(9)菩薩界
菩薩とは、仏の悟りを得ようとして、絶え間なく努力する人々という意味です。
仏界という最も高い心の状態を求めていくとともに、自らが仏道修行の途上で得たものを
他の人々にも分かち与えていく「利他」の実践があります。
現実の世間の中で、人々の苦しみと悲しみに同苦し、抜苦与楽の実践をし、さらに、
自分と他の人々の幸せを願うのが菩薩の心です。
「人のため」「法のため」という使命感を持ち、行動していく心の状態です。
その根本には慈悲の心があります。
他人のことを考えない悪人でさえも、自分の妻や子供には慈愛を持つように、
人(生命)には本来、慈悲がそなわっているのです。
その慈悲の心を他の人々に向け、生き方の根本にすえるのが菩薩界の心の状態です。