるっことほぼ同化してますので、
(と、いうか「俺」は既に消えかけている)
普通に自分から来訪者といっても嘘にしか思われません。
そういうことで次のお話をまたバスで展開していく予定ですが、
他の面子との絡みはありません。顔は合わせますが、お互いに気がつきません。
さらにどれほどの時間、私は彼の話を聞いていたのだろう。ミルクティーの三杯目のおかわりを半分ほど飲んだところで
彼の仕事の時間となってしまった。普段は城の警備と訓練をやっているらしいが、
今はハルヴァー様を誘拐した犯人の探索のために出入国をする人々のチェックの仕事をしているそうだ。
喫茶店の外へ出ると彼と別れる時間が間近だという事を意識せずにいられなかった。
ドラギーユ城までついていこうかしら?さすがに迷惑かな。しばらくの間なんとなく彼を眺めているとふと目があった。
その途端また彼は微笑んで、そして少しかがんで私の両肩に優しく手を置いた。
セーター越しに彼の手の大きさと暖かさが伝わってきて、そこから私の体がどんどん温められていくようだった。
私の手が自然に彼の手と重なりしばらくの間無言で見つめあう事になる。ふっと彼の顔から笑顔が消えた。
「俺はこれからも君に会いたい。」
彼が微笑まずに私の顔を見たのは死に掛けて木にもたれかかっていた時と、真剣な眼差しで私を見つめている今の二回だけだ。
「真剣に付き合ってくれないか?」
ここまでストレートに気持ちをぶつけられたのは初めてだった。ものすごく嬉しいけれど照れくさくて、
勝手に頬の筋肉がゆるみにへらと情け無い笑顔に自然となってしまう。もどれ!もどれ私の表情筋!!
ここまで私によくしてくれたのはきっとただの親切心ではないと、なんとなくは予想していた。
だけれどもそういうのは単なる自意識過剰で、相手はただの友人だとしか思っていないだとか、
誰にでも親切な人なだけだとか、単に下心があっただけだとか、とにかくそういった類のものだったりするだろうとも同時に思っていた。
だからいざ自分の都合の良い妄想が現実となるとものすごくびっくりするし、同時に幸せで仕方が無かった。
けれども、私の口はなかなか彼への良い返事を言い出せないでいた。
なぜならば私は今の私には元の世界に帰る可能性がある時空魔法というものが手の届く場所にあり、
近い将来この世界からいなくなってしまうことも充分にありえるからだ。。
もしここで私が頷いてしまったら、私が帰ったときに彼はどうするのだろう?
もはや別人になったユリフィナさんを追いかけ続けるのだろうか?
それとも行方不明となったユリフィナさんを永遠に探し続けるのだろうか?
でも、時空魔法はまだ使えないし、使えるようになっても確実に帰れるとは限らない。もしも私が帰れるようになるのが
数年後ならここで頷いてしまっても・・・ってバカバカ!私のバカ!!なに考えているのよ私!
なに迷っているのよ!!!決めたじゃない。帰るって・・・絶対に帰るんだって!!
私は・・・私はここでスッパリと彼を切り捨てなければいけないんだ。未だにへらへらとした表情を
真剣なものに戻すと重ねたままでいた手を離す。・・・もう、覚悟は・・・・・・決まった・・・。
「すごくうれしいです。・・・だけど・・・お付き合いする事は出来ません。」
彼の顔を見る勇気の出ない私は自分の足元に広がる道路へと向かってこう言った。なんだか心が素手で引きちぎられたように荒く激しく痛み出し、
突然目の奥から大量の涙が溢れ出した。今、彼はどんな表情で私を見ているのだろうか。とても恐ろしくて彼の顔を見る勇気は沸かなかった。
「ごめんなさいっ!本当にごめんなさい!」
私は泣きじゃくりながらひたすら彼に謝り続けていた。私は一体何に対して謝っているのだろうか・・・。
気持ちを踏みにじってしまった彼に?彼の気持ちにこたえられない自分に?
