グラップラーFF

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112姐さん 対 妹 
クピピ
「奇跡のようなカードがここに実現しましたッッッ」
「ナナー・ミーゴvsアプルル」「姐さん盗賊vs手の院院長」「エロvsロリ」
「この対戦にこめられた期待は、実に想像を絶するものがあります!!!」

ミリー・ウォーリ(森の区タルガード)
「なんで僕が森の区でガードやってるか、わかる?」
他のガードたちA「えー」B「漢の道……みたいな」
――――ミリー・ウォーリに頭突きかまされるガードB。
ミリー・ウォーリ「アプルルたんのようになってみたかったんです。だから森の区で……。
         あの人の生き方を見てると、ミスラに食べられるかもしれないっていう覚悟も、
         女々しく思えちゃって」

ナナー・ミーゴ「大人の世界ってものを、教えてあげるわ」
カーディアン「ハジメィッッ」
ナナー・ミーゴ「!?」
113姐さん 対 妹:02/09/19 20:21 ID:+j//8B5M
――――試合開始と同時にいきなりのグラビデ。
ハエ・ジャッキヤ「やはりアジドマルジドの妹……魔道士かッ!」
クピピ「な、なんとグラビデなのです!!!
    レジストグラビティを持つシーフであるナナー・ミーゴに、
    なんといきなりのグラビデをやってのけましたのですーッ!!
    恐るべし院長! 見た目はロリロリ、中身はポケポケ!」
アジド・マルジド「ふっ」
クピピピ「小さな身体で見下ろしているッッ、攻撃を加えようとしませんアプルル!
     武器で攻撃を仕掛けません、魔道士の美学!!!」
ナナー・ミーゴ「魔道士の美学か、アハハハハ! 虫唾が走るわ。
        あんたたち魔道士に比べなくても、あたしたちシーフは遥かにえげつない」
        とにかくあんたは、最大にして最後のチャンスを失ったよ」
       (この女の魔法センスは計り知れない。
        アジド・マルジドと血を分けた兄妹という話……伊達じゃない!)
114姐さん 対 妹:02/09/19 20:22 ID:+j//8B5M
ナナー・ミーゴ「〜!!!」
――――無造作に魔法を唱えるアプルル。
ナナー・ミーゴ(な、何を考えてる? ここから単純に魔法を唱えるというのか……!)
――――ターゲットを外し、射程距離外に逃げようとするナナー・ミーゴ。だが。
ハエ・ジャッキヤ「グラビデが、効いているッ!」
――――アプルルのバインドがHit。
コーロ・ラコロ(スターオニオンズ(以下SO)団長)「ぜ、絶対回避ッ!」
――――とっさに発動させたナナー・ミーゴ。だが当然、魔法に絶対回避は無力。
ナナー・ミーゴ(か、回避が通用しないッッ)
クピピ「シーフの絶対回避が、アプルルの魔法の前に、あえなく砕け散ったのです!」
クピピ「さらに追撃、ブラインからバイオ、さらにパライズ――ッ!
    かろうじてパライズはレジストできましたが、
    魔法を受け続けるその姿に、盗賊ミスラの誇りはどこにも感じられないのです!
――――ナナー・ミーゴ、ここでとんずら開始。
115姐さん 対 妹:02/09/19 20:22 ID:+j//8B5M
クピピ「逃げたッッ! ナナー・ミーゴ、アプルルに対し明らかに背を向けましたのです!」
ナナー・ミーゴ(そう、負けるくらいなら逃げる。たとえどんなに惨めに見えても、
        あたしの行動のベクトルは全て勝利に向けられている。
        あと10秒……6、5、4、3、2、1……)
       「タイムリミットだァッ!!」
コーロ・ラコロ「戦闘中に姿を消して、いきなり背後に現れて不意打ちッ!」
SO団員「そんなのありー!?」

ソロでの戦闘中に、相手の背後に回っての不意打ち。
この、時間の関係で相手のHPが回復してしまい、扱いづらい離れ技を使用する、
ある孤独なシーフ(釣り士)を作者は知る。本人の希望により名は伏せるが、
回線切断を利用することを条件に、この技は、実在する!!
116姐さん 対 妹:02/09/19 20:22 ID:+j//8B5M
ナナー・ミーゴ(あんたの見せた魔道士の美学、心より感謝する。
        そして魔法にかける心意気、見損なっていたことを今ハッキリと認める!
        しかし、勝ったのはあたしだ!)
――――大ダメージを受けたにもかかわらず立ちあがるアプルル。
    ナナー・ミーゴ、ここで武器を構え……
コーロ・ラコロ「短剣の切り札、サイクロン!!」
SO団員「あんなの話できいたことしかなーい」
ナナー・ミーゴ(カ……カッタ━━━(゚∀゚)━━━!!!)

