【人の温もり】FF11ちょっといい話3【大切にしる】
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既にその名前は使われています:
吾輩はゴブある。名前はまだ無い。
どこで生れたかとんと見当がつかぬ。
何でも薄暗いじめじめした所でゴブゴブ泣いていた事だけは記憶している。
吾輩はここで始めてガルカというものを見た。
しかもあとで聞くとそれは禿ガルというガルカ中で一番獰悪な種族であったそうだ。
この禿ガルというのは時々我々を捕えて煮て食うという話である。
しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。
ただ彼の掌に載せられてスーと持ち上げられた時何だかフワフワした感じがあったばかりである。
掌の上で少し落ちついて禿ガルの顔を見たのがいわゆるガルカというものの見始であろう。
この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。
第一毛をもって装飾されべきはずの頭がつるつるしてまるで薬缶だ。
その後ゴブにもだいぶ逢ったがこんな片輪には一度も出会わした事がない。
のみならず顔の真中があまりに突起している。
そうしてその穴の下の穴から時々たらたらと赤い水を垂らす。
どうも不気味で実に弱った。
これがガルカの食べるタルタルの血というものである事はようやくこの頃知った。