頭の上に大きな手が乗せられる。さっきまで私の両肩に添えられていた彼の手だ。
その手が私の頭をそっと愛おしげに優しくなでた。
「・・・どうして?俺のことが嫌いかい?」
私は頭をブンブンと左右に振る。そういうわけじゃない。たとえこの気持ちが一時の気の迷いだったとしても・・・大好きです。
「私には・・・私にはどうしてもやらないといけないことがあるんです。
それをやると二度と帰れないくらい遠いところへと行くことになるんです。」
彼は黙って私の話を聞いていた。お願いだからそれなら一緒に行くだなんて言わないで。
「あなたのことをもっと知ってしまったら会えなくなった後、きっと私寂しさに押しつぶされてしまいます・・・。」
いつの間にか私をなでる彼の手が止まっていた。私が顔を恐る恐るあげると彼は寂しげに微笑んでいた。
「どうしても付き合えないんだね。」
どうしてもって訳でもないです。こう言えたらどんなに幸せだっただろうか?
だけれど、どうしてもなんだ。きっとこれがお互いに最良の方法。
私は彼の目を見つめたままこくりとうなづく。彼の微笑がより一層悲しげになったかと思うと突然彼の顔がぐんぐん迫ってきた。
彼の息遣いを感じられるような距離にまで顔同士が近づいた時、私は自然とまぶたを閉じていた。
やわらかく暖かい唇同士が触れ合う。唇が触れ合っている数秒だけは彼のものになっていたかった。
愛している人との幸せなキスなはずのに、ものすごく悲しくて涙ばかり溢れてきて少しだけしょっぱかった。
『この時間が永遠に終わらなければいいのに。』私の心の弱い部分が彼を諦めきれずにこう呟いた。
唇が、彼の顔が、そして彼が私から離れてゆく。きっと、もう二度とこの離れた距離は近づく事は無いのだろう。
彼は私に背を向けると一言だけ言い残して私を置いて仕事へと行ってしまった。
「さようなら」と。
「ただいま。」
私はモグハウスに入るなり顔を洗い、笑顔でモグタンに挨拶をする。
「おかえりなさいクポ〜。どうしたクポ?」
ちょっとモグタンが首をかしげる。私はタオルで顔を拭きながら
「どうしたって?」
と聞き返してみる。するとモグタンはちょっと心配そうな表情になって私の方へと飛んできた。
「なんだかまた元気がなくなってる気がしたクポ。」
相変わらず鋭いなぁこの子は。読心術でもどこかで学んでたりするんじゃないかしら・・・。
「んーなんていったらいいのかな。」
私は少し考え込んだ後に、いたずらっぽく笑ってこう言った。
「まるで魔法から解けたみたい。」
「?」
意味がわからないといった感じできょとんとしているモグタンの頬を私は一度指でつついてからベッドへダイビングする。
「なーんでもないよっ!」
こう言ってから頭から布団を被った後、私はモグタンに気づかれないようにまたちょっとだけ泣いた。
「あはは・・・全然解けてないじゃない。」
以上です。完全に暴走してすごい内容になった。
だけど反省はしていない。
ついに書きだめた分がなくなってちょっとピンチw
>>565 ちょwシャントット先生は何をするきなの((((;゚Д゚)))ガクガクガクブルブルブル
>>583 スルメはらめぇ><
猫にスルメは・・・消化できなくて腹下すだけだから、大丈夫。
玉葱のほうが凶悪ですよ・・・って、山串に玉葱ついてるじゃん。
ミスラに玉葱は平気で、イカが毒なのか・・・って、スキッド食べてるyp!
