1 :
既にその名前は使われています:
2 :
既にその名前は使われています:2005/05/09(月) 20:58:27 ID:Bth8l6J0
>>3 チンコチンコチンコォオオオオオwwwwwwwwwww
3 :
名無しさん ◆V00/Phqsn. :2005/05/09(月) 21:14:04 ID:Ujfjesdg
4 :
三沢さん ◆NOAH//Vb/2 :2005/05/09(月) 21:50:24 ID:X2RTbI4z
(´д`)つω ⊂(´ `)
(・∀・)b (´ω`)
5 :
ブリジット ◆6acWblMBhM :2005/05/09(月) 21:54:08 ID:dX6+AWLE
げ・・・
前スレ落ちたんか
どうしましょう話の落としどころがもうわかりません。
7 :
既にその名前は使われています:2005/05/10(火) 19:27:52 ID:wB8Sry8a
スレ立て乙です。管理人さんも乙です。
8 :
名無しさん ◆V00/Phqsn. :2005/05/10(火) 20:56:47 ID:5zh9lLNR
9 :
既にその名前は使われています:2005/05/10(火) 21:09:02 ID:msWCdjYH
お疲れサマンサ
10 :
既にその名前は使われています:2005/05/11(水) 09:49:43 ID:cZYb/rog
あげ
「おいこら、モック。酒もってこい。」
ずいぶん乱暴な口調であったのだが、モックは命ずるままに従うほかはなかった。
もし逆らえば、どんな目に遭わされるか判ったものではないからだ。
ここは、『シャクラミの地下迷宮』と呼ばれる洞窟の深い奥底である。
そこは幾重にも分かれた枝道が入り組んでいて、それゆえに迷宮などと称されていた。
また、様々な闇に属する怪物達……人の腕より太いミミズや巨大な蠍、はたまた歩き回る骸骨といった幽鬼
の類までが徘徊する世界で、侵入者の行く手を阻み命までも奪うといにしえより恐れられた地の底である。
獣人の一種『ゴブリン』達は、それほどに恐ろしい場所であるにもかかわらず、半ば住処として
暮らしているのであった。
流石はヴァナディール全土にわたり放浪する氏族である。
旨味が少しでもあると思えば、どこへでも赴き、どこにでも住み着いては、己の営みを働くという。
中には宿敵であるはずの人間共の街に潜り込み、商売する奴もいるという。
モックは、そんなゴブリンの一人であった。
モックは駆け出しの金物職人で、材料となる鉱石を掘り出すために洞窟の奥底へと潜り込んだのであったが、
そこには既に、ごろつき、こそ泥、博打打ちといったロクでもない連中ばかりが住み着いていて、
縄張りを張り巡らしては我が物顔で闊歩していたのである。
みんなずる賢くて喧嘩っ早く、剣の腕もそこそこのモックは下っ端として扱き使われる羽目になったのだ。
使いっ走りの用事を受けたモックは、採掘の手を止めて何かを考える様子を見せていたが、
「おい……なに、ぼんやりしてるんだ?あ?さっさといってこい。」
そんな風に再度の叱責が飛ぶ。仕方なくモックは酒蔵としている場所へと走り出した。
正直、我慢がならない。
そうモックは考えもしたのだが、逆らってもどうにもならないことは十分判っている。
数には勝てないし、モックを庇い立てしてくれる者も居ない。同様に職人肌の連中も居るには居たのだが
先輩風を吹かせるばかりで、逆に使い回されて足蹴にされることも少なくない。
いい加減、別の場所を探そうかとも考えるのだが、自分の仕事が出来る場所は他に思いつかなかったのだ。
この場は堪えて自分の力を蓄える他は無いという、モックはそんな八方塞がりな状態に陥っていた。
ゴブリン達は洞窟の中のあちこちにある部屋、というか洞窟のくぼみを生活の場として様々に活用している。
ここは食料、あそこは酒蔵、ここにはみんなが集まって、そして外から商人がやってきて……
などと、小さな村のような物が既に完成していた。
既に洞窟の造りは知り尽くしている。
松明など持たなくても薄明かりだけで道を間違えることなく走り回れる。
仲間と思われているのか、ここの怪物達は何故かゴブリン達に襲いかかろうとはしなかった。
モックは、まさしく自分の村であるかのように、なんの不安もなく駆けていくのであったが……
モックは何者かと鉢合わせとなり、あまりの驚きに転んで尻餅をついてしまった。
そこに現れたのは、獰猛にして俊敏で獣の尻尾と耳を持った女ばかりのアマゾネス集団、
人間共の仲間『ミスラ族』の戦士であったのだ。
まさにゴブリン達にとっては厄介な宿敵であった。
まずい……
ガッチリと着込んだ装備を見ればすぐ判る。こいつは腕の立つ冒険者の一人らしい。
俺なんぞ、ろくな抵抗もさせてもらえず、一刀のもとに切り伏せてしまうだろう。
しかし、何もせずに殺されるのも口惜しい。
そう考えたモックは慌てて立ち上がり腰の武器を抜こうとする。しかし体が思考について行かない。
すっかり腰が抜けて上手く立ち上がれず、武器がどこにいったものか、あたふたと手探りしているばかり。
そんな狼狽ぶりを見て、ミスラ族の冒険者は、
「……フンッ」
と、荒い鼻息を立てて、モックには構いもせず洞窟の奥底へと走り抜けていった。
助かった……とりあえず、モックはそう考えた。
しかし、悔しいという気持ちも沸々と沸いてきた。
ミスラめ、武器ぐらい抜けよ、俺をなめてんのか……などと考えてみるのだが、しかし今更である。
そんな情けない気持ちを味わいながら、ゆっくりと立ち上がりつつ取り落とした武器を探した。
そこで気が付いた。
まてよ?あいつの走っていった方向、それは同じゴブリン仲間の居る方角じゃないか?
仲間とはいえ、確かにシャクに障る連中だが、しかしミスラ一人に蹂躙されるのも気に喰わない。
さっきのこともある。一太刀ぐらい加えたい。
そう思いミスラの行く先、つまり元の場所に向かって戻っていった。
既に戦闘は始まっていた。
仲間達はみな武器を振るい、魔法が使える奴は呪文を唱えている。
しかし、モックの睨んだ通りである。やはりこのミスラは相当の手練れの戦士だったのだ。
彼女は傷一つ受けておらず、ゴブリン達は一人二人と倒され、その勢いは一向に衰えない。
これは厄介な奴を敵としたものだ。しかし、後ろから手を加えれば状況も変わるかもしれない。
そう考えたモックは腰の武器を抜いて襲いかかろうとした、その時である。
ヴォォォォ……
不気味な物音と元に、ミスラの冒険者は怪しい闇に包まれた。
「な?!」
思わず声を上げた彼女は体の自由が利かなくなったらしい。今までのような俊敏な動きが鈍りだしたのだ。
この成り行きにゴブリン達は勢いづいた。
周りをさらに取り囲んで攻撃を仕掛け、彼女は確実に傷つき、血飛沫を上げつつある。
しかし、なおも抵抗しようともがく彼女であったが、最後には恐ろしい巨大な鎌がとどめを刺してしまった。
その大鎌の持ち主……それは歩き回る骸骨の一人であった。
先ほどの闇の術を使ったのも『彼』だったのだ。その不気味な怪物は己の仕事を終えて納得したのだろうか。
物言わぬその骸骨は、もうゴブリン達にも彼女にも構わず洞窟の暗闇へと消えていった。
その幾らか後方で……武器を抜いたままのモックはその成り行きを見ていた。
結局、彼は何も出来ずじまいだった。
「へっへっへ……な?だから此処が安全だって言ったろ?」
その骸骨が通りかかる場所だということを知っていたのだろう、杖を持ったゴブリンの白魔導師が皆に言う。
手柄顔で何を言っているのか、何人も仲間は倒されているし、自分はさほど何もしていないではないか。
そうモックは思うのだが、そいつこそが親分気取りで此処の連中を従えているのである。
下手に口を開けばどうなるか判ったものではない。
「ん?いまさら来ても遅いぞ。おめぇの取り分なんかあるものか。おめぇがなんにもしていないぐらい、
ちゃあんと判ってるからな。」
その白魔導師のゴブリン……面倒だから白ゴブと称するが……白ゴブはモックにそんなことを言った。
そして連中は倒した冒険者の身ぐるみを剥ぎとり、山分けの算段に取りかかろうとしていた。
ミスラ戦士の持っていた袋をベリベリと破いて、中身を地面にぶちまける。
袋の口を開けて引っ繰り返すなんて、お上品なことをするはずはない。
着ている装備品も引きはがしてしまい、もう用のない遺体は部屋の片隅へ蹴り転がした。
さあ、これからがお楽しみというわけだ。
人間の類の装備などゴブリンは着用できるはずもないのだが、ばらして何かの材料に使うのか、
それとも人間共と取引してしまうのかもしれない。
宿敵とは言いながらも、己達の利となるのであれば何でもするのがゴブリンである。
その他、食料から弓矢一本に至るまで仲間達は互いに罵り取り合いながら山分けを進めていく。
一つずつ吟味し値踏みする中で、ある一人が何かを手にした。
じっとそれを目にしていたが、なんの価値もないと判断したらしい。
真後ろにぽいっと投げ捨てられ、それはモックの足下に落ちてきた。
モックはそれを拾って、じっと眺めた。
それは封筒……人間達が使う共通語で宛先が書かれた一通の手紙だった。
『 To: Roh-Latteh Bastok Mining Town From: Nbu-Latteh 』
モックはかろうじて人間共が使う共通語の読み方を知っていた。
ゴブリンとしては常識である。文字が読めれば何か役に立つかもしれないからだ。
今ひとつ綺麗な字とは言えない。しかし、判りやすいように丁寧に書かれていることが判る。
それでも、慣れないモックは苦労しながら何度も読み返していたが、どうやらバストゥーク鉱山地区の誰かに
当てた手紙だということが判ってきた。
そして、そのまま手紙をじっと眺めていたモックであったが……
皆の方を向いて、突拍子もないことを言ってのけたのである。
「はぁ?何いってんだ??バカか、お前は?」
そう言って仲間達は一斉に笑い出した。
無理もない、モックは手にしたミスラの手紙をバストゥークまで届けると言い出したのである。
やがて、呆れ果てた口調で仲間の一人が言う。
「あのなぁ……そこはどういう街なのか、判ってて言ってるんだろうな?」
職人仲間の一人だった。
これまで大して親切にしてくれたことなど無かったのだが、流石に気が咎めたのだろう。
「ヒュムと、それから恐ろしいガルカ族の街だぞ。近づくだけで八つ裂きに……ごふっ」
杖でみぞおちの辺りを一突きされ、せっかくの忠告を最後まで言い終えることが出来なかった。
例の白ゴブの仕業である。
「いやいやいやいや……お前さんの気持ちは俺がよぉーく判るぞ。
お前らも笑うなんて失礼なことをしちゃいけねぇや。なあおい。
俺たちゃゴブリン一族、ニンゲン共が相手となりゃ容赦しねぇが、一片の情も礼儀もある。
敵とはいえ死んだ者の最後の手紙、きっちり届けてやるのも礼儀ってもんさ。
手向けの花を供えてやろうっていうモックこそ、これぞゴブリン一族の鏡って奴さ。
なぁみんな、そうは思わねぇか。」
そう言って、連中の顔を見渡した。
どうやら、その白ゴブの企みが判ったらしい。一斉に笑うのをやめて頷いた。
しかし、それで隠しているつもりなのだろうか。
時折、お互いに顔を見合わせては露骨にヒソヒソと耳打ちして、笑いをかみ殺す様子が伺えるのだが。
ここが腕の見せ所、といった調子なのか。白ゴブは尚も猫なで声でモックに語る。
「はてさて、勇敢なる同志モックが思い立ったのは良いとして……こりゃあ難儀な仕事だぞ?
お前さんも知っての通り、ここはミンダルシア大陸でバストゥークってのはクォン大陸の……
おお、ここだ。わかるか?」
そう言いながら、親切にもボロボロの地図を広げてモックに指し示して見せた。
「な?別の大陸までとなりゃ、これは大変な旅になるぞ。
ま、歩いていけるんなら話は簡単だが、海を越えて行かなきゃならん。
実は言うと、この辺の海のど真ん中にジュノっていう街があってな?
クォン大陸と橋渡しになってて、歩いて通れるという話だが……
しかし、近づくにつれてその辺にいるニンゲン共はとんでもなく恐ろしい連中ばかりだ。
あっという間に殺されてしまう。となると、海を越えて行かにゃならんが……
実はな?俺様は良い手立てを知ってるんだ。まあ、聞きなよ。ゆっくり説明してやるからな。」
そうして、尚も親身に話を進めながら、地図の一点を指さした。
ここから、それほど遠くない場所、人間達の港町『マウラ』である。
「ここはニンゲン共の造った港町でな。一日に3回ほどクォン大陸に向けて船が出ている。
ああ、勘違いするなよ。お前なんぞ船に乗るどころか、港に近づくことすら出来んだろう。
話は最後まで聞けよ。こっからが本題だぞ。」
そんな風に勿体をつけながら、白ゴブはゆっくりと説明しだした。
「次の闇曜日の真夜中だ。実は、そのニンゲン共のと同じような船が平行に海を走り出す。
何かって?海賊船だよ。時折あらわれては、恐ろしい骸骨共を繰り出して船を襲うのさ。
見ていた奴の話だと、魔導師らしいニンゲン共が骸骨共を繰り出して船を襲うんだと。
しかし、なんでまたニンゲンがニンゲンを襲うのか、まったく訳が判らん話だが、まぁ連中のやること
なんざ知ったこっちゃねぇよな。ましてや、それが本当にニンゲンなのかも判らん。
ええと、どこまで話したんだったかな。あ、そうそう……
その海賊船、ほんの少しの間だけマウラの西っ側にある砂浜あたりに停船することがある。
あっちの大陸に行ったり来たりする連中は、みんなそこで乗り降りするのさ。
そして、何時間も船に揺られてりゃ……此処に着く。『バルクルム砂丘』だ、聞いたことあるだろ?」
そういって、またしても地図で示した。
「後は、そこにいる連中に聞きな。その方が話が早ぇや。焚き火を焚いて集まってるからすぐ判る。」
そうして、話は終わったということを示すかのように、地図をたたんで懐に仕舞い込んだ。
「詰まらねぇニンゲンに殺されたりせんよう、せいぜい気をつけな。」
はたして、白ゴブの最後の忠告は本意か、それとも皮肉であるのか。
モックはその言葉に対して軽く儀礼的な礼をした後、後ろを向いて洞窟の入り口へと向かおうとした。
しかしその時、白ゴブがそれを慌てて引き留めた。
「おおい、ちょっと待ってくれ、肝心なことを言い忘れるところだった。」
モックはそれを聞いて仕方なく後ろを振り向いた。
「いやーすまん、実は船に乗るにはな?乗船券が居るんだ。
そりゃあ、そうだろ。わざわざ船を止めて客を乗っけるんだ。タダって筈はないもんな。」
そうして、なにやらゴソゴソと懐から取り出した。
白ゴブが取り出したのは、骨くずが材料らしい飾り物の一種のようなものだった。
「これがそうだよ。俺たちの使う貨幣は通用せんから、直接はらっても受け取らねぇんだ。
だから切符をあらかじめ手に入れなきゃならねぇんだよ。」
そう言いながら、モックに手渡すために近づいてきた……
が、その飾り物をすぐに渡そうとはせずに、開いている方の手を突き出してこういった。
「餞別にくれてやりたい所なんだがな……実はこれ、けっこう高いんだ。
えーと、金貨一枚なんだが、おめぇさん、持ち合わせはあるかい?」
思わず、モックは懐を探ろうとするが、どうやらモックにとって大変な出費であるらしい。
少し、ためらう様子を見せていた。
「ああ、待て待て。旅立つおめぇさんにガメツク商売しちゃバチがあたるってもんだな。
そうだな、もってけ泥棒の銀貨2枚でいいや。なーに、おめぇさんへの餞別ってわけだ。」
そう言われては是非もなく、モックは銀貨を取り出して飾り物と交換した。
そして、白ゴブはモックの肩を叩いて言った。
「そいじゃな。この仕事を立派に果たせば、おめぇさんも一人前さ。もしよかったら戻って来いよ。」
そんな見送りの言葉を受けて、モックは入り口へと向かっていった。
その後ろ姿を仲間達は手を振って見送っていた……が……
慎重にモックの姿が消えるのを待っていたのだが、とうとう堪えきれなくなったらしい。
一人がプッと吹き出した瞬間、みんなはゲラゲラと大爆笑した。
あの馬鹿野郎、本気でバスまで向かう気なのかよ。
ニンゲンの手紙なんぞ届けて、一文になりゃしねぇってのに。
誰か着いてって確かめて来いよ。嫌か?そりゃそうだよな。
どうせ、その辺で叩っ切られるのが落ちさ。
などなど口々に言いながら、連中は嘲り笑った。
そしてその中心で、モックから受け取った小銭をチャリチャリと言わせながら、
例の白ゴブは自慢げに言う。
あ?別に俺は嘘はついちゃいねぇぞ?船の話は本当さ。大体はな。
なにせ、バスの町の真ん中でぶっ殺されなくちゃ面白くねぇからな……
しかし、どこまで本気で届けるつもりか知らんが、ああまで見送られたんじゃな。
とりあえず、バスに向かわなきゃいかんわな。こりゃ傑作だ。
さて……どこまで生き延びていられるか……
入り口に向かうモックの耳には、微かではあるが、その笑い声が聞き取れた。
しかし、モックは振り向かず、黙々と入り口の方へと走り続けた。
いったい何故……モックは手紙を届けようなどと考えたのか。
馬鹿馬鹿しいのは自分でも判っている。仲間達から笑われるまでもない。
別に、今までの場所から抜け出すための方便ではない。本当にバスに向かうつもりでいる。
しかしモック自身でもよく判らなかった……何故?
