【ゴブリン】獣人達への私怨を語るスレ【ヤグード】

勝手に>>398の続き
あれから数年、ナナシのゴブは弱い冒険者を狩り続けアイテムを奪いそのアイテムを売ったギルで酒と博打にはまり今では立派なゴブギャンブラーになった。
とある日の夕暮れ････｡
黒樽「<t>にやられる！たすけて！」
ｷﾞｬﾝﾌﾞﾗ「黙って死ぬゴブッ！」
逃げ出す黒樽に向かって慌てず騒がず取り出した爆弾を投げつけるゴブ。
少し離れた場所で爆弾の破裂音と黒樽の「ｷﾞｬｰｰｰｰｰｽ!」の悲鳴が聞こえる。
ｷﾞｬﾝﾌﾞﾗ「弱いくせに独りで歩いてるからこんな目にあうゴブ。サッサと身包み剥いで売ったギルで博打するゴブ。」
そう呟きながら倒れた黒樽の懐を漁るゴブ。
「たいした物持ってないないゴブ、はずれゴブ････ん？」
タルの懐から出てきたものは古いイチイの釣竿だった。
「バンブーロッドじゃたいしたギルにならないゴブ、しかも手元にキズがついてるゴブ」
何気なく竿に付いたキズを眺めてみるとキズではなくどうやら何か彫ってあるらしい・・・・。
「何だゴブ？なになに････ゴブ吉6歳へ父ゴブ太郎より････!!!!」

あまりの衝撃に釣竿を落としそうになるｷﾞｬﾝﾌﾞﾗ、そしてフラッシュバックする遠い日の記憶･･･。
父ゴブ太郎の死んだ日に････

ゴブキャンプの焚き火に火がともり始める遠い昔の夕暮れ････
ゴブ吉「あ！とうちゃん、お帰りっ！」
ゴブ太郎「あぁ、今けぇったゴブ････」
妙にフラフラしながらおぼつかない足取りで佇む父ゴブ太郎。
ゴブ吉「どーしたの、とうちゃん？あ、いっぱい釣れたから途中で飲んできたゴブ〜？しょ〜がないゴブ〜」
ゴブ太郎「ヘヘ、そんなとこゴブ、そーいやゴブ吉、今日お前の誕生日ゴブ？」
ゴブ吉「え？とうちゃん、覚えていてくれたんだ！」
ゴブ太郎「当たり前ゴブ・・・でもとうちゃんお前にプレゼントするはずだったバンブーロッドうっかり川に落としちまってよ・・・」
ゴブ吉「え〜釣り竿ほしぃゴブ〜」
ゴブ太郎「わがまま言うなゴブ、その代わりこの物干し竿をお前にやるゴブ」
ゴブ吉「え？その竿はとうちゃんがじーちゃんにもらった大切な物干し竿じゃないゴブか？」

ゴブ太郎「あぁ、そうだ、じーちゃんにもらった大切な竿だが、もう大分古くなったからな、隣のキャンプのゴブ助に新しい竿を頼んだからこれはお前にやるゴブ」
ゴブ吉「やったぁ！とうちゃん、ありがとうゴブ！大切にするゴブ！」
ゴブ太郎「あぁ、大事に使えばまだまだ使えるからな、もう少しお前が大きくなったら使うゴブ」
ゴブ吉「わかったゴブ！イチイの竿でいっぱい練習してうまくなるゴブ！」
ゴブ太郎「よし、じゃ明日ゴブ助が竿をもってきてくれるから早めに寝るゴブ」
ゴブ吉「は〜い、お休みゴブ」
ゴブ太郎「あぁ、お休み、お前にあげた物干し竿とうちゃんだとおもって大切にするゴブ････」
そして焚き火の前に座り込んだとうちゃんは二度と立つことはなかった････。
翌朝目が覚めるとゴブ助さんがいた。ゴブ助さんは泣いていたゴブ･･･｡

とうちゃんは冒険者に襲われて瀕死の重傷を負って倒れていたところをゴブ助さんに助けてもらったそうゴブ。
もう自分が助からないと分かったとうちゃんはゴブ助さんにオイラのことを頼んで自分の足でうちに戻ってきてオイラに竿を託したんだゴブ・・・。
ゴブ助「さぁ、もう泣くな、ゴブ吉。おめぇは今日からおじちゃんの子だ。死んだおとうちゃんに負けない立派な釣り師になって死んだおとうちゃんを喜ばせてやるんだぞ！」
ゴブ吉「うん、オイラ立派な釣りゴブになる！とうちゃんに負けない立派な釣りゴブになるよ！」

涙が溢れた。
あの日とうちゃんが川に落としてなくしたと言っていたバンブーロッドはあの日とうちゃんを斬った冒険者に盗られていたんだ。
なんとか盗られずに隠せた物干し竿をオイラに託し、あんな嘘までツイテ・･･･。
巡りめぐって今やっと息子の元にたどり着いたバンブーロッド。
バンブーロッドを手に近くの川にいくｷﾞｬﾝﾌﾞﾗｺﾞﾌﾞ吉･･･。
何度も何度もバンブーロッドを振り続ける････。
物干し竿を盗られたあの日から止まった時間を取り戻すかのように真っ赤な夕日に向かって何度も何度も振り続ける･････。
ゴブ吉「帰ろう････とうちゃんがいたあの川に帰ろう････。」
それからｷﾞｬﾝﾌﾞﾗゴブ吉を見たものはｲﾅｲ･････。

ｸﾞﾊｯ、>>476のイチイの竿はﾊﾞﾝﾌﾞｰﾛｯﾄﾞの間違いｺﾞﾌﾞ････
逝ってくるｺﾞﾌﾞ････