・・・と、ツッコまずにはいられない、執筆中のネコスキーでした。
590 :
既にその名前は使われています:2006/05/02(火) 09:55:27.69 ID:XluChRBN
現場でリード氏とシャントット博士がなにするか見てみたかったので飛んでみた。
反省はしてない。
>>588はい・・・って言ってたら・・・だね。これはこれで燃える展開。
スルメは・・・前が自分語りな内容だったのでコミカル編にしました。
名前だけ出したメキさん、吐くこともくだすこともできないスルメの激痛に悩ませて【ごめんなさい】
591 :
既にその名前は使われています:2006/05/02(火) 10:01:58.56 ID:XluChRBN
>>589ミスラは生(寿司)や焼く分には問題ないけど、干物にしたら消化不良の上、
吐くことも下すこともできなくなる「ことがある」んじゃない?w
ちなみにPが持ち帰ったのは吐き薬だったので、
処置が遅れて中途半端にしかはきだせず。酷い目にという・・・。
カカっとやってしまった。次は真面目な話にします。
マジレスするとイカの中にある酵素がビタミンを破壊してビタミン欠乏症になる。
この酵素は熱に弱いから火を通せば喰えなくはないけど消化に悪いから素人にはオススメできないって本にかいてあった。
タマネギはやばいけど、ミスラにはヒトゲノムが入ってるから意外と平気って引退したフレのオスラが言ってた・x・
切なすぐる…(つд`;)
やたら長くなった赤鎧編、ようやく終わりが見えてきました。
戦いはひどく長引いた。
ルーファスとおれで騎士を挟み込み、赤魔道士と女エルヴァーンが後方からの支援に徹する。
手練のモンクは鎧の頑強さを拳で学んで、兜の前面に開いた小さな隙間からの有効打を狙う。
おれはというと、ヤンキーの喧嘩みたいに腕時計を握りこんで、少しでも騎士の防御を突き崩そうと試みていた。
お互い致命の得物を持っているはずなのに、十手二十手と切り結んでも勝負がつかない。
普通ならばありえないこんな事態も、絶対の武器と鎧を着た素人と、それを持たない達人との勝負では起こり得るのかもしれない。
プロレスの試合じゃあるまいし、大概にしてくれ。この著しく現実味を欠いた殺り合いは、酷く神経を消耗させた。
騎士の気は大半がルーファスが引いてくれている。
相手にとって恐怖となりえる武器を持っているのはおれだが、喧嘩慣れしていないおれでは相手に触れる事もままならない。だから、脅威度がより低いと判断したのだろう。
赤い剣の威力は、剣の残骸を見せただけで伝わったらしい。
ルーファスはあれ以来、体捌きと足運びだけで相手の斬撃を躱し、どうしても難しいものだけ、剣の刃以外を受け流す事でうまく凌いでいる。
しかし、当然限界はある。おれもルーファスも致命傷こそ負わずに済んでいるものの、身に着けた防具は傷だらけになり、体も無数の刀傷を負った。
赤い刃が絶大な破壊強制力を持つのは、生命を持たないものに対してだけらしい。幾度となく剣が体を掠めたが、それだけで体が解けたり真っ二つになったりする事はない。
その都度後衛からの治癒が飛び、おれ達は戦力を維持し続ける事が出来た。
とはいえ、このままではジリ貧だ。
例のレッドロータスやそれに類する大技を繰り出してこない事や、逃げ続けるおれを挑発して引きとめた事から鑑みるに、騎士の戦力も無尽蔵ではないだろう。
だが、今のところ底は見えない。対するおれ達は、というよりおれは、既に満身創痍の体だし、スタミナも魔法も尽きかけている。そして消耗の度合いはおれ達のほうがずっと速い。