――――しかしアプルルも負けてはいない。手の院の魔道士に合図の視線を送る。
ナナー・ミーゴ「!!(゚∀゚)??」

バンッ!!(何かがナナーミーゴを弾き飛ばした音)

クピピ「さ、最新型カーディアン、10ofハート・アプルルカスタムなのですッ!」
ミーリ・ウォーリ「出たッ!」
117姐さん 対 妹:02/09/19 20:23 ID:+j//8B5M
クピピ「赤字につぐ赤字のなか、予算を度外視してつくられた最新型カーディアンの突撃。
    単純にして強力!! 手の院院長のアプルルの権限を利用して、
    はじめてできる作戦なのですッ!」
ナナー・ミーゴ(痛ァ……( ゚д゚)……)
クピピ「しかしアプルルのダメージも深刻なのなのですッ!」
ナナー・ミーゴ(思い上がってんじゃない、このチンピラ女)
       (こんなの金銭感覚ゼロのぽけぽけ女に苦戦する才能なしが、
        取り巻きにおだてられ、その気になり、いい気に名って姐さんなどと……)
       (ナナーミーゴ、あんたなんかPT希望を出しても半日立ちんぼがザラな、
        ただのミスラシーフなのよ)
118姐さん 対 妹:02/09/19 20:24 ID:+j//8B5M
ナナー・ミーゴ(その通り、ワカッてる、あたしはただの……)
       「なめんなよッ、あたしはウィンダスを牛耳る盗賊ミスラだッ!」
ハエ・ジッャキヤ「あのカーディアンに正面から殴り合うつもりかッ!」
ナナー・ミーゴ「あんた達とは、あんた達とは……」
――――さらに10ofスペードまで持ちだし、追い討ちを掛けるアプルル。
ナナー・ミーゴ(死ぬか……死ぬか、ナナー・ミーゴ)
119姐さん 対 妹:02/09/19 20:24 ID:+j//8B5M
クピピ「もはやなす術なし!! 万策尽き果てたのです、ナナー・ミーゴッッ!!
    シーフに最も適していると言われたミスラの最高レベルが、
    この、気まぐれでカーディアンを作りつづける外見少女に、まるで通用しないッ!」
ナナー・ミーゴ(なるほどねェ。勝てないワケだ)
       (なんか……理解ってきた……)
       (この人は……金銭感覚がないんだ)
――――いかにも金がかかってそうな高性能カーディアンに攻めさせ、
    マジックバーストを狙うアプルル。
ナナー・ミーゴ(あたしなんかのように……金のことなんか考えないもの)
       (気付くのが……遅すぎるんだァ)
コーロ・ラコロ「ミーゴの姐さんッッ!」
ナナー・ミーゴ(!?)
120姐さん 対 妹:02/09/19 20:25 ID:+j//8B5M
――――ナナー・ミーゴに熱い視線を送るスターオニオンズ団の全員。
コーロ・ラコロ「こんな事したって、余程の気のいい人にしか誘われないんだけどさぁ……。
        とりあえず、ワスプスティング100回ッ、構えッッ!!」
SO団員たち「エィッ!!」
コーロ・ラコロ「オリャッ!!」
SO団員たち「セリャッ!!」
コーロ・ラコロ「オリャッ!!」
ナナー・ミーゴ(いいシーフになれるさ……絶対に誰からも必要とされるシーフになれる……)
       「こんなふうにっ!!」
――――不意打ちコンボでカーディアン2体を粉砕するナナー・ミーゴ。
ナナー・ミーゴ「アプルル……決着をつけよう」
121姐さん 対 妹:02/09/19 20:26 ID:+j//8B5M
ナナー・ミーゴ「アプルルという本物を相手に、戦力を隠す愚を思い知った。
        あたしは地道にレベル上げることこそが、強者への道だと確信してた」
       「だが世の中は広い。あんたのような女もいる」
       「強くなるための努力自体を女々しい行為として、
        カーディアンを作りつづける強烈な信念」
       「一切の赤字に目をつぶり、性能のみを追求しつづけるその神経」
       「金策能力=戦力のあたしと、まるで正反対。ほんとうに凄かった」
       「今から使用するウェポンスキルは、野良カーディアン……
        エースカーディアンに試すハズのものだった」
コーロ・ラコロ「……」ハエ・ジャッキヤ「……」ミリー・ウォーリ「……」
ナナー・ミーゴ「すなわち、そいつらを一撃で退けたアジド・マルジド!
        あいつにたたき込むハズの技だったんだよ!」