自分を殺さずに見逃したミスラに対する思い、だろうか?
感謝、恩返し、引き替え、というのも、何か違うような気がする。
白ゴブが言っていた、手向けの花を捧げ、敵に塩を送る、などという儀礼には興味が無い。
あるいは、相手にされなかったことへの怒り、不満、憤り、等々……
どれも違うような気がする。あるいは、それら全てなのかもしれない。
やはり、今までの状況から抜け出したいだけなのだろうか。
しかし「何か」がしたかった。そう、モック自身は考えた。
何でも良い、何かがしたい、何かをやり遂げたい、そんな気持ちが胸に込み上げてくるのが判った。
天敵といえる相手の手紙を届けるという、例え訳も意味も判らないことであっても、
何かをしようと思い立ち、行動するための何かに切望していたのだ。
そんなふうに……自分自身の訳の判らぬ行動を説明付けたモックは、ついに洞窟の入り口へとたどり着き、
久々に目にした太陽の眩しさに戸惑いながら、説明された砂浜に向かって走り出した。
連投失礼しました。続きの残り2回も、そのうち貼らせていただきます。
乙。結構面白いが、死体になったみすらたん回収に行きますね。
したい回収して何するつもりだそうか貴様改造人間つくるつもりだな!
26 :
名無しさん ◆V00/Phqsn. :2005/05/11(水) 22:28:28 ID:MVxqX9pQ
ΩΩ Ω<な、なんだってー
寝る前のage
船の乗り場はすぐに判った。
白ゴブに教わった砂浜に近づくにつれ、同様に砂浜へと急ぐ別のゴブリンを見つけたのだ。
砂浜のどの辺だろうと考えていたが、これで悩む必要もなくなった。
不愉快に思われぬように適当に距離を置いて跡をつければ迷うことはない。
そうして、砂浜までやってくると、すでに何人かのゴブリンが待ち合わせていて、
その中にはヤグードまでもが混じっていた。
ヤグード……ミンダルシア大陸の先住民にして、鳥類の化身である獣人の一種である。
いったい、クォン大陸になんの用があるのだろう、などと考えても判るはずもない。
ヤグードは、新参のゴブリン達にジロリと一瞥をくれてやっただけで、決して声をかけたり、
語り合おうなどとはしなかった。
それだけではなく、同じ獣人族であるにもかかわらず、ゴブリン同志でも打ち解ける様子もない。
そうこうしているうちに船は現れた。
当然ながら船は砂浜まで乗り上げることは出来ない。
しかし、海岸沿いにある小さな崖から飛び乗ることが出来るらしい。
船を見つけた連中は一斉に崖の方に走り出して、停船している船へと移る。
船などに乗るのは初めてであったが、他の連中を真似て飛び乗り、船室の方へと潜り込んでゆくと、
やがて船は動き出した。
乗客達が潜り込んだ所はどうやら船の貨物室であるらしく、様々な大きさの木箱が積み上げられ、
船員らしき者の姿も見えない。
そして、待っていた乗客が全て乗り込んでも、大して混み合う様子もなかった。
モックは貨物の隙間の一つを確保して腰を下ろした。そうしていると他の乗客の姿も見えない。
そこで水筒の茶を飲みながら、ようやく一息つくことができた。
果たして、その海賊船がどんな仕事振りをしているものか。
いらぬ危険は犯せない。モックはあえて覗き見しようとはしなかった。
物音も貨物室までは届かず、ただ聞こえるのは船のエンジン音とパイプから漏れる蒸気の音ばかりである。
長い時間、船に揺られていたのだが、ついに船は動きを止めた。
貨物室に乗っていた乗客達は慌ただしく出口へと急ぐ。
着いたところは、乗ったところと同様の砂浜であった。
乗るときはがけの上から飛び乗ったのだが、降りるときは海に飛び込むしか方法がないらしい。
乗客達は海に飛び込むやいなや、ほとんど泳ぐようにして砂浜まで歩いていった。
そうしている中で……モックはあることに気がついた。
乗船券など全く必要なかったのだ。実は客を乗せるための停船ではなく、襲う機船の様子を伺うためで、
ゴブリン達の獣人は勝手に便乗しているだけだった。
そして貰った骨の飾り物をよく見てみると、それは人間共が使う安物の髪飾りだったのだ。
モックはポキリと飾り物をへし折り、海に投げ捨ててしまった。
とはいえ、腹を立ててもしょうがない。騙される方が悪いのだ。
それが安物の飾り物であることに気がつかない方が間抜けだし、船に乗船券が要らないことも、
知らない方が悪いのだ。
モックは大きなため息をつき、それで気が済んだことにして先を急ごうとした。
しかし……どっちへ?
「ん?ああ……俺も行くところだから一緒に来な。」
ここまで、ずっと口をきくことなどなかったのだが、同じ乗客のゴブリンに声をかけてみた。
モックは始めてくる場所である。
何故かシャクに障るような気がするのだが、やむを得ず声をかけて道を聞くしかなかったのだ。
目指すのは、白ゴブが言っていたゴブリンの溜まり場である焚き火の在処である。
今はまだ真っ昼間で、聞いていた通りにすぐ判るものではなかったのだ。
むろん、バストゥークまでの道筋も訪ねて回る他は無いのだが。
焚き火までたどり着いた後、案内をしたゴブリンはモックを連れてきたことを忘れてしまったかのように、
そこにいる連中に声をかけたり話をしたりして、もうこちらに構う様子もない。
もとより、モックの方も礼を言ったり別れの言葉を言うほど感謝している訳でもない。
そして自分もまた、当てになりそうな奴は居ないかと物色し始めた。
「……はぁ?バストゥーク?手紙を届ける?何、阿呆いってんだ、お前さんは。」
モックが目をつけたのは、広げた風呂敷の上に雑貨を並べて商売をしている商人だった。
商人となれば耳ざといし物知りかもしれない。客商売なら客との話にも耳を貸すだろう。
そう考えていたモックであったが、返ってきたのはそんな返事だった。
「いいか、バストゥークといえばニンゲン共、ヒュム族やガルカ族の連中が住んでる街っていうことぐらい、
判ってて言ってるんだろうな。そして、どれだけ危険な所か、ということもだ。
オマケに鉱山地区となりゃ、あの巨大な恐ろしいガルカばかりが居るところだぞ。
止めときな。俺も潜ったことはあるが、ろくな物なんてありゃしねぇ。
近づかんほうが身のためってもんさ……え?なに?」
これは、罠だった。
「潜った」ことがある、入る方法がある、ということを口からこぼしておいて、モックの気を引くための
話術であったのだ。モックはすぐに食らいついてしまった。
「んー、ああ、そうだよ。確かに入ったことはある。
あそこは貧乏人ばかりが住んでいる下町なのさ。無理して潜り込んで大損こいちまったよ。
ああ、もう話はそれだけだ。商売の邪魔だから、とっとと消えてくんな。」
そう言ってモックを追い払おうとするが、しかしここまで来たら引き下がるわけにも行かない。
その潜り込む方法を何とか教えて貰おうと詰め寄った……商人の思惑通りに。
その商人は、やれやれといった調子で懐から何やら取り出した。
そして今度は逆に、要点から一気に話し始めたのだ。
「金貨二枚だよ。」
そう言って、モックの目の前で広げられた手にあったのは、どうやら粉剤らしい紙包みだった。
「こいつはニンゲン共が使っている、言ってみれば魔法の粉さ。
これを頭から被れば、自分の姿が見えなくなって、どんな敵の目からも逃れられるって寸法なんだよ。
な?高いだろう?お前さんの手に届くモンじゃないだろう?
たかが、ニンゲンの手紙を届けるために出来る出費じゃないだろう?」
そう言いながら、その包み紙を懐にしまいこんだ。
「てなわけだ。判ったな?判ったら諦めて向こうへいきな。」
モックは懐を探った。自分の金袋を引っ繰り返して数えてみるのだが、しかし幾らか足りない。
金貨一枚に、銀貨数枚、あとは小銭ばかりしかなく、金貨二枚には届かなかった。
しかし、そんな様子を見て商人は言う。
「……本気かい?なんだかなぁ、よっぽど、その手紙に何かあるのか。
それともニンゲン相手の良い儲け話でもあるのか。ま、良いだろう。その手持ち全部で売ってやろう。」
そうして、モックは有り金全部で、その粉剤を買い取ってしまったのだ。
だが、商人はその金をしまおうとはせず、片手に持ったまま話を続ける。
「で、これでお前さんはスッカラカンな訳だが……それだけじゃ足りないっていったらどうする?え?」
モックは驚いて、その商人を睨み返した。
「いくら姿を消したって、足音立てちゃどうしようもないわな。
俺たちのペタペタした足音、連中が気がつかないと思っているのかい?」
そうして、今度は小さな壺を取り出した。
「この油を塗ればいい。足だけじゃないぞ?体のあちこちに塗らなきゃガサガサ音を立てちまうだろ?
……ああ、出し惜しみはここまでにしような。あとは、この消臭剤だ。
なにしろ臭ぇもんなぁ俺たち。臭いですぐ怪しまれることぐらい、あんたにゃ判らんのかい?」
そう言いながら、何やら液体の入った小瓶をチラリと見せた。
「さあ、さっきの薬を返しな。この金もお前さんに返してやる。
ついでに言ってやろう……甘いんだよ、お前さんの考えが。
最初の一個目じゃ足りないことも判らず、有り金全部出しちまうなんて、勇み足にも程がある。
さあ、大事な小遣いを持って帰って、もとの住処でもっと勉強してきな、坊や。」
別に、その商人は煽り立てた訳でもない。その程度の口の悪さはゴブリンじゃ常識だ。
しかし、モックは「もとの住処」という言葉に刺激されてしまったのか。
とうとう、背負っていたリュックを丸ごと商人に突き出してしまった。
金が無いなら物々交換というわけだ。
商人は中身も確かめずに言う。
「……で?油はそれで泣いてやるとして、消臭剤はどうすんだい?」
乗りかかった船だ。しかし、モックはためらった。
もう残っているのは腰の武器だけ。しかし、それまで渡してしまっては、どうやって身を守ればよいものか。
だが、既に盲目的になっているモックは交換する他はなかった。
丸腰となったモックは取引した品を懐にしまい、ろくな挨拶もせずにその場を去ろうとする。
「ああ、気をつけな坊や。この先、ニンゲン共に矢で射抜かれても、魔法かけられても構うんじゃねぇぞ。
必死で逃げりゃ追いつけやしねぇからな……」
道はすでに聴いてある。後ろから切れ切れに聞こえてくる「しかるべき正しい忠告」を耳を貸すのもシャクだ、
とでも言うかのように、振り向かずに先を急いだ。
そんな商談を少し離れたところで聴いていた別のゴブリンが、商人に声をかけた。
「よお、親父。ずいぶん良い商売したじゃねぇか?」
ニヤニヤと笑みを浮かべて言うと、
「フン……」
別に得意げと言う訳でもなく、商人は鼻を鳴らしただけだった。
良い商売、確かにそうだった。
実はモックが払った代金なら、それぞれ1ダースでも十分引き合う物だったのだ。
「なぁ親父さん。あいつ、もう生きちゃ帰れねぇよな。あんなもん、一個ずつ持ってたって役にもたちゃしねぇ。
効き目がすぐに切れて、ぶっ殺されるのがオチってもんさ。」
実はその通りで、人間の冒険者達は最低でも、それこそ1ダースは抱えて旅に出るのが常識だ。
だが、商人は尚も無愛想に答える。
「そんなこと俺が知ったことか。せいぜい、形見は使わせて貰うさ。」
そう言って、モックの荷物をのぞき込んだ。使うと言っても、別の奴に売りつけるだけだったのだが。
もう、モックには何もない。
あるのは手紙と、そして取引をした三つの品。それも事が終われば、全て無くなってしまうのだ。
しかし、事が終われば俺はどうなる?
戦うための武器もない。
職人としての道具も売ってしまった。
これから先、ゴブリンとしてどうやって生きていくつもりなのか?
なんでこんなことをして居るんだ、俺は?
事が終われば俺はどうなる?
死ぬのか?人間共に殺されて、それで終わりか?
殺されるために俺は旅をしているのか?俺は死にたいと思っているのか?
他の連中が見れば、間違いなくお前は死ぬしかないのだと言い切っただろう。
自分でも、それは間違いないと考えている。しかし、その実感が有るとも無いとも言い切れない。
自分の妙な思いに麻痺してしまい、ただ前に向かって、そして死に向かって突っ走る自分自身。
しかし、何かがしたくて生きていて、生きるために何かがしたくて前に進む自分自身。
ふと、懐に何かが残っていることに気がついた。
それは小さなタマネギだった。こんな物が残っていたのか、と苦笑いしながら取り出した。
そして訳も判らぬ物思いにふけりながら、タマネギを生でボリボリと囓りつつバストゥークに向かって走り続けた。
一応、最後まで出来ているのですが、寝かせて見直すので後日貼りたいと思います。
36 :
既にその名前は使われています:2005/05/12(木) 07:24:34 ID:27wYqkNq
携帯唐揚げ
37 :
その伝説、良しとせず 1/11:2005/05/12(木) 12:03:08 ID:cn5Z20RW
ここにヒュムナイトとタル黒がいる。
彼らは、HNM軍団の猛攻を受け滅亡したバストゥーク共和国の惨状を伝えるべく、
夜を徹してサンドリア王国へと向かっているところであった。
死闘を潜りぬけたその命は、もはや目的地までの灯火とも思える。
突然、疲労と負傷で朦朧とした2人を、奇声が刺した。
オーク「ぎゃーはっはっはっ、ぐえぐえっぷーーー!!!!コロース」
それは、まるまると太った1匹のオークだった。
不意に体当たりを食らい、ふっとぶナイト。
盾がいない特異な状況に冷静さを失い、とっさに鎌をかまえてしまうタル黒。
オークのアクスが近距離からタル黒の首を狙う。
タル黒「!!!!!(泣)」
38 :
その伝説、良しとせず 2/11:2005/05/12(木) 12:03:38 ID:cn5Z20RW
ナイト「っく!」
ナイトが間一髪のタイミングでオークのアクスを剣で受け止める。
しかし、昨夜負傷した傷口からは血液が噴出し、その頬を赤く染める。
オーク「んっんー??本気だしちゃうぞ〜?」
押されつつあるナイトは後ろのタル黒に叫ぶ。
ナイト「オ、オレがいるっ。 好きなだけ古代をぶっ放せーっ!」
タル黒「ナイトさん!」
オークのマイティストライク!タル黒は魔力の泉を使用した!