何か状況を打開しなければ。
連続魔に賭けるか? 馬鹿な、かける魔法がない。時計をルーファスに渡すか? どうやって。下手をすればそこを狙われて二人とも斬られる。
騎士の鎧が邪魔で、鎧をどうにかするには剣が邪魔だ。ついでに言うなら、解決策を考え付くためには今こうやって戦うこと自体が邪魔だ。
ギリギリのバランスの上に均衡を保っていた戦況を崩したのは、おれだった。
ルーファスが仕掛けて、騎士がこちらに背を向けた。おれは好機とばかりに踏み込んで悪趣味な甲冑に大穴を開けてやろうとした。
そしておれは、騎士の仕掛けたフェイントに完全にはまった。騎士は背を向けるその勢いのまま振り向き、おれを横ざまに切り裂いた。
ブチブチと何かが千切れる感触と、ゴリゴリと刃が肉を切り裂く感覚。
腋から入った剣は肋骨をへし折り、隙間を切り分けるように深々と突き刺さる。真っ二つ、とは行かないが、胸の真ん中あたりまで刃が潜り込んでいた。
ああ、考えるまでもない。これは、死ぬわ。さすが、馬鹿の扱いは心得てたんだな。
荒々しく刃が引き抜かれ、おれは無様に胸壁に叩きつけられる。立ち上がるどころか、受身を取る事すら出来ない。
騎士がこちらに来る。止めを刺そうっていうのか? よせよ、ほっといても死ぬから、その臭い顔をおれに見せないでくれ。
ルーファスが割って入る。すまん、足を引っ張ってるな。おれなんか見捨ててくれ、頼むよ。
今まさに振り下ろされようとしていた剣を、右正拳で真っ向から迎え撃つ。バキバキと音を立てて拳が砕け、前腕の半ばあたりまで刃が食い込む。
やめてくれ、おれなんかの為に。あんたの芸術みたいな突きを捨てるなんて。
「"白き祈り"! 女神アルタナよ、その迅き翼の御印を我に!」
赤魔道士が叫ぶ。装備による術式補助を切り替え、空中に浮かんだ女神の印を乱暴に引っつかんでボロ屑みたいになった腕に貼り付ける。
──あぁ、迷惑かけまくり。自己嫌悪だね、こりゃ。せめて最期に何か一仕事しないと。
「傷つき打ちひしがれた肉体よ、今一度血を通わせ、肉の躍動と骨の癒しを!」
高位ケアルか。そうやって言葉で術式を構築する方法もあるんだな。
──そういや、何か引っかかってた事があるんだよな。なんだっけか。
砕けた骨が強引に継ぎ合わされ、断裂した腱が繋がり、肉が再生していく。あれ、結構嫌な感触なんだよな。
──そうそう、時計。あれ、なんであいつ拾いに行かなかったんだろ。現におれの所に戻ってきちゃったし。
腕が治りきるのを確かめもせず、ルーファスの右フックが繰り出される。
気迫だけで無理矢理剣を押し返され、のけぞった騎士はまったく対応出来ない。顔面にもろに入る。前歯のもう一本でも折れたろ、ざまーみろ。
──時計を持ってたら出来ない事があったんじゃないか?
鉄槌のような篭手が、ルーファスの太股の辺りに思い切り振り下ろされる。技術はなくても力だけは巨人並だ、服の上から分かるぐらい足が変形する。
ルーファスが獣のような咆哮を上げた。悲鳴ではない、雄叫びだ。
正中線にそって股間から脳天まで七つの光点が灯り、天然の魔法回路を構築して無理矢理に足を繋ぐ。
──出来なくて困る事。おれを追い詰めるのに何度も使っていた。
「てめえ等には聞きたい事が山ほどあるが──まずは食らっとけえっ!!」
ルーファスが一陣の旋風になる。地を這う低いローキックから、跳躍しての胴回し蹴り……双龍脚か。治すそばから無茶をする、医者泣かせな奴だな。
騎士の体が文字通り弾き飛ばされる。
──そうだ、あれは……黒い繭!