ドゴゴゴゴゴゴゴゴォォッッ!!
122姐さん 対 妹:02/09/19 20:26 ID:+j//8B5M
ナナー・ミーゴ「いい音だろう」
コーロ・ラコロ「……拳が、見えない……」
ナナー・ミーゴ「不意打ちを利用し、必中の効果にDEXボーナスを加えてすべての拳を叩きこむ。
        パッチがあてられた今、高レベルのシーフ/モンクのみがこの奇跡を生む」
       「この最後の技をアプルル……あんたにこそ捧げたい!」
クピピ「格闘シーフの究極とも言える、ナナー・ミーゴ不意打ち乱撃ッッッ!!」
   「それをも耐えきる気なのですか、アプルルッッ!!」
ナナー・ミーゴ「アプルル倒れろッ、もう勝負はついたんだッ!!」
クピピ「さらに不意打ち乱撃ィッ!」
――――何十という拳を受けても、立ちつづけるアプルル。
ナナー・ミーゴ「なにが……なにがあんたを支える……意地か? それとも院長の面子か? 
       「その信仰にも似た精神力に支えられたHPも、次の一撃で0だ」
       「敗北を受け入れろ、アプルル。
        ここまで戦っただけでも十分、一流のキャラだ。これ以上あたしに……!?」
123姐さん 対 妹:02/09/19 20:26 ID:+j//8B5M
アプルル「……たった一夜の……お守りで……一夜で稼ぐ……はずなのが……」
クピピ「あーっとアプルル、ここではじめて腕輪でガードしたのですッ!!」
――――そして……笑みさえこぼれるアプルル。しかしその笑みは……


クエスト名「伝説の大作戦」
 赤字に悩む手の院の為に、お守り“無臭の腕輪”を作り、危険な夜も外を出歩く旅人に売って、
 利益を得ようとした作戦。必要な素材は反魂樹の根、狼の毛皮、夜光布の3品。
 いずれも夜間に出没するモンスターが持つアイテム。
 だが、冒険者が夜間のモンスターを狩りつづけたおかげで、
 お守りが不要になってしまったというオチがつき、以後「伝説の大作戦」と称し、
 教訓として、現在も語り継がれることとなる。
124姐さん 対 妹:02/09/19 20:28 ID:+j//8B5M
たった一夜のお守りで 一夜で稼ぐはずなのが
       旅の戦士が狩り尽くり たった一夜で売れ残り

50個100個と作っても 1個も売れぬ“お守り”が
       とうに1000個を数えても されども売れぬ“お守り”が

とうに在庫は山になり バカ一代の“大作戦”
                                アプルル

――――乱撃を受けとめ、砕け散る無臭の腕輪。
    穏やかな笑みを浮かべ、崩れ落ちるアプルル。

コーロ・ラコロ「……」  ハエ・ジャッキヤ「……」
ミリー・ウォーリ「……」  アジド・マルジド「……」
クピピ「勝負ありッッッ、なのですッッッ!!」
125姐さん 対 妹 決着!:02/09/19 20:29 ID:+j//8B5M
――――退場後、通路にて。
コーロ・ラコロ「かっこよかったよ、盗賊ミスラッ!」
ナナー・ミーゴ「3度・・・・・・アプルルがあたしに勝つチャンス―――
        少なくとも3度はあった。たった1度勝つために3度も負けたのよ」
コーロ・ラコロ「まッ、それでも勝ちは勝ちだよッ」
ナナー・ミーゴ「そんな心境には、とても。でも……あんたたちにはわからないだろうけど、
        こういう正面きって戦うのもいいものね」
「なに今ごろそんなこと言ってるんだよー。
        そんなことスターオニオンズ団は、みーんな知ってるんだぞ」
ナナー・ミーゴ「イヤ……今まで誰もそこまで、あたしを燃えさせなかったというか、
        あんたなんかと違って……生粋のシーフだから」
コーロ・ラコロ「ふぅん……よっと」
――――アプルル・カーディアンに深手を負わされた尻尾をつかむ、コーロ・ラコロ。
ナナー・ミーゴ「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ」