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『“分配の政治”というネズミ講』
★☆★《民主党のバラマキで国は財政破綻!》★☆★
上武大学大学院経営管理研究科教授 SBI大学院大学客員教授 池田 信夫
民主党のマニフェストが発表されたが、その内容は旧態依然たる分配の政治である。
こういう「政策転換」は、30年ぐらい前に「革新自治体」が、
「大資本中心の政治から福祉中心に!」とのスローガンのもと、
老人医療の無料化など、巨額のバラマキ福祉が行なわれた。
その結果は、放漫財政と公務員のお手盛り昇給と財政破綻だ。
それでも自治体は、起債の限度があるため、破綻が早く来やすい。
国の場合は問題を先送りできるので、夕張のようになるのは10年以上先だろう。
しかし、破綻したときは取り返しがつかない。IMFも指摘するように、
消費税を30%から60%ぐらいに上げないと、公共サービスが維持できなくなる。
日本経済の停滞によって再分配すべき原資が減り始めた状況で、
今後も再分配を続けるには、将来世代から現在世代への所得移転が必要になる。
団塊世代からロスジェネ世代への「つけ回し」のネズミ講はいずれ破綻する。
日本経済が本当に夕張のようになるまで、政治家にはわからないだろう。
しかし、マーケットはそれを知っている。もう概算要求も出た段階で、
鳩山政権が歳出削減をやろうとしても、官僚のサボタージュで来年度予算も大幅な赤字になるだろう。
それを見越して、長期金利がじりじり上がり始めている。国債が増発されたら、
資本逃避やインフレが起こるおそれも強い。民主党がマニフェストに明記した
「製造業の派遣禁止」が実行されたら、製造業は工場を海外に移転し、雇用はさらに減るだろう。
今問われている争点は、どうやってこの鼠講を終わらせ、福祉の原資となる成長を維持するかという事で、
民主党の「官僚中心の政治の転換」などというのは、その“手段”であって“目的”ではない。