タル黒「ベギラゴン!!!」(間に合ってーーー!)
ナイトはかばうを発動!
ナイト「うおおおおおお」
39 :
その伝説、良しとせず 3/11:2005/05/12(木) 12:04:09 ID:cn5Z20RW
ナイト「!?」(ベギラゴン??)
ナイト(まずい! タル黒はスペルを間違えている!)
オークの強力すぎる攻撃を、重い身体を引きずるように受け止めるナイト。
しかし、凶悪なアクスは、その盾を飛ばし、鎧越しに右大腿部を切り付ける。
背中から倒れこむナイト。
命に迫りくるオークの刃。
ナイト「イ、インビンジブル!!」
しかし、無常に響く天空の声
−再使用まであと25分です。−
既にMPもなく。成す術はない。
ナイト「くっ! も、もはや」
「フ ラ ッ シ ュ ! !」
40 :
その伝説、良しとせず 4/11:2005/05/12(木) 12:04:58 ID:cn5Z20RW
ナイト「!!」
オーク「ぷぎゃあああ。目が目がーーー。あああ、ミエーン」
ヒュム白はナイトにケアルVを唱えた!
ヒュム白「ナイト様、私を守ってくださいな」
肩でそろえた金髪で朝日を反射させながら、にこりと微笑むヒュム白。
その姿はまるで神々のようにナイトを優しく癒した。
朝日の中で立ち尽くしながら、ナイトはこう思う。
ナイト「(やはり私にとって白は大事なジョブだ)」
41 :
その伝説、良しとせず 5/11:2005/05/12(木) 12:05:42 ID:cn5Z20RW
オークは怪我の癒えたナイトの敵ではなかった。
勝負は一振りで決まった。
ナイトはヒュム白の前へ歩を進める。跪き可憐な顔を見上げた。
ナイト「白魔道士殿、あなたのおかげで使命を果たせそうです」
ヒュム白もまた腰を下げ、静かに答える。
ヒュム白「あなたは最後まで立派に使命を果たすことと思います」
2人は神聖な微笑を浮かべ、手を取り合う。
明けたばかりの朝の冷たい空気が、より互いの温度を感じさせた。
タル黒「あ・・あ・・・あ・・・・」
突然、それまで先ほどのミスを一人反省していたタル黒が呻く。
ナイトとヒュム白がその視線の方向を見やる。
ナイト「そ、そんなバカな・・・」
ヒュム白「こ、ここはロンフォールなのに・・・」
タル黒「な、なんで、こんなところに・・・」
その場に居合わせた者全てが、その巨大な影に絶望を感じた。
ナイト「ベヒーモス!!!!!」
42 :
その伝説、良しとせず 6/11:2005/05/12(木) 12:06:07 ID:cn5Z20RW
ナイト(おのれぇ!後一歩でサンドリアだというのに)
びりびりと空気を振動させながら、ベヒーモスは迫ってくる。
大地でさえその強大な力に悲鳴をあげている。
咆哮は心をへし折る様に圧力を掛けてくる。
ナイトは静かに2人を見つめた。
その表情は苦笑しているようにも見える。
ナイト「タル黒は逃げてくれ。絶対に生き延びてサンドリアに伝えるんだ」
タル黒「・・・」
ナイト「ヒュム白さんは、すみませんがオレと来てください」
ヒュム白「はい!最後までお供する覚悟は出来ています」
タル黒はデジョンを唱えた!
タル黒の眼には涙が見えた。
そして、ナイトとヒュム白が、迫る巨大な獣へ特攻して行くのを最後に見た。
涙の雫を残しながら、魔法が発動する。
43 :
その伝説、良しとせず 7/11:2005/05/12(木) 12:06:26 ID:cn5Z20RW
ナイト「こっちだベヒーモス! サシで勝負してやる!」
ナイトはベヒーモスを挑発する。
ヒュム白は少し離れ、テレポヴァズ2を唱えた。
範囲内のモンスターまでもテレポする高位古代白魔法だ。
ナイトはベヒーモスの最初の一撃を懇親の身のこなしでかわす。
しかし、その風圧だけで吹っ飛ばされる。
ナイト「インビンシブルだーーー!!」
瞬間、最後の力を振り絞ったナイトの体が黄金に輝く。
ヒュム白「(ナイト様、がんばって!もう少しです)」
そして、テレポヴァズ2発動!
同時にナイトはヒュム白に対してジュフデジョンを発動する。
ヒュム白「え!?」
44 :
その伝説、良しとせず 8/11:2005/05/12(木) 12:06:49 ID:cn5Z20RW
最果ての凍てつく大地で睨み合うナイトとベヒーモス。
ベヒーモス「ふ、こざかしいマネを。一人で死んで、ヤツらを助けたつもりか?」
ナイト「・・・」
ナイトはあたりを見渡す。
当然のごとく、そこには対峙する2人以外には誰もいない。
ナイト「ベヒーモス、悪いがお前の野望もここまでだ」
ベヒーモス「・・・愚かなものよ。たかがヒュムごときが。見苦しいわ!」
不適な笑みを浮かべるナイト。
ナイト「私はお前と2人切りになるのを待っていた!」
ナイト「いくぞ! 禁断の命を掛けたアビリティ!」
レ ベ ル キ ャ ッ プ 解 放 !
45 :
その伝説、良しとせず 9/11:2005/05/12(木) 12:07:14 ID:cn5Z20RW
最後の命を祝福するように天の声が木霊する。
ナイトのレベルキャップが解除された!
ナイトのレベル上限が99になった。
ナイトは神々の語録を使用した!
ナイトのレベルが99になった。
光を放つその全身。輝きを止めない神々の武具。
そして、透明に澄んだその目は、古の伝説のように神々しかった。
ベヒーモス「むううううう!!! そ、その技を使えるものがまだいたとは!!」
ナイト「時間がないんだ。さっさと狩らせてもらうぞ」
悲鳴にも似た咆哮を上げて、襲い掛かるベヒーモス。
しかし、大地をも揺るがす力任せの攻撃も、今のナイトには片手で受け流される。
ナイト「お遊びはここまでだ。そろそろ行くぞ! ベヒーモス!」
46 :
その伝説、良しとせず 10/11:2005/05/12(木) 12:07:38 ID:cn5Z20RW
ナイト「最後の技で仕留めてくれる」
ベヒーモス「も、もしや・・Lv4連携”無”か!?」
祈るようにカンパニーソードを天に向けるナイト。
ナイト「(みんな力を貸してくれ!)」
ベヒーモス「や、やめろ!!」
確かな力がその神器に宿されていく!
ナイト「いくぞ!」
ベヒーモス「い、いやだぁぁ!!まだ、死にたくない!!」
ナイト「うおおおおおおぉぉおおぉーー!!」
ベヒーモス「そ、そんな、ぎゃああああああああぁぁぁ!!!」
ボーパル・サベッジ・オブ・ラウド・ウィズ・インーーーーー!!
瞬間、北の大地は光に包まれ、一瞬の間ののち、
激しい熱風と振動を伴い、その時ヴァズの地にあった全ては、
永久に失われた。
47 :
その伝説、良しとせず 11/11:2005/05/12(木) 12:08:00 ID:cn5Z20RW
ナイトの命を賭した勝負によって、サンドリア王国は難を逃れた。
国王は国の伝説としてナイトを語り告ぐことを発表した。
しかし、彼の残したPTは伝説となることを良しとしなかった。
ヒュム白「亡骸さえ失った死者さえ蘇らせる魔法があると聞いたことがあります」
タル黒「そんな秘術が!?」
ヒュム白「古代レイズ系の魔法”ウェルカム・バック”です」
タル黒はヒュム白の心の痛み、悲壮な喪失感がよく分かっていた。
”ウェルカム・バック”習得の難度を知ってはいるが、そんなことは気にならなかった。
タル黒「ヒュム白さん、いきましょう! どんなことがあってもナイトさんを!」
ヒュム白は固い決意を示すようにしっかりと頷く。
その目に悲しい涙を秘めながら。
そして、悲しみを癒すために、友を取り戻すために、
新たな冒険の旅がはじまる。
48 :
その伝説、良しとせず あとがき:2005/05/12(木) 12:08:57 ID:cn5Z20RW
遊び半分で書いちゃいました・・・。
まじめにやってる人には申し訳ないです。
49 :
既にその名前は使われています:2005/05/12(木) 12:15:41 ID:+qlrVsJZ
やばい!
すごい文才ですね。
一気に読んでしまいました。話の流れとか、持っていき方とか神がかってます!
素晴らしいとしか言いようがない。おなかがよじれるかと思うほど笑わせていただきました。
絶妙なタイミングで書かれる、とぼけたギャグがすさまじい破壊力を持ってますね。
努力だけじゃどうにもならない、先天的な才能の輝きを感じます。
感動しました!
…とでも言うと思ったか! つまんねーんだよ! クスリとも笑えんかったわ!!
ageてまで自己アピールしてんじゃNEEEEEEEEEEE!!!!!
50 :
ブリジット ◆6acWblMBhM :2005/05/12(木) 12:51:18 ID:LtTzpj8Q
いや、漏れはワロタwwwwwwwwwwwwwww
51 :
既にその名前は使われています:2005/05/12(木) 13:09:21 ID:xU3znLU+
テラワロスwwwww
52 :
既にその名前は使われています:2005/05/12(木) 13:11:40 ID:35sc5y5o
>ボーパル・サベッジ・オブ・ラウド・ウィズ・インーーーーー!!
吹いたwwwwwwwwwwww
53 :
既にその名前は使われています:2005/05/12(木) 13:12:27 ID:gPRmKA+S
もしかしてガクトの奴か?w
例え罵詈雑言でも反響があることはうれしいことだw
55 :
タルタルさん ◆PI8SEyLBcU :2005/05/12(木) 15:30:12 ID:0LgwXA8g
やはり忍者よりナイトの方が頼りにされていたキングベヒーもスとの戦いで
おれは集合時間に遅れてしまったんだがちょうどわきはじめたみたいでなんとか耐えているみたいだった
おれはジュノにいたので急いだところがアワレにも忍者がくずれそうになっているっぽいのがLS会話で叫んでいた
どうやら忍者がたよりないらしく「はやくきて〜はやくきて〜」と泣き叫んでいるLSメンバーのために俺はとんずらを使って普通ならまだ付かない時間できょうきょ参戦すると
「もうついたのか!」「はやい!」「きた!盾きた!」「メイン盾きた!」「これで勝つる!」と大歓迎状態だった忍者はアワレにも盾の役目を果たせず死んでいた近くですばやくフラッシュを使い盾をした
忍者から裏テルで「勝ったと思うなよ・・・」ときたがLSメンバーがどっちの見方だかは一瞬でわからないみたいだった
「もう勝負ついてるから」というと黙ったので戦士サポ忍の後ろに回り不意だまスフィストを打つと何回かしてたらキングベヒんもスは倒された
「ナイトのおかげだ」「助かった、終わったと思ったよ」と忍者を行き帰らせるのも忘れてメンバーがおれのまわりに集まってきた忘れられてる忍者がかわいそうだった
普通なら裏テルのことで無視する人がぜいいんだろうがおれは無視できなかったみんなとよrこびほめられたかったのでレイズを唱えてやったらそうとう自分の裏テルが恥ずかしかったのかHPに帰って行った
これよりクオリティ高いの書いてみろ。お前らのは無駄に長いだけだ。
長いから読む気にもならん。
56 :
既にその名前は使われています:2005/05/12(木) 18:45:15 ID:5oX//G3n
どうせならイオナズンとなえようぜ!
あの時、ジュフデジョンの効力を向けられた時、
ヒュム白は何が起こるのか、とっさに理解することが出来なかった。
一人サンドリアへ戻され、はじめてナイトの行為の意味する事に気付いた。
ヒュム白は、放心したようにただただ涙を流した。
まだテレポヴァズ2の詠唱動作の残る姿勢のまま・・・。
どのくらい時を止めていたのか。
なんとか精神の安定をはかり、今起こっていることを頭に叩き込む。
ヒュム白はテレポヴァズを詠唱する。
ヒュム白(もう間に合わないかもしれない。でも・・・いかないと!)
瞬間、見たことも無い眩い光が、北の方角から放たれた。
それは太陽の光量をも圧倒していた。
そして、テレポヴァズはその効力を永久に失った。
古代レイズ系秘術”ウェルカム・バック”−−−
タル黒はその昔、遥か古代の時代から言い伝えられるその魔法のことを聞いたことがあった。
タル黒(ウェルカム・バックの真髄は聖なる祈りだという。だけど・・・)
そう、秘儀”ウェルカム・バック”は術者の生命を奪ってしまう。
ナイトを蘇らせることを心の支えにしているヒュム白に、そのことは言えない。
走りながらヒュム白についていくタル黒。
秘密を抱え、2人は儀式の場プレイオンラインへと向かっていく。
全ての入り口へ繋がる場所。
それがプレイオンラインだ。
ヒュム白「さぁ、着きましたね! タル黒さん」
タル黒「はい。ここから秘術への道が始まります」
ヒュム白「ナイトさんが消滅してから1月。私はずっとこの時を・・・」
タル黒「・・・。無理はしないようにしてくださいね」
2人はここまでの旅路を振り返るように笑顔をかわした。
ヒュム白「それじゃ、いってきますっ」
ヒュム白はまばゆく輝いて見えた。
タル黒は精一杯の笑顔で見送る。
タル黒(ここは絶対に死守しなきゃ!)
そう自分に言い聞かせながら。
ヒュム白はプレイオンラインの中心にいた。
そこに跪き、天空へ向けて祈る。
(ナイトさん、お願いです。蘇ってください。私、もう一度・・・)
(神様、どうか、この切実な願いを叶えてください。)
ヒュム白の祈りは何日も続いた。
健康的な張りを持っっていた頬は、その包容感を失う。
艶やかだった唇は、荒れ果てた。
疲労が、小刻みな震えを起こさせる。
しかし、まっすぐに見つめる視線だけは、力を失わなかった。
そして、さらに数日過ぎた。
ヒュム白は床に突っ伏すことしか出来なくなっていた。
ヒュム白(神様・・・私は構いません・・・ナイトさんを・・・)
タル黒「そんなに邪魔をしてどうするのさ!」
幾多の亡者がヒュム白の祈りを邪魔しにきていた。
タル黒は、それを阻止すべくここに留まったのだ。
古よりプレイオンラインの外郭には亡者が集まり、
その秘術の遂行を妨害すると言う。
・・・よみがえってどうする・・・
・・・またしぬぞ・・・
・・・いっしょにこっちへこい・・・
亡者がいっせいにタル黒へ襲い掛かる!
タル黒「う、うわああああ!」
タル黒は魔力の泉!
タル黒「デ、デジョンガだーーーー!!」
それは、ナイトの身を呈した戦い方を、
タル黒なりに実践した魔法だった。
デジョンガ。
それは対モンスター用範囲版デジョン2。
タル黒が度の途中に必死に習得した新魔法だった。
タル黒「みんなどっかいっちゃえーーー!」
瞬間、亡者はそれぞれのHPへと送還された。
タル黒(油断はできない。ここはどうしても守るんだ!)
(ナイトさん・・・お願いです・・・もう一度ここへ・・・)
暗く霧の立ち込めるデュナミスの世界で、ナイトはその声を聞いた。
ナイト(今のは、確かにヒュム白さんの声・・・)
その時、天空から光が差し、何者かがナイトに尋ねた。
−蘇るか、蘇ざるか、答えよ−
ナイト「こ、これは、一体・・・」
−蘇るか、蘇ざるか、答えよ−
ナイト(むぅ、これはなんなのだ?・・・しかし、一度消滅した身だ)
ナイト「私は蘇る!」
−願いは叶えられた−
ナイトの身体を光の球体が包む!
声が聞こえる。
これからお前は蘇る。
禁忌の古代呪術によって、死ぬ直前の状態へ戻される。
しかし、一つだけ異なるものがある。
ナイト「それはなんだ?」
それは名前だ。
既にその名を語るものがいる。
蘇ったお前は「パラディン」と名乗るのだ。
よいな?
ナイト「承知した。私はパラディンだ!」
球体の光が徐々に失われていく。
ナイト(元の世界!)
パラディン「!!!」
パラディン「そ、そんな・・・」
目の前には、手を合わせ横たわるヒュム白と、それを静かに見守るタル黒がいた。
タル黒「ナイトさん・・・蘇りできたんだね!」
パラディンは張り詰めた表情で、それに頷く。
タル黒「忘れないでね。ヒュム白さんは命を掛けて・・・」
パラディンはタル黒を引き寄せ、優しく包んだ。
タル黒の慟哭がプレイオンラインにこだました。
パラディンは静かに立ち上がると、おもむろに魔法を唱える。
パラディンはレイズ2を唱えた!
タル黒「!!!」
突然の予期せぬ魔法にタル黒は泣き止んだ。
パラディン「今、私はLv99なのだ。Lv90でレイズ2を習得できる」
パラディン「ヒュム白さん、戻って来てください!」
レイズ2は発動し、その効力がプレイオンラインを満たす。
ヒュム白の身体に生命力が溢れていく。
タル黒「ヒュム白さん!起きてよ!」
ヒュム白がゆっくりと目を開く。
ヒュム白「ナイトさん!!」
パラディン「あなたのおかげで、今はパラディンになりました」
パラディンは慈愛の微笑を送る。
ヒュム白「よかった・・・」
涙を流し静かに幸福に歓喜するヒュム白。
2人はしっかりと手を握り合った。
そんな包容を横目に、タル黒は静かに入り口へ向う。
彼なりの気の利かせ方なのかもしれない。
しかし、
その時、ウィンダスとジュノが陥落したのを、誰も知らなかった。
通し番号とトリップくっついちゃってすいません・・・。
「間違えるなよ。鉱山区は2番目の入り口だ。」
そう案内してくれたのは、通りすがりのクゥダフの一人だった。
亀の風貌をした獣人『クゥダフ』は王への忠誠を元に王国を守る、言うなれば組織の一員である。
そのためだろうか、気位は高いが多少の礼儀はわきまえているし、人に対する接し方も違っている。
それほど親切でもないが、道を聞いてみれば常識人らしく丁寧に教えてくれた。
そうしてモックは、バストゥーク共和国の入り口があるグスタベルグまでの道を急いだ。
途中、人間共とすれ違うこともあったし、武器を抜いて襲いかかろうとする奴もいた。
しかしモックは、そうした奴らには一切構わずに走り抜け、黙々とバストゥークへの道を行く。
その様子のおかしい、しかも丸腰の珍しいゴブリンを見て冒険者達は首をかしげていた。
そうして、ついに到着した。
荒涼としたグスタベルグの山に掘られた巨大なトンネル、それこそバストゥーク共和国の入り口だ。
大きく回り道をして、遠くから、しかも隠れながら入り口の様子を伺えるところへとやってきた。
もう日が暮れて、入り口には松明が点されている。屈強で巨躯のガルカが門番としてじっと立っていた。
しばらく様子を見ていたが、門番はいつまでたってもその場から離れそうにない。
隠れているとはいえ、こんな所にずっといては見つかるのも時間の問題だ。
そう思ったモックは、ついに突入を決行することにした。
まず、消臭剤を体に振りかける。
すると、すーっとした空気が身を包みこむ。それは吸い込むとモックの鼻が痛むほどに鮮烈な空気だった。
次は、足の裏から順に油を塗り込む。これも効果はてきめんだった。
地面を踏むと、地面との間にブヨブヨとした物が有るかのように、油が厚みのあるクッションの役目を果たした。
そして、どう動き回ろうと自分の耳がおかしくなったかのように、物音一つ立てることはなかった。
そして最後に、例の粉剤を頭から被る。
そうすると、かけ終わるのが早いか、指の先からスーッと姿が消えていく。
こんなものがあるならば……と、いろいろと考えたくなるところだ。
だが、のんびりしては居られない。
まずは試しに、門番のガルカの方へと近づいていく。
お互いの姿が見える、そして走れば十分逃げられる距離で立ち止まる。
気付かれていない、成功だ。少しずつ近づいていっても何の反応もない。
そう思ったモックは、大急ぎでバストゥークの中へと潜入した。
そして、石造りの町並みを駆け抜け、人間共の住処はどこだろうかと探し回った。
今度ばかりは、道を聞く訳にはいかないのだ。
どこだろう。人間共が住処としているのは、どんな建物だろう。
初めて入る街である。ましてや人間の街など見るのはこれが初めてなのだ。
しかし、なんとなくではあるが推察できる。
大勢の人間共が住んでいるところ。だとしたら、ドアが沢山あるところなら間違いない。
そう当たりをつけて、モックは必死で探し回る。
やがて二層構造の地区へとやってきた。上だろうか、下だろうか。
まずは下から順番に、と迷うことなく足を向ける。いや、もう迷っていても仕方がないのだ。
だが、そこでモックはピタリと足を止めた。
消臭剤によって自分を包んでいた空気が、次第に薄まりつつあることに気がついたのだ。
まずい。これほど早く効果が切れる物なのか。
一瞬、どうしようかと考えた。逃げるべきか進むべきか。
戻れば、これまでの苦労が水の泡だ。しかし、見つかれば一巻の終わりだ。
いや、においならば。
においだけなら、そう簡単にゴブリンが居るとは、判断しにくいだろう。
モックはそんな無理矢理な自己判断で、潜入を続けることにした。
時間が限られているならば、迷っている暇などないのだから。
そして、ドアにかかれている名札を見て、手紙と同じものはないかと大急ぎで探し始めた。
そして、ついに見つけた。
間違いない。字体が多少異なるが、間違いなく手紙の差出人と同じ物だ。
そして、周りには誰もいない。しかし、何人かのガルカとすれ違っている。
ぼやぼやしていると、こちらの方に来るかもしれない。
覚悟を決めたモックは手紙を取り出した。何もない空中に手紙だけがひょいと浮かび上がる。
そして、扉をノックした。
「……はい?」
か細い声が中から聞こえてくる。それこそ受取人のミスラの少女の声だ。
「どなたですか?」
すぐ扉の前まで来たらしい。先ほどより、はっきりとした声が聞こえてきた。
しかし、用心のために言いつけられているのだろうか、決して扉を開けようとはしない。
これはモックにとって幸いだった。姿を消しているとはいえ、怪しまれることがあっては大変だ。
モックは咳払いをして少女に話した。実はモックは人間の言葉の話し方も知っていたのだ。
「手紙をもってきた。この手紙は、お前のか。」
そう、周囲に怪しまれないようにささやき、手紙を扉の下から差し込んだ。
正確には、その言い方はおかしい。本当なら「お前宛の手紙か」と言うべきなのだが。
しかし、相手には十分通じたようだ。
「そうよ……ああ!母ちゃんからの手紙だわ!」
これで、用件は立派に果たしたのだ。
薬の効果が切れないうちに、バストゥークの外へと急がなくてはならない。
「そうか。確かに渡したぞ。では俺は行く。」
そう言い終えるやいなや、足早に立ち去ろうとした、その時だった。
「ねぇ、まって!母ちゃんとは、どこで会ったの?」
その少女からの問いかける声が聞こえてきた。
しかし、初めて聞くゴブリンの声が恐ろしいのだろうか、まだ扉を開けようとはしなかった。
モックは思わず足を止めた。
まずい。下手に無視すれば扉を開けて出てくるかもしれない。
かといって、本当のことを言えばどうなるか判らない。
ここは適当なことを言って、お茶を濁すに限る。そう考えたモックは、やむなく返答した。
「マウラだ。そこで渡された。だから、ここに持ってきた。」
「マウラ?ねぇ、それはいつの話?母ちゃんは約束の日になっても帰ってこないの。」
「その手紙を見ればいい。書いてあるかもしれない。」
「い、今、見てるわ。日にちが延びるとか、そんなことは全然書いてないわ。」
確かに、扉の向こうでガサガサという紙の音が聞こえてくる。
「ねぇ教えて。母ちゃんは何か言ってなかった?どこへ向かったのか判らない?あたしはもう……」
モックはいらいらして聴いていたが、もう相手をしては居られない、とばかりに出口へ走り出そうとした。
その時、ジャリ、という自分の足の音が聞こえた。もう、油の効果が切れつつあるのだ。
まずい。これでは、ここから一歩も身動きできない。
どうしたものか。しかし姿は見えないのだ。一気に駆け抜ければどうにかなるかも……
しかし、である。
「もう……母ちゃんが用意してくれた食べ物もお金もないの……もう、どうしていいか判らない……」
その少女の言葉を聞いて、モックは扉に向き直った。
なんだこいつは?いったい、何を言っているのか?
「食べ物が無い?金がない?お前、何を言っている。」
「……え?」
「金が無いなら、物を売れ。物がないなら、自分で作れ。働け。そして稼げ。
働かないで、親から貰って生きていくのか?お前は?」
「そ、そんな。あたし、まだ子供だし、誰も雇ってくれたりは……」
「だったら盗め。店から奪え。金や物なんて、街には幾らでも在るだろう。」
「そっちこそ何いってるの、そんな悪いことなどできない……」
「悪いことだと!それがどうした!良いも悪いもあるものか!」
「ひっ……」
「お前達は、俺たちは、草を引き抜いて、動物を殺して、悪いことをして生きているのだ!
良いも悪いもあるものか!」
やはり子供である。そのモックの剣幕に押されて黙り込んでしまった。
「誰かから貰って生きるなど乞食と一緒だ。そんな奴は飢え死にして死んじまえ。
生きていたけりゃ働け、稼げ、盗め。そうしないと飢え死にだ。なにしろお前の親は……」
ここで、モックは口をつぐんだ。果たして、手紙の主が殺されたことを告げるべきだろうか、と。
が、その時であった。
「ゴブリンだぁッ!」
モックはその叫び声を聴いて、やっと自分の姿があらわになっていることに気がついた。
話すのに夢中になって、姿を消す粉剤の効果が消えたことに気がつかなかったのだ。
もう、これまでだ。
モックはついに覚悟を決めて、扉の向こうの相手に早口で叫び続けた。
「おい、いいか?お前は母親の帰りを待っているのだろう?そのために、この家を守っているのだろう?
どんな悪いことをしても良い。奪え、そして喰え、そして生きろ。喰って喰って生きろ生きろ生きろ。
何をしても良い。しかし、餓え死にした自分の死体を親に見せるな。それだけはするな。
なんでもいいから喰らい付け。走って転んで這いずり回って立ち上がれ。そして……」
どんっっ……
巨大な斧がモックの頭上に振り下ろされ、そしてモックは最後まで言い終えることが出来なかった。
そして……
とんとん、と扉をノックして、バストゥーク保安庁の警備隊長である一人のガルカが声をかけた。
「俺だ。警備隊長のガーフォークだ。この扉を開けてくれないか?」
そうして扉が開けられ、ミスラの少女が顔を出すと、警備兵達があるものを囲んで口々に何かを言っていた。
「……嘘だろ?こんなところまで、ゴブリンに潜入されるなんて……。」
「いったい、門番は何をやってんだ……ちょっと、ここに呼んでこい!今すぐ!」
「しかし……殺したのは早計だったんじゃないか?こいつ、武器も何も持っていないし……」
そうして、警備兵達が議論しながら取り囲んでいたのは、一匹のゴブリンの死体だった。
出てきた少女は、その無惨な姿を見てしまい、思わず悲鳴を上げた。
警備隊長は、これ以上は見せまいと自分の巨体で少女を庇いながら、落ち着いた口調で話しかけた。
「このゴブリンはお前の家の扉の前で何か言っていたらしい。どういうことだったのか話してくれるか?」
落ち着くまで時間が掛かったのだが、やがて少女はしどろもどろに説明を始めた。
手紙を届けてくれたこと、そして何を話していたのかも、一言も残さず警備隊長に伝えた。
さらに自分の母親のことも何もかも話して、その隊長はその場に座り込んで注意深く聞き取っていた。
その隊長は考えた。我々と話が出来るのなら、そして武装解除に応じるなら(といっても既に丸腰だが)
ゴブリンとはいえ手紙を引き継いでやり、あるいは中へ案内すらしてやったものを。
……しかし、である。その手紙をゴブリンが持っているということは?その手紙の主の運命は?
それを考えれば、やはりこうなることから逃れられない定めであったのかもしれない。
そのことは少女には告げず、ニヤリと笑ってこう言った。
「お前に盗人になられては、たまったものではない。」
そしてゆっくりと立ち上がり、少女の手を取った。
「とりあえず、うちにこい。うちの坊主と二人がかりでも食いきれぬほどに、シチューを作りすぎてしまったのだ。」
やがて、バストゥーク政府は蜂の巣を引っ繰り返したかのような騒ぎとなった。
ゴブリンの体から例の薬品類が検出されたからだ。
プリズムパウダー、サイレントオイル、デオドライザーの三品であり、どれもこれも獣人の要塞や、
恐ろしい怪物達の住む洞窟など、危険な場所の潜入を容易にする冒険者の薬品ばかりである。
これを逆に獣人達が使っていることが判ったのだ。
幸いにも、事件当時の門番達は責任問題が軽減されたのだが、しかし事態はそれどころではない。
容易に人間社会の重要拠点に潜入されてしまえば、国家が揺らぐ程の事態も考えられる。
街の出入り口や各国要人の住居など、ありとあらゆる警備体制を考え直さなくてはならないのだ。
もはやバストゥークだけでは対処しきれず、警告を伝達して対策を練るため各国へ使者を走らせた。
そして、サンドリアの騎士達は誇り高き警備論を語り、ウィンダスの魔導師達は古文書を読み返し、
騒ぎはますます世界中へと広まっていった。
そんな騒ぎの中、一人の警備隊長より、ある議題が持ち上げられた。
それは市民の自治体の強化と、貧困者の調査と救済である。
政府には「福祉」の名の付く機構が存在せず、横のつながりでしか支援の手を受けられない時代である。
そんな頼る縁を持たない貧困者が「やむを得ず」犯罪に走り、治安が脅かされる可能性があるとして、
ゴブリンの言葉を踏まえた議題書が提出されたのだが……しかし騒ぎが続く中である。
はたして、どこまで取り合ってもらえるものだろうか。
そんな、各方面に話が広まる中で……
いわゆる冒険者連中は各国政府の苦悩をちっとも理解しようとせず、この珍ニュースに大はしゃぎした。
「あの勇敢なゴブリンを見習え」と、各国を騒がせるに至ったゴブリンを祭り上げる騒ぎを起こしたのだ。
そして、お偉方の冷たい視線を横目にしながら、バストゥークの墓地にモックの墓が祭られたのである。
当然ながら、その墓にはモックの名前があるはずはない。
「或る愚かで勇敢なるゴブリンここに眠る」と記され、彼の最後の言葉が幾つか彫り込められている。
冒険者達は連日のように墓参りへと訪れ、花を捧げて「勇敢」で「誠実」なゴブリンの行いを讃えた。
そしてまた、反面教師としてゴブリンの不注意、不用心を学んだのである。
そして今日もまた、墓参りをする人達が訪れる。
やってきたのはミスラ族の一人を乗せた車椅子で、その娘らしい少女が後ろから押していた。
そのミスラこそ、例の手紙の主であったのだ。
ゴブリンに殺されたと思いきや、モックが去った直後に別の冒険者達が通りかかり、
命の火が消えるぎりぎりのところで救出されたのである。
……まあ、そんな経緯はどうでもよいのだが、しかし、その際にモックの「仲間」であった連中は、
その冒険者の手によって皆殺しにあったのだと知ったら……モックは、多少は溜飲を下げただろうか?
