【ゴブリン】獣人達への私怨を語るスレ【ヤグード】

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383名無しのゴブ
一匹のゴブがいる
名前はない。彼は漁師であったが、心無いシーフに全ての竿を奪われ
命からがら逃げ出したものの、家宝の竿を失い、漁師ギルドからも
破門され、ゴブリン社会から完全に疎外されていた。
彼はコンクエに参加することもできず、ゴブとしての誇りも奪われ、
失意の日々を過ごしていた。竿を無くしてもなお、哀しいかな
彼はいつもの習慣で水辺に沿ってヴァナ・ディールを放浪していた・・・
384名無しのゴブ:02/07/09 16:40 ID:3TqBAlY3
ある日一匹の釣りゴブが釣りをしているのに出会う。
名無しゴブ:「・・・・・今日も絶好の釣り日和ゴブね」
釣りゴブ:「・・・なんだ、オマエ、仕事もしないでうろうろしてるのか」
名無しゴブ:「人間どもに竿を奪われて・・・・」
釣りゴブ:「ふんっ、負けゴブか。そんな奴が近くにいちゃ釣れないゴブ」
名無しゴブ:「・・・・( ´・ω・`)」
名無しのゴブには、立ち上がり離れていく釣りゴブを悲しそうに見守ることしかできなかった

と、その釣りゴブの後ろに忍び寄る人影を見た。
その動きは、まぎれもなくシーフ!
悪夢が甦る。バッグを突き抜ける背中への鋭い一撃、その痛みを忘れることは出来ない
名無しゴブ:「ゴブーーーーー!!!」
とっさに叫んでいた。こちらを振り返る釣りゴブ、そして同じくこちらを向いた、凍りついたシーフの顔。
しかし戦いを見届けることなく、名無しのゴブは走り去っていった。
385名無しのゴブ:02/07/09 17:08 ID:3TqBAlY3
既に月が高く昇っていた。いつものように池の近くにキャンプを張るゴブ。

名無しのゴブ:「・・・・あいつ、助かったかな? ( ´・ω・`)」
はぐれゴブは戦うすべを持たない。彼が持っている唯一の武器は、
魚を捌くための小さなナイフ一本だけだった。しかし彼には、その魚ももう手に入れることはできない。

名無しのゴブ:「・・・・全然悲しくななんかないゴブ。・・・・・そうだ、こんな時は釣り歌を歌うゴブ!」
釣りゴブに代々伝わる歌を陽気に歌いだすゴブ。しかしマスクに隠れたその目からは、次々と涙が溢れていた。

と、後ろでがさがさと草を掻き分ける音が鳴った。
名無しゴブ:「だ、誰ゴブっ!?」
声:「・・・・俺ゴブー。昼間は・・・悪かったゴブ。おかげで助かったゴブ」
そこには、昼間出会った釣りゴブが大きな魚を手にぶらさげて立っていた。
釣りゴブ:「良かったら・・・この魚で一杯やらないゴブか( ´・ω・)」

その夜、名無しのゴブは久し振りに魚と仲間を味わうことができた・・・