体の感覚はほとんどなかったが、無理矢理起き上がる分には都合が良かった。手も足もひどく冷たい気がする。まるで死人だ。もうすぐ死ぬから、今少しだけ動いてくれ。
赤魔道士がおれの暴挙に気づいてこちらに駆け寄る。
「グラビデを!」
叫んだつもりだったが、血の泡に混じって妙な呻き声が漏れただけだった。
だが聞き取る事は出来たらしい。赤魔道士は意図を汲んで、神妙に頷くと騎士に向き直る。
「"黒き願い"! あまねく精霊よ、風の子らよ、わが求めに応じ印を示せ!」
精霊の印を使って魔術回路を増幅し、騎士の周囲の空間に接続する。
ルーファスの猛攻に圧され、騎士が再び宙に身を投げ出した。狙い通りだ。
黒い繭が展開される寸前、グラビデが完成する。トリは、おれだ。
何か叫んでいたと思う。だけど、意味のある事ではなかった気がする。
これで最後だ、そうしたら楽になる。
全身を覆う気だるさと眠気に必死で抵抗しながら、黒い繭目掛けて再度時計を投げつける。あれだけ大きな的だ、目を瞑っていたって当たるさ。
ゆっくり、ゆっくりと時計が宙を這って行く。くそ、遅えよ。繭が閉じ切るまでに間に合わないんじゃないのか?
そんな事を考えながら、投げる勢いそのままにおれの体もゆっくりと地面に落ちる。顔面から着地してしこたま鼻を打ったが、何も感じなかった。
黒い繭に時計が到達する。繭が、嵐に見舞われた蕾のように無理矢理押し広げられ、花びらが散華する。
最後に、信じられない、という顔をしながら落ちていく騎士を見ながら、おれは闇へと落ちて行った。
願わくば、次に目が覚めたらあの見慣れた薄汚いアパートでありますように。
エピローグ 〜4年後〜
夏が近づき、頑固な冬の空気がようやく森から消えたある晴れた日の午後。
三つの人影が、ロンフォールの小高い丘にある墓地に立っていた。
↑というのはうそで、いじょです(`・ω・´)ゞ
夜にもっぺん投下して終わる……といいな(´・ω・`)
600 :
既にその名前は使われています:2006/05/02(火) 13:10:44.39 ID:XluChRBN
>>609さーーーーーーーーーーーん!!!!! ;;
601 :
185 ◆ajBPG2hnCs :2006/05/02(火) 15:01:48.35 ID:7QHPleRs
>>565 是非動かしてもらいたいのですが…もう遅いかしら(´・ω・`)?
一応情報載せておきますのでよかったら使ってください。
名前:Maimy(メイミィ)
種族・性別:ミスラ♀(F2B)
ジョブLV:忍者75
装備:羅刹一式
一人称:わたし
>>583 >>601 ありがとうございます!
このまま独りだったらどうしようかと (;´д⊂)
>>185様、どのような合流の仕方で地獄の一丁目へお連れしたらよいか、
なにかご希望はございますか?
603 :
Lead_161 ◆zmxSLEadCU :2006/05/02(火) 15:36:50.95 ID:XmUOIBZ4
>>599 ヒロ・ソコワラメェー!!!!!!!
らめぇ! 死んひゃう! しんひゃう! そこわらめぇえぇぇぇ!!!!!
・・・こんな感じでよろしいでしょうか?