彼女は魔導と医療の双方による手当を受け、車椅子ならば移動が可能なところまで回復している。
全ての体調が戻り、また冒険の旅に出かけられるのも、まもなくのことだろう。
そんな二人を付き添っているのは、例のガーフォーク警備隊長である。
少女が持ってきた花束を捧げ、母親と二人で祈りを捧げる。
しかし、その母親……ミスラの戦士は、墓の主こそが洞窟で鉢合わせとなり見逃してやったゴブリンだ、
ということは判るはずもない。
もしかしたら、この墓の主こそが自分を生死の境に彷徨わせた張本人で、身ぐるみはぎ取った盗人である
かもしれない。そう考えても不思議ではないのだ。
しかし、祈り終えたミスラの顔は、晴れやかな笑顔を浮かべていた。
この全ての成り行きを、モックが知ればどう思っただろう?
満足しただろうか、それとも皮肉と受け取り、嫌味の一つでも言い返しただろうか?
しかし彼は名の無い墓の下、永遠に眠るモックに確かめることなど出来はしない。
「おーい」
そんなことをしている中で、子供達の声が聞こえてきた。
ガルカやヒュムの少年少女といった、ミスラの少女と同じくらいの年齢らしい子供達だ。
「行っといで。後はこのおっちゃんに押して貰うから。」
しかし尚もとまどう娘に、墓に刻まれた文句を読み聞かせた。
「走って転んで、這いずり回って立ち上がれ、てね。」
そう言われて少女はニッコリと微笑み、新しい友達の方に向かって走り出した。
……はたして、ミスラの少女とモックが実は同い年だったと聞いたら、少女は驚くだろうか?
(完)
そんなわけで、連投失礼しました。読んでいただき、感想を頂ければ幸いです。
遅レスですが、
>>24さん。
ミスラさんの回収とゴブリンの殲滅、お疲れ様です。有り難うございました。
82 :
既にその名前は使われています:2005/05/12(木) 21:49:47 ID:5oX//G3n
改造人間にはならなかたわけだな
83 :
24:2005/05/12(木) 22:00:01 ID:YpzD3hpM
>>81 乙です。フィックを思い出したのは私だけだろうか。
それにしてもお馬鹿書き込みに反応されてしまってむず痒いw
>>82 改造人間にする気満々ですた。
84 :
名無しさん ◆V00/Phqsn. :2005/05/12(木) 22:39:40 ID:UpJ8uVMa
新作きてるぜー 乙!
寝る前の定期age
85 :
既にその名前は使われています:2005/05/12(木) 22:54:40 ID:xd2AgIh6
>>37 おもろいw ユーモアあるセンスがいい。文体はまじめ。
>>57 ちょい感動した;; ただ話の前後がよく分からない。
>>69 オレもフィックを思い出さずにいられない・・・。
みんな、おつ!次回も期待してるage
>>83 むず痒い思いをさせて済みません^^;
ていうか、あの時点で最後まで作っていたので、あの書き込みは見抜かれたようで正直嬉しかった。
まあ、容易に予測できる展開ですが。
皆さん、読んでいただいて有り難う。
実は、私は逆にフィックに関してはよく知らないのですが……
87 :
既にその名前は使われています:2005/05/13(金) 01:20:13 ID:5AWDvOnz
揚
88 :
円舞・オブ・エンド 1/11:2005/05/13(金) 18:40:33 ID:CVLBB1XX
炎上するジュノの宮殿。
ほとんど全ての建造物が瓦礫の山と化している。
幾多のモンスターが人々にとってかわり、町中を蹂躙している。
そこに生存者を見出すことは、おそらく不可能だろう。
凶暴な獣の中で一際目立つ3つの象徴。
アスピ「残るはサンドリアだカメ」
Kベヒ「油断をするぬぁ。倒されるはずの無い息子が倒されたのだかるぬぁ」
ニーズ「サンドリアを最後に残した理由も忘れないでよぉ!」
アスピ「承知しているカメ!」
Kベヒ「わかっておるぁ」
ニーズ「じゃぁ、そろそろいくよぉ!」
耳を塞ぎたくなるような雄たけびを上げ、
HNM軍団はサンドリアへの進行を開始する。
89 :
円舞・オブ・エンド 2/11:2005/05/13(金) 18:40:54 ID:CVLBB1XX
祝福に満たされたプレイオンライン。
とめどなく溢れる3人の幸福感。
タル黒「じゃ、国へ戻ってみんなでお祝いしようよ!」
両手を上げてはしゃぐタル黒。
ヒュム白「そうですねっ。パラディンさん、もう英雄ですよ!」
自分の事のように喜ぶヒュム白。
パラディン「私がここにいるのはみんなのおかげです」
にっこりと微笑むパラディン。
タル黒「じゃ、オイラはさきにもどってみんなにしらせてくるね!」
タル黒「丁度いいから2人はホラから歩いてきてよ^^」
パラディンとヒュム白は顔を見合わせ、互いを確認する。
タル黒「また後でね!へへっ」
デジョン!
タル黒は手を振りながらHPへと帰還していった。
90 :
円舞・オブ・エンド 3/11:2005/05/13(金) 18:41:16 ID:CVLBB1XX
おもむろに語りだすパラディン。
パラディン「タル黒は、私にとって弟みたいな存在なんです」
パラディン「力は無いけど正義感が強くて、なにより素直です」
パラディン「たまにへっぽこやったりしますけどね」
ヒュム白「んー、なんだか妬けちゃいますねっ!」
パラディン「アハハ。じゃあ、ヒュム白さんは妹で(笑)」
ヒュム白は子供のように無邪気に笑うパラディンに
(あなたも正義感が強くて、素直ですよっ。でも鈍感かも・・・)
と思ったが、悟られないように目をそらした。
パラディンはヒュム白の横顔を優しい眼差しで見つめた。
パラディン「では、そろそろホラへ向かいましょうか」
91 :
円舞・オブ・エンド 4/11:2005/05/13(金) 18:41:40 ID:CVLBB1XX
懐かしい景色がパラディンの眼前に広がる。
今日は虹付だ。
パラディン「ラ・テーヌ・・・本当に久しぶりだ」
その時、ヒュム白が後ずさる。
ヒュム白「・・・パ、パラディンさん・・・人が!」
パラディン「!!」
ぼろぼろになり果てた魔道士が倒れていた。
駆け寄るパラディン。
パラディン「しっかりして!なにがあった!?」
ぼろ魔「・・・う・・う。サンドリアが・・・」
パラディン「!?」
ヒュム白「え・・・」
92 :
円舞・オブ・エンド 5/11:2005/05/13(金) 18:42:02 ID:CVLBB1XX
パラディンは走った。
デジョンするというヒュム白を静止し、2人で走った。
パラディン(サンドリアでなにか凶悪なことが起こっている)
パラディン(今、ヒュム白さんを一人で戻すことは危険だ)
ロンフォールの森は・・・
木々は薙ぎ倒され、場所によっては焼き払われていた。
ヒュム白「ひどい・・どうしてこんなことを・・・」
最悪の自体を想定する思考を遮り、パラディンは走った。
ヒュム白は既に蒼白だ。
そしてなにより
パラディン(タル黒!逃げ延びていてくれ!)
サンドリアの城壁が見えてきた。
しかし、いつもと違い、炎上していた。
93 :
円舞・オブ・エンド 6/11:2005/05/13(金) 18:42:46 ID:CVLBB1XX
パラディン「く!遅かったか!!」
ヒュム白「そ、そんな・・・」
絶望が2人の膝を地面へつかせた。
そして、刺客がそれを見つける。
アスピ「あ、生き残りみ〜つけたカメ。ひょひょう」
ヒュム白「! 上位HNMまで・・・」
パラディン「・・・」
下劣に笑うアスピ。
アスピ「うふふw びびっちゃったかなぁ〜カメカメ?w」
俯き地面を見つめたままパラディンが口を開く。
パラディン「・・・お前がこの軍団の頭か?」
Kベヒ「オレもいるずぁ。にっくき息子の仇めぐぁ。ひきさいてくれるうぁ」
パラディン「・・・」
94 :
既にその名前は使われています:2005/05/13(金) 18:44:42 ID:CVLBB1XX
パラディン「歩く盆栽に、太った牛か」
アスピ「気にしてる事言ったカメ!気にしてる事言ったカメ!!」
チロチロとブレスをちらつかせるアスピ。
Kベヒ「なぶり殺しがお好みぐぁ?ぶーるるるぅ!!」
前足で荒々しく地面をいなすKベヒ。
パラディン「ヒュム白さん、離れてサポートをお願いします」
ヒュム白「え!? はいっ!」
デュナミスで貸与されたエクスカリバーを握り締め、
パラディンは強大な2匹の獣を睨み付ける!
パラディン「いくぞ!」
今、3つの影が今交錯する!
95 :
円舞・オブ・エンド 8/11:2005/05/13(金) 18:45:11 ID:CVLBB1XX
Kベヒの引き寄せ!
Kベヒ「!」
パラディン「無駄だ。お前のレベルではな」
Kベヒ「そんなことがあるぐぁ!!おらおらおら!!」
Kベヒは前足で跳ね除けるように、パラディンを襲う!
しかし、右手のエクスカリバーで軽々と受け流すパラディン。
パラディン「なるほど。子よりは多少出来るらしいな」
アスピ「おばか、こっちもいるカメー!」
アスピのヘッドバット!
アスピ「!!」
パラディン「さっきも言ったはずだ」
アスピ「ぐふぅ、まさかカメ!」
アスピは一つ覚えのようにヘッドバットを繰り返す!
左手のイージスで受け止めるパラディン。
パラディン「その頭では理解できないようだ」
パラディン「光の洗礼ホーリーガを食らえ!」
96 :
円舞・オブ・エンド 9/11:2005/05/13(金) 18:45:35 ID:CVLBB1XX
古代上位白魔法を唱えるパラディン。
左右の巨体が光の力で吹き飛ぶ!
Kベヒ「ぐふぅ。バカぬぁ」
アスピ「つ、つよいカメ」
歩みよるパラディン。
パラディン「お前達に慈悲は必要ない。狩らせてもらうぞ」
パラディン「む!」
ニーズの引き寄せ!
突然、パラディンの身体が後方へ引っ張られる!
ニーズ「あーあ、みっともないなぁ。僕がやっちゃっていーい?」
パラディン「出てきたな地上の諸悪の根源!」
ニーズ「そういうことは、立場を理解してからいってよね」
ニーズのドラゴンブレス!
近距離からの怒涛の炎がパラディンを襲う!
97 :
円舞・オブ・エンド 10/11:2005/05/13(金) 18:46:35 ID:CVLBB1XX
業火の中を構わず突っ込むパラディン。
ニーズ「そんな!おかしいよ!」
Kベヒ「ま、まずぁい!」 Kベヒのメテオ!メテオ!メテオ!
破壊の鉱石がパラディンの頭上から降り注ぐ。
しかし、それでも躊躇うことなく突き進む。
アスピ「そうか!わかったカメ!」 アスピのトータスソング!
パラディン「ちっ、まさかお前に見破られるとはな」
ニーズ「古代魔法ファランクス2か!!」
パラディン「だが、もう遅い!」
灼熱の炎と巨石を圧しながら、エクスカリバーが唸りを上げる。
パラディン「片手剣系最終奥義!多段範囲無属性WS!」
ボーパル・サベッジ・オブ・ラウド・ウィズ・インーーーーー!!
98 :
円舞・オブ・エンド 11/11:2005/05/13(金) 18:47:15 ID:CVLBB1XX
Kベヒ「ふ、ふがぁぁ」
アスピ「ぐがぁぁ」
ニーズ「わあぁぁあ」
光の渦に包まれもがき苦しむHNM!
すかさず振り返り声をかけるパラディン。
パラディン「ヒュム白さん!ホーリーを!」
ヒュム白「は、はい!」
鮮やかなで圧倒的な強さに見とれていたヒュム白がホーリーを打ちこむ。
パラディン「不要かもしれんが、もう一発、いくぞ!」
ボーパル・サベッジ・オブ・ラウド・ウィズ・インーーーーー!!
技連携ゼロ発動!
パラディンはホーリーガを詠唱。 マジックバースト!
パラディン「世界すら終える連携!最終だーーー!!」
ボーパル・サベッジ・オブ・ラウド・ウィズ・イン・ジ・エンドーーーーー!!!
99 :
K ◆7itcBKEo12 :2005/05/13(金) 18:51:05 ID:CVLBB1XX
T.その伝説、良しとせず
U.蘇るパラディン
V.円舞・オブ・エンド
早歩きで第一部 全3章 完...
ツマンネ
101 :
既にその名前は使われています:2005/05/13(金) 18:58:27 ID:sU6D4Hmy
まて
102 :
既にその名前は使われています:2005/05/13(金) 19:23:37 ID:5AWDvOnz
7スレ目だし、そろそろ最高傑作を決めてみるのはどうか。
103 :
既にその名前は使われています:2005/05/13(金) 20:02:46 ID:VD1RR519
落ちのない漫才をだらだらと見せられたようなやり切れなさ。
上のゴブ小説も展開が唐突すぎてつまんなかった(手紙届ける動機は弱いし、ミスラが生きてたくだりは唐突すぎるし)(´д`;)
お前らさ、自信まんまんに長編書くのもいいけど、まずは人に見せられる短編仕上げたら?
ブリとかの同業者から「良かった」なんて馴れ合い評価もらってもつまらんだろ。
ギャグでもマジメでもいいからさ、もっとより多くに読んでもらえるような短編仕上げなよ
104 :
既にその名前は使われています:2005/05/13(金) 20:12:40 ID:2Vm8wpYq
同意。
特にゴブのはクソつまらん
105 :
既にその名前は使われています:2005/05/13(金) 20:27:34 ID:FRPNcVBZ
取り合えず今後は1,2レスでまとめてみれ。
106 :
既にその名前は使われています:2005/05/13(金) 21:07:49 ID:sU6D4Hmy
てほんよろ^^
なにこのサムいスレ
108 :
ブリジット ◆6acWblMBhM :2005/05/13(金) 21:17:17 ID:mvl1bgOe
じゃあ小説と呼べるか分からんけど、ちょっと変わった形式で物語書いてみるわ
109 :
厨房vs厨房1:2005/05/13(金) 21:46:13 ID:mvl1bgOe
よぉ、やべーマジこのLS久しぶりw
久々にこのLSつけてみたw
おれがつけてない間何やってたん?w
・・・。
みんな返事なしかよw
まあいいやw
つーか聞いてくれよ。
この前バリスタいったんだけど何かくそガキに出会っちまってまじまいったw
今から俺が会話でそのときのこと再現するからきいてくれw
110 :
厨房vs厨房2:2005/05/13(金) 21:47:13 ID:mvl1bgOe
俺あんこくでヤツがモンクねw
モンク選ぶなんてガキっぽいだろ?w
んでさ、おれがヤツの背後にすばやくちかづいて暗黒ギロかましたのね
そしたら一撃でしんだから「よえーw」って俺がいったのよ
普通言うだろ、よえーって
だってほんとによえーんだしw
そしたらなんか向こうキレてて、「てめー石20こあったんだぞ、ざけんなカスが」とか逆キレしてんの
「よえーのがわりーんだろうがw」っておれがガキに説教くれてやったら、
なんかむこう復活したら百烈必死にしだして、おれにあててくんのw
んでおれが倒れたら「よえーのはお前だろボケwwwwww」とかうぜーこと言ってきてて、
それでさすがのおれもマジギレしたから、「あ?殺すぞコラ」つていったら、
「てめーこそ殺すぞおれの親ヤクザだから」とかぜってーウソってわかることいってきてて、
でもとりあえずラチあかねーから味方がたくさんいるとこ戻ったら、
「びびったか?w逃げんのか?w」とか調子こいたことしつこくいうから、
「じゃあお前ここまでこれんのかよw」っていうと来れなくてマジうけたw
111 :
厨房vs厨房3:2005/05/13(金) 21:47:56 ID:mvl1bgOe
「そっちてめーのチーム多いからいったらみんなのぼこられるだけだろうが!」
とかいいつつ、びびってでれねーの
だから俺が「びびりはてめーだろw」っていうと、
「じゃあてめーこっちこれんのかよw」とかほざくから
おれがそっちいったら、向こうのチームたくさんにぼこられて死んだ。
そしたら「バカだこいつw罠にひっかかってんのwまじばかwはいしねーw」
とかなんか頑張ってて、「やべーこいつまじガキだwなに必死になってんのw」
って笑い転げたw
マジうけるだろ?wそいつのばかさにw
んでどうなったかって?
それからそいつ3回くらい殺しておわったw
むこうにはたった2回しかおれ殺されてないw
112 :
厨房vs厨房4:2005/05/13(金) 21:48:30 ID:mvl1bgOe
シャウトで「Kuraudoは弱いw」って20回くらいいってやったよw
あ、Kuraudoってやつの名前ねw
ばかっぽい名前だろ?w
んで、向こうも同じくらい「Aaronはびびりでヘタレのカスw」ってログが全部うまるほど連打してきたw
マジでガキw
やっぱ名前はおれみたくAaronとか普通しぶい名前にするよなw
んで今2回目のバリスタw
でもなぜかやつとオレしかきてないw
【あなたは発言する権利を失いました】
は1?なにこれ?w
【あなたは発言する権利を失いました】
w
【あなたは発言する権利を失いました】
113 :
既にその名前は使われています:2005/05/13(金) 21:57:06 ID:VD1RR519
つ
ま
ら
な
い
えーと、ゴブを書いた者です。
読んでいただいて有り難うございます。
>>103 確かに手紙を届ける動機は弱い。まあ、本人自身も訳の判らない気持ちで届けようとしている、
ということにしようとしたんですが、ようするに私の表現不足だった訳だし、
ミスラが生きていた件に関しても、死んだままのケースも考えなくもなかったのですが、
明るい方向に話を向けたくなってしまい、しかし唐突に見えてしまったのも私の技量不足。
いや、皆さん、不快感を味あわせて申し訳ない。
また、なんか思いついたら書いてみますけど、
ゴブも一生懸命書いたつもりなので、今後も一生懸命書いても大して成長しないかもしれないので、
また不快に感じさせてしまうかもしれないけど、懲りずに読んでいただいて叩いていただければ幸い、というところです。
1〜2レスの作品、というのは、ちょっと難しそうだけど面白そうなので考えてみます。
確かに短ければ誰でも読みやすく理解しやすそうですね。そんな訳で、よろしくお願いします。
115 :
名無しさん ◆V00/Phqsn. :2005/05/13(金) 22:42:45 ID:WWXiGv2H
寝る前の定期age
>>114 >本人自身も訳の判らない気持ちで届けようとしている
これはありだけど、やるならもっと掘り下げて心理描写なり、状況描写なりで、
どうして「わけがわからないなりに」そういう気持ちになったのか、流れをきちんと書かないとダメでしょう。
主人公が動機を「わかってない」のはいいけど、書き手までもが一緒になって「わかんない」と放り投げるのはどうかと思います。
小説なんてのは読ませてなんぼなんだから、読み手に「?」と思わせたまま突っ走っちゃダメですよ。
>>116 少なくともこのスレでは唯一のまともな作品だけどなw
あと、読み手に?をというが、それをあれこれ想像を巡らすのもまた楽しみの一つ。
お前の偉そうな作品と作者を見下した難癖の方がよっぽどつまらんわ。
118 :
おもかげ 1/3:2005/05/14(土) 00:11:27 ID:K1BKMIua
(この戦いが終われば、家に帰れる。かあさんに会えるんだ)
幼い戦士は何かの終末をその肌で感じていた。
確かに、長い年月に渡り聖魔の攻防が続いてきたこの地の凄惨な歴史を知るならば、
そろそろ新しい流れが生まれてもいい頃だ。
幼い戦士の所属する部隊はオークの大群を撃破しつつその本陣修道窟へと進行して行った。
部隊が歩を進めるたびに間引きされるように兵士の姿が消えていく。
ある者はダボイを闊歩す表情の見えない獣人に武骨な武具で打ち付けられ、
ある者はどこから襲われたのかも分からないままに毒蜂に刺し貫かれ、
また、ある者は川辺に巣食う猛魚に食い千切られた。
崖上から射出される矢や、範囲魔法、予期せぬ被害に巻き込まれた者も数え切れない。
ベドーに足を踏み入れたその時から、幼い戦士の心には”恐れ”が存在し続けていた。
(死ぬかもしれない)
そう、自分と言う存在が他者の手によって蹂躙される、始めて芽生えた死の意識。
運良くまだ生き残ってはいるが、力を持たない幼い戦士にしてみれば、
いつ足元に転がっている骸のように、名も知れぬ物になっても不思議ではなく思えた。
ふと、幼い戦士の身体を震わせる不安な感情。
(もしかしたら、この終わりの感覚は、ボク自身の………)
「小僧!しっかり周りを見てろ!脅えてる余裕もないと思え!」
歩みを止めていた幼い戦士を、体躯のいい髭を生やしたモンクが荒っぽく鼓舞する。
「修洞窟が見つかったらしい。しっかり俺に付いて来いや」
119 :
おもかげ 2/3:2005/05/14(土) 00:11:46 ID:K1BKMIua
幼い戦士はすがれるものなど無いはずの戦場で、そのモンクに父親の影を見ていた。
まだ記憶も形成されない内に姿を消した父。
ここダボイの地を進行中に行方不明になったと聞いた。
幼い戦士は父親の顔も、もちろん知らない。
ただサンドリアでは珍しい青い眼をしていたと母親は言っていた。
恐らく会えることはないだろう。しかし、幼い戦士は気が付けばいつでも青い眼を探していた。
「ぼやっとするな!ここからが本番だ。既に先発隊が進行しているが苦戦中だ。いくぞ!」
茶色の目をしたモンクは幼い戦士を怒鳴りつけ、修道窟へと押し込んだ。
幼い戦士の目に禍々しい光景が飛び込んでくる。
「こ、こんな場所が…ダボイより……お、おそろしい………」
「こいつぁ………ひでぇな…」
モンクでさえも声を失っていた。
そこは粘性の高そうな緑色の土壁が、人間ならば許せないような無秩序さで洞窟の構造を成していた。
本来歩くべき場所には、足の踏み場もないほど幾重にも人と獣の死体が転がる。
湿度の高いまとわるつくような空間には血やタンパク質の焼ける臭いが充満していた。
戦士は気が付いて居なかったが、視線を上げれば前線はすぐそこにあったのだ。
命の灯火を消されたものが、前線の輪からはじき飛ばされ、周囲に堆積していく。
誰に言っているの分からない罵声に似た声が飛び交う。
「ナイト殿はまだかー! 戦士では持たぬ、ナイト殿をここへ!!」
突然、幼い戦士の横を槍が飛び去って行った。
120 :
おもかげ 3/3:2005/05/14(土) 00:15:04 ID:K1BKMIua
「ひぃっ!」
幼い戦士はあからさまにすくんでしまった自分が恥ずかしくなり、バツが悪そうにモンクに目をやった。
(あぶなかった。どこから何が飛んでくるかわからな−−−!)
「ぐ、ぐぬぅ…」
モンクの身体には、直角を成して不自然な長い棒が刺さっていた。
「モンクさん!!」
幼い戦士は非現実的なその光景を拒否し自己内に逃げ込みそうな意識を必死に繋ぎ止める。
この状況を理解しようと努める。理解しようと努めるほどに溢れそうな感情を必死に押さえる。
「流れ弾にやられるとはな。な、情けねぇ。小僧、あぶねぇぞ、ふ、ふせてろ」
たった今、そこで知り合ったばかりの名前も知らない相手。
しかし、戦場と言う特殊な出会い、ダボイと父親の面影が幼い戦士に涙を流させる。
「モンクさん、嫌だ。最後まで付いて行くから!一緒に居てよ!」
幼い戦士はありのままの自分−少年−の心をそのままに垂れ流す。
肺を貫通したのか血が溢れる口角から泡を吹きながら、絶え絶えの息で語り掛けるモンク。
「お、お前みたいな、子供が、こんなトコにきちゃいけ…ねぇ………」
「じゃあ、モンクさんがボクを家まで送ってよ! いやだよ! ねぇ! ねぇ!!」
しかし、その言葉にモンクが応じることはなかった。
冒険者としては不本意な結末だったかもしれない。
ただ、不思議とモンクの顔には笑みとも取れる表情が残されていた。
幼い少年はモンクの熱い胸に突っ伏しながら、いつまでも戦場の真っ只中で慟哭した。
121 :
K ◆7itcBKEo12 :2005/05/14(土) 00:16:28 ID:K1BKMIua
うーん、短いから詰め込んじゃったかも〜
122 :
◆C2ck3J5VBA :2005/05/14(土) 00:48:30 ID:H/ep8Y2e
よーし、張り切ってパパは1時間半で作った短編を無謀にも処女投稿しちゃうぞー。
ヴァナの世界観は若干無視('ω')頑張って大幅脳内補完してください
一応タルタルのお父さんの話考えてみますた。
123 :
Family ◆C2ck3J5VBA :2005/05/14(土) 00:51:55 ID:H/ep8Y2e
ある日ある時ウィンダスにタルタルの女の子が暮らしていた。
彼は三日後に10歳の誕生日を迎える予定の子だ
「ねー、おとーさん、僕ね、大きくなったらパパみたいに凄い黒魔法使いになりたいな!」
にこにこした顔で彼女は父親である私に微笑んでくれる
私の子の名はルルカ、私の自慢の娘だ
「ふふ、ルルカも段々昔のお母さんに似てきたな〜」
私の名はアルフ、今年で42になる
「そうかな?私きーっとお母さんみたいに綺麗な女の人になるんだ」
今は亡き妻のミララよ、娘はこの通り、実にお前に似て素敵な女の子になったよ。
「そうかそうか、お前は才能も驚くほどあって、魔法学校もクラスで一番の性能だそうだな」
でも妻よ、私はいつも思うのだ、お前が居なくなったあの日の事を・・・・・
「おとうさん?どうしたの?」
ふと娘の声が耳に届き、意識が現実に引き戻される。
「ううん、なんでもないよ」
「おとうさんいつもお母さんの分も頑張ってるから疲れちゃったんだよ、世界中のお話は、また明日聞かせてね。」
そう娘は微笑むと、私も思わず笑顔になる
「そうだな、今日は早く寝るとするよ、おやすみ、ルルカ」
「おとうさんおやすみ♪」そう言い残し、私は布団に体を預けた・・・・・・
124 :
Family ◆C2ck3J5VBA :2005/05/14(土) 00:53:22 ID:H/ep8Y2e
・
・
「あなた、私はもう、ここまでよ・・・・・・」
「何を言ってるんだ!気を持て!まだ7歳のルルカに寂しい思いをさせる気か!」
「あいつは私が全魔力を使って封印した、もし封印が解けるような事があっても、ヤツは今日の40%の力程度しか出ないわ・・・」
「何言ってるんだ、俺達二人で封印した以上、占有権のある俺とお前であいつを倒すしかないだろう!
占有権が解けてしまってはヤツはまた100%、いや、それ以上になってしまうんだろ!?」
「それでも大丈夫、あなたは私が愛した、最高の黒魔道士よ・・・・・・」
「!!!!」
跳ね起きるアルフ、辺りはすっかり朝になっていた・・・・
「あの夢か・・・・・・」
もう朝の10時・・・・ルルカはとっくにでかけたようだ・・・・・・・
紙が置いてある
【朝ご飯作っておいたよ、あたためてたべてください】
125 :
Family ◆C2ck3J5VBA :2005/05/14(土) 00:54:28 ID:H/ep8Y2e
暖めた少し遅い朝食を取りつつ彼は考えていた
(( 私に、私に出来るはずがないじゃないか・・・・・ミララは魔法学校をトップで卒業したが
私は二浪したいわば【落ちこぼれ】・・・・・・ ))
頭を抱え、彼は悩んだ
「ヤツを開放した所で、私がヤツを倒せるだろうか
私がもし死んだら、ルルカはどうなるのだ?
それに週間雑誌【週間ファイガ】に連載中の【内藤アドベンチャー】の続きが気になるではないか・・・・・・・・
いや、それは二の次か・・・・・?
ミララの遺影をふと眺めた後、彼は思わず慣れない手つきと、アルタナ崇拝者だった妻の見よう見まねで
思い出しながら祈りを捧げてみた
(( 妻よ、私はどうしたらいい・・・・・ ))
ふと頭の中に、私が愛する妻の笑顔がふと浮かんだ
とぅびぃこんてぃぬう
126 :
Family ◆C2ck3J5VBA :2005/05/14(土) 00:56:00 ID:H/ep8Y2e
そのまま続き↓
1日を、長いと言う人がいる、でも短いと言う人も沢山いる
「・・・・・やっぱり祈り方が悪かったのか?」
ここに、【短い】と捉えているであろう悩める黒タルが頭を抱えていた。
そうこう悩んでいる内にドアが開く音がした
とうとう娘が帰ってきたのである
「お父さんただいま」
いつもに増してそわそわしている父を余所に娘はいつも通り笑顔で帰ってきた
「おかえりなさい」
いつも娘に話しかけられる時は、この荒れきった心が落ち着く、まるで私のオアシスだ。
「お父さん、どうしたの?」そう突然聞かれると心臓の鼓動が早くなるのを感じた
子供であろうとこのそわそわ感は見破られてしまう物なのだろう
(( 落ち着け、落ち着け、私は人を違法に殺したワケじゃないんだ、物も生まれてこの方盗んだことはないし
、ギャンブルに手を染めた事だって一度もない、落ち着くんだ、落ち着け俺ぇぇぇぇ ))
「おとう・・・さん?」首をかしげる娘にアルフはこう答えた
「ふ、2日後にお前は誕生日だろ、な、何が欲しいかなってずっと考えてたんだ」
そうごまかしたが、自らの言葉にふと気が付いた
(( そうだ、誕生日プレゼント・・・・・どうしたらいいんだろう ))
127 :
Family ◆C2ck3J5VBA :2005/05/14(土) 00:57:24 ID:H/ep8Y2e
確かに最近の子供と言うのはクリスタル戦争以降文化が豊かになり
特に少女の趣味と来たらカードゲームだとか人形遊びだとかなんとか・・・・・
色々種類も多様でどんな物を買えばいいのか、父としては困ってしまう限りである。
すると娘はしばらく恥ずかしそうにもじもじした後、こう答えた。
「一度で、一度でいいの、お父さんが格好良く戦って、悪いヤツをやっつける所を、一度でいいから見たいの」
その言葉にアルフの表情は凍り付き、脳裏に三年前の【ヤツ】の姿が浮かんだ。
「ヤツの力は、3年で封印した結界を突き破って、能力制限の唯一の解除キーであるあなたを殺りに来るわ・・・・」
「でもあなたなら、あなたならきっとなんとか出来るわ・・・・・・」
'''何言ってるんだ!俺が、俺なんかが、あんな化け物、倒せるワケが・・・・・・'''
「あなたは、最高のパパよ?ルルカの為だったら、なんだって出来るはずよ、そして
貴方にはそれができるの・・・・・」
128 :
Family ◆C2ck3J5VBA :2005/05/14(土) 00:58:38 ID:H/ep8Y2e
・
・
・
「ごめんない・・・・・戦うってのは、大変な事、分かってるの・・・・・」
意識が現実に戻され、娘が青ざめた顔で謝罪してるのが認識出来た。
「ルルカ、私は明日、とんでもない化け物と戦う、それを見る覚悟は・・・・・あるかい?」
彼はいつになく真剣な顔になり、娘に問いただした
「う、うん・・・・・・・」
「いいかい?お父さんの話をよーくきくんだ
明日、お母さんを殺した悪ーいヤグードがまたサルタバルタに来る、
お父さんはルルカを守る為にそのヤグードを懲らしめに行ってくる、見たいなら、お母さんが持っていた貴重な水晶玉がある
それを使って見るんだ、でも、ルルカが思うより、ずっと恐ろしい戦いになるよ、それでも、現実から逃げない覚悟は
・・・・あるかい?ルルカ」
幼いながらの娘にも、我が父が命をかけて、皆の為に戦う事を察した
勝ち目が、薄い事も・・・・・・・・・・・・・
129 :
Family ◆C2ck3J5VBA :2005/05/14(土) 00:59:52 ID:H/ep8Y2e
「・・・・うん、お父さん、負けないでね」
いつも元気な娘の瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた、
この子が泣いたのは、君が逝ってしまって以来だろうか・・・・・・・・
私がもし死んでしまえば、この子はもう一度大粒の涙をこぼさなければならない・・・・・・
「ルルカ、お父さんは君の笑顔が一番好きなんだよ
だから、帰ってくるよ、ルルカの為に、ミララの為にも、僕の為にも・・・・」
夜、彼は自分のベッドの下から地下室に降り、懐かしき数々の武具と再会した。
冒険者として現役時代に使っていたアーティフェクトと呼ばれる装備----のレプリカ
しかし、性能は確かだ、信用出来る装備である
ミララの形見のルーンスタッフ、そしてずっと修得出来なかったフレア
今なら、こいつを扱えるだろうか・・・・・・
彼は、恐怖を紛らわす為、杖を抱えたまま、その日は夜を過した。
130 :
Family ◆C2ck3J5VBA :2005/05/14(土) 01:01:07 ID:H/ep8Y2e
翌日、サルタバルタ:郊外
地図にも載っていないような隠れた場所、ここにヤツは鎖でつながれている
準備は出来ている、娘もきっと水晶玉で私を応援してくれるだろう
天国の妻の応援してくれている・・・・・・・怖い物なんて一つもないんだ・・・・・
地面を少し掘ると、そこから鉄板が見えた、それをトラクタで動かすと、下には見事に魔法陣が書いてあった
指を噛み、その血を魔法陣に垂らす、と結界が段々薄くなり、地獄の底から響くかのような地鳴りが聞こえ
途端にその場の空気が変わり、押しつぶされそうなプレッシャーを感じた。
だが、3年前はこんなものではなかった、かつては余りの実力の差に、妻が手を握り返してくれるまで
恐怖で立てない程だった。
「ウガアアアアァァァァァァァァァァ!!!!」
すさまじい雄叫びと共に、魔法陣から黒いヤグードが飛び出してきた。
「3年振りだな、地獄の鴉・・・・・今日こそ引導を渡してやる・・・・・・」
ヤグードは出会い頭にスタンを詠唱したが、アルフの方が一瞬早く、ヤツの詠唱は未遂となる
131 :
Family ◆C2ck3J5VBA :2005/05/14(土) 01:02:07 ID:H/ep8Y2e
砕け散れぇぇぇ!ブリザガII!!!
それを止める為、ヤグードはスタンを入れ、一発殴りかかった、が魔法は止まらない、攻撃も当たらない
気がつけばヤグードの左手20m先で彼はブリザガをそのまま詠唱していた。
先読みしてブリンクバンドでブリンクを先にかけて居た事により、分身が変わりに攻撃を受け止めたのだ
アルフのブリザガは無事その詠唱を完遂し、ヤグードはブリザガをそのまま喰らい、地面に伏した
(( 手応えはあった、だが、この程度で終わるヤツじゃない・・・・・ ))
ふと殺気を感じ、後ろに思いっきりルーンスタッフをスイングする
(( ドンピシャ・・・・・! ))見事彼の読みは的中、腹部に彼のルーンスタッフがあたり
ヤグードがタルタルの一撃に空を舞った、が運はそうそう続く物ではない。
そのまま彼は追撃にエアロ3を放つ、が効き目が悪いのを感じる
(( マズイ、レジスト・・・! ))直撃を運良く避けたヤグードはここが転機といわんばかりに
砂を掴んでアルフの顔に放り投げた・・・・ふと目を彼はつむってしまう
その次の瞬間、ヤグードの杖によって報復を受け、彼は宙を舞った後、地面に垂直落下していく
ヤグードは流れが自分に来ているのを悟り、トドメに入った
魔力の泉を使った後、ヤグードは渾身のクエイクをアルフに放った
丁度落ちてきた所にクエイクをその身に直撃させてしまい
ヤツが現れてから5分もした頃には形勢は完全に逆転していた。
132 :
Family ◆C2ck3J5VBA :2005/05/14(土) 01:03:43 ID:H/ep8Y2e
((ボーっとする・・・・久々に激しい運動したから疲れちゃったな・・・・・
大体3年も動いてない二段腹のオヤジが戦ってるんだぞ・・・・・
こんな時に娘の笑顔があれば、元気出るんだけどなぁ・・・・・))
そんな下らない事をふと彼は考えていた、すると
(( お父さん・・・・・ ))
娘が私を呼ぶ声が聞こえた、幻聴だろうか・・・・・・・
いや、そうだとしても、娘が見てるんだっけ、帰りを待っているんだっけ・・・・・・
そんな事を考えている内に、虚ろな目のまま、彼は不思議と立ち上がっていた
<<< 何故、立ち上がる・・・・? >>>
そんな事を目の前のヤグードに言われてる気がした
思考があんまり動かない、けど彼はボソっと呟いた
「だって、明後日も釣りギルドで働いて娘の給食費払わないと・・・・・」
・・・・・・・なんで魔法を使ってこないんだろう?
・・・・・・同情か?そんなワケないだろ・・・・・・・・・・
ヤグードは何度も魔法を撃つしぐさをするが、魔法は出てこない
133 :
Family ◆C2ck3J5VBA :2005/05/14(土) 01:05:52 ID:H/ep8Y2e
彼が虚ろになっている間にも、彼は古代クラスの魔法を何発も何発も打ち込んだのだ
でも、アルフは気付いていない
ヤグードの魔法を総てレジストし、専門外であるはずのケアルを使い、自らの体力を回復させた事を
アルフが意識がない間も、彼は無意識に魔法をうち続け、戦況をひっくり返していた事も
ずっと落第点をつけられて、冒険者として妻と世界中を冒険している間も
結局最後まで唱えられなかったフレア、今なら使えるだろうか
なんか今なら凄い魔法が使える気がする・・・・・・
渾身の力を込めてアルフは叫んだ「フレア!!」
彼の手から、線香花火のようなチャチな炎が出てきた。
・・・・・やはり唱えられないな・・・・・どうしようか・・・・・・
134 :
Family ◆C2ck3J5VBA :2005/05/14(土) 01:07:32 ID:H/ep8Y2e
<< あれにトドメを刺すんだったらもっと強い魔法を使わなきゃ
ねぇ、私が初デートでラプトルに使った一番強い魔法、覚えてる? >>
(( 妻よ、忘れるものか、あの魔法は、人間の使うような魔法じゃなかったからな・・・・ ))
メ・テ・オ・・・・・・・
彼は禁断魔法と呼ばれるその魔法を唱えると、そのまま倒れた
<< やっぱり、貴方は最高の黒魔道士よ、その子供であるルルカの成長がとても楽しみよ・・・・
ずっと、あなた達を見守ってるからね、アレフ・・・・ >>
(( おせっかいな所は、変わらないな・・・・・ ))
135 :
Family ◆C2ck3J5VBA :2005/05/14(土) 01:09:09 ID:H/ep8Y2e
翌日・・・・・・
「おとうさーん、昨日の、新聞に出てるよー」
ウィンダス新聞:サルタバルタに巨大な隕石、一体何故?
「いたたたた・・・・お父さん、久しぶりに派手に動いたから筋肉痛で・・・・・・」
結局、妻の助けもあってデジョンで帰ってきたようだ
「・・・・・おとうさん、格好良かったよ♪」
いつもの娘の笑顔、ああ、私は幸せだ・・・・・・・
「そうかそうか・・・・・」
「ねぇ、突然だけどお父さんは、どうやってお母さんにぷろぽーずしたの?」
「【えっ!?】・・・・・なんだっけなぁ・・・・・・・」
思い出した
「このウィンダス最高の黒魔道士の僕が、必ず貴方を幸せにして見せます!
だだ、だから結婚して、結婚を・・・・・」
「こちらこそ、喜んで♪」
娘の笑顔は、あの日の妻の美しい笑顔を思い出させてくれた
fin
136 :
◆C2ck3J5VBA :2005/05/14(土) 01:10:58 ID:H/ep8Y2e
以上、おしまいです ヾ('ω')ノ
またその内廃プレイしながらも暇を見て
別の物を投下するかもしれないしないかもしれない
おやすみなさい ヾ('ω')ノシ
137 :
ブリジット ◆6acWblMBhM :2005/05/14(土) 02:08:28 ID:x6IUxRVW
なあ、FF11のオフ会が主な話の小説でもいいか?
ちょっと出来上がったんだけど、けっこう面白くなりそうなんだが
138 :
既にその名前は使われています:2005/05/14(土) 06:45:58 ID:zYTAb/2A
いいと思う。
元々、あんたの1作目はプレイヤー視点だったと思うが。
139 :
既にその名前は使われています:2005/05/14(土) 08:01:00 ID:F4zMV1Jf
>ある日ある時ウィンダスにタルタルの女の子が暮らしていた。
→へー女の子かあ(´・∀・`)
彼は三日後に10歳の誕生日を迎える予定の子だ
→彼!? 誰!?
「ねー、おとーさん、僕ね、大きくなったらパパみたいに凄い黒魔法使いになりたいな!」
→僕? 男の子と女の子二人出てくるのかな?
にこにこした顔で彼女は父親である私に微笑んでくれる
→この子性別どっちよ(´д`;)
私の子の名はルルカ、私の自慢の娘だ
→女か? 女なのかああああ?
最初からぐだぐだなんでぃすが。
かつて「友」と呼んだ相手に向けて、狩人はゆっくりと弓に矢をつがえた。
相手もまた、それに応じて刀を抜き払い構えを取る。
しかし、その構えからは微塵にも殺気が感じられない。
まるで練習試合のような、死を賭した戦いを始めるとは到底思えぬほどに儀礼的な態度……
判っている。お前は俺に殺されるのを待っているのだ。
まるで餌をねだる雛鳥のように、口を開けて俺の矢が放たれるのを待っているのだ。
そんな相手には矢は射れぬ……とばかりに、狩人が弓を下ろそうとした、その瞬間。
相手は豹変し、凄まじい気迫で猛然と狩人に向かい突進した。
狩人は慌てて身を翻してやり過ごそうとする。
まずは間合いを取り、そして戦いを中断するため武器を下ろして相手を押しとどめ……
しかし、その意に反して狩人は、既に相手の心臓を射抜いていた。
相手の本物の殺気に応じて、体に根付いた狩人としての本能がそうさせたのか。
相手は……そのヤグードの武士は倒れ、もう身動き一つ見せることはなかった。
その物言わぬ死に顔は語る。
これでいいのだ、我らが互いに友と呼んだとき、こうなる運命が定められたのだ、と。
狩人は刀を見ると、持ち方が逆になっているのに気づいた。これでは峰打ちの状態だ。
狩人は、かつて共に語り明かした夜を思い出しながら、相手の首飾りをそっと外した。
そして風クリを取り出して、おもむろに合成を始める。
「草布ダースで3000ギルだったか?安いなぁ……あ、土クリ忘れた。」 (おわり)
>>137 オフ会の話ならこことは全然関係ないでしょ。
世界観なんて関係ないじゃん。
オフ会スレに貼れば?
いや、いいんでない?
ある程度FFの内容ふまえてるんなら。
143 :
あこがれ 1/3 K ◆7itcBKEo12 :2005/05/14(土) 13:31:58 ID:K1BKMIua
ついに修洞窟まで攻め込んだサンドリア王国獣人討伐隊。
しかし、前線は明らかに押されつつあった。
狭く足元のおぼつかない環境に戸惑う兵士、恐怖に打ち負かされ自失する兵士。
だが獣人は敵味方所構わず凶悪な鈍器を振り回してくる。
後から後から送り出されて来る獣人に、力尽きるように命が消えてゆく。
幾多の傷を作り、息を切りながら、自ら死へと向かうかのように特攻していく兵士を、
果たして勇敢だと言うのだろうか。
気が触れたのか、狂気に満ちた笑い声を上げている者もいる。
切り落とされた身体の一部を捜している者もいる。
幼い戦士は冷たくなっていく骸の側に座りこんでいた。
急激に膨らんだ悲しみに恐怖をも混ぜて吐き出されたかのように、
静かに眼前の攻防を見つめていた。
(いっそここでやられてしまったほうが、楽かもしれない)
その胸は、そんな自棄的な感情に支配されつつあった。
心細い戦場と言う場所で見つけた拠り所。
幼い戦士は、それを喪失したことで、命への執着がわずらわしく感じられた。
そっと立ち上がる。ゆっくり歩を進める。一歩、二歩、−−−
「待て」
不意に、銀色の手甲に幼い戦士の歩みは制止された。
144 :
あこがれ 2/3 K ◆7itcBKEo12 :2005/05/14(土) 13:32:22 ID:K1BKMIua
「ナイトさん・・・」
白を基調とし、銀で縁取られたその鎧姿は誰もが知っている。
重要な戦闘では常に中心的な役割を果たして来た、サンドリア王国が誇る英雄。
「しっかりするんだ。いいかい、戦場に飲まれちゃダメだ。君はここで待機するんだ」
「・・・いえ、いいんです。行かせて下さい」
幼い戦士の肩に手を置き、諭す様に語りかけるナイト。
しかし、頑なにそれを拒否する幼い戦士。
ナイトは腰を落とし、神聖と称えられた瞳でまっすぐに幼い戦士を見つめた。
「そうか、では無謀な特攻を許して、私は君の母上になんて言えばいいんだい?」
”母”とう言葉に少年の心が脈打った。
「なんでかあさんのことを・・・」
「気が付いた居なかったのか? 君はずっと”かあさん”、”かあさん”と呟いていたよ」
流したばかりなのに、幼い戦士の瞳はまた溢れそうになる。
しかし、今度は涙だけはこらえるように、嗚咽を繰り返すだけだ。
ナイトは勇気付けるように乱暴気味に幼い戦死の頭を撫でた。
「そこにいるんだよ。いいね」
「ナイトさん、その力でみんなを救って下さい!」
「幼き戦士殿、明日の遊びの予定を立てておく事だ」
微笑みで希望を受け止め、ナイトは前線へ駆けて行った。
少年にはその背中は眩いほどの光を伴って見えた。
145 :
あこがれ 3/3 K ◆7itcBKEo12 :2005/05/14(土) 13:32:39 ID:K1BKMIua
「さぁ、ここからが正念場だ! ここまで攻めて、今更引き返すことは出来ぬぞ!」
ナイトが前線の兵士たちに声を掛け、鼓舞する。
「私が最前線を張る! 後に続け!」
決して太くは無いが良く通る声は直接的に兵士たちの士気に作用する。
「ナイト殿! みんな、ナイト殿が到着されたぞー!!」
洞窟内を満たしていた狂気が、一人の騎士の存在によって払拭されていく。
ナイトは中央へ躍り出る。獣人の攻撃を盾で受け流し、剣技を叩きこむ。
その剣は、右から左から高速に振られ、下から突きあげ、上から叩き落とされる。
重力というものを知らぬ円舞のごとく自在な剣さばきは味方ですら見惚れた。
進行を続けながら詠唱される回復魔法は、短く素早く周囲の負傷者に照射される。
ナイトを中心にして切り刻まれた獣人が、絶え間なく円状に弾き飛ぶ。
「赤魔道士は残っているか! リフレシュを頼む!」
「黒魔道士、狩人は私の後ろから攻撃を仕掛けろ!全力で行きたいならな!」
「負傷した前衛は後ろへ退け! 白魔道士に治癒を願い出ろ!」
的確な指示が飛ぶ。混乱の極みにあった討伐隊が正常に機能してゆく。
(すごい・・・。世の中にはこんな桁外れの戦闘を出来る人がいるんだ)
この光景は幼い戦士に永遠の記憶として残るだろう。
破壊力をともなった軽やかな動き、アーティファクトの輝き、血生臭い戦場を一瞬に洗礼するその力。
全てが幼い戦士を魅了して止まなかった。
幼い戦士は微熱を伴った感動でもってナイトの一挙手一投足を追っていた。
146 :
名無しさん ◆V00/Phqsn. :2005/05/14(土) 22:33:05 ID:tWXeYX+L
寝る前の定期あげえええ
147 :
既にその名前は使われています:2005/05/15(日) 06:24:35 ID:g8vT1QTK
揚
小説なら何でもいいが、ブリは創作スレを荒らした前科があるからな
このまま謝罪無しならコテ捨てるか出ていけ
149 :
名無しさん ◆V00/Phqsn. :2005/05/15(日) 22:11:10 ID:9/qBuzMl
寝る前のあげー
150 :
タルタルさん ◆RDDTDHcoa2 :2005/05/15(日) 22:46:08 ID:2j0zVb3F
今日は晴天、玉葱タルタルは無職なので今日も当ても無く散歩です。
玉葱タル「セックース!オナーニ!マッターリ!(マンセー !セックース!オナーニ!マッターリ!(マンセー!」
トウキョウアンダーグランドを口ずさみながらサルタバルタをカッポカッポ
玉葱タル「セックゥゥゥッス!!オナァッァアァアニ!!まぁぁぁあああ!!!1まあぁぁあ!!」
ポニテルタル「・・・・・・」
何たる不幸!憧れのポニテルタルにこんな歌を歌っているところを聴かれてしまった。
玉葱タル「よ、よお!」
ポニテルタル「こ、こんにちは・・・^^;」
やばい!!!^^;を使われている!!引かれている!