あ、いや…
アンカーで参照されるほどのネタでもないので、生温かい目でスルーの方向でよろです(´д`;
夜に出かけるもので、ちょっとだけ投下いたします。
>>185様のお返事を待たずに、申し訳ありません。
ララブのしっぽ亭で、食事、兼世間話を終えた私はハウスへ戻る事にした。
今日は、だいぶ体力を消耗させられている。
意識は眠る事ができないが、ベッドに横になって回復する事はできるだろう。
モグハウス区画の入口に差しかかった所で、一瞬、私は剣の柄に手をかけた。
何かの物音が聞こえた。
―――女性の掛け声。
フェイトでは、ない。そこまで間が抜けてはいない・・・と思いたい。
注意深く、あたりを見回す。
繰り返される、人目をはばかるような小さな掛け声。
物陰で、ミスラが忍術を繰り返し使おうとしていた。
来訪者だ。
人型の紙片を手にしたポーズは、確かに本職のそれらしい。
だが、いっこうに発動しない。その気配すらない。
しだいに、掛け声が涙まじりになっていく。
「こんばんは」
私はミスラに声をかけ、できるだけ無防備に見えるよう近づいていった。
「ひっ・・・!」
と、ミスラは私の挨拶に驚いた様子で振り向いた。
よほど必死に、練習に取り組んでいたと見える。
「あぁ、すみません」 私はうろたえてみせる。「驚かすつもりはなかったんです」
ミスラは身を縮ませて、私を警戒しているのがわかる。
私は両手を開いて見せた。
「根を詰めずに、ちょっと休憩しませんか? ララブのしっぽ亭の、シナモンクッキー」
パン、と胸の前で手のひらを合わせ、もう一度開くとクッキーの包みが現れた。
ちょっとした手品だ。
ちなみに、成功率は三割以下。
「ご覧の通り、通りすがりの怪しい者ですが・・・」
あたりにただようシナモンの香りに満足しながら、私は微笑んだ。
「来訪者の方ですね」
ささやくように告げる。
「忍術は専門外ですが、何かのヒントは差し上げられるかも、しれません」
ミスラを誘い、私は自分のレンタルハウスへと戻った。
遭遇は、こんな感じでいかがでしょうか?
危険な男のハウスに行ってしまうわけですがw
もちろん、紳士的にお話してお茶するだけデスヨー。
609 :
既にその名前は使われています:2006/05/02(火) 17:43:00.21 ID:IlFfme7f
面白そうだから参戦させてもらいますね^^
この書類にサインでいいのかな?
名前:けいしい
種族・性別:ヒュム男
ジョブLV:モンク75・料理100・錬金60
装備:素手
一人称:俺
セリフ系マクロって事で必死こいて考えたんですが、読み返してみると「形容動詞+名詞」か「名詞+動詞」の簡潔なセリフだったのですね…
他の人のキャラ書くのはホント難しいなぁ(´д`;
で、我らが隊長は久々のわっふるしーんですねwo(*`ω´)o=3マッテタゼ!!
611 :
185 ◆ajBPG2hnCs :2006/05/02(火) 18:29:10.11 ID:7QHPleRs
>>Leadさん
あぁ、お返事遅くなっちゃってすみませんヽ(;´д`)ノ
出会い方はそんな感じで大丈夫です。
なんだか他の方に動かしてもらうのって嬉し恥ずかしですね(/ω\)
ありがとうございます!
しばらくヴァナに入れずパソコンも触れず攻略本もなしと、
資料不足で資料が戻ってくるまでは続きを書けなかったので、
今回もLeadさんのお話に追従していく形になると思います。
なので、申し訳ないのですがお好きに動かしていただければ…!
出先より失礼します。
>>けいしい様
すみません。けいしい様がどんな方か記憶になく^^;
投下されたSSも見当たらない為、キャラ立てが把握できません。
困りました・・・。
>>599 あなたにも楽園の扉が開かれますように・・・。
え?開いちゃまずいって?
614 :
既にその名前は使われています:2006/05/02(火) 19:25:24.68 ID:TYyxv1DE
でもってage
頭が痛い。
喉が痛い。
どう見ても風邪です。本当にありがとうございました。
仕事で無理したから体壊したっぽいです(´・ω・`)
感想&投下は2,3日後になるかとorz
しばらくはウィンダスでぶらぶらしてるつもりなので、テケトーに動かして構いません
616 :
185 ◆ajBPG2hnCs :
>>615 あう、風邪ですか…お大事に!
体調が万全になるまでは無理しないようにしてくださいね、
この時期は寒暖の差が激しくて体調崩しやすいので。