玉葱タル「い、、、いい歌だろ?」
ポニテルタル「・・・・・・^^;」
玉葱はそのとき悟った、自分が無職でありどうしようもないタルタルであることを。
151 :
タルタルさん ◆/ACPYkjofE :2005/05/15(日) 22:47:28 ID:2j0zVb3F
玉葱タル「しゃかいにぃいいい馴染めぬ引き篭もりやろうが匿名をかざしえらそに語るよなぁぁぁ!!」
玉葱タル「語るよな!!」
ポニテルタル「えっ!・・・・」
玉葱タル「語るよな!!」
ポニテルタル「わからないです><」
玉葱タル「語るんだよヴぉけが!!クソガ、、、、どいつもこいつも私をなめやがって、、、」
玉葱タル「無職か!?無職がいけないのんか!?」
ポニテルタル「い、、、いろいろ駄目だと思います・・・」
玉葱タルは泣いた。心のそこから泣いた。そして彼はこれをバネに冒険者となり立派なタル竜騎士となるのは3年後の話である。
152 :
かいほう 1/3 K ◆7itcBKEo12 :2005/05/15(日) 23:06:45 ID:kZalctd/
勢いを取り戻した討伐隊はナイトを筆頭に進行を続ける。
歩を進めてはいるが、積る疲労と受けた打撃は確実に隊を消耗させている。
深淵に達するほど闇が深くなるように、獣人の攻撃もまた厳しさを増していった。
「う、うわあああ!! きたぞー!!」
突如、東側の通路を攻めていた部隊から悲鳴が上がる。
振り返ると、雪崩が逆流するように次々と兵士の身体が宙を舞っていた。
「何事だ!? 報告しろ!」
「な、なにやら黄金の兜をつけたオークが現れたようです!」
ナイトは惨劇が始まった現場へと駆ける。”黄金の兜”をかぶったオークの噂は聞いた事がある。
(やはりここにいたのか、オーク神!)
近づくほどに重い足音までも響いてくる。洞窟からは悪とは思えぬ金色の反射光が漏れている。
入り口から飛び散る鮮血と身体、恐れから後退する兵士、構わずナイトは洞窟へ突っ込む。
現場を目撃した瞬間、一瞬足を止めそうになった。だが、戦いの意思がそれを良しとしなかった。
洞窟の中には、巨大な剣で兵士を束にして貫き、強大な力で振り回す獣人の姿があった。
黄金の甲冑に身を包んだ一際大きいオーク。獣人オークの大君主、オーク神。
ナイトは静かに息を整え、剣を構える。
侵略者の総大将に感づいたのか、オーク神は動きを止め、ナイトを見据えた。
・・・我が居城を荒らす愚者ども 小癪な 我れ自ら相手してやろうぞ ・・・
獣人の言葉が直接脳に響いてくる。
「・・・どうやら、その辺の獣人とは訳が違うようだな」
153 :
かいほう 2/3 K ◆7itcBKEo12 :2005/05/15(日) 23:07:11 ID:kZalctd/
オーク神は剣を振り、串刺しにしていた兵士を地面に打ち捨てる。
ビチャッと肉が潰れる音が、取り囲む兵士の間に恐怖を伝播させていく。
隊の士気の低下を嫌うように、ナイトは間を置かずにオーク神の懐へ飛び込む。
「その力見せてもらう!」
上段に構えられた銀色に輝く剣が、一転して下からすくい上げられる。
不釣合いに小さな盾で受け止めるオーク神。固唾を飲む戦場に鈍い音が響く。
ガードを弾き飛ばし、その剣は振り戻しの反発力から横一線に振り抜かれる。
しかし、兜と同じ黄金で固められた牙に弾かれる。やや体制を崩すオーク神。
始動の瞬間、終動し、また始動する剣技はまだ止まらない。
身体の捻りを利用し、肩口から一気に振り降ろす!
「むぅ!」
確かに剣はオーク神の肩を捕らえた。しかし、厚く堆積した外皮を貫けない。
オーク神の罪深い巨大剣がナイトの胸元に突き出される。
ナイトは後方に飛び退き、間合いを取り直す。
(硬い! この剣で切り裂けぬとは)
雄叫びを上げ、想像を裏切る速度で襲い掛かるオーク神。
勢いそのままに、大剣が二度、三度と振り回される。圧倒的な圧力と剣勢がナイトを襲う!
とっさに盾を両手で支えるが、受けきれない。身体ごと吹き飛ばされる。さらに振り下ろされる大剣。
今度は盾を弾かれ、勢いに負けた左腕がだらりと力を失う。あまりの激痛に表情がゆがむ。
「ナイトさん!」幼い戦士が叫ぶ。
154 :
かいほう 3/3 K ◆7itcBKEo12 :2005/05/15(日) 23:07:28 ID:kZalctd/
オーク神はゆっくりと歩を詰め、ナイトを見下ろす。
「オーク神、残念だがさすがに私だけでは荷が重すぎるようだ」
聞いてか聞かずか、感情の読み取れない表情で大剣を振り上げるオーク神。
「だが人は小さな力を合わせる事で未来を切り開いてきた」
頂点から振り下ろされた大剣が音を立ててナイトの頭上に迫る。
「私達は部隊で戦っている。悪く思うな! インビンシブル発動!」
溢れんばかりの生命の光がナイトの身体を駆け上がる。
「今だ!放てー!!」
機を伺う様に静かに詠唱されていた魔法が後方から一斉に放出される。
幾多の方向から戦場に魔術のアーチを描き、オーク神目掛けて収束していく。
光の渦が不意を付かれたオーク神を包み込む。もがき苦しむオーク神。
収まりきらない力が、高密度の乱気流のようにオーク神の巨大な体躯を捻り上げる。
内側から拡散した魔力が、その巨体を膨張させていく。
・・・聴け、愚かなる人間ども 例え、我が倒されても、代わりは北から・・・
瞬間、地鳴りを伴う轟音が洞窟内に響き渡り、後を追うように爆風が駆け抜けた。
壁が崩れ落ち瓦礫と化し、砂塵が舞い上がる。
大地の揺れが収まるのを待ち、幼い戦士はゆっくりと目を開けた。
眼前から巨悪の姿は消滅していた。
一息ほどの静寂の後、修道窟でおそらく始めての歓声がこだました。
155 :
あとがき 1/1 K ◆7itcBKEo12 :2005/05/15(日) 23:08:29 ID:kZalctd/
左肩を押さえ、幼い戦士の元へ戻ってくるナイト。
「さあ、国へ帰ろう」
前線に赴く前にも見せてくれた穏やかな表情がそこにはあった。
この戦争の犠牲者となったモンクの手をそっと組み合わせる幼い戦士。
「ナイトさん、青い目の戦士を見たことがありますか?」
ナイトは唐突な質問に意表を付かれる。
「ボクは行方不明になった父の事が少しでも分かったら、そう思ってこの遠征に参加したんです。
もう会えないことは分かっているつもりです。でも、ちょっとでも近づけたら・・・。
父の歩んだ道を通る事で、父を感じる事が出来たら、そう思って」
ナイトは戦場で父親を失った子供を数え切れないほど見てきた。
そして、多くの子供が父の姿を求め戦場へ赴いては、凄惨な現場に心を冒されるのを知っていた。
兵となり、国のため敵を討つ。そんな戦場における至極真っ当な動機を持たないからだ。
ナイトは静かに口を開く。
「一人だけ知っているよ」
幼い戦士は大きく目を見開き、弾かれたようにナイトに向き直った。
ゆっくりとした動作でナイトは幼い戦士を指差す。
「君だよ。君自身が青い目をしているよ」
不意を付かれ、はっとする幼い戦士。
(僕自身・・・)
少年の中で、セピアの箱に閉じ込められていた何かが広がっていった。
156 :
K ◆7itcBKEo12 :2005/05/15(日) 23:10:54 ID:kZalctd/
>>156 ごめん。読むのがしんどいので話の筋は理解してない。
歩を詰める → 「歩み寄る」の方がいいんでない?
幼い戦士 → 「幼い」が子供に対する表現ぽいのでなんか腑に落ちない。
以上は主観だけど、そういうのが全文に渡って点在しているので、読むのが辛くなった。
というのが、真っ正直な感想。
158 :
ブリジット ◆6acWblMBhM :2005/05/16(月) 05:26:19 ID:KoAmbxwO
↓この文章はすごい。久々に衝撃受けた
この前、街行く小学生がノーブラだったんで
思わずムラムラして「おっぱい見ーせて☆(^・^)」って
声かけたら「うん!いいよ☆」って快く承諾して
くれて、その成長過程のおっぱいの谷間のところに
顔うずめて「ぱふぱふ!」ってしようとしたら
急にその小学生のおっぱいが膨張しはじめて、
そしてついに爆発した
これが世に言うビッグバンである
宇宙はこうして生まれた
そして数十億年の歳月が経ち
現在の我々がここにいるのだ
159 :
既にその名前は使われています:2005/05/16(月) 10:50:25 ID:usfdKXuN
(ノ-_-)ノ
160 :
ロールプレイ ◆ElEQ6LfupE :2005/05/16(月) 13:15:49 ID:S50fZeAV
これは逃避じゃない。
これは戦いだ。
モニターに浮かぶLv75の文字。
ニンマリ笑う。そうだ、俺は強い。
「ヨシオ〜、ご飯よ〜」階下から声がした。うるさい、黙れ、邪魔するな。
たとえば俺は無職だ。
たとえば俺はもう50だ。
だが、それがどうした? ささいなことだ。
人は人生の中で、役割を演じ続ける。
俺はヴァナという世界で、自分の演じるべき役割を見つけた。
それだけのことだ。
違いはない。
だけど奴らは理解しない。ニートだ、引きこもりだと俺を責める。
161 :
既にその名前は使われています:2005/05/16(月) 13:16:38 ID:S50fZeAV
だから俺は戦う。もっと! もっと! 強くあるために。
画面の中で俺は剣を振るった。
じじいが倒れた。
唐突に始まるイベント。やった! 俺はやったのだ!
勝利の味をかみ締める。この快感。この幸福。なにものにも代えられない。
「よしお…」
ドアの外で声がした。チッ…顔をしかめ、舌をうつ。邪魔された。台無しだ。
「うるせぇ! ババア! 叩き○すぞ!」
叫んだ。それどころじゃないのだ、理解しろよ。空気読め。
俺は目を血走らせながら、画面に流れるログを追った。
「達成するものがおるなど…正直、このマート世界の広さを知らされる思いじゃ」
──そうだろう、そうだろう。
「…いや、もっとすごいもんが欲しいだろう、クラーケンクラブとかリディルとか」
──いらねーよ、どっちも持ってる。
「…やはりそれがいいというのか」
──そうだ、それをよこせ!
興奮に、ごくりと唾を飲み込んだ。
「よしわかった…まばたき一つするんじゃないぞ」
震える手でボタンを押す。…押した。
162 :
ロールプレイ ◆ElEQ6LfupE :2005/05/16(月) 13:17:29 ID:S50fZeAV
その瞬間。
モニターが強く光った。
閃光に包まれる。
「うわ! うわあああああああああ!!!!」
真っ白になる視界。光の中俺は叫んだ。
叫びはやがて…悲鳴へと変わった。
……あれから、どれだけ時間が過ぎただろう。
俺は今、ジュノにいる。
画面の中。モニターの中にいる。
じじいのくれた帽子をかぶり、ひたすら拳を振り続ける。
顔はパンパンに晴れ上がり、血だらけだ。体中傷だらけ。あちこち痛む。疲労もすごい。
それでも俺はここから動けない。眠ることも…倒れることすらできない。
来る日も来る日も、ひたすら拳を振り続ける。
163 :
ロールプレイ ◆ElEQ6LfupE :2005/05/16(月) 13:18:15 ID:S50fZeAV
また、冒険者がやって来た。
限界を超えに来たのだ。
勘弁してくれ。
俺は心の中で悲鳴をあげる。
だが、心と裏腹に口が勝手に動き出す。
「よく来たな………」
俺は泣いていた。
どうして、どうして、この俺がこんな目に…。
ボロボロとこぼれる涙。
だが、しかし、目の前の冒険者は容赦なかった。剣を抜き、問答無用に斬りつける。
そして、俺もまた拳をかまえた。意識とは裏腹に体が動く。逃げられない。
ブシャアアアア!!!
血飛沫があがった。…それは、俺の血。俺の痛み。
どんなに切り刻まれようと、どんなに苦しもうと、俺は死ななかった。
ギリギリのラインで回復し、また立ち上がる。
永遠に終わることのない無限地獄。
164 :
ロールプレイ ◆ElEQ6LfupE :2005/05/16(月) 13:18:50 ID:S50fZeAV
俺の見つけた役割。
それがとんでもないものだったと気づいた時には、もう引き返せなくなっていた。
…もしも。
もしも、この地獄に終わりがあるとするならば。
それは、この忌々しい帽子を他の誰かに譲り渡す時なのだろう。
俺は切に願った。
誰か、誰か、誰か………。
──そして、悲鳴をあげた。
「ギャアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」
165 :
既にその名前は使われています:2005/05/16(月) 13:24:42 ID:S50fZeAV
妬みとかじゃないぜ、ホントだぜ。
ただ、ちょっと書いてみたんだ。ホントだぜ。
m9(^Д^)プギャー
166 :
既にその名前は使われています:
m9(^Д^